大蔵委員会 第37号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/05/15
会議録
○黒金委員長代理 これより全議を開きます。 委員長に差しつかえがありますので、指名により私が委員長の職務を行います。 奧村委員より税制に関し発言を求められておりますので、これを許します。
○奧村委員 私は先日来酒類製造業並びに酒類販売業の免許の御方針に関してお尋ねをしておりましたが、明確な御答弁がなかったので、ここで、一つこの際明確にその御方針について御答弁を賜わりたいと存じます。
○原政府委員 お話のありました趣旨は、新規免許というものは、既存の業者にとって非常に重大な利害の関係のあることである、それは、法律上の言葉で言えば、需給の調整を要する、つまり今でも苦しい上に、競争者がふえてはというような問題が起り得る場合があるから、新規免許を与えるに際しては、既存の業者の意見を何らかの形で、おそらく組合長とかなんとかいう筋を通してということになるでありましょうが、そういう形で十分開いて、それを含んだ上で処理に誤まりのないようにということをいたすこと。そうして、それを何らかの格好で、形にはっきりとるようにというお話であったと思います。その後いろいろ実行の衝に当ります国税庁側とも打ち合せまして、御趣旨はまことにごもっともであるし、私どもとしても、そういう気持で年来やっておるので、この際せっかくのお言葉でもございますし、はっきりと通達の形でこの趣旨を末端に流すようにしようということに相談をいたしたわけでございます。不日具体化する運びになろうと考えております。 —————————————
○黒金委員長代理 次に、預金等に係る不当契約の取締に関する法律案及び日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、右法律案を一括議題として、質疑を続行いたします。横錢重吉君。
○横錢委員 預金等に係る不当契約の取締に関する法律案が出されたわけでありますが、これを新しく出さなければならなくなった理由、あるいはこれを出すに至ったその背景、内容、こういうようなものについて、少しく詳細に御答弁を願いたいと思います。
○東條政府委員 一部の金融機関に、はなはだ遺憾でございますけれども、いろいろ経営上の問題を生ずる事例が、少数ではございますが、あるわけであります。その事態の原因を取り調べてみますと、もちろん経営者の不注意、あるいは不手ぎわということに多くの場合原因がございますが、一面におきましては、いわゆる導入預金という事例が相当見受けられるわけでございます。申すまでもなく、預金をいたすに当りまして、自分以外の特定の第三者に、自分が預金するから、いわばそれを見合いとして貸付をしてもらいたいというひもつきの契約で結ばれまして、預金者は、成規の金利のほかにいわゆる裏利、特利というものを収受するというやり方でございます。預金を集めることに熱心でございますところの責任者の中に、さような話し合いに応ずる事例が相当ある。そのことは、一面におきまして、見合いの貸付というものは、そういう場合、多く不堅実であり、また固定しやすいということで、債権の回収はなかなかはかどらない、しかし、多く定期預金でございますので、預金の期限がくれば払い戻さなければならないということで、金融機関の経営として、まことに遺憾な契約であるわけでございます。いろいろ取り調べてみますと、一部の金融機関では、相当こういう事例が多い。またひとり都市にとどまらず、逐次これが地方と申しますか、波及していく傾向もあるというふうに考えられますので、金融機関の経営の健全性をはかりますためには、もとより金融機関の経営者にも大いに自省を促し、こういう取引をすることを慎しますべきでありまするが、同時に、現在の法制をもっていたしますれば、そういう預金者、あるいはそういう預金の媒介をなすものというものを取り締る規定がございませんので、ぜひこの際、金融機関の経営をより健全ならしめる意味におきまして、こういう法律案を御審議いただきまして御通過を願いたい、こういうわけでございます。 なお、金融機関の経営を健全ならしめるという建前から、いわゆる預金者保護という問題を金融制度調査会でいろいろ審議をしていただいたのでありまするが、預金者保護の一環といたしまして、やはりこの預金等にかかる不当契約の取締りをすることが適当であろうということを、金融制度調査会からも答申をいただきましたので、私の方が、平素ぜひこういう法律案をお願いいたしたいと考えておりましたことと金融制度調査会の答申と相待ちまして、今回の法律案を御審議いただいておるような次第でございます。
○横錢委員 出された理由についての抽象的な意味はわかったわけですが、これをどうしても出さなければならないという強い理由、根拠、そういうものについては触れていないような気がするのです。そこで、さらにもう少し突っ込んでお聞きしたいのですが、しからば、ここにおいて預金等にかかわる不当契約ということですね、不当契約とは具体的に一体どういうことを言うておるのか、この点をさらに一つお述べいただきたい。
○東條政府委員 どういうものを不当契約とするかという点でありまするが、これは、御審議をいただいておりまする法律案の第二条に規定いたしておりまするが、金融機関に預金等をいたしますものが、一つは、成規の金利のほかに、特別の金銭上の利益を得る目的ということが第一の要件でございます。それから先ほども申し上げましたように、その預金と見合いに、第三者に対しまして金融機関から資金の融通が行われる、あるいはその第三者のための債務を保証するということが第二の要件でございまして、その意味におきまして、預金等をいたします者とその特定の第三者との間に意思の疎通がなければならないという意味におきまして、その特定の第三者と通ずるという行為の要件があるわけでございます。それから第三番目の要件といたしましては、その預金等がその債権につきましての担保にならない。担保になります場合は、期限が参りましても、貸付金の債権の回収がつかない場合におきましては、申すまでもなく担保処分等が行われるわけでありますので、担保にならないということが要件であります。それからさような資金の融通を第三者に対しましてする、あるいは債務の保証をするということは、その預金が行われますからそういう契約が行われるという意味におきまして、その当該預金等と関連がなければならないということが、さらに第四の要件でございます。 これは、直接預金者に関する場合でありまするが、中間に媒介者がありまする場合におきましても同様のことでありまして、媒介をいたします者が、その預金等をいたします者に、やはり特別の金銭上の利益を得させるという目的がなければならない。また特定の第三者と通じておらなければならない。それから同様に、預金等が担保にはなっておらない、担保として提供されておらないということ、さような点につきましては、全くこの直接預金等をいたします場合と同様でございます。 それからなお念のため申し上げたいと思いまするのは、こういう中間に媒介業者が立ち、ます場合でありまして、預金をいたしましたその預金者自体といたしましては、別にその見合いの貸付が行われておるとか、あるいは債務の保証がせられておるとか、さようなことは関知しないという場合におきましては、今申し上げました媒介をなした者に対しまして、それが不当行為として規定せられるということになるわけであります。相手方の金融機関につきましては、これとうらはらになりまして、今申し上げましたような不当の契約がせられるという場合におきまして、そういう要件を充足いたします場合におきまして、やはり相手方たる金融機関が不当な契約をやったことになる、かような趣旨でございます。
○横錢委員 今の御答弁を承わると、不当契約ということが預金にかかってくるというよりも、これは貸付にかかってきておる。貸付に際しての第三者との融通、あるいは債務の保証、あるいは担保にならない場合の関連性、こういったふうな問題は、端は預金に発するかしらないが、その後の金融機関としての行為は、これは貸付業務に関する行為なのです。従って、これが預金等にかかわる不当契約という名称から受ける内容というものと、その取り締ろうとしておるところの実体というものとは、いわゆる不当なる競争をして預金を集める、そういうような表題をつけておいて、実際はこれに伴ってくるところの貸付に対する制限であるということで、名と体とは合わないような感を持つのです。この点は、どういうところからこういうことをされたのですか。
○東條政府委員 お話しのように、直接いわば取締りの対象となりますものは、特定の第三者に対しまする資金の融通であり、あるいは当該第三者のために債務の保証をするという契約でございますけれども、その契約を取り締りたいというゆえんのものは、今お話のございましたように、預金というものに関しておる、つまり預金と見合いになっておる、そうして第三者と意思が通じており、またその預金等が担保にならない、また預金等をなします者が、特別の金銭上の利益を得る目的が必要であるといういろいろの要件がございます。その意味におきましては、預金と密接不可分ということが当然この不当契約の内容をなしておるわけでございまして、つまり預金というものがなければ、こういう不当契約も取り締るという必要はないわけでありますので、いわば預金等と一体的な不当契約というものであるという意味におきまして、預金等にかかる不当契約の取締りということにいたしたわけでございます。
○横錢委員 述べられる点は、それでわかるのですが、しからば、これは預金に関係したものだけを取り締ろうとしておる。それでは、これを貸付を中心にして、金融機関が成規の金利以外のものを取ろうとした場合、あるいは取る場合、こういうような点については触れてこないのですね。それは現行法で足りるのかどうか。
○東條政府委員 今のお話は、金融機関が貸付をいたします場合に、成規の金利以外のよけいな金利を徴収した場合のお話と承わりましたが、その場合におきましては、臨時金利調整法の規定がございまして、それによって、金融機関としては違法の行為をしたということに相なるわけであります。また金利が非常に高い場合におきましては、利息制限法、あるいは出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律という別の法制がございまして、やはり同様、この規定に該当するそれぞれの条章によって規制を受けますことも御承知の通りでございます。
○横錢委員 銀行にいって金を借りる場合に、こういう方法が一つ行われておる。というのは、初めての取引の場合には、その者に対してなかなか貸してくれない、そこで、ここに銀行と信用のある者を通じてのトンネルの貸付が行われて、ここにトンネル料が払われるということが今日間々行われておる。この場合に、ここにトンネル料を払うということは、現行法において取締りの対象の中にあるかどうか。
○東條政府委員 金融機関としては、成規の金利しか徴集しておらない。しかしながら、途中にいわば媒介に立つものがございまして、その媒介の手数料について制限があるかというお尋ねでございますが、この点につきましては、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律の第四条に「金銭貸借の媒介手数料の制限」に関する規定がございます。「貸借の金額の百分の五に相当する金額をこえる手数料の契約をし、又はこれをこえる手数料を受領してはならない。」という規定がございますので、その規定が該当することになります。
○横錢委員 その場合に、この借りようとするAという者が信用度が低い、この場合に、直接貸しはなかなかやらぬので、この保証というものを信用のある者に対してさせるわけです。その者に対して今度保証料というものを払わしておる。こういうような、いわゆる信用保証協会というものが公的にございますが、こういうものでなしに、個人的な信用保証というものを行わせて、この者と銀行との間には関連性がある、いわゆる銀行の外郭団体のような形で作ってある。こういうような方法が現実に行われているが、これに対しては、この法律あるいは現行法律でもって取り締ることができておるのかどうか。
○東條政府委員 今横錢委員の御質問の点は、事実関係をよく私は確めなければならぬと思います。つまり保証料の保証という意味が、当該債務者がかりに債務の弁済をいたさない場合におきまして、自分がかわって保証する、債務の弁済をしてやるという意味の成規のいわゆる債務保証であるか、あるいは私がただいま申し上げましたようにいわば中間のブローカー的な媒介であるかという実態を私はよくきわめないと、抽象的にお答え申し上げることは非常に危険だと思いまするが、純然たる、つまり債務者が弁済をいたさない場合において自分がかわって債務を保証するという意味の保証の場合におきましては、出資の受入の法律の第四条の規定の該当はないというふうに解釈すべきものと心得ます。
○横錢委員 先ほどの御説明の中の、不当契約が行われる場合の担保にならない場合という項がございます。この担保にならない場合というのは、預金そのものが担保にならない場合か、あるいは預金にかわるところの担保物件、それが入らないという場合か、その点についてはいかがですか。
○東條政府委員 預金等そのものが担保にならないという意味でございます。
○横錢委員 預金そのものが担保にならない場合は、直ちに取締り規則に触れてくる、こういう考え方だが、担保は、大体預金であろうと物件であろうと変りがないのではないか。一体銀行が貸し出しを行う場合の基準は、危険負担を一体どうするか、この危険負担を銀行が背負うか、出されたところの担保物件が背負うかということが、この不当なる貸し出しであるかないか、あるいは契約であるかどうかということになると思うのですが、その場合には、不当なる貸し出しということと不当なる契約ということとは別個に考えておるのかどうか。
○東條政府委員 非常にくどうございますが、大事な点でございますので、もう一回申し上げたいと思いますが、預金等はもちろん担保として提供せられておらない、それから預金等をいたしました者が、成規の金利のほかに特別の金銭上の利益を得る目的がなければならない、第三者の意思の疎通がなければならないという要件が兼ね備わりませんと、ここにいわゆる不当契約とならないということは、御承知の上のお尋ねでございまするが、この法律において取り締りたいと考えておりまするのは、第三者に対しまして資金の融通をする、あるいは第三者のために金融機関が債務を保証するという契約自体でございまして、その契約が行われましたときには、これはいわばこの法律に該当するという法律構成をとっておるのでございます。
○横錢委員 成規の金利以外の支払いはみないかぬという話でしたが、信用金庫等が積立預金等の募集をすると、どこかの観光地への招待であるとか、あるいは何らかの景品をつけるとか、こういうような成規の金利以外の何らかのものをサービスという形で行なっておる。こういうようなものについてはどういう解釈を待っておられるか。
○東條政府委員 今のお尋ねは、預金が行われまして、その預金の成規の金利以外のいろいろのサービスが行われた場合、そういうケースでございますが、その場合におきましては、そのサービスの内容を検討いたしまして、これが金利が変形したものというふうに認定いたします場合におきましては、臨時金利調整法違反である、こう解釈をいたしております。
○横錢委員 その金利に相当するというものの判断ですね。これは、やはり相当しっかりとした判断でないといけないと思うのです。たとえば、募集する場合に、何千本、何千口でもってどこそこに招待するということを間々やっておるというのが例ですね。あるいはまた、何年間の月掛けに入ってくれるならば、これこれの景品を出しますということは、やはりやっておる。これによってひっかかるのか、あるいは直接はひっかからないが、判断いかんによってはひっかかるのか、あるいはどの程度の金額は差しつかえないか、どれ以上は不当なものとみなすか、そういうふうなことは一切裁量にまかせているのかどうかですね。あるいはまた、そのものずばりにひっかかるのかどうか、この点についてもう少し明確に御答弁願いたい。
○東條政府委員 具体的なケースでございませんと、なかなか一般的に申し上げて——大事な問題でございますので、慎重を期さなければならないと思いまするが、とにかく預金をした、その預金と密接不可分の形において、成規の金利をこえるものを預金と不可分的に払うという契約が行われる場合におきましては、厳格に申せば、やはり臨時金利調整法に違反すると考うべき場合が相当多いと思います。しかし、これは多く判断の問題でごいますので、やはり事柄の具体的なケースを見まして、いわば常識的な、世川の常識というものもございましょうが公正な、いろいろの見地から総合的な判断をしなければならないということでありますけれども、多くの場合、その預金と密接不可分であろうということでありますれば、やはり預金の金利の変形したものというふうに解釈すべき場合が多かろう、私はそう思います。
○横錢委員 これは解釈の問題でなしに、やはりもう少し明確に出なければいかぬのじゃないかと思うのです。というのは、たとえば、今温泉地に行っても、何々信用金庫御招待というのをどんどんやっておるわけです。これは、三年、五万円に一口入ると、熱海なら熱海に御招待をするというのを現実にやっておる。あるいは一年、一万円の月掛に入れば、これに対しては、たとえば百円程度の品をサービスに出すとかいうことは、現実の募集としてやっておるわけです。従って、これがひつかかるものなのかひっかからないものなのか、この内容に含んでいるかどうか、この点は、あなた方が立案するときに当って十検討されていると思うのです。従って、この点今私具体的に申し上げましたから、もう少し明確にお答えいただきたい。
○東條政府委員 たとえば信用金庫なら信用金庫の会員である、その会員に対しまして、預金額が幾らあろうと、親睦の意味をもちまして、預金額等に関係なく、いわば定期的に行われるというような場合におきましては、直ちにもってこれが臨時金利調整法の違反であるというふうに解釈することは、相当疑義があると思います。しかし預金の金額に比例をいたしまして、しかも世間の常識をもっていたしますと、それは普通のいわば親睦とか、そういうことでない程度の、いわばサービスなりあるいは物品なりがそういう形において提供せられるという場合におきましては、これはやはり臨時金利調整法で取り締っておりますところの預金の金利が変形したというふうに考えるべき場合が多いように思います。要は横錢委員の仰せのように、この問題につきましては、個々の場合々々で、総合的な、しかも公正な判断をしなければならぬ問題である、こう考えます。
○横錢委員 それでは、次に、この法律を出して取り締りをしようとすることは、一応先般来起りつつあったところの導入預金関係の問題だと思うのです。そこで、こういうような問題は、一流の金融機関には大体起らないと見ていいと思います。しかし三流の金融機関においてはこれが間々起る。その起る理由というのは、一つには資金量が乏しいということ、一つには経営の不熟練、この二つの点がやはり問題を起しやすいと思うのですが、こういう点に対してはどういうふうな対策を立てて指導に誤まりのないようにしようとしておるのか、この点について御意見を伺いたい。
○東條政府委員 第一の点は、やはりこういう法律を待つまでもなく、いわゆる導入預金を相手にしないでという、金融機関の経営者に対しまして絶えず反省と申しますか、警告と申しますか、そういうことを注意する。もちろんわれわれの注意を待つまでもなく、金融機関の経営者は当然心得えておりますけれども、念のため、そういうことについて機会あるごとに十分警告を発するということが、直接的な問題だと思います。しかしお尋ねの点は、そういうことでなくて、問題の根本的な解決はどういうことかという御趣旨であると思いますが、要は、金融機関として、絶えず経営の面におきましても経営の合理化に努めるとともに、預貯金の蓄積というじみちな努力を絶えず払って参る、そうして、その資金の運用といたしましては、金融機関として公共的な使命に恥じないような貸し出しその他の資金運用に当って参るという、金融機関として本来じみちに行うべきことをじみちにやっていくということに尽きるのではなかろうかと思います。
○横錢委員 あまり抽象的過ぎて、何を御答弁願ったのかわからない、やはりこれだけの法律を出すのなら、単に取締りをして絶滅を期するのだということだけでは、私はなかなか根絶することはできないと思うのです。問題は、そうでなしに、もっと根本的な、資金量をどうするか、あるいは経営不熟練をどうするか、そういうような点がこの法律と並んでやはり大蔵省の監督行政として確立されなければいかぬと思う。その点に関しては、ほとんど何も持っていない。ただ悪いことをした者をつかまえるのだ、悪いことをさせないのだということだけでは不十分なんです。だから、資金量増大の方策、経営上の熟練度を上げる、こういうような点について、もう少し積極的な対策が必要だと思うのです。何かお持ちだろうと思うのですが、お示しを願いたい。
○東條政府委員 仰せの通りでありまして、私ども大蔵省の銀行局の者は、絶えず今お話しのございました金融機関の資金の蓄積、あるいは資金運用の公共性を高める、あるいは経営の合理化というあらゆる面につきましていろいろな通牒も出し、また監督指導に任じておる、それが実は私どもの仕事であるわけであります。 そこで、もう少し具体的にという仰せでございますが、やはりこの資金の蓄積ということにつきましては、金融機関といたしまして、特に相互銀行等につきましては、相当多くの外務員というものも持っておりますので、それぞれの金融機関の特色を生かしまして、十分その資金の蓄積、預金の吸収ということに積極的な努力を当然いたさなければならぬわけでありまして、われわれといたしましても、そういう点について遺憾のないようにということを期しておるわけであります。従いまして、たとえば金融機関の店舗の問題等にいたしましても、店舗の配置が適正であるかどうかということにつきましては、絶えず金融機関の経営者ともよく相談をいたしまして、店舖の問題等につきましても、その配置その他について適正を期しておるということも、こまかいことでありますが、その一つの現われであります。また預金を吸収する面におきましても、そういう金融機関の職員の信用を高めるということが当然のことでありまして、その資質の向上等につきましても、たとえば各銀行それぞれでも絶えず職員の研修ということをやっておるわけでありますけれども、協会その他におきましても、団体的に切磋琢磨して研修する、資質の向上に努めるというような、資質の向上ということにつきましても努力いたしておるわけであります。つまりはなはだ説明不十分かもしれませんが、預金の吸収、自己資金の増強ということにつきましては、金融機関として最大の使命でありまして、人的にも物的にもあらゆる意味におきまして努力をいたしておりますし、役所といたしましても、いろいろな点について相談にも応じ、努めしめておるということでございます。 それから資金の運用の面におきましても、これは個々の金融機関、あるいは金融機関の種類によりまして、一がいには申されませんが、やはり金融機関としての公共性にかんがみまして、資金の貸付その他において、できるだけそういう使命に恥じないように、また貸し出しに伴って行き過ぎ等もございませんように、それらにつきましても、十分金融機関の自粛自戒を求めなければならない。また彼らとして、良識ある判断でそれに努めておるというふうに、私たちといたしましては信じておるわけであります。なお経営の合理化、内部留保の充実というような点につきましても、金融機関の経常収入と経常支出の割合は、各金融機関一率ではございませんが、一つの目安を示しまして、その収支率をこえないようにというような指導もいたしておるわけであります。つまり金融機関といたしましては、はなはだこまかいところまでも気を使いまして、経費の節減に努めるということは当然でありまして、そういう意味におきましての経費の節減もはからせる。それから貸し倒れ準備金、あるいは価格変動準備金というような、いわゆる内部留保を厚くするということも、金融機関といたしましては当然心得なければならぬ点でありまして、これらにつきましても、金融機関にも努力をさせるし、われわれといたしましても、いろいろ具体的な相談にも応じますし、また指導もいたしておるというようなことであります。要は、資金の吸収にも、あるいは資金の運用にも、あるいは経営の合理化にも、あらゆる点につきまして金融機関としては努力をいたさなければならぬし、また役所といたしましても、常にそういう指導に当っておるというのが現状てございます。
○横錢委員 そうではなくて、私の聞かんとしていることは、もう少しこの経営の指導ということも、根本的に大蔵省としての対策が必要なんじゃないか。それがない限りは、取締り法規だけではだめなんではないか、こう思っておる。というのは、たとえば、今は信用組合は府県知事の免許である、その他は大蔵大臣の免許である、その差はありますが、しかし免許した事業がゼロから出発をして、預金量も大きくふえていく。この段階において順調に伸びていくものはそれで差しつかえないが、順調に伸びなかった場合の方、そういうものに対しては何ら手がないでしょう。今の大蔵省のやり方としてです。これは、たとえば預金量が大きくなってきた、もうこの金庫なら金庫は大丈夫だ、そういうふうな段階になると、これは金融公庫あるいは何々金庫の代理店というものもやらせる。いろいろの信用価値はふえてくる。これがまた伸びなかった非常に弱小の場合においては、全然見向きもしない。だからいわゆる植木を植えても、この植木を植えたばかりの一番大事なときにつっかえ棒をしないで、すっかり木が植えついて、もう動くことがないようになってきてからささえ棒をしようというのが今の大蔵省のやり方なんです。問題はそうではなしに、植木を植えた場合に、まだつくかつかぬかわからない、この時代にささえ棒がほしいという、これが大蔵省の中に指導理論として入ってきて、それが具体的に実現されなかったならば、私は取締り法規のみでは、不足なんではないか、こう考えておる。現実の信用金庫や信用組合がみなそうでしょう。小さくて伸び悩んでおるものに対しては、今解決する方法としては、これを指導して合併させる以外にはほとんどない。解散ということ、あるいは営業停止ということは最悪の事態であります。そういうようなものに対しては、合併を勧める以外には方法がない。これを伸ばしてやるときには、具体的な方法をとっておらない、こういうことなんですが、そうではなしに、もっとこの際、そういうふうなものに対する対策といりものを立てるべきじゃないか。これは、官吏としてはきわめて危険なものに足をつつ込むということになるだろうと思う。そんなところに足をつっ込んで金を出したならば、大へんなことになるからして、今までの人はみなやらないわけなんですが、しかしそれをやる考え方というものが出なかったなら、ほんとうの指導監督行政というものは私は伸びないと思う。今言ってもこれは答弁として引き出せないと思うのですが、これはやはり考えてほしいと思う。 それからこの導入預金の問題をいろいろ考えるならば、この導入預金の根拠は何からきたかというならば、これは貸金業からきておる。その前が保全経済会であり、あるいはいろいろなやみ金融がばっこして一時これが倒れた。倒れたものがどこへ行くかということを見ていたところが、これがみな安全投資の世界を求めて、導入預金となって三流金融機関に入り込んできた。このときに、やみ金融が倒れたときには、大蔵省の態度というものは、ほとんど手を打っておらない。これがほとんど倒れてしまって、もう大体社会的に葬り去られて解決がついたというころになってから一応の手を打っておる。今度もまた、この導入預金という問題も世間的に批判をされて、社会の常識となって、一般的にはもう導入預金というものは通用しなくなったときになってきてから、この一種の死文にひとしいところの法律を出してきておる。これは法律のあり方が二年も三年も手おくれなんだ。これは今は議題とされていないが、準備預金制度は、昨年日銀の貸し出しが二百億台になって、もう日銀がこのままでは操作力を失うからして、ここで支払い準備預金制度を作らなければならぬということになった。ことしになってくると、そんな法律は必要でない、去年のときは必要だった。必要なときには法律が出ない。必要でなくなったときになってから法律が出てくる。大蔵行政というのは、一年も二年も常におくれておる。ここに問題があるのであります。それから今導入預金の問題について考えてみても、貸金業に対してはやはり放置したまま。この導入預金の問題がどこにいくか、これについての見きわめ方あるいは見通しの立て方、これをあなた方はどう持っておるか、この点を一つ承わりたい。 〔黒金委員長代理退席、委員長着席〕
○東條政府委員 手おくれのないようにいろいろ法律案を準備しろという御注意でございます。私の方もいろいろ検討はいたしておりましたが、御指摘のように、至らぬ点もあると思います。今後十分御趣旨に沿いまして、いろいろの問題につきまして適応に処置をいたさなければならない、この点は御津念の通りであります。われわれといたしましても、今後よく努めて参りたいと思います。 なおよけいなことでございまするが、準備預金制度につきましても、いろいろ検討いたしました結果、やはり一つの金融制度としてぜひこの際お願いいたしたい、こう考えておりますので、最近日本銀行の貸出金がふえておりまするけれども、現状においてなおかつ必要であるという御判断のもとによろしくお願い申し上げたいと存じます。 それから導入預金の資金源というものが、こういう法律が成立して一体どこにいくのであろうかというお尋ねの点でございまするが、これはなかなかむずかしい点だと思いまするが、やはり一部は、現在貸金業者は、御承知の通り都道府県知事に対する届出ということになっておりまするが、相当そちらの方の資金に回るということも考えられるのではないか、あるいは一部は正規のいわゆる貸金業者ということでございませんでも、個人的な貸借関係の資金に回るということも、これは当然予想されると思います。しかし私どもといたしますれば、こういう資金の行く先として最も望ましいと思いまするのは、これが正規の金融機関に対する預貯金になりまするとか、あるいはいろいろ有益な有価証券の投資に向けられるとか、さような、国民経済的に見まして意義の高い使途にこういう資金が向けられるということが望ましいと思うのでありまするが、半柄の実態は、今申し上げましたように、何も一つの方に必ずしも向いていくということでなくて、各方面にこういう資金が分散的に運用される結果になるというふうに、私といたしましては判断いたしております。
○横錢委員 貸金業に対する見通しはともかくとして、それならば貸金業というものをこのまま放置しておくかどうか。今日の段階において日歩三十銭まで認めておるということは、三十銭の高利率でもって成り立つ事業、あるいは成り立つ仕事というものがあるというふうに考えてこれを認めておるのか。こういうようなものに対しては、もっと営業の根拠を与えて、あるいはまた高金利を取り締るか、そのどちらかをして、これをやはり正常な金融のルートの上に乗せていく必要があるのではないか、こういうふうに考えておるのですが、御意見はどうですか。
○東條政府委員 検銭委員御承知のごとく、現在貸金業につきましては、出資の受入等に関する法律におきまして、届出によってその業務ができる。また都道府県知事は、この貸金業につきましては、調査をしたり、あるいは報告をとることができるということになっております。またこれにつきましては、今お話しのございましたように、一日三十銭をこえる金利を取ってはならないという、第五条に高金利の取締りの規定があるわけであります。この貸金業の法律的制度が現状のような制度でいいかどうか、これにつきましては、いろいろ検討すべき点はあると思いますが、私どもといたしましては、さしあっては、現在の法律でもって貸金業の規制をいたしておる程度でまず適当ではなかろうか。また御指摘のございました高金利の点でありまするが、これも、法文で国会がおきめになれば下げられることではありますが、やはりこれは社会の経済的な大勢というものをあまり無視しても、結局法の実施が円滑を欠く、徹底を欠くということになるわけであります。私ども先般各地の財務局をして、実態調査というような大それたことを申すつもりはございませんが、ある程度貸金業者のいろいろ調査をしてみたのでありまするが、なお今日におきましては、日歩二十五銭というような見当の金利が相当多い。一ころに比べますと、貸金業の金利というものもだんだん実は下って参る趨勢にあるということは、調査の結果承知いたしております。承知いたしておりまするが、まあ相当大きな割合が二十五銭見当を中心にして動いておるというような実態を見てみますると、あまり現在の第五条の三十銭というものを下げるというふうに踏み切るのもどうであろうかという気がいたしまして、今度の国会におきましては、まだ法律案として御審議をいただくところまでいかなかったのでございます。いずれこの問題につきましては、私は適当な機会には、金融制度調査会等もありますから、この貸金業の問題等につきましても意見を聞くのが適当ではなかろうか、こう考えておりますが、現状におきましては、さような判断をいたしております。
○横錢委員 今の局長の答弁は、業者の方に対する擁護論であります。これを借りて利用する人の立場ということは、一向に考えておらない。二十五銭で貸しておるから三十銭ということもまだいいのじゃないか、こういうふうな御意見なんです。この二十五銭で借りた者が、一体それだけの金利を生むだけの活動をすることができるか。これは一流の大企業であるならばともかくとして、こういうような金を借りるという者はごく零細な、金利の半分もかせげないような人々がこの金を利用しておる。これが銀行から銀行の金を借りる間の一時借りをみんなやっておるわけなんです。こういうような点に対して、これは貸す方の立場を擁護する考え方でこの法律を作っていくか、あるいはこれを利用する人の立場を考えて法律を作るかというところは、観点の置きどころです。今の局長の観点は、貸金業者に対して観点を置いておる。これははなはだけしからぬ。現実に金を借りてやっていくということは、貸す方もあるいは商売にならないかもしれないが、これを借りて運転する方がまずその金によって正常な行為ができるということが中心でなかったならば、日本の経済の一環というものはやはりくずれるじゃありませんか。この考え方を持つなら、この貸金業者というものも、やはり高金利の取締りということ、それからこれに対する営業の根拠を与えるということ、こういうような点について、今簡単な方法でやっていますが、もっとやはりしっかりとした方法で、金融正常化の一環の中に加えていくべきだと私は思うのです。 それと同時に、庶民金融と関連があるのか質屋営業です。質屋がやはり九分まで許している。質屋が九分でもって利益をあげていくこの利益の大半というものは、税務署が持っていってしまう。このくらいふざけた話はないでしょう。質屋に行って金を借りるという者は、あまり貧しい層ではない、あまり貧しい人は質屋に持っていく物がない、相当程度の内容のある人が質屋に行くのだけれども、しかし、それはそう高い層でもないということも言い得るのです。そういう零細な者の金融の中から取り上げたものの大半を国家が吸い上げるというようなあり方というものは、これは正常ではないのである。従って、他の方に対して特別措置法であるとかなんとか減免措置を講じていくのならば、こういうような金利のものに対してこそ減免措置を講じて、質屋なんかを利用する場合の金利に対して、利益というものを極度に押える、押えていくからには、税金もまた押えていく、こういうような方法で指導しなかったら、今の日本のこの金融行政というものは、大きな銀行に対する行政というものは、手が届いておるが、中小企業以下のものに対してはほとんどその手が回っておらない。回っておるのかしらないけれども、現実には何ら行われていないということが、今日の行政の最大の欠陥である、こう私は思うのであります。この点に対する局長の答弁とともに、将来に対する意見を一つ承わりたいのであります。
○東條政府委員 貸金業の場合に、お前は借りる方の大衆の立場を等閑視してはいないかという御注意でございます。もちろん貸金業者の立場も考えなければなりませんけれども、より大事なのは、一般大衆であるということは、もう御指摘の通りでありまして、私どももそういう考え方をもって事柄を考えておるということは、申さしていただきたいと思います。そういうことでありまして、もちろん正規の金融機関のみで必ずしも一般の資金の融通が行われておらない、これも申すまでもないことでありまして、国民金融公庫というようないわゆる政府関係機関が相当小口の資金の融通に当っておるということの社会的な意義も、一般の金融機関では足りない面を補完的に金融して参るという大事な仕事をやっておるということは申し上げるまでもないことであります。しかし、なおかつそういう一般の金融機関、あるいは政府関係機関ではまだしも十分でないのであって、そこに貸金業者でありまするとか、あるいは質屋でありまするとか、そういう金融機関、あるいは業者というものが発生しておるということも、これは一つの社会的な事実でありまして、われわれといたしましては、そういう一般の金融機関、あるはい政府関係機関の手がさらに広くまた深く及ぶように、この上とも努力いたさなければなりませんけれども、それでもってまだカバーし切れない面があるということも事実でありまして、その意味におきまして、こういう貸金業者あるいは質屋という問題が出て参るわけであります。そういう場合におきましても、やはりこの金利の点その他につきまして、一般の大衆のための所要の規制を講じなければならないということも、これは御意見の通りであります。ただ今日の三十銭というものが果して妥当であろうかということになりますと、どうも現状からすれば、高いことは高いが、これを一挙に下げるということは、社会の実情に沿わないのではなかろうか。われわれの調査では、そういうような感じをただいま持っておるということを申し上げた趣旨であったのでございます。一般の貸金業者、あるいは質屋営業というものをどういうふうに今後処理して参るべきか、なかなか困難な問題であると思いまするが、仰せのように、はなはだ社会的に重要な問題でございますので、今後ともわれわれといたしましては、十分この上とも努力もしまするし、またそのあり方等について検討を続けて参りたいと存じます。
○横錢委員 高金利に関連をして、先般来、逓信委員会では電話金融の問題がかかってきた、これは御存じのことだと思います。これもまた電話を担保として融資をする場合に、現在相当の高金利でこれが行われておる。そのところから問題が発生して、電話に関する金融というものは、今の一般の高金利の例ではなくして、もっと低利の金融によってこれを行いたい、また行わなければならないというような点で、逓信委員会では、先般来審議されておるわけです。これに対するところの局長の御意見を承わりたい。
○東條政府委員 私どももこの電話を担保にする金融の問題は、ずいぶん長い間、前から研究課題であったわけでありまするが、いろいろ関係省と相談をいたしまして、大蔵省といたしましては、この電話を担保にする金融ということは、一般金融と申しますか、広く大衆のための金融上適当であろうという判断をもちまして、電話担保金融の道が開けるような法制的な措置を講ずることはけっこうであるという態度をとりまして、関係省に連絡いたした次第であります。
○横錢委員 一般金融と同じにするという意味は、高金利の中において行うという意味なんですか。それとも一般の大蔵大臣の免許事業であるところの金融、そういうものと同じ水準において金融を扱わせるという意味ですか、そのどちらですか。
○東條政府委員 電話担保の道が開かれました場合におきましては、大蔵省で監督をいたしております金融機関としても取り扱えるということに相なるわけでありますので、そういう金融機関は成規の利子を徴しまして、電話を担保にして貸付を行うことに相なるわけであります。それで、もし正規の金融機関でないところで、その電話を担保として金融をするという道がこれまた同様開かれますならば、これは先ほど来申し上げておりますような正規の金融機関に比べますと、高い金利でもって資金の融通が行われるということに相なるわけであります。つまり私どもの方が関係省に連絡いたしました意見は、電話を担保にして金融をするという道を法制上開こうじゃないか、そうすれば正規の金融機関も扱えるし、その場合においては正規の金融もつくと思う。しかし何も正規の金融機関に限るということでもないだろうということを、われわれといたしましては回答をいたしております。
○横錢委員 現在では、電話の担保ということは、加入譲渡権といいますか、これだけが一つの担保らしい形をなしておる。そして、その他の質権改定等は全部禁止せられておるわけですが、これに対する道を与えるということになるわけですね。そうすると、これは大蔵省自体が立案をして行いますか、それともその他の機関で行うのを待つか、その辺のところはどうですか。
○東條政府委員 主務省といたしましては郵政省がこれに当っております。それで、相談を受けておりますところは、金融の関係でございますので大蔵省、それから中小企業金融として非常に意味の高いことだという意味におきまして、通産省の中小企業庁がやはり同様関係省として相談を受けておる、そう承知をしております。主務省は郵政省でございます。
○横錢委員 それではその点はわかりました。現在の不当契約の法律等と関連をして、なお残っている問題を見るときに、昨年、一昨年と起った常磐相互の問題が明朗に解決をしていないと思うのです。常磐相互の場合の例は、預金者が金を預けたところ、自分の通帳には五十万円なら五十万円がそのまま預金として記録をされておる、しかし向うの元帳には十万円しか記載されない、そこで、四十万円というものはこれを取り扱った窓口の何人かの者が横領したというようなことで、銀行側ではこれを払わない、そこで預金者の方では、これを裁判によって解決をつけようというので訴訟を起しておる。こういうような例が出ておるわけですが、いろいろ預金やら金融の問題を論ずるときには、何かというならば預金者の保護ということが最大の金看板である。預金者保護の上からいって、こういうふうに指導する、こういうふうに監督するということがあなた方の指導行政上の金看板なんです。ところが、一たびこういうふうな事件が起ると、預金者というものはどこかへいってしまって、金融機関をつぶしてはならぬ、こういうふうな行政に変ってしまう。そこで、もしもこういうふうに常磐相互が銀行という信用上の最大の問題を出すならば、これは当然自分の行員が窓口で扱い、部内で扱った問題は、銀行の信用にかけてもこれを払わなければならぬ問題なんです。ところが、こういうふうな段階にくると、金融機関をつぶしてはならぬと金融機関の保護を第一にして、預金者はどこかにいってしまう。これはふだんやっておる預金者保護という行政から非常に離れた指導の方法ではないか、こういうふうに考えておるのですが、こういう事例に対してはどう考えておられるか。
○東條政府委員 常磐相互銀行の具体的な御質問でございますが、私どもが承知をいたしておりますところでは、その預金が正当に銀行の権限のある責任者により取り扱われ、正規の預金となっていないというところに、実はこの問題の問題点があるわけでございまして、仰せのように、私どもは正当な預金者の保護ということにはあくまでも努力をいたさなければならない。御指摘のごとく、預金者の保護に欠けまして、金融機関側の擁護ということに傾いてはならぬことはお話しの通りであります。ただ横錢委員が仰せのように、従来のわれわれの態度が、ややもすれば金融機関本位に傾いておるのではないかというおしかりでございますが、むしろいろいろの案件におきまして、私どもはとにかく金融機関の再建ということに最善の努力を尽すということが、広くその金融機関に金を預金いたしております一般の預金者の保護になるのだ、あるいは特定の場合において、この預金者にはかわいそうだ、少し取扱いが酷ではないかというような御批判の場合があるかと存じますが、それは、そういういわば非常的な措置を講じても金融機関をそこで再建せしめる、あるいはもり立てていくということが広く一般の預金者のためになるのだという考え方から、実はそういう態度をとっておるわけでございます。それで、決してその金融機関だけの立場を考えておるということではありませんで、そういう意味において、金融機関の再建ということに努力をいたしておるというふうに御承知を賜わりたいと存じます。
○横錢委員 金融機関の再建ということ、これは非常に大事だと思うのですが、金融機関の最大のものは信用だと思うのです。そこで、窓口で扱った者の数人の共謀で、五十万円が十万円にすりかえられた、この預金者の悲劇というものはどこにも解決点がない、裁判に訴えていくならば三年も五年もかかる。こういうふうなことで、これが今日まで指導してきた預金者保護の行政に反しないか、もしもこれは正規の預金になっていないというふうに言うのであるならば、では一体預金者はだれを信用したらいいか、預金者とすれば、銀行員そのものを信用するわけです。従って、各銀行から出張やらあるいは月掛の集金やら、そういう者がどんどん来ても、これは銀行の通帳、銀行の行員であるということを信用して、日掛でなり月掛でなりの預金に応じておるわけです。だから、一たびそういうふうな問題で銀行員が信用を落すような行為があった場合に、銀行というものはそれをしょって、銀行の信用を保持しなければならぬ。その政策が行われないで、あれは銀行員が間違いをやったのだから、それに対しては責任を負わない、それは受け入れたことは受け入れたらしいけれども、しかしながら元帳には十万円しかないから、五十万円ということは信用することができぬというのは、銀行の発行しておる正規の通帳にそれだけの金額が記載されておる、取扱いの窓口においては正規の通り行われた、それでもなおかっこれに対しては裁判以外には解決点がないというのであっては、今日銀行行政の根本の信用というものはくずれる、こう考えます。
○東條政府委員 具体的な常磐の場合ということで申し上げるのではございませんが、実は係争事件で、裁判の判決によって処理しなければならないという多くの場合は、ほんとうの意味の善意なる預金者というよりは、預金者を調べてみますと、その住所その他において明確を欠く、そして相当事情を知って、いわば中間の媒介をした者と申しますか、あっせんをした者と申しますか、そういう人たちと通謀しておるという事例が実は相当ございます。これはくれぐれも申し上げますが、常磐の場合が必ずしもそうだと申し上げておるのではございません。私どもの考え方も、もちろん仰せの通り、金融機関は信用が第一でありますから、個々の案件に当りまして、個々の預金者の事情も十分考えなければなりません。そういうことで善処できるものは金融機関において善処せしめるという態度をとっております。そういう意味におきまして、預金者と申しましても、なかなか個々の場合になってみますと、いろいろ特殊性があるということだけを申させていただきたいと思います。
○横錢委員 しかし預金者の方は、法内には無知だと思う。どういうふうなことをやってはいかぬとかいうことは知らぬわけです。そして何とか相互銀行なう何とか相互銀行、あるいは常磐の場合なら常磐という看板をかけた店に打って金を預けた以上は、その間において多少の口聞きや何かがあったとしても、これは、預金者としては善意の注意を払っていると私は思う。これが単に口聞きだけでやったというのなら別だけれども、銀行まで行って窓口で損金をしておるということは、やはり損金者としての正当な善意の注意を払っておる。にもかかわらずそれ以上のからくりがあって、受け取ったところの通帳は五十万円だが、元帳は十方円にしかなっていない、これは一体だれが知ることができるか、これはお七らく神様でも知ることはできないだろう。そういうような巧妙な方法で、銀行の正規の職員において行われたものがこういうようなことであった。それを調べてみるならば、からくりが多少あったとか、あるいはまた金融ブローカーがその店に来るところまでを訪っておるとか、そういうふうな過程はあるでしょう。あるけれども、預金者としては、それに渡さずに本店まで来ておる。こういうふうな点については、やはり同情すべきものが多々あるだろう。こういうような点について、銀行がこれを突っぱねて、これは金額が大きいから、これをしょったならば金融機関の再建ができないということで、今日裁判があって、裁判で銀行に支払えという判決が出るならば払いましょう、そういうふうな態度を持ってやっておることは、銀行の信用を著しく落し、また預金者保護に名をかりたところの金融政策というものの行政に相反するものである、こういうふうに考えるのであります。従って、裁判の結論を待つというのではなしに、もっと銀行の信用を中心としたところの行政方法で解決をつけるべきではないか、こういうふうに考えますが、この点について伺いたい。
○東條政府委員 常磐の場合におきましては、片桐某という特定の人が実は預金を預かっておる。また本店に行きましても、正規の窓口へ出しておるという事例ではございません。そういう意味におきまして、特定の問題をあまり詳しく申し上げるのは私は差し控えたいと思いますが、また預金者側のいろいろの事情を調べてみますと、今横錢委員の仰せのように、善意の預金者であるという断定を下すことが適当であるかどうか、その事実関係に実は問題がある、こうあの問題については見ております。しかし全体の御趣旨として、金融機関は信用を重しとする経営をすべきである、善意の預金者の保護にはできるだけ事欠かぬようにやるべきであるという趣旨につきましては、御同感でありますので、できるだけ今後そういう指導をしていきたいと考えております。
○横錢委員 常磐相互の場合について、やはり詳しく知っておると思うのですが、今の問題は、預金者の方に落度がある、従って、これは払わなくても差しつかえないものである、こういうような解釈の上に立っての御答弁だと思うのです。だとすれば、私の考え方と相隔たること千里の差がある。従って、もう少し明確に、何がゆえに預金者に落度があったかということをお述べいただきたい。
○東條政府委員 私の承知しておりますところでは、預金者は、本店には参りましたものの、本来本店勤務でない片桐という人に個人的に金を渡した、それも正規の窓口ではないというようなやり方をいたしておるわけであります。それからその預金通帳が転々売買と申しますと語弊がありますが、相当譲渡されておる。また譲渡の裏には、善意の預金者でないというように想定されますような節もある、さような観点から、これを一般の善意の預金者として断定することは困難であるというように考えております。
○横錢委員 預金者が銀行に行って預金するとすれば、五十万なり百万なりという金は大金である。従って預金をしてくれというあっせんがあったからと言って、常磐の本店に出かけて参り、そこの窓口ではなるほど預けないかもしれないが、応接室に通されてお茶を出され、銀行員に接待されて、そうしてその金を預けて、かわりに通帳を渡されておる、こういうふうな行為は正常な行為でないと言うのか。とすれば、大口の預金をする場合には、何も直接窓口に行かずに、応接室でやるということは通常の例でしょう。通常の例の方法で行われておるものを、この場合においては悪意の預金者であると言うことは少しおかしい。これは太田だとか片桐だとかいうそういう陰謀を行なった者が悪意の人々であって、これに利用されて預金をしたという者には悪意はないはずです。その間において、あるいは預けてくれるならば特別の一分なり二分なりの金利を上げましょうというような約束につられたという点はありましょう。その点の欠陥はおそらくあるだろうと思いますが、しかし、五十万なり百かなりの金が十万円にしかならなくて、あとの金は全部銀行に収奪されてそのままになってしまった、しかも、これに対しては裁判の結果を待たなければならぬというようなことについては、銀行に関する行政というものが、預金者の方に対しては、そういうわずかの傷をつかまえて悪意の預金者であるというふうに片づけておいて、金融機関の保護だけをしておるというようなことは、当を得ない処置ではないかというふうに考えておりますが、その点をさらにお伺いいたします。
○東條政府委員 あの案件につきましては、今申し上げましたように、本店勤務でない片桐という者を相手力としたということ、あるいはその預金証言というものが転々売買されるというようなことで、預金者といたしまして、本来正規の預金と信じ込んでおったということには考えにくい節もあるので、実は私どもとしてもいろいろ勘案いたしまして、この案件は、金融機関の正規の預金として取り扱うべきであるという判定をいたすことはできないという事実判断をただいまいたしておるわけであります。応接室に通されたということだけでもってこの問題を考えておるということではない、こういうことだけは申し上げておきたいと思います。
○横錢委員 今言われた通帳が転々売買されておるというような趣旨、あるいはそういうことがあるのか、これは私は承知していないのですが、売買をされておらずに、預金そのものが、五十万円預金したものがそのまま十万円と元帳にはなっており、そのままの通帳を使っておるというような事例をわれわれは見ておるわけでありますが、これは今の局長の答弁の、転々売買されたということとだいぶ内容が違うわけであります。しからばこの問題に対して、もう少し預金者側の意見、あるいは銀行の意見等を聞いて、現在の処理されているものに対して、さらに新たなる観点から問題を考えてみる必要が、あるかないか、それをやるところの意思が銀行局の方にあるかどうか、この出前を一つ向いたい。
○東條政府委員 ただいまのところは、私といたしましては、既定方針を変更するということは考えておりません。なお相当具体的な問題でございますので、一つ別途適当な機会に、横錢委員にこの問題につきましては御説明させていただくということで、御了承いただきたいと思います。
○横錢委員 今の点では、局長に入っている内容とはだいぶ違うものがたくさんあります。従って、この問題をまた新たにして取り上げてみたい。また銀行局の方としても、預金者保護に対するもう少ししっかりした考え方を打ち出されるように、またそういう観点からこの問題も再検討されるように要望しておきたいと思います。あとの質問は支払い準備預金の審議の際に譲って、一応この程度にいたします。
○山本委員長 石村英雄君。
○石村委員 ごく簡単にお尋ねいたします。金融関係の四つの法案が出ておりますが、準備預金の法案以外の三つは、不当契約にいたしましても、また何とかいうものにいたしましても、いずれも大蔵省のお役人の無能力を告白せられた法案のように考えますが、いかがでございますか。
○東條政府委員 銀行局におります私どもといたしましては、微力を尽して事務をとっておりますが、いろいろ不行き届きの点がございまして御叱正をいただいておりますことは、大へん恐縮に存じます。今後ともいろいろ努力いたして参りますので、この上とも御指導願いたいと思います。
○石村委員 私は人を責めることがきらいですから、この程度にしておきます。 そこでお尋ねしますが、まあ無能力ではないと思いますけれども、今度こういう金融状態になりまして、またがってのように両建、歩積みというのが行われるのではないか。これは、今まで金融が緩慢なときでも絶無ではなかったわけですが、これが再び以前のように盛んに行われる傾向が出てきたと思います。これに対して、無能力でない大蔵省のお役人として、どういう措置を敏速におとりになるか、御説明をお願いしたいと思います。
○東條政府委員 お話しのように、金融が比較的締って参りますと、私どもといたしましても最も注意しなければならぬのは、両建、歩積みの問題でございます。これにつきましては、すでに金融機関側におきまして、両建、歩禎みを十分自粛するということもわれわれの方に申し出ております。これにつきまして、私どもも金融機関に対しましては、絶えずこの両建、歩積みの問題につきましては、報告を徴し、あるいは検査のときにその点に重点を置くというように、監督官庁としても配慮をいたしておりますが、何と申しましても、これは金融機関がその仕事をしていきます場合の心がまえということが私は根本であろうと思います。この点につきましては、従来とも十分警告をいたしておりますが、こういう事態でございますから、今後とも十分取り締っていきたいと考えております。
○石村委員 お説の通りだとは思いますが、金融機関の心がまえの問題だということですけれども、心がまえさえよかったらこういう不当契約の取締りの法案なんか出さなくてもいいと思うのです。こんなものを出さなければならぬということは、金融機関を侮辱したような法案だと思うのです。ところが残念ながら、現在の金融機関の心がまえは、決してほめるわけにはいかない。もうかってのようなあの両建、歩積みを横行させないように、今後再びわれわれから大蔵省のお役人は無能力だ、こう言われないように十分やっていただきたいと思います。 それから今度はごく小さなことをお尋ねします。われわれがつける附帯決議がどうも悪文だという批評を大蔵省のお役人がなさったそうですが……(「政務次官だよ」と呼ぶ者あり)まあ政務次官も役人だ。——不当契約の取締りに関する法律を見ましたが、これも悪文と言ったらいいか、わからないと言ったらいいか、大へん解釈に苦しむ、相当頭を冷やして読まなければわからないような文句があるのです。三条ですが、これは二条の一項、二項とうらはらだと思います。預金者あるいは媒介をする者の禁止を、同時に三条によって金融機関に禁止しているのだと思いますが、この二行目の終りから読みますと「これらの規定に規定する旨を約してはならない。」となっております。「規定に規定する旨を約してはならない。」ということを単純に読みますと、金融機関が二条かなんかを規定をする約束をしてはならないというようにとれるわけですが、「規定に規定する旨を約してはならない。」というのはちょっとわかりにくいと思う。おそらく私の想像では、これは私の解釈が間煙いかもしれませんが、「規定する旨」というのは、二条にいう「債務の保証をすべき旨を約してはならない。」の「旨」という言葉をそのまま受けておるのではないか、こう考えるのですが、どうも日本語としては無理な書き方のように思う。私の解釈が間違っておればいよいよ無理だということがはっきりすると思うのですが、御説明願いたい。
○東條政府委員 「これらの規定に規定する旨」と書きました意味は、第三条は書き出しのところに「前条第一項又は第二項に規定する目的を有するものを相手方として」ということで、第二条第一項あるいは第二項というものを第三条の初めに一応引用いたしましたので、その重複を避けまして「これらの規定に」という言葉を使ったわけでございまして、はなはだお目ざわりではございますが、法制局、法務省あたりと十分相談をいたしました、いわば慣例的な法律の規定の仕方でございますので、御了承を願いたいと存じます。そこで中身は何だということでございますが、これは、今申し上げました第一項または第二項に規定しておるその中身の意味でございまして、結論的には、今石村委員の仰せになりましたことをさしているわけでございます。
○石村委員 これは国語学者を呼んできて尋ねた方がいいと思うのですが、こういう「規正に規定する旨を約してはならない。」というような例は、法律にはまだたくさんありますか。
○東條政府委員 慣例用語でございまして、ほかにも事例は多いと存じております。
○石村委員 むずかしい書き方をしないで、少々印刷は長くなってもかまいませんから、わかりいい言葉を法律もやはり使うようにしていただきたいと思うのです。 それから次に「特別の金銭上の利益を得る目的」というのが今度の一つの条件です。これは法律家なら簡単にわかると思うのですが、私は法律家でないからお尋ねしますけれども、その利益が金銭的に評価できるもの、こういう意味でございますか。
○東條政府委員 お話しの通りでございまして、やはり金銭的な意味を持った利益、金銭に評価できる利益、こういうことであります。従いまして、単純な物品というようなものは含まれない。いわば財産上の利益という言葉よりは範囲が狭いというふうに考えております。
○石村委員 ちょっとはっきり聞き取れなかったのですが、物品なんか含まないというようにおっしゃったと思いますが、たとえば横山大観の軸をもらうということは、金銭に評価すればだいぶ大きな金銭だと思うのですけれども、そんなものはやはり含まないのですか。
○東條政府委員 物品でございましても、いわば脱法行為といたしまして行われております場合は、これはもう当然入るという解釈でありまして、横山大観の軸のごとく非常に高価なものはもちろんこの「金銭上」には入ります。
○石村委員 それから四条の二号は、ただいまお話しになった脱法行為を禁止した規定だと考えますが、脱法行為というものは、本来何も規定しなくてもこれは違反になるのじゃないかと思う。この二号が特にそうしたことを規定したのは、二条あるいは三条の規定の網を広くしたという意味も含まれておるのではないかと思いますが、たとえばどういうような点が特に四条の二号で禁止されることになるか、予想せられる例示をお願いいたしたいと思います。
○東條政府委員 最初に技術的な点でございますが、最近の立法例では、やはりこういう罰則の場合におきましては、疑義を避けるというような趣旨から、脱法行為につきましても、こういういわば念のための規定を置くという立法例になっております。また立法の本旨からいたしまして、やはりこういう重い罰則の規定でございますから、立法技術的にもその方が穏当ではなかろうか、こう考えまして、最近の立法例に従っておるわけであります。そこで、どういう具体的な事例があるだろうかという御質問でございますが、先ほど横鏡委員から例示的なお尋ねがございましたが、たとえば名前だけは預金をやった保証料というような名義でとりましても、事実が第二条に該当する、あるいは第二条第二項に該当するという場合におきましては、やはりこの「特別の金銭上の利益を得る目的」だというふうに判定できる場合が多かろうと私は存じております。
○石村委員 そうしますと、この四条の二号は、脱法行為の禁止の念のための規定にすぎないということにとどまるわけですね。
○東條政府委員 仰せの通りでございます。
○山本委員長 私からちょっとお諮り申し上げます。質問通告をされました奧村又十郎君がただいまお席に見えぬ様子です。そこで、奧村君の御出席を待って質疑をお願いするか、それとも奧村君以外に他からは質疑の通告がございませんので、この際質疑を終了していいか、こういう点をお諮りしたいのですが、いかがでしょう。 〔「打ち切って下さい」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 それでは他に質疑がないようでありますから、両法律案に対する質疑はこの程度で終了するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって両法律案に対する質疑は終了いたしました。、 これより討論に入るのであります。が、討論の通告が別段ありませんので、討論を省略して直ちに採決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。お諮りいたします。両法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、両法律案は全会一致をもって可決いたしました。 この際お諮りいたしますが、ただいま議決されました両法律案につきましての委員会報告書の作成及びその手続等につきましては、先例によって委員長に御一任願ってよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 —————————————
○小山(長)委員 この際、本委員会より所管事項調査のため委員を議員派遣として外国に派遣するという動議を提出いたします。 すなわちわが国の税制及び金融制度はなお多くの問題がありますので、海外各国におけるこれらの制度を実地に調査研究する必要が痛感されるのであります。特に関税の制度あるいは外国為替の実施状況等、その他あわせて調査いたしたい事項は多々あるのであります。本委員会は、四年前委員数名が議員派遣として欧米各国に派遣されまして、これらの調査を行なったのでありますが、その後の推移にかんがみ、最近における税制及び金融制度、あるいは外国為替の制度、あるいは関税の制度等調査のため、今回さらに欧米及び中南米各国に本委員会の委員を議員派遣として実現されたいのであります。よって、各位の御賛成を得まして、これが実現のため、委員長において善処されんことを要望する動議を提出いたします。
○山本委員長 小山君の動議に御賛成ですか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 それでは、委員長において直ちにその善処について努力をいたします。 暫時休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後二時七分開議
○山本委員長 それでは、休憩前に引き続き、会議を開きます。 臨時通貨法の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。質疑はこざいませんか。——質疑はないようでありますから、これにて本法律案に対する質疑を終了することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、本法律案に対する質疑は終了いたしました。 これより討論に入るのでありますが、討論の通告が別段ありませんので、直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、これより採決に入ります。本法律案を原案の通り可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、本法律は全会一致をもって、原案の通り可決いたしました。 次に、横山委員より、ただいま議決いたしました臨時通貨法の一部を改正する法律案に対する附帯決議について発言を求められておりますので、これを許します。横山利秋君。
○横山委員 まず附帯決議の案文を朗読いたします。 臨時通貨法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 百円硬貨の発行に当っては政府は次の諸点に充分配慮をすべきである。 一、みつまたの政府買上量については今後三十一年度水準を下廻らないようにすること。 一、各種紙幣の廃棄率をたかめること。 一、百円硬貨の銀の含有量を可及的多くするとともにその大きさについては十円貨程度とすること。 一、印刷局造幣局の職員に対して、人員整理させずその他労働条件の低下などなさないよう配慮すること。 以上でありますが、この内容につきましては、すでに本委員会の質疑応答を通じて政府の見解もただし、かつ具体的な問題については、理事会におきましていろいろと討論もされ、与野党一致した見解になっておる諸問題でもございますので、あえて説明をいたしませんが、全会一致決定されるよう要望いんします。
○山本委員長 ただいま横山委員より従出されました臨時通貨法の一部を改正する法律案に対する附帯決議について採決をいたします。お諮りいたします。本附帯決議を可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、本附帯決議は全会一致をもって可決をいたしました。 —————————————
○山本委員長 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際お諮りをいたします。本法律案につきましては、質疑及び討論の通告がございませんので、直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御用議なしと認めます。よってさように決しました。 これより本法律案について採決をいたします。本法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって本法律案は原案の通り可決いたしました。 この際お諮りをいたしますが、ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会の報告言の作成、提出手続等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。 —————————————
○山本委員長 次に、準備預金制度に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。横錢重吉君。
○横錢委員 準備預金制度の法案に関して、大臣の御答弁を少しく承わっておきたいと思います。きのう日銀の公定歩合の引き上げ問題については、日銀総裁を呼んで種々質疑を行なったわけですが、十分なお答えを得ていないわけでありますので、さらにまた大臣の御答弁を承わっておきたい、こう考えております。この二月、三月におけるところの予具案の審議に当って、大蔵大臣は積極財政を盛んに推進をしまして、日本はインフレにもならない、あるいはまたての他の不必要な摩擦等も起さない、こういうふうに言われて、積極財政を進めたわけですが、現実にはそれに反して、公定歩合の引き上げを行なったり、金融引き締めを大急ぎでやらなければならない、外貨も必要額を割ってくる、こういうふうな情勢を招いてきにわけですが、こういうふうな情勢にばることは、あらかじめあの予算等の通過の際に計算をしておられたのかどうか、あるいはその当時の見込み違いとこういうふうな情勢になったのかどうか、この点についての御意見を承わりたい。
○池田国務大臣 私からこういうことこ申し上げるといかがかと思いまするが、率直に申し上げますと、経済というものは生きものでございます。そのときどきによっていろいろな様相を呈することは、やむを得ないのでございます。ことに日本のように、その基盤、が十分でなくて、しかも世界経済の動きにかなり影響され、そしてまた国内的にもいろいろの見方があります場合におきましては、ときに行き過ぎたり、あるいはまた縮み過ぎたりすることは、これは前提として、経済財政の運営において常に考えていなければなりぬことでございます。従いまして、今の日本の現状は、どちらかといえば、民間の投融資はかなり旺盛でございます。しかして民間の投融資に応ずるだけの基幹産業、すなわち主として財政部門で見ていく方面につきましては、これが引っ込み思案なのであります。そこでわれわれといたしましては、財政演説で申し上げましたごとく、民間における産業のネックの点、ことに基幹産業の点につきまして政府が積極的にやろう、それから民間の方の分につきましては、相当の投資意欲があるので、この点につきましては、財政演説で申し上げましたごとく、健全な金融の建前を保持し、すなわち預金の増加に見合う貸し出し増加で、しかもそれが適切な方面に向うことを私は期待して、そういうふうに努力する、こういうことを申し上げておるのであります。従いまして、その後における状況を見まするというと、必ずしもわれわれが期待しておったごとく、預金の範囲内においての投資ということをこえてるような節が相当あるのでございます。従いまして、私はこの金利の問題について、三月の中ごろ高率適用の緩和と一厘の引き上げをいたします場合に、日本銀行から相談を受けまして、適当な措置と考えましたゆえんのものは、高率適用を緩和することによって資金の貸し出しを楽にするが、片一方一厘の値上げによりましてそれを緩和する、すなわち今後における弾力的金融政策の素地を作るということで、国会でも答弁いたしておったのであります。その後わが国の輸入が減るどころか、かなりふえて参りました。お話しの通りに、外貨につきましても、不自由とは申しませんが、こういうところで、適正な輸入にしてもやはり程度を考えなければならぬし、また輸入を抑えるということよりも先に、国内投資が日本の力に相応したものかどうかということを考えますると、ことしに入りましてからも、今の民間で考えております投資は少し行き過ぎではないか、こういう気がいたしておったのであります。従いまして国内の過剰投資、投資の行き過ぎをここで抑えて、ひいてはまた国際収支、いわゆる輸入の増大、急激な増大を抑える補助的な意味において金利を上げることにしたのでございます。 しからば、初めにおいてそういうことは考えていなかったかという御質問でございまするが、生きものでございますから、状態を見ながら適切な措置をとっていかなければならぬということは、三月の公定歩合の緩和のときから考えておったことでございます。こういうことは、予算の編成のときには、こういうふうな場合にはこういう手を打つ、こういう場合はこういう考え方をするということは言わずもがなでございまして、財政演説といたしましては、政府は積極的な健全財政をとります、民間においては預金の増加の範囲において貸し出しをするという健全金融でいってもらいたい、こう言っておったのでございまして、将来金利の引き上げとか高率適用の緩和ということにつきましては触れていないというゆえんのものは、やはりそのときどきによって適切な方策をとるということが、財政経済政策の原則でございます。財政につきましては国会の承認がございまするが、金融政策につきましては、一応の見通しを、原則を立てて、そうしてその原則から行き過ぎるような場合にはこれを抑える、また行き足らぬときにはこれを助長するということは、金融政策の根幹をなすものでございまして、私は見通しの誤まり誤まりでないという問題ではないと思います。
○横錢委員 積極財政を展開したときに、この財政は必ずインフレを伴ってくるであろう、こういうような考え方のもとにわれわれは質問を続けたと思うのでありまして、それが今の御答弁によると、弾力的な金融政策である、生きものである、こういうふうな御答弁であるが、それにもかかわらず、大体われわれがおそれておったところの方向がそのまま出てきておるのではないか、こういうふうに現在の経済情勢では見られる、こう思うのです。そこで、きのうの当局に対しての質疑によって明らかになったことは、今言われたところのこの積極財政が過剰投資を招いて、その過剰投資がどの程度のものかということは、三十年中に四大産業が八百七十二億の投資が三十一年は千十一億、化繊は二十一億のものが百三十億、化学工業は百一億が二百四十五億というように二倍、三倍、あるいは七倍にも相当するような投資の行き過ぎと見られるようなものが行われておるわけです。こういうような過剰投資に対して、大臣としてはどういうふうな見方をしておるのか。これが過剰投資であるか、あるいは正常な積極的な投資と見るか、この点についての御見解を一つ承わりたい。
○池田国務大臣 三十年、三十一年の投資の状況は相当旺盛でございまして、ことに三十一年におきましては、かなりその度合いが上って参ったのでございます。銀行の貸し出し状況から見ましても、今のお話のように繊維部門、それから化学部門は、三十一年度におきまして相当の銀行の貸し出し増加が見込まれました。しかし片方におきまして、鉄等基幹産業におきましては、他の産業よりも貸し出しの増加が非常に少かったのであります。今度三十二年度におきましては、われわれは今の基幹産業に次ぐもの、すなわち鉄鋼とか、あるいは石炭、あるいは電力等に相当の金が向うことを期待いたしておるのであります。従いまして、三十一年度のように非常に合理化、あるいは投資の進んだものをそのままほっておき、またおくれたものをどしどしやろうということになりますと、先ほど申し上げましたように、資金の蓄積の範囲をこえますから、そこでわれわれは、財政投融資につきましては、必要欠くべからざるものでございまするからぜひこれを続けて参りまするが、民間の方におきましては、全体として過剰投資にならないように、しかもまた従来相当投資が進んだものは少し手控えしてもらって、投資のおくれている方にこれを向けていこうという考え方できておるのであります。
○横錢委員 投資はこういうふうに活発に行われておるのであるが、その結果が金融の逼迫を来たしてきておる。そこで、日本においてこの産業設備の更新は、戦後十年たって、諸外国との競争からいっても、これは相当程度更新しなければならないということがしきりに叫ばれてきたのであります。従って投資がどしどし設備投資になされるということは、これは大方の見方が一致しておったと思うのです。ただ問題は、このやり方であって、この設備の更新が必要な部門に向って、必要な程度の統制をされた設備更新が行われているか、あるいは各社各様のまちまちの態度からの設備更新を行なっているのか、この間に何らの指導もしておらないのか。この点は、たとえば砂糖の日本における精製能力のように、実際上の必要な精製能力よりもその四割以上もの精製設備というものを、砂糖がもうかるからというので持って、どしどし作ってしまう、こういうような国家的な遊休設備を持つということは、再び許し得ないところの問題であろう、こういうふうに考えておるのだが、こういうようなあやまちを犯さないところの用意というもの、そういう措置というもの、これをとってやられたのかどうか。この点について承わりたい。
○池田国務大臣 お話しの点はまことにもっともでございます。しかし今の実情といたしましては、最近は砂糖におきましてはございませんが、一番問題になりまする紡績関係の点につきましても、あるいは生産制限ということのみならず、設備につきましても制限をしようとしてみますと、なかなかそれが実際に効果が上がらないのであります。制限しようとする前に急にこれがまた増加したりする等、いろいろの困難な点はございます。また一つの産業につきましても、これは必要だというので認めましても、経営者の立場から見ますると、絶対に必要な部門を拡張改善するのみならず、付属設備とか、あるいはまた今後もこういうことがあろうかというので、相当設備を大規模に計画しがちなものでございます。そういうところの、この分が必要最小限度、これは将来に必要になるかもわからぬ、これは大した問題ではないということを区別することはなかなか困難でございます。従いまして、これを総体的にうまくやっていくのは、やはり金利を引き上げて、あまり投資してもその金利が償われぬぞというところを見せることが、一番効果的であると私は考えるのであります。個々の企業につきまして、個々の工場についてこうしろ、ああしろということは、なかなか困難でございます。今回の金利の引き上げの点も、そういうことを考えまして、必要であろうが、できるだけそれを必要最小限度にとどめていただきたいということが、やはり日銀総裁なんかの考えておられるところだと私は思っておるのであります。
○石村委員 関連して……。先ほどの検鏡委員の質問中、財政投融資のことでちょっとお尋ねしますが、財政投融資の公募債なんかが、約八百四十五億ですか、あるわけですが、最近の新聞を見ますと、日銀の公定歩合のせんだっての引き上げに伴って、公募債の消化が不可能になった、こういうようなことが伝えられておりますが、政府としては、もし現在消化ができないとすれば、最初予定せられた発行条件なんかを変えて消化に努められる御意思があるのかどうか、あるいは最初の予定通りに消化はりっぱにできるというお見込みであるかどうか、お話し願いたいと思います。
○池田国務大臣 結論から申しますと、政府の計画いたしております財政投融資関係の公債、社債の発行は、可能と考えております。その理由を申し上げますると、今回貸付金利につきまして二厘上げました。民間の方もこれに追随してくると私は考えております。そうすると、社債や公債を持つよりも他の貸付をした方がいいというのが普通の考え方でございます。しかし、その場合におきまして、銀行の資金源を見ますと、今度は短期のいわゆる普通預金等につきましては、ある程度の預金金利の引き上げをいたしましたが、銀行の資金源の大部分を占めまする長期性の預金につきましては、据置をいたしておるのであります。この点は、われわれが石村君のような点を考慮いたしまして、この際長期預金利子は引き上げない、そうして公社債の消化に努めていく、この措置で私はできると考えておるのであります。また銀行も、その公共性にかんがみまして、一般に貸し付けた方が得になるというふうなことばかりでいくべきではございません。これは、私は良識ある銀行家は、われわれの期待に合致してくれるという確信を持っておるのであります。そういうふうにしないと、貸付金利を上げる必要があって上げた場合に、全部の金利を上げて、そうして全体の長期資金にまで金利引き上げというふうなことをやることは策の得たものではございません。銀行の間におきましては、新聞の伝うるところでは、定期預金利子まで上げたいという気持があったようでございますが、私は臨時金利調整法によりましての考え方としては、長期資金の預金利子は上げるべきにあらず、公社債は今の水準でいくべきだという考えを持ら、またそれで今後指導していきたいと考えております。
○石村委員 現在の日本の公社債の消化は、個人消化というものは非常に少くて、大部分は金融機関の消化に待つことが非常に大きいのではないかと思う。個人が非常にたくさん公社債を買っておるなら、大蔵大臣のお説の通りにあるいはいくかと思いますが、金融機関に大部分依存しておる現状から考えますと、これは、結局大蔵大臣の言う金融機関の一つの良識に期待せざるを得ない、こういうことになると思う。金融機関の良識に大蔵大臣は非常に期待はされておりますが、経済の実態からいくと、銀行も良識々々と言ったって、そろばん勘定もいろいろありましょうし、金利が全般的に上ってくれば、公社債の金利も上げてもらわなければ困るというのも無理のないことなのではないか、こう思うのです。大蔵大臣としては、その良識に期待されて、さしあたりは消化困難かもしれないが、近い将来において、この計画された公募債は完全に消化できるという自信を持っていらっしゃるのかと思うのですが、どうなんですか。
○池田国務大臣 先ほど申し上げましたように、完全に消化される自信を持っております。その理由は、銀行の資金源の大部分とは申しませんが、相当の部分を占めている定期預金の利子は上げておりませんので、預金コストはあまり上っておりません。しかも今の普通銀行の状態では、相当利益は上っております。しかも、今度は貸付金利を上げるということになると、もっと利益が出てくる。そうしますと、日本の経済に長い目で見て役立つために、社債、公債というものの金利水準を維持し、定期預金利子もこれでいくのが普通のやり方なんです。銀行も公的機関たる本質にかんがみまして、協力してくれることを私は確信しております。現にそういう心配をする人もあり、また新聞にも載っておりますが、これは早い話が、実情をごらん下さいましたら、私の言うことが誤まりでない、現に銀行の引き受けの方もどんどん話を進めておりますから、この点はあまり心配は要らないと思います。
○横錢委員 設備の増強あるいは更新に当って、今までの答弁では、各社各様に行われておって、その間における政府としての必要な、あるいは有効な統制等は行われておらない、こういうふうに聞くのですが、そうすると、実際上の力というものは、投資したところの設備というものが十分な力が出ない結果になってくる。お互いに過剰設備をやった上は共倒れになる、あるいはまた操業短縮をしなければならぬ、やがて一、二年の後には、こういうことを招く結果になるのではないか、こういうふうにおそれるのです。たとえば今の政府としてやらなければならない道路の整備ということは、はなはだしくおくれておる。それにもかかわらず、自動車の方だけはどんどん投資が行われるから、自動車産業だけは発達して自動車がはんらんする。それに対して道路の行政は非常におくれておるということが、現実のあれにも出ておりますし、あるいはまた工場の設備ということはどしどし行なっていくが、それに必要なところの電源の開発という計画が非常におくれておるために、そこにアンバランスができるのではないかというふうに思うのでありますが、この点に対して何らかもう少し——あなた方の方は自由経済の党であるからして統制できないのだと言えばそれまでであるが、しかしながら、野放しの自由経済ということはあり得ないのであって、もう少しこういうような基幹産業の面については、何らか政府としての対策を立ててしかるべきではないか、こういうふうに思うのだが、その辺についてお伺いいたします。
○池田国務大臣 横錢さんと同じ考え方で進んでおるわけであります。このままにしておきますと、各産業思い思いに設備の拡張をして参ります。むろん設備の拡張もよろしゅうございましよう。しかし同じ設備の拡張でも、実際さしむき要るいわゆる工場の合理化、その他の最小限度の拡張にとどめておればよろしいが、いろいろな付帯施設とか、あるいは必要以上の厚生施設とかいうものに出したがるものであります。それからまた土地でも、五万坪あればよいものを十万坪買っておこうかということになりやすいのであります。そこで私は、どうしても必要な産業をとらえてきても、必要最小限度にとどめてもらいたい。ということは、今の金利を引き上げますと、そんなに早く大きい計画を立てるということもないだろう、こういうので、金利の引き上げ等、いわゆる過剰投資を押えるのが今度の措置であります。従いまして、今の公社債の問題につきましても、政府は、今の基幹産業、隘路産業に力を入れようというのでありますから、きのうも、ここで実行予算を作るかというようなお話があったようでありますが、また新聞にもあったようでありますが、私ははっきり言っております。実行予算は今のところ作る必要はないのだ、民間を押えて基幹産業、政府関係産業の分を進めなければいけない、こう言っておるのであります。あなたのおっしゃる通りにいたしたいというので、公社債も発行できるように、そうしてまた民間の方で行き過ぎないようにするための措置が金利の引き上げ等でございます。今またここで御審議願っております準備預金制度も、今日本では、こういう投資の行き過ぎを抑えるのにはいろいろな方法がございます。たとえば公定歩合の引き上げもありましょう。あるいは日本の特殊な高率適用の問題もありましょう。これは邪道でありますが、しかし、そういうものよりももっと効果的なのは、銀行の貸し出しを抑えるための準備預金制度が一番有効なのでございます。ことにまた石村さんがおっしゃるように、公社債市場というものがないので、売りオペ、買いオペというものが外国のように行われません。しかしこの売りオペ、買いオペをやるようにするのには、今言ったように、公社債というものがずっと普及いたしまして、公社債市場というものがなければならぬ。日本は公債を出しておりません。社債も微々たるものであります。しかも銀行が持つというような状態でありますから、今後公社債市場を拡大するということ、そうしてまた日本では、月賦販売制度もございませんが、外国では、金融の引き締めにより生じてくるものは、まず月賦販売制度の強化、支払い準備預金の活用、その次には買いオペ、売りオペ、その次にくるのが公定歩合の引き上げであります。日本では公定歩合の引き上げしか打つ手がない。ほんとうにあなたのおっしゃったような過剰投資をとめたり、有効な方に金を向けようという制度が不備であります。そこで今回は、この普通いわれております支払い準備預金制度を拡充いたしまして、まだ公社債市場とか、あるいは月賦販売制度というものは日本ではそう一年や二年では期待できませんので、この際日本が十分な態勢を整えて経済を伸ばしていくのには、少くともこの準備預金制度を強化しなければうまくやっていけないのじゃないか。もしも今回のような場合におきまして支払い準備預金制度があったならば、何も今石村さんから問題にされたような金利の引き上げとかなんとかいうことなしにやっていけただろうと思いますし、少くとも選択的な余地がありますが、今の現状のように、公定歩合を引き上げるほかに金融措置ができないという国は、おそらく世界の相当の国にはないという状態でありますので、会期末でありますが急いで御審議を願いたいというのも、あなたの今おっしゃるような意味において考えておるのであります。
○横錢委員 金利の引き上げ問題をめぐっていま一つ出てきておる大きな問題は、東北電力と北陸電力とが二割何分かの電力料金の引き上げを通産大臣に申請をしたいということだと思うのです。この電力料金の引き上げの理由については、まあいろいろあるだろうと思うのですが、特にこの内容の中で大事な点は、金利が経営を食っておるということです。詳細なものは私見ておらないが、その電力料金引き上げの経営上の分析等を見ると、はなはだしく金利が経営を圧迫しておる。しかも、その金利の中心をなしておるものは開発銀行の金利である。開発銀行の金利は、現在六分五厘でこれが貸し出されておるのであります。もしこの電力料金の改訂に当って、この開発銀行の金利というものを現在よりも下げることができるならば、これほどの電力料金の値上げ問題は起ってこないのではないか、こういうようにも考えるし、あるいはまた金利引き上げの一つの傾向に伴って、開発銀行の金利もまた上げなければならないというようなことになるならば、さらには電力料金の引き上げという問題も起ってくるであろう、こういうように考えるわけだが、この開発銀行の融資についてはどういうふうに考えるか、また電力料金なんかの問題についてはどう考えておるか、この点御意見をお聞きしたい。
○池田国務大臣 まず東北電力のことからお話し申し上げますが、私は所管でございませんから詳しくは存じません。しかし、今の東北電力の電力料を上げざるを得ない理由は、いろんな点があると思います。それは、各電力会社とは違いまして——昔のように、一キロの発電が非常に安かったというふうな場合におきまして、たとえば猪苗代湖のようなものは東京電力がほとんど持っております。しこうして東北電力では、最近の高くついた発電設備を持っております。だから金利が高いということよりも、今の設備のコストが、東京電力に比べまして東北電力は非常に高くついている。しかも片一方では、電力料が非常に安いと言い得ます。電灯料はあまり違いません、少しくらい安いのですが、動力の点に至りますと、東京電力に比べまして三割前後、あるいは四割近くも安い。そうしますと、電力をたくさん使う会社は、東北地区へ最近はどんどん行っております。ますます不足するということになっております。こういうふうな関係で、各九電力会社の内容を見ましても、いい電力会社は償却を、東北電力よりも割合にして五割ぐらいたくさんしております。あるいは各電力会社は、何百億円の分を定額法でいくのが普通でございます。これを定率法でいざますと、初めの方の償却が非常に高てつくのでありますが、内容のいい会社と申しますか、昔からの発電設備を付ち、今後もどんどんやっていって、しかも電灯料なんかがたくさん出る関四電力、東京電力につきましては、償却率というものは非常にたくさんやっても、なおかつ楽に一割二分の配当ができる。東北電力なんかは、法定償却り最低限度までやっても、ほとんど一割二分の配当に困る。その原因はどこにあるかというと、金利の問題よりも、今までの設備の分け方の問題からきております。従来電力が安かったのをそのまま続いてつないできておるから、もと通り他並みに電力料金を上げるならば相当やっていけましょう。しがし今までの関係からよそ並みに、東北が東京並みに上げていくこともいかがでございましょうから、検討しておりのであります。金利の問題は私は二の次だと思う。しこうして今度開発銀行り今の六分五厘の金利を上げるかというと、これは上げません。上げるべきではないと思います。開発銀行は、御承知の通りあまりコストのかかってないお金でございます。政府の出資あるいは対日援助見返資金のなりかわった分でございまして、コストのかからぬ分でございますから、こういうところこそ政府は低金利でどんどんいくべきだと考えておりますから、六分五厘の利子を上げる気持はございません。
○横錢委員 設備の更新がどしどし行われる、工場の計画が立つ。工場計画の速度と電力の開発の速度とは食い違いを来たしておる。そこで、各電力会社に対する電力需用というものははなはだしいものがあるが、開発計画はこれに伴わない。しかも、今仰せのことく、一キロワットの発電費用はもうすでに十万円をこえるに至っております。それは初めは、低地の方の、費用のかからない所に建設しておったから、建設費は安かったが、最近における、奥地へ奥地へと入っていく建設の方法、あるいはまたダムの建設ということになりますと、これは膨大な費用が炉かってくる。膨大な費用がかかることは、とりもなおさず建設費の増大、建設興がほとんど借入金でまかなわれる。借入金の利子はまた当然経営に対して圧迫してくる。従って、今後の電力料金の値下げということは、今の状況では、経営のいい東京あるいは関西電力においても考えられないのではないか。ましてやその他の電力会社においては、ここで上げただけにとどまらずに、次から次へと料金の改訂をしていかなければ、産業の需用に間に合わせることができないのではないか、こういうふうに見るわけです。そうすると、これは日本の産業としての大問題であるところの電力料金が、現在の程度にとどまらずして、次か、次へと上げなければならない状況、しかもそれらの要素は、政府の貸し付けていくところの金利に大いなる関心があるということになるのです。これは単に開発所行の金利を上げないということにはとどまらず、開発銀行の金利をもう少し下げて、いわゆるエネルギーの原価提供の精神を出していかなかったならば解決がつかないのではないか、こういうふうに見ておるわけですが、その辺に対する御見解を承わりたい。
○池田国務大臣 今後におきましての電力料金の問題のみならず、いろいろな点があると思うのであります。電力について申しますならば、東北、北陸は、先ほど申し上げましたような事情でございまして、ある程度東京並みまでいかなくても、それに近いところで大体ペイしていくんではないかと考えております。そういうことがあろうかと思いまして、今の電源開発会社につきましては、東北地区の只見川あるいは田子倉等の発電を急ぎまして、東北の方への融通を考える等、いろいろいたしますが、問題は、電力料金も上る、給金も上る、いろいろな点がイタチごっこで上るという点が心配なのでございまして、上る理由があり、またその程度がのめるならば、今から心配しなくてもいい問題じゃないかと私は思います。従いまして、今の状態でアジャストできるものだけはアジャストして、徐々にいくのが、経済の安定拡大の道たと考えております。従いまして、将来いろいろな問題が起ったときに——開発銀行の利子を下げてやるという場合につきまして、たとえば東京とか関西は下げなくてもいい、あるいは東北は下げなければいかぬというふうな問題が起ったならば、そのときにまた御相談しておそくないんじゃないか、今はいろいろなでこぼこをアジャストする程度でしのいでいけるのじゃないかという気持を持っております。ただ私は、東北あるいは北陸電力の料金を今直ちに申請通り上げることがいいか悪いかという問題でなしに、申請したゆえんのものはこういうところから出ているんじゃないかと想像して申し上げておるので、上げることに賛成とか賛成でないとかいうことを言っておるんじゃございませんから、その点は御了承願っておきたいと存じます。
○横錢委員 設備の更新問題とともに、外貨保有の問題は、輸入に対する政府の規制が適切に行われているかどうかということだと思うのです。日本の輸入は、同時にまた輸出を生む結果になっておるので、従って、再輸出を伴うところの輸入に対しては異議はないが、国内の純然たる消費にだけ向けられるものに対してもなおかつ今日輸入規制を行なっていない理由、こういうことに対して、大臣はどう考えておられるか。
○池田国務大臣 個々の物資につきまして輸入規制を今からやるという考え方は持っておりません。と同時に、外貨は減って参りましたが、そういう非常手段をとらなければならぬほどの状態ではないと私は思っておるのであります。お話しの通りに、再輸出の分を入れるのなら、これは理屈上幾ら入れてもいいというふうに考えられますが、いかに再輸出のものだからと申しましても、外貨を使い切ってまでストックしなければならぬことはないじゃないか、再輸出に向けられる分でも、やはりほどほどにしておくべきだ、こういう考え方で、輸入金融につきましても、輸出の手形に対しましては金利の引き上げをいたしませんでしたが、輸入手形につきましては、他の商業手形と同じように引き上げた程度にしておるのであります。ただ、昨日から行いましたユーザンスの問題で、ポンド・ユーザンスの方を期限を縮小いたしましたのは、やはりドルとポンドを同じ列に置いていこうという考え方であります。この意味におきましては、ボンド地域からの輸入に対しましての特例、ドルに対するよりもポンドに対する特例はやめたのでございます。これも、輸入をそう思う存分にやるというのではなしに、やはりある程度外貨を見ながら、国内経済の事情を考えながらやっていただきたいというのでやっておるのでございまして、今個々の品物につきまして輸入統制をやるという考えはございません。外貨予算を組んだ範囲内におきましては、一応金融で引き締める程度でいいのではないかとただいまのところ考えております。
○横錢委員 外貨の割当に対しては、不急不要のもの等に対する割当は、どの程度政府の措置あるいは統制が及んでおるのか、あるいは全くそれらを及ぼさずに、野放しのままで単に金融面だけを引き締める、あるいはユーザンスの期間を縮めるというような、それだけの措置で行おうとしておるのか、この点をお伺いします。
○池田国務大臣 品物によりまして、外貨予算を作りますときにいろいろな制限をいたしております。個々の品物につきましてのワクをきめておるのでございますが、今お話しのように、これは不急不要のものだと申しましても、片一方日本が貿易で立つ以上は、やはり輸出ということを考えなければなりませんので、やむを得ず、たとえばイギリスからスコッチ・ウイスキーを入れる必要はないと思いますが、これもやはり今までいろいろな関係で入れざるを得ない、また洋服地も、ある程度日本のもので十分と思いますが、これも入れざるを得ない。自動車につきましてはできるだけ押えて、ほとんど入れないようにしておりますが、旅行者あるいは駐留軍の関係で、ある程度その跡を断たぬという状態でございますが、政府といたしましては、できるだけの制限はいたしております。ただ、相手方との関係でやむを得ずやる場合があるのであります。これは不要不憩のものではございませんが、お米なんかにつきましては、今さしむき入れなくていいようなものでありますが、硫安その他日本品を輸出するために、必要以上と思われるほどのものも入れざるを得ぬというようなことは例外的にあり得ます。しかし原則といたしましては、為替管理によりまして、お話しのような不要不急のものはできるだけ入れないように努めておるのであります。
○横錢委員 大臣の答弁を承わっていると、きわめて楽観すべき状況であって、それほど強い統制あるいは規制措置を行わなくとも外貨事情は好転をしてくるであろう、そういう感じを受けるのでありますが、しからば日本の外貨事情が、今憂えられておる状態がストップして好転をしてくるという可能性、またそういう見通しについてはどういう考えを持っておるか、この点をお伺いします。
○池田国務大臣 いつもあなた方の党から、池田は楽観しているというお話がございますが、決して楽観しておりません。今度の金利の引さ上げにつきまして日本銀行の措置に賛成したゆえんのものも、手放しで楽観していない理由でございます。また、ポンド地域のユーザンスの縮小とか、あるいは、さきに東京銀行に対してやりましたが、最近東京銀行以外の為替銀行に対しましての外貨の貸付を相当部分減らしたといういろいろな一連のものは、私が手放しに楽観していない証拠でございます。決して楽観はしておりません。外貨事情をよくし、日本経済の健全な発達をはかりたいというので、日夜だれにも負けずに心配し考えておるのであります。 それならば、悲観しておるかというと、決して悲観はしておりません。ごく最近の十日間ぐらいはちょっと輸出の伸びようが少うございますが、まあ長い目で見て、輸出はだんだん伸びていっております。毎月々々伸びていっております。これも、年度別に申しますと、昨年は前々年に比べまして四億ドル輸出の増加があるのでございます。今度も三、四億ドル、少くとも三億ドルの増加で、二十八億ドルになりますが、これをもっと伸ばしていきたい、予算のときに御説明申し上げました見込みの二十八億ドルをもっと伸ばしたい、こういうことでいっております。 しかし、いかにも輸出は四億ドルも伸びましたが、輸入はその倍も伸びている。しかもこのごろの外貨の事情が、輸入増加のために悪いということでございますので、片一方をできるだけ抑えようと思いますが、しかし、その抑えることによって国内の経済の混乱を来たすということは、これは絶対に避けなければなりません。混乱た来さず、健全な歩みで進ます程度に国内の投資を抑え、ひいては輸入を押えるという考えで進んでおるのであります。私は、ただいまのところ、伸びていく輸出をもう少し伸ばし、そうして非常にふくらんだ輸入をできるだけ押えるために、国内投資をまず抑えて、また輸入に関して特殊な便宜を与えておったものをやめていこう、そうして、予算につきまして御説明申し上げた程度の、国際収支全体としては三十二年度はとんとんに持っていきたいというので努力いたしておるのでございます。見通しといたしましては、輸入はこれからは減っていきましょう。そうして、輸出はこれから伸ばしていきまして、大体われわれの見通しの線で昭和三十三年度を迎えたいという気持でおります。
○横錢委員 輸入を抑えて輸出を伸ばしたいということは、今に始まった政策でなく、いつにおいてもそうだと思うのですが、しかし、先ほどから質問しています通りに、投資に対するところの年限を行うと、この投資における制限が同時にまた輸出に対する制限にも一応なってくるであろうと考えるのでありますが、それならば、輸出に対しては何らかの措置を講ずるのかどうか、輸入も輸出も同時に押えるような金融の引き締めの政策を行なって、片方は押えることができた、片方は伸ばすことができた、こういうようなうまいわけにはいかぬだろうと思うのであります。片方を抑えるならば、片方を伸ばすための輸出の振興政策、これに対しては金融面あるいは財政面の上からはどういうふうに措置をとっていかれるか、お尋ねいたします。
○池田国務大臣 今回輸出を従来通りに伸ばすというので、輸出手形の方の引き上げはやめております。しこうしてまた産業のネックになっております鉄とか、あるいは電気、輸送の方面には、今まで通りに力を入れよう、こういうことにいたしておるのであります。それならば、これは輸出産業だからどうするかという問題につきましては、税制改正のときにおきましても、輸出に対する減免税措置は、ほかの分はやめましたけれども、依然として据え置いております。個々の問題につきましては、たとい繊維産業でありましょうとも、これは特に輸出が必要だということになれば、各銀行は国全体の方向から貸し出しをしていくと私は思うのであります。
○横錢委員 それでは前に戻って、支払い準備預金の制度を作るということは、大体昨年のような状態のときにおいて必要なのではなかろうか。今のような、日銀が貸し出しをしている金利を高くしたり、あるいはまた貸し出しの金額を抑えよう、そういうようなときにおいては、準備預金制度というものは大して効果を持っていないのではないか。昨年のように、日銀の貸し出しが三百億にも下ってしまって、このままでは銀行だけが独走をしてしまって、日銀が何ら各銀行に対するところの手綱を引き締めることができない、そういうような状態になったときに、あわてて今日のこの準備預金制度が議、題に上ってきた、こういうように考えます。そのときから準備をされて、そして提案された今日というものは、この法律をさして必要としていないのじゃないか、こういうように考えておるのですが、その点に対する見解、さらにまたもしこの法律が通った場合において、直ちに各銀行に対してこの制度の発令を行う意思を持っておるのかどうか、この点を伺いしたい。
○池田国務大臣 いわゆる支払い準備預金制度の創設につきましては、私は昭和二十八年に吉田さんの特使として外国に行きました当時から、いわゆる四千億円近いオーバー・ローンのあるときから私は言っておるのであります。日銀の貸し出しがどうであろうとこうであろうと、先ほど申し上げましたごとく、日本が金融制度におきまして欠くるところがないというためには、公定歩合について日銀がやり得ると同様に、支払い準備預金制度というものを金融制度に置くということが不可欠の条件であるということは、四千億円のオーバー・ローンのあるときから私は唱えておるのであります。従いまして、ああいうものを二年前からいたしましたならば、昨年のようなときに使い得たと思うのであります。しかし、いずれにいたしましても、この準備預金制度は去年の春からもう話が出ておりますが、私から言わしむるならば、四年前から言っておることなんです。私は今発動するかしないかという問題よりも、日本の金融制度を整備する上からいっても、一日も早く施行いたしたいのであります。従いまして、今度御審議をいただいて通過したらこれをすぐ使うかという問題は、公定歩合というものを今上げたが、今度またすぐ上げるかという質問に対しまして日銀総裁もよう答えぬがごとく、支払い準備預金制度が通過したからといってすぐこれを使うかどうかということは、これまた答え得られますまい。しかし支払い準備預金制度というものは零からいくのでありましょうけれども、二百億円くらいしか貸し出しがないときにでも支払い準備預金制度を使えと言うべきものじゃありません。二千七百億円くらいあったときは、支払い準備預金制度は使われないというものでもない。それを制度として完備して、いつでもこれが使えるという伝家の宝刀と申しますか、そこまでは申しませんけれども、その調節剤として完備しておくということが即金融の正常化をもたらすものである。これが動くということはあまりいいことではございません。だから、これは使う使わざるにかかわらず、やはり制度として置いておかなければならない。制度としてあるということが金融調整に必要だ。公定歩合の引き上げでいくか、支払い準備預金制度でいくか、これはそのときの事情々々によるのであります。先ほど申し上げましたように、公社債市場もないし、月賦販売制度もないというときに、公定歩合の引き上げ一本では経済に非常なしわを残すことがあり得る、少くともこの両方を使っていくべきだと思います。イギリスなんかは公定歩合と支払い準備預金制度と月賦制度と、それから大蔵省の国債割引、この四つを兼ね合せてやっておる。日本には遺憾ながら一つしかない。それで、私は、繰り返して、これを早く置いていただきたいということを申し上げておるのであります。今よく新聞で書っておりますが、今やったって、金をうんと借りておるときに必要ないじゃないか、あるいは金を一つも借りてないときに支払い準備預金をやるべきである、これはまたたての一面ばかりを見ておるので、そういう議論は私には納得できない。いずれのときにおいても置いておくということは必要なことなんで、発動するということは、その事情々々によって、いろいろ発動する場合もありましょうし、ほかの分を発動して、これは動かさぬ場合もありましょう、いろいろな手があると思います。
○横錢委員 法律を制定するときには、いずれも背景があると思うのであります。この法律を必要とすると大臣は二十八年より叫んでおったということを聞くのでありますが、具体的には、昨年のときには、だれの目で見ても一応そういうふうな準備がなされるのではないかというような時期があったと思うのです。ただ、こういうように、各銀行が自分の預金の範囲の中で金融をするという状態は非常にいい状態である、同時にまた日銀としたならば、こういう制度を必要とする、そこにこの法律を出してきた理由があったと思います。そこで、今度のこういうような折衝の過程において、各銀行岡との話し合いで、当局はこの法律は作るのは作るが、一応金庫の中へしまっておく、発動するのはしばらく様子を見てからだ、そういうような話し合いというか、そういうようなことを各主炭銀行の人々と話し合って、その納得の上にこの法案を出してきているのではないかというような気がするのでありますが、そういうような話し合いは行われておりませんか。
○池田国務大臣 私は昨年暮れに大蔵大臣になりまして、その後金融調査会ごいうのがたびたび開かれたようでございまするが、一度あいさつに行っただけで、予算編成、あるいはずっと国会がありまして、そこへ出るひまがありませんでした。どんな話し合いがあったかわかりませんが、大蔵大臣としての所信は、先ほど申し上げましたごとく、公定歩合にいたしましても、支払い準備預金制度にしましても、これはないに越したことはない。そういうものを使わなければならぬようなときが起らぬことを望むのでございます。しかしないにまさったことはないのですが、法律自体はあった方がいい、いつでも発動できて、それを使わなくてもいいような事態を馴致するゆえんであると私は思うのです。だから、これはせっかくあなた方に御審議願って可決したものを、金庫の中へしまって使わないということは言えませんが、通ったからすぐ使うということも言えません。私は、こういう制度があった方が金融の調節その他に非常に便利がいいと考えております。
○横錢委員 銀行と中央銀行との関係の問題とともに、もう一つの問題は、各産業における自己資本と他人資本との関係が、正常化を基盤にするものなば、悪くても自己資本が六で他人資本が四という状況になってこなければほんとうのものではないと思います。ところが一般的に見て、今日の資本の構成は、大体自己資本が四で他人資本が六である、こういう格好になっておると見ておるのです。こういうような問題を改める、あるいはまた是正するというような方向については、何らかの対策をお持ちになるか、お聞きしたい。
○池田国務大臣 私は、この問題についてはあなたと全く同感でございます。えてして会社といたしましては、今のような税法のもとにおきましては、借入金によってやった方がいい。とにかく一割の配当をしようとすれば、二割五分の利益が少くともなければできない、こういうことになりますので、えてして借入金によるような方法をみなとってきたのであります。こういうことはできるだけためなければいかぬ、こういうので、私は再評価を持ち出し、そうして二次、三次の再評価を勧奨し、そうしてまた増資払込資金につきましては、二年間でしたか三年間免税しよう、こういうふうにやったわけであります。昨年も相当の払い込みが行われ、この一月には月に七、八百億の増資が行われたと思います。今ちょっとさたやみになっておりまするが、この秋ごろからまた増資が出てきましょう。私は自分では、必ずしも全面的には賛成はしなかったのでございまするが、増資免税なんかということも、これは借入金と自己資本のあれをよくするためには相当役立ったと思います。今あなたのおっしゃる四割六割の比率は、前は二割五分・七割五分、それから三割・七割今は四割・六割になっておりますが、会社によりましては五割・五割、あるいは六割・四割という会社も出て参っております。お話しの通りに、できるだけ増資によるということは、私は望ましい方向だと思っておりますが、これは一ぺんにどうこうということはなかなかむずかしいのでございまして、徐々にお説のようになるように努力していきたいと思っております。
○横錢委員 次に日銀法についてお尋ねします。大臣は日銀法の改正を考えていないかどうか。現在の日銀は、資本構成から見ると、五五%が政府出資で、四五%が三千二百人かの民間出資ということになっておるのですが、これはいろいろな意味はあろうと思うのだが、これを設立した当時においては、こういうふうな構成もあるいは必要だったかとも思うのだが、今日日銀が中央銀行として、あるいはまた国立銀行として国策を遂行する立場から見たならば、五五%の政府出資の銀行であるということは、いろいろな面から見て不都合があるのではないか、特に四五%の出資者に対しては、この株券とは正確に言わないまでも、株券を持たした。ところが株券は持たしておるが、一般株主権というものの行使は押えてしまって、全然させておりません。あるいはまた利益配当にしても、年間五%しかこれを行わない。非常に株主に対しては片寄ったところの株券に相当するものを与えておる。こういうふうなやり方もまた問題であるし、あるいはまた日銀という国策銀行、中央銀行という立場から見た場合、これは全額政府が出資をして、政府の責任においてこれを行わせるべき立場にあるのではないか、こういうふうに見るのだが、こういうふうな面についてはどうお考えになりますか。
○池田国務大臣 これは戦争中にできた法律でございまして、その後いろいろ変化しておりますので、私は日銀法につきましては、再検討を加うべきだと思っております。従いまして、今設けられておりまする金融制度調査会におきまして、御審議を願っておるのでございます。いかなる株主の構成にするか、あるいはいろいろな理事会、あるいは政策委員会等、万般の点につきまして根本的に再検討を加えようという気持を持っております。
○横錢委員 日銀法について再検詞を加えるという御答弁なので、大体それで満足しますが、日銀の今日の姿というものは、内容を見た場合にも、民間会社等に対しては、二次、三次にわたるところの資産再評価を行わしておりますが、日銀そのものは資産再評価もしておらない、資本金も一億である、あるいはまた業務用の不動産の所有も二十二億である。また金の保有について尋ねるならば、管理通貨であるから、金ということは大して意味がないといえばそれまでであるが、しかし金の保有が幾らであるというならば四億四千七百万、金の保有が四億四千七百万というのは、現在の価値においてその金額なのかというと、そうじゃなくて、これは三円四十五銭のときの価格だ、こういうのである。そうすると、表面的には四億四千七百万という金額が出てくるが、実際上には、この四百五十億の価値を持っておる。四百五十億の価値を持っておるが、額面上においては四億四千七百万程度しか出てこないというような今日の経理のあり方ということは、これは日銀が非常に怠慢を犯している理由だと思うのです。こういうふうな点についても、これは早急に日銀の内部に対してもう少し指導監督、こういうふうなものを大蔵当局としてもやるべきではないか、こういうふうに考えるのですが、大臣の見解を伺います。
○池田国務大臣 これは外国の中央銀行なんかにおきましても、今お話しの点と同じような問題ではございませんが、いろいろ今までのしきたりでずっといっているというのがあるのでございます。これなんかは適当な措置を講じなければならぬと思っております。たとえば日銀の金の問題につきましても、今接収貴金属等の問題もございますし、いろいろな点からのかね合いがありますので、そういう点をお話しのようにいたします上におきましても、いろいろな点で、今後早急に御審議願うことが多々あると私は考えております。
○横錢委員 さらにもう一点だけ伺いたいと思いますが、二十五年だと思いましたが、日本の証券市場が大暴落をしたことがある。この証券の大暴落のときに、東京証券から時の日銀の一萬田総裁に泣きついて、三十億程度の金融を依頼して、東京証券市場を救ったという話を聞くのでありますが、この間の事情について、そのときの大臣は池田大蔵大臣だったと思うのですが、この辺の事情について御説明を願いたいと思います。
○池田国務大臣 五年前の記憶、しかも日銀から三十億出したということについてはっきり記憶はありませんが、昭和二十四年の暮れから五年にかけましては、株式が非常な不況なときでございました。従いまして、ある程度市中から株を買って持株会社をこしらえるとか、いろいろな議論があったのでございます。しかし私は、そういうことよりも、やはり自然の姿にしておいた方がいい、かえって手をつけることは逆作用を及ぼすものだというので、国会でいろいろ議論がありましたけれども、そのままにいたしておったのであります。しかし株式の民主化という問題から、私は投資信託をやったらどうかという議論に対しまして、全面的に賛成をいたしまして、そうして投資信託を昭和二十六年ころからぼつぼつ各会社が、四大証券を中心に始められたと思うのであります。従いまして、この投資信託制度が設けられましたことと、会社の内容がだんだんよくなり、日本の経済がずっと進んでいくことによりまして、株式に対する金融その他の面は、過去三、四年間聞かないのであります。しかるところ今から二年あるいは一年半くらい前は、せっかく株式が相当発行せられましたけれども、その取引が非常に緩慢であったというので、定期取引の問題が起りました。しかしこれもその後わが国の好況によりまして、取引市場におきまする売買は相当盛んになった関係上、今はその声もまた落ちておるのであります。しかしこの株式というものは、御承知の通りに上ったり下ったりするものでございます。しかしおのずからそこにもやはり限度があるものでございまして、騰落について一喜一憂すべきではない。やはり日本の経済の見通しを見まして、適正なところに落ちつくものと私は考えております。三十億貸した、どういう理由でということは、今はっきり覚えておりませんが、そういうことがあったやに記憶いたしております。
○石村委員 ごく簡単なことなんですが、この前の一萬田大蔵大臣のときには、日銀の政策委員会について、一萬田さんはいささか消極的な考えを持っていらっしゃるように拝聴したのですが、池田大蔵大臣としては、これは金融制度の調査会等のことがあって、はっきりした御意見の表明というようなことはあるいはできないかもしれませんが、私見的なものを一つお漏らし願いたいと思います。
○山本委員長 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○山本委員長 速記開始。
○池田国務大臣 政策委員の問題につきましては、やはり日本銀行制度全般の問題として慎重に考えております。
○石村委員 では、これは大蔵大臣に私の希望を申し上げておくのですが、池田さんは特に心臓も強いようで、なかなか強引に何でもおやりになるようですが、私が懸念するのは、政治家というものは権力を握っておるので、権力で何でもできるという錯覚に陥るおそれがあるのではないか、こういうふうに思うのです。こういう資本主義経済、自由主義経済を前提とした日本において、権力で何でもできるということを考えてやると、先で大へんなことが起る。結局ドラスチックな非常な政策をとらなければならないおそれがあるから、池田さんは十分いろいろお考えになっておやりになるでしょうが、日銀の政策委員にしても、あるいは日銀総裁や何かでもかまいませんが、あまりに権力万能で、大蔵省の考えを一方的に強行するということのないように気をつけていただきたいと思います。
○山本委員長 それではまた明朝続行することといたしまして、本日はこの程度で散会いたします。 午後三時二十六分散会 ————◇—————