大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/02/13
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。理事であります横錢重吉君が昨十二日一たん委員を辞任いたしましたことがありますので、理事が一名欠員になっております。それで、この際理事の補欠選任を行いたいと存じますが、その方法は、先例によりまして委員長において御指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認め、よってさように決しました。それでは、委員長におきましては、横錢重吉君を再び理事に御指名いたします。 —————————————
○山本委員長 税制に関する件及び金融に関する件についての質疑を続行いたします。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は、きょう大蔵大臣並びに政府当局にお尋ねしたい問題は予算編成、つまり各省から出まする予算を検討、調整なさる職員にある大蔵大臣というお立場において、売春に関する予算を少し伺ってみたい、こう思うのであります。この問題は、予算委員会で適当な機会を得たいと思ったのでありますけれども、機会がないものでありますから、御了承を願いたいと思うのでありますが、これは、申し上げるまでもなく、鳩山内閣の時代に新しい日本を象徴する文化的立法といたしまして、衆参両院とも全会一致で通過しました、画期的な法律であることは申し上げるまでもございません。そこで、この法律の実施に伴いまする各般の施設、あるいは政府その他地方団体等のこれに対処する行政上の受け入れの準備等々が相当重要な使命を持つということは、これまた申し上げるまでもございません。かくしまして、この売春防止法が、本年の四月一日から刑事処分等を除きまして、保護更生に関する部分は全面的に実施の段階に入るのであります。そういうわけでございますので、この新たなる法律を生かして実施していくということは、日本の現在及び将来のためにもきわめて重要な問題でございます。しかし売春防止法につきましては、御承知の通りに、とかく根本的にいろいろな考え方なり、あるいは利害の対立ということも考えられますので、一面政治問題としましても非常に紛糾する要素はないではないのであります。つまり今日世上伝えられるところによりますと、この法律をもう一ぺん骨抜きにするような運動を政府並びに国会にしなければならぬというようなこともあるのであります。あるいはそうではなくして、やはり法律の全面完全実施ということを目途として、できるだけあらゆる施設を手早に手を打たなければならぬ、こういうような熱意も一面燃えております。こういうような非常に大きな国民的な関心のみならず、世界的な環視の中に、この法律は実施が間近に迫ってておるのであります。よって、このような角度からいろいろ考えてみるときには、政府におきましても相当重大視して、これが予算の作成に当らなければならぬと考えるのです。 つきましてはまず第一点、根本的に、閣僚として、大蔵大臣としましてのこの重要な法律実施に伴うところの各般の予算の査定、法律そのものに対するお考え方、これをやはり伺っておかなければならぬ。この法律をできるならば否定したい、できるならば施行期を延期したい、できるならば骨抜きにしたい、こういうような考え方が社会にはあるのでありますから、万が一そういう考え方が政府に一部あるといたしましたならば、大へんなことであります。懸命な大蔵大臣は、そういうことがないとは信じておりすけれども、念のために、この法律の重要性からいたしまして、これに対するお考え方というものはぜひと伺っておかなければならぬので、一つ御所見をお述べ願いたいと思います。
○池田国務大臣 まことに、ごもっともなお話でございまして、私は、今の法律を守っていくことが新日本建設のもとになると考えております。
○吉田(賢)委員 この法律を守っていかれる、新日本建設の基本的なあり方としまして——まことにこれは適切なお考え方であります。そこで伺いたいのでありまするが、この法律を守ろうとしますると、御承知と思いますけれども、さしあたって四月から実施されるのは、保護更正に関する各般の施設でありまして、これが完全に実施されるかどうかということは、一番重要で、この法律の運命を支配するのであります。ところが、これは概して地方の都道府県に業務を委譲いたしております。そして必要な義務的なあらゆる施設、あるいは任意的な施設を規定しておるのでございますが、それならばお尋ねしなければならぬことは、最高裁判所、その他法務省、労働省、厚生省等々から三十二年度に予算として要求せられましたものが、総計しますと十一億八千三百九十五万六千円になります。ところが、これを大蔵大臣は査定して、四億二千百五十万千円に切ってしまっておる。その予算の内容は、総理府においても、また厚生省においても、労働省においても、検察庁においても、法務省においても、最高裁判所におきましても、要するにこの法律の今日の段階、つまり完全な全条実施への経過的な措置といたしまして、保護更生を主とした経費に大体限定されておるのであります。準備的な経費もありますけれども、これをざっと三分の一に切ってしまったというところに、今の大臣のこの法律を守らんとする見解と根本的に相反するものがあるのではないかと思うのです。個々についての御説明は別に伺いますが、何ゆえにこんな大幅な切り方をなされたのであるか。このような大幅な切り方をいたしますことは、熱意のないことを証明するというふうにも一般にいわれておるのであります。御承知の通りに、売春対策審議会が内閣に設置されておりまするか、売春対策審議会におきましては、三十二年度の予算要求の十一億八千三百余万円ですら、これをもってはとうてい納得できない、こんな少額をもっては足りないということで、昨年の十二月十七日、会長菅原通済の名で、全会一致をもちまして、これは不十分、とうてい所期の目的を達成することは困難であるという理由のもとに、政府に再考を求めるという趣旨の意見書を鳩山総理大臣に向って出しておる。こういうような事情にもかんがみまして、何ゆえにこんなに大きな切り方をせられたのでありますか、伺っておきたい。
○池田国務大臣 予算の要求は、各省とも非常に出るのでありまするが、いろいろな点を考えまして、初年度でございますので、大体厚生省関係を中心といたしまして、各県に収容施設を一つずつ、こういうふうにいたしております。しかし、だんだん情勢を見まして、今後拡充していくことはもちろん考えております。なおこまかい点につきましては、事務当局から御説明いたします。
○森永政府委員 今年度の予算編成に際しまして、特に保護施設に重点を置いた次第であります。昨年も六千五百万円の予算を計上いたしまして、八大都道府県に婦人相談所を設置する、あるいは全都道府県に婦人相談員を配置するということで、六千五百万円を計上いたしたのでありますが、三十二年四月からは本格的にこの法律が実施せられるということでございまして、私どもといたしましても、六千五百万円を、厚生省所管におきましては三億七百万円に増加いたしました。婦人相談所は全都道府県に設置いたしますとともに、全都道府県ごとに少くとも一カ所婦人保護施設を整備するということを中心といたしまして、この三億七百万の予算を計上いたした次第でございます。なお取締りの面等につきましては、昨年もその目的のための会同の旅費等を計上いたしまして、遺憾なきを期した次第でございますが、来年度におきましても、それらの点につきましては、一般の旅費、事務費等をもって十分まかない得ることと相なっておる次第でございまして、重点が、むしろただいま申し上げました保護施設に置かれましたことを御理解いただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 これは失礼ですが、大臣もそれから主計局長も、売春問題ということに対する認識が全く不足であります。そのような御見解で、言葉の上で法律を守り、あるいは相当な施設をするというようなことをおっしゃいましても、それは国民が納得しませんし、法律の所期する目的を達することかできません。この問題の重大性につきまして、ほんとうに考えてもらわにゃならぬのであります。これは御承知と思いますけれども、政府が代表を派遣しまして、昨年の十月の十七日からドイツのフランクフルト・アンマインで、国連の諮問機関であります国際廃娼協会の大会というものが行われたのであります。これは政府も代表を派遣して、日本が画期的な文化的法律を作ったというので、副議長の席も与えられまして、絶讃を得たというような画期的な場面すらあったのであります。一つ御披露しておきまするが、この会場におきまして、非常に傾聴すべき一つの報告があったのでございます。これは、いかに売春問題が人道的にも重大であり、またいかに世界の文明国が大きな関心を持っておるかということにつきまして、実に大きな示唆を与えるものであろう患う。ことに保護更生につきまして、最も重大な示唆があるものと思いますので、御披露しておきます。これは、スイスのローザンヌの牧師でありまして、ガヤ—ルという人であります。この人は、長年の間売春婦を集団的に処理する方法につきまして献身してきた人でありまして、漸進的に、人道的な角度から人権を尊重いたしまして、そして売春婦の人間性を取り戻す、こういうようなことに特段の力を入れてきたのであります。三十数カ所の収容施設について、詳しい報告があったのでありまするが、注目すべき二つの点は、売春婦につきましては、政府並びにこういった施設を運営しておる人々の方から進んであたたかい千を差し伸べていくいわば、適当にころがってくればこれをある施設に入れるというのじゃなしに、おりていってあたたかい手を差し伸べる、そして経済的にも、医療も職業もあらゆる方面から人間的な通常の感情を復活せしめるということの一つのねらいがあったようであります。でありまするので、昼は、たとえばこの収容施設におきましては、洋裁その他のいろいろな仕事を与えます。デザイナーなどは、売春婦ということを念頭に置きませずに、常人としての感情で接しております。しかし夜は、客をとることを黙認しておるのであります。しかし、こういうようなあたたかい指導の仕方でずっと行きますので、知らず知らずのに通常の人間的な感情を復活するということになるそうであります。これは、あなた方は御承知でないかもしれませんけれども、特殊な性格なり感情を持っておりますることも売春婦の実情でありますので、こういうようなことをいたしまして、相当な高い成果を上げておるのであります。ことに、この大会におきまして議決した一つのことがございますが、これによりますと、参加国は、売春防止のために行なっておる法律を一そう有効に実施せしむるために、売春婦やらその家族やら各般の施設については、より多くのあらゆる資金を投入いたしまして、防止の実を上げねばならぬということを決議もしておるのであります。 もう一つ申し上げておきますが、日本が新しい立法をしたというので、しばしば今後の実施の実績について注意的な、希望的ないろいろな発言があったということもわれわれ聞くのであります。こういうようなことでありますから、この保護更正の対策というものにつきましては、これはでき得るだけ多くの予算を投ずるというような心がけを持つのでなければ、とうてい所期の効果を上げ得ないと思います。 具体的に一、二伺ってみたいと思いますが、以上のような世界的な大きな関心のもとに進行しようという今日の日本の売春防止法でありますので、今大臣がお述べになりました、あるいは局長がお述べになりましたような程度の御認識、お考え方をもちましては、この保護更正施設というものが全く不完全そのものに終るのじゃないだろうか。言いかえますならば、来年には全面実施になっておりますので、全面実施になりますれば、申すまでもなく刑事処分が伴って参ります。全国二十万の売春婦を対象にし、十万といわれる業者も今日あるわけでありますので、これは大へんな結果になりますから、私はこういう角度から具体的になお聞いてみなければならぬ。たとえば今厚生省の問題は、保護施設の予算に重点を置いたというようなお説でございましたが、厚生省においては、婦人の保護施設の設置の補助金といたしまして二億七千五百余万円の要求をしておるのに対して、査定は九千八百余万円にとどまっておるのであります。これは、もちろん任意規定であります。法十八条の保護施設は、任意規定でありますが、これが重大なんです。この重大な保護施設というものは、各方面において、今でも大阪、東京などにありますけれども、この保護施設にほんとうに資金を投じて受け入れ態勢を整えていくことをしなければならぬ。これは、十日や一ヵ月では完成しません。やはりこの四月から実施される法律でありますから、直ちにこの点に一つの大きな重点を置いてせねばならぬ。現に東京のごときは、二カ所施設をふやすことに予定いたしまして、三十二年度予算を二千三百三十二万四千円を計上しておる。大阪も同様であります。その予算は、今手元ではわかりませんけれども、こういうふうに都なり大阪が力を入れておるというときに、肝心の中心になってこれを大きく指揮指導していかなければならぬ政府におきまして、こんなに予算を切ってしまうということは、私は意味がわからぬ。どうしてこういうふうになさるのであろうか、これらの点につきましても、今簡単にお述べになったごとくに、これはいかに売春問題の重大性に対する政府の認識が足りないかということの一つの現われではないかと思うのであります。なぜこんなに切らねばならなかったのか、お答えを願いたい。
○森永政府委員 婦人保護施設でございますが、既設のものが十七カ所ございます。この既設のものと申しますのは、昭和二十一年十一月の次官会議の決定によって、その後行政的に措置されたものでありまして、七都道府県にわたりまして現に十七カ所あるわけでございます。その点も考慮に入れまして、少くとも各都道府県ごとに一カ所ずつ婦人保護施設を設けたい、初年度でもございますので、とりあえずはそういうところからスタートするという考え方から、保護施設整備費補助金といたしまして九千八百十九万八千円を計上いたした次第でございます。これは二分の一補助でございまして、事業費といたしましては、この倍の二億くらいの事業費に当るわけでございます。施設の種類に大小の区分を設けまして、大きいものを五カ所、比較的小さなものを三十四カ所。合計三十九カ所を三十二年度中に新設いたすということで、この補助金を積算いたしたわけでございます。なおこの施設の補助に伴いまして、運営費の補助につきましても四千五百三十九万四千円を別に計上いたしております。売春法の精神にのっとりまして、各都道府県に少くとも一カ所ずつは、三十二年度中に婦人保護施設を整備させるということで予算の計上に臨んだ次第でございますので、御了承をいただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 三十九カ所を都道府県に一カ所ずつというような形式的な問題もさることですけれども、現実に、たとえば東京都におきましては出に三万一千五百余名が数えられております。赤線だけでも約五千名が数えられておるのであります。大阪でも一万一千二百余名、赤線だけが三千名と数えられておるのであります。こういうのでありますから、こういう集中しておるところへもっと力を入れなければだめです。御承知であろうと思いますけれども、最近いかがわしい旅館、あるいはしろうと屋等々、散娼が相当出て参り、今日白線とまでいわれまして、あちらこちらに散らばっていく傾向が顕著になっている実情であります。従って、大阪とか東京とか全国的に重点になっておるところへもっと力を入れるのでなければ——これは形式的に青森県であるとか、あるいは島根県といったところに一カ所ずつ置くということは、そもそもこの法律を生がして実施する誠意がないといわねばならぬ。大阪とか東京とかいうところは、ほんとうに重大化しつつあるのですから、こういうところにもっと力を入れなければならぬと思うのだが、御所見はいかがですか。
○森永政府委員 この予算の査定をいたすに際しましては、ただいまお話がございましたように、少くとも一県一カ所ということよりも、むしろもっと集約的に考えたらどうかというようなことも、私ども大いに議論をいたしたのでございます。しかし売春法の精神から考えまして、やはり各府県に大なり小なりの数の売春婦がいるわけでございますので、形式的に出したという御非難は甘受しなければなりませんが、やはり一県に最低一カ所ずつくらいは要るのではあるまいかという議論もあったわけでございまして、いろいろ検討いたしました結果、予算の積算といたしましては、大を五カ所、小を三十四カ所、一県一カ所ずつというつもりでこれを計上いたした次第でございます。 なお実際の運用に当りましては、あるいは府県によりましてはあまり必要がないというようなところもあるかもしれません。その辺のところは、なおよく厚生省と相談いたしまして、実行上そごがないように検討いたしたいと存じます。
○吉田(賢)委員 たとえば厚生省における婦人相談所設置の補助でありますが、これについても、九千七百余万円を六千五百万円に削ってしまっておるのであります。この点についても同趣旨でありまして、これらは、婦人相談所というようなところへもっと力を入れるのでなければ、効果が上ってこないのです。この相談所の設置について、もっと力を入れなければならぬと思うのですけれども、これは大同小異の理由でありますから述べませんが、労働省関係について見ましても、これは、主として婦人少年局関係になりますが、特別広報活動というものが必要であるということは、大臣も御承知だろうと思いますが、審議会の決議によりまして、次官通牒として、全国に広報活動をうんとやって、そうして業者、関係者一般の啓蒙をする、売春防止が適切に実施の運びにいくように、半前の啓蒙活動をするということが次官通牒にも出ておるのであります。ところが、労働省はこれに相当力を入れておるにかかわらず、予算要求は百九十余万円をいたしましたのに対しまして、査定は百四十万円しかない。五十一万円余りは削ってしまって、前年より減っておる。だから広報活動を次官通牒でうんとやれということを全国に通牒を出して、予算としては労働省予算を減してしまっておる、こういうような事実もある。これはとても大きな矛盾であります。こういうような本心が露呈するのは、やはり問題に対する認識が足りないというところから出発しておると思うのです。これはどうして去年よりも減らしたのですか。
○森永政府委員 ただいまの広報活動に関する資料をちょっと今探しておりますが、これは労働省全体の予算のうちの一環でございまして、一般の庁費、旅費等も基礎にあるわけでございますので、合一体を運用していただければ、決してそう御不自由をかけるようなこともあるまいと存ずるのでございますが、なおただいまの広報活動費につきましては、資料を取り急ぎ取り調べましてお答えいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 法務省関係でありますが、法務省において、刑事局関係において、検事並びに事務官などを増員して身上調査、つまり検察庁に渡りました者の身上調査などをして、今後の対策に備えたいという一つの新たな構想で出発しておる。ところが、これを全部削って、これは千四百万円余りであります。これは、かりに検事の増員がいかないとしても、今日事務官の事務両の増大しつつある実情に顧みまして、人間をふやさずして仕事をさせるわけにいきません。この点は、非常に効果のある方法でありまして、やはり検察庁といえども、検察庁で受け取った身柄につきましては、いろいろ売春の経歴等について、特別な文吉を作成するということが今後の大きな参考になります。こういったことは、やはり科学的に、合理的に処理していくというのが、今後の刑事対策でなければならぬと思う。ところが、こういうものもわれわれは無批判に削ってしまったと言わねばはならぬ。今の主計局長のお言葉によれば、どこかお前の方に金が余れば、それでしろというのかもしれぬが、こういうことは全く無理であります。つまり法務省関係における売春対策費というものは、一面においては、厚生省などの保護厚生に関する各般の施設と相待ちまして、不幸検察庁の手に渡ったという人があったならば、並行して、いずれも手落ちのないように、転落を防止し、更正し得るような資料を作っていくというふうにして、通常の犯罪とは別個に扱っていくという考え方で出発しなければならぬが、こういうものを全然顧慮しないということは、これまた刑事政策的に考えまして、政府の売春問題に対する認識がないと言わねばならぬ。これは一体なぜ削ったのですか。
○森永政府委員 今回の予算編成に際しまして、各省を通ずる一つの方針といたしまして、人をできるだけふやさないという方針をもって臨んだ次第でございます。もちろん仕事の性質によりまして、新しく仕事がふえるという部面もあるわけでございますが、その部面も、人員の充足はできるだけほかの仕事を差し繰って、いわゆる振りかえて処理するというような方針で挑んだ次第でございまして、ただいま御指摘がございました売春関係の人員の増加につきましても、さような一般方針から既定の人員の中で、できるだけほかの方針を差し繰ってこの重要な仕事にしていただく、そういうような気持ちで臨みました次第でございます。なお法務省全体としての予算は、例年よりも実は充実をみておる次第でございまして、特に項目こそ特記いたしておりませんが、事務費、旅費等につきましては、従前よりも充実いたしておりますので、その中で重点的な仕事を実行していただけるのじゃないか、さように私どもといたしましては期待をいたしておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 そこを言うのです。ほかの経費を差し操って、たとえば今の身上調査室で身上調査書類作成等の事務をやれというような考え方、自体が、売春問題を従属的にお考えになっておる、こういうふうに思わざるを得ないのであります。そこが大きな食い違いになってくるのであります。たとえば、その次の矯正関係におきましても、少年院等の関係でありますが、これはまた重大であります。九千五百万円を要求いたしまして、ゼロになってしまっている。一体こういうようなことで、本気で売春対策に臨まれるのかどうかを疑わざるを得ないのであります。全国の少年院において、売春の婦女で、これは青少年でありますが、ことに少年においては重要であります。少年におきましては、一般の普通の非行少年とは区別しまして、そうして売春の経歴のある者は特殊に扱うということが必要であることは、たとえばこの近くの北多摩郡の少女院なんかにおいてその実例を見ても、あるいは御承知かどうか存知ませんが、わかるのです。こういうふうに、売春の経歴を持っております者は、通常の非行少年とは区別するというところに新しい出発がなければならぬ、こういうところに、法務行政の関係からみまして、今後の売春婦を扱っていく新しい角度が出て参りますので、ただ普通の一般の犯罪、あるいは被告扱いに少年を扱うというのとは、違う角度から扱っていくということが売春の重要性のあるゆえんでありますので、これを抹殺するところは、やはり根本的に認識が足りないのではないか、こう思うのであります。この点は、どういうわけでこれを全部削ってしまったのでありますか。
○森永政府委員 法務省のその要求に対しましても、私どもよく検討いたしたのでございますが、少年院、これは未成年の犯罪者を収容いたしておるわけでございますが、特に売春関係専門の少年院的な施設を作る必要があるかどうか、それらの点につきましては、いましばらくこの法律の施行の状況を見きわめてからでもおそくはあるまい、さしあたりは、やはり何といっても婦人相談所であるとか、あるいは保護施設であるとか、そういう面の方がまず先行すべきものではあるまいか、さような考え方から、全体として売春関係の対策を重視はいたしたのでございますが、重点を厚生省の予算に置いた、さような経緯に相なっております。
○吉田(賢)委員 大臣に伺っておきますが、やはり厚生省、労働省の関係に重点を置いたという御趣旨はわかるのですけれども、厚生省、労働省の窓口だけで問題は解決しないのであります。やはり相談所で人間を選別する、どういう事情で転落したか、あるいはどういう事情で危険区域に入ってきたか、転落のおそれがあるかということを相談書がみな調べるのです。これは御存じかどうか存じません。そこで選別しまして、その次にどうするか、これが大事なんであります。その次には一時収容所があるわけです。あるいはもう少し長い期間を収容します、十カ月も一年も収容するところがございます。これが保護施設であります。そこまで持っていっておかなければだめですが、これは卒先して建物を作り、率先して人間を雇っただけではできない。やはりそこに一つの訓練が要りますし、またいろいろな連絡関係が要りますし、また親との関係もあります。調査活動もしなければいけませんし等等、いろいろな準備をしなければいけませんので、窓口を持って、相談書だけで物事を処理していくというところか問題です。たとえば、このリンゴは腐っている、このリンゴは腐っていないと区別して、腐ったものは捨ててしまうという問題ではございません。問題はそこにあるのです。ですから、相談所をほんとうに生かして活動される、次にはどうしても収容所、保護施設というものが活用されていかなければならない。そしてさらにその次に、区別され、選別されたものが、あるいは検察庁へ行くものが標準かもわかりませんが、そういうようになったら、検察庁といえども、その次にその婦人をどうするか、これがやはり大事なことになってきますので、それ相当の設備をしなければならぬのであります。建物のりっぱなものを作れというのではありませんので、扱う人、扱う場所、扱い方といいうものは、売春の経歴を持った者は特別に扱っていくというのが、今日の常識であります。かるがゆえに、私は当初申しましたように、世界環視の中に日本はこの法律を実施せんとしているのでありますから、どうしてもこれはそういうふうに行き届いた方法をもちまして、厚生施設の完璧を期してもらわねばならぬのでありますので、この予算的裏づけが不十分でありましたら、おそらくは車は完全に回らないのであります。大臣に最後に伺っておきますが、こういうような事情になっておりますので、これは一片の単なるある施設を作るというだけでは解決しないのでありますから、大臣に伺いたいことは、第一、売春対策審議会もいろいろと慎重検討しまして、全会一致で、この更生施設等につきまして決議している事項もございます。行政措置について決議している事項もあります。あるいはまた、この法律の実施に伴いましては、いろいろな面からいろいろな要求も出ておりますが、大臣としましては、今のいろいろな言葉がら帰結いたしまして、できるだけ一つさらに御検討になりまして、あるいは補正予算をもってこれを補充をするとか、その実施の状況によってという主計局長のお話もありますが、十分に御検討くださって、この完璧を期するということに遺憾なきを期していただきたいと思うのですが、どういうものでしょうか。
○池田国務大臣 だんだんのお話を承わりまして、予算の施行面につきまして十分配意いたしたいと思います。なお将来におきましても、御趣旨の点を十分考慮いたしまして進んでいきたいと思います。
○山本委員長 次に、春日一幸君。
○春日委員 大臣は、今回再びあなたのホーム・グラウンドへ帰ってこられまして、このことが国家と国民のためにプラスになるかマイナスになるか、これは、一つ今後の治績に待つのでありますが、特にこの機会に申し述べておきたいことは、由来あなたは、官僚政治家の象徴的存在といわれております。国民の多数を占めている中小企業、庶民の生活について、特に認識が足らないのではないか、こういうような批判が行われております。しかし、あなたがかつて失言でその座を去られてからこの数年間に、再びこの権力の座に帰られて、いろいろと御答弁を伺っておりますと、かつて、のそれとは、やや一日の長があるかのごとく見受けるのであります。これはまことに御同慶にたえません。そこで、私はこの際お伺いをいたしたいことは、特に金融政策のうち、なかんずく中小企業金融の問題を集中いたしまして、ここで当面しておりまする二、三の問題について、特に池田大蔵大臣の経論のほどを伺っておきたいと存ずるのであります。と申しますのは、われわれは、この二カ年間一萬田大蔵行政と取り組んで参りました。過ぎた人に批判を浴びせるわけではありませんが、私どもの二カ年間のそれらの諸問題を中心として、その応酬から受けた印象を申しますると一萬田さんは、やはりその経歴からして、金融技術家とでも申しましょうか、とにかく日銀を中心とする金融行政につきましては、一家の見識を持っておられたでありましょうが、しかし中小企業金融とか、あるいはそれに続いておりまする税制、管財の諸問題については、まるでしろうとで、現にそういう問題が何にも解決されなかった。実に二カ年間の空白がここにあったということは、非常に私どもは遺憾に存ずるわけであります。あなたは、かつて数年間大蔵大臣であられたのであって、そういう政治経歴を豊富にお持ちになっておりますから、今度は、とにかくこの二カ年間を取り戻す意味においても、税制はもとより、特に問題になって何ら解決されていない中小企業金融の問題について、池田さんの十分なる御健闘によって、問題の抜本塞源的な解決をはかっていただきたい、こういうふうに私たちは考えておるわけであります。従いまして、どうか一つ、虚心に問題の事物をありのままに取り上げていただいて、必要である事柄はこれを処理する、なし得ることはあえて断行する、こういうことで、われわれ与党、野党立場を異にはいたしております。が、しかし、正しい主張については、一つ虚心に受け入れて、これを政府の方針として実施していただきたい。全国中小企業者のために、まずもって強くお願いをいたしておく次第であります。 そこで、中小企業問題としてすみやかに解決されなければならぬ問題は、何といっても資金量をどうしてふやすか、そして金利をいかに低下せしめていくか、ここにあろうかと存ずるわけであります。商工中金のそれ、それから中小企業金融公庫、国民金融公庫、いずれも資金需要とその供給の実績がどういう比例を示しておるかということは、すでに御調査のあるところであろうと思いまするが、やはりこれを全面的に需給のバランスをはかっていかれるためには、何といったって、とりあえず政府関係の金融機関の資金の増強をはかること以外にはなかろうと存じます。さらにはまた、金融政策を通じて、一般金融機関が中小企業に金を流し得る措置を講じていただく、これにあろうと存ずるわけであります。そこで、私はまず第一番に、資金量をふやすことのために、政府は、今回行財政措置を通じて一応の措置は講ぜられておりますが、これは昨年度の資金需要の総量よりなおはるかに足らないのであります。この資金量を増強して、中小企業金融を緩和することのために、この際池田大蔵大臣は、さらに何ぼか前進した御措置をとられなければならぬと考えるが、これについて予算措置を講ぜられておるが、ほかに何らかの行政措置によって効果をおさめられる、そういう事柄について、お考えになっておるところがあるかどうか、この問題についてまずお答えをいただきたいと思います
○池田国務大臣 日本の産業構成の面から申しましても、中小企業の重大なことは、春日さんのおっしゃる通りでございます。問題は、われわれの所管のところでは、いかに借りやすくするか、それには、信用の問題と、お金のワクの問題、金利の問題、こう三つあると思うのであります。借りやすくするため、信用の問題につきましては、信用保証協会というものの活動が相当活発になって参りましたので、私は、今回初めての試みといたしまして、信用保証協会に対しまする出資十億円を考えたわけでございます。また資金量を多くするための問題といたしましては、お話の通り相当資金量はふやして参っております。また金利を安くする点におきましても、商工中金につきまして十五億円の出資をし、一割余りの平均金利を一割以下に下げよう、こういうことにいたしております。しかし何と申しましても、もちろん十分ではございません。将来におきまして、信用保証協会の活動状況によっては、来年度また考慮する必要があると思います。また金利の問題につきしましても、できるだけ財政投資を今後もいたしたい。また資金童の問題につきましても、これは政府のお金ばかりではなしに、将来、要すれば国民金融公庫、あるいは中小企業金融公庫につきまして特別の考慮をする必要があるんじゃないか。ただ問題は、今の商工中金債券の発行状況から見まして、今すぐ他の機関にそういう制度を設けてうまくいくかどうかということにつきまして、まだ疑問がございますので検討中ではございますが、これは将来の問題として残しておきたい、こう考えるわけでございます。
○春日委員 私たちの主張は、また私の主張せんとするところもそこにあるわけでありますが、限られた財政資金のみをもってしては、中小企業の資金需要を満たし得ない。だから、民間資金を導入する方途いかんというところに問題は集約されて参ると思うのであります。従いまして、その商工中金が、政府からの投融資が少くてああいう豊富な資金を持ち得ることは、金融債が発券できる、ここに私はあると思います。私は、この金融債の消化が可能であるか不可能であるかの問題は別といたしまして、とにもかくにもこの商工中金が政府の財政資金わずかにしてああいう豊富な資金量を持ち得るに至ったという実績を大いに尊重して、関係機関の施策に御参考に供していただかなければならぬと存ずるわけであります。これは、池田大臣当然御承知のことでもありましょうが、かつて一萬田氏が大蔵大臣であられましたときに、わが党の久保田君の質問に答えられて、これは予算委員会でありましたが、やはり財政資金では資金量の充足ができないので、これは不日金融債を発行せしめることは余儀ないであろう、そのことを考慮しておる、検討中である、こういう答弁がありまして、私どもも非常にそれを期待しておりました。ところが、幾ばくもなくの答弁が取り消されまして、じんぜん今日に至っておるわけであります。私が申し上げたいことは、結局国民金融公庫は、申し込みに対して四分の一しか応諾ができない、さらにまた中小企業金融公庫しかりであります。こういう状態で百億や百五十億の資金を予算の面で、あるいは財政計画投融資の面で御考慮願ったところで、これはとてもとても全国の中小企業の要求を満たし得ない一方、中小企業金融は、先般本会議でもいささか資料を掲げて指摘したのでありますが、だんだん不渡り手形は激増いたしておるわけであります。そうして、中小企業金融というものは、国として必要だからこそ、こういう国の政策金融機関があるのでありますから、その政策をもう少しダイナミックに内容を充足し、機能を充足する、このことが必要なことは論を待ちません。従いまして、私はこの際金融債を発行するというところへその方針をとれば、その金融債の消化の方法というものは、その後の措置において適切な方途が幾らもあろうかと存ずるわけであります。正確な数字は、私もまだ調べてはおりませんけれども、今民間におきまする一年間の貸し出し総額というものは、私はおそらく六兆か七兆、あるいはもっとにもなるかと思います。その中で、この両公庫の金融債を発券することが法律で認められさえすれば、金融機関に協力を求めることによって、私は相当の消化は不可能ではないと思う。現に金融機関に協力を懇請されたことによって、予算外に民間資金が公団、公社関係の政策資金としてずいぶん活用されておるのでありますから、この国が保証する金融債を、そういう民間にとにかく引き受けていただくということは、大臣がその気になって懇請されれば——あるいはそれでもなお満たし得ない場合は、その何兆円という膨大な総資金量の中において、行政措置、特には法律措置で何%はこれを引き受けなければならぬというようなことをやっていけば、私は、金融債の消化というものは困難ではないと思う。現実にこの零細中小企業金融が必要であるということであるならば、そうして金融債を発行して、商工中金が相当の資金量を充足することに成功したということであるならば、私はこの際英断をもって踏み切っていただいて、この両公庫に金融債発行の機能を有させる、このことのために、これが大きな障害を来たすとか、あるいは金融行政の根幹をゆさぶるというような大問題であれば、これはまた別途の検討が必要でありましょうけれども、現に行われておることであり、しかもそのことが必要にして欠くべからざる需要があるとするならば、池田大蔵大臣、大英断をもってこの際一つそういう方向に進んでいただきたいと思います。幸いに今の御答弁によると、必ずしも否定的ではなくて、御検討が進められておるようでありますから、この国会においてこの問題を措置される御意思はないかどうか。予算措置を必要といたしません。これは何ら予算を伴いません。ただ法律事項でありまして、民間の御協力を願って、大きな政策効果をおさめ得るのであります。この問題について、一体どうお考えになるか、重ねてお答え願いたい。
○池田国務大臣 私は、一昨年資金委員会の問題、あるいは民間資金を財政の方で使い得る制度につきまして検討いたしたときに、人間の人に、あなたと同じような意見を申し述べたことがあるのであります。そういう関係で、先ほどの答弁も、自分としてもそう考えておる、こう言ったのでございますが、今直ちに両公庫に金融債を発行する制度を認めることがどうかという問題は、もう少し検討してみたいと思います。商工中金の金融債の発行につきましての状況を見ますと、必ずしもそう楽にいっていないような状況であります。そこに両公庫に新たに認めましても、効果がどれだけあるかにつきまして、私は今かなり疑問を持っておるのであります。なお、先ほど申し上げましたように、今の制度でできるだけのことをやってみたい、こういう気持でございます。不十分ならば、お話のような点を、私は前から考えておるのでございます。いましばらく様子を見てから決心いたしたいと思っております。
○春日委員 これは本委員会の年来の懸案事項でもあります。従いまして、銀行局においては、それぞれの資料は整っておると考えますが、なお私どもの側においても、両公庫の資金需要の実態、それから供給の実績、これを掲げて、そしてもう少し突き進んだ技術的なお話を進めたいと考えております。なお、大臣といたしましても、もうしばらく情勢の推移をながめてみたいということでありますが、私の主張は、予算を伴わないで大きな政策効果がおさまることなんだから、できるならば、今次国会においてこの問題の解決をはかってもらいたい、そうして全国の中小企業者、零細業者の要望にこたえてもらいたい、こういうことにありますから、私どもの方も早急にこれらの実態を調査いたしまして、後日重ねてこの問題について、もう一ぺん大臣とお話を交えたいと思っておりますので、こいねがわくは、御検討に相なっておるということでありますから、少くとも向う十日間くらいに、これまた大臣の決意をお固めいただきますように、この問題は一つペンディングの問題として、後日に譲ることといたします。 次いでお伺いいたしたいことは、金利低下に対する政府の措置いかんということでありますが、先般の御答弁によりますと、これは、商工中金に出資を行なったから、その面について幾らか安くなる、一割以下にするということであります。けれども、現実の問題として、商工中金一つ取り上げてみましても、資金量七百億にわたりますこの年間資金量の中で、十億や二十億投資することによって金利が低下できるというその期待の率は、おそらく三厘か四厘、ほとんど名目的なものであって、これは市中金利に比べ、政策金融というもののその政策の効果が果し得るようなものかどうか、これは、専門家であるあなたがよく御検討のことであろうと存ずるわけであります。私たちの主張は、そういう名目的な、いわゆる一割を形式的に下へ切りこえるということではなくて、実質金利は少くとも八分台か、八分五厘か九分程度までに下げなければ、一般市中金利と政策金融金利との間の開きというものは、なかなか解消できないと考えます。そういう点から考えますと、これは造船利子補給の前例もあることでありますから、一般会計から何らかの利子補給の方途を講じていく、こういう大英断をもって臨むにあらざれば、資金コスト等の点から考えて、なかなか金利の低下をはかり得ないと考えるわけであります。私は、この際お伺いいたしたいことは、政策金融というものについては、利子補給の前例はあるのだから、造船も国策として必要だが、中小企業の繁栄安定、これもまた国策としてゆるがせにすべきものではない、だとするならば、やはり同じ政策目的を充足するために、この際造船利子補給の前例を踏襲するということも、別に行き過ぎたことではないと思います。従いまして、この際いろいろな方途もありましょうが、金融債利率と資金運用部貸付利率との差額、こういうようなものを一般会計から補給していく、そういうことで相当の効果をおさめ得る、もって中小企業の資金コストを安くし、そうしてその企業の経理内容をだんだんと豊かなものにしていけると考えております。今金利を低下する、低下するといっても、三厘や四厘の低下では、実際的な効果は現われてこないのであります。この際実質的な効果をおさめ得るような方途を講ずる意思はないかどうか、大臣から承わっておきたいと思います。
○池田国務大臣 今国民金融公庫、中小企業金融公庫に対しての金融債の発行の問題につきまして検討する一つの根拠は、やはり両公庫が金融債を出した場合においての金利の上昇ということも考えなければならないので検討しておると申し上げたのであります。せっかくお話がございましたので申し上げましたが、今私は、中小企業の金利低下のために、一般会計から金利の差額を補給するということにつきましては、どちらかといったら否定的でございます。それよりも、今の資金運用部の金を重点的にそっちに持っていくとか、こういう工夫をして、それでもまかなえぬというときに考えるべき問題である、こう思っております。
○春日委員 それは資金量もふやせ、金利も安くしろ、二者同時にあわせ行えということでありまして、これはそういう必要性があり、かつ長い間の中小企業者の要望事項でありますので、一方をやれば一方がやれないということではなく、御検討願えればなし得ることであり、しかも国際金利の水準から考えてみましても、やはり日本が政策金融を行う場合に、一割一以上になっておるということは、全く問題にならないことでありますから、こういう問題について否定的ということではなくして、とにかくやればなし得ることであり、造船利子補給がやれて中小企業利子補給がやれないということは、私はないと思う。中小企業が全く金融で困っており、またいろいろなデータから考えれば、中小企業がわが国産業の大きな場面を占めておるといたしますれば、やはりそれにいろいろな金融面においての政策を充足することによってわが国産業の発展に資するということは、これはなさねばならぬことと考えますから、これもさらに踏み切って御検討願いたいと存ずるわけであります。 それからもう一つ、時間の関係がありますので、一つだけに区切ってお伺いをいたしたいと思います。現在国民金融公庫は零細金融をも扱っております。ところが政府関係金融機関の中で、商工中金、それから中小企業金融公庫は、零細金融をほとんど扱い得ない状態になっております。たとえば資産状況が明確でないとか、あるいは償還が怪しいとか、いろいろなことがあるわけであります。今回、信用補完制度があの十億の出資によりましてさらに強化もされて参りましょうから、要するに債権保全の道は別途講ぜられて参るわけでありますから、そこで今までほとんどらち外に置かれておる零細金融を、やはり両公序もやり得る態勢を確保していかねばならぬと考えるわけであります。でなければ、困っておる零細業者が、さらに一そうその困難の度を加えるばかりであります。現在の中小企業協同組合法は、御承知の通り工業については三百人以下一人まで、商業については三十人以下これまた一人まで、考えてみますると、三百人も職工を使っておる大工場と、自分で大八車を引いて仕入れ販売をしている八百屋さんを、共通の利害、共通の政策をもって問題を解決することができるとは考えられません。三十人も番頭を持っておる大問屋も、自分でとうふを作っておる商店も、中小企業協同組合法だけで処理されておるわけであります。そして両公庫、商工中金もそれから中小企業金融公庫も、これを一括して対象としておる。そういたしますと、比較的信用度の高いものから金融べースでいろいろと選考審査を加えていくと、やはりそういうものにどんどん優先的に貸し出しをするという形になって、いつしか資金量を食ってしまう。従って零細業者たちが申請したとぎには、めんどうくさいこともあるし、条件がそろわないということもあろうけれども、最終的には資金量がない。資金計画の中でそういうスペースがないというようなことで、結局借りられないままに過ぎ去ってしまうというのが、現状ではないかと存ずるわけであります。私は、この際中小企業金融公庫と商工中金の総資金ワクの中で、零細企業者のための特別ワクを設けて、これは法律によるか、行政措置によるか、そのパーセンテージは三〇%がふさわしいか、二〇%がふさわしいか、これはさらに専門的な検討を願うことといたしまして、とにかくその総資金量の一定ワクを零細業者のためのワクとして固定いたしまして、そうして相互に流通させるということを禁止していく、そして計画融資を行なっていく。政策融資でありますから、これは計画性がなければならぬ。申し込みを漫然と受けて、だれでも中小企業者ならば貸してもいいということになりますならば、大きいものが優先的に借りて、信用度の高いものがこの金を使ってしまって、零細業者はいつしか取り残されてしまう。これは政策をずっと均籍せしむるために、さらにその政策の効果を弱きものに厚く及ぼすためには、両公庫の資金ワクの中にそういう計画性を持たせて、その資金危は零細業者のためにのみ用意される、そうしてそちらに流れていく、こういう態勢を確立すべきものと考えるが、これに対して大臣はどういうふうにお考えになりますか、御答弁を願いたいと思います。
○池田国務大臣 なかなか実情を御存じの御議論でございますが、私の考えといたしましては、今のごく零細の方面には、国民金融公庫が出ていくのが道ではないか。これは信用金庫その他が代理業務をやっておりますので、そちらの方の資金量をふやしていくのが本筋ではないかと思います。何と申しましても、国民金融公庫の方は、相当皆さんに親しまれておりますし、それから中小企業金融公庫あるいは商工中金の方は、まだそこまで行っておりません。従って、お話しのような点を考えないではございませんが、あの商工中金あるいは中小企業金融公庫にワクを置きましても、つながりがまだ十分でない。それならば、その分のものを国民金融公庫の方に流した方が実際に沿うのではないかと考えております。
○春日委員 それは、社会政策的な意味を持たしめる金融を、国民金融公庫に全的にその任務を負わしめていくということであれば、これは零細業者の数というものはまた圧倒的に多いのでありますから、その資金量を二倍あるいは三倍という工合にあなたの責任においてこれをやっていくということなら、これは、あるいはその解決もつき得るかと考えますけれども、一方国民金融公庫の現状は、御承知の通り、一般の比較的大きい中小商工業者もこれをあわせて活用いたしております。中小程度の事業者も事業資金を使っておるわけなんです。国民金融公庫における零細業者の借り得る金の量も、やはり信用度の高いものから先に借りるので、おそらく国民金融公庫も、中小企業金融公庫、商工中金ほどではないけれども、その面においてもその資金量はおのずから少い。そういうわけでありますから、やはり全国の零細業者弱きものにより手厚くということであるならば、これは一つ何らかの方途を講じていただかなければ、国民金融公庫も零細金融専門にして、その資金量を三倍、四倍にふやすか、あるいは私が前に指摘いたしましたように、他の両公庫に対してそれぞれ計画融資をせしめることにしてそれぞれの資金量を準備するか、何らかの策をとるのでなければ、現在のままほうっておいたならば、零細業者の金融というものは現実に行われない。金融政策というものは、零細業者はほとんど盲点、死角に置かれて、何らの恩恵を受けるに至っておりません。どうかこういう問題を御検討願いたいと思います。非常に困難であると言われておりますが、もとより新しい政策を行なって大きな政治効果をおさめようとする際においては、その執行の面において困難を伴うことは、当然であります。その困難を乗り越えて、零細業者の切なる要望にこたえていってもらわなければ、これは四年前官僚政治家の象徴的存在と非難された池田さんと、今日苦労されて帰ってきた池田さんと、ちっとも変っておりはせぬ。どうかそういう意味で、一つ円熟した池田大蔵行政の真骨頂というものが、ちょっぴりでもこの際国会を通じて一つ実現されるということを強く要望いたしまして、まだたくさんありますが、時間の関係もありますから、本日はこれをもって私の質問を終ります。
○山本委員長 午前の会議はこの程度にとどめまして、暫時休憩いたします。 午後零時五十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十七分開議
○山本委員長 それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。石村英雄君。
○石村委員 大体予算委員会なんかで論議されることは、なるべくこちらでは省きたい、こう考えておりますが、ごく簡単に一般的なことをお伺いしたいと思います。しかし、それに入る前に、一つ大蔵大臣にお尋ねしますが、昨日株の値が非常に上っておる、最近株界はいささか投機的ではないか、このように受け取れるのですが、大蔵大臣としてどのようにお考えですか。
○池田国務大臣 株のダウ平均がどうかという問題で、行き過ぎじゃないかというお話でございますが、今の経済界の好況から見ましたならば、そう行き過ぎではないんじゃないか。実勢力を現わしておるのじゃないかと考えております。 なおそれが投機化してはいないかという問題につきまして、これもまた私はずっと見まして、そう投機化しておるのではないのじゃないか。一、二の株につきまして、仕手株のような関係の分もあるやに聞いておりますが、全体といたしましては、私はそう心配する状況じゃないと考えております。
○石村委員 大蔵大臣は投機的でないという御判断のようですが、世間一般の話を聞いてみますと、やはり今度の予算を原因とするかしないかは別として、三十二年度は相当インフレ的になるのじゃないかという懸念が強いわけでございます。そして、せんだっての予算委員会でも、こうしたことが中心になって論議せられましたが、大蔵大臣の御答弁では、まだ世間でのインフレになりはしないかという懸念をぬぐい去るほどの理論と申しますか、そうしたものを聞くことができないように思うのです。いま一度大蔵大臣として、決してインフレにはならないのだという理由をはっきり申し述べていただきたいと思います。何でも新聞の伝えるところによりますと、大蔵省では、はっきりした資料を出してこの点を打ち消そうとしていらっしゃるかと聞いておりますが、それはそれとして、大蔵大臣としてのお考えをもう一度述べていただきたいと思います。
○池田国務大臣 株式市場のことは、これは予測はできませんが、きょうの午前中の様子では、少し下っておるようでございます。私は、常に前場、後場の様子は、異常があれば大蔵大臣として注意はいたしております。心配は要らない状況と考えております。なお昭和三十二年度においてインフレになりやしないかという心配は、これは、私も先般新聞記者に申したのですが、そういう問題について一番心を砕いているのは大蔵大臣と日銀総裁で、あらゆる面から検討はいたしております。国会での当弁につきましては、時間もございますので、意の尽せない点もございますから、私といたしましては、この問題につきましてしさいに検討はいたしておりますが、その結果を適当の機会に出しまして、御心配の方々に御了解を得るようにいたしたいというのでやっております。もともとインフレになるのは、物と金とのアンバランスでございます。金の方につきましては、財政の問題と金融の問題で、私が財政演説で申し上げましたように、財政は均衡でございます。従って、財政面からインフレを起すことはない。しかも均衡であると同時に、その規模が国民経済とマッチしなければなりません。これは物資の関係からでございます。規模からいっても、国民経済に対しまして従来の例と変りない。そうすると、金融面の信用の過当な造出がございますと、これはインフレになります。金融面においても、やはり健全であらねばならぬ。経済の伸びていくときには、金融面が健全であるためには、国民が資金の蓄積に御協力下さらなければいけない。貯蓄の増強をやっていって、金融面が拡大し、均衡する政策をとらなければならぬ。と同時に、財政規模、金融の規模が日本の生産力とマッチしなければいけない。日本の生産力は、御承知の通り非常に伸びてきております。そうして生産力が伸びると同時に、消費が非常に過当であってはいけません。消費性向も今のところ非常にいい。昭和二十七年、八年ごろに比べまして、平均消費性向は非常に順調にたどっていっております。いわゆる所得のふえた場合に、そのふえた金をどういうふうに使っておるかということを見ましても、われわれが巣ましい状況をたどっていっておるわけであります。生産が伸び、消費がそれ以上に出ない、こうすれば、これはまた物資の需給がマッチして、そこにインフレの要因はない。しかし日本の特殊の事情といたしまして、原材料の相当大きい部分を外国から輸入してくるという場合に、外国との輸入についての関係はどうかと申しますと、輸入も相当順調にいっておりまして、輸出の原材料なんかのストックも相当ありますし、また先ほど申し上げましたように、今のところ、輸入されたものが消費にうんと向うというふうなことも見られませんので、大体今の状況を持続していき、財政が健全であると同時に、金融も健全であり、そうして生産が伸びていき、消費性向が順調であればインフレは起らない。これは理論からいっても実際からいっても、そういう結論に相なると思うのであります。
○石村委員 大蔵大臣の御説明は、一応理屈の御説明で、理屈としてはそういうことになるかと思うのですが、消費傾向がいいということも、これは一般の人がインフレになる、こういう懸念を持ったら、消費傾向はいいということにはならなくなると思う。みんな今のうちに物でも買っておけ、何でもしておけ、こういうことになれば、これまでは消費傾向がいいかもしれないが、今後は悪くならないともいえない。そこで、さっきから大蔵大臣に、インフレにならないかという御説明を、くどくお尋ねしたわけなんです。その点はどうお考えになりますか。
○池田国務大臣 今予算の審議に当って、インフレにならないか、こういうお話ですが、予算の問題につきましては、インフレにならない、全体としてこういう動きをしておる、だから、みんなが所得以上に借金をして物を買うとか、あるいは産業界全体が借金をふやしてどんどん物を買う、こういうふうになれば、これは心配であります。そういうことは、インフレにするかしないかということは、財政でなしに、国民の心がまえと私は考えております。インフレで得する人はいない、もしありとすれば、それは百人中一人か二人で、全体はインフレは困るのでありますから、国民全体、官民を通じてこれの防止に努めなければなりません。今の状態としてはどうかということになりますと、先ほど申し上げた通りでございます。
○石村委員 財政面でインフレは起らない、均衡財政だということは、一口に言えば、赤字公債なんかの発行をしていない、こういうことになるわけなんですか。規模は、国民所得との関係があるでしょうが、均衡だという意味は、租税収入なり何なりが当然あって、それに見合う支出をやっていくのだ、こういう御趣旨だと私は解釈しますが、そうなんですか。
○池田国務大臣 その通りでございます。
○石村委員 そこで、例の食管の赤字問題がそのままにされておるということは、表面的には、ちょっと見ると赤字公債の発行ではないかしらぬが、実質的には、赤字を大蔵証券でカバーしていらっしゃるのかと思うのですが、そうしたことで、一種の赤字公債が発行されておる、こういうふうにとれるのではないかと思うのですが、どうですか。
○池田国務大臣 食管会計自体で申しますると、赤字を食糧証券でまかなっておるということからいえば、厳格にいえば赤字であります。しかし実際面から申しまして、特別会計全体を見直しますと、産業投資特別会計におきましては、別に百五十億円をとっております。しかし、この金が食管へ直ちに行く橋はないのでありますが、見方といたしましては、全体としては均衡しておる、こう言えると思うのであります。
○石村委員 今の産投の百五十億ですか、これはその方へ使われるのでしょう。別の財政資金として出ていくわけなんでしょう。食管特別会計の赤字に使われるわけではない。その百五十億の用途というものは当然予想されておる。そうして、食管の赤字に対する穴埋めというものは全然考えられていないということになりますと、やはり食管の赤字は赤字として厳として存在しておる、こういうことになるのではないかと考える。これを、産投でカバーしておるという議論は受け取りにくいのです。
○池田国務大臣 お話しの通りに、産投会計に資金として置いております百五十億というのは、食管の赤字を埋める建前にはなっておりません。そこには橋はないのでございます。しかし、産投会計に今年度の一般会計から三百億入れまして、資金としてそれを置いておく。その三百億のうち、百五十億は三十二年度に使いますが、残りの百五十億は三十二年度に使わぬことにいたしておるのでございます。従いまして、片一方で黒字の百五十億を持っておる。直接に使うわけではございませんが、全体といたしましては均衡しておると言えるのであります。
○石村委員 つまり三百億ことし産投に入れて、その百五十億を来年度使うだけで、再来年度に百五十億を用意しておるから、財政規模としては、それだけのものがちゃんと見合って置いてあるから、食管の赤字が百五十億程度においては、一応資金的には埋め合せがついておるという御趣旨なんですね。
○池田国務大臣 全体として見ますれば、資金は、まだはっきりいたしませんが、百数十億の赤と百五十億のプラスがある、こういうことでございます。
○石村委員 予算総則を見ますと、昨年に比べてことしの政府保証の債権が約二百億ばかりふえておるように思うのですが、こうしたことは、一種の公債発行と同じことだと思うのです。政府の直接の公債ではありませんが、政府保証によっていろいろ東北開発とか、北海道東北開発公庫、そういうようなものに政府保証の債券を出させるということは、公債の発行が二百億程度ふえておる、こういうことに見られるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○池田国務大臣 この赤字公債という問題は、私の知るところでは、一般会計の問題と心得ております。事業会計におきまして事業資金のために出します公債は、赤字公債とはいえないのじゃないか、事業をしていくうちにおきまして、借入金等は事業本来の関係からくるものでございまして、私は赤字とは考えておりません。
○石村委員 赤字という言葉に拘泥すれば、そういうことになると思うのですが、事業をするならば、公債をどんどん発行してやっても一向差しつかえないという御議論なんですね。もちろんその公債の発行の仕方が、日銀の引受けによってやるということと、あるいは市中から応募を受けてやるということで、性質は幾らか違ってくると思うのですが、大蔵大臣は、事業をするならば公債を幾ら出しても一向支障はないのだ、こういう御意見なんですか。
○池田国務大臣 おのずからそこには限度があるわけでございます。住宅公団、あるいは国鉄、電電公社等、その事業の内容を見まして、また金融界の情勢を考えまして、適当な公債を出すということはよい、いわゆる赤字公債とは違う、こう申し上げるのであります。
○石村委員 今度八百億からの政府保証公債を発行せられるということは、金融情勢から見て一向支障がないという御意見のように承わったのですが、混在の金融界は、かなり逼迫しておるといわれております。日本銀行の貸し出しも、ことしは、昨日ですか、約二千億になっておる。昨年に比べれば非常に膨大にふえておるわけですが、こういう金融情勢を、大蔵大臣は正常なもの、日本銀行の貸し出しがどんどんふえていっても一向支障がない金融情勢だ、こういう御判断ですか。
○池田国務大臣 昨年の同期に比べまして、お話の通り日本銀行の貸し出しは、一昨日で千八百億円ばかりになっております。昨年から比べますと、手数百億円ふえております。しかし、これは昭和三十年度の政府・民間の収支におきまして、二千七百億円近い散超であったのであります。それが自然増収その他の関係で、相当引き揚げ超過になるのであります。そういう一時的の関係が出まして、日本銀行の貸し出しがふえておる。その見合いには、政府が相当の余裕金を持っておる、その余裕金をうまく運用しまして、三十一年度、三十二年度、三十三年度と調整をとっていくのが、これまた財政の一つの考え方でございます。従いまして、政府の余裕金は食糧証券、あるいは外為証券に運用し、また資金運用部におきまして、郵便貯金の増、その他政府関係機関の預金の増をした分につきましては、努めて民間に速流する方法をとっておるのであります。年末に八十億円預金部から市中の金融債を引き受け、また今月も二十日ごろ百二十億円引き受ける、こういうふうにいたしまして、調整をしていくのであります。日本銀行の貸し出しの増加した原因がそこにあるのでございますから、私は、これは一時のあやと考えまして、心配いたしておりません。ただ、三十一年におきまして、相当民間投資がふえております。その民間投資がふえて参りましたので、今後の問題といたしましては、野放図に、思うがままに設備投資その他をやらずに、やはりこの前申し上げましたように、金融の健全性を考えまして、預金の増加の範囲内において、重点的に設備投資をやっていくということが必要であるということを考えておるのでございます。この意味におきまして、財政演説におきましても一金融の健全性を主張した次第でございます。
○石村委員 大蔵大臣は、現在の金融状況を非常に楽観していらっしゃるようですか、そのように、ごく一時的な問題にすぎないということなら、日本銀行の金融について、高率適用の緩和ということも論じられておるのですが、高率適用の緩和ということもあるいは考えられるかと思うのですが、大臣の御説のようだとすると、高率適用の緩和ということをやることに御賛成ではないかと考えるのですが、どうですか。
○池田国務大臣 今の、金融梗塞といっては少し強うございますが、金融の状況のしわにつきましては、先ほど申し上げました通りでございまして、原因がはっきりわかっております。従いまして、できるだけの措置はいたしておるのであります。将来の問題として、高率適用をどうするかというふうなことは、一応日本銀行の総裁が考えるべきことでありまして、まだ日本銀行総裁からそういうふうな話も聞いたことはございません。私は、今直ちにどうこういう措置はとる必要はないのではないかと思っております。
○石村委員 しかし、現在の梗塞というか、窮迫状況というものが、そうした一町的な財政関係の問題で起っておるということなら、将来の高率適用の問題ではなくて、現在どうするかということが問題だと思う。ずっと先になって、こういう状態がなくなってからでは、高率適用の緩和とかなんとかいう問題は起らないと思う。現在の問題として考えらるべきことだと私は考えますが、いわゆる日本銀行総裁が考えることかもしれませんか、大蔵省としては、日銀の政策委員会に代表を送っていらっしゃるわけですから、現在の問題としてはどうお考えか、現在は全然そんなことはやる必要はない、これは一時のあやだから、そのうち財政資金の民間還流その他で、ごく近いうちに解決のつく問題だ、こういうようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○池田国務大臣 大体そういうふうに、今直ちにどうこうする措置をとろうとは思っておりません。
○石村委員 日本銀行の総裁の談話として、来年度予算については、四期かに分けて実行予算を組むべきではないかという御意見ではないかと思う新聞記事を見たのですが、そういうことに対する大蔵大臣のお考えはいかがでしょうか。
○池田国務大臣 私は、実行予算を組むことを考えておりません。
○石村委員 大へん楽観的な御意見で、これを、いや、それならここは間違っておるといってみてもしょうがないと思うのですが、アメリカの景気の動きというものが、日本に及ぼす影響はやはり大きいと思うのです。最近アメリカの株界も大暴落を続けておるようですが、またもとのフーヴァー大統領が、あの大恐慌時代の徴候と同じ徴候が現れておるというようなことも指摘しておると聞いておりますが、大蔵大臣としては、アメリカの景気をどのように考えていらっしゃるのですか。
○池田国務大臣 なかなか株の話がよく出るようですが、二、三日前に、アメリカの株はある程度下りました。下りましたが、アメリカ景気の全体の動きとしては、私は今の景気を続けるものと考えております。財政演説で申し上げた通りであります。
○石村委員 これは、結果において見るよりほかしようがないと思います。大蔵大臣は、アメリカの景気にしろ、日本の景気にしろ非常に楽観していらっしゃると思うのです。今度の予算で問題になるのは、一方で、やはり金融界が、こうした財政規模に応じて果してやれるかやれぬかということが問題になっているのだと思うのです。財政の方は、なるほど大蔵大臣は均衡予算だ、こうおっしゃるが、経済全体として、金融が果してこれに応じて措置がとれるかとれぬか、大蔵大臣は、一時的な問題で心配することはない、こういうことですが、日本銀行総裁もすでに案じておるように思われるし、一般の者も、インフレになるのではないかという懸念を持っておるわけなんです。大蔵大臣のその楽観論を一般に納得させるような、一つ資料なり見通しなりをはっきり出していただくことを要望しまして、私はやめます。
○池田国務大臣 お言葉を返すようで恐縮でございますが、大事なことでございますから、一言申し上げておきます。私は、決して楽観をしているのではないのです。それはいろいろな施策について、先ほど申し上げましたように、インフレの問題等につきましては、私や日銀総裁が先達となって心配している、それは、心配しなければ、そう物事というものは楽にいくものではありません。ことに、日本の経済を拡大強化していこうという場合に、そういう問題については常に想を練っておる、これは楽観ではない、決して楽観して放っておくという意味ではございません。だから、金融界の方も、とにかく健全な金融をやって下さい、国民も貯蓄をして下さい、これを願っているわけなんでございます。幸いにして今までのところは、国民の貯蓄も相当ふえておりまして、目標額を突破し、一兆円以上、十二月末までに一兆八百億円の資本の蓄積が行われております。私は、これを続けていただくと同時に、蓄積せられた資金を、健全な歩みによって、そして日本の経済を拡大してもらわなければならぬ、こういうことを願っているのでありまして、決して楽観というわけではございません。日夜日本の経済の拡大に心を痛めているということを申し上げておきたいと思います。
○石村委員 そういうお言葉でありますと、私はやめたのですが、ちょっと言いますが、なるほど銀行も蓄積に応じた貸し出ししかしない、二重投資や何か、そんなばかげたことはやらないということであれば、ごくけっこうなんですが、そういうお説教通りに経済界が動かないということを、大蔵大臣も日夜心配していらっしゃるでしょうが、さらによく考えていただきたい。国民がやりさえすればいいのでは済まぬ。国民がそんなことをしないようなやり方を政府の施策としてとらなければ国民は、このままほうっておいたら勢いインフレになる、今のうちに物を買っておけ、銀行に行って金をしっかり借りて、何か投資でもしておけ先で返すときは、物価が上ってぞうさなく返せるなんということを考えるのが当然だと思います。ただ説教だけでは、私は経済の動きというものはいかないと思う。どうか、その点は日夜苦心していらっしゃるようですが、さらによく苦心せられて、その具体的な政策を発表していただきたいということをお願いしておきます。
○山本委員長 横錢重吉君。
○横錢委員 先ほど春日委員から、中小企業の金融について論ぜられたわけですが、論じ残された点について、若干伺いたいと思うのです。中小企業の金融の問題は、一つには利子の引き下げであり、もう一つは資金量の増大である、このことが言われたわけですが、これを一体どういう形で増大するか。中小企業金融公庫とか、あるいは国民金融公庫とか、こういう政府機関によって増大する道と、それからもう一つには、民間の信用金市、あるいは相互銀行等の内容を充実して、これによるところの金融対策をはかるかという方法があろうと思うのです。しかもまた中小企業金融には、もう一つの面としては、金融全般の体系としても、高金利を撲滅しなければならぬ、やみ金利を撲滅しなくちゃならぬ、こういう点があるわけであって、これに対する相銀、信金の役割というものは、きわめて大事なものを持っておる。このために、六年前に池田さんが大臣のときに、信金あるいは相銀をそれぞれ昇格をさせた、こういうふうに承わっておるのですが、これに対するところの御見解を一つ承わりたい。
○池田国務大臣 中小企業の金融につきましては、午前中にお答え申し上げました通り、資金量の問題と、金利の問題と、そしてまた信用の確保の問題、こういうことがございます。午前中は、主として政府関係機関につきましてのお話がございましたが、横銭さんのお話しの通り、中小企業金融としましては、政府関係機関以外に、百五銀行、あるいは信用金庫、また直接大蔵省の所管ではございませんが、信用組合等がございます。しこうして相互銀行あるいは信用金庫の両におきましては、従来相当な発展ぶりを遂げて参りました。この発展を持続いたしますためには、何と申しましても、相互銀行あるいは信用金庫に対する信用を向上さすことが必要である、こういうことから、ただいま金融制度調査会に諮問いたしまして、保障基金制度というものを検討しておるわけでございます。案ができましたら、皆様方にお諮りいたしまして、民間金融機関の中小企業方面への資金の増大と金利の低下のための、いわゆる預金の保護制度を強化していきたいという気持をもって進んでおります。
○横錢委員 池田さんが大臣のときに昇格させた信金並びに相銀についての見解を承わったわけですが、まさにこういう民商の金融機関が資金昂を増大する、健全な経営をして信用を高めていく、こういうことは非常に大事なことなんだと思うのですが、ただこれに対して、単にそれを作ったままで、自然にこの信用を付与していく、あるいはまた資金量をふやしていくということも無理ではなかろうかと思うのです。この六年町における政府のこれに対するあり方というものは、指導と監督のみであって、育成と援助の政策はほとんどとられていなかったのではないか、このために常盤とか第一とか、若干の蹉跌を来たすものもできたわけでありますが、これらが事前にもう少し適当な措置をとられておったならば、こういうこともあるいは起らずに済んだのではないか、こう思うわけであります。従って、今日これを見るときに、信金も相銀もそれぞれ昇格をしてきたけれども、金融制度の全般から見た場合には、やはり非常にはなはだしい差別待遇を受けておったということを見なければいかぬと思うのであります。この点から見るときには、今日の日銀というものは、金融機関の中央銀行でなければならぬわけであるが、これは、一般銀行に対して中央銀行であって、せっかく昇格さしたところの相銀や信金にとっては、間接的な存在である。直接これらとの取引の窓が開かれていない。相銀にしましても、そのごく一部の点については、国庫代理店、あるいは日銀の取引、こういった面が開かれておるが、まだまだ全般的にはかたく窓を閉じて開こうとしていない、こういうことは、信用の向上とか、あるいはまた資金量の増大とか、こういうふうな面にも障害となっておる。この障害を、六年もたった今日においては打破していく適当な時期ではないか、こういうふうに考えますが、この点、大臣の見解を承わりたい。
○池田国務大臣 お話の点ごもっともなところがあるのでございます。相互銀行によりましても、五百億円の預金を持ちまして、一般の普通銀行よりも資金量を非常に多く持っておるのがあります。また中には十億とか、あるいは二十億くらいの資金量のところもあるのであります。これを一がいにやっていくか、あるいは個別的に日銀との関係を持たすかという問題につきましては、私は研究する点があると思うのであります。しかし、大蔵大臣として今相互銀行と日銀との関係をどうするかという問題につきまして、ここに結論を申し上げるわけには参りませんが、そういう点は、以前からあるのでございます。率直な私の考えを申し上げますと、もともと相互銀行の制度を設けましたのは、私が前に大蔵大臣をしたときでございましたが、その当時も、資金量におきまして数百億円持っておるところもあり、十億円か十五億円程度持っておるところもある。当初は、全部相互銀行にする考えはなかったのでありますが、その後だんだん無尽会社というものが、建物無尽以外は全部相互銀行になる、こういうふうな関係がございますので、もし日銀から万一相互銀行の一部につきまして関係を持たすことありといたしましても、その順序あるいは時期等につきまして、よほど考慮をめぐらさなければならぬのではないか、こういう点がありますので、お話しの点は、私も昔考えたことかあるのでございますが、今直ちにどうこうするという結論は出しておりません。
○横錢委員 相互銀行の中にも、すでに預金量は百億をはるかにこえておって、地方銀行のそれに比較して遜色ないどころかはるかにまさっておるというところもたくさん出てきておる。にもかかわらず、まだこの上に相互という名がつくだけでもって、何らかこれは別個の金融機関、毛並みのいい金融機関ではないというような妙な考え方があって、この考え方が一貫をして、日銀の取引を拒む、あるいは国庫の歳入代理店を行うことを拒んでおる。これは一体どういうふうに響いてくるかというと、やはりこの相銀は、まだ一般の銀行までは昇格していないのだ、まだ信用度が非常に薄いのだ、こういうふうな印象を全部のものに与えていると思うのであります。従って、こういうような制度が今日なおとられているということは、信金や相銀がここまなで年令を経、あるいはまた内容々充実させてきたにもかかわらず、まだこうされておるということは、ふに落ちない。従って、二の辺のところで全面的に検討を加えられて、逐次内容の向上したものからでも代理店あるいは取引、こういうふうなものを展開すべきだと思うのであります。これを行わなかったならば、今日の中小企業金融の中に占める相銀と信金との価値を不当に低くしか見ていないということがいえると思うのであります。それからまた同時に、わが国の金融制度の中においては、やみ金融と高金利とを撲滅できるものは、私は一般の銀行でもない、あるいはまた郵便局でもない、まさに相銀と信金とが四つに組んで、やみ金融を撲滅する段階にあると思う。従ってこれに信用を付与させ、これに資金量を増大させる、こういうふうな援助助成の策をとってこそ、初めてこれらのものを撲滅する道ができるのだと、こういうふうに考えておるのですが、大臣の見解を伺っておきたい。
○池田国務大臣 なかなかその辺がむずかしいところでございまして、相互銀行というものは、もともと無尽会社から発足して、零細な資金を集めて庶民金融をやる建前になっておるのであります。私の見るところでは、相互銀行になりましてから、あまりに銀行業務の方に力を入れ過ぎて、本来の庶民金融を忘れがちになっておるんじゃないかという気がいたしておるのであります。私は、お話しの通りに、一般の銀行と同じようにしていくことも考えますか、また相互銀行は、相互銀行としての本rの職責を忘れないようにしてもらいたいという点もありますので、あれこれ考えまし今直ちにというわけにはいきません、もしお話しのように、日本銀行と取引を始めるということになれば、先ほど申し上げましたように、スケジュールと申しますか、時期と方法等につきまして十分検討上、また庶民金融機関としての本来の性質を忘れないようにしていかなければいけないと思うのであります。なお、私は相互銀行、あるいは信用金庫の問題につきまして、預金保障の基金制度について考慮を払いますと同時に、今後この二つの金融機関につきましての経営について監督を強化して、信用を高めていこうという考えも持っておるのであります。全体といたしまして、信用を高める方法につきましては、十分考慮し、努力しておるつもりでございます。
○横錢委員 代理店や、あるいは取引の問題も、すでに全国的には三、四の相銀には窓口が開かれているわけです。従って、それらの基準が一体どこにあるかという点ではわからない。単に大蔵省、あるいは日銀当局の見解によって開かれたものであると思うのでありますが、預金量あるいは内容等に応じて逐次開いていくとするのならば、これは、今日の相銀の内容等から見たならば、もう少し各方面に開かれなければならないと、こういうふうに考えるのであります。ところが、最初に少しく開かれたままで、あとはもうふたを閉じて開こうとしていない。こういうふうな態度というものは、相銀の発展を阻害するものである、こういうふうに考えるので、ぜひこの点は一つ一取引のできるように、国庫代理店の窓口が開かれるように、積極的に一つ御配慮をいただきたいと思うのです。それからまた、今の預金保障の方法につきましても、まだ法案を見ておりませんので言い得ませんけれども、この答申を見まするならば、やはり政府の援助の手や、あるいはまた日銀の援助の手というものは、この中には伸びていないように見受けられる。単に同じ金融機関同士が金を出し合って、一つの基金を作って、これによるところの救済をしようというふうな趣旨であって、決してここに政府が積極的に出ていって、育成、援助をしようというふうな基金の制度とは見られないのであります。これは、法案を見なければ結論的には言い得ませんけれども、そういうふうな従来持っておった趣旨がそのまま出てきておるのではないかというふうに危ぶむわけであります。こういうふうな今日の状況の中に、中小企業金融の道を講ずるためには、一方には政府資金の増大と、一方には民間の金融機関をフルに活用する道を一つ講じていただきたい。このことを強く要望として大臣に申し上げまして、質問を終ります。 —————————————
○山本委員長 大臣に対する質問はこの程度で打ち切りまして、一昨十一日、当委員会に審査を付託されました内閣提出にかかわる食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案、及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の三法律案、並びに昨十二日付託されました、とん税法案及び特別とん税法案の二法律案との合計五法律案を一括議題として審査に入ります。まず政府側より順次提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官足立篤郎君。 —————————————
○足立政府委員 ただいま議題となりました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案外四法律案の提案の理由を御説明申し上げます。 最初に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。 この法律案の内容は、食糧管理特別会計法第四条の二の規定によりまして、食糧管理特別会計の負担に属する証券、借入金及び一時借入金の限度額が三千五百億円と定められておりますのを四千四百億円に引き上げようとするものであります。 この会計の負担に属する借入金等の額は、例年の実績を見ますと、おおむね十一月中に最高額に達しておりますが、昭和三十二年度におきましても、この会計の収入及び支出の状況を勘案いたしますと、例年と同じく、十二月中に最高額に達することが予想されるのであります。すなわち、昭和三十二年十二月末現在の借入金等の見込み額は、昭和三十一年度から持ち越す借入金等の見込み額が約三千四百二十倍円、昭和主十二年十二月末における件入金等の増加の見込み額が約三百七十億円、計約三千七百九十億円と推定されるのでありますが、これに、収入及び支出につきまして変動のある場合を予想して若干の余裕を見込みますとともに、過去の実績から十二月末口と十二月中における借入金等の最高額に権する日の借入金等の差額を見込みまして、この会計の借入金等の限度額を四千四百億円にいたしたいと存ずるのであります。 第二に、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。政府は、国の財政の健全化等の目的から、補助金等の整理につきまして、昭和二十九年度以降予算において所要の措置を講ずるとともに、法的措置を講ずる必要があるものにつきましては、補助金等の臨時特例等に関する法律により所要の措置を講じてきたのであります。 政府といたしましては、補助金制度の合理化につきましては従来に引き続きなお今後も調査検討を進めて参る計画でありますが、昭和三十二年度予算の編成に当りましても、この建前から各種補助金等の整理につき検討の結果、同法による特別措置につきましては、国立公園法に基く補助金に関するものを除くほか、昭和三十二年度においてもなお引き続き同様の措置を講ずることが妥当であると考えられますので、今回、右特例法につき、国立公団法に基く補助金に関する規定を削除いたしますとともに、その有効期限を昭和三十三年三月三十一日まで延長いたしますため、この法律案を提出した次第であります。 次に、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。 産業投資特別会計の産業段丘の財源は、御承知のように、貸付金の回収金及び利子、余裕金の運用利益金、特定物資納金付処理特別会計からの受入金、前年度の歳計剰余等寸をもってこれに充てることになっております。しかしながら、これらの財源はきわめて弾力性の乏しいものでありますので、今後、これらの財源のみをもって投資の需要を充足して参りますときは、将来において経済の情勢に応じた適時適切な投資を行う上に、財源の不足が見込まれることもあるわけであります。従いまして、このような場合に備えまして、この財源の不足を補てんするための補てん資金を、あらかじめ財政の事情が許す時期において準備しておき、この資金をもって将来そのつどの財政事情にとらわれることなく、産業投資財源の不足を見た場合、これを弾力的に補うこととすることが、財政経済の調整を推進する考え方からいたしましてきわめて必要かつ適当であると認められます。昭和三十一年度におきましては、相当の自然増収が見込まれる実情でありますので、補正予算をもちまして三百億円を産業投資特別会計に繰り入れて右の資金に充当し、さきに申し上げましたような将来の必要に備えることといたし、ここに産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。 次に、この法律案の概要を申し上げますと、改正の第一点はこの会計に先ほど申し上げました資金を設けること及び昭和三十一年度において一般会計から三百億円をこの資金に繰り入れること、第二点は、右の資金の経理は、資金の設置の目的から歳入歳出外として整理し、投資を行う際、これを投資部門の歳入歳出に計上することとしたこと、第三点は、この資金は投資に使用しないときは、資金運用部に預託して運用し、その利子は資金に組み入れることとしたことでありますが、以上のほか規定の整備について所要の改正を行うこととしております。 最後にとん税法案及び特別とん税法案につきまして御説明申し上げます。 これらの法律案は、今次の税制改正の一環として、従来のとん税の税率を引き上げるとともに、別に法律で定めるとことろによって市町村等に財源を譲与するため、外国貿易船の開港への入港について、新たに特別とん税を課することを品的とするものであります。 以下、改正の内容について簡単に御説明申し上げます。 まず、とん税法案におきましては、諸外国の例等にも顧みまして、その税率を現行の純トン数一トンまでごとに五円を八円に、一年分を一時に納付する場合は二十四円に引き上げるとともに、とん税の納税義務者、納期、非課税の範囲等につきまして、実情に応じて規定の整備を行うこととしております。このとん税の税率の引上げにより、昭和三十二年度におきまして、約一億七千万円程度の増収が見込まれているのであります。 次に、特別とん税法案におきましては、別途考慮されております外航船融の固定資産税の引下げ措置とも関連いたしまして、開港所在の市町村等に財源を譲与するため、外国貿易船の開港への入港につきまして、その純トン数一トンまでごとに十円、一年分を一時に納付する場合は三十円の特別とん税を課することとするとともに、特別とん税は、税関がとん税を徴収する際にあわせて徴収することとし、その納税義務者、納期、非課税の範囲等については、とん税の場合と同様としております。この特別とん税の創設による収入といたしましては、昭和三十二年度において約五億八千万円程度が見込まれておりますが、これは別途法律で定めるところによりまして、開港所在の市町村等に俵与することになっております。 以上が食糧管理行別会計法の一部を改正する法律案外四法律案を提出した理由であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお順いいたします。
○横山委員 政府側に資料を要求しておきたいと思います。この間大蔵大臣に御質問いたしましたときに、大蔵大臣の主たる要点が公平ということであります。今度の答申の中で、強く不均衡をうたっておるものが三点ありますが、おそらく大蔵省も、この不公平に基いて法案を出されておると思う。第一は、給与所得者とそれ以外との問における不均衡、第二番目は、法人と個人との同の不均衡、第三番目は、特別措置による不均衡、この三つの不均衡について、これは非常に大きな問題でありますが、少くとも第一と第二の問題については、かなり詳細な資料をお作りになって、その上に立って法案ができておることと存じます。従って、第三については日でわかるのでありますが、第一と第二について、一つ不均衡の実態について、資料の提出をお願いいたしたいと心います。 第二番目の要求は、脱税、滞納の状況であります。昨日も質問をいたしましたところ、調査査察事務について、必要な経費が少くなっておるという点については、別な角度から答弁がございましたが、最近の査察事案の件数、税額、脱税の傾向、それから滞納発生の税目ごとにどんな傾向があるか、滞納の状況等、脱税、滞納の最近の実情について資料をお願いいたしたいと思います。 第三番目は、ガソリン税についてであります。まだ法案が出てはおりませんけれども、非常にこれは論争の焦点になると思いますから、ガソリン税関係については、第一に道路整備に要する費用の歴年の総額並びにその内容において、ガソリン税その他の内訳、これをお願いいたしたい。それから第二番目のガソリン税関係としては、伝えられるところによりますと、六千五百円だそうであります。軽油税については三千円、これは確定かどうかは存じませんが、たとえば六千五百円、たとえば三千円とした場合に、それが自動車営業に対してどういう影響をもたらすとして算定をされておるか。つまり運賃値上げを必要としない計算になっておるのか、必要とする計算になっておるのか、企業の中でどれだけこれが吸収できるかという点を資料として提出をお願いしたいと思います。以上であります。
○原政府委員 できる限り整えまして、提出するようにいたします。ただガソリン税は、実はまだ税法を御提案申しておりしませんので、非公式に差し上げるということならなんでございますけれども、公式に委員会資料としてお出しするのには、提案の時期をお待ちいただく必要があるのではないでしょうか。これは、私ただいま疑問を持っておりますので、調べまして後ほど御相談の上善処いたします。
○横山委員 第二番目の六千五百円と仮定すればという点について、局長の疑念があるだろうと思います。第一の歴年における道路整備費の内容については可能かと思います。第二点の私の知りたいのは、六千五百円、三千円と仮定をすればというところに問題があるようですけれども、一体どういうふうに今日の——たとえば揮発油会社あるいはタクシー会社の経営上どう見ておるか、それが私ども見たいのですから、もし六千五百円に問題があるならば、大蔵省が見ておる経営事情というものをいただければよろしいと思います。
○山本委員長 それでは、今横山君の要望がありました資料については、できるだけ早く善処を願うことにいたします。先ほど説明のありました提案理由については、これで終りまして、これらの五法律案に対する質疑は、後日に譲ることといたしたいと思います。 本日はこの程度にとどめ、次会は明後十五日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。 午後二時三十四分散会