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26回国会衆議院1957/03/27

大蔵委員会 第19号

発言数
138
登壇者
12
会派数
2
開催日
1957/03/27

会議録

山本幸一日本社会党

○山本委員長 これより会議を開きます。  この際御報告を申し上げますが、本日午後一時より開会予定でありました土地改良法の一部を改正する法律案及び特定土地改良工事特別会計法案についての農林水産委員会との連合審査は、都合により来週に延期されましたので、御了承願います。なお日時は、追って公報をもって御通知を申し上げます。     —————————————

山本幸一日本社会党

○山本委員長 この際お諮りをいたします。井上良二委員より、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について、本日の委員会に、日本住宅公団総裁加納久朗君及び同理事渋江操一君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいとの要求がありましたので、さよう決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。     —————————————

山本幸一日本社会党

○山本委員長 次に、関税定率法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び資金運用部預託金利率の特例に関する法律の一部を改正する法律案の三法律案を一括議題といたします。  これら三法律案についてては、別段質疑もないようでありますから、三法律案に対する質疑はこの程度で終了し、討論の通告もございませんので、討論をも省略して、直ちに採決いたすに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  これより採決に入ります。関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を採決いたします。本法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 起立多数。よって本法律案は、原案の通り可決いたしました。  次に、関税定率法の一部を改正する法律案及び資金運用部預託金利率の特例に関する法律の一部を改正する法律案の両法律案を一括して採決いたします。両法律案を原案の通り可決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 御異議ないものと認めます。よって両法律案は、全会一致をもって原案の通り可決をいたしました。  この際お諮りを申し上げます。ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成、提出手続等につきましては、先例によって委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり

山本幸一日本社会党

○山本委員長 御異議ないものと認めまして、さように決しました。     —————————————

山本幸一日本社会党

○山本委員長 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を続行いたします。井上良二君。

井上良二日本社会党

○井上委員 昨日の質疑に続きまして、住宅公団の件についてさらに質問をいたしたい。住宅公団が設立されまして以来、政府出資による金額及び預金部その他から借り入れました、資金で、今日までどれだけの住宅が建設され、また三十二年度においてどれだけの住宅を建設しようとしておるか。これは住宅公団の方が来ておりますなら参考に御説明を求め、なお建設省の住宅局長が来ておりますならば、建設省の住宅局長から説明願ってもいいのですが一応御説明願いたいと思います。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 今の御質疑に対してお答え申し上げます。三十年度は、建設します戸数が二万戸ときめられました。そうして三十一年の三月三十一日に二万三千戸発注いたしました。三千戸だけ次の年度の分をも発注いたしたわけでございます。三十一年度の建設戸数は、二万三千戸ときめられております。そして昨年度は、次年度分の発注を含めまして、この三月三十一日までに二万五千戸を越すつもりでおります。すなわち二千戸だけ三十二年度の分に入っております。三十二年度は三万五千戸を建設するという予定で準備をいたしておる次第でございます。もう一つつけ加えますと、住宅公団の仕事は、三年間の仕事といたしまして、三百万坪の宅地を造成するということでございます。この三百万坪の手当を三十年度の終りに終了いたしまして、日本各地に十五カ所、東京の周囲に五カ所の新都市、大阪の周囲に四カ所の新都市、名古屋の周囲に三カ所、北九州に三カ所、十五カ所の新都市を計画いたしております。これは三年間に終了する計画でございましたけれども、その方はおくれまして、三十三年の夏または秋ごろに全部の新都市を建設し終る計画でおります。

井上良二日本社会党

○井上委員 住宅公団が発足以来、急速に住宅の建設を進行をしてもらいまして、住宅難の緩和が漸次はかられつつありますことは、まことに御同慶にたえませんが、問題は、これら建設されました今までの住宅、またこれから建設されまする公団住宅の耐用年数は、木造建築でどのくらい、あるいはは鉄筋コンクリート建でどのくらい、どういうことになっていますか、それを説明願いたい。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 ただいまの御質疑にお答えいたします。木造住宅はございません。すべて鉄筋コンクリートまたはブロックでございます。耐用年数は七十年ということで計算いたしております。

井上良二日本社会党

○井上委員 そうしますと、七十年使用できるという目的でいわゆる借家料といいますか、家賃を月何千円というふうにおきめになっていますか、七十年を限度にしてきめられておりますか、それを伺いたい。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 七十年を元利均等に償却することにいたしまして、金利を四分一厘と見ております。そういたしますと、十三坪の住宅で大体四千百円から四千二百円の家賃ということで償却し得ることになっております。

井上良二日本社会党

○井上委員 一般公務員住宅のただいま御説明になりました十二、三坪の鉄筋の住宅と公団住宅とを比べますと、約二倍半公団住宅の方が家賃が高いということになっておりますが、大蔵当局は産投の資金を、本年住宅公団に九十五億あるいは公庫に三十億という金を出資しておりますが、そういうことは全然検討せずに出費をされていますか、いかがですか、大蔵当局の御説明を求めたい。

澄田智大蔵事務官

○澄田説明員 かわって御説明申し上げます。公団の三十二年度の出資をきめる場合には、運用部等から出ます資金は六分五厘という金利になっております。これに対しまして、政府出資を産業投資特別会計からいたしまして、それを合せまして、先ほど住宅公団の加納総裁から御説明がありましたように、四分一厘という金利によりまして今の家賃を計算いたしておるわけでございます。これは政府が出資をいたしますと同時に、民間の資金も活用し、また運用部等の低利資金も入れまして、それで考えられます最も低い金利によって今の家賃を計算する、こういう方針によったものでありまして、公務員住宅の場合とは資金の出どころが違っておりまして、四分程度の金利負担が家賃にかかることはやむを得ないところではないか、そういうふうに考えて出資額などがきめられておるわけであります。

井上良二日本社会党

○井上委員 住宅公庫または住宅公団に政府が出資いたしますのは、昨日本委員会において足立大蔵政務次官から、産業投資特別会計の出資目的は、わが国の経済の再建が土台だ、その一環として住宅建設というものが火急を要するので、その方面に多額の資金を出資した、こういう説明でございます。今日住宅が不足をして、実際住むに家のない人に住宅を政府が建設して住ますようにするということは、これは単なる社会政策や、あるいはまた一般の常識論的に考えるじゃなしに、国の経済を再建するという大きな目的で、国民から取りました税金の一部をこの方面に出資しておるわけです。一方同じ産業投資の面を調べてみると、たとえば電源開発においても、あるいはまたは石油開発においても、それぞれその開発の目的が達せられますまでは、何といいますか、税金の上において優遇的措置が講ぜられている。あるいはまた金利的ないろいろな井面も一方において講じておるというわけで、生産的な産業方面への投資にはまことに手厚い優遇措置を講じて、すみやかにこの産業が復興し、生産力が高まりますような道を開いておるわけでありますが、一方住宅公団の方を見ると、まことにそれとは相反する事態が行われておる。ただいまの説明によると、六分五厘というふうな高い金利が一方にかかっておるから、片方で政府出資その他の安い金利によって平均金利四分一厘くらいに安うしたという御説明でございますが、この経済復興と住宅に真に困っている人を助けるという目的で建てられておる住宅が、公務員住宅に比して二倍半も家賃が高い。わずか十二、三坪の家ならば、公務員住宅ならたかだか千五百円から千八百円どまりであります。ところが一方公団住宅は四千円から五千円であります。そこへもってきて、最近固定資産税がかけられるということになって、借家人たる居住者にその固定資産税の一部を家賃の形で取り上げようとしておる、これは全くの違法であります。固定資産税は、当然固定資産を所有した者にかかるのであって、それがかけられたからということで直ちに家賃にこれをぶっかけていくという、昨日足立政務次官がお答えになりました趣旨とは全く違った、また社会政策上やっておる住宅政策とは全く異なったやり方がとられておるのでありますが、これは一体どういうことですか。国の金をただで使っておって、それで片方では、固定資産を持ってないそういう居住者に対してそれの肩がわりをさすということは、一体どういうことです。説明を願いたい。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 住宅公団の資金の構成は、政府の出資がことしの予算で九十五億円でありまして、そのほか二百七十億を借りるわけであります。その中で、百二十億は政府資金を借り入れます。それに対して六分五厘の利息を払っております。ほかに公団債券及び民間の資金を借り入れますのが百五十億でございます。これは七分一厘に当っております。こういうのを平均いたしまして、分譲住宅と賃貸住宅にかけるわけでございますが、賃貸住宅の方は政府出資金をできるだけ多くして、分譲住宅の方は政府から借り入れたものを二割と、民間から借り入れたもの八割をもって分譲をしておるわけでございます。そこで家賃のことでございますが、これは勤労者のためになるべく安く家を供給するということから、政府の御方針が四千二、三百円というところで大体家賃をきめていくようにということで計算をいたしたのでございまして、入居者に対して賃貸契約をいたしますときには、その条項の中に、この中には固定資産税は入っておりません、他日固定資産税が決定いたしましたときには、その分だけはちょうだいいたしますということを契約に書いてあるのでございます。それでありますから、固定資産税の分だけを払ってくれないということは、入居者の方の契約の違反になるのでございます。

井上良二日本社会党

○井上委員 あなたはそうお考えになって、契約書をたてにとっておるが、家がなくて何とかして住宅がほしいということから、公営住宅、公団住宅等にたびたび申し込みますけれども、申込者多数にして、たびたび抽せんに漏れる、幾回かの抽せんでやっと順番がきて当った、やれやれという気持に入居者はなっている。そこへあなたの方は、これこれの条件をそろえ、これこれの契約に判を押しますならぱお借ししましよう、こういうことになっておる。貸すものと借りるものとの立場は全く違うのです。あなたの方は、もしこの契約書に判をつかなければ貸しますまい、その条件に得心をしなければ貸しますまい、固定資産税があとからきた場合には、当然それだけ家賃がふえますよという契約書をちゃんと書いておいて、その契約書に納得しなければ貸しますまい、それは一方的な強制契約ですよ。もし同意の上の契約であるということならば話は違うのです。一方では借りたくてたまらぬのです。だから、いかなる無理難題が書かれておっても、承知して入らなければ入れないのです。しかも二百円かわずかの負担なら、それはよろしいですけれども、御存じの通り千二、三百円の固定資産税で、大体その半額以上を負担してもらいたい、こういうことが要求されてきておるのです。四千円、五千円の入居者は、月二万円か二万五千円の所得者である。二万円から二万五千円の所得者が毎月四千円から五千円の家賃を払って、その上にガスだ、水道だという諸掛りをぶっかけられて、そこへまた固定資産税がかかってきたからこの分も肩がわりしてくれ、こうきておるのです。そういう一方的な契約をしてあるのだから、この契約通り履行しなければ契約違反だ、そんな心やすいことが言えますか。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 私の方は、あくまでも平等の契約をいたしたわけでございますから、その契約によって固定資産税の増した分をちょうだいするということしか道がございません。もともと普通の不動産会社であるか、あるいは大家であれば、固定資産税がこのくらいかかるであろうといって、それをぶっかけて家賃をきめるべきなんですけれども、私の方は非常に良心的に計算をしておるものでございますから、わからない固定資産税をぶっかけて契約するということが、良心的にはよくないということから、これはコストであって、固定資産税がきまったならば、それだけのものはちょうだいいたしますということをお約束したわけでございます。

井上良二日本社会党

○井上委員 大蔵政務次官は、さようなことを一向差しつかえないとお思いですか。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 今加納総裁からお答えがありました通り、こうした公益的な事業でございますから、まっ正直にコストを明らかにして家賃をきめたという処置は、私は妥当だと思います。しかる上に固定資産税がきまりますれば、当然資金コストに入るべきものでありますから、これを払っていただくということはやむを得ないことであると考えております。

井上良二日本社会党

○井上委員 それならば、それはあなたのきのうの話とはだいぶ違ってくる。問題は、ここへ入る人はぜいたくなためにわずか十二、三坪くらいのところに入りはしない、よくよくのことなんです。これは国が住宅政策として、国の別個の機関としてやらせておるのです、公団は国の一つの機関です。国の機関でもって、一方公務員住宅は千四、五百円で貸しておって、同じ国が施設をしておる公団住宅は四千円も五千円もの家賃を取るというところに問題があるのです。だから、これが公務員住宅のように、まあ一カ月の収入の一割なら一割程度の家賃でありますならば、それはそう大きな負担とも言えませんけれども、月二万円や二万五千円もらっておる者が、四千円も五千円もの家賃を払うということは、二割以上の負担になるというところに問題がある。だから、この家賃を公務員住宅並みに引き下げる措置をとっておいて、それであなたのおっしゃるような原価計算の上で耐用年数を考えてこうなるというのなら、話はわかる。何でそんな差別をしなければならぬのか。なるほど説明を聞けば、金利の高いのを使っておるからやむを得ないというが、そこでこれは相談じゃが、どうですか、耐用年数をもう少し延ばすということは考えられないですか。耐用年数を延ばせば、家賃コストはもっと下ってくる。かりに一年延ばしてもどうなる、二年延ばしてもどうなる、すぐ響いてきます。鉄筋のものが七十年たったら完全にだめになってしまうということは考えられぬから、そこらをもう少しあんばいをして、実際低額所得者で住宅難にあえいでいる人が、やっと自分が住宅に入った、そうしたらあとからあとへと出費が重なって、それが家賃の形で取られるということになってはたまったものではない。耐用年数の問題は、金利のもう少し安いやつに借りかえる、そうしてもっと家賃を下げてやる。そうしなかったならば、住宅公団に対する固定資産税は、これは別個に一つ免税措置を講ずるというようなこととか、何とか色よい返事をしなさいよ。コストがこうなるから、これでいかぬものは出ていってくれというかしらぬが、そうはいかんぜ。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 私に対するお尋ねが前段にございましたので、申し上げたいと思います。井上委員は、公務員宿舎と御比較になって御意見がございましたが、これはおっしゃる通り、確かに公務員宿舎は安いわけでございます。これは特別な措置をとっておることは、井上委員よく御承知の通りであります。ことに以前からできておるものもたくさんあるわけです。最近作っているものは、その一部分をなしているという形でございますから、すでに相当年数をたっておるもの、しかも過去において安くできた宿舎も非常に大きなウエートを占めておるということから、プール計算で出ます家賃は、絶対額が安くなるのが当りまえでございます。ところが住宅公団で作ります住宅は、住宅対策の緊急措置としてやつておるわけでございまして、すべてこれ新しい建設でございまして、地代も、土地の造成費、あるいは建築費もすべて最近の物価ではじき出されたものでございますから、すべての住宅のコストが高くなるということは、これまたやむを得ない結果だろうと存じます。しかも金利をなるべく安くするという考え方で、総裁みずから今御答弁になりました通り、四分一厘の金利、しかも七十年の耐用年数ということは、私は常識的に見まして、もう精一ぱいのところを見て、なるべく安くする努力をしているということの証左であろうと思います。しかしながら井上委員も御指摘の通り、なお私も昨日お答え申し上げた通り、日本経済再建のために、国の大きな政策としてこの住宅対策をやるんだということでやっておりますので、たとい一円でも家賃は安い方がいいということは申すまでもございません。従って、こういった金利の引き下げ等につきましても、今後できるだけ努力すべきことは申すまでもないのでありまして、私どもとしても、今後においてなるべく善処いたしたいと思っておりますが、井上委員の御指摘になりました通り、これが非常に高いものであるということは、私はこれはお言葉を返すようでありますが、今申し上げたような事情から、やむを得ない結果であるということにつきまして、御了承を賜わっておきたいと思う次第でございます。

井上良二日本社会党

○井上委員 公団側から答弁がございませんが、私もう一度重ねて伺いますが、今度かかります固定資産税の公団関係の全体の金額は、どのくらいになっておりますか、それをまず伺いたい。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 全体が幾らになるかはまだはっきりいたしません。各市町村によって率が違いますもので、またある市町村では、私の方でいろいろ頼みまして、半減するということを約束してくれたところもございます。そういうようなわけでございますから、合計はわかっておりません。

井上良二日本社会党

○井上委員 そうしますと、まだこれは一つの経過措置で、はっきり総額でどのくらい固定資産税を払わなければならぬかわからぬ。こういうことでは、われわれたとえばいま少し、高い金利で借っておるのを安い金利に借りかえるとか、あるいはまた幾らかあなた方が居住者に肩がえをさそうとするものを、法的に免除しようというようなことをしようとしてもできませんね。あなたの方はまだはっきりした数字がこしらえられてない、どうですか。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 私の方は、先ほど申し上げましたように、地方公共団体で賦課されるだけの固定資産税を正直に家賃の上にかけて、賃貸者からもらう、こういう建前でおります。

井上良二日本社会党

○井上委員 それは、あなたは簡単でいいか知らぬが、出す方は簡単に行かぬがな。問題は、あなたの方は、入居者が入居するときに、固定資産税がもし賦課された場合はそれ、だけ払っていただきますよという契約書をとってあるのだから、その関係町村との間に固定資産税額がきまれば、それだけは入居者から出してもらえば、何も国会でごちゃ、ごちゃ言われる必要はない、こうあなたは簡単に考えておるかもしらぬけれども、この資金は、われわれが出した税金ですよ。あなたはどこかから持ってきたと思うているかもしらぬけれども、また居住者も払った税金ですよ。税金の一部が住宅建設資金になっているのですよ。ですから、できるだけ安くて、できるだけ居心地のいい家を提供するというのがあなたのところの任務ですよ。あなたの方がそろばんをはじいて、これだけよけい出さなければならぬというから出してくれというようなことなら、だれでもそんなことなら総裁の仕事はやるよ。そこを工夫努力してやるのがあなたの任務じゃないかな、そうでしょう。同じ政府機関に働いており、同じ政府機関の施設であるのに、一般公務員の方は家賃が安い。これは今の説明でよく理由はわかりましたが、しかし入る者にすると、同じ団地で、片一方は大蔵省関係の財務局の住宅があるとする、その隣に公団住宅が建った、向いの財務局の住宅は一カ月十二坪でもって千四、五百円、公団住宅の方は、新しいけれども、これが四千円も五千円も取られる。そこへガス、水道代だ、それ何じゃというて賦課金を取られる。その上に今度固定資産税が取られるからということで、さらに五、六百円から千円近く取られる、こうなってきているのですよ。そうなりますと、家賃が四、五千円の上に、いろいろな雑費と、そこで今度の固定資産税の肩がわりとで、また家賃が現実に上ることになる。だから、ここでそんならもう少し安い金利を回してくれとか、あるいは耐用年数を七十年というやつを、八十年に延ばしてもいいじゃないか、一時安い金利のものに変るまでは、七十年できっちりつぶれますなんというものであらしまへんのや。そこで十年延ばしたってかまへんのや。そうしてその負担を軽くしてやるという考え方を持てないのかということを聞いておる。そこを頭をしぼるのがあなたの知恵じゃないか。そろばんはじいてこうなるということなら、小学校卒業しただけでもやれますよ、総裁は。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 耐用年数につきましては、税法上、鉄筋コンクリートの家は六十五年ということになっておるのでございます。しかし何とかしてこれを低家賃にして貸したいというところから、七十年というきりきり一ぱいのところまで計算いたして出したわけでございます。

井上良二日本社会党

○井上委員 私の聞いておりますのは、それはなるほど税法上は六十五年となっているかわからぬが、あなたの方がそれを突破して七十年と見ておるのだ。こういう高い金利のときは、いつまで続きはしないのだ、また低金利になるときがあるのですよ。だから、この際働く人々の生活の困難な折柄、できるだけ働く人々に質担をかけないつもりで、一時耐用年数を八十年に計算をし直して、そこで月六百円かかるか八百円かかるか知らないが、その分だけは負けてやろうという、こういう手を打つか、それとも大蔵省やその他関係金融機関に頼んで、安い金利に肩がえをされる方法はないのか、そういう交渉はしてみたのか、高い金利でやっておるやつを安い金利に借りかえる方法はないのかどうかということを聞いておるのです。耐用年数もいかぬ、安い金利の借りかえもいかぬということになれば、仕方がないから、公団自身の方で負担できる分はこれだけ、どうしても居住者に肩がえしてもらわなければならぬ分があるならば、その肩がえする分だけについては免税措置の方法を講ずるなり、手はあるけれども、その手を請じてくれいと私は言うておるのだ、わかりませんか。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 答弁はありませんか。——答弁がないという答弁です。

井上良二日本社会党

○井上委員 それはいけません。そういうことは許しません。あなた方国の金を使って、国の機関としてあなたは任務についておるのですよ。私が全然案を示さずにあなたに質問しておるのと違うのだ、具体的に耐用年数を引き延ばせないのかどうか、何も法的に公団住宅が七十年でなければならぬ、それで計算せよという法律はありません。あなた方の算定の基準がそうなっているのにすぎないのだから、これは政治的考慮で七十年の耐用年数になっているのだ。それを、こういう負担の多いときであるから、少しでも負担を軽くしてやろう、また将来安い金利に借りかえれば、相当負担も軽くなるだろうからということで、考慮を加えてやればいけるんじゃないかということを考えておるのです。だから、耐用年数が引き延ばされぬという根拠はどこにあるのか。それから安い金利に借りかえることがどうしても困難なのかどうか、そういう交渉をしてみたかどうかということです。それでもなおかついかぬということになれば、われわれは、少くともこれらの人々に対しては、相当大きな家賃の負担になっておりますから、そのためにまた上るということになりますと困ります。そこでやむを得なければ、免税処置の法案を考えなければならぬということは、私ども国会としてはいろいろ検討すべきものがありますから、そこで、お忙しいのにわざわざきょうあなたに出てきていただいたのはそのためなんです。それなのに答弁の必要はありませんと言われたのじゃ、これは国会の審議を妨害することになりはせぬか、公団総裁としての任務は果せません。私はそう思うのです。そうなると、あなたを総裁に任命したところの任命者を呼び出して話をしなければいけません。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 今の御注意に対しましては、せいぜい努力いたしまして、何とか家賃が安くなるように勉強するつもりでおります。

井上良二日本社会党

○井上委員 そこで、もうすでに私が申し上げるまでもないほど、ただいまの問題は全国各地に巻き起って、公団当局も非常に取扱いに困っておるだろうと思うのですよ。そこで公団当局みずからいろいろ御検討されるのも必要でありましょうし、ぜひこれは一つ大蔵当局なり、あるいは建設当局なり、それらを通しまして、それから関係の国会の委員会もありますから、至急に具体的な検討をせられまして、せめてこの固定資産税が取られるから、この際その家賃を上げてもらわなければならぬ、こういう打ち出し方になっておりますので、居住者は、固定資産税は固定資産を持っておる者が払うべきじゃないか、こういう単純な割り切り方で反対闘争をやっておりますから、そこを一つよくお考えになって、いろいろ検討し、工夫されますならば、月わずか、たかだか五、六百円ぐらいの負担になりはせぬか、高いところでも一カ月千円まではいかぬのじゃないか、そう私どもは見ております。ぜひこれは、今申しました以外にもなお検討の余地があろうと思いますから、至急に一つ結論をつけられて、不安におののいております居住者に安堵いきますような対策を講じてやってもらいたい、特に私は強調いたします。同時に大蔵当局及び建設当局も——公務員住宅もこれは国家資金で建てておるのです。われわれの税金で建てておるのです。われわれの税金で建てておるものが、一方において非常に安くて、片一方においては非常に高いということは、同じ住宅政策にしても、決して十分な対策とは申されません。もちろん国家公務員は、俸給その他待遇が一般の産業界の人々に比べて悪いのでありますから、できるだけ家賃を安くしてやろうという考え方から、いろいろ御考慮される点はわれわれも認めますけれども、このことがまた一般公団住宅の人々に対して非常な差別をしておるような印象を与えておりますから、この際大蔵当局は、進んで公団に融資いたしております金利の引き下げを一体どう考えるべきかということについてお考えを願うとともに、もし安い金利が、どうしてもさしあたり借りかえが困難であるというならば、今申しましたように耐用年数の問題、あるいはまた法的な措置によりまして、一部一定の時期を限って、たとえば安い金利によって資金がまかなわれます時代まで、ここに経過処置として暫定的に家賃を上げないでやる方法を考えるために、新しく上ろうとする部分だけはこの際免除するために、法的処置を一つ至急に考えるということで、せっかく国のやりました喜んでもらえる政策がかえって怨嗟の的になるということでは、これは私は、政治の上から見て決して好ましい方法ではないのでありますから、この点も十分一つ御検討を願うようにお願いしておきたい。

井手以誠日本社会党

○井手委員 産業投資特別会計法の一部改正案で、一般会計からこの特別会計に繰り入れるところの適法性については、すでに予算委員会及びこの大蔵委員会において相当論議されております。しかし私は、今までの御答弁ではどうしても納得できませんので、本日は政治論ではなくして、主として法律論で当局の考えをお尋ねいたしたいと思うのであります。  最初に、法律論に入ります前に、政務次官にお尋ねいたしたいことは、昨年昭和三十一年度予算を編成するに当って、政府は産業投資特別会計に一般会計から繰り入れることは、これはおもしろくないという予算編成の原則を立てられたはずでありますが、御記憶になっておりますか。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 私も当時政府の一員でございませんでしたので、自分で当時の事情は存じておりませんが、井手委員御指摘のような、一般会計から繰り入れるべきでないという原則を立てたことはないと思います。ただ資金上繰り入れなかったということにすぎないというふうに私は理解をいたしております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 御存じないならば御存じないで、お答えを願いたいと思う。確かに当時の発表では、産業投資特別会計に一般会計から繰り入れることは、おもしろくないという原則は立てられたはずであります。私ははっきりした記憶を持っておる。もし何なら、当時の新聞をあとでお見せしてもよろしゅすございます。主計局次長は御記憶ありますか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 産業投資特別会計につきましては、原資補完につきまして一般会計から入れるということにつきまして、原則的に一般会計から入れるべきではないというようなことを大蔵省として確立したものではございません。昨年度の予算編成の際におきましては、いろいろな財政事情、財政規模をどうするかという点に関連いたしまして、三十一年度予算の際は、産投会計に対して一般会計から繰り入れることはやめよう。今年は別途の観念をもって実施したわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 御存じなければ、これ以上は申し上げません。確かに昨年はそういう原則は立てられました。発表にもなっておる。続いてお尋ねしますが、三十二年度の予算編成の当初において、産業投資特別会計に一般会計から繰り入れることは財政法に違反するというので、大蔵省は——あなたかだれか知りませんよ、大蔵省は、財政法を改正するということを記者団にも発表されたはずであります。そのことは、当時の新聞にも載っておりますし、「エコノミスト」にも解説された。これは御存じでありますか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 井手委員のただいま御指摘の点は、別に私ども予算編成の際に、やはり産投会計に一般会計から繰り入れるかどうかについて議論をしたことはございますけれども、産投会計に繰り入れるためには財政法の改正をしなければならぬ、かようにきめたことはございません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 ございませんと言ったって、あなたの方でははっきり発表されておる。どの新聞でも見てごらんなさい。こんなさつまげたのように大きく載っておる。きょうはあいにく持ってきておりませんから、あなたの方は幸いかもしれませんが、どの新聞にも載っておる。まあ今日になって言いにくいでしょうけれども。  そこで、私はそういう二つの前提のもとに、法律的に御解明を願いたいと思いますが、あなたの方は財政法に抵触しないという根拠として、第四十四条に、特別会計は資金を保有することができる、この規定があるので、第十二条の年度独立の原則には反しないというお答えがあり、規定には反しない。保有することができるという四十四条によって違法ではないとおっしゃっておるが、確かにさようでございますか。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 財政法第四十四条は、「国は、法律を以て定める場合に限り、特別の資金を保有することができる。」とございます。それは、今のお言葉は特別会計というお話でございましたが、いずれにいたしましても、特別会計に限りません。「法律を以て定める場合に限り、」保有することができるものでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 大蔵政務次官にお尋ねいたしますが、財政法は、財政処理に当って憲法に類する財政憲章であると私は考えております。これの解釈を簡単に二、三にすべきではない。あなたの方は、後生大事に金科玉条として守るべきものであると私は基本的に考えておりますが、大蔵政務次官のお考えはいかがでございます。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 井手委員の御意見の通り、私も同感でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは宮川次長にお尋ねをいたします。この財政法は、財政の民主化と財政の健全化ということが大きな柱である、私はかように承知をいたしておりますが、あなたの御見解はいかがでございますか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 井手委員のおっしゃる財政の民主化というお言葉の意味は、よく理解いたしかねますが、少くとも健全化につきましては全く同感でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでけっこうでございます。この財政の健全化について一番大事なことは、特別の場合を除くほか公債を発行しない、収支の均衡を保つことが大事であると私は考えておりますが、大蔵省の見解はいかがでございますか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 お説の通りであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そこで、財政法第十二条に、年度独立の原則がうたわれておるはずであります。その年度の収入をもって歳出に充てるという原則がはっきりいたしておるはずであります。この原則は、むしろ私は、原則というよりも鉄則であると考えておりますが、これに対するお考えはいかがでございますか、簡単でけっこうです。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 御承知の通り、年度区分の原則は、これは守るべきでありまして、今回の措置も、年度区分のこの十二条に違反しておるものとは考えておりません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そこで、続いてお尋ねをいたしますが、前の年の歳入をもって後年度の支出に充てる、後年度の歳入をもって当該年度の経費を支弁する、こういうことはいけないと私は考えております。そのことは、十二条のほかにこれを裏づけるものとして、四十二条に私は明確であると考えます。四十二条には「繰越明許費の金額を除く外、毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。」と明確に裏づけされておるのであります。あとはただし書きであって、事故支出ではございません、事故繰り越しでございます。さようなりますと、本年度の歳入をもって来年度以降に使用することは、これは違反であると私は考えております。その証拠には、会計検査院の次長、会計検査院の第一局長の書いた本をここに私持って参っておりますが、それは勝手な本とおっしゃるかもしれませんけれども、いやしくも会計検査院の責任者が言いたこの本に、明確に違反であると書いてある。ことしの歳入をもって来年使用することはできない。この鉄則に対しまして、あなたの方はいかにお考えになっておるか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 原則論は、まさに井手委員のおっしゃる通りであります。ただしかし、今回の処置に関連いたしまして具体的に説明いたしませんと御理解が願えないかもしれませんが、資金を作りまして、この資金に対して一般会計から繰り入れをいたしますことは、一つの歳出であります。この歳出は、三十一年度における歳出であります。これの財源として充てます歳入は、やはり自然増収をもって当てました三十一年度の歳入でございます。従って、三十一年度における歳入をもって三十一年度における歳出に充てたものでございますから、年度区分の原則をうたっております十二条に抵触するものではない、かように考えております。  また御指摘になりました四十二条の繰り越し明許費の関係は、これは確かに規定をいたしております通り、繰り越し明許費のほかは、これを翌年度において使用することはできない。しかし今回の措置は、資金に繰り入れまして、この資金は歳入歳出外として扱っております。三十二年度において、そのうち百五十億円を産投の方に繰り入れまして、産投の方をそれを歳出といたす、かような措置になっておりますので、第四十二条にも別に抵触するものではないと考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 私は、それは脱法行為である、詭弁であると思う。産業投資特別会計に保有して後日使用する、これは、その年に使用するものでないことはあなたも今御答弁になった通りであります。従って、その年の百の収入に対して百使うというの・はない、私は、これは財政の均衡だとは絶対に言えないと思う。  そこで、私は論旨を進めて参りますが、あなたの方の答弁の唯一のよりどころになっておる四十二条以下は、雑則であることはいかがでございますか。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 これは、財政法が別章を立てておりますので、第五章雑則の部となっております。ただお尋ねの雑則という意味が、雑則として区分されたものかどうかというお尋ねですか、もしそれ以上特別な意味でございましたら、それに該当するかどうか、ちょっとつまびらかにいたしません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 四十二条以下は、一般会計並びに特別会計について余った金をどう処分するかということを、これは財政上重大なものであるという意味から、事務的手続を規定したものであると考えておる。従って財政法十二条の鉄則を、四十四条の、特別会計においては資金を保有することができるというこの条文で代行することは絶対にできません。そこで、あなたにお尋ねしますが、資金を保有してはならないということは書いてないから違法ではないとよく御答弁なさっておりますが、今でもさようにお考えになっておりますか。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 資金を持つことはいけないと書いてないからということではございませんので、資金を設ける場合と申しますのは、特別にそういう金を別除いたしまして、これを保有するということは、国の行政をまかなって参ります場合に必要に応じて起ることでございます。これは、財政法においても予定いたしているところでございます。単に禁止がないということではございません。ただし、それを行政部内においてみだりに保有することは、これは制度を乱りますので、法律でもって定める場合にそれを限っておるものでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 四十四条の場合は、特別会計においては金が余る場合もある、これを処分せずに、後日使うために保有する必要があるという意味で特に設けられたものだと思う。従って、この保有することができるという条文をもって、今年の歳入を明年、明後年に使うという、十二条の鉄則を破るようなことには絶対に参らないと思います。従って、それを根拠にしようとする今度の三百億円の一般会計よりの繰り入れをする産業投資特別会計法の一部改正案は、財政法に対して違法であると思う。その点についての御見解を承わりたいのであります。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 財政法第十二条の年度独立の原則は、財政管理の基本原則であることは、御承知の通りであります。同時に四十四条は、この十二条に優先し得ないものであるとか、あるいは雑則であるとかいうようなお考えのようでございますが、四十四条も、国の財政を掌理いたして参ります場合に、資金を保有することも当然必要な場合があることを予定いたしました、これは同等の価値を持った規定であると考えております。従いまして、四十四条の中に定めるところの法律をもって定めまして、現実の必要に応じて産業投資特別会計に資金を設置することは、財政法上何ら違反するものではございません。むしろ財政法本来の予定いたしておりますところの制度を具体化したものにすぎないと考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 四十四条は、特別な資金を保有することができるというのは、その通りでありましょう。しかしそうであるからといって、十二条の鉄則を曲げるわけには参りません。保有することができるということで、明年、明後年使う金を繰り入れることはできないと思うのです。そのことをはっきり会計検査院でも申しているではございませんか。  そこでもう一つお尋ねしますが、四十二条以下は、余った金をどうするかということだと思うのですが、いかがでございますか。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 四十二条以下を第五章雑則としてくくってございますが、これは、必ずしも余った金ということではございません。その前の章におきましては、決算でございますと、・予算でございますとかを一段にとりまとめまして、相当な規定があるわけでございますが、ここはそれほどとりまとめができないような、いずれも大事な規定が雑則としてとりまとめてあるものでございまして、必ずしも金の余ったものの処分ということではございません。現に四十二条は、金の規定ではございません。歳出権の規定でございます。四十三条も同様でございます。四十四条は、特別の資金保有の規定でございまして、これも、別に金の使い余りというような関係の規定ではございません。四十五条もそういう関係ではございませんので、一般会計の掌理原則に対しまして、特別会計では特別な、これによらない原則を定めることができる者の規定でございまして、これも決算的な規定はございません。

井手以誠日本社会党

○井手委員 幾らおっしゃいましても、それは雑則ですよ。何といっても十二条が基本であります。先刻も住宅公団の話が出て参りましたが、明年百五十億、明後年百五十億と、今年は使わない金を今年の歳入をもって充てることは違法でございます。私はこの際申し上げておきますが、委員会で何とか言いくるめたり、言いのがれたりすることはできましても、それでは法の権威を失いますよ。たとい少数の意見でありましても、法律の解釈は一つでなくてはならぬ。少くとも社会党がこれに対して異議を申し述べますならば、国民の三分の一は少くともこれに対して異議を持っている、あるいはほとんどの人が持っているかもしれません。宮川さんも、昨年の秋の災害の利子補給で御存じでございましょう。家も流され、ほとんど飯米もない農家に対して、財政法の建前からあくまで利子を取ろうとなさった冷酷無情の態度をとった。ところが今度はどうでございましょう、本来ならば一千億以上の増収がありますならば、それは国民から金を取り過ぎたのですから、これを国民に返すのがほんとうでございましょう。私はこの際原則的に申し上げますが、それほど増収になるならば、税法に無理があったと思う。だから、減税も行われるのだと思いますが、ことしは、これだけの金が要るからこれだけの収入が必要である、そういう理解を国民に願って税金を取ってあるはずであります。その税金が多く取り過ぎたというので、ことしは使わないが、来年あるいは明後年に使う金を三百億も保有するということは、この財政法の第十二条に明らかに違反すると私は思う。その年これだけ絶対要るのだからというので、国民から取っておるはずです。それをことし使わないで、明年明後年のものを——不要とは申しませんが、不急のものを繰り入れることは絶対にないと私は思う。それでは財政法の十二条の年度独立の原則がくずれてしまうと私は考えますが、いかがでございましょう。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 井手委員のお説、まことにごもっともであります。しかしながら、私どもは先ほど来御説明申し上げておりますように、十二条の年度独立の原則に反した収入支出をやっておるのではない、すなわち三十一年度の歳入をもちまして、三十一年度の所要の歳出であります資金繰り入れをいたしておるわけであります。この資金繰り入れをいたすかわりに、あるいは減税をしたらどうか、他の歳出に充ててはどうか、あるいは次年度に繰り越して、これを三十二年度においてその半分を使ったらどうか、いろいろ政策的な問題はございましょう。しかしながら、別途四十四条に、資金を保有することができるという規定がございまして、もしかりに本年一年度限りで使うものでありますならば、一般会からのその年度だけの繰り入れでいいわけでございまして、産投会計における原資は、御承知のように、特定物資納付金処理特別会計の繰入金でございますとか、特別減税国債による収入金でありますとか、あるいは出資に対する配当金でありますとか、非常に限定された財源しか持たないのであります。今後日本経済発展のために、産業投資特別会計がいろいろな出資をしていかなければならぬ、こういう際に当りまして、毎年度一般会計からの繰り入れ、あるいは今申しましたような特定の財源でもっては不十分である、こういうときにおきまして、一年度限りで使い切れない資金を作りまして、今後経済情勢の変化に即応して使い得る道を開くことが適当ではないか、そういう意味において作られるその資金に、今年度の歳入のうち一定の割合の金を——具体的に申し上げますと三百億でありますが、これを繰り入れる、これは、必ずしも私は財政法の規定に違反するものではない、かように確信しておる次第であります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そんな確信はございませんよ。余った金をどこに使うかという政策的な問題は、食費会計の問題や、その他の機会にありましたから本日は申し上げません。ただ法律論としてあなたがただいまおっしゃった、ことしは使わないけれども、明年、明後年使うといって、使わない資金を繰り入れることは違法ですよ。どんなに弁解なさっても違法ですよ。そうだから、あなたの方は、一月の中ごろから財政法を改正するということを記者団に発表なさっておる。冷静に考えてごらんなさいよ、ことし使わないじゃございませんか、電源開発にしろ、住宅公団に対する融資にしろ、ことしはこれだけ金が要るから、これだけは金を出してくれということで予算を組んである、議会の議決を経てある。そうでありますならば、余った金は当然繰越して、自然増収のあった場合には、国債償還に充てるという財政法を適用することこそ、健全財政の査原則でなくてはならぬと考えておる。私はここにも持っておりますが、財政法を審議する場合に、提案理由の説明の第一に書いてある。一日も早く国債を償還しなくてはならぬ、これが財政法を提案する大きな目的であると書いてある。その点から考えますと、余ったからといってほかの会計に保有せしめるということは、健全財政の原則に私は反するものだと思う。余ったものは、半分は国債の償還に充てるということ、そういうものを、前もって余ったからといって横流しをすることは違反じゃありませんか、そういう点からも私は違反であると思う。国債を早くなくすること、いま一つは、財政の均衡を保つこと、その年に要る金だけ収入するという財政の均衡、この二つの面から見てどうしても違反だと思う。あなたは保有するというけれども、ことし使わないじゃございませんか、使わぬ金は、これは財政の均衡じゃございません。余った金です。余ったものは、明年、明後年の措置によって、財政法の示すところによってでなければ使えません。財政の均衡とは、百の支出に対して百の収入がある、収入が百二十になったならば、二十は繰り越す、そのあとの半分は、国債償還に充てるというのが本来の建前のはずである。それを幾らかは横流しをして、来年か明後年に使おうということは、私は明らかに違反であると思う。冷静に考えてごらんなきい、財政法上、そのとき限りで解釈するのじゃございません。あなた方はけんけん服膺すべき原則ですよ。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 財政法は、私どもけんけん服膺すべき法律と考えております。しかしながら、何度も同じことを答えて恐縮でございますが、大蔵省といたしましては、今回の措置は、この法律に違反するものではない、かように確信しております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 私は委員長にお願いしたい。この財政法の問題は、ただ単にその場で言いのがれができるとか、水かけ論で解決すべき問題でないと思う。今度の国会には、国会運営の正常化が説かれておる。私は、国会の正常化というものは、法の解釈からまず第一歩を踏み出すべきものと思う。これは、多数の力やその他で決すべきものではないと思う。もちろん今日まで国会が反省すべき点については、社会党もあります。あるけれども、多くの面においては、法を勝手に多数が解釈して押切ったというところに原因があったと思う。そうでありますならば、法の解釈について、国民の中に多くの疑義があってはならぬのであります。この財政法の解釈は、これは今後の財政処理の上にもきわめて重要でございます。金が余ったからといって横流しする——横流しというと語弊があるかもしれませんが、特別会計に保有するということについては、明確な、たとい少数の者といえども了解する解釈を私は立てねばならぬと考えておる。その意味において、私は今までの御答弁では非常に不満足であると思う。先刻私は、昨年秋の災害農家に対する利子補給のことを申し上げましたが、大蔵省自身、私は内心じくじたるものがあると思う。ただ、今日すでに予算は通った、この産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を通さなくては大ごとだというので、懸命に弁解なさっておると私は理解をいたしております。しかしそれでは済みません。もしそれで済まそうというお考えであるならば、私は、この際もっと明確な理論的、法律的根拠を使わなくては承認できないと思う。委員長からおとりなしを願いたいと思う。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 一応中尾法規課長から答弁をさせます。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 ただいまの御意見でございまして、財政法そのものを順守しなければいかぬという根本的な建前からの理論という点につきましては、政府といたしましても、もちろん何ら異存はないのでございます。同じ考え方でやっておるわけでございます。なお御議論のうち、若干誤解があるかと存じ上げまして、あるいは申し上げた方がよろしいんじゃないかという点がございますので、委員長のお許しを得まして若干申し上げます。金が余ったからこういうものに使ったというお話がございましたが、決してそうではないのでございまして、現実に自然増収は新年度にございます。ございますが、政府といたしましては、行政を担当いたしておりますその責任上、必要がございました場合には、財政法二十九条によりまして、予算の追加という権限が与えられておるわけであります。それで追加予算を編成いたしまして、国会に提出して御批判を仰ぐ、御議決をお願いするという手続があるのでございます。今回の資金を設ける必要があることにつきましては、これは産投会計の今後の弾力性がきわめて重大な問題であるというところから出発いたしたものでございます。これは法理論の問題ではございません。そういう判断に基きまして追加予算を出しておるわけでございます。追加予算を出しましてやる場合に、財源といたしまして、自然増収がございますれば、新たな負担を課することなく、その財源をもってできるのでございますから、これは当然なことでございますし、最も穏当な措置であると考えます。そういうことでございますから、この資金を設けるということ自体、それに対する御議論は別でございましょうが、これを作りましてなお後に余りがあった場合、国債の償還に充てるなり何なりという利益の処分の問題が出てくるわけでございます。その点は、もちろん法律に従いまして、その通りにやることになっておるわけでございます。資金を設けますことは国の施策であり、これを設けることは、国の三十一年度の経費でございます。その財源に三十一年度の歳入を充てておるのでございますから、その点御理解を願いたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 追加予算の話が出ましたが、財政法によりますと、必要避けることのできない経費に不足を生じた場合に追加することができる規定になっておるのであります。そんなことで答弁なさるなら、明年や明後年使うものが、必要避けることのできない経費でございますか、そんなことはないはずです。明年や明後年必要であるならば、明年の予算、明後年の予算でやってもいいはずであります。明年の予算でやることが私は財政法の建前であろうと思う。追加予算でやること自身が一番間違いですよ。そんなことで、私は答弁は理解できません。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 今、井出さんとの質疑応答の中で、財政法序についていろいろ私ども聞いておって参考になる点がたくさんあると思います。ただ私ども、ここでいきなり扱い方について委員長に要望がございましても、委員長みずからこのことについては、御質問の諸君のような研究もいたしておりません。ただ井手委員の御発言がございましたように、国会正常化については、言うまでもなく法を正当に解釈するということは、これは国会正常化の一つの原則だと思うのです。そこで、私はただ質疑応答を伺っておって、しからばいずれの解釈が正当なりやいなやということは、残念ながら私はまだ判断できないので、そこでそれをやりとりいたしましても時間に際限がないと思うのです。従って、この際一つこの問題は一応この程度にして、他の問題に入っていただき、なおこれについては政府側も、その場のがれの答弁は、今までもしておらぬと思いますが、もしあるようなことがあれば御注意を願い、さらに質疑者においてもその点については御検討をいただいて、これはこのような重要な問題ですから、ただ単にこの法案に関係するだけの問題でなしに、今後国会運営上いろいろなことが出てくる問題でありましょうから、質疑者の方でも、個人的にも政府側とそういう点についての話し合い、研究をよくしていただきたい、こういうように考えております。従って、他の点についての質疑を続けていただきたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 神田委員から関連があるそうでございますが、ただいま委員長から懇切な仲介のお話がございまして、せっかくの御好意でございますので、私は本日の質疑はこれ以上続けようとは存じません。ただ私が本日の最後に申し上げたいことは、私はどうしてもこの改正法案は違法であると信じております。理解できない間は、絶対に私はこれを通すわけには参りません。それだけ私はかたく申し上げておきます。なるほど昨年の秋にも、災害の利子補給についてもおっしゃった。大蔵省がこういうでたらめなことをして、承知できるものではございません。もし自由民主党の諸君が野党であったならば、おそらくみな立ち上ってわんわんやるでしょう、私はそう思う。そんなに違法問題を看過することはできません。雑則に、保有することができるということがあるから、これは違法ではございません、そんなでたらめなことはございませんよ。十二条の原則は厳固として存在しております。その上、使わないものを保有するなどということは、財政の均衡からいっても絶対に違反である、そういう信念をはっきり申し上げまして、本日は私の分はこれで打ち切ります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 神田大作君。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 井出さんから法的な問題についていろいろ御質問がございました。私もきのうこの問題に非常に疑問を持ちまして、質問をしたわけですが、今当局は、一体資金というものをどう考えているか、資金というものはどういう性質のものであるか、御説明願います。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 ちょっと御質問が簡単過ぎて……(「簡単じゃないよ」「はっきりしている」と呼ぶ者あり)資金と申しますのは、特別の資産でございます。予算のように、単に歳出権限としてあるものではございません。実体のあるものでございます。原則としてはお金でございます。しかし物になる場合もございます。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 そうなると、今あなた方が井手委員に答弁して、そのときに消費するのだというようなことを言っておりますけれども、資金というものは保有するものです。そういうことになりますと、その会計年度において消費することをしない意思をもって、特定の目的と用途に充てるものを資金だと私は思う。そういう意味合いで言いますと、これは、この十二条の精神に違反しているものだと私は思うのですが、その点はいかがですか。

中尾博之大蔵事務官(主計局法規課長)

○中尾政府委員 資金は、一カ年度内に消費することの予定されるものもあり得ましょうが、そういうものは歳入金、歳出金を用いまして処理できますから、実績がございません。従って通常のいろいろな参考書の類には、今おあげになりましたような説明が載っておりますことは、承知いたしております。歳入金をもって資金を設けます場合には、これは歳出になります。その年度の経費でございます。本年度産投会計に資金を設けまするのは、これは歳出経費でございまして、歳出をもってまかなうということになります。産投会計の歳出、つまり住宅公団なら住宅公団の来年度の出資に充てるために出資の予算を組みまして、それの見合いに本年度の歳入を立てるというのであれば、まさに十二条の違反でございます。しかし資金を設置いたしますのは、そういうことを言っておるのではございませんで、産投会計の経営上、その弾力性を保持するための資金を必要といたしまして、それをこういう機会に設けておくべきであるということで、三十一年度の施策といたしまして三十一年度に設けるものでございます。従いまして十二条の関係とは全然関係がございません。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 課長ではなく、次長が先ほどから答弁しましたね。その年度内に経費として使用するのだという答弁をしておる。私は、資金というのはその年度内に消費すべきものじゃない、保有すべきものだと思う。こういう点を、あなたはその年度内に消費するのだから、四十二条並びに十二条に違反しないと言っておられますけれども、資金というものはそういう性質のものでないと思うのですが、あなたはどうお考えですか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 神田委員の御質問は、私の先ほどの答弁について、お聞き違いがあったのじゃないかと思います。資金は、もちろん保有いたしまして、そして保有するだけではなく、これを使うわけであります。私が申し上げますのは、三十一年度に資金を作りまして、その資金に対して、一般会計から繰り入れられる、これは歳出である、それに見合う財源といたしまして、三十一年度の自然増収をもって財源といたす、従って年度区分の原則に反しない、かように御答弁申し上げたわけであります。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 三十一年度の自然増収を三十二年度以降の資金にするのでしょう。そうすれば、年度内において収支の決算をしない、第十二条に違反しておるのじゃないですか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 資金を作りまして、資金に繰り入れられた金が三十二年度、あるいは三十二年度以降において使われることは御指摘の通りであります。しかし資金を作りまして、これに財源として一般会計から繰り入れることは、歳出行為であります。この歳出行為は三十一年度の歳出行為である、かように御了承願います。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 この問題は、井手委員と同じように、これは財政法の違反であると私も思います。さっきも委員長が仰せになりましたから、この問題は後刻検討していかなければならない。自民党だってそうですよ、自由民主党がこういう財政的根拠のないことを黙って聞いているということでは、私は困ると思う。あなたらこそ検討して、お互いに再検討して審議しなければ、この採決にわれわれは応ずることはできない。  そこで、あなたたちはこの資金をどうしても必要だといいますけれども、健康保険法の改正をして、零細な患者から医療費を出させようとしている。あるいはそのほかの社会保障制度に使わなくちゃならぬたくさんの費用があるにもかかわらず、そういうことをしないで、そして産業投資のためにこういう税金を回すということ自体が、われわれは財政法並びに予算を使用する上において、非常に間違った考え方をしておるのじゃなかろうかと思いますが、そういう点は、政務次官はどうお考えになりますか。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 私は、実は財政関係はしろうとでございまして、御研究になっている皆さんの方に御答弁申し上げる資格はないわけでありますが、しろうと考えも時には御参考になると思いますから、率直に私の感じを申し上げてみたいと思います。今ここで補正予算を組んで、井手委員もおっしゃった通り、何だか余った金を政府が横によけておいて、インチキをして年を越すのではないかというような疑いなり、あるいは印象が強いというふうに思うのですが、これを産業投資特別会計の持っておる使命、またこういった産業の助成という大きな国家的な政策からいたしまして、その年その年の財政にわずらわされないファンドというものを持って、そうしてそのときの財政は苦しくても、そういうファンドを持っておれば、必要なときに金を出して助成策がとれるということは、大きな目から、長い目から見たときに、国家的に確かにいい政策だと私どもは考えておる。これは見解の相違もありましょうが、私どもはそう思っておるわけであります。従って、こういうせっぱ詰まったときにやらずに、初めからの当初予算でこういうものを組んで出せば、私はそういう疑いが非常になくなると思う。しかし法理的には同じことなんです。つまり当初予算でこういうものを組んで——これは本年度だけに使うものではありません、次年度、三年度にまたがるものでありますが、資金というものを作って、その年その年の財政に関係なしに、国の産業助成をやりますということで、もし当初予算でこれを組んで法案を出せば、これは繰り越しをごまかしたというような印象は与えないと思うのであります。しかし、これは法的解釈は同じことになると思う。こういう点をお考えいただければ、私の申し上げようとする気持が御了解願えるのではないか。これは、果して和田委員の御質問に対するお答えになったかどうか知りませんが、しろうと考えで率直に申し上げたわけです。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 政府は、切実な国民の要望に対しましては、金がない、財政が許さないといつでも言っておる。そういうことを言って、必要な経費を出し渋っておる。そうしておきながら、ここに自然増収が一千億あるからといって、その金をわきへ寄せて、しかも財政法に大きな違反があるということをひた隠しに押し隠して、それをよけて、これを財閥、一部の資本家、そういう人たちの利潤になるような使い方をされるように思われるにおいがするのです。こういうところに私は問題があると思う。あなたたちが、先ほどもお話しがありましたように、災害農家に対する利子補給に対しましては、過年度支出でやるといって強硬に反対して、これを出さないでおいて、今度は一部の財閥の融資のためには、法を曲げてもやっていこうという魂胆は、われわれはどうしても承認するわけにはいかぬ。こういう点において、政務次官は一つ良心的にお答え願います。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 私は、今私の見解を率直に申し上げたわけですが、これは、金が余ったからこういうものを繰り込んでおくのだという意味で申し上げたのではないので、お答え申し上げた通り、これを当初予算に組めば、井手委員から御指摘のあったような、剰余金を政府がごまかして年を越させるのだというような疑いがなくなるのです。法理的にはこれと同じことになります。従って、私は宮川次長、あるいは中尾法規課長からしばしばお答え申し上げておる通り、これは財政法違反にはならないという、同じ見解を持っておるという意味で申し上げたわけでございます。  なお神田委員から今御指摘でありますが、いかにもこういった金を政府が一般の会計については渋い査定をして、社会保障その他についてはちびっておいて、そういう金は得たりやおうと大財閥あたりの助成に使うというような御意見でありますが、これは、昨日来社会党の各委員から御指摘があってお答え申し上げておる通り、産業投資特別会計の金の行方は、予算書にもございます通り、大財閥援護というようなものでは断じてございません。ただいま住宅公団も、総裁以下御出席になりましたが、作っておる住宅もわずか十三坪、最高のものが十六坪、大財閥が住めるような住宅ではありません。勤労者本位の庶民階級の住宅を対象としてやっておるわけであります。なおまた農林漁業にしましても、愛知用水公団にいたしましても、国民金融公庫、中小企業金融公庫、いずれも決してこれはそういう御指摘のような、片寄った考え方でやっておるものではないということは、御理解いただけると思うのであります。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 これは、われわれとしては、あくまでもあなたたちの答弁には納得できませんから、質問を保留いたしまして、あとから質問する人もあるそうですから、一応これで終ります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 それでは、本法律案についての質疑は、本日はこの程度といたします。     —————————————

山本幸一日本社会党

○山本委員長 次に、金融に関する件について、平岡委員より緊急の発言を求められておりますので、これを許します。平岡君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 私は、福岡県庁に起りました第一相互銀行事件につきまして、御質問したいと思うのであります。  その前に、まず銀行局長がおいでにならないのですが、聞けば御病気とかいうのですが、昨日も出ていらっしゃったし、明日もまた出られるそうなので、特に本日をはずしたというふうに考えられるのですが、このことにつきまして、かわりに出てきました福田さん、この辺の事情はどうなんですか。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 平岡さん、委員長からちょっと申し上げますが、私も実はその点伺ってみたわけですが、病気だということで、それ以上深くは突っ込みませんでしたけれども、聞くところによると、検査部長は、今平岡委員が御質疑をなさろうとする問題については特に詳しいそうです。そこで、詳しくとも銀行局長ほどの責任が持てるかどうかということは、これはまことに私は請け合いかねると思うのです。従って、もし必要なら、次の機会に銀行局長をさらに出席願うことにいたしまして、一応本日は検査部長を向うにして御質疑をいただきたいと思うわけです。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 東條猛猪、たけだけしいイノシシが、そんなに簡単に病気になるとは思われないのですが、それは委員長の御発言もありますから、そのように後日質問をするということで、福田久男検査部長に対しまして質問いたします。  最初に、本論に入る前に金融三法、相互銀行等のいわゆる規制法といわれる金融三法がいつ出るかをお伺いします。具体的には、預金保障基金法、それから金融機関の経営保全等のための特別措置法案、導入預金の取締り等に関する法律案、これはいつ出るか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 一番最初に、銀行局長がきょうお休みになっていることについて御質問ございましたのですが、実は非常にお疲れで、多分かぜではないかと思いますが、明日はあるいは御出席できるのではないかというふうに想います。一応御了承いただきたいと思います。  なお委員長から、検査部長が、御質問の内容については相当詳しいはずだというお話がございましたけれども、私果して詳しいかどうかよくわかりませんけれども、承知しております限りにおいてお答え申し上げたいと思います。  ただいま御質問のございました四つの法案のうちで、準備預金に関する法案と、いわゆる導入預金に関する法案につきましては、昨日閣議決定を経ましたので、近々御提案申し上げる運びになると思います。あとの預金保障基金に関する法案と、金融機関の経営保全に関する特別措置に関する法案につきましては、内容的にいろいろ検討を要する点もございまして、せっかく準備中でございますので、だいぶ予定よりもおそくなっておりますが、できるだけ早く御提案申し上げるようにいたしたいということで、事務的に準備を急いでおるような状況でございますので、御了承いただきたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 あなたの言われた、あとの二法律案は事務的におくれているのですか、それとも内容を検討するという点において、まだ与党内あるいは政府の意見が固まらないという意味なんですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 最終的には事務的に影響することにもなると思うのでありますが、いずれにいたしましても、いろいろと内容的に新しい構想がもともと盛り込まれておる法案でございますので、その面で、いろいろな角度からこれを検討する必要がございますので、いろいろと検討を進めつつあるわけでございます。できるだけ早く御提案申し上げたいということで、準備に大わらわになっているような状態であります。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 最後に、大体いつ出るか、ちょっとその見通しを聞かしてほしい。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 ただいまのところ、はっきりいつということを申し上げ得る段階にあるかどうか、私はっきり承知いたしておりませんので、お許しを願いたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 それでは本論に入りますが、本日の朝日を初め数紙の報道によりますと、東京都千代田区神田神保町の第一相互銀行をめぐる不正貸付事件は、福岡県庁にも飛び火し、山本兼弘副知事、岩佐秀盛出納長まで背任容疑で逮捕されたとのことであります。なお福岡での地検の調べによりますと、事件の骨格は、右両人が、二十六、七年のころ福岡県信用組合を通じて一億円に上る県の金を第一相互に導入預金し、裏金利一割約一千万円を取得した。しかもその裏金利で取った金の使途が、山本副知事らの機密費及び自民党関係の資金に充てられた、こういうことなんですが、おそらくあなたの手元まで入ったであろう詳報を示されたい。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 お答えいたします。検察当局におきましてどういう内容の調査をいたしておられますか、その検察方面の御調査の内容等につきましては私ども承知いたしておりません。連絡はもちろん受けておりませんし、承知いたしておりません。つまり検察当局の御調査の内容等につきましては、承知いたしておりませんが、私ども第一相互銀行を監督する立場におきまして、検査等を通じまして承知いたしておることについて申し上げますと、福岡県庁信用組合、これは県庁内にある県庁職員で組織されておる信用組合だそうでありますが、ここから、昭和三十年十二月当時は、第一相互銀行は今から翻ってみますと、非常に資金繰りが忙しかった時代でございますが、その資金繰りが忙しかった時代に、資金源を獲得することに狂奔しておったと思うのでございますが、その三十年の十二月に一億円の通知預金をこの信用組合から受け入れております。この一億円の通知預金につきましては、通知預金のインター・バンクの公定レートでありまする日歩九厘をつけるということになるわけですが、日歩九厘がついております。なお裏約束といたしまして、そのほかに日歩二厘二毛、合せますと、九厘と二厘二毛、一銭一厘一毛の利息をつけるというような約束になっておるようでありました。年利にいたしますと、四分一厘くらいになると思います。この九厘のほかに日歩二厘二毛をつけるということは、臨時金利調整法によりまして禁ぜられておることでございます。なおこの預金は、一年間は払い戻しをしないという約束があったやに聞いております。あるあっせん者を介しまして、一億円の通知預金が受け入れられたようでありますが、そのあっせん者に対しまして、一千万円の貸付が行われております。もちろんこの貸付はどういう性格のものであり、あるいはその資金の使途がどうなっておるかということは、金融機関におきましては、はっきり確認することができません。使途等については、私ども皆目わかりませんと申し上げるよりほかございません。以上のような状態でございます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 今あなたの御答弁では、福信から第一相互に一億円の通知預金がされたことの御答弁はありましたが、その一億円の原資は、県の歳計の一億円である、こういうふうにこの新聞では報ぜられておるわけです。この点はどうですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 非常に申しわけないことでありますが、預金者がどういう資金源によって預金源を獲得したかということは、預金を受け入れておる金融機関の調査によっては、私どもどうも把握いたしかねる場合が非常に多いのであります。特にこの場合も、福岡県庁信用組合がどういう資金で預金をしたかということは、第一相互銀行の監督なり検査を通じては、どうも把握できないというのが実情でございます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 この新聞の信憑性を私は信ずるのですが、朝日によりますと、先ほど申し上げました両名は、二十六、七年ごろ福岡信用組合を通じて、約一億円に上る県の金を第一相互に導入預金した、こういうようにいっておる。あなたは答弁に慎重を期して、その点はさっぱりわからぬとおっしゃっておるかもしれないけれども、これは大体明白な事実だと思う。それで、詳報があなたから得られないのですから、一応は推定的にわれわれは考えざるを得ないのですが、まず第一段に、この歳計の金一億円が福信の方に預託された、しかも第一相互に預けるようなひもつきで預託された、こういうように考えられる。その場合に、これは地方自治法の二百十三条と地財法の八条によりまして、こうした歳計の金がある銀行等に預託される場合の規制が、ちゃんとあるのです。地財法の八条によると、「地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない。」という規定がある。従って、こうした条例が定まって、その条例に基いてこのことをなしたか、あるいは県議会の議決によったかどうか、この点で第一の問題が究明されなければならぬと思います。それから、もししかりとするならば、こうした適法な措置をとって預託されたとした場合において、この一億円が導入預金として預けられ、裏金利が巷間いわれるごとくつけられたかどうか、これも究明されなければならぬ。それから元金が焦げつきになって、県歳計に穴をあけた結果となっておるかどうか、この三点が究明されなければならぬと思う。あなたは、常識的に、それからこの新聞の記事等を参酌した場合に、あなたの判断として、今私が申し上げたようなことが真相であると考えるかどうか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 非常に重大な問題でもありますし、かつまた第一相互銀行といたしましては、先ほど申し上げたように、信用組合から通知預金を受け入れたということしかわかりませんので、お話のように、信用組合に県の資金が預託されたのかどうか、そういう点については、私どもはっきり承知いたしておりません。むしろその点は、第一相互銀行を監督する私どもに御質問いただくよりは、あるいは地方公共団体の関係で御質問いただく方が、適切なお答えができるんではなかろうかというふうに考えられます。従いまして、地方自治法における手続を踏んだかどうかというような点につきましては、事実関係でございますので、想像によってお答えするということもどうかと思いますし、また私も承知しないことについて軽々にお答えもいたしかねるので、お許しを願いたいと思います。  なお、裏日歩につきましては、先ほどお答えいたしましたように、日歩二厘二毛というものが信用組合に対して払われたと思いますが、その払われた金がどういうように処理されたかということも、第一相互ではつかみ得なかった。それからさらに某仲介者に対する一千万円の貸付金の性格なり行方なりというものも、銀行の帳簿書類等によりましては、そこまでの判断がいたしかねて、はっきりわかりませんので、ただいまかりに検察当局の問題になっているといたしますれば、その方面の進展に伴いまして明らかになることではなかろうかと考えます。

井上良二日本社会党

○井上委員 関連して。その県信用組合の貸付の内容や委託の内容等については、これはあなたの権限ではないと思います。ところが、第一相互を検査する権限をあなたは持っておる。その場合、第一に、公定歩合を超過して金を貸しておって、裏金利をやっておる、これをあなたはどういう処置をしたかということ。それからさらに、あっせん者に一千万円の貸付をやっておるということは不当貸付じゃないか。導入預金一億円をあっせんしてもらったために、そのあっせんの見返りとしてあっせん者に対して一千万円の貸付をやっておる、あなたの検査の結果はこうなっておるというお話であります。そういう運営のいき方というものが、一体正当ないき方であると検察庁は見たのですか、問題の重点はそこです。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 第一点の、公定レートをこえました日歩二厘に毛のいわゆる特利ですが、特利の支払いについては、違法であるから、今後こういうことのないように——これは、民事上の契約といたしましては有効な契約でありますので、一たん払ったものを取り返すという法的な措置もございませんので、今後そういうことのないようにというふうに、十分戒めるように措置をいたしました。  なお、一千万円の貸付金につきましては、貸付金でございますので、これの管理、回収について十分な配意をするようにというふうに指示したしておりますが、まだ回収になったかどうか、そこは私はっきり確認いたしておりません。

井上良二日本社会党

○井上委員 その一千万円を貸し付けておるのは、だれですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 これは、個人の名前にかかわることでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。非常に御不満かもしれませんが、取引の内容につきまして一々個別に申し上げることは、立場上もどうかと思いますので、はなはだ申しかねますが、名前をあげますことについてはお許しを願いたいと思います。

井上良二日本社会党

○井上委員 それはいけません。問題は、あなたが検査をされて、公定金利以上に裏金利が課されておるということは行き過ぎである 今後注意しろということに関連して、一億円の導入を第一相互にやりましたあっせん者に対して、一千万円の貸付金がされておる、こういうことになっておるのです。しかも、その貸付をしておるということが導入に関連があり、しかも裏金利に関連がある問題でございますから、これは、一体正当な貸付であるかどうかということは、当然あなたとしては検査せなければならぬ。不当な貸付をしておるなら、それは相互銀行の運営がよろしきを得てないということになるのですから、第一相互の運営の状況を監督するあなたの立場からするならば、当然できるだけ健全な運営に指導、援助する義務をあなたは持っておる、こういうやり方で、一体相互銀行の運営がいいとあなたはお考えになっているのですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 資金の融資に当りましては、できる限り資金の使途等につきまして十分見定めをつけて審査をしてやるのが、金融機関としてのあり方だと思います。従って、その意味におきましては、資金の使途等もはっきりしないという意味において、審査等が十分行われておらない貸付と言い得るわけでございます。ただこの一千万円の貸付と一億円の通知預金の受け入れとが直接牽連関係を持っておるのかどうかという点になりますと、必ずしもはっきりそれが関連があるということを断定するだけの自信もございません。なおかつこの一千万円の貸付そのものも、割合新しい貸付でございますので、今後その管理、回収について十分配意をするように注意をいたしておるわけでございます。

井上良二日本社会党

○井上委員 さいぜんの答弁と答弁が違ってきました。最初あなたは、この一億円の第一相互銀行への預け入れは、某氏があっせんをした、そのあっせん者に対して第一相互は一千万円を貸し付けた、こういう答弁をしているのです。ところが、今は、それとは直接関係があるかないか明確でありませんというような答弁に変ってきている、どっちがほんとうですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 あっせん者に対する貸付であることには間違いございませんが、そのあっせん者に対する貸付が、あっせんそのものに結びついた貸付であるか、それとも別の観点からなされた貸付であるかという点が、私どもの調査では必ずしもはっきり断定するに至らなかった。従って、最初答弁申し上げましたのは、あっせん者に対して一千万円の貸付があるということを申し上げた。あとの答弁は、その両者の間にはっきり牽連関係があるかどうかということについては、あるかもしれないし、あるいはそうでないかもしれないし 資金の使途等も確認できませんので、はっきり自信を持ったお答えがいたしかねるという意味で申し上げたわけです。

井上良二日本社会党

○井上委員 相しますと、最初導入をあっせんいたしまして、公定金利、裏金利を支払います、そういう契約をいたしましたときと、それから一千万円をこのあっせん者に貸し付けました貸付のときとは、どのくらい時間がたっているのですかということが一つ、それからいま一つは、この一千万円の貸付をするのについて、第一相互にいかなる担保、いかなる保証人を入れておりますか、それを伺いたい。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 先ほど申し上げましたように、通知預金を受け入れましたのは、十二月に三回にわたって受け入れております。貸付は、たしか翌年の四月ごろだったと記憶いたしております。それから担保、保証人等は、これはついておりません。

井上良二日本社会党

○井上委員 大蔵省の検査官は何ですか。これが五万円や十万円の少額な金額でも、国民金融公庫等においては相当支払う能力を調べ、かつ相当の保証人をとって、必要あるものは担保物件まで設定をきせておる。いわゆる庶民金融においてわずか五万円、十万円の金を借りるにおいてさえそれをやっている。しかるに一千万円という大きな金を貸して、担保もとっていない、保証人もとっていないという貸付をしておるものを、検査官は妥当な貸付とこれを認めるのですか、こんなむちゃな検査の仕方はありますまい。こんな検査をしておるから、どこでも貸し付けるような、ややこしいことが起ってくるのじゃないか。こんな不健全な貸付をしておるから、至るところに焦げつきができて、善良な預金者に迷惑をかけることになるのじゃありませんか。あなたが検査をするというのは、健全な運営をさせて、善良な預金者に迷惑をかけないという建前から、いわゆる関係法規に照らして、あなたに国を代表して検査をさしておるのです。それが、一千万円もの貸付をやっておるのに、担保もなければ保証人もない、そういう貸付をしておって、それをあなたが知らぬ顔をしてみとめてきておるいうような検査のやり方が、妥当なやり方だとお思いですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 妥当な貸付であると私は弁護いたしたわけではございません。資金の使途につきましても、もう少しはっきりと、たとえば事業であれば、どういう事業の資金であるか、設備資金であるか、運転資金であるか、その他どういう使途の資金であるかということを、融資の際に確認し、何によって返済するかという返済財源等についても考え、必ずすべて担保をとらなければならぬということでもないかもしれませんが、しかしそれぞれの融資の実態に応じまして、担保をとるなり、あるいは保証人をとるなり、あるいはそれらをとらないならば、とらないだけのはっきりした融資内容についての見通しをつけて融資を行うべきである、これはお話の通りでございます。決してこれは優良貸付であるということではありませんので、従って管理、回収には十分気をつけるようにという注意をして参ったわけであります。

井上良二日本社会党

○井上委員 最後に、私一言お伺いしておきたいのですが、そうなりますと、問題は一千万円の回収の問題になってくるのだが、ここで人の名前をあげることはあまり立ち入って困るということでございますから、人の名前はあげなくてもいいが、一体貸付先というのは、いかなる職業にある人ですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 どういう定職があるかははっきり私も確信を持って申し上げかねますが、説明によれば、建築関係の何かの仕事をしておるというふうに聞いております。

井上良二日本社会党

○井上委員 わかりました。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 福岡県信用組合の規模はどのくらいなんですか。それから、これは職員の出資による組合であろうと思うので、第一相互に一億円をぽんと投げ出すほどの原資が、自分たちの出資とか、お互いの預金の中から捻出されるはずはない。ですから、もっとあなたは率直に——これは、県が第一相互に対する貸付を予定して、この福岡信用組合というものをクッションに使ったということは、これは容易に判断できることですよ。それで、そういうことになると、あなたは、福岡信用組合がとにかく一億円を第一相互に貸した、これはインター・バンクの九厘の金利である、ただし裏利として、あるいは特利としての二厘二毛というものが付加されたにすぎないというふうに、われわれの攻撃の焦点をごまかそうとしているけれども、これには二段のからくりがあろうと思うのです。そうじゃなしに、もっと重大なのは、県が福信というものに一応預託して、その預託金を第一相互に貸していく、そして第一相互から実は裏利として県の方に、もっと正確に言うならば、副知事ないし出納長の方に、この裏利よりもっと大きなものが入っている、こういうことが判断されるわけです。あなたは、この裏利のことを焦点をぼかすために、ちっぽけな二厘二毛の問題に限って、しかも、このことは民法上では許されているからというふうな、弁護するような答え方をしているけれども、われわれが聞いているのは、そういうことじゃない、今申し上げた点につきまして、もっと率直、明快にお答えいただきたい。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 何か特定の目的のために、私が答弁にいろいろ作為をしておるようなお話もございましたけれども、私は、決してそういうつもりで申し上げているのではなく、事実をありのままに申し上げておるつもりでございます。従いまして、たとえば日歩二厘二毛の裏利が払われておる、これは、何もそこに議論の焦点を持っていくために申し上げるというのではなくて、ない場合にはこういうことは申し上げません、ただありましたから申し上げただけの話でございます。  それから、二厘二毛の裏利につきまして先ほど申し上げた趣旨は、これを取り返すということができないかという立場から申し上げたので、訴訟をいたしましても、私法上は有効なので、ほんとうは取り返したいのですけれども、取り返す手だてがないので、今後を戒めるほか仕方がないと、いわば実情を嘆いて申し上げて、取り返すことができないということを御理解いただきたいと思ったわけでございます。なお、一千万円の問題につきましても、一千万円の貸付のあるということは申し上げております。ただ、その一千万円の貸付が一体どういうふうな資金の使途になっておるかということは、事実わかりませんでしたので、事実ありのままわかりませんでしたというふうに申し上げているわけであります。なお福岡県庁信用組合のバランス・シートにつきましては、私手元に資料を持っておりませんので、調査いたしましてまたお答えいたしたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 福田さんにコンニャク問答を繰り返してもしようがないので、この問題につきまして、山本兼弘副知事、岩佐秀成出納長の身柄は、本日東京地検に移されることになっておるそうです。そうして土屋福岡県知事らについても、地検の手が伸びているそうでありますが、この典型的な悪徳事件は徹底的に糾明する必要があると思うので、委員長におかれましては、速急の機会に土屋知事を初め、関係者の国会参考人として招致の手続をとっていただきたいと思います。そのことをお願いいたしておきます。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 過般来、相互銀行の問題は天下の注目するところです。いわゆる伏魔殿といわれておるのです。その一端として、福岡の今度の副知事逮捕の問題が出たのです。後刻、私は、この相互銀行の問題については徹底的に当局に責任を追及したいと思うのですが、ここに非常に解せない点を一点だけ御質問申し上げたいと思います。というのは、あなたは、一千万円の貸付が、担保もなし、しかも保証人もなしに貸し付けられておったときに、一体この金がどのように使われ、しかも回収の見込みはあるかどうか、あるいはどういう意図のもとにこの一千万円が貸し付けられたかということを職掌柄検討すべきである。そういうときに、あなたはどういう考えをもって、この一千万円の貸付について措置されたか、お尋ねいたします。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 金融機関の貸付の扱いぶり、あるいは金融機関の資産の健全性という立場を中心にしてすべての貸付なり資産内容を見るわけですが、この場合に、先ほど申し上げましたように、資金の使途についての十分な調査も行われておらない、あるいはその他の審査も非常に簡略になされている、あるいは債権保全についての好ましい措置がとられていないというような点につきましては、先ほども申しましたように、今後の融資の扱い方についての注意を促すと同時に、この貸付金につきましても、今後の管理、回収について関係者、つまり銀行当事者は関心を十分持って措置するように厳重に注意をいたしているわけでございます。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 あなた方は、地方の銀行、その他の金融機関を監査するときは、突然行って金庫を開き、しかも長い間問題の起きておりますものは、宿泊して徹底的に調べ上げて、不明を追及する。ところが相互銀行に関する限りにおいては、第一相互の今日の事態に至るような、いろいろの疑惑、汚職、その他の問題ができているのにもかかわらず、これに対してすら注意が非常に散漫でなかろうかと思う。特に一千万円という金は大金です。この大金が、担保もなし、保証人もなしに貸し付けられた場合に、しかもそこに裏金利まで付けられていた場合に、これをあなたたちが全力を尽して追及すれば、今日第一相互銀行があのような状態にならなくても、そのときのあなたたちの検査の結果によってこれが明るみに出て、立ち直れるような状態になったかもしれない。ところがあなたたちは、こういう不正があるにもかかわらず、それをただ注意をしたというようなことで引き揚げることは、われわれどうしても納得し得ない。相互銀行の協会には、大蔵省の古手官僚が枢要な位置についているとも聞いております。大蔵省と相互銀行協会とには、たくさんのくされ縁があるとも言われております。こういう点について、あなたたちは良心的な監査をしたかどうか。良心的な監査をすれば、このような問題は事前にちゃんと発覚すべきものなんです。それを検察庁に検挙をされて、検察庁の手によらなければ、あなたたちがこれを摘発できない。少くとも相互銀行や金融機関に関する点については、君たちは専門家なんだ、君たちはそれを監督する最高責任者なんだ、最高責任者がこれを摘発することができなくて、検察庁や警察によって摘発されるということを国民は納得できない、あなたたちのこの検査の態度に対して納得できないのです。そういう点について、大蔵省の監督に関する責任を私は追及する。あなたたちは、これをこのまま注意したでは済まされない。その点について、これは大蔵大臣に聞くべきところでありますけれども、後刻大蔵大臣が来たときに追及いたします。大蔵次官もおられますから、大蔵次官から一つ責任ある答弁をしてもらいたい。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 いずれ大蔵大臣に御質問になるようでありますから、御質問については、大蔵大臣から十分な御答弁があると思います。ただこの際私にという御指名でありますから、私の感じを率直に申し上げますが、御指摘の通り、重大な使命を持った職務にあるわけでございますから、御意見の通りの気持で、自覚をもってこの仕事に当らなければならぬことは申すまでもございません。しかしながら、全国各地にわたって各種の金融機関がありまして、これらをすべて監督している大蔵省として、今御質問の中にございましたが、もっと徹底的に検査をやれ、警察や検察庁が手を出す前に大蔵省がこれを発見すべきであるという御意見でございますが、率直に申し上げて、私はこれはちょっと無理ではないかと思います。もちろんかような不純なものがありとするならば、これの発見に努め、金融機関を健全な姿にしていく、そして預金者の保護をはかっていくという大きな使命のあることは間違いでございませんが、限られた人間で全国にまたがる金融機関の各支店にわたるまで検査を周密にやって、すべての責任を大蔵省が持てと言われましても、これは私は無理じゃないかと思います。心がけとしては、おっしゃる通りの心がけでやっていこうと考えておりま・す。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 私ども検査をいたしますに当って、決して手心とか、そういうことは、一切やっておらないつもりでございまして、厳正に、しかも資産の内容の点から、預金者の保護に欠くるところはないかというところに最大の重点を置きまして、経営のあり方、資産の内容等について検査をいたしているわけであります。従って、金融機関によっては相当の時日を要することも事実でございます。第一相互銀行について、簡略にやったかのごとき印象を持っておられるようなお話もございましたけれども、決してそうではございませんで、他の場合よりも一そう細心に、より掘り下げて、日数をかけて検査をしてきたつもりでございます。従って、でき得る限りわかる範囲のことはわかったつもりでございます。わからないことはどうにもしようがない。取引先について調査する権限はございません。検察関係では、犯罪捜査という目的で縦割りにずっと末端までいけるわけですけれども、私どもの金融機関の検査は、金融機関にある帳簿、書類によって検査をすることになっています。しかも目的は、資産内容がどうかという点に重点がありますために、いわゆる検察的な面と相当食い違いが出てくる。調査権の面において強制権もございませんし、食い違いが出てくるということはある程度お含み願いたいと思います。通常の場合でありますと、融資について審査関係の書類を見ますと、その資金の使途なり何なりというものは整備されておってわかるわけであります。ところがこういうような事例につきましては、何らよるべきものもなく、説明も十分に得られないということになりますと、まことに申しわけないことでありますが、わからないという場合もある。しかし、これは非常に例外的な場合でありまして、一般の場合に、そういうふうにわからないということがそう多くあるということではございませんので、その辺の事情をおくみ取り願いたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 私は、この問題等に対してもっと徹底的に検査すれば、事前にこのことは発見されたのではなかろうか申したのですが、次官は、そういうことは無理ではないかと言われるが、それでは、一体何のために検査をやるのか、相互銀行法によって書類の提出を求めることもできるし、いろいろの点において検査官は立ち入って検査をすることができることになっている。だから、預金者は安心して銀行に預金をしている。ところがこういう一千万円からのはっきりした問題でさえも、この使途あるいは裏金利等がわかっておりながら、このようなからくりを発見することができないということは、常識として考えることができない。相互銀行の問題については、たくさんの疑惑を持たれておりますから、次の機会にこれは徹底的に御質問申し上げますが、相互銀行に対する検査のずさんさは、おおい隠すことができないと思う。この点、大蔵省当局に責任があると考えるのでありますが、いかがですか。

足立篤郎自由民主党大蔵政務次官

○足立政府委員 誤解があるようでありますから、ちょっと申し上げておきますが、私が、大蔵省に全責任を負わされてもそれは御無理ですと申し上げた理由は、先ほど来検査官もお答え申し上げている通り、一千万円の貸付について内容が整備してないという点については、これを発見し、注意もしたと申し上げております。これが他の導入預金と直接の関連があり、裏金利があるかどうかということは、大蔵省の検査だけではわからないのでありまして、問題が表面に出て、これにしぼって検察官が調べればわかるでありましょうが、しかし一般的な帳簿検査で、これの四カ月も前に導入預金があったということと必ず関係があるということは、神様でない限りはわからない、その点は、追及されても御無理だという意味で申し上げているのであります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 有馬君。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 簡単に伺いますが、一千万円の回収状況について、どうなっているか、この点をまず伺いたい。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 一千万円の貸付金の回収状況につきましては、確認をいたしておりませんので、調査してみないと、ここでお答えいたしかねます。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 先ほどあなたは神田君に対する答弁の中で、取引先の内容を検討する権限はないというようなことを申されました。また一方では、政務次官は、厳正に慎重に検査を行なっていきたいということを言っておられる。このような貸付に対して、回収状況を調べないで、何を調べるのですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 私、言葉が足りなかったかと思いますが、犯罪捜査権と金融検査権と違うことを申し上げたわけであります。と申しますのは、犯罪捜査でありますと、ある犯罪捜査の目的のためにあらゆる場所に行って強制的に捜索その他ができるわけですが、銀行検査の場合は、金融機関にある帳簿書類等によりまして検査するということであって、融資先である債務者について家宅捜査的な現物検査はできない。従って、あくまで金融機関を中心にして、金融機関にある帳簿書類、あるいは金融機関関係者の説明を聞いて調査することになっているわけであります。従いまして、融資先に行って、融資先の資産内容等を向うの帳面密見せてもらうということは、権限として与えられておりません。金融機関については、取引の関係で、ある程度調査し得ると思いますが、金融機関でわかっているところを中心に私どもも見ていくということでございます。従って、金融機関が回収しておるかどうかは、当然金融機関の帳簿書類を通じて調べることができるのです。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 だから、その調べた結果を教えて下さいと言っているのです。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 この一千万円の回収がその後どうなっているかということについては、私承知いたしておりませんので、調査いたしました上でお答えいたしたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 今、このような重大な貸付について、回収状況を調べてないと言われると、どうしても納得ができないわけなんです。あなたはえらい安易に言われるけれども、私どもは、今のこの一千万円の百分の一、二百分の一借りておる、ところが、わずか一万円足らずの金を返すのを一カ月くらいもおくれると、相互銀行いわく、大蔵省がやかましゅうございますから早く納めて下さいと言っておる。十万、二十万の貸付には厳重に調べておいて、こういった一千万円のものを、回収状況も調べてない。相手の取引先の内容を検討する権限もない、そのことの中に矛盾があるのじゃないですか。

福田久男大蔵事務官(銀行局検査部長)

○福田説明員 お話でもございますが、お言葉を返してまことに恐縮ですけれども、必ず多くの金融機関について、それぞれの債権の回収状況なり貸し出しの状況なりを一々一覧で私どもの手元で掌握いたしておりませんので、第一相互銀行に聞けばわかることでございますけれども、おしかりを受けましたが、そういうふうに必要があるときに必要なものについて、たとえば報告を求めるとか、あるいは定例的に報告を求める場合もありますけれども、特別に必要があれば、特別に報告を求めたいと思います。一々見ておるということでないことは御了承いただきたいと思います。

有馬輝武日本社会党

○有馬(輝)委員 これが最後です。今の御答弁には納得がいかないのです。現在私自身が苦しんでいるのであります。今そういったことを厳重にやっておって、これについては知りませんというのじゃ、これはとても——さっき答弁技術と僕はヤジったけれども、ためにする答弁をしておられるように受け取れてしょうがない。こういった点については、後日あらためてお伺いしたいと思いますから、私の質問は、本日のところはこれで終っておきます。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 質疑の中で、お聞き及びのように、局長も大臣も出席ができませんので、従って最高の責任のある答弁はむずかしいかと存じます。  先ほど平岡君から、士屋知事外関係者を国会へ参考人として呼んでもらいたいという御要望につきましては、理事会に相談いたしまして、できるだけ善処いたしたいと存じます。  なおいろいろ質疑者の方々の御不満がございましたように、検査部長だけではやはり最高の責任ある答弁もできませんので、いずれ理事会で相談をした結果、次の機会に銀行局長あるいは大蔵大臣、さらにまた福信の関係等がございますから、自治庁等の出席を願って、あらためて質疑ができるような機会を理事会で作りたいと存じます。その旨御了承願います。  本日はこの程度で散会いたします。    午後五時五分散会      ————◇—————

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