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26回国会衆議院1957/05/18

商工委員会 第42号

発言数
132
登壇者
13
会派数
2
開催日
1957/05/18

会議録

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。  電子工業振興臨時措置法案を議題とし審査を進めます。質疑を続行いたします。小平久雄君。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 電子工業振興臨時措置法案につきましてはいよいよ本日採決に入るわけでありますが、先般来同僚委員からの質問によりまして、特に固定抵抗器に関する外国との技術提携の問題が非常に大きく取り上げられました。実はこの問題につきましてはわれわれとしましても非常な関心を持っておったところでありまして、特に本法が成立いたしますならば、いよいよ電子工業振興策を構じよう、これに大いに力を入れようという今日この際におきましては、わが国における中小企業の保護育成という立場からもあるいは電子工業の振興という立場からも、特に外国との技術提携については慎重を期せられたい、かように考えるわけであります。先般の政府当局の御答弁によりますと、目下電気試験所において彼我の製品を試験しておる、こういうことでございましたが、でき得べくんばわれわれは本国会中において何らかの結論を当局から承わりたい。また望むらくは本問題にピリオドを打って、国内の中小メーカーに安心をさせて今後大いに技術の振興に励んでもらいたい、かように実は考えるわけでありますが、この際この点につきまして当局からしかるべき御答弁をちょうだいいたしたいと思うわけであります。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○長谷川政府委員 先日来社会党を代表して田中さんの御意見、またただいまの小平さんの御意見、共通した御意見でございます。従ってこの問題に関しましてはこれまで慎重にわれわれも努めて参ったのでございますが、皆さんの御意見、また委員会の御意思等も十分尊重しなければならないと考えておりますし、一昨日大臣のお話等によりますと、大臣はこういうものは今度のIRCとの関係といいましょうか、技術導入は一切お断わりする、させないということに大体意思がきまりまして、そういうふうに私にも通告をいただいたわけでございます。従いまして、省内はそういうふうにまとめまして、その御意思に沿うつもりでございます。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 ただいま長谷川政務次官から当委員会一同の要望にこたえる、また期待に沿う御答弁をいただいて、われわれ非常に喜ぶところでありますが、かような御決定を見ました以上は、当局の意のあるところもよく中小メーカーにお伝えを願って、そうして、一日も早くわが国の電子工業、従ってこの問題になっております固定抵抗器の製造技術の向上、こういう方面に一段と一つ努力をしてもらうように、当局においてもしかるべくお手配を願いたいと思うわけであります。  私はこれだけ申し上げまして、質疑を終ります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 これにて質疑は終局いたしました。  引き続き討論に入るわけでありますが、別に討論もないようでありますので、直ちに採決いたしたいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、電子工業振興臨時措置法案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  この際田中武夫君外一名より、本案に対し、自由民主党及び社会党共同提案にかかる附帯決議を付したいとの提案がなされております。田中武夫君に発言を許します。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ただいま可決せられました電子工業振興臨時措置法案に対し、委員各位の御了解を得まして、自民党及び社会党の共同提案になる附帯決議を提案したしたいと思います。  まず案文を朗読申し上げます。    電子工業振興臨時措置法案に対する附帯決議案   政府は、本法の施行にあたり、電子工業の重要性に鑑み、次の点に特に留意すべきである。  一、資金の確保については、単に合理化資金のみならず、製造技術の向上、新規製品の工業化及び検査設備等、電子工業振興に必要なあらゆる資金の確保に努めること。  二、国内電子工業振興育成のため、今後外国との技術提携にあたっては、慎重な考慮を払うこと。  三、電子機器の部品及び材料の製造業者には、中小企業が多数を占めている現状に鑑み、その技術向上に格段の措置を構ずること。 以上でございます。  まず第一項目の、電子工業振興に必要なあらゆる資金の確保について申し上げますが、本法と機械工業振興臨時措置法との相違は、一は積極的振興がその目的であり、他は合理化がその目的であります。そのことは、先日本法審議に当りまして、大臣及び政府委員の提案説明、答弁によっても、明らかでございます。しかるに、本法第六条によると、政府の資金確保は、単に合理化のためのもののみとなっておるのでございます。これでは施策の基本である資金の面から見て、機械工業振興臨時措置法、何ら変りない結果になるのであります。こういうことでは、本法実施に当りその目的を十分達することができないのではないかと思われるので、本法の目的達成のために、まず第一項目のような電子工業振興に必要なあらゆる資金の確保に努められたい、こういうように御提案申し上げた次第であります。  次に第二項目について申し上げますが、各産業界における外国技術との提携の現況は、必要やむを得ないものはあったと思いますが、このような状態では将来わが国の産業技術、民族産業育成の立場からも寒心にたえないものがあり、このままで放置することができないものがあると思うのであります。そういうことは本委員会においても幾たびか論じられてきたのであります。ことに電子工業関係においては、他産業に比してさらにはなはだしいものがあり、またその技術の提携が、業界独占の目的や利潤追求のためになされているものも多々あるように思われるのであります。現在電子関係業界の外国との技術提携の状態は、全産業中認可件数において二四%、対価支払いの状況は一七%となっておるのであります。これではあまりにも多過ぎると思い、また先日本委員会における答弁において、水田通産大臣もこれをお認めになったのであります。こういう観点から、第二項目を提案申し上げたのであります。  最後に第三項目についてでありますが、電子機器の製作の状況は、現在大メーカーにおきましては主として組み立て作業のみをやって、その部品や材料の多くは下請工業にやらせているというのが実情であります。従って電子機器の部品及び材料の製造業者は、そのほとんどが、中小企業者であります。たとえばその部品の一つである抵抗器を例にとってみますると、製品の九七%、価格にいたしまして約九〇%は、これすべて中小企業者の手によって作られているものであります。このことは先日の政府委員の答弁によっても明らかでございます。また政府は今日まで数回にわたり応用研究のための助成金を出して、その技術向上に努めてきたのであります。そうして一、二年もすればその技術はアメリカの水準に劣らないまでに成長するであろうことも明らかな状態であります。このような現状でありますがゆえに、政府は今後一そう国内技術、ことに中小企業の技術向上のために特別な措置が望ましいのでございます。これが第三の提案の理由でございます。  優秀な材料、優秀な部品によって、優秀な電子機械が生まれてくるのでございまして、本法の電子工業振興の基礎は、材料及び部品の優秀なものを作るということであり、それを作っているものがほとんど中小企業であるという観点から、ぜひともこの三項目をもあわせてお認め願いたいと思って提案したのでございます。従いまして、一項目、二項目、三項目、この三つを政府において十分あわせ考慮せられることによって、本法の施行の上において十分な成果が上げられるとかよう期待いたすものでございますので、どうか委員各位の御賛成あらんことをお願い申し上げまして、附帯決議の提案理由説明を終りたいと思います。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 採決いたします。田中武夫君御提案の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際、通商産業政務次官より発言を求められております。これを許します。長谷川政務次官。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○長谷川政府委員 ただいま御決議になりまして、ごあいさつを申し上げます。  本法案の精神は国内産業の振興であります。さらに当委員会におけるただいまの御決議の点を十分尊重いたしまして、行政に当るつもりでございます。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次に機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本案につきましては、すでに質疑も尽きたものと認めます。引き続き討論に入るわけでありますが、別に討論もないようでありますので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御・異議なしと認めます。  よって機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 本日公報に掲載いたしました請願五百五十六件を一括議題とし、審査に入ります。  まず請願審査小委員長の報告を求めます。請願審査小委員長小平久雄君。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 ただいま議題となりました請願五百五十六件につきまして、小委員会の審査の経過並びに結果について簡単に御報告申し上げます。  請願の内容は中小企業に関するものが大部分でありまして、さらにこのうち中小企業団体法等の制定に関するもの、中小企業金融に関するものが大多数を占めております。なおこのほかバナナ輸入外貨割当に関するもの、電気関係、石油関係、競輪関係等々でありますが、本小委員会は慎重に検討いたしました結果、次の通り決定いたした次第であります。  本日の請願日程中第一、第二、第四ないし第七、第二、第一二、第一七、第一八、第二一、第二二、第四六、第五六、第六七、第六八、第四六六ないし第四七三、第四九五ないし第五〇〇、第五〇六ないし第五二〇、第五三三ないし第五五〇、第五五三及び第五五四、以上の各請願はいずれもその趣旨妥当と認められますので、採択の上内閣に送付すべきものと決した次第であります。  以上のほか趣旨は妥当でありますが、付託議案の帰趨を待って決定することが適当と考えられるものもあり、また今後慎重に検討を要すべきもの等々の請願がありましたが、これらの請願につきましては、採否の決定は留保いたしました。  以上簡単でありますが、御報告申し上げます。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 採決いたします。ただいまの小委員長の報告の通り、六十五件の請願は採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なおただいま議決いたしました各請願の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 なおすでに御承知の通り、本委員会に参考のために送付せられた陳情書は、経済、財政政策に関する陳情書外八十件であります。右念のため御報告いたしておきます。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 この際、閉会中審査申し入れの件につきましてお諾りいたします。今会期中本委員会は種々調査を進めて参りましたが、いまだ未解決の問題が山積いたしております。従いましてこの際、閉会中も必要に応じて調査を進めることができますように、理事会の申し合せによりまして、日本経済の総合的基本施策に関する件、電気及びガスに関する件、鉱業、鉄鋼業、繊維工業、化学工業、機械工業その他一般鉱工業及び特許に関する件、通商に関する件、中小企業に関する件、私的独占禁止及び公正取引に関する件、以上の各件につきまして議長に閉会中審査の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次に委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。閉会中審査案件が本委員会に付託せられましたならば、これらの審査に当り現地調査の必要もあろうかと存じますが、この場合には適宜委員派遣承認申請を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なおこの際の派遣委員の氏名、期間、派遣地等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 なお現在設置いたしております各小委員会のうち、請願審査小委員会を除くものにつきまして、閉会中審査案件が本委員会に付託せられましたならば、閉会中も適宜調査を続行せしめたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 なお閉会中に理事、小委員及び小委員長より辞任の申し出がありました際の許可、並びに理事、小委員及び小委員長に欠員を生じた際の補欠選任につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 この際、参考人出頭の要求の件についてお諮りいたします。閉会中審査案件が本委員会に付託せられ、小委員会が調査を続行し得ることになった際、小委員会において参考人より意見を聴取いたしたい旨の申し出がありました場合、委員長において適当と認めたときは適宜参考人の出頭を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次に輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題とし、審査、を進めます。質疑を継続いたします。小平久雄君。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 私は、ただいま議題となっておりまする法案とは直接関係はないのでありますが、沖縄——琉球との取引に関しまして、この際簡単にお伺いをしておきたいと思うのですが、先般沖縄の方が見えられまして、沖縄における唯一の産業とも称すべき砂糖の生産並びにこれがわが国への輸出に関しまして、沖縄の産業界における砂糖の占める重要性等にかんがみまして、本邦として特段の処置を願いたい、こういうお話があったわけであります。ただいまのところ沖繩産の黒糖につきましては、輸入関税はもちろんのこと、国内における消費税につきましても格別の特殊な扱いをされておる、すなわち外国産のものは税率が十七円五十銭丁のものが、沖繩産の黒糖については四円に扱われておる、こういうことを非常に感謝をいたしておるわけでありますが、黒糖の需要の減少、あるいはまた同じ砂糖を作るにいたしましても、黒糖というものは非常に不経済である、逐次沖縄といたしましても分みつ糖に変更いたして参りたい、こういう際でありますので、沖縄の特殊事情にかんがみて、この分みつ糖の本邦への輸入に関しましても、あるいはまた国内の消費につきましても、黒糖と同様の扱いを願えないかというのがこの希望の一つでありますが、つきましては、この際沖縄から本邦への砂糖の輸入の状況と、ただいま申し上げました特に分みつ糖の取扱いについて、現在の実情がどんなふうになっておるのか、また先方の希望が入れられるものかどうか、これらの点を承わりたいと思うのであります。これは特に消費税の関係になりますと、もちろん通産省の関係ではないということはわかるのでありますが、本日は大蔵省の方も来ておらぬと思いますから、通産省の方から便宜一つ御答弁を願い、また今後これらの点について通産省としても一つ大いに御努力を願いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○長谷川政府委員 沖縄の砂糖の輸入について、輸入関税につきましては、沖縄は、現在では米国の軍政の管理下にございますけれども、特別の扱いをしまして、国内と同様に関税をとっておらないのであります。従ってただいまの消費税の問題は、御承知のように大蔵省の管轄でございますので、当委員会がこの法案の、審議に当って、ただいま小平さんの御意見なり、また委員会の意思がそういうところにあったということを十分に大蔵省に連絡をいたしまして、その意のあるところの御期待に沿うように努力してもらうように、私の方から特に大蔵省に向って申し上げる考えでございます。

小平久雄自由民主党

○小平(久)委員 その点は沖縄の現状にかんがみまして、また沖縄の糖業というものを発展させるという立場からも、どうか特段の御配慮を願いたいと思います。  なおまたこの機会につけ加えてお願いいたしておきたいと思いますが、御承知のように北海道のテンサイ糖につきましては、法律をもって買い上げ等の保護政策をいたしておるわけでありますが、それとの関連等から考えましても、今後の沖縄産の砂糖につきましては、北海道のテンサイと同じまでにはいかぬにいたしましても、何らかのやはり保護的な扱いをいたして参りたい。特に今後工場生産方式にいく過渡期におきましては、わが国への輸入につきましても、その価格等についてあるいは数量等についてある程度の保証をしてやるというか、価格あるいは数量の面で確保をしてやる、こういった措置もぜひしてほしいどいうことも希望しておるわけでありますが、これらの点についても今後御善処を願いたいと思うのです。この際あわせて御所見を伺っておきたいと思うのであります。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○長谷川政府委員 北海道のテンサイ糖にはただいまの御指摘の通りの方法で取り扱っておるわけでございまして、沖繩は現在ではアメリカの軍政下にはございますけれども、わが日本の国民となることも間近であろう、この際意のあるところを十分に伝えまして、ただいま小平委員の御意見に沿うように、十分に大蔵省と連絡をする考えでございます。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私はただいま上程になっておりまする輸出入取引法の一部を改正する法律案につきまして、二、三の質問をいたしてみたいと存じます。きょう午後一時を目途にということでございまするので、それに協力する意味で、要点をかいつまんで御質問いたしまするから、ぜひ一つ答弁の方もうそを言わないように簡潔にお願いしたいと存じます。  第一点は、ほかでもございませんが、御承知の通り中国貿易はまだ端緒についたばかりでございまして、他の諸外国の貿易と比較いたしてみますと、すべての点でまだ未文化の状態でございます。ところが本法の内容からいたしますると、これは貿易が相当高度化して激烈化していく、それを適用される面が多いように思うのでございます。そこで中国貿易を行なっておられまする業界では、いまだこの法律を直ちに適用することは貿易の振興上阻害があるではないか、こういう意見が非常に多いのでございます。これにはいろいろ矛盾した要素も包含しておるようでございまするが、この理論は大体のところいただける理論でございますし、具体的にまたそうでございます。そこで大臣にお伺いしたいことは、この法律は直ちに阻害があると思われるような面に適用されるおそれはあるかないか、こういうことでございます。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 理論的には、向うの相手が日本でありますので、こちらも過当競争を避けるためにいろいろな措置が必要なようにも思われますが、御指摘のように中共貿易はまだほんとうに始まったばかりで、軌道に乗っていないという状態でございますので、この法律ができても、すぐにそこに中共貿易に対して対処する措置をとるという事態には私はならないだろうと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 本法の改正案のうちの三つの要点の一つは、調整をはかるために輸出の場合に買取機関を作ろう、こういうことになっているようでございます。買取機関の性格でございますが、由来貿易を行うに当りましては、メーカーと商社の間に二つのケースがございます。その一つはメーカーが群小にして貿易商が非常に大きい、こういう場合と、逆にメーカーが資本力においても、あるいは組織力においても非常に大きくて、商社はむしろこのメーカーの出先機関である、商事部門である、つまり言えば、メーカーの傘下におさまって、その意向に従って貿易を行う、こういう面と二つあると思います。その場合に最もわれわれが留意しなければならぬ点は、メーカーが非常に大きくて商社を牛耳っている場合は、大体これは系列系統でありまして、貿易の場合にも問題は割合に少い。ところがメーカーが群小にして各地に散在している。これを買い集めて問屋ができ、その問屋が貿易商と連絡をとって輸出を進めているという場合には問題が非常に多いのでございます。その問題のうちの第一点は、常に貿易商がメーカーを牛耳って買いたたきを行う、レーバー・ダンピングをさせる、このことはやがて日本商品が外国において非難攻撃を受ける原因になる。IMFの会議においてまたけちをつけられる原因になる。日本の貿易を振興する上に大きな阻害を来たしている。一例を申し上げますならば、これが繊維製品である、一例を申し上げますならば、それが陶器である、こういうことでございますが、こういう場合に、この買取機関をお作りになります。その買取機関の構成のいかんによっては、せっかくお作りになりましても買いたたきとか、あるいは出血輸出とか、あるいは諸外国から今まで受けましたレーバー・ダンピングの非難というものは一向解消されないと思います。  そこでお尋ねしたい点は、この買取機関をお作りになります場合の資本の構成と、人間的な構成をどう扱われるかによって方向がすっかり変ると思います。大臣の御所見を承わります。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 かわりましてお答え申し上、げます。  今のメーカーと貿易商社との関係を見た場合に、そういう二つの場合があることはお説の通りだと思うのであります。そこで、そういう二つのグループを前提にいたしまして買取機関ができる場合を考えてみますと、買取機関というものは、先般も御説明申しましたように、最後のやむを得ざる措置でありまして、そういう機関を設立しなければ、既存のいろいろの措置をして、輸出の秩序、特に輸出価格の安定が期し得ないという場合にのみこういう機関がメーカーと貿易商社の中間に設立されるのであります。そこで先生御指摘の第一の場合の、メーカーが非常に群小である、貿易商社が大きいというふうな場合におきまして、そういう買取機関の必要がかりに起きた場合には、どっちかと申しますと、メーカーの協同組合なりメーカ治の団体が自己防衛的にまずそういうものを作ろうというふうな発議がなされるのが順序ではないかと思うのであります。法律によりましては、メーカー側も輸出側も作れるということにはなっておるのでありまするが、大部分の場合は、現在十一ある共販機関におきましても、大体メーカー側のイニシアチブでできておる場合が多いのであります。そのメーカーといいますものは、概して今いう中小企業、多数のそういう中小企業が、そういう機関の必要を認めてできておる場合が多いのであります。今後もそういう形態が多かろうと思います。  そこで、そもそも買取機関の性格につきましては、先般も御説明申しましたように、非常に公共的な役割を営みます関係上、メーカーに片寄らず、また貿易商社に片寄らず、両者の協力によって設立されることが理想であり、また望ましいのであります。従いまして資本の構成あるいは人的構成におきましては、両方から出し合われるというのが望ましいとは思いますが、業界の現実の情勢、先ほども言われますようないろいろな事情もありまするので、メーカー・サイドからそういう意見が強く出て参って、そういう機関の設立になったような場合には、五分五分というよりは、多くの場合資本の六割というものがメーカー側で占められ、また人的な構成についても、どちらかというと、メーカー側に若干有利な構成になるのではないかというふうに考えます。しかしながらでき上りました以上、役所としては両業界の上に立ちまして、公正な運用を確保するという観点から監督を加えまするので、かりにメーカー側の資本が多かったというようなことで、特にメーカー側に有利であり、貿易商社側に不利な運営がされるということはなかろうではないか、こう思うのであります。先ほど申しますように、理想と現実とに若干の差もありまするが、実情は今私が申し上げたようなことでなかろうかというように考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 この場合に輸出の量が野放しになっておりまする品目とか、地域の場合は問題が少いと存じまするが、輸出の量を政府が制限してかかっておられる部面が相当多いのであります。その場合には、大てい輸出量の割当が行われるわけでございます。この割当が行われますと、常に割当の陰には取り合い競争ということが行われております。この取り合い競争の場合に常に下積みにされ、不遇な境地に置かれますのはこの下請のまた下請、ないしは本省に陳情をすることのできない程度の小さいメーカー。特に通産大臣とかその他その他というようなおえら方とつうつうに話のできる大きなメーカーとか商社は非常に有利になるが、そうでない商社あるいはメーカーは不利な条件に置かれる。こういう実例を私はよく知っております。これはつい最近のことではありません。まだ松尾さんが局長になられない前のことでございます。こういうことが行われているのが業界の現状でございますが、これが買い取り機関ができましてそこが売り買いをするようになりました場合に、輸出量の割当の権限というものは一体どこが持つようになるのでございますか。  もう一点は、そういう割当の陰に行われる取り合い競争の防止について何らかいい手をお考えでございましょうか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 先ほども申しましたように、この機関は従来の方法をもってしてなおかつ秩序がとれないという場合に設立されると思うのであります。従いましてその輸出数量の割当あるいは調整というふうなことが行われる結果、会社の設立の必要がないと旧いう場合も数多くあろうかと思うのであります。現状も大体さように心得ております。しかしながら、かりに会社ができてしまった、そのあとである特定地域につきましてそういう数量統制の必要が相手国とのいろいろな関係において起きてきたというふうな場合にどうなるかということになろうかと思いますが、この会社というものはメーカーと輸出業者との間に忽然とできるということではないのでありまして、メーカー側におきましても組合があってその必要をみなが認めている、あるいは輸出業者の側におきましても輸出組合があってその必要を認めるということでありますので、当然指定機関ができました場合におきましてはその当該商品の輸出組合が非常な関心を持ち、従って各輸出商社それぞれへの割当というようなものにつきましては、彼ら自身で自主的な調整をすることになるのじゃないかと思います。現在におきましても輸出入取引法下におきまして、輸出組合において組合員に割当をやっている場合、それがいささか円滑にいかぬという場合、あるいはアウトサイダーとの関係がある場合におきましては、貿易管理令によって政府が直接輸出の割当をしている場合とかございますが、いずれにしましても中間にあるこの指定機関だけが業界の意見を無視して勝手に特定の人に特定の価格でということはあり得ないのでありまして、またそういうふうな事態下においては、そういう会社は作り得ないかと思うのであります。従いまして、会社ができるような情勢下におきましては、生産者の組合におきまして、また輸出業者の組合におきましてもそういう手順ができ、会社がそういう勝手な行動のできないような方法が当然とらるべきだし、またとられておるのではないか。役所の指定機関に対する監督という点から見ましても、業務方法というような点を通じまして、大輸出業者あるいは中小の輸出業者の間に不公正な取扱いがないように監督をいたすことはもちろんこの法律に明定している通りでございます。まあ先生の御心配のような点は、今度のこの指定機関の設立によって特にふえるとかまた新しくそういう心配が出て参るとかいう問題は私はないのではないかと考えます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私は提案者の希望、つまり早く仕上げてくれという希望に沿って質問をしておりまするからなるべく簡単に、どうせ業界の実態のよくわかり合っている同士でございますから、簡単にお答えいただければけっこうでございます。  それではお尋ねいたしまするが、一体この法案を用意されたからには、将来この業界とこの業界この品目とこの品目にはおそらくそういう買い取り機関なるものができるであろう、こう想定してかかっていらっしゃると思いますが、志向し得る範囲内の業界ないしは品目は一体何々でございますか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 たびたび申し上げておりますように、指定機関というものは役所が計画的に一方的に考えておる性質のものではなくて、自然発生的に出てくるということでありますので、今のところどういう業種についてという考えは全然ございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それではお尋ねしますが、業界の実態を一番よく把握していらっしゃる政府側におきまして、この業界はこういうものを作った方がよろしいではないか、こうお考えになっているところもないのでございますか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 過当競争がかなり激甚な業種についてはある程度必要があるのじゃないかと思っておりますが、どの品目ということを具体的に申し上げることは、これまた役所の一方的な考え方を押しつけるような響きを持つかもしれませんので差し控えたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 うまくお逃げになりましたが、もししかりとすればこの法案の必要性が薄らいでくるではないか、こう思われるのでございます。それでもよろしゅうございますか。それではみなもうこれははずした方がよろしいではないかという議論も成り立つわけでございますが、それはあとに残すとして、なるほど業界をここで指摘したおかげでそれが政府の圧力になる、こういうふうにお考えの向きもないではない。非常に松尾局長は賢明であり、よく御考慮の上の御答弁でございまするからあえてこれから先をつこうとはいたしませんが、大臣に今度はお尋ねいたします。  松尾さんの答弁はしかくさように業界の微妙な点をよく察知しての答弁であり、そのような行政であると思いまするが、この組合ができますと、これは常に大臣の許可であったりあるいは本省の指示であったりということが過去のすべての輸出入の組合には多いのでございます。この場合に、特に私どもが今まで聞いておりまするところによりますと、あるいは事実この目で見たところによりますと、この組合が自旧主的にできている、自主的に作るのだ、業界の意向だ、こう常に唱えられておりながら、なおこれが動いている実態、この組合を動かしているところの原動力は一体何であるかというと、ほとんどが官僚である。組合が官僚化されている。いわば官僚が組合に対して不当なまでに干渉をする、こういうことが言われるのでございまするが、大臣、こういうことはよい傾向でございまするか、それとも思わしからざる問題でございますか、いずれでございますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 もしあるとすればそれはおもしろくない傾向だと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 その通りでございます。もしありとすればじゃなくして現にあちらにもこちらにも行われているのでございます。民主的に作られたといいながら、それがほとんど官製組合であった、こういう例が多いのでございます。私はきのうきょうのことを言うておるのではございません。長きにわたって貿易に携わった経験、輸出入に携わった経験から申し上げているのでございまするが、この思わしからざることがもしかりにあったらあなたはどういたしますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 それは行政として是正いたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 是正とはどういうことでございますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 そういう不当な干渉をさせないように指導することでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ほんとうにあなた勇気あっておやりになりますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 今局長の話を聞きますと、輸出組合なんかについてはそういう点はあまりない、実際上はそのようなものはないというお話でしたが、もしあるとすればそれはそういうふうに指導したいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あなたがあるからそういうことを今後は粛正していくのだとお答えになれば私は黙って引き下るつもりだった。あなたがないと思うなんということをおっしゃるなら私は実例を言う。やむを得ぬ。組合に対してつい最近でございまするが、これは通商局からあったのじゃございませんが、他の局から妙な干渉が行われた。どういう内容かについてはだんだん明らかにしていきまするが、過去の実例の多くは組合と政治家というものがくっついているのです。くっついているといったってしょうがない。その業界から出てくればどうにもならないのです。例をほかにとつちゃ悪いから何ですが、たとえば本委員会の委員にしてもおれは機場の出身であるとか、おれは紡績の出身であるとか、あるいはおれは農業協同組合の出身である、こういう人が多くあるわけなんです。それは必ずしも保守党だけの専売特許じゃないわけです。ところが政府と組合との間にいろいろな折衝がある場合に、保守党の人が行かれますとほとんどこれは額面通り受け取られる。もっとそれ以上に受け取られる。ところがそうでなくてわが党の者が行って官僚と話し合おうとします。そうすると表向きはうまくいったようになる。ところがこれはほとんどしっぺい返しがくる。そういう人があるんだ。事実なんです。しかもよせばよいのに、あの人と仲ようやったら今後お前の組合に対しては考えがあるぞよ、手を引いてくれ、こういうことだ。冗談じゃござんせんと言うんだ。局長さんがどんな偉い人か知らぬけれども、局長さんなんというのは、きょうはA局長か知らぬけれどもあしたはB局長になる人だ、あさってはC局長になる人だ、長くたってわずか二、三年ですよ。ところがこっちはどうかといえばはえ抜きなんですよ。そんな人に干渉されて手を切れのどうのと言ったって冗談じゃない。きのうきょう嫁に来た人が天下を取って、夫婦別れをせいなんて、そんなばかげた話がどこにあります。あったらこれをどうします。そしてその組合に対してあの手この手で脅迫を加えていく、冗談じゃございませんよと言いたくなる。そういう事実を知っておるんだ、あえて名前を言わぬだけだ。言えと言うならここで言いますよ。どうします。それは通商局でないということだけは言うておきます。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 そういう妥当でない行政をやっておるというような問題がございましたら、これはもう随時私どもの方に個人的にも言ってきていただけば、私どもはすぐにそれを調査して妥当にやる方向へいつでも指導いたしますし、私どもが実際においては具体的の事務を十分末端まで監督しておりませんので、そういうことがもしあるとしましたら遠慮なく御注意願います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 とかくこういう組合にはかつての官僚の方が入りがちなんです。またそれを受けないというと業界に何がしの圧力がくるとかこないとかいうおそれもなきにしもあらずです。しかし私は考える。そういう組合にこのたびは事務の一部を委譲するということでございます。ますますもってここに官僚の生きる道が出てくるわけなんだ。私はそれをいかぬとは思いません。四十や五十代で官僚の首を切られれば行く先に困るのは当然なんだ、どこか行く先を探さなければならない。従って長年体験を積んでこられた人が組合へ入って御指導なりあるいは尽力なりなさることについては私は大歓迎なんだ。そうしなければ行政整理をするの何のと言うたって、これは官僚を路頭に迷わせるだけだから、私はむしろ組合へ官僚が入ってこられることは希望もし賛成もしておる。むしろできるならばエキスパートを入れてもっと組合を発展さすべきだと考えておる。しかるにその人が指図したりその人の先輩や後輩がその他はえ抜きの連中をオミットしょうなんてとんでもない。きょうこのごろはアウトサイダーさえもインサイダーにしなければ円満にいかないというときに、インサイダーもインサイダー、はえ抜きのインサイダーをアウトサイダーにしてオミットしょうなんという、これをもし行政官がやったとすればとんでもない話なんだ。えらい権限侵犯でありその人に対する人権のじゅうりんなんだ。そういうことをあえて行う官僚があるのです。それだからよけいに組合側は官僚化をおそれるわけなんだ。そこで組合の官僚化防止について大臣はどのような具体策を持っていらっしゃいますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 私は官僚化の防止というよりは、事業界というのは非常に複雑ですし、ことに業界はその態様もなかなか多種多様でございますので、役所の行政として一つのことをやろうとする場合にはもうほとんど全部がその措置に満足するというようなものは仕事の性質上ほとんどございません。ですから何をしても賛成者があれば反対がある、両方の陳情があり、その実情はひとり業者だけでなくて第三者からもわれわれの耳にしょっちゅう入ってきますし、また要請があるという問題ですから、問題がなければよろしゅうございますが、あまりにこれが不当な行政だというような問題については、結局いろいろな方面から異議や何かが出てきますので、こういう問題については、常に関係者が集まって、どうするのが筋を通すことかということをいつも中心に置いて論議し、そうして、じゃこういう方向でいこうと関係者できめるという場合は、私の方の役所は、ほとんど毎日、国会が済んだあとは夜それに追われているというような状態でございます。私どもは、そういう、これをやられては困るのだ、こういう方向は間違いだという異議を十分に聞いて、それを是正するということに努力すれば、そういうものの弊害がなくなって、みな納得する行政になるのじゃないか、そういう運用で、そういういわゆる独断でやる官僚化という傾向を避けるよりほかには、役所の行政としてはないだろう、そう考えて、そういう方針でただいまやっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あとで誤解を生ずるといけませんから断わっておきますが、通商局に今のような問題があるということを言うておるのではない、こういうことを申し添えておきます。  それで今度はちょっと方向を変えまして、外貨割当の問題についてお尋ねしたいと思いますが、この問題については予算委員会その他でも相当論議をされておりますから、そういう点は避けていきますが、とんとん経済だ、だからたっぷり外貨予算を盛ったのだということでございましたが、きのうきょうの状況を見ますと、そうばかりでもない。ちょっと心配な向きも出てきた。その結果は、何とかしてその手を打たなければならない、輸入を制限すれば物価高を招来する、従って公定歩合の引き上げをやったのだ、いえば金融引き締めをやったのだということになってきたようでございますが、通産大臣として、果してこの公定歩合の引き上げということが妥当であるかないか、特に貿易業界について、輸出入の取引について、関連して、いいか悪いか、もし将来それでも効果を生じなかった場合には、一体どういう手を打ったならば、予定通りのとんとんにいくか——私はそのとんとんにいかずして失敗することを望んでいるのではない。政党的に考えればその方がいいかもしれませんが、私はそれよりもなお日本経済を愛し、日本の業界を愛するがゆえに、そこが困らないような措置を、ころばぬ先につえを与えておく必要があるじゃないか、こう思われればこそ、お尋ねするわけであります。これは簡単でよろしゅうございます。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 政府の輸出目標は、大体毎月当初の目標通りいっておりますので、これは今のところ順調だと思います。そうしますと、輸入の問題ですが、私どもの当初の考え方は、あの経済計画をやっていくための必要輸入量は年間通関ベースで三十八億ドル前後のものが今年度到着すれば、あの経済計画はやっていける、三十八億ドルのものが到着して支払いが三十二億程度で大体おさまりゃせぬか、そうすれば、国際収支はそう悪化しない、こういう見通しでございました。それにはそれだけの物資を輸入させる予算を組まなければなりませんので、これは、輸入は抑制しない、必要なものは入れるという外貨予算を組むことによって、輸入が一年ならして適正に行われるだろう、そうすれば問題はないというのが私どもの考え方で、輸入を制限するという方法は当初から一切考えていませんでした。今でもまだ考えておりません。ですから、もし若干外貨の工合が悪くても、ちょうど今は、過去五、六年の平均から見ましても、三月、四月、五月というのは輸入が一番集中する時期で、季節的な輸入物も多いですから、このときに外貨の状態が悪化するというのは、今までの普通の状態でございますので、その点では私どもあまり心配しておりませんでした。ところが金融事情から見て、投資需要というものがここで非常に旺盛になってきた。これはやはり将来金融がある程度引き締められるだろうという懸念が一般に出てきましたので、逆に輸入もここで急ごうという空気も出ましたし、投資需要も相当出てきた。そういう事態が出てしまった以上は、これを放置することもそう適当じゃないだろう、適当に選別融資をやるという形によって、ある程度投資が適正にされるなら、その適正化民伴なって輸入も調整されるだろう、こういう考え方で、今度やった政策は、まあ一応私どもは仕方がないじゃないかと考えています。直接輸入を制限する、輸入金融を押えるという措置をとりますと、御承知のようにこれは物価高を起しますので、これはやはり同時に見合って輸入を制限するという方向ならやむを得ないと思いますが、やはり今度の金利引き上げというような直接のねらいは、間接にはこの輸入抑制というようなところへ響いては参りますが、非常に一時的に集中化してきた投資の需要というものをある程度調整するという目的から出たのでございますから、これが適正に行われるなら、私はそれによって輸入が若干制限されるという、自然に伴った事態が出ても、物価高を起さぬで済むだろう、こういうふうに考えていまして、今回ああいう事態になってしまった以上は、政府として手を打つ必要があったのではないか、こう理解しています。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 この点については大体意見が一致しておるようでございますが、公定歩合の引き上げのおかげで株価がでんと下った。まあ株価については貿易も関係なしとは言えませんが、私はむしろこのことによって輸入競争が一そうこの際集中して激烈化する、あるいはまたそういう影響によって輸入物資に対する内地の物価高、値上りですな、これを来たさないように、何らか手を打つべきではないか、こう思われるのでございます。そこでこういう問題になりますと問題が大きくて何ですから、もう時間の関係で別な時期に譲ります。  それでは大臣忙しいという話ですから、もう一つ、今度は外貨割当の基本方針について承わります。輸入をさせる場合に外貨を割当するんですが、その基本方針は、第一は、内地にないもの、内地に需要があるけれども生産のできないもの、第二は、生産は行われるけれども需要と生産の、バランス、つまり需要と供給のバランスがとれないもの、第三は、需要と供給のバランスはとれているんだけれども、なお品質その他によって非常に程度が低いから、価格的に、あるいは品質的に向上をさせる、刺激の意味を持って入れるもの、その次には、それも条件外としても、なお国と国との売り買いによって、どうしても買わなければ輸出が伸びないからやむなく外貨割当をして買う、これくらいが大体基本じゃないかと思われまするが、いかがでございますか。まだそのほかにたくさん基本条件がありますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 外貨割当の大体の基本方針としては今のような程度でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 もしそれ以外のものに外貨が割り当てられているということになりますと、これはぜいたくだ、あるいは誤まっておるとか、間違いだとかいう非難を受けることになるわけですが、そういうものがもしかりにあったとしたらあなたは是正するにやぶさかでないですか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 是正するにやぶさかでございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それじゃ是正してもらいたいものを二、三あげてみましょう。第一点は歴代の大臣がもう絶対にそんなものは要りません、もう入れませんというておきながら、パインとシンガーの提携の問題はどうなりましたか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 輸入につきましては、今いわゆる家庭用というものは全然認めておりません。工業用のものが一部入っておるかと思います。それから資本提携の問題は全然今のところは認められていないわけであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そういうふうに言って、今まではお逃げあそばさったのです。ところがメリットという名前のミシンを御存じでしょう。これは何ものでございますか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 あまり詳しい事情を知らないのでありますが、そのシンガーが提携をされようとした日本の会社におきましては、どういうブランドのミシンを売られているかわかりません。しかしこれは何も為替管理法ないし為替の割当というものとは全然関係がない問題でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 これは直接担当官を呼んで下さい。それでないとだめです。というのは、局長も御承知でございましょうが、ミシンにはあなたたちがこの法案で考えていらっしゃるところのいわゆる買い取り機関なるものがすでにできているのです。そして特に輸出組合もできている。ただそれが法律によっているか、よっていないかというだけのことです。現実にはあるのです。それとこれとが関係があるから聞いている。担当官を呼んで下さい。それでないとこれはもう解決できない。  それでは次へ行きます。次は直接局長の範囲内のことをお尋ねいたします。同じような問題で先日バナナの無為替輸入ということを同僚委員が質問しておりました。為替なしで輸入を許すというようなことはこれは考えものですね。特にバナナのごときはもう歴代にわたってくされ縁がついておるのだから、これは通産省にとっては鬼門のはずなんです。これを性こりもなくまたギフトか何か知らぬけれどもやられたということは、これはちょっと考耐えものですね。局長さんこれは将来どうするつもりです。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 無為替の輸入の方針につきましては、先般佐竹先生からの御質問に対してお答えいたしました通りであります。原則としては認めないというわけであります。しかしながら先般佐竹先生の御指摘がありましたバナナの無為替輸入につきましては、慎重に研究しました結果、裏面にそういうドル操作というものもない、中国の大使館から正式に依頼文が通産省にもきておりますし、また外務省に対しまして正式のバーバル・ノートによる依頼もあって、それが外務省からわが方にも回付されておる。またその資金によって設立される学校については文部省において責任をもって監督をするということでもあります。また今バナナは御存じの通り特定物資にもなっておりまして、差益は醵出することになっておりますから、差益も納入するという条件であります。それらの条件を勘案いたしますと、別段これは例外的に認めても差しつかえはなかろうということでそういう判断をいたしたのでございます。先生御指摘の通りにバナナの輸入につきましては、私も長年次長をやっておりましたとき以来非常に困った問題でありまして、身にこたえております。軽々にそういう問題を考えるというつもりは全然ございません。慎重に慎重を期してやっていきたい、こう考えております。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 関連して局長にちょっとお尋ねいたしますが、この無為替輸入のバナナは昨年の割当で、もみにもんであなたの方で割当を決定された業者は、昨年不作で今年はまだ入らない。それにもかかわらず一応昨年の割り当てた業者が荷物を完了した後でなければこの無為替輸入のバナナは入れさせない、こういうことを次長から説明を聞いたわけです。もう許可になった以上はしかたがないからどうするのかといったところが、そういうお答えであった。しかるにその業者のバナナが入らない、割当のバナナが全然入らないうちにこの無為替輸入のバナナは現在入っておる。そういうことを一たん言われていながら、これをまた優先的に入れておる。こういうことは一体どういうことなんですか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 樋詰次長がどういうことを言いましたか知りませんが、またこの無為替と有為替のどっちを先にするかという問題も、私は全然承知をいたしておりません。従ってどちらにも優先をするとかまたあと回しにするとかということでなしに、並立して行われておるというふうに了承しておるわけでございます。その当時決定をいたしますときに、どっちを先とかどっちをあとという議論は全然なかったように私は記憶いたしております。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 しかし順序としたら、あなたの方が外貨割当をされました北海道から九州各地の扱い業者が優先的なんです。無為替輸入は特例の場合なんです。これはしてならぬことをしたのです。これは政治的にやられていることはよく知っているが、そこまでは言いません。まだ業者のバナナが済んでいないのに、業者を圧迫することばかりしている。東印や新興産業という特定の扱い業者がやっておる。それを優先的に入れさすということをどうしてされるのか。今ないから高いのです。だからもうかるのです。どうしてそういうことをするのか。一番あとにやらしたらいい。みんな昨年度の割当が済んで、その荷物が入ったあとにやらしたらいい。それを今入れさすというのはどういうことかということです。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 今もお答え申しましたように優先さした覚えはごうもないのであります。ただ許可した結果、あるいはいろいろあと先の関係が起きていると思いますが、そこまで役所が手を触れていいか悪いかという問題もあろうかと思います。今後もしそういう事態が起りましたら、十分先生の御注意を体しまして研究したいと思います。

佐竹新市日本社会党

○佐竹(新)委員 それなら樋詰次長が私をだましたことになる。そのときこれは業者の割当が済んだあと入れさせますと言われている。私の言うのはそれなんです。そこでこういう特殊なケースのものを、しかもあなた方が一生懸命反対して、そういうことをしてもらっては困るというのを、上からきたからやったのは事実なんです。これを私は事務当局に行って話をした。私はそういうことをやらせまいと思った。そういう無為替輸入なんというものは、ここで何回も石橋通産大臣も無為替輸入は原則としてやらないということを言った。一昨日の委員会においても、ここで局長も言われておる。そういうものを入れさしたのです。一番あとにやらせるということを言っておきながらやらせた。そういうところに問題があるのです。こういうことは今後絶対にやってもらっては困るということだけを言っておいて、それ以上は追及いたしません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 担当局長は参りましたか。——それでは時間の都合上通商局長に対する質問を続けます。  さきの通産大臣は、外貨割当については基本方針を大きく打ち出されまして、設備割当を商社割当にするんだということを盛んに方々でぶって回られました。業界ではこれを期待する向きと反対する向きとがあって、いずれにしてもこれはさきの通産大臣の金看板であった。その人が総理大臣になられ、今度の岸さんはこれを受け、これを行う、これが基本方針になっておるはずで、ございますが、通産省としまして、設備に割り当てられていたものを将来商社に割り当てるというこの基本方針はいつ実行されるのか。もし実行されないとすれば、いつの間に基本方針が変ったのか、その点をお尋ねいたします。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 今のお尋ねは非常にむずかしい問題であります。これも貿易業界、生産業界にかなり利害の食い違う問題であります。取引の常道から言いますと、輸入業者に割当をする、あるいは許可するというのが普通当然なことなのでありますが、必ずしもそれによってその物資を必要とするメーカーのところに果して物が到達するかどうかというふうな懸念もあるわけであります。率直に申しまして、一応業界の勢力のバランスによってきめられておるということで、筋は正しくともなかなかうまくいかない場合も世の中には多いのであります。われわれ通商局におる者としましては、商社割当の方を多く味方をしておるわけではございません。通産省全体といたしましては、漸次必要に応じて措置するというふうに申し上、げていいのではないかと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ただいまの具体的な行き方をしばらくは続ける。基本方針は正しいけれども、すぐには実行に移されないということになりますと、承わりたいことがたくさん出てくるわけであります。そこで外貨の割当方式にはいろいろあるようでございますが、大体は実績によって割り当てられるというのが、基本方針のようでございますが、あなた方では何でございますか、この点は特に通商政策課長も問いていてもらいたいのです。あなたの方はいつの間にAA制のものに実績をつけたり、丸特のものに実績をつけたりという方式をお作りになったのですか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 必ずしもそういう原則にしておるわけじゃございません。原則としてはやはり当該商品の輸入実績なら輸入実績に基いて割当をするというのが原則ですが、またある特定の物質につきましては、それだけを固執しますと利益の上にあぐらをかくというふうな点もありまして、若干新しい風を吹き込むというような必要のある場合におきましては、若干その近間にあるような商品の実績を参酌するというふうなことは——これは例は非常に少いのでありますが、若干ございます。それはあくまでも例外的な措置でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 都合の悪いときは例外措置だと言って逃げれば、あなたの方はそれで事は足りるかもしれませんが、ここで事が足りても、あとで問題をかもしますから私は申し上げるわけでございます。すでに御承知の通り、毛製品の輸入は先ほどの外貨割当の基本方針からいきますと、内地ではでき過ぎるぐらいできておる。文化の最も進んだといわれておりますアメリカヘも、毛製品については世界一だといわれておりますイギリスヘも、売れておるのです。それほど技術も向上しておるわけでございます。しからば一体何がゆえにこのものに外貨を割り当でなければならないかといえば、これは御承知の日英会談からくるところの売りと買いの問題なんです。やむなく入れる。このメーカー部門では泣きの涙でこれを受け入れておるわけです。これ以上入れてもらいたくないというのに年々歳々これがふえていく。しかし問題がスターリング・エリアとの関係における拡大均衡の金看板のもとに行われるということで、メーカー部門としてはやむなくこれに従っているわけなんです。従って、御承知でございましょうが、この毛製品に対する輸入の外貨割当というものは、輸出実績につけられておった。輸出するから輸入を許した。そうしなければ日本側では貿易のバランスがとれないはずなんです。とんとんにはできないはずなんです。しかるに、どういう理由なのか、モヘアの原毛やモヘア・ヤーンに外貨が割当になった。これは一体どういうわけなんです。何がゆえにそういう例外措置をとらなければならないのか私どもはその外貨割当の発生の原因について理解に苦しむものでございます。これを明快に御答弁願いたい。しからずんば、こういうことは通産省のあやまちとしてはっきり引き下げられたい。あなたたちは御存じじゃないのですか、この結果はやがて日英会談に大きな支障を来たしますよ。よろしゅうございますか。牛場さんがかつてやられたところに、日本はイギリスと契約を結んでおきながら、売りの方は実行に移しているが買い方を実行に移していないじゃないか、けしからぬ、こういうことで、あのイギリスの代表にこっぴどくやられたはずなんです。そのおかげで、こちらはあの際にずいぶん後退したはずなんです。それと同じ結果がこのおかげで生ずるということにお気づきでございませんか。  御承知の通り、毛製品の輸入というものは、きょう言ってきょう買えるものじゃございません。今日の契約は来年、再来年の契約をやるのでありますよ。最短距離に見積っても、来年の五月、六月の船積みになるものは、少くとも今日かないしは今日より半年先に契約が結ばれているはずでございます。その契約の金額は何によっているかといえば、割り当てられる金額を予想してやっているわけなんです。ところかモヘア・ヤーンに外貨がついた、つまり別なものに、二百八十万ポンドの約二割になんなんとするものがついたということになりますると——ちょっと聞いておきなさいよ、皆さん、大事なことだから……。これは私は大臣に聞こうと思ったけれども、大臣があえて向こうへ行くというから、あなたたちにしっかり性根に入れてもらいたいのです。今の契約は、今もらってきめるのしゃないのですよ。すでにもらえるここを予想して契約をしている。いつも日英会談の発表がおくれる、これだけでも問題なんです。政府の責任なんです。ところがこれをあなたたちはおくらした上に、なお今度は三分の一を削るということをあえておやりになる。そうなれば今までの契約を破棄する以外に手がない。三分の一契約を破棄したら一体どういうことになります。イギリスのメーカーは、日本の商社信用するに足らず、たださえ信用力が低下している商社が、信用力の点において将来の取引にまで一そう暗影を来たすことにもなりまするし、ここで契約を破棄したということになれば、一体いつの日にそれを買い付けるか。モヘア・ヤーンを輸入している連中は買付業者じゃない。契約通りを行おうとすれば、別に外貨をもらった人に権限の委譲を受けに行かなければならぬ。そうすればあなたたちが禁止しているところのアロケーション売買ということがここに公然行われる矛盾を来たしてくるではないか、そういうことをあえてあなたたちはやっているじゃないか。何がゆえにこういうことをしなければならないか。業界を苦しめ、契約を破棄させ、信用力を失墜させ、なおかつ次にあなたたちが日英会談をやる場合に、この前パーシヴァルから怒られたと同じ結果を招来するじゃないですか。なぜそういうことをしなければならぬか、はっきりと答弁願いたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 このイギリスからの毛製品輸入の割当の問題につきましては、たびたび業界からも意見を聴取しているわけであります。でありますが、日英の通商協定から見ますと、毛製品ということになっておりまして、建前は毛織物でもあるいは毛糸でもいいと、うことに実はなっているのであります。しかしながら実際の常識からいうと、実は大部分が毛織物ということになっているようなわけでありまして、先生御指摘のように、割当がどうあろうと、イギリス側から協定上怒られるとか、協定履行をしなかったとかいうことは、割当がどうころびましょうとも、それは私は問題にならぬだろう、こういうふうに確信をいたしております。ただ今先生が言われましたような、あまり予想せざるモヘア・ヤーンの輸入によりまして、実績の分布が変化する、従って今後新しく、過去の実績に基いてこの程度の毛織物の取扱いができると予想しておったものの見積りが若干狂ってくる、それが商売に影響をするという点は、われわれも率直にそれを認めるわけであります。しかしながら毛製品の輸入割当の基準につきましては、二十九年の暮れに一応発表したものがございまして、それを今日まで踏襲してきているわけで、その当時予想しなかったような事態が今日起って、先生の言われるように昨年の半ばごろからモヘア・ヤーンが相当入ってきた、こういう事態になっているのであります。従いましてわれわれといたしましては、そのモヘア・ヤーンの実績をどう見るか、あるいはこれを全然落してしまうか、こういうことの二つに問題は帰着するのではないかと思いますが、過去においてそう発表してきて、あるいは一部の人がそれを利用したという結果にはなりましたが、今ここで突然それを落しっぱなしにするということはやや信義に反するのではないか、やはり建前としては、今のところはモヘア・ヤーンの輸入実績も考慮せざるを得ないのじゃないか、しかしながらこれをまるまる見るということは、先ほど先生の言われましたように、全毛製品輸入の中でかなりの比重を持っておりますので、それは避けなければいかぬということで、今期の割当につきましては、モヘア・ヤーンの実績の算定の方法をかげんいたしまして、非常に削減をする、従って、今はっきり記憶いたしておりませんが、毛製品輸入の全体の一割以下程度にそういうものがおさまるように、そういたしますならば、過去も大体そういうところでありましたので、あまり今毛織物をやっておられる関係の人たちにも迷惑を及ぼさないのじゃないかというふうに考えております。それから来期につきましても、今期より以上にこの割当率を減らしていこうというふうに考えておるのであります。ではなぜモヘア・ヤーンを今思い切って落してしまわぬかというお尋ねもあろうかと思うのでありますが、これはやや理屈になるのでありますけれども、若干利益を伴っている、こういう商品でございまするので、あまり過去の輸入実績の上にあぐらをかかせるというふうな方式がいいかどうかということも考えなければならぬ。先ほど申しましたように若干痛手をこうむるというような意味もあって、全体の輸入額のうち一割以下くらいにそういうものがとどまるならば、若干そういう業者間の競争といいますか、変動の余地を認めていく方が輸入会社としてはベターじゃないかというふうに考慮をいたしておるのであります。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 これは何も松尾さんを責めているわけじゃない。この方式は松尾さんがアメリカにおられるときにできた基本方針であって、あなたを責めているわけじゃない。また私はモヘア・ヤーンの輸入がいけないと言うているんじゃない。それがマル特であろうと、AA制であろうと何であろうと、そんなことを云々するんじゃない。ただ問題は、毛製品を輸入するという権利は、日本の毛製品の生産状況にかんがみて、ほんとう言ったらもう要らないんだ。ところがそれをあえて買う、買わなければならないから買うんだが、それはどうかと言ったら、売るから買うんだ、売りと買いの関係から来ている、拡大均衡から来ている、日英会談のあの精神から来ている。だからこれを没却するような割当の方式というものは、これは厳に慎しむべきであり、もしそういうことが行われておったら、直ちにあやまちは改むるにやぶさかでないという態度をとられた方が、大人のなされることじゃないか、こう思うわけなんです。だから至急善処されることを私は要望しておきます。  次にミシンですが、ハイソとシンガーの問題はいつのたびも、輸入もさせないんだ、技術も要らないんだ、こういう答弁で、絶対にやらないやらないと言っておきながら、今どうなったんですか。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 シンガー・ミシンとパイン・ミシンの提携問題につきましては、前にも御説明申し上げたと思いますが、外資導入の申請が二、三年前に出ております。しかしこれは今日まで許可されておりません。それからその後機械の輸入の申請が出てきております。これも同様の理由で許可されておりません。ただそこで、シンガー・ミシンはパイン・ミシンに昨年の春からメリット・ミシンというものを作らせまして、それが昨年売り出されたわけであります。これも大した影響なくそのまま過ぎてきております。最近今度はメリット・ミシンに変りまして、また別の図面で、シンガー・ミシンを日本のパイン・ミシンが図面を見て作って売り出す、かような状況になっております。しかしこの状況も結局はパイン・ミシンの製造能力の範囲でやっておりますので、そう甚大な影響を与えているとはわれわれ見ておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 影響を与えるとか与えないとかいうことは問題じゃない。図面を見て作ったと言うのですが、それじゃ技術やパテントを盗んだのですか。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 図面はシンガー・ミシンから提供されております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 シンガー・ミシンから提供されておる。シンガーというのをメリットという名前にしただけの話だ。そうなればシンガーのパテントはどうなっておりますか、これはただでもらっておるのですか。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 去年もメリットにつきましては図面が提供されておるだけでありまして、その間には何も対価とかそういうものは出ておらないように聞いております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 これは奇怪しごくなことを聞くものでございます。それだったらシンガーのパテント問題は起きないはずなんです。それをかりに百歩譲ったといたしましても、日本にそういうものを導入する根拠は一体どこにあるか。先ほどあなたが見えぬ先に、通産大臣は日本へ輸入するところの商品、技術の基本方針を述べられた。私と意見が完全に一致しておる。その輸入し導入しなければならない基本方針の第何番目に当っておるか、それを承わりたい。(「わからないよ」「知っていることを聞け」と呼ぶ者あり)これはちょっと答弁できないんだ、やっぱりね。それほどパイン会社がシンガーの技術を導入する理由というものは薄弱であり、ないのですよ。今日の日本の状態からいけばほとんどないんです。日英会談その他で売りと買いの関係だという理由でもあればまたいいけれども、全然それも考えられない。そうするとこういうものを政府が許した、そのことだけでもすでに国会を侮辱しておる。本委員会において通産大臣、それから予算委員会において川崎秀二君の質問に対して時の総理大臣は、絶対に入れない、こう答弁しておる。だから本委員会のみならず予算委員会、いわゆるこの衆議院を侮辱した態度です。その侮辱に上塗りをしておるのです。とんでもない話だ。あなたこの新聞を御存じでしょう。首を振ったって、あなたは重工業局長なんだ。あなたの傘下の新聞なんです。知らぬはずはないのです。知っておっても知らぬと言わなければならぬところにあなたの苦しさがある。だから私はあなた個人を責めようとはしないが、これは一体どういうことだ。ビルマの賠償の中に、いけねえ、いけねえと言っておるこのメリット、すなわちシンガーが、日本から外国へ賠償に出すそのものに入っておる。しかもあなたがさつき千台とか二千台とか言っておったが、その賠償の数だけで四千五百台じゃないか。これはすでに契約されて発表されておる。知らぬとは言わせない。——答弁ができなければやむを得ません。やむを得ませんが、あなたにもう一つ質問したい。今度はあなたのことですよ。あなたがここで答弁したことはぜひ実行に移してもらいたい。あなたの領域でできることだ。それは、さっき機械工業を通せ通せということだったから私は何も言わぬで黙って通した、あのとき聞こうと思っておったのですが、あの機械工業の振興法の業種指定の中に、去年あれを通すときにあなたは必ず来年は繊維機械、せめてスピンドルくらいは入れますとおっしゃったのに、ことし入っていない。

鈴木義雄通商産業事務官(重工業局長)

○鈴木(義)政府委員 昨年のときはたしか繊維機械の部品の指定について来年は研究したいということを申し上げたと思います。それでわれわれも目下研究いたしております。しかしながら従来の十八業種の資金的のめどがまだ最終的に決定しておりませんので、その決定を待って、さらに資金を確保することができますれば、今御指摘がありましたスピンドル等は取り上げたいということで、われわれ研究を進めております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 慎重審議は私も歓迎するところでございまするが、かつての審議の折に、あなたは入れまするとおっしゃった。うそだと思ったら古証文を調べて下さい。それからその前提条件として、繊維設備の審議会及びこの機械工業の審議会のメンバーの中へ繊維機械の業者をも入れると、こうおっしゃった。そうでしょう。だからそれを一つぜひ慎重審議の上、早急に実現されることを期待して質問を終ります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 帆足計君。

帆足計日本社会党

○帆足委員 私は輸出入組合法の改正案について二、三お尋ねしたいと思うのですが、実はこの法案が参議院から回ってきまして、一通り読んだのですが、私も一応最高学府を曲りなりにも出ておるのですが、私どもの教養をもってしては、この文章を読んで意味がわからないところが非常に多いのです。たしか昭和四年だったかと思いますが、四年か二年ごろ若槻内閣のときに、法律の文章というものは庶民にわかるように書けということで、あの当時ですらそういうような通牒が発せられておるのですが、最近またアメリカの法律は非常にむずかしいのです。あの影響を受けて、いよいよむずかしくなりまして、とてもこれは文章の体をなしていないのです。従ってこういうものが突如として出まして、わずか数日で審議終了しろと言われても、私は無理なことでないかと思うのです。以後こういうことのないようにしていただきたいと思います。まずこういう文章は、普通の教育を終えた者であるならば大体わかるような法文にしてもらいたいと思います。これは敷島のやまと言葉ではありません。言だまのさきおう国に生まれてこういう文章を書くというのは、一体どういうことでしょうか。私はこれが輸出産業なら大いに売れるかもしれぬと思いますけれども、これはただ人を混迷に陥らしむるだけです。  そこで第一にお尋ねしますが、今度の改正案の第七条第一項というのが、最初の改正案のところですけれども、一体どういうふうに変ったのですか。第七条の第一項を読むと、大体言うべきことは尽きておりますし、従来の法案では最後に「国内の関係事業者又は一般消費者の利益を著しく害し、又は害するおそれがある」そういう事態が来たときに、若干の統制はやむを得ない、こういうふうになっておるのですが、これなら私非常によくわかると思うのです。ところが今度の改正案は、何を書いてあるかかいもくわからぬのですから、何と何を改正したいのかということを二つか三つに分けて、われわれ正常な頭脳を持っている人にわかるように御説明願いたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 今御指摘がありましたように、若干第一号はややこしいような表現にはなっておるかと思うのでありますが、言わんとすることをいろいろ盛りましたために、さようなことになったのであります。一言にして申しますと、一番最後の方から見ていただけばいいわけでございますが、「国内取引の条件に比して著しく不利な輸入取引の条件が課せられ、又は課せられるおそれがある」場合に協定ができるということです。ところがその国内取引に比して不利な条件というが、それはどういうことによってそういうことになるのかとか、あるいは国内取引の条件といっても何に比べて不利になるのだ、こういうことを、法律でございますので、はっきり言わなければいけませんので、原因としては、現行法にありますところの船積地の輸出取引が非常に制限されておる、要するに相手国側が独占的な態勢にあるとか、あるいは非常にカルテルが発達しているとかいう相手側のことをまず最初に言っているわけです。「輸入貨物に係る船積地の輸出取引」「における競争が実質的に制限され」ておる、そこへかかっておるわけです。もう一つは、「その船積地からの他の外国の輸入取引、」これはたとえばアメリカからくず鉄を買う場合に、日本ももちろんくず鉄を買っておりますが、イギリスも買っておるという場合に、イギリスが「他の外国」ということになるわけです。要するに、日本の競争国が非常に独占的な買い方をしておる、その場合にこっちも対抗的な措置をとる必要がある。それからその次の過当競争の方はおわかりだろうと思います。そういうふうな原因によりまして、要するに不利な取引条件を課せられている場合、こういうことであります。

帆足計日本社会党

○帆足委員 どうやらクロスワードのなぞが解けたようですが、そういうことなら、そういうふうにお書きになればいいのですね。これは実際冗談ごとじゃなくて、法文がこういうふうになったということは国民を愚弄しておると思う。これでは民主主義もへったくそもあったものじゃないと思う。われわれ程度の教養の者がこうして解説を求めなければわからないような文章で書いたものを国民にしうるということは重大問題だと思うのです。これは与党の諸君も考えていただきたいと思います。  それから私は、ここに相手が一本統制をしているような場合に、こちらも何らかの措置をせねばならぬことが起るでしょう。しかし起らない場合もあるのです。従いまして一般消費者の利益をそのために結局害するとか、何かそういうようなことと結びつかなければ、統制という基本的商業権を拘束する法案を発動するのには、そういう公共福祉の問題がやはりなくては都合が悪いのじゃないかと思うのですが、わざわざ「一般消費者の利益を著しく害し」という言葉を省いたのはどういう理由ですか、これを残して置けばよかったものを。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 この一号からは御指摘のように省かれたわけでありますが、認可の条件のところにそれが入っておるわけであります。現行の第一号でございますと、消費者の利益が非常に害される。ところが貿易業者の団体では、もっぱら何とかしなくちゃいかぬぞ、取引条件が非常に不利だと思っても、消費者の声が明確に反映してこないとできないという非常に窮屈な格好になっておるわけです。従って締結の自由は緩和した。しかしながら認可の条件は、そういういろいろの観点を考慮するように、これは現行法ではっきり書いてあります。消費者のみならず、生産者、事業者もしくは一般消費者というふうにいろいろの認可条件が書いてあります。そこで十分に先生の御心配の点はカバーできる、こういうことであります。

帆足計日本社会党

○帆足委員 それならば、それはやはり日本の国民経済に対して不利な影響を与えるとかいうようなことでも入れればよかったと私は思うのですが、今のようなそういう国民経済に不利である、あるいは日本の国民の消費者の利益を害するという基準を忘れないというのならばいいのですが、ただ先方に何か公団みたいなものが幾つもある、だからこちらもすぐ形式的に統制を発動せねばならぬという論理には私はならぬのじゃないかと思うのです。従って相手が一本であるということ、そしてこちらが乱立状況であるときに、国民経済に不利な影響を与える、並びに消費者に対してまた不利な影響を与えるということと結びつかなければ、ちょっと形式論になるのじゃないかと思うのですが、どうですか。国民経済に不利な影響を与えなくてもやたらに統制してもいいとお考えなのでしょうか、そこを明らかにしていただきたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 結果において同じことになるのじゃないかと思うのであります。ここの第一号の後半をごらん願えばわかりますように、要するに著しく不利な取引条件ということは、もっとも安く買えるものを高く買って外貨を損失しておるということでありまして、国際経済的な観点のみならず、日本の国民経済的な観点から見ても不利なことは明らかなことであります。ただわれわれ現象のとらえ方を輸入業者の取引の段階でとらえるということであります。極端な例をあげてみますと、アメリカから燐鉱石がかりに百ドルで買える。ところがたとえば北ヴェトナムからは七十ドルで買えるという場合を予想した場合でも、七十ドルで買えるということは百ドルで買えるよりはもちろん有利なんでありますが、それをみながいろいろ競争して、七十ドルで買えるものを七十五ドルで買う、八十ドルで買うということもあり得るわけです。そういう場合だって、当然七十ドルで買えるものを競争して高く買うということは、それだけ外貨の損失を来たすわけなんです。従いましてここではそううものを全部カバーするような書き方をいたしたために、表現としては若干ややこしい格好になっていることは事実であります。しかし今先生の御指摘のような国民経済の不利という点は、輸入業者の段階で不利な取引条件ということで全部集約されてくるのじゃないか、こういうふうに考えております。なおそれが若干漏れるような場合には、認可条件で慎重を期する、こういう建前であります。

帆足計日本社会党

○帆足委員 この法案の審議に当って、問題点として参議院でも論議された点、また業界等において研究の結果、いろいろ意見が出た点は大体二つあると思うのです。一つは統制をなすに当って、できるだけ合理的な自然統制を基礎にしていきたい。しかるに輸出組合等の機構を作ると、日本のアジア的性格から官僚統制になりやすいということに対する批判、もう一つは、共産圏の貿易は過渡期の状況にありますから、過渡期の状況に適切な方法でいってもらいたい。大体この二つの点から批判が出ていると思うのです。  そこで私はお尋ねいたしますが、先ほど加藤君も尋ねましたけれども、輸出組合というものは業者の自治機構であろうと私は思っております。自治機構であるからこそ、税金によらずして業者の賦課金でもってまかない、その理事者は総会で選出するようになっていると思うのですが、通産省当局はこういう同業組合を政府の代行機関、自分の下請機関のようにお考えですか。それともこれは業者の自治機関で、わが友であるとお考えなのか、それともわが弟子、わがむすこ、わがサーバントとお考えなのか、その根本の精神をこの際さらに確かめておきたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 業界の自主的な機関である、こういうふうに考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 そうするとわが友とお考えになっておるのであって、わがサーバントとはお考えになっていないわけですね。もう一度それを確かめておきます。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 決してサーバントとは考えておりません。

帆足計日本社会党

○帆足委員 答弁だけは満足です。日本では元来官尊民卑という弊風があることは御承知の通りであります。たとえばロンドンのおまわりさんというものは非常に親しみやすいものです。これは御承知のように十六、七世紀時代の自警団から発生した、火の用心のおじいさんから発生したもんなんです。従って人民の友である。ところが日本では本官、おいこらできているわけです。おまわりさんという名前をきらって、警官とか何とか呼んできた大へんな存在であったことは皆さん御承知ですが、それとの連関においてやはりおいこら的性格は日本の官僚主義に牢固たるものである。同時に一般の人民並びに産業界、経済界の一種の劣等感というものもこれまた牢固たるものであって、われら町人だといっていばりますけれども、素がついておって、素町人根性というものは経済界から抜け切っていないのです。そのほかさらに世界経済が移行いたしますれば、統制を必要とする仕事が多くなりまして、その統制の認可、許可事項というものは業者の死活のかぎを握っておりますから、業者は通産省の廊下を歩くのにもびくびくして、ごきげんを損じないように気をつけなければ、商売がかわいいから、どうしても思うことが言えないというような情勢もあるわけです。人情の常としてそういう状況のもとにおいて行政機関が権力と結びつく、許可、認可権と結びつくことによって一種の新官僚主義が発生する基盤がある。昔の封建的なおいこら官僚主義は、人が相手にしなくなりましたから、だんだん衰えてきましたけれども、やはり統制に結びついた新しい官僚主義というものは社会主義の国にもあって、最後にはスターリン主義批判という大問題にぶつかったわけでありますが、資本主義国においても、自由経済というものの、やむなく統制が行われておるために、やはり官僚主義が発生する。そういう基礎のもとにおける同業組合というものは非常に発言力の弱いものです。私どもは始終聞くんですが、組合の会長、専務理事はそう言っているけれども、業者はそう思っていない。そう思っていないならどういうことを考えておるか、合理的な意見を一つ伺いたいと言うと、いやそれを率直に言うと、通産省ににらまれるから言いにくいというようなことを始終聞くのでございます。これは御承知の通りです。新しい民主主義的な行政としては、やはり同業組合が自治機関であるというその総意と責任をできるだけ尊重する必要があると思うのです。  そこで第二にお尋ねいたしますが、相手が共産圏の場合は、公団、公社と一本で交渉する場合が比較的多い。もちろん中国でも数十の公社、業種別及び地方別のものがありますから、そこで多少の競争もあり、全部一本ということでもありませんけれども、比較的一本で来るわけです。従ってこちらにおいても何らかの意味において調整というものは必要であろう、緩急よろしきを得る必要があろうと考えておりますけれども、それはできるだけ自治統制でいった方がよろしい。特に過渡期でありますから、今最後的決断を与えるような強い統制は私はふさわしくないと思っております。政府当局としては、もし必要なときはこれはフロア・プライスをきめればいい、または取引の条件等についてそれをきめればいいのであって、たとえば一手買い取り会社とか一手販売会社とかいうようなものを作る必要はないし、幸いに相手が共産圏であります場合には、やみで円を積み立てるとか、LCの文面に書いてある以外の取引をひそかにするようなおそれはないんです。この点は共産圏貿易の一つの長所だと思うのです。そういう特色もありますから、共産圏貿易に対しては、日本の国益を増進し、公正な取引が行われるという原則のもとにおいて、なおかつ一般自由圏とは多少異なる方式も必要であろうと思います。従いまして公団とか、一社独占とか、一手買い取り会社とかいうような議論がありますけれども、そういうことは必要でなくて、個々の商社の創意と責任も尊重し、中国との有機的つながりも尊重し、またメーカーとのつながりや業界の自治統制力なども尊重しておやりになって、もう少し様子を見たらどうであろうかと思っておりますが、当局のこれについての御意見を承わりたいと思います。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 今回の改正法案は、今先生の言われたようなことは全然意図していないわけであります。条文をごらん願えばおわかりになりますように、業界から自主的な申し出があった場合にやる、こういうことであって、公団を役所が作るとか、あるいは買い取り機関を作って統制をするとかいうことでなしに、そういう手段をもってしなければ一今の通常の方法をもってしては輸出入水準が確保できぬということを業界がみずから判断して申し出があったときには、役所がそれを補完的に認めていこう、こういう趣旨でありますから、さように御了承いただきたいと思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 それではその次にお尋ねいたしますが、この法案の二十九条に政府の行政権限の一部を、あるいは事務の一部を同業組合に譲る、そのかわりとして原案では役員の解任権を持つということがあります。一体政府の権限と同業組合の職務との間の原則的な相違というものは、これはよく考えておかねばならぬことではあるまいか。戦時中国家総動員というような立場のもとにおいては、私ども権限委譲ということを論議したことがございました。しかしあれは戦争時代の国家総動員体系の動員方式として論ぜられたのでありまして、現在の経済秩序において、漫然と政府の権限を同業組合に委譲して——委譲というよりも政府の権力の延長ということになる。それによって同業組合が政府の外郭下請機関になる。それによって任免権を握られる。こういう体系の考え方は、私は戦時総動員法の考え方ではあるまいかという危惧の念を持つわけでございます。この問題については、将来の、保守党の諸君の立場からいえば資本主義の修正、私どもの立場からいえば合理的な経済の計画化という観点のもとに、もう少し理論的に検討をしておく必要があるのじゃないか、知らない間に総動員形態にすべり込む、知らない間にファシズムの経済的、社会的基盤を培養するようなことになるおそれがありはしないかということを私は心配するのでございます。従いまして、仕事の一部を同業組合に譲るということ、これは理論的にどういうふうにお考えであるか、また実際問題としてはどういうことを譲るのであるか。原則としては、政府がなすべきことは政府がやればいいのであって、そして役所を民主化して、必要な税金はお取りになって、必要でない支出を節約すればいいのであって、政府の権限を漫然と民間に延長するような形は好ましくない。しかしまた同時に、他面考えますと、民間の自治機構がある程度まで自治的に仕事をしようとする、それを助けるのだという解釈も成り立とうと思います。従いまして、先ほど申し上げましたように、この法案は小さなささたる法案のように見えますけれども、本質的には検討すべきいろいろな問題を包含しておりますので、これはもっと慎重に討議することがほんとうであるまいか、私は個人の良心においてはそういうふうに実は考えておるものでございます。今の仕事の一部を同業組合に譲るという問題について、一つ行政当局の考え方をまず承わりたいと思います。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 今回の改正法によります、事務の一部を関係の組合に委譲すると申しまするのは、何も今貿易に関連しますいわゆる行政管理権を委譲するというアイデアでは全然ないわけであります。よくごらん願えばおわかりでありましょうが、まず組合の内部でそういう自主的な調整の必要を認めまして、組合員を拘束するような規定ができるわけでございます。それはもちろん総会の特別決議でありますので、特別決議によって組合員がみずからこういう調整をやろうじゃないか、てんでんばらばらにやるよりはこの方がよかろうということで、組合でそういうふうな決定をした。しかしながらアウトサイダーがおるので、なかなかその効果が十分上らないというときに、組合から一つアウトサイダーの調整をやってくれということを通産省に申し出てくるわけであります。そこでいろいろ慎重審議の結果、役所がアウトサイダーを規制する命令を出す必要があると判断いたしました場合に——従来でありますと役所みずからがアウトサイダーに対して輸出承認をするという体系なんでありますが、そこまで業界の大多数がそういうことの必要を認め、役所でもまた役所みずからの手によってアウトサイダーを統制した方がよかろうという判断に立った場合に、役所のいたします事務の一部をその組合にやらせようということであります。何も全然関係のない輸出許可権あるいは輸入許可権を組合に与えるということではない。組合からそういう申し出があり、業界もそういう態勢になったときに初めて役所がそういう行政事務の一部を委任をしようというわけであります。その必要があったならば政府で直接やればいいじゃないかという議論も成り立つと思います。現行法では大体そういうことになっておるのでありますが、現行法におきましても関係書類をその組合を経由させるという制度は、すでに認められておるのであります。それを一歩進めまして、もうそこまで行っておるならば、組合に役所の事務を一部委任した方がかえって能率的な事務の処理もできましょうし、まあもちはもち屋にまかした方がいいというふうな点も考えられる、業界の自主的な監視機能というようなもので処理していただいた方が、役所が直接やるよりはよかろうということであります。従いまして、そういうふうな環境下においてその関係の事務の一部を委譲するだけであって、何もここで業界にそういう機運が醸成しないときに事務を委譲するものではごうもございません。

帆足計日本社会党

○帆足委員 時間も移りましたので簡単にお尋ねしますが、この問題と結びつけて組合役員の解任権を持つということに最初の原案がなっておりましたので、一そうこういうような疑惑を受けることになったものと思いますが、そうすると具体的に組合に委譲する事務の一部というものは、わかりやすく言えば大体どういう項目についてですか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 書類の受付、交付のほか、実質的な書類の審査がその大部分であると思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 先ほど私がお尋ねした原則的問題について御答弁にあずからなかったのですが、行政当局としては、新憲法下の公務員として、新憲法の条章を尊重し、これを擁護する義務があるというふうに憲法に書いてありますが、そういう精神からいえば、フアシズムの態勢がくることには賛成できなかるべき性質のものだと思いますが、ファシズムに趣味をお持ちになっておるかどうか、ちょっと伺っておきたいと思います。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局長)

○松尾(泰)政府委員 あまり研究はいたしておりませんが、ファシズムそのものにつきましても研究をさしていただきたいと思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 新憲法を尊重しておるとするならば、上は大臣から下は役所の末端に至るまで新憲法の民主主義すなわち、天は人の上に人を作らずで、国民を大事にする、そしてその意見と創意を尊重するという精神において貫かるべきものであって、ファシズムに対してどう思うかと言われたならば、ファシズムには絶対反対です、その基盤を養うような経済形態に対しては常に警戒の目をもってわれわれは対処しようとする心がまえでございますと、こう答弁あってこそ、私は優秀なる官吏といえるのじゃないかと思いますが、これから研究するというのではちょっと勉強不足なように思います。そこでただいま伺いましたことによって、御答弁の御趣旨は私が要望したことに反対でないようなふうの御答弁でございました。しかし実際はなかなかそうは行ってないということが多いのであります。おそらく本日のこの質疑応答を通じて附帯決議がなされると思います。特に共産圏の貿易については現在過渡期の状況でありますから、今度の改正法案によるところの統制等は漸次適用を見合せるという附帯決議がなされることと予想されます。ところが、議員諸君の中にも声があり、業界からも声があるのですが、附帯決議などというものはしてみたところで、従来の神権的、十八世紀的伝統を持っておる日本の官僚機構のもとでは、附帯決議などは弊履のごとく無視する醇風美俗を持っておるということで、みながそういった附帯決議なんか君、何にもならぬじゃないか、こう言うのです。私は同僚議員から驚くへきことを聞いたものだと思っている。いやしくも国会が院議をもって附帯決議をしましたときは、その趣旨と精神とは最も高く尊重さるべきものであって、いやしくもこれに抵触するようなことはないように努めることが行政機関の最高の任務であり責任であると思うのです。しかるに従来自他ともに、附帯決議などというものは軽視されるということが一般的の風評として言われることはまことに嘆かわしい次第であると思いますが、通産省当局は多少工業とか、科学技術とかいう近代的な風にも当っておるわけでありますから、そういう趣旨において、この共産圏貿易に対しては、私どもこの過渡期の性格から見て慎重を期して、本改正法案の調整の仕事を早急にこれに適用することはしないという附帯決議が行われたとすれば、そういう趣旨に対して厳重に守る御意思があるかどうか、それとも議員の附帯決議などというものはまあどうでもいいことだというふうに拡大解釈をなさっておられるかどうか、一つ伺っておきたいと思います。これは大臣に御質問すべきことですから、やはり次官から一つ大臣にかわって責任ある答弁をしていただいた方がよかろうと思いますから長谷川次官から。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○長谷川政府委員 附帯決議をどう考えるかという御趣旨でございますが、附帯決議というものは、法案の中に当家盛らなければならない、しかし今当面した問題では盛り切れない、時間的にその余裕がない、こういう点から附帯決議というものがつけられているので、さらに法案ばかりでなく行政の面において行う面もありますので、それをかく行えという指示でございますので、帆足さんは最高に取り扱うのが当然だと申されますが、私も最高に尊重すべきものだと、かく信じております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 ただいま次官からまことに良識豊かな御答弁にあずかりまして、私はそれを信用いたしますから、この趣旨のもとに行政当局は今後ともおやりになることを要望する次第です。  最後に、先ほど権限委譲の問題に触れましたが、輸出組合にしろ同業組合にしろ、これは同業組合というものはいろいろの業者が集まってできておりますから、運営上困難もありますけれども、やはり業界の自治統制の機関として尊重してもらいたい。そうしてそこから発するところの意見は、よき友の意見として、よきオブザーバーの意見として尊重してもらって、いやしくもこれを自分の下請機関かサーバントのように考えて、便利であるから権限を延長して、おれの仕事の一部をさせる、させるかわりに役員の任免権を持つというような、十八世紀的観念で行政をすることは、この際やめていただきたい。諸君のサーバントではないのだ。中小企業や業者たちは、生きるためには諸君に卑屈な態度もとるであろう。しかしそれが生産している場所、経営している場所というものは、国民を養っている場所であって、私どものように口舌の徒や、鉛筆や手続で食べてしる者でなくて、裸身になって生きている人たちの世界に対しては、通産省当局もわれわれ議員も謙虚でなければならぬと思うのです。その人たちが利害という世界に生きるために、その悲しさのために、時に卑属な態度をとり、時にはまた法規すれすれの態度をとるにいたしましても、生きる者の真剣な生活態度に対しては誠実で謙虚に私は対処すべきであろうと思うのです。もしそうでなければ今後経済統制の仕事がふえるにつれて、いつしか新官僚主義が発生し、その新官僚主義は、憲法の趣旨に反するところのファシズムを培養するような結果になることを心配する次第でございます。こういうことについての心がまえというものは、一つの民族の歴史と教養にかかっている問題でありますから、個々の官吏諸君の御努力だけではどうにもならぬ問題であるかもしれませんけれども、少くとも通産行政に対して批判しまたは指導監督する責任のあるこの商工委員会の席においては、私どもがかかる発言をし、相ともに戒めて日本の経済行政を明瞭にして合理的なものにすることが私は必要であろうと思うので発言した次第でございます。今日までこの法案をめぐるいろいろの論議は、私がただいま申し上げました二、三の点にかかっている問題でございますから、今後ともその運用に当っては憲法の趣旨を尊重してあやまちなからんことをさらに要望いたしまして、質問にかえる次第でございます。  それから、せっかく外務省当局がお見えになっておりますので、一つだけお尋ねしますが、チンコムの解除の審議が今パリで進んでいると思いますが、これは経済局長なり外務大臣にお尋ねせねばならぬ問題でありますから、詳しく触れることを避けますが、ただ事務的手続が今どう進んでいるか、私ども新聞でその一端を知っているだけでございます。私どもは中国に第四次貿易使節団として与党、野党が超党派的に協力し合って北京に参ることに大体予定されておるのでございます。その日程等の関係もありまして、現在のチンコムの審議がどの程度進んでいるかということだけを、事務的にこの席でお聞かせ願えれば幸いでございます。

吉田健三外務事務官(経済局第二課長)

○吉田説明員 御答弁いたします。御存じのように、今月の七日からパリにありますチンコムでフランス案及び米国案が提案されておりまして、これを中心にして各国の意見をしばしば交換しながら最も合理的な線を見出すように継続審議が続けられております。もちろん十五カ国の関係国の間でいろいろ率直にそれぞれの希望するところが発言されておりますし、また日本は日本の立場から従来ともやっております合理的な緩和の線を強く打ち出しているわけでありますが、それぞれ利害関係の違います国及び世界情勢との関連において、現段階において最も合理的な線が早く出ることを期待するものでありますが、まだ相当時間はかかるのではないかというふうに考えております。もちろんある問題点がだんだん煮詰まっていきまして、急転直下する場合もあるいはあるかもしれないと思いますが、現状から判断いたしますと、まだ若干の日時が必要というふうに見ております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 この問題につきましては、チンコムの撤廃、ココムの緩和につきましては、国会の決議も先年なされたことでありますから、国会の院議による決議の背景があることを一つ御了承下さって、一段と御努力をお願いいたします。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 これにて質疑は終局いたしました。  引き続き討論に入るわけでありますが、別に討論もないようでありますので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、輸出入取引法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  この際松平忠久君外一名より本案に対し自由民主党及び日本社会党両派共同提案にかかる附帯決議を付したいとの提案がなされております。松平忠久君に発言を許します。松平忠久君。

松平忠久日本社会党

○松平委員 ただいま議題になりました輸出入取引法の一部を改正する法律案に対しまして、両派共同の提案の附帯決議案について御説明申し上げたいと存じます。  まずその案文を朗読いたします。   輸出入取引法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   日中貿易は、ようやくその緒についた段階であり、暫らくその自由な発展を図る必要があるので、本改正法に基ずく貿易調整の事業は(指定機関を含む)当分の間、これを行わないものとすること。  以上であります。  この附帯決議案の説明は、先ほど加藤委員並びに帆足委員から質疑がありました際に相当深くこれに触れておるのであります。すなわち、日中間の貿易は昨年度約一億五千万ドル程度に上りましたが、ただいまの御答弁にもありましたように、チンコムの解除等も予想されるし、また第二次五カ年計画を実施するという場合におきましては、現在のソビエトにおける国内情勢というものから判断いたしましても、相当程度わが国との間の貿易を拡大して、そうしてこれによって五カ年計画というものを遂行しなければならぬという国内情勢にあることは、過般来わが党から派遣された使節団によりましてもその報告がもたらされてきておるのであります。すなわち、一億五千万ドルよりももっと大幅に拡大する傾向があり、またさせなければならぬ、こういうふうにわれわれは考えておるのであります。政府の本年度二十八億ドルの予定にいたしましても、輸出が非常にふえて、三十二億ドルでは抑え切れない、どうしても三十五、六億ドルくらい本年度は輸入がふえるという見込みを現在の政府も心配をしておられる、こういう状態からいたしましても、二十八億ドルでは間に合わないのであって、結局日本としては三十億ドルないし三十一億ドル程度の輸出の伸びを今年度はどうしてもかちとらなければならぬという国家的要請にあるのであります。従ってその多くの部分は、私は日中の貿易を拡大するという方向にいかなければならぬ、しかるに、現状におきましては、なお輸出入組合ができました早々でありまして、今日調整事業をやっておりません。なおこれに関連して続々といわゆるアウトサイダーというようなものも新たに日中の貿易の中に加わるという傾向にあるのであります。ことに建設資材等におきましてチンコムの制限が解けるということになりますならば、おそらくはこれは今まで対米関係で遠慮をしておった業者、これらのものも相当多数日中の貿易の戦列に加わるのではないか、こういうふうに思うのであります。従ってしばらくの間はこれは自由な発展をはかる必要があって、この貿易を拡大する必要がある、こういうふうに思うのであります。従って、この貿易の発展がわれわれが予想しておるような額に上るまでの間は調整事業は事実不必要であるし、またやってはいけない、こういうふうに考えておるのであります。従って、この趣旨にあるがごとく、貿易調整事業は指定機関をこしらえるということを含めまして、この貿易調整の事業というものはそれまでの間はむしろ自由な発展にまかしておく、こういうことが国策上必要であるということからこの附帯決議案を提案いたした次第であります。どうぞ一つ満場の諸君の御賛成をお願いしたいと存じます。(拍手)

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 採決いたします。松平忠久君の御提案の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際、長谷川通商産業政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○長谷川政府委員 ただいまの御決議に対しましてごあいさつを申し上げます。  本法案は、御承知のように、民間に自主的に調整をさせて、そうしてより以上に貿易の効果を上げたいというのが精神でございまして、従って、ただいまの御決議に対しましては、最も高く尊重をいたしまして、皆さんの意に沿うようにしたいと考えております。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 なお、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。理事会の申し合せにより内閣提出にかかる小売商業特別措置法案、水谷長三郎君外二十三名提出にかかる中小企業の産業分野の確保に関する法律案、同じく商業調整法案、水谷長三郎君外十三名提供にかかる中小企業に対する官公需の確保に関する法律案、同じく下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、同じく百貨店法の一部を改正する法律案、以上の各法律案につきましては、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際、小笠公器君より発言を求められておりますのでこれを許します。小笠公韶君。

小笠公韶自由民主党

○小笠委員 ただいま継続審査に決定となりました諸法案、特に小売商業特別措置法案、商業調整法案、産業分野の確保に関する法律案等商業部門に関する諸法案は、現下の中小企業の現状にかんがみまするときもっとも重要なる案件でありますが、審議日数の関係上十分なる審査をなすことを得なかったことはまことに遺憾の至りであります。よって、これら商業問題の対策につきましては、本委員会は閉会中においても、中小企業に関する小委員会を中心として、現下の商業、特に小売業の実態の把握、問題点の解決策等につきまして真剣なる審査を進められんことを特に望むものであります。なお、政府においても本問題の緊要性にかんがみまして、行政面において解決可能なる諸問題につきましては積極果敢なる施策を講ぜられんことを切に期待するものであります。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○長谷川政府委員 ただいま継続審議になりました小売商業特別措置法案並びに小売商業関係の一連の法案につきまして御意見がございましたが、政府といたしましては、御趣旨全く同感でございまして、小売商問題の現実にかんがみて、御意見の趣旨に対し、行政面におきましても解決可能な諸問題につきましては、積極的な施策を講じまして、極力問題の解決を促進して参りたいと存じております。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 これにて今国会における商工委員会の予定された議事はすべて終了いたしました。  この機会に委員長より一言ごあいさつ申し上げます。今第二十六回国会は相当長期にわたる国会でありましたが、委員会開会数は連合審査会を加えますと実に四十四回を数えたのであります。その間審査の状況を振り返ってみますと、付託せられた案件、すなわち内閣提出法律案十六件、議員提出法律案十件、内閣提出承認案件一件、計二十七件のうち、十九件の案件は諸君の絶大なる御協力によりまして、すべて議了いたしたのであります。このうちには中小企業団体法案を初め、多くの重要案件が含まれておりましたが、その他の幾多の緊急国策につきましても、きわめて熱心、活発なる論議を尽されました。しかも和気あいあいたるうちにその使命を遺憾なく達成し得ましたことはまことに御同慶の至りであります。ことに中小企業団体法案につきましては、連日連夜自民党、社会党両党の間においてひざを交えて論議を尽され、ついに両党の手によって共同修正案が作成されましたことは、二大政党下における話し合いによる国会運営という正しいあり方を示したものでありまして、委員長といたしましても感激にたえないところであります。ここに委員諸君の御労苦に対し深甚なる感謝の意を表するとともに、議事にふなれな委員長によく御協力を賜わりましたことをこの席から重ねて厚く御礼を申し上げます。どうも大へんありがとうございました。(拍手)   この際休憩いたします。     午後一時十三分休憩      ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕

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