大蔵委員会 第44号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/07/10
会議録
○石村委員長代理 これより会議を開きます。委員長が不在でありますので、指名により、私が委員長の職務を行います。 まず参考人招致の件についてお諮りいたします。中小企業金融に関する問題について、商工組合中央金庫理事加藤八郎君を参考人として本日の委員会に出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議はありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり]
○石村委員長代理 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○石村委員長代理 次に、金融に関する件について調査を進めます。本日はまず当面の中小企業金融対策について、御出席の国民、中小両公庫並びに商工中金の各当局者より、おのおのその資金計画並びに貸し出し計画について説明を聞き、その後に質疑に移りたいと思います。 それでは国民金融公庫副総裁、石渡忠四郎君にお願いいたします。
○石渡説明員 国民金融公庫に対する需要いかんという問題でございますが、現在国民金融公庫の利用者は、普通大銀行、いわゆる市中銀行の取引尤は非常にわずかでございますので、今回の引き締めに当りまして、そのはね返りで、国民金融公庫へ直ちに申し込みがふえるという現象は、まだございません。間接にいろいろ影響を受けて、将来申し込みがふえると思いますが、現在までのところは、そういう利用者の申し込みがふえるをいうことになっておりません。昨年の第一・四半期、四、五、六の借り入れ申し込みと今年の第一・四半期の申し込みの数と比較しますと、借り入れ申し込みの件数では若干減少いたしまして、金額では六%ふえております。大体一〇%前後の増加というのは、毎年自然に増加すべきものでございますので、六%程度の増加は、金融引き締めの影響によるものとは考えられないわけでございます。それでこの七月に入りまして、かなり相談がふえております。今後七月、八月、九月とだんだん借り入れ申し込みのふえることは、もう明らかでございますので、公庫といたしまして、第一・四半期は従来の計画よりも五億円よけいふやして、百三十四億円貸せるように用意いたしましたが、それを利用することなく、百二十九億円でおさまりました、五億円よけい資金運用部から拝借いたしましたが、これは次の期に利用することにいたしまして、第二・四半期の従来の計画百三十二億に対して、百七十九億円用意いたしております。それから第三・四半期は、従来の計画二百一億円に対して、二百二十三億円と増加いたしまして、将来利用者の増加に対して、十分備えておるようなわけでございます。 大体どういうところから今のやりくりをしたかと申しますと、第四・四半期に、来年の一-三月に借りる四十五億円を、この表にございますように、繰り上げして、第二・四半期に三十五億円、第三・四半期に十億円と繰り上げ借り入れすることにいたしました。 それからこの繰り上げ借り入れすることによって、毎月の回収がふえますので、第二・四半期は四億円、第三・四半期は十三億円ふえる、それをまた折り返し貸せる、こういうことでございます。 それから引揚国債、これは引揚者に対する補償国債の担保で貸すのに予定いたしておりましたが、引揚者に対する公債の交付がおくれておりますので、この分十億円を事業資金の方に、一般貸付の方に利用きしていただくことになりました。 それからなるべく現金の繰り越しを圧縮する、これで第二・四半期に三億円、第三・四半期に一億円用意いたす、こういうことで、第二・四半期も少しございますが、第二・四半期、第三・四半期で貸し出し増の計画が七十四億円ございます。それで結局現在の貸し出し計画四百六十二億円に対し、五百三十六億円と三〇%ふやして貸し出しする、これが現在のところ予定されております。第四・四半期につきましては、どういうことになりますか、これはまた将来のことで、資金の需要が非常に強ければ、繰り上げ借り入れを、四十五億円のほかにもよけい資金運用部から借り入れさしていただきたい、こういうふうに存じております。大体以上のような状況でございます。
○石村委員長代理 では、次に中小企業金融公庫理事江崎千準君。
○江崎説明員 中小公庫の江崎でございます。最近におきまする中小公庫に対しまする資金の需給の状況と、金融の引き締め政策に伴いまして、中小公庫といたしましてとりました措置の概要につきまして、簡単に申し上げてみたいと思います。中小公庫に対しまする資金の需要は、最近におきましてもかなり大幅な増加の傾向を見せておるのでございます。私の方は、主として設備資金でございまするけれども、中小企業界に昨年から起りました設備の合理化の意欲が、第一、四半期の初めごろまで続いておりました。このときに金融の引き締め政策がとられました関係上、従来主として都市銀行等に依存しておりました中小企業界の設備資金の需要が、私の方へ回ってきたという関係もございまして、今日までの状況では、設備資金の需要もあまり減らない、むしろふえるというような状況にあります。のみならず、金融引き締め以降、中小企業界の手元の資金繰りから見まして、長期運転資金の申し込みをされる中小企業者が、この六月あたりからぼつぼつふえてきておるというような状況でございまして、私どもといたしましては、ただいまのところ、長期運転資金のお申し込みが今後もふえるのではないかというふうに考えておる次第でございます。 以下お手元に配付いたしました資料に基きまして、簡単に数字を申し上げまして御説明申し上げます。代理貸しの部面では、第一・四半期の期の初めには、公庫に対しまして資金需要が三百二十億円ございました。第二・四半期の期の初めには、二百六十八億円という資金需要がございました。これは昨年の同期に比べますと、第一・四半期におきましては四三%、第二・四半期におきましては五六%という増加になっております。またこれを前期に比べて考えて入ましても、第一・四半期の数字は約三十%、第二・四半期の数字は約二二%の増加、こういうように資金の需要は旺盛な趨勢を示しているのでございます。 一方直接貸付の資金需要も、私の方の各店舗に現われました数字を合計いたしまして申し上げますと、四月中におきましては三百三十七件、二十億八千九百万円、五月中には三百三十五件、二十三億五千七百万円という数字でございまして前年同期に比べましてそれぞれ六四%及び五七%の増加となっております。六月に入りましてからは、二十日までの計数を整理してみますと、百九十二件の十三億九千七百万円という借り入れの申し込みを受けておる状態でございまして、現在公庫といたしましては、約三十億円のお申し込みを受けて、これを審査しておるという状況でございまして、この三十億円という数字は、今年度におきまする公庫の直接貸付の年間計画六十億円に比べますると、約半年分というような数字になっておりますので、目下鋭意これらを早く処理するように努めておるような次第でございます。以上申し述べましたような情勢に対しまして、政府におかれましても、中小企業に対する金融引き締め政策の影響の緩和のために、六月以降、特に中小公庫に対する借り入れの増加をお認めいただきました結果、次に述べますような繰り上げ措置をとった次第でございます。 ただいま申し述べました資金需要に対しまして、私の方の供給いたします資金の量は、当初の計画におきましては、第一・四半期においては、全体の需要に対しまして四四%しか資金の充足ができません。第二・四半期におきましては三十%しか資金の充足ができないというような資金計画になっておったのでございますが、これに対処いたしますために、中小公庫といたしましては、第一・四半期の貸付計画は当初百二億円でございましたけれども、これを百二十一億円と改訂いたしまして、十九億円の増額をいたしました。その内訳を申し上げますると、資金運用部からの借り入れを十億円ふやしていただきまして、ほかに回収の金額から六億円を回しまして、さらに公庫の手持ち資金から三億円を出しまして、合計して十九億円の貸し出し増の実行をいたしたわけであります。第二・四半期につきましては、当初の計画が九十億円の貸付計画でございましたが、これを改訂いたしまして、百三十五億円といたしまして、四十五億円の増加にいたしました。五割増しの貸付増の計画を立てまして、目下実施に入っております。この内訳といたしましては、そのうち三十七億円を資金運用部から繰り上げ借り入れをお認めいただいて、借り入れる計画でございます。ほかに回収増で六億円、公庫といたしまして、ほかに手持ちから三億円、私どもの資金繰りのつきまする限りあり金全部をはたきまして二億円出しまして、合計して四十五億円資金計画といたしまして増加させることといたしまして、目下実施中でございます。その結果、資金需要に対しまする充足率を申し上げますと、大体第一・四半期におきましては五〇%、第二・四半期につきましては四六%くらい程度まで充足できるのではないかというふうに考えておる次第でございます。なお第三・四半期につきましては、当初計画百三十億円でございますけれども、これにさらに、資金運用部から第四・四半期に借り入れ予定になっております分を十億円繰り上げをお認めいただきたいというふうに私の方は希望しておるわけでございまして、そのほかに回収増を六億円加えまして、百四十六億円という数字を目下計画いたしております。政府の御認可を得ましたならば、百四十六億円に第三・四半期の貸付計画を変更いたしたいというふうに考えております。その結果、第四・四半期におきましては、当初九十三億円の貸付計画を立てておりまして、資金運用部から実はそのうち五十七億円を借り入れしなければならないということになっておったのでございますが、ただいま申しましたような次第によりまして、六月以降、第二・四半期、第三・四半期におきまして、この五十七億円を全額繰りしげてお貸し願うということに計画を変更いたしますので、第四・四半期におきましてはまことに大きな穴があくわけでございまして、第四・四半期の始まりますまでに、繰り上げました金額を補う意味におきまして中小公地の今年度におきます借り入れの計画をさらにふやしていただく処置を、ぜひ一つおとりいただきたいというふうに希望いたしておる次第でございます。 さような資金計画を立てまして、当面の問題といたしまして、金融引き締め政策が、特に夏場に集中して中小企業界に影響が現われるんじゃないかという点を懸念いたしまして、この七月、八月に重点的に貸し出しを行うようにというふうに考えました。それにつきましても、金融引き締め政策によりまして影響を受けました中小企業者の長期運転資金の需要に対しましては、これを優先的に取り扱うようにいたす所存でございます。 次に申し述べたいと思いますのは、本年の五月から商工六中金に対しまして特別の貸付計画が始まりまして、第一・四半期におきまして、六億円の商工中金に対する特別貸付を行なっておりますが、ただいまのような情勢によりましてさらに二億円追加いたしまして、八億円の貸付をいたしております。第二・四半期におきましては、当初六億円の計画でございましたけれいも、さらにこれを六億円ふやし、十二億円に増加いたしました。第三・四半期以降につきましては、まだ計画だけでございますが、当初七億円の計画を、さらに四億円くらいふやしまして、十一億円にいたしたらばというふうに考えますし、第四・四半期におきましては、当初六億円に対して、三億円増加し九億円にいたしまして、年間を通じて申し上げますし、二十五億円という数字を、十五億円ふやしまして、四十億円にふやすということにいたしまして、商工中金の代理貸しの制度によりまして、長期資金の需要に対しまして公庫資金を充てていただくようにお願いいたしている次第でございます。 最後に、今回の政府のおとりいただきました六十億円の追加資金の配分につきましては、主として中小金融専門機関に重点を置いて配分をするという御趣旨によりまして、さような趣旨によりまして、商工中金及び相互銀行、信用金庫、信用組合に重点を置きまして、その他地方銀行を含めまして配分をいたしたいというふうに考えております。 大体の今日まで私の方でとりました措置及び今後の資金の計画につきましては、以上の通りでございます。
○石村委員長代理 次に商工中金の加藤さん。
○加藤参考人 それでは、私から商工中金の最近の状況並びに資金計画、またこれに伴いますいろいろのお願いを申し上げたいと存じます。 今回の金融引き締め影響につきましては、すでに両公庫さんからもいろいろお話がございまして、われわれの方にも同じような影響が現われておるわけでございますが、商工中金に対します影響といたしまして考えられる点は、大きく分けますと二つございます。その一つは、この金融引き締めによりますしわが中小企業に寄りまして、それが商工中金に対する膨大な資金需要として現われておるという点が一つございましてもう一つは、この金融引き締めの結果、商工中金の債券の消化いうことにいろいろ困難が伴って参りまして、予定通りの消化がなかなかむずかしいという、この二つの事柄が現われておるのでございます。 まず第一の、金融の引き締めによる資金需要の増加の点でございますが、この点につきましては、いろいろ窓口を通じて見ておりますと、この引き締めによります影響が中小企業に現われてくるその経路についていろいろあるようでございますが、まずその一番大きな影響と申しますのは、金融機関の選別の強化によります影響のようでございます。従来認められておった手形が非常に選別が強化されまして、それが通らなくなるというようなことで、間接的にその資金のワクが縮小されてくるというようなこと、あるいは従来預金の三倍まで貸し出しをしたというのが、二倍程度しか認められなくなったというような話も聞くのでありまして、大体新規の取引、あるいは貸し増しというようなことは、ほとんど不可能だというようなことを言って訴えて参りました。そんなことで、金融機関の選別強化によります影響で資金が借りられなくなって中金にかけ込んでくるというのが相当あるのでございます。 第二は、商社関係からいろいろ今まで前渡金をめんどうを見てもらう、あるいは生産資金をめんどうを見てもらうというのが多いのでございます。こういうのが、商社金融が強く締められました結果、商社のめんどうを見てもらえないという、いわゆる間屋金融というような意味での金融のめんどうを見てもらえなくなったというような事情もあるようでございます。 それから第三は、下請関係でございますが、やはり中小企業のメーカーは、下請関係が非常に多うございまして、従来下請関係の支払い条件が、好景気とともにだんだん改善されておったのでございますけれども、引き締め後におきまして、やはりまたこれが逆戻りいたしまして、従来現金でくれたものが手形になる、また手形の期間がだんだん長くなるというような傾向が現われておるようでございます。こんなふうに、中小企業は一般に手形の手持ち量が多くなって参ったわけでございますが、一方金融の引き締めというような事情にございますので、手形をかかえて、それが資金化できないというような羽目に陥っておるのであります。それで、この手形の不渡りというようなこともだんだんふえておるようでございまして、ちょうど昨年の六月とことしの六月を、私の方の営業部だけの計数でございますが、それを見ましても、金額におきましては、昨年の六月ごろは五千七百万円程度でございましたものが、ことしの六月ごろでは、七千六百万円というようなことになって、金額もふえておりますが、これは、取引量がふえれば金額も多くなるのは当りまえでありますが、その交換所に持ち出しました手形の総数に対する不渡りの比率が増加しておるのが、はなはだ心配なのであります。前年の六月は一・一四%という状況でございましたが、本年の六月は一・五%というふうに、不渡りの率が上昇して参っておるという事情にあるのでございます。こんなことで、商工中金に対しまする資金の需要は、先ほど申しましたようないろいろの事情から金融がつかなくなって、中金にかけ込んでくる。中金のお得意様は、大体商工中金を主力銀行としてお使いになるところもございますけれども、普通の銀行を主力銀行としてお使いになって、さらに足らぬところを中金に資金を仰ぐという方が比較的多いのでございますが、そういう方々が、一般銀行等から締め出しを受けて、中金にその足らぬ部分を持ってくる。その部分は、全く限界ぎりぎりの線でありましてそういうものが資金化できるかできないかによって、倒れるか倒れないかというきわどい事情に追い込まれて来る方が非常に多いのであります。それで、商工中金といたしまして、一般の金融機関の締めたのを、中金がそれをべたに拾い上げるというようなことでは、金融引き締めの効果がはなはだ薄くなるじゃないかというような御批判も受けるのでありますが、もちろん商工中金といたしましてそれだけの力もございませんが、さればといって、あまりこれを厳格に締めますると、倒れてしまうというような実情にございますので、何とかこれを、できるだけの範囲において金融をしたいというふうに考えておるわけでございます。そういたしますと、資金の需要が非常に膨大になりますが、なかなか中金の資金繰りから申しますと、そういう多額の資金を現在持っておりません。あとに詳しく資金計画を申し上げるつもりでございますが、そんな状況でございまして商工中金といたしましては、大体昨年あたりから見ますと、資金需要が三割程度増加しておるという最近の事情でございます。それがさらに七月、八月となってくると、もっとその需要の増加が現われてくるのではないかというふうに考えられるのでございます。 それからもう一つ、先ほど債券の消化について影響があると申しましたが、商工中金の三十二年度の債券の発行計画といたしましては、その発行の純増額を、利付債券におきまして五十億、割引債券において十億の増加を計画しておるのでございます。ところがこの利付債券は、主として金融機関の消化に仰いでおるのでございまして割引債券は一般の消化に仰いでおるのでございます。この金融機関の方の消化が、なかんずく金融引き締めの結果、だんだん消化が思わしくございませんで、予定通りの五十億の消化が困難で、大体三十五億程度しか消化できないのじゃないか、十五億ほど年間において消化が少くなるのじゃないかというような見通しになっておるのでございます。それで、お手元にさし上げてございまする「昭和三十二年度資金並びに貸出計画」という半ビラの紙がございまするが、これを一応ごらんいただきたいと思うのでございます。これには、当初計画といたしまして年度初めに考えました計画と、それから改訂計画といたしまして最近の事情を織り込んで修正いたしました計画がございます。 まず資金の調達面を見ますると、第一に出資金でございまするが、これは本年財政投融資計画におきまして政府の方から五十億円だけ新しく出資をいただくことになりまして、まことにありがとうございました。その金額がここに書いてございまする十六億円でございます。それに対しまして、組合の方でも増資をしようということで、三十二年度中に五億円増資を計画してございまするので、これを合計いたしますると、二十億円の出資の増加ということになるのでございます。 それから債券の発行でございますが、純増額が八十億――ちょっと申し上げますが、ここに書いてありまする数字は、年度中における純増額の数字でございまするから、念のため申し上げておきます。債券は八十億の純増ということを考えておったのでございまして、それに対して利付債券は、資金運用部が、財政投融資計画において当初二十億円をお引き受けいただく、そうして差額の五十億円を市中で消化する、それから割引商工債券は十億、こういうことで八十億を見たのでございます。それが先般の総合対策といたしまして、政府の方におかれまして、利付債券の資金運用部引き受けをさらに二十億円ふやしていただきましたので、合計いたしますると四十億円ということになったのでございまするが、一方当初、五十億円を予定いたしました市中消化が、先ほども申しあげましたように、だんだん鈍くなって参りまして、十五億円ほど減少するという見通しでございますので、三十五億円というふうに改訂いたしましたのでございます。割引債券は変りありません。こういたしますと、結局債券におきましての純増は、合計いたしまして五億円ということになるのでございます。 それから預金の方は二十四億円の増加を見ましてこれはここに書いてありまするように、改訂は特にございません。 それから借入金でございますが、これは三十億円をお返しするという計画にしてございます。これも改訂はございません。この点について特に申し上げておかなければなりませんことは、昨三十一年度の貸し出しが非常に伸びまして、そのために、農林中金から年末には六十億円を借り、年度末には三十三億円の借入金を打っておったのでございます。しかし、これは短期にお借りした金でございまして、永久にお借りできる金でもございませんので、この第一・四半期においてお返ししたのでございますので、借入金の減少が三十三億というふうに現われておるのでございます。その他の、これは利益金とか、その他でございますが、そういうものが六億ございまして、合計いたしますると、当初の計画では、固有資金は百億円の資金を調達する、それから改訂計画におきましては、それが五億円ふえまして、百五億円ということになったのでございます。それからそのほかに、先ほど中小企業金融公庫からのお話がございましたように、私の方は中小企業金融公庫の代理貸しをやっております。それは、当初の計画においては二十五億円を計画されておりましたが、今度の総合対策の一環といたしまして、さらに十五億円を追加していただくということになりましたので、改訂計画といたしましては、四十億円を計上いたしたのであります。それで、固有の貸し出しと中小企業金融公庫の代理貸しとを合計いたしますると、当初の計画におきましては百二十五億円でございましたものが、改訂の結果百四十五億ということでございまして、結局二十億円の増加ということに相なるのでございます。 はなはだ簡単でございまするが、大体以上が資金計画としての最近の事情でございます。 なお特にお願い申し上げたいのでございますが、この百四十五億円という改訂計画でも、やはり資金の需要量から申しますと、これでは足らぬじゃないか。三十一年度の貸し出しは百三十五億円あったのでございます。それから見まして、百四十五億円ではどうしても足らぬというふうに考えられますので、われわれ政府に対しまして現在お願い申し上げておりますることは、この利付債券を、四十億というふうに現在増加していただいておりますが、さらにこれを十億ほどふやしていただきたい。それから、そのほかに五十億円ほど、割引商工債券を一つ資金運用部においてお引き受けいただきたい。預託金という形でいただくということも非常にけっこうでございますが、大蔵省の方の御都合では、どうしても預託金というような形式では困るというようなお話もございまするので、できましたならは、資金運用部の割引債券の引き受けという形におきまして、五十億円ほどお引き受けいただきたいということをお願いしているのでございます。そういうふうにお願いできますと、非常にわれわれとしても仕合せだと考えておるのでございます。はなはだ簡単でございますが、以上で終ります。
○石村委員長代理 銀行局長と理財局長、及び為替局長はおっつけ見えますが、質疑に移りたいと思います。横田君。
○横山委員 この間国政調在でた州地方をずっと回ったのでありますが、私どもは、今承わりましたように、一般的な実情はほぼそのようなことであろうと思って回りましたところ、驚いたことに、九州に参りますと、南も北も、金融機関の人々が申しますには、神武景気もあまり来なかったけれども、同時に金融引き締めにおける影響もあまりないのですというこもごものお話で、ややびっくりもし、勢い込んでいったものが当惑したような結果に相なりました。これは一体いかなる原因であろうかといろいろ探究はいたしたのでありますが、ただいま政府機関並びに金庫、公庫の代表のお方にも御説明願ったところ――ただ熊本でありましたか、長崎でありましたか、国民金融公庫の支所長のみが、将来の展望として、引き締めはもう零細企業にもきておる、こういう警告を私はいたさざるを得ぬと言っておりました。ところが今承わっておりますと、どうも国民金融公庫の方は、まだそうは影響を受けていないが、商工中金並びに中小企業金融公庫の方は、今最も逼迫いたしておるというような御説明のようであります。 私が第一にお伺いしたいことは、今一般的な御事情を承わりましたが、これらの点については、地域的なアンバランスがどんな程度にあるであろうか。もちろん東京とか大阪とか、あるいは名古屋とか、特殊の地域に最も強く引き締めの影響が来ておるのではあろうけれども、九州一円において、あまり必要はございませんというような御説明は、やや私は意外であったのであります。この地域的なアンバランスというものがどんなふうに現われているであろうか、こういう点を、まずどなたでもけっこうですが、簡単に御説明を伺いたいと思います。
○石渡説明員 国民金融公庫の現状を申しあげます。全体から見ると、あまり引き締めの影響はないと申し上げましたが、個々に見ますと、和歌山が一番借り入れの申し込みがふえておる、前年に比べますと、八〇%ふえておる、どういうわけでこうふえたのか、不思議にたえないのでございます。そのほか宇都宮、千葉、佐賀が六五%前後あります。それから金沢、松本が五五%前後、長崎が五〇%、甲府が四六%、どうしてこういう地方だけが急にふえたのか、まだ調べておるとこるでありまして不思議だと思っております。
○江崎説明員 ただいまの、地域的に見て引き締めの影響にどの程度違いがあるかという点につきまして、私どもとして、ただいまわかっておる程度のことを申し述べたいと存じます。 私の方で調べましたところによりましても、引き締めの影響は、各地区によりましてかなり相違があるように聞いております。最も影響の強く現われておるのでは、関西地区がそうじゃないかというふうに聞いておるのであります。これは、金融引き締め以前からの問題かもしれないのでありますが、北陸地区についても、特に繊維関係の産業が従来から沈滞をいたしておりまして、よろしくなかった。あるいは名古屋の方の地区におきましても、繊維関係の産業が、引き締め政策実施以前におきましてかなり沈滞しておったというような状況もございまして、これに引さ締めの政策がとられまして以降、一そう沈滞の状況を示しておるというふうに聞いております。なおその他の地区におきましては、引き締めの浸透の程度がまだ地方までは――かなり地方によって違いがあるが、それほど強い影響が現われているようには見受けられないような地区もあるのであります。九州地区におきましては、石炭の景況がまだ比較的よろしいということ場で、さような面からの影響もあるかと思うのでございまするが、全般的にそれほど強い影響は、九州地区においては見られなかったというふうに、私どもも聞いておる次第でございます。ただいまのところわかっております程度は、その程度でございます。
○加藤参考人 商工中金の状況といたしましては、地方よりも都市の方が詰まりがひどいのでございまして、東京、大阪、名古屋というようなところでございます。それから下請事業の非常に盛んであります川崎方面であるとか、神戸方面であるとかいうようなところもひどいのでございまして、概して申しますると、地方の方はまだ大したことはございませんが、都市周辺の方が強いというような事情でございます。
○横山委員 二つの面というか、今の私の質問は地域的でありましたが、この地域的な面と、それから御答弁に現われておる業種別な面と、二つあるようであります。ここに東京商工会議所の調査による、設備投資計画に及ぼした金融引き締め措置の影響についての統計が出ておりますが、この調査によりますると、調査の企業の数は、全対象企業の六割に相当する二百六十一企業でしたが、このうち計画通り設備投資を実施したものは、二百六十一企業のうちの約六〇%で、ほかの四〇%は、計画を変更し、または中止した。すなわち計画を繰り延べ延期したものが一九%、計画を縮小したものが一三%、計画を中止したものが九%を占めておる、業界の調査したものによりますと、こういう相当の数字が現われておるわけであります。これと同じく東商でありますが、金融の借り入れ成功率を見ますると、三十一年九月から十一月までの八四・六%から、三十二年三月から五月までは七七・五%に落ち、運転資金は九八・九%から九八・三%と若干低下している。これは中企業でありますが、小企業になりますと、前者は四五・三%あったのが、二〇・九%というふうに非常な低下を示しております。それから借り入れの業種を見ておりますと、これは時間がございませんから多くを申し上げませんが、非常な違いを示しておるわけです。そこで、先ほどもどなたか御答弁がございましたが、本来政府機関の金融機関として、今日の金融引き締めの影響によって一番困難なものというか、ここで何とかしなければ立ち行かぬというものに金融をするということが、一番必要なところだと思うのでありますが、そうなりますと、皆さんの経営上の問題ということも関連をしてくると思うのであります。そういう点について、この金融引き締めによる資金増を要望せられ、あるいはまた政府の援助、国会の援助を要望せられておる皆さんが、この引き締めの影響を一番受ける、一番苦しいところにどっと大量に資金を投下するために受ける公庫の影響、こういう点についてどういう調整をして、一番苦しい中小企業に対して資金の提供をしておられるか、その実態並びに実態に触れての所感を一つお伺いをいたしたい。先ほどからのお話を聞いておりまして、まず中小企業金融公庫及び商工中金について、この点をお伺いしたい。
○加藤参考人 商工中金の事情を申し上げます。と、やはりわれわれといたしまして、資金が足りなくなっておりまするので、その貸し出しの緊要の度合いを考えて順位をつけていくという点は、当然に考えておるところでございまして現にそうやっておる次第でございます。それで、先ほども申しましたように、私の方は七割以上、八割も運転資金で、これが主でございまして、設備資金よりも運転資金の方に重点を置いてやっておりまするので、いろいろ手形の決済がつかぬというような場合の緊急の資金というようなものは、何といっても一番最初に考えてやらなければならぬのでございまして、設備資金の需要も相当ございます。ございまするけれども、これは過剰設備というようなおそれがあるのはもちろん押えまするが、そうでない場合でも、なるべく繰り延べのきくものは繰り延べてもらうというようなことをお願いしまして、この短期の手形決済の資金というような緊急な資金を優先的に取り扱っておるような次第でございます。
○江崎説明員 中小公庫といたしましては、短期資金の供給はいたしておりませんので、長期資金のみの供給をいたしておるのでございまするが、金融引き締めの影響に対しまして、特にこの影響を緩和するという趣旨におきまして、長期運転資金の貸し出しにつきまして優先的に取り扱うようにいたしたいと考えております。中小企業者の中では、あるいは受取手形の期限が長くなる場合、あるいは従来原材料の仕入れにつきまして、手形で済んだものが、現金を要求をされるというような場合に、手元の資金繰りも苦しくなり、運転資金の不足を来た、すわけでございますが、さような場合に、力のありまする中小企業者ならば、これにこたえることができるのでございますが、力のない、自己資本の少い中小企業者に対しましては、資本構成是正のための底だまり資金という意味におきまして、一年以上の期間の長期運転資金を供給いたしまして、手元の資金を緩和するという措置をとりたいと考えます。具体的に申しますると、特に六月、十五億円の増額をいたしました場合におきましても、さような資本構成是正のための長期運転資金につきましては、優先的に取り扱うようにという通牒を出しましたし、第二・四半期につきましても、当面かような金融情勢でありまするので、さような資本構成是正のための長期運転資金は、優先的に取り扱うようにという通牒を各代理店に出しました次第でございます。 なお設備資金につきましては、先ほど御説明いたしましたような状況でございまするが、特に輸出関係、あるいは輸入防遏等、に資するものでありまするとか、その他緊要なもの、こういった設備資金につきましては見なければならないのでございますけれども、不要不急にわたりまする設備資金につきましては、この際少し繰り延べをしていただくように各代理店から申し上げたらどうかという趣旨の通牒を出しまして、さよへな趣旨によりまして、個々のお客さんに対しまする貸付をきめていただくように措置をとった次第でございます。
○横山委員 今の問題と関連をしまして、資金を求めておる人々が三つの機関に対して共通的に不満をこぼしておる点は、手続がべるさいということと、それから受け付けてから実際に金が入るまでの世間が非常に長い、こういうことであります。これは、当委員会においてもしばしば政府にも言い、皆さんにもお願いをしてきたところでありますが、普通銀行なり市中金融機関と比べますと、どうしても手続がめんどうだ、期間が長い、直接の逼適した事情に間に合わぬ。従って、高利とは知りつつ、あとで問題があるとは知りつつ、そちらへ走ってしまうというとこるがあるようであります。かりに国民金融公庫に例をとってみますると、今どのくらいでありますか、一カ月くらいでありますか、実情調査をしてもらうために、書類審査をして順番を待っているうちに一カ月はかかる、そうなると、とてもではないが、需要には間に合わぬ。一体国民金融公庫として、今日も私名古屋の実情をいろいろ聞いたわけでありますが、機動力が全然ないではないか。人的な機動力もないし、機械的な機動力もないのではないか。もう少し期間の短縮に、精神的な面はもちろんさることではあるけれども、物質的な機動力をもってやることが必要ではないか。また三つの機関に共通して言えることは、何とかさらに手続を簡素化する方法はないものか。公庫でできない問題があって、政府の協力を得られたらできる問題はどういう問題があるのか。あるいはまた中小企業公庫で考えてみますと、直貸しが始まって、逐次拡張されておるようでありますが、これを拡大をするにはどういう難点、険路があるのか。そういう主として私の質問したいのは、期間を知組するためにどういう措置をなさろうとするのか。またその険路となる点はどういう点が参あるのか。それを一つ御意見をお伺いしたいと思う。
○石渡説明員 国民金融公庫の現状といたしまして、今御指摘の通り、残念ながら相当お金を融資するまでに時間がかかるわけでございます。借り入れ申し込みを受付しましてからお客様に金を渡すまでは、どうしても一カ月くらい平均かかっております。これは、何とかして短縮しようといろいろ工夫いたしておりますが、第一番の点は、資金不足がやはり何といっても一番第一のことでございます。借り入れ申し込みのお客様の六割の人には貸せるが、しかしお金は四割五分、四五%しか貸せない。常に資金不足で、お客様に対してかりに手続を早くしても――これもなかなかうまくいかぬのですが、早くしてもお金が間に合わない。これがまず第一の原因なんです。 それから手続の点につきまして、簡素化の点は十分研究いたしまして、もっとお客様に手数をかけないようにということは、これは絶えず研究いたしておりますが、なかなか思うようにいきません。しかしこれは努力いたします。 それから機動力の点でございますが、たとえば自転車で行くよりも、スクーターかオートバイを飛ばしたらどうかということかと存じますけれども、これもかけ回る時間がかかるのじゃなくて、やはり調査するのに時間がかかるので、そう大して違いがないという、こういうことに今いろいろ研究の結果なっておりますので、自転車でかけ回ったり、電車で歩いたりいたしておるわけでございます。まず何といっても金を豊富にいただけまするならばもっと早くできる、こういうことでございます。
○江崎説明員 中小公庫といたしまして、ただいまの手続の簡素化の問題につきましては、代理貸しにつきましては、昨年度におきましても若干の簡素化を実施いたしたのでございますが、今年度に入りましてぜひ百パーセントの簡素化を実施いたしたいと考えまして、六月一日から実施をいたしたのでございまするが、代理貸しにつきましては、従来の取扱い要領をさらに簡素化いたしまして、代理店から公庫へいただきまするところの書類につきましては、最小必要限度にとどめる。なお記載の事項につきましても、公庫として必要な程度の記載にとどめるという趣旨でもって簡素化を実施いたしまして六月一日から実施いたしたわけでございます。もっとも金融でございまするので、お客さんと代理店との間におきましては、それぞれ別個の御調査があるかもしれないと思うのでございますが、代理店からいただきますところの書類につきましては、百パーセント簡素化するという趣旨の改正を実施いたしました。 次に、面接貸付につきましては、ただいま相当の申し込みを受けておるのでございまして今年度六十億円の貸付計画の達成のために現在努力いたしておりまして大体六十億円の計画達成は可能であろうと考えておるのでございますが、特に最近におきましてお申し込みも激増しておるというような状況でございますので、当面の問題といたしまして、審査を簡略にすることはできないか、たとえば申し込み金額の少いもの、あるいはすでに貸付をいたしまして二回目、三回目の申し込みであるものというようなもの、またその他信用が確実であると思われるようなものにつきましては、調査の方式自体も簡素化できないかということを現在研究いたしておりまして、成案を得次第、近く実施いたしたいと考えておる次第でございます。 これ以上の問題といたしましては、ぜひお願いいたしまして、審査の夏貝をさらにふやしていただきまして、これを私どもの本店及び各支店に配置いたしまして、さらに迅速な審査、調査を行いまして、貸付を実行できるようにいたしたいということを希望いたしておる次第でございます。
○加藤参考人 商工中金の事情を申し上げます。簡素化いたしまして能率よく仕事を片づけるということにつきましては、常にわれわれ苦心しておるところでございますが、御指摘のような、まだ満足すべき状態でないことをはなはだ残念に存ずるのでございます。 大体設備資金というような長期の貸付資金になりますると、相当やはり調査を深くしなければならないので、ちょっと時局がかかりますが、運転資金のように、常時お取引を願っておるようなところにつきましては、割合に早く片づいておるのでございます。ただ、新規にお取引を願うというような場合には、われわれの方は預金取引を通じてその人の信用というようなものを前々から把握しているというような事情にもありませんので、やはり新規取引の場合には、相当綿密な調査も要しますので、時間がかかっておるような次第でございます。今後の改善の方法として考えなければなりませんことは、いろいろございますが、何と申しましても、商工中金の店舗が県に一つぐらいしかございませんので、その県庁所在地におって全県のお取引先の実情を常に把握するというようなことは、非常に困難なことであり、また預金取引というようなものも、そういうふうに遠隔の地ではござませんので、預金取引を通じて、その取引先の事情を常に把握するというようなことも困難なようでございます。今後だんだん取引がふえて参りますと、店舗もふやさなければならなくなると思います。また職員の点もだんだんなれてきておりまして、実は商工中金の貸し出しの増加というものは、ここ数年の間に非常に大きくなっておりますので、従いまして、職員も最近にとったものが多いのでございます。人数はそろっておっても、能力の点においては、まだ十分な教養を積んでおりませんので、大いに職員を訓練いたしまして、早く能率よく仕事ができるようにしたい、かように考えているのでございます。今後とも十分に能率の向上につきましては研究し、実施いたしたいと思います。
○横山委員 あとから御質問があるようでありますから、希望を申し上げて私の質問を終りたいと思います。 今日の金融引き締めの影響は、三つの機関で若干の違いはございますが、一致いたしまして、中小企業に対して相当のしわ寄せがやはりきている、現に、そのために経営上にも相当の問題があるというお話でございますが、私どもがずっと前の国内の国政調査をいたしました結論と一致をいたしておるのであります。そこで要望いたしたいのだが、今私が質問の過程に申し上げましたように、三つの機関で共通に言えることは、政府機関のお金を借りることは、安いのではあるけれども、言うなればサービスが悪い。このサービスは、二面にわたっておりまして、めんどうであるということと、それから緊急性が乏しい、おそいということにあるような気がいたします。従ってせっかく国の財政をもって中小企業に行われておりますこの金融機関が着実にその目的を達しますために、また緊急に目的を達しますために、一つ格段の御努力をお願いいたしたいと思うのであります。もしも公庫の内部の問題で解決がで止ません問題がございましたら、一つ国会にも適宜なる方法をもって十分にお伝えを願って、われわれもまた最善の努力をして政府を督励鞭撻をいたしまして、そうしてこの所期の目的を達したいと思うわけでございます。特に今日の情勢から申しますと、先はども申しましたように、一番苦しいところへ貸してやってもらいたい。その一番苦しいところへ貸すということは、金融機関にとってはやはり問題があろうかと存じますが、しかし今日の事情からいって、そこのところを、政府の金融機関の特殊性を考えていただきまして、最善の努力をしていただくように特に要望いたしまして、私の質問を終ることにいたします。
○石村委員長代理 淺香君。
○淺香委員 きょうは、各公庫から理事の方におでましを願って、最近の情勢をつぶさに御報告をいただいて、私ども非常に参考になった点が多々ありました。そこで、そのお話の結論を伺いますと、やはり資金ワクが足らぬ、需給関係が不円滑だというような点が結論になっておるかのようにお聞きいたしたのでありますが、私がこの三公庫の方々にお伺いしたいおもなる点は、直接貸しか、それとも代理貸しかということですが、私の考えを先に申しますと、まだまだ直接貸しの方に力を入れてもらいたい。なせこれがもっと伸びぬのか、その伸びない原因としては、あなた方の御説では、審査要員が不足である、人員が足らぬということである。また、先般も国政調査に参りましたときに近畿方面で伺いました点は、ことに中小企業金融公庫の支店長さんのお話では、金融関係というものは、他の業態のように、すぐ人を入れても、なれない人を入れたところで間に合わぬということでありまして、この話は昨年も伺ったのであります。中小企業金融公庫が生まれてからたしか三年になると思うのですが、なかなか訓練が行き届かぬのだというようなことで、だんだん追いこくっていきました場合に、いつの日に私どもが毎回希望しておりますことが達成できるか。今も横山君のお話にありましたように、大蔵委員としましては、与野党を通じて、この三公庫に対して中小企業金融問題の期待が非常に大きいのであります。従って、横山君のお話のように、どんどん相談をしていただき、また私どもも、与党といえども政府を鞭撻してそうして中小企業者が非常に希望と期待をかけておるこの三公庫を、資金量は申すに及ばず、まだまだ伸ばしたいというこの熱願を持ち続けているのでございます。 そこでこの代理貸しの問題でありますが、この代理貸しが、国政調査に参りましたときに地方で伺いますと、円滑にいっておるかのような答弁が多いのであります。しかし、私どもが反対の側に立って調べてみましたときには、代理貸しは、いわゆる貸し付けておられる先は自分の得意第一主義、自分の得意だけを大事にして新しく申し込む中小企業者に対しては非常に冷淡だ。またある場合には、裏金利と申しますか、そういった金利をあげている傾向も事実あるのであります。それでせっかくあなた方が最終的に希望されるところの資金ワクを、私どもが政府を鞭撻してこれをふやしましても、果して中小企業者にそのまま円滑に流れているかどうかということを、疑わざるを得ない面が多々あるわけであります。そこで、皆さんにお聞きするまでに私の考え方をある程度先に述べましたことは、行き過夢かもしれませんが、将来の問題として、直接貸しか代理貸しか、これをもう少し具体的に皆さん方のお考えを一つお伺いいたしたい、かように思うわけであります。
○石渡説明員 国民金融公庫の現在とっております方針を申し上げます。 国民金融公庫といたしましては、直接貸しを三分の二、代理貸しを三分の一程度で従来やっておりますし、大体いいところではないかと思っております。これは一長一短でありまして、代理貸しでやりますと、あまりうるさい書類も出さないで済みますし、比較的簡単に早く取り扱えるという点は、代理貸しは非常によろしいと思いますが、しかしながら、お話の通り代理貸しにおきましては、欠点がかなりございます。取扱いの金融機関が、拘束預金を条件としたり、出資を条件としたり、その他いろいろございますので、その点は、どうしても代理貸しでは絶対に省いてしまうということはできないことでございます。常々注意いたしておりまして、なるべく弊害の少いように努力はいたしておりますが、どうも全部そういう弊害を去ってしまうということは、非常にむずかしいのでございます。会計検査院からも御注意をいただいておりますし、公庫側といたしましても、常々注意はいたしておりますようなわけでございます。しかし公庫の支所から非常に離れておるところには、どうしても代理貸しの方がお客様に便利だと思います。それで、大体三分の一代理貸しをお願いする、三分の二は直接に取り扱っていく、こういうふうになっております。
○江崎説明員 ただいま先生から、公庫の資金につきまして、大蔵委員とされまして、今後大いに政府と御相談の上で増額について努力してやろうというありがたいお言葉をいただきまして、まことに感謝申し上げる次第でございます。 ただいまの直接貸付及び代理貸付の問題につきましては、今年度といたしましては、当初四百十五億円の貸付計画のうちで、直接貸付は六十億円、約一五%というふうに考えまして計画を立てました。ただいま先生のお説にもございました通り、代理貸しにつきましては、制度上ある程度の制約があるわけでございまして、中小公庫といたしましては、今後直接貸付をさらに増大をしていきたいというふうに考えております。現に今年度におきましても、中小公庫といたしましては、六十億円の直接貸付を行いますほかに、私どもの店舗のない府県につきましては、商、工中金にお願いいたしまして、その代理貸付の方法によりまして、四十億円の金額を大体組合員外に対しましてもお貸付できるという制度をお開きいただきましたので、この制度を利附いたしまして全国各地におきまして、中小公庫の資金を御要望になっております中小企業者に対しまして直接貸付の方法を開いていきたいというふうに考えます。ただこの代理貸しにつきましては、ただいま御説明いたしました通り、今年度当初計画約三百五十億円程度の代理貸しの資金量でございますけれども、昨年度三十一年度におきましても、大体三百六十億円程度の資金が代理貸しを通じまして中小企業者に流れておったと思うのでございまして、今年度も、大体におきまして昨、一度の代理貸付の実績と相変らない金額が、ただいまのところといたしましては、代理貸しの方法によりまして中小企業者に貸付できるというふうに考えております。 今後公庫といたしましては、貸付資金量の問題になるわけでございますけれども、全体の貸付計画がふえますに伴いまして、ただいま先生のお話のように、できるだけ直接貸付の方の貸付の分量をむしろふやしていきたいというふうに考えまして、私どもといたしましては、各代理店に対しましても、資金量がふえるならは、直接貸付をふやしていきたいという方針であるというふうにお話しいたしておるわけでございます。ただこの代理貸付につきましても、全山何百万という中小企業者に対しまして貸付を実行いたすわけでございますので、それぞれのお取引の関係の深い金融機関を通じまして代理貸付を実行いたしますことも、また簡易でもございましょうし、有効な貸付の一つの制度であろうと考えまして、先生の御指摘のございましたような代理貸付に伴うところの弊害がございますならば、私どもといたしましても、監査機構を設けまして、実はここ二、三年、すでに一年に一回程度は参りまして、監査の結果に基きまして、取扱いの思いところは改めていただくように御相談申し上げている次第でございますので、今後も監査の機構をさらに十分活用いたしまして、代理貸付の弊害をできるだけその面からもチェックしていきたいというふうに考えております。
○淺香委員 今国民金融公庫と、それから中小企業金融公庫のお二方からお話を伺いまして国民金融公庫でも、大阪あたりへ、石渡さんがときどきお見えになりましたらおわかりになると思いますが、あの支所の入口のドアを排すると、右左に客の待合室があるのです。午前中などは、もちろんすわるところもなくて、カウンターの前までずっと居並んでいる。先般も近畿方面の国政調査に参りましたが、報告はいつも聞くんだから、あの雑踏している状況を一つ見てみようじゃないかということで参りました。時間は午後の三時前だったと記憶しておりますが、そんな時間ですら、もう一ぱいなんです。大阪では阿倍野支所ができて今度堺と佐野に出張所ができるようでございますけれども、東にもなければ北にも一カ所もない。これは大阪だけの実情にあらずして全国的にそうだろうと思う。しかも国民としては、あなた方の御努力もさることながら、非常に国民金融公庫に対しては評判がいいのです。ことに零細業者には評判がいい。従って大蔵委員としては、与野党を通じて、全員が国民金融公庫をもっと推さなければならぬ、資金量が少な過ぎる、これはみな一致した意見なんです。ですから、私どもは押し上げるような気持があるのです。そういう意味におきまして、どうぞ一つ今後においても、支店、出張所の数を遠慮なくふやしていただきたい。ふやすには、もちろんそれぞれの要員が必要だ、それはあなた方と政府との折衝もよろしいけれども、大蔵委員会としての全体のこういう希望を十分頭に入れていただいて、われわれもともに関与して、国民の要望、零細企業者の要望をもっと達成したいということを考えておりますので、その点を、今後も一そう積極的に御推進をお願いいたしたいと思います。 それから中小企業金融公庫の方は、今のお話では、資金量さえあればまだ直接貸しをしたいんだがということ、これは私どもと考え方がだいぶ異なります。もしこれが民間機関であったら、どうでしょうか。これだけの古要があるということで、そして銀行の設立をしたということになりました場合、もうすでに三年の年月を費しておるのに、今日に至るも、つまり要員の訓練が必要なんで、なかなか一朝一夕にはそういきません。そんな御答弁だったら、普通の民間の銀行だったら、立っていかないと思う。政府の庇護があればこそ、これがやっていけるのだと思う。その基本的な考え方が、私ども大蔵委員と考え方がだいぶ違うと思うのです。ことに大阪支所におきましては、この直接貸しをやられまして二年になりますが、数字は、はっきりした責任のあることをただいま申し上げるのに、手元に資料がありませんが、先般国政調査で伺いましたときには、一年に約百件の貸し出しでありました。一年百件といえば、一カ月八件です。あの大市場を持ちながら、わずか一年百件、しかもその貸し出しまでの期間が、国民金融公庫においては一カ月間、ところが中小企業金融公庫の方では大体三カ月間かかるということを、支店長が答弁しておられました。同じ政府の関係の金融機関であって、一方国民金融公庫は一カ月、あなたの方は三カ月、一体どこにその欠陥があるのか。言うまでもなく、これは私どもが御質問するよりか、あなたの方で、この三カ月かかる欠陥がいずこにあるかということは、はっきりおわかりになると思う。従って、この中小企業ももうここまで伸びたのですから、もう少し一つ積極的に国民的な要望、零細企業者の要望をいれていただいて、熱心に一つ直接貸しを伸ばしていただきたい。それは、間接的な代理貸しも決して悪い面ばかりでないでしょう。あなたのおっしゃること、私も首肯いたします。しかしながら、今申しますように、国民としては、政府機関となりました場合には、どうしても直接貸しを希望されるのです。それが多いのです。その進み方が、要望しているのとあなた方の進んでおられるのと、足並みがそろっていないと思う。国民の要望の方が一歩も三歩も進んでおります。そういうように私どもは見受けます。そういう意味におきまして、きょうおいで下さって、私がこういうことを申し上げるのは非常に失礼かもしれませんが、これは私一人の考え方でなく、先般も参りました国政調査委員、与野党を通じて全員一致した意見でありますことを御記憶いただきまして、今後における理事会その他の役員会において、一つさらに積極的にお取り上げを願って、私どももこう考えておりますので、ともどもに国民の要望を相入れて、最近の金融の情勢を少しでも緩和をしていきたいという熱望にほかなりませんので、よろしく今後とも一つお運びをいただくことをお願いいたします。
○江崎説明員 ただいま先生から激励の言葉をいただきまして、大へんありがとうございました。中小企業者に対しまして私どものやっております直接貸付が、御要望に十分沿っているものであるとは決して考えておりません。非常にむしろ努力の足りないことを恥じている次第であります。先ごろもちょっと申し述べましたように、最近におきましても、非常に直接貸付の申し込みがふえておりますので、審査等につきましても、簡略にし得るものならば簡略にいたしまして、早急に貸付を実行いたしたいと考えている次第でございます。今後もまた一つお願いいたしまして、人員の増員もお願いしていただき、また各方面の御意見を聞きまして、できるだけの努力をしていきたいと思います。
○淺香委員 公庫の皆さんの方への質問はこの程度にいたしまして、今財務局の監督官がお見えになりました。局長が何か事故があるそうでありますので、かわって出席されましたそうでありますが、実は先ほど横山委員から、今年九州の国政調査に参られまして、九州方面における金融が一向逼迫しておらぬかのような担当官からお話があったそのことについて、非常に不審の念を横山委員が抱かれて、各公庫の方に質問をされておったんです。実は私も昨年九州方面に国政調査に参りましたときに、ある財務局で、中小企業金融関係の業態を一つ教えてくれと申したときに出されました資料が、相互銀行に対して、貸し出しの希望もなければ、また貸し出した実績が一つもなかったのですね、その報告に。不思議じゃないか、こんなばかげたことはないはず、だ、これは違いありませんかと念を押したところが、某局長があわてられて、そうして後ほど再調査いたしますというて、あとから出ました資料は、相当相互銀行に対する貸し出しの希望並びに貸し出しがわかったのです。一体この資料はだれが作ったかというて私ども詰問したところが、これは商工会議所から出ました資料をとりましたと、こう言うのですよ。あなたがお考えになっても、こんなばかな話はないですよ。議長の命を受けて、われわれ大蔵委員が年に一度の国政調査に参っておる、資料が手元になかったからといって、商工会議所の資料をとって、それをわれわれの前に配った。しかも中小企業に対する一番大事な金融問題を等閑視しておるというよりも、常識を逸しております。従って、それを思い起しましたときに、今横山委員が言われたように、このたび九州に行かれたときそういう報告をしたのも、ああむへなるかなという感じがいたしました。また先般私どもは近畿方面へ参りました。大阪の財務局へ参って、金融関係の担当課長に会って、これも今おられぬが、野党の久保田委員から、どうも政府からの金融機関を通じての代理貸しで、相互銀行や信用金庫の方でたちの悪いのが幾らかある。この金融逼迫に便乗して裏金利を取ったり、あるいは両建を勧めたり、いろいろなことをするものがあるのだがと具体的に話をされましたところが、われ関せずというようなくらいの態度の御答弁でした。それで久保田委員も非常に激高されて、君らにまかされぬぞとまで極言をいたされました。それで、私はきょう理財局長なりがこられましたならば、今度かわられましたが、ことにお願いしたいのは、地方局における財務局の金融関係を担当しておられる方々が、一つ至急に資料をおとりになって、情報を入手されて、言いかえれば、もっと勉強していただきたい。あんな程度だったら、何にも担当官を置く必要ないとすら、私どもいつも国政調査に参って考えられるわけなんです。それで、去年のそういう問題はあなた方のお耳に入っておると思うのですが、これはどうなんですか。どういうようにあなた方が監督し、また指導しておられるのか。幸い監督官であれば、そういった点を直接にやっておられるのですから、一つ伺っておきたいと思います。
○喜田村説明員 お答え申し上げます。財務局職員の管内情勢の把握が不十分である、こういう御指摘に対しましては、ただいまのお話によりまして、ごもっともだと思いますので、十分管下に趣旨を伝えまして、今後そのようなことのないように努めたいと思っております。 財務局職員の教育につきましては、特に講習という点に重点を置きまして、職員の能力の向上には努めております。また中央情勢をしょっちゅう局に流しまして、またそれに応ずる地方情勢の把握ということにつきましても、完全に徹底するように努めているのでありますが、今後とも、特にただいま御指摘のありましたような幹部の管内情勢の把握、こういう点につきましてさらに指示いたしまして、今後そういったことのないように努めたいと存じております。
○淺香委員 当大蔵委員会は、与党も野党も、全員が中小企業の金融に対して非常に熱心なんです。それで、こうして国政調査に参りましたら、まず財務局へ行けば、一番に中小企業関係の金融関係などの資料を求め、また調査にかかるわけなんです。今中したように、無関心過ぎると思われますので、あなた方の言葉を私どもは信用いたしまして、みんながそういう感じで旅から帰って参りますので、今後一つ十分に指導――監督よりも指導ですね、具体的に指導してあげていただきたい。そうして、いつ私どもがこの委員会を通じてあなた方に要求いたしましても、どの地方局でも、今こういう金融情勢だということがさつとわかるようにしていただきたいことを最後にお願いをいたしまして、私の質問をきょうは終ります。
○石村委員長代理 中小企業金融に関する問題については、この程度にとどめたいと思いますが、参考人には、御多用中のところ長時間にわたり、大へんありがとうございました。
○石村委員長代理 次に、外国為替に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。井上良二君。
○井上委員 ただいま議題になりました外国為替の状況について、二、三質問をいたしたいのですが、最近の外貨事情の実情を御説明を願いたいと思います。
○稻益説明員 お尋ねの最近の外貨事情でございますが、わが国の外貨保有荷の推移として、一番多額の外貨を保有いたしました時期が昨年の四月末でございます。当時十四億五千四百万ドル程度の外貨を保有しておったわけであります。これが最高でありまして、その後若干の出入りはありますが、特に本年に人りまして、一月以降逐月外貨が減少いたしまして、御承知のような事情で、最近私どもの方でつかんでおりまする最終の外貨保有高は、五月末の数字でございますが、約十億、正確に申し上げますと、こまかい数字でございますが、十億に二万七千ドル加わる数字でございます。さような状況になっております。もちろんこの数字は、ドル、ポンドだけでなく、例のオープン・アカウントによる決済の貸し越し残、債権と債務を差し引きました貸し越し残の数字が入っておるわけであります。それらを総計いたしまして、五月末の保有高が約十億、かような状態になっております。
○井上委員 そうしますと、さらに伺いますが、この約十億の五月末の外貨保有童に対していわゆる焦げつきと称します分はどのくらいになっておりますか、実際使える外貨というのはどのくらいになりますか。
○稻益説明員 五月末のただいま申し上げました十億の中で、インドネシア、韓国、それからアルゼンチン、いわゆるたな上けになっておりますような不良債権でありますが、この金額が二億五千八百万ドルとなっております。
○井上委員 そうしますと、あとは事実上使えるといいますか、使用できる外貨額ですか。
○稻益説明員 事実上使えると申します意味は、ただいま申し上げました不良債権の方は、たとえばアルゼンチンに対する債権というものは、十年間で現金化するというような性質のものでありまして、非常に長期にわたるものであります。それからインドネシアに対する不良債権というものは、これは何年後に現金化するかわからないといった不明のもの、対韓国のものも、同様の性質といったような意味の非常に長期に使えない金であるというような意味で、不良債権と称しておるのでございますが、実はそのほかに、そういうものと若干性質を異にいたしますが、これは貿易をやって参ります際に必然的に起る問題でありますが、短期の債務を常に背負っておるわけであります。たとえば輸入手形の決済を延ばすというような姿での例のユーザンスだとか、あるいは一年程度の綿花借款を受けておりますそういうものの残高とか、そういうものは、ある時点で打ち切りますと、それだけの債務を返済しなければならぬというような意味で、ほんとうの手持ちからは控除してしかるべきものかと思うのでありますが、使える、使えないというお話は非常に微妙な問題でありまして、こういう短期の債務というものは、ある程度こういう貿易取引が行われます際には必ず伴って参るもので、ある時点でたとえばこういう勘定を全部締め切った、といたしますと、五月末において十億ドルあると申し上げましたが、一方でそういう外国に返済しなければなドルような短期の債務を背負っておるというような意味で、通例短期の債務がどの程度あるかというようなことを参考までに私ども考えておるわけであります。
○井上委員 そうしますと、実際貿易をやります場合、いわゆる保有外貨というものは、通常どのくらいを妥当としますか。
○稻益説明員 これは、貿易の規模にもよる問題でありまするし、またそのときどきのいろいろな条件に支配される問題でありまして、たとえばわが国としてほんとうに必要な最低の外貨がどれだけであるか、いろいろ見方があるわけであります。貿易の規模から見る見方、また対外的な信用の度合いから見る見方、いろいろな点で変って参るわけでありまして、私どもとして幾らなければならぬとかいう点については、確固とした数字は申し上げる実は自信がないわけなんです。現在の状態でいきますと、たとえば輸入信用状、あるいは輸出信用状といったような、ある程度先行きの外貨収支を判断する資料から見ますると、まだこれから外貨が減少するという事態が予想されるわけでありまして、現在この程度の外貨で泳いでおる、どこまでこれで泳げるかというような点につきましては、先行きの輸出入のバランスなり、そういうものを見通しまして、外国からの、たとえば外国銀行からただいま申し上げましたような短期の債務を受けておるそういう信用、これがまた日本の外貨の近い将来の見通しによっては、そういう信用が圧縮されるというようなこともあるわけなんです。いろいろな条件をかみ合せて、そのときどきに考えて参るべき問題だ、かように孝えております。
○井上委員 大へん政治的な答弁をされておるようですが、あなたは事務当局だから、率直に申してもらいたい。というのげ、御承知の通り、政府は先ごろ最近の非常な手持ち外貨の不足に伴って国際通貨基金から一億二千五百万ドル借款をした、これは明らかに手持ち外貨の不足を意味し、貿易上重人な支障があるということからやられたと違うんですか。このことからして、やはり現在の外貨予算を組みました貿易の実情から、最低限度保有高はこのくらいを妥当とするという線は、事務当局として当然持っておらなければならぬ。それが一定の線を下りましたから、そこで国際通貨基金にお願いして、一億二千五百万ドルのあの借金をしたのであります。だから、貿易の伸び縮みによってその保有外貨がどう影響するかということは、単に常識の問題であります。従って、日本の今やっておる貿易ベースから大体どのくらいの外貨が必要であるかということは、常識上当然出てくる数字じゃありませんか、そんなことは必要はないのですか。
○稻益説明員 御説大へんごもっともでありますが、私、何も事務当局としてそういう数字を持っておって申し上げないという意味では決してないわけです。 この算定は、昔からある議論なのでございますが、日本としては、ほんとうに必要な外貨も、多く持ち過ぎますと、こんな外貨は持ち過ぎだという議論も一方にあるわけでありまして、そういう際に、実は果して日本としてどの程度の外貨が最低限必要かということは、結局そのときどきの貿易の規模なり、あるいは外銀あたりからのクレジットがどの程度受けられるかといったような問題が非常に関連して参りまして、たとえばわれわれがここで五億ドルという数字を大まかに申し上げましても、その五億ドルがどういう事態のもとに最低必要なのかというふうなことを言われますと、やはりそのときどき、あるいは先行きの外貨収支の見込みが非常に明るい場合であれば、これは外銀もさらにクレジットをよこしますし、手持ちの外貨がなくても、そういうクレジットで泳いでいけるという面も非常にあるわけでございます。そういう意味からいたしまして、先ほどお説のように、IMFから一億二千五百万ドルの円による借り入れをやったわけです。そのほかに、現に進行中の、アメリカの輸出入銀行から短期の借款を得たいということで、大ワクだけ一応了解がついておるので、そういうものでかれこれ三億ドル近いクレジットと申しますか、そういうものが得られるわけなんでありますが、それも、私ども最低どういう事態において三億ドルあれば絶対によろしいのだというふうな算定は、非常に実は困難なのであります。 この点は、私どもこういうことを申し上げますと、非常に実は怠慢のように見えるのでありますが、最近正確な数字として、たとえば四億ドルとか五億ドルとかいうふうなことは、それではどちらが正しいのだというのふうに言われましても、実は何とも御返事いたしかねるので、先任どのような御説明を申し上げたようなわけであります。
○井上委員 こうではないのですか。問題は、お話しのように、輸出が相当伸びるという一つの見通しがありまして、しかもその契約なら契約というものが、下半期これこれ受けつけておる、それに反して偏人の方は、こういう工合の状況で押えていくから、だから手持ち外貨がかりにある程度減少しても、その輸出の伸びによる対外信用の関係から、そう手持ちも外貨は多く必要はないのだ、また少々借金をしても、これはまたある一定の時期になれば返すことができるからということで、手持ち外貨の問題というものは、それら国際信用と結んで、大体の見通しというものが押えられていく、こう理解するのが妥当ではないかと思うのです。 私が特にこの手持ち外貨の問題を聞いておりますのけ、輸出の現状というものが、政府が当初予想したように伸びない、実際を言いますと、そう伸びてないのです。そこで、政府は反対に輸入ベースをどんどん落していこうという方向をとりつつある。そうなりますと、国際信用はますます落ちてくるということを考えななればならぬ。いわゆる為替レートというものが不安定な状況に遣い込められてくる。そうなりますと、結局国内物価にそれがはね返ってくる、それが国民生活に影響してくる、こうわれわれは見ますから、この国際収支の現状及び保有外貨の問題というものは、国内の国民産業経済に影響してきますので、重大な関係を持っているわけです。そういうわけで、私がその点について専門家であるあなたの方に率直な意見を聞きたいというのは、そこにあるのです。だからあなたの方で、いや手持ち外貨は、別にそう心配はないんだと言われますと、それよりもっと大きなものは、外国との貿易関係である、貿易状況がどう伸びるかという問題と重要になってきます。が、下半期にそんなに大きく伸びるとは考えられないのです。というのは、下半期の赤字を、政府は最初国会では、全体を通じてとんとんでいくなんて言っておった。ところが三億ドルからの赤字が大体みこまれつつある。しかもその三億ドルがさらに上回って、三億六千万ドルもいきやせんかというようなことが新聞に伝えられている。との現実に当面して、いわゆる下期の輸入ベースを、最初は確かに二十四億ドルくらいのペースで押えていこうというのを、十八億ドルに圧縮しようとして、輸入を押えようとしておる、これは貿易が伸びぬ結果からきている、そうしますと、ここで、保有外貨というものは非常に重要な価値を占めてくるわけなんです。そういう点で、保有外貨のあり方というものは、為替相場にも影響しますし、ひいては国民生活に重大な関係をもってきますから、その点に対するあなたの方の考え方を聞いているわけです。そこで、さらに伺いますが、六月末の貿易の帳じりはどうなっているのですか。
○稻益説明員 これはついせんだって集計いたしまして、発表した数字でございますが、外国為替統計で現われましたところによりますと、受け取りの合計が二億八千五百万ドル、支払いの合計が三億九千九百万ドル、差引一億一千三百万ドル程度の赤字ということになっております。
○井上委員 そうすると上期はどうなんですか。一月から六月までの国際収支の帳じりは赤字がどのくらいになっておりますか。
○稻益説明員 一月-六月の合計で参りますと、約三億九千八百万ドルの赤字ということになります。
○井上委員 それは当初計画とはどういう狂いが出ておるのですか。
○稻益説明員 当初計画とおっしゃられます意味は、先ほどお話しの、年度間を通じてとんとんだというような話のときの……。
○井上委員 その数字です。
○稻益説明員 これは、実は年度間だものでございますから。ただいま申し上げましたのは、一-三と四-六を合計した数字でございますね。四-六だげで申し上げますと、ただいま出ております実績の方は、二億六千七百万ドルの赤字になっております。これは年度間を大体収支バランスする――当初見込みました当時におきましては、四半期ごとの区分を実はいたしておりませんので、予想と実績がどう食い違うかという点は、ここではまだちょっと何とも申し上げられないわけであります。
○井上委員 そうすると、あなたは専門家の方と違うかわかりませんが、外国為替をおやりになっておる責任者として伺いたいですが、外国貿易の見通しですね。特に輸出の見通しはどういうふうに押えられておりますか。
○稻益説明員 問題は、輸出、輸入、それぞれの点にあるわけでございますが、輸出の点につきましては、人体私ども当初見込みましたような数字が達成できるのではないかという考えでおります。ただ輸入の面につきまして、最近になりましてとられましたいろんな緊急対策、総合対策といったようなものが、この国際収支面にいつからどの程度現われて参るかということについて、今もちろん私ども責任ある立場で検討いたしておるのでありますが、それぞれ通産省、経済企画庁方面でも作業いたしております。大体輸出は当初通りとして、輸入がどの程度になるかというところで、この年度問の赤字がどれくらいになるだろうかという結果が出て参るわけでありますけれども、各省とも、輸出につきましては、今のような横ばい状態ではなかろうか、大体月平均で二億三千万ドル程度でございますか、ただ先ほど申し上げましたが、輸出入の先行きを見ます場合に、信用状で一応判断いたすわけであります。これが、たまたま六月の信用状を見ますと、輸出がかなり落ちておるわけであります。これは、いろいろ季節的な問題もあろうかと思いますし、それから海外の市場と申しますか、買手の側から、先行き日本は物価が下るのではないか、そういう観点から買い控えがあるとかいうよらな、いろいろな事情もありますので、いろいろな施策が出て、ここで日本の経済として一つの先行き安定した見通しが立つというふうなことになりますと、輸出としては、大体予想した程度のものはいけるのではないか、輸入がどの程度減るかというところで問題がきまるのではないか、かような考えでおるわけであります。
○井上委員 あなたは非常に甘い見方を持っておると私どもは考えますが、今ちょっとお言葉にありましたように、やはり日本の財政経済の立て直しですね、外貨事情の悪化に伴う国内の財政投融資、その他をめぐる金融市場全体に対する総合施策で、日本は相当引き締めをやり始めた。いわゆるインフレからデフレの傾向に進み出したというようなことがやはり国際的に影響して、相当今までの契約も足踏みがある、買い控えというか、そういう姿が至るところに現れておるということが、最近新聞にもちょいちょい報道されておるのです。現に東南アジアから中近東に出ております日本の繊維製品なんていうものは、ほとんどストップの状態にあるのです。ですから、一体何が予想通り出ようというのか、大体プラント輸出ならブラント輸出が今後見込みがあるというのか、一体何が見込みがあるというのですか。横ばい横ばいというけれども、その構ばいがはなはだ危ない横ばいであって、貿易の振興策がいろいろ講ぜられておりますけれども、それほど伸びないのではないか、逆に下り坂になっていくのが明らかではないか、だから、もっと積極的に総合的な対策というものが強化されていかなければ大へんなことになるぞという点ですね。そういう見通しの上に立っておりますから、それを持ちこたえるだけの保有外貨か一体保てるか保てないか、そういうところに問題があるわけです。そういう点を私どももっと知りたい。こういうことですよ、私のきょう質問しておる重点は。そこらを教えていただきたい。だから、輸出が伸びるというならば、そう不安でないという因子を明らかに言うてもらわぬと、国民は納得できないのですよ。
○稻益説明員 輸出かどう伸びるかという問題、繊維がどうだ、プラントがどうだ、機械がどうだというお話。これは、実は通産省の所管で、こちらとしては先行きの見通しのために聞く程度なんでございますが、非常に見通しはむずかしいと思います。でありますが、これはお説のように、私どももそう簡単に伸びるというようには受け取れないわけであります。私ども外貨と申しますか、為替の一面で一応お預かりし、責任を持っておる立場といたしましては、あまり輸出を楽観的に見まして私どもの外貨の金繰りを考えるといことは危険でございます。あるいは御質問の趣旨は、繊維が非常に悪いんだから、輸出が横ばいどころか、見込み通りいいかないのではないかという御心配かと思うのでありますが、先ほど申し上げましたように、ただいまのところ、年度間に組みました予定程度の輸出は可能ではなかろうか。その際に輸入が非常に大きくなっておるという点から、外貨の金繰りとしては、最低限この程度のものはどうしても必要であろうというところで、先ほど申し上げましたようなIMFからの借り入れ、それから輸出入銀行からの短期の借款というものを実は予定いたしまして、一応の金繰りをつけて参っておるというような状態でございます。
○井上委員 今度御存じのように内閣もかわりまして、新しく岸内閣が明日から出発するようでございますから、いずれこれは内閣の基本的な大きな問題として検討されて具体的に対策が立てられてくると思います。そのときに、また新内閣の構想なり方針なりを確かめたいと思いますから、きょうはこの程度にしておきたいと思います。
○石村委員長代理 ちょっと私から数字をお尋ねしますが、さっき、五月末の外貨が十億二万七千ドル、こういうことでしたが、そのうち焦げつき債権が二億五千八百万ドルですが、ユーザンスの残は幾らになってますか、それから綿花借款……。
○稻益説明員 これは不良債権などとは若干違うわけですが、そういう短期債務が、綿花借款も入れまして、五月末で四億七千四百万ドル程度であります。これは先ほどもちょっと御説明いたしましたが、それだけ差し引かなければいかぬという性質のものでもないわけなのでございます。
○石村委員長代理 それはわかっております。この綿花借款は、残が三月末では七千四百万ドルという数字を大蔵省の手計としてあるところで見たのですが、現在でもやはりその程度ですか。
○稻益説明員 五月末では六千三百万ドルということになっております。
○石村委員長代理 それから三月末の集計の中にスタンドバイ・クレジットが四千万ドル、こう出ておるのですが、これはおもにどういうものをあげたもので、五月末現在でどのくらいになっておりますか。
○稻益説明員 約五千万ドルでございます。
○石村委員長代理 この内容は主としてどんなものですか。
○稻益説明員 これは、日本の商社が向うで外銀から金融を受けたりします際に、日本の取引先銀行のそういう保証状みたいな意味の、クレジットを受けるための信用状を出すわけです。そういうもので、日本側の銀行の保証を受けて、外銀から外地で金を借りるというような性質のものでございます。
○石村委員長代理 さっきの短期債務は、そういうものも含めて四億七千四百万ドル、ということですか。
○稻益説明員 今私の申し上げました四億七千四百万ドルには、スタンドバイ・クレジットは除いております。
○石村委員長代理 綿花借款は入っておるのですね。
○稻益説明員 入っております。
○石村委員長代理 それと、ユーザンスは四月以降だんだん減らされてきているような傾向があるようですが、そうなんですか。
○稻益説明員 五月まではふえております。六月から逆に減って参っております。
○石村委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明十一日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会