社会労働委員会 第41号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1957/04/19
会議録
○藤本委員長 これより会議を開きます。 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件(国鉄労働組合関係、議決第二号)、同(日本国有鉄道機関車労働組合関係、議決第三号)、同(全国電気通信労働組合関係、議決第四号)、同(全逓信従業員組合関係、議決第五号)、同(全国特定局従業員組合関係、議決第六号)、同(全専売労働組合関係、議決第七号)、同(全印刷局労働組合関係、議決第八号)、同(アルコール専売労働組合関係、議決第九号)、同(全造幣労働組合関係、議決第一〇号)、及び同(全林野労働組合関係、議決第一一号)、以上十件を一括議題とし質疑に入ります。田中正巳君。
○田中(正)委員 私どもは、このたびの三公社五現業に関する仲裁裁定は種種なる意味において重大なる問題を提起しているものと理解をいたしておるのであります。これはわが国におけるこの種の関係に働く者の給与の水準のあり方を示すということ、のみならず一般にわが国の給与水準に対して大きな影響を与えるものであるというのがその一つであります。 〔委員長退席、大坪委員長代理着席〕 さらに重大なることは、この仲裁裁定が、いわば何と申しますかわれわれがちょうど人間ドックに入った場合のように、これらに関係する者のもろもろの制度の実体とその通用に関する幾多の問題点をはしなくも露呈をいたしたものと私どもは理解をいたすのでありまして、今後国会の内外の努力によってこれらを再検討し改革しなければならない多くの問題をわれわれはこれによって知ったわけであります。また国民は、この仲裁裁定に関連してわが国の最近の労使関係はもちろん、本仲裁裁定の内容においてすら、多くの疑問と了解しがたい点を持っているもののごとくであります。かくのごとき視野と観点に立って、私はこれからなるべく簡潔に、しかも要点のみを関係方面に質疑いたしたいと思います。 そこで、第一にお尋ねいたしますることは、公労法第十六条及び第三十五条によれば、調停または裁定は、それが国会の承認を要するのは予算上または資金上不可能なる場合に限られているのでありまするが、そうなれば、国会承認は当然予算的措置が必要な実体的基準になるばかりでなく、承認という行為の本質的な理由でもあるようであります。換言すれば、金がないから金を何とかしてくれというのが承認の主眼であるようにも思えるわけであります。そこで、裁定の国会承認が予算と離れて——今回の場合について言うならば、補正予算の審議が承認、成立と離れて存在することは無意味なのではないかとも考えられるわけであります。この点、政府の見解はいかがであろうか。具体的に言うならば、補正予算の成立があればそれでよいので、裁定そのものの承認は、法制上また実質上むだなことではないか。仮定の上の問いでございまするが、裁定と予算とが違った意見を提示いたした場合、または裁定の承認があって予算の成立前に——極端な場合でありまするが、国会が解散いたしたような場合、こういった場合における公労法第十六条の考え方というものはどういうふうになるのか。この点、公労法御所管の労働大臣から御意見脅承わりたいと思います。
○松浦国務大臣 ただいまの公労法第十六条の問題でありまするが、承認を求めるの件——今回は議決を求める件として提案いたしたのでありますが、これは従来の慣例によっていたしたのでありまして、承認と議決を同じように考えております。 もう一点は、予算と切り離して出したのはおかしいじゃないかということですが、今度の裁定を誠意をもって実現するためには、資金上、予算上どうしても足りないのでございますから、国会の御承認を得て、その上で予算を提案するのであるというので、今、財政当局におきましては、補正予算について鋭意研究中であります。
田中(正)委員 ただいまの労働大臣の御答弁は、実体上は確かにそうであろうと思います。しかしな、がら、法律的解釈となりますと、この間にまたずいぶん、私どもに了解できない、納得できない点もあるわけであります。つまり、ただいまの取り扱いとしては補正予算を鋭意検討中であるから差しつかえなかろうというのが実体論ですけれども、法律的に考えて参りますると、一体、予算と離れた裁定そのものの国会承認なり議決というものがあり得るかどうか。この点についての法律上の考え方が私どもにはまだ十分把握できないので、おそれ入りますがもう一度御答弁願いたいと思います。
○松浦国務大臣 大体において予算上、資金上できないということが国会の議決を要するということで出したのでありますから、これはやはり並行して補正予算を出さなければならないと思います。でありますから、現在それを鋭意検討中であります。 先ほど例として、議決を求める件を出しておいてその間に解散があったら予算が成立しないじゃないかというお問いがありましたが、われわれは今日直ちに解散があるとは思っておりませんし、また将来、補正予算にそう長く時間がかかるとも思っておりませんから、ごく最近の間に補正予算は提案されるものと思っております。
○田中(正)委員 実体論としてはそれでよろしかろうと思います。しかし、法律論といたしましては幾多の問題を今後に残すことになるわけであります。私どもはこれについて考えているのであります。もし予算が成立しないで裁定そのものだけが国会の議決を得たという場合、いわば予算を伴う法律案が成立をいたし、そうしてそれに伴う予算が成立しないといったような場合と同じようなものではないかというふうに実は考えておるのでありますが、そういったような考えでよろしいのでありますか。
○松浦国務大臣 法律解釈の問題でございますから、局長から答弁いたさせます。
○中西政府委員 ただいいま適切な例をお出しこなりましたが、まさにそういうふうにお考えしただいてけっこうかと思います。
○田中(正)委員 それではその問題はこの程度にいたしまして、次に人事院総裁にお尋ねをいたしたいのであります。人事院の方では昨年七月十六日国会に勧告をお出しになりました。これを見て参りますと、その理由の二というのに、これら五現業及び三公社は、多少の例外はあっても、一般的に言って一般職公務員の給与を相当上回っているものであるというふうにお書きになっている。ところが、このたびの仲裁裁定を見ますと、これら三公社五現業はそれぞれ一般職国家公務員より相当に下回っているというふうな理由がつけられておるようであります。そうなって参りますと、国民は一体どっちが高いのであるかと非常に疑問に思うのであります。また極端に心配する者は、こういうふうにいたしまして一般職の国家公務員と三公社五現業の公企業体従業員とがそれぞれシーソー・ゲームのような格好で給与をつり上げていくのではないかと考えないわけでもないのであります。そこで浅井人事院総裁にお尋ねいたしますが、先ほど読み上げましたことの趣旨は一体いかなる根拠で、また今日でもそういったようなことが正しいものであるというふうにお考えになっているかどうか、お答えを願いたいと思います。
○浅井政府委員 お答え申し上げます。昨年の勧告に書きましたところは、三公社五現業の給与が一般職公務員よりも上回っていると決して断定はいたしていないつもりでございます。これは申すまでもなく人事院所管ではございませんので、その給与の実態に関する資料を人事院としては持っていないのでございます。地方公務員につきましては、総理府統計として発表されたものがございましたのでそれによって書きましたが、三公社五現業につきましては、ただ上回っていると思われるというような程度しか表現ができなかったのでございます。しかし私どもは、今日でもさように思っておるのでございます。 それから今度は三公社五現業と一般公務員とがお互いに給与つり上げのシーソー・ゲームになるということでございましたけれども、人事院の勧告と申しますものは、これは公務員法六十四条にも規定されてございますように、第一には民間賃金、第二には生計費その他の要素を考慮して定める、かように書いてございまして、三公社五現業の給与を考慮する云々ということは公務員法の明文には現われていないのでございます。人事院が昨年勧告をいたしました六・二%の給与改善というのは、民間給与との比較においてなしましたもので、三公社五現業との給与の比較においてなしましたものではございません。ただし、その報告の中に、三公社五現業の給与が相当上回っているものと思われるということを書きましたその趣旨といたしましては、やはり国家公務員と三公社五現業との給与というものは同一水準であることはもちろん要しないのでございますけれども、ある程度の均衡は保つべきではなかろうか、かように考えております。これは国鉄法二十八条の規定を見ましても国鉄職員の給与は国家公務員の給与を考慮して定めるとあり、ほかの公社五現業についての規定もほぼ同様でございますので、この考慮して定めるということはここにある程度の均衡が必要であるということを前提とするのではなかろうかと考えておりますので、法律上の問題といたしましては三公社五現業と一般職公務員とが常に給与つり上げのシーソー・ゲームをするというような制度にはなっていないと考えております。
○田中(正)委員 総裁の御説明によりますると、まずこれはおれの方の直接の所得ではないからはっきりは実態はつかんではおらない、しかしながらやはり上回っておるようだ、こういう御説明のようであります。そしてまた国家公務旦の給与はこれら公企業体職員の給与とは直接比較の対象にならないのであるというような法律的根拠があるのだという御説明でございまするが、しかし何と申しましても給与の関係ではやはり人事院は世間では非常に権威をもって考えておるわけであります。非常にオーソライズされたものであるというふうに考えており、国会におきましてもいろいろ委員会等の論議において人事院勧告というものが一つの大きな指針というふうになって論議されておるわけです。そこであなたの方がどういうお考えでこういったようなことをお書きになったか、おそらくさきに申したことがその通りでありましょうが、しかしお書きになる場合においては相当注意して書いていただかなければ、何と申しましてもこういったようなことは国会内部にあるいは国民に対して一つの大きな影響力を持つのでありまして、やはり今回の国家公務員のベース・アップについてもこういったような条項が一つの大きな決断の要因であったことは否定できないのであります。そういった意味で私どもは非常に重大に考えており、とにかく人事院が三公社五現業の方が相当高いのだからとさえいっているのだから、国家公務員はこれを上げるのは当然だというふうな論拠というものは国会で何べんもいわれておるのでありまして、こういう点について、これだけ権威ある国会に対して勧告をお出しになる場合には、もう少し慎重に実体的な法律的根拠をもっておやりになっていただかなければ大へん私どもも困るのであります。そこであなたの方は現在でもやはり三公社五現業の方が一般職の公務員よりは高いのだというふうにお考えになっていますか。
○浅井政府委員 先ほどの答弁で私が三公社五現業は所管外でございますから実態調査の資料がないと申しましたのは慎重に申しましたことでありまして、三公社五現業の方よりも国家公務員の給与が下回っているということは、たしか私の記憶に誤まりがなければ当院の予算委員会でも大蔵大臣もそれをお認めになっておられたと思っております。人事院といたしましては十分気をつけてものは言っておるつもりでございます。この状態は現在でもさように考えております。
○田中(正)委員 人事院総裁はやはり国家公務員の方が低いのだ、こういうふうに現在でも考えておられる、ところがこのたびの仲裁裁定を見ると全部そうでないというふうにいっている、これじゃ全く国民はわからないわけであります。そこで一体この二つの意見というものはどっちが正しいのだということについてわれわれもこれは検討いたさなければならないのでありまするが、この点直接御所管ではないでありましょうが、公労法関係の主管大臣として松浦労働大臣はいかにお考えになりますか。
○松浦国務大臣 いろいろな統計がまちまちに出ておりまして、はっきりしたものは把握できないという現状は非常に悲しむべきことであります。しかしながら仲裁裁定の中には、今御指摘になりましたように一般公務員は昭和二十九年を一〇〇とするならば一二四である。公労協の方は大体一二三・五である。しかしながら実際払っておるところの給与は高い。それはどういうわけかというと、今一二四であり一二三・五であるというものは予算単価の計数でありまして、予算単価と実行単価の間に開きがある。それは基準外の支給すべき数々のものを基準内に計算いたしておりますからそこで予算単価と実行単価の開きができた、たしか五百二十円の差があるというふうに聞いております。一般官公労よりも高いというのは実行単価であって、予算単価ではそう差がないというのでありますから、人事院の方でやはりそういうふうにお考えになりましたことも実行単価の面から見れば高い、予算単価から見ればそう変りはない、こういうような結論になるのではないかと思っております。
○田中(正)委員 ここで労働大臣は予算単価と実行単価の問題をお出しになっておりまするが、この点については後ほどまたそれぞれお尋ねいたしたいと思います。 そうすると人事院の方では、しかとした根拠はないけれどもやはりこういったようなことをお書きになったときには、予算単価同士を比較してこういったようなことをお書きになったのでありますか。それともやはり実行単価というものの具体的な点について御検討になってお書きになったものかどうか、その点お聞きしたい。
○浅井政府委員 御承知のように人事院の方では給与の問題を取り出します場合は必ず現実のベースを基礎といたしておりまするので、いまだかつて予算単価で一般職公務員についてものを言ったことはございません。従いましてこれと比較いたしまする場合も、三公社五現業の予算単価を比較するということはこれはないと思っておるわけであります。
○田中(正)委員 そうなって参りますると、今の労働大臣のお言葉とは少し違って参るわけでありまして、労働大臣はどうも予算単価より実行単価が高いからそういったような結果が出たのじゃないかというふうな御説明でありまするが、これでは両方の御意見の食い違というのは一向に解明されないわけであります。そこでわれわれは非常に困るのであります。のみならず国民は一体どっちが高いのかということについての疑点は依然として解消されないわけです。この点についてはお二人の意見がいつまでたっても一致しないだろうと思いまするが、一体どうなのでございますか。
○浅井政府委員 ただいま御指摘の点についてちょっと私が補足をしておくことが必要だと思っておりますので答弁をきせていただきますが、比較いたしまする場合にたとい実際のベースとベース、いわゆるただいまのお言葉でいうと実行単価と実行単価とを単純に比較いたしますることは私はこれは無意味でないかと考えております。それはつまり職員構成が非常に違うのであります。そこで最近比較いたしまする場合は職員構成を同じようにして比較する、この方式がとられておりますので、その点をもう一つ入れますると、労働大臣と私の答弁には矛盾はないように思っております。
○田中(正)委員 そうなって参りますとここでまた新しい職員構成という問題が出て参ったのでありますが、一体このもろもろの仲裁裁定につきましては、職員構成を加味いたしこれを基準としてこういったような意見を出しているものというふうに解釈してよろしいものですかどうですか。労働大臣いかがでありますか。
○松浦国務大臣 局長から答弁いたします。
○中西政府委員 職員構成はこれは給与のことを考える場合に非常に重要な問題でございます。従って仲裁委員会におきましても、その点についての論議があったように聞いてはおりますけれども、しかし現実、仲裁裁定におきましては、一応昭和二十九年一月に、御承知の通り国家公務員並びに三公社五現業が給与改訂いたしましたそのときを出発点といたしまして、その後の上昇ということを基礎にして裁定が出ておるようでございます。
○田中(正)委員 そうなって参りますと、これはいよいよわけがわからないのです。つまりどっちの給与がどんなふうにして高いのか安いのか、政府も人事院も実態をつかんでおらぬということがはしなくもここで暴露されたような結果になるのであります。これらについてはいろいろまたお聞きをいたしたいと思っておりますが、そこで一体こういうような給与の内容について、職員構成と申しますか、さらにはもっと突っ込んでいいますと、学歴、経験年数別のいろいろなデーターというものが政府にそろっていなければ、今後給与問題の解明ということはできないのであります。私どもが先ごろから申す通りのシーン・ゲームとか、あるいはそのときその場ばったりの傾向と申しますか、あるいは運動によって給与が左右をされる、全然科学的根拠のない上に立って給与が決定される。しかも国家公務員あるいは三公社五現業という国家財政に非常な大影響を与えるところの給与が、ほとんどやみくものようなかっこうできめられるという結果になるのでありますが、こういつたような点についての政府の方の御研究というものは一体あるのでありますか、どうですか、その点労働大臣からお聞きしたい。
○松浦国務大臣 御指摘のように、給与は人間の生活の根拠でありますから、これは公正かつ科学的に割り出されていかなければならないと思うのであります。現段階におきましては、御指摘のように足りない点がありますことはほんとうに残念に思います。しかし今後公正な科学的データを十分に集めるために各種の調査機関を今整備いたしておりますから、今後は御信頼を得るような統計に基いた科学的査定が行われるものと思っております。
○田中(正)委員 大臣はそういうふうに御答弁をなさいますが、実際私どももこれは簡単なものじゃないということは知っております。従来からいろいろとこういった点についての努力も払われてこないということは私もないと思いますが、しかし何といっても現実の状態というものはまことにどうも非科学的な行き当りばったりなような考え方、基礎の上に立っておることはこれはもう否定できない。それでありますから、結局これらの給与のきめ方がでたらめであるために、ここに実は毎年々々走期的な闘争というのが繰り返される要因が一つあるというふうに考えるわけであります。こういったような傾向を毎年々々繰り返さなければならないということは、これは関係者にとってはなはだ困ったことであるばかりでなしに、国民全体が非常に迷惑をこうむっておる。そこで政府はただいまのようなおざなりな御答弁ではなしに、一体ほんとうに給与の調査機関というものを今後新設する考えがあるかどうか、少くとも今回問題になるような公社給与制度の調査機関といったようなものをお作りになる意思があるかどうか、この点についてお聞きをいたしたいと思います。
○松浦国務大臣 田中委員の今御心配になりました点も、われわれ全く同感であります。私は給与担当の責任者といたしまして、科学的データなしに人の給与をきめるということは、現在の世の中においてはほんとうに遺憾にたえません。私は近い機会にそういう完全な調査機関を整備して問題の起らないような科学的データによって給与をきめていきたい、こういうふうに思っておりますから、そのために努力をお誓いいたします。
○浅井政府委員 ちょっと私から補足いたしますが、人事院といたしましては、常に科学的にやっておるつもりでございます。人事院の所管の職員に関しましては、学歴、勤続年数等の調査は十分あって、発表いたしておりますから、どうぞ御安心を願いたいと思います。
○田中(正)委員 そうしますと、人事院は科学的根拠でやっている、政府の方はやっておらぬということになってくると、これはどうもおかしなことになる。人事院のこの勧告というものが、これは科学的根拠があって、妥当性がある、一連の仲裁裁定というものは権威がないのだ、根拠がないのだというような妙な結論になるような気がするのですが、どういうことですか。
○松浦国務大臣 その点はちょっと足りなかったのですが、私は簡単に申し上げたのですが、人事院は人事院としての科学的根拠において、今官公労のことだけをやっているのです。公共企業体の公企労の方は、それはまたそれで別にあるのです。人事院はそのものに干渉しない。また民間給与は民間給与で行われているのです。私の言った科学的な調査機関を完全に総合的にやるというのは、今のところから考えるならば、国家公務員の調査あるいは公企労の方の調査あるいは民間給与の調査というようなものが総合的にまとめられて、それで日本の給与は一体どうすればいいかということを考えるようにやるという調査機関でありましたから、そこの足りない点を補足いたしておきます。
○田中(正)委員 そうすると人事院の方はわかったのでありますが、政府の方は現在まで一体どういう機関とどういう方法でこれらのものをおやりになっているのか。整備をいたすという表現を使っておられますから、整備をいたすからには、現在そういった制度というものが曲りなりにもあるものだと思いますが、そういったような点について、これは政府委員でけっこうでございますから御説明願いたい。
○中西政府委員 三公社五現業につきましては、実は給与の関係は予算を通じまして大蔵省の方である程度のものをつかんでいるというのが実態でございます。民間給与は、これは一応労働省の方におかれておりますが、ことに三公社五現業の実態というものにつきましては、実は非常な不完全なつかみ方になっているというのが現状でございます。
○田中(正)委員 そうすると民間給与の方は労働省で、統計調査部その他でおやりになっているらしいのですが、公社の方についてはほとんど大蔵省が予算査定のときに知るのみである。しかもその予算というのが、後ほどいろいろ話しますが、このたびはしなくもでたらめだということがよくわかったのでありますが、そうなって参りますと、公社についての給与の実態というものがほとんどつかまれておらない。これは一つの大きな政府の機構なりあるいは機能の盲点であるというふうに考えなければならないと思います。そこで私もさいぜん申し上げましたが、今後公社の給与の調査機関のようなものを早急に設ける意図があるかどうか、この点について再度お尋ねをいたしたいと思います。
○松浦国務大臣 私は今度のことについては、公社そのもののあり方についても大いに検討する必要があると思います。それからまた公社の給与についても、今ごろ仲裁裁定が入って、そうして人のわからなかったようなものが出てくると今おっしゃったのですが、そういうようなことが国民に感知されるような給与体系というものも考えなければいかぬと思うのです。でありますから、私は自分の信念としては、公労協の給与の内容について相当統一のできるような機関をこの際研究する必要がある、こういうふうに思っております。その実現を期したいと思います。
○田中(正)委員 これらの点についてはしなくもそういったことが暴露され、今後努力をするというのでありますから、私どもの方としては待っていようということになるのでありましょうが、労働大臣は給与の面からいろいろとお感じになったのでありましょうが、公社制度そのものについてもいろいろ検討をしたい、かように考えておられまするが、国務大臣としての松浦さんの御意見であろうというふうに私どもは承わっておりまするが、これらについて、他のそれぞれ責任のある方々の御意見も後ほど承わってみたい。これは本仲裁裁定が露呈をしました最後の帰結になるように私どもは思っております。この点についてはよろしく今後一つ御研究を願いたいというふうに思うわけであります。 そこで問題は別なことに移りまするが、今回の一連の仲裁裁定におきまして、従来にもそういう例があったそうでありまするが、承認を求めるという格好でなしに、国会の議決を求めるというふうな格好で出てきているようでありまするが、昨日承わりました提案の趣旨説明において、予算措置をとることについて努力をする、そこで国会の意思を表明してくれというような格好になって出てきておりますが、わざわざ承認を求めるというふうな形式をとらずに、議決を求めるというふうな格好でお出しになった根拠を一つお話し願いたいと思います。
○松浦国務大臣 これは先刻もちょっと触れておいたのでありますが、承認を求めるの件としないで、議決を求めるの件といたしましたことは、従来の慣例からかようにいたしたのでありまして、別に他意はないのでございます。
○田中(正)委員 そこで、私どもはこの仲裁裁定の承認をするかしないかという問題に入っていくわけでありまするが、先ごろ第一番に申し上げました通り、この仲裁裁定をわれわれが承認するかしないかという問題は予算と全く表裏一体の関係になっておる。ところが現在の時点において国会に出されるものは何ら予算の点については触れておらないわけであります。そこで、われわれは一体これをいかように扱っていくかということについて実は非常に因るわけです。従って、現在においてこの仲裁裁定の承認あるいは議決という点について、予算がどうなっているかということを示しておらないのでありまするが、一体それはどういうわけであるか、予算を示して裁定についての国会の意思を求めるということでなければ私は事実無意味であろう、また私どもこれでは完全に審議ができないものであろうというふうに実は考えているわけでありまするが、これらの点をめぐっての労働大臣の御所見を承わりたいと思います。
○松浦国務大臣 先ほども申し上げておるのでありますが、予算上資金上どうしても国会の承認を得なければならないというのは、移用流用でできる部分は国会の承認は要らないのであります。ところがそれだけではとてもできないというものでもありまするし、特に国鉄の場合、今年一割三分上げてもらったんです。その一割三分上げたということは、一つの計画的な施設及び輸送増強政策というものが含まれておるので、それを財源の中からかりに移用流用できましても、給与の方に多く払うということになると、国会で一割三分上げてもらったことに大きな影響を及ぼすことになります。でありますから、これはどうしても国会の承認を得なければならないと私どもは精神的に思っております。 そこでもう一点は、一緒に出せばよかったんじゃないかということでありますが、これは実は内幕を言いますと、十六日までに出さなければどうしてもいけないのですが、十六日までに予算ができないものですからこうなったのであって、この点は御了承願いたいと思います。しかしそう長くはかかりませんから、どうせ皆さんの御審議中には必ず予算を提案いたします。しかしこまかしい法律的なことに関しましては局長から答弁をいたします。
○中西政府委員 ただいまの大臣の御説明で大体尽きるのでありますが、法律上はとにかく十日以内に予算上資金上支出不可能なれば国会に議決を求める件を出すべきものだということになっております。従って十日以内の十六日までにその措置が予算上質金上可能にならないというところでこの案件が出たわけであります。従ってはっきりと外数がわかりまして、あるいは流用、あるいは補正予算ということになりますれば、その内容が皆様方にもはっきりいたしまして、それによって実体的な御審査もお願いできる、こういう段取りになるかと思います。
○田中(正)委員 確かに理由はその通りでありましょう。しかし私どもはこういったようなものをぽかっと出されて審議しろと言われても非常に当惑をするのであります。そこでわれわれとしては、この仲裁裁定に関連をして、一体なぜにきような予算を国会にすみやかに提出できなかったかという点についてまた触れていかなければ実はならないのであります。いろいろ裁定の内容についてわれわれが拝見をいたしますと、やはりその通りであろうと思います。 そこで、裁定の内容についていろいろお聞きをいたしたいのでありますが、委員長、実はこの裁定の直接の担当はそれぞれ各省大臣であるというふうに私どもは了解をいたしておるのでありまして、少くとも運輸大臣等はお出になっていただかなければこれはこれ以上審議を進めることはできないのであります。私は先ごろから出席を要求いたしておるのでありまするが、いまだにお見えになりません。一体どういうことでございますか。
○大坪委員長代理 田中委員に申し上げますが、運輸大臣は今他の会議に出ておりまして、よんどころない事情があるようであります。しかし催促をいたしますから、間もなく参ると思います。もし田中委員の事情が許されれば、運輸大臣の来るまで労働大臣なり人事院総裁なりに御質問のできる限りのところをお続け願いたい。
○田中(正)委員 そこでいよいよ仲裁裁定の内容に入るのでありますが、この仲裁裁定のうちいろいろとたくさん出ておるのですが、おもに国鉄、若干郵政省関係を主眼にしてお聞きいたしたいと思います。この裁定の内容を見ますと予算単価と実行単価について乖離を生じておるというふうに聞いておるのですが、乖離を生じた具体的経緯と申しますかその理由等について、もし労働大臣がお聞き及びになっておる点があるならば、その範囲内で御説明願いたいと思います。
○松浦国務大臣 仲裁裁定の条文の中にもありますように大体第一の第一項は主文でありますが、主文の方は世の中に俗にいわれておりますはっきりした数字ではありませんけれども、業績手当は六百円、それから実行単価と予算単価との違いは五百二十円ということが第二項の方に書き表わしてあります。そこで五百二十円の問題については、給与の不合理を是正するようにしてもらいたい。その点ははっきりいたしておりませんから、文書をもって仲裁裁定の責任者に問い合せましたところが、この問題については一つ政府にまかすといったような意味の返事が来ております。「質問について、今次裁定は千二百円が理由第二に述べたように必ずしも実行単価にそのまま積み上げられるものではないが、しかし相当程度の現実的給与改善措置を企図しているものである。従って予算単価増額に関する財源措置及び実行単価と予算単価との格差縮小措置に関連し、当面する給与改善措置が結果的に右の趣旨を没却しないよう十分御配慮相なりたい。」、配慮してくれと政府に要求しております。そこで政府はこれらの考え方を総合いたしまして、実行単価と予算単価の問題に対しましては今鋭意努力中でありますから、少くとも来週は予算を提案できるであろうと考えます。
○大坪委員長代理 田中君に申し上げます。運輸大臣が出席されました。
○田中(正)委員 実はただいま労働大臣にお尋ねいたしたのでありますが、運輸大臣がお見えになりましたから、直接御所管の内部の問題でありますので、運輸大臣にお尋ねいたします。この仲裁裁定の第三号ですか、国鉄労働組合関係というのを見て参りますと、その理由の中にまず第一に国鉄の職員の給与は予算単価と実行単価の間に五百二十円の附きがある、かように示しておるのでありますが、この開きというものはどういう経緯とどういう理由から出て参ったかということを御説明願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 これは二十九年、三十年の二回にわたる調停を国鉄としてはのんで、調停通り実施いたしました。ところが政府の定めた予算ではそれが許されておらない、こういうところから給与は裁定通りにいたしましたけれども、予算の方でそれを認めておらないので、実行予算と予算との間に食い違いができてきた。それが二回重なって約五百二十円ということになったわけであります。
○田中(正)委員 そうなって参りますとこれは二回にわたる公労委員会の調停がこれを原因したというふうに御説明でありまして、これらの調停に基いてこういう御説をとったようでありますが、その財源は一体どこからお出しになったのか。
○宮澤国務大臣 その財源は国鉄の持っておる業績が上昇しましたし、いろいろ国鉄内部で操作ができたわけでございます。 〔大坪委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(正)委員 業績が上ったから金があったのだというのでありますが、それは一体国鉄予算のどこから持ってきたのですか。
○宮澤国務大臣 給与総額の中から出してきたのであります。
○田中(正)委員 給与総額の中から出したという話は私らも聞いておる。給与総額の中からこういつたような金が流用できるという制度そのものについて疑問に思う。(「国会が承認したのだ」と呼ぶ者あり)国会が承認をいたしたようでありますが、(笑声)しかし今後の問題といたしましてわれわれはこれらの点について根本的に再検討しなければならぬものを実は感ずるわけでありまして、他の国家公務員等においてはこういったようなことは実際にできない仕組みになっておる。ところが国鉄においてはできるようになっておりますが、できるようになった理由についても私どもも聞いてはおりますが、しかしかような結果を今後も生ずる場合においては何らかの根本的な今後の措置について検討しなければならぬと考えるのでありますが、これらについて運輸大臣は何らかお考えがあるか、お知らせ願いたい。
○宮澤国務大臣 お話の通りでありまして今後のことについては一つ考えなければならぬと考えます。
○田中(正)委員 運輸大臣は考えると言っておりますが、具体的にどういうことを考えたならばいいのかということについてお聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 これは関係するところがなかなか広いわけであります。また公労法上幾多の問題がありますので、総体的に一つ考えてみなければならぬと考えております。しかしお話の通りの趣旨によって考えてこういう事態を起し得ないようにしていくことは必要だと考えております。
○田中(正)委員 総体的に考えるというのでありまして、具体的なお答えはないのであります。これは公社の実態に即しておるかどうかわかりませんが、他の国家公務員のようにこの場合国鉄でありますれば基準内賃金と基準外とはお互いに流用できないといったような制度をおとりになる考えがあるかどうか、その点はいかがでありますか。(「それは違法じゃないよ」と呼ぶ者あり)
○宮澤国務大臣 この点よく研究いたします。
○田中(正)委員 研究するということでありましたが、法律上は違法でないとその辺から言われましたが確かにその通りでありまして、法律上は違法ではないのであります。しかし今後の問題についてわれわれは研究しなければならない、こういう趣旨で実はお尋ねをいたしておるわけであります。そこでこれらの点について、われわれはさらに国会の内部においても検討をしなければならない。現在の制度がかようであったからといって、それが必ずしも将来まで正しいものというふうにわれわれは考えない。具体的に幾多の欠陥を露呈するものならば、これは政府の方も国会の方も、今後公正妥当を期する意味において、研究をしていかなければならぬ。この点において私は給与の公正と明確化という点から考えて、ぜひ一つ運輸大臣に、これらの点に対する今後の善処をお願いいたしておきます。 そこで次にお尋ねをいたしまするが、この理由の第二の中に、特別手当の問題が書いてあるのでありますが、国鉄は予算に計上された二カ月分の特別手当のほかに、約一・二カ月分の手当が支給されたというふうに実は書いておりまするが、こういったような事実は実際あったのでありましょうかどうか、運輸大臣に御答弁願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 業績が非常に上りましたので、それを給与いたしております。
○田中(正)委員 そうすると、この一・二カ月分は業績が上ったから出したのだ、こういうことでありますが、一体どういう形式で、どういうふうな態様で、いかなる時期にお出しになったか、一つ御説明願いたいと思います。
○細田政府委員 お答え申し上げます。国有鉄道法の第四十四条に、「能率の向上により、収入が予定より増加し、又は経費を予定より節減した場合において、その収入の増加額又は経費の節減額の一部に相当する金額を、予算の定めるところにより、運輸大臣の認可を受けて、特別の給与として支給する」ことができるという趣旨の規定がございます。これを受けまして予算の総則にこれがきっております。「予算の定めるところにより、」と法律になっておりますものが、具体的には、予算総則によりますと、大蔵大臣と協議してということになっておりまして、予算の定めるところというのは、現実には、ただいまの予算では大蔵大臣と協議してということになっております。それでこの点につきましては、三十一年度の年度末せまりましてから、具体的には、書面の日付はちょっと私きょう持っておりませんが、三月二十三日に大蔵大臣との協議がととのいまして、出したわけでございます。
○田中(正)委員 そうすると、その一・二カ月分は業績賞与として一ぺんにお出しになったものですか、数次にわたってお出しになったものでありますか、いかがであります。
○細田政府委員 業績手当といたしましては、年度末だけに出したわけであります。
○田中(正)委員 それが一・二カ月分ですか。
○細田政府委員 一・二カ月と申しますのは、二カ月が予算に組まれておりますので、三・二ヵ月であります。これにつきましては六月の手当の際から少しずつオーバーしておりまして、最終的には二カ月の予算があるわけでございますから、そのときには先食いしておったという格好でございます。それで究極において手当が三・二カ月出た、こういう結果になったわけであります。
○田中(正)委員 そうすると、先ごろ申しました一・二カ月分を三月二十三日に出したというのと少し違うようで、ただいまの御答弁では、先食いをして、前々から予算の二カ月分以外にちょいちょい出してやったということになりますが、その点もう少し明確に、一体、どういう態様でお出しになったか、御説明願いたいと思います。
○細田政府委員 先ほど御答弁申し上げましたことを、もう少し正確に申し上げますと、法律四十四条二項による業績手当は〇・五八、そのほかに予算書をごらん願いますと、給与総額の中から出すことについては、これは何ら制限はございません。それからもう一つ弾力条項というものがありまして、業務量がふえることに伴って超勤その他の給与が出る。これは法律並びに予算の定めるところでございます。こういうものがみな集まりまして、予算の二ヵ月とプラス一・二ヵ月が出た、こういうことでございます。
○田中(正)委員 だから私は、一体どういう形でもって、いつ払ったんだということについて、一つ具体的に詳細御説明を願いたいと思うのです。
○細田政府委員 その何月どれ、だけ出して、その次どれだけ出したかということは、具体的問題でございますので、その点に関し決しては国有鉄道の方から御答弁願います。
○小林説明員 お答えいたします。詳細なことはまた別にお話申し上げますが、八月でございましたか、夏季の輸送が非常に繁忙をきわめましたので、その際に〇・一支給いたしております。それから十一月でございましたか、国鉄の未曽有の時刻改正に当りまして、職員の相当な努力によりまして、満足にこの瞬刻改正が行われたわけでありますが、その労を謝する意味も含めまして、繁忙手当といたしまして〇・一六支給いたしております。それから十二月におきましては、国家公務員におきまして〇・一五プラスになったわけでございますが、それと歩調を合せまして、〇・一五支給いたしております。これまでの支給は、大体におきまして給与総額のワクの中で支給いたしたと思っております。それから年度末に業績賞与といたしまして〇・三二でありましたか、支給いたしたような次第でございます。
○田中(正)委員 この点はきわめて重大でありますし、なかなかこまかいことでありますから、私は委員長に一つ要求をいたしますが、後ほど書面で、一体どういう形でいつ払ったかということを知らせるようにしていただきたいと思います。 そこで、給与総額の中から出たものは別でございまするが、業績賞与として出たものはすべて国鉄法四十四条並びに予算総則の十七条によって運輸大臣が御承認になったものですか。あるいはまた、きょうは大蔵省がおられませんが、大蔵大臣と御協議の上御承認になったものですか。その点、運輸大臣どうですか。
○宮澤国務大臣 業績手当は運輸大臣と大蔵大臣と協議の上許可いたしました。弾力条項は運輸大臣限りにおいて許可することができますので、私限りにおいて許可をして出させました。
○田中(正)委員 そうすると、これらの点についてはすべてあなた方がお認めになって出したということに相なりますか。
○宮澤国務大臣 最終的にはそうして許可いたしました。
○田中(正)委員 これらの点について、もう少しいろいろ突っ込んだ問題をお聞きいたしたいと思いまするが、実は資料も出て参っておりません。そこで、資料の提示があってからそれを拝見した上で個々に当っていきたいと思っております。 こういうふうに考えますると、公社の正しい給与とはどういうものなのかということについて、国鉄または監督官庁である運輸省はほとんど自信がないように私どもには受け取れるのであります。その都度その都度、なんとかかんとか、法的根拠があるのかないのか知りませんが、いろいろ出ておる。種々雑多に、しかもはなはだ失礼な言い方かもしれませんが、だらしなく出ておると断ぜざるを得ないと思うのでありまして、こういうことについては国民も非常に奇異の念を持っておると思います。そこで運輸省は、国鉄公社における給与の正しいあり方について研究して、ほんとうにどこから突っ込まれてもこういう給与体系が正しいのであるという一つの目標を定めていた、だかなければならないと思いますが、そういう点についての努力が欠如しておると考えるのであります。なんとかかんとか言われたり、あるいはなんとかかんとかの事情があると、その都度その都度、国民にはわけのわからぬ金が国鉄職員に支給されておる。それが今日、この仲裁裁定の実行をめぐっていろいろと国会の内部において、あるいはまたあなた方と国鉄労組との間に紛糾を巻き起す原因にもなったと私どもは考えております。そういうことで、今後運輸省は、国鉄の給与制度について根本的な原則を確立する用意とその心がまえがあるかどうか、一つ最後にお聞かせ願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 ただいまの御質問中国鉄に関する分は趣旨を了承いたしますが、三公社五現業とも全部同じような行き方をしているのであります。それですから、給与の問題については政府全体としてそれぞれ考えなければならぬ。国鉄は国鉄としてお話のようにこれから考えていくが、これは全体の問題として考えていかなければならぬ、こう思っております。
○松浦国務大臣 ただいまの憂慮されている点は同感でありまして、三公社五現業ともただいま運輸大臣の言われたような、つまり前段にお問いになりました基準外を基準内に利用するというような給与の体系が今日持たれていると思います。従いまして、今度の仲裁裁定も、かような不合理な払い方はいけない、これを統一して、できるだけ予算単価と実行単価が近づくようにしなければいけない、最終の目標は予算単価においてこのことが行われるようにしなければ——五百円も六百円も差があってはいけないということを指摘しておりますから、われわれこの改善に対しましては、公共企業体の賃金が統一されて、しかも公正に支払われるような研究と努力が今後必要であると思います。今度の裁定の特色はそこにあると思っておりますから、これを受けて立って政府は今後善処いたした いと思います。
○田中(正)委員 最後にいま一つ。実行単価と予算単価との差の生じた原因の説明がさきごろあったようでありますが、欠員が相当大きな要因になったというふうに聞いております。そういった点はいかがでありますか。
○松浦国務大臣 国鉄の問題については今運輸省の方がおられますからお答えいたしますが、欠員は電電公社の関係が一番多かったように思います。この数字については財務当局が御出席になりましたときにお答えいたしたいと思います。
○田中(正)委員 これらの点も非常に重大な問題であろうと思います。今度の裁定によって一体どのくらい実収がふえるかということで世間にいろいろ論議を巻き起しているのでありますが、特に電通においては欠員が給与体系を妙な格好にする原因になっているというふうに考えているわけであります。そこで、これは根本的な問題になりますが、こういったものについて現員現給制度をおとりになる考えがあるかないか、それらの点はいかがでありますか。
○松浦国務大臣 何回もお答えいたしましたように、最終の理想はやはり予算単価をもって決算が行われるようにすることがほんとうだと思うのです。ところが、今の三公社五現業とも、先ほど運輸大臣がお答えになりましたように、いずれも法律には違反でないけれども移用、流用を盛んにやりまして、実行単価と予算単価がかくのごとく違っていることはいけないことでありますから、私どもは予算単価をもってできるようにどうしても今後したい、先ほども申しましたように、今度の仲裁裁定の考え方もそこにあるようでございますから、善処したいと思っております。
○田中(正)委員 いろいろ問題がたくさんありまするが、何分にもこういったような仲裁裁定の理由書に述べられている種々なる問題、しかもそれが今後の仲裁裁定実施についての重要なる一つのモメントをなす問題についての資料がございませんので、これらの点について後刻質疑を続けることといたしまして、本日はこれで私の質疑を保留したいと思います。
○藤本委員長 了承いたしました。先刻田中委員より御要求の資料は、すみやかに御提出願います。 午後二時まで休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕