商工委員会 第43号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/05/28
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 電気料金に関する問題について調査を進めます。この際長谷川通商産業政務次官より発言を求められております。これを許します。長谷川通商産業政務次官。
○長谷川説明員 かねて電気料金の問題につきましていろいろと皆さん方の御意見があったところでございます。四月の二十日に北陸、東北両社から値上げの申請が参りましたので、五月十日に聴聞会を開きまして意見をただしました。その結果によりまして、通産省といたしましては、参酌をいたしまして一応の腹案を作ったわけでございます。従って本日はその腹案を皆さん方に公開いたしまして、逐次御意見等を伺いたいと存じております。いろいうこまかい点につきましては事務当局から御説明をいたさせます。
○岩武説明員 今政務次官から申し上げましたように、東北電力と北陸電力から四月の二十日に料金値上げを含みまする供給規程の改正の申請が出て参りました。その内容につきましては先取の当委員会に資料としてお配りしておるところでございますが、簡単に要点だけかいつまんで申し上げますれば、両社とも電源開発の進捗に伴いまする資本費系統の発電原価の上昇、他社から購入いたしまする電力料金の額の増加の結果、この際原価主義にのっとりまして収支のバランスをとりますために、東北電力におきましては二割一分二厘、北陸電力におきましては二割四分の値上げを必要とするというふりな申請でございました。通産省におきましては公益事業会の規定によりまして、これを五月十日に聴聞会に付しまして、仙台及び富山におきまして聴聞会を開催いたしまして、両社とも四十名をこえまする利害関係人の参加がありまして、それぞれ意見の開陳があったのであります。 その意見の概要につきましては、お手元に「聴聞における主要意見の要約」ということでお配りしておりますか、簡単に御説明いたしますれば、東北電力関係につきましては、全面的賛成が三名、その他は最小限にとどむべきではないか、あるいは条件つきで賛成というふうな意見が相当ありました。むしろ絶対反対の意見よりもその方が多かったという状況であります。お手元に配ってあります資料の通りでございます。要約しますればこういうことになるわけでございます。反対の理由としましては、東北地方が電力面から見まして立地的にすぐれておったことが今回の値上げによって阻害されるのではないか、あるいは後進地域の開発が必要なときにこういうことでは困る、あるいは企業の採算が悪化して困難になるというふうな意見が大多数でございます。なお特殊の業界におきましては、電力費の高騰が企業経営にかなりの影響を及ぼすというふうな意見があったわけでございます。さらに全体のレベル等につきましては、企業努力等によって、この値上げの幅を小さくしてもらいたいという意見があったわけであります。それから供給規程のいろいろな供給条件の問題につきましては、負荷率割引の廃止については、これは反対の意見が圧倒的に多かったわけであります。それから現在東北電力の料金の申請は大口につきましては一段料金制でありますが、これを二段料金制をも考えたらどうかという意見もあったわけであります。 それから北陸電力につきましては、全面的に賛成の意見が一名であります。その他はやはり東北と同様に、最小限の値上げにとどむべきだというふうな意見が多数あったようでありました。これらの意見の理由としますところは、やはり東北と同じように、北陸地方の電気的な立地の優位性がこれで阻害される、あるいは企業の採算が悪化するというふうな理由が多かったわけであります。なお特殊の業界におきましては、それぞれの特殊事情からの意見の開陳があったわけであります。 それから料金率の問題のレベルにつきましては、東北と違いまして北陸では特に融通電力料金の引き下げの要望が非常に多かった次第であります。それから供給規程におきます供給条件の問題につきましては、東北と同様負荷率割引の廃止につきまして反対の意見が非常に多かったのであります。なお北陸電力の申請の特徴でありまする大口電力の特別料金制度の問題につきましては、反対の意見と条件付賛成の意見と両方出ております。そのまま賛成の意見も若干ありましたが、むしろ条件付賛成の意見と、反対が相半ばしておるというのが実情であります。これらの意見を集約いたしまして、役所の方としましては、できるだけ聴聞会に現われました意見に従いまするように、原価面の査定あるいは冬料金の引き下げ等につきまして、いろいろ案を練って参りまして他方料金の料率あるいは供給規程の条件の問題等につきましても検討いたしました結果、一応お手元にお配りしておりまするような電力料金処理案というふうな結論に到達いたした次第でございます。先ほど政務次官が申しましたようにこれは最終的な意見でございませんで、一応こういう方向で処理したらどうかということでございます。 最初に負荷率割引の問題でありますが、これは両社とも公聴会における意見が廃止反対論でございまするから、これはやはり存続した方がいいというふうに考えまして、その負荷率割引の算定の基準となる負荷帰属時間につきましては、業務用及び小口電力について月間三百時間、大口電力につきましては月間四百五十時間、この基準はそのまま維持いたしました。現行と比較いたしまして、割引の率を電力量料金につきまして一割引ということに考えております。 それから二番目としまして、調整電力、これは豊水期に限りましてある時間の供給を保障する電力でありますが、これには負荷率一律割引はついておりません。これはやはり電気の供給の改善という面からしまして一律割引をつけるのが至当だと考えております。 それから個々の料率でありますが、最初に問題になっておりまする北陸の特別料金の制度並びにその率でありますが、これにつきましては、在来からの需用家と新増設の需用家との権衡等も考えまして、一応この特別料金制度というものは、制度としては維持してもいいではないか。ただその率が一般料金の二倍ということは急激に新増設の需用家に対して負担を増加いたしますので、これは一・七倍程度に引き下げたらどうかというふうに考えておるわけであります。それからなお両社の申請案とも常時電力の料率がやや高い感じがありますので、これを東北は五銭、北陸は三銭、キロワット・アワーにつきまして引き下げる。それから期間常時電力、これは常時電力のうちで豊水期の八カ月程度を保障する電力でありますが、これにつきましても、一般常時電力にならいまして、キロワット・アワー当り三銭引き下げる。それからなお北陸電力には調整電力が相当ありますが、これもキロワット・アワー当り五銭引き下げて権衡を保つ。最後に電灯料金でありますが、従量電灯の電力料金の方を、これも権衡を保つために東北は十銭、北陸は二十銭引き下げる。こういうことで一応供給条件の整備をはかりたいと思っております。この結果、申請の原価につきまして二つの点から検討を加えて、収支均衡の建前をとりたいと思っております。一つは両社の社内の経理面の合理化であります。これにつきましては、修繕費でありますとか、あるいは消耗品費でありますとか、人件費でありますとか等につきまして、もう少し合理化、節約を要望いたしまして、所要の財源を生み出す。もう一つは、北陸の聴聞会に現われましたように、他社から購入いたします料金を引き下げる。これは両社とも他社から約九億キロワット・アワーの融通を受けることになっておりますが、これは西の中国電力、関西電力、それから中部の各社からそれぞれ融通を受けておりますので、その料金につきましてもう少し低下しまして、これらの各社の供給規程上の料金を引き下げしめるということで一応の腹案を得たわけでございます。融通料金につきましては、なお目一千最後的な結論を得ておりませんが、大体以上申しましたような料率の引き下げ、あるいは供給条件の改善等に要します財源は、融通料金の方と社内の経理の合理化、両面から捻出できると存じております。 簡単でございますが、以上をもちまして一応御説明を終ります。
○福田委員長 質疑に入ります。通告があります。順次これを許します。松岡松平君。
○松岡(松)委員 通産大臣にお尋ねいたしたいのですが、今問題となっております東北電力及び北陸電力の電力料金の値上げにつきまして、まず私は北陸電力のことについてお尋ねいたしたいと思います。 大臣はこの料金の値上げについて、今ほど局長からお話がありましたが、腹案を持っておられる。その腹案というものを私どもが詳しくまだ伺わないのですが、大体私どもの把握したところによると、基本的申請と大体根本的には変ってない、ただ特別電力において少し調節しただけのものである、根本的には変ってない。そこでおそらく通産省当局は、北陸地方、すなわち富山県、石川県、福井県の電力事情について、おそらく実態の調査が不行き届きの点があるのではないか、こう思われる点があるので、一応県民の要望がありますので、この事情について質問を申し上げる前提として一応御説明申し上げたいと思います。 現在富山県で、発電いたしております水力の総出力は、通産省当局でも御存じの通り九十二万二千キロです。このうち北陸電力が売電いたしておりますのが三十八万八千キロ、関西電力が五十二万二千キロ、自家発電は一万二千キロであります。そういたしますと、北陸電力は富山県の総出力の四二%を占めている。関西電力は五六・五%を占めており、自家発電は一・三%である。この実情をお考え願いたい。もともとこの水は富山県で発生しているものであります。これが発電のために県民が多大なる犠牲を払っていることは、これはもうおわかりのことであります。しかして関西電力は黒部水系及び庄川水系から発電する合計五十二万二千キロの電力を富山県を素通りして関西へ持っていっております。これが問題の所在点なのであります。自分の県で発電するものが五割五分も他県へ持ち出されている。県民の相いれない感情というのはここにあるのであります。これは根本的には九電力会社をお作りになったときに、実情調査に対する十分な検討が足らない結果、この問題が起ってきている。それはおそらく今後においてもいつまでもいつまでも続く問題だろうと思う。そこで北陸電力側では今回値上げ申請をしておりますが、根本のものは何か。需用が増加してきたために関西電力から融通を受けなければまかないがつかなくなった。九億キロワット・アワーの電力の融通を受けている、こう言っております。ところが実情を見ますと、私この表で説明いたしますからよくごらん願いたい。五十二万二千キロの発電をしてこれを送っておりますが、しからば九億キロワット・アワーの電力を関西から逆送しておるのでありますか。現実に逆送することができません。関西で火力を起して関西で使っているのであります。要するに五十二万二千キロの水力の中から、愛本の変電所と小牧の変電所において北陸の線に結線してこれを供給しておるのであります。これを換算いたしますと十五万キロワットを現実に供給するわけなんです。富山県で起った電力を富山県で十五万キロを融通して、それを九億キロワット・アワーに換算して、火力の料金キロ当り四円五十二銭を請求しているところに問題があるのであります。だれがこれを納得できるのでありますか。自分の県で出力した電力が全部関西へ持っていかれて、そうしてその中から十五万キロというものを北陸電力に融通しておる。その融通しておる金が水力で請求されないで、実に驚くべき火力の四円五十二銭の料金によって換算せられたものをまた北陸電力が承認しておるというところに矛盾がある。北陸電力は電気会社として公共性というものの認識が足りない。関西電力も認識が足りないのです。その地方の水をもとに発電している電力を、その県に一キロも売らないで持っていくというのは、これは国の機構であり、電力体系でありますから、今ここで議論するところではありませんが、禍根がそこにある。しかしながらすでに関西電力、北陸電力、富山県高辻知事時代に三者が協定して、電源復元問題にからんで大いに協力するという協定ができておるのであります。これは何を意味するものでありますか。この五十二万二千キロ、この中の愛本において三万キロという県営の発電をこれは活用をしておるのであります。そうしたならば火力で四円五十二銭というものを大体受ける北電も悪い、関電もこれは悪い。通産当局がこれをまた認めるということが、一体どういうわけであるか、問題はここにある。しかしてこれを検討してみますと、驚くべき結果が生まれてきておるのであります。基本的計数を見ますと——電灯用電力から申し上げます。東京では現在は九円五十銭であります。中部では十円であります。関西では十二円であります。ところが北電では、今までは八円二十五銭で電灯用電力を供給しておるのであります。これを今度は十一円七十五銭に引き上げようというのであります。さらに大口電力を調べてみますと、東京では二円三十二銭であります。中部では二円七十三銭であります。関西では二円九十四銭であります。北電においては二円七十六銭であります。それですら四十四銭というものは東京より北陸は高いのであります。電力県だ電力県だと言われておって、東京よりははるかに高いのであります。それを今度は一挙に三円三十八銭に値上げして参りました。しかも特別料金と称して、増設、新設に対する料金は一体どうでありましょう。五〇%増設した場合にはキロ当り四円五十銭、一〇〇%増設、すなわち新設の場合には五円七銭ということになります。これは驚くべき数字であります。一体どこを突けばこういう計算が出てくるのでありますか。電力というものは、あらゆる工業における原料をなすのです。この原料部面においてこれだけの値上げを受けて産業が成り立つわけがございません。 そこで私ども実情を調べてみますと、まず鉄鋼業については、この北電の申請について計算すると、値上げ率は五〇・四%であります。化学肥料において四九・〇%であります。化学工業において五一・九%であります。紙パルプで二九・五%であります。製錬工業において三一・四%であります。窯業において三七・八%であります。工業機械において二一・一%であります。平均いたしまして四四・一%になります。これだけ各工業が電力に支出しているものの増加支払いをしなければなりません。それを金額に換算いたしてみますると、鉄鋼業全体で幾らかと申しますると、百万単位で申し上げますが、七二六、化学肥料は五二四、化学工業が三〇六、紙パルプで二一五、それから窯業で九〇、工業機械で四九、合計いたしますと一九六八。百万単位でありますから、これが十九億六千八百万という増加支払いが出て参ります。このうち日産化学という一番大口を除いてこれは計算したのですが、日産化学を加えますると二十二億という増加支払いが出て参ります。低燐銑を作る工場において、一トンを作るのに電力が少くとも三千キロないし三千五百キロ要るのであります。これが三円三十八銭になりますると、トン当り少くとも三千五、六百円の電力の部面において原価計算土差が出て参ります。その上輸送地の不利から計算いたしますと、少くともトン当り五千円の不利を招くのです。貨車と競争して五千円の不利を招いて、果して銑鉄の工業が成り立つでありましょうか。フェロシリコンにおいてもフェロマンガンにおいてもフェロクロームにおいても、みなこれは言えるのであります。これでは今後富山県から全部工場を閉鎖して東京に移住して、東京へ工場を新設した方がよろしい。毎月々々赤字で生産するよりは、その工場を解体して東京に行って新設して、東京でかせいだ方がいいということになるのであります。これでは地方産業というものは壊滅してしまいます。一体日本の人口は東京に集約され過ぎておる。世界の人口の比を見ても、東京の人口は過大になり過ぎておる。そうすれば、結局この産業の地方的分布というものは、少くとも現政府の方針でなければならぬ。それは地方の産業を壊滅させて、東京や大阪や名古屋に工業を集中するがごときことをするなれば、一体地方の住民は何によって食っていくのか。莫大なる失業者を生み、あらゆる産業は萎靡沈滞してしまって、地方の人間はどこへ行くのです。これは重大な問題であります。ところが修正案なるものを伺ってみると、驚くべし、これは一体何でありますか。私が調べてみますと、大口電力の基本料金において、電力使用料金三円三十八銭において変りはないが、ただどこが変っておるかというと——これはもし変っておったら、局長さんからあとで詳しい御説明を承わります。私は不明で、計算が誤まっておったら、私はいつでも修正します。しかしながら私の方で、あなたの方の腹案なるものの根本をついてみますと、驚くなかれ、増設分について、四円五十銭を四円十三銭に下げた。一〇〇%増設について五円七銭を四円五十三銭に下げた、ただこれだけのことなんです。電灯については一つも下っておりません。ところがこれはこの委員会において聞いたことではございませんが、北電の説明などを聞きますと、五十キロ以下の電灯については一切値上げにならないのだとおっしゃるのですが、これはとんでもない、私どもはだまされた。現実に調べてみるとそんなことはありません。二十キロを単位に私が調査いたしてみました。私は計算はそう精密な方ではございませんが、このくらいな計算はそう間違うわけはないと思う。第一に使用料金については、一キロ当り八円十銭を今度は九円五十銭に上げるのであります。一キロワット・アワーについて一円四十銭値上りしますと、これはどういう結果になるかというと、二十キロを単位に計算すると、完全に四割二分から値上りになるのであります。二割四分というのは、これは通計からくるところの計算上のあやであります。現実具体的に家庭用電力を使っている人たちは四割の値上げになります。四割の値上げとは何事でありますか。こういうことを県民が了解するわけがございません。それから工業用電力については、先ほど申し上げましたように、平均四割二分であります。二割四分というのは、これは計算のあやであります。計算のあやというものでありますから、それを通産大臣は、眼光紙背に徹する見識をもってボーリングをかけていただかなければ、この問題の判定はつきません。大臣は、通産当局諸君のこのあやにもし誤まりを犯すことがあるならば一大事でありますから、今のうちによろしくボーリングを大臣みずからしていただきたい。一八、九%の修正腹案なるものはいいかげんなものであります。少しも変っておりません。でありますからして、この際少くとも関電においては、私の意見から言わしめれば、火力料金なんか取る権利はありません。水力だけを取ればいい。現実具体的に富山県から発電した電力を融通しておるのでありますから、水力料金だけを取りなさい、それを火力料金など取るのはもってのほかのことであります。これは、私は地方の実情を申し上げて大臣の御所見を承わるわけでありますが、そこで富山県、石川県、福井県の県民の世論を私ども調べてみますと、先ほど局長は聴聞会において何か条件付の賛成者が多かったようなことを言うておられるけれども、たった四十人や五十人の人間で、しかもなるべく会社側に有利なような人間がたまたま現われてそれらの意見をもってその地方の世論などと言うに至っては、もってのほかであります。認識不足である。実際今富山県や石川県や福井県の人々の叫び声を聞いてごらんなさい。もしこれをあなたの腹案で査定してごらんなさい。いかなる事態が発生するか、私も想像つきません。大へんな問題であります。これは委員諸君もぜひ一つ聞いておいていただきたい。大臣におかれましては、こんな軽率にこの問題を急がれる必要はない。少くとも、大臣みずからボーリングをして、実情を調べて、そして納得のいくところでわれわれともよく御相談になって 大臣はすでに委員会でもよく相談をしてやるというお言葉を賜わっておる。これは私も賛成だ。この言葉を曲げないでいただいて、軽率に急がないでいただきたい。その上で御所見を承わりたいと思うのであります。
○岩武説明員 料金の値上りがとうなるかという点につきまして、実は先ほど御説明を省略いたしましたので、お手元に同じく両者の各種別の電力によりまする値上げの表をお配りしております。横に長い表でございます。これは全部突っ込みの値上げ率でございまするから、これより値上りの低いのもありましょうし、需用家によりましては高いのも現われるというふうに御了承願いたいと思います。東北電力では、この表にございまするように、申請は二一・二%の値上げでありますが、これは先ほど来申し上げましたような原価面並びに供給規程上の調整を加えまして、この平均として、一八・五三%という値上げ率に押えておるわけであります。定額電灯はいじっておりませんが、その他はそれぞれ種別に応じまして値上げ率を下げたということであります。大体大口におきまして突っ込みで二六・八%ということであります。小口におきましては一七%、それから北陸電力の方は二四%の値上げの申請に対しまして、先ほど申し上げましたような調整によりまして一九・四%、それの業種別で見ますると、大口は三一・四%のものが二四・二%、この値上げ率の中には新増設を行わないものと、新増設の結果によって特別料金のかかるものと、両方突っ込んでおります。新増設のない場合には、これはもっと下りまして、二四%二のが一四%四という程度になるわけであります。それから電灯の定額は値上げはございません。大体この計算は需用の数と料金の率とをかけました突っ込みでございますので、先ほど来申し上げましたように、ごとに大口におきましては、いろいろと供給条件が変りますと、それぞれ料金の負担も違ってくるわけでございます。お示しのありました料率は、具体的にそれぞれの供給条件を調べてみないと、われわれもちょっとわかりませんが、お示しのものよりも安いものもあるのじゃないかと思います。全部が全部新増設でもないかと思いまするので、相当高い場合は、あるいはそういうところもできるかもしらぬと思いまするが、もう少し個々の供給条件を検討いたしませんと、お示しの数字のようになるかならないか、ちょっと私としてもこの席では答弁いたしかねます。 それからなお、お話のありました北陸における水力の電源帰属の問題でございまするが、これは去る二十六年の五月の再編成の際に潮流主義、つまり当時は北陸の需用がそう起っておりませんで、むしろ関西地区に黒部及び庄川の電気が流れておったというふうな事情からして、ああいうふうにきめられたようであります。夏場の水が出ますときには、その水が北陸を素通りして関西の電気に入る、冬揚水が減って、大阪で火力をたきますときには、北陸の需用に応ずるために融通を行なったというふうな実情でございます。再編成後六カ年間の経過を見ておりますと、当初のうちは、端的に申しますれば、北陸は出入りとんとんで、それぞれ季節あるいは時間に応じて相当量の電気が流れておりましたが、この二、三年来の北陸地方の電気化学工業の発達に伴いまして、むしろ受け入れが非常にふえまして、送り出しがほとんどないというような状況でございます。われわれとしましても、会社が仮契約をしております融通料金が妥当かどうかにつきましては、もう少し検討したいと思います。お示しのような融通の措置をとっておりますから、今関西電力との間は四円二十銭の仮契約になっておりますが、これが果して妥当かどうか、これはもう少し検討したいと思います。その他の会社から融通の分も同様であります。その融通料金の額と、それから今度の料金値上げの幅と、これとも関連して処置したいと思っております。
○松岡(松)委員 ちょっと局長さんにお尋ねしますけれども、あなたの修正腹案の小口電力については、従来の基本的申請は八円十銭に対して九円五十銭とあるのですが、腹案でいくとどうなりますか。これは付属書類の十四ページを基本にしてお答え願いたい。
○岩武説明員 九円五十銭が九円三十銭になるわけでございます。
○松岡(松)委員 そうするとたった二十銭の値下りですか。さらにお尋ねいたしますが、この十六ページの電力料金でありますけれども、この一般が三円三十銭、特別は六円六十銭というのはどのくらいになりますか。
○岩武説明員 御質問の場合は、大口と高圧供給の場合だと思います。一般料金が三円二十七銭、特別料金が五円五十五銭になります。
○松岡(松)委員 そうすると、三円三十銭が三円二十七銭、三銭下るということであります。そこでどうも私はわからないのでありますが、おそらくここで問答しておってもわからぬと思います。電力料というものは、電灯におきましても現実に使った一キロワット・アワーの料金が幾らかということが結局支払い高を決定するものである。さらに大口電力においても電力料金すなわち現実に使用した電力料金というものが現実に支払わるべき基礎になる。それがたった三円ずつ下って二四%のものが一八%に下るのが私にはどうも了解しかねる。おそらく基礎数字の算定のあやがそこに出てきたのであって、現実にはそういう数字が出てこないんじゃなかろうか、これは局長におかれてもう一ぺん——私も電力はかつて十五、六年勉強したことがあるのですが、このごろ十年もたちますとなかなか電力の計算ということはむずかしいものです。おそらく局長さんだって私の程度から見ると両方とも兄たりがたく弟たりがたしと思うが、これはお互いに勉強しましょう。勉強してみなければこれはわからぬです。
○岩武説明員 大口の場合はアワー料金を下げまするほかに、負荷率割引が相当大きく響いてくるのじゃないかと思います。そこで先ほど私が申し上げましたように、その需用家の個々の供給条件あるいは使用、状況等でございませんと的確なことはわかりかねますが、一応それらの料金の基本と、それからそれに応じまして算出いたしました料金の収入というのを示しているのが先ほど来追加して御説明いたしました表でございます。これは実績の負荷を見ましてある程度負荷率割引も入れておりますが、大体この辺が突っ込みの料金、キロワット・アワー当りの料金、こういうふうに御了承願いたいと思いますが、先ほどお話しいたしましたように、いろいろ条件が違いますると、やはりこれの上下が相当出て参る、こういうふうに御了解願います。
○松岡(松)委員 局長さんに私申し上げておきたいのですが、この本でいきますと、負荷率割引というのはないわけなんです。電灯用も大口もなしのものをどういじくるのでございますか。私にはわからないのです。逆にマイナスの線が出てくるのじゃないか。この本でいきますと負荷率というものに手を入れてないのです。
○岩武説明員 負荷率割引は両者とも現在実施している供給規程にはあります。ところが申請は、その制度は両者の供給状況にかんがみておもしろくないというので入れておりませんが、しかし役所としましてはその負荷率割引という制度は電気の使用効率を高めまするし、合理的に電気を使用いたします。いわば進歩した制度と申してもいいと思います。そこでこれは会社にはございませんが、われわれも現行通り入れるように考えております。これは手続としましては会社に当初の申請書に追加して補正の申請書を出させまして、それに負荷率割引を入れさすつもりでございます。
○松岡(松)委員 局長から説明を聞きましたが満足いたしません。そこでこの機会に申し上げておきますが、日本の電力をつかさどる局長さんですから、松岡程度の知識では足りぬです。はっきり申し上げます。もう少し勉強願いたい。今説明を聞いておって、本委員に御了解願った方は一人もおりますまい。私はこれ以上申し上げますとなんですから、このくらいにいたしまして大臣からこれに対する確固たる御所信を、簡単でよろしゅうございます。どうするのか、この点を承わりたいと思います。
○水田国務大臣 さっき説明があったと思いますが、東北と北陸で、この総括原価増が東北は五十三億、北陸が三十五億、要するに八十八億の原価増をどう電気料金に織り込み、吸収するかという問題でございますので、まず私どものやる仕事は、この総括原価をいかに圧縮するかということがまず一番最初の仕事でございまして、これは金利とか税制とか、今度の国会でいろいろ変りましたので、そういうところからの原価圧縮というものはなかなかむずかしい。従ってそのほかの修繕費とか人件費とかいろいろな部面で会社の合理化をどこまで期待するかという査定と、それから融通電力料金をどこまで下げるか、これによって今私どもが見込みのついておりますものは全体として十一億円前後の原価の圧縮はできると考えます。そうしますとあと七十七億というものをどういう形で電気料金に織り込んでいったらいいかという問題でございますが、いろいろやってみた結果、一応さっきのような処理案、こういう骨子でいったらどうかという事務当局の作業、それから私どものいろいろな考え方から今考えられる程度はここだという一つの処理案ができましたので、一応これをもって委員会の御意見を聞いて、さらにその意見に基いてわれわれとしても慎重にこの問題を検討し、そうして政府の最後案を作ろう、こう考えておるのであります。さっき電力料金のお話でいろいろございましたが、再編成のあのときのやり方がよかったか悪かったかということは、一応私どもはこれを論外に今いたしております。関西と北陸のとき、もし関西に水力を全然与えないとするならば、全部あそこは火力でまかなわなければならぬというようないろいろな問題から再編成のときにああいう形で分けられて、そうしてそれぞれの会社が責任自立体制をとって需用に対処する、こういう方針で現在来ておりますので、従って北陸地方は水力地帯であったために今まで特に安い料金をきめておった。そのためにいろいろな電気化学工業以下電力を要する企業があそこに集中して、とうとう電力量が足らなくなってしまった。こういうときにそれならよその地区からどういうふうに融通させるかということになりますと、東京でも関西でも中部でも中国でもそれぞれの電力会社が今年度はみな需用に対して供給量は不足しておるという事態でございますので、自分の地域が不足しておるのに他地域に電力を融通させるということになりますと、予備火力までフルに動員しなければならぬというので、当然コストは新鋭火力に比べて高くなる。ですから融通電力のコストというものは当然上っていくということになります。その場合特によそへ融通するためにこれだけ上ったという料金をそのまま認めるということもこれは問題である。もう少しこれを下げさせるという方法は当然考えられなければならぬ、と同時に不当にこれを安くさせろ、自分の方も不足しておるのによそへ融通させるのに、特に安い電力料金をきめろということは、これもなかなかむずかしいのです。結局どこで折り合いをとるかと申しますと、北陸、東北地方が若干の値上げによってもまだ他の地域よりは電力料金が安いのだ、そう高くないのだというところまでの融通をさせる限りにおきましては、ある程度他地域からの融通料金についてそう極端な値下げをさせなくてもいいということになりますが、東北、北陸両地方が特に他地域よりも高くなるのだという状態であるとしますと、これは再編成の問題はともかくとしまして、電力政策としては他地域に対して相当政府は思い切ったことをさせる措置をとらなければいけないというふうに考えていますので、私どもの今度の方針もある程度の値上げはやむを得ないが、それによってせっかく地域差があるためにそこへ集中した企業がこれで損をしてしまった、よそへいけばよかったというような状態にはさせない、他の地域よりもまだ若干低目であるという地域差の恩典を何とか温存させるようにということと、それから今回一年きり何とかここをしのいでも将来開発は進んでいくのですから、それによって来年になったらすぐ今きめたのは全然問題にならぬというふうに、しょっちゅう電気料金を動かすというようなことでは各社の計算の基礎をゆるがすというようなことにもなりますので、今回きめたら少くとも二年か三年はこれで動かさずにやっていけるという自信の持てる料金をきめたい、大体この二つの問題を中心にして今度の料金改訂について私どもの態度をきめたい。そういう線で作業をしておる最中でございますので、今後まだ総括原価の圧縮について政府は考える余地というものがあればこれは当然私どもとしては検討を続けていって、いずれにしましてもさっきお話のありましたように、もうこれじゃ東北を引き上げなければならぬとか、北陸へせっかく行ったのだが一切の地域差の利益もなくて全部成り立たないというような、個々の料金をきめるというようなことにはならぬようにするつもりで今やっておる最中でございます。
○松岡(松)委員 最後に大臣に私の意見を一、二点申し上げておきます。先ほど私の質問の際にも申し上げましたように、関電が富山県に融通している電力というものは現実には火力ではなくて水力十五万キロである。これを火力の料金を請求しているというところに問題があるということ。さらに現実にここの表にもあります通り、現在では大体東京よりは富山の方が高いのです。大口電力で二円七十六銭、東京は既存設備が二円三十二銭。ですからこれが一躍一円上るということになりますと、これはもう富山の工業家はみなお手上げです。大口電力で一円上ったら何もかもそろばんは立ちません。ですから今ほどのお言葉もございましたから、どうぞこの二点について、それは将来の電力方針については私の意見もありますが、この際差し控えておきますが、ともかく大臣も核心には触れておいでになるようでありますけれども、もう一点さらにこの水力の融通であるということと、水力を融通しておいて火力の金を取っているということを大臣よろしく御勘考願いたいと思います。 以上で私の質問を終ります。
○福田委員長 三鍋義三君。
○三鍋委員 ただいま松岡委員より電気料金値上げに対するところの不当性、またいろいろの問題点を詳細に数字をもって御説明になり、政府当局の再考を促されたわけでありますが、私はもう少しよってもって来たる原因というものについて、いわゆる根本対策について大臣の所見を承わりたいと思うのであります。 このたびの東北、北陸電力会社が値上げを要求いたして参りました理由といたしまして、先ほどもお話があったのでありますけれども、非常に需用が激増した、電解、電炉工業の操業度というものが二十六年度におきましては四〇%から四五%であったものが、今年度現在におきまして約八〇%にも上昇している、こういう観点からいたしまして、北陸電力におきましては鋭意電源開発に努力してきておったのであります。現在までに十カ点、二十五万キロワット、三十一年度におきましては有峯ダムの大開発に着工しております。三十五年度におきましては二十カ点、四十四万キロ、こういった計画を立てているのであります。これはやはり電力会社の熱意と誠意を私は認めなければならないと思うのであります。ところが実際におきましてこの建設費が非常に高くなってきている。たとえば戦前一キロワット当り二百五十円から四百円程度であったもの、たとえば泰阜ダムにいたしましても霞沢ダムにいたしましてもそういう低廉であったものが、現在一キロワット当り十万円から十五万円どうしてもかかる。この計算でいきますと、約三百倍から三百五十倍ということになっている。一般の物価の上昇率にいたしましても約三百倍と概算されております。ところが電気料金は百三十倍にしか相当しません。一面また建設費に対するところの支払いの利息というものが非常に高騰している。こういったことが値上げ理由の第一点であると私は考えるのであります。もう一つ値上げの理由といたしますところは、先ほどもお話がありましたように、融通充電の高騰であります。富山県は九億キロワット・アワーの供給を仰がなければならない。しかもこの発電能力というものは実に老朽したところのC級の能力しかない、そういうものを使って発電する。従ってこの費用というものが非常に高くつく。一キロワット当り四円五十一銭、こういうのであります。これに対するところの支払いが約四十一億ぐらいを見ているようであります。これらを合せますと約三十億前後に相当するところの会社の赤字が予想されるので、会社が非常に苦境に立っている、こういうのが会社側の訴えでありますが、こういう点から考えまして、電気料金というものは原価主義に立つ以上は、原価の高騰によってその料金が当然値上げされなければならないというのは、私この会社側の要求は正しいと思うのであります。公益事業とはいいながら、資本主義自由主義経済の建前に立った以上は、むしろ会社側の当然の要求でなければならぬと思うのであります。これに対しまして自由主義、資本主義経済をとっておられるところの自由民主党の委員から非常な反駁があるのでありますが、その理由は別といたしまして、こういう点の根本的問題につきまして、私はやはり政府はしっかりした一つの所信を持っていただかないと、この問題は今後繰り返し繰り返し出てくるのであります。この不安定なるところの電気料金によりまして、いろいろな産業の発展あるいはその構想におきまして、常に不安な状態に置かれていかなければならない。ここにやはりまた経済の根本的対策というものに対するところのものが立たない。こういう観点をもって、私は御質問申し上げておるのでありますが、この私の考え方に対して、大臣はどのような御所見を持っておられるか。私は会社がこのように要求してくるのは当然の帰結である、こういう建前から、これに対するところの大臣の御所見をまず承わりたいのであります。
○水田国務大臣 電力事業は非常に国民全般に影響のある仕事でございますので、公共事業のうちでも特に公共性を持っておるということから、この事業についての国の特別の助成とか援助というようなものが、私はある程度考えられてもしかるべき産業じゃないかと考えておりますが、ただいまのところでは、金融その他において優先的にこれが調達できるようないろいろな措置を政府はとっておりますけれども、そのほかの問題については、この産業の特別の助成というものをただいまやっておりません。各会社が自分の責任において自分の地域における供給の確保をするという態勢で現在やっておりますので、従ってその需用の増加に対処するための開発をそれぞれの会社が進めていくという限りにおいて、今の原価高が起り、そうして料金の改訂要望というものが起ってくるのは当然でございまして、政府もまたこれを公益事業として、経営そのほかについて非常に監督を強化していますが、同時に料金の認可に当っては原価主義をとっておる、こういうことでございますから、今の態勢における電力会社が原価増のために赤字が出るという限りにおきましては、政府としては、その赤字を解消できる合理的な料金制度の認可をしなければならぬ、こういう建前に大体なっていると思います。
○三鍋委員 ただいまの御答弁によりますと、私の質問に対して必ずしも明確な御回答ではなかったと思うのであります。先ほども申し上げましたように、どうしてもこの原価主義をとっている以上は、原価高になった以上は料金が上らなければならない。これは公益事業とはいいながら 営利会社であります。こういう矛盾せる問題を、私たちはただここで反対々々と、こう言うことはいと簡単でありますし、また国民の要望にもアッピールするでしょう。しかし私はやはりこういう際に根本問題を何とかして解決しなければならないといったような、そういう御意思があるかどうか、これをもう一ぺんお聞きしたい。
○水田国務大臣 私は各電力会社の趨勢、特に今直面しているこの二つの会社の経理問題を見まして、結局この資本費の圧迫というものが年々多くなっていく、こういう点を見ますと、公益事業であり、国民経済に非常に大きい影響を持っている企業でございますから、この資本費の増高に対して将来公共のために政府が特別の措置をとるというような方向にいく必要があるのじゃないか、あってもいいのじゃないかというふうに私は考えて、できたらこういう問題をこの際根本的に検討して、電力政策というものをはっきり立てて今電源の開発法というような法一律もございますので、そういう法律を直すことによっても何かの考慮をしたいというふうに考えています。
○三鍋委員 こういった問題が起ってきましたときに、ふだんからそういう問題について御研究になっていると思いますけれども、こういった問題が出てきました、こういうものを一つのきっかけといたしましてぜひ一つ根本的な考えを立てていただかなければならないのではないか、私はこのように考えます。さて私は富山県出身の議員でありますから、北陸電力の問題を主体としてお尋ねいたすことになるわけで、他の委員には多少御迷惑かと思いますけれども、お許しをいただきまして、問題は北電のいっているところの三十億円の赤字が毎年予想される、こういうことでありますが、北陸電力の山田社長は非常に堅実な地道な経営方針を持っておられる方でありまして、私は、三十億の赤字が出るということ自体の数字に対しましてほんとうのことを言っておられる、こう信頼したいのであります。しかし一面またそのままにこれを受け取ることができないのではないかという考えも持ちます。というのは、今まで何回も申請しても申請した通りに値上げが実施されはい。そこで多少そこに山をかけて、そうしてほんとうの収支のバランスのこれるところをねらう、こういう場合か往々にしてあることでありますが、私は、この北電の三十億の赤字という問題に対しまして、政府はどのようにての実態を調査し、その信憑性をつかんでいるか、これをこの際明らかにしてもらいたいと思います。
○岩武説明員 申請にあります原価要素につきまして、われわれの見地から見まして妥当と思われる程度に査定したのであります。第一番は人件費でありますが、これは人員の増加をむしろ件制するという点に重点を置きました。特定の給与あるいは手当等には触れておりません。次にいろいろな消耗品等の経費でありますが、これも少し削って査定しております。それから修繕費であります。これは相当大きな原価科目であります。また実際問題といたしまして、ある程度この修理が行き届きませんと、水力も火力も発電所が故障を起すとか、あるいは変電所がうまく動かないという問題が起りますので、これは在来の実績等を考えましてわれわれも認めておりますが、ただ申請にありますような比較的最近の竣工の発電所につきましてはそれほど要らないだろうと思いまして、これはそれを削っております。それからなおその他のこまかい、たとえば賃借料とか補償料とか、いろいろございますが、こういうものも大体実績程度に押えるということにいたしております。それから開発計画が申請にありますほど進捗しない、というと言葉が悪いのですが、計画の変更分がございます。それに応じて減価償却あるいは支払い金利等を含めております。大体この辺が原価査定の内容でございます。
○三鍋委員 そうしますと、大体三十億程度の赤字というものは予想される、こういうわけでございますか。
○岩武説明員 申請にありました赤字と申しますのは三十二年度に予想されます販売電力量、これは役所できめました需給計画に基きまして電力の種別ごとに計算した販売電力量でありますが、これに現行の供給規程を適用しました収入と、それから三十億の赤字と申請して参りましたが、これをさらに査定しましたものとの差額が収支不足分、それについての値上げを要する、こういうことになると思います。先ほど大臣から申し上げましたように、両者合せて大体十一億前後の節減を見ておりますが、このうち他社から購入いたします電力の料金分がやや主になっております。社内の固有の原価要素の節約分は供給料金の引き下げに伴う原価減よりもやや少い、こういう程度でございます。
○三鍋委員 この三十億何がしかの赤字というものは、こういう結果は現在の機構では当然出てくるのです。何らの国家的の計画性というものは立てられていない、自由主義経済のこういう建前からいきますと、こういった問題は当然次々と起ってくる問題であります。これをたとえば具体的に卑近な例をとって申し上げますと、私はやはり会社のやり方でも非常に矛盾したものがあるように思う。たとえば文化生活は家庭の電化からといったようなパンフレットを盛んに発行し、また宣伝いたしまして、ミキサーだとか、テレビだとか、電気洗濯機だとか、やれ電気冷蔵庫だとか、業務の能率を上げるためには新式の扇風機だとか、盛んに宣伝して、そうして電力量をますます多く必要とするような、そういう状態を作っておるのです。ネオン・サインは言うに及ばす、温泉マークに至るまで、こういった状況に追い込んでおいて、そうしてやれ大口の電力が足りないとか何とかいって、こういった値上げの方向へどうしても行かなければならない、こういうやり方。私はこの文化生活、こういうものを否定するものではありません、けっこうなんです。しかし一般の庶民階級にはこういった問題はどれほど影響があるかということなんであります。とどのつまりは需用が非常に激増したからして急速に電源の開発をやらなければならない、非常に原価高である、融通電力の買取値が非常に高騰しておる、こういったところへ来まして、結論としまして、値上げをしなければならない、こういうところへ行くのであります。こういった小口、あるいは電灯、あるいはネオン等、こういったものの電力需用量はそう大したものではない、こういったような御意見もあるかもしれませんけれども、こういうものがもととなりまして、派生的に大きく影響してくることは、これまた自明の理であります。結局この料金値上げといったしわ寄せはどこへ行くかというと、大衆のふところへ行くのであります。何らかの形において影響していくと思うのであります。 そこで私は大臣にお尋ねしたいのですが、自民党の一枚看板の一千億減税という大きな看板を掲げられまして、国民に非常な喜びを与えたのでありますが、そのあとからまた汽車賃が上る、ガソリン税の増徴によりましてバスの値上げとなるでありましょう、ふろ銭がまた上っていこうとしております。そこへ電気料金も値上げされるということになりますと、すぐ来るのは電車賃の値上げでありましょう。こういった状態から見ますと、一般の物価にまたこれが大きく影響していくのではないか、こういうことを考えるのであります。今度の減税にいたしましても、高給所得者は多少その月給袋の厚みがふえたかもしれませんけれども、国民の給与所得者の七〇%を占めるところの一万五千円から二万円台の所得収入者は、百円札が二枚か三枚ふえた程度。そうでしょう。そこへこういう日常生活に必要欠くべからざるものが次々と値上りするということになりましたときに、一体どうなります。これは私、国民を欺瞞するもはなはだしい施策であると考えるのであります。この点につきまして大臣の御所見を承わりたいと思います。
○水田国務大臣 予算総会を通じても、たびたび私どもは申し上げましたが、政府の政策は、端的に申しまして、いかにして物価を上げないかというところに私どもは重点を置いております。物価を上げないためには、たとえば国民の蓄積の範囲内で産業設備投資も国の主要資金もまかなうということによって、まずインフレを起させないということによって物価を上げないことと、需給の逼迫から物価が上るということを防ぐ、そのためには、外貨状態が少し悪くなったにしても、必要量の輸入は政府は確保するというような一連の政策をとって、そうして日本の物価を上げない。若干物価が上っても、国際物価の上昇と均衡がとれているかどうか、国際物価はそう上らないのに日本の物価が著しく上ったということでは、これは問題でございますので、物価が上るにしても、国際物価水準の上昇の仕方とつり合いをとったところへ日本の物価をとめるという方針で私どもは今やっておりますが、最近日本の経済の発展度が非常に高いために、ともすれば需給逼迫からくる物価高というようなものが非常に心配な事態でございますので、それを押えるためには、どうしてもその問題の解決のために、輸送なら輸送問題解決のために、若干の輸送費が上っても、これを険路の打開をしないことによる値上りという方がもっと深刻にくるということを私どもは考えまして、ここで隘路部面の打開というためには、若干の値上げもやむを得ない、こういう方針をとって、今経済の不均衡の是正という問題で私どもはやっておりますが、今までやっている範囲の私どもの施策から申しますと、運賃が若干上っても、あるいは全国的に電気料金を上げるというような問題は大きい影響を与えますが、地域的に従来低目であった料金がある程度上るというような程度によっては、国民全般の物価にどれだけ影響するかと計算してみますと、そう致命的な影響はない、こういうふうに今のところは私どもは見てやっている次第でございます。
○三鍋委員 地域的に多少の物価の上昇があっても全国的にそう心配はないという御見解の表明でありました。また全般的にも多少の値上りもやむを得ないのではないか、こういうような御所見でありましたけれども、大臣は家庭の状況をあまり御存じないのではないかと思うのであります。きょううちにお帰りになったら、一つ奥さんによく聞いていただきたい。みんな上昇の傾向をたどっておるのであります。国際収支にいたしましても、ああいった状態であります。国際関係におきましては非常にデフレ的な様相をかもし、国内におきましてはインフレの様相をひしひしと示してきておる。こういう点から、今度の電気料金の値上げによりまして農村の生産費がまた高くつく。一方消費者米価を必ず値上げしなければならない段階になっていく。こうなりますと、これは大臣一つよくお考え願いたいと思うのです。あなたは全部国民を敵に回すことになるのです。東北、北陸といったある区域のこととおっしゃるかもしれませんけれども、一つの区域であっても、十人の人であっても、その不利になるような政策というものはやはり十分慎重に御検討願わなければならぬと思うのであります。県会議長さんを初めとして市会議長さん、そして先ほどもお聞きの通り自民党の松岡委員、この方でも、みんなこれに絶対に反対だと言っておられるのであります。反対だと言うことはいとやすいけれども、その根本問題をどうするかということを主体として私はお聞きしておるのであります。これを何とか解決していただかないと、もう国会が終って一週間もたっておるのですが、私たちはうちへ帰られない、選挙区へ帰られないのですよ。お前らは何しておるといって大きな反発を受けることは明らかなんです。それでこうやってうろうろしておるのです。うろうろしておるという言葉は語弊があるかもしれませんけれども、もたもたしておる。帰られないのです。こういう点から考えましても、この問題の処理につきましては十分御検討願わなければならぬと思うのであります。賢明なる大臣は、社会党に武器を与えるようなへまなことはなさらないと思う。もし軽々しくこういう値上げ問題を取り上げられた場合は、私たちは与えられた武器を持って選挙区に帰りまして徹底的にその真相を国民に訴えるつもりであります。またすでにこういった関係から、電力の不買同盟もあえて辞せないという希望も出ておるではありませんか。そうすると当然必要になってくるのはランプであり、ろうそくである。商売人は抜け目なくここへまた注意の眼を注ぐでありましょう。もしこういう事態になったといたしましたときに、ランプ、ろうそくを使う必然的の結果として火災がひんぱんに起るというようなことになったら、これはあなた笑いごとじゃないですよ。ほんとうに私は真剣に考えてもらいたいと思う。 結論といたしまして原因はやはり九分割の矛盾にあると私は思うのであります。今こそ再々編成の時期ではないか、抜本的の処置をとるべき時期ではないか。社会党の言っているかねての主張、この基幹産業に対するところの国家管理あるいは国営といったような方向、ここでは自民党の諸君は言わないけれども、やはりこれは国家管理ぐらいやらぬと、少くとも全国プール制ぐらいにしないと、この問題は永久に解決できないといったような意見を述べられておる方もあなたの党の中にたくさんあるのです。それが今早急にできないといたしましたならば、やはりこの潮流主義の矛看と非常なむだといったような問題を——これは私はできると思うのです。先ほど松岡委員からもお話になりましたが、こういったところに一つ抜本的な考え方を持って処置されないと、これはおさまりません。これに対するところの大臣の御所見を承わりたいと思います。
○水田国務大臣 再編成の当初におきましてはいろいろ問題があったことは御承知の通りでございますが、一応ああいう形で再編成ができて、それぞれの会社がその地区の需用に対応する開発をする責任を持っていくという形で出発してまだ四、五年の間でございますので、せっかく軌道に乗って、さっき申されましたように両社とも開発には非常に実績を上げておられるという状態でございますので、今ここでこの形をすぐくずすというようなことはいろいろ混乱を起しますし、またこれを今いろいろな、形だけいじくることによって果して現在安くなっている地域がもっと安くなるか高くなるかという問題になりますと、非常にむずかしい問題もありますので、私は今の態勢でしばらく政府の計画通りの開発をやってもらうというふうに考えておりますが、しかし一面今政府は十年先、十五年先のエネルギー需要がどういうふうになっていくかという長期のいろいろな見通しも立てておりますと、その十年先、十五年先の姿と現在の編成のあり方とを対比しますと、これはやはり将来において根本的に態勢の問題も考えなければいかぬと思われる問題も十分あると今思っておりますので、これは将来の問題としては、今お説のような方向で私どもは十分検討したいと思っております。
○三鍋委員 潮流主義の矛盾に対する問題についてはどうですか。これがやはり一つのガンなんです。
○水田国務大臣 結局将来の再編成問題というのも、さっき話しましたように、将来の見通しと、水力と火力の大体あり方の見通される姿というようなものから編成の問題も当然検討さるべき問題だという中で、大体お答えできていると思います。
○三鍋委員 この九分割によるところのいろいろの問題点は、大臣もおっしゃる通りなかなかそう簡単に解決できる問題ではありません。しかし潮流主義のとっている矛盾とむだというものに対する対策は、私できると思うのです。先ほど松岡委員がお話しになりましたように、現在彼らは内輪でやっているのです。これをもう少し政府が指導してこういった矛盾と電力の浪費、むだ使いといったものを調整されていくという対策は、慎重に御検討願わなければなりません。 最後に私が大臣にお願いしたいのは、東北といい、北陸といい、とにかく日の目の当らない地域であります。一年のうちの半年この電力の資源によってその経済的の立場をようやく維持しようとして、そうしてその発展の道をたどろうとしておるのであります。これを今大幅の値上げによりまして新規の大口電力需用者を全然入ってこられないような状態に置くということは、安いからどんどんきて足りなくなったらもうこの辺でいいというやり方は政治ではないと思います。やはり必然に伸びていくその姿のもとに伸びていく、こういうものを助長していただきたい。特に先ほども申し上げましたように、東北、北陸は、いわゆる裏日本とか日の当らない区域として取り残されてきておるのであります。こういう観点からこの問題はやはり十分に御検討願わなければならぬと思います。 最後にお願いしたいのは、この値上げ問題に対して政府から一応の処理案が出ておりますが、この検討をなさなければならぬと思うのです。しかし大同小異でありまして、根本的な問題には触れておらない。それで最後の決定を大臣がなされるためには、委員会によく諮かってやるというお言葉を信じ、私はこの値上げに対しましては、一銭も値上げしてもらっては困るという立場をとってお話ししておりますけれども、そうもいきますまい。慎重に御研究になって、不満足ながらもこれだったらまあ仕方がないのだ、こう皆さんが納得のできる電気料金、そして会社が経営していくのに、これだったら何とかやっていけるという電気料金、これはなかなかむずかしいけれども、これをやっていただかぬと、私たちは絶対に承知できないということをここに申し上げまして、私の大臣に対する質問を終りたいと思います。
○福田委員長 内藤友明君。
○内藤委員 松岡君、三鍋君が質問されたので大体尽きておるのでありますが、関連して一、二お尋ねいたしたいと思います。 実は北陸地方のこの問題についてやかましい問題が起きておりますのは、前二人の方が申し述べましたように、その原因は、本来不可分でありますところの川と水力を切り離して、水力を発電設備にくっつけたところに誤まりがあるというのであります。この悪い政治の上にあぐらをかいておるのが今日の姿なんです。この政治の誤まりを直さなければならぬ。先ほどから大臣の御答弁を承わっておりますと、ちょうどお隣の局長のお答えのようなお答えでありまして、こういう大事な政治の誤まりを直そうというところにほんとうにここだという御見解が現われておらないのが実は残念なのであります。こういうような政治の誤まりを一日も早く直すことが大事なのではないか思うのでありますが、これに対してもう一度はっきりした大臣の御見解を表明願いたいのであります。
○水田国務大臣 さっき申しましたように、あのときの編成の仕方がよかったか悪かったかという問題を今ここで問題にされても、事態の急速な解決策にはなりませんので、私どもはしばらくこの問題には触れないという立場であります。しかしそういういろいろな矛盾があったというようなものは現状に即して考慮に入れて、この地域の融通をどういうふうに有利にするかというようなことを実際問題としては考えるよりほかないのじゃないかと考えております。
○内藤委員 それからもう一つお尋ねしたいのは、家庭用の料金を上げるということになっております。今日需用がふえまして電気が足らぬ足らぬということになってきたのですが、これは実は何も家庭の使用量がふえたからというのじゃないので、いろいろな産業がふえてきたためにそういうことになっておるのであります。従いまして産業がだんだんふえてきまして、そこの方の需用量がふえたために新しく開発をする、それがコストが高くなる、それを一つ家庭用の方におんぶさせる、こういうような考え方なんです。戦争中、戦争後電気の規制という問題がありますと、真っ先に追っかけられたのは実は家庭用でありまして、いろいろなことを見ておりますと、弱い者がいつもいじめられ通しのような感じがするのでありますが、これは一体どういうことになるのでありますか。家庭なんかの料金に手をつけるのが大体誤まりではないかと思うのでありますが、それはやはりつけねばならぬのでありますか、弱い者をいじめなければならぬのですか、そこを一つはっきりお答え願いたいと思うのであります。
○水田国務大臣 電灯はただいまの御趣旨に沿いまして定額灯の方の料金は上げません。ただ従量灯の問題は一般に比べて低いので若干上げるというのが、今の私どもの処理案の内容でございます。
○内藤委員 それがどうも私どもにはふに落ちぬのでありまして、私のお尋ねすることに対するお答えにはなっておらぬと思います。何のために、家庭用の電気がふえないのにかかわらず、ほかの方の仕事がふえてくるそれを家庭の方へ持ってこなければならぬのか、家庭のやつらは少し安いのだから、今度少し上げて産業の方を補うてやるのだというのか、そこをはっきりとお答え願わぬと、家庭の者が承知しないのじゃないか、こう思うのです。
○水田国務大臣 この需用増の理由はもちろん大口電力使用者の需用量の増加ということが一番大きいことでございますが、家庭用の電灯も相当増加していまして、需用逼迫の一つの原因をなしておることは確かでございますので、程度は低くしますが、やはり需用がふえてそのために融通しなければならぬという事態に処するためには、若干ここにも負担してもらうのが公平じゃないかと思っておるわけです。
○内藤委員 これは水掛論ですから仕方がありませんが、それではもう一つお尋ねしたいと思うのです。この再編成が行われましてから五カ年間ほどであったと思うのでありますが、水力、火力の調整金制度というものがありました。そして北陸地方の消費者が約十三億円ほどの調整資金を支払わされておったのであります。これによりまして火力地帯の消費者の電気料金の上るのを防いでおったのであります。ところが現在は北陸地方にだんだんいろいろな仕事がふえてきまして、電力事情が非常に逼迫してきた。こういうときに昔十三億円も——これは今の金で申しますと十三億じゃない、相当なものだろうと思うのでありますが、こういうときに一つ、昔北陸地方の者が負担しておったというその恩義を関西方面の人が当然返すべきものではないかと思うのであります。そういうことに対して大臣は、そんなものは済んだことだからだめなのだというお気持なのかどういうのか。われわれ北陸の人間はいい人間ですから、政府からこうだと言われますとへえと言っておる、善良なものでありますから黙っておるのであります。しかし考えてみるとどうも割り切れない気持を持つのでありますが、最後に一つはっきりとお前たちはだめなのだ、少々人間がばかなのだから取るものは取ってほったらかしなのだ、こういうのか、それをお答え願いたいと思います。
○水田国務大臣 そういう問題もございますので、北陸地方の電力が不足したというときには、相当無理しても融通させるということをやっておるわけでございますが、融通させる場合にも先ほど申しましたような融通料金という問題につきましてもいろいろな問題がございますから、できるだけこれを低位に北陸に回せるような措置を私どもはとりたいと思っております。
○福田委員長 この際午後一時半まで休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後一時四十五分開議
○笹本委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 福田委員長が所用のため午後の委員会に出席がおくれますので、委員長の指名により暫時私が委員長の職務を行います。 電気料金に関する問題について質疑を続行いたします。田中利勝君。
○田中(利)委員 このたびの東北電力並びに北陸電力の値上げの問題に関連して、国民生活の上にも政府のとりつつある物価政策の上にもきわめて大きな影響を与えると考えますので、その大前提に立って、政府の今回のこの電気料金値上げ案をのんだ場合に、どういうふうに物価に影響するかという点について通産大臣にお尋ねいたしたいのであります。二十六国会において、予算委員会を通じて私どもの理解しておる点を申し上げますならば、昭和三十二年度の国家予算編成の前提となったものは、昭和三十二年中卸売物価は二・六%以上引き上げない、消費物価は〇・九%以上引き上げない、こういうふうな前提のもとで三十二年度国家予算が編成されたのであります。こういうふうな政府の経済の見通しに立って予算案が成立したのでありますが、一月末予算を提出されて、それから数えてまだ三、四カ月の間に、すでに物価の大きな狂いを生じている。政府の御提出になった資料を見ても明らかにされておりますように、昨年の十二月から本年三月ころまでにすでに卸売物価が三%も値上げになっておる。小売物価も三月になってから二%近くも値上げになっておる。かように、政府のとりつつある物価政策はこういう面においてすでに狂いを生じておる。その後国鉄運賃の一三%の値上げ、あるいはまたガソリン税の値上げ、それに加えて今回の電気料金の大きな値上げということは、当然に政府の堅持しつつあるところの物価政策を崩壊させるんじゃないか、こういう点につきまして、通産大臣から、この案がそのままのまれ、これが実施されるならば、政府の堅持しておる物価政策がどういうふうなことになるのか、こういう点をお伺いしたいのであります。私は何もここで物価問題の議論をしようとするものではありませんが、しかしながらこれほど大きな電気料金の値上げというものは、自然政府の物価政策の崩壊を意味するものだ、こういうふうに考えますが、この点について通産大臣の御見解をお伺いしたいのであります。
○水田国務大臣 午前中もお答えいたしました通り、物価は上げないということは、私どもの今一番関心を持っておる焦点ですが、(田中(利)委員「実際上っていますよ。」と呼ぶ)御説のように若干の上昇は見ておりますが、しかしさっき申しましたように、日本の物価騰貴の傾向と国際物価の動きというものが特にアンバランスになっているという方向は相当警戒しなければいかぬと思っていますが、今までのところでは、日本の物価が特に全般的に上っているというような動きはたどっておりませんので、その点は私どもはまだ今楽観しているところでございます。運賃の値上げ、それから電気料金、電灯料金、いろいろのものが積み重なってきますと、相当影響は出てくると思いますが、電灯料金で見ますと、家計費に占める割合は一%ということでございますので、一%内の何%の増加というようなものは、実際的にはそう多く家計に響くという数字にはなっておりません。また交通費の問題も家計費に占める割合というものから見ますと、やはり同様でありますし、それから一般物価構成の中における電力費とか、あるいは運賃というものは、ものによって大きい比率の構成もございますが、全般的に平均いたしますと、物価をそう特に上げるということにもなりませんので、さっき申しましたように需給の逼迫からくる物価高というようなものは、経済の均衡のとれた発展を阻害する一番大きい要因になりますので、それを防ぐための策の途上において、若干そういうものの値上りもやむを得ないという方針でやっておりますが、ただいまのところ上っている物資もございますが、産業の基本物資というものは上らないように押えておりますし、繊維その他若干下っておるものもございますので、全般を通じた物価の動向は、今著しい変化がない状態だというふうに私どもは見ております。
○田中(利)委員 今回の東北電力の二割一分二厘、それから北陸電力の二割四分一厘という値上げ率が申請されておりますが、この申請の経費の内容について、東北電力の場合について考えますると、今回の値上げによる会社の三十二年度収支予算を検討いたしますと、平均値上げ率は二一%と発表されておりますが、三十一年度収入料金に比べて年間約五十億円の増収となっておるわけでありますが、実際にはおそらく二六%見当になると予想されております。二十九年十月料金改訂当時に比較しまして、給与手当、役員賞与、厚生費、退職金等の人件費において十五億九千八百六十三万円、支払い利息において十八億五千八百九十六万円、それぞれ増額となっております。また東北電力が毎期上げている利益金を主体として課せられておるところの法人税及び事業税の見積りは十四億二千四十七万円、これらの合計約五十億円となっております。また三十二年度購入の融通電力の問題を見ますと、最も高いところの火力電価が織り込まれておる。こういうふうな立場に立って見ますと、電力は九億キロワット・アワー、料金にいたしまして総額四十億六千六百四十四万円、こういうふうにしてこの中にはC級火力料金という最もコストの高い火力単価が織り込まれておりますが、こういうものに対する通産当局としての今日までの査定についての中間的な報告を、この際お聞かせ願いたいと思います。
○岩武説明員 先ほど両会社の過去の経営費のお話がありましたが、それは御指摘のように前回の料金改訂後相当良好な出水率を見ております。従って水力だけの会社としましては、予想しましたよりもよけいの販売電力量ができ、かつそれによって利益も予想よりもかなりよかったということは事実でございます。ところが昨年の上期も、かなりな豊水で、ある程度の利益を上げておりましたが、下期に至りまして両社とも六、七%の渇水になりまして、下期の決算におきましては、上期に積みました渇水準備金を取りくずしましたほか、若干の決算操作を行なって、辛うじて定額法により配当を行い、かつ一割二分の配当を維持することができたということ、これまた事実でございます。それでわれわれの今回の料金改訂に当りましてとりました態度は、三十二年度一年間分の予想できます販売電力量による収入と、それからそれによる原価とを見まして、現行の供給規程によります収入と予想される原価との差額を料金値上げによって埋めようというのが、在来から原価主義をとっております電力料金を処理する立場でございます。それで御指摘のように他社から受電を受けます融通料金の増額が、今回の原価増高の相当大きな要素になっていること、これまた前回にお配りしました資料に現われている通りでございます。それで本日の委員会にお示ししましたこの処理案について、融通料金に幾らを財源として見ているかというお話であったのでありますが、これは先ほど大臣から申しましたように、両会社合せて約十一億程度の財源を見ております。これは社内の各原価の合理化、節約と融通料金の引き下げと、両方から持ち寄っております。その比率も、本朝来申し上げましたように、融通料金の引き下げの方がやや多いということでございます。なおこの融通料金につきましては、いろいろ御指摘もございましたが、御承知のようにこの両社とも、直接の隣接の会社以外にも、西は中国電力からも融通を受けております。そういう関係で、いろいろ各社間の融通量がそれぞれ違っておりますのと、融通単価もそれぞれ差異がありますので、これをどういうふうにして所定の希望しますところまで引き下げるかということは、今後われわれとして相当複雑な交渉もございますので、どこの会社のを幾ら下げるかというようなことは、この際ちょっと申し上げられないことを御了承願いたいと思います。
○田中(利)委員 御承知の通り東北の電力は質的にも量的にもきわめて悪い電気でありまして、発電設備を見ましても、流れ込み式あるいは水路式というような、設備の悪いところへ持ってきて、梅雨どきあるいは台風どきには使い切れないほど電気が出るけれども、さらに渇水期になればその発電は半分に減ってしまう。こういう状況にあって東北の近代産業といわれる六十一件数えられる特別大口産業というものは、年間平均した稼働率をもって経営ができない、こういう異常な状態に追い込まれつつも、なお電力の問題については何ら改善されない、しかも今回のようなこういう大幅な値上げが行われる。御承知の通り東北の特別大口工場というものは大体化学工場であるといっても過言ではないのであります。こういう工場で生産されるとこうの電気銑あるいは硫安、カー・バイドあるいはアルミニウム、こういうものを一つ一つ取り上げてみましても、これらの物資に対する電力原単価というものは、電気銑の場合を見まするならば一トンに対して三千キロワット・アワーを消費する、あるいは硫安に対しては三千六百五十キロワット・アワー、カーバイドについて建二千三百九十キロワット・アワー、アルミニウムについては二万五百キロワット・アワー、かように今日の東北の持っておるところの化学工業というものは、ほとんど電気は原材料である、こういうふうにして大きな消費を行いつつ、しかも今日この大幅な電気料金が値上げされた場合に、そのコストに占める増加のパーセントの割合というものはどういうふうになってくるか、こういう点をお調べになっておられるか。さらにその結果こういう企業経営が今後どうなるか、こういう点もお調べになつておるか、調べておりましたならばこの際明らかにされていただきたいと思います。
○岩武説明員 東北にありまする大口産業に対する影響でありますが、これはやはり電気を使いまする実情によりましてだいぶまちまちであるように思います。いわゆる電気化学工業というふうに、電気を原料的に使いまする産業におきましても、契約電力量の相違あるいは負荷率の相違あるいは新増設の有無等によりまして一がいに申せないわけでありますが、われわれの方に一応の推計といたしましてデータみたいにありますものは、大体一割五、六分から三割前後ぐらいのところが多いようでございます。またこれも負荷率割引の今度のあれによりましてもう少し変ると思います。それでこれは影響は各業態によっていろいろ違うようで、つまり東北にありまする原料なり資源を使用いたします産業は、他地区に比べて在来はきわめて有利であったわけで、つまり原料の運賃が相当メリットを持ちまするので、それなりの非常な優位性を持っておりますが、これも今回の値上げによりましてもその優位性は失われてないと思っております。と申しますのは大体今度われわれのお示ししました案によりましても、全国の平均的なところの料金と同じようでございます。つまり関西、中部電力あたりの料金と大体大差ないわけでございますので、原料条件による立地の優位性は失われていないと思います。それからそういうことでない産業の方は、これはあるいは原料の運賃によるメリットがききませんので、やや不利と申しますか、在来に比べて優位性が失われるのじゃないかと思っておりますが、これはひっきょうするに工場の立地が原料の所在地あるいは輸入地からの距離によるのではないかと思っております。端的に申しますれば、東北の方は電気は比較的安かったというメリットがやや失われるかと思っております。北陸は若干情勢が違いまして、これはまだ全国でも一番安い料金でございますから、電気が立地因子としまして相当なファクターを持ってくるのじゃないか、こういうふうに思っております。
○田中(利)委員 私は東北出身の議員といたしまして、東北電力管内の各産業団体から陳情も受けております。かつまた五月十日の仙台市における聴聞会の供述人の意見も新聞を通じて読んでおりますが、これらの地元の電力値上げ申請に対しては特に東北一千万県民待望しておるところの東北開発が国策として今日脚光を浴びてきておる、さきの国会においても東北開発促進法とともに三法案がすでに成立しておる。いよいよこれから資源の開発、工場の誘致、こういうものがどんどん推進され、産業開発がようやく軌道に乗らんとするときに、大幅な料金の値上げというものは地域差をますます拡大していく、そのしわ寄せが東北、北陸にしわ寄せされてくるということは、国の開発の政策から見て、われわれは全く賛意を表することができないのであります。従いまして私は今回の値上げに対して政府に要望したい。それはまずこの電気料金の値上げ問題はいろいろ論議すればその角度々々によって問題が発展し、大きな問題になるのでありますが、要するに私は今回の値上げ案に対しては政府がすみやかに今日の事情を勘案いたしまして、この値上げ案を廃止するように努力を払ってもらいたい、こういうことを申し上げる次第であります。特に、大口電力もさようでありますが、一般の電灯消費者あるいは小口電力あるいは農業用電力、こういうものもこの値上げ案によって東京電力と比較して大幅な値上げになるということはとりもなおさず東北の県民の生活の上に大きな圧迫となるものでありますから、こういう問題も企業の努力をさせるとか、あるいは電発卸売料金の協定をするなりあるいは頭打ちの処置を講ずるなり、かような方法を十分検討されて善処していただきたいと思うのであります。なおこの際私は今日のエネルギー資源の問題について大臣の所見を伺いたいのであります。当委員会におきましても石炭、電力あるいは石油、あわせて原子子の利用というものが問題になってきておりますが、今後日本の電力だけではなくて、それを含めて、日本のエネルギー資源をどういうふうに持っていくのか、こういう点将来の展望と申しますか、政府の施策なりあるいは大臣の所見を伺いたいのであります。現在わが国の産業の成長を見ますと、毎年それに比例して百二十万から百三十万キロワットの電力の需用がふえていっておりますが、しかしながらこれをまかなうために、昭和四十年をもって見ますならば、水力の開発では包蔵水力の八五%まで開発される、あるいは石炭の採炭を見ましても、年間六千五百万トン、そのうちの千七百万トンは火力発電所に供給される、こういうふうな点はどう考えてみましても、すでにエネルギーとしての供給源の最大限度に伸び切ってしまっている。これを補うためには、どうしても重油の輸入をしなければならない。こういう重油の輸入は、私どもの計算で見ますならば、これはちょっと先のことになりますが、昭和五十年として考えてみますならば、重油の輸入は五千五百万キロリッターあるいは六千万キロリッター、こういうふうに輸入せざるを得なくなってくるのじゃないかと思います。そうしますと一キロリッターが二十ドル、こういうふうに計算してみましても、年間十億から十二億円の原油の輸入をしなければならない、これは日本経済にとって大きな負担になるのじゃないか。いわゆる重油の輸入として年間十億から十二億というものは、全体の輸入額から見て一割程度に押えなければならない。そう上ますると輸出入関係を見ましても百億ドル。私は百億ドルの輸入をまかなうためには輸出を百億ドルにしなければならぬ、こういうことは実際問題として楽観できないのじゃないか。三十一年度の輸出の状況を見ましても、非常に景気がよかったといっても、外貨の受け取りは二十七億ドルである。二十年間にこれを四倍にするということは今日私どもとしては自信が持てないのでありますが、重油を輸入制限するということならば勢い原子力の利用に待たなければならぬ。しかしながら原子力の問題を考えてみましても、その技術の面におきましてもあるいは原料であるウラニウム、濃縮ウラン、どれ一つ日本自身が解決することのできない問題である。すべてそれらの問題は外国の技術に依存しなければならない、外国の経済力に支配されなければならない。そうしますと当然日本の産業全体が外国の技術資本に支配される、こういう事態が生ずるのじゃないか。従いまして今後の日本のエネルギー源としての処理をしていかなければならないとするならば、もっともっと私どもは原子力に対する研究というものを進めていかなければならない。その時間をかせぐ意味におきましても、今日の石炭の問題にいたしましてもあるいは電力の問題に対しても高度な利用というものを考えていかなければならないのじゃないかと思うのであります。たとえば電気の問題に対しても社会化の問題、当然こういう問題も出てくると思うのでありますが、将来日本のエネルギー源をどういうふうに持っていくのか、こういう点もこの機会に通産大臣の御所見を伺いたいと思います。
○水田国務大臣 御承知のようにエネルギー需要の長期見通しにつきましては、政府が委員会を作って学者を集めてこの問題の研究をさせた結果が一応今報告となって参っておりますが、これを見ますと、大体今後二十年後の日本のエネルギー需要がどうなるかという問題は、さっきおっしゃいましたように、今から毎年百五十万キロくらいの開発をずっと続けていかなければいけない、そうして最後の姿は大体水力と火力が半々と、そういうことで落ちつくような見通しが今出ております。その間におきまして石炭の需要がどのくらいあるかという数字と、今後の石炭の開発能力を見てみますと、非常にそこにむずかしい問題が出ております。従って石炭需要を重油に置きかえるということも当然考えられますし、また今後その政策は私どもとっていかなければならぬと考えますが、そうなりますとさっき御指摘のようないろいろな問題が起りますので、私どもとしてはやはり電力においてはどうしても原子力発電というものを考えて、ここでそれを入れ込んでいかなかったら将来の燃料対策はむずかしいと考えられますので、今この問題を中心として関係者の間でエネルギー発電の問題の研究に着手したばかりでございまして、この検討が進みますれば、それを入れ込んだ長期対策というものを私どもは立てられる。そうして無理がなくて、しかも需要の見通しは大体推定されますので、それに対応できるような措置をとりたい。で、そのためには将来の石油資源ということについても、国内の開発だけでなくして、海外の資源の開発ということも当然考えなければならぬということから、イランとかアラビヤの開発の問題を今政府部内でも取り上げてやっております。一面そういう外貨をそう使わなくて日本にそういうエネルギー源を持ってくることのできるような長期的な大きい計画をここであわせて考えなければならぬだろうというふうに考えまして、そういう措置を一方でとると同時に、原子力発電の問題を真剣に考えて計画の中に織り込みたい、こう思っている次第でございます。
○笹本委員長代理 渡邊良夫君。
○渡邊(良)委員 通産大臣にきわめて簡単に、二、三の点につきましてお伺いしたいと思うのであります。これは特に考慮していただかなければならない問題と思うのでございますが、先般今国会におきまして通過いたしました東北開発三法がございます。公庫法、会社法、促進法のこの基本法に基きまして、東北七県につきましては、たとえて言いますならば地方財政再建整備法によります適用を受けている県が、この三カ年間におけるところの事業量は七五%に押えられているのでありましたが、この三法によりますというと、事業量を大体一〇〇%までその指定事業に対しては認めるばかりでなく、補助率もいわゆる再建整備法の適用による恩典でありますところの二〇%のものがそのまま据え置かれている。こういうように東北地方の後進性というものを脱却する意味におきまして、この三法が通ったはずでございます。しかるに今日の、最も東北地方の産業の基盤をなすところの電力料の値上げということにつきましては、何らこの三法と軌を一にしたところの政策ではない。これにつきまして私は、通産大臣が特に東北地方あるいはまた北陸地方に対しまして、どういうようなお考えをもって電力政策をとられるか、この点について所見を承わりたいと思います。
○水田国務大臣 東北地方の後進性を脱却させるためのいろんな開発事業を行うというためには、従来電力の安いことが相当大きい魅力であり、またこれが原動力となって発展する可能性がございましたが、これが今回のような形で、東北地方の電力がもう需用に応じられないというような事態が起って、料金の値上げもしなければならぬということになりますと、東北開発の問題とは相当これは衝突して、いろんな支障が起るだろうということを私どもも心配しております。従って水力、火力とも、政府としてはさらに東北地方の電力開発を進めたい。それが進めれば進めるだけ、コストの上昇になるという形では、なかなかむずかしい問題がございますので、さっき私も申しましたように、将来の電力政策として、やはり電力事業の公共性にかんがみて、たとえば開発の利子について特別の措置を政府が見てやるとか、いろいろここで政府の措置というものを全般的に考えていく必要があるのではないかと私自身は思っておりますが、そういう措置をも講じて、東北を発展させるための電力量を確保する措置をまずとりたいということと、今回はこういう措置になりましても、御承知のように、たとえば電源開発会社というようなものの開発も進んでおりまして、佐久間ダムは完成しましても、これがすぐに東北へ響くということにはただいまなっておりませんが、続いて只見系の開発というふうに、電源開発の開発が各地に進捗して参るということになりますと、それによって現在のような苦境を脱却させる方法というものは、近い将来においてわれわれとしても考えられる。そういう意味におきまして、一方電源開発の開発を促進するということとからんで、東北地方がこの電力問題によって開発のはばまれるというようなことのないような措置をあげて私どもはとりたい、こう考えております。
○渡邊(良)委員 大臣の電力政策に対しまするところの恒久対策というものはよくのみ込めるのでございます。しかし現段階におきまするところの東北地方、特に私どもの新潟県におきましては、昨年におきましては大口十五億、中小企業が四十五億、需給調整ができないためにこれだけの損害を招いておるような状況でございます。このたびの会社申請の値上げ方式によりまするというと、新潟県は発電県でありながら、東京地方の電力料金よりもはるかに上回るような結果になっておる。しかも新潟県の電力というものは、東京電力にほとんど供給されておる。猪苗代水系あるいは信濃川水系、そうしてこれに対しまして融通電力が火力発電による、その原因が値上げの最も大きなものである、こういうような、先ほどわが党の総務会における事務当局の御答弁であったのでございまするけれども、なかなかこれでは納得はいかない。しばらくこの点については研究すべき点が多々あるのではないかというのが圧倒的な御意見であったのでございます。値上げをやる、やるけれども、去年と同じように、電力需用、電力そのものの総量というものが何らそこに検討されていない。いわゆる送電調整というものが何らなされていない。今日私どもは緊急対策に対しまして、東北にどういう措置が緊急対策として講ぜられるのか、開発銀行の金を負けるとか、あるいはまたこれは東北だけをしばらく延期するとか、その問題を私はお願いをしておるのでございまして、この点につきまして、もう一度大臣の具体的なお考えを、緊急要望事項として、私どもはお伺いしたい。
○水田国務大臣 まず税制の問題を見ますと、今国会におきまして、重要産業免税というようなものも一応なくするし、増資についての免税もこの国会でなくするというようなことをきめられましたが、私どもとしては、これはこういう事態であるから、電力会社については税制においても特例を置いていいという主張でしたが、その問題は将来考えるとしても、一応ここで税制の特例を廃止する場合に、電力事業一つを優遇するということは不適当だという意見で、この問題は国会でけりをつけられたというようなことになっております。今度は金融の方でございますが、開発銀行が一般よりも特に電力には安く出しておるのですが、この金利をもう一段低くするわけにいかぬかという問題も今度検討した問題ですが、なかなか金利体系の上から見ても、いろんな面から見ても、これがむずかしいということで、そのままになったといういきさつから考えましても、ここで全体を再検討して新しい措置をとるというようなことでしたらともかく、今まで来たいきさつから申しまして、なかなかここで電力に特別な金利をもってするという方向もむずかしいのじゃないか。特に一社に対してだけそういう措置をとることは困難だと思いますので、従って私どもは今度の総括原価の圧縮におきましても、一応この問題は特別の措置は今回はできないという前提のもとに、この原価の圧縮を考えておるわけでございまして、将来の問題はともかくとして、ただいまのところでは、これは困難ではないかと考えております。
○渡邊(良)委員 なかなか私どもは満足がいかない。大臣も苦しい答弁のようでございますが、この点につきましては、行政措置におきまして、あらゆる角度から御検討願いまして、できるだけわれわれの要望を入れていただきたい。その地域的には特に考慮した措置をとっていただきたい。私はこれを要望するのでありますが、最後に私はかような地域別の——現在全国的な、総合的な、国家的な見地から大臣は考えられておるようでございますけれども、しかし、やはり地域事情というものは相当に尊重しなければならない、こういう面におきましても、あるいは火力発電と水力発電というものが将来並行していかなければいけない、こういう意味におきまして、料金の問題もさることではありますけれども、需給調整問題のために、将来、この現在の九電力会社に対しまして、地域的に再々編成をするところの、今ここで意思があるかどうかというようなことは、これは言明のできないところでございますけれども、そういう必要が起るのではなかろうかというような大臣のお考えを最後にちょっとお伺いしたい。
○水田国務大臣 その問題は午前中もお答えしましたが、将来の問題としては、私どもは検討しなければならぬ必要が出てくると考えております。
○笹本委員長代理 松平忠久君。
○松平委員 私はなるべく同僚議員の質問と重複を避けて、違った角度から質問したいと思います。 まず第一に通産大臣にお伺いしたいのですが、先ほども田中議員との質疑応答の中で、総合エネルギーの対策というものを考慮しなければならぬ、すでに審議会から答申が出ておるというお答えがあったわけであります。そこでこの電力というものはこういう総合的な観点を少くとも計画の先には持っておって、そうして現在の電気料金をどうするか、こういうふうにいかなければならぬと思うのでありますが、今回の値上げ申請は二社の関係であります。従って私は二社だけ上げて、ほかの会社については現在のままのことを踏襲していかせるのかどうか、あるいは今回の措置が相当小幅に押えるということになって、また翌年同じような問題が出てくるのではないか、こういうようなことも考えられます。すなわち今回のこの二社の電力の値上げというものに対する政府の考え方というものは、これは暫定的な措置としてお考えになるのか。例の三割頭打ちの問題に関しましても、これは毎年々々基本的な問題を考えて、現在の電気関係の法律というものをあらためて検討して、そうして基本的に改正していくのだ、こういうことを繰り返されておったわけであります。そこへまたこの二つの問題が出てきたわけでありまして、従って当然来年あたりはこの二つの会社の値上げ料金をひっくるめて、本格的な電力問題に対するすべての検討をしていかなければならぬ段階ではなかろうか、こういうふうに、私どもは今までの国会における質疑応答の中から思っておるのでありますが、今回の値上げ料金というものは、従ってただ暫定的なものである、こういうふうなお考えのもとにこれを検討されておるかどうかということをまずお伺いしたいのであります。
○水田国務大臣 政府が認可する場合の料金というものは、少くとも二、三年は変更しないで済むという見通しの立ったものについて、やはり認可を与えたいと思っております。そこで、これをあまりに不当に対策なしで押えるというようなことをしましたら、お説のように、ことしだけやっとしのいだのだが、来年はまた処置ないという問題も起りますので、私どもの方としましては、この料金を認可するという場合には、少くともいろいろな見通しを立てて、二、三年の間は変更しなくても済むという料金にして認可したい、こう考えております。
○松平委員 二、三年の目標を立ててこれを改訂するならする、こういう大臣の答弁であったと思いますが、今回の八十八億というものは、先ほどの御説明によりますと、十一億を合理化と申しますか、あるいは負荷率の関係を勘案してこれを廃止しないというようなこと、あるいは融通電力の問題でこれを解決して、あとの七十七億というものを電気料金の値上げによって解決したいというのが、先ほど来言明された大臣の答えであったのでありますが、この八十八億というものの基礎はどういうところから出てきておるのであるか。私は、電力料金を七十七億上げるということになるならば、会社の予定しておるように電力の需用というものは増大しないと思います。また最近の金利の値上げ等から見まして、いわゆる輸出入のバランス等の関係から新規産業を押えようという考え方に今日はなってきておる。従って、この計画を会社が立てられたときと今日はすでに状況が違っておって、大口の電力の需用というものはそう増大しないという関係になってきておるのではないか、こういうふうに見ておるのであります。まず第一、八十八億というものの算定の基礎はいかなる場合の算定の基礎であったか。すなわち、電力料金を当然上げるという前提のもとに作ったところの計画に基いたものであるか。またその時期は、今の金利の値上りというような、いわゆる新規設備投資というものを押えていこうという政府、金融界の方針、そういうものが打ち出される前に、私はすでにこういう額が出ておったのではなかろうか、こういうふうに思うのですが、その点はいかがでございましょうか。
○岩武説明員 収入不足の八十八億の基礎になります販売電力量は、今朝来申し上げましたように、役所の方で去る三月末に作成いたしました三十二年度の電力需給計画にのっとった数字でございます。当委員会でたびたび御説明したと思いますが、この三十二年度の需給計画は、作成の時期は三月末でございますが、当時の判断によりますれば全国で二十六億キロワット・アワーの不足、北陸におきましても三億七千九百万キロワット・アワー、東北におまきしても七億八千四百万キロワット・アワー、それぞれ八%ないし一〇%の不足になるのではないか、こういうふうに想定した通りであります。その後御指摘のように金利の反騰あるいは金融の引き締めという関係で、若干投資意欲が鈍っておるという問題があると思いますが、これらの増加需用になりますものはもう大部分が工場がすでにでき上っておるものが多いようであります。あるいはでき上りつつあるものが多いようでありまして、今後新しく投資するというようなものは、これはもうこの三十二年度の受電にはなりませんで、三十三年度あるいはそれ以降の受電になるかと思っております。従ってこの数字は、現状から判断いたしますれば、そう大きな狂いはないのではないかと思っております。実は東北、北陸につきましては、この不足分を含んだ需用の想定自身が、少し役所でかたく見過ぎて、実はもう少し不足だというのが電力会社並びに需用家側の一般的の空気でございます。少くとも東北におきましては十億キロワット・アワー以上の不足ではないか、北陸も五億キロワット・アワー以上の不足ではないかというのが当時の情勢でございまして、それはある程度既成事実になりつつある。生産設備の完成等の関係から、そういうふうに一般的な気分が出ておったわけでございますので、その後ある程度金融引き締め等の運転資金に対する手当が困難になりましても、この数字はそう大きく狂うことはまずないのではないか、こう私たちは見ております。
○松平委員 その点に関しての議論はともかくとしまして、この八十八億という値上りと申しますか、二一%、二四%の値上りというものは会社の申請書に書いてきた値上りでありますが、今までわれわれが陳情者等から受けておるところの印象によりますと、この紙に書いてきた申請の値上り以上の値上りになる、こういう要素が非常に多いということをいわれておる。その第一は、政府もこれは今度はやめると言われたところの例の負荷率の問題であります。ところがそのほかに今回の料金の値上げというものを見ると、基本料金の値上げということをあまりやらない。北陸では多少やっておりますが、東北ではやらない。この基本料金の値上げをやらないということは、結果的に見ると、これは電力料金が非常に上るということであります。基本料金の値上げをあまりせずに、電力料金を上げるということは、これは結果から見ると、よけいに払わせなければならない、こういうことになるわけであります。それから同時に三割頭打ちをやめるということになると、それだけまた電気料金が上るということになる。そうすると実際問題としては、この政府の出しておるような、この表のようなものではなくて、もっと実際に上っていく。たとえばこれは政府に陳情が出ておると思うのですが、製氷会社のごときは四割五分の料金の値上げになる、こういうことを言っておる。ですからそういうことを勘案するならば、私は八十八億というものを相当削減していい要素があるのではないか。言いかえれば、負荷率、頭打ち並びに基本料金、この三つの今回の申請の内容に書いてない要素があって、実際はもっと上るということになるのではないか。そういたしますと、会社側から申請してきた八十八億をさらにそれだけ初めからもう削っていっても差しつかえないものではなかろうか、こういうふうに私たちは思っておるのですが、その点はいかがでしょうか。
○岩武説明員 八十数億の原価増の中で、相当合理化によりあるいは他社との交渉により下げるものがあるというわけで、先ほど来申し上げましたような一億というふうな節約要因を生み出したのでございます。なお一般的な突っ込んだ料金の値上げの率と具体的に当てはめた場合の値上げの率とはかなり異なるものがあるのではないかというお話でございます。これはいろいろな原因があると思いますが、お話のありました負荷率割引の問題は、これは会社の申請は負荷率割引を現行規定に盛っているのを廃止しようという申請であります。それを私どもの方はそういうことは電気の使用の合理化という見地から見て不適当だから、むしろ率を変えて存続したらどうだというのがわれわれの考え方であります。従ってこれは負荷率の高い、つまり電気の使用時間の長い需用家にとってはそれだけ有利になるということでございます。それから一般的に電力料金の支払いは需用家の方では最近、つまり昨年において某々の使用条件のもとに支払う電力料金と、今年度においてそれとは異なった使用条件のもとにおいてこの改訂料率によって支払われた料金とを比較いたしまして、非常に上るということを計算されている向きも私もだいぶ承知しております。これはどうもかなり正確ではないのでありまして、正確に申しますれば使用条件が変ると、つまりたとえば契約の最大電力がふえているとか、あるいは使用キロワット・アワーが増加する、あるいは負荷率が下る上る、あるいは力率はどうかというようないろいろな使用条件が異なって参っております。それがおおむね私の見るところによりますれば、操業が大きくなる方向へ向って変化しておりますので、この同じ条件で比較いたしませんと正確な値上げの率はわからないわけであります。おそらく昨年の使用している条件における電力料の支払いの条件と同じ条件におきまして今度の改訂料率を適用した場合の支払うこの料金の値上り率、あるいは逆にことしの使用条件に対して現行の供給規程を適用した場合と改訂の供給規程を適用した場合にどうなるかというふうに比較いたしませんと正確にわかりません。そういたしますれば、今のお話がありますように、急激な値上りになるということはまずないと思っております。ただそれが一つ起りますのは、北陸の特別料金制度の適用のある場合でございます。これはどうも比較ができませんので、また比較できないためにそういうふうになっているわけでございますから、これはちょっと事情が違いますが、大体としまして、そういうふうに同じ条件で異なる料率を適用した場合の値上げ率まで比較いたしませんと、どうも話が科学的でないと思います。私たちもいろいろそれぞれの需用家の対象工場に適用した場合の影響等を直接に聞いておりますので、その点におきまして必ずしも正確でないものがあるようでございますが、できるだけわれわれといたしましては、同じ条件を適用して、なるほどこうかということで処理したいというふうに考えております。
○松平委員 ただいま、業者方面からの陳情にある数字というものは誤まっている場合もある、こういう意味のお答えだった。しからば伺いますけれども、製氷会社が出している四割五分というのは、これはほんとうですか、どうですか。
○岩武説明員 製氷会社のことは、具体的にどの工場でどういう使用条件かということを見ないとわかりませんが、製氷の方は先ほどお話がありましたように、現在は三割頭打ちの適用を受けております。従って一昨々年の料金改訂のときより三割で料金の支払い額はとまっているわけでございます。今回は料率改訂とその頭打ち廃止によって、この業界ではあるいはお話のように四割をこえる場合もあるかと思っております。ただこれは具体的にその工場のどういう使用条件でということを調べないとわかりませんが、これはあり得ることだと思っております。
○松平委員 頭打ちをやめると、これは十八工場について調べた調査です、北陸、東北とも出ておりますが、みな四割以上上っております。私はこれは正確な数字じゃないかと思う。従って産業によっては非常な打撃を受けるということは、先ほど来ここで同僚の議員からもいろいろ意見の開陳があったわけでありますが、そういう特別に非常に大きな影響を受けるというものに対しては、何か特別な方法でもってこれを救うというか、急激な変化を与えないために特契料金のようなものを設定させるというようなことをお考えになっておるかどうか、これを伺っておきます。
○岩武説明員 冷凍、製氷は比較的負荷率の高い業界でございます。それで、実は正確に申しますれば、三割頭打ちのない場合の支払うべき料金額と同じ条件で今度の料率で払うべき料金額を比較するのが正確なのでありますが、おそらくお手元にある資料は、頭打ち適用後の、つまり比較的低い料金支払い額あるいは突っ込んだ料率との比較になっておると思います。税って四割をこえる場合が出てくるということは、先ほど申しましたようにあり得ることだと思っております。それでこの業界は負荷率も比較的高いものでございますから、今度お示ししました負荷率割引の復活にそのまま当てはまることが多いかと思っております。大体小口にしまして三百五十時間、大口で四百時間でございまするから、ある程度の操業をやっておれば大体これの適用を受けるかと思っております。
○松平委員 その次にお伺いしたいのは、十一億ばかり融通電力料金の方で負けさせるということであります。それは融通料金だけで十一億負けさせるというお考えですか。そうしてどういう根拠によってそういう数字が出てきたか。
○岩武説明員 今朝来申し上げましたように、その十一億のうちで、融通料金の引き下げによります部分の方が内部経理の引き下げによりまする額よりも大きいということを申し上げております。その科目別のものにつきましては、けさほど申し上げましたので省略いたしますが、大体は人件費あるいは消耗費、雑費、それから修繕費、それから雑経費と申しまするか、たとえば賃貸料でございますとかあるいは補償費でありますとか、そういうものをいろいろ過去の実績等を勘案しまして考え出しておるわけであります。なおまた料金の問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、この両会社に対しまする送り出し会社との関係が相当複雑に込み入っております。しかも送り出しまする数量あるいは単価等もそれぞれ異なっておりますので、大体の目安は先ほど申した通りでございますが、個々のどこからどこに行くのを幾ら幾らということにつきましてはまだ何もついておりませんので、申し上げることは省略させていただきます。大体のめどは今申し上げたようなところに置いておるわけでございます。
○松平委員 今のお話を聞きますと、相手の会社とも交渉も何もなくて、十一億円のうちの何億円か知らぬがそれをまけさせるようにする、こういうわけで、それはつかみというか何というか、大体の感じでこの程度負けさせるのだ、こういうわけなんですか。
○岩武説明員 それにつきましては今朝来松岡委員からのお話もありましたようにいろいろな問題があるのであります。高い部分だけを融通するというような考え方が果して妥当かどうかという問題もありましょうし、また旅中の送電ロスの問題だとかいろいろございますので、なかなか込み入った話になりますから、実はまだわれわれの方でも最終的な結論を得ていないわけでございますが、大体寄り寄り話を進めておりますので、先ほど申し上げたようなことは大体できるかと思っております。
○松平委員 今お聞きしていると、何ら科学的根拠も何もなく大体十一億のうち何か負けさせるのだという話で、政策料金だろうと思います。つまりこの融通電力料をどういうふうにきめるかということが一番問題ではなかろうか、これは政策的におそらくおきめになるのではないかと思う。だからこの点についてはけさほどの委員会における質疑応答にもありましたけれども、これはよほど勘案してその政策料金を決定しなければならぬと思うのです。 そこでこの点は触れずに、終りに私は大臣に伺いたいと思います。電力料金は今日までだんだん地域差があちこちでついてきたわけであります。そこで日本の産業構造その他からいって、おくれております後進地域というところについては、ある程度電力料金は原価主義でありますけれども、そこに政策的なものを盛って日本の産業の配分というものをはかっていく必要があるのではなかろうか、これが私の持論なんであります。従って電力もそういう意味からいわゆる政策をある程度加味したところの料金を決定するような方向にいくべきである。そういう地域差はある程度の自然的にもできるであろうし、またある程度地域差を設けていくのが日本の産業の円満なバランスある発達をさせていく上にも必要ではなかろうかと思いますが、そういう電力料金の政策的な点につきましてどういうふうにお考えになっておりますか。全国の電気料金は一本にしていった方がいいのか、あるいはある程度地域差があった方がいいのかということについて大臣の所見を伺いたいのであります。
○水田国務大臣 産業の設備が一都市に集中するというようなことは、これからの産業政策としては避ける必要がある。立地条件に応じて産業設備の分散、ことに後進地の開発を中心とする産業の再編成というようなことは考えなければならぬと思っております。従って電力料金等に地域差があるということはけっこうであるし、現に今まであったために、一定産業の集中化というものが行われたとすればこの傾向はやめないように、そういう傾向は助長していきたいと考えます。従ってそうなりますと、電力料金についても政治的な政策の加味ということが必要になってくると私は思います。それをどう実現するかというような問題になりますと、結局国が特別などういう助成策をとるかということになってこようかと思いますが、そうなるとやはり国会において御審議を願う問題でございますので、当面の問題としては、先ほど話しましたように、地域の問題についてもほかの問題についてもなかなか簡単に措置がとれないものですから、政府としては、この点の根本的な検討を経て将来においてそういう方向でいろいろな解決策を得たいと私自身は考えております。
○松平委員 私も同感であります。元の石橋通産大臣もそのような考え方であったということを記憶しているわけであります。そこでもう一つお伺いいたしたいのは、そういうお考えであるならば、今度の問題についてもその考えに立脚しなければならぬということが一つ。それからもう一つは、同じ電力会社の管内においても、発電地帯における場合と消費地等における電力のいわゆる地域差の問題、これも私は主義上の問題としては、そういうふうに同じ電力圏内においてもある程度の差をつけていかなければならぬ、これが私の持論であって、この点については元の石橋通産大臣も同じ考え方であったわけでありますが、大臣はどういう考え方を持っておられますか。
○水田国務大臣 電力の公共性という問題、それから電力源を持たない地域と持つ地域及び発電県を特別にどの程度優遇した政策をとったらいいかというこの調和の問題は非常にむずかしい問題だと思いますので、これは一つわれわれの今後検討したい問題と思っております。
○松平委員 大臣、遠慮しなくてもいいのです。これは自民党の中にもわれわれと同じ考え方の者がずいぶんあるわけです。私は今の発電ロスの問題とかあるいは送電線の問題を考えてみるならば、これほど発電県に不公平な電力料金というものはないと思う。そうして発電県ほど被害を受けて、しかも産業は興らない、こういう実情なんで、東北なんかの電源地帯はまさにその通りだと思うのです。そういう問題はやはり率直に考えていただいて、大臣のほんとうの腹を聞かせてもらいたいと思う。何も遠慮する必要はないのです。これは今の地域差というものを設けるという大臣のお考えであるならば、当然帰結がそういうところに行くのではないかと思う。もう一度一つ御所見を伺いたい。
○水田国務大臣 特に発電県に優先的な措置をとるということは、そうでない県の電力については政府は差別的ないろいろな措置をとるんだということになりますので、これをどう調整するかというのが大体私どもの仕事だと思っておりますので、これは発電県の感情的な問題は十分承知しておりますので、やはりある程度の考慮を払う。今回のような場合には、融通電力の量の問題とか、その料金の問題について考えるとか、いろいろなことはするつもりでございますが、特にどうするというようなこともなかなかむずかしい問題だと思います。
○松平委員 その点は一つ研究をお願いいたしまして、最後にもう一つだけ伺いたいのです。今公益事業局長は、今でき上りつつある工場も相当あると言ったけれども、北陸電力管内等において今これからでき上りつつある工場はこの適用によっていわゆる新料金になるわけですか、それが一つ。 もう一つは、北陸もそうであると先ほど松岡さんですか言われたけれども、東北を見ると今度の電気料金の値上げによって東京よりも電灯が高くなるということは、これはどうしても私は納得できないと思う。電灯が東京よりも高くなるというこんなばかげた話は私はないと思う。東北はなるほど産業がおくれておって、そうして安い電力を豊富にして産業を興さなければならぬけれども、しかし東北には大口電力を使っておるのが六十カ所ある。この六十カ所のために東北一千万の人間が全部犠牲になるような電気料金というものをどうしてあなた方は認めようとするのか。私はこれははなはだ納得いきかねるところの電気料金だと思うのです。東京よりも高いような電気料金を東北の人が支払わされて、大口の工場だけは東京よりも安い。しかも六十カ所しかないということになると、東北の住民というものは六十カ所のものと主客転倒してしまう、こういうことになるのですが、そういうことをやはりやろうとするお考えであるかどうか、この二つだけお伺いします。
○岩武説明員 電灯と電力との料率の問題でございますが、これは御承知のように現在の料金体系におきましても、大体電灯は全国あまり差がないところにいっております。最高は西の方の……(松平委員「そんなことを聞いていない」と呼ぶ)ただ私どもが言っているのは、各個別の原価をはじいておるわけです。東北においては今回の申請によりましても、電灯は原価に対して予定されておる収入、今度の料率による収入でございますが、九六・三%、だから残りの方を電力がかぶっておる。つまり電灯を割り引いて電力を上げておる、こういう格好になっておる。で、でき上る形は、そういたしますと御指摘のように東京よりも従量電灯におきましては若干高くなる面も出てきますので、これは少し電力量料金の方を引き下げるということを今朝御説明しました。十銭引きの問題でございます。定額電灯の方はいじっておりませんので、現在と同様であります。(松平委員「北陸のことはどうしたのですか」と呼ぶ)北陸の方は、六体電灯と電力との原価配分は均衡がとれております。これも同じく北陸は二十銭引きしておりまして、これは隣接の関西及び中部よりもそれぞれ安くなっております。なお定額はいじっておりません。
○松平委員 そうすると政府のお出しになった料金率比較表ですね。これは今度の政府のきょう配られたあの措置によって従価料金、定額電灯、これは東京と東北とは同じ料金になっておりますか、あるいは東京よりも東北の方が安いのですか。これの表によると東北の方がいずれも高くなっていますよ。
○岩武説明員 ちょっと間違いました。東北は定額の方を上げておりますのでそれを申し違えました。北陸の方……。
○松平委員 けしからぬ。だめだよ。こういう電気料金をやっておるのに、電灯の料金が東北が東京より上っておるにかかわらず、今あなたの答弁では東京より下っておるというように言っておる。しかし政府から出した表によると東北はみんな上っておるのですよ。そういうことを私が言って初めてこの表を見て、そうしてなるほど上っておる、一体そういう答弁があるか、委員会をなめておるというか、あるいは不まじめというか、勉強が足らぬというか、そういうことで電気料金の問題をわれわれが審議することができると思うか、問題にならぬと思うんです。
○岩武説明員 間違いまして申しわけございませんが、東北は関西よりも安いのですが、東京よりはある段階までは高い……。(松平委員「ある段階ではない、みんな高いよ」と呼ぶ)これははっきり申し上げますが、五アンペアの八灯以上で五十キロワット・アワー以上は東北の方が安くなっております。
○松平委員 私はやめようと思ったけれども、そういうでたらめなことなら、もう少し聞こうと思う。 大臣に伺いたいのですが、われわれがもらったこういう表は、専門家でなくちゃなかなかわかりません。ところで今日電気料金は、電力規程というものがあって、それを窓口に置いておいて、そしてそれを見て企業家は電気を買う、そういう法律の建前になっているけれども、電気料金の規程なんてこんな厚いものを見て買うなんというばかなことは、今日だれもやっておりません。一体電気料金の決定の仕方について、こういう複雑きわまるやり方をしているのはどういうわけであるか。私はもっと電気料金を単純化してやっていく必要があると思う。これは汽車賃のように、どこから何キロ行けば幾らだというふうになるはずである、定額にしてもその他にしても……。そういう工合に、しろうとにもっとわかりやすい料金の決定の仕方があるはずであるけれども、どういうわけでこういうむずかしいことを電気会社はやっているのであるか。これをもっと単純化して、汽車賃のようにやっていこうというお考えがあるかどうか、それを伺いたい。
○水田国務大臣 御承知のように電気料金につきましては、電気の質と量の問題がございますし、さらに小口、大口の需用家、ことに原始産業に関する電力というようなものについては、従来からも政策的な考慮が当然入るようになっておりますし、そういう意味から現在のような非常に複雑な形になっておりますが、またそれがある程度実情に沿う制度だと思っておりますので、これを単純化するということの方はなかなかむずかしいので、料金決定の複雑さはやむを得ないと思っております七
○松平委員 その点はわかりますけれども、もっとしろうとにわかりやすい電気料金のきめ方にしたらどうかと思うのです。わざわざむずかしいきめ方をして、そしてごまかしていく、こういうやり方ではなかろうか、こんなふうに私どもはひがんで考えるわけだ。だからその点はもっと考えられて、国民が需用家なんだから、国民がもっと便利のいいようなやり方に電気料金その他もやってもらいたい。そういうことは、国民の代表たる大臣がお考えになってしかるべきだと思うが、どうでしょうか。(「答弁は要らぬ」「希望的意見でいいよ」と呼ぶ者あり)それじゃ、以上希望的意見を申し上げまして私の質問を終りますけれども、最後に岩武君、僕の言った、今工場を建てつつある会社の料金は一体どういうふうに決定するのかということの答弁がない。
○岩武説明員 お尋ねの現在工事中で改正されます供給規程の施行後に受電を開始いたしますものでございますが、これにつきましては特別料金の規程が適用されることになると思います。これは本年の四月以降に新規受電契約あるいは受電容量をふやします分について特別料金を適用することになっておりますので、そういうことになると存じます。ただ実際の状況をいろいろ徴してみますと、ある程度新規のものは高くなるというふうなことで、実際には需用家と電力会社といろいろ話を進めておったような事情もあるようでありますので、唐突のことではないと思っております。ただわれわれとしましては、普通料金の二倍というのでは影響も大きいようでございますから、これを一・七倍程度にとどめた方が妥当ではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
○内藤委員 委員長にお願いがあるのでございますが、それはほかでもありません。この産業に、国民生活にまことに重大な関係のあります電気料金の値上げの問題、ただいま通産省で鋭意検討中だそうでありますが、具体案ができましたならば、もう一度この商工委員会に御相談いただきたいということを委員長から大臣に一つお申し出願いたい、このことを委員長に希望いたします。
○笹本委員長代理 今の内藤委員からの動議は後刻理事会において決定いたします。 ただいま自由民主党及び日本社会党の共同提案により電気料金に関する件について本委員会において決議せられたい旨の提案がなされております。この際提案者の趣旨弁明を許します。南好雄君。
○南委員 自由民主党及び日本社会党両党を代表いたしまして、電気料金に関する件について、本委員会の決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず案文を朗続いたします。 電気料金に関する件 今般、東北電力並びに北陸電力の両社は政府に対し、需用の増大と新規稼働設備の経費高などを理由に大幅な値上げを申請しているが、料金の値上げはこの地域の産業に及ぼす影響まことに大きく、地方民の生活をおびやかすものである。 よつて、政府は東北及び北陸の立地条件を尊重し、電源配分の再検討を行うとともに、今次の電気料金の値上げについては、全国的見地より充分の考慮を払い、これを回避するよう努力せられたい。 右決議する。 決議案の趣旨弁明は、午前中から午後にかけまして四時間以上各委員から通産大臣及び事務当局に質問のあった趣旨を御了解下さいますならば、あえてここに説明を申し上げる必要もないのでありまするが、なお一点だけ、この立地条件を尊重する、こういう意味は、単に自然的の立地条件でなくて、今回の料金については融通料金の引き下げとかあるいは開発資金の利子の引き下げ等の具体的考慮を十分されて、そうして東北及び北陸の電力会社の料金値上げについて慎重に御検討願いたいというのが本決議案の趣旨であります。
○笹本委員長代理 お諮りいたします。電気料金に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹本委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 なお関係当局への参考送付その他手続につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹本委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 この際水田通商産業大臣より発言を求められております。これを許します。水田通商産業大臣。
○水田国務大臣 電気料金に関しましては、影響するところ非常に大きうございますので、政府としましては法律に基いて聴聞会を開いて関係者の御意見を聞き、また国会の委員会に対しまして今までの経過を御報告して、今後の政府の処置に対するいろいろな御意見を伺った次第でございますが、非常に御熱心ないろいろな要望もございましたし、またただいま料金に関して御決議をいただきましたので、この趣旨にのっとりまして、さらにいろいろな検討を行なって御趣旨に沿うように十分善処したいと考えます。(拍手)
○笹本委員長代理 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時二十一分散会