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26回国会衆議院1957/05/06

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第8号

発言数
62
登壇者
7
会派数
2
開催日
1957/05/06

会議録

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 これより会議を開きます。  前会に引き続き、公職選挙法改正に関する件について議事を進めます。  発言の要求がありますので、この際これを許可いたします。井堀繁雄君。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 さきに、選挙管理委員中央会議が、三十一年十月一日に、あたかも選挙管理委員制度実施十周年を記念して開かれ、そこにおいて選挙に関係する重要な事項の討議をいたし、さらに、その中央会議には、第一分科会、第二分科会、第三分科会の三つの分科会が設けられて、それぞれ専門の事項について決議がなされておりますが、このことについて自治庁選挙関係当事者にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、この第一分科会では、選挙に関する諸法令の事項五十八項目、第二分科会では、選挙管理委員会制度に関する事項で十項目、第三分科会では、常時啓発に関する事項について二十三項目、こういうものがこの委員会にも参考人として招きました選挙管理委員会の代表者からつぶさに説明が行われておりまして、当然選挙部長は御案内だと思いますので、多くは申し上げません。そこで、この内容について逐一お尋ねをいたしますことは多くの時間を要しますので、もし時間があれば順次お尋ねをいたしますが、まずごの決議の趣旨を一つにまとめたものと解せられますものが決議の形において行われております。それは、選挙法改正に関する問題についてはかなり広範にわたるのでありますが、ここでは選挙管理委員会の制度についてであります。これは、もう何回も、この委員会で、私どもからも、各種の問題のあるたびに、重大な事柄の一つとして、選挙管理委員会の制度の充実強化についてお尋ねをしてきたところでもありますが、ここでもこの点を非常に強く主張いたしております。たとえば、選挙管理委員会の現制度ではとうてい適正な選挙を管理することが困難だという意味がうたわれて、選挙管理委員の独立、その運営の強化をはかるための諸施策等も出ておりますが、この点について、一体自治庁としてはこの委員会に対する何らかの改善をはかる御用意があるかどうか、あるいは法律改正の形において出すか、あるいはまた行政的措置としてはどういうことをお考えになっておるか、こういう点についてお伺いいたしたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 ただいま昨年十月に行われました全国選挙管理委員中央会議におきます決議事項についてお尋ねがございましたが、その選挙管理委員会制度に関する決議事項といたしましては、三つの点についてなされておるのでございます。第一は、「選挙管理委員の定数を増加区員会議録第八号するとともに独立の事務局を設置して組織の強化を図ること。」、この第一の点につきましては、選挙管理委員の定数の問題でございますが、現在の定数が特に市町村におきましては三名となっておって、委員に事故がありました場合に予備委員をもって充てなければならぬという制度になっておるのでございますが、これが非常に不便であるというようなことは聞いておるのでございます。ただ、直ちにこの改正をすることが適当かどうかというような点につきましては、なお検討を要するものと存ずるのでございます。なお、独立の事務局を設置すべきであるという意見につきましては、府県におき、ましては東京都、これは東京都は府県と市の性格を合せ持っておりますので、一応東京都がございます。そのほかごく市の一部に独立の事務局を持っておるのがございますが、大体におきまして、府県におきましては、総務部地方課におきましてその事務局を兼ねておるのでございます。市町村におきましては、総務課と申しますか、そのような系統において選挙の事務を管理いたしておるのであります。そのような機構になっておりまして選挙がありました場合に、その部局の職員だけでは足りませず、それに関連いたしますところの職員を動員しなければならない。平素におきましては比較的事務が少い。こういう選挙の事務の特質からいたしまして、現在のところ専任の職員を持つ事務局が設置されておるのは少いのであります。この設置につき吏しては、現在のところ各地方団体の絹織の自由にまかされておる問題でありまして、特に現在の組織機構を強化する必要があると思いますが、組織的に特別の部局を法制できめる必要があるかどうかという点につきましては、なお検討を要するものがあろうと存ずるのであります。  二番目に、「選挙管理委員会に予算の執行権を与える等その独立制の強化を図ること。」、この予算の執行権につきましては、御承知のごとく、府県知事、それから市町村長に執行権を与えております。これは他の委員会も同様でございまして、ただ、教育委員会が、従来予算の編成に当りまして長の方に連絡をする、いわば半独立的な権限を持ち、またそういう面で執行をはかっておったのでございますが、昨年の教育委員会法の改正によりまして、御承知のようにその点さらに長の権限が強化されたのであります。選挙管理委員会の仕事から申しまして、教育委員会ほどの量がございません関係上、また職員数も教育委員会等に比べて少い関係上、果して予算の執行権を持たすことが法制上適当であるどうかという点につきましては、私どもは消極的に考えておるのでございます。ただ、このような要望が出て参ります理由と申しますか、予算の執行についての各委員の考えを反映するという必要につきましては、これは十分考えなければならない問題と思うのでございまして、事務局職員がそのような考えをもって事務を処理するという点につきましては、十分に教育をはからなければならないと存ずる次第であります。  次に、「選挙管理委員会の組織及び運営等に関しては公職選挙法中に規定すること。」、これも非常に強い要望でございますが、現在は選挙管理委員会が地方団体の機関といたしまして地方自治法中に規定をされておりますことは・御承知の通りでございます。公職選挙法中には、全国区の選挙を管理いたします中央選挙管理会が規定されておるのでごいまして、選挙管理機関といたしましては、中央選挙管理会が公職選挙法中に、それから地方の選挙管理機関はあげて地方自治法に規定されておるのでございます。これを自治法から公職選挙法中に移したらどうかという点でございますが、これは、公職選挙法中に移しましても、やはり地方団体の機関である。現在の考え方は、地方選挙を管理せしめる関係から国の選挙をやはりこの機関に処理させることが適当であろうという考え方をとります以上は、地方団体の機関といたし、決してその委員の任命の手続であるとか、あるいはごの機関に要します経費の支出につきまして、地方団体の議決を要するというような点につきましては、地方団体の議会の監督と申しますか、地方団体の議会の監視下に置くということが、やはり行政委員会として必要であろうと思うのでございます。国家機関の委員会にするということは、先ほど申し上げましたように、地方選挙をあわせ行うという点から困難であると考えられます。また、かりに国の機関といたしましても、国のこの機関に対する監督は、地域が広範になり、また距離が遠隔になります関係上、とうてい困難であると存ずるのでございます。そのような趣旨からいたしまして、選挙管理委員会の性格はやはり現在の地方団体の機関であるということが適当ではなかろうか、このように考えておるのでございます。  それ以外に、第二分科会で選挙管理委員会制度に関する事項として決議されましたものは、ただいま申し上げましたおもなる三項目のほかに、すべてにわたって十項目あるのでございますが、その以外のものといたしましては、地方公共団体の議会の議員及び職員と選挙管理委員との兼職の禁止の問題。確かに現行法は兼職の禁止等はないのでございますが、こういう点につきましては十分検討をいたしたい、ごのように考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 選挙管理委員会の制度を充実しなければならぬことは、たびたびわれわれも主張し、また当局も同意の意を何回か表されておるわけでございますから、払珊議の余地はないのでございますが、この決議の中にはやや具体的こ要請が行われております。第一項の選挙管理委員の定数増加に関する点については、一名ないし三名を増加して補強をはかりたいという要求が具体的に出ておりますが、こういう点に対するお考えを具体的にお答え願いたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 御承知のごとく、これは二十七年の改正だと思いますが、その改正によって現在の定数のことく、府県の委員は四人、市町村は三人というふうに、委員の定数の減少がはかられたのでございます。この改正の趣旨といたしますところは、他の行政機関の簡素化と同様に考えられまして、選挙管理委員の定数の減少をはかったのでございますが、その当時の政治情勢は、政党の数が現在より多かったというような点から見まして、そのような面の考慮からいたしますと、現在の政党数から見ますと、現在の選挙管理委員の定数で十分ではないかというふうに考えられるのでございます。  ただ、選挙管理委員会の事務の運営の上からいきまして、さらに定数を増加させる必要があるかないかという問題でございますが、その点につきましては、現在の、特に三名の定数を持っております市町村の選挙管理委員会が、  一人が旅行したり何かした場合に、すぐ予備員をもって充てなければならぬという制度が適当であるかどうかという問題に帰着すると思うのでございま」して、これは、われわれ地方団体の意見を聞きますと、改正をしてくれという意見が相当強いのでございますが、中には、現在のままでも差しつかえないじやないかという意見もございまして、市町村の選挙管委員の定数につきましてはなお研究をいたしたい、このように考え行えておりおります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 研究いたしたいということですが、選挙管理委員会の独自の見解は決議の形に現われておりますから、一応選挙管理に関係しておりまする委員の意思は表明されているものと見ていいと思いますが、これに同意をにわかに与えるいうことはできるかできぬか、簡単でいいですからお答えを願いたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 先ほど申し上げましたように、現行法に、改正されました機構の簡素化の趣旨とこの委員の定数増加との関係をどう考えるかという問題はあるのでございまして、そういう点につきましてなお検討いたしたい、このように考えておるのでございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 検討はけっこうですけれども、委員会の独自性、自主性というようなものを尊重するという場合には、こういうものについては、自治庁などは、できるだけ積極的な同意をして、援助を与えるという考え方をするの、が正しいのじやないかと思って、私はお尋ねをいたしたわけであります。上司との御協議もありましょうし、いろいろありましょうが、こういうものについては、これは格別大きな問題でもありませんし、こういうことで自主性に対する同意の意を表せられる行政庁のあり方というものが大事な点じやないかと思ったから、私はお尋ねしたわけです。  なお、第二にあげられましたところの、地方公共団体の議員及び職員、が選挙管理委員を兼ねるごと、ができないということを明らかにしたらどうかという−点でありますが、これは、前会、川口市の市長選挙の際における助役の選選挙管理委員長というものがいかに不適当であるかという事実をわれわれ、がここに提起して質疑を試みた際にも明らかなように、好ましくない。特に、選挙管理委員が十年の経験を通してその不合理をここに具体的に指摘しているわけであります。こういうものに対して、これはすぐ法律改正の形で行えばよいわけでありますが、この点に対する見解は、前会行政部長からも明確な御答弁がありましたので、多くお尋ねする必要はないと思うのでありますが、こういうものも、先ほどの委員の定数を一名ないし二名増加するといったような点とやはり共通性のある事柄だと思うのです。こういう点に対しても、私は、こういう選挙管理委員会の意見というものを、ただ抽象的に尊重するとか同意を与えるというような消極的な意味じやなくて、こういうものはすぐ実行に移すべき事柄の一つではないか、そういうことが委員会と行政府のあり方ではないかと思うのです。委員会の上に行政府が君臨しているというのであれば、許可するとかしないとかいうこともあるのでありますが、むしろ、ある意味においては、選挙管理委員会の運営に対して行政府というものは側面から協力をすべき任務があるわけでありまして、こういう具体的な要請が出てきたことに対しては、明確一な意思表示をされてその意思表示は直ちに実行に移すような事柄の一つであると私は考える。この点に対して、次官がお見えでありますから、次官の見解を一つ伺いたい。

加藤精三自由民主党自治政務次官

○加藤(精)政府委員 井堀先生の御主張は、まあ単に井堀先生の御主張であるのにととまらず、相当強い一般的な御主張であると思っております。それだけに、自治庁の方といたしまししも何とか熟議しているのでございまして、決して等閑にいたしておるわけじゃないのでございます。現在の段階までの考えから申し上げますと、地方団体の選挙法規等にいたしますれば、多分に地方団体の自主組織権みたいなものに属しているというような法律構成で考えておるわけなんであります。それに対して、法律でもって制限を加えることが望ましいかどうかということに問題があると考えておるわけでございます。ややもすれば、職員が選挙管理委員になりますこと自体が、こうした政党政治あるいは派閥政治の現象に相当大きく現われております現実の行政におきまして、選挙の公正を犯す危険のあることは認めざるを得ないのでございますが、それは別途の方法でこれを矯正することにいたしまして、大きな目からいって、地方行政の民主化の理念をしんぼう強く育成していきますためには、議会の選挙管理委員選任に関するそうした権限に対して、国家的な立場から制肘を加えない方がいいじゃないかというふうな考えに傾いておるのでございまして、ありていに申し上げましてなお十分御審議をいただきたい、こう考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 この点は非常に重要なことで、他の実例もあげてのことでありますから、また後日もっと突っ込んではっきりさしていきたいと思っております。この会期ももう短かいことでありますから、この会期中に、この問題は、自治庁の責任ある態度を具体的に表明してもらおうと思っております。ですから、一つ十分それぞれ自治庁内におきましても御検討願いまして、明確な回答のできるように一つ御用意をしていただきたい。この点は保留いたしておきましょう。次に、事務局を設置してほしいといり要望が、われわれが国政調査で地方を回りました際、どこへ行っても非常に強かったことと、それから、実際上選挙管理委員会というものが都道府県あるいは市町村の片すみに宿借りをして、職員は全部兼務だ。このことはいろいろな弊害が生じて、第一大きな弊害は、今日都道府県知事、市町村長が公選の首長である限りにおいては、当然選挙管理委員会の管理のもとに選挙を行わなければならぬ本質上の問題がある。それが、実質的には、選挙管理委員会の——私は事務局を設けるか設けぬかということがすべてだと申し上げるのではありませんけれども、一応最小限度の管理委員会の下部機構として事務局を設けるくらいのことは、市町村長や知事が、往年の中央の任免によるものとか、公選によらないものであれば別ですけれども、その管理委員会の管理のもとに公正な選挙を行おうとする場合に、いささかでも支配的な地位を与えるということが選挙の公正を失することは、あまりにも明白な原理であります。こういう点からいっても、一般有権者にも疑惑を持たれ、また公正な知事や市町村長は、痛くもない腹を疑われることになって、迷惑しごくだという声もあるくらいであります。大小にかかわらず、そういう事務局を設けて——委員が名誉職で行動力を持たない、機動力を持たないというところへ持ってきて、そういうものをつけないということは、私は非常に不合理だと思う。その規模の大ききとか機動力の大小とかいうものは、おのずから自主的な判断にまかせて、一般の要請にこたえて変えるべきものだ。そういう機構としては、小さいながらも、みな整えようじゃないか。さっきの御説明では、東京都だけには独立したものが設けられておる。そうすると、自治体によって、経済能力のあるところあるいま理解力の高いところだけまそういうことをやるということは、選挙法の公選の趣旨からいっても非常に不合理だ。こういう点について、これは行政的な措置でできるのではなか、この点に対する自治庁の見解が固まっておれば御答弁を願いたいし、固まっていなければ、この次でもよろしゅうございます。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 事務局設置に関します考え方につきましては、先ほどお答えいたしました通り、現在の法制は、事務局を設置し、あるいはしなくてもよろしいという選択的な法制になっておるのでございます。必ず設置しなければならないとする法制をとることの可否の問題でありますけれども、確かに強化されるという面は御論のことく望ましいのでありますが、他面、そういうことによって、一たん選挙の場合に、機動力と申しますか、他の部局の職員を応援させるというような点につ一きまして、果していいだろうかどうだろうか、こういう点にまだ若干の疑問を持っておるのでございます。そういう点がまだ十分結論を得ておらない点でございまして、現在のところはそういう考え方でございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 あなたと議論しようとは思いませんが、あなたは先ほど教育委員、会の問題を引例されました。あなたは、教育委員会はもっとも常時仕事をやる、選挙はその選挙のときだけだというお考えのように伺いましたが、私はそうではないと思う。ほんとうに民主政治というものを確立しようと思えば、選挙からなんです。その選挙は、日本の場合特に必要を強調されることは、常時啓蒙の運動であります。選挙管理委員会の機能の大部分はここに集中されてきておる。公明選挙の実現の第一歩がここからだとわれわれは考えておるくらいなんであります。そういう意味で教育委員会を引例されたとするなら、それ以上のウエートを持つ——もちろん、民主主義は、第一にも教育、第二にも教育といわれるのでありに高くうたったのは、民主政治の基礎をここから打ち出していこうというところにある。そういう点からいっても、事務局の一つぐらい設置することに対してちゅうちょすることはないんじゃないか、という意味で、実はこの決議案を拝見して同意の意を表し、意見をたたいたわけであります。なお、このことについても、他の関連事項もありますから、要望だけをいたしておきします。  次に、市町村の選挙管理委員会の機能が停止した場合のことについて決議が行われております。これは実際の事実、があるかないか私はよく知りませんけれども、前回の川口の事件のように、選挙管理委員長が選挙違反の疑いのあるような行為をした場合においては、それは選挙民なりあるいはその市民がこれにやっぱり反対の声を上げてきた場合に、私は、これは、実質的に選挙管理委員会の機能というものは公けの上に葬り去られてくると思う。法律的には有効であっても、道義的にはこれは否定される。民主政治の強きというものは世論にあるわけですからね。こういう点からも問題がいろいろあるわけでありますが、その場合に、今回のそういう問題を通て、私どもも、たとえば自治庁の立場を明らかにいたしてもらおうと思って、質疑を継続中でありますが、こういう点についても、私はこの決議駅の内容には教えられるもの、があると思う。ここで言っておるのは市町村の管理委員会だけ限っているが、これは私は都道府県も入ていいと思う。ここでは知事が臨時選挙管理委員を選任することができるようにするか、または県の選挙管理委員会がかわってその仕事を行うとができるようにするかという決定のようであります。私は、知事が臨時選挙管理委員を任命するというやり方は好ましくないのであって、むしろ停止をしたような場合、あるいはしなければならぬような事態の発生が予測される場合は、中央選挙管理委員会が地方の選挙管理委員会を援助するという意味で、日ごろからやはりそういう関係というものを処理できる最小限度の機能さえ持っておれば、知事をわずらわす必要はないんじやないか、あるいは自治庁をわずらわす必要はない。私は、こういう制度に役所が入っていく、それからそういう選挙管理委員会のお世話になって選ばれてくる性質を持っているものがそれを支配するという仕方は、できるだけ避ける。できなければ仕方ありませんが、こういう場合はで一きる。だから、後段の県の選挙管理委員会がかわってやる、あるいは県の場合は中央の選挙管理委員会がかわってやるというような機構に置くべきじゃないか。こういう点から考えても、先ほど事務局の設置の際に意見を述べましたように、これは独立した常時選挙管理委員会の機構というような事務的に処理される機関さえあれば、こういう問題はできる、こういうふうに私はこの決議を読んで判断をしたわけであります。この点に対する自治庁のお考えをもう一度伺っておきたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 決議の項目の第五でございますが、市町村の選挙管理委員会の機能が停止をした場合というのを、この決議で言っております。意味は、町村合併等が行われて選挙管理委員が存在しない場合、しかもその選任をする議会がまだできてない場合にどうするかというようなケースを考えておると思うのでございます。ただいまのお尋ねの点は、何か政治的に市町村長が選挙管理委員会に対して不当な圧迫がある点を御考慮になっておられるようでありますが、この決議の点は、非常に事務的な、現在の法の欠缺を補ってもらいたいということから起っておるのでございます。ただ、この場合の考え方といたしまして、臨時の長が臨時の選挙管理委員を作るというよりも、選挙管理機構の上級の機関がそれを行うべきであるという御議論に対しましては、敬意を表するのでございますが、果しておっしゃるような御心配のケースもないとは言えないと思います。しかし、上級の機関に持っていった場合に、果して具体的に人選ができるかどうかというような点が若干心配であるのでございます。でございますから、その点にどういうふうな規定をいたすべきかという点は、ただいまの御議論も考慮に入れまして、なお検討いたしたいと考えておる次第でございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 臨時にかわってやるわけですから、何もそこから選ばれなくてもよいし、そこからやってもいいわけです。その点は一応これでやめますが、私はこれは一応考えておくべき事柄たと思うのです。  次に、選挙管理委員会に予算の執行権を与えたらどうかという点については、御意見、がございましたから繰り返してお尋ねいたしませんが、そこで、現行制度の地方公共団体の長、が、ここで言っておりまする七番ですか、この項、で言っておりまする選挙事務に関する部分について、あらかじめその選挙管理委員会の意見を聞いてするということを、法律で定めてもらいたいという決定のようであります。私は、これはなかなか実際的な考え方ではないか。先ほど予算の執行権を与えるということについての疑問があるという点を補う意味において、こういう制度は採用して弊害を伴う心配もないし、けっこうなんじゃないかと思うのでありますが、この点いかがですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 予算編成に関しまして選挙管理委員会の意見を聞かなければならないという制度にしておくべきであるという意見につき、ましては、選挙管理委員の意見が十分に反映をするという点におきまして、採用していい意見である、このように考えます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 これも先ほどちょっと御答弁がありましたが、選挙管理委員会に関する規定を地方自治法から選挙法の方へ移してはどうかという説であります。私もこの点については考え方としてはこうあるべきではないかと思うのです、が、実際上の問題について現行法でなければどうにも都合が悪いという事情がおありになるかどうか。その点私詳しいことはわかりませんが、考え方としては選挙管理委員会の事項というものは選挙法の中で規定していく方が本質的に正しいんじやないか、また、そういうことによって、もっと合理的なものになるのではないかという考え方があるのですが、これは第一分科会で取り上げておりまする前段の選挙法全体の考え方にも関連を持ってくるわけであります この点につして、ただ現行法の上から差しつかえがないかちという消極的な意義だとすれば、私はあとで選挙法の改正についての見解等についてお尋ねをするつもりでおりますが、これに対して何か積極的な反対の意義があれば御答弁願いたい。なければ先ほどの御答弁でいいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 積極的の反対というのではございませんが、現行制度は地方団体の機関である選挙管理委員会という性格の上で規定されておるのでごいます。公職選挙法も、そのような選ざ挙管理機関に仕事をしてもらう地方選挙ばかりでなく、国の選挙も選挙管理機関でやってもらう、こういう建前になっておるのでございます。そういたしますと、選挙管理委員会をまかなう経費であるとか、あるいはその任命の手続であるとかいうことは、地方団体の機関でありますので、おのずから地方自治法に根拠を置かなければならぬということになろうかと思うのであります。ただ地方自治法に根拠の原則的なものだけを置いて、別に、選管理委員会の運営の根本性格と申しますか、そういう点を公職選挙法に規定するということは、これは差しつかえないというふうに考えておるのでございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 その問題はいずれ選挙法全体の構想の中で再度取り上げなければならぬ事項だと思いますので、これはその程度にして留保しておきたいと思います。  次に、選挙に関する常時啓発の点であります。これは毎回われわれも強く政府を督励してきたつもりでありますが、ここでもかな具体的な事柄が決議されておりまして、常時啓発のための費用の額の問題とその扱い、が問題になっておるようでございます。今度新しく一つ道を開いたのでありますが、やはり選挙法の六条の精神というのは、私は選挙法の中では格別各方面が努力を集中すべき内容のものであると信ずるのであります。そういう関係で、この決議は、十年間も選挙管理に携わってきた経験の上からも、強く指摘されたものと判断されます。この決議によりますと、一、二、三項にわたっております。この点に対する、自治庁の見解を、率直に伺っておきたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 常時啓発を扱いました中央会議の第三分科会の決議は、御承知のごとく二十三項目にわたっておるのでございますが、主として今までの各府県及び市町村の常時啓発の経験からいたしまして、その啓発方法をいかにすべきかという点に重点を置かれて論議がされたのでございます。これにつきまして、府県あるいは市町村によって、また年令層あるいは婦人層に対する啓発をどうするとか、いろいろとその常時啓発の仕事の仕方によりまして、その方法はどれがいいかという点につきましては、各団体の経験によっておのずから差異がございますが、特に一貫してこれはけっこうだからやるべきであるという点は、十一に決議がありましたような、いわゆる話し合いの運動でございます。これはすでにここ両三年来青年団、婦人会あるいは選挙管理機関等でやっておりまして、社会教育の方法といたしましては、従来の目なりあるいは耳から訴える、こちらから与えていくという教育のほかに、おのずからその話し合いに参加いたします方々が自発的に判断能力を持ってくる力を養うという意味において、非常に効果的であるという結論が出たのでございます。そのような結論からいたしまして、本年度の常時啓発の一運営につきましては、この話し合い運動を徹底的に取り上げていこうじゃないかというところに重点を置いておるのでございます。ただ、市部であるとか大都市であるとか、話し合い運動がどうしてもやりにくいという地域があるのでございまして、そういう点につきましては従来のやり方を併用していく。特に青年学級や母親単級等を設けて、すでに講座を設けておられますところがあるのでございまして、そういう点につきましては、政治教育講座と申しますか、そういうものをあわせて付置をして、時間数を増しまして徹底をはかっていく。それ以外に、PTAの集まりを利用するとか、あるいは講演会をひんぱんに行うとか、座談会を行うとか、そういう点を従来もやっておりましたが、さらに徹底をはかるということにいたしておるのでございます。いろいろここに決議されておもいますが、技術的な媒体と申しますか、その宣伝方法のやり方につきましては、いろいろと経験に基きまして決議がされておるのでございますが、根本は話し合いを徹底してやつていこうじやないか、こういうことに方向がきまったように記憶をいたしておるのでございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 この問題は、われわれとしては、この委員会の決議を実行に移すための熱意を示すべき事柄がかなりあると思うのでございますが、あと島上君から山口、大阪の選挙を通じて具体的な質問をいたすことになっておりますので、この点については、あと第一分科会の五十八項目にわたります内容について、おおむねわれわれは賛成いたすのでありますが、中にはもっと考えなければならぬものもあると思います。こういった点に対して・次会に一項目々々々についてお尋ねをいたしたいと思いますから、あらかじめ御準備を願っておきたい。  それから、常時啓蒙の点につきましては、ここでも言っておりますように、地方交付税に含めて交付することを改めて、委託費としてぜひ必要経費を確保したいという要求は、これは前会もわれわれの主張になるところであります。こういう点に対して本年は多少改善されておりますが、将来こういうものに対する自治庁の所信を明らかにしておくことが大切だと思いますので、そのことだけを伺っておきまして、私の質問は留保しておきます。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 常時啓発につきましては、昨年本委員会におきまして御決議の次第もありまして、われわれといたしましては予算化に努力いたしました結果、一億が実現いたしたのでございます。しかしながら、有権者五千万を対象にいたしまして一億という金は非常に少額でございまして、現実に仕事をいたします場合に非常な困難に逢着いたしたのでございます。明年度におきましては、さらにこの予算の増額をはかりまして徹底を期したい、この  ように考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 それでは、私の質問はこの程度で留保いたしまして、次会に譲りたいと思います。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 島上善五郎君。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 最近、大阪における参議院の補欠選挙、山口県の知事選挙その他数カ所の市長及び市会議員の選挙等が行われておりますが、私どもの聞いた範囲でも、かなり選挙法上問題とすべき事件があったように承わっております。そこで、私の方からどこにこういうことがあったということを伺う前に・当然自治庁なりあるいは警察庁なりに問題のあったところから報告がきているはずだと思いますが報告が来ておりましたら、どこでもいいから一つ。——普通選挙が何事もなしに行われたところは、もちろん私伺おうとするのではありませんが、大がかりな違反があるとか、あるいは選挙法上問題とすべき、これでは選挙法を改正しなければならぬといったような問題が必ずいずれかにおいてあって、報告がきているはずですが、それをまず伺いたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 自治庁といたしましては、大阪府におきます参議院議員の補欠選挙の結果、報告を得ております。これにつきましては四月二十三日に選挙が執行されたのでございますが、まず問題は投票率でございます。有効投票が八十五万八百四十九票、無効投票数が一万一千三百九十二票で、投票総数が八十六万二千二百四十一票でございます。投票率の関係でございますが、大阪市部におきます投票率が、男子が二八・六%、女子が二四・五%、合計大阪市は二六・五%であります。その他の市は、男子が三七・五%、女子が三二・六%で、合計三四・九%、郡部が、男子が五四・六%、女子が五三・五%、計五四・〇%、合計いたしまして、府下全域におきまして、男子が三四・〇八%、女子が三〇・二〇%、合計三二・〇〇%ということに相なっております。投票率につきましては、私どもの方といたしましては、必ずしも投票率を高くしなければならぬということは考えておらないのでございますが、およそ、選挙である以上、おのずから一定の高さに保たれなければ、選挙の本質を失うのではないかという心配を持っておるのでございます。そういう意味におきまして、大阪府の参議院の補欠選挙につきましては、非常な関心を持ったのでございますが、合計で三二%、大阪市内の投票率が二六・五%という低さでございまして、今後さらにこういう点につきまして、常時啓発と申しますか、選挙に対する関心の喚起に努めたい、このように考えております。それ以外の問題は、別段聞いておらないのでございます。  それから、山口県知事選挙の結果につきましては、四月二十一日に選挙が執行されたのでございますが、当日の有効投票数が六十万六千百七十三票・無効投票数が四千百九十四票、投票総数が六十一万三百六十七票であったのでございます。投票率を申し上げますと、市部が、男子が六五・二二%・女子が六一・三〇%、市部合計では六三上八%になっております。郡部におきましては、男子が七七・八七%、女子が七五・六五%で、郡部合計では七六・七一%に相なっております。山口県全域におきましては、男子が六九・六六%、女子が六六・三六%でありまして、総計におきまして六七・九四%。一般の選挙からいたしますれば若干低いようでありますが、六七・九四%になっておりまして、投票率の点からいいますれば、これは問題はないのではないか。  選挙運動の違反等の問題につきましては、小沢太郎候補の方におきまして若干の文書違反があった、こういうような新聞報道があったということは聞いておったのでございますがそれにつきまして詳しい報告はまだ入手しておらない状況でございます。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 私ども警察庁と  いたしましては、各選挙についての態度は、次のような考え方でいつもやっておるわけでありますが、全国一円に行われますころの衆議院の総選挙とか、参議院の通常選挙の場合もそうなのですけれども、今回のことく、山口県とか大阪府等によって全国一円ではありませんが、行われた選挙につきましても同様に考えているわけでありますが、何といっても、私ども担当いたしておりますのは、犯罪というものを中心に考える。犯罪というものを中心に考えます以上は、当該地方における関係者の行為というものが中心になって参る。それで、東京で、どういう行為があるかということはわかりませんので、それぞれ地方におきましてう各県の警察が周密な視察をいたしておりまして、その視察をいたしておりますと、自然犯罪の容疑が発覚して参る。犯罪の容疑が発覚して参りますと、その各地方におきましては、政党政派、候補者等に関係なく、もっぱら行為を中心にして犯罪捜査を続けて参る、こういう立場でやっておりますので、個々の事件で、こういう事件があったら、こうだということについて、直接処置はいたしておりませんが、何といっても、犯罪情勢等につきましては、ある程度一段落いたしますと、統計等によってまとまって参る、こういう仕組みに相なっておるのであります。御質問のただいまの両選挙について申し上げ、ますと、山口県で申せば、山口県警察におきましては、知事選挙に関連する犯罪捜査を現在続行中でございます。それで犯罪の容疑線上に浮んだ事件等もありますので、現在すでに裁判官の令状を得まして捜索を実施した個所も数件あるように報告を受けております。それから、大阪府につきましても相当あちこちに違反があったようでしございまして、本日現在までに被疑者を大阪府警察で三十名逮捕いたしておりますが、今後もさらに捜査を続行いたして参りますので、両選挙について警察が検挙しました犯罪の態様といいますのは、従来の経験に徴するに投票前につきましても、証拠の明確なものにつきましては着手いたしますけれども、投票後におきましてだんだん証拠がはっきりしてくるという面も少くございませんので、従来の経験に徴しますのに、投票後一ヵ月または一ヵ月半、四十五日くらいたちますと、大体その後ももちろん犯罪の容疑が発覚すればやって参りますけれども、大体の見当は、従来われわれの方で取締りに従事して参りました場合の経験でございますが、投票後一カ月ないしは四十五日くらいたちますと、大体警察が検挙いたしました違反の全貌がわかって参るということが従来の例でございますので、今回も大体そういうことになって参ります。現在は両府県とも犯罪捜査のまつ最中であります。それですでに犯罪の容疑によりまして逮捕された人間もおる。山口につきましては、捜索を実施いたしました事件もある、こういう情勢でございます。全体の態様は、先ほども申しましたごとく、もうしばらくお待ち願わぬと、全体の警察が探知いたしました犯罪捜査の全貌というものはわかりかねるかと思うのでございます。大体現在もっぱら犯罪捜査に従事しているさなかでございますので、そういう中間的な状況を連絡を受けておる程度でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 それでは、一、二私の方から私の方で入手した事件について具体的に伺いますが、山口県では、これは全国でも珍しい事件として、今お話しのように捜査続行中のようでございますがそのうちですでに警察で公印偽造と断定したものがある。つまり・ポスターに偽造の印鑑を押してかなり大々的に枚数は、推定では偽造のものが五万枚くらいあったのではないか・こう言われておりますが押収した枚数でもすでに相当に上っております。そうして、それを専門家によって警察で鑑定したところが、明らかに偽造であるという結論が出て、その結論に基いて捜査をしておる、こういうことですから、私の方で知り得た事実を申しますと、検印の偽造ですが、成規の検印は県選管に一台あるTS式検印打抜機によるもので、カットの数字の通りカットというのは、ここに写真がありますが、一定の大きさのもの・偽造検印は検印全体の大きさが二ミリも選管のものより大きい。また「山」と「口」——山口ですね。「山」と「品」との間隔が左右ふぞろいで右に傾いていること、打ち抜きの穴は、成規のものは何枚でもきれいにそろうが、偽造のものはふぞろいである、こういうようなこと、それから、本物は直径五二・一ミリに対し、にせものは五四・八ミリで大きいということ、それから、本物の印刷物よりも、偽造の印刷物はポスターの紙の質が悪くて薄いということ等々によって、警察では、明らかにこれは偽造である、そうして公職選挙法違反容疑と公印偽造行使容疑によって本格的な捜査に乗り出した、こういうことを承知しておりますが、これは事実かどうか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 山口県警察におきまして、ただいま申しましたように、知事選挙期間中に行われた犯罪等につきましては、周密な捜査を行なっておるのでありますが、その捜査線上に現われました中に、偽造事案等がございまして、本件につきましては、偽造ということになればもちろん犯罪でございますので、その件を立証すべく、現在山口県警察において努力中でございます。現在いろいろ押収捜索等を実施いたしまして、その犯罪関係を明らかにすべく努力しておる最中でございますので、事件の進行に従ってだんだん関係者その他も判明して参るだろうと思いますが、そのために検印偽造ということになりますと、本物であったかどうかということの鑑定とかそういったことも実施いたしております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 これは、だれが当選したとか落選したとかいうことではなしにこのような事実がすでに明らかになっているのですから、もし捜査が不徹底に終ったり、検挙が不徹底に終ったり、うやむやのうちに済んでしまうというようなことになれば、今後こういうようなことが続々と各地で行われるということが心配される。たしか、かつて一県だけ、千葉県において、小規模ですけれども、こういう例があったように記憶しております。これは、公職選挙法違反と公印偽造行使、両方にかかわるわけで、公職選挙法違反はいわゆる国連恩赦で消えてしまいましたけれども、公印偽造行使の方はそのまま残っておると聞いておる。しかし、公印偽造行使で、それが候補者がやったものでなくて、運動員のだれかがやった、あるいは事務長がやったということになれば、公印偽造行使でも当選に影響しないということになれば、当選するためには、そういう犠牲者をあらかじめ用意してでもやるということになりかねない。そこで、私は、こういうことを防止するために、今度の事件の徹底的な捜査を要求すると同時に、こういうことが将来起るおそれが考えられますので、公職選挙法それ自体をもっと改めて強化する必要があるの、じゃないかと考える。というのは、公職選挙法の関係からいえば、文書違反当選に影響はないと、いうことになってつまり軽い意味の形式違反に取り扱われてしまうと思う。そこで、私は、もしこういう悪質な事犯が今後発展し拡大するということが心配されるとすれば、当然公職選挙法それ自体を改正して、もっときびしく取り締る方法を、遺憾なことであるけれども、講じなければならぬことになるのじやないかと思うのですが、自治庁の見解を承わっておきたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 事務長等が計画的に違法な選挙運動をやるというような弊害が出て参りますれば、これは、御指摘のごとくに、公職選挙法をさらに強化いたしましてそのような弊害を防遇する手段を講じなければならないと考えるものでございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 これは、警察庁において、もう少し事実を詳しく調査して、次会なり次々会なりの本委員会で報告していただきたいと思うのです。このポスターはかなり綿密に計画的にやられておる疑いがある。というのは、投票の二、三日前に他の候補者のポスターは、雨風でほとんど大部分なくなっておる、もしくはポスターの用をなさなくなっておる、半分か三分の一しか残っていないというようなときに、一斉にぱっと全選挙区にわたってこの偽造ポスターが大々的に張られておる、こういう事実がある。当然警察ではわかるわけですが、ほかの一般選挙民が、これは少し変だぞ、片方のポスターはあまりに一ぺんにたくさん張られ過ぎたぞといって気をつけて見て、初めて、この検印は偽造ではないか。——それも、今言ったように何ミリ程度しか違わないから、普通の肉眼で見たら、ちょっと気がつかぬ。それを拡大してちゃんと合わせてみたら、穴の大きさから、間隔かち違うということが、専門家の鑑定によって明らかになりましたが、ちょっとではわからぬわけです。そういう巧みな違反をかなり計画的にやっておるという事実を私ども聞いておる。これは大へんなことだと思うのです。私は、さっきも言いましたが、徹底的な捜査を今後かかる事態の再び起らぬように、あるいは今度の事件自体も捜査しなければなりませんが徹底的に捜査して明らかにしてほしい。それから、本委員会に対してももっと精密な調査をした報告をしてもらいたいと思う。このことはこの程度にしておきまして、次会にまたもう一ぺん詳しい御報告を伺って、それに基いて質問をしたいと思います。  大阪でも私は選挙法上問題とすべき問題がかなりあったように思うのです。その一・二を申しますと、ある候補者が開いておる演説会は、一体選挙法上の演説会なのか、そうでないのか、演説会を開きながら、そして候補者が来て話をしておりながら非公開でやっておる。立ち会い演説には一ぺんも出ないで、非公開の演説専門でやっている、こういう候補者がある。こういう一体選挙運動期間中に選挙に関して非公開の演説を学校を使ってやってもいいものかどうか。私はやれないはずだと思う。そういう演説会をやっておる事実は自治庁に報告はないかどうか、警察庁はそういうことを全然知らぬのかどうか、これを伺いたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 大阪で、お話に関連した問題で芽いまが、大阪府選管の方から自治庁に対して連絡のありました事項は、ある候補者が、宗教の組織であるようでございますが、そういう人の多い集まりにおいて個人演説会をする。個人演説会でなければ、公営の施設、学校は使えないわけでごさいますから、申し込みをしてきたというような場合に、どうするかというような照会があったのであります。それにつきまして、個人演説会である以上、公開しなければならぬ、公開であれば個人演説会として、取り扱ってよろしいこういう趣旨の回答はいたしておるのでございます。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 大阪府関係でいろいろな犯罪があるようでありまして、たとえば戸別訪問をやや組織的にずっとやったというような関係事案等もございまして、いろいろな関係犯罪が相当浮んで参っております。大阪警察においては関連犯罪として捜査中でございますので、その中の一環にあるかもしれませんが具体的な事件として私今頭に浮びません。ことに大阪警察においてはあちこちにいろいろな犯罪が続々とあるようでありまして、そういった一環としてあるようでございますけれども、お話のように、選挙部長も話しましたように、演説会は回数制限もあろうと思いますので、そういうこと演演説会としてやっておれば犯罪になるかもしれませんが相当関係者もあるようでございますから、具体的にどんぴしゃりのやつは報告は受けておりませんが、その事件の一環としておそらくあるのではないかと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 私どもの聞いておるのは、その何分の一か何十分の一かにすぎないと思うのです。そこで私は、この大阪の件も二、三ヒントを与えておきますから、一つ、次会なり次々会なりにおいて、犯罪捜査上支障のない限り、具体的に報告してもらいたいと思います。  第一に、今質問した演説会ですが、選挙運動期間中は、政党及び政治団体でも一定の規制を受ける。候補者でももちろんです。ただし規制を受けた範囲では自由にやれる。そういう恩典なり便宜なりが選挙法によって与えられておる。しかるに、今選挙部長の答弁にもありましたが、個人演説会と称して会場を無料で借りて、これをもし宗教団体以外の者は入れない、こういうつまり非公開にしたとすれば、明らかに違反なのです。これを各所でやっておるのです。これは警察が知らぬはずはないと思う。やっておったらそれ自体が即座に違反なのです。私は、大阪の場合、警察が手ぬるいと申しますか、やり方があまりにも緩慢過ぎると思う。ただの一カ所でも個人演説会と称して会場を借もてやって非公開にすれば、それは違反なのです。それが全部そうなのです。そういう事実を警察は承知して、選挙中全然捜査も何もしなかったのですか。私は、こういうことがあれば、選挙期間中といえども当然捜査すべきだと思う。私の聞いておるところでは、全部非公開であったということを聞いておりますが、どうですか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 先ほども申しましたように、いろいろと事件をやっておりますので、その中に入っておるかどうか、その点よく確かめまして、また態様等によりまして条件も違うかと思いますので、よく調べましてお答えいたします。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 全部非公開でやったとすれば、当然これは違反ですね。はっきり念を押して聞いておきますが、個人演説会と称して会場を借りて非公開でやったとすれば、違反ですね、はっきりと。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 法律論で申せば、演説会と認められる状況であれば違反だと思います。実体が演説会と認められる状態であるかどうかによると思いますが、やはり法律論ですけれども、公職選挙法で制限しておりますのは演説会を制限しておりますから、当該演説会が公職選挙法の規定する演説会と認められる限りにおいては、違反だと思います。一に実体によるかと思いますので、よく調べてみたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 しかし、個人演説会と称して選管に届けて会場を借りてやれば、それだけでもすでに違反のはずです。どのように解釈されますか。選挙部長でもけっこうです。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 選挙部長でも同じですが、公職選挙法は演説会を制限しておりますから、演説会と認められる限りは違反である。当該内容が演説会であったかどうかという事実関係によろうかと思いますが、事実の方は現地の警察でやっておると思いますから、よく研究したいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 公職選挙法によって、候補者は公営の施設を一定の回数だけ無料で借りられるが、その演説会をやらぬでも違反ではないですよ。借りて演説会をやらない、放棄しても違反じゃないですよ。しかし、非公開で使用したとすれば、私はそれだけで違反だと思う。選挙部長どうです。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 公営施設の利用の届出をして、非公開の方針で、結果においても人を入れなかっということになりますれば、個人演説会という施設を利用して、個人演説会でないことをやったという結果になって・これは違反になると思うのでありますが、ただ、利用する場合に、結果的にほかの人は行かなかったという場合、これはお尋ねの点にはないと思いますが、結果的に非公開であったという場合には問題にならないと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 そんなことは、非公開だと私も言っていない。行ったものを、一々身分を聞いて、あなたはどこの教会のどこの支部のだれですか、支部長の証明をお持ちですかと、こう言って入れなかったものは、非公開じやないですか。社会党の候補者がやった場合でも、あなたは社会党員で、党の証明を持っておるか、どこの支部のだれかということを言って、これに該当しなかったものは拒否した場合は、明らかに非公開じゃないですか。これは新らしいケースですから、今後の法律解釈にも影響するし、適用にも影響するから、よく研究してみるのもいいが、これは問題ですよ。公開の演説会というものは、だれが来ても拒否はしないということが公開なのです。従って、たとえば警察官が来ても、あの人は明らかに相手の候補者の偵察か、撹乱に来たと思っても、拒否はできない。中へ入って妨害したり何かしたら、そのときに一それでもやるのは、選挙運動をする者よりも、警察官なり選管なりがやるのであって、選挙運動者が直接に手を下したり何かしてはいけないわけだ。それを、選挙演説会を主宰する選挙運動者が、身分証明の呈示を求めたり、名前を聞いたり、住所を聞いたりすることそれ自体が、すでに行き過ぎだと思うのです。違法行為であるかないかということは判定がむずかしいかもしらぬけれども、少くとも行き過ぎだ。そういうことはすべきではないということが一つ。もし拒否したとすれば、公開演説の条項に違反する、選挙法の個人演説会に違反する、拒否しなくても、それは行き過ぎであって、すべきことではない、こう考えますが、どうですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 拒否をした場合に違反になるかどうか。これは個人演説会の制度の趣旨に違反することは間違いないのでありますが、それが直ちに罰則の方にかかるかどうかという点になると、これは回数制限の違反になりますれば当然かかりますが、それ以外におきましては、違反になり得るかどうかは疑問である、このように考えます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 私は二つに分けて考えています。身分を聞いたり、氏名を聞いたり、身分証明の呈示を求めたり、党員証や会員証の呈示を求めたりするということは行き過ぎであり、好ましくないことである、やるべきことではない、こう考えるが、それはどうかということが一つと、拒否した場合には、会場が満員で入り切れなくて、こういうわけですからと言えば、これは別ですが、自分の教会の者はどんどん入れておって、その他の者はそういうふうにして拒否すれば、これは選挙法違反だと思うのです。公開の演説会じゃない。選挙の個人演説会は、公開するために会場を貸すのであるし、便宜を与えているのですから、それを公開しないとすれば、これは違反じゃないですか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 島上委員の御質問の趣旨はよくわかります。まず実態をよく調べまして、さらに法律適用を考えてみたいと思いますが、実態を調べないで観念的に申しますと、個人演説会は制限されておりますから、個人演説会という内容を持ったものを、制限の手続を経ないでやった場合は、直ちに違反でございます。ただし、その内容が演説会という形態であるかどうかということが問題の要点でありまして、演説会という形態を持ったものであれば、回数制限違反である、こういうことが言えようと思います。第二点は、選挙管理委員会によって所定の回数はきちっともらった範囲内においてやっているが、一般の選挙民は全然入れないで、特定の者だけしか入れないというのは、公共施設利用の本旨に反するという点は、しばしば選挙部長が申し上げた通りですけれども、その行為が何条違反になるかと指摘されますと、これはちょっと違反にならない。従って、罪刑法定主義からいいますと、ちょっと私の頭では罪となるという条文がはっきりいたしません。さらに勉強しますが、今のところそういうふうに理解いたします。いずれにいたしましても、御質問の点は、その開いておる演説会の内容等による問題が一番中心でございますので、そういう点はさらに確かめてみたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 私もまだ該当する条文を詳しく調べていませんが、これはこの次までに調べてきますけれども、個人演説会にはもちろん一定の回数がある。しかし、これは選管に届ければ、選管はだれそれの演説会と看板を立ててくれるし、公共施設をただで貸してくれる。これは当然公開の原則なんで肥す。公開してもしなくてもいい、そういうあいまいなものではないと思う。公開すべきものなんだ。その公開すべきものをしないとすれば、これは法律の趣旨に反するばかりでなく、私はやはり違反だと思う。これは一体違反にならないんですか。そんなあいまいなものじゃないと思う。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 これは自治庁の方が専門ですけれども、個人演説会を公開しない罪というのがあれば、まさしく違反なんですけれども、個人演説会を公開しない罪というのは寡聞にして発見、できませんので、そのほかにひかっかりはせぬかと思って私も考えているのです。けれども、今のところ頭に浮びませんのでさらに研究いたしたいと思います。浮ばなければ、罪刑法定主義に基きまして犯罪としては立件できなくなると思いますので、その・点は自治庁とともに研究してみたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 これは今後の問題点として研究しなければならぬと思う。この選挙法には一定の規定があって、処罰規定のない制限もあります。しかし、罰則がないとすれ、は、現にそういう事実が行われているのですから、研究する必要、がある。それも、たまたま一回行われたというんじやなくて、みなそういう形でやっている。それで入れないものだから、どういう形式で行われたかを探知するよしもない。おそらく警察、たって入れない。警察だったらなお入れないから、知ることもでない。それじゃどうしようもないじゃないですか。しかしそこに査定の教会の会員を入れて、候補者が行って話をしているのですから、選挙運動期間中そういうことをやっているのですから、選挙に関係ないとは言えない。これは私の方でも事実と照らし合せてもつと研究いたします、が、これは今後の問題として・公開すべきものを公開しいで、公共の施設を無料で使ったということになれば、趣旨に反することは明白ですから、これは一つよく研究し、て、次会なりその次なりにもっと明快な——どっちでもいいようなあいまいな答弁をすると、よけいいい気になってやることになる。  それから、時間がありませんからもう一つ聞きます、が、戸別訪問がかなり大々的に行われているようです。これはこの次にしましょう。しかしよく調  ててらもらいたい。それから、新しい違反の形式だと思うのですが、これはやはり戸別訪問になるかと思いますが、電車の中あるいは道で会った人に、あなたは今度の選挙で入れる人はもうおきめになりましたか、こう言って話をする。いや、まだきまらぬ。大ていの人は、きまっておってもま、だきまらぬと言う。そうすると、それじゃ一つどうぞ、と言って、おもむろにポケットから紙を一枚出して、これに名前を鉛筆か。ぺンで書いて、この人に一つお願いします——妙齢の美人であったりなんかすると、実にいい気持になって……。(笑声)そういう手、が実に巧妙です。しかも、印刷した名刺をたくさんポケットに持つておればっかまるけれども、印刷したものは持っていない。白い紙を持っておって、一枚渡すと、今度はその次の人にまたもう一枚書いて渡す、こういう手、がかなり組織的に大々的に行われているらしい。私はそういう事実を幾一つか聞いていきましたけれども、これ当然戸別訪問に該当すると私は思いますが、いかがですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 路上で選挙についての質問をするあるいは依頼をするという点は、これは戸別訪問の字句に該当しない、従来そういう解釈であり出す。お尋ねの件の場合も、これは戸別論問の規定には該当しないと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 戸別訪問に該当しないとすれば、これは違反行為にならぬということですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 非常にデリケートな問題で、文書の違反になるかならないかという点だろと思いますが、印刷あしてないという点からいたしますと、その辺にも困難な問題があるのではないか、このように考えます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 これはやはり戸別訪問になるかならぬかという疑義があるところだと思いますが、在来の解釈によると、ならない。御答弁の通りです。そこで法の盲点を巧みについた行為だと思うのです。しかし、戸別訪問を禁止している趣旨からいえば、たとい路上であっても、そういうふうにたまたま知っている人に会って、選挙の話をお茶を飲みながら話したというのとわけが違って、全然見ず知らずの人に組織的に、ういうふうにやるとなれば行為としては戸別訪問と何ら変るところのない悪質な違反行為だと思うのです。現在の法律もしくは法の解釈からいってはっきりと規定できないにしても、私は、その行為は、やはり戸別訪問を禁止した趣旨に該当する行為だと思う。法の盲点がつかれたとすれば、今度法改正の際には研究しなければならぬと思うのですが、どうですか。があるのではないか、このように考えます。現在電話等でやります。運動は差しっかえない、こういう解釈をとっております。

山下榮二日本社会党

○山下(榮)委員 関連して兼子さんに伺います。たとえば、今島上君の言ったそれは、一つの個々の面接のようにあなたは解釈されるだろうと思うのです。ところが、たまたまどこかで会った、たまたま電車の中で知った人に会ったということで、その行為が行われた場合には、今あなたの言われたように、これは個々の面接ということになる思う。しかしながら、組織的に、連続的に、そういう白い紙を持って選挙期間中行うということは、これは完全な選挙違反と見るべきじゃないかと思う。それはどうですか。たまたま会うのは、個々の面接として許されておると思う。しかしながら、連続的に、しかも目的が明らかになって、その人を当選せしめる目的を持って、印刷はしてないけれども、白紙をたくさん持って、そういう行為を一日、二日、三日とずっと選挙期間中行なっていくということは、これは個々の面接だからいい、こういうことでは正常な選挙運動とは言えないと私は思う。そういうのは当然取締りの対象になるのだ。違反になるかならぬかということは別としてですがそういうことに対する考えはどうですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 戸別訪問は、御承知のごとくわが国の選挙法で特に規定している問題でありまして、外国の選挙等を見ますれば、非常に自由に選挙が行われておることは御承知の通りでございます。そういう選挙の自由化という理想から申しますれば、果してそのような規定を設けますことがどうかという点に、私疑問を持っておるのでございます。確かに、現行法の選挙のもとにおいて、そのような運動方法をとることが何かフェアでないような感じがするということは、これは私も認めるのでございますが、選挙をだんだんと自由にして、国民の積極的な支持を得ていくという方向に選挙法全体を持っていくべきじゃないか、私基本的にこう考えておりますので、御質問のケースもなおよく検討いたしたいと考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 選挙は私どもなるべく自由に伸び伸びとさせたらよろしいと思います。しかし、そのときの選挙民の意識と申しますか、政治的な水準と申しますか、その他社会的ないろいろな条件というものを考慮して、それにマッチするようにきめていかなければならない。それと、何よりも選挙が公正に行われること、公正な競争であるということが大事なことなんです。戸別訪問を禁止したのは、かつて戸別訪問が自由にできたこともあったが、戸別訪問を禁止したのは、それが、今の御答弁のように、物品供与が行われるおそれがあるということが一つの理由であるけれども、そういうことをお互いに各候補者ともしないで、その他の許された方法でもって公正に競争しよう。物品の贈与が行われるということだけだったら、物品の贈与を厳重に取り締り、厳罰して、法律に戸別訪問は許したらいいはずだ。しかし、戸別訪問を許せば、物品の供与が行われないにしても、たくさんの人が動かされて、片方で費用の制限をしておっても、そういう費用はなかなか補促しにくい。そこで金のある者は大々的な戸別訪問をやるというような弊害がどうしても起って、公正な競争が行われない、競争の公正が破られるということも、私は戸別訪問をやめようとした一つの理由になっていると思う。そうだとすれば、今言った路上におけるそういうことも、今山下君のお話のように、たまたま知ってる人に会って選挙の話をして、まだきめてなかったらこの人を頼むというこは、常識上当然な話だし、またそういう程度のことは自由に伸び伸びとやらしていいはずです。しかし、組織的に、一回あるいは数時間連続して、今言ったように、巧妙に、印刷物は持っていないけれども——名刺を三十枚も百枚も持っておれば、それだけで少くとも捜査の対象にされると思いますが、白い紙はそうはいかぬ。一枚渡して、また鉛筆で一枚書いて渡す。これは個々面接で自由でいいということは、少くとも現在の戸別訪問を禁止している法の精神からいえば、好ましくないことだということに私はなるんじやないかと思う。そうでないとすれば、これは今後考えないと、ここからまた新たなる弊害が起ってくるおそれがある。今度の大阪の場合は、やはり、かなり法律を研究して、巧みに法の盲点をついだ行為だと思いますけれども、しかし、それが今言ったように選挙の公正を害し弊害を生むということになつにら、これに対する措置もまた考えなければならぬ。少くとも現在の法律からいってびしゃりと解釈できない、疑義があるとしても、好宜しくないことであるから、今後法律上防止策を考えなければならぬということは、私は当然ではないかと思う。もしこれをやってよろしいということになったら、労働組合なんか指令を出したら、一日に何万人もの人間を動員できる。よろしいということになれば、われわれ今後大いにやりますが、どうですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 十分研究いたしたいと考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 好ましくないことかどうか。大いに奨励してやっていいことかどうか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 戸別訪問の規定の精神に違反するかどうかという問題でございますが、そうでなく、選挙運動員とかなんとか、そっちの方の制度で規制を加えていく方がいいのじゃないか、こういうふうに私自身は考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 まあそれはそういう方面から規制を加える方法もある。しかし現在選挙運動員という制度はない。街頭演説の場所の人数の制限はあるけれども、選挙運動員という制度はない。だれが運動してもいい。それはそうあるべきなんですから、だれが運動してもいい。費用制限をしておるけれども、費用は自発的にやっておるのですね。たとえば、われわれの場合に、支持する団体が指令して、かりに団体が交通費くらい払ったって選挙運動の費用に加算されないのですから、選挙運動と無関係に支持する団体が一つ自発的にやりなさいといってやってもいいわけなんでから、そういうことになると、私は非常に大きな弊害を生むのじゃないかということを心配するわけです。あなたの解釈のように、これは選挙の自由で大いにやってよろしいということになれば、非常にけっこうなことでわれわれも大々的に、組織的にやろうと思っているのです。(笑声)

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 ただいま御質問の点につきましては、なお研究をいたしたいと考えております。     —————————————

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 この際、本件の調査を進めるため、参考人招致に関する件についてお諮りいたします。来たる五月十三日、月曜日、東京都選挙管理委員会委員長、都道府県選挙管理委員会連合会会長吉田直治君、神奈川県選挙管理委員会委員長、都道府県選挙管理委員会連合会副会長小暮藤三郎君、大阪府選挙管理委員会委員長戸田常藤君及びその他の適当な選挙管理委員会委員長に連絡の上、本委員会に参考人として出席を求め、意見を聴取することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 御異議がなければ、きように決しました。  なお、委員長においてしかるべく必要な手続をいたしますので、御了承を願います。  本日はこの程度にとどめ、次会は来たる五月十日、金曜日午前十時開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会

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