商工委員会 第26号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/16
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 中小企業団体法案、中小企業組織法案、中小企業組織法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、中小企業の産業分野の確保に関する法律案及び商業調整法案、以上各案を一括議題とし、審査を進めます。 質疑に入ります。通告がありますので順次これを許します。西村直己君。
○西村(直)委員 中小企業団体法案が政府から提案になりましたし、社会党から中小企業の基本法である組織法を合せまして三法出ております。社会労働委員会にはその裏打ちとしての最低賃金法を出しておられます。こういう形で中小企業のいわゆる組織面と申しますか、そういう面からの対策がいよいよこの国会に出て参りました。 実は先般首藤新八君がわが党を代表いたしまして質問しました。社会党からも質問がありました際に、総理大臣に御出席を願って、これに対する根本的な考え方を国民に明らかにしてもらうようになっておったわけですが、これが御返事が出ておりません。そこで適当な機会に総理大臣からこの所信、特に今まで私どもが見ておりました中小企業対策というものとかなり変革期に入っておると思います。これに対する総合的な基本的な方針をお示しになる必要があると思うのでございますが、これを意見として申し上げておきます。 結局金融と税制、こういう面から従来中小企業対策というものがある程度推進せられてきましたが、組織と申しますか、こういったような面からくる問題がこの国会において大きく取り上げられてきている。そこで通産大臣にお聞きしたいのですが、政府といたしましては、中小企業の一つの基本的な法律が出ておるのに対しまして、これを発展さしていって、さらにどういうふうな具体的な法制的措置ないし行政的な措置をこの国会において、あるいは次の国会においてお考えになっておられるか。この点に対してまず御構想を承わりたいと思うのでございます。
○水田国務大臣 中小企業振興についての審議会から答申がございましたように、まずこういう形の組織の強化を考えることと、別に小売商の振興についての立法措置、それから大企業及び中小企業の分野の調整の問題とか、そういうものを考えた中小企業振興助成法というような立法の措置、この三つをあわせて整備したら、大体中小企業に対する法的措置は完全になるだろうというような答申が参っておりますが、大体政府の考えもその方向にございまして、まず第一に団体法を提出いたしましたが、ただいま小売商振興法についての検討を行なっておりますので、この国会にあとから提出したいと思っております。なおもう一つの方は、この前にも委員会で申しましたように、技術的にいろいろむずかしい点を含んでおるということと、それから中小企業庁などで現在行なっているいろいろな助成事業に法的の根拠を与える、法制化を中心としたものでございますから、この方はおくれても現にやっていることが多いのでございますから差しつかえないだろう、従って国会の会期の問題もございますし、私どもにももう少し検討の機会を与えてもらいたいいろいろな問題も含んでおりますから、それは間に合わないかもしれません。さしあたり今国会にはあとからそういう法律も出して、二法案ぐらいを御審議願いたい、こういう予定を持っております。
○西村(直)委員 社会党の方は御存じの通り、三法を一応一つの思想といいますか、考え方のもとに体系づけて出しておられる。政府とされましてもそういうお考えがありますことはうすうすわれわれ承わっておるのであります。もちろんこの基本法なり組織法あるいは団体法的な考え方、それと同時に小売商業等の産業分野の調整、それからいま一つは合理化、企業振興というような意味においての助長法、こういった三本立の思想はよくわかりますが、あわせまして行政の施策としてそれ以外に金融、税制、こういったものに対しましても、今年度の予算は成立をいたしましたけれども、来年度へ向ってこれらの中小企業対策の一環として何らかお考えになりますか、まだそれについてはこれからということでございましょうか、その点を一つ。と申しますのは、率直に申しますと、団体法については後ほど詳細にいろいろな角度から御意見を申し上げてみたいと思うのでありますが、中小企業としてはとにかくやはり税の問題あるいは金融の問題、設備合理化資金としての財政投融資等の問題について多大なる関心を持っている。片や率直に申しますと、中政連のような一つの政治団体は、事業税全面撤廃、物品税全面撤廃、それから財政資金は、郵便貯金のいわゆる零細預金は半額は中小企業に投入せよ、こういう一つの民間運動を起しております。これがすなわち団体法を作れば何かそういうものが出てくるのではないか、こういう強い要望になっておりますので、そこいらに対して政府としては関心というか心がまえというか、そういうものをお持ちでありましょうかどうか。これはむしろ総理大臣に大きな角度から、日本の経済構造の中における中小企業のあり方、ひいてはそれに対する計画性の投入、こういうような点を述べていただきたいのでおりますが、一つ通産大臣からも御所見を承わりたいと思います。
○水田国務大臣 今中小企業に対して政府がいろいろな施策を考える上において最もむずかしい問題となっておりますのは、中小企業の実態調査というものが現在十分行われていない、予算の関係もございましたし機構の関係もございましたでしょうが、実に多種多様になっている実態調査というものが十分に行われておりませんので、今年度この実態調査の予算を若干確保して始めるということになっておりますから、この仕事が進みますと、今度は金融の問題についても税制の問題についてももう少し的確な対策ができるのではないかと考えております。従って政府の考えている実態調査と並行して、今後のそういう問題は政府としても考えたいと思っております。
○西村(直)委員 もちろん中小企業の広範なる分野にわたって、また多種多様な、また日本経済の特有性からくるいろいろな素質を持った中小企業の実態調査というものは、今日すでにできていなければならぬ段階であるのがおくれているということは非常に遺憾なわけです。これには日本の敗戦からくる基幹産業の建て直しというようないろいろな要素もあったし、これは理解できないこともないのであります。しかし今日は中小企業が特に非常に関心を持っておるものといたしましては、日々当面している問題があるわけなんです。従ってたとえば今の物品税というようなものが比較的零細企業のところへしわ寄せになっておる。農業事業税と中小企業の事業税との問題を考えましてもアンバランスがある。それらがすべて政治の貧困を訴えてきている。従って実態調査が完了するとかあるいは実態調査そのものを待ってでなくして、相当大規模な転換をなさる必要があるのじゃないか、こういうふうなことは意見でございますけれども、私は申し上げておきたい。特に総理大臣が長則安定政権でも作りたいという御要望があればあるだけこの点については多大なる御関心を持つことを天下に示していただきたい。 そこでさらに話を進めまして、実態調査という言葉が出ましたが、この基本法というものが包括的に、特に自民党と申しますか政府案の場合においては一括して団体法というものを作っております。中小企業の実態を見ますと非常に多種多様である。貿易の面からいくものもありましょう、国内産業の面もありましょう、それから商業がありましょう、工業がありましょう、マイニングがありましょう、建設がありましょう、サービスがありましょう、運輸がありましょう、こう考えて参りますと、きめめて多種多様であり、その業態も地域によって違って参る、歴史的な特殊性もあります、各地方からくるところの特殊性もある、こういった場合に、広範な中小企業に対して一本の団体法というものでもってがぶっとかぶせていくことがいいかどうか、こういう点については御意見はどうでございましょうか。
○水田国務大臣 確かにそういう問題がございます。従ってこの中で業種を指定しない。業態が違うし、地方別に違うのですから、その業界が自主的に商工組合の結成をしたいといってきた場合に、政府がそれを審査して認可するかしないかということをきめるというふうにして、業種を指定しないということによって必要なものはそういう組織化ができるし、実際において業態の事情から作れないところは作らないということになろうと思います。特別に業種を指定しなかったのもそこにございまして、これによってこういう法案を作ったことの弊害というものは除けるのじゃないかと考えております。
○西村(直)委員 社会党案によりますと、たしか八十五業種でサービス業、製造業を中心にやっておるように見られますし、こちらは全部を包括しておる、この特異性があるわけでありまして、これは議論になりますからあえてそう深くここで展開する必要もないのですが、一つの考え方としては、別の角度からの中小企業の組織なり振興を考える場合に、たとえば今後の中小企業振興法あるいは助長法を作る場合に、果して中小企業全般の振興法なんという花のを作るのがいいのか、大きな業種別あるいはその中でまた特異性のあるものの振興法を作っていくのがいいのか、ここらのところは私は絶えず研究するに値すると思うのです。中小企業庁というものが一つあります。中政連的な思想からいってもどうしてもこういうよりどころの組織法というものはほしいでしょうが、場合によっては一つ一つというと極端になりますが、大きく分けた経営規模からもありましょうし、業種からもありましょう、いろいろな面から分けていった組織強化という行き方もとれないことはない。またその方が効果がある場合もある。というのは、私どもは今環境衛生の法律案を提案いたしております。なぜ提案しておるかというと、あれは中小企業庁にくっついたサービス業なんです。しかも比較的零細な企業であって、金融のワクをとろうと思って中小企業庁へ行ったってそれほどめんどう見てもらえない。それなら厚生省なんかで力を入れてもらえば金融のワクもとりやすい、こういう点も官庁内部の関係であるのであって、そこらの点から考えていった場合に、たとえば、いろいろな関係の物資を扱い、いわゆる作ったり売ったりするような観点からいっても、この振興法、助長法というようなものについて、一本で大きくいくのがいいのか、包括的にいくのがいいのか、業種別にいくのがいいのかということは、われわれは官庁の権限とか官庁のあり方以上に、中小企業の実態に即した法律を作るのがいいのかもしれませんけれども、ここいらは今後ともわれわれは党内において検討したいのですが、政府におかれましても十分に御検討願いたい、こう申し上げておきます。 その次に御質問申し上げたい点は、この団体法という名前自体が私はあまり感心しないのですけれども、まあ法案ですから、団体法といいましょう。この法案の根本思想をお伺いしたいのであります。私どもが所属しておる自由民主党というのは、自由主義経済、しかも健全なる自由主義経済、正常な自由主義経済の育成、発展、いわゆる社会主義経済とは立場を異にしておる点から、われわれは中小企業問題を推進して参っておるのであります。従って、自由、自主、協同、この精神の促進、助長というのが根本義でなければならぬ。そこに、今この法案が、国の権力をある程度入れて、入ってきておるわけであります。そして不況克服をしよう。そこで、鳩山さんの時代の二元外交じゃありませんけれども、私ははっきりこの点の政府の所信を伺いたい。これも総理大臣から御答弁を願いたい政府全般の問題ですが、自由主義経済というものは、われわれはあくまでも正常化、健全化、育成していくということ、この基本精神のもとに、不況克服の立場から、この団体法というものが存在しているのだ、あるいは組織を強化した団体を作るために団体法を作るのだ、そういう点であるのか、この点について、一つ一線を明確にしておいていただきたい。この点は大事な点でありますから……。
○水田国務大臣 企業の自由原則ということは、これはもう当然のことでございまして、この原則をゆがめるようなことは私どもは考えておりませんが、中小企業が健全な公正な自由な競争力をもってお互いが伸びていけるという事態であったら、少しも心配ございませんが、中小企業という企業の特質から、捨てておけば、大企業の競争力に当然勝てないというような、それ自身資本主義社会の中において基本的な性格を持っておるのでございますから、この競争力の弱い企業者に対して、ほんとうの公正な自由な競争力を与えてやるというためには、やはりそこに組織の力を持たせることがいいということから、協同組合というようなものを認めておる。この協同組合というものは、そういう意味で、むしろ弱い、競争力のない企業者の自然発生的な組織ともいえるかもしれませんが、これ自身自由競争原理というものから見るといろいろ問題があると思いますが、そうじゃなくて、むしろ公正な競争力を与えるために企業を協同させていくということは、もう許されていることでございまして、特別に企業自由の原則に反しているというふうには、今どこでも思われていません。これと同じように、結局中小企業に組織の力を与えるということは、やはり公正な競争力を持たせる一つの手段だということになりますので、本質的に自由競争原理を否定したものということはいえないだろうと思います。ですから、私どもは、中小企業の組織化という場合には、やはり基本的な問題としては、事業協同組合というものをもっと伸ばして、これを強化していく、そのためには系統金融機関としては商工中金というようなものが、この組織化を伸ばしていく一つの機能を持っていると思いますが、そういう形で伸ばしていくのが本筋のやり方だと考えています。しかし、そういう形で中小企業の組織化をはかっても、御承知のように非常に数が多くて、過当競争をやっている。もしこの状態をそのままにしておくのだったら、政府が税制の面で中小企業のめんどうを見ても、金融の面でいかにめんどうを見ても、その効果というものは全部消されてしまって、過当競争のためにみんな共倒れというような状態にありますので、このお互いの不況化というものをどう救済していったらいいかということを考えますと、やはり自主的に調整事業のできる団体を作らせることが必要だ、こういう考えで、自主的な仕事としてこういうものを許す団体の結成を政府が認めようというのが、私どもの考えでございまして、いわゆる企業の自由とか、あるいは自由競争の原理というものを否定したやり方では絶対ないだろうと私どもは考えております。そういう意味において、協同組合というものをもっと強化していく方向をとりながら、不況に対してはこういう仕事のできる商工組合の結成、こういう法的な基礎を持つことによって、中小企業が経営の安定といいますか、そういう基礎を法的に与えられることになりますので、今の実情から見たらどうしても必要な法的措置じゃないかと考えております。
○西村(直)委員 大体の御趣旨はわかります。私が特にこの点を大きく取り上げて問題を提示したのは、結局特に私どもが社会主義というものと相対している行き方を今後ともとらねばならぬ立場をとっている以上、党内におきまして、率直に申し上げますと、この法案が出るときに、自由主義経済を極度に主張する方々には相当な異論があったことも御存じの通り、また計画性を強く入れていこうという立場の方から見れば、この法案では弱いという御意見の出るのも無理からぬ。両者まさに一律背反的な立場に立っておる。そこでさらにまた別の立場の案も出ておるわけでありますので、私どもとしてはあくまでも自由主義経済を否定する法案ではなくて、自由主義経済の健全、正常化を育成するための法案だという建前から、やはりこれをやっていっていただきたい、こういうのでございます。この意味をはっきりしておかぬと、二元外交ではないけれども、どっちつかずのふらふら、と申しますのは、これはお叱りを受けるかもしれませんけれども、労働組合運動というものを見ましても、労働者の待遇というものを改善して、そうして労働を通して、国民経済といいますか、国民全体の向上をはかっていこうというのに対して、やはりそこにある段階までくるといろいろな弊害というか、政治運動が入ってきて、行き過ぎになってくるというような批判が、よく世間で伝わってくるのであります。こういうような問題でも、基本的な態度を歴代の政府が樹立をされてからスタートを切らぬと、方向を間違えてしまう。おそらく戦争中のいろいろな統制の問題でも、スタートは相当な考え方があったろうけれども、最後にはもう無限の荒れ狂うものになってしまった。こういうところに一部の危惧の念もあるのじゃないか。そこで根本的な精神だけはやはりはっきりさせておかなければならぬ。これを簡単に申せば、中小企業の元来の素質もありましょうし、日本経済の特異性もありましょうが、共食い競争、過当競争、それを公正な面まで引きずり上げていくための法律というところにスタートを置いているというふうに、解釈をしてよろしゅうございますかどうか。
○水田国務大臣 その通りです。
○西村(直)委員 そこでこの法案の持っていき方につきまして考えていかなければならぬことは、(「労働組合は強制加入ではないぞ」と呼ぶ者あり)これは後ほど申し上げます。労働組合とこういう問題とは違うのでございまして、だからこの法案を労働法的な考え方で進めることについては私は少くとも反対なんです。労働法的な感覚ではないのであります。あくまでも純粋な経済法、産業法というような建前から理解をしていきたいのであります。そこで内容が非常に広範な法案であるだけに、民間に趣旨が徹底していない。それで大企業の団体関係あるいは紡績系統、百貨店というような方面から相当な反対意見も流れているようであります。また一方において、中小企業のうちで特に流通部門、小売業の方々などは、非常に追い込まれておりますから、それに対する非常な熱意を示されている。そこできょうこれから私は議論をなるたけ避けまして、問題点を提示し、ある程度明らかになる部分は明らかにしていくことが国会審議に忠実なるゆえんだと思いますから、大きな問題点だけを拾って参りたいと思いますが、この趣旨と内容が時間的にPRができていないのじゃないかと思う。大臣もずいぶん御苦労されて、方々でよく理解されるように努力はされているようでありますが、国会の中であるいは外部においても、この趣旨、内容の説明はきわめて不十分である。こういう点においてやはり今後ともわれわれとしても努力をしなければならぬ。いわゆる政党としても努力をしなければならぬ。同時に政府としても法案の審議の過程においても十分に趣旨を徹底される必要があるのではないか。中小企業の特質からいけば、われさえ何とか助かればいいという苦しい境涯から協同あるいはさらに国のうしろだてをもっても過当競争から抜けようという目ざめまでまだ来ていない人もあろうと思うのであります。その意味では、中政連が中心になり、あるいはその他の団体あるいは政府の審議会等が中心になってこの声を大きくしていったその功績が大なることは私は認めますが、同時に今度組織化に持っていく方法あるいは精神について十分徹底をされる必要がある。 それからもう一つ大事な点でありますが、この法案を通じて見ますと、政令事項いわゆる行政事項というような、お役人さんの権限に渡されている部分あるいは場合によっては組合自体が運営していくような部分が非常に広範にあるわけであります。従って運用上から来る弊害に対しても十分な検討というか、今のうち明らかにすべきものは明らかにしておかなければいけないのじゃないか。この法律をどういう形で作りましても、たとい社会党さんの行き方をとりましても、自民党の方の政府案をとりましても、どっちをとったところでこれは議論であって、それぞれ一つの行き方だと思う。団体交渉中心に行く方も一つの考え方、強制加入、アウトサイダー命令、それから組合交渉というようなじみな行き方で行くのも一つの行き方であるが、問題はそこに立つところの人並びにその背後につながる運営者の思想の問題になってくると私は思うのであります。これはたびたび、しかられるかもしれませんが、総評の問題を拝見いたしましても、あの国鉄の抜き打ちスト、東条さん自体がとめることもできなかったような汽車を総評はとめるのです。日本歴史始まって以来、とめられぬような汽車をとめるというようなこともやる。おそらく社会党の議員さんでも、心ある方はこれは困ったなとお考えの人が相当あるのじゃないかと思います。これは少し余談になりましたが、私は要するに人の問題、思想の問題になると考えるのであります。 その次に申し上げたいのは、公取委員長もきょうはおいでになっております。そこでこの間の本会議の答弁におきましても、団体法案について意見の食い違いがあるのはまことに残念でありますと言われた。それでどういう点の意見の食い違いがあったか、その経緯、現在における状況、これは大きな問題でありますから、公取委員長から詳しく一つお述べをいただきたいと思います。
○水田国務大臣 まず私からお答え申し上げます。この団体法案の趣旨が十分に徹底していないということは、これは事実でございます。相当いろいろな団体に対して政府の考え方を説明しておりますが、関連者に説明は及んで徹底していましても、一般の国民への趣旨の徹底ということはまだできておりません。従って今一般の消費者の方から言ってくることは、商人が組合を作ったら、その翌日からとうふ一丁三十円にするということをとうふ屋がきめてしまって、押しつけてきて、一般はそのとうふを買わなければならぬようになりはせねか、こういう質問がくること自身、この法案が全然徹底していない証拠になると思いますので、努めてそういうことの説明を今私どもは消費者団体にやっている。最近はだいぶわかって、この法案に対する大企業や消費者からの非難はなくなってきましたが、まだそういう形で十分徹底していないことは事実でございますので、今後ここの審議を通じて、十分に徹底していただきたいと思っております。 それからその次は運用に相当の幅があるということですが、その通りでございまして、政府からいろいろこういう調整についての権限を発動することは避ける、民間が調整事業をしたいといって、自主的に一定の手続を踏んできめてきたものに対して、政府は受け身になってこれを許可するかどうかをきめてやる。こういうふうに政府はどこまでも受け身の立場でこの問題に対処するという方針でございますから、従って自主性はあくまで業界にあるのだ、政府は業界から言ってきたものをどう扱うかということになるわけでありますので、政府の扱い方については運用上非常に幅がございますから、政府の運営のやり方いかんによっていろいろな弊害も出てきましょうし、また運用のよろしきを得れば少しも心配のないことになるのだということになりますので、この点は十分私どもとしては気をつけるつもりでございます。 あとから公取委員長のお話があると思いますが、公取委員会と意見がいろいろ合わない点の一つは、やっぱり運用上の問題と関連していると思います。政府が運用を悪くやったら、これは消費者にを迷惑かける事態も来ますし、強制加入をさせられた組合員を不当に差別するというような問題があるいは出てこないとも限らぬとかいうような、公取の心配されるいろいろなおそれというものはやはりあると思うのです。ところが政府の運営がほんとうによかったら——あれだけの要件を備えているものでなければ認可しないという認可基準があるのですから、認可基準について政府が相当厳密に、甘く考ないえをもって臨むならば、公取委員会の心配するおそれはなくなるのではないかというのが私どもの考え方でございまして、これは相当に運用の幅があるというようなところからきている一つの意見の食い違いだろうと私どもは考えております。
○横田政府委員 この中小企業団体法案につきまして、公正取引委員会と政府との意見が食い違っているのではないかというお話でございます。この点につきましては、先般の本会議におきましても、一応お答えをいたしたのでありますが、この法案の作られます過程におきまして、主として中小企業庁でございますが、それと公正取引委員会といろいろ折衝いたしまして、私どもの意見も相当率直に申し上げました結果、今提案になっております法案の中には私どもの意見が相当取り入れられておりまして、大体において意見の調整ができたのでございます。ただまことに遺憾なことに、強制加入の点につきましては、公正取引委員会といたしましては、どうしても同意ができません。これは中小企業庁の方も公取の立場からおそらく同意できないだろうという話もございまして、結局意見の相違のままで次官会議、閣議ということになりまして、次官会議には通常の例を破りまして私どもの方の事務局長が特に出席をいたしまして、公取の立場をよく述べたのでございます。しかし結局そのままになりまして、その公取の意見は閣議へ持ち出すということで、閣議ではたしか官房長官からお話があったと思いますし、また私どもの意見を書きましたものを閣議の席で配られたことと存じます。結局この前本会議で通産大臣からお答えいたしましたように、いろいろな点を政府としては考慮せられました結果、やはり強制加入の制度は設くべしということで提案になった次第でございます。私どもがこの強制加入に反対いたします理由は、こまかに申しますといろいろございますが、結局これには御承知のように規制命令の制度がございまして、アウトサイダーの規制には事欠かないというふうに私どもは考えております。ところが強制加入ということになりますと、結局この規制命令と同じような効果があるわけでございますが、規制命令の方はこれを出しますつど、非常に慎重な手続でもって出すように法制ができております。ことに審議会等にかけまして一々これを検討して規制命令を出すということになっておりますが、一たび加入命令が出ますと、その後はただ調整規程の認可ということはございますが、それは手続的にも非常に簡単になっておりますので、これは先ほど通産大臣が申されましたように運用の問題になるとは思いますが、非常に簡単に取り扱われるおそれがありはしないかということが、主としてこの加入命令に対してわれわれが反対する理由でございます。従いまして私どもといたしましては今なおこの考えは捨てておりませんので、この委員におきましてこの点につきましては十分に御検討いただきたいというふうに考えております。
○西村(直)委員 これは委員会におきましても非常に論議がかわされる点だろうと思いますが、中小企業の実態の一つは法律論のみならず、この点については実態の把握の仕方が一つあろうと思うのであります。そこで確かに調整規程は価格に関係がある場合は公取の同意ということがありますが、それ以外の調整規程は通産大臣その他主管大臣との行政行為できまる。もちろんそれには各種の条件がついておるように拝見をしておりますが、アウトサイダー規制命令があってから強制命令、いわゆる加入命令というものがなく——話はちょっと違いますが、憲法上の問題というのは、ちょっと外野から声がかかりましたけれども、これは公取自体の問題となって、もう一つ別の立場だと私は思うのでございますが、公取自体は独禁法というような建前からの御議論を進めるべきじゃないかというふうに私は思うしでありますが、その場合に、ものの順序として、あなたの方としては経済的に見て調整法その他従来の安定法によるような規制命令だけで、この自主調整ができるというふうに、そこまでお考えになって論を進められたのでございますか。単に法律論的な建前からいかれたものですか、公取委員長どうですか。
○横田政府委員 公正取引委員会といたしましては、規制命令の制度で足りるというふうに考えておる次第でございます。
○西村(直)委員 その点は中小企業の実態を公取以上によくつかんでおられる中小企業庁長官その他所管大臣である通産大臣の御所見をこの委員会で十分に吐露していただきたいと思うのでございますが、通産大臣なりあるいは長官なりから一つお述べをいただきたいと思うのでございます。
○川上政府委員 現在中小企業安定法によりましていわゆるアウトサイダーの現制命令はあるわけなんですが、このアウトサイダーの規制命令だけではどうしてもうまくいかないというような面があるわけでございます。具体的に言いますと、たとえば経費の負担につきましても、アウトサイダーと組合員とは違っておりますし、また検査につきましても、アウトサイダーに対する検査につきましてはなかなかむずかしいというような点があるわけでございます。そういう事務的な技術的な問題につきまして、アウトサイダーの規制命令だけではなかなかうまくいかないような場合があります。同時にまた一面におきましては、やはり中小企業者が一つの場を作りまして、そこへみんなが集まって、そうしていろいろな調整をやるということが一番いいのではないかというふうに考えますと、まずアウトサイダーである中小企業者をその組合の中に入れまして、そうして場を作って、その場においていろいろ調整をやられる方がベターではないかというふうに私どもは考えるわけでありまして、そういう点から言いまして、現在の中小企業安定法におきますいわゆるアウトサイダーの規制命令とは別に、やはり強制加入の制度を設けた方がよくはないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○小笠委員 関連。今のところは重要な問題ですからちょっと聞きたいのです。公取の委員長にお伺いしたいと思いますが、本案の五十五条と五十六条の関係でありますが、今の五十五条反対論は、中小企業対策として五十六条があれば十分だ、こういう考え方のようであります。私は中小企業に一つのまとまりを与えていく、そのまとまりを与えていく場合に、日本の中小企業の現状から見て、ある程度国の力による支援を要するということは間違いがないと思うのです。こういうふうな体系に本法案はなっておると思います。そういう考え方のときに、五十五条と五十六条との関連において、公取委員会におきましては五十五条と五十六条との差をどう読んでおられるのか、まず伺いたいと思うのであります。でき得べくんば中小企業者の自主的な発言のもとに一つのまとまりをつけていくということよりも、国の権力によって全部持っていく方がベターだと考えております。私はこの五十五条と五十六条の問題は重大な問題であって、特に独禁法の精神からいくならば、なるべく業界の自主性を尊んでいく、いわゆる独占の排除、あるいはまた不公正競争の排除という見地から見るときにおいては、五十五条的考え方に立つことがより現実的ではないかと考えるのです。その政策論は別として法律論的に五十五条は不要だということはどういうことですか。なお五十五条の規定は対象が五十六条と同一でないことを十分お含みの上お答え願いたい。
○横田政府委員 私どもは、この団体法の五十五条、五十六条、五十七条というのはすべて一貫した一つの規定でございまして、この態勢の考え方も一応わからないではないのでございます。しかしながら私どもといたしましては、中小企業安定法にございますようないわゆる規制命令、あれがあれば大体よろしいという考え方でございまして、なるほどできる限り中小企業だけの中で問題を解決するというのも一つの考え方でございましょうが、しかし先ほど申しましたように、そういうことをするための強制加入命令というものが必要以上にいろいろな弊害をはらんでおるということが私どもの一番問題にしておるところでございます。従いましてそういう問題のある加入命令はできるだけ避けて、ほかにやり方がございますから、そのやり方によるべきであるというのが私どもの基本的な考え方であります。
○中崎委員 議事進行。実はこの法律案は強制加入と員外の規制という二つ法の大きな法律上の問題をもってこの法案の骨子としておるのであります。こういう重大なる法案の内容について政府部内においても重大な見解の相違があるままにこの国会にこういう法律案を提案されたことについては、われわれはきわめて遺憾だと思うので、政府の責任を追及したいのであります。従いまして私はこの際この法案をまず撤回し、意見を調整して、そして完全に意見の一致したところでこの国会に提案される御用意があるかどうかを通産大臣にちょっとお尋ねしたいのであります。
○水田国務大臣 さっき公取委員長からお話がありましたように、政府部内で意見が一致しないといいましても、公取の意見はこうだという意見付で次官会議から閣議に上って参りまして、閣議は両方の意見を聞いて、さっき公取委員長も申しましたように、運用の問題で政府のやり方を信用しないと公取のようなおそれも出てくるのだが、政府がそこを厳格に運用するというなら、そのおそれるところの大半は解消するのだから、そういう意味において政府は公取の意見を十分尊重するが、政府の運用によってそういうおそれはなくできるのだというふうに考えて、政府としてはこの法案でいいという意思を決定して国会に出したのでございますから、これを撤回したり、あらためて意思統一をやってここへ出すという意思はございません。 〔「議事進行、議事進行の方が先じゃないか」「発言中だ」と呼び、その他発言する者あり〕
○福田委員長 議事進行に関して御発言願います。
○中崎委員 通産大臣からの答弁があったのでありますが、私は公取委員会、もやはり国家の一つの機関であると思うのであります。従いまして通産大臣の一方的な発言に対しては納得がいきません。そこで岸総理大臣の出席をこの委員会に要求して、そしてこの議事の進行をはかられることを委員長に要求したいのであります。
○福田委員長 総理大臣は午前中外国使臣との話し合いでどうしても都合がつかないという話がありましたので、本日は主管大臣たる通産大臣の説明を一応委員会として聞いておきまして、質疑を続行して、後ほどまた理事会にあらためてお諮りいたしたいと思います。
○中崎委員 これは法案の内容に関する重大な問題であります。そこですみやかに理事会を開いてもらって、これに対することでいつ岸総理大臣が来るのか、それからそれぞれの理事がその扱いを承認するかどうか、それを公式にまとめてもらって、それからやっていただきたい。
○西村(直)委員 私は議事進行の動議を出しておきます。実は私自身が発言中であり、同時に本朝来質疑の過程におきまして、総理大臣からもそういった問題について所信を承わりたく、私も総理大臣の出席を要求しております。従って総理大臣の出席するということについては私も了解をしたいと思いますが、しかしそれを今すぐ理事会を開いてどうというよりは、私の審議を進めさせていただきた、ことにこの中小企業団体法は全国の中小企業者が非常に関心を持っているだけに私は熱心に審議をさしていただきたい、こういう意味でこの動議を出したいと思います。
○福田委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○福田委員長 速記を始めて。 ただいま西村直己君並びに中崎敏君からそれぞれ発言がありましたが、お諮りいたしたいと思います。本日はこのまま質疑を続行いたしまして、質疑終了後理事会を開いてこの問題をあらためて取り上げて検討したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 それではそのように取り計らいます。
○西村(直)委員 さらに今の問題に関連して進めて参ります。公取委員長にお伺いしたい。弊害があるというのは調整規程が主務大臣の行政事項であって、公取とは関係がない。もちろん調整規程の中でやれるものは別であるが、それ以外は調整のために、ある団体に加入命令が出て入った、その後新しい調整がどんどんふえていくたびに行政権だけでどんどん進んでいく、それでは弊害が多いではないか、こういうような意味ですか。弊害という意味です。
○横田政府委員 大体そういうことでございまして、要するに一度加入命令を出しておきますと、その後は調整規程を設けることによりまして、実質的にはいわゆる員外統制を行い得るという点が問題でございまして、結局先ほど申し上げましたように、員外命令の場合にはかなり問題を慎重に取り扱うように法律はできておりますが、一たび加入命令が出ますと、あとは調整規程を作りさえすればよろしいという状態に置かれるわけでございます。その点をわれわれとしては一番問題にしているわけでございます。
○西村(直)委員 もちろんそうなれば同じ政府部内でありますから、行政運用がうまくいけばいいという考え方も一つの考え方だが、同時にその調整規程の弊害がありと考えられる部分を、法制事項としていろいろやっていけば解決できる部分も残されているのじゃないでしょうか。たとえば調整規程の中でも価格に関する部分は公取の同意という面があるのでございますよ。そうすると残った部分の調整規程は、設備制限とか、生産制限とか購入の方法とかいろいろありますが、そういうものが行政権で勝手にやられはせぬか、こういう意味でのお考えなんでございますか。そうすればそれは両者の間の運用を何か法制上解決するという道も残されていはせぬか、それとも根本的な思想の対立があるのか、そこいらのところが私にははっきりのみ込めないのです。
○横田政府委員 根本の問題といたしましては、これは公正取引委員会の従来の考え方を申し上げますと、要するにこういう調整規程その他いわゆる共同行為と申しますか、カルテルというものは、加入、脱退の自由ということがあって初めて認め得るという独禁法に強く示されておる線がございまして、結局この加入命令の制度は、この団体法によって初めて、今申しました従来の独禁法の考え方に対する重大な例外を設けることになるわけでございまして、この点が実は一番基本的な問題だと私は考えております。 さらに今申されましたように、加入命令が出た後の調整規程について、何か特別な、弊害を防止するようなことを考えればいいのじゃないかという御趣旨のように伺いましたが、公取といたしましてもまだ十分にその点を検討はしておりませんが、基本的な考え方は先ほど申しましたところにあるのでございます。
○西村(直)委員 もちろん独禁法という精神からいけば、そういう御意見も私は出ると思うのでございます。しかし同時に一面、強制加入というか、そういう思想については憲法上の題問もあるという説もありますけれども、憲法上の公共福祉という点から見ると、これは非常なしぼり方をしておる。憲法論はさておきましても、今世の中の実態として、加入命令というか、強制加入という行き方をとっておるものは、お医者さんの団体にしてもあるわけです。あるいは弁護士会にあるわけです。こういうような考え方は、それは全然いけないのだということもいえないんで、問題は法律の作り方もあります。なるほど今の経済の実態から行きたいという行き方もある。だから今の独禁法の精神が絶対のものだとがんばられることは、独禁法の番人としてのお立場からは一つの議論が立つが、同時にもう一歩進んだ国民経済全体の運行という建前から政府がそこを考えていくという道も私はあるのじゃないかと思う。ですから、もしその間に論議があるならば、行政運用上の強制という方法がっくのかあるいは法制的な方法がつくのか、こういうような認識の相違があくまでも平行線であれば何をかいわんやでありますが、認識の程度は多少の違いがあっても、私はそこに道は幾らでもある、こうも考えられるのでございます。この問題につきましてはおそらく社会党の方では落しておられるだけに、いろいろな御議論を強くお出しになるだろうと思いますから、これはこの程度にして、なおまだ問題点が幾つもありますから、私はこの機会を通じて、できるだけ早く団体法あるいは組織法の問題点を先に出してもらいたいと思いまして、先へ論を進めます。その次にお伺いいたしたいのは、今の政府案による商工組合あるいは加入命令、こういうものが出た場合に、不況要件いわゆる過当のいろいろな競争があるからということで病院に入れるのだ、その条件が消えていった場合に、今の商工組合の存在そのものあるいは加入命令、規制命令、こういうものはどういうふうになりますか、これは中小企業庁長官かち詳細に承わりたい思います。
○川上政府委員 この商工組合制度におきましては、不況要件というものがなくなりまして、調整事業を行う必要がないということになりますれば、これは解散させるということになっております。従いまして強制加入の制度でありますとか、あるいはアウトサイダーの規制命令につきまして、そういうような要件がなくなりますと、直ちにそういうものは廃止されるというになってくるわけでございます。
○西村(直)委員 商工組合の今の条文は何条でございましたかね。
○川上政府委員 それは第六十九条に「商工組合等に対す解散の命令」というのがありまして、一から四までありますが、この中にそういうものにつきましては書いておるわけでございます。
○西村(直)委員 これは「解散を命ずることができる」となっておりますね。「できる」ですね。その要件を欠くに至ったと認めるときはできる。だからこれはあくまでもそういう行政方針だというふうに御説明を承わっていいですか。自動的になくなるわけではないのでしょう。
○川上政府委員 六十一条におきましては「調整規程等の変更命令」それから六十二条におきましては「命令の変更又は取消」というようなことがありまして、これによりまして取り消さなければならぬということになっておりますので、当然先ほど申し上げましたようなそういう措置をとられることになるわけでございます。
○西村(直)委員 調整規程の方は、六十二条で取り消さなければならないということはわかりますが、これは五十五条と関連がありますか。
○川上政府委員 六十二条におきましては「主務大臣は、第五十五条第一項、第五十六条又は第五十七条の規定による命令をした後において、これらの規定によりその命令をする要件となった事実が変更し、又は消滅したと認めるときは、その命令を変更し、又は取り消さなければならない」ということにはっきりなっております。
○西村(直)委員 それはわかりました。「事実が変更し、又は消滅したと認めるときは、その命令を変更し、又は取り消さなければならない」という義務づけになっておりますから、当然にそういう結果が起る、こう解釈いたしますが、商工組合が一定のワク内でできてきた場合に、六十七条でございますか、それが眠っておるという場合においては「必要な措置を採るべきことを命ずることができる。」これはやはり行政方針としておやりになるのですか。眠っておるような場合には、一定の期間が来れば自然に消えてしまうのかどうなのか。
○川上政府委員 六十七条におきましては、「期間を定めて必要な措置を採るべきことを命ずることができる」ということでありますので、場合によりましては、命じなくてもいいということになるわけでございますけれども、やはり行政的な方針としましては、私どもの方としては厳格に措置したいというふうに考えております。
○西村(直)委員 さらに商工組合の地区という言葉を使っておられますが。この地区というのは、環境衛生の適正化に関する環境衛生営業の方は、法律の条文で全県一区というふうにすでにきめてあります。こちらの場合には地区という解釈はどういうふうにしていくわけですか。これも行政方針で、たとえばある特定のところから地区がきまっていくのか、あるいは産業の状態によってきまっていくのか、あるいは協同組合から変更一乗りかえができるようになっておりますね。従って小さい協同組合が幾つもあって、そういう場合にそれぞれ不況要件があるからといって地区として解釈されていくのか。どういう形になるのか。この点は法律からは出て参りませんから、御説明願いたい。
○川上政府委員 商工組合の地区につきましては、法律ではっきり一県とかあるいは全国とかというふうにはしておりませんが、これはやはりその産業の実態に応じまして、われわれとしましては地区をきめていくべきじゃないかというふうに考えるわけでございまして、場合によりましては二県にまたがって作るべき必要のあるものもありますし、あるいは一県で作るべきものもありますし、あるいはまた産地といいますか、その一県の中で一部分というような場合もあるかと思いますので、その実態に応じましてそれぞれ作りやすくしていったらば一番妥当ではないかというふうに私どもの方としましては考えておるわけでございます。しかしながら協同組合などと違いまして、やはりこの調整事業を行いますからして、その調整事業が効果的に行われなければなりませんので、そのためにはどうしても大部分のものにつきましては、その地区というのは相当広い地域になるのじゃないかというふうに考えられます。少くとも一県というのが最低の地区になってくるのじゃないかというふうに考えますけれども、あるいはたとえば商店街組合というようなものにつきましては、これはやはり一つの市の中の一部とかいうことになってくるだろうと考えられます。私どもの方としましては、経済的なあるいは産業的な一つの範囲というものが、それぞれの産業によって非常に違うのじゃないかというふうに考えておりますので、別に一律にこれを規定してないわけでございます。
○西村(直)委員 そうしますと、これはたしか附則の乗りかえ規定のところで、協同組合から商工組合に変りたい。ところが協同組合というのはどちらかというと自然発生的な面も多分にありますから、こういった場合には行政指導である地区をまとめさせるわけですか、それとも自発的に協同組合から商工組合に変るということになると、地区の中でも相当あります。そういうときにはどうするのですか。
○川上政府委員 その協同組合につきましても、現在地区の非常に小さいものもありますし、また非常に大きいものもあるわけでありまして、大体そういう調整事業を行いますときは、先ほど申し上げましたように地区が大体広いということになりますが、その協同組合におきましていろいろ検討をいたしました結果、どうしてもこの程度の地区でなければならぬというような場合におきましては、もし現在の協同組合の地区が非常に狭いというような場合においては、やはり所要の手続をとりまして、その組合の地区を大きくして、そしてその商工組合の方へ乗りかえていくというようなことに手続上はなってくると思うのであります。
○西村(直)委員 それから商工組合と農林水産団体の関係ですね。これはだいぶ一時誤解もあり、また関係をかなりお切りになったようにも思います。特に農協との関係を御説明を願いたい。
○川上政府委員 まず商工組合の設立に関連いたしまして、農協との関係がどうなるかという問題でございますが、これは第十一条に「商工組合の組合員たる資格を有する者は、その地区内において資格事業を営む中小企業者及び第九条に掲げる事態を克服するため必要がある場合において定款で定めたときは次に掲げる者とする。」ということになっておりまして、この第二のところで、この定款で定めました場合におきましてはこの商工組合に加入させることができるというものを書いておりますが、事業協同組合、協同組合連合会、企業組合、商工組合、商工組合連合会、それから農業協同組合、農業協同組合連合会、ずっと書いてございまして、そして「その地区内において資格事業を行うもの。」というふうに書いてあります。言いかえれば、商工組合の組合員たる資格を有する者は、これはいわゆる営業者でありまして、資格事業を営むもの、そして原則としましては中小企業者である。大企業につきましてもこれは入ることができるけれもど、それ以外のもので資格事業を行うものというふうに書いてありまして、こういう協同組合でありましても加入させることができるということになっておるわけであります。しかしながら、それはただし書きのところで「ただし、その資格事業がこれらの団体の種類ごとに政令で定める業種に属する場合に限る。」というふうに書いてありまして、こういうものでありましても、この商工組合にこの際入れる必要がないというような場合におきましては入れさせなくてもよろしい、政令によりまして指定しましたものだけを加入させるということにいたしてございます。従いまして農協につきましては、非常に特別な場合に組合に加入さした方がいいというふうに考えておりまして、普通はやはり営業者自体が一緒に集まって共同の調整を行うことが必要でありますので、農協につきましては、そういうことにあまり関係のない場合にはこれを入れる必要はありませんが、たとえば、ミカンのカン詰の製造販売業をやっておる農協のごときは、やはりこの組合の中に入れて調整した方が便利でありますし、また農協関係の方からもそういうような希望を持っておるようにわれわれ聞いておりますので、そういう場合に限って組合に加入させるということにしておるわけでございます。 それからもう一つは二十九条、組合交渉の問題でありますが、組合交渉の相手方につきまして、四のところで「地区内において資格事業を行う事業者(資格事業を営む者を除く。)であって、商工組合の組合員たる資格を有しないもの(政令で定める者に限る。)」ということにしてありまして、たとえば農協につきましても、組合交渉というような問題が現在それほどありませんので、政令によりましてそういうものは除外するというようなことにいたしております。
○西村(直)委員 組合交渉の相手方あるいは商工組合の構成メンバー、これが政令にゆだねられておりまして、大体の御趣旨は私も陰ながら聞いてはおるのでありますが、この政令事項にゆだねられる部分の大体の業種等について何か資料みたいなものをいただけますか、それともあれはまだそこまで来ておりませんか。大体どういうワクをかけるかというようなことですな。これは何も今日でなくてよろしゅうございますが、この政令で落していくものですね。たとえばこういうことがあるでしょう。漁協なら漁協で真珠の製造業をやっておるというふうな場合に「資格事業を行うもの」というふうなもので入ってくるのかどうか。
○川上政府委員 そういうような場合におきましては、やはり原則的には入ってくると私どもは考えておりますけれども、その実態を見まして、先ほど農協で申し上げましたように、たとえばミカンのカン詰の製造販売事業をやっておるというようなものについては、やはりこの組合の中に入れた方が便利である。また農協自体にしても、やはりそういう方が便利であるというような意見もありまして、現にこの中小企業安定法の調整組合におきましても、そういうような措置をとっておりますので、具体的なそういう問題がありますれば、われわれとしまして同様な扱いをしたいと考えておりますけれども、しかし調整事業にあまり関係がないものにつきましては、入れる必要はないじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○西村(直)委員 その点は政令で定めるものとしておりますけれども、こういった事柄は、たとえば盛んにやかましくこの組合へ入りたがっている米の小売商のような問題、こういったようなものもよく耳にいたします。そこで政令に定めるものの大きな範囲というようなものを、われわれにある程度行政方針をお示しいただく方が法案の審議上御親切じゃないか、こういう意味なんでございます。たとえば生活協同組合法とこの法案との関係はどうであるか。これも御説明願わないとこの法案の文章から出てこない。代議士はただ文章を見ただけで、あと審議しろというわけですから、もう少しその点は御親切なお示しを願いたいというわけです。
○川上政府委員 この十一条の二号のただし書きにおきましては、たとえば農協関係について申し上げますと、物を購入して組合員に対して配給するというようなものについては、私の方としましてはこれは考えておりません。というのは、資格事業を営むという営利行為をやっておる者が原則というふうに考えておりますので、そういうものは大体考えておりません。ところが先ほども申し上げたように、ミカンのカン詰を製造して販売しておるというようなことになりますと、一般中小企業と同じような行為をやっておるというようなふうにも考えられるのじゃないかというふうに考えますので、われわれといたしましては、そういう場合においては農協も入れて一緒に調整事業をやった方が農協のためにも便利であるし、同時にまた中小企業者側からいっても便利でありますので、そういう場合にはこれを加入させるというようなことにいたしております。従って生協のごときは私どもとしましてはこの商工組合に加入させるというようなふうには考えておりません。
○西村(直)委員 ただし所によっては今日の生協自体のいき方の弊害もいわれておるのでありますが、これは何か組合交渉の相手方に指定するようなことはお考えになっておりますか。
○川上政府委員 これは先ほども申し上げましたように、二十九条の第四号によって、生協につきましては非常に中小企業との関係が一面においてありますので、そういうものは組合交渉の相手方にしたいというふうに考えております。
○西村(直)委員 わかりました。法文の、あまり具体問題をここに聞いておっても時間がかかりますから、大きい問題を御説明というか御意見を承わり、またわれわれの意見も申し述べたいのは、この法案から見て、新規開業が事実上抑圧されぬかという心配がよくいわれ、弱小零細企業が事実上の圧迫を受けはせぬか。もちろん消費者の問題もありますがこれは別として、こういった事柄。それに時間がございませんから関連して、輸出企業等における横の系列が強まっていくために、縦の、輸出のいわゆる関連中小企業がうまくいかぬのじゃないか。それからもう一つは下請が、やはり組合交渉というようなものあるいはアウトサイダー規制命令といったようなものから、優良下請とそれ以外のアウトサイダー等との関係が、混乱が起りはぜぬかというような問題をかなりいわれておるものですから、この点について概略の御意見を承わっておきたいと思います。
○川上政府委員 この法律によりましては、別に営業の許可というような制度を全然とっておりません。従って新規開業については、何らこれを拘束しておりませんので、従って新規開業を抑制するということは全然われわれとしては考えておりませんが、ただ実際問題として、たとえば強制加入の命令、アウトサイダー規制の命令とかいったことによって新規開業がなかなか困難になってきはせぬだろうかという御意見に対しましても、われわれとしては調整規程についても十分認可制をとっておりますし、その他の面においても別にそういうこれを押えるというような規定も全然ありませんので、別段新規開業が非常にやりにくくなるということは毛頭考えておりません。 それから弱小企業について、弱小企業がこの組合に入ってきて押えられやしないだろうかというような御意見のようでありましたが、弱小企業についても、この組合制度においては、この議決権についてほかの中小企業と同じような権利を持っておりますし、同時にまた差別待遇をしてはいけないというはつきりした条文も入っておりますので、別に弱小企業がこの組合のほかの中小企業に押えられるというようなことはないとわれわれの方では考えております。 それからまた縦の系列とか、そういうような比較的優秀な中小企業者が組合に入っておるために悪平等となって、かえって中小企業者の設備近代化とかいろいろそういうことが抑制されやしないかという問題についても、この組合制度については、そういう系列のものもたくさん入っておるわけでありますから、調整規程を作りますときに、自分たちの不利になるような措置はおそらくとらないだろうと考えますし、現在すでに中小企業安定法に基く調整組合においても、そういう弊害はほとんど今日まで出ておりませんので、私どもの方としましても別段そういう問題はないというふうに考えております。また下請企業についてもこれと同様なふうにわれわれとしては考えております。
○西村(直)委員 この下請組合は商工組合みたいなものを認めるつもりでございますか。
○川上政府委員 下請の問題については、おそらくこの商工組合制度ではなかなか利用できないのではないかというふうに考えております。これはいろいろありますが、原則として一地区に同業種の組合は一つだということになっておりますし、商店街の組合がその他の同業種の組合とクローズすることができることになっておりますので、下請の組合についてはそういう原則からいってなかなかできにくいのではないかというふうに考えますが、下請の組合については現在協同組合をやっておりまして、協同組合制度を活用することによってある程度その目的を達し得るのではないかというふうに考えます。
○西村(直)委員 これらは政令事項なり行政で指導される面が相当ふえて参りますが、これに対する役所の機構はどういうふうにおやりになりますか。あわせて一つお聞きをしたいのは、この法案が出ると、中小企業者の期待する人は非常にいい法案が出たのではないかと思って一挙に殺到する。あるいはがっかりする人もあるかもしれない。それは業種、実態によっていろいろ違ってくるだろう。その場合、どういうような事務さばき——さっき運営という問題が盛んに出たわけでありますが、こういった大きな法案を、さらに幾多の政令を加え、あるいは省令もくっつくでありましょう。そういうものを運営していく機構というか、受入れ態勢は役所側ではどういうふうになっておりましょうか。これは運営上大きな問題が役所関係でも起ると思います。また場合によればそれに対する予算が必要なのかどうか、こういったこともお聞きしてみたい。
○川上政府委員 今のところ別に特別な予算はとっておりません。現在すでに安定法に基いて調整組合も相当作っておるわけなのですが、現在のところ中小企業庁において特別な機構を作り、さらに人員もふやしてやるというような措置は考えておりません。現在協同組合課がありますので、そこで調整組合の仕事もやっておるのですが、私どもの方としましては、そう人をふやさなくても現在の人員で十分この組合を組織させることはできるのではないかというふうに考えております。また府県につきましても、現在それぞれこの協同組合関係の仕事、あるいは中小企業関係の仕事をしておる部課があるわけですが、そこにおいて私は十分措置できるのではないかというふうに考えております。ということはこの商工組合制度につきましては、設立につきましても、その他のことにつきましても、相当厳格な措置をとっておりますので、私どもの方としましては、特にその最初の運営については非常に重大でありますから、その組合設立につきましても慎重ら措置をとっていきたいと考えておりますから、今の人員、機構において十分できるのではないかというふうに考えております。
○西村(直)委員 時間がたって参りますからさらに進めますが、組合交渉の問題ですが、団体交渉あるいは組合交渉、こちらの政府案は組合交渉という言葉を使って、応諾の義務はないように条文から解釈をするのですが、その点はどういうふうになるのか、措置はせねばならぬというように書いてありますが、応諾の義務になっているのかどうか、その点を御説明願いたいのと、それから組合交渉ということが一時非常に誤解されまして大きく伝えられたわけでありますが、政令でその手続等もきめられておるようでありますが、その政令によってきめる組合交渉の手続の内容、それからもう一つは、さらにこれが大きく伝えられまして、交渉権という権利化したという理由、これらの点を承わりたいと思います。
○川上政府委員 この二十九条によりまして、「その交渉に応ずるように誠意をもって措置しなければならない。」ということになっておりまして、絶対に応じなければならないということにはなっておりません。これはあくまでも応じるように誠意をもって措置しなければならないということになっておりますが、もし応じない場合はどうするかという問題につきましては、別に罰則規定はないわけでございます。ただその三十条によりまして、「組合協約の締結に関し必要な勧告をすることができる。」という規定が入っておりまして、当然これは応ずべきものだというふうにも考えられる場合におきまして、なかなか応じないというような場合におきましては、この主管大臣が応ずるように勧告をするわけでございます。しかしながらこれはあくまでも社会的な一つの訓示的な規定でありまして、先ほども申し上げましたように、別に勧告に応じなくても罰則はないということにいたしておるわけでございます。それからもう一つは、この第二十九条の「商工組合の代表者が、政令で定めるところにより、」というのは、この組合交渉をやる場合におきましては、この「政令で定めるところにより」というのは、これは大体人数も制限しまして、きわめて紳士的に話し合いを進めてもらいたいというような考えでございますので、たとえば三人以下でやるとか、あるいは代表者につきましても組合の理事者でなければいけないとか、そういうような規定をこの政令で定めることにいたしておるわけでございます。
○西村(直)委員 最後にもう一つ問題点は、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案というのが、六団体といいますか、六業種といいますか、それと、それから食品衛生法に基く政令に指定されるものとが、適正化規程を作ってそうしてアウトサイダー命令を出して、強制加入はないのですが、これは一つの法案として国会で今審議されておる。これとこちらの関連はどうなのか、それからその他にももちろんこれに多少似たような法案があります。安定法はこれで廃止になることはわかりますが、今審議されておる環境衛生関係の法律とこれとの関連というものを明確に承わりたいのであります。もちろん片方は議員立法でありますし、こちらは政府案でありますから、考え方は多少違うことはよくわかりますけれども……。
○川上政府委員 この中小企業団体法は、一般法と申しますか、基本的な法律でございまして、特殊な事情があって、それは別な組合を作らした方がよろしいというような、ものによりましては、その特別な法律によって、特別な組合を作らしても何ら差しつかえないというふうに考えております。従いまして環境衛生関係のものにつきましても、やはり別な法律によりまして、別な組合組織を作った方がよろしいということであれば、この法律によりましても作れるのですが、そちらの法律によっても作り得る。従いまして行政的な運用によりまして環境衛生のものを特別な法律による組合組織にした方がいいということでありますれば、そういう措置をとっても差しつかえないというふうに考えております。ということは、この法律によりましては、主管大臣はその物資を主管している大臣ということにいたしておりますので、その主管大臣におきまして行政的な運用によって、今の環境衛生について特別な組合を作った方がいいということでありますれば、別の組合を作ってもよろしいということになるわけでありますが、しかしこの法律によります組合も別に作っては悪いということではないわけでありまして、作り得るわけでございます。
○西村(直)委員 そこは行政官庁同士で運用上何かはっきりしたものをお持ちになっているのですか、中小企業庁なり通産省だけでそう考えているのでなく、厚生省なりその他の関係大臣しも、その点は明確になっているのですか。
○川上政府委員 法律上は先ほど申し上げました通りでありますが、これは通産省と厚生省との間にはっきりこの法律を提案する前に覚書を交換しておりまして、環境衛生の関係は向うの特別な法律で措置するということにいたしております。
○西村(直)委員 そうすると事実上、環境衛生関係、サービス業者が、向うの法律でなくて、こっちの法律で申請してきた場合は、主管大臣の厚生大臣が受けつけないということでありますか。要するに一つの県の中で、おれはこの団体法で行く、わしは環境衛生法で行こう、こういった議論が起ってきた場合にどうなりますか。
○川上政府委員 それはその調整事業の内容によりまして、この主管大臣である厚生大臣が、その提案してきました組合申請について調整をすることにいたしておるわけでございます。従いまして商工組合を作りたいということで参りましても、主管大臣が、やはりこの調整事業の内容によっては商工組合よりもむしろ環境衛生の組合でやった方がいいということになりますれば、行政指導と申しますか、そういう措置によってこの環境衛生の特別組合を作らせるということになろうかと考えます。
○西村(直)委員 その点は、法案起案の過程において行政庁としてはおやりになりましたが、私たち国会としてもはっきりしておかなければいかぬと思うのは、行政権としてはそうお考えになるが、立法のあれからいっても、どっちでもお選びなさいという形が果していいのか、また一般法、特別法という形ではっきりしておけばいいのか、今日私個人が軽々に論を出すべきでないけれども、私は少くとも環境衛生業者、サービス業者というのは、ほとんど組合対象になるような、団体交渉になるようなものはない。はっきり言えば床屋さんが組合交渉をどことやるか、ぜいぜいやったとしても化粧品屋とやるようなもので、大したことはない。こういう点から見ると、サービス業というものは、ほんとうの、手とからだと精神とを持った第一次のサービス、しかも保健所、衛生部というようなものを通していく。それに最初私が御意見申し上げたのは、もちろんこういう中小企業を団結さして、そうして公正な場面までその意欲を盛り上げていくというような基本法としては、確かに一般法は価値があるが、同時にそれぞれの特殊性というものを発揮するという面もあるでありましょうし、また中小企業庁としては、厚生大臣所管のサービス業まで中小企業としてなかなかめんどうも見にくい、こういうような点から、私は法律的にももう少しはっきりしておく必要がありはしないかという意見もありますが、一応意見として申し上げておくところであります。 それから次に、時間があまりたちますと悪いですから、社会党の方の御説明の方がおれば一、二お伺い申し上げておきたい。 社会党の案は大体ざっと私も拝見いたしまして、提案理由も一応説明を受けましたけれども、一、二お伺いいたしたいのは、団体交渉というところに非常に力を入れている、そして内部の方は比較的自主的にと、こういうふうに全部やっておられるようであります。これが特徴だと私は考えるのであります。そこで団体交渉の場合にわれわれが少し異様に感じますのは、政府案でありますと組合交渉、調整規程、調整事業というものだけを中心に考えている。ところがあなたの方の案は一切の取引条件について、組合のためじゃなくて組合員のためにもできる、こういうふうに非常に幅が広いのでありますが、その点は私どもはだいぶ異論があります。御説明を願いたいのであります。
○永井委員 わが党川がこの法案を出しました前提条件としては、中小企業が今日のような苦しい状態にありますことは、まず過度の競争、それから原料高の製品安、あるいは金融難、税金が高いということ、あるいは外資が導入されてそれが国内の中小企業を圧迫するということ、あるいは政府が多年にわたって大企業中心に、超重点的に施策を進められて、そのしわ寄せが中小企業へ来ているということ、そういういろいろな条件を巨細に検討しまして、その中で中小企業を振興し安定させ発展させるにはどうしたらいいか、こういう作業を通してこういう結論に達したわけであります。従ってこの中小企業を中小企業のワク内に閉じ込めて強制加入をして、そしてどのような権力でこれに臨みましても、過度の競争という条件が整理されるわけではありません。ただ一つの中小企業というワク内に閉じ込めたということだけでありまして、その中におけるいろいろな政府案のような施策によっては過度の競争という条件は取り除かれないのであります。もししいて中小企業者が非常にたくさんあるという条件を、中小企業のワク内に閉じ込めたということで、その中で安定をはかるというならば、過剰なものを強権によって整理するという形によってのみ過度の競争が整理される、問題が解決の方向をとる、こういうことになろうかとわれわれは考えるのであります。 そこでわが党は、そういうことではなしに、中小企業の仕事の分野を拡大していく、こういう考え方に立ちまして、産業の分野に関する法律をここに出しまして、そして中小企業に適当と考えられる仕事の領域というものを広げていく、そういうふうにして中小企業の活動領域を確保することが一つ。それから、その中において原料高の製品安というような、大企業の圧力が相当に強いわけでありますから、そこで大企業と中小企業との間における一つの団体交渉によって、原料を適正な価格で入手できる、あるいは製品を適正価格で売ることができる、代金の支払いその他について今までのようなしわ寄せをされないようにするというようなところに重点を置いて考えて参りましたから、このような立法の趣旨に基きまして成文をいたしました、こういう次第でございます。御了承いただきたいと思います。
○西村(直)委員 私がお聞きしたいのは、その立法趣旨もあれでございますけれども、時間もありませんからなるべく端的にお答えを願いたいのは、調整規程の点で、政府案でありますと、組合員のためにあるいは組合の一部のために交渉するというようなことはないのです。ところが社会党案によりますと、取引条件一切についてやれる。端的に申しますならば、すぐ値段の交渉に入ろうじゃないか、しかも組合の一部のためにあるいは組合員、その所属員のためにやれる。こういうところに私はあまりに組合交渉、団体交渉というのは広過ぎはせぬかという一つの欠点を見出すわけであります。 それからもう一つは、これは間違いではないと思いますが、配付になりました社会党の案の二十七条の二項ですか、これは削ると書いてある。消費者が非常に心配をされるという建前もあったのでありましょうが、政府案では価格協定、料金協定というものはあらゆる手を打ったあとで最後にやろうというのに対して、社会党案は初めから価格協定あるいは料金協定というようなところにいけるというふうに私はこの調整事業を解釈する。これはやはり私は少しドラスティックじゃないか、こういうふうに考えるのであります。その点について御意見を簡単に伺っておきたいと思います。
○永井委員 ただいまのお尋ねにお答えをいたします。わが党の案は組合に強制加入を認めておりません。員外に対する強制統制というものも認めておりません。従ってただいまお尋ねのような価格協定あるいは価格の団体交渉というようなことにすぐ入る、あるいは個人を対象にして入る、こう申しますけれども、組合の加入脱退が自由でありますから、組合の共通の利害の上に立たない私利的な一つの行動というものには、おれはおれの勝手な行動をとるのだということでついて参りません。組合員の共通の利害の上に立った一つの公正な交渉という旗じるしが確立されない限りにおいては、全組合員の共同行動というものがとれなくなるわけであります。そういう操作の基盤の上に立ちましてこういう規定をしております。政府案はいろいろな方法をとった後にこの調整活動ができる、こうしてあるのでありますが、わが党は中小企業今日の経済的ないろいろな悲境というものは、物価なら物価、原料なら原料、税金なら税金、金融なら金融という一つの問題を解決すればそれで全体が解決するのではなくて、非常な広範な経済活動の分野の中において一つ一つ問題を解決していかなければならぬ、だから問題はいろいろな問題か同時的に行われなければならないということになる、問題が発生して事後処理としてやるのではなくて、どん底に落ち込む前の事前の措置として積極的に活動していくということを規定してあるわけであります。
○西村(直)委員 いずれだんだんに社会党案を通じての経済的、政治的な効果というものを十分に国民にPRする必要があると思う。ということは、時間がないから、質問すると御説明が非常に御熱心過ぎて何ですが、団体交渉というところに非常に中心を置いておるが、政府案ですと大企業にとまっているが、こちらは大企業の団体というところまで発展する。今度は要求者の方は組合員、こういうところを見ますと、組合員のため、所属員のためすぐ交渉が始まる。しかも値段の直接の交渉が始まる。しかも内部では料金をすぐきめ合う。こういうような値段というところにすぐいく。これが一番争いになりやすいところでしょう。そこにすぐいく。団体交渉まで持っていく。あるいは紡連であるとかその他いろいろな協会まで発展していく。そうするとつい向うも対抗カルテルを作るというような形から、私はやはり気をつけないと、社会党案からいくと階級闘争的な面に入りやすい危険性がある、これを感ずるのであります。 もう一つは、勤労事業協同組合というような小さい事業者のものを認めています。この事業者自体はむしろ家族労働者、家族の従業員——そういう零細のものも一つの特殊な組合を作ってやろうというお気持はよくわかります。が同時に、これは率直に言うと、リーダーのいかんです。私は最初に、運営は人の問題と思想の問題だということを申し上げましたが、これは家族ぐるみの闘争になる。それからもう一つは、団体交渉の過程におきましても、第三者に委任することができるようになっている。委任するといって政令では交渉の手続を何ら制限しない。そうすると、それがすなわち赤旗を掲げたる家族ぐるみ闘争に発展をさせられるような危険性がある。こういうところに私は団体交渉の幅を非常に広げて、そして下から突き上げていく——経済行偽というものは私はあまり突き上げていくというような、一挙にドラスティックな行き方をすることはどうか思う。もちろん社会党の考え方には一連の体系は確かにあります。さらに、従業員との間の労働協約、それからくる最低賃金制、下から突き上げながらいくという行き方が、果して今の日本の経済の運行上経済行為自体でとどまるか。さっきから申し上げるように、日本の総評を中心にした勢力が、今経済行為を逸脱して政治闘争にいっている。言いかえれば、この社会党の組織法が、立案者自体はそういう頭でないにしても、社会党のつかんでいる、いわゆる社会党のだんなである総評の勢力がこれを実族ぐるみの赤旗闘争に持っていく、こういうような点を、国会を通して国民が十分に御認識いただくならば、社会党の案のねらわれているところ、社会党の国会議員のねらわれているところがわかる。こういうふうに、私は、時間もありませんから、私の意見を申し上げまして、今日は終る次第であります。
○加藤(清)委員 西村さんの貴重な御意見を承わりましたが、まことに遺憾なことに、西村さんのおっしゃることはわが党案と離れることがはるかなところにありまして、あなたの経験からするとそういう心配が起るかもしれませんが、私どもの法案からいけば絶対にさようなことはございません。なぜかならば、家族ぐるみ闘争とおっしゃいましたが、私の方の案には御承知の通り強制加入という前提条件がございませんので、それを前提にお考えいただければ今のような考え方は夢にすぎない、こういうことでございます。
○福田委員長 本日はこの程度にとどめます。次会は明十七日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時二十四分散会