大蔵委員会 第33号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/26
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。横山利秋君。
○横山委員 先般来、本法案につきまして理事会においていろいろと相談をしていただきました点について、政府の所信をお伺いいたしたいと思います。 私が主張しておりました点は、さきに国鉄とか、あるいは電電とか、あるいは専売等の職員として在職しておった者で、所属長の承認または勧奨を受け、外地のこれらに同類するもの、た とえば南満州鉄道株式会社、たとえば満州電信電話株式会社、たとえば華中電気通信株式会社、あるいは華北電信等のいわゆる外地鉄道会社等に勤務して、終戦後再び内地のこれらの職員となり、以後引き続いて職員である者の向うにおった期間は、組合員としての期間に通算されないことになっていますが、これが非常に不合理であるということを申し上げておったわけであります。理事会でいろいろと御相談をして下さいました終果、臨時恩給等調査会が今回設置されるのであるから、これらの問題は、本委員会としてはこれを了とし、すみやかに法律の改正を必要と考えるけれども、調査会が設置される機会であるから、これにこの問題を付託したらどうか、こういう御意見が多数でありました。それで、そういう御意見について、政府はどうい)ふうにお考えになるか、私が質問したいのはその点であります。調査会に付託するごと、付所をする際における政府の態度、それから結論が出た場合における政府の態度、この三つの点について誠意ある御答弁をお願いいたしたいと思うのでございます。
○足立政府委員 ただいま別途国会で御審議を願っております、臨時恩給等調査会設置法が成立を見るものと私どもは期待をいたしておるわけでございまして、ただいま横山委員御指摘の通り、この調査会ができました場合には、ただいま御意見のありました点につきましても、政府はもちろんこれを諮問いたしまして、その結果を待って誠意をもって善処をいたしたいと考えております。
○横山委員 政務次官のお葉は、私の拝聴するところによりますと、本問題それ自体について誠意をもって善処する、その前提のもとに調査会に諮問をする、こういうふうに理解をして差しつかえございませんか。
○足立政府委員 横山委員の御意見につきましては、私どもも御趣旨はよくわかりますので、ただいま御発言のありましたような気持で今後処置をいたしたいと思っております。
○山本委員長 他に御質疑もないようでありますので、本法律案に対する質疑はこの程度で終りたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって本法律案に対する質疑は終了いたしました。 この際報告をいたしますが、本法律案に対しまして小山長規君外二十五名提出の修正案が委員長の手元まで出されておりますので、これを印刷してお手元に配付しておきましたが、この際修正案の提出者より趣旨の説明を聴取いたしたいと存じます。小山長規君。
○小山(長)委員 ただいま議題となっております公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由の説明を申し上げます。 修正案の案文につきましては、お手元に配付してございますので、便宜朗読を省略させていただきます。 この修正案は、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案中、健康保険法の改正に伴う改正規定等の施行期日を、今回別途修正の上、成立しました健康保険法の一部を改正する法律と同様にするため、これらの規定中一部負担金に関する改正規定は、昭和三十二年七月一日から施行することとし、その他の規定は、同年五月一日から施行することに改めるとともに、これに伴い、附則の規定について所要の修正をいたそうとするものであります。 以上が修正案の趣旨及び内容でありますが、何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。
○山本委員長 以上をもちまして修正案の趣旨の説明は終りました。 これより討論に入るのでありますが、討論の通告がございませんので、採決に入るに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 異議なしと認めます。 初めに、本法律案に対する小山長規君外二十五名提出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって本修正案は可決されました、 次に、ただいま議決されました修正案の修正部分を除く原案について採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって本法律案は修正議決いたしました。 次に、横山利秋君より、ただいま議決いたしました法律案に対する附帯決議について発言を求められておりますので、これを許します。横山利秋君。
○横山委員 まず附帯決議を朗読をいたします。 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 さきに国鉄等の職員として在職した者であって、所属庁の承認または勧奨を受け、外地鉄道会社等に勤務し、かっ終戦後再び職員となり、以後引き続いて職員である者の、当該外地鉄道会社等に勤務していた期間は、組合員としての期間に通算されないことになっているが、本委員会は、この不合理はすみやかに解決すべきものであって、これが法改正を必要と考えるが、今回臨時恩給等調査会が設置され、諸般の問題を討議することになったのであるから、本件については政府並びに調査会が取り上げ、すみやかに善処すべきである。 右決議する。 説明は、今読みましたようでおわかりだと思いますから、省略をいたします。よろしく御審議を願います。
○山本委員長 ただいまの横山委員よりの附帯決議についての採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○山本委員長 起立総員。よって、本附帯決議は全会一致をもって可決いたしました。 この際お諮りをいたします。ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成、提出手続等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認め、よってさように決しました。 ―――――――――――――
○山本委員長 次に、金融に関する件について調査を進めます。 本日は、損害保険行政に関する問題について、先般来本委員会において春日委員より御要求がありました参考人は、実は春日委員からは、日本火災海上保険株式会社の社長、それから日本損害保険協会々長、このほか告発人等の御要求がありまして、その点委員長の手元で善処をいたしましたが、実は日本火災海上保険株式会社々長及び日本損害保険協会々長の御両氏は公務出張中でございましたので、やむなく私の方で日本火災海上保険株式会社取締役鈴木吉甫君、日本損害保険協会専務理事葛西浩君、このほか告発人の黒田円次郎君の御三人を参考人として御出席をいただくことになったわけであります。 参考人の方々には、それぞれお忙しところを御出席いただきましてありがとうございました。 それでは、これより質疑の通告がありますので、これを通告順に許します。春日一幸君。
○春日委員 日本火災海上保険株式会社のいわゆるテーブル・ファイアー事件につきまして、まず最初に井本刑事局長にお伺いをいたしたいのであります。すなわち本件は、つとに各有力新聞がこれを取り上げて報道しておるところでありますが、その報道するところによりますれば、国民生活に重大なる関係を持ち、かつは公共性の強い保険業界におきましてはなはだ悪質なる法律違反の行為が長期にわたり、かつ継続して行われていたとのことでありまして、これはまさに保全経済会事件にも匹敵する大がかりな事項を有する大事件でありまして、世人をいたく餐動せしめておるところであります。本委員会は損害保険事業関係法律を所管するものといたしまして、本事件の真相をただすために、先般行政上の監督機関たる銀行局長に対しまして種々質問を行なったのでありましたが、その答弁をもっていたしましては、本件が刑事事件として目下検察当局の手にゆだねられておる事情もありまして、本員は遂にその全貌を正確に把握し得なかったのであります。この際もし本員がかかる重大事件の真相を特につまびらかにせずして、さらに事態の推移にゆだねまするならば、それは保険事業に対する国民の疑惑を一そうに助長するばかりでありまして、よってもたらす弊害はまことに甚大なるものがあろうと存ずるのであります。従いまして、本員はここに本件の真相を国民の前に明らかにしまして、同時にまた現行保険関係法律と大蔵省の保険行政のあり方を本事案の実態と照合することによりまして、これを他山の石として、もってわが国の保険事業の健全なる発展に資するところあらしめたいと存ずるのであります。よってこの際井本刑事局長には、私が以下行いまする質疑事項に つきまして、あとう限りの範囲において御説明をいただきまして、本員の調査に御協力あらんことをまずもってお願いを申し上げておきたいと思うのであります。 そこで第一番にお伺いをいたしたいことは、日本火災海上保険株式会社のいわゆるテーブル・ファイアー事件に関する捜査の端緒は何でありましたか、及び本日までの経過につきまして、一つその内容、実態のあとう限り詳細なる御説明が願いたいと存ずるのであります。
○井本政府委員 御答弁申し上げる前に、私どもの立場をちょっと御理解をいただきたいと存ずるのでございます。私どもは犯罪の捜査をやっておりますので、事がすべて犯罪に関係がなければ捜査はできないのでございますから、この問題は、保険の募集に関して経理をどうするかとか、あるいは保険料をどう扱うかとか、銀行局の監督をどうするかというようなことに直接の関連はないわけでございまして、もっぱら犯罪に関係して取調べをしておるということでございますから、勢い申し上げる範囲もごく狭くなってくると考えるのでございます。それからいま一点は、この事件は、実は関係者を数名逮捕いたしまして取調べを進めたのでございまするが、逮捕期間中に調べが終結に至りませんで、ただいまなおその捜査を継続中でありまして、この容疑者に対する処分をどうするかということが非常に微妙な段階になっておりますので、ただいまのところは、一捜査の全内容を詳細に申し上げかねる実情でございます。その点もあらかじめお含み置きを願いたいと存じます。 それからただいまお尋ねでございましたが、この捜査の端緒は、川崎定徳株式会社社長黒田円次郎という方の昭和三十一年三月二十八日付の告訴がその初めでございます。告訴の要領を簡単に申し上げますと、日本火災海上保険株式会社では、テーブル・ファイアによってワク外資金を捻出して、これをこの会社または代理店の行う保険料の割戻しの費用として使用しており、またこの一部を前社長であった斎田氏が着服しておるというような点が、その主たる要領だったというように考えます。この事件につきましては、私どもの方では、保険料の割り戻しに関する保険募集の取締に関する法律違反といたしまして、主として東京地方検察庁で詳細取調ベを続けてきたわけでございます。 この容疑事実の概要は、昭和二十九年四月一日から昨年の三月三十一日までの間に数回にわたりまして、日本火災海上保険株式会社傘下各支店及び各代理店を介して、日本全国に散在する多数の火災保険契約者と右会社との岡に、火災保険契約を締結するに当たりまして、かく多額の金員を保険料割り戻し資金として契約者に交付したということが、保険募集の取締に関する法律違反であるということの容疑で取調べを進めたのであります。この容疑に関しましては、本件の責任者でありました、当時の右日本火災海上保険株式会社の社長斎田高三氏、これを三月二十八日から四月十八日まで逮捕、取調べをしたのであります。そのほか、この会社の監査役の武田正巳氏及び東京営業所の第一部長鈴木吉甫氏及び同企画部長沢村正一氏を、それぞれ四月十五日から四月十七日までの間身柄を拘束の上、取調べを行なったわけでございます。このほか、先ほど申し上げました告訴にも出ておるわけでございますが、斎田氏などにつきまして、会社の株券あるいは会社の金員の横領の疑いがありますので、この点もあわせて取調べ中でございますが、いまだ最終的な段階には達していない、目下その結論を急いでおるというのが、現在の実情でございます。
○春日委員 ありがとうございました。なおお伺いをいたしますが、この容疑事件に関係いたしまして、全国各地の支店、代理店に対する家宅捜査の実施状況並びに参考人としてお調べになりましたものの人数はどのくらいのものに上っておりましょうか、お差しつかえなければ、あわせて御説明を願いたいと存じます。
○井本政府委員 その概要を申し上げますと、先ほど容疑者の身柄の拘束関係は申し上げましたが、そのほか本年の三月中旬に、東京地方営業所外七支店、代理店なば合計約三十個所を捜索、取調べをしております。関係者の人数は、ただいまのところ、ちょっと今資料を持ってきておりませんので、一数十人ということで一応御答弁申し上げまして、これは後ほど取り調べまして、適当な機会に御報告申し上げたいと存じます。
○春日委員 なおお伺いをいたしたいのでありますが、容疑内容の概略について伺いましたが、その該当法律条文、これはどれに該当いたしておりますか。それからなお、これによって違反だと思われる事柄の行為の件数並びにその金額、ただいままでの御捜査の範囲内におきましては、どの程度に上っておりましょうか、これも御説明願いたいと存じます。
○井本政府委員 先ほどの保険募集の取締に関する法律違反は、保険募集の取締に関する法律の第十六条第四号です。それからその他の財産犯は刑法二百五十三条その他の横領の容疑でございます。 それからどのくらいの金額かこれに当るかという点は、先ほど申し上げましたように、ただいまこれは計数の整理などをしておりまして、どの点をどう扱うかということが非常に微妙な段階になっておりますので、しばらく発表の点は控えさせていただきたいと存じます。
○春日委員 それでは重ねてお伺いをいたしたいと存じますが、日本火災のいわゆるテーブル・ファイア事件なるものは、日本火災そのものが、わが国におきます火災保険業界におけるベスト・スリーとかビッグ・ファイヴとか呼ばれておりますいわゆる信用度の高い大会社が行なっていたのでありまして、かっはまたこれが内部からの告発によって初めて発覚したというところに直接の疑義が存すると思うのであります。そこで井本刑事局長に重ねて伺っておきたいのでありますが、検察当局は、本件捜査を通じて、たとえば損害保険会社かそれぞれの事業の遂行に当りましては、特に特別の協会を設けて常に密接な連携をはかって業務を遂行しておるということから徴しましても、他社にもこういうようなことがあったのではないか、またあり得るのではないかとわれわれは疑われるのでありますが、これらの過程において、そのような容疑を他社にお持ちになったような事柄は浮んで参らなかったのでありましょうか、その点の消息はいかがでありましょうか、御答弁願います。
○井本政府委員 オーバー・コミッション、俗に略してOCと印しておりますが、代理店に特別の手数料を払う、あるいは保険契約者に保険料の割引をするというようなことは、ほかの会社にもある程度あるやに聞いております。テーブル・ファイアの関係は、ほかの会社の関係では、われわれはうわさの程度で、さような事実があったというようなことは聞いておりません。
○春日委員 そういたしますと、私どもの常識では、国家の官吏は、その職務遂行の過程において法律に違反する事柄がはっきりした場合は告発しなければならないと聞いておりますが、ただいまの局長の御答弁によりますと、本件容疑は保険券集の取締に関する法律第十六条の四号に該当するとのことでありまして、テーブル・ファイアに至らずといえども、特別リベート、割り戻しを行うことは明らかに法律の違反行為でありまして、かつ刑事罰を課せられることに相なっておるのであります。従いまして、当然この事柄は、他社に行われておるといたしますれば、検察当局はしかるべくこれが是正のための措置、あるいは法律違反の行為として捜査をされ、あるいは告発をされておることと考えるのでありますが、その点いかが進捗いたしておりましょうか。
○井本政府委員 われわれは、犯罪があれば捜査をすることができるということが刑訴に書いてあるのでございまして、犯罪につきましては、手の許す限り捜査をいたしまして、いかような処置をするか、その処罰をしなければならぬのでございます。ただ多数の犯罪に対し、限られた人数で捜査をしておりますので、全部の犯罪を全部取り上げて始末するというわけには参りかねるわけでありますが、目ぼしい事案につきましては、それぞれ始末をつけなければならぬ責務があるわけであります。ただし保険募集の取締に関する法律違反のほかの関係につきましては、今どの程度に始末しておるかという点は、まだ調べをして参りませんので、ただいま御報告いたしかねますが、それぞれ相当程度の処置をすべきものであり、してなければさような処置をしなければならぬというように考えております。
○春日委員 伺いますが、私どもは刑事訴訟法の判断から参りますと、当然こういうような国民を衝動せしめておりますような大事件について、日本火災の捜査の過程において、他社にも同様の事案があるということが発覚をいたしました限りにおいては、当然しかるべく告訴が行われて、法律に基くところの執行がなされるものと期待をいたしておるのでありますが、ただいまの段階においては、まだそのような法的手続がとられてはいない、しかし将来においてはとるべきものと考えると、刑事局長の御答弁をそのように理解して差しつかえありませんか、御意見を承わりたい。
○井本政府委員 私の申し上げましたのは、全部が全部これを法廷に回して、刑事事件として裁判所で取り扱うということで申し上げたのではございませんが、とにかくかような法律違反があれ、は、その法律違反につきましては、何らかの形におきましてその始末をつけなければならぬというように考えております。
○春日委員 次にお伺いをいたしますが、冒頭申し述べました通り、私どもは、とにかく腐敗堕落しておるといわれております火災保険く界を粛正し、健全な姿に持っていくということのためには、やはりその犯罪の実態と法律とを照合いたしまして、足らざるものがあればこれを補わなければなりませんし、あるいは効果のないような事柄であれば、さらにほかの立法措置を講じなければならぬと存ずるのであります。こういう立場から特にお伺いをいたしておるのでありますから、一つできる限りの範囲で、われわれの調査の資料になり得るように御答弁が願いたいと存ずるのであります。 そこで、いろいろな捜査を通じてお考えになりましたことは、現在の保険業法並びに損害保険料率出団体に関する法律、さらには保険募集の取締に関する法律等に基く保険会社に対する大蔵省の行政管理でありますが、とにかく監督検査の方式――とういう保険行政全般にまたがる問題でありますが、特に是正を必要と認められるような事項はありませんか。また何かありましょうか。すなわち長い年月にわたりまして、伺いますと昭和二十五年から三十一年、足かけ七カ年の長きにわたりましてこれが継続して、言うならば堂々と行われておったというきらいがなしとはしない。従いまして検査の方式、あるいは監督の方式その他において、特にこの際是正を必要とするような事柄についてお気づきになったような点がもしありましたならば、この際御意見を伺いたいと思うのであります。
○井本政府委員 保険募集の取締りに関する容疑として問題にしておりましたのは、先ほど昭和二十九年七月一日以降と申し上げたと存じますが、もし言い違いでありますればさように御訂正を願います。 それからこの保険会社その他に関する監督行政についての批判を言えというお話でありますが、実は自分たちの直ちに処置しなければならぬこの容疑者数名に対する問題も、まだ最終の結論に達していない実情でございまして、これを片づけまして、その経過にいろいろ調べをしておりますから、何らかの形で、監督行政はどうあるべきかということも、捜査に現われた点では申し上げる時期もあるかと思いますけれども、ただいまの状況では、自分たちの本来の仕事の結論も出ていないというような状況でございますので、さような監督行政に対する意見につきましても、この際一応御遠慮申し上げたいというように考えております。
○春日委員 それでは、私どもは、いずれにいたしましても、この保険事業が健全な姿に取り戻されることのために努力を払いたいと考えておりますし、特にそのための調査を行わなければならぬわけであります。いろいろと捜査を進められまして、国家のために、かつはこの事業のために有益な御意見等か化し出て参りましたならば、一つ後ほどでもけっこうでありますから、委員長の手元まて御意見をお漏らし願いたいと存じます。 刑事局長に対します質問はこの程度でけっこうであります。
○山本委員長 ちょっとお諮りしますが、奥村さん、刑事局長に御質問がございますか。実は予算委員会の方で請求されておりますので、差しつかえなければよろしゅうございますか。
○奧村委員 ありません。
○山本委員長 それでは、引き続いて日本火災海上保険株式会社の取締役鈴木氏に対しての質問をいたしたいと思います。春日一幸君。
○春日委員 鈴木さんの日本火災海上保険株式会社における会社業務執行上の現在の地位並びにその権限は何でありますか、この際お伺いいたします。
○鈴木参考人 私は、日本火災海上保険株式会社の取締役の一員でありまして、東京営業第一部の部長を委嘱されております。営業関係の権限だけを持っておるわけでございます。
○春日委員 さらにお伺いをいたしますが、あなたは、今回法律違反事件として取調べを受けておられますテーブル・アァイア事件、これにどの程度に関与されておりますか、その関与されております程度についてありのままに一つ御答弁を願いたいと思います。
○鈴木参考人 私の担当しております東京営業第一部だけの範囲におきまして、いわゆるテーブル・アァイアに関係しておるわけでございます。
○春日委員 私は、本日あなたのは会社の社長さんに特に参考人として御意見を求めたかったのでありますが、それぞれ御都合がありまして、御出席がかなわなかったことは残念であります。そこであなたにお伺いをいたしたいのでありますが、これから申し上げますことは、会社全体のことについてあなたは答弁されることができ得るのでありますか、それとも、第一部関係のこと以外については、御答弁ができ得ないのでありますか、その点お伺いをいたします。
○鈴木参考人 会社全般のことについはタッチしておりませんので、遺憾ながら御答弁できません。東京営業第一部に関する限り御答弁できるかと思います。
○春日委員 あなたは容疑者として検察庁に逮捕されたことがありますか。
○鈴木参考人 ございます。十五日の午後五時二十分から十七日の、五時三十分まで、四十八時間逮捕されました。
○春日委員 それではその被疑事件として、いわゆる法律違反事件として取り調べを受けられましたのは何でありますか。 それから重ねて伺いますが、テーブル・ファイアなるもののいわゆるからくり、このやり方、並びにその具体的内容はどういう工合になっておるのか、これを一つありのままに御答弁願いたいと存じます。
○鈴木参考人 逮捕された容疑と申しますか、いわゆる前にやめられました私どもの斎田高三さんに共謀して、全国多数の代理店に多額の割り戻しをしたという疑いらしいのであります、か、私の逮捕の理由は、証拠隠滅のおそれというふうに考えております。この際一言申し上げておきたいことは、実はテーブル・ファイアという言葉はいつどこで作られたか、私ども実際初めてこの事件で伺ったことでございまして、新聞紙上、あるいはいろいろな雑誌方面に非常に大きく報道されまして、その点、私どものことに端を発しまして世上を大へんお騒がせし、ことに信用を基礎とする損保界の信用を著しく対世間的に落したということに対して、非常に恐縮に存じておる次第でございます。社をあげて自粛自戒、もつ。ばら信用の回復と申しますか、一日も早くそういう日の来たらんことを念願しておる次第でございます。そういうわけで、私どもとしましては、テーブル・ファイアという言葉ができてから、なるほどというふうに考えるような状態でございます。実態と申しましても、火災保険の募集面におきましては、経済界の好不況というものに非常に関連する経済活動でありまして、契約の上昇期におきましては、どちらかと申しますと、比較的苛烈な競争というふうなものも見られないのでありますけれども、一朝不景気の影響を受けまして、契約が伸び悩み、足踏み状態、こういう際には、どうしても社会一般の普通の商取引と同様に、サービスというふうな――そのサービスの一部分は、やはり保険料の割り、戻し、世間にいわれておりますリベート、こういうようなことか往々行われがちになってくるのでございますが、昭和二十三年の募集取締法が施行される以前は、何とかそういったものもいろいろな経理面の工夫でまかないができるという形もありますが、二十三年以降、担保業界としては非常に有意義な法律ではあったのでございますが、その面では、どうしても契約の伸び悩みの時代、こういうことになりますと、いわゆる規定された手数料以外に、超過した割増しの手数料、いわゆるOCと呼ばれているものですが、これを支出しなければ、違法とは知りながら、残念ながら、やめればすぐ契約かとまるというふうな苦しい立場から、業界でも不公正競争の排除というふうな言葉もあるくらいに、ある部分はどうしてもそういう点でやむを得ない情勢に追い込まれますので、これが費用に充てるためには、どうしてもいわゆる正規の経費として処理できないというふうな苦しい立場がございます。ことに私どもの会社は、先ほどお話しのあったような有力会社に伍して現状を維持する、今後ますます発展するというためには、よその同業の有力な会社が、それぞれ企業の系列化と申しますか、同列系統の産業に有力な基盤が持たれておりますにもかかわらず、私どもの会社は、いわゆる私どもで申します普通物件、小口の住宅、家財、商品、こういったものを手広く集めなければならないという、会社のそういう特殊の状態もありまして、どうしても諸経費がかさみがちになる。それでやむを得ず、いわゆる当社の場合としては、やむなく保険金の科目を変更して、架空契約、架空羅災処置、この方法をもってやらざるを得なかったような状態でございまして、私どもは当初から、テーブル・ファイアというものをどうという考えはもちろんなく、競争に耐えるために、会社の成績を維持するためにやむなく行われた、いわゆる架空契約、架空羅災処理が今日世間に伝えられておるいわゆるテーブル・ファイアといいまして、まことに不体裁な言葉で流布されておる次第でございます。
○春日委員 架空契約、架空罹災処置ということでありますが、ただいまの鈴木さんの御答弁によりますと、不況のときには勉強しなければならぬ、いわゆるリベートを出さなければ契約が取れない、だからやった、その資金源を確保するためにそういう架空契約、架空羅災処置を行なった、こういう御答弁でございました。さすれば、これは経済活動ににおける一般的な祖性ではないかと存ずるわけであります。不況のときには、これは国をあげて、しかも国際的関連においての不況でありまするから、従いまして、ひとり当社にのみ不況条件が来るものではないと考えるわけであります。そこでお伺いをいたしたいことは、あなたの方が不況のときには勉強しなければ契約が取れない、その事柄は、他社においても同様の状況にあったと存ずるわけであります。業界は、それぞれの損保協会を設けて、密接な連係をとりつつ事業の遂行をはかっておられますので、他社の関係においても同様の事態が類推されるのでありまするが、この点はいかがでありますか、鈴木さんから御答弁を願います。
○鈴木参考人 ただいまの御質問でございますが、先ほど私がお答え申し上げました通り、業界の実情としては、割引、割り戻しというのが、遺憾ながら不況時代にはよその同業者にもおありのように承わっておりますが、これに対する処置といたしましては、いわゆるテーブル・ファイアの処置をなしたのは、当社だけのように私は聞いております。不況時代に競争が激しくて割引、割り戻しが若干行われやすくなるという情勢は、よそさんも遺憾ながら同じ悩みだろうと存じます。
○春日委員 同じように割り戻しを行う、リベートを支払うというからには、やはり支払うに足るだけの資金源か何らかの形で準備されなければ川ならぬと存ずるのであります。ただいまの鈴木さんの御答弁によりますと、他社も同一の事柄をやっておった。けれども、資金源をまかなうために、あなたの会社はテーブル・ファイアをやった。他社はその資金源をいかに弁じておりましたのでしょうか。あなたは火災保険業界に長年の経験をお持ちでありまして、その辺の消息についても、何らかの実情を把握されているところかあろうと存じますので、この点御見解をお述べ願いたいと拙います。
○鈴木参考人 遺憾ながら、よそのことは全然存じておりません。
○春日委員 そういたしますと、一つ伺いたいのでありますが、二月十三日の日本保険新聞に掲載されておりますところの、当時の齋田社長が退任されるときのあいさつの要旨を読んでみますと、今日では、わが社の日本火災の総資産は百億円を擁するに至りました云々とあるのであります。これは、事業が再開されました当時から比較いたしまして、大躍進と中さなければ相なりません。こういうような大きな総資産を擁しながら、なおかっこのような法律違反の方法を講じなけれ、はならなかったといたしますならば、あなたの会社よりもさらに弱体の会社、ベスト・スリーとかビッグ・ファイブとかいわれておりますあなたの経済的地位よりもさらにランクを低く置いております他の弱小会社等においては、あなたの会社がそういうような競争をやるからには、当然これに追随してそういう行為を行うことなくしては、営業条件は整わないと存ずるのであります。あなたの会社は、百億円の資産を持っておってもなおかっこれをやった。そういう資産を持っていない、あるいは資産がさらに足らない他の会社では、そういうリベートの資金源をいかに弁じておったのでありましょうか。この点、お気づきになっておる点があれば、一つこの際率直に御見解をお示し願いたいと思います。
○鈴木参考人 損保会員には二十社に及ぶ会社がございますが、それぞれ会社の基盤と申しますか、会社の営業方針と申しますか、全国各地にそれぞれ有力なところ、そうでないところ、おのおのの会社々々の立場と、それから営業の実態が千差万別でございますので、一口に資産がどうだから方針はどうだというようなことは、一がいに申されない事情があると思いますし、ただいま申しましたリベートとかいうものも、その地域々々、あるいは会社の地盤によりまして、また千差万別でございますので、御苦心はお互いにおありとは存じますが、他社に関しては一切私ども存じません。
○春日委員 それでは、このことについては、損保協会からお越しいただいております代表者にあとでお伺いするごとにいたしますが、この際、この事柄は損保協会、において何らかの情報を得ておられるのではないかと考えられますので、損保協会の専務理事であられまする葛西さんより、ただいま鈴木さんにお伺いいたしましたことについて、損保協会で何か承知されております事納がありましたら、この際御説明を願いたいと思います。
○葛西参考人 本日は、本委員会から私どもの協会長に参考人として出るようにという御連絡がございましたが、やむを得ざる事情のため、私が田中会長の代堤として出ましたことをお許し願いたいと思います。 ただいまの春日先生からのお尋ねは、保険募集の方法といたしまして、今回日本火災社において問題となりましたような方法が他にもあるか、また、それがないとすれば、他の今会社はどういう方法で財源捻出をやっているか、お前の知っている点はないか、こういう趣旨と存じますが、私どもの協会も、全会員会社の共通の事項をすべて取り扱うという建前には相なっておりますけれども、御承知の事業者団体の活動が戦後の法律によりまして非常に制約を受けておりますので、会員会社といえども、特にこちらから立ち入って調査ないし検査をするという権限を持っておりませんので、的確な具体的な事実としては、私は申し上げる材料を実は持ち合せておりません。ただ、協会に勤務する者といたしまして、いろいろ業界の情勢について耳にいたしますことを総合して、私なりに判断をいたしました結果を御参考までにお答えを申し上げることといたします。 その前に、大へん時間をかけて申しわけございませんが、戦前の火災保険につきまして、どういう状態であったかということを、私の記憶を御参考に申し上げたいと思いますが、戦前には、御承知の料率なり条件なりが会社同士の話し合いによりまして……。
○春日委員 実は、損保協会につきましては、現行法律がどのように実情に沿うか沿わないか――戦前戦後その他の事柄については、後ほど系統的にお伺いいたす機会を用意いたしておりますので、恐縮でありますが、参考人には、私がお伺いをいたしましたことだけについてこの際御答弁を願います。と申しますのは、日本火災のような資産百億をこえる会社にして、なおかつ業界の激しい競争に対処して、契約を取り付けるためにはリベートを払わなければならなかった、そのための資金源としてテーブル・ファイアを設けた、こういうことであります。私の質問は、こういう大会社以外の会社が同じようなことをやったとすれば、その資金源は何によって調達されておったであろうかという点をお伺いしておるのでありますから、その点についてのみ御答弁を願いたいのであります
○葛西参考人 その点につきましてお答え申し上げますと、ただいま冒頭に申し上げましたような立場でありますので、実態的にどこの会社がどういう方法で資金の捻出をやっておったかということを申し上げる具体的な材料は持ち合せませんが、いろいろ業界のうわさ話等で私が承知いたしますところでは、多くの会社が、交通費であるとか、あるいは通信費とか、冠婚葬祭、盆暮れの季節的な儀礼というような名目で、一応世間の常識を越したような金額に至るまでのサービスを行なっておるのが大多数のように実は承知しております。それから百億円の資産を持っておる大会社にしてなおかっただいま問題になっておりますような行為をする場合に、それ以下の中小会社は何によってやるかというお尋ねでございますが、これは、私自分の見解を申し上げてはなはだ申しわけございませんが、保険の募集をいたしますのに、経済的な交換条件を与えて契約者の関心なり信頼を得るというのも、確かに募集の一つの方法ではございます。その他にやはり純粋な意味のサービスと申しますか、他の会社が五へん訪問して敬意を表するところを、その会社は十ぺんも諮問して敬意を表するとか、あるいはその家庭に十分溶け込みまして、その子弟のいろいろな問題にまで外務の社員が気を配るということも、先輩から附いております。そういういわゆる純粋な意味のサービスによってより契約者の信頼を得て募集をする場合もございますし、またあるいは地方の素封家とか、あるいは有力な方に多くの場合代理店をお願いしておるのが実情でございます。そういう代理店の方には、いわゆる敬意を表するといいますか、先方の十分御満足のいくような敬意を表することによって、必ずしも金銭的な条件が伴わなくても、その会社に好意を持って募集なり、あっせんなりをして下さるという場合も多数ありますので、中小会社が十分な資金の用はのないときには、そういう別の意味のサービスによってやはり契約の開拓なり募集なりをいたしておるのではないかと、かように私は考えております。
○春日委員 私はそういう工合にお伺いをいたしておりません。と申しますのは、ただいま鈴木さんの御答弁にも、かつは井本刑事局長の説明の中にも、他の会社においても日本火災がやったと同じような事柄が行われておった。いわゆる代理店に対するリベート、特別のサービスが行われておった、こういうことでありました。そういたしますと、そういう金を支出するからには財源がなければならない、その財源を作るために、やはり擬装火災を作って、そういう擬装処理をしたというのが日本火災のケースであります。私が伺っておりますのは、他社もそういうことをやっておったら金が要る。私が今申し上げたのは、門地門閥のある人、あるいは実家にたずねていって云々ということではなくして、そういうリベートを行なりた現実の支出を捻出し得るための資金源は、何によってまかなっておったであろうか。口日本火災海上保険株式会社は百億の資金源を持っておったが、それよりももっと弱体の会社がことごとくやっておったとすれば、資金源をどこから確保してこのことに充てておったか、このことを伺っておるのであります。もしおわかりでありましたならば御答弁を願いたいと思います。
○葛西参考人 御趣旨に十分沿いませんで恐縮でありますが、その資金源の点になりますと、私が先刻申し上げました通信費とか、あるいは交通費という費目によりまして、やはり事業費として支出しておるのが大部分ではないかと私は考えます。
○春日委員 そのもとは何ですか。
○葛西参考人 もとは事業費でありますから、やはり会社の経費でございますね。
○春日委員 この際私がいろいろと資料によって調査をいたしたところによりますると、とにかく保険の損害率というもの、これがずっとふえてきておるのです。昭和二十七年の損害率は二三%であったものが二十八年には二四・九%、それから今井本刑事局長が答弁したところによりまする、いわゆる日本火災がテーブル・ファイアなる法律違反行為を始めました二十九年、三十年ごろになりますると、その損害率はくっと飛躍的に増大をいたしまして、二十九年は二八・四%、三十年は三二・四%、こういう工合に増大をいたしておるのであります。このことは、火災が現実にそれだけあったことを示す証左でもありまするが、しかしながら、その中にはあるいはこのような擬装火災、テーブル・ファイアが各社でことごとく行われておったことによって、このような損害率の増大を示したものではないかと案ぜられるのであります。ただ単に事業経費の節減であるということでありまするならば、私はあるいはかくの如く損害率の増大の計数が現われて参らないのではないかと存ずるのでありまするが、この点はいかがでありましょうか。
○葛西参考人 ただいまのお尋ねの損害率でございますが、春日先生の御指摘になります数字は、私の記録としましては火災保険だけではない、海上保険その他の保険を総計いたしましたものと存じますが……。
○春日委員 そうです。
○葛西参考人 火災につきましても、仰せの通りここ数年損害率が上昇傾向にありますことは、御指摘の通りでございます。これはごく特殊な大火と申しますか、新潟の大火であるとか、その他日本海沿岸にフェーン現象による思わざる大火がありましたために、最近二、三年この方損害率は相当上昇傾向にありますわけでございまして、私の考えといたしましては、多数の会社が架空の火災保険金処理をするために損害率がさように上昇しているものとは、実は考えておらないのでございます。
○春日委員 明確ではありますんが、これは後ほど協会の方へもう少し系統立ってお伺いすることにいたしまして、日本火災の鈴木さんにお伺いをしたいと思います。それで、本事件に関しまして、大蔵省は違反者に対する行政処分を行なってはいないのでありまするが、先般私が東條銀行局長にお伺いしたところによりますと、大蔵当局としては、その事実的な執行をもっぱら会社の自主的な措置に期待を寄せておるとのことでありますが、この期待によりまして行われたところの会社における自主的な措置、これは人的な、かつはまた事業運営の実態の上においてもいかなる措置が講じられましたか、これを承わっておきます。
○鈴木参考人 期日はよく覚えておりませんが、世間をお騒がせしました会社全体の最高の責任を負いまして、前の斎田高三氏は辞任されました。その後うちのケースが動機になりまして、大蔵当局の全国にわたる検査が行われました結果、私の会社にも、四店ほどそういう違反事実がございましたために、両常務減俸、当該の部、支店長それぞれ譴責というふうに、社内的にそれぞれ処罰をいたしまして、幸い実行されました三月十五日以来、いまだかつてない損保界の改革といわれております業務規制実行方策、これに関して率先励行方を目標に進んでおるわけでございます。
○春日委員 これによって、重役は何人ぐらい斎田さんとともに責任をとってやめられましたか、軍役にして引責辞職した者の氏名、これをお伺いいたします。
○鈴木参考人 社長以外にはございません。
○春日委員 他に責任をとってそれぞれ処分を受けたものがありますれば、その氏名を伺いたいと思います。
○鈴木参考人 それらの詳細を私存じておりしませんが、浜田副社長、吉沢常務、それぞれ減俸処置と存じます。それから私、鈴木東京第一営業部長――ちょっと今記憶がございませんが、四、五店の支店長の譴責処分を行いました。
○春日委員 この問題に私は重大なる関心を寄せまして、業界新聞等もいろいろ調べてみたのでありまするが、東條銀行局長もともに聞いておいていただきたいと存ずるのであります。これは日本保険新聞の二月十三日の記事であります。これによりますると、新任の高畑社長は、社員を集めて、公けの場所におけるあいさつにおいて、こういうことを述べております、斎田社長もはなはだ気の毒な立場であり、御心中御同情にたえぬものもある、こういう工合に表現をされておる。そうしてこれに対する斎田社長の退任あいさつは、はからずも今回御承知のような問題の責任を負いまして、私は当会社の取締役社長を辞任することになりました云々と述べております、私どもをもって言わしむるならば、この事件は悪質きわまる不正行為であります。法律に照らしても、まさにこれは法律違反の行為と断ぜざるを得ないのであります。これに対して引責云々と言ってみたところで、あとの責任を負うところの高畑さんが、これははなはだお気の毒である、御心中同情にたえぬと言っておられる。それから御本人は、退社されるあいさつで、はからずも責任を負わざるを得ない立場になった、こう言っておられるのでありまするが、一体実情は、そういう責任をとる斎田さんが気の毒千万にたえないような内容のものであるのかどうか、この際鈴木さんにおわかりでありましたならばお答え願いたい。一体本委員会が国政を調査するに当りましては、その内容を的確に把握せなければなりません。これではどうも本人が責任を感じておられる言動とは申しがたいのであります。一体どういうわけでこういうような表現になって表われて参っておるのか。その中身についておわかりになる範囲がありましたら。答えていただきたいと思うのであります。
○鈴木参考人 御答弁申し上げたいと思いますが、遺憾ながら私も容疑者と申しますか、被疑者と申しますかの一人でございまして、それらの点は、要するに目下事件の取調べの焦点かとも思われますので、残念ですけれども、御答弁は御遠慮申し上げたいと思いますから、御了承願います。
○春日委員 それでは、鈴木さんも先般本件に対する容疑者として逮捕され、事件の直接の関係者であると思われるのでございまするが、だとすれば、ただいまの御答弁をもってすれ、ば、これはおおむね斎田さんと同じような御心境にある。かつはまた会社においても業界においても、まことにお気の毒にたえないというような御同情を受けておられるような立場にあるのではないかと判断せざるを得ないのであります。 この際あなたにお伺いをいたしまするが、国会において、特にあなたの心境を明確にお述べをいただきたいと存ずるのであります。本日は、あなたは的仰天地に恥じざるの確信をもって、公正に保険事業を法の定めるところによって執行されておった、何らとがめを受くべき筋合いのものはないという確信を持っておられるのかどうか、この点を一つお伺いいたします。
○鈴木参考人 まことにありがたい御質問でございまして、ただいま申し上げておる通り、この席上をかりてもあえてはっきり申し上げますことは、俯仰天地に恥じないと確信しております。
○春日委員 恐縮でございますが、今の御発言、あとの方をもう一回お述べ願います。
○鈴木参考人 容疑者の立場として、社長のあいさつのいきさつ、それらに関連して、皆さんから同情ある、お気の毒だという目をもって見られているやに思うが、鈴木自身はどう考えるか、こういうふうな御質問かと思います。私といたしましては、会社の営業発展のためによかれと思ってやったことでありまして、募集取締法の違反という点につきましては、いずれ司直の手を待たなければなりませんけれども、それに関連して、告訴の内容にもあるように聞いておりますいわゆる不正とか背任とか、そういう点は毛頭私身に覚えのないことでございます。
○春日委員 これは明確ではございません。あなたは参考人であられますから、私どもは十分礼儀を尽してお伺いしておるのでありますけれども、しかしながら、これは被保険者との関係において、しかもあなた方の事業が保険業法、あるいは料率算出団体に関する法律、あるいは募集取締に関する法律等、三重、一重の保護を受けておる公共性最も高き事業である。こういう法律の保護を受けておられまする公益性の高き事業をやっておって、その法律の法網をくぐって、ありもしない火事があったがごとくに書類を作って、この火災保険金なるものを、いわばそういう金を不当に支出しておったわけですね。そういう余裕があるならば、当然保険料率を下げなければならないでありましょうし、いずれにしても現在日本が法治国であります限り、銀行であろうと、保険会社であろうと、何人であろうと、法律に違反して執行して、そうしてあなた方が言われるように何ら恥ずるところがないというようなことでは、私は今後の質問についても一心して質問しなければならないと思う。いかがでありますか、斎田さんが述べておられるように、はからずも引責辞職のやむなきに至ったと彼自体が述べておられます。また今度の高畑さんも、斎田さんが引責されたことは気の毒であって、心中同情にたえぬと言っておられる。そういう実態であるならば実態であるように、正々堂々と、かくかくの次第でわれわれは何ら恥ずるところがない、法律に対しても違反していない、火災保険事業はこういうことをなさざれば事業が遂行できない、こういう主張をなさるべき点があれば、この際十分述べていただいて、われわれはこれを的確な材料として判断して参らなければなりませんので、恐縮でありますが、その点の考え方を一つ明確にお述べ願っておかなければならぬわけであります。
○鈴木参考人 先ほども業界の実情につきまして申し上げました通り、取締法に違反いたしますので、いろいろ芳心はいたしましたけれども、業界の実情といたしまして、そういう資金の必要さは、どうしても今社を現状のまま守るためにはやむを得ず必要だということのために行なったことでございまして、明らかに募集取締法には違反しておると存じまして、その点で非常に恐縮しまして、社員一同自斎自戒しておるわけであります。
○奧村委員 ただいまの質問に関連して。私はあとから質問したいと思っておりましたがあまり納得のできない御答弁でありますので、関連してお伺いしておきます。 ただいまの鈴木参考人の御答弁によりますと、保険募集の取締に関する法律の第十六条該当を言われるのでしょうが、それには違反するが、その他のことについては違反しない、つまり、俯仰天地に恥じないというようなお言葉で、これはもうやむを得ないことで、決してその良心に恥じないということを堂々として言われる。そう言われるとするならば、これはほかの保険会社もみなそういうことを唯々とやって恥じないということにもなる。またそういうことを堂々と言われることを、当の監督の責任である大蔵省の銀行局長、保険課長もここにおられるのですが、それはそれでいいということになるとするならば、本委員会でこれから審査しようという事件について、われわれもよほど腰をきめて徹底的に研究しなければならぬ。 そこで要点を一つだけお尋ねしますが、テーブル・ファイアなりテーブル・ロスなり架空の保険契約を作り、架空の火災があったとして、つまり帳簿上金をごまかしてとっても、これは会社のために金をとったというのならば、そういう手段は悪くてもこれは何ら不正でない、天地に恥じない、そういう御答弁のように聞けたのですが、テーブル・ファイアやテーブル・ロスは法律違反ではない、会社としても決して恥じないことだということに解されて正も差しつかえないと思いますか、そういう御答弁ですか、鈴木さんにお恥わしておきます。
○鈴木参考人 誤解をいただいたようで大へん恐縮しております。苛烈な競争に耐えるために割引、割り戻し、あるいは代理店にいわゆるOCを支出したということ、並びにこれの資金に対してこういう架空のことをやったことは、法に触れることと目斎自戒しておるわけでございますが、先にど春日委員の御質問にございました、社長に関連しまして背任とか横領とかいうふうなことを承わりましたので、いわゆるその資金を不正に流用なり使用したかという点では、私ども全然関知しない、こういうところを申し上げたので、御了承願います。
○奧村委員 まだ私は不満足の点がありますけれども、これは春日委員の御質問が済んでからお尋ねいたしたいと思います。
○春日委員 この際念のために銀行局長の見解を伺っておきます。私どもは、先般の質問によって御承知を願ったと存ずるのでありますが、これは明らかに行政罰の執行を必要とする事柄であると考えましたが、しかし大蔵当局は、そのことに及ばずして、とにもかくにも業界の、自斎、特に当事者の自粛措置にゆだねておる、こういうことでありました。けれども、ただいまあなたはお聞きいただいたと思うのでありますが、それぞれ関係業界新聞の報道するところによりますと、斎田社長の退任は気の毒千万、同情に価する、御本人ははからずも引責辞職の余儀なきに至った、こういう工合で責任の授受が行われているのであります。しこうして関係当事者たる重役に対しては、だれ一人責任をとったものはありません。これは、あなた方が本委員会において答弁されました監督官庁としての期待に沿うの態度であるかどうか、この際見解を伺っておきます。
○東條政府委員 業界全体といたしましても、私はいろいろ自爾や根本的な是正の対策を講じてもらえることを期待いたしておりまして、協会を中心として、それぞれの是正の措置がとられつつあるので、現に期待いたしておるわけであります。それから特に日本火災の問題でございますが、私といたしましては、新社長の高畑社長がよく実情を調査せられた上、事態に即した適宜の白斎の措置、また綱紀を粛正する措置がとられておることを現在でも実は期待をいたしておりますが、今後の同社長の処置ぶりいかんによりましては、監督官庁としてよく考えねばならぬ点も出て参る、こう存じます。
○春日委員 今の鈴木参考人の御答弁に満足されておりますか、どうですか。
○東條政府委員 鈴木参考人が現在の高畑社長の立場なり考え方をそのままお述べになっておるかどうか、私といたしましては、同社長から直接聞かねばならぬと思いますが、た、だいまの法律違反に関する鈴木参考人の陳述につきましては、法規違反であるということを認め、それについては自斎自戒しなければならないという趣旨であると存じますので、その点につきましては、参考人の御意見でよかろうかと考えております。
○春日委員 それならば、鈴木さんの御答弁は、ただいま奧村君から関連質問のありました通り、会社の事業を運営するために法律違反をせざるを得なかった、そのことは悪いけれども、会社運営のためにかくせざるを得なかったので、言うならば顧みて恥ずるところはない、前社長が同情を受けるがごとくに、当然われわれも同情を受けてしかるべきだ、こういうような御答弁であった。それで満足でありますかどうかを伺っておる、それをもう一ぺん述べて下さい。
○東條政府委員 私は、先ほど来聞いておって、私として理解いたしておりますのは、保険募集取締に関する法律その他法規に違反したことについては遺憾である、しかしながら、いわゆるテーブル・ファイアによりまして調達した資金に関連をして、横領背任というような事実については俯仰天地に恥じないと確信している、こういうふうに聞いております。
○奧村委員 これは、私が関連して賛同したことについての銀行局長の御答弁でありますから、私から重ねてお尋ねしますが、私のお尋ねしたのは、鈴木参考人か、保険募集の取締に関する法律第十六条の規定に違反しておるということは認める、この規定というのはどうかというと、いわゆる手数料の払い過ぎとか、そういうことです。募集に対して無理な募集の仕方をする、こういうことで法律違反だ、しかしテーブル・ファイア、架空の契約をし、架空の火災を帳簿上でっち上げて、これで金をいわゆる帳簿上ごまかして処置した。このテーブル・ファイア、テーブル・ロスは違反でない、また違反であれば、これは明らかに反省されるはずです。それを違反でないと言う。そして、これは会社の発展上やむを得ないことだ、従って俯仰天地に恥じない、それだから保険募集の取締に関する法律の第十六条以外には違反はない、こういうことをはっきり言明しておられるのだから、銀行局長はその通りにお認めになっておられるのか、こういう春日君の御賢明です。私もその通りお尋ねしたいと思う。
○東條政府委員 鈴木参考人の陳述を聞いておりまして解釈いたしましたことは、いわゆるテーブル・ファイア、架空物件の架空罹災の処置によりまして資金を調達して、それでもってこの第十六条違反のいわゆるオーバー・コミッション、手数料の払い過ぎをやったということは、関係法律の違反であるということを認められて、それについて法律違反をやったことは遺憾であるというふうに鈴木参考人も述べられておる。またもし述べておられないとするなら、は、私はそう述べらるべきである、そう考えます。
○春日委員 私は断じて満足できますん。かくのごとき東條銀行局長の御答弁から受ける印象は、まことに不愉快である。従いまして、私はこの際憲法六十二条、国会法百四条、衆議院規則五十六条に従いまして、当然銀行検査官が本件を契機といたしまして、いろいろの検査を行なっておられると思う。その報告書が銀行局に提出されておるはずであります。従いまして、私どもは国会の権威とその責任において、独自の見解から、この事柄の真相をさらに深くただしていかなければなりません。従いまして、私はこの際国会法百四条、衆議院規則、五十六条に基きまして、この銀行検査官の火災保険会社を検査いたしましたときの一切の検査報告書の提出を本委員会に求めます。後日委員長においてこれをお取り計らいあらんことを要望いたします。 次いで質問を進めます。さらに鈴木さんにお伺いをいたしますが、いわゆるテーブル・ファイアなるものの件数、その金額はどれほどのものでありますか、これを一つ具体的にお述べを願いたい。
○鈴木参考人 私全般の数字を記憶しておりますんので、申し上げかねます。
○春日委員 あなたは少くとも会社の重役ではありますんか。しこうして本日は、あなたの会社の社長さんを参考人として御出向を願ったのでありますが、特にあなたが社長にかわり得る人として、かつは本件テーブル・ファイアについては、その当事者として事件の実態を最も詳細に御存じある方として、かわっての御出席の御交渉がありましたので、私はそれに承認を与えておるのであります。私たちは、本日国政調査のために特に参考人から御意見を伺わねばならぬことは、いわゆる問題となっておるテーブル・フアイアの本社における件数と金額、これが問題の核心であります。あなたが御答弁願えないとするならば、私は社長の御出席を願わなければならぬと存ずるのでありますがいかがでありますか。
○山本委員長 鈴木参考人にちょっと委員長から申し上げますが、もちろん証人等ではございませんから、参考人としてこの本質を尊重して、委員の方も質問をしておると御理解願わなければなりません。そこで冒頭私が申し上げたように、この委員会の参考人として要望せられたのは、それぞれ責任者を要望せられたわけです。しかるところ、責任者は公務執行中で御不在でありますので、やむなくそれにかわるべき人をそれぞれ会社に御連絡申し上げて、皆さんに来ていただいたと思うわけです。だとするならば、もちろん強制はいたしません、強制する方法は他にございますからいたしませんが、あなたは会社の常務として、なるほどこの印刷物を拝見すると、東京第一営業部長となっていられるから、主としてその方を担当しておられるけれども、会社の取締役なんです。従って、あなたは会社全体のことについても知らないわけはないというのが委員諸君の一般的な常識です。それを、先ほどからのあなたの御答弁を承わると、全部知らない、知らないで通してみえるが、そういうことでありますと、本日参考人を呼んでいろいろ調査をする意義というものは全くございません。従って、委員会は別途方法を講ずるごとになります。そういうことを十分御承知の上で、私は正確な御答弁をされることをこの際要望いたします。
○鈴木参考人 まことにごもっともでございますが、私は常務ではもちろんございまませんし、取締役の末席を汚しておる一人でございますが、それぞれ社内には常務もございますし、それからその常務にそれぞれの仕事の分野、分担がございまして、全国的のものとか数字とかいうものは、その人たちの所管事項、になっておりますし、もちろん取締役会議もございますけれども、例の事件の進展中でございますので、取調べのあれが刻々に変って参りますし、それらの数字を総体的にまとめて報告を受けたというようなこともございませんし、会社全体の件数、金額というふうな点につきましては、私遺憾ながら存じておりません。
○春日委員 私どもの調査の範囲によりますと、この件数が大蔵省から述べられたのと、検察庁から述べられたのと、さらに他の方向から伝えられておるところ、いずれも区々まちまちであります。どの程度の規模においてなされておったものか、いっごろからなされておったことか、さだかではありません。従いまして、国政調査のために、特にその当事者からその動かぬところを伺いたいと存じまして、特に本日御出向願いました用件の重大なる焦点もそこにあるのでありますが、いろいろな言あげされて御答弁ならないということは、まことに遺憾であります。 それでは質問を先へ進めますが、あなたの方は、本年の二月二十七日に東京地検特捜部から前社長斎田さんの宅、あなたの本社、それからいわゆるトンネル代理店、機関代理店といわれております日宝興業、この三カ所が、第一次に背任横領の容疑で家宅捜査を受けられたのであります。そこでただいまお伺いいたしたいことは、この日宝興業の実態についてでありますが、これはどういう構成になっておりまして、かつはこの法人から生じますところの所得は、いずれに帰属するのでありますか、また現実にここから上りました、利益は、どのように処分されておったのでありますか、これをお伺いいたしたいと思います。
○鈴木参考人 仰せの通り、日にちを覚えておりませんが、本社の一齊検挙と同時に、日宝興業も捜査を受けた事実はございます。日宝興業と申しますのは、私どもの会社の停年退職者を救う方法といたしまして、資本金四百万円、株主が大体百十名ないし三十名かと記憶しておりますが、それぞれ部長、支店長クラスが、それだけの人数で資本金を持ち寄りまして設立された会社でございまして、おもに代理店業務、それから社内の厚生設備と申しますか、物品一販売並びに不動産のあっせん、そういう事業を行う会社でございます。最初一、二年は多分無配だと思いましたが、四分か何が、かの配当を一、二回受けた覚えはございます。もちろん会社と全然別個の会社でありますの一で、今申し上げたように、わずかに収益を得る段階になり、株主の配当もほんの形だけできるような状態でありましたが、収益はもちろん日宝興業のものであると思います。従って、構成はいずれも私の会社の停年退職者をもって役員も構成されておりまして、社長以下四、五名の役員がおると思います。
○春日委員 この日宝興業が背任横領の容疑で家宅捜索を受けられたということでありますが、この容疑事犯は一体何でありますか、これを伺います。
○鈴木参考人 まことに残念ですけれども、私、その点は一切存じておりませんので、答弁いたしかねます。
○春日委員 先般の本員からの銀行局長に対する質問の答弁によりますと、この種のトンネル会社は、形式上第三人格を有して、保険事業遂行の上においては違反行為ではないと考えるが、しかしながら実質的には、法の精神から照らして、これは明らかに法律の精神に反するところの脱法行為である、従いまして、大蔵省としては、こういうようないわゆるトンネル代理店というようなものは、今後整理していく方針である、こういう意見が述べられておったのであります。それでお伺いいたしますが、この日宝典業のあり方について監督官庁であります大蔵省から、何らかの勧告を受けられたことがありますかありませんか、伺います。
○鈴木参考人 随時保険業務に関しましては、大蔵省当局のきびしい監督を受け検査も受けておりますが、どこの代理店にも往々にしてあります勘定の精算が、やや延滞しがちと申しますか、そういう点では、日宝興業も指摘されたかのように記憶はいたしておりますが、具体的には、別にどういう点といって指摘された記憶は残っておりません。
○春日委員 先般本委員会において、松本保険課長から答弁されたところと違うかと存ずるのでありますが、このいきさつはいかに相なっておりますか、課長から御答弁願います。
○松本説明員 お答えいたします。先般の委員会でお答えいたしましたのは、いわゆる機関代理店、自己物件代理店等については、方針としてやめさせる方向に行政指導するというのであります。日宝興業の業務といたしておりますことは、一つは土地建物の売買、賃借、管理、仲介、契約取引の代行、二つ目が不動産の評価、三つ目が貸金業、四つ目が広告及び損害保険の代理業、そのほか印刷業等々九つにわたる定款の項目がございまして、そのうちでわれわれが問題にいたしますところは、損害保険の代理業務でございまして、これがいわゆる機関代理店に当るものでありますならば、今後はっきりやめさせる方向に指導する考えでございます。
○春日委員 捜査がされましたのは二月二十三日、本日はすでに四月も終らんとしております。この長い期間にわたりまして、なお日宝興業の実態並びに掲げております九項目の中の一項目が法の精神に違反するかどうか、この点の調査はまだ終っていないのでありますか、伺います。
○松本説明委員 お答えいたします。日宝興業の関係の書類は、目下検察庁に押収されておりまして、返り次第われわれとしましても検査いたしまして、その実態を見た上で善後措置を講じたいと思っております。
○春日委員 次に鈴木さんにお伺いいたしますが、いわゆるこのテーブル・ファイアによって、このからくりによって捻出されましたところの資金は、新聞報道によりますと、あるものは一億五千万円といっておりますし、また他の資料によりますと三億二千万円ともいわれておるのであります。実態は本人でなければなかなかわからないのでありますが、この際鈴木さんにその使途についての詳細を伺いたいのでありますが、果して代理店のリベートだけに使われたものであるか、あるいはその他の費用に私的に、あるいは政党方面にその金が用いられたことはございませんか、いかがでありますか、おわかりであれば、この際伺っておきたいと存じます。
○鈴木参考人 先ほどからの御質問のような全国的にどうかという数字は、私どもは記憶しておりませんが、これらの使途につきましては、先ほど来申し上げておりますように、一品にリベートと申しますが、代理店が個々のお客さんにリベートをするその個々の内容に対しては、会社は全然あずかり知らぬわけでありますが、第一線において競争上そういうリベートが行われておるということを察知いたしまして、またさらに冠婚葬祭なり、代理店として多額の契約を数年にわたって維持するに必要な費用が相当かかるというふうな意味で報酬を出しておりまして、その資金を、当社の場合には、先ほど申しましたいわゆるテーブル・フアイアでもって捻出したことがありまして、もちろんおしかりを受けるかもしれませんが、そういうやむを得ざる費用のためて捻出したものでありますから、当然大半と申しますか、全部がその方に使用されておるものでありまして、先ほどから申し上げておりますように、他に流用とか不正とかいうような部分は、私の関知した範囲内では全然ございません。
○春日委員 大半と全部とは違うのであります。この全部がいわゆる代理店のサービスと申しますか、そういうような営業を行うために支出されておるのか、あるいは営業以外の方向に使われておったことはないか。たとえば関係者がこれを横領する場合も想定されましょうし、さらには政党献金等も考えられるのでありますが、この点は、テーブル・フアイアによって捻出された資金は、事業遂行の面にのみ局限されて消費されておるという責任ある御答弁が得られますか、いかがですか。
○鈴木参考人 私はさように信じております。それ以外の不正並びに今おっしゃられたような使用は、私の知る限り絶対にないと信じます。
○山本委員長 鈴木さん、不正でなくともよいのですよ。春日委員の質問するのは、事業そのものに使っておられるのか、それともその他のところにも使っておられるのか、その他のところというのは不正でなくともよいのですよ。
○鈴木参考人 その他のところは、私の知る限りありません。
○春日委員 時間がありませんので、次に進みます。それでは、本事件に関しまして、監督官庁の大蔵省から何らかの命令、勧告もしくは処分を受けられたことがありましたら、それをお述べ願いたいと思います。私が特にこれをお伺いいたしたいことは、保険業法あるいは料率算出団体に関する法律、保険募集の取締に関する法律の各法律によりまして、それぞれ行政処分の規定があるわけであります。代理店の取り消し、募集人の登録の取り消し、さまざまな行政処分があるわけであります。こういう点についていかなる勧告、命令、その他直接処分等があったのか、全然なかったのか、それともどういう事柄が行われておるのか、この際伺いたい。
○鈴木参考人 先ほど申しましたように、全国的に相当の店の検査を受けました結果、違反事実がございますので、文書をもって大蔵当局から、まことに遺憾である、今後どういう対策を講ずるか、ないし現実に行われたこの違反に対して、責任者の処置を講ぜよというふうなお話を受けまして、先ほど申しましたように、それぞれ社内の処罰をいたしたように記憶しております。
○春日委員 最後に一つ伺っておきたいのであります。これはやはり重大なる関連を有するのでありますが、前社長の斎田さんは、このテーブル・ファイア以外にも、同社所有の株券二万株を某証券会社に四千万円で買却をされまして、その金が私されておると伝えられておるのでありますが、このような事実があるかどうか。さらにはまた、捻出されたところのこの資金の使途について、どういう工合に会社はこれを行使いたしておりますか、御承知でありますならば伺っておきたいと存ずるのであります。
○鈴木参考人 私は、めまぐるしい営業の第一線を担当しております関係上、社長の株に関するいきさつ並びに資金のいかんというようなことは、全然関知しておりませんから、残念ながら御返事申し上げかねます。
○春日委員 まことに遺憾ではありますが、鈴木さんには、私どもが特に承知いたしたいと考えております事柄について、いずれも的確なる実情の御説明を得られなかったのであります。かくては、私どもが保険事業に対する本委員会の審議を進めますにつきまして、なお資料に欠くるものと思いますので、このことにつきましては、いずれ後刻、さらに全貌が明らかに御説明願えます方についてお伺いをする機会を特に留保いたしまして、鈴木さんに対する質問を終りたいと思います。 それでは損保協会に対してお伺いをいたしたいのでありますが、協会の性格並びにその目的は何でありますか、まずこれをお聞きいたします。
○葛西参考人 協会の定款を用意して参りましたので、事業目的を申し上げます。「本協会は、わが国における損害保険事業の健全な発達を図ることを目的とする。」という規定が二条にございまして、三条に「前条の目的を達成するため左の事業を行う。」として、一項から六項まで、第一に、損害保険に関する調査及び研究、第二に、損害保険に関する統計の作成及び資料の収集、第三に、損害保険に関する啓発及び宣伝、第四に、損害保険に関する意見の表明及び申達、第五に、災害防止及び損害軽減の方策の調査及び研究、第六が、前各号のほか、本協会の目的達成上必要と認めた事項、こういうことに相なっておりますわけでございます。
○春日委員 そこで、この協会の決議事項の各会社に対します拘束力の有無、並びにこの決議事項に違反をいたしました会社に対する制裁の内容、それからその効果はいかなるものでありますか、お伺いいたします。
○葛西参考人 申し上げます。先ほど、鈴木参考人に御質問の途中で私お答えいたしましたときに、ややそれに関連したことを申し上げかけたのでございますが、戦争前は私どもの損害保険協会が、同業各社の共通事項を各社の総意によって決定をして、これを執行に移し、違反したものに対しては、申し合せ違反としていろいろな制裁を課することができたわけでございます。その意味におきましては、拘束力が現在以上に強く持たれたということが言い得ると思うのでございますが、事業者団体の活動が独占禁止法によって制約をされました結果、目下の損害保険協会におきましては、日常業務についての拘束力がまことに薄いのであります。それで、協会の定款その他に反した場合に戒告、除名ということが、わずかに制裁措置として規定されているだけでございます。従って、協会自体ではあまり拘束力というものは持っておりませんので、いろいろ保険法規の示すところによりまして、十分誤まりのないように、業界の総意を取りまとめて実行していくというのが協会の使命と、かように心得ております。
○春日委員 そういたしますと、これは単なる申し合せ団体みたいなもので、会員が気に入らなければやめて、そうしてその協定事項あるいは議決事項等について全然守らなくても、何にも効果は及ばない、こういうことでありますか、伺います。
○葛西参考人 そういうふうにも取り得る仕組みになっておりますが、協会自体が罰するとか罰金を課するとかいうことは何らできませんので、やはり保険事業について示された法律に違反した事項が会員会社間にあります場合には、私どもで最高の意思の決定機関として理事会という組織がございますが、この理事会の決議によりまして、これを監督官庁である大蔵省へ申達をいたしまして、法によって適当にこれを処置していただく。協会自体が会員会社を処罰するという権限は、遺憾ながら持っておらぬ建前になっております。
○春日委員 これは非常にデリケートな問題でありますが、実は巷間伝えられるところによりますと、大蔵省の権威は、火災保険協会にはてんで及ばないんだ、言うなれば、大蔵省が何を言ったって、火災保険会社は全然聞かないんだ、こういう説が流布されておるのであります。ただいまのあなたの御説明によりますと、協会が処分してくれ、こういう工合に大蔵省に言うにあらざれば、大蔵省は法律に基いての執行は現実にはでき得ないような慣習に相なっておるのでありますか、この点伺っておきます
○葛西参考人 ただいま私がお答え申し上げましたのは、協会の機能として、会員を拘束する、あるいは処罰することができるかというお尋ねに対しまして、遺憾ながら、協会自体にその力は現在の建前では持ち合せがない、こういうことでございまして、法律を執行されております行政官庁といたしまして、もちろん官庁独自の御見解なり御意思によって、業界を処罰する、あるいは行政的な指導をされるということは、当然行い得ることであり、また事実上監督官庁から相当おしかりも受けておりますし、また強い御指導も受けておるのが現在の実情と心得ております。
○春日委員 それでは、言葉じりをとるようで恐縮でありますが、別に協会で処分せよと言わなくても、大蔵省は独自の権限によって、処分できるのでありますから、協会はもう要らぬものみたいなことのようでございますが、そういうふうに解して差しつかえありませんか。それとも、大蔵省との間に何らか暗黙の約諾がありまして、保険協会からそういった申請を行なったものについては処分する、すべて協会を通してでなければ、直接処分は行わない、何かそういう申し合でもあるのでありますか、ないのでありますか、伺っておきます。
○葛西参考人 そういう申し合せと申しますか、了解と申しますか、毛頭そういうことはないということを、私は責任を持ってお答えをいたします。
○春日委員 そういたしますと、日本火災事件に発端をいたしまして、あなたの方の新聞によっていろいろ研究してみますと、協会では四月十八日の理事会で、四月一日にさかのぼって、火災保険業務の自主規制措置なるものを実施することにきめたと伝えられておるのでありますが、このいわゆる自主規制なるものの拘束力並びにその内容、効果、こういうものについてお述べを願いたいと思います。
○葛西参考人 お尋ねをいただきました自主規制というのは、私どもの業界内部では業務規制と申しますが、その概要を御報告申し上げまして、今後の御指導に待ちたいと思うわけでございます。 ただいまお示しになりました四月十八日の理事会で決定したという業界紙の報道は、業務規制を今後確実に保持するために、業務の紊乱のないような状態を維持するために、裏づけ方策としていろいろ別途詳細な方法が講じられましたので、これが各種の専門の委員会でいろいろと討議を重ねまして、最終的に理事会を通過いたし決定いたしましたのが四月十八日という意味でございまして、従来募集取締規則あるいは料率算出団体に関する法律その他について、遺憾ながら程度の差はあっても、会員会社いずれも大小の違反点があったということにつきましては、昨年末銀行局長が協会に御臨席になりまして、十月、全社的な特別検査を施行されました結果につきまして、非常に厳重な御示達を受けたのでございます。その中に、特に架空の火災保険金の処理によって事業資金をまかなっておったという例もあり、これなどは最も意外千万のことであるというお話がございました。それで、割引であるとか、あるいは代理店に対して規定外の超過手数料を払っておるものがどこの会社にどれだけあるかということは、協会といたしましても的確にはわかりかねますけれども、いずれの会社にも、全然自分らはそういうことは関係ないと断言する会社はなかったというのが、そのときの実情でございました。それで、検査結果については、十分実態が整理された上で、それぞれの会社に厳重なる措置あるいは責任の追及をする、それから将来に向っては、再びこういう法律違反のないように、業者自身の自粛自戒で即時誤まりを是正するようにという厳重なおしかりを受けたわけであります。また、こういう警告を発したにもかかわらず、将来またしても過去に犯されたような誤まりが繰り返されるような事態が起れば、今後は法に照らして何らの仮借なく厳重に措置をするから、さように心得ろ、こういう意味の御示達がございました。 銀行局長の御退席後に、理事会におきまして、業界の一大事であるから、即時そういう誤まりをわれわれの責任において是正をしなければならぬということで、理事相互間でかたい申し合せをいたしまして、何分にも保険募集を行なっておりますのは地方の各出店でございますので、それらの出店に本部の理事会の意思を的確に伝えますには、若干時間的な余裕を見る必要もありますわけで、各出先機関に一つ至急に今日の局長のお話、またそれに基いて決意された理事会の意思を伝えようということをかたく申し合せたのが、第一回の業務規制の理事会の決議であります。 その後、その決議を単に伝えるというだけでは効果がないから、これが各出先機関に十分徹底浸潤するようにするにはいかにしたらよいかということで、いろいろと一月一ぱい各理事会で練りました結果、二月半ば、各社長がみずから自署をいたしまして誓約書を作りました。そして従来大蔵省からおしかりを受けたような業界の一部に誤まりがあったということは、われわれが強く反省をしなければならぬ。今後においては、一切関係法規に触れるような不公正な募集行為その他は、われわれの責任において行わないということをかたく誓約しようということで、誓約書を交換いたしました。それで、その趣旨が地方へ十分伝わりますならば、過去の誤まりを即時まっすぐな姿に返すということは、直ちに行なっておるものと私は存じておりますが、ただその点につきまして、先ほども申し上げました戦前、協定時代にわれわれが経験したところによりますと、こういうことじゃいかぬからということで、仲間が申し合せてせっかく正常な姿に復しましても、どうも各社間の競争意識というものの行き過ぎから、遺憾ながらまた従来でいう協定が他緩いたしまして、これではならぬということで、数年後にまた引き締めの運動をやるということを戦前何回か繰り返して参っておりますわけで、今日ではそういう協定違反でなしに、まさに法律に違反する、こういうことに相なっておりますので、戦前の状態とは格段の違いのあるということを、従業員全員にも十分認識をしてもらわなければならぬ。また出先の第一線にも、さような点はわかっておることでありましょうけれども、今日の事態を十分認識をしてもらうようにいろいろと協会からも伝達をいたしまして、それから過去の経験にかんがみまして、一応正常な姿に返ったものが再びくずれないようにするには、どうしたらいいかということで、業務規制方策と称しておりますが、幾つかの事項を取り上げまして、これを業務規制の保持策として有効なものとしていきたい、こういうふうに考えましてでき上ったのが、ただいまの業務規制方策と業界紙等に伝わっております内容でございます。 第一に取り上げましたのは、業者自身が、これは法によって監督官庁の監督は受けておるわけでありますけれども、非常に広範にわたる多数の契約を維持しておりますわけで、業者みずからがやはり法の精神を十分念頭に置いて、自主的に、こういう誤まりのないようにお互いの間で監査をしようという考えから、監査制度というものを協会に設置することにいたしたわけであります。それで、会員会社の中に従来ありましたような法規違反の不正の行為があった場合には、常時監査委員なり監査人が、会員会社の営業所に立ち入って検査をするということも、権限としては当然あるわけです。また地方出先の機関から、これこれの会社にはかくかくの違反容疑の行為があるように思うからというような申告があれば、即時監査委員が活動いたしまして、その実態を調査する。そうして調査した結果、法律に違反するなり、あるいはまた業者が道義的に申し合せた内容と背馳するような行為がはっきりといたしました場合に、その軽重の度合いに応じまして、業者内部でこれを解決し得る問題と、それから罰則なり措置なりは、先刻来申し上げておりますように、大蔵省へ進達をいたしまして、法によるお裁きを受ける、こういう建前をとっていきたいということから監査委員会という制度を設けたわけであります。それが第一点でございます。 それから第二点といたしましては、業者の中には、先生方御承知の通り、企業規模なり力におきまして非常な格段の差異のある会社も多数ありますわけで、これらが同じ条件、同じ料率で保険市場に並んで営業をしていくという上には、やはり大会社が比較的有利に進展をして、小会社の経営が非常に骨が折れるという事態は免れないわけでございます。これを何とかして緩和するということが、業界全体の不公正な競争を除去する上に必要ではないかという考え方から、大中小の会社からおのおの再保険を一定の割合で供出をいたしまして、これを言葉は必ずしも適切でないかもしれませんが、大会社に薄く中小の会社に厚く配分をすることによって、中小会社の企業差による悩みを若干でも改善し得るであろう、そういうことによって過当な競争が相当防止されるのじゃないかというところで、特別再保険制度というものを取りきめまして、これを四月一日からの新年度の三十二年度計算から実行に移すということに相なっております。 それから次の点は、既存の契約の、会社相互間に争奪があります場合に、多くいろいろ不公正な行き過ぎサービスが行われることが過去の経験に徴してはっきりしておりますので、甲の会社の契約が乙の会社に移動をしたという場合に、これはいろいろの理由によって移動をするのでありましょうけれども、その判別がまことに困難であります関係上、理由のいかんを問わず、一会社から他の会社に契約が移動した場合には、その移動した年度一カ年間は、契約の半額を喪失した会社へ再保険として返すということをいたしました。その再保険を返すには、普通の再保険とは比較的不利な条件で、つまり前喪失会社の利益を一部補てんするというようなお考え方を加えて実行しております。その結果は、必ずしもあとの契約を無理をして取っても、半分を比較的不利益な条件で前会社に一カ年間義務的に返すということになれば、どうもあまり無理をして取ることもないだろうというので、過当競争意欲を若干でも少くするのではないかという観点からいたしたものであります。 それからもう一つ申し上げますが、第二点につきましては、いろいろ御意見を伺っておりますわけで、代理店も、現在先生方の御承知の通り、十数万を数えておりまして、これを乱立しますと、どうしても代理店同士の競争、また所属会社同士の競争が行われますので、代理店につきましては、三十二年度は現状の数を超過しないように、現状維持でいこう、ただしこれにつきましては、設立まだ日の浅い会社等におきまして、現在数が非常に少いものは、特別な審査によりましてふやすことを認めております。それから一つの代理店に多数の会社が乗り合う場合に、乗合い会社同士でサービス競争が行われがちでありますので、この点も、今年度は原則として新設のものは乗合いを認めないということがございます。 それから最後に申し上げますことは、今回架空支払いというようなことにつきましていろいろ問題を起しまして、関係方面に多大の御迷惑をかけたことは恐縮千万に存じておりますが、そういうものが生ずる余地がなぜあったかということをいろいろ検討いたしました結果、従来は、百万円以下の火災の場合の保険金の支払いにつきましては、その会社が独自に支払いを決定いたしまして、算定会の火災調査部という独立組織がございますが、これが立ち会いに関与しておりませんわけでございます。百万円以上になりますと、算定会が立ち会って、全社の利益代表として公正な支払い保険金の決定に関与したわけでございます。今後は百万円以下、たとい一万円であろうとも、細大漏らさず火災保険支払月報に算定会の方で収録をいたしまして、そうしていやしくも会社が火災保険金として支払ったものは、必ず算定会に届け出られて、その月報に載せられるというようにいたしました。 大体それで要綱だけは申し上げたわけでございます。
○春日委員 それではさらにお伺いをいたしますが、ただいま伺いました範囲のいわゆる業務規制なるものは、これはことごとく現行法律が規制をいたしておりまする範囲内の事柄でありまして、法律を守ろうというだけのことであります。言うならば精神運動であって、お互いの順法精神を、何と申しましょうか、お互いにきちんとやっていこうという程度のことで、別にこれによって今後こういうような違反事実が徹底的に防遇できる措置とは考えられません。のみならず、この団体から脱退しても、あるいは処分を受けても、別に事業運営について何らの障害を受けないという立場から、さらにその感を深くするのであります。私は、ただいま鈴木さんが御答弁をされました通りに、苦境になればサービスをしなければ契約が取りつけられない、だから、サービスする必要がある、経済活動の分野においては、サービスという事柄は、それは本来の習性である。こういう立場から考えますると、現在の保険料率算出団体に関する法律に相当の欠陥があるのではないかと考えられるわけでございます。そこで現在の法律は、独禁法の適用を除外いたしまして、厳粛に規定はいたしておりますが、現実には守られていなかったということは、守り得なかったのではないか、経済の実情に沿わない、経済活動の本来の習性に相反した取りきめである、問題の本体は私はその辺にあるのではないかと存ぜられるのであります。すなわち保険会社が算出した料率は、法律を読んでみますると、適度に割引をすることもできるし、またときには割増しすることもできるという規定にはなっておるのありますが、協会はなぜその法律を行使しないのでありますか、一つの基準を定めるにとどまるのであって、これを割増しすることもできるし、割引することもできる。競争を特に必要とするならば、その必要なる理由をつけて、大蔵大臣の許可を得ればいいではありませんか。なせ、そのことをなさないのでありますか、この点をまずお伺いいたしておぎます。
○葛西参考人 ただいま春日先生からお尋ねがありました点は、料率算出団体法に関することでございまして、まことに恐縮でありますが、私も門前の小僧という立場で、若干算定会の事情は存じてはおりますけれども、機構が協会機構とは別機構となっておりまして、他の部門として、それぞれの責任者が担当しておりますので、算定会のことを私あまり申し上げて、また間違い等がありますと、かえって御迷惑をかけますので、算定会については、私から責任ある御答弁をし得る資格がたいと思いますので、御理解願いたいと思います。
○春日委員 では、あなたが事業を運営されておる団体の責任者として伺うのでありますが、やはりわが国経済は、資本主義を基礎といたしております。資本主義の経済活動は、自由にして公正なる競争の原則の上に立っておるのであります。そういう習性があって、わが国経済の関連するところの一切の現象が、その原則の上に立って現実に行われておる。そこで、あなたの方の事業は、競争してはならぬ、こういう無理な取りきめが行われておる。公共の福祉の名において保険事業を健全に運営できるための措置として、こういう法律が取りつけてあるわけであります。ところがその法律は守られない、ことごとくみな違反をしておった、こういうことであるから、この算出団体のこの法律そのものをこの際抜本塞源的に再検討の必要があるとわれわれは認識、認定するのでありますが、あなた方は、そういう必要をお考えになったことはありませんか。たとえば自由に競争していくといったって、大中小さまざまの二十社があって、現実に激しい競争が行われておる。そうして千六百何十万件という契約が現実にあって、そうして代理店の数だって十三万もある。あなた方がどういう顔をしようと、社長がみずから親書してそこに契約の判を押したところで、現実に何十万とある保険募集の人々は、自分が保険契約をとるために、やっぱりある程度特別の経済的な裏づけを行う、サービスを行うという形にならざるを得ないじゃないか、こういうふうに考えられるわけであります。それでなければ、大口のところ、信用の高いところに、同じ値段で同じごとならば、松坂屋へ行って買おう、あるいは三越へ行って買おうということで、町の小さい、零細商店にはなかなか客足が参りませんような工合に、大会社にのみその契約が集中して、なかなか一般会社にはいかないのじゃないか。そういういろいろな事態が予想される。私は、私が設例いたしました事柄は、必ずしもその実態をよく把握しておるとは考えませんけれども、現実に資本主義と自由経済の基礎の上に立つところの日本で、この保険事業だけが、まるで郵便やはがきみたいに、また酒やたばこみたいにマル公で押し切ってほんとうに押し切れるものか。今後このような取りつけをされたところで、外国会社は全然加盟されていないでしょう。また私がいろいろ業界新聞で見るところによりますと、言うならば批判的でさえあるわけであります。私は、こういうような精神的な運動を展開してみたところで、これは結局言うだけのしゃれだ、実際的な効果は、将来の長きにわたって確保し得るものではないのではないか、それよりも、むしろ関係法規の根本に触れて、公正に事業が運営できるための法的措置を講ずべきであると考えるが、あなたは事業者団体の責任者として、その点についてどのような見解をお持ちでありますか、この際承わっておきます。
○葛西参考人 お答えをいたします。ただいま御質問のうちで、外国会社は野放しという意味の何がございましたが、火災保険部門だけは、内国会社と同様に算定会の会員会社として、外国会社も加盟いたしております。これは、私が直接所管ではございませんが、門前の小僧として間違いのない点だと思いますので、ちょっと申し上げておきます。ただいま春日先生からいろいろ御指摘のありました、保険事業の過去の実態から見て、同一の条件、料率で大中小の会社が同じ条件のもとにやっていくということは、自由経済の本来の理念に反し、また過去の実態から見て守り得ないのではないか、別に何か方法を考える必要はないか、お前の考えはどうか、こういう御趣旨の御質問と拝聴いたしました。この点は、先生方に申し上げるのは釈迦に説法でございますけれども、一番困難な点は、保険契約は個々の契約についての原価計算が明確に示されないという点から、過去におきましても、割り引いて安くとれば、それだけ収入が減るということは万々承知の上でありますが、一年間無事に済めば損にはならないという安易な考えから、多数の契約がそういう方法によって募集されますと、終局的には全体の保険料のコストを割りまして、会社の経営が困難になるということは当然なことなんでありますが、戦前の協定料率が独占禁止法の精神によって実行できないという場合に、しかし保険の事業は、やはり共通の値段がそこになければ、大中小の契約なり会社なりがそれぞれの再保険を相互の間に交流する上に、当然差しつかえるという観点から、たまたまアメリカにお手本のありました算出団体法というもののモデルをとりまして、一方協定は禁止されるが、独禁法を排除したこういう別の法律措置によって、やはり共通の値段を維持しなければ保険が経営できないという観点から、御処理を願ったものと思うわけであります。 それから春日先生からお話のありました、大会社と中小会社と若干値段の相違を及けたらということにつきましては、一つ私が過去の記憶を申し上げますと、関東大震災のときに、政府から多額の国庫金を借用いたしまして、各震火災によって焼失した契約者に、火災保険契約の若干の割合を震災の見舞金として支払ったことがあるのであります。そのときに非常に資力の豊かな会社は、火災契約の一割を見舞金として支払い、また比較的資力の豊かでない会社は五分を支払って、明らかに世間へ会社の信用程度を暴露したことがあるわけであります。そういう後に、同じ条件で契約をするということは、なかなかその当時――われわれはAクラス、Bクラスというふうに呼んでいたと記憶いたしますが、AクラスBクラスの競争は非常に困難であろうから、何らかその間にアローアンスを認めたらどうかということが業者間で相談されまして、いわゆるAクラスの信用ある会社は、きめられた協定の料率を一歩も割り引いてはならない、それからBクラスのやや信用程度が低い会社は、協定料率の一割以内の割引ならばお互いに認めてやらせようじゃないか、こういうことを実行したことがあるのであります。いかにも中小会社擁護、または企業差の緩和ということに役立つような感じがいたしますが、結果は、遺憾ながらその当時の記憶としましては、一年くらいたつ間に、大会社も中小会社もやはり一割くらい引いたところに落ち込んでしまったわけであります。そういうことで、かりに大会社が正確に協定料率を守るかと申しますと、むしろ金持が物を高い値段で売るという結果になりますので、これは、むしろそういう条件のために多数の契約が中小会社に一割差のために流れていってくれれは本来の目的に沿うのでございますけれども、どうも過去の経験から申しますと、反対の結果になったという記憶がございますので、ただいま御指摘の御趣旨は、私どもも、何かこれだけせっかく法律でかたく縛られているにもかかわらず、なぜ一体保険会社は値段なり条件なりが守られないで、いつも関係のお役所なり皆様方に御迷惑をかけるかということを常に強く反省もいたしております。また今回ほど業界として強いショックを受けたこともかつて私はないと思うのであります。
○春日委員 いろいろ伺いたい問題がたくさんあるのでありますが、すでに一時半になっておりますから、一問だけにして、あとは次会にお願いしたいと思います。 問題の核心ですが、鈴木さんが御答弁になったところによると、過去にはやはりみんな競争しなければ商売がうまくやっていけなかった、やっていけなかったから、従って競争した。要するにリベートを払って金が要った、だから架空の火災を起した、こういうことでございました。やはり信用度の高いかっ資力の強い日本火災にしてそういうことをなさなければ事業の遂行ができなかった。しかも井本刑事局長の調査に基く説明によりましても、また業界紙その他いろいろわれわれの調査したところによりましても、他社ことごとくそういうリベート、反対給付、サービス行為を行なっておった。私がどうしてもわからないのはその資金です。ただいまの御答弁によりますと、やはりそれは正常なる経費の中から支出しておった、こう言われておるのでありますが、日本火災のごとき大会社ですら、正常経費をもって支出すれば配当もできないし、極端な赤字になってしまって、それはとてもできない。だから、膨大なるそういういわゆるテーブル・ファイアを行なって、そういう資金を確保した。これから類推いたしますれば、他社においてどうしてそういうサービス行為が行えたか、その金はどこから捻出してきたか、これはどうしても理解することができ得ないのでありますが、私を、かつは国民を納得せしめるような御解明がありましたならば、この際承わっておきたいと思うのであります。
○葛西参考人 その点は、冒頭に申し上げましたように、私ども調査権限もございませんし、その種のことは業界の資料として手元にございませんので、的確にどういう方法にということを申し上げかねるのは前言の通りでございますが、ただ一応業界の常識として考えておりますことを御参考までに申し上げますと、この今回の架空保険金の支払いということは、私ども約四十年に近い損害保険生活の上で、実は初めて経験したことでございまして、この点は、法律の解釈の上から、募集取締法違反、あるいはその他どういう関連なり、特に架空支払いについて特別な罪を構成するかという解釈上の問題につきましては、私どもわかりかねますけれども、少くとも保険の常識としては、保険金をもって事業経費に充てるということは、従来われわれ先輩からかつて聞いたこともありませんし、全然関知しない問題であったわけであります。現実に業界の一角にそういう実例が露呈しておるということは、まことに申しわけないことでございます。この事件を聞きましたときに、各社の社長さんを個別に訪問いたしまして、業界に重大な問題が不幸にして起っておるか、皆さんの会社にそれと類するようなことはないかどうか、十分一つ社内を御調査願って、はっきりした態度を示し得るような考えを持ってもらいたいということを申し上げたごとがあるのでございます。そのときには、そういうことは自分の会社は毛頭ないし、夢にも考えたことはないという説明を、すべての社長さんから実は受けたわけであります。それで、それではそういう多額な資金を何でまかなったかと申しますと、いろいろ費目は各社によって違いましょうけれども、やはり大部分は交通費とか、あるいは通信費とか、冠婚葬祭費という名目で常識を逸脱した相当な金額が出て、これが、口数いかんによっては年間相当な金額に累積されたのではないかと私は想像いたしております。それ以上のことにつきましては、私自身もわかりかねまして、御満足のいくような御答弁ができないことはまことに遺憾であります。今後も先生方の御指導によりまして、われわれの悩みといたしておりますところを一つ十分御解明いただきまして、また監督官庁にもおすがりして、御叱責をいただきました過去の業績については、できる、だけ今後りっぱなものにしていきたい、かように思っておりますので、私どもの微意だけは一つおくみ取り願いたいと申し上げる次第でございます。
○山本委員長 私から申し上げますが、実は春日委員から御要求のあった告発人の黒田円次郎参考人ですね、この方は先ほど診断書を持参して出席されたのです。ここに診断書がございますが、そのときの理由としては、実は診断書にあるように、ちょっと肺炎等でからだが悪いので、もしトップに参考供述ができれば別だが、時間がかかると、途中であるいは帰らしていただくようなことがあるかもしれないから、こういうことでありまして、その点を了承の上で出席を願ったのです。ところが先ほど、審議中に、やはりこれ以上お待ちすることは耐えられぬので、本日は帰らしていただく、こういうお言葉がございましたので、委員長もそういう生理上の関係でありますから、これを了承いたしましたので、一つ要求者も、その点御了承願いたいと思います。追ってまた次の機会にでも御相談の上、あるいはやるようなことがあるかもしれませんが、本日は御了承願いたいと思います。
○春日委員 肝心の告発べに対する質疑事項というものを私はかねて用意しておるのでありますが、そのような御病気ということでは、万やむを得ないかと存ずるわけであります。御全快の上、適切な調査のための資料を得たいと考えますから、委員長におかれまして、次会にそのようにお取り計らいを願いたいと思います。 なお、本日いろいろの参考意見を拝聴いたしたのでありますが、私といたしましては、必要にして十分なる真実の把握を満たし得なかったと存ずるわけであります。さらに告発人その他関係者について、問題の真相を確かめる機会を得たいと存ずるのでありますが、井本刑事局長の御説明によりましても、本件は捜査中でありまして、なお捜査の進行に伴いまして、それぞれ他社に向っても同一事案の調査とか告発を行うことがあり得るということでございまして、そういうような方法からも適切な資料が得られるかと存ずるわけであります。 なおこういうような情勢のもとにおきましては、やはり委員会におきまして、独自の責任においてさらに真相を承知いたしたい考えます。それは私といたしましては、やはり銀行検査官がそれぞれこの容疑事件に関連をいたしまして、特別検査をなさっておりましょうし、また定例検査も行なっておられると存ずるのであります。従いまして、本委員会は、その銀行検査官の第一次的な報告苦についてさらに検討を加えて調査を進めたいと考えますので、私は一質問の過程において委員長に要望いたしましたが、この際国会法百四条、衆議院規則五十六条によりまして、政府に対し、銀行検査官のその報告書の提出を求めたいという動議を提出いたします。
○山本委員長 これは、国会法によって委員会の決議を、要することになっておりますから、私の方で今の御要望の点を委員会に諮りまして、善処することにいたします。 それでは時間も相当たちましたので、午前はこの程度にいたしまして、午後は二時半から再開することにいたします。暫時休想いたします。 午後一時二十七分休憩 ――――◇――――― 午後二時五十九分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 損害保険事業に関する問題について質疑を続行いたします。奧村又十郎君。
○奧村委員 午前中の春日委員の質疑に続いて、私としましては、主として、損保会社に対する政府の検査監督かいかに行われたか、また今後いかに行われようとするか、そういうことに関連して参考人にも御質問を申し上げる、こういうようにいたしたいと存じます。 申すまでもなく損害保険会社は、保険業法その他の諸法律に基いて、政府、大威大臣の非常な厳重な検査監督のもとにあるわけであります。そこで、そういう政府の厳工な検査監督があるから保険会社は大丈夫なん、だ、政府の検査だけでなしに、もちろん会社自体もしっかりやっておられることと思うが、特にほかの株式会社その他の事業体とは違いまして、御承知の通り、政府の非常な厳重な検査監督のもとにありますから、国民も安心して契約をしておるわけです。御承知の通り、ほかに共済農協とか、あるいは各種団体の共済事業その他保険類似の行為がたくさんあります。しかし私どもは、政府のこの検査監督のもとにある損害保険会社を特に御信頼申し上げて、日本の保険業界の発展を期していきたい。特に私ども所管の大蔵委員会としては、実はそのように損害保険業界の発展を心から祈念して法律を作っていき、また行政を監督してきたつもりであります。ところが、今回事柄の内容がはなはだ遺憾千万なことが起った。そこで、こういうことが政府の厳重な検査監督のもとにどうして行われたか、またこれらは政府がわからなかったのか、またこれに対する処置をどうしたのか、どうするのかということについて、どうも政府の御答弁だけでは満足ではありません。そこで参考人にお尋ねするわけです。参考人の方々も、これは先はど春日委員からのお話もありましたように、千数百万件の契約を契約者としておられる、そういう契約者の方々やあるいは国民全般の方々に、今回の事件については遺憾には違いないが、しかし今後御心配はかけないということを知らしめるには、所管のこの衆議院大蔵委員会で、業者の方々の誠意のあるところを率直にお述べになるのが一番いい機会であるから、御多忙のところでまことに恐縮でありますが、そういう事情をよく頭に置かれて、率直にお述べを願いたい。実は、午前中の春日委員の御質問にかかわらず、もう一つ、政府の検査監督、責任関係が明らかでないと私は思われますので、つけ加えて二、三お尋ねをする次第であります。 そこでまずお尋ね申し上げたいのですが、日本火災海上ですか、日本火災海士ですか、この会社における事件の中で、大体二つの性質に分けられると思うのです。一つは、テーブル・ファイアあるいはテーブル・ロスなどの方法によって帳簿上全額をごまかしてお金を浮かしたという問題、それから、その浮かした金によって、いわゆる取締法第十六条の違反をして、代理店その他に無理な金を支払ったということが一つ、こういう二つの事柄に分けられると思うのです。 そこで、まずテーブル・ファイアあるいはテーブル・ロスについてですが、これは明らかに法規の違反であると思うのでありますが、先ほどの鈴木参考人の御答弁によると、これは違反でない、私が今申し上げた後段の取締法の第十六条の違反はあるけれども、テーブル・ロスやテーブル・ファイアそのものは法規の違反ではない、こういうふうに聞けるような御答弁でありましたが、これは法規上どういう規定による違反であるか、銀行局長はどういうふうに解釈しておられますか、まずその点をお尋ねいたします。
○鈴木参考人 ちょっと、ただいまの御質問に関連して発言させていただきたいと思います。 先ほど、春日先生の御質問に対する私のお答えの中で、テーブル・ファイアによって資金を捻出することと、捻出した資金をOCに充当するということを分離しまして、あたかも後半、だけが募集取締法に違反するというふうに解釈されるようなお答えを申し上げたかもしれませんが、それは私の意思ではございません。先ほど春日先生の御質問になりましたその金を、目的以外の、たとえば政治資金とか何かほかのことに使用したか、どうかという点に重点を置きまして、私の知っている限り、いわゆる資金を捻出する目的以外の方法に使われたことはない、ことに私的のことに使われたことは断じてございませんと申し上げて恥かしくない、こういう意味でございますので、御訂正願います。
○東條政府委員 私は、いわゆる架空の事故が起った、架空羅災の処刑をしていることの法律関係につきましては、なおいろいろ検討を要する点があるかと思っておりますが、少くとも保険業法の百五十二条第十三号にいわゆる「不実ノ記載ヲ為シタルトキ」という規定には該当いたすと思っております。 なお、くどうございますが、今奧村委員が話を二つにお分けになりまして御質問になりましたが、金を浮かして、その浮かした金をどう使うということでなくて、現実には、保険事故が起っていないにかかわらず保険事故が起ったという整理をしたということに限っての御質問ということでただいまお答えをしておるのであります。
○奧村委員 ただいまの銀行局長の御答弁は、先ほど私がお尋ねした最初の方ですね。不実の書類でもって金を浮かしたということについては、法律第百五十二条の「不実ノ記載」ですか、私はこういうふうに思うのですが、いわゆる保険業法の第一条二項の普通保険約款や事業方法書というものは、一番普通に行われる業務の方法をすべて規定してある、その打ち出してある保険約款や事業方法書などにこれは違反しておる、保険業務の基本にかかわる違反である、こういうふうに私は見ておるのですか、そうじゃないですか。
○東條政府委員 その事業方法書ないし各種の保険業の基礎になる書類があるわけでありますが、そういう事故が起ったということでつまり整理が行われておるわけです。その意味において、保険事故がないにかかわらず保険事故が起ったという整理をいたしておることが、私は問題であろうと思うのです。つまり一般的な事業方法書のようなもの、あるいは約款のようなものは、これは適正に事業が行われるということの前提のもとと申しますか、そういう事実関係を鵬来するものでありますから、問題は、そういう事実がないのにかかわらず事実があるがごとく偽装しておるというところに問題がありますので、どうも直接事業方法書ないし約款の違反というまだそこまでの結論には私御賛成申し上げかねます。 それからくどく申し上げますが、私は非常に形式論を申し上げておるのでありまして、もちろんそういう不実の記載をするということと、あと起っておりますところの、それによって捻出した資金をいわゆる業法なりあるいは取締に関する法律違反に使うということは、今一の場合、私は不可分一体的に実は考えなければならぬ問題だと思いますけれども、奧村委員がしいて分けて議論しろということでございますから区切って申しますが、今回の場合に不実の記載に関する条章をもってこの、案件を処理すること、か法律的にいいかどうかということを必ずしも申し上げておるのではありません。その点お間違いのないように、話がくどくなりますが申し上げておきます。
○奧村委員 テーブル・フアイア、テーブル・ロスというのは、いろんなやり方があるらしいのですね。つまり実際の契約者がある、それから契約の対象物件もある、ただ火事だけは起っていないのにかかわらず起ったという処理方法をやったのもあるし、それから契約者も架空のもの、契約の対象も架空のもの、火事も架空のもの、こういうように、大体この二種類になっておるようですが、これは両方とも百五十二条に該当すると考えておられるのですか。
○東條政府委員 お話しの通りに、私どもの方で検査をいたした結果によりますと、保険者は現実に存在する、しかし事故が起ってはいない、にもかかわらず、事故が起ったということで整理がしてあるというものと、保険契約者自体も架空の存在であるという場合と、二つカテゴリーとして考えられると思いますが、いずれにいたしましても、事故が起ってないのにかかわらず事故が起ったということで整理してあるということでございますから不実の記載である、こう考えます。
○奧村委員 そこで、どちらの場合にいたしましても、火災が起ってその対象物件が全部焼けたとか、半ば焼けたということで保険金が支払われるのですが、私は、保険会社の内部の仕事は詳しくわかりませんが、火災が起ったということならば、当然消防庁の証明などが要るでしょう。また全部焼けた、あるいは半分焼けた、従って損害の査定委員といいますか、会社自体でもやはり検査に行って、何%、損害金額は幾らということを査定して初めて金が払われるわけです。そうすると、通常消防庁などの火災の証明などは保険金支払いの条件になっていないのですか。
○東條政府委員 保険会社の普通の業務といたしましては、当然保険事故が起ったかどうか、火災が起ったかどうか、また起ったとすれば、どの程度の損害を受けたかという査定と申しますか、調査が行われて初めて保険金の支払が行われるわけであります。従いまして、通常の場合におきましては、現場の事務の処理に当る保険会社の職員が、現場を調査した上で保険金が支払われるのが通常である、こう考えております。
○奧村委員 ただいま銀行局長の御答弁のように、現場の確認をして保険金が支払われるということでありますので、もしそうだとすれば、日本火災の場合に、そういう手続を正式に踏んでおられれば、これほど多数の架空の支払いというものはあるべきはずはないと思う。そこで鈴木参考人にお尋ねいたしますが、あなたの会社では、火災の確認、これはおそらく消防庁の証明とかがあるでしょうし、それから内部においても、現場を視察して、どのくらい焼けたか、どのくらいの損害かということを調べてお払いになっておられるはずですが、こういう架空の支払いがたくさんあったということは、一体そういう検査などをどうしておられたか、その点、一つ鈴木参考人にお尋ねいたします。
○鈴木参考人 ごもっともな御質問でございまして、私どもの会社の内部処理は、非常にすべての事務がうるさ過ぎるといわれておるくらいの会社でございますので、ただいまの御質問の査定に関する処理も、もちろんよそさん同様、さらにそれ以上にもいろいろ複雑な規定を作りまして、厳重に検査をしておるのは事実でございまして、たまたま今御質問のように、私どもの会社としましては、違法ながらまことにやむを得ず、それ以外に方法がないという考えから、特別に支出の必要ある店から査定部と連絡しまして、その架空の羅災処理だけに関して、どうしても取らなければならぬ印鑑証明とか焼失証明を便宜社内において省略さしていただいておるのです。その他の一切のことは、全部今御質問のように厳重な規定によりまして執行されております。
○奧村委員 それでよくわかりました。特にこのお金を浮かすためにやむを得ずやったことで通常の場合は厳重に検査し執行しておるということでありますから、よくわかりました。 そこで失礼ですが、鈴木さんはいつから東京の支店の部長をしておられるのですか。
○鈴木参考人 三十年の六月からであります。
○奧村委員 三十年の六月とおっしゃいますと、大蔵省の調べによると、三十一年の四月から同じく三十一年の九月までに、あなたの東京営業部で十九件にわたってこういう架空支払いが行われた。支払い保険金額が一千百五十九万円、これは大蔵省がどういう調べをやったか。抜き打ちでやったかどうか知りませんが、大蔵省の調べだけでそういうことになっておるのですが、その通りですか。あなたは当の責任者でおられるから、その事実はお認めになりますか。
○鈴木参考人 会社の機構を申し上げますと、大体東京都内の東京の営業部というものは、一部、二部ないしは内務部というふうに分れておりまして、大体は一部、二部が運用の外部担当、それから内部の処理は内務課、内務部あるいは火災部と、こういうところで分割して行われておるのが業界の普通の状態のように思っております。私はそのうちの一部を担当しておりまして、同格の部長が二部にもおりますし、一部二部のものを総計して内部処理をする内務部にもやはり同格の部長がおります。その十九件、一千百五十九万というものを私は詳細に記憶いたしておりませんが、いわゆる東京営業というものをひっくるめての数字で、大体間違いはないんじゃなかろうかという私の記憶でございます。
○奧村委員 東京営業部でこういうことが行われた、このほかにも行われておるかもわからぬが、これはしかし東京の営業部長であるあなたが知っておられて、あなたが指図されたんじゃないんでしょうか。営業部長が知らずにほかの者がやるということは、どうも想像されませんがね。これは大事な点だから、私も聞きにくいけれども、言うてもらわぬと話が進まぬのですが、どうですか。さっきのお話のように、これだけは、まずかったけれどもやむを得ずやったとおっしゃるのですが、あなたがそのときの営業部長だから、御存じでしょう。
○鈴木参考人 全責任は当該部長の責任でございますけれども、資金に応じて、随時足らないときにはこの方法で出すというふうなことは、私承知しておりまして、部下にそれぞれ、それぞれと申しましてもごく限られた幹部の方に命じて、この方法でやるようにということは依頼しますが、個々のケースについて、どれをどういうふうにというようなことまではタッチしませんので、その実情に関しては、どちらかと申しますと、はっきり御説明できないわけでございます。
○奧村委員 保険会社のお仕事の中で、契約の募集をふやすのも大事ですが、一朝火災などのあった場合に、いち早く損害を検査して適正に保険金を払うということは、これは保険会社の一番大事な仕事だと思うのです。その一番大事な仕事についてこういう誤まりがあったんですから、そこで私どもお尋ねするのは、決して事を荒立てようというのではない、今後日本火災だけじゃなしに、ほかの損害保険会社にも絶対こういうことは起らぬのだという確信を持ちたい、こう思うからお尋ねするんで、今までのことについては、少ししつこいかもしれませんが、納得のいくまで一つ聞かせていただきたい。また率直に一つ御答弁をいただいて、もう今後こういうことはないんだという確信を私どもに持たすように答えていただきたい。その意味において、簡単にこういうことがどの保険会社にも行われるんだということでは、私ども納得できぬ。先ほどの御答弁のように、やむを得ず金を浮かすために、当該事件だけは適当な書類も作らなかった、間違いを起した、しかしほかは厳正にやっておるというのですから、実は私どもそれで一応一段落安心した。 その次に、特に金を浮かすためにやったというこの事件について、だれとだれが、どういう相談をしてこういうことができるのか、つまり斎田さんが責任をとっておやめになったが、よもや社長一人でできるもんじゃない。また営業部長一人でおやりになれるもんじゃない。そこでこれは差し出たことですが、私どもの想像では、まず火災の損害の査定委員が相談に乗っておらなければ判も押せぬはずです。それから損害の金額を支払う会計の方も知っておらねばいかぬでしょう。それからその浮いた金を処理する人も知っておらなければならぬでしょう。そういうことで、これは、この事件において、どういうポストの人がどのくらい知っておられたか、いわば共謀ですかな――共謀とまではいかぬか、そういう人の反省をわれわれは促したいのだから、どのくらいの人がこれに携わっておられたか、お尋ねいたします。
○鈴木参考人 ごもっともな御質問でございまして、契約を取るときの信用のいかんを云々するよりも、事故が起きたときの支払いを公正妥当に迅速にお支払いするというのが、われわれに課せられたる重大な使命でございますので、その点は、肝に銘じて会社の方針として実行いたしております。ただいまのいわゆるテーブル・ファイアの場合は、もちろん会社といたしまして遺憾なことであるけれども、つまり業績を維持するためにやむを得ない、こういう観点から、いわば営業発展のための不可避の結果だというふうに会社自体考えましたために行なっておったわけではございますが、この通り世間をお騒がせしまして、昨年の十月でございましたか、十一月でございましたか、即時撤廃ということで、全支店に命令いたしまして、断然これを廃止いたしておりますし、それからその他のいわゆる不公正競争に関する件も、現に先ほど申し上げました通り、三月十五日を期して、業界一般がすべてこの線を励行するということに足並みをそろえて、すでに実施の段階に入っておりますので、このたびのことに関して被保険者大衆に不安の念を与えたという点では、まことに申しわけないことであると考えておりますが、今申し上げた通り、当社自体は率先もちろんこの方法を廃止いたしましたし、これに関連しての不公正競争に対しても、今申し上げましたように、三月十五日を期して、全社一斉に業務規制ということに取りかかっておりますので、御了承願いたいと思います。 ただいまのもう一つの、実務の上でどれくらいかというふうなお話でしたが、これが何と申しましょうか、ただいま検察当局の最も重点を置いておられることのようにも察知される点でありますので、まことにお答えしかねるのですけれども、しょせん一人でできることでございませんし、そうかといって、常業の第一線の者にも知らせたくございませんし、かりにも、やむを得ざる必要より主じたとはいいながら、これがいわゆる社内事務の処理としまして、悪質の社員に利用される、あるいは悪用されるとか、そういうふうな懸念もなきにしもあらず、極力少い人員にしぼるということは心がけておりますけれども、事の性質上、一人や三人でできるものじゃございませんので、要所々々に事務の運行につれて書類を運ぶ部署々々へ、やはり一支店、一つの店で五人ない上十人の、何と申しますか、関知者があるという状態でございます。
○奧村委員 あとからもお尋ねしますが、損保協会の方でも自主的な、業界がお互いに監視し合ってこういうことのないようにというお話もありますが、しかし私は、これは失礼ですが果して大した効果が期待できるかどうか非常な疑問であると思うのです。これはあとから申し上げます。そうすると、会社自体として、こういうことは、たとい社長といえども、営業部長といえどもできないというような厳重な、何か制度的にできないようなものでなければいかぬと私は思うのです。一番大事なことです。ところがそういう制度にいまだになっていないような印象を受けますから突っ込んでお尋ねするのです。そこで、それじゃこの事件について、これはもう去年の七月ごろに発堂上、また相当やかましく騒がれて、大蔵省の方からも調べられたようでありますが、そこで、大蔵省の方から厳重に責任を追及しておられる。私はこの責任をどうとられたかということをお尋ねしたい。午前中、春日委員もお尋ねになった。それによりますと、斎田社長さんはおやめになった。しかし、これは自発的におやめになった。法律に基いて解任せられたんではない。そこに法律的に見て大きな意味の相違があると思う。私はこれほどの重大な問題なら、これは保険業法に基いて解任させなければならぬ。一たん解任させられれば、これはまさか二年や三年のうちにまた会社へ復帰するというわけにはいくまい。けれども自発的におやめになるということであれば、そこらの責任が非常に不明確であります。そういう点が私は起ってくると思う。銀行局長は、この自発的におやめになったということで、それでよろしいのですか。解任させるのが、これは法律上当然と思うが、なぜそこまでもっていかなかったか、その事情を一つお尋ねします。
○東條政府委員 いわゆるテーブル・ファイアということで、募集取締に関する法律の違反があるという事実は、これ明瞭でると思います。だ今朝来お話しがございますように、それ以上の法律関係の有無等につきましては、大蔵省以外の関係、自局におきましても、いろいろ目下なお調査を進めておられるわけでありまするが、私どものところでは、募集取締に関する法律違反以外の事実の有無につきましては、的確なる判断をいまだに実はいたしかねておるわけでございます。そこで問題は、募集取締に関する法律の違反という事実が心証を得られました場合に、今奧村委員仰せのように業法に基く解任命令を発動することが適当かどうかという点でございまするが、募集取締法違反の犯罪事実というものに関する反社会性の問題と申しますか、そういう観点から考えてみますると、まずこの際としては、最高責任者としての社長の責任は追及する。しかしそれを、法律に基く行政処分による解職ということよりは、社長の自発的な判断、つまりわれわれ当局の方でわかりません事情について、最も公正に冷静に客観的に判断し得るのは、自分、社長でありまするからして、社長として最もそういう事態にふさわしい責任のとり方はどうあるべきかということを、日本火災という大会社の、とにかくりっぱな良識のある社長にわれわれは期待いたしたわけでありますので、そういう方の良心に恥じない判断によるということが、この事案につきましては適当であろう、こう判断をいたしまして、社長の自発的な判断に基く責任のとり方という出方に出ました次第であります。
○奧村委員 この問題に限らず、大体大蔵省の検査監督というものは、はなはだ無責任きわまる、第一相互事件についてもその通り。あなたの御答弁は、いつもそういう煮え切らぬ御答弁でありますが、しかし国会は、相当厳重な検査監督の強大な権限をあなたに、あるいは大蔵大臣に与えておる。そうしてこういう不祥なことの起らぬように、政府に監督の責任を持たせておる。それじゃ十分の監督ができなければ、これはやむを得ぬ、これはこの法律に基いて処分をして、その責任を明確にせねばならぬ、責任を明確にさせねばならぬ責任があなたにあるのですよ、大蔵大臣にあるのですよ。そこで、これほどのひどいことが起っても、なおかつその法律は発動する必要はない、こういうことであるならば、もう私ども、こういう強大な権限は大蔵大臣に持たすべきじゃないと思う。こんな権限はほんの有名無実じゃないか。こういう権限があって、十分の検査監督をしておるということで、契約者も国民も安心して保険会社に契約しておるのであります。その責任権限を十分に果していない。私どもはその立場を追及しておるのだが、いつも大事なときにいくと、そういうふうで逃げていかれる。そこで、それならテーブル・ファイア、あるいはテーブル・ロス、これらはずいぶん多数行われ、日本火災だけでも数十件あったというが、この責任はだれに対して、どういうふうにとらせたのですか。
○東條政府委員 ただいま申し上げましたように、前社長に対しては、事実関係は別として、とにかく前社長は経営の最高責任者として、この事態に対しては責任をとるべきであるということで、社長としての判断に基く責任をとってもらいたいということで、われわれといたしましては要請をいたしたわけであります。 次に、ただいまのお言葉は、おそらく前社長以外の問題も含まれて参ると思うわけでありまするが、これにつきましては、実は遺憾ながら私どもの手では、ただいままでのところでは、前社長以外の重役、あるいは職員についての責任関係が明瞭でございません。そこで、ただいままでにとっておりますることは、新社長就任に当りまして、新社長に対しましては、内部でできるだけの監査、調査を早期に実施してもらいたい、そうしてそれに伴いますところの責任の明確化ということと、人事その他に対する処分への反映ということを、まず新しい社長においてよく内部を調べてやってもらいたいという要請をいたしてございます。おそらくいろいろ事実上の関係を、新しい社長も的確に把握しておらないのじゃなかろうか、こう思いまするが、私といたしましては、そういうわれわれからの要請に対しまして、新しい社長が事実を調査し、それに伴う責任の所在及びそれに伴う処置ということをし、あるいはしないならば、どういうわけであるかということの結果を、適当な心期にわれわれに対して報告がある、またわれわれの判断を求むべきもの、こう考えております。
○奧村委員 この事件について、保険業法を初め、午前中からもいろいろ質問がありましたが、ずいぶん法律規定に違反しておるのですね。そうすると、こういう法律違反をした場合はこういう処分がある、こういう処分があると、一応処分が規定されておる。それに基いて大蔵省が監督し、指導なさっておられるわけです。事前にこういうことはないはずでありますが、しかしこれが明らかになって、ここまで世間の人をひんしゅくさした事柄について、大蔵省としては何も責任追及をなさらぬのですか。ただ会社が自発的になさることをいまだに待っておる、こういうことですか。それなら大蔵省は、これほどの重大な監督権限を持たす必要はないことになるがその点はどうですか。
○東條政府委員 新しい社長のもとで、われわれを納得せしむるに足るような自発的な措置がとられない場合におきましては、法令に基く処置を私どもとらなければならぬ、こう存じております。
○奧村委員 問題は昭和二十九年ごろから継続して、毎年テーブル・フアイア・ロス、いろいろなことが行われて、もう三年も四年もなるのでしょう。その問保険契約者は知らずに契約しておる。現在も契約しておる。その保険契約者は、大蔵省の監督指導に安心して契約しておる。こういうことが起ったら、適当に処分するなり、あるいはこれは危ないという場合には、ちゃんと法律に規定してあるでしょう。管理の規定もあるでしょう。そういうような法律に基いた処分を大蔵省がしない。それでは、保険契約者としては安心できない。私ども国会においても、こういう保険会社、あるいは金融機関に対する金融三法もこれからまた作るのですが、いかに法律を作ってみても、あなたの方でそれを執行しなければ意味をなさぬ。これはもう水かけ論になりますから………。そうしますと、ただいまの日本火災における会社自体の責任追及は、まだ不満足であるが、会社み、ずからその責任を明らかにするまで大蔵省は待っておる、今そういう状態なんですか。
○東條政府委員 検察庁の、取調べも進んでおるわけでありまするが、私は、新しい社長のもとで、責任の所在の明確化ということを、一応会社が自発的にやってももらいたい、それを実は待っておるわけであります。しかし、お話しのように、いつまでも待つわけには参りませんから、適当な時期までに、新しい社長のもとで会社としての責任の明確化、それに伴う人事その他の処分の関係がはっきりして参らないということでありまするならば、官庁としても考えなければなりませんが、実はいろいろ関係の書類その他も会社の手元にない場合もありますから、新しい社長としても、いろいろ事実関係の把握に努めておられるものというふうに私は考えておるわけであります。私といたしましては、新しい高畑社長が、われわれとの話し合いの結果に基きます処置を、できるだけ早い機会に適切にとられるということを、実は今でも期待しておりますが、万一期待がはずれるようなことがありますれば、これは奧村委員の仰せのように、監督官庁としてはしかるべき措置を講じなければなりません。
○奧村委員 名古屋支店の方は、七件にわたって三百六十一万円の架空支払いをやっておる。これは大蔵省の調べだけでそういうことになっておる。これは、おそらく支店長が下僚に命じてやらしたものと思うので、当然支店長の責任はとらさなければならぬと思う。あるいは東京の営業部長の責任というものは、当然会社自体としてもとらさなければならぬ。そこで、大蔵省は、会社の自発的な処分に待つというただいまの銀行局長の答弁でありますから、それでは参考人鈴木さんにお尋ねいたします。せめて責任者である支店長あたりは、これははっきり責任をとらして、そして保険契約者に、このようにはっきり責任をとらしている、二度とこういう間違いは起さぬようにいたします、そういうふうにりっぱな態度をおとりになるべきであるが、会社としては、今どういう方針にあられますか。先ほどの御答弁によると、何かわずか減俸というお話ですが、これほどの問題をわずかな減俸で済ませる問題でない。おそらく世間の人も、それでは承知しまいし、監督官庁としての大蔵省としても、そんな処置で済ましておられる問題じゃないと思いますが、会社はどう考えておられますか。
○鈴木参考人 もちろん会社の最高首脳部としては、それらも含めて全般的に処置をするということは、十分考慮しておると思いますが、ここ一、二カ月と申しまするものは、支店長、本店の営業部長は、日ごとに検察庁の方に出頭しておりまして、毎日々々その方に追われておるような状態でありますので、どの範囲、どういうふうにということは、あるいはすでに転任しておる支店長の時代のことで、現在の支店長は知らないような場合もございますし、店々、部々によってケースが非常に複雑でございますので、それらを総合的に調査して、事件の取調べが一段落したあとに、何らかの方法を当然首脳部として考えておられることと思います。今即座に調査して、一刻も早く大衆に少しでも安心させるようにというお話は、まことにごもっともなお話でございます。か、そういうふうな複雑なケースでございますので、多分最高首脳部においても、ごく近くに終結を見るものと予想されます検察当局の最終段階を待って、すべての処置をされるのじゃないかというふうに私たちは想像しております。
○奧村委員 検察当局の方は、これは犯罪を捜査しておられるのであります。そうじゃなしに、私どもが今お尋ねしておるのは、行政検査、監督上の大蔵省の責任を追及しておる。そこで大蔵省は、会社が自発的に責任を明確にするという態度を期待しておる、こういうことですから、それじゃ会社がどういうことをやるか、大蔵省がそれで満足するのか、つまり間接に私どもは、会社のなさることを注目しておるわけです。ところが先ほどの御答弁では、減俸を二人だけやった、二、三人だけは譴責した、こういうことですが、先ほどの御答弁によると、どうもそれ、だけで処分が済んだような答弁ですから、それで私はお尋ねしておるのです。そうすると、午前中の答弁は、それで責任追及は済んだのではなく、追って根本的な責任の追及はするのだ、こういうことですか。
○鈴木参考人 私、役員の一人でございまして、最高首脳部の意向はわかりませんが、およそ首脳として、当然その点は考えられていると思うのであります。
○奧村委員 先ほどの御答弁をずっとお聞きしておりますと、鈴木参考人の言われるのには、非常に激烈な募集競争のために、帳簿外に金が要る、そこで、やむを得ずそういう帳簿外の金を作るためにやったのだ。従って、これは社長から下の方へ指図してやらしたので、責任はいかにも社長お一人にあるような、会社の方針としてやらしたのだ、こういう御答弁であります。そうするならば、会社の御方針として、関係の人に指図なさってやられるなら、やはり責任は斉田社長一人にある、あるいはそれに相談を受けた重役に責任がある、こういうふうに解釈される。またそれによって責任を追及されるはずだと思うのですが、会社側の考え方としては、その当時末端においてそういうことに携わった人には責任がない、こういうお考えですか。
○鈴木参考人 その点、会社の考えなり、検察当局の考えを想像するところを申し上げたいのですけれども、そこが最も中心になっておるようでございますので、はなはだ失礼でございますが、その点は御遠慮申し上げたいと思います。あしからず。
○奧村委員 責任を明確になさるということについては、この点が明確でないと責任の追及はできないわけですのでお尋ねしましたが、答弁できないということですから、これはやむを得ません。そこで、先ほど私が申し上げるように、いかに社長、重役の指図であろうとも、かかる法律違反、規定違反は、従業員はそういう命令には服さない、社長といえども、そういう法律違反の指図はできない、そういう制度が会社になぜできていなかったか。これを後悔して、今後はそういうことはありませんというなら、今後はそういうことのできないような体制が、今度の事件で反省してできましたか。ちょっとそこをお尋ねしたい。
○鈴木参考人 先ほどからのお話に、社長の命令というふうな言葉がございましたけれども、そういう事実はないことを御報告申し上げますとともに、昨年以来御指摘のような方法を全廃いたしまして、先ほどから申し上げていますようにな業務規定の線にそうて率先躬行するという態度で臨みます。
○奧村委員 これからの問題はわかりましたけれども、今事件になっておる事柄については、斉田社長からの指図によてて行なわれた、こう私どもは承知しておったのですが、斉田社長からの指図じゃなかったのですか。もしそうでなければ、どなたの指図でこういう事が行なわれたのですか」。
○鈴木参考人 その点が先ほどからの数回申し上げておるところでございまして、私の口から申し上げかねる点でございます。社長の命令でないということだけは申し上げられますけれども、そこの点が、ただいま取り調べの範囲に属するおよそ核心ではないかというふうに想像されますので、この点お答えできませんことを御了承願いたいと思います。
○奧村委員 あまり立ち入って恐縮ですが、斎田社長の指図によってこれが行なわれたのではないという御答弁です。そうすると、一体どなたの指図で行なわれたか。推察すると、どこか総務課あたりで、帳簿外の金がどうしても要るから、社長にも知らせず、取締役にもしらせずに、あるポストでニ、三が相談してやった、こういうことになる。もしそうであるとするならば、これは今後ともそういうことが行なわれる可能性が多分にある。あるいはまた日本火災だけでなしに、ほかの保険会社にもこう言うことが行なわれやすい可能性がずいぶんあるということになる。しかしこれが明確でないということであれば、これはどうも一番大事なところの審議が進まぬのですが、どうですか銀行局長、そういうことですら明らかにならずに、今後保険会社がかようなことは行なわれませんというような自信がもてますか。
○東條政府委員 実は指図があったか、なかったか、あったとすればどういうことになっておったかという事実関係は、大蔵省におきましても、今日までまだ把握できておりません。そこで先ほども申し上げたのでありますが、いずれにいたしましても、かような不祥事を生じたこと自体に対する経営上の責任は、最高責任者たる社長にあるというのが私どもの考え方でありまして、斉田前社長についてそういう意味の責任の追及と申しますか、責任を問うというのが私どもの立場でございまして、新しい社長がいまだにわれわれに対しましても的確に調査の結果の御報告がないのも、実はその辺り真相の把握ということが困難であるということではなかろうかと私は想像いたしております。しかし、これは想像の範囲を出せませんが、そういうことでございますので、いろいろな方面からよく取り調べをしてもらいまして、責任の所在の明確化ということを、あくまでも私どもとしても要請をいたしているわけでございます。それからそういう指図の関係、あるいは指令の関係いかんにかかわらず、今後こういう不詳事態がおこらないようにということは、これは、どこまでも各保険会社において責任を持ってやってもらわなければならない点でありますので、今後こういう事態を繰り返さないということにつきましては、私どもといたしましてもいろいろ具体的に検討もいたしておりますし、また各会社でも研究もいたしておりますし、協会その他でも研究いたしてもらっておりますということが偽らざるところであります。
○山本委員長 今お尋ねの点は、私が伺っていると、結局鈴木参考人の答弁によれば、今検察庁でこの点が事実捜査の対象になっているのだ、だからお答えしかねるということです。わかっていると思うのですが、捜査の中心になっていることはお答えしかねる、こういうことだと思うのです。そこのところはその程度でいかかですか。
○奧村委員 それじゃなるべく触れずに……。しかし問題は、この事件に責任をとって斉田社長がやめたのだ、ところが斉田社長はし図していないと言う話でしょう。そうすると、午前中からわれわれお尋ねしている事が、一体何をお尋ねしているのか。また銀行局長は、こういう問題に明確な答弁ができない。あなたは保険会社を監督しているのですが、あなたは去年からずいぶん質問して、こっちはくたびれました。しかし責任を重んずる政治の形態なら、銀行局長、局長の立場でもうそんな答弁はできぬはずですよ。 テーブル・ファイヤで帳簿上金が浮きます。その浮いた金は、まともに会社の表面の帳簿には載らぬはずですが、裏帳簿にのるのですか。そうすると、これは監査役の監査の対象にはならぬはずです。それはそういうふうになっているのですか。
○鈴木参考人 浮いた金とおっしゃいますけれども、帳簿の上は保険金という科目になっておりますので、一般に使うわけでありますが、その支出がいわゆる違法なOCの支払いということですから、裏に入るわけでございます。
○奧村委員 私のお尋ねするのは――隠し払いするのでしょう、支払ったことは違反であるけれども、とにかく支払ったその金を、会社が保険募集などにお使いになるわけですね。ところが一たん帳簿上外部に支払った訳です。その金を使うのですから、会社の表向きの帳簿には、その金は収入としては載らぬわけです。どこか裏帳簿に載せるをけでしょう。その点、お尋ねします。
○鈴木参考人 それがつまり代理店の、法律で禁止されておるOCに使われるわけです。
○奧村委員 つまり参考人のお話は、これは競争上やむを得ずそういう金をこしらえたのだ、これは日本火災だけでなく、ほかにもあるかもわからぬ。そこで競走上、会社の為にやむを得ずというのならわかります。しかし、そういう金が間々着服されて横に流れる。そこで一たん保険金として払われて、その金が会社の正規の帳簿に載って、代理店の募集などに出て行くのなら監査の対象になるが、今度の代理店の募集に使うときは、そんな正規の帳簿には支出として載らぬのでしょうか。――帳簿にのらぬから、代理店にはっきり渡したのか、あるいは一部着服して横に流れたのか、うやむやになるのじゃないか、そこの危険を私ども案じるのですが、これは議論になりますから、やめます。次に、火災損保協会の葛西専務さんにお尋ねいたします。同業者の方々が協定を結んで、自主的にこういうことの起らないようにしようということで、まことにこれはけっこうと思います。しかし、同業者同士が、果してよそさんの会社の内部を監査するということが事実上できるのか。これはお話はいいが、実行不可能なことのように私どもは考えるのです。もう一つは、そういうことのないように、大蔵省はずいぶん強大な権限で検査監督なさるが、大蔵省の検査監督が不十分でそういうことをなさるのか、そこの点をお尋ねします。
○葛西参考人 同業者が同業者を十分検査できるかと言うお尋ねは、大いにごもっともです。また過去の事例はそいう状態で、十分な規制が期し得なかったというので、今回は業界に起りました不詳な事件に強くかんがみませて、午前中に春日先生にも申し上げたように、各社長がかってない誓約を取りかわしまして、この誓約書によってそれぞれの会社が拘束されると申しますか、これによって設けられた監査人が、何どきでも会社の事業所に立ちいって、帳簿その他の検査をしてもいい。また会社はこれを一切拒まない、甘んじてその監査を受けるということを覚書によって各最高責任者が誓い合っているわけであります。その意味におきまして、従来行なった協会なり算定会なりの、それぞれの同業の機関の検査とは各段の力を持つものと実は期待をいたしているわけであります。 それから大蔵省に膨大な監督権があるのだから、それに依存していいではないかというお話でございますけれども、これは、大蔵省の方の検査機関にもおのずから人員その他の制約もございましょうし、またまず役所関係に御配慮をかける前に、業者みずからがそういうことのないように、一応自主的な規制なり監督なりをすべきがわれわれの任務である、そういうふうに考えまして、できるだけお役所のお手数をわずらわすようなケースの出ないように、未然に防止したいのがねらいでございます。しかし、また不幸にして過去のあやまちを繰り返すことがございまして、われわれ人者といたしましてもその措置に悩むような場合には、遺憾ながら監督官庁に訴えて、法に照らして厳重な措置をお願いする、こういうふうに考えて、ただいま規制を近めているわけでございます。
○奧村委員 あとは後日銀行局長に質問をいたしたいと思いますので、それだけ保留して本日の質問はこれで終ります。
○山本委員長 それでは損害保険事業に関する調査につきましては、本日はこの程度にとどめます。参考人の方々には、大へん長い間ありがとうございました。
○山本委員長 引き続いて準備版金制度に関する法律案、預金等に係る不当契約の取締に関する法律案、預金保障基金法案及び金融機関の経営保全等のための特別措置に関する法律案の四法律案を一括議題として質疑に入ります。石村英雄君。
○石村委員 準備預金制度に間する法律案についてまずお尋ねいたしますが、第二条第一項の金融機関のうち「政令で定める」ということで、いろいろ具体的な名前があげてありますが、これは除く方を聞いた方が早いと思うのですが、この法律の適用をしない金融機関にはどんなものをお考えになっているか、お尋ねいたします。
○東條政府委員 制度の発足当初におきまして「政令で定めるもの」、これは逆で恐縮でございますが、数が少いので、その方から申し上げますと、準備預金制度の適用をさせていただきたいと考えておりますのは、銀行、長期信用銀行、外国為替銀行、この三つでもってさしあたりスタートさせていただきたい、かように考えております。
○石村委員 それから三項にやはり一、(外貨預、金その他の政令で定める預金を除き、」とあるのですが、この政令の内容はどうお考えになっていらっしゃいますか。
○東條政府委員 制度の当初におきましては、ここに書きました外脂預金だけを除くことでスタートするのが適当であろうと考えております。
○石村委員 次に四項の「期限の定がある預金で政令で定めるもの」というのは、何を指しているのですか。
○大月説明員 ただいま考えておりますものは、三ヵ月以上の定期預金と据置貯金を考えております。逆に申しますれば、若干期限のございますもので、通知預金というようなものがございますが、これは七日程度のものでございますので、こういうものは除きたいと思っております。
○石村委員 それから「この法律は、公布の日から施行する。」というのですが、法律が施行されても、結局事実上やることは、日銀の政策委員会がきめることだと思いますが、政府とすれば、これが通過後日銀の政策委員会に直ちにこれを実施させる御意向があるのですか。それとも、半年先か一年先か五年先かをお考えになっていらっしゃるのですか。
○東條政府委員 これは、日本銀行の政策委員会が、そのときの金融情勢に応じて判断をして、大蔵大臣の認可を得て実施に移るわけであります。そのときの金融情勢のいかんでありますが、今日のような情勢でございますと、一〇%の範囲内でございますけれども、そう高い準備率をいきなりきめるということは、金融情勢上適当でない。現在ごく大ざっぱに申しまして、かりにこの準備率を、ただいまの計算をいたしてみますと、約〇・二五%から〇・三%以内というのが実はただいまの現状でございます。これで御想像いただきますように、今日のごとき金融情勢でございますならば、実施に移りましても、日本銀行の政策委員会で、大きなパーセンテージのようなものは、事実上金融情勢に即しないということになると思っております。
○石村委員 現状は〇・二人%ないし・〇・三%というのは、現在の現金準備で、この現金準備の中には、日銀預金を含むと思いますが、それが〇・二五ないし〇・三%、こういう意味でございますか。
○東條政府委員 金融機関から日本銀行への預け金だけをとりまして、それと市中金融機関の一般からの預かり金との割合を申し上げたわけでございます。
○石村委員 そういたしますと、政府とすれば、現在の金融状態から考えると、これをすく発動させる御意思はない、こう考えていいのですか。
○東條政府委員 つまりこの法律が通過になりますれば、法律の施行をいたしまして、この制度はすぐいわば発動せられるわけであります。しかし日本銀行の政策委員会がきめますところの。パーセンテージは、そんなに大きなものとしてきめることは、明衣の金融情勢には即しない。つまり制度といたしましては発動いたしますが、発動した制度下における準備率は、そう高いものであることは現在の金融情勢上適当ではない、こういう意味でございます。
○石村委員 この法律で適用される、今度政令でさらに適用されるただいまおっしゃった銀行、長期信用銀行、外国為替銀行、あるいは外貨預金を除く場合、あるいは三ヵ月以上の定期、こういうものに対して、大蔵省としては、現在こういう性質の預金、これがどの程度あるとお考えでございますか。
○大月説明員 三十二年、本年一月末におきます全国銀行預金は四兆六千八百十二億でございますので、これが対象になると思います。
○石村委員 四兆六千八百十二億ということになると、一〇%とすれば四千六百億円、一%として四百六十億円、こういう状態で、かりに一〇%以内ですが、ただいま銀行局長もお話しになったのですが、これをやって、上意義のあるようなやり方が現在の金融状況でできるとお考えでしょうか。これをやれば、今から法律ができるのですからやってかまいませんが、やったところが、一方では直らに日本銀行への借り入れが増加するということによって、通貨調節のための目的が何ら意義をなさないのじゃないか。もっと金融が正常化するというか、現在すでに異常な状態だと私は考えますが、そのときでなければこういうことはできないのじゃないか。こう判断しているのですが、いかがですか。
○東條政府委員 現在の金融情勢上考えてみますと、お話しのように準備預金制度が実施せられましても、高いパーセンテージの準備率ということは適当でないと思います。しかし、石村委員御承知のごとくに、日本経済の底の浅さ、あるいは金融情勢の推移というものは、相当大きく波を打ちますことも御承知の通りでございまして、もしこの制度が昨年初めくらいからかりに日本においてあったと考えてみますと、準備預金制度というものが効果を発揮したという事態があったであろう、これは私見でございますが、私はそう考えております。要するに各国の事例から考えてみましても、いろいろの金融情勢に対処いたしまして、現在の公定歩合制度、あるいはマーケット・オペレーションのほかに準備預金制度というものが、金融なり通貨の調節手段として、制度としてはぜひ望ましいものである。これは日本の経済のような底の浅い場合においては、そういういろいろの制度を持っていることが望ましい、こう考えるわけであります。それから外国の例をあげてはなはだ恐縮でありますが、日本の今の事態に適応するという意味ではありませんが、西独の場合のごときは、中央銀行との両建ということが当然起っているわけでありますが、起っても、なおかつ準備率の上げ下げをやるということによりまして、市中金融機関の行う信用供与をコントロールするということを、両建ということで、当然のこととして行なっているような事例もありますので、これはくどく申し上げて恐縮でありますが、ただいまの事態に適応するという意味ではありませんが、そういう運用も、経済情勢、金融情勢によっては行い得るものであるということを、ほかの外国の例から申し上げてみたいと思います。
○石村委員 大蔵省としても、現在の金融状況では、設けてもあまり高い率は考えていないということですが、まあそれはその通りになると思うのですが、日本のような、普通銀行が直接中央銀行に結びつているこの制度のもとで、こういう準備制度を作ってもあまり効果がないのじゃないか、こう私は考えるのです、イギリスなんかのように、中央銀行と市中銀行との中間にコール市場があって、コール市場を通じて中央銀行に結びついているというところであったならば、こういう準備制度の効果も相当あると思うのですが、日本のように、中央銀行に直接結びついている場合は、かりにその実態に応じて準備率を上げれば、もし無理な上げ方がかりにあったとすれば、必ず一方で日銀の貸し出しがふえるということになって、こういう準備金を置いたことの意義が結局何の役にも立たないということになりはしないか、こう考えるのですが、まあそれでも幾らか役に立つだろうといえばそれまでの話ですが、大蔵省は、非常な期待をこれに持っていらっしゃるかどうか。
○東條政府委員 石村委員御承知の通りでありますが、イギリスにおきましては、いわゆる法律上の制度としてはございませんが、中央銀行、イングランド銀行への預け金というものは、相当金融制度上大きな意味を持っております。それから米国、西独を初め各国におきましても、すべていわゆる準備預金制度というものを持っているわけであります。私どもといたしましても、先ほども申し上げておりますように、今日ただいますくこの制度をしいた場合に、高い準備率を適用し、また準備率が活発に上下できるという今日の事態であるとは申し上げておりませんが、日本の経済ということを考えてみますと、こういう準備率を設定していただくということが適当である、またこの準備率制度の役割に相当大きな期待をしておる、こういう実情でございます。
○石村委員 だいぶ時間がおそくなったようですから、質問を保留いたしまして、後日に譲ります。
○山本委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は五月七日午前十時三十分より開会することといたしまして、これにて散会いたします。 午後四時二十一分散会