国土総合開発特別委員会 第3号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/03/04
会議録
○五十嵐委員長 これより会議を開きます。 この際、川村国務大臣より発言を求められております。これを許します。川村国務大臣。
○川村国務大臣 私は今回北海道開発庁長官の重責をになうことになりましたが、日もまだ浅く、十分な知識もなく、ただ誠心誠意、北海道開発について善処いたしたいと念願いたしておるものであります。どうかよろしく御指導、御援助を賜わりまするよう、心からお願い申し上ぐるものであります。 今国会においては、さきに継続審議になっておりまする北海道開発庁設置法案及び同法施行法案のほかに、新たに北海道開発公庫法の一部を改正する法案を提出いたしましたので、いずれ提案の理由を申し上ぐる機会もあろうかと存じまするが、これらの法案につきまして、この委員会において御審議をいただくことになると存じまするから、その際はよろしくお願い申し上げておきたいと存じます。簡単でありますが、ごあいさつといたします。 —————————————
○五十嵐委員長 次に、去る二日北海道開発公庫法の一部を改正する法律案が当委員会に付託になりましたので、ただいまより同法案を議題として提案理由の説明を聴取することにいたします。川村国務大臣。
○川村国務大臣 今回提出いたしました北海道開発公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び法律案の要旨について御説明いたします。 御承知の通り、北海道開発公庫は、北海道における産業の振興開発を促進することを目的として、昨年六月発足したものであります。自来約九カ月間、公庫の投融資業務はきわめて円滑かつ活発に運営され、本年三月末現在で貸付の内諾約八十億円、貸付実行約四十六億円が見込まれ、北海道の産業の振興開発に大きな寄与をいたしておるのであります。しかしながら、北海道の総合開発は、今後五カ年計画の線に沿いまして一そうの発展が期待せられ、特に産業開発の面におきましては今後飛躍的発展を計画していますので、従って公庫の業務はなお一そう拡大強化しなければならないものと考える次第であります。 さらに、東北地方の資源及び産業につきましては、その現況、立地条件等から見て、北海道と同様、積極的に開発を促進することが緊要と考えるものであります。このため、産業振興上有望な企業に対し、長期の金融措置と民間資金の呼び水的役割を果す出資を行う必要があります。このように北海道とおおむね同様の条件を有する東北地方の産業開発をはかるためには、現在においては、北海道開発公庫を拡充強化して、東北地方に対する投融資業務をも担当せしめるのが適当と存ずる次第であります。 以上がこの改正案を提案する理由でありますが、次に本法律案の要旨を御説明申し上げます。 法律改正の第一は、公庫の業務区域の拡大に伴い、北海道開発公庫の名称を北海道東北開発公庫に改めることであります。 改正点の第二は、本公庫に東北地方(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県及び新潟県)における投融資業務を行わしめるため、公庫の目的及び業務の範囲に東北地方を加えることであります。 第三は、公庫の業務拡大により、本店を現在の札幌市から東京都に移転することであります。なお、これに伴い、札幌市と仙台市にそれぞれ支店を設置する所存であります。 第四の改正点は、公庫に対する産業投資特別会計からの出資を十五億円増加し、二十五億円とすることであります。この資本金の増額は、北海道における産業開発を一そう積極的に推進することのほか、東北地方における産業に対する長期資金供給の義務を行うために必要とされるものでありまして、これに伴い、昭和三十二年度には、十五億円の政府出資金と資金運用部からの借入金六十億円、政府保証に基ぐ借券発行による民間資金九十四億円を公庫の運用資金として開発金融を行わせる所存であります。 第五には、公庫の業務拡大に伴い、理事長を総裁に改め、かつ理事を一名増員することでございます。これによりまして、本公庫は総裁一名、理事四名以内、監事二名となるわけであります。 第六は、北海道及び東北地方における未開発資源の積極利用を促進するため、本公庫の投融資対象事業のうち、「石炭又は可燃性天然ガスの利用度の高い工業」を「石炭、可燃性天然ガス又はその他の未開発鉱物資源の利用度の高い工業」に改めることであります。 改正点の第七は、債券発行の場合における資金繰りの円滑化をはかるため、新たに債券発行による調達資金の前借として短期借入金をすることができるようにすることであります。これによりまして、起債市場の事情等により債券発行が遅延する場合等におきましても、短期借入金により資金を調達いたしまして、公庫の業務の円滑な運営をはかっていくことができると考えるものであります。なお、公庫の名称の変更に伴い、北海道開発債券を北海道東北開発債券に改める所存であります。 最後に、本公庫の営業区域が東北地方に拡大いたします結果、東北地方における産業の開発に関する事務を担当しております経済企画庁を、公庫業務のうち、東北地方にかかる業務の監督官庁として加えることであります。 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○五十嵐委員長 本法律案に対する質疑は次会に譲ることといたしまして、次に国土総合開発に関する件について質疑を進めます。前会に引き続き質疑を続行いたします。質疑の通告がありますので、順次これを許します。鈴木周次郎君。
○鈴木(周)委員 第一に北海道開発庁長官にお尋ねしたいことは、土地改良事業及び開拓その他に対することで、種々ごめんどうなことがあると思います。この間の説明にもある通り、人口の定着ということがその目的であるとともに、また入植を希望しておる者もあるように見ております。それには、土地改良あるいは開拓ということが必要でありましょうが、土地改良ということは、必ずしも道路の開さくや湿地改良ばかりでなく、これをいかにして改良するかということにおいて、北海道の土地にはそれ相応の、地質によりまして栽培するものが違うと存ずるのであります。こういう場合におきまして、日本の国是といたしましても、輸入を防遇する意味におきまして、砂糖の輸入をある程度減じ得るものはテンサイであろうと思う。こういう場合におきまして、大臣は、栽培したる土地が他の作物を作る場合において非常に有利になり、また増収が来たされる、これを一つの事業といたしまして土地改良に加える意思ありやとお尋ねしたいと思います。
○田上政府委員 ただいま鈴木委員のお尋ねになりました土地改良の問題につきまして、私からお答えさしていただきたいと思います。土地改良は、土地条件の整備上きわめて重要な問題でございまして、ただいまお話のありましたように、北海道におきましては、土地改良はきわめて重要な事項として従来取り上げて参っております。それにつきましては、地元の要請もあるのでございますが、財政の許す限りこれに傾注いたしまして、土地改良の事業を進捗いたしておるのであります。ことに北海道におきましては、昨年未曾有の冷害をこうむりまして、これに対する土地改良の必要が一そう痛感されておるのであります。この土地改良に関連をいたしまして、先ほどお話のありました土地改良を一そう成果あらしめるため、必要なる農作物を植えつけて輪作等を行うことにつきましては、当然土地改良と関連して考えなければならない重要な事項だと考えております。特に北海道におきましては、砂糖大根——ビートが気候条件から申しましても、災害等のありました際に、被害がきわめて少くて済むという寒地に非常に強い作物であり、またこれを栽培いたしますには、心土耕をいたし、土地もそれによって一そうよくなる。いろいろな条件から、このビートを植えつけることにつきましては、将来土地改良と関連いたしまして、十分取り入れていかなければならないと考えておるのでございます。この土地改良、それからビートと関連をいたしまして、当然並行して考えなければならないのは、酪農の問題でございまして、これとも関連いたしまして、土地改良を一そう有効ならしめ、かつ冷害対策としましても、北海道に特殊な方針といたしまして、これを研究いたしている次第であります。ことに北海道開発審議会におきまして、この問題を特に取り上げまして、今日冷害の恒久対策と関連いたしまして、これをいかに具体的に実現するかという方策を、せっかく研究しているような次第でございます。
○鈴木(周)委員 企画庁長官と関連をいたすかもわかりませんが、ただいまの説明から見ると、確かに輪作等によって土地が改良されるから、これは計画しているということです。しかるに日本においては根菜から取った砂糖、すなわちサツマイモに対して——澱粉糖に対しましては消費税をかけないが、ビートー砂糖大根に対してだけ消費税をかけている。北海道では、三十年度にはテンサイの反当りから見ますと、砂糖が七十八貫目とれております。これはテンサイ一貫目当り十九円七十銭になります。こういうことで、農家の手取りが、平均して一反歩当り一万二千百七十五円ばかりになっている。ところが消費税が非常に多く、一貫匁に百七十五円とっておりますから、反当り一万三千六百五十円とっている。そうすると、その金は農家に入るべきものが入らない、すなわち、純収入が農家にふえるべきものを、とっているのであるから、これでは北海道の開発はできないと私は考える。東北も確かにそういうことになっている。こういう点を是正して、戻すかなんかしなければならぬと思うのでありますが、大臣はどう考えているか。また食管特別会計になっているので、砂糖大根を集めるのに、あるいはその他の助成として十二億ばかり出ているが、総体における三十年度の大蔵省の消費税の収入は、相当な金額に上っていると私たちは思う。トン数にすれば四万九千五百六十七トン、消費税は二十三億余出ている。買った値段は全体ではどのくらいになっておるかというと、せいぜい十二、三億だろうと思う。とっている金の方が大きくて、十二、三億よけいに農家からしぼっておる。こういうことを改良しなければ、いかに農家が朝から晩まで働いても、働き切れない。こういうものは目的税じゃないが、何とか方法を変えて、戻し得る考えを持っておるかどうか。これは北海道ばかりでなく、高冷地帯、あるいは適したる種類によってやりますれば、一反二万五千円くらいの収入が農家にあると思う。なおかつ、その土地が改良されまして、その他の作物が三年なり五年なりの間において輪作できるようになって、別なものを作りますれば、その増収が大体平均して二割くらい上ってくると思います。当局はどうして今までこれを見のがしておったか。北海道開発庁長官は、北海道開発の意味において、この点を考える余地があるかどうか、また企画庁としては、今後こういうことを取り上げるかどうか、食管法の一部を改正する意思があるかどうかを一つ聞いておきたい。
○川村国務大臣 この問題は、大蔵省、農林省と協議していきたいと思います。
○鈴木(周)委員 協議するでなく、何かそこに打開する御意思があるかどうか、企画庁長官、いかがなものでございましょうか。
○宇田国務大臣 詳細なことはよく存じませんけれども、そういう点は農業経営の基本問題でありますから、農家の利益をはかるように、東北あるいは北海道については特別の配慮を払って、積極的に緊急の処置をとるべきものと考えております。
○鈴木(周)委員 そういたしますれば、今のお話から見ますと、やり得ないような意味にも聞えるが、やるだけの考えは持っているか、進められるべき考えを持っているか、一応お聞きしたい。
○宇田国務大臣 経済企画庁として、開発関係の所管では、当然そういうことは考えて、そうして本来の国土開発計画に最も沿うような施策については、積極的に行政援助を与えなければならぬと思っております。従って、それを阻害するような条件がありました場合には、農林省、大蔵省と話し合いをして、この障害の除去に努めたい、こう考えております。
○鈴木(周)委員 外国の比較を見ますと、合衆国では消費税が一貫目当り十五円九十四銭、英国が十七円、西独が八十五円、仏国はゼロ、日本は一貫目百七十五円、こういうべらぼうな高いものでは、日本の砂糖大根を作っている人ばかりがひどい目にあっておるような考えを持つ。これは御参考までにして、ぜひとも消費税をとることはとっても、戻す方法、すなわち輸出カン詰業者に対しては戻しておる、あるいは粉ミルクに対しては、その他の練乳に対しても、砂糖の消費税は戻しておる。また栄養上からいえば、カンショ糖よりもいいという議論になる。こういうことを考えて、ぜひともこの実現をお願いしたい。 次に企画庁長官にお尋ねしたい。日本における現在の肥料の価格、特に硫安ですが、これが非常に高い。これはいま少しく下げる余地があると思うのだが、その点に対してせんだって御質問申し上げたんですけれども、確たる御返答もなかったようです。これは通産大臣だと逃げるかもしれませんが、企画庁としては、その原因を調べたことがあるかどうか。基礎材料に対してどれだけかかっておるかどうか。また硫酸津に対して二千何百円のような、あんな安いもので売っている。それを硫安の値段に入れて農家に転嫁している。製鉄会社ばかりもうけている。こういうようなことも考えられるのだが、企画庁長官はこういう点に対して企画をしたかどうか、一つお尋ねしてみたい。
○宇田国務大臣 農業政策の中で一番重要な点の一つ、かように考えております。肥料に対するところの価格政策というものは、われわれは最も大事な施策として取り上げなければならぬ対象と思っております。ただ、肥料のコストのどの面を是正するのがいいかということになりますと、国全般の産業政策の中でいろいろ複雑な関係があります。しかし、ただいま御指摘の点、硫酸その他に対する価格政策あるいは生産政策等のことも、もちろん考えなければならぬと思っておりますが、何といっても電力コスト、動力コストというものが、大きく影響してくると思っております。従って、そういう点 につきましてもなお改善の余地はある、こういうようにわれわれは考えて おります。
○鈴木(周)委員 企画庁長官にお尋ねします。日本における今日の最大急務は鉄と石炭と電力だと、この前の委員会で企画庁長官が言っておる。日本における鉄の埋蔵量は、すなわち硫化鉄までまぜて、どのくらいと予想されておるのでありますか、それをお尋ねしたい。
○宇田国務大臣 硫化鉄の埋蔵量は今ここに資料を持っておりませんので、あとで申し上げたいと思います。
○鈴木(周)委員 最近におきます科学技術の進歩で、硫化鉄鉱から鉄をとるということが、事実行われておるようであります。この間資料をちょうだいいたしたが、百二十何万トンというものを今製鉄で使っておる。そういうようなことであるならば、硫酸までできて、そのあとにできるものであろうと思うのだが、どれだけの鉄ができるか。やるべき筋にもはやなっておると思うのだが、特に宇田長官はその方の専門家であらっしやるので、どの程度まで今研究になっておりますか、なっておりませんか、お聞きしたい。
○宇田国務大臣 硫酸分を含んだ、硫黄分を含んだ鉄というものは、われわれこれを加工し、第二次、第三次製品に持っていくのに、非常に質的にはよろしくないことは、御存じの通りであります。従って、鉄の採算点から見てみると、硫黄をとるのがいいのか、あるいは鉄鋼を抽出するのがいいのか、これは非常に長い間の論議の対象であります。しかし、ただいまの技術からいきまして、現在の鉄鋼価格から割り出してみて、硫酸をとったあとの硫酸津から、要するに銑鉄をとっていくということは、必ずしもまだ私は採算点に合うとは思っておりません。それから、硫黄を少しでも含んでおる場合の銑鉄及びこれによって得るところのスチールというものは、われわれの第二次、第三次加工の段階において、これが好ましいものではない、非常に困る条件が生まれてくるのでありますから、御承知の通り、硫酸関係の鉄については、まだ十分採算の合うもの、間に合うものというふうには考えておりません。従って、むしろ硫黄をとることによって、硫酸津をそのまま処分をして寝かしておく、むしろ別の鉱石でもって鉄を抽出する方がよりいいんです。日本の国内にあります硫化鉄鉱関係では、鉄の含有率は低いのでありますから、その点においても、採算から申しますと少し弱点がある、こういうふうに思っております。
○鈴木(周)委員 今いいお話を聞いたのですが、もしこれが可能なところまできておる、可能なる状態のものができた時分には、鉄の資源を開発する意味において、また硫酸その他を増産する意味においても、どれだけの援助を——今までの製鉄会社に援助したような意味において、企画庁では援助せられるかどうか。これは通産大臣とともに御研究にならなければならぬと思いますが、企画庁としては、そういう研究をしたことがあるかを一つお聞きしたい。
○宇田国務大臣 企画庁と申しますより、むしろ科学技術庁の中で、硫酸、鉄鋼については積極的に今研究はいたしております。われわれは、日本の国土の中で、そういうものが非常に多いということがわかっておりますから、これは何とかして工業採算ベースに合せまして、そうして硫酸をとったあとのかすを、むしろ新しい鉄鋼資源として活用するということは、これはどうしても技術的に解決しなければならぬものである。もしこれが採算ベースに合うものであるならば、特別に通産省その他とも話し合いしまして、試験研究ないし助成方法はもちろん考えていかなければならぬ、こういうふうに思っております。
○鈴木(周)委員 ただいまのお話によりますと、技術庁の問題であるからよくわからぬと言うが、しかし企画をする上においては、企画庁としてはそれだけの私は考えがなければならぬと思うのであります。特にこの点に対しては、強い意味において早くこれを実用化されるように私たちは希望して、私の質問をこれで打ち切っておきます。
○五十嵐委員長 渡邊惣藏君。
○渡辺(惣)委員 私は、きょうは特に北海道開発、国土開発の諸問題について質疑をいたしたいと存ずるのでありますが、冒頭に、川村長官に一つ所見を伺いたいと思うわけであります。それは木曜日の二十八日にここで国土開発特別委員会の最初の委員会が開かれたわけでありますが、木曜日には宇田長官もいらっしゃいまして、非常に精密な所見を伺いました。私は宇田長官がよく勉強していらっしゃって、特に愛知委員からの質疑に対しても、非常に懇切丁寧な答弁をされておりまして、敬意を表したわけでありますが、同じ岸内閣の閣僚であります川村長官の方は、長官になられて実はもう七十余日も経過をいたしておるにかかわらず、一体どういう大臣の所信を持っておられるのか、いささかも大臣の所信の表明がなかったわけであります。魚は驚きまして、お話の直後、速記をとって読んでみたのですが、一分間のごあいさつであって、しかも何も大臣としての所見も政策も盛られておらないのであります。岸総理といえども、所信表明には四分余りかかっておるのですが、吉田茂さん以上に不親切な大臣のごあいさつであったわけであります。しかも、大臣としてのあいさつも、法案提出に対するところの態度も、いささかも述べられておらない。まことに驚き入った大臣あいさつを承わったわけであります。そこで、一つ大臣に特にこの際明確にしていただきたいのは、北海道の総合開発計画に対しまして、かつて第一次五カ年計画はどういうような状態でなされてきたのか、その第一次五カ年計画というものは、所定の計画から見て、どういう成果が上げられたのか、また第一次五カ年計画を実施した結果として、どういうことが学びとられ、どういうことが反省されなければならないのか、その第一次五カ年計画を終えて、第二次五カ年計画に入る初年度として、第一次五カ年計画のそれぞれの自己反省や欠陥や、学びとったものを、どういうように今後の第二次五カ年計画において生かそうとされておるのか、この点につきまして、大臣の基本的な理念と、それから、これから行われようとするところの施策につきまして、第一次五カ年計画及び第二次五カ年計画の関連において、大臣の所見をここでもう一度具体的に明らかにしてもらいたいと思うのであります。それによりまして、逐次質疑いたしたいと思います。
○川村国務大臣 お答えいたします。まことに長期にわたりまして礼を失しておりましたことに対しましては、深く陳謝いたします。 第一次の五カ年計画につきましては、遺憾ながら電力以外はほとんど見るべきものはありません。電力だけは幸いに二四%の実績を見ました。その他のものにつきましては、あるいは五〇%、あるいは七〇%というような状態でありまして、実績を上げ得ないことは、まことに遺憾とするところでありますが、しかし、これが基礎となりまして、第二次五カ年計画に対しましては、予算面にも現われましたように、非常な計画を立て得るのでありまして、この計画が幸いに実施されましたならば、御期待に沿うような結果を見るであろうというような確信を持っておる次第であります。
○渡辺(惣)委員 北海道開発の基本的な施策として、第一に問題になってきておりましたのは、産業開発の原動力としての電源開発の問題、第二は開発の主要な基礎施設中、特にその基礎施設として先行すべき道路、港湾、河川等の整備及び拡充をするということ、第三は食糧増産の問題、第四は開発の基本調査を行う、こういう四つの柱を立てて、昭和二十七年を初年度として、北海道開発が進められたわけであります。従って、この開発がどういうように行われているかということによって、第二次五カ年計画の策定が重大な問題になりますし、また今年新たに国会にこれから提出をせられるであろうことが予想されます東北開発促進法その他の開発計画の実施にも、北海道の成果というものは非常に大きな影響を及ぼすわけでありますから、この四つの骨柱がそれぞれどういう関連において実施されてきたのか、しかもそれがどういう形で成果が上らなかったのか、こういう点についての過去五カ年間の自己批判をお伺いいたしたい。この点について明らかにならなければ、次の質疑が続けられないわけでありますから、その点について、なぜそうであったのかという理由を明らかにしていただきたいと思います。
○川村国務大臣 私、まだそこまで知識がありませんので、政府委員から説明さしていただきたいと思います。
○渡辺(惣)委員 それは困りますよ。私は大臣に質問しているのですから、大臣に聞きたい。
○川村国務大臣 たって私からとなれば、少し研究さしていただきたいと思います。
○田上政府委員 ただいま大臣のお言葉によりまして、私から渡辺委員の御質問に対してお答えを申し上げたいと思います。 北海道の第一次五カ年計画の構想につきましては、ただいま渡辺委員からお話がございましたように、第一に産業開発の原動力となる電源開発、第二に開発の重要な基礎施設中、特に先行せられるべき道路、河川、港湾等の整備拡充、第三に食糧の増産、第四に開発の基本調査、こういう目標を掲げまして、昭和二十七年から本年度三十一年度の五カ年間を開発期限といたしまして、具体的な計画を立てて、その実現を期したのであります。しかしながら、その結果はただいま川村大臣からお答え申しました通りに、電源開発の点については一〇〇%に達しましたけれども、また住宅の点につきましても、やや目的通りに進捗いたしたのでありますが、その他の点につきましては、大体の表現をいたしますと、約半分の実現しか見なかったという結果になっております。これらの成果が思わしくなかったという点につきましては、いろいろ個々に原因はございますが、大体申しますと、国の財政的な事情から、予算の獲得が十分でなかったという点にあろうかと思うのであります。しかしながら、他のいろいろな国の立てまする計画につきましても、たとえば治山治水のごときは非常に重要でありまするのに、今日実現しておりまするのは三分の一程度で、計画を改めなければならないというふうなものがありますし、日本の財政上からいいまして、この北海道開発の五カ年計画が一次において十分進まなかったのも、ほかの各計画から見るならば、そうひどい結果であったとも考えておりません。しかしながら、当初の五カ年計画がかかる成績であったということは、もちろんまことに遺憾に存ずるのでありまして、三十二年度から三十六年度までの第二次の五カ年計画におきましては、今日までの実績に徴しまして、より一そう実現性のある計画を立てたい。なお過去の実績を考慮すると同時に、今日の情勢は、五年前の情勢とはいろいろと変っております点もありまするので、その点につきましても、十分計画を基本的に考え直すという必要を感じまして、これらの各観点から、新たに第二次の五カ年計画につきましては、慎重審議をいたし、ことに北海道開発審議会におきましてこの問題を熱心に取り上げ、地元の各機関の意向も徴しまして、今日第二次の五カ年計画の骨組みを作り上げておるのでございます。 その基本方針といたしましては、今日まで継続して参りました産業基盤の基礎になる各種の設備、道路、河川、港湾等の設備でございますとか、そのほか交通、通信の設備だとか、国土保全の施設、食糧増産のための施設も加えました広い意味の基本施設をあくまでも続けて、今後一そうその実現を期していきたいということで、これを第一に取り上げておるのであります。しかしながら、新たな第二次五カ年計画の出発といたしましては、すでに第一次五カ年計画を立てる際にも、その点に触れておりまする産業の飛躍的躍進であります。第二次産業を中心とする鉱工業の飛躍的伸展を中心に置いて新たに出発をいたすというのが、第二次五カ年計画の特徴であろうかと思うのであります。そのほか、これに関連いたしまして、開発に重要な関係を持っておりまする文化、厚生、労働の施設等も新たにこの計画の中に取り入れておりますのも一つの特徴であろうと思うのであります。 こうした三本建の計画で、第二次五カ年計画の出発に当ったのでありまして、その目標は、先日川村大臣から端的に申されました、二十九年度四千百九十億の総生産額でありまするのを、六千七百七十六億の線まで、約六二%の進展を期待しておるような目標を具体的に立てておるのでございます。そうしてその結果は、第二次産業を中心といたしまして、あるいは第三次の産業も当然発展をいたしますので、これを重点といたしまして、人口は今日よりも七十万人をふやしまして、五百五十万に到達することを期待いたしておるのであります。人口増加の問題につきましても、いろいろ議論もあったのでございますが、過去の実績に徴し、厳密な批判を加えまして、五百五十万の人口を期待するという結論に達したのでありますが、しかしながら、この第二次五カ年計画が実現いたしますする三十六年度になりますると、産業の基盤も進みますし、同時に、飛躍的に産業、鉱工業の発展がありますので、この機運に乗りまして、第一二次五カ年計画においては、人口の増加も相当大きなものが期待し得るという確信を添えておるのでございます。 しからば三十二年度予算の状況は、第二次五カ年計画の初年度としてどういうふうであったかということをつけ加えて申しますと、御承知の通り、先日御説明いたしましたが、三十二年度の北海道開発関係の予算は二百三十一億でございまして、これに公庫の資金ワクといたしましては、北海道分が運用資金全部といたしまして百二十四億でございます。これらの数字から見まして、五カ年計画から判断をいたしますと、大体初年度の予算としましては、順調な進み方を期待し得るのではないかと考えるのであります。すなわち、五カ年を通じまして、公共事業費に千五百億の予定をいたしております。これを五年に平均いたしますと、三百億になるわけでございまして、三百億の予算に対しまして、今申したような状態であるならば、大体初年度の第一の踏み出しでございますから、この程度でありますならば、将来五カ年にわたる進路といたしましては、一応実現性のある——第二次五カ年計画は実現し得るという、大体の希望を持ち得るものであると考えるのでございます。 概要でございますが、私から、以上、北海道開発の第二次五カ年計画を中心としての説明を申し上げた次第であります。
○川村国務大臣 不十分ながら、わかっておる分だけ、私から御報告申し上げておきたいと思います。 まず交通網の整備を取り上げております。この交通網の整備につきましては、いわゆる道路の整備十カ年計画という案に基きまして、主要な幹線道路を舗装する。札幌−旭川の間、これを舗装道路にしまして、今後三カ年間に完成しよう、札幌−室蘭間は舗装二カ年の完成計画であります。釧路−帯広間の改修舗装は、三カ年間でこれを完成しよういう計画であります。それから冬季交通の問題につきましては、非常に困難がありますけれども、少くとも幹線道路については、冬季交通に支障なからしむるため、除雪の完備をする。函館−札幌、旭川−網走及び札幌−釧路間を優先的に実施してみたいと考えております。開拓につきましては、開拓道路に基きまして、その資源開発と相待って、道路の整備を考ております。 次に、港湾の整備拡充は、室蘭、釧路両港を最も重点的に考えております。函館、小樽、留萌、この港湾の整備には十分な拡張を期待いたしております。地方港湾もまた急速に整備しようと考えておるのでありますが、苫小牧港の造成につきましては、特に注意を払っていきたいと思っております。 鉄道の面、これは石炭車及び貨車の増加をはかりたいと思っております。室蘭線及び函館本線の複線化、これは内地のそれと相待ちまして、でき得る限り早く着工したいと思っております。 寒地農業の普及につきましては、ただいますでに触れておりますが、土地条件の整備、明渠の排水、暗渠の排水、客土の研究、防潮、防風林の整備等も十分に手を尽したいと思っております。土地の改良の問題も同様でございます。 次に適地適作、合理的営農方式というものを確立いたしまして、立地に適応した営農方式を指導しつつ、充実したい。さらに酪農の振興、肉牛の奨励に力を尽してみたいと思っております。 石狩川の流域の総合開発につきましては、これまた十分に推進の決意を持っておるものであります。 寒地農業につきましては、今次長からも御説明しましたので、省略いたします。 治山治水と河川の改修につきましては、大きく取り上げております。すなわち石狩川、十勝川、天塩川等の治水を考慮いたしております。なお特殊河川の指定を拡大いたしまして、農地造成の促進をはかっております。河川の総合開発事業もまた調査の進行中でございます。 最後に地下資源の調査につきましては、国費ででき得る限り炭鉱を深く掘り下げてみたい。北海道開発庁内に地下資源の調査所を設けまして、これが善処をすべく、研究いたしております。以上でございます。
○渡辺(惣)委員 大へんありがたい項目を大臣あるいは次長からたくさんあげていただいたのですが、もっと根本的に北海道の開発について所信を明らかにしていただきたいと思うわけであります。 先ほど私は北海道開発の基本計画の四つの柱を指摘いたしたのでありますが、これを要約すると、鉱工業の開発による労働人口の吸収に対する態度、農業改良その他によります食糧増産を押し進めること、第三点は、こうしたものを通しまして、北海道に居住いたします住民の生活の向上を促進すること、こういう三つのことになると考えるわけであります。 そこで、その第一点の鉱工業の開発を通しまして過剰労働人口を吸収するという問題について、大臣の意見を承わりたいのですが、当初、昭和二十七年に第一次五カ年計画を策定いたしまして実施に入りますときには、当時の人口に対しまして、五カ年間に百六十万の人口の伸びを見て計画に入ったわけであります。実際の問題になりますと、三十一年度の末の統計を今持っておりませんので、三十年度末の統計によりますと、人口の増加は五十万程度しかないわけであります。百六十万人の人口増加を予定いたしました第一次五カ年計画が、五十万人にとまっている。しかも五十万人の人口のうち、四十三万程度までは自然増加による人口の増大であります。死亡率が少くなったので、人口の自然増加によって、約四十三万が増加したといわれております。残る七万ほどの人口は、社会的増加によってであります。その社会的増加の大口のものは、自衛隊が北海道に広範に駐もして、五、六万名もふえたという事態から発生いたしているのであります。五カ年計画を中心にいたしまして策定した労働人口の増大、人口の北海道への吸収ということがどこで一体なされたのか、どういう形でこの政策が実現いたしたのか。ことに、人口の収容力の伸びのとどまった現状の中において、第二次五カ年計画におきましては七十万名の増大をはかろう、こういう計画が今発表されているわけでありますが、一体第一次五カ年計画において、人口の伸びがこういうような状態に終ったということは何に基因するのであるかということと、これを基礎にして第二次五カ年計画において五百五十万、約七十万から七十五万の人口の増大をはかろうという基盤がどこにあるのか、この点を一つ明確にしていただきたいと思います。
○田上政府委員 私からお答え申し上げます。第一次五カ年計画におきまして、人口六百万を計画いたしましてスタートをいたした点につきまして、ただいま渡邊委員から御批判的なお話があったのであります。これは御指摘になりますように、当初相当大きい人口の増を予定したのでありますが、実際上は五十万程度の人口増であったのであります。これは当初の計画が、希望的な人口増であったという非難は免れないと思います。しかしながら、何とかこういう線でいきたいということで、努力したことも事実でございます。五十万の人口増は、御承知の通り北海道は、自然増加の傾向につきましては、全国で最も増加率の高いところでございまして、自然増加を包容したにすぎないということも言えるかもしれませんが、しかしながら、同時に社会増も相当あったのでございます。ことに、統計の上でこういう結果になりました点につきましては、終戦直後おそらく三十万以上の引揚者で、人口が非常にふえた。統計表を見ますと、昭和二十六、七年あたりは、社会増の点を見ますと、逆に北海道から出て行った者が多くなっているような数字になっております。これは終戦後、引揚者等で急速にふえたものが、その後朝鮮ブームその他の関係もありまして内地の方へ戻って行ったという数字から、おもにこういう結果になったのであろうということが、大体定説的に論ぜられております。おそらくそういうことで、一面北海道に入ってくる者が相当ありましたけれども、同時に、出て行った者が非常に多かったという事実から、一時社会増が減になっておるという事実も出たのであろうと考えております。しかしながら最近におきましては、社会増は、実際上二万あるいは三万近い数字が増加されつつあるのでありまして、これが自然的な情勢から、将来もこの傾向は続くものであり、ことに第二次五カ年計画の実現の仕方によりましては、相当社会増がふえていくものである、こう予想されるのでありまして、そういう点から第二次五カ年計画におきましては、五百五十万の数字を見ておるのであります。一方、全体計画から事業を一応積み上げまして、それによっての人口増をはかり、また一面、御承知の通り大体五カ年計画の全体の総事業資金のワクは七千億円以上でございますが、そういう資金のワクから考えまして、大体資金の傾向から各個人々々の所得、あるいは各事業の健全なる伸展を考慮いたしまして逆に考えますと、やはり五百五十万程度の人口が実現可能なものと考えられるのであります。しかし、これとても無条件ではないのでありまして、この五カ年計画の推進において相当努力いたさなければ、五百五十万にそう安易に達し得るものとは考えておりません。しかしながら、実際上過去の第一次五カ年計画におきましては、人口につきましては非常な計画のそごがございましたが、第二次五カ年計画におきましては、実現性のある堅実な予想といたしまして、五百五十万に人口増を期待いたしておるような次第でございます。
○渡辺(惣)委員 非常に奇怪な答弁を受けるのでありますが、北海道の人口の移動がこういう状態になったのは、何か朝鮮動乱による影響を受けておる、それが社会的通念である、こういうお話であります。まことに意外な説明を承わるわけであります。これは具体的な例を一つ申し上げますと、終戦直後から北海道に農業入植が非常に奨励されて、開拓民が北海道へどんどん入れられて参っております。ところが、この数字を検討して見ますると、昭和二十七年、北海道開発五カ年計画の初年度における北海道の農業総戸数と申しますのは、二十三万七千戸あるわけであります。ところが三十年の末になりますと、人口の社会的増加によって、当然農業戸数もふえなければならない理屈なのでありますが、北海道の農業総戸数は二十三万四千戸、あべこべに三千戸減少しておるという統計が出ておるわけです。もし私がここで御披露申し上げた統計の数字が間違っておるとすれば、是正いたしますが、もし間違っていないということになりますと、一体それはどういうことになるのか、明らかにしていただきたいと思います。 重ねてこれに関連して申し上げますが、そこでこの二十三万七千戸の農業戸数のうち、この十年間に北海道に入植した開拓農家の戸数の動態はどうなっておるかということを見てみますと、戦後、北海道開拓事業が進められて十年のうちに、一応北海道に入植をいたしました農業戸数と申しますのは、四万八百四十八戸という数字を示しております。ところが、このうち、一たび北海道へ入植いたしましたが、この十年間のうちに離農した者の数は、一万三千五十二戸という数字を示しております。そういたしますると、戦後の開拓入植者から比較いたしますと、その離農率は三二%という膨大な数字を示しておるわけであります。約三分の一というものが十年間のうちに北海道から移動しておる、こういう数字が出てくるわけであります。四万戸のうちで、一万三千五十二戸が離農いたしましたので、残った定着した者の数は、二万七千七百九十六戸という数字を示します。ところがもう一つ突っ込んで、二万七千七百九十六戸という開拓農家で、定着した者の分類をいたしますと、このうちで、北海道の次男、三男その他人口移動が行われておらない、道内で入植いたしておりまする者を除いた、道外から来た者で、定着した戸数が幾らあるかと申しますと、六千九十五戸、こういう数字をこの中で示しておるわけであります。従って開拓農家の移動率が非常に激しい、こういう実情が出てくるわけです。 ここで、もっと一つ根本問題で触れなければならないのは、朝鮮ブームその他の事情によって移動したというような、簡単な表面的な理由で解決つけられるものかどうか。そこで私が冒頭に申し上げた、北海道開発の基本的な理念がどこにあるかということの問題なんです。ただ北海道に過剰人口のはけ口を求めるとか、七十万町歩と称せられる未開発農業地域があるから、泥炭地であろうと何であろうと、そこへ人口をぶち込めばいいのだ、開拓農道もつけなければ何もしない、学校の施設も何もしない、医療設備も文化設備も何もしないで、移民政策でなくて、棄民政策をいたしておる。そこで私は、やはりこの中で基本的に考えなければならないのは、北海道に居住する道民の生活向上という政策が伴わなければ、この北海道第一次五カ年計画にしろ、第二次五カ年計画を設定しても、それは決して北海道に人口が定着をして、北海道の土になろう、この土地は住みよい土地だ、この土地で自分たちは子々孫々まで暮そう、というような決意を鈍らせる根本的な原因がどこかにあるのだ、それは、いわゆる住民生活の向上をはかるという基本的理念が欠けておるところに、こういう問題が露呈してきているのだ、こう私は考えますので、大臣の明確な所見を伺いたいと思います。
○川村国務大臣 御意見はきわめて適切でありまして、お尋ねになる点もごもっともだと存じまするが、これは十分に研究した上でないと、御回答はできないと思います。
○渡辺(惣)委員 この根本的な理念が明らかにならなければ、第二次五カ年計画の策定は絵にかいたもちになってしまうのです。このことが明らかにならないと、だめなんです。今さら研究しなければならぬのなら、大臣をやめて下さい。とても間に合わぬのです。北海道民は火がついている。こういう住民生活の中では、幾らこういうような形で水をさしても、開拓の基盤が明らかでないから、どんどん道外へ流れていってしまう。こういう根本問題が何かということを、大臣が所見を明らかにできないということはないと思うのです。もう一度、調査研究でなしに、なぜこうなったのか、このことを明らかにしていただきたいと思います。
○田上政府委員 渡辺委員のただいまのお話、ごもっともでございまして、結局、農業移民が定着をするには、現在のような状態ではいかない、住民の生活安定ということが重要な問題であるという御意見、ごもっともであると思うのであります。この人口の問題に関連して、特に開拓農家に対する施策というものは、実に深刻な諸問題があるのでございます。ただいまお話もありましたように、大体現在の開拓農家数二万七千ということを踏んでおりますが、これらの既入植者の生活は、ことに昨年のようなはなはだしい冷害に遭遇いたしまして、深刻な問題になってきておるのであります。これをどうすればよいかという問題でありますが、すでに五カ年計画におきましても、この問題を取り上げておるのでございまして、その第一段としまして、本年度の予算におきましても、新しい入植者よりも、むしろ既入植者の対策というものにもう少し力を入れなければならない。それにつきまして特に申し上げたいと思いますのは、根釧における。パイロット・ファームの計画でございます。これは国費を大きく取り入れましてかりに三千町歩でございますが、具体的な入植・計画を立て、基本の建設工事を急ぎまして、そうして、抜根等も政府の力によりまして機械開墾をやる、そうして営農につきましても、具体的な個々の適切な計画を立てまして、これの実現を急いでおるわけでございます。すでに開墾に必要な基本的な農道、あるいは土地改良等を設営いたしまして、そこに基本的な設備ができたところに入れるということでございますから、これらの入植の成功は、今日の段階においても大きな希望をかけておるのであります。これをむしろ制度化するということが、一つの大きな問題であろうかと思うのでございます。このパイロット・ファームの体系をもちまして、将来他の地域にこれをどうやっていくかということが、今後の課題であろうと考えるのであります。なお五カ年計画におきまして、もう一つこの点で考えておりますのは、開拓地につきましても、文化、厚生、労働施設をこの方面に考えて将来計画を進めていこうというのでございますから、この点も渡辺委員のただいまおっしゃいました対策の一つとして、すでに取り上げられておるようなわけでございます。今後この点につきましては、なお具体的に研究し、これが適切な措置を講じていくべき問題も多々あろうかと思うのでありますが、よろしく御指導いただきまして、その万全を期して参りたいと思うのでございます。
○渡辺(惣)委員 そうすると、人口の社会的減少、移動というものが、必ずしも朝鮮動乱のブーム等のようなもののみによらず、開拓政策、開発政策それ自体の中にも、そういうようなものが含まれておったのだということをお認めになりますか。
○田上政府委員 私が朝鮮ファーム等と申し上げましたのは、過去における人口の社会増が、逆に減っておるという数字の説明の理由に申し上げたのであります。しかしながら開拓農家が、一応入ったものが生活しかねて、また去っていったということには、いろいろな原因が個々について考えられるのでありまして、そのうちに既入植者の設備、ことに基本的な農道であるとか、あるいはそのほかの営農指導等に欠けるところがあったということも、その原因の大きな一つであるということを考えておるのでありまして、今後これらの対策も十分考慮されなければならぬということをはっきり申し上げる次第であります。
○渡辺(惣)委員 川村さんが国務大臣になられて、北海道開発庁長官になられてからの問題でありますが、この北海道開発に関連いたしまして、三つの重要な文書が社会的に出ております。第一の文書は、一月十六日に発表されました松永安左衛門氏を委員長とする産業計画会議におきまして、北海道の開発はどうあるべきかという題で、この産業計画会議におきまして討議されました意見書が広く関係方面に送付されまして、それぞれ重要な討議材料になっておるわけでありますが、まず第一に、この松永安左衛門氏を中心とする産業計画会議の、北海道開発計画はどうあるべきかという意見書に対しまする北海道開発庁長官の御意見を明らかにしていただきたい。
○川村国務大臣 北海道の開発はどうあるべきかという問題につきましては、豊富な開発資源を開発いたしまして、わが国の自立経済の達成と、人口問題の解決に寄与しようということを目的といたしております。第一次五カ年計画におきましては、産業発展のための道路、港湾、電力等の基礎施設の整備を重点的にはかってきたのでありますが、さらに昭和三十二年度から始まる第二次五カ年計画におきましては、産業振興の基盤たるその基礎施設の整備強化をはかろう、この問題を続行いたしたいという面であります。この基盤の上に、各種の産業を飛躍的に発展せしむることにいたしまして、計画の当初から、農業開発も重要ではありますが、むしろ主として第二次、第三次産業を振興して、産業を高度化して、これによって人口の収容をはかることにいたしておるのであります。なお産業計画会議におきましても出したような、北海道の開発は食糧増産を重点としまして、農業入植による人口の吸収をはかることを主たる目的としておるということをいわれておるのでありますが、決してそうした考えばかりではないのであります。また北海道の開発は、北海道が日本経済に寄与し得る点を明確にいたしまして、国の経済全体の一環として計画し、あくまでも経済効果で割り切った態度であるべきであると指摘いたしております。こうした事情によりまして、開発に経済的合理性を強く打ち出すべき趣旨には賛意を表しておりますが、開発には、国家政策的諸種の観点からして、経済効果のみでは割り切れないものがあるのでありまして、その点も考慮しなければならないと考えております。
○渡辺(惣)委員 この産業計画会議は、公的機関ではありませんので、あえてこの文書の内容その他について、ここで大臣にこれ以上申し上げることは避けて、他の場合に譲りたいと思います。 そこで第二点の重要な文書と私が申しますのは、昨年十一月六日から四日間にわたりまして、行政管理庁長官の諮問機関であります公共事業特別調査委員会と申しますものが北海道を調査いたしております。この委員長は御承知のように河合良成氏であります。そこでこの河合良成氏の一行は、調査いたした結果、行政管理庁長官に対しまして、諮問機関として意見書を送付いたしておりますがその意見書の内容につきまして御発表願います。
○川村国務大臣 この問題につきまして、先般政府に提出された公共事業、特別調査委員の答申のうち、北海道開発庁関係の部分のおもなるものは次の通りであります。その第一は、北海道総合開発第一次五カ年計画の達成率に対するものであって、公共事業の実施率が五四%であり、開発の最大目的である人口収容の達成率においては三四%にしかすぎないのであります。その第二には、日本経済の環境が北海道開発法を制定した当時と大きく変って参っておりまして、国民経済の復興及び人口問題の解決に寄与するという開発法の目標は、変更を必要とするのではないかという趣旨になっております。第三は、北海道総合開発推進上、基本となる諸種の調査研究は重要であるから、これを促進せよという趣旨の意見であります。その他個々の事業についても、いろいろ御意見はあったのでありますが、主として右の三件に対する意見を申し上げておきたいと思います。
○渡辺(惣)委員 北海道開発庁は、二月六日になりまして、行政管理庁に対しまして意見書を提出しておるようでありますね。出しておりませんか。
○田上政府委員 提出しております。
○渡辺(惣)委員 その内容を一つ明らかにして下さい。
○田上政府委員 その内容は相当多岐にわたりますが、私から順を追うて、おもなものだけ申し上げておきたいと思います。 この行管の公共事業特別調査委員の方は、数日にわたって北海道を御視察になりまして、その結論としていろいろな点を指摘しております。おもな点は、今回村大臣がおっしゃいました三点なのでありまするが、具体的な問題にも相当触れておるのでございます。まず第一に申し上げたいと思いますのは、芦別ダムの計画変更について、こういうことを言っておるのであります。それは、事業着手後に計画を変更して経費を著しく膨張せしめ、従って、当初の計画とは遊離した事業効果となっているもの、あるいは事前の研究の不十分なため、事業完成後数年を経ずして機能に支障を来たしているもの、こういうものの代表例として、幾春別の総合開発事業における桂沢ダム、それから芦別ダムの計画の変更を取り上げているのであります。この幾春則の総合開発事業は、実は計画の変更けいたしておるのであります。二十六年に着工しましたけれども、その後精密調査をいたしました結果、芦別ダムは、取水ダムとして桂沢ダムを高くして、そうして計画貯水量を確保するように計画の変更をいたしたのであります。しかしながら、計画変更による事業効果は決して減少しておるのではありません。その効果は完全に確保しておるのであります。しかも芦別ダムの計画の変更は、着工前の変更であり、桂沢ダムにおいても、当初打設設備を変更するようなことがなくて工事を完了しているのであって、いわゆる手戻り工事だとかいうような、むだな工事は絶対にしていないのであります。むしろ、この計画変更によって、事業費が節約されておるというふうな益を見ておるのでありまして、指摘されたような計画変更による障害というものは全然ないのであります。こういうふうな明らかな誤まりもあるのでございます。また、非常にごもっともな意見も、むろんいろいろあるのでありまして、たとえば地下資源の鉱床調査について、もっと十分に調査しなければいけない、それによって鉱業の振興がもっと期待されるのではないかというふうな御意見、あるいは漁港の修築につきまして、工事費が総花的に分散されておるというふうな点、こういう点は一応御意見としてはもっともであろうかと思います。しかしながら、漁港にいたしましても、これは北海道の特殊な事情があるのでありまして、すでに御承知の通り、従来北海道は沿岸漁業というものを中心として、これに依存してきた歴史があるのであります。しかも従来の港湾施設がまことに不十分であるというふうなことのために、戦後急速に沖合い漁業の発展を期さなければならぬというような事情から、それぞれの漁港を一そう強化整備していかなければならぬという実際上の必要があるという点を、もう少し認識していただきたかった、こう考えるのであります。 また北海道開発の基本問題という相当大きな問題につきまして、先ほどの松永安左衛門先生の経済産業計画会議ですか、それの御意見にも同じようにあったのですが、五カ年計画が、人口収容ということと、農業入植というものを中心として考えられてきたのだというふうに断定をいたしておりますけれども、これは非常な誤まりでありまして、経済的な産業振興というものは、まず北海道の開発にとっては第一に掲げられ、これに伴って人口が当然ふえていくということを期待いたしておるのであります。ことに、農業入植だけを中心として人口の収容をはかっているのが、北海道の従来の計画の主眼点だと断定しているところに、大きな誤診があるということを申し上げておきたいと思うのであります。 それから具体的な問題で、苫小牧の工業港について相当峻烈な批判があるのでありまして、苫小牧の工業港につきまして、こういうことを申しております。天然の良港たる室蘭港が至近の距離に存するのに、苫小牧に港湾を築成することは判断に苦しむというふうな激しい批判でございますが、これは私どもといたしましては、室蘭港はむろん非常に重要港湾でありまして、今日非常な躍進を遂げており、今後さらに強化整備いたさなければならぬ問題はいろいろございます。従って、室蘭港は今後この地方の重要港湾として、ますます整備を急がなければなりませんが、しかしながら、室蘭港があるから、苫小牧工業港が要らないというわけにはいかないのであります。むしろ蘭室港を補完する、足らないところを補っていくという意味では、今日の情勢から、苫小牧港の併用を急がなければならないのでありまして、その点につきましては行管の委員会と考え方を異にいたしております。苫小牧工業港は大計画でございまして、あそこに将来数十万の人口を擁する大工業地帯を期待いたし、また臨海苫小牧のいろいろ恵まれた条件を活用いたしまして、単に港だけではなくて、工業地帯としての大きな計画を考えており、これによりまして、室蘭港、苫小牧港、ともに足らないところを補い合って、ともに発展していくことを期待しておるのであります。 いろいろ問題もございますが、大体そういう点は大きな問題だと思いまして、これに対しまして、開発庁といたしましては、正当な判断、意見に対する所見をまとめまして、これを行政管理庁に先日提出をいたしておきましたような次第であります。
○渡辺(惣)委員 幸い南條建設大臣が見えていらっしゃるので、伺いたいのですが、室蘭港と苫小牧港の関係は、きわめて微妙な条件に置かれております。特に公共事業特別調査委員会が指摘するように、いろいろな工事が遅々として進まないというような問題は、だれでもが認めておるところであります。ことに太平洋岸の砂浜に内港の築堤を設け、さらにその外に大きな築堤を設け、アイソトープを使って砂の移動調査をいたしておる、まことにマンマンデーそのものであります。そして埋め立ての石は、爆発した昭和新山から汽車で運んで海にほうり込んでおる。一ぺん築堤を築いてみたが、その築堤に砂が浸透するので、さらに鉄さくを設けてこれを防止しなければいかぬ、こういうようなことで、すでに五カ年を経過していながら、非常な雑工事であるということは、これは非常に問題であります。ことに北海道開発の途上におきまして、どこでも重点施策をしなければならぬときに、累年六、七千万円ずつの予算を国が投入しておる。今年は南條建設大臣の努力によって、一億円を上回る資金を初めて投入いたしたわけでありますが、このままでいきますと、何十年かかってこの港が完成するかわからない。しかも継続事業としてこれを打ち出しておらない。毎年々々同じ問題が繰り返されておる。こういうような状態でこのまま放置いたしますと、北海道開発の途上で、このことは非常に重大な問題であると考えますので、関連いたしまして、一つ南條建設大臣の御所見を聞かしていただきたいと思います。
○南條国務大臣 私の選挙区の問題に関連した御質問で、まことに答弁に苦しむようなものもあるのであります。(笑声)しかし室蘭と苫小牧との港湾施設についてのいろいろな世論の批判、また議会におきまして種々なる御議論のありますことは、今日に始まったわけではございません。しかし苫小牧の工業港を最初に計画いたしました数年前、もっと先でありましたか、北海道というものの開発が、非常に大きな構想のもとに、ああいう計画が考えられたのでありまして、それが国の予算、財政との関係で、遅々として進まないことは、まことに私どもも遺憾とする点であります。私ども北海道選出議員といたしましては、御承知の通り、国の予算にマッチするように、港湾の施設でも、道路でも、河川でも、いろいろ重要度からやるべきであるという今までの考えもありますし、北海道には既設の重要港湾が、御承知の通り、函館でも、小樽でも、室蘭でも、釧路でも、留萌でも、あるのであります。こういうような港に早く施設をしてもらわなければならぬというような陳情、要望が毎年あるにかかわらず、国の予算の関係から、これが不如意になっておりますのでこれらの既設の重要港湾の地元の諸君から、新しく苫小牧のようなところにたくさんの金を入れることは、必要かも知らぬが、順位をもう少し考えたらどうかという議論のありますことも、御承知だと思うのであります。 さような点で、室蘭のごときは最近非常に貿易が盛んになりまして、外国船の出入が日本でも二位か三位くらいになりました関係からこれに対応するための港湾施設をするために、予算の要求をいたしましても、十分できないというようなことがありますので、いろいろ苫小牧と比較されて申されるのでありますけれども、そこで私どもは、この苫小牧の大きな夢と申しますか、北海道の大きな開発に対する夢を実現する上においては、これを何とかしてやらなければならないという考えはありますが、予算と財政とマッチしたような施策をすることが一番肝心であると考えまして、ともかくも船だまりと申しますか、千トンでも二千トンでもよろしい、とりあえず船が停泊できて、そうして多少の荷役でもできるような、まとまった港にこれを早く完成さす、大規模な一万トンも二万トンも入るような構想のものはとにかくとして、ともかくも小規模の港を作りまして、国の財政のむだづかいをしないようにしたらどうかということを、最近献策しておる次第でありまして、この意味におきましては、私は、室蘭も苫小牧も、御承知の通り背後地があれだけの工場敷地と申しますか、日本の工業地帯といたしまして最も恵まれておるところでありますから、この両港が相携えて、北海道のこれらの今まで不毛の地ともいわれておるようなところを開発いたしまして、人口を増値する、北海道の工業力を発達させるという方向に役立たせるようにしなければならないと考えておる次第であります。
○渡辺(惣)委員 これは、私も大臣と同じ選挙区で、ここで八百長質問になるといけませんから、これで打ち切ることにいたします。(笑声) 先ほど川村大臣に質疑いたしました、公共事業特別調査委員会の意見書に関連した問題でありますが、苫小牧港のような具体的な問題とともに、もう一つこの委員会は、特別に国土開発審議会、あるいは北海道開発審議会等の審議会の構成に関する問題を提起いたしております。それは、国会議員がこの委員会に参加をいたしておることの非合理性を主張しておるのでございますが、この点については、大臣としてどういう所見をとられておるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
○川村国務大臣 この問題はよく考えてみたいのでありますが、入っておっても差しつかえないのではないかというふうに考えております。
○渡辺(惣)委員 どうも自信のない答弁で、入っておっても差しつかえないのではないかということですが、あなたは国会議員ですよ。国会議員自身が委員会を構成しておるものに対して、あなたはそういうような明確な答弁が できないとすれば、あとで重大な問題になりますよ。国会議員選出の大臣であって、国会議員の身分に関する意見書が出ておるということによってきわめて重要な意味を持つのですから、もう少し明らかな態度を表明していただきたいと思います。
○川村国務大臣 北海道開発審議会の構成について、立法府に籍を置く国会議員が審議会の委員となり、開発計画に直接参加することは、いろいろ弊害を来たすとも思われるので、検討を要するとの御指摘でございますが、北海道開発法制定の際、国会において十分論議されたところでもあり、発足以来すでに七年余を無事経過いたしておりますので、もし検討を要するとすれば、国土総合開発審議会を初めとするところのこの種の審議会において、国会議員が構成メンバーになっておるの であるから、別途全般的な問題として論議さるべきものであるという考えを持っております。
○渡辺(惣)委員 建設大臣お急ぎのようでありますから、ここで私は建設大臣に一つ質問いたしまして、建設大臣に対する質問は終ります。 それは最近自衛隊が非常に増強されまして、陸上自衛隊が全部で十七万も いるわけであります。その自衛隊が配置されております地積——特に北海道においては非常に多数のものが参っております。現に施設されております分だけでも札幌、東千歳、北千歳、真駒内、北恵庭、南恵庭、岩見沢、幌別、倶知安、函館、旭川、名寄、滝川、留萌、上富良野、帯広、釧路、美幌、遠軽、島松、安平、こういうような全道くまなく広範な地積にわたりまして、自衛隊がそれぞれの施設を持っております。ところがこの自衛隊は、ほかの府県にもこういう例はたくさんあるのでありますが、北海道における、東北六県を含めるような大地積に二十幾つの施設が分散をして、そしてそれのキャンプと演習場がみな離れておるわけであります。キャンプから演習場に至りますには、数里にわたる長い距離の間を、毎日のように十五トン、十七トンという膨大なトラックを動かして演習をしておる。はなはだしいのになりますと、道路のまん中でトラクターをひっくり返したり、動かしたりして、そして穴へ陥没させて、その穴からはい上る演習まで御丁寧にやっておるわけであります。そして一本の道路で、回転作業の訓練をやるわけであります。そういう結果、道がどんどんこわれて参るわけであります。ところが、これは数里にわたる演習場から往復をやるわけでありますから、国道を荒してしまうと、今度は道路に移って、道路も通れなくなると、今度は市町村道に移っていく。荒したところで、動けなくなりますと、次々と新しい道路を遠回りして、そして道路を破壊してしまう。そしてこの修復は全然いたさない。そこで一般住民の交通も困難になってくる。こういう事態が発生しておるわけであります。ことに北海道の場合におきましては、秋口になりますと、もう十月ごろから霜が降りまして、泥濘の状態になりますので、この道路のために、秋口の収穫によります貨物の運送等も全く困難になる。こういうような事態に直面いたしまして、すでにこの問題につきましては、大きな事件を起しておるわけであります。 昨年の八月から九月にかけまして、帯広の自衛隊は、演習場に行くために車を動かしておりますうちに、走路も町村道も破壊いたしまして、ついに昨年の九月には新得と本別の間の道路を破壊してしまったので、迂回いたしまして、上士幌から士幌の町村道に向けてこの演習用のトラクターが動き始め、そのために道は全部破壊されて——実はもともと自衛隊を誘致してきたという町村長に弱いところがあって、町村長も痛いところがあるから、正面切って防衛庁あるいは自衛隊の北部総監に対して強い要求ができない。こういう弱みにつけ込みまして、自衛隊は横暴の限りをしておるわけであります。そこで住民は怒りまして、町村当・局を介しても動かないし、やむを得ず道路にバリケードを築いて、自衛隊通るべからずという立て看板を立てて阻止に当ったわけであります。そうしますと、夜中に来てそれをひっこ抜いて、また通るというような事態で、これは手元に当時の北海道の新聞もありますので、ここでそれぞれ具体的に申し上げてもいいのでありますが、多分建設大臣も、北海道開発庁も、道路局長も、この事態については御存じだと思います。 こういう大きなトラブルが起りまして、住民が自衛隊通るべからずという制札を立てたのをひっこ抜いて、そこを強引に押し切っていくという状態で、やむを得ず住民が、再三自衛隊に向けまして、進路補修の責任追及の陳情を起して参りました。もちろん道議会も陳情を受けまして、取り上げております。こういうような状態から、再三自衛隊に対しまして交渉いたしますと、自衛隊では、天下の公道だから通って当りまえだ、こわれたら道路管理者が責任を負うべきだ、こういう意見であります。この破壊されて、しかも自衛隊が全然修理もしない。しかも自衛隊の方は、二百数十億の使い残りの金も抱いておるし、きわめて不必要なところにまで金を投入したり、使い残りを持っているというような状態でありながら、自分の隊の演習に、一般住民の必要な公道を破壊して、その補修の責任を負わない。しかも自衛隊に交渉いたしますと——自衛隊との交渉に当って、発言いたしました者の名前あげても差しつかえないのでありますが、その自衛隊の者は、これは公道だから通るのが当りまえだ、こわしたら道路管理者がその責任を負うべきである、こういうあいさつであります。住民と対決いたしまして、部分的には、やむを得ず、この士幌等につきましては、一部自衛隊がバラス等を入れまして、修理をいたした事実はありますけれども、これは幾ら修理をしても、またそこを通るのですから、すぐ次から次に破壊されまして、根本問題はちっとも解決されずに追いかけられております。 こういうような状態で、地方の自衛隊が存在いたしておりますところの住民は、この問題の解決を鋭く要請いたしておるわけでありますが、道路管理者たる建設大臣は、この問題につきまして一体どういう所見を持っておられるのか、どういう対策をしようとするのか。政府はこの点について大蔵省、建設省及び防衛庁の間におきまして こういうような北海道のケースばかりではございません。全国至るところにこういう問題が、大小にかかわらず、起っておりますので、こういう問題に対しまして、道路管理者たる大臣はいかなる処置をとられようとするのか、いかなる政府の部内統一でこの問題を解決されようとするのか、その所見をお伺いしたいと思うわけであります。
○南條国務大臣 ただいまの自衛隊の基地と、一般地方町村道あるいは国道との関係につきましては、北海道ばかりではございません。お説のように、全国にまたがった大きな問題でありますので、各地からこの種の陳情なり小言を承わっております。その都度、部分的には処理いたすのでありますが、政府におきましても、根本的問題として、一般の基地についての固定資産税等の問題等もありまして、これらは今度の予算に多少これを盛って、その解決の意思のあるところを示しておるのでありますけれども、ただいまの御指摘のような問題につきましても——北海道は御承知の通り開発途上にあります関係から、特に道路予算は、今まで、国全体と申しますか、北海道は東北地帯に比べれば、幾らか割合がよかったのでありますが、このたびの予算におきましては、特に北海道の道路というものについて重点を置いて、建設省は大蔵省と折衝いたしまして相当額の予算を計上しておるのであります。今まででも、国道につきましては、大体この数年来、橋という橋はほとんど永久橋にいたしました。道路も相当改良いたして、重要幹線は完全舗装に持っていくというようなことで、自衛隊の一番多くおるという千歳−札幌間のごときは、安全保障費でもって、御承知の通りのようなりっぱな弾丸道路を作ってあるのであります。自衛隊の演習用のトラクターにいたしましても、あるいは自動車にいたしましても、どうしても永久橋でなければ通れないのでありますから、町村道のような貧弱なところの木橋などでは、実際に演習したくても、できないわけであります。それが今御指摘のようなところに入って、そして地方の町村に重大な迷惑をかけておるという事態は、まことにまれなことであると思うのでありますが、こういうような場所については、特にその町村長から中央に陳情がありまして何とかこれらについては、町村の負担を軽減するように、またこれらの道路を自衛隊の基地においては特に考慮してもらいたいということが、しばしばございまして、私どもは防衛庁あるいは大蔵省とも折衝して、一つこれらの予算を別に防衛庁で出したらどうだ、防衛庁は、いや大蔵省が認めてくれないから、ないというようなことで、大蔵省とも、防衛庁と私の方で折衝いたしまして、大蔵省も、予算の許す範囲内においてはこの問題も必ず処理しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありまして、将来は必ずこれらについてのめどをつけたいと考えております。
○渡辺(惣)委員 重ねて質問いたしますが、今年の予算におきまして、大蔵省に具体的に予算措置を要求した事実がありますか、ありませんか、そういう努力はいたしておりませんか。
○南條国務大臣 政府委員から答弁いたさせます。
○富樫政府委員 問題になっております自衛隊の車両の通行する道路について、非常に損傷を受けて、道路管理者が困っておるというような道路につきまして、防衛庁と協議いたしまして、全国のこれらの道路の集計をいたしました。その集計に基きまして、実は大蔵省に要求いたしたのでありますが、これを特別な予算として認められるに至りませんでした。しかし、これは将来におきまして、かような道路についての予算措置が必要であろうと考えますので、先ほど大臣の申されましたような解決を見たいという考えで、努力いたそうと考えております。ただ、とりあえずの問題といたしましては、本年度の予算の中で、これらの道路に対して必要な補修費は考えたいと思っておるわけでありますが、なお具体的に道路管理者並びに防衛庁と折衝いたしまして、これらに対して善処いたしたいと考えております。
○川村(善)委員 先ほど建設大臣から道路の問題について、近い将来において国道を舗装するということを言われておりますし、それから函館で陳情を受けた際にも、そのような意見を述べております。ところが、先ほど川村北海道開発庁長官は、産業開発の基盤をなすものは道路あるいは港湾その他の改修等が先決だということを言われておりまして、そしてその理由をあげまして、札幌−岩見沢間は何年間に舗装する。札幌−室蘭間は何年間に舗装するというようなことを言われておりますけれども、私はまん中だけ舗装いたしましても、いわゆる人間であるならば胴体だけ健全にいたしましても、やはり足も手も首も健全にしなければ、交通網というものは完備したものとは思われません。従って、若干この御答弁に食い違いがあるようでございます。建設大臣はいわゆる全国道を一日も早く、あるいは十年計画といわれておりますが、それによって舗装するという御意見でございますが、開発庁長官の方は二カ所だけ特にあげられておるのであります。こういう点は、川村長官は、やはり全国の国道をまずもって何年間の計画で舗装するという建前の一環として、その地方をやるということであって、必ずしもこの二カ所ばかりではない、やはり全国の国道を舗装するという建前をとっているのでございますか。お二人の御意見をはっきりしておかぬと、とかく今までの北海道開発の事業促進というものは、道中あるいは道北に主体が置かれているといったような非難もありますから、その点をはっきりしていただきたいので、双方から御答弁をお願いしたいと思うわけであります。
○南條国務大臣 ただいまの川村委員の御質問は、道路に関することのようでありますから、開発庁長官よりも建設省の方が責任があると考えますので、私から御答弁申し上げます。建設省といたしまして、今度三十二年度の予算には、本年度から比べますと、道路予算を大幅に増額要求いたしております。それは、今までの五カ年計画を改訂いたしまして、今年から十カ年の間に、全国の一級国道が約九千二、三百キロございますが、これを全部完全舗装をしようという計画でありまして、その一環として、明年度の予算もそれに準じた増額要求をいたしておりますので、川村長官はどういう御答弁をしたか知りませんけれども、おそらくはそういう意味において申されたことと思います。今後は札幌−岩見沢間、あるいは岩見沢−旭川間、これも今継続いたしておりますが、これをできるだけ早く舗装を完成するようにしたい。それから三十六号線と申しておりますが、室蘭−千歳間の今継続中のものは、早くこれを完成したい。また函館−長万部間の五号線につきましても、順次これを完全舗装にするように計画をいたしておるのでありますから、近い将来において必ずその方向に参ると存じますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
○北山委員 私は東北開発の問題について伺いたいのでありますが、いわゆる東北開発に関する三法ですか、その中で北海道開発公庫法、東北開発公庫法、これだけは出たのですが、あとの二つ、開発促進法あるいは東北開発株式会社法ですか、その見通しはどうなっておるのでしょうか。東北開発株式会社の方は、従来の東北興業が建設省の管轄でありますから、その見通しと、それからこれは当然政府案として出てくるだろうと思うのですが、管轄については、建設大臣から経済企画庁に移るというような話もありますので、そのようになるのかどうか、それらの点の見通しを伺いたい。それからもう一つは、これは経済企画庁でもいいのですが、開発促進法の方は政府提案として出されるのかどうか。要綱なども一応プリントをいただいておりますけれども、どうなのか。その辺もあわせて企画庁の方からもお答え願いたい。
○南條国務大臣 お答えいたしますが、東北興業会社のことでよろしゅうございますか。——従来東北開発のために、東北興業会社というものが、長く東北の産業資源開発の任に当っておったのであります。それで、このたび東北の開発ということも非常に重要であるということから、党にも開発特別委員会ができまして、それらの御意見によって、公共事業による事業も、この興業会社をしてせしむるようにしたいというようなことから、それならば、名前を開発会社に直したらよかろうということで、従って、資金も政府が五億出資いたしまして、その五倍の二十五億円の社債発行ができるということを大蔵省が認めまして、この二十五億の範囲内で、とりあえず三十二年度は、いろいろな地下資源なり、あるいは塩釜ドックの問題なり、その他産業開発の面について、東北興業会社がこの用に当るということになっておったのであります。今までの監督は建設省がこれに当っておったのでございますが、今度のこの改正案によりまして公共事業の事業も開発会社をしてせしめるということになる関係から、そうしますと、あるいは通産省においては地下資源の関係があり、港湾においては運輸省の関係、また土木、土地改良等の問題については農林省に関係があるというようなことで、建設省がこれを一本で監督するということは、いかにも実際に沿わないというような議論が閣内にもありましたために、これを共管にしたらどうかということがあったのであります。しかしながら、こういうようなことを各省が共管にするということは、お互いに力が薄らぎまして、ほんとうの目的を達することができないという強い主張を私どもがいたしました結果、それならば、経済企画庁が東北開発について全体に審議会を持っておることであり、またその企画もすることであるから、この際は経済企画庁にこの東北開発会社の監督を一任して、そうして総合的に東北の開発をしてもらうことが実情に沿うだろうということになりまして、各省も了解いたしましたので、建設省の監督権を経済企画庁に移すことに相なったような次第であります。従いまして、そういう建前において、今国会にこの法案が提案されると存ずるのであります。以上がただいままでの経過でございます。
○北山委員 もう一点だけ大臣に伺います。そうしますと、現在の東北興業の事業は全部引き継ぐということになると思うのですが、昨年きまりました例のセメント工場の事業はどの程度に進行しておるか。これは岩手県の松川に工場を作るというので、敷地等の準備は進んでおるようでありますし、資金などについても、開発銀行から九億円でありましたか、相当な金が出るということに予定されておる。それらの資金の方はどうなっておるか、あるいは機械はドイツから買うことになっておりますが、その機械は注文されて、いつ着くのか、それらの、昨年話のあったセメント工場の今までの進行状態、そうしてそのセメント工場を作るという事業を、新しい開発株式会社はそのまま承継してやっていくのであるか、それらの点をお伺いしたい。
○南條国務大臣 昨年の国会で決定いたしました東北のセメント工場につきましては、この詳細のことは、政府委員がおりませんが、私の聞いておりまする程度では、順調に進んでおりまして、政府出資につきましては昨年の十月一日に完了し、今年度は発行予定社債の九億円につきましても、第一回の二億円一を昨年末、第二回二億円を本年一月に発行し、本年度中には全額発行完了の予定であります。ドイツへ発注いたしました機械については、昨年の九月に正式に契約、発注済みでありまして、工場用地の売収も終り、岩盤調査のためのボーリング等も進捗しておりまして、大体今年中には操業開始ができるという予定になっております。従いまして、今までこの東北興業会社がこのセメント工場の経営の任に当ることになっておりますが、今度東北開発会社になりましても、そのままこれが引き継ぐということは当然でありますので、さよう御了承願います。
○竹谷委員 この審議の材料として、委員長から経済企画庁の資料を求めていただきたいと思います。一つは、国民所得と国民経済計算であります。経済企画庁では、日本経済資料という、こういう印刷物をわれわれに配付しておりまするが、これはむろん昭和三十年度までのものしかございません。この国民所得と国民経済計算に関するこれは見通しになりまするが、三十一年度と三十二年度の予算編成に当っての資料となりました、これら国民所得並びに国民経済計算の見通しの資料をちょうだいいたしたい、それからもう一つは、公共事業費の予算の金額を、これはいろいろ河川の改修とか、あるいは道路とか、港湾とか、漁港とか、あるいは食糧増産その他いろいろあるわけでありまするが、これら公共事業費の予算を、北海道、内地、そのうちの東北と、こういうふうに分けて、金額を各費目別に示した表を要求していただきたい。それにつきましては、昭和三十一年度はすでに事業の施行の内容もむろんきまっており、今実施中でございまするので、これは十分できると思う。三十二年度予算につきましては、ただいま予算案として審議中でございまするから、確定的なものはむずかしかろうと思いますが、大体の政府としての見込み、これを各費目別に東北、北海道その他に分けて、一つ数字と指数をもって示していただきたい。このような資料を大至急に委員長から経済企画庁に求められ、われわれ委員に配付せられますことを希望いたします。
○五十嵐委員長 ただいまの竹谷委員の資料提出の要求ですが、さように一つ委員長からも要求をいたします。次回の委員会は明後六日午後一時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会