P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会衆議院1957/02/13

商工委員会 第2号

発言数
18
登壇者
10
会派数
2
開催日
1957/02/13

会議録

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。  この際、通商産業大臣より通商産業政策に関する基本的な構想等について御説明を承わることにいたします。通商産業大臣水田三喜男君。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 昭和三十二年度における通商産業省の施策について御説明いたします。  わが国経済は、昨三十年度以来二カ年にわたり、輸出貿易の増大を基軸として、生産、投資、雇用の各分野にわたりましてめざましい発展拡大を遂げて参りました。今後の経済政策の基調はこのような経済発展の成果を基盤として、さらに健全な経済拡大を積極的に推進し、完全雇用の達成と国民生活水準の向上を期することにありますが、今後の通商産業政策は、このような基調に沿いつつ、総合的かつ重点的に展開すべきであると考えるのであります。  これがための政策の最重点は、まず貿易の振興に置くべきことは言うまでもありません。ここ数年のわが国の貿易はきわめて好調に推移しており、本年度の輸出も二十四億八千万ドルと前年度を約四億ドル上回る見通しでありますが、一方輸入も経済の拡大に伴い、約二十九億ドルと、七億五千万ドル上回り、国際収支全体としては、六千万ドル程度黒字が出る見通しであります。引き続く昭和三十二年度の輸出見通しにおいては、二十八億ドル程度を期待しておりますが、最近の米国を初めとする日本品の輸入制限傾向、西欧諸国の輸出競争力の強化等を考えますとき、海外市場の動向は必ずしも楽観を許さないものがあります。また他面、経済の拡大に応じた輸入の確保は経済安定のため欠くべからざる条件であることを考慮しますれば、国際収支の維持改善の見地からも、輸出振興の責務は今後ますます重きを加えてくるものと考えられるのであります。  およそ輸出振興の要諦は、輸出品の対外競争力の強化と、安定した海外市場の維持拡大をはかり、一時的な海外市況の変動に左右されない強固な輸出力を培養することにありますが、最近の実情を顧みますと、将来輸出貿易の中核をになうべき重化学工業品の対外競争力が弱く、反面、比較的競争力のある軽工業品に対する海外諸国の反発的傾向が依然根強いものがありますので、今後の輸出振興策は、この面に焦点を合わせて実施していく必要があると考えます。  これがための輸出振興方策としましては、基本的には、わが国経済の安定確保と基礎産業、輸出産業の合理化、近代化に待たなければならないことは言うまでもありませんが、より直接的な対策としては、まず第一に、経済外交を強力に推進し、通商航海条約の締結促進、賠償問題、関税問題、輸入制限問題等の適時適切な処理、通商協定の改善等、貿易の基本的条件を整備することに特段の努力を傾注する方針であります。  次にプラント機械類を中心とする安定した輸出市場と原材料の安定した輸入源を確保するため、東南アジア、中南米及び中近東諸国等の諸国に対し、その開発計画を支援しつつ海外投資、技術協力の促進をはかることが最近ますます重要度を加えつつあることにかんがみまして、極力これが促進をはかる方針であります。これがため、まず日本輸出入銀行の運用資金については、プラント輸出の促進とあわせ考慮し、本年度に比べて百四十四億円を増加し、六百九十二億円を確保するとともに、その業務範囲の拡大についても所要の措置を講じたい考えであります。また、現行の海外投資保険制度について、担保危険の範囲拡大、填補率の引き上げ等、制度の改善拡大をはかるとともに、新たに海外投資利益送金保険制度を創設する方針で、輸出保険法の改正を準備しております。さらに従来手薄であった海外投資、技術協力を行うための基礎調査、情報の整備及び海外技術指導者の養成については、来年度は予算措置を充実してその拡充強化をはかりたい考えであります。  次に、輸出振興の常道である海外市場の開拓維持については、今後さらに努力を重ねる必要が痛感されますので、来年度予算案においては、日本商品の海外紹介宣伝強化に一億三千八百万円、海外見本市への積極的参加のために二億八百万円、貿易あっせん所の充実に一億八千五百万円、重機械技術相談事業の育成に一億八千万円、中小企業輸出振興の助成に六千五百万円をそれぞれ予定し、貿易振興予算総額としては、本年度に比し約一億二千万円を増加し、十二億円を計上し、万全を期している次第であります。言うまでもなく、以上の海外市場の開拓に当っては、わが国商社間の無用の競争と、往々にして見られる粗悪品輸出は、厳に戒むべきものと考えますので、輸出秩序の確立と輸出品の品質向上のための諸般の措置を講ずる方針であります。特に粗悪品の輸出に関しては、従来の自家検査制度を廃止し、検査は原則として国または指定機関の強制検査によることとするとともに、その最低基準の引き上げを行いまして、その粗悪品の根絶を期する考えで、目下輸出品取締法の改正を準備中であります。  次に対共産圏貿易につきましては、政府としては国際的協調のもとに極力その増大をはかる方針であります。特に中共貿易については、輸出入組合を中心とする取引態勢の整備、取引品目の増加等により、最近ようやくその活発化を見ており、本年度においては、昨年度の二倍、約六千五百万ドル程度の輸出が見込まれますが、今後その伸張にさらに一そうの努力を払う方針であります。  また日ソ貿易については、先般の国交回復を機として、通商協定の締結等により、従来の取引上の不便を除去しつつ、極力その発展拡大をはかりたい考えであります。  以上の措置に伴い、貿易振興の最も重要な基盤たるべき国内経済の安定、物価の安定を確保するため、貿易面においても、幸いに豊富な手持ち外資を活用して、必要な原材料、食糧等は十分輸入する従来の方針を堅持する方針であります。  次に、わが国経済の自立達成のためには、以上申し述べた輸出の振興と同時に、産業基盤をさらに強化拡充する必要があります。最近の産業活動は、輸出の好調、投資活動の活発化に促されて、きわめて活発に進展し、本年度の鉱工業生産は、前年度に比し二割以上の増加を示すものと推定されますが、一方、電力、鉄鋼、輸送等の基礎産業部門に供給力の不足が生じ、経済拡大の隘路になりつつあり、さらに他面、わが国産業の対外競争力が欧米諸国に比していまだかなりの遜色があることを考慮すれば、産業の合理化、近代化をさらに徹底的に実施し、産業基盤の強化をばかる必要があると考えるのであります。これがため、まず第一に、当面問題となっている電力、鉄鋼等の基礎産業部門に対し、総合的な対策を実施して、今後の経済の順調な発展を期する方針であります。すなわち、電力については、最近の電力需用の増加傾向に対処して、先般改訂を見ました長期電源開発計画の目標である昭和三十一年以降五カ年間八百四十万キロワットの開発を達成するため、昭和三十二年度においては、約二百万キロワットの開発に着手することとし、これに必要な財政資金を重点的に確保する方針であります。これがため、昭和三十二年度財政投融資計画におきましては、電源開発会社関係としては百億円の出資を含め四百四十六億円、九電力会社関係としては開発銀行融資二百五十億円、合計約七百億円を予定しておりますが、これは本年度に比べ二百七十四億円の増加に相当するものであります。特に電源開発会社に対する出資の増加は、開発資金コストの高騰を抑制し、電気料金の安定に寄与するところ大なるものがあると考えます。  次に鉄鋼につきましては、昨年需給逼迫により市中価格の急騰を見ましたが、幸い鋼材の緊急輸入、生産の増大、輸出の自主的抑制、鋼材あっせん機能の強化、鉄くず確保対策の推進等の一連の緊急対策が効を奏し、一応需給の緩和に向いつつあります。しかしながら、来年度におきましては、経済の上昇拡大に伴い、鉄鋼需要はさらに増大するものと予想されますので、さらにその生産の増加をはかり、あわせてこれに必要な鉄くずの確保を期するとともに、来年度においても本年度同様相当量の輸入を行う方針であります。またさらに長期的な対策としては、高炉及び転炉を中心とする製銑設備の拡充、東南アジア、インド、中南米等の海外投資による鉄鉱石の確保、鉄鉱石専用船の建造等の方策を強力に実施する方針であります。なお、わが国の鉄鋼価格の変動が諸外国に比べかなり大幅であり、これが関連産業のみならず、経済一般に与える影響が極めて大なる点にかんがみまして、鉄鋼の需給及び価格の長期安定を主眼とした鉄鋼需給安定法案を本国会に提出する予定で目下準備中であります。  次に産業の合理化方策としましては、従来実施してきた設備の近代化をさらに一そう促進するため、特別償却制度の充実合理化、設備耐用年数の短縮等、税制面の改善を行い、他方開発銀行の資金運用等にさらに一段の工夫を加えるほか、生産分野の確立、生産技術水準の向上等各産業の合理化を目的とする業種別対策について特に重点をおく方針であります。これがため、すでに所要の立法措置を講じました石炭、機械、繊維の各産業については、法律の施行を通じて所期の成果を収めるよう全力を尽しますとともに、他の垂要産業についても、要すればそれぞれの業態に応じた立法措置を講じたいと考え、目下慎重に検討中であります。さらにわが国産業の体質改善に画期的意義を果しつつある生産性向上運動につきましては、わが国産業の生産性が欧米諸国に比して比較的低位にある現状にかんがみ、労使協調のもとにこれが一そうの推進をはかる所存であります。これがため、海外との技術交流事業、国内の啓蒙宣伝、近代的な生産経営技術の普及指導等、日本生産性本部を中心とする諸活動をさらに強力に展開する方針でありまして、これがため来年度予算案においては、日本生産性本部に対する助成を大幅に増額し、その活動の活発化を期している次第であります。さらにまた、従来とかくその重要性が閑却されてきたため、最近産業の合理化と経済規模の拡大の大きな障害となっております産業立地条件につきましては、これが整備近代化を強力かつ計画的に推進する必要が痛感されますので、来年度予算案におきましては、道路、港湾等産業関連施設の飛躍的増強をはかるため、公共事業費の重点的投下を行う方針のもとに、関係事業予算を大幅に増額計上しておる次第であります。また本年度から敷設の助成に着手した工業用水道につきましては、本年度の継続工事を進めるほか、新たに北九州等の地区に事業を拡張することとし、その助成のため、本年度に比し一億二千万円を増額し三億円を計上することとしているのであります。  次に、わが国資源の有効利用をはかり、輸入の節減と雇用の増大に資するため、国内の各種未開発資源の総合的開発を推進する必要がありますが、特に石炭、石油、天然ガス等のエネルギー資源については、経済の拡大傾向に伴い、これらの供給確保の問題が生じつつある情勢にかんがみまして、長期的視野のもとにその総合的開発を推進する方針であります。これがため来年度予算案におきましては、石油資源会社に対する政府出資を増額するとともに、未利用資源の探査に対する補助を一そう強化することとしているのであります。また国内資源の活用策にも関連して、石油化学、合成繊維、合成ゴム、電子工業等の新規産業を積極的に育成するとともに、石炭化学、木材化学等将来性のある新技術の企業化を促進し、将来のわが国産業構造の近代化に努力する方針でありますが、これがため、税制の面に格別の考慮を払うほか、開発銀行の機能を極力活用することとし、その融資条件の緩和、出資機能の賦与等について研究を進めている次第であります。  なお、資源開発の問題に関連し、石炭採掘に伴う石炭鉱害の復旧問題について一言しますと、従来農地、農業用施設及び公共施設に限られていた臨時鉱害復旧法の対象を、昨年十月の当委員会の決議の趣旨に沿うよう家屋にも拡大することとして、これに必要な予算措置を講ずるとともに、臨時石炭鉱害復旧法に所要の改正を加えるよう目下準備中であります。  さて、以上に述べた産業の合理化、資源の開発、新規産業の育成等一連の産業基般強化策の基礎的条件として、産業技術の革新と向上が特に重要であることは言うまでもありません。欧米諸国の産業技術の進歩は最近まことにめざましいものがあり、わが国はこれに非常に立ちおくれている感があるので、新技術の研究とその成果の活用普及に関し、総合的な施策を実施して、産業技術水準の向上を期したい所存であります。これがため、国立試験研究機関の充実と産業界の試験研究に対する助成の強化をはかるとともに、技術研究に関する政府と産業界との有機的連係を強化して技術研究の合理的運営をはかる方針であります。  昭和三十二年度予算案においては、このような見地から電子技術、生産加工技術、高度分析技術等の新規重要課題を中心に、当省所管国立試験研究所の研究費を大幅に増額し、特別研究費については、本年度に比べ一億三千万円増の五億四千二百万円、原子力関係研究費については、本年度に比べ二億七千二百万円増の四億八千六百万円を確保したほか、民間の鉱工業試験研究に対する助成として四億円を計上しておりますが、特に新技術として画期的意義を有する電子技術については、国立試験研究所の研究費、民間の電子機器試作助成等、約三億四千万円の予算を計上し、その飛躍的振興を期している次第であります。  なお、最近における科学技術の飛躍的進歩とその利用の普遍化に伴い、特許、実用新案の重要性がますます増大し、特許行政の責務が最近とみに重きを加えてきたことにかんがみ、審査審判能力の増強、事務の能率化等特許行政の運営に鋭意工夫をこらし、その改善をはかる方針であります。  次に中小企業問題でありますが、最近のわが国経済の好況の波は、漸次中小企業にも及びつつあるとはいうものの、多くの中小企業は依然困難を脱却するに至っていない状況にあります。中小企業のわが国経済に占める重要性にかんがみ、この際中小企業の特質に応じた振興策を強力に講ずる必要があるので、昨年末行われた中小企業振興審議会の答申の内容を尊重して諸般の施策を講ずる方針であります。  まず中小企業の組織化の問題については、従来の事業協同組合、信用組合及び企業組合の制度を改善強化するほか、中小企業者が調整事業及び共同経済事業をとむに行い得るような組合の結成を促し、さらにこの組合に対して強力な員外者規制措置、団体交渉機能等を与えることによって、中小企業の組織の強化をはかる方針であり、これがため本国会に中小企業団体法案を提出する予定であります。  次に中小企業の金融問題については、中小企業の旺盛な資金需要を充足するため、来年度は中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対してそれぞれ二百億円の資金を資金運用部から融資し、運用額において本年度に比べ、それぞれ百十億円及び百六十億円の増加をはかる予定であります。また商工組合中央金庫については、来年度は十五億円の政府出資および二十億円の資金運用部による債券引き受けを行う予定でありますが、これにより現在割高な貸出金利の引き下げが相当程度可能となりますので、中小企業金融の改善に資すること大なるものがあると考える次第であります。  さらに、零細企業金融の円滑化に重要な役割を果している中小企業信用保証制度につきましては、その整備改善をはかるため諸般の措置を講ずる考えでありますが、特に最近の地方財政の状況にかんがみ、信用保証協会の機能強化には特段の考慮を払う必要がありますので、来年度予算においては、新たに十億円を中小企業信用特別会計に繰り入れ、これを信用保証協会に融通することによりまして、その保証能力の拡大をばかる方針であります。  次に中小企業の体質改善をはかり、その経済的競争力を強化するため、中小企業の合理化をさらに推進する必要がありますので、共同施設の設置及び設備の更新近代化を引き続き助成するとともに、経営の健全化、技術の向上に関する診断指導事業を一そう改善強化する方針で、来年度予算におきましては、本年度に引き続き設備近代化補助四億円、協同組合共同施設補助一億円、中小企業相談所補助五千二百万円、中小企業診断指導費補助六千七百万円等所要の予算措置を計上しておりますが、さらに特産的輸出品を中心とする中小企業製品の輸出振興をはかることが、輸出振興の見地のみならず、中小企業振興策の上からもきわめて有意義と考えられるので、輸出適格企業の指導を強化してその品質及び技術の向上、デザインの改善等をはかることといたしまして、中小企業輸出振興費として六千五百万円を充てることにしている次第であります。  最後に、中小企業の税制問題について一言いたしますと、中小企業の置かれている困難な立場を考慮し、今回の税制改正におきまして、特に中小企業に対する税負担の軽減については特別の考慮を払うことといたし、現行法人税の軽減税率の適用範囲を拡大するほか、地方税におきましても、個人、法人を通じて事業税の軽減を行う方針でありますが、さらに中小企業の設備近代化を促進するための特別措置を講じたいと考え、その具体策を検討中であります。  以上、今後における通商産業省の施策の概要を述べたのでありますが、本委員会に対しましては、当省より今後種々の法案を提出することになりますので、その際は何とぞよろしく御審議あらんことをお願いする次第であります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次にこれに関連して、昭和三十二年度通商産業省関係予算について説明を求めます。官房長松尾金藏君。

松尾金藏通商産業事務官(大臣官房長)

○松尾(金)政府委員 お手元に三十二年度の予算の重要事項の要約したものがありますが、これについて来年度の予算について比較的新しい項目の御説明をいたします。  まず来年度予算の総預でございますが、一番最後のページに総計があがっております。ここにございますように、本年度、三十一年度におきましては、原子力関係の研究費二億一千三百万円を加えまして、八十二億二千二百万円が本年度の予算でございますが、来年度におきましては、ここにございますように百一億二千七百万円と相なっております。しかしここに原子力関係の、本年度二億一千三百万円を加えたことと相照応して考えますと、これに相当する金額が来年度三億三千七百四十九万七千円、原子力関係研究費として科学技術庁の方から移しかえて使用することに相なっておりますので、これを加えて計算をいたしますと、来年度の予算額は百四億六千四百六十五万二千円と相なるわけでございます。大約して本年度と比較いたしますと、合計におきまして、二十一億程度の予算の増額に相なっておるわけでありま  これらの予算の各項目につきまして、大体四つの大きな項目に分類いたしております。まず第一は貿易振興対策、第二には鉱工業技術対策、第三には中小企業対策、第四といたしまして産業基盤の強化対策、この四つの項目に大きく分類をいたしております。  まず最初に貿易振興対策でございますが、この関係におきましては、御承知のようにジェトロを中心として貿易振興対策の諸般の政策が進められておるのでありますが、たとえばこの最初に掲げられております商品の海外向け紹介宣伝、あるいは国際見本市の参加、また海外市場の調査、貿易あっせん事業の助成等はいずれもジェトロを中心として項目を進めておるのであります。これらの各項目はそれぞれ本年度はすでに実施をしておりますものを来年度引き続き拡充強化をして実施をするものが大部分でありまして、特に新たに御説明を要するものはないのでありますが、来年度といたしましては、第一ページ目のまん中ほどに掲げてございますブラッセル博覧会の参加費といたしまして、一億六千二百万円を計上いたしておりますのは一つの新しい項目でございます。これは三十三年度の春におきまして、ブラッセルで国際博覧会が開催されますので、その参加準備として、来年度一億六千二百万円の仕事を進める予定をいたしておるのであります。なお貿易振興関係で中共貿易の関係が来年度も引き続き問題になると思うのでありますが、これは予算項目としましては、一ページ目のまん中ほどに掲げております。国際見本市参加等補助、一億九千六百万円のうち約六千万円が中共見本市の補助費に予定をいたしておるのであります。なお貿易振興対策と相関連いたしまして、輸出検査の拡充強化を年来度特に強くうたっておるのでありますが、この関係では必要な法律改正を伴いましてこれを実施して参る予定でありますが、この関係は三ページ目の上の方に輸出品検査改善強化費といたしまして来年度六千四百万円を計上いたしております。本年度に比べまして千七百万円の増加を計上しておるわけであります。  以上が大体貿易振興対策の目新しい項目であるのでありますが、これらを加えまして、本年度十億七千九百万に対しまして、来年度十二億円と相なっておりまして、その差一億二千万円の増額に相なっておるわけであります。  次に第二の項目といたしまして、三ページのまん中ほどに掲げております鉱工業技術対策であります。この関係は国の試験研究所における試験研究の強化と民間の試験研究に対する助成が中心になっておるのでありますが、まず民間の試験研究助成の項目は、ここにございます鉱工業技術試験研究補助といたしまして来年度四億円を計上いたしております。この四億円の中には、来年度におきまして電子工業の技術を向上させるための民間の試作費補助といたしまして一億三千万円をこの中に含んでおるのでありまして、電子工業に関係いたしましては、次に述べます国立試験所の試験研究と相待って来年度の大きな項目といたしておるのであります。次の国立試験所研究費の関係におきましては、この試験所の重点研究費、特別事業費合せまして五億四千二百万円を計上いたしておるのでありますが、これは本年度に比べまして一億三千四百万円の増加に相なっております。この中でも電子技術の向上、生産加工技術の向上、また分析技術向上等の項目を含んでおるわけであります。これらの大きな項目を入れまして、鉱工業技術対策といたしましては、本年度の十一億二千百万円に対しまして、来年度十二億六千百万円、一億四千万円の増加に相なっております。  次に四ページ目に参りまして、中小企業対策であります。この関係は合計で見ていただきますと本年度の七億四千二百万円に対しまして、来年度十八億四千八百万円というふうに、本年度に比べまして十一億円の増加になっております。この増加の大きな原因は、この中小企業対策の最後の項目に掲げております中小企業信用保険特別会計基金に十億を一般会計から繰り入れるところにあるのでありますが、これは先ほど大臣からの説明にもございましたように、信用保証協会の基金を強化するための十億円の計上ということになるのであります。この十億を除きますと、さっきの中小企業対策の各項目を合計いたしまして約一億円の金額増加になるのでありますが、その中で比較的大きくふえておりますのは中小企業の設備近代化の補助のために六千万円の金額増加を見ておるのが大きな内容であります。  なお、新しい項目といたしまして、中小企業の総合基本調査費といたしまして三千九百万円を計上いたしておるのでありますが、これは中小企業の実態調査につきまして来年度新たに総合的な調査を進めたいという新しい項目であります。  最後に、産業基盤強化の項目でございますが、この関係では、まず生産性向上対策費といたしまして、生産性本部に対する補助金が本年度に比べまして三千五百万円を増加いたしまして、一億一千万円を計上いたしております。  次に工業用水道の事業費補助といたしまして、本年度に比べまして一億一千七百万円の追加をいたしまして、三億百万円を計上いたしておるのでありますが、これは従来の地盤沈下を伴うものに限らず工業用水の確保をはかるという新しい方向に分野を拡大しておる意味を持っておるのであります。  なお、新しい資源の調査をいたします新鉱床探査補助といたしまして、本年度二千万円に対しまして来年度五千万円を計上いたしているのでありますが、これは御承知のように、主として中小炭鉱の鉱床探査の補助金であります。これらを合計いたしまして、産業基盤強化は本年度の三億四千四百万円に対しまして来年度六億五百万円、二億六千百万円の増加に相なっております。  これが大体大きな四つの項目でございますが、その他の項目といたしまして、最後のページにございます特許行政の促進関係で来年度八千二百万円を計上いたしておるのでありますが、これは来年度特許行政促進のために百名の新規増員をいたしまして特許行政の促進をはかることにいたしております。  なお、最後に防衛生産の特定設備の管理費用といたしまして七千万円を計上いたしているのでありますが、これは従来の銃弾、火薬の設備等が特需激減のために現在遊休状態にあるものの中で、モデルとなるようなものの維持管理を補助するものであります。なお、次の鉱害対策関係は、一般の鉱害の中でさらに家屋の復旧を加える意味で来年度七千三百万円を計上いたしております。以上総合計におきまして、本年度に比べまして約二十億の増加で、百一億二千七百万円が来年度予算の要求額でございます。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次に、昭和三十二年度通商産業省関係財政投融資運用計画について説明を求めます。企業局長徳永久次君。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永政府委員 お手元に一枚刷りの紙がございますが、それに基きまして御説明申し上げます。  明年度の通商産業省関係の財政投融資計画といたしましては、総額で出資額におきまして約五十億、融資額におきまして約二百億、自己資金におきまして約四百億ふえまして、公募債はなく、合計いたしまして約六百億の増加となっております。これによりまして、日本開発銀行以下のそれぞれ特殊の任務を持っております各機関の仕事はおおむね所期の効果を上げ得るということに相なったと見ているわけであります。以下個別につきまして、便宜上簡単に下の方から御説明申し上げます。下り欄にございます日本生産性本部、これは本年度はございません。これは昨年度限りの資金対策の意味でありましたが、本年度はその必要もなかったわけであります。次の石油資源開発につきましては、これは御承知の国会を通って設けられました新しい資源開発会社でありますが、昨年七億の出資に対しまして、約倍以上の十五億の出資が得られまして、これに合せまして、民間の関係業界からの資金援助を得ましておおむね所期の事業を遂行し得るというように考えている次第でございます。電源開発につきましては、仕事量は本年より強化いたしておりますが、これも電源開発の工事能力から見まして、電源開発促進のために精一ぱいの仕事量を見込んでおりますが、この分に対しまする財政投融資につきましては、問題点は、いかにしてこの電源開発の資金コストを低くするか、これによりまして電力料金の高騰抑制に資するということを眼目としたわけでありますが、出資額といたしまして、本年度に比べまして三十二年度は大幅に増加いたしまして、百億出資が実現する予定でございます。これによりまして電源開発のコストは、おおむね四分一厘、現状通りのコストが確保できるということに相なる見込みであります。  次の商工組合中央金庫につきましては、御承知の通り財政出資を求めました趣旨は、この金庫の貸し出し金利が他の金融機関に比べまして割高でありますので、これをいかにして引き下げるかということに眼目があったわけでありますが、出資十五億、融資二十億ということに相なりました。このほかに大蔵省、政府部内の了解事項といたしまして、当金庫に現在国庫余裕金の貸し出しがなされておりますが、その預け入れを現状程度のもの、約二十七億円ございますが、これをそのまま据え置くという了解ができておりまして、それをあわせて考えますれば、出資額二十億が実現したと同様の経済効果を持つことになります。これによりまして当金庫の貸し出し金利は平均一割を割り得ることになるという見込みであります。  次の中小企業金融公庫につきましては、この金利についてはさして問題はないわけでございますが、いかにして公庫の融資総額をふやすかということに眼目があったわけでありますが、数字でごらんの通り、今年度の三百億に対しまして、明年度四百十五億、百十五億、約四割の融資額の増加に相なっております。中小企業金融緩和対策に相当の寄与をなし得るものと考えておる次第でございます。  次の日本輸出入銀行につきましては、これは御承知の通り船舶その他のプラント類の輸出増進のために、安い金利の長期の貸し出しをする金融機関でありますが、もっぱらこの資金額は既往におきます契約及び今後の輸出見込みというものを想定いたしまして、それの資金を確保するというところに眼目があるわけでございますが、ここに計上してございます総額見込み六百九十二億によりまして、おおむね資金量は満たし得るものと見ておる次第であります。当銀行につきましては、貸し出しの条件といいますか、四分で貸し出す。しかも市中との協調割合につきまして、船舶は七対三、船舶以外のプラントにつきましては八対二という現状の線でございますが、その線をこの額によりまして確保していきたいというふうに考えておる次第であります。  最後に日本開発銀行でございますが、本年度の三百六十億に対しまして六百億というふうに増加して参っておりまして、この六百億の内訳を申し上げますと、一つは通産省外でありますが、百八十億の計画造船用の資金が含まれております。そのほかに電力関係二百五十億、船舶、電力以外の石炭、機械、合成繊維、石油化学その他の基礎産業、それらに五十億、合計六百億ということに相なっておるわけでございます。この開発銀行のトータルの資金につきましては、電源開発が大いに急がれております際に、市中の金融逼迫の状況から見まして、この資金調達に大幅の社債の増加あるいは銀行借入金の増加ということを考えまして、二百五十億で若干足りないのではないだろうかという問題もあるわけであります。またその他のものにつきましても、百二十億という数字で、石炭、中小機械近代化の促進、合成繊維その他を考えまして、若干ふえたという問題もあるのでありまして、ほかに市中の状況により、また財政投資の原資となる預金部資金の今後の状況によりまして、場合により二百五十億の電源見込み分は、あと五十億くらいは余裕ができたならばふやすという政府部内のある程度の話し合いができております。若干の問題はありますが、今後の金融情勢の展開によりまして、弾力性を持って措置することに相なっておる次第であります。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次に経済企画庁長官より、日本経済の総合的基本施策に関する構想等について概略その説明を承わることにいたします。経済企画庁長官宇田耕一君。

宇田耕一自由民主党経済企画庁長官・科学技術庁長官

○宇田国務大臣 第一に昭和三十二年度経済計画について申し上げます。  昭和三十一年度のわが国経済は、前年度に引き続き目ざましい発展を遂げんとしております。すなわち国民所得は七兆六千百億円で、前年度に比べ一二%増、鉱工業生産は前年度に比べ二一%増、輸出は、二十四億八千万ドルで、前年度に比べ一八・四%増となる見通しであります。  昭和三十二年度経済計画は、以上のような経済情勢の推移を考慮しつつ、わが国経済の安定的成長をはかり、完全雇用の達成と生活水準の向上を期することを目途とし、イ、電力、鉄鋼、輸送力等の隘路部門の打開、ロ、輸出の振興、ハ、科学技術の振興、ニ、中小企業の振興と農林水産業部門の生産基盤の強化、ホ、社会保障制度の拡充等の施策に重点を指向して、本年一月二十六日これを策定いたしました。  右の諸施策を講じて参ります場合、その主要経済指標は、おおむね次のごときものとなると考えられます。国民所得八兆千八百億円、三十一年度に対し七・五%増、鉱工業生産は、昭和九年ないし十一年を一〇〇といたしました場合に二五五・五で、三十一年度に比べまして一二・五%増、農林水産生産は、昭和二十五年ないし昭和二十七年を一〇〇とした場合に二九・三で三十一年度に比べまして〇・四%増となっております。輸出は二十八億ドルでありまして、一二.九%増、輸入は三十二億ドルでありまして一〇%増、就業者数は四千三百三十四万人で二・一%増となっております。  第二に長期経済計画の改訂について申し上げます。  わが国経済は、右のようにここ一両年予想以上の進展を遂げましたので、一昨年末策定いたしました経済自立五カ年計画は、今後の経済活動、経済政策の指針としては実情に即しないようになりました。従ってわが国長期経済政策の目標であります国民生活の向上と完全雇用の達成の線に沿って、できるだけすみやかに計画の改訂を行うつもりであります。  次に電源開発計画について申し上げます。最近における電力需用の急増の趨勢によりますと、昨年初めに策定されました電力六カ年計画では、電力需給の不均衡を来たすおそれが明らかとなりましたので、昨年十二月にこれを改訂いたしました。改訂計画では、昭和三十一年度から昭和三十五年度末までの発電設備完成の目標を、従前の四百九十五万キロワットから八百四十万キロワットとしております。  なお、昭和三十二年度における電源開発の計画は、目下検討中であります。  第四に景気動向調査について申し上げます。わが国の経済統計は、戦後かなり整備されて参りましたが、景気動向の調査は先進諸国に比し著しく立ちおくれている現状にあります。経済政策を樹立するためには、景気動向を適確に把握することが必要でありますので、昭和三十二年度からその科学的調査に着手することといたしております。なお、海外経済調査についても、さらにその整備拡充を行う考えであります。  次に総合開発の事業について申し上げます。特定地域については、昭和三十二年度において各省別に合計百二十四億円の予算をもって各種の公共事業を実施することといたしております。東北につきましては、その総合的開発の促進をはかるため、東北開発審議会を設置するとともに、北海道開発公庫の機構を充実し、これによる融資の道を開くなどの施策を講ずることとし、目下関係方面と折衝中であります。なお、特定地域および東北における開発事業等が総合的な効果を発揮し得るよう国土総合開発事業調整費をもって、経済企画庁がこれを調整することといたしております。  第六は国土調査の事業でありますが、引き続き地籍調査、基準点測量、水調査、土地分類調査等を実施することといたしております。特に地籍調査につきましては、昨年十二月国土総合開発審議会から申し出のあった地籍調査の推進に関する意見の趣旨に基き、国土調査法に所要の改正を加えて地籍調査の推進をはかる所存であります。  最後に離島振興の事業及び特殊土壌地帯対策について申し上げます。離島振興事業については、離島振興法により指定された四十五島について約九億八千万円が、特殊土壌地帯対策については、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法により指定された地帯について、約十億七千万円の事業費がそれぞれ昭和三十二年度分として各省別に計上されております。  以上が三十二年度の経済計画の概要であります。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次に、昭和三十二年度経済企画庁関係予算について説明を求めます。官房長酒井俊彦君。

酒井俊彦総理府事務官(経済企画庁長官官房長)

○酒井政府委員 それでは私から、ただいまお手元にお配りいたしました昭和三十二年度予算事項別内訳という企画庁の書類がございますが、これについてごく簡単に御説明申し上げます。  この刷りものの一番最後にございますように、経済企画庁の昭和三十二年度予算要求額は九億四千二百万円でありまして、前年度の九億五千六百万円に比較いたしますと、一千三百七十万円ほど減額になっております。  それで内容を簡単に御説明申し上げますと、第一ページに入っていただきまして、第一ページのイの5と6でございますが、これはただいま長官から御説明がございましたように、ただいま経済企画庁におきまして長期経済計画を立て、また各年度ごとに当該年度の計画を立てているのでありますが、この計画を立てます前提といたしまして、各種の統計なり資料なり、これは必ずしも的確なものを持っておりません。そこで海外の経済動向をいま少し科学的に、適確に把握するということと同時に、国内の経済動向をもやはり漸次科学的に、迅速に把握していきまして、経済計画の樹立あるいは当該年度の経済計画の実施の推進に資したい、こういう意味で、海外経済調査費として昨年度に比較いたしまして三百万円増、六番の景気動向調査におきまして、新たに一千七十四万五千円を計上いたしました。この内容といたしまして、特に今後の景気動向を把握いたしますために、消費の動向あるいは投資の動向というものをつかむことが、現在の計画においてはまだまだ不十分でございますので、そういう点を中心にいたしまして、今後統計資料の作成その他の方法論の改良をはかっていくつもりであります。  それから第二ページに参りまして、一番上のハの一でありますが、これは長期経済計画策定経費といたしまして、昨年より百三十九万円増加の三百七十六万円を要求いたしております。この経費も、現在の経済計画を策定いたします場合に、基本的な方法論その他いろいろな点で、まだまだ検討を要するような点がございますので、それらの点を解決いたしますために、昨年より百三十九万円増額をしていただいたわけであります。  おもなものだけを申し上げますと、そのページのまん中よりちょっと下にございますが、二の7の国富調査経費であります。大体調査ば三十一年度をもって終りまして、あとは集計その他の跡始末の経費でございますので、昨年の四千三百万円に比較いたしまして三千六百万円を減少いたしております。  その次のホの国土開発調査費、これはほとんど前年度と変りがございませんので、説明を省略いたします。ただこの中で、次の三ページの6でございますが、東北地方総合開発促進経費というものがございます。これは昨年までは一千万円の所要経費をもちまして、東北地方の開発計画の調査に当っておったのでありますが、すでに調査の段階を過ぎまして、今後東北開発の実施の段階に入って参りますので、御承知のように別途公共事業費におきましてもそういう経費を見ておりますし、なお東北開発のための金融公庫を設けまして、これに対して相当の出資及び融資をするということになっておりますが、それを総合いたしまして、今後の東北開発の計画を立てましたために、企画庁に所要の事務経費と同時に東北開発の審議会を設けまして、その経費を合せまして四百万円を計上いたしたのであります。そういうわけで、昨年より六百万円減になっておりますが、一般的には別途にこの方の東北開発関係の経費がついております。  それからへの土地調査費、これは大体昨年と同じようなことでございまして、御説明を省略させていただきます。  なお、最後の四ページのところに参りまして、国土総合開発事業調整費、これは前年通り五億を計上いたしております。運用につきましてはやはり昨年と同様、公共事業が各省で行われておりますために、往々にして工事の進捗状況に食い違いを生じて、公共事業の効果を落すようなことがありますので、この調整費をもちまして、各省にまたがる公共事業というものを調整いたしまして、総合効果を発揮したいという経費でありまして、昨年同様の経費でございます。  それで合計いたしまして、本年度は九億四千二百万円という要求額になっております。     —————————————

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 次に公正取引委員会委員長より公正取引委員会の業務の概要等について御説明を承わることにいたします。  公正取引委員会委員長横田正俊君。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 私はお手元にお配りしてあります公正取引委員会の業務の概略という文書に基きまして、最近における委員会の業務の概略の御説明をいたします。もっともこの全部を申し上げることは非常に時間がかかりますので、重点的に申し上げてみたいと存じます。  最初に、御承知のように、公正取引委員会ではいろいろな届出をとっておりまして、その届出を通じまして、違反の予防あるいは事後の処理をいたしておるわけでございます。この中で特に目立ちますものは、国際契約に関する届出が最近比較的増加しておることでございます。この国際契約できわめて注意しなければならぬことは、いろいろの拘束条件をつけまして、たとえば特許許諾あるいはその他の内容の契約をいたす場合がございまして、この点につきましては、特に大体事前に届出の内示がございますので、その際に日本の事業者が拘束されないようにいろいろこの条項の内容については、適宜な処置をとっておる次第でございます。  次に株式の所有、それから役員の兼任に関しましても、届出が最近非常にふえて参っております。大体関係会社の間の投資あるいは企業の合理化、集中化というようなことがだんだん強まっておりますことが、これらの届出を通じてわかるのでございます。ことに会社の合併、営業譲り受け等に関する届出が非常に、これこそ非常にふえておりまして、これもいろいろでございますが、大体大企業を中心とした動きが多いようでございます。これらの株式保有、役員兼任、合併等を通じまして、われわれとして非常に深い関心を持っておりますことは、これが不公正な取引方法に用います場合はもちろんでございますが、結局非常な集中を来たしまして、その結果競争が制限されるということになりませんように、常に注意いたしておりますが、現在の段階におきましてはまだそう著しいものは出ておりません。  それから公取の所管で、いわゆるカルテルの認可の仕事といたしまして、御承知のように、不況カルテルと合理化カルテルの二つがございます。不況カルテルは、かつて御報告申し上げましたように、麻の紡績業界におきまして、昨年の三月に初めて不況カルテルが出まして、その内容がまた多少変更になって今日に及んでおるわけでございます。なおここにもあげてございますように、自動製びん業界、砂利の採取業界等からやはり不況カルテルを結成したいということでいろいろ相談が参っておりますが、まだこれは具体化しておらないのでございます。合理化カルテルにつきましては、すでに純スフ、綿、スフ混紡業界あるいはベアリング業界等につきまして、あるいは御承知の鉄くず加入につきまして合理化カルテルが認められております。ことしになりましても別に新しいものは出て参りませんが、このくず鉄カルテルにつきましては、従来は普通鋼十八社のカルテルでございましたのが、今度は特殊鋼十四社、電炉鋼の九社、ほとんど大きなメーカーが全部加入いたしましたカルテルが結成されておることが特に注目されるわけでございます。  次に三ページから七ページにかけまして中小企業安定法関係、輸出入取引法関係、酒類の保全及び酒類業に関する関係、輸出水産業の振興に関する関係、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法関係のことが書いてございますが、これは御承知のように、すべて独禁法に対する適用除外法でございまして、これらの所管庁はいずれも通産省その他農林省等の、他の行政庁でございまして、公取はいわばわき役的な関係に立っておりまして、この内容につきましてもいろいろ申し上げたいこともございますが、今申しましたような関係でございますので、これらの関係は省略させていただきたいと思います。なお前々通常国会におきまして成立いたしました石炭鉱業合理化臨時措置法並びに前国会において成立いたしました機械工業振興臨時措置法及び繊維工業設備臨時措置法、これらに基くいわゆる独禁法適用除外に関する面のいろいろな活動はまだほとんどございません。最近繊維産業につきまして一部の命令があったようでありますが、その他はまだ全然動いておらない状態でございます。  次に公正取引委員会の仕事といたしまして、かなり重点を置いておりまするものに、諸種の経済調査の問題がございます。これは七ページのところにすでに調査の済みましたもの及び現在調査中のものを列記してございますが、このうちで特に総合調査のうちのアといたしまして、最近における主要産業の生産集中度の調査がございます。これは昨年の十月に調査を完了いたしましたが、かつて昭和二十八年にそれまでの集中度の調査をいたしましたのに引ぎ続きまして、その後の昭和三十年までの調査をいたしましたものでございます。これは主要業種六十五種目に及びまする非常な膨大な調査でございまして、公正取引委員会としましてはかなり努力をいたしたものでございます。その内容等につきましては適当な機会にまた申し上げる機会があると存じますので、内容のことは申し上げませんが、この調査が一つ、それからその下に「個別調査」といたしまして「繊維商社の集中と階層分化」、これは昨年の十月に調査を終りましたもの。それからその下の「電機工業における競争と集中化の動向について」、これも昨年の七月に調査を終りました。この二つもかなり公取といたしましては努力をいたしましてまとめ上げましたものでございます。その他いろいろありますが、大体項目は、ここにあげてございまするからごらん願いたいと思います。  それから最近御承知のようにいろいろなおもしろくない競争方法が用いられておりまして、その関係の取締りはいわゆる不公正な取引方法としまして取締っていっておるわけでございますが、これに関連いたしましては十ページに公正取引委員会の「準立法的措置」といたしまして書いてございますように、今までにもいろいろな業界におきまするおもしろくない競争方法を特定の不公正な取引方法といたしまして指定をいたしておりますが、それに引き続きまして、マーガリン業界、あるいはマッチ業界、それから最近昨年の暮れに、御承知の国会においても前から問題になっておりました教科書業界につきまするいろいろな不公正な取引方法を指定をいたしまして、これに基きましてこれらの不公正な取引方法のないようにいろいろ調査をいたしておる次第でございます。  それから次に十一ページの「司法的措置」というところに、いわゆる公取の本来の活動でございまする準司法的な、いろいろな審査審判に関しますることが御報告してごございますが、この審査事件は大体昨年中は五十件ほど扱いました。その結果はここに掲げてございますようにいろいろになっております。ことにこれはその次の十二ページを見ていただきますと、公取で正式に取り上げまして処理いたしました事件がここに数件掲げてございます。これらは会社名をごらんになりましてもおわかりになりますように、いずれも化学工業部門に属するものでありまして、たとえばメタノール、ホルマリン、塩化ビニール、樹脂、あるいはソーダ灰というようなものに関しまする販路の制限、価格協定等の違反事件でございます。詳しいことにつきましてはまた適当な機会がございましたら御説明申し上げたいと思います。  なおその下に雪印乳業の事件がございます。これはこの前の国会におきまして、当委員会におきましてもこの問題がたしか取り上げられたと思いますが、その後七月の二十八日に正式の審決をいたした事件でございまして、これは農林中金、雪印乳業、それから北海道信用協同組合、北海道バターの四者を被審人といたした事件でございまして、この内容は前回申し上げた通りでございます。  なお最後に、この前の国会で成立いたしました下請に関する法律のその後の施行状況を申し上げたいと思います。ここにきわめて簡単に書いてございますが、これを多少詳しく申し上げたいと思います。詳しくと申しましてもいずれまたこの点はもっと詳しく申し上げるつもりでございますが、一応の御報告を申し上げたいと思います。この調査は大体一般調査と申しますものと、その調査に基きましてどうもおもしろくないということの判明いたしたものにつきまして精密調査をいたすという二段がまえでやっております。この一般調査につきましては、親事業者三百、これは十七ページに一般調査をいたしました業種、それから会社の数——こういう調査は大体引き続きやりませんと効果がございませんので、このカッコ内の数は前年度に調査をいたしたものでございます。これだけの約三百の会社につきまして一般調査をいたしました。この一般調査の大体の結果を申し上げますと、いわゆる検収の日数でございますが、親事業者が給付の受領をいたしましてから検査を終了するまでに要しました日数は、全業種を平均いたしますると大体十日以内でございます。しかし中には四十日とか五十日とかいうきわめて長いものがやはり見られるのでございます。それから下請代金の支払率は、全業種の支払率は五〇%、大体一カ月分が残っていくということでございまするから、これは平均から申しまするとかなりいいのでございまして、三十年度の四四%に比べますると若干向上を示しております。三十年度に比べまして比較的成績が上りました業界は、造船、電線、光学機械などでございます。しかし依然として悪いものが電気機器、通信機器、軽機、車両、自動車、鉱山機械というようなものがあまりおもしろくない結果が出ておるようでございます。  それから手形のサイドにつきましては、全業種を通じてみますれば、大体九十日以内のものが多いのでございますが、これもやはり前年度あるいは前前年に比べまするとかなりの成績の向上でございますが、中にはやはり百二十日以上というような非常に長いものもあることが残念ながら認められるのでございます。  これはきわめて大ざっぱでございますが一般調査の結果判明いたしたことでございまして、この調査に基きましてあまりおもしろくない会社四十七件がございまして、これにつきまして引き続き精密調査をいたしたわけでございます。なお下請の側から、これは公取の方で中小企業庁と打ち合せまして積極的に取り調べをいたしましたものでございますが、申告をして参りましたものが約二十件ございます。そのうちで、どうもおもしろくないと思われるものが十六件ございましたので、この十六件と、先ほど申しました四十七件と、これを合せまして精密調査をいたしたわけでございます。この精密調査の総数のうち、調査を完了いたしましたものが現在までで五十九件ございます。これにつきましてはいろいろな措置をとりつつございますが、すでに済みましたものが大体十件ございます。その内容は下請代金の支払い改善計画書をまず作らせますこと、それからそれに引き続きまして、それが果して現実に行われておりますかどうか、改善の実績の報告をとっております。あるいは給付の受領から支払いまでの期間の長いものは、だんだん調べてみますると、会社の内部の事務手続のきわめてずさんな結果に基くものが少くないのでございまして、こういうものにつきましては、受領から支払いまでの事務手続の改良を行わせるというようなことにいたしました。あるいは御承知のように注文書を発する、下請代金を確定させるというために、法律にもそういうことがうたってあるわけでございますが、それを実行しておられませんものもございますので、そういう注文書の発行の励行とか、あるいはその注文書がはなはだずさんでありますものにつきましては、その記載事項の完備というようなことを促しましたものもございます。いずれにいたしましても、なおまだこの五十九件につきましては引き続き東京本局、それから、福岡、名古屋、大阪等の地方の事務局におきまして、鋭意その結末をつけるべく努力をいたしておる次第でございます。ただ現在までのところでは、あの法律に基きまする正式の勧告をいたした事件はまだ一件もございませんが、しかし今申しました精密調査、並びにその後の会社との折衝の結果、はなはだおもしろくないものがございますれば、もちろんあの法律に基きまして勧告の手続に出なければならぬというふうに考えております。  これを要しまするに、この支払い促進等を目的といたしましたこの法律ができましてから、施行が昨年の七月一日でございますが、それからすでに七カ月とは申しながら、まだ法律ができたばかりでございまして、この法律の効果につきましていろいろ結論的なことを申し上げる時期ではないように存じます。少くとも現在までのところは業界の好況ということも、もちろんこれは最も重要な要素でございますが、やはり本法の運用というものがかなりこの支払い改善に効果があったのではないかというふうに私どもは考えております。ことにこの法律のできます前から、もうすでに国会等で御審議を願っておりまするそのころの時期から、一般調査の結果などを見ますと、非常に会社の支払いの状況がよくなっておりますような状態でございます。いわんや法律施行後はますますよくなるはずでございます。ただわれわれは、この好況の結果支払いが大体においてよくなっておるということに安んじませんで今後とも引き続きこの仕事を熱心にやって参りたいというふうに考えております。はなはだ簡単でございますが、以上をもちまして私の報告を終ります。     —————————————

内田常雄自由民主党

○内田委員 この機会に私から当委員会における法律案等議案の審査の手続について委員長、また理事の諸君に希望を申し述べたいのでありますが、当委員会におきまして、中小企業関係、また金融関係の幾多の法律案が付託されることになっておりますが、これらの関係法律案の中で大蔵委員会等に当然付託されるものもありまして、また放っておけば、当委員会において審査をした方が実質的には適当であるものが、単なる所管の関係というようなことで、他の委員会に行ってしまうものもありまして、非常に当委員会における審査に不便ではないかと思われるものが数件予見せられております。たとえば輸出保険法の改正が予想されておりまして当委員会にかかるのでありますが、これは輸出入銀行法の改正と相まって論じなければならないものがありますが、輸出入銀行法の改正は大蔵委員会でやられる。また中小企業信用保険法の改正は当委員会で論ぜられるのでありますが、これと全く抱き合せになりますところの信用保証協会法の改正、これも放っておけば、従来のいきさつですと、大蔵委員会になってしまいます。また商工組合中央金庫法の改正が行われるのでありますが、これの関係において資金運用部資金法の改正を論じなければならない問題でありまして、これはたとえば先ほど予算説明にありましたように、資金運用部から二十億円の融資が商工組合中央金庫になされるのでありますけれども、これには私ども希望があって、商工組合中央金庫の発行する債券を引き受けるということでなしに、他の公団、公社等への資金運用部資金の貸付と同じように、資金運用部から安い金利で商工組合中央金庫に金が流れるようにするためには、どうしても大蔵委員会等で論ぜられる資金運用部資金法の改正の問題と一緒にやる必要があります。また開発銀行等の問題につきましても、法律の改正があるならばぜひ知っておきたい。さらにまた経済関係におきまして、東北開発促進法案でありますとか、あるいは北海道開発公庫法の一部改正法案のようなものは、国土総合開発というようなことと密接な関係がありまして、これも国土開発特別委員会だけにまかせておけないのじゃないかと思いますから、ぜひ一つ委員長並びに理事の諸君にはあらかじめ気を配っておいていただいて、そうして委員会における法律案の審査の阻害にならない範囲において、連合審査の方法とか、あるいは話し合いをつけて、初めからこっちがやるのが適当なものはこちらの委員会に付託していただきますように、ぜひ御留意願いたいのであります。それだけ希望いたし、お願いいたしておきます。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 今内田委員の御発言ですが、法案によりましては当然合同審議のようなことも考えられますので、この点については次の理事会の議題にして審議したいと思います。御了承いただきたいと思います。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員 資料の要求があります。先ほどの通産大臣のお話の中に、三十五年までに八百四十万キロの電力開発をするということでしたが、この八百四十万キロの電力開発計画を立案した何か資料があると思いますから、これを一つもらいたいと思います。もちろんその中には水力と火力とあり、また石炭、重油等の関係もあると思いますから、詳細に一つ資料をもらいたい。  第二番目は鉄鋼でありますが、製鉄関係の原鉱石の輸入及び国内産、それからそれに要するところの石炭、それから電力関係、これの資料をもらいたい。  それから第三番目は、新しく制定せられました鉱業法、いわゆる昭和二十六年に施行せられました新鉱業法実施以来今日までの試掘鉱区の出願数、それの許可数とそれから不許可件数、不許可件数には特にその理由を付して資料として提出してもらいたい。  それから第四番目は、現在の手持ち特許出願数、その特許の中にはもちろん実用新案も含めて、その件数を示してもらいたい。と同時に、過去三カ年の出願件数と各年度におけるところのその処理件数、これを一つ示していただきたい。  それから第五番目は、経済企画庁の昭和三十一年度における一千万円の東北開発特別調整費を使った調査結果があったらばそれを簡単に示してもらいたい。それから五億円の国土開発特別調整費をもっていかなる点にいかなる調整を行なったか、これを一つ簡単な資料をもってなるべく早く——質問する材料でありますから、なるべく早く提出していただきたい。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 ただいま齋藤委員の要求がありました資料提出については、関係の事務当局でなるべくすみやかに整えられまして本委員会に提出せられんことを要求いたします。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それからこの法案の提出が予定されておるものに関する順序と、立案中なら立案中ということを、通産省並びに経済企画庁にもあるようですから、両方とも各委員にこれが配付されるように一つ取り計らってもらいたいと思います。

福田篤泰自由民主党

○福田委員長 承知いたしました。  以上、通商産業大臣、経済企画庁長官並びに公正取引委員会委員長より産業経済施策の大綱並びに独禁法の運用状況等について説明を聴取したのでありますが、これに対する質疑は次会に譲りまして、本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十五日午前十時より開会いたすこととし、これにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗