社会労働委員会 第43号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/23
会議録
○藤本委員長 これより会議を開きます。 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案を議題とし審査を進めます。 まず提出者より趣旨の説明を聴取いたします。亀山孝一君。
○亀山委員 ただいま議題となりました環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 環境衛生関係の営業は、環境衛生の保持増進のためにはもちろん、国民の日常生活にとっても身近かな関係にある重要な営業であり、まして順守すべき衛生基準を定めて従来から指導、取締りの対象となっておりますのもこらした理由からであると考えます。ところがこれらの営業はいずれも特殊なものを除いて、ほとんどすべてが中小企業の範疇に属すべき性格のもので、その経済的基盤はまことに脆弱であり、しかもこれら常業者は膨大な数に及んでおるのであります。こらした数多くの営業が、それぞれ互いに正しい競争をしてサービスの向上に努めますことは、もとより国民生活のためにきわめて望ましいことでありますが、何分にも経済的基盤が弱く、しかもその数が著しく多い営業であるだけに、ややもすると過度の競争に陥り、その結果は必ずしも衛生施設の改善、サービスの向上にのみ発展するとは限らず、場合によるとかえって不合理、不健全な事態を醸成する傾向がないとはいえません。 現に最近は、たとえばごく一部の業者がダンピングにもひとしい極端な低料金をもって営業し、故意に業界を混乱させつつあるものも現われまして、まじめな業者がはなはだしい迷惑をこうむっておるだけでなく、ひいては衛生基準の保持も困難となって、衛生上はもとより社会上からもいろいろの問題を惹起しております。また旅館等における深夜営業、公衆浴場における特殊浴場、映画興行における著しい長時間興行等、社会的に見てもまことに憂慮すべき事実が横行しておりますのも、結局はこれら過度の競争の結果にほかなりません。こらした数々の問題は、行政しの指導監督によって改むべきではありましょうが、従来の実績から見ても手不足の関係等もあって、行政力のみによって万全を期することはきわめて困難であると考えられますから、業界の自主的組織を通じ、職業自由の原則を貫きつつ、主として民主的、自粛的方法により、これら過度の競争を防止し、この種営業を安定に導く措置を講ずることによって、正しい競争を育成し、サービスと環境衛生の向上をはかろうとするのが、この法律案の趣旨でございます。 次に法律案の主たる内容について御説明を申し上げますと、まず第一に、この法律の対象業種としては、現にそれぞれの法律によって守るべき衛生基準の定められている飲食店営業、喫茶店営業、食肉販売業及び氷雪販売業、理容業、美容業、映画・演劇・演芸の興行場営業、旅館業、公衆浴場業及びクリーニング業といたしました。 第二に加入及び脱退は営業者の自由意思による方針のもとに、各業種ごとにそれぞれ各都道府県単位に、総営業者の三分の二以上をもって社団的特殊法人たる組合を組織できることとし、またこれらの単位組合は、それぞれ三分の二以上をもってその全国連合会を組織できることといたしました。 第三は、組合は営業施設の配置の基準の設定とその励行の指導、衛生施設の改善、向上、経営の健全化等の指導、資金のあっせん、各種共済事業等を行い得るほか、特に過度の競争を防止するため適正化規程を定めて、料金または販売価格の制限と営業方法の制限とを行い得ることとし、この場合連合会は、適正化規程の基本となる適正化基準を設定することといたしました。 第四は、これら適正化規程、適正化基準を定める場合には、厚生大臣の認可を必要とし、認可に当っては厚生大臣は、公正取引委員会と協議しなければならないことであります。なお必要がある場合は、一応認可した適正化規程または適正化基準であっても、その変更を命じ得ることといたしました。 第五は、適正化規程の適用を受けないいわゆるアウトサイダーも含めてすべての営業者のために、営業の健全な経常が阻害される等一定の事態が発生した場合に限り厚生大臣は、公正取引委員会と協議の上、これらのものに対して、料金、営業方法等の制限を定め、これに従うように命令し得ることであります。 第六に、組合は適正化規程に違反した組合員に対し、過怠金を課し、または除名することができることとし、地方組合員はその五分の一以上の連署をもって役員の解任を請求できること、つまりリコールの制度を設けました。 第七は、組合または連合会の運営が法令の規定に違反すると認められる場合等は、厚生大臣は、それぞれ役員の解任の勧告、解散命令を出し得る等必要な監督規定を設けたことであります。 第八は、適正化規程を認可する等の重要事項の諮問に応じ、またこの法律の施行に関する事項について、建議するため、厚生省、利用者代表、学識経験者、業者代表等よりなる中央環境衛生適正化審議会を設けることといたしました。 第九は、この法律に規定する厚生大臣の権限の一部は政令の定めるところにより、都道府県知事に委任できることとしたのでありますが、この場合においては、都道府県に都道府県環境衛生適正化審議会を設けることといたしております。 第十は、利用者または消費者は何時でも適正化規程、適正化基準等に関して、厚生大臣または都道府県知事及び環境衛生適正化審議会に対し意見を述べることができることといたしました。 第十一は、料金、営業方法の制限に従うべき命令に違反した者その他の違反者に対し罰金または過料の罰則を設けたことであります。 以上がこの法律案の趣旨並びに内容の概略であります。何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○藤本委員長 以上で説明は終了いたしました。 この際国会法第五十七条の三の規定により、内閣に意見があればこれを許します。中垣厚生政務次官。
○中垣政府委員 本法律案はすでに閣議におきましてその内容を了承、決定済みのものでございまして、政府といたしましてはこの法律案の趣旨とするところは、これら営業の過度の競争をそういうことのために衛生上並びに社会上種々の問題を惹起しておる実情にかんがみまして適切なる法律と考えるのであります。本法成立後におきましては、正常な競争と消費者の利益が侵害されることのないように善処いたして参りたいと存じます。
○藤本委員長 次に質疑に入ります。通告がありますので、これを許します。滝井義高君。
○滝井委員 ただいま政府の方からこの環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律は閣議においても了承、決定済みであり、この法律が実施された後においても、正常な競争と消費者の利益が侵されないようにやりたい、こういう御趣旨の政府の御意見があったのですが、われわれこの法律の立案者の一人として、この法律の実施後における消費者のいろいろの懸念と申しますか、そういうものについて今後業者を運営していかれます厚生省並びに公正取引委員会の方に、二、三の点についてお尋ねしておきたいと思うのであります。 実は、最近においても御存じのように国鉄運賃の一割三分の値上げが行われ、あるいは最近はバス等も値上げが行われようとしておりますが、この法律が通ったならば、この法律で規制を受ける七つの業種が一斉に値上げをするのじゃないかという懸念を消費者大衆は持っておるようでございます。こういう点について厚生省はどういうお考えを持っておるのか。最近ふろ銭を幾分値上げをしなければならぬだろうという厚生大臣の御言明等があったために、この法律とこれら七業種の料金の値上げの問題が不当にからまってきているというような傾向もあるようでございます。いずれふろ銭その他の値上げの問題については、機会をあらためて政府当局にいろいろ意見なり、科学的な根拠をお聞かせ願いたいと思いますが、まず一般論として、この法律が通ったあとに一斉に値上げ運動が業者から起るというようなことがあり得ると厚生当局は見ておるのかどうか。この点をまず厚生省の方から御答弁願いたいと思います。
○中垣政府委員 滝井さんにお答えいたします。ただいま本法の成立に伴って、その直後にこの七つの業種の値上げが一斉に起きてくるのではないかというようなお尋ねであったかと思うのでありますが、政府といたしましてはそういうような考え方は——そういう心配と申しますか、そういう予想は別にしていないのでありまして、具体的な問題として、ふろ銭等の問題について言及されておるのでありますが、これは本法にかかわりなく、前から実は相当に業者がその苦情を訴えてきておるのでありまして、それにつきましては厚生省といたしまして、ただいま諸般の資料を集めまして、いろいろ検討をいたしておる段階でございます。従いまして、本法の成立後に一斉に値上げが要求されるのではないか。そういうことはただいまのところ予想いたしておりませんし、またそういうふうなことに私どもがすぐこれに応ずるとか、そういう事態になったならば、これを認めなければならないか、そういったような予想をし考え方もただいまのところいたしておりません。
○滝井委員 この法律が通ったあとにおいても、一斉に値上げが起るというようなことは政府は予想をしていないということでございます。ふろ銭の値上げの問題については本法とは別個のものである、こういう政府の御見解でございますので、一応私もそう了承いたしましてふろ銭の値上げその他については、いずれ機会をあらためて政府の科学的な御意見なり根拠をお聞かせ願いたいと思います。 次にこれらの環境衛生関係の七業種というものの職種は、一般の消費者大衆の生活、特に日常生活にきわめて密接な関係のある業種でございます。これらの業種について、現在工業あるいは加工業のみに適用されておる中小企業の安定法というのがありますが、この法律によってある程度カルテル行為というものをサービス業にも適用すればいいんじゃないかという、ような意見もあるようでございます。そうしてそういう意見があるかというと、これらの七業種というものは第三次産業部門に属して、その第三次産業部門の構成がきわめて複雑でございます。従ってその第三次産業部門の中からこういう七業種を抜き出して、特殊な法律すなわち調整行為、カルテル行為を行うような規定を作るとするならば、多くの違反者がこれらの七業種の中から出るのではないかという心配があるわけなのです。こういう点について多くの違反者を七業種から出さないような処置と申しますか、そういう具体的な防止法と申しますか、こういうものに対して厚生省なり公正取引委員会は過去の経験を通じてどういうような方針をお持ちたのか。第三次産業部門は御存じのように非常に複雑でございます。その複雑な中の七つの業種についてある程度調整行為が行われていく、カルテル行為をするということになると相当の違反者が出るのじゃないかということが世上言われておるわけです。そういう場合にこの防止法と申しますかそういうものを過去の経験を通じてこういう工合にやった方がいいということがあれば一つ御説明願いたい。
○中垣政府委員 滝井さんにお答えいたします。先ほどの適正化の規程というようなものをばカルテル行為といったようなものに当てはめる場合は、これはもうきわめて非常に少いのではないかと思うのでありまして、本法の趣旨がきわめて民主的に、自主的に運営をされまして、しかも非常に過度な競争を防止していくんだ、こういう建前になっておるのでありますから、そういう点を非常に心いたしまして運営していきますならば、そんなに適正化法に基くところの罰則ずくのそういう運営をしなければならぬというような場合は非常に少ないのではないか、実はかように考えておるのであります。
○坂根政府委員 ただいまの御質問でございますが、ただいま厚生当局から御答弁がございましたようにこのカルテルはなるべく民主的に運用されることが望ましいのでございますから、私どもといたしましても過去の経験から考えましてなるべくならば一つ組合員同士で話し合いをしていただく、そしてこの法律に盛られておると考えておりますが過怠金を課することができるという程度で一つ推進していただいたらいいじゃないか、こう考えております。
○滝井委員 この法律が施されたとしてもカルテル行為をやらなければならぬというようなことは少いだろう、こういう厚生省の御見解であり、公取の方は民主的な運営すなわち組合内部の過怠金程度で一つやってもらいたい、こういう御意見がございました。私としてもできるだけカルテル行為が行われないように、不当に消費者の利益が害されないようにぜひ業者がそうありたいことを望むとともに、政府当局なり公取においても一つそういうような御指導をお願いしたいと思います。 次に八条で適正化規程というものができることになるのですが、同時に五十七条でアウトサイダー、員外者に対する規制ができるのです。ところがその場合に過度の競争があるということの認定がある、同時に一方においては消費者の利益を不当に害してはならぬという規定があるわけです。そうしますと一方に過度の競争があり、一方においては消費者の利益を害してはならぬというこの中間のところでうまく線を引く形を作っていかなければならぬと思うのでございますが、一体公正取引委員会の方は何を基準にして消費者の利益が不当に害されたというような見方をしていくのか、これは今後法律運営をし、いろいろ都道府県知事に勧告権原お持ちの公取としては厚生大臣ともいろいろ協議をしていくわけなんですが、公正取引委員会のそういう場合に対する御見解を、今までとられた経験から一つお伺いしておきたいと思います。
○坂根政府委員 それは非常に線の引き方がむずかしい問題でございまして、私どもが今まで取扱いました二、三のケースから申しますと、やはりある地区ならある地区で、とうふの値段がたとえば従来一丁十円しておったのが急遽十五円の価格引き上げ協定をしたというようなことになりますと、これは当然そこに住んでおる消費者の方々から問題も出てくるでありましょうし、私どもの方の職権から見ましてもどうかと思いまして、そういうときには私どもの方の事務局の関係を動員して、そのコスト計算だとかなんとかを調べまして、これは業界がいっておられるのが妥当かどうかという点に力点を一置いて従来は処理して参りまして、もしそうでなければ消費者の利益を不当に害するものであるとして独禁法の建前を出していく、今まではこういう運用をして参っております。
○滝井委員 今の公取の御説明を聞いてある程度安心をしたのですが、できるだけ一つ過当競争と消費者の利益を不当に害するという、こういう両極の間の線の引き方については科学的な検討を加えて、そして業者なり消費者が納得をする形で、日常生活に密接な関係のある七つの業種が適正化規程を作るような場合には一つ御指導をお願いしたいと思います。 次に巷間伝えられるところによりますと、この七つの業種が規制をされていくということになると、この法律の実施の後においてはサービスが急激に低下してくるのではないか、同時に員外者であって、組合員以外の者であって良心的に消費者にサービスをしようとする者がこの同業組合の圧力で押えられて、憲法で認られておる営業の自由の権利を侵害されると主張する者があるのですが、これは一応われわれもこの法律の共同提案をするについてはいろいろ検討したところでございますが、公取の見解はその点どういう御見解を持っておるか。
○坂根政府委員 ただいまの御質問は、私どもも一応問題としてはそういう工合に消費者の利益が不当に害されるのではないか、こう考えております。しかしこの法律の規定によりますと、この適正化規程と申しますか調整規程を主務官庁が認可される場合に一は、われわれの協議になっております。この協議は中小企業安定法あるいは今度の団体法においては実は同意になっておりますが、この協議と同意を同じような精神で運営していただきまして、大いに独占禁止法の実施官庁である公取の意見を尊重していただいて運営していただくならば、その点はやっていけるのではないか。 第二点のアウトサイダー命令が出た場合の権利侵害の問題は、これも一応問題として考えられますが、このアウトサイダーの規定の書き方が従来の適正化規程の内容を参酌して政府が積極的に発動していくという建前をとっておりますから、その点は政府がそういうアウトサイダー命令を公共の利益に立ちながら発動していく、しかも従来の適正化規程の内容を参酌していくという点において救われるのではないかと考えております。
○滝井委員 よくわかりました。次に組合は第八条第一項第一号に該当する事態の克服ができた場合には適正化規程というものは廃止することになっておるわけです。廃止しなければ多分知事が取り消すことになるものだと思いますが、一体そういうような廃止をする認定の方法、これをどういう工合にお考えになっておるかということと、それからいま一つはこれは専門家が私たちにこういうことをよく忠告してくれたのです。日本のような中小企業の多いところでは、一たび過当競争ということで適正化規程ができますと、その適正化規程というものは永遠に廃止ができないだろう、もし廃止するならば再び過当競争の事態が起ってくるので一たび適正化規程ができると永遠に廃止ができないだろう、こういう主張をされる専門の経済学者もおられるわけなんですが、こういう点に対して公正取引委員会はどういう御見解を持っておりますか。
○坂根政府委員 第一点の方は、都道府県知事はやはり九条の二項の認可基準に該当する事態、「克服するための必要かつ最少限度の範囲をこえているものであること。」というような各号に該当する場合は、当然認可の取り消しあるいは変更の命令を出さなければなりません。 それから公正取引委員会といたしましては、第二段の問題の、永遠にそういう規程が続くであろうかという問題に対しましては、十三条の四項によりまして「公正取引委員会は、適正化規程の内容が第九条第二項各号の一に該当するに至ったと認めるときは、」処分請求の規定がございまして、これを十分活用したい、こう考えております。
○滝井委員 次にこれは厚生省に確認をしておきたいのですが、この環境衛生関係営業の適正化に関する法律は、政府の提出いたしておる中小企業団体法が一般法だとすればこれは特殊法である。従って今後他のいろいろの中小企業のものについては特殊法を作らないのだ、特殊法というのは厚生省所管関係のこの七業種だけに一応限定をして、一般法、特殊法という関係をとったもので、他の業種はすべて一般法である中小企業団体法で規制されていくんだ、こういう見解だということを聞き及んでおりますが、さよう了承して差しつかえないか。
○楠本政府委員 ただいま御指摘のように、中小企業団体法とただいま提案になっております環衛法との関係は、過当競争を防ぐということにおきましては同一の趣旨でございますが、ただ環衛法におきましては過当競争を防ぐということを手段といたしまして、衛生措置の徹底、営業方法の適正化、かようなものを意図しておりますので、明らかに趣旨が違っております。従いまして私どもは中小企業庁ともいろいろ相談をいたしました結果、法律解釈上は、団体法はこれら七業種に対しましてはむしろ一般法的な性格であり、しかも七業種という特別な対象については環衛法が特別法の関係に立つという考え方で取り扱うことといたしました。従いましてただいま御指摘がございましたように、七業種に出しましてはたとい団体法が将来成立運営されたといたしましてもその対象とせず、これら七業種につきましては環衛法をもって規制していくということに意見の一致を見ておる次第でございます。従いまして扱い上はまことにはっきりその間に明文が置かれておる、かように解釈をいたしております。
○滝井委員 次にこれは非常に具体的になるのですが、工場や事業場等で行われておる特殊の生活協同組合のようなものあるいは地域で行われておるような生活協同組合とか農業協同組合等のもの、こういうようなものは当然適正化規程の適用を受けないものになるのだろうと思うのですが、さよう了承をして差しつかえないか。従来通りこれはいわゆる員外者の利用さえなければ、自分の組合員内だけの利用であれば適正化規程が発動されてもその適用を受けないものである、こう了承して差しつかえないか。
○楠本政府委員 工場、事業場等におきまする福利施設として運営されておりますこの種の施設につきましては、当然御指摘のようにこの法律の対象外だと思います。ところが生協の施設につきましては、これはきわめて問題も多いところでございまして、今ここで直ちにはっきりしたお答えを申し上げることはどうかと存じますが、一応の考え方といたしましては、生協に対してもちろん員外利用を活発に行うというようなことになりますればこれはもう問題外でございますが、たとい賃外利用等を行わない本来の生協の活動範囲内にあったといたしましても、この場合市価主義を採用するということは私どもは行き過ぎではないか、かように考えております。さような含みでこの適正化規程の運営をしなければならぬものと存じます。ただし営業方法あるいは衛生基準というようなものにつきましては、これは二道あろうはずがございません。従ってこれらの点につきましては他の営業同様適正化規程の適用を当然受けるべきものと私どもは考えておる次第でございます。
○滝井委員 そうしますと、もちろんこれは同じ人間を取り扱う施設でございますから当然規格に合った衛生的な施設を持たなければならぬ。それからその営業の方法についても、たとえば映画館をやっておるならばそれが普通の映画館と同じような時間的な励行というものはやらなければならぬことは当然である。しかしそれだけを守れば必ずしも一般の営業者と同じような値段でなくてはならぬということはない、こう了解して差しつかえないわけですね。
○楠本政府委員 生協が市価主義でいくかいなかということは、これは厚生省といたしましても、私実はこの生協の主管でございませんので必ずしもここで責任あるお答えはできませんが、私どもは生協が市価主義をとらなければならぬということは行き過ぎではないか、従いまして私どもは私どもなりの考え方でこの法律が施行されましても市価主義をとる必要はないという幅を持った考え方で適正化規程を運用いたしていさたい、かように考えておる次第でございます。
○滝井委員 市価主義をとらなくてもいいという結論なんですね。わかりました。 次に本法が実施をされたときに新規開業という毛のが非常に阻害をされないかという懸念がこの法律の提案と同時に起ってきておるわけですが、この点に対する行政当局の見通しとしてはどうなんですか、この点だけ一つ政府の見解をお聞きしておきたい。
○楠本政府委員 ただいま御質問の点は第八条第三号と存じておりますが、適正配置の基準等を自主的に組合部内において設定することとなっております。従いまして行政権を離れまして円滑に組合部内で話し合いがついていけますならば、適正な配置、つまり合理的な基準に従いまする施設の配置というようなものができるのではないかと考えております。しかしこれはもちろんその組合の自主的な活動に待つ、話し合いに待つところでございますので、今後私どもはできるだけかような話し合いを進めまして、それによって適正な配置等が実施され、その結果不当に多くの施設、乱立することのないように指導いたしていきたい、かように考えている次第でございます。
○滝井委員 今後この法律が実施された場合、一番先に問題になってくるのは新規開業者と既得権者との関係だと思うのです。ここらあたりはりっぱな組合がおそらくできるであろうことをわれわれとしては期待しておる。われわれとしては組合の目お的、民主的な運営にまかせなければならないが、同時にそのために一方において新しく開業するものが不当に圧迫されないような行政指導というものが私は必要ではないかと思うのです。こういう点に対する公正取引委員会の方の見解を最後に承っておきたいと思うのです。新規開業と既得権者との関係を公取はどういう見方をされるか。今後どういう点でうまく指導をやっていただけるのか。その点公取の御意見を伺わせていただきたいと思います。
○坂根政府委員 その問題は、先ほど楠本環境衛生部長からもお答えがございましたように、第八条一項の三号で営業施設の配置の基準の設定というところに問題があろうと思うのであります。この適正化規程をやる場合、基準の設定を私どもに協議を受けたときには、十分今滝井先生の御質問の点を考慮に置いて、もちろんこの法律が新規開業者を圧迫しないように、これが大前提だと思いますから、そういう工合に運用して参りたいと思います。
○滝井委員 できるだけさように一つ御努力願うことをお願いして私の質問を終ります。
○西村(直)委員 関連。今滝井委員から御質問がありました団体法と環衛法との関連ですが、大体の御趣旨はよくわかります。ただこれはそれぞれの行政機関としての解釈であり、同時に立法府としてもそれぞれの所管の委員会においてその点に同じような意味での質疑がかわされておりますが、一応法律の建前からいっても、サービス業というものが向うは全部をかけております。同町に環衛法の方は法定業種が対象になるわけです。そこで行政運営としてそういう御方針をおとりになるように私は解釈するわけですが、実際今度末端で組合が、かりに設立業者がもめてきた場合に、いや私は団体法の方で一応いくのだ、片方は環衛法でいくのだ、こういうような考え方を民間が、たとえば業者の一部が持ち出した場合に、あなたの方としては、かりにそういうような形で持ってきても、保なり国において受け付けないという行政方針をはっきりお立てになっておるかどうかという点と、いま一つは、通産なり厚生両大臣というか次官というか、それらの間でその点を文書等ではっきり申し合せておるかどうか、この二点を明らかにしておいていただきたいと思うのであります。
○楠本政府委員 ただいま御指摘のございました第一点については、もちろん法律的に申しますれば七業種のうちの一業者がぜひ団体法の方の適用を受けたいと言えば、これは受け得られないものではないと考えております。しかしながら、その点は先ほど滝井先生にお答え申し上げましたように、私どもはこの運営を一般法と特別法との関係で割り切っております。従って、いずれの場合にも特別法は一般法に優先するという建前から運営いたしまして、かような団体法の対象としてはこれを受け付けないということにいたしておる次第でございます。なお、この点は行政方針といたしましても、はっきりそれぞれ意思の統一をはかると同時に、これを末端にも徹底させる要があろうかと存じて、その措置を考えておる次第でございます。なお、これらの扱い上はきわめて問題のあるところでもあり、また後日問題を起してもいけませんので、この点は解釈上並びに扱い上の問題について、本年の四月三日に厚生事務次官、通商産業事務次官との間に、ただいま申し上げました趣旨をはっきり覚書として明示して今後の混乱を起さない処置をとっておる次第でございます。
○藤本委員長 五島虎雄君。
○五島委員 この法律案についてのいろいろの観点から滝井さんが質問されたわけでありますが、私はこの法案に基づいて厚生省当局の考え方をここに明らかにしておきたいと思うのです。 それは二点あります。すでにこの法案自体については閣議において了承しており、正常な競争と消費者の利益をはかってこの運営を善処したいという説明が政府からもあったわけです。ところが、この法案自体がともすればカルテルの構成になり、物価の引き上げということが第二次的に生まれてくるのではないかということは、一般消費者大衆の非常に危惧するところであるわけです。しかし政府のそれぞれの答弁において、このような問題については十分行政的に措置をし、同意していくという説明があったわけであります。しかも、なおこれらの点にも危惧するところがあるわけです。そこで中央適正化審議会や、あるいは都道府県知事に政令をもって委任された場合は地方にも地方適正化審議会ができるわけであります。ところがこの審議会の運営そのものが重大な役割を今後打つのではないかと思います。この審議会の構成内容を政府自身が今どう考えられておるかということを調べたところ、聞き及ぶところによると、行政官庁関係が七名、学識経験者が十名、業者団体の代表が十名、消費者の代表を八名、計三十五名をもって中央審議会が構成されるというように厚生省は考えておられるようであります。しかしながらこの消費者の意見と意思を審議会の運営等々に十分反映することは、今後非常に重要なことではないかと思われるわけであります。従って消費者団体を八名というように企業者代表よりも数を少くするということはどうかと思うわけです。従いましてこの三十五名の適正化審議会委員をもって構成するというようなことについて、消費者団体をもう少しふやす気持はないのか、あるいは企業者団体と同数というようなことをもって構成する、こういうようなことを考えておられないかどうか伺いたい。
○楠本政府委員 ただいま御指摘のございましたように、適正化審議会におきましては中央、地方を通じまして十分消費者の意思を反映させなければならぬことは申すまでもございません。ただいま三十五名の内容としてそれぞれの代表の数字の御指摘がございましたが、私どもといたしましてはこれらはいまだ結論を得たものではございません。そこでただいま私どもが何とか消費者の意思を十分に反映させるためにどの程度の数字がいいかという点につきましては、なお慎重に検討いたしたいと存じます。少くとも業者代表以上の数字が均衡がとれておるのではないか、かような考え方で研究をいたしたいと存じておる次第であります。
○五島委員 それじゃそのような方針をもって進めてもらいたいと思います。 次に六十一条の問題に関連いたしまして、今回厚生大臣がこの法の運営をすることになっておるわけですけれども、必要な場合は政令の定めるところによって都道府県川事に委任するという委任事項があるわけです。問題はこれに関連いたしまして両党ともにいろいろ意見が出たわけです。そうしてこの問題に非常に意見も集中したように私は考えておるわけです。この問題に関連してなぜ意見が集中したかということは、これは国会の歴史的な問題もあり、そうしてまた前国会においても非常な問題が派生いたしたわけであります。そうして五大市に十六項目が委譲されたわけであります。そこで今回組合を府県一本のものに作り、そうして審議会等々も府県に作るというような問題は非常に議論された問題であります。これがなぜ議論されたかということは私がここで長時間を要して論ずるまでもなく、厚生省当局も十分御承知の通りであると思うわけです。そこでこの小委員会等々で論じられたことは、厚生大臣は政令をもって都道府県知事に委任することができる、そうしてこの場合都道府県知事と指定都市長との関係について次の通り政令に規定するよう政府に勧告することを決定したというようになっておるわけであります。そこでこの政府に勧告する事項というのはもうすでに御承知の通り厚生大臣の権限を知事に委任する場合には法第九条、第十一条、第二十四条、第五十七条及び第六十一条の事項については知事は処分前五大市長の意見を聞かなければならない、前項の場合に知事が五大市長の意見と異なる処分をしようとするときはあらかじめ亭主大臣の承認を受けなければならない、こういうように話し合われているようであります。この問題に関しては十六項、目の委譲等々の中から五大府県にも意見があるでしょうし、五大市にも意見があるでしょう。しかしながらいろいろ論ずることは別途にいたしまして、これらが政令にはっきり勧告するということになっている趣旨を十分厚生省は理解されて、そうして政令になる際にこれを全面的に政令事項とされるかどうかということ、その確信と気持をここにあらためて聞いておきたいと思います
○楠本政府委員 ただいま御指摘のございました点はきわめて、重要な問題でもございます。またただいまお話しのございましたような勧告の御趣旨まことに同感でございます。そこで私どもといたしましては、その通り勧告の御趣旨を忠実に政令で規定いたす所存でございます。なお政令の問題は内閣法制局にも意を求めなければなりませんので、別途法制局と、かようなものをぜひ一つこういう趣旨で政令に作りたいのだということを相談いたしましたところ、これまた立法技術的にも異議がないということになりまして、私どもははっきりこの立法技術士からもかような勧告通りの政令を設定いたしますことをお約束する次第でございます。
○五島委員 以上です。
○藤本委員長 野澤清人君。
○野澤委員 きわめて簡単に二点だけお尋ねいたしますが、共同提案に至るまでの経過として、たびたび論議された事項ですが、第二条の規定になっています業種につきまして、一号から七号まで出ておりまして、一まとめに七業種と呼ばれています。そこで二、三、四、六、七というのははっきりした業態でありますから問題はありません。そこで第一号の食品衛生法に基くもののうちから飲食店営業、喫茶店営業、食肉販売業及び氷販売業と四業種が上げられている。ところが飲食店営業の内容というものは、食品衛生法の施行規則から見ましてもかなりたくさんの業種を含んでおります。これが施行令から見ますというとちょうど二十業種ありまして、そのうちから飲食店仕業と喫茶店営業と食肉販売業と氷雪販売業、この四つが指摘された。ところが飲食店営業の規定の内容というものが、外食券食堂だとか、一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、レストラン、カフェー、バー、キャバレー、こういうふうに十一業種から数えられる、こういうふうになっております一方、今度は五号の旅館業法を見ましてもホテルとか旅館あるいは簡易宿泊所、下宿業というように旅館業法にも業種がまちまちになっておる、こういう場合に、第三条のいわゆる環境衛生同業組合を作る場合に「政令で定ある業種ごとに、環境衛生同業組合を組織することができる。」こうなっております。そうしますと、単に飲食店営業一本で組合を作らせるのか、あるいは十一もある業種のうちから希望をつのって、あるいは希望されたものについて、たとえば料理店とかすし屋とかそば屋というものに組合を作らせる考えなのか、これはしばしば問題点となりましたものですから、この際政府の方からはっきりしたお見通しを聞かしていただきたいと思います。
○楠本政府委員 飲食店営業等につきましては、ただいま御指摘がございましたようにきわめて雑多な営業内容を含み、従いましてその細分もきわめて複雑でございます。また一方旅館業等におきましても同様なことが言えるわけでございます。従って第三条におきまして、これらの同業組合をそれぞれ作ります場合には、政令であらかじめそれらの細分の業種を指定して参りたいと思います。たとえば旅館業についてみれば、ホテルと一般旅館、あるいは食肉につきましても食肉販売と鳥肉販売、あるいはそば営業と一般飲食営業というふうに、それぞれ政令をもって細分をして参りたい所存でございます。
○野澤委員 よくわかりました。それからもう一つ第三条の「政令で定める業種ごとに、」というのと、五十三条の連合会を作る場合の「同一の業種に係る組合」こういうふうになっておりますが、この一つの条文の関連はどういうふうに御説明願えますか、これもはっきりさせていただきたいと思います。
○楠本政府委員 連合会の場合も政令で定める業種の細分に従って連合会を設けるように考えております。
○藤本委員長 八木一男君。
○八木(一男)委員 政府委員にお伺いいたしたいのですか、この法律の中で中央地方の適正化審議会が非常に重要な要素の一つになっております。この審議会の意見を尊重してどんどんやるということは民主政治の一つの大きな要素になっておるわけでございますが、非常にうまく審議会が活用されている部面もあるわけでありますが、それが無視されている部面も現在の政治では相当あるわけでございます。それでこの前当委員会におきまして、総理大臣並びに厚生大臣にほかの審議会の運営の問題につきまして、質問いたしましたところ、過去においてそういうこともあったこともあるが、とにかく審議会については十分にそれを尊重していく、そして法的にきまった審議会以外に勝手にほかのものを作ってそっちの方を重んずるようなことはしない、法的にきまったものを重視してやっていくということを総理大臣と厚生大臣から御言明があったわけでありますが、この法律に関する中央、地方の審議会の問題は非常に大事な問題でございますので、総理大臣の御意図の通りこの審議会を十分尊重して、私どものは答申尊重という文句になっておりますが、その議に従わなければならないというような強い意味をもちまして尊重という言葉を使っておる点を、当局においても体得していただきまして、審議会が有名無実にならないように、ほんとうに活用されるように、そうして消費者並びに業界の正しい主張が、審議会を通じてこの法の運営しに反映されるようにしていただきたいと思うわけでございますが、それにつきまして特に当局の方の明らかな御言明をもう一回願いたいと思います。
○楠本政府委員 適正化審議会等の意見を十分に尊重しこの法律の施行に当りますことは、私どもとして当然だと存じますが、特に今回の御提案の法律におきましては、第五十八条におきまして審議会関係の規定がございますが、特にその場合に、審議会の答申を尊重しなければならぬということを厚生大臣の一つの義務としてうたってもございます。また一方各種の答申のほかに建議等もされることになっております。私どもは法律を施行する立場といたしまして、これら特にかように規定されました御趣旨を十分身に体しまして、この御趣旨に遺憾のないように運営をして参りたいと考えておる次第でございます。
○藤本委員長 他に御質疑はございませんか、なければ本案についての質疑は終了したものと認めるに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め本案についての質疑は終了いたしました。 この際御報告いたします。昨二十二日付の公報に掲載されております通り、昨日内閣総理大臣から衆議院議長に、公共企業体等労働関係法第十六条第一項の規定に基き、国会の議決を求めるの件、全印刷局労働組合関係、議決第八号、同じくアルコール専売労働組合関係、議決第九号、同じく全造幣労働組合関係、議決第十号、同じく全林野労働組合関係、議決第十号の四件について、それぞれの裁定を実施し得る見込みが明らかになった旨の通知がありました。 以上の結果、四件はいずれも自然消滅となりましたのでご報告いたします。 本会議終了後まで休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ————◇————— 午後五時四十三分開議
○藤本委員長 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。 この際お諮りいたします。公共企業体等の仲裁裁定に関する件について、明二十四日午前十時より参考人から意見を聴取することとし、その人選及び手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十四分散会