商工委員会 第6号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/02/22
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 この際小委員会設置の件についてお諮りいたします。理事会の協議に基きまして、日本経済の総合的基本施策に関する調査をなすため、小委員十二名よりなる日本経済の総合的基本施策に関する小委員会を、中小企業に関する調査をなすため、小委員二十一名よりなる中小企業に関する小委員会を、私的独占の禁止及び公正取引に関する調査をなすため、小委員十二名よりたる私的独占の禁止及び公正取引に関する小委員会を、木材利用の合理化に関する調査をなすため、小委員十二名よりなる木材利用の合理化に関する小委員会を、総合燃料対策及び地下資源開発に関する調査をなすため、小委員十二名よりなる総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会を、貿易振興に関する調査をなすため、小委員二十一名よりなる貿易振興に関する小委員会を、重化学工業に関する調査をなすため、小委員十五名よりなる重化学工業に関する小委員会を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。 なおただいま議決せられました七小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。小委員及び小委員長は追って指名いたします。 —————————————
○福田委員長 前会に引き続き、通商産業の基本施策並びに私的独占の禁止及び公正取引に関し質疑を継続いたします。小笠公韶君。
○小笠委員 先日通産大臣、経済企画庁長官、公正取引委員長、御三方の所信の表明を拝聴いたしまして、これに対する質疑は各方面に及んでおるようですが、私は簡単に一、二について伺いたいと思うのであります。まず事務的なことから伺いますが、経済企画庁の長官にお伺いいたしたいと思いますが、政府委員でけっこうであります。配布されました資料のごあいさつの四ページのところに、「今後の経済活動、経済政策の指針としては実状に即しないようになりました。従ってわが国長期経済政策の目標であります国民生活の向上と完全雇用の達成の線にそってできるだけ速かに計画の改訂を行うつもりであります。」こう書いてあります。先日の質疑において佐々木委員から経済計画の性格について御質疑があったのであります。興味深く拝聴いたしたのでありますが、この点に関するお考えをもう一度はっきり伺いたいと思うのであります。この文章を見ますると、「経済政策の指針」としてある。指針の意味は何であるか、まずこれから伺いたい。
○大來政府委員 経済計画の改訂の問題につきましては、ただいま小笠委員からのお話もございました通りでございますが、指針という言葉の解釈につきましては、外国でもガイド・コースとかいろいろなことを申しておりますが、政府並びに民間の事業活動の一つの基準になるというふうな意味に解釈しております。
○小笠委員 政府及び民間経済活動の基準という意味はどういう意味でありますか。
○大來政府委員 言葉はあるいは正確ではないかもしれませんが、指針といいますか、そういうふうに私どもは解釈しておるのでございます。
○小笠委員 どうもわかったような……。指針は基準であり基準は指針であるというのですが、日本語でもう少し楽に説明するとどういうことになるのですか。
○大來政府委員 実はこれは自由主義の経済のもとにおける経済計画の性格の問題になるかと思うのであります。日本では計画という言葉は一つしかありませんが、日本の現在の経済計画は予測的な要素と計画的な要素が入りまじっておるかと思うのでございます。ある部面についてはかなり計画的な要素が出て参ります。たとえば電力などについてはとにかく法律もございまして、電源開発の計画を政府が立てることになっております。この面についてはやや計画性が濃いかと思いますし、また一方食料品工業とかその他の分野については、政府としても何らそういう計画的な手はないわけでございまして、かりに今の五年計画に食料品工業の生産物の五年後の数字が出ておるといたしましても、これは予測に非常に近いものかと思うのでございます。ただ全体として国民所得がどのくらい上るか、あるいは貿易の規模がどのくらいの見当になり、国民の消費水準がどのくらいになる、こういう数字が長期的に示されておりますれば、それぞれの産業なりあるいは政府の各省の長期的なものの考え方によりどころを与える、そういう意味になるかと思うのでございます。
○小笠委員 どうも私は理解しにくいのでありますが、それに引っかかっておってもしようがありませんから、次に伺いたいのは、先日配付されました昭和三十二年度の経済計画の大綱と、将来改訂せんとする何カ年計画か知りませんが、これとの関連はどういうことになるのですか。
○小出政府委員 三十二年度経済計画と長期計画との関連の問題に関する御質問でありますが、御承知のように、先ほど大來君から述べましたように、長期計画につきましては、経済の成長率の見方が、年々五%というふうに経済の実態に多少沿わない点があるという意味で、改訂作業に入っておることは、先般来大臣からお話し申し上げた通りでございます。そこでその改訂作業は、概略の輪郭がわかりまするのがおそらく今年の夏くらいになるだろう。ところが年度計画は御承知のように予算編成のうらはらでもございまするので、時間的に当然先行しなければならぬという関係で、年次計画の方が先にでき上ったわけでございまするが、この両者の関連につきましては、御承知のように年次計画は昭和三十年度から毎年作っておりますが、三十一年度の経済計画はその最初に書いてございますように、経済自立五カ年計画の初年度としての計画、こういうふうにうたってあるわけです。ところが三十二年度の計画につきましては、長期計画の方が改訂作業がまだ終らないわけでございまするので、新長期計画の初年度としての年次計画というふうには、実はうたえないわけでございますので、新しい長期計画の考え方を基本にいたしまして、その考え方は当然完全雇用の達成と国民の生活水準の向上、この二点が目標であることについては、これはもう異論のないところでございますので、その目標を頭に描きながら、その初年度としての年次別の経済計画、こういうふうに考えたわけであります。
○小笠委員 次は配付せられました同じく経済大綱の物価の問題について一つ伺いたいのです。一ページに「物価も鉄鋼等一部商品の高騰を反映して、強調裡に推移することになっており、さらに輸入原材料価格の上昇を通じて、国内生産コストに影響を及ぼしつつある。」と書いてある。さらに十二ページに参りまして「消費者物価は食糧、繊維品等の需給緩和にともない、三十一年度に引続き横這い状態で推移するものと見通される。」こう書いてあるのであります。卸売価格の高騰を認めながら消費者物価は横ばいにいくのだ、この見通しの根拠をどこに置いているか伺いたい。
○小出政府委員 物価の関係につきましては、御指摘のように卸売物価と消費者物価、それぞれ分けてここに指標を示しておるわけでございますが、最初の御指摘の一ページに書いてございまするのは、最近の内外の経済情勢をまず分析したのでございまするが、この最近のと申しまするのは、もちろん現在を大体基点にいたしましての前後を見通したわけでございまするが、卸売物価あるいは消費者物価いずれもいろいろ動きがございまするが、特に卸売物価の方につきましては、鉄鋼等の金属関係あるいは燃料等を中心にいたしまして、やや強調な形を示しておる。しかし消費者物価の方は現在におきましても一、二のものは上っておりまするけれども、全体の水準としては割合に安定をしておる、こういうふうな情勢は来年度におきましても大体同じような推移をするであろう。卸売物価につきまして、三十一年度に引き続き横ばいということは、年度間の水準といたしましては多少パーセンテージにおきましては上りますけれども、現在、つまり三十一年度の第四・四半期でありますところの現在の時点に比べますと、大体横ばいで推移するのではないか、従いまして年間を平均いたしますと卸売物価水準はやや上りますけれども、三十一年度末から比べますと、もちろん金属関係、燃料等、物によりましては上るものもございますけれども、全体の水準としては横ばいでいく。一方消費者物価の方も、米価の据え置き等もございまして、全体としては消費性向も安定しておりますので、消費者物価は依然として大体安定した傾向を続けるであろう、こういうふうに大体考えております。
○小笠委員 輸送費の値上りが、物価に及ぼす影響をどうお考えになっておるか。
○小出政府委員 国鉄運賃の引き上げの影響でありますが、私どもの試算いたしました、かりに国鉄運賃をただいま考えられておりますように平均一三%の引き上げというふうに考えました場合に、これが卸売物価なりあるいはCPIの水準の上にどういう影響を与えるかということでございますが、これは一応の試算でございますけれども、国鉄運賃を一二%引き上げました場合に、卸売物価への影響は大体水準といたしましては〇・二ないし〇・三%の影響である。それは国鉄だけが引き上げられた場合と、国鉄の引き上げに伴いましてかりに私鉄でありますとか、あるいは、ハスというふうなものが引き上げられるという場合を想定いたしましても、大体〇二二%程度である。それからCPIの方への影響としましては、国鉄運賃の消費者物価に占めますウエート、あるいは広く国鉄以外の全体の交通費の占めますウエート等を計算いたしましても、大体〇・一%ないし〇・三%程度の影響であって、全体としての影響はきわめて軽微なものである、こういうふうに考えます。
○小笠委員 物価の決定をするものは需給だというが、物価の決定の一つの重大な要素というものは心理要素だと思う。その心理要素を全然無視してそういう計算通り動くというお考えですか。
○小出政府委員 現在の卸売物価の体系あるいはCPIを計算いたします場合の体系といたしまして、それぞれの、たとえば運賃でございますれば運輸通信料というのが国民経済の中において、全体の取引の中に占めますウエート、これは大体一〇%強でございますが、こういうふうな点を勘案いたしまして、もちろん心理的な要素というものは非常に計算がむずかしいわけでございますが、実際の心理的な要素を加味いたしまして、実際取引の上に現われるであろうウエートというふうなものを一応想定いたしまして計算をいたしましたものが、先ほど申しましたような想定になっておる、こういうことであります。
○小笠委員 物価の問題につきましては、予算委員会等で、インフレ論のうらはらでありますが、政府の見方というもうのは現在置かれておる、また置かれんとする日本の経済環境というものの大きな心理的な影響を無視した議論であると私は思う。単純に二足す二は四だというのが物価に現われるという想定に立っておる。この点は見通しの議論にも相当入ってくるので、経験から引き出されなければならぬ問題でありますからこれ以上追及いたしませんが、物価は現段階の情勢で推移するならば、そういう予想のもとに動くというのは大きな間違いだと私は思います。十分お考えを願いたいと思うのであります。 次に簡単なことでありますが伺いたいのであります。それはやはりこの大綱でありますが、この大綱は非常によくできておりまして、私にはわからぬのでありますが、七ページの中小企業対炎の後段であります。「また、中小企業については、組織の強化の推進とともに、百貨店、消費組合、購買会等の活動の調整を図り、商業活動分野の適正化につとめるものとする。」この「商業活動の適正化につとめる」という具体的方途について御説明願いたい。
○小出政府委員 御承知のように年度計画の策定に当りましては、予算編成の基礎的なデータを提供するという意味と同時に、予算に盛られております各種の重要施策を実行いたしました結果として、こういうふうな各種の経済指標の姿になるという予算編成の前提でもあり、結果でもあるというふうな意味を持っておるわけであります。従いまして、ただいま御指摘の中小企業の問題にいたしましても、それぞれ各論のところに書いてございますように、重要施策の内容というものにつきましては、それぞれの官庁において担当いたしております分野におきまして、予算を背景といたしまして行われます施策を実はうたっているわけでありまして、これらの施策を行いました結果、次のような経済指標になる、こういうことでございます。そこで具体的に中小企業の問題でございますが、ここにうたってありますことは、大体通産省においてうたわれております中小企業の全般的な問題を検討いたしますために、昨年の夏以来設けられております中小企業安定審議会の答申に基きまして法律なり予算措置なりを必要とするようなものにつきましてここに盛り込んであるわけであります。その具体的な内容につきましては、通産省の具体的施策に待つ、こういう想定でございます。
○小笠委員 私はそういうことを聞いておるのではない。具体的に努めるというのだからどういう方法で努めるのかということを聞いておるのです。それはどこの省がやるとかやらぬとかいうのでなく、経済企画庁として出した以上、こういう内容と方途をもってやるということでなければならぬと思うのです。しかし私はこれ以上聞きません。 それから次にもう一つ、これも字句でありますが、一ページと八ページにある、これは社会党の方々も非常によく言われる言葉でありますが、日本は完全失業者のほかに不完全就業者が非常に多いのだ。その不完全就業者の数は七百万といわれ、一千万といわれ、演説によく使う言葉であります。しかしここに「相当数」とあるが、八ページには「不完全就業者がまだ広汎に存在している現状にかんがみ」と書いてある。しからばこの「広汎に存在している」とか「相当数」というのは、どのくらいと予想しておるのか、見込みを一つ伺いたい。
○小出政府委員 日本の失業統計につきましては、御承知のようにまだいろいろ改善すべき点がございまして、適当な数字をつかみ得ない点がございますが、具体的に不完全就業者に関する問題についてお答え申し上げます。不完全就業者、言葉をかえますれば潜在失業者と申してもいいのでありますが、これに関する試算は実は的確な、統一されたものはないのでございまして、現在までに一応試算されたものは三種類ございます。一つは失業対策審議会が想定いたしましたものでありまして、これは二十七年の三月現在において想定した数字が六百九十六万人という数字が出ております。ただしこれの定義は、所得が標準以下の者及び所得は標準以上でありましても、就業時間が非常に過度である、その就業時間が過度であることにつきまして非常に不満を持っておる者というように、非常にわかりにくい定義でございます。そういうような定義のもとに昭和二十七年三月現在で算定いたしましたものが六百九十六万人という数字でございます。第二は労働省の調査でありまして、それは三十一年三月末現在におきまして三百六万人という数字が出ております。この場合における労働省の定義といたしましては、転職希望者、それから現在の職業のほかに収入が少いのでさらに追加の就業を希望しておる者、さらにそれに加えまして就職を一向求めていない、求職活動を行なっていない、未就業者と申しますか、そういうようなものを全部合せまして三百六万人という数字が出ております。第三が、われわれの方の経済企画庁の試算でございまして、これもやはり昨三十一年三月現在におきまして二百二十万人という数を一応想定いたしております。この二百二十万人と想定した根拠といたしましては、労働の時間がきわめて短時間、いわゆるパート・タイマーと申しますか、きわめて短時間の労働者、それから家族従業者、いわゆる家族従業者の中でどこかもっと本格的な職業に転職することが可能である、家族従業者の中の転職可能の労働者、この両者を合せまして二百二十万人というふうに想定いたしております。大体そういうことであります。
○小笠委員 事務的な質問はこれで終りまして、次に通産大臣、経済企画庁長官、公正取引委員会委員長にお伺いいたしたいと思います。 終戦後ここに十幾年を経まして、日本の経済も御承知の通り昨年は二一%鉱工業生産が伸び、本年も一二・五%の成長率を予想しておるという段階におきまして、日本の経済政策の運行の基本的な考え方について伺いたいと思います。御承知の通り終戦後の日本経済推進の基本は、経済の民主化、独占の排除、過度経済力集中排除にあったと思う。それによって日本の経済を動かして参ったのであります。今日の日本の情勢を見まするときに、また先般の公正取引委員会委員長の御報告を見まするときに、一つの重要な方向は、近来経済の発展に伴いましていわゆる生産その他経済の集中が強い。同時に独占禁止法及び公正取引の確保に関する法律のいわゆる例外規定がまた起りつつあるということであります。日本の経済が今日世界的な風潮と調子を合せまして経済基盤を一回り大きくしようという今日におきまして、われわれはこの独占禁止法を中核として動かされておる日本経済をどう持っていくかを考えなければならぬときにきているのではないかと思うのであります。特に、日本経済が伸びているばかりではありません、英国、米国、西独、フランス、イタリア、いずれも驚異的な生産力の拡大をしており、そうして各世界市場において角逐をしているのであります。特に日本は輸出に依存しなければ九千万国民をかかえていけないという状態にある場合に、一方におきまして日本経済の強大、同時に日本経済の中に占める個々企業の強大化という要請も、少くとも世界的水準で見直さなければならぬ時期にきていると思うのであります。と同時にこれに相反する要素がある。それは日本の人口の就業問題から見る中小企業の維持促進の問題であると思うのであります。この相反する二つの要請のもとにおいて、日本の経済政策をどう持っていくか、基本的な考え方について、あるいは端的に言えば今日の独占禁止法というものを必要に応じて例外規定を順々に置いていくのか、あるいは独占禁止法というものに対して根本的な改訂を加える意思があるのか、これはわれわれが今後の日本経済政策を考えるに当りまして、もう考えるべき時期にきているのじゃないかと思うのであります。イージー・ゴーイングなそのときどきの考え方をすることは許されなくなっておる。これが経済企画庁長官の経済計画を立てていくとき、この経済政策の基本はどう考えていくか、それらは非常に大きい問題でありますが、お三方の率直なる御意見を伺いたいのであります。
○水田国務大臣 独占禁止法が目的としている産業の民主化とか、自由競争主義——公正な競争によって経済を伸ばす基本的な観念というものは、私どもは産業政策の基本として持ち続けたいと思っておりますが、御承知のように、日本の国情から見まして、この法律をそのまま維持できないいろいろな事情が実際に過去において出て参りました。従って独禁法もしばしば改正をするし、同時に過当な競争をとにかく防止して力をつけなければいけないという必要から、中小企業部面においては安定法というようなものを作り、また輸出入取引法において対外的な競争力を作る、そして過当競争を防止するというような必要から、順次この適用を除外する例外規定というものを私どもは作ってきましたが、まだそれだけではなかなか日本の実情に対処することはできない、過当競争を避けるための共同行為はやむを得ない、次に不況に対処する不況カルテルの結成も場合によっては認めなければならぬだろう、あるいは合理化カルテルもときによって日本産業としては必要だというふうに、逐次適用除外を必要とする事情が出てきて、例外規定がだんだんに広がっていくというふうな傾向に現在ございますので、そうだとしますと、ここでそういう除外規定を一ぱい作って、この独禁法を実質的に改正していくという方向がいいのか。ここで日本の産業の実態からこの程度のこういう性質の共同行為というものは許されていいんだというような問題を検討して、そうして独禁法自体の改正というようなことによって現状に対処する方法が私はいいのだろうと思います。独禁法をそのままに置いて、今おっしゃられるように例外法を順々に作っていくという安易な方法よりも、独禁法それ自体の検討をして、これを合理的に改正する方がいいんじゃないかというのが今の私どもの考えです。この問題につきましては、通産省内の合理化審議会にも私どもは諮問して、そういう研究もしてもらっておりますし、またここにおられる公取の委員長自身も、これはやはり公取としても研究する時期だというようなことを認めておられるというお話も聞いておりますので、私どもは真剣に今後そういう方向への検討に進みたいと思っております。
○宇田国務大臣 大体通産大臣の話された方向でわれわれは異議ないと思っております。それで、とりあえずは、いずれにいたしましてもケース・バイ・ケースでわれわれは処理をしていくということに方針をきめております。
○横田政府委員 独占禁止法自体の改正の問題でございますが、御承知のように、二十八年に戦後設けられました独占禁止法を、日本の実情に即せしめるという意味でかなりの改正をやったつもりでございますが、しかしその後御承知のようにいろいろ適用除外法が国会において認められてきておりますることは、やはり独禁法にはまだ検討の余地があることを示すものでございまして、実は公正取引委員会自体といたしましても、一昨年あるいはもっとその前からでございますが、やや具体的に検討を始めましたのは一昨年の暮れからでございました。それから現在まで引き続きいろいろ案を練っておるのでございます。今通産大臣からお話もございましたように、通産省の方面におきましても合理化審議会等を通じましていろいろ検討をされておるようでございます。もちろん公正取引委員会もその関係の会合にも出席いたしましてずっと御一緒にやっておるわけでございますが、今後さらにこの研究をもう少し具体化いたしますために、特に通産当局、あるいは役所だけではこれは不十分でございますので、もう少し広くいろいろな知識を集めまして、独占禁止法の改正問題を真剣に検討して参りたいと考えております。
○小笠委員 この問題は直截なお答えを求めるのは無理で、非常に重大問題でありますが、お考えの方向は大体わかったのであります。この問題の処理に当って、私は十年前の状態と世界の経済状態は違っておると思う。そこで広く知識を内外に求めてすみやかに結論を出すようなことを私は特に希望しておきたいと思うのであります。特に先ほどもお話のように、合理化審議会という内部的な日本の内部の意見だけでなしに、よく内外の知識を求められて、早急に結論を出すことが、日本経済の運行上私は最も親切な方向だと考えますのでお願い申し上げておきます。次に簡単な問題で一、二通産大臣に伺いたいのは、日ソ貿易の問題であります。これに関連いたしまして、日ソ貿易の伸張を希望するのはたれも同じであります。過般の日ソ交渉のときに、ソ連の重点は西から東へ移り、シベリア開発を中心としておる、年に十億ルーブルの日本からの貿易を希望すると言ったとか、言わぬとか言われるのであります。この問題に関連しまして、私は日ソ間の貿易が政治的なトラブルから離れて健全な貿易の伸張をするための第一条件は決済条件だと思います。決済条件でありまするがゆえに、この決済方法をどうとっていくか。率直に私に言わすならば、バーター方式のごときは将来政治的トラブルを残す以外の何ものでもないと考えるのであります。そうした意味においてこの点をどう考えるか。前の国会におきまする日ソ共同宣言等の特別委員会におきまして、前通産大臣はこの問題に対する質問に対してはっきりした答えを出しておりません。よく研究してから、こういうことを言っておるのでありますが、すでに両国に大使の交換をして通商の現実の過程に入らんとするときであります。この問題に対する責任大臣としてはっきりした御答弁をまず伺いたい。
○水田国務大臣 日ソが国交を回復するときに通商協定を作るという話し合いになっておりますので、私は問題は早く通商条約を作ることが必要であって、大使館の設置に伴って、至急この協定を作ることに努力しようと思います。そしてその協定によって初めて日ソの貿易の仕方——今程度の貿易量では、たとえば輸出入組合を日本で作るとか作らぬとかいうような問題も、現在の量はきわめて少くて、まだそこまでいっておりませんので、この協定を作って拡大が見通されるときになって、貿易のやり方についても私どもは考えますし、決済方式についても、おっしゃられる通りバーター方式でないものによる協定を作りたいと思っております。
○小笠委員 これはいろいろな事故が現実に世界的に起っておるのであります。そういう例なり、わが国の占領下におきまして日ソ間の貿易の決済問題がまだ未解決の分もあるやに聞いております。そういう事態にかんがみまして、決済条件の点は慎重に、少くとも通商と政治との紛淆を来たさないような方向にぜひ決済問題をはっきり立ててほしいと思います。 最後に、簡単な問題でありますが通産大臣に伺いたいのであります。ことしの冬になりましてから毎日のように新聞紙上の社会面をにぎわしている問題にガスの中毒死の問題があります。この保安上の問題について、最近のタウン・ガスは非常に有毒性がふえた。それは純粋のコール・ガスでなく、いわゆるコークスとかあるいはオイル・ガスを使っているというところからそうなっているようでありますが、とにかく生命の尊重が第一であります。これに対して、最近のタウン・ガスというものは非常に有毒性が増したと新聞は書いているのでありますが、所管大臣はどう考えるか、あるいはこれに対する対処策をどうお考えになっているか、これは社会問題の一つとしてぜひ伺っておきたいと思います。
○水田国務大臣 これは申しわけない話ですが、私は中毒題問をビニールその他が原因であるというふうに聞いておりましたので、この問題については過日ガス会社に対して何かの処置をとったらいいじゃないかと言ったところが、これについて困難な問題をいろいろ説明を聞きました。ガス自体の毒性が変ってきたということは私ちょっと聞いておりませんでしたが、これは公益事業局長から……。
○岩武政府委員 お話のように、最近のタウン・ガスは石炭の乾溜ガスのほかに、コークスを灼熱しまして出す発生ガスとか、あるいは油分解による油ガスを使用しております。かたがたタウン・ガス自体の精製方法も非常に進歩して参っております。その結果として一酸化炭素、つまりCOの量が戦前のものに比べましてだいぶんふえております。ところがこのCOなるものは御承知のように、これは燃焼するはずのもので、従って正常に使いますれば、このまま熱になりまして人体に影響を与えないというはずのものであります。ところが最近いろいろ出ております中毒の状況を見ておりますと、どうも不用意にガス管をけ飛ばしたり、あるいは寝るときにもとぜんを締めるのを忘れたりというのがほとんどの例で、自殺は別でありますが……。それからもう一つ、今大臣が申しましたが、何か器具の方、あるいはパイプの方に不備な点はないか、これもいろいろ調べてみました。ことにビニール管の問題でありますが、最近非常にビニール管の使用が普及しております。ビニールは御承知のように熱で膨脹しますと、あとで収縮するのが非常におそく、あるいは膨脹したままでガスが漏れやせぬかというおそれもありますので、これも中毒事故のあった場所全部について一々調べてみましたが、どうもルビニール管が原因ではないようであります。これは決してビニール管を擁護するわけではありませんが、大体ゴム管もありますが、またビニール管の両端にゴム管をつけているのもあります。結局どうもこれは使用者の方にも正常なガスの使用法を覚えていただかぬと無理じゃないか。はなはだ勝手な言い分かもしれませんが……。御承知のようにガスは器具に直接つながっておりますせんと、部屋のもとにありますもとせんと、さらにメーターのところにあるもとせんと、三つせんがあるわけであります。少くとも部屋の中のもとせんを締めていただいて夜おやすみになる、あるいはつけたまま寝られる場合には、これはよほど気をつけて、手足の届かぬところまでふとんを引っぱっておかぬと、これはもうそこまでわれわれが言うことはむずかしいと思います。実はガス業者に対しまして全家庭を点検させまして、器具等の不備なものがありはせぬか、あるいは使用法等について十分の御理解がないところがありはせぬかということで調べさせました。そういうことでこれはもちろんガス会社の方にもそういう点の正常な使用法の普及についても十分なPRをさせておりますが、また使用家の一般の家庭についても危なくないように御注意を願いたい。それからもう一つ、COの量を減らすということは、どうも技術的にはできないのであります。
○小笠委員 今の問題でありますが、最後に一つお願いしたいのは、今のような需要者へのPRの問題もけっこうであります。ただ二月六日の産業経済新聞等に書いてあるところを見ますと、有毒量が戦前の五倍になっておる。従って致死時間が十時間かかっておったものが二時間で死ぬのだということを書いております。これは真偽は知りません。しかし有毒量が五倍になったという事態があるならば、同時にその面についても特別な配慮を願って、少くとも生命の尊重という意味から御対策をお願いしたいということを申し上げて私の質問を終ります。
○加藤(清)委員 議事進行。小笠公清君が大へんけっこうな質問を試みて、これに対して政府側もまじめな答弁をしていらっしゃるようでございますが、遺憾なことに聞き役は社会党だけのようでございますので、まことに残念に思うわけでございます。そこで与党の質問のときぐらいは、ぜひ一つかり出し方をお願いしたい。
○福田委員長 ごもっともな御意見であります。さっそくそう取り計らいます。 片島港君。
○片島委員 私は電力問題について、時間を節約する意味で箇条的にお伺いしたいと思うのでありますが、電力開発五カ年計画というような計画を作られますれば、これは法的にはどういう拘束力があるのか。また実際的にはどれだけの拘束力があるのでありますか、まずこれを伺いたい。
○大來政府委員 電力開発五カ年計画は、電源開発促進法に基きまして作成されておりまして、電源開発調整審議会の議を経て公表されるということになっております。これによりまして、たとえば電源開発株式会社の開発地点などの決定が行われますし、各年度の、特に次年度につきまして具体的な着工地点を公表するという規定になっておるわけでございます。
○片島委員 水利権などの問題もあるわけですが、そういうものについて電力審議会でそういうふうにして決定した場合に、それは各電力会社等に対してそれを実行させるだけの強制力があるのでありますか。
○大來政府委員 現在の形では特に強制力ということはございませんで、たとえば電源開発のための政府の財政投資がこのラインに従って行われるということになるわけであります。
○片島委員 この計画は審議会でやるのでしょうが、この手続といいますか、それはどういうふうにしてやっておられますか。
○大來政府委員 これは経済企画庁の計画と、それから通産省の公益事業局その他関係の事務当局が集まりましていろいろ検討を加えまして、一応の原案を用意いたしまして審議会にかけるようにいたしております。長期の計画につきましては、そのほか電気事業連合会、電源開発株式会社、そういう方面の意向を十分に聴取いたしまして、なお一方経済全体の伸び、鉱工業生産水準とにらみ合せて、長期計画を作ります。なお公営の電気事業につきましては、建設省あるいは農林省その他の関係もございまして、電源開発審議会へは、役所側としては通産、大蔵、農林、建設等の関係者が出ることになっておるわけでございます。
○佐々木(良)委員 関連。電源開発計画の設定は、電源開発促進法に基いて審議会の議を経て総理大臣これを決定するというのじゃないでしたか。従って総理大臣が電源開発計画設定の最高責任者じゃなかったかと思いますけれども、念のためにお聞きしておきます。
○大來政府委員 その通りでございます。
○佐々木(良)委員 そういたしますと、通産大臣と企画庁長官はその計画設定に対してどの段階の責任を持つわけになりますか。
○大來政府委員 計画作成につきまして、企画庁及び通産省が責任があると存じます。なおその実施については通産省が主として当ることになると思うのでございます。
○片島委員 電力を総合エネルギー計画として考える場合には、やはり通産省で、大臣の説明にあったように三十二年度に二百万キロワットという着工予定をされておるのでありますが、このほかにも総合的な計画をやる場合には、たとえば公営電気あるいは建設省の多目的ダム等があるわけでありますが、昭和三十二年度において九電、電発その他のもの、自家用もあるでしょう、そういうものがどの程度完成するか。新規には二百万キロやるとあるが、これは通産省のいわゆる六百九十四億円の裏づけによる九電と電発の分だけが二百万キロであって、そのほかの新規計画はどうなっておるか。現在継続をやっておる仕事の量、これには当然新規計画も加わるわけでありますが、そういう内訳を含めた総体的な計画はどうなっておりますか。
○大來政府委員 ただいま三十二年度落成の分は百二十五万キロを予定しております。このうちで従来から決定されております地点が百二十四万、今後着工するものがごくわずかでございます。三十二年度着工して、その年のうちにできるのが二千五百五十億、二百万キロと申しますのは三十二年度以降に着工いたしまして、三十五年度までに完成するものの大体の出力でございます。この地点の内訳がございますが、これは各電力会社、電源開発及び公営の希望地点を申し上げておるわけでございまして、正式に三十二年度着工地点の決定は今年四月ごろに開かれます電源調整開発審議会にかけてきまることになっておるわけでございます。
○片島委員 これは経済企画庁ですか、通産省ですか、二百万キロワットでこれこれの資金を割り振るということですが、総合的に電力開発をやる場合には、もちろんこの公営電気その他のものをも含めて計画をやられる。この割り振りによっては、ほかのところで公営がふえれば一方が減る。総体的に計画をしておられるのでありましょうから、こういう割り振りはどういうふうにして決定せられるのでありますか。
○岩武政府委員 今のお尋ねは多分公営の点のお話だと思いますが、公営は、お配りしております希望地点と申しますのは、県の方からだいぶ前に話のあった地点を単に並べただけであります。御承知のように公営電気の資金は全部が起債によっておりまして、資金運用部の引き受けあるいは公募の起債で本年度と同様であります。まず継続事業の方の工事を急ぎまして、なお余裕があればある程度新規のものを採用する。新規のものをやる際には、いろいろその地点の工事とか総合開発ないし多目的等の要素等の関係を考えまして選定していく次第であります。その表はだいぶ前の表でございますので、その後われわれが承知しておるものでも、もう少し希望のある地点もございますし、また変更のあるところもございます。従って単に御参考までに差し上げたというように御了承願いたいと思います。
○片島委員 これは自治庁あるいは大蔵省の方に関係をしてくるのでありますが、本年度の地方債は千七十億で総体的に非常にふえております。ところが公営電気の方は百五十億で前年度と同じでありまして、総体的に非常に膨脹した地方債の中で、全然公営電気の方にその増額がいっておらない。また一方において九電力は百三十億の増、電発は百四十四億の増と電力開発が大きくふくれ上っておりますのに、一方地方債によってまかなう方は非常に圧縮されて、私の調査した限りでは、新規はほとんど実行ができないというような状態になっております。やはり九電なり電発等を取り扱う場合には、お互いに電力資金が逼迫をしておりますから、それぞれの能力に応じて仕事を割り振ることが正しいのではないか。もしそれをやらないでおると、途中で継続事業が終った場合に、せっかくそれだけの能力を持ちながら遊んでおらなければならぬというような事情が出てくるのでありますが、全然この増額を認めなかった理由についても、大蔵省あるいは自治庁当局からもお伺いしたいと思います。また企画庁においては、この電源開発の総体的なにらみ合いから見て、九電力と電発だけを計画しておられるのではなくて、公営なり多目的なりあらゆるものを総合して検討しておられるのでありましょうが、公営だけはふやさなくていいということでやったかどうか、一つ三者の方から御説明を聞きたいと思います。
○岩武政府委員 地方債のワクは、御指摘のように本年は相当ふえておりますが、その重点は、やはりいろいろ自治庁等の御意見もあったようで、上水道の方に使っておるようであります。たしかし水道が五十億以上ふえておるかと思っております。電気の方も本年度に比べてもう少し増加した方がいいようだということで私たちの方もだいぶん申し入れいたしましたが、公営事業全体の規模等もありまして、とりあえずこの辺でということになった次第で、実はもう十億か二十億ないと、公営事業の電気の方はちょっと厄介だと思っております。 それから今お話がありましたが、実は公営電気の方は多目的ダムとかあるいは総合開発等の、電気オンリーでないものに重点を置いて従来やっております。その方が地方団体がやる意義が大いにあろうと思います。電気だけでございますれば、自家発電を電気需用者でもできますので、公営はむしろそういう地点に重点を置いていくのが適当かと思っておるわけであります。 なお今御指摘がありました点がまさに公営の欠点でありまして、つまり県内にいい地点がないが、せっかく人がおるからこの次もどうしてもやらざるを得ないというので、だんだん条件の悪いところあるいは地質その他が十分でないところも無理して仕事を始めるというのが、実は公営事業では一番問題点でございます。われわれも公営を始められる以上は、できるだけ先の見通しもつけていただいて、途中で失業救済のために毒気を続けられるということがないようにしたい、こういうように考えております。
○河野政府委員 公営電気の起債の額の問題について私から一応お答えを申し上げます。 公営電気につきましては、今公益事業局長からお答えがありましたように、重点はできるだけ総合開発、つまり多目的ダムといったようなことに関連のあるものを中心にしていきたいということが一点。第二点は、できるだけ継続に重点を置いて、継続分についてはできるだけ早く工事を進める、完成を急ぐ、こういう方に重点を置いて参りたいというのが第二点であります。継続重点の問題につきましては、いろいろ資金の状況、工事の進捗状況等を見ますと、実はピークが三十一年度に参っております。資金量といたしましては、その点を計算いたしますと、工事をできるだけ早期に進めて参りますということを配慮いたしましても、なおかつ資金量としては三十二年度に関する限りはそう多くを要しない、こういうふうな計算に相なっております。 それから新規の問題につきましては、先ほど第一点として申し上げました点を考慮しながら、それに適合いたしますものを重点的に拾って参りたい、かように考えておりまして、具体的個所等につきましては、まだこれから検討を加えて参りたい、かように考えておる次第でございます。
○小林(與)政府委員 公営電気の問題は、今通産省と大蔵省の方からそれぞれ御説明がありましたが、大体そういうような経緯で本年度の計画ができておるのでございます。 それでこの額が多いか少いかという問題にはいろいろ議論もあろうかと思いますが、まあとりあえずのところは資金全体の関係もあってこういうことになったのでございますが、鋼材の値上り等で、あれじゃどうにも本年度もの足らぬという声が地方に相当強いことも十分心得ております。しかしともかく一応こういうことで発足いたしまして、事情が許すならばそれをふやすよう、なお検討するように努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○片島委員 公益事業局の方では、むしろあと十億なり二十億なければどうにもならぬじゃないかという考えを持っておられる。理財局の方では、そういう必要はない、ということは、これは専門外のことであって、総体の資金の問題から出発しなければならぬと思う。積極財政によってほかのところが大幅にふくれる。しかも電力の需用は非常に拡大しておるので、九電力や電発あたりは相当の増額をしておるのは御承知の通りでありますが、こういうようにほかの方が非常に積極的な、特に電力については増額をしておりますものを、公営だけは資金の関係というようなことで押えるというのは、私はどうも納得がいかないのです。特にこの資料をいつの状態でこういう算定をしたかといいますと、地方債の計画は非常に古い資料に基いてやっておる。昨年の八月当時で算定をしておるのでありますが、そのときの資料は、もうすでに昨年の八月は、その前の年の秋ごろの資料が基礎になって昨年の夏に大体算定をしておる。御承知のようにその後また要求が非常にふえまして、四十七地点の三百七十億というのが、その後五十三地点の五百三十億というふうに膨大な要求が来ておる。それを全然顧慮しないで、継続だけは継続重点と言いますが、継続はやめるわけにいきません。やっておる仕事を途中でやめるわけにいきませんから、これは重点でなくして、あくまで継続してやるが、全然新規をここに認めぬということは、私は不均衡ではないかと思うわけであります。そこでこの問題をそう追及してもあれですが、今自治庁の方から多少含みのあるような答弁もあったのですが、ただいま修正によってこれをふやすことができないにしたところで、たとえてみますと、郵便貯金など、私は予算の分科会でちょっと質問もしたのでありますが、郵便貯金などの伸びもあの計画よりもっと伸びるのじゃないか、大蔵省の預金部資金も相当ふえていくのではないか、こういうような感じもするのですが、修正が不可能ならば、年度の中途においてもある程度のものは考慮せられる余地があるのかないのかということを、一つ大蔵当局と自治庁当局にお伺いいたしたい。
○河野政府委員 お答え申し上げます。ただいま継続を重点と申し上げましたのは、継続についてできるだけ早期の完成をしていくという意味で、できるだけそういうことを進めて参りたい、そういう意味で申し上げたのであります。新規の問題につきましては、今御指摘のような御意見は確かにあると思います。私どもは、今ここで地方債計画を立てましたものを直ちに修正するということは実際問題として困難かと思いますが、今後の具体的な計画を精密に検討いたしまして資金の量等ともにらみ合せながら、この問題について必要があればさらに再検討を加えるということはあり得ると考えております。ただ、これは通産省当局からお答えがあった方がいいのかと思いますが、先ほど私がちょっと触れましたように、公営でやる電源開発と九電力その他民間でやりまするものとの間にどこに限界を置くか、どういう分野を分けていくかということは相当問題があると私は考えております。能率あるいは効率といったような点から考えまして、そういう公営でやっていくのがいいのか、あるいは民営の方でやっていくのがいいのかという問題については、相当いろいろな点で検討しなければならぬ。私どもといたしましては、公営と民営あるいは電源開発会社によって行われる電源開発等を全部ひっくるめて、電源のための工事が、量においてもテンポにおいても促進される、こういうことのために必要な資金を、全体としてできるだけ多額に確保していくように努力いたしたい、かように考えておるわけであります。その全体の中において公営電気というものが、どういう地位を占めていったらいいかという点につきましては、いろいろとまた検討の必要な部分が相当あるのではないかというふうに私ども考えております。
○小林(與)政府委員 今、今後の問題として理財局長の方からもお話がありましたが、われわれといたしましても、ともかくきまった以上は、その地方債計画をもっと合理的に活用することを考えなければいけないのじゃないかと存じます。将来の問題といたしましては、さらに具体的の実情に応じまして、もしどうしても必要があれば、これは国全体としての問題もありましょうが、関係者にも必要があれば必要な措置をお願いいたしたい、そういう考えでおります。
○中崎委員 関連して。ただいま河野理財局長から、公営をどの範囲にやらせるかという問題については、いろいろ問題があるようにお答えがありました。その一つ前に、こうした公営の場合には、一応多目的なダムというふうなものをも考慮に含めた上で方針を決定するということが明らかになったのでありますが、そのほかの点についても、たとえば公営といえば主として都道府県というようなものだと思いますが、そういうものは、かれこれ何千キロとか何万キロというふうな程度のものだと思いますが、県の財政の不如意のことも含めて——最近における県財政は必ずしも豊かではありませんから、そういうものも含めて、財政の一端として、公共の利益のために電気をあわせて、営むという目的だけであるとしても、これが適当でないというふうな判断は、適当でないのじゃないかとも思うのであります。言いかえますと、一つにはいわゆる九電力会社というふうなものが、必ずしも国家的な見地に立ってすべてが建設を急ぎ、あるいは運営を適正にしておるとも考えられない。言いかえれば独占事業としての運営は、相当目に余るものがあるわけであります。従いまして、電気そのものの運営なりあるいは今後の建設等を含めたところのあり方というものを、九電力会社——電源開発も含めますが、それだけにまかしておくかどうかというようなことについて、一つ検討すべき問題があると同時に、県の財政の面から見て、公営電気は概してもうかっている。もうかっているといってはおかしいけれども、ある程度やはり県の財政の一つの役目を果している。しかもその償却は十分にやっていけるということは、他の九電力会社の全体としての運営が適正であるかどうかというふうな問題などとも関連して、いろいろ検討すべき問題があると思うわけであります。ところが三十二年度におけるところの起債の面からいえば、三十一年度と同じワクで百五十億円くらい予定されているということは、逆にこういうことが言えるのじゃないか。資材などは相当値上りになっておるのだからして、言いかえれば三十二年度においては、三十一年度よりも以下の計画しか行えないということになるのではないかと思う。さらに新規の事業としても、相当に押えてかかっているのじゃないか。国の電力の全体の需給の面から見て、大幅に六割も七割も八割も引き上げなければならぬという情勢のもとにおいて、公営事業のみさらにこれを圧縮するというふうな、こういう考え方が当っておるかどうかということが一つ。そうしてまた電源開発会社に幾ら金を持っていっても、仕事には限度がある。特に一年なら一年の期間においてやろうとしても、いろいろな隘路があって、なかなかやれない面があるのですから、金さえ電源開発会社に持っていけば、これでできるという性質のものじゃない。ところが県などの計画のもとにおいては、金を持っていけばやれるというふうな態勢がちゃんとでき上っている。そういうふうに、現下の電力の需給状況全体から考えてみたときにおいても、やはり公営としてやらせなければならぬということが言えるのじゃないか。こういうふうに幾多の問題があるからして、私は一理財局長だけに聞くのじゃなしに、これは通産大臣、企画庁長官など、こうした関係のある各大臣が閣議において、一体この九電力会社のあり方と、そうして公営事業に対するところのあり方——ことにこれは自治庁の長官なども、地方財政をどうするかという問題もあるのだから関連しておられると思うが、そういういろいろな問題を含めて、そしてこれをどうするかということを割り切ってもらわなければ……。先ほど河野理財局長が言うように、何だか問題がいろいろごたごたしていて、割り切れていないというふうなことも考えられるのだが、ことに、今後強力に経済計画を進めていくという考え方を、この間通産大臣は言っておられる。それらのことから考えてみても、この重要な電力問題を、一体どう全体的に処理していくかということさえも割り切られておらないということは、通産大臣の考え方、経済企画庁長官のあり方というものがどうもはっきりわからないのだが、そこらはこの際一つはっきりと、今後どういうふうなあり方をもってやっていくのか、さらに、どういうふうな考え方で検討していくかというふうな、そういうことをこの席において御答弁願いたいと思います。
○水田国務大臣 今年度の予算で、私の聞いている範囲では、先ほど理財局長が説明されたように、公営事業のピークは去年だ、それでだんだんにそれが今下っていく傾向にあるので、しかも継続分を急速に仕上げるというために、前年度と大体同じ程度見ておけば、新規もこれに入り得るのだというふうに、予算をきめる当初私は聞いておりました。新規はどこを選ぶかということはまだきまっておりませんが、選び方については、政府部内の方針といたしましては、やはり発電は専門家にやらせる方が効率的である。しかし多目的ダム等と関連して、公営にする方がいいというものはこれは公営にする。と同時に、今おっしゃられたような問題が具体的にある県からも起っておりまして、現在一定の発電を県営でやっている、しかしもう一地点ここを県で開発させてくれるなら、県の財政が非常によくなるので、これを電力会社へやらないで県にやらせてくれという具体的な問題も出ておりますが、要するに、だれがやっても開発は急ぐときでございますから、そういう理由で、これを県にやらせる方がいいという地点につきましては、これは政府部内で相談して、それにやらせるというようなことも私どもはやりたいと思っております。
○片島委員 今の大臣の答弁は、継続事業の資金の中から、新規でもやり得るということを含んでいるのですか。
○水田国務大臣 ことしの百五十億の起債の中で……。
○片島委員 大体公営は能率が悪いとかいうようなことをさっきちょっと言われたのですが、能率が悪いのは、資金繰りが悪いために長期間かかって開発しなければならぬから、コストも非常に高くなってくるのです。それを、新規のやつでさらにまた継続ということをやれば、ますます能率は悪くなるので、継続は継続としてどんどんやってしまった方がいい。特にまた多目的であっても、やはり総合的な電力需給というものの計画の中に入っているのですから、その能力に応じて、ほかの方に相当の量をふやす場合には、そこにも幾らか予算をふやすというのが、これは常識ですよ。でありますから、これは議論をしても始まりませんが、一つこれからの仕事の工合を注目していただきまして、非常に開発の能力もあるし新規にも予定をしておる地点が非常にたくさんあるのですから、そういうものをピックアップして、またさらに資金の修正等を考慮していただきますようにお願いしておきます。 最後に電力問題で、これは非常に大きな問題、長い間かかって水田さんなんか一番頭を悩ましておられる電力復元の問題でありますが、実は電力国家管理によって、公営電気あるいは自家発電等あるいは発送電だけを持っており配電をやっておった仕事を統合せられたわけであります。それが今日に至るまで、復元問題というのは全国的に非常に大きな運動として展開されておるのであります。この運動が今日も非常に根強く進められておるのは、政府及び与党の方のこれに対する態度があいまいで、何か運動しておれば色けがあるようなまたないようなといったようなことが非常に長く尾を引いて、そのために非常に膨大なる経費をこの運動のために食っておるのです。これは全国的に積算すれば相当膨大なものでありましょう。それがまた今後も相当長くこのままの状態なら続くと思う。私たち社会党は社会党として態度は決定いたしますが、政府の方でこの問題についてはもう大体いいかげんにピリオドを打つべきときではないか。それに対してまあまあといったような態度が長く続く以上はこの運動がまたいつまでもだらだら続くのであります。妙な小さい新聞なんかではスキャンダルなどがうわさをされたりしておるのでありますが、こういう忌まわしいことは早くケリをつけることが大事であろうと思うのであります。水田通産大臣の所見を承わりたいと思います。
○水田国務大臣 電力の統制が行われたときに強制的にこれをやったというところに問題はございましたが、しかし当時は合法的にやられており、対価も支払われておるというのですから、復元を希望する方としましては法律的にこれを要求する権限というものがないし、また電力会社も法律的にこれを返還する義務はないということになっておりますので、この問題は一応はっきりと切りのついておる問題ですが、これに対して混乱を生じてきたということは、ずっと昔の衆議院、参議院の方でございまして、これはそういうことになっておるのだがなるたけ返せという決議を国会で行なっておるというところから、国会の意思を尊重して返せるようであったら何とか返す措置もとろうということでこの研究が始まると同時に、今度は復元の要求者が非常に強い要望を持って今日まできている、こういうことになっております。そこで私どもは、義務はないが、なるたけ返した方がいい、話が済むなら返してやれという国会の意思があったことですからあながち復元には反対しない。しかし今の需給状態では、とてもこれを法律的に一挙に返すという処置はとれないのだ。発電設備だけ申しますと、今全発電力の七%になっておる。七%の発電力を今法的措置によって返還するなどということをしたら、需給状態の支障は非常に大きいものとなりますので、今まで自民党のとっておった態度は、電力についての需給状態が安定したときを待ってこの問題を合理的に考えよう、それまではそういう立法的な措置はとれないのだ、ただし旧所有者と電力会社が話がついて、これを返しても電力の需給状態から見て一般に迷惑をかけないで済むのだ、話の済んだところは譲渡するという申請がくるなら政府はこれについて不許可はしない、そういう問題については許可しようという程度の方針しかきまっていないで今日まで来ておりますが、そのときに昭和何年ごろになったら大体需給状態はよくなるかということでございましたので、私どもは三十一、二年になったらこの問題は何とか考えられるだろうという返事をかつてしてございましたので、今非常にこれを迫られて、三十二年度が来た来たと言われて、前からの約束違反だと言って復元を希望する方から私が非常につるし上げられております。私は、三十二年度になってみたら電力の需給状態はもっと悪くなってしまいましたので、この問題を立法的に措置するということは、現在のところ通産行政を持っている主管大臣としてはこれはとても不可能だという結論をつけざるを得ませんので、今そういう態度を持っております。
○片島委員 そういうことを言うて長引かせておりますが、あなたは約束したのでありますから非常に罪の深い方と言わなければならぬ。いつになったらよくなるだろうなんということを言っているものですから、それで今非常に多額な経費を使って、えらい補償運動がいろいろな方面で盛んに行われておるのでありますが、その責任をとって、今まで使った経費を補償する仲介者に立たなければならぬようなことになるのじゃないか。今後もずっとそういうようなあいまいな能度でいかれれば、電力が安定するというときは一体いつであるか、また安定ということの認定をだれがやってどういう基準できめるべきか、これは非常に困難な問題であって、電力政策として見た場合に、ああいういきさつから実は統合したのだけれども、その後の今日の状況また電力政策から見てやらないならやらない、またはいや必ずやるということをきめるべきだ。それを電力が安定したら、いま三年ばかり延ばして三十四年か五年にはなんということを言っておったら大へんなことになる。でありますから、この問題についてはもうすでに長いのでありまして、相当の長期期間今日まで運動を続けておる。また今後も続ければこれは非常にむだな運動費も使うのでありますから、そういう引き延ばし戦術をだらだらとやっていくのではなくして、やるならやる、電力政策としてやるべきかやらぬべきかということをきめるべきじゃないか。それをあなたはまだやるようなやらぬようなことを今でも一言っておられるが、これは利害関係者としては非常に迷惑だと思う。このあたりで態度を決定してもらいたい、こういうことをお尋ねしておきます。
○水田国務大臣 今私はあまり先に引き延ばすようなことはやっておりません。単独に復元法を出したい議員がたくさんありまして過日も来ましたが、これは困る、大臣が了解だけしてくれれば自分で出すというから、一切これは了解しない、現在の状態ではとてもこの復元の立法をする時期じゃない、当分こういう状態が続くのだから、これは今後自分たちもいろいろ話し合いの中へ入って、片づく問題があったら片づけることに骨を折るが、法によって一挙に処置するということはもう大体見込みないと思うという程度のことを言って今了解を求めてあります。判を押した社会党の方は了解してくれているようでございますが、与党に希望者が非常に多くて、場合によったら、これは大もとはやはり国会で返せなんという決議をやっていることに端を発しているのですから、与野党話し合いでこの問題についてはどういう処置をとろうかということをもう一ぺん与野党にお願いして、決議がじゃまになるならばしばらくこの問題はいかぬとか、今後やらないとか、やはり国会の意思というものを一つ訂正してもらわないと、実にやりづらい問題になっていることを御承知願いたいと思います。
○片島委員 大体今の段階でやる見通しはない、こういうことをここではっきりしていただけばまだいいんです。ところが遺憾に思うことは、最初のような安定したらというようなことでは、それじゃ一つやっていけばということで、その運動だけを専業のようにしてあなたの方にやってくる人も多かろうと思う。こういうことはお互い世間を惑わし、電力という最も基本的な産業に対して非常に動揺を与えますから、その点ははっきりした態度をし大体八割、九割の態度はおきめになったんですが、さらにはっきりした態度を今後も示して、この問題についてはピリオドを打っていただきたい、こういうふうに私は思うのです。 時間が来ましたので、電力問題についてはこれだけにいたしまして、残余の問題については後日にあらためて保留いたします。
○福田委員長 この際午後一時半まで休憩いたします。 午後零時二十二分休憩 ————◇————— 午後一時四十九分開議
○福田委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 産業経済の基本施策並びに私的独占の禁止及び公正取引に関し、質疑を継続いたします。田中武夫君。
○田中(武)委員 私は通産大臣その他政府委員に中小企業の対策について質問をいたしたいのですが、その前にちょっと一言だけお伺いしておきたいと思います。 それは最近の新聞に出ております記事のことですが、アメリカの商務省では二月の十九日に、二月の十六日以後鉄くずの輸出申請を許可することを停止した、こういう記事が出ております。御承知のことと思いますが、この鉄くずの輸出禁止、これが日本にどのような影響を与えるであろうか、日本は今までアメリカから大体どの程度のくず鉄を輸入しておったか、それからこの輸出禁止の処分に対して、日本としてはどのような手を考えておられるか、そういう点についてお伺いいたしたいと思います。
○松尾(金)政府委員 ただいまお話のございましたアメリカの方の対策の詳細なニュースは私まだ十分承知いたしておりませんので、もし私の承知しておりますことで誤りがございましたら、後ほどまた担当の局長から訂正させていただきますが、現在私どもが聞いておりますのでは、先般アメリカにおいて一部買いあさりの状況があるということに対応しまして、とりあえずの措置として輸出の制限をした、しかしこれは別に今後輸出の割当というような厳重なものを施行するつもりではないというようなことになっておると聞いております。御承知のように日本は三十一年度において百八十万トンのくず鉄をアメリカから輸入することができるように大体向うの了解を取りつけておる状態であります。来年度引き続きまして日本の鉄鋼一割増産と相対応いたしまして、二百四、五十万トンのくず鉄の対米期待を目下交渉中でございます。現在までのところわれわれの方で聞いております情報では、その交渉も比較的順調に進んでおるように聞いておりますが、相手方のある交渉でございますから、今後の交渉に待たなければならないと思います。
○田中(武)委員 もちろん詳細な情報は入ってきていないと思うし、従ってこれに対する対策というか見通し等もむずかしいと思うのですが、もしこれか相当期間停止されるということであるならば、日本の経済にどのような影響があるのでしょうか。
○松尾(金)政府委員 御承知のように日本のくず鉄輸入の大部分はアメリカに期待しておるわけでございまして、大体大略して申しまして、日本で消費いたしますくず鉄の約三分の一くらいを海外に期待いたし、その大部分をアメリカに期待いたしておるような状況でありますし、また国内のくず鉄資源の期待は今後そう大きく期待するわけにも参りませんから、その意味から申しますと、アメリカでもし非常に重大な輸出制限をやるということになりますれば、当然日本の鉄鋼業にとっては非常に大きな影響を受けると思います。先ほど申しましたように現在までわれわれの聞いておるところでは、そういう意味の重大なということにはなっていないようでございまして、もう少し今後の情勢を見きわめていく必要があろうかと思います。
○田中(武)委員 アメリカがどういう意図のもとにこういう輸出を停止する対策を立てたのか、またこれは相当長期間を考えておるのか、ほんの一時的なものであるのかというような点についても十分情報をとっていただいて、またしかるべき機会に発表していただき、日本経済に大きな影響があるとするならば、これに対して万全の措置を講じていただきたいと思います。この点はこの程度にしておきます。 次に中小企業関係の諸問題につきまして、若干質問をいたしたいと思います。神武以来の景気、このように言われておる好景気下でありますが、これが一体中小企業にはどのような影響を与えておるか、あるいは神武景気の恩典といいますか、この好景気が中小企業を潤しておるかという点についてお伺いいたしたいと思います。経済白書なり経済企画庁からの発表によりますと、昨年度は投資はこれだけ、あるいは配当は、賃金は、あるいは消費計数は、何々はこれだけ伸びた、このように景気のいいことを言っておられるのですが、この投資、配当、賃金等について中小企業、すなわち資本金一千万円以下で従業員が三百人未満というようなところと、それより大きいところとの分は、たとえば投資がどのような振り合いになっているか、配当はどのようになっているか、賃金はどうなっているか、経済企画庁の方からお伺いいたしたいと思います。
○小出政府委員 ただいま御指摘の現在の経済の好調が具体的に中小企業の面にどういうふうな形で現われているかという御質問でございますが、御承知のように、私どもの方で策定いたしました三十二年度の経済計画の基礎になっております分配国民所得の伸びは、今年度よりはやや鈍化いたしまして七・五%という伸びでありますが、その中で企業の規模別に見まして、中小企業の所得がどうなっているかということにつきましては、私どもの方の経済計算のバック・データといたしましては、そういうような企業の規模別の積み上げをいたしておりません。御承知のように分配国民所得の内訳といたしまして、勤労所得なり農業所得なり個人営業所得というような分類によりまして積み上げる計算をいたしております。その中で法人所得等の伸びも相当ございます。従いまして全体として大企業、中小企業を問わず全般的に相当の所得の伸びが考えられる、こういうふうに起算しております。 それから雇用の面におきましても、従来第一次産業、第二次産業の中で、大企業、中小企業それぞれの面におきまして、割合雇用の伸びが少なかったのでございますけれども、最近の傾向といたしましては、農林業以外の特に製造業の雇用の伸びが著しい。しかもそれが中小企業の面におきまして割合に雇用の吸収力が大きいというようなことから見ましても、中小企業の面に漸次そういった経済の好調の波が浸透しつつある、こういうふうに考えることもできるのではないか、かように考えております。
○田中(武)委員 ただいまの御答弁によりますと、国民所得の伸びが七・五%と見ているが、しかしそれは大企業とか中小企業とかいうようなことについての区別はいたしていないのでわからぬ、こういう御答弁のように思いますが、これは大企業と中小企業との所得の関係とか投資の関係とかいうものがどういう割合になっているかを調べることが技術的に不可能なのか、それともわざとそういう区別をつけて調査しておられないのか、この点を伺います。と申しますのは、景気のいいことを言って、これだけ伸びたとか、もはや戦後ではないとか、経済は安定したとか言われているが、昨年の経済白書に対しましても、これは一面の表面の日の当る部分だけを言っているのであって、この裏に犠牲になっているというか、日の当らないものについては目をおおうているのだ、すべての面においてそうであるということが非難として起っているわけだ。これはわざとそういう区別をつけずに調査せられたか、それとも技術的に無理なのか、お伺いいたします。
○小出政府委員 国民経済計算の立て方の技術的面の問題が主でございまして、特に中小企業、大企業というような面の規模を排除してそういうような見方をすることが、非常に政策的と申しますか、困難だから意識的に排除したということではございません。三十年度からの経済計画を毎年作っておりますが、いずれも全く同様なやり方でいたしております。従いまして的確にその中で中小企業の所得の伸びがどうであるとか、あるいは中小企業の雇用なりあるいは生産の伸びがどうであるかということは、それぞれまた別の見地から、われわれの経済計算とは別個の方法で抽出して計算するということは、もちろんこれはやればできるわけでございますけれども、仕事は相当困難でございまして、われわれの経済計算の立て方が実はそういうふうになっていないので、そういう面でそういたしたのであります。
○田中(武)委員 作業する上において技術的に相当困難であろうとは思うのです。ところがやはり大企業と中小企業との間に、一つの問題についてもどのようにカーブの描き方が違うのか、こういうことはやはり知っておく必要もあるし、またそれを知らなければほんとうの中小企業対策というようなことも考えられないと思います。この点について長官どうでしょうか、そういうような相当困難な作業とは思いますが、今後こういうような資料については、中小企業と大企業との比較というようなものを出してもらいたいと思いますが、そういうことはできませんでしょうか。
○宇田国務大臣 私はそれは必要だと考えます。従ってそれに必要な資料をどういうふうに整えるか、その方法を研究さしてもらいたいと思います。
○田中(武)委員 去年あるいはことしの予想のみについて大企業と中小企業とはこうだということを資料としてもらえませんか。ちょっと無理ですか。でなければ、言われているように日の当る部面のみを言うておって、悪い部面はわざと目をおおうておるのだという、こういう批判は免れないと思う。
○川上政府委員 私の方としましても従来からある程度の調査はいたしております。本年度におきましても、約三百万円近くの予算をもってある程度の調査はいたしておるわけであります。従いまして、私の方としましてある程度の資料を持っておりますが、実はきょうその資料を持って参っておりませんので、今お話のありました点につきましては、わかる程度に資料を整備いたしまして提出したいと思います。
○田中(武)委員 その点はわかりました。 それと同じようなことになると思うのですが、たとえば消費景気といわれておって、消費面においては相当伸びを示しておりますが、これもいわゆる百貨店と小売とはどういうような比率になっておるか、こういうようなこともわかりますか。
○川上政府委員 その詳細につきましては実は私もよく見ておりませんので、これは先ほども申し上げましたように、私の方でいろいろ調査をやっておりますから、その上で御説明を申し上げたいと思います。
○田中(武)委員 できますれば消費の面においても、百貨店はこれほど売ったが、中小企業はこの程度であった、こういったような伸びの比率が比較できるような資料があれば作っていただきたい、このように思います。 今百貨店のことを伺いましたのでついでにお伺いしたいのですが、昨年二十四国会でまあまあ百貨店法が通ったわけです。われわれはこの百貨店法審議に当りまして、相当の疑問と不満を持っておったのですが、ともかく通過いたしまして半年余りだっておりますが、この百貨店法実施後の実際の状況についてお伺いいたしたいと思います。と申しますのは、これが実施後相当売場面積の問題等について、認可、認可をせられた点もあろうと思います。そういう事務的な面と、まだ半年くらいでは実際にその効果が現われない、このようなお話もあるかと思いますが、百貨店法が実施せられて、小売商人の保護という点について、果してどういう面において実際の効果を現わしつつあるか、こういうような点についてお伺いいたしたいと思います。
○松尾(金)政府委員 御承知のように百貨店法は昨年の六月施行いたしまして、その施行当時において新築、増築中のものについて、この法律によって許可あるいは制限をいたしたのであります。その結果、現在までの実施の状況で見ますと、当時百貨店法の施行と相前後といたしまして、各百貨店ともかなり大きな床面積の増加の計画その他を持って、また工事も進捗しておったのが実情であったようであります。これはまたいろいろ批判もあると思いますが、そういう実情に対して百貨店法の施行があったと思いますが、それに対して、申請に対しましては、百貨店審議会の意見等を徴しまして、かなり抑制した運用をしたのでありますが、それでもやはり二十何%かの床面積の増加を見ておるようであります。もともと百貨店法の趣旨が、現在運営しておる百貨店をさらに縮小させていくというような積極的な意味よりは、むしろ今後の百貨店の運営があまり大幅に広がらないようにというか、消極的な制限の意味が主であったと思いますが、このようなことで、百貨店法の運用につきましては審議会の意見でかなり抑制して運用をいたしましたけれども、なこのような増加を見て、これによって今後百貨店の売り上げ成績がどのようになるかということは、もう少し今後の百貨店の売上高その他の状況を見ながら批判をしていかなければならないのではないかと思っております。
○田中(武)委員 私がお伺いしておるのは、百貨店法の目的はあくまで小売商人の保護対策という点にあったと思うのです。そういうような目的に対してどのような効果を現わしつつあるかということなんです。先ほどもちょっとあなたおっしゃいましたが、売場面積の許可に当っていろいろなトラブルがあり、審議会においてもあるいは通産省においても相当困られたことがあると思うのです。これは言うまでもなく、二十二国会においてわが社会党が提出したときに、これを審議未了に葬った。そうして一年の間に百貨店法が通るであろうということを大百貨店協会といいますか、こういうところへ一つ警告を与えておいて、一年の後に、われわれは骨抜きだと考えておりますが、あの百貨店法を作ったわけなんです。従って百貨店法が作られるであろうということは既定の事実となっておった。だからどんどんと売場面積を広げ、新築、増築がなされたが、その結果が実施後におけるいろいろなあの混乱であったと思うのです。現在においても私はこの前に出しました社会党案が正しいと考えております。そこで通産大臣にお伺いいたしたいのですが、今の官房長の御答弁では、私の尋ねておるのに対答する答弁になっていないと思う。百貨店法の目的とするところが、果して現在の百貨店法において達せられておるかどうか。社会党が提出いたしました百貨店法の中には、百貨店の不公正なる販売行為の規制の問題、たとえば月賦販売の問題とかいろいろな問題を掲げておりました。またもう一つは問屋との関係において不公正なる仕入れ行為、委託販売の問題とか返品の問題あるいは手伝い店員の問題等についても規制をするような規定を置いておりました。これがことごとく、いわゆる数という名においてわれわれは破れ、これを取り下げたわけなんです。実際百貨店法の意図するところの目的を達するためにはこのような規定を置く必要があると思うのです。現在の百貨店法において、百貨店法の目的とする効果が現われておるかどうか、もし現われていないとすれば、今私が言っておるような、前の社会党案と同じものとは言いませんが、そういったような趣旨を込めたところの規定に百貨店法を改正する意思があるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○水田国務大臣 これは百貨店を規制するだけでは問題は解決しませんので、百貨店法というものができてある程度の規制をやったということは、中小企業特に小売商に対しては一つの保護立法になると思いますが、同時に今度は中小企業なり小売商なりを今のままで置くということが問題になります。そこで、いわゆる中小企業三法と言われている法律を私どもは今考えておるところでございまして、これが両々相まってその効果を上げるようにすればいい、その過程において一方が工合が悪いということでしたら、これは改正するということは必要かもしれませんが、今片方だけの法的措置ですから、その効果もまだわかっておりませんから、一方の積極的な保護規定を作る、この二つのにらみ合せで考えていきたいと思っております。
○田中(武)委員 今おっしゃいました中小企業保護立法である三法案を考えておるということについては後ほど具体的に御質問したいと思いますが、もちろん百貨店法だけで中小企業、小売商の保護対策が万全であるとは考えていない。しかし、百貨店法としてのこの法律の目的を達するためには、社会党が言っていたような趣旨の規定を入れなければならないと現在でも私考えておるわけです。そのことについてお伺いしておるのですが、今考えておられる三立法は別として、百貨店法それ自体を現在でも万全と考えておられますか。
○水田国務大臣 今申しましたように、まだその効果がはっきりとしておりませんので、社会党のやったようにやった方がよかったかどうか、まだちょっとわかりません。
○田中(武)委員 効果がはっきりしないというのは効果が上らないような法律だからです。この点についてはまたあとで具体的に御質問したいと思います。
○加藤(清)委員 関連して。ただいま百貨店の問題について官房長が答えられました中に、二〇%ふえたというお答えがございました。これは何と何を基準にして二〇%ふえたとおっしゃるのですか。
○松尾(金)政府委員 先ほど申しました意味は、百貨店法施行以前の総面積に対しまして結果的に約二五%ふえた、こういう意味でございます。
○加藤(清)委員 この法案を審議いたしました折に、官房長も御存じだと思いますが、かけ込み増設ということが盛んに行われておりました。それを認可する場合に必ずトラブルが起きる。そのトラブルはやがて中小企業と百貨店側との問題のみならずいろいろな政治問題をかもし出すであろう、そこで法律で規定する場合には、許すか許さないかは、この法律が施行の日に基礎工事が完了しているものは許す、そうでないものは許さない、こういうふうになっておったと思いますが、これは間違いないですね。その点どうです。
○徳永政府委員 私の仕事でございますので私からお答え申し上げたいと思います。ただいまお尋ねの点でありますが、少し趣旨は違うと思います。と申しますのは、新しい問題でございますので、戦前百貨店法がありました際に新増設の許可の取扱いはさような基準でいたしておりましたということを申し上げましただけで、新しい法律の場合には戦前と異なりまして許可申請が非常に多く出ておるというような事情もありますので、その通りにはむしろ参りかねるという趣旨でお答え申し上げたと思います。
○加藤(清)委員 そこで、私と約束したことをあなたがまだ実行してないことが一つある。というのは、あの当時、施行の日に許可申請が出ているものと基礎工事が完了しているもののデータを出してもらいたいといって私が資料要求をした。そうしたら、よろしいというお返事があった。あれからどれほどになりましょうかな。半年の余になっておりますな。いまだにそれが出ていないですね。(「催促せぬのが悪いよ」「時効だ」と呼ぶ者あり)うまいこと言った。まあ時効ということで逃げられればこれはやむを得ないかもしれぬけれども、あれから解散になったわけでもなければ、私はもう要りませんと言うた覚えもない。なぜそういうことを言うかというと、実は方々の商工会議所で審議会が行われた、その後それが総合されて、また通産省のもとでこの審議が行われた。その際に、中小企業側ではもっと減らしてもらいたいというし、かけ込み増設側では、制限したいというのはよそのデパートの話であって、自分のところの店だけはふやしたいというのだから……。そうでしょう。それで、結果がどうなったかというと、当時すでに基礎工事が完了しているものでもなお面積を削られたものもあれば、基礎工事はおろか空なものであったにもかかわらず、あとでぼこっと一ぺんに店を買い取ってふえてきたものもある。こういうわけで、一つの法律によって規制されておりながら実行方は区々まちまちに相なっておるように思う。従って、あの際のデータ通りはっきりやられればこういうことはないはずだ。もう一ぺんあの当時にさかのぼって、法律は既往にさかのぼらぬかもしれぬけれども、私の要求は既往にさかのぼって、一つデータを出してもらいたい。これはやがてそのトラブルを防ぐ一つの手段にもなることでございます。
○徳永政府委員 資料の点は今からでもそろえましてお届け申し上げますが、ただ一言お断り申し上げたいと思いますのは、法律によりまする新増設の許可基準といたしましては、小売商に及ぼす影響ということ、それから工事の進捗程度ということが一つの判断の基準でございます。この二つが法律にうたってある基準でございますが、具体的な適用ぶりになりますれば、その地その地の商業の事情ということがいろいろございますので、全国一律に見まして非常に画一な基準で処置がなされたということになっておりませんが、実績を御検討いただきますれば、まあわれわれの常識、と申しますより、あの委員さん方は世の中の最高の常識のある方々と見ていい、利害関係にとらわれない方々でございまするし、その方たちの御判断に従って処理したということで、私ども、小売業界から見ましても、多少の御不満はあるにしましても、おおむねの結論としてはほぼ常識的にやったというふうに見ていただけると考えておる次第でございます。
○田中(武)委員 百貨店法の問題についてはまだいろいろとあるわけなんですが、次に入りたいと思います。 この百貨店の問題について、ともかくあの施行せられた直後相当局長も困られたと思います。これは何といっても一昨々年ですか、二十二国会で社会党案を葬って審議未了にしておいて、そして予告だけを与えておいてどんどんと増築させ建築させておいて、二十四国会で去年通した。こういうようなところにその大きな原因があって、また規制せられる側の百貨店側にも大きな迷惑をかけていると思うのです。そういうような点についてはまた具体的なときにお伺いするとして、次に下請代金支払遅延等防止法の関係についてお伺いしたいと思います。これは公正取引委員長が適当かと思いますが、まずこの法律が実施せられてから、施行前と施行後において支払い状況がどのように改善せられたか。すなわちこの法律は下請企業者にとって、所期の目的を達しつつあるかということを簡単でよろしゅうございますから伺いたい。 もう一つは、あのときわれわれも一つ疑問に思っておったのですが、あの法律によって資本金一千万円以下のすべての企業にこれが適用せられる。しかも現在の公正取引委員会の機構において、果してそれだけの監督ができるかという点にあったわけです。そういう点について、ほんとうにわれわれが心配しておったことがないような運営がせられておるか、あるいは手薄のためにわれわれの心配がやっぱり当っておったかどうか。 なお、われわれはあのときもう一つ、心配しておったのですが、労働基準法がほんとうに実施せられていない。あらゆるところに労働基準法の違反が行われておる。これをわれわれが労働基準局へなぜこういう状態かと聞くと、いつも労働基準監督官の手が足りないからということなんです。そういうような結果がすでに公正取引委員会において現われつつあるのではないかということも心配するのでありますが、そういう点についてはどうでしょう。
○横田政府委員 この支払遅延防止法の施行の状況につきましては、先般きわめて簡単な御報告を申し上げましたが、多少補足して申し上げますと、この施行の結果とはっきり申し上げていいかどうかわかりませんが、少くともこの二、三年前、あるいは昨年と比べまして、三十一年度の支払い状況はかなり良好でございます。先般申し上げましたように、今回は中小企業側を中小企業庁に、相当多数の会社について調べていただきました。親企業会社は主として公正取引委員で調べました。大体調べました数は三百社以上でございました。そのうちからまた特に問題になりそうなものを約八十社ほど拾いまして精密調査をいたしました。この中小企業庁側の調査及び私どもの方の調査を合せまして申し上げられますことは、いわゆる支払い遅延の度合いと申しますか、あるいは支払い率、前の月の残にその月の契約額を加えましたものに対する支払いの率、これが相当よくなってきております。これはもちろん平均でございますので、そのうちの個々の企業につきましてはいろいろでございますが、大体ほとんどの業種につきましてこの支払い率が相当高まっております。従前三〇%程度のものが五〇%というふうに上っております。もっとも兵器工業あるいは時計工業のごとく多少落ちておるものもございますが、全般的に申しますと非常に支払い率がよくなっております。それから現金支払いの率も、大体昨年底の支払いよりは三十一年はかなりよくなっております。平均といたしまして現金支払いが六七%、三三%が手形というふうになっておりまして、これもかなりよくなっておるようでございます。 それから手形のサイトの点でございますが、これも大体よくなっており集して、一応九十日以上のものがおもしろくないものといたしますれば、九十日以下の期日のものがかなり率が上っております。特に造船、原動機、紡織業、こういうものについてはほとんど全部が九十日以下のものになっております。しかしなお、先般も申し上げましたように、百二十日あるいは百二十日をこえるようなものも若干ありますので、決して完全とは申し上げられませんが、そういうふうに全般を通じて、この好景気ということが主たる原因ではありましょうが、やはりこの制度によりまして相当支払いが促進されておるということが申し上げられるのじゃないかと思います。ただしこれは七月に施行してまだ半年余りでありますので、今後の推移を見守っていかなければならぬと思います。 それから公取の現在の規模で果してこの大きな仕事がやっていけるかどうかという御懸念でありますが、私も全同感でございます。この法律ができます際にも、もう少し手が要るという ふうに考えましたので、何とか人及び予算がほしいと思いましたが、しかしその際は、これは施行後の状況を見てというようなことでそのままになっております。もっと手と予算がございますればよい仕事ができることは明らかであります。ただ御承知のようにこの法律の施行につきましては、公正取引委員会だけが担当するということになっておりませんで、中小企業庁の強力な援助ということが前提になっておるような関係もございまして、たとえば毎年度の予算の折衝の際にも、増員は認めないというような政府の方針もございますし、また一方中小企業庁という相当人をかかえた役所が公取の調査を助けるという組織になっておるということとも相待ちまして、残念ながら増員の要求は認められなかったのであります。このこまかな計数のことについては、またお話がございますれば担当の者からお答えいたさせますが、そういうようなことでございまして、私どもといたしましてはまことに残念でございますが、でき得る限り内部の人の配置転換などをいたしまして、この仕事の万全を期しいたいというふうに考えております。
○田中(武)委員 委員長も言われておるように、この下請代金の支払い状況は若干改善せられたが、しかしながら、これはいわゆる好景気の結果からかもしれせん。従って法律施行の直接の効果としてはまだほんとうにどの程度上っておるかということは疑問だと思います。 それから、これは通産大臣にお伺いいたしたいのでありますが、今委員長も言外に言われておりましたが、やはりこの下請負代金の支払遅延防止法を完全に実施していくためには、現在の公正取引委員会の人員機構では不足だと思います。従って所管大臣の通産大臣としてこれを強化するというお考えはないかどうか、と申しますのは、これは午前中にも若干そのような質問があったと思いますが、私的独占禁止法を骨抜きにするような単独法が次々にできていって、むしろ現在では公正取引委員会はあってないようなものだというか、あるいはないことを望んでおられるような経済政策を進めつつあるように考えられるのです。私はむしろこの際は、公正取引委員会の強化ということが望ましいと考えますが、この点どういうお考えを持っておられるか、これをお聞きしたいのであります。 なお委員長に対しましては、支払いの基準をどういうものに置いて監督に当っておられるか、こういう点をお伺いいたします。
○水田国務大臣 必要があれば確かに強化することが望ましいと思います。
○横田政府委員 この基準は、この法律ができます前から非常に問題でございました。また法律のできます際も、田中委員からいろいろ御質問があったように記憶いたしますが、われわれといたしましては、できる限りはっきりした基準を作りたいという気持がございますことは、たびたび申し上げておるのでありますが、この個々の業態について見ますると、非常に種々いろいろでございまして、それを一律に、たとえば六十日以内に支払う、あるいは検収を何日以内にしなければならぬというふうに、ここではっきりきめますことは、非常にちゅうちょいたされますので、今お話のございましたように、もう少し調査を続けまして、大体無理のない線というようなものがおのずからきめられるのじゃないかと思いますので、七月の施行後につきましては、特に調査を精密にいたしまして、基準の策定と申しますか、それに役立つように持っていきたいと考えております。
○田中(武)委員 どうです、率直に言って、この下請代金支払遅延等防止法につきましても、百貨店法と同様に、社会党案が出、政府案が出てきて、結局社会党案を取り下げて通した、こういう経過を言っておるのです。実際半年なりそれ近く実施に当って、委員長率直に言って、われわれの言った方が正しい、その方がいいとお考えになりませんか。たとえば支払いの基準についても、われわれは明確に法律にうたって、それに対するいわゆる経済上の利息をつけるといったような一つの圧力といいますか、これを促進するための実際の効果を現わすような方法も考えておった。また親会社が好景気だからよかったものの、こういう法律がほんとうに力を現わすのは、不景気というか、そういう時代だと思うのです。そこで親会社が破産でもする場合、下請代金の先取特権を認めたらどうかとあのときわれわれは意見を吐いたと思うのです。その方がいいとお思いになりませんか。同時に大臣はそのような状況を見て、下請代金支払遅延等防止法を目的に沿うように実施するためには改正の要ありとお認めにならぬかどうか、お尋ねいたします。
○横田政府委員 この基準の点につきましては、できるだけ具体的なはっきりしたものがほしいということはまことに御同感でございますが、ただ先ほど申しましたように、あまりはっきりしたものを出すということになりますと、勢いそれは多少長目のものにむしろなりがちであるという点が実はわれわれといたしましては非常にむずかしいところでございます。なるたけ具体的な標準がほしいという点につきましては、まことに御同感でございます。 それから前の社会党案に盛られておりますものの中に、いろいろお話がございましたようですが、特に先取特権というようなものにつきましては、前回も私申し上げたと思いますが、この中小企業のために何かそういうような措置が行われるならば、きわめてけっこうなことだと私は思うのでありますが、結局民法その他の法律と債権との関係もございまして、主として法務省関係におきまして、この点は今後も引き続き検討していかれると思いますが、好ましいことではないかと思います。
○水田国務大臣 今委員長からお話のありました通り、支払い遅延状態が非常に改善されておるということは確かでしょうが、これがおっしゃられたように、好景気によって影響された改善であるか、法律の効果によって改善されたものか、その点ははっきりしないようでございますので、もう少し経過を見て、この法律がまだ不徹底である、これを徹底させるなら、さらにこれがよくなるというような状態のときは、改善というものを考えてもいいと思いますが、今のところ百貨店法と同じようにはっきり言えないだろうと思います。
○田中(武)委員 百貨店法もこの下請代金支払遅延等防止法も、ともに同じような性格を持っておると思うのです。また同じような経緯をたどって成立した法律なんです。今公正取引委員長は、われわれが言いましたような点について、はっきりしてもらった方がいい、こういうふうに言われておるのです。そこで大臣どうです、ほんとうに法律がその効果を現わすのには、その法律の第一条にうたっておるところの目的に沿うような内容を持たなくてはならないわけです。この二法案ともわれわれ当時羊頭を掲げて狗肉を売るものであるというようなことを言ったと思うのです。実際両方ともそのようだ法律なんです。実施の経験にかんがみて、これは政府がよく使われる言葉です。ことに労働法なんかになると、実地の経験にかんがみてかくかく改正されるといって、いつも悪くしているのですが、こういう実施の経験にかんがみて、もっと内容の充実したものとして改正される御意思があるかどうか、もう一度お伺いいたします。
○水田国務大臣 今委員長から言われましたように、基準を作ることは望ましい。しかしそれじゃどういう基準を作るかと申しますと、日本の事情というものは非常に複雑でございますので、基準を作るとすれば、どうしても長目のいろいろな基準を作らざるを得ないというようなことにもなりましようし、それが基準になるということは困るのだ、もっと早く支払いができる実体を持った、また業種もあるのでございますから、そこらで基準は望ましいとは思いますが、はっきりしたそれを作るということは、今の状態では実際はむずかしいのじゃないか。従ってこういう道徳的な規定でも、ないよりある方がいいのであって、だんだんに改善はいたしますが、今すぐそれをやるということは困難だと思います。
○田中(武)委員 先取特権を認めるかどうか、答えはどうですか。
○水田国務大臣 これは公取委員長のおっしゃる通り、法律的にも目下検討中だそうでございますので……。
○田中(武)委員 下請代金の問題が出たので、ついでにちょっとお伺いしておきたいのですが、親会社が会社更正法の適用を受けて債権がたな上げされた場合に、下請会社の産財権を大きく不当に拘束しておる結果が現われておると思うのです。この法律の審議に当ってもこの点を私若干お伺いしたのですが、今度は大臣がかわられておるし、ことに水田大臣としてお考えがあると思ってお伺いしたいのですが、この会社更生法によって債権がたな上げされ、その結果下請会社の財産権が不当に拘束されるというような場合、しかも下請会社の代金の中には、その下請会社に働いておる労働者の賃金等本含まれておる大きな社会的な問題であります。従ってそういうような場合においては、国家において何らかの補償の措置が講ぜらるべきが当然ではないか、こう思うわけですが、会社更生法のそういうような実施に当って起ってくるところの不合理な点に対して、行政上、立法上の措置をおとりになる考えがあるかどうかお伺いいたします。
○水田国務大臣 そういう措置はとりたいと思っております。先般会社更生法で適用された会社に、名前を言うのは避けますが、大きい会社がある。しかもその会社は品物を注文して、そし下請け企業にみんな手形を出してしまったあとで一挙に手をあげて更生法の適用を申請したというようなことによって、影響をこうむった中小企業というのは非常に多うございまして、これが連鎖反応でずっと二年くらい前の不渡り手形の急増というような事態を起していたことは御承知の通りでして、このときから問題になっておりましたが、なかなか技術的にむずかしいということで今日までほうられておるのでございますが、これはどうしてもこれについての保護措置というものは私どもはとりたいと思います。
○田中(武)委員 それじゃそういうふうに一つ行政上、立法上の措置をすみやかにとっていただくよう重ねてお願いをいたしておきます。 ちょっと問題を変えたいと思うのですが、外資の導入といいますか、外資法によって外資を入れてくる場合、あるいは外国の技術との提携を日本の大企業がやる、こういうような結果が中小企業の圧迫になっておる面が多いと思うのです。たとえばカナダ・アルテッドと日本軽合金とが合作によってわが国の軽金属産業の独占をしようというような動きのあったこと、あるいはシンガー・ミシンとパイン・ミシンとの提携によって日本のミシン業界を不当に圧迫しようとしたような事実、こういうことについては本委員会においても何回か取り上げられておるわけですが、こういうような実際の動きの結果、中小企業に大きな圧迫となり、あるいは中小企業の業界をだんだん、大企業、というよりかその後にある外国資本が侵しておる、こういうような事実は御承知の通りであります。読売新聞がいつか出しました「日本のむこ殿」というような本にも、その事実は率直に書いてあるわけです。そこでわれわれは民族産業と資本を守るために外資法を改正する必要があるのじゃないか、このように考えておるのですが、御承知のように外資に関する法律の第一条には、その目的が明確にうたわれております。それから第八条に認可、指定等の基準という点で三号までいろいろなことが掲げてあります。その第八条の第三号の次に、もう一つ、そういうような中小企業を不当に圧迫するような外資の受け入れについては、これは許可しないのだ、こういうような禁止規定を設ける必要があるのじゃないか、こう思うのですが、このような外資の受け入れ、あるいは外国技術との提携の問題が、中小企業、ひいては日本の民族産業及び民族資本に与えている不当な圧迫に対して、どのような措置をおとりになろうと考えておるか、並びに外資に関する法律を今後私の言っているような趣旨の改正をする必要があるとお認めになるかどうかお伺いいたします。
○水田国務大臣 その問題は、今までの技術提携、外資の導入、今後のこれに対するやり方と一応分けて私どもは考えたいと思っています。きょうまでのところは、技術提携の契約は六百件以上やっておりますし、外資の導入は千億円をこしておりますが、これによって日本の重要産業の技術の向上とか、合理化とか、輸出の伸展というようなことに寄与した部面は非常に多いと思います。で日本の産業技術を急速に高めるというために、外国技術を勇敢に取り入れて、そして必要があれば外国資本を勇敢に導入して、日本の産業を伸ばすということは、ぜひ必要なことでございますので、今日まで外資法を作ってやって春ましたが、今までのところは非常に効果を上げておると思います。と同時に、大企業だけじゃなくて、中小企業部門の技術提携をやって、そうして中小企業の技術改善なり輸出の増進に役立ったという事実も非常に多くて、大企業だけの提携じゃなくて、中小企業の提携部門も二割以上含まれておるという状態で今日まではやってきましたが、今後は日本の技術水準も上りましたので、こういう形が日本の国内産業にいろいろな影響を与える部面も多くなるでしょうし、中小企業との関連も出て参りますので、今後は厳格にこの基準を守って、重要産業の改善とか、国際収支に寄与するという点に限定した導入の仕方、技術提携の仕方を私どもは指導したいと考えておりますので、改正の必要があるかと申しますが、まだ大企業だけに限ったのでなくて、中小企業部門の提携ということも現在考えられておりますので、一がいにこれを今規定によって拒むというようなのは穏当じゃなくて、これが日本の中小企業に実際に悪影響を及ぼすのだという問題を個々に審議して、これを許したり許さなかったりするという行政措置で十分やっていけるんじゃないかと考えています。現に今御指摘のような問題が幾つかございましたが、これはそのつど大体政府として適当に今までやっているようでございますので、たとえばミシンとかあるいはテレビの技術がどうとか、こういう問題についてどうなっているかという実情でしたら局長からお答えしてもらいますが、私は今までと今後を分けた運用によって、りっぱにやっていりるんじゃないかと思っております。
○田中(武)委員 私のあげたのは一、二の特殊な例であったかと思います。しかしそれらがアルミニウムあるいはミシンの業界に大きな波紋を描いたことは御承知の通りであります。もちろん外資に関する法律を作られた場合にあるいは技術導入の許可をせられる場合に、初めから悪いと思ってせられたのではないと思います。もちろんそれはそれ相当の効果もあったと思います。しかしながら、すでに今日では、よくひさしを貸しておもやを取られると言いますが、その例のごとく、すでに日本の産業が外国資本によって、牛耳られておるという実情が現われておるので、これに対する対策は速急に立てる必要があるんじゃないか、このように考えるわけなんです。 なお技術提携の問題にいたしましても、今六百件とおっしゃいましたが、私のは古いかわかりませんが、私の調べておるのは五百十八件でありますが、支払っておるロイアリティは五千五百四十三万九千ドルというようなことになっておりますが、こういうような膨大なロイアリティを払っておるということは、今後日本の物価の中に大きく原価として加算せられてくるであろうし、すでにこの技術提携をした会社自体が、こういうような多額の対価を払う、ロイヤリティを払うということについて、もう大きな負担になってきている、こういう事実もあるわけなんです。こういう点については慎重にかつ速急の対策を立てていただくとともに、私の申し上げております外資に関する法律の改正の問題にしても、ただ直ちに禁止規定を置くというだけでなく、やはりそこに運用を持たす程度の法律は、これはいろいろ文句があると思いますが、私が言っているのは中小企業に大きな悪影響を及ぼすようなものについては許可をしないというような意味のことを入れたらどうかと言っているのです。これは何も大臣のおっしゃるような直ちに禁止とか、あるいは中小企業が提携をし受け入れようとするのを拒むというものではないと思うのですが、重ねてお伺いいたします。
○水田国務大臣 技術提携につきましては、石油化学工業とか原子力工業、航空機工業とか、まだまだ外国技術との提携をやらなければいかぬ部門が多いと思いますので、そういう点には積極的に技術提携をやるというかわりに、さっき申しましたように、中小企業に影響するというようなものは、ここで外資の導入や技術提携はなるたけやらないという方向に行政指導をやって大体済むのではないか、精神はそういう方向で運用しようと考えています。
○田中(武)委員 それではその点については一つよく考えていただくようお願いいたしておきます。次に中小企業金融の問題について二、三お伺いしたいのですが、先日官房長ですか、いろいろ予算の説明を受けたわけなんですが、もう一度言っていただきたいのですが、中小企業関係の金融の措置について本年度はどのような計画を持っておるか、及び政府機関と一般市中銀行との振り合い等一つ言っていただきたいと思います。
○川上政府委員 政府関係の金融機関につきましては、三十一年度と三十二年度におきましては、相当三十二年度夫は増額いたしております。中小企業金融公庫でございますが、三十一年度におきましては三百億の計画で参ったのでありまして、政府の新しい投融資としましては百三十五億ということになっております。三十二年度におきましては四百十五億の計画であります。そのうち新しく政府の方で財政投融資をしますものが二百億ということになっております。従いまして三十一年度よりも三十二年度におきましては相当額の増額になるわけであります。ただ私どもとしましては、実は最近の需要の関係からいいまして、もっとたくさん要求をいたしたのでありますけれども、これは財源の関係もありまして一応四百十五億ということになっておるわけであります。それから国民金融公庫につきましては、三十一年度の計画は五百二十五億であります。この五百二十五億に対しまして、三十二年度の計画としましては六百八十五億、三十一年度の新しい政府の投融資につきましては百二十五億であったのが、三十二年度におきましては二百億というふうに、非常に増額をされておるわけであります。この国民金融公庫につきましては、私どもの方としましては実はもっと増額したかったのでありますけれども、先ほども申し上げましたように、中小企業金融公庫と同じように、財源の関係からまあ来年度はこの程度ということになったわけであります。それから商工組合中央金面、これはむしろ資金量の問題よりも金利を引き下げるということが一番問題でありますので、これに対しまして今回来年度におきましては十五億の出資をするということになったわけであります。それから商工債券の政府引き受けを二十億ということにいたしております。そういう措置によりまして、現在商工中金の長期のものにつきましては、大体年利一割一分五厘程度でありますが、私どもの方としましてはこれを一割二厘くらい、これは大体市中銀行の長期並みになるかと思いますが、そういうふうに引き下げたいと考えております。短期を合せますと一割以下、九分九厘幾らということになるわけであります。さしあたり来年度におきましては、商工中金につきましてはそういう措置をとりたい。また商工中金に対しまして現在相当額の政府の金の預託をいたしておりますが、これも引き揚げないでそのままにしておきたい。これはやはり金利に対して相当の影響がありますので、そういう措置をとりたいというふうに考えているわけであります。今申し上げましたように、中小企業金融公庫、国民金融公庫、それから商工組合中央金庫に対しましてはそういう措置をとりたいというふうに考えています。 それからもう一つの問題としましては、これは近いうちに法律案として提出することになるかと思うのですが、現在地方におきまして五十二の保証協会があるわけでありまして、これが相当の役割を果しているわけなんですが、この保証協会は最近の地方財政の関係からその基金につきまして十分でありませんので、この際この保証協会に対して政府の金を十億程度貸金としまして出しまして、そうして原資としてあるいはその他の運用に使ってもらって、この保証の円滑化をはかりたいというふうに考えておりまして、中小企業庁にあります特別会計を通しましてこの金を出すことにいたしております。そういうような措置をとりまして、来年度におきましては中小企業についての金融の緩和をぜひともはかっていきたいというように考えております。なお一般の市中銀行に対しましては、私どもの方としてはかねてから中小企業に対しまして十分な資金量を出してもらうようにいろいろお願いもしているわけでありまして、別にこれは資金統制という意味でやっているわけではないのですが、最近の情勢を見ましても、特に年末等におきましては市中銀行も相当な援助をしてもらっておりますので、今後におきましても私どもの方としましては大蔵省とも連絡をとりまして、市中銀行の方で中小企業向けの資金を十分に出してもらうように行政指導をしていきたいというふうに考えております。
○田中(武)委員 今の御説明を聞いておりますと、政府出資としては商工中金へ十五億円、その他はみんな財政投融資になるのですね。
○川上政府委員 そうです。
○田中(武)委員 財政投融資になれば、言うまでもなく六分五厘ですか、利子がつくわけです。これはやはりできるならば政府出資を多くして財政投融資は少くする方が、中小企業関係の金融機関の利息を引き下げるという面において望ましいことは言うまでもないわけです。この点についてどうですか、もう少し利子のつくものでなく、利子のつかないものをふやすというような考え方を持てませんか。
○川上政府委員 この点につきましてもいろいろ検討いたしたのですが、現在中小企業金融公庫の利子は九分六厘であります。それから国民にしましても同様九分六厘であるのですが、この国民と中小企業金融公庫につきましては、やはり利子をこの際引き下げるというよりも、むしろ資金量をふやすということが一番問題ではないかというふうに考えましたので、来年度の措置としては一応資金量をふやすというところに重点を置きまして、政府出資の方は今後の推移を待って考えるということに実はしたわけであります。
○田中(武)委員 資金量も多くあり利子も安いというのが一番望ましいと思うのです。選挙となると、政府というか与党は、中小企業金融のことを大きくいわれますが、いつも夏の日の花火のように消えてしまうわけなんです。これは、これだけこれだけをつけたと言っても、利子のつく金でなく、ほんとうに利子を下げる上に立っての対策を立てるべきじゃないかと考えるわけなんです。 それから、来年度で中小企業が望むであろうところの資金量を、政府機関の今の予算、財政投融資等も含めて、このほか市中銀行から何ぼほど出してもらわなくちゃいけないだろうというような計算は出ているでしょうか。それは一体どういう振り合いになっておるか一お伺いいたします。
○川上政府委員 実は私の方としましてては、中小企業金融公庫に対しましても、あるいは国民金融公庫に対しましても、もっとよけいほしかったということは先ほど申し上げた通りなんですが、しかし、大体こういう機関に対しまして、どの程度資金の需要があるかという問題につきましては、昨年からいろいろ各機関の手を通して調べもしたのですが、はっきりした数字はなかなかつかめないわけであります。しかし一応私の方で三十二年度として要求しました数字は、中小企業金融公庫が五百九十五億、国民金融公庫が八百二十四億という程度になっております。それから中金につきましては、そう大きな需要はあるまいというふうに見ております。そういう需要に対しまして、先ほど申し上げたような程度になったわけなんですが、私の方のそういうような要求の数字に対しましても、これは少し大き過ぎるのじゃないかというような見方も実はあったわけでございます。 現在大体中小企業向けとしましては、年間二兆一千億程度じゃないかというふうに考えています。そのうち政府機関であります中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫、こういうものを全部合せまして、大体三千億以上のものになるわけでありまして、ほかのものにつきましては、たとえば信用組合とか相互銀行とか、そういういろいろな中小企業向けの専門の金融機関も相当額出しておりますけれども、大部分のものにつきましては、やはり都市銀行でありますとか、地方銀行でありますとか、大銀行でありますとか、そうした方面からこれは出ておるわけでありまして、われわれとしましては、やはり何と申しましても市中銀行の方で、相当な援助をしてもらわなければならぬかというふうに考えておるわけであります。
○田中(武)委員 これによりますと、大体中小企業が来年度で求めるであろう資金に対して、今言われたような予算でいって満たされるのは、政府機関としては一五%弱ですね。あとの八五%は市中銀行にたよる、こういうような結果になるわけでありますか。
○川上政府委員 大体その通りであります。
○田中(武)委員 そこで中小企業の金融対策の基本的な点とすれば、中小企業専門の金融機関の強化、拡充、それから信用制度の信用の保険というか、この制度の拡充、市中銀行から一般中小企業への貸し出しの促進、こういうことだと思うのです。今の数字を見ましても、八五%が市中銀行にたよらねばならないという状態ですが、市中銀行から言うならば、やはり中小企業よりも大企業へ貸したがると思うのです。これは法律だとか命令によって幾ら幾ら中小企業へ貸せということも言えないだろうと思うし、どういうような具体的な促進の方法を考えておられるか。もう一つは信用制度の信用保険の制度について、どういうように考えておられるか。
○川上政府委員 今申し上げましたように、市中銀行にたよっております金額が非常に大きいので、われわれといたしましては、現在中小企業庁にあります信用保険特別会計の制度と、それから保証協会、この関係の強化をすることが一番大事なのではないかと考えまして、保証協会につきましては、来年度におきましては差しあたり十億の基金を増額することにいたしたわけでございます。十億といたしますと、大体百億の金の保証ということにもなりましょうから、百億では大したことはないということになるかもしれませんけれども、少くとも来年度におきましては新しい制度を作って、そうして信用保証の強化をはかりたいというふうに考えておるわけであります。 それからまた保険の問題につきまして、保証保険あるいは融資保険というようなものがありますが、特に小口関係のようなものにつきましては、保証保険が相当活躍しておりますので、今後におきましては、そうした方面につきましてももっと積極的な強化をはかっていきたい、たとえば保険の料率の問題につきましても、さらに検討して、一般の市中銀行等の融資が積極的に行われるような措置を講じていきたいというふうに考えておるわけであります。 それから、これは先ほども申し上げましたが、私の方としましては資金統制ということは現在考えておりませんので、やはり行政的な指導によりまして、地方銀行なり都市銀行のこの中小企業向けの融資の促進をはかっていきたいというふうに考えております。
○田中(武)委員 行政的な指導によって果して八五%の希望が満たされるかどうかということも、僕は疑問ではなかろうかと思うのです。また、先ほど申しましたように、一般市中銀行は何といっても営利を目的とする一つの企業会社ですから、やはり大企業の方へ集中していくようになろうと思うのです。そこで大臣にお伺いしたいのですが、銀行法を改正いたしまして、銀行は一人に対して——一会社でもよろしい。それに対して資本金または準備金の十分の一をこしてはならぬとかなんとかいったような一つの制限を設けることによって、資金が一つの大きなところとか、一つの系列によって集中せられていることを防いで、中小企業向けの資金が潤沢に回るような方法はどうかと思うのですが、そういうような点についてはどういうふうにお考えなんでしょう。
○水田国務大臣 相互銀行とか信用金庫とか、あるいは長期銀行とか、すでにそういう考え方を入れて現在やっております。市中の大銀行については、やはり大銀行の使命から見てそれが窮屈になる点がございますので、今そういう制限をやっておりませんが、そのほかの中小企業専門の金融機関については、中小企業の中でも大きい企業は大きい銀行の世話になればいいんで、一番困っておるのは中小企業というよりもむしろ零細企業の金融でありますので、それを救う意味から、信用金庫とか相互銀行とか、こういう機関については今言われたような指置を現にとっております。
○田中(武)委員 私が申し上げたのは、銀行法を改正して、そういった点を規制していくということについては考えておられないか、こういうことですね。銀行法を改正して、一つの銀行が一つの会社に、ことにこのごろでは系列的に、重点的に貸しておるというような弊を避けたらどうか、こう言っているのです。
○水田国務大臣 今言いましたように、大銀行側にはそういう措置はとっておりません。それによって中小企業の金融が圧迫されておるかと申しますと、最近の統計ではそうではなくて、昨年の七、八千億の貸し出し増という中で、中小企業貸し出しの増が、やはり一千五百億円以上も一年で伸びておるというような状態でございますので、大企業に圧迫されて中小企業に貸す部面の資金量が減ったという状態は今統計の上では出ておりません。
○田中(武)委員 大銀行に対してはその考えはない、そういうことならきょうはこのくらいでおいておきますが、今、大臣のおっしゃいましたのは、中小企業にもいろいろある、なるほど大きいところと小さいところとあります。そこで少くとも政府機関の中小企業向けの資金のうちで、いわゆる中小企業でも比較的大きなところと、零細といいますか、こういうところと、初めからワクを分けておくということについてはいかがでしょうか。そうでなかったら、中小企業のうちでもまだ比較的大きい方が小さい方を食っておるという状況が起っておると思うのですが、最初政府のワクで、たとえば中小企業金融公庫なら中小企業金融公庫の運用については、工場ならば十人以下とかあるいはそれ以上とかいうようにワクを分けるとか、あるいはそういうところは中小企業金融公庫に行って、小さなところは国民金融公庫なら国民金融公庫で借りるようにして、そこにしかるべき措置を講ずるとか、そういったような金融措置に対するワクを初めから分けておくというような考え方についてはいかがでしょうか。
○川上政府委員 現在におきましても、実は各公庫においてワクを設けるというようなところまでは行っておりませんけれども、中小企業金融公庫におきましては、大体平均の貸し出しは三百万円程度になっております。これは最高三千万円ということになっておりますが、最低は大体五十万円かそこらのところに区切っておるわけであります。ところが国民金融公庫につきましては平均二十万円程度になっております。これは最高大体百万円ぐらいまでということになっておりまして、おのずから中小企業のうちでも比較的中以上のものについては、中小企業金融公庫の方で融資してもらうようにしておりますし、小の方につきましては、これはどっちかというと零細企業が多いと思うのですが、こういうものにつきましては国民金融公庫というふうに、一応それぞれの金融機関につきまして大、中、小というふうに、その使命を果すようにしておるわけであります。ただ先生がおっしゃいますように、各金融機関において中小企業のうちの大きなものについては幾ら、中のものについては幾ら、小のものについては幾らというようなワクを設けた方がいいのじゃないかという問題につきましては、私の方でももう少し検討してみたいと思っております。
○田中(武)委員 実は私この問題のほかにまだ中小企業問題について相当お聞きしたいところがあるのですが、大臣の時間の関係と同僚八木君が質問があるそうですから、私、あと二、三問ほど簡単に伺いたいと思うのですが、なおまた引き続き詳細に御質問ができる機会を与えていただきたいと思います。
○福田委員長 承知しました。
○田中(武)委員 それでは時間の関係がありますので、簡単に一、二点伺って私の質問を終りたいと思います。大蔵省からお見えになっていると思いますのでお伺いいたします。 今、小中企業の中にも大なり小なりがある。こういうことが話題になっておるのですがその通りでありまして、われわれ見ましても、たとえば工業においては三名以下とか、商業においては二名ほどしか使っていない、いわゆる中小企業と一言に言われておるが、一方では三百人までを使って、一千万円の資本金という比較的大きいのと、ほんとうに三人か五人あるいは家族だけでやっておる、これも中小企業といわれております。これを見ました場合、比較的中小企業でも大きいところは、やはり企業性が強いと思うのです。ところがこういった零細という言葉で言われておる、また家内工業と言われておるところは、企業性というよりむしろ勤労性が強いと思うのです。ずっと申し上げたいのですが、時間がないので結論だけ聞きたいのですが、そういう企業につきましては、企業というよりはむしろ勤労という見方をとって、勤労所得という考え方で税の方についてもお考えになった方がいいんじゃないか、このように思うわけです。従って勤労所得と同じような控除を考えるとか、措置を考えるとか、こういうようないろいろなことが出てくると思います。税金の問題について大企業と中小企業との関係についてお聞きしたいと思うのですが、先ほど申したように、時間の関係でこの点だけ聞いておきます。
○亀徳説明員 零細な企業につきましては、非常に勤労性が強いから、むしろ勤労所得として扱ったらどうだろうか、こういう御質問だろうと思います。ただ、われわれ所得税の中で事業所得、給与所得、こう分けておるのですが、勤労所得として扱っておりますものは、やはり雇用契約に基いて支払われるものということで扱っておるわけであります。これをもう少し具体的に申しますと、いかにも勤労所得として扱ったら有利になる、こういう前提であるいはお話しになっておるかとも思われるのですが、いわゆる零細企業の方もやはり機械を使われたり、いろいろしておられるので、そういったものにつきましては、やはり減価償却を見てもらうという必要が出てくるわけです。これをもしも受け取る所得を全部給与所得と見ますならば、給与所得控除、通常勤労控除と言っておりますが、勤労控除しか引けません。従って現在の法律の建前では二〇%しか引けないことになります。従いましてこれらの所得をすべて給与所得として見ること自体が、必ずしも非常に有利になるわけでもございませんし、現在の所得税法の建前から申しましても、なかなかそういうふうに処理することは困難ではないか、こう考えております。
○田中(武)委員 今の法律では、いわゆる勤労所得は、雇用契約に基いての、いわゆる賃金として支払われるものである、これはわかっておるのですよ。私が申し上げておるのは、こういう企業に対しては勤労者と同じように扱ったらどうかといいますのは、もう一つ営業税ですか、こういうものを免除しろというようにいろいろあるのですが、これは時間がないからまたの機会にいたしたいと思います。これまた次の機会に質問の時間を与えていただきますよう委員長にお願いしておきます。 最後に大臣に一言だけお伺いして忍の質問を終りたいと思います。大臣は先日の予算委員会において、同僚の春日一幸議員が中小企業組織法についてお尋ねいたしましたときに、これは政府案として中小企業振興審議会の答申に基いて出すのだといったような答弁であったと聞いております。ところがこれがどういうわけか知りませんが、今日まだもそもそしておるということも聞いております。また中政連案と言われておる、中小企業政治連盟案が鮎川氏等の政治的な一つの動きの現われかとも思いますが、政府案、すなわち中小企業振興審議会の答申案とミックスせられて、それが政府案としてでなく、議員立法として出されるとか出されないとかいうようなことが言われておりますが、名前も中小企業等組織法と変ってくるようにも伝えられておるのですが、こういうようないきさつについて、先日大臣が予算委員会でお答えになったことは間違いがありませんか、その後どのように考えておられるか、お伺いいたしたいと思います。
○水田国務大臣 私の考えは当初から、これは政府提案にすべきだということで法案の準備をして参りました。ところがその後党の中で、どうしてもこれは議員立法でやりたいという意向が非常に強くなってきておりますが、いずれにしろ内容の検討をやってから最後にその問題をきめる、私どもとしては政府提案の方向で準備をするという話し合いで、今、党においてこの法案の内容審査を特別委員会まで設けてやっておりますので、この審査を待って最後の決定をしたいと考えております。
○田中(武)委員 なるほどきょうも与党の中小企業特別委員会ですか、何かがあるというので、この通り与党議員は一人もおらないような状況ですが、いろいろ党の方で御検討になることは党の自主性においてやられることでけっこうだと思います。政府としては中小企業振興審議会ですか、その答申に基いて原案を作っておられるということですが、そういう方向で今も進んでおられるのですね。
○水田国務大臣 ただいまはそういう方向で進んでおります。
○福田委員長 八木昇君。
○八木(昇)委員 時間がおそくなり季してお気の毒だと思いますので、私はできるだけ簡潔にお伺いをいたしますので、御答弁をいただきます側も一つ端的に簡潔にお答えをいただきたいと思います。通産大臣が所用だそうでございますので、企画庁長官並びに公取委員長に関係のございます分についてお伺いをいたしたいと思います。 第一に原子力発電の問題についてお伺いしたいのですが、われわれ通産委員会の方におきましても、この問題につきましては非常に関連が深く、従って大きな関心を持っておるわけです。宇田国務大臣のいわゆる宇田構想というのが発表されまして、五カ年後に三百万キロワットの原子力発電をやりたい、こういうことが伝えられたようであります。ところがその後この問題は一応白紙に戻ったようなことらしゅうございますが、私どもの受けております印象としましては、非常に無責任な放言ではないか、実はこういう感じを持っております。しかしとにもかくにもそういったことをお考えになられた以上は、実際に何らかそれが実施でき得るような具体的な根拠と申しますか、こういうものをお持ちになっておるに相違ないと思いますので、その点簡潔に御説明願えれば、こう思うのです。
○宇田国務大臣 問題が二つございます。経済計画の中の日本のエネルギー資源をどういうふうにするかという問題が一つあります。それはただいまの手元にある昭和三十五年末に発電、送電を必要とするものが八百四十万キロあります。その中に火力によってまかなおうという計画のものが四百八十万キロあります。水力によるべきものが三百六十万キロあります。従ってその八百四十万キロの送電を計画いたしますときに、石炭に換算して一千七百五十万トンの輸入を必要とするということが付随して起ります。それはそれに必要な船腹あるいは山岸壁その他の輸送の隘路について、さらに隘路が加わってくる条件のものとわれわれは考えております。従ってそのエネルギーのとりあえずの昭和三十五年末の送電すべき計画のみを考えてみましても、われわれはこれは国民経済にとって非常な負担が多いものと考えます。従ってそれを原子力発電により置きかえたならば、われわれのエネルギー源に対するところの自給対策及びそれが国民経済に及ぼす影響は非常に負担を軽くし得るものと思って期待すべきもの、こういうふうに考えております。それは長期計画を立てる場合のわれわれの希望であります。その中でもし三百万キロくらいのものが置きかえることができたらわれわれは非常に幸いである、こういう希望を長期のエネルギー計画の中で持っております。 一方原子力発電についての問題であります。それば原子力委員会で検討いたしております。原子力委員会のただいまの報告の段階は、石川委員の英米訪問による報告が唯一のわが国のたよりになる権威ある報告でありまして、それは一月の十七日付でもって原子力委員会へ提出されております。それによりますとコールダー・ホール・タイプというのは十万キロないし十五万キロのスケールのものであって、それは採算ベースに多分合うと思われる。ただし地震に対する対策その他二、三の技術的な疑問点がある、そういうことをあわせて解決する方法を見出すために、第二回目の調査団を派遣すべきである、調査団を派遣した場合に、それで残っている二、三の問題点が解決するならば、われわれはコールダーホール・タイプを購入すべきものと考える、こういう報告を受けております。その次にウエスチングハウス社のニコルズというのが二月初めか一月終りに来られまして、そのときの報告によりますと、ヤンキー・タイプというのは発電コストが三円五銭か三円六銭で提供し得ると思う。それに対する青写真も昨年末にできて、十三万四千キロの発電機の青写真を作っている。それに対する金融その他は先般新聞に発表したようなものであります。これに対してはイギリスのコールダーホール・タイプを考える場合に、当然われわれはあわせて研究すべきものであるというのが、原子力委員会のただいままでに決定した意見であります。従ってコールダーホール・タイプあるいはヤンキー・タイプにつきましては、これを購入すべきかどうかにつきましては第二回目の調査団を派遣することによって最後の決定を得たい、こう考えております。
○八木(昇)委員 そこで大体の概要はわかったのでございますが、そういうことになりますとどうも電源開発が水力やあるいは火力、これだけでは急速の間に合わぬようになるから原子力発電を至急にやらなければいかぬ、それがためには結局今おっしゃるような英国のコールダー・ホール型あるいはアメリカの改良加圧水型、こういうものを輸入して一挙に至急にやろうじゃないか、こういう考え方に相当傾いてきておられるような印象を受けるわけであります。そうなって参りますと、いろいろな問題が発生してくると思うのです。私があえて申し上げなくてもすでにいろいろ論ぜられているところによって、大臣自身が十分お考えになっているところでしょうけれども、特にイギリスの方もアメリカの方も、この際日本へ売り込もうというわけで、相当長期低利の金を貸して、そして日本の民間会社あたりにでもこれを売り込もうというので、最近非常にとみに活発に工作に出てきている、こういうようなことらしい。そうなってくると日本のほんとうの自主的な立場における原子力産業の発展というふうなものに及ぼす影響が相当重大になってきばしないか、こういう問題、それからまた、私も専門的なことはよくわかりませんが、イギリスの場合は天然ウランをもととしてやる、アメリカの方は濃縮ウランだ、こういうことになると、そこにやはり一つの問題が出てくる。しかも濃縮ウランを用いるということになれば、現在原子力研究所が考えている研究開発計画、あるいはまた原子エネルギーの開発公社といいますか、ウラン鉱の開発公社、こういうものの考えている計画というものとの間に大きな問題を起してくる、こういうふうなことになって参りますので一そういうふうなところについてどうも、将来非常に重大な問題をはらんでいる原子力問題について、少しくはやり過ぎて、悪く言えば軽挙盲動のきらいはないかということを感じておるのですが、その辺についての御見解を明らかにしていただきたい。
○宇田国務大臣 お説の通りに、原子力発電、あるいはこれに必要な燃料の獲得ということについては、私は非常に重要な国際的な問題を含んでおる、こう思います。ただわれわれが、原子力発電、あるいはそれに付随する燃料ということとあわせて、ただいまお話があったように、たとえば外国から原子力発電の炉を買う、こういうことはあちこちから売り込みがあって、必ずしもまじめな態度ではないのではないか。むしろ向うから売り込み競争がかかってきた場合に、それにひっかかっておるようなきらいがあるのじゃないかという批評もあります。ところがよくお考え願いたいことは、私は日本の原子力発電に関しては、最近、この二、三日来の新聞でも、新しいアメリカからの購入機械に対する政府の許可、認可が発表されておりますが、ほとんどウエスチングハウスを中心に火力発電の設備を買っております。しかも相当莫大なもので、大部分が十年前後の年賦償還、金利は五%ということになっております。従って発電計画をする場合に、重油または石炭による火力発電の場合には、外国の機械を買ってもさしつかえないという常識があるなら、原子力の発電機械の動力炉を買っても、これは同じような対象として見るべきものである、私はこういう前提に立っております。従って、原子力発電の場合には国産でなければ適当でないが、火力発電の場合には重油の機械をアメリカから買う、しかも資金を長期にわたって彼らから仰ぐということは妥当であるとすると、そこにどういうわけで違えなければならぬかということは、よくわからない点があります。ただ動力炉を日本に入れる場合に、われわれは無条件に入れてはいけない、むしろ日本のメーカーと技術提携をして、日本の国内にできる部分がたくさんありますから、ほとんどわかっておる範囲内のものは全部日本で作って、日本で組み立てることによって、技術的推進力を早めるべきである、そういう行政指導はとるべきである、こういうように考えております。 それから燃料対策の面では、ただいまも御指摘があったように、濃縮ウランまたは天然ウランを必要といたします。しかし日本が十分に手持ちがないために外国から買わなければならないということも、運命的にわれわれは考えなければならぬと思っております。ただ原子力発電を考える場合に、石炭ないし石油は当然輸入せざるを得ないところにきております。それで三十五年中に必要と思われるものを自分の手元では千七百五十万トンと石炭換算をしております。そういうふうな数字を考えますと、石炭なり石油、重油を輸入すべき相手国の国情、政情等を勘案いたしますと、われわれは、もう一つの火力発電に匹敵する原子力発電の天然ウランあるいは濃縮ウラン等を、確実に入手することの国際的な交渉はいたさなくちゃならない、こう考えております。なお濃縮ウラン一〇〇%のものをもっていくと、一トンに対して石炭換算にすれば、百三十万倍というエネルギーの力の比率がありますから、そういたしますと、われわれの輸入に対する船腹の対策その他、ただいま石炭にしても、重油にしても、フレートに大部分のCIF価格はかかっておるはずでありますから、それを補う意味では、日本の国際環境から見ると、将来やはり濃縮ウランというものは無条件に排斥できないのじゃないか、こういうふうに燃料施策からいうと考えております。ただ石炭も重油も濃縮ウランも、わが国は外国にこれを仰がなければならぬ運命的なものがあるので、石炭と重油以外に新しいエネルギーをもって発電し得るという条件は、われわれは今から対策を立てておきたい、こういうわけであります。
○八木(昇)委員 そこでさらにお伺いいたしたい点は、まあ、ある意味ではこういった議論というものは少し先走り過ぎておるのかもしれませんけれども、しかし事実上の実績というか、民間の電力会社と英米との間にある事態が相当進んでからは、これはどうしてもその現実に政府といえども引きずられがちになると思いますので、やはりこういった問題については、少くとも原子力担当の大臣としては、大臣の御見解を相当早期に明確にしておいてほしいという考えがありますのでお伺いするのでありますが、原子力委員会あたりの考えておられることは、日本の場合にはやはり大体天然ウランの動力炉が適当である、それを基としてまず実験原子炉を日本に一応敷設して、そうしてその研究の過程を通してこの結論を生み出していきたいという考え方が大体原則的な考え方のように思われるわけでありますが、大臣御自身としてはどういうお考えを持っておられるか、この点を重ねてお伺いいたします。
○宇田国務大臣 日本の国情としては、当然ただいまあなたの仰せられたような、天然ウランを中心として国産動力炉を作る方面に進むのが適当である、これは根本方針もその通りであります。
○八木(昇)委員 それならばさらにお伺いをいたしますが、この設備やその他を敷設するについては、相当莫大な経費を要する原子力発電でございますから、これはごく常識的に考えて、日本の電力会社というものは、九つに分断をされた個々の国際的な規模から見れば実にちっぽけな会社なんですが、原子力発電がごく当りまえのものになるというずっと先の将来は別として、こういう九分割された形の中においての民間電力会社が、果してこういった原子力発電というものは即座にやり得るか。もしそれをやろうとすれば、どうしても対米英、いずれになるかしれませんが、依存度というものが過度になりはしないか。単なる新鋭火力の機械をウエスチングハウスから買っているという程度のものとは、本質的に相当の差異があろうと思うのです。そういうふうな点について、現在の電気事業の九分割の現状と照らし合せてどういうお考えであり、その点せすでにまとまった御見解があるとすれば、お漏らし願える範囲で御説明願いたい。
○宇田国務大臣 新しい原子力発電の管理方式をどういうようにするのが適当であるということは、実際はただいまのところは結論は持っておりません。従って新しい管理方式については、危険予防というようなこと、放射線の障害予防ということが非常に大きな条件を持っておりますから、これは発電というのみの問題を対象として管理を考えるのは必ずしも適当ではない条件がある、こういうように考えております。
○八木(昇)委員 そこでこれは電源開発の五カ年計画とも関連をするのですが、電力需用というものが急角度に上昇をして参ります今日においては、民間の乏しい資本力をもってしては、電源開発をとてもまかない得ない、やっていけないという事態がますます深刻になってきた。従って今回の石橋内閣の重要施策の一つとして、電源開発に対する国家資金の投融資について思い切った措置をされたわけで、そのこと自体は、ある意味では当然のこととしてわれわれも納得いたしまするが、しかしこれがさらに原子力発電へとなっていく事態を考えていきますると、やはり何といいましても電力会社は私企業であります。株式会社であります。従いまして出資者は——最近はまた株の相場も相当安定して悪くないし、配当金も多い。しかも電力会社あたりはいろいろな形で子会社を、まあいわゆるトンネル会社というものを陸続として作っておる。こういった形で、電力会社は会社自体としては相当もうけておる。こういうところへ持ってきて貴重な国家資金というものを、そういう利企業に今後はどんどん莫大な金を投資していくということになるわけなのですが、そういうふうな事態について矛盾を感じないか、大きな国民的立場において反省の余地はないかということについてお伺いいたします。
○宇田国務大臣 発電企業あるいは送電企業等を通じて、ただいま御指摘になったような現象は、確かに起りつつあります。しかしそれが将来原子力発電を考える場合に、そういうふうな機構と原子力発電とをどういうふうに組み合すかということは、これは具体的にはまだわれわれのところで十分な成案を持っておりません。ただ原子力に関する管理の責任のあるわれわれの立場といたしましては、放射能それは自身の国民生活への利用方式、あるいはそれによって起るところの危害予防、障害防止、そういうふうなものの責任をいかにしてうまく果していくかということに対して、とりあえず一連の法案を皆さんに御審議いただきたいと考えております。
○八木(昇)委員 それでは重ねてお伺いいたします。まあただいまの御答弁を一応承わっておきたいと思いますが、きょうの毎日か何かの新聞に載っておったのですが、電力会社方面が、今後の原子力発電に備えなければいかぬというので、現在の電気料金収入の中から何%かを積み立てて、将来の原子力発電に当っての自己資金のための備えをあらかじめしておきたい、こういうことを政府方面に働きかけをするというような意味の記事が載っておるのです。私の見解といたしましては、現在の電気料金収入の中からそういうことを考えるということは、どうも筋が通っておらぬというふうに思うわけなのです。どうも民間電力会社というものは、石橋内閣の電源開発促進政策というようなものと軌を一にしまして、世評言うところでは、今度の石橋内閣の出現については、電力界の最長老の方もあと押しを相当しておられたなどということが言われておればおるほど、どうもこういった動きについては疑惑がからんで参りますので、そういった電力会社方面の動きについての御見解を承わりたいと思います。
○岩武政府委員 けさの毎日新聞に出ておった記事でございますが、これはどうも私的な意見のようでございまして、私実はここへ参ります前に、各社の社長連中が集まっております席に行って、原子力発電についての意見要旨というものをもらってきましたが、その中には出ておりませんでした。これはある人が研究した案だろうと思います。御承知のようにそういうふうな特別の積立金を持つのは、私個人としましても実はどうかと思っております。 それから、何か原子力発電でずいぶん金がかかるようなお話を承わりましたが、これはいろいろな形式もあるようでございますから、一がいに申せませんが、イギリスのコールダーホール等のごときは、大体日本の自流式の水力発電程度の建設費だと思っております。キロワット・アワー当り大体二十円台の建設費で、只見川あたりのキロワット・アワー当り四十円とかいうふうな建設費とは、だいぶ安いようであります。そのために、普通の火力発電とは違った特別の措置を講じなければならないとは、実は私個人として考えておりませんが、いずれにいたしましても、今後の燃料事情からいいますと、ああいう形式の火力発電を持つことは必要でございます。要するに火力発電の燃料転換、こういうことだと思います。これはやはり電源開発計画を進めていきます上にとっては、長期の見通しのもとに、そういうものもある程度含めることも必要だと思っておりますが、まだ具体的に、どういう形でやるか、どういう形式のものがいいかというようなことは、もう少し検討の段階が要るだろうと思っております。
○八木(昇)委員 どうももただいまの公益事業局長のお話は、私が、私どもの党の専門家の方やその他からお伺いしているのとは、はなはだほど遠いお話でして、それはもうごく簡単なお話のようで、重油を輸入するよりは、むしろウランを輸入して原子力発電をした方が、今すぐでも安上りだと言わぬばかりのお答えのように聞えましたが、そうではないらしいのです。(岩武政府委員「そういう意味じゃありません。」と呼ぶ)朝日新聞の切抜きを私はここに持っておりますが、これにもそう書いてある。「コールダーホール原子力発電所を昨年秋から運転しはじめた英国でも、発電専用の改良型ができるのは四年も先であり、アメリカの加圧水型となると、最初の実用規模の発電所(シッピングポート発電所)さえ今年半ばごろでなければでき上らず、しかもその発電原価は五十二ミル(十八円七十二銭)というバカ高いものだ。この五十二ミルが、改良加圧水型ではどうして一挙に八・五ミルに切下げられるのか、という根拠もまだ明らかになっていない。」こう書いてあります。その三円何十銭というようなものは、まことにもって売り込みのためのぺてんだというのが、大体専門家の一致した意見でありますから、そんなことは、どうも権威ある国会でのお答えとしては、私は受け取りにくいと思います。それはそれといたしまして、こういった原子力問題がいよいよ現実の日程に上ってきたということは事実でございますので、通産当局並びに企画庁におかれましても、そういった情勢にあおられることなく、日本の原子力の将来という根本的な観点に立って、じっくりと腰を構えてやっていただきたい。しかも民間方面のそういう先走った動きに対しては、政府の見解というものを断固として明らかにして進んでいただきたいということを、一応要望しておきます。 それから五カ年計画について若干お伺いいたしたいと思いますが、今度出されましたところの五カ年計画が、つい一年にもならない前に出された電力六カ年計画に比べて、あまりにも開きが大きいということについて、一体経済企画庁というものは、どの程度の権威を持って計画をしているのかということを、いささか疑わざるを得ない。それで、今からわずか十カ月ばかり前には、今後は五カ年間に四百九十五万キロワットの電源開発をやるといっておきながら、それからわずか十カ月ばかりたったら、八百四十万キロワットにしなければならぬ、しかも昭和三十二年度は全力を尽してやるとしても、なお三十万キロワットくらいは足らぬらしい、大体こういうようなことが言われておるようなわけで、はなはだ私は遺憾に思うのでございます。そんなに一年先のことが見通せないようなことでは、そういう権威のないことで電源開発会社や電力会社と折衝をして、これでいけなどということがお役所はよく言えるものだ、こう思うのです。そういった点について一体こういうことになることについての責任はだれにあるのか。通産大臣か、それとも企画庁長官か。またそういった責任をとることについてどういうお考えを持っておられるかということをちょっと明らかにしていただきたいと思うのです。どうもあまりにもひどい。
○大來政府委員 最初に、計画がだいぶ大幅に改訂になりました技術的な点について私の方からお答え申し上げます。これは実は電源の計画のみならず、経済計画自体につきましてもかなりの狂いがあったのでございますが、実は前の六年計画は現在の経済自立五年計画に合せて電気の方の需用を算定してございますので、経済計画が当時できましたのが、二十九年の不況のあとを受けまして、まだ三十年度の途中でございまして、あの当時、経済規模の拡大も二十九年度は前年に対して三・二%、それを経済計画では五%を見込みまして、当時新聞、雑誌等で、政府は完全雇用という看板のために無理に経済の成長率を大きく見込んでおるといわれ、それからいろいろ審議会で委員の方々にもお諮りしたわけでございますが、五%の拡大率は大き過ぎるという意見が圧倒的でございました。その後一年余り前から非常な上りカーブになって参ったわけでありまして、ちょうどそういう経済の実態が急激な上昇に向う前に、前の五年計画も、それに基きました電源の六年計画も組まれたということになっておるのでございます。こういう点で非常に見通しを誤まっておる点はあるのでございますが、当時の一般的考えとしましては、二十九年度がやや不況である、経済規模も三%しかふえない、電気も六%程度しか前年に比べてふえてない。こういう事情は戦後の復興過程が一応終った段階で、それに諸外国の経済の拡大率、エネルギー需要の増加率あるいは戦前の日本の長期的な経済の拡大率ないしエネルギー需要の増加率から見て、今後は終戦後の二十八年ごろまでの発展率よりは幾分弱くたるだろうという見通しが一般的であったように存じます。そのために計画自体も、そういう当時の環境から作られました関係で、この一年半ばかりの伸びは世界的に見ましてもある意味では異常なくらいな、経済規模が年に一割も拡大いたしまして、電力の需用が一七、八%一年に伸びるということは過去の日本の歴史から見ましても、諸外国の例から見ましても非常に異常なと思われるほどの拡大率になっております。この点の見通しを立て得なかったということにつきまして、計画当局としてはもちろん責任があるわけでございますが、戦後の経済の動きというもの、これは一つには世界的にもこの一年間の拡大が大きくなっておるという事情等もありまして、戦前と何かしら世界の経済の質が変ってきておる面があるようにただいまからは見受けられるのでありますが、なかなかそういう要素が十分見通しがつかなかったという点があるかと存じます。もちろん当時、景気の変動の谷底から見て低い見通しをやったということが幾分実情とそぐわなかった点があると思うのでありますが、またある意味では、現在の非常に高い山の上から前を見て、今のままの勢いが将来ずっと何年も続くという見方も、あるいは逆の誤まりを犯すおそれもあるかもしれないと思うのであります。私どもなるべく諸外国の例なり日本の過去の実績なり、そのほか戦後と戦前の経済的に違った点などをいろいろ検討いたしまして、今後少しでもあまり実情と狂わない予測をいたしたい。何分にもこういう経済の長期的な予測あるいは一年間の前向きの予測というのは、戦後始まりました一つの新しい事実でございまして、私どもとしてもまだ研究不足、経験不足というような点もございますので、今後もいろいろ理論的な面、統計的な面を改善しまして、一歩々々もっと現実的な実際的なものを立て得るように持っていきたいと心がけておる次第でございます。
○八木(昇)委員 そこでさらにお伺いをしたいのでございますが、各委員から、現在の政府の考えておられる経済企画とは一体どういう性格のものか、たとえば電力五カ年計画というものは一体どういう性格を持つものかということについての論議は相当ありましたので、あまり質問を繰り返したくないと思うのでございますが、ただ一点だけお聞きしたいと思いますのは、この五カ年計画というものは、自然に放置したままにおいた場合に、電力需用がこのくらい伸びてくるだろう、それに対応する発電所の建設をやっていこう、こういう意味のものであるのかどうなのかという点、これは企画庁長官にお伺いしたいと思うのです。と申しますのは、一例を九州電力あたりにとりますと、去年の夏ごろ私どもちょっと郷里に帰って聞きましたところが、電力会社は社員を動員して電力の需要開拓運動をやっておるわけです。そうして各種電気器具を従業員に半強制的に割り当てまして、電力会社の従業員が電気器具売りに追い回されておる。当時電力がどういった状態にあったのか知りませんが、ともかく電気を使って下さいという勧誘、需用開拓の仕事をやっていたわけなんです。ところがそれからものの何カ月もたたないうもに、東北やその他においては電力の消費規正をやっておる。こういう状況で、まことにどうもてんやわんやで、しかも全国的に見ると、地方別によってまことにアンバランスが著しい。こういう状態が実はごく最近まで見られておる現象でございます。そこで、ここで電源開発の何カ年計画と銘打つ計画をやる以上は、そういう電力需用の野放しの伸びにただ応じて発電所を作る計画だ、こういうことであっていいのかどうかという問題がありますので、その辺の御見解を承わりたい。しかもそれは電力のみその計画をやろうとしても、それはなかなかできかねるのじゃないか。これは石炭との関係も出てきましょうし、ほかの重要産業との関係も出てくる。こういうことを考えていきます場合に、政府の、経済企画庁の考えておるいわゆる経済計画なるものは、どうも無性格にわれわれには見えてならないので、そういう点をお伺いいたしたいということでございます。これは大臣にお答えをいただきたいと思います。 それともう一つは、これはある意味では小さな問題かもわかりませんが、電力会社自体が電気器具の直接販売を、メーカーから直接品物をとってきて、しかも一般市場の価格よりは相当低廉に電力会社の従業員に売らせ、しかもそれが故障ができたときやその他のサービスは電力会社の従業員がやる。こういうようなことをやるということは、公正取引といいますか、少しく大仰に言うようでありますが、そういうものとの関係において批判はないですか。これは公取委員長と、できれば公益事業局長にお伺いいたしたいと思います。
○宇田国務大臣 経済企画庁は分配国民所得を七ないし八%の伸びの率を前提として考えたいと思っております。それは毎年そういう伸びを期待をいたしまして、それは国民の経済に大きな負担にはならないだけの力が国民にはある、こういう判断に立ちまして、昨年までの五%改訂をしたい、こういう前提を持っております。そしてそれによりますと、労働力人口は十年ないし十二年たてば大体所要の就業機会を与え得るもの、こういう判断であります。その計算のもとにエネルギーは幾ら必要であるかということを出してあります。そういう目的に沿うように通産省その他と話をしまして、民間の発電計画という線を調節するということをいたしております。それが根本の方針でございます。
○横田政府委員 電気事業あるいはガス事業というようないわば独占的な事業を背景にいたしまして、その事業を営みます者がその他の今お示しのような関連の仕事に手を出すということは、結局その独占の力をそういうような他の事業に及ぼすというおそれが多分にございます。これは具体的に公正取引委員会で調査をいたしました場合もございました。これが直ちに独占禁止法につながるとは申しかねます。しかしあまりおもしろいことではないのでございます。これは結局電気事業法なりあるいはガス事業法、そういうものの中において若干の規制をするというようなことが好ましいのではないかというふうに考えております。独禁法の問題としましても、もっとわれわれといたしまして十分に研究してみたいと思っております。
○岩武政府委員 電気器具の販売は、電気事業者の兼業と認められる範囲のものもあるかと思っておりますが、私の方では兼業認可をものによっていたしておるものがあります。従来からその点は中小商業者との関係でいろいろ問題になった地域もございます。九州の話は実は初めてでございますが、行き過ぎのような点があれば、私の方から適当な勧告をしたいと思っております。
○八木(昇)委員 それではほかにまだたくさん質問を予定しておりましたが、時間がおそくなりましたのでこれで終りたいと思いますが、いずれにいたしましても、水力の開発と火力の開発との関係の問題などにつきましても、松永構想などということで、これは非常に重大な新しい見解だなどと言われて騒がれましたのはついこの間のことでしたが、実際は火力建設というものがむしろ水力より先に進んでいるという状態になっております。いろいろ考えてみますると、今日までの企画庁の各種の計画というものはどうもずさんのきらいなしとしない、こういうふうに思うわけであります。また電力用石炭の問題にいたしましても、一年半ほど前の合理化法案が出されたときには、たしか昭和三十四年度の電力用石炭の消費量はあのときの石炭局の示した資料によると八百何十万トンくらいの数字を示したと思う。ところが今度お出しになっておるこの資料によれば、昭和三十四年は重油が一部ありましょうが、石炭に換算すると千六百六十万トンを要する、二倍になっておる。まことにもって私どもは驚嘆せざるを得ない、こういうふうに考えるわけです。そういう点につきましても、その理由が那辺にあるか。経済企画庁自体が予算も乏しく、人員も不足というような要素もあるかもしれないけれども、しかしそれだけを理由として言いのがれはできぬのじゃないか、こう思うわけなんでして、今後このようなある意味においては政府の権威を失墜するようなことのないように、露骨な言い分ですが、切にお願いいたしまして私の質問を終ります。
○福田委員長 本日はこの程度にとどめます。残余の質疑は次会に行うことにいたします。 次会は二十六日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時六分散会