社会労働委員会 第45号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/25
会議録
○藤本委員長 これより会議を開きます。 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案を議題とし、審査を進めます。 本案の質疑はすでに終了いたしておりますので、討論に入るのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め、それでは採決いたします。 本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。 〔総員起立〕
○藤本委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め、さように決します。 —————————————
○藤本委員長 次に自然公園法案を議題とし、審査に入ります。 まず趣旨の説明を聴取いたします。神田厚生大臣。
○神田国務大臣 ただいま議題となりました自然公園法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案は、国立公園、国定公園及び都道府県立自然公園の三種の自然公園について、それぞれの段階に応ずる適正な保護と利用の増進とをはかることをそのおもな内容とするものであります。 この法律案の対象としております自然公園とは、いわゆる人工公園に対応して、自然の風景地について設けられる公園をいうものでありますが、従来、この種の公園に関する法制としては、国立公園を対象とする国立公園法が存するにすぎなかったのであります。しかしながら、近時における国民生活の安定、都市の異常な膨張、都会生活の複雑化等に伴って、自然公園に対する国民の利用度もますます高まって参りました結果、その適正な保護と利用とをはかることがきわめて急を要する問題となってきたのであります。 ところで、これら各種の自然公園は、その風景の規模と価値に差があり、また、その管理の主体を異にいたしてはおりますが、いずれも同一の性格と目的とを有する公園でありまして、同一の制度の下で一体的に運営することが最も適当なものであります。このような事情にかんがみ、今回、現行の国立公園法を廃止し、これにかわるに、国立公園、国定公園及び都道府県立自然公園の三種の公園に関する総合的な制度を確立いたしまして、国民の保健、休養及び教化に資し、あわせて観光業の健全な発達をはかるため、この自然公園法案を提案することといたしたのであります。 以下、この法案の要旨を簡単に御説明申し上げます。 まず、第一点は、現在の国立公園に関する制度を整備したことであります。 昭和六年に現行の国立公園法が制定されて以来、すでに十九の国立公園が指定されておりますが、何分、古い法律でありますため、その運用が事実上困難な規定もありまして、最近における利用者の急激な増加に伴う公園の荒廃を十分に防止できない事情にあります。このような事態に対処するため、他の産業との調整をはかりつつ、国立公園の適正な運営ができるよう、自然公園法案に必要な規定を設けることにいたしました。 次に、第二点は、国定公園に関する規定を新たに設けたことであります。 国定公園は、国立公園に準ずるすぐれた自然の風景地について設けられるものでありまして、すでに、この種の公園として、全国で十四の公園が指定されておりますが、遺憾ながら、現在は、これに関する明確な規定がなく、わずかに国立公園法の一、二の規定が準用されているにすぎないのであります。しかしながら、国定公園は国立公園に準ずるものとして、必要な保護を行い、かつ、その利用の増進をはかるべきものでありまして、各方面においても早くから強く要望されて参ったところでありますので、今回新たに国定公園に関する必要な規定を設けた次第であります。 次に、第三点は、都道府県立自然公園の保護と利用の規制について必要な規定を設けたことであります。 都道府県がその住民の保健と休養に資するため、自然の風景地について指定した公園は、現在、全国で二百に近い数に達しておりまして、これらの自然公園の管理は、従来法律の根拠を欠き、すべて都道府県の条例にゆだねられていたのであります。しかしこれのみでは都道府県の自然公園の維持管理に必要な事項を必ずしも確保し得ない事情にありますので、今回法的に所要の措置を講ずることによって、その保護と利用の適正を期することができるよう必要な権能を都道府県に付与することといたしたのであります。 なお本法案の施行に伴いまして、土地調整委員会設置法、土地収用法、森林法、都市公園法等との間に所要の調整を行なっております。 以上が自然公園法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○藤本委員長 以上で説明は終りました。 なお本案についての質疑その他につきましては後日に譲ることといたします。 —————————————
○藤本委員長 次に労働福祉事業団法案を議題とし審査を進めます。質疑を続行いたします。八田貞義君。
○八田委員 先回の委員会におきまして、滝井委員から医療機関の整備に関する問題、医療行政の一本化に関する問題につきまして、大臣との間に質疑がかわされたのでありまするが、私も本問題につきましては重要な問題と考えますので二、三点質問を申し上げてみたいと思います。 〔委員長退席、野澤委員長代印着席〕 国民に医療の機会を均等に与えることは医療保障制度確立のための基礎的な要件でございますが、この点についてどのようにお考えになっているかお答え願いたいと思います。
○神田国務大臣 ただいまの八田委員のお尋ねでございますが、国民医療の均等化と申しましょうか、政府といたしましては、しばしばの機会に御説明申し上げておるように、すみやかに国民皆保険を実施して、そして医療制度の充実をはかりたい、国民ひとしくその均霑に応ずるような仕組みにいたしたい、かような考えをもちまして今年度より四カ年計画をもって国民皆保険を実施し、また無医村等につきましてもすみやかに解消するような処置を講じたい、かような点につきまして所要な経費を計上しておる、こういうような次第でございます。
○八田委員 大臣から国民皆保険のための医療機関の整備というようなお話があったのでございますが、医療機関の整備と申しましても適正な配置あるいは規模、こういう問題に中心が置かれていかなければならないと思います。今までも厚生省として医療機関の整備ということについてはやってきておられるのでありまするけれども、しかし今までの方法では不十分であって、なお医療機関の都市偏在の傾向が非常に高いわけでございます。ですから医療機関の整備のために厚生省所管の国立病院及び公的医療機関の整備のみでは不十分でございます。そういうことは今までいろいろわかっておることであります。そこでこの際厚生省所管の国立病院とか、公的医療機関のみでは不十分であるから、他のものにも政府の施策に協力してもらわなければだめだ、こう考えるのでありますが、大臣はどういうふうにお考えになっておられるか、厚生省所管以外の医療機関についてどのようなお考えを持っておられるか伺いたい。
○神田国務大臣 今八田委員お述べのように、今日の医療機関が適正な配置が行われておらない、これは御指摘の通りでありまして、この点につきましては政府といたしましてもできるだけ一つ適正化をはかりたい、かような検討をいたしまして、いろいろな手を尽しておる次第でございます。これは御承知の通りでありますが、しかし今日の国立病院等にいたしましても、なかなか設置の沿革等がございまして、国民医療全般を考えた国立病院の設置というよりも、軍の配置によった陸海軍病院がそのまま引き継がれたというような関係がありまして、国民全体から考えますると、これらの問題につきまして、さらに検討を加えて適正な配置をするということは当然なすべきことではないか、かように考えております。そこでその次にお尋ねになっておられる、厚生省関係においてもそういうことは十分考慮し、また計画を立て実施しなければならないのであるが、さらに厚生省所管外の各種の医療機関等に対して、厚生省が国民医療としての協力をどの程度に求めておるかということであったように考えております。これは大学病院であるとか、あるいは各省を中心とした共済病院であるとか、あるいは日赤、済生会というようないろいろございますが、大体において相当の協力はしていただいているというふうに私ども了承いたしております。しかしこれを今日以上さらになお一そう日本の医療機関全体としての活動体としている場合においてどういうふうに考えるかというと、そういう面においては一そう検討の要があるのではなかろうか、なお厚生省自体においても十分連絡を密にいたしまして、そして総合的に国民医療機関の機能を発揮していただく余地がまだありはしないか、そういう点については今後十分検討いたすと同時に関係者機関とも密接な連絡をとりまして、なお一そう効果を上げていただく、こういうような施策をとりたい、こういうふうに考えております。
○八田委員 日赤とか共済病院、こういうものは厚生省所管の公的医療機関の仲に入っておるわけです。ただ問題になりますのは各省とかあるいは三公社の病院でございますが、これが厚生省に対してどのような関係にあるか、医療行政の工務官庁としての厚生大臣として一々そういったものについて相談を受ける、その相談を受ける場合ですが、一体厚生省として、こういった厚生省外の医療機関に対してどのような規制をもって当られておるか。一つの規制があるのですが、これは医療法によってのみ厚生大臣としてはそれらの医療機関に対して協議にあずかるという程度でございます。ですから配置については何ら厚生大臣は関与し得ないわけです。設備、構造なんかにつきましては医療法を適用いたしまして、そういった自分の関係以外の各省とか三公社等に対しまして、いろいろ文句をつけることはできますけれども、しかし配置等に関しては何ら厚生大臣ははっきりとした権限がないわけであります。ですからただ協議を受けるだけではどうにもならぬわけです。法制上何らの規制も加えられていないというのが今日の医療機関配置の上において問題点となっておるわけでございます。そこで今後あるいはまた現在でもよいのでありまするが、配置とか規模などが適正でない、こういった理由をもって病院の開設を拒否することができるかどうか、そういった措置がとれ得るかどうか、大臣一つお答え願いたいと思うのです。
○神田国務大臣 ただいま御指摘の三公社等に対する、いわゆる他の主管に属する病院等の配置上の問題について厚生省の考えておることがどういうふうに具現できるかというようなお尋ね、法的に一体そういうことが調整できるかというような点も含まれておったようでございますが、これは医療法を対象とした法的の処置というようなことは今日の制度においてはできない、これは御指摘の通りだと私どもは考えます。ただしかし御承知のようにそれぞれ主管大臣がおることでございますから、その配置自体が非常に適正を欠くとか、あるいは私企業である医療機関の非常な圧迫を受ける、こういうような著者な事態が生ずるおそれがあるというような場合においては、私は閣議等におきまして政府部内として相当の調整をすることができる、こういうふうに考えております。すなわち行政晴間といいますか、閣議等におきまして主管大臣と十分な協議をいたしまして、そうしてそういうような弊害のないようにしよう、また二重、三重の投資をしないような方法を講じたい、できるだけそういうふうなことについても適正配置に持っていきたい。こういうふうな考えを持っております。
○八田委員 そうすると、大臣の御答弁といたしましては、今すぐに医療機関の週正配置ということについて、立法的な措置を講ずることは考えないけれども、閣議決定として市天上の適正配置をやっていきたい、こういうふうに了解して差しつかえないのでございますか。
○神田国務大臣 ただいまの段階においてはそのようにお考え願いたい、それから将来の問題としては、先般も国会等において私お答え申し上げておったと考えておりますが、国民梓保険に伴う国民保険法の改正等に当りまして、診療機関の適正配置の問題は当然その骨格をなすことでございますので、この改正等に当りまして、そういう面を充分検討いたしまして、やはり法的措置が必要だという結論になれば、そういうような措置も将来において立法化したい、こういうふうに考えております。
○八田委員 大臣から非常に明快な御答弁をいただきまして、国民皆保険、国民皆医療、こういう大きなにしきの御族のもとに医療機関の適正配置ということはどうしても必要でございます。そのために将来に向って立法的措置も十分考えなければならぬという御答弁をいただきましたことは、まことに当を得た御答弁と思って安心いたした次第でございます。なお現在この委員会で審議されておりまするところの労働福祉事業団のようなものが多数今後出て参りますると、全国的に統一的医療機関網を整備しようとする方針に反する傾向が増大してきゃしないかというような心配が出てくるわけでありますから、ますます今述べたような規制の必要が出てくるわけでございます。というのは、こういった労働福祉事業団しいうものが今後どんどんできて参りふすと、統一的な全国的な医療機関整備綱というものがこれによって侵されてくるという憂えがあるのであります。こういったことに対して考えますると、大臣から御答弁がありましたように、立法的措置を講じて医療機関の適正配置ということはどうしても必要一なってくるわけでございます。こういった労働福祉事業団のこの法案を大臣としてどういうふうにお考えになっておるか、今の医療機関の適正配置、こういった労働福祉事業団の設立によって、今まで申し上げましたような心配が増大してきやせぬか、そういう傾向がありはせぬか、こう思うのでございますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○神田国務大臣 今度の労働省主管の福祉事業団の設置に伴いまして、今の医療機関適正配置の問題は、将来においてそういう強力なものができればなかなか手に負えないようなことになるのではないか、そういう意味からいっても、この法案自体が案ぜられるのではないかというような趣旨のお尋ねであったように伺ったのであります。本件につきましては、しばしば閣議等におきましても検討を加えまして、その憂えがないというような御説明でございまして、私どももいろいろその審議をいたしまして、一応心配なかろう、こういうことで法案提出に了解を与えておるわけでございます。今お述べになられたような心配があるというようなことでありますれば、これははなはだ閣議の説明と異なることになりますが、私ただいまの考えではやはりそういうふうに考えておりませんので、この法案が成立いたしましても、われわれの考えておる、先ほど来私がお答え申し上げましたようなことで、行政措置としてすべてやっていけるんじゃないか、こういうふうに考えております。なおしかしさっきもお答え申し上げたように、国民皆保険、国民皆医療ということから考えまして、国民保険法の改正を今準備いたしております。しかしその際におきましては、なおもっと根本の問題も考えまして、適正配置を強力にやるということになりますと、やはり法的裏づけが要るのではないかという議論が非常に強いのでありまして、その際においては、立法措置をとるような段階に入るのではないか、こんな予想といいましょうか、一応のめどもつけておるようなわけでありまして、ただいま公団の問題が立法化されることによって、私どもの行政に支障があるというようには考えておりませんので、さよう御承知願いたいと思います。
○八田委員 大臣お急ぎのようでありますから、質問はこれだけにいたしますが、全いろいろと申し上げましたように、医療機関の適正配置ということは非常に必要でございます。これは将来に向って研究すべきものではなくて、今日これからも立法措置のためのあらゆる準備を進められんことを希望いたす次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○野澤委員長代理 滝井義高君。
○滝井委員 先ほど来国民皆保険と労働福祉事業団との関係はいろいろ聞いておったのですが、厚生省としては福祉事業団を一つテスト・ケースとしてやることに賛成をしたんだ、従ってこれがよければ今のところ厚生省は、こういうことをやるということは考えておらぬけれども、テスト・ケースなんだからよければ厚生省の方も考えるという意味の答弁を大臣はこの前したのです、そうしますと、これは厚生省の厚生年金関係も将来こういうことになる可能性もあるので、なかなかこれは問題のある法案だと私たちは考えています。そこで前会までの私の質問の要旨は、財団法人である労災協会が主宰をしておる労災病院を中心に今回この労働福祉事業団法というものができることになったのですが、まず現在税法の改正によって医療保健事業というものが収益事業になる。従ってその収益事業は医療保健事業がなった場合に、人格のない社団や、あるいは民法三十四条の公益法人が収益事業として認定をされるということになれば、一体公益法人のどのところまでの限界を収益事業と見、どれまでを収益事業と見ないかという、いわゆる課税、非課税の限界線をどこに引くかという点が、実はまだ明確になっておりません。ようやく大蔵省から調査をした医療を行う公益法人関係の調べが出てきましたが、一体どこに課税の限界線を設けるかということはまだ不明確です。これはいずれこの法案がここで採決されるまでに明確にしなければならぬ重要な問題だと思います。そうしなければ、この事業団が国と見なすということで課税をされないことになっておるけれども、もしこれが収益事業をやっておるという認定になれば、これは課税される可能性が出てくる、こういうことなんです。それから病院行政の順当な遂行を現在最も阻害しておるのは一体何なのか。大体これは国の病院を含めた公的医療機関というものが、日本の病院行政の円滑な運営というものを阻害しておる一つの大きな要素であるということも、大体質問を通じてわかって参りました。そこでそういう二点を中心に前二四の質問をやったわけでございますが、きょうはそういう考え方のもとに、労災病院に一つ照明を当てて、もう少しくそういう点を検討をして、だんだん問題の核心に入っていきたいと思いますが、この前払は、いわゆる医療法における公的医療機関の代表的なものとしてあげておる日本赤十字社についていろいろと討議いたしました。その結果、日本赤十字社の経営をしておる病院、医療機関というものは、収益事業を行なっている医療機関の中でも非課税のトップにあげられたおった。ところがこのものは、社会局の調査によっても具体的に明白になってきたことは、この三等という病床を見てみますと、一般病床で三等は百二十七しかない。すなわち一般病床が四百二十四ある中で三等というものが百二十七しかない、しかもそこの三等に入院をするためには三千円の保証金をとられる。しかも入院料が四百七十円である。健康保険の入院料あるいは生活保護の入院料というものは四百二十五円、すなわち二十七点の食事付の入院料と看護四点、寝具三点で三十四点、甲地が十二円五十銭で四百二十五円になる。こういうことが実は日本赤十字社の経営する医療機関については明白になって参った。従って健康保険の保険証を持っていっても、四百七十円でございますから、保証金三千円のほかに、なお入院だけでも約五十円程度の追い金を払わなければ、一般大衆というものはこういう病院に入院できないということがわかる。これをもっていわゆる医療保険事業の非課税の公的医療機関の、トップに置くということについては非常に問題があるということが、これで具体的にはっきりしてきた。これは社会局の方から出てきた明白な資料でございます。そこで次の段階で、同じようなケースである現実に労災協会というものが経営しておる労災病院というものは財団法人になっておるわけです。そこでこの前、健康保険の入院の料金というものを、一体労災病院はどういう工合にして幾らで徴収しておるか、こういうことをお尋ねしたのだけれども、すぐに御答弁ができなかったので、次会に保留をして質問を他に譲っておったのですが、きょうはどういう工合になっているか、一つゆっくり御説明願いたいと思います。
○三治説明員 うちの労災病院におきましては、完全給食、完全看護、完全寝具で三十七点、甲地で四百六十二円五十銭、乙地で四百二十五円五十銭、このうちで熊本とかあと一、二の病院で完全寝具が認められていない、実際はそうやっていても県の都合やなんかでそういう支払いの指定を受けていない病院が一、二ございますが、完全寝具の指定を受けているところはこういう料金になっております。
○滝井委員 そうしますと、健康保険の完全看護、完全給食、完全擬具と同じの三十七点以上のお金というものは、労災病院においてはとられていない、すなわち労災病院には赤十字のように一等、二等、三等というようなものはない、健康保険の保険証を持っていけば、全部平等にどの病床にでも入れるという形がとれておる、こういうことなんですか。
○三治説明員 私の方の労災病院ではそういうように等級はきめておりません。ただし大部屋、それから二人の部屋というふうな区別がございますが、これはただ患者の病気の程度によって入室をきめておるわけでございまして、差等をつけておるわけではございません。
○滝井委員 そうしますと、大部屋に入ろうと、二人部屋に入ろうと、まあ一人部屋というのがあるのかもしれませんが、個室に入ろうと、その料金というものは三十七点で同じだということですか。
○三治説明員 御質問の通りでございます。
○滝井委員 労災病院が公的医療機関の代表的な日赤等と違うことが明白になって参りました。そこでこれは厚生省の保険月にお尋ねをいたすことになるんですが、普通民間においては、労災の一点単価というものは現在健康保険よりか多分一円高いくらいでやられておる。十一円五十銭の地区であれば十二円五十円か十二円くらいで、一円か五十銭高いところでやられておる。この労災関係の診療というものは一般診療、自由診療として取り扱われておるわけなんです。従って税法上これは健康保険のような三八%の適用とか地方税を免除するという形はない。それは同じことになる。ところが健康保険の患者が同時に入院をする。労災病院においては一点単価が十五円やっておるわけです。健康保険は十一円五十銭あるいは十二円五銭の単価でやっている。こういう点は、労災であろうと健康保険であろうと、業務上であろうと業務外であろうと、単価というものが一つの医療機関の中で、しかも今後労働福祉事業団法というものが実施されると、これは国と同じになるのです。その中で今後保健医療行政をやっていく上にこういうことが許されるかどうかということです。労災も一つの保険なんです。同じ労働者を対象とする保険です。ところが公務上の傷害をこうむった労働者は二人部屋の一方のベッドに寝ながら十五円の治療を受け、私傷の病人は同じベッドの横に寝ながら十二円五十銭の治療を受けるという事態は、私は許されないと思うのです。保険局としてはこういうことをどう考えるかということです。
○高田(正)政府委員 労災法のやり方についての詳細は労働省の方たから御説明いただくといたしまして、私が承知しておりますのでは、労災の患者が一般の他の病院にかかりました場合にはそれは慣行料金で行われておる、健康保険の患者は御承知のように健康保険の支払い方式で診療報酬が支払われる、こういうことになっておるわけです。今労災病院のお話がございましたが、労災病院に入院したり何かした者は同じような労災病院の料金で行われておるのじゃないかと思います。問題は町の開業医とかあるいは町の普通の病院に入院された場合に、労災が支払う診療報酬は慣行料金により、それから健康保険の診療報酬は健康保険法の定めによっておる、こういう違いがあると思います。そういうことは一体適当であるかどうかという趣旨の御質問であろうかと存じます。これは私どもといたしましては、将来十分検討していくべき問題と考えております。しかし労災は労災の御事情から慣行料金ということでやっておられるわけでありまして、それにはそれの御事情があることと思いますので、私の力から今この席でとかく批評がましいことをいたすべき筋合いのものではない、将来十分研究の対象といいますか、両者御相談の問題にはなり得るであろうという予想はありますけれども、現在はそのように考えております。
○滝井委員 はなはだ自信のない答弁でございまして、こういう問題は今から相談するのではなくて、少くとも単価問題なんか激しく論議せられておる現段階においてはとっくに相談をされておらなければならぬところなんですが、今の御答弁ではまだ相談をされておらぬらしい。そうしますと、労働省にお聞きをいたしますが、健康保険の患者は一点単価が十一円五十銭なり十二輿五十銭でやられるのに、労災の患者はどうして一点十五円でやらなければならぬかということです。
○三治説明員 たしかこの前に十五円でやっているところがあると申し上げたのは、健康保険労災保険以外の一般患者の分で、一、二のたとえば東京とか岩見沢という保険以外の一般患者だけの問題です。労災患者については、健康保険と同じような単価で労災病院は全部やっておる。国立病院でも労災患者につきましては健康保険の単価でお願いしておるというふうになっております。
○滝井委員 医務局長さん、国立病院、間違いございませんか。
○小澤政府委員 国立病院におきましては、労災の患者も健康保険と同じ単価でやっております。
○滝井委員 そうしますと、健康保険と同じように労災は一点単価十二円五十銭なり十一円五十銭でやっておる、一般の患者の分については一点単価十五円程度でやっておるということがよくわかりましたので、大体労災病院の実態というものを明白にすることができました。 そこで労働省当局にお尋ねをいたします。労働省当局は、今回労働福祉事業団法案が通過するにしろしないにしろ、労災病院は単に労災の患者ばかりでなくして一般患者並びに健康保険の患者、生活保護の患者等も見ておるわけですが、あなたの方は今回のこの国会を通過をいたしました健康保険法の改正によって、いわゆる健康保険法の四十三条の、知事の指定をする一号病院の申請をする御意思があるのかないのか。いわゆる保険医療機関としての指定を申請する御意思があるかないか。
○三治説明員 国立のものは大体健康保険や土地の国民健康保険組合なんかの指定を受けるようにしておりますが、ただ国民健康保険その他でわれわれの方では積極的な地元の反対があるにもかかわらずそういうふうな一般の健康保険その他国民健康保険にまで診療の手を伸ばすようなふうにはさせておりません。地元で普通に了解がとれればそれで指定を受けてやっていくというふうにしております。
○滝井委員 私のお尋ねしておるのは多分その答弁でいいかと思うのですが、答弁が少しぼやけております。健康保険法の四十三条のいわゆる知事の指定をする保険医療機関というものに申請をする御意思があるかどうかということなんです。あなたの病院行政というものは一応労働大臣の所管のもとにあるわけですが、指定医療機関の申請をすれば活殺の自在権は厚生大臣が握ることになる、その活殺自在の権を厚生大臣が握る保険医療機関というものに申請をする意思があるかどうかということです。
○伊能政府委員 指定を受けるような申請をするつもりでおります。
○滝井委員 実はあれだけ天下を騒がした健康保険法の指定について、すでに法律が通って厚生省は療養担当規程から省令を作ろうという段階になって、まだあなた方がその申請の腹もきまっておらぬということでは、法律を提案をした政府側としては、どうも情ないことだと思うのです。こういう問題は十分厚生省と労働省が合議して、意思の疎通をはかっておかなければいぬかと私は思うのです。今あなた方がそういう相談をされて、申請をするつもりでございますということは、まただんだんと質問をしておると申請をしないようなことになるかもしれぬということもあり得るので、質問を続けますが、申請をする、こういう明白な御答弁で了承して差しつかえありませんね。——今、三治さんが首を振ったですから、申請をするということで質問を続けていきます。 そこで健康保険法の四十三条の指定医療機関ということになったわけです。そうしますと、あなた方のこの前の御答弁によれば、全入院患者の五五・七%というものは労災でございますが、三六・八というものは健康保険、七・五%がその他、こうなっておるわけでございます。そこであなた方の専業団の医療機関というものは、全国で二十四あるのでございますが、今後だんだん末広がりに増加していくでございましょう。そうしますと、当然診療報酬の請求書というものを、基金に出さなければならぬ、今まで、あなた方は、どうされておったのか。三六・八%の入院患者の金の受け払い、それからさらに一般患者とすれば、それよりももっと多いだろうと思いますが、一般患者の診療報酬の受け払いというものは、一体どういう手続でやっておられたのか。
○三治説明員 労災患者につきましては、その土地を管轄している監督署に請求して、監督署から診療費が支払われております。それから健康保険、国民健康保険等につきましては、各県の支払い基金に請求して、それから支払いを受けております。
○滝井委員 保険局長さん、その通り間違いないでしょうか。
○高田(正)政府委員 さようでございます。
○滝井委員 それではお尋ねしますが、労災病院で健康保険関係、入院、外来を合せて総額どの程度の請求を一年間に基金にされて、そのうちどの程度削られて、どの程度受け取ったのか。これは当然特別会計ですから、予算のやり繰りは予算書に出てくるはずなんです。その請求額その他おわかりになっておるはずですが、これは労災病院の経理の上に重要な関係を持つものなんです。
○三治説明員 お答えいたします。社会保険で三十一年四月から三十二年一月までで、合計一億九千六百八十二万二千七百十六円でございます。
○滝井委員 請求した金額と受け取った金額が必ずしも同じでないというのが常識なんです。労災病院あたりは相当大きな施設で、そうして労災患者と一緒に入院をしておりますので、相当高度の治療が健康保険の患者にも行われておると思うのです。請求したもののどの程度のものが削減されてきているのか。請求したものがそのままノー監査というか、そういうことで、全額そのままもらっているのか、その点どうですか。
○三治説明員 ただいまのは大体において請求金額と御承知願いたいのであります。実際入る金は大体それの一・五%マイナスぐらいを予想しておりますが、過去の実績で、請求金額から実際受け破った金額が正確に何%減かということ京では、正確な資料を調べましたけれども、ございません。大体聞いたところによりますと、一・五%ぐらいじゃないかというふうなことで、しっかりした数字がつかめません。
○滝井委員 普通、削減の率というものは一%以下なんです、〇・〇〇一ぐらい、千分の一ぐらいだと思うのです。おたくは一・五%というと、割合多く削られている方じゃないかと私は思うのです。それで、どういう点で削られるかということでございますが、今後において、こういう公的医療機関なり、国の所管に属する——いわゆる私的医療機関、公的医療機関のほかの第三の範疇に属する病院というものが、健康保険法第四十三条第一号に申請をしていくについて一番問題になるのは、こういうところなんです。そこで一・五%というと、労災病院は相当濃厚診療をやって削減率が高いと見なければならぬ、こういうことになると、四十三条の一号の申請をすると、あなたの病院は取り消される可能性が出てくる、監査の対象になる百態性が出てくるという認定を私は下す削減率が一・五%というと、相当高いのです。その場合に、一体労働省はどういう処置を考えておるか、四十三条の第一号病院の申請をするということになったのですが、そうすると、一・五%の削減率というものは、濃厚診療で、将来は病院が厚生省の役人から立ち入り検査を受けて、病院の施設を検査されて、へまをしておると、院長以下全部首になる、こういう時代がくるわけです、これは相当の問題の出てくるところだと思うのでございますが、そういう点の対策その他は労働省はどういう考えを持っておるのか、指定を取り消された場合の処理等につきましても、当然申請をするからには考えておかなければならぬ。相当多くの入院患者をあずかるわけです。
○三治説明員 私の方は労災思考を中心に考えておりまして、そちらの方の一般の健康保険の方は従来私の力の監督としても十分でなかったと思うのですが、将来そういうふうな新しい規制によって出てくれば、違反のないように十分注意していきたいと思います、なお現在におきましても、県の衛生部なり保健所なり一般の診療機関と同じように、ときどき検査を受け批評も受けて、指導を受けておりますことを申し加えておきます、
○滝井委員 これは将来の問題ではないのです、今度新しく健康保険法が出て七月一日から実施せられる。現実に法律は国会を通ってしまったのです。それで実施の段階は目睫に迫っておるのです。そうすると一・五%の削減を受けておるということは、即法律が出れば十分濃厚診療の疑いをもって監査の対象になるものなんです。それで特に私が老婆心から、どうしてこういう意地悪そうな質問をするかというと、御存じの通り労災というものは普通の私病と違って公傷でございます。従って公傷の患者は私的医療機関に行けばこれは自由診療の範疇に属するものだということです。従ってそういう観念は、労災病院に入った公傷の患者にもあると思う。ところが健康保険については、これは私的医療機関であろうと公的医療機関であろうと、行った患者は、自分は私病で健康保険で行っているのだという頭があるのです。ところが一たびわれわれがけがをして公傷であった場合には、治療に対するわれわれ自身のものの考え方が違ってくるのだ。そうすると一つの病院の中で、そういう高度の治療を要求するような気持になる患者と、それから健康保険だといって、いわば割り切って行った患者とが一緒に治療を受ける段階になってきますと、そこにおいて治療をする療養担当者の気持、医師の気持というものが、いつの間にか習い性となって労災と同じ治療が健康保険でどんどんいくのです。幸いお宅の病院においては、労災も十二円五十銭でやっておるとおっしゃいますけれども、これはすでに語るに落ちて、一般患者というものは十五円でやっておりますということを裏書きするように、十五円の治療というものが全部にいく可能性がある。そうすると労災には十五円をやっても、これはあなたの方の所管ですから何も文句はありません。ところがもし一たび健康保険の患者に十五円がいけば、立ちどころに厚生省はだんびらを抜いてあなたの方の首を切ってしまう、問題はそこなんです。だからあやまちは犯す前に注意をしておかないといけないというのはそこなんです。そういう同じ患者が雑居して治療を受けるところにおいては、医者は少くとも良心的な、医学的な治療をやるとすれば、安いよりか高い方が病気が早くなおることは確実なんです。だからブドウ糖一本するよりも、二本なり三本する方が気持の上においても安心立命が得られる。患者はなおらなくても、気持の上ではそれだけプラスが多くなる。治癒率への方向が強まるということなんです。そういう可能性が出てくるということなんです。ここに労災病院における健康保険の取扱いの、一般の病院とは違う特殊性というものがある。しかもさいぜん三治さんが御説明になったように、労災病院というのは労災患者を中心にして作っている病院だ、健康保険は避けたというが、いかんせん労災病院の収入の中に一億をこえる金が入ってくるということになると、これは大へんなことです。労災の運営費は幾らですか、医療収入は全部で幾らあるのですか。その医療収入の中の幾らを健康保険の収入が占めておるかということです。
○三治説明員 三十一年の四月から三十二年の一月までで、全部の労災病院の診療収入が五億八千九百十一万三千八百二十五円でございます。
○滝井委員 五億八千九百十一万円の中で約一億九千六百八十二万ですから、二億程度、四分の一ばかりが入っている。これは一般診療等を加えると二割をこえるわけなんです。そうすると二割をこえるものが健康保険の収入でまかなわれていくということになれば、この点は相当考えなければいかぬ点だと思う。 そこで今度は保険局に尋ねるわけですが、労災病院の診療報酬の請求の様式は、一般開業医と同じような請求の様式で現在やられておるのかどうか。
○高田(正)政府委員 同じだと私は存じております。
○滝井委員 同じ請求様式で一・五%の審査率と申しますか、これは相当私は高いと思うのです。労災病院でどこか過去において、濃厚診療の上で注意を受けたり指定を取り消された例というのはありますか。
○館林説明員 ただいままでのところでは、公的に特に監査を受け、あるいはその結果に基いて取り消しを受け、戒告、注意等の取扱いを受けたものはございません。
○滝井委員 今後の健康保険の運営の上において、すべての医療機関は平等でなくてはならぬということは当然だと思う。そうしますと、この荷いろいろ健康保険のときに御質問申し上げておりますが、当然今後は一般病院と同じような形で監査なり何なり、請求の様式も全部行われていくだろうと思うのです。私は今後の労災病院が厚生省のいろいろの監査その他を受けて迷惑をこうむらないように、老婆心から実はきょうは非常にひねくれたような質問をしたのですけれども、何といっても国の医療機関からえりを正していかなければ、威令が他の指定医療機関に及ばないのです。そこで私は労災と健康保険の患者が混在するところに一番問題が起りやすいということで、きょうは少し意地悪いと思いましたけれども、こういう質問をしたわけなんで、す。こういう点は一つ厚生省も十分御注意をいただき、労災病院を扱う労働者も十分御注意いただいて、公的医療機関が取り消しの汚名を受けないように御努力願いたいと思います。大体労災病院が収益的な事業を少くとも健康保険についてはやっていないということが明白になりました、おそらくこれで無税の対象になるという資格は得たようでございます。 あとは午後に譲りたいと思います。
○野澤委員長代理 午後二時まで休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ————◇————— 午後二時三十三分開議
○亀山委員長代理 休憩前に引き続き会議を再開いたします。 都合により委員長が不在でありますので、私が委員長の職を勤めます。 休憩前の質疑を続行いたします。滝井君。
○滝井委員 官公立の病院というようなものの分類をいただきましたが、これに関連する質問は各省にまたがっておりますの、で大臣にお尋ねしたいので、きょうは保留して次会にいたしたいと思います。 きょうは前の続きで、少し本論に入ります。労働福祉事業団法案の一条に保険施設という字句があるのです。この保険施設というのを今度は提案理由の方で見てみますと、ここに書いておるのは「労災病院二十四個所」、そのほかに、おそらく失業保険の福祉施設に当るのだろうと思うのですが、「傷疾者訓練所二個所、総合職業補導所二十三個所、簡易宿泊所十二個所の多きを数えるに至っておるのであります。」、こう書いてある。しかし労災病院二十四個所と傷痍訓練所二個所、ここまでが保険施設になるのではないかと思うのですが、一体この保険施設というのはどこまでが入るのか、それを一つ御説明願いたい。
○三治説明員 その通りでございます。
○滝井委員 そうしますと、いわゆる労働者災害補償保険法の二十三条との関係はどうなっているかということです。二十三条をごらんになると、「政府は、この保険の適用を受ける事業に係る業務災害に関して、左の保険施設を行う。」ということで一、二、三、四、五号まである。こうなりますと、労災病院二十四個所と傷痍者訓練所二個所だけでは、あとはみ出るものが出てくるのです。労災における保険施設と労働福祉中業団法案の保険施設は、私は実は善意に解釈して一緒だという認定を持っておったのです。ところが提案理由を見ると二つしか出ていない。しかし一方この公傷者が適用を受ける労働者災害補償保険法を見ると、保険施設は五つになる。ここらあたりの関係をやはり明確にしておく必要があるのじゃないかということなのです。
○村上(茂)政府委員 ただいまの御指摘の点ごもっともでありますが、法律上はかように考えております。労災保険法の方の保険施設、これは御指摘のように労災保険法第二十三条の第一号から五号までに掲げる施設がそれでございます。ところでこの事業団が全部の施設を行うかと申しますと、その具体的な内容につきましては、この事業団法案の第十九条に、事業団の行う業務の範囲を規定しておりますが、その中に第一号といたしまして、「労働者災害補償保険法第二十三条第一項の保険施設のうち、療養施設、職業再教育施設その他政令で定める施設の設置及び運営を行うこと。」かように規定いたしているのでありまして、療養施設、つまり労災病院でございますが、労災病院と職業再教育施設は、これは事業団で設置して運営を行う。その他労災保険法第二十三条各号で規定しているその他の施設につきましては、政令で定めた施設については事業団に行わしめる、かような建前をとっているのでございます。しこうしてその他の施設につきましては、たとえば「外科後処置に関する施設」でありますとかあるいは「義肢の支給に関する施設」につきましては、事業団に行わしめるよりも、現行のごとく労働基準監督官署を通じて行いまする方が適切であるというものもございますので、そういった点、実態に即応すように、別途その範囲を具体化いたしたい、かように考えている次第でございます。
○滝井委員 第十九条の一項一号の条文を見ると、なるほど療養施設と職業再教育施設、こうなっているわけです。しかしその下に「その他政令で定める施設の設置及び運営を行う」ということになって、一応療養施設と職業再教育施設と例示はされているけれども、「その他政令で定める」というふうに、次はぼやけてきている。そうしますと、まずこの二十三条の三号の「休養又は療養に関する施設」、この「休養又は療養に関する施設」というところの療養の施設のところが、これは労災病院に当る規定だと私は考えております。そうしますと、休止というのは何かというと、温泉休養がおもなものだと理解している。おそらくあなた方もそうだと思う。そういたしますと、温泉の休養、温泉療法というものは労災の患者にはなくちゃならぬものなのですね。しかも労災病院が整形外科を中心とする病院である限りにおいては、温泉療法というのは不可分なのですね。そうすると当然温泉のものをこれにつけ加えられておらなければならぬと思うのだが、この条文だけを見るとつけ加えられておらない。そうすると、「その他政令で定める施設の設置及び運営を行うこと。」という、ここにそれらのものが入ってくると思うのです。大体そこまでで一応質問を切りたいと思うのですが、そういうものは入るのですか入らぬのですか。
○三治説明員 この事業団法の建前は、大体物的施設の運営というものを中心にして現在考えておるわけです。休養の施設で、御説の通り温泉療養の施設をやっておりますが、これは現在のところ広義の施設でありまして、全国の温泉旅館とここに各基準局長が契約をいたしまして、そして温泉保養券を八級以上の労災患者に支給して、そして各人がそこの契約旅館に行って温泉保養をするというふうになっておりますので、そういうものまで全部事業団に——旅館との契約やそれから温泉保養券の支給というものは、事業団が各県に支部を持ちませんし、労災病院も各県に全部あるわけではありませんので、やはりこれは基準局長が支給した方がいいであろうというふうに考えております。将来患者が非常にふえたりなんかして特別に温泉療養所でも設ければ、これを物的施設として専業団に行わせようというふうに考えておりますが、現在のところそういう計画はございません。
○滝井委員 どうも、ますます実はわからくなってきたのです。私は、実は大きな面から、病院行政という面から前二回にわたって一応論議をしてみたのです。そして今度、問題をまず第一条の保険施設というものに区切って今から論蔵をするつもりなのです。ところがここで大きなところで病院行政という面から見ると、こういう一城郭ができるということについてなかなか問題があるということは、今までのいろいろ質疑応答を通じて大体はっきりしてきた。ところが今度は一応それをさらにミクロスコーピッシュに見ると、小さい宇宙で考えると、すなわち労働省内部の問題として見るということになる場合に、今までならば労災病院なり、温泉休養というものは一貫したものでやっているわけですね。もちろん今度も一貫はできると思うのです。しかし一つのがちっとした役所ができてくるという形になってくると、一貫した運営はできないことはないと思いますけれども、そこにやっぱり何かちぐはぐな感じがしてくるわけです。特に温泉は別だ、今までならばずっと一貫をして、基準局で相談をすれば大体行けたものが、何か今度は事業団という別個のものなのですね。労災の被保険者にとってはそういう感じがしてくるのです。どうもそこらあたり、休養、療養というものはやっぱり一貫をしておらなければならぬ。そうならばこの提案理由にもありますように、労災病院では能率も上らないような限界が来たのだ、だから行政の能率を上げるためにやるのだというのならば、思い切って労災保険法の二十三条関係の保険施設というものを移すべきだと思う。それをその保険施設というものの中から、また第二の保険施設というものを作ろうとしておるのですね。これは労災の二十三条の保険施設というのが範囲が広くて、個々の保険施設というのが範囲が狭いことになっているでしょう、そうするとこの二十三条の一号で外科後処置、それから義肢の支給というようなもの、その他必要と認める施設というようなものは全然別個なものになる。一体こういうものはどうなるかということなのです。労働省のどこでこれをやって、どういう工合に新しくできる事業団との連絡をとっていくかということが非常に問題になってくる、こういうことになると迷惑をこうむるのは労働者ばんですね、そういう点、あなた方はどういうふうな運営の方法でこれをやっていくつもりなのか。これは私は非常に大きな点で、順当な行政の運営に一つの障害が出てくるということを病院行政で指摘したのですが、今度は個々の保険施設の運営の問題を労働省内部の問題として考えても、二つの問題になってくる可能性が出てくると思うのです。
○村上(茂)政府委員 御指摘の点まことにごもっともな点でございますが、実はこの事業団を別個に作りたいという考えは、現在労災保険の保険施設の中で各種の施設があるわけでありますが、この中で特に療養施設と職業再訓練施設につきましては国でそういう施設を設置して、その運営のみを労災協会——基本財産はわずか二十万円の労災協会に委託しておる、そこに実は問題があるわけでありまして、現在の形におきましても、ただいま申し上げましたように療養施設とそれから職業再訓練施設につきましては、実際の運営面におきましては労災協会という別の財団法人に行わしめておる、こういう形になっておるわけであります。そこに一つの問題がある。そこを中心にとらえて事業団に療養施設と職業再訓練施設の設置経営を行わしめる、こういう措置に出たわけであります。実は御指摘の点はすでに現在の療養施設及び職業再訓練施設についても言われるところかと存じますが、そういった現状の上に立って今回の事業団法の構想はできておるのでございます。なお保険施設の具体的な運用につきましては、これは従来とも労働基準局の労災補償部で行なっておるところでございまして、今後におきましても、事業団は設置されましても労災保険法上の保険施設の業務の円滑なる遂行という点につきましては、労災補償部におきまして従来と同様十分遺憾のないように処置していく、かような考えでおるわけでございます。
○滝井委員 今労災協会で労災病院とそれから傷痍者訓練に関する施設ですか、訓練所に関する施設ですか、そういうものをやっておった。だから今度もそのまま事業団にやるのだ、こうおっしゃるけれども、こういう大がかりな事業団を法律まで作ってやられるというならば、いっそのこと保険施設ということを第一条の中に入れておるのですから、二十三条関係の保険施設は一括してここに移してやらせた方がますます能率も上るし、いいのじゃないか、私の言いたいことは結論的に言えばそういうことなんですよ。それがわざわざ二十三条の保険施設というものの中から、温泉休養はのけて労災病院だけを持ってくる、それから四号の傷癖者訓練所に関する施設というようなもの、すなわち職業再教育施設だけを持ってくる必要はない。持ってくるなら二十三条全部を持ってくる方が事業団の権威も重からしめるし、またあなた方の国がこれらの保険施設については乗り出していくのだという、そういう主張にも合っておるのだという感じがするのです。ところがその二十三条の保険施設の中から、わざわざ三号の一部と四号だけを持ってきておるということはおかしい、こういうことなんです。なぜそこまで踏み切りがつかなかったかと言うのです。
○三治説明員 そういう御疑問も出るかと思いますけれども、外科後処置にしても義肢の支給にいたしましても、それから休養の施設の利用に関しましても、みんなこれは労災の補償の傷害等級なり、その身体の状況によって行政機関が判断をし、またはそれを認めるような処置が全部必要な施設であります。この事業団が行うのはやはり施設の経営の方面をうたっているのでありまして、ここで同じ保険施設と申しましても、その利用する者が全部、たとえば災害が起きてけがなりまたは疾病なりでいく者は、これは事業主が証明してどこでも施設が利用できるわけなんですけれども、ほかの施設というものはやはり一定の条件が常に伴うわけです。それを全部調べるのはやはり監督署あるいは基準局でなければできない仕事であるわけでございまして、その点はこういうふうな行政行為を伴わなければその施設を利用する者の資格があるかどうかということについての決定は、やはり行政機関がやらなければならないということでございます。もちろんこの外科後処置も物的施設としてのものは労災病院はどこでも持っているわけでございますが、そのほかにも大学病院なり年金保険病院なりでも外科後施設として認定しているわけでございまして、全部が全部労災病院だけに限りますと、かえって利用者は場所的な制限を受けざるを得ないようなことになるわけでございますので、そういうふうにしているのが、やはり行政のやり方からいっても、また保険施設を利用する者の立場からいっても、こういうものについてはやはり行政機関が利用者をきめて、それぞれ地理的な配分をよく定めて施設をやった方がいいという判断に基いているわけでございます。
○滝井委員 お尋ねしますが、それならば十九条の「その他政令で定める施設の設置及び運営」というところに属するものはどういうものですか。
○村上(茂)政府委員 先ほどの御質問とただいまの御質問と両方に関連して答弁させていただきたいと思いますが、実は法律論と実体論とまぜて私ども答弁しておったのでありますが、法律論といたしましては、滝井先生御指摘のように労災保険法第二十三条に掲げておる保険施設を全部行い得るような建前にはなっております。ただ現実の問題といたしまして、さしあたり事業団で行わしめる施設としては物的な施設を中心に考えた方が妥当であろう、それからその他の施設につきましては、ただいま労災部長から答弁がございましたように、いろいろ義肢の支給であるとか、あるいは療養券の発行とか、窓口事務の点から見ますと、現在の基準局の方が数も多いし、ベターであろうという実体を申し上げたわけでありますが、将来事業団の施設が相当広範にわたり、そういった療養施設、職業再教育施設以外の保険施設につきましても事業団で行わしめる方が適当であるというような実体を備える段階に至りましたならば、労災保険法第二十三条に掲げております他の保険施設についても事業団をして行わしめたい、かように考えておる次第でございます。
○滝井委員 答弁が少し違ってきたのですが、そうしますと三治さんのさいぜんの答弁はちょっと間違っておったことになるわけですね。三治さんの方では行政と施設の運営とは別個だ、こういう建前をとったのです。今総務課長の力の答弁は、事業団で二十三条のものはみんなやり得るのだ、法律論としてはやり得ることになっておる。実際としては物的施設だけやるのだ、こういうことならば、三治さんのさいぜんの答弁と食い違っておるのです。もう少し意思の統一をして、総務課長さんの方の答弁が正当なのか、あなたの方が間違っておったのか、はっきりしてもらいたい。
○伊能政府委員 今お話しのように多少混乱した点もないではないようでありますが、特別会計が保険給付をするということが特別会計の本来の目的であります。これについては滝井委員御承知の通りであります。そこでそれにかねてみずから施設を行なってもいい、行うというのが二十三条の趣旨です。そこでこの施設を利用するかしないかということは被保険者の自由選択なわけです。その施設の一部をこの事業団に経営させようということなんですから、第一段階においては、保険給付をするということが目的であり、第二段階において特別会計は保健施設をする、保険施設をしたからといって保険施設で全部給付の対象になるような施設をみな有することを縛るわけでもなんでもないので、被保険者にすればそれを利用するかしないか、特別会計の直轄事業で経営しておる施設を利用するかしないかということは、被保険者の自由選択になるわけであります。そこで施設の一部はみずから特別会計がやるからその施設を利用したい人は利用しろということなんです。その施設の中で適当なものはこの事業団にやらせよう、こういうことだと私は理解いたしております。
○滝井委員 それは三治さんの答弁と同じになるんじゃないでしょうか。二十三条全般ということになると、たとえば義肢の支給に関する施設とか、外科後処置に関する施設とか、非常に行政を伴う。従ってその脈についてはやらせないのだというのがこの法律改正の建前だという三治さんの答弁でしょう。ところが総務課長さんの方では、そうではない、実はこれは保険施設という二十三条の全部を将来やることになるんだ、こういう答弁なんです。行政と施設を一緒にやるという建前に将来はなるわけです。そこらあたりに答弁の食い違いが出ておる。一方は療養施設と職業再教育施設に区切ってやると言うし、私は二十三条の保険施設というものは全部あるのだから全部やるべきじゃないかという主張なんです。そこで非常な食い違いが出てきておるので、もう一回相談して明白な答弁をしてもらわないと、政務次官は三治さんと同じ答弁をするし、所管の総務課長はそうじゃないという答弁をするのでは困るから、相談する時間を与えますからよく相談して答弁して下さい。
○村上(茂)政府委員 実質的な条文の読み方の問題と、実体論及びその実体に関連した将来のあり方の問題と、実は多少混乱したようでございますが、一応法律の書き方といたしましては、療養施設と職業再教育施設は事業団に行わせる。これは例外なく行わせる。その他政令で定める施設の設置及び運営を行わしめる、こういう書き方になっております。従いまして療養施設及び職業再教育施設のほかの施設につきましても、政令で規定いたしますならば行い得る建前になるわけであります。ただ、その場合に無制限にいかなる施設でも行わしめるかどうかという将来の考え方の問題でございますが、設置、運営、こういう考え方に立っておりますので、将来政令で他の保険施設を行わしめることにいたしたいとしましても、物的施設が中心になるであろう、こういう考え方を先ほどから申し上げておるわけでありまして、さように御了承願いたいと存じます。
○滝井委員 それでやっとわかりました。そうしますと、今度は将来二十三条に規定をしておるすべての保険施設について行わしめることができるということになっておるが、具体的にこの法律が実施をせられた場合に、当然あなた方の方は政令を作らなければならぬ。そこで十九条の「その他政令で定める施設の設置及び運営を行うこと。」というその政令の定め方というものの構想はどういうことになるか、こういうことです。
○伊能政府委員 そういう余地をここに法律の上で残しておくだけで、ただいまさしあたりこういう施設をこの政令で指定しようという考えを持っておりません。
○滝井委員 わかりました。そこで政令でそういうものをやる考えはないということになると、だんだん突き詰めていくと、三治さんの議論のように、この法律は実際には全部行えるけれども、この法律が実施されてまず近い将来までは療養施設と職業再訓練施設だけになる、こういうことになるのですね。それでようやくその観念と思想の統一ができました。そうしますと、この法律案を見てみますと、大臣官房に労働福祉事業団の監理官を一人置いておくということになるわけなんですが、この事業団の所管の主管課といいますか、主管局といいますか、それはどこになるのですか。それから残りの二十三条関係の外科後処置に関する施設とか義肢の支給に関する施設、その他必要と認める施設、それから二十三条の三号の休養に関する施設のところは、大体残りの所管の課というか、局というか、それはどういう工合になるのですか。
○伊能政府委員 監理官は大臣官房に所属させようという予定をしております。それから後段の問題は、労災保険法の問題でありますから労災部で依然として主管させよう、こう考えております。
○滝井委員 そうしますと、この労働福祉事業団法案に関連をするところの保険施設というもの、それから失業保険関係の福祉施設というものは、主管のところは大臣官房の監理官がやる、こういうことなんですね。それからその他二十三条の残りのものば労災部がやる、こういうことになるわけですね。そうしますと、これはまた私の懸念するところが出てきたのです。労働省の中で一方においては大臣官房でやる、一方においては労災部がやる、こういう形になる。二十三条をお読みになると「政府は、この保険の適用を受ける事業に係る業務災害に関して、左の保険施設を行う。」、こういうことで、保険の適用を受ける事業に係る業務災害ということになって、これは一貫しておるものなんですね。そうすると、今まではおそらく二十三条関係は全部労災部の方でやっておったのじゃないかと私は思うのですが、どうですか。これは今まではどこでやっておったのですか。
○三治説明員 労災保険が昨年の八月以降労災部になりまして主管しておりますが、物的施設に関しましては先ほども総務課長から答弁がありました通り、設立の初めから労災協会というものに経営を委託さしてやっておったわけです。運営の方面は労災協会でやっておったわけでございます。
○滝井委員 労災協会に委託してやっておったけれども、主たるその監督課といいますか、それはあなたの方だったんでしょう。
○三治説明員 お説の通りであります。
○滝井委員 そうしますと、今までの行政というものは少くとも労災部を中心にして二十三条関係というものは運用されておったわけなんです。ところが今度は二つにさかれるんです。そうすると、この労働者災害補償保険法の二十三条の改正を必要とするんじゃないですか。それはどういう工合になっておりますか。
○村上(茂)政府委員 御指摘の点でございますが、まず念のためにこの監理官をなぜ置くかということをちょっと答弁さしていただきたいと思うのでございます。御承知のように、この労働福祉事業団は、労災保険の保険施設と失業保険の保険施設とこの二つの施設を扱いますので、労働共準局、職業安定局の両方にまたがるかような意味におきまして、大臣官房に事業団監理官を置く、こういう態勢をとったわけであります。しかしてこの監理官は事業団に対しまして労働大臣が監督を行いましたり、あるいはいろいろな事項につきまして認可をすることになっておりますが、そういった認可をいたします場合に、事業団としまして、労災保険施設については労働基準局失業保険の福祉施設については職業安定局、個別に折衝すると窓口が二つになる、こういう形では当を得ませんので、事業団に対する認可とか監督業務の関係におきましては、監理官が一本の窓口になりまして、すべてこれを通じて処理ずる、ただし内部関係としましては、もちろん事業団監理官は労働基準局及び職業安定局と密接なる連絡を保ちまして事務の処理に当るわけでございます。しかして同じ労災保険施設でありながら、一方は労働基準局で行い、一方は監理官が行う、こういう建前をとるならば、保険施設運営行政の統一を欠くではないか、こういう御指摘でありますが、実は他の公団の例を見ましても、たとえば道路行政あるいは住宅行政などを見ましても、本来住宅行政はそれ自体一本であるべきである、あるいは道路行政につきましてはそれ自体一本であるかと存じますが、住宅公団なりあるいは道路公団の発足に伴いまして、公団の管理監督という面につきましては監理官を特設いたしまして直接管理監督に当らしめる、かような態勢をとっておるわけでございまして、いわば事業団設立に伴いますところの行政内部における事務処理の一つの特別な措置である、かようにお考えいただけたならはけっこうと存じます。 なお、保険施設の一体的運営についての責任につきましては、労災保険法に基きまして、労働基準局内部の労災補償部で責任を持って行うわけであります、 なお、二十三条の改正が必要ではないかという点、まことにその通りでございまして、そういう意味合いから、附則の第十一条におきまして労働者災害補償保険法の一部を次のように改正する、かようにいたしまして、「第二十三条に次の一項を加える。」ということで、「政府は、前項の保険施設のうち」云々、こういう規定を設けることにいたしておるわけでございます。この労働福祉事業団に行わせる保険施設につきましては、政府が直接その施設を行わない、こういう態勢をとるわけでございます。
○滝井委員 そうなるとますます問題になってくるんです。だから実は私さいぜんいろいろ尋ねたのでずが、第十九条の「その他政令で定める施設の設置及び運営」というものは、将来二十三条の令部を含むのであるかと言ったら、まあ法概念としては含めるのだ、こうおっしゃったわけなんです。そして今度は同時に附則で今の二十三条の次に「政府は、前項の保険施設のうち、労働福祉専業団法第十九条第一項第一号に掲げるものを労働福祉事業団に行わせるものとする。」こうなると、二十三条の一、二、三、四、五というものは、これはあってもなくても同じことになってしまうのですよ。十九条で全部行えるという形が一ぺん法概念として出てきているんだから、その上にまたここに二十三条の次にこういう二項を加えるというなら、これは重複した形になってしまうのです。
○村上(茂)政府委員 この十一条の規定でありますが、実体的にはかように御了解いただいたらいかがかと思います。労災保険施設につきましては、二十三条の先ほどの規定によりまして政府がその施設を行う、こういう建前になっております、法律の趣旨から申しますれば、政府がみずからその施設を行うのが建前でありますが、便宜上従来は委託契約に基きまして労災協会に労災病院の通常を行わしめておったわけであります、この際事業団法を制定するに当りまして、本来政府が行うべきものを他の機関をして行わしめるのであるから、代行関係を明確にする必要がある、かような趣旨に基きまして附則第十一条でかような規定を設けた次第であります。従いまして、実体的にこれを見ますれば、現状とほとんど変らないのでありますが、形から申しますれば滝井先生御指摘のような点もあるかと思います。しかしもっぱら失体的に御了解いただきたいと存ずるわけでございます。
○滝井委員 実体的にはわかる感じがするのですが、法律論でいいますと、ものの中の十九条の第一項一号に掲げるものを労働福祉事業団に行わせるということになれば、二十三条の一から五まではみんな労働福祉事業団がやるんだから、この二十三条の一から五までみんなないのと同じになるのです。そうなることになるのです。なぜならば、法律論でいえば十九条にすべてが含まれるのです。その他政令で定める施設の設置及び運営を行うということの中に一、二、五を含めてしまうと、保険施設の中にはあと残るものはないのです。だから二十三条の次に一項加えれば、二十三条の現実にある法文と今度加えたものが重複してくるのです。観念にしては重複したところが出てくるわけです。そうすると、結局十九条の中から「その他政令で定める施設の設置及び運営を行うこと。」ということを削ってしまえばこれはすっきりしてくるのです。ところがこれがある限りは、一項を加えるとすれば、重複してきて、二十三条の前の方はもぬけのからになってしまう、事業団が行うというのだから。従って今度はどういうことになるかというと、行政上の問題からいえば、二十三条のところに残るものがなくなる、こういうことなんです。みんな監理官がやってしまうのです。これは法律論からいえばそういうことになるのですよ。
○村上(茂)政府委員 ただいまの点でございますが、労災保険法の二十三条の二項を改正いたしましたのは、先ほど申しましたように、本来政府が行うべきものを事業団に代行させるという点をここで明確にいたしているわけであります。しこうしてどの範囲の業務を行わせるか、こういう点はこの事業団法の十九条の第二項第一号にゆだねておるわけであります。そこで先ほど御答弁申し上げましたように、療養施設と職業訓練施設、これは明確に事業団に行わせるような建前をとっておるが、その他政令で定める施設の範囲がどうなるかということによって、具体的にその内容がきまってくるわけであります、しこうしてその点につきましては政令で定める施設の設置及び運営を行うという考え方をとっておりまして、いわば物的施設の設置及び運営という考え方をとっておるのであります。これは先ほど申し上げた通りであります。従いまして物的施設によらず、労働基準行政なり、あるいは労災保険行政と関連いたしまして、一つの機能として行いますところのものは、将来においても事業団をして扱わせないというような方向を予定をしておる、先ほど申し上げた点でありますが、さらに敷衍して申し上げる次第でございます。
○滝井委員 どうも頭の悪いせいか、附則の十一条と事業団法の本文の方の十九条の関係と労働者災害補償保険法の二十三条の関係は、法律概念からいうと、少し混乱しておる感じがするのですね。どうも今の答弁では私割り切れません。そこでこれは反対の法律ですから、あんまり突っ込んでも何ですが、どうもここらあたりは少し修正をしなければならぬような感じがします。十九条を修正するか、それとも附則の十一条をもう少し何かわかりやすく書きかえるかどうかしないと、どうもここらあたりは納得がいきません。 次に、私は職業安定局関係のことは実はまだ持ち出さなかったのですが、村上さんの方から職業安定局の方を御指摘になってくれたのです。この職業安定局関係の、いわゆる失業保険の福祉施設ですね。こういうものを入れて、今度の問題を考えていくと、ますます行政は今までよりも複雑になってくるのですね。それは今までならば基準局と、職業安定局で処理できたものが、基準局と職業安定局のほかに、一つ今度は監理官ができてきた。そのほかにさらに基準局と職業安定局の所管をしておった一部をごっそりとった今度事業団という大きな城郭ができてきたのですよ。だから上と下に一つ一つ重しがついてきた。すなわち監理官という官房にあるものと、事業団というものができてきた。そうしてその間に今まで大きな行政をやっておった基準局と安定局というものが細くなってしまった。いわゆる施設の設置と運営に関する行政に関する限りは細ってしまったのです。こういう行政は能率化になるかどうかということです。能率化にならぬのです、これは。こういうことで一番困るのはだれかというと、労災を受けた被保険者自身が困ることになる。なぜならば判この数がそれだけふえてくるのですから。——いや、それはふえますよ。時間的にいっても、今までならば基準局長でとまったものが、今度は大臣官房までいかなければ話はまとまらぬのですよ。そういう点でやはり一つ行政が複雑になっておる。今までは労災協会というものは、民主的な、少くともきわめて民間に近い財団法人の形なんです。いわゆる課税の対象になるかならぬかというせとぎわにあるものです。今度はれっきとした国としてやるということになると、かみしもを着なければ工合が悪い。こういう形なんです、そうすると、これはいわば官庁と同じなんです。そういう形になってくると、これはここらあたりから大臣がいないと、どうも工合が悪いことになるのですが、行政機構の拡大等を来たすおそれがある、そうしてだんだん労災病院が多くなって、そこで能率を上げるためにこういうものを作るんだ、こういうことです。そうすると、今私はこの提案理由と、きわめて大きい病院行政の見地から、今度は労働者自身の保険施設というものに区切って論議を集中してみたいのです。そうすると今そこであなた方の答弁もなかなか混乱をしておる状態があるということ自体が、いろいろにまたがったために、すでに意思の疎通を欠いておるということなんです。それはそのまま今度は病気になってこの施設の恩恵を受ける諸君にとってみれば、それだけ官庁の多しことを今この法案の審議のときにこの場面が具体的に現わしたのです。これ将来の縮図ですよ。そういう点で私はあなた方の答弁を通じて、今第一条そもそもからすでに問題があることを見つけ出した。こういう点はどうも私たち社会党にとっては納得のいかないところなんです。これはだれか労働省のあなた方の先輩を据えるために作るというなら、また考え直さなければならぬけれども、民主的に行政の能率を上げるために作るというなら時代逆行です。アナクロニズムです、そういう点次官どうですか。今私がいろいろ指摘した点で大体明白になってきたと思うのです、上と下に一つの牙城ができる。中の今までの行政というものは小さくなる。今までは二つでよかったものが、がっちりできてくるのですから、そういう点で非常に問題になる。なるほどそれは一つだけれども、事業団というものは今度は一つの官庁的な形態をとるのですから、今までみたいの労災協会のように気やすくはないのですよ。三十八条の建築基準法関係を見ると、建築基準法の関係では「事業団を国とみなして、」こうなっている だから今までの労働省の基準局なんという一つの局じゃなくて、国なんです。国と同じ形でがっと腰を据えるわけです。今私のいろいろ指摘した点から考えて次官はどうお考えになりますか。これで行政の能率が上るとお考えになるか、かえって行政は複雑になったとお考えになるか。
○伊能政府委員 まずこれで被保険者が手続などが非常に多くなるというこの点は今までと何ら変りがない。行政措置としては同じ手続でやっていくわけですから、何らこれによって混乱することはない。ただ病院なり一総合補導所なりの監督の機構がしいていえばここで確立するということなので、病院や総合補導所の力では、今までは安定局へ行けばよかった、あるい基準局へ行けばよかったのが、大臣官房の監理上官のところへ連絡に行かなくちゃならない、そのほかにあるいは安定局とも基準局とも、病院なり、総合補導所として連絡しなければならぬというような、多少そういう面はあると思いますが、非常にこの団体が包括的に行えますから、今までのようにこまごましたことを打ち合せしなくても、監理官、すなわち入園の代理としての監理官に大きな方針を伺っておけば、それで自分の事業団としての運営を独立性をもってやっていけるのでありますから、これによってそんなに問題が混乱してくるというようなことはあり得ない、こう思うのであります。先ほど答弁の中で食い違いができたりしたのが一つの例だということをおっしゃいましたが、多少御質問の趣旨を取り違えて申し上げた点もありまして、そういう点もありましたが、あとで申し上げましたように、きわめて明瞭にこの事業団の性格を割り切っておるのでありますから、そういうような御心配はまずない、こう考えております。
○滝井委員 どうも少し見解が違うようでございますが、私のあなた方の答弁から受けた感じは、内部的に単純化されておらないことは事実だ、むしろ今までよりか複雑化しておる傾向があるという、そういうニュアンスが御答弁からくみ取られるわけです。そこで第一にはそういう問題点があるということを一つ御記憶になっていただきたい。 次には資本金の問題でございます。この福祉事業団は、労働保険関係の施設と失業保険の福祉施設とを出してできるのですが、そのほかに地方公共団体からも出資をすることになっておる、一体事業団が発足するときに、これはおそらく現物出資になるだろうと思いますが、政府の出資なり地方公共団体の出資がどのくらいの額になるか、これを一つ御説明願いたい。
○松永政府委員 事業団の発足につきましては、法律が施行される時期との関連がございますが、現在のところ大体七月を目途としておるのでございます。発足当時におきましてどの種皮の資産が国において出資されるのであろうかという点につきまして推算をいたしましたところ、労災保険施設関係におきまして三十六億五千万円程度でございます。それから失業保険の施設関係におきまして八億二千九百万円程度になる予定でございます。なお地方の出資の問題につきましては、現在のところ確実な数字をつかんでおらないのでございますが、準備事務の進行につれまして、これを明確にいたして参りたいと考えております。
○滝井委員 そうしますと、この提案理由の説明の中に出ております労災病院二十四カ所、傷痍者訓練所二カ所、総合職業補導所二十三カ所、簡易宿泊所十二カ所というのは、全部政府の出資分である、労災保険関係、失業保険関係合計四十四億七千九百万円というのがこれだけの施設に当るわけなんですか。
○松永政府委員 こういうことでございます。もう少し具体的に申し上げますと、現在労災病院、それから傷痍者訓練所、総合補導所、簡易福利施設等が、唯々刻々建設が進んでおるわけでございますが、昭和三十二年の七月現在におきまして、未竣工の施設も含めますと、労災保険の施設関係で四十九億七千五百万円程度の財産がある予定になります。それから失業保険の施設関係におきまして十四億九千七百万円程度の財産がある予定になります。でございますが、建設途上の建物がございますので、これは完成をいたしましてから出資をするという予定にいたしまして、ただいま申し上げました労災保険関係で、四十九億七千万円のうち、完成をいたしまして引き渡しができるものが三十六億五千万円、それから失業保険の施設に対しまして、完成いたしまして直ちに出資できる予定のものが八億二千九百万、こういう数字になるわけでございます。先ほど御指摘になりました労災病院、総合職業補導所等の設置個所全部については、今申し上げましたような内訳の数字でございます。
○滝井委員 そうしますと、この提案理由はだいぶんサバを読んでいることになるわけですな。まだできていないやつまで加えて、これだけ大きくなったからやらなければならぬということだけれども、実質は四十四億程度のものを六十四億というから、実際は二十億サバを読んで提案をしているということになる。従って、少くともこの法律が七月に発足をしても、引き渡しが終るまでは、未完成の、いわゆる約二十億樹皮の現物というものは、江下さんのところなり三治さんのところなりにあるということなのですね。まあそういうことなのですね。そうすると、この提案理由というのは、サバを読んで出しているということは、これはどうもいかぬことだと思うんですな。
○松永政府委員 提案理由におきましても、現在その数は、未完成のものを含めて云々というふうに申しておりまして、ただいま私が御説明申し上げました分も、その未完成部分を含めましての御説明でございます、
○滝井委員 実際にそれらが資本金として出資をせられるためには、おそらく完成してしまうまでには、まあ三十二年度の末までぐらいになっていくでしょうからね。あるいは三十三年度にかかるかと思うのです。大きな施設ですからね、労災病院は。そうすると、一年か一年半の先のことまでここに言って下さっておるので、御親切はありがたいのですけれども、実態をつかむ上においては困る。二十億も開きのあることが、ここに未完成といって書かれておるからね。私らは未完成というのは、このごろ三十二年度の予算が通ったばかりなので、まあ三十一年度分くらいかなと思っておったのですよ、まあ大した問題じゃないのでこのくらいにしておきます。そうすると問題は、国の分はわかりましたが、この地方自治体の分なんですね。一体この地方自治体の分をどの程度お見込みになっておるのかということなのです。
○江下政府委員 この法律では、地方団体の出資につきましては、自治庁長官の承認を受けて出資をすることができる、こうなっているわけでございます。従って、これは今後の折衝の問題でございますので、現在確定数字は申し上げられませんが、大体私どもで予想いたしておりますのは、現在総合補導所が設置されておりますところの敷地が、全部合せますと大体十六万坪程度になりますが、そのうちに出資できないものも相当あると思います。たとえば、土地を借りて営業しているとか、こういうふうなものもございますので、明確には申し上げられませんが、この十六万坪のうちの相当部分が出資になるものと期待いたしております。
○滝井委員 そうしますと、地方公共団体が自治庁長官の承認を受けて——これは附則の十条で、自治庁長官の承認を受けて出資することになるわけなんですが、そのできるものは、総合職業補導所十六万坪、まあこの大部分を借りているかどうか知り訳せんけれども、それだけですか。ほかはないですか。
○江下政府委員 労災関係にも、もちろん敷地の借り地は若干あるそうでございます。それから総合補導所関係といたしましてそのほか特に出資を予定いたしておりますのは、府県に経営を委託しております関係上、府県で寄宿舎を付置いたしているところがございます。これはまだ現在まで一、二カ所でございますが、それらのものにつきましても、私ども出資を期待いたしております。大体そういう程度でございます。
○滝井委員 失礼いたしました。ちょっともう一回言ってくれませんか。
○江下政府委員 総合補導所のほかに、労災病院の関係の敷地が、やはり若干地方団体において出資を期待しているものがあります、それから総合補導所二十三カ所のうち、寄宿舎を県で設置しているものが一、二カ所ございます。これもでき得れば出資をお願いしたい、かように考えております。
○滝井委員 そうしますと、失業保険関係の福祉施設で、特に総合職業補導所関係について地方自治体が出資をする。その中で寄宿舎等もあるそうでございますし、労災病院の設置もあるそうでございますが、主たるものは、これは土地ということになるのですね。そうしますと、ここにも一つ問題が出てくる、それと申しますのは、職業補導行政と事業団との関係ですね。これは一体中央、地方の関係はどうなるかということです。
○江下政府委員 事業団で行います「職業訓練施設」と申しますのは、言葉の示します通り、現在一般の職業安定法に基いて行なっております職業補導というより、非常に幅の広いものを考えております。失業保険施設といたしましては、御承知の通り、被保険者または被保険者であった者を主たる対象とする。従って、現在すでに失業して出てきている者だけでなくて、現在被保険者として工場、事業場等に勤務いたしております者も含めまして、広く職業訓練を行うというのが目的でございます。そこでただいまお話のように、現在総合補導所でやっております職業補導は、その内容におきまして、県で設置いたしております職業補導所と同種のものが多いわけでございますが、しかし失業保険施設として考えております職業訓練は、今後におきまして私どもは、幅広く、この職業訓練というものを基礎にして考えていきたいと思っております。そこで現実に都道府県におきまして、職業補導の部門におきましては運営をいたしておりますが、事業団において総合補導所を今後運営するということになりますと、その間の調整が問題になるわけでございますが、これらの点につきましては、私どもは事業団の発足いたしましたときには、十分この関係府県知事の意見を聞きまして、事業団の運営いたす総合補導所と府県の運営いたす一般補導所との関係が、円滑にいくように措置して参りたい、こう考えているのであります。
○滝井委員 今の事業団がやる総合職業補導所、これと県の職業補導所との関係なんですが、そこらにもどうも少し問題があるような感じがしてくるのです。今までは江下さんのところだけで済んだものが、今度は監理官が関与してくる部面が出てくると思うのです。今までは、職業補導行政すべてがあなたのところに行けば片がついたのに、今度は事業団関係のものというのが出てきて、事業団にもいかなければならぬ、ものによってはあなたのところにも行って相談しなければならぬ、あるいはまた大臣官房の監理官のところにもいかなければならぬ、こういう関係になると、どうも職業補導行政というものが二元的な状態になってくる。入所や就職のあっせん等においてもいろいろその業務が円滑にいかぬような関係が出てくるという感じがするのです。そういう点、もう少し納得のいくような御説明ができないものかどうか。
○江下政府委員 例にあげられました補導所の入所、職業あっせんというような点につきましては、私どもといたしましては、従来通り知事が責任を持って、一般の補導所も総合補導所も行うことにいたしたいと思っております。 それから、知事が設置いたします一般補導所と総合補導所との関連は、先ほど申し上げましたように労働大臣が事業団に対して監督を行いますが、これらの監督を通じて関係知事の意見を聞くということにいたしまして、その間の調整は十分とれると考えております。
○滝井委員 言葉の上ではきわめてすっきりと割り切っていけるという感じがします。しかし第十九条の一項の二号でできてくる総合補導所——この事業団のもとに入るもの、それから公共職業補導所——知事の権限で運営せられておるもの、こういう二つのものが出て参ります。今までは、総合職業補導所の運営は主として知事にやらしておったわけですが、今度はそれを事業団が運営することになるわけですね。そういうことになると、その費用は地方自治体が持たないで、今後は全部事業団が持ってくれることになるのですか。
○江下政府委員 事業団が経営もするという建前からいたしますと、事業団において経費を全額負担するというのが筋であろうと考えます。ただここにお断わりしなければなりませんのは、実はこの総合職業補導所については関係各県の要望が非常に強うございまして、現在のところ新しい建設を非常に急いでおるわけでございます。従いまして、でき得るならば私ども、国家予算をもって十分間に合うようにいたしたいと思いますけれども、現状からいたしますとここ当分府県にも若干の御協力をお願いしなければならないのじゃないかと考えております。また現実の問題といたしましても、府県のうちには、総合補導所が最近非常にいい成績をあげてくれておるところがあるので、われわれとしては、金がなければ金を出してもいいからぜひ一つりっぱにやってもらいたい、こういう意見を出しているところもございますので、建前はよくわかるわけでありますが、当分の間はさようなことも考えていかなければならないのじゃないかと思っております。
○滝井委員 そこらあたりがいよいよ問題になってきたのです。行政の能率を上げ、しかも造営を円滑にするために事業団ができた。そして地方公共団体に出資をさして、総合補導所の建っている土地をおれの方へ出資しろと出さした。そうして運営と設置とはおれの方でやるんだ、とこう言うておきながら、今度運営について全部金を出してくれるのかと思ったら、そうではない。二十七条を見ると交付金というのがある。「政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、十九条第二項第一号及び第二号に掲げる業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することができる。」とこうなっているしこの条文だけでももう語るに落ちたのです。事業団というものを作るならば、やはり事業団が自前で保険施設と運営は自分でやるというくらいの建前がなければ 今までと同じ形でやはり都道府県にその費用の一部を持たせることになるなんということはないのです。地方公共団体は、土地を出して、予算がうんと来るかと思ったら今までと大して変りないということになると、出しませんよ、そうすると、どこでも出したところにはこの次もう一ヶ所くらい補導所を建ててやるなどとエビでタイをつるようなことを、江下さんのところはやらないかもしれませんが、できた事業団は、自分の仕事をふやすためにやりかねない。そういう点悪法的な性格を持っていることになるとますます問題になってくる。しかも都道府県はれっきとした公共職業補導所というものを持っておる。今まで知事が自分の金を出しておったのは、総合職業補導所はある難度自分たちでやれておったからお願いしますということでやっておった、ところが事業団に敷地も取り上げられ、そうして金はちょっぴりしか来なく、大部分自分が出さなければならぬ、そうして別の公非職業補導所も自分ということになれば職業行政は二元になってしまう。こういう点は私たちどうも納得がいかない。もし事業団にそういうものをお召し上げになるとするならば、二十七条の交付金は明確に、たとえば「予算の範囲内において、事業団に対し、」云々ということではなくて、やはり政府は持ち分を明白にしなければならぬと思うのです。九条の一号関係、保険施設は今までほとんど労災協会にやらしておるのです。この関係は、そう持ち分を明白にしなくても大体わかってくる。ところがこの失業保険の福祉施設については、何といっても末端の地方公共団体の援助を受けなければ円滑な職業補導行政の運営はできない。従ってこれを円滑に運営しようとするならば、国がある程度予算を事業団にやり、事業団が末端の都道府県に金を出すということのワクを、たとえば八割は国が持つのだという点を明確にしておく必要がある。それでなければ事業団ができた効能はないです。また地方公共団体もそんなばかなことをしない。今の赤字財政の火の車の中で、自分の財産を出資していくということは自治省が第一許さぬです。附則の十条に「地方公共団体は、当分の間、自治庁長官の承認を受けて、事業団に出資することができる。」こう書いてあるだからこれは自治庁がおそらく許さぬでしょう。こういう点は次官どうお考えになりますかしある程度地方自治体の持っている財産を召し上げになって、それを事業団の運営にお使いになるというからには、今まで知事が金を出してやっておった施設を召し上げてやるのですから、今度そこに何ぽか今までよりはよけい国がお金を出して運営を能率的に円滑にするという形をとれば、地方自治体は弄んで土地くらい出しましょう。予算はもっとうんとついてくるのですからということになる。そういう点をもう少し明白に——この点予算の範囲内で云々ということになれば、今までとは大した変りはない。昭和三十二年度の予算は、そう職業補導行政に飛躍的な予算を組んでいない。きょう私不幸なるかな予算書を持ってきていないのですが、組んでいないと思う。
○伊能政府委員 この二十七条は、出先出先で相当独立採算的な運営をさせよう。しかしながらそれを計算してみるとこういうふうにどうしてもやれない面があるから、そういうようなものを積み重ねたものと、それから特別会計が持っている予算の方との見合いによって決定されることでありまして、事業団は、あるいはこういう仕事を新しくやりたい、こんな施設もしたいというような要求も出てきましょうけれども、特別会計の予算の見合いによって年々その範囲も定められ、運営も定められていく、こういうふうに考えるのがこの二十七条の建前でありまして、果に対する関係は、安定局長から先ほどしばらくの間運営費を県から出してもらうという意味のようなことも言いましたが、建前としてはそういうものには依存しないで事業団がやれる限りのものを独立採算的にやって、特別会計から出せる範囲では新しい仕事に手を伸ばしてやらせよう、この委託費によってやらせよう、こういう建前にしておるはずであります。従って、今のような状態において地方団体に多額の負担を求めるということはしたくないのでありまして、別途あります地方団体の出資の問題は、今まで出しておるものを自分で持っておるというような洲然たる——これは川と地方団体との関係なものですから、あいまいになっており、寄付したでもなし、はっきりしたことになっておらない。しかし明らかに地方団体の負担しておるものである。土地へあるいは得宿舎というものは、明らかに地方団体で負担したものは、明確にしておく意味においてここで出資としておく。将来非常に熱烈なる誘致運動でもありました場合にそういう問題も起り得る、こういうことだと考えております。
○滝井委員 そうしますと、今の言葉は大事なところなのですが、総合職業補導所の運営に関する経費については、原則として全額旧というか事業団が持ってやっていくのだ。いろいろ事情がある場合は万やむを得ず地方団体の御援助を受ける場合があるかもしれませんが、原則としては独立採算制でその事業団が経費を全部持って運営していく。こう理解して差しつかえありませんね。
○伊能政府委員 原則としてはその通りでありまして、この二十七条は、独立採算的にやっていくところへこの特別会計から予算の許す範囲において交付金を出す、こういう建前であります。
○滝井委員 わかりました、きょう四条までいきましたが、まだ相当ありますから、あとはあすに譲らせていただきます。
○亀山委員長代理 では次会は明二十六日午前十時より閉会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会 ————◇—————