大蔵委員会 第52号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/10/10
会議録
○平岡委員長代理 これより会議を開きます。 委員長に差しつかえがありますので、指名により、私が委員長の職務を行います。 最初に専売事業に関する小委員長より、小委員会の審議経過につき、文書をもって報告書が提出されております。御手元まで印刷配付してありますか、これを会議録に参照として記載したいと存じます。御了承願います。 —————————————
○平岡委員長代理 金融に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。春日一幸君。
○春日委員 一萬田大蔵大臣には、長い間御苦労でした。また、無事御帰朝早々御苦労です。そこで、本日は中小企業の年末金融の問題について、特に大臣の御所見をお伺いをいたしたいのであります。この問題は、あなたの御不在中に、国内において多くの場所において深く真剣に論じられて参った問題であります。御不在でありましたので、これらのいきさつについては御承知がないかとも存ぜられまするので、これは、一つあなたの御理解を深めるためにも、従来代表的に取り扱われておりました場面における、この問題を中心とする各界の論議を一つお伝え申し上げて、御判断の材料に供したいと存じます。すなわち過ぐる九月の二十八日、自由民主党は、大阪の中之島公会堂において、いわゆる自民党大会を開かれた。そこで岸総理大臣は、さまざまな大ぼらを吹いて、大演説を行われましたが、にもかかわらず、いわゆる期待された岸ブームは、一向に沸いては参りませんでした。しかしながら、それらの演説の中で特に国民の共感、わけて中小企業者の深い感銘を受けました事柄は、すなわち中小企業者が当面しておるこの金融問題、これを緩和することのための措置、すなわち保険事業団の創設と、それから、わけて本年度は、年末時において中小企業の金繰りが特に困難を予想されるので、年末金融について格段の措置を必要と考えるから、これに対し万遺憾なき特別の措置を講ずる、こういうことを、大阪の自民党大会を通じて、総理大臣の所信を明らかにいたしておる事柄でございます。この総理大臣の言明を契機といたしまして、また九月二十七日には、自民党三役会議におきましては、次の点を決定いたしまして、これをまた天下に明らかにいたしておるのであります。それによりますると、中小企業の資金面を緩和するため、本年度第四・四半期の資金を年内使用できるようにする、このため、中小企業金融公庫六十億、国民金融公庫七十億、計百三十億について補正予算を組み、準備が間に合えば臨時国会に提出する。その他商工中金、一般金融機関、信用保証協会、信用金庫などに約二百億円の資金を行政措置によって増加をはかる、こういう大綱を自民党三役会議が決定をいたしまして、これまた国民にこの決意を明らかにいたしたのでございます。その後十月八日、一昨日でありますが、参議院の商工委員会におきましては、特に迫り来たるこの年末時に対処するために、中小企業に対する年末金融をどうするのだ、こういうことを、政府の所見をただしました。そこで、前尾通産大臣の答弁は次の通りであります。それは、中小企業に対する金融対策として、現在は中小企業金融公庫、国民金融公庫の第四・四半期分の資金を繰り上げて使用しようとしておるが、年末金融が窮屈になることを考えて、右の繰り上げ分の補充と年末金融の合計百七十億円程度の予算補正を、臨時国会で行うことを明確に答弁されたのであります。これは、今までの岸総理の言明が院外における演説会であったこと、あるいは党の三役の政策決定、その決意の表明、これがまた院外で行われたこととは、これは全然意義とその性格を異にするのでありまして、少くとも国会の委員会において政府の所見をただしたに対して、所管通産大臣は、これこれの措置を行う、こういう言明をいたしておるのであります。しかるところ、これに対するあなたの見解が翌十月九日、朝日新聞その他に報導されておるところによりますと、あなたは、補正予算提出には反対であるということを言明されておる。ここに記録されておるところによりますと、中小企業は、さしあたり金が間に合っておる、だから、そういう必要はない、こういうようなことを述べられておるのであります。私は、少くともこの中小企業政策の所管の大臣は、これは、通商産業省設置法によりまして、明らかに通産省であり、所管大臣は通産大臣である、中小企業政策として必要欠くべからざる措置として、ここに通産大臣が参議院において言明したことに対しては、これは内閣一連の責任においてあなたも当然これに対して、十分の責任をつないでお持ちになるものと考えておる、にもかかわらず、こういうような相反する意思の表明が行われたということは、本員としては、まことにこれは信じがたいことであります。従いまして、私は、この際大蔵大臣にお伺いをいたしたいことは、前尾通産大臣が、これらの補正措置を臨時国会で行いたいと述べておる事柄に対する、大臣の反対意思の表明というものは真実であるのか、だとするならば、それは一体いかなる理由に基くものであるか、まず、この点について大臣の所見をお伺いいたしたいと存ずるのであります。
○一萬田国務大臣 中小企業の金融に特に力を入れますことは、政府としても、わが党としても、これは当初からその方針であるのであります。従いまして、今までにおきましても、中小企業金融につきましては適切な、また緊急に応じてそれぞれ施策をやって、おおむね私はうまく行っておる、かように考えておるのでありますが、しかし、今後なお年末が迫るにつれまして、どういうような施策をいたすべきかにつきまして、大蔵省当局としても、今事務的に検討を加えております。また国会との関係におきましては、党とも相談をしておる、こういう段階にあるのでありまして、私が何か特に意思を決定して反対しておるとかどうとかいうことはありません。私は留守もしておりましたので、ただいま各般のことについて検討を加えているところであります。
○春日委員 そういたしますると、この十月九日付の朝日新聞の報道いたしておりまする記事によりますると、一萬田蔵相は八日午後の記者会見で臨時国会に中小企業金融のための補正予算を出す考えはないと次のように語った。「中小企業金融は差し当り間に合っており、このための補正予算を臨時国会に出さなくても通常国会に出せば十分に間に合う。臨時国会に補正予算を出すことは国会対策上も問題であり、賛成しがたい。」こういうふうに述べられたと伝えておるのであります。これは、事実無根でありますか、あるいは相違点があるならば、どの個所がどのように相違をいたしておるのか、この機会を通じて、明らかにいたされたいと思います。
○一萬田国務大臣 私が帰りました翌日、八日のお話であるかとも思いますが、私は、中小金融は、私の知っておる限りにおいて、おおむねうまくいっておる、かように考えております。もしもそれだけの問題であるといたしますれば、中小企業金融を円滑にするには、これは金融の問題でありますから、私もいろいろと事務上、こうすればいいだろうという施策もありますから、それだけなら、しいて国会に、特に臨時国会に提案をしなくても、それはいけるのではなかろうか、こういう考えであります。その末段の方に、国会対策のこともあるがとあるのは、そういうふうな意味であります。またこれは、さらに広い意味もありましょう。第四・四半期の資金を、すでに両公庫では第三・四半期に繰り上げて使っておるのでありますから、むろんそれだけ予算を食い込んでおります。この補てんをしなくてはならぬということは、これは、もうだれも議論はないと思います。それを臨時国会にやるか通常国会にやるかということは、もう少しいろいろな観点から広く考えなくてはならぬ、そういう含みで私は申したわけであります。
○春日委員 そういたしますると、前尾通産大臣も、ただでたらめを言っておるわけではない。むろん中小企業の振興と安定をはかる任務を負う所管大臣といたしまして中小企業の金融の実情、資金繰り難の実情がどのようなものであるかを、所管大臣の責任において十分調査の上、年末には特別の資金増の手当を必要なりと断じて、こういう意見を参議院において述べておると思います。また岸総理大臣といえども、少くとも自民党総裁として、かつは内閣の首班として、中小企業の金融が今全般的金融引き締めの渦中において、そのしわが寄せられ、その犠牲が転嫁されて、どのようなな困窮の実情にあるかは全然ずぶのしろうとではないと思う。当然それについては責任ある態度をもって、それぞれの機関について調査をして、その結果、大阪のあの公会堂の自民党大会の機会をかりて、総理たるの責任を感じて、そうして資金手当を年末にせなければならぬ。特別の措置を講じなければならぬと考えておる、こういうふうに述べておると思うのであります。 そこで、今あなたの御答弁によりますると、中小企業に対する資金繰りは、大体順調に行われておるとあなたはお考えになっておる様子でありまするが、あなたのそのお考え方と、少くとも岸、前尾両大臣の考え方とは、明らかに相違いたしていると考える。一体あなたは、こういうような一つの問題について、少くとも経済閣僚相互間において、相異なる意見の表明、積極的に言うならば意見の対立、こういうようなことがあってよろしいと考えられるか。さらにもう一つは、少くともこの岸総理大臣の考え方、あるいは前厄通産大臣の考え方は、誤まりであるとあなたは考えられるのであるか。誤まりであるとするならば、どういう点が誤まっているのか、この機会に、われわれは本件の事情をつまびらかに調査することのために、一つあなたの考えておられるところを、率直にお述べを願いたいと存じます。
○一萬田国務大臣 私の考えは、岸総理並びに前尾通産大臣の考えと、決して違っているわけじゃないのであります。私が申し上げましたことは、私は海外にも旅行をしておりましたが、その出発当時までは、大体こういうふうな経過をしているということを申しているのでありまして、年末にかけてどういうふうな措置をとるべきかということは、先ほど申しましたように、私留守をいたしておりましたので、とくと大蔵省としても考究をし、また国会関係が起れば、党とも十分連絡をしょう、こういう考えでありまして何も私は、総理の言うたこと、前尾通産大臣の御意見に、批判をしているわけじゃ毛頭ありません。
○春日委員 そういたしますと、この記事によって報道されているところは、あなたがアメリカへ立たれる前の状況においては、大体において中小企業金融は手当ができている、そういうふうに考えておった。しかし、長い間留守にしておったので、その後の事情については知らない。だから、今後よく調査の結果、必要があるならば、その措置を講ずるにやぶさかではない、こういう工合にお考えになっているのでありますか。その点……。
○一萬田国務大臣 さようでございます。
○春日委員 そういたしますと、問題はさらに一歩前進するのでありますが、岸総理や前尾通産大臣の述べられているところは、第四・四半期の予定資金の中から繰り上げ支出をされている分とは別に、それぞれ年末のための特別の資金手当が必要である、こういう工合に述べておる。そういたしますと、現在国会法が改正されまして、国会が召集されるのは中旬以降ということになっております。そういたしますと、昨年度の前例に徴しましても、結局次期通常国会が召集されますのは、十二月の二十日前後になると思う。そこで、この年末のための資金手当、これをあなたが必要であると認められた場合においては、これは当然十二月の二十日後に開かれるところのその通常国会の冒頭に、どんなに急いだところで、衆参両院を通じて、そんな一日や二日でこれが議了できるものではないでありましょう。そうすれば、それらの議決が行われて、資金手当がそれぞれの両公庫の本部に流れて、それが末端へずっと浸透していくまでには、相当の時間がかかる。年末資金の需要は、大体において十一月の中ごろからずっとみそかにかけて必要であろうと考えるので、やはりタイミングに需要を満たすための措置を講ずるということであるならば、すなわち集約するならば、年末の特別措置が必要でありとあなたが考えられた場合は、当然臨時国会において補正措置を講じなければならぬものと私は考えるが、この点に対する大臣の御所見はいかがでありますか。
○一萬田国務大臣 年末にかけまして、中小企業の金融をどういう程度めんどうを特に見る必要があるか、またそれを実現するのにどういう方法に上るべきか、こういうことをただいま検討を加えておるわけであります。その上で、これをどうするかということを私は考えたい、かように存じております。
○春日委員 前尾通産大臣は、百七十億の補正措置を講じたい、しかも、臨時国会でそういう措置を講じたいと述べられておる。また党の三役、大役会議において御決定されたところも、ほぼこれと同工異曲であります。私がお伺いいたしたいことは、たとえば、一般市中銀行からしわを寄せられて中小企業が金融難に陥っておるし、それを政策的に救済するためには、やはり国の関係を持っておる中小企業金融公庫、それから国民金融公庫、両公庫によって政策金融を行うにあらざれば、これは金融指導なんかでは、行政指導なんかでは、何としても効果はおさめ得るものではない。それは、例年そういう措置を講ずることによって、そのつどその局面の転換をはかって参りました。そこで、私が大臣にお伺いしたいことは、年末に中小企業の資金をある程度ふやす、そういう場合に、一体他にどういう方法がありますか、たとえば、この両公庫に対する特別の資金量の増高という措置を講ずることなくして、どういうような方法があるか、またあなたが構想されておるところは何であるか、この際明らかにいたされたいと思います。
○一萬田国務大臣 ただいま申しましたように、その程度並びにその方法について、今検討を加えおるわけでありまして、別に結論が出ているわけではありません。しかしながら、これは私の考え方とすれば、中小企業金融にはやはりいろいろありまして、たとえば中小企業金融公庫にいたしましても、これは、資金量をふやすということもあります。しかし、これは大部分が実際問題として代理貸しであります。従って、地方銀行が代理業務をいたしておりますという関係もありますので、適切に金融債の買い上げが——あるいはまだおそらく百七十億くらい残っておると思います。こういうものの活用によっても、相当な金額を年末にかけて出すことも可能なのであります。これは一例にすぎませんが、いろいろ方法はあります。ですから、どういう程度一体必要であるか、それから、その程度によってはどうするのがいいか、そうして中小企業の中では、一体どういう方面が一番困っておるか、そういう実態をつかんで適切にやっていきたい。ただ、私がここで申し上げておきますことは、年末にかけまして中小企業金融に遺憾ないようにいたすということだけは、私はっきり申し上げてよかろうと思います。
○春日委員 その政府の手持ち債券の売り戻しオペレーションですか、そういうような問題をも含めて、私は、この問題は当然検討されておると思う。その結果、通産大臣並びに党のそれぞれの機関、総理大臣、これらの人々は、あなたの御不在の間において、その実情をつまびらかに検討の結果、中小企業のためには、政策金融をもって年末の資金難を乗り越すほかに方法はない、そのための立法措置としては、臨時国会に補正予算を出す以外に方法はない、こういうふうに述べられておると思う。八日の参議院商工委員会には、私は機会に恵まれて同席をしたのでありますが、そのとき前尾通産大臣は、責任を持って、はなはだ明確な語調をもって、月末に特別措置を講ずるために、必要なる補正措置を講ずると明らかに繰り返し述べられておるのであります。私は、この問題は、全国の中小企業者が非常に心配をしておると思う。すなわち、総理や党の三役や通産大臣は、年末には資金量をふやしてやると言っておる、だから、そこへすがっていけば、何とか年越しができるのではないかと期待をしておるし、それに対して、あなたは水をぶっかけるようなことを言っておる。間もなく年末でありまするし、みんながそれぞれ一月先、二月先の資金手当をしなければならない段階において政府の方針がどういうふうに帰結するかということは、全国の中小企業者が重大な関心を持ってこの国会の審議の成り行きを注視しておると思う。この機会に私がお伺いをいたしたいことは、そういうような政府手持ち証券の問題や、あるいは財政の散布超過の問題や、現在における手形不渡りが激増しておる問題や、その他、大企業において下請関係の代金の支払いの遅欠配を来たしておる問題等、一切の問題は、当然その検討の材料の中に私は入っておったと思う。そういうような問題まで含めて、私は、当然昨日の経済閣僚懇談会の中では、深い論議が交えられたと思うのでありますが、これらの問題が、最終的に閣議で決定されるのはいつの見通しでありますか、あなたの検討が進められて、あなたの責任ある意見が述べられて、これらの経済閣僚懇談会において補正予算を出すか出さないかという問題が決定されるのは、いつごろでありましょうか。本委員会としては、これはまたわれわれが所管する事柄として、重大な問題でありまするから、必要に応じて委員会を開かなければならないと考えます。大体それらの見通しについて、あなたのお考え方を明らかにいたされたいと思います。
○一萬田国務大臣 今私が申し上げたことは、年末にかけて中小企業金融には遺憾なきことを期する、決して中小企業金融が困るようなことはせぬということは、私ここで責任を持って申し上げます。ただ、それをどういうふうに具現していくか、そのことは、時間的にいえば臨時国会の開かれる前までにはこれは決定しなければならぬ、かように考えます。
○春日委員 遺憾なきを期するということは、全く抽象論議です。現在すでに遺憾しごくな状態であればこそ——この八月末における東京手形交換所の不渡り件数の実数が、たしか六が四千枚、これは昨年度の実に四万五千枚を上回ること、かれこれ四十何%になっておると思う。これは、遺憾なきを期するというような抽象的な表現をもって満足できる5のではない、万全を期する万全を期するといったって、万全にはおのずから限界がある。現在でも、あなたをもってすれば、万全を期しておられるのであろうし、そんなふうに妄想しておられるかもしれない。私の申し上げたいことは、実際問題として、万全というようなことではなくして、具体的な抽出は何であるかということなのです。たとえば、本年度の大蔵大臣の財政演説にしてからどうでした、抽象論議はことごとく変ってきておる、すなわち、日本の金融の前途は何ら憂うべきものはない、きわめて順調に進んできておる、前途もまたしかり、とこういうような演説をしておる。われわれが警告的な質問を発したのに対して、そのような心配はございません、こういう工合に当時大臣は述べた、その結果どうなったか、財政投融資は、六百億円も繰り延べなければならないような破綻を生じた。だから、そういうような抽象論議をもってしては問題が解決できないばかりではなく、われわれ国会議員としては、その責任が果しがたい。ともかく、今中小企業者が現実に固っておるのだし、金融引き締めの犠牲がここに転嫁されて、現実にみながばたばたばたばた倒れていっておるのであるから、それは、今申し上げたように、手形不渡りの件数の激増によって証明されておる、具体的な措置を講じなければならぬ、臨床的な措置を講じなければならない、出血して、血がしたたっておるのですよ、ですから、それを急いで処理をしなければならぬ。そういうような措置は、一体何であるか、当然これがどこからも意見が出されておらなければ——あるいは責任大臣としては、その程度の言明でさらに検討が進められ得るかもしれないけれども、少くともあなたの党においてさらにはまた所管大臣である前尾通産大臣において、具体的にその金額をも明示してその方法等もすでに述べられておるのであります。こういうようなときにおいて、一半の責任を負うあなたが、ただ万全を期するというだけで私が納得できるはずのものではなかろうとは、あなたも御理解がつくと思う。一体具体的に、前尾さんの考えられておる案、あなたの党が決定をいたしました具体的措置、これにかわる措置をあなたがお考えになっておるとするならば、それは何であるか。これをお述べ願いたいと思います。
○一萬田国務大臣 私は、何も前尾通産大臣のお考え、あるいは党がどういう程度おきめになっておるか、これは、私つまびらかにしません。党議できまっておるわけではまだないと思っておるのですが、どういう意見を持っておるか、それらについては、私はここで何もいいとか思いとか申すのではありません。そういうように考えることが、正しいことであるかもしれません。しかし、私は、やはり大蔵大臣として予算をあずかり、かつまた中小企業金融をあずかっているものでありますから、私自身として十分に調査、検討を加え、そして大蔵大臣としての考え方を出さなくてはならない。ちょうど私、留守をしておった関係もありますので、今それをせっかく一生懸命やっておる、かように申しておるのであります。従って、今のところは、現状においてどういう意見をお持ちになっても、現状でなし得べく最善を尽す以外にはない。かりに臨時国会のことを問題になさっても、それは、臨時国会後の実施になるのでありますから、私は、今は最善を尽して年末にかけては十分検討して、遺憾のないような措置をとるから、それを今研究しておるのだ、こう申すのでありますから、さように一つ御了承願いたいと思います。
○春日委員 全く事の端緒は、岸総理が中之島公会堂において、中小企業者のための年末金融のために資金措置を講ずると述べられたことと相呼応してずっと党の政策発表が行われ、参議院において通産大臣の言明が行われた。それに対して、あなたが反論めいた意見を述べられたから、本員がここにその所信をただしておる、こういう経過であります。従いまして、本来ならば、当然岸総理の御出席を願って、その所信を伺わなければ解決がつかない問題である。なお、総理の言うことを聞かない大蔵大臣を罷免するかどうかという問題についても、われわれは一歩進んで、われわれの考え方を述べていきたい。少くとも民主政治、議会政治は、政党が責任を持ってその内閣を通じて政策を行なっておる、こういう立場において、政党の各政策機関や党機関が発表したことに対して、あなたがそのことごとくに反論を表明されておるということは、まことにわれわれとしては解せぬことに考える。議会政治の何たるかをあなたは御存じないのではないかと思う。もっとも、議会人としては新米だから、その点の御理解が乏しいのかもわからないが、ただ私が申し上げておきたいことは、とにかく、これは金融政策ではありますけれども、それは従だ。主たるものは、中小企業政策であり、かつ中小企業政策の主管大臣は、通産大臣であるということなんです。通産大臣が中小企業政策として、税法上、金融上、これこれの措置を講じなければならぬということをあのような形で、院外ではない、少くとも国会の委員会において述べた限りにおいては、あなたの言動は、やはりそれに見合ったものでなければならぬ。それを打ち消したり、通産省が何と言おうと、金融はおれだといって、昔ながらの法皇気分でやられては、日本の行政ははなはだ混迷を来たしてくると思うのです。だから、どうか一つ、あなたの御言明の中においても、とにかく必要な措置を講ずると言っておられる。伺うところによりますると、きのうの経済閣僚懇談会においても、結論を得られなかったとのことでありますが、それは、あなたと河野経済企画庁長官が批判的であったというようなことが分析的に報道されております。いずれにいたしましても、必要なる措置を講じて、十分間に合わしていくために努力をしていくということでありますが、とにもかくにも、全国の中小企業者や国の関係金融機関は、一体資金需要をいかに消化していったらいいのか方策が立たないのです。だから、そういうかたくななことを言っていないで、どうせ賛成するなら、さっぱりと気前よく賛成していただいて、いろいろなところで論議が激突することのないように、大いに御善処を願いたい。この点を強く要望いたしておきます。 それから、私は、この際アメリカへ行って参られた結果、新聞にちょっとタイトルだけの報道がありまして、内容が明確でありませんでしたので、重要な問題二、三について、アメリカにおける御交渉の経過並びにそのてんまつについて、御報告を得たいと思います。 あなたは今回の訪米において、ドル偏在是正の問題を強く強調されて参ったと存じます。すなわち、現在世界貿易の一番大きな障害は、ドルがアメリカと西独に偏在しておることに存するということを強く強調されて、国際通貨基金の総会において、いろいろの意見を述べられたと報道されております。大臣は、今回の渡米で、ドル偏在を是正することのためにどのような意見を述べられて、そのあなたの述べられた意見に基いて、どういう効果を得られたのか、この点について、新聞報道では明らかでありませんので、一つその核心に触れた御報告を伺いたいと思います。
○一萬田国務大臣 私は、渡米する前に、アメリカの経済というものが、世界経済の動向に大きな影響を与えておることは言うまでもありません、それで、アメリカの国際収支が一体どういうようになっておるかということを、注意深く見ておったのであります。ところが、アメリカの国際収支は、上期においては非常な出超であり、この分でいくと、非常に巨額なドルが返ってくる。だから、アメリカの海外援助を加えても、アメリカの国際収支は、受け取りになる様相があるいは起りはせぬだろうか。一方また欧州では、西ドイツが非常な出超で、金ドルが非常にふえておる。もしもこういうような強い国が、こういう経済政策をかりに政策的に行なっておるとすれば、あるいはまた政策的に行わなくても、現実においてそういう事態が持続するとすれば、自余の国の経済は非常な困難に当面する、これは、経済的に弱い者同士の戦争みたいなものです。これでは、世界の平和というものはとうていこいねがい得ないという考えで、それで、そういうふうな状況下において、フランスは、アルジェリアの戦争の結果もありますが、フランの事実上の切り下げ、それに対してポンドのスペキュレーションが行われて、ポンド価値の不安がある。それで、私考えてみるのに、いろいろな当面の施策として、ボンドの不安をかりに除去しても、根本において、米独の経済政策がもう少し国際的な、いわゆる世界的な視野に立って、一方において政治面では国連とか、あるいは防衛では、もちろん一国で自国を防衛することはできぬから、これは集団安全保障でいこう、こういうように世の中が進んでおるのに、経済だけが国々で争っておるという行き方では、私はとうていいかないから、経済においても、そういう世界的な規模において、力の強いものはより多く世界のために奉仕する、こういうような形でいかなければなるまい、こういうことから、私は大いにドル偏在是正を強く主張したわけであります。そして、その結果ではありませんが、そういう考え方は、何人も異存のない、少くとも世界平和を考え、各国の経済の繁栄をこいねがうものとしては、異存がないと私は思う。その結果か、総会においては、特に西ドイツの代表者が、それはよくわかっておる、それで、自分たちは大いに輸入をふやそう、また、その輸入をふやすためには、関税も下げなくちゃならない、それから国内の金利も下げる、それから従来借りておった債務については、繰り上げ償還もしよう、さらにまた、それでもなおたまるというなら、資本の再投資も考えよう、こういうようなことを強くして、これは、ドイツでは五原則ということを言うておりましたが、アメリカも、これをバックしたわけであります。ですから、たとえば、ポンドについては、適切な安定をするように、イギリス自身としてなし得べきポンド防衛の丁は強く打っております。これは、ひとり英蘭銀行が五分から七分に金利を上げるというだけではなくしてたとえば、政府の歳出規模というものを抑制する、あるいは銀行貸し出しを抑制し、あるいは第三国貿易のためにポンドを使うリファイナンスを取りやめる、イギリスとしては、特にポンドは、何といってもロンドンの金融市場というものに重きを置いて、やはり世界の通貨という空気が強いにかかわらず、こういう強い手も打っていく。さらに、スペキュレーションに対しては、多額の外資借款を起していく、こういう手を打ったわけであります。従いまして、私の主張は、国際的に受け入れられた。そして、そのこと自体が、今後世界の経済をよくするだろう。従ってまた、われわれの主張が、現実にああいうふうな会議において、ただ壇上から言われたということだけではいかない、それがほんとうに具現して、アメリカや西ドイツの国際収支に一体どう現われるか、これを今後見ていかなくちゃならない、これは、やはり私の力ではいかんともしがたい、けれども、考え方が同調を得たということは、私ははっきり申し上げて差しつかえないと思います。
○春日委員 現在の国際収支の改善が、やはりこれらの偏在しておる西独、アメリカの国際的理解を待って、それぞれ貿易政策が是正される方向に持っていかなければならぬということは、これは、一つの常識であろうと私は思います。しかしながら、現実には——私も、この夏はアメリカに行って、これらの国際収支の問題や、この国における貿易政策等についても、あの国会へ参っていろいろ意見を交えたのでありますが、しかし、具体的政策としては、アメリカ国会が標榜しておりますものは、少くとも対日輸入の制限立法、これは下院に二十六、上院に二十か法律ができておって、たしか輸出が年間百九十億ドル、輸入が百二十五億ドル、かれこれ六十五億ドルも輸出超過になっておる国が、さらに進んで輸入制限措置を講じようとしておる。こういうような対日輸入制限立法について、大臣は、アメリカの首脳部とこの問題について具体的なお話し合いをされたかどうか、されたとするならば、その結果、見通し等はどんなものであるか、この際、関係業者としては重大な関心事でありますから、それらの問題がありましたら、この点についての折衝の経過、見通し等についてお述べ願いたいと思います。
○一萬田国務大臣 ただいま申し上げましたような見解に私は立っておりましたが、それにもかかわらず、今お話しのように、従来ともすると、日本からアメリカに輸出するものについて、輸入の制限的な動きがありますので、そういうことは非常におもしろくないという考えから、商務長官——ちょうど午前に藤山外務大臣が会いましたので、それで事足ると思いましたですが、私は、特に今言うたような一つの考えを持っておりますので、それに反するような具体的な動きが必ずしもないと言えないから、私は、念のために、重ねて午後商務長官のウィークスさんに会いまして、今言うたような見地から、そういう問題をよく御相談をした。ところが、やはり同じようなお考えであったと申していい。そういうことが起らないように、自分たちもできるだけの努力を払う、こういうような話であったことを申し上げておきます。
○春日委員 それでは、次にあなたはIMFに対する日本からの出資額、これが現在二億五千万ドルでありますが、しかし、この間において、日本の経済規模が大きく膨張的に発展をしておるので、現在の実情に沿わない、だからあなたの提唱は、三億五千万ドル程度に出資額をふやす用意がある、こういうことを提唱されたようであります。その反響はどうでありましたか、そうして、あなたのその提唱は、IMF総会において、あるいはその他の機関において受け入れられたか、あるいはその提唱の今後の発展はどういう見通しであるのか、この点をお伺いしたい。
○一萬田国務大臣 結論だけ申し上げますれば、IMFの専務理事であるヤーコブソン氏に会いましたときに、非常に賛意を表されまして、自分の方としては、早速検討にとりかかる、こういうふうに話しておりました。もちろん、こういうふうな行き方について、批判的な国もあるということも、新聞等に載っておりますが、これも、ある意味においてもっとものようでありますが、私の言うのは、今たくさん出資しておる国に重ねてたくさん出資をするようにというようなことを言うておるのじゃないのであって、、あのIMFの出発した当時と今日とは、世界の経済は非常に変化しており、国々の経済の成長率も非常に違ってきておるのでありすから、そこで、違ったものを是正する、特に弱かった、出資が非常に少かったところをふやしていく、そういうふうにすれば、多かったところは、それでもいい、不当なでこぼこを是正していく、それだけでも相当な資金量がふえるから、当面経済を自力でもって更生をはかるものを、先ほど申したような、こういう国際機構を通じて助けていくことが必要だから、少しでもいいけれども、その不公平が是正され、資金量がふえればいいじゃないか、それは、今申しましたように、検討するから、こういうことだったわけです。
○春日委員 それが検討されて、そうして実現を見るのはいつごろか、実現を見ると、日本としては国際経済の中において、どのようなフェーバーを受けることができるか、そのあなたの見通しを伺いたい。
○一萬田国務大臣 これは、かりに日本の出資率がふえれば、それだけ今後IMFからの借入限度もふえる、それだけ準備がふえると申してもよろしいと思います。日本の通貨に対します準備が——いざというときに借り入れる力がふえるから、ある意味において準備がふえる、こう申してもいい。同時に、また、ふえる金額にもよるんですが、ある程度ふえますと、その一国だけで当然IMFの理事になれる。今日本は、ビルマ、セイロン、タイ、日本、この四カ国で一人の理事を出しております。これは選挙です。しかし、たとえば台湾政府等は四億ドル持っているから、当然これは一カ国でいい。こういうような現実は、必ずしも適切ではないのじゃないかというような考えを持っているわけです。
○春日委員 いつごろ実現しますか。
○一萬田国務大臣 これは私何とも……。IMF当局、これは国際機関で、六十数カ国の国々が利害を持っておりますから、検討するからといって、すぐそれが実現するということは、私も必ずしも期待していませんが、しかし、だれが考えても、それは常識的でありますから、かすに時間をもってすれば、実現するので、われわれとしては、なるべく早く実現するようにこれを推進したらよかろう、私はかような考え方であります。
○春日委員 わかりました。大いに善処願いたいと思います。 それから、新聞の報道によりますと、あなたは今回の渡米で、電力、鉄鋼、道路の三部門にまたがって、三億一千万ドルの借款の申し込みを世界銀行当局に対してされたということであります。これは、一体どういうような具体的な内容であるか。その経過並びにその見通し、これを一つ簡単にお願いします。
○一萬田国務大臣 その三億一千四百万ドル——総額でございますが、その内訳については、今資料を持っておりませんが、これについて、私申し入れをいたしました。むろんこれは、世界銀行が、今言いましたように六十数カ国の代表機関で、国際機関でありますから、やはりいろいろと他国のことも考えて所作しなくちゃなりません。申し込んだからすぐよろしくというわけにもいかぬようであります。しかし、この三億一千四百万ドルは、いろいろと手続上の時間はとりますが、必ず実現する、かように私自身は確信をいたしております。
○春日委員 最後に、東南アジア開発基金の、いわゆる岸構想についてお伺いをしたいと思うのでありますが、これは、その当時、岸総理が東南アジアを訪問されるに当りまして、まあわれわれに印象づけられておるところをもってすれば、即興的に、思いつき的にあんなことを提唱されたのではないかと思われるわけであります。すなわち要約するならば、アメリカの資本と日本の技術で東南アジアの経済開発をはかる、こういうところにあった模様であります。しかしながら、東南アジア諸国のその後の見解が表明されておりますが、これらの当事国は、いずれもこれについて興味を持っていない。特にまた、インドのネール首相の意見等も示されておりますが、それによっても、これに対して大して期待を持っていない。具体的な内容を持っていないから、てんでだめだ、こういうように全体的に批判的であります。そこで、あなたは、この問題についてたしかダレス長官と御懇談になった様子でありますが、その結果を岸総理に報告されておるところを新聞などで承知いたしますと、これは、結局練り直さなくちゃだめだ、アメリカでも賛成をしていないし、また相手国においても、だれも大した期待を持っていない、こういうような報道がされております。これは、日本経済の将来に対する重大な問題でもあり、かつは国際的な問題でもあります。少くとも一国の総理が提唱した事柄についてのアメリカ本国におけるこのダレス長官の見解というものは、私は、重大な内容を持つと存ずるのであります。あなたが、この東南アジア開発信金構想について、ダレス長官とお話をされたその内容、受けられた印象、またあなたの独自の判断においてその前途の見通し、これは一体どのようなものでありますか、この際率直にお述べを願いたいと思います。
○一萬田国務大臣 私は、今の御質問のうちで、国際通貨基金に関する限りにおいて御答弁を申し上げますが、私は、岸総理に会って、あれは練り直さなくちゃいかぬというようなことを申したことはありません。これは、一応訂正をお願いいたしておきます。それから、東南アジア諸国において、東南アジアの開発基金的なものがいかにも受け入れがたいものかのようにお考えのようでありますが、私は、必ずしもそうでない、よい印象を持っております。それは、どういうことかと言えば、世界銀行の融資を東南アジアに少しでも多くするということは、これは、もう私らがそのために前後三回行って、それだけを主張してきたようなことであります。東南アジアの代表者も、みんな、世界銀行の融資は、少しでも多く自分の方に回してくれと言っております。その結果、私が三年前にトルコに行った場合には、一〇%そこそこであったのが、今回は、二〇%こえている程度まで増加したのですが、依然として東南アジアに融資をふやせという声は、強いのである。だから、私は、もしも世界銀行が、ほんとうに東南アジアの今日の資金需要に応ずるように持っていったならば、東南アジアは満足するであろう、そういうことを主張しておる。ところが、世界銀行というものは、さっきも申しましたように、六十数カ国の国際機関であります。世界全体を見て、それぞれの利害関係国のプロポーションということを考えなくてはならぬのでありまして、ただアジアだけにというわけにはいかぬ。しかし、私は、アジアの開発の緊急性というものはあると思う。アジアの今日の開発状況、あるいは富の状況というものを、ただ便々とほうっておいて、まあそのうちによくなるであろうというような考え方は、私自身はとらぬ。また東南アジア諸国も、とらぬと思う。できるだけ早くやってもらわねばならぬ。世界の他の地方においては、みんな進んでおる。欧州では、共同市場体制ができて、世界経済に臨む。そういうことを考えると、このアジアの今日の状況は、非常にスピードアップして改善する必要がある。そうしてみると、ほんとうに世界銀行が、アジアにうんと資金を投入せんとすれば、アジアに対する世界銀行的なものがあってどうして悪いかということが、私は言えると思う。ただ今日、東南アジアの諸国は、そういうふうな形態よりも、たとえば、アメリカならアメリカに一生懸命になってたくさんの借款を申し込んでおるから、そういうようなことで不安を与えやしないかという懸念はあります。従って、そういうふうな、どっちかというと政治的な見地から、いろいろの考え方はあると思いますけれども、この考え方は、若干理想的かもしれぬけれども、何も私は、修正する必要はないと思う。これは、アジアはアジアとして行く大きな紐帯になる、いわゆる血液になるだろうと思っておりまして、これは、私はごうも修正する必要はないと思う。ただ、そういうことは、今どこから出発するが一番いいかということに問題があるということを、特に今度の旅行で考えた。それで、そういうことを行う場合に一番質問になるのは、一体どこかというと、かりに、おれが金を出してやろう、一体どこに金を出すのかという場合に、さっぱりわからない。これは、今日、アジア経済の特質というものがある。どこの国も統計が完備していない、不十分だ。そこに技術者も少い。わからないのです。ですから、私は、こうやる場合には、日本から技術者の団体といいますか、コンサルタントでも、あるいは技術センターでもいいのですが、そういうものを持っていって——日本は賠償に関連をして、経済協力をみなやっておる。しかも、巨額な経済協力をやっておりますから、従って、そういう技術家がどしどし向うの当局者、関係者とタイ・アップをして、そうして、自分のこの地方にはこういう資源がある、これはこういうふうに開発すればいいんだ、それはどのくらいの年限がかかる、どういう資金が要るんだ。そうすると、その資金量は、アジアや日本において調達できるか、できなければ、その一資金は一つどこかに求めようじゃないかという動きになる。その動きは、結局私は、やはりアジアの開発基金的なものに発展していき得る、こういうふうに思いますから、そういうところから出発したらどうだろうか、こういう考えを持って主張しておるわけであります。
○春日委員 今述べられたところは、結局先進国の資本と技術で後進地域の開発をはかるという国際経済の傾向、それはだれも議論はないと思う。ただ、私がお伺いをしておるのは、そういう一般論の問題ではなくして、岸さんが東南アジアに行かれたときに、こういう、アメリカの資本と日本の技術で東南アジアを総合的に開発することのための開発基金の構想を提唱されて、その結果アメリカへ渡られて、それについてアメリカ当局の意見を打診されたはずなんです。その後あなたが行かれてこの問題に具体的に触れられて、ダレス長官とお話しになっておるわけなんですね。だといたしますと、提唱が行われて相当の時間を経過して、その具体的な促進のために国の大蔵大臣が行かれたわけでありますから、従ってその構想が実現可能であるか、あるいは実現不可能であるか、不可能であるならば、その難点はどこにあるか、こういう問題が当然ダレスさんとの話し合いで、あるいは米当局とのそれぞれの瀬踏みの中で、あなたはこれを把握して帰られておると思うのです。私が聞きたいのは、それなんです。現実にあなたが述べられておるところは、どこを開発したらいいのかかいもくわからない、だから、しようがないということならば、開発基金の構想は全然画餅にひとしいものである。どこから手をつけていいのかわからないような問題を、なぜわが国の総理は、国際的に軽率に提唱したか、こういう非難が起きてくるでありましょう。さらにまた、政治的な理由としては、私は、先般ネール首相の話されたところを注意して読んでみたのでありますが、政治的に反米的な国もある、あるいはまた国際資本の導入、外資の排撃を行なっておる国もある、そういうような東南アジアを全体に一つのものと考えて、米国の資本と日本の技術で総合開発を行なっていくといったって、受け入れる国と受け入れない国がある。そういうことだから、ネールの提唱は、これは、比較的政治的に親近感がある二国ないし三国相互員においてそういうものをやるならば、やれるであろうが、東市アジア全体的に対象とするようなことでは、これは実情に沿わないのじゃないか、実現不可能じゃないか、こういう意見を述べておる。そこで、私があなたに伺いたいことは、せっかく日本の総理が、一つは日本の経済の発展のためにも、後進諸地域の経済的な展開をはかるためにも、そういう国際提唱を行なっておるのだが、そのことは、ほんとうにできることか、できないことか。ただ一つの構想として述べたことならば、それはそれで了承せざるを得ないでありましょうが、一つの経済政策、外交政策として述べたことならば、私は、相当の責任を感じていただかなければならぬと思うのだが、一体その辺のいきさつは、どうでありましたか。ダレスさんは、そういうことがやれる、だから岸構想に対して協力して資金を出すと言うたか、それとも、今あなたが述べられたように、具体的にかいもく何もわからないので、やろうといってもやりようがないじゃありませんかというような範囲の意見であるか、この点をお伺いしたいのです。
○一萬田国務大臣 私は、今ここでダレス国務長官がどう言った、こう言ったということを何も言うべきでもない、また言わなくてもいいと思いますが、私の考え方は、この東南アジア開発基金というものは、実現する可能性を持っているという考えであります。むろんそれは、時間をある程度要するかもしれません。しかし、そういう感じを私は持っております。これは、今回渡米した上でそういう感じを持ったと言っても、差しつかえありません。ただ、その出発する行き方が、今言ったようなところからまず出発するという考えであります。 それからもう一つは、アメリカの資本をいやがるということはないと思います。ただ、そういうことを言う人があるだけです。現に、アジアでアメリカの資金援助をほしいとみな言うているじゃありませんか。それは事実が示している。そうして、また、たとえば世界銀行とか、IMFといっても、これは、三分の一はアメリカの金が入っている。ここから金を借りている、こういう事実を無視されてはいかぬ。その上に、私の考えでは、かりにアメリカの金を云々されるなら、それは、それでもいい、それなら、国際機関を通じて借りるという方法が一そういいということが言えるのではないですか。
○春日委員 今あなたは、ダレスが何を言うたかというようなことは、言う必要はないと言っておられるけれども、けしからぬと思う。あなたは、自分の費用でアメリカへ行ったわけではない。国の費用で、日本国の大蔵大臣として行かれたのだから、向うで何を言うたか、それは、公けの人として交渉されたわけであるから、どういう意見を述べて、そうしてその問題に対する見通しはどうであるか、これを私が聞いているのに、それを言う必要はないということは、はなはだもってけしからぬと思う。けれども、その内容が言えないということは、これは語るに落ちられているので、私も、ほぼどういうことをダレスが言うたか、別の表現であなたが述べられたものと理解いたしまして、これは宥恕するのだが、現実の問題としては、これは明確になっている。こういうようなばく然とした、かつは具体性のない問題について、まるで即興的に、思いつき的に、はったり的に岸さんが言うただけで、東南アジアでは、だれも熱意も関心も示してはいないし、さらにネールさんは、これに対して反論を述べておられる。ダレスさんの答弁は、あなたが国会において答弁し得ないような、いわば悲観的というようなものであった。ただ私の質問は、何も米国資本の導入を排撃しているのではない、ただ、そういう国際資本を導入するという国際経済の提携にしても、これは、いろいろその資金の性格がある、これは、MSA協定においてビルマがどういう態度をとったかは、私が申し上げるまでもないことであります。やはりその資金の性格によって、あるものはこれを歓迎し、あるものはちゅうちょしている。要するにアメリカ資本と日本技術によってある程度の経済支配、あるいは経済の拘束が行われたりするというような内容がきっと介在するであろうことを、これらの諸国は警戒もしていると思うし、今申し上げたような、いろいろな政治的な諸問題もからんで、こういう問題は、実現不可能だと思う。だから、私は、実現不可能なら不可能と言うてみただけのしゃれで、現実にはアメリカへ行っても、だれも責任ある当事者は乗り気になってこない、こういうことを一つ率直に述べられて、もう少しあなたも、国の費用を使って向うへ行かれたのだから、何でも率直に伝えていただかなければ困ると思います。 大体、私は、あなたがアメリカへ行かれているいると折衝された範囲を伺いたかったのでありまするが、ただ、あなたの提唱が、三、四の点において行われたにとどまって、その成果というものは皆無ではなかったかという点について、まことに御努力にもかかわらず、成果の乏しかったことを残念に存ずるものであります。 最後に、確認をいたしておきたいことは、中小企業の金融問題については、衆参両院、かつは商工、大蔵の両委員会を通じて、非常に熱心に検討し、その推移を心配いたしているのでありまするから、次回の経済閣僚懇談会におきましては、十分新事実に即して、閣議決定に重大な支配力を有する大蔵大臣の誤またざる適正なる措置の講ぜられんことを強く要望いたしまして私の質問を終ります。
○平岡委員長代理 午前の会議はこの程度にとどめまして、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後一時九分開議
○平岡委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。金融に関する件について質疑を続けます。石村英雄君。
○石村委員 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、午前中、私、ちょっと用事があって春日君の質問に対する御答弁をよく聞いておりませんが、同僚委員から聞きますと、今日問題になっておる中小企業の年末金融につきましては、それに対する措置をどうするかということは、まだ大蔵省としては御決定になっていない、目下考慮中だというような御説明だった、こう聞きましたが、その通りでございますか。
○一萬田国務大臣 大体さようでありまするが、考慮中というのは、何といいますか、ちょっと気持が——考慮中という意味じゃないので、年末金融は、普通のときとも違いまするから、特に中小企業について考えなくちゃならぬと思っておる、それは間違いないのです。ただ、どういう程度考えてあげなくちゃならぬか、あるいは、そういう程度に応じてどういう措置をとらなければならぬか、それを今検討を加えておる、こういうことであります。
○石村委員 世間では、この中小企業の年末金融に対してはどんなことになるだろうか、大へん不安を持っておるということは、大蔵大臣もお認めではないかと思うのです。世間には、そんな不安はない、みんな年末は楽々と越せる、こう楽観しておるとは見ていらっしやらないのじゃないかと思うのですが、いかがですか、大蔵大臣の御判断は。
○一萬田国務大臣 いや、決して今日本では、そう楽々いくということを考えている人は、おそらくだれもないだろうと思います。みんないろいろと御無理を申して、御協力を願っておりますが、従来の中小企業の年末金融が万全であると、むろん私は自負するものではありませんが、日本銀行あたりの支店長会議の様子なんかも拝聴し、それからまた、中小企業を専門にやっておる政府機関の方の様子も聞きまして、十分でなくても、割合にいっておるというふうに私は考えております。それで安心しろとか、それでいいとかいうのでは決してありません。いろいろ御無理を申しておるとも思っております。また年末は、特別に配慮しなくちゃならぬ、それも考えております。
○石村委員 そういう見通しの問題は別としまして根本問題として、これも当然のことかと思うのですが、大蔵大臣のお考えは、つまり現在の金融引き締めと申しますか、こういう政策は、依然として堅持されなければならない、もちろん来年再来年、遠い将来は別ですが、ここ来年の四半期までの間、少くともさしあたっての問題は、金融の引き締めは依然として継続せざるを得ない、こう見ていらっしゃるのではないか、こう考えますが、その通りですか。
○一萬田国務大臣 大体さように考えております。
○石村委員 そこで、中小企業金融問題について、私もいろいろない知恵をしぼって考えてみたのですが、今日世間で問題にしておるのは、今度の臨時国会で、政府として予算措置を講じるか講じないか、つまり中小企業金融公庫及び国民金融公庫というようなものに対して、年末金融に約する特別のクを——予算総則で縛られておりますから、あれを臨時国会で修正してワクをふやす、二百億でしたか、ふやすということをなさるかなさらぬかということが、世間の大きな注目を引いておることだと思うのです。これについて、大蔵大臣はまだいろいろ検討を加えていらっしゃるようですが、常識的に考えると、また政党という立場を考えてこの問題を考えると、従来といえども、中小企業金融公庫にしても国民金融公庫にしても、資金が決してあり余っておるというわけではないのですから、この際、臨時国会ですぐふやすということをちゅうちょする理由は何らないんじゃないか、こう一応考えられるわけなんです。しかし、それをなお大蔵大臣がいろいろ検討を加えられなければならない一つの理由として、これは、私の一つの見方としての同断ですが、今日の金融引き締めというこの大前提を認める以上、大企業に対する金融引き締めによるそのしわ寄せが、直接間接中小企業にくるわけです。たとえば、支払い代金をすぐ払わぬ、手形にするとかいうようなことで、大きなしわ寄せがあると思うのです。金融機関が貸し出しを渋るという以外に、そういう金融引き締めから、大企業のとる対策から生まれる中小企業に対する大きなしわ寄せ、これが、むしろ現実には大きな問題になるのではないかと思うのですが、このしわ寄せを、政府の手で一〇〇%救済するということをすると——まあ一〇〇%は語弊があるかと思うのですが、十分にこのしわ寄せを救済するということになると、金融引き締めという大前提がくずれる、こういうことになるのではないか、そのように大蔵省でも考えていらっしゃるのじゃないか、そこで、この問題に対しては、よほど慎重に考慮されなければならないという理屈が生まれてくるのじゃないか、こう考えるわけなんですが、いかがですか。
○一萬田国務大臣 今御質問の点は、私どもは、大企業が中小企業にしわを寄せないように、大企業の側も大体資力はきまっておるのですから、それが中小企業にしわを寄せないように、これが大前提で、非常に努力しておる。しかし、やはり中小企業は、弱い面があります。ですから、それにもかかわらず、しわが寄ると思います。それは、力が弱いという一つの社会的な境遇からくることですから、これは、政治としては救済しなくてはならない、そういうものについては、金を回して上げなくちゃならぬと思っております。もう一つは、金融引き締めにかかる——金融引き締めがなければ年末はいいかというと、そうではなくて、引き締めがなくても、中小企業金融というものは、なかなかむずかしいと思うのです。何ら解決を与えておりません。まだ中小企業金融自体のあり方についても、解決はつけておりません。これは、日本の不幸といってもいいのですが、困難性がありますから、これは、普通のときでも、やはり年末というような金融が繁忙のときには、考えて上げなくちゃならぬ。これは、年々大体そういうことをやっておる、今年は、それにプラスの金融引き締めということで、影響がある、それを、年末には考えなくちゃならぬということだけは私も考えておる。ただ、どういう程度に考えなくちゃならぬか、そうしてまた、どういうところが一番困っておるか、従って、これを実現する方法はどういう方法が一番いいかということを、最近は留守にしておりましたので、時間もありませんから、今のところは結論は出ておりませんので、今それぞれ資料を集めて検討を加えておる、これは、無論臨時国会前には結論を出しまして、しかるべき措置はするつもりでおります。
○石村委員 大蔵大臣の結論は、いい悪いは別として、そういうふうに考えておるということですから、了承いたします。しかし、その前提に、どうも事実に対する誤認があるのではないかと思うのです。これは、大企業のしわ寄せということは、大企業はそんなことをしちゃいけないというお考えですが、これは、この前の委員会でも、たしか一萬田さんは、そのように大企業を説得するというようなことをおっしゃっておりますが、現実には、利潤追求をやはり根本目標として掲げておる大企業とすれば、中小企業に、自分の下請なんかに対してのしわ寄せは寄せざるを得ない。寄せることは、決して好ましいことだとは大企業は考えてはいないだろうが、自分の企業をもっと成長させ、発展させるために、こういう金融引き締めというものが自分に振りかかってくれば、遠慮していえば、一部分を自分の下請企業なんかにしわ寄せをするということは、起り得るのじゃないかと思う。それが起っていない、ただいまの大蔵大臣のお話に、こういうお考えのように受け取ったのですが、どうも事実は違うのじゃないか。大企業が、やはり下請に対して、自分の関連した中小企業に対して、しわ寄せをしておるのじゃないかと私は判断しておる。公取の報告なんか聞いてみましても、下請代金の遅延が非常にふえておる。また、たしか石川県ですか、石川県の方の織物業者、これは、大部分が大紡績会社の系列企業になっておる、それが、今度どんなことが起ったかというと、今まで糸を紡績会社から持ってきてもらって、そうして織物を織っておった、ところが、その紡績会社は、今度はどんなことをいうかというと、その糸代を払え、石川県では、たしか十億であるという話を開きました。十億の代金を先に払ってしまえ、そうなると、賃織りでなくなるのですが、そういうことをやっおる。従来の系列下にある織物業者が、今度は糸代の資金を何とか心配しなければ、系列が打ち切られるおそれがあるというような情勢が、すでに生まれておるということを聞いておるのですが、大蔵大臣は、やはりそんな事実はない、こうお考えなんですか。
○一萬田国務大臣 それは、私の御説明を十分御理解下さってないように思います。私が申すのは、大企業から中小企業にしわ寄せがないなんということを言ったのじゃありません。政治としては寄せないように——やはり今度の金融引き締めで、経済が成長し過ぎた、言いかえれば、投資が多過ぎた、それは、大企業において、設備の拡大が多過ぎた、経済活動が、旺盛過ぎるのだ。今度は、それを抑制して、大企業の働きをスロー・ダウンする、資金も物もそれだけ要らぬのだから、お前たちは自分で責任がとれるじゃないか、何も下にしわを寄せぬでもいいじゃないか、それを、あえて自分たちはスロー・ダウンすることをしないで、従来のままでいこうとするから資金が足らない、その足らない部分が、中小企業にしわがいくのだ。ところが、大企業は、経済に重大な責任を持っておるのだから、こういう場合には、自分でできるだけ責任を持って始末しよう。そういうことを私たちは指導もし、お願いもするのだが、しかしそれにもかかわらず、中小企業は社会的にも弱いですから、社会の動きとしてはしわが寄るのです。だから、政治としては、それをはねのけてやらなければならぬという立場をとっておるし、中小企業は円滑に保護しよう、こういうことを言っておるのです。 それから、今金沢の方の糸の話が出ましたが、これとても、私も陳情をたびたび受けたのです。非常に同情もしておりますが、今の糸の問題は、だいぶ最近操短でよくなったのですが、当時は非常な生産過剰であった、生産過剰で無統制であった。しかも、一方、販売をする方も数限りなくあって、これも競争です。ですから、一方では競争で安く売る、これに対して、供給する方は生産過剰ですから、いつまでたってもとどまるところがない、これは、金融をつけたからといって解決がつくものではない、国際市価に比べて非常に下っておる、しかも、継続して、長い期間下っておる、こういうものを、こんなに安く外国に売ってやる必要はないじゃないか、だから、生産調整をどうしてもしなければならぬ、生産調整をして——常に生産調整でいいというのではありません、こういうように国際市価よりも下っておるような状況では、たとえば国際市価が一〇〇ということにすると、日本の繊維は七〇くらいで、非常に価格差がある、それを継続してやる必要はない、国際市価が一〇〇ならば、こっちは九五で十分競争に耐え得るのです。だから、そういうところに持っていくとすれば、それは、今のようなオーバー・プロダクションではいけない、それで、金融についても、できるだけそういうものとあわせてやらないと効果がないという話をして、そういうふうにやってきたわけであります。
○石村委員 ただいまの石川県の問題は、私は、しわ寄せの一例として申し上げたわけであります。そこで、最初私が問題点として出しました、こういう金融引き締めをやるということを考えた場合には、そのしわ寄せが中小企業に当然及ぶが、それを十分に救済したのでは、金融引き締めの効果というものは非常に減殺されるというように考えられるのではないかという質問に対しての御答弁で、中小企業は弱いものだから、やはり助けてやる、こういわば的をはずしたというか、何というか、ただ結論だけをおっしゃったわけですが、その点は、私はあえて今ここで、そういう金融論をしようとは思いません。そこで、いろいろ検討されておると思うのですが、実は、私たちこの大蔵委員会も、大蔵省の事務当局から、中小公庫や国民金融公庫の申し込み貸し出し状況という材をいただいて、大蔵委員会としてもいろいろ検討したのですが、これは、大蔵大臣も、この資料の報告を受けられて検討を加えられていらっしゃるのだと思うのですが、この資料自体に、相当問題があると私は思う。これは、おそらく事務当局から大蔵大臣にお見せしたと思うから、よく聞いていただきたいのですが、事務当局の説明によりますと、中小企業金融公庫は、現行の貸し出し計画の第一・四半期が百二十一億、第二・四半期が百三十五億、第三・四半期が百五十億、こうなって、これに対する新規申し込みが、第一が百六十四億、第二が百八十三億、第三が二百億、従って、その充足比率は、一、二が七四%、それから第三が七五%、これだけの現行の計画で、新規借り入れ申し込みに対しては、七五%の充足率があるから、それほど問題ではない、こういう結論を生み出すための資料ではないか、このように受け取ったのです。これは、従来の例から調べてみましても、問題は借り入れ申し込みの額なんです。第一は、これははっきりした数字があるはずだと思うのですが、第二、第三については、見込みということになるのですが、これが、従来の例からみると、どうも少いのじゃないか。国民金融公庫についても、同様なことが言える。そうして中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対して聞いてみると、数字が非常に違うのです。何だか大蔵省は、われわれに年末金融はそれほど憂うべき状態ではないという結論を印象づけるために、こういう資料をわざわざお作りになったのじゃないか、こういうように受け取れるわけです。中小企業金融公庫自体の説明を聞いてみますと、第一・四半期の申し込みは二百三十五億、それに対して、大蔵省は百六十四億というように値切っていらっしゃる。それから第二は、大蔵省の百八十三億という数字に対して、中小企業金融公庫が集計した数字は、これは、九月末はまだはっきりしていないでしょうから、ある程度見込みが入っておると思います。が、二百八十六億、第三・四半期に対しての予想は、大蔵省の二百億に対して三百三十八億というのが、中小企業金融公庫の申し込み数量の実績及び見込みなんです。国民金融公庫についても、同様なことが言えるわけです。大蔵省の方では、申し込みを第一を二百七十九億、第二を二百九十六億、第三を四百億とせられて、現行の貸し出し計画に対する充足率を四六%から五八%、こう算定していらっしゃる。ところが、国民金融公庫の言う数字はそうでないわけです。第二について言うと、これは、大成省とほぼ似ておりますが、三百六億、しかし、従来の経過から見た第三に対する見通しは、大蔵省は四百億といっていらっしゃいますが、四品六十億見当を国民金融公庫は予想しておる。従って充足率が大蔵省のおっしゃるように、中小企業金融公庫については七四%、国民金融公庫は五八%で、大体従来の充足率を示しておるから、これで十分だろうという結論をかりにお出しになるとすると、非常な問題だと思う。この点、大蔵大臣は、そう一々調べていらっしやるわけではないと思うのですから、十分御検討願いたいと思う。これは、大蔵省の十月四日付の資料なんですが、公庫自体の言うこととはずいぶん違う。もちろん申し込みの数字の集計の仕方というものが、やはり技術的は問題があるのかもしれませんが、少くとも公庫の言うことは、どうもそれはどういう数字でしょうか、決して充足率が、中小公庫において七四%前後ということには考えられない、国民金融公庫についても、五十何%とは考えられないというのが事実のようなんです。これは見込みですから、案外申し込みが少いかもしれないが、常識的に言うならば、今年の申し込みは相当多い、こう判断するのが当然ではないか。それで、公庫が支店、代理店を通じて集計した予想というものに対して、それを非常に少く算定されるとすると、大蔵省は、よほどの自信を持って、その理由をはっきりお示し願わなければならぬと思うのです。この点に対する大蔵大臣のお考えをお伺いいたします。
○一萬田国務大臣 決して今お話しのように、大蔵事務当局で何か自分の主張を有利にするように、故意に数字を作った、そういうことは絶対にしないと私は確信しております。しかし、これは数字のことですから、別に議論は要りませんけれども、さっそく事務当局にも聞いてみましようし、これは、公庫に聞いてみれば判明いたすと思います。今のところ、私どうということも申し上げかねますが、御意見いろいろあるようでございますから、調査いたします。
○石村委員 もちろん、そうした性質のものですから、御答弁は求めませんか……。
○平岡委員長代理 ちょっと石村君、大月君の方から、何か補足しての説明があるそうです。
○大月説明員 ただいまの御質問に対しまして数字の問題でございますから、事務的に私から申し上げますと、ここにとりました数字と、中小公庫及び国民公庫の申しております数字と違います点は、われわれの統計では、新規の借り入れ申し込みの数字であるのに対しまして、両公庫の数字は、前期からの繰り越しを含んだ数字で言っておるわけでございます。基礎のデータについては、全然同じものを使っておるわけでありまして、それに対する考え方の違いであろうと思いますが、われわれの考え方といたしましては、中小金融に対する資金的な圧力と申しますか、感度というものがどういう観点からくるかといえば、やはり新しい申し込みに対してどういうようになってくるかということの方が、重要であろうと思います。たとえば、景気の動向を見るのに対しまして、機械の発注状況というような統計がございますが、これは、残高で見る考え方と、新しくどのくらい発注がふえるかという見方と、両方あると思います。そういう意味で、将来の力というものを見るために、新しい数字による方が適当であろう、こう考えて、数字を作ったわけでございまして数字自体は、両方とも同じ資料をとってあるので、相違はないわけであります。
○石村委員 数字の点、それでわかりましたが、そうすると、現行貸し出し計画との対比の比率をお出しになるということは、意味がおかしいことになるのじゃないか、現行貸し出し計画をこのように増額する、同時に、それに対応する新規の申し込みが、この通りにあるから、このように増額するというための比率をお出しになったのならわかるが、その期間中の貸し出し計画の数字を出して、それと新規の追加の分だけをやって、そして比率を出すということは誤解を招くのじゃないか、現に私が誤解しておる、この比率というものを、私は充足率と考える、充足率は、なるほど新規に対する充足率ということかと思うのですが、現行貸し出し計画があるのだから、そういうわけにはならぬ。そうすると、この比率というものは何の比率か、ただ、そろばんをはじいて数字を出したというだけで、無意味な数字を出していやしないか、何のために委員会にこんな数字をわざわざお出しになるか、このくらいなそろばんなら私たちにもできる、そういう意味のない数字を数えていただくなら——やはりこれは、現行計画をこのように増額するという増加額と、新規の申込額とを対比してその比率をお出しになったのなら、これは非常に意味があると思う。これはどういうお考えですか、大月さん。
○大月説明員 この数字自体につきましては、今のような観点からの、充足の強度を見るわけでございますから、この絶対数自体の意味よりも、どのくらいの。パーセントふえておるか減っておるかということの方が重要じゃなかろうか、こういうように見て出した次第であります。
○石村委員 いずれにしても、このような情勢にあるということは、大蔵大臣もよく検討していただきたい。もしこの銀行局の資料だけによって考えると、あるいは従来の例からいうと、臨時国会で予算総則の修正をしてふやさなくても、通常国会で間に合うという結論も、あるいは生まれるかと思うのです。しかし内容を検討すると、やはり相当問題になってくる。通常国会で幾ら早く十二月の初めにやりましても、なかなか年末金融には間に合いかねるのじゃないか。せっかく臨時国会といういい機会があるわけですから、そのときにやって、一向差しつかえないのじゃないか、こう考えるわけです。大蔵大臣は、今ここで、臨時国会で必ず出すとはおっしゃらないかもしれませんが、この点に対する十分な検討を加えられることと信じております。大体臨時国会で絶対にやらないというだけの理由がかりにあるとすると、その理由はどこにあるか、積極的にやらぬという理由が理論上考えられるのなら、それを示していただきたい。今やらないとは言っていらっしゃらぬわけですが、考え方としていろいろ判断せられる中に、やらなくていいという一つの見方もあるわけだと思うのです。それがなければ、そう考えておる必要はない。せっかく岸さんや自民党の三役がやれという結論を出しておるときに、まだ考えて検討しますというようななまぬるい返事をなさるには、やはり積極的な、一つのやらぬでもいいという見方も一方にある。それを採用するとは限らないが、少くともこういう見方もあるし、検討しているのだという御説明があってしかるべきだと思うのです。積極的な、あなたがそれを首肯せられたという意味じゃありませんが、一つの問題点として考えられる点があるとすれば、お示し願いたい。ただばく然と考えておりますじゃ困るわけです。与党がやれやれ、こう言っているのを、まだ考えます、こう言われるのには、やはりそれ相当の理由があるはずだ、こう思うわけです。その理由を御説明願いたい。
○一萬田国務大臣 御答弁しますが、今そういうふうなことをここで言うと、かえって紛糾しまして、論点がはっきりせぬようになってくる。私は、そういうことを申さなくてもいいと思います。何も私は、年末でやらぬというのではない。(石村委員「やるとも言わぬ」と呼ぶ)どういう程度やらなくてはならないのか、こういう程度やらなくちゃならない、ふだんのときでもやるのですから、ましてや今金融引き締めをやっておるのですから、やらないとは言わない、やるならどの程度やらなくてはならぬか、その程度によっては、またどういう方法を考えていかなければならないか、それらも検討しておる。それも、あるいは国会に関係があるかもしれないが、これは調べてみなければわからない。いずれにしても、臨時国会までには結論を出そう、それでもおそくない、臨時国会も間もないのですから。また今言うても、実行は、今の現状においてはやる以外にはないのだから、今の現状において最善を尽して、中小企業の金融をはかっていこう、こういうことです。特に問題は、第四・四半期の分を繰り上げておるところにある、これを第三・四半期に使ったら、第四・四半期に金がないじゃないか、これをどうするかという問題が一つあるから、これをどうしても埋めなければならぬ。ただ、埋めるのをいつ埋めるかということ、それに、今中小金融がどうなっておるか、どこがどの程度困っておるか、こういうようないろいろの点を、大蔵大臣としてどうしても探究しなければならぬ、こういうことなんです。
○石村委員 第四・四半期の繰り入れた分を充足しなければならぬということは、おそらくだれも当然のことと考えると思う。そのことだけを言えば、それは、通常国会の冒頭にお出しになって、三日か四日か五日くらいの間に結論をつけてやるということくらいは、わかり切ったことだと思う。大体だれもそのように考える。しかし、問題は この第三・四半期の年末金融の対策がどうなるかということを われわれは心配しておる、世間も不安に思っておる、それを今大蔵大臣は、もちろんやらぬというわけではない、こうおっしゃる。ところが、やるというわけでもない、日時に、またわれわれが今問題をしぼっておるのは、中小企業金融公庫と国民金融公庫、この二つにさっきから問題をしぼっております。この二つの年末金融対策をするとすれば、もちろんある程度回収金も計画よりもふえたから、そいつを回すということもあり得るでしょうが、根本的には予算修正をして、二百億のあの限度額を三百億にするか、あるいは三百五十億にするか、四百億にするか、そういうようなことをやらざるを得ない。そのことは、通常国会の冒頭におやりになったのでは間に合わないのじゃないかとわれわれは心配しておるわけです。それが、やはり通常国会で十分だ、臨時国会でなくてもいいというお考えがかりにあるとすれば、それは、決定したというお考えではありませんが、一つの見方としてあるとすれば、それをお示し願いたい、こう言っておるわけです。
○一萬田国務大臣 第一にお答えしておきますのは、ことしは、年末の中小企業金融をやるのでもやらぬのでもない、そんなことをおっしゃるが、そんなことは言うちゃおりませんですよ。年末金融をやりますということは、繰り返し言うておるのです。ただ、どういうふうにやるのか、どういう程度やらなくちゃならぬか、またどういう方法でやるのが中小企業にとって最も有効であるか、そういうことを検討せにゃいかぬ、今帰って間もないものですから、そういうものを集めてやっている。そうして、臨時国会の前までには結論を出しましょう、御意見のあるところも拝聴しておきましょう、そういうことだから、よくわかると私は思う。
○石村委員 あなたのおっしゃることもわかるわけなんですが、しかし、われわれは中小企業金融公庫と国民金融公庫へさっきから問題をしぼっている、これは、やるかやらぬか、もう一か二か、右か左かはっきりしておるわけなんです。二百億というものはちゃんと使い切ってしまった、これに対して政府が措置を講じるとすれば、予算補正をやらざるを得ないわけなのです。やらなければ補正する必要はない。このままでほったらかしにしておくのなら、予算の補正をする必要はない、一般的に、中小企業については、何らかの措置は必ず講じます、そういう広い大ぶろしき的な話じゃどうも困るわけです。ここに問題をしぼって中小企業金融公庫、国民金融公庫だけに処置をするとすれば、もう臨時国会で予算を補正するよりほかに手がないんだ、そこで、どう考えるか。
○一萬田国務大臣 私は、大蔵大臣として、中小企業金融を考える場合には、やはり中小企業金融全般を考えなくてはならぬと思うのです。たとえば、二つの公庫だけのことをただ考えて、それならば、商工組合中央金庫はどうでもいいのかというわけにもいきますまい。それから地方銀行あたりでも、中小企業金融については何かやらなければならぬ、これもほっておけないでしょう。これは、やはり全般を考えて、同時に、その結果政府の特別会計に関係のある中小企業金融公庫、国民金融公庫はどうあるべきかというふうに私は考えざるを得ません。ですから、そういう意味において、結果的には、結局大蔵省が直接に何かすれば、両公庫に向ってすることになりましょうが、それを今検討しておる、こういうことなのですから、御意見のところは、よく拝聴しておきますから、どうぞよろしく。
○石村委員 それは、商工中金のことも考えなければならぬ、ほかの一般銀行のことも考えなければならぬが、政府の金融機関のことですからね、あなたは、そのほかの方を出して、こっちの質問に対する答弁をそうしてもらっちゃ困るのです。商工中金に対する措置については、どうするか、ほかの金融機関に対してはどうするかということは、それは、御必要ならこの次にこれから聞きます。しかし、まずもって政府の金融機関であるこの中小企業金融公庫と国民金融公庫に対してどうなさるのか。案じていなければならぬとすれば、案じようを消極的にならしめる理由がどこにあるかということを聞いておる、ただ案じておるじゃわかりません。どういう考え方もあるから案じなければならぬというならわかるが、ただ案じておりますでは、われわれは承服できかねるわけです。積極的な案じる理由を、なぜ案じなければならぬか、なぜ今度の臨時国会でやるかやらぬかを、今から今月一ぱいかかって検討しなければならぬか、とすれば、それだけの積極的な理由がどこにあるか御説明願いたい。こう言っているのです。
○一萬田国務大臣 それは、ただ、慎重に、最も有効なやり方でいこう、これだけです。これが中小企業のためにもなるのですから。
○横山委員 あなたは、ほんとうにおわかりになって言っていらっしゃると、聞いておっても私は思うのです。けれども、腹の中でわかっておっても、私どもを納得させるような御答弁がないわけです。繰り返し石村さんがいっておるように、年末金融をわれわれはともに考えておる、年末金融をやるについては、市中銀行もあり、商工中金もある、これはやってもらわなければならぬけれども、国民金融公庫と中小企業金融公庫を利用しておる人々、また増加しておる需要等を考えると、この二点が今一番問題なんです。これをほっておいて何か方法があるということなら、大臣、それをお示し願いたい。私どもは、ほっておいたならば、この二つの問題についてはできないではないか、事実年末には、困っておるというておるではないか、それを解決する方法は、二つに一つしかない、その一つが、私にもわからぬ、あなたは、補正予算を出さぬでも、予等総則をまた修正しなくてもできるという方法があったら、それを明示してもらいたい。そうしなければ、できぬと私どもは思っておるのだが、もしもあなたが自信があったら、それを言うてもらいたい。そうでなくて、何とかとにかくやるというのであるならば、これは、臨時国会でやらぬと間に合わぬ、間に合わぬ理由を私が申し上げますと、間に合わぬ理由を、われわれはこう考える。その理由が、あなたが考えて間違っておるというならば、また御明示を願いたい。われわれが考えることは、通常国会にそれを出せば、十二月には間に合わぬから一月です。一月二十日ごろです。審議をして衆参両院を通るのは二月だ、もっと二月の中旬以降になるかもしれない、そうなれば、一月から三月の問題というものは解決せぬ。いわんや十二月の一番苦しいときの金融の需要には間に合わぬ。だから、今の三十二年度の予算の中において、予算総則において締められておる限度額を一ぱい使っておるのだから、これ以上使うのには、年末金融に間に合せるとするならば、この予算総則の限度額を修正をしなければならぬのではないか、それ以外に方法があったら、大臣、ここでいうて下さいよ、こういっておるのです。そこのところを、大臣、承知をしておられると思うのだが、だからへ年末金融について何とかする、何とかするの中に、両公庫の問題についても善処するということなら、善処の方法は、私どもの言う道一つしかないのだから、他にあったら、ここで一つ明示を願いたい。
○一萬田国務大臣 年末金融について何とかする、そういうなまやさしいことをいうておるわけではない。だから、最も必要な程度において、最も有効な方法においてやる、こういうのです。それを一体どうするか、今検討を加えておるのだから、その検討を加えておる結論が出るまで、ちょっとお待ち下さい。どっちにしても、臨時国会までには出すというのだから、これ以上のことはないと思うのです。
○横山委員 何とかする、年末金融を二公庫も何とかする、おかりました。わかったが、そこで、もう百尺竿頭一歩を進めて、二公庫を何とかするとするならば、私どものいう方法しかないではないかといっておるのです。あなたはそれを含めて何とかする——他に方法があるならば、それを一つ言って下さいよ、言えば、なるほどそうかとわれわれも理解する。その一つしかない道を、あなたは何とかするという、他にも方法がありそうな顔をするから、それは何ですかと聞いておるのです。
○一萬田国務大臣 これは、はなはだ御満足が得られないだろうと思いますけれども、その一つの方法があるかないか、あるいはその一つの方法によらなければならないのかということを、今とくと検討しておるというのですから、どうしてもしばらくお待ち下さい。
○石村委員 大蔵大臣のおっしゃることは、国民がそれを信用すれば、大へんいいのですが、みな信用しないわけなんです。従来の政治家の言うことは、政府当局の言うことは、いつも国民をだましておる。いいようにしてやるぞ、いいようにしてやるぞという、ばかりで、事実は何もしない。十二月三十一日になって、首をくくらねばならぬというのが従来の例、だから、心配しておる。そこで、一つの事実としてお尋ねしますが、三十二年度予算で、例の信用保証協会に十億の金を、結局一般会計から特別会計を通じて融資勘定でお出しになることになっている。ところが、あの予算は、たしか三月末に通っておったと思うのですが、八月二十日か二十一日かに聞いたときには、まだ出ておらぬ、こういうことなんですね。四月から八月の二十日までその十億の金さえ出ない。池田さんは、これは大へんいいことをしてやったというお考えだったのですが、現実に出るのは、八月の二十日でもまだ出ていない。九月の大蔵委員会で、委員会の正式な何ではなかったのですが、大蔵省の銀行当局なんかが見えているときに、もう出したか、こう聞いたら、おそらくもう出ているだろう、こういう話だった。私たちも、八月の二十日までに出ていないということは知っておったが、幾ら何でも、九月になったら出たろうと思って——大蔵省の方のおっしゃるように、もう出ておるはずです、こういうことですから、そう思っておった。ところが、どうもそのときもまだ出ていない。最近出たかどうか知りません。それは出たらいつ出たかお話し願いたいと思うのですが、九月末に出たか、九月の中旬に出たか知りませんが、四月から九月まで、その十億を出すのさえ手間がかかっておる。年末金融を十二月の十日、十五日に、通常国会を早く開いて措置を講じたって、それでは、大蔵大臣、間に合いませんよ。私たちの借金なら、十二月三十一日に必要な金なら、それは十二月十日か二十日ごろ借りれば済むでしょうが、国全体にその金をまくというのに、通常国会の冒頭でやったら処理ができる、こうお考えであったら、大間違いだろうという例として、事実をお聞きしたわけです。大蔵大臣も、信用保証協会に対する金がいつ出たか、御存じですか。それで、その事実によって、また年末金融に対する措置の判断もしていただきたい。このように、大蔵省なり通商省なり、お役人のなさることは、時間がかかるということを十分御考慮になって、年末金融の対策も早くしなければならぬ。中小企業金融公庫や国民金融公庫に関することなら、もう臨時国会でやるよりほかしようがないということを、よく御了解願いたいと思うのです。そこで、さっきの事実の御報告を願います。
○大月説明員 信用保証協会に対する十億の貸付がおくれたことは、事実でございまして、その基礎になります政令の制定がおくれておったわけでございますが、これは、すでに公布になりまして、一部分実施中だと思います。ただ具体的には、中小企業庁が今出しておりますので、その金額については、どの程度に出ておるかという数字を、ただいま持っておりません。
○石村委員 今お聞きのような状況なんです。三月三十一日に通った予算が、しかも中小企業のためにやらなければならぬ、こう考えて、池田さんも信用保証協会の全国の大会においでになって、このようなことをして差し上げましょうと言って、自分で拍手かっさいを要求せられたほどのことなんです。それが、今になってもまだ一部しか出ていないというような状況なんです。このことは、十分お考えになって、われわれがさっきから問題にしていることも、臨時国会でやるよりほかしようがないという御認識を一つ持っていただきたいということを希望しまして私はこれで打ち切ります。
○井上委員 一点だけちょっと簡単に。ただいま質問しております年末金融の問題は、これは、大蔵大臣は、補正予算を出すという問題を考えて補正予算を出すということになると、他にいろいろ補正予算を要求する諸案件が出てきはせぬか、だから、できるだけ補正予算を出すというふうなことは、もう少し検討しなければならぬじゃないか、こういう政治的含みが、多分に答弁の中にありはせぬかと考えられる。ところが、御存じの通り、第四・四半期の一ワクは、全部第三・四半期に繰り上げておりますから、第四・四半期の分はなくなっているわけです。そうしますと、どうしても第四・四半期分及び年末金融というものは、新しくワクをふやしてやらなければならない、ワクをふやすとなると、予算総則を変えなければならぬ、こういうことになってくる。そうなりますと、当然その処置を臨時国会でとることの方が、末端における金融の円滑化をはかる上において重要じゃないか、問題はここにある。ですから、他の補正予算その他の諸案件とこれを一諸に考えることも、政治的にはあるかもしれませんけれども、金融という問題だけにしぼってきますと、どうしてもこの臨時国会で予算総則のワクを広げるような処置を講じておかなければ、年末金融が円滑にいかないじゃないか、だから、その措置をとったらどうか、こういうことです。それが、また最も正常な予算の運営であり、金融の円滑化の方向じゃないか、こういう常識論的な意見を出しているわけです。それは、通常国会でもできるじゃないか、こういう意見もあるかもわかりませんけれども、それは、かえっていろいろ誤解を招き、また事態が、実際は実行の上にいろいろ支障を来たすから、幸い臨時国会が十一月に予定されている以上は、そのときにこの問題を解決しておくことが必要じゃないか。こういう国会の意思ですから、これは、一応大蔵大臣も十分御検討されて、できれば、そういう無理のない処置をおとり下さる方がいいじゃないか、こう私は思っておりますが、その点、どうですか。
○一萬田国務大臣 老練なる井上さんの御意見に対しては、十分に検討を加えます。
○平岡委員長代理 本日はこの程度にとどめまして、次会は追って御通知することとし、これにて散会いたします。 午後一時五十八分散会