P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会衆議院1957/03/30

大蔵委員会 第22号

発言数
141
登壇者
10
会派数
2
開催日
1957/03/30

会議録

山本幸一日本社会党

○山本委員長 これより会議を開きます。  春日委員より発言を求められておりますので、これを許します。春日一幸君。

春日一幸日本社会党

○春日委員 揮発油税増徴案に対しまする議員の態度について、特に昨日は質問を行なったのでありましたが、なかんずく特に関係閣僚において、この揮発油税増徴案に対して反対の意思を揮発油税増徴反対実行委員会に表明されておった方々が、本日現実の増徴案に対して賛成されておる。こういうことについて、昨日は本委員会に当該田中自治庁長官、中村法務大臣、神田厚生大臣の三大臣に出席を求めて、その所見をお伺いいたしたのであります。思いまするに、政治の基礎は政治家の節操の堅持にあると思われるのであります。一切の議案は、国会議員の賛否の表決によって決せられておるのでありまするから、この案件に対する議員の態度こそは、まさに国政の基礎になっておるものであります。従って、議員は議案に対しては賛否の態度は慎重を期すべきであって、いやしくも一たび賛成の意思を表明したならば、国会の尊厳と政治家の責任において、みだりにこれを豹変するがごときは断じて許されるところではないのであります。思うに、議員が一つの議案について、一つの機関において反対の意思を表明し、他の機関において賛成の行動をとることが許されるといたしましたならば、国会の運営は収拾しあたわざる混乱に陥ることは必定であります。かくて国会に対する国民の信頼は根底からくつがえり、これはそのまま国政を紊乱せしめるものであろうことを最もおそれるものであります。さればこそ、国会においては、従来とも議員の言動に対しては特に厳粛なる制肘が加えられておるのでありまして、これをその前例に徴するならば、昭和二十五年四月四日参議院におきましては、この種の事案に対して、該当者小川友三君の除名処分をあえて行なっているほどのものであります。ここにガソリン税増徴案に対しまして、田中伊三次君、神田博君、中村梅吉君、この三大臣が、この揮発油税増徴反対実行委員会という、この関係国民の総連合であります機関に対して、これの増徴に反対の意思を明確に文書をもって誓約しておきながら、本日この増徴案に対して賛成しておるがごときは、これは最もその責任重大なりとして糾弾されなければならない事柄であろうと存ずるのであります。こういう立場から、昨日その責任を追及し、さらにその弁明を求めたのでありまするが、これは私どもを了解せしむるに足るものではなかったのであります。しかしながら、本日わが委員会が置かれておりまする立場は、特にガソリン税の増徴案そのものについてさらに審議を促進せなければならない立場にありまするので、この事案の取扱いにつきましては、昨日これら関係諸大臣から述べられたところを速記録についてさらに厳粛に再検討いたしまして、私どもといたしましては、いかなる方式をもってその責任を明らかにし、そうして国会の尊厳を保つか、その方法等についてはさらに検討を必要と考えますので、これらが処置につきましては、後日速記録に基く再検討の上、あらためて当機関にかけてその態度を決定することといたしまして、このことを十分申し述べまして、一切を後日に譲ることといたします。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 ただいま春日君の発言の通り、速記録を読みまして、さらに問題を後日に残すことにいたします。  それでは、揮発油税法及び地方道路税法の一部を改正する法律案の再法律案を一括議題として質疑を続行いたします。  この際御報告申し上げますが、両法案に対しまして、小山長規君外二十五名提出の修正案がそれぞれ委員長の手元まで提出せられておりますので、これを印刷して皆さんのお手元に配付しておきました。この際提出者より両修正案について趣旨の説明を聴取いたしたいと思います。小山長規君。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 それでは揮発油税法案に対する修正案を読み上げます。  揮発油税法案の一部を次のように修正する。  第九条中「一万五千八百円」を「二万四千八百円」に改める。  附則第九項中「四千八百円」を「三  千八百円」に改める。  附則第十項中「四万八千円」を「三万八千円」に、「九万六千円」を「七万六千円」に、「二十八万八千円」を「二十二万八千円」に、「四十八万円」を「三十八万円」に改める。  以上が揮発油税法案に対する修正案であります。  次に、地方道路税法の一部を改正する法律案に対する修正案を読み上げます。  地方道路税法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  第四条の改正規定中「三千七百円」を「三千五百円」に改める。  第七条第二項、第九条、第十条、第十一条第一項、第十二条第四項及び第十三条第一項の改正規定中「百九十五分の三十七」を「百八十三分の三十五」に、「百九十五分の百五十八」を「百八十三分の百四十八」に改める。  附則第五項中「四十八分の十七」を「三十八分の十五」に改める。  附則第六項中「百九十五分の三十七」を「百八十三分の三十五」に、「六十五分の十七」を「五十三分の十五」に、「百九十五分の百五十八」を「百八十三分の百四十八」に、「六十五分の四十八」を「五十三分の三十八」に改める。  この修正案の理由を簡単に申し上げますと、政府原案においては、ガソリン税、地方道路税両方合せまして、一キロリッター当り千五百円の増徴案になっておったのでありまするが、与党においてさらに検討を加えましたところが、この六千五百円の内容をなすものを見ますると、課税対象数量が三十二年度中三百六十四万七千キロリッターになっておるのでありまするが、その中からいろいろな控除すべきものを引きまして、保税の総対象となりますのは三百四十一万五千キロリッターになっております。ところでその控除すべき科目をいろいろ調べてみますると、たとえば今まで蔵出しから課税するまでの期間を七十五日と予定しておりましたのを、九十日に延ばそうというのが一つの内容になっております。それからもう一つは、蔵出しから卸の段階にいきます輸送途中の欠減分を一キロリッター当り三・七%と見て課税することになっておったのでありますが、与党においてさらに検討を加えましたところが、七十五日の課税猶予期間を九十日に延ばすことは、この際取りやめたらどうかという意見が出て参りました。また三・七%の欠減分の見方は少し甘過ぎるというので、これを一・五%程度に縮めたらどうか、こういう意見が出まして、そうして検討の結果は、それが適当であろうということになりましたので、この九十日の猶予期間を従来通り七十五日に据え置き、そして三・七%の欠減分量を一・五%に縮めるというふうに計算いたして参りますると、ガソリン税、地方道路税の値上げ総合計額は、キロリッター当り五千三百円でよろしい、こういう計算になりましたので、ただいまのような修正案を提出いたした次第であります。さらにもう一つこの内容を申し上げますると、政府原案における課税対象であるところの三百六十四万七千キロリッターというものは、この修正案においても動かしておりません。ただ、九十日の猶予期間を七十五日に縮めることによりますところの課税対象の増加は、九万七千キロリッターであります。それから欠減分量を三・七から一・五に落すことによるところの欠減分量の増が八万キロリッターでありまして、差し引きは五万五千キロリッターだけを課税対象外にするということに相なりまして、政府原案においては三百四十一万五千キロリッターの課税標準でありましたものを、われわれの案においては三百五十九万二千キロリッターといたしております。こういうふうな考え方のもとにやりました場合に、それではガソリン税と地方道路税とはどのように変化してくるかと申しますと、揮発油税においては、総収入額は五百三億一千八百万円でありまして、政府が最初見ましたよりも七千六百万円の減と相なります。地方道路税においては、総課税額が百十四億四千九百万円と相なりまして、政府原案よりも逆に七千六百万円の増と相なりまして、総合計においては差し引きゼロということに相なるわけであります。従って予算においては一銭一厘の——と言いますと、非常に語弊があるかもしれませんが、ほとんど食い違いなしという結果に相なります。こういうことを申し上げたいのであります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 これにて趣旨の説明は終りました。  これより両案及び両案に対する修正案を一括議題として質疑を行います。  質疑の発言の前に、私からちょっと申し上けたいのですが、先ほど春日一幸君から、大蔵大臣並びに建設大臣の出席要求がございましたので、直ちにその旨の請求に参ったわけです。その結果、今建設大臣は建設委員会で採決のものが一つあるそうで、その採決が済めばすぐ出席をすることになっております。なお大蔵大臣も、閣僚懇談会が終了次第出席することになっておりますので、従って今の修正案に対する質疑中にもし大臣が出席いたしました場合には、はなはだ恐縮でありますけれども、質疑者をしばらく交代していただいて、大臣に対する質問に直ちに切りかえていただきたい、こういうことをお願いいたしたいと存じます。  それでは修正案並びに両案についての質疑を行います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 その前にちょっと——ただいま修正案が小山委員より御提案になりましたが、この課税対象をどの程度に見るかという点につきまして、過ぐる合同委員会において通産大臣と運輸大臣との間に意見の食い違いがあったことは、皆様御承知の通りであります。この点につきましてやはり明らかにしていきませんと、審議が進みませんので、この際大蔵大臣、建設大臣とともに運輸大臣をお呼びいただきたい、このことを委員長の方でよろしくお取り計らいを願いたいと存じます。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 さよう善処いたします。  横山委員。

横山利秋日本社会党

○横山委員 主として修正案及びその精神について小山委員にお伺いをいたしたいと思うわけでございます。  今度のこのガソリン税ほど世間を非常に震憾させたものはない。特に仁徳以来の減税と呼号される中で、仁徳以来の大増税ともいわれているのでありますから、この最終段階において、与党を代表して御提案をなさったその気持をまずお伺いをしたいのであります。つまり私の言わんとするところは、一万数千円というところから、きのうの署名の問題も発生し、それから八千円の声を聞き、六千五百円の声を聞き、また一部に五千五百円の声を聞き、ここに五千三百円の提案となってきました。そうすると、一体何が適正であるか、何が真実であるかということについて、国民は非常に疑惑の念を強めざるを得ないのであります。今修正をされた二点、つまり欠減率を、三・七を一・五にする。それからこの納税の方式を現状通りにとどめて七十五日にする、それはわかりました。しかしなぜそうなるのか、それがなぜ適正であるのかという点については、御説明がないのであります。課税数量にいたしましても、総額の三百六十四万七千キロ、これが今日最も論争の中心になったのでありますか、これがなぜ正しいのかという点についての御説明がないのであります。   〔委員長退席、平岡委員長代理着席〕  今日までこの課税数量につきましても、もうまさに百花繚乱のごとき数字が出ております。運輸大臣は、総数量四百二十二万キロという数字も出しました。同じ内閣の閣僚で重大な食い違いがあるということは、今日世間のすべての知っているところであります。従って、修正案を御提示になるその立場というものは、これがもう絶対であるかないかという確信というものが、この審議を通じて国民の中になまなまと出て、納得、説得力を持たなければならぬと思うのでありますが、その点について提案者の御所見を承わりたいと思うのであります。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 お答えいたします。課税対象の総数量が三百六十四万七千キロリットルである。この数字につきましては、過日の合同委員会においていろいろ議論があったことは承知いたしておりますが、この数子は、政府の今度の予算を出しますについてのすべての経済計画の資料というものを基礎にして出ておるというのでありますから、またわれわれ自民党といたしましては、党議としてこれを承認しておることでありますので、この数字は動かさないといてり前提でこの修正案にかかったわけでございます。同時にまた猶予日数を七十五日で適当であろうということは、最近の経済の状況に見ますと、相当手形が延びてきておるという事実もありますが、同時にまた手形の期日が短縮されておる面もありますので、七十五日を従来やってきておった関係からいって、別にこの際取り立ててさらに十五日しいて延ばさなくともよいのじゃないかという結論に達したということであります。   〔平岡委員長代理退席、委員長着席〕  それからもう一つの欠減分量三・七というのは、いろいろ調べてみますと、いわば慣習法的に三・七というものが従来認められておったようでありますが、輸送の状況の改良その他を考えますと、これまたしいて三・七%でなくてもいいんじゃないか、一・五%まで切り下げてみても、別に欠減がそれほどこれと違った数字には出てこないんじゃないかという結論に達しましたので、さようにいたしたわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 審議の最終段階でありますから、私はあげ足とりをやろうとは思いません。ただ私が非常に心配をいたしますのは、納税者が、この三段階四段階にまで変って参りました数字、そうして与党を代表して御提案されるこの数字というものは動かしがたいのであるかどうかという懸念を、科学的に払拭しなければならぬ。そうしなければ、納税者としては納得をしないであろう、ここまで下ってきたものがなぜもう下らないのか、まだ下るかもしれぬというふうに、この数字というものに対して疑惑の念を持っておるのでありますから、ここは、この御提案をされる数字というものがもうこれ以上は動かないものである、これで納税者が納得をしてもらわなければならぬのであるという確信と自信を科学的に裏づけをしていただかないといけないと心配をするからであります。その意味において、しからば逆に政府側にお尋ねをいたします。今回七十五日の期限を政府提案をもって九十日にしようとなさった趣旨は、一体那辺にあったものであるか、またその九十日をもう一ぺん現状通りにするという与党の提案に対して、それは納得できる問題であろうかどうか、この二点を政府側にお伺いをいたしたいと思うのであります。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 私が原案において徴収猶予の期間七十五日を九十日にいたして計算いたしましたのは、実際の揮発油の決済の状況を調べてみまして、それによって判断いたしましたことと、それからもう一つは、相当なる増徴であるから、決済の条件が現状よりもさらに延びるであろうということ、これは業界からも非常に強く、この審議の過程におきまして要望されたことであります。その二点からこういう結論を出したわけであります。最近における各社の決済期間の平均を私どもで調べましたところでは、九十五日になっております。昨年初めに調べましたときには九十七日であります。ごくわずかばかり短縮されておる程度でございます。そこで全体が九十日程度であるということと、それに今回は、さらに原案によりますれば五割の増徴になるということから、かつ非常に強い要望もあり、もっともなことだと思って、私どもは原案の基礎をそういうふうに計算をいたしたわけであります。そこで、今回ただいまの修正案が提出されておるわけでありますが、その基礎に、九十日は現状の通り七十五日としようということでございます。これは私どもの考えとは違うわけでございまして、その点私どもとしては、やはり彼此勘案して、原案にする理由が相当あるのではないかと思いますが、ここは、増税の問題とからめて税率の重きをとるか、あるいは徴収関係で若干期間が苦しくても現状通りやるかという判断の問題でございますから、しいて反対と言い切るまでの問題ではないと思いますが、原案の趣旨とは若干離れて参るということであろうと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そういたしますと、政府側としては、七十五日は、九十日が現在の徴収状況、納入状況からいって適当であると思うが、この判断が、まあ言われてみれば、そういう現状でいいという節もないではないから、それではしいて反対はしない、こういうことであります。そうすると、九十日にしたこと自体にも実は万全の理由があったわけではない、同時に現状通りにしてもいいというならば、現状はさらに減ってもいいのではないかという論拠も生まれてくると思うのであります。私が重ねて申し上げますのは、今この最終の段階において、最終的に与党及び政府が出そうとして、納得をしようとしておる数字は、国民全体が科学的に納得をし得るものであるかどうかという科学的な論拠というものをお示し願わなければ、今提案者の御説明によりますと、この七十五日に、現状の通りにするにしても、一・五%にするにしても、この納得すべき理由が私には御説明がなかったと見るよりほかはない。三・七%の欠減率を一・五%にするというならば、では一%はどうだろう、〇・五%はどうだろう、こういう疑念が止まれて参る。現に自民党政務調査会の交通部会でおやりになった資料を拝見をいたしますと、これは精製業保護のための見積りで、ゼロでもよいがと書いてある、それから三十二年度の揮発油需要見込み量は、四百二十一万キロリットルが妥当と考えられると書いてある。党内において、しかも交通の専門部門においてこういう四百二十一万キロリットルという数字を使い、閣内においては、運輸大臣また四百二十一万キロリットルという数字を使い、欠減率またゼロでもよいがという数字が出ておるのであります。こういう数字の中で、最終的にこうならざるを得なかった科学的論拠はあるのかないのか、それとも諸般の状況でまあまあこういうことだということになったものか、率直なところを一つお聞かせを願いたいと思います。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 党内において、政府提案以後においてもいろいろ議論がありましたことは、横山君御指摘の通りであります。私どもは、そういういろいろな議論を総合しまして、この結論に達したのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 わかりました。諸般の状況を総合してこうなったのだ、従って、数字それ自体が科学的にこれが絶対のものであるということではなくして、政治的にまあこう判断をする、こういうふうな御趣旨と理解をいたします。  その次にお伺いをいたしたいのは、もう一つの根本的な問題であります。これは、重ねて与党内の御決定を引用いたしますのは、野党としてもいかがかとは思いますけれども、しかしこれが今日の国民の、また関連する納税者の原則的な問題でもありますから、あえて引用させてもらいますが、自民党では三回にわたってこういう決定をなさっています。一つは一月九日に、揮発油税は半額程度引き上げるが、これと同額程度を別途一般財源より支出すると決定なさったことであります。同じく十一日に、揮発油税に対する課税は若干引き上げるが、別途これと同額程度以上を一般財源より支出するものとすると御決定をされました。同じく一月十二日に、軽油引取税については、揮発油税引上率相当程度引き上げるとありまするが、これも昨日の決定を含みとして、一般財源についての議論をされておるわけであります。私は、この自民党内における御決定はもっとも千万だと思います。これば、今日までガソリン税というものが目的税として設定されて以来、あらゆる関係者の中から議論をされてきたことでありますし、建設大臣もまた道路の改修については、ガソリン税と一般財源と建設公債と、この三本立てが正しいという持論を重ねてして来られました。運輸大臣は申すに及ばざるところであります。かつて道路整備五カ年計画が閣議で決定されましたときにも、やはり一般財源とガソリン税との比率は五四%対四六%、少くとも五、五の大体の決定であります。日を経るに従って、年を経るに従って、一般財源の投入は減少の一途をたどり、今やガソリン税のみをもって道路の改修をしておるといっても過言ではありません。今年度五百三億のガソリン税に対して、わずかに四十四億の一般財源であります。こういう状況でありますから、与党内においても、野党においても、納税者側においても、学識経験者の中においても、一般財源の増強をなすべし、少くとも同類以上のものをなすベしという議論の台頭してくることはけだし当然であります。ここに与党が最終案を御決定なさって御提案をせられるに当って、今日まで累次にわたって御決定をされました、別途一般財源よりの支出はいかが相なったか、これをお伺いいたします。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 自由民主党の中に、税制調査特別委員会というのが政務調査会の中に設けられまして、私どももその一員であったのでありますが、その税制調査特別委員会においては、ただいま横山委員御指摘の通り、半額、ガソリン税増徴額と同程度は一般財源から支出するのが妥当であるという答申をいたしたのであります。ところが党及び政府との間におきまして、三十二年度予算を編成するに当っていろいろ協歌の結果は、ただいま予算案に計上された通りの結果になったのでありまして、党といたしましては、従って政府原案を承認いたしておるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 保守、革新の二大政党が対立をし、そうして自由民主党はここに与党として重大なる責任を政府及び国会に持っておられるのであります。この自由民主党が政務調査会において内定をし、さらに翌日同委員会においてこれを修正して、揮発油税に対する課税ば若干引き上げるが、別途これと同額程度以上を一般財源より支出すると御決定をされたことは、やにわにされたものではなくして、ガソリン税に関するほうはいたる世論、納税者の声を十分に参酌をして御決定をなさったものであろうと思うのであります。今ここに五千三百円という数字が出るに当って、おそらく私は善悪をもって考察をいたしますのに、与党としても、さきに決定をされた問題についてさらに最終的な御検討をなさったのではないかと私は推察するのであります。予算案は、ここ数日のうちに参議院を通過をして成立をします。成立をしますけれども、この問題を将来どういうふうに考えるべきかという問題が残されておるのであります。私があなたに質問をいたしますのは、与党を代表して御提案をなさるあなたに御質問いたしたいことは、今の問題では、私は事はおそいと思いますが、少くとも将来にかけて、与党としてこの責任をどういうふりにおとりになるつもりであろうか、こういう立場についてお伺いをいたしておるのでありますから、その辺を含んで御答弁を願いたい。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 今度のガソリン税が最終的に決定されますまでにつきまして、自由民主党の中のそれぞれの機関において、それぞれの意見があったことは御推察の通りであります。しかしながら、自由民主党の党議というものは、総務会の議を経、議員総会の議を経て決定されますその過程におきまして、最終的に決定をされたものが政府原案となって出てきたわけでありまして、党内ににおけるいろいろの議論の総結論は、予算案として出ておるわけであります。従ってこの点は御了承をお願いいたします。また将来につきましては、党内においてもあるいはそれぞれの機関においても、それぞれの議員においてもいろいろな意見がございます。しかしそれがどのようにそれでは最終決定となるかということは、われわれの機関が最終的に決定することでありますから、総務会あるいは議員総会が最終的に決定いたしますので、今から予測するわけには参りませんが、横山君が御指摘のように、一般財源からもっと繰り入れて、道路行政の予算をふやしたらどうかという意見は、強いことだけは申し上げておきます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あまり深くあなたにお伺いするのもいかがかとは存じます。存じますが、あえて私がお尋ねせざるを得ないのは、ガソリン税というものが数カ月にわたって議論をされ、今与党を代表して五千三百円という数字を御決定になる上からは、これに関連する問題が与党内においていろいろ議論をされて、しぼられて、こういうことに将来するから、これで納得をしてもらいたいという御決定がなされるのが当然ではなかろうかと思うからであります。金額が、六千五百円が五千三百円になるということは、上るよりはいいに違いありません。しかしながら納税者側の方は、ゼロから五千三百円を出さなければならぬ立場であることをお忘れなさってはいかぬのであります。ゼロから五千三百円を出す立場に立ってみれば、どうしてもこれを出さぬならぬとしたならば、しからばいかなる保証をしてくれるかということが一番聞きたいところでございましょう。これによって道路はどうなるのか、これによって将来のガソリン税は上るのか、さらに上る可能性があるのか、それとも下るのか、また今言いました一般財源からの投入ばなされるのか、これに出て参りました数字の科学的な論拠というものがあって、納得するに足るものであるか、納得せざるを得ないのであるか、そういう諸点が、与党としては国民の前に明らかになさるべき責任が私はおありになると思うのであります。そういう点からでありますから、私は、今あなたの御答弁にきわめて不満ではございますが、形を変えて、今度は政府側にお伺いをいたします。政府は、一万数千円という数字は、今にして考えるならば、どうもこれはアドバルーンであって、納税者の足もとを見、あるいは上げた旗の高さを見て、そうして世論の動向を見て適当なところで決定しようということで、最終的に六千五百円になったと思われる節がございます。今ここで与党の修正をもって五千三百円という数字が出ましたが、一体将来大蔵省としてはどういうふうにお考えになるでありましょうか。一つは、今与党側にお尋ねをした一般財源からの投入の問題であります。一つはガソリン税そのものであります。ここ数カ年、毎年々々本委員会は油の議論ばかりいたして参りました。一昨年のガソリン税、去年の六千円の軽油引取税、ことしのガソリン税、来年は起らないという保証をいただけるのでございましょうか。またこれだけ高いのでありますから、将来もし財源のゆとりが許せば、これを下げるという気持があるのでございましょうか。このままほうっておけばまた来年上るかもしれないという疑念というものは、国民として必ず持つのであります。このガソリン税は一体将来どうなるのか、一般財源から投入がされるのか等について、政府の確たる御見解を一つ承わりたいと思うのであります。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 まず一般財源から出します点について、私どももぜひできるだけのことをいたしたいというつもりで、今般も前年度の四億円に対しまして四十四億円を計上するということになったわけでございます。もちろん今だんだんお話しの御趣旨から言うて、不十分だというおとがめがあるかもしれません。他の財政需要、それから財政全般のワクというよりなことから、本年はこの程度にとどまらざるを得なかったわけであります。今後この面で大蔵省といたしましてもできるだけ努力するということは、みんなでそう思っておる次第でございますので、御了承いただきたいと思います。  次に、ガソリン税の税率がたびたび増徴の問題が起り、今回こういう大幅な増徴をお願いいたしておるのは将来どうかという問題につきましては、やはりこれは道路の整備の状況がどう進むか、また今後その必要がどんなふうに発展して参るかということと密接不可分の問題でありますので、それらの状況とにらみ合せ、かつ一般財源からの投入額というようなものともにらみ合せて、そのときそのとき妥当に考えて参るよりいたし方ないんではないか。率直に個人的次感じを申しますれば、やはりとにかく道路の整備の必要というものは非常に大きいように思います。そういうような意味から、当分一般財源をなお努力して捻出する、財政に非常にゆとりができてくれば別でございますけれども、やはりこの程度の税率は当分いたし方ないんではないかというような感じがいたしますが、すべてこれからの全体の財政の財源及び財政需要の推移、道路整備の必要性、ガソリン税の収入、消費の状況というふうなものを総合勘案して、妥当な結論をそのときそのとき出して参るということではなかろうかというふうに思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 先般、建設大臣の道路に対する所見を伺いました。それによりますと、今十カ年年計画を策定中であるが、まだこれは固まっていない。このガソリン税は、さしあたり従来からの五カ年計画の実行に充てられるというような御趣旨であります。けれども、世間に一般に与えている印象は、政府が十カ年計画をやるんだから、このガソリン税をこれだけ増税するんだというので、絵にかいたぼたもちといいますけれども、まだ絵にもかいてないぼたもちを食わせるから税金を出してくれ、というのにひとしいと思うのであります。絵にかいてないけれども、それを将来やるといたしましたならば、ガソリン税はさらに増徴するという懸念すら生まれてくるわけであります。私が今までるるといろいろな角度から御質問をいたしました点については、政府側並びに与党側から確たる御答弁がないのを、きわめて私は遺憾と存じます。これをもってしては、国民は、最終に与党から提案なさった五千三百円といえども、さらにまだ検討すれば下るかもしれぬ、社会党の主張するように、道路を直すために、一般財源からいろいろな方向に回っている不要不急のものをここへ集めれば、道路はできるという確信を私はますます強くするものであります。しかし、今この時間のありませんときに失礼なことを申しては何でありますが、主管大臣が御両所ともお見えになっておりませんし、これ以上私の質問を続けても、十分なる御答弁がないようでございますから、私は質問を一応打ち切って同僚議員にかわることにいたしますが、どうか一つ政府並びに与党に、この法案のみならず、すべての法案についてお願いをいたしておきたいことは、ことにこのような重要な法案を最終的に御訂正をなさって、そうして提案をされるに当っては、政府も与党も、そのよって立つ科学的な論拠というものを十分納税者及び国民に納得をさせられるようなものを出して、これ以上はもうできないのだというようなことは与えなければ、今日までの経緯からいって、このガソリン税に対する不信の念は絶対に消え去るものではないと私は思うのであります。従って、税の根本的な原則の一つに数えられる税法そのものに対する信頼感というものが、今回の問題を契機として、ますます国民に、いいかげんなことできめられるという印象を与えることを、野党として私どもは心からおそれます。この問題について、私の質問を以上で打ち切って同僚委員と交代いたすことにいたします。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 有馬輝武君。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 建設大臣、運輸大臣がお見えになっておりませんので、その関係の分については省きまして、さらに最終段階でありますので、今まで論議されたことを蒸し返すことは避けさせていただきまして、要点だけ一、二お伺いいたしたいと存じます。  最初に小山委員にお伺いいたしたいことは、先ほど横山委員からも御質問がございましたが、二十二年度の需給見込みにつきまして、先ほども私申し上げましたように、過ぐる合同審査の際に、通産大臣は三百九十万キロリットルをあくまで堅持するというような御発言でありました。これに対して運輸大臣は、閣議の決定は尊重するけれども、自分としては、四百二十一万キロリットルを重要な参考費料として、その後の推移を考えて出しておるという言明があったわけであります。問題は、この大きな食い違いの上に立って今度の揮発油税の増徴案が出されておるのでございますけれども、このたび修正案を出されるに際して、どのような根拠に立ってこの需給見込みを立てられたか。いずれの省の数字を基礎にして出されたか、この点をお伺いいたしたいと存じます。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 積算の基準は、政府が最初とりました三百九十万キロリットル、これによったのであります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 その点について、運輸大臣の重要なる参考資料とし、自信を持って出しておられるところの四百二十一万キロリットルについては考慮されなかったのかどうか、この点を再度お伺いいたしたいと存じます。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 党内においても、運輸大臣の申された四百二十二万キロリットルという数字並びに運輸部会の意見をいろいろ徴したのでありますが、結局三百九十万と見ることが妥当である、こういう自由民主党としての結論になったわけであります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 次にお伺いしたいことは、この道路整備の財源に関する問題であります。昨年の十二月の五日、雑役委員会におきまして、当時の馬場建設大臣は、この財源として、ガソリン税の増徴とともに一般財源の投入と公債の発行、これを三本の柱として考えていきたいという答弁をいたされております。これは、もとより自由民主党の考え方、政府の考え方の上に立っての発言であったと存しますが、これらの諸点については、党は現在どのような考え方に立っておられ、そうして今の増徴案、また修正案を用意されたときに、これらの諸点については考慮されなかったのかどうか、この点についてお伺いいたしたいと存じます。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 道路公債の発行については、その後党として新しい検討を加えませんでした。また今後の一般財源をどの割合で投入すべきかというような問題についても、現在の修正案を提出する過程においては討論をいたしておりません。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 各委員会におけるところの政府を代表する大臣の発言というものは重要であります。今、小山委員から率直な御回答があったわけでありますけれども、やはり委員会において発言されたこと等については、それを実現できるかいなかは別としまして、政府を代表して大臣が発言いたしておるのでありますから、当然それらの諸点についても御検討をいただいて、実は検討を続けたけれども、こういった事情でこれはできなかったのであるというような、やはりまじめな真摯な態度が望ましいのではないかと思うのであります。ただ通り一ぺんで発言して、その場その場を糊塗していくということでは、今度のような大幅な増徴案を出されるときに、国民はそれを納得しないであろう、これは当然の事柄であります。いやがらせを言っておるのではなくて、やはりそういった慎重な態度というものが望まれますので、この点はとくと関係閣僚にもお話しいただいておきたいと思います。なお道路整備十カ年計画についてお伺いしたいのでありますが、これらの諸点については、関係閣僚がお見えになってからお伺いいたしたいと存じます。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 ただいま御指摘のありました公債の問題、それから一般財源から投入の問題、これは先ほど横山委員にもお答え申しましたように、党内においてはむろんいろいろな意見があるわけでありまして、われわれも将来においてこの問題は当然検討し、また実現をしたいと思っておるのであります。ただ今回の修正に当っては、過去において何カ月にもわたって討論した結論であるから、そこできわだってこの問題を討論しなかったということでありますので、この点は御了承を願います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 次に、これば建設大臣にお伺いした方がよろしいかと思いますけれども、原さんにお伺いいたしますが、本年度の道路関係事業予算は五百九十一億六千万円、そのうち揮発油税関係で五百三億九千四百万円が考えられております。この点についてでありますが、少くとも昭和二十九年度以来、当初この揮発油税の問題が論議されまするときには、一般財源五〇%、揮発油税から五〇%と、この線をこしてはならないというような慎重な御論議があったことは御承知の通りであります。にもかかわらず、今申し上げましたような比率になってきておりまするが、この点については、どのような考え方でこの当初の決議を無視して、このような大幅な揮発油税に対する負担をかけておるのか、この点についてお伺いいたしたいと存じます。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 二十八年に揮発油税が実際上道路のための目的税のようになりました際、お話しのような御決議があったということは私も承知いたしておりまするが、当時から、ただいまお話しのように、五、五の割合で一般財源を出すということが非常に困難であったのが実情であったようであります。それで五カ年計画の最初であります昭和二十九年度予算、この際におきましては、御案内だと思いますが、日本の経済が非常にインフレ的なことになって、一兆予算ということで、いわば経済の健全化をはからなければならぬというようなことになったわけであります。もともと五、五ということは非常に困難があったということと、一兆予算で財政は緊縮しながら、その中で国民経済を健全化していくということは、外国との競争力をつけていくということでありますが、その面に強い態度をとらねばならぬということから、三十九年度においてはガソリン税でやって、一般財源から出ないというようなことに相なり、その後においても、他の財政需要がいろいろと多い、財源としてもなかなか余裕がないというようなことからずっと参っておるのですが、今般久しぶりで、若干の一般財源を見たという状況になっているのが、その間の経緯であります。今後の点については、先ほども申し上げました通りの気持で参りたいと思っております。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 有馬君にお願いしますが、建設大臣が出席をいたしましたが、先ほど建設大臣から委員長への申し入れは、あまり時間がない様子ですから、なるべく建設大臣中心に質疑を願いたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 原さんの御説明がありましたけれども、納得いきませんが、これは議論の分れるところでありますから、それでとどめておきまして、建設大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。  先ほど来この揮発油税の問題をめぐりまして、道路整備五カ年計画並びに今回政府が考えられておるという十カ年計画についてお伺いをいたして参りました。道路局長からもお伺いをいたしたのでありますが、現在までの進捗状況について、政府の方では安易な数字を出しておられるようでありますので、この際建設大臣からはっきりと、現在までどの程度が進捗したか、この点をお伺いいたしておきたいと存じます。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 道路の進捗につきましては、二十九年度に五カ年計画を始めまして以来、三十一年度で三年でございますが、三十二年度で大体七二%が完成することになっておりまして、三十三年度には完成できるという計画でございます。しかしながら、これでは今日の輸送の増強等にかんがみまして、十分輸送の隘路を打開するのには不十分でありますので、国民経済並びに産業の開発のために十カ年計画を立てまして、そうしてできるだけ早く日本の国道の完全舗装化に向って進みたい、こういうふうに考えます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今私の質問に対して、関連してお答えがあったわけでございますが、五カ年計画を十カ年計画に変更された理由について、いま少し具体的にお話をいただきたいと存じます。大きな予算を投入してやっておる事業が、五カ年もまだたたないうちに変更をせざるを得なくなった理由、前の計画については、まあワトキンス調査団の報告に基いて、少くとも慎重に準備された五カ年計画であったと思うのでありますが、それをまだ三年たたずに変更せざるを得なかった理由、この点についてお伺いをいたしたいと存じます。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 当時は一応五カ年計画で日本の輸送力を確保したいというつもりでございましたが、その後日本の交通事情と申しますか、自動車の急激な増加によりまして、また一面最近におきます日本の産業経済の飛躍的な好調によりまして どうしても産業開発の隘路打開は輸送交通機関の整備にあるということに 世論もそうなり、また経済企画庁におきましても、将来の十カ年計画等の日本の産業と交通量とのいろいろな計数の上から言いまして、今の五カ年計画ができただけではとうてい不十分であるということから、できるだけ早く日本の道路整備をしなければならぬという要請に基きまして、三十二年度から十カ年計画を立てるということになったのであります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 どうもはっきりした形で、納得できるような御答弁とも思えませんが、これも最終の段階に来ておりますから、またいずれかの機会を見ていろいろお伺いをしたいと存じます。ただここで希望しておきますことは、今も申しますように、膨大な国費を投入するものでありますから、今度立てられるところの十カ年計画というものについては、やはり慎重に、そうして将来の展望の上に立って、十分な準備の下に検討を続けていただきたいと存じます。  この十カ年計画について、関連してお伺いいたすのでありますが、今度の予算要求は、建設省で九百六十億、約一千億近くを要求されたのに対して、そのわずか半分しか認められていない。この点については、もちろん国家財政の一般的な状況から見てやむを得なかったのだといえばそれまでのことでありますけれども、少くとも建設大臣としては、十カ年計画を立てられ、そしてそれによって——資料によりますと、約二万八千二百四十六キロの道路を整備するということになっておりますが、その予算を削減された結果、昭和三十二年度におきましては、半分以下の九百キロくらいしか整備されないであろうということが予想されるのであります。この点について、初年度からこういったような十カ年計画がくずれ去っておる状況についてどうお考えになっておるか、この点をお伺いいたしたいと存じます。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいまのお答えは、なるほど当初建設省といたしましては、道路整備十カ年計画を立てまして、初年度に九百数十億の予算要求をしたのであります。しかるところいろいろ予算の規模、一般財源の制約もありまして、五百四十八億になったのでありますが、これは、まことにその十カ年計画の初年度といたしまして、計画のそごは遺憾な点でございますが、最初道路財源としていろいろ建設省としては考えておった、一面においてはガソリン税の引き上げの問題、あるいは一面においては一般会計からの導入、また一面においては道路公債等のようなことも考えられて、できるならば三本建のような方法によって財源を確保して、この九百数十億の予算をまかないたい、こう思って要求したのであります。しかるに昨年末で、石橋内閣組閣早々のときでありましたので、なかなかこういうような根本問題を十分検討するひまがなかったうちに予算編成期に入りまして、やむを得ずこのガソリン税の引き上げにつきましても、いろいろ御議論があるように、私どもでは、一般財源からも相当入れてほしいということも要求いたしましたが、先ほど大蔵当局の説明のように、ようやく四十四億ばかりをことしもらうことになりましたために、いろいろな制約を受けたために、五百四十八億ということになりました。決してこれは満足とは思いませんけれども、三十二年度の予算編成においては一応やむを得ないということで、この範囲内で初年度をスタートするのでありますが、今後はこれに対して相当別な方途で財源を確保してもらって、そうしてこの建設省の計画を進めていきたいという熱意を持っておる次第であります。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今建設大臣から熱意のある御答弁をいただいたのでありますが、あげ足をとるようでありますけれども、少くとも一般財源の投入にいたしましても、公債の発行にいたしましても、おっしゃるように基本的な問題であります。と同時に、揮発油税の率をどの程度にするかということも、これまた基本的な問題であります。それを一般財源の投入なり公債の発行なりについては安易に見過ごして、ただガソリン税の増徴だけにたよろうとしたその態度というものは、私は予算編成が倉皇の間になされたからどうこうといって、言いわけになるとは存じません。少くとも一般財源から投入する、公債の発行を考慮する、このような熱思がなくして、しかも一般国民全体が受益者になるこの道路の整備について、揮発油税だけ、つまり一部の運輸業者だけに負担をかけるような行き方の今の御答弁で、果して国民の納得を得るかどうか、これは非常に問題であります。  これは議論になりますのでこれ以上申し上げませんけれども、このような政府の態度というものは、一日も早く払拭していただかなければならない。その責任は、建設大臣としても非常に大きいと存じますので、今の最後の御答弁を実際に数字の上で現わしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 春日一幸君。

春日一幸日本社会党

○春日委員 私は建設大臣に対しまして、臨時措置法と揮発油税との関係についてお伺いをいたします。  まずこの法案が成立をいたしました昭和二十八年七月十三日、参議院におきます建設委員長の本会茂報告を読んでみますと、こういうことが書いてあります。  「五、道道整備五カ年計画案において揮発油税収入の増額を見込んでおるのは税率の引上げを含んでおらぬか。」という委員の質問に対して、政府側の答弁は、「五カ年計画案には揮発油税率の引上げを見込んでおらぬ。現行税率は全体的に重いので各税間の均衡を見て今後軽減を図りたい等でありました。」こういう工合に国会側と政府側との質疑応答の経過を報告いたしておるのであります。  私どもは、もとよりその結果は尊重しなければなりませんが、同時にまたそのような結果に到達したところの経過というものも、大いに重視しなければ相なりません。明らかに、委員会の質疑応答を通じまして、こういうような目的税的なものを創設することが、後日その財源がどんどんと必要度を高めてくるのに比例して、やはりその財源としてこの揮発油税増徴の結果になりはしないか、こういう問題を最も心配いたしました国会が、そういう質問をいたすことは当然であります。それに対して政府は、明確にそういうものを見込んでおらない、少くともすでに現行税率そのものが高いので、これは今後軽減の方向へ持っていく、こういう答弁を明確にいたしておるのであります。しかるところ、今回この臨時措置法に規定されております計画年度、本年は昭和三十二年度でありますから第四年度でありますが、その計画年度内において、こういう政府の公約に相反する増徴額が出されて参っておるのでありますが、このいきさつを大臣は一体何と考えられますか、御答弁順います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 当時の臨時措置法によりまして、一応揮発油税が目的税のような形に相なったのでありますが、建設省としては、この道路整備の予算は、全部揮発油税のみによってしなければならないのではない、一般財源からも幾らか入れてもらえるだろうというような深い考えでおったのであります。これは大蔵省とも相当考えが違うようでありましたが、私が建設大臣になりまして、昨年予算の編成に当りましては、さような考えで、一部受益者であります自動車業者だけに負担させての道路の整備ということは、あまり公平でないと考えましたから、一般財源からの算入も相当要求いたしたようなわけでございますが、先ほど申し上げました通り、年末倉皇の組閣でありまして、いろいろな予算編成の立場において、根本的な問題を解決するひまがなかったということもございますが、ともかくも一般財源の制約を受けまして、一般財源からこの道路整備費に導入する金額はわずか四十四億にとどまったのでありまして、一応私どもの淡い考えであったけれども、一般財源からも一部入れてもらうというだけの基本方針と申しますか、そういう方向だけはしてもらったのであります。しかしながら先ほど御質問のように、当時二十八年の臨時措置法によりまして、将来は全然揮発油税の値上げをしないのだという応答があったから、今から上げるということは不都合ではないかという御質問に対しては、多少これは社会情勢の変化もあります。また道路整備の国民世論の要望というものも、五カ年計画では足りないのだ、十カ年計画にしても早くしなければならぬというような大きな要望もありました。情勢の変化もありますので、かような場合においては、多少揮発油税の仕上げも、その率はいろいろ議論はございますが、当時の議論をそのまま、今日これを絶対してはいかぬということはいかがかと思いますので、これらを勘案して、今度の揮発油税の値上げ並びに一般会計からの導入等も加えまして、今度の十カ年計画を立てることに相なったような次第であります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういうような御答弁では、国民の何人も納得するものではありません。これは、明らかに道路整備費の財源等に関する臨時措置法というものは、これは……(発言する者あり)臣巨、何をふざけておるのだ、もっとまじめにやってもらわなければだめじゃないか。(発言する者あり)これは時限立法になっておりまして、道路整備五カ年計画ばこの第二条の中に、建設大臣は、昭和二十九年度以降五カ年間における一級国道、二級国道並びに政令で定める都道府県道、こういうものについては、道路整備五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない、この閣議決定に変更のある場合は、それぞれまたこれに準じて手続を行わなければならない。言うならば、一つの時限立法的なことになっておるわけです。そういうわけでありますから、この五カ年間は、政府が、そのときの質疑応答を通じて、増徴しないということをはっきり言っておるのです。これは参議院の委員長報告がありましたので、私はさらに進んで参議院の委員会の速記録も調べてみました。そういたしますと、当時の渡辺主税局長が、ガソリン税の税率を上げるということはわれわれ考えておりません。かくのごとく明確に答弁をいたしまして、さらに将来の問題について述べております。「ガソリン税につきましても、他の税と勘案しまして、できればこれを軽減して行く方向に持って行きたい、」これば昭和二十八年七月二日参議院の建設、大蔵連合委員会の速記録であります。政府の責任者が、上げざるのみならず、将来下げるということを明確に答弁をしておる。従いまして、これは基本法であります臨時措置法が、明らかに五カ年間の閣議決定に基くところの整備計画に基いての、またその裏づけとなるガソリン税であります。そのガソリン税自体に対しては、五カ年間絶対に上げない、しかのみならず、将来は下げていくのだ、こういうことを言っておるのだから、まあ当面そういうことであるならばこれを承認しようということで、国会はこれを通過せしめておるのです。私は、審議の経過というものは尊重されなければならぬと思う。少くとも政府の責任者が、政府委員が、もう絶対に上げません、こういうことを言っておるのに、今回上げるということは間違っておるじゃありませんか。所管大臣、大蔵大臣の御答弁はいかがでありますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 二十八年の参議院の委員会で、主税局長が希望的観測を申したかもわかりませんが、先ほど建設大臣のお話のごとく、いろいろ事情の変化もございまして、今回はやむを得ずガソリン税の増税を計画した次第でございます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、政府委員が国会において答弁されることは、全部希望的観測なのですか。あらためて御答弁願います。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 今お読みになりましたのには、下げたいというお答えのように私聞いたのでございます。それは、税金というものは下ることを念願するのが根本でございます。しかし、必ずしも事情の変化によって下げるばかりにもいかない、上げなければならぬような状態になることもございます。今日のそれは上げなければならぬ状態だと考えておるのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それは、あまりにも無責任きわまる遁辞と申さなければなりません。これは、一般税の問題として総合的に勘案するとかなんとかいうような答弁ならば、あるいはそういうような釈明があっても許されるかもしれませんけれども、これば江田三郎君の質問に答えて、明確に、ガソリン税の税率を上げるということは考えておらぬ、それから、これは高過ぎるから将来軽減していく方向へ持っていきたい——これは明らかに責任ある誓約ではありませんか。しかも、その基本法でありまする道路整備費の財源等に関する臨時措置法というものは、その計画に基いて閣議決定を求めなければならぬ、求めたところは、地方に対してもこれを通知しなければならぬ、そうしてこれを変更するときは、同じような手続を経なければならぬと、こういう工合に明確にその基準をここに定めておるのであります。従いまして、この四カ年間については、やはりその計画に基いて、その道路整備費の財源はどうするかと、そういうような事柄も全部これを法律によって、条文の中に制限列挙しておる。こういう明確な事柄で、これを審議するに当って、この法律の裏づけとなるところのガソリン税は上げないと、政府の責任者が明確に答弁しておいて、この計画年度内において、本日ここに膨大な値上げをするということでは、国会の院議無視というか、これは私はもう明らかに法律に違反する行為だと思う。そうであるとするならば、この基本法を並行的に改正するか何かしてこのガソリン税の問題を取り扱わなければ、これは私は論理が立たないと思う。いかがでありますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 五カ年計画によりまして、昭和二十九年に一万三千円といたしたのでございまするが、先ほど来申し上げまするがごとく、経済事情その他の変化がございますので、あらためて皆様方に御審議を願いたいというのが今回の措置でございます。そういうふうな政府委員の話がございましても、これはその当時の気持でございまして、それが事情が変って参りましたから、税法の改正その他を御審議願っておるのでございます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 国会におきましては、院議を尊重するという建前から、一事不再議というような不文律も厳粛に尊重されておるのであります。特にこの基本法となっておりまする臨時措置法は、明らかに五カ年間の道路整備計画の財源の裏づけをすることのための特別立法であります。こういうわけでありまして、もとより三十年も五十年もの長い期間の間には、それぞれの法律といえども、客観情勢の推移に応じて、特にこれを改廃しなければならないことも一あるでありましょうけれども、少くともこの五カ年間の期間を切った、そして事業計画を具体的に対象としたところのこういう税法であります。しかもその税法の審議に当っては、これを上げないと、政府委員が答弁しておるのだから、やはりその当時から同じ性格の内閣としては、当然責任を重んじて、その当時の質疑応答、審議の経過、こういうものを重んじて、この時間が経過するまで待つべきである。私は本日そういうような、その計画年度内において、政府委員の明確なる答弁に相反するところのこういう増税案が出されるということについては、国民は断じてこういうようなものを容認しないと思います。  そこで私は、建設大臣にお伺いいたしますが、あなたの方には、道路整備十カ年計画というものがもう立案、策定されておるのでありますか。この点お伺いいたします。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 作成されております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 その十カ年計は、閣議の決定を得られておりますか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 今まだ建設省だけの立案中のものでございます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、建設省が省で立案されたその十カ年計画とこのガソリン税とは、どういう関係にありますか、お伺いいたします。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 これは先ほど申し上げまする通り、将来この点についての財源の点がありますので、それらとも勘案いたしまして作らなければならぬのであります。しかしながら一応計画を作りまして、今後の財源の問題につきましては、政府内において十分検討いたしましてその措置をとりたい、こう考えておる次第であります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 十カ年計画の財源措置ということで、もう一ぺん明確に御答弁願います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいま申し上げました通り、この財源措置につきましては、揮発油税の値上げというような問題もいろいろありましたろうが、できるだけ一般財源からも導入してもらい、あるいは今日の輸送の隘路を打開する、あるいは産業経済の基盤を伸ばす、拡張する点から、道路整備、輸送の増強ということが一番大事でありますので、さような点を考えますれば、何とか大幅に道路財源として道路公債のようなものもあるいは必要ではないか。さようなものも実は内々考えておるのでありますが、こういうような計画につきまして、十分政府内部におきまして将来の計画を立てたい、こういうふうな考え方でおります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 ガソリン税の値上げされたるそのものが、十カ年計画のやはり財源になる、全部でなくても、それが十カ年計画の財源の一部に想定されておると仮定いたしまするならば、当然基本法でありまする臨時措置法の所要の改正をして、時町に並行審議の形で審議していかなければ、これはへんてこなことにたると思うが、そうお考えになりませんか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 これは先ほど申し上げます通り、今五カ年計画の途上でありまして、明年に完成いたしますが、この途上におきまして今日の情勢が相当変化して参りまして、このままでは早急に日本の輸送の増強ということははかれないという考えでありましたので、今回いろいろ道路整備の予算の大幅な増額を政府として考えたわけでございます。従いまして、今この五カ年計画の法律を改正しなくても、このままで進んでいって差しつかえないものと考えております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 この臨時措置法の第三条には、道路整備費の財源を明示いたしまして、二十九年度は、揮発油税法による当該年度の税収入額に相当する金額、これは道路整備五箇年計画の実施に要する道路法及び道路の修繕に関する法律に基く国の負担金または補助金の財源に充てる、あと三十年度以降四カ年間、すなわち三十三年度までのことについても、ほぼ同様の規定をいたしておるのであります。従いまして、やはりこの十カ年計画なるものが、この第一次計画である五カ年計画と一体不可分のものであるとか、あるいはその延長である、そうだといたしまするならば、ガソリン税とのつながりにおいて、当然この基本法との関連においてこれが議せられるべき問題であると考える。それをこの十カ年計画というようなものをかざして、それに大きな財源が要るからガソリン税を増税されなけれ、ばならないという単独の立場で、この基本法に何ら触れることなくそういうような構想を立てられておるということは、私は大きな手落ちがあるのではないかと思うが、いかがでありますか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 一応この五カ年計画では、現在の揮発油税によって措置をすることに相なっておりますので、これによって今計画を進めておるわけでございますが、先ほど申すごとく、このままではとうてい日本の道路整備の大きな要請に沿えないために、今十カ年計画を立てておるようなわけであります。途中で今そういう計画を立てておるようなわけでありますから、これはいずれ十カ年計画が建設省内において考えておるものが整備いたしまして、政府として閣議決定となりますれば、この五カ年計画を、その際にその基本法を改正いたしたい、こう考えておるのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 いずれにいたしましても、特にこの問題は、私はあまりに院議無視であると思います。特に十六国会において、このガソリン税が目的税的な性格を帯ぶるに至りましたところの法案審議に当りまして、これは明らかに本日のことが予想されたのです。その財源をこのガソリン税に依存するということは、やはりそういう増徴せざるを行ない結果になってくる。そういうことで、最もこれを憂えて、政府に対してとどめがさしてある、念が押してある。政府はその当時主税局長の責任において、これは政府の見解として、増徴しないということを明確に述ベられておる。しかのみならず、またただいま有馬委員からお話がありましたように、十二月三日の本院の運輸委員会において、こういうようなものを増徴しない、こういうことは絶対反対するというので、決議が決定しておるのです。少くとも国会は国権の最高機関であって、特にこの新憲法下においては、国会の審議が委員会を中心として行われておる建前におきまして、たといその一委員会の決議であっても、他の委員会においてこれに相反する決議が行われていないとするならば、その一委員会における決議こそはその院の決議として尊重されなければならぬのです。もしその当時委員会の決議がけしからぬ、あるいは政府においてそれを了承することができないならば、何らかの政府の意思表示というものがその決議に対して行われなければなりません。しかるに本日まで——十二月三日の本院の運輸委員会において、道路の整備拡充がきわめて緊要なるは論をまたないが、これが経費は原則として国費をもってやれ、しかるに政府は、道路整備費の多くを揮発油税等に求め、逐年これが増徴をはかり、現在すでに税負担の限界に達したものと認められる、この上の増徴は、税負担の均衡を失し、自動車運送事業その他に甚大なる影響を及ぼすものと認めるから、揮発油税増徴に対し絶対反対する、こういう重大な決議を行なった。この決議に対して、政府から何ら意志表示が行われておらない。他の委員会においても、これを否定したり修正するような決議が行われておらない。この委員会の決議こそは国会の意思なんです。全くこの国会の意思に相反して、政府がみずからこれに相反する法律案を出すというようなことは、ちょうど昔の内閣万能主義といいますか、現在の議院内閣制度というものを全然無視して、国会の意思に反しておる。国会の意思なんかどうでもいい、内閣はかくのごとく考えるのだ、こういうことで、昔の官僚内閣制度そのものをほうふつたらしめるやり方といわねばなりません。私はこんなことは、現在の新憲法の精神を、尊重するならば、断じて許すべからざることと思うが、一体大蔵大臣は、この運輸委員会のこういう決議を何と考えられておるか、委員会の議決なんかは内閣は尊重しないのであるか、この点について御所見を述べていただきたい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 国会における委員会の決議につきましては、十分尊重いたしたいのであります。しかし情勢の変化によりまして、その決議よりも違うような施策をいたします場合におきましては、国会の御承認を得なければならないのであります。従いまして、今国御承認を得たく御審議を願っておる次第でございます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 私はお伺いしますが、昨年の十二月と本日とどの程度の客観情勢の変化がありましたか、御答弁を願います。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 昨年の暮れに石橋内閣ができまして、今年の一月いろいろ検討いたしました結果、ガソリン税増徴の必要が出ましたので、あらためて御審議願っておる次第であります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それは答弁になりませんぞ。経済界において画期的な変動があるとか、あるいは国内の経済構造の実体の根抵をゆるがすような大変動でもあったなら別でありますよ。あるいは内閣が更送したというような、さらに政策が変るということであればこれもうなずけないことではない。けれども、岸内閣は石橋内閣の政策を踏襲すると明らかに本会議においてこれを天下に公示いたしております。客観的情勢においても、また主体的な情勢も何ら変っていない。そういうときに、こういう立場において、その委員会において、衆参両院を通じて国会の意思が明らかにされてきておる。増徴したいということがはっきり議決されておるのに、同一の性格の内閣において、また同様の構成議員のメンバーにおいて、これに相反するところの議決を行うということは、これはまことにもってふかしぎなことであり、私はそういうような節操をわきまえざるの態度というものは、国会議員に許さるべきではないと思う。一体大蔵大臣は、少くともその国会の尊厳というものを考えるならば、国会の意思に反するような法律案を出すということは、これは議院内閣制度の——あなたも議員であるのだから、議院内閣制度の権威というものを、昔の官僚内閣制度のそれに逆行せしめるの心配があると私は考えるのであるが、あなたは、そういうことに対してどういう御理解をお持ちになっておるか、御答弁を願います。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 先ほど来私の考えを申し上げている通りでございます。十二月に委員会でそういうような決議がございましたが、内閣といたしましては、その決議を承知いたしておりまするが、先ほど来申し上げておりますように、道路の整備がぜひ早急に必要でありますので、やむにやまれず増税案を御審議願うことにいたしたのであります。決して過去の委員会の決議を無視したというのではございません。そういうものもありまするが、どうぞ増税案に御賛成いただきますようにと言って出しておるのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そんなことはむちゃくちゃなんですね。それは、国会の御意思がそうあったけれども、とにもかくにも道路整備費が要るからまげて頼むという、そういうばかなことは論理の筋が通りませんよ。その当時委員会の議決というものは、明確に、もう担税力が限界に来ておるし、これ以上とるということは運賃の値上げを来たし、さらにそれが物価の値上りに直結する、国民生活を脅かす、そういう意味だから、これ以上増徴しないようにと、あらゆる経済情勢を分析して、その検討の上に立ってこういう結論を下しておるのです。日本の経済の上において、昨年の十二月と本日と何ら変異はありませんぞ。そうして内閣の性格においても、また国会の構成メンバーにおいても、全然違っておりません。違っておらない同一性格のものが、少くとも相反する議決を行うというようなことは、これは許されませんぞ。相異なるような政策を策定するということは、こんなことを許しておいたならば、国会の威信は一体どこにつながりますか。国民の国会に対する信頼は、根抵からくつがえるのおそれなしとはしない。これは、ただ単なるガソリン税一つの問題でなく、国会運営に対する重大な問題であると考えるが、このことは、一つ大蔵大臣も建設大臣も、現内閣における主要閣僚として、ともかく国会の権威を保つ上においても私は重大な責任があると思う。一体こういうような相異なる議決をわずか三、四カ月を経過しないときにおいてするということについて、何−良心に顧みてやましいところはないか、天下、国家、国民に対して恥じるところはないか。南條さん、一つ御答弁願います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 この問題については、先ほど、大蔵大臣から再々御答弁があった通りであります。私も全く同感なことと思っております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 このような決議に対しても、厚顔無恥というか、まことに責任を重んぜず、さらに議員たるの面子を全然重んじない、私はこういう鉄面皮な御答弁がある限り、これ以上質問を続けても意味のないことでありましょうから、やめます。私の質問はこれをもって打ち切ります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 石村英雄君。

石村英雄日本社会党

○石村委員 建設大臣に先に簡単にお尋ねしますが、春日委員の質問に対して、十カ年計画はできておる。閣議では決定はされていない、こういう御説明でございましたが、先日当委員会での道路局長の御説明では、十カ年計画はまだできていない、こういう御説明だったのです。またあなたのただいまの答弁中の途中の言葉では、立案中だ、こういうお話です。立案中とできておるということとはたいぶ違うと思うのですが、一体できておるのがほんとうですか。またできていないという道路局長の御答弁及び立案中という言葉の意味、これを御答弁願いたい。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいまの言葉の上に、多少行き違いがあったようでございますが、私は後に申し上げたように、建設省においてはただいま立案中で、まだ閣議の決定には相なっておりません。ほぼそれができ上っておるという見込みでありますので、そういう気持で申し上げたことが誤解であったかと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員 それなら、まだできていないという局長の御答弁は間違いですか。建設省案としてはできておるのですか。閣議の決定を得ていないという言葉はわかりますが、あなたの御答弁と道路局長の御答弁は違うわけなのです。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 先ほど申し上げました通り、ただいまそれは立案中でありますので、そのことを、道路局長はまだできておらないという表現をし、私は立案中のものを、今できかかっておるから、近くこれが完成する、という意味のニュアンスでございますので、御了承願います。

石村英雄日本社会党

○石村委員 とんでもない答弁ですよ。これからできるだろうというのを、できたこととこういう答弁をする、こういうニュアンスと言う。そんなむちゃなニュアンスはありませんよ。  そこで建設大臣にお尋ねしますが、そういたしますと、三十二年度の道路整備の予算というものは、五カ年計画に基いて、いわば五カ年計画の完成のための予算だ、こう理解してよろしうございますか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 十カ年計画は、この五カ年計画をさらに不備なものと考えましたので、最近におきまする一般の産業経済の状況から、急激に道路整備を大幅に増強しなければならぬという要請に迫られまして、十カ年計画を立てるのでありますから、五カ年計画をさらに増強したものとお考え願いたいのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうすると、三十二年度予算は、五カ年計画に基いたもの以外に、まだはっきりしない星雲のような形の十カ年計画も織り込んで計画いたす、こういうことなんですか。五カ年計画の完成のための関係ではなしに、それにさらにプラスした、まだはっきりしないが、十カ年計画の一部と予想せられるものが入っておる、こういうことなのですか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 五カ年計画は三十三年度で完成いたしますが、十カ年計画は、それ以上に予算の上におきましても相当大幅なものが勘案されておるわけであります。それを三十二年度から、その十カ年計画を初年度として考えていこうというのでありますから、五カ年計画で足りない分をプラスしようということでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そのプラスが現実にあるわけなんですか。五カ年計画に定められた路線以外のものが三十二年度予算の中にはすでに織り込まれておる、こういうことなのですか。具体的に御答弁願います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 大体十カ年計画の立案いたしております内容は、全国の一級、二級の国道をとりあえず完全舗装にもっていこうというのであります。でありますから、この法律の中に書いてありますが、五カ年計画ではそれまでは考えておらないのであります。そこで、これを完全舗装にしようということは、今日の国際的な情勢からも、日本の産業経済の将来の遠大なる計画からいたしましても、どうしてもそうしなければならぬということから、今度かような計画を立てたのでありますから、五カ年計画におきましては、そこまで量におきましても質においてもなっておらぬのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 どうもあなたの答弁がはっきりしないのですが、私の聞いているのは、三十二年度の道路整備の予算というものは、五カ年計画に基いたもののみであるか、それとも今立案中であるその十カ年計画を織り込んだ、五カ年計画以外の路線についての整備を三十二年度にすでに合んでおるかどうかということを聞いているのです。それを、簡単に直截におっしゃって下さい。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 それは、もちろん五カ年計画のもの以外にも、十カ年計画を相当改訂して織り込んでおるものもあるのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうしますと、五カ年計画さえまだ完成していないときに、三十二年度、三十三年度で完成するかしないかわからないような状況のときに、十カ年計画のようなまだはっきりしないものも織り込んでやるということは、いわば五カ年計画の修正だと考えられる。従って、五カ年計画の修正案というものは、ちゃんとはっきり出さなければいかぬのじゃないか。そんな、途中でいいかげんに変えていいものならば、五カ年計画というものをきちんと作ったということは意味をなしません。五カ年計画も、もちろん事情の変化で修正の必要はあるでしょう。あるならあるで、五カ年計画をこのように変えたということをはっきりしなければ、道路整備のあの法律関係からいっても無理があるのではないかと考えるが、いかがですか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 先ほども申し上げました通り、五カ年計画では十分でないと考えますので、それと多少並行いたしましょうけれども、その計画の中には、十カ年計画として早急に三十二年度にはやりたいというものも加えてあるということを申し上げたいと思うのであります。もし詳細な計画が御必要であれば、別にまた御提出することにいたします。

石村英雄日本社会党

○石村委員 建設大臣に幾ら聞いても、僕の言う意味ははっきりしないのですから、もうやめます。しかし私は、ほかに大蔵大臣や修正案の提出者に対する質疑がありますが、建設大臣はお急ぎのようですから、他の方が建設大臣に御質問があれば、あとに回したいと思います。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 私は大蔵大臣と建設大臣に、経済閣僚として関連して一つお伺いをしておきたい。  今度のガソリン税の増徴に対しまして国民が一番心配しておるものは、こういうような増徴によりまして物価が上り、あるいは運賃が上り、ひいてはインフレを助長するのではなかろうかということでありますが、この問題に対しまして、ガソリン税の増徴と関連いたしまして、どのようにお考えになっておられるか、お答え願いたい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 国鉄運賃あるいはガソリン税の引き上げによりまして物価に影響し、ひいてはインフレを起しはしないか、こういう御質問でございまするが、昭和二十六年十一月、昭和二十八年の一月に国鉄運賃を三割あるいは一割上げましても、物価に影響ございませんのは過去の実績が示しております。また昭和二十九年の四月からガソリン税を現行の価額にいたしましたときにも、物価には影響いたしておりません。私は、こういうふうに考えまして、大体今のような自由主義経済のもとにおきましては、合理化その他によって大体吸収し得るものと考えておるのであります。ただ、いろいろな施策が一緒になりまして、賃上げがどんどん行われるとかなんとかいうことになってきますと、これはまた別でございますが、ただいまのところば、われわれは、そういうふうに一般の物価に非常な影響を与え、インフレになるようなことは絶対に避けねばならぬと考えて処置をいたしておるのであります。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいまのことに対しては、大蔵大臣の答弁と全く同様でありますので、御了承願います。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 建設大臣は、大蔵大臣の言われる通りであるというようなことでございますけれども、あなたは経済閣僚として、建設業務を受け持っておる責任者として、大蔵大臣と全く同じだというような見解はちょっとどうかと私は思うが、これはもう時間もありませんから、これ以上追及しません。  それでは大蔵大臣にお伺いしますか、今度のガソリン税の値上げによって、運賃の値上げの口実にされるおそれがあるとわれわれは考えておるのでございますけれども、そうなりますと、これは、国民に及ぼす影響はまことに甚大になってきます。このガソリン税増徴によりまして、これを口実にして運賃の値上げを要求するというような、そういう事態に立ち至ったならば、政府の責任は非常に重大だと思うのでありますが、この点をどうお考えになりますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 消費税の値上げは、一般消費者に転嫁されることが原則でございます。従いまして、理論的に申しますると、乗車賃その他が上ってくるのが至当でございます。それで、お話しのように、トラックあるいはその他の運賃の上昇の口実にはなりましょうが、しかし、自由主義経済のもとにおきましては、どういうふうにそれが全部転嫁されるか、あるいは一部転嫁されるか、あるいは全然転嫁されないかということは、各般の事情によってきまることでございます。従いまして、運輸省におきましては、各事情を考慮いたしまして、これは料金の値上げをするか、あるいは値上げしなくても済むかということを個々の問題としてお考えになると思います。私は、運賃、あるいは乗車賃、あるいはトラック代が上るにいたしましても、それは大した影響はない、全体の経済としてはのみ込み得る、それよりも、道路をよくし運送を早くし、そうして運送の安全をはかることが急務だと考えた次第であります。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 政府は一方において一千億減税を唱え、そうして国民負担の軽減を宣伝しておきながら、他方においては、ガソリン税の増収による運賃の値上げとか、あるいは物価の上昇というようなことをして、国民大衆に負担を加重させておるが、これは、あなたたちの宣伝しているところの、大衆に対する負担の軽減というようなことと相矛盾することであろうと思う。このガソリン税の増徴も、運賃値上げや物価上昇に影響ない範囲内において行うべきであって、これを一般大衆に転嫁させることに対しましては、われわれはどうしても納得できないのでございますが、政府が日ごろ国民に宣伝しているところの、減税あるいは大衆への負担の軽減ということと、今度のガソリン税によるところの物価の上昇と運賃値上げに対する見解、この矛盾する見解に対しましてどう対処するか、あなたの御見解を御発表願いたい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 日本の経済全体を合理化し、健全化する一つの方法でございます。所得税が非常に高過ぎましたから、これを減税いたしまして、そして経済の復興の手段にしよう、そしてまた一般消費者の方につきましては、なるべく間接税を上げないようにいたしますが、国の経済再建に必要な隘路部門につきましては、ある程度負担してもらおう。御承知の通り、小額所得者につきましても、最近の日本経済の発展に伴いまして、収入その他が非常によくなって、生活が楽になってきているのであります。家計費におきましても、交通通信費の占める割合は非常に少うございます。しこうして家計費におきましても、いわゆるエンゲル係数によります食費その他の割合は、年年減って参っております。昭和二十六年には六〇近いエンゲル係数が、今では五〇を割っておる状況になっておるわけであります。家計費に占める割合が非常に少いのでございますから、日本経済再建のために、お互いの暮しを楽にするために、この際ガソリン税あるいは国鉄運賃の値上げはがまんしていただく。そうして私は十分家計費の方で吸収し得るものと考えております。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 ガソリン税が増徴されることによってインフレを来たさないというようなこと、あるいは一般大衆にさほどの影響がないというような見解に対しましては、われわれは異なった考えを持っております。これは、今後直ちに現象として現われるのであります。あなたは、昭和二十八年あるいは二十九年のいろいろの運賃やガソリン税の値上げ等についても、影響ないというようなことを言っておりますけれども、物価指数というものはその後相当上昇しておる。インフレの気配が徐々に現われておる。こういう際に、このような物価上昇を来たすような増税案は慎しまなければならぬとわれわれは考えておるのです。この点に対しまして、蔵相の御見解とわれわれの見解は大いに異なっております。そのような観点に立ちましても、われわれは今回のガソリン税増税案には賛成しかねると思うのであります。これ以上あなたに御質問しても同じことでありますから、私は後刻この点については御質問したいと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ごく簡単にお尋ねいたしますが、ただいま神田君の質問に対しまして大蔵大臣は、この税金の増徴をだれが負担するかという問題でいろいろ御答弁になったのですが、もちろん消費者が負担するというのは、一般的な消費税の原則でございましょうが、実際は精製業者が負担する、あるいは販売業者が負担する。販売業者にも卸売業者があり小売業者がある。消費者につきましても、直接消費者であるトラック業者、バス業者、ハイヤー、タクシー、自家用、こういろいろ分れてくると思います。大蔵省としては、今度の増徴に当って、どのような負担をそれぞれの階層において行うか、御判断なさっていらっしゃると思うのですが、それをお示し願いたいと思います。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 これは、公定価格のものとは違います。たとえばお酒なんかのように、最高価格をきめておるものにつきましては、生産者のマージンがこう、卸売がこう、小売がこうというようにぴたっときめておりますが、ガソリンにつきましては、それがなかなか困難でございます。従いまして、どの程度どの段階において負担するかということは、今からは申し上げられないと思います。これが自由経済の原則でございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 全くその通りだと思うんですが、先般池田さんは、この増徴によって運輸業者の利益率ですか、何かが二%減少するというような推定の数字を御答弁なさったのですが、二%というような推定数字が出るとすれば、一応大蔵大臣としては、バス業者の場合はどうだ、トラック業者の場合はどうだ、あるいはタクシーの場合はどうだ、そういう御判断がなければ、二%なんていう数字は出てこないはずでございます。今の大蔵大臣の御答弁は、二%という御答弁と矛盾しておると思います。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 矛盾はしていないのでございます。あの前提は、もしバス業者が全部を負担した場合には一%程度の影響がある、こういうことでございます。だから矛盾はいたしておりません。

石村英雄日本社会党

○石村委員 トラックにいたしましても、タクシーにしても、あるいは認可料金か公示料金か何か知りませんが、それがあるのですが、トラックあるいはタクシーは、それぞれせっかく政府の方で認めた料金をとり得ないというようなことが、従来の実例でございます。バスなんかは、いわば半独占的な立場にあるから、政府が認めれば、その通りの値上げが可能でございましょうが、トラックやタクシーはなかなかそれができない。タクシーなんかも八十円が七十円になり、一時は六十円というような例もあったのですが、そういう点はどのようにお考えなんですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 それは、今のような経済のあり方では、料金に対して転嫁できる場合もできない場合もございます。業者あるいは地方的事情その他によりましては、私は正確なことは言えないと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そういう状態だから、業者がこの国会のまわりに集まって反対気勢を上げるわけなんですが、大蔵大臣にさらにお尋ねします。政府からお出しになった資料を見ますと、道路が十五年と見て、二倍以上の増徴分よりも利益がある、こういう資料ですが、計算上あるいはそういうことになるかもしれませんが、このように、先での利益があるから今上げても差しつかえないという御判断で、この資料はお出しになったのですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 その資料は、私よく見ておりませんが、とにかく世間一般では、道路がよくなってくれば、自動車の償却も少くなるし、運転手の方の能率も上るし、いろいろな点でよくなるという計算は、各方面でしていると思います。私は、それは長い目でそうなるという表だと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員 長い目では確かにそうなるかもしれません。これはわかりませんが、しかし問題は、さっきの御答弁の中にありましたように、揮発油税を増徴して、それを直ちにタクシーやトラック業者が消費者に転嫁できない。そこに問題があるわけです。それはタクシーもあるいはトラックも、長い目で見れば利益を受けるかもしれません。しかしその前には、利益は受けられない。途中で死んでしまっては、先で幾ら利益があったって何の役にも立ちません。先でいいことがあるから今死んでしまえ、こういう御答弁ではないと思うのですが、これはいかがですか。今死んだって、先でだれかが助かるから、お前らあきらめて死んでしまえ、こういう御議論なんですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 それは、ガソリン税だけの問題ではございません。私は政治というものは、全本を考えてよくなるように、そうして個々の方々にもそれが非常に悪くならないようにということが根本だと思うのであります。従いまして、先ほどインフレとかあるいは物価の議論がございましたが、昭和二十八年に鉄道運賃を上げたり、あるいは二十九年にガソリン税を上げましても、物価はずっと横ばいできておったのであります。しかるに最近に至りまして、輸送のネック、あるいは急激な経済の発展によります鉄鋼その他の値上り等で、今までこういう隘路産業に思い切った処置をしなかったのが、最近の物価の横ばいから上りかけた状況なんでございます。物価が上ったとか、それが十分にいかなかったということは、国民全体の問題でございますから、ガソリン税によってまかなって道路をよくしよう、国鉄運賃を上げようといたしているのであります。これが全国民みんなによくなるという施策でございます。しかしそれが上り過ぎて、あなたの言うように、もう立っていかないような状況になるかという程度問題につきましては、私は先ほど衆申し上げておりますように、大して消費者にも影響はないし、またこの程度の上げようでは、転嫁ができればいいですが、転嫁できない場合におきましても、私はやっていけるという見通しでいるのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 物価というものは総合物価ですから、運賃が上ったからといって、全部の物価が必ず上るわけでもないし、他の施策との関連があることで、一つだけ取り上げて上るとか上らぬとか言ってみたって始まらないと思います。その点、大蔵大臣は強弁せられるわけですから、幾ら言ったって水かけ論になると思うからやめますが、一つ修正案の提案者と大蔵大臣に、修正案についてお尋ねしますが、小山君のさっきの御説明では、十五日分を政府は延納と申しますか、それを認めておるのを認めないことにするから、これこれの課税標準はふえる、こういう御説明だったのです。これは、今度の修正案を見ますと、単に税金だけのことですが、あの十三条関係を御修正なさる必要はないわけなんですか。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 法律の方は 九十日以内の延納を認めることになっておりますので、七十五日である限り、その必要はないのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 七十五百で差しつかえないということですが、法律は二カ月なんですね。「二月以内、その徴収を猶予することができる。」とある。従って、これは法律を改正しなくとも、そのようになるというのはどういうわけですか。なることもあろうし、ならぬこともあるということになると思いますが。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 十三条の第二によりまして、「三月以内、その徴収を猶予することができる。」とありますので、九十日以内はよろしいわけであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 以内とあるからそうなる、こういうことですか、以内は三カ月が最高限度ですから、三カ月になる場合もあるんじゃないですか。それが必ず十五日短縮されるという理由は、どこにあるわけですか。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 三カ月以内であれば、政令によって九十日にすることもありますし、現在は七十五百の徴収猶予を政令で認めておるわけであります。従ってその政令を変えなければよろしいのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 政府の従来の説明は、これは政令を変えて、七十五日でないようにすることになっておる、その前提で説明されておる。それが政令を変えないという御説明だとすると、大蔵大はもうちゃんと与党とお話し合いの上で、このことを承認されたわけなんですか。従来の政府の態度は、そういうことをしないことになっておる。十五日延びることになっている。それを延ばさないというんなら、大蔵大臣としてそれを認められたわけなんですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 私はまだ承認したと断言できないのでございます。国会の意思をあくまで尊重しなければならぬという気持に変りはございませんが、そういう話はございまして、ああそうかといって、私はそれでよろしゅうございますとはまだ言っておりません。国会の尊重という意味におきまして、あなた方の議決があれば、これに従うにやぶさかではないのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうすると、提案者にお尋ねしますが、この法律を十五日短縮して修正を出すべきではないんですか、大蔵大臣が何をするかわからないんですから。国会の意志というものをはっきりするのには、この法律を修正しなければはっきりしません。あなた方が単にそうなると御説明になっても、国会の意思というわけにはいかないわけなんです。政令に譲っておる。そうして大蔵大臣は、政令は本法に違反しない以上どうにでもできるという御解釈のようです。これをもし与党として十五日短縮するという御意思なら、この法律の「以内」を、十五日削った日にちの以内になさる必要があるのではないか、こう考えるのですが、いかがですか。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 課税の標準額を三百五十九万二千キロリットルに考え、そうして欠減率を三・七から一・五に押えていく限りは、七十五日以上にはなり得ないのであります。でありますから、これはわれわれの提案した通りに法律を改正すれば、七十五日以下にすることはできないし、七十五日以上にすることも、この数字の上からできないという結論になりますので、法律の改正は必要でないと考えております。

石村英雄日本社会党

○石村委員 数字の上からそうなっている。法律にそんなのはないわけですが、それが七十五日以上にも以下にも絶対にならぬことになる、こうおっしゃったって、さっぱりわかりませんよ。どういうわけでなるのか、ならぬのか。法律にちゃんと書いてあるなら、それはわれわれでもわかりますが、あなたの御説明では、ただこういうふうに算定した、こういう御説明にすぎない。その算定の根拠です。法律は政令に譲ってる。法律は「三月以内」と書いてある。これを必ず十五日短縮するというよりに法律をはっきり修正しなければ、そのようにはならないと思う。数字上必ずなるというが、どういうわけで数字上そうなりますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 十三条の二は、以前から三カ月以内の徴収猶予を認めておるわけであります。しかして現在の状態は、法律は三カ月以内となっておりますが、政令で七十五日といたしておるのであります。しかもまた徴収の場合におきまして、欠減は三・七%といたしておるのであります。われわれはその七十五日を九十日とし、そうして三・七%の欠減を見て、そうして三百九十万キロリットルの前提のもとに予算を組んでおるわけであります。ただもし万が一にも、われわれの期待しております六千五百円の増税案がどうなるか私は存じませんが、もしこれが減額されるようになる場合におきましては、当委員会でこの増税案の金額は動かない、これだけ税率を下げても動かないだろう、そうしてその動かない理由は、徴収猶予、十五日間延ばしているのを延ばさない、従来のように七十五日にし、そうして欠減をこう見てからの修正案だ、こういう決議に相なると思います。決議にならなければ、説明があると思います。われわれは先ほど来のお話のように、委員会でそういうふうに説明があり、御決議になれば、国会を尊重いたしまして聞かざるを得ないような状態に相なるかとも思うのでございますが、今のお話の点は、現行も三カ月以内とありまして、七十五日にいたしておるのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうすると、必ずこの修正案が通れば十五日短縮になる、政令を変えなくてもいいということですか。それなら、その通りにおやりになる、こういう確約をなさいますか、尊重するという以上は、そういうわけですね。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 春日さんが先ほど来、国会の意思を尊重しろというお話でございまするから、いろいろな点を考慮いたしまして、御決議があれば、そのときに私は善処いたしたいと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員 これは情勢の変化で、そんなことはやめたというようなことは出ませんか、情勢が変化したということで。法律ではっきりしておいたら、情勢が変化しても変化しなくても、やらざるを得ない。この法律を修正をしておかないと、大蔵大臣が天井をにらんで、情勢が変化したと御判断になると、それっきりになってしまいますね。いかがですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 これは決議がなるかならぬか存じませんのでございますが、私は国会の意思は十分尊重いたします。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そんな抽象的なことを私は聞いておるわけではない。国会の意思を尊重するということは、当り前の話です。しかし現実にこういうものをきめる場合に、情勢の変化だ、あの決議は、情勢の変化だから、あらためて国会に付議しなければならない事項なら、それはあらためて情勢の変化によって、国会の意思できめるということになるでしょうが、これは政令に全部譲っておるわけです。その点、これは提案者、もっとはっきりしなくても差しつかえないとお考えですか。なぜこの修正をお出しにならないのか、積極的に出さない理由を御説明願いたい。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 先ほど申し上げましたように、この計算からいけば七十五日で十分できる、あるいは七十五日以上にする必要はない、あるいは七十五日以下にする必要はないという計算が出てくるのであります。従って、政府がわれわれが修正した通りに実行し、また予定数量がこの通りである限りにおいては、七十五日でよろしいという結論になりますから、従って法律の改正は必要でない。現に九十日以内はよろしいということになっておるのでありますから、現行通りでよろしいという結論に到達したということであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ただいまの御説明で、ますますおかしくなってしまった。そうすると、予定数量が変ってくれば、これはまた変ってくる、こういうことですか。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 予定数量は変らないという前提で、われわれはこの修正案を出しておるわけであります。従って、予定数量は変らないという前提でありますから、七十五日も変らなくともよろしい、こういうことであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 この一年の三百九十万キロリッターは、一応の推定数字にすぎない。三十二年度に現実に四百万キロリッターになるか、あるいは三百五十万キロリッターになるかわかりません。またこの五月、六月にも、情勢の変化で数字の移動はあるかもしれない。もしそれが変ればまたお変えになる、こういうことなんですか。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 現在の政令は変えないという前提なのであります。変えないという前提に従って、かつ総数量が見積り通り、この限りにおいてはこういう結論になります。これは石村さんも計算されれば、その通りになるのでありますから、法律でもって七十五日以内とか、あるいは五十日以内とかしなくてもいいのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ちっともいいことはない。これは幾らになるかわかりゃしない。あなたは仮定の数字によって、こうなるから、この法律もこの通りでよろしい、こうおっしゃるのですが、その数字は変ると考えなければならぬ。絶対に三百九十万キロリッターを一リッターでも多くもならぬし少くもならぬということは、だれも考えられることではないわけです。だから、数字はふえるか減るか、変ると見なければならぬ。ところがその数字に変動があれば、政令も変っても差しつかえないというような御答弁ですが、これはおかしなことです。数字が変れば、あなた方はこの修正案もさらにお変えになる御意思なんですか。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 今石村委員がおっしゃるのは、九十日以内という法律を変える必要があるかどうかという点をおっしゃいますから、九十日以内という法律は、変える必要はないのだということを御返事申し上げたわけであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 その辺は、あなたが再三答えておりますから、わかっていますよ。ところが、この前提の数字が変らなければとおっしゃる。これは絶対に変らないという保証がありますか。法律で十五日を短縮すれば、その通りに法律は施行されます。現実に消費する数量は変ると考えるのが、むしろ常識でございます。変ると考えられるものを変らないと前提すれば、法律を変えなくてもよろしいということは、非常におかしな御説明だと思う。

小山長規自由民主党

○小山(長)委員 私どもが提案いたしておりますのは、増税案の六千五百円を五千三百円に修正するということなのであります。その修正の算定の基礎としては、今の欠減と、それから徴収猶予をその通り見れば五千三百円という結論に達する。従って五千三百円という修正案にしておけば、九十日以内というものの修正は必要がない、こういう結論に達したのでありますから、御了承をお願いいたします。

石村英雄日本社会党

○石村委員 これは、小山君と押し問答しても、たとえば二・二が五というような答案を書いて、私が二・二が四だ、これがほんとうだと言っても、いや五だ、五だということと同じですから、私はこれでやめます。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 昨日から本日にかけまして、いろいろ両党間の話し合い等の経緯にかんがみまして、まだ皆さんには御不満で質疑がたくさんあろうと存じます。その点、委員長は十分皆さんの質疑のある点は感じております。けれども、今申し上げたように、両党のいろいろ話し合いの経緯もございますので、両案及び両案に対する修正案に対する質疑は、この程度で終了いたしたいと存じますが、いかかでございましうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 御異議ないようでありますから、それでは両案及び両案に対する修正案に対する質疑は終了することにいたします。  この際両案に対する修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を求めます。池田大蔵大臣。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 衆議院議員小山長規君外二十五名の提出にかかる揮発油税法案に対する修正案及び地方道路税法の一部を改正する法律案に対する修正案についての、国会法第五十七条の三に規定する内閣の意見を一括して申し述べます。  揮発油税及び地方道路税の増徴の際でありますので、現行の欠減歩合を大幅に圧縮し、また徴収猶予期間延長の配意を行わないことは問題があると思われますが、道路整備費予算額には減少を来たさないので、修正案にしいて反対はいたしません。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 以上をもちまして内閣の意見は終りました。  これより両法律案並びに両法律案に対する両修正案を一括して討論に付します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程に相なっております両法案並びに両修正案に対しまして、絶対に反対をいたすものであります。  少くともこの両法案に集まっておる非難、集まっております意見等を一言にして集約をいたしますと、百歩譲って政府の今いたそうとしております千億減税、そのスローガンの中で、仁徳以来の減税をする、こういっておるときに、仁徳以来の大増税が行われるという矛盾が、そのものずばりで言われております意見であります。しかもこの両法案につきましては、昨年以来幾変遷を重ねておるのであります。先ほどの質問の中で出ましたように、当初の一万数千円から八千五百円、六千五百円、一声あって五千五百円、さらに五千三百円、バナナのたたき売りじゃありませんけれども、これほど幾変遷をした法律案はございません。従って税に最も必要であるべき納得、説得力、あるいはまたこれに対する信頼感というものは——大臣、笑っていちゃダメですよ。まじめに聞いていなさいよ。少くとも国民から集まっておるこの信頼感と説得力というものが、この法案に欠けておると私は思うのであります。私は野党といえども、提案される法案に対して審議をし、かりに反対をいたしましても、一たん通ればこれは法律であります。従って野党といえども国民に対して説明をし、そして、きまったものは払わなければならぬぞ、こういう立場を国会議員としても持たなければなりません。いかにしてそれを説明するかということに、私どもは苦しむのであります。  ここに、われわれ国会議員の手元に集まっております、このガソリン税に対する陳情というものは、実に膨大にわたっています。この膨大にわたっておる陳情書の中の一つの例を、私は示してみましょう。これは、一業界並びに労働者が一致して書き集めたものらしい、しかし全くそのものずばりで、こういう点はどうかということを十項目にわたっていっています。これは、もうすでにこの委員会においてもあらゆる角度から審議をされましたけれども、もう一度心静かにして、われわれはこの国民の嘆願書をここに想起する必要があると思って、特に私は朗読をいたしたい。  一、国民大衆に対する所得税の減税と、日夜不眠不休で働いている労働者にしわ寄せされるガソリンの大幅増税と、果して矛盾撞着のない善政でしょうか。  これが第一であります。  二、ガソリンは昨年十月以後一キロリットル七、八千円の値上げを強要せられ、なおますます値上げの情勢であって、同業者はその不安に脅かされています。  これは時間的のずれもありますから八千円と言っておりますが、  三、この際さらに、税として八千円を徴収せらるるならば、両者合せて一万六千円の急激な大きな負担増となり、業者に致命的打撃を与えるものであります。  四、終戦後一度も料金運賃の値上げをしたことのないタクシー、ハイヤー業者だけを、なぜ日本国民の一員として殺すほど憎まねばならぬことになるのでしょうか。安い安い料金で走っているタクシーがどれほど道路を損傷するのでしょうか。  五、大蔵当局は目的税なるがゆえに、道路整備のための増税をするのであるというが、それでは感情的、報復的課税だといはねばなりません。  六、私どもは目的税に賛成したこともありませんし、目的税創設当時は、当時のガソリン税収の一部を道路整備に支出したにすぎない実情から、せめてガソリン税総額だけくらいは道路費にという意味で法律ができたのではないでしょうか。  七、わが国の道路整備はもっと大きく長期の計画を樹立さるべきであって、にわかに無理な増税案でこれを補うというのは、私どもには納得できません。  八、大蔵当局は、わが国のガソリン税や、ガソリン価格が欧州各国より低率安価であるというが、それらの国の国民生活基準と物価指数から見て、果して低廉でしょうか。  九、道路整備による受益は自動車業者だと説かるるが、この数字も計算も全然机上の空論であって、特に都市のタクシー、ハイヤー(ガソリンを最も多く使用する業者)は、そんな受益などあるものではありません。  一〇、こんな弱い若いじめの苛酷な増税が今日私どものみに課せらるるならば、一体私どもに何をせよと言わるるのか、あえて政府に問はんとするものであり、ただただ天を恨み、地に伏して泣くのみであります。  こう言っておるのであります。この十項目の項目について、私どもは関係の委員会、あるいは連合審査会で種々討議をしました。で、これは尽されたとは私どもは言いがたい。しかも質疑応答を、この議事録なり何かをこれらの人々が読んで、政府の答弁によって、また修正案提出者の回答によって、真にこれを納得するであろうかどうかを私は疑わざるを得ないのであります。この中にありますように、そもそも目的税を設定したときは、大蔵省も反対の立場にあったものであります。国税の中で目的税を設定するということは、世界各国の歴史にもあまりありません。私の知る限りにおいては、アメリカの州税にガソリン税が目的税としてあるけれども、ほかの各国で国税の中で目的税を作るということは、税の根本原則からも反することであり、あなた方も実は初め反対をしておったはずであります。けれどもこうなった。なぜあなた方は反対をしたか、財政の弾力性をこれによって失うからだという意味の反対であった。ところが一ぺんできたら、今度は逆にあなた方は、目的税を作ったのだからと、これを値上げをして一般財源を減らす方向に回ったじゃありませんか。これは、私はあなた方として考えなければならぬところではなかろうかと思う。自分が反対をした、それが通ると、今度はそれを逆手に作用して、どこえしわ寄せするという結果に今日なっているということを、反省されなければなりません。  私がこの両法案に反対をいたしますのは、主として四つの論点からなると思います。  第一は、道路に対する根本的認識の点であります。早い話が、道路を通るのは、道路をこわすのは、こういう理論で、それはタクシーあるいは自動車、こういうふうに一がいに考えるのは、まことにこれは小児病的な考え方であります。いまさら言うも愚かなことでありますが、道路はまさに産業の構造、産業の基盤であります。もしも政府が建設大臣の言われるように、十カ年計画を策定をするゆえんのものが日本の産業の中で道路が、あるいは電力が、あるいは輸送が、鉄鋼が今一番隘路であるから、ここに太いパイプを通じなければならぬというならば、なぜもっと国策として堂々と本格的にかまえて、一般財源を大量に投入をしないのでありましょうか。四十四億出ています。しかし四十四億とガソリン税の五百三億と、どれだけこれが比べものになりますか。真に政府が輸送、鉄鋼、電力、これをもって今の産業の隘路であるとするならば、このような目的税を、このような時期に、このように大きく増税をするという策というのは断じて私はとるべきではないと思うのであります。ちまたで言っております、道路をこわすのはたれだ、人よりも荷車だ、荷車よりもタクシーだ、いやトラックだ、こういう論拠で言うならば、一番こわすのは自衛隊の重戦車じゃないか。(「変なことを言うな」と呼ぶ者あり)それらがちまたの話です。けれども、そういう論拠でいくならば、自衛隊の石油は免税です。そうでしょう。しかしながら、そういう議論は私今とりませんが、少くとも道路に対する根本的認識というものを、経済政策、交通政策の上から考えなければなりません。だからこそ、道路整備五カ年計画が二十九年に閣議で決定したときのいきさつをわれわれは言うのであります。あのときに閣議で決定したのは、五四%と四六%に決定をしたのではないか、なぜそれを堂々と実行しないのか、それができないとしたならば、なぜあらためてできるように措置をしないのであるか。それが今や五百三億と四十億では、話にもならぬではないか。当時の閣僚は一体何をしているか、当時の内閣は一体何の内閣か。保守党の内閣ではありませんか、引き続いておる内閣ではありませんか。なぜそれができないかと私は疑わざるを得ません。  第二番目に、重要法案に対する諸条件というものが裏づけされていないのであります。先ほどからもいろいろな角度から議論がされました。これだけの増税をするのであるならば、こういうわけだから納得してくれという諸条件というものを整備されて、初めて私ども百歩を譲って、まだ怒すべしという感じがいたします。第一に道路はどうなっています。建設大臣の話を聞けば、十カ年計画は、まだ絵にかいたぼたもちどころか、絵にもかいてない格好なのであります。道路は、どうなるのかという問いに対して、答えがありません。では今後、このガソリン税をこれだけ増徴したのだから、これらはもう増徴しないといいう保証を得たいと思えば、十カ年計画の内容を聞けば、話を聞けば、またガソリン税は増徴するかもしれぬという計画を秘めておるのであります。もっとふえるかもしれぬという展望がある。では一般財源を、四十四億をガソリン税と同じようにふやすという希望、こういう自民党内部においても三たび行われた決定はどうなるのか、これに対する保証も何らないじゃありませんか。では、だれがこの税金を負担するのかという問題がある。大蔵大臣は、自由主義経済のもとであるから、消費者の上に全部しわ寄せされるのではない、それぞれの段階においてこれが転嫁されていくと、こうおっしゃる。けれども、そうであろうとも、大体大蔵大臣は予測がついておるはずであります。石油会社はもうかっているか、トラック会社は損しているか、タクシーはもうけるか、運賃値上げになるか、大蔵大臣に予測がつかないはずはないと思う。その予測がついておって、どういう一体手当が行われているか、それに対して、あなたは明白に言いません。それでは物価の引き上げになるかどうかという点があります。大蔵大臣は今、まことに私どもにとっては心外でありますが、まあ言葉の中のあやでもありましょうか、鉄道運賃を値上げしても、タクシーやトラックを値上げしても、労働者が賃上げを要求しなければ、インフレにならぬという軽率なことを言いました。労働者が賃上げを要求するのは、労働者の立場です。しかし、それを受けて経営者が値上げを認めるとしたら、経営者の責任であることもまた忘れてはならぬはずでありましょう。政府が公務員の給与の引き上げを認めたならば、それは政府の責任であることを大蔵大臣は忘れてはならぬはずであります。そういたしますと、少くとも物価引き上げ、インフレに対する影響についての大蔵大臣の無責任な先ほどの答弁は、御反省を願わなければならぬと思うのであります。  第三番目に、私はこの重要法案を通じて、政府与党の中における不統一と混乱を指摘しなければならぬと思うのであります。第一は、この修正案が決定されるまでのいきさつであります。金額もずいぶん動きました。そしてきのうからきょうにかけて署名の問題も出ました。あるいは各省であげる数字は、運輸省で四百二十一万キロリットルと言えば、大蔵省では三百九十万キロリットル、これは今もなお解決しておらない数字であります。三・七の欠減率が一・五にきょう修正になった。なぜ一・五になったかと言うと、これまた答弁がないのであります。運輸省が今度の問題で出しております意見書を見ますと、六項目あがっておりますけれども、これは民間側とか、業者側とか、労働組合が言うならいざ知らず、運輸省が言っておりますことに対して、きわめて興味を持つのであります。第一は、わが国の揮発油税の税率は、国民所得を考慮に入れて比較すれば、世界各国に比して高率であるといっている。第二番目には、道路交通事業における租税公課は重複課税されており、他産業に比べて著しく過重であるといっている。第三番目に、道路交通事業は、公益事業として低率なる収益を得るにすぎないといっている。  第五番目に、揮発油税の増徴は運賃仕上げを招来し、一千五百億円から二千億円の過重負担を国民全体に課するといっている。第六番目に、揮発油税は道路整備の目的税としての本旨を十分に達成したものとは認めがたいといっている。これらの点を考えますと、運輸省と大蔵省は、同じ政府の中にありながら一体どういう話をしたのか疑わざるを得ない。なるほどこういう税法案については大蔵省が主管省です。しかし運輸省を納得させるだけの力が大蔵省になかったのか、こう疑わざるを得ません。この政府与党内における本法案を通じた不統一と混乱は、まさに国民のこの法案に対する信頼感を喪失せしめるものだと私は思うのであります。  第四番目は、国会の権威に対する問題であります。大蔵大臣は、先ほど修正案に対しては国会の権威を尊重すると言われました。そう言う以前に、三十一年四月二十三日の軽油引取税に対する参議院地方行政委員会の附帯決議をあなたは全然尊重しようとしておりません。ガソリン税についての三十一年十二月三日の衆議院運輸委員会の決議、同じく十二月四日の参議院運輸委員会の決議、一体これらに対してどういう尊重をいたしておるのでありましょう。こう考えますと、あらゆる委員会がしばしばこの油の税金について反対の決議をし、政府に善処を求めておるのに、まことに未曽有の増税がここに報いられてきたのでありますから、国会の権威というものは全然失墜したといわなければならぬと思うのであります。  このように考えてみますと、この両法案に対して、国民は一体どういうふうに考えておるだろうか。この増税というものが矛盾と撞着と混乱と、そして悪質な中から生まれてきた、こうまで国民が疑った場合に、われわれはどういうふうに答えるべきでありましょう。少くとも一般庶民の中には、運賃が上った、電力料金も上る、ふろ代が今度は上ってきた。そして今度また車代とくる。こういう心理的な現象というものは、たとい大蔵大臣が、国民の生活水準に対しては影響をもたらさないようにしたいと言い、あるいは生活のゆとりの中にこれが食い込み得ると言っても、その心理に対する影響というものは、これは看過することのできない問題であり、私は特にこの問題を通じて、タクシーの業者が何か政治連盟を結成したという話を聞きました。タクシーの業者が政治連盟を結成するということは、私個人としてはあまり感心したことではないと思うのです。しかし、われわれがこの審議を通じてもっと納得のいく手段を講じ、もっといい方法を考え、少くとも彼らが出すには出すにしても、納得する方途手段を講じたならば、ここに二大政在党が厳として存在しているとき、業界にいそしむべき人々が政治連盟を結成することはないと思うのであります。それにもかかわらず、全国千数百万のこの関係の人々が政治連盟を結成して自動車業界を守らなければならぬというふうにいかせることは、政治の至らざるところと、われわれは考えなければならぬと思うのであります。こういう方向であちらでもこちらでも、中小企業政治連盟とか、いろいろ出て参りましたら、政党政治の信頼感というものは何をもって保持すべきかと私どもは心配であります。本来の道路をよくするためのあるべき姿というものは、少くとも何をなすかということを明確にして、この道路はこうなる、これはこうなる、そのために税がこれだけ要るということを百歩渡ってもなさなければならぬと思うのであります。この法案にはそれがない。少くとも私どもは、このガソリン税を増徴しないでも、一般財源から国土の建設のために大量にこれを投資して、長期計画をもって道路をよくする方途が残されている。そう確信して、社会党は予算案にこれを計上をしたことはすでに御存じの通りである。さはさりながら、今ここに重要法案としてのガソリン税法案は、採決の直前にあります。全国の関係する人々が、昨年の暮れ以来、旗を立て、全国津々浦々に集まり、きのうはきのうで国会を取り巻くこと数千、それらの人々がまさにかたずをのんで見守るうちに、この法案は今や通過しょうとしております。  もし最後に、私に言うことを許されますならば、現状の政治が、あしたなり、一カ月先に解散の声があったら、決してこの法案は出なかったであろうと思うのであります。ここに政府与党の、国民の批判に対する気のゆるみのあることを警告いたしたいと思う。そうであっても、少くとも国民諸君は、この法案が通適することによって生ずる困難を長く忘れないでありましょう。また社会党も、この法案のひずみというものが一日も早く排除され、そうしてあるべき姿にせんとこいねがうものであります。  以上、私の討論を要約して申し上げますと、こういうふうな状況でありますが、両法案及び修正案に絶対反対をいたしまして、私の討論を終ることにいたします。(拍手)

山本幸一日本社会党

○山本委員長 以上をもちまして討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず揮発油税法案について採決をいたします。最初に本法律案に対する小山長規君外二十五名旅出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 起立多数。よって本修正案は可決いたしました。  次いで、ただいま議決いたしました修正案の修正部分を除く原案について採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 起立多数。よって本法律案は修正議決をいたしました。  次に、地方道路税法の一部を改正する法律案について採決いたします。まず最初に、本法律案に対する小山長規君外二十五名提出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 起立多数。よって本修正案ば可決いたしました。  次いで、ただいま議決いたしました修正案の修正部分を除く原案について採決をいたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者者起立〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 起立多数。よって本法律案は修正議決いたしました。  この際お諮りを申し上げます。ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成、提出手続等につきましては、先例によって委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  本日はこの程度にとどめ、明日は実は日曜日ではございますけれども、参議院との関係もございますから、定刻をもって開くことにいたします。  これをもって散会いたします。    午後一時五十一分散会      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗