商工委員会 第22号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/03
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○福田委員長 速記を始めて下さい。 輸出保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。中崎敏君。
○中崎委員 最近神武以来の景気と言われておる中においてその大きな支柱となっておるものは、国際経済に支えられた日本貿易の進展と二カ年に続く農村景気であると大体思われるのであります。 ところが最近になってこの海外の情勢にある種の変化があるのではないかというふうな見通しもあるのでありまして、勢いこの日本の経済の動向も多くそうしたものに影響を受けるものと考えられるのでありまして、日本の貿易の前途に対する見通し等については、こうした点について十分の関心と洞察とをなさなければ適正な施策はなし得ないのじゃないかと思うのであります。従いまして今回提案になっておりまするところの輸出保険法の一部改正にいたしましても、日本の海外投資を日本の背後における経済の力にささえられて、いかに今後これが発展していくかというふうな問題とも関連さして、またそれを別といたしましても、貿易はどういうふうになるかということは通産行政の面において非常に大きな問題でありますが、これは三十二年度の予算を通すがために全力を予算委員会に結集し、われわれはまたそれを見のがしてそしてその促進を側面的に協力したというふうな点もあって、こうしたような重要な問題を今日まで十分に論議する機会がなかったのであります。ところがたまたま今回輸出保険法の一部改正の問題を検討するかたわら、この問題と取っ組むのもまた大いに必要なことであるというふうに考えておりますので、この際この問題について、私は通産大臣の所見を、ことに大きな問題でもあるのでお尋ねしたいと思うのでありますが、ちょうど私、またこれから農林委員会へ行っていろいろ重要な質問などをする関係もあって時間がありませんので、ほんの二、三の点についてお尋ねしてみたいと思うのであります。さてそうしたもとにおいて三十二年度の外貨予算が一応政府の手元においてできたということでありまして、これについてはいずれ日を改めて資料の提供を願って検討する機会を持ちたいと思うのでありますが、とりあえずその問題は一応別といたしまして、昭和三十二年度におけるところの日本の輸出入貿易の見通しについて、当初予算提出の際において政府で考えておったようなところとかれこれ一つの変化が客観的にも認め得るので、相当の変化があるのではないかというふうに考えておるのであります。そうした点について、どういうような変化が現実の問題として本年度内における情勢の中に生まれておるのかということを御説明願いたいと思います。
○松尾(泰)政府委員 三十二年度の輸出二十八億、それから輸入三十二億は、今回の三十二年度上期の外貨予算を編成するに当りましてもいろいろ再検討をしたのでありますが、今のところわれわれといたしましては、やはり年度間といたしまして輸出の受け取りは二十八億、輸入の支払いは三十二億ドルに近い線でおさまるであろう、こういうふうに考えておるのであります。年度間の推計が外貨予算編成に伴って策定することが若干困難でありましたので、上期だけにつきまして一応作成したものを申し上げますと、三十二年度上期におきまする受け取りのうち、輸出は十三億八千万ドル、特需が三億ドル、貿易外が一億三千九百万ドル、受け取り合計が十八億一千九百万ドル。それから支払いの分は、まず第一の輸入は十六億八千万ドル、貿易外の支払いが二億六千五百万ドル、支払いの合計は十九億四千五百万ドルでありまして、実質収支におきまして一億二千六百万ドルの赤字となりますが、いろいろの調整項目を差し引きますと、形式収支におきましては、一億ドル程度の赤字で上期は済むのではないかというふうに見ておるのであります。年間といたしましていろいろ未確定のファクターもありますので正確に申しにくいのでありますが、この三十二年度の上期におきまして一億ドルの赤字が出た、それが年度末になってなぜとんとんないしとんとんに近い線になるのかというお尋ねかとも思うのでありますが、これは三十一年度の下期におきまして、約二十五億ドルというような膨大な予算になったのであります。それによって買い付けられたものの大部分が上期において支払いに立って参るがために、この三十二年度上期におきまして、今申しますような赤字になるのであります。三十二年度の下期におきましては三十二年度上期の二十億八千六百万ドル、その前の期でありまする三十一年度の下期に比較いたしますると、縮小した予算の実行による支払いが三十二年度下期においてなされるということになりまするし、他方下期における輸出も二十八億ドルが達成できるといたしまするならば、上期よりも四千万ドル程度の増加になるわけでありますので、下期の方が上期よりも収文は好転するのではないか、こういうふうに見ておるのであります。従いまして年度間といたしましては、ほぼ均衡に近いところに落ちつくであろうというふうに見ておるのであります。 —————————————
○福田委員長 離島振興法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。中崎敏君。
○中崎委員 私は宇田国務大臣に対しまして、行政府としての国会の地位に関する考え方についてお尋ねしておきたいのであります。 実は、離島振興法がこの委員会にかかって、本日これが上るということは大体の予定の線でもありますので、大臣はすでにこの点を御承知のことと思うのであります。ところがこの法案が上る前においては、大臣がみずからその責任の衝に当って国会に対して決意のあるところを明らかにすべきであるということが今までの慣例でもあって、よくよくのことがない限りは他の者がかわってやらないというのが大体の慣例である。それが当然のことと思っておるのであります。ところが私が宇田国務大臣の出席要求をしましたところ、委員長は、何だか閣議中であるということでありましたから、閣議中ならやむを得ないということで、それでは政務次官をと言いましたところが、政務次官はどこへ行ったか行方不明であるということがいろいろ調査の結果わかったのであります。従いまして、きょうは輸出保険法の一部を改正する法律案がこの委員会にかかっておりまして、これも一応本日をもって質疑を終ろうじゃないかということであった。私は個人としてきょう午前中にほかの委員会にも出なければならないという関係もありまして、かれこれ非常に忙しい。時間もなくてのっぴきならぬことになっておる。そんなことでじんぜん時間を過ごしたままこの委員会が終始しておるということは、一面において、ややともすればこの離島振興法の一部を改正する法律案が議員立法であるということから、どうも議員立法について政府の方は従来あまり熱心でないということがわれわれ国会議員の側においても常識的な考え方として、その運用の上においても非常に遺憾であるということを言われておった。それがまざまざ具体的にこの場面において現われてきたことは非常に遺憾なことであるが、宇田国務大臣はこの点をどういうようにお考えになっておるか、さらにまたこの議員立法について、今後一体どういう心がまえをもって対処されるか。またこの法律案がいよいよこの委員会を通るわけでありますが、その後においてこの法律案が法律化したときにおいて、どういうふうな態度をもって臨まれるか。議員立法であるというような態度をもって依然として軽視されようとしているのか、あるいはほんとうの情熱を持って、何ら国会の意思に変りはないという考え方の上に立って、全責任を持ってこの運営、実施の上に情熱を傾けてやられるのかどうかをお尋ねしたいと思います。
○宇田国務大臣 私は実はきょうこちらでこれが上るということを十分存じませんので、ほかの委員会で質疑応答がありましたからそれに出席しておったわけであります。決して審議を軽視するというようなことは毛頭考えておりませんので、離島振興法につきましてはかねて十分打ち合せをいたしまして、そうしてそれぞれの手続をとりつつあります。趣旨については、初めから離島振興関係の議員の方々から下打ち合せがありましたので、内容につきましても概要は十分存じております。それでどの委員会へいつ出席すべしということが自分でよくわかっておりましたら、すぐそういう手続をとるはずでしたけれども、きょうここへ来るということについて——科学技術特別委員会へも早くから出ておったものですから、その委員会の論議で私が立っておった関係で連絡をする方が遠慮したのではないかというふうにも思われます。そういうわけですから、こちらのことをよく存じませんでしたので、その点はなはだ恐縮に存じます。 それからこの離島振興法につきましては、ただいま御質問がありましたが、私どもはその趣旨にのっとって十分全力を傾注いたしたいと思います。離島に関する非常に気の毒な立場というものを、行政措置をもって十分に助けていかなければならぬ、根本はそう考えておるわけでございまして、法律等につきましては、政府全部がこれに対して善処していきたいということを基本方針で確認をいたしたような状態でございます。その点は御了解いただきたいと思います。
○中崎委員 この点はあまり追及したくないのであります。実は先ほど申し上げますように、大臣がいなければ政務次官がおって、大臣が事故があるというような場合、またやむを得ないというような場合にはかわるという意味における政務次官だと思う。その政務次官もいない、結局において今言ったように、この重要な委員会が会議を進められない状態において過ぎておるということに遺憾がある。そうしてまた委員長にお尋ねしたいのでありますが、この法律案が上るということは、委員長はよくおわかりになっておる。それを大臣にも連絡しない、政務次官にも連絡しないということになれば、これはきわめて遺憾であるが、この点は一体どうですか。お尋ねいたします。
○福田委員長 委員部で申し忘れまして連絡が不十分であったようであります。以後十分気をつけたいと思います。
○中崎委員 次に大臣にお尋ねしたいのでありますが、三月の閣議で政府は離島予算の一本化を了解したということを伝えられておるのであります。それは具体的にどういうことが閣議において了解事項となっておるのか。あるいは決定事項となっておるのか。それを一つ明らかにしてもらいたい。
○宇田国務大臣 その点につきましては、文書がありますから政府委員から読み上げてお答えいたします。
○中崎委員 重要な閣議、了解事項は政府委員がやるべきでない、大臣がみずから閣議でいういうことを決定したのだと言わなければしょうがないじゃないですか。
○宇田国務大臣 三十二年の三月八日閣議の了解事項であります。 離島振興予算の計上について 離島振興関係公共事業(簡易水道及び電気導入を含む)については、各種の事業及び事項に比較的少額の予算が計上されているため、地域、ことの総合的な効果を発揮することが著しく困難となっている事情にかんがみ、これらの予算を昭和三十三年度から経済企画庁の所管に一括して計上し、その使用に際しては各省所掌に移しかえるよう措置するものとする。ただし北海道関係の予算については、従来通り北海道開発庁所管に計上するものとする。 以上でございます。
○中崎委員 大体趣旨はわかりました。そこで今閣議決定として読まれましたように、従前にこの離島の人たちは長年非常にみじめな状態に取り残されて、今なおこの状態はほとんど改良されていない、せっかくの離島振興法ができたのにかかわらず、その恩典に浴することはいかにも少いというこの実情はあらためて再認識されて、何とか新しい方向にこの問題を展開すべきであるという考え方の上に取り上げられたと思うのでありますが、さてそれであるならば、今度はその後において経済企画庁がどういうふうな受け入れ態勢をもってこれに対処しようとしているのか、そのおよその方向、機構の拡充強化などを含めて一体どういうふうな勢態をもって進もうとしているのかを明らかにしてもらいたいのであります。
○宇田国務大臣 本年度は、役所としては人事に関する予算をもらうことが困難な事情がございましたので、いずれにして経済企画庁の中に離島班を作りまして、それで一括してこの行政事務にそごを来たさないように行政措置をとっていきたい、こう考えております。
○中崎委員 もう一言申し述べたいと思います。従前経済企画庁はこうしていわゆる実施庁の存在を持たないで、いわばほんの絵にかいたもちみたいな関係でつけたりにあったような存在でありましたが、ここである程度の実施的な立場を持つという考え方の上に立って、各省にあるものをここへ集めて、そしてここでもって強力に実行していくことに一歩を踏み出したものだと思うのであります。従いまして、その機構も相当強化拡充されなければ、各省から持ってきて、そして企画庁がある程度これを実施の上に力を持っていくことはとてもできないことだと思うのであります。そこでこうした実情をよくおくみ取りになって、そして機会あるごとに、ことに来年度においては全力をあげて拡充強化に努力されて、そしてせっかくのこの法律案の趣旨が生きてくるように道を開いていただきたいということを要望しておきたいのでありますが、これに対する大臣の所見を、決意のあるところを聞きたいのであります。
○宇田国務大臣 離島振興については非常に重要な案件がたくさんありますので、ただいま申されたような御趣旨に浴ってわれわれも努力いたしたいと考えております。来年度におきましては、そういうふうにぜひとも前進するように関係各省とも話し合いを十分つけていきたいと思っております。
○福田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 引き続き、本案について討論に入るわけでありますが、討論もないようでありますので、直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認めます。 離島振興法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○福田委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 この際、小笠公韶君及び永井勝次郎君より、本案に対し両派共同提案にかかる附帯決議を付したいとの提案がなされております。永井勝次郎君に発言を許します。永井勝次郎君。
○永井委員 ただいま中崎君と大臣との間の質疑を通して大体当局の趣旨は明らかにされたと思うのであります。 この際、本案の通過に当りまして、自民党、社会党両党の共同提案のもとに附帯決議を付しておきたいと存じます。 案文を朗読いたします。 離島振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 一、昭和三十二年三月八日の閣議了解のとおり、離島予算を経済企画庁の所管に一括計上すること。 二、離島振興関係事務を掌理するため、経済企画庁の機構を拡充すること。 この二点を附帯決議といたしたいと存じます。附帯決議であるから軽く扱うというようなことのないように、質疑において明らかになったように、さらに両党共同提案の附帯決議の趣旨を十分理解されて、これが実施の上に具現せられるよう強く要望いたす次第であります。
○福田委員長 採決いたします。ただいまの永井勝次郎君外一名の御提案の通り、本案に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○福田委員長 起立総員。よって本案には永井勝次郎君外一名の提案の通り附帯決議を付することに決しました。 お諮りいたします。ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 ただいまの附帯決議に対しまして、宇田長官より発言を求められております。これを許します。宇田長官。
○宇田国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、十分その趣旨を尊重いたしまして、それぞれの行政措置をとりたいと考えております。あわせてこの点を申し上げておきます。 —————————————
○福田委員長 再び、輸出保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。松平忠久君。
○松平委員 輸出保険法の一部改正案について若干質問をしたいと思います。 日本の海外投資は、日本の貿易の伸展を促進する意味においてもきわめて重要であるというので、むしろわれわはこの海外投資の多からんことを希望しておるわけでありますけれども、一体政府は海外投資の目標をただ単に貿易の伸展という一事について行なっておるのであるかどうか。もしも貿易の伸展ということで、この海外投資を助長していく、さらに海外投資を容易にするために輸出保険法を改正するという趣旨であるならば、この海外投資の目標をどういうところへ置くか、つまり種類で申しますと、第一次投資、第一次産業というところに海外の投資の目標を置いておるのであるかどうか。あるいは地域的に言うならば、これは欧州共同体というような共同市場の構成ということから考えても、日本の進出すべきところは、一つは東南アジアということにほとんど常識的に決定しておるわけであるが、この東南アジア地域に対して、重点的に海外の投資を行なっていく、こういう考え方であるのかどうか。すなわち海外投資の計画というようなものがなければいかぬと思うのでありますが、この海外投資の目標なり、計画なりというようなものはどういうところに置いておられるかということをまずお伺いしたいと思うのであります。
○長谷川政府委員 提案理由の御説明にも申し上げました通り、最近特に目立ちまして、中南米、東南アジア等、それらの地区に対しましては非常に盛んに海外投資が行われておるこの実情の上に立ちまして、重点的にこれらの地区には行なっていきたい、こう考えているわけであります。従って一方ただ貿易という面ばかりでなくして、原材料の輸入という点にも重点が置いてあるわけでございます。
○松平委員 日本の産業基盤を確立するために、やはり第一次産業に投資をして、そこから原材料を日本に輸入してくるということはきわめて必要であり、またそのために貿易も伸展するというので、海外投資を大いに歓迎するわけでありますけれども、ただいまのお話だと、東南アジアとか南米というような地域に対しては、特に重点を示されたわけであります。 そこで投資の種類としては一体政府はどういうところに目標を置いて指導をするという考えであるかどうかということでございます。すなわち第一次産業に中心を置くのか、第二次、第三次産業に中心を置くのか、あるいは全然無計画で、何でもいいから投資ができるというようなところにはやっていくというのであるか、そこらの計画性が私はないのじゃないかと思うのだけれども、どうですか。
○長谷川政府委員 第一次産業には重点を置いております。といって、産業だったらどれでもいいというような考え方は持っておらないのでありまして、要するに、たとえばわれわれの言葉でいうぜいたく産業というようなものには、私の方は考え方としてはないのでございます。
○松平委員 第一次産業すなわち鉱山の開発というようなことが最も日本としては重要なものであり、また林産業の開発ということも日本の現状にとっては必要であるので、その方面にかなり重点を置かなければならぬ、こういうふうに私は思っておるのですが、今までの政府の統計を見ますと、海外投資の目標は、繊維産業と機械産業にかなりウェートを置いているように思われる。これでは結局日本と競合するという場所をよけい作ることになるのではないか、こうも思われるのであって、繊維と機械にほとんど過半数以上の投資が行われている現状であるが、これは一体政府としてはどういうふうにお考えになっておるか。もっと第一次産業に力を入れるべきではなかろうか、こういうふうに思うのですが、政府の見解を承わりたいと思います。
○長谷川政府委員 御指摘のように、今までの実績から参りますと御指摘の通りだと考えます。しかし今度一部を改正して、新たに出ようというのは、重点はたとえば水産、鉱業、林業、こういうようなところに置かれてあるのでございまして、ただいまのお言葉のように機械産業とか、あるいは繊維産業というような面ばかりでなく、こういうような大目的の計画の上に立って、新たに今度の改正が行われておるわけでございます。
○加藤(清)委員 関連して。ただいまの問題でございますが、政府が海外投資に繊維、機械の問題にウエートを置いていて、他の資源開発その他にはウェートを置いていない、こういうことですが、これは結果から見るとそのようになっております。しかし問題は政府の努力の結果こうなったということは一方的な見方である、こう思うのです。というのは、繊維、機械産業が外地に伸びたということは、政府の努力もさることながら、業界みずからの努力が大きく実っているということでございます。と申しますのは、この産業は国内においてもう拡張をすることができなくなっている、やむなく活路を外地に求めているということと、もう一点は、繊維産業が外地に伸びているということは、その業界の歴史的な遺産であります。先覚者が戦前からこの道に努力を重ねてきた独立独歩の姿がこういう結果を生じているのでありまして、これが一がいに政府の努力の効果があると考えるのは思い過ごしでございます。特に私はこの際つけ加えておきたいことは、繊維機械が外地に伸びるに当っては、涙ぐましい苦心談が各所に散見されるのでございまして、私はむしろこの機械産業も繊維産業も外地に伸びるに当っては政府の努力なり援助なりがまだまだ足りないと思っております。この問題についてはあとで詳細にわたって質問を試みたいと思いまするが、私の見解が果して間違いでありますかどうかをまずもってただしておきたいと思います。
○長谷川政府委員 政府の努力の結果だとは申し上げておりません。政府の労力でなくして、自主的な経済を行わせておるのでございますから、もう御指摘の通り民間の業界の真の努力の結末であるということはわれわれは当然だと考えておりますし、さらにまた政府といたしましてもその面についてはでき得る限りの努力も続けてきたのでありますし、さらに今後その民間団体りためには大いに努力を傾ける考えでございます。
○松平委員 海外投資する地域は中南米が非常に多いように思うのです。私はこの東南アジア方面に相当進出しなければならぬというふうに考えておるし、また貿易も東南アジアは外貨の不足ということであって、むしろ開発その他の関係で外資を歓迎しておる、こういう実情であるわけでございますが、現在までのところはほとんどブラジル、アルゼンチンその他の中南米諸国に偏在しておって、東南アという方面はきわめて少い。これはどういうわけであるか、また一体そういう現象に対して政府はどういう計画性を持たせる努力をしようという考え方であるか、言いかえれば、海外投資というものはすべて業者にまかせておいてよい、こういう考え方でやっているのかあるいはそうではなくて、そこに若干の計画性を持たせるという考えでやっているりかということをあわせて伺いたいのです。
○松尾(泰)政府委員 先ほど来お話がありましたように、海外投資をやる動機を探ってみますと、日本側における関係業界の熱意なりいろいろな点経済条件と現地側の事情に基くわけでございまして、確かに今先生御指摘のように、従来の日本の投資はブラジル、アンゼンチンあるいはメキシコ、サルバドル等の中南米諸国に比較的多いのでありますが、これは中南米諸国におきまする産業開発の要望が非常に強いということ、また比較的日本側から見まして中南米の方が向うに参ります資本にとって安全な地域であるというふうなことから、少くとも過去におきましては中南米の方に多くの資本がいっているじゃないかと思うのであります。この海外投資を計画化するということは非常に至難なことかと思うのでありまして、われわれといたしましては、この輸出保険法の改正によりまして投資をされる方のリスクを少くすることによって投資意欲を高揚するということ、また資金的には輸出入銀行法の改正等によりまして、できるだけ投資の金融を援助するということでありまして、このどの地域に、あるいはどういう業種にと積極的な計画を立てることは非常にむずかしいかと思うのでありますが、この法律の中でもうたわれておりまするように、輸出市場または輸入市場の確保なり、国際収支の改善という観点に立って弾力的に判断をする建前になっておるのでありまして、先ほど政務次官から言われましたように、たとえばキャバレーとか、例が適切でないかもしれませんが、そういう式のぜいたく産業的なものへの投資はいかがとも思いますし、いろいろ相手国の事情、それから日本側の経済情勢によっておのずから自律的に決定されるのではないか、こういうふうに考えておるのであります。
○松平委員 海外投資の目的が貿易の拡大とかあるいは国際収支の改善ということにあるとするならば、私はおのずからそこにある程度の計画性というものが出てこなければならぬと思う。 〔委員長退席、小平(久)委員長代理着席〕 ただもうかるから、あるいは相手国との関係ということだけでもって決定するのではなくて、日本側自体に一つのプランというものを持たなければならぬと私は思うのであります。ことに日本の手持ち外貨に制限がある、そういうことからいたしても、貴重な外貨を使うというような場合を考えてみると、やはり相当の指導性を持った計画がなければならぬと思うのであります。 そこでお尋ねしたいのですが、中南米方面に海外投資が非常に多くて、東南アには海外投資が非常に少いという現象と相反して、貸付金は東南アに非常に多い、しかも東南アの鉱山関係に非常に多いということは一体どういうことを意味しておるのか。投資は歓迎しないが貸付金は歓迎するというのであるか、その辺の貸付金と投資との関連はどういうふうに考えたらいいか、その点を一つ聞かしていただきたいと思います。
○松尾(泰)政府委員 東南アジアに対しましては別段政府側あるいは輸出入銀行の方面で消極的な態度をとっているというのではないわけでありまして、東南アジア自身における経済上または政治上の不安等から、日本の投資家の意欲が必ずしも中南米に対するほど積極的でないということに基因をしているのではないかと思うのであります。もちろん地理的に近接をしておる東南アジアにつきましては、経済的な要請からいいますといま少し東南アジアとの経済協力、すなわち日本の東南アジアにおける投資活動が活発化しまして、輸出市場確保なりあるいは輸入市場の確保ということが望ましいのではありまするが、今申しましたような東南アジア自身におけるいろいろな不安定な要因から、少くとも現在までのところは必ずしも活発とは言えないのではないかと思うのであります。 また投資と貸付金との関係でありますが、投資となりますと長期にわたりましてそこに固定するわけでありますし、貸付金ならば万一の場合には引き揚げるというようなこともできるというふうな事情もあろうかと思うのであります。また東南アジアに対しましてはいわゆる投資というよりもクレジットによりましてプラント類等を輸出する、こういう形態が実は現在まで非常に多いわけでありまして、あるいはやや歴史的なことになるかもしれないのでありますが、資本を投下するということよりも延べ払い、いわゆる貸付金というような格好で物を輸出するという形態である程度投資の間接的な役割ができておったというふうに考えるのであります。
○松平委員 東南アジアにおける投資をする場合の不安定というかあるいは受け入れ態勢の不十分ということはあるだろうと思うのですが、東南アジア関係について日本はどういう方面にどういう鉱山がありどうだという調査はできておるのであるが、どういう方面から日本としては原材料を得なければならぬ、従ってどういうところへ投資したいんだ、した方が国家としてもいいんだというようなことをどこかで企画しておるような官庁はありますか。
○松尾(泰)政府委員 今お尋ねのどういう機関がやっておるかということでありますが、はっきりそういうことを総合的にやっておるところはないのでございます。しかしわれわれ通産省におきましてもそれぞれの資源局におきまして鉄鉱石なりあるいは石炭等につきましては今御指摘のような趣旨をもちましてそれぞれ研究もし調査もいたしております。 またどういう形態が望ましいかというような点につきましては、フィリピンあるいはビルマとの関係におきましては賠償との密接な関係もありますので、通産省におきましても賠償との関連においてそれらの地域へのいわゆる経済協力をどうするかというようなことを具体的に研究または調査をしておるのであります。
○松平委員 政府の発表した統計によりますと、沖繩に養殖真珠の投資をしておるものが三件あります。この養殖真珠は日本国内においても非常にあり余って困っておる。アメリカに対して養殖真珠を売るのにどんどん値が下ってきて、中小企業団体法を鮎川さんが作るというようなこともこの養殖真珠が一番大きな原因の一つになっておる。それを沖繩に海外投資を三つもするというようなことは、私は日本の外貨からもよけいなことであって、こういうことはきわめてまずい、こういうふうに思うんだけれども、一体どうしてこういうことを政府は許しておるのか。しかも保険までつけてやっているが、日本の養殖真珠だけでもあり余って困っておるという実情を御存じないのかどうか。どういうわけでこういうことをするのですか。
○松尾(泰)政府委員 御指摘のように真珠採取あるいは養殖の沖繩への投資が若干許可されておりまするが、率直に申しまして、その詳細な理由は実は私も知らないのでありますが、従来法律関係におきましては、沖繩という地域は、いわば特殊の地域でありますので、いわゆる外国扱いをいたしておらぬのであります。貿易関係におきましても、輸出入ともほとんど内地と同様な扱いをいたしておりますので、こういう投資につきましても、やはりそういうような特殊の地位にかんがみまして、特別の配慮をいたしたのではないかというふうに思うわけであります。
○松平委員 自信のない答弁はやめてもらいたいと思うのです。知らないなら知らないと、はっきり答えてもらいたい。これは海外保険をつけておるのです。海外保険をつけておりながら、日本の国内における投資と同じような工合に取り扱っておるなんということは、私はどうかと思う。あそこは貨幣も違っておるし、行政上も違っておる。貿易も外国貿易としてあなた方は見ておると私は思う。そういうところへ養殖真珠をどんどん投資するということは、私ははなはだ不可解に思う。一体こういう投資を許可する役所はどこなんですか。通産省その他政府部内でどういう合議か何かをして許可するということになっておるかどうか。
○松尾(泰)政府委員 この養殖真珠業でありますが、通産省としては保険にはつけていないようであります。それから投資の許可をするのはもちろん大蔵省でありますが、その前に関係省担当官をもちまして構成しました投資連絡協議会というような式のもので十分に各省打ち合せをして、最終的には大蔵大臣の許可ということになっております。
○松平委員 これは大蔵省の担当官を呼んで聞いてみたいと思うのですけれども、日本で今一番困っておるのは養殖真珠なんです。その養殖真珠を沖繩に三つも日本が海外投資をするということは、さたの限りなんです。だから、私がさっきから言うように、海外投資にどういう計画性を持っておるかということ——聞くところによると、ほとんど計画というものはなくて、業者にまかしてある、こういうような印象を私は受けるのだけれども、それでは日本の外貨を使い、日本の貿易を発展させ、国際収支を改善するという目的からいうと、あまりに無計画過ぎる、こういうふうに私は思うのであります。その点はいかにここで議論をしておってもしようがないのだが、この点については政務次官はどう考えられますか。海外投資についてはもう少し計画性を持たせなくちゃいかぬと思うのだ。
○長谷川政府委員 ただいまの御質問、許可をしたのが昭和二十六年とか七年だそうです。その時分でございますので、私は今はちょっとわかりませんが、今の考え方は相当部内でも変ってきておると思います。従って、あなたの御指摘のような点については十分考えが変ってきているということを申し上げられるわけでございます。従って、その当時の考え方も、また国民の要望もあり、また沖繩の住民のためにも、当時を思い起せば、当然日本にも早く帰属できるのだ、またさせなければならぬといういろいろな事情があったと思うのです。しかし今の考え方は、申し上げた通り、ずいぶん考え方が変ってきているということだけは申し上げられると思います。
○松平委員 海外投資を本格的にやるというのは、今後なお盛んにしなければならぬわけであって、今まではほとんど試験時代ということであろうと思うのです。従って今後においては政府部内において、今言うような海外投資の協議会か何かがあるそうでありますけれども、私はもっと大きな立場から機構を整備して、もう少し計画性を持たせた海外投資をやっていくように持っていかなければならない、こういうふうに思います。そこでこの点には触れませんが、この海外投資保険というのは選択権はどういうふうになっておりますか。政府において選択権を持っている、こういうわけでありますか。
○松尾(泰)政府委員 ちょっと御指摘の点がはっきりしないのでありますが、何も海外投資をするものが全部保険につけなければならぬというものではないわけであります。政府に申し込みがありますれば、われわれとしてはこの法律の目的に照らしまして差しつかえないというものを許可する——許可すると申しますか、契約の申し込みに応ずるという建前をとっております。
○松平委員 そうすると、この保険は逆選択権になっておりますね。政府は、保険につけたいというものに対しては大体つけるという原則なんですか、それともつけない場合もあり得る、こういうことなんですか。
○松尾(泰)政府委員 実際問題としては、いわゆる株式投資をされた場合におきましては、保険におつけになるのではないかとわれわれは推定をしているわけであります。現在までも五十億円程度の投資がございますか、そのうち実際保険につけられておりますのは十八、九億程度であります。その他の投資につきましては保険がついていないわけであります。これは調べてみますと中南米等が比較的多いのでありまして、投資者が保険料を払うよりか、自分でリスクをかぶろうということで、保険の申し込みがなかったと判断をしておるのでありますが、自己資金をもちまして投資をされる場合は、投資者の完全な自由になろうと思いますが、実際問題として、何がしか輸出入銀行が資金上の協力をするという場合が今後は多かろうと思います。そういう場合におきましては、輸出入銀行といたしましては、リスクを分散する意味におきまして、できるだけ政府の投資保険につけることを条件とするのではないかと思いますので、今後の見通しにつきましは、輸出入銀行の融資したものにつきましては大体投資保険の対象になるではないか。先ほどお尋ねでありました、やはり投資をした初めから保険につけていただくというわけであります。非常に情勢が危なくなってから保険につけるという、そういう逆選択は認めない、投資をした最初から、保険に入るなら入っていただく、情勢が危なくなって保険につけたいというふうな申し込みには応じない、こういう建前にしております。
○松平委員 あなたの言うことは初めの点がちょっとわからなかったのだけれども、保険をつける、つけないというのは、つまり保険を申請する輸出入業者なり投資者の方の意向によってきまるのか、あるいは政府はあるものについては必ずつけろ、こういう条件をつけているのか、または投資者が保険をつけたいという場合に、政府は保険をつけなくてもよろしい、こういうことがあり得るのか、こういうことを私は聞いているわけです。
○松尾(泰)政府委員 輸出保険は建前が関係業者の自由意思に基くものでありまするので、保険につけようとつけまいと自由であります。政府側の方からは、絶対に強制はするものでないわけであります。しかしながら私が先ほど申しましたのは、投資保険になりますと多かれ少かれ輸出入銀行が関係をする場合が多いのではないか、その場合におきましては、輸出入銀行としては政府の保険をつけるということを一つの条件にするのは従来の慣例になっておりましたので、事実上保険をつけることを強制されるのではないかという意味で申し上げたのであります。
○松平委員 私が言ったのは、投資者が保険をつけたいといっても、政府はそれに対して査定をしたり、あるいはお前は保険に入らなくてもいいという選択権を政府は持っているかどうかということをさっきから聞いているのです。
○松尾(泰)政府委員 法律の建前からいいますと、保険の申し込みのありましたものを受ける受けないの自由は、政府側にもあるわけであります。政府側から、政府の観点から見まして、不適当だと思うものは申し込みを受ける必要もないのでありますが、実際問題としましては、先ほど申しましたように関係各省で構成しております投資の連絡協議会というようなところでその保険につける段階、すなわち最終的に事柄のきまる段階の前にいろいろの会議をして慎重に判断をして、これはいわゆる為替許可を認めようじゃないかというふうな決定がなされるわけであります。従いまして保険に申し込まれる段階というのはかなりあとの段階に実はなって参りますので、その事前に関係各省で十分に、この投資ならばまず為替管理法上の許可というものが先に先行いたしまするので、そういうものにつきましては、全部保険の申し込みを応諾するということに実際はなると思っております。
○松平委員 保険をつけない海外投資と保険をつけた海外投資は、どのくらいのパーセンテージになりまするか。今あなたが言われたように四十九億というのは、保険をつけた方の保険額ですね。そこで保険をつけない海外投資というものも、かなりあるわけですか。
○松尾(泰)政府委員 ただいまのところで大体海外投資は五十億円と見ておりますが、そのうち従来の海外投資保険につけられているものは十八億円、あとの三十二億円は保険に入っておりません。
○松平委員 そうすると四十九億というのは全部海外投資の総額ですか。そうじゃないようにこの統計では見えるのだけれどもね。
○松尾(泰)政府委員 この五十億円と申しまするのは、広義の海外投資のうちで、いわゆる株式投資の形態になっているものが五十億円と推定されるわけであります。そのうち、今申しますように十八億円程度のものが保険に入っておる。全体の投資を申し上げますと百二十三億円程度になっております。
○松平委員 現在の投資額が百二十三億円、そうするとこの四十九億円というのはどういう関係になりますですか。
○松尾(泰)政府委員 昨年十二月末におきますわが国の海外投資の全体が百二十三億五千万円ということになっております。そのうちで、株式等の取得が九十一億円になっております。その九十一億円のうち、事業投資が五十億円であります。これは先ほど申しました五十億円であります。その他海外支店の設置等でもって、いわゆる日本の貿易業者が海外にいろいろ支店の格好で法人を設立しております。それにも、もちろん株式を取得しておるわけであります。そういうものが、今申しました九十一億円から五十億円を引きました四十一億円のかなりの部分がそういうことになるわけです。その次は貸付金債権でありますが、これが三十一億円、それから不動産取得が五千万円、それかあとかなり役務契約というのがあるのでありますが、これはちょっと金額的に算定が困難でありますので金額をはじいておりませんが、今申しました株式等の取得、貸付金債権、不動産取得、それを合計いたしまして百二十三億五千万円になろうかと思います。
○松平委員 この輸出保険のほかの輸出保険ですね、ほかの六種類のものについて、現在までの契約高、それから保険の料金の合計は幾らでありますか。保険金は幾ら払ったかというような統計はできておりますか。ありましたら、その大体の数字を一つお示し願いたい。
○松尾(泰)政府委員 輸出保険の契約高でございますが、昭和二十五年にこの輸出保険制度が創設せられまして以来若干の増減はございまするが、ここ二、三年は非常に順調に推移をして参っておるのでありまして、ちょっと長くなるかもしれませんが、二十五年の保険契約額は二百四十億円、昭和二十六年は百三十八億円、二十七年は二十六億円にまで減っておりますが、二十八年には三百六十六億円、二十九年には七百五億円、三十年は九百四十六億円、三十一年度は若干数字が狂うかもしれませんが、大体千百億円というふうに契約額は推移をして参っております。なお昨年十二月末の輸出保険の責任残高は千百億円程度になっております。それから保険料の収入、それから保険金の支払い等の関係を申しますと、昭和二十五年この輸出保険制度が創設されましてから昨年の十二月末までに、政府の受け入れました収入、すなわち保険料と返納金でございますが、それの合計が十五億五千万円になっております。他方政府の支出しました保険金が八億四千万円になっております。従いまして七億一千万円の収入超過になっておりますが、保険料収入のうち未経過保険料が六億円、それから支払い予定の金額が七千万円程度ありますので、差し引きしまして四千万円が正味の収入超過ということになりまして、収支はほぼとんとんということで、比較的理想的な形態で運営されておる、こういうふうに見ております。
○松平委員 今申された中には投資保険は入っていないわけですね。六種類のものだけでありますか。それともう一つ、最近は漸次上ってきておりますけれども、昭和二十七年あたりには、二十六億円に減ってしまったことがあるのですが、こういう場合は何か特別の原因があったわけですか。
○松尾(泰)政府委員 先ほど申しました収支の中には、昨年四月から実施をしました海外投資保険の保険料も一部入っております。保険金の支払いはまだ起きてはおりませんが、投資保険関係の保険料としまして千四百万円程度は先ほど申しました保険料収入の中に入れて申し上げたのであります。それから昭和二十六、七年におきまして非常に減っておりまするが、この理由は保険制度を最初創設いたしましたときには非常に宣伝に努めましてこの契約に多く入っていただいたのでありますが、ちょうど御存じの朝鮮事変が勃発をいたしまして、それに中共が参加するというようなことで、もちろん占領時代でございましたが二十五年の暮れに中共向けの輸出禁輸を実施いたしましたので、急に保険契約高は減った、こういうことでありまして、大きく減った原因はもっぱら中共の禁輸に伴うものであります。
○加藤(清)委員 ちょっと関連で質問させて下さい。ただいまの御説明私の聞き違いかもしれませんが、海外投資が三十年から三十一年にかけて百二十三億五千万ある、ところが保険契約官をお尋ねされたところ、三十一年は一千百億になるというお答えでございましたようですが、三十一年の一千百億という保険契約高は、海外投資以外のものも含まれておりますか、それとも海外投資だけの保険契約高でございますか。
○松尾(泰)政府委員 先ほど申しました契約高の推移は全部の保険の契約額の合計で、三十一年において千百億円と申しましたのは、その中には海外投資保険の金額はもちろん含んでおります。
○加藤(清)委員 大体それでわかりますが、今二十五年から三十一年にわたって述べられました保険契約高は、海外投資のみならず輸出品その他一切がっさいに関する保険の契約高でございますか。
○松尾(泰)政府委員 さようでございます。
○加藤(清)委員 それならば合いますが、それでないと海外投資が百二十三億について保険契約高が千百億あったとなると契約高が約十倍という勘定になりますので、それで七割五分の補助をもらったらとんでもないことになる、こういうことなんです。
○松平委員 保険に付していないところの技術提携の現況というようなものはわかりませんか、技術提携について、保険にかけておるものもあるように思うけれども、そういうものも事実ございますかどうか、あるいは保険にかけてない技術提携というか、技術援助というか、そういうようなものの実情がおわかりになりますか。
○松尾(泰)政府委員 技術関係につきましては、御存じのように現在代金保険というものをいたしておりますが、代金保険の主力はいわゆる延べ払いによりまして、プラント類等を輸出した場合に万一の事故が起った場合の保除金でございますが、そのプラント類の輸出に伴いまして当然技術もあわせていく場合が多いわけであります。従いまして、技術関係につきましても、プラント類と同様に代金保険で現在カバーをいたしております。
○松平委員 次にお伺いしたい点は、主として東南アジア地域における海外投資を中心にしてお伺いしたいのでありますが、大体この制度ができてから、海外投資というものはやはり伸びておるかどうか、その実績のような本のは、去年とその前あたりの実績はどういうふうに変化しているか、一応その点をお聞かせ願いたいと思います。
○松尾(泰)政府委員 最近の海外投資の実績を年度別に見てみますと、昭和二十六年以来非常にふえて参っておるのであります。たとえば昭和二十六年一度におきましては、千四百万円でありましたのが、二十七年度におきましては一億四百万円になり、二十八年は六億三千二百万円、二十九年度は十四億八千七百万円、三十年度は少し減りましたが、九億二千九百万円、それから三十一年度はまだ数字は少し不確かなのでございますが、十八億三千万円程度になっているわけでございます。従いまして、年度を追いましてふえて参っておるのでありますが、もちろん先ほど申しますように、海外輸出保険が三十一年の四月から実施されました結果、どの程度ふえたということは直接なかなか数字が算定しにくいのではありますが、ともかく三十年度と三十一年度を比べてみますと、海外投資の実績はちょうど倍にふえているわけであります。
○松平委員 まだだいぶ私は質問が残っておりますが、あとに譲ることにして、この前委員会でお聞きしたのですが、去年の四月、マレー、英領ボルネオの代表が、日本の技術援助でボルネオの鉱物資源を開発したいという提案をしていることについて、その後日本はどういう措置をとったかということをこの委員会で私は聞いたことがあるわけでありますが、いまだにその回答がないのです。これについてはどういうことをしておられるか。
○松尾(泰)政府委員 ただいま資料持ち合せておりませんので、調べまして、次会に御報告いたします。
○松平委員 それでは一応質問を打ち切りまして……。
○加藤(清)委員 議事進行。まだこの輸出保険法の法案につきましては質疑がだいぶ残っておりまするが、午後の予定もあるそうでございまするので、本日はこれで質疑打ち切りということになりまするが、ぜひ心得ておいていただきたいことは、この次の委員会の当初に残余の質問を行うように取り計らっていただきたい。その折に、金曜日に上げるということでございまするが、上げる前に、何か政府側の出席が悪くてごちゃごちゃがありますと、どうしても質問の時間が削減されて、また次に延びるということになりまするので、政府側も一つ大臣その他関係官をよくそろえて、十時からぴしゃっと開かれるようにお取り計らいが願いたい、こういうことでございます。
○小平(久)委員長代理 本日はこの中度にとどめます。 次会は来たる五日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後、零時三十四分散会 ————◇—————