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26回国会衆議院1957/05/16

社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第6号

発言数
26
登壇者
5
会派数
2
開催日
1957/05/16

会議録

小島徹三自由民主党

○小島小委員長 これより会議を開きます。  診療報酬及び薬価に関する件について調査を進めます。発言の通告がありますからこれを許します。滝井君。

滝井義高日本社会党

○滝井小委員 今手元に配付していただきました社会保険医療における結核医療費の占める割合という資料と、それから社会保険診療報酬課税の特例による所得税負担状況、昭和三十二年度管掌別医療費見込額において診療単価を一円引上げた場合の医療費増加額、この三つの資料を出していただきましたが、要点だけでけっこうです、簡単に説明して下さい。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 まず昭和三十二年度管掌別医療費見込額において診療単価を一円引上げた場合の医療費増加額、この資料から御説明申し上げます。  これは診療報酬単価を一円引き上げた場合に医療費がどれだけふえるかということについて、過般申し上げておりましたことを刷りものにしたものでございます。政府管掌の健康保険におきましては、ここにありますように三十二年度医療費見込額は計で五百八十五億と予想されておりますが、一円引き上げた場合には四十九億増加するという見込みになっております。この場合御了解を願っておきたいと思いますことは、保険または公費負担分四百七十二億二千八百万円という項目がございます。これは医療費の中で患者の負担するものを除いたものがこれに当るわけでありますが、患者の負担する分が、新しい健康保険法の施行によって、今までの、被保険者の場合、初診料相当韻というのが、今度は百円までということに改まりましたので、この金額がそれだけ差し引かれて計算されておるわけであります。その時期を四月一日からにするか、七月一日からにするかという違いがあるわけでありまして、正確には七月一日からすべきものでありますが、この計算のときには四月一日からということでしてありますので、ごくわずかとは思いますが、開きがあります。この点を御了承願っておきたいという趣旨でございます。  それから、日雇労働者健康保険、船員保険、いずれも同様でございます。船員保険において一つ御了承願いたいと思いますことは、ここに患者負担分がゼロとなっていることでございます。患者負担分のうち、被保険者の負担分がゼロとなっております。これは、新しい船員保険法によりますれば、同じように自己負担の制度がとられることになっておりますので、その分が一応患者の負担分になるわけでありますが、実質的には船主の災害補償責任で船主が負担することにしておりますので、ここでは実質的な負担に重点を置いて一応ゼロとしております。この点、若干の入り込みはあり得るわけです。  それから、組合管掌健康保険の被保険者の患者負担分をゼロとしてございますけれども、これも同様な問題を持っているわけでございまして、新しい法律によれば一応自己負担することになっておりますが、組合規約で特例を設けて組合が負担するということが認められておりまして、実際上そうする組合がかなりあると思われますので、便宜上、一応ゼロとしております。  それから共済組合につきましても同様な問題が、組合員の負担ゼロということについてあるわけでございます。  国民健康保険においては、これは本年度の予算をもとにしておりますから、被保険者の数で申しますと、計画が達成されたと思われる三千五百万人分に相当するものがここでは計算の基礎になっております。  生活保護については別段つけ加えて御説明申し上げることはございません。  それから、結核予防法で若干御説明する必要があるわけでありますが、結核予防法は、元来、対象となった医療費のうち、半分を国及び都道府県特例市が負掛をし、残り半分を患者が負担することになっておりますので、一応、保険または公費負担分と患者負担分とがひとしかるべきはずでありますが、患者負担分のうちで相当なものが保険もしくは生活保護法によって負担されておりますので、ここでは保険及び生活保護負担分の二十四億二千万円と七億三千五百万円を加えたものが、国及び都道府県負担分の三十一億五千五百万円とひとしくなるという調整の仕方をしておるわけであります。この、保険及び生活保護負担分と患者負担分との振り分けは、昭和三十年度の実績に現われた割合を使いまして、三十二年度分を振り分けたわけでございます。以上のような要領で計算をいたしますと、これらの制度に関係のある三十二年度の医療費は二千七十八億、単価一円引き上げに基く増加は百七十七億ということに相なるのであります。このうち実際上ぎりぎりの意味で国庫負担分がどのくらいになるか、この点どうも言い方が少しあいまいだというお話が前回岡本先生からあったのでございますが、こういうふうに並べてみましたうちで、いわば自然増に近い形において国庫の負担分を増さなければならないものは、国民健康保険における負担増の三十九億六千七百万円の二割と、生活保護法の増額の全部二十一億百万円と、結核予防法の一億二千九百万円の半分であります。これを集計いたしますと約三十億という金額になります。これ以外に政府管掌健康保険の増加、保険または公費負担分の三十九億、日雇の三億、船員保険の一億五千万、国民健康保険の自然増に近い七億九千三百万円を除いた保険または公費負担分の十四億一千五百万というものが、何らかの意味において手当を必要とする。それ以外組合及び共済組合について何らかの措置を考える必要がある、こういうふうな仕訳に相なるわけでございます。  次に「社会保険医療における結核医療費の占める割合」でございますが、これは全部割合で示しております。政府管掌健康保険におきましては、二十八年度から二十九年度にかけては微増しておりますが、それ以降は大体横ばい——三十一年の九月分は今月の末ごろわかることになっておりますが、横ばいもしくはやや下るであろうと見通されております。組合管掌の健康保険については、すでに知られておりますように明瞭に下降の傾向をたどっておりまして、これも今月末にわかれますが、かなり下っていると思われます。日雇労働者健康保険につきましては、今のところやや上り気味の傾向でございます。船員保険はすでに下降の傾向をたどっております。国民健康保険につきましては、今のところ傾向をつかみがたいのでありますけれども、一応入院では下り、入院外では上っておる傾向でございますが、これについてはまだやや上り気味というふうに見るのが正しいではないかという予測を持っておるわけでございます。この資料はそういう程度のものでございます。  もう一つは「社会保険診療報酬課税の特例による所得税負担状況」でございます。これは所得金額が五十万円の場合と七十万円の場合について、大蔵省主税局において調製したかなり正確な資料がありましたので、それをそのままここに提出いたしたものでございます。収入金額が百四十六万円あるといたしまして、税法上全然特例を受けないというと、実際の手取りが大体今のところ五十万円くらいになる。言いかえますと、手取り五十万円の所得を得るためには、税法上全然何らの特別の処置がないということになると、大体事業収入において百四十六万程度のものが必要になるという結果になっております。それによりまして、それぞれの項目をごらん願うとわかるのでありますが、私どもがこの資料を通じて知りましたことは、いわゆる二八%の特例措置というものの経済的な効果は思ったよりは低いものだということでございます。  簡単でございますが、以上で御説明を終ります。

滝井義高日本社会党

○滝井小委員 今の所得税の負担の状況、これをもうちょっと詳しく説明してくれませんかね。これをちょっと見ただけでは——この前二八%の撤廃をしたときには、単価についてどの程度の影響を及ぼすかといろ質問をいたしましたところ、あのときは多分七十万と説明をしていただき、二十一銭ということでしたが、この二十二銭ということはこの表のどこに出ておりますか。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 この資料からは直ちには出てこないのでありますが、大体の要領を申し上げますと、七十万について申し上げますと、社会保険のところに百六十四万一千五百円という金額がございます。これを甲地、乙地とならした平均単価十一円七十七銭で割りますと、およその点数が出て参るわけであります。その得られました点数で下の税額のところのそれぞれの項目を当てはめまして、たとえば非課税の場合だとすると、三千五百円、それから特例のない場合は十二万円、こういうことになります。従って全然課税されないという場合は十二万から三千九百を引きました差をただいまのような方法で得られました点数で割る、そうすると一点当りの経済効果とでも申しますか、それが出る。先ほど申し上げました二八%の場合について申しますと、二八%の特例のある場合の八万六千三百円というのがございます。これを特例のない場合、十二万から引きまして、その差を先ほどのような要領で出しました点数で刷る。これは必ずしもとの資料そのものでは直ちに出ませんが、およそ二十銭見当になるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井小委員 次に、国民総医療費の資料をいただいたのでありますが、この前私が二十九年度の資料としていただいたときには総医療費に二千二百八十億くらいだったと思います。これがふえておりますが、この数字がときどき変ってくるので、議論がしにくくなります。そこで申しかねますが、この前二十五年からずっと出してくれと言っておったんですが、二十九年と三十年の二年分しかないので、これは次の機会でけっこうでございますので、これは二十六年から単価が改訂されて実施されておりますから、二十五年から出してもらいたい。  とりあえず二十九年、三十年はやむを得ませんが、これを先に御説明願いたいと思います。

小澤龍厚生事務官(医務局長)

○小澤政府委員 実は国民総医療費の調査は国民健康調査から推計するわけでございますが、この調査の性格上調査漏れが非常に多いのでございます。その点に気つきまして、統計調査部では昭和三十年度の推計をいろいろな数字を使って、特に患者調査等の数字を使いまして、国民健康調査から上ってきた数字を補正したのでございます。その数字が二千七百十五億と出ております。そういたしますと、従来のものは補正してなく比較ができませんので、便宜上昭和二十九年度と昭和一十年度と同じ補正方法を用いて推計し直した数字がこの数字だそうでございます。同じようなことを昭和二十八年、七年、六年とやればよろしいのでございますけれども、統計調査部としては非常にややこしい手間と時間のかかる仕事でありますので、そこまで至っていない。差し当って昭和二十九年度と三十年度を算出した、こういう説明になっておるのでございます。  しからば従来の調査と比べてどういう数字を使ってどういう点を補正したかという問題になりますと、非常に専門的、技術的でむずかしく、私ども説明を聞いたときはわかるのでありますが、しばらくするとわからなくなってしまうということで、この次の機会あたりに統計調査部の専門家をお呼び願ってこの説明を願ったらどうか、こんなふうに思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井小委員 今記憶を呼び起したんですが、この前いただいたものでは確定的なところで二十九年は二千二百八十億だったと記憶しております。それでこれはかりの——かりのと言ってはおかしいけれども、未定稿だけれども、三十年はこのくらいだというときのこの資料では二千二百三十億で、二十九年と三十年とを比較すると五十億通う。そのようになっておるからおかしいじゃないかというのが私の今まで質問してきたことなんです。この資料を見ますと、確定的なものだといって発表したものに比べれば約百五十億くらい二十九年度は増加している。だから百五十億も違うとちょっと大きいので、総医療費のワクを広げるとか広げないという問題が論議されているときに、統計のとり方がそのときそのときに変ってくるということになると、論議を紛糾せしめるもとになる。そこで私は医師の待遇改善の問題を論議するときには、二十六年以来の資料をずっと並べて前のと比較して、これが今度確実なものだという確認の上に立って論議していかないと、こういう国民総医療費とか国民所得というものは誤差が一%あっても何百億になる、普通の予算の何億の誤差と違いますから、ここらあたりよほど確実なものをつかんでおかぬと、論議の展開がしにくくなると思う。それは適正妥当な総医療費というものは国民所得の三・五%だ、こう小山さんあたりよく言われる。そうすると、国民所得というものをまず確実に把握しておかなければならぬ。そうして現実に総医療費は幾らいっているのだということになったときに、国民所得の三・五%と、現実にいっている医療費の差があまり大きな開きがあったり、年々違っておったりしたら、議論できなくなってしまう。スタンダードがなくなるのです。その点この前も私は、医務局長に、はなはだお気の毒でしたが、総医療費の問題で大きい声を出して質、附したのですが、そういう点で、私どもきょういただいた二千四百三十六億というものと三十年度二千七百十五億、これを一応基礎にしながら、今後のいろいろの論議をやっていきたいと思います。それで、その後、何かこれを増加したり減少せしめたりしなければならぬ重要な見落しておったファクターというものがあれば、これはやむを得ぬと思いますが、一応これを確認して今後論議をしていかなければならぬと考えております。そして、それはある程度間違っておるという懸念があるかもしれませんけれども、今まで新医療費体系を論議するときに出しておりました二十五年以来の総医療費というものは、私今ここへ持ってきておりませんが、そいつを次の機会でけっこうですから、出してもらいたいのです。

小澤龍厚生事務官(医務局長)

○小澤政府委員実 実は二十九年と三十年を私の方ももらったわけでございますが、これでは困るので、これよりさかのぼったやつを同じ角度で補正したものをもらわないと比較ができないから、ぜひ作ってもらいたいということを実は依頼したのでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、非常に手間と時間がかかるので、できるだけのことはいたすけれども、何年ぐらいまでさかのぼれるか、すぐにはお約束できないという程度の返事しかないのでございます。そこで、この小委員会といたしまして、この次いつお開きになるか存じませんが、それまでにできるだけのものをぜひ補正して持ってこいということでありますれば、そのように御連絡申し上げます。なお必要であれば説明者も出席させるように連絡いたしたいと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井小委員 できるだけ一つ補正して出していただきたいと思います。それは、日本の国民経済の成長率というものが、三十年から三十一年、二年にかけて急カーブに上ってき始めたわけですね。従って、今年はおそらく、学者のいうところによると、二千五百億をこえる税収の自然増があるといわれておる。政府は一千億ぐらいといっておりますが、財政学者なんか、二千五百億くらいといっておる人もおるのです。従って、そういうことから国民所得がぐっと伸びてくれば、当然医療費に対する負担の能力というものもふえてくるわけです。そうなると、それに見合った、国民所得の伸びに応じた専門技術者としての技術料というものも保証してやらなければならぬということが当然理論的に出てくるのです。単に過去の日本経済が非常にデフレで深刻な状態にあった二十七年、二十八年、二十九年の初期というものを基礎にして論議をしておったら、大へんな間違いが起ることは、すでに政府の経済五カ年計画というのが、よく私が言うように、人口の増以外はみな間違っておったということなんですね。従ってこの前も社会保障制度審議会から出てきた医療保障の勧告に関する資料というのが、いかに現在の日本の経済の状態から見たらでたらめなものであるかということがわかってきたわけです。そういう点から考えて、もし推計方法が今言われたような国民健康調査のデータを基礎にしてずっとさかのぼって推計していくということになれば、曽田さんの時代に出しておった国民総医療費と国民総所得に対する負担率というようなものも、大きなものの考え方を変えなければならぬ状態が出てくると思うのです。そうなると、今まで厚生省がしゃにむにしがみついておった総医療費なんというもの、医療費体系というものも根本からやりかえなければならぬ。秋までに医療費の体系の結論を出しますなんと言ったって、ナンセンスになってしまう。根本からやり直さなければならぬということになるのです。従って、そういう点がありますので、国民総医療費の問題というものは、同時に、厚生省の医療費体系をもう一ぺん根本から、イロハからやり直さなければならぬかどうかという分岐点になっておるのです。今まで国民総医療費を中心にして論議したきたのですからね。そういう点、一つぜひしてもらいたいということです。その希望を申し述べておきます。  それから一、二質問をしておきたいと思います。いよいよ単価の問題を速急に結論を出さなければならぬような段階がきつつある。と申しますのは、八月には予算編成が始まりますから、従って予算編成までには、秋までというけれどもやっぱり夏に固めて秋に最終の結論を出さなければならぬと思うのです。それはあなた方が今後大蔵省に予算要求を出す場合には、今るる小山さんから御説明があった通り、一円上げただけでも、もろもろの社会保険体系なり、結核予防法なり生活保護法に、百七十七億という影響を及ぼす、こういうことなんですから、単価を上げるということは、もう厚生省の行政に一大転換を与える一つの契機になるわけなんですよ。これはあらゆる社会福祉、社会保険の行政、それから医務局の結核行政にみんな影響が及んでくる。厚生省の予算というものは一躍して百億や二百億すぐふえるということになるのです。従ってこれは国の予算編成の上からいっても、やはり八月くらいまでにはどうしても結論を出していかなければならぬ、こういう事態になるわけです。そのことは同時に、厚生省は、私企業としての医業というものを、最終的には一体どういう工合に、これを契機として持っていくかという、この問題になってくるのです。これは必然的にそうならざるを得ない。というのは、これは皆保険をやる、そのためには医師の待遇を改善しなければならない、皆保険は医師に協力してもらわなければならぬという形で、打ち出してきていると思うわけです。健康保険の改正とは、取引ではございません、別でございます、こういう形で問題を出してきているのですからね。従って皆保険に医師を協力せしめる、待遇を改善もするということになるならば、その待遇を改善せられた私企業のあり方というものは、一体どういう方向に今後四カ年の間に向けていくのかということなんです。これは保険局と医務局が日本の医療行政のかなめを握っているのですから、当然これは方向が考えられなければならぬ。それはどういう工合にあなた方はお考えになるのか。これは私は、厚生大臣がしろうとですから、厚生大臣に言うよりも、むしろ医務当局のあなた方の方が、こういう方向にいくだろうという一つの方向は、大臣よりか明白にわかっておるはずだと思うのですね。これはすでにそのために健康保険も変えてきましたし、国民健康保険も変えようとしているわけです。ですからこれらの二つの医療保障の、いわば車の両輪をなすものの一方ができ上った。片方の車ができ上ったということは、片方の車をこれに合せて作るということですから、あとは車が回ればどの方向へか、進んでいく方向がきまるわけです。一つの車を無方針に無計画に作ったのではないはずです。一つの車に合せて国民保険の車というものは改正さるべきだと思うのですね。そういう点を省で相談しておらなければ相談しておらぬで、次の機会でけっこうだと思います。これは急速にきめてもらわなければならぬと思います。

小澤龍厚生事務官(医務局長)

○小澤政府委員 それは非常に重大な問題であると思います。社会保険が進めば進むほど、自由診療の幅が小さくなる。社会保険医療というものが占める割合が決定的に大きくなる。私企業というものは自由契約でもって、従って自由な医療費という従前の考え方を変えていかなければならぬ。そとで私企業のあり方としてほっておいてよいのか。多少とも手を加えてやりいいような形にしていった方がいいかどうか。これは非常に大きな問題でございまして、私ども検討はいたしておるのでございますけれども、まだここでかくあるべきである、かくするというふうにお答えできる段階に至っておりません。

滝井義高日本社会党

○滝井小委員 実はそういうことが困るのであって、第一、船の方向がわからずして皆保険をやります、医師の待遇を改善しますと言ったって、これは暗夜にかじを失った船と同じになってしまう。やはり方向を定めておかなければ問題の処理はできないと思う。そういうことで日本の医療保障の計画が結局でたらめだということになる。そこで私企業としての医療、特に開業医制度というものがどういうことになるのか。自由診療というものは四年の後にはなくなってしまう。ですからその点この次までの間には厚生省内部の意思統一をして、この次の宿題に——ほんとうは宿題ではない。これはさきに七人委員会の報告に書いてある。どういう工合に社会保険の財政問題を解決するかという問題を、基本方針もきまらないときにおいて論議してもナンセンスだ。しかし厚生省がやってくれというから問題のあるところだけを出しておきましょう、しかしそこの問題のある点は出しますが、この方向づけは基本方針がきまってからこれらのものを総合して利用すべきだということを七人委員会がいみじくも言って触れている。私がこの問題を持ち出すのはきょうで四回目だと思う。その基本方針なくして論議するのはおかしい。そういう基本方針が明白でないということになると、しからば私企業をやっているいわゆる開業医の団体は今後どうするかという問題が出てくる。附帯決議の医師団体法の問題、与党の皆さんは附帯決議をつけて、端的にいえば医師団体の強化をやらなければならぬ。今後医療保障における、国民皆保険における医師団体のあり方は今のあり方ではいけない。これを強化しなければいけない。薬剤師団体も強化しなければならない。歯科医師団体も強化しなければならない。こうおっしゃっている。ところがその強化の方向は、昔のように日本医師会長、日本薬剤師協会長、日本歯科医師会長は厚生大臣が任命する形では民主主義の原則に反する。そういうものではな、しからばどういう方向に強化するか。強化の方向は明らかに医療保障の方向がきまらなければ医師団体に協力せしめていく姿を作る団体の性格なりその団体の構成なりというものはなかなか方向づけられないことになるだろうと思う。しかし与党はすでに待遇改善と相並んで附帯決議を出している。だからこれについては医師団体の方の所管は医務局長さんだろうと思う。どういう方向にやるかこれもまだお考えになっていないですか。

小澤龍厚生事務官(医務局長)

○小澤政府委員 医師団体の法制化に関する国会の決議はあくまで尊重しなければならないと思います。しからばどういう形で法制化することが適当であろうかという問題について実はいろいろ検討しておるわけであります。しかしながら一面先般医師会の幹部もおかわりになりましたので、今度はわれわれの持っておるいろいろな考え方をもとにして新しい幹部の方々と相談して最も適正妥当な形を見出していきたい、こう考えておりまして、まだ具体的なことを申し上げる段階でないのであります。

野澤清人自由民主党

○野澤小委員 関連して。小山次長も局長もおられるのだから、そう奥歯に物がはさまったような言い方をしないで、社会保険の医療体系をどうするのだということの柱くらい、小柱でもよいから立ててよさそうなものだと思う。それが出ないということになってくると、政党政治だから自民党に策がないと言われる。それでなぜ今まで四回も滝井さんや岡本さんに演説してもらったかというと、要するにあなた方に方向を指示してもらう。このくらい丁寧に小委員会で御高説を拝聴したら、もう腹を割ってきてよいと思う。そこで今後厚生行政の大きな問題点と社会保険医療というものをどうやっていくか。それからどういう方向づけになるか、またその考え方としては、どういうところを中心にやっていくのだ。再三話の出る官営、公営のこの医療の体系と開業医制度に対する考え方、こういうことについて省内ではどんなふうに話し合いが進んでおるのか。もう体裁のいい話は小委員会では必要ないと思う。また必要ならば速記も消していいのだから、ざっくばらんに明快な社会保険全般に対する小山君の考え方を話してもらいたい。その上で今度開業医と公営の問題について聞きたい。

小島徹三自由民主党

○小島小委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

小島徹三自由民主党

○小島小委員長 速記を始めて下さい。

野澤清人自由民主党

○野澤小委員 委員長のとりなしで保留されちゃったのではどうしようもない。そこで考え方として、方向は政府がきめるとしても、今話し合いがあったように、一体なるようにしかならないのだというような浮草生活では医療体系というものはだめだと思う。しかもたびたびの委員会で、これは健康保険の改正の際に大臣みずから立ち上って、医療担当者の待遇改善をやりますと言い切っている。言い切っていながら今度は厚生官僚としてあなた方がお答えもできませんというようなことはけしからぬことだと思う。お答えができないのじゃなくてまだ結論が出ないからという態度だろうけれども、一体方向づけたり、あるいは考え方の基本線を示していくということは、これはあなた方は国家から給料をもらっている以上当りまえのことなんだから……。それまでも口を緘して言わないということじゃ、これはどうしようもない。これは社会党も自民党もそうだが、小委員会で、このむずかしい医療費というものを、政府がやろうと思ってもやりにくいだろうからわざわざ取り上げたということは、外郭団体である医師会、歯科医師会、薬剤師公等に対してあなた方が矢面に立って対立したりあるいはけんかしたりするということじゃ気の毒だから、一応筋が出る考え方の柱を打ち立て、そういうものについてディスカッションをしていこう、そして国会自体でもって方向づけ、あるいはまた義務づけていこう、そうすれば政府自体が促進するのにやりやすいのじゃないか、こういうような考え方が基本なんです。そうしてみるとあなた方が、何を聞いても資料だけは出せるがあとは御自由にというような、まるで投げやりな態度でいかれるのだったら、この小委員会は何もやる必要はないのだ。もう少しこれは、きょうは厚生省へ帰られて幹部会を開いて態度をはっきりしてもらいたい。  それからもう一つ、医療費の問題については、ただ点数をしげるということだけにとらわれていくと、あなた方もはっきり発言しにくいと思う。しかしこれはしばしば保険局長も言明しているのだから。一点単価の値上げをするということが目的になっているが、それに加味されて点数の上げ下げもします、是正もしますということをはっきり言うている。そうすればあなた方が、点数の上げ下げをするならばどういう方向でいくのだ、たとえば技術料をうんと上げようじゃないか、あるいは物の対価に対しては現金表示主義でいこうじゃないか、こういうふうな話も出るだろうし、またあくまでも現金給付というようなあるいは現物給付というような方式でいくのだとか、その考え方がいろいろな線から出てくるだろうと思う。たとえばこういう線でいくのならこういう考え方もあります……、それだけでもディスカッションしただけの効果はあると思う。それを口を緘して、言わないのだったら、何もあなた方が忙しい中をここへ出てきたって何もならぬと思う。だから至急にこれをきめて下さい。  それから小委員長として非常に頭のいいところを示して、前もって緘口令をしいてしまったような形だけれども、一体この小委員会というものは滝井君だって私だって、そんな出過ぎたまねをしょうなんていう、そういう考えはないんだ。単価を計算してみたら十五円になった、そうすると財政の喪つけを小委員会で決議して、本委員会に諮って、それがとれなかったら厚生官僚を全部首を切ってしまうぞなんていうことを決議するわけはないんだから……。要するに目安としてどのくらいの金が捻出できたならば医療担当者の待遇改善になるか、こういう目標を一応そこに出したものについて、何も本委員会で解決しようというような考えは持っていない。そうしてそのことについて今度は厚生省自体としては、新医療費体系のときに全国からあれだけたたかれたように、一定のワク内で点数をきめようと思うから問題が起きた。そうすると新しい医療費体系というものを作るのにはどうするかというと、もう何パーセントとか増さなければ、医療担当者が承知しないということは社会常識としてわかっている。わかっている以上はなんぼ増すか、こういうことが結論なのです。そうすると国会自体として自民党も社会党もこれは超党派的な問題です。それを滝井委員にあおられて、自民党に策がないと言われるならば自民党が策を出さなければならぬ出した以上それを持ち出せば、社会党は体面上つぶしにかかる。社会党がいい案を考えたって自民党では坊主にくけりゃということになったら、これまたつぶさなければならぬ。いつも厚生省を中心にしてこんな対立をしなければならぬという理屈はない。それよりも医療担当者の待遇改善というものは、基本的な線はどこだということのポイントだけでもお互いに見つけ合う、そうしてそれをお互いに努力し合って一日も早く実現するようにすることが必要だと思う。そうしていくと、もう方向なりあるいは考え方の内容なりというものは、おのずときまってくると思うのです。そういうことをきめるためにこの小委員会を作っているのだから、あなた方により以上の負債を感じさせたり、その責任を追及して、小委員会でこういう結論が出ていたとか、こういう審議の途上に厚生省の小山君なら小山君がこう言ったということを言って追及するほど、滝井君も私らも卑怯なやり方はしないから、この小委員会だけは一つもっとざっくばらんにやってもらいたい。どうしてもいけなければ速記をとめますよ。どうです。そういうことを今後やれるかやれないか。やれないならこの小委員会を開いたってしょうがないのです。それだけ答えて下さい。

小山進次郎厚生事務官(保険局次長)

○小山説明員 ただいま野澤先生がおっしゃいましたことはことごとくおっしゃる通りなのでございますが、ただこういう事情はぜひ御賢察願いたいと思います。というのは医療保障の問題について、これは三、四年前でありますとおっしゃるようにまず別の柱を打ち立てるということをやり、それから次の段階に議論を進めるという、次の段階の議論までの間にまた一つクッションを履いていろいろやっていくだけの社会的なゆとりがあったわけでございます。現在になりますとなかなかそういうふうに簡単にいかない。いわばいろいろな部分的な問題について、ほぼ定石に近いものが逐次できつつありまして、ある種の柱とある種の部分とが結びつくといったような関係ができつつあるというような事情もありますので、柱自体をどういうふうにするかということを考える場合に、勢いその柱に続いていく定石としてはどの部分を選ぶかということをほぼ見当をつけてしまう、いわば柱を立てること自体がもう最終の結論を出すということにひとしい程度に、すべてが同時に問題をとらなければならぬというような事情にありますので、その意味で私ども厚生省の局にあって仕事をしております者の頭の中の状態は、いろんな問題が一種の星雲状態にあって、まだ十分な形をとり切れない、もうしばらく時間的な御猶予をいただいてというような状態でありますので、もうしばらく時間的余裕をいただきたいと思います。

野澤清人自由民主党

○野澤小委員 非常によくわかるのだけれども、わしらは小委員会でそういう柱を削ったり、打ったりすることのアルバイトまでしてやろうというのです。あなた方、鉄の柱でなければならないのに木の柱をおっ立てて、これは柱でございますというのを、材料から吟味して柱を打ち立てて百年の計画を立ててやろうというのに、それに口を緘しておる。今度の健保の改正と同じように厚生省で柱も削り、柱も立てました。これは一つ政府が提案したのだから自民党で抱いてくれと言って、三年もかかって健保をやっと改正した。それと同じように、今後の医療体系というものが厚生省のいわゆる官僚独善でこれをやっていくのだったら、われわれは今後協力できなくなってしまう。それから時間をかせということもよくわかります。ですからこの問題については、一応こういう方向に出ておるが、これについては御高説は拝聴するが、批判はしないでくれと言えば滝井さんもやりはしない、わしもやらない。だから少くともそれを分担していくのにはどうすればいいか。たとえば内閣の社会保障審議会がある、あるいは厚生省直系のいろいろな審議会がある、その上に医師会、歯科医師会があって、そうしてそれに党は党で、自民党も社会党も活動している。そうすると小委員会としてはこういうことを考えていったらいいのか。柱を削るのか、打つのか、金づちでもってひっぱたくのか、そういうふうな工合の表示がないと協力のしようがない。どうしても答えられないというのならしようがないけれども、ただ時間の余裕を与えてくれ。厚生大臣ははっきりやります、とこう言う。そんな手ぬるい行き方でなしに、ある程度まで強力に行けるような態勢を逐次醸成する必要がある。ところが議員はおしゃべりだから、自分でしゃべって問題点を出して、それを解決して君たちに進呈するのが議員の役目だと思う。議員は大体自繩自縛だ。それで問題を出すのだから、自分でそれに理論づけをして、結論を出して君らにやりいいように持っていこうというのが主眼だ。ただしゃべらしておけばいいやということは、それはけっこうだ。しかし問題点がどこにあるかということは、どうしたってお互いに拾ってみなければならぬ。それをあなた方の方で今ただ大きな柱までここに露出しろということでなくて、そういうものをおしなべて五つなり十なりの問題点をずっと並べて、こういうような方向でやっていかなけれげならぬということは出てくるのではないか。そこで小山君だけ責めていてもしようがないから、医務局長に聞くのだが、大臣もたびたび答えられておるし、あなた方も答えているのだが、一体日本の医療制度というものは、開業医重点主義で今まで施策をやった形になっている。従って単価計算なんかの場合には、いつも開業医が中心なのです。しかし統計資料というものは、開業民の統計というものはあまり重く用いられないで統計資料というものが出てくる。公営、官営のものがあるだけにこういう形でいるけれども、戸々でいくのか。一体将来の見通しをどうつけていますか、局長から伺いたい。

小澤龍厚生事務官(医務局長)

○小澤政府委員 将来の見通しの問題でありますが、先のことでございますのでわかりませんが、しかし開業医はあくまで尊重していかなければ、日本の現在の医療において完全を期せられないことはだれも認めるでしょう。その通りでございまして、数におきましても質におきましても、わが国の医療の相当の部分を開業医がやっておる、開業医であることは隠れもない事実なのであります。従いまして開業医制度というものを尊重する方向に持っていきたい。しかしながら先ほど申し上げましたように、つまり自由契約で自由な治療をし、自由な診療をするというふうな前提で開業医制度というものはあったと思うのです。その前提は現在くずれてしまった。くずれてしまったそういう自由診療と申しますか、社会保険診療のあり方によって、開業医のあり方というものはどうなるか。これは大へんむずかしい問題ですよ。どうしたらいいかということは現在苦慮しておるわけでございます。今こういうつもりであるということを、明確に御答弁できない段階になっていることは先ほど申した通りであります。それから統計資料につきまして、自分の資料ばかり尊重して開業医の資料は尊重しないじゃないかということもごもっともですけれども、資料はある程度信頼すべきものでなければいけない。最近病院においては企業会計を採用しているのがだんだんふえて参りました。従って病院からは資料が得やすい。開業医さんから資料を得るときには、既存の資料ではだめなのです。もしも得ようとすれば相当の統計家の、すぐれておる人々の日々の収入支出によっていろいろな勘定科目に振り合けて、これから作っていかなければならぬというものが多いために、これは開業医の資料を軽視するということでは全然なくして、現在の資料の実態からして使いにくいのです。ただ最近、開業医の方でもだんだん青色申告等を採用している方もございますので、今後は青色申告によりますところの開業医としての資料ができるのではなかろうか、こういうふうに考えております。

野澤清人自由民主党

○野澤小委員 もう一点だけ。そこで尊重するというのも度合いの問題だし、それから相手方の開業医の性格の問題だと思う。今までのように自由診療が主体でもって開業医は生活できればよろしいが、国民皆保険を打ち出した以上は、社会保険でもって医者は暮していかなければならぬ。そういう形態になってきた場合に、尊重はいたしますが食えなくなりました、自殺しなければなりませんでは、これはもう話にならぬと思うのですね。そこに現在の開業医、歯科医というものの悩みがあると思う。それからきょう現在の飯に困っているのではないのです、あす、あさっての生活の保障というものにおびえているのです。この現況というものは、やはり厚生行政の欠陥だと思うのです。それをどういうふうに今後育てていき、どういうふうにめんどうを見ていくかということが一応将来に対する見通しでもあり、柱の建て方でもある。そうしてくると、四年なら四年後には国民皆保険になるという現実的な大きな変化というものを考えていくと、しばしば委員会等で問題になる医療機関の新設の場合の地域的な按分というようなことも全く考えられていないのが、現在の医療関係の実態だと思う。これは厚生省は一応筋道が立っておる。ところがそれに逓信省が加わる、あるいは鉄道省が加わる、労働省が加わる、こういうことで勝手気ままな公的医療機関というものがどんどんふえていく、ふえる反面に今度は健康保険の改正のようにどんどん保険医療機関というものが整備されていく、整備されていくうちに開業医というものが圧迫されるような形態に追い込まれていく、こうなってくると一体将来の医者というものはどうなってくるのだ、この不安を除去しない限りは、医師会と厚生省と開業医と仲よくやろうということはできなくなる。心配だからわれわれは心配しているのですよ。そうするとそれらに対して、たとえば、何べんか前に話が出ましたけれども、保険医の身分に対して将来どうするのだ。これは国民年金の問題がある。今もう内閣の社会保障制度審議会に正式に議題として取り上げられている養老年金というものがある。こうした場合に厚生省自体としては、養老年金なんというものはただ内閣の社会保障制度審議会で勝手にやっておるのだからという態度でいかれるのか、あるいは国民年金自体を、厚生省が特別委員を設けてそこで研究していったらいいと考えるのか、それともまた保険局や医務局で相談をして、いわゆる技術者の年金というようなものを将来求めない限り、医者や歯科医、薬剤師というものは、この社会保険にしかも低利でもって奉仕しなければならない技術職の生活基盤というものが失われていく。こういうふうな考え方が一方で柱になって、そうすればそれらに対しては共済制度的なものを作るか、あるいは無醵出でもって国家補償にするか、それとも保険財政のうちから特別にこれらに対する身分保障をするか、とにかく今の医者自体の立場というものはどんなに過酷な労働であり、奉仕であっても、これはいやがって逃げて歩いているのではないか、やむを得ず協力しなければならないのだから。そうすると政府自体の政策としてやはり大きな投網をかけなければならない。かける場合にどういうところに目標を置くかというのだから、これは小山さんのお話じゃないが、くいを打っているのです、打ち上ったらお知らせしますというのでは、これはとても話にならぬと思う。これは即答せよといったって、あなた方黙秘権を使うのだから、それでしようがない。一つ大臣中心にお話し合いをして下さい。ざっくばらんに話し合いできないのだったら、滝井委員とも相談してこんなものはやめてしまいます。そうではなくて、どんな柱があるか、柱を拾おうじゃありませんか。コンクリか鉄か木材かというところまで、みんなでいろいろな柱を拾い合ってみることが必要じゃないかと思うのです。何か意見があったら聞かして下さい。なければけっこうです。

小澤龍厚生事務官(医務局長)

○小澤政府委員 今後開業医というものの姿が変ってくるということは御指摘の通りであります。それだけにまた開業医の制度を尊重するなら尊重できるような手を打たなければいかぬということも御指摘の通りでございます。一つの考え方として、医療関係者に対する年金制度ということを考えたことがあるのかというお尋ねでございましたけれども、計算はいたしておりませんけれども、十分これは考えている、われわれの考えている問題の一つの要素になっております。それから次々と大きな病院ができて、開業医が圧迫されていくのではないか、病院の規制ということも必要なことではないか、そういう点は考えておるかという御質疑でございましたけれども、これもまた十分考えておるのであります。厚生省の中の少くともわれわれ医務当局といたしましては、まだ現在開業医の配置規制までは考えておりませんけれども、少くとも官業病院につきましては、これは何とか配置を規制しなければならない段階に来ておる。同じ官業病院でありましても、特定の職場の人たちだけを診療するような特定の病院、これは別でございますけれども、一般大衆に、本来の目的でなくても開放されるような病院については、それは配置を規制して病院の少い方に建てるとか、大きい方は遠慮してもらうとか、何らかの措置を講じなければならない段階に来ておるのではないかというふうな考え方はしておるのでございます。

野澤清人自由民主党

○野澤小委員 どうですか、お二人で責任を持って省内の意見をまとめてこの次までに返事してくれますか。

小澤龍厚生事務官(医務局長)

○小澤政府委員 先ほど小山次長から申し上げました通り、一本の柱を打ち出せば全般は解決するというものではないのでありまして、これは五本も六本もいろいろな柱を立てなければならない。一本の柱の立て方によりまして、第二、第三、第四の柱がそれぞれ影響し合うのでございます。だから結論が出るとすればやはり大体一本に出る。出ないとすればその間はやはり議論しておってなかなか出ないのだというのがこの問題であり、この問題のむずかしさがそこにあるのではないかと思うのです。そこで御意見のほどはよくわかります。帰りまして大臣にも申し上げまして相談いたします。私どもはあえて隠そうという考え方はないのでありまして、不十分な結論が出ることもおそれなければなりませんので、十分検討をさせていただきたい、こういうように思います。

滝井義高日本社会党

○滝井小委員 そういう広範な日本の医療制度の全般的なことを言えといっても、なかなか無理ですから、私は、医師の待遇の改善をやる、しかしそれは国民皆保険に御協力を願うからやるのであって、その御協力願う範囲において大体今後自由診療がなくなっていく。開業医というものはどういうあり方になるのかということぐいらはやはり示してもらわぬと、野澤さんがさいぜんから言うように、非常に開業医というものは不安定だということです。これで協力せよといってもしませんよ。目標のわからない、行く先のわからないところに連れていく、深山幽谷に連れていくのか、星雲状態の天国に連れていくのか、地獄か極楽かわからぬでは困るので、極楽なら極楽の方向を示してもらわなければいかぬわけです。そういうことを一つこの次にしてもらいたい。それから、そういうことになると、それらの医師の寄っている団体というものは、一体どういう工合に社会保険に協力してもらう姿を作っていくのかということです。これは大事です。それは医師団体のあり方がわからぬでは、そこに所属している団体員は協力できません。それは医師団体にしても、薬剤師の団体にしても、歯科医師の団体にしても同じだと思います。それから同時に国民総医療制度として、さいぜん言ったようにこれを出してくる。いま一つは事務の簡素化を約束している。これは社会局にも十分連絡していただいて、これはきょう大臣にも明白に御言明をいただいております、健康保険と日雇い、生活保護、国民保険関係の少くとも診療報酬の請求事務というものはぐっと簡素化をしてもらう。監査や審査というものは厳重にやっても事務だけは簡素化してもらう。こういうようなことをひっくるめたものは、これはきわめて現実的な、しかもすぐ当面している問題である、何も専門医制度をどうしようとか、むずかしいことを言っているわけでない。まず当面どうするかという問題、その三つ四つの問題というものはしてもらわなければならぬということです。これは委員長にもお願いして、五月の末か六月の初めにはもう一回この委員会を開いてやはりある程度の方向は、単価問題に対する一応の結論はやはり出す必要がある。そういうことで一つお願いしたいと思うのです。あと医師の待遇改善の問題の具体的なことは委員長が言われるそうですが、そういう問題もひっくるめて一つ考えてもらいたいと思います。

小島徹三自由民主党

○小島小委員長 この際小委員会として厚生省に一つお願いがございます。それは御承知のように適正な医療費を出すために一つの方法として、前回の委員会で厚生省にも委員会としての資料を送付いたしましたが、その中に現われている数字については、滝井君の説明にあった通りに、多少未定稿が実は入っているという点がございますので、その中で厚生省としては当然できるものがあると思われます。たとえば満四十九才の医療職の給与月額を出している数字を見ましても、これは医員と医長と院長がおのおの一の割合で出しておりますが、実際においてはその割り振り、影響は多少違ってくると思いますし、その他未定稿としてあるうちの直接の医療月額という数字の中には、人件費とか光熱費、水道費というものは含まれてないということでありますが、これももちろん厚生省でできるはずだと思いますから、そういう数字を、この渡した資料に基いて厚生省でできる限りの的確な数字を作って、そうしてもう一度計算をしてもらいたい。できれば次回の委員会までに一つこしらえておいてもらいたい。そうして委員会に配付してもらいたいと思います。それをお願いしておきます。  それでは本日はこれで散会いたします。     午後四時三十九分散会

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