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26回国会衆議院1957/06/12

地方行政委員会 第32号

発言数
70
登壇者
8
会派数
1
開催日
1957/06/12

会議録

門司亮日本社会党

○門司委員長 それではこれより会議を開きます。  まず地方自治及び地方財政について調査を進めたいと思います。質疑の通告がありますのでこれを許します。中井徳次郎君。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 きょうは厚生省から関係の説明員が出ておりますか。

門司亮日本社会党

○門司委員長 厚生省は保険局次長の小山氏と、自民健康保険調度の伊部氏が見えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 地方財政に関連を持ちまして、それと同時に政府は、石橋内閣の組閣に際してでありますが、大きく国民皆保険というふうなスローガンでもって天下に発表しました。それに関連しまして、少し私は基本的なことを今日一、二点お伺いいたしておきたいと思うのであります。政府の発表しました国民皆保険の内容を見ますと、おもに国民健康保険を五カ年の間に全国に一律実施をするというふうな計画であったやに伺うのであります。ところが現実の面で、私ども地方行政委員会でもってここ数年やかましく問題になっております地方財政の赤字問題との関連におきまして、政府が五カ年計画を大きく打ち出しても、しかく簡単にこれが行われるものとは思えないというふうに私は新聞を拝見いたして感じたのであります。しかしながら非常な意欲を持って、御田厚生大臣などはやると言っておられるのであります。それで私はどことどこを三十二年度から実施するかというふうな、具体的なことまでよく承知をいたしておらぬのでありますが、聞くところによると、五大都市のうちでは名古屋市あたりはことしから国民健康保険をやらすのだ、こういうようなことであったやに承わっておりますが、それの現在の実施状況は果してどんなものであるか、それを最初に厚生省の係の方から伺いたいと思います。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 ただいま中井先生がお話しになりましたように、国民皆保険の実現ということは非常にむずかしいことでございまして、お話のように私ども目標としてはぜひとも到達したい。しかしそのような目的を達成するには、いろいろの困難を乗り越えていかなくてはいかぬという意味で、いろいろ苦心をしておるわけでございます。計画につきましてはすでに御存じの通り、これから三十五年までの間に、現在なお社会保険の、特に医療保険の網の目から漏れておりますところの二千五百万人ほどの国民を、何とかして医療保険の網の目の中に入れていくということで考えておりまして、今後ごく大ざっぱに申しまして、毎年五百万人ないし六百万人の人々を主として国民健康保険に入れていくというようなもくろみで、計画を立てておるのでございます。  そこで昭和三十二年度の実情でございますが、今年度においては、およそ五百万人ほどの人を新たに国民健康保険の網の目に入れていくということで計画をいたしておるのでございますが、中身の荒筋を申し上げますと、従来国民健康保険の普及は主として農村部に見られたのでありますけれども、農村部の普及も逐次進んで参りましたが、国民皆保険の点から申しますと、実は都市部の各種の被用者保険に吸収されてない人々を自民健康保険に吸収していくということが非常に重要な問題でございますので、三十二年度において、特に都市部における普及に重点を置いて考えていくというようなことでいろいろと計画をしておるのでございます。先ほどお話の名古屋もそのような意味において何とかして今年度中に国民健康保険を実施するように踏み切らせたいということで考えておるのでございます。それで現在の状況でありますが、六月一日に実施をいたしましたおもな市は、広島、尼崎、佐世保、高知、長野、佐賀、この地方でございます。これらの都市を中心といたしまして、なおこのほかに実施されました残余の市及び町村を加えまして六月一日までに百七十万ほどの人々が新たに国民健康保険の網の目の中に入って参ったのでございます。今後に残されております都市はまだだいぶございまして、おもな都市はただいま申されました名古屋、仙台、札幌、下関というような大きいものが残っておるのでございますが、今これらの都市についてそれぞれ検討を加えておりまして、名古屋を除きましてはおよそ実施の時期等がほぼ見通しがつきかけておる。名古屋につきましては、実は名乗り上げるのは早かったのでございますが、いろいろ状況について検討を加えました結果、なかなか実際上踏み切るのがむずかしいというので、大体今の見当で来年の一月くらいを目標にしていろいろ準備を進めておるというような状況でございまして、きわめて雑な申し方でありますが、以上のような状況でありますので、今年度中において大体目標としておりました五百万程度のものを新たに国民健康保険の網の口の中に入れるということは、今年度に関する限りは大体できる、こんな気持でいろいろと努力しておるというような状況でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今大体これまでの状況を伺ったわけでありますが、高知、佐世保、尼崎、広島、長野、佐賀、こういうところのように伺います。が、名古屋、仙台、札幌等はまだである、こういうわけです。根本の健康保険の赤字の問題は、前の国会あるいは前々国会等で重要な議論になりましたが、国民健康保険も同じように、どうして農村が先に行われて、そうして都市があとになったかということになれば、都市には健康保険というものがあって、人口の半分くらいの勤労者はそれに含まれておるという事情もあることはありましょうけれども、何としましてもこの国民健康保険の過去の実績を見ますと、毎年々々大へんな赤字でもって、一般会計からそれを補てんしなくちゃならぬというふうな状況であろうと思う。これをほうっておいて、政府が幾らたいこをたたいても、これは現実の問題としてなかなか——高知や佐世保は六月からやるということになりましても、一年たつとこれはまた大へんな問題になるんじゃないか。こういう問題は実施をいたしましても落ちつくまでには相当各市町村において苦労を重ねていかなければならぬということになろうと思うのでありますが、厚生省としては、こういう国民健康保険の運営に伴います、最も大きな問題である赤字のことについて、どういうふうな対策を考えておられるのか、それは自治体がしっかりやって、そうして健康保険料をびしびし取れば行われる、こういうふうに簡単に考えておるのであるか、あるいはまた幾らか事務費その他の国庫補助があるやに聞くのでありますが、その程度のものでいいと考えておるのであるか、この国民健康保険の赤字の問題について、今どういうお考えであるか、将来どういう見通しであるか、この点を伺っておきたいと思います。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 ただいま仰せになりましたように、現在国民健康保険を実施しております市町村についてみましても、この運営については非常に苦労をしておりまして、過去数カ年間の状況によりますと、全体を通算してみまして、ある程度の赤字が毎年々々出されているというような状況にございますことは御指摘の通りでございまして、これは国民皆保険を速成する上においてぜひとも解決しなければならぬ問題であるだけでなく、そういうことと切り離しても、これはぜひとも解決しなければならぬ、かように考えているわけでございます。  その概略を申し上げますと、ただいま赤字が生じております原因の第一は、実は国が当然打つべき補助金を持たなかったことに起因する赤字が相当あるのでございます。現在の国民健康保険法によりますれば、国民健康保険の運営に必要な事務費は、一定の基準に基きまして建前としては全額国が持つという建前になっておりますにもかかわらず、この基準が不当に低くきめられているというような事情からいたしまして、私どもの昨年の調査によりますれば、被保険者一人当りにならしましておよそ百五円から百七円程度かかっているというふうに思われているものに対しまして、過去においてはおよそ六十円足らず、あるいは若干伸びましてこれが六十七円というような程度しか見ていない。従ってこの分に関する限りは、勢い実施いたします市町村の背負い込みになりまして、その分がどうしても赤字の原因になりやすい。これがまず国庫負担の面から見た赤字の一つの要因であったのであります。  それからもう一つの要因は、療養給付費の二割を国が持つという建前になっているのでございますが、毎年予算の組み方が実際の療養給付費の二割に比べましてやや少額であったというような事情からいたしまして、勢いそれが短期的には実施いたしております市町村の負担になるというようなことで、これまた赤字の要因をなしている。こんなようなことが原因で市町村が相当程度の赤字を出さざるを得なかったというのが、これまでの実情であったのでございます。  それでこの点につきましては、昨年来特にいろいろと関係方面と相談をし、また本年度の予算におきましても努力いたしまして、少くとも療養給付に対する二割の国庫負担というものは、その年において必ず払っていけるように予算を組んでいくというようなことで、努めてこれは短期的にも赤字を出さぬように片づけさしていく。それから事務費につきましては、何とかして百七円というものをもとにした予算を組みまして、この面からする赤字をなくしたいということで努力をいたしたのでありますが、その結果さしあたり八十五円まで引き上げて、残余の分についてはさらに関係省が本年度実態調査をいたしまして、必要だと認めた金額を定め、それに基いて三十三年度の予算は完全に組む。こういうことで、まず国庫負担の面からする赤字の要因を解消する、かように考えて参り、十分ではございませんが、この解消に向って着実な一歩を踏み出しているというような状況になっております。  それから赤字を生じております第二の要因は、これは一がいに申せないのでありますが、ともすると比較的早い時期に、国民健康保険を実施いたしました市町村に見られがちな傾向であるのでありますが、どうも療養給付費というものは毎年ある程度の伸びを示していくのでありますが、それに追いつくだけの保険料を取っていないということがあるのであります。これにはもちろん市町村民の負担能力ということが一つのブレーキになっていることは争えないのでありますが、もう一つの傾向としては、とかくこのようなものを引き上げるということが、いろいろな意味において市町村民に受け入れられがたいというような事情からいたしまして、事情をよく話をして取るべき保険料を取るということで問題を解決する方向をとらないで、どちらかというとそういうふうなことで出てくるものは、一般会計からの繰り入れというようなことで事態を糊塗するという傾向がないではないということでありますが、この面については一がいに言えないことでございますので、それぞれの市町村について一つよく考えてもらって引き上げることのできる、また引き上げるべきものについては、ある程度困難を排除しても保険料を引き上げていく。こういうことで何とか出ないようにしていってもろう。  大体この二つの方法を講ずることによりまして、赤字の生ずる大きな原因をふさぎますと同時に、他面現在の国民健康保険の財政では市町村の一般財政で負担して、しかるべきいろいろな疾病予防の施策を行なっている場合、その費用を特別会計の国民健康保険で負担をしている、かような事実もありますので、これらの分については相応な程度において一般会計で負担をしてもらう、こういうことで、まず現在の状況で赤字の出ることを極力防いでいく、こういうふうに考えているのでありますが、これでもなお地域によりましてはむずかしいという地域のありますことは、私どもも考えておりますので、こういうものに対しましては昭和三十三年度以降においては国民健康保険の大改正とともに、何か一つの調整交付金的な役割を持つ制度を考えましてそういうものに対処していきたい、こんなようなことを考えている次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 だんだんと承わりましたが、国民健康保険を実施しておりまする市町村にとりましては、これは戦争前からの施設でありますから、これまでずいぶん長い間苦労をしてやって参ったのであるが、今承わると国の方もどうも法律できめたことをその通りやっておらぬ、こういうことでありまして、あとの二千五百万人のまだそういう制度を施行しておらぬところへ十分に行き渡るというようなことは、私どももどうもそんなのんきなことで毎年毎年何かその年ばったりの運営でやっていっているように思うのであります。こういうことを考えるとどうも今政府の言うておられることは、果してできるのであるかどうか、はなはだ疑問とするところでありますが、さしむき問題を少ししぼりまして具体的に伺ってみたいのであるが、これまで全国ひっくるめまして一年どれくらい一般会計から国民保険特別会計の力に振り向けておるか、あるいは都市によりましては特別会計を組んでおらぬところもたくさんあろうと思いますが、どれくらいの一般財源の負担になっておるか、これは厚生省でおわかりでございますか、過去四、五年の実績をちょっとお知らせいただきたいと思います。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 昭和三十一年度の国民健康保険を実施しておりまする市町村の集計分について申しますと、この年の一年の一般会計からの繰り入れは予算面では三十四億ということになっておりまして、大体実績もそのように行っていることと考えます。なお三十年度以前のものにつきましてはちょっと手元に資料がございませんので正確には申しかねますけれども、大体この金額という違わないものが繰り入れられておったようでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 三十四億という数字を聞きますると、重大問題になりました健康保険の赤字とあまり金額が違わないほど非常な大きな数字だろうと思うのであります。健康保険の方はあれだけ大問題になりながら、一般財政で市町村が負担している三十四億について、政府はこれまでほおかぶりをしておったということは、これは重要問題であろうと思いまするが、こういうことについてどうお考えでございますか。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 これは仰せの通りなかなか容易ならぬ問題でございますが、先ほど私が申し上げました国が当然負担すべかりしものを負担していないというような事情に基くもの、特に事務費の国庫負担の単価が低いというようなことに基きまする市町村のしょい込み額が、ごく大ざっぱに申し上げますと十五億から十七億程度ございますので、この三十四億という金はそれで一挙に半分くらいになるのでございます。それからもう一つは約十億足らずの金が、先ほど申し上げました療養給付費に対する二割の国庫負担の金額の計上額が少なかったために、翌年度以降において精算、補助されるということになりましたものがございますので、それが大体その程度減ずるのでございます。なおそのほかに一般会計において持ってしかるべきものだという議論ができそうな、たとえば直営診療所の費用とか、あるいは保健婦の費用というものが七億程度ございますので、帳面づらだけから申しますと、先ほど申し上げましたことで大体一応の片はつくということにはなるのでございますが、ただこれは最初に申し上げましたように全国の集計でございますので、状況のいいものと悪いものとが合わさっておりますので、実態におきましては悪い市町村の分は相当深刻な状況になっている。従ってそれに対応する何らかの特殊の措置は講じなければならぬ、かような実情でございますので、まだこれといって申し上げるほどの成算はまとまっていないのでありますが、何らの措置を講ずることが必要だ、かように判断している次第であります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今承わりますと、三十四億の赤字の内訳の原因はほとんど国にある。一つは二割の補給に対する金の不足額が十億円、一つは事務費の負担で、百五円ないし百七円かかるものが現実には六十七円しか行っていない、これを元へ戻すとそうなる、こういうことになると、これまでも地方財政に非常に圧迫を加えておりましたこの三十四億の責任は、ほとんど政府にあるというように了解していいわけでありますね。  それと、もう一つ伺っておきたいのは、これは私はいつも不思議でならなかったわけでありますが、先ほどもお話がありましたが、国民健康保険の必要性というものを考えると、むしろ隣保意識の強い、部落意識あるいは親戚その他の関係から助け合い運動の多い農村において案外普及しておりまして、そして最もこれの必要な都市においては、五大都市を初めとしてほとんど今日まで等閑に付せられておるという、この原因はどこにありましょうか。この点を一つ参考までに伺っておきたいと思います。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 原因は大約申し上げまして二つあるのでございまして、一つは沿革的な事情でございます。御承知のように社会保険は沿革的に見ますと、主として被用者の保険として発達して参りましたので勢い被用者の多い都市におきましては、大体そんなことで問題が片づくといったような感じが沿革的にあったのでございます。国民健康保険は主として農村における生活の窮乏に対するために、被用者保険として発進をいたしました社会保険の仕組みを最も日本的な形で応用して参った制度でございますので、そういうような事情からして、ともすれば国民健康保険というと農村というようなことで、農村が主としていろいろな意味で考えられて参ったのでございます。  それから第二は、むしろ実質的な事情でございますけれども、国民健康保険を成り立たせますために一番いい条件は、やはり地域的な連帯感がありまして、それが基礎になってこの保険を盛り立てていくという条件が一番よいのでございますけれども、都市の場合におきましてはなかなかそれがむずかしい。特に最近は所得水準の比較的高い人々は、何らかの意味において被用者の保険に入ってしまっておりますので、都市においては残された人々は地域的に見てもいろいろ散在をしておって、つかまえにくいという技術上の難点のほかに、今日ではこの残された人人の所得水準そのものが被用者保険に入っている人々よりも低い、こういうような実情がありますために、実際は仰せの通りむしろ残された人にこそ、医療保険を一日も早く及ぼしていかなければならぬのでありますが、いろいろ普及しがたいという条件がございましたためにおくれておったというような実情なのでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 だんだんとわかりましたが、最後にちょっと伺っておきたいのだが、国民健康保険を、たとえば仙台でやれ、札幌でやれということについて、法律上どうしてもやらなければならぬという何か命令権のようなものがあるのですか。仙台はいやだ、札幌はいやだと言ったら、現状におきましてはできないのですか。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 現在の法律では市町村がきめるということになっておりますので、法律上の強制手段はございません。     —————————————

門司亮日本社会党

○門司委員長 それではこれより警察の問題につきまして調査を進めていきたいと考えております。本日の参考人としておいでを願っております警視総監の川合壽人君が出席されておりますので、御報告を申し上げておきます。質疑の通告がございますので、これを許します。中井君。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 本日は交通事故の問題でまずお尋ねをしたいのでございますが、同僚の茜ヶ久保委員が急に病気になりました。この問題は、当人の強い御希望もあったのでございます。従いまして、茜ヶ久保君の質疑は他日になろうと思いますが、私はちょっと概論的にお尋ねしたいのであります。  どうも最近日本の交通事故の件数が特に終戦後激増いたしております。警察庁当局からいただきました資料によりましても、負傷者を合せますと、人的被害だけでもう昭和三十一年度は一年に十万人を突破しておる。死者だけでも毎日十八人、負傷者が二百八十人このいうふうになるということであります。こういうことになって参りますと、どうもこれは毎日全国で十八人ずつの殺人事件があるというふうな解釈もできないわけではないのでありまして、明治維新以前の一番大きな戦争でありました関ヶ原の戦いでも、負傷者全部合せて六千五百人にすぎなかったというふうな歴史的なものを思い合せまして、私はどうもこういうものを、政府は対策を講じておるのかもしれぬが、そのまま放置しておるということでありましては、文化国家としての日本のためにもまことにこれははずかしい次第であると思うのであります。原因についてはいろいろ常識的に考えられる次第でありますが、私はどうも最近の新聞に現われております論評、あるいはまた、この前一度そういう問題についてこの委員会でも議論をいたしたのでありますが、おもに交通規則を守らないとか、いろいろなことが話に出ましたけれども、根本原因といたしまして、やはり日本の道路行政というふうなものと皆さんの取締りというふうなもの、政府部内においてそういうことに対する意思の統一が非常に欠けておるのではないか。たとえば一例を申しますと、交通の規則によりますと、電車の路面の上を自動車がどんどん自由に走ってはいけないというようなことになっておるが、東京都内だけでも、現実に電車の路面の上を走らなければ通れないというふうな道がずいぶんあるように思うのでありますが、そういう面につきまして、交通問題は私は今や日本の内政の一つの大きな問題になりつつあると思いますので、この際長官、特に現実に最もその事故が多いと思われる東京都を管轄されておりまする警視総監あたりから、交通事故の問題について一般的な見解を、まず最初に伺っておきたいと思うのであります。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 ただいま御指摘の交通事故の問題でございますが、まことに仰せの通り重大な問題であるのでございまして、交通事故防止につきましては、ただ単に警察取締りのみをもって問題が解決し得るものではないことは仰せの通りでございます。交通安全教育の徹底とか、道路及び交通安全施設の整備とか、運転者、特に事業家の管理する運転者の労務管理の問題とか、いろいろな問題があるわけでございます。そうしたものによって総合的に事故防止の対策を講ずるのでなければ、とうてい問題の解決はできないのでございます。従いまして、そういう見地から、政府といたしましても、一昨年の五月に内閣に交通事故防止対策本部を設けまして、関係各省庁の者は相寄り相協議をいたして、この激増する交通事故防止のためにいかなる対策を講ずべきかということにつきまして、衆知を集めて協議をいたしまして、交通事故防止対策要綱を決定いたしておるのでございます。それに基きまして、関係各庁それぞれの所管する事項につきまして、鋭意これが解決の施策を講じつつある段階にあるのでございます。われわれ警察といたしましても、警察の関係する部門、警察の権限に属する範囲において、交通事故防止のためのいろいろの施策を講じつつある状況でございます。他の運輸省、あるいは建設省、通産省、労働省それぞれの関係省におかれましても、それぞれの所管する部門につきまして、いわゆる交通事故防止のための施策についていろいろと研究し、あるいは法令の改正をし、また必要な事項を決定して関係者の指導監督に当るといったような施策が次々になされつつあるのでございます。問題はきわめて困難かつ重大でございます。さらに政府関係各省庁相寄り相助けまして、この問題の解決のために一そう努力を払わなければならぬという点は、私ども痛感をいたしておるのでございます。

川合寿人警視総監

○川合参考人 ただいま全国的な総括的な問題につきましては石井長官からお答えいたしましたが、東京都管内の模様をごくかいつまんで申し上げますと、確かにお説のように、いわゆる殺人犯というものが一年にわずか百八十名——わずかと申し上げましたが、交通事故に基きますところの不慮の死傷に比べますと非常に少い数で、七百六十六名という交通事故の死者に対して、きわめて悪質といわれております殺人犯は二百人に満たないという状況であります。死傷者の数は全部で昭和二十一年は概数一万六千人出ておりまして、社会的に見てこれは非常に大問題でありますので、いろいろな関係機関と協議をいたしましてその対策を練ったのでありますが、経常的に私どもの力でやっております施策は、主として東京都及び陸運局関係機関との協議をいたしますところの交通問題対策審議会でございまして、この問題につきましてはいろいろな解度から交通事故をどうしたら減少することができるかという対策を練っておるわけでございます。一番の隘路は、今も御指摘になりましたように、道路の有効面積というものが、自動車その他の交通量の増加に伴って増加しないということなのでありまして、試みに私の手元にありますことを表でもって申し上げますと、自動車だけの問題でありますが、昭和二十九年三月の自動車によりますところの交通総量を一〇〇といたしますと、昭和三十二年にこれを同じ計数で引き比べてみますと指数一四七ということになっておるのであります。すなわち四七%の自動車による交通量の増加を来たしておるわけであります。これは道路がそれに比して増していないということは常識的にもわかることでありまして、御案内の渋谷地区あるいは池袋地区を初め、猛烈な努力をされまして、道路の幅員あるいは立体交差というようなところまで研究を進めていっていただいておるのでありますが、なかなかこれが追っつかないという状況でございます。それから現在におきましては、ハイヤー、タクシーの数は陸運局の御所見に基きまして、数を増さないことにいたしておりますが、そのほかの自動車は、自家用自動車を初め非常な勢いで増しておりまして、現在東京都下におきまして月四千台ほど増しておる状況であります。これらの車を運転します者の態度につきましては、私どもの取締りと、それから運転をします者の交通法規の順守の態度によりまして、いろいろと問題が出てくるわけでありますが、私どもといたしましては、現在のような交通の状況であれば、これは単に取締り、検挙ということだけでなくて、十分に指導の面を強調していかなければなるまいということで、実はこの二、三カ月来、いわゆる白バイの方針などもこの方面に相当切りかえまして、いかなる態度でもって、いかなる方法で運転するべきであるかということを街頭において数多く指導するということをやらせておるのでございます。もちろん、今まで出ましたところの犯罪の中には、きわめて悪質なひき逃げ、あるいはそのほかのきわめて不用意な殺傷事故がありまして、これらはもちろん立件をしなければなりませんけれども、そうでないものは歩行者の側にも、あるいは道路の工合にも、あるいは運転者の労務管理の工合にも、いろいろと研究すべき問題がございまして、これらを総合的にやっていきたいものであるというふうに考えておる次第であります。今ちょっと御指摘になりました軌道敷内の車の運転につきましては、確かに道路交通取締令の中に規定がございまして、車馬は軌道敷内を通行してはならないと書いてありますが、これも条文にもあります通り、やむを得ない場合のほかということになっておりまして、このことにつきましては、白バイなりあるいは街頭の取締り警察官には、私どもの指導によりましてできるだけ実情に即することをやらせたいというふうに考えておる次第でございます。警視庁で五月末までの交通事故のごく概要を調べてみましたところが、交通安全週間におきまする十日間の事故は確かに減っております。私どもの指導によりまして、その期間における死傷者の数は非常に減少しておりますので、この状況を一年じゅう続けていったならば、きわめていい結果になるのじゃないかと思いますが、いろいろとそうもしておれない事情がありますが、関係機関と十分に連絡をしまして、あるいはまた諸外国のいい点などもくみ入れて、不慮の事故をなくするために衆知をしぼっておるような実情でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今一般的なお話を伺ったわけでありますが、まず第一に石井さんは、交通事故防止対策本部というものを作り、対策要綱を作ってやったと言われますが、こういうものを作りましてから交通事故は減りましたのですか。私どもはやはり一向減っておらぬと思います。そこでこういうものをお作りになり、要綱でもお作りになっておれば、これはあとで一つ委員会にその要綱をいただきたいものだと思いますがどうですか。ちょっとお話の中にありましたが、私どもの印象では、現実を見ますと、非常に乱暴な運転手君があって、危ないなというふうな印象も起りますが、出ております面を見ますと、罰則はやはり弱い者いじめで、今言うように客観的に日本の道路行政あるいは労務管理の面で非常に問題があるにもかかわらず、その指導がゆるやかであるというか、甘いというか、そうして現実に現場で働いております運転手諸君については最近は非常に厳重に臨んでおる。特にこの前の委員会でも指摘されましたが、行政罰と司法罰を二重にやるというふうなことがありまして、かえって現実にタクシーなどは非常に気分をいらいらさせて、そうして罰金の一つや二つ食ってもかせがなければならぬというふうな気持で、金がなければ一つすわり込んで入っていきますわいというような返事で、僕たちがときどきタクシーを利用して乗って聞いてみますと、そういう放言を聞くのであります。こういう点につきまして、どうも今承わりましたところでは全体として甘い。もう少し労務管理、特に経営主の方の監督その他について具体的にはっきりした御指導が必要ではないかと思うのでありますが、現在どのような指導をされておりますか、そういう点についてちょっと伺っておきたいと思うのであります。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 先ほどお答えいたしましたように、一昨年五月に内閣に交通事故防止対策本部を設け、関係各省庁の者が研究協議をした結果、交通事故防止対策要綱の決定を見て、それに基いてそれぞれの各省庁において所管する問題について逐次対策を講じつつあるのでございますが、今御指摘の運転者の労務管理の問題のごときは、労働省の所管と申しますか、私ども警察の直接関係するところではないものでございますから、私からかれこれ申し上げるのは差し控えたいと思いますが、労働省におきましても鋭意そういう点については検討をされておるというふうに承知いたしておるのでございます。  交通事故防止対策要綱をきめたけれども、一向交通事故は減らないじゃないかというような御指摘がございましたが、遺憾ながら事実はまさしくその通りでございます。しかしながら、この交通事故が非常に逐年増加しておりますことは、車両並びに人の交通量が非常にふえておるということ、しかもそれに対応して道路その他の整備がこれに追いついておらないというようなことにもいろいろ原因があるのでございまして、交通事故防止対策要綱に基きまして、警察といたしてやり得ることをいろいろやっておりますものが全然効果がないというわけじゃないのでありまして、相当効果を上げておると私は思うのでございますが、交通量の激増に伴う事故の増加ということが、われわれの今日まで行なっております施策では、とうていまだ防ぎ切れないほど、事ほどさように交通量が非常にふえ、また条件が悪くなっておって、そのために事故が激増しておる。こういうことに相なっておるのでございまして、交通事故防止対策本部を設け、またそれに基いて要綱を決定しながら、何ら効果が上っていないとは、私は考えておらないのでございまして、もしそういうことをしておらなかったならば、交通事故はもっとふえておりはしないかとさえ思うのでございまして、これはある程度効果が上っておることは間違いないと思うのでございます。何分にも遺憾ながら事故が非常に多く起っております。この点につきましては、われわれ警察の関係するところ以外の他の関係官庁にお願いしなければならぬ問題が、むしろきわめて大きく、かつ多いと思うのでございます。そういう点につきましては、さらに私どもの方からも積極的に働きかけ、相協力して問題の解決のために、一そう努力をしていただくように努めたい、かように考えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今の御答弁でありますが、いつもどうもそういうふうな政府の答弁は上手に逃げられるのだが、しかし国民一般がこれを見ると、交通取締りというのは警察のことであるというふうに考えております。従って労務管理は労働省のことだからよろしくというふうなことでは、この問題は解決しないように思うのであります。どうですか、その辺のところは。労働省のことだから、警察は黙っておる。おそらく私は現実の運転手君の意見などを聞きますと、なかなか八時間労働は守られておるようにも思えませんし、そういう面については、交通取締りの面から、きつく警察が要請するのが当然であるし、私はその義務があると思う。これは単に現象をとらまえてやっておったのでは、片がつかない。あなた方がそう思っておられるのですから、その点について、どうですか。これは労働省のことだから、労働省の方でというふうなことでは、私どもちょっと満足するわけには参りませんが、どういう折衝をやっておられるか、これをちょっと具体的に伺っておきたい。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 ただいま御指摘の点、まことにごもっともでございまして、私どもも労働省あるいは運輸省等の関係機関に対しまして、強く問題の解決のための善処方を要請をいたしておるのでございます。私どもの取締りの実情に基いて、そうした資料等も提供いたしまして、問題の解決のための研究施策を強くお願いをしておるような状況でございます。警視庁の最近の調査によりましても、タクシー事故が、ことしの一月から五月十五日まででしたかの統計によりますと、タクシー運転手で運転を開始してから九時間以上も連続運転をしておるといったようなものによって、事故の約半数に近いものが起されておるというような点から見ましても、運転者の就労時間と申しますか、勤務条件というものが、一つの大きな問題であると思うのでございます。そういう運転手に過酷な就業をさせるということは、一つの大きな問題として取り上げて、こうした事業者に対しても、十分考えていただかなければならぬ点だと思うのでございまして、これは関係省に対しましても、私どもがこうした現実の調査に基いての貴重な資料を提供して十分考究し、対策を講じていただくように、鋭意努力したいと思っております。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 今労務管理の問題がちょっと出たのですが、お話では大体日本の道路事情が非常に悪いということ、これは建設省を中心としていろいろ施策が行われることと思いますが、労務管理の問題で二つの点が私はあげられると思います。まず労働時間が、今申し上げたように、非常に長いということと、給与体系が固定給が非常に少いので請負によってやる、水揚げによって収入が変化する、こういうことからお客様が乗ると早く飛ばして、次に客を拾わなければならないというようなことで、スピード違反をするという形が非常に起ってくる。そこでそれを労働省にまかすということではなくして、警察としては特にそういうタクシー業者等の協会と一つの協議会的な組織を持っておるのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思うのです。またその協議会の内容も、できれば御説明をお願いいたしたいと思います。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 警察と自動車の会社のつながりといいますか、関係は、御承知のように交通安全運動という面において一つつながっております。これは大体自動車輸送に関係のある業者の方方がほとんど入っておる、交通安全という面から入ってくる。それと同時に、また管内の、たとえば警視庁等でいいますと、各自動車会社、ことに円タクを経営しておられる会社とは常時密接に連絡とっております。いろいろ先ほどから御指摘がございましたが、実はわれわれが交通の警察行政をやっていく上におきまして、やはり一番問題は、御承知のように、現在自動車交通について各省がそれぞれ行政上の権限を持っておる。それで、たとえば事業の監督、交通事故を非常にたくさん起すような会社に対する行政上の監督というものは、運輸省自動車局が御承知のように持っておる。それから労働時間につきましても、これは労働省が持っておる。警察としては交通安全、交通取締りという面からタッチしておる。従ってそれがどうしても自動車を現に運転しておる者に対する取締りというような形にできておるわけです。こうばらばらではいけないということで、各省もよく連絡をとってやろうではないかということで、先ほど長官がお話になりました事故防止対策本部というものができた。ここでいろいろ広範にわたって検討しまして、その結果は、それぞれ実施いたしております。たとえば私の方で申しますと、営業用の自動車については、普通の自家用といいますか、いわきるオーナー・ドライバー以上の経験年数やあるいは年齢の引き上げというような点についても考慮しなければならない、また、たとえばバスの路線等で、よく行き違いもできないような狭い道路に、路線の認可が行われるという事例が相当あった。こういうものにつきましては、運輸省の機関が路線、認可をする場合に、事前に警察側の意見を聞いていただく、これもまた現に実施いたしております。それから最近では踏み切り事故の問題について、踏み切りの事故防止についていろいろと検討しておる。相当この本部は活動しておると私は思います。またその結果もだんだん出ておると思います。労働者の労務管理との関係につきましては、こういう問題があるわけです。御承知のように、われわれは事故防止、交通安全という見地から、いろいろと事業の経営者に対してお話をいたしますが、労働時間あるいは給与という問題については、警察側が業者にいわゆる行政上の運営の面においてお話をするということには、やはりある一つの限界がどうしてもあるわけであります。もちろん、いたしておりますが、これはやはりそれぞれの所管のところにおいて、現在の制度がこれでいいのかどうかという面について、私どもの希望としましては、もう少し真剣に御検討をしていただきたい。これは絶えずわれわれが申しておる。むしろこの委員会で皆様方の御発言になるようなことは、各省に対してはわれわれが常に申しておるような次第でございます。たとえば労働時間につきましても、この前までは、例外規定で一日に十時間、一週間に六十時間という例外規定が円タクについては認められておった、あれも実はわれわれの方でいろいろと提案をいたしまして、原則まで一応縮めたようなわけであります。そのようにしていろいろやっておりますし、今後もやるつもりでおりますが、問題はやはりみんなで問題を総合的に考えて、真剣に取っ組んでそれを実施に移すということでなければならぬ。自動車の経営者側に対してはわれわれはいろいろと申しております。また運輸省に対しては、労務管理のあまりよくないところ、また交通事故を非常に頻発しているような会社で、事業の運営上どうもこの点は工合が悪いと思われるような点については行政処分といいますか、行政上の監督の権限は運輸省が持っておりますが、警察側で意見を申し述べる、それは尊重してもらいたいということは、これもやはり先ほどの事故防止対策本部の際に話し合いがつきまして、現在は相当警察側でそれぞれ運輸省側に申し入れをしておる、こういう現状です。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 大体交通事故となりますと、自動車だけが悪いような印象を与えますが、実は先般いただいた統計を見ますると、自動車台数に比較して私のいる京都なんか非常に多いわけです。私は東京におって久々にいなかに帰りまして、たまにタクシーに乗っても、まるで神武以来のぼろ自動車が走るようにどろどろ走っておるわけです。それにもかかわらず事故が多い。道路といったって、そう道路が悪いわけではない。一般の自転車に乗ったり、あるいは交通する住民にもやはりそうした自覚がなければならぬと思うのですが、その点に対してもどうも警察当局としては大いに力を注ぐ必要があると思うのです。自動車だけを取り締ったって交池事故を防止することはできないと思うのですが、警察当局は何か手を打っているのか、非常に私はその点が不思議でならないのです。東京なんか自動車のスピードも非常に早いし、自動車台数も多い。しかし件数としては多いけれども、台数に比較した事故というものは、やはり京都の方が非常に多いわけですが、この点に対して警察はどう考えて、どう対策をなさっているか質問いたしたいと思います。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 御指摘のように、この前提出いたしました統計資料をごらんいただきますと、京都とたしか神奈川県が、自動車の台数に比較して事故数が多いのです。これはわれわれの方も検討いたしまして、まことに残念でございまいますが、各県から提出してきます統計資料そのものの基礎に若干問題があるように思います。と申しますのは、京都と神奈川では非常にこまかい事故まで集計してこちらに持って参る、それ以外のところでは、きわめてささいなものは統計の数の中に入れない場合があるということに一つの問題があることに気がついたのであります。この前の会合のときにその点は十分に話をしまして、少くも人がけがをしたとかなんとかいう事故はどんなささいなことでも全部報告する、それからいわゆる物的損害については、それをどの程度以上のものにするか、いずれにしてもあまりでこぼこのないようにしたい。京都について事故率が統計上多いというのは、そういう問題が相当関係しておる、かように思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 交通事故の中で幼児、児童生徒、こういう子供たちが路上で遊んでいる、こういうことから起る事故が相当あるようであります。私どもが自動車に乗っておりましても、確かにこれは運転手が相当の注意をしても、突如として横合いから横切ったり、あるいは路上で二つ三つの小さな子供を遊ばしておるというようなことをよく見るわけです。これでは運転手の方に注意を負わせるということは、ちょっと酷じゃないかというような気がするのです。従ってこの幼児あるいは児童等の路上遊戯による事故というものを防止するためにやはり思い切って、道路上で子供を遊ばせちゃならぬということは今でも交通取締りの規定にあると思うのですが、それを厳重にやる、いろいろ差しさわりもあるかもしれませんけれどもこれを厳重にやる。まあ不便ではあるにしても死ぬよりはいいんですから、その方が親にとっても子供にとっても親切だという意味からして、この点について特に厳重な取締りをし、また父兄、保護者に対しても、子供は道路上では遊ばせないという注意をよく徹底をするというような指導をしておるのかどうか、この点をちょっと伺っておきたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 全く御指摘の通りでございまして、交通事故の発生の原因を見ますと、自動車側に主たる原因がある場合と、半面歩行者側に原因があるという場合もかなりあるのでございますが、その歩行者側についてさらに分析してみますと、今指摘のように、子供の路上遊戯あるいは幼児に保護者がついていないで、ぴょこぴょこ路上に出てきて、そのために事故が起ったというような事例がきわめて多いのでございます。そうした点につきましては交通事故防止運動と申しますか、そういった面からわれわれ警察としましても常に関係者に呼びかけまして、交通安全教育の徹底と申しますか、そういった点については従来とも努めておるのでございますが、今後もさらにそういう点には工夫をこらしまして、一そうこれが徹底をはかるように考えたいと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 先ほどお尋ねした二重処罰の問題ですね、あれについてはどういうふうなお考えであるか、将来の見通しなんかちょっと参考までに最後に伺っておきたい。  それからもう一点、これはどうも逆のことになるかもしれませんが、現在の交通事故、違反に対する処罰の実際の手続を聞いてみますと、大へんどうも交通事故が多いものですから、一々裁判所に呼ばれるとたくさんの人が集まって四列縦隊になって、きょうも幾ら罰金をとられた、一カ月たったらまたとられたというので、大へん手続がめんどうで、そうしてスピードが一キロ超過すれば何百円、十キロならその何倍というふうな一定の規則がありまして、それでどんどんやっておるように伺うのでありますが、そういうこまかいことまでおきめになっておるというならば、逆に現場でこれは解決のできないものでしょうか。これは諸外国等ではよく街頭で見るわけでありまして、十キロ超過、君の罰金は幾らだとかいうので、現場のおまわりさんが領収証を出して片づけておるというふうな形を、私も十数年前というか、ほとんど二十年ほどになりますが、外国でしばしばそれを見たわけであります。日本においてはまだそれは行われておりませんが、そのような面についてどういうふうなお考えであるか、これをちょっと伺っておきたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 交通事故を起したいわゆる法令違反者に対しまして、刑事処分と行政処分の二重の処分があるのは酷ではないかというお話でございますが、この刑事処分と行政処分とはおのずから別個の立場において行われるものでございますので、これをいずれか一方にするというようなことは、ちょっと軽々にはきめるわけには参らないのではないか、かように思うのでございます。いずれか一方にするということになれば、おのずから行政処分をやめて刑事処分一本にするということにならざるを得ないのではないかと思うのでございますが、行政処分は御承知の通り、そもそも運転免許というものは本来交通安全、人の生命、身体の安全をはかるために、一定の技術を持った者でなければ自動車の運転は認めるべきでないという一般的な規律されている事柄につきまして、ある特定の人に対してその技量を認めてこれに運転を許可する、こういう建前でございますので、その者が技術未熱のために事故を起し、人にけがをさせるということであるならば、これはやはりその点に対する何らかの制裁があってしかるべきであります。その事犯の程度いかんによりまして、その者の技量の程度いかんによりまして、一定の期間運転免許を停止するとか、あるいは程度の高いものであるならば運転免許を取り消すというような措置をとることは、交通安全の見地から当然必要なことであろうと考えますので、これを廃止して刑事処分一本にするということは困難ではないか、かように考えておるのでございます。  いま一つの、裁判が非常に手間取るという問題でございますが、交通事故につきましては即決裁判の制度がとられております。これによりますと大体一時間くらいの時間で裁判がなされておるように聞いておりまして、この即決裁判ができましたことによりまして、運転手の方々に長時間御迷惑をかけるという点はかなり緩和されて参っておるのではないか、かように考えるのでございます。なお外国での事例等もお示しがございましたが、そうした点につきましては私ども今後の研究の参考にさせていただきたいと思っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 ちょっと御答弁が違いますので、私言いましたのは、刑事処分一本にせよというふうな意味ではありません。刑事処分の場合には行政処分の方は自動的に免許の取り消しとか停止とかいうことになるということはやむを得ないと思いますが、独自の見解でまた行政処分の方を考えていくというふうなことになりますと、受ける方では非常に迷惑でありまするので、行政処分だけのものがたくさんございましょう。しかし殺人とか負傷とか大へんな問題を起すと刑事処分の方に回りましょう。そういう場合の行政処分についてもう少し何といいますか、非常に詳細な内規のようなものをお作りになっておるようでありますが、そういう点についてどうであろうか、こういうお尋ねをしたのであります。  それから裁判の節易化については、一時間くらいでやれるようになった、これはごもっともでありまして、前よりは前進でありますが、しかし単なるスピード違反で被害も何もない、一つ時間もだいぶおそくなった、幸い人の影も見えないし車も来ないから、ここで少し走らそうかというのを、途中で五日市街道とか甲州街道でつかまって、あくる日東京のどまん中に出てこいと言われると、これは運転する身になってみると大へんな問題でありますので、そういう点について私は少し外国での印象などを申し上げてお尋ねしたわけでありまするが、もう一度そういう点について御答弁をいただきたいと思うのであります。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 最後の問題で御指摘になっておりますのは、おそらく行政上の過料の問題だろうと思うのですが、私どももそういう制度を作れば、運転する人にも非常に時間の浪費なくて御迷惑をかけなくて済む場合が多いと思います。ただ現在の法制の建前が、いわゆるそういう行政上の過料という考えよりも、やはり刑事上の処分として罰金なり科料を徴収するという形になっております。第一線の警察官にそういう過料を徴収する権限を与えるということは、やはり行政官である警察署長等に即決処分の権限を与えるという問題になると思うのです。もちろん現在の警察官制度のもとにおきまして、そういう行政上の即決処分の権限を与えるということが、直ちに昔問題になりましたように即決処分の弊害を生ずるとは私ども考えておりませんけれども、しかし問題はやはり相当検討をしてみなければならない問題だと思うのです。われわれ交通行政という立場からだけ考えますと、お説のようにできるだけ簡易に迷惑のかからないようにして参りたいと思いますが、一方やはり裁判制度なりあるいは行政上の即決処分という制度として検討する場合には、また一面からもう少し慎重に検討していくべき面があるのではないか、かように考えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 今の最後のあなたの御答弁ですが、即決処分では基本的に問題は確かにありましようけれども交通事件に限るというふうなことで将来やらないことには、これは大へん事務手続が煩瑣になります。今でも、具体的にいえば、きょうは一つ交通取締りをやってみようか、ちょっと出てこいやと言ったら、たちまちいい獲物があったというふうなことだろうと思う。そういう形のよしあしはとにかくとして、もう一つその裏に、そういうものをやるというと、警察官と運転手との間になれ合い事件が起るかもしれませんが、そういうことはやはり警察官に対する不信でありまして、そういうことは私は信じたくない。やはり形としては諸外国でやっておるような程度のものに進むべきではないかと思って、それで申し上げたわけですが、どうですか。十分御研究をなさるお気持がありますか。それだけ最後にちょっと伺っておきます。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 まことに参考になります貴重な御意見を拝聴いたしました。十分研究させていただきたいと存じます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 時間もたちましたが、この機会に菅生事件について若干お伺いしたいと思います。この前の委員会で長官にお伺いしたところが、菅生事件について別の機会にお答えをするというお話でありましたので、お伺いするのですが、この事件はもう新聞その他で相当詳細に報道されておりまして、むしろ世間の方が事件の輪郭は大体知っているわけです。問題になるのは、あの戸高という元警察官がやった行動について、警察側の方でこれを庇護しておるのではないかというような疑いが世間の中にある。従って警察というところは部内で起った問題についてはなるべく隠してしまうのだ、うやむやにしてしまうのだというような印象を世間に与えることでありまして、これは警察の名誉のために大へんよろしくないと私は思うのです。そこでその点を一つ警察の方から明らかにすべきではないか、この点はもちろん警察庁としても十分御調査になっておる問題ではないかというふうに考えますのですが、まず第一におとり捜査の問題であります。長官は、国会の法務委員会等におきましても、ある程度のおとり捜査というものが行われるのもやむを得ないというふうなお答えをしたようでありますが、この菅生村における交番の爆破事件についてのおとり捜査は、警察のやるおとり捜査の限界を越しておるのではないか、ということは、警察法の第一条にもあるように、警察の任務というものは犯罪を未然に予防鎮圧をするというのがまず任務ではないかと思う。それを交番爆破事件が起るということが大体わかっておって、そうしてダイナマイトをおとり警察官が持ってこれを使うだろうと思う人に渡したというようなことは、これはむしろおとり捜査の限界を越しておるのではないか、こういうことまで一体警察のおとり捜査の形として認め得るかどうか、こういう問題があろうと思いますが、この点については長官はどのようにお考えですか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 菅生事件についてのお尋ねでございますが、私は今まで関係委員会でお答えしたときに、おとり捜査ということについては何ら触れておりません。いわゆる菅生事件における戸高君のとった行動が、おとり捜査であるかどうかというようなことについては、いろいろ議論があるかもしれません。私はその点については、今までは触れておらないのでございます。  それはともかくといたしまして、当時の情勢で、戸高君は上司の命によりまして、情報収集のために菅生村を中心とするいわゆる共産党の組織に接近をいたしまして職務に従事したということは、当時の情勢としてはやむを得なかったのではないか、こういうふうに私は申し上げておきたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それでは、あの事件の大体の輪郭というものは、もう世間も知っておるし、長官も御存じのはずであります。この前私がお伺いしたときには、戸高という人がダイナマイトを持ち運びしたということは、爆発物の取締規則等に違反するのではないかということをお話をしたところが、それは十分に調べた上でないと言えないというようなお話でありましたが、そのことは本人が福岡高等裁判所の公判廷において証言をしておる事実でありますから、そこでこの事実が、あるいはもう一ついわゆる脅迫文を書いて渡したというようなことも、これは刑法にも触れるんじゃないかという疑いが十分ある、警察というところは違法の疑いがある事件があればこれを捜査をする、あるいは逮捕をする、検挙をするという役目なんでありますから、そういう事件が公務として行われたかどうかということは別として、これは犯罪の疑いがあるものとして調査をし、あるいは検挙をするということになるべきじゃないかと私は思うのですが、長官はどう思うんです。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 御承知の通り、いわゆる菅生事件は現在福岡高等裁判所で審理中でございます。しかも今御指摘の問題の戸高君は、証人として先般喚問せられまして証言をいたしております。さらに聞くところによりますと、もう一回証人として喚問されることになっておるようであります。従いましてそういう裁判の審理の過程にありますことでありますので、私ども、今それに深く介入してかれこれ論議をいたすことは差し控えるのが適当であるかと考えておるのであります。  今御指摘の戸高君は、あるいは脅迫文書を書いたのじゃないか、あるいはダイナマイトを持ち運んだのじゃないかという、問題にされている点につきましても、戸高君は証人として十分証言をすることにより事態は明らかになるものと思うのでございますが、同時にそれがもし法に触れるということでありますれば、これは私は検察当局によって十分究明をしていただきたいと思っております。またそうすることによって、世間の疑惑を解くことが適当であろうと考えておるのでございます。  今日ただいまの段階におきまして、そういう話が近ごろ出たから直ちに、警察は本来そういうものは当然捜査すべきものではないかという御指摘かとも思いますが、今そういうふうに問題にされている渦中において、警察が直接これに手をつけるということはかえって疑惑を招くことになるのではないかと思いますので、私は公正な立場に立たれる検察当局にこの点はゆだねたい、かように考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 むしろ長官がそのようなお答えをすることが、私どもから言えば疑惑を増大させるものだと思うのです。少くともこれは戸高にいう人が、ただ個人的な単独な私的な行動をしたんじゃなくて、公務に関連しておる問題なんです。だからして警察としては当然その当時の事情についても十分調査をしておるはずなんです。従ってそのようなダイナマイトの持ち運びをしたというようなことが、一体公務にどの程度に関連するのか、あるいは戸高という人が単独で行動したのであるか、そういうことについては警察としての調査があるべきはずなんです。それは証人として戸高氏がどういう証言をするかは別として、警察として調査すべきものだと私は思う。しかも世間から見れば、これはそういう範囲まで公務としてやり得るものであるか、適法にやり得るものであるか、あるいはそういうことが公務として許される範囲のものであるか、こういうことは、証人がどういうふうに言うかは別として、警察としての見解がなければならぬはずなんです。しかも事実は警察の調査の範囲でもあるということがわかっておると私は思う。それを、すべて本人の証言にばかり責任を負わすということは警察当局として逃げている、そう言わざるを得ない、そこに疑惑が生ずるのです。だから私はああいうような行動が一体公務の範囲であるかどうか、これを聞きたい、どうです。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 先ほど長官からお答えしましたように、この事件は現に裁判所で公判係属中の事件でございます。しかも戸高君は証人に喚問をされ、次回にも呼ばれるように聞いておるのでございます。いろいろな事実関係につきましては、これは本人が公判廷ではっきり申し上げることが一番私どもはいいと思っております。その後いろいろと調査をしてみまして、かりに私どもが伝聞したことがありましても、それを申し上げるというよりも本人が自分の実際に体験したこと、自分の実際の行動について公判廷において申し上げるということが一番いいのではないかと思っております。  なお、戸高君の行動はいわゆる公務であるかどうかという御質問でございましたが私どもといたしましては、あの二十七年の六月ごろにおける国内の治安情勢、ことに日共の軍事活動の状況から申しまして、警察としては他に適当な方法がなく、やむを得ず戸高君を党に接近させて情報を収集せざるを得なかった、その当時の状況及び戸高君の行動につきましては、そういう関係から、私どもといたしましては刑法三十五条にいう正当な業務による行為である、かように考えております。  ただし、この点はいろいろと御見解の違いもあるところと思います。そこで、こういう問題につきましては警察当局が本人についていわゆる捜査ということで調査をするというよりも、公正な第三者の立場にある検察当局が事情をお調べになる、あるいはお取り調べになるという方が適切であろう、これがわれわれが現在とっておる立場でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 私に、戸高という人がどういう行動をしたかということを戸高氏に聞くということではない、警察の行動としての範囲で警察当局の見解を聞いているのです。今のお話のようであれば、情報収集にあの当時の情勢のもとで戸高警官を共産党の中に潜入させたというのですが、私の聞いているのは、そういう任務を帯びて行った戸高氏がダイナマイトを持ち運んだり脅迫文を書いたり、そういうことまで一体公務として警察としては認めておるのかどうか、こういう警察の見解を聞いている。どうなんです、もう少し具体的にお話しを願いたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 御承知のように当時軍事活動としていろいろな武器を収集する、あるいはダイナマイトなどを手に入れる、あるいは製造するということが現に行われておりました。そういう武器あるいは爆発物等の製造方法を指示した秘密文書も党内に組織的に流れておったことも、御承知であろうと思うのです。従って大分県の警察としましては、その間の事情をよく調べる必要を痛感したものと思います。あの場合に、たとえばある関係者の命令で、お前はだれだれのところに行ってこの武器を受け取ってきてもらいたいと言われた場合に、これをその場で命に従わないということであれば、あるいはこの戸高君本人について、その後の本人の行動にどうもおかしいぞというような印象を与えて、捜査上の支障を来たすこともありましょう。むしろまた一面におきまして、そういう武器の収集、ダイナマイト等の状況をさらに詳しく知りまするためには、その指示に従いまして所在を確かめるということも、やはりこれは一つの捜査としてはやむを得ないものではないか、私はかように考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 私は、そういうことになれば、一体何を捜査するのかと言いたいのですよ、ダイナマイトを持ち運んだり、そういうことをやるということ自体が、もう不法事犯の疑いがあるのではないですか。そういうことがわかっておるなら、その段階において検挙すればいいのではないですか。なぜ交番爆破事件のところまで持っていって、それから検挙しなければならなかったのか、そこに大きな疑いがあると思う。しかも警察はお認めになるかどうかわからぬけれども、当時の爆破事件というのは、事前に警察の方としては知っておったいろいろな徴候があるわけです。そうすると、交番爆破事件を横へ誘導していって、いわゆるおとりですね、犯罪を起さしてそれからつかまえるというふうに警察が行動したというふうに思わざるを得ない。世間の疑惑がそこにある。不法事犯を事前に予防、鎮圧するというのなら、すでにダイナマイトを持ち運びをする、手に入れるというようなところで問題が発生しておるのだから、そこでなぜ検挙ができなかったのか。何を一体警察は捜査しょうとしておるのか。事件が起きてからつかまえようというようなことでは、私は警察の行動として捜査上の行き過ぎがあるのではないかと思うのですがどうですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 これはお話のように、警察としては事件を未然に防止するということが一番大事なことでございます。ただ先ほども申しましたように、当時の日本共産党の方針というものは、中央から指示されまして、ひとり大分県のみならず、各地方においてそれに類似した事例が起っております。また大分県におきましても、ただ菅生地方のみでなくして、いろいろな地方で徴妙な動きが出ておる。従って当時の警察として一番念頭にありましたのは、そういう地下の秘密活動の全貌を確実につかむということ、あるところでダイナマイトの授受が行われた、それを直ちに検挙するということも、これももちろん必要であり、大事なことでありますが、それと同時に、あるいはそれよりも、その組織的な活動の地下につながる広い広がりを究明していくということも、やはりこれは念頭に置いていかなければならない点であります。むしろその点が御理解をいただけるならばと私どもは考えておるのです。もちろんある犯罪容疑がありました場合に、それを直ちに検挙することは当然でありますが、いろいろな事情によりましては、その事件がさらに大きな根を持っておるという場合には、その実態を究明するために事案をいま少し見きわめるということも私は大事ではないか、かように思っております。警察として交番爆破を起させて、そういうように誘導していって検挙したというようにおっしゃいましたが、さようなことは絶対にございません。ただ警察としてあとで考えますならば、あの交番爆破ということがきわめて確実に予見されるというような場合におきましては、事前におきまして何らかの措置でこれを防止できていたならばと、これはあとからわれわれといたしまては反省をし深く検討いたしまして、事前に現に爆破行為が行われる前に検挙をしておけばよかったんじゃないか、こういうようなことは、これは批判として、あるいはわれわれの反省としては申し上げることができると思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 犯罪の醸成過程において、それを見きわめつつ核心をより深く捜査していくということも一応わかるような気もするのですけれども、ただしかしその際においても、一体警察官というものは犯罪を手伝ってよいのかどうかダイナマイトを持ち運んだり、その犯罪がどうも行われそうだということがわかっておって——すぐやらないで、もう少し情勢を見きわめてやるということはわかる。しかしそれにしても、その犯罪を手伝うということはどうなんですか、公務としてさようなことをやっていいのですか。そういうことを許しているのですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 犯罪を手伝うという意味では私は申し上げておらないのであります。これは当時の日共の活動を組織的に究明するために、その情報を収拾するためにやむを得ずやった行為であります。従って職務上の行為として違法性を阻却するものである、かように申し上げるわけであります。あの爆破容疑事件を手伝うという考えはなかったものと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 手伝っているじゃないですか。その犯罪に使われるであろうところのダイナマイトを取ってきて渡してやるというようなことは、これは犯罪の手伝いじゃないですか。脅迫文を書いてやるというようなことも犯罪の手伝いじゃないですか。そういうことが警察の公務として許されるのですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 いわゆるおとり捜査の問題になっていると思いますが、私どもは今回の菅生事件についても、戸高君の行動はいわゆるおとり捜査というようにはお話をいたしておりません。またそういうようには考えておりません。しかしおとり捜査ということをきわめて広い意味に解釈して、これを一つのおとり捜査であるというようにかりにいたしました場合に、そのおとりになったものがそれじゃどういう場合に刑事上の責任を負うかということは、これはいろいろな判例等もあると思います。ただその場合に私どもは、先ほどから申しましたように、当時の情勢としてやむを得ず行われた職務上の行為であるということ、それから本人にそういう犯意を欠いておったというように私どもは考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 これは長官からもお伺いしたいのですが、私どもが聞いておる範囲で、また世間が知っている範囲では、あの戸高という人は、その際にその犯罪に使われるであろうダイナマイトの持ち運びをしたり手伝っておるのですね。だからそういう犯罪の手伝い、幇助の行為というものが、犯意はともかくとしてそういう行為が収集の公務の範囲で認め得るかどうか、長官はあの事態において戸高自身がやったことが正しかった、こういうように考えておりますか。これは法務省の方ではもしも共犯の疑いがあれば起訴しなければならぬ、こういうような見解を漏らしておるようでありますが、警察としてはあれは正しかった、こういうように考えておりますか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 私は最初にもお答えしましたように、当時の情勢としては戸高君のとった行動はやむを得なかった、好ましいことではないがやむを得なかった、こういうように考えておるのであります。今御指摘の点確かに問題の点でございます。「正当ノ業務ニ因リ為シタル行為ハ之ヲ罰セス」という刑法第三十五条の規定によりまして、当時の戸高君がとりました行為は、問題ではあるが違法性を阻却される、こういうふうに私どもは解しておるのでございますが、しかしその解釈がどこまでも正しいかどうかという点には、いろいろ御議論もございましょう。従いまして私最初にお答えしましたように、この問題が現に福岡高等裁判所で審理継続中でございますので、戸高君が証人としての証言が終った後におきまして、検察当局において必要あらば十分に真相を究明していただいて、黒白を明らかにすると申しますか、世間の疑惑が解かれるように適当な措置をとっていただくことをむしろ私どもは希望いたしておるのであります。今私ども警察側においてこれに手をつけて、あれこれ調査をいたしますと、かえって自分たちの仲間のことであるから、適当にごまかしたといったようなそしりを受けるのではないかとさえ思いますので、私はあえて私どもの警察の手によってこうした問題の真相を究明するよりも、むしろ第三者の立場である検察当局にお願いした方が、疑惑をはさまれないでいいのではないか、かように考えておるのであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 関連して。どうも先ほどからお話を伺っておると、警察というところは昔から親分子分の関係で、大いに親分はだを発揮して、部下をかばうというようなこともありましょうが、この地方行政委員会としても、あの問題が起りましたときに、さっそく大いに詳細質問せにやならぬという話もあったのでありますが、各委員の話し合いその他がありまして、これは私的なものであるが、もう少し事態を静観してからにしようじゃないかというので、きょうまで延ばして参ったのであります。どう考えても、私どもは警察内部についての詳細は、あるいはしろうとであるかもしれぬが、今回の事件は何としても私は行き過ぎだ、捜査を命令したというふうなことについては、それは警察のことでありますから、そういう場合もたくさんあるでありましょう。しかしその場合、命令された警察官の行為が非常に行き過ぎであったという場合においては、これは警察としてやはり適当な処分をされるのが私は当然であると思う。私はまだ伺っておらぬが、大体戸高という警察官は懲戒処分になったのですか、どうなのですか。今休職中なのですか、円満退職したのですか、そういう点を一つ伺ってみたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 戸高君は昨年の五月ですか、警視庁を退職いたしております。  それから繰り返すようでございますが、私どもといたしましては、戸高君のとりました行為は、職務上の行為としてやむを得ないものであった、かように考えます。従いまして、違法性を阻却するもの、私どもはさように考えております。ただしこの点につきましては、いろいろと御意見もございましょうから、検察当局で公正な立場から御調査されることが望ましいということは、長官も申された通りであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 どうも今の御答弁を伺うと——私ははっきり申すと、たとえば大分県の警察が戸高君に捜査をせいと言った、その場合に、君はダイナマイトを持って行ってもよろしい、警察の交番を爆破するところまであらゆる手段を講じてやれ、そういう命令はおそらく出さなかったろうと思う。君はもぐり込んで行って十分よく捜査せいという程度である。その意を受けた戸高君の行動からして、戸高君が警察官としての資格があるかどうかということが私は問題だと思う。それははなはだ行過ぎであった。これは例にならないかもしれませんが、ばくち打ちを検挙するのに、一緒にばくちを打って十日も二十日もばく徒のような格好をして、ばくちをしなければ検挙ができないというような、そんな警察官では資格がないでしょう。私はそういう意味において共産党はどうだ、現政府はどうだというその前に、警察官として資格があるかどうか、法治国の日本における警察官として資格があるかどうか。この点がきわめて重要であるから、先ほどから北山君が根掘り葉掘り尋ねておられるのだと思う。こういう点についてそれは資格があって、あの人はおまわりさんとして十分であった、従って円満退職したというふうな解釈では、われわれはばうしても承知するわけにいかぬのでありますが、いかがでありますか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 退職したのかどうか、休職中であるかどうかという御質問でありましたから、昨年の五月ですか、退職をいたしたのでありますということを申し上げたのであります。なお本人の行為について懲戒処分等をすべきではないか、こういう御意見と拝聴いたしたのであります。われわれといたしましては先ほどから申し上げましたように、本人の行動は正当な職務行為として違法性を阻却するものである、かように考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 そういう御答弁であれば、結局警察としては、捜査上はやはり犯罪の手伝いをしてもいいんだということをお認めになっておるのと同じことになるのですが、そういうことになるでしょう。やむを得なかったということは、正当だということにはならないと思うのです。もしも生活に困って自転車を盗んだ、これはやむを得ないのだということで、窃盗罪にならないかというと、そうじゃないでしょう。その当時の戸高氏の置かれた事態から見て、やむを得なかったろうということと、それから刑法において正当と認められるかどうかというようなこととは別個だと思う。またそう考えるべきだと思う。それをすべて戸高氏のやった行動を有利に解釈をするということになれば、警察というところは、捜査上は犯罪の手伝いもして、しかも単純な犯罪ではなくて、ああいう爆破事件のようなものでも、爆破までいかなければ手を下さないんだ、そしてその間お手伝いもするんだというふうに一般世人から思われてもしようがないことになるのです。それでもいいのですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 先ほど申し上げましたように、当時のああいう地下の軍事活動をしておる共産党の実体を究明して、情報を収集するために、ほかにいろいろな方法があれば、これはまたその方法をとるべきであったと私は思いますが、御承知のように非常に強固な秘密組織をもってやっておったのであります。やむを得ず本人が積極的に党に接近せざるを得なかったという情勢にあるわけであります。私どもは皆さんのおっしゃいますおとり捜査というようなやり方を、いろいろな犯罪についてやってもよろしいとは考えておりません。おのずからそこに私はやはり限界というものがあると思います。またいわゆるおとり捜査というような方法をやった場合に、いかなることもやってさしつかえないんだとも私どもは考えておりません。やはりそこにはおのずからある限度というものはあると思うのす。私どもはあの当時の国内の治安状況、あの当時の共産党の軍事活動、特に現地における状況から見まして、戸高君が当時具体的にやりました事柄は、これは情報収集のためにやむを得なかったものである。また正当な職務行為として違法性を阻却するものである、かように私どもは考えております。ただこの点についてはいろいろと御意見のあるところと思いますので、私どもとしましては公正な検察当局のお取調べを待つ、こういう態度で今日まで参っておる次第でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 どうもしつこいようですけれども、そういうことになると何か共産党というのは、交番を爆破するという以外に何か別な、もっとひどいことをやる団体だ、それで交番爆破は、ダイナマイトを持ち運ぶ、ダイナマイトなどを使う段階においては見のがしておいて、一体何の情報を収集するのですか。あの際ダイナマイトを頼まれたにしろ取ってきて渡したということですね。そのダイナマイトを使うということは、要するに交番爆破とか、そういうことであろうというようなことまで、おそらく当時の戸高氏は知っておったんじゃないかと思うのですが、それでなおかつ活動しないで黙ってそういう事件が起るまで待って、何を一体捜査するのです。あなたの方としては十分当時の事情がいろいろわかっておると思うのですが、それを黙って見のがしておき、また見のがしておいたばかりでなくて、自分が手伝って持っていって届けてやった、それを見のがしておって何を一体捜査するためにやっておるのですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 これはどうも事実関係に入るので、私も非常にお答えしにくいのですが、私の聞いておるところでは当時交番を爆破するために使うということは、そこまでは明確になっていなかった。何に使うか、また取りに行つてこいというので、ダイナマイトが現にあるのか、現に渡してもらえるのかどうか、そういうことを捜査するために本人は指示に従って行ったのでありまして、当時すでに交番を爆破するという計画があって、それがわかっておって、そのために取りに行ったということでないことを一つ御了承を願いたい、あまり申し上げますとどうも公判廷で究明される事実関係にまで触れることになりますので、以上で一つ御了承を願いたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 事実関係に触れても一向かまわないです。警察は警察の調査の範囲においてお述べになればよいのであって、何もそのことが戸高証人の証言と直接の関係があるわけではない。むしろ食い違うことが心配だということになるのでしょう。その問題は公判廷等のいろいろの結果を待ちますが、なお戸高氏が警察をやめてしまったのですから、警察としては緑が切れておるということで、その後のいろいろな行動については警察は責任がないというふうに考えられるのですか。その後の行動等について報道陣等の調査その他によって大体の経過がわかっておるのですが、警察部内で戸高証人の世話をしておった人があるということが言われておるのですね。警察全体として戸高氏を隠匿したりあるいは庇護しているのではないか。警察の内部において世話をして、めんどうを見ておる人があるということを警察の方の人が認めておる。この人はだれであるか、これはわかっておると思うのです。これをお述べ願いたい。それから警察の世話か何かで請負師と称する児玉という人ですが、そういう人があるそうであります。そのことも警察としてはわかっておられると思いますが、それがわかっておるなら明らかにしてもらいたい。それから戸高氏の家族が一体どこにおるのか、警察としてはこれはお調べにならぬのかどうか。警察から縁が切れておるから関係がないというわけであるか。それらの点を一つお答えを願いたい。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 戸高君が公判廷で申しましたところによりますと、かって警察に勤務しておった時代の友人にいろいろと話をしたことはあるということです。その人の名前をきのう知ったのでございますが、これは谷口という人であります。それから児玉という人については私は存じません。  それから家族は現在たしか戸高君と大分で一緒に住んでおるのじゃないかと、かように考えます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 まあ警察をやめてから、これは警察の方としては関係がないと見えるのですが、しかし実際はいろいろな関係から、たとえば警察大学におったとか、いろいろ常に関連を持っておったように見えるわけです。特に私どもが不思議に思うのは、世間の人も不思議に思うのでしょうが、最後にことしの三月に四谷のアパートでもって共同通信の方々につかまったときに警察の方がそういう報道陣の方々と交渉して、戸高の処置について相談をしたとか、あるいはその翌日に三輪警備第一課長が立ち会いで報道陣と会見をしたとか、そういうことは一体何のために起るのですか。その人はもう警察をやめて一個人のはずなんで、どんなことをしたって警察は関係がないはずじゃないですか。

山口喜雄警視監(警察庁警備部長)

○山口説明員 これは当時の状況をお話ししないと御了解しにくいだろうと思いますが、本人は共同通信の記者の人に無理やりに連れていかれて、それでその友人に電話をしたわけなんです。それで私どもはそういう関係から知ったわけです。(北山委員「なぜ知ったのですか。」と呼ぶ)その友人に本人が電話をかけたわけですから……。その友人は、現在警察庁におるのです。それで本人はどこへ行ったのだろうと心配をしておった。ところが共同から電話がかかってきまして、きょうはもうだいぶおそくなったが、あした本人にあらためて会いたい。本人は何も返事をしないが、警察の方で会うことができるように骨を折ってくれないか、こういうような話です。私どもとしましてはもちろん本人に何の連絡のつけようもないわけであります。まあ明日何とかして本人に連絡をつけて、そういうように私どもとしては努力をいたしましょうということで共同通信の人人の手から離れて、翌日になりまして、本人にはそれではお会いして自分の心境を話してもいいということになったわけですが、これは共同通信側もあるいは本人も前の日のような例があるし、本人からすればまたどういうことになるかわからぬ、心配だからだれか一つ一緒に行ってもらった方が自分も心丈夫だというように言ったものと見えます。また共同側としても、けっこうです、どなたか一つおいでになっていただきたいということで、これは三輪君がその席に行ったというだけのことであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それはその友だちか何か、谷口さんという人だけが関連しておる問題なら、何も警察庁なりあるいは警視庁が関係をして心配をなさることはないと思う。私はやはりそこに一まつの疑いがあると思うのです。要するに戸高という人の自後の行動については、背後に警察という大きなものが常にあって、常時連絡がとられておったとしか見えない。この点は疑惑でありますから申し上げておきますが、まあとにかくこの事件を通じて、ある程度警察の側からでなくて、報道陣なりその他の側から、いろいろな事実が明らかにされておる。しかも警察の方ではどうも問題をはっきりさしておらない。むしろ隠しておるかに見える。そういうことは警察の信頼をつなぐゆえんではないと私は思う。警察の部内に起ったことであっても、まずいこともあれば、いいこともあります。悪いことは悪いこととして率直に出す方が、信頼を受けるゆえんだと私は思うのです。砂川事件においても同じで、その他いろいろ各地で起っている問題等についても、どうも警察は自分の部内に起ったことは、何とかして正当づけようとして、あらゆる努力を払うような傾向がある。警察一家といいますか、そういった一家意識が非常に強いのじゃないか。それでは警察に対しての信用というものが低下してくるのであります。この菅生事件などは、その典型的な問題である。きょうは時間がありませんし、事こまかにお伺いしていることは皆さんの御迷惑になりますから、この程度にいたしますが、むしろ警察の方から積極的にその間の事情なり、あるいは見解、こういうものも率直にお述べになる方がよろしいんじゃないか。戸高氏の言葉にだけまかせて、そしてすべて本人が話すまでは黙っておるというようなやり方は、適当でないというふうに、ますます疑いを濃くするだけだ、こういうふうに考えますので、いずれそういうふうな明快な措置を、この事件については警察に対して要望をして、きょうのところは私の質問はこれで終ります。

門司亮日本社会党

○門司委員長 最後に警察庁に聞きたいのだが、全然別な話ですが警察官の職務執行中のオーバー・タイムに対する給与の状態は、今どうなっていますか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 超過勤務手当を支給する建前になっております。これはひとり警察だけのみならず、各官庁においてもそうでございますが、超過勤務しました実時間に対して、規定通りの手当額が支給されるかと申しますと、必ずしもそうは参らないので、予算の制約を受けておるというのが実情でございます。できるだけ警察官の過激な仕事の量に対しましては、これに報いることを考えてやらなければならぬことは当然でございますので、各県とも本部長はその点につきましてはかなり苦心を払っておるようでございますが、各県の財政事情等もございますので、県によっては必ずしも十分な手当ができておらないところもあるようでございますが、そういう点につきましては、今後とも十分努力をするように、地方本部長に対して私からもお願いをしております。

門司亮日本社会党

○門司委員長 それからもう一つ聞きたいのだが、それについて大体どのくらいの予算が必要だという概算の見積りができておりますか。

石井榮三警察庁長官

○石井説明員 今手元に資料を持ち合せておりませんので、数字をちょっとはっきり覚えておりません。いずれその点は調査をいたしまして、御報告さしていただきたいと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 ちょっとそれに関連して。私も、時間がありませんからやめたのですが、実は少し調べたこともあるのです。そういたしますと、相当ひどいのです。川合さんもお見えになっておるが、東京都なんかも百六十五時間ですか、超過勤務手当の予算はとってあるが、具体的にやるということになると、いろいろな事件がありましても、うどん一ぱいで失敬したりパンを配給したり、あるいは逆にどうしても予算が足りないというので、月割りにいたしまして、旅費の分割のようにして分けておるというふうな形になっております。ほかの公務員はやはり団体交渉権その他を持っておりますから、地方財政も非常に困難であったが、その中にあって、おのおの努力しておりますが、警察官の方は一向そういうものがありませんので、陰にこもっておるのではないか。二、三知り合いの人などにも私尋ねてみましたが、相当気の毒な状況になっておるように思いまして、この点はこの委員会においてまた日を改めてこまかくお尋ねをしたいと思っております。従って、願えましたら、超過勤務手当に対する予算、その他実働の比率等の資料を、ぜひお願いしたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員長 それでは次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十五分散会

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