国土総合開発特別委員会 第18号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/24
会議録
○志賀(健)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、私が委員長の職務を行います。 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたしますが、その前にお諮りいたします。本案に関し、東北興業株式会社総裁蓮池公咲君を参考人として意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○志賀(健)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決します。 これより質疑を継続いたします。北山愛郎君。
○北山委員 今日は実は企画庁長官にお伺いしようと思ったのですが、参考人もお見えでありますから、この前いろいろ伺いました問題に関連いたしまして、二、三お尋ねをいたしたいと思います。 一つの問題は、二十五億という新しい計画、この内容が、実は各関係者の説明ではてんでんばらばらであったのです。ですが、結局最終的には、既存の事業である福島工場、それから木友の亜炭鉱業所、こういうものの整備のためにもある程度のものを使うというような御説明がありましたので、この二つの問題についてお伺いしたいと思うのです。福島の工場については、貸借対照表を拝見いたしますと、二十八年、二十九年、三十年と、この三カ年の間に固定資産の設備として約三億、そのうち一億円というのは資産再評価でありますから、実質的には二億円というものが固定資産でふえておるわけです。それだけ建物や機械に投資しておるわけなんです。その三カ年間に整備をされた内容について御説明を願いたいのであります。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。昭和二十八年度に福島工場の設備を、従来非常に小規模にやっておりました石灰窒素の工場を整備して、そうして東北興業株式会社にふさわしい石灰窒素の生産をして、東北地方の施用慣習の非常に高い石灰窒素の製造に大きな役割を果したいということで、工場の拡充が計画されたと承わっております。この問題については、東北六県も至大の関心を寄せられて、各県から従来の資本に倍する出資が計画せられまして、五千万円の資本の増と相なりました。それを受けまして、一方開発銀行から五千万円の長期資金を借り受け、他面また常陽銀行から三千万円の長期資金を借り受けることができまして、長期資金としては一億三千万円の資金をもちまして、福島の工場の設備増強に入ったわけであります。その工事の内容は、従来の小規模の石灰窒素製造のためのカーバイド製造設備を増強して、その生産を約倍加する、こういうねらいでございまして、九千KVAの電炉を新設いたしたのでございます。それに関連する建物並びに原料受け入れの設備を増強いたしまして、一面、その生産せられたカーバイドを石灰窒素にいたしまする工程として、窒化処理の工程が必要になるのでございますが、数量が増加いたしますので、従来ありました窒化工程に改善を加えて、その修理補強をいたしたわけでございます。そういうことで、生産計画は、大要申しますと、倍加いたして参ったのでございますが、大体資産面で二億近い固定資産増に相なったわけでございます。一億三千万円の長期資金をもちまして、二億に近い固定資産増になったので、七千万円程度、資金として手当が必要になったわけでありますが、当時は工場建設過程でありまして、その不足分は、おおむね工場建設に協力してもらえる業界の協力によりまして、将来この工場の設備増強によって上ります経営上のゆとりから、逐次支払いをして参るということの約束で進められておったわけでございます。大体経過を申し上げますと、さようになっております。
○北山委員 そういたしますと、今の福島工場の整備については、資金の手当としては、昭和二十七年度以前に受け入れて企業勘定としてやったものが、昭和二十八年、九年、三十年の間に、それが固定設備の中に入っていった、しかし実際は七千万円くらいはみ出したのだ、こういうような御説明のようでありますが、生産の方を見ますと、二十九年、三十年とカーバイドの方がふえておりますけれども、石灰窒素の方はあまりふえておらぬのです。しかも実際の設備能力からいいましても、必ずしも従来の設備能力を十分動かしているような状態ではなかったのじゃないか。だから、稼働率を高めれば、もっと生産が上る。たしか福島工場は三万五千トンの生産能力が元来あったので、さらに設備を増強したならば、どの程度に能力が上るのか。また操業度はどういう程度になっているのか。その新しい設備というものはどういう性格を持っているのか。いわゆる合理化でコストを下げるためなのか。能力からいうと、ずっと三〇%ぐらいしか動いていないのじゃないでしょうか、どうですか。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。この福島工場の生産能力の問題につきましては、お手元に昭和三十二年二月調査の「会社の現況」の資料が届いていることと承わっておりますが、その第七ページを、恐縮ですが、御披見をいただきたいと思います。工事に手をつけましたのが二十八年でございまして、二十九年、三十年、三十一年と、その後まる四年を過ごしているわけでございます。それで、生産されたカーバイドの実績を申し上げますと、昭和二十八年からごらん願いますと、石灰窒素の生産量はそう著しく増加していませんが、カーバイドの生産量が躍進しておりまして、二十八年度に販売いたしましたものが二百七十二トンでありますけれども、二十九年、三十年になりますと、千四百トン、五千三百トン、それから三十一年度は八千五百トンまで進んでおるわけでございます。従いまして、カーバイドで販売し得る生産量というものは非常に大きく伸びておるのでありまして、九千KVAの電炉の新設効果が、これだけごらん願いましても、端的に御了解願えると思います。一方石灰窒素の生産でありますが、これまた昭和二十八年から逐次増加いたしまして、一万トンから一万一千五百トン、一万二千三百トン、三十一年でありますと、一万三千八百五十二トンと漸増いたしておるのでございます。さらにこの実績の内容を申し上げますと、二十八年度、二十九年度の生産増強は、主として既設の工場拡充計画の実施前からありました三千KVAの電炉に改善を加えましていきましたことと、それから電炉の運転技術にたゆまない創意工夫を加えましたので、その生産能率が非常に増強した結果の数字とごらん願いたいのでございます。三十年度の数字は、それに加えて、九千KVAの電炉が多少動いたという数字でございます。結局、設備に一年半ほどかかっておるわけでございます。三十一年度は、九千KVAが第一年度操業でほとんど支障なく動きましたので、生産数量も、カーバイドが非常に累進いたしましたのと、石灰窒素の数量も相当に——二十八年度と比較しますと、大体四割近く増強いたしておるわけでございまして、ようやく九千KVAの電炉が工場の技術とマッチいたしまして、全能力を発揮し得るのが今昭和三十二年度ということに、希望を持って進めておるわけでございます。大体実績から見ますと、さようなことになっております。
○北山委員 この「会社の現況」の三十二年二月というやつ、これによると、ただいまお話の通り、設備の能力としては九千KVAが一基入っておるわけですね。これがこの新設のものだと思うのですが、ただ生産能力としては、カーバイド年間三万五千トンというのは、この前の、昨年いただいた資料の中にも、設備能力としてはカーバイド三万五千トン、石灰窒素二万トンと、こう何ら変りがないのであります。ですから、生産能力について、今の増設をした施設は、全体の生産能力には影響がないものかどうか。これは去年いただいた資料の中にも同じように書いてあるのです。三十一年二月の資料の中にも、カーバイドが年間三万五千トンです。また同時に、カーバイド工場あるいは石灰窒素の能力というようなものの、私もよくわかりませんが、昭和三十一年度ですか、操業度としてはカーバイド三一%くらいになっているということなんですけれども、操業度というものは、一体その設備能力に対してそういうふうに低くなければならぬものか。需要等の事情によって、そういうふうに設備能力の三分の一以下に運転しているものか。実際には三十年四月一日現在の操業度が三一・一%なんです。そうしておいて、新しい設備計画をまたしているということは、どういうことなんでしょうか。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。このカーバイドの生産設備と、その設備からくる生産能力と、それから生産実績とについては、当社の生産実績は、全体から見ると、必ずしもそう劣っておらないつもりでおるのでございます。その事情を申し上げますと、カーバイドの生産で電力の供給を受けますときに、常時電力の計画で参りますれば、年間所定の電力をもらえるわけでありますから、生産増強の生産数量はうんと上るはずでございます。また原料手当もそれでやれば、生産数量を上げるということは容易でございます。ところが、常時電力で参りますと、カーバイドの市況から見て、なかなか採算がとれるというわけに参りません。そこで、カーバイドの生産に使われる電力の大きいものは、いわゆる豊水期における調整電力が主力になっているわけでございます。それで豊水期とはいつかと申しますれば、御案内の四、五、六、七月が山でございます。それに、あと九、十の二カ月に期待をかけているわけであります。大体フルに近い生産能力が発揮せられるというのは、五カ月ないし、回り合せのいい年で、六カ月ということに相なるわけでありまして十二月、一月、二月、今年などは三月もそうでございますが、安い電力を供給していただいて、カーバイド並びに石灰窒素の生産コストを市況に合せて生産するということは、ほとんど言うべくして不可能なのが現状でございます。さようなことで、生産能力と生産実績とは、主としてそういうところで大きな制約を受けているわけでございます。昭和三十一年度の計画から申しますと、十二月と三月とが、当てにしている電力が供給してもらえないということで、生産量がそれだけ期待はずれになった苦い最近の事例を持っているわけでございます。しかし電力の事情にある程度ゆとりが出て参りますと、この生産能力にだんだん近づいていける状態にあります。このカーバイド及び石灰窒素の生産を買電によってやっております工場は、大体同じ事情にあると存ずるわけでございます。
○北山委員 確かにお話の通り、ほかの工場についても操業度は比較的低いようです。それはそういう電気の隘路といいますか、生産上の都合だろうと思うのですが、そこでお伺いするのですけれども、一体カーバイドを作ったのと、石灰窒素を作ったのと、どっちがもうかるのですか。というのは、この操業を見ますと、二十七年、八年のころには大部分が石灰窒素なんです。そしてカーバイドで販売したのは百五十九トン、二百七十二トンという微々たるものですが、それが三十一年度には、八カ月間で六千トン以上の販売額になっているのです。ところが石灰窒素の方はそうはふえていない。二十七年、八年ごろでも一万トン以上になっておったのですが、それが現在一万二千トンあるいは一万三千トン台ぐらいにしかなっていない。要するにカーバイドが非常にふえている。これはカーバイドを石灰窒素にする割合といいますか、それが下って、よその化学工業に向ける分がふえている、こういう一般的な状況によるのだろうと思うのですが、会社の方針として、あるいはこれを監督している建設省の方針として、この福島工場については、やはりカーバイドの生産をふやすのだという方針で今まできたのか、あるいは将来どういう方針でいくつもりか。ということは、肥料工場ならば——石灰窒素なんかについても、最近は非常な不足で困っておるわけですが、それはやはり現在まであるいはカーバイドの方に力を注いだ影響というものもあるかもしれない。だから、一般の民間の工場であれば、これはただ採算という点で、もうかる方へやればいいのですが、しかし、少くとも東北興業の工場としては、やはり政府が一定の方針を持っておるだろうと思う。事業面においては通産省、あるいは農林省の方から一つの方針があるでしょうし、またこれを直接監督しておる建設省はどういう方針でこれを運営していったか、こういうような点について、いろいろ疑問点がございますので、一体カーバイドに逐次重点を置いていく方針なのか、今までやってきたのはどうなのか、これをお伺いしておきたい。
○蓮池参考人 端的にお答えを申し上げたいと思います。生産の実情は、以上御説明申し上げた通りでございますが、このカーバイドの生産量がここまで参りましたということは、これだけの市販カーバイドの余力を持っております工場にしたということで、第二期計画として、出荷工程を増強すれば、石灰窒素の生産が増し得るという基底ができたわけでございます。私ども、福島工場の第二期計画の遂行ということを念願いたしますゆえんのものは、一にこういう第一期計画のあとを受けて、第二期計画としてこれを石灰窒素の工場として完成をしたい、こういうことに主眼があるわけでございます。採算から申しますると、ただいまは石灰窒素は原料高の製品安でございます。そこで、必ずしも採算はカーバイドだけで批判するのはよろしくございません。しかしながら、これは現段階における状態であって、東北地方の肥料の施用慣習なり、その肥料効果から申しますれば、石灰窒素の事業が、現在の原料高の製品安で、生産数量がジリ貧になっている現状から申しますれば、東北興業としてはその増強に向って進んで、東北の農業事情に対応する仕事をしていくということが、本来の態勢であると存じまするので、第二期計画の実現をぜひ念願しなければならない、こう存じておる次第でございます。
○北山委員 それで福島工場の整備について、今までお話にあったような資金、あるいはこの説明書にある資金以外に、例のMSAですか、余剰農産物の資金をたしか一億一千万くらい借りることになっているように聞いておりますが、それはきまっておるのですか。
○蓮池参考人 その点につきましては、福島の出荷工程を増強するという第二期計画のための借入金ではございません。これは現在の福島工場で生産しておりますカーバイドのコスト・ダウンと申しますか、カーバイド、ひいては石灰窒素のコスト・ダウンのための施設の増強でございます。出荷工程を整備するということになりますと、資金量はとうていその程度で追いつくはずはないのでございまして、約四億二千万円ほどのことが当初から計画せられておるわけでございまして、私ども、その線がそのまま実現せられる場合も考慮に入れておりますし、その一部具体化の問題についても検討を加えておるわけでございます。MSAの資金一億円ほど拝借することに手続もきまっておるでございますが、この資金は、主としてこの石灰窒素、すなわちまたカーバイドの生産原料でありまする石灰石を、石灰石の原産地でありまする岩手県から、石灰石のまま輸送することを合理的に処理するために、石灰石の生産現場でこれを生石灰に焼成いたしまして、それで焼けたものを運ぶということになりますると、運賃が大体半減いたします。そうなりますると、工場経営上相当のコスト・ダウンを生み出すことができるので、そういう方面で、セメントの事業も具体化するのでありますから、両々相結びつけて、その経営の合理化をはかりたいということで、つないでいただいた資金でございます。ただいまその設営に取りかかっておるわけでございます。
○北山委員 大蔵省の資金課長さんもお見えですが、今の余剰農産物の方の資金約一億円というものは、政府の方としてもこれを承認しているわけですか。
○澄田説明員 今の御質問にお答えいたします。これは政府としてもすでに決定いたしておりまして、会社の方の所要に応じまして資金を実際出す、こういう用意をいたしております。
○北山委員 今お話の石灰石を焼く施設は、松川にお作りになるというふうにこの前承わったのですが、その石灰はセメントの方にもお使いになるわけですか。
○蓮池参考人 セメントは生石灰を使いません。原石そのままを使うのでございます。ただ原石の採掘それ自体の規模を、石灰窒素の原料であります石灰石も一緒にするということになれば、両々相まってコスト・ダウンが行われるということと、その生産せられる石灰石というものを、直接セメント工場でこなしていく分と、それから福島の工場に持っていく分とが出てくるわけでございますが、その福島の工場に持って参ります分を、その原石生産の現場で焼成炉を設けまして生石灰に澆いて焼いたものをすべて福島工場に持ってくる、こういう計算でございます。
○北山委員 私の聞いているところでは、福島工場の石灰窒素というのは、能力が悪いというか、コストが高いということですが、ほかの会社の状況と比較して、コストの面なんかはどうなっているのか。それからいま一つは、今お話があったように、原石が遠いところにある、それをわざわざ福島まで持ってきてやるということは、工場立地として不利な点があるのではないか。だから、今の状態のままで福島工場というものをどんどん拡大していくというようなことは、立地上問題がありはしないか、こう思うのですが、その点はどうなんですか。
○蓮池参考人 その点になりますると、この工場を東北興業が直営して石灰窒素をやり出したというころにまで、ずいぶん昔にさかのぼって検討を加えることにもなるわけでございますが、しかし石灰石の原料を遠くから運ぶということ、一方原料炭を遠くから運ぶということ、両々相兼ねて、きわめて適地というものは、また限られた問題でございまして、今福島工場が、こういった原料獲得の位置から申しまして、必ずしもそう大きな不利なる条件にあるとも思われない次第でございます。一面、石灰窒素工場の経営の問題としては、より大きな問題として、設備を完全に活用する基本態勢として、どうしても現在の石灰窒素の価格を続けようとしていくならば、電力の問題に処置を加えるということをやるか、極力生産のコスト・ダウンをするために、補強工作を加えるかの、いずれかでなければならぬと存ずるわけでございます。福島工場の石灰窒素の生産コストは、実は私、先頭に立って、年々コストの計算を指導して、細密にやってみているのでありますが、過去三年の実績を見ますと、三十一年度の実績はきわめて顕著な躍進を示しておりますので、この勢いで参りますと、やはり工場の建設は、設備もそうでありますが、運転の技術、及び技術が組織として実績を生んでいく、これをだんだん指導して、集約的にこの運営の妙諦を得せしめていくということが大事なのでありまして、生産コストは、そういう点にも大きな基底を持つわけでございますから、電力の料金とか電力の供給量とか、それから資金の利息等にかかっていくコストであるとか、そういう外部的原因からのコストと、それから内部的の技術上の問題、工場管理の問題、生産能率の問題、こういうところからくるコストの問題と、両々相待って検討していきますが、幸いにして内部的に、技術的に解決していく問題は、年々幾多の難関を越えて躍進しつつありますので、大へん心強く思っておる次第でございます。
○北山委員 コストに関係ありますが、今度東北電力では電力料金の相当の値上げを申請しておる。政府の方でもこれを許可するようなふうに聞いておるのですが、そういたしますと、福島工場のコストに対してはどの程度の影響があるか。コストをだんだん引き下げることに成功されたということで、けっこうでありますが、一方においては、肝心かなめの電気料金がそういうふうに上っていく。これで一体やっていけるのかどうか、この点についてその見通しはどうなんですか。
○蓮池参考人 ただいまのところ、福島工場の生産計画をきめるのには、石灰窒素の価格が年間を通じて果して幾らに落ちつくかということと、それからカーバイドの需給から見て、カーバイドの価格の推移がどうなるかということ、この二つを考慮に置きながら、そろばんをはじいてみておるわけでございますが、石灰窒素の価格は、これは公定価格ではございませんけれども、おのずからメーカーと指導官庁との間で想定せられた一種の指導価格が生まれておるわけであります。その価格は、いわゆる窒素系肥料全体のにらみ合せできまってくるわけでございますから、価格それ自体、単なる需要供給の関係で大きなフラクチュエーションを持つものでもないようであります。一方カーバイドの価格は、これはさような性格と違って、もっぱら市況の需要供給によってきまっていくものであります。そこで、今の大体の工場の採算から申しますと、石灰窒素の生産量をこの上増強して、そしてカーバイドの市販数量の増加というものを、むしろ石灰窒素の増産に回していくということに主点を置きますと、必ずしも工場の経営は採算はよくございません。やはり原料高の製品安でございますから、原料高の部分だけは、石灰窒素の価格を上げていただくことが至当じゃないかと思うのでありますけれども、しかし、日本の肥料全体のにらみ合せから申しますと、必ずしもそれが農家のためになるとも言い切れないので、これは指導官庁や取引先ともいろいろ相談の上で、落ちつくところに解決口を見つけて、私どもの生産計画もそれに対応して進めていかなければならない、かように存じておる段階でございます。
○北山委員 私はよくわかりませんが、カーバイドのコストといいますか、販売値段がトン当りどれくらいになれば、会社としては企業的にやっていけるかどうか。現在はカーバイドが相当高いようです。最近相当単価が高くなっているようですが、有機合成なんかの方の産業が発展するためには、カーバイドの値段もある程度下げなければ発展し得ない。そういうこともおそらくからんでくるだろうと思いますが、会社としては、カーバイドがどのくらいの販売価格ならばやっていけるのか。これは工場によって相当安くできるところもあるでしょうが、お宅はどうなんですか。
○蓮池参考人 カーバイドが現在の市況で、また、その生産及び販売でいきますれば、福島工場の経営は非常に楽でありますが、石灰窒素に重点を置きますと、なかなか容易でございません。石灰窒素価格は、先ほど申し上げたような性質でありますから、これも幾らにすればということを申し上げても、架空の数字になりますので、これは事情がきめていくのであって、それに対応して、しかも福島工場の採算が大体とれる段階に生産計画を落ちつけていく、こういう考え方をいたしておるわけでございます。
○北山委員 政府の方にお伺いしますが、福島工場についてはただいま総裁のお話の通りなんで、カーバイドの方に主力を注いでいけば企業採算はよくなる、こういうわけなんですが、企画庁としてはこの辺のところをどういうふうにされるのであるか。特に、今度の二十五億円という資金の中から、福島工場の整備に多少使っていくというようなお話も承わっておりますので、今後福島工場をどういう方向へ向けていくかということに関連があろうかと思うのでありますが、どういう御方針であるか、承わりたいと思うのであります。
○植田政府委員 先ほど来総裁からお話のありました通りでございまして、東北地方につきましては、石灰窒素に対する需要もございますし、また、これの取引先でありますところの、たしか全購連かと存じますが、この方面につきましても、福島工場の石灰窒素に対する需要も非常に強いということを聞いております。東北開発に役立ち、また東北の農業に役立つ石灰窒素の減産をはかって、採算上有利なカーバイドにだけ重点を向けるということは、この会社の性格上適当でないかと存じます。しかしながら、ただいまもお話のありましたように、電力料金が上る、従ってそのコストをカバーしていかなければならぬということになりますれば、カーバイドの増産をはかることも一つの方法でございます。その辺のにらみ合せをいたしまして、採算のとれるように、両方合せまして採算を割らないように心がけて、会社と話し合って参りたいと考えております。
○北山委員 これは非常にデリケートな問題だろうと思うのですが、やはり一つの国策会社でもあるのですから、採算のことだけ問題にして、東北の農業に必要な肥料の生産ということを怠るわけにはいかぬと私は思うのであります。ことに、最近石灰窒素が足りなくて大騒ぎをしているような状況でありますから、その辺のところは、国策に合うような運営を私どもとしては希望しておきたいのであります。 次に、福島工場の今後の整備について、総裁としては、二十五億円の中から、どの程度のものを、どういう目的で希望し、期待しておられるか、これを承わっておきたい。
○蓮池参考人 この問題は、懸案になっておる問題でございまして、第一次拡充計画をやりますときから、まず基礎生産でありますカーバイド生産増強に主力を置いて、出荷工程は当面の資力をもってこれに臨むというのが第一次計画であって、かくてでき上ったカーバイドの生産能力の発揮でき得る限度において、石灰窒素の出荷工程を増強するというのが第二次計画でございます。第二次計画として、端的に現在の設備を更新し、能力を上げるということに計画をとります場合と、より進んだ、石灰窒素をブリーズにして製品を仕上げるという工程に進んでいきますのとでは、やはり設備資金が相当大きな開きになります。肥料効果につきましては、いろいろと斯界に定評もあるのでありますが、両案ともに検討を進めておりますので、これらはまた審議会でも御検討いただかなければならぬことと存じておるわけでございます。
○北山委員 次に、亜炭の鉱業所ですが、これについては、どういうような計画で、新しい資金の中からどの程度の資金量を取ろうとしておられるのですか。一体どういう構想を持っておるのですか。
○蓮池参考人 木友の亜炭鉱業のただいまの実情は、八ページをごらん願いますと、生産、販売高が出ておりまして、大体生産数量は、三十一年度の数字は中途半端になっておりますが、三十年度で五万七千トン、三十一年度で五万一千トンということになっておるわけであります。三十一年度は鉱区の一部切りかえをやりましたので、生産数量それ自体は多少落ちておりますが、三十二年度はこの数字をはるかに上回るということになっておるわけであります。そこで、この生産スケールを持っております事業に隣接した地帯で、しかも東北興業が鉱区権を持っております亜炭地帯がございます。その新鉱区に一つ仕事を進めていって、生産量を約四、五割方増強したいというのが、今度の木友の事業の拡張計画のねらいでございます。こういうことは、資金量に十分のゆとりがあれば、何も新しい計画事業として取り上げることもないのでありますけれども、この事業の性質がきわめて回収のおそい仕事でありますから、そこでやはり長期にわたって資金計画を立てて進んでいきませんと、仕事を伸ばすということはなかなか容易でありませんので、これも新たなる資金対策に入れていただいて、その生産増強をやっていきたいというのでございます。鉱区は、実栗屋という新鉱区であります。事業の資金量は多くございません、大体五、六千万円程度のものでございます。しかし生産量それ自体は四、五割の増強になる、こういうねらいでございます。
○北山委員 次にセメント工場ですが、これもこの前若干お伺いしましたけれども、当初の資金計画が十四億、それが一割くらいははみ出すかもしれぬということですが、そのはみ出す分は、何といっても、やはり新しい二十五億なら二十五億の中へ食い込まなければ、しょうがないような結果になりはしないか。政府の方で、今度の二十五億はセメント分ではない、こういっておりますが、そうならざるを得ないのじゃないか。それとも一億五千万なり、別途長期の資金なり、そういうものを会社としては考えておるのか。あるいは政府の方でも、それは別途のものとして、これから工面をするというように考えておるのか、その辺をはっきりしてもらいたい。
○蓮池参考人 先日のお答えで申し上げましたように、この十四億円の新しい資金調達の線は、一つは政府出資三億円、一つは資金運用部資金から東北大県経由で借り受ける二億円、その残り九億円について、国から元利保証していただいた社債の発行を計画いたしておるのであります。その社債の発行に関連いたしまして、幹事銀行の三井銀行にお願いして、主力大手の銀行もほとんど御参加を願い、信託、証券方面も御参加を願い、特に東北六県の地方主力銀行の御参加も全的に得まして、そうして強力なシンジケート団を作っていただいて九億円の社債の発行は、全く滞りなく順調に今日に至っておるわけであります。この社債の発行を進めるに当りまして、このシンジケート団の主力になります三井銀行を中心として、私どもは、十四億の資金でこの仕事を具体化することになるのだけれども、ちょうどシンジケート団のスタートを切りましたのは十二月の段階であります。鉄材の値上りが二倍にもなった段階であります。こういうことで、そういう値上りの線もあるのだから、必ずしも十四億でいかない場合もあり得る、極力十四億で落ちつけるのだけれども、多少資金がオーバーすることもあり得るということは、よく銀行側の了解も得ておるわけであります。しかも、これを実際に運営いたします場合には、やはり運転資金が数億必要になります。この運転資金も、主力銀行として、国の元利保証債のほかに、見てもらわなければ、仕事が回らぬのだ、そういう性質の計画なんだから、十分よく了解していただきたいということは、くれぐれ話をして今日に至っておるのでありまして、私ども仕事をお預かりしておる限り、これに新しく来年度計画されておる二十五億の新規資金のその一部を充当するなどということは、ゆめ考えておらないことでございまして、十分既定の方針でいき得るという確信を持っておる次第でございます。
○北山委員 意気は大へん壮とするのでありますが、しかし社債の発行を九億円も滞りなくやったということは、やはり政府がバックしておるからなんで、東北自体で単独に社債を発行しようと思っても、金融機関というのは、なかなかもって、国であろうが、地方団体であろうが、はっきりとした保証がなければ、金を貸さないのですから、その点はちょっと御見解が甘過ぎるのじゃないかと思うのですが、とにかく十四億というものは、昨年私は審議に参加しておりませんでしたけれども、国会で審議された場合においても、見積りが少し少な過ぎるのじゃないか。普通のセメント工場であれば、二万トンの能力のものであれば、三十億くらいかかるということは普通いわれておる。それを半分以下で仕上げるということは無理じゃないか、ということは追及されたはずで、そういう点から見ても、私どもは今でも実はこの十四億の資金計画というものに若干の疑問を持っておるのです。 それはそれとして、日本においてこの東興の計画と並んで宇部興産でやっておりますシャフト・キルン式のセメントは、実際に製品が出て、そうしてその成績はどのような状態であるか、これは建設省なり企画庁なりから承わりたい、また総裁も御存じならば、お答えを願いたい。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。宇部興産でシャフト・キルンを設備せられまして、シャフト・キルン製法によるセメントの製造に変えられたわけでありまして、一昨年の暮れからだと思いますが、昨年操業をずっとやっておいでになるわけであります。製品の品質がどの程度のものが出て、コストがどういうことかは、これは会社の内部のことでございまして、私ども詳しい現状を承知いたしておりません。しかし順調にお進みになっておると承わっております。 シャフト・キルン製法それ自体を具体化しまするのは、私どもは非常に真剣に取っ組んで準備いたしましたが、ロータリー・キルンのセメント工場をやっておるところに、いきなりシャフト・キルンを持っていって、それでシャフト・キルン製法が成功するとは限らないようであります。やはりシャフト・キルン製法にマッチした原料、資材の組み合せが、きわめて有利な条件で取り入れ得るところへ設備いたしませんと、なかなか合理的なコストで経営するというわけにいかないようであります。それからまた、ロータリー・キルンの場合とシャフト・キルンの場合には、原料、資材に非常に選択のウエートが違うのでありまして、この原料手配がどういう合理的な結果になるかについては、私ども計画を岩手において具体化します場合に、その建設を進めるまでの過程において、真剣に取っ組んだ問題でございます。大体の結論を申し上げますと、生産いたします資材を全部予定いたしまして、その獲得についても、権利の譲渡についても、下相談ができました上で、その見本品を全部取りそろえて、ドイツのボリジュース社に飛行便で送っております。そしてあそこでテスト製造をいたしまして、製造されましたクリンカーを取り寄せまして、それをセメントにまで加工をしてみまして、なるほどこれだけの原料、資材の手当があれば、これだけの製品になる、そうすると、日本のセメント規格からして決して遜色はない、こういうことを確かめ、かつ私どもの会社の主力技師がドイツまで参りまして、そのテスト生産をした実態と、その技術とをよく調査をいたしまして、しかも、それを直接指図をしておる技術者に、でき上りました工場の運転にはぜひ当方に来ていただいて、そうして会社で回していく最初の工程を、直接その経験ある技術者に回してもらって、そうして所期の目的を達したいということで、その点は非常に周到に用意をして進めておるわけでございます。
○北山委員 総裁から相当慎重にやったというお話ですが、政府の方からは何もお答えがないので、はなはだ私は残念だと思うのですけれども、この会社は、東興だけで、損をしても何をしてもかまわないというのではなくして、十四億は全部国民の負担というか、政府が保証している、あるいは地方団体が出しておる。そういう金なんです。国の金なんです。だから、それを会社だけの調査なりそういうことで、十分その内容についてよく知りもしないというようなことでは、これは私ども納得できない。そればかりではなくて、せんだって大蔵大臣にお伺いしたところが、東興がセメント工場をやるということすらも御存じない。実際の社債について政府が出資をし、政府が保証するというような予算措置の担当者が、こういうような新規な、しかも独自な、独特な工場を作るというときに、何も知らないということでは困るのです。おいでになっておる方で、だれか、その間のことをわれわれが確信が持てるように説明ができる人があれば、説明してもらいたい。
○植田政府委員 昨年東北興業株式会社法の改正に当りまして、セメント工場が問題になり、これが衆議院、参議院で相当議論のありましたことも、私承知いたしております。その当時からシャフト・キルンによるセメントの生産につきましていろいろ議論されたことも存じております。しかしながら、この十四億の資金をもちまして、東北興業株式会社が岩手県にセメント工場を作るということは、昨年の国会の審議を通じまして決定いたしたことでございます。また当時の所管の建設省といたしましては、十分成算ありとしてこの案を提出されたものと存じておるわけでございます。私はただその経過を、委員会等に参りまして承知しておる次第でございます。ただシャフト・キルンというセメントの生産方式が、日本では宇部興産しか今までやっていなくて、新しい方式であるという点も十分承知をいたしおります。しかしながら、政府が法律案を出しまして、国会で御決定になった方針ですでにスタートをいたしておる仕事でございます。これにつきましては、その方針に沿って、企画庁が、作りましたあとにおきましても、続けて参りたい。また各種のこの問題についての隘路がございますれば、政府も会社に協力いたしまして、シャフト・キルン方式によるセメントの生産がうまくいきますように、努力いたしたいと考えておるわけであります。
○沢田説明員 現在建設中の岩手のセメント工場の場合、シャフト・キルンを採用いたすわけでございますが、これは御承知かと思いますけれども、ロータリー・キルンに比較いたしまして、いろいろの特徴があるわけでございます。たとえば設備費が非常に安く上るとか、あるいは燃料の使用の面につきましても、非常に有利であるとかいったような利点があると思うわけでございます。このシャフト・キルンを使いまして生産いたしますセメントで一番心配いたされます点は、ロータリー・キルンの製品に比べまして、品質が劣るのではないかというふうな懸念がおありかと思うわけでございます。この点きましては、建設省といたしましても、先般宇部興産で生産いたしておりますサンプルを取りまして、そうして私の方の出先であります中国四国地方建設局に各種の試験をいたさせまして、その試験結果を取り寄せまして、こちらにあります建築研究所等に検討をいたさせたわけでございます。その結果、品質の点におきましては全くロータリー・キルンに劣るところはないというふうな結論が出ております。従いまして、もしこういった誤解があるといたしますれば、今後このシャフト・キルンのセメントの性能そのほかにつきまして、啓蒙し、あるいは宣伝いたしまして、販路の確保につきましては、万全の措置を講じて参りたい、かように考えておるわけでございます。
○北山委員 宇部興産では、その製品を何トンくらい作って市販しているか。どのくらいの生産をやっておるのです。どのくらい販売をしておるのです。
○蓮池参考人 たしか宇部興産では二基と承わっておりましたが——私どもで検討しておりましたのは、百五十トン五基でございます。おそらく百五十トンだと思います。正確でありませんので、大へん恐縮でありますが……。そこで、その生産量としてはどれだけ生産実績が上りましたか、これは私ども寡聞にしてまだ発表されたものを手元に持っておりませんが、製品が順調に進んでおりますことと、それからなお宇部興産としては、セメントの種類を——製造工程の違うセメントを多量に生産せられておりまするから、そういうものとどういうコンビネーションで市販に出しておられますか、その辺のところは営業上のことで、私ども詳細承知はしておりませんわけでございます。しかし相当活発にキルンが動いておりますことは、技術者間で十分公知の事実になっておるわけであります。
○北山委員 その点は、それでは、これは通産省が担当省ですから、次の委員会に通産省の窯業課ですか、担当者に来てもらって、宇部興産のこれは先生で、今度やろうとしておるのは日本で二番目で、第一番目の方なのですから、先輩の実績を、一つ通産省の担当者の方から説明をしていただきたいと思うのです。 それから、この前もちょっとお伺いをしましたが、その資金計画の際に、やはり私から見れば、地元の村の敷地造成なり、敷地提供の際の負担というものが少し多過ぎやしないかと思うのです。岩手県は一億円ですか、この一億円はこれは出資するのですし、しかも、これは政府から政府資金を借りて出資をするわけなんです。ところが、村の方はそうはいかないので、山でも売ってやるということなんです。しかも六千万円も出すのじゃ、ずいぶん負担が重過ぎるんじゃないか。こういう点について一つ——これは東興の方は、この前お話を聞きましたが、企画庁として御考慮願う余地はないかどうか。工場誘致は地元の熱意ではありますけれども、しかし何としても少し多過ぎやしないかと思う。限度があると思う。将来固定資産税が上るというけれども、この資産、工場の施設が何億かわかりませんが、これは固定資産税の制限がありまして、おそらくあの程度の村であれば三億円ですね、その資産評価、二億五、六千万円が限度なんです。そうなりますと、年間四百万から五百万。それも一つのこの地方税法の制度なんですから、固定資産税というものは、どう変るかわからぬのですよ。今の制度によって、工場が完成してからすぐもらうとしても、十年や二十年はかかっちゃうのです。そういうことを考えるならば、少し負担が多過ぎやしないかというような気がするのです。この点、企画庁として検討される余地がないかどうか。東興というものが新しい資金が二十五億もなくて、十四億のワクの中で工場をやらなければならぬという場合においては、相当窮屈だということが言えると思うのですけれども、どんどんこれから拡大していって、福島あるいは木友の鉱業所、そういうところの施設の整備もするというのであれば、やはりこういう点も、従来無理をしておる点も、多少是正するということは考慮すべきではないか、こういうふうに思うのですが、どうでしょう。
○植田政府委員 私も所管外でございましたけれども、東山村に参りまして、あの敷地も拝見いたしております。また村長からもお話を承わっております。あの工場誘致につきまして、地元の方が非常に熱心に、村有林まで売って敷地の造成をしていただいたことに対しましては、非常に感謝するのでございます。しかしながら、工場誘致の条件といたしまして、無償提供ということで、すでに話がついておるものでございますれば、今急にこれを変更してどうするというわけにも参らぬかと思うわけでございます。従いまして、私どもこの二十五億の予算を建設省から引き継いだといたしましても、その予算の中から、村民の負担になりましたものをどの程度カバーするかということにつきましては、ただいまのところ研究いたしておりません。
○北山委員 これは程度の問題だと思うのです。確かに初めの約束ではあるでしょうし、そういう経過があるでしょうが、しかし何としてもこれだけの膨大な工場を作るのに、工場の敷地造成費を三百七十万しか置いてない。一方においては調査費なんかは七千万円も置いておるというようなことは、これはこういう新しい工場をこれからやっていくというような場合においては、企画者の方で少しアンバランスじゃないかと思うのです。だから、これは、従来の経過はあろうとも、なお御検討願いたい。まさかこのために、地方交付税、特別交付税をふやすわけにはいかぬでしょうし、どんどん山を切れば、金は出るかもしれないけれども、山を切らせること自体が、国家的見地から見てもやはり好ましいことじゃないのです。だから、この点はお考えを願いたいと思う。 それから、この前大ざっぱに伺っておいたのですが、十四億の資金手当ができた。ところが、現在では預金が七億くらいしかないわけなのです。そうすると、大ざっぱに言って、七億円くらいの支払いをしておるわけです。だから、まだ工場が整地をしておる、しかも、機械発注をして、まあそのうち三分の一を払っておるとか、そういう段階においては、少し金を払い過ぎておるのではないか、こういうふうに思うのです。どのくらい払ったか、七億円しか残っておらぬというのだが、大ざっぱでもいいですから、納得ができるように説明してもらいたい。
○蓮池参考人 先日お尋ねがありまして、私の答弁が粗末でありましてまことに申しわけございません。宿題でもありましたので、委細検討いたしました結果を申し上げます。 大体発注の手続を進めておって、四月一ぱいで当面支払いをするものを入れますと七億ほどになりまして、資金手当の済みました十四億の残が銀行に預託されておるという説明を申し上げたのでございます。それが多少説明が大ざっぱでありまして、御不審を抱かれたことは無理もないと思います。最近までに支出しました、現実支払った金額の合計を正確に申し上げますと、百万単位で申し上げますが、三億四千四百万円、それから今引き合い中で、近く具体化するものの支払い分が三億四千六百万円、合せて大体六億九千万円。それじゃ資金管理はどうなっておるかと申しますと、ただいま支払い済みの三億四千四百万円のほかは、銀行預金になっておるわけでございまして、銀行預金総額は十億二千百万円余りでございます。引き合い中でありますから、当面の引き合い分は支払い準備をしておりまして、それらを定期預金等に回すことはいたしておりません。 その発注いたしまする大体の情勢を申し上げますと、機械類の発注が、大きいものは大体済んでおるのでございます。シャフト・キルンを初め、原料ミル、それから仕上げミル、ミル用の電動機、変圧機の主要部分、そういった大きいものがきまっておりまして、それらが大体支払い額のうちの八割方を占めておるのでございます。この工事部分でありますが、工事部分の方は、まだ実際の建設問題は引き合い中でございまして、支出の大きな部分は、いわゆる石灰山のグローリー工事であります。それから東北電力の送電線工事であります。東北電力の送電線工事となりますと、全額予納でありますから、三分の一方式などと申し上げたのは、これらには当てはまらない部分が相当ございます。また、この主力機械の国内発注分については、メーカーの手元が非常に込んでおります。よほど支払い条件等を緩和いたしませんと、期間中に繰り合せ生産をしてもらうということも、なかなか困難がございます。これらは、また各会社の内部事情で、あまり詳細を申し上げるのはいかがかと思いますが、支払い条件を緩和して、ぜひシャフト・キルンの設営と現場の建築工事が進んでいく間に、間に合わしてもらいたいということで、内から折衝して今日に至っておるわけでございます。 資金のワクから申しますと、非常に多額の資金を用意しておいて発注に入っていくから、その間利子を損するのではないかということがよく言われ、私どももそういうことのないように非常に心配しておるわけでありますが、しかし資金の手当をしていただいておりますからこそ、私どもは設営期間内に機械等の納入ができるよう、製作期間の短縮等に、今日まで大体大きいものについて、交渉が成功いたしてきておるのでありまして、この製作の納期がずれ違いますと、その間でき上った主力機械がみな遊ぶことになりまして、むしろそっちの方の資金ロスが非常に大きいことになりまして、いずれが損失として大きいかという問題になりますが、現在の段階では、ことしの下期支払いになるものは、大体定期預金の勘定でいくわけでございまして、資金コストとしてそう大きな負担にはならぬと思っておるわけでございます。一面、工場が大体納期を一つにして、最終ゴールに入り込むということがあまりにおくれないように、資金の全体のコストの計算からいっても、ぜひそれに主力を注いでいきたい、こういうように存じて、努力をいたしておるわけでございます。
○北山委員 そろそろやめますけれども、もうちょっと……。この前も伺いましたが、会社の内部の経理と言いますか、資産の内容、これがあまり健康ではないのではないかということは、短期の負債が相当ふえておる。それから償却をしなければならぬような関係会社の投資等も相当あるようです。ですから、全体として見れば、どうも健康体でない。これは総裁もお認めになると思うのですが、今度このまま開発会社になって、内部の資産内容等については一体どういうふうに処理されるのか。新しく引き受けられる企画庁の方で、どういうお考えなのか、承わっておきたい。
○植田政府委員 バランス・シートを拝見いたしましても、利益金はたしか四十何万円と、こういうことになっております。この程度の会社におきまして、利益金が四十七万円というのは、これは利益がないと同様でございます。また、私どもも会社の内容について十分な調査をいたしておりませんけれども、資産再評価の面もあまり十分行われていないようであります。資産再評価が行われていなければ、それだけ減価償却の点で少いわけであります。また逆に申しますれば、資産再評価ができることになっておりませんから、バランス・シートに載っております資産よりも実際の価格は高い。従って含み資産もあり得る、こういうふうに考えるわけでございます。しかしながら、現在の東北興業株式会社をもって、私ども決して優良な会社とは考えておりません。これは運営上なかなかむずかしい仕事を企画庁は引き受けざるを得ないと思っておるわけでございます。もちろん今後二十五億の資金がふえまして、この仕事が成果を上げますれば、逐次従来の事業も息を吹き返して参り、会社としての経理もよくなって参ると思いますので、今後は特にその点に注意して運営して参りたいと考えております。
○北山委員 企画庁としては、何か今開発部長のお言葉ですと、迷惑なものを引き受けたみたいな顔をなさっておりますが、それでは困るのであって、これは少くとも去年から四十億の国の資金を投じてやる東北開発の一つの柱なのですから、迷惑なものを、道楽者を引き受けたような顔をしないで、身を入れてやってもらわなければならぬと思うのです。そこで、実は今度の開発三法の促進について、東北興業は若干の資金を出したように聞いておるのですが、その金を出したのですか。百五十万円くらい出したような話ですが、総裁どうですか。
○蓮池参考人 そういう金を直接出したということは、私承知いたしておりません。
○北山委員 出してないのですか。何か百五十万円、促進協議会に出しておるという話を聞いておるのですが……。
○蓮池参考人 私どもが組織しております東北七県の促進協議会には、会費を出しております。
○北山委員 それは幾ら出しておりますか。
○蓮池参考人 金額は、二回だと思いましたが、間違っては大へん恐縮でありますから、正確なところは今は控えさしていただきます。
○北山委員 そういうことは監理官知っておりますか。
○沢田説明員 ただいま総裁からお答えしましたような事情にあるということは承知いたしております。ただいま金額の点につきましては、私承知いたしておりません。
○北山委員 その金額は調べて、あしたお知らせを願いたい。少くとも私どもは百五十万くらい出ておると聞いておるのですが、こういう利益金が四十万ですか——こういう会社で何もそういう金を出さぬでも、東北開発は促進されるのですから、私どもは適当でないと思います。建設省はどういうふうなお考えで監督しておったか知りませんが、そんな金はこういう国策会社が出すべきじゃないと思う。 それからもう一つ、最後にお伺いしておきますが、今度東北興業が開発会社になりますと、総裁はやはり総裁ですが、役員の報酬というのは従来どうなっておって、今度開発会社になれば昇格をして上るのかどうか。どの程度になっておるのです。総裁は幾ら、その他の役員は幾ら、これを伺っておきたい。
○蓮池参考人 私は総裁として報酬を月額十三万円ちょうだいしております。副総裁は十万円ちょうだいしております。その他の役員はそれ以下でございますが、詳細手元に持っておりませんので、いずれお届けいたします。
○北山委員 今度開発会社になります場合に、その金額は変りますか。企画庁どうです。
○植田政府委員 ただいまその点までまだ検討いたしておりません。
○北山委員 いろいろこまかい点をお伺いしたのですが、きょうはこの程度にいたしておきますけれども、会社の今後の運営について、次の機会に企画庁長官でもおいでになったときにお伺いしたい。それからセメント関係について、通産省の担当官に来ていただきたい。これは委員長にお願いしておきます。
○志賀(健)委員長代理 竹谷委員。
○竹谷委員 時間も進みましたから、私簡単に二、三点御質問しますが、東北興業総裁に簡潔にお答えを願いたい。 昨年あたり、総裁自身からではない、その他の理事諸君から、東北興業として将来東北開発のためにいろんな事業をやりたいという構想を持っておる、そういう話をごくばく然と聞いたのでございますが、今度新たに東北興業会社を東北開発会社として二十五億の金でやろうというのとは、直接関係なくてけっこうです。昨年あたりいろいろ東北興業として構想を練った、その事業の種類だけでもいいですから、お答え願いたいと思います。
○蓮池参考人 東北興業の事業として、いかなる事業を当面進めていくべきであるかという問題は、東北興業自体も東北六県の意図を受けて、いろいろまとめるべき構想を練っていた過程もあります。その過程で、いろいろ資料を作ったこともございますけれども、終戦後、東北興業の仕事が資金源が拘束せられて、なかなか地方の期待に沿えないということ、それに対応して、東北六県いずれもこのままの状態で置いてはならない、何とかせねばならないということで、練り合せましたものが、昭和二十八年の東北六県知事議長合同会議で打ち出されました十八種目の構想であります。しかし、その根拠に至っては——私も当時六県知事の一人でございましたから、その基礎材料が非常に広範にわたっているということも、よう承知しておる次第でございます。知事議長合同会議に取り上げましたトピックは十八種目でございますが、しかし十八種目のつかまえ方は非常に大ざっぱでございますので、たとえば酪農振興ということになりますと、その中で酪農振興とは何を内容とするかという問題になっていきますし、あるいはビードの問題を取り上げるということになりますと、いわゆる精糖工場の企画も必要になれば、またテンサイ栽培の普及をはかる仕事も入ってくるし、その中に、また歩どまり計算の試験過程も入って参るような次第でございまして、その事業の種類が、必ずしも事業の種類というものでなくて、事業のトピックとでも申しますか、経済問題のトピックが十八ある、こういうふうに端的に申し上げた方が、むしろ当っているかと思うのでございます。 そのうち、問題になっている事業がどういう内容であるか、それをやっていく大体の構想としては、どんなことになるのであろうかということを、一応企画してみたことがございますから、そういった資料については、いずれ御参考までにお届けしてもいいと思いますが、しかし今度の法律改正案でいきますと、法律の精神それ自体がどこにあって、東北開発の実態をどう進めていくかということは、一に主務大臣と審議会とにおいて審議決定されるもので、その実態によって当然性格上の問題もきまってくると思うのでありますから、私どもが過去に作りましたもの、もしくは過去に手がけて参りましたものは、一応の参考資料になるという程度でございますので、御必要によっては、いずれお手元にお届けすることもけっこうかと存じている次第でございます。
○竹谷委員 それではその過去に研究した十八種目の問題を、なるべく早くお願いしたいと思います。 今度東北開発会社が営業を行う区域として新潟県も入ってきたわけでございますが、天然ガスの利用という問題がこの県では非常に重大になっている。新たなる東北開発会社としては、天然ガス利用の問題、ことに硫安が尿素肥料に変ろうというような情勢にあるのでありますが、これについては、北海道東北開発公庫の方の融資をもってやるというような構想もありますけれども、開発会社としてはこの点どう考えておりますか。
○蓮池参考人 この問題も将来の問題でありますから、私からお答えするのは、当っておらないと思うのでありますが、せっかくのお尋ねでありまして、私の従来やってきました問題のつかまえ方だけ端的に申し上げてみたいと思います。天然ガスの利用の問題で、東北七県で問題になりますものに、大体メタン系ガスの問題と、石油性ガスの問題と、亜炭系ガスの問題と、三つに大別せられるようであります。この三つの天然ガスの問題は、業界で実際この利用に乗り出して、企業化せられているものも決してないわけではございませんので、相当の規模のものが具体化しておることも御存じの通りでございます。そこで、これの給源をどこまで進めるかということと、それから、それを利用する工業の幅をどこまで持つかということ、これが業界でも非常に問題でありますと同時に、それが業界でこなし得ない部分について、東北の問題としては、大きな資源の活用でありますから、やはり将来に問題が残っていくのだ、こういうふうに考えて、われわれ調査の宿題としては目を離さないでいる、また将来もそういうものではないか、かように存じている次第であります。
○竹谷委員 次に、東北船渠再建の問題ですが、これは志村化工がここの経営に当る、新しい会社を創立するというようなことで進んでおったようでありまするけれども、それが今度はやめになるように思うのですが、そうであるかどうか。そうだとすると、今度は東北興業として真剣にこれと取っ組まなければならぬのでありますが、これについての大体の構想を、簡単でいいですから、お話を願いたい。
○蓮池参考人 この問題は、先日お話し申し上げましたように、中身の検討は、法律通過後、審議会及び主務官庁が中心でおこなしいただくことでありますから、今の段階で、お役所からも私からもお答え申し上げるのは、的確には当らないと存ずるのであります。しかしながら、私どもが東北船渠についてどう考えてきて、今の段階で政府当局に向ってどういう希望を持ってきたか、こういう経過についてお話し申し上げるならば、従来は資金源が閉ざされておりますが、東北船渠をドックとして再建するという以上、一億足らずの東北興業の力をもってしては、どうも資金参加によってこれを盛り上げていくということは、言うべくして力のないことでございましたので、やはり東北興業がつながっている関係会社の問題も取り上げて東北開発のおためになるということを進めるためには、どうしてもそういう部面の資金源の獲得をさせていただかなければならない、ぜひそうお願いしたいということを、あらゆる機会にお願いをして参ったわけでございます。しかし、それとて、なかなか財政上の都合もあり、また国の政策の固まる都合もありまして、なかなかそう早急には参らないのが実態であります。しかし、それかといって、その間、東北船渠の経営それ自体、多くの労務者をかかえてそのまま時日を経過するというのでは、これはあの程度の資本金でやっておる会社でありますから、とても持ちこたえる力はないのでございます。そういうことで、そういう間で、お互いにいろいろと苦労をして参っておるものでありますから、必ずしもプラスになる部面がなくて、むしろ荷厄介になる部面が非常に多いということが主になって、結局工場閉鎖の悲しい状態になって今日にきておるということであります。 そういうことでありますから、東北興業が今の状態で力を出してこれが再建をはかるといったところで、資金源も持たないのだし、容易にできないのだから、むしろそのドックとしての再建問題については、宮城、福島両県にわたる会社であり、また両県の地元施設としても、きわめて重要な施設であるから、両県知事が一つ主役になって、その再建の肝いり役をやってやろうじゃないか。だから、その再建の肝いり役については、東北興業に、むしろ両県に一任したらどうか、こういう非常に積極的な、また熱意のあるお話もございまして、私どもは喜んでそういう方法について主務官庁にも御了解をいただいて、歩を進めていったわけでありまして、その過程において、数多の専門のドック事業をやっておる業界の主役者が、あるいは企業診断をする、あるいは実際に自分の手で経営していくためのプラン等を立てられるということはあったのでありますが、なかなかそれが実現に至らなかった。その最終過程でと申しますか、一つは志村化工の問題でございますが、志村加工の問題については、やや話が具体的に進みまして、実際の今のドックの資産並びにその将来の措置を具体的にどうするかというめどまで一応持って、そして地固めに入った過程もありますし、また、それまでいかないと、ほんとうに仕事が実を結ぶめどがつくかどうかということもできないので、宮城県等では非常に苦心をしてそこまで仕事を進められ、志村化工を中心にするドックの再建案ということに話が進んだ過程を、私も両県知事からよく承わっておるのであります。 ところが、その再建過程のめどになりますと、なかなか具体的に固まりません。そこで両県知事としては、この案でいくべしという結論を、ついに私どもは承われないで、今日に至っておるわけであります。その間、私どもは再建についての協力者を——必ずしもここがいい、あそこが悪いという選択をする意図を持っておるわけではございません。しかし再建の方法については、どうしても地元の本来の輿望にこたえてそれが実を結ぶ方向に進まなければならぬ、そうなると、他人さまのお力だけで、あれを東北の希望するところへ持っていって再建していただきたいといっても、なかなか容易なことじゃないので、これはどうしても振り出しに戻って、政府に資金手当をしていただいて、少くとも、小さいながらもドックとしての土台だけを資金で固めるということを条件にして、業界に参加をしてもらわないと、なかなか本来希望せられておるドック事業の再建にはならないだろうということで、業界も参加をし、そしてあれをドックとして仕上げていただくために、必要最小限度の設備資金その他の計画に必要な金額をぜひ一つ資金手当の中に入れていただきたいということを、お役所にお願いして、今日に至ったわけでございます。
○竹谷委員 この東北船渠は、むろん別個の会社でございますが、九三%の資本を東北興業株式会社が持っておる。ところで、五億くらいの金が新たにないと、再建がなかなかむずかしいというように聞いておるのでありますが、これは政府側の答弁によりますと、今回の東北開発会社の二十五億という金は、このうち十五億を従来やっておる石灰窒素あるいは亜炭工業、そしてもう一つは東北船渠に五億くらい出そうかというような腹もあるようですけれども、これはどうですか。将来いろいろ政府なりその他関係方面と打ち合せの上きまることではありましょうが、この二十五億のうちから出すのか、それとも北海道東北開発公庫の方の融資あるいは投資を受けてやろうとするのか、この点、政府かあるいは総裁か、どちらでもいいですが、御答弁願いたい。
○植田政府委員 東北船渠は東北興業とは別会社ではございますけれども、ただいまのお話のように九三%まで東北興業が株を持っておりますので、それは子会社と申すよりは、むしろ東北興業の一工場というくらいの気持でめんどうを見なければいけない性格のものだと存じております。そういう意味におきまして、今回公庫ができますけれども、公庫資金で東北船渠の再建をはかるというよりも、むしろ東北開発会社の一つの仕事としまして、直営事業と同じような目でもってこれの再建をはかるべきであろうと考えておるわけでございます。 所要資金の問題でございますが、ただいま総裁からもお話がございましたように、これを従来通りの経営形式でいきますると、幸いに別会社にもなっておることでございますので、あるいは民間の有力な業界の参加も、これからの交渉次第によってはできないわけでもないと思います。そういうことをいたしますと、必ずしも資金を全部東北会社で持たなくても、その方面からの資金も期待できるのじゃないか、こう考えますと、必ずしも五億を東北船渠の再建に充てると言わなくても、五億以内の範囲内で、可能な範囲内で東北開発会社から金を出して、他は、他の民間の企業参加してもらう方面から出してもらう、こういうことも考えられるのではないか、従って現在設備整備計画のために必要な資金を、何も全部二十五億の中から引き当てる必要もあるまいではないか、こう考えております。しかし、これは私どものところで現在そう考えておる程度でございまして、果して現在考えておりますように、うまく参りますかどうかということにつきましては、まだ確たる自信があるわけではございません。御了承願います。
○竹谷委員 そうしますと、五億以内の金で、東北船渠株式会社へ東北開発会社が投資をする、あるいは自分の資金のうちから、期限をつけて融資をする、あるいはその投資の中に、民間から、増資の場合に株を持ってもらう、あるいは民間会社のそのほかの人的援助なども受けなければなるまいと思うのでございますが、そういう意味でございますね。 次に、東北興業株式会社が現在投資しておる会社が十以上あるわけですが、われわれに配って下さった「会社の現況」昭和三十二年二月発行のものでありまするけれども、この第十一ページに会社の名前が十ばかり書いてある。このほかにもあるわけでありましょうが、これらは大体どうにか採算がとれておるのかどうか、そしてまた今問題にしておりまする船渠会社を除いた他の会社は、今後こういうものに新たな資金その他のめんどうを見る必要があるのであるか、このままで東北開発上進めていきまして相当有意義である、こういう状態であるかどうかを承わっておきたい。
○植田政府委員 ここに並べてあります十の会社でございまするが、これも個々の会社につきまして、詳細に調べたわけではございませんけれども、東北船渠を除きましては、一番悪いのでも、その採点をいたしますと、普通、その次でありますと、良好という程度でございまして、相当自力で運営していける見込みがあるのではなかろうか、かように考えております。従いまして先ほど東北船渠につきまして申し上げましたように、資金的な手当を今度の二十五億の資金の中で考えなくとも、事業内容がよければ、また公庫の融資基準に合いますれば、そちらの方から金を借りる道もあり得るのではないか、かように考えておりまして、会社の方の二十五億の資金計画の中には一応考えなくてもいいのじゃないか、こういうふうな考え方を現在持っております。
○竹谷委員 この十の投資会社のほかに、四、五〇%以上東北興業が投資をしておる会社は幾つくらいあるのですか。それらの経営状態はどんな状況であるか、承わっておきたい。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。ここに上っておりますのが大体四、五〇%以上の会社でございまして過去においてはそういうものがあったのでございますけれども、いずれも、あるいは株の譲渡によって手放し、あるいはまた清算過程に入っておりまして今活を入れてやっておるもののおもなるものが、この十でございます。そしてまた、これが四、五〇%以上持っておるものの全部といって差しつかえないのでございます。
○竹谷委員 そのほかに、四、五〇%以下でも、東北興業として相当関心を持って何十パーセントかを投資し、そうしてやっておるものは幾つくらいあるのですか、それとも、そういうものはないのですか。
○蓮池参考人 このほかに、たとえば例をあげてみますと、岩手の開発鉄道の会社でありますとか、それからまた、おつき合い株を持っておる会社等が若干ございます。これは数え上げると十幾つになるようでありますけれども、パーセンテージにして五%、三%、場合によっては一%程度のおつき合い株であります。原則としては、再建過程においては私はやるべきではないというので、極力差し控えて、ふやさないことにしておりますけれども、これは過去からのつながりで、現在に至っておるものがあるのでございます。これは子会社というのではなしに、おつき合い会社という程度のものでございます。
○竹谷委員 北山委員から、セメント工場設置の問題で、いろいろ質問があり、たびたび御回答もあったわけでございますが、一つの大きな事業を創設して、成功的に持っていくのには、なかなかお骨折りだったろうと思う。また、それに対して資金も十分でないようなうらみもある。しかし、これは設備資金が、従来のロータリー・キルンよりも安くていくというお話でございますが、とかく日本においてセメント工業をおっ始めようと思うと、実に障害が大きい。これをよく突破して仕事を始めるようになったことは、何といっても今後開発事業を進める上において、セメントの需要は猛烈に大きいし、これに対する東北の供給が非常に乏しいのであるから、そういう経済的な採算面は別といたしまして、諸般の社会的、経済的情勢からいって、東北地方にセメント工業を創設されることは非常に望ましいことである。これは政治的、経済的ないろいろ障害も多かろうと思うのだが、結論として、あなたが今までやってきて、これをうまくなし遂げ得るかどうか、そしていつごろからりっぱな製品を出して、東北開発の公共事業等に使えるようになるのか、そのお見込みをお尋ねしておきたい。
○蓮池参考人 セメント事業の計画から具体化につきましていろいろと苦心のあった点は、御高説の通りでありまして、多角的な面で苦労した面があります。もちろん私自身微力のいたすところでもございますが、幸いにしてただいまの段階では、ほとんど設営は軌道に乗りましたから、乗るまでが私の仕事でありまして、乗り出した以上は、それをただゆるめずに進めるということになりますので、大体見通しがついたと考えておるわけであります。資金上の問題、これは私一割ぐらい不足するということを申し上げておるのでありますが、これはどうも資材の値上り等が絶対にないという前提で計画を立てるわけには参りませんし、また一般の市価が動かずに、予算に合わして動いてくれるわけでもありませんから、あるいは増減の起きることもやむを得ないのでありますけれども、やはり計画を立て、それを国で裏づけをしていただくために、予算上の御審査を願うということになりますと、勢いやはり事業手当資金というものは、最小限度の資金になるわけでございます。そうかといって、私どもはその最小限度の資金で具体化することそれ自体が、この計画の目的なのでありますから、極力その範囲で具体化を推し進めていきたいと存じておるわけでございます。製品の品質、それからその用途、その実績ということは、これからの問題でございますが、私ども先輩国でありますドイツの技術と直接結びついておりますだけに、十分期待を持って進め得ると確信しておる次第でございます。
○竹谷委員 最後にお尋ねしたいのですが、ここに「会社の現況」という資料があるのですけれども、その中の損益計算書、これは昭和三十年四月一日から昭和三十一年三月三十一日までですが、これの中に、損失に雑損失として九百七十三万八千八百八円なりを計上し、利益の方に雑収入として千五百七十六万三千五十四円というのが出ておる。これはどういう内容のものであるか。雑収入が一千五百七十六万とあるのは何の収入ですか。事業収入でもなければ、株の配当でもなければ、利息でもない。それから損失の方に、雑損失として——事業やいろいろな諸掛り、全部出ているわけですが、そこに九百七十三万八千八百八円計上されておる。この内容のあらましをお伺いしたい。
○蓮池参考人 これは年々これをやってきたわけでありまして、昭和三十一年度、いわゆる三十二年三月三十一日では、より大きな計数を出して、内部資産の整理をする方針にいたしております。と申しますのは、関係会社の整理中のものは、だんだん整理をしていきますから、そこで計上してあります資産面の額面株というものはだんだん償却して参るので、損失面に当って参るわけでございます。それから、もう一つ大きいのは、建設資産について、ずっとそのままやっておりました開懇費等の実態がだんだん整理がつきまして、それを資産面として不堅実であるから、損失で落す、こういうことがむしろ適当だというので、それを落したのが、三十年度のバランスで落ちております雑損失の大きい部分であります。それから収入部面は、主として日新電化の株でありますが、株式の時価による再評価利益でございます。
○竹谷委員 償却金は雑損失の上にあるのですよ。二百九十一万、だからおかしいのですね。
○蓮池参考人 どうも上の償却金と合せて申し上げて恐縮であります。この九百七十三万円の大部分は、北上開発の当時に投下いたし、処分いたしました資金を、いわゆる北上開発事業の建設事業費としてそのままずっと経理を持ち越しております。それを年々資産面から落して、実体のないものは、不堅実資産を整理するということで、これを年々落して参っておるのであります。本年度はこれをできるだけ全部償却いたしたい、こういう考えでおるのであります。
○竹谷委員 そうすると、北上総合開発計画の事業にしても、公共事業にしても、金を出したというのですか。
○蓮池参考人 私これを申し上げるのは——これは東北興業としてでなく、私が知事在任当時、東北六県一致して東北興業の総裁を助けて、北上開発問題を東北興業の事業として具体化すべしということで進んだ時代がございます。その当時、企画その他諸準備で、投資したものがございます。それが建設勘定そのままで、そのときから三代かわりまして、私に及んでおりますが、そのまま引き継ぎを受けたものを、私は不堅実資産として償却方針をとっておる、これが現状であります。(「役所が会社の金をひっぱり出したのか」と呼ぶ者あり)
○蓮池参考人 いいえ、そういうことでは……。
○志賀委員長代理 私語を禁止します。
○竹谷委員 建設資金として会社が投下したものは、総額でその当時幾らだったのですか。
○蓮池参考人 こまかい数字を申し上げるのは恐縮でありますが、大体二千百万円かかっておるそうであります。こういうものは、たくさんございます。たとえば戦時中北上開発でやって、いろいろ鉱石採掘の諸準備をしたが、終戦で仕事を進行しないでしまったということになると、それを一ぺんに損失に落してしまうとかいうことでは何だから、それをすっかり整理をつけて、売るものは売り、計数上からになっておるものはしぼって、あと償却のあれをきめるのでありますから、一応経過的に資産面に計上になっておる。それが普通なのでございます。
○竹谷委員 そうすると、今度東北開発会社の事業の種類の項目に、新たに産業立地条件の整備ということがあるのだが、法律が改正にならない現行法でもって、目的とする事業以外のそのような仕事を、東北興業株式会社が戦前から戦後にかけてやってきたのであるかどうか、それはこの法律に違反をしないかどうか。
○蓮池参考人 私の申し方が不十分であったかもしれませんが、会社の目的に関する法律の規定及び定款に矛盾することは一つもなかったと思うのであります。ただその事業が、当時の経済事情と必ずしも符節が合わなかったり、またその準備は着々行政官庁と了解のもとに進んだけれども、他に障害があって実現に至らなかった、その過程において必要であった諸経費その他設営の経費が、建設勘定になって、あとで整理される結果になった、こういうものが今申し上げておるものの一例であるのであります。
○竹谷委員 建設勘定になったというのは、ある工業などを創設しようというための、創設準備の発起に必要であったような経費の意味ですか。私が具体的に聞きいのは、どのような事業をやったのか。北上総合開発計画に沿うてある工場を作ろうとした、ところが、それが途中で挫折をしたとか、準備だけで終ってしまって、その間いろんな調査の費用や紙代や印刷費や、あるいは進んで飲み食い用になくなっちゃった、こういう意味ですか。その点もっとはっきり……。
○蓮池参考人 私が申し上げているのは、事業の建設過程における経費であってその事業が、あるいは戦時経済の移行により、あるいは行政上の理由等によって、中途で挫折したために実を結ばないでしまった、こういうものであります。でありますから、別に定款に違反した、法律に違反したというものでは全然ないと考えております。
○竹谷委員 当時の責任者ではなかった今の総裁にこれ以上こまかく聞いても、資料もないかと思いますので、資料要求をしたい。それは、今私が質問した、昭和三十年度損益計算書に計上せられております諸償却金二百九十一万六千七百七十五円の内容、及び雑損失九百七十三万八千八百八円の内訳、並びに利益の部の、雑収入千五百七十六万三千五十四円の内訳、なおまた、戦争中及び戦後、建設勘定としてこのような処理をしなければならなかったもととなったその事業及びそれに要した費用、これらの資料を至急一つ委員長から取り寄せていただくようにお願いをいたしまして、きょうはこの程度にとどめます。
○志賀(健)委員長代理 次会は明後二十六日午前十時より開会することとし、本日はこの程度で散会いたします。 午後三時五十一分散会