大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/03/12
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 国際学会等への加入に伴う分担金の債務負担に関する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、税関支署の設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題といたします。両案件につきましては、別に質疑もないようでありますから、質疑及び討論を省略して、直ちに採決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ないものと認めます。よってさように決しました。 これより両案件を一括して採決いたします、お諮りいたします。国際学会等への加入に伴う分担金の債務負担に関する法律案を原案の通り可決し、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、税関支署の設置に関し承認を求めるの件を承認すべきものと議決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ないものと認めます。よって国際学会等への加入に伴う分担金の債務負担に関する法律案は全会一致をもって可決し、地方自治法第百五十八条第六項の規定に基き、税関支署の設置に関し承認を求めるの件は、全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました、
○山本委員長 次に、国民貯蓄組合法の一部を改正する法律案を議題といたします、お諮りいたします。本法律案につきましては、他に質疑もないようでありますから、質疑を終了し、討論を竹略して直ちに採決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なきものと認めます。よってさように決しました。 これにより本法律案について採決いたします、お諮りいたします。本法律案を原案の通り可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ないものと認めます。よって本法律案は全会一致をもって原案の通り可決確定いたしました。 この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました各案に関する委員会に報告書の作成、提出手続等につきましては、先例によりまして委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。 ―――――――――――――
○山本委員長 これより国有財産に関する件について質疑を許します。横錢重吉君。
○横錢委員 国有財産に関連をして、元連合国の財産の返還に関する問題について若干伺いたいと思います。連合国の財産は、戦争勃発とともに、いわゆる敵産管理として処理しておったのでありますが、この財産に関して、当時は個人に対して払い下げをしておるのが、これは、政府の方としては没収をした形をとっておるか、あるいはまた管理をしておったものを払い下げを行なったのであるか、この辺の見解はどういうようなことになっておりますか。
○市川説明員 お答えいたします。ただいまの問題は、戦時中施行されました敵産管理令の問題でございますが、これは敵産管理人というものを各財産につきまして指定をいたしまして、これに管理せしめておったわけでございます。
○横錢委員 管理をしておったものには違いないが、それを払い下げたという事実があるわけです。この払い下げたというのは、明らかに国の所有しておったものを各個人等に対してこれの所有権の移動を行なったのであるか、この点をお聞きしたい。
○市川説明員 敵産管理法によりまして、政府がそれぞれの敵産に関しまして売却その他必要な事項を命ずることができるという規定がございまして、それで売却せしめたのでございます。これは敵産管理法の第二条でございます。
○横錢委員 その売却をした物件については、政府の方は大蔵大臣、それから払い下げを受けたものは個人なり会社なり、こういう形で完全に所有権の移動が行われた、こういうふうに確認をするが、政府の方でもそう考えておられるのか。
○市川説明員 一応そういうふうに考えております。お話しの通りでございます。
○横錢委員 その所有権の移動が行われて、その後戦争が終了し占領軍が来るに及んで、今度は日本がサンフランシスコで平和条約を結び、この条約の十五条(a)項において、元連合国の財産に対しては返還すべきことが取りきめられた。この返還すべきことの取りきめというのは、いわゆる原状回復に対するところの責任を負ったものであるか、あるいはまたそれ以上の責任を負ったというふうに解釈しておるか。
○市川説明員 お話しの通りこの返還に関するポツダム勅令によりまして、それぞれ連合国人に返還いたしました。それは原状回復というのを建前にいたしたものと考えております。
○横錢委員 原状を回復するというのが建前でこれを行なったというように答弁を聞きました。そこで承わりたいのですが、政府が政令を出して、この所有者に対して、連合国の元の所有者に対する返還の命令を出した、この事実はありますか。 〔委員長退席、平岡委員長代理着席〕
○市川説明員 ただいまの御質問の意味でございますけれども、お話しの通り、それによって返還がなされたわけでございます。その事実があったと申し上げるわけでございます。
○横錢委員 日本の憲法は二十九条において、所有権の不可侵ということを規定しておる。そこで個人の持っておる財産というものは、憲法に違反をして取り上げられるということはないはずだ。だからその財産がたとい元は連合国のもの、あるいは連合国人の持っておったもの、そういうものであっても、一たびこれが正式な手続を経て所有権の移動が行われた場合、これを法律によって返還命令を出すということは、明らかに日本の憲法に対するところの違反行為だ、この政令は無効のものである、こういうふうに考えるが、この点はどう見ておりますか。
○市川説明員 返還命令を中心にいたしました問題と憲法二十九条との関係についてでございますが、御承知のように、占領中におきましての連合国最高司令官の権限と申しますものが、われわれの国の憲法というものの上に、いわば超憲法的な形で動きまして、いわばわが国の憲法その他のいかなる法令にも制約されない形で動いている。そういう意味合いにおきまして、憲法の適用外と申しますか、そういう性質のものではなかろうかと思うのであります。なお御参考までに御披露いたしますが、やはり同じような御趣旨のもとに、ただいままでに一件だけ訴訟が出ておりますが、その訴訟はまだ最高裁に係属いたしておりまして、最終的な結着を得ておりませんけれども、東京地方裁判所におきましての一応の結論として判決に示されたものによりましても、憲法のワク外という言葉を使っております。憲法のワク外にあるものであって、憲法の適用を受けないものと解するを相当とする、こういったようなものも一つの例としてございますので、私どもといたしましては、ポツダム勅令は平和回復後それぞれ政令という名前ではございますが、といたしましてその形で御承認をいただいておりますので、ただいまの出題は、憲法違反というよりも憲法のワク外にあるのではなかろうか。管財局の仕事を所管しております私どもとしては、一応そういうふうに考えているわけでございます。
○横錢委員 それは解釈が違う。私は占領軍司令官の権限と日本の憲法との関係を問うているのではないのであって、政令の出し方が間違っているのじゃないか、こういうふうに問うているわけです。なぜかというならば、元連合国の財産なりといえども、冒頭に聞いたように、所有権が明確に移動しているんです。しかもこの命令を出したものは、内閣総理大臣であり大蔵大臣である。だから連合国司令官が直接これを扱ったわけではない。従ってサンフランシスコ条約においても日本に対してこの返還を求めた。返還をする責任というものは日本政府である。だから日本の政府に出たのであって、国民の個人に出たわけではない。従って日本の政府としては、これを個人に売り渡してしまったのだから、個人から一たん買い上げたものを連一合国人なりあるいは連合国に返すべきそういう手続を踏むべきだ。その手続を踏まないで、直接一本の内閣総理大臣が、国民のだれかに対して、この品物は何月何日までにどこそこのだれだれに返せというような、そういうような方法をとったのは違憲行為である、こういうふうに聞いている。従って、私は連合国司令官と憲法との関係を問うているのでなしに、日本の憲法の中において、日本の行政がやっているその誤まりを言うている。これは明らかに誤まりだと思うが、どうですか。
○市川説明員 お答え申し上げます。昭和二十一年のポツダム勅令そのものにおきまして、第二条で主務大臣――主務大臣と申しますのはこの際大蔵大臣でございますが、そのものは連合国または連合国人に対しまして返還その他必要なる措置を命ずることができる、こういうふうにポツダム勅令そのものに規定がございまして、それに基いて行われた形でございます。
○横錢委員 返還を命ずることができるといっても、所有権不可侵の原則というものが憲法の上にある。従って返還を命ずるにしても、これは強制買い上げ形式をとるべきだ。それから、話を前にさかのぼるならば、これは敵産管理のときに、敵国人の財産に対してはこれを接収したのであって没収したのではなかった。それを日本の国は没収と接収を誤まって、敵国人の財産は全部これを没収した。そうしてこれを払い下げたからこういう間違いができた。これは当然政府が管理しておって、貸しておくべきだった、あるいは政府が直接使うかして管理をしているべき性質のものであって、払い下ぐべき、売却すべき性質のものではなかった。だからここにこういうような義務が発生してきた。そこで政府がもう一度正しい考え方を持てばいいところを、また誤まりを犯した。そして直接個人に対して返還をしろ、これは本人はそういうようなことを言われたとしても、日本における憲法、法律がある陥りにおいては、返還をしなくても差しつかえないものであった。返還をしたくても差しつかえないものであったが、当時においてはMPの圧力、あろいはまた直接国家の権力には個人としては対抗できないからして、そのも一に強制的に返還をさせてしまったが、これは誤まりだと思う。どうです、このやり方は誤まりじゃありませんか。
○市川説明員 横銭先生のお説でございますけれども、率直に申し上げまして、私ども管財局で仕事いたしておりますのは、先ほど来申し上げましたようなそれぞれの規定に基いての処置でございまして、ただいま御質問の中心になっている問題につきましては、正直のところ私限りではお答えいたしかねますので、別途機会を見て法制局その他との連絡のもとに、さらに横銭先生から御追及をいただくはかないと思います、
○横錢委員 この方法の誤まったことについては後日またただすことにして、さらに、その際における政府の処理は、これまたきわめて当を得たものではなかった。しかも政府が払い下げた財産というものは、また次から次へと転売が行われておる。また、土地を買った者がそこに建物を建てた、あるいはまたその買った建物に対して大修理を加えた、あるいは増築をした、そういうように買ったものが非常に移動が行われておるにもかかわらず、政府がこれに対して、一括して何日までに返せというような方法でやったから、先ほど私が質問したように、平和条約の十五条(a)項におけるものは、いわゆる原状回復だけの責任を負わしたものであったにもかかわらず、原状以上のものを取り上げた。しかもこれに対して、大蔵省としては全然その事件に出ていない。信託会社等の代行機関にやらせたり、また向うのMPの圧力をかけてやらして、全然このものにタッチしていない。こういうようなものに対して、一体補償というものはどうするつもりか。この補償に対しては別項で、払い下げ価格だけでは時価との間に相当の差があるから、一応払い下げ価格だけで処理するけれども、あとでまた法律を制定して、このマイナスの分に対して補償するということがきまっておる。にもかかわらず、戦後も十何年経ってもはや戦後ではない、こういうふうにいわれておるときに、いまだその補償もしていないというのはどういうわけです。一体法律はいつ出すのですか。
○市川説明員 お答え申し上げます。お話しの通り、補償に関しましてそれぞれの政令に規定がございまして、そのうち譲渡政令に関しましては、損失を補償するという規定がございます。また返還政令あるいは株式回復政令におきましては、損失の処理につきまして、かつての売却時におきましての金額だけはとりあえず支払ったが、その他の処理については別に法律を定めるという規定を設けておりまして、そのまま今日に至っておるわけでございますが、これは非常にむずかしい問題がありますとともに、いろいろと関係する性質を持っております。最近私どもも新聞等で承知さしていただいておりますように、在外財産問題についてどうするかといったようなのがその一つの例でございますが、要するに戦争の一つの跡始末といたしまして、関係するところ非常に広うございますので、それら全体をにらみ合せましての処理ということが大事である、こういうふうに考えまして今日に至っておるわけでございましてお話しの通り、戦後十年以上けみした今日におきまして、戦争の跡始末という意味におきまして、こういう一連の問題を取り上げて整理をしていくという時期になってきているとは存じますが、ただいま申したような意味におきまして、従来ただ別途法律を定めるという規定をそのままにして今日に至ったわけでございます。
○横錢委員 政府は、この処理が在外財産との関連がある、こういうふうに言うて、これを口実として今日までこの解決をしてこなかった、これは明確に政府の考え方の誤まりであった。一体在外財産とどこに関係があるか。在外財産は、日本の憲法の及ばない地域におけるところの問題だ、しかもこれを処理するのは、国内法では処理できない、国際法によらなければ処理できない。ところがこの問題は、国際法ではなくて国内法で処理できる問題だ。これはどうして処理できなかったかというと、明確に政府の考え方自体が誤まっておった。敵産管理に対して、これも管理したものを没収したもの、これは自分がただでとったものであるからどういうふうにしてもいいのだ、こういう誤まった考え方に出たところに第一の出発点があった。第二の出発点は、これに対して直接返還命令を出したということに誤まりがある。在外財産と同様、これまた戦争の被害の一つである、こういうふうな考え方を持っておるが、所有権の移動というものは、大蔵大臣から個人に移った場合と個人から個人に移った場合とは同じなんです。同様に見るべきものなんです。そこの処理を誤まったものであって、在外財産との関係があるという考え方を持ったならば、これは明確に違う。しかも在外財産の補償問題は、今日総額五百億円において、その給付金という問題において解決をつけようとした。この給付金という問題において解決をしたのを見てみるときに、この問題と明確に性格が違うということが出てきたと大蔵省自身も考えるだろうと思う。そこでこの問題は、在外財産の補償問題とは性格が違う。従ってこれは国内法だけで処理できる問題である。大蔵大臣と、これから払い下げを受けた個人との間、その間における時価評価の問題だけで解決をしなければならない問題だ、こういうふうに考えまして、これは当然ここに定めてある通り、法律を早く作って処理すべきものだ。それならば、一体あの戦後進駐軍が来た、それに対して日本の個人の家屋や何かたくさん強制借り上げ、あるいは買い上げ、そういうものをどんどんやったでしょう、こういうものはほとんどすべて解決がついたのです、しかも、そのものは自分が持っておった当時よりも、その中の電気設備であるとか、あるいは水道施設であるとか、いろいろな施設というものがよりよくなって、しかもそれがもとの所有者に対して返還をされる、よりよい条件で返還が行われているのです、これはすでに解決がついてしまっているにもかかわらず、これがあべこべに、向うのものを買ったということだけでもって、さながら戦争の被害者であるとか、あるいはまるで戦犯扱いみたいにこれを握ってしまって放さないというようなことをしておるのは、これは個人の生活ということを無視したところの当局の態度である、こういうような態度を続けることはけしからぬ態度であると思う、一例を見るならば、建物が二十六坪、動産二十九点、こういうようなものが、昭和十七年に二千二百八円で買われたものが、これが返還は昭和二十五年の八月三十一日に行われている、価格は、その者から次の者がまた三千二百円で転売をされておる、そこでさらに修繕費が一万七千三百円加わっておる、こういうふうなものであるが、これを政府の方では二千二百八円だけ昭和三十年の十二月になってから払っておる、一体こういうふうな無神経なことで、国民生活の問題を処理することは私はできないと思う、当然これは今日の時価評価というものが行われて、これに対する正当なる報酬が払われなければなかったはずである、この補償を早くやるための法律判定は、すみやかに出すべき義務が当局に発生している。これは一片の疑義のない明確な問題である、これに対するところのはっきりした答弁を求めます、
○市川説明員 まず一つとしまして、在外財産と性質が違う、こういう御趣旨のお話でございます。お話しの通り法律的な性格と申しますか、あるいはそれを詰めまして補償という点に焦点をしぼりますと、補償義務というような問題、そういうところから参りますると、返還政令にも、別にそれについて定める、あるいは損失の処理について別途法律を設けるというふうに書いてございますので、そういう意味合いからいたしまして、非常に性格が違うということは仰せの通りでございます。ただ全体にながめまして、結局は一連の戦争損害補償とでも印すべきものは非常に広範な関連性を持っております。その損害額あるいは補償額、そういったようなものを積み上げて参りました場合に、財政事情との関連におきましても、非常に在外財産問題というものが大きな要素を占めております。 〔平岡委員長代理退席、小山(長)委員長代理着席〕 それに即応して参るための一つの慎重な態度をとったわけでございます。 それからもう一つといたしまして、損失額の算定というものは、これは横銭先生は時価の問題、こういうふうにおっしゃっておられますが、これがそれこそいわば今後の問題として法律を作ります場合に、十分御審議をいただく性質のものでございまして、まずその時期はいつをとって損失とするか、あるいはさらに、一体損失があったのかないのかという問題も、個々についてながめますればございまして、いろいろと慎重に考えさしていただきたいものがございます。 最後に、今や法律を制定すべき時期に来たのではないか、こういうふうにおっしゃっておられまするが、以上申し上げましたような意味合いにおきまして、大蔵省管財局が主管しておりますのは以上返還政令を中心にしたものでございますが、関係するところは内閣全体に及んだものでございますので、全部を通じまして、不統一にならない研究の仕方をして参りたい、こういう意味で、一方に調査を行いますと同時に、他方において関係の省庁との協議を続けて参りたい。ただいまのところそういうふうに考えるわけでございます。
○横錢委員 今の答弁でははっきりはしない、これは局長が出てこないとはっきりしないのかしらないが、今のあなたの考えておることは非常に慎重論をとってやるという考え方はいいと思うが、しかしながらそれによって受けておるところの国民の被害というものに対しては、全然考慮を払っていない点が遺憾だと思う。それから同時に戦争による被害というものは、たとえば閉鎖機関の問題にしても、接収貴金属の問題にしても、これはもう大体終了すべき時期が来ておる。接収貴金属にしても、三年来法案を出してきて、これは関連の問題をどうすべきかというところまで来ているのです。これはやはり戦争の被害を解決をつけようとしておるわけでしょう。それからまた同時に、閉鎖機関の処理等もまだ十何年たっても解決がついておらぬということも、これは当局がただ慎重に慎重にというふうな考え方で、その及ぼしておる迷惑ということを考慮しないから、こういうふうな長引いたことをやってきておる。しかもまた戦争の跡始末に対して熟練していない、ほとんど経験がないから、どうやろうかこうやろうかと考えては引き延ばしをしてきてしまった。これはもっと迅速に明確に処理するならば、国民に迷惑をかけないで、すっきりとした形で整理のできた問題である。従って今あなたによってこの立法措置が返答できないとするならば、これはすみやかに省議にかけて、これらの問題が早く処理できるように、すみやかにこの中にあるところの立法措置を講ずるように考慮をしてもらいたい。以上の点を申し上げておいて、またこの問題は後日他の局長なり大臣なりに対して質問することを留保して、一応打ち切っておきます。 ―――――――――――――
○小山(長)委員長代理 次に、所得税法の一部を改正する法律案外税関係十二法律案を一括議題として質疑を続行いたします。石村君。 〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕
○石村委員 まず委員長におねお尋いたしますが、三月一日に大蔵大臣は、物品税はぜいたく品を主としてとっておる、こういう御答弁でした。本会議の御答弁を、さらにここでもはっきりとおっしゃったわけです。そこで大蔵大臣の直接監督のもとに、物品税についてぜいたく品と大蔵大臣が判断せられるもの、それに対する税収が幾らあるかということを作業させて資料を出していただきたいと申し上げたのです。委員長からは善処いたしますという御発言があったのに、一向出て参りませんが、これは委員長としてどうしていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○山本委員長 お説のように、私の方で善処をお約束しまして、先般主税局から、昭和三十年度物品税課税高という資料が三月五日付で出ております。
○石村委員 ただいま委員部の方からもらいました。それでは主税局長にお尋ねしますが、今度、所得税法の六十一条を改正せられまして、いわゆる名義貸しに対する計算書を提出させる、こういうことをはっきり御規定になったように思うのですが、従来こうしたものはどのように取り扱われておったか。実際の扱いについては渡邊国税庁長官にお尋ねいたしますが、こういう名義貸しの場合の配当所得は、所得税を納めなくてもいいという法律解釈になっていたものですか、それとも、計算書の提出を義務づけていないから調べようがなくて取れなかったというのなら、これは国税庁長官から御説明を受けますが、法規的に差しつかえないと考えておったのだというなら、その理由を御説明願いたいと思います。
○原政府委員 法規的には従来これがありませんので、支払い調書を出してもらうことはできないことになっております。税法としては、この条文のほかに、収税官吏の質問検査権というのがございますが、それの方は、納税義務があると認められる者、それからその人たちに金銭もしくは物品の給付をなす義務があると認められる者というような人たちであって、今回お願いいたしておりますように、名義貸しの株についての配当の資料を調書として出してもらうことはできなかったのであります。従って世上その課税についていろいろ論がある。もちろんこれは資料も出させられないからといって課税にならないというのではなくて、当然課税になるべきものであったわけであります。税務の方でも、実際上しばしばその資料をとることについて努力をされたことがあると、私は承知しておりますが、はっきりと法律的な裏づけがなければできないということですので、この際ぜひ一項を入れてお願いしたいと思っているわけであります。
○石村委員 そうすると、これは実際上わからなかったから課税しなかったのだということになるのであります。やはり配当所得を実際にもらっている者は、本来なら所得税を出すべきものを出していなかったのだということに、結果的にはなるわけなんです。その通りでよろしゅうございますか。
○原政府委員 その通りであります。もちろん配当には配当控除がありますから、所得税額が残るかどうか問題ですが、相当な数の株を名義貸しで持ってもらっているというような場合には、おそらく残る場合が多いと思います。
○石村委員 ただいま原さんからある程度取扱いについての御説明があったのですが、名義貸しに対して今までどういうようなことをなさっていられたか、国税庁長官から御答弁願いたい。
○渡邊政府委員 主税局長の答弁されましたように、本来当然課税になるべきものであることはお話しの通りだと思います。従いましてわれわれの方といたしましては、そういう一般的な話として、名義貸しの事実があるということに基きまして、証券会社などの調査の機会、あるいは別途証券会社に参って、名義貸しの事実を確かめるわけですが、結局今主税局長の申し上げました質問検査権の中百で質問していくわけですが、証券業者の方で協力的な態度に出ない場合におきまして、われわれの方で質問をするという場合におきましても、なかなか十分なる資料を得にくいということで、従来あまり効果が上っていなかった、従って単なる質問検査権だけではどうも不十分でございますから、やはりこうした調書の規定を入れていただきたいと思うのでございます。質問検査権の場合におきましては、たとえばお宅で名義貸しをしている、従ってその名義貸し云々ということだけですと、納税義務者に金銭支払いの義務があったといった場合に、一体その納税義務者とはだれだといったときに、ただ漠然と納税義務者といったようなことになりまして、そこで一広議論の余地が出てきたりしまして、従来どうも十分な協力を得られなかった、こういうわけでございます。
○石村委員 そういたしますと、これらの名義貸しを受けてやっておった人は、計算してみて、中には配当控除の結果、所得税を納めなくてもいいということもあり得ると思いますが、常識的に考えれば、こんなことをするのは、おそらく実際問題とすれば証券会社から手数料もとられることでしょうが、これをあえてすることは、そういう方法によることが所得税が少くて済むということをねらってやっておったのだと思います。ですから、これは全部が必ずしも脱税しておったということには、計算の結果ならないかもしれませんが、ただいまの主税局長並びに国税庁長の御説明からしても、大部分は脱税しておったということになるわけですが、国税庁長官は、この過去の脱税に対してどのようにやっていかれるのか、証券会社の検査権があるのに、それに対して十分な答弁をしていないというなら、これは脱税の共同正犯ということにもなるだろうと思うが、一体過去の脱税については、国税庁長官はどういう処置をおとりになるか伺いたい。
○渡邊政府委員 これを詐欺、不正による脱税犯という意味に持っていきますためには、やはり犯意の問題でありますとか、いろいろな問題で相当むずかしい問題があるのではないかと思っております。われわれの方としましては、やはり一応納むべき税金を納めていなかったわけですから、その資料を得て当然課税をするという努力を従来続けてきたわけでありますが、証券業者からその協力がなかなか得られなかったという点で、今までそのままになっていたわけでございます。過去のものにつきましても、われわれの方としましてはできるだけ資料を得て課税して参りたい、かように考えてはおります。
○石村委員 過去の分にもさかのぼって納付せしめるわけですね、わかれば。わからなければやむを得ない。そしてこれは当然利子の課税とかなんとか、そんな申告納税に対するいろいろな何があるわけですが、そういう処置をあわせておとりになるわけですか。
○渡邊政府委員 われわれの方としましては、できるだけそうした点についての調査をしまして、過去といいましても、これは決定の時期については三年ということになっております。それ以上さかのぼるにつきましてはいろいろ問題が加わって参りますので、できるだけそういう点について努力して参りたいと考えております。
○石村委員 それではしっかりやっていただくようにお願いします。 そこで今度名儀貸しについての報告をすることについては、命令で止めるごとになっておりますが、配当なんかの場合には、年間一万円以上は報告するということになっているのですが、どのくらいの金額の制限を置いて、それ以上の分について報告しろというようなことをおやりになるのですか。それとも一切がっさい名儀貸しについては、たとい千円であろうが二千円であろうが報告しろということになるのですか、その点お尋ねします。
○原政府委員 限度を置いて、ある程度以上のものを報告させようと思います。趣旨はこうでございます。政府の方の資料として活用する、税をかけるという見地からいいますれば、もう全部例の一万円、それに歩調をそろえるというようなセンスでよろしいと思いますが、この名儀貸しにかかる株が相当数が多いというふうに思われます。実はどのくらい多いか私どもわからないのでございますけれども、相当に上る。そうすると、実際問題としてどの程度以上出させるかということが、証券界のここしばらくの情勢に相当な影響を持つというようなことまあります。従いまして、先ほど申しまた一万円との権衡、それから証券市場の情外というようなことをかみ会員して限度をきめて、ある限度以上のものについて出しなさい、ということにいたしたいと思っております。
○石村委員 その限度の御発表を願いたいのですが、しかしこの限度は、さっきの一万円の分よりもむしろ趣旨からいえば低くていいはずだ、こう考える。名儀貸しをやっているということは、結局その主たる目的は、今まで税金をのがれようとしておったといわざるを得ないと思う。従って、これはそうわずか十株二十株を名帳貸しにしているということはほとんどないだろうと思う。だから、これに対して証券会社は、そういう名儀貸しをすれば相当手数料を取っていると聞いておりまするが、そういう手数料を取っているのですから、一切がっさい報告させて一向差しつかえないのじゃないか。ところが新聞なんかを見ると、いわゆる証券会社が大蔵省に運動して、五百万円以上だとか、百万円以上だとかいうことをさせるとかさせないとかいって騒いでおりますが、これは趣旨からいったら、全く一万円の限度さえ置く必要のない性質のものだ、こういわざるを得ないと思うのですが、主税局長はどのようにお考えですか。
○原政府委員 一万円との権衡問題で申しますれば、一万円というのは一銘柄について一万円ということになっております。この場合の資料をとりますのは、一人一年についてとるということになっております。従って、名儀貸しをして預けているという人がどのくらい銘柄を持っているかということも、実際問題として考えなければならないと思います。それらを考えて一万円との権衡をとるという線が一つと、先ほど申した証券界への影響を考えて、それをどの程度調整するかということになると思います。なおこの名儀貸しにつきまして、私どもそういう業界の実態をいろいろ探ってみますと、脱税というお話、確かに脱税のものは相当あると思いますけれども、そのほかにも、たとえば会社が自己株式を持てない場合に、証券会社の名儀にするというような場合、それから譲渡がありましても、名儀の書きかえをしないで、いわゆる失念株というので、証券会社の名儀になっているというようなものもあるようなわけであります。まあそれだからどうというほど、提出させる限度にすぐ響く問題ではありませんが、そういうものも、どの程度か私ども一向わかりませんが、あるわけであります。従いまして、今申しましたように、一万円との権衡をとるとすればそういうようなこと、それに証券市場の情勢を考えてどういう調整を加えるかという線で、考えて参りたいと思います。
○石村委員 主税局長はしきりに一万円との権衡というようなことをおっしゃるのですが、あの一万円以下は計算書を出さなくてもいいという命令のできている趣旨というものは、今度の分とは違うのじゃないか、こう私は想像するわけなんですが、そこであの一万円ですね、あれを設けている趣旨はどこにあるのですか。その趣旨の御説明をまず願いたいと思います。
○原政府委員 すべて税を実際に執行いたします場合に、いろいろなこまかいことまでもやるかという問題になって参ります。ほかの例でいいますと、先日も話の出ました現物給与の問題、それから雑所得につきましても、三万円以下はしいて追わないというようなことにいたしております。それらと同じような意味で、あまりこまかいものまでは追わないというようなことから、一万円という限度ができているというように考えております。
○石村委員 こまかなばかに小さなことまではほじくり出さないということは、けっこうだと思うのです。また事務もあまり煩項なことにならなくていいと思うのですが、しかし今度の名儀貸しは、全くねらいが違うということを考えなければならない。中には忘れたものもあるかもしれませんが、大部分の人が、所得税を総合してよけいかかるということをのがれるためにやっている。だからこそ、今度の計算書提出という規定が証券界に大きな影響を与えてくる、騒ぎ出すということになるのだと思う。趣旨、ねらいそのものは全くむちゃなねらいだ、こういわざるを得ません。従って、証券会社は一つ一つ報告してみたって、手数料一方で取っているわけですから、何ら差しつかえないわけですから、これは証券会社に、個人に対して一万円以下のものまでは報告させなくてもいいでしょうが、二万円以上なんというものは、一切がっさい報告させてしかるべきだと思うのです。これを今証券会社が、何百万というような限度を置こうといって大蔵省に運動していると伝えられているが、これは全くもってのほかのことだと考えざるを得ません。主税局長は証券界に及ぼす影響を考えてと、こうおっしゃるのですが、どんな影響をおそれていらっしゃるのですか。今度脱税をしなくなるということで、どんな悪影響が起るか。もちろん脱税をしておったものについては、脱税ができなくなって困るでしょうが、国民は憲法に定められた。法律によって税金を納めなければならぬということから見て、どんな影響が起るかわれわれは合点がいかない。大蔵省が心配せられるような影響というものは、脱税しておったものについて都合が悪いということはわかりますが、税法を曲げなければならぬという影響というものは、ちょっと想像できないのです。主税局長はどんな影響を考慮しなければならないとしていらっしゃるのですか、御説明願いたいと思います。
○原政府委員 まず最初の、通常の一万円は比準をとるべきケースではないというお話についてでありますが、もちろん相当大規模に預け株をして、非常に大がかりで運用する方もありましょうが、いわゆる証券民主化という線から、だんだん小さな株主層がふえております。この人たちは、買いましたらすぐ自分に名義を書きかえてやっておるというのでなくて、やはりそういうごく大衆的な人が、この制度を利用しているということもあるようであります。つまりこの制度を使っております人たちの中に、いろいろニュアンスがあるということだと私ども思います。そういたしますれば、やはりいろいろ申しましたような比準を一応とって考えるという線は持っておるべきだというように私どもは考えております。 それから第二点の、証券業界について何を心配するかということでございます。これはりくつをつけて申し上げるのは非常にむずかしいのですけれども、端的に申しますれば、実際問題として、長年の間いわば手の入らなかったところが資料として出るということになりますから、その株主のうちには、相当株を動かす人がいるだろうと思います。株の売り買いというものが相当イレギュラーに出てくるということを思います。そういう株がどの程度にありどの程度動くかというのは、非常に判断のむずかしい問題でありますが、株式市場というものは、御承知の通り人気というものが非常に支配する、そうしてちょっとしたことで非常な混乱がくるというようなことも考えられ、また過去においてもあったことでございます。われわれとしては、税だけの見地を考えますれば、もうすっぱり出してくれということを強く言いたいところでありますけれども、やはり日本の経済における証券市場の意義とウエートを考えて、そういう株がどう動くかということについてわれわれとして同心に深甚な考慮を払わなければならぬというふうに思うわけであります。
○石村委員 零細な株を持っておる人が、その名義書換をしないでそのままにしておるという例も多くあるでありましょうが、しかしそういう人はその機会にはっきりして、自分の忘れておった名義書換ができれば願ったりかなったりのことで、いいことだと思う。名義貸しの報告をせられてそういう人が困るということは全然ないはずだと私は考えます。 それからまた証券界に影響を及ぼす、株の変動が大きくなっては困る、こういうことなんですが、税金というものは株が上る下るということよりも、まだ国民全般に対しては重要な問題でございます。それを、この名義貸しを報告するためにそれを売る者ができて、株が下るからそんなことはできないなんていうことは、あまりにむちゃな考え方、こう言わざるを得ません。一時的にはあるいはそういうことが起るかもしれません。起ったって、それは直ちに正常な形に戻るにきまっております。それを大きく百万円とか五十万円とか、あるいは二百万円とかいうように制限をしてその株の変動を押えるということの方が、むしろ国民全般に及ぼす影響が大きいと思います。株の変動なんていうことは、投機をやっておる連中の損得の問題で、国民生活にはそんな関係があるわけではございません。そういうことを問題にして税法を曲げる、脱税を公認する、もしこの限度というものをちゃんときめたら、これは今まで調査が行き届かなかったから脱税をしておるのだが、やむを得なかったのだということではなくて、もうちゃんと限度を置かれたら、それだけは税法上いわば公然と認められた脱税額になってしまう、一種の免税額になってしまうと思う。そういうことをなさっては税法の維持はできないであろう。国民は税金を納める、普通働いて税金を一々納めておる者、農業をし、商業をしあるいは給与所得を取っておるそういうものは、自分の所得に対してちゃんと報告をして税金を納めておるのに対して、株のようなものを持っておる資産所得――この株の配当の資産所得は、私が申し上げるまでもなく原さんはよく御承知でしょうが、利子所得とともに配当所得は資産所得として最も担当税力の大きなものだ、こう税制調査会でも認めておることでございます。それをかなりな限度において免税を事実上公然と認めるという処置は、私は良識のあるものならとり得ないことだと思います。原さんはまだ限度を御発表になっておりませんが、そんな限度は、一万円までというくらいなら私は別に文句は申しません。しかし一万円をこえた何十万円、何百万円までは報告しなくてもいいというようなことをなさったら、日本の税法というものはめちゃくちゃになる、こう考えなければなりません。どうかこの点慎重にやっていただきたい。証券業者の株が上るとか下るとか混乱するとかいうような一時的な現象をとらえての陳情に惑わされないように、税法をあくまでも守る、資産所得として最も担税力の大きいといわれるこの配当所得が税金を免れるということのないように、きぜんたる態度でやっていただきたいと思います。 もしある程度大蔵省内において限度についてのお話し合いがあるなら、それをはっきりと正直におっしゃっていただきたい。今までにおいて、一応それを何ぼに考えられたってそれはかまいません。まだ政令が出ておるわけではありませんから、今後そういうことをこれから改めていただければけっこうであります。今までに何かそういう限度についての具体的な金額が話題に上っておるとすれば、おっしゃっていただきたいと思います。
○原政府委員 まずお話しの税の公平という見地から、この限度については相当きちんとした態度をとれということについては、私税法の立案をあずかる者として非常にありがたい気持で伺います。同時に、やはり重ねて申すようですが、先ほど申しましたもう一つのファクターは、私としてもまた大蔵省としても十分考えていかなければたりませんので、御趣旨を十分含みまして善処いたしたいと思っております。 それから具体的に今まで話があったかという点につきましては、まだ部内の相談を十分詰めておりません。従いまして、今後適当な機会に申し上げるようにいたしたいと思います。ただいまのところでは、お話しのように業界から百万円以上にしてくれという陳情が出ております。それと一方に、今申しました通常の場合には一万円という線がありますが、お話しになりましたように、本件は世間も非常に注目しておるところでありますから、一万円の意味について先ほどちょっと申しましたが、くどいようですが、もう一度申し上げておきたいと思います。と申しますのは、一万円というのは、昭和電工なら昭和電工の株の配当の払いが年に一万円以上のものは昭和電工が資料を出すわけです。本件の場合は、証券会社にいわば口座を持ってそこに株を預けておく。従いまして、多くの場合に一銘柄でなくて、何銘柄も持っておるようであります。従いまして、通常の一銘柄一万円に対応するものは、何銘柄も持っていれば何銘柄を合わして、つまりその倍数をかけるというようなセンスを加えなければならないということだろうと思います。そうなると、先ほど申したこの業界の陳情百万というのが出ており、一方に一万円と比準をとれば、その倍数によって何万円かということになり、また片一方に例の資産所得の合算の、一人百五万円以上のものを合算するということがあります。それらがいわばスターティング・ポイントになるわけで、その間どうするかということにつきましては、まだ話を具体的に詰めておりません。もう少し練りまして、適当な機会に申し上げたいと思います。お話しの御趣旨はありがたく承わりました。
○石村委員 今の一万円は、個々の銘柄についてやられておることはわかつておりますが、これは、一つは各会社がそういう小額の分まで一々出すのは煩珊だという点も私は考慮のうちに入っているのだと思います。ところが証券会社がその名義なり何なりの分という口座の中には、三つの会社なら三つの会社、十なら十の会社の分がみんな上っておるはずでございます。これを一括してやったって一向事務的には問題はないはずです。それから資産所得の五万円という限界の問題、これは一つ均衡上考えるということは言われる。これをこえてやるということは、どうしても均衡という問題はもうなくなってしまう。それ以上にするといえば、さっきおっしゃった株界に及ぼす影響という程度のことしかないはずであります。どうかそういういいかげんなことでおやりにならずに、均衡ということをお考えになるならば、資産所得の五万円でとめるという処置をとっていただきたい。ぜひそれをお願いいたします。それとこの政令をおきめになる前に、大蔵委員会にその政令の内容をお示しになっていただきたいと思います。出してしまう前に……。そしてそれが果して世間が納得するような限度であるかどうか、私は五万円に限られれば、おそらく世間は納得するだろうと思う。しかしこれをこえれば、相当問題はやかましくなってくるということもあわせ御考慮になって、政令をお出しになる前には、正式決定なさる前に、大蔵省としての暫定的な腹案でもできましたら、大蔵委員会に示して御相談をしていただきたいと思います。これがでたらめにやられたら、政令に譲っておるからといって、大蔵省の判断によってどうにでもできるのだとは、まさか考えていらっしゃらないと思います。法律は一々そうこまかく規定するわけにいかないから政令に譲っておるわけですが、それが国会の国政審議のらち外に当然置かるべきものではないはずでございますから、どうか政令をお出しになる腹案でもできましたら、大蔵委員会に諮って、大蔵委員会の審議を受けるような御処置をとっていただくことをお願いいたします。では、私はまだたくさん残ってはいますが、この辺で……。
○山本委員長 春日君、順序は奥村君になっておりますが、奥村君よろしいですか。――それでは春日一幸君。
○春日委員 ただいま株の名義貸しの問題については、税法の問題としての石村君の、主張は、私は筋が通っておると思います。けれども、私はこの株に対する課税の方式は、非常に複雑だと思うのです。あるものは証券会社において、あるものは発券会社にれいて、その他五万円以上の合算課税、いろいろ複雑で、なかなか本議案を審議する上において、全般的な全体の姿を把握することなくしては、われわれも十分審議をすることができないと考えますから、恐縮でありますが、一ぺんこの際株の配当所得に対する一切の課税の方式、これを一つ詳細に解説的に資料としてまとめていただいて、本委員会に御提出を願いたいと思います。ただこの際、私はこれを石村君とは別の角度で申し述べますが、わが国における産業資金調達の方法といたしまして、現在こういうような名義貸しによるところの民間資金、大衆資金が相当産業資金に吸い寄せられておる。すなわち税金が課せられていない、脱税ができるということが大きな一つの魅力ではなかったかと存ずるわけであります。しかるところ、今回この法が改正されんとするにあたりまして、そういう魅力がなくなることによって、証券市場の問題として、大衆的な産業資金が相当他に転用をされていくというような心配は全然なきにしもあらずと考えるわけであります。税金の問題もさることながら、この名義貸しの問題は、財産隠匿の手段としても相当大きな実際的な効果を及ぼして参っておると思うのであります。銀行に匿名預金をしておきますれば、商業関係でありまする限り、いわゆる税務署の現地検査、こういうものを行使されて、ことごとく露見してしまう。しかし預金にかわる株券ということになれば、そういうような場合でも完全に安全地帯に置かれる、こういうようなことで、いわゆる大衆資金が脱税、税金がかからない、かつは財産が完全に隠匿できるという、法律並びに法律の精神に違反した形で、証券市場に動員されておったというこの事実は、やはりその実績として大いに考慮を払う必要がある問題であろうと考えるわけであります。従いまして、産業資金というものはどうしても必要でありますから、その必要な資金を調達することのための措置は、やはり別個の問題として考えられなければならぬ。しかしながら、その事柄が法律に違反する形である、あるいは法律を無視するやり方である、あるいは税法上のアンバランス、そういう形でこの証券市場における大衆資金確保の方途が講ぜらるべきではない。今回石村君が主張するような精神によって、そういう方面の暗がりに光が差し込む、こういう形になりますれば、それによってそのマイナスになるところの証券市場に対する大衆資金動員の方策というものは、あなたの所管ではありませんけれども、これは当然大蔵省全体として、やはり証券行政の立場から別途の考察が加えられてしかるべきであると思うのであります。これは、私どもの党においてもいまだ決定はいたしておりませんけれども、しかしながら大衆をして証券に魅力を感ぜしめるための方策というものは、この法律に違反したり、税法のアンバランスをそのままに捨てておいたり、財産の隠匿手段をそのまま見のがしておいたり、そういうような不公正な、あるいはまた法律に違反したやり力ではなく、これは公正に他の方策を講ずることによって十分補い得る事柄で、あろうと思うのであります。その方式が何であるかということは、これは主税局長においても十分想像のつく問題であろうと考えられますので、この問垣については、さらに大蔵省全体として、別途の検討あらんことを強く要望いたしておきます。 そこで、私はこの際関連質問といたしまして、特にこの際お尋ねしておきたいと存じますることは、あなたは零細所得については、いうならば重箱のすみをようじでつつくようなやり方けしたくない、そんなものまであまりに完全に捕捉するようなやり方は国民生活を脅かしたり、徴税行政を繁雑にしたり、また現段階においては、その他においても多くの所得がなお見のが代れておるような実態にもかんがみて、それはあまりやらない方がいい、こういうことを石村君の質問に対して御答弁になりましたが、その御方針は主税局長間違いありませんか。一ぺんその問題について、あなたの所信をお伺いしたいと思います。
○原政府委員 最初にお話しのことは、大へん含蓄の深いお話でございますが、これは承わっておきまして、またよく私どもも研究をいたします。 後段のお尋ねでありますが、株の資料を二万円以上のものについてだけとるというのは、要するに仕事を簡素化し、あまりこまかいものまでとらないということであります。
○春日委員 全く同感でありまして、あまりこまかいところまで、まるで鉄くずを磁石で探し集めるようなやり力は、私はなさらない方がいいと思う。やり方によりましては苛斂誅求になりましょうし、国民生活を脅かすことになります。 そこで、渡邊国税庁長官もおられますが、折しもちょうど三月十五日の確定申告に際会いたしまして、今大きな問題となっておりますものに、赤電話の所得に関する国税庁の通達というものが最近発せられております。これは、私は零細業者にとって本年度において特に新しく露呈された問題であろうと思います。この赤電話の所得をいかに処理するか。国税庁長官にお伺いをいたしますが、この問題について特に何らかの通達、指令を発せられたようなことがありますか、ありませんか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○渡邊政府委員 赤電話の手数料だけについて特に指令を出した、少くとも私の名で指令を出した記憶は実はございません。
○春日委員 そういたしますと、この問題は、あるいは地方局の自主的な裁量によるものかもしれませんが、私たちが調査、また見聞いたしました範囲によりますと、実は本年度の白紙中申告――青色申告との他においては収支か明らかに相なるでありましょうが、白紙申告におきましては、特に赤電話の所得について、これを加えて申告せしむべし、そういう通速が国税局長かり各税務署長に発せられて、そういう方向へ執行が進められておる様子であります、そこで、私は国税庁長官にお伺いをいたしたいのでありますが、この赤電話というものは、何といっても町で大衆の便利のために、設置場所においてはサービスの気持で設置いたしております。なるほど電話局の原価は七円で、お客からもらうのは十円でありまして、そこに差金の三円というものが生じては参るのでありますけれども、しかしながらこれらの業者のいうところを聞きますと、一たんかければ、必ず電話局にその度数がレジスターされて、間違いなく記録されていく。ところが一方、十円なる料金の徴収に当りましては、たとえば喫茶店であれば、お茶を飲みながらちょっと用事を思い立って電話をかけて、そのまま料金がもらえなくて済んでしまう。あるいはまた三回も通話をかけて一通話分しか払っていかない人もある。(発言する者あり)今そこでばかげたことを言っておりますが、なるほど十円入れなければダイヤルを回せないのもあります。けれども、そういうのもあるし、そうでないのもある。全国的にこれを通計いたしますと、実にこの料金のもらい得ない、忘れる、あるいは偽わって度数を少く払っていくという人々が相当数多くありまして、三円かけるその度数ということでその所得というものが出てこない、業者が先般もいろいろとその実態の資料を出し合って検討したそうであります。ある駅のターミナルのデパートで、赤電話が五つあるのだそうでありますが、そこは会社でありますから、独立計算でいろいろと収支を試算したそうでありますが、一年間に二十七万円の損失になっておるそうであります。これはそのデパートが専任の係を置いて、その赤電話五つによるところの収支決算を一年間正確にやってみた結果、これは三円の利益があるどころか、やはり何回かの偽わりがあったり、あるいはお客さんが忘れたり何かして、結局これはもうかっていない。これは大衆の便利をはかるためのサービスがより多く重点的なものであって、三円の利益というものはそれには考えられていないのだ。大体実態はそれでありまするし、さらに一年間の総計をずっとかけてみても、東京、大阪、名古屋その他大都市なんかにおきましても、大体一日に三十通話か四十通話くらいある。これに三百六十五日をかけてみましても、その所得は、正確にとれたといたしましても、ただいま原さんが御答弁になりましたような大体一万円以下なんですよ。それで、私はこの際特に要望申し上げたいのでありますが、都心における赤電話は、みなそれぞれ組合を結成いたしまして、郵政省にもいろいろと連絡をして、大衆の便利をはかることのために協力をしておる状態でありますが、今回徴税当局からのそういうような通達といいますか、意志表示によりまして、大へん脅かされておる。こんなものがあるために特別な税金を吹っかけられるという形になるなら、実際的に、これはそれを契機としてとほうもない税金を吹っかけられる形になるから、これはいっそやめちまおうじゃないかというような強い意見もだいぶん出ておるようであります。でありますから、一つ国税庁長官、この際零細所得はあまりこまごまと手きびしく、えげつなく取らない方がいいという税制当局の御意見等もありますし、あなた自体のお考えも――大体あなたものんびりした方で、そうえげつないことをみずからされるわけはないと思いますが、この際、特に赤電話の問題については、本年度において特別にそういうような措置をとらなくてもいいように、今石村君の質問に答えられた主税局長の御答弁にもありまする通り、零細所得なんかは、そんなにえげつなくやらない方がいいという御方針等もありますので、今各地において、赤電話のことについての徴税攻勢が当該業者たちを脅かしている実態にもかんがみまして、この際適切な通達を行われるの意思はないか、この問題についてお伺いしたい存じます。そこでもしあくまでもこれを捕捉されるということなら、私は造船疑獄、それから保全経済会疑獄その他の問題について、とにかく税金が課税されたかされなかったかという問題について、ここに資料をたくさん持ってきておるから、その問題もあわせてお伺いしたい。(「それはまた別だ」と呼ぶ者あり)いや、その答弁のいかんにかかわらずやりますが、片手落ちのないように御答弁を願いたいと思います。
○渡邊政府委員 赤電話の問題につきまして、一応税法からいえば、所得があればやはり一つの課税所得に当然なるべきものじゃないかというふうに思っております。春日一幸委員がおっしゃるように、その場合に、赤字が出ればもちろん所得にならないわけですが、赤電話でもわれわれ普通に見ますものは、御承知のように、まず金を入れないと局番が出ない。従って、そういう場合に金を取りそこねるのは、私にはちょっとよくわかりませんが、しかし春日委員のお話ですと、そういうものばかりもないというお話でございます。実情をよく調べて見まして、それに合うような措置をとって参りたい、かように考えます。
○春日委員 お金を入れなければダイヤルが回せないものもありますし、またそうでないのがたくさんあります。そういうのは、そういう新しい機械を特に購入して、そこに装置しておるものに限られておるのでありまして、全体から見ますれば、それは大したものではない。なお機械のことでありますから、これは一〇〇%正確というわけに参らぬ、そういうわけでありまして、物事の理解は、そういうようなへ理屈でむずかしいことを言わないで、零細所得である、しかも相手は白紙申告の諸君である、だから、これは取れたか取れなかったかは、記録に残りません。所得があるところに課税するということは徴税行政の本義で、論議の余地はございませんけれども、これらの業者が訴えておるのは、法人だとか青色申告なんかは、収支の決算はおのずから明確だから論議がないのです。しかし白紙では、お金をいただいたかいただいてなかったかは、その分についての経理が明確でない。彼らの長年のこれを取り扱ったところの結果によると、結局くだびれもうけになっておるのか、ただ単にサービスみたいになっておるのか、損失になっているのかてんでわからない。こういうような状況下において、国税庁が電話局の度数を調べて、それに三円かけて白紙申告の諸君に課税しようとしておるところに、この大きな問題が発生いたしておるのであります。でありますから、この問題は、零細所得者にことさらにそれほどの追求をしなければ国の台所がまかなえないというような状況にないのです。わが国の財政は、税の自然増収一千億、来年度は二千億といっているようなときに、わずかなことをおやりにならないで、一方においては証券関係における配当所においても、造船疑獄、保全経済会疑獄、その他いろいうな贈収賄に対する課税の問題に対しても、なかなか手が回っていない。回っていないときに、そんな方にものすごく手を回さなくても、物事には緩急先後の序列というものがある。だから大きいやつから、またやれるやつからやっていって、そうして業者の収支が実際明確ならざるところの赤電話の所得に対しては、本年度においてことさらに特別の措置を講ぜざるよう、この際国税庁長官が何らかの適切な意思表示をなさる必要があると思うが、一つ御再考、御答弁願いたい。(「言いばなしにしておけ」と呼ぶ者あり)それでは、この問題は当然国税庁長官においてさらに深甚なる、かつ含蓄豊かな御措置があるべきものと期待いたしまして、かつはこのような関係業者の要望等もいずれ国税庁長官並びに本委員会にも提出されることが予想されますので、そのときにおいて、さらに国会と政府側とにおいて適切な措置のありますることを期待いたしまして、本日この問題についての御答弁は求めません。 なお佐藤榮作君、鳩山一郎君、俣野君、西郷吉之助その他十数名の諸君が、三十数億にまたがりまして政治資金規正法によらずして政治献金されましたその所得に対する課税の問題につきましても、これは理事会においてさらにその状況を確かめまして、後日委員会の問題とすることにいたしまして、私の質問はこれをもって打ち切ります。
○石村委員 さっきの問題をごく簡単に少しお尋ねいたします。一万円までは報告しなくてもいいということは、小さな所得までほじくらないということだというのですが、小さな所得までほじくらないということは、私も賛成ですが、株について一万円というのは、こはれちょっと性質が違ってくるのじゃないかと思う。普通の所得のある人が一万円でも株の配当があれば、これを報告して配当控除を受け、また源泉で現在租税特別措置法で一〇%に下げられておりますが、それを清算して、もとに戻してもらう方がはるかに有利になるはずでございます。一万円足らずのものでも、報告した方が、一般の所得者はその方が有利な計算になると思います。たとえば勤労所得の三十万円の者は、今度の改正法で所得税は二千二百七十三円になりますが、この人がもし別に配当所得を取っておると、その所得金額によっては二千三百七十三円の所得税そのものも納めなくていいことになります。私の計算によります。私の計算によりますと、その限度は六十三万六千三百五十円までの配当所得を取れば、三十万円としての給与所得の、所得税額二千二百七十三円を納めなくていいことになります。六十八万一千八百十円までもらうと、これは初めて所得税の三十万円だけのものと同じ二千二百七十三円を納めなければならぬ、こういうことになります。従ってこれ以下のものは、一万でも五千円でも税務署に報告して配当控除を受け、源泉で取られた一〇%を清算してもらった方が有利のはずでございます。また勤労所得の五十万円の者にいたしましても、これは二万五千七百三十円という所得税を納めなければなりませんが、この人が配当が別に一万円あれば、その配当を含めた税金を計算してみると、二万五千二百三十円で、配当のない人よりも五百円税額が少くなり、源泉の一〇%も戻してもらえる、こういうことになります。また勤労の六十万円にやってみますと、これは四万三千四十四円という所得税ですが、これが配当の二十二万二百八十円まではやはり同様の四万三千四十四円で、源泉の一〇%が清算して戻してもらえるから有利だということ、七十万円においては十三万五千百六十円、八十万では四万二千二百円、こういうふうに相当の給与所得者でも、零細な配当所得は報告して配当控除を受け、源泉の一〇%を清算してもらう方が有利なわけでございます。一万円以下の零細なものの税金はほじくり出さないということは一般的にはけっこうですが、配当所得に限っては、むしろ納税者が自分でほじくり出して報告して、配当控除を受け、源泉徴収された一〇%を清算してもらった方が有利だ、このことも、一万円に限度を置いたということの性質をかなり私は暗示しておると思います。どうかこの点もよくお考えになっておいてもらいたい。とかくこの関係は誤解されております。一昨年でしたか、二五%を三〇%控除に上げたとき、あれは議員提案であったと思いますが、野田さんかだれかが説明されまして、今度は五千円を一万円に上げました、そして零細な配当所得者のためにやりました、こういう答弁をされたので、私がその席で今のような事実をあげて、これは逆だと言って、たしか質問したという記憶を持っておりますが、一万円控除というものの性質は、事業会社がそんな零細な株式配当まで報告する煩瑣にたえないというところからきておると私は判断しております。主税局長は、さっきの名義貸しの報告限度について、やはりこの性質もお考え願いたいと思います。 それからもう一つ申し上げておきますが、さっき冒頭に委員長に資料の要求のことを申し上げたら、出しておるということで、ただいまちょうだいいたしましたが、これを見ますと、大蔵省が提出された物品税の資料は、ただどの物品で幾らというだけで、池田大蔵大臣の、この物品のうちのどれがぜいたく品であるという判断は何も書いてありません。これは何も大蔵大臣が直接作業を監督しなくたって、主税局で当然できてくることです。私が要求したのは、一々そのうちのぜいたく品を分類して、この通り物品税の大部分はぜいたく品だと判断しておるという大蔵大臣の判断の資料を求めたのです。どうかそのようにして、大蔵大臣と相談せられて、そうした判断を織り込んだ資料を出していただきたい。それでなければ、私の求めた資料になりません。これは大蔵大臣の責任であります。私は大蔵大臣に要求したい。大蔵大臣監督のもとにやっていただきたい。一般的に、大蔵大臣が主税局長なんかを監督していらっしゃるということは、つけ加える必要はないのですが、大蔵大臣のぜいたく品という判断を知りたいために私は申し上げたのです。それがなければ、私の資料要求の答えにはなりません。どうか主税局長は、大蔵大臣に持っていって、この中でどういうように分類して、この品物の中でもどれがぜいたく品だ、中にはぜいたく品もあればぜいたくでないという名目の品物もあるでしょう。その中を分類して、この程度のものは池田大蔵大臣はぜいたく品と判断したのだ、その総計が百七十何億の中で八〇%を占めておるのだ、あるいは九〇%を占めておるのだ、あるいは九九%を占めておるとかいう数字をはっきり出していただかなければ、私の要求申し上げた資料にはなりません。本会議で大蔵大臣が、物品税というものはぜいたく品を主として考えておるのだ、こう言っておる。またこの委員会で再び聞いたのに対して、さらにそのことを確認して最後におっしゃっておる。このことに対する、私に対する答弁にはならないわけでございます。どうか主税局長は、さっそくやっていただくようにお願いいたします。今度の所得税法、法人税法、あるいは租税特別措置法を考える上において重要な資料だと私は考えるので、早急に出していただくことをお願いいたします。
○原政府委員 この資料の問題でありますが、ぜいたく品ということでこれを分類しろという御要求ですが、それはこういうふうにお読み願いたいと思います。この物品税の課税品目、この資料の一枚目からだんだん並べてございますが、税率の区分によって並べてある。税の高いものからだんだん並べてあります。それぞれの課税物品のぜいたくと申しますか、別な言葉でいえば、それから担税力を推知するという意味で、どの程度担税力があるかというウエートが現在の種別あるいは級別の刻みになっておるわけであります。従いまして、すべてぜいたく度の非常に強いものから少いものへと、別な言葉でいえば、担税力の多いものから少いものへと並んでおるわけであります。もちろんいろんな沿革もあり、その間にいろいろ御議論もあると思いますが、大体そういうことで並んでおるわけでありますから、大臣の発言されました趣旨も、ぜいたくという言葉を使いまするか、あるいは奢侈性といいまするか、あるいは担税力が強いといいまするか、その辺の意味と御解釈願って、そうしてそれらにニュアンスがあって、ニュアンスの順に大体並んでいる、ただしそれにはいろいろ御議論がありましょうというふうにお読みいただきたいと思います。どれだけがぜいたく品で、それ以外はぜいたく品でないというような、はっきり区分けのつくものでなくて’こまかいニュアンスのある問題でありますから、この資料でそれをお読みいただきたいというふうに思って提出した次第であります。
○石村委員 大蔵大臣は、ぜいたく品を主として課税しておる、こういう御答弁なんですよ。大蔵大臣は、この物品税の中で大部分はぜいたく品だと判断しておる、その判断があるわけなんです。ぜいたく品か何かわからないが、とにかく取っておるのだというんなら、私はそんな資料の提出は求めません、大蔵大臣は、この中でぜいたく品という、大蔵大臣の主観にすぎないかもしれませんが、少くともそういう判断をしていらっしゃる、それを示してもらいたい、こう言っておるのです。何も主税局長、あなたにぜいたく品の判断、あなたの主観を求めておるのではございません。大蔵大臣がぜいたく品を主としておる、こういう御答弁ですから、大臣の主観に基いてこの物品税の中でどれがぜいたく品であると考えていらっしゃるか、そうしてその金額は幾らになるのかということを聞いておる。あなたに聞いておるわけじゃありません。大蔵大臣が、そんなものはわけがわからぬのだ、ただ物品税は取りやすいから、戦時中に取ったのが今に残っておるのだという答弁なら、私は何もそんなことは要りません。しかし大蔵大臣が、現在物品税を残す理由として、ぜいたく品に主としてかけておるのだ、こういう御答弁なんです。大蔵大臣は、この中のどれがぜいたく品だという、大蔵大臣の主観としてのぜいたく品というものがあるはずです。なければそういう答弁はできないはずです。それを私は求めておる。なるほど一番税額の高いのが、だれが見ても一応ぜいたく品といわれるかもしれません。しかしその税額は、ほんのわずかでございます。わずか三億八千四百万円、これをもって、物品税は主としてぜいたく品から取っておるのだという答弁にはならないと思う。大蔵大臣の主観による算出によって、全部の八〇%とか九〇%のものにならなければ、私は大蔵大臣の答弁を訂正してもらわなければならぬ、こう考えております。これは、私は主税局長に言っておるのではないのです。何も原さんの責任じゃないのです。大蔵大臣のところに持っていって、この中でどれをチェックしてぜいたく品のまるをつけましょうか、この中のものでさらに何%ぐらいのどんなものがぜいたく品だ、まあ写真機をかりにぜいたく品とすれば、ニコンやキャノンはぜいたく品だ、リコーフレックスはぜいたく品じゃない、これは大蔵大臣の主観にちゃんとあるはずですから、それを示してもらいたい、こう言っておるのです。大蔵大臣がそうおっしゃったからこそ言うので、言わなければ何もそんなことを聞きはしない、これはしょうがないですよ。あなたもそんな気がすることなしに、大蔵大臣のところに持っていってやって下さい。私はあなたを責めは全然いたしません。大蔵大臣を責める。大蔵大臣に提出を求めたものであります。しかし大蔵大臣が一々そろばんをはじくわけにはいかぬでしょうから、大蔵大臣が主税局長と相た談せられて、さらに事務の方にそろばんをはじかせてやってもらいたい、こう言っておるのです。主税局長が何とかかんとか私に答弁せられる必要はございません。
○山本委員長 石村君に申し上げますが、もう一度委員長の方で善処方を強く要望して、さらに普処いたすつもりですから、その程度でとめていただきたい。 なお、この際午前中の質疑はこの程度で打ち切りたいと思います。 ―――――――――――――
○山本委員長 そこで一つお諮りを申し上げたいのですが、実は二十四国会より継続審査になっております春日一幸君外十二名提出の、物品税法を廃止する法律案及び酒税法の一部を改正する法律案の両法律案につきましては、提案者全部より撤回したいとの申し出がございますから、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ないものと認めます。よって両法案は撤回を許可するに決しました。 それでは一時間休憩いたしまして、午後続行いたします。 暫時休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ――――◇――――― 午後二時二十三分開議
○山本委員長 それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。 横山委員より発言を求められておりますから、これを許します。横山利秋君。
○横山委員 税法について、引き続いて質問をいたしたいと思います。 この間の人格なき社団についての結論は出ましたか、それをまず簡単にお伺いいたします。
○原政府委員 ただいま用意いたしまして、資料として提出するように部内の手続を進めております。間もなくできます。
○横山委員 私は、特に要望しておきたいのでありますが、先般いろいろとあなたと質疑応答を重ねた結果、主税局でお作りになるときに非常に問題がある、むずかしかろうと考えるわけです。今無理につじつまを合せて問題を多くすることが、果して妥当であろうかどうかということも考えるわけであります。従って、御勘案されるときには、一つ長い目で見て、あまり拙速主義でかえって妙な、つじつまが合わないものを考えるよりも長い目で見て考える。たとえば一つの私の案でありますが、どうしても一応出したもので、この所得税法附帯の法案でありますから、これを抜くわけにもいかぬということでもありますならば、ほかの法案にも例があるようでありますが、施行期日をこれだけ少しおくらせるようなことは考えられないのか。あなたにそういうことを言うのは無理でありますが、一つ与党の方でもそういうようなことも考えて、一ぺん慎重にこの問題を検討する必要がありはしないかと私は思うのです。本来この法案については、先般も申しましたように、人格なき社団についての定義がまだきまっておりません。商法、民法等を見ましても、それぞれの角度でとらえている芦けであって、完全な定義はない。幽霊のようなものである。現存はしておりますけれども、法律上の定義がないのであります。その定義を、税法の面で形づくってしまおうとするところに多少無理があるのではないかと思います。従って、これを今あなたの御見解を求めようとはいたしませんが、どうしてもこれをここだけ抜くというわけにもいかぬということであれば、私はそれを主張したいのです。これだけ施行期日をしばらく延ばして、そしてその間にさらに基礎法の研究なり確定を待ってからにした方がいいのではないかという感じがいたします。政令をお作りになる場合にも、よくこの点に触れて御勘案を願いたい、こう希望しておきます。 きょうの私の質問は、世帯の合算制度であります。今回夫と妻、あるいは父母または子、祖父母またはその孫という点について、二百万円以上は世帯の所得を合算して税金を徴収するというのでありますが、時間もありませんから、簡単にあなたに御答弁をいたかきたいのは、この提案の趣旨というものは一体那辺にあるか。伝うるところによれば、脱税防止ということに尽きているようでありますが、それはそういうことでありますか。まずお答えを願いたい。
○原政府委員 資産所得に対する課税を担税力にマッチしたものとするように改正したいというのが、お願いいたしている趣旨であります。その担税力にマッチしたという意味は、一つには、ただいまお話しの、資産を世帯員に分割することによりまして、担税力に合わなくなるということが一つございます。それから夫婦の間におきましては、そういう分割の場合だけでなく、やはり一体としてかけた方がよろしいという面がございます。この第一の分をにわかに脱税とはかり言い切れるかどうかの問題でありますが、要するに今回御提案しておりますような夫婦、それから独立してない子供という間においては、一体として税額を計算して、そしてそれぞれにまた分けるという形の方が、租税力によりよく合うということからお願いをいたしておるわけであります。
○横山委員 本来夫の持ち物でありながら、それを税金を軽減するために妻の名義にしておる、従ってその人たちは担税力があるんだ、それを脱税に使ふれ露それがあるからこれを選して、そういう担税力のあるところには世帯を合算する、こういうように私には受け取れる。しっかりとするならば、現在の実質課税の原則によって、これは追及ができないものであり、どうしてもここにこれを作らなければならぬものであるかどうか、三条の二項によってこれが解決をし得ないゆえんを一つ聞かしていただきたい。
○原政府委員 実質課税の原則がやはりここにも働くわけであります。従いまして、名義を子供のものといたしましても、その収益を父が自由にしている、また子供のものになったものを随時売りかえ、買いかえるというようなことをやるような場合、実質的に父のものであるということで、実質課税の原則が働くわけでありますが、それだけで、ただいま申しました担税力に合う課税ができるかどうかということになると、それは非常にむずかしいと思います。やはり一応表顕的に名義が移りますれば、さらにそれが実質的に父のものであるということを証明いたすのは非常に煩瑣でありますし、実際にそれはむずかしい。先ほど申しましたような範囲のグループにおいては、合算して課税するということができるという規定をもう一本別に置いていただきたいというふうに思うわけであります。
○横山委員 あなたの言っておることは、二つの意味があります。一つは、名実ともに夫のもの、であるけれども、脱税のために妻のものにしている、従ってこれは世帯を合算するのが実質課税の原則に沿うことである、そういう判定をするのはむずかしいから一緒に合せてしまうのだ、こういう論理が一つです。それからもう一つ、この世帯合算の意味というものは、名実ともに妻のものであっても、ほんとうに妻が独立して事業をやっておっても夫のものだとみなすという実質税以上の問題がもう一つあるわけです。私がまず第一に問題にしたいのは、今日の課税というものは、個人課税の戸則に立っておるわけでありますが、名実ともに妻のものであり、名実ともに子供のものであり、孫のものであるものを、親のものだ、祖父のものだというふうにしてやってしまうということは、これは利税の個人課税の原則に反するのではないか。実質課税の原則にも反するの、ではないか、そうだとしたなら、は、実質課税の大原則というものは、ここで修正をされなければならぬのではないか。これはもう実質課税の原則の適用除外としてあるのかどうかということをお伺いいたします。
○原政府委員 ただいま御指摘の点は、所得税法における非常に大きな問題点であります。つまり個人課税の原則といわれたものであります。りこれは各国においても、どういう仕組みをとるかということについていろいろ苦心をしているところであり、日本においても、昔からいろいろな沿革があり、現行法においても、ただいまお話しのように、個人課税の原則をはっきりとり切っているとは言えないような状態になっております。たとえば所得税法の十一条の二というので、事業所得は、同一の中業から生計を一にする者が受けるものは一緒に見るというふうな規定もありますし、かつてシャウプ税制のもとにおきましても、資産所得、それから扶養親族の所得というものは合算する、その前は、広く生計を一にする親族の所得は合算するということでありました。この問題は、私ども今現行の税法がはっきりと個人課税に割り切っているというふうには思っておりません、そうしてそれを割り切るべきかどうか、どういうところに結論を持っていくかといいますか、どういう制度を将来の制度として描くかという問題は、非常に重要な問題であり、かつ非常に難解な問題だと思っております、従いまして、私どもここで資産所得の合算の一つのファクターとして、お話しの通り夫婦の間では、何も夫が妻に分けたというのではなくても、合員算するということをお願いしておりますところには、必ずしも資産の分割という面でない考え方が入っているのは確かでありますが、先ほど申しましたように、この種の所得にあっては夫婦、それから独立しない子の分は、一緒に担税力を測定してかけるという方がよりよろしいという考え方に立っているものでありまして、これを一般論として、個人課税にするか、あるいは世帯課税にするかという問題で解決するということになりますと、いろいろ他にも問題が出て参るわけでありますが、今回は一般論についてどうという結論はまだなかなかむずかしくて出し切れませんので、この点についてだけお願いするというふうに考えておる次第でございます。
○横山委員 簡単に御答弁願いたいのでありますが、あれやこれや出してきますと、議論が横へはずれる。あなたは、理論の問題はこの際別にしてというような意見のようでありますが、そうはいかないと私は思うのであります。少くとも実質課税の原則があって、そうしてそれで追及は多少困難であっても、論理上は可能な問題である。それを飛び越えて、たとえ名実とも妻のものであっても、子のものであっても、孫のものであっても、あるいは父や母やおじいさんとやおばあさんのものとみなすということは、これは明らかに個人課税の原則に反しておるではないかということが言える。 それからもう一つは、少くともこの問題は、資産所得とその他の所得の場合には、二百万円以上は合算する、それから二百万円以下は合算しない、こういうことになるわけですね。どんな条件であろうと合算しないということになる、ところが一方において、事業所得と事業所得、給与所得と事業所得等の資産以外の所得を妻や夫が持っておる場合には、二百万円以下の場合は実質課税の原則が適用されて合算をされるが、資産所得と事業所得の場合には二百万円以下は無条件で合算されないということになる。その矛盾は一体どういうことになるのでしょうか。株の配当や土地、不動産のようなものを持っている人は、二百万円以下は合算されない。けれども、夫婦共かせぎで働くような額に汗する事業所御、農業所得、勤労所得等については、二百万円以下は実質課税の原則が働いて、それに適合すればというわけですが、実は私はたくさん例を持っているのであります。方々でこの実質課税の原則というわけで、合算という意味と同じかどうか知りませんが、とにかく一緒のものだ、おとっつぁんのものだということで追い込められておる事実を、私は三十数件持っているわけです。その矛盾をこの法律はどういうように解明をするのか伺いたい、
○原政府委員 ます資産所得の合算は実質課税でいけるじゃないかということについてでありますが、先ほども申しました通り、実質課税がもちろん働くのでありますが、それは執行上なかなかむずかしい問題が多いわけであります。反面、資産所得につきましては、お願いしておりますようなグループの中では、一括して担税力を測定するという方がよろしいということで、主たる所得者に集めまして累進税率を適用するということをいたしたいと思うわけであります、 それから第二点の問題は、資産所得につきましても、ただいま申しました実質課税の原則が働くというのは、何も二百万を境にしての問題ではないと私どもは考えております。下までそうでありますから、従って他の所得種類の場合とその点は別段の差異はないというふうに考えております。
○横山委員 おかしい。私の言うこととあなたの言うこととベースが違うようであります。二百万円以下の場合を今論じようとしている、夫が事業所得、妻が資産所得という場合には、この法律案を裏から見ると、二百万円以下は、たとえどうであろうと合算をししない。二百万円以上は無条件で合算をしてしまうけれども、二百万円以下は合算しない、こう書いてある。これは間違いないですね。しところが、それは資産所得と事業所得ないしは給与所得の場合です。今度は資産でなく、妻と夫が事業所得と給与所得、あるいは農事業所得と給与所得等の場合、二百万以下の場合は所得税法の三条の二項、実質課税の原則が上も下も働いて、その人たちは合算をされるではないか。資産所得の場合には合算が全然されないが、こちらの方は合算されるではないか、もちろんその場合には、あなたの方の言い分によれば、いや、それは実質的に研究をしてみるとどうも夫のものだ、夫のものだから合算するのは当りまえです、こうおっしゃるかもしれないけれども、一方この法律案の方は、たといどうであろうと合算をしないという立場に立っているではないか、その矛盾はどうなるか、こう言っておるのです。
○原政府委員 まず実質保税の原則によって、たとえば農業所得と事業所得を一緒にするという場合は、一緒にするといって、それは別なものを一緒にするというのじゃないのです。たとえば主人が事業をやっている、そしてうちでは農業をやっている、実質課税でそれを主人の所得とするという場合は、両方とも主人の所得であるということです。それが事実だからそれで課税をする。ここでは二以上の人に属する所得を合せるというのじゃないのです。一人の人の所得に、事業所得あり、資産所得あり、あるいは他の所得ありということです。それはただいま申した資産所得についても、実質課税の原則が妥当するということを申した場合も同様で、たとえば二百万円でなくて、百万円のクラスでありましても、子供が持っている配当を、先ほど申しましたような意味で、それは実質上父のものだという場合には父のものなんです。子供のものなんだが、持っていくというのじゃないのです。今回お願いしているのは、そういう実質上の問題は別として、特定の世帯員のグループの中においては、一応所得が分れておるという場合においても、それを、主たる所得者に集めて累進税率を計算し、その税額をそれぞれの所得に応じて分けて、それぞれの人にかけるということなんであります。ですから、実質課税の原則で一人の人の所得としてかけるということと、この資産所得の合算課税ということとは、相当仕組みが違うというふうに考えております、
○横山委員 仕組みが違うというのはわかっておるのですけれども、あなたは、税金を出す方の立場に立って考えてごらんなさいり実質課税の原則であろうと、世帯合算の原則であろうと、どちらにしても、これが適用されれば税金はたくさん出すのですよ、出す方の損得の立場を考えてやらなければいかぬというのです。二百万円以下の資産所得の関係の人は、この十三ページにあるように、第一項の規定は全然適用をしない、だから合算はしない、こういうふうになっているじゃありませんか。そうでしょう。それで片一方の額に汗して働いている人たちは――たとえば例をあげましょう。おっかさんがたんぼをやっている、子供は工場に行っている、この問題がこのごろ非常に多いのです、あらゆる郡部地帯で、税務署がいうておるのはそのことです。おとっつぁんがいないで、おっかさんだけだ、それで子供は工場に行っている。それでも工場は明らかに実質課税の原則を適用するのです。私もあなたの方の通達をもって知っていますが、どんなに抗弁をしても、お前さんは若いけれども、一家の主人だ、ないしはおっかさんが達者だから、おっかさんのもので同じなべだといって、実質課税の原則を適用して、世帯合算を事実やっている。つい三年前まではその規定はやわらかかったが、このごろはどんどんかたくなって、おっかさんと子供でもことごとく、それはあかぬというて、結果的には世帯合算がしなされている、額に汗して働いている人たちがどんどんやられておるのに、二百万円以下の人たちは、世帯合算がなされないで、保証されることになるのではないかということを言ってるのです。そこのとこるを明確に答えてもらいたい。
○原政府委員 先ほど申しましたように、二百万以下の人であっても、実質課税の原則は、資産所得の場合にも働く。従って世帯員が資産所得を持っておりましても、それが実質上主人――主人という言葉をかりに使わせていただきますが、主人のものであるという場合には、主人の所得として課税いたします。それはちょうど今お話しのケースと相応ずるものでありまして、お母さんが耕している、子供が勤めているという場合まで、実質課税の原則が所得を一本にするということにしているかどうか、私どもとしては、その所得がだれに帰属するかということをいろいろな基準を設け、率直に見て課税をしているつもりであります。ただいまおあげになった例のようた場合には、よほど特殊な事情がなければ、一緒のものだとしないような場合ではなかろうか。多くの場合に、お父さんが勤めに出ておる、うちでお母さんが農業をやっておられる、しかしお父さんが休みには働かれる、また場合によっては、農繁期には休みをとって働かれる、事業についてもいろいろ差配と申しますか、管理、コントロールをしておられるというような場合について、それは父の所得だというふうにいっておりますが、その認定についてはいろいろ問題があると思いますが、私どもとしては、そのものについてそれぞれ筋を立て、率直に見て実質課税をやっておるというつもりでおります。
○横山委員 今これに二百万円以下であっても実質課税の原則は適用するとおっしゃったが、どこにそれは書いてありますか。この十三ページにあります第一項の規定は適用をしないということは、少くとも資産所得を持っておる人はこの場合においては適用しない、だから私は初めから附いたのですしこの法律案の趣旨というものは二つの意味があるだろう、実質課税の原則の上をいく、及び実質課税であいまいなものを解決する、二つの意味があるかと言ったら、そうだとおっしゃる。りての反論は、二百万円以下は実質課税の適用除外という結果になるではないか、現に十三ページはそういう意味合いにおいて、これを適用しないといっておるではないか。こう書いておって、あなたがなおかつ実質課税の原則をこれにも付合して適用するという論拠は、何条の何事に書いて、ありますか。
○原政府委員 先ほど来二度申し上げておりますように、実質課税の原則は働きます。これをこちらへ適用しないということをいうておりますのは、資産所得の合算課税をやらないということであります。それは資産所得について、実質課税の原則をあてがうのをやらぬということを含まないのであります。
○横山委員 それは形が少し違うということは知っておるのだけれども、結果的にそうなる。今の局長の御答弁は、最後のところが少しわから、なかったのです。それで妻が資産所得、夫が事業所得二百万円以下、これに限定をして話を進めるのですが、そのときは、あなたは実質課税の原則を適用するというのですか、適用しないというのですか、適用しないとするならば、どういう条文のどこの理由によって適円しないというのですか。
○原政府委員 お尋ねの二百万円以下の場合にも、実質課税の原則は働きますと言うておるのでございます。
○横山委員 その理由は何条の何によって働きますか。
○原政府委員 それは三条の二に書いてあるのが適用になります。
○横山委員 それは、この十三ページにおける二百万円以下の資産所得の第一項は適用をしないということと、どういう関係があるのですか、だから、私は一番最初に、この法案の目的は何かと聞いたのです。そうしたら、あなたは、実質課税の問題でも判定が苦しいから、すぽっとこの問題を解決する、それだから、実質課税の原則が働いても、担税能力があるから、それ以上の者もこれで解決をする、二つの意味があるとおっしゃった。その意味であるならば、二百万円を境にして、二百万円以下の人はこの条文及び内容からいうならば、実質課税の原則の適用除外になるのではないかとい反論を私はしたのです。あなたの最初の、この法案の提案理由の説明がそうでない、二つの理由ではないとおっしゃるならばまだしも、そうだとおっしゃるならば、ここでそういうふうに言葉を変えられるというのは、どうもおかしいということになるが、いかがですか。
○原政府委員 私の申し方が徹底しなかったかもしれませんが、私が冒頭に申しました趣旨は、今お尋ねに実質課税の原則が出て参りましたが、実質課税の原則はこの場合にも働きます。働きますが、資産所得については、世帯の一定の範囲のグループを一括して課税する方が、担税力によりよく見合うというふうに思いますから、そういうふうにお願いする。それと、妻と夫の場合ということをつけ加えて申したわけでありまして、実質課税の原則のかわりに、実質課税の原則を働かさないで、かわりにこれをやるということは申し上げておらないつもりであります。 なお第十一条の三の、お話の五項について、二百万円に満たない場合には第一項の規定を適用しないと申しますのは、第一項の資産所得の合算を適用しないということであって、実質課税の原則を適用しないということにはなりません。そして先ほど申し上げました通り、所得はそれぞれ別の人の所得であるが、主たる所得者に資産所得を集めて、そして累進税率を適用して、そしてそれぞれの所得者に担税力に合うようにその税額を按分してかける。従って、やはり税をかけます相手は、それぞれ別々になるのです。ただ税率計算をそういうふうにやるということです。実質課税の場合には、一人の人に所得が全部実質的に帰属するんだということで、ここでは二以上という問題がないわけであります。
○横山委員 わかりました。その次に、先ほどの論議の続きでありますが、勤労所得と勤労所得では、実質課税の原則が適用されない、これは御承知の通りであります。共働きの勤労者はいいけれども、これが片一方が事業所得でありますと常に問題になる。先ほどから言っておるように、最近非常に問題になっております、たとえば農業と勤労を取り上げてみましょう。全国各地に散在することですが、うちでお百姓やって子供が工場へ行っておる、ないしは親父が工場へ行って奥さんが農業をやっているという場合には、基本通達があって、きわめて複雑にして怪奇な制限があるわけであります。私は、この農業所得と勤労所得を考えます場合に、勤労所得同士が実質課税の原則を適用しないという格好になっておるならば、少くとも農業というものは勤労と全く同一のものではないか、自分のからだをすり減らして働くものではないか、それに、基本通達にありますように、何だかややこしいいろいろな制限をどうしてもつけなければならぬものであるか。私が調査いたしておりますのは静岡県の例でありますが、今非常に問題になっております。静岡県では、働いている勤労者とうちが農家の場合には、しらみつぶしにこの実質課税の原則を適用されて、今集中的な調査を受けておるのです。勤労所得同士が通用をしないとするならば、農業関係については、この際いま少し制限を緩和すべきではないか、こういうふうに私は確信をするのでありますが、いかがでございましょうか。
○原政府委員 この農業の所得がだれに帰属するかという判定問題については、年来非常に御議論があり、また摩擦があるということを私承知いたしております。われわれとしてはいろんな基準を設けまして、だれに帰属するかということを率直に判定しておるつもりでありますけれども、末端においてそれが誤まったり、あるいは行き過ぎがあったりというようなことがありますれば、それは常に反省して直していかなければならないと思います。本件につきましては、なお実施の方に当っております国税庁側とも十分連絡いたしまして、ただいま申しましたような、率直に見て判定に間違いがないように、これは非常にむずかしい問題で、実は年来頭を悩ましておるのでありますが、至急十分研究して、妥当な結果になりますように措置をいたしたいと思います。
○山本委員長 横山君、政務次官が出席いたしふしたから……。
○横山委員 それではすぐに締めくくります。私の今質問している例は、政務次官、実はあなたの選挙区の問題なんです。そうなるとおそらくあなた方にも話が行っていると思います。静岡県でお百姓さんと勤労者が同一家族の場合、これは静岡県ばかりではないのですが、最近特に静岡県が強いそうであります。そうして、今同僚議員からもお話がございましたが、これは委員長にお願いしたいのですが、理事会で一つ議論をしていただいて、そこで解決をいたしたいと思いますので、そのようにお取り計らいを願いたいし、それから政府におきましても、もう一ぺん一つ御検討をお願いしたいと思います。お願いをしまして、私は政務次官に質問をいたしたいと思います。 きのうきょう来の春期闘争の問題で、国民の目は大蔵省に集中をいたしております。もちろんこれは岸内閣の本質的な解決といいますか、施策を待たなければなりませんが、最初問題になりましたのは、調停案が出る前に漏れて、千二百円か千百円かといわれたころに、各新聞を飾ったものに大蔵省の見解が載りました。大蔵省は発表されざる漏れた調停案に対して数字をあげて、これはとうていできないことである、こういう数字が出たわけであります。名前は言いませんけれども、大蔵省筋として出たわけであります。かつて一萬田大蔵大臣の際に、私は本委員会において、強く大蔵省は慎重であらねばならぬ、こういうふうに申し上げたわけであります。なぜそういう、とがまた漏れたか、明らかにこれは間接的な調停委員会に対する強圧であります。労働者に対する強圧である、厳に慣しまなければいかぬし、一萬田大蔵大臣もかつて、自後さようなことは絶対しませんとおっしゃったのですが、また同じような問題が出ております。世間の伝うるところによれば、調停案が出る間に非常な政府の示唆があり、強圧があったと言っておるのです。これは事実であるかないかは議論を抜きにいたしましても、慎まなければならぬ問題であります。だれが言った言わないはともかくとして、かりに大蔵省全般にわたってかかる数字を間接的にでもあれ発表することは、私は断じて許しがたいことであると思いますが、政務次官の御意見を承わりたいと思います。
○足立政府委員 ただいまの御質問でございますが、私も新聞記事をはっきり記憶いたしておりませんが、大蔵省がそういう見解を発表したという意味の記事は、私は見かけなかったのであります。あるいは新聞記者の推測記事として、大蔵省は次のような根拠で反対の意向であるというふうな意味のことを出したかもしれませんが、それは漏れたような気がいたしますが、私の方も内部を調べてみましたけれども、さような見解を発表し得る権限のあるのは大臣一人でありまして、大臣もおっしゃったことはございませんし、事務当局も、かりに調査研究の過程におきましても、そういう内容を漏らして新聞に意見を発表したというような事実はございません。その点は御了承いただきたいと思います。
○横山委員 そういう御答弁だろうと思っていました。先般のときは、一萬田さんが語ったというようなことでございましたが、今回はどこから出たかよくわからないけれどもというようなことです。しかし新聞記者といえども、火のないところに煙を立てるようなことはいたしません。少くとも属官なりあるいはどこかに行って、どうなんだどうなんだと言って聞くでありましょう。こういうときに、自分の名を出さずに自分たちの主張を新聞に出させるというやり方はできるのであります、そういうやり方が新聞記事になって現われて、もしあなたの方の意に反したことであったとするならば、これはあらぬ疑いをかけられたとおっしゃられるならば、厳にそういうことのないようにこれから一つ徹底をしていただきたい、こういうふうに希望をいたしたいのであります。 第二番目に、大蔵省に関連をいたします印刷、造幣、及び公社ではありますが、専売の裁定が出ました。この裁定について、わが党の幹部と政府の人との会見のきのう、きょうのいきさつを聞きますと、調停はできぬ、仲裁を待ったら善処する、また補正予算を組もう、こういうふうに一首われたそうでありますが、直接大蔵省に関連をいたします造幣並びに印刷、専売の調停案について、主管省としての大蔵省としてはどういうふうな見解を持っておられるかをお伺いいたしたい。
○足立政府委員 大臣がお答えを申し上げるべきでありますが、御承知の通り、ただいま参議院の予算委員会に出席中でございまして出席ができませんので、私がかわって御答弁申し上げます。 御承知の通り、現在の調停案につきましては、いわば企業体と職員組合との話し合いだけに妥結の糸口を開くという意味のような性質のものでございますので、現業機関なり公社なり、それぞれ企業体が独自の立場で検討いたしまして、これを受諾するかどうかということを決定すべき段階にあると思います。で、千二百円引き上げの調停案でございますが、その理由及び数字的な根拠等も実は明らかにされておらないように承知いたしております。従いまして、その内容につきましてそれぞれの企業体が検討をしている段階にあるので、各企業体の考え方がまとまりましてから、政府としてはそれに対する対策を考慮しなければならぬという現在は段階にあると考えております。
○横山委員 そう言えば、そう言ってそれでしまいでありますが、世間が承知をいたしておりますのは、明らかにあの調停案は、公社側、企業体側は、わしの方には金がないから政府の御返事を聞かなければならぬ、こう言っておるのでありますし、世間もまたそう承知をしておるのであります。現におとといですか、各公社の人を集め、政府の関係大臣も会議を開かれて、その返事は、あなたの言ったような数字にも問題があるけれども、現実問題としてはできない、こういう結果に相なっておるように私は聞いておるのであります。それでは専売の関係の方にお伺いしたいのでありますが、調停案は現在の専売の経理状態からいって、これは実行可能であるかどうか、確答願いたい。
○三枝説明員 調停案の内容に盛られておりますものは、御承知の通り昭和三十二年度に関する問題、それから三十一年度の問題等を含まれておるわけでございますけれども、公社側といたしましては、いろいろその内容の実現に関しまして、検討を要する問題でありますので、目下検討中でございまして、年度内のものにつきましても、直ちに実施できるかどうかということについての最後的な検討は終っておりません。目下考慮中でございます。
○横山委員 本件は主として労働委員会においてほんとうの議論をすべきでありましょうから、私は一つ大蔵省と所管の職員の問題として簡単にお伺いをしておきますから、簡単にお答え願いたい。 今のお話では、年度内の問題については検討中、それから来年度の問題についてはできない、こういう意味ですか。
○三枝説明員 来年度の問題につきましては、来年度の予算に関連をする問題でございまして、予算の内容は政府の方で国会に提出されるわけでございますので、私どもといたしましては、その予算の内容の中に、ああいう調停案の内容を含んで盛り込んであるということは承知いたしておりませんので、結論的にはおっしゃった通りとなると思います。
○横山委員 専売の調停について、あなたのお考えは大体わかるのですが、そのお考えによって、政府へその意思を報告いたしましたか。
○三枝説明員 調停案が出されまして、その内容等につきましては、先ほど申しました通り、検討を要する問題が多く含まれておりますので、大蔵省にも連絡は十分やっております。
○横山委員 連絡を受けた大蔵省は、ほぼ想像するところによれば、調停案の受諾を公社はすべからずとは言わぬけれども、公社はしないであろうと予測をしておるらしいのであります。仲裁裁定へこれが持ち込まれることは、今や必然の問題となって参りました。仲裁裁定に対する政府の見解は、一昨日の会議で討議されましたか。
○足立政府委員 調停案がまとまりません場合には、当然仲裁委員会にかかるわけでありますが、いわゆる仲裁裁定がどのような形で行われるか、どういう内容のものであるかということは、今日想像もできないわけでありますから、従って簡単にお答えすれば、今お答えのしようがないということしかないわけでありますが、もちろん法律の精神からいたしましても、仲裁裁定が行われました場合には、あらゆる努力をいたしましてこれを尊重するように努めなければならないわけであります。そういう精神で今後善処いたしたいと考えております。
○横山委員 この調停案がどういうふうな仲裁裁定になって現われるかわからないということは、一般的な議論であります。少くとも関係者は、調停委員会の委員が仲裁委員を兼務しておるのであるから、同じ人物が全く変った裁定を出すことはあり得ないということは、これまた常識であります。従って、仲裁裁定が出る時間及び内容はほぼ想像ができるというのは、みんなが言っていることであります。従って調停案を審議される政府並びに各公社は、この調停案以降の裁定に対してどう対処すべきかということは、すぐにでも検討ができる問題だと私は確信するのでございます。 それから政務次官のおっしゃる裁定の尊重とい言葉につきましては、私は一本御注意を申し上げておきたいと思うのです。公労法ができまして以来、裁定の尊重、人事院の勧告の尊重という言葉がずいぶん行われておりますけれども、人事院勧告の尊重という言葉はあり得るのですが、裁定の尊重という言葉はあり得ないのであります。裁定というものは一種の裁判制度であります、オール・オア・ナッシングです。かつての末弘厳太郎博士は、裁定を実施するか実施しないかということであって、裁定を値引ましてこれを尊重したという言い方は、労働法上通らないと言っておるのであります。裁定の金額、時期を値引きして八〇%実施をするということは、裁定を実施したのではなくして、別の角度で給与改善をしたということになるのだと言っておるのです。私は、これは全くその通りだと思うのです。従って、裁定を実施するかいなかということが論議の問題にならなければなりません。ともあれ政府側が常識的に裁定を尊重すると言うておられる言葉の中に、私は多少の心配をいたしております。だから常識的に裁定を尊重するということを、裁定を実施するという公法上の用語にかえて、これから御答弁をされるように要望いたしたいのであります。私の言っておりますのは、単に用語の問題ではありません。内容の問題でありますが、その意味において、御答弁を願いたい。
○足立政府委員 横山委員の御指摘の点につきましてはよくお伺いいたします、申し上げるまでもなく、公共企業体等労働関係法でありますが、第三十五条に「当該裁定が実施されるように、できる限り努力しなければならない。」という規定がございます。これを常識的に私は尊重すると申し上げたのでございます。「ただし、公共企業体等の予算上文は資金上、不可能な資金の支出を内容とする裁定については、第十六条の定めるところによる。」言いかえれば、政府を拘束するものではないということになるわけでございます。従いまして、政府としても現在予算を国会に提出して御審議を願っているのでございまして、その予算との関連、あるいは企業体内部における今後の合理化等によってどれほどの資金が捻出できるか、いろいろな点を、これは公共企業体自身も検討している途上にあるという忍味の御答弁を申し上げたのであります。
○横山委員 最後に希望を申し上げておきたいのであります。法律はあなたのおっしやる通りであります。ただ現実論として私が申し上げたいのは、政府側としてはいろいろ春闘についての多くの意見もあるようであります。あるいは春闘の処分者の問題をも新聞で伝うるところによれば考えてあるようであります。ただ翻って、この専売にいたしましてもあるいはほかの企業にいたしましても、最近の給与というものは昔と違って、調停案が出てから一年たっても二年たっても実行がされないのであります。今度問題になっております本年度の問題は、まさに三十年度の調停の実施が爆発の動機になっておるのであります。これまたあなたの御答弁のように、調停が出ても裁定が出ても、それは金がなければしょうがない、これは法律に書いてある通りだということでいけば、それもまた、そうでありましょう。しかし労使の問題というものは、そういう論理ではなかなか解決しないのでありまして、法律の内容は内容といたしまして、ここに重大な問題になっております国家公務員、地方公務員、公共企業体職員の給与に際して一つ百尺竿頭一歩を伸ばして、ここに裁定が出たら、迅速にそれを実施されるよう、政府側に要望いたしたいのであります。この点について最後に政務次官の御意見をお伺いして、私の質問を打ち切ることにいたします。
○足立政府委員 専門家であらせられる横山委員と私は議論をしようなどとはゆめゆめ考えておりませんが、先ほど来申し上げております通り、今回の調停案は、一律千二百円ベース・アップという形で出されておるわけであります。この委員会の調停案を私は批判するつもりではございませんが、現在の五現業三公社における給与ベースを見ますと、相当現実にでこぼこができておるわけなのであります。しかるにかかわらず、一律の千二百円ベース・アップという点にも、実は調停案自身にも、その理由あるいは数字的根拠等が明示されておりません。私もこれを非常に不可解に感じておる一人なんであります。数字的に申し上げるまでもなく、現在の一般公務員の給与ベースと比べますと、造幣ではプラス百三十八円、印刷では千二百九十五円、林野ではプラス三十四円、アルコールではプラス五百八十一円、郵政ではプラス千四百二十一円、専売ではプラス二千三百三十六円、国鉄ではプラス千八百八円、電電ではプラス二千三百六円となっておりまして、今回給与改訂法案を国会に提案いたしておりますが、この六二%の引き上げをやりまして比べましても、なおかつ今お話しのあった専売あたりではプラス千四百六十一円、電電では千四百三十五円というのを筆頭にいたしまして、現業で林野とかアルコールとか造幣とかいうものは、実は今度の改訂が六・二%行われますと、ベースにおいてはへっこむといいますか、マイナスになるという形でございます。こういうふうにずいぶんでこぼこがあるわけでございます。従いまして一律に千二百円ベース・アップというのは、実は私ども不可解に思っておるわけでございまして、そういう点については、各企業体とも私どもが感ずる以上に敏感に感じておるでありましょうし、また企業体内部における経理上の問題もございますが、ただいま申し上げた通り、本年度の予算というような点もございますので、これを彼此勘案しまして、慎重に検討いたしているわけでございますから、私どももなるべくこの法律に示されておりますように、給与体系をこの際合理化するということにつきましては、善処しなければならぬと思っておるわけでございますから、私が尊重と申し上げるのも、いわゆるおざなりの意味の尊重という意味ではございませんので、十分内容とかみ分けて合理化に一歩進みたいという考え方であるということは、責任を持って御答弁できると思うのであります。
○横山委員 政務次官はどういうつもりでそれを言われたのか知りませんけれども、とにかく聞きたいのは、幾らというのは、何にプラスというその基礎は何ですか。あなたの言っている基礎は、何にプラス百円なり千八百円だと言っておられるのですか。その基礎のベースは何ですか。
○足立政府委員 現在の一般公務員給与ベースと各企業体の給与ベースとの比較を申し上げたのです。
○横山委員 現在の一般公務員の給与ベースとそれから各企業体のぺースとの比較がそれだけ違う。それは予算単価ですか。
○足立政府委員 基準としては、一応本俸だけについての金額を申し上げたので、基準外貨金では、これが一割何分か上回ると思います。
○横山委員 これは本俸だけの違いだとおっしゃるのでありますが、それは勤続年数や家族数や平均年令や学歴を、科学的に基礎を置いておやりになったのですか。
○足立政府委員 私今申し上げた数字は、一つの参考にと思って、いかにでこぼこになっているかということを示すために、単純な平均の数字で申し上げたわけです。
○横山委員 そうだろうと思います。それで、これでやめます。やめますが、その数字については大いに異論があるということだけを申し上げておきます。 もう一つ申し上げておきますが、そういう比較の違いがあるから、これから一生懸命に検討をして善処をしたいとおっしゃっても、今調停が出て、調停はおそらくきょう仲裁に行くのです。仲裁へ行って、裁定が出てからそれをおやりになってはいけませんよ。裁定が出てからこのアンバランスをもう一ぺん政府が直すということはいけませんよ。政府にはもうそういうことをおやりになる時期はないのです。これは私はいい悪いで言っておるのではありません。もしあなたがそういう所信でありますならば、来年の予算、今やっております予算の中でおやり願わなければならぬのであります。そうでなくては、今度数日後に出る裁定の中では、あなたの議論はもう生かされない時期になっておるのでありますから、それは一つ今の予算案の中で、政務次官の非常にいい御意見を生かしていただきたいと思いますが、希望を申し上げておきます。裁定は、あなたがたびたびおっしゃいましたように、通俗的には善処とおっしゃいましたが、法律的には私の申しますように、そのまま裁定を実施するという気持の通じ合うところでありますから、ここにおいて全力をあげられんことを希望して、私の質問を終ります。 ―――――――――――――
○山本委員長 それでは先刻来引き続いております税制に関する法律案について、質疑を続行いたします。奧村又十郎君。
○奧村委員 今回税制改正のいろいろな法案について、社会党の諸君が十分御質疑になったので、これから私は与党のトップを切って質問さしていたかきます。主として大蔵大臣に質問をいたしたいと思いますが、きょうはその前提に、特に利子所得の課税について、大蔵省の主税局長、自治庁の税務部長、それから法制局の力の御意見、渡邊国税庁長官にお尋ねをいたしたいと思うのであります。 まずお尋ねしたいことは、今度の租税特別措置法で、一年以上の長期の利子所得に対しては、所得税は二年間に限って課税しないということです。現に課税しておらぬわけです。ところが住民税、特に市町村の住民税においては、第一の課税方式によれば、これは所得税額に基準を置いておるから、所得税で課税しなければ当然住民税も課税しない、こういうことになるのですが、第二種の方式、第三種の方式などによりますと、これは所得税法第九条の所得計算の例によるということでありますから、租税特別措置法の規定は受けない、従って当然利子所得には住民税がかかる、こういうことになっておるし、現にまた政府はそういう法律案を出しておられる。政府としては所得税はかけないが、こういう利子所得に対しては、これは一切第二種方式、第三方式においては市町村の住民税はかける、こういう御方針である。法律はその通りになっておるのですが、そういう方針かどうか、それを確かめておきたい。
○奧野政府委員 所得税を非課税とされます利子所得は、住民税の第二課税方式、第三課税方式の場合の課税標準にも算人されないと考えております。御指摘のように第二、第三課税方式の場合の総所得金額は、所得税法第九条の規定によりますところの総所得全額をいうことにいたしております。所得税法第九条の中には、所得税の課税標準は、これらの所得についてはこういうように計算した金額をとるんだ、こう書いてあるわけであります。従いまして、所得税が非課税でありますような所得の課税標準に入ってこない、こういう考え方を持っておるわけであります。御指摘のように所得税法を引っぱってきておるわけでありますが、所得税に関します諸法規を包含した意味において市町村民税全体のかけ方はいたしておるわけでありますので、所得税法あるいは租税特別措置法において非課税とされます所得金額には入ってこないのだ、こう考えるわけであります。
○奧村委員 自治庁の奧野税務部長は、市町村の住民税においても、利子所得税に準じてかけない、それじゃ今日までもかけていないのでありますか。
○奧野政府委員 利子所得を非課税とされました二年以前にこの問題があったわけでありまして、たしか当委員会で御議論があっただろうと思いますが、所得税を非課税とされます利子所得は、第二種方式、第三種方式の場合においては、課税標準の所得には入ってこないと考えておるわけであります。
○奧村委員 税務部長の方では、今までもかけていないし、これからもかけないという御答弁でありますが、私は実はしさいにこの所得税法それから租税特別措置法、その他の諸法規を読んでみたのであります。ところがどう読んでみても、第二種方式、第三種方式では住民税がかかるというふうに規定してあるように思います。もし私の言う通りであるとすればこれは重大な問題でありますから、この際明確にしておきたいと思います。 そこで、利子所得を、住民税の第二種方式、第三種方式においてもかけないというその法律の規定はどこにあるのですか。われわれはあくまでも税の問題は法律に基いて論議をする、また国民は法律に基いて納税の義務がある、あくまでも法律の根拠についてお話を進めたいと思いますので、どの法律に基くのか。所得税法第九条という規定は、明らかに利子所得には課税するということになっておる。ただ租税特別措置法で、所行税だけは免除するということになっておるので、従って所得税法の第九条に準拠するこの住民税というものは、当然かけることになる。だから、それをもし打ち消す規定があるとすればどの規定によるのか、それをお尋ねしているわけです。
○奧野政府委員 所得の計算につきまして、住民税と所得税との間において二途に出るようなことは好ましくない、そのような意味におきまして、住民税の所得は、所得税において課税されます所得を用いることにしているわけであります。 所得税法の九条におきましては、所得税の課される所得についての規定がございます。所得税の課される所得を、住民税についてもその、まま使っていくのだ、従って所得税の課されない所得はおのずからはずれていくのだ、こういう考え方を持っているわけであります。その場合に、市町村民税で所得税法を引っぱって参ります場合には、所得税法及びこれに関連する諸法規を含めて規定をいたしておるわけでございまして、あるいは厳密に苦きますと、個々の法律を一々引っぱってこなければならないのかもしれませんが、そういう規定のいたし方はしていないわけであります。 たとえて申し上げますと、御指摘になっておりますのは、地方税法の二百九十二条第一号の総所得金額、この規定をおっしゃっているのだろうと思います。さらにまた第五号を見て参りますと、所得税額というのは、所得税法の規定によって納付すべき所得税額をいうのだが、租税特別措置法の――これは分離課税になる所得税額でありますが、こういう所得税額は含まないのだ、特に含まないものにつきましては、ことさらに租税特別措置法を引っぱってきておるわけでありますので、そういう所得税額が包含されるような場合には、ことさらに租税特別措置法は引っぱらないという建物できているわけであります。 さらに第二百九十七条を見ていただきますと、所得税額等の意義でありますが、「第二百九十四条第一号の者に対して課する市町村民税の課税標準である所得税額等は、前年の所得について適用されるべき所得税法の規定に基いて算定したものとする。」とありまして、これも「所得税法の規定に基いて」としか書いてございませんけれども、諸法規、つまり租税特別措置法でありますとか、あるいは米穀の生産者の予約売り渡しをいたしました米の代金――それも総所得金額に算入しないといっておりますが、こういうものも入ってくるのだという考え方をとっているわけであります。市町村民税におきまする一連の規定で、所得税法を引っぱって参ります場合には、それに関連する、要するに所得税について規定されております諸法規を含むのだ、こういう考え方をとっているわけであります。
○奧村委員 私はあくまでも法律をお尋ねしておるので、私の解釈と税務部長の御答弁とは全然違っておりますから、その点明らかにしますから、一つあとから法制局の解釈をはっきり御答弁願いたいと思います。 そこで自治庁の方のお出しになった「現行地方税の概観と主な問題点」、このあなたの方のお出しになった問題点の資料の中に、これは何かそのためのいろいろな審議会が全部で検討なさったのでしょう。その御検討の中に、住民税の第二課税方式ただし書きに統一することについて、つまり全部こういう方式にしようという賛成意見の中に、住民税の「所得割の課税標準の算定上、国の政策による減免の措置の影響を回避するためには本方式によらざるを得ない。」つまり国の政策による減免税、おもにこれは租税特別措置法を言うのでしょうが、租税特別措置法による影響を回避するため、免れるためには、第二種方式によった方がいい、つまり租税特別措置法は第二種方式には適用されないのだ、その方がいいのだ、こういう勧告が出ておる。従って私は、これはまことにごもっともな御意見だから、これに基いて法律を読んでみたのです。その通り書いてある。そこであなたは、今第五の所得税額云々と言うが、これは所得税額の定義が書いてある。ところが第二種、第三種の課税の方式というのは、課税総所得金類から基礎控除額だけ引いた、あるいは所得税額を引いた、こういうことです。課税総所得金額が基本になっている。課税総所得金額というものはどういうものかというと、一項にいう総所得金額というものからはじき出している。その総所得金額というものは、所得税法第九条の規定によるものである。こういうことでしょう。租税特別措置法を適用するということは、どこからもこれは出してこられない。従ってこの条文で見る限り、当然利子所得はかかる、こういうことです。利子所得がかからぬというなら、その租税特別措置法をその第二種方式第三種方式には適用しない――第二種方式にも第三種方式にも租税特別措置法を適用するという規定はどこに入っているか。それからただいまあなたがもう一つ言われた第二百九十七条の規定ですね。これは所得税額等の意義で、「前年の所得について適用されるべき所得税法の規定」と書いてある。所得税法の規定は、明らかに第九条の第一項には、利子所得には課税するとはっきり書いてある、それに基くとしておる。これにも何も租税特別措置法を適用するとは書いていない。どこにそういう規定があるのですか。
○奧野政府委員 第二百九十七条では、所得税法しか引っぱっておりませんけれども、その所得税法という場合には、所得税の算定について適用されます。所得税法のほかに、租税特別措置法も含めた意味で市町村民税は規定されているのだ、こう申し上げたわけでございます。従いまして、また必要な経費を算定いたします場合に、減価償却の計算をする、その減価償却について、利税特別措置法の中にもいろいろな規定が入っております。これも当然必要な経費を算入する場合には、利税特別措置法で規定されている部分は、その部分が適用になって計算されていくのだ、こういう建前になっているわけであります。
○奧村委員 そういう御答弁で納税者は承知すると思いますかね。これはずいぶん重大な問題ですよ。それなら租税特別措置法も所得税法の中に含むというのですか。それなら、せめて所得税法等と書いてあったらまだ話はわかるが、所得税法とはっきり書いてある。また租税特別措置法を適用するのなら、ほかの条項では、みな租税特別措置法の第何条の第何事を適用すると書いてある。それを、所得税法は租税特別措置法も含むんだというような、そんなことが天下に通用しますか。どうです。一つここらで法制局の解釈をお尋ねします。今の奧野税務部長の答弁は、それで正しいとお考えですか。
○野木政府委員 結論的に申しますと、法制局といたしましても、ただいまの奧野さんの解釈と同じような解釈をとっておる次第でございます。
○奧村委員 それでは法制局の方にお尋ねしますが、私の解釈は、第二種方式、第三種方式は、先ほど申し上げたように、くどいようでありますが、所得税法第九条の規定によって計算するというふうに、地方税法第二百九十二条第一項、の、第一号と第四号ではっきり書いてある。これによって利子所得にも住民税がかかる、こういうように思う。それならそれに対して、租税特別措置法の免税規定を適用するというのは、それではどこに書いてあるのですか。
○野木政府委員 第二百九十二条第一号の「総所得金額所得税法第九条の規定によって」云々というこの解釈に、結局なろうかと存じますが、ここは趣旨といたしましては、課税の対象になる所得金額をいっておるのでありまして、特別措置法によって対象にならないというのは、条理上、おのずから落ちてくる、そう考えておる次第でございます。
○奧村委員 法律というものは、そんな便宜な解釈をするのですか。
○野木政府委員 この規定は、ただいま御指摘のような読み方をするという、別の解釈を立てる人も、現にただいまおっしゃるようにあるのですかり、多少不明確といえば不明確の点があるのは免れないと存じますが、しかし立案の趣旨といたしましては、ここではやはり課税の対象になる所得をいり。所得税法といいましても、ある意味においては、実質的の所得税法の意味をとっておる。広く租税特別措置法によって減免するというものは、この所得金額に入ってこない、立案の趣旨にしてはそういうように解釈したのであります。
○奧村委員 法律などというものは、もしかりにこれが裁判所で論議になったら、そんな便宜な解釈はおそらく通用せぬのじゃないか。たとい一字の間違いでも、裁判所の判決によって非常に重要な影響を及ぼすのですがね。はっきり所得税法第九条の規定によって計算すると書いてある。その所得税法第九条一項の一号に、はっきり利子所得は課税すると書いてある。またそれに租税特別措置法を適用して課税しないというその規定は、どこにあるかというのです。規定がなくとも常識上そうだから――常識とも言えぬが、現に自治庁で出されたものには、そんなものはかけた方がいい、租税特別措置法は適用せぬ方がいいというように書いてめるのだから……。あなたは、職責はどういう職責だと思いますか。あなたの答弁が不十分なら、また方法をとりますよ。あなたの職責をもっと考えねばいかぬ。
○野木政府委員 立案当時はそういう趣旨で考えておったということでありまして、御指摘のように、やや不明確という点はあるかと存じます。しかしながら、今私どもが言った解釈が裁判所で争われても、直ちに負ける、そういうことはないと確信しております。
○奧村委員 少くとも日本の中央の法制局の政府委員がそういう答弁をするなら、あくまでも明確にしてもらいましょう。これは私は徹底的に究明しますよ。 御承知の通り、最近非常に地方財政が困難をきわめて、税源確保に自治庁も苦しんでおられる。そこでわれわれもこの問題を重要視するのであるし、また納税者にとっても、利子所得に住民税がかかるかかからぬかということが、この税を専門にした大蔵委員会で法律を前にしてこれがはっきりしないというのでは、これは国民に対してわれわれは申しわけがない。こんなような答弁がいつまでも続くなら、大蔵委員会はもう意味をなさぬと思う。しかも法刷局の法制をはっきりすべき責任者の政府当局がそんな答弁をするなら、私は答弁者の責任をあくまでも追及したいと思うのであります。委員長においても、どうぞ私の質問と政府委員の答弁とをお聞き下さって、適切な御処置をとられたい。本委員会の権威のためにお願いいたします。
○山本委員長 委員長からちょっと政府委員に申し上げますが、特に今御答弁の法制局第二部長は、やはり法に基いて、法の根拠を示して、一つ答弁してもらいたいと思います。推定だとか推測でなしに、それでなければ議論が進みませんから、その点御注意申し上げておきます。
○野木政府委員 私の答弁のうちで、裁判所云々という点は、少し言い過ぎであったと思いますから、取り消さしていただきます。二百九十二条の一項一号は、御指摘のようにはっきりしないという点がややあるのではないかという点はあると存じますが、この地方税法におきましては、先ほど奧野部長も指摘したように、所得税法と言いながら、臨時措置法の方のことを含めて言っておる場合もありまして、そういう趣旨から申しまして、そもそも課税の対象にならない所得というものは、事柄の性質上、総所得金額という中には入ってこないりではないか、そう解釈する次第であります。
○奧村委員 さっき法制局の方が取り消すというから、初めからの御答弁を取り消すというのなら、それなら一つよく聞いてみよう、人間間違いがあるのだから聞いてみよう。しかしその取り消すという言葉のあとで言われたここは、やはりあいまいもこたることですから、これはあくまでも、今度は取り消しのない答弁をして下さい。そうすると法制局の法律上の解釈でいくと、住民税に対しては、特に第二種方式、第三種方式の場合には、利子所得は課税するのですか、しないのですか。法律上の解釈を今度は責任もって御答弁願います。
○野木政府委員 課税総所得金額を課税標準として課する、こういう場合におきましては、措世法で課税しないと言っている部分については、この総所得金額にそもそも入っておりませんから、課税の範囲外になりますが、措置法で課税するということになっておりますものは、やはり課税の対象となっておりますので、この課税総所得金額といううちには入ってくるのではないかと存じております。
○奧村委員 何を答弁しておるか。午前中から私の質問の要項を知らしてある。今ごろになって何という答弁なんです。それではもう一ぺん私の質問の要項を申し上げます。住民税の第二種、第三種方式というのは、地方税法の二百九十二条の一項一号の総所得全額がもとになっておる、この総所得金額というのは、所得税法第九条の規定に基いて計算する、こういうのでしょう。その所得税法第九条というのは、第九条の第一項の第一号に、利子所得を課税すると規定してある、それに基いて住民税をかける、こういう限定になっておるから、法律上読めば当然かかることになるのだが、法律上はその通りかどうか、もしそれを租税特別措置法で課税しない、租税特別措置法の免税を適用するならば、その免税の規定はどこにあるか、その免税の規定はなくとも、所得税法というものには当然租税特別措置法が含まれておるという解釈なのかどうか、その点はっきり御答弁願います。
○野木政府委員 所得税法九条によって計算した総所得金額といううちには、まず所得税の対象となる所得を前提としているのでありまして、特別措置法によって所得税を課せられぬというものは、九条のところには入ってこない、従って地方税法二百九十二条一項二号の総所得金額の中には、先ほどから申しましたように、利子税を課せないという部分は入ってこないと、そう解する次第であります。
○奧村委員 そうすると、私がさっきから申しますように、住民税の第二種方式、策三種方一式には、利子所得は課税するという御解釈ですか。
○野木政府委員 利子税を課しないという部分は、そもそも課税総所得金額からはずします。その部分は入ってきません。しかしながら、租税特別措置法でも利子税を課するといっておる部分は、課税の対象になっておりますから、課税総所得金額の中には入ってくる、そう解しております。
○奧村委員 その租税特別措置法をそういうふうに適用するというのはどの条文に――租税特別措置法を適用するとどこに書いてあるのですか。
○野木政府委員 それはお言葉を返すようでありますが、条文自体からは、先ほど申し上げましたように、やや不明確な点があるということは、御指摘の通りだと存じますが、私ども立案当時から一応そう考えて、その当時の解釈を維持しておる、そういうことでございます。
○奧村委員 政府委員のそんな答弁で、とてもこれでは委員会は審議が進まぬと思いますので、これは法制局のもう少し責任のある者の答弁を求めたい。 それでは、今度は税法に関連することでありますから、原主税局長にこの問題を伺います。私が今お尋ねをしておるこの問題、これは原主税局長はどういう――これはもうあなたは税法のベテランですから、たとい住民税でも、法律をすなおに読めば、これははっきりするのだから、あなたは法律をすなおにお沈みになって、住民税の第二種方式、第三種式には利子所得はかかるのかかからぬのか、あなたの御解釈をお伺いしたい。
○原政府委員 国税で所得税をかけません利子所得につきましては、地方税の住民税第二種方式、第三種方式の場合においてもかからないというふうに私ども解釈いたしております。
○奧村委員 そういう政府の御方針はわかる。しかしそれならそれで、こんな重大な手落ちの起らないように法律に明確にしておかなければいかぬ。あなたのようなそういう解釈なら、それは法律にそういうふうにきめてなければならぬ。その法律にどこにそういうふうに書いてありますか。
○奧野政府委員 繰り返し申し上げまして大へん恐縮いたしますが、市町村民税に関します規定を全体を通じて読んで参りますと、特に租税特別措置法を適用しない場合に限りまして、その旨を断わっておるわけでございます。所得税法第九条の規定によって計算した総所得金額というその所得税法第九条の中には、所得税の課税標準は、これこれの所得についてはこうやって計算した金額をいうのだといてあるわけでございます。所得税の課税標準についての規定でございます。従いまして、所得税を識しませんものにつきましては、当然その中に計算に上ってこないわけであります。所得税の課税標準にならぬものは、当然所得税法第九条の計算の中には上ってこない。その場合に、租税特別措置法でありますとか、あるいは先ほどもちょっと申し上げましたように、米の生産者が政府に予約売り渡ししました場合、一部を総収入金額に算入いたしませんが、そういう単独立法もあるわけでございまして、いろいろな所得税に関連する法規があるわけでございますが、所得税に関連するものはみんな含んで、所得税の課税標準と私たち呼んでいるわけであります。 そこで租税特別措置法に規定があるが、それを使わない場合には、第二百九十二条の二五号の所得税額の定義の場合に、ことさらにそれを抜くという旨を書いておるわけであります。 さらにまた先ほども申し上げましたが、二百九十七条では、所得税法だけではございませんで、今の米の予約売り渡しの単独立法の規定も入ってくるし、租税特別措置法も入ってくるのでありますが、ここでは「所得税法の規定に基いて算定したものとする。」と書きっぱなしをいたしておるわけであります。これをもっと正確に書くべきだ、こういう議論はもっともな議論としてあるわけでございますが、市町村民税の書き方全体がそういう建前になっておるわけであります。もしそうでないのだというふうに読むことにいたしました場合には、米穀の生産者につきましても、予約売り渡しの一部を総収入金額から控除いたしませんで、これを入れるべきだという議論になります。あるいはまた原価償却額の算出につきまして、租税特別措置法に規定されているそれによって所得税が申告納付されておるのにかかわらず、違った計算をしなければならないことになって参ります。市町村民税は、全体としてこういう考え方に立つわけでございますから、ことさらに抜くものだけ書いておる。従って、一連のものは全部その中に包含されているのだ、こういうふうな書き方になっている。もし違っている場合には、今申し上げましたいろいろな不都合が起ってくるのじゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。従いまして、市町村民税の問題といたしまして、米穀生産者について予約売り渡しの一部を総収入金額からはずすやり方は特例を設けて、地方税の場合には全部を収入金額に算入すべきだ、こういう議論も常に戦わされて参ってきているわけでございます。戦わされて参ってきているということは、ここで所得税を引いている場合には、ここにも当然入って、いるとの前提のもとに、そういう議論が行われているのだということを御了承願っておきたいのであります。
○奧村委員 会度の税制改正案の中で、長期の預金の利子所得に対して課税するか課税しないかということで、これは社会党さんの方でも、予算委員会やこの大蔵委員会等でずいぶんいろいろな議論が戦わされた。私ども与党内でもずいぶん議論がある。そこで一年以上の長期の預金の利子所得は課税しないということで、政府が御決定になって法律案を出された。ところが地方債の方は、別の角度で住民税を課税するかもしれぬ、またその方がよい、それは地方財源が足りないし、また利子所得に課税するのは当然なんだからその方がよい、こういう御意見が相当多かろう。そこで、私はこの法文を読んだところが、なるほどこれは課税することになっておるから課税するのだろう、こういう解釈をしておった。ところが案外課税しないという。しかし一つの法律を読んで課税するといい、しないといい、しかも御承知の利子所得は、年間百何十億になるでしょう。第二種方式、第三種方式を使用しておる市町村は、御承知の通り全国で約八割以上です。市町村の大部分でしょう。それで課税するように法律がきまっておるでしょう。それを課税しないというのはどういう規定で課税しないのか。ところがあなたの御答弁によると、租税特別措置法は全般的に地方税法に適用するのだ、適用しない場合だけが法律に書いてあるのだ、こういうふうにまことに都合のよい解釈だが、それじゃ所得税法と書いてある場合には、必ず租税特別措置法を適用するのだ、もし例外があれば、その場合だけは規定するのだというそのお言葉は法律に規定してあるのですか。やはりきめたことは法律に書いてなければ、そんな言葉だけで大ぜいの納税者は承知できぬ。あなたの言うた言葉はどこに規定しておるのですか。
○奧野政府委員 先ほども申し上げましたように、所得税法第九条にかかってきておるということは、所得税の課税標準の所得の計算と市町村民税の課税標準の、所得の計算とは一致させるのだ。別途に出させないのだ、こういう考え方をとっております。その上にまた総所得金額は、所得税法第九条にいう総所得金額だというふうに書いてある。その所得税法第九条を読んでみますと、所得税の課税標準はこれこれだということが書いてあるわけであります、その所得税の課税標準というものについては、その所得税法の規定は、もちろん基本でございましょうけれども、先ほど来申し上げますような、二、三の他の立法もあるわけでございます。そういうものを包含して市町村民税についてはうたっておる。地方税法の二百九十七条に、所得税法の規定に基いて算定すると書いておって、ことさらにいろいろな法律を引っぱっていないのもそこに基礎がある、従ってまた適用しない場合についてだけ適用しないということを書くべきだということで、米穀生産者の所得について議論が絶えないのだ、こう申し上げておるわけであります。
○奧村委員 どうも話が焦点からぼけておりますが、もっと責任ある御答弁として、さっぱりと誤まっておるならば誤まっておると言われたらどうですか。そういうあいまいな答弁ならば、私は三日かかってもその答弁を追及しますよ。そんなことで本委員会の答弁は了承できません。どうかそれは覚悟してもらいたい。 それでお尋ねいたしますが、法律を作るお気持はよくわかる。政府の御趣旨はよくわかるが、しかし法律というものは、一旦この国会で議決した以上は、立案者がどういう気持であろうと、また審議中にどういう過程があろうと、法律というものは生まれた以上は、書いてある文句そのものが生きてくるのでしょう。そうじゃないのですか。そこで政府の、意図はどうであろうと、私は書いてある法律の条文でお尋ねしておるので、法律の条文はこうであるが、実は法律を生む前にはこういういきさつがあったので、この書いてある法律は見せかけの法律で、みな意味がありません。そんなことでは、われわれ国会議員はきょう限り仕事をやめなければならぬ。そうでしょう。私の言うのは、この二百九十二条に基いて所得税法第九条の規定で所得を計算し、それが基準となって住民税の第二種方式、第三種方式ができる、こう書いてある。そうすると、租税特別措置法を適用するというのは明文にはどこも書いてないのですが、明文で書いてなしに、ただばく然と政府の解釈がそうだというのですか。その点はっきりして下さい。
○奧野政府委員 所得税法第九条という言葉が非常に誤解を生むもとになっているだろうと思います。御指摘になりましたように、法文が不備だという点は免れない、私はかように考えております。その場合に、所得税法の第九条の規定を読んでいただきたい、そうしますと、所得税の課税標準という言葉を使っておるわけであります。その所得税の課税標準という所得税は、所得税法だけで律せられるのではなくて、租税特別措置法その他の諸法律も所得税の計算の中に入ってくるだろう、それを全部受けているのだ。そういう意味で、ことさらに租税特別措置法とか、あるいは農業関係の単独立法とか、そういうものは含むんだとは書いてない。二百九十七条の規定にもその精神が現われているのだ、かように考えているわけであります。
○奧村委員 法律論だけに限定してあなたの御答弁はあいまいでありますから、これだけは何時間かかっても、法律論だけははっきりしていただきたい。 それではもう一ぺんもとへ戻します。所得税法、法税法、これは国税の基本法規として、年によって、時によってそう手軽に改廃できるものではない基本法です、そこで租税特別措置法というものは、臨時的の短期間にいろんな事情があって、特別な事情があって、租税特別措置法によって所得税法あるいは法人税法を一部停止したり制限したりしている、従って所得税法が基本である。従って租税特別措置法を適用する場合は、租税特別措置法はこれこれの場合においては特に何年に限って、二年間に限って利子所得はこうとか、登録税はこうとか、租税特別措置法にちゃんと限定して書かれてある。そこで住民税の第二種、第三種方式は、租税特別措置法は適用しない、適用するとは何も書いてない。そうすると、今度は基本法規の所得税法は、明らかに利子所得は課税する。これは税法の根本原則です。しかし貯蓄増強等のためにわずか二年間は課税しない。しかし地方税の方は、これはまた国の施策とは別で、地方の財政の事情上、地方の方は租税特別措置法で利子所得は免税しても、市町村の方はかけるのだということは当然です。そういう意味で、所得税法第九条を準用するといてあるのです、第九条で利子所得がかかることになっておる。それならかからぬというのはどこに規定があるかというのです。それがはっきりしなければ、この議論はいつまでたっても進みません。
○原政府委員 所得税法と関連する問題ですので、一言私から申し上げたいと思います。今奥野さんからも言われたことでありますが、九条の所得税の課税標準たる総所得金額、これに措置法によって非課税となっております利子所得が入るか入らぬかという問題は、私どもそれは入らないと解釈いたしております。それは第十三条で、これは税率の規定でありますが、所得税は課税総所得金額――ほかに課税退職所得金額等がありますが、課税所得全額に逓次に各税率を適用してかける、こう書いてあります、課税総所得金額といいますのは、その第二項に、総所得金額から前にあります各条の規定による所得控除、基礎控除を含めました所得控除を引いたものである、こういうふうにいっております。つまり所得税法に、租税府別措置法によって非課税とされるものを引くということは書いてございませんが、これらの規定の構成から、当然に所得税のかかる所得からは、措置法等によって非課税とされるものは排除されるというふうに解釈いたしております。従いまして、地方税法において一般に所得税と甘いている場合に、特別措置法を含むかどうかという問題は別として、少くとも本件については、この所得税法の読み方で非課税とされる利子所得については、九条の所得に入らないというふうに私ども解釈しております。
○奧村委員 今の御答弁は、私のお尋ねしている本質の問題とは全然別です。お尋ねしているのは、第九条の規定に基いている。あなたの言われる十三条は、所得税の税率計算の規定でしょう。所得税法の第九条の規定を地方税法が準用している。その所得税法第九条には、いの一番に利子所得は課税するとしてある。それを準用しているのです、この準用をはばむ規定がどこにあるのですか。
○原政府委員 私が申しましたのは、第九条に、総所得金額というのが、退職所得あるいは山林所得と並んでありますが、問題は総所得金額でありますから総所得金額というのが第九条に載っております。そこで、その総所得金額には非課税される所得が入るか入らないかという問題であります。それについての私どもの解釈を申し上げた。その解釈の際に、第九条の総所得金額という中に、措置法で非課税とされる利子所得が入るか入らないかということを、私どもがどう解釈するかということを申し上げているわけであります。そこで第九条の規定があり、あとで第十三条の規定で税率適用ということがございます。その際税率を適用されるのは、課税総所得金額である。その課税総所得金額というのは総所得金額から各種の所得控除を引いたものである。その際私どもとしては、租税特別措置法によって非課税とされるものは、総研秤全額から落ちているんだ、その落ちた残りに逓次この税率がかかる、そう解釈いたしませんければ、所得税法は読めない、そういうふうな解釈で読むべきだというように考えております。そうなりますと、翻って九条の総所得金額のうち、利子所得につきましては、措置法で非課税となるものははずれるということになる解釈だと申したわけであります。それがそうであるならば、地方税法で、一般的に措置法を所得税という文字で含めて読むかどうとかいう問題までは別として、本件については、そういう意味でお考えいただけるのではなかろうかということを申したわけであります。
○奧村委員 この地方税法の第二百九十二条第一項は、所得税法の全部を適用するのではない。所得税法の第九条の所得計算の方法だけを適用する。その第九条には、利子所得をいの一番に課税することになっている。そんなほかの十三条や十五条を適用するとは書いてないし第九条を課税の方法としてきめてある。そこでもし税務所の方が誤まった課税をした場合は、今度は市町村役場で独自に課税することができるでしょう。そうすると、市町村役場はどういう法律に基いて課税の計算をするかといえば、所得税法第九条だけを読んで計算するでしょう。そういう規定になっているでしょう。そんなあいまいな、この第九条に租税特別措置法も自然含むんだという解釈では、おそらく市町村役場は仕事はできぬはずです。そんな解釈がどこから出てくるか。それは誤まっているなら誤まっているではっきり言いなさらぬと、私は法律論としてはどこまでも正しいものは正しいで、あくまでもお尋ねします。
○奧野政府委員 先ほど来たびたび申し上げますように、所得税法の第九条には、所得税の課税標準はこうした計算によるんだと書いてあるわけでございまして、租税特別措置法で非課税になって参りまする場合には、課税標準にはもう入ってこないんだ、そういう考え方をとっておるわけであります。そういう意味で、先ほど主税局長が十三条を援用されましたのも、それと関連するんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。先ほど来法制局からもお話がございましたように、この書き方でございますと、非常に誤解を招くんじゃないかというふうに思うわけでございまして、その点につきましては、将来必要な措置をとるべきものだろうというふうに考えております。 なお御指摘になりました、市町村役場から税務署に通知をする、これは税務署の決定が非常に均衡を欠いて低過ぎるというような場合には、正当な所得算定を市町村の方でいたしまして、そして課税していくことができるわけで、その場合に税務署に通知して参るわけでございますので、特にこれとの関連で問題が起ってくるのではないというふうに見ておるわけでございます。
○奧村委員 この問題だけは明らかにしておきたいと思いますが、国税庁長官は何かお忙しいそうですから、もうおそらくほかの問題に移る時間がないと思いますので、これでけっこうです。 それでは、自治庁御自身がお出しになった問題点として、住民税の所得割の課税標準の算定上、国の政策による減免税措置の影響を回避するため、いわゆる租税特別措置法の影響を回避するためには、第二種方式によった方がいい、こう書いてある。あなた自身は、すでにはっきりと、第二種方式は租税特別措置法の利子所得だけでなしに、米穀の課税とか、山林の特別の措置とか、そういうものは適用しない。それを適用しないためには、第二種課税の方がいいんだというふうに、あなたの自治庁の方から出ておる。そうすると、あなた自身の解釈はどっちなんですか。
○奧野政府委員 必要以上に国の政策を市町村に押し及ぼしていくことは、適当でないと考えております。所得税について行われておりますもので、所得税が非課税だとされてしまいますと、私たちの今の規定の建前からいいますと、所得税の課税標準に入ってこないわけでありますから、自然総所得金額にも入ってこないし、第二種課税方式、第三種課税方式でも課税できない、こういう問題になってしまいますから国税で課税できない場合であっても、市町村で課税できるような規定の仕方をしてもらいたい、こういうことを大蔵当局にも相談申し上げておるわけでございます。たとえて申し上げますと、配当所得があります場合には、三〇%が税額控除されます。これは税額控除でございまして、課税標準である所得には算入されるわけでございます。従いまして配当分につきましては、第二種方式、第三種方式をとります限り、全面的に市町村民税は課税していけるわけであります。利子所得につきましても、どういうやり方がいいかという立法論はあろうかと思うのであります。それによりまして、必要以上に市町村民税につきまして国の所得課税の方式を強要していくということは適当ではないという考え方は、依然として持っておるわけでございます。
○奧村委員 今の自治庁のお出しになった「現行地方税の概観と主な問題点」の百八十二ページの四項にあります、第二種課税方式のただし書きによれば、国の政策による減免の措置の影響を回避することができるという意味ですが、つまりこれは、租税特別措置法の規定は第二種方式、第三種方式においては適用されない、こういうことを書いてあるのですが、これはお取り消しになるのですか。
○奧野政府委員 それはそれでよろしいと思っております。第一種方式の場合は、所得税額にそのまま乗っかっていくわけであります。租税特別措置法で、所得税願の計算についていろいろ特例を置いております部分と、またその場合にも課税しないとか、あるいは税額控除をするとか、いろいろな書き方が入っておるだろうと思っております。その場合に、結果として出ました所得税額にそのまま乗っかっていきますのが、第一種方式であります。従いまして、非課税になっておりますものは当然第一種方式の場合に課税できません。第二種方式の場合でありましても、所得計算を国との間に見て、これに合わしていくわけであります。そこで国が特別の政策をとります場合は、税額控除の方法をとっていきますと、やはり課税所得そのものに入ってくるわけであります。第二種方式、第三種方式の場合にも、課税標準で市町村民税を課する場合に把握していくことができる、そういう利点があるわけでございます。
○奧村委員 第二種方式、第三種方式は全市町村の約八割近くがこれ採用しておる。そうしますと、第二種方式で特にただし書きでいけば、総所得からただ基礎控除だけした分にかける。そうすると、所得税の場合は基礎控除のほかに、扶養家族の控除、あるいは配当控除、いろいろありますから、所得税はほとんど申告する必要がない、つまり免税以下で――二十万円以下はほとんどこれに該当するわけですが、そのかからぬところが、住民税の方では、第二種方式でいけば、基礎控除だけを引いて、あと全部かかるわけですから、税務署に中告していない、つまり所得税の免税の階級が、住民税でみな所得割がかかってくる。そうすると、税務署の方で調査していない分でも、つまり税務署の所得税の免税階級でも、市町村では、市町村役場で調査して課税をしておられるわけです。その場合市町村役場はどういう法律に基いて調査しておるのか。法律の建前ですよ、どういう法律に基いて調査をするかというと、二百九十二条でしょう。二百九十二条には、総所得全額は所得税法第九条に基く、こういうことになっておるので、これだけで市町村は仕事をしておる。そこで、この場合に利子所得だけはかけぬということの規定はどこにあるか。衆議院やあるいは政府で審議しておったこまかいことまで、市町村役場は知らぬ。この法律をすらっと読んで、利子所得だけは課税所得からはずすということは、どこに書いてあるかというんです。
○奧野政府委員 話がもとに戻ったのでありますが、「所得税の課税の標準は、」と書いてあるわけでございますので、所得税の課税標準にならないような所得は、市町村民税の場合にも出てこないのであります。所得税の課税標準に関します規定は、所得税法だけでなしに、租税特別措置法あるいはその他の単独立法もあるわけでございますので、所得税の課税標準に関する規定全体が関連してくるのだ、含んでおるのだ、こういう建前で今まで市町村民税を実施して参っておるわけでありますし、運営もそのようにやって参っておるわけ、であります。そこで私たちとしては、課税標準に入らないような国の租税政策のとり方をしないで、むしろ課税標準に一応入れて、出てきた所得税額から特に考慮しなければならないものだけは税額控除をする、こういうやり方をしてもらえないものかということで、いろいろな性質の問題について御相談いたしておるわけであります。その一例として、今配当所得についての政策が税額控除の措置によっておるものでありますから、市町村民税の第二種課税方式の場合は、その所得に全面的に課税していけるようになっておるということを申し上げておるわけであります。
○奧村委員 私が先ほどから申し上げておりますように、政府も広範な仕事をしておられるのだから、それはたまにはあやまちもあるというので、これは確かに政府のあやまちであって、実は規定が落ちておりましたと言えば、事は終る。与党ですから、そう深くは突っ込まない。しかしあなたの方でそう強引に押されるなら、私は今度は逆に政府の責任を追及する。この法律に基いて利子所得も課税しなければならぬことになっておる。その法律を実行していない政府の責任を、一つ私は追及していきたい。すると自治庁は、市町村に対して所得税の免税階級、大体二十万円以下の所得階級に対しては、役場が調査をしておる。その調査の場合に調査の基準がある。その基準の仕事については、自治庁から通達その他において一応のさしずはいっておるはずです。その指図はどういう指図、通達がいっておるか、どういう法律の規定に基いておるか、明日までにお出しを願いたい。もしこの法律解釈で私の解釈が正しいとすれば、政府は重大な法律違反を犯しておるから、政府の責任を追及していきたい、これ以上追及しても時間のむだになりますから、きょうはこの問題はこの程度にいたします。 私といたしましては、実は三日間ほどこの問題だけで、ずいぶんあらゆる資料をとって調べたのであります。自治庁にもあらかじめ打ち合せをしたのでありますが、ただいまのような答弁で、法文上はどこを見ても私の主張の方が正しいように思います。申すまでもなくただいまの日本の憲法上、国民の広範な義務というものは、おそらく納税の義務が唯一重大なものである。その納税の義務は法律によって定める。国民は法律によって納税の義務を負うし、政府はまた法律によって徴税の責任を負うはずです。その重大な法律で、年間数十億の利子所得――利子所得全体としてはもっとあるでしょう。あるいは千億近くになるでしょう。それに対して課税するかしないかという法律解釈がこのように食い違っておるということは、とうていこれから先の委員会の審議はできないと思いますので、明日は公聴会でありますから、明後日法制局の長官と、それから自治庁長官と大蔵大臣とをお呼びになりまして、この法律解釈を明らかにしていただきたい、事実地方自治団体で、利子所得も課税しておるところもあります。そこでもし地方自治団体の中で課税しておるところと課税しておらぬところとありますと、私は裁判になると思う。その場合行政裁判が起って、この解釈が大蔵委員会でも明らかでなかったということでは、議員としての責任を全うできぬと思いますので、そういう意味合いからも、委員会としてこれをお取り上げになって、法律解釈を明確にしていただきたい、かように要望いたしまして、私の質疑は本日はこれをもって終りたいと思います。
○山本委員長 だんだんの御要望がございましたが、御承知のように明日は公聴会でございますから、今御説明のように、明後日、それぞれ責任者に委員長の手元で折衝して、御要望に沿うべく善処するような努力をいたします。 なおこの際委員長から御報告いたします。公述人の選定についてでありますが、明十三日の公聴会の公述人の選定につきましては、委員長に一任願っておりましたが、委員尺長におきましては理事会の協議に基き、慶応大学教授高木寿一君、日本税理士会連合会租税制度調査会委員長前川万治郎君、日本労働組合総評議会事務局長岩井章君、全国銀行協会連合会副会長寺尾威夫君、芝浦製作所専務取締役西野嘉一郎君、日本証券業協会連合会専務理事吉田政治君、日本橋法律会計税務相談所長平石甫君の七名の方々に御出席を願い、御意見を聴取することに決定いたしましたから、さよう御了承願いたいと存じます。 それから政府委員の方に申し上げておきますが、明後日には、今御要望のあったように法律的な見解、解釈を明確にした方がよろしいと思いますから、従ってそれぞれそれまでに意見の明確な統一をはかってもらうようお願いをいたします。 それでは本日はこの程度で散会いたします。 午後四時二十五分散会