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26回国会衆議院1957/06/24

商工委員会 第44号

発言数
104
登壇者
16
会派数
2
開催日
1957/06/24

会議録

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。中小企業金融に関し調査を進めます。  この際、本件調査の必要上、本日後刻参考人として、商工組合中央金庫理事加藤八郎君より参考意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  直ちに質疑に入りますが、政府当局のほか、先ほど決定いたしました商工組合中央金庫理事加藤八郎参考人、及び中小企業金融公庫理事江頭豊君、国民金融公庫副総裁石渡忠四郎君が出席いたしておりますので、あわせて質疑をお願いいたします。小笠公韶君。

小笠公韶自由民主党

○小笠委員 議題になっております中小企業金融に関連しまして、皮切りに問題を引き出す意味において、一、二政府当局並びに関係者よりお伺いいたしたいと思うのであります。  国際収支の悪化に伴いまして、日本の経済も様相を変えて参ったのでありますが、その影響の端的に現われてくる部門は、申し上げるまでもなく中小企業部門であると考えるのであります。このことは、九千万日本国民のうち、農業人口が三千七、八百万、これに続いて中小企業者の占むる人口数はおよそ二千五、六百万と推定されておるという事実にかんがみますと、重大な社会的、経済的意義を持つものと思うのであります。かような見地から考えまして、この重大なる問題に対して、政府はどういうふうな考え方を持って中小企業の安定維持というふうな対策を考えておられるか、伺いたいのであります。  先般来、いわゆる総合施策と称して発表されております中に、中小企業への対策がいろいろと説かれておるのを拝見いたしておるのでありますが、私はそれらの詳細を伺う前に、まず第一に今回の金利引き上げ等を中心とする諸施策の中において、中小企業へのしわ寄せの中で、金融的に見まするときにいかなる影響が中小企業に及ぶと測定しておるか。特に金融面において、従来市中銀行その他の金融機関に依存しておったものがどの程度締め出しを食い、これがどういう方向に量になってくるものと考えておるのか、資金量の見通しというものをつけておられるかどうか、おるとすればそれをどういうふうに処置せられるか、これを伺いたいのであります。  第二の点は、そういう前提のもとにおよそついた資金の量、いわゆる増加すべき、あるいは政策的な措置を講ずべき量を見た場合に、その量をいかに中小企業者へ浸透せしめんとするのでめるか。量を集めることによってこの問題は解決しないと私は思うのであります。この意味から、その浸透方策をこう考えておられるか。この点はいろいろな御意見がございましょう。政府関係機関としての国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫、あるいは商工組合中央金庫等々があるのでありますび、これらの諸機関がその立法の目的に従って適正なる貸付業務の運営を確保しておるというふうに今日見ておるびどうか。私はさらにこの段階において、今申し上げましたような資金を有効的にその目的に従って浸透せしめる意味において、これら機関がいかなる方途をもってこれを浸透させんとしておるか、私はこの点について重大なる関心を持つものであります。現行の立法目的に従って十分なる活動がせられておるとは、私は考えないのであります。特に今日のごとき場合におきまして、その具体的な施設を十分にお伺いいたしたいと思うのであります。  さらに、中小企業金融は何と申しましても銀行法に基く市中銀行あるいは信用金庫、相互銀行等々によってその多くがまかなわれておるのでありまするが、日本の銀行法に基く銀行は、この銀行法の趣旨から見て、その性格自体に社会公共性を十分に発揮するに不十分なるところなしとしないのであります。この意味からいたしまして、今日のごとき事態におきまして、これらの銀行に十分に事態を認識させ、十分に公共性を発揮するがごとき運営方法をとらしめる意図があるかどうか。またそれがどの程度可能と考えておるかどうか、これらについて伺いたいのであります。  さらに私は、中小企業へのしわ寄せの問題の一つの面は、金融の面でなくて販路の梗塞にあると思うのであります。すなわちその作業量の低下、売れ行きの低下にあるものと考えるのでありまして、中小企業振興の一つのものは、何と申しましても活発なる企業経営の持続にあると考えるのであります。この持続は販路によって支えられるものでありますから、これらに対していかなる具体的施策をこの際特にとらんとするか、これを伺いたいのであります。  この点につきまして関連するのは、刻下最も要請されておる輸出振興でありまして、中小企業の輸出への労働意欲の刺激というものに対して特にどういう施策をとらんとしておるか、こういうふうな点につきましてもお伺いをいたしたいのであります。  以上、問題の方向だけを述べた次第でありまするが、これらにつきまして政府当局及び関係機関の方々から懇切かつ真摯なる御答弁を得られるならばけっこうだと思うのであります。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 御承知のように、国際収支の均衡の回復のために政府は今あらゆる努力を払っておるのでございますが、この国際収支の均衡を回復する方法は、結局総合政策をもって解決する以外にはない、こういう結論から、御承知のように最近政府は緊急総合政策というものを樹立いたしました。この考え方について申しますというと、当面今の状態でいったら支払いに非常に困ることになりはしないかという問題の解決が当面の問題でございますが、これについては外貨の借款を考慮する、ここで政府はできるだけ借款をもって切り抜けたいということが一つ。それから輸出をできるだけ伸ばして同時に不要不急な輸入を押え、必要な原材料の輸入といえども国内の手持ちと見合って間に合うものはできるだけこれを繰り延べるというような、輸入の調整によって国際収支の改善をはかる、そのためにはいろいろな措置が必要でございまして、輸入を調整するというようなことは、下手をやればすぐに国内の物価を上げたり、あるいはまた調整の策を誤るというと、かえって思惑輸入というものを刺激するというような問題がございますので、やはり輸入の抑制をするにいたしましても、国内の需給の均衡を害さないような措置が必要でございますので、そのためにはやはり国内の需給調整というものを前提としなければならぬ。そうなってきますというと、まずそう急がなくともいいというような設備の投資及び在庫への投資というものをある程度抑制しなければいけないということになって参りますので、この点につきましては政府のいろいろの行政的な指導と同時に輸入の引き締めというようなことによってその目的を達したいというようなことから、そういうものに関連した財政投融資の問題及び現在きめられた国家予算の中でも支出的にそういう調整ができるものがあればするというような、ここで一連の総合政策を今度決定したわけでございますが、こういう総合政策を決定する前に一番先に金融政策から出発しておったことは御承知の通りでございまして、この金融政策だけでそういう国際収支の改善策をはかろうということは、これはとうてい不可能でございまして、総合政策を必要とするわけでございますが、今までそういう総合政策を実行しないで、金融政策だけ先にやっておったということから、現在いろいろな現象が現われております。ことにそれが御指摘の通り、中小企業に特に影響が現われておるのでございますが、まずその状態を申しますと、本年の三月、それから五月、二度にわたって日本銀行の公定歩合の引き上げを行いまして、それに引き続いてとられた一連の金融引き締め措置がだんだんに浸透して参りましたところ、中小企業につきましてはその影響が特に大きく現われてきまして、まず市中銀行の取引停止とか、あるいは下請企業の支払い条件の悪化とか、あるいは不渡り手形の増加というような現象が各方面に見られて参りまして、今行なっているような金融の引き締め措置は中小企業にはっきりとしわ寄せされてきているという状態が出て参りましたので、政府としましては、日本の経済の発展に重要な役割を持っている中小企業にこういうしわ寄せが来る、中小企業が圧迫されるという事態を防止する必要が出て参りましたので、今回、先ほど申しました緊急対策をとるに当りましても、特にこの点に配慮したつもりでございます。  本年度の当初計画におきましては、中小企業金融公庫並びに国民金融公庫に対しましては、御承知のように二百億円の資金運用部貸付を予定いたしますとともに、商工組合中央金庫に対しましても十五億円の政府出資及び二十億円の商工債券引き受けを行うというふうに、政府関係金融機関に対する財政投融資を大幅に増額いたしましたが、さらにこれも御承知のように、本年度より新たに全国各府県の信用保証協会に対しまして、財政資金を低利で融資するという道を開きました。そうしてその保証事業の飛躍的拡大を期待したわけでございますが、最近における中小企業事情の変化に即応しまして、今度の措置においては、とりあえず中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対しまして、資金運用部特別会計よりの借り入れ計画を増額することにいたしました。すなわち中小企業金融公庫には六十億円、国民金融公庫には七場十億円程度繰り上げ使用を行わせる。そうして年間借り入れ額については所要の予算補正を最後に行うというふうに考えております。商工組合中央金庫に対しましても、商工債券の資金運用部引き受け額の増加を行うほかに、中小企業金融公庫の代理貸しワクの拡大というようなものをはかりまして、中小企業金融専門機関を通じて融資額の増加をはかるということにいたして、その具体的な実施計画をただいま検討中でございます。その一部はもうすでに実施しております。こういうふうに中小企業の専門金融機関についての資金増額という措置をとると同時に、一般の銀行に対しましてもいろいろな措置をとることにいたしました。お手元に配ってございます資料でも御承知のように、金融機関として中小企業への貸し出しをしておる機関では、やはり全国銀行が一番でございまして、中小企業への金融の六〇%を占めておるという現状でございますから、今申しましたような中小企業専門の金融機関への措置をとるだけでなしに、全国銀行に対していろいろの措置をとることがやはり一番重要であると考えまして、先般全国銀行協会、地方銀行協会というような金融機関の組織を通じて、中小企業に対する金融の円滑化について協力を依頼いたしました。同時に信用保証協会の保証つき融資に見合う金融機関の保有金融債の買い上げというような措置についても私どもは考慮しております。つまり、信用保証協会の保証によって中小企業に資金を貸し出した場合には、その金額を政府が見てやる、銀行の持っておる金融債を政府が買い上げるというような措置によって、中小企業金融への便宜を極力はかりたいと考えまして、大体この金額を二百億円とただいま予定しております。先ほど申しました中小企業金融専門機関への資金の増額は百三十億円ぐらいとなりますので、合せて三百五十億円前後の資金をここで増額したいと考えておる次第でございます。  また下請企業に対する支払い条件につきましても、最近の中小企業金融の情勢にかんがみまして、関係各産業団体に対しまして、下請中小企業に対する代金支払いの促進方を政府から要望いたしまして、今後情勢の推移に応じまして下請代金支払遅延等防止法というようなものに基きまして、その実態を調査の上、公正取引委員会とも十分連絡協議して、必要に応じては勧告も行うというふうなことによって、支払い条件の改善を同時にはかっていく考えであります。  大体中小企業に対しましては、以上のような措置をあわせて行うごとによって、金融引き締めの政策が特に中小企業にばかりしわ寄せされるというような事態だけは防止したいと考えておる次第でございます。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 佐竹新市君。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 私はまず第一番に、今回の金融引き締めは特に中小企業に大きなしわ寄せをしておることは事実であります。しかし根本的には、政府が昭和三十二年度の予算を編成されて国会に提出されましたときに、池田大蔵大臣の財政演説は非常に楽観的であったのでございます。しかしながら数カ月を出ずして、今日のように中小企業がすでに倒産の一歩手前であるという状態に追い込められて、ようやく最近通産省に中小企業の問題で今水田通産大臣が御報告されましたような案がなった。私は今日初めて聞いたのでございますが、こうしたような国の経済の大きな変動、特に中小企業は手形の割引あるいはその他の金融の面で、文字通り四苦八苦をしておるような状態でございます。このときに当りまして、いささか見当はずれかもしれませんが、通産大臣は特に中小企業の担当大臣でございますから、岸総理大臣がアメリカからお帰りになりましたなれば、内閣の改造等もございましょうけれども、今日のこの大きな金融の逼迫状態は、何といいましても、一通産省行政だけでやれる問題ではなくして、また大蔵省だけでやれる問題ではないと私は考えるのであります。これは政府全体の大きな責任であると私は考えるのであります。ゆえに岸総理大臣がアメリカからお帰りになりましたなれば、臨時国会を開いて、そうして実行の伴う予算を国会に提案されて、中小企業のほんとうの声を聞かれ、また輸出の面における問題等々の、この経済的な逼迫の問題を十分に審議する、こういうような御意思が政府の部内におありになるのであるかないのであるか、この点を一応お聞きしたいと思う。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 私どもは、ただいまのところ投融資計画にいたしましても国の予算にいたしましても、これを急に変更するというようなことは考えておりません。国際収支の問題を中心にして、時期的な調整をする必要を今認めて、そうして急がなくていいものは繰り延べるというような措置をとるつもりでおりますが、今の見通しでは、九月、十月前後の外貨の苦境というものを切り抜けられるとしましたら、そう日本経済全体にとって心配な点はない。来年の三月、この年度内においては国際収支の均衡が大体回復できるという見通しで、この緊急政策をやっているのでございまして、従ってそういう情勢をにらみ合せて、一応本年度計画した産業計画も、国の予算の執行も順次計画通りに行なっていけるというような見通しのもとにこの措置をとっておるのでございますから、政府の責任において緊急やれることを行政においてやっていればいいのであって、特に国会にお願いして、予算の変更、そのほか政府の政策に関する変更を協議してもらうまでの必要はないんじゃないかと考えておりますので、岸総理がお帰りになって、すぐに国会を開くというような考えは今のところ政府としては持っておりません。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 ただいま現下の中小企業の金融の行き詰まりに対してどのような考えを持っておられるか、当面どうされるかという小笠君の質問に対して、通産大臣は外貨の借款ということを報告の男頭に申されたのであります。これはおそらく今度岸総理大臣がアメリカに行かれましての借款の問題を相当考慮に入れておられるのであろうと考えるのでありますが、実際に言えば、貸すか貸さないかということはまだ未知の問題でありまして新聞紙上で承わっておりましても非常に楽観的に考えておられるのではないか、かように考えるのであります。そういうようないわゆるアメリカからの借款を申し入れて、これが成功して、全般的な金融措置の一つの楽観的な考え方を持つに至る根源になるとすれば、日本経済の自主性の上から申しまして、大蔵大臣が昭和三十二年度の予算編成のときに国会を通じて説明されました方針と今日とでは——かりに輸出の問題だけでもわが党においては相当突っ込んで質問をしておるわけであります。しかしその際においても大蔵大臣、通産大臣は、絶えず輸出については楽観的な態度で国会の御答弁をなさっておられるのでございます。また輸入に対してもしかりであります。しかしながらそのときの国会におきます国民への御答弁と、今日の状態は全く雲泥の相違であります。してみればここにおいてどうしても経済の状態が三十二年度の方針と今日においてすでに全般的に変ってきておる。従って今御報告になりました中で、三十五億ばかりのものを当面中小企業の金融対策として融資をする、こう仰せになっておりますけれども、まだ総額だけを御報告になっただけであります。今日中小企業はばたばた倒産しておるのが実際であります。私は広島でありますが、広島に帰りますと中小企業の連中はこのことを非常に心配しておる。一体どうなるのだということであります。先の見通しはまつ暗であります。今通産大臣が申されましたように、こういうようにして当面の融資をすると言われましても、国民は新聞紙上を通じても何を通じても抽象的でありまして、実際にこれをどのようにしてやられるのであるかという具体的なことはまだ中小企業にははっきりしておりません。こういう緊急の場合におきましては、はっきりさせるために臨時国会を開いて、国民、特に中小企業に安心感を持たすということが善政であると私は考えるのでありますが、重ねて通産大臣の御答弁をお願いいたします。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 輸出の問題を見ますと、当初私どもが予想しておりました通りに進んでおりまして、大体一月から今日まで、月二億四千万ドル程度の輸出ができておりますので、この調子でいけば本年度予定の二十八億ドル輸出は確実であると私どもは確信しております。しかしさっき申しましたように、ここで国際収支の改善としてもう一歩輸出を伸ばしたいという考えから、輸出についての金利政策、それから輸出のやり方というようなものについても今度総合政策を立てて、一段と輸出の増進をやりたいと思っております。これも計画は今まであまり狂っておりません。輸出は順調に伸びております。ただ在庫投資及び設備投資の点につきましては、御承知のように去年の設備投資増はおととしに比べて一年で七〇%以上というような異常な増大でございましたが、本年度はそういうことを私どもは考えておりません。国会でも答弁しましたように、一五%から二〇%前後の投資増というものを考えておりましたが、最近の様子を見ますと、これが計画よりもはるかに早いテンポで進んでいる、三〇彩を越すような状態でございますので、この点については若干抑制の必要があるのじゃないか。それから在庫投資におきましても、輸入が非常に多くなっている反面、在庫も非常にふえているという状態でございますので、日本の手持ち原材料としては、数字も産業全体から見て心配な程度ではなくて、非常にたくさん在庫を持っているという状態でございますから、ここでこの在庫抑制をやることも必要であるというふうに考えて、いろいろな措置をとっている次第でございまして、経済が非常に実態が悪くなって、このままでは大へんだという状態では現在ないと私どもは見ております。問題は先ほど申しましたように、いろいろな事情から、上半期から十月前後までにかけていろいろな支払いが集中しておって、そのために困難な問題が出ている。この調整をうまく切り抜けることができるなら、経済全体の計画については別に変更を加えなくていいんで、むしろ当初の計画よりは少し行き過ぎているという状態が問題になっているわけでございますので、この点について特別な心配はない。従って政府の今のような緊急政策というようなものをとって、後半期において大体国際収支の均衡を政府はやれるのだという態度でやっておれば、国民もそう心配しないでやっていけるのじゃないかと思っておりますので、この点については私どもが最初国会でいろいろ御説明をし、御答弁したところとは本質的に食い違っていないというふうに考えております。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 他の同僚諸君がおられますので、もう一点お伺いしておきます。今の大臣の御意見を聞いておりますと、非常に楽観的な考え方を持っておいでになるように考えるのでありますが、私は輸出の面においてさように考えておりません。これは議論にわたりますから、立場の相違でありますけれども、何と申しましても大蔵大臣なり通産大臣が、国会を通して国民に説明されたことと、今日では雲泥の相違があるということは事実でございます。従いまして、私は具体的な問題に一、二点入りたいと思うのですが、さっき通産大臣から御報告になりました信用保証協会等の融資を銀行等を通じて協力を求める、こういうようなばく然たる御説明でございましたが、しからばこれに対して中小企業に市中銀行の面が円滑な金融をどのようにしてやるというようなことが具体的に御説明がなかったように思いますが、その点を具体的にお話し願いたいと思うのであります。  それから中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等に対する融資の問題でありますが、これはいつごろ実行に移されて、末端の貸し出しができるようになるのは一体いつごろであるか、こういうことに対してもう少し具体的に御説明を願いたいと思います。

川上爲治中小企業庁長官

○川上説明員 先ほど大臣からお話がありましたように、さしあたり三百五十億程度の増額融資をずるということになったわけでございまして、そのうち二百億程度は、いわゆる地方銀行あるいは信用金庫、相互銀行というような金融機関が中小企業に融資をする場合において、その資金源について非常に困っているという問題がありますれば、先ほどもお話がありましたように保証協会との関連におきまして二百億程度はこれらの金融機関が持っておる金融債を政府の方で引き受けて、それだけ融資をしてやるということになるわけでございまして、二百億程度これらの金融機関が資金的に余裕ができてくるということになるわけなんですが、私どもの方としましては、現在これをどういうようなやり方で具体的にやるかということを、実はいろいろ大蔵省とも相談をしつつあるわけでございまして、これは具体的にはまだはっきりどうするというところまではさまっておりませんが、近いうちにこれははっきりきめまして、それに従いまして先ほど申し上げましたような二百億程度の金融債の引き受けをしたいというふうに考えております。  それから中小企業金融公庫、国民金融公庫、そしてまた商工組合中央金庫に対しましては、今大臣からお話がありましたように、百五十億程度これは繰り上げ、あるいはまた商工中金につきましは債券の政府引き受けを二十億程度増額するわけでございますが、これにつきましてはまず中小企業金融公庫については六十億程度を繰り上げて第三・四半期までに出すというふうに考えております。これは第一・四半期につきましてはもうすでに実施をいたしておりまして、この六十億のうちの十億程度を出すことにいたしております。これはもう実行に移しつつあります。中小企業金融公庫も、もっと詳しく言いますと、最初の計画につきましては、第一・四半期が百二億であったものを百二十一億ということにしまして、十九億ふやしておる。この十九億の中で、先ほど申し上げましたように六十億繰り上げて使うわけですが、そのうちからさしあたり十億第一・四半期にはもうすでに決定して出すことにいたしております。第二・四半期、第三・四半期につきましては、現在大蔵省と、どの程度第二・四半期に繰り上げて出すか、あるいは第三・四半期にどの程度出すかという点につきましては相談中でございまして、近いうちに第二・四半期の分はきめたいと考えておりますが、最近の金融の状況からいたしまして、少くともこれを第三・四半期までにどの程度確実にきめるということはなかなかむずかしい状況じゃないかと思いますので、最近の金融情勢等も考えまして、具体的にはもっと研究して出したいというふうに考えております。そして第四・四半期になりますと、先ほどもお話がありましたように、これは穴があくわけですが、これは国会におきまして補正修正をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから国民金融公庫につきまして七十億の繰り上げをいたすことにいたしておりまして、第一・四半期におきましては、これはまだ実は零細金融関係の方面についてはどの程度しわが寄っておるかという点がなかなかつかめないという状況にありますので、私どもの方としましては、第二・四半期、第三・四半期に特によけい金をつけた方がよくはないかというふうに考えておりますために、第一・四半期におきましては大体五億程度計画よりも繰り上げて出したいというふうに考えておるわけであります。  それから商工組合中央金庫につきましても、現在の計画よりも大体七億程度第一・四半期におきましてはふやして出すということにいたしておりますが、これは第三・四半期までにある程度繰り上げて出さなければならぬかと考えますので、先ほど大臣からお話がありましたように、二十億程度さらに債券を政府の方で増額して引き受けをするということにいたしておるわけであります。従いまして先ほども申し上げましたように、全体としましては三百五十億程度増額を考えておりますが、第一・四半期におきましては、これは六月一ぱいでありますのでそうたくさん考えておりませんけれども、第二、第三におきまして集中的に繰り上げをして出したいと考えておるわけであります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 小平久雄君。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 私はなるべく具体的にお尋ねしてみたいと思うのです。ただいま大臣から御説明がありましたように、差し詰まりました中小企業の金融難の問題につきましては、いろいろ政府の方でも手を打っておるようでありますが、特にこの際承わっておきたいと思うことは、今回、政府のとられるいわゆる総合対策によって、特に政府の投融資等の関係からいたしますならば、基礎産業等につきましても繰り述べ等が考えられておるようでありますが、ただいま問題になっております中小企業の部面について考えますと、近来の好況というものがようやく中小企業に及びつつあったとたんにこのような金融の引き締めということに相なりましたので、政府が特に力を入れておりました中小企業の合理化、あるいは近代化といったような施策がこれまたようやく徐々に中小企業に及ぶようになったとたんに今日のような事態に及んだ。こういうことでありますので、今回の金融の逼迫等からいたしまして、ようやく緒についたわが国の中小企業の合理化なり近代化なりという一つの大きな流れが中絶の危機に瀕しておるのではないかと考えるわけであります。この間に処して政府は一体、この中小企業の合理化あるいは近代化という施策をどういうふうに推し進めようとしておるのか。これをしも、今日の事態にかんがみるならば多少その実施がおくれてもやむを得ぬという立場において考えておるのか。あるいはこの合理化、近代化というようなものはこの際あくまでも推し進めようという立場に立って施策を行わんとしておるのか。もし後者であるとするならば、それらの金融の対策というものを一体どうして実現さしていこうとなさっておるのか。これらの点についてまず承わりたいと思うわけであります。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 ごもっともな御質問でございまして、私どもはそういう点を十分検討しておりますが、結局設備投資についていろいろな調整を加えると申しましても、必要な設備はどこまでも予定通りやらせるという考えでおります。中小企業の合理化の問題も、中小企業にとってどうしても必要な施策であって、政府としてはこれをどこまでも推進していきたい。問題は合理化のそういう設備投資を押えるのではなくて、肝心なる拡張とか、今これを伸ばしても支障はないんだというようなもの、及び不要不急の設備と申しますか、ビル建築その他、そういうものを極力抑制して、必要と思われる産業の近代化とかあるいは設備増というものはどこまでも最初の計画通り確保したいと考えております。これをどういうふうにやるかと申しますと、実際においては金融を担当しておる銀行の選別融資ということになってしまうと思います。そうすればその窓口においてこれが必要であるか必要でないかというものをきめるのが実際問題としては一番的確な方策ということになりますので、そこに対して政府の指導が当然必要になってくると思います。今資金審議会というものを中心にしてそういう問題をやっておりますが、結局私どもといたしましては、国の計画によって、こういう設備投資は重点的だというふうに、この辺は先に繰り延べてもいいんだという一つの準則みたいなものを示して、それによって金融機関の選別融資をやっていただくということが実際上は必要だと思いますので、資金審議会に対してそういう産業計画から見て何が重要で何が比較的重要でないかという問題は明確に示して、そうして金融機関の協力を得るような措置で、今申されましたような中小企業の合理化という問題まで押えることのないようにいたしたいと考えております。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 大臣の御説明で大体わかるのでありますが、ただ私が納得いかぬことは、資金審議会を通じて、いわば融資選別に対する基準を各金融機関の窓口に与えるという方向において政府が努力されておる、こういう趣旨のようであります。しかし実際問題としますと、今大臣のお話のような政府の指導が及ぶのはいずれかというと、それはいわゆる大企業の部面あるいは基礎産業の部面であるとか、そういったものじゃないかと思う。今われわれが論議しておる中小企業の部面にまで窓口の選択とか選別とか、今大臣の御説明のような趣旨が徹底するかどうか、私は実ははなはだ疑問に思うのであります。そこで事中小企業の合理化等の問題に関しまする以上は、これはどうしても通産省系統の機関だけではなかなかむずかしいのじゃないか、あるいは大蔵省関係の機関だけを利用したのではむずかしいのじゃないか。むしろ地方庁自体ともっと緊密な連携を保って、地方庁にある程度のそういった指導を大いにやらせるというところまでいかぬと、果してどの企業の合理化というか拡張というものが必要なのかということが、地方の金融機関などにはなかなか徹底しないうらみがある。つまり、中央の官庁あるいはその出先だけでは、個々の中小企業の実態というものが正確に把握されておらないのじゃないかという気がするのでありますが、そういう面で、ほんとうに中小企業の実態に即した、ただいまの大臣の御趣旨のような合理化あるいは近代化等の金融が円満に進められる施策を、もう少し地についてお考え願いたいと思うのであります。その辺に対する御所見を一つ承わりたい。

川上爲治中小企業庁長官

○川上説明員 現在におきましてもたとえば設備近代化の助成あるいはこれは結局、具体的には金融と見合って出すことになるわけですが、この助成金につきましても、現在地方庁において特別な会計制度を持っておりまして、この設備近代化について選別的な助成金の交付をいたしておるわけであります。またそれに応じまして金融機関の方でもそういう選別された工場に対しましては、特別に融資してもらうというようなことを県庁が中心になりましていろいろやってもらっておるわけであります。また保証協会の保証の問題につきましても、これも現在やはり県が中心になって具体的にやっておりますので、私どもとしましてはあるいはその県に対しまして、あるいはその保証協会等に対していろいろ指示をいたしまして、なるべく大臣が今おっしゃったような設備の近代化の方面に影響がないように、それは従来通りますますやってもらうような、そういう金融なりあるいは助成金の交付なり、そういうことをやってもらうように指導をいたしたいというふうに考えております。ただこれを地方銀行あるいはその他の金融機関が全般的に地方庁とどういうような結びつきを持ってやるかという問題につきましては、総合的にはまだ具体的にきめておりませんけれども、私どもとしてはこういうような情勢にもなりましたので、今までの助成金の交付なり、保証協会の保証なり、こういう問題とにらみ合せて、今先生のおっしゃったような方向にぜひとも持っていきたいというふうに考えております。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 それではぜひそのようにお願いしたいと思います。ただただいまの答弁を聞いての感じを率直に申せば、とにかく中小企業界は金融引き締め等に関して非常なる不安を感じ、現に中には操業等に相当支障を来たしておるところさえある。しかるにこれからそういうことを一つやりたいなどということは、少くとも中小企業庁のやり方としては若干テンポがおそいのじゃないかという気がいたすのであります。それを今から言ってもいたし方ないことでありますから、ぜひ一つスピードアップして、中小企業者の要望にこたえてもらいたいということだけを申し上げておきたいと思うのであります。  次に承わりたいことは、これまた先ほど来お話が出ておりますが、最近親企業の代金支払い状況が相当悪化してきておる。これは当局もその事実を認めておるのでありますが、特に手形の期限が相当延びておる傾向のように私ども承知しておるのです。従って、今までは手形で支払いを受けましても、これを割り引きして支払いに充てる、こういうことで事業ができたのでありますが、手形が長期化いたしますので実際問題としてなかなか割引がきかぬ。従って運転資金にも相当困る。こういう事態が現実にもう起きつつあるわけです。これらに対しては一体当局としてどういう対策をとろうとしておるのか、例の支払い遅延の防止法についても、別段これは手形のサイト等については何ら規定はいたしておらなかったと思うのであります。従って手形さえ発行いたせば一応支払ったという形になるわけなんです。しかし親企業自体が金融が締ってくるとどうしてもそういう形において中小企業にしわ寄せがされるわけです。従ってこれは支払い遅延防止法という法律の建前からすれば、別段問題にならぬという形になるわけですが、実際問題はこれが一番中小企業にとってはおそろしいわけです。これに一体どういう対策をとろうとしておるのか、この点を一つ伺いたい。

川上爲治中小企業庁長官

○川上説明員 この問題も私の方としましては、最近の情勢から見まして非常に心配をしておりまして、実は六月の十八日に公取と一緒になりまして、そうしてこの親企業の属しておるいろいろな団体に対しまして、この際手形のサイトにつきましても、あるいはその支払いの遅延につきましても、実はそういうことが極力ないようにやってもらいたいということを通達を出しておるわけであります。まあこの通達だけで果してどの程度の効果があるかというような問題につきましては、これは先生のおっしゃいますように、もちろん疑問があると思うのでありますけれども、われわれとしましてはこの際このいろいろな団体がこれに協力し、かつまた団体に所属するこれらの業者にどうしても協力してもらって、この中小企業にしわ寄せにならぬようにしたいと考えておるのですが、それでもなかなかうまくいかないというような問題があると思いますので、われわれとしましては、あるいは運転資金につきましても、あるいは債券の引き受けその他の問題につきましても、ほかのたとえば地方銀行からの融資を何とかしてよくやるとか、あるいはその際は保証協会が保証をしてやるとか、いろいろなそういう手を講じてそうして親企業から生じてきます中小企業に対する金融の不円滑ということを何とかしてそちらの方面から阻止していきたいというふうに考えておるわけであります。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 通牒を出して親企業に協力をしてもらう、そういっても親企業の金融自体が逼迫をいたしておるのでありますから、なかなか私は一片の通牒によって下請代金の支払いが実際問題としては当局が考えておるように円満にいかないのではないかと思います。従ってこの問題の解決策としては、どうしても親企業に対する融資を、中小企業に対する支払い分についてどうしてもひもつきの策を講ずるとか、あるいはサイトのある程度長いものも中小企業向けの金融機関において割引をさせるとか、何とかそういったいずれかの具体的な施策をやるのでなければ、私は実際問題としてはこの問題は解決しないのではないかと思います。この点いかがですか。これは中小企業庁というよりもむしろ大蔵省の方の考え方じゃないかと思うのですが、大蔵省からどなたか来ていると思うのですが……。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 今の中小企業の対策につきましては、先般中小企業庁の長官からお話がございましたのでございまして、大蔵省といたしましても、中小企業庁と御連絡をとりながらできるだけの努力をいたしておるつもりでございます。具体的な対策といたしまして、今の親企業と下請企業のお話でございますが、銀行協会の中にも中小企業の対策の委員会が設けられておりまして、大蔵省といたしましても、協会に対してこの下請企業の保護ということについて十分な注意をするように、先般文書をもって通達をいたしたわけでございます。銀行協会といたしましても、その対策として従来からひもつきの融資をするということに極力心がけをいたしておりまして、相談をいたしました結果、あらためてこの点について傘下の金融機関に注意を喚起したという次第もございます。何分法律的に申しまして、これを強制するというわけには参りません。それから大企業と下請企業との関係はなかなかデリケートでございまして、力関係もございますが、また協力関係もある。一方的に押えつけるわけにも参りません。極力金融の面からそういう方針を促進していく、こういうことであります。  なお中小企業の手形の割引につきましても、先ほどからお話が出ております信用保証協会の活用ということを考えておりまして、金融機関が信用保証協会の保証によりまして中小金融をいたします場合には、金融債を資金運用部の資金で買い上げてやるわけであります。そういたしますと、単に二百億の金を金融機関に供給するということじゃなしに、具体的に中小方面に金が流れたという結果に応じて政府の資金を出すということになりますので、その点もいわば大きな意味のひもつきということで、相当の効果があるであろうということを考えておるわけでございます。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 ただいまの御答弁をもう少し具体的に承わりたいのですが、銀行協会の会合で、傘下の各銀行に対して、親企業に対してひもつきの融資を極力せよというか、それに協力をしてくれ、協力しようではないかという何か通牒なり話し合いなりをなさったということなんですか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 お話の通りでございまして、この十七日にその結論を出しまして、銀行協会の連合会とその中小企業対策の委員会の名をもちまして、傘下の銀行に文書をもって通達いたしたわけであります。特にほかの中小金融対策についても触れておるわけでございまして、たとえば銀行の窓口業務につきましてとかくきびし過ぎるというようなこともありますので、そういう点を注意するように、あるいはこういうように金融が詰まって参りますと、歩積み両建というようなことがとかく行われがちだ、そういう非難を受けないように注意しろという項目を並べまして、今のように下請に対する支払いの促進について注意してもらいたいということを入れて、文書で各銀行に通達をいたしたわけでございます。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 それから先ほどの説明の後段の方ですが、保証協会を極力利用することによって手形の割引が円滑にいくように、こういう御趣旨だと思うのですが、その点については具体的にどういう施策をとられておるか、それを御説明願いたい。先ほど来の質問によって、まだ具体的なことはさまっていないというような長官からのお話がありましたが、その際そういう施策を行うとすれば、一体サイトは幾らくらいのものまで一般の金融機関が割引してくれるのか。つまり九十日をこすような、あるいは百日、百五十日をこすようなものも、信用保証協会の保証があれば、一般の金融機関も極力割引をしてやれ、こういうことですか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 先ほどの企業庁長官のお話は、まだきまっていないというお話でありますが、これは具体的にどういうような手続をとるかという点だけでございまして、方針はそういうふうに明確にいたしまして今具体的手続を考えておるわけでございます。大体の考え方といたしましては、信用保証協会の保証によります貸付には一定の条件がありまして、たとえば貸付については一年以内だ、それから中小企業というものの概念、たとえば資本金が一千万円以下あるいは従業員が三百人以下だとかいろいろな条件がございまして、中小金融のワクをはずれないようにするというか、そういう面から縛ってあるわけでございます。この制度は下請について特に優遇するという意味じゃございません。こういう関係で、全体の中小金融について金融の疎通をはかる、こういう意味でございますので、信用保証協会のワクに乗り、そして金融機関がそのワクの中で融資をした場合にすぐ資金を供給してやる、こういう考え方であることを御了承願いたいと思います。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 もちろん下請金融に関してばかりではありませんが、手形のサイトの問題です。それは保証協会の側からいえば一年以内ということだから、あるいは手形のサイトが百二十日であろうが百日であろうが、あるいは保証されればそれまでだということになってしまうのですが、具体的には先ほど来申します通り、要するに相当長期の手形をかかえておって実際資金が動かない。これはひとり下請の業者といわず一般の中小企業者の一番の悩みじゃないかと私は思う。そこで今手形の問題に限って、一体サイトとの関係はどういうことになるわけですか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 特にこの期間については制限はないと思います。今のように貸し出しの期間が一年ということになりますればサイト一年ということになると思いますが、ただ現実に一般の取引で行われておりますサイトは、六十日、九十日、百二十日もある、こういうことでございますので、それは必ずしもサイトの長いものから割り引くというわけでもない。やはり実情に即するようにするよりしようがないじゃないかと思っております。ただ、次第にこういうように金融が詰まって参りますれば、サイトが長くなってくるだろうということは考えられるわけでございますが、しかしそれは信用保証協会の限度といたしております期限をこえるような手形ということはまずない。そうすれば、その中で極力中小金融の疎通という面でやってもらうということで、特に手形の期限について、信用保証協会にいろいろな方針を指導するという必要はないじゃなかろうかと思っております。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 ただいま実際の問題としては、新規に金を借りようという者もああるが、しかし実際は、自分の働いた代金なりあるいは商品を売った代金なり、それが円滑に回らないということの方がより切実な問題なんですよ。それをいかにして円滑にさせてやるかというところに、より重要な問題があるのじゃないかと考えるから、私は先ほど来承わっているわけですが、その辺も一つ考慮の上に今後の施策をお進め願いたいと思うのです。  それから先ほどちょうだいした資料のうち、中小公庫なり、あるいは国民公庫なり、あるいは商工組合中央金庫なりありますが、この第二・四半期からの分がどうもまだ不明確だということを、先ほど長官からもお話がありましたが、こういう点に中小企業者が、考えようによると実際以上に不安をかもし出しているのじゃないかという気が私はするのですよ。もう今まさに七月に入ろうとしている。それなのに第二・四半期をどうすのるだか、いまだに具体的にわれわれ国会に対してすら示されない。先ほどもちょっとテンポがおそいのじゃないかと申したのですが、もうすでに六月末になっているのに、しこうしてこのように金難融だ、金融難だと騒いでわざわざ委会員も開いているのに、わずか数日後に第二・四半期が迫っておるのに、どうするのかまだ検討中だ、こういうようなところにこそむしろ政治的に考えると一そう不安を助長しているのじゃないかと、極端に言えばそういう気がするのです。一体いつごろになったら具体的に第二・四半期はどうするのだ、どのくらい出すのだということが明確になるのですか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 さっき第一・四半期は六月で終りますので、六月中の措置というようなものはすでに実施してやっておるという説明をしましたが、今中小企業のいろいろな手形の問題そのほかを見まして、私どもは一番苦しい時期は中小企業にとって八月ではないか。七月、八月、九月というところが一番大切な時期だと思っておりまして、全額どれだけ繰り上げをするかという額の決定が、さっき申しましたように緊急対策で六月十九日にきまったわけでございまして、第一・四半期の分はもう済ませておりますが、第二・四半期以後は全体で百五十億ほどここでふやす、それをどういうふうに割り振るかという問題で今相談しておりますが、大体第二・四半期に相当多い比重を置いてこの割り振りをしたいと考えておりますので、もうここ二、三日のうちに決定したいと考えております。(「大蔵省はどうだ」と呼ぶ者あり)

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 通産大臣としては二、三日中に御決定なさる、野党の方から大蔵省と言うが、国務大臣がおっしゃるのですからあらためて大蔵省の方の意見を聞かなくてもよかろうと思いますから聞きませんが、なるべく早目にやって安心感を与えることが私はこの際ほんとうに必要ではないかと思いますので、ぜひ早く願いたいと思います。  それから特に商工中金の場合、どうもこの表で見ますると利付債の市中消化などは非常に減ってしまう。こういう関係で、なるほど先ほど政府の方で引き受けをふやすというお話がありましたが、もう少し商工中金の資金量をふやしてやるということは考えられませんか。たとえば例の余裕金の預託というようなこともしばらく停止されておりますが、こういう緊急の場合には、少くも数十億くらいの余裕金を商工中金に預託してやるというくらいのことは思い切ってやってもらいたいと思うのですが、通産大臣あるいは大蔵当局はどういうお考えですか。

賀屋正雄大蔵事務官(理財局次長)

○賀屋説明員 ただいま御指摘の、国庫余裕金の市中金融機関への預託をもう少しふやす余地がないかという御説でございますが、この措置につきましては、かつて二十八年の十一月でございますが、会計検査院の検査において法律上若干の疑義があるという御指摘を受けたようないきさつもございましたので、私どもといたしましては、実際の引き揚げについては具体的な事情等によりまして手心を加えるといたしましても、新たにこれを増額するというようなことにつきましてはいかがなものかと考えておりまして、ただいまのところはこの金額をふやすことは私ども考えておらないのであります。

小笠公韶自由民主党

○小笠委員 関連。私はその問題で一つ伺いたいのですが、大蔵省の措置に対して会計検査院が法律上の疑義がある。通牒も拝見しました。拝見して疑義があるものを引き揚げを中止するにしてもあるいは新しくふやすにしても、法律上の疑義は同じことだと思う。あなたの方は法律上の疑義とは言いながら実情上法律違反ではないという観念のもとに置いておると思う。いわゆる引き揚げを中止しておるということは法律違反でないという断定のもとに置いておると私は考える。そうすればこういうような金融上緊急な事態に対して機宜の措置をとることは、なお法律上違反だと考えてちゅうちょする理由は私はないと考える。法律違反なら法律違反だとはっきりしたらどうですか。その点は数年来にわたっておることで、それは法律解釈論としてもおかしい。いわんや政治論としてはなおおかしい。その点もう一ぺんはっきりお答え願いたい。

賀屋正雄大蔵事務官(理財局次長)

○賀屋説明員 法律上疑義があるものであれば早急に引き揚げるべきであって、それを引き揚げない以上は増額することも五十歩百歩ではないか。これはそういう議論も確かに成り立ち得ると思うのでございますが、引き揚げを多少猶予するよりも、新たに増額することはなお罪が重かろうということでございまして、中小企業金融がこれ以外に手がないということでありますればそれはまた別な問題であろうかと思いますが、まあその問題は、そのほかいろいろ合法的に打つ手も考えておる際でございますので、できるだけ疑問のある措置はとりたくないというのが私どもの考え方であります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先ほど先輩の佐竹委員から指摘せられましたが、政府の放漫な財政政策、特に本年度の予算審議に当りましても、われわれはインフレを助長する、こういうふうに主張したのですが、池田大蔵大臣はそういうことはない、こう一人でがんばっておりましたが、事実そういうふうに現われてきたので、政府はあわてて三月、五月に公定歩合の引き上げをして資金の引き締めをやった。そのときにすでにそういうことをやれば中小企業に金融の面その他から大きなしわ寄せがくるということはわかっていた。ところが先ほど大臣の御答弁を聞いておると、そういうことをしたので中小企業に顕著に現われてきたからこうした、こういうようなことをおっしゃっておるが、私はもうすでに公定歩合の引き上げをやるときにしわ寄せば中小企業に来るということはわかっていた。それならばそのときなぜ早急に対策を立てられなかったか。こういうことであるならば、先ほど与党の小平委員ですら指摘しておられたように、すでに手おくれである。よく六日のアヤメ十日の菊といわれるのですが、すでに手おくれでなかろうかと思います。しかも大臣はそういうことが一番顕著になってくるのは八月であろうというように見ておる、こういうことなのです。すでにそういった事態が起って来、倒産も近づいてきておる事態である。従ってもう少し苦しめてから何とか薬を飲ませてやろう、こういう考えではなかろうかと思う。大臣はいかがですか。もうすでに公定歩合の引き上げその他の処置をとられるときに、こういう事態が中小企業に起るということは予測できなかったか。こういう事態が起ってきたので、初めて緊急対策を立てられたようです。本委員会も最初は六月二十一日の予定であった。ところがどういうわけか知らぬが、六月の二十四日、きょう開いたわけですが、その間にこういった緊急対策が立てられたというようにも考えられる。しからば本委員会が開かれなかったら緊急対策なるものももっとおそく立てられたのではなかろうか、こうも考えられるのですが、大臣いかがです。  それからきょうは政府機関と中小企業金融公庫並びに南工中金、国民金融公庫の方も見えておられますから、その方々にお伺いしたいのですが、私先日商工中金の神戸支所に所用があってちょっと参りましたが、支所では急に資金のワクを締められたので困っておる。こういうことを言っておりましたが、今大臣の言っておられるような緊急総合対策、こういうことであなた方の方は、今あなた方の方に申し込んでおる中小企業の金融に対してその需要にこたえることができるかどうか。現在はどういった状況であるか、そういうことをお伺いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 日銀が公定歩合を引き上げるときに、当然将来中小企業が困る方向になりはせぬかということは、私どもにはわかっておりました。そのために役所としてもいろいろ対策を立てており、実態の調査もやっておりましたが、当初は大体中小企業でも市中銀行と取引している中小企業は経営が非常に定安している。そのために銀行が信用して取引するのですか一ら、一たん取引している限りの中小企業の金融はそう苦しめないというような銀行側の意見もございましたし、いろいろな点で将来中小企業の金融対策は必要だという準備はいたしておりましたが、当初ははっきり現われてきませんでした。そのうちにだんだんと市中銀行に対する引き締めのいろいろな指示が日銀その他から次々に出されるというようなことになってきまして、それに伴って取引を停止される中小企業が出てきた。市中銀行との取引を停止されたために、今度は信用金庫とかいうようなところへかけ込むと、今まで信用金庫が非常に君のところを育成してやったが、よくなったら市中銀行へ行ってしまったんだ、なるたけそっちへ頼む、こちらの方はもうほかにめんどうを見るのが多いからと言って、そこからも締め出される中小企業が出てきたというような事態がいろいろ私どもの調査によってだんだんにはっきりしましたので、それではもうこの問題を早急に取り上げて、何らかの措置をしなければいかぬということになって、今の緊急対策になったという次第でございまして、私どもとしては当初から予定して、けっこういろいろな調査をして準備をしておったというわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 政府関係の方に聞きたいのだけれども、今のことをもう一ぺん聞きます。大臣は今あのように言われましたが、私は公定歩合を引き上げるときにすでに資金を引き締めれば中小企業にそういう面が現われるということはわかっておる。しかも大臣は、市中銀行を締め出されたものが信用金庫へ行く、それからそれを締め出されたものが政府機関へ来るということをおっしゃるのだが、これはわかっておることなのです。市中銀行で借りられない人たちのために、いわゆる商工中金だとか中小企業金融公庫だとかいった政府の金融機関を作ったのではないか、そんなことはわかり切ったことだと思うのです。だからもっと早く手を打つべきではなかったか、すでに公定歩合を引き上げるときに、同時に中小企業金融対策というか、そういう手を打つべきではなかったかと思うのですが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 そういう措置を日銀がとったにしましても、とった翌日から影響が現われるものではございませんし、ことに当時の事情から申しますと、まだ長期金利までは及ばないのだ、できるだけ短期間の措置というようなことも言われました。ですからそれがはっきり現われて、そういう影響が現われてきたというときは、すぐに対策をとる準備をするということで公定歩合引き上げと同時にそういう措置をとらなかったというだけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういうことであったなら、直ちにあすからそういった資金の逼迫ということが現われるものではない、それはそうだろうと思います。同時に政府が対策を立てられたからといって、すぐあすからその薬がきくわけでもないのです。むしろ政府の対策の方が、先ほど小平委員すら指摘せられたように、テンポがおそく回っている。それならもっと早く打っても間に合わないくらいのものです。ところが事実として現われてきてから、しかもテンポのおそい政府がそういう手を打つということがますますおくれてくる、従って葬式済んで医者話ということにならないかと心配しておるのです。そういう点でこれは大臣に今さら言ってもしようがないからやめたいと思います。  そこで先ほどちょっと質問をしたのですが、大臣の答弁で引き続き質問したので残っておりますからお伺いしたいと思います。商工中金の方、国民金融公庫の方、中小企業金融公庫の方、この五名の方にお伺いしますが、いわゆる公定歩合引き上げ等々の処置がなされ、中小企業の方へその資金の引き締めといいますか、そういう金繰りの逼迫というものが及んできた、こうなってから、その以前との間にあなたの方に対しての中小企業からの金融の申し込みの状況はどう変っておるか。  それから先ほどちょっと私が申しましたが、商工中金の神戸支所の話ですが、急に資金のワクを締められたので、われわれは需要に応じかねて困っておる、こういう話を聞きましたが、そういう現実があるのかどうか。それから先ほど来大臣及び川上長官が言っておられるような総合緊急対策、これによってあなた方は、今申し込みを受けておる、あるいは今後申し込みが出るであろうところの中小企業者からの資金の申し入れの需要に対してこたえることができるかどうか。この点について答えていただきたい。順次三名からお願いいたします。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○加藤参考人 先ほどの商工中金の質問に対しましてお答えいたします。神戸支所におきまして大へん金融を締めておったというような御質問であったと思いますが、商工中金の全体の資金のワクを申しますと、大体六月中に貸し出し予定の資金といたしましては九億円を予定してございまして、そのほかに中小企業金融公庫の四億の代理貸し資金を予定したのでございます。これが先ほど総合対策のお話がございましたが、その先がけといたしまして商工中金の債権の資金運用部におきます引き受けを当初二億円の予定をしておりましたので、これを一億円ふやしまして三億円にいたしました。これはもっといただきたいのでございますけれども、実は資金運用部の方の引き受けいただきます率は、法律上民間の四に対して資金運用部が六という制限がございます。それで利付債券の最近の消化を見ますと、せいぜい二億程度でございますので、資金運用部に持っていただきます限度といたしましても、三億程度が限度なのでございます。それでとりあえず三億円の資金運用部の引き受けをお願いし、また中小企業金融公庫の代理貸しのワクを二億円いただいておったのでございますが、それを総合対策といたしましてさらに二億円を増加いたしまして四億円いただいたような次第であります。こんなことで先ほど申しましたように資金の計画といたしましては固有資金といたしまして九億円、それから代理貸しのワクといたしまして四億円、合計いたしますと十三億円の資金の計画をいたしたのでございます。しかしながら需要の方はやはり引き締めの影響をだんだん受けて参りまして、相当需要がございます。ことに神戸関係あたりは下請関係の仕事もございますので、相当そういう面での需要も多かったと思います。そんなことで資金の手当も昨年よりもふえてはおりますけれども、さらに資金需要が増加するというような事情で、神戸の支所では急に引き締めたというわけではございませんけれども、昨年よりは資金のワクは若干ふえておりますけれども、需要の方もふえておるために非常に窮屈な状況になっておるということで申し上げたと思います。どうぞ御了承願います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私三名の方にお伺いしておる点は二点なのです。いわゆる金融の引き締めによって市中銀行を締め出された中小企業者があなた方の方へ頼みにいくだろうと思う。それらのものが最近金融引き締めの措置以前と現在と比べてどのように多くなっておるか。もう一つは先ほど来大臣及び川上長官が説明しておるような緊急対策といいますか、こういうことによってあなた方の方で今申し込みを受けておる、あるいは今後申し込みがあるであろうと思われる中小企業の需要に対してこたえ得るかどうか、この二点なんです。この二点を明確にお答え願いたいと思います。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○加藤参考人 この公定歩合の引き上げを起点といたしまする金融引き締めの影響は、ざっくばらんに申しますと、まだ非常に深刻に来ているというよりも、徐々に現われておるというような窓口の状況にございますが、大体金融のこの引き締めの影響は、今回の公定歩合の引き上げの以前に——早く申しますと、昨年の暮れあたりから私たちの方の資金需要は相当ふえておりまして、大体におきまして、前年同期に比べますと、三割程度の資金需要の増加を見ております。それでこれに対する資金の手当の方でございますが、先ほど総合対策といたしましておきめいただきましたこの商工債券の引き受け額を、従来資金運用部が二十億予定されてございましたのを、二十億ふやしまして四十億にしていただく。それからこの中小企業金融公庫の代理貸しのワクを年間二十五億円予定されておりましたのでございますが、今回の中小企業金融公庫自体の六十億でございましたか、増額を予定されたということでございまして、それに基きます代理貸しのワクを十五億円ふやしていただきまして、結局私たちといたしましては四十億円となったのでございます。これでまかなえるかということになるわけでございますが、われわれといたしましては、今までの状況をいろいろ考えてみますとまだまだ足らないように考えられますので、監督官庁の方にさらに増額をお願い申し上げたいというふうに’いろいろお願いを申し上げている次第でございます。

江頭豐中小企業金融公庫理事

○江頭説明員 中小企業金融公庫といたしましては、ただいま商工組合中央金庫の加藤理事から御説明申し上げました通り、需要につきましては大体同じような傾向でございます。私の方は主として設備資金を扱っております関係か、急激な増加というよりも、むしろ徐々に現われておるという状況でございまして、第一・四半期六月分に、先ほど大臣からも御説明がございました十億の繰り上げ、それから回収増を引き当てにいたしまして十五億の資金増加をいたしましたところが、これは御趣旨に沿いましてできるだけ市中銀行等を避けまして、中小企業専門機関にこれを配付いたしまして、資金需要にこたえた次第であります。  それから第二・四半期以降の繰り上げの問題でございますが、先ほど六十億程度の繰り上げをしていただくことにお話がございましたが、私の方といたしましてはこの資金需要の予想といたしまして、六十億を増加いたしませんと、大体資金需要に対しまして約二〇%の充足率になるわけです。しかしこの六十億を繰り上げていただきますと、従来私の方の充足率が大体三五%近いのでございますが、大体その程度におさまるということに相なります。ただこの資金需要の予想といたしましては、今後どれだけ増加いたしますか、この点はまだはっきりわかりませんが、なお増加いたしますときには、われわれとしても対策を考えたいというふうに考えます。以上です。

石渡忠四郎国民金融公庫副総裁

○石渡説明員 国民金融公庫のお客さんは市中銀行との取引はほとんどございませんので、市中銀行が締めたために直接しわ寄せをこうむるということもございません。従って五月末の現在で調べましたところ、ほとんど影響がございません。六月に入りましては気配と申しますか、ぼつぼつ相談が多くなっております。要するに来月以降非常にふえることは明らかだと思いますが、五月末までは影響いたしておりません。  それから今度七十億の資金を出していただきますことは大へん工合がよいと思っております。すでに六月十九日に五億円出していただきまして、これを直ちに支所に配りました。大体私の方の資金が従来とも非常にありませんので、お客様に貸せる金額というのは申し込みの大体四割五分くらいしか貸せません。それで今後金融引き締めによる影響によって間接に資金に困る方がふえてくると、その分は非常にひどくはみ出しますということは争われませんので、七十億でももっとふえた方が大へん工合がよいと思います。大体第一・四半期が従来の計画が百三十億、第二・四半期百三十億、第三・四半期が二百億、第四・四半期百三十億貸す予定になっております。それが第二・四半期と第三・四半期の三百三十億が四百億貸せるということになると非常に役に立つ、こう考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まだあとに先輩の中崎さんの質問もあるようですから、私は個条書き的に簡単にあと二、三点お伺いしたいと思います。  今、大臣お聞きのように各政府機関の代表の方から、たとえば商工中金の方の御意見はまだまだ足りない、それから中小企業金融公庫の方の御意見では、従来がすでに三五%しか充足率を持っていない、こういう措置をしてもらってようやく従来のワクに入る程度である、国民金融公庫の代表の方の御意見では、今までは四五%程度である、しかし本来から資金が足りない、従って今後需要がふえてくるならばひどくはみ出すであろう、こういう御意見のようです。しかも大臣を前にして相当遠慮せられた発言がこうであったと思うのです。私たちは先ほど来大臣あるいは長官の、この対策についてのテンポがのろくかつ物足りない、こういう考え方を持って質問しておるのですが、こういったような三者の発言、まだまだ足りないとか、ひどくはみ出すであろう、こういうことに対して今後これにこたえるような措置を政府として講ぜられるかどうか、これが一点。第二点は、先ほど来下請代金支払い遅延の問題についてお話も出ておりました。これに対して川上長官は六月十八日の公正取引委員会に協議の上通達を出した、ところが通達だけでは解決できないのじゃないか、その通りであります。従ってわれわれは昨年国会において下請代金支払い遅延防止法審議のときに、こういうことでは物足りない、ほんとうの解決にならないということを主張したはずであります。その後神武景気と言われるような景気で、若干下請代金の支払い状況はよくなった。これは何も法律のためでなく、むしろ一般的な好景気のためであった。従って金融の引き締めが起ったら、たちまちこういったような下請代金支払い遅延の状況が起ってきておる。そうするならば、私はやはり法律によってもっと強くこれを促進しなければならないのじゃないかと考えるので、大臣は次の臨時国会等で下請代金支払遅延等防止法を、もっと的確に法律によって支払いがほんとうに促進せられるというように改正する意思があるかどうか。  第三点は、先ほど来の金融対策等を聞いておりましても、何か話の最後は信用保証協会に云々、こういうことであるようです。信用保証協会を利用することは、結局は金利を高くすることになる。困っておる中小企業者に、なお高い金利の金を借りろ、こういう結果になると思うのですが、中小企業金融に対してもっと安い金利で貸すような方法が考えられないか、以上三点をお伺いします。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 お答えします。今後の情勢に応じて資金量を増すことを考えておるかというお話でございますが、情勢に応じては増したいと思っておりますが、問題は、中小企業の金融機関にばかり需要が殺到するというような傾向を防ぐということも一つの対策だろうと思っております。と申しますのは、きょうの新聞にも出ておりましたように、市中銀行が結局歩積み、両建その他のことをやはりやっておるというために、市中銀行の金利が非常に実際上は高くなっておるので、今の政府機関の金融機関が金利が割安だというようなことのために、政府機関に需要が殺到しているという傾向もあるのだということも言えると思います。そうしますと、大蔵省によってこの市中銀行の指導をしていただいて、そういう傾向をとめる、そうして一般銀行でなるたけ貸し出しを円滑にやるように、この政策をとるのがやはり一番必要だろうと思っています。たとえば今中小企業に貸し出している金融機関の貸し出し総額は全体として五兆二千六百九十五億、中小企業へは二兆五千百七十二億貸し出している。このうちで市中銀行、地方銀行の持っているのが一兆五千億ということですから、本来の市中金融機関が貸しているものは六〇%になっているという状態でございますので、ここでやはり中小企業のほんとうのめんどうを見させるということが必要だと思いますので、これに対する指導を十分にやって、そうしてなおかつ中小企業の金融機関に資金を求めてくる中小企業に対して、今程度のものじゃなくて、さらに需要が殺到するというような情勢でございましたら、これに応じて資金の量は増していくよりほか仕方がないと思っております。  その次は、支払い遅延の問題ですが、なるたけ私どもとしましては支払い遅延のいろいろな問題がなくなるような経済情勢へ持っていきたいと思っていますが、なかなかそういかなくて、さっき申しましたように、公取委員会と十分連絡、協議して勧告を出さなければならないというような事態が事実したくさん出てくるということでしたら、立法措置も考えたいと思っております。  その次は金利の問題でございますが、この国会でも中小企業の金利を引き下げたいということから、いろいろの方策をとったことは御承知の通りでございますが、結局市中金利が上ってくるというときでございますので、これを下げさせるためには、国の無利子の金を投入するという部面をふやすよりほか方法がないと思っておりますが、これはさっき申しましたように、  一応この国会を通じて措置を行なっておりますので、今年は、今言った資金の量を増して需要に応ずるという措置だけはとりますが、ここで特に中小企業の金利を下げるという的確な措置は、われわれとして当分とり得ないのじゃないかと考えております。さらに将来国の出資をふやすというような形によって順次引き下げをはかって参りたいと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 もう質問は終りたいと思っておりましたが、ただいまの大臣の御答弁を聞いておると、もう一ぺん尋ねなければならなくなりましたのでお聞きいたします。  大臣は先ほど、市中銀行で貸しておるのは大体六〇%、従って市中銀行がそういうように中小企業を締め出さないように指導することによって中小企業の金融の逼迫ということを緩和したい、こうおっしゃいましたが、われわれは、先ほど来大臣の言っておられる総合対策なるものは、いかにも具体性を欠き、抽象的であると考えております。今言われたことも、ただ指導によって市中銀行が締め出さないようにするということはいかにも抽象的であって、それでは一体どうやって市中銀行が中小企業を締め出さないようにすることができるのか、そういう見通しが持てるか、現在の市中銀行、いわゆる利潤追求といいますか、営利的な市中銀行において、そういうことが果して可能であるかどうか、そういう点についてもう一つ重ねてお伺いいたします。  それから、なお中小企業の金融に対する金利の引き下げの問題ですが、引き下げたいと思っておる、またそういう措置も考えたいということでありますが、私の申し上げておるのは、今おあげになりました中小企業の総合金融対策、こういうものを見ましても、保証協会に依存する、保証協会を通ずるというような考え方が大きなウエートをなしておる。金融の関係もその通りでありますが、保証協会を利用することは、従って必然的に金利を上げるという結果になるのであるが、そういうことでなくて、もっと的確に金利の安い貸し出しができるようなところに資金を回す、こういうようなことはできないのかということです。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 市中銀行への指導につきましては、さっき大蔵省から申されましたように、一般金融機関に対して中小企業金融の円滑化をはかるように六月十一日付で大蔵大臣通牒というようなものを出しまして、銀行にいろいろな指示をされておりますので、その指示に基いた指導が大蔵省から今出されておりますので、これによって一般銀行が中小企業を締め出さないようないろいろな措置は、現在政府としてもとっているところであります。非常にこれは有効だと私どもは考えております。さらにさっきお話ししましたように、やはり地方銀行の金融債を、政府が中小企業に貸した実績があれば、その実績に応じて二百億くらい政府は買い上げてやるという対策を立てましたので、これによっても地方銀行からの貸し出しがふえていくことが期待されるというような、そういう一連の措置によって一般銀行から中小金融を見させるということがほんとうは筋でありますので、その筋はさらに強化しようと私どもは考えている次第でございます。  それから、なかなか金融が詰まっているときでございますので、信用保証協会を活用するというような措置が、ただいまのところでは相当的確な効果を持った措置だろうと考えますが、そうするためには、やはり御指摘の通り中小企業の金利の負担が少しふえるというので、これは好もしいことではございませんが、今中小企業の当面しているのは金利というよりも、必要な資金をどうして入手するかということが、中小企業にとって今としては一番重要な問題だと思いますので、私どもは将来国民金融公庫とか中小企業金融公庫に国家の安い資金を投資するというようなことによって金利を下げる努力をいたしますが、当面の問題としてはいかにして量を確保するかというところに重点を置いて対処するつもりでございますので、その限りにおいては金利の引き下げということを実際には私どもとしてなかなかやれない状態にあるのだ、こういうことを申したのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まだいろいろと大臣の御答弁については意見の相違の点もあり、申し上げておきたい点がありますが、あとがつかえておりますので、やめます。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 阿左美廣治君。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 同僚委員からいろいろの質問に対しまして大臣の御説明をお伺いしておりますと、相当今回の金融引き締めに対しまして、中小企業に影響のあるということは御承知のようでございまして、それに対しましては私も一応これを認めることができ得ると思います。しかし事実は大臣のお考えになっておるよりも実際問題といたしましては、もう少し深刻なのでございます。中小企業というものは、経済が浅いために少しの影響も直ちに受けるのでございまして、現在の中小企業のうちで最も今回影響を深刻に受けますのは中だと思います。小は、先ほどもいろいろお聞きしてみますと、国民金融公庫のお得意さまはまださほどそういう影響はないというような公庫の副総裁さんからの御意見もありました通りだと思います。しかしこの中の中小企業は、自手を発行しておるところの中小企業、また受取手形というものによって事業を運営しておるところのいわゆる中の業者が非常に現在行き詰まっておるということは事実なんでございます。先ほど大臣は中小企業に最も影響の出てくるのは七月、八月ではないか、こういうような御説明がありましたが、その通りでございます。なぜ七月、八月にその影響が出てくるかと申しますと、繊維業者にたとえて申しますならば、春、夏ごろの取引は大体において五億で終るのであります。その手形は五月の下旬から六月、大体において九十日、百日という手形が出ておるわけです。その手形の支払い時期がやはり七月下旬から八月になるのでございまして、その手形の支払いに対するところの裏づけがないのであります。このままにおきますれば、必ずこれは全部倒産するということを言っても差しつかえはないのではないか、こういうような状態であります。現在の中小企業というものは、自己資金で事業をやっておるのではございません。あるいは会社にいたしましても、個人にいたしましても、わずかの資金でございます。その資金をもとにいたしまして手形融通において資金関係は立つておるのでございますから、その手形の流通がとまりますれば、直ちに倒産やむを得ないというような状態になるのでございます。三百万円、五百万円という会社が何千万、何億というような手形の発行をしておるのでありますから、その操作がつかないということになりますれば、これは倒産する以外には道はないる不払いを出すということは当然でございます。そういうような関係で現在非常に倒産者が出ておりますけれども、現在の倒産者はまだまだ序の口でございまして、これからますます拡大をしていくということになるのでございます。決して火事は火元だけが焼けるのではございません。類焼におきましても幾らでも火事は燃え広がっていくのでございまして、やはり手形操作がきかないということになりますれば、健全なる内容においての商社もメーカーも次々と倒産をするというような結果になるのでありまして、こういうような状態をこのまま放任をしておくならば、私は単なる経済問題では済まないのではないか、結局これは一つの社会問題、政治問題と化すようなおそれがあると思うのでございますが、もう少しこの問題に対して深刻にお考えをいただく必要があるのではないか、私はこういうふうに考えましてお尋ねをするわけでありますが、先ほどからいろいろお聞きいたしますと、どうもまだ現在の実情に沿うような対策は立てておらぬ、きわめて楽観しているというようにうかがえるのでございます。もう少し深刻にお考えをいただきたいと思うのでございますが、これに対する対策をもう一度重ねてお伺いをする次第でございます。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 確かに今のような状態がそのまま進むということでしたら、相当深刻な事態が予想されるわけでございますが、そうならぬために政府は今度総合的な対策を立てているのでございまして、外貨の借款ができ、輸出が今当初の予定通り順調にはいっていますが、さらに豪州との協定もできましたし、いろいろ輸出にとって先行きいい要素も出て参りましたし、中共貿易の促進というようなものとあわせて、当初の予定以上にもっと日本の輸出を増進させることは、この年度内において相当可能だと考えております。輸入の調整というようなものと待って、国際収支の均衡回復というものが全体としてできるというふうになれば、金融自体もここで変って参りますので、政府としては、根本策としてはその面から今の金融情勢も変えていく努力をするよりほかに仕方がないと思っております。現にそういうことをやっておりますので、今輸出よりも輸入が多いということは、国内をデフレーションにするデフレ要因でございますが、それがある程度抑制されて輸出が伸びていくということになれば、金融の事態は相当変ってきますので、そういう国の全体の総合政策によってこの事態を早く平常化するという努力が、われわれに一番必要だと考えて、その方に今力を入れておりますので、当面いろいろ起ってくる中小企業に対する応急対策をやっておきながら、今言った本格的な対策によって、少くとも来年の三月——この年度の終りころまでにはこういう事態をすっかり改善しようという計画のもとにやっておりますので、私は今傾向としてはいろいろな問題が出てきましたが、そう中小企業にとっては深刻な事態にならぬように措置したいと考えている次第であります。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 これは国際収支の問題も重要でございますし、今回のとられた措置は国際収支を中心としての措置と考えますが、しかし国内の問題も重要ではないか、こういうふうに考えます。現在の中小企業を金融面から見ますと、もうきょう、あしたとおかず、これは重大な問題ではないか、こういうように考えられます。地方銀行、ことに東京を中心としての周囲の地方銀行の方が非常にきついわけです。これはやはり都市銀行に非常な重圧がかかったためと考えますが、地方銀行といたしましても、手形の割引の金利の問題ではなく、いわゆるワクの問題でございまして、たとえば、今まであなたとの取引関係は、五千万のワクを与えておったが、それを三千万円にしてもらいたい、二千五百万円にしてもらいたい、こういう銀行の要求なのであります。しかし、そういうような要求をされてもそれは困る。ほかの銀行へ行くわけにいきませんし、どうしても取引銀行においてそれだけのワクは認めてもらわなければならぬ、困るといわれましても、これはやはり日銀からこういうような指令でございまして、どうにもなりません、どうか一つこのワクで御承知を願いたい、こういうことになります。しかしそう言い渡されたときには、すでに受手というものはそのワク内で発行しておるのであります。でありますから、そういうワクを急に縮められましては、やはり手形の操作がつかない、そういうようなことから、いろいろ地方銀行から締め出されまして、今度は中金の方に各所からそういう申し込みがある。中金の方では資金がありませんから、今までのワクは確保いたしますけれども、より以上の増額は認められません、こういうことになる、それが現状でございます。そういうようなことを繰り返すならば、手形には期日がございますから、期日が参りますと、不払いを出さざるを得ない。これは、受手と発行手形とのバランスは合っておって、決して内容には不安はないのであります。その内容の完全なるものが不払いを出さなければならぬ、そういうことが今続々各所に起っておるわけなんです。そういうわけで、現在といたしましてはどうにもならぬ。手形でものを売っても、その手形の割引ができないということになりますならば、現金でものを売らなければならぬということになりまして、そろそろ現金投げ売りが始まりました。このままこれを放任するならば、市場を非常に攪乱するおそれがある。これは大商社といえども、いかなるメーカーといえども、その巻き添えはみんな食うと思います。だんだんこれが発展していきまして、これは経済に大問題を起すんじゃないか、こういうことがわれわれには予期されるのでありまして、まださほど一般にそういう御心配がないようでありますが、たとえば多少の融資ができたといたしましても、こういうような状態になりますと、どの商社の手形が堅実であるか、また内容がどうであるかということが実際に不明確であります。確かだと思ったものが不払いを出したり、いろいろの関係で、取る手形も取る手形もこれは危険を感ずるのでございます。そういたしますと、銀行もやはり縮めたワク内におきましてもその割引を渋るというようなことになる。これはどうにもこうにも操作がつかないということになりまして、売っていいか買っていいかわからないで、そのままに取引を中止しておるというのが現在の中小企業の状態であります。しかしこれはいつまでもこの取引を中止しておるということはできがたいのであります。投げ売りをするか、不払いを出すか、今後いろいろなことが現われて参ると思うのでありますが、こういうことに対しまして、これはのんびりした考えではとうてい解決がつかぬと思います。そこで私が先ほどお聞きしてみますと、資金運用部の投資は法律上の疑義があるというようなことであればある程度やむを得ないと思いますが、しかし疑義のない方法においてやはり今後もう少し積極的な投資、融資をやっていただきまして、金融事情を解決していただきませんと、今後七月、八月過ぎていろいろあとのことを考えまして、後悔をいたしましても取り返しのつかないような事態が起るのではないか、こういうように考えますので、商工中金に対しまして割引債を政府において引き受けてもらうということができるかどうか、これをお伺いいたします。

賀屋正雄大蔵事務官(理財局次長)

○賀屋説明員 資金運用部資金をもちまして商工中金の割引債を引き受けるということは、ただいまのところ考えておりません。先ほど来御説明がございましたように、今回の対策におきましては二十億利付債の引き受けを増額するという考えでございます。資金運用部資金の運用の仕方といたしましては、元来は長期に運用するという建前でありまして、割引債は本来短期のものでございまして、一般の金融機関が引き受けるといいますよりも、普通の民間の市中の消化をねらって発行されるものでございますので、銀行と性質を同じくいたします資金運用部といたしましては、建前としてこうした割引債は引き受けない考え方に基いてそのようにいたした次第であります。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 そういたしますと、どれもこれも引き受けるわけにいかぬ。こういうことになりますので、それではやはり対策はどこにあるかということになるのでありますが、商工中金にはずいぶん中小企業から全国的に集中して要求があると思います。そこで二十億や十五億でまかなえるものではないと私は思うのであります。そういたしますと、やはり私がさきに申しましたような結果が必然的に起るのではないか、こういうふうに考えますので、これは非常なる場合が起きたとするならば、それができるとかできないとかいうこともないのではないか。未然にやはりそういうような措置をとっていただくということが必要ではないかと思うのでありますが、もちろん割引債は市中において求むるべきものであるということは当然だと思うのであります。しかしこれはこういう状態になりますと、市中から求めようとしてもなかなか求められない。また預金を求めようとしてもそうはいかないというようなわけで、何と申しましてもやはりこれは国の援助を受けなかったならばこの危機を乗り切るということはでき得ないのではないか、こういうように考えますので、あらためて一つ大臣にお伺いいたしますが、こういう状態において放任しておきましたならば、これでも差しつかえないとお考えになりますか。またその場合によっては臨機の措置をおとりいただくことができるか、お伺いをいたします。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 そういうような場合には臨機の措置をとることを考えたいと思います。今言われました政府資金の預託の問題も、割引債政府引き受けの問題も、確かに従来の考え方からいきますと疑義のある問題でありますが、通産省といたしましては必要に応じてはそういうことまでもやはり大蔵省と相談をして対処したいというような考えを現に私どもはただいま持っている次第でありますので、今後情勢のいかんによっては大蔵省、通産省で十分そういう問題も検討したいと思っております。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 大臣の御説明をお伺いいたしますと、非常の場合には、また何とかお考えをしていただく、こういうような御答弁でございますから、一応了承はいたしますが、現在の中小企業というものは、今回の金融引き締めによりまして、その影響を受けるところがきわめて重大でございまして、原糸は非常に下ったのでございますけれども、下ったところの恩恵は現在少しも受けておらぬ。それで大メーカーは全部先物を売っておるのでございます。それから中小企業は六月、七月物を買っておるので、現在の先物の高い値段のものを今引き受けておる。値の下ったものは、中小企業には手に入らないのでございます。そこですでに大メーカーに対するところの——紡績会社に対しましては、操短を通産省は勧告をする、こういうようなことになりまして、生産を調節されますと、今度は値段が上って参ります。上ってきたときに、また中小企業は、その高いものを買うのでございまして、安いものは少しも買ってみないというような事柄が、中小企業の今までの実態でございまして、今後もそういうような情勢にいくのではないか、こういうふうに考えられるのでございます。こういうようなことに対しましても、簡単に操短命令というようなものを出しますということは、中小企業に対しては決して得るところがない。やはり大メーカーを助くるということになると思うのでありますが、これに対しまして御意見をお伺いいたしたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 ことに繊維業界におきまして、そういう問題がございますので、過般私は福井県に参りまして、特に人絹の問題、糸の操短勧告をやってくれぬかというような機屋の非常に強い希望がございましたが、機屋側の、たとえば生産の調整が、ある程度できないというような事態に、すぐにそういう操短勧告というようなものをやったら、結局中小企業が一番困ってしまうというような実情も見て参りましたので、こういう点については、政府は十分慎重を期すという答弁をして帰って参りましたが、お説のような方向で、慎重にやりたいと思っております。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 操短に対しましても、非常に考慮をしてなしていただくというような御答弁がありましたので、私どもは大メーカーに対しましては、よほどそういう注意をしていただく必要があると思うのでございまして、常に中小企業というものは原料高、製品安ということを、今日まで継続して参っておるのでございまして、この際資金の上にこういうような急な施策に対しまして、非常に迷惑をしておるわけですが、私は今回の金融引き締めは、心理的にも非常な影響があるのではないか、こういうふうに考えますので、まだこの上もこういうことをやるのだぞ、こういうふうにするのだというようなことを、次々に新聞紙上、その他で報道せられるということは、中小企業者の心理がやはり非常に迷うのじゃないか。すでにある中小企業は、もう金融に対しましては借り入れを申し込んでも、絶対応じてはいただけないというので、半分は投げております。そうしてあきらめて、みずからも自殺をはかっておるというような状態でございますので、これはゆゆしき問題ではないか、こういうふうに考えます。すべての中小企業に及ぼす心理的作用が金融的にあるのじゃないか、こういうふうに考えますので、この施策に対する報道も、あるいは研究をしていろいろ御発表をいただく必要があるのじゃないかと思いますが、この点に対しまして、今後どういうふうな施策をおとりいただけますか、お伺いをしておきたいと思います。

川上爲治中小企業庁長官

○川上説明員 今、先生のおっしゃるような、そういういろいろな施策の発表によって、それが中小企業に心理的にいろいろ影響して、さらに普通の実需要以上に需要がふえてくるというような心配もありますので、われわれの方としましては、もちろんそういう発表に対しましては十分気をつけなければならぬと思うのですが、一面におきましては、中小企業に対しては、この金融引き締めの影響が極力ないように、いろいろな措置をとるというようなことで、この前から総合対策におきましても、そういう対策をとり、また発表もいたしておりますし、また、われわれもそれに応じまして具体的な措置を現在いろいろとりつつあるわけでありまして、私どもとしましては、先ほど申し上げましたような措置を現在早急にとりますと同時に それでなかなかうまく乗り切っていけないというような場合におきましては、先ほどお話がありました割引債の問題とか、あるいは預託金の問題とか、いろいろな方法も研寛いたしまして、今後万全の措置をとっていきたいというふうに考えております。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 最後に中金の加藤さんにお伺いいたします。私は、今日おいでいただきました参考人の方々の中で、中金に最も今回のしわ寄せの結果が集中しておるのじゃないか、こういうふうに考えますので、各方面からの申し込みに対しまして、今後一体幾らの資金を必要とするか、それを一つお伺いいたします。先ほどそういうような御質問があったのに対しまして、何となく遠慮なさるようなふうにお見受けいたしたのでありますが、どうか遠慮なさらないで、これだけの資金がなければ、こういうわけである、これにおこたえすることができないのだから、何が何でもこういう資金を政府で心配してもらいたいということを御遠慮なくおっしゃっていただきたい。そうでないと、ここでは加藤さん、うまいことを言いましても、実際窓口に行くと、金がないのだから、これはどうにもならぬというふうにおっしゃるのじゃないかと思うのであります。一つはっきり必要だけの資金をおっしゃっていただきたい。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○加藤参考人 今、阿左美先生からお尋ねがございました点についてお答え申し上げたいと思います。商工中金に参ります資金の需要は、非常に差し迫った金が多いのでございます。これは申し上げるまでもないと思いますが、商工中金の取引先は、主力銀行というようなものを大体よそに持っておられて、それで足らぬ部分を中金に来るというような補完的な借り方をされるものが多いのでございますが、最近のようになって参りますと、手形の支払い期間が延びる、あるいは現金払いが手形に変るというようなことで、手形の量が非常に多くなって参ります。しかるに、一方、普通の金融機関ではいわゆる選別の強化ということによりまして、間接的にそのワクを締めて参ることになりますから、結局手形の量はふえるけれども、金はつかぬということで、いわば資金化できない手形を抱え、て倒れるか倒れないかという羽目に追い込まれるという場合に、中金に来られる方が非常に多いのであります。そういうせっぱ詰まった限界ぎりぎりの線の金融を求められる場合が多いのでございますので、中金といたしましては、そういう方々に対しましては、極力何とかして金融のつくようにという心がけでやっておる次第でございますが、ただ、先ほどから申し上げておりますように、まだほんとうにその資金の需要がどの程度になってくるかということがはっきりつかみかねます。まあだんだんふえつつありますことはもちろんでありますが、これがほんとうに七月あるいは八月という最も影響の強く現われるであろうと推定される時期にどれだけの資金需要があるであろうかということは、今のところはなはだ読みにくいのでありますが、大ざっぱにわれわれの方で検討してみたのでありますが、大体最近の傾向を申しますと、先ほど申しましたように借り入れの方の状況が昨年よりも三割程度増加しておりますが、一面回収の方の影響を見ますると、大体一五%程度ふえてくるのじゃないかと考えられます。貸し出しが三〇%ふえて回収一五%というのはおかしいようでございますが、長期の金も最近ふえておりますので、そんな関係でこの状況から推定いたしますと、貸し出しが三〇%ふえ、回収が一五%程度ふえてくるのじゃないかという観測が立つのでございます。それで計算いたしますと、昨年の貸し出しの累計が千七百十億でございまして、その三割増しと申しますと二千二百二十三億になります。それから回収は、昨年の実績は千五百七十五億でございましたが、これに対して一五%の増加と見ますと千八百十一億、差し引きますと四百十二億という純増を必要とする。でございますから、この推定通りとすれば四百億くらいの金はほしいというようなことになるのでございますが、これはほんとうにただ最近の状況からいろいろ推定してみたものでございまして、もう少し事態がはっきりして参りませんと、どの程度ほんとうに必要であるか、またそれが時期的にいつ必要であるかというようなことはわからないわけでございます。これは申し上げるのはどうかと思いましたけれども、せっかくのお尋ねでございましたからですが、またほんとうを申しますと、われわれの大ざっぱな計算では四百億を必要とするくらいの資金需要があるであろうと考えられるのでございます。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 ただいまお聞きの通りのような次第でございますが、大体において四百十二億くらいの資金を必要とする、こういう御意見でございますが、なお加藤さんに重ねてお伺いいたしますが、四百十二億くらいの資金が必要であるということに対してどれだけの御用意がありますか。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○加藤参考人 私どもの資金計画といたしまして昭和三十二年度の資金の増額を百二十五億と見ております。それに対しまして今回の総合対策におきまして資金運用部の引き受けとして二十億円の増加、それから中小企業金融公庫の代理貸しのワクの増加といたしまして十五億ということでございまして、合計いたしますると百六十億の増加をいただいておるのでございますが、一方利付債券の市中消化の方が最近非常に状況が思わしくございませんで十五億ほど減ってくるというようなことでございますので、合計いたしますと百四十五億ぐらいの見込みがあると思います。

阿左美廣治自由民主党

○阿左美委員 ただいま加藤さんからの資金に関しますところの御答弁がございましたが、お聞きの通りのようなわけでありますから、どうか中小企業に対しまして事態の起らないように、あらかじめ政府におかれましても一つ御協力のほどをお願いする次第です。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 中崎敏君。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 国会が終って一カ月しかたたないのでありますが、その間において一国の経済に重要な変化が起りまして、これが表面化いたしまして、そういう問題を中心としてここに商工委員会が持たれたわけでありますが、こうした重大な問題についての現状を認識して、そしてよってもって来たるところの原因を究明して、これに対するところの対策を立てるということはきわめて重大なことだと思うのであります。この際に当りまして、その責任においては通産省と選ぶところのない大きな責任を持っておられるところの大蔵省の側において責任のある、ことに政治的責任のあるところの人がこの委員会に出てこないということはきわめて遺憾でありまして、こういうことについて委員長は大蔵側に対してそういう申し入れをされたのかどうかをまずお尋ねしたいのであります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 申し入れをしましたが、事情がありまして大臣が出席できませんでした。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 大臣が出席できないということなら政務次官ぐらいはぜひ来てもいいのじゃないかと思うのでありますが、その点はどうですか。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 これも要求してありましたが、都合がつきませんので残念ながら出席ができなかったのであります。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 そうしますと、きわめて重要な問題でもありますので、大蔵当局に対してはさらにこの委員会において諸般の問題を論議するところの機会を委員長の方で特にお計らい願って、あるいは商工委員会をまた開くなんぞという問題もあわせ加味して考えてもらいたいということを要望しておく次第であります。  そこでまず第一に通産大臣にお尋ねしたいのでありますが、政府におきましてはいわゆる神武景気と称しまして国民を未曽有の感激のるつぼの中に置いて、そうしてお祭り騒ぎみたような宣伝をされまして、その予算がようやく通過するかせぬかで、すでに一国の経済が破綻をしたまではいきませんけれども、重大なる困難に突き当った、こういうことだけは見のがすことのできないことだと考えておるのであります。そこで、いわば政策の破綻だと私は考えるのでありますが、この点について一応通産大臣の責任あるところの言葉がお聞きしたいのでありますけれども、それについて少しばかりその根拠となるべきことを申し上げてみますと、外国為替、貿易の事情が相当行き詰まってきたので、これが一つの導火線となって国の経済、財政に大きなるところの転換策を講じなければならぬということになったというのは、これは先ほど大臣からも説明があった通りだと思うのであります。ところで、その貿易、外貨事情の行き詰まり等を来たすであろうということは、昨年の五月ごろからすでにその徴候が現われてきておるのではないか。たとえば輸出と輸入というものの状況を見ましても、さらにはまた外国為替の信用状の申請の実情を見ましても明らかにそういうことを示すものでありまして、言いかえますと、通産大臣は、外貨、輸出入の状況はとんとんである、あるいは逆に外貨の受け取り超過になるんじゃないか、こういう考え方の上に立っておられたのでありますが、あにはからんや、最近におけるこの為替事情の行き詰まりというものはもう昨年の五月ごろから始まってきて、昨年の暮れになったら相当に極端に現われてきた。これがことしの五月、六月になってさらにさらに一そう激しくなってきておる。こういうふうな実情にあるのであります。これに対しましてまず金融が先行いたしまして——為替事情を中心とするところの行き詰まりが、当然国内の経済に影響するのでありますが、そういうふうになるというふうな見通しの上に立ったと思うのでありますが、すでに金融が先行しておる。そうしますと、その原因は貿易を中心とする為替の事情にあるのであります。ちょうどかつて朝鮮事変が起ったときに、政府の方も非常に積極的に原材料の輸入奨励などをやって民間を踊らせて、そうして民間が一緒になって思惑輸入などをやって、著しく外貨が逼迫した。そうして商社など次から次に倒れて、国の経済に大きな悪影響を及ぼした苦い経験を持っておる。それはちょうど昨年から現在に至る傾向とやや同じじゃないか。ことに通産大臣は、幾ら原材料を外国から輸入しても、これはやがては輸出するための一つの力になるのである、であるから輸入についてはそう警戒する必要もなければ、とにかく経済のありのままの姿において、いわば自由主義の考え方の上に立ってやっても一向差しつかえないのである、こういう考え方の上に立ってこの前の国会においてもしきりにそれを主張された。そういう信念かどうか知りませんが、考え方の上に立って主張されたところに、重大な行き詰まりが現実に生じておる。こういうことについて、一体通産大臣はどういうふうな責任を感じておられるのか。明らかに見通しの相違であるのか、あるいは何らかの意図を含んだところの考えであるのか、政府の政策を非常に謳歌してそれで国民を酔わしめる、こういう考え方の上に立っておったのかどうか、それらを含めてどういう政治的な責任を感じておられるのかをお伺いしたい。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 先ほど申しましたように、政府の産業計画を私どもは特別ここで変更する必要を認めないというふうに思っておりますが、さっき申しましたように、生産設備の問題にいたしましても、在庫投資の問題にいたしましても、むしろ当初の計画よりも非常に進んで行き過ぎているという面が今出てきておりますので、その程度においてこれを抑制する必要が出てきたのであるというふうに私どもは思っておりまして、政府の拡大政策をここで変更して、縮小政策に持っていくとかいう性質のものでは今の措置はないと私は考えております。輸入につきましては、御説明いたしましたように、国内の需給逼迫から来る物価の値上りは避ける。従って一定の経済計画に基いて必要な資材というものは切らないで入れるのだ。それをやることによって日本の物価も上げないで済むのだ、この立場は現在でも変っておりません。ところがいろいろな原因はございますが、外貨の支払いが当初予想したよりも非常に早まってきているということと、それを中心にして金融先行策がいい方へ行ったか悪い方へ行ったかわかりませんが、いずれにしろ輸入をある程度調整するというよりは、先行き金融が締められはせないか、そうなら今のうちにある程度手配をしなければいかぬというふうに、相当手持ちがあるにかかわらず、輸入をかえって促進させたという面も、先般の金融措置に伴ってそういう面も私どもに見られるというようなことをあわせて、非常に輸入が予想以上に進んでおりまして、従ってその手持ちの状態を見ますと、企業によっては一カ年分の手当の済んでいるという企業も出てくるくらいで、六、七カ月分の原材料手持ちというような状態もたくさんあるという状態になってきましたので、ここで誓ういうものの輸入調整をするということは、最初の方針通り、需給逼迫から来る物価高を起すという懸念は少いという今状態でございますので、これを政府が適切に指導して、今すぐ急を要しないという物資の繰り延べを適当にやるのなら、ここでその支払い状態も改善することができるのだということ、そういうことから輸入の調整策を私どもは今考えておる。その一つの方法として、金融の引き締めもあわせてそれに付属させておるのだというようなことでございまして、本来の輸出方面はさっきも申しました通り、予定の通り今進んでおって、特別の変調はないというような状態でございますので、私どもが今回の予算をきめるときにいろいろ御説明しましたその経済の全体の基調というものは、私はまだ全然狂っていないのだ、こういう見方を今でもしております。現に国際収支の問題も、大蔵、通産、経済企画庁等関係庁において相当今後の見通しもいろいろ検討いたしましたが、上半期にこういう状態はできたが、下半期だけで見ますと、一応国際収支はやはり下半期は完全に均衡するというような結論も出ておるくらいでございまして、この時期を合理的にわれわれが切り抜けることによって、日本の雇用政策等を中心にしたいろいろな経済の拡大政策というようなものを特別に変更する必要はない。私どもの経済政策は転換したのじゃないのだというふうに私自身は今考えておる次第でございまして、責任と言われますと、上半期に一度にこういういろいろな支払いが立ってくる情勢を少し甘く見過ぎたという点はございましょうが、それ以外には全体の経済政策としては別に私どもは今策が一切間違ったというふうに考えていない状態であります。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 この問題はきわめて重大な問題でありますが、現在まず第一・四半期なり、さらに第二・四半期の見通しを含めて、輸出はそう大きく一ぺんに増額するという見通しはどこにもないと、大体の大勢を見て言えると思う。それで輸入を今相当大幅に削減をしておられる。いわば外貨予算を再編成するというところまで実際にやって、相当大きな削減をやっておられる。それは今までの年度全体から通して見たなにからいっても、明らかに行き詰まりというか、今まで考えておったよりも、大きな事態の変化が起っておるのであります。言いかえれば、昨年の第一・四半期、第二・四半期の輸入に対するところの外貨の割当と、今回現にこれだけ引き締めてやっておられるところの外貨の割当の取扱いの上において 一体どういうふうな変化があるのか、これを明らかにしてもらえば、大体において昨年の考え方がことしの予算の編成の上に及んでおったから、大体それを流していくという当初の考え方であった。ところが最近になって急に大きな転換をして、輸入外貨の上に大きなる制限を加えていっておるということがあるのだが、その制限の加え方をどういうふうな程度において、どういうふうにやっておるかというと、かりに下半期においてさらに制限してもそういう問題がもとに返れば当初の予算の通りに返してもらえるのかどうなのか、これは確かに国民の知りたい問題である。政府のさじかげん一つによって国民の経済が左右される、生活がしぼられておるのだ、政府がひどいことをしているのだから、下期に返してくれるのかということが重大な問題であるから、それを通産大臣からお伺いしておきたい。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 外貨予算はずっと寄せ寄せになってきまして、上期の予算の前に前期からの予算のワクの残りというようなものがまだございますので、それら全体としまして私どもが計画した予想量が入っているというようなときでしたら、これを無理して今期の予算通りに割当をしなくても済みますので、次に順々に延ばしていっても需給関係には影響を与えないし、従って日本の物価を上げるというような方向にはいきませんので、そういう物資についてはその手持ちの状況をにらみ合せて予算の繰り延べをやるというような措置は、当然とっていいんじゃないかと思っております。言われておるように、ここで予算を切ってしまったのだ、将来なかなか買わせないのだというようなことになりますと、思惑も出て参りましょうし、物価も現に上ってくるのですが、私どもはそうではなくて、やはり需給の逼迫はさせない、手持ちに見合ってそれを先にずらしていくので、予算を切っているのだという観念ではない。今いろいろの輸入措置をそういう観念ではやっておりませんので、その点におきまして別にこの上期の予算の組み方がそう矛盾しておったというふうには、私は今考えておりません。現に卸売物価の水準は下っている方でございますが、それを見ても私どもが必要資材を自分たちの予算の組み方の間違いからここであわてて切ったというようなものはどこにもございません。従って物価の基調というものも今回の措置によって特別に大きく変るというようなことはないと私は考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 それでは年間を通じては、政府は組んでおったところの外貨の予算に大きな変りのないものとして実行していく考え方を持っているのかどうか、お伺いしておきたい。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 たださっき申しましたように、相当投資需要そのほかの行き過ぎという部面がございますので、これがそのまま放置されますと、当初予想したよりも必要量の輸入がふえるということになりますので、政府が最初計画した程度のものに押えようとするためには、ここで行き過ぎた内需の調整が必要になってくる。それなくしては、今通りの計画予算でやっても、それ以上輸入が必要だという事態を作ってしまっては、そこでやはり需給の逼迫関係から物価の問題にも響くということになりますので、計画に見合った程度に内需の調整をするという措置がここで必要でございます。その点で財政投融資の繰り延べとかいろいろな問題の検討を必要とするので、政府側においてもこれが必要だと認めてその措置を今後とっていくことになりましたので、それによって適切にそこらが調節されるのでしたら、今の外貨予算につきましても先にいってずらせるということだけやって、必要量は必要量として入れるという態度を変える必要はなかろうかと思っております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 それでは年間を通じては金額から見た輸入額は大きな変化がない。ただし輸入する物の内容については、急を要するものとか、あるいはことに計画の線に沿っておるものなどは、一応あまり変りなくというか、計画の線に沿うては輸入されるが、そうでない物は繰り延べなり押えられ、内容的には相当の変化が起っておるのだ、こういうふうに見ておるのかどうか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 当初の予想とそう大きい変化は今ございません。当初必要とした予定した量がもうすでに不要不急物資の面でもそれだけ輸入されておるという状態の品物もございますので、こういうものはとめてもちっとも需給に響かないという状態でございますので、必要量以上に入ったものは延ばせる措置をとっていくということですから、政府が最初考えた国内でこれだけの輸入物資は国民生活をささえる上に必要だという量は、やはり必要として確保したいという考えを持っておりますので、輸入内容に特別の大きい一変化はないだろうと思います。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 総合緊急対策というふうなものを立てられて、この行き詰まりの新しい事態に対処していかれようとしておるわけでありますが、さてこれが今政府が五カ年計画の経済計画とか称して相当身を入れてやると言って国民に大きく誇示したあれとこうしたことは一体どういう関係になるのか。一月たたぬ間にこうした別の新しい緊急な根本対策を立てなければならぬようになったわけでありますが、それと政府がこれから五カ年の間に日本の経済——鉱工業生産はどうだ、国民の消費生活の水準はどうだ、雇用関係は完全雇用の線に沿うてどうだという具体的な線まで掲げていかれたことと、今度の緊急総合対策とはどういう関係になるのか、また将来どうなるのかということをお尋ねしたい。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 五カ年計画の大筋は別に変える必要はなかろうと思います。ただ、今申しましたように予定した一定時期に相当の行き過ぎがある。これをまたある程度押えるというような事態が出て参りましたので、そういう事態を参考にして今後の五カ年計画に時期的ないろいろな調整を加え、そして計画のある程度の改訂ということも必要だと考えておりまして、計画の改訂の作業を今私どもはやっておりますが、大筋は、日本の五カ年計画は雇用を中心とした計画になっておりますので、私どもはこの計画をやめるとか、あるいは大筋において狂わせるという意思はございませんで、その時期的な調整を中心に置きまして今改訂をやっておるというようなことでありまして、五カ年計画は依然としてその方針を私どもは狂わせておりません。ただ、今やっておる緊急対策というのは、そういう計画は変更しなくても、一時的に起ったいろいろな現象に対処するためだけのごく短かい臨時的な措置である、こういうふうに考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 これはごく短かい臨時的措置であると称するには、あまりに問題が大き過ぎるのであって、国の財政経済全般に根本的な影響を及ぼすものです。たとえば中小企業者は万年的に苦しい実情のものがあるのですが、中には相当にこうした波に乗って一時的にも状態が救われておったものが相当ある。ここにきて急速度にこういうようにあわてなければならぬという実情になっておる。これは中小企業に対する現在の問題だ。これから七月、八月、九月にでもなったら、その余波を受けて一体どうなるかわからぬ。こういうところまで急速にやってきておる。国の一切の産業施設なども大幅に根本的に考え方の方向を変えていかなければならぬという行き詰まりの段階にきておる。国としても財政投資をこれに対処して相当大きく変えていかなければならぬという根本的な問題が起つてきておる。金融についても、たとえば金利のごとき、コールの無条件のものが日歩四銭七厘という、こんなでたらめなことは日本の経済でも今までほとんどないのじゃないか。昭和二年ですか、あの銀行の大取付の起ったときでも、これだけの大きな金利はない。高利貸の金利だ。こういうものが今日行われておる。たとえば昨年の十一月のレート一銭七厘が、本年五月には二銭二厘、今度は高いものなら二銭八厘、九厘、三銭、四銭、四銭三厘、四銭六厘、四銭七厘ときている。まるきりこういう乱調子で、金融界自体が金融的に行き詰まっている。だから高い金利でもやむを得ずそれて一時をしのいでいる。金融機関自身がもう参っている。こういうでたらめな政治が行われておって、なおかつ経済の基調には何ら大きな変化はないとか、そういう考え方を持っておられるところに今日の行き詰まりがある。だから僕はこういう根本的な問題について、徹底的に大蔵大臣に究明しなければならぬと考えておる。こういう問題が多々あって、自然に行き詰まるところへ行き詰まっているんだ。ここまできているのは明らかなんだ。そういう状態があるにもかかわらず平然として——ただ国会においていかに言いのがれするかということではない。国の経済をどうするのか、国民の生活をどうするのかという、ほんとうに政治家として責任ある信念に徹したところの答弁を僕は聞いているわけなんだ。そういう意味において通産大臣の考え方をもう一度聞きたいのでありますが、こういう問題もあると同時に、今度は緊急対策の一つとして外資を導入するということを言っておられる。これは今までの計画の中にどように外資を織り込まれておったのか。それから今後外資を導入するというのなら一体どういう事業にどの程度導入しようというのか。少くとも緊急経済対策と称するものなら、経済対策としてどういうふうな外資を導入するのか、この外資の行き詰まった実態をどう解決するのか、どういう役に立つのか、こういう問題を一つ具体的にお尋ねしたい。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 行き詰まり行き詰まりと言われますが、われわれの計画よりも少し行き過ぎたことから起った現象であると思っておりますので、日本経済がいろいろの意味で行き詰まりを来たしたというふうには考えておりません。従って国際収支の均衡回復ができればすべてが解決する。そのために外資の導入、あるいは輸出をふやし輸入を調整するということによって、そこで四、五億ドルの国際収支改善をやれば少しも心配な事態ではないと思っておりますので、今その線に沿っていろんな施策をやっております。年間において国際収支を四、五億ドル前後の改善をやる自信は今政府は十分ございますのでその点は心配しておりません。ですから行き詰まりじゃなくて、一時的な行き過ぎの是正策がうまくいけば、今まで政府が考えておったいろんな計画とか何とかは特別に変更する必要はない、こういうつもりでやっております。外資をどういうところに導入するかというような問題でございますが、綿花借款に今度は製鉄、電力というような事業に借款するとか、いろいろ大蔵当局において今検討して折衝している事項でございますので、これはそちらの方からお聞きを願いたいと思います。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 この問題は時間の関係で保留しておきます。  今大臣は、行き過ぎがある、行き過ぎの是正がうまくいけば——この内閣でうまくいくかどうか私たちは疑問に思っておる。けれどもそれは別として、少くとも行き過ぎが是正されるまでの間に国民が塗炭の苦しみをしなければならぬ。中小企業もそうなんだ、大きな犠牲者が出る。国民の大多数にもこのしわ寄せばだんだん寄ってくる。国の経済と国民の苦しみ——大きな資本家は別として、大多数の大衆の生活はそれだけ大きな犠牲を受ける。その犠牲ができるだけ少くなるように一日も早くこれを回復しなければならぬのでありますが、そういうような見通しは具体的に一体どういうふうなことになるかということをお尋ねしておるのであります。ただ抽象的に観念的に行き過ぎが是正さえされればというような考え方では私たちは納得はできない。この行き過ぎはどういうふうな程度に一体どうなるか。たとえば中小企業金融についても八月には相当ひどくなるであろうというのでありますが、それは一体どうなるか。ただこの二百何億かの金を一時出してみてもそれでほんとうの解決になるのか。一方において日本銀行では二回も金利の公定レートを引き上げておる。そうして逆にどんどん資金の回収をして金融機関の首を締めておる。どんどん金を返せというので無理に返しておるから、勢い今度は中小企業者などからの回収をやらなければならぬし、次の新しい当然必要な貸し出しをされない。きわめて健全な取引に基くところの金融さえもだんだん締め出しを食ってやれないところに問題がある。こうしたような問題が次から次にと起って、だんだん金融が先行しておる。それをうまくやるのだとか言っても、ほんとうに政府が財政と金融の二本建の上に立って、これが両頭のヘビにならないで、ほんとうに政府の方針に従って協力できるかどうか疑問なのだ。いつでも政府の方針と合わないちぐはぐな方法においてやられておる。国民の犠牲もそれだけ大きい。これらの問題をいかに解決していくかということは内閣全体の責任であるが、同時にこれは一国の産業を預かっておるところの通産大臣の責任も大きい。大蔵大臣、通産大臣が内閣に強力に発言力を持って、内閣の責任として金融機関との間の調整をとらないと、日本銀行などが一方的にどんどん先行してしまって、いわばある意味においては、自分の思惑で物事をやっておるからこういうことになる。この問題なんかは一体どういうふうに解決されるかということを、この際一つはっきりと通産大臣からお聞きしたいのであります。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 今度の緊急対策をとるにつきましても通産省、大蔵省、農林省と緊密な連絡をとって、十分事務当局同士、大臣同士でも折衝をいたしてこの対策を立てた次第でございます。政府内部においての連絡は今十分とられております。ただ金利の問題は御承知のように日銀の委員会の権限でございまして、大蔵大臣にも通産大臣にも金利を動かす権限はないということになっておりますので、通産、大蔵両省から絶えず日銀に対して輸出金利の利下げの問題とか、いろいろなものについて十分の折衝はいたしましたが、まだ私どもの満足できるところまでいっておりません。今後さらに政府と日銀の間において、金利の問題などは折衝を続ける余地を残して、決定したところだけをとりあえず今度の緊急対策として決定し、発表したということになっております。今後さらに必要のある問題は政府と日銀の間で十分協議していくというふうに、この対策をもう一歩押し進めていこうと考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 金融の問題は言うまでもなく、ちょうど人間のからだでいえば血管みたいなものです。国の経済と国民の生活を左右する重要な問題であるが、それについて金利は日銀だけがやることなんで政府は一切これに関与することはできない。あるいはまたさらに広く日銀券の処置を一体どうするのか、あるいはまた金融を引き締めるのかどうするのかというふうな金融政策全般の問題を、そういうふうにこれは別問題というようなことでやっておられるならば、総合経済をやるんだとか計画経済をやるとか総合緊急対策をやるんだといったってわれわれにはおかしい。だからそれを法律的にどうであるかというようなことは政府の責任において、ほんとうに政府の方針に従って国全体としてうまく円滑に運営できるような態勢になってもらわなければ困るわけです。ただ現在こうあるからというようなそういう説明をわれわれは聞こうとしておるのじゃない。そういうふうな欠陥があるならば、今後これを一体どういうふうに是正して、ほんとうに一切政府が責任を持って国民の上に政治をするか、その態勢を作り上げていかなければならない。こういう問題であるから、この問題を含めて、一体通産大臣は閣員の一人としてもう少しほんとうに取っ組んで検討していくという考え方があるのかどうか。あるいは金融資本に押されて、一連のそういうようなものに頭を下げてそれには手がつけられないというような考え方を持って今後行こうとするのかどうかをお尋ねしたい。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 今申しましたように通産省、大蔵省は金利問題につきましてはもう一体となって日銀との交渉を現にやっているような次第でありまして、今後といえどもそういう形で、まだ未解決の問題がありますので、その解決をはかってこの緊急対策を完璧にしたいと考えておるわけであります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 中小企業金融に関する質疑はこの程度にとどめます。  ただいま自由民主党及び日本社会党の共同提案により、中小企業の金融対策に関する件について本委員会において決議せられたい旨の提案がなされております。この際提案者の趣旨弁明を許します。小平久雄君。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 先ほど来の質疑応答にかんがみましてこの際中小企業の金融対策に関して決議案を提案いたしたいと存じます。  まず、案文を朗読いたします。    中小企業の金融対策に関する件   政府は、国際収支の改善を企図せんがため採られた諸政策より派生せられる中小企業金融への圧迫を極力避けるよう、左の如き緊急対策を講ずべきである。  一、市中金融機関の中小企業向け融資について不当且つ急激な引締めを行わざるよう強力に指導すること。  二、中小企業金融公庫並びに国民金融公庫については、その資金源の増額を図るとともに貸出計画を早急に確立し、中小企業者に対し、無用の不安をあたえざるようつとめること。  三、商工中金については、国庫余裕金の預託増加を図るとともに、その債券の運用部引受につき、利附債のみならず、割引債の引受けを行い、その資金源の確保を図ること。  四、大企業の下請代金支払遅延(手形の長期化を含む)の防止のため、有効適切な措置を講ずること。  以上でありますが、決議の内容につきましては、先ほど申しました通り本日の委員会において各方面から論議された通りでありますから、これが詳細の説明を省略いたします。何とぞ全会一致の御賛成を願います。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 お諮りいたします。中小企業の金融対策に関する件を、本委員会の決議とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお関係当局への参考送付その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。  この際水田通商産業大臣より発言を求められております。これを許します。水田通商産業大臣。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 ただいま御決議にありました項目のうちに、さっきお聞きの通りの割引債の問題、政府預託の問題、まだ政府部内で十分話のつかぬ問題もございますが、しかし中小企業の実情にかんがみまして、今後ただいまのような情勢がさらに深刻になるというようなときには、政府としても十分そういう点もこれから検討して考えたいと思います。その他の問題につきましては御決議の趣旨を尊重して、至急これを施策に移すように努力したいと思います。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 この際貿易に関し調査を進めるごととし、日中貿易に関する問題について質疑を許すことといたします。  帆足計君。

帆足計日本社会党

○帆足委員 大臣はただいまお出かけのところですから、ごく簡単に伺います。  国際収支の緊迫の問題と表裏の問題であります貿易振興の一環として、中国、ソ連に対する貿易をこの際拡大する必要がある、また期待しておるということをたびたび大臣から言明がありましたけれども、遺憾ながら現状は非常に悪い状況になっております。特に英国がチンコムの解除をしまして以後、イギリスに引き続いてフランス、西ドイツ、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、ベネルックス三国等は続々英国の例にならうことを声明いたしました。またファイナンシャル・タイムス、ロンドン・エコノミストなどもこの問題を論じまして、もはやこの問題は現実に即しない状況になっておる。単にアメリカの内政上の問題並びにアメリカの心理的問題に追随するわけにいかない、こういうふうに論陣を張っておる状況で、アメリカの内政問題とは、すなわちチャイナ・ロビーを中心とする上院の有力グループに遠慮しているにすぎない。心理的の問題は十万人のアメリカの青年が戦死した朝鮮動乱に対する心理的影響にすぎない。しかしもう数年たったことでもあるし、今日の現状に即するように断を下した英国の態度は正しいということをおおむね世界各国の新聞は論じております。これに対しましてただいま岸さんがアメリカに参りまして、いろいろ解決のために折衝されたことと思いますから、私どもはその後の措置に期待しておるのでありますけれども、六月初めに中国に経済使節を派遣するという予定でありましたのが、今日に至るもできておりません。そのためにぜひとも岸さんが七月一日にお帰りになれば七月の十日前後までにはこの問題を解決していただかなければならない。ファイナンシャル・タイムスの最近号によりますと、英国からはすでに経済使節を派遣することにきまったそうでございます。さらに西ドイツからの経済代表の派遣も確定したそうでありますので、今日まで多少なりとも優位にある日本の対中共貿易を発展させますために、これより立ちおくれをとらないような措置を通産大臣は一つ推進役としてはかっていただきたいと思います。まずこの問題について通産大臣の御答弁をいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 中共貿易を拡大するという方針につきましては、すでに政府は前からきまっておることでございまして、今でもその方向に努力しておりますが、先般も申しましたように中共貿易に伴ういろいろな問題がございますので、政府はこれを個々に解決するよりは同時に解決する方がいいという方針で、岸総理がお帰りになってから懸案になっておるいろいろな問題を一気にきめて、そうして解決をはかろうという方針で今いろいろな問題について準備をいたしておりますので、御希望のようなときにこの問題が実現できるように努力したいと思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 論議の中に多少英国は先に進んだけれども、中国から輸入ができないからそれほど心配する必要はないのであるという説を、ちらほら政府当局の一部の方からも私伺ったのですが、ロンドン・エコノミストを見ますと、中国と東南アジア諸国とのポンドの差額が年間五千万ポンドくらいの受取勘定になっておるそうでございます。なお北京では一億ポンドからのポンド手持ちを持っておる。そういう東南アジア貿易の差額を英国は当てにして、そのポンドの吸収をはかるために大きな輸出をしようとしておる点がありますから、また華僑の送金も莫大な額だと伝えられておりますから、英国は日本に対して非常に不利だと即断することは、私は当を得たものではないと思います。大臣はその点を特に御留意をされるようにお願いしておきたいと思います。それについて日本は英国より多少立ちおくれになっても大丈夫だという見解を現在お持ちになっておられるのかどうか、これを伺っておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 立ちおくれになっても大丈夫だとは別に考えておりませんが、今私どもの考えておる方向は、日本の今までの希望がなるたけいれられるような形で早くこの問題を片づけたい、そう立ちおくれるとかなんとかじゃなくて、国際間でこの協調をくずさない形で、この問題を一緒に解決できるのではないかと今思っておるのであります。別に立ちおくれになってもかまわぬというのじゃなくて、やはりこういうものは同時に解決するのがほんとうだという方向で目下努力しておりますので、どうか御了承願いたいと思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 重要な段階ですからあと二つだけ明確にしていただきたいと思いますが、ただいま日本がこの問題について立ちおくれになっておるという心配は、財界、一般国民大衆を問わず共通の心配だと思うのです。ただいまのように最善の努力をされると言われましたが、大臣の答弁としては当然しかるべきでありましょうけれども、非常に心配しておると思うのです。従いまして立ちおくれにならないように努力してもらいたいと思います。  同時に最近、この点は英国に大体妥協して参ったけれども、新たに割当制度をしくということがちらほら新聞に出ております。この割当制度という意味がよくわからないのですが、日本は中国から現実に輸出したものの価値にひとしいもの、たとえば大豆とか粘結炭とか塩というような重要物資を輸入する立場にありますから、必ずしも西欧諸国の中国に対する貿易の内容と一致してないと思うのです。従いまして割当制度というものがどういう意味であるか、これは非常に警戒を要すると思います。通産省当局としては腰を据えてこの問題を研究し、いろいろ必要な折衝をされておるとは思いますけれども、この点についてはわれわれ心配にたえない次第でありますから、通産大臣の御見解をただしておきたいと思います。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾説明員 ちょっとかわりまして事務的な点を御答え申し上げます。実はソ連向けのものにつきましても、現在数十品目につきまして割当制というものがあるわけであります。それは要するに戦略性は低いのでありますが、全然戦略性がないとは言えない商品についてはある程度量を限ろうというわけで、各国間に一定の量を申し合せ、その結果各国別の割当というものがございます。従いましてソ連向けと同じような割当制を中国に対してもしかなければならぬということになるわけであります。建前がほぼソ連向けと同様の統制を中共向けに対してもやるということになりますと、当然の事務的の結果としてそれが起ってくるわけであります。従いまして今それを各国間で相談をしておるというところであります。われわれとしましても地理的な関係あるいは過去の歴史的ないろいろな関係から見まして、各国に劣らぬような割当を確保したい、こういうふうに考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 大臣は御退席を急いでおると思いますから、今の割当制度の事務的なことについてもう少しお尋ねしたいことがありますが、大臣御退席のあとで通商局長にお尋ねすることとしまして、この際大臣にさらに御努力をお願いしたいことは、貿易というものは相手のあることですから、相手の感情をはなはだしく害するようなことをことさらすることは、私は慎しまねばならぬことであると思います。御承知のように日本では戦後指紋制度が行われている。これは犯罪捜査のためのものでございます。従いまして一般的刑事犯罪のおそれのない公共使節または公用旅券を持っている者等につきましては、広くこれは大臣の裁量によって指紋を免じ得るものであろうと思います。これは単に中国に対してでなく、アメリカ人に対してもまた台湾人に対しても朝鮮人に対しても、公共的性格を持ち身元が明らかで、あるいはまた公用旅券を持ってきた者などについては、指紋を免じ得るようにすべきではなかろうかと思います。もし今日の省令において不十分なところがありますれば、一条これにつけ加えまして、貿易国にふさわしい態度をとるべきではなかろうかと思います。ところが、この問題がいまだに解決いたしませんために、名古屋とか福岡の見本市を開くのに対して、先方から香港にすでに五名の調査官が参りましたのに、指紋の期間が二カ月では切れるから、二カ月で必ず帰るという誓約書を書けというようなことで、いまだに解決がつかず、このままでは見本市は取りやめになる状況になっているのでございます。名古屋で開き福岡で開くとしますと、どうしても二カ月を若干こえるのでございますから、私はそういう残務処理のための滞在ならば、運営上これは延ばしてしかるべきであるまいか。しかしこの問題はよるところ深く——法令改正は必要じゃないのですが、省令の方に欠陥があるわけでありますから、貿易上の障害になる、そして個人が常識で考えてあまりにもばかばかしいようなことが行われることを防ぐために、省令の改正のごときをぜひとも考えていただきたいと思います。法務省のある種の役人は、貿易振興などということはおれの方の任務じゃないから、それはどうあろうとこちらの知ったことじゃないという、言葉じりであるが御答弁もあったということでありますけれども、私はまことに遺憾なことであると思います。日本が貿易立国で今輸出振興のためにどれほど大きな悩みにぶつかっているか、しかも国狭く人口の多い国として、今後ともますます貿易の振興に依存せねばならぬ国といたしまして、犯罪捜査と何ら関係のないこういうことのために、次々と障害が今後続くというようなことについて、これをほったらかしておくことは、私は政府の怠慢であると思う。人によりましては、通産大臣はこのことに理解があるけれども、現在の与党全体として、あるいは内閣の性格としては、中共貿易ということは、これは選挙のスローガンとして宣伝しているだけであって、腹においてはあまりそれを重要視していないのであるというようなことを言う方もおり、なるほどそう言えばそうかなあとわれわれに思われるような節もあることは、まことに遺憾なことでありますので、私は、通産大臣として一つ両省のあっせん役に乗り出されて、もうこれは陰でぐずぐずしておったのでは解決がつきませんから、省令の改正というところまで進む必要があろうと思います。おそらく商工委員会の委員各位においては、ほとんどだれ一人としてこの問題には異存のないことでもありますし、前の通産大臣の石橋さんは、こういう時代おくれの現状に即せない法律が、貿易国の日本にあったとは今日まで知らなかったという答弁もあったくらいでございます。この問題が解決がつかなければ、単に見本市がだめになるだけでなくて、第四次貿易協定のために交渉を開始することも不可能になっていることも大臣御承知の通りでございます。貿易国または観光国といわれる海の国日本において、こういうつまらぬ問題のため、すなわち犯罪捜査の便宜のためにある省令が、公けの資格のある、また身元素性の明らかである使節団まで機械的に適用されるために事を刺激しているということは、私はまことにつまらぬことであると思います。従いまして、前の大臣もこれはつまらぬことであるから解決のために骨折るという御言明もあり、しばしば通産大臣もこれに類似の御言明がありましたが、何とか通産大臣としての立場から明らかにされて、このつまらぬ隘路打開のためにお骨折り下さる御決意があるかどうか、この際伺いまして大臣の御努力をお願いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣・経済企画庁長官事務代理・科学技術庁長官事務代理

○水田国務大臣 これは御承知の問題でございましょうが、国法であり、今ほとんど除外例を置いておりません。ごく短期の滞在であるという場合にはいろいろ便宜をはかることがあっても、長期の滞在については、いかなる国の人に対しても同じように取り扱っている問題でございますので、日本の国法を認めてこれに従うということであったらどこにも問題はないのでございますが、ただ中国側がその指紋をとられるという処置を一つの侮辱と考えられて、それは困るのだといっていろいろ話が停滞するというだけの問題でございますので、今法務当局そのほかは国法である以上これはやはり除外例は置かないで守るのがほんとうだという意見でございまするし、またわれわれの方から見ますと、それによって貿易がいろいろ阻害されているということは感心しないので、政府として認められる最大限のいろいろな便宜な処置はないかというようなものを、外務、法務当局に御研究願っているという段階でございまして、まだ政府部内においてはこの結論がついておりませんが、いずれ岸総理が帰国されてからこの問題は政府間においてこの際第四次協定を前にして何らかの解決をしたい、こういうことになっておりますので、その場合には私ども極力努力したいと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 ただいまの指紋の問題につきましては、いずれ商工委員会の同僚議員諸君にも諮りまして何らかの措置をせねばならぬ問題であろうと存じます。  そこで最後にお尋ねいたしたいのです。今の割当制のことは、チンコムが今度解除され、解除された一部のものにそういう割当制度が行われるのですが、解除されたものに全面的に割当制度が行われるようなことが今論議に上っているのでしょうか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾説明員 それは解除された品目じゃないわけです。解除されるものは解除されっぱなしになりまして自由品目になるわけです。そうじゃなしに、統制の段階においていろいろの種類があるわけです。一つの統制の段階としてそういう割当制度というものがソ連向けと同じようなやり方をやるということになってきて初めて起るわけであります。

帆足計日本社会党

○帆足委員 もう一つ。今度の見本市は先方に陳列したものの中で差しつかえのないものを売却して、売却したかわりにこちらは先方から何か買わねばならぬというので、幸いに通産省当局で買うものについて大いにお骨を折っていただいているというお話を伺いましたが、現在それを買うといたしますと、落花生以外に適当なものはなかろう。ところが落花生は一般のバーターでも買えるようになっておりますので、この問題は実際はバーターなんですけれども、手続の形式上は一方的にこちらのものを向うへ売り、向うから乙類のものを買うという形式になっておりますために、この筋で買いますと、例の三五%の担保率が必要である。従って業界としては普通のバーターの五%の担保率で落花生を買い付けようということで商談がなかなか成立しないということを聞いておるのでありますが、この問題は、形式は片道としましても、実際上は一種のバーターの跡始末でありますから、そういう点も一つ御研究下さって、やはり話が成立して決済がつくようにお骨折りとまた御研究——この席で御答弁にならなくてけっこうですから、これは何もイデオロギーの相違とか何とかいうことではなくて、展覧会の跡始末をスマートにやらなければならぬ問題でありますから、一つ御研究を願いたいと思います。  それから先ほどの指紋の問題につきまして、まだ大臣にはよくのみ込んでいない節があるように思いますが、先日法制局で調べてみましたら、これは省令に一条加えれば済むことなんです。そうすると一部の華僑や一部の朝鮮の諸君に差別待遇をするといって抗議が出るということを法務省の人は言っておるのですが、そういうことはないのであって、たとえば朝鮮の人でも台湾から来る人でも、台湾の商工会議所の代表が公けの使命を持って日本へ来た。特に指紋を免除されることを希望するというようなときは、両大臣協議の上、必要と認めるときは指紋を免除し得るという一条を省令に入れればよいわけですから、私はこの問題の障害がほんとうにどこにあるのか、まことに奇怪なことだと思う。これは二十世紀のおとぎ話というか、現代の奇跡のようなものだと思うのです。民主主義国に奇跡がはびこることはあまりよいことではありませんし、あまりにこの問題はばかばかしいことであるので、新聞などにこれが詳しく知られると、ほんとうに政府の権威を失墜すると思う。従いまして通産省当局も、これは外務省、法務省の問題とのみお考えにならずに、貿易振興の見地から御賛成下さって、解決、あっせんのためにお骨折りを願いたいと思う次第です。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 ほかに質疑もないようでありますから、本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後二時七分散会

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