商工委員会 第40号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/05/15
会議録
○小平(久)委員長代理 これより会議を開きます。 本日は福田委員長が所用のため出席できませんので、委員長の指名により私が委員長の職務を行うことにいたします。 機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案及び電子工業振興臨時措置法案の両案を便宜一括して議題とし、審査を進めます。質疑に入ります。通告がありますので、順次これを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 機械工業振興臨時措置法の一部改正法案と、それから電子工業振興臨時措置法案について若干の御質問をいたしたいと思いますが、先に機械工業振興臨時措置法の改正法案について御質問いたしたいと思います。 まずこの法律は昨年国会を通ったわけでございますが、その後の実施状況についてお伺いいたしたいと思います。当時、たしか十八種目を指定する、そういうことであったと思いますが、実施後の状況を見ますと、うち十五種目が計画が実施せられて、あと三種目はまだ手がつけられていないというような状況のようですが、この手をつけていられない三種目はどういうわけでおくれたのか、それから十八種目のうちで順次取り上げられたようですが、どういう観点に立って十八のうちで早くなったのとおそくなったのがあるのか、そういったような実施の状況について若干の御説明を願いたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 御質問の機械工業振興臨時措置法の施行状況でございますが、昨年の六月十五日に法律が施行されましてから機械工業審議会は四回、それから部会は延べて五十八回招集されまして、この間御指摘のように十八業種の指定はいたしましたが、そのうち十五業種だけの合理化基本計画を策定したわけでございます。残っております軸受け、ネジ、電動工具等につきましては、実は今いろいろ計画をやっておりますが、最終的の結論は若干おくれているということで、最終的の結論を見ておりません。これについては近く機械工業審議会を開いて結論が出ることになっております。かような状況になっております。 それから開銀の融資等の推薦でございますが、これにつきましては今日まで八業種、二十六億円の金額を日本開発銀行に推薦しております。そのうち今日現在でおそらく四億円をこえる融資承諾額がすでにあったようにわれわれ聞いております。かような状況で、通産省としましては全力をあげて急いでやっておるわけでございますが、何分施行の時期、それから指定をいたしまして、やはり合理化基本計画を作りますには部会において十分業界の方に入っていただきましてやって参るのでございますので、そう簡単に作るわけにはいきませず、実は慎重に検討した結果さようなことになりましたわけでございますが、通産省としましては全力をあげて、できるだけスピードをあげてやるように努力して参ったわけであります。
○田中(武)委員 通産省としてはできるだけ早くできるように努力した、こういうお話なんですが、十八種目のうち十五種目の実施計画ができ上って、うち八種目は融資ができておる。そうすると融資のできていない分については大体いつごろ具体的な融資ができるようになるのか、そういう見通しはいかがですか。
○鈴木(義)政府委員 これも相当進んでおりまして、現在近くわれわれ内部で相談もし結論を出すことになっておりますから、そう遠くない時期においてわれわれは推薦をいたしたい、かように考えております。
○田中(武)委員 たとえばこの十八種目の中で、電気通信関係を見ました場合に、抵抗器とコンデンサーが指定になっておる。実施計画からいえば、両方とも本年の二月十九日に決定しておる。ところがコンデンサーの方は現実に融資がもうすでに済んでおる。しかし抵抗器の方はまだというふうに聞いておりますが、その間の事情はどういうことになっておりますか。
○鈴木(義)政府委員 コンデンサーの方は実施計画は済んでおりますが、推薦は今検討中でございまして、近く推薦をすることになっておりますが、まだ推薦をいたしておりません。先ほど申し上げましたように近々推薦するように今計画が進行している、かようなことでございます。それから抵抗の方は、近くこれも審議会を開きまして計画をきめることになっております。それと同時に並行いたしまして、企業の申請を待ちまして至急選んで、できるだけ早い機会に推薦するような手はずになっております。
○田中(武)委員 コンデンサーの方も、推薦までは決定しておるが、現実の融資はまだやっていない、こういうことなのですか。
○鈴木(義)政府委員 まだ推薦はしておりません。実は今週くらいに相談しようということになっておりますが、まだちょっと時期があれですから、来週、再来週くらいになるかと思います。なるべく早くきめて推薦することになっております。
○田中(武)委員 私の聞いているところでは、コンデンサーと抵抗器の間にこの法律の実施、すなわち具体的な融資の問題に関して何かギャップができておる、コンデンサーの方は先に進んでおるが、抵抗器の方はおくれている、こういうように聞いているが、そういう事実はないのですか。
○鈴木(義)政府委員 それはコンデンサーの方は計画がきまっておりますから、従いましてその点は一歩先に出ております。抵抗器の方は、計画が近く審議会に諮って最終に本ぎまりになるわけでございまして、その点で計画のでき方が、コソデンサーの方が先に進んでいる。従いまして企業から出ます申し込み等も早目に出ておりますから、現在コンデンサーの方については開発銀行に推薦する案が近くできる段取りになっているわけでございます。抵抗の方は計画をできるだけ早く、今月中にもきめまして、それによって企業の申請を待って推薦をする。多少計画ができているという間で、一歩先にコンデンサーの方は進んでいるわけでございますが、できるだけわれわれもなるべく抵抗器の方もおくれないように、早くやりたいということで努力いたしておるわけでございます。
○田中(武)委員 後ほど電子工業に関連いたしまして具体的な質問をいたしたいと思っておりますが、抵抗器の関係におきまして、外国の技術と提携の問題等があって、そういうような関係から本法施行に当ってコンデンサーよりか抵抗器の方がおくれているのだ、こういうような巷間うわさ等もあるのですが、そういうような事実はございませんか。
○鈴木(義)政府委員 そのような事実でございませんで、むしろ抵抗器につきましては、将来の目標をどういうふうにしてきめるかということで相当議論があったわけでございます。さようなことから若干おくれておりますが、できるだけこれを取り戻すようにわれわれとしては努力いたしたい、かように考えております。
○田中(武)委員 それでは大体いつごろになれば決定する見込みなのですか。
○鈴木(義)政府委員 抵抗器の方は今月の終りないし六月の初めに計画をきめまして、至急それに基いて申請を受け付けまして推薦をするような段取りに持っていきたい、かように考えております。
○田中(武)委員 抵抗器の問題につきましては後ほど電子工業の場合に具体的にお伺いすることにして、次へ進みたいと思うのです。この十八種目のうち十五種目が計画がきまって、具体的に八種目の融資が決定した、その金額は二十六億円だ、こういうようなことなのですが、大体融資の決定を見たところを大まかに、いわゆる大企業と中小企業と比較してどういうような振り合いになっておるか。と申しますのは、この法律の本来の目的が機械工業の現状を改善してそして輸出競争力を培養するために、まず機械工業のうち基礎部門あるいは部品部門の合理化を促進するのだ、こういうことが目的であったと思うのです。従ってこの法律の適用を受けるのは大体において中小企業だというようにわれわれは理解しておったのですが、実際の実施に当ってはどういうような状況になっておるか。大体中小企業と申してもいろいろありますが、いわゆる普通の観念の三百名を境に上下に見た場合に、どういうふうなことになっておるか、その点をお伺いいたします。
○鈴木(義)政府委員 御指摘の通り本法の目的は基礎部門とか、部品部門を大いに育成するわけでございますが、主として中規模あるいは小規模の企業でこれに寄与するようなものを大いに伸ばしたい、かようなわけで立案したわけであります。従いまして開発銀行の融資につきましては、中小企業を中心に考えておるわけであります。しかしながら一つの、何といいますか業種を、将来日本の競争力を備えるためにやる場合において、その中に大規模企業がありまして、やはりそれにも依存しなければならぬという場合になりますと、大規模につきましても計画の中で考えるわけでありますから、本来、この法案の通るときにもたしか説明いたしたと存じますが、融資については中小企業に重点を置いてやる、従いまして大企業を取り込む場合でも、大企業にはその実力によって、融資を全然——計画としては取り上げるけれども融資は見ないから、見た場合でも非常にしぼって融資を見ていく、こういう建前になっております。従ってわれわれの考え方は、全体の資金のうち中小企業の部門で占められるものは少くとも八割とか八割五分ぐらいになるように、ごく大企業に行く部分は全体の額を少くする、それから大企業でどうしても大いにこれを育成するために必要なものは、資金の額も大企業それ自身として、ほかのものよりもしぼって負担力より見て少くしていく、こういうようなことに考えております。
○田中(武)委員 具体的に言って二十六億円を分けて、いわゆる大企業の方に幾らほど行ってそれが何社、それから小企業といわれる方に幾ら行ってそれが何社、そういうふうなことはわかりませんか。
○鈴木(義)政府委員 実は二十六億円の推薦した企業は八十企業でございまして、今大中小の企業別にここに数字を持っておりませんが、先ほど申し上げます通り、大体その二十六億のワクの八割程度は中小企業に向けておるというふうに——中小企業と申しますとわれわれとしては資本金で一億円以下、かように見ておりますが、それに振り向けられることになっております。
○田中(武)委員 実はこの法律による融資を受けるために、大企業がこの指定の種目を作っておる工場だけを独立させて、そうしていわゆる一億円以下の会社にして、この法律の適用を受けるような内部的な改組といいますか、そういうような動きをしておるというようなことも聞いておりますが、そういう事実についてはいかがでしょう。
○鈴木(義)政府委員 お話の点はちょっと誤解をされておりますが、さような事実がございます。それにつきましては、実は分けた方が会社としてはそういうふうなものをもらいいいのじゃないかという感じも一時あったのかと思いますが、われわれとしましてはよくその点を説明いたしまして、とにかく本来の目的は中小企業にやる資金である、従って大企業にやる場合は非常にしぼられるのだということをよく話をしておるわけです。大企業がかりにその同じ会社が一〇〇%資本金を持って別に会社を作っても、その扱いは、わざわざ別に作られただけのものであるから、それによって中小企業としての扱いを受けることにはならない、やはり大企業並みにわれわれは見ておる。しかしながら考え方としては、本来その事業が相当大事なものであればこの法律で取り上げていく、ただその取り上げ方は、大企業として非常にしぼって見ていくという考え方をとるというふうに説明いたしましたので、その点はその後わかったのじゃないかとわれわれ考えております。
○田中(武)委員 それではもう率直に具体的な事例を申し上げましょう。実は先日のメーデーに私、明石へ帰った。そのメーデーに対しまして神戸製鋼所の組合から、名古屋工場分離反対ということについての緊急提案があったわけなんであります。同工場の労働組合は、名古屋工場分離につきストライキ権を確立して反対するという態勢を整えておるわけです。そこで私は具体的に組合幹部に事情を伺いましたところ、名古屋工場がたまたまこの法律の指定種目であるダイカストをやっておる、従って御承知のように神戸製鋼という大資本であればこういう法律の適用を受けるのもどうか、そこで名古屋工場だけを分離し、一億円をもって別会社を作る、そうしてこれによる融資を受けるんだ、こういうことで名古屋工場を分離する、こういうことのようなんです。組合は名古屋工場分離に対して反対でありまして、会社側に事情を聞いたところ、はっきりと、機械工業振興臨時措置法による融資三千万円を受けるために工場を分離するのだと言っている。少くとも神戸製鋼といったような大企業が、わずか三千万円の融資を受けるためにそれほどのこともなかろうと思うのですが、現実においてそういうことをやっているために、同企業内においてはかって見ないような大規模な闘争を今組みつつあるという現状ですが、こういう事情について局長はお聞きになっておるか、あるいはそれが事実そういうものであるならば、重工業部門を担当しておられる責任者としてどのように処理しようと考えておられるか、お伺いいたします。
○鈴木(義)政府委員 その問題につきましては、実は組合の方も一度役所にお見えになりまして状況をお話しになりましたし、また会社側からも聞いておりますが、振興法の取扱いの問題だけに限りますれば、この事業が非常に大事であるという観点から、資金をつけるかつけないかという問題は一つあるわけでございまして、それにつきましては、神戸製鋼自体といたしましても、われわれとして計画に取り入れていくということを考えました場合は、さっき申しました通り大企業でございますから、資金面で非常にしぼられるということは考えられるわけでございますが、大事であると認めた場合は取り上げ得るのであります。ただその場合、それじゃ別会社にするのがいいか、そのままでいいかという問題がございますが、これは会社側の見解がどうであるかということでございまして、それを別にしたからといって、直接機械工業振興法それ自体の運用で大企業が中小企業になってうんと金の額がふえるとか、そういうふうなことにはならないのじゃないかと考えて、その間の話を会社側にもいたしましたし、組合の方にもいたしました。ですから、現在はその問題は、その後の経過は存じておりませんけれども、早急に分離するというふうな問題でなくなったようにも聞いております。この点は最終的には私聞いておりませんが、さような状況になっております。
○田中(武)委員 機械工業の近代化促進のためによかれと思って作った法律が、うまくその適用を受けて融資を受けるために、企業部内において紛争をかもすような結果を招くなら、これはけしからぬことだと思うのです。こういう問題につきまして、名古屋工場を独立させることについては、おそらくほかに理由があるのだろうとは思うのですが、従業員に対する会社の説明は、ただこの法律の適用を受けるためにこうやるのだ、こういうことのようなんです。そうするとこの法律が、労働争議といいますか、労使の紛争をかもしたということになる。そういうことじゃ大へん困ったことだと思うので、そういうことであれば、一つの責任はこの法律を起案したところの鈴木局長にあるのじゃないかと思いますので、この問題に対してはよく事情を調べて、そういうことだけがそういう分離の原因であり、労働争議を起す——ストライキをやると言っているのですよ。そういうことにあるとするならば、重工業局長は別に労働省関係なり労働委員関係じゃないけれども、そういう問題が起らないように、重工業を守っていくという上から御配慮を願いたいと思うのですが、どうでしょう。
○鈴木(義)政府委員 御趣旨の点はよくわかりましたから、われわれとしましても十分事情を調べまして、この法律のためにそういう問題が起らないように善処いたしたいと思います。
○田中(武)委員 そこで、もしそういうことで労働争議が起るとか労使の間に紛争があるということなら、いずれにしろこういうものの適用はしばらく見合すのだ、こういうことで、ともかく労使うまく話し合ってこなければならぬ。この法律を適用することによって内部が紛争するとか、あるいはたとい三日でもストライキをするということなら、こちらも困る。こういうことで、まずそれをうまくおさめた上に立ってでなければ考えられない、こういうふうに出ていただきたいと思いますが、局長はどのようにお考えでしょうか。
○鈴木(義)政府委員 まだよく状況を調べておりませんが、大体今聞きますと、この問題については現地において処理されたように聞いておりまして、従来われわれとしてはごくしぼった額を神戸製鋼のダイカストですか、それに出そうということにしておりますので、現地の方の状況が解決ついてから進めてよろしいのじゃないか、この点はもう一ぺん確かめてみますが、そうでなければ、もう一ぺん十分調べた上で処理したいと思います。
○田中(武)委員 一例として神戸製鋼名古屋工場をあげたのですが、こういった大企業が国家の補助金を受ける、あるいは助成金を受けるためにいろいろなテクニックをやっていると思うのです。そういうことについては十分注意をしていただきまして、そういうもぐりといいますか、法をくぐってといっては言い過ぎかもしれませんが、そういった動きについては十分行政的な立場から措置を願いたい、こういうことを希望いたしまして、次に移りたいと思います。 この法律施行後の状況については大体お伺いいたしましたが、今度の改正の目的は造船関係あるいは車両関係をもこれに含めたい、こういうことで、今まで通産省だけでやっておったのを運輸省との共管にするのだということのようですが、大体造船あるいは車両関係においては、基礎部門と申しますが、造船全体であるのか、あるいは造船あるいは車両のうちの材料部品というのはどういうところをまず取り上げられる考えでありますか。
○鈴木(義)政府委員 大体運輸省と打ち合せをしておりますのは、造船関係では舶用バルブあるいは舶用ポンプ、さようなものを考えております。それから車両関係では車両関連部品の一部ということを考えております。
○田中(武)委員 そういう造船あるいは車両について具体的に計画を実施する場合に通産省と運輸省との関係はどういうことになっておりますか。
○鈴木(義)政府委員 これはその運用を一体的にやっていこうという考え方でございまして、結局その基本計画なり実施計画は、全部この法律によります機械工業審議会にかかるのであります。そこで各統一的な方針できめ得るわけでございます。さらにそれがきまりました後、その品種をそれぞれの主管大臣の分野によりまして、計画として公示するわけでございます。 それから資金の確保につきましては、これも一体的にやるということでございまして、通産省と運輸省とが相談いたしまして、通産省と運輸省が一体となって大蔵省と交渉して開銀の資金を確保する、かようなことになっているわけであります。
○田中(武)委員 次に電子鉱業振興臨時措置法との関係ですが、機械工業、振興臨時措置法がある上に、今度電子工業振興臨時措置法を特に設ける、こういうことなんですが、同じ機械工業の上から考えた場合に、特に電子工業振興臨時措置法というものを設ける必要というか、重点は一体どういう点にありますか。
○鈴木(義)政府委員 機械工業振興臨時措置法の方は御承知の通り機械工業の基礎部門とかあるいは部品部門の特に立ちおくれているものを合理化する、設備を合理化して専門生産をやる、何といいますか、それを占めております中小企業の体質改善をやって大いに伸ばしていく、こういう思想で機械工業振興臨時措置法の方はできておりますが、電子工業の方は設備を合理化するというふうな点にとどまりませんで、実は新しく技術を促進するとか、あるいは新しい生産を伸ばすとかあるいは新規産業といった部分に相当ウエートを占めてきているわけでございます。従いまして、どうも機械工業振興臨時措置法の体系では電子工業に対しては十分ではない、かような見解から特に電子工業振興臨時措置法案を提案いたしたわけであります。従いまして機械工業の場合を合理化計画とわれわれは呼んでおりますが、電子工業の場合には振興計画と申しまして、その中には特に日本の技術水準で劣っているものの試験研究を促進するための計画であるとか、あるいはまだ日本にできていないもの、あるいはできていても非常に数が少いものを大いに生産するための計画とか、さような計画を含んでいるわけでございまして、電子工業振興臨時階置法の場合の振興計画は、法律の第三条で電子工業振興基本計画というのを書いてございますが、この中の第三号の「性能又は品質の改善、生産費の低下その他生産の合理化を特に促進する必要がある」というふうな部分は、機械工業臨時措置法の場合と同じでございますが、一号に書いておりますような「製造技術に関する試験研究を特に促進する必要があるもの」あるいは二号に書いてありますような「工業生産の開始文は生産数量の増加を特に促進する必要があるもの」、かような計画については、やはり電子工業の特異性から考えて、さような方式をとらなければならない、かような点が大きな根本的の違いでございます。
○田中(武)委員 いわゆる機械工業の方は合理化が重点である、電子工業の方は振興政策が重点である。そういうところから新たに電子工業振興臨時措置法案を提出するんだ、こういうようにおっしゃったと思うのですが、そうすると機械工業の方は消極的だが、電子工業はより積極的にやる、こういうことなんですか。
○鈴木(義)政府委員 そうはっきり申されると非常に困るのでありますが、機械工業の場合は主として合理化を重点に——合理化といいますか、体質改善と申しますか、そういう点にウエートを置いて昨年できた法律でございます。しかも対象は中小規模の機械工業の基本的部分、基礎的部分あるいは部品部門を中心としております、かようなことで体系ができております。もちろんウエートの置き方が、電子工業につきましては、新規産業としてのウエートが非常に大きいということが特に大きい特色でございまして、さような点から計画といたしましても、取扱いとして技術を伸ばす部分あるいはその生産を伸ばす部分、かような点が取り入れられているというように申し上げたわけでありますが、そのほか法律の少し詳しい内容に入りますと、たとえば機械工業の場合には材料部分は適用しないけれども、電子の場合には材料部分、これは電子工業については非常に大事な部分でありまして、材料部分までも適用されるように配慮してある。あるいはこの法律の施行期限も、電子工業の立場から見て、機械工業より相当長いところに目標を置いている、かようなことで電子工業の特異性を取り入れて立案している、かようなことになっております。
○田中(武)委員 機械工業は消極的であっていい、こういうわけじゃないが、それもよりよくやっていただくとともに、電子工業もやっていただけると思うのですが……。 そこで大臣がお見えだからお伺いしたいのですが、電子工業が新しい分野の産業であり、いわゆる科学技術振興という立場から見ました場合、原子力と電子、この二つが今日の寵児だと思います。ところが今日科学技術というと、何でもかんでも原子々々で、電子の方が少しおくれているように思うのです。大臣としては電子に対してこの法律で今後どういうようにやるお考えだろうか、具体的にどういうような振興方法を考えていられるか、お伺いしたい。
○水田国務大臣 お話のように、電子工業が日本で非常におくれておりまして、かりに原子工業が進んだとしましても、電子工業がそれに伴っていかないということでは、科学水準全体の均衡がとれませんので、私どもとしては、おくれたこれを急速に振興させる必要があるということで、今年度の通産省の予算も御承知の通りこの部門の研究、試作助成というようないろいろなものについて、三億円以上予算を増額したというようなことになっておりまして、この部門の振興が今日本の科学水準の問題としては急務だ、そういうふうに考えております。
○田中(武)委員 科学技術振興の上において急務だ、通産省は特に三億円を会々と言われるが、原子に比べて一体予算はどの程度であるか、何十分の一である。もちろんこの法律をせっかく出して——初年度は三億円ですが、今後はもっと伸ばそうというお考えですか、どういうように考えられておりますか。
○水田国務大臣 予算の比較でございますが、原子問題の方は、これは原子炉を作る費用とか、そういうもの一切が入っておりますので、ああいう膨大な予算になっておりますが、私どもの方としては電子工業の振興のために、その研究の助成とか、あるいは役所自身が研究所においてこの問題の研究をするというような、もっぱら研究費でございますので、原子力予算と比較はちょっと無理だと思います。
○田中(武)委員 せっかく大きく振興臨時措置法、こう出されても、予算が伴わなければ、法律を作っただけでは振興にならないので、今後もこの法律が通るならば、十分そういう上に立って措置を考えてもらわなければならぬ、こう思うのですが、どうでしょう。
○水田国務大臣 本年度相当大幅の予算をつけたつもりですが、この法律が通れば、来年度においてさらに必要な予算の増額はやりたいと思っております。
○田中(武)委員 具体的な点でお伺いいたしたいと思いますが、たとえばこの電子工業振興法の二条に「部品及び材料」、こういうふうになっておりますが、この部品及び材料の中にコンデンサーあるいは抵抗器というものを含むかどうか、もし含むならば、今まで機械工業臨時措置法によって指定せられておるこれらのコンデンサー、抵抗器は、これとの関係はどういうことになるのか、お伺いいたします。
○鈴木(義)政府委員 これは部品、材料は抵抗器、コンデンサーを含むことになっております。従いましてこの法案が成立いたしますと、機械工業でやっておりました部分はこちらに移したいと考えております。もちろん移す場合には、今まで事務的においてきまっているものがそれでくずれないように、そういう点は事務的には間違いないようにいたしたいと思っております。結局機械工業振興臨時措置法の適用を受けておる部分で、一部電子工業に関する部分がございますので、そういう部分は全部一括してこちらへ移す、かような考え方でおります。
○田中(武)委員 この電子工業振興法が実施されるならば、今までの機械工業振興臨時措置法によって指定せられておった業種も、これの適用を受けるものはこの法律の中へ移していく、こういうことになるのですね。そうするとさっき言われたように、機械工業の方は合理化が目的である、一方は振興が目的であるというが、この法律が実施されると一そう振興政策を考える、こういうことになりますか。
○鈴木(義)政府委員 機械工業の中で部品部門は、従来機械工業振興措置法の趣旨に適するようなものについては指定しておったわけでございまして、その中で今度この新しい法案の電子工業振興臨時措置法で指定する概念に入るものがございますので、電子工業としては、セットそれから部品、材料一貫して均衡した計画で推進するのが適当であると考えられますので、その意味においてこちらへ移してその体系に取り入れる、かようなことでございますが、もちろん従来やっておりました事業計画はそれより弱くなることはございません。さらに強くなることになると思います。
○田中(武)委員 たまたまそういうことでコンデンサーとか抵抗器ということが出ましたので、抵抗器について若干具体的な御質問をいたしたいと思います。今日抵抗器製造の現状はどういうことになっておりますか、あるいはこの抵抗器の製造メーカーの分布といいますか、大企業、中小企業を分けまして、こういう業者はどういうところが多いか、どういう作業場で作られておるか、こういう点についてお伺いします。
○鈴木(義)政府委員 抵抗器メーカーはいろいろございますが、現在われわれが聞いておりますところでは、約三十四社あるように聞いております。このうちセット企業との兼業は六社で、全生産量に占めます割合は、数量で約三%、金額で約二%となっております。従って大部分は中小企業である専門メーカーによって生産されておるわけでございます。それでこの生産は、昭和三十年度におきましては抵抗器全体としまして、個数で七千万個、金額で十一億円程度の生産をいたしておるわけでございます。このうちで、これはそのほかのものもございますが、炭素皮膜だけについて申し上げますと、この個数が五千三百万個、それから炭素体が六百三十七万個というふうになっております。
○田中(武)委員 ただいまの局長のお話ですと、セット・メーカーとして関係のある抵抗器を作っておるところが大企業の中にある。しかし抵抗器全体からいうならば、それは数量にして約三%、金額にして約一〇%、そうするとあとの九七%、金額にして九〇%までは中小企業が作っておる、こういうことになると思うのです。今日抵抗器に対して大企業の進出ということが問題になっているように思うのですが、そういう状況についてどういうような考え方を持っておられますか。今日のように中小企業において抵抗器を作るということが、大企業進出によってどういう影響を受けるか、こういうことについて局長はお考えになったことがあるか、お伺いいたします。
○鈴木(義)政府委員 この抵抗器は先ほどから御説明申し上げておりますように中小企業で主としてできておりますので、われわれもできるだけ中小企業の専門メーカーを育成するというような観点で今後やっていきたい、かように考えております。
○田中(武)委員 抵抗器は九七%までが中小企業によって行われておる、従ってこの中小企業で行われておる抵抗器の生産に対しては今後もこれに重点を置いて育成し助成していきたい、こういうように局長は今言われたのですが、重ねてそれに間違いないか、だめを押したいと思うのですが、いかがですか。
○鈴木(義)政府委員 ただいま申し上げました通り、現在は中小企業で占めております。従いまして、もちろん今後の日本の全体の技術水準の向上の点も考えなければなりませんが、できるだけ主として中小企業部門の育成を考えていきたい、かようなことでございます。
○田中(武)委員 具体的にお伺いいたしたいと思いますが、日電あるいはそれの影響下にある多摩電機が、アメリカのIRCと提携をいたしまして、抵抗器の大量生産をやりたい、こういうようなことで今通産省の方へ技術提携についての申請が出ているそうですが、これの経過及び内容、今後どういうような措置をとられようとしておるか等を簡単でよろしいですからお伺いいたしたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 昨年の秋、たしか十月ごろだと思いますが、今お話がございましたようにIRCと多摩電機工業との技術提携について申請が出ております。その内容はIRCの製造または研究する抵抗器について特許の独占的な実施権を与えまた製造に関する技術援助を行うものでございます。またこれに関連して機械の輸入計画もあるように聞いております。大体内容はさようなことになっております。通産省としては目下検討いたしておりまして、果してこういうふうな技術が、もちろん日本の電子工業の技術向上は大いに伸ばさなければいけないわけでございますが、日本の電子工業の技術水準を向上する上において必要かどうかというふうな意味で目下検討しておる。その方法といたしましては、現在電気試験所におきましてIRCの製品とか日本の従来の業者の製品とかを試験中でございます。これはごく最近に集まりましたので試験を開始しておるわけでございます。それと同時にこれに対しましては実は既存の中小企業の方から相当大きな反対がございます。これに対しても十分われわれとして考えなければいけないと考えております。これがいかなる影響を持つかということを目下検討いたしておりまして、まだ最終的結論は出しておりませんが、われわれとしましては十分既存の中小企業に対する問題を考え、慎重な態度でこの結論を出したい、かように考えておるわけであります。
○田中(武)委員 現在IRCの製品と従来の日本の製品とを試験中だ、こういうことですが、まだ試験の結果はわかっておりませんか。それから実際面におきまして、日本の現在の抵抗器がアメリカ等一般世界水準に比べて技術的にほんとうに劣っておるのかどうか、そういうような点について通産省としてあるいは電気通信機課としてはどう見ておられるか、そういう点をお伺いいたします。
○鈴木(義)政府委員 電気試験所の試験の結果はまだ出ておりません。今実験中でございますので近く結論が出ると思います。技術水準の点につきましては電気通信機課長からお答えいたします。
○重見説明員 抵抗器の技術水準につきましては、従来の製品が新しい分野に使われるという必要が出て参りますと、たとえば最近の航空機に搭載します無電機の関係あるいはレーダー関係あるいはその他新規に、たとえば電子計算機その他のものに必要になるというようなことになりますと、必ずしもこれに合致する規格のものはまだできておらないというのでありまして、現に国産化しますこれらの航空機搭載の関係のものは各種抵抗器のみならず、その他の部品をすべて輸入してこれを組み立てるという現況でございます。従って今度の振興法で今計画しておりますのも、少くともその水準まで早くこぎつけまして規格上大体同じところまで持っていく必要があるというような考えでやっておるわけであります。
○田中(武)委員 私の聞いておるところでは、一般的な抵抗器については決して日本の技術水準は劣っていない、しかも値段も国際的に見て安く、ただほんのわずかばかりジェット機用等について、俗にボロン抵抗器といわれるようなものについてまだ若干日本として研究中のものがあるようです。しかしながらそれはほんのわずかであって、それだけのために外国との、はっきりいったらアメリカとの技術提携を必要としないのではないか。それから先ほど局長が言われたように、今後この電子工業振興法によって積極的な振興助成政策を抵抗器に対してとられるならば、二年も待たずして近くそういうところまで日本の抵抗器の製造技術は上るんじゃないか、こういうふうにも考えますが、そういう見通しについてどういうふうに考えておられますか。なお現在ジェット機等に使われるいわゆをボロン抵抗器、こういうものについてどの程度の輸入がなされておるのか、お伺いいたします。
○重見説明員 現在必要としております高規格のものは確かに数量は非常に少いのでございまして、それからなおジェット機搭載のものにつきましては、最近ようやく国産化が始まるという状況でございますので、現在までの輸入実績は数量にしますと大した量ではございません。なお現在われわれが考えておりますのは、新たに工業用に使います新しい分野が開けてきますので、必ずしもこういう航空機に搭載するものに限りませんで、むしろ非常に過酷な条件のもとで使われますような工業用の制御器その他についても、十分その性能にマッチするような製品を作る必要がある、こういうような考え方で、将来に対してはこれを全面的に輸入に待つというのではなくて、やはり国産を進めていくというのが必要だというふうに考えております。 なおここ二年ないし三年のうちにこういうものができてくるかということにつきましては、われわれの方は試験所その他を動員いたしまして、できるだけその線に沿うべくやっておりますが、先方におきましても日進月歩の進歩をしておるわけでございまして、これについてもまだ今後十分な試験研究等も必要であり、これはメーカーにもこの技術を入れていくというのが伴って、初めて三年後あるいは五年後に必要なレベルに到達することになるというふうに考えております。
○田中(武)委員 いわゆる航空機用、ジェット機用だけでなく、その他の工業用についても、精度の高い抵抗器を必要とする、こういうことなんですが、それはおそらく電子計算機とかあるいは電波兵器、こういうものだろうと思うのですが、そういうものにいたしましても、大体現在の日本の抵抗器技術とすれば、少してこを入れてやれば、そこまではすぐいくんじゃないか、このようにわれわれは見ておりますが、ただ、わずかに現在特殊なものとして、日本にできないから輸入しておるというのですが、私の聞いているところでは、大体月に二千から三千程度のものじゃないか、こう思うのですが、それくらいの輸入のためにわざわざ技術提携をして、そうして機械を持ち込んで、高い機械代、ロイアリティを払ってまでやる必要があるのかどうか。またそういうことについて、もう少し抵抗器メーカーに対して、こういう精度のものを作るのにどの程度の努力で、期間でやれるかというようなこともお聞きになり、あるいは検討せられたかどうか、一つお伺いいたしたいと思います。
○重見説明員 現在合理化計画の中でやっております目標といいますのは、現在大体最高の規格と考えられております米軍のミル規格でございます。これは年々変っておりますので、われわれその目標というものは、一応関係官庁その他メーカーの方とも協議いたしまして、これを定めます。現在ほぼきまりかかっております計画におきましては、さしあたり国産化すべき目標というものを定めたわけでございます。ただそれに必要な設備その他について、現在いろいろ研究中でございまして、これについてはいろいろやり方その他について意見があると思われますので、今後機器の選定その他について、なお若干の検討の必要がある、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 大体電気関係といいますか、電波関係といいますか、電気通信関係の外国との技術提携が多過ぎると思うのです。これは各社の競争のために、われもわれもというようなことでやった結果だろうと思うのですが、重工業局からいただいておる資料を見ましても、許可件数が、全体で五百十八件に対し電気関係が百二十…二件、二四%である、こういった状況であり、支払っているロイアリティ関係を見ましても、全体が五千五百四十三万九千ドルに対して、通信機関係が九百四十八万ドル、振り合いにして一七%、こういう状況である。しかも一社を考えてみても、RCAに対しては四十六社、四十八件が技術提携をやっている。こういうような状況で、少し技術提携が多過ぎる。通産省の側からいうならば、無制限に許可せられたのじゃないか、そういうような感じも受けるわけなんですが、そのために今日ではこの種の産業においては、支払いのロイアリティが大きな負担となっておる。こういう状況については、局長もお認めになると思うのですが、これは大きな政策の面として通産大臣にお伺いいたしますが、いつか読売新聞が書いて、またそれをまとめて本に出しておると思いますが、「日本のむこ殿」という単行本が出ております。それには、外資の導入あるいは外国との技術提携の問題を取り上げて、いわゆるひさしを貸しておもやをとられるというか、日本の民族産業がアメリカ資本その他の外国資本にどんどんとやられていって、今や日本の民族産業、日本の民族としての技術、これがどんどん侵されておるというようなことを悲観的にその本は書いておりますが、こういうようなことについて、大臣はどんなように考えておられるか。あるいは、こういう技術提携あるいは外資の導入、資本提携というようなことについて、今後どういう方針で臨まれるか、一つ大きな観点からお伺いいたしたいと思います。
○水田国務大臣 先ほど申しましたように、日本の技術のうちで電子関係技術が特におくれておったという関係から、外国との技術提携の問題がこの部門に相当多かったということになろうと思いますが、それによりまして相当日本の技術も改善向上したという実情になっておりますので、ただいま御指摘ございましたようなケースの問題は、中小企業との関係もございますし、政府の研究助成というようなことによって相当目的の達せられる面も多かろうと思いますので、今後の問題としましては技術提携の問題は、石油化学とか、まだまだ日本で急速に発達させるために外国技術の導入をしなければいかぬという大きな部面もございますので、そういう方面はまだもう少し勇敢にやってもいいと思いますが、ただいまのような方面につきましては、これは慎重に今後取り扱いたいと思っております。
○田中(武)委員 特殊な技術で、とうてい提携をしなければ日本の技術がそこまでいかない、こういうようなものはやむを得ないと思います。しかし少してこを入れてやり、少し指導をしてやる、少し期間を見てやるならば、もうそこまでいくということがわかりきっておる部門に対して、いたずらに技術の提携とか外資を入れる、そういうことについては、私はどうかと思います。ことに一社に対して、RCA等に対し四十六社が競争的に同じこと、たとえば真空管だけに大きな提携をやってお互いがしのぎを削っておるというような状態は、大きく日本の産業から見て、はなはだもって不愉快であり、大きな損をしておると思う。特に今私がお伺いしておる抵抗器の問題にいたしましても、ほんのわずかな問題、ほんのわずかだけまだ日本ではできないというもの、そのうち大部分のものが日本の技術でできるというものに対して、特に技術の提携の必要があるのかどうか。こういうことに対して疑問を持っておるわけなんですが、大臣、そういうような、もう少し、もうわずかの期間でそこまで到達するのだ、こういったものに対して、大きな観点から技術提携を急ぐ必要があるかどうか、一つ大臣のお考えをお伺いします。
○水田国務大臣 ただいま申しましたように、政府の研究助成によってもうすぐそこまでいき得るだろうというようなものについての技術提携というものは、今後なるだけ見合せるという方向でいきたいと思っております。
○田中(武)委員 ちょっと鈴木局長にお伺いいたしますが、今言っておる抵抗器の問題で、今日まで抵抗器が若干技術がおくれておる、こう見ましたときに、一体その抵抗器の技術振興のために、通産省の重工業局としてはどの程度のてこを入れてやり、どの程度の指導をした、あるいは助成等の方法をとったか、そういうことについてお伺いいたします。
○鈴木(義)政府委員 ちょっと正確な数字を覚えておりませんが、過去において工業技術研究奨励金を二、三件出して、国産技術の開発をするように努力したということを聞いております。それから同時に、従来十分ではございませんが、電気試験所その他の関係においてできるだけ抵抗器その他電気機械についての試験、研究について、民間に対する助成を行なってきた、かような状況であります。
○田中(武)委員 私が調べた資料ですから間違っておるかもしれませんが、それによると、これは具体的に名前を申し上げるのはどうかと思いますが、多摩電機に対して、応用研究助成金として、昭和二十六年度に四十万円、二十七年度に五十万円、二十九年度に六十万円、こういった応用助成金が出されておる。大洋電機に対しまして、昭和二十六年度にこれも同じく応用研究助成金について五十万円、二十七年度に一千万円、こういうように出されておる。多摩電機の方は返済を必要としないものであるが、大洋電機の方は合せて一千五十万円ですか、そのうち二百万円を二回にすでに返済しておる。こういう状況であるならばすでに助成金として出したものが成功しつつある、こういうふうにも見えると思うのです。しかも一千何百万円といったような助成金を出して、現にその研究を助成し、水準を引き上げつつある際に、その成長を待たずして外国の技術を入れるというように急がれる必要もないのじゃないかと思うのですが、局長はどうお考えになるか。しかもまた今後、ここまでてこを入れてあったらもう一息です、もう一息ということに対して、もちろんこの法律によりましてこういう基礎材料なり、部品が適用を受けたならば当然振興政策として取り上げられると思うのですが、そういうことについて積極的な援助計画といいますか、援助あるいは助長についてのお考え方を伺いたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 たとえば過去において、工業研究奨励金を助成したりして技術の開発をしてきたものにつきましては、できるだけそれを伸ばしたいと考えております。ただ今後電子工業全体としては、さらにまたいろいろ国際的のミル規格とか、さような点で高度の技術を要する点がございます。さような点につきましては、今後この電子工業の振興計画におきましてどういうふうにそれに対応して国産技術を開発していくか、さような点も十分研究して大いに伸ばしていく、かようなことに考えております。
○田中(武)委員 この抵抗器の問題だけじゃないのです、往々にしてよく行われていることなのですが、先に助成金なり補助金なり研究費を出してやらしておきながら、その結果を待たずによそから技術を入れてくる、かようなことが今までもよくあったと思うのです。そうするならば、せっかく出してやった補助金なり助成金が死んでしまうと思う。そういうようなことが今後なされるならば、一種の税金のむだ使いだと思うのです。これは私は一例をあげたわけなのですが、現に抵抗器についても十分とはいかなくとも、やはりある程度の助成なり、研究等について指導もせられ、育成もしておられるわけだ。だからその結果を十分待つ必要があると思う。それでその助成金なり研究費を出した結果が現に上りつつあるのか、出してあってもだめだ、こういうように局長は認められるのか、そういう点についてはいかがでしょうか。そういう研究費とか応用研究費を出された企業なり、その抵抗器に対する品質、技術の向上がもう見込みがない、こういうふうにお考えになっておりますか、それともやはり出してやったのは、それだけ値打があるだけの育成といいますか、成長しつつあるというふうに見ておられるのか、いかがでしょうか。
○鈴木(義)政府委員 技術的の点で、はっきり申し上げられるかどうかわかりませんけれども、従来補助金を出しましたものにつきましては相当いいものができていて、これをわれわれとしてはさらに伸ばしたいと考えております。今後としましては、やはり世界的に日進月歩でございますので、技術の水準はどんどん上っている。さような見地からさらに新しい研究の手も打たなければならないのじゃないか、かようなことが一般的に言えると思います。
○田中(武)委員 一般的に外国との技術の提携をする必要があるとか、あるいは外国技術を入れねばならぬというときには、次のような観点から検討する必要があるのじゃないか、このように思うのです。と申しますことは、まず需要供給の関係を見てどうであるか、こういうように検討する部面があると思う。もう一つは品質、技術の面がどうであるか。もう一つは価格の点がどうであるか。こういう点から検討が必要だと思う。そこで現在の抵抗器の問題を今考えてみましたときに、抵抗器の需給の関係を見ました場合、現に輸入はわずかで、先ほど言ったようにむろん抵抗器のような特殊なものを若干輸入しているが、輸出の方が多い。たとえば東南アジア、台湾あるいはアメリカ等にまでこれは単体として出ておるのと、一つのでき上った製品の部品として出ておるのとありますが、大体一千万ぐらいは輸出しておるのではないか、このように思います。そうすると需給の関係から見まして、その必要が現在ないようにも考えられる。次に品質の面から申しましたら、今申しましたように、わずかなジェット機その他に必要なものがまだ若干できないという状態、その他は十分日本の抵抗器で間に合うという状態である。それでは価格の面はどうかというと、これは国際的に見ても日本が抵抗器は一番安いと聞いているのですがこれがもし事実とするならそう急いで技術提携の必要もないのではないか、こう考えられます。そういうふうな点から、いわゆる需給の関係、品質の問題、あるいは価格の問題、ことに将来の抵抗器の需給関係等から見て急いでやる必要があるかどうか、局長のお考えを伺いたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 御指摘のようないろいろな観点からこの問題を検討しなければならないと考えて、われわれとしては慎重な態度をとっておるわけであります。特にわれわれ重視しておりますのは、やはり抵抗器としましては今後新しく伸びる分野でございまして、相当国内的にも高度のものが、また高度のものばかりでなく数量も全体的にふえていく、かようなことに相なっておる状況でございます。しかし一番われわれが重視しておりますのは、やはりさっき申しました中小メーカー、既存の専門メーカーとして育てたいということの関係でございまして、先生のおっしゃったいろいろな御指摘の点、さらに私が今申しました点を考えまして十分慎重に検討しておる、かような態度をとっております。
○田中(武)委員 この抵抗器の関係のみでなく、一般的にいって今後技術提携等については、慎重な態度をもって臨んでいただきたい。ことに今私が取り上げている抵抗器につきましては、何回も申し上げるようにほんのわずかである。そこへ大量生産する機械を入れてどんどん作っていく、こういうことなら、九七%まで製造しているところの中小メーカーに対して及ぼす影響等も考慮しなければならないので、十分注意をしていただきたい。ことに先ほど私、例をあげましたが、いわゆる「日本のむこ殿」というあの本を読みまして、日本人ならばだれも憤慨せざるを得ないような状況でございますので、慎重な態度をもって進んでいただきたい、こういうことをお願い申し上げます。なお質問を続けたいのですが、関連質問があるそうですからちょと休憩します。
○吉川(久)委員 関連をいたしました二、三お尋ねをいたします。通産省の電気関係の試験研究機関の機構、陣容はどんなふうになっておりますか。
○鈴木(義)政府委員 通産省には工業技術院の管轄下に電気試験所がございます。それが電気関係の試験研究を行なっております。特に電子工業に関係するものは電子部というものがございまして、そこでもっぱらやっておりますが、そのほか関係の各部におきましても電子機器に関係する部分がございますので、そういうところも協力いたします。またそのほかの名古屋の工業試験所とか機械試験所とか、さようなところも電子機器に関するものがございまして、そういうところで試験をやっております。
○吉川(久)委員 試験だけでございますか、研究もあわせてやっておるのでございますか。そしてその設備の規模、機構、どんな陣容ですか。
○鈴木(義)政府委員 研究及び試験、両方やっております。ただわれわれとしてはできるだけ予算をとってやりたいわけでございますが、機構、規模についても予算の制限があるわけでございます。ただいま申し上げました電気試験所の電子部につきましては、今年度は、先ほど大臣がお話しになりました予算三億円余りのうち、大体二億円はこれの費用でございます。研究費としては一億円でございます。人員は約五、六十名でございまして、今度予算がふえましたのでさらに十人ばかり人員を追加したい、かように考えております。
○吉川(久)委員 こういうことを伺うのは、実はただいまの質疑を伺っておりますと、固定抵抗器の問題が出ておるようでありますが、この問題は昨年の秋ごろであったと思いますが、私は、ただいま通産政務次官になっておいでになる長谷川君の驥尾に付して、国内の中小企業振興のために、外国にわざわざ特許料まで払って入れる必要はないではないかということで相談を受けていたのでございます。それからもうすでに相当の長い月日をけみしておりますが、先ほど伺っておりますと、まだ試験研究の結果がはっきり出ていない、こういうことでございますので、一体いつごろまでかかればそういう結果ができるのか、何か試験研究の機関というものがきわめて不十分なために、業者をいつまでも不安な、戦々きょうきょうの気分に置いているというようなことは、はなはだ好ましくないと思いますので伺ったわけでございますが、私の今まで通産省へ直接行って聞いたところによりましても、研究の施設、試験の施設というものがきわめて不十分で、その陣容もまだ十分でない、そういうところで試験研究をいたしまして、果して正確な結論が出るほどのものであるのかどうなのかということについて不安を持つのでありますが、その点は自信がございますか。
○鈴木(義)政府委員 それは日本としましては公的機関でありますし、電気試験所でそういうもののテストをすることは、われわれとしては妥当じゃないかと考えております。もちろんある程度の設備、人員は持っておりまして、われわれとしては、先ほど申し上げましたのは、電子機器の開発とか、研究、試験については非常に使命が重大でございますので、その使命の重大さに比べては現在のものがまだ十分でない、今後われわれとしては、先ほど大臣がお話しになりました予算等を十分とりたいということを申し上げたわけでございまして、このテストについては、われわれは十分やれると考えております。
○吉川(久)委員 その工業技術院の試験研究機関というのは、どういう目的でやっているのでございますか。
○鈴木(義)政府委員 お尋ねの点どういうふうにお答えしていいかわからないのでございますが、もちろん電気試験所の電子部では、電子機器等に関する部品とか、あるいは電子機それ自体、理論的な基礎的なもの、いろいろなものについて研究をし、また試験をしておるわけでございますが、何か具体的の御質問でございますれば、ちょうど電気試験所の電子部長がおりますので、説明員として説明いたさせます。
○吉川(久)委員 簡潔に伺っているのですが、試験研究をして、その結果をどういうふうにするために、何の目的で何をするために試験研究をしているのか。
○鈴木(義)政府委員 もちろん日本の電子工業あるいは電子技術の向上、そういうことに寄与するためだと考えます。
○吉川(久)委員 電子技術の向上に寄与するためだということでございます。そうでなくちゃならないと思うのです。ところが試験研究の結果を民間に連絡して、民間の産業を振興するようなことに、具体的にこれを利用していないように私は思うのです。何か象牙の塔に立てこもって、そうして試験研究員が試験研究をして、それだけに終っているような感じがするのでございますが、その点はどうでございますか。
○鈴木(義)政府委員 もちろん電気試験所としては、さような点で十分国内の業界との関係も注意してやっておると思います。もちろんその点は直接やる場合もありますし、また私ども重工業局でございますが、重工業局の行政をやります上におきまして、電気試験所と密接な連絡をとり、テストとか研究、または重工業の行政上の考え、また技術的な面の考え方、さような点についてもよく連絡をして、民間の行政指導について遺憾のないようにやっておるつもりでございますが、あるいは十二分でないところがございますれば、今後さらに努力していきたい、かように考えております。
○吉川(久)委員 どうもこれは通産省関係の試験研究の機関だけではないのです。これは日本の他の面においてもこういうことが言えると思いますが、どうも象牙の塔に立てこもって、そうしてひとりよがりをしていて、国費を費しながらもその結果がちっとも活用されていない、こういうきらいがどこにもございます。特に私はこの電子関係部門に多いような感じがするのです。これは通産大臣にお伺いいたしますけれども、これでよろしいのか、今後この問題をどういうように具体的に——これは今の局長の答弁では試験研究の結果は重工業局の行政部門とのつながりはあるということだけでございまして、これを民間の産業と結びつけていくという点については、今の御答弁では私ども満足できないのでございますが、今後国務大臣として国政にどういうように具体化していくのか、その辺の所見を伺いたい。
○水田国務大臣 今まで研究所のやった仕事がどういうふうに実際の工業に役に立っておるかという実態を十分承知しないで申しわけないのですが、今後そういうふうに一つやっていきたいと思っております。
○吉川(久)委員 大臣せっかく勉強してもらわないと困りますね。局長にお伺いいたしますが、そういたしますと、国内の民間の産業、中小企業を育成するためにも、今の段階では私は特許料まで払って技術の交流をする必要はないじゃないか、私の聞いているところによれば、防衛庁で外国から供与されるところの航空機とか、レーダーとか、こういうような兵器関係のものについては、向うの時代おくれの古いのを入れているんだそうです。通産省の当局からもさように今まで聞いております。また防衛庁でもこれは認めております。最新式のものではない古を入れている、そんなことをしないで、現在のアメリカの進んだ固定抵抗器等を輸入したらよいじゃないかと思いますけれども、こちらで供与されておる航空機やレーダーに使うような、そういう抵抗器はもうすでにアメリカではこしらえていないからそれを輸入することができない。ですから技術交流によって今後こちらで作っていく以外にないんだ、こういうように私どもは聞いているのでございますが、その通りですか。
○鈴木(義)政府委員 具体的にそっくりそのままお答えできるかどうかはわかりませんが、向うから輸入できるものもございますし、また従来向うで作っていたもので、あるいは現在作っていないで日本で作らなければならぬものもあるかというふうにも聞いております。しかしながら、これを国内でやる場合にいかなる方法でいくか、できるだけ国産の技術を開発して大いにやりたいという気持が強いわけでございますが、さような点で検討しております。
○吉川(久)委員 どうも御答弁がはっきりしないのでございますが、輸入したらいいじゃないかと私どもは通産省に折々言うのです。ところが向うではそういうものは古くなって作っていないから輸入はできないんだ、こういうことを折々伺っておるのであります。そのために技術交流をやって新たにこちらで作らなければならないのだ、こういうように伺っておりますが、その通りでございますか。
○重見説明員 航空機の塔載機器については大体国産化するということになっておりますが、これに組みます各部品を今そろえまして向うのメーカーから輸入する、こういうことをやっております。ただこの場合に、その機器そのものが向うではもう生産をやめているものもあるわけであります。それについては一部の部品が向うでできないというものがございます。その中に抵抗器なども含まれる場合もありますし、あるいは単独にまとめてあとで買える場合もございます。そういうことによってケース、ケースによって違いますが、全般的には性能的にそれぞれの部品が旧型化しているというわけではございませんので、機器そのものの組み立てたものの性能が少し古いタイプと、今少し新しいタイプが、新しいものについては使われているのでございますが、現在供与を受けておりますものは古いタイプがありまして、それを国産化します場合に、その部品の一部については輸入することができないものもある、こういうわけであります。
○吉川(久)委員 大臣は私のお尋ねした通りにいたしますというお答えでございましたので、今の説明員の御説明の程度でありますと、これはわざわざ技術交流をする必要はない。しかも前から御質疑になったところを伺いますと、きわめて少量でございます。言うほどのものでない数量であってみれば、まだ輸入できるものは輸入して、そして試験研究機関で十分研究をしてその研究の結果を民間に流して、民間の産業を育成する、こういくのが試験研究機関の存立の意義であり、通産省としては中小企業振興のためにもこの道を選ばなければならないと思うのです。それを中小企業を圧迫してまでも技術交流をする、しかもわずかな数量に対してというようなことは、日本の中小企業の発展を妨げるものですね。通産省の使命に反するものですね。こういうような措置をとってもらいたくないのです。きわめてわずかな数量ですから、また今の説明員のお話では輸入もできるものもあるのだそうでございますから、できるものはできるだけ輸入して、そしてそれを資料として試験研究機関で十分試験をし、研究をしてこれを民間に流していく、象牙の塔にかかえてひとりよがりをしておるのじゃなくて、それを下に流して、そして日本の中小企業を、国内の産業を育成していく、こうあるべきだろうと思うのですが、大臣はどういうようにお考えでありますか。
○水田国務大臣 私も全く賛成であります。
○永井委員 やはり抵抗器の問題ですが、これは先ほど来話を聞いていても、何だかはっきりわからないのですが、技術関係からお見えであるということですから伺います。抵抗器の技術を導入するか、導入しないかということについてどのような試験研究をしておるのか。これはテーマだけでもいいのですが、これこれのテーマで試験研究をしておるんだ、その研究が今どの段階にあるかということを技術当局からお聞かせ願いたい。
○和田説明員 御説明させていただきます。現在抵抗に関する研究は、電気試験所では遺憾ながら十分にできておりません。おりませんが、現在やっておりますことは、将来のプリント配線の時代に備えまして、まるくない、平らな、何と申しますか、板みたいな形の抵抗で、いいものを作ろうということに研究自身は全力を尽しております。あとのことにつきましてはいろいろなメーカーの方の工場を見せていただきますとか、過去の経験ないしはいろいろな勉強によって研究を続けておるような状態でございます。
○永井委員 そういたしますと、一般的な技術試験の研究であって、アメリカのIRC社の固定抵抗器の技術をさしあたって導入するかしないか、これについて導入しなければ、日本の技術でそういうものが生産できないかどうかというような事柄についての試験研究というものはしておらないのですか。
○和田説明員 いろいろな抵抗の研究をいたします研究の必要上から、現在若干試験のできる設備を持っておりますから、試験も行なっております。それで昨年は、たとえば防衛庁から頼まれましていろいろなメーカーの試験をいたしましたり、抵抗の試験をいたしましたり、輸入品につきましても試験をしたこともございます。それで従来から大体どういう会社の製品はどうであるということについて、大体の考え方、成績を持っております。今度の問題につきましては、すぐにその抵抗の試験を始めなければならないという御指示を特に本省からわれわれはいただきませんでしたので、従来の成績を念頭に置いて、つまり試験を始めようということは考えていなかった。ところが本省の方からことしに入りまして重ねてもう一度試験をしてみてもらいたいという話がございましたので、それから至急IRCの品物を輸入する手配をいたしまして、それが到着するころに日本のそれと同じようなソリッド抵抗のメーカーにその理由をお話しいたしまして、サンプルをいただきまして、それで試験を始めたものでございますから、試験に着手する期日がおくれたわけでございまして、先月の末に全部のサンプルがそろいましたので、そろい次第さっそく試験を開始して来週くらい終える予定で、急いで毎日やっておるわけでございます。
○永井委員 試験研究の段階はわかりましたが、そういたしますと、局長に伺いますが、来週くらいにその技術的な試験研究の結論が出る。そういたしますと、その結論はまだわからないとしても、その結論に基いてこれをどのように当局はお取り扱いになるつもりでありますか、お考えを伺いたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 われわれがこの技術提携の可否を決定する場合の一つの重要な参考事項として取り扱うわけでございます。
○永井委員 参考事項とすることは答弁に待つまでもなくわかり切っていることで、参考にするために試験をやっているのですが、ただその場合技術の段階でとうてい日本の技術ではそこまで自力でいけないのだ、あるいは外国へ技術者をやって研究さしてもいかないのだ、それは何十年かかっても及びもつかないのだ、だからとりあえずそれに間に合せるためには技術の導入をする以外にはないということであれば、技術提携をするということもあり得ると思います。しかしこちらから向うへ技術者をやって向うで修得させるとかあるいはできるだけ日本の試験機関においてこれが進められれば、そういうものを導入しないで、ロイアリティを払わないで日本でやるというようないろいろな方法があると思うのです。その場合どこに重点を置いてそれを処置するかということを聞いているのです。ロイアリティを払って向うからすぐ入れるのだ、先に入れた方が先にもうかるのだ、ちょうど繊維関係ですが、一年たてばこういう技術が日本でできるという段階にいっている、しかし一年たたなければそういう製品はできないのだという結論が出た。ところがその一年間にほかの会社がその技術を入れてやればその期間にもうけられてしまうからというので、技術者の意見を無視して営業の面からそれを入れて、その一年間に何十億ともうけた。ただもうけるということを主に考えるのか、日本の民族技術を育て上げるというところに重点を置いて考えるのかということを聞いているのです。
○鈴木(義)政府委員 あるいは私の答弁がまずかったかと思いますが、結局試験結果を見まして、それによって技術の程度がわかると思います。それももちろん重要な要素でございますが、さらに今後与えられたといいますか、それの所要の時期までに日本の技術がどれだけやれるかという点をできるだけ検討しまして、国産でやれるものならできるだけ国産でいくべきである、かように考えております。さらにさっき田中先生から御指摘のありましたほかの要素を十分に検討した上において結論を出したい、かようなことでございます。
○永井委員 大臣に伺いたいのです。大臣は技術者でありませんから、固定抵抗器の技術の内容がどうだとかこまごましたことはわからないのは当然だと思いますが、それにしても日本では今何かといえばもうけ本位で、早くほかの会社が手をつけないうちにロイアリティでも何でも払って、その間にもうけてしまおう、こういうことで技術を導入する、あるいはロイアリティを払っていろいろなものを入れるということがはやって、せっかく日本の中に育ちつつある技術を頭からちょん切っていく、水をかけていくようなことがどんどん行われている。そして国内においては、たとえば固定抵抗器のような小さな問題にしても、民間の中小企業で四苦八苦してここまで技術を伸ばしてきた、そういうものを助成もしなければ補助もしない、その技術を育てることに力を入れないで、お前の技術は低いじゃないか、外国じゃこれだけいっているのだ、入れるぞ、こういうようなやり方でやっていく。ロイアリティは一年にどのくらい高く払っているかわからないというようなことです。固定抵抗器ばかりでなくて、そのほかの問題でももう少し常時国の政策として技術あるいは学問、科学というような基盤をずっと育て上げていくならば、そういうことは日本の中で十分できるものを何もやらないで、そうして手当り時代に導入することばかり考える、こういうやり方は基本的に間違っておるじゃないか。ここで固定抵抗器が問題になっておりますからそれについていろいろな結果が出るでありましょうが、その場合絶対の条件というほどの気持を持って、国内のこういう技術を育て上げることに努力をするんだ、しかしそのために何年かの期間、たとえばジェット機ならジェット機の産業が非常に障害を受けるというならばそれは商品として輸入する、こういうふうないろいろな考え方の段階があると思うのです。そしてほんとうにだめであったとしても、こちらから技術者をやって早く技術を日本の国民のもにするというような行き方もあると思うのですが、どういう順序でどういうふうにこの問題を処理されるか。ここで一つの抵抗器が問題になっておりますからそれを中心にしてお尋ねするのですが、技術一般の問題として大臣はどのような政策をもってこれらの問題に臨もうとされるのか、方針を伺っておきたい。
○水田国務大臣 さっき申しましたように、終戦後空白時代がありましたために、日本の技術水準というものがあまりに外国からおくれておる、こういう部門につきましては一定水準に達するために技術導入ということはどうしても必要で、そのために過去相当の技術導入をやりましたが、これによって日本の技術が非常に向上して、今一応の水準まできております。ここまでくればもう日本自体の技術研究によって解決できる問題、さらに外国が進んでいくに従って日本も同等に進み得るという見通しのついた部門もたくさん出ておりますので、従って今後まだ日本が非常におくれておる部門についての技術導入は私どもは積極的にやる必要があるのじゃないかと思っておりますが、ただいまのような問題につきましてはできるだけ自分の技術研究によって解決していくのが本筋だろうと考えておりますので、取扱いについては十分慎重を期したいと思っております。
○永井委員 大臣のただいまの答弁は大へんけっこうだと思います。そういう方針をもって今後進んでいただきたい。それをほんとうに具体的に進めますためには、それじゃ通産行政として技術者をどのように尊重していくか、あるいは試験研究機関に対してどのような予算をつけてどのような研究を推進するかということが裏づけにならなければならないのでありまして、ただいまの言葉だけでは、口先だけでは技術やなんか進歩するものじゃないのですから、そういうところに思い切って努力をしなければならぬ。世界水準に達するために技術提携とかそういうものを輸入することだけに専念しないで、何年か時間はかかるけれども、ほんとうに土台を築き上げていく、そういうところに一そうの努力をしていただかなければならぬと思いますし、今の大臣の答弁の裏づけとしては、その予算の運営についても本年間に合わなかったら来年度予算の編成に当って、今の内閣がどのような科学技術振興についての熱意とそれから見識を持っておるかということが予算で明らかになることと思いますから、一つただいまの答弁の限りでなく努力していただきたいと思います。 もう一つ伺いますが、そういうような大臣の答弁とは反して、実際は清涼飲料水が国内にだぶついておるにもかかわらず、コカコーラを輸入してくる、あるいはミシンが中小企業として非常な努力をもってここまで築いてきて世界水準にあるというにもかかわらず、さらに向うからシンガーを入れてくる、あるいは映画を入れる、ばかげたものをどんどん入れてきておる。それでたとえば織機の場合についても、繊維の制限の問題が出てくると、織機は非常な努力をもって東南アジアその他の海外市場を獲得してきた。それに対して国内からこれをむち打つようなことをする。中小企業関係の事業というとちりあくたのような扱いをして、大企業の仕事ならばどんなに国際的な水準からおくれていてもこれを守っていく、その独占の地位と独占の利潤を守ってやるというような動き方をしておる。ミシンなんかも政府がじゃましてくれなければいいんだ、補助金を一つくれと言わない、自分自身の力でいくんだからじゃまさえしてくれなければいい、織機とかミシンとか清涼飲料水なんかみんな政府のじゃまによってわれわれは水をかけられているという嘆きを持っているのですが、こういうようなことが、行政としてはただいま大臣の述べられたこととは逆な方向に動いている。今後は水田通産大臣の行政下においてこういうことを再び繰り返さないように——一般の中小企業者はこういう嘆きを持って、政府に不信を持っておるということに対して、今後大臣はどのような態度で臨まれていくか、一つ御所見を承わって私の関連質問を終りたいと思います。
○水田国務大臣 全般の方針としてはただいま申しましたようにやっていきたいと思っています。それにつきまして、ミシンばかりでなくいろいろ国産奨励の問題と衝突したりあるいは中小企業から見て問題が起るようなケースはまだ現在たくさん問題を残しておりますので、こういう個々の問題についても具体的に十分検討して慎重にやっていくつもりであります。
○田中(武)委員 具体的な問題としての抵抗器の件につきましてはもっとお伺いしたいと思っておりましたが、関連質問で先輩議員からもだいぶん出ましたので、この点はこの程度において具体的な法案の内容について二、三お伺いしたいと思います。しかし先ほど来の御質問並びにこれに対する御答弁を聞いておりまして、抵抗器に関する技術提携がそう急いでなすべき必要もなかろうじゃないかというようにも考えますので、この点については十分大臣及び局長の間において善処していただくよう要望いたします。われわれはまたどういうように今後この問題が動いていくかということを見つめていきたいと考えておりますので、慎重な態度をとっていただくよう希望して抵抗器の問題はこの程度にして次に入りたいと思います。 具体的にこまかい問題になりますが、まず本法の第三条その他に規定せられておる電子工業振興の基本計画並びに実施計画について、初年度ではどういうように考えておられるか、構想がありましたらお伺いしたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 初年度につきましては、第三条の電子工業振興基本計画、一、二、三号とございますが、その政令で品種をきめなければならないわけであります。これをまず指定して、それによりまして電子工業審議会を開き、おそらく指定品種に応じて部会を作りたい。部会で十分にこの振興計画を審議していただく、かようなことで進めたいと思っております。それに基きまして資金等の所要なものにつきましてはさらに所要の措置をとりたい、さように考えておりますが、一応われわれの局としましては、開発銀行に対します電子工業の今年度の資金としては、まだ最終的にきまっておりませんが、五億円程度を少くとも確保したいというふうに考えて今交渉しておるところでございます。
○多賀谷委員 重工業局長に資料の提出をお願いしたいのですが、それは機械工業振興臨時措置法ができて一年になりますので、法律の施行状態をお知らせ願いたいと思う。まず第一に、合理化基本計画並びに実施計画の策定がなされたはずでありますが、その策定はどういうような策定がなされたか。それから資金の確保が法律にうたってありますが、その資金の確保を機種別、工場別にお知らせ願いたい。融資したなら融資をしたものの機種別並びに工場別にお知らせ願いたいと思う。第三は、共同行為の実施に関する指示がなされたかどうか。ことに法律では品種制限等が明記されておるわけですが、どういう程度になされておるか。こういう点について、明日の朝までに何らかの形で報告願いたいと思います。
○小平(久)委員長代理 それでは資料を出して下さい。
○田中(武)委員 それでは簡単に逐条的にお伺いいたします。第七条の共同行為のところで技術の制限ということをあげておりますが、具体的に技術の制限ということはどういうことをなされるのか。
○鈴木(義)政府委員 言葉がまずくてわかりにくいのでございますが、独禁法で使っておる用語なので、そのまま使っておるわけであります。内容がねらっておるのは、部品とか材料等の規格をきめることをねらっておるわけであります。
○田中(武)委員 本法によりますと、七条で共同行為のことをうたい、八条でその内容をうたい、十二条で公正取引委員会との関係をうたっておる。この八条にうたっておる、いわゆる共同行為の内容というのは一号から三号まで、これは当然なことです。共同行為を行う場合に考えねばならぬ事柄を注意的にあげておるにすぎないと思う。問題は、たとえば三号の不当に差別的であるかどうかといったことを認定する場合、どこがやるのか。これについて十二条では、公正取引委員会と協議するとある。ところが通産大臣の方で、たとえば第三号で例をあげておりますが、差別的でないと考える。ところが公正取引委員会の方は差別的であると考える。協議がととのわなかったときには、結局通産大臣の考えが優先するのではないか、こう考えるのです。そうしますとこの法律は、独禁法に対して一つの制限的な法律になるわけなんで、こういう点についてはむしろ公正な取引の上から考えて慎重を期さねばならぬと思うのですが、この点についてもし見解が分れたときにはどういうふうになるのか、これをまず局長と、それから公正取引委員会と、双方からお考えを承わりたいと思います。
○鈴木(義)政府委員 これは実は昨年御審議いただきました機械工業振興臨時措置法と同じ体系になっておりまして、そのまま条文通りでございます。しかし考え方はいずれも独禁法の例外をもって、通産大臣がやるわけでございますが、御指摘のように第十二条によりまして公正取引委員会に協議するということになっておりまして、理論的には両方の見解が違うということもあり得ると思いますが、実際問題としては十分協議して、そこで意見の一致を見たところでわれわれとしてはやりたい、かように考えております。
○坂根政府委員 ただいま鈴木局長からお答えいたしましたように、問題は協議がととのわないときは、なるほど田中先生の言われますように、この指示によります行為は独禁法の適用除外になっておりますから、協議がととのわないでも、通産大臣が指示をすれば一応独禁法からはずれて参ります。しかし事実上、ただいま鈴木局長が申し上げましたように、この運営については十分公取とも連絡をとって指示を出す、こういう実際上の運営をやっていく建前になっております。これは機械工業振興臨時措置法のときにもそういうことにいたしておりますから、その点は万遺憾なきを期したいと考えております。
○田中(武)委員 機械工業振興臨時措置法でもそうだったし、同じ文句だから大丈夫だろう、こういうことなんですが、スムーズに協議がととのい、運営ができているときには問題はないわけです。うまく話し合いがつく場合はあるいは規定がなくてもいいくらいなものです。しかし問題は双方の見解が相違した場合だと思うのです。そこで公正取引委員会としては、独禁法を守っていくという、この公正取引委員会の重大使命の上に立って考えた場合に、前にもこうだったから今度もこうだ、次にもこうだ、こういうことならだんだんと公正取引委員会の権限というか、独禁法の一角々々がくずされていくという結果になる。できるならば、私は同意というようなところまで考えなければならぬ問題があるのではないかと考えますが、公正取引委員会としてはいかがでしょう、その程度であなた方公正取引委員会の独禁法を守るという使命が十分果されると考えておられますか、いかがでしょうか。
○坂根政府委員 ただいまの問題は、まさに指示をされる場合に協議をする、協議がととのわないという問題でございますが、この指示というのは、私どもの解釈といたしますれば、国家が本格的にその電子事業あるいは機械産業の合理化、あるいは電子事業の振興ということに対してそれ自体乗り出して指示をしていくという建前をとるという工合に考えておりますから、通産大臣が指示をするというときには、その指示の内容であるところの不当に差別的であるという各号の条件は十分に吟味してやる、こう解釈しております。
○田中(武)委員 賢明な大臣であり、局長であるから間違いないと思いますが、こういう問題について公正取引委員会の意思を抹殺して、権利といいますか、法の上に立って不公正なことが行われないように十分考慮を願いたい、このように思います。 次に審議会の問題でございますが、四十名からなる——四十名以下ということですが、審議会のメンバーにつきまして、法律はいつもの例によって学識経験者云々、こうなっておるのですが、今日電子工業の関係におきまして、相当その中に働く者の総意といいますか、そういうものもくみとらねばならないと思うのですが、この審議会に電子工業関係の会社、工場に働いておる従業員の代表といいますか、もっと具体的に言うならば、御承知と思いますが、この関係の労働者が全国的にまとまりまして、電気労連と申しますが、そういう組合を結成しております。そういうところからも代表者を一名ぐらいとる用意がありますか、いかがでしょう。
○鈴木(義)政府委員 電子工業審議会の委員としましては、関係官庁、学識経験者と、こう法律では規定しておりますが、学識経験者は従来われわれが考えておりましたのはメーカー関係の方、大学関係の先生方、それから中小企業の代表者、それから使用者関係、さようなことを考えております。御指摘の工場の従業員の問題でございますが、これも電子工業の振興に必要な学識経験者というふうにわれわれも考えていきたい、ただ組織の代表者という意味でなしに、むしろ学識経験者という意味なら研究してみたい、かように考えております。
○田中(武)委員 全国的にこういう事業工場に関係している従業者が組織する組合がまとまっておりまして、その中には相当な学識経験者もおるし、あるいは組合自体もこの問題については、振興という点に対して相当熱意を持っておりますので、そういうような点についても十分お考え願えるように希望いたしておきます。 次に二十二条の必要な限度において、業務または経理の状況に関し報告をさせることができる。こういう規定がありますが、もちろんこういう共同行為をやり、あるいは振興政策を立てるために経理、あるいは金も融資をするのですが、経理とかあるいは業務の問題について報告を求める必要もあろうと思いますが、これが行き過ぎる。よく言われる言葉ですが、官僚統制といいますか、あるいは政府の力が会社事業場に入り過ぎるということもあるので、この必要な限度という点が問題になると思うのですが、大体抽象的な必要な限度というのをどういうように理解したらよいでしょう。
○鈴木(義)政府委員 御趣旨の通りでございまして、これはあまり必要以上にわれわれとして経理業務の状況について報告をとるという意思は毛頭持っておりません。従いまして考え方は振興計画等を作成する場合に、それの基礎的な材料をとるとか、さような意味で必要なことを主として考えております。法律でも特に必要な限度と書いてありまして、明示をしておりませんが、われわれの頭に一応ありますのはそういうふうに考えておりまして、不当に経理の報告をとって官僚統制というようなことは考えておらないつもりであります。
○田中(武)委員 あくまでも文字通り必要な限度として、あまりに金業の自主性あるいは民主性を侵すようなところまで立ち入らないということの方が、その企業を伸ばしていき、また産業を振興させる上に必要ではないかと思いますので、そういう点について希望を申し上げておきます。 それから最後に、この法律は七年間の時限立法の格好をとっておりますが、これは十年では長過ぎるし、五年では短か過ぎるから七年ということになったのかどうか知りませんが、大体七年たてばこの計画が実施に移されて、十分日本の電子工業が世界の水準まで達するという見込みで七年とお考えになったのか、単に先ほど言ったように、十年では長過ぎるし、五年では短かいから七年ぐらいにしておこうかというようなことで、七年たってからまたこれを延ばすという必要をお考えになっておりましょうか、いかがでしょう。
○鈴木(義)政府委員 この点は実は電子工業の振興法でございますから、あるいは恒久法でもよいのではないかという考え方もあったわけです。しかしこの中には、たとえば独禁法の除外例というものもございますし、こういうふうに除外の考え方は臨時的な考え方でございますので、さような意味におきましても時限法としたい。しかしながらあまり短期間では——この法律はできれば恒久法というふうな頭でもございますので、一応七年としたわけでございます。七年の間にさらに電子工業は相当伸びると思いますが、そのときこの範囲内でできるだけ努力をいたしまして、そのときの段階においてさらにどういう手を打つか、そのときの状況の変化もあると思いますので、さらにより強力な手を打たなければならぬかとも考えます。そのときは七年以内に最善の努力を尽した結果いかにするかを考えていきたいと思います。
○田中(武)委員 七年の間に最善の努力を払って、少くとも日本の電子工業が世界の水準を抜くというところまで努力をしていただきたい。このように考えます。まだほかにお伺いしたい点もありますが、これは時間があればその機会にすることにいたしまして、きょうあとに大臣の関係等もあって質問者もありますので、私はこの程度にしておきたいと思います。しかし機会があればまだお尋ねしたい点がたくさんあるので保留しておきますが、最後に一点大臣がおられるので一言申し上げておきたいことは、何といっても日本の技術振興という点から考えましたときに、やはり原子と電子の二つ大きな車の両輪をなすものだと考えます。今のところでは原子の方が先ばしって電子の方が遅れておるように思いますので、たまたまこういった法律が出てくることにつきましてはわれわれは必要なものであったと思っておるわけですが、十分予算の点等につきましてもこれら電子の振興のために、やがては日本の工業の発達、オートメーション化の促進のためにも必要なことになろうと思いますので、十分一つ考えていただくよう希望いたしまして、一応私の質問を終ります。
○小平(久)委員長代理 八木昇君。
○八木(昇)委員 時間もございませんし、大臣も御多忙のようでございますので、今度の東北並びに北陸の電気料金値上問題についていろいろ問題がございますが、重点的な四、五点についてできるだけ羅列的にお伺いいたしたい。 まず第一点は、今度東北と北陸の両電力から電気料金値上げの申請があって、それに基く聴聞会に大よそすでに完了したものと思います。従って近々のうちに両電力の電気料金値上げが何らかの形において、今のまま推移すれば認められるのではないかというふうに私ども情勢を見ておる。ところがその内容を見ますと、今度の場合は世間が一般に思っている以上に非常に大幅な料金値上げになっておる。東北については平均二丁二%の値上げ、北陸についても二四%の値上げになっておる。しかもその内訳を見ますと、東北の場合、平均は二一・二%になっておりますが三千キロワット以上の大口電力については四〇・六%すなわち四割の料金値上げになっておる。しかも北陸の場合にはさらにはなはだしくて、詳しくは私が申し上げるよりも大臣御自身が御存じなので申し上げませんが、今度の値上げの平均は二四%であるが、一般の値上げは一六%程度にとどめて、残りの分を何にによってカバーしようとしておるかといえば大口電力の値上げ、特に新しく契約をふやす分についてはさらにそれの二倍の値上げという格好でカバーして平均二四%の値上げということに申請がなされておるようでありますから、北陸あたりの新規の大口電力の分などに例をとりますと、ものすごい一挙の値上げになることになっておるので、もしかりに若干の値上げやむなしという考え方に立つとしても、昭和二十九年の値上げのときでさえも平均一一%、一番高く値上げした中部でさえも十何%であったということを考えると、現在のような物価が大よそ安定しておる経済情勢のときにおいてこういう極端なる一挙の値上げというものが考えられるかどうか。私ははなはだもって奇怪に思うので、もしかりに値上げを若干認めなければならないとしても、そこに漸進的な措置とかいろいろな方法が当然考慮されてしかるべきである、きわめて客観的に見てもそう思われるのですが、この点についての考え方をまず第一に明らかにしてほしいという点であります。
○水田国務大臣 ただいまお話のように、電気料金の問題は影響がきわめて大きい問題でありますので、私どもはあくまで慎重を期したいと思っております。前からも申し上げましたように、東北と北陸の経理状態は最近きわめて悪くなっており、早晩値上げの問題が起ってくることは承知しておりましたが、もしそういう状態であるとすればいっそういう申請をさせるかという問題について、私どもの考え方は、前にもこの委員会で申しましたように、法律でもないし、国会の承認を得なければならぬという事項ではありませんが、一般産業界そのほかにとって重大な問題でありますので、やはり衆参両院の商工委員会の御意見は十分聞いて最後に政府の結論を得たいと考えておりましたので、できるだけこの国会中に聴聞会を開き、聴聞会で出た利害関係者の御意見もこの国会が終らないうちに商工委員会に報告する機会を持ちたい、そうして政府も聴聞の結果を十分検討して、どうしたらいいかという政府の考え方も至急まとめて、国会が終了したあとでも一ぺん商工委員会を開いていただいて御相談に乗っていただく機会を作りたいという考え方から、国会中に聴聞会を開けるようにしてくれというので、むしろそういう考えがあるなら早く申請してくれ、こちらから国会が終了しない間に出せというふうに指導したくらいでありまして、ようやく申請が出て参りましたので、聴聞会をこの十日に仙台と富山で行いました。その結果も現在大体整理されておりますので、一応公益事業局長からこれについての御報告を先にさせて、また御意見も承わって、政府の検討はこれから実は始めようというところでございまして、私どもの考えはまだ完全にまとまっておりませんが、ただいま御指摘になったような従来の方の値上げは少くて、新規に工場を作るというような企業者に対しては特別の高い料金を云々というようなやり方がいいかどうかということについて聴聞会でも非常に反対意見がございましたので、もしおよろしかったら局長から報告を先にさせていただきたいと思います。
○八木(昇)委員 私どももそう願えればほんとうは審議に都合がいいのですが、時間もないようでございますから、大臣に要点だけを四、五点お伺いしまして、あと局長の方から具体的な点を伺いたいと思いますので、そういうふうに願いたいと思います。ただいま大臣のそういうお話でございますけれども、私ども考えますと、電力会社から料金値上げの申請があって、それに基いて通産省は白紙の立場でこれの検討をするということではなかったと思います。事前に通産当局と電力会社との間に十分な折衝、意思の疎通がはかられて、大体こういう申請であるならばごく部分的な点の修正はあり得ても通産省はこれを認可するというような、大よその事前了解があって、正式に業者の料金値上げ申請書が提出される、こういうのがだれが考えても従来やってきた通産省の行き方でございましたから、そこで今東北電力並びに北陸電力から具体的にこういう申請書が出ている以上は、この内容の大半については通産省との間に大よその了解ができておるとよりほかに私どもは理解のしょうがない。そこで今の御答弁では必ずしもそうでなくて、聴聞会の結果も相当批判もあるようであるから白紙の立場でこの申請を検討するというような御趣旨のようでありましたが、第一点はそのように承わっておいていいかどうかということです。それからもう一つは、かつて電力が非常に豊富であった時代に、北陸と東北が特に豊富であったために、他の七電力会社は二段料金制をとっておったけれども、東北と北陸だけは二段料金制を採用せず、東北や北陸は電力が余っており、しかも大口の皆さんに都合のいい料金制度を作っているから、大口の需用家はどんどんわれわれのところに工場を作りなさい、こういうやり方をしていたのだが、今度北陸についてこれを見ますと、二段制料金制よりはもっと極端な大口の新設に対して割高の料金を課してこれをセーブするというような制度をとり、他方東北の側は依然として二段料金制を採用しない建前で進んでいる。こういう形になって、全国的に見ると根本的な違いを持つ三通りの電気料金制度が並立をする、こういう形、しかも東北と北陸において極端な制度の違いが今度現われてくる、こういうことになるのであるが、これは日本全国の電気料金政策という面から考えて矛盾もはなはだしい、こう私どもは考えるので、その点通産大臣の御見解を承わりたい。この二点でございます。
○水田国務大臣 今度の場合事前了解ということは一切ございません。口頭では申請をしたいというようなことをしばしば聞きましたが、私どもの方では今そういう問題はすぐは受け付けないという態度でずっと参った次第でございまして、従って大体こういう程度の申請なら役所も考えるというような事前了解は全くございませんので、役所としましては申請書を白紙の立場で検討するという態度をとっております。従って一方が五十何億、一方は三十何億と予想される赤字の内容についても独自の立場でただいま検討しているというような状態でございます。従いまして東北の料金制はこういうふうにするのだ、北陸は二段制でこういう区別をつけていいんだというような指示もむろんしてございませんので、両者ともこの料金の値上げ方式はいいかどうかも今白紙の立場で役所側としては検討しておる。そうしてその前に聴聞会を開いて関係者の忌憚ない意見を聞きましたが、今のところでは東北のような方式のあり方についてはある程度やむを得ないだろうという意見が非常に強かったし、北陸のようなあまりに差異を持った二段制度についての反対は非常に多かった、こういう事実もございますので、こういう意見も私どもは参考にしてこれから政府の考え方をきめたいと思っております。
○八木(昇)委員 大体よくわかりました。そこでなおそれに関連をいたしましてあと少しお伺いしたいのですが、北陸の申請によりますと、従来の既契約の分についてはこれだけの値上げだ、今年から新たに契約をふやす分については今度は値上げ分のさらに倍の値上げをする、こういうようなやり方というのは同じ業種の、また同じ業態の、そしてまた使用量についても需用家の工場の規模についても大体同じような立場にあるのに、今まで工場があったところと新しく工場を作るところあるいは工場を増設して電力をよけい使うようになるところ、こういうところとの間に差別の待遇をするということになる。そういうことは公共事業令の三十九条に規定してありまする特定の使用者に対し不当な差別的取扱いをしてはならぬという点に明らかに違反しておるのではなかろうか、こういう見解を実は私持っておるのでございますが、この点についての通産大臣のお考えを一つ承わりたいことと、それからもう一つは、これと直接関係はございませんが、今度の両社の申請は当然現行の三割頭打ち制度はこれを全部廃止をする、こういう建前に立っておるのだろうと思うのですが、そうであるかどうか、またそうであるとすれば単なる二〇何%の値上げにとどまらず、ある特定の個人については膨大な値上げになりますので、その点についてこの申請はどういう意味のものであるか、そしてもし三割頭打ちを廃止するという考えの申請であるとするならば、これに対して通産省はどういうお考えか、この点お伺いしたいのです。
○岩武政府委員 最初のお尋ねの北陸電力の申請にあります特別料金の問題であります。これは公共事業令の公平の原則に反するのじゃないかというお尋ねでございますが、私どもとしましては必ずしも違反ということではないのじゃないかと思っております。妥当かどうかという点が問題だろうと思います。電気料金の理屈にはいろいろありまして、御承知かと思いますが、こういうふうな特殊の需用家のためにふえた原価をその原因をなした需用家に負担させる、いわゆる原価費用を限界需用者に負担させるという電気料金の理論もあるようでございますので、そういう理屈に立ってむしろ在来の人の方を一緒に上げればかえって公平を失するというふうな見方に立っておるかと思います。しかしこれにつきましては聴聞会でもむしろ反対あるいは条件付の賛成というふうな意見が多かったようであります。無条件の賛成はたしか一件しかなかった、あとは条件付の賛成もしくは反対というふうなことでございますので、私の方もこの点はもう少し慎重に検討したいと思います。先ほどお話のありました東北との権衡の問題でございますが、料金の制度はその土地々々の実情、電力の需給に合った制度の方がかえって画一的な制度を持つよりも妥当ではないかというふうな見方もございます。両会社それぞれの意見と判断を持ってこういうふうな案を作ったのだろうと思います。私の方もほかの七社の電気料金の体制とは若干異なっておりますので、全国画一的に処理すべきものか、あるいはもう少し地域々々の特殊性を入れて、その地域の産業の発展あるいは公平な料金の負担という点から具体性を持たせた方がいいのか、もう少し検討したいと思っております。 それから三割頭打ちのお話でございますが、これは一般の問題でございましょうか、どういうことでございましょうか。
○八木(昇)委員 三割頭打ちは全面的に廃止の前提に立っての申請か。
○岩武政府委員 申請は三割頭打ちということをうたっておりません。これは過日当委員会で御説明いたしましたように、あるいは役所の方の慫慂に基いて電力業者から申請書を追加提出して承認を与えたというふうな問題がございますから、この電気料金改訂の段階で事業者側から自発的にそういう措置を申し出ることはないのが通常だろうと思います。またでき得ればそういうふうな頭打ちとかいうふうな暫定措置がなくてもいいような料金制度を考案し申請するというのが最も当を得たものかと思っております。
○八木(昇)委員 私はただいまの御答弁は二つとも非常に不満足に思うのです。というのは、第一の三十九条違反とは必ずしも言えないが、あまり妥当なやり方ではなかろうというふうな程度のお答えのように承わったのですが、それは工事費なんかを負担させていろいろな条件の差異によって工事費の負担額が多かったり少かったりするということは当然あり得るのですけれども、同じ業態で同じ規模の何ら違わない需用者に、あるものは高い値段の電気料金を支払わせ、あるものは安い電気料金を支払わせるということは、どう考えても三十九条違反である。こういうのをさして第三十九条で明確に書いてあると思うのでありますが、時間がありませんからその議論は一応抜きますけれども私はそういうふうに思います。 それから今の三割頭打ちの問題は、今度の料金値上げを認めれば必然的に飛んでしまうのではないのですか。どうお考えなのか私よくわからない。そこでそういう点も十分に御検討の上、矛盾がさらに矛盾を生み、さらに矛盾を発展させるというようなことにならぬようにぜひやってほしい。これは大臣の方においてもぜひ政治的な立場からでもそういう点を十分お考えになっておいてほしいと思うのでございます。 もう一つは、東北あたりが今ごろ突如としてこういう値上げ申請をせねばならぬようになってきておるについては、東北電力の側ばかりをわれわれがいろいろ責め立てるわけにいかぬ。電力行政全般の対策の矛盾性から東北は困った立場に追い込まれておるという要素があると思う。たとえば東京電力から電力の融通を東北で受けるといった場合に、聞くところによると今度東北と東京電力との間の業者間の話し合いでは、融通電力のキロワット・アワー当りの単価を四円五十銭か六十銭くらいのところで大体折り合いがついている模様でございます。融通電力の料金については通産大臣の認可が必要である。一体どういう金額において融通電力の値段はきめらるべきであるか、その考え方をこの際はっきりしておいてほしいと思います。ということは今度の料金値上げがもし認められるとすれば、それでもなお三千キロ以上の大口電力については、東北は東京電力よりは幾らかまだ安いと思いますけれども、他の一切の電力料金は東北が全部東京電力より高くなる。そうすれば、将来を考えていくと、東京へ産業も全部集中してくる。こういうことに必然的になるわけで、これは通産行政の立場から見ると問題があるわけであります。それらが今の融通電力料金の問題とも当然からんできます。そういう点をこの際明確にしておいてほしいと思います。
○岩武政府委員 融通料金の問題でありますが、これは御承知のように北陸の原価増のほとんど大半を占めております。東北の原価増の約四割前後を占めております。これは私の方で昨年末以来三十二年度の電気の需給計画を作ります際に、東北及び北陸の需用が非常に伸びます半面、供給力が足りないということで、各社の相互融通の交渉の中にも立ちまして、極力両地域に他社からの融通を促進させたのであります。結果として、それぞれ九億キロワット・アワーのものが他の四社から出てきておるわけであります。それでその料金についてはまだ決定を見ておりませんが、一応電気業者間ではそれぞれの話し合いをつけて、仮契約ということで当局の方に認可を申請しておりますが、これはまだ認可しておりません。内容を詳しく申し上げることは省略いたしますが、東北は東京電力及び中部、関西、中国の四会社からそれぞれ融通を受けておりますので、これら各社内部における融通電力量の供出するこの費用構成並びに途中の送電ロスを見ます結果、かなり料金の単価が高くなるというのが実情でございまして、申請されておるものもそういうのを反映しております。極端に申しますれば、約七円近い常時電力の単価のものがあるわけであります。北陸については関西、中部、東京の三社から、ほかに中国もありますが、四社からそれぞれ融通を受けております。これも同じような状況でそういうふうな料金が高くなっておる。これは送り出す方の原価的にも、それから途中の送電ロスを加味しても、やはりそういうことになるのであります。実はそれぞれの電力需給の契約はそれ自身として役所の方で処理するものでございますが、今回はちょうど両地域の料金値上げの申請とぶつかって、おまけに融通料金の単価のいかんが両地区の料金の値上げの幅を、ある程度決定いたしますので、今度の料金値上げ申請の処理に当りましても、この融通料金の問題はどういうふうに扱うかということで苦慮しておるわけであります。御承知のように本年度は送り出しの東京、関西、中部という電力会社においても、それぞれ数億キロワット・アワーの不足が見られますので、この融通を行うということは全国的な不足量を特定の会社にしわ寄せしないで、広く関係会社にばらまいておるという結果になっております。従って融通料金のきめ方もそういう見地から考えなければいかぬかと思っておりますが、それにしましても両地域にあまり急激な影響を与えてもいけませんので、この辺は十分検討いたしまして、慎重な態度で臨みたいと思っております。実はまだ結論は出ておりません。
○八木(昇)委員 時間がありませんから、それではあと一、二点だけで終りたいと思います。今のその点は、何といいますか、大体平均四円五十銭というようなことで、融通電力をもし東北や北陸が他の電力会社から買うといたしますと、昭和三十年度あたりの実績では、大口は両電力とも大体二円くらいで売っているわけです。そうしますと、明らかにそれが非常な赤字を生む根本原因になっておる。電力の余っておる電力会社から足らない電力会社に電力を融通させるということは当然のことであって、そうしてそれがためにはある程度の政策も加味しながら融通電力料金というものを考えてやらないと、これは東京ではこれだけの値段だが、東北では電気はこれほど高い、こういうようなことはどう考えてもあり得べからざることだと思うわけです。電力の場合は多少は違うかもしれませんが、鉄道にしても郵便料金にしても何にしても全国隅々どこであろうとも料金は一定です。もちろん金額が一定であり、制度もすべて一定である。ところが電気に関しては制度そのものが根本的に三通りに分れておる。しかも料金の金額がそれぞれ区々ばらばら、しかもこれは歴史的にずっとそうであったというのではなくて、ついこの間までは全国一定であったのを、わざわざ九分割して昔へ逆行させたというのが、今から四、五年前のできごと、しかもそれに何とかつじつまを合せるために、今日いよいよどうにもこうにも、こっちをいじればあっちに矛盾が出、あっちをいじればこっちに矛盾が出る、こういうことに追い込まれているのじゃないか。こういうふうに実は私どもとしては感じておるのです。そこでもう一度通産大臣からお答えを願いたいと思うのでありますが、今のように電力料金が地方によって、少くとも極端な差異が出るというようなことについて、それを防止するための政策的な立場、それは電力会社の原価計算というようなことだけでなくて、もっと政策的な立場をとって料金を決定すべきではないかどうかということについての私の問いにお答えをいただきたいと思います。 それからもう一つは、他の電力会社についてもう一点お伺いいたします。こういうふうに東北、北陸が料金の値上げをしますと、いずれ近いうちに他の七社も料金値上げをやってくると思います。これはいつまでも黙っておるわけではなかろうと思います。そこでそういう場合に、どういうふうに対処されようとお考えになっておるか、将来についての見通しをどういうふうに持っておられるかということについてもお答えをいただきたい。その場合、今度の東北、北陸の料金値上げは暫定的なものであるか、相当長期にわたる恒久的なものと考えておられるか。 それからもう一つ、他の電力会社についても今の二段料金制というのは昭和二十八年、二十九年の実績です。それを上回る分については割高の料金をとるということになっておるので、他の電力会社の料金制度も必然的に暫定的なものであるかのごとく見えるのであります。これを長期に持っていくということは、当然その点についてのみでも矛盾が出てきますから、こういう点をひっくるめて将来の見通しをどういうふうに持っておられるか、これはできれば大臣からお答えしていただいて、それから補足的に局長から説明願いたいと思います。
○水田国務大臣 御承知のように東北、北陸地方は水力が主になっておる地帯でございましたので、コスト主義でいく以上、特に他の地区よりも電力料金が安かった。従ってそこに大口需用家を集中させるような傾向を起させてここまできている以上、そのために需給関係がきゅうくつになってきたとはいっても、ここで東北、北陸地区を特に東京その他の他地区よりも高い料金に持っていくということは、私どもの今までの政策上からはむずかしいというふうに考えますので、たとい値上げを認めても、他地区より上らないようにしたいということと、それからここでこそくな料金をきめて、来年処置なくてすぐにまたもう一回やらなければならぬというふうな事態は避けたいので、今度の政府の検討の方針といたしましては、こうしたら二、三年は少くとも変更しなくてもやれるというふうに——そう長いことは私どもも自信はございませんが、二、三年の間はこれでやれるのだという料金を認可したい。そのためには、今後両地区の開発に関して、この資本費の増高に対してどういう措置を政府は考えてやったらいいかというような問題はこの両地区が中心に特に問題になると思いますが、日本全般の電源開発について政府はどう援助をするかという問題とも関連すると思いますので、そういう問題をもあわせて私どもはここではっきりしたものを準備したいというふうに考えております。 それから今の融通電力費の問題でございますが、さっき局長からお話ししましたようにいろいろ問題はございます。 〔小平(久)委員長代理退席、笹本 委員長代理着席〕 自分の方でも不足なんだ。しかし他地区の不足を補うために特に能率の悪い火力発電もフルにたいてこれを送るんだという立場でいくと、その部分だけのコストというものは非常に高くつく。他地区に融通するために特にこういう高いものをたいたのだから、その原価はそのまま持てということだけでもいかないので、いろいろな矛盾が電力再編成のときのあり方やなんかからきておる問題もございますので、国全体を考えてその融通電力というものにも私どもは若干政策的な意味を加味した処置を考えて対処したいと考えております。 それからそのほかの電力会社の状態は、さっき申しましたように北陸だけじゃなくて、全体の開発について、コストの上昇に対して政府が国民経済全体の上から見て、特別に考えてやる処置があるかというようなものと関連して、そこらがうまくいけば、他の電力会社からも値上げ申請という事態にはしばらくはならぬ情勢じゃないかと今考えております。
○八木(昇)委員 きょうは非常にかけ足でやらなければならなくて非常に残念でございましたけれども、将来機会がありましたならば、具体的な点についてまだたくさん聞きたいことがございますので、それは局長あたりにお伺いすることにして、一応きょうはこれで終ります。
○多賀谷委員 大臣、時間がないそうでありますから、一点だけお尋ねしておきたいと思います。 最近東北並びに北陸の産業は主として電気を使う化学工場が非常に設立されたようであります。また国の方でも国土開発という面からそれを推進されたと思うのです。東北自体において原料が求められ、それが電力料金というものを除外視しても採算が成り立つ、こういうようないわば銑鉄とか砂鉄あたりのものは、それは原料を東北に求めますから、こういう産業はそれほど打撃はこうむらないと思うのですけれども、ただ電気が安いということで興された工場、あるいはそういう産業については、今の工場も困るでしょうし、今後設立せんとする予定の工場は、今お話がありましたようにさらに料金が高いわけですから、興ってこない、こういうような状態になりますと、後進地域の開発との関連においてどういうようにお考えであるか、これをまずお聞かせ願いたいと思います。
○水田国務大臣 ただいま申しましたように、そこの電力が比較的安い、地域差の利益を持っているというために工場が誘致され、そしてどんどん需用がふえていった、そうかといってこういう状態になったのだからここへ来た工場は不運だったということに持っていくのは、やはり考えものだと思いますので、私は今まで地域差があったために誘致され、集中した企業に対して他地区よりも特に高い料金になったというような事態にはしたくない、こういう方針で今度の料金の認可は考えたいと思っていますが、そういうふうに後進地の開発と非常に関係がございますので、会社から申請した通りをそのまま私どもは認可しない、そういう点を十分考慮して考えたいと思っています。
○多賀谷委員 大臣の答弁は比較的消極的な御答弁でしたが、地域差を利用して興った産業については他地区よりも料金が高いというようなことのないように配慮したい、こういうことでありましたが、私は将来の問題も含めて、一体東北、北陸のいわば後進地域の開発に、電気料金の性格からいってそういうものを利用すべきでない、それは別の方面で開発の促進をやるべきだ、別の要素でやるべきだ、こういうようにお考えになるのか、あるいは電気料金もやはり安いということが開発促進の一つのモメントである、こういうお考えでおられるのか、将来の問題を含んで一つ御答弁を願いたいと思います。
○水田国務大臣 後進地の開発については電気料金の問題だけではございませんで、国が開発のためのいろいろな助成策を講ずるということが当然でございますが、電気料金自身の問題につきましても、今後開発が進むに従って、開発地帯というものは今まで開発されておった地帯よりは不利な条件の地帯にだんだん入っていくのですから、どうしても開発のコストは高くなる。そうすれば、開発がこれ以上進むに従って電気料金が安くなるという方向は考えられませんので、これでいいかという問題が起ります。これにつきましては、電源開発について特別の政策的な考慮を政府はしなければならぬじゃないかと私は考えています。たとえば電気は一般産業に重大な関係があるんだし、ひいて日本経済全体に関係があるんだということでしたら、開発のために国がこれについて特別の助成をするということは許されるのじゃないかと思うのです。今度の場合は新規産業についてのいろいろな補助政策について電気をはずすという措置をとりましたし、さらに増資免税というような恩典も与えておったのですが、電気についてはそういうものをとったというようなことで、こういうことがやはりいろいろな支障を電力会社の経理には起しておることは事実であります。こういうものは、一ぺんああいう措置は政府でとりましたが、電源開発法という法律もありますので、この法律の改正というようなことによって、何かここで考える必要がありはせぬか。そうして電気料金を上げないというようなことによって、やはり後進地の開発を促進させるというようなことも必要だと思いますので、料金自体についてもこれがあまりに高くならぬよりな措置は、どうしても政府としてとりたいと思っております。
○多賀谷委員 水源地域にはやはり限度があるし、新鋭火力がますます設立されるような状況になりましたし、あるいはダムはどちらかといえば調節用に使われる、こういうことになる。あるいは原子力による発電が考えられるような状態になりますと、やはり電気料金は地域差がだんだんなくなる。これは人為的に切断すれば別ですが、やはり地域差というのがだんだんなくなっていく。電力の経済圏が広くなるに従って、そういうような状態になると思うのです、長期的に見ますと。そうすると、今電気料金の地域差を利用して、そこに産業を興すということは、これは非常な危険な状態になる、こういうように考えられる。一時政策的にそれを利用しても、長期的にはやはりとんでもない間違いの設立をしたと会社当局が嘆くようになる。そこにたまたま市場があり、原料があるという場合ならまた別です。市場は遠く離れておる、原料も遠くから持ってこなければならぬ、こういうような品物になりますと、私は非常に問題が起ると思うのです。そこで政府はこういう問題についてどういうように考えておるか。すなわち後進地域の開発と伴って、こういう問題をどういうように処理されるつもりであるか、それをもう少しお聞かせ願いたかったわけですが、どうも大臣のさっきからの答弁では、あまりそういう長期的なお話でないので、現下の料金、しかも消極的な答弁でありましたので、非常に残念に思いますけれども、別の機会にお聞かせ願いたいと思います。
○永井委員 時間がないそうですから、二、三簡単に伺います。今度の料金改訂で東北の方は売れば売るほど損をする、こういう料金制度なんです。それから北陸の場合は売れば売るほど得をする、こういう料金制度なんです。それは東北の場合は高いものを買って安く売るという、こういう仕組みになっておる。それから北陸の場合は、増加分については二倍の料金を取る、こういう仕組みですから、これは五〇%という頭打ちの制度はありますけれども、とにかく倍の料金を取る。売れば売るほど得をする、料金改訂に当って不合理な、二つの極端な不合理なこういう建前を作ったということは、どういう根拠に基くのか承わりたいと思います。
○岩武政府委員 先ほど八木委員の御質問に対しましてお答えいたしました通り、それぞれの理由を持っておるようであります。これは役所の意見ではございませんで、申請者の方の意見でございますが、東北の方は御承知のようにできるかけ東北開発のためにたくさんの大産業を誘致いたしたいということで、フラットのレートを持ってきておる。北陸の方は逆にその増高になった原価を負担さすという一つの理屈で、在来からある企業にあとから来た人の負担を背負わせるというのは公平に反するであろうという見地から、そういう制度を考えて申請しておるようであります。先ほど申しましたように、電気料金の制度は全国的に統一した方がいいというふうな考えもございますし、あるいはまた細部の点ではその地その地の産業の特殊性、需用の特質に合うように細部の調整をした方がいいだろうという意見もございます。公聴会の意見も、この制度につきましては、東北については二段をとったらどうかという意見も若干あったのであります。北陸につきましては、特別料金制度はむしろ批判的意見の方が多いことも先ほど申し上げた通りであります。これはわれわれといたしましては、どういうふうに処理するかということについて実は検討をしておりますし、また公聴会の意見あるいはその他の条件も考えまして、慎重に処理したい。必ずしも同じ制度にする必要もないかもしれないし、あるいはいい案があれば同じようにした方がいいかとも思いますが、実はその点まだ態度はきめかねているわけであります。
○永井委員 まだ業者の申請の料金改訂に対して態度をきめていないというのですが、それならばどういうような基準でこの査定をなさるのか。とにかく申請によると、東北は売れば売るほど損をする、北陸は売れば売るほど得をする、こういう仕組みになっておる。これを根本から切りかえて、何か一定の基準でなにするとすれば、違った基準をもってこなければならないと思いますが、どういう基準でそれでは査定をしようというような基準があるのかどうか。そうすればこれは根本的に料金制度というものを組みかえてしまわなければならぬと思う。
○岩武政府委員 料金制度としての見方は先ほど申し上げた通りでございまして、まだ結論を得ておらないわけでありますが、これはただ大口の産業の需用、つまり契約用量が三千五百キロワット以上の需用の問題がございますので、むしろわれわれとしましては全般の料金の率のあり方という方面に処理の重点を置いておるわけです。と申しますのは、先ほど大臣も申し上げましたように、できるだけ両地の料金を隣接地域に比べてあまり上ることのないようにしたい。でき得べくんばこれはやや低いという方がけっこうだと思いますが、そう行きますかどうかわかりませんが、できるだけ近接の地域に比べて低い、あるいはあまり上らない地域に置きたいというのが第一点であります。 第二点は、これも大臣が申しましたように、料金改訂をやってから一年たてばまた上げるということは困りますので、二、三年間は永続するような料金率に置きたいというのがわれわれの考えであります。御承知のように経済は動きますので、また東北、北陸ともに火力も入りますので、そう五年も十年も続く料金というものはとうてい考えられないわけであります。従ってそういう点に重点を置いて、しかも個々の内容におきましては、でき得べくんばあまり需用家側に急激な大幅な負担をかけないようにしたいというのがそのときの処理の考え方でありますが、なかなか電気料金の需用の態様は千差万別でございまして、一応平均的なあるいはモデル的な需用構造を考えてやりましても、個々の需用家になりますと、あるいは思わざる負担増加が出てくる場合もございますので、その辺を十分検討したいと思っております。
○永井委員 時間がないそうですから、答弁を簡単に要領よく願います。この申請された料金制度によると、東北では三十二年度においては九億キロワット・アワーを買うのだ、そして自分の方からまたよそへ安く売っているものを差し引きして、七億四千万キロワット・アワーが増加するのだ、こういっておる。それから北陸においても九億前年度に比べて三十二年度がふえる、こういう計算を出しておるのですが、北陸では新しく増加した分については今までの料金の倍を取るのだ。東北においてもずっと料金が今度改訂されて高くなるのだ。そうして将来の見通しから言えば、今までは東北には電気料金が安いから、いろいろな化学工業、電力をうんと使う工業があっちの方へ行ったのだけれども、将来は高くなる見通しだということになれば、将来はそういう方面に工場が行かなくなる。誘致でなくて、かえって向うの方へは行かなくなる。こういうことになると、今までのような、ここで計算を出している九億を買うのだという数字は、果してこの通り行くかどうかわからないと思うのですが、東北、北陸における売電の量においてどういう査定をされておるか、見通しを持っておるか伺いたいと思います。
○岩武政府委員 融通量が果して実現するかというお尋ねでございますが、これは私たちは実現すると思っています。と申しますのは、東北におきましては九億の受け取り、それから送り出しが九億数千万でございますが、それを見ましてもなおかつ六億キロワット・アワー前後の不足が予想されております。北陸につきましては、九億の受け取り融通を見まして、なおかったしか三億か四億キロワット・アワーくらいの不足でございます。従ってこれは一応平水べースの計算でございまするから、大豊水が一年間続きますれば別でございまするが、あまり違わない前提に立ちますれば、これは必ず実現すると思っております。
○永井委員 いや、そういうことでなくて、これだけ電気料金がうんと上れば、需用がそれだけふえるかどうかということです。
○岩武政府委員 その点は料金制度の問題になるわけでございます。東北ではこれは問題ないと思っております。御承知のように東北の織り込み料金に比較いたしますと、今度の申請料金すらもかなり安いのでございます。北陸も同様でございます。ただ御指摘のあった北陸の二段料金という特殊の変形の制度のために、伸び得たかもしれない需用が、あるいは途中で拡張なり移転を踏みとどまるかもしれぬというのがお話だろうと思いますが、これはすでに私の方では受電をそれぞれ認可しております。東北、北陸のこの需用に応じまするものは認可して、ちょうど融通量にはまるようにやっておりまするので、しかもおそらく大部分の工場はすでに工場施設の大部分を完了しておるかと思いますから、われわれとしましては三十二年度にはこの融通量は、需給の前提、水の前提が狂いませんならば、実現すると思っております。
○永井委員 北陸の場合は、もう新しく電力を使う工場は来てくれるな、こういうことを言っているようです。新しく増加した分については倍を取る。それから東北の料金の建前から言うならば、九億足りないから九億買うのだ、こう言っているのですが、それだけふえなかったら、非常に売電の量が減れば減るほど東北は利益が増す。こういうことになって、その利益の差は、これはちょっと動いても四十億前後は動くというような大幅な動き方になると思うのです。でありますから、こういう料金の建て方というものは非常に危険だ。会社にとっては非常に都合がいいかもしれないけれども、需用家にとっては非常な——九億買うのだからこれだけ損になるので、その分をこれだけの料金にしてくれという建前になっておる。九億売電しなかったら会社はうんともうかる、こういう結果になるのであります。でありますから、これは問題が一つ残っておる。 それから、東北の場合には、三千キロ以上を使うところは大口として、これは他の会社から比べると安い。しかし、ほかのそれ以下のところは、もうずっと他の会社より電力料金は高い。そうすると、東北は少数の大企業だけは特別優遇するが、そのしわ寄せは中小企業にずっとしわ寄せする。中小企業は高い電力料金を使わせる、大企業には安い料金を使わせる、こういうことになるのです。それから東京よりは向うの方が高い。後進地域の開発とか、中小企業の振興とか、そういうふうに——通産大臣に伺いたいのですが、中小企業団体法というのは、私は中小企業の振興にならぬと思っているのですけれども、一応振興のために法律を出したと言っておりながら、こういうところでは中小企業を押えつけるようなことをやっておる。こういうことについて、もっと根本的に、基礎産業である電力料金なんかの全国的な地域差の問題、あるいはその中における大企業と中小企業との料金差の問題、こういう問題を、もっと根本に触れてこないと、中小企業の振興なんというものは成り立たないと思うのです。この点について一つ伺いたいと思うのです。そういうふうに根本的に総合的に一つ中小企業なら中小企業というものの対策をお考えになる必要があると思うのですが、それに対する所見を伺いたい。 もう一つは、東北や北陸が料金を上げるということは、一応わかるのです。わかるのですが、そうすると、東京や関西というのは、ことしあたりどうであるかといえば、全体を通じて三百億に近い渇水準備金を持って、ぬくぬくともうけておる。それから東京、関西は三十億から四十億に近い利益を上げておる。そして地域差をなくするということになると、高いところへこういうところの料金を持っていけば、地域差はなくなる。しかし会社の経営の内容というものは非常な、雲泥の差がある。もうかるところはますますもうかる。もうけの薄いところはどうやってもなかなか利益が上がらない。このような九分割にしておいて料金の地域差をなくするといえば、もうかるところはますますもうかってくる。こう思うのです。ですから私はこれらの根本的な解決を、やはり東京や関西のようなもうけ過ぎているところはもう少し値段を下げたらどうか。東北や北陸が上げることはわかるのですが、そういうところは下げたらどうか。下げる考えがあるかどうか。大体今の保守党内閣ができてから、物の値段の下ったものが一つでもあるか。一つもないです。値上げばっかり。ただ値段の下ったのは何かといえば、大臣の値段が下ったこと、それから労働者の首切りをばんばんやって、人間の生命の値打が下ったということ。そのくらいのもので、あとは値上げばっかり。少し値下げをするというような線を一つ打ち出してみたらどうか。これはもうけ過ぎているのですから、そういうお考えがあるか。時間がないのですからこれだけ伺います。
○水田国務大臣 東京、関西に余裕があるとするならば、さっき話しましたように、これは全般に利害のある問題ですから、融通料金の査定というようなものについても政策的に多少は考えたいというように考えています。今コスト主義で料金がきまっておるのですが、この各社の経理も決していい方へはいってない。電源開発が進むに従って悪化している状況になっておりますので、すぐに値下げ措置ができるかどうか、ここで何とも言えませんが、全体的にあまり地域差のないように、経理上も差がないようにというような点は十分考えて、これから検討したいと思います。
○笹本委員長代理 本日はこの程度にとどめます。次会は明十六日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時三十六分散会