商工委員会 第34号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1957/05/06
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 去る四月二十七日本委員会に付託せられました合成ゴム製造事業特別措置法案を議題とし、審査に入ります。まずその趣旨の説明を求めます。長谷川通商産業政務次官。
○長谷川政府委員 合成ゴム製造事業特別措置法案につきまして、その提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。 わが国のゴム工業は、原料ゴム消費量において米、英、独、仏に次いで世界第五位であり、将来もその発展が大いに期待されるのでありますが、その原料であるゴムは、その全量を輸入に依存しておるのであります。ゴム製品の生産は、世界的に見ましても、年々増大する傾向にあるのでありますが、一方原料ゴムは、天然ゴムの生産の増加がほとんど期待できないため、その需要増加の大部分を合成ゴムの供給によって充足しなければならない情勢であります。わが国におきましても、今後増大する原料ゴムの需要の充足をはかりますためには、相当多量の合成ゴムを確保しなければならないのでありますが、これを輸入によって確保することは、諸外国における合成ゴムの生産がいまだその国の需要をすら満たすに至っていない状況にありますため、とうてい期待しがたいのであります。また合成ゴムの国産化を行いますときは、原料ゴムの輸入に要する多額の外貨の節約に資するのみならず、ゴム製品の価格の安定をもたらすこととなり、現在相当の輸出実績を上げておりますゴム製品の輸出の伸張に寄与するところも大なるものがあるのであります。従って合成ゴムの国産化を行うことは、あらゆる角度から見まして、刻下の急務と存ずる次第であります。 しかして、合成ゴムの国産化を行うに当りまして最も問題となりますのはその販売価格であります。と申しますのは、わが国におきましては、合成ゴムの使用がいまだ十分普及されていないため、その販売価格は天然ゴムよりも安価でなければならず、またゴム製品の輸出競争力を増強する見地から見ましても、その販売価格は、少くともその輸入価格並でなければならないからであります。 このような事情を考えますと、特殊の用途に使用され、相当高価に販売し得る特殊ゴムは別といたしまして、天然ゴムに代替して最も広く、かつ多量に使用される普通の合成ゴムにつきましては、その工業が典型的な装置工業であります関係上、その生産規模を大規模化することによってその生産費の低下をはかるよりほかはないのであります。 この場合における規模は、年間生産能力四万五千トン程度でなければならないと考えられるのでありますが、このことは、現在計画中の諸外国においても見られるところであり、合成ゴムの原料の割高なわが国においては、特にその必要性が認められるのであります。しかしながら、合成ゴムの国産化を右のような、生産規模において行うといたしますと、これがため巨額の資金を必要といたします上に、操業開始の初期におきましては、合成ゴムの需要がその生産能力に見合わないため、相当多額の赤字を生ずるおそれがあるのであります。従いまして、合成ゴムの国産化は、民間のみの力による場合はもとより、日本開発銀行による相当多額の低利融資によりましてもその急速な実現を期することはきわめて困難であると認められるのであります。 かような事情にかんがみまして、合成ゴムの製造事業に対しては政府資金をもって出資することとし、本年度はとりあえず日本開発銀行から出資を行うとともに、設備に要する資金については政府がこれが確保に努めることの必要を認めますので、今回この法案を提出いたした次第であります。 次にこの法案の要点を申し上げますと次の通りであります。 その第一は、合成ゴム製造事業を育成する措置の一つとして、日本開発銀行が、合成ゴムの製造事業を営むことを目的とする株式会社に対し、出資し得るとしたことであります。その出資し得る限度は、会社の発行済株式の総数の二分の一以内であり、その金額は十億円を限度としているのであります。そして、どのような会社に日本開発銀行が出資し得るかは、法律的には特定していないのでありますが、出資を受けることのできる会社は、大蔵大臣及び通商産業大臣が承認するということにいたしているのであります。どのような会社を承認するかということは、すでに申し上げましたように事情にかんがみまして、今後における合成ゴムを量的にも確保でき、また天然ゴムに対抗してその事業が健全な発達を遂げ得るような製造方法なり生産規模、生産費等の諸条件を具備したものを承認するものとし、その承認の基準は政令で定めることといたしたのであります。 第二の要点は、さきに述べましたようにこの事業は約百四十億という多額の資金を要しますので設備資金の調達について特に規定し、政府がこれが確保に努めることにしたことであります。 第三の要点は、日本開発銀行による出資は、間接的には財政投資の性格を有しておりますと同時に、後で申し上げますように政府の直接投資に切りかえることを予定しておりますので、出資を受けた会社に対する政府の監督に関する規定を設けたことであります。すなわち役員の人事に関しましては、代表取締役の選定ないし解職、並びに監査役の選任ないし解任の決議については、通商産業大臣の認可を要するものとし、会社の定款の変更、利益金の処分、合併及び解散の決議につきましても、同様通商産業大臣の認可をその効力発生の要件といたしたのであります。また会社の業務自体につきましては、会社は毎営業年度その事業計画及び資金計画について通商産業大臣の認可を受けなければならないものとして、十分これを監督し得るようにするとともに、その認可を受けた事業計画及び資金計画の適正な実施を確保いたしますために、通商産業大臣は必要に応じて監督上必要な命令を発することができることとし、監督上遺漏なきを期したのであります。その他財産目録等の提出、報告の徴収等に関しても所要の規定を設け、本法の目的達成上遺憾なきを期したのであります。 第四の要点は、日本開発銀行の出資による方式は、この法律施行の日から一年を経過したときは、別に法律で定めるところによって、遅滞なく、政府の出資による方式に切りかえられなければならない旨を附則に規定いたしております。一年後におきまして、日本開発銀行の出資による方式を政府の出資による方式に切りかえる場合におきましては、法律的には種々の方法が考えられると思いますが、最も実情に即した方法によるものとし、これにつきましては、別に法律で規定することとしたのであります。 以上本案の提出理由並びに要点を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○福田委員長 本案に対する質疑は後日に行うことにいたします。 —————————————
○福田委員長 去る四月二十四日参議院より送付せられ、本委員会に付託せられました機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。 まずその趣旨の説明を求めます。長谷川通商産業政務次官。
○長谷川政府委員 機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 昨年六月第二十四回国会におきまして、機械工業振興臨時措置法が成立施行されて以来、政府はこの法律の趣旨に基き、機械工業のうち最も劣弱な部門とされております基礎機械及び共通部品部門を中心として、設備の近代化、能率の増進、生産技術の向上等の合理化施策を推進して参ったのであります。 御承知のように、現行の機械工業振興臨時措置法の規定によりまして、これらの合理化施策の推進につきましては、通商産業大臣がその運用に当って参ったのでありますが、このほど運輸省の所掌に属する造船関連工業の一部及び鉄道車両部品工業等の業種につきましても、本法制定の趣旨に合致するものにつきましては、運輸大臣の本法を運用することによりその振興をはかることが適当であるとの結論に到達いたしましたので、現行法中「通商産業大臣」と定めております規定のうち、必要なものについて、これを「主務大臣」と改めることといたした次第であります。 なお、本法の運用に当りましては、関係行政機関の間で十分協議の上、その一体的運用をはかる所存であります。 以上が機械工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○福田委員長 本案に対する質疑は後日に行うことにいたします。 —————————————
○福田委員長 去る四月二十六日参議院より送付せられ、本委員会に付託せられました電子工業振興臨時措置法案を議題とし、審査に入ります。 まずその趣旨の説明を求めます。長谷川通商産業政務次官。
○長谷川政府委員 電子工業振興臨時措置法案につきまして、その提案理由と法律案の概要を御説明申し上げます。 電子工業は、最近において急速な発展を見つつある近代産業の一つであり、国の基幹産業として関連各産業部門への応用面はまことに無限の広がりを有しているとも申すべく、その将来性について最も期待を持たれている重要な産業であります。わが国の電子工業は、過去五十年の歴史を有しておるとは申せ、それは主として電気通信の分野においてその応用研究がなされていたにすぎず、戦時中及び戦後を通じ、欧米諸外国がその産業各部門への広範なる応用についてきわめて長足の進歩を遂げたのに対し、はなはだ立ちおくれており、今後政府及び民間の総力を結集して、できる限りすみやかにその振興をはからねばならぬことを痛感する次第であります。わが国電子工業がこの大きな国家的要請にこたえるためには、一方において応く海外先進諸国のすぐれた技術に学ぶことも必要でありますが、基本的にはわが国技術水準の着実な向上と経営基礎の確立をはかるとともに、その部品、材料及び機器全体について一貫した均衡のとれた形で電子工業全体が総合的に発展していくことが切に望まれる次第であります。 このような見地から、わが国電子工業の現状を見ますに、解決さるべき幾多の問題に当面しているといわねばなりません。すなわち、わが国の電子工業は戦後十年を経てようやく一応の生産体制の整備が行われたにすぎない段階でありまして、それも主として外国技術との提携に依存してきたと言えるのであります。しかも世界各国における電子技術の進歩はまことにめざましく、このまま推移すれば、現在の企業の技術的並びに資金的能力から見て、わが国電子技術のおくれは、ますます大きくなるものといわねばなりません。のみならず、電子機器の基礎となる部品工業の分野におきましては、多数の企業が乱立して、それぞれ多種類のものを少量ずつ生産しているという現状であります。かかる現状とこれに対処すべき国家的要請とにかんがみ、政府といたしましては昨年十月通商産業省内の機械工業審議会に電子工業振興特別部会を設置し、関係官庁の職員、学職経験者、業界代表等を委員に委嘱し、その振興対策につき慎重審議して参りましたが、最近に至り一応の結論が得られましたので、この結論に基き、かつ、さらに各方面からの検討を重ねた結果このたびようやく法案としてこれを上程することといたしたのでございます。 本法案は、電子工業における製造技術の向上、新規製品の工業化及び生産の合理化を促進することにより、総合的に電子工業の振興をはかるとともに、これにより一般産業の近代化を促進し、国民経済の健全な発展に寄与しようとするものでありまして、その骨子は次の通りであります。 本案の対象となる電子機器等は、(一)試験研究促進の必要なもの、(二)新たに工業生産に移す必要があるもの及び生産数量を増大する必要があるもの、(三)合理化の必要なものの三つに分けて、それぞれ政令で定めることになっておりますが、それぞれ当面最も急を要するものについて重点的に取り上げていきたいと考えております。 振興基本計画は、ただいま申し述べました電子機器等ごとに目標年度を定めて策定することといたしまして、試験研究の内容とその完成の目標年度、工業生産の開始の目標年度または目標年度における生産数量、性能または品質、生産費その他生産の合理化の目標となるべき事項をそれぞれ定めることとし、さらにこれらの実現をはかるために、設備の近代化、専門生産体制の確立、規格統一の促進等の諸措置を定めることとなっておるのであります。この計画は、電子工業に関する学識経験者等をもって構成する電子工業審議会に諮り、計画が適正妥当に策定されることを期待するとともに、これを公表して電子工業合理化達成のための政府の決意と責任とを表明することを規定しております。 右の計画達成のためにとるべき主要な措置として、本案にはまた設備近代化のための所要資金の確保、合理化カルテル実施のための指示、品質管理確保のための検査設備の基準の公表等の措置が定められております。 設備資金の確保につきましては、特に合理化機種に関しては機械工業振興臨時措置法による特定機械と同様の方法による日本開発銀行による融資のあっせん等を行いたいと考えております。その他の機種につきましても同銀行の通常の融資条件による資金あっせんを考えております。 次に生産分野の専門化、規格の統一、部品原材料の購入等を目的とする合理化カルテルの指示につきましては、現行独禁法に規定する合理化カルテルの趣旨をさらに一歩前進させて、生産品種及び使用する部品の規格の統一、生産品種別の製造数量の制限、部品または原材料の共同購入などの共同行為について積極的に合理化のためのカルテルを締結させることにした次第であります。 最後に品質管理の確保のための検査設備の基準の公表につきましては、単に振興基本計画に定める設備の近代化の計画のみにとどまらず、一企業の具備すべき検査設備とその維持に関する具体的な基準を定めて公表し、各企業における電子機器の品質管理の励行を期待しようとするものであります。 なお本法は、独禁法の適用除外の関係等から、七年の臨時立法といたしておりますが、その間所期の目的達成のため政府といたしましても最大の努力を傾注いたす所存であります。 以上本案の概略を御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○福田委員長 本案に対する質疑は後日に行うことにいたします。 この際暫時休憩いたします。 午後零時二十二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕