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26回国会衆議院1957/03/07

社会労働委員会 第19号

発言数
211
登壇者
7
会派数
2
開催日
1957/03/07

会議録

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の健康保険法等の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、厚生年金保険法の一部を改正する法律案、滝井義高君外十二名提出の健康保険法の一部を改正する法律案及び船員保険法の一部を改正する法律案の五法案を一括議題とし、審査を進めます。質疑を続行いたします。大橋委員。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 政府委員に伺いたいのですけれども、この前診療報酬の単価の引き上げにつきまして、大臣の方で何とかこれに手をつけたいという御意向の表明がございましたが、単価の引き上げについては一体どの程度まで上げなければならぬというお考えでございますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私どもは、これが単価のみならず、点数その他諸般の問題についての検討を命ぜられて、その調査に着手いたしたばかりでございまして、どの程度上げるべきであるとか、あるいはどういう方向でものを考えるべきであるとかいう程度の方向も今日までのところはまだ立てておらないような次第でございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 それではこの単価の調査に着手されるに至ったお気持は一体どういうお気持なんですか。たとえばこれは単価が安過ぎるから上げるんだという意味の調査なのか、それとも単価は多分これでよかろうという意味の調査なのか、その点を伺いたい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 現行の他の要素をそのままにいたしておきまして、単価が安いか高いかということを見きわめるにつきましても、相当な調査といいますか検討を加えなければ、なかなか簡単には結論が出かねると思うのでございますが、私どもといたしましては、大臣も申しておりまするように、国民皆保険というふうなことを推し進めるにつきましては、少くとも現在以上に療養担当者の待遇を向上しなければ、なかなかこれが御協力は得られないであろう、こういうふうな観点から今のものが高いか安いかということを検討いたしますと同時に、結局そういうふうに現状よりよりよくする、そうして国民皆保険に御協力を願うこういうふうな観点からものを考えていきたい、こういうつもりでおります。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうすると、調査のお気持は医療担当者の現在の待遇が不当に切り下げられているから、従ってこれが改善の必要がある、こういう意味で調査をなさっておられる、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 不当に切り下げられているとかなんとかいうことになりますと、しからばいかなる不当かということ、どの程度の不当かということを数字的に出していかなければならぬことになりますが、さようなことでなくて、とにかく国民皆保険というものを進めるについては、現在のままではなかなか十分な御協力が得られない、そういうふうな現状よりよりよくした形において御協力を得ていこう、こういうふうな観点からでございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうすると、現在の程度の協力を得るならば現状でいいけれども、より一そう協力していただかなければならぬから待遇をよくする、こういう意味なんですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 そういう非常に詰めた御質問で大へん恐縮でございますが、現在のままの程度の協力ならこれでいいのだとかいうようなことまでも結論づけているわけではないのでございます。結局政府の方針といたしまして、将来皆保険を進めていきたい、こういう決意をいたしているわけでござまいすから、それを成り立たせる上にはより改善された待遇をしていかないとこれはなかなかむずかしかろう、こういう一つの判断から考えているのでございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうすると、今のままではまずい、とにかくある程度よくしなければいけない、こういう意味で、よくするための調査と考えてよろしゅうございますね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私どもはさような観点から調査をいたしているわけでございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そこでよくしなければいけないということになると、現在はよくないからよくしなければいかぬということになると思う。従って局長がよくしなければいけないと言われる以上は、どの程度上げなければいけないのですか。少くとも現状がよくないということを考える以上は、一方においてこの程度がよいというものがあって、それと比較してよくないからこれはよくない、こう言われているに違いないと思う。何がよいのかわからずに、そしてそのよいものと比較せずに、ただばく然と現状がよくないというようなことは、いやしくも責任ある当局としてはおっしゃらるべき事柄ではないと思う。そこであなたの方は診療担当者の待遇としては大よそどの程度が現状として至当であるというお考えによって、現状がよくないと判断されたのか、その判断の根拠を承わりたいと思います。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私言葉が足らなかったのでございますが、現状がよくないという結論の上に立ってそういうことを考えているのじゃないかというお説でございますが、現状がいいか悪いかということにつきましても、これはいろいろな数字の積み上げをやりまして見きわめをつけなければ、これがいいか悪いかということもわからないわけでございます、率直に申し上げれば。数字的な根拠をもってものを考えていくということになりますと、これはいいか悪いかということも言い得ない。しかしながら現状がいいか悪いかということを数字的にはじき出してみるということでなしに、とにかく現在よりよくしなければ、なかなか皆保険というようなことで全部が保険にかぶさっていくということであるならば、そういう方向に御協力を願うには現在のままではむずかしかろう、こういう考え方をいたしているわけでございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 現在のままではむずかしいということは、つまり現在はよくないということだと私は思ったのですが、それがよくないかいいかは調べてみなければわからぬのだということでは、大体どういうお気持で調査されているかわからなくなるわけです。しかしかりに今局長の言われた言葉をその通り解釈してみても、現状のままでは国民の皆保険をやっていくわけにはいかない、こういうことだとすれば、国民の皆保険をやっていくについては現状ではよくないということだけは言えると思う。そうすれば、よくないということは、これはあるものに比べてよくないのであるから、どういうものに比べてあなたはよくないと言われたのか、皆保険をするには医師の待遇、医療担当者の待遇をどの程度にすべきだと考えておられるか、その比較の根拠を伺いたい。その比較の根拠がなければ、よくないということをばく然と言われるのはおかしな話です。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 いや、どの程度よくするかということを見つけるための調査であり、検討であるわけでございまして、初めからそれが結論づけられているのでありますれば、その結論に対する理由づけをするために調査をするということになります。私どもとしましてはどの程度にすべきであるかということをこれから見つけようとしているわけでございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 一体どの程度にすべきかということをこれから見つけるならば、現在のままではよくないという結論が出るはずはない。あなたが現在のままではよくないという結論を出しておられるから、それではどの程度よくないかということを私は伺ったわけなんです。がしかし、要するにそれはただばく然たる感じであって、何ら数字的な根拠もなければ、あるいは調査の根拠もないということなら、それはそれでも仕方がないですが、今までのところでははっきりした根拠は伺えない。しかし要するに結論として今のままではまずいということになると、これはどうしても単価の引き上げなりあるいは点数を増すとか、そういう方法によって診療担当者に対する支払いをふやすという方法をとらざるを得なくなると思う。そうした場合において財源的にはどういうことを考えておられるのですか。現在の財源のまかなえる範囲内でよくしようというのであるか、それとも必要があれば他に財源を求めなければならぬと考えておられるのか。もし他に財源を求めることもやむを得ぬということならば、一体どういう財源をお考えになっておられるか、その点を伺いたいと思います。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 どの程度の財源を要するかということにつきましても、その額等が、まだ私どもの頭の中に大見当をつけるだけのところにも至っておりません。従いまして、なおまたある程度の財源が要るということが、かりに金額としてわかったと仮定をいたしましても、その財源のうちで国が負担すべきものあるいは第一次的には国以外のものが負担すべきもの、いろいろ出てくると思います。しからば第一次的に国以外のものが負担する部分については、その負担に対して国が援助をするかどうかというふうな問題も次に出てくると思います。さようなわけ合いでございまして、ただいまのところは、その財源の総額もこれから見つけようというところでございますし、その総額をどう処理するかということの方法につきましてもいろいろあろうかと思います。従いましてはなはだこれは恐縮でございますけれども、今大橋先生が仰せになりましたように、一体財源をどういうふうにするのかという点につきましては、ただいまお答えを申し上げる段階に至っておりません。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 それではお伺いしたいのですが、今回の改正案によりまして、他の新しい法律的な財源を考えずに、今回の改正案だけの範囲内で、ある程度待遇をよくするという余地がありますか、ありませんですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 今回の改正案が年度内に成立をいたしますると、年間の財政効果が出てくるわけであります。これの範囲内でさような方に回し得る財源があるかないかという御質問でございます。これは若干年度の推移を見てみませんと、ちょっと見当がつきかねると思うのでございます。私ども今回の改正案に伴いまする予算の御審議をいただいておりますが、その予算の中に特にそういうものを盛り込んで予算を立てておるというわけではございません。従いまして年度の推移いかんによりましてはこれが収入、支出の両面におきまして見通しよりもよくなるということでありますれば、そこに財源が出てくる、こういうことに相なるかと存じます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうすると、そのよくなった範囲内において診療担当者の待遇をよくする、こういうお考えなんですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 先ほどもお答えを申しましたように、その範囲内においてやるか、あるいはさらに他に財源を求めるか、しからばどういうことを考えておるか、そういうふうなことにつきましてはただいまのところお答えを申し上げられるだけに至っておりません。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうすると、要するに単価の改訂という問題については現在のところは事務当局としては何ら申し上げる事柄はないわけですね。結局それじゃ大臣の言われたことは、何ら申し上げることはないのだけれども、ばく然としてできればそうしたいという程度のお気持と、こう拝承してよろしいわけですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 大臣はこの委員会でもたびたびお答えになっておりまするように、最初から財源を用意をしてこの範囲内でというやり方もあるだろう、しかしそうではなくして、一体どの程度どういう方法でそういう問題を処理することがいいかどうかということについていろいろ案を立ててみて、その結果これにはこれだけの財源を要するということで、その財源の処理の問題について自分は考えたい、こういうふうな御答弁を当委員会でもなすっているわけでございます。私どもといたしましても、今御審議をいただいておりまする予算の中にこれだけのものを見込んで予算を編成をいたしておりますというふうなことにはなっておりません。従ってそれが六百億からの財政でございますので、収入の面がより以上に伸びて参る、あるいは支出の面が見通しほど伸びなかったというふうなことになりますればそこに財源は浮んでくる。また予算通りに参りましたとしても、若干の予備金等も見ておりまするので、年度の最後になりますれば、それが不用であるということになればそれが一つの財源になっていく可能性がある、まあこういうふうな考え方をその点につきましてはいたしているわけであります。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 どうもお話の様子では財源問題については何ら見通しがないというのが現在の実情のようでございますが、私は現在の改正法を実施した場合においてこの改正法の範囲内において果してそういう待遇向上の財源が浮んでくるかどうか、この点について私はむしろそういう余地はほとんどないんじゃないかとこういう感じがいたしておりますが、事務当局としては、現在の改正法案ができ上った場合にはこれによって当然ある程度待遇を引き上げるだけの財源が見込まれておるのでございますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 先ほど来お答えを申し上げておりますように、予算はその財源を見込んで編成はいたしておりません。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうすると予算上引き上げの財源はないということですか。そうすると、将来単価を引き上げるというような場合においては何か新たな別途の財源を用意しなければ実現は不可能だ、こういう状況だと思う。そうなりますと将来医療担当者の待遇を改善するために保険料の引き上げあるいは国庫補助の増額というようなことが当然考えられる時期があるのじゃないかと思いますが、それについてはどういうお見込みでございましょうか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 さような、今御指摘になりましたようなことも含めまして、またその他の手段というものも、考えようによってはいろいろ出てくると思うのですが、そういうふうに何らかの方途で財源問題を処理するという事態が必ず起り得るものと私も予想いたしております。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうしますと、この問題は将来法律改正をしない限りは、現在のこの政府の提案をされておりまする健康保険改正法案の範囲内では不可能だ、こう結論してよろしゅうございますね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 とるべき措置によりまして、必ずしも法律に触れる必要はないかと存じます。たとえば、料率を上げるというふうなことになりますると、今日の料率は法律によって許されておる満度まで来ておりますから、これは法律に手をつけなければなりません。しかし、問題を政府管掌だけに限りますれば、かりに国庫がこれを援助するということになりますれば、法律の問題は起らない、ただ予算の問題が起る。そのやり方、やり方によって事態が変ってくると思います。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうしますと、当局としては待遇引き上げに必要なところの財源というものは第一次的には国庫補助の増額、それから第二次的には保険料率の引き上げ、こういう順序をつけてお考えになっておるのでございますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 さような順序も方法もただいまコンクリートには考えておりません。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 これは先の問題ですから先に伺うといたしまして、先般厚生当局から特に頂戴した資料によりますと、昭和二十二年度におきましては、保険料率は千分の三十六ということに相なっておったのであります。その時分に健康保険の被保険者一人が一カ年間にどの程度の医療を現実に受けたろうかというこれを点数にして計算いたしますと、昭和二十二年度には被保険者平均一人一年間に六十二点という医療を受けておったのでございます。これが昭和三十年度におきましては、一人平均の点数が七百五十五点七分ということに相なっております。そして、政府の保険料は千分の六十、法律の満度といたしましても千分の六十五ということに相なっておるのであります。そうなりますと、この二十二年度から三十年度までの九年間に保険料率は約二倍弱に引き上げられたにすぎない。しかるに被保険者の医療というものは、六十二点から七百五十五点、すなわち十二倍に増大しておるのでありまして、そうしますと、保険料で健康保険の給付の支出をカバーするという保険財政の建前からいいますと、少くとも医療が十二倍になったならば、保険料率も十二倍に引き上げられなければならないはずのものだと思うのでございますが、現実においては二倍弱にしか引き上げられておりません。そうなると、この六十二点に対する千分の三十六の保険料率、これが七百五十五点になった場合に、千分の六十五で一体どうして保険財政がやっていけたかということを考えてみますと、これは、この間において単価が相対的に相当思い切った引き下げを受けておるのではなかろうか、こういう疑いを持たせる根拠が私はここにあると思うのでございます。これについての厚生当局の御見解を承わりたいと存じます。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 今御指摘のような考え方もできるかと存じますが、そのほかにもいろいろな要素が加味されて考えられなければならないと思います。従いまして傾向として今先生が御指摘のようなことは肯定されなければならないかと思いまするけれども、たとえば二倍になっておる、片一方は十二倍になっておる、この数字を直ちにとって単価問題を論ずることは数字といたしましてはいかがか、それだけでは十分じゃないという気がいたしておるのでございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 それが不十分であったらば、その点を補正いたしましてどの程度にごらんになっておられるか、あわせて補正した結果及び補正の方法等についても御説明いただきたいと思います。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 ただいま大橋先生のおっしゃるように、なるほど総点数というものを分母にいたしまして、一方総収入といいますか、保険の収入のうちからたとえば現金給付に要する費用を除く、あるいはまたその他の雑支出を除く、それから一方業務勘定、たとえば保険施設あるいは福祉施設というような経費を除きまして、そして見ました収入というものをそのときの総点数で割ってみれば一応単価が出るということは、確かに私どもこの前の先生の御議論を聞きまして、単価の合理的な検討をする一つの要素であろうかと思っておるのでございます。その場合に今仰せのように点数は二十二年を百といたしますと、確かに十二倍になっておるわけでございます。また保険料率でいきました場合には、料率は確かに二倍程度に押えられておる。従って先ほど申し上げました意味における収入というものを二倍とし、それから一人当りの点数を十二倍としまして、それで考えていきますと、現在の単価の六分の一というような格好のものが確かに出るわけでございます。しかしこの分母の点数の方には点数改訂、特に二十六年以降のいろいろな点数改訂の要素、この影響が相当あるわけでございますので、これをある一定の計算をしまして数値を見出して、この十二倍になる点数を修正しなければいけない。同時に分子の方では、御承知の通り等級区分の改訂というものを、これは意識的に制度として二十二年以来何回かやっておるわけでございます。この影響による修正を分子の方はしてみなければいかぬわけでございます。そのほかに実は標準報酬の毎年の平均月額というものが、いろいろな行政把握努力によりまして引き上げられておるわけであります。また標準報酬の月額の上昇割合というものもあるわけでございますが、ただ平均標準報酬というのは、いろいろな賃金水準の上昇でございますので、そういう意味で物価との関連も非常に濃いわけでございますから、一応賃金ベースの引き上げに相当するような分の平均標準報酬の月額の上昇というものを除いて考えるのが筋だという議論もあるわけでございます。いずれにしましても、そうしたいわゆる物価の上昇とかあるいはそれに見合う賃金の上昇というような要素以外の、いわば保険の行政努力で定時改訂等によって行政上正確に標準報酬を把握することによって毎年上げましたようなものも、一つには分子の収入に影響を持っておるわけでございますので、それらを詳細に緻密に計算をし数値を求めまして分子、分母の関係を確定し、それによって現在の単価と比較してみなければいかぬのではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ遺憾ながら点数の改訂の影響自身が全体の中でどの程度あるかという計算あるいはまた等級改訂の過去の影響をどの程度の修正率で考えているか、あるいは行政努力でいたしました収入の増加割合というものをどの程度の修正要素で計数として使っているかというような点については、実は私ども現在のところはなかなかそれを正確につかむことはできませんので、御満足のいくような数値が出せないで恐縮に思っておるわけでございます。たまたま私今非常に急いで計算をいたしたのでございますが、二十六年の総収入すなわち先ほど申し上げました保険料収入の中から業務勘定やあるいは現金給付の費用を除いた意味での総収入というものを計算いたしみますと百五十四億六千九百九万でございます。それから二十六年の年度における総点数は十六億でございます。そういたしますとこれで割りますと単価は平均九円七十銭になるわけでございます。三十年のころは総収入といいますか、現金給付その他一切を途いた、先ほど申し上げました意味での収入というものが三百四十八億くらいでございます。そこで総点数が三十八億六千万見当でございますので、これで割ったもので考えてみますと、やはり九円二銭というような数字になるわけでございます。ただこれは同時に被保険者数その他のいろいろな影響をこれから修正をしていかなければいけませんので、その通り簡単にあれするわけにいかないと思うのでございますが、いずれにいたしましても、ちょうどお話が出ましたので、参考までに今ここで計算をいたしました数字を申し上げた次第でございます。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 今私のお尋ねいたしました事柄は要約いたしますと、とにかく戦後の健康保険の内容の充実、医療給付の内容の充実されたことは確かにけっこうでありますが、しかしそれはその内容の充実に即応して保険料率の引き上げということが伴っていなかったということを示しておると思うのです。もし現在のような健康保険の医療給付というものをやるならば、保険料だけで保険経済というものをまかなう方針ならば、当然保険料率というものがもっと大幅に引き上げられなければ、必要な経費をカバーできなかった。それを今日までともかく保険経済というものをカバーしてきた理由は、二十年以前に健康保険経済の持っておりました莫大なる積立金というものを食いつぶしておる。そして特に最近に至っては医師の診療報酬というものの物価に即応した引き上げというものをやらずに、医療担当者の犠牲においてやってきたという事実は否定することはできないだろうと思うのです。あるいは否定なさいますか、どうでございますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 傾向として御指摘のようなことがあることは否定をいたしません。

大橋武夫自由民主党

○大橋(武)委員 そうすれば、そういう点からいっても、医療担当者の待遇の改善というものについて政府としては相当思い切った措置をとられなければ実情に適合しないという状況に今日追い込まれておるといわなければならぬと思うのです。そのためには、考えられる方法としては国庫補助の大幅な増額によって医師の報酬を適当なところまで引き上げるということもあるでしょう。あるいは逆に医療内容を保険料でカバーできる程度まで切り下げていくということも一つの方法でしょう。一部負担というような問題はまさにその後の方法の現われだと思うわけなんです。私は今回の法案また前回政府が提案された法案等を比べまして、こうした問題についての数字的な論拠なりあるいは現実の調査というものがきわめてずさんであって、ただおっつけ仕事になってきておる。今日国民大衆の医療の中心になる健康保険の制度というものをほんとうにしっかり立てていくには、当局としてはこうした根本的な問題についてもっと大がかりなしっかりした調査をお持ちになるということが必要じゃないか。これが今まであまりにも欠けておった。先ほど私がお尋ねしたこの保険料率と一人当りの点数の比較のごときものも、私が要求して特にそのために計算をしていただいたようなものなんですが、こうした点は、保険をやっておられる以上は、当局御自身で初めからしっかりした調査を常にお持ちになって、あらゆる角度から健康保険の内容、財政の工合はどうか、それからまた医師に対する報酬は適正かどうか、こういうことを責任をもって厚生省が指導していかれるという意気込みが必要だと思うのです。医者が黙っておれば、とにかくこのままでなるべく置いておけというようなやり方で、今日まで不当に医者の報酬が切り下げられてきたという事実がある。それがこの際に一時に解決するということになると、莫大な国庫補助を要するとか、あるいは思い切った一部負担をしなければならぬということになって、根本的対策も立ちかねるようなところが今日の状態なんです。私は今後当局におかれましては、この保険統計というものを徹底的に完備され――私はいやしくも数百億の保険給付をやっておられる以上五億や十億の経費を統計事務のためにお使いになるのは、これは保険の機関としては当然の職務上の責任であるとさえ考えておるのでございまして、今後そうした点について、一つ当局は十分に調査をし、それから統計も用意し、いろいろな問題についてもう少し根本的な点から掘り下げて検討していくようにしていただきたいと思うのです。いろいろ今回の案については私も意見もありますけれども、特にただいまのような点についての当局の基本的なお考えを十分確かめておきたいと存じた次第でございます。  では私の質問を終ります。

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長 滝井委員。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 健康保険の単価、財政問題についてはいずれ機会をあらためてお聞きしたいと思います。と申しますのは、私この前もちょっと触れておいたんですが、単価問題とこの法案とは、今大橋委員の質問をお聞きしていても、無関係でないということはだんだんはっきりしている。私たちは単価問題と健保の改正案は不可分だと言うと、政府は、いやこれは可分だと言っている。実際単価を上げようとすれば、標準報酬その他を当らなければならぬことは当然です。政府は皆保険が行われるまではこれは当りませんというのが政府の見解であった。そうしますと、この法案が通ってしまうと、単価問題というものは皆保険までは当られぬということになってしまう。単価問題を当るならば、必ず法律を修正しなければできないことは火を見るよりも明らかであります。そういう点でこれは財政問題とも関係いたしますので、いずれ次の機会に質問して、きょうは、この前質問いたしました四十三条関係がまだ残っておりますので、これを質問し、それから一部負担をやらしてもらいたいと思います。  まず四十三条関係で、この前大学病院あるいは国立病院等が健康保険法の違反をして、指定の取り消しを受けた、こういう場合が出てくるわけです。実際問題としてそういう大学病院なんか取り消しはできないでしょうという答弁がございました。しかしその場合大学病院よりもあなた方がもっと取り消しができる段階の病院でもかまわないと思いますが、そういう病院が指定を取り消された。そのとき取り消された後の保険の入院患者や通院患者に対して一体どういう処置をするかということです。これは法律でそういうことをうたったからには当然そのあとの善後処置についても法律というものは考えておかなければならぬ。一体どういう処置を患者にとってくれるかということ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 医療機関の取り消しをいたしますのは、いきなりばさっと取り消すのではございませんで、その前にいろいろ調査をすることは当然でございますが、それらの結果を医療協議会にかけて御審議を願ったり、いろいろ前段階があるわけであります。それで取り消しをする際には、結論が出ましても、たとえば翌日から取り消さなければならぬというものでもございません。今のような善後措置を講ずるに必要な相当の日数の余裕をもって取り運ぶことが普通の場合であろうかと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それならばやはり懇切丁寧に法律にそれだけのことを書かなければならぬ。この法案にはそういうことは書いてありません。しからば今までそういう大きな病院の指定を、保険医をやめさして、そういう処置をした文例でもあるんですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 今までは機関の指定でございませんで、個人の保険医の指定でございますから、実例はございません。今後起ってくる可能性があるわけでございます。  それで取り消しの場合の善後措置等について法律で書いておくべきだという仰せでございますが、行政の処分でございまして、行政運営にさような点はまかされてもしかるべきものではあるまいか、かように私どもは考えておるわけでございます。なお医療協議会に諮問をいたしますということは法律上の要件でございますから、これは当然いたして、そこで今のような患者の処置等につきましても医療協議会で御披露をいたす。当然これはどうするかということで御披露をし御検討を願って、それを前提にして取り消しの処分の答申があるというふうな運びになると思います。今後そういうふうなことは行政の運営におきまして十分この措置をいたし得るものと私は考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 行政の運営でできるということは一応了承いたしましょう。しからば一体どの程度の期間を置いて具体的に指定の取り消しが発動することになるのか。これは私たちは個々のものによって違うということはわかりますが、やはり社会通念から見て大体どのくらいの期間を常識的に置かなければならぬということはここで答弁ができるはずです。白紙委任、行政運営でわれわれにまかせておけということには参らぬと思う。微に入り細にわたってこの法律は規定しておる。そういう一番大事なところになるとこれが抜けている。こういう指定の取り消しがその関係者まで全部ひっくるめて書いてあるのです。諮問によってやるのだといえば、今までの例を見ると、これはそこへ諮問をぴたっと決定してあとで通知してきたらそれまでです。来ておる患者はみんな今まで路頭に迷っておる。一人の保険医が取り消されても患者はさてどこに行ったものかと路頭に迷う。少くとも一人の医者に行くということについては、その医者を信頼して生命を預けて行っている。その医者がばっさり首を切られたら、どこかに行くためにはそれだけの時間的余裕も処置も要る。ところが切られた日から保険は通用しない。現金になってしまう。そこでたとえば諮問が出たならばその余裕期間を二カ月置くとか三カ月置くとか、そういう行政運営上の一任をしてくれというならば、あなた方に確信と自信があるところの期間をここで御明示願いたい。一体どの程度の期間を与えたならばよろしいか。私的な医療機関と公的な医療機関とは違うはずなんだから、違うというならば違う点、同じならば同じ期間、そういう点を一つ御明示願いたい。この法律は一月一日から実施する法律であったから、あなた方はそういうことは全部できておるはずです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 公私の医療機関の性格から二つ三つというふうに出てくることはないと思います。大病院であるか小さい病院であるかというふうなことによって、従ってそこに入っております保険患者の数あるいはその病状あるいはまたその付近に他の医療機関があるかどうかというふうなこと、あらゆる面を考えてケース・バイ・ケースで決定をいたすべきものと私は考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 最近はケース・バイ・ケースというのがはやるのですね。何でも問題がむずかしくなるとケース・バイ・ケースと言うのです。ところがこれは法律です。そういう病院の大きい小さい、ケース・バイ・ケースで片方は一年になり二年になり一日になり一カ月になるということはあり得ないのです。やはり取り消しについては諮問機関である中央社会保険医療協議会、地方医療協議会にかけてやるのですから、そこには普遍的に一つのものさしというものがなければならぬ。一応普遍的なものさしをきめて、それから先ケース・バイ・ケースというなら話がわかる。何にもものさしがなくて私たちに行政に白紙委任にして下さいと言ってもまかせられない。大へんですよ。だからあなた方の恣意によって、大きい病院でも二日でやられるかもしれないし、そこに原則、ものさしというものを一応当てておいてもらいさえすれば、原則は二カ月だからというので取り消された方の病院の腹がまえがきまってくる。その腹がまえに従って患者を処置していく。そして二カ月でできないときには、その病院の特殊性に応じて、こういう重症の患者が五人おりますから、もう五日延ばして下さいという要請ができる。あなた方に一つ行政運営をおまかせいたしましょう。おまかせいたしますから、そこに一カ月とか二カ月とか三カ月とか、諮問機関が結論を出してからどの程度の期間が必要かということを御明答願わなければ、私はここで承知できません。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 今申し上げましたようにケース・バイ・ケースで日数は変ってくるだろうと思います。従ってものさしを示せと仰せになれば、被保険者の利益をそこなわないように、十分それだけ余裕の期間を置いてからものを処置すべきであるというふうなものさし、非常に抽象的なものさしでありますが、そういうこと以外には、ちょっと二カ月とか三カ月とか一カ月とかいうようなことは、これは申し上げる方が不適当ではあるまいか。そういう行政の運営ということは私はむしろ不適当な運営ではあるまいかと考えるのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それではお尋ねしますが、過去の保険医の指定取り消しでその発動をして具体的に実施された期間はどのくらいの期間を置いておりますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 保険医の取り消しを何日付でいたすというような場合には、その日から法律効果は発生するわけでございます。従って何日から取り消すという処分を知事がいたしておれば、その何日以後ということに相なるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 中央社会保険医療協議会、地方医療協議会にかかって諮問が決定した後に、発動までに大体何日くらい置いておったかというのです。これは過去にも幾らでもあるし、調べてみたらすぐわかると思う。幾らの日にちを置いておったかということです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 これは地方の知事がやっておるわけでございますので、私どもの方に正確な統計等はございませんけれども、早いものは非常に早く、医療協議会の答申が済んでから事務的な処理をいたすということだけでいっておるのもございます。長いのは医療協議会の答申があって二、三ヵ月後に取り消されておるものもあるのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 早いのは即日、それから――即日でなければ日にちを言ったらよい。それでは二、三日でしょう。おそいのは二、三カ月ということになれば、一体どういう保険医が短かくあって、どういう保険医が長かったのか。これを出してみればものさしは出てくる。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私どもの役所でやっておりませんことで、知事がやっておることでございますので、そう今詳しくさようなことについての資料を持ち合しておるわけではございません。従って個々のケースは、私どもの方でも十分知っておる者もおりますので、それらの者に聞いてお答えをいたしておるわけでございます。一体、医療協議会の決定があったから、即日この処分が決定され、本人に通知されるということは、ほとんど不可能でございまして、医療協議会の答申がございまして、役所の内部の手続がございます。そうして本省との内議というようなものもございます。従って早くておおむね一カ月程度はかかっておる。手続に要する期間がその程度かかっておるのが多いそうでございます。こういう実情でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 あなた方は機関の指定をやり、あるいは保険医の登録をやる、そして法律には具体的に微に入り細をうがつ取り消しの条件もつけたのです。そして今度やる場合には、現実に行われている現場のことは、知事がやっておるのでよう知りませんということは許されぬと思う。少くとも保険局長はその最高の責任者ですよ。従って今すでにはっきりしてきて、最低一カ月ぐらいはいろいろ事務的に内部的にかかります、こういうことになって短かいもので一カ月ということならば、もう一カ月というものさしが出てきておるわけなんです。従って行政的にこれを取り消すまでには医療協議会の結論が出てから一カ月かかりますという答弁ができるはずなんですよ。一応ものさしは事務的に一カ月、そしてその上に今度は患者の移動や入院がえその他が必要なのですから、それにある程度の日にちを見れば、今までの過去の実績から結論というものが出てくると思う。従って長いもので二、三カ月かかる、短かいものでも事務的に最低一カ月かかるというならば、そこらあたりで一つ出してみて下さい。大体常識的にいって今後行政指導というものは、医療協議会の諮問の結論が出て後にどの程度したら取り消すのだ――これは心がまえがありますよ、患者の方にも心がまえがあるし療養担当者にしても心がまえがあります。これは常識で出ますよ。得意の二で割ってもいいです。一つ出してみて下さい。今後あなた方がどの程度の腹がまえをもってやるかという、これはここで出るはずです。出なければ大臣を呼んで答えてもらいます。それを今ごろになってわからぬとは言わせませんよ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 先生の御質問は、入院患者を他に移すというふうな措置等があるから、それに一体どのくらいの日数を要するのか、そういうふうなことも考えてものさしを出せということでございますが、私はそれはそのケース・バイ・ケースで物を考えるよりほかにものさしがないでありましょう、しいてものさしを出すならば被保険者の利益をなるべく守ってやるようなというものさししか言えないであろう、従ってその際にはケース・ケースで、その近所にどういう医療機関があるかとか、病状だとか、そういうふうなものが影響してくるわけでございます。それにつきましては何カ月というものさしはない、しかし事務的にただいまはおおむね一カ月になっておりますというのは、内部の事務の取り運びでこれは府県々々によって協議会が済んで直ちにこっちに内議してくる府県もありますけれども、ところがしばらくたって内議をしてくるところもあるわけでございますから、その辺のところで普通おおむね一カ月ぐらいを事務的な期間として要するでございましょう、こういうお答えをしておるわけであります。この二つをお考えいただきますれば、今これをそれじゃ一カ月の後にものさしとしてもう十五日だとかもう一カ月だとかということはなかなか申し上げられない。二つ合せた一つの方が非常に弾力のあるものでございますから、従って弾力のあるものと比較的固定したものと合せた和もなかなか日数では申し上げられない、私はかように考えるのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それを早く言ってくれれば何のことはないのです。だから私は初めから、大体医療協議会の結論が出ていよいよそれが発動するのはどのくらいかということを尋ねているのに、それはケース・バイ・ケースでやるのだ、ケース・バイ・ケースといったって今までの実績があるわけです。そうすると短かいものでも事務的に一カ月かかっておるということならば、これは一カ月以内にはできない、ここまでははっきりしておる。従ってそれにプラス患者その他の都合がありますので、まあこれは常識的に考えれば一カ月を越えて初めて発動ができる、こういう形が出てくるのです。これだけ聞いておけば患者の方も安心でしょう。医療機関もまた患者に対してそれだけの責任が持てる、こういうことになるわけです。まず即日なんていうことはあり得ない。常識では医療協議会の結論が出てから一カ月を越えて発動される、こう了承して差しつかえありませんね。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 本省に合議します期間が比較的早く済むものにつきましては必ずしも一カ月を必要としないというものもございます。また相当程度長期間を要し、かつただいまお説のように入院中の患者の措置というようなことから手間取るという事例もございまして、短かいものもあり、長いものもあり、それらのものの平均がおおむね一カ月前後であろうか、かように思う次第であります。従って事例によってはもっと手続も早く済みまして一カ月以内で取り消しが行われるものもあります。二、三カ月を要するものもございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 実はこの法律には、保険医が取り消されてから今度は知事に申請するには二年とぴしゃっと切っておられる。あるいは保険医の登録の期間は三年だ、こういうようにあなた方が自分の権力を握るためにはぴしゃっと書いておるのです。今度はあなた方が首を切ったらその首がいつから発動するかということはケース・バイ・ケースでわかりませんなんということは言わせません。自分の必要なときには期限を切っておって、いよいよ今度は相手が首を切られるときには、首を切る期日は何日くらい置いたらいいかということは、ケース・バイ・ケースで私の方にはわかりません、局長は一カ月くらいだろうと言っておった、課長は一カ月より早くできるだろうなんということは、まるで政府の不統一じやありませんか。少くとも何百人か何千人かの医療機関の医者なり医療機関の首を切るのですよ。人間の生命に関するのですよ。そういうことが今になって初めて協議をしなければわからない、知事に尋ねなければわからないというような、こんな無責任な法律がありますか。断じて許されない。これだけでも許されませんよ。だからもう少しそこらあたりは弾力性を持たして、医療協議会の結論が出たならば、大体の見通しは一カ月なら一カ月ということは一応足並みをそろえておかなければ、あるところは十五日だ、あるところは三カ月だというならばそこでも不公平が出てくる。だから大よその見通しはつけておいて、それくらいからやる、それから先はケース・バイ・ケースで、入院患者の多い少い、重い軽い、その地域の医療機関の分布の状態、こういうものが関係してくるのですから、一応足並みをそろえて、一カ月なら一カ月は最低限度事務的に必要だという線を引いておけばお互いに安心するわけです。それから先はわれわれにまかせておいてくれというならば、それはおまかせしましようと言っておるわけなのです。どうせ首を切られるのですから、首を切られる方は首を洗って待ちます。待つけれども、あした切るのかあさって切るのか首を切る日がわからないのじや困ります。一カ月すれば首を切るというならば医者も患者も腹をきめます。医者と患者が腹をきめなければならないわけなのです。お互いに命をあずけ、あずかるという信頼関係でできておるのです。行政では処理できないのです。医療は事務ではないのです。あなた方が医療を事務として処理しようとするところに医療機関の後退を来たす欠陥が出ようとしておる。保険は事務なりという感じが全国の医者にみなぎっておるのです。保険が事務になったから人間の生命は軽んぜられる。物として扱われるのです。ここに日本の医療の進歩が保険ではとまろうとする危機があるのです。そういう危機を最小限に救うためにはこういうところに親心が示されていなければならないのです。そこらあたりは、待ちますから局内の意思の統一をして答えて下さい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私は先ほどからお答えをいたしておる通りでございまして、ケース、ケースによりまして、ことに患者の措置というふうなことまでも考えました場合には、それが大体どのくらいであるということはケース、ケースによりまして違いまするから申し上げられない、しかし過去の保険医の取り消しの際におきましては、ただいま医療課長がお答えいたしましたように、平均的に見れば大体一ヵ月ということになっておるということだけは申し上げられると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 では一応私の方で、まあ大体発動するのは、一ヵ月を目途にして発動されている、こう了解して差しつかえありませんね。あなた方が答弁ができぬというのがおかしいですよ。何も三日や四日発動が早くなろうとおそくなろうと、それから先はケース・バイ・ケースで大して変りはないですが、一応事務的に処理するには一カ月かかるのだということをおっしゃっておる。ところが局長はそうおっしゃっているが、課長は、いやそれは県によって一カ月よりずっと早いところがございますと言う。これは十五日で切られるのもおるし、三カ月で切られるのもおるというと、不公平が出てくる。だから行政的に、事務的に見て、県から四日や三日早く来ても厚生省で押えていて、一応一カ月にならしておくということの方が、行政の扱いとしては機会均等で、その方がいいのです。そのためにあなた方は、法律でわざわざ二年という指定を取り消されて、今度申請するときには二年たたなければというように、二年ということで期限を切っている。   〔委員長退席、亀山委員長代理着席〕 それは二年の内部でもいいのですよ、二年たたなくても認める場合もあるのですから……。しかし法律は二年と切っている。しかし行政指導として皆さんに周知徹底せしめるためには、事務的に大体一カ月かかるから、目途は一カ月くらいだという言明ができてもいいはずなのです。それができぬというのがおかしいのですよ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 登録の方の四十三条ノ五の二項でございますが、これは今先生も仰せになりましたように、むしろ二年と切っているのは行政官庁の方の権限を縛っているのですね。逆なのです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それなら二年も何にもつけなくてもいい、一カ月たてばできるのです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 原則としてこういう規定がございますために、その他のものは全部だれでも登録をするということを、法律的には逆に言い表わしていることにもなるわけです。従ってこれはちょっと御引例になるには、私どもとしてはあまり適当な例でないのじゃないかと思います。しかし先生仰せの指定の取り消しというようなことを、医療協議会で結論が出て後になるべく期間をそろえてやるようにしろという仰せにつきましては、これはごもっともだと思いますから、私どもはできるだけ、なるべく期間をそろえるようにいたしたい、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それでいいのですよ。早くそれを言ってくれれば何もないのです。だから私は過去の実績までわざわざ尋ねて、そして一カ月なら一カ月でよろしいからおそろえなさい、こう言っている。何も三カ月にも四カ月にもしようというのじゃないのだから、早く答えて下さい。  次に、いよいよそういうように医療機関の首を切るのですね。これは監督と運営の問題になってくるのですがね。国立病院が不正請求をやったということになると、保険局長が医務局長の首を切る。結局ずっとこれを見詰めていきますと、厚生大臣が厚生大臣の首を切ることになるのですね。運営と監督が分離しておりません、一本ですから……。一体こういうことが法律の立て方としていいか悪いかということなのです、こういうことはできるかどうかということなんです。厚生大臣が厚生大臣の首を切る、厚生大臣が、大学なら文部大臣の首を切る、これは今後大事ですから、よく考えて答弁しておいてもらわないと、われわれは、それをいよいよあなた方が強行しそうでから、主張しますよ。これが通れば、僕らも積極的に大学その他の監査を要求します。これはいずれ、委員会はまだ四日ありますから、全部各大学も出してもらいたいと思います。まず一緒に要求しておきますが、東大と京都と九州大学と、それから国立東京第一病院、この四つの請求書の一番最近のものがいいと思うのです。だから一月分を取り寄せて出して下さい。私は小委員会で検討してもらいますから、委員長、これは絶対出してもらわなければ困りますよ。これを出きなければ、われわれは約束は実行ができません。これは一番大事なところですから、岡本君も言っておるし、私も言いますから、それができるかどうか。できないならできない、できるならできる、一体行政上の形で、文部大臣が厚生大臣から首を切られる形はどういう形が出てくるのか、厚生大臣が厚生大臣の首を切るのはどういう形で出てくるのか、これを一つ御説明願いたい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 ある役所が行政上の立場に立ちまして、他の役所の許認可をするとかいうふうなことは幾らも他の場合にあることでございまして、別に国立病院の指定の首を切る――首を切るという仰せでざごいますが、保険の診療をするという約束をやめるというだけで、そういうふうなことは法律上一向妙な形でない、私はかように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私はそう言うであろうことを実は期待をして、次の質問を用意しているのです。そうしますとこの大学の首を切って、そしてそれが保険医療機関でなくなったわけですね。普通の病院になりました。一体この場合に、そこに行かなければならない患者というものは、療養費払いができるんでしょうね。首を切られた大学に行ったその患者に対する療養費払いはできるでしょうね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 療養費払いの規定に該当をいたせば、療養費払いができるわけでございます。「保険者ハ療養ノ給付ヲ為スコト困難ナリト認メタルトキ又ハ被保険者ガ緊急其ノ他已ムヲ得ザル場合ニ於テ保険医及保険者ノ指定スル者以外ノ医師、歯科医師其ノ他ノ者ノ診療又ハ手当ヲ受ケタル場合ニ於テ保険者ガ其ノ必要アリト認メタルトキハ」、この規定の解釈からいきますと、大学病院のような場合には、大学病院の設置されているような場所におきましては他に幾らも医療機関があるわけでございますので、「療養ノ給付ヲ為スコト困難ナリト認メタルトキ」という場合には、該当をいたさないと思います。ただし交通事故でけがをした、もよりの大学病院に連れ込んだというふうな場合は、これはその後段の方で参りますけれども、いつでも大学病院へ行けば療養費払いがしてもらえるのだというふうなことには、この規定の解釈上相ならないと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 患者が大学病院に行くという場合は、民間の医療機関に行ったけれどもなおらない、私は大学に行かなければなおらないのだという信念を持って患者が行っておる。他の医療機間に行ってもなおらない。従って私は四十四条の「其ノ他巳ムヲ得ザル場合」に入ると思う。これに入らなければおかしいですよ。われわれの解釈では入る。それはほかの医療機関に行ったってラジウムはありません、アイソトープはない、だから大学に行く以外にないのだ、こういうことで大学に行く。あるいは小児科なら小児科、ほかの医療機関に行ったけれどもなおらない、これはやはり大学だ、といって行っているわけです。そうするとその大学は、保険医療機関としての指定を取り消されてしまった。しかしこれは大学に行かなければなおらないということになれば、療養費払いができなければうそですよ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 客観性がなければ、患者がそう信じて、思い込んで行ったということでは、この規定には当らないと思います。大学病院にしかその病気をなおす設備がないとか、あるいは客観的に見て医師がいないというふうな場合でありますれば、この後段の方に該当するかと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 後段とはどこでしょう。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 「認メタルトキ又ハ」以下でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 だから大学病院は、療養費払いはできるわけなんでしょう。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 大学の病院が療養費払いができるということではないのでございます。そういう場合には、どこの指定医療機関でもできるというわけです。大学病院だから療養費払いができるというのではない。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 問題を発展させちゃいかぬ。今問題は運営と監督の分離から来ているのですよ。問題をすりかえちゃいかぬですよ。だから私は、今言ったように文部大臣が厚生大臣から首を切られるという形は、これはなかなか実行が不可能じゃないかと言ったけれども、いやそういう場合は往々ございますとあなたはおっしゃる、それなら首を切られたならば、そこに行っておる患者は、今度は保険をぴたっとやめて保険証をもらって療養費払いを保険者に出すのです。それでよろしいかということなんです。保険医療機関としては取り消された。しかし大学の実態というものは、四十四条の被保険者がここに行かなければだめだと認めるのですから、大学に行く患者はみなそうなんです。もう近所の医者に行ってもなおらないから大学病院へ行っている。緊急やむを得ないから、高い旅費を払って朝早くから一番の汽車に乗っていっている。ところがたまたま見てもらっているうちに取り消されてしまった。そうなれば保険証をもらって療養費払いができるか、こう言っているのです。私はできると思う。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 大学病院が医療機関の指定を取り消された。それから今まで行っている患者は療養費払いに切りかわり得るのだ、それはこの規定によってできるはずだ。こういうような御解釈のようでありますが、それはできません。私は明確に申し上げておきます。ただ客観的に見て、その大学でなければその患者を治療することのできないような場合があり得ると思います。これは頭の中で考え得ると思う。たとえばある手術をやるにはその病院の先生でなければできない、そういうふうなことが客観的に認定され得るような場合があると思うのです。具体的にそういう場合があるかどうかは、私は今日の治療医学の内情をよく承知をいたしませんけれども、頭の中では考え得る。そういう客観性を持ったやむを得ざる場合ということであれば、指定を取り消されました後の大学病院にもかかって療養費払いができますし、それはあに大学病院のみならず、他の指定医療機関以外でもそういうことは出来るということを申し上げておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大学病院が指定を取り消されてできないという一般論をお述べになって、そして同時に客観的に見て大学でなければだめだという場合にはよろしいということなんですね。それでは客観的に見てきめるのはだれがきめるかということです。これは被保険者がきめるのです。何も保険者がきめるとは書いてない。あなた方保険者がきめるのでも何でもない。保険者がきめるのは前段だけで、後段は被保険者がきめるのです。被保険者がきめるのを、保険者が介入してこれは客観的でないなんて言われたら大へんです。これは被保険者を保険者と書きかえなければいけないのです。あなたの今の御意見なら修正ですよ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 別にこの規定の改正案を今御審議願っているわけではないのでございます。四十四条の療養費払いの規定の改正をお願い申し上げているわけではございません。これは条文の整理で、言葉の整理はいたしておりますが、内容については改正いたす予定ではございませんが、それにいたしましても、今先生がお読みになりましたような、やむを得ざる場合かどうかということを、被保険者が認定するのだという文章には、この法文は読めないと思います。「被保険者ガ緊急其ノ他巳ムヲ得ザル場合ニ於テ保険医及保険者ノ指定スル者以外ノ医師、歯科医師其ノ他ノ者ノ診療又ハ手当ヲ受ケタル場合ニ於テ保険者が其ノ必要アリト認メタルトキ」とはっきりしぼってあります。それで「被保険者」ということ主語は「診療又ハ手当ヲ受ケタル場合ニ於テ」にかかるのでございますから、今先生が仰せのようにはこの法文は読めないと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 従って緊急であったかどうかという証明をするのは、これは被保険者が証明するほかはだれも見ていないのです。病気になったときに、一一保険者のところに行って、私は緊急でございますからあの病院に行きますと言っては参りません。療養費払いとというものは、われわれの口頭の陳述によって保険者はみな認める。国民健康保険だってみな認めておりますよ。それじゃ「保険者ガ其ノ必要アリト認メタルトキ」というのは一体どういう場合かと言うのです。「緊急其ノ他已ムヲ得ザル場合」というのはワクを示してもらわなければわからぬことになりますが、それはどういう場合ですか。こまかくなりますけれどもこれは一番大事なところですよ。だれも証明しておりはせぬのです。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 四十四条の療養費払いという制度を設けました趣旨を御了解願いたいと思います。私どもは被保険者には療養の給付を、いわゆる現物給付をやるという建前をとっているわけでございます。従って保険医療機関というものをできるだけ被保険者のために指定をしまして、どこでも現物給付が受け得るような態勢を保険としては整えておく義務があるわけでございます。被保険者は、どこの医療機関でも保険医療機関であるならば自由に選べるというのが保険のいわゆる原則でございます。そういうふうなシステムをとっておりますが、しかしこういうように四十四条に、療養の給付をなすことがどうしてもできない、あるいはまた緊急やむを得ないような場合、あるいはその他真にやむを得ないような何か他の事由がある。たとえば先生の御設例のような、この病気はこの医者でなければいかぬのだというようなことであれば、それは療養費払いをしてやろう、こういうことになっておるわけでございます。この四十四条の規定は、そういう意味で非常にしぼった考え方をして運用をしております。またそれで差しつかえないように、現行法でございますと保険医というものがあり、保険医療機関というものがあるわけでございます。そこでこの四十四条をしいて広げる必要は一つもないわけでございます。ただ御設例のような御論点は、おそらく大学病院が指定を取り消された場合に、大学病院に非常な信頼を持っているような患者が行けなくなるようなことのないようにと、あるいはそのお考えでの御質問かとも思うのでございますけれども、この前から申し上げておりますように、保険医療機関というのはやはり被保険者の療養の現物給付を保険者にかわってやっていただく機関でございますので、もしどこの大学病院でありましても保険医療の仕組みに重大な違反をして、医療協議会の皆さんの御協議の結果、これは保険医療機関としては不適当であるというような判定が下って取り消されたというような病院に、私どもは保険者の診療を託するわけには参らぬ。しかしながらこの四十四条がありますので、四十四条に限定してわれわれが今まで考えておりますようなそういう特別の場合にだけは療養費払いを認めようというふうに答弁申し上げているわけでございます。なお、この四十四条の考え方はどんな場合があるか具体的に話せというお話でございますが、今御設例のような大学病院の場合、たとえば大学病院に通院中だった。ところがこの四月一日に指定が取り消された。ところが自分は療養の途中であるというような場合に、他に転移するというようなことは治療上非常に支障を来たすという場合は、もちろん引き続き大学病院に通うということもあり得ると思います。その場合に療養費払いが確かにその必要があるということが認定されれば当然療養費払いの仕組みにもなろうかと思います。しかしながら自分はどうもほかの医療機関では安心できないんだ、ただ不安だ、大学病院は天下の病院だからあすこは最高に違いないから、おれはどうしてもあそこに行くんだというような場合には、われわれとしてはどうしても四十四条の規定による療養費払いを認めるわけにいかない、こういうことでございます。またたとえば急に指定が取り消されることになった、従って一カ月や二カ月の療養期関があっても、そこに長期患者が入院している、今すぐ転移できないというような場合には、これはやむを得ない、その入院患者に対しては療養費払いをもって救ってやらなければいかぬわけでございます。そうした個々のケースが、特にやむを得ない事由に該当するかどうか、あるいは緊急な場合であるかどうか、そういう点を個々に保険者が認定をしまして、療養費としてあとで支給をする、こういうことになるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それは小沢さんが実情を知らないからです。やはり大学にいよいよ行くという患者は、すでに現在の一件当りの点数を見てもわかるように、請求点数は普通の開業医の倍なんです。この実態は一体何を意味しているかというと、前に地方のあらゆる名医だと言われるものをさまよって、どうにもこうにもならぬでみんな大学に行っておるんですよ。大学病院にはほんとうにみんな緊急やねを得ぬということで行っておるのでしょう。そしてここでなければ治らぬという確信と信念を持って行っている。その大学病院が取り消されちゃつたという場合には、他に行けということは患者に死ねということです。あなたがそういう場合はできぬというならば、今私は取り消された場合を一つの例にして問答を進めてきましたが、それじゃ取り消されていない大学の姿を一ぺん質問してみましょう。もし大学が知事が指定する一号に申請しなかった場合一体療養費払いはできるでしょうか。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 その場合はいわゆる四十三条の一号の保険医療機関でもない、二号の特定の保険者云々のその保険者の指定するものでもない、組合の病院でもありません。従って四十三条の原則で書いてありますように、被保険者は選択できないわけでございます。従って保険診療は認められない。その場合に、療養費払いを認めるかどうかという問題は、四十四条のただいままでに局長なり私から申し上げておるような解釈でいく意外にはない、こういうことでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それでは一つ実情を。今大学で保険契約をしていない、指定機関でないところがあるでしょう。全部指定をしたものになっておりますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 正確な数字はあるいはあとでお答えするかもしれせんが、先般の委員会でお答えしましたように、大体五十程度が保険者の指定するものとして保険との契約関係に入っておるということでございます。それから立ったついでに私今滝井先生の御質問に関連をいたしまして考えておったことでございますが。現行の制度では大学病院というようなもの、国立病院というようなものは保険者の指定するものということで別扱いになっておった。保険とは別扱にしておったわけです。それで、今度は大学病院も一般の医療機関も一緒に第一号でいこう、こういうことになったわけです。それでそれが取り消された場合に一体どうなるのだというような仰せでありますが、そういうことにつきましては、従来の場合でも契約を解除したらどうなるのだという場合と同じでございます。特にその関係において現行法と改正法とが非常に変ったやり方をしておるわけではございません。むしろ改正法案は大学病院も一般の医療機関と同じような立場において保険に参加してきてもらう、こういう建前をとっておるだけであります。それが保険の網の外に出る場合には、今度は取消しという形になりますが、現行法であれば契約の解除ということになる、保険者の指定を取り消すということになる、両方とも契約の解除でございますが、そういうことになるわけでございまして、今御指摘のようなことにつきましては、現行法で行いまする場合と改正法で行いまする場合とちっとも違わない、その場合に療養費払いというようなものは、同じように四十四条の規定に該当すれば療養費払いが行われる、こういうことになるわけでありますから、その辺のところを十分御審議の参考にしていただきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 時間が四時間しかないのですから、質問の要点をつかんでそのものずばりで簡単に答えて下さい。お願いしますよ。  今大学病院が五十申請しているということですが、医科大学は四十七校くらいしかないと思うのです。大学病院が五十ありますか。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 今日医科大学は五十がちょっと切れるのでありますが、一般の方の実際の窓口で申しますと、大学病院は、国立が三十七、公立が十七、私立が三十三、これは支払い基金の方の支払い窓口の数の統計でございますが、以上合せまして八十七という窓口になっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、この中で東京大学とか大阪、京都というものが入っておりますか。その契約の中に入っておりますか。――入っておるそうです。そうしますと、今までわれわれの経験では、たとえば国民健康保険なんかはほとんど全部療養費払いでやっております。私の市なんかも全部やっております。別に入院するときに保険者に申し出てきておりますが、全部やっております。はねるということはやっておりません。大学病院へ行っちゃいかぬということはない。行っちゃいかぬといったら、国民健康保険なんかたれもかかりません。そうしますと、これは大学やあるいは国立病院でもかまわぬですよ、一号に申請をしなかったときは一体どうするかということです。申請しなかったときあなた方はどういう措置をおとりになりますか。療養費払いも非常に限定したもので、そう一般にはできぬ、こういう御意見ですが、今度申請しなかったときは一体どうしますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 すべて医療機関の指定に当りましては申請を待って指定をいたすわけでございますが、申請されなかった場合には医療機関ということには相なりません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 申請をしなかったときにはあなたの方は二号の特定の保険者云々という、それにするつもりなのかどうか。どうするつもりですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 二号や三号に大学病院をするわけには法律上参りません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 よくわかりました。だんだんこれで明確になってきた。従って大学病院は一号を申請せざる限りにおいては保険の取扱いはできない、こういう形になるわけです。従ってこれは療養費払いというものを考慮しなければならぬということになるわけです。ところがさいぜんのいろいろの質疑応答で明白になったように、療養費払いというものはきわめて限られた保険者の必要と認めた以外はだめだ、こういうことになってきた。私は一応そう了承をしておきます。これは確認をいたしておきます。  そこで次でございますが、被保険者が健康保険組合の病院で見てもらった場合には療養費払いができるか、できないか、伺います。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 先ほどの御確認の中で、国保は健康保険法によっておりませんので、これは別でございますが、そのように御了承願いたいと思います。ただいまの御質問は課長からお答えいたします。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 今おっしゃっておられましたのは、四十三条は一号、二号、三号というこの三つの医療機関の類型がある。そのうちの第三の類型たる健康保険組合の開設した病院または診療所があって、そこの健康保険組合の被保険者でない私がその病院にかかり得るか、こういうことだろうと思います。またかかった場合に保険医療機関ではないから、現物給付がない、従ってこの場合には療養費の支給を認めるか、こういう御質問だろうと思います。私どもはこの前も申し上げましたように、この三号の健康保険組合の開設する診療所または薬局、病院というようなものが他の保険の被保険者を見るような場合には、一の指定医療機関でなければ、従って都道府県知事の指定を受けなければ、そういう用に開放できないことを申し上げているわけでございます。従ってそういうような健康保険組合の開設する直営健康保険組合の病院、診療所というものがもしも一人でも二人でも他の被保険者を見るというようなことは、保険医療機関の指定を受けなければできない、こういうことになるわけであります。そこで療養費払いが不能であるか、その療養費払いは先ほど来申し上げている四十四条の原則に返るわけでございまして、四十四条の例外というものに当てはまるかどうかのいかんによってきまる、こういうことになると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 よく読んで下さいよ。四十四条は四十三条第三項各号に掲ぐるこれこれ以外しか療養費払いはできない、だから保険組合なんかできない、直営診療所は。四十四条を読んでごらんなさい。四十四条はそう書いてある。一号、二号、三号というものは除外されているのですよ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 この点は、法律解釈の問題でございますので、今ここで簡単にお答えを申し上げまして間違っているといけませんから、法制同等でも十分法律的に掘り下げて検討した条文でございますので、それらの点について十分研究いたしましてからお答えをさせていただきたいと思います。その意味合いにおきまして滝井先生の御質問は趣旨を非常に簡単なお言葉で言っておられますので、今の最後の御質問の御趣旨をもう少し敷衍してお尋ねをいただきたいと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 たとえば政府管掌の被保険者である滝井義高が、高田工業株式会社の保険組合の病院に緊急でかかった、そのときに滝井義高は療養費払いを政府に請求することができるかということです。今療養費払いはできるとおっしゃった。ところが四十四条はできるようになっておらぬ、第三項各号に掲ぐるものというのは、一、二、三号というものは療養費払いはできません、こう規定してしまっているのです。だから健康保険組合に行ってかかっても、それは緊急の場合でもできないことになります。――時間が四時間しかないのですから、われわれは実質的にほんとうに建設的な質問しかしていないのですから、これはこの次答えてやって下さい。こういうていたらくで与党があわて回って上げるのがこの法案の実体であることは大体はっきりしてきましたから……。  その次にお尋ねいたします。今の御答弁からも明白になってきましたが、二号、三号というものが一人でも二人でも患者を見た場合にはすべてこれは一号になるんだという、こういうこのごろから答弁をいただいておりますが、もう一回ここでちょっと確認しておきたい。二号、三号が一人でも二人でも一般の被保険者を見る場合には、必ずこれは一号になる、これは確認して差しつかえありませんね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 さように開放をする場合には、これは一人でも二人でも――患者が幾人来るかわかりませんから、とにかく一般の国民に開放をするような場合におきましては、一号の指定を受けてもらわなければ困るということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、そういう二号、三号が一人でも二人でも見た場合に、二号、三号がこれは申請をしないのですね。受けてもらわねば困るというが、一体どういう工合にして強制をいたしますか。もし見たような場合には、どういう工合にしてそれを処罰しますか。――わからぬようでありますが、二号、三号が患者を見る場合ですね。そうしますと、これは保険証では見られぬから、療養費払いでどんどん行くわけですね。ところが療養費払いはできないことになっておるのですよ。だから患者は処置できないのですよ。しからば一号になってくれという。じゃ二号、三号が見た場合には一体あなた方はどうして一号にやることができるかというのですよ、私は。あなた方は、二号、三号のものが保険の患者を見れば、すぐに一号にしてもらいます、なるのでございますよというが、一体どうして一号にしますかお尋ねしておる。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 一号として強制をする方法はございません。それはどういう医療機関でも、とにかく指定医療機関になってくれといって強制する方法はございません。従ってその場合には保険の方で支払いをしないというだけで、自由診療になるということであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それでわかりました。  そこでもう一つ、今度は確認をしておきたいのは、その前の質問を通じて明白になっておることは、二号が申請をすれば、二号であると同時に一号でもあるんだ、こういうことをおっしゃった。それはあり得ることだ、こうおっしゃった。たとえばAという炭鉱の労働者のために、特にそこの保険者が――保険者がと言ってはおかしいが、あとで質問しますが、結局保険組合も特定の保険者ですが、二号とあまり変らぬ形になってしまう、実際は。指定した――これは一般の患者を見るときには、一号の申請を本人が進んでした場合には――本人というか、その病院が進んでした場合には一号と二号になる、こういうことになるわけです。そうしますと、大体純粋の法律上の二号、三号というものは、一体どの程度のものが出そうなのか、その予測ができますか。過去の実績から見て……。特定の保険者の管掌する被保険者のために診療をやっておるようなものでも、過去の請求の実績から見れば、これは明らかに一般の被保険者を見ているものも相当あるはずなんです。それから三号は、これは一般被保険者を見ておるところはそうはないと思います。そうしますと過去の実績から見て、純粋の二号と三号に属するものは大体どこだということは、これは数学が出てきておるはずです。どうして出てきておるかと言うと、これが出てきておるからこそおよそ予算その他も過去からわかってきているのです。たとえば公的な医療機関と私的な医療機関と分けて、そうして基金への請求実績というものが出てきているわけです。その公的な医療機関というようなものをずっと当っていくと、二号、三号というのに入ってきておるものがわかるはずです。三号は基金に出てこないのですから従ってわかってきます。これはずっとたぐっていけばわかるわけです。純粋の二号と三号に属するものは一体日本の医療機関の中の――この前の御説明では七万四千百くらいだとこうおっしゃたわけですね。七万四千百のうちで純粋の二号と三号に属すると思われるものは、過去の実績から見て大体何ぼくらいあるか、二号は幾らで三号、が幾らか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 そう多くの数字にはならぬと思いますが、ただいまさような数字をはっきり申し上げられるような資料を持ってきておりませんので、また調べまして、わかりまする範囲内において次会にお答えをいたしたいと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 実はそれは重要なところになるのです。この前もこういう数字を出してくれということを要求しているのです。これは速急にあしたまでに、ぜひ出していただくようにお願いをいたしておきます。  もう一つそれに関連してお尋ねしたいのは、国民健康保険の直営診療所というものは、今までは保険者の指定するものに入っておったと思います。今度はこれは当然一号に入るものだとわれわれは思うのです。いわゆる直診の役割というものは、国民健康保険の被保険者を見ることを建前にしておりますが、現実にはいろいろな者を見ておる、従って一号に入ることは間違いありませんね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 一号に入らなければ、一般の方々は見るわけに参りまん。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そこで今度は次にいきます。そうしますと二号と三号の病院、診療所、薬局というようなものは、いわば特定の被保険者のために運営をきれておるものなんですね。従ってそれはそこの保険組合なり、保険者の保険経済と密接に結びついておるものなんです。たとえば具体的に例をとってみると、保険組合に例をとってみれば一番わかりやすい。Aという保険組合があります。そうしますとここの保険組合の経営をしておる病院に、そのAの保険組合の患者が行くことは大歓迎です。ところがそのAの保険組合の被保険者が、民間の医療機関なりあるいはその他の医療機関に出ていくことは、保険経済に非常に大きな影響を及ぼす。従ってそれを抑制するための手段はどういう手段がとられるかというと、まず第一にとられる手段は、保険証を外に出さないために労務が押える手段がございます。健康保険は労務管理の一種なんですから、労務が握って押える手段が一つあります。これは最近はだんだん労働組合が強くなってなくなって参りましたが、われわれが大学を出た当時はそれが非常に多かった。それから第二の手段は、患者を外に逃がさないために、医療機関で濃厚診療が行われます。こういうことがあるわけですね。そうしますと被保険者は外になかなか出ていけない。ところろがたまたま出ていったのです。出ていったところが社会保険出張所のお役人さんにつかまえられちゃって、尋問を受けた、こういう場合が出てくるのです。たとえば患者の聞き取り調査に今回っておる。社会保険出張がいろいろな問題で患者の記憶調査その他何の注射を受けたかと聞いて回っておりますね。そうしますと、被保険者の立場からいえばどういうことが起るかというと、自分は保険証を持って自分のところの直営診療所に行った場合と、民間に行った場合とは違った形が出てくるのです。というのは、どういう形で違った形が出てくるかというと、同じ保険証で、同じ百円札で、自分の診療所に行った場合と普通の医療機関に行った場合と違ってくるのです。被保険者に対する風当りが強いのですね。なぜならば、保険医療機関に行くと、これはたまたま医者の方の診療か何かで疑いを受けた、疑いを受けなくてもあなた方が必要だと思えば調べる。必要がなくても調べることができるようになっておりますが、そうすれば被保険者が呼び出されます。ところが一方濃厚診療を自分の医療機関がやってもそういうことはない。片一方は濃厚診療をやっておったら大へんで、一緒に調べられて、それが記憶違いであったら罰せられるもしれないという事態になる。こういうように同じ保険証で自分の生命を保護するための医療を受けに医療機関に行くときの態度が違ってくるのですよ。同じ選択することのできる一、二、三号ではあるけれども、自分のところへ行けば自由に濃厚診療を受けても何でもないのですよ、また罰せられもしません。質問はいろいろ九条の一と二で受けるかもしれませんけれども、こういう場合は少い。そうしますと、同じ保険証で今度医療機関と峯のつくものに行くと大へんなことになる場合が出てくる。こういう工合に保険者、被保険者――法律的にいうと、明らかに一、二、三号の医療機関は法律的な立場も違います。同時に今度は個々の被保険者が医療機関に行った場合に監督者から受ける立場も違ってくるという形が出てきておりますね。監督者から受けるいろいろな圧力のかかり工合が違うということです。結局そういう形がこの法律にはあるということなんです。これはお認めになりますね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 医療機関といえども診療の内容につきましては、たしか後の方に準用規定がございますので、その内容に従って、一般保険診療のルールに従って診療をいたしていくべきものということに相なっておりますが、ただ二号、三号につきましては、それに違反をしたような場合に指定の取消しとかなんとかいうことは起りません、初めから指定をしないのでありますから。そういう相違はございます。ところが現行法では、先生もよく御存じのように、いわゆる先生が今御指摘になっておるような二号、三号のごとき取扱いを受けておる医療機関が非常に多いわけでございます。そういうふうなものを大部分一般の一号の方に入れていこうという改正なのでございます。現行法ではその辺が今先生御指摘のような点で非常に工合が悪いところがあるから、でき得る限り一般の一号の方に入れて参ろう、こういう趣旨の改正なんでございます。先生の御希望になっておられる方向に対する改正である、こういうふうに私どもは考えておるのであります。その際に二号、三号というふうなものは、病院の設立の趣旨自体からもう法律上の立場も違うわけでございます。従ってそれを二号、三号というふうな形で法律的に整備をいたしたわけでございます。従って繰り返して申しますけれども、今回の改正案の方は、かりに先生御指摘のような特別扱いをすると、そういう工合の悪いことが起るじゃないかという仰せを肯定いたすといたしましても、それは現行法よりはずっとよくなる、先生御指摘の方向に非常に大幅に近づいていく、こういうことになるように私は考える次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 とにかく被保険者の取扱いが違っておることはお認めになるわけですね。一号で治療を受けた場合と、三号で治療を受けた場合とは、いろいろの法律上の規定その他は同じだとおっしゃるけれども、現実問題としては違っておるわけです。それは大して大きな問題でありませんので、時間がありませんから先に進みますが、そうしますと、一体二号と三号とは一緒じゃないかということです。二号と三号と分ける必要があるかどうかという問題です。特定の保険者というのは、これは健康保険組合も特定の保険者に入るわけでしょう。三号をわざわざどうして設けなければならぬかということです。三号を削っても、健康保険組合というものは二号の中でも読めるのです。よく読んでみて下さい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 二号の方には特定の保険者の管掌する被保険者のための診療を行う病院または診療所ということでございまして、その経営主体が必ずしも保険者でなくてもよろしい。たとえば何々会社が自分のところの組合の被保険者を見るために作っておりまする病院であっても二号に当るわけであります。ところが三号の方は事業主病院というようなものは含まれておりません。健康保険組合自体が作る、自分で作り自分で経営するという病院でございます。従いまして二号と三号との範囲が違ってくるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうも私はわからぬですがね。たとえばAという健康保険組合がありますよ。これはAという固有名詞がつけば特定の健康保険組合でも保険者です。そうでしょう。しかもAという健康保険組合という保険者は、その自分の所属する組合の特定の被保険者のためにやるんだから、何も三号を設けなくても二号に含まれちゃう。健康保険組合というものを入れなくても二号でみんなできちゃう。これは二号で読めます。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 二号の方はあくまでもその特定の保険者の管掌する被保険者のためのこれこれということでございまして、だれが開設するというようなことは関係がないわけでございます。従いまして先ほど私が申し上げましたような事業主医局等がこれに当ってくるわけでございます。しかし三号の方は健康保険組合そのものが開設する病院もしくは診療所ということにしぼって書いてございます。これは私は法律的に申して二つに分けておいた方がむしろ明確になるのではあるまいか、かように考えておりますが、いかがでございましょうか。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうもこっちの方が政府委員になっちゃったんだが、特定の保険者の管掌するというのは、特定の保険者というのは、Aという健康保険組合というものがあれば、それは特定の保険者です。それが管掌をしていることは間違いない。そうでしょう。そこの組合の管掌している被保険者であることは間違いないです。だから特に健康保険組合の中に列挙する必要は何もないのです。二と三は同じですよ。これもついでに研究してみて下さい。二と三は同じです。同じに読めますから。時間がありませんから、これはやはり一つ研究をしてみておいて下さい。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 実はおっしゃるように特定の保険者の管掌する被保険者、すなわち二号の場合の特定の保険者の中にはAという健康保険組合が入ることは事実であります。ところが二号と三号に分けましたのは、三号というのは現物給付そのものを行うわけであります。二号の方は、たとえば保険者ですから政府管掌というものもあるわけです。政府管掌という保険者が自己の被保険者のために作った病院、それを政府管掌の政府という保険者が指定をしたというような場合に、いわゆる健康保険病院は二号に入るわけです。ただその性格は二号でございますが、それがもし不特定多数人の他の者を見るという場合に、一号の指定を受けなければならぬということは先ほど申し上げた通りであります。それと同じ関係が組合の場合でも起るわけでございます。三号を入れましたのは、とにかく現物給付そのものを行うというような格好で出てきた、いわゆる性格が全く違うという意味であります。それからもう一つは、二号と三号では一部負担の規定が問題になるわけでございます。四十三条ノ十六をごらんいただきまするとわかりますように、一部負担についての特別な規定がございます。そういう点二号と三号は違ってくる場合があるわけでございまして、特に三号を設けました実益もそこにあるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 二と三は同じであるということは明白なんです。開設するとかなんとかいうことは問題にならない。とにかく当該の者が指定したらそれでいい。指定しておれば、それは開設をしておろうと、しなかろうと同じなんですからね。それから現物給付云々とおっしゃるけれども、これはみな現物給付しておるわけなんです。何もここで二と三を分ける法益などない。二の中に健康保険組合を含めておっても読めますよ。むしろ分けることの方が問題なんです。かえって混乱しちゃう。分類を複雑にするというのはそこなんです。これはもう少し私も考えましょう。あなたももうちょっと考えてみて下さい。  それからもう一つ、そうするとこの四十三条の一ですね。「都道府県知事ノ指定ヲ受ケタル病院若ハ診療所又ハ薬局(以下保険医療機関又ハ保険薬局ト称ス)」ということになっております。一体知事というものはどういう法律的な根拠で指定権を持っておるかということです。知事の法律上の根拠、知事は保険者でも何でもない、赤の他人です。金を一文も出していませんよ。一文も出していない知事がどうしてこういう活殺自在の指定権を持っておるか。どこに法律上の根拠があるか。知事は公選です。昔の昭和二年のときの官選知事ではありません。どこに持っているか、それは健康保険である。時間がないから先に私の方で言いますが、十条があります。十条を見て下さい。十条と二十四条があるだけです。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 この都道府県知事というのは、国の機関としての事務をやる都道府県知事をさしております。そういう意味で考えていただければ……。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 国の機関である知事であっても、法律上の根拠がなければ指定権などというものはないでしょう。法律的に知事にその指定を受けるだけの権限が厚生大臣から委任か何かされておらなければね。だから委任される条項というのは、今私が申すように十条と二十四条にあります。十条は職権の一部委任、二十四条は事務の一部を管掌させるということです。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 四十三条ノ三という条文をよく見ていただくとわかりますが、地方自治法の規定で、国の機関としての都道府県知事という性格があるわけでございます。その行政庁であるところの、委任機関としての都道府県知事というものに、この四十三条ノ三の指定によってずばり権限を付与しておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私は、この四十三条ノ三だけではどうもちょっとわかりかねるところがあるのですがね。昭和二年に健康保険法ができたときの知事は官選ですよ。ところが今は民選なんです。そして知事は保険になんぼか金を出しているかというと、何にも出していない。そうして現実に保険の運営を見ると、国の出先である保険局長がやっておって、知事というものは形式的に乗っておるだけなんです。その経費も指令も、一切の運営は知事より保険局長から行っているわけなんです。知事についての法律上の根拠というものは明確ではない。こういう活殺自在の剣を握らせるためにはもっと明確なものが地方自治法か何かに出てこなければならぬ。だからその法律上の根拠を教えてくれというわけです。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 地方自治法の百四十八条に、「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の事務及び法律又はこれに基く政令によりその権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務を管理し及びこれを執行する。」こういう規定があります。従ってこの百四十八条の法律に基く権限というのが、健康保険法四十三条ノ三の規定で都道府県知事に与えられておるわけです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかったようなわからぬようなところがありますが、一応了承いたしました。ところで県における保険課のあり方というものは、普通の部局とはちょっと違うのです。民生部長が上におりますが、これはただ乗っかっておるだけなんです。しかも保険課の職員の身分というものも、普通の地方公務員そのものの形をとっていない。地方公務員には入っておりますけれども、ちょっと身分が違うのです。昔の官選知事の場合ならば私たちも頭ですらっと割り切っていくのです。ところが公選になって、知事の性格が非常に違ってきておるこの段階で、こういう大きな権限を知事に与えるということになると、保険者のような立場か何かはっきりしたものがあればいいんだが、そうでないと今のようにきわめて抽象的な法律の根拠でいく形になる。今後国民皆保険をやるためには、これだけの大きな権限を与えるのですから、知事というものの自治法における規定の仕方をもっと明確にしておく方がいいのじゃないかという感じがするのです。私は法律の専門家ではないのですが、そういう感じがすることは事実です。法律が官選知事のときの立て方になっているからそういう疑問が出てくるのです。  次に、大臣が来られたのでお伺いいたしますが、一部負担引き上げの理論的な根拠はどこに置いておるかということです。これはこの前ちょっと説明されておったようですが、簡単に一つ言って下さい。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 被保険者同士の負担の均衡を得さしめたい、こういうことでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 被保険者同士の負担の公平をはかるためだ、こういうことでございます。もう一つ何か受益者負担というようなこともおっしゃっておったように思いますが、一応そういうことを確認いたしておきます。  そこで、二十四国会のときの一部負担と今回の一部負担と異なった理論的根拠は一体どこに置いておるかということです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 一部負担の基本的な考え方は今大臣が仰せになった通りでございます。二十四国会のときと、今国会に提案をいたしました政府の原案は、その方法を変えたということでございます。別に理論的根拠が変っておるというわけのものではございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いや、変えるには何か変えるだけの実益が見通されたからだろうと思うのです。この前のこま切れに徴収する方法を初診というところに一本にまとめたについては、何かそこに理論的な根拠がなければ、これは元の通りに出したらよいのです。というのは、衆議院を修正して通ったのはこういう百円の形ではない。あなた方は当時の意向を参照して今度は出しているとおっしゃる。何か実益があるからこそ変えていると思う。どういう実益があると見通したから変えているのかというのです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 一部負担の方法はいろいろ考えられるのでありまして、その方法に一々理論的な根拠というようなやかましいものがあるというわけのものでもあるまいと思います。しかし今の先生の、二十四国会と今国会と一部負担の方法を変えた事情といいますか、そういうものは、どういうものかというふうな御質問でございますが、それは、二十四国会において衆議院でも参議院でも相当長期にわたりましてこの問題について御審議がございました。それらの御審議の過程を通じまして、私どもといたしましては、この前のものより今回のものの方、が事務的に煩瑣でないとか、あるいは診療を担当する窓口の問題、これを徴収していただく診療担当者のお立場、そういうふうなことをも実際問題としていろいろ考え、御意向はこの辺にあるではないか、こういうふうに推察いたしたと申してははなはだ語弊がございますけれども、審議の過程を通じましてこういうふうに変えた方が妥当であろうというふうな考え方から方法を変えたのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 事務的に煩瑣でなくなるようにするため、あるいは窓口の問題、療養担当者の立場等も考えた、こういうことでございます。いずれあとでいきます。  大臣おいででありますから大臣に尋ねたいのですが、医療費体系と今度の初診の際の百円は一体どういう関係になるのか。大臣は医療費体系を言ってもわからないと思いますが、これは一番大事なことです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 今回従来の初診料相当額を百円にまで引き上げましたことは医療費のいわゆる点数表とは全然無関係でございます。もう少し言葉を敷衍して申し上げますと、新しい点数表で、初診料の額が何点になりましょうともこれに関連なく今回の一部負担の制度を考えているわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、将来医療費体系がどう変ろうとそのままでいく、こういうことなんですね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私どもただいまの考え方はそうでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 現在行われておる一部負担と新しくできる一部負担とはどこか違うところがあるのかないのか、同じなのか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 現行法の解釈にいろいろ説があるわけでございますが、現行法では初診料というものをつかまえてそれに相当する額というふうな表現をいたしております。改正法の考え方は、初診料であるとか注射料、投薬料というふうに医療行為の個々のものをつかまえて、それに相当する額というふうな考え方をいたしておりません。その辺が変っておると申せば変っておるかと存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと一部負担は旧法においても今度の改正案においても療養の給付ですか、給付でありませんか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 給付は現物給付をされるわけでございまして、その中のその費用について一部を負担していただくということでございますから、給付の範囲内と私は理解いたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると現行法の初診相当額四点も今度の初診の際の百円も療養の給付だということですね。これは確認して差しつかえありませんね。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私はさように理解いたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣もそう理解して差しつかえありませんね。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 さように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 政府の見解は新法においても旧法においてもこれは療養の給付であるという確認を得ました。そうしますと旧法の四十三条の六を見て下さい。これは「療養ニ要スル費用」となっております。給付と書いてない。ところが新法は全部よく読んでみると、やはり給付と書いてあります。だから私は、今度の改正案においてはどうも一部負担というものをはっきり書いておりませんが、全部を通読してよく考えてみると給付らしいということがわかります。しかしながら旧法が療養の給付だという断定はなかなかできかねるようでございます。それができるならばどういう法文でできるのかお教えを願いたい。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 今度の改正案では療養の給付、つまり保険給付の範囲内ということが推定できるようだけれども、旧法においてはどうもそれがはっきりしない。従って現行法ではそれがどういうように療養の給付の一部なんだ、あるいは保険給付の範囲内だということをいうが、それをはっきりと条文上に基いて説明をしろというお尋ねでありますと思いますが、これは旧法の第四章四十三条で「療養ノ給付ヲ為ス」という規定があるわけです。そうしてその中に診察、薬剤そのほかいろいろなものがありますが、四十三条ノ二で一部負担金として払うということが――その四十三条の給付を受けるものは、これこれのあれをせいという義務が書いてあるわけです。そこで四十三条ノ六で、その費用について、療養の給付に関して請求し得るものは一部負担を除いた額であるということになっております。従って四十三条の療養の給付の実体規定と四十三条ノ二の一部負担に対する義務づけ、それから四十三条ノ六で費用についた規定との関連を十分に考えていただければ、私どもが一応保険給付の範囲内として一部負担金を考えているということがおわかりいただけると思います。   〔亀山委員長代理退席、大坪委員長   代理着席〕

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、保険の給付というものは、その金の支払いは保険者の責任ですね。未払いのときは、最終的には保険者が支払うと確認して差しつかえありませんか。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 実はそうでないのでございまして、四十三条で療養の給付は保険者がやるのだということを保険給付として法定いたしております。もちろん初診もその一部でございます。しかしながら、今度保険医について請求を許しておる金額は四十三条ノ二によって患者が一部負担をするが、その一部負担金を控除したものを保険はその費用として払いますよという規定を四十三条ノ六でやっておるわけであります。そうすると前の方の手取りの穴があくだろうから、それは四十三条ノ二で被保険者に法律上義務づけをちゃんとやっておくぞ、こういうことになっておるわけでございまして、療養の給付の範囲内だから保険者がすべて最終的には責任を負うのだというような立て方も、立法論としては可能ではございましょうけれども、現行法は少くともそうなっていないのでございます。保険の費用の支払い関係あるいは請求を許す範囲また請求の一部負担以外でも保険の診療報酬というものは、その金額全体を、たとえば保険者が算定するようになっておる。そういういろいろな保険の仕組みがあるわけでございますが、仕組みの一つとして一部負担というものは患者に法律上義務を課し、それを保険は除いた金額として療養費を払うぞ、こういうことになっておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そこらあたりはそれでよいとして、被保険者の立場その他もありますが、この前そこはやっておりますから次へいきます。  そうしますと百円相当額は八点ですね。十二円五十銭の甲地区は八点そのものずばりで百円になります。ところが乙地区は八点では百円にならないですね。八・六九何々とずっと続いていきます。新医療費体系の完成ができなかったために暫定案になった。二、二とか二、一というような端数ができた。そうすると今度は保険医は乙地区においては八・六九何がしを請求しなければならぬ。一体これで事務が簡単になったと言えますか。八・六九何がしを請求しなければならぬでしょう。そうするとたとえば十点の治療が行われたならば、大体患者から幾らもらって、そして幾ら基金に請求したらいいのですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 今のところは超過分だけをたとえば百円以内でありますが、それを患者から取っております。そうでない場合は超過分だけを御請求願うという建前になっておるわけでございます。この点はいずれこの法律改正が実施されまする場合には、請書の様式なりなんなりをもう一度検討し直すということになっておりますが、どうせこれは今のままでは請求に差しつかえがあるわけでありますので、その際にできますれば一応レセプトの中には全体を書いていただきまして、そして基金の方で百円を差し引くということができますれば、計算を基金の方でできますればそういうふうな方法をも考えてみたい、かように私自身今考えておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうも局長さん、あなたは事務的にうといからそういうことをおっしゃる。十二円五十銭の地区は八点そのものでいいのですけれども、乙地区は一体どういう請求をするかということなんです。百円というのは八・六九なんぼになって、ぴっしゃりならないんですよ。十点の場合には基金に請求する方は一・三一何がしとずっとなっていくのです。大体幾ら請求すればいいかということなんです。  それから今請求書その他をやるといったが、一体この法律はいつからこれを実施するつもりでありますか。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 両院で通過いたしますれば公布いたしまして施行いたしたいと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 両院通過してやることはよくわかります。そのためにレセプトその他みな変えなければならぬ。事務的に大体どの程度かかったならばこれが実施できるかということです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 準備の期間がいずれ要ると思いますので、今私ども何日というふうには考えておりませんけれども、両院が通過をいたしまして適当な時期に実施をするということにいたしたいと思っております。というのはたとえば標準報酬の引き上げとか、一部負担とか、そういうふうな問題は、これはやはり月の変りでございませんと事務的に支障がございます。それからそうでない規定もございまするので、その辺のところはよく事柄によりまして検討いたしまして実施をいたしたいと思いますが、おおむね一カ月程度必要なのではあるまいか、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これはきわめて重大なことになってくるわけです。そうしますとこの法律は年度内に通りましてもこれが実際に実施されるのは五月一日からになってしまう。少くとも暫定案の場合でも医療費体系を審議するときに周知徹底の期間が要るので一カ月はかかるというのが今までのあなた方の答弁だったのです。これは暫定案どころじゃない、法律ですよ。これを今度は医療機関に周知徹底せしめなければならぬ、そうしてしかも経過措置がたくさんあります。経過措置だってこの前私が指摘しましたように、たとえば経過措置の八条なんかをごらんになると、三項二号の生きる期間というものは三月三十一日までということになっておるのです。そうしますとこういうのも変えなければなりません。事務的に最低一カ月ということになると、この法律の実施は五月一日以降と了承して差しつかえありませんか、これは大事なところですから……。

神田博自由民主党厚生大臣

○神田国務大臣 今局長の述べましたことは、一部は約一カ月の期間が要るのであって、本法は年度内に施行したい、通過いたしましたら即日でも一つ公布いたしたい、そういうことなのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これは医療機関がすぐにお金をやりとりするわけなのです。これは実施されればすぐやらなければならぬ。そうしたらその月の終りには請求書を出さなければならぬのです。だから一部といっても、じゃどの部分とどの部分がすぐになって、どの部分が一カ月あとになるということを聞かなければならぬ。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 かりに今月のうちに両院を通過ということになりますればぜひさようにお願いしたいということで実はお願い申し上げておるわけでございますが、そういう場合におきましては、例をあげてみますれば七十条ノ三でございましたか、国庫補助の規定というようなものは直ちに公布の日から施行いたしたい、それから一部負担とか、その他保険医療機関の問題でありまするとか、標準報酬の問題でありますとかはもう少し検討の余地があると思いますが、それら具体的な問題につきまして検討を加えまして今お尋ねのような窓口の混乱というふうなことは避けて参りたい、その余裕をもって施行いたしたい、かような考えでございます。しかしこれら施行時期につきましては法律できまるわけでございまして、国会で御決定になることでございますから、私どもはそういうふうに希望いたしておりますけれども、私どもよりはむしろ国会の方で御決定をいただくということに相なっておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いや、それは国会が決定いたします。その御心配はいらぬと思います。私が心配するのはあなた方政府の提案者の意図は一体どこにあるかということなのです。何もかにも国会にまかせますからというなら何もあなた方に答弁を求めなくてもよろしい、われわれ勝手に与党と話し合って修正しましょう、こうなる。それではあなた方は不満である。だからあわてることはないからことしの三十億は私がとってあげますといってもそれは困りますとあなた方がおっしゃっておるわけなのです。それはあなた方の意思があるからなのです。あなた方はこの法律が全部動き出すためには、事務的に見てどの程度必要かというと、三十億はすぐ出してくれということは忘れずにおっしゃっておる。ところが一部負担の額や標準報酬やら三親等に区切ることやらいろいろ問題が出てくるのです。そういうものが実際に動き出すには最低一カ月くらいかかると言ったが、それならば三月三十一日までにこの法律が通っても五月一日になるが、そう了承してよろしいかということなのです。これはきわめて大事な点ですよ。これはおろそかな答弁は私は許されぬと思うのです。大臣と相談して一つやってみて下さい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 ものによりましては五月一日ということになる、かりに三月三十一日なりに通った場合に五月一日ということになるものがあると存じます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 とにかくこの法律は、やっぱり五月以降でなければ全面的に動くことが不可能であるということが大体はっきりしてきました。そこで最前の質問に返ります。これは医療課長さんの方になりますか、乙地区の請求は一体何ぼ請求したらいいか。一・三一、何々と永遠に書くわけにはいきませんから、どこらあたりで区切って請求させるおつもりなのか、これは一月一日実施の法律なんですからね。明快な答弁をしてくれないと困りますよ。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 乙地区における請求内容は点数をもって請求になっておりますので、この法律が施行になりましても点数で請求になるということになります。それに百円というような価格を差し引く場合に、百円を点数にして差し引きますと相当めんどうになりますので、むしろ基金が支払う金額を算定した際にその中から百円が引けるような何らかの取扱いをいたしまして、点数で小数点以下をこまかに計算して取り扱うような煩雑な措置はできる限り避けるような方式を考えたい、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そういうあいまいな答弁ではだめですよ。私は今請求書を持ってきているのであとからやりますが、これは一つずつやらなければならぬですよ。それは一括してやるものじゃない。診療報酬請求書というものと、診療報酬明細書というものがある。明細書に一つずつ書かなければ監査も何もできませんよ。明快な答弁ができぬようでありますが、一・三一何ぼにするのか。百円で請求する、こうおっしゃるけれども、百円以下の場合もある。第一われわれが基金から金をもらうときには、今初診料は差し引いて請求しているのですよ。初診料というものは書いてない。今度は書かなければわからぬのですよ。百円だけ引いてあとを書けと言ったって、百円引いたらあとは一・三一何ぼになるのですよ。あなた方が今度は初診も何も全部書きなさいというなら別なんです。しかしそれじゃ何ぼもらったかわからぬから基金が計算できない。滝井義高が高田正巳という人から何ぼもらったかわからぬ。だから今度は当然差し引いた額を請求書に書かなければ基金は計算できないはずなんです。そこらあたりをもうちょっと明白にしなければいかぬ。  それからいま一つは、今までは初診のときには請求書に初診料四点というものは書きませんよ。今度は第一日目の初診のものを書かなければわからぬのですよ。だから、たとえば初診があった、そして二日分の薬をやった、そして一本十五円以下の注射をした、こうなりますと一二・四点になる。そうすると一二・四点の中から八点に見合う分だけの――これは一番複雑なのは乙地区なんです。甲地区は簡単にいくのです。乙地区は今度は八点を患者からもらうことになるが、その一二・四に十一円五十銭をかけて百円だけもらう。そうするとあとの残りは何銭何厘何毛になってくるのです。一体これはどうするかということです。しかももし初診の日のことを書かないでやるとすれば、これはみそもくそも一緒になる。初診のときに、第一日目に大体何点の治療が行われたかによって百円か百円以下かきまってくる。従って第一日のものをここに明示するような様式ができない限りは、基金の審査はできない、それを一体どうするかということなんです。これはあとから事務的に言うなんということは、だめなんです。国会で具体的に明示をしてもらいたい。この法律が通ればすぐやる部分も出てくるものなんですから……。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 私が先ほど申し上げましたように、基金の請求書の様式はこの法律が実施されます場合には変えなければいけません。従いましてその際には医療担当者の団体とも御相談の上で様式を変えますということにはなっておるわけであります。それでその際に今先生御指摘のように、初診の日にどれだけの医療が行われたかということがわかりませんと先生仰せの通りになります。従ってそれをどうしても表示しなければならぬことになる。それをどういうふうに具体的に表示するのが医療担当者側も一番便利で簡単であり、基金側でも簡単であるかという具体的な方法を御相談の上で考えたい、こういうふうに今思っておるわけであります。  それから先生御指摘のように甲地、乙地というような問題が現行ではありますから、現在のあれといたしましてはやはり医療にかかりました全体の金額を点数に表示していただきまして、そうしてその中から百円を差し引いて払うというふうな、あるいは別途に初診の日にかかったのが七十五円ということであれば、七十五円を差し引いて払うというような事務的な処理の仕方をいたす方が便利であると私は考えております。従ってそういうふうな方向に基金の請求の様式も変更をいたしたいと思っでおるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いろいろ理屈は聞かなくてもよろしゅうございますから、衆議院を法律案が通るまでにこの様式を一つお示し願いたいと思う。これは一月一日から実施するのだからあなた方用意しておるはずなんです。用意していなければあなた方怠慢ですよ。ですから一つ衆議院を通るまでにお願いをしておきます。  次に乙地区のところは一応別にして初診のときに百円であった、八点だった、そうするとそのときに基金の方に請求書を出すか出さぬかということなんです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 八点であるならば甲地ならばちょうど百円、乙地であれば九十二円でありますか、それが初診で全然ほかになくてそのまま帰ったというような場合には出す必要はない。しかし先ほど私が申し上げましたように、その人が翌日もずっと来られまして一月の医療費がほかにもずっとかかっておるような場合には初診の際の八点分も入れまして、初診の日には幾らかかりました、何点であったということを表示するような様式に変えまして、全体の点数を請求していただくということにいたしたい、かように考えております。  それからなおその様式を至急出せということでございますが、私が先ほど申しましたように、この点については一つ改正が実施される際に療養担当者の団体とも相談をして、この様式を考えようということに実はいたしておるわけでありまして、今私が申しましたのは、そういう私の考え方を申し上げたわけでありますから、これは相談の結果、より便利な方法があればそういうふうなものによりたいと思いますので、一両日中に提出しろということは御容赦を願いたい、かように考えるのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 少くとも一部負担というものはもうずいぶん長きにわたって論議をされてきた。あなた方がここまで考えるについては当然これを考えておかなければいかぬ。これが生命ですよ、これは金券と同じですよ。この様式さえもまだできていない法律を何であわててやらなければならないのか。あなた方としては療養担当者とも話し合ってやっておると思う。しかもそれが複雑怪奇なんです。前のよりも事務が簡素になっておるとおっしゃるけれども、ちっとも簡素になっていない。様式さえ考えていない、全国で何万枚と刷っておる医者は、これがみなほごになってしまう。これは無理な要求ではない。この法律は一月一日実施の法律ではありませんか。私は要求いたします。あなた方は頭をしぼって早急に療養担当者と――事務的なことですからすぐできますから一つ衆議院を通るまでに出してもらいたい。  それから今非常に重大な御発言がありましたのでそう了承しておきます。甲地区で八点の場合には出さなくてもよろしい、それから八点以下の場合も従って出さなくてもいい、こういう結論になるわけですね。第一回の診察で終ってもうあとは来なかったという場合に、八点の場合には出さなくていいとおっしゃった、八点以下の場合も出さなくていいのは当然ですね。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 やはり基金は診療内容全体を通じてみる、あるいは同じ患者が二度疾病にかかるというようなことから累推してその患者の全体の診療状況を把握しないと審査ができない事情もございますので、やはり基金に請求金額が出ないような今の八点未満の場合でも御請求いただくことは必要かと現在考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 もう局長と課長の答弁が違った。局長は百円のときに出さなくてもよろしいとおっしゃる、あなたは出せとおっしゃる、一体どっちです。まだ私はこまかいことをずっとやりますよ。一番具体的に現実に人間の生命を取り扱うことが政府部内ですでにこれじゃないのですか。しかもおまけに簡易にしたなんて処置ないじゃないですか。局長は出さぬでもいいというし、課長は出せというし、そんなばかなことがありますか。一体どっちですか。   〔大坪委員長代理退席、委員長着   席〕

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 それは私は先ほどさように申し上げましたが一つ十分検討をいたしまして、明日お答えをいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いいですか、こういう大事な法案を政府当局が御検討しなければ答えられないというようなことは断じて許さないのですよ。与党はもうきようで質疑を打ち切って通すといっている。委員長、今までの質疑で政府は答弁できないものを通そうという。初診の場合で八点になった場合に一体請求書を出すのか出さぬのかと言ったら、局長は出さなくてもいいと言っているし、課長は出して下さいと、こう言う。政府自体がまるきり統一されてない。あなた方はもうきょう質疑を打ち切ってくれと無謀なことをおっしゃる。一体そういうことができるかということですよ。これはむちゃですよ。こういうように前の法律の中の条文そのものにも答弁できないところができた。これで二点留保ですよ。こんないいかげんな法律は撤回して、やり直して下さい。だめじゃないですか。  それではそこは留保してよろしいです。その次に尋ねますよ。その次は、第一回目に来たときは百円ないし百円以下で終った、そこで今度は第二回目に違った病気で来た場合には、今までの慣例では二回目に初診料を取ることができるのですよ。その場合には、今の局長の言によれば前の分は出さなくてもいいことになるが、あなたの言によれば前の分もあとの分も出さなければならぬことになるのですよ。そういう疑問が一つ出てくる。それから初診が二度あったときの請求書の書き方を一体どうするかということです。第一回目に二月一日に病気になってやってきました。そしてまず初診の日に八点をこえるものがあったら八点だけの金を百円だけもらいます。それから何日間か来て病気がよくなって終りました、それから二月二十日に今度は違う病気でやってきました、それでやはり二十日に百円をこえる治療の内容になったとしますと、医者はまた百円もらいます。初診が二度あったときには一体様式をどういう工合に書くかということです。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 そのような場合には、そのような旨を備考欄へ書いていただきまして、初診が二回あったことを明らかにしていただきたい。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そういう二度あった場合も、二回とも百円以下であったという場合もあるわけなんです。そうするとそれを局長は出さなくてもいい、あなたは出せ、こういうことなんです。こういう場合も一つ明白にしてもらいたい。  それからもう一つ、初診がありましてそれから別に何か処置が四点あった、それから注射が四点あった、それで十二点にします。そうすると甲地区においては四、四、四の中の八点は患者が一部負担をいたします。これは療養の給付ではあるけれども、いわゆる保険者の責任を持たない四点が患者によって支払われていきます。ところがこれが今度乙地区になりますと、四点のほかに八・六九になるので、残りの四点の中から〇・六九というものを保険の給付から除いてあとの三・三一というものが保険の給付になるのです。同じ被保険者でありながらこう違ってくるのです。これはまた一体どういうことになるのか。まだ私は幾らでもやります。あなた方のこの百円というものは法理論的にいっても実に矛盾だらけです。そうしてこれを医者にばかりやらせようというのですから、だから人間は従になる、これでは人間は死にます。人間の方が軽んぜられて保険の請求書の方が大事になってくる、こういう無暴な法案を、あなた方ここで答弁できぬようなことをやろうとしているのです。だから私がこの前ストップ・ウオッチを持ってくるから、カルテを持ってくるからあなた今からやってごらんと言ったのはそこなんです。医者が薬をやったり患者を治療する時間よりこの請求書を書く時間の方が長くなる、これに心身の八割くらいを費して、残りの二割が患者の治療と施薬と勉強する時間になってしまうのです。これでは日本の医者というのは事務屋になってしまう、こういうことをあなた方はやらせようとしているのです。今の場合どうしますか。これはどういう工合に法理論的に解釈していきますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 法理論的にとおっしゃいますが、どういう御質問の御趣旨かわかりませんが、甲地でも乙地でも百円を限度に御負担を願うということでありますから、別にそれが非常に不公平であるとか何とかということには、負担額の面から見れば平等でございまして、むしろ不公平ではないのではないかというふうに考えます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その場合にいわゆる四十三条に「被保険者ノ疾病又ハ負傷ニ関シテハ左ニ掲グル療養ノ給付ヲ為ス」こうなっているわけです。そうしますと甲地区においては診察と薬剤だけが保険の給付から外に除かれていくわけです。八点ですからちょうど割り切れていくわけです。ところが今度は乙地区になりますと、たとえば処置があるとすれば処置というものの中に今度は入ってくるわけなのです。同じ保険給付でもそこに部分的に違いが出てくるのです。そうすると、今度はさらに分析をしていきますと、一体一部負担というものは初診でかけるのか、注射でかけるのか投薬でかけるのか、再診でかけるのか、こうなってくるのです。違ってくるのですよ。同じ給付をやりますと六つばかり書いてあるけれども違ってくるのです。こういう法律的にいったら割り切れぬようなむずかしいことをやって、医者の頭を悩ます必要はない、患者さんの頭を悩ます必要はない、もっとやさしい方法はないかということなんです。もう一ついきますよ。今までは公的医療機関に行きますと、診断を受けるときには窓口で初診券を買えばよかったのです。すなわち初診のときは窓口に四十六円、五十円払っていけばそれで被保険者はパスです。ところが今度は一体どうするかということです。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 前の御質問に先にお答えいたしますが、滝井先生は最初確かめておられたのですが、私は給付の中だというふうにお答えをしたわけです。先生はそれを今はある地区では初診が給付の外に出てというふうに御質問になりましたが、そういう意味ではございません。あくまでも給付の中でその費用を百円までは本人に負担をしていただく、従ってその百円というものが、全体の医療が三百円かかったといたしますれば、甲地と乙地では点数は違うわけでございます。従ってある地区ではそれが初診料と注射料との一部に当る場合もありましょうし、ある場合にはそれが別のものに当る場合もあるということが起り得るわけであります。ところがそれは、私どもはさようなことは何ら差しつかえないことだと考えておりますので、一部負担のやり方についてはいろいろなやり方があるわけです。最初申し上げましたように、定率何割の一部負担というものもあります。それから初診料相当額あるいは薬治料相当額というような一部負担のやり方もある。それから定額で、何円までは足切りでいくんだというやり方もあるわけであります。従いまして、こういう百円までは御本人の負担ということも、一部負担の方法の問題でありましてあり得るわけであります。決して、法理論的に矛盾しておるとかなんとかいう問題にはならぬと存じます。  それから、今までは初診料を診察券を買って払えばそれで済んだ、今度はどうするんだということでございますが、これはもう医療担当者、医療機関の御自由にやっていただけばいいわけであります。とにかく、その日に百円以上かかりました場合には百円を御徴収いただけばいいし、百円未満の場合にはそれだけを御徴収いただけばいいということでございます。ちょうど、今日の家族の診療の場合にはいろいろな方法が行われておると思いますが、それは医療担当者側、徴収の側におかれまして最も便宜な方法でおやりをいただけば、それをどうこうしなければならぬという筋合いのものではないのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 一部負担は一体、だれがだれのために負担をするのですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 一部負担を支払う者は患者すなわち被保険者でございます。負担をする人ははっきりいたしておりますが、だれのためにということになりますと、これはいろいろ考え方があるかと思います。別にだれのためにということではないと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 しかしだれのためにか負担をしなければ、患者は負担のしようがないですよ。一部負担というものはだれのために負担するのですか。負担するのが患者であるということははっきりしておる。医療機関のためにするのか、保険者のためにするのか、この二つしかない。どっちのためにするのですか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 それは考えようの問題でございまして、医療機関のためにということも考えられ、そういうことも言えるかもしれませんが、保険者のためということも言えるかもしれませんし、また考えようによっては他の被保険者、すなわち医者にかからない健康な被保険者あるいは事業主のためにということも言えるかもしれませんし、あるいは自分自身のために負担するんだと考えてもよろしいのでございます。結局、健康保険制度全体のために負担をするということになるのじゃないかと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いいですか、医療の給付なんでしょう。給付というのはだれがやるのです、保険者でしょう。保険者がやる。そうしますと、給付の一部を患者が負担するというのは、今局長が言われるように一般の被保険者のためにもやるなんという論は出てこないですよ。そうすると、一体最終責任者はだれか、最終責任者は医療機関だ、一部負担の最終責任者は医療機関だ、こうおっしゃる。医療機関だというのは、医療機関というもののために一部負担をするという、こういうことならば医療機関になるのですよ。ところが今言ったように、保険者のためでもあるし一般の被保険者のためでもあるし医療機関のためでもある、こういう答弁というものはないですよ。何か負担をするというのならだれかのかわりにするのでなければ、患者自身は本来はしなくてもよかったのです。だからだれがだれのためにやるというのか。患者が保険者のためにやるのか、それとも自分自身のためにやるのか、医療機関のためにやるのか。そこをはっきりしなければ、不特定多数の者のためにやるのでありますということではどうもそこらあたりがはっきりしない。私は頭が悪いのかもしれないけれども、もう少しそこらあたりをはっきりして下さい。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 一部負担をする者は患者でございます。だれのために、何のためにということをしいて答えろという仰せでございますれば、健康保険制度のためにという以外に言いようがないと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうするならば、一部負担の徴収の最終責任者は医療担当者であるということは、一体法律の何条から出てきますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 条文といたしましては、現行法でもそうなっておるわけでございますが、現行法の四十三条ノ二で給付を受くる者はその給付を受くる際これこれにより算定せられる初診料の額に相当する額を一部負担金として支払うべし、こうなっておるのですね。それから費用の算定につきましては四十三条ノ六で、保険医が費用を請求すべきその額は療養に要する費用より一部負担金に相当する額を控除したる額、こういうことになっております。この二つの条文から――保険というものは法律によってそのルールがきまるわけでございますから、この二つの条文から、今のように支払うべき最終の責任者は患者であり、それから徴収をしていただく最終の責任者は医療機関であるということが、この法律によって出てくると私は考えておるのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 まあそういうことで了承いたしましょう。それならば一体保険薬局が一部負担を受け取る場合があるか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 今度の一部負担のやり方におきましてはございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると法律四十三条ノ九を見ると、保険薬局が一部負担を徴収することができることになっておる。これはまたどういうことでございますか。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 これは具体的に他の条文によって、保険薬局が一部負担を徴収するようなことがないということでございまするので、こういうふうに書いておきましても別に現実の問題としては起り得ないということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そういうふうに前の方には一部負担を受けるのは医療機関だけしかだめだということを書いておきながら、またここに何も保険薬局なんていうのは書く必要はありはせぬじゃないですか。これは現行法にもあります。だから私はこの条文があるから、従ってたとえば医薬分業が行われた、そうして医者に支払った金額が八点以下であった、今度はその同じ日に薬局にいく、そうして今度は薬局で薬をもらう、そのときたとえば医者に六十円代金を払った、そうして一日目に薬局に行った、ところがあと四十円残っている、そうするとその四十円をまた薬局で払うのかと実は私はこの条文から善意に解釈しておったが、前を見ると払うのは医療機関だけしかない、そこはいけないようであります。そうならばこれは削ったらいい。何も払わぬものを文をややっこしくするためにこの保険薬局というのを入れる必要はない。お削りなさい。削ったらいい。いつか私は言ったが、スト規制法にも事業主とその石炭鉱業、電気事業に従事する労働者とある。石炭鉱業の事業主というのは何も法律上の規制がない。青丹よし奈良の都というのがありますが、事業主というのはあをによしというまくら言葉なんです。そういうことを私は言ったことがある。それを保険医療機関または保険薬局、こうやらぬところが悪いので書いたというなら、そういうまくら言葉は法律としてはどけた方がいい。これは一部負担をやるということは何もないでしょう。

高田正巳厚生事務官(保険局長)

○高田(正)政府委員 これは現行法にも保険薬剤師というものが入っておりまして、今の先生の御議論も立法技術の一つの御議論でございます。これは好みの問題です。たとえば四十三条ノ八を改正をいたしまして保険薬局でも一部負担を支払うようなことに――他の条文を改正いたしました場合には、この四十三条ノ八がこのままでありましても、そのまま運用できるというようなことにもなるわけでございます。結局医療機関と薬局というものをずっと並べて書いていくということも一つの立法技術で決して間違いじゃない、全く好みの問題だろうと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 青丹よし奈良の都のの、青丹よしという詩歌ならばいいですよ。こういうのをつけてもいいでしょう。しかしこれは目の色を変えてわれわれが論議している法律なんです。好みをここに入れてもらって、好みでございますと言うてしゃあしゃあとされたんじゃかなわぬですよ。これではわれわれは労力を費すだけなんですよ。まだ保険医療機関と保険薬局とある。保険薬局で医療の一部負担を払う場合があるかね。これは直さなければ、保険薬局もあるということになるのですよ。前からずっと読んでくるからこそ、なるほど保険薬局に一部負担制度はないということになる。あなた方もこれは好みだとしているけれども私から指摘されなければわからなかった。私から指摘されて初めてなるほどこれは好みと言わなければならぬかなということを今思いついたんです。好みまでをこの保険の方に入れているということなんですね。  しからば一体初診とは何か。しっかりして下さいよ。あなたら書いているんだからね。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 おっしゃるように現行法でも改正法でも初診とは何ぞやという法律上の規定はないのです。ここで初診の際といっております初診というものは、現在われわれがいろいろな支払いの関係できめております保険のきまりによりまして、初診料を請求し得るような場合のことを言っております。従って一部負担金の規定の中にあります初診の際というのは、現在医療担当者側とのいろいろな協定によりまして、医療協議会できまった現在の点数その他支払いのきめ方の中で、初診料を請求し得る場合ということが限定されておるわけです。その場合のことを初診の際というふうに法律上きめておるわけなんであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今のは間違いないですね。医療協議会等できめておる初診の際に初診料を請求し得る場合、こういうことですね。初診料を請求し得る場合を初診ということですね。そうしますと……。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 今のは、ちょっと実体的には変りないのですけれども、言い回し方が先生と違います。初診というのは先生御存じのように、常識的には初めて診察を受けることでございます。しかしながら私どもの方でこの一部負担を患者に法律上義務づける初診の際というものは、初診料を請求し得るような初診に限っておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうするとシビアに言えば、初診料を請求し得る場合が初診、こういうことですね。そうしますと、まず午前中やってきて初診を愛けた、これは初診料を請求し得ますわ、ところが今度は夕方やってきた、これは初診料は請求し得ません。ところが今度は請求し得るのですね。これは二度目に来ても請求し得るのですよ。あなたの言う広義の場合の初診料を請求し得る。四十八条ノ八の三項に「被保険者が保険医療機関ニ対シ一日ニ支払フベキ一部負担金ノ額ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ」と、こうなっておるのです。だから初診ということが今までの概念の初診と、この法律の立て方とは違うのです。そうでしょう。初診を受ける際に百円ですから、午前中にきて六十円だった、だから六十円払って帰ります。そうして夕方また来て診察を受けると、まだ四十円残っておるのですからだから今度四十円払うのですよ。そうなるのです。ならないのですか。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 四十三条の八ノ第一項の一号、「初診ヲ受クル際」、その場合、「初診(命令ヲ以テ定ムル初診ヲ除ク)ヲ受クル際」とあります。従ってこの「命令ヲ以テ定ムル初診ヲ除ク」というのは、現在初診料の請求を許してはない場合を全部除きたい、初診料の請求を許してないような初診は、このカッコ書きで除かれておるわけでございます。従いまして先生のお説のような場合において、初診料の請求を現在許しておれば、これは初診の際とはっきり出てくるわけでございますけれども、初診料の請求を許してないような場合には、ここで一部負担を支払うべき初診の際には該当しなくなるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ちょっと私頭が悪いせいかわかりませんが、ちょっと整理するために命令をもって定める初診というものはどういうものか、まず先に説明して下さい。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 初診料を請求し得るような初診ということをここで書いておきまして、初診料を請求し得ないような初診というものを除いておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 具体的に初診料を請求し得ないような初診というのは、どういうことですか、そういう場合がありますか。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 今日の健康保険の取扱いで、ただいま御説明のございましたような、午前中にある疾病によりまして診察を受けに参りまして、午後に別の疾病で診察を受けに参りましても、その際初診料は請求できない取扱いになっております。従いましてそのような初診は、ここにいう初診の際という取扱いをいたさないわけでございますので、初診の際百円とれるということは、初診料がとれる初診の際だけでございまして、午後参りました初診はここにいう初診ではない、こういうことでございますので、四十円残りましてもその際はとれないことになるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますとその四十三条ノ八の三項との関係はどうなりますか。三項を見てごらんなさい。「被保険者が保険医療機関ニ対シ一日ニ支払フベキ一部負担金ノ額ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ」云々となっているでしょう。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 「一日」となっておりましても、それは最初の初診の際の積算額という意味を、ここで意味しておるわけでございまして、あとに別の疾病における医学上の初診がありましても、それはこのような算定の中には入らない、こういうことでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、その説明では大衆はわかりません。従って具体的な例で一つこの三項の「一日ニ支払フベキ一部負担金ノ額ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ」というここを具体的に一つ説明してみて下さい。これはどういう場合ですか。

館林宜夫厚生技官(保険局医療課長)

○館林説明員 たとえば感冒である医院を午前中訪れた患者があるといたします。その患者が感冒で簡単なためにかりに医療費を二百円要した。それから午後になりましてけがをして、またその診療所を訪れまして、そのけがのためにその日に百円分の医療を受けた。あわせて三百円という医療を受けたといたしますと、一日に受けた医療費は三百円というふうに受け取れるのでございますが、一部負担の関係が生ずるのは最初の感冒のときだけであります。その最初の感冒のときだけが一部負担が取れて、その一部負担の取れる額は百円まで、こういうことでございます。その初診に関連する疾病の、その際に取れるだけございまして、その疾病に関する診療費だけに限られることになるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうもよくわからないのですが、皆さんわかっていますか。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 この四十三条ノ八の今先生が申された条文でございますが、「第一項ノ規定ニ拘ラズ」というのは、第一項に百円とありますから、それにかかわらず、こういうことをいっておるだけであります。そうしてその日にかかった医療費というものが、次条の四十三条の二項、三項で、厚生大臣が点数表というものを定めることになっておるわけであります。それからまた初診料を取り得る場合というものを定めておわるけであります。そういう定めに従って算定された額を、百円を取るぞというふうに一項で規定しておっても、もしそれに満たないような場合には、その保険料を取ってはいかんぞということを書いただけなんであります。そのまま読んでいただければその通りの規定なんでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ちょっと言葉ではわかりませんから、具体的に一つ例をあげて言ってくれというのです。条文というものは、具体的に例をあげてみれば一番すっとわかる。これを読んでも何が何だかわからない。私は今のような解釈をしておった。これはほかの医者もみなそういう解釈をいたしております。まず初診で六十円だった。ところが夕方また来た。そうするとあと四十円残っておるからその日に四十円払うのだ、こういうことを言っておる。こういうむずかしい法律を、全国の医療機関に今から徹底しなければならぬ。これをたくさん取ったら医療機関はみな首ですよ。われわれ国会議員があなた方の説明で了解できぬものを、あなた方が今から全国の十万の医師、歯科医師、薬剤師の諸君に周知徹底せしめなければならない法律ですよ。われわれがここで心血を注いで勉強しても今のような、とんちんかんな質疑応答しかできないようなものなんです。もっと具体的な例をあげて説明して下さい。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 先生は「第一項ノ規定ニ拘ラズ」という点の読み方を、初診の際百円というふうに一部負担の金額をきめているものと、それから初診の際命令をもって定むるものを除くというのがございますが、その両方を全部例外規定のようにここでお読みになるからそういう疑問が起るわけです。というのは、私たちは改正法の四十三条ノ九の二項、三項で、いろいろな点数表なり、現行法と同じようなことがきまってくるわけであります。その際に初診を取り得る場合の初診というのは、こういう場合だということをきめるわけです。それは現行法と変らないわけですね。その場合に、従って先生が御説明のように、同じ医療機関に二回行ったという場合には、その初診は一回しか許していないから、従ってその場合に百円を払う、こういうことになるわけですね。ところが一回に、たとえば小沢医院なら小沢医院に行った。そこで洗眼してもらった。大体それが二点だった。初診料は四点だった。合わせて六点だったというような場合には、六点の相当額だけを払えばいい。百円を払う必要はないぞというのがこの規定です。二回目に行ったときに、今度は初診料はいらないかもしれないけれども、治療費がたとえば三点かかった。そうすると最初七点だから、とにかくそのあとの一点が残っておるじゃないか、それをまた払うのかという御疑問だと思います。それは初診の際命令をもって除くということで、その場合には全然最初から義務が生じないわけです。従って金額の算定どころの騒ぎじゃないわけです。要するにここで言っておりますのは、「第一項ノ規定ニ拘ラズ」というのは、百円を取るのだぞ、初診の際には百円を払うのだ。一部負担になっておるから、その額について次条の二項、三項できめられたような額を越えるようなことにはならぬようにしようというのがこの規定なんです。そういうふうに理解していただければ全然疑問は起らぬと思うのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうもそれではまだわからぬです。三項にはわざわざ「保険医療機関ニ対シ一日ニ支払フベキ一部負担金ノ額ハ」と、こう書いて、そうしてずっと読んでいくと、「額ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ」ということは、百円の規定にかかわらずというのですよ。「拘ラズ当該保険医療機関ガ其ノ日ニ当該被保険者ニ対シ為シタル総テノ給付ニ付」、これこれによって「算定シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ」、こうなっている。だから総ワクというものは百円となっている。百円というものは、一日のすべての治療を合算した金額だ、こういう規定にしか読めないのですよ。そうしか読めないのですよ。三項というのは、今のあなたの説明のようには読めない。よく読んでごらんなさい。「其ノ日ニ」と書いてある。これは全国の医者はみんな――私はいろいろのところに行って懇談もしましたが、この条文を見せましたら、私と同じ意見をみんないっている。だからこれはもしあなたのような意見ですならば、三項の適用をする場合はどういう場合かということを聞いているのです。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 小沢医院というところへ私がきょう行きました。それは初診料を請求できます。そのときに七点だったというような場合に、従って「其ノ日ニ」というふうに書いてあるから、二回目に行ったのもその日じゃないか。だからその日のそういう医療費というものがあって、百円までは取るのだぞというふうに思えるのじゃないか。ところが初診ということではっきりと除いているわけなんです。それはもう全然一部負担を払うべき義務が生じないようなことなんですから、その日に当該医療機関にかかった云々というのは、私は最初のときに――まず法律上二つあるわけなんですね。金額の点と、払うべき義務が生ずる場合と二つあるわけですね。一つは、その場合というものをよく考えていただいて、みていただければわかる、こういうことです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、ここに三項で指定している、「第一項ノ規定ニ拘ラズ」、みんな指定してしまっているのですよ。だから命令で除く場合も指定しているのです。「第一項ノ規定ニ拘ラズ」と、こうなっている。みんな指定している。命令で除く場合という場合を、これは除くとは書いてない。「第一項ノ規定ニ拘ラズ」ということは、命令で除く初診というものもカッコの中で指定されてしまっているのですよ。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 この「第一項ノ規定ニ拘ラズ」「額ヲ超ユルコトヲ得ズ」なんであります。そういうふうに御理解願えばわかると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ここらあたりは私の理解がこの程度でございますから、これは全国の十万の療養担当者にこの規定を理解させるためには、非常にむずかしいあいまいな規定です。もうちょっとここは検討をして、そうしてやさしく書く方法があると思います。これは今のあなたのような言葉なら、もうちょっとやさしく書いていただきたいと思います。同じでよろしいから、自民党が修正する場合にはそういうふうにやさしく書いて下さい。これではわかりません。おそらく今ここで聞いている方でもこれはぴんとこないですよ。わからない。私がわからない。だから私は今のように理解しておりました。それからまた、私と同じようにこの法律を研究した医者というものは、みんな今のような理解をしている。しかも比較的勉強家の医者がそういう理解をしている。これはもう少し考えて下さい。  その次に行きます。まず初診の際ということで初診がありました。そうすると、これは初診の際には、まず初診があったので、百円を医者はもらいます。同時にその日に入院をしました。この場合にはその日に入院料の三十円はとれるかどうかということです。従ってその日は最高百円と入院三十円、百三十円取れるかどうかということです。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 即日入院の場合は、初診とそれから入院というものがダブります。これはおっしゃる通りでございます。ます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、これが大体十二円五十銭地区なら二百二十五円くらいになる。それから百三十円を引いた九十五円なら九十五円というものを請求する、こうなるわけですね、そう理解して差しつかえありませんね。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 初診の日にかかりました医療費総額のうち、百円までを負担するということでございますから、そういうことになると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私が一応考えておいたところは大体それまでですが、もう一つ今度は国立関係の給食の問題が実はあるのです。これは医務局長を必要といたしますので、きょうは一応ここで打ち切って、これから先は次会にいたしたいと思います。

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長 滝井委員に申し上げますが、先ほど保留になりました質疑について答弁があるそうです。

小沢辰男厚生事務官(保険局健康保健課長)

○小沢説明員 先ほど滝井先生から四十四条の規定につきまして、四十三条との関連で御質問がございまして、あとでよく研究して答える、こういう話でございましたが、そのときに私ちょっと先生のおっしゃることを理解しないで答弁を保留しておったわけでございますが、実は四十四条の規定の療養費払い、そこに今度は、四十三条の第三項、各号に掲げる病院以外の、こういうことがあるから、従って一号、二号、三号というようなもの以外のものでないと療養費払いというのは起り得ない。少くとも「又ハ」以下の後段について、被保険者が緊急その他やむを得ない場合にこれこれにかかった場合という場合の、少くとも後段については療養費払いというのは、一号、二号、三号以外のものでないといかぬ、こういう仰せです。これは確かに条文上そういうことでございます。現行法におきましても「保険医及保険者ノ指定スル者以外ノ」こう書いてあります。ただここは前の委員会で私が申し上げましたように、四十三条の三項の一号、二号、三号というのは、被保険者は次の各号に掲げる医療機関のうち、こういってありまして、その場合に私という被保険者から見ました場合には、一号、二号というものはあっても、三号が実在しない場合がある。すなわち、私が政府管掌の被保険者でありますと、三号というのは現実には選ぼうにも選びようがないわけです。それと同じような、意味で考えていただければ、これはそれ以外の、というものの中に入るわけでございます。そういうことで、四十四条については、現行法におきましても、「保険医及保険者ノ指定スル者以外ノ」ということになっております。そういう解釈ですべてを現行法もまた改正法も考えていっておりますので、先ほど言われたように、一号から三号までの病院以外の病院だから、従って私は政府管掌の被保険者であって、組合の開設する三号に行けないじゃないか、あるいは行った場合に云々というようなことがございましたが、この四十四条をそうしたように解釈をしていただきますと、とにかくその当該被保険者にとっては、すなわち私にとっては、四十三条に掲げるというような、すなわち自己の選定し得るような病院というものは一号と二号しかないのだ、それ以外の病院だから療養費払いの適用になる、これは法制局ともそういうことではっきりいたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 僕らもしろうとであるけれども相当法文を読んできました。ところが四十三条の、左の各号を選択することができるというような書き方は、法律の専門家の弁護士でもこれはそう読めぬという人が相当おるのです。しかもそれがあるから、一号、二号、三号を除かれておるのに今度これを除くということは言えぬのだ。それはやはり健康保険組合に行ったら療養費払いができるのだという読み方になるということはあなた一人が言っておるだけであって、われわれがあの条文を正直に読んだらできませんよ。だからそういうものができるなら、何も文章を倹約する必要はないのだから、紙を一枚継ぎ足せばりっぱに書けるわけですから、そういうところはもっとわかりやすく、何もこれはあなた方の出した法律を金科玉条としてそのまま通さねばならぬということはないのです。その精神が通ればそれでいいのですから、もっとわかりやすくそういうところも書きかえてしてもらわぬことには、とてもこれでは理解できません。理解できないことはいろいろトラブルが起るのです。だから今のような御答弁であなたの方は解釈をするし、私の方はちょっと理解ができぬということになるのです。四十三条の選択の問題についても理解ができぬのです。だから一応きょうはこのくらいにして、いずれ次会に譲ります。

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長 次会は明八日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十六分散会

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