地方行政委員会 第20号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/09
会議録
○門司委員長 これより会議を開きます。 本日は地方財政に関する問題について調査を進めたいと思います。質疑の通告がございますのでこれを許します。北山君。
○北山委員 地方財政に関係いたしましてこの際お伺いしておきたいのは、この前の委員会でお尋ねをしました駐留軍の基地の交付金の問題でありますが、この問題について大蔵省側を呼んでいろいろ尋ねましたところが、当初のわれわれの想像あるいは自治庁側の説明とは相反して、調達庁がこれを扱う、しかも基地対策としてその五億円というものを使うという話で、われわれの予想とは非常に反しておったのでありますが、その後政府部内において意見の調整を見たように伺っておるのですが、この際どういうふうな結果になったか大臣からお答えを願いたいと思います。
○田中国務大臣 基地交付金の問題につきましては、当委員会をあげて大へん御心配をいただいておりまして、政府部内でその決定がおくれておりましたことをまことに恐縮に存じております。おわびを申し上げる次第でございます。本日の閣議で内閣総理大臣が発言を求めまして、総理大臣から明確な線を打ち出しまして閣議の了承を得たわけでございます。 第一に、本件の助成交付金の事務を取り扱う所管の官庁をどこにするかという問題でございますが、この問題は本件の事項はすべて自治庁長官が所管としてこれを扱う、この旨を法律の明文の中に書き込むべきものである、これが第一点でございます。 第二は、この交付金の配分のやり方はすべて政令にゆだねるわけでございますが、その政令の案を決定するに当っては大蔵省、防衛庁、調達庁この三省庁との間に自治庁長官が協議を遂げてこれをやる、そして政令の案をきめる、これが第二点であります。 第三点は、具体的な交付金額を決定するに際しては、防衛庁と調達庁の両庁と自治庁がこれを協議をしてきめる、こういう三点について、これを織り込んだ法案をすみやかに閣議で決定をしたい、こういうことでございました。そこですでに法律の案文は用意ができておりますので、本日は午後にも持ち回り閣議をもって、この三点を中心に織り込みました閣議の法律案を決定をいたしまして直ちに国会に提出をする、こういう段取りとなりましたわけでございます。本日はこの委員会に私が出席をいたしまして、御質問がございませんでも、私からこれを御報告申し上げて、皆様につつしんでお礼を申し上げたい、こう考えておった次第でございます。この機会にこれを御報告申し上げる次第でございます。
○北山委員 この問題については、別に法律を作って提案をするということでありますから、その内容を見た上でお伺いしたいと思うのですが、そういたしますと、基地所在の市町村に対します配分としてはただ見当でなく、やはり一定の基準で配分をするということに了承していいか。また前に大臣もお述べになりましたように、ことしは五億円であるけれども、来年は十億円くらいになるというお話がありましたが、そういうふうになるところの法律案になるのであるか。それからもう一つは、この前大蔵次官がおいでになったときには、これを自衛隊所在の市町村にも配分するのだということで、これは実際の予算の説明にははっきりしておりませんので大へん意外に思ったのですが、自衛隊の演習場等所在の市町村にも配分するような法案の内容であるか。これらの点についてお伺いしておきたい。
○田中国務大臣 配分のやり方でございますが、ただいままだ政令が完全にできておりませんから申し上げかねる点もございますが、大体の見通しとして狂いのないという点を押えて申し上げますと、この助成交付金の法律の成立をいたしました暁に対象となるものの第一点は、申し上げるまでもなく兵隊の住宅の施設関係でございます。それから第二点は厚生慰安的な施設というものが考えられているわけでございます。この二つの対象につきましては、御承知の通り固定資産税そのものが当てはまるわけでございますから、これは固定資産税に準じて配分をする、こういうふうに御了承をいただいて動かないものと存じます。それからもう一点は工場、倉庫、ドックなどの企業施設でございますが、これも同じく固定資産税相当のものとして対象になる。それから第四に飛行場、演習場でございますが、これはもちろん対象となるわけでありまして、これにつきましては単に駐留軍の関係のみならず、自衛隊の関係も同じく対象として取り扱いたい。まだすっかりきまったわけでございませんが、この線は私は譲らない覚悟であります。どうしても自衛隊の分につきましてもこれを対象として取り扱う、こういう方針でやって参りたいと存じます。 それから予算的な措置は、本年はとりあえず五億、こういうことになっておりますが、これは私の微力のいたすところでこういうことになったわけでございます。次年度、三十三年度以降は十億円と、大体含みを持っております。これは予算折衝の際も、私が大蔵大臣との間に時間をかけて協議をととのえて意見の一致を見て、しからば初年度に限り五億でがまんをしようということにきめたいきさつがございますから、この問題はかりに内閣に閣僚の更迭があるようなことがありましても、この記録は後にとどめてある次第でございますから御安心をいただくことができると存じます。十億以上さらにどの程度まで将来これが伸ばせるかという問題は、今日見通しをつけるに至っておりません。初年度は五億で次年度よりは例年千億ということは動かない金額と御承知をいただいてけっこうでございます。
○北山委員 次に地方税法の関係で、これは地方財政に相当影響があると思うのですが、参議院で衆議院の修正したものをさらに修正をしまして、軽油引取税の引き上げ分を二千円に引き下げたわけです。そうしますと地方財政にはさらに相当な穴があくじゃないかと思うのですが、どのくらいの減収になるか。これに対して自治庁長官としては、どういうふうな対策をお考えになっておるか、これをお伺いしたい。
○田中国務大臣 数字の詳しい小林部長が来ておりますから、恐縮でありますが小林部長から御説明をいたさせます。
○小林(與)政府委員 軽油引取税につきましては総額で六億円の減収になる計算でございます。そのうち交付団体は五億と考えております。その結果どうなるかということなりますと、これは形式上は目的税として取り扱っておりますから、それに見合う歳出の部面がそれだけ縮減せざるを得ない、われわれといたしましてはそういうふうに考えております。
○北山委員 その減収の対策として大臣としてどういうふうにお考えになるか。この前この委員会で、修正の場合におきましては、大臣は格別な意見はございませんというような御答弁だったのですが、さらに今回の参議院の修正についても、どうなってもかまわぬという御意見ですか。
○田中国務大臣 減収額六億に相当する部分の補てんの方法でございますが、この補てんの行き方は、一般的に申しますと一般財源をもって補てんする考え方を持っていきたい、こういうこと以外に別に特殊な考え方はないわけであります。
○北山委員 そうすると大臣は一般財源の方で補てんした方がいいというのか、今の財政部長のお答えですと、財政計画の歳出を圧縮して、道路費なら道路費というものを縮小した方がいいというようなお答えだったようですが、どちらが自治庁の御意見ですか。
○田中国務大臣 この一般財源から補てんするという意味は、参議院方面においても御熱心な御質問がありまして、これに答弁をしてきたところでございますが、道路補修あるいは道路の維持ということに関する重要性にかんがみまして、かりに減収がありました場合といえどもこれをおろそかにするというわけには参りませんし、また工事の単価を減少せしめるという方途もございません。やるべきものではないと考えますので、やはり一般財源をもって補てんをするということ、すなわち減収がありましても道路、事業量には何ら影響をしないように措置をしていくことに努力をする、こういうふうに申し上げたいのであります。
○北山委員 一般財源で補てんをするということは、やはり財政計画上収入の財源をどこかに求める、財政計画以外に新たに求めるという意味だと私は解釈するのです。それでなければ意味をなさぬと思うのですが、一体どういうもので六億円を補てんするのですか。
○田中国務大臣 この修正を受ける以前に財政計画を樹立しておったという事情がありますので、法律案が修正になった暁は、結果としては財政計画に変更を加える、こういうことより道はないわけでございますが、その具体的な財源をもって補てんするという補てんのやり方は、自然増収によって補っていく以外に道はないわけでございますが、詳細については小林部長から詳しく御説明申し上げます。
○小林(與)政府委員 今大臣から御答弁がございましたが、軽油引取税は計画上は六億の減になります。これに見合う歳入というものは今すぐございませんけれども、一つは財政計画で見ておりません歳入の増が考えられますのは、政府資金で借りました公債費の利率の引き下げの問題がありまして、これは本年度からすぐに実施いたします。そこでこれは六分五厘を二厘引き下げて六分三厘になるのでありますが、これが平年度では約九億くらいになる計算をいたしております。ただ初年度、三十二年度では九億までに参りません。実施の時期の関係がありまして、正確な数字はわかりませんが、大体半分じゃないか、四、五億見当と踏んでおります。その程度の歳入だけは従来見ておりません増になります。それと六億とではまだ一、二億違うじゃないかという問題はあろうと思いますが、それだけ今のところ計画上の数字だけからいえば穴があくということになろうかと思います。
○北山委員 今のお答えですと公債費の所要額がそれだけ減るという意味ですか。
○小林(與)政府委員 その通りでございます。
○北山委員 ところが公債費の所要額というのは、あの財政計画の数字で一体間に合うのですか。たしか昭和三十年度の決算を見ても財政計画よりもやはり二十億以上オーバーしておるのではないか、だから一時借り入れなんかの利子というものは十分に見ておらぬじゃないか、そういうふうな懸念があるので、すでに載っておる財政計画上の公債費の額ですらも、実際の所要額よりは下回っておるのではないか、こういう心配がある。ところがそれがまた計画上不用額が出るというようなことは、私は少し間に合せの答弁じゃないかと思うのですよ。 それからなお今の小林さんのお話のようであれば、先ほど道路費の方の歳出の方を、それだけ減らすのだというようなお答えだったのですが、今のお答えとは矛盾しておるわけだ、どちらがほんとうなのか、前のものを取り消すなら取り消すと、はっきりしてもらいたいと思います。
○小林(與)政府委員 これはちょっと私の前の言葉に食い違いがあろうかと思いますので、その点をはっきりさしておきます。現在の計画のままでは六億減りますから、その分は減らざるを得ないと思いますが、今申しましたように公債費の利子の低下で財政計画上四、五億の数字——これははっきりした数字はまだつかんでおりませんが、大体四、五億と踏んでおります。その点は計画以上の見積りが可能になりますので、そこの差額が食い違ってくる。これは率直に申しましてそれだけは計画上穴があくということになります。 それから今申しました公債費の見積りがあれで十分かというお話の中で、一時借入金の利子の問題がお話に出ました。これはおっしゃる通りでございまして、あの金額のうちには一時借入金の利子は数字に入っておりません。百四、五十億ふえるうちには一時借入金の問題は入っておりません。一瞬借入金の扱いは従来の財政計画上、既定経費のやりくりの運用の問題として今までこちらは扱っておりまして、計画上も記されておらないというのは事実でございます。その点はだから財政計画上はっきり見るべきじゃないかという議論が、私は当然あり得る点だと考えておりますが、現在の計画上はその数字は見ておりません。
○北山委員 従来の財政計画の公債費の所要額の中に一時借り入れの利子を全然見ておらぬというものも、私はちょっと変じゃないかと思うので、多少は見ておったのじゃないですか。見ておらぬというならばそれでもいいのですが、見ておったように思う。見方が不足だというのではないか、こういう点よくお調べになっていただきたいと思うのですが、見ておらぬとすればなおさら、やはり何十億というような一時借り入れの利子というものは所要額としてあるのですから、その中から歳入欠陥の分を補てんするというのは無理じゃないでしょうか。だから私はここですぐさま今の問題についての対策、地方財政計画の変更、これを御答弁をいただきたいというわけじゃないのですから、慎重に御協議をいただいて、あとでお答えをいただいた方がいいのじゃないか、そういうふうにお願いいたしておきます。 次に、財政とはちょっと異なりますけれども、懸案事項でありますからお伺いしておきますが、この前福岡県庁の公金の預託の問題で調査をお願いしておったのですが、それはどういうふうになったか、大臣からお答えを願いたい。
○小林(與)政府委員 今のお尋ねは、資料を多少まとめたもの、がございまして今取りに行っておりますから、それをお配りいたしまして私より御説明いたしたいと思います。
○北山委員 この問題で大臣は報告を受けたと思うのですが、御見解を承わりたい。
○田中国務大臣 事件の起りましたちょうど翌日のことであると存じますが、当委員会並びに決算委員会から内容の報告を求められたわけであります。直ちに山本調査官を飛行機で現地に派遣いたしまして、福岡県庁に参りまして詳細な調査をやらせたわけであります。その結果いろいろな参考資料を持ち帰ったわけでございますが、事件の核心に触れたいきさつの内容については、なかなか容易に調査が行き届かないわけであります。それはどういうわけでそういうことになるのかと申しますと、福知事それから当面の出納責任者であった出納長、組合の関係者、金を預かった組合の理事長以下の人々が、ほとんど全部逮捕状の執行によって所在がないわけであります。こういうことから事件の概要というものが、真相を押えるには不十分な事情があったわけであります。しかしながら、自治庁長官という立場で地方自治法に基いて行いまする調査というものには、御承知の通りに限界がございます。そういうところでその限界以上に踏み込んでこれを調べるということも、なかなか困難な事情もございますし、人間がおらないのみならず調査をせんとする帳簿のほとんど全部が押収されて、目下役所にない、こういう事情がありまして、口頭で知事以下の人々を調査しました結果を山本調査官が持ち帰ったわけでございますが、山本調査官は大へんからだに無理をしたものと見えまして、東京に帰って参りますや直ちに入院をしなければならないような事態が起りまして、その後重ねて派遣することもできないような状態となって、今日に及んでおるような状態でございます。その概要につきましては、報告を聞いてみますと以上申し上げたような事情でございます。なおその詳細は資料等を持って参りました上で、財政部長より詳細を御報告申し上げます。
○北山委員 それはいつ資料をお出しになるのですか。
○小林(與)政府委員 今すぐ持ってきます。
○北山委員 いろいろ調査に困難があったというお答えでありますが、一億円という県の公金を信用組合に預けたということ、それは住宅協会の資金として預けたということ、そういうことははっきりしておるだろうと思いますが、どうですか。
○小林(與)政府委員 その通りでございます。
○北山委員 その際に何らか契約書といいますか、信用組合との間に契約をして金を預けた、こういうことでございますか。
○小林(與)政府委員 契約書というものは、その条件ははっきりとしたものは取りかわされた形跡はないようでございます。そこらの信用組合関係の書類が全部押収されてしまってわかりませんが、今おっしゃいましたような書類を作ったということを言っておる者はおりません。ただ県庁内部でそういう預託の申請を建築部長からやりまして、建築部長から総務部長を経由して知事の決裁を得て、出納長にこういう趣旨で預託をしてくれという依頼書を出したことは、みな関係者が記憶をしておりまして、知事もそれを承認いたしております。それからあと出納長はその趣旨で預託をしておるはずでございますが、その関係の書類があるということにつきましては、これもまだ何人も確証を得ておりません。
○北山委員 これは知事決裁を得た書類があるということですが、その書類が検察庁の方に押収された結果わからぬというのであるか、どこか行方不明になったのであるかということはわかりますか。
○小林(與)政府委員 今お尋ねの書類は押収になっております。ですからその書類を決裁をしたということは、関係者はみな承認をいたしておりまして、その書類は今検察当局に行っておる、こういう状況であります。
○北山委員 建築部長については、山本調査官は調査したと思うのですが、どういう内容のものを起案したか、その内容くらいはわかっておると思いますが、それはどうですか。
○小林(與)政府委員 この中身は、住宅協会で住宅の頭金を得るために必要な金額として一億円を預託をしてもらいたい、こういう趣旨だけのことでございまして、非常に精細なものではないようであります。中身はそういう趣旨であるということは、関係者はみな記憶いたしておりまして、確認しておるわけでございます。
○北山委員 そうすると、この住宅の資金として預託をしたその金は、やはり住宅政策の金融として出したものだということだけは明らかだと思うのです。そうすると、これは単なる出納長の公金保管の運用の場問題ではなくて、県としての二つの住宅政策といいますか、政策金融である、こういうことであるということだけは明らかであると思いますがどうですか。
○小林(與)政府委員 これは今お配りいたしました資料でごらん願いたいのですが、要するに福岡県といたしまして、歳計現金の金庫外への預託の扱いをどうしておるか、今の問題とともに一般的にどうしておるか、こういう問題に関連してくると思います。これにつきましては、県の扱いだけをちょっと簡単に申し上げますと、県の扱いというものは、歳計現金を預託する場合に二つありまして、つまり出納長から歳計現金の預託依願を発動する場合が一つと、それから執行部局のそれぞれの部長の立場から預託を希望する場合が一つと、これは両方ありまして、これから各部長がやる場合におきまして、各部長が総務部長を経由して、通常、知事の決裁を経て出納長に頼む、出納長は、現金の管理上ゆとりがふり、可能な場合に、相手を見てやる、こういう仕組みになっておるようです。それから出納長が自分で現金の管理上考える場合には、出納長も勝手にはやらずに、総務部長を経由して、知事に合議をして、知事の了承を経てやる。いずれの場合におきましても、常に出納長と県の執行部局とが合議をいたしまして、了承を得た上で預託をする、こういう扱いをいたしておるようであります。
○北山委員 今のような福岡県の場合の公金の運用ですが、運用の基準というものは何によってきまっておるのですか、条例ですか。
○小林(與)政府委員 条例は特別に作っておりません。この大もとは、金庫制度の運用につきまして、自治庁次長から、昭和二十五年に知事あての通牒が一つ出ております。これも資料として提出してございます。これは金庫銀行以外に預託する場合においては、どういう扱いにいくべきか、これは問題が問題ですから、預金先の決定、預金の種類、期間及び額等については、必ず事前に知事の承認を得なければならない。ただし、預金の取扱いに関する直接の責任者は、出納長であることは言うまでもない、こういうような趣旨の通牒を出しておりまして、そしてこの預金の扱いは金庫銀行との関連がございますので、金庫契約で金庫銀行との間における扱いの手続をきめることにいたしております。そういうことを通牒で書きまして、福岡県の場合は、その通牒を受けて、金庫事務及び寄託事務取扱いに関する契約書、これも資料でお配りしてございます。いわゆる金庫契約というものでその内部の扱いを書いてございます。それからもう一つの県庁内部の出納長が決裁する手続、これにつきましては、先ほど申し上げました取扱いの手続は、内規としてきめておるようでございます。それで、特に条例でその取扱いをきめたということはございません。
○北山委員 今資料をいただきましたので、これを読んで、なおその上でお伺いをしたいと思うのですが、しかし今度の問題は、福岡県の問題が出ておりますが、こういう種類の公金、地方団体でなくても、公共的な団体においてもたくさんの金を保管しておるものがある。そういう金の運用について、やはり今度の福岡県の問題なんかにかんがみて、相当制度として考えなければならぬと思うのです。今のように県の理事者が理事者限りで保管、現金の運用をするというようなこと、あるいはまた出納機関限りで、あっちへ預けたり、こっちへ預けたり、自由にやるというような制度は一体いいものかどうか、これの結論は、今すぐ大臣あるいはできないかもしれませんが、検討してみるとか、何らか御意見があると思うのですが、いかがでしょう。
○田中国務大臣 お言葉の通り、県の歳計現金、歳計以外の現金というものも県にはあるはずでありますが、歳計上の現金及び歳計外の県の金をどういう手段方法によって管理、保管をするかという問題でございます。これは出納の問題としてでなしに、現金管理の問題として重要性があろうかと存じております。本件の問題の場合には、住宅金融という一つの目的のもとに預託をすることについて、県が協議をととのえて、意見の一致を見てここに預託をしたという事情にあるようでありますが、かくのごとき重大な事態が起りましたことにかんがみて考えますと、およそ歳計現金及び歳計外における県の現金を管理する方法について、どの府県でも共通しておりますことは、特別職としての出納長にこれを一任したような形になっている場合が多いのであります。出納長がこれを預けがえをいたしますときにおいては、知事の承認を求めるというような程度になっておることが多いわけでございますが、こういう管理のいたし方につきましては、このたびの事件を一つの契機といたしまして、全面的に全国の都道府県にわたってこのやり方を改めさす必要がある、あるいは一定の規制をする必要があろうかと考えますので、慎重にこのことを取り扱うという意味から、全国都道府県のやり方について一定の表を設けまして、この表を各府県に送りまして目下慎重に調査をしている最中でございます。その調査の資料が到来いたしました暁には、これを生きた資料といたしまして慎重に検討を加えまして、類似のあやまちが再び起る余地のないように、根絶すべく、制度の建前の上からも慎重にこれを考えていきたい、こういう決意でございます。
○北山委員 今度の福岡県の問題を考えましても、公金の保管の問題、預け先をどうきめるかという問題は、ただ保管のあり方、方法というだけでなく、非常に政策的な面がある。金を貸すということ、あるいは預けるということ自体が一つの政策になり、補助金を出すと同じような意味を持つわけです。従ってこれは条理から考えても、現在の自治法の条理上の解釈からしても、こういう政六策的な金融については、当然少くとも議会の議決を経るとか、そういう程度の手続は踏むべきじゃないか、また私どもも当然そういうことを各地方団体がやっているんじゃないかと思っておったのですが、現在の自治法の制度上から見ても、福岡県の場合、今のような住宅金融をやるというような問題は、これは知事限りできめるというようなことではなくて、議会の議決を経てやるというのが当然じゃなかったろうかと思うのですが、大臣はこの点どう思いますか。
○田中国務大臣 いろいろ考え方はございましょうが、福岡県の場合について考えてみますときには、どうも従来まで調べました状況だけでは早急に判断のいたしかねる点がございます。全体の問題といたしましては、再検討をいたしまして事なきを期する方途に出なければならぬ、こう思うわけでございます。
○北山委員 これは国の場合でも、政府がどの範囲に財政の運営をやれるかということは、必ずしも個々の場合に明確に具体的になっておらない。ただ原則としては憲法にあるわけです。財政の運営については議会の議決を経るという原則がある。その原則に従って運営をしておるのでありまして、今のような預託をするとか、金融機関貸付をやるとか、そういう場合には、やはり予算なり、予算以外の形で議決を経てやっている。これが当然だと思う。しかし国の場合においても、それじゃ法律の上でどうだかということになれば、必ずしもはっきりしておらぬのです、これこれの問題は議決を経ろうというのは、一々具体的にはなっておらぬ。しかしそういう運営が当然であるから、やっている。だから私は地方団体においてもこれは当然じゃないかというふうに思うのですが、まだ結論は出ないというお話ですから、お調べをいただくということにしまして、私どももこの資料等をさらに検討した上でお伺いをしたいと思うのです。なお、これは今後の制度の問題でもありますから、ただいまのお話のような調査を早急に進められて、地方団体の公金というものはみんなの金ですから、まず第一に安全ということを考えなければならぬので、利殖はその次です。政策ならなおさらのことで、この公金保管の安全性ということについて十分に検討を願いたいと思うのです。 次に高等学校の問題ですが、地方財政計画の上では今度は若干は考えられておるようです。それから地方交付税法の単位費用についても若干の考慮はされておりますが、しかし全国の高等学校あるいは定時制高校の運営を見ておりますと、なかなか容易でないわけです。府県は高等学校の運営については十分の予算を出さない。こういうことで、特に定時制高校の運営は非常に行き詰まっておるのです。これについてどの程度の対策を今度の交付税法あるいは地方財政計画の上でお考えになったか、それを一つ承わっておきたい。
○柴田説明員 地方財政計画上の高等学校関係の経費は、消費的経費のその他の経費というものの中につっ込みになっております。従ってそれは昭和二十九年度の決算を基礎にいたしまして、それから修正を加えておるわけでありますが、修正の加え方が毎年人口増等による経費で費用を増していく、こういう計算になっておるのでありますが、従来はこの人口増による計算が実は十分ではございません。それでことしは人口増による計算方法を若干変えまして、純粋の人口増の計算と、それからそうでございません高等学校関係の経費だけを別に計算をいたしたのでございます。その関係で、高等学校の生徒の増に伴います経費の増加額は総額で十八億九千五百万円を見込んでおります。なお単独事業費につきまして、高等学校の建築関係の経費が要るわけでございますが、国庫補助を伴います部分につきましては国庫補助を伴う事業としての建築費を認めますが、そのほかに単独事業の経費があるわけでございます。これは今回の計算では道路、橋梁それから環境衛生等の経費を見ることに中心を置きました結果、昭和三十一年度の規模をそのまま踏襲することにいたしております。なお地方交付税の計算につきましては、お尋ねの定時制高等学校の分は種別補正をやりまして、現在御審議を願っております交付税の単位費用の計算の単価にこの補正係数をかけまして、別の単位費用を作っておるわけでございますが、本年度は基準財政需要額で若干増加しなければならぬのではないかというように考えておるわけであります。実は数年来定時制高等学校の基準財政需要額の見方につきましては御批判がありまして、当委員会でもおしかりを受けたのでございますが、逐年直してきております。昭和三十一年度の単位費用の基礎になっております規模は、大体四百人くらいの生徒数の学校を標準といたしておりますが、これでもまだ多い。現実はもう少し少いので、二百五、六十人というところが定時制の大体の姿ではないかと思うのでありまして、そういう線から昭和三十二年度の種別補正係数を考えます場合に、その線に近づけた線で基準財政需要額を増していきたい、かように考えております。
○北山委員 高等学校費は今度の交付税法では生徒一人当り一万二千七百五十二円ですか、昨年よりはよほどふえたわけなんです。しかし今までの高等学校の財政運営を見ると、非常に不十分な点がありまして、たとえば二十九年度の実績を見ると、全日制高等学校の経費総額が四百三十三億、そのうち国の補助金は十二億、県の支出金が三百二十八億、市町村が三十九億も負担しておるわけです。それ以外に四十三億の寄付金をもらってやっとやっておるような状況です。こういうふうなわけで、国の補助金というのはたった十二億です。県の支出金以外に市町村なりあるいは府県等の分が相当額あるわけですが、こういう実態を見ると、私はやはり相当思い切ったことをやらなければ、高等学校の運営というものは非常に困難じゃないかと思うのです。将来その点についてどういうふうに考えておるか、それからもう一つは、施設費の状況を見ましても、高等学校の新設あるいは増設の起債のつけ方というものは非常にむらがあるのです。府県によってほとんどないような府県もあれば、起債に相当たよっているような府県もあって、非常にむらがあるのですが、これについてどういうふうな指導をしておられるか、これをお伺いしておきたい。
○小林(與)政府委員 お話の通り高等学校の経費につきましては、われわれも財源にゆとりのある限り、また高等学校の運営が合理的に行われるように考えておりますが、なおこの案で十分かといえば私は十分だと申すことができぬと思います。これにつきましては、できるだけ高等学校の実態にも即するように考えぬといかぬ、それとともに、われわれといたしましてはこういう高等学校の定時制のあり方につきましても、文部当局の方において根本的に考えてもらいたいという気持は持っております。それはいずれにしろ、現在の実情に合うようになおできるだけ改善を加えたい、こういうふうに存じておるのでございます。 なお施設費の問題につきまして起債のつけ方の問題でございますが、これにつきましてはお尋ねの趣旨がちょっと今はっきりしなかったのでございますが、われわれといたしましても高等学校の校舎につきましては、すみやかにある程度の高等学校の規模を合理化したものについて、校舎をもう少し計画的に恒久建築化していくと申しますか、そういうことを県としても考えてもらいたいと思っておるわけでございます。毎年計画的にやっておるようでございまして、それに必要な起債をつけておりますが、経常的な形で高等学校の校舎の施設が毎年循環的に行われるような場合につきましては、県自身がもう少し計画的にこれを鉄筋化するような形で、ぜひ私は与えてもらいたいと思っております。そういう趣旨にのっとって、こっちといたしましてもできるだけの援助を与えたいという考え方を根本的に持っております。
○北山委員 この施設費についてのむらがあるという話はこういう意味なんです。二十九年度でいえば施設費は七十七億ですか、そのうち起債分は十九億、国の補助が八億、それから一般の負担が五十億というようになっておるのです。ですから大部分が寄付金でまかなっておるのです。先ほども運営費の四十三億と施設の方の五十億とを加えますと、寄付金は九十三億ということになる。ですから全日制の高等学校の運営に、約百億になんなんとするものが二十九年度においても寄付金として取られておる。施設費についてわずかに起債は十九億しかついていない。なぜそのことにむらがあるかといいますと、府県によりましては起債のワクをとらないで、地元寄付金でやろうという方針をとっているものもあり、また府県によっては、なるべく寄付金を押えて起債のワクの方を申請してくるこういう府県もある、こういうことでむらが出てきているのです。そういう意味で私は申し上げた。それを自治庁はただ受け取って、申請があるところにはつけ、そうでないところにはつけないというように、ほうりっぱなしていいかどうか。申請してこないところは寄付金でやろうという方針なんですから、そういうことをほうっておいていいかどうか。自治庁長官は何でも寄付金は来年度から禁止をするというお話でもありますから、そういう無方針では困るのではないか、やはり高等学校の施設をそれだけ拡充しなければならぬという現実があるとするならば、どの程度の起債を計画的につけるべきかということを、自治庁としてもお考えになる必要があるんではないか、こういう意味でむらがあるということを申し上げたのです。これについてどういうふうにお考えですか。
○小林(與)政府委員 お話のように高等学校の建築費用を県によっては負担金に押しつけておる、と言うことは語弊があるかどうか知りませんが、それを中心にしておるところが、私は率直に申してあるのではないかと思います。それとともに県自体の力で自主的にやるというところもあろうと思うのでございます。起債はわれわれといたしましては、率直に申しまして、今北山委員もおっしゃいましたように出てきたものを中心に考ておるのでありましてそれ以外のところに、高等学校のためにこれだけやるぞという式の考え方は従来いたしておりません。これはきわめて正直な話でございます。ただそういう経費につきまして地元に押しつけたり、あるいは学校の関係者に押しつけることがいいかという問題になれば、私はこれは適当だと思いません。高等学校だけじゃなしに、小中学校にも結局同じ問題がありまして、これは率直に申しますと県及び市町村のそういう面における財政的な手当が必ずしも十分じゃない、学校をよくしたいという気持と財源との間に食い違いがある、これだけは率直に認めざるを得ないと思います。結局地方における行政水準問題とのからみ合いの問題でございまして、現在のやり方が正しいということは何としても申すことができない、そういう状態がなくなるように当然心がくべき問題だと存じておるのでございます。
○北山委員 正しいと言えないという話じゃなくて、あまりに悪過ぎるんじゃないかと言うんですよ。その悪いことが一向直っておらない。高等学校については百億くらい寄付金をもらっているんですよ。そういう事実を放任しているんです。だから寄付金を整理しようとするならば、これは手をつけなければならぬ問題です。同時に府県と市町村の関係の問題もある。市町村は中学校、小学校も自分の経費で施設運営の金を出しておる。それ以外に県立の高等学校まで費用の一部を負担しておる、二十九年には四十億も負担しておる。その上に地元の住民から運営費の寄付もしてもらって、県立とはほとんど名ばかりで、実際は地元の市町村なり住民が維持しているというのが、このごろの高等学校の実態ではなかろうか。その中で若干考えておる府県においては、あまり地元に負担をかけないために起債の申請をしてくるわけなんです。その起債のワクが二十億足らずだから非常に少いという問題になってくる。これは今までの状況があまりに悪過ぎるんですから、これを具体的にはどう改めるというのですか。
○小林(與)政府委員 高等学校の経費を地元が負担しておるところが少くないことはわれわれも承知しております。結局地元の市町村が大半だろうと思いますが、市町村としてみればできるだけ自分の町に高等学校を作りたい、よい高等学校を作りたい。そこで県の財政と調子が合わぬところは、それならお前のところである程度金を出せというような仕組みで、こういう情勢が醸成されておる面も少くないのでございます。それでございますから、現在そうだからといってそれが一〇〇%みな県でどうこうせねばならぬかといえば、そこはやっぱり県の財政の問題もありますから、そこまで私は言い切ることはできぬと思います。しかしそれにいたしましても、現在県としての責任のとり方が十分でないということは、私は当然言えることだろうと思うのでございます。結局高等学校の負担が一部市町村に行っておる。さらに市町村としてみれば小中学校の負担などはむしろPTA相談の形で住民に行っている。これは私は率直な姿であろうと思うのでございまして、それをそれぞれの筋で是正する必要があろうと思います。それは結局地方財政のいわば財政力の問題が、いわゆる行政水準のレベルの問題ということになってくるのでございまして、そういうことができるだけ軽減されるように、地方財源の充実を考えなければならぬということは、われわれの基本的な考え方でございます。行政水準レベルの問題として当然そういうものの施設費を、もう少し浮かび上らせるようにしなくては、これは本物ではないということだけは私は率直に申して、言わざるを得ないと存じているのでございます。
○北山委員 それだからどうしようというわけですか。ただそういう行政水準を上げることはわれわれのねらいで、それはよくわかるのですが、高等学校の現状は今申し上げた通りで、また皆さん御承知の通りなんだから、やり方が非常に不十分なんです。やはり高等学校の老朽校舎なりそういうものを考えて、年々新設、増設をしていかなければならぬということになれば、一カ年に何十億という所要額が要るでしょう。それに対する財源措置を考ええてやらなければ勢い地元の寄付金になっていく。だからやはり自治庁として、政府としてそれに対する対策をどうするかということを決めなければ、ただ行政水準を上げるということだけでは物事は解決しない。私は具体的な高寺学校の問題をお尋ねしているのです。これをどいうふうにしたらいいですか。
○小林(與)政府委員 高等学校の問題だけをどうするかということは、自治庁としてはそれだけを考えるという筋よりも、そういう問題もひっくるめて高等学校がそうなら小中学校もそうだし、道路も河川も橋梁もそうだという問題で、結局自治庁といたしましては行政水準全体をできるだけ充実するように一般財源を増強するということが、われわれの仕事だと思うのでございます。それで今度の財政計画ではそういう点は多少よくなったといっても、よくなっていないじゃないかという御議論になるのでございまして、われわれといたしましてはそういう実情を認めながら、できるだけ国の財政の許す限り財源の増強をはかっていく、こういう努力をするよりいたし方ないと思うのでございます。
○北山委員 その努力が、さしむき高等学校の新設改築の資金として起債のワクをふやすとか何とかいうことでは考えられないのですか、そういうことじゃないのですか。
○小林(與)政府委員 お話でございますけれども、高等学校だけを取り上げて高等学校だけの起債のワクをどうこうするというふうには、私はすぐここで御答弁申し上げるわけにはいかぬと思います。結局高等学校の起債は、県の単独事業の問題になりまして、単独事業の問題になれば、先ほど申し上げた通り道路もあれば川もあれば、その他いろいろな施設もございまして、結局そういうものを総合的に考えざるを得ない、全体のワクなり力が弱いものだから、高等学校も思うようにいかぬ、こういうことが現実だろうと思いますが、すべての問題を一挙に解決することもできぬのでございますから、地元におきましもほどほどのところで、順番を待ちながら逐次整備していくということを考えざるを得ない。こっちといたしましては、もう少し歩が上るように財源の増強をできるだけはかることを考えざるを得ない。そういうことのこれはかね合いの問題で、問題を動かすよりしようがないのじゃないかと存ずるのでございます。
○北山委員 高等学校というのは一つの寄付金というものに関連して非常な盲点なんですよ。だから、私は特にこれはお伺いするのです。県立といいながら、県の措置が不十分で、これが地元の住民、市町村の寄付金になっている。負担が、普通の財政計画以外の負担としてかかってくる。こういうことから私は問題にするのです。特に自治庁長官は寄付金を全廃するというようなお話だったようでありますが、この問題を解決しなければ、やはり寄付金を禁止するというわけにはいかない。だから寄付金を制限する以上は、こういうものについての財源措置を一方では考えておやりになるのだろう、何か具体的な対策があるんだろう、こういう意味なんです。そうじゃなくて、ただ寄付金の制限だけをすれば、結局高年学校の通常が困るだけで、私は大臣がおいでであればその関連をお伺いしたかったのですが、一つ政務次官、かわって御答弁を願いたい。
○加藤(精)政府委員 非常に剴切な御意見の御開陳がございまして、また自治庁の大臣からも、住民負担軽減を非常に心配してのいろいろな意見が述べられたわけでございますが、その二つの間になかなか調和しがたいものがあるようでございますので、われわれ下僚のものは、その調整をいかにするかにつきまして十分調査研究いたしまして、明年度の予算の編成に当りたいと思っております。
○北山委員 それじゃこの問題は、大臣がおいでになったときに、さらに関連をお伺いしたいと思うのです。 国民健康保険の問題は、さらに資料をお出しになるということですか、もう出した資料で十分だ、こういうわけですか。
○小林(與)政府委員 出した資料で十分だというわけではございませんが、一応自治庁の手元にありました資料をまとめて御報告申し上げたのでございます。なお特別に御注文があれば、われわれといたしましてできるだけのことをいたしたいと思っております。これはわれわれといたしましても、現状についてはああいう総括的な資料しかございませんが、根本的にもう少し実態を明らかにする必要があろうと思っております。厚生省自体もそういう意見を持っておりまして、ぜひ自治庁とも、あるいは大蔵省とも一諸になって、もう少し実態を明らかにするように調査をするのに協力してもらえぬかという話がありまして、われわれといたしましても、われわれの立場からやりたいところでございますから、いつでも協力に応じて、一つもうちょっと徹底的に調べよう、こういう考えではおります。お配りいたしましたのは、今まであります総括的な数字の資料でございますので、その点御了願いたいと思います。
○北山委員 実は私もその資科をいろいろ調べてみたのですが、なかなかいい資料がない。実態を把握しているような資料がないようです。国民健康保険の中央会の方からも資料をいただきましたが、やはり実態にはまだ合ってないのじゃないか。それは例の医療機関に対する未払い分の資料が不十分じゃないか、こういうふうに考えます。そういうものをさらに私どもも調査したいのですが、やはり問題は、現在の国民健康保険の財政の状況というものは非常に苦しいので、この前も申し上げた通りに、少くとも国の補助金が三割くらいに上り——上ってもおそらく運営は容易でないと思うのです。現在各団体では保険税を大幅に値上げをしておるのです。それでもおそらく運営が困難だと思う。この際一つ結論的にお伺いしておくのですが、一般会計からの繰り入れというものを自治庁は否認するというか、全部なくしてしまうような方針のようですが、これは御再考を願いたいと思う。現状において一般会計繰り入れというものを減らしていけば、これは保険税を上げていくとか、そうしてもなおやりにくいということになるわけなんです。現在でも、全国平均でたしか一割三分ぐらいは、療養給付費に対して一般会計繰り入れがあるはずです。一〇%なら一〇%くらいの繰り入れば見てやらなければ、国保経済が立っていかない、こういうふうに考えるものですから、その点について今までの自治庁の方針を改めるお考えがないかどうか、これを一つ加藤さんからお伺いしたいと思います。
○加藤(精)政府委員 ただいまの問題は、私たちも非常に心配している点でございまして、療養給付の関係におきましては、これは二割の補助があるわけでございますが、それが決算補助のような格好になっておるものですから、年度の経理といたしましては、自然増を含まない補助金のような格好になるわけです。それのみならず、事務費の補助は、現在は実際所要額の約半分ぐらいしかもらっていないわけです。そういうようなことから非常に窮屈なわけでございますが、非常に経理のいい、また健康保険税が十分に入る市町村では、それでもどうにかやっているところもあるにはあるのであります。けれども、技術的に習熟しないようなところでは、往々にして大きな赤字を出しておるようであります。たとえば国民健康保険というものが、単なる治療関係の相互保険組合である実質ばかりでなくて、より高次の予防衛生、公衆衛生方面の仕事もしているわけでございますので、そういうことから行きまして、今回の国会において御協賛を得まして、国民健康保険の診療所や、それから国民健康保険の設置しております保健婦の給料等につきましては、ある程度一般会計から支出したってかまわないという建前に、今度改正したわけであります。しかしながらそれらは局部的なことでございまして、国民健康保険全体の経理上から、療養給付の補助率についてもまた考える必要があるのだろうと思いますし、また事務費の補助率を引き上げるというようなことにつきましても、これはどうしても実際必要になってくるということを考えているのでございます。現在国民健康保険というものは、国民の社会保険という意味から行きまして、保健所と並んで最も重要な二つの柱だと思うのでございますが、その二つの柱の保健所の経営につきましても、地方の実際におきましてはどうも十分完璧を期し得ない状態で、医者のいない保健所もあるということを、過般ここで公衆衛生の当局者から説明もありましたし、また医師、保健婦の充実の率がきわめと低いということがあって、これが現在の行政における盲点とされておるのでございます。それにまた地方財政の窮迫がそれを激しくしているわけです。国民健康保険組合というものに、社会保障が与える率は非常に大きいのでございますから、そういう面におきまして、なお十分この問題は考究する必要があるだろうということを考えているわけでございます。
○北山委員 政務次官はもう健康保険のことは実態をよく御存じのはずなんです。問題になるのはその補助率の問題もあります。私どもは、やはり二割じゃとてもやっていけない、こういうような考え方で、少くとも三割、それ以上の補助率を上げてもらいたい、こういうことを要望しておるのですが、それはさしむきはなかなか実現は困難である。そうすれば、やはり保険経済に弾力性を与えるという意味においても、一般会計からの繰り入れというものをある程度認めていかなければならぬのじゃないか。これは現実に一三%くらいの繰り入れの平均ですよ。現実がそうなんです。それを否定して、自治庁が来年度の予算編成方針の中に、国保はやはり独立採算というような方針で、一般会計の繰り入れというものをなるべく減らせ、なくするような方針でやれというような指示をしておるはずなんです。そういう方針をまずとりあえずやめてもらいたい、こういうことなんです。その点どうでしょう、三十二年度の予算編成方針を変更する一御意思はありませんか。
○加藤(精)政府委員 国民健康保険で設置しておる保健婦の給料等の設置費は、もしその市町村に国民健康保険組合がなければ、これは一般に社会公衆衛生としてそれだけの施設を、その市町村役場の衛生課なり社会課なりに置いてやるべき経費であるというような意味において、一般会計から負担してもかまわないということになっておるのでありまして、それだけでも今年度からはよほど助かると思います。これは交付税法の改正の中に入っております。
○木崎委員 ちょっと今の問題で関連して質問させていただきたいのです。今北山委員からもお話がありました通り、国民健康保険の財政計画は、国民経済上、補助率というものが三割なければ——あっても赤字になるんですよ。なりますが、三割あればどうにか現状の保険税というものを引き上げるなり何なりしましてやっていけるんじゃないか。今度の二点単価の改訂なんかになってきますと、これはまた別な角度で論じなければなりませんが、現状から推しますと、一割から一割三分くらいの一般会計からの繰り出しがあって、国が二割ということで赤字が出ているんですが、なおその一割なり一割三分なりというものを、予算を立てる場合に落してしまえ、それは一般会計から繰り出してはいけないという方針が各市町村に流されているんです。ですから、東京都下のような比較的便利な地位にある町村であっても、ちょっと山間に入りますと無医村みたいなところがあるのでありますが、そういうところで診療所の経営をやっている。診療所の経営自体に一般会計からの明確に繰り出しをしているのじゃなく、保険経済自体に一般会計からの繰り出しをしているのであって、そういうものもいかぬということになりますと、診療所の運営もとまってしまうというようなことが現実問題として都下にすら出てきているんです。従ってこれは今お話がありますように、国の方で今度の国民皆保険かなんかのきっかけの場合に、三割の補助を見るということが国自体で明確に打ち出されるまで、地方財政の立場から国民健康保険の方へ一般会計から出してはいかぬということは、非常に実態を無視したやり方で、これは全国至るところに私は相当の問題が出ているんじゃないかと思うのです。それでできれば地方財政計画におきまして、国民健康保険をやる場合には一割なら一割というものを見ていけるというようなくらいのところまで、自治庁の方で積極的なお考えを打ち出していただくことはできないものでございましょうか。
○加藤(精)政府委員 どうも私今の皆さんの御意見は考え方が違うような気がするのです。国民健康保険というのは社会保障の方の仕事でございまして、これは大体政府の大きな社会保障政策の一環で、その面で樹立すべきもので、ただかりに市町村という腹を借りてそういうものを誕生させ育て上げているわけなんです。今から三十四、五年前くらいに、ことに北山委員の御郷里の岩手県あたりで一番最初に発達して、完全なものが発達して、だんだん全国に普及したものなんです。その当時から保険料の計算等が非常に問題になって、それに保健婦活動がからまり、後に直轄診療所ができたということになっている。これは純然たる市町村だけの目的の事業じゃなくて、大きな社会保障政策の一環じゃないか、それで国が相当責任を持たなければならぬものじゃないかと思うのでございますが、しかしながら、これは現在の建前が、給付費の不足な分は国が補助するという建前で来ているのですから、もし給付費の支出に困難するようだったら国の社会保障政策の方で負担すべきで、一般財源から負担すべきものではない。それから同時にその事務費は、国の事業を委託するような関係であるから、現在実費の半分くらいしか事務費の補助を払っていないが、国の事務の委託の理念によって全額を払うべきだ。そしてまた国民健康保険の保健婦設置費というものが相当大きな原因になるのですが、全国の保健婦の総体の半分くらいは国民健康保険組合にいるのです。国民健康保険組合というのがもしなかりせば、あるいは国民健康保険事業をその市町村がやらなければ——全国の人口の半分くらいのところはないのですし、ないところは保健所でやっているのですが、そういうものがなければ、地方団体でそういう事業をやるべきだから、これは一般会計から負担してもいい、こうなってくると思います。だから、二割で全然足らぬということをほとんど確定した説のようにおっしゃいますけれども、現に私の生まれた市のごときは、二割の国庫補助で、しかもりっぱな黒字を出して、そして七十才以上の老人には、みんな市長の揮毫し毫た赤い座ぶとんの大きいやつを国民健康保険組合から贈呈しまして、そして非常によく行っているところもあります。こういうところのように、国民健康保険組合が生まれた当初から、医師会、町内会等が非常によく連絡をとってうまく行っているところもあるにはあるのです。ですから一がいに絶対にできないということはない。これがもし国民保険契約がルーズになり、あまり金がかかるようになりますと国民健康保険組合はできないのです。ですから町村の方も、要求することだけを要求しないで、国民健康保険組合の運営の正常化、健全化をはかっていくのがほんとうだというふうに考えるのでございます。どうもいろいろ地方行政委員会の御議論を承わりますと、市町村役場に失業者を出すのは非常に困るとか、あるいは月給をもう少し上げなければいかぬとか、国民健康保険の経営が困難になったら相当一般会計から出してもいいとか、こういうように何もかもみんな要求することだけでありまして、市町村自治体がよく研究してやる面が少し少いのじゃないかというような気がするのであります。
○北山委員 どうも話がだいぶこんがらがったようで、相当時間かけなければこれは通すわけにいかないと思うのです。 さすがの加藤さんも、現在の国民健康保険の実態についてはどうも明るい面だけを見ておられる。国民健康保険について特に熱心なのはやはり農村の割合財政力のないところだから、ほんとうは一般会計から持ち出しなんかしたくないのですよ、したくないのにかかわらずやはりやるということは、健康保険というものが、その町村の大きな行政なんです。もう農村に行けば、健康保険という問題は相当大きな行政なんです。それだけウエートをかけておる。好きで一般会計から金を出しているわけではない。けれどもこれを維持していくには、やはり年々受診率というものもふえますしまた診療費もふえていきますから、どうしてもそこにクッションとして一般会計から持ち出しをしなければやっていけないという実態になっておるわけです。だから、鶴岡市の場合はうまく行っているかもしれませんけれども、全体の統計から見ればそうは行っておらないのです。その点をよく蒙を開いていただかなければならぬので、もう少し時間が要ると思いますから、これはまたあとに回して、一応私の質問はこれで終ります。
○木崎委員 自治庁にはこういうお考えがあるのじゃないのですか。健康保険と国民健康保険と、まあ他の保険もございますが、町村の中で国民健康保険というものに全部入っているならいい、しかしその中で一部分の住民が国民健康保険に入っておって、他にも保険が行われておるというような場合、そのものに一般会計から出しておくということはおかしいじゃないかという議論をいつか部長さんがおっしゃったのを聞いているのですが、そういう考え方だとすると、これはもう根本的に事務当局も意見を変えていただかぬと、議論がおかしくなってくると思うのです。議事録を見ればわかりますけれども、あなたはそういう答弁をしておられますよ。その点どうですか。
○小林(與)政府委員 今お尋ねがございましたが、これは考え方をどうするかという問題でございますが、われわれといたしましても健康保険の実態から考えまして非常に苦労しております。それ自体でも赤字を持っておるし、町村からも相当多額に繰り入れる、それが町村の赤字の原因にもなっている。そこで保険経済を合理的にやるためにも、何か筋を立てなければいかぬ、町村の方の筋も立て、向うの方の筋も立てなければいかぬ、そういうことになりまして、それでわれわれの方といたしましては、町村で持つべきものははっきり持とうじゃないか、そのかわり保険経済でやっていくべきものは保険経済で考えてもらおうじゃないか、こういうことで、これは厚生省の方でも国民健康保険の三人委員会でしたか、そういう趣旨の答申を出しております。そこで今の診療所の問題とか保険婦の問題とかは、これは当然一般町村の行政でやるべき問題で、国民健康保険に加入しておろうがおるまいが当然やってしかるべきだ、そういうものはむしろ一般会計で見る建前をとったらいいじゃないか。そうでなしに、ほんとうの給付会計そのものは、やはり給付の建前からいって加入者が負担するのが筋合いじゃないか。現在の建前から申しましても、地方税法で国民健康保険税の割合などをきめておりまして、かりにあの割合通り税を取っておれば——また国の補助の出し方も、われわれの目から見るといかにも不十分なものがある。現在きまっておるものさえまともに出しておりません。給付の出し方が、二割給付でもおくれおくれで出しております。事務費などの出し方というものは、ところによっては半分以下しか出しておりません。そういうようなところはどうしても筋を立てて、国が出すべきものはきちんと国で出すべし、それから保険会計独自で、保険税はやはり保険税としてまともにやるべし、こういうことで、やはり筋を立てていく必要があるんじゃないか、それでなおかつどうにも動きがつくかつかぬか、こういう問題に私はなるだろうと思うのでございます。今のわれわれの観測では、一般会計で持つべきものは持って、あとは保険経営を合理的にやれば、そして国もまともに出せば一応行くのじゃないか。ことしの国の予算は一部改善されましたが、あの程度では私も十分だとは考えておりません。まだ足らぬ、もっと出すべきだろうと思うのでございます。それからさらに、それなら国民健康保険税を税法に書いてある通りだけ取るのは取り過ぎじゃないか、こういう疑問、が私はあろうと思うのであります。そういう問題になってくると、この保険税の取り方が人によっては苦しいところがあろうと思いますが、そういう貧乏な人たちに対してはむしろ国がある程度カバーをしてやるべきではないか、これをみんな普通の税金でまかなえというのは、健康保険を合理的に発達さしていくゆえんではないじゃないか、ほんとうに合理的に発達きしていくのならば、保険会計としてもはっきりした基礎と見通しをもってやるべきではないかというのが、実はわれわれの主張なのでございます。そういうことで、今度の財政計画でも一応筋を立ててやっていこう、それならばそれで十分自信があるかとおっしゃいますと、私は必ずしも十分自信があるとは申せません。それで厚生省も一緒にもう一ぺん調査しようじゃないか、こういうのが向うの気持で、われわれといたしましてもそれでは一緒に相談に乗って調査しよう、しかしながら建前だけはやはりはっきりしていかないと、これを今くずしてしまったら、そのままずるずるになってしまうおそれもあって、ほんとうに国民皆保険を実現する方策ではないだろう、こういうのがわれわれの気持でございます。そこでさっき財政編成方針についての御議論がいろいろございましたが、これは過去の赤字は別として、単年度につきましては、特に給付会計においてはそういう一般会計からの繰り入れをしないように運用を考えろということは、率直に申しましてこれは申しておるのでありまして、やはりそういう考え方で筋を立てていくべきではないかと存ずるのでございます。先ほど仰せの通り、そういうものはほかのいろいろの保険、普通の健保があったり共済組合があったりするから、一般会計から出すのは筋違いじゃないかという問題も多少は今申し上げましたのと関連しておると思いますが、やはり給付会計は給付会計で仕事の筋を立てていくべきものだという基本的な気持を申し上げたのでございます。
○門司委員長 本日の会議はこの程度にいたしまして、次会は明十日午前十時三十分より開会することといたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会