社会労働委員会 第51号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/05/15
会議録
○藤本委員長 これより会議を開きます。 水道法案を議題とし、審査を進めます。質疑を続行いたします。滝井義高君。
○滝井委員 昨日、今後水道法が通ることによって小規模の水道の布設というものが盛んに行われる状態が出てくる、そういう場合に地方自治体、特に府県にそれらの技術的な事務をつかさどるエキスパートというものが欠けておるのが現状であるので、水道法が通っても実質的な設計の指導、審査というものがうまくいかないのじゃないか、従って急速に地方自治体に、少くとも二、三省程度は国の経費をもって技術者を置く必要があるだろう、全くそういう点については同感であるという意思表明がございました。こういう点は、むしろこれは大蔵省に来てもらって、大蔵省の言質もとっておく必要があるかと思うのです。厚生当局は賛成でございます。そこで、当面すぐにそういうことができるとすれば、まず今回科学技術の委員会で技術士法というものが成立をいたしまして、今後技術士の登録をやったならば、その技術士というものはおそらく事務所を開設することになるだろうと思うのです。そういう技術士と今後水道の設計なんかとの関係を当局はどういう工合に運営をしていくつもりなのか。
○楠本政府委員 技術士法によります技術士は、科学技術関係の部門につきましてそれぞれ専門的にきわめて高度の技術を持ち、しかも国がその資格を審査、認定いたすことに相なるわけでございます。いわゆるコンサルテング・エンジニアの性格のものでございまして、かような制度は従来まで日本になかったわけでございますが、今回新たにかような制度が設けられたものとわれわれは理解しております。そこでこれら技術士というものが、それならば府県の職員等として働くかと申しますと、これはむしろその趣旨がコンサルテング・エンジニアの性格でございますので、さらにそれよりも高度の立場に立っていろいろ技術者を指導するというようなことになろうかと存じますので、この水道法ができましても、この水道法にきめられた技術者がいわゆる技術士であるかどうかということではなくて、むしろその人たちがそれぞれ高い地位の研究所なり、あるいは独立して事務所を開くなりした場合に、水道関係の技術者がその指導を受けることになるものと考えております。従って特に重要な調査あるいは設計というようなことにつきましては、今後は十分にこの技術士制度を活用いたしまして、私どもは一そう水道事業の技術が向上するもの、かように考えております。従って結論的には、ただいま先生が申されましたように、事務所を開くなりあるいは相当高度の研究所におりまして、いろいろ水道関係の技術者を指導することになろう、かように考えます。
○滝井委員 水道関係の技術者を指導することになるということでございますが、具体的には指導させる形を作っていかなければならぬと思うのです。たとえば私はまのあたりに見たのですが、現在われわれの地区に縦坑というのができつつあります。いわゆる深部探炭をやるために縦坑を作るわけです。そうしますと、その縦坑を作るについては、日本に深部探炭をやるその縦坑の設備をやる専門の技術者がいない。ドイツからやってきて、半年とか一年やって参りまして、そしてその縦坑の設計をやっておるわけなんです。そうすると、そのドイツからやってきた技術者について縦坑の設計や何かをじかに習う日本の技師がおるわけです。ところがその技師が、一たび定年がきてその会社なら会社をやめますと、もう日本ではその人がどこにおるかわからぬという状態になっておるわけです。そういう人は今度はその縦坑については専門の技術者なんです。いずれにしてもその人は工科大学なんかを出ておる。従って今度の技術士法によってこういう工学技術の最高の専門家として登録さして事務所を開いていく。そうすると、どこか他の鉱山で縦坑を開くということになれば、その人の意見を聞けば、その人の過去に蓄積した知識というものが非常に役に立ってくるわけです。そういう意味で、大規模の水道事業等をやった場合の指導的な地位にある水道管理者と申しますか、水道技術者というものを今後登録させる必要があると思うのです。そうしますと貧弱な市町村や県に、よし技術者がたくさんいなくても、申請のための設計書を作るときに、その登録をしておる技術者に見てもらって、これならば大丈夫だという判こがすわっておったならば、知事が確認をする場合にも、厚生大臣が認可を与える場合にも非常に安心がいく、こういうことなんです。従って私はあなたの方にお願いをしたいのは、技術士法というものができたのですから、全国の水道専門技術者にもこの際登録をせしめておく必要があるのではないか。そうしてこの人たちがやめて事務所を開けば、前にそういう経歴があるのですからその人に見てもらう、こういうことになるのではないか。この法律ができていよいよ動き出すについては、何といってもこれは文章だけでは動かない。その専門の水道技術者をどういう工合にこの中で活用をしていくかということにかかってくると思うのですが、そういう意思があるのかどうか。
○楠本政府委員 単に水道に限らず衛生工学関係の事業はきわめて高度の技術を要しております。私どもは目下科学技術庁に対しましてはぜひ衛生工学部門を一つ専門事項の中に取り上げるように強く要求をいたしております。まずこれができませんと衛生工学関係の技術士というものは姿を見せぬことになりますので、まず技術士法の中に衛生工学部門を取り上げることが第一で、次に私どもはただいま御指摘のございましたような各都市その他におきます優秀な技術者に対しましては、できるだけその試験を受けて登録をするように勧奨をいたすつもりでございます。かようなことによりまして私どももこの技術士法の制度を十分に活用いたしたいという点については全く御指摘の通りの気持でおります。
○滝井委員 ぜひ一つそういうようにやっていただきたいと思います。 次に、少し飛ばしまして四十一条関係に参りたいと思います。この四十一条を見ますと、これは水道事業を一体として経営をすることをこの条文はうたっておるようでございます。私はこういう条文はきわめて妥当な条文だと思います。問題はこの四十一条には水道事業と水道用水供給事業とし間の調整がうたわれておるのです。ところが簡易水道の間の調整――これはこの前八田君も質問しておりましたが、水源が一つしかない。しかしその部落部落は五千以下の人口である。ところがこれらの三つなら三つの五千以下の市なり町村が行なっておる簡易水道事業が、一体になって一つの水源から水をとるということになると経費も非常に省ける。ところがそういう点については、簡易水道は補助との関係で欠ける点があるので割拠の弊が起る可能性がある。そういう点については行政で指導して、できるだけ一本の水道から、合理的に、分れた部落でやれるようにするのだという意味の御説明があったようでございます。ところが四十一条に水道事業なり水道用水供給事業者間の一体的経営については書かれているけれども、どうしてこの場合行政指導でなくて簡易水道についてもそういう条文を入れなかったということです。
○楠本政府委員 この第三条の定義におきまして明らかなように、水道事業、水道事業者というものは一つの総称でありまして、その中に当然簡易水道事業が小分けして含まれておりますから、この場合は水道事業者といえば簡易水道事業者も含まれる考え方でございます。
○滝井委員 実は私もそうではないかと考えて読んだのですが、ところがこれは「厚生大臣は、」となっている。それて簡易水道の確認の方は知事がやるわけなんでしょう。そこで私は思い直したのです。水道事業だからあるいはこれは簡易水道も入るのじゃないかと思ったが、四十一条の冒頭には「厚生大臣は、」こうなっているんで、厚生大臣または都道府県知事、こうなっていれば、そういう疑いは起らないのです。厚生大臣だけになっているので、簡易水道をやるときには知事であって、厚生大臣は一応関係ないことはないけれども、直接まず第一には知事なんです。どうしてそういう工合に読めるかということです。
○楠本政府委員 知事が扱います水道は、専用水道について確認をすることが職責でございます。ところが専用水道は自家用でございますので、特に広い立場からその合理化をはかるというようなことは、その必要がないものと考えております。
○滝井委員 わかりました。そうしますと、この四十一条の条文では簡易水道の一体的な運用というものも含まれている、こう了承して差しつかえないですね。
○楠本政府委員 御指摘の通りでございます。
○滝井委員 そこで小熊さんが見えましたので、伺いますが、小熊さん、四十一条です。四十一条をごらんになると、水道事業者間もしくは二以上の水道用水供給事業者間の事業の一体的運営を厚生大臣が勧告することができることになっているわけです。この場合に、水源が一つしかない、そしてそこに簡易水道を作る。五千以下の水道事業者が三つあった。そうすると、これは水源が一つなんですから一本にしてやると、人口が五千をこえてしまうわけです。そうすると簡易水道の四十四条の補助対象にならないわけです。しかしこの四十一条から見て、厚生大臣は、その三つの五千以下の、たとえば四千でいいですが、四千の四つの部落に対して、君たち、どうせ上流には水源が一つしかないんだから、三者が一体になって水道事業を経営した方がよいだろう、そういう勧告をしたときに、その三つの業者に対してそれぞれ個別的に四十四条の一部の補助というものはいくことになるのかどうかということです。
○小熊説明員 四十四条の国庫補助の運用につきましては、水源が一つございまして、それで他に水源がない、そしてそこから各聚落に水道を引かざるを御ない、こういうような場合におきまして、これに対して各聚落の供給人口が五千人未満である、こういう場合は四十四条の運用上これを補助していくということになって、具体的な条件をきめまして、一定の条件のもとにその一部を補助していくということにつきましては、厚生省と具体的な話を進めている段階でございます。四十一条の規定は厚生大臣の勧告権を規定しているわけでございますが、それは四十一条の規定によって勧告された場合のみか、それ以外の場合のみでなしに、一般的にそういうような条件がありました際には、四十四条の運用といたしまして補助するように計らっていきたいと考えております。四十一条はたまたまそれを別個にやってしまおうといったような場合には、勧告権が働くべき可能性があるのではないかというふうに読めるのでありますが、初めからこういう四十一条の規定に勧告がなくても、そういう条件の場合は、具体的な条件――これはいろいろなケースがあるだろうと思いますので、その点は個々具体的なケースについてどういうふうにやっていくかということを検討しなければならぬと思います。現在のところは、そういうような気持で対処していきたい、補助することができるようにしていきたい、このように考えております。
○滝井委員 そうしますと、ABCという三つの町村があって、人口がみな五千以下だ。そうすると、その五千以下の町村が簡易水道をやるというときに、その三つを合せると、一万二千になる、四千ずっとすれば。これは四十四条の実は対象にならない。しかしそれが自主的に、水源が一つであるがゆえに、あるいは水源地はたくさんあるにしても、最も近い最も水質のいい水源地から三つが期せずして自主的に集まって一本の施設でやっていった方が経費もいろいろ便利だ、こういうときには補助の対象になる、それから四十一条の勧告によってやるような場合についても補助の対象になる、こう理解して差しつかえないですね。 〔委員長退席、大橋(武)委員長代 理滑席〕
○小熊説明員 四十一条はあえて簡易水道だけではございませんで、各聚落が五千人以上の場合もあると思います。その場合におきましてもそれが先ほど申し上げましたような条件に合致する場合であれば、これは補助していく、このように考えております。
○滝井委員 今簡易水道を例にとって話しておるわけで、四十一条の中の水道事業ということの中に簡易水道が含まれている、こういう御説明がありましたので、従って自主的にやる場合、それから勧告を受けてやる場合、二つの場合についても予算の範囲内において補助がある、こういうことです。その予算の範囲内の補助は、これはやっぱり大体四分の一補助ということになるのですか。一応一般の簡易水道は四分の一補助ですね、政令で定める額は。
○小熊説明員 一般の簡易水道につきましては、四分の一でございますが、ブドウ状になっておりますところの水道につきまして、これをどういうふうに計らっていくか、これは個々具体的なケースについて当ってみなければならぬと思いますが、ただいまの厚生省の考え方では、共通部分、枝葉が出るわけでありますが、共通部分につきまして自主的にバランスがとれるように考えていく、こういうことじゃないかと考えておりますが、そのほかにもいろいろな考え方があると思います。それは個々の具体的なケースにつきまして検討いたしまして、バランスがとれるように考えていきたい、このように思っております。
○滝井委員 大体わかりました。原則として四分の一。しかし、いい言葉を教えてくれたのですが、ブドウ状水道については共通部分が確かにあるので、そういう点は三倍の補助金をやる必要はないと私も思います。そういう点、ケース・バイ・ケースで十分お考えになって補助金を出すようにしてもらいたいと思います。 次に四十二条の、地方公共団体による水道事業の買収の問題でございます。現在AならAという自治体が水道事業をやっております。ところがその地区にやはり市町村がやっておる水道事業と同じ程度の鉱害水道事業があるとします。こういうような場合は、この法案が通ったあとは一体どういうような運営の方法になるのかということです。
○楠本政府委員 この法律の趣旨といたしますところも、両者の話し合いで買収を促進しようということが基本になっておるのであります。従いまして、鉱害的な水道の場合におきましても、昨日もお答えを申し上げましたように、当然これは市町村側あるいは事業団側と、買収の話し合いを進めていく以外に方法はないわけでございます。
○滝井委員 事業団でなくて、鉱害水道は炭鉱自身、鉱業権者がやっておるわけなのです。しかも鉱害水道といっても、その会社なら会社の社宅におる住民にやる専用水道が兼鉱害水道の形になっておるわけです。同時にその市町村には別個に市町村営の水道がある。いわば水道行政が二元にその市町村では行われておる。そういう場合、この法律が通った後における水道の運営はどうなるのかということなのです。そういう場合に必ず今度は鉱業用水がそれにからまってきています。それで、その会社はある水源地から水を持ってくる。そうしますと、それは一方においては鉱業用水として使われ、一方においては専用の上水道として使われ、一方においてはそれが同時に鉱害水道になってきておるわけなのです。それはわれわれのところに多いのです。そして同時にその市町村は別個にみずからが、鉱害のない地区については水道をやっておるわけなのです。しかるに、あとでまた触れますが、北九州は非常に水源が枯渇をしてきまして、従ってそのやっている市町村としては、むしろその鉱害を与えておる会社の水源地を把握をして、市町村経営の水道と鉱害水道とを一体にした方が、水道運営、保健衛生の上からきわめて合理的なのです。そういうような場合の運営、指導の仕方はどうなるのかということなのです。四十二条の条文を見ると、中ごろに「その他その区域内において自ら水道事業を経営することが公益の増進のために適正かつ合理的であると認めるときは、厚生大臣の認可を受けて、」云々、こうなっておる。従ってこれは、地区の住民の保健衛生の立場から、あるいは四十一条との関係もありますが、水道事業運営の一体的な見地に立ちますと、当然この法律が通れば、市町村長に対して大臣は勧告すべきだと思うのですが、その点はどうかということなのです。
○楠本政府委員 よくわかりました。炭鉱等の経営いたしております水道が、一般住民も多少使っておって、一般水道事業のような形式を持っており、必ずしも自家用水道とも言い切れないというようなものが、北九州等にはかなりございます。この場合に、その施設が必ずしも十分でない、あるいはまた市町村が独自の立場で、実施しているものと合併した力がはるかに合理的であるというときには、当然これは合併して合理化することが適当でございます。従いまして、さような場合には買収の話し合いを進めるよう指導をいたさなければならぬものと、かように考えます。
○滝井委員 そうしますと、そういう場合は、あなたの方は、今後どんどん一体的な運営をやるように、事業主に対しても、専用水道をやっている会社に対しても、あるいは市町村に対しても勧告をされていく、こういう方針ですね。確認しておきたい。
○楠本政府委員 そうすることがより合理的になる場合には、当然勧告もいたしたいと考えております。
○滝井委員 わかりました。私もそういう勧告をやる力が、やはりこの際必要だろうと思います。 次に、これは楠木さんは御存じかどうか知りませんが、熊本県の水俣に奇病が発生している。それで手足の麻痺が起り、言語障害が起り、最終的には片目の状態になってくる。死亡率は三二%です。私も、それがどういう臨床上の他の症状を呈しているか、患者を見ておらないのでよくわかりませんが、とにかく水俣地区の漁民の間には一大恐慌を来たしているということを、実は熊本県選出の代議士から聞いているわけです。しかもそれが原因不明である。しかし農民の間には、伝えられるところによると、工場の廃液による障害ではないだろうかということがもっぱら言われておる。厚生当局も調査に乗り出しておるということであるが、一体これはどういうところが原因になっているのか、実はこれは水に関係があると私は見ている。それで、水産庁の方もおいででございますが、水産庁の方はそういうことをお聞きになったことがあるかどうか。漁民の間に、もう二、三十人くらいそういう病人が出ている。死亡率三二%というと、これは相当高い死亡率です。まず厚生当局から御説明願いたい。
○楠本政府委員 水俣のただいまお話のございました問題は、よく存じております。存ずるどころでなく、当初から厚生省といたしましては現地の十分な調査をし、また私どもの手元には、関係各省からなる協議会を設けまして、この対策に腐心をいたしております。まず最初に決定しなければならぬ問題は、この原因が果してどこにあるかということを、科学的に突きとめることが第一歩でございます。目下はその点に主力を置いて検討を加えております。もちろん関係各省の御協力も得ております。今までのところは、見通しは得ておりますけれども、もう少し突き進めませんと断定的なことは申されません。今の研究の段階では、多分何らかの工場廃液あるいはそれに関連のある事態ではないかと思いますが、しからばどういう物質がどういうことでさようなことを起しておるかということになると、想像はつきますが、いまだ解明された段階には至っておりません。しかしこの問題は、おそらくあと、時間がかかりましても一月以内で原因の究明だけはできるのではないかと考えております。なお、原因の究明ができましたらそれに従ってそれぞれ対策を総合的に立案する趣旨でございます。
○新沢説明員 ただいまお話のありました点、私たちもよく存じております。楠本部長からお答えがありましたように、厚生省が主体となって、関係各省寄りまして対策協議会を作っておりまして、私どももそれに参加していろいろ原因の究明やそのあとの救済策等の御相談にあずかっているわけでございます。今もお話がありました通り、当面の問題としては、できるだけ早く原因を究明することに全力が注がれているわけでありますが、なお実際上の問題といたしましては、湾内で魚をとることが事実上できませんので、それに対する対策として、三十年度の浅海養殖関係予算のうちの一部をきいて、害のない地区において築磯と申しますか、新たに補助金を出して浅海養殖の設備をいたしまして、そこで魚をとったり貝をとったりする漁業に転換させるという方策を講じております。すでに予算については内示をいたしまして、熊本県の道局と下米の実施について御相談を重ねているところでございます。
○滝井委員 水産庁の方にちょっとお尋ねしておきたいのですが、今、別個に浅海養殖をやるため築磯等を設けて漁場の転換をはかっておられるわけですね。そうしますと、そこの湾内で魚類をとるということについては漁民に障害が及んでくる、すなわち人体に障害が出てくるということですが、そこに住んでいる魚類には何も影響を与えておりませんか。
○新沢説明員 水産庁の係官が現地へ行って、見て参ったわけでありますが、原因がまだはっきりいたしておらないのであります。しかし現実に貝が死んでいる、あるいは魚が死んでいる、あるいは非常に弱っている魚が浮いたような状態になっていることは見て参っております。ただし、この原因がどこにあるかということに対してはまだ慎重な検討を続けなければならないと思っているわけでございます。
○滝井委員 その工場は何を作る工場ですか。またその廃液の中には、化学的な成分でいえばどういうものが入っているのでしょうか。
○楠本政府委員 これは窒素の肥料工場でございます。最近はビニールその他の製品も作っております。しからばどういう廃液を出しているかと申しますと、いろいろなものを出しております。それらを目下総合的に慎重に検討いたしております。当初はマンガン等も疑ってみましたが、これらに関係のないことも明らかになってきております。だんだん研究の範囲が縮められてせばまって参っておりますので、先ほどもお答えいたしましたように、おそらく今後一カ月以内で結論が出るのではなかろうかと思っております。
○滝井委員 窒素肥料工場、あるいはビ二一ル製品を作っているということがわかりました。これは一カ月くらいで結論が出るということでございますが、速急に出していただきたいと思うわけです。宇田さんはまだ見えておりませんが、鉱山保安局長さんお見えのようですから、少し水道事業に関連して、各各にわたる問題を質問さしていただきたいと思います。 水道法案が明日の本会議で衆議院を通って参議院に回付され、今国会で成立の見通しでございます。最近日本の水資源が非常に重大な危機に直面しておるということは、社会保健機構のC・Wクラッセン氏の勧告を見るまでもないことだと思うのです。今後日本の水道事業というものを円滑に運営していくためには、どうしてもこの問題を解決する以外にないだろうと思う。まずわれわれが水資源を求める場合に、ダムを作ったりあるいは湖沼から求めたりしますが、やはり主要なものは河川だと思うのです。日本の水資源できわめて大きな障害を受けておる河川は淀川、遠賀川で、淀川は工業の発展している地区にあり、遠賀川は鉱業が発展している地区にある。私、淀川についてはその地区に住んでいない関係上十分調査することができませんが、幸い川筋といわれる遠賀川の近くに生れまして遠賀川の水に育ってきましたので、遠賀川の実態については、いささか知っております。従って、まず日本における最も汚濁の著名な遠賀川を例にとりながら関係各省のお考えを承わってみたいと思うのです。 現在遠賀川の流域には細百三十六万人くらいの人が住んでおります。日本一の出炭量の多い筑豊炭田をかかえ、そして遠賀川の両岸には約二百有余の炭鉱があるのです。その遠賀川の水は灌漑用水にも利用せられている。上水道用にも使われている。鉱業川にも使われておるし、北九州の力に流れていくに至っては工業にも使われております。いわばこの遠賀川は北九州あるいは筑豊炭田あるいは筑豊平野の母親のような役割をしておるというのがこの川の現在の姿です。ところがここ数年来、この遠賀川の汚濁が非常にはなはだしくなって参りまして、いわば水利の限界に達しておるというのが現在の遠賀川の偽わりなき姿です。一体どうして遠賀川の水がそんなに汚濁してきたのかというこの原因を探究してみる必要があろうと思う。その原因を探究するとともに、いろいろ川自体にも変化が起りつつあります。まず変化の第一は河床の地盤の沈下が始まっておる。同時にわれわれの方の言葉でいえばボ夕山あるいはスキップと申しますか、立錐形の丘陵が炭鉱のポタの廃炭によって作られている。そのスキップあるいはボ夕山からいろいろのものが流れ掛て川に入って、一方河床の地盤が沈下しておるけれども、同時にまたそのボ夕山から流れたボタや土によって川の中にも一つの丘陵みたいなものができておる。それから炭鉱の洗炭の廃液による微粉の堆積が同時にそれにまじって起ってきておる。こういう形なんです。しかもその地盤沈下の傾向あるいは河川の形状の変化は最近における石炭ブームに乗ってますます顕著になってきておるという現状があるわけです。日本における典型的な汚濁水の流れておる遠賀川は今度の水道法に重要な関係を持つことになるわけですが、一体政府はこういう汚濁水の問題をどういう工合に考えておるのか。こういうことをまず水道法を今度国会に出しております厚生当局のお考えを政務次官から承わっておきたい。
○中垣政府委員 ただいまの水の問題につきましては、厚生省の問題ばかりではないのでありまして、たとえば通産省または農林省等にも関係あるのでありますから、政府としましてはこれらの管理については総合的な立場から考えを別途に立てなければならないと考えております。
○滝井委員 政府としては総合的な立場からこれらに対する対策を別途に立てなければならぬ、こういうとでございます。実はぜひそうしてもらうためにきょうはわざわざ各省の関係の方方のおいでを願って質問するわけなんです。遠賀川の両岸の炭鉱から出る石炭は年間千三百万トンだといわれております。今年度の出炭目標は五千二百七十万トンくらいになっておるようですが、約三割弱程度は筑豊炭田から出ていく。こういう日本の基礎原料である石炭の役割から考えて重要なことになるのですが、まず第一にお尋ねしたいのは、最近炭鉱から出る廃液で汚濁が強くなってきたという点が一つ、それからいろいろな有機物質が含まれておる。特に硫黄の含有量が濃厚になってきておる。しかも最近は雨の中に放射性の降下物までまじるという事態です。今、遠賀川から上水道をどの程度とっておるものがあるかということは、資料はありますが、計算いたしておりませんので、数は明白に申し上げかねますが、厚生省としては、相当たくさんの上水道をとっておりますが、遠賀川の水について科学的な検討を加えたことがあるかどうか。
○楠本政府委員 厚生省といたしましては、ただいまの遠賀川の点につきましてはきわめて重要視をいたしておりまして、かつて遠賀川及び淀川、この二つの水系を専門的に調査したことがございます。
○滝井委員 その結果、淀川のことは私よく知りませんので、何とも申し上げかねますが、遠賀川の水が飲料水として適当なものであるという結論が出ましたか。
○楠本政府委員 これは遺憾ながら飲料水としては限界を越えておるように思われます。ただ、私どもといたしましては現在どの程度に水質を規定すべきかという基準がいまだはっきりいたしておりませんためにその辺には多分の議論がございますが、少くとも衛生的な立場から見ますれば、すでに限度を越しておるのではなかろうか、かように考えております。
○滝井委員 私だいぶん科学的にこまかくペーパーや何かも調べてきておりますが、こういうことは学界その他で専門家の八田先生にやってもらいたいと思いますが、私はそういう面はしろうとでございますので、端的にしろうとわかりのするように、飲料水としての水質の基準は厚生省としてはないが、越えておるということがわかればそれでけっこうです。そこでこれはきわめて重大なことになるわけなので、幸いにして刑事局長さんが見えましたので、ここらあたりで一つ刑事上の問題と結びつけて質問していくことになるのですが、まず飲料水としての限界を越えておる。この筑豊炭田のまん中を流れておる遠賀川の汚濁水の沈澱をする部分をスラッジと言っておりますが、これは河床に洗炭廃水の中にまじっておる微粉とコロイド状の微粒子の沈澱した泥状のものなんです。それをスラッジというそうですが、それが河床にずっと堆積をしてくる。そうしますと、その結果どういうことが出てくるかというと、まず水道の伏流水を取るために、多分取水管と申しますか、何か川の中にいけております、それの穴がこのスラッジによって詰まってしまう。そうしますと、大体普通の川ならば三年か五年くらいは優に機能を発揮するものが一年かそこらでもう水が貯水池に入ってこないようになってしまうのです。そういう形が出てくるのです。そればかりじゃなくて、もう建設工事に使う砂というものが、このスラッジの混合によって砂としての役割をしないのです。だから遠賀川の砂なんというものはコンクリート用の、つまり土木工事の砂としては役に立たない。こういう形が出てくるのです。そこで一体厚生省としてはこういう水道の大事な水を取り入れるところの装置にこういう被害を与えるこのスラッジというものについて、何か対策をお考えになったことがありますか。 〔大橋(武)委員長代理退席、委員 長着席〕
○楠本政府委員 御指摘の通りでございます。そこで私どもは取水方法を直接河底から取水するようなことを避けまして、表流水を取るか、あるいは伏流水を取るかしてスラッジの害を免れるように指導をいたしております。
○滝井委員 表流水、伏流水と、こうおつしゃいますけれども、なかなか水の量も少いし、そうはうまくいきかねるようでございます。そこで小熊さん、実は今ちょっとお話ししたように、こういうことになりますと、絶えず、まず取水装置というものの取りかえを必要とするわけですね。こういう場合には一体どういうことになるのかということなんです。これは鉱害ではないのです。鉱害だと認めてもらえば問題は簡単にいきます。鉱害と認められないのです。鉱害かどうかということはあとで鉱山保安関係の局長さんからお聞きしますが、まず一応鉱害でないと仮定しまして、そういう場合の取りかえをやる場合の経費というものは、大蔵省はどういう工合にお考えになりますか。これは遠賀川の水道というものは全部影響を受けるのです。
○小熊説明員 取水装置が濁度が多いために詰まりまして取水できなくなる、これを取りかえる場合に国庫の補助の面からどう考えるか、こういう問題でございますが、その点につきましては、この簡易水道にしても一般の水道と同じように一つの収益事業でございますので、これを普及奨励するという意味での国庫補助を考えておるわけでございます。四十四条では、簡易水道事業の新設につきまして補助する、こういうことになっておりますから、そういう取りかえ等につきましては、これは補助するということにはなっておりませんので、そういうことは補助することにはならぬ、こういうように考えております。
○滝井委員 補助しない、従ってこの補助金の対象にはそういう場合にはならない、こういうことでございますね。それでちょっとお尋ねしますが、そういう場合に通産省としては、これは鉱害とお認めになりますか、どうでしょうか。
○小岩井政府委員 ただいまの御質問ですが、私どもの方といたしましては、鉱業を営みます上において、何がしかの形で第三者に影響を与えた場合、その影響も相手方がいろいろな意味で支障を来たすという影響を与えた場合に、初めて鉱害というふうに考えておりますので、この場合の実情が、実際問題としてどういう支障を与えたかという内容は十分私の力でわかりませんが、要するに機能として大きく支障を来たしたという場合が生じたならば鉱害と認めざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○滝井委員 機能として大きく障害を来たしと認めるならば鉱害と認めざるを得ないだろう……。特に遠賀川は――このスラッジというのは、今ここで私語しているのを聞いていますと、他の川にもあるということですが、遠賀川のこの淤泥というかスラッジは特殊なもので現地を調査してみれば、すぐに微粉とコロイド状の微粒子になっているということがわかるわけです。一応これは、あなたの今のお答弁で、機能が著明に障害されていることが明白であるならば、これは鉱害だという御答弁がございました。私はそれをありがたく受けておきますが、その場合に問題は、どの炭鉱の鉱害であるかということは、これはわからないわけです。従って非常に多くの炭鉱が遠賀川に廃液を流しているわけです。そういう場合には、この所管は、この前通産の方の井手君の質問を通じて、おなたの方の所管になると記憶しておりますが、そういう場合に通産省としては、その上流のすべての炭鉱からプール的に幾分かの負担金を出さして、鉱害の賠償をしてくれることになるのですか、それとも、これは一般鉱害というわけにも参らぬようだし、特別鉱害というわけにも参らぬと思うのですが。どういうことでその鉱害の賠償をしてやることにへばるのですか。
○小岩井政府委員 この鉱害の問題につきましては、こういうように考えていただきたいのであります。鉱害を予防する面におきましては鉱山保安局でやっております。すでに鉱害が発生いたしまして、その鉱害をどう処理していくかという問題につきましては、石炭局で担当することになっております。しかしながら今のお話は、各所多方面から影響を与えて一つの問題が起った場合には、影響を与えた全部の者によって賠償するという形をとっております。
○滝井委員 ちょっと最後を聞き落しましたが、各方面からいろいろのものが集まって鉱害を与えた場合にはどういう工合に処理するというお答弁でございましたか。
○小岩井政府委員 鉱害を与えていると思われる全部の炭鉱で補償することになっております。
○滝井委員 わかりました。そうしますと今私が御質問を申し上げましたいわゆる水道の取水装置にスラッジが付着堆積することによって水道の機能に重大な支障を来たした場合においては総合的にそれに影響を与えた炭鉱が鉱害の賠償をすることになる、こう理解をいたしましたが、そう理解して差しつかえありませんか。
○小岩井政府委員 ただいまお話のように、鉱害が実際起きましてそれを処理するのは石炭局が担当しておりますので私の方で責任を持ったお答えはできませんけれども、従来のやり方といたしましては、鉱害を与えている多数の炭鉱がありました場合にはその鉱害を及ぼしておる全体の炭鉱が共同で補償するという形をとっております。
○滝井委員 よく理解できました。 そこで、せっかく刑事局長さんがおいででありますのでお忙しいでしょうから先に刑事局長さんの問題を今のに関連をしてできると思いますので、御質問をいたします。それはこの水道法案の第七葦罰則の中の第五十一条です。五十一条を見ますと、「水道施設を損壊しその他水道施設の機能に障害を与えて水の供給を妨害した者は、五年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」こうあるわけです。そうしますと、今私が申しましたような炭鉱が廃液を川に流す、流してスラッジが堆積して、水道の機能に重大な支障を与えて水の供給に大きな障害を与える、こういう場合には五十一条にひっかかるか、ひっかからないかということです。
○井本政府委員 大へんむずかしい問題でありまして、スラッジということは私よく存じておりませんがお話の点を伺っておりますると、さような沈澱物をわざと流しまして水道を壅塞するというようなことが認識されてその行為に出たということになりますれば、本件の五十一条の問題にも触れまするし、場合によっては刑法の百四十七条に触れる場合もあり得るというように考えます。
○滝井委員 わざと流すということの意味も、あるいは現在の遠賀川の状態を見るとあるかと思うのです。鉱山保安局の役割としては、今保安局長さんから御説明がありました通り、鉱害の予防面というのは鉱山保安局の方で担当されておるわけです。廃液を流す場合には巡回式に、私の方ではバックと言うのですが、こういうプールみたいなものを掘りまして、そこに廃液をまず流していくわけです。そうしますと微粉がたまります。そうするとまたその上澄みを次のバックに落していく、またそこに沈澱する、そうすると、それをまた次のバックに回していく、こういう工合に、沈澱バックというものを段階的に作りまして、ある程度澄んで水が清らかになったら川に放流していくわけです。ところがそれは放流をしますけれども、なにせ年間千三百万トンをこえる石炭を掘って、そうして洗炭をしてどんどん流すわけなんですから、これは故意にしておるといえばしておるし、誠意をもって沈澱バッグで沈澱さしておるといえばさしておるわけです。しかし結果として現われてくるものは、明らかに刑法百四十七条の水道損壊あるいは壅塞というものに当るし、それからこの新たに加えられた水道法案の五十一条の水道施設の機能に障害を与えることも明白なんです。そうしますと、炭鉱の責任者というのは五年以下の懲役、十万円以下の罰金ということになる。そこで今保安局長さんお聞きの通りなんです。刑事局の見解としては、大体故意にどんどん放流するとすればこれにひっかかる、こういうことになるのです。これはあなたの方にとっては重大な問題だと思うのです。その場合に、刑法の百四十七条の水道損壊あるいは水道法案の五十一条のこの五年以下の懲役または十万円以下の罰金は、水道法案を見ると、五十一条の二項で刑法の罪に触れるときは、その行為者は、同法の罪と比較して、重きに従って処断することになるのです。だから、水道法でも刑法でもどちらでもいけるようになっておる。こういう場合に、一体予防面を担当せられておる鉱山保安局長としてはどういう工合に処置をされるつもりなのですか。
○小岩井政府委員 私の方といたしましては、微粉が川に流れますことは十分承知をいたしております。しかしながら微粉の処理に関しましては、ただいまお話のように、一応鉱業を始めます場合には必ず施業案というものを出してもらいまして、その施業案の中でこの具体的な処理方法というものを検討いたしまして、これならばよろしいということで、現在のところは各地区の監督部長が責任を持ちまして認可をいたしております。従いまして、その方法が直ちに法に触れるということは毛頭考えておりません。結果がもし法に触れるのだということになれば、当然これは何らか考えなければなりませんけれども、現在の技術ででき得る範囲内での処理はいたさしておるつもりでございます。違法になるということについては現在のところ考えておりません。
○藤本委員長 この際お諮りいたします。委員外の門司亮君より発言の申し出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認めます。発言を許可いたします。門司亮君。
○門司亮君 同僚委員各位に感謝申し上げます。 私は先に厚生省に聞きたいと思うのですが、今度の水道法案ができますまでの経緯その他につきましてはいろいろ問題があったかと思います。長い間の懸案であったことも事実であります。従って水道法案自体についてはこの際私はとやかく申し上げることは差し控えますが、厚生省に一つ聞いておきたいと思いますことは、最近の都市行政と水道行政との関連性でございます。時間もございませんので率直に申し上げますが、たとえば阪神地区においては都市がたくさん重なり合っておる、あるいは北九州のように同じような都市が同じような地域にたくさん重なっておる。ところがこの水道行政はおのおの別々になっております。最近の状態を見ていますと大体こういうところは水源地その他の関係で行き詰まりつつある。どうしてもこの問題は都市が膨張するに従ってだんだんと同じような一つの区域に都市ができてくる形をもっておる。従って水道行政の面から見れば、都市行政の関連性の上から、どう考えてもこれらのものを一つにして考えていった方が水道行政もやりよいし、地方行政の形からもやはりよいし、同時に経済的でもあると考えられるのですが、その辺の考え方はこの水道法案をお考えになるときに考えられなかったかどうか、この点を先に伺っておきたい。
○楠本政府委員 まことに御指摘の通りでございます。私どもは十分その点を考慮して立案をいたしました。しかしながら水道の布設ということは地域社会の一つの責務でもあると思われますので、事業の主体はそれぞれ市町村という考え方で進んでおります。しかしただいまお話のありましたように水を総合的に最も効率的に利用するという観点に立てば、個々の市町村が単独で経営することはきわめて不合理である場合が今後ますます多くなろうかと存じます。そこでこの法案におきましては特に水道用水供給事業という一つの事業を新たに設けまして、総合的に水道水を供給する事業、つまりどこに供給するかというと、その水道事業供給者はそれぞれの関係市町村に水を売って、市町村はその水を買って水道を経営する、こういう考え方で進んでおります。私どもはかねてさような方針で阪神地区あるいは北九州地区その他を指導して参っておりまして、現に大阪府営水道あるいは阪神水道組合あるいは北九州等はかような方針で水の総合的利用と都市の関係とを十分に考えて行政を進めて参っておる次第でございます。
○門司亮君 これを水道の一つの事業者にまかせるというような考え方は案文の中にときどき字句が出ております。もう一つはもとより地域社会としての事業であることは間違いございませんので、従って市町村がその主体性を持つべきであるということも一応考えられる。またがってそうであったと思います。府県において総合的にやっておるところもあります。神奈川県のごときも大体県営が主体で小さな市町村の方に配っておる。従ってそういうこともこの中に勘案されて、文書の小にはっきり書かれた方がいいのではないかという考えから前段のような質問をいたしましたが、この点はどうですか。
○楠本政府委員 この法案には具体的にたとえば阪神地区のような場合にはこうすべきだというような記述はございません。しかしながらこの法案を通して流れる考え方といたしましては、ただいま申しましたように市町村の個々の経営よりも、それをさらに総合して水道用水供給事業というものを特に規定いたしてありますから、その趣旨は十分にわかることと考えております。なお私どもは先ほどもお答え申しましたように、個々の家庭に水を配るという事業は市町村という地域社会が実施するのがいいのではないかという考え方を持っておるわけでございます。
○門司亮君 もう一点聞いておきたいと思いますことは補助関係でございますが、この法案を見ますと五千人以下の小さなところには補助するというような建前をとっておるようであります。やはり大きな都市は一つの公営事業であるから起債だけでやられるということも一応いえるかもしれませんが、中には都市といいましても最近町村合併による市がございまして、そう大きな都市はない。ことに集団しております部落と申しますものはかなり分散されておる。今までの都市でありますと一つの市街地であったのですが、町村合併後における町村の実態を見てみますと、市街地が方々にあるような形が出てきております。こういう場合の水道計画というものは、五千人以下の簡易水道についてはどうだということではなくして、やはりそれらのものを考えていくと、補助対象となるべき範囲をもう少し広げた力がよかったのではないかという考え方を持つのでありますが、この点はどうですか。
○楠本政府委員 ごもっともでございます。しかしながら今回のこの水道法案におきまして、簡易水道程度のものは別として、一般の水道はこれを公企業的な独占事業として育成をしていこうという点で独占事業として保護しておりますので、従って融資のあっせん等において十分に普及発達ができるのではないかと一般論を考えているわけでございます。ただきわめて特殊な場合で、公企業の性格といっても簡易水道に毛のはえたようなものだという特殊な事情のあるものはもちろんございます。かようなものは大蔵省とも事務的に十分相談いたしまして、特に必要な場合には、たとい五千人をこえまして、つまり簡易水道以外のものであっても補助し得られることを考えている次第でございます。しかしこれらは個個の事例について勘案して参らなければならぬ、かように考えております。
○門司亮君 工業用水さらに下水道との関係でありますが、この点についてはこの法案の中にあまりはっきりしたものが見えないようでありますが、この辺はどういふうにお考えになっておりますか。ただ飲料水だけを対象にしてお考えになっておりますが、工業用水、下水道との関係も出て参ります。そうすると事業内容にかなり大きな開きが出てくると思います。これは水道計画を立てる場合と都市行政の上から見た下水計画との関連性を非常に持っております。給水人口を単に飲料水だけを対象にして見る場合と、その都市の何%を下水工事を行うかという場合とではそれは違ってくると思います。もう一つは工事用水をどうするかということについて相当問題が出てくると思います。これらは総合的にこの法案の中にどういうように考えられておるか、もう一度聞いておきたい。
○楠本政府委員 工事用水道につきましては別個に法律がございまして、これによって解決がはかられております。この場合水道法との関係におきましては工事にその水道を使いましてもそれが多少でも飲料水に供給をされる限りは、これは水道法の規制を受けて工事用水ではなくなるわけでございます。従って工事川水は家庭用水としてではなくもっぱら工業用水として使われるということになるわけであります。ただ水源その他水資源を総合的に利用するというような観点からは、もちろん両者の間に密接な関係がございます。これらの点につきましては通産省ともよく相談をいたしまして、この辺の矛盾あるいは不合理のないように処理いたしたい、かように考えておりす。私も現に工業用水の力の委員をいたしておるのはそのためかと存じております。それから第二の下水道との関係はこれまた御指摘の通りでございまして、上水道が動脈であるならば下水道は静脈の関係でございます。下水道配管計画は建設省に移っておりますので、建設省と十分相談をいたしまして、水道計画と下水道計画とが調整さてれて進むように、両省の問に今後十分な連絡をはかりたいと考えております。
○門司亮君 そうすると、こういうふうに承わってよろしゅうございますか――私はこの法案の中に総合的にどうするということを入れておいてもらわぬと、ただ両名問の話し合いだけではなかなかうまくいかぬのじゃないかと思うのです。これはことしから建設省に移されるわけでありますが、その一審大きな原因は、道路を新しくこしらえたりなにかすることのために、先に、地下埋設物の一番大きなものである下水道関係は入れておきたい、こういうことなんですね。そうすると、道路計画と、水道計画あるいは下水道計画と、都市計画という三つの関連が非常にややこしくなって参ります。みんながそろわなければなかなかできないことになります。そういうときに、先ほどから申し上げておりますように、道路を作るんだから、下水管の地下埋設物を先にやらなければならないといっても、都市に、それに応ずる財政力がない、あるいは水道計画がないという場合には、この話し合いさしえできなくなってくる。だから建設省が今やりたいといっても、事実はできなくなってくるというようなことが必ず出てきやしないか。従って、せっかくこういう法案をお作りになる場合は、それらの点をどういうふうに勘案していくかということも都市行政の上から考えて、どうしても織り込んでもらわぬと、実際に効果が上らないと思って質問を申し上げておるわけであります。ただいまお答えがあったのでそれ以上追及はいたしませんが、一つ十分考慮していただきたいと考えるのであります。 それからもう一つ最後に聞いておきたいと思いますが、水道に対する起債の認可の手続が、今まで非常に複雑なんです。御承知だと思いますが、市町村がこれをやろうとすると、まず、地方事務所のないところはそれでよろしゅうございますが、あるところは地方事務所、大蔵省の財務の出張所、それから県庁の地方課、衛生課、本省に出てきて厚生省に行かなければならない、自治庁に行かなければならない、大蔵省に相談しなければならない。九つくらいの書類を出していかなければ水道というものは成り立たない。しかもその出し方も、具体的にいうと、地方事務所に先に出したから大蔵省の財務出張所がへそを曲げたというようなことで、なかなかうまくいかない。自治庁と厚生省の関係も、よほど注意して書類を出さないとどうもうまくいかない。こういうことで、手続の面でかなりの障害があるのですが、この法律でそういう障害はなくなりますか。これは現実の問題として聞いておきたいと思うんだが……。
○楠本政府委員 起伏の事務のきわめて複雑なことは私もよく了解しておりまして、何とかしなければならぬ、かように考えております。しかし、今までは三省のほかに建設省がございまして四省でございましたが、今度は三省になったので、多少簡素化されたではないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、この三省のそれぞれの末端機構を通じて事務が運ばれますためにきわめて複雑な経緯となるわけでございます。これと申しますのも、一つには、起債財源がきわめて乏しかったために十分希望に応じられない結果も、手伝っているのではなかろうか、かように思われますが、本年は、幸いに、従来に比較いたしますと大幅に起債額が増加されておりますので、私どもはこの機会によく関係各省とも打ち合せをいたしまして、何とか一つ事務の簡素化をいたしまして、市町村の事務が容易に進むように骨を折りたいと思っております。しからばどういう方法をとるかということは、今までの関係もあることでございますのでここではっきりお答えはできませんが、少くともその努力は関係各省の問で私自身が中心となって進めて参りたい、かように考えております。
○門司亮君 あと五十一条の関係を、おいでになっております方に聞いておきたいと思います。これは同僚滝井委員もお聞きになったと思いますが、五十一条と刑法の百四十七条との関連性です。これは今ちょっとお聞きしたところによりますと、当月の方は何か適当な処置でというようなお話でありますが、ここに全く同じ字句が使ってある。この法案の五十一条には「水道施設を損壊し」と書いてある。刑法の百四十七条にも「公衆ノ飲料二供スル浄水ノ水道ヲ損壊又ハ壅塞タル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ処ス」こう書いてある。その字句が全く同じでありますと、解釈も全く同じにならざるを得なくなると思うのです。しかも最後の三項でありますかに「前二項の規定にあたる行為が、刑法(明治四十年法律第四十五号)の罪に触れるときは、その行為者は、同法の罪と比較して、重きに従って処断する。」こう書いてある。これを読んでみますと、ここには処罰の軽い規定が書いてあるが、実際にはやはり刑法が適用されるのではないかという危惧を持つのですが、これはどういう関係になっておるか。同じ字句が使ってあれば解釈の仕方が別々であってはならないと思いますが、これは刑法の解釈をとられるのか。この五十一条の解釈をどうされるのか、この点はっきりと聞いておさたいと思うのです。
○井本政府委員 刑法には水道施設というような言葉は使っていないのであります。刑法で水道と申しますのは、長い間の観念その他によりまして、結局、直接公衆の飲用浄水を供給する水路というような定義を与えております。従って、直接公衆の飲用浄水を供給する水路以外のもの、たとえば貯水池とか浄水池またはこれらの場所に引水する水路が刑法にいう水道に該当するかどうか相当疑問がありまして、大審院の昭和二十年二月二十四日の判例などにおきましては、水道の取入口は刑法のいわゆる水道ではないという結論を出しております。今度の法案の三条七里によります水道施設と申しますのは、ただいま申しました刑法の水道とは少しく違いまして、収水施設、導水施設、浄水施設、送水施設、配水施設などのすべてを含む観念でございます。また揚水ポンプのような付随施設もこれに入るというような観念でございます。従って、この水道施設というのは、刑法のいわゆる水道よりもだいぶ観念が広くなっております。 立ち上りましたついでにこの法案を大体御説明申し上げますと、「水道施設を損壊し、その他水道施設の機能に障害を与えて水の供給を妨害した者は、」という第一項の規定でございまするが、損壊は私が申し上げるまでもなくおわかりと思いまするが、機能に障害を与えるというのは、機械器具類の部分品を取りはずしましたり、または木片、石塊などを差し込んだりするような行為を言うのでありまして、そのような行為によって水の供給を妨害した者が罰条の対象になっております。それから第二項の「みだりに水道施設を操作して水の供給を妨害した者は、」云云という点でございまするが、これは水道施設を積極的に操作いたしまして、通常なされているがごとき水の供給を停止するとか、あるいは水量、水圧の点において減少せしめて、水の供給を妨害した点を問題にしたわけでございます。従って第一項、第二項いずれも水の供給妨害の結果の発生を必要とする趣旨でありまして、単なる危険では足りないという趣旨でございます。これは同じような規定がガス事業法などにございまするが、ガス事業法の第五十三条には、第一項に「ガス工作物を損壊し、その他ガス工作物の機能に障害を与えてガスの供給を妨害した者は、」云々、第二項には「みだりにガス工作物を操作してガスの供給を妨害した者は、」云々というような規定がございまして、この第五十一条一項、二項と同じような趣旨が記載してございます。この第五十一条におきましてはガス事業法の第五十三条第芸事のような「ガス事業に従事する者が正当な事由がないのにガス工作物の維持又は運行の業務を取り扱わず、ガスの供給に障害を生ぜしめたとき」を処分する趣旨の規定はこれは省いてございます。なおこのガス事業法の第五十三条には第一項、第二項の未遂罪を処分する規定がされているのでございますが、この法案ではさような趣旨を除いておりまするので、結局未遂は処罰しない、また積極的な行為を取り締るので、単なる不作為は処分しないという趣旨を明確にいたしたわけでございます。
○門司亮君 せっかくの答弁ですが、私はそういう答弁はこの法律には当てはまらぬと思うのす。取入口がどうのこうのといいますが、この三条の七項を読んでごらんなさい。ちゃんと水道管も入っているのです。はっきり書いてあるんですよ。「この法律において「水道施設」とは、水道のための取水施設、貯水施設、導水施設、」こう書いてあるでしょう。導水施設というのはこれは鉄管にちゃんと水がくるところでしょう。それでなければ導水施設じゃありやしない。水を導く施設であるから、管であることに間違いないのです。だから大審院の例がどうのこうのといわれたって、それは違うと思うのです。そういうことではちょっと工合が悪い。もう少し字句の解釈というものを正しくしておいてもらわないと困ると思うのです。これはちゃんと誓いてあるんだから水道管に間性いないんですよ。質水加茂というのは水道管でないという卑屈は成り立たぬでしょう。それは途中で加圧ポンプなども必要がある。そういうものも導水の一つの施設であるといえばいえるかもしれない。あるいは揚水施設もそういうことでいえるかもしれない。あるいは高いところに一ぺん水を引き上げて、それからさらに圧力を加えていくというようなのも水道施設にはないわけはない。しかしどう考えてみても導水施設の中には、当然水道の鉄管が含まれるべきである。これは水を導く施設であることに間違いありません。それで私は聞いておる。こういうところにちゃんと入っておる。刑法と同じ字句を使っておりますから、そうするとこの法律の五十一条というものがあっても刑法の方が優先するのだという、こういう形が出て参ります。だから私は気になるから聞いているんです。五十一条は軽いように書いてあるけれども、刑法を適用されればとんでもない重たいものになる。だからこのけじめはもう少しはっきりしておいてもらいませんと困る。だからもしこの水道法の通りに、今の御解釈の通りにするならば、例の三甲の全部、これは削除しておいてもらってけっこうだと思う。そうするとおのずから別の建前でこれを調査する、別の建前でこれを処罰していくという形の方が私は正しいのじゃないかと思う。これは法律の内容ですが、私は法律屋じゃありませんからはっきりはわかりませんが、こういうまぎらわしいことを書いておきますと、往々にして五十一条が死文になって三項だけが生きてくるということが非常に出てくると思う。だからこの法律で罰しようとするならば、五十一条が必要だとするならば、三項を削除して一項、三項だけを生かしておいて――三項は刑法にあるのです。刑法は独自の立場で何もこの法律によらなくとも発動できるのですから、そうこしらえてもらいませんと、法律がかみ合っておることは非常に危険があると思う。だから法律をこしらえる体裁上三項を削除するというわけにはいきませんか。ここに三項を書かなくとも、あなたの御児のようなら刑法でいけるのじゃないですか。これは削った方が法律をこしらえる上に正しいと思うのですが、どうなのでしょうか。
○井本政府委員 先ほど申し上げましたように、刑法の水道の観念とこの水道施設とははっきり違うのでありまして、確かに水道施設という点は刑法の水道よりも少し広くはなっております。しかしながら刑法の罰条の方は非常に重い点がありまして、わずかに実行行為において重なる点がありますけれども、その重なった点は、重い方は刑法で処分することがあり得るというようなことも含めまして、第三項の規定があるわけでございまするが、私どもそのような法律を作る際におきましては第三項のような、ある場合に刑法の罰条に触れる場合には「重きに従って処断する。」ということは、これは法律を作る常識でありまして、かような規定を書くことによって刑の権衡を得るということになると私は考えるのであります。
○門司亮君 そういう考え方はおかしいと思うのです。この三条の七項を読んでごらんなさい。導水施政並びに送水施設とその下に書いてある。送水施設とか導水施設とかいうものは、加圧ポンプであるとかあるいは高いところに水を上げる揚水施設であるとかいうことだけに私は限らないと思う。全部水道を含んでいなければこういう字句は使わないはずである。五十一条の前段にこういうものを書いておいて、さらにそれを本体法で処罰するということになると、五十一条は死文ですよ。こんなものは要りはしません。この法律の適用において、時のこれを取り扱う人の考え方でどんなにも適用できるということになってくる。そうすると法律の取扱い上非常に困りはしないかと思う。それは単なる行政上の取扱いならいいですが、これは人を罰することですからね、人の基本的人権に関係することですからね。だからどう考えてもこの法律の五十一条は、刑法にあるから全文削除してもいいと思います。削除してもかまわぬと思いますが、しかし今お話のように区分されておる部分があると仮定いたしましても、三項だけは削っておいていただかぬと、結局前二項は死文になって三項だけが生きてくるという形がどうしても現われてくる。水道の障害といっておりますけれども、二項にあります例の「供給を妨害した者」あるいは「水道施設を操作して水の供給を妨害した者」というのと刑法の字句は、私はそう変らないと思うのです。刑法の方には「又ハ壅塞シ」と書いてある。だから水をとめた者、こう書いてある。「妨害した者」ととめたもとどこが違うかという議論になる。守句上の解釈で出てくれば別の議ですが、私は大体同じようなものだ、大して違わぬと思います。とめたことと妨害したこととどれだけ違うか、こういう議論になってくる。もしそういう議論をいたしましても、とめたことと妨害したことと違うという議論が成り立つといたしますれば、なおこの三項は要らぬ。こういうことでは、私はこの法律の体裁が非常に矛盾があって、罰則に非常に大きな力をかけているように考えられるのですが、刑法だけでよろしいのじゃないでしょうか、どうなんですか。
○井本政府委員 壅塞ということを今お尋ねがございましたが、壅塞というのは、私ども非常に高度の観念といいますか、水が全然とまってしまったような程度の物理的な川水を妨害するということを考えておるのでありまして、五十一条の二項にある水道施設を操作して水の供給を妨害したというようなのは、供給妨害の結果が必要でありますけれどもさような高度なものは考えていない。ネジをこわしちゃうとか、水を流しちゃうというようなことを言いますが、ただし積極的にやることは必要だという程度のことは考えておりますけれども、刑法のような重いことは考えていないのであります。刑法の力は水道というものがごく狭い観念で、その点だけは相当重く罰しておりますけれども、これはごく狭いので、その以外のいろいろな上水の水道に関係した施設の問題につきましては、いま少しく取締り罰則を作らないと適切な取締りができないということを考えるので、かような規定が必要であるというように考えております。
○門司亮君 私が今申しましたように、五十一条は今の答弁のようではなおさらこの三項は要らぬのであります。字句が違うと言うならなおさら要らない。こちらでここまで罰して、あとは刑法で罰すればいいのだということになるので、こういうことは要らぬと思う。 もう一つ聞いておきたいと思いますことは、五十六条ですが、五十六条の中に「代理人、使用人その他の従業者」こういうように全体のものをさして言っておりますが、従業者等が、二の前段に罰則の規定がずっと長く書いてありまするが、これらの問題をかりに行うというようなことになって参りますると、そこにはどうしても一つの行為が出て参りまして、その行為に対しては行政罰が必ず私はくっついてくるだろうと思います。あるいは仕事を停止するとかどうとかいうことが、これは公共企業体等労働関係法ですか、そういうものもございまして、そういう問題もありますので、ここには必ず行政罰がくっついてくると思うのですが、その罰則と行政罰の関係はどうなりますか。たとえば停職をするとか休職にするとか、あるいは減給にするとか、それからいろいろな問題があると思いますが、この関係はこの場合ございませんか。行政罰との関連性というものはございませんか。
○井本政府委員 ただいまの五十六条の両罰規定、これは刑事罰の関係でございまするから、行政罰の方には面接の関係はございません。 それから先ほどの五十一条の点でございますけれども、これは何というか、行為といたしましては、五十一条の方がいろいろ刑法とは違った罰条、行為が記載されておるわけでございますけれども水道とか水道施設という問題につきましては刑法の方がはるかに狭い観念でありまして、その点を一つ御理解いただきませんと、同じような字句を使っておるから同じじゃないかということにはなりませんので、われわれはその点は非常に厳格に解釈しておりますから、その点を一つ御了承いただきたいと思います。
○門司亮君 今の御答弁ですが、これはただあなた方が解釈しているというだけでは、法律の運用は実際は済まされないのです。曲げて解釈したらどんなことでもできる字句が同じに使ってあるなら解釈は同じでなければならぬはずです。今のように、同じように、たとえば壅塞と書いてある文字とそれから妨害は全然違うんだという解釈なら、こういう前二項云々というものは全然要らぬ、書かなくてもいい、三項は要らぬという結論が出てくるので、どうしても強く申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ行政罰と刑事罰の関連でありますが、われわれの考え方からいいますと、行政罰のあるものについてはやはり行政罰というものが基本的に優先する――言葉はどうかと思いますが、取り上げらるべきであって、できるだけ刑事罰は差し控えるべきだと思うのです。この法律によりますと、五十六条が適用されると、これに従っておりまする従業員は――従業者と書いてありますから、従業員がもし乗務命令等に違反してこういう罰則規定に触れるということになりますと、結局行政命令違反として行政罰を受ける、同時にまた刑事罰を受けるというようなことにならざるを得ないので、この規定そのものをずっと読んでみますと、責任者が犯した場合の責任者の処罰は当然いいでありましょうが、従業員あるいは使用人というような人にこの五十六条がそのまま適用されるということは少し酷になるじゃないかという考え方があるのでありますが、こういう点についてどうですか。
○井本政府委員 結局五十六条は行為者を罰するほかに法人を目するというだけのことでありまして、違法行為をした者を罰するのはこれは違法行為をした者、悪い者が場合によっては刑事罰を受けるのは当然であると考えます。ただその場合に、法人も罰することがあり得るということが五十六条に記載されておるだけであると私は考えるのであります。 繰り返してどうも恐縮でございますけれども、五十一条の二項などは刑法の百四十七条の水道損壊に比較いたしますと非常に怪いわけであります。軽い理由は、水道施設というようなもので広げてありますし、行為が非常に軽い程度のことをやった者を問題にするわけでありまして、刑法の百四十七条の方は対象が非常に狭くなっておりますし、やった行為の重いことを問題にしておるのであります。ところが末端の方におきましては共通の場合もあるので、その場合におきまして、重い行為でありますれば百四十七条の方の適用があるという趣旨でございますから、これは先ほど申し上げましたように、かような種類の罰則を整備いたしますときには大体三項のような規定をつけるのは普通の事例だというふうに御了承願いたいと存じます。
○門司亮君 委員長、どうもありがとうございました。
○古川委員 関連して。政府特に大蔵省にお伺いしたいのでありますが、簡易水道が単独に適当な水源地等を得られないような場合に、二つ以上の簡易水道が水源地その他を共通に施設するような場合には、全体としては給水人口五千人をこえる場合がある。こういう場合には、今度の水道法案では国庫補助の関係がはっきりいたしておりませんが、おのおのが簡易水道と認められるような場合には当然やはり国庫の補助は考えるべきであると考えますが、大蔵省の考え方ないし将来の御方針はどんなものか伺っておきたい。
○森永政府委員 簡易水道は給水人口五千人になっておるのでありますが、その場合に、実質は、それに相当するものが水源地の関係等から、ただいまお話のように、ある一つの水源地から幹線をしいて、それに五千人程度のものがぶら下っておる、ブドウのふさみたいな格好になっておるという例でございますが、その場合に、これは五千人ということからいえば補助の対象にならぬわけでありますが、それもしかし実情を考えますと少しお気の毒じゃないかというような点もよくわかるわけでございます。そこでその問題につきましては、この水道法の運用に際しまして、一般の簡易水道との権衡あるいは補助の対象になっておる上水道、これは規模の大きいものがあるわけでありますが、それと彼此勘案いたしまして――個々のケースによることではございますが、できるだけ実情に即して過酷な結果にならぬように補助の道を考えることも不可能ではないと考えるわけでございます。個々のケースにつきまして厚生省の方ともよく相談いたして善処いたしたい、大蔵省としてはさように考えているわけであります。
○古川委員 従来個々の簡易水道が自分の水源地で運営いたしておったところが、水源地が枯渇した。そういうものが一つでなくて、またほかにも近所のものがあったというような場合に、新しく水源地を求めるような場合がありますが、そういう場合にもさっきの例と同じような扱いをしていただくのが当然だと思いますが、どういうお考えでありますか、一つ伺いたい。
○森永政府委員 私簡易水道の実情をよくわかっておりませんので、そういうケースが往々にしてあるのか、あるいはきわめてまれなケースなのか、これがよくわからないのであります。大部分の場合には、いわゆる改良というようなことになるのじゃないかと思いますが、もし改良でなくて、ただいまお話のように、新設みたいな観念の中に入れなければならないようなケースがかりに起ったといたしますれば、これはやはり新設の場合と同じように、先ほど申し上げましたような同じ範疇に属するものとして考えなければならぬと存じますが、いずれにしても個々のケースによることでございますので、十分によく検討をいたしたいと存じます。
○古川委員 簡易水道並びに今のような特殊なものについては、国庫の補助を考えるというお話でございましたが、こういうような専業が災害を受けてこれを復旧する場合には、従来も一般の公共事業の災害復旧の一環として補助をお考え願っておったようでありますが、今後もやはりその方針をとっていただけるかどうか、一つお伺いしたい。
○森永政府委員 これは災害の規模、程度等にもよることでございすが、従来のように個々のケースにつきまして善処して参りたいと思います。予算的な措置といたしましては、災害復旧のための予備費もあることでありますし、また補助の基準をどうするか、いろいろむずかしい問題もあると思いますので、災害が発生いたしました場合の検討の結果にゆだねなければなりませんが、従来通りの方針で参りたいと存じます。
○古川委員 もう一つ先ほどの門司君の質問に関連して追加の御質問を申し上げたいのですが、これは厚生省、大蔵省両方の御答弁を願いたいと思うのであります。市町村の合併で人口の多い市になりましても、山間の部落まで包含したようなところがありますので、そういうところはやはり全体の人口というのでなくて、給水人口が標準だから、市でも簡易水道を最近やってもらっているようでありまするが、さっきの門司君の質問との関係で、少しこの際はっきりさしておきたいのでありますが、人口のたくさんある市であっても、また町であっても、その部落の一部に簡易水道が認められるというようなことは、最近やっておられるようでありますが、将来もやはりその方針でやっていただけるかどうか、一つお伺いいたしたい。
○楠本政府委員 これもこの法案にもございますように、水資源の合理的利用、経営の合理化というような点とも関連して参りますが、もちろんさような観点から見て個々に判断いたしまして、ただいま御指摘のようなことがより合理的であるならば、今後もさような方針で進みたいと存じます。
○森永政府委員 ただいま厚生当局からお答えになりましたのと全然同じ意見であります。
○古川委員 ありがとうございました。
○藤本委員長 滝井君。
○滝井委員 大臣もいなくなったり、これではなかなか水道法案を上げるわけにいかぬようなことになりつつあるのですが、大半な未解決な問題をぜひこの水道法案とともに解決をしたいと思って実は質問をやっておるわけです。 次に、今門司さんとの関連で、私の質問中に五十一条関係で門司さんも質問しましたが、水道施設の機能に障害を与えて水の供給を妨害をした者、これは不作為の行為でそういうものが起ったときは入るか入らぬかということです。
○井本政府委員 先ほども申し上げましたように、五十一条第一項、第二項いずれも単なる不作為は入らぬという考えでございます。
○滝井委員 実はたまたま争議があった。ところが争議中に雷が落ちまして、トランスが焼けかかった。そこでこれは大へんだというのでスイッチを一分間切った。スイッチを切って水の取り入れのところをストップをやりますと、末端においては三時間の断水になる。東京や大阪のような大都市においては、一分間スイッチを切りますと、末端は三時間くらいの断水になります。こういう場合、これは争議中であるけれども、全く善意をもってスイッチを切ったわけなんです。ところが今のように労働争議の状態あるいは政府の非常に反動的な労働争議に対する態度から見ると、これを必ず故意に断水をやったのだと言う可能性が十分あるのですよ。たとえばスト規制法の論議をしたときに、非常に上流の山の中の発電の水を取り入れるところへ落ち葉がひっかかって水をとめるような状態が出る。従ってしょっちゅう落ち葉を掃除しておるわけですが、掃除することをやめた。やめるとこれはスト規制法からいえばいわゆる公共の福祉に反するというので、スト規制法にひっかかってくる、労働省はそういう見解だった。そうするとこの水道の機能の障害ということも、争議中にたまたま雷が落ちてトランスが燃えかかったのでスイッチを切った。そうするとこれは罷業行為だと今の政府のものの考え方からいうと言われやすいのですね。そこで私たちとしてはそういう場合も考え、さいぜんあなたは炭鉱の場合も非常に重大な障害を与えればこれにひっかかる、こういう明快な御説明があったのですけれども、私はこれも非常に重大だと思って、きょうはありがたい言質を得と思っておるのです。これはおそらく鉱山保安局は非常に困ると見ています、現実にそういうのが私たちの遠賀川の水道にはたくさんあるのですから。そういう場合もひっくるめて、今度は今言ったように善意にスイッチを切ったことがこれに当てはまるかどうか、こういうものなんですね。不作為のものは入らない、こうおっしゃっておるのですが、たまたま争議であった場合には、これを善意に解釈してくれればいいけれども、そういうような上流における発電所の網にひっかかる落ち葉の掃除をやらないことは公共の福祉に反するスト規制法違反だという認定を労働省はこの委員会で下したのですよ。そういう認定を下す政府でございますので、今門司さんも言ったように、こういうあいまいもこたる刑法と同じような文句を入れて、しかもこれは刑法よりも軽いものを罰するのだということでは、しかもこれは故意とも何とも書いてない、水道施設の機能に障害を与えて水の供給を妨害した――三時間の断水が起ったということは、結果から見ればこれは妨害したことには間違いない。それは雷が落ちてトランスが焼けてしまえば、それは雷が落ちて焼けたのだ、なるほどといって切っても問題にならぬ。ところが全部焼けてしまう前に善意で切った場合には、たまたま争議中だったらこれはひっかかってしまうのですよ。だから今労働問題で非常に問題がある段階でこういう条項を入れるということについても、過去の政府のスト規制法に対する解釈から問題がある。だからこの五十一条というのは、刑法の百四十七条との関係もあるし――刑法には、百四十二条から百四十七条までずっと飲料水に関する多くの刑罰規定があるわけなんです。門司さんは五十一条の三項だけと言ったけれども、私は五十一条は要らぬと思うのです。こういうものをやられれば、今言ったように炭鉱はみんなひっかかってくる。だからあなたの方で全部やってくると、炭鉱はあわてて多くの微粉バックを作らざるを得ないのです。これができれば私らは帰って演説して回ります。刑事局長がこう言ったと速記を見せて全部やらせます。そうすれば市町村は大喜びです。河川局も、農林省も大喜びです。現在、通産省がそれをやり切らぬから、私は各大臣に来てもらってきょうは総理、にも来てもらってこの問題をやろうと思ったのです。ところがはしなくも刑事局長の言明によって、五十一条というものが、水道に障害をきたす場合はこれにかかるんだという言質を得たので、総理に来てもらわなくても――これは保安局長の方でやらざるを得ないでしょう。やらなければ炭鉱の事業主はみんな十万田の罰金か懲役です。だから不作為のものが入らないということはわかりましたけれども、これはやはり非常に問題がある。しかも、厚生省にもあわせて答弁願いたいのですが、第三条に「「水道」とは、導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。」こうなっている。そうすると、水道というものから給水施設というものを引いたらあとに何が残るかということなんです。これも今あわせて御答弁を願いたいと思います。
○井本政府委員 先ほど申し上げましたように、水道施設というのは、取水施設、導水施設、浄水施設、送水施設、配水施設のすべて、並びに揚水ポンプのごとき付属施設も入るということで、刑法の水道というものの観念とは少し違うわけでございます。ここでいう水道施設の方が、刑法の水道よりもずっと広い観念でございます。 それから先ほどお尋ねの、ストライキのときに積極的に水道を操作して水を供給しないという点でありますが、自分の行為をしないというのがストライキの本質でありまして、落雷その他の関係で保安のためにやった行為は、保安のためのやむを得ざる行為であります。われわれはそれをしも犯罪というふうには考えていない。五十一条二項にも、「みだりに水道施設を操作して水の供給を妨害した者」とはっきり書ていございますので、お尋ねのような不都合な事態は生じないというように考えます。 それから先ほどスラッジの問題をお尋ねいただいたわけでございますけれども、この条文にもはっきりあります通り、水の供給を妨害したということで、断水の程度に至ることはもちろんその通りでありまして、普通のただ水の供給が妨害されるおそれのある程度ということでは問題にならないのでありまして、冒頭に申し上げましたスラッジの問題はいろいろむずかしい問題があると思います。しかし、故意にさようなものをどんどん流して水道施設の機能に障害を与えて断水させるというようなことになりますれば犯罪にもなり得るということを申し上げたのでありますから、さように御了承をいただきたいと思います。
○滝井委員 時間がありませんので先に進みます。解釈は刑事局長さんによほど慎重にやっていただくことにして、刑事局長さんはけっこうです。ありがとうございました。 次に、さいぜん保安局長さんの方から、微粉が川に流れることの処理について、工事を始めるときに施業案を出してもらって、具体的な処理法を十分確認した上で許可をしている、こういう御説明がございました。そこで、炭鉱から流れ出る廃液の問題は一応横に置いておきまして、次にスカム、いわゆるボ夕山の土砂の問題、これが河川行政を円滑に運営する上にどういう支障を来たさしめておるか。河川に炭鉱の洗炭の悪水が流れ出まして、それがスラッジというものを河床に形成していく。しかも水にはスカムというものが出てくる。同時に、ボ夕山からは土砂が流出して、それらが相混合して一つの丘陵みたいなものを川の中に作る。井せきは農林省にも関係があるので拠林省の意見も聞きたいのですが、そのために井せきが井せきとしての用をなさない。灌漑の上に非常に大きな障害を来たしておるわけです。しかもスカムというものは、同時に井せきを通じて灌漑用水となってたんぼに流れ込みます。そうしますと、そのスカムの中のさらに微粒子は沈澱をしまして稲の根に付着してしまう。そうすると稲の株の張り方が停止をします。こういう点であらゆるところに害が及んでくる。それからさいぜん水俣の問題を出しましたけれども、遠賀川で言えば東海岸あたりにいくと沿岸漁業はあり得ないということで、水産庁に影響をしてくる、こういう形が出てきておる。厚生省は水道の面、水産庁は漁業の面、農林省は今言った農地の面、河川局は河川管理の面、こういうように今私は遠賀川を例にとりながら言っているわけです。一体これに対してそれぞれの省はいかなる対策を現在行なっておるか。これをまず関係各省から簡単に要領よく御説明を願いたい。
○国宗説明員 ただいまの御質問の二つの問題につきましては、御承知のように河川管理の目的は河川による公けの害を除去し、あるいは軽減し、あるいは公けの利益を増進することにあるわけでございまして、今申されました第一点の微粒子が川の中に流れ込むと川の清潔に悪い影響を及ぼす、あるいは清潔を破る、そういう行為につきましては河川法第九条に基きまして地方行政庁すなわち都道府県知事の許可を受けなくちゃならないようにいたしております。そういたしましてその問題につきましてはいろいろむずかしい問題がございまして、現状を申し上げますならば各府県におきまして規則を作っておるところ、条例を作っておるところがございますが、条例を作っておるところについて申し上げますならば、その条例でもって基準等を定めて取り締る態勢にはございますが、これにつきましては後ほど申し上げます非常に困難な問題がございまして、満足する状態には取締りは実施されておらないと考えております。 第二点のボ夕山が流れ込んで川の深浅、あるいは牧地の原状、さらには流水の方同に影響を及ぼす、こういう問題につきましてはこれまた河川法の第九条によって取り締るわけでございまして、この点につきましてはある程度の実効は上げ得る可能性はある問題でありますけれども、具体的に御指摘の個所につきましては満足すべき状態でないと思っておるわけでございます。 そこで今の特に第一点の、水質の汚濁に関する問題について満足すべき状態に至っておらないのにはいろいろむずかしい問題があるわけでございますが、それにつきましてはただいま政府部内では経済企画庁を中心といたしまして、そういう水質問題の調整審議会というものを中央に置くことを目標にいたしまして、水質の基準あるいは規制の区域というものを定めまして、その目的を達するための努力をいたしておるわけであります。なおわれわれ取締りをいたします側の者といたしましては、そういう基準、区域等が合理的であることはもちろんでございますが、取り締る前提とか、あるいは取締りと同時に行うところの対策、たとえば鉱害に対してそういう除虫措置をするための何らかの補助手段、あるいは助成手段、あるいは水を利用する側におけるそういう浄化装置への助成手段、そういう対策事業を同時に行うことが取締りに実効をあらしめるゆえんじゃないかと考えているわけでございます。 〔滝井委員「農林省の答弁を求める」と呼ぶ〕
○石田説明員 ただいまの御質問、炭鉱その他の影響によりまして、あるいは河床に変化を来たして井せきの形を変えなければならない、たとえば浮遊物によって植物の生育に弊害を与える、こういうことの対策であります。基本的に申しますとこのような、他の何らかの鉱害と申しますか鉱山ないし工場よりの汚毒水によりまして害を及ぼす場合においては、その事業者の方において汚毒防止の措置を講じていただくということが基本であると思います。 なお農林省といたしましては、ただいまの河床の変化によるところの取入口の変化というようなものは、このような基本的な原因がございます場合、あるいは自然的にもそのような河床変化がございまして必要がある場合においては、それに適応いたしましたる土地改良事業といたしまして、そのような取入口の改良工事を施工いたします場合があり得ると思います。また内部の浮遊物ないし汚毒水の問題でございますが、農用水利におきます汚毒水は他の飲料水等と多少異なりまして、飲料水ないし水産等への影響、動物に対する毒物の問題でございますが、植物に対する害を及ぼす場合、ないし今のお話のごとく浮遊物によって種々支障を生ずるというような場合があるわけでございます。この場合も基本的には鉱害防止の事業として問題を考えておるわけでございますが、さらにその問題は一般の土地改良事業の一環として行われる場合もあり得ることと考えます。 なおただいま建設省からもいささか御説明がございましたが、ただいまの水の問題は単に農林省の問題というにとどまりませんで、各省にまたがる問題を含んでおるわけです。従ってこれにつきましては、そのような水資源の総合的な調整の一環としてこの水質汚濁の問題が取扱われるということが適当ではなかろうかというふうにも考えておるわけでございまして、先ほど建設省の方からも御説明がありましたような各省間の連絡がただいまとられつつございますので、それらの進捗ともにらみ合せまして、各省と連絡をとりつつ対策を講じて参りたい、かように考える次第であります。
○滝井委員 今河川局水政課長さんの方と農林省の農地局の方から、主として河川行政とそれから土地改良を中心としていろいろ対策が考えられていることを御説明いただいたわけなのです。単なる御説明だけでは、もはや問題が解決しない段階まできておることは、あとでいずれ触れていきますが、今私は汚濁水の問題とボ夕山の問題を取り出しました。ところが最近においてはこればかりではございません。その上に水洗炭業というものが加わって参ったのです。私は半年ばかり東京に来ておりました。最近メーデーで国に帰ってきましたが、田園まさに荒れなんとするという言葉が当るくらいに非常な変化を来たしておることを目のあたりに見ることができた。もはや遠賀川の河川というものは河川じゃないです。もはや遠賀川の水は人町の飲料水としては限界を越えてしまったということを言っておるのです。これは人間の飲む水として限界を越えたばかりではなくして、もはやあれを灌漑用水として田にやったって田はできませんよ。従ってこれは水の色が黒いだけに、黒は日光を吸収しますから日光の吸収力は強いかもしれませんが、とにかく株の張りなんというものはできはしない。従って炭鉱はそれに対して鉱害の被害金を出しております。出しておりますが、これはやっぱりそういう炭鉱の鉱害被害金を出させるということではなくて、何らかの形で解決しなければならぬのでございますが、その上に水洗炭業というものが加わって参りました。最近御存じだと思いますが、佐賀県はもはや今県の条例や規則で、いろいろそういうものを防止する方法を考えているんだということでございましたが、佐賀県は代執行をやり始めた。水洗炭業者に対して処置をしないとすれば、県みずからが施設を取りのけましょう、多分四月末か五月末で期限を切ってやったと思います。ところがそれじゃどの県でもそういうことがやれるかというと、これはいろいろな政治的な問題もからまってなかなかやれないのです。現在この水洗炭業については何ら法律上の規定はありません。これはなるほどボ夕山を洗っております、ボ夕山を洗うためにその洗った廃液というものはどこに流れ出るかというと、全部灌漑水路なり、河川に流れてしまっておる。そうしてボタ山はいわゆるボタをずっと山の頂上に持っていって捨てて立錐型の丘陵になっている。ところがこのボ夕山を水洗のために掘り始めたので、雨が降ると全部田園に流れ込んでしまって農地の被害は莫大です。そればかりではない、その流れる水と同時に灌漑水路に流れ込み、河川に流れ込んで、遠賀川の惨状は現在目をおおわしめるものがあるのです。これを取り締る何らの法律もない。今規則、条例等があると申しましたが、これはそういうものではなかなかできない。そうすると一体田はこの水洗炭業について、やはりこれは中小企業ですからこれを禁止せよとは中しません。しかしこの水洗炭業をやらしめるからには、何か立法上の措置を講じて、その施設基準というものを何らかの形で国みずからが一つの方向を与える必要があると思います。こういう点について、直接これは保安局長さんの方の関係はないと思いますが、まず今ここに出ていただいております関係各省のうちで、一番密接な関係のあるところはやはり保安局長さんの方だろうと思います。がこの前臨鉱法、特鉱法を審議するときに、同僚の井手君からあなたにこの問題についても、佐賀県の現状は知事が代執行をやるというほど深刻なんですと、井手君があなたにいろいろ御質問を申し上げております。多分三月の六日だったと思いますが、私もこの委員会に出ておりましたが、これに対する明快なる御答弁をいただけていないのです。きょうは従って関係各省に来ていただいて、まず遠賀川をモデル・ケースとして爼上に上げて対策を立てなければならぬ、こういう考え方から非常に気の毒でありますが、来ていただいておるわけです。水洗炭業に対する局長の方の考え、今被害を受けた川に対する考え方は、スラッジとボ夕山の土砂の流出の問題としてよくわかりました。その上にさらに被害が水洗炭業によって加えられて深刻化してきている、これに対して何かあなた方で具体的に、国家としてこういう方向に一つこれを指導していく立法的処置でもお考えになっているのかどうか。
○小岩井政府委員 ただいまの水洗炭業者の問題でありますが、前会の委員会におきましても質問を受けまして、その後相談はいたしておりますが、いかんせん私の方は鉱業法に基いた対象のものを考えておりまして、いわゆる水洗炭業者というのは鉱業権も何も持っておりません。しかしながらただいまお話のように、その原料となりますものは鉱業関係から出ておるという点を考えまして、いろいろ方途を講じておりますけれども、これを簡単にとめる方法はあるのでありますが、要するに鉱業権者が原料を売らなければよい、そういうことになりますと、完全にこの業種が全部ストップしてしまう。売らせることを認めるなら鉱業権者に責任を持たせる必要があるのではないか、鉱業権者にだけ責任を持たせるということになりますと、おそらくまた売らないようになってしまうというような関係で、とめることは簡単でありますが、ただいまお話のように、中小企業として存在をお認めになるのでしたら、なかなかこの問題は解決できない。これは目下のところは各県で認可をいたしておりますので、各県側で認可をいたします場合に、十分鉱害の点も考慮に入れて認可してほしいわけであります。当然考えながら認可されていることと思いますけれども、現実といたしましては、お話の通り相当乱暴な仕事をしているということは事実であります。従いましてこの点につきましてはなお目下石炭局、鉱山局とも十分協議いたしまして、何らかの形を一つまとめてみたいというふうに考えております。前委員会でのお約束もございますし、方法は講じておりますが、なかなか簡単にはこの結論が得られないのではないかということで、もう少し一つお時間をいただきたい、かように考えております。
○滝井委員 実はこれは簡単に結論が得られませんかもしれませんけれども、河川の荒廃はますます激しくなって参ります。これから梅雨期に入りますが、洪水が出ればもう井せきも水道もあったものではないのです。従って私は実はきょうは総理を呼んでこの問題を解決してもらおうと思って要求しているのですが、出て来ないのです。企画庁長官でもよいのですが、政府の責任者をだれか一人でも来ていただき、閣議でも問題にしてもらって促進をしてもらわなければ解決できないと思うのです。
○藤本委員長 厚生大臣を要求しました。
○滝井委員 ではこの問題はあとでやります。今私は一応遠賀川をモデル・ケースにして大事な水資源を汚濁せしめる典型的な二、三の原因について列挙してきたわけです。そこでまず私たちが今後河川の利用を円滑にやていく上においては、それらのもろもろの汚濁せしめる原因について、河川行政の上から見た防止対策というものを当然講じていかなければならぬと思うのです。そこでその防止対策について少しお尋ねをしたい。 まず第一に河川行政から見て、典型的な遠賀川を中心に起ってくる問題は地表面の沈下です。ことに河床の沈下ということです。この沈下が起るとまず第一に川面よりも井せきの方が低くなって、とにかく取入口に水が入らなくなってしまう。これは至るところにある、従って井せきのかさ上げをしなければならぬという事態が起っておる。さいぜん施業案の問題が出たが、まず私は河川局にお尋ねをしたい点は、施業案を通産局の方で認可をする場合に、その施業案というものを河川局は見せてもらっておるかどうか。
○国宗説明員 施業案を認可されますのは通産省の権限でございまして、鉱業のために河川、道路等の公共施設に被害を与えます場合には、それを復旧いたすことにしているわけであります。従いまして施業案の認可に際しましては、われわれの方には協議がないのが建前になっております。遠賀川につきましては、施策案を通産省で認可される、建設省には協議されないということを建前にいたしておるわけであります。ただ問題になっております遠賀川につきましては、そういう建前にもかかわらず特別に相談を願っておるという扱いになっておるわけであります。
○滝井委員 施業案の認可に当っては通産局が独自でやって、一応建設省には協議がない。しかし遠賀川については特別やっておるということでございますが、やったりやらなかったりだろうと思います。なぜ私がそういうことを申すかというと、さいぜんから施業案によって許可をしており、しかも監督庁等がそれぞれ回って十分監督をされておるというのが小岩井さんの御答弁です。ところがときどき、これをわれわれの方でほげるといいますが、川の底を掘っておるうちに川のまん中がほげてしまって、陥没して、川の水が坑内に入る、そして多くの犠牲者が出るということはよくあることなのです。こういうときは突発事故なのです。ところがそういうときに河川局が十分そういうことを知っておると、前もって十分応急的な処置が講じられることになるのですが、かつて河川局がそういう場合施業案を知っておって応急的な処置を講じたということを私は寡聞にして聞いておりません。従って河川の下を掘進していくというような場合には、前もって十分相談をせられるためには、今後の河川行政の上からも少くとも河川局には施業案を見せてもらう権限だけは持たせてもらわなければいかぬのじゃないかと思うのです。これはさいぜん小岩井さんの方から御答弁がありましたが、建設省の河川局に施業案を見せることに何か支障がありますか。実は私たちは鉱害問題を円滑に解決するためには施業案を公開せよという主張をしたところが、施業案は私有財産であって見せられないというのが先般私の質問に対する石炭局長の答弁であった。しかしわれわれ大衆にそれを見せよということは私は要求しておりますが、まず一歩譲りまして、この際一応河川行政という見地から見て、公人である河川局の河川管理者には明白に見せるという建前をとることが必要じゃないかと思うのです。そうでなければ地盤沈下を考慮しながら恒久的な国土計画あるいは治水計画なんというものは立たないと私は思います。そのときどきの行き当りばったりの対策になってしまう。こういう行政が今まで行われておったことはちょっと問題ですよ。こういう点について何かあなたの方で積極的に見せられないという理由があればお示し願いたいし、なければ見せられるかどうか、これを御答弁願いたい。
○小岩井政府委員 施米案につきまして別に建設省に見せられないという理由はございません。ございませんけれども、私の方の業施案の認可に当りまして一矛大切に考えるポイントは、河川とか湖沼とか鉄道とかあるいは重要な建設物、工作物、そういういろいろな重要施設に支障のないようにということを考えるのが施業案でございまして、この地業案の認可の一番ポイントとなる点の中に河川が入っておるわけであります。普通の場合には重要な河川は大がいの場合掘れないのが建前になっております。深さが非常に増してくるような場合あるいは掘っても別に支障がこないと考えました場合にそれぞれ認可をいたしておるのでありまして、もちろん河川に支障のないということに非常に重点を置いて認可をしておるので、特別に建設省の方にその施業案を御相談しなければどうにもならぬというような実情は私はないと考えております。しかしながら遠賀川のように特に大きく問題になりましたような河川につきましては、建設省、通産省の次官の申し合せによりまして施業案をごらんに入れているというような次第でございまして、もちろん必要がある場合には建設省にお見せするということは何ら支障がないと考えております。しかしながら私の方で最も大切に考えている点は河川なんでありますから、河川に支障のないという点に重点を置いて認可しておるので、その点に関しましては建設省に特別ごらんに入れる必要はないのではないかというように考えてえる次第でございます。
○滝井委員 今の見解はなるほど鉱山保安局の方にも専門家がいらっしゃると思いますが、しかし私は見せる必要がないということについては異議ありというところです。恒久的な国土計画、治水計画はあなたの方だけでやっても、ものの考え方は河川行政そのものの考え方が出てくると思う。従ってそれらのものが相寄ってお互いに有無相通じておくということが今後の鉱山保安行政、河川行政をやる上においても非常に円滑にいくと思う。現実に河床の地盤沈下が起っておらなければあなたの言を了承いたします。ところが現実に河川の中の一番大事な農業灌漑水のために不可欠の井せきはどんどん沈下していっているという事態があるわけです。鉱業法の六十四条を見ますと、「鉱業権者は、鉄道、軌道、道路、水道、運河、港湾、河川、湖、沼、池、橋、堤防、ダム、かんがい排水施設、公園、墓地、学校、病院、図書館及びその他の公共の用に供する施設並びに建物の地表地下とも五十メートル以内の場所において鉱物を掘採するには、他の法令の規定によって許可または認可を受けた場合を除き、管理庁又は管理人の承諾を得なければならない。但し、当該管理庁又は管理人は、正当な事由がなければ、その承諾を拒むことができない。」という条文がございます。従ってあなたの方でこれは鉱業法の六十四条で制限をされているということも、今の条文によってよくわかるわけです。ところが鉱業法の三十五条を見ますと、「通商産業局長は、鉱業出願地における鉱物の掘採が経済的に価値がないと認めるとき、又は保健衛生上害があり、公共の用に供する施設若しくはこれに準ずる施設を破壊し、文化財、公園若しくは温泉資源の保護に支障を生じ、若しくは農業、林業若しくはその他の権業の利益を損じ、公共の福祉に反すると認めるときは、その部分については、その出願を許可してはならない。」ということがあるわけです。従って二つの条項によって局長さんの方ではおそらく建設省なんかには見せる必要はないだろう、こういうことになっているだろうと思います。三十五条で公共の福祉に反するときは総括的に見て許可することができない。私はそういう場合に、河川管理者も入って、許可する場合に公共の福祉に反するのかどうかというような審議会を設けて通産局長の諮問に応ずる組織くらいは作っておく方がいいのではないかと思います。施業案を直接見せるということで何か支障があるならば、いろいろ責任を通産局だけが背負うということではなくて、こういう河川というきわめて大きな利益を国民大衆の生活に与えている部面については、諮問機関を設けてやることが、そういう施業案の認可をするときには当然だと思うのです。現在地表地下五十メートル以内の場所において鉱物採取をやるときには公共の管理長の許可を要するのですが、土地調整委員会の承諾で通産局長はやっちゃうのです。そうすると河川の管理者がそれに入っておるかというと現実に入っていないでしょう。そうしますとこれは六十四条の二の関係で土地調整委員会との関係が出てくるのです。そうすると三十五条、六十四条関係から見ると河川関係の管理者の意見が具体的に出ていくところというものは、あなた方が積極的に見せるかあるいは河川局の方から見せて下さいと積極的に行く以外にはないのですよ。従ってそういう意味からこの際施業案というものを見せて大きな支障があるという場合ならばとにかく、そうでなければ私はむしろ開放すべきだと思う。開放することによって鉱害防止ができるのです。ところが今これが秘密にされておるところに問題がある。従ってはなはだしいものは一般鉱害と特別鉱害が混同されてある家は特別鉱害に入る、ある家は一般鉱害に入るというように大衆を愚弄するような状態が出てくるのです。私は大衆に見せよということはこれは差し控えますが、少くともまず第一段階として河川心理者と、少くとも都道府県の河川の管理者の意見を聞くぐらいの審議会を作って、その意見を聞いたならば施業案の認可を与えるというぐらいにする必要がある。これは高い見地に立って国土計画なり治水計画の上からその必要がある、こういう意見を私は持っておるのですが、その点について土地調整委員会にも入っていないと心得ておる。こういう点について何か今の御答弁よりかもう少し進んだお考えを承われなければ私はちょっと了承できないと思うのです。
○小岩井政府委員 私説明を申し落しましたけれども、鉱業権が設定されます前には必ず地方長官にこういう地域で鉱業を営みますが差しつかえありませんかという意味の御照会をいたしておるのであります。その返事が参りまして問題のある点はもちろん考えます。問題がない場合の方がむしろ多いのでありますが、それぞれ問題のある点は考慮して鉱業権を設定いたしておるのであります。特に地方長官から強い要望がございますれば、その点について十分に対策を考えて鉱業権を設定いたしておるわけでありまして、鉱業権設定の当初に各地方長官にはそれぞれ御相談をいたしておるような次第であります。しかし相談と申しましても地方長官といたしましても、たくさんある中でそれに具体的な回答をつけて出すということはなかなか困難でありますので、大きな点だけは御指摘を願っておりますけれども、こまかい将来予想されるような点については、実際に鉱業を行なってからいろいろな問題を解決するというような段階になっております。必ず鉱業権設定の前には私の力といたしましては地方々々に御相談をいたしておりますので、その節にいろいろ問題になる点を御指摘下されば十分に対処もできます。しかし御指摘がなくても私の方で問題となる点は十分に考慮いたして鉱業権の設定をいたしておるようなわけでございます。
○滝井委員 河川当局の方にお尋ねしますが、当然河川局としても施業案というものを見せてもらう方が河川行政の運営においても安心がいくし、治水計画あるいは総合的な国土計画を立てる上においても非常に便利じゃないかと思いますし、これは河川行政の上においてどうしても解決しなければならぬ点だろうと思うので、率直な意見を遠慮なく述べていただきたいと思うのです。
○国宗説明員 施業案につきまして御指摘のような御意見があるかとも考えますが、私ども先に御指摘がありましたように、鉱業法の規定に基きまして河川の底近くを掘る場合にはこちら側の承諾を要することになっておりますし、施業案につきましてもやはり法律上の責任と監督は通産省でなくちゃならないのじゃないかと考えておるわけでございます。どのように掘っていくか、どのように稼働していくかということが害を及ぼすか及ぼさないかをきめるのでありまして、そういうものはやはり専門的な官庁でやられるのが適当じゃないかと考えておるわけでございます。なおその計画、その施業案を見せていただくならば河川計画に便利であろう。このいう点についてはその通りだと考えるわけであります。
○滝井委員 通り一ぺんの御答弁ですが、見せてもらう方が便利だということははっきりしたようであります。ぜひ一つ積極的に見せてもらって、そしてできるだけ河床の地盤が沈下しないような対策を今後立てていってもらう必要がある。あなたの方は施業案の鉱業法の認可ですか、これをやるときに河川に関係あればあなたの方の承諾を求めてくるんだ、こうおっしゃっておりますが、最近は盗掘というのがはやり、施業案は出しておるけれども河の底でも何でも掘ってしまうのですよ。石炭ブームなんですからね。今われわれのところでは盗掘が起って鉱業権者が責任を負わずに困っておる。盗掘というのはこれは私はこの前新知識を得たのですが、民法上の違法行為であって、鉱業権者の責任にならないのですよ。泣き寝入りだ。だから河川が陥没してがっといっても盗掘だったら何ら文句は言えない。そしてその盗掘をした人に財産でもなかった日にはこれはお手上げですよ。市町村がみなやらなければならぬ、鉱害じゃない、不法行為なんです。こういう事態さえも現実に起っておる。私の家自身が盗掘をされて鉱業権者が知っておるだろうと思ったら知らない。そういう事態が起っておるのですよ。だから今のような石炭ブームに乗れば盗掘というものも行われたりするから、よほど施業案を見せてもらって河川行政の運営をうまくやっていただかないと大へんなことになる、こういうことなんです。そこで地盤の沈下を私はまず第一の出発点として施業案に求めました。次にはその施業案によっていよいよ今度は掘られてきます。そうすると当然その採掘をしたあとは鉱山保安法の第四条で鉱害防止の処置を鉱業権者は縫揚的にとらなければならぬ。先般私は特別鉱害あるいは一般鉱害を審議するときに、採掘後の充填をやってくれと要求しました。ところが石炭局長はこれは私の所管じゃございません、これは保安局長の方の所管でございますからと言って逃げてまだ答弁をしていないのです。今日は局長さんがおいででございますが、採掘後の充填は最近行われておりません。これを積極的に充填をやるということになれば鉱害というものはうんと減ってくるのです。これをどうして積極的にやれないのかということなんです。これを今あなたの方は秘極的にやっておるのかどうか。
○小岩井政府委員 採掘のあとの充填につきましてはなかなかむずかしい問題で、炭坑によりまして充填物が全然ないところがございますし、たとえて申し上げますと、三菱の端島炭坑、ああいう炭坑になりますと炭層も厚いしはさみが全然ない。もちろん坑道を掘りますときにはボタが出ますけれども、採炭をいたしますときにはボタが出てこない。従って庁は坑外から運んで充填をいたしておりました。そういうふうに炭坑によりましてはまた石炭よりもボタの方がよけい出るという炭坑もございます。よけい出るところはどうしても外へ出さなければいかぬというので、なかなかこれを一様に断定を下すことは困難なのであります。従って充填のできますところは極力充填をするように指導いたしておりますが、もちろんこれは施業案でどういうふうに充填をするということを正確に書いてございます。たとえば全充填をやるとか部分充填をやるとかいろいろその山の状況によりまして、この山ならこの程度でよろしいという判定がつきますればパーシャル・パッキングと申しまして部分的な充填で満足していく場合もございます。もちろん充填をやっておる炭鉱もございます。そういうふうに各炭鉱の実情によって充填の方法をそれぞれ考慮して認可しておるような次第でございまして、一般的な方針としては充填をでき得る限りやるという方針で進めておるのでございます。
○滝井委員 充填を原則的にやる方針をとられておるということでございます。これは私の知っておる限りにおいては大して充填が行われていないのが現状だと認識しております。これはいずれ具体的に鉱害の問題が紛糾しておる地区については一つ見せてもらいたいと思います。鉱山保安法二十六条の関係でございますが、鉱業権が消滅した後においても当然長期にわたって鉱害防止施設を作る義務が鉱業権者にはあることになっております。現在遠賀川の汚濁あるいは河川の非常に大きな障害を来たすボ夕山の処置については炭鉱がやめた後あるいは現実に炭鉱がやっておっても鉱害防止施設はほとんどありません。ボ夕山から大雨のときに流れてくる土砂は――ボタ山は御存じの逸り立錐形の急傾斜でございますから非常なものです。ボ夕山は鉱業権者の所有でございますから一指だにわれわれは手を触れることはできません。従ってこれは鉱業権は明白でありますので鉱害であります。それから出てくる被害は鉱害である。それが同時に河川に流れてくることになれば、河川に及ばす目に見えて明白な鉱害の責任は、鉱業権者が負わなければなりません。さいぜんの水道の問題についても、これは鉱業権者の責任であることが明白になってきたが、私は寡聞にしてまだ聞いたことはございません。それからボ夕山から流れ出る河川の鉱害については私は聞いたことがありません。なるほどボ夕山の土砂が流れてその下を通っておる鉄道に被害が及んだというときには、特別鉱害でやっておる例を知っております。それからすぐ下にある民家に害が及んだことも知っております。いつか長崎県かどこかでボ夕山が崩壊して人家が何軒か下積みになったということもあります。志免の近所でもそういうことがあった。そういう場合は目に見えて直接に及んでくるからわかる。ところが長い年月をかけてボ夕山の土砂が河川に流れ込んでいくものについて私はまだそれを鉱害だといって鉱業権が見た例は実は聞かない。こういう場合どういう見解を河川局と小岩井さんの力はおとりになっておりますか。
○小岩井政府委員 一般のボ夕山の崩壊防止あるいは土砂流出の防止についてはそれぞれ相当厳重にいたしております。普通の方法としては石垣を作ったり土どめを作ったりしてでき得る限りの技術的な方法は講じておりますが、これを完全に防ぎとめることは目下のところできません。ただ、今問題を起しておりますのは鉱業権者の不明なもの、あるいは非常に古いボ夕山が一部崩壊、流失して河川に大きな影響を与えておる実情は十分承知いたしております。この点については鉱業権者も十分にわからない場合が多いので、それぞれの県とお話を進めて、臨鉱法の一部の予算をいただいて、特に福岡県、長崎県、これらの両県はボ夕山が多い関係で臨鉱法の予算で一部これらの改善を講じておるようなわけであります。
○国宗説明員 ボタ山が河川に及ぼす影響でございますが、鉱業権者なり通産省の方でボ夕山の被害を防止する措置を講ぜられるのが適当かと存じますが、川に入ってきたものについてはその対策を講じなければならないのでありまして、まず入ってこないような措置を臨時鉱害復旧法の措置なりで考えることが適当ではないかと考えておるわけでございます。
○滝井委員 その入ってくる予防の措置は当然鉱業権者なり、その指導監督の地位にある通産省の方にお願いをするわけなのです。現実に今テスト・ケースとしてあげてきておる遠賀川にはたくさん入ってきておるのです。これに対してあなた方は、通産局なり鉱業権者にいかなる要請をするかということなのです。
○国宗説明員 今の問題については、河川法は河川の中に入ってきた場合に措置すべきすべを十分備えておるわけでございますが、それは河川に支障に及ぼし、河川工事を必要とするに至ります場合は、河川工事は河川省管理者において施工して、原因を与えたものがその費用を負担するという血相命令で措置することだろうと思います。なおこの措置より適切であるのは、先ほど申し上げたような鉱害復旧の米本計画の作成に当りましては、河川内の計画については建設省とも十分相談した上で作成されることになっておりますから、その際には適当な措置を必要とするのも適当と思っております。
○滝井委員 どうもおざなりな答弁で困るのですが、予防が必要なことは当然です。現在河川が全く荒れて、水道の水には使う処置がない、その限界を越えておるのだという記載に厚生省は立っておるわけです。そして、さいぜん私が申し上げたように、スラッジというものがたまって、伏流水を取ることも不可能だという状態になってきておる。これでは河川が河川たるの役割をしていない。たとえば堤防が大水で崩壊した、これは明らかに鉱害だ。ところがそう大きなものではなくて、現実に明らかに水道の伏流水を取るのに重大な支障を来たしておる。そして水は飲むに足りないものだという場合、大水で堤防が崩壊したというような突発的なものでないかもしれません。しかし、これは徐々に人体なり、大衆の生活に被害を与えておることは事実です。その現実の土に立ってあなた方は一体どうするか。これに対する回答を与え得ないとするならば、河川行政を担当しておる者としては責任をとっていないということになる。その責任を明山にとらしめる方法を講じなければならぬ。ところがあなた方もそれを講じないで、そのままにしておる。通産局の方も、あのくらいのことはやむを得ないだろうということで大目に見てやっておる。それで長年累積したまま河川というものが荒れ果てようとしておる。これが現実です。これに対して今のような御答弁では通り一ぺんの御答弁で、とてもこの問題の解決にはならぬということになる。だから、私は河川局長か建設大臣くらいに来てもらって、もっと明白な御答弁をいただきたいと思う。そういう点は河川局としては十分積極的に御研究になっていただきたいと思います。そうしなければ、水道法をやってみたところで、水が飲めなければ役に立ち出せん。水道法には、水質はりっぱなものでなければならぬと書いてある。ところが遠賀川の水道というのは、みんな飲めないような水を大衆に飲ましておる。こういうことになれば、これは罰を食らうのです。そのためにはやはりもとを正していかなければならぬ。もとを正すためには、その原動力は、厚生省はもちろん、水は川からとるのたからあと押しをしなければならぬが、河川を握っておるあなた方が原因を探究する、その原因が鉱山関係にあるから、鉱山関係に強く要請しなければならぬと思うのです。 そこで今度は具体的に、河川行政から見た防止の面から、地盤沈下の面からお尋ねしていきたい。次に私がお尋ねしたいのはその河川と地盤が沈下した河川、遠賀川に流れ込む洗炭廃液の放流に当って、汚濁の度合いがだんだん高くなってきた。この濃度の高くなったものを防止するために循環式のバック(沈澱池)というものを地業案で作らしてやっているんだ、こういうことなんです。ところが現実は施業案がその通りに実施をされておるとするならば、遠賀川の水というものは飲料水に適合する限界を越えないはずなんです。ところが現実に越えておるということは、循環式のものが不完全であるということの、逆に言えば結論はそういうことになるわけです。従って現在の循環式のものについては、何かそこに施設上の欠陥があるか、あるいは鉱業権者の方がさぼっておるか、いずれかであろうと思うのです。小岩井局長さんの方では、現在の循環式というのは施業案で大体確実である。これならば川に廃液を放流しても大丈夫だという御自信がおありになりますか。
○小岩井政府委員 施業案で認可しております内容のものならば大丈夫だという確信を持っております。しかしながら、ただいまのお話のようにだんだん悪くなっているといとことは、私どもまだ十分なデータを現地から入手しておりませんが、私はだんだん悪くなっているということはあまり強く考えていないのであります。これは汚濁度の問題でございます。 各炭鉱の施設につきましては漸次改善の方途を講じておりまして、先ほど来問題になっておりますこまかい粘土のコロイド式のものもやはりこれを分離して適当なところに体積させるような方法を考えまして、目下助成金を出して研究してもらうことにいたしております。それから大がいの大手の炭鉱につきましては、もう洗炭の廃水を流さないという循環方式をとらしておりますし、目下流しておりますのは中以下の、比較的そういう設備のない炭鉱が流しておるような実情でありまして、これらにつきましても漸次そういう施設をとるように指導しておりますし、だんだん悪くなるという方向は絶対にとらない方針をとっておるわけであります。しかし私どもの力でも四六時中監督にいくわけに参りません。監督官もかなり頻度を高めて回ってはおりますけれども、いかんせん一昨年来非常に天災が多かった関係で、現在では重点方式をとりまして、特に危ない炭鉱を入念に毎月回らしておりますので、一般のそういう問題になります炭鉱についての取締りは、多少ゆるんでおるのではないかとは考えておりますけれども、だんだん悪くなるということは全然考えておりません。漸次改憲の方途を講じて、改号向上さしていきたいという考え方を持っておるものでございます。
○滝井委員 私どうもうしろに八田公衆衛生学の大家がおられますので、あれでありますが、実は洗炭廃液の放流による汚濁の度合い、これは私は専門でないのでよくわからないのですが、普通いいというのは千PPMぐらいじゃないですか。ところが遠賀川でやったのは、濁度がほとんどの炭鉱が八千PPMから二万PPMの汚濁水を放流しておる。それからPHの低いところを予想して調査したが、案に相違して大部分の炭鉱が七・二から八・二です。それから有害物質は硫黄の含有量五・一%、それから酸化して硫黄第二鉄となり、さらに加水分解して水酸化第二鉄となって沈澱し、硫黄の含有量は上流部で〇・九六七%、下流部で〇・五三五%である。その酸度は五・三から一一・三です。これは今年調査したものです。濁度が八千PPMから二万PPMというのは非常に濁度が高いでしょう。水道課長さんから濁度が高いという御答弁があった。局長さんの方はそういうことはないと言うけれども、これはそうです。最近水洗炭の水がまじってもはや黒い水じゃないのです。全く褐色の水が、何と申しますかこれは浮遊物じゃないのです。どろ水が流れているのです。従って水道の伏流水というものはもうとれないのですよ。そういうのが現在の姿なんです。だから私はさいぜん、田園荒れなんとす、と言った。私が今度国会に出てくる一月のころは、水洗炭というものは少かったのですが、その後急角度にふえておる。そうして佐賀県においては代執行をやって命令を出しておる。そういう事態に追い込まれてきておるのです。あなたは今濁度の問題は増加していないとおっしゃるので、私は特に専門外のことをちょっとつけ加えざるを得ないことになったのですが、その点は水道の専門家の方から明らかに荷まってきておると言っておるわけです。そういう点については小岩井さんの方もやられておると思いますけれども、もう少し慎重にやってもらいたいと思う。 そこで汚濁を防止する方法というものはいろいろあるようでございます。たとえば今あなたの言われた循環式というのも一つの方法だと思う。洗炭の集中化をやれというような意見もあります。ところがこの洗炭の集中化――海岸ばたに持っていって洗炭をやって、そして海の中にほったらいいだろうと言うけれども、あの筑豊炭田の中に二百有余の大小無数の炭鉱があるのに洗炭を集中化するということは不可能で、できないことだと思います。ボタ山流下法というのがあって、一応流下水をボ夕山に揚げて、ボ夕山をさっと流してきて再び沈澱池に入れます。そうして川に放流する。そうすると浮遊物はボ夕山の土に吸い込まれて水が清くなるでしょう。こういうふうな方法もありますが、これもなかなか困難だろうと思う。そうすると今度は汚毒水の排水路を、普通の河川を二分して片一方に清水を流し、片一方には炭鉱の廃水を流すというふうに、川を二つに分けたらどうだろうかという意見もある。これも洪水期になると一緒になってしまうという意見もあるようであります。それから汚毒水の沈澱池を作ってそれに薬品を投入していく。これはある程度やっておるところもあるようです。それからもう一つ河川に薬品を入れて急速な沈澱をやろうということもあるようであります。いろいろなことを専門家が教えてれました。しかし私それらのものを検討してみるけれども、この遠賀川の汚毒水をとめるきめ手になるものは私は持ちません。何かこんなに遠賀川の汚毒水が限界を越えて問題になるとすれば、小岩井さんの方も厚生省の方と協力して何か具体的な対策を急達に講じなければならぬと思うのですが、これについて何かあなたの方で積極的にやる御意思がありますか。
○小岩井政府委員 もちろん洗炭汚水の問題につきましては私どもも重要に考えておりますので、よく関係の官庁と御相談いたしまして目下水質汚濁の協議もいたしておりますので、その点十分打ち合せまして、何らかの対策を講じていきたい、かように考えている次第でございます。
○滝井委員 何らかの汚濁防止のために対策を講じたい、こういうことでございます。実はこの公害及び汚濁水に関係のあるいろいろの法律を探してみました。そうすると、またこの法律が実に多岐にわたっているのです。まず刑法があります。それから森林法、鉱業法、鉱山保安法、水産資源保護法、最近われわれが賛成をして前の国会か、その前かで作った清掃法がある。そしてこれらのものはそれぞれ所管の省がみんなばらばらです。何ら一貫をした、どこか水の濁りについて責任を持って積極的にやるという省がないのです。そしてしかもいろいろ資料を集めてみました。資料もほとんどない。先般私は汚濁水の問題でなく、公害防止の問題について予算委員会の分科会で通産省の施設課だったと思いますが、質問をしたのです。全く方針が立っておりません。公害に対してどういう具体的な対策を立てていくかということについて質問をいたしましたが、公害の前提条件というものが全く明白でない。それから総合的な調整というものをどうやるかということについて日鼻がついていない。それから公害の基準というものについても全く海のものとも山のものともわからない。それから具体的な公害があっても、それを処理する技術的な問題についても全くわかっておりません。たとえば今、一つ私は水俣の奇病を出しました。現実に素肥料を作っている、あるいはビニールを作っている工場から流れ出る水についても対策がない、こういうことで技術的な対策がない。補償方式についても、これを金銭賠償にするのか、あるいは無過失賠償の責任という、あの鉱害と同じような無過失賠償でいくのかということについてもわからない、こういうことで、それならばあっせん仲介のための機関を――全般的な公害に対して国でも積極的にやるか、それについても自信がないということになると、公害問題というものは五里霧中です。しかも現実には大衆には鉱工業の発展によって非常に大きな弊害を与えている。そこで私は実は予算委員会で通産当局からそういう御答弁をいただいたので、それはちょっとあきらめているのです。しかし今度はこの水道法というものを政府が出してきたからには、公害の中の一つである水の問題については何らかの形で政府は積極的に解決しなければこいつはどうにもならぬということです。しかもそういう政府が水道法というものを出す段階のときに、八田さんもこの前御指摘があったように、昨年末にWHOのクラッセン博士からの勧告というものが来ている。この勧告を見てみると、全く日本の水に関する行政というものは恥かしくて仕方がないということです。あの勧告をお読みになったら――皆さんおそらく水に関係のある方はお読みになっていると思う。まず日本というものは公共水汚濁防止の非常に大きな問題を背負っている。ところがその背負っている日本で何かそれを防止する方法が講ぜられているかというと、何も講ぜられていない。汚濁の問題はどんどん増加する傾向にある。しかも今局長さんは全くしていないと言うけれども、外国人の方がそれに対する明確な証拠があるのだといって日本政府に突きつけているのですよ。それでしかもそういう公共水汚濁の問題があり、それがだんだん深刻化していくという現実があるにもかかわらず、日本における法律を見ますと、今言ったように五つも六つもの法律が、公害と汚濁防止の問題で錯綜しておって、どこが大体きめ手になるのかということがさっぱりわからない。今刑法の問題をわれわれは持ち出してみましたが、この水道法の関係と刑法の関係だってわれわれに納得のいくような答弁はしておりません。そういう状態が一面においてある。まず行政庁各間の、おのおのの間の権限が錯綜しておって、みずから進んで責任を負うというところはないということが今の質問を通じてだんだん明白になってきた。そういう形があるとともに、これを防ぐ方法についても全く方法がない。全く不適当きわまるものであるということです。しかも日本の法律と、その権限の重複の状態を見ると、確かにむだと浪費が多いということをクラッセン氏から指摘されておる。それで私はさいぜん法律を言ったのですが、全くその通りなんです。こういう状態だと、厚生大臣、この水道法を作ったって、これはものの役に立たぬのです。もうすでにあの大きな人口をかかえておる大阪を養っておる淀川、これは限界です。しかも百三十万をこえる人口をその両津に持っておる遠賀川ももうすでに限界を越えておる。こういうときに水道法が出るのですが、一体厚生大臣は、この水の問題を、各省ばらばらで法律もばらばらで処置ないのですが、一体どうするつもりか。私はきょうは岸総理においでいただいてやるつもりであったのです。これは非常に各省にわたっておるので、ここに水道法の主管大臣である厚生大臣に来ていただいて、こうして下さいということは酷だと思いました。しかし企画庁長官も時間の関係でいなくなるし、岸総理も何かいないということになると、きょうは厚生大臣としてじゃなくして、国務大臣神田博さんとして来てもらった。従って国務大臣として閣議で一つ責任を持った発言を今後やってもらいたいために来てもらっておる。この問題は一体あなたはどう閣議で発言して、岸内閣として解決していく所信なのか、これを一つお答え願いたい。
○神田国務大臣 お答えいたします。ただいまお述べになりましたように、この河川の汚染が近時急激にその度合いを増して参りまして、政府といたしましても非常に遺憾に思っておる次第でございます。すなわち水資源の保護の観点からいたしまして、また飲料水あるいは農水産等に深刻な打撃を与えておるという現実的な観点からいたしましても、これは政府一体といたしまして、可及的すみやかに各省の連絡を密にいたしまして、この抜本的な、しかも総合的な対策を立てまして、問題の根本的な解決をはからなければならないというように考えております。御要望と申しましょうか、お述べになられましたことはまことにごもっともなことでありまして、ただいま政府といたしましてもそういうような決意をもって根本的に解決いたしたい、こういう所存でございますので、御了承願いたいと思います。
○滝井委員 実はクラッセン氏の勧告にもある通り、もはやこれは各官庁個個の力ではだめだ。あるいは地方行政庁にいろいろ規則や条例で河川局の方はまかせてあるんだ、こういうことでございました。しかしそれではだめだ。中央政府のレベルで解決しなければだめだということを言っておるわけです。従ってやはり公共水の汚濁防止法というものは、その汚濁防止を直接につかさどっていく汚濁防止庁といいますか、そういうものをやはりクラッセン氏の言うように作らなければだめだと思う。そうしなければ百年河清を待つにひとしい。で、次の通常国会に何らかの形でそういう公共水をほんとうに大衆生活のために役立たせるようなりっぱなものとしてやる法律上の措置を講ずる意思があるかどうか、これを一つお尋ねしてみたい。
○神田国務大臣 この次の国会に、この河川の汚染防止に関する根本的な公害防止の法律を出す意思があるかどうかという尋ねでございましたが、政府といたしましてはもうすでにこれらのことが限界に来ておるということについては、お述べになりました通りに考えておりますので、十分各省の連絡を密にいたしまして、そして今御要望されましたような方途を講じたい、かように考えております。
○滝井委員 ぜひ次の通常国会には積極的に総合的な対策を立てて日本の法律の複雑性、各省割拠の弊害、こういうものを一掃して、一つ通産当局とも十分お打ち合せの上、りっぱな水道法が運営せられるような良質、低廉な水が大衆に与えられるようにしていただくことをぜひ要望して、私の質問を終りたいと思います。実は水利権の問題等をやりますと時間がかかりますので、いずれこれは次回にして、本日はこれで終ります。
○藤本委員長 国宗水政課長にお願いしておきますが、先ほど滝井委員から河川局長に対して要請されましたことは、河川局長のみならず建設大臣にも報告して、また速記をごらんになって善処せられんことを委員長から要望しておきます。他に御質疑はございませんか。――なければ、本案についての質疑は終了したものと認めます。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○藤本委員長 速記を始めて。 次に討論に入るのでありますが、通告がございませんので、直ちに採決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○藤本委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 ―――――――――――――
○藤本委員長 次に、本日の請願日程全部を一括議題といたします。本委員会に付託されました請願はすべて請願審査小委員会の審査に付したのであります。この際、請願審査小委員長より報告を聴取いたします。野澤清人君。
○野澤委員 請願審査小委員会における審査の結果を御報告いたします。 請願総件数は九百五十三件であります。小委員会は慎重に審査の上、請願日程のうち第一、第八から第二八まで、第三一、第三二、第三五、第四五、第六一、第七九、第八二から第八七まで、第一〇三、第一〇八、第一〇九、第一三五から第一三七まで、第一五九、第一六一、第一八二、第一六四、第一六六、第一六八、第一八一、第一九九、第二〇二、第二〇四、第二〇五、第二一七から第二二〇まで、第二三三、第二五〇、第二七六、第二七九、第二八〇、第三〇六、第三一〇、第三一三、第三二九、第三五五、第三六〇、第三七五、第三七七、第三八九から第四〇九まで、第四六〇から第四六六まで、第四六九から第四七一まで、第四八七から第五〇三まで、第五〇八から第五一〇まで、第五二六、第五二七、第五二九、第五三〇、第五三二、第五三三、第五三九から第五四四まで、第五五二から第五五七まで、第五六二、第五六四から第一五六九まで、第五七五から第五七七まで、第五九〇、第六〇九から第六一四まで、第六一六から第六一八まで、第六四八、第六四九、第六五一から第六五四まで、第六五六から第六五八まで、第六六〇から第六六四まで、第六七二、第六八七、第六八八、第六九〇、第六九六、第六九九、第七〇四、第七〇五、第七一九、第七二九、第七三二、第七六九、第七七〇、第七七三、第七八一、第七八八、第七九四、第八二一、第八二八、第八七七、第八七九、第八八七から第八九二まで、第八九五、第八九八、第九〇〇、第九〇一、第九〇三、第九〇八から第九一一まで、第九一七、第九二四から第九三五まで、第九三七、第九三九から第九四一まで、第九四三から第九五〇まで、第九五二、第九五三、以上二百三十三件はその趣旨妥当なるものと認め、採択の上内閣に送付すべきものと決定いたしました。 以上御報告いたします。
○藤本委員長 以上で報告は終りました。ただいまの報告について御発言はございませんか。――なければ採決いたします。ただいまの小委員長の報告の通り決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め、その通りに決しました。 次に、ただいま採決の上内閣に送付すべきものと決しました請願に関する委員会の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 なお、ただいまお手元に配付いたしました陳情書が、本委員会に参考送付されておりますので、一応お知らせ申し上げます。 暫時休憩いたします。 午後二時十四分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は開会に至らなかった〕