地方行政委員会 第34号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/07/23
会議録
○門司委員長 それでは、これより会議を開きます。 最初に、本委員会におきましてはこの閉会中、地方自治の運営、地方財政再建及び町村合併に関し実情調査のため、議長の承認を得まして委員を東北地方、北陸地方及び四国地方に派遣いたしたのでございます。この際派遣委員より、それぞれその御報告を求めたいと思います。 まず第二班、北陸地方においでになりました丹羽兵助君にお願いをいたします。
○丹羽委員 私は国政調査の北陸班を代表して、調査の概要を御報告いたします。 北陸班は纐纈、丹羽、徳田、加賀田の四委員と圓地専門員の五名でありまして、六月十二日から同十五日まで、新潟県及び福井県について調査して参りました。調査の目的は町村合併、地方財政その他の事項でありますが、新潟県は財政再建団体でありますので、特に赤字財政の再建に関する事項に重点を置き、福井県は、町村合併について紛争があって、現に問題が多いので、特に町村合併の事項に重点を置いてそれぞれ調査をいたしたのであります。 新潟県の町村合併の実情は、国の計画以上に合併が行われており、これに関する紛争も大したものはなく、建設計画については、合併当初の計画を再調整して、堅実にして効果的な計画に改め、円滑な実施に乗り出しているので、相当の実績を上げているものと見られたのであります。 財政再建計画は、再建団体として昨年七月七日自治庁の承認を得たもので、期間は三十九年度までの九カ年という長期にわたるものであります。それは、新潟県は赤字県として全国でも有数のものであって、昭和二十九年度において約二十四億七千万円の赤字が見込まれたのを極力整理に努めて、昭和三十一年度持ち越された赤字は二十二億二千四百万円となっているのであります。それに対する再建計画は、十八億九千万円を再建債とし差引額三億三千四百万円と再建債元利償還額二十六億八千三百万円とを、税等の歳入増と消費的経費の節約等の歳出減によって解消しようとするものでありますが県当局の努力の結果、昭和三十一年末の実質収支決算は、おおむね黒字になる見通しであります。 再建計画の実施については、圧縮された財政で必要限度の行政水準を維持するために、量の行政から質の行政への変換が行われていることが特色であり、そのために機構の改革、人件費及び物件費の節減を思い切って実施を見ているのであります。人件費については昇給延伸、旅費引き下げ等のほかに、人員縮減として希望退職で一般職員七百三十九名を減じたということであります。物件費についても一般需要費の三割削減を断行し、全国平均及び近隣県と比較して格段の大幅節約を行なっております。 なおこれは新潟市とも関連いたしますが、新潟大火の復興事業や新潟海岸の欠壊防止事業等、他府県に見られない災害復旧事業を考えますと、新潟県の財政再建は容易ではないのでありますが、それにもかかわらず、県の将来に対する見通しは明るく、また当局の努力も活発明朗なものがあるのは、まことにけっこうであると思いました。 次に新潟市については、元来赤字の上に、一昨三十年十月の大火で復興事業に巨額の需要を生じたのでありますが、自主再建によりこれが解消に努力し、その結果昭和三十一年度決算見込みではほぼこれを解消し得るところにこぎつけておるのであります。なお新潟の大火にかんがみて、特に消防力及び防火対策について調査いたしましたが、消防力については、組織、人員、機械等が充実を見ており、ことに消防通信施設がよくなっております。また消防対策については、火災予防のほかにさらに被害の拡大阻止について、消防活動以外の方法を講じでいることが注目すべきものと思いました。すなわち町内自治会その他の組織を通じて、市民総消防の態勢を強化し、建築物の不燃化、防火設備等を拡充するとともに、予防査察を徹底的に実施していることであります。なお新潟海岸の欠壊とその防止事業についても親しく現状について視察いたしました。 次に福井県は財政上黒字の県でありまして、実質上の赤字が多少あるにしても大したものではなく、もとより再建団体ではありません。問題はむしろ町村合併にあるのでありまして、われわれの調査もまた主たる目的をここに置いていたのであります。 福井県の町村合併は、当初百四十六カ町村あったものが、昭和三十二年六月三十一日現在で百八カ町村が減少して、合併後四十五市町村となり、進捗率は九三・九%であって、全国進捗率の九〇%をはるかに上回っておるのであり、成績はむしろよい方であります。ただ合併についてあまりに紛争が多く、いまだに解決の困難なものがあるというところに特色があるのであります。 これまで紛争のあったものをあげますと、鯖江市、鹿谷村、河田村、美山村、大安寺村、浜田郷村、白山村、国見村、石徹白村等十数件に及んでおり、その一部はすでに解決を見ましたが、まだ未解決のものがあるのであります。 そこで私どもは現に紛争中のもので、これまで本委員会に陳情のあったものなど、特に問題のあったものにつき、紛争当事者の双方の代表を県庁に来てもらいまして、親しく事情を聴取したのであります。その一々について報告することは省略いたしますが、県当局並びに紛争町村の対立する双方の説明及び言い分を聴取いたしました結果、福井県のこれらの紛争自体に、他の府県のそれとは多少異なる共通的特色のあることが看取されたのであります。すなわち合併計画の策定については、県当局、関係町村並びに町村合併促進審議会等に、手続上非常に無理があったとは考えられないにもかかわらず、一たん決定したことが、その後に至って幾度も変転し、そのたびごとに紛争が悪化している傾向のあることであります。 これは当時県下の未合併町村の多くに、合併の恣意性を強く打ち出して、県の合併計画反対を目的とする自主合併同盟の活動などがあって、合併意欲を著しく減殺するという悪影響を与えたこともあって、町村民多数の意見と称せられるものが、絶えず一部の策動によって動揺していることと、関係町村当事者の互譲精神において、欠くるもののあることが、私ども第三者として看取されたのであります。また石徹白村のごとき、府県の境界にわたる合併についても、同様のことが言えるのではないか。いずれにしても合併計画そのものは、客観的に見て大してめんどうなものとは考えられないのでありまして、要するに関係当事者が、もう少し互譲の精神と、協力の態度で十分の審議をすれば、その解決に何ら問題がないのではないかと思われたのであります。しかしこれらの紛争も、今日ではおそらく最終段階に入ったものと考えられますので、当事者もやがて冷静に立ちかえられて遠からず解決されるものと見て参りました。 なお町村合併の効果及びその影響については、町村の規模が拡大強化されましたので、経費の節減、組織及び運営の合理化等は漸次実現を見ており、郵便電信等の区域の変更がおくれているための不都合等があるけれども、これは新市町村の一体性の保持発展に伴い、おのずから解決する問題でありまして、これは福井県に限ったことではないのであり、その解決は新市町村建設促進法の実施と相待って時間の問題であると見て参りました。 はなはだ簡略でありますが、以上をもって報告といたします。
○門司委員長 それでは次に第一班の東北地方の報告を北山愛郎君にお願いします。
○北山委員 それでは東北班の報告を便宜私から申し上げます。 本班は、当初鈴木直人君と川村継義君の両君が行かれる予定でありましたが、両君とも御支障ができましたので、青木正君と私がかわって調査に参ったのであります。今回の調査は、現在最終的段階にきておる町村合併の一般的な成果に関する調査と、最近ようやく軌道に乗って参りました地方財政再建の実情、特にその行政水準に及ぼす影響の調査を主要な題目といたしましたので、この観点から東北班におきましては、再建促進法による再建団体である秋田県と、自主再建団体である青森県との二県、並びに秋田市、中鹿市、能代市、青森市、及び黒石市の五市を対象として調査を行なったのであります。 われわれ一行は曽根調査員を伴い、六月二十四、二十五、二十六の三日間にわたり、両県庁並びに各市役所を訪問し、また八郎潟の干拓工事の現場等の視察を行なって、二十七日帰京いたしました。各団体ともそれぞれ詳細かつ適切な資料を準備せられ、調査に多大の便宜を供せられたのでありますが、その一々につき御報告いたしますことは煩瑣でもありますから、ここでは簡単に現地で得ました印象や、問題点などを若干申し上げてみたいと思います。 まず秋田県の財政事情から申し上げますと、本県の二十九年度の赤字は十五億円に達し、その額からいいますと全国赤字府県の第五位に位し、さらにこれを県税収入との比率で見ますと、同年度の税収九億七千万円に対して約一・五倍に相当し、徳島県、福島県の約一倍をはるかに上回って全国第一の赤字県ということであります。従って再建期間も十年という長期にわたっているのでありますが、再建の前途は容易ならぬものがあると思われました。本県は人口約百三十五万、面積一万一千方キロ、有数の米産県として農業従事者が全就業者数の五五%を占め、工業は製材、製紙、石油精製等のほか見るべきものがなく、交通、工業用水等の立地条件に恵まれないため、工業発展の可能性も乏しい、まさに典型的な農業県であります。しかも本県の農業は積雪寒冷の単作経営を主体とした米作一本にたよる低収益農業であり、従って県民所得も全国平均の六、七割程度といい、一方法人所得の占める割合はわずかに一・三%で、全国の最低位にあるなど、県財政の基盤そのものがきわめて脆弱である上に、年々風水害、冷凍害、火災等の災害に見舞われ、しかも有数の供米県たる責任上農業生産力の早期回復のため、国の承認額をはるかに上回る仕越し工事を実施しなければならないというようなことも手伝って、膨大な赤字をかかえ込むに至った事情は同情にたえないものがあるのであります。 第一に県税収入が人口百人当り六百円程度で全国平均の四〇%、総歳入中に占める税収の割合は僅々一〇%程度であり、従って財源の八〇%余を国庫に依存するという形であって、自主財源の極度の乏しさは、もはや自治体とはいいがたいところまできているのであります。県当局が自主財源の強化と、地方団体相互間の財源の再配分について根本的な改善措置を要望していましたのは、未開発地域一般の問題として早急に考慮する必要があると痛感したのであります。 再建計画の実施により、財政事情は若干好転して三十一年度の決算見込みでは当初予想した二億円余の単年度赤字が千六百万円程度の黒字になると見られているのでありますが、これも災害土木費の未認証とか、国庫補助の減少とかに伴う不用額があったり、政令指定事業が八六%に押えられたりしている結果であって、行政水準の低下の犠牲において、かろうじて赤字を免れたというに過ぎません。しかも計画期間中は約一割の超過課税を余儀なくされ、再建債分を含む公債費の累増が著しく、三十一年度には県税収入の実に八三%に及び、本年度の特例措置によって一億二千五百万円程度は助かるようでありますが、昇給昇格は予算に計上できないという苦しい実情でありました。本年度の指定事業は十一億円で、昨年度より三億円程度増額され、主として道路の舗装新設に向けられるとのことでありますが、道路の未改良延長が九一%という東北六県中でも最悪の水準にある本県としては、この程度の経費ではとうてい後進性の脱却に寄与するものとは思えないのであります。県としては後進県に対してはこの指定事業の基準の引き上げや公共事業費の配分に特段の留意を希望し、また今回成立を見た東北開発促進法に多くの期待をかけているのであります。特に昨今の財政投融資繰り延べのしわ寄せが、地方団体に及ぶことのないように強い要望がありました。 以上秋田県の再建事情とその問題点を述べたのでありますが、青森県に参りましても人口、産業構造、財政規模など諸般の事情は秋田県とほとんど同様であり、三十一年度歳入面で県税収入と使用料、手数料が合せて二億円程度多く、歳出面で公債費が二億円程度少いというくらいの差があるだけであります。 本県は三十年度末の赤字四億七千万円で、額もあまり多くないのと、県民性もあって、当初から自主再建の方針で進み、本年三月再建計画について自治庁長官の承認を得たのでありますが、三十一年度には米やリンゴの豊作、水産業等の好況等の影響で、税収の伸び、雑収の増加があり、地方交付税の態容補正の改正による二億円の増加もあって、消費的経費の節約と相まって、単年度二億円の赤字解消が予想されました。しかしながら公債費は年々七、八千円の増加となり、三十二年度は六億二千万円に達するといい、東北開発関係の事業量の増加、給与改訂、その他行政水準の維持向上に要する経費の必要など、前途の困難は容易でないと見られます。 なお東北開発促進法の施行に伴って各種事業の高率補助の適用を受けるためには再建法の準用に切りかえる必要があるので、去る六月八日自治庁にその承認方を申請したとのことでありました。 次に、両県の町村合併の状況を若干御報告いたします。 秋田県では国の計画に対して一〇〇%、県の計画に対しては九四・五%を達成し、残る八ブロックに対しては知事の勧告を行なっていますが、県の方針としては、強制的でなく実物教育によって漸次促進せしめたいということでありました。境界変更の問題は今までに三十五件あり、現在十三件が未解決で、これらはいずれも調停に付しており、一、二カ月後には結論が出るであろうということでありました。全体として本県の町村合併は比較的円滑に進行したという印象でありました。町村合併を通じて住民の自治意識が高揚せられ、地方団体の行政に対する住民みずからの積極的協力態勢が促進され、東北の後進性を挽回するため農業経営の合理化を目途とする建設計画が進められているということでございました。ただこれらの建設への意欲の盛り上りにこたえるためには財源があまりにも乏しいということが、全体を通じての大きな悩みであり、国の建設補助金の交付が本年度は十六市町村にとどまっておりますが、これをすみやかに全市町村に及ぼし、割当の額も増額してほしいという県側の切なる要望はまことに無理からぬところと考えます。ことに林業県たる本県は、国有林野が総林野面積の半ばを占めており、町村合併を記念して財政力増大の見地から造林事業を取り上げる向きも少くないのでありますが、国有林野の払い下げが遅々として進まないということであってこれは極力促進すべきものと感じて参りました。青森県においては、合併の進捗率は国の計画に対しては一〇七%、県の基本計画に対しては七九・一%、知事の勧告を行なったもの十七町村、うち二町村は合併を実現し、三町村は交渉進行中ということでした。また境界変更で住民投票に付したものは十地域に及び、うち一件は中止、一件は訴松中、不成立五件、成立三件、また調停に付した地域は十四件、うち五件は現在調停中であるという状態でありました。県民性のしからしめるところか、流血の惨事もあったようであります。目下懸案中の事案で、弘前市と石川町との合併問題があり、これは内閣総理大臣との協議もととのい、合併処分申請の手続も済んだにもかかわらず、郡境を越える合併のため県議会議員の票数に影響する等の理由から県議会ではこれを否決したのでありますが、知事は法の命ずるところに従って合併勧告を行うという全国にも初めての珍しいケースが起っておりました。 新市町村建設の一面では、施設補助の対象町村は十五町村、金額は二千八百万円ということで、秋田県と同様その拡充が希望されていました。二十九年度、三十年度の建設事業計画は県内総計十三億円に達し、実施は八億七千万円、約六六%程度にとどまっているようでありました。いずれの県につきましても町村合併の成果はなお今後の努力に持つべきものが多いのであります。 市の状況についてはこの際割愛いたしますが、一言申し添えておきたいことは、水道の起債の問題であります。新市でもあり債権団体でもある男鹿市に参ってみますといまだに水道がなく、中心部の一部住民が工業用水を飲料に供しているという気の毒な現状で、ようやく本年度から水道工事に着手するということであり、また能代市はたび重なる大火に見舞われて、ようやく二十八年度に起債の許可があり、来年度送水の運びであるといい、市長はせめてあと一千万円の起債が認められれば、本年中にも一部送水ができるのだがと残念がっておられたのであります。大館市なども同様の事情にあるということでありましたが、せめて市としての最低限の施設であり、しかも最もこれを必要とする地域には、水道くらいは何とか重点的に起債額を許可すべきではないかと感じて参ったのであります。 なお能代市大火の復興は予想外に進捗しており、防火帯の造成に努力中であり、風向きに交叉して南北に三十メートル道路二本と簡易耐火住宅の帯を一本造成中でありました。幸い換地等も円滑に進み復旧は順調のようでありました。 以上はなはだ雑駁でございますが御報告といたします。(拍手)
○門司委員長 次に第三班の四国地方の御報告を永田亮一君にお願いをいたします。
○永田委員 四国班の調査概況を御報告申し上げます。 四国班は初め委員吉田重延君、徳田與吉郎君、中井徳次郎君の三君が行かれる予定でありましたが、後徳田君は北陸班に加わり、他の二君は事情のため出張できなくなりましたので、今村委員及び永田がこれに当ることになつたのであります。 今回の四国班は調査の対象を高知、愛媛の両県としたのでありますが、六月十八日東京を出発した今村委員と丸山調査員とは、翌十九日朝神戸で永田委員と落ち合い、道を淡路にとりました関係上、兵庫県庁を訪れ、金井副知事、原口神戸市長とも会談する機会を得、四国と本州を結ぶ連絡路としての淡路島、将来における四国地方の開発と阪神地方の経済、産業、文化との関係等についても現地視察を行う便を得たのであります。 淡路南端の福良に一泊、翌二十日早朝鳴戸海峡を渡り、途上徳島県庁に立ち寄り、東郷副知事とも短時間ながら会談いたしました。同県庁の案内により吉野川の上流に向って徳島平野を視察しつつ阿波池田に到着、ここから汽車によって県境を越えて午後二時高知に着き、直ちに県庁及び高知市を訪問、調査の後、海岸地区を視察いたしました。 翌二十一日、高知発、県の西北部を視察しつつ松山に向い、佐川町を経て越知町から仁淀川をさかのぼって、四国山脈を横断し、午後三時松山着、直ちに県庁及び松山市を訪問いたしました。翌二十二日宇和島市におもむき、市長以下と懇談し、雨天でありましたが港湾施設等を見学して同地に泊り、翌二十三日朝宇和島発帰途につき、日程を終了しました。 調査事項は他班と同様で町村合併と財政状況を中心とし、その他は当委員会で問題となっておりましたような地方自治及び警察消防に関する諸問題でありました。調査資料は調査室に一括整備しており、必要に応じて委員各位のごらんを願うこととし、ここにはただ二、三の印象を総括的に御報告するにとどめたいと存じます。 高知県では溝淵知事が不在であり、また当県では副知事が置いてありませんので、菊地総務部長がもっぱら応待し、細部については所管課長の説明がありましたが、警察本部長や県議会事務局長等も列席し、提供された資料も調査項目の全般にわたり、詳細かつ丁寧に調製してあり、調査を受ける県の態度はをきわめて誠実かつ協力的であると感じたのであります。 木県は財政上決して富裕な団体ではなく、節約その他支出の抑制により、かろうじて黒字団体となっているのみで、財政規模は歳入九十億円にすぎず、しかもその財政構造は歳入の一割が税収で、その他はすべて国庫支出金や起債に依存している実情でありますが、本県は地形上四国山脈の南側前面にわたって山岳地帯となっており、面積は広大で行政費は割高となり、交付税の未開発地域補正が講ぜられても、その補正は完全には行われないので財政上不利を受けるとのことであります。 総務部長のいうところによりますと、本州はこのように自己財源が乏しく、国に対する依存度が高いので、勢い政府の方針には全面的に協力し、その指導は百パーセント順奉しており、たとえば本県としては必要な地方事務所の廃止も率先これを断行し、職員給与の昇給延伸も九〇%励行する等誠意を示して国の援助を期待しているとのことであります。 本県の町村合併は、県計画の八二%を完成し、国の計画の一〇〇%を成就しております。知事勧告の行われたものは九ブロックあり、合併困難の障害として特色あるものは、本県は奈良県と相並んで同和問題地域の存するところであることであります。 新市町村建設については、国費補助の不足を補うために、県単独で昨年は一千万円補助し、本年度も当初六百五十万円を予算に計上し、さらに相当額追加する予定であるといっております。 警察関係では十六署、警察官九百五十人の定員をもってよく機能をあげており、低かった犯罪検挙率も昭和二十九年の警察制度改革以来上昇して、今や全国平均を越え、高木本部長の言うところによれば一二〇%の成績をおさめているとのことであり、警察署の増減については町村合併完成の後は将来二カ署を減ずることができるが、人件費については国と県との連帯支弁によるか、あるいは全額国庫負担の実現を希望し、少くとも警部補以上は国庫負担にしてほしいとの意見でありました。 高知市は氏家市長が熱意を持って市の復興と建設に当っておりますが、本市の財政上の特色は、昭和二十一年の南海地震による地盤沈下のため、下水道事業に毎年一億円の巨費を要するが、これは特別交付税の対象とならないこと、及び県下の失業者が集中して民生事業が市の大きい負担となっていることであります。工場誘致にも努力はしているが、立地条件が整わず、港湾の改修を必要としますが、これがためには約五十億円の巨費を要するとのことであります。 愛媛県は久松知事が外遊中でありますので、成田副知事以下と対談いたしました。本県はいわゆる一部適用の財政債権団体であります。赤字額は五億円、当初再建計画年数は、五年でありましたが、四年に短組しました。昭和三十一年度には単年度としては黒字を出すに至り、再建は順調に進んでいるようであります。しかしながらこのためには自動車取得税や大税の創設による増税、旅費や超過勤務手当等の半減等、給与の切り詰め、二回にわたる昇給延伸等の措置を講じており、全国的に見て給与の低位にある本県としては、このような状態を長くこのまま続けられないとのことでありました。 本県の要望としては再建団体も他の普通団体並みに一般起債を認められること、一部適用の団体、すなわち再建債を起さない再建団体にも指定事業の国の補助率引上げの恩典に浴せしめることがあげられましたが、また税収の伸張度は予想ほどでないから交付税の増額が必要であるとの意見でありました。 町村合併は、国の計画の一〇五%、県計画の八八%を成就し、未合併町村は十地区二十六町村あり、四カ町村を除き知事勧告を行なったのでありますが、人口四千人くらいの合併不可能町村の対策はどうするか、交付税の算定などは同等に扱ってほしいとの要望がありました。なお本県には広島県との間に州境にわたる町村合併給与が一件あり、目下中央機関の調査中に属するようであります。 職員関係では、今回の公務員給与改心は、高知、愛媛両県とも九月の県議会にかけて一号俸昇給させる予定であり、また停年制の問題については、勧奨退職により年々整理してきたが、これは停年制実施を前提として勧奨した手前、国会で地方公務員法の改正が成立つしなかったことははなはだ遺憾であって、全国の総務部長は涙をのんだとは高知県総務部長の語るところでありました。 なお、松山市では黒田市長、宇和島市では中村市長から状況を聴取しましたが、両市については時間の関係もありますので、これを省略し、以上をもって四国班の調査概況の報告といたします。
○門司委員長 以上をもって各派遣委員よりの報告を終ります。別に質疑の通告もございませんので次に移ります。 —————————————
○門司委員長 次に地方自治及び地方財政について調査を進めたいと思います。地方公務員の給与改訂について藤井行政部長より報告の申し出がございますのでこれを許します。藤井君。
○藤井説明員 地方公務員の給与改訂の実施状況につきまして概況の御報告を申し上げたいと思います。 先般の国会で国家公務員につきまして給与改訂の法律措置が講ぜられたのであります。これを受けまして地方公務員につきましても国に準じた措置をなるべく早急に実施いたさせたいということで、いろいろ準備をして参っておったわけでございますが、法律が公布に相なりまする前後、すなわち五月の下句から六月の初旬にかけまして、それぞれ人事主管者の会議あるいは市町村関係につきまして地方課長会議、さらには総務部長、知事会議等の参集を求めまして、その席上におきまして政府における給与改訂の方針を説明し、これについての協力をお願い申し上げたのであります。 現在私どものところに参っておりまする報告によりましてその大体の概況を申し上げますと、まず第一に給与の改正条例を議決いたしました県でございますが、これは五県に相なっております。内容は岩手、新潟、福井、長野、岡山、以上の五県でございまして、大体一般行政職について申し上げますと、五等級ないし六等級の格づけをいたしまして、現在の俸給分布等の諸事情とにらみ合せまして若干の号級の幅の延長をいたしておることが目立っておるのであります。その他の点につきましては国と同様でございまして、基本原則でありまする、本年の四月一日から適用していく、本年の三月三十一日の給料額を基準といたしましてその一号アップによる切りかえを行う、さらには昇給期間を三カ月短縮する、こういう三つの原則についてはおおむねこれに合致した措置をとっておるのであります。 それから第一の場合は、現在なお給与条例を制定しておりませんで、従って地方自治法の施行規律第五十五条の第二項の規定によりまして、国の例によっておる県がございますが、これは愛知県でございます。愛知県につきましては大体七月末、今月末を目途として準備を進めておるのであります。 それから第三は、給与改正条例の提案は、諸般の事情から九月ころになる、それまでとりあえず暫定条例を制定したところがございまして、これが総数五県に相なっております。県名は茨城、東京、岐阜、静岡、京都、この五力県は一応暫定条例——たとえば内容的に申しますと、四月一日以降はとりあえず旧来の号俸によって一号アップをする、暫定手当については三月二十一日における勤務地手当の相当額を支給するというような、大体大同小異でございますが、暫定条例を制定しておりますところが五県であります。 それから、従って、第四といたしまして、給与条例をまだ改正をいたしておりません県が三十四県に相なっておるわけでございますが、この中で予定の時期を申しますと、七月中に給与条例の制定をやるというのが十県、それから八月中が四県、九月中が一番多くて十九県、それから未定が一県、こういう内容になっておるわけでございます。今の見通しといたしましては、七月、八月一ぱいでまず六割くらいのところは終るのではないか、九月中には大体府県関係については給与条例制定が行われるのではないかということに見通しを立てておるわけであります。 次に市町村の実施状況でございますが、報告のありました県のうち、すでに給与条例の制定をいたしましたことが明確になっております市町村は、九市町村でございます。市町村関係は、大体の傾向といたしまして、現在準備中の段階でございまして、実施博期といたしましては八月から九月中において行われる態勢にあるのであります。しかし早いところでは、たとえば山形、栃木のごとく、今月小に管内市町村全部にわたって給与改訂が実施される予定であるというような報告を出しておる県もあるわけでございます。私たちといたしましてはできるだけ給与改訂が早急に行われますように、今後とも各府県を督励いたしまして、本制度の切りかえが円滑に行われるように、なお指導を続けて参りたい、かように考えておる次第でございます。一応現在までの給与改訂の実施状況の概況を御報告申し上げた次第であります。
○門司委員長 この際質疑の通告がございますのでこれを許します。中井君。
○中井委員 今給与改訂について行政部長から御説明がありましたが、それとも多少関連があるのでありますが、私は静岡市の問題について少しお尋ねをいたしたいと思います。先般来静岡市におきましては、市長と職員組合の間に非常な紛争を巻き起しました。問題の焦点は一つ三つありますが、一番大きい問題はことしの二月か三月でございましたか、静岡市におきましては停年制が必ず通るものだと勝手な仮定のもとにおいて、それまでに人員整理を完成したいというので、一定の水準を設けまして、静岡市の職員の退職を勧告した。ところがその中に遠野さんという、これはある学校の小使さんでありますが、その遠野さんに辞職を勧告をいたしておる途中に遠野さんが急に脳溢血か何かで倒れまして、それがもとでとうとう死んでしまった。この遠野さんの取扱いについて、だれが見てもまあこれは公務執行中の問題であって、公務死である。にもかかわりませず、市側といたしましては、これは公務死じゃないというふうなことで、それが問題でこじれまして、大へんどうも複雑な様相を呈しておるようであります。そうして先日来私も実は党の資格をもちまして、ちょっと事情を聴取に参ったのでありますが、市役所に入りますと、何というか、市の職員でもありませんし、また差し迫って市役所に用事があるとも思われない人たち、特にまた消防団の制服制帽をかぶった人たちが、市役所の中の、正庁という部屋がまだ置いてありますが、その部屋の中であぐらをかいたり、あるいは横になったりしながらたむろをしておる。どういうことかといいますと、これは職員組合との間の紛争が起っては困るからというので、そういう者が市役所の中をごろごろといたしておるというわけで、どうも市長に会って開いてみますと、問題の解決方法も一向ないようでございますが、こういう問題について、これは自治庁として十分御存じだろうと思うのでありますが、今日治庁はあの静岡市の問題についてどういう態度で臨んでおられるか、現在の調査の状況その他お聞かせをいただきたいと思います。
○藤井説明員 ただいま御指摘になりました静岡市の学校用務員の問題でございますが、大体お述べになりましたような事実があることは事実でございます。ただこれは責任のがれを申すわけではございませんが、実は面接には御本人は学校の用務員でありまして、その任命権者は教育委員会でございます。従って第一次的には文部省の関係だというふうに考えておりまして、そういう件についてあまり早急にこちらからいろいろ口出しするということもいかがであろうかという考え方を持っておったのでございますけれども、事は地方行政全般に大きな関係を持っておる問題でもございますので、私たちといたしましては、本事件が発生をいたしまして直ちに静岡県当局に対して報告を求めたのでございます。さらに先般私の方からも係官を派遣いたしまして、問題の実態その他について調査をして参ったのでございます。現在組合が要求をいたしております事項は、今お述べになりました遠町さんの公務死の認定の問題、それから専従休暇の範囲をもう少しふやしてくれという問題、それから給与改訂を即時実施してもらいたい、夏季手当について一月分の支給をしてもらいたいというようなことを中心といたしまして、要求を出しております。ただ本問題につきましては、いろいろの要素が加わって参りましたために、事態をきわめて、いわば不必要に混乱をせしめておる、紛糾せしめておるというような点も見受けられるのであります。このままに置いておきましても、大へん静岡市政のためにもおもしろくないというふうに考えられるというふうに、われわれとしては認定をいたしております。何とかもう少し円満な態勢で合理的な、常識的な解決をはかってもらうことがよいのじゃないかという考え方を持っておるのであります、そこで先週私、たしか木曜日でございましたか、ちょうど知事も見えておりましたので、知事にお会いいたしまして、この問題について意見を交換いたしたのであります。知事といたしましては、本問題はもちろん十分承知をしておられまして、今までは市当局の問題であって、そこにあまり県自体としても直接に干渉がましいことをやるのはいかがかということで静観をしておったけれども、問題がここまで来れば自分としても黙っておれないから、自分としても状況を見て、一つ適宜解決の方向に手を打っていくようにやってみたい、ついてはいろいろの情勢もあるので、しばらく一つ私にまかせておいてもらえまいかというお話であったのであります。県知事がそのような関心を示されること自体は非常にけっこうなことであって、ぜひこの問題の解決についても、そういうような態度で一つ当ってもらいたいということを要望いたしておいたのであります。私といたしましては、県知事の今申し上げた言明に信頼をいたしまして、しばらく推移を見てみたい、その上で県知事からの報告も徴しまして、その事態に従ってさらに打つべき手があれば適切な方途を講じて参りたい、かように考えておる次第であります。
○中井委員 一応知事に話をなすって、さらにそれができなければ適当な方法ということでありますが、今も御答弁の中にありましたが、一応この問題は法律的に教育委員会の職員であるから文部省の方になるというような御意見でもあったが、そういうことを筋を通すという意味から言いますと、現実的に遠野氏の死因になりましたのは、教育委員会のメンバーと会談をしておったのではなくて、市長の部局のものと会談をしておったのであります。そういう意味においてすでに私は市長の部局の者が、お前やめろやめろということを言うことが、もう私は越権だと思う。あなた方のような解釈でいくならば、もう市長側において、まず第、にそういう面において越権である、かように思うのでありますが、この点ちょっと意見を伺ってみたいと思います。
○藤井説明員 市の当局側だけがこういう問題にタッチして、任免権がないのにいろいろやるということでございますれば、これは御指摘のようなことになると思います。われわれ報告を受けこれを調べましたところでは、やはりあくまで教育委員会の職員がおりまして、これが主体となって、ただ市側の方からいろいろ退職後の就職あっせんその他の問題もあるので、人事係長以下が立ち会いをしておった、こういうふうに報告を受けておるのであります。もちろん今申し上げましたように、これはあくまで学校用務員でございますので、任免権自体はこれは市長にはございません。教育委員会があくまで任免権を持っているというように考えております。
○中井委員 そういうことで教育委員会が主体でやっておるというようなお話でありますが、私どもが聞きました事実はそうではございません。教育委員会の部屋でやっておったわけでも何でもなくて、公室長の部屋がありましてそこでやっておった、こういうことになろうかと思うのであります。また特に遠野さんは小使さんでありまするから、いわゆる一般の教職員ではなくして、給与は全部市から出ておる、こういう形において、あなた方の解釈がこれは文部省の関係であるというふうに簡単に割り切ることは非常に誤まりがあるのじゃないか。やはり双方出てやっておるということであるならば、あくまで市長の方も最初からそれにタッチをし、またタッチをする給与方面からだけの原因がありまして、そしてこういうふうになったというふうに私どもは解釈をいたしたいのであります。あなたもそういうお気持のようでありまするからその点は追及いたしませんが、もしそういうお考えが自治庁の内部にありまするならば、私はこの際改めておいてもらいたい、かように思うのであります。 それから第二に、私が行きまして非常に意外に思いましたのは、先ほどもちょっと言いましたように市の職員組合の部屋が一方にあり、そこに組合の旗を立てておる。それの反対側の正庁と書いてあるところ、そういうのがまだ残っておる役所もはなはだ少いと思うのでありまいすが、そこに正庁ならきちっとしておればいいのにごろつきのような格好でたくさん人がおる。特に消防団がおる。消防団というのは火災だとか、いわゆる自然の災害に対するものであろうと思うのでありまして、そういうものが毎日入れかわり立ちかわり詰めておるということについて、市長の方では黙っておるという手は絶対ないと思うのであります、そういうものは一刻も早く帰れというふうに私は市長側として指示されるのが自治法の建前あるいは常識からいって当然のことだろうと思うのでありまするが、そういう点について自治庁としてはどういう考え方をお持ちでありますか。
○藤井説明員 本件をめぐるいろいろの情勢が大へんむずかしいことになって参りましたので、静岡市には別に市政の協力組織といたしまして自治協力会というものがあるようでございます。この自治協力会の方からも一つ説明を聞きたいというようなこともございまして、市長が出て今度の問題のいきさつ経過等について説明をいたしたというような事実があるようであります。その間組合側の方も、別に外部の総日その他からも応援に来ておるというような事実もございまして、人数も多くなることによっていろいろそこに空気が険悪になるというようなことも出て参りまして自治協力会というものがどういういきさつで入ってきたのか知りませんが、今お話になったようなことにもなってきたというふうに報告を受けておるのであります。いずれにいたしましても組合と市長側の話し合いというものについて、今申しあげましたような自治協力会というような、これはどういう組織のものかはっきり私も存じませんけれども、そういうものが主体となって何らかの圧力を加えるようになるということは望ましいことではございません。そういうことは避けるべきである。こういう問題については、あくまで健全な労働慣行を樹立するというような意味から申しまして。当局者と組合側の自主的な話し合いによって問題を解決すべきであるというふうに考えておりまして、今申し上げたような事態は本来望ましからざることであるというふうに考えます。
○中井委員 何か自治の団体があって、それに市長が話をしてそれから出てきたというようなことでありますが、それについてさえもあなた方の見解としては望ましいことではない、市長と職員組合が労働慣行上話を続けていくのが当然であるという御見解でありました。私も同感であります。いわんや消防が出てくるというふうなことは、これはちょっと見ますと事が小さいように思うのでありますが、しかしよく考えてみると非常に大きな問題です。消防団というのがたまたま市長の所管内にありまするがために、最近消防のことについては府県にこれを統合せいという議論さえあるやさき、そういうものを結果…としてはぬけぬけと使っておるということに相なります。自分は知らないが出てきたという言いわけをするでありましょうが、そういうものが出てきたら、けしからぬ、消防の趣旨に反する早く帰れというのが市長として当然であろう。今お尋ねしましたのはこの点でございますが、その点について重ねて見解を伺っておきたいと思います。
○藤井説明員 消防団がどういういきさつで入って参りましたか、その点については私つまびらかにいたしてからないのでありますが、御指摘のように消防団というのは消防をやることが本来の任務であり、またそのことのためにいろいろ訓練をするというようなことは、これはやるべきことでございましょう。しかしかりにこういう問題を意識してこの問題のためにそういうものが入ってくるということであれば筋違いであるというふうに考えております。
○中井委員 これは単に筋違いだけではおさまらないと思う。法の精神からいって、自治庁あたりは、そういう事態があるならばそれはいかぬからやめろという勧告を当然すべき段階に今あるように思います。その点についてどういうお考えでありますか。さっそく調査をなすってもしそういうことがあるならば勧告をするというお気持があるかどうか、伺っておきたい。
○藤井説明員 今消防団等の問題については私もまだ報告を受けておりませんので、そういう事実がございますれば調査をしてみたいと思いますが、先刻も申し上げましたように、この問題の解決をはかって参りますためには、第一次的に知事の方であっせん調停の労を事実上とるべきではないか。ただ知下としても言い分がございまして、市の当局のことですから一々そういうことにくちばしを入れるのもどうかということで、事態の推移を見ておったというのであります。ところがだんだん騒ぎが大きくなってくることもございますし、この間私のところでお話をしたこともございまして、知事としては、一つそういうことであれば円満な解決のために自分としても中に人ってみようということを申しておりました。そういうことでございますので、私としては、知事の要望もありますので、その言明がどのような形で現われて参りますか、しばらく推移を見守りたい。その結果わかりました上で対処したい。その方が事態の円満な解決にはいいのではないかという考え方でおるわけであります。
○中井委員 この問題につきましては国会が取り上げるにしてはあまり地方的なことでありますから私としてもどうかと思いますが、現実は常識的には市会が中に立ってやるべきだと思いますけれども、それも市長の側においてけってしまった。市長は年令は七十五才でありまして戦争前の翼賛議員でおられる。今信用金庫か何かの重要な地位にあられまして、実は先般も参議院の方で知事あるいは市長の兼職禁止の法律案を出しました。これは審議未了にはなりましたが、この原因の一つは静岡の市長のごときはかくかくのごときであるというのが一つの有力な原因であったように私どもは承わっておるのであります。そういう面からいい、さらにまたこの交渉の経過を見ますと、自治労が東京から出かけていきましてオブザーバーとして職員組合のお手伝いをするということになった場合にそれも拒否をして、そうして市の職員組合とでないと会わない——最初は実は会っておったのでありますが、会わない、こういうことを言っておる。また市はその職員組合が執行委員会を開くという場合に、一々市長の下部機構であります公室長の許可を得なければいかぬ、届けてやらなければいかぬ、というような、まことに前世紀的なセンスがこの問題の私は根本であるように思うのであります。 そこで最後に、他の委員からの質問もありますからこれてとどめますが、地方自治法によりますと職員組合その他が連合体を作ることができるのであって、そしてその連合体に交渉を委任するというようなことになればこれはもう当然市長としましてもその連合体と折衝をする法的な義務があると私は思うのであります。しかるにそれも拒否をいたしておるということになりますと、この問題はあなたは円満に解決しようと言われますが、肝心の市長の頭脳を改めない限りは、これはなかなかむずかしい問題だというふうな気もいたしますので、こういう点に対する見解も一つついでに承わっておきたいと思うのでございます。 それから私委員長にお願いしたいのでありますが、小さな問題のようであるが、先般も土山事件等がございまいして、上山の市長に委員会に参考人として来ていただいて意見を伺ったこともございますが、今休会中でもございますし、これは小さいことのようであるが、非常にテスト・ケースといいますか、おもしろいといいますか、おもしろいと言っては語弊がありますが、地方自治法を円満に文字通り執行するという面においてこのような市がまだ残っておるという面において私ども十分調査研究の余地があると思うのでありまして、願えましたらこの委員会が済みましたら理事会でもお開きをいただいて、調査団でも一つ派遣をしてもらったらどんなものであろうか、かように思うのであります。この点は委員長に一つお願いをいたし、前の市の職員組合とだけしか会わないというふうなことについての自治庁の見解を伺っておきたいのであります。 なおつけ加えますが、静岡のこの市長は日収近全国の市長会の副会長になったそうであります。それで全国の市長会の副会長であるから、市長会の代表として大いにがんばるのであるというふうなことを言っておる。ところが市長会の他のメンバーにおいては、これはひそかに冷笑をいたしておるというふうな、まこにこっけいな事態になってきております。職員組合の方といたしましても、これは御案内の通り静岡という土地柄でありますから非常に穏健なところであります。穏健なところでありますから市長さんも副会長になって大へん偉い人になったのだというふうなことでありまして、実は持ち回りのような形のものでありますが、そういうことでどうもこの間の両者の意思の疎通その他が、非常に変った市長のために欠いておりまして、市民も非常に迷惑をいたしておるというような事態であります。そこで藤井氏には他のいわゆる上級団体との折衝面においてどういう自治庁は考え方であるか、それから委員長さんに今のお願いを一つ申し上げておきます。
○藤井説明員 職員団体と当局の交渉というのが、これは第一義的には任命権者と任命権の客体となります当該公共団体の職員、これが組織をいたします団体との間に行われるということが慣行でございます。法律上もそうなっておるわけであります。ただ同じ公共団体の中におきましては、それぞれいわゆる単位職員団体というものがございまして、これが連合体を組織するということもこれもまた法律上認められておるところでございます。さらにまた今申し上げたことの例外は、義務教育の関係の教職員でございまして小中学校の教職員の任命権者は、これは市町村の教育委員会でございますけれども、給与負担を県が行なっておるという実態がございますので、そういう点から義務教育の教職員については府県単位に正式の職員団体が連合体を結成ができる、これまたその連合体というのは、知事と、あるいは教育委員会と正式に折衝がやれるということになっておるのであります。ただ組織と申しましても、従来からの労働慣行等でそれぞれの中の事件の起きましたような場合に、たとえば自治労というようなものが地元に参りまして、いろいろ折衝するということも、これは事実上認められておるところでございます。そういうようなことでものごとが解決をしたというような点もあるわけであります。今ここであまり問題を割り切って申し上げるのはいかがかと思いますけれども、現存の段階では、若干問題の本質がずれておるかに見受けられるのでありまして、問題の本質に入るよりも交渉のいわば正式の糸口をつかむということが、なかなかうまくいかないというような点にもあるようであります。私としてはそういう点について少し話し合いをいたしますれば案外自余のことはうまくいくのではないかというふうな希望的観測を実は持っておるわけであります。その点も実はこの間知事とも話し合いをしたわけでありますが、知事といたしましても大体そういう方向について、ある種の成案を持っておるように見受けられたのであります。私としましてはそういう意味でこの知事の解決の方法、話し合いをした結果による交渉の糸口のつかみ方についての解決方法の成案というものについて信頼をいたしまして、ここしばらくの間一つ推移を見てなお善処していきたい、その方がかえって円満な解決がはかれる近道じゃないか、かように考えております。
○中井委員 私の質問に対する答弁を少しずらされたようでありますが、連合体、具体的な場合には自治労ですね、自治労の執行委員等と会わないということについて法的にどう考えておられるか、こういうことです。
○藤井説明員 法的な問題を申しあげますと、公務員法の五十二条が職員団体の組織に関する規定でございます。これは先刻申しあげましたように、まず職員は当該地方公共団体の当局と交渉するための団体、従って今の場合でいけば市の職員が市の当局と交渉する、そのために団体が作れる、これは基本原則でございまして、これを単位職員団体というふうに公務員法ではなっておるわけであります。しかし単位職員団体は、今度はまた当該地方団体の他の単位団体と連合体の結成ができる。東京の場合で申しますと、これは一般の職員組合、都職労というものに対しましてさらに交通関係の労働組合、水道関係の労働組合というものがございます。これらはそれぞれ単位職員団体ということになるわけでありますが、これらはお互いに東京部の場合は相手が同じでございます。当局が同じでございますから、合わさって連合体の結成ができるということになるわけでありますが、単位職員団体と連合団体がいわゆる法的な意味における交渉可能団体、こういうものでなければ当該人の委員会において登録をいたしませんので、登録職員団体はこの単位職員団体とそれから連合体ということになるわけでございます。ただ五十二条の第三項に参りまして今申した単位職員団体あるいは単位職員団体の連合自体というものが、今度は他の地方公共団体の職員団体その他の公務員の団体、これは地公労その他のことをいうわけでありますが、これらの連合組織、これは職員団体連合体とはいっておりません。連合組織を質実上結成する、あるいは他の地方公共団体の職員団体、その他の公務員の団体が結成する連合組織に事実上加入するということを妨げるものではない、かように規定をいたしておるのであります。これらの規定から申しまして、いわゆる地公労その他につきましては、厳密な意味では、この五十二条第三項の規定に基く組織であるというふうに言い得るわけでございます。しかしながら、この方は、それぞれ職員団体の積み重ねでもってでき上っておることでございますし、現にいろいろ給与改訂、あるいは財政再建、あるいは期末手当とかいうような場合におきましては、自治庁当局と自治労がお互いにいろいろ話し合いの場を持ちまして、事実上の交渉をやっておるということは事実でございます。そういう意味で申し上げたのでございます。
○中井委員 そうすると法制的に厳格な意味ではなくても、慣行上は、当然それはあっておるのだ、こういうことと了解してよろしいですね。
○藤井説明員 その通りであります。
○門司委員長 今、中井委員からの御要求につきましては、後ほどこの委員会の閉会後に理事会を開きまして、協議をいたしたいと思います。
○北山委員 ただいまの同心に関連して簡単に確かめておきたいのですが、先ほどの御答弁によると、市当局側の退職勧奨、このやり方について若干事実問題としても疑問があるようでありますが、しかし任命権というものが市長にないということになれば、市長あるいはその部局がその退職勧奨に加わるということは越権行為じゃないか、不当ではないか、こういうふうに思うのですが、その点をはっきりしてもらいたい。その点が一つ。 もう一つは、退職勧奨をする場合に、公務員法が通るのだ、どうせ停年制になるのだからといって退職を迫ったということになれば、これはある種の強要罪まではいかなくても、不当な強要ではないか、義務のないことを行わせる、しかも公務員法が通るか通らないか、成立もしないうちにそういうことを言うのは不当ではないか、私ども疑問に思うのは、あるいは自治庁がどうせ公務員法が通るのだから、停年制が通るのだからということを前提にして、地方団体に対して退職勧奨というものを指導したのではないか、これは少し邪推かもしれませんが、そういうことをしたのではないかと思うのですが、そういうことがあるかないか、また公務員法が通るということを前提にしてやめろやめろというがごときは、根拠なきことをもってやめろ、義務のないものをおどかしたのだというふうな不当な行為でないかと思うのでありますが、その二点をお伺いしたいのです。
○藤井説明員 お答えをいたします。第一の、任命権者でないものが学校の用務員の退職勧奨の場に居合せておるということは、それ自体不当ではないかということでございますが、この点はわれわれ報告を受けておりますところでは、市の方といたしましては、勧奨退職を受諾をされた場合に、やはりできるだけその退職後の就職あっせん等について配慮を加えて参ることが任命権者として当然の責務であろうということから、非常に関心を持ちまして、その席上に連なっておったというふうに聞いておるのであります。その限りにおいて、それを直ちに不当だというふうには私は言えないのじゃないかというふうに考えております。 それから第二の点でございますが、その前提として自治庁が、どうせそのうち停年制が通るのだからということを理由にして、大いに退職勧奨を奨励したというふうな事実はございません。またそういうことがあり得べきことじゃない、仮定の問題を前提にいたしましてそういうことを言うはずはないというふうに私は考えております。 なお当局が、どうせそのうち停年制が通るのだからというふうに言ったかどうか、そこまでのことは実は私たちへの報告の中には来ておりませんし、その点つまびらかにいたしておりません。ただ言い方の問題、一般論といたしまして、まだ法律も通っていないのに、必ずそれが通るのだ、だからこの際やめておいた方がいいのじゃないかという言い方をやりますことは、これが適当かといわれれば、これは適当でないことはわかり切ったことであります。ただいろいろ交渉いたしておりますその話し合いの場において、どういう話し合いが出たかということは、私も承知いたしておりませんですし、またそういう点は、調査はいたしましても事事上なかなかむずかしい事柄ではないかと思います。本件についてどのようなことが行われたかということはわかりませんが、一般的にいえば、ただ法律もできていないのに、それの成立を前提としてそのことだけを理由にして、どうせ何だからというような言い方は少くとも適当じゃないというふうに考えております。
○北山委員 前の問題は事実関係が多少不明確だからですが、かりに、あとの調査の結果、もしも市当局側の方として退職勧奨にタッチをしたということになれば、これはかりにそうなれば不当ではないか。こういうことなので、その点は了承されたと思うのですが、それからもう一点、公務員法が通るということを理由にした退職勧奨、これは上その県でも私はケースを知っている。その退職勧奨を受けた者から事実手紙をもらっている。というのは、公務員法が通ってしまえば、あなたは退職手当等について不利になるのだから、今やめておけば有利なんだ、法律が通ってからじゃ不利になるのだというようなことを理由にして勧奨している、こういうことは詐欺みたいなものじゃないですか。結果的にそのことをいってやめさせたという結果になる。私は静岡市の場合そういうふうなことを実際聞いているものですから、部長が、そういうことと言うことは不当だということを認められた。もし、そういうことがあれば、これは静岡市の場合でなくても、よその府県においても明らかに不当だ、こう考えていいわけですれ。
○藤井説明員 先刻申し上げましたように、まだはっきりきまっておらないことを理由にして、ただそれだけの理由でもって勧奨をいたすということは、少くとも面当でないと考えております。
○川村(継)委員 行政部長、さっきのあなたの報告について一つお聞きしたいのです。給与改訂の実施状況をさっと報告で聞いたのでありますが、今条例を作って議決した県が五つあると言われたのですが、どこどこですか。
○藤井説明員 岩手、新潟、福井、長野、岡山、以上五県でございます。
○川村(継)委員 今度の給与改訂がそう簡単に実施に移されるだろうとは私たちも初めから、考えておらない。これは相当大きな問題だと考えておったのです。ところがあなたから今聞いた実施状況を見てみますと、どうもうまくいっていない、そういう感じがするわけですね。たくさんの府県の中で五つの県だけしか条例でやっていない、ほかのはまだ中途半端なものもあれば、全然見通しが立っていないのもあるということでありますから、これは何といってもスムーズに行っていない、こう考えて間違いないと思います。そこで私が聞きたいのは、どういうことが理由でこのように給与改訂がうまく行っていないのか、おくれておるのか、その見解をぜひ一つ聞かせておいていただきたい。あるいははっきりしたものがないかもしれませんが、あるだけでいいのですから、それを聞いておきたい。たとえば県会が開かれないからというような簡単なやつがあるかもしれないし、あるいは切かえの事務がどうもうまくいかぬとかいろいろあるでしょう。うまく行っていない、スムーズに行っていない原因、そういうものについてのあなたの方の見解を一つ聞かせておいていただきたい。
○藤井説明員 今度の給与改訂は、必ずしも今までの例と比べまして非常にスムーズにもちろん行っているとは言えませんのですが、そうであるからといって、全体として非常にこれがうまく行っていないというふうにはわれわれは考えておらないのであります。しかし形式上は、四月一日現在で調べましたところによって見ましても今給与改正条例を議決したところは五県にとどまっているという事実は明確になっておるわけでございますが、これらの原因全体としてのテンポが、六月中あるいは七月中に盛り上らなかったという原因について、私の考えておりますことを申し上げますと、第一点は、実は国家公務員の法律というものは通りましたのですが、その後さらに切りかえの細目になりますようなそれぞれの俸給表の適用を受ける職員の対象でありますとか、あるいは昇格昇給の基準でありますとか、そういうような点についての人事院細則、あるいは人事院指令というものが、かなり技術的にむずかしい問題もございまして、これがだいぶおくれておったのであります。県といたしましては、国の方針に大体準じてやるものでございますので、人事院の規則なり、あるいは人事院指令というものの内容についても、今までのしきたりといたしまして、それを検討いたしました結果、結論を出すという作業の順序になってきておるのであります。国家公務員自体が実はそういうふうに全体のテンポがそうはかばかしく参っておりませんために、法律上も六月に法律は制定をせられ公布をせられましたけれども、まだ切りかえ措置の完了というものは今月一ぱいかかる、法律上も今月一ぱいで切りかえ措置をやれということに相なっておるわけであります。私事を申して恐縮ですが、われわれもまだ給与改訂は実は受けておらないのであります。そういう段階でございまして、県といたしましても、そういう国のやり方、全貌がはっきりいたしませんと、県の態度としてもはっきりきめにくいという点が事務的には一つあると思います。それから第二の点といたしましては、これは本年度給与改訂が行われるということについては、各県側も大体見通しは持っておったわけでありますけれども、予算編成当時においては、何と申しましても不確定な要素でございましたために、当初予算に給与財源というものを組んでおるところはほとんどないのであります。六・二%というふうに言われておりましたけれども、これを現実に当初予算に組み込んでおるところはきわめてわずかでございます。県といたしましては、もちろん給与改訂の法律が通りまして、今度は特に地方財政計画上も御承知のようにはっきりと財政措置が講ぜられておるわけでございますので、給与改訂自体については用意をいたしておるわけでありますが、財政上の問題から、果して本年度の交付税の見通しがどういうふうになって参るかという、点について、なお地方公共団体側といたしましては、不安の念を実は持っておるということも事実でございます。それからさらに、公共事業その他の点が本年は非常に早くきまってきておりますけれども、こういうようなものの年間の所要財源の見通しをつけて、給与費との関係についてもあわせてもって年間の財政状況というものを測定するということを、どうしても財政当局としてはやらざるを得ないわけでありまして、その見通しをつけるためには若干の日時がかかる。そのためにはどうしても八月、九月の交にならざるを得ない。それから、もう一つは、県会の定例会の開催の時期等がきまっておるというような点がございます。そういうような要素やいろいろからみ合せまして、先刻御報告を申し上げた程度の進捗状況になっておるのではないかというふうに推察をいたしておるわけでございます。
○川村(継)委員 実はあなたの方から先ほど地方の団体に示して、おりますいろいろ給与切りかえについての基準というようなものがあるわけです。こんなのを取り上げておりましたら、いろいろ議論が出てくるようであります。総務部長会議であるとか、人事部長会議とか、そういうものを開いているいろ切りかえについて指示しておられるようです。ところが実際切りかえに入ってみると、今あなたがいろいろ説明されましたことも大きな理由だと思いますが、現実に実際の切りかえをやってみようとすると、あなたの方から指示したものと切りかえるときのいろいろ矛盾点が出てくる、それのジレンマに悩んでおるという問題もあると思うのです。私たちが知っている点では、その点が実際は今非常に大きな問題じゃないか。たとえば今度の七月の県会には、もう一切の手続もして、かけようと大体の準備が行ったけれども、さあそういうことで、自治庁の方に財源等の——あるいは再建団体になっておるものはそういう下相談に出てみると、いろいろとまた御忠告があってやれないというようなことなど、問題が出てきておりまして、そういうあなたの方で示しておる基準と天際は、この県はこういうふうにして切りかえなければどうにもならないのだけれども、それがうまくいかない、こういうことで非常に行き悩んでおる点もあると思うのです。そこでさっきあなたは、なるたけ早くやるように、自治庁としても進めたい、こういうことでありましたが、十分そのようなところもよく考えてやってもらわわばならぬのじゃないか、こう思うのです。さっきの、自治庁から示しております基準の要綱というのですか、あれなどをちょっと見たのですが、あれらにもいろいろ問題があるようですし、特に前の自治庁長官の田中さんが、この給与切りかえについているいろ大臣としての責任ある答弁をしておる、その考えと、あの自治庁から示しておる要綱には、ある点そぐわないところもやはりあるようであります。今私が申し上げますように、この給与切りかえがどうもうまくいかぬで、各地においてこじれておるような状況は、先ほどあなたから御答弁いただきましたような四つのものが大きな原因でもありましょうが、私が今申し上げているようなことも大きな原因であるということを一つお考え下さって、これ以上混乱をさせないように、自治庁の方では指導願わなければならぬ、こういうように思うのです。その点を一つ要望いたしておきます。
○門司委員長 それではこのたび国家公安委員長に就任されました正力国務大臣より、就任のあいさつをいたしたいとの旨の申し出がありますので、これを許します。正力国務大臣。
○正力国務大臣 一言ごあいさつを申し上げます。このたびはからずも公安委員長の兼任を命ぜられましてやることになりましたが、何とぞ皆さんの御支援をよろしくお願い申し上げます。私も警察界には三十数年前におってずいぶん長い間離れておったのであります。しかしその後幸い新聞報道関係におりまして、警察というものはこうあってほしい、大衆がこういうことを希望しているということを幾らか知っておるつもりであります。この点を一つ考えのうちに入れて、せいぜい警察事務を勉強いたしますから、何とぞ皆さんの御協力と御支援を切にお願いいたしておきます。(拍手)
○門司委員長 この際、警察に関する件につきまして調査を進めたいと思います。質疑の通告がございますのでこれを許します。なお本日の出席者は国務大臣初め石井警察庁長官、荻野警務部長であります。中井委員。
○中井委員 ただいま正力さんから就任の御懇篤なごあいさつをいただいたわけでありますが、三十数年前におやりになっておって、その後新聞事業に携わっておられましたので民衆の警察に対する要望その他一応わかっているつもりである、こういうふうなりっぱなごあいさつであります。そこで最近の事件について、これはまだ就任早々でございましてよく事情もおわかりでないことも私はあるかとも思いますが、大臣に総括的に一、二点お尋ねをいたしてみたい、かように思うのであります。 今の警察の形ができましたのは昭和二十九年であったと思います。国会で乱闘などいたしまして、私どもが自治体警察をもっと育てていくべきであるということに対しまして、当時の政府はやはり今の自治体警察のような形でありましては治安の維持は保てないというふうなことで、強引にああいう事態になりまして府県単位の警察というふうになったのであります。私どもは反対はいたしましたが、できました以上はこれはやむを得ないので、その後の警察の動きとについてずっと三年ほど拝見をいたしておるのでありますが、どうもしかし結果といたしましては、この自治体警察を廃止して国警といいますか府県警察単位で一本になって、それで果してあの当時の政府当局が言っておられるような事態に進んでいるかというと、必ずしもそうではないように思うのであります。毎日新聞紙上をにぎわしております、たとえば去年もございましたし今年の春もございましたが、いつもどうも花見のときには警察官がなぐり合いをするとか、あるいはまたこの二、三年の経過を考えてみますと、去年の砂川問題のときにはそれに悩みまして自殺をいたしました警察官が出る、また今年の春の事件でありました別府におきまして暴力団の対立がありまして、それに対する警察官の態度というものははなはだなまぬるいものであった。その当時も長官あたりはそういう事態を非常に認められまして、今後大いに努力をするということでありましたが、あの当時あたり、対立しておる親分のところにおまわりさんが参りましても、ドスでもって——これはうそかほんとうか知りませんが、リンゴを突いて、さあこれ一つ召し上がりなさいということさえあったように聞いております、これは事実ではないと思うのでありますが、あとで新聞や週刊誌等にそういうことも載っておった記憶もございます。 さらに最近事態がはっきりしてきたのでございますが、これは国警時代のことでありまするけれども、菅生事件というふうな問題がございました。この菅生事件のごときも、私ども警察についてはそうくろうとではございませんが、おとり捜査ということもあるやに聞いてはおるが、それにしてもいかにも行き過ぎであって、自分で破壊物を持ち運んだりなんかした、今はもう退職しておるということでありまするが、こういう一連のことをずっと考えてみますると、せっかく警察法を改正いたしましたけれども、その内容たるや前とちっとも変らないだけでなくて、どうも民衆の目が届かないので、逆にたるんでおるのではないかということをわれわれは痛切に感ずるのであります。 特にこの一週間ほど前から問題になっておりまする西村金融の事件であります。これは警視庁の事件でありますが、かくのごときはよく考えてみますると全く醜態きわまりない事件であろうと思うのであります。今の内閣は汚職追放、貧乏追放ということでありまするが、汚職追放の実際のためにがん張らねばならぬ警察官が汚職をやっておる、しかもその汚職の先が貧乏の全く敵でありまする高利貸の手先になっておるということになると、私は今の内閣はせっかくできましたけれども、さっそくこういう事件が起ってくるというのでは、これは新内閣にとりましても、事は小さいようでありまするが、根が深いような感じを持ちまして、どうもはなむけとしてあまりよくないはなむけだと思うのでありまするが、こういう点につきまして長年警察の中におられました正力さんとされましてどういう御心境にあるか、さらにまた将来こういうものをなくするためにはどういう手を打ったらいいか、率直な御見解を伺ってみたいと思うのでございます。
○正力国務大臣 ただいまお尋ねになりました第一は、警察制度を二十九年に改正したが、あれが果していいかどうかというお尋ねと聞きましたが、私は二十九年に県本位の警察にしたことは非常によかったと信じております。 次にその警察における不祥事を幾つも御指摘になりましたが、あの点はあの通り新聞にも出ております、まことに遺憾にたえません。ことに私どもが就任して間もなく今御指摘のような警察官に収賄事件が起ったということはまことに遺憾に思います。まだ就任早々で詳しいことも聞いておりませんし、また従ってこれをどうするかということも考究中でありますが、この点はいずれよく考究してなんとかしますが、要するに現内閣の唱道しておる汚職、暴力、貧乏追放という趣意に従ってわれわれ当局としてはどうしてもこの汚職は絶対に追放しなくてはならぬという考えを持って誠意これに努力しまして御期待に沿うようにしたいと思います。
○中井委員 今のお話で汚職、暴力、貧乏と——私は先ほど暴力の話をいたしませんでしたが、暴力につきましては警察庁長官あるいは警視総監等に参考人として来てもらいまして聞きましたときには、何回でも執拗にやるというふうなことで、私どもこれまでの経過については一応首脳部の努力は大いに多といたしております。ところが現実に現場に参りますと、下に参りますと、必ずしも首脳部が言っておるようには現実に行われておらぬ、いまだにやはりざるでもって水をくみ上げるような形が非常に多いのではないかと思うのであります。 ここで問題が少し飛躍をするようでありまするが、今度の警察法ができましたときの問答の中におきまして、私どもは、昭和二十九年にできましたあの警察法は警察の組織法にすぎない、そうして身分法というふうなものがそれにくっつかなければ警察の一つの形としてもどうもいびつではないか、その点については、警察庁長官等の事務当局は、それは国家公務員法あるいは地方公務員法でやるのだ、いつもこういうことでございました。そうして身分法については十分研究をしたいという程度でありまするが、私どもしょっちゅう言っておりまするように、その後事態は一向に改善されないところから見れば、私は警察官の身分法的なものは必要ではなかろうかということをさらに痛感をするのであります。そうしてそういうものができないのならばこの際——今警察官は組合を組織されておりません。先ほどから静岡市の問題についてずいぶん議論をいたしておりましたが、警察官といえども自分の身分、将来ということについてやはりよりどころがなければならぬという考え方からいえば、これはやはり組合でも作って、そうして上の方と折衝をするという形が出てくるのが私は自然の姿じゃないか、かように嘱は考えております。組合ができたらすぐにどうこうするというふうなことじゃなく、もっと大局的な見地からこの際ながめていただいたらどうか、かように思うのでありますが、この点についての見解を一つ伺っておきたいと思います。
○正力国務大臣 ただいまのお話もごもっともな点もあります。しかし事は非常に重大でありますからよくよく研究していたします。
○中井委員 この点は御研究なさるということでありまするが、正力さんは非常に実行力のある方だと私どもは伺っておりまするので、(笑声)研究だけで終らないように、もちろん期待もいたしておりまするが、お願いをいたしておきます。 これに関連して、さらに私は一言希望を申し上げておきたいが、あの警察法ができましたときに、私どもはずいぶん突きましたが、警察官の身分に国家公務員の者とそれから地方公務員の者とがございます。この国家公務員の者は、その後二、三年の経過を見ておりますと、まるで地方公務員である警察官との関係は、これは長官その他はどういう御意見か知りませんが、一般から見ますると全く別人種、別階級であるようなものです。国家公務員の者はもう二、三年すればどんどんと転勤をしていく、地方公務員でいかに優秀な者が出ましても、それはなかなかむずかしいというふうな事情が一つ、それから今申し上げましたような警察官の——やはり警察官も人間でありますから食っていかなければいかぬ、そういう者に対する警察官側の組織がまだできておらぬということ、それが私は今度の汚職などの一つの大きな原因でもあろうかとさえ考えておる。相変らず先輩後輩の関係でやられまするから、先輩がちょっと頭の回る男でありましたら、特に金融機関は——これは西村金融だけではございません。日本全国各地でいわゆる相互銀行といわれるような団体にたくさん警察盲あがりの方が入っておられる。そういう者と上手な連繋を持ちましてこの貧乏追放と逆の行き方を現実には行っておるように私は思うのでありますが、こういう面についてほんとうに——きょうは初めての委員会でございまして、私どもは具体的な事実を突いて、どうこう言うのではございませんので、ほんとうに事直な警察当局の気持をこの際聞いておきたいと思います。この点重ねてお尋ねしますから、これは石井さんからでもお答えをいただきしたいと思います。
○石井説明員 中井委員からは当委員会におきまして、しばしばまことにありがたい御意見を拝聴させていただいておるのでございますが、先ほど特に御指摘になりました警察官の身分の特殊性に基く警察官の身分法といったものを考える必要があるのではないかという御意見は、かねがね承わっておるのでございます。私ども確かにそうした観点からこの問題は真剣に研究してムる必要があるというふうに考えておるのでございます。現在御承知の通り会国の警察官、特に都道府県の警察官は警視正以上の階級の者が国家公務員であり、警視以下の階級の昔が地方公務員である、こういう建前になっておるのでございます。そこで今地方公務員は全く動かないが、国家公務員は転々として栄進をしていく、こういうお話もございましたが、地庁公務員の中でも全国各都道府県を転々とする人々もあり得るのであります。しかし大部分の方々はその府県の出身の方々であり、その府県で警察の仕事を終始したいという本人の希望で、その府県において巡査を拝命し、栄進して警視になり、また国家公務員である警視正にもその府県においてなるという方が大多数でございましてむしろ各府県を転々とするという者は数から申しますと、きわめて少いのでございます。いわゆる中央で採用いたしまして、将来全国を転々とすることをかねて覚悟の上で入ってくる人たち、いわゆる幹部見習生といったような者が下級警察官の階級からスタートしまして、年限を経るに従って栄進をし、各地を転々とする、こういうことに相なるのでありまして、大多数の警察官は、先ほど申し上ましたように、自分の出身県ないしは縁故の県に最初に職を奉じまして、以後本人の希望によりましてその府県で終始職務を果したい、こういう方がほとんど大多数でございましてこうした人たちもそのそれぞれの能力に基きましてそれぞれ栄進をいたしておるのでございます。こういう人たちが十分な能力があるにもかかわらず栄進が妨げられる、中央採用の者のみが栄進をいたしておる、こういうことでは決してないのでございまして、その点一つ御了承願いたいと思います。
○中井委員 今私が申し上げましたことに関連をして最後に一、二伺ってみたいのですが、この岡の委員会でも問題になりましたが、警察官の時間外勤務手当等についてどういうことになっておるか、これは各県で予算を組んで、どうも法通り施行されておらぬように何っております。こういったことについて一度資料を提出してもらいたいと希望を申し上げましたが、それはどうなっておりますかと申しますのは、事件があって出かけていきましても、帰りはウドン一ぱいで追っ払う、予算がないのだからというようなことでありますので、下級の警察官の中には非常に納得のいかない感じを持っておるようであります。またそれをある府県によっては月割りにして出しておるところもあるというふうなことでありまして、悪口を言う人の中には、どうもわれわれのこういうものをピンはねして、隊長その他の交際費にでも多少回しておるのではないかというふうなことさえ、私は現実に聞いております。と申しますのは、経費の面におきまして国から、また直接県に経費が国警の本部から出て、そしてそれは県の予算にも載っておらぬというふうな経費もあるように伺っておるのであります。こういう面については、きょうはあまり時間がありませんからなんですが、やはり相当明らかにしておきませんと、将来どうも警察関係だけは警備その他まで、これは別じゃということでほうっておくという形になりまして、相も変らぬ旧態依然たる運営をなさっておるのではないか、かようなことを非常に心配をいたしますので、この際ついでをもって一つお尋ねをいたしておきたいと思います。
○石井説明員 警察官の超過勤務手当につきまして前回の当委員会におきましても御質問をいただいたのでございます。その後私ども事務当局といたしまして、この実態がどうなっておるかということを検討いたしておるのでございます。お話もございましたので、いずれ資料が整いましたならば、御参考までに提出をいたしたい、かように考えております。 ただいま私大筋を事務的な係から聞いておりますことを御参考までに御報告いたしてお答えといたしたいと思うのでございます。都道府県警察の超過勤務手当に関する本年度の地方財政計画上には、どういうふうに数字が計上されておるかと申しますと、本俸と扶養手当と勤務地手当を加えたもの、これを基本給と申します。この基本給に対しまして、五・五%に当るものが超過勤務手当の予算として、地方財政計画上は計しされておるのでございます。本来の週過勤務手当なるものは、国の場合で申しますと、本俸プラス勤務地手当に対して六%、これが基準でございます。今申しました通り、府県の方におきましては、本俸、勤務地手当のほかに扶養手当を含めたものを基本給としておりますので、比率から申しますと、五・五%でちょっと少いようでございますが、これは扶養手当を除きまして本俸プラス勤務地手当と比較いたしますならば、おおむね六%になっておると思うのでございます。 そこでこれは地方財政計画上の数字でございますが、これに対して本年度の地方警察費の実際はどうであったかと申しますと、現在はまだ当初予算の数字しか私どもは承知をいたしておりません。今後必要に応じて各部道府県では補正追加をする必要もありましょが、当初予算におきましての実際がどういうふうになっておるかと申しますと、基本給に対しまして、超過勤務手当ては五・六%ということに相なっておるのでございまいして、先ほど申しましたように、地方財政計画上の計上されておる数字が五・五%でありますから、これとほぼ見合う数字のものが実際都道府県警察の警察費の中の超過勤務手当分として計上されておる、こういうことに相なっておるのでございます。 問題は実際の警察官の勤務状況が、それではこの予算に計上されている程度の、それに見合うだけの超過時間を勤務しておるのであるならば、これは問題はないわけでありますが、御承知の通り、警察の仕事非常に多忙をきわめておりまして今申しました基本給に対する六%ないし五・五%と申しますと、これは時間に直しますとほぼ月十二時間分に当るわけでございます。従って一カ月の間に超過勤務する時間が十二時間くらいであるならば、ちょうどそれにぴったり報いられるだけの支給ができる、こういう感情に相なるわけでありますが、現実問題といたしましては、警察官の超過勤務は一カ月のうちに、各府県によって若干の違いはありましようが、おおむね私どもが承知をいたしておるところでは、二十七、八時間というふうに考えておるのでございます。そういたしますと、実際に超過勤務しました時間に対する超過勤務手当としましては、かりに予算に計しされてありますものが、先ほど申しました通り十二時間分でありますから、それがそのまま支給されたとしましても、実超過勤務時間の半分にも満たない手当しか支給されない、こういうことになるのでございます、ところがさらに実際の支給状況を見ますと、これがまた府県によって若干まちまちでございますが、あまり支給の状況がよくないところと申しますか、そういうところでは平均を下回っておるというところが現実にあるのでございます。あるいは逆にまた、全国平均よりも若干上回って支給しておる県もあるのでございまして、この点は御承知の通り都道府県単位の自治体警察でございまして、大部分の警察費は実際各府県の負担になっておる部分が多いのでございます。むろんその基礎になる地方財政計画におきまして交付金等は計算してありますけれども、府県の持ち出しのできるところ、あるいは中央から交付されたもののワク内でしかまかなえないものというふうに、いろいろ府県の財政状況が違うために、恵まれておる県、しからざる県ということでその実情が若干違っておるようでございます、なお必ずしも財政は貧弱ではないけれども、他の給与の面に重点を置きまして手厚くし、従って超過勤務手当においてはあまり予算を計上してないというようなために、超過勤務手当だけをとらえてみるならば支給率は非常に低い、こういうところもあるというふうに、全国の実施の状況は区々になっておるのでございます、そういう点はいずれ資料を十分整備いたしまして、またさらに考えるべき点は検討いたしたい、かように考えております。 このおひざ元の警視庁の問題等がよく先生方にはお耳に入っておるかと思うのでありますが、警視庁の実情を申しますと、財政上は他の府県に比べまして恵まれておるところであるにかかわらず、超過勤務手当の予算に関する限りは正直のところきわめて貧弱でございまして全国平均よりも下回った支給に相なっております。さらにまたこれが各警察官個々につきましても、今申します通り予算上の制約を受けておって、現実の超過勤務時間にぴったり見合うだけの支給がもともとできたいような建前になっておる関係もありまして、超過勤務手当以外の他の手当等を勘案しまして、各警察官、人々々の下取りにあまり大きな差違がないように、そこに若干の操作をすることもしところによってはあるようでございます従ってそういうことから、人の警察官の立場になって考えますと、自分は実際にこの月は三十時間も超過勤務をしたのに、超過勤務時間としては五時間ももらえなかったというような不平が出てくるというようなことが個々の警察官についてはあり得るのではないか、かように思うのであります。給与全体の形におきまして、それぞれの上司におきましていろいろと工夫をこらして、一人々々の警察官について比較したとき、あまり著しい差異のないように、その間の均衡調整をはかるというようなことからしまして、超過勤務手当の実際の支給額というものにつきまして、法令に示す通りのものが支給されていないというのが現実の姿だということを御参雪までに申し上げておきたいのでございます。いろいろわれわれの方で調査いたしております資料が整備いたしましたならば、いずれあらためてごらんにかけまして、またいろいろと御意見を承わった上で、研究しなければならぬ点はまた十分研究して善処して参りたいと考えております。
○中井委員 今のあとの方、警察庁で適当な予算を持っておって、事件が起ったら府県の方にそれを回す。それについて府県の予算にも載っておらぬというようなことになると、これは私は財政法違反じゃないかと思うのだが、その点はどうなんですか。
○石井説明員 都道府県警察の予算は、大きく分けまして、国庫が直接支弁をするものと、国が補助金を出していく、つまり国が半分を負担し都道府県が半分持つという性質のものと、それから全く純都道府県で、全額都道府県において負担する、この三本立になっておるのであります。額から申しますと、純粋に都道府県で負担するものが一番多いわけであります。しかしこれはいわゆる地方財政計画におきまして、その基礎になる金額を算定してその府県に配分をしておるわけで、それによってまかなっておるわけであります。 今御指摘の、国が直接支給して、都道府県のタッチしない金があるのじゃないかという点でございますが、これは先ほど申し上げました最初の、川庫が直接支弁する部分に関するものでございます。これはごく限られた事項についてのみ国庫が支弁する、こういう建前になっておるわけでございます。金額におきましても、そう膨大なものではなく、都道府県の警察費全体に比べますならば、その一部分にすぎないのでございます。
○中井委員 今のことですね、金額の多寡なんか問題ではないのです。あるいはまた、全額国庫が出すといって、それならば県の予算に計上しなくていい、そういう理屈はありません。たとえば防災工事なんか、一〇〇%農林省は補助金を出す。十割出す。しかし県はちゃんと予算を組んでこれを通さなくちゃいけない、そういう意味からいってこれはまことに異例な措置だと私は思う。これは当然県において予算を組まなければならぬ。こういうことからこれはくずれていく。去年あたりの福岡県の汚職事件のごときも、法の盲点をつきまして浮き貸しをしたというようなことで、これは私は人を疑うわけではありませんけれども、制度としてまことにおかしな話である。従って、今の石井長官の御答弁の全額国庫のもの、それといえども県の予算を通すべきであるというふうに私は思うのであります。もし通してないならば通すように措置すべきである、こう思うのですが、いかがですか。
○石井説明員 これは事柄の性質上消極に堕するのでありますが、ちょっと問題ではないかと私は思うのであります。たとえば、先ほども申し上げました通り、都道府県の警察官は警視正以上は国家公務員でありますが、警視以下は地方公務員、この人件費、俸給はどこでどう払うかと申しますと、警視以下は地方公務員でありますので、むろんこれは都道府県の純府県費でまかなわれておるわけでございますが、警視正以上の国家公務員たる者の俸給は国で持つわけでございまして、先ほど私が申しましたように、国庫が直接支弁する対象になるわけでございます。これを都道府県の下僚に組むということはちょっと法律的に問題があるのではないか、かように思うのでございますが、そういう点につきましては、私も法律的に十分の知識を持っているものと自負はいたしておりませんので、さらによく研究をさしていただきたいと思いますが、今日ただいまのところ私はそういうふうに考えておりますということを申し上げておきたいと思います。
○中井委員 研究するというが、こんなことは自明の理であります。国家公務員で県に出向している者で、下僚全部旧から出ておっても県の予算に組んでおります。どうして警察だけがそういうことにするか。私が冒頭に申し上げたように、どうも警察はこの観念が、皆さんの説明によれば自治体警察であります、公安委員会は各府県にありますからと言いながら、完全に、二重になっている。これではだめですよ。これはもう研究の余地がないと思うのだが、今の御答弁ではどうもいやいや研究するらしいが、それではいかぬ。もっと積極的にこの問題は解決してもらいたい、かように思いますので、この点だけ強く私は要望しておきます。
○北山委員 ただいままでの御答弁を聞きまして、実は私は非常に失望しているわけなんです。警察当局としては、中井委員の非常に好意ある言葉に甘えているのではないかという感じがするのです。最近起っております警察官のいろいろな不正事件なり、あるいは警察部内の綱紀の弛緩といいますか、そういうような事件についてもこれを解決して警察の権威を高める、こういうような断固たる決意がどうも一本欠けているのじゃないかという感じがするのであります。統計数字によっても、最近における警察官の犯罪というものは非常にふえて参っている。昭和二十六年は二十五件、二十七年が三十件、二十八年が二十八件、二十九年が、五十一件、三十年が百十三件、三十年が百三十八件、こういうふうに警察官の犯罪というものがどんどんふえているように私は聞いているのです。しかも最近では非常に悪質なものがある。自分の職務上の地位を利用して、職務上得た材料を使って恐喝をやっているとか、あるいはその地位を利用して被疑者である婦人などをはずかしめたり、あるいは金をとったりしているとか、今度の西村金融の問題にしても、操作に当っている現職の警官がその一味の中へ通謀して金をもらっているとか、そういうような非常に悪質な事件が出ているが、こういうようなことは国民としてはあぜんたらざるを得ないのです。優示の権威をはずかしめ、低下せしめているというようなこういう一連の事件が続発しているが、これをどのようにして解決するかという決意が一本欠けているのじゃないか。ただ、遺憾にたえない、遺憾でございます、国民も遺憾である、警察も遺憾である、困ったというだけではこれは済まないと思う。これをどのようにかして解決をする、断固たる処置々とるというような決意が欠けておると思うのですが、この点、新公安委員長はどのようにお考えですか。
○正力国務大臣 ただいまの御指摘の点はまことにごもっともであります。ただ、警察官の犯罪が特に増加したと言われるが、警察官全体の数がふえたので絶対数からいえばふえているかもしれないが、比較すると必ずしもふえておりません。しかし、いやしくも治安の大任に当る警察官としてこれは許すべからざることであります。従って、この対策として考えておりますことはまず警察官の教養、これにできるだけ力をかけていくということと、それといま一つは、悪い者に対してはやはり相当の処分をしたいということです。これは決してあいまいにいたしません。御期待に沿うように大いにやりたいと思います。
○北山委員 そういうお言葉でありますが、今までのやり方を見ておりますと、警察の首脳部が、これを解決していく、粛正していくというような、そういう決意にやはり欠けておるというような点がいろいろな例で見受けら上る。たとえば砂川事件についても、国会においては当初は調査の上で断固たる措置をとる、こう言っておきながら、あとはその結果はあいまいなものにして、ほおかぶりをしてしまう。あるいは菅生事件についても、この委員会であの戸高という元警察官が、ダイナマイトの持ち運びをしたあるいは脅迫文を書いたということはどうかということを聞いたところが、これは警察としてはやむを得ないことであるから、検察庁の方におまかせするという実にはっきりしない態度をとっておる。検察庁におまかせするというようなことはまことに見識もないことはなはだしいものである。そういうようなもとが、やはり警察の最高当局が警察部内におけるそういう問題を正しくしていく、そうして民衆の期待に沿うていく、信頼を回復していくという決意に欠けておるからではないか、むしろ部内において起ってくる問題をなるべくごまかしていこうというような気配すら見える、ここに私は大きな疑いがあるのじゃないかと思うのですが、一体新国家公安委員長はこの警察部内における問題をさらけ出してそうしてどんどんこれを措置していくというお考えなのかどうか。この砂川事件、菅生事件についてどうお考えになるのか、これを承わりたい。
○正力国務大臣 今までの事件についてはまだ詳しく聞いておりませんので、よくわかりませんが、要するに警察官というものは強いこと、正しいこと、明るいこと、これを自分はモットーといたしております。従って不正の警察官に対してはむろん処分をする、また隠すようなことはいたしません。
○北山委員 私はそういう点について、やはり警察の責任あるいは丘高の機関、当局は、この一連のいろいろな事件をあいまいにしないで、はっきりとした措置をしてもらいたいと思うのです。私は警察部内だから悪いことは一つもないのだ、こうは思いません。やはり社会の腐敗というものは警察の部内にも入ってくるわけなのです。だからいろいろなたくさんの十何万という峰祭官の中には、間違いを起す人もあると思うのです。その間違いを適正に措置していくということが、かえって国民の警察に対する信頼を得るゆえんであって、それを一々隠そう隠そうというようなことが、逆にわれわれに疑惑を深めさせる。たとえば今度の西村金融の問題なんかについてみても、お伺いしておきたいのだが、あの捜査の際に証拠書類になる調書を作った。その調書を警察官の事務室の中の机の上に置いておったところが、それがなくなってしまった。こういうようなことは今申し上げたような私の疑いを深める事例なんです。ああいう事件は一体どうなっておるのですか、長官からお伺いしたい。
○石井説明員 警察官のいわゆる非行事件が依然としてあとを断たないことはまことに遺憾しごくに存じておるのでございます。私かねがね警察官の指導教養ということの重要件を強調し、第一線の警察官諸君が常に国民の信頼と期待にこたえるようなりっぱな紳士たる警察官であることを念願し、あらゆる方法あらゆる機会をとらえて教養を繰り返して参っておるのでありますが、不幸にしましてまだその実績が十分に上らないために、今日におきましても、全国の各地に時たま非行警察官の出ますことは、まことに遺憾にたえないところであります。今後もその点にはさらに私ども十分精進いたしまして、そうしたことの絶無を期したいと考えておるのであります。 最近警視庁におきまして、西村金融事件の捜査に関連しまして、捜査の直接担当官が、捜査に関係のある対象者ないしはその関係者との間に、非行事実があったということによりまして、現在東京地検の取調べを受けておるという不祥事実は、私まことにざんきにたえないことであり、国民の皆様に申しわけない限りであると思っておるのでございます。警察に対する国民の信頼を失うということは、私どもの最も考えなければならぬ点でありまして、警察は国民のための警察であり、国民の警察である以上は、国民各位の心からなる理解と、そしてまたその御協力がなければ、私ども限られた数の警察官をもってしては、仕事を全うできない面が多々あるのであります。そういう見地から考えますと、このような不祥事件を惹起いたしましたことは、まことにざんきにたえないところでございます。今後はこうしたことの絶無を期しまして、さらに全国の警察官すべてがざんげをいたしましてと申しますか、反省をいたしまして、今後再びこういうことのないように十分に努力精進を重ねたい、かように考えております。 なお具体的に御指摘のありました今の西村金融事件に関連しまして警視庁の防犯課の関係で書類が紛失いたしたという件でございますが、まことにこれも遺憾しごくのことでございます。事件に関係のある重要書数が簡単に紛失するといったようなことの起ることが、どこかに心のゆるみがあると申しますか、重要書類の日ごろの扱いについて、注意が十分でないという結果から生じたのでございまして、そうした点も十分今後留意しなければならぬと考えておるのでございます。問題のこの書類がどういういきさつで一時紛失したかということにつきしましては、目下警視庁の関係者におきまして十分調査中でございます。わずか一週間にいたしましても、問題の件数の所存がわからなくなったということは、まことに残念なことでございます。そうしたことから、ただいま御指摘のありましたように、何か警察は自分の非をかくすために、いわゆるくさいものにふたをするためにそういった関係書類をことさらに隠蔽をしたのではないか、こういう疑いを持たれることになるのでございます。今回のあの書類は、必ずしも問題を起しました警察官にとって不利な書類ではないのでございます。それを決して隠しだてするというようなことはあり得ないのでございます。にもかかわらずそうした書類が一時わからなくなったということは、先ほども申しました通り、こうした件数の扱いについての、日ごろの慎重な配慮ということに欠けておる、どこかたるんでおると申しますか、精神的な緊張が欠けておるということは申せるかと思うのでございます。事いやしくも大事な事件と取り組んで仕事をいたします場合には、全精神を打ち込んで真剣に事と取り組み、最善を尽さなければならぬことは申すまでもないところでございますので、今後捜査に当る者はもとよりのこと、警察万般の日ごろの仕事を担当する者につきましても、常に細心の注意、周到な用意をもって警察官としての職責を全うするのに最善を尽すように、一層戒めていきたいと考えております、決して警察はくさいものにふたをするということは考えておらないのでありまして、警察官も先ほどもお話のありました通り凡人でございます。時たま失敗をいたすこともやむを得ないのでございます。できるだけそうした失敗をしないように、十分に精進を重ねていかなければならぬことは先ほど来申した通りでございます。不幸にして非行事案を惹起いたしましたような場合に、いわゆる信賞必罰の原則にのっとりまして、悪は悪としてどこまでもその責任を追及し、将来再びこうしたことを繰り返さないようにしたいと考えておりますので、御了承を願います。
○北山委員 次に同情的見解なのですけれども、そういうふうな厳正な態度でやってもらいたいと動じに、やはり先ほど中井委員が言われたような待遇の問題、あるいけ身分保障の問題、こういうものもあるでしょうが、私は警察の部内にいろいろな腐敗が入ってくるということは、やはりこの社会の世相というものを反映しているのじゃないかと思うのです。現右の社会では何が偉いといったって金ぐらい偉いものはないのです。理屈を言ったって何を言ったって金さえ持ってれば何でもやれる、金がなければ何ぼりっぱな者でもどうにもならない、地獄のさたも警察のさたも金次第、こういう際に、やはりその金本意の社会の世相というものが解禁の中に入ってくる。警察官は一生懸命何十年も働いても、やめてしまえば署長でやめてもどうにも食う方法がないということになると、金持ちの用心棒でもするとか、あるいはまた暴力団と一緒になって、昔習ったそういうことでもって何とか生活をしていくとか、そういうことになってくるのじゃないかと私は思うのです。だから交通事故にしても、自動車がどんどん激増して、そして道路の状態もよくならないという際に、交通警察がいくらがんばったって交通事故はやはりふえてくる、それと同じようにこの社会の腐敗の世相が警察の部内に入ってくる、こういう悪条件の中で警察当局に対して私は綱紀の粛正に対して断固たる措置をしてもらいたいとは言うものの、果して警察当局はこういう万事金本意の社会の世相の中で、警察の腐敗ということを防ぐことができると確信を持っておられるか。そういう点でまあ正力さんも事業家でもあるから、どう思うのです一体……。
○正力国務大臣 ただいまのお話はまことにごもっともであります。ただ今世の中は何でもかんでも金ばかりだというお話がありましたが、私は必ずしも世の中は金ばかりとは思いません。これは見解の相違ですが……。しかし要するに警察官を、正しく明るくするにはやはり待遇の改善が必要です。だから私は警察官の待遇改善については努めて努力いたします。それと同時に先ほど申し上げましたが、警察官の教養ということについても、さらに一層の努力をいたします。
○北山委員 いろいろ非常に広範なむずかしい問題について見解を求めるということは無理かもしれませんが、少くとも今最後に述べられた待遇改善、これは身分保障あるいは待遇改善ということなんですが、僕から言えば職員組合でも作ってやった方が——教員組合はやはり組合活動をやったから警察官よりは給与がいいんですよ。警官が組合活動をやらないで黙っておっても待遇改善をお上の方が、政府の方が考えてくれるような時勢であればいいのですが、そうじゃないから自然そこに差がついてくる。私らの立場からいえば警察官もやはり組合を作った方がいいと思うのですが、おそらくそこまでは今の政府では踏み切れないと思いますから、進んで少くとも待遇改善をするのだ、そういうことをはっきりと次の予算において、国会において実現をしてもらいたい、これを一つお願いしておきます。 それからもう一つは拷問の問題なんです。これはこの委員会で前にも問題になりましたが、汚職不正事件以外に警察部門における取調べ捜査において、拷問のような事件があちこちであるわけなんです。最近でも、ある殺人事件でもって拷問の結果自由を強要されたということで最高裁で無罪になった、そういう事件もあります。そういうことを考えますと、やはり私は相当今の警察の中で拷問が行われているのじゃないか、こういうふうに思われる。そこで一つこれは公安委員長なり警察庁の長官なりから各県の警察に対して拷問については強い通達を出してもらいたい。そうでないと第一線の捜査に当る人がやはりそれくらいはやっても何ともお叱りをちょうだいしないということで職務に熱心のあまりやるかもしれない。そうじゃないのだ、取調べ等については絶対に暴行拷問などをしてはならぬ、やった場合には断固処分するのだ——これは憲法三十六条ですか、絶対に拷問はしないと書いてある。絶対にと書いてあるのですよ。だからその憲法の規定を実行に移すという意味において、厳重な通達を国家公安委員長の名前で全国の警察に対して強く出してもらいたい。これを出すかどうか、はっきりとお答えを願いたい。
○正力国務大臣 今のお話はまことにごもっともで、今までたびたびだれでも言っておることです。しかしそれがなかなかいかぬことでありますが、私は先ほど申し上げます通り、警察官というものは正しく強く明るく、これをモットーとしておりますから、正しいことが深く頭にある以上は拷問などはやらぬと思います。しかしその趣意を徹底するようにただいまのお話はなお一層努力いたします。
○石井説明員 私ども第一線の警察官諸君に常に要望いたしておることでありますが、およそ今日の警察の捜査のあり方ということにつきましては、あくまで基本的人権を尊重しつつ科学的合理的に捜査を進めて真実を発見をする、こういう行き方でなければならぬ。津々にして過去の捜査のやり方は自白を強要する、あるいは半なる勘によって、初めからこうであろうというある種の先入感を持ってそこに無理に到達すべく捜査を展開する、そういうことからして勢い先ほど御指摘のような拷問といったようなことがまま起りがちであったのでございます。そういう方式の捜査の行き方というものは絶対にやめなければならぬ。基本的人権を尊重するということが至上命令である今日の新しい警察の捜査のあり方としましては、先ほど申しました通りどこまでも人権尊重の基本理念の上に立って科学的、合則的に納得づくの捜査をすべきである、こういうことでなければならぬ。そのためにはいわゆる乾式施設等の近代的ないろいろな科学施設を活用し、捜査の技術をみがきまして、どこまでも新時代に即する捜査の行き方を警察官が十分に身につけることが肝要である。従いましてまず基本としましては民主主義の理念に徹し人権の尊重の必要なるゆえんを十分に身につけまして、その上に捜査官としての捜査技術を身につける、勉強する、こういうことにしまして捜査官が捜査に当りますならば、先ほど申しますような科学的、合理的な捜査が可能であると私はかように考えておるのでございまして、特に私はこの点につきましては昨年の正月、年頭の言葉としまして捜査の合理化適正化というモットーのもとに、今申し上げましたような点を強調して、自来今日まであらゆる会合その他機会あるごとに、この点は反復強調して参っておるのでございましてうぬぼれではございませんが漸次第一線の捜査に当る警察官の捜査のやり方は向上の跡、改善の跡が見受けられると私は思っております。しかしながらなおまだ十分であるとは思っておりません。さらに勉強させなければならぬ点が多々あると思っておりますので、今後第一線の警察官諸君にはこの努力の精進を一層続けさせたい、かように考えておるのでございまして、特に通達を出すかどうかということでございますが、今申し上げました通り私は昨年来あらゆる機会にあらゆる方法を講じて、この点の徹底をはかって参っておりますので、あえて一片の通牒という形式的なものは必ずしも必要とは考えておりませんが、しかしながら大事なことでございますので、何度繰り返してもけっこうなことでございます。幸い国家公安委員長もおかわりになられました際でもございますし、また先般大いろいろ先ほど申しました通りまことに遺憾な不祥事案等も発生をしておりますような際でございますので、この際あらためて何らかの形をもちまして第一線の諸君に重ねて注意を喚起し、私の意図するところを徹底せるように努力したい、かように考えております。
○門司委員長 この際国務大臣に私からちょっと伺いたいことがあります。それは警察官の職務というのは普通の公務員と違いまして上司の命令権というものが非常に下級の職員の行動を律するということが当然であります。従って綱紀の問題等にいたしましても、大臣が先ほどからの御答弁のようにはっきりするとおっしゃっておりまするが、問題の所在はやはり命令権者と被命令権者との間に行われるこの種の問題についてはその責任の所在というものを明確にしなければならぬ。もしこれがただ犯罪を犯した者、間違いを起した者が悪いのだという考え方、いわゆる一般の公務員の考え方というようなことで考えられるようなことがありますると、これは警察の粛正等は断じてできない。強い命令権を持ち、場合によっては命を賭してもやらなければならぬようなことが出てくる、しかもこれは上の命令によってそういうことをしなければならない、そういう特殊関係を持っております警察制度の中で綱紀を粛正していこうとするには、責任の所在というものを明確にするということが非常に大きな問題だと私は思うのです。この点について大臣は一体いかようにお考えになっておるか、そういう警察の特殊性というものを認めて、その上で今度のような事件に対しましてもやはり断固とした処置をとろうというお考えであれば非常にけっこうだと私は思うのですが、その点の関係を一つこの際明確にしておいていただきたいと思います。
○正力国務大臣 お話はまことにごもっともであります。しかし監督者の責任ということは十分心得ておりますから、特殊の命令があるにしても、いずれにしても監督の責任というものはありますから、その点は明らかにいたします。
○門司委員長 その答弁満足できないのですが、私は監督という立場ではないと思う。事実上の問題として一般の地方公務員であり、国家公務員の場合はある程度監督ということが、事実によっては言えると思います。事警察の場合はある種の命令権を持っておると思う。そして憲法によっても法律によって間違った命令その他については拒否することができるようにはなっております。しかしこれは一般の公務員とは非常に趣きが違うのであって、事件が事件であり、問題が問題であるだけに、やはり強い命令権を持っておる上司というものの責任は、ただ単に一般の公務員の上司の責任と監督というように考えられては、警察の粛正は断じてできないと思う。この点をもう一応念を押しておきます。お答えを願いたい。
○正力国務大臣 その点は十分自覚しております。
○亀山委員 この際新しく正力国務大臣が公安委員長になられましたので、簡単にお願いを申し上げたいと思います。それは交通機関の発達によりまして、交通事故が非常に多うございます。警察当局においては交通整理、交通取締りに非常に努力しておると思いますが、現状のままではまだ不十分だと私は思うのです。どうかこの点を特に御留意を願い、来たる三十三年度の予算にはこの点につきましてあるいは交通取締り警察官の動員なり、あるいは適当な交通整理の方法についての予算措置をとられるように要望申し上げたいと思います。 以上簡単でございますが、お願い申し上げます。
○正力国務大臣 ただいまのお尋ねまことここもっともであります。できるだけ御趣意に沿うようにいたします。
○門司委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○門司委員長 それでは速記を始めて この際お諮りいたしたいと思います。先ほど問題になりました静岡市の職員に対しまする退職勧奨に関する問題について、いろいろ問題がございましたので、当委員会といたしましては参考人を招致いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 御異議のないものと認めまして、なおこれの人選、日時等につきましては委員長に御一任を願えますれば幸いだと思いますが、御了承願えますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 御異議のないものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十一分散会