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26回国会衆議院1957/09/09

建設委員会 第28号

発言数
98
登壇者
17
会派数
2
開催日
1957/09/09

会議録

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 それではこれから会議を開きます。  この際堀内政務次官より発言を求められております。これをお許しいたします。堀内政務次官。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○堀内説明員 建設省において昭和三十三年度に実施することを計画しております重要施策の概要について御説明申し上げます。  まず第一に治水対策につきましては、昭和三十一年度を初年度とする治水事業緊急五カ年計画の達成を目標とし、その推進をはかる方針でありまして、その所要額は約五百九十二億円の見込みであります。  このための施策といたしましては、第一に直轄河川改修工事及び直轄砂防工事について新たに特別会計を設置し、資金のワクを拡大して専業の促進をはかりたいと考えております。またこれらの直轄事業については継続費制度及び国庫債務負担行為制度を拡充し事業の合理的効率的な促進をはかりたいと考えております。  第二に、去る七月下旬の九州地方の水害の状況等にかんがみまして時に砂防事業、地すべり等防止対策事業の促進をはかることはもちろんでありますが、そのほか地すべり等の地域における危険防止のための諸施策を講じたいと考え、目下立法についても検討しておる次第であります。  第三に、水害を未然に防止するためには河川、海岸及び砂防施設等の維持管理を徹底する必要があると考えますので、新たにこれらの公共土木施設の維持補修に対する補助を行いたいと考えております。  以上申し述べましたほか明年度の計画といたしましては、特別会計による多目的ダムの建設及び海岸保全施設の整備、地盤変動対策事業の促進に重点を置くほか、最近問題となっております河川の水質汚濁防止対策事業を促進して参りたいと考えております。  なお、以上の措置とあわせて、水防倉庫及び水防用通信機等の整備並びに洪水予報のための無線通信設備の増強をはかり水害対策の万全を期したいと考えております。  次に災害復旧対策について申し上げます。  まず災害復旧事業の復旧方針といたしましては、二十九年以前のものについては明年度内に全部これを完了し、三十年以降の発生災害につきましては国庫負担法の趣旨にのっとり、緊急工事については三カ年でこれを完了するよう復旧したい方針であります。以上の方針による明年度の復旧手業費はおよそ四百十六億円を要する見込みであります。  なお、災害復旧工事の実施に当っては、再度の被害を防止するため必要がある工事については、できるだけ災害復旧助成事業あるいは災害関連事業をあわせて行い、改良的な復旧工事を実施して参りたいと考えております。このため災害関連事業費等を増額いたしたいと考えております。  第二に道路の整備について申し上げます。  わが国の道路整備は、昭和二十九年度以降道路整備五カ年計画を根幹として進められてきたのでありますが、この道路整備五カ年計画がこれまでに示した実績は昭和三十二年度末において七二%の進歩率であります。しかしながら、わが国における最近の産業経済の発展が要請する道路輸送の強化、すなわち道路整備の充実は、すでに今日において最も緊急を要するものとなり、道路整備五カ年計画の規模をもっては、とうてい満足することのできない事態に立ち至り、このままで推移するならば産業の円滑な発展に支障を及ぼすこととなりますので、道路整備五カ年計画そのものについて再検討を加えなければならなくなったのであります。  ここにおいて、従来の道路整備五カ年計画を発展的に解消し、新たに一般道路事業及び有料道路事業をあわせて道路整備十カ年計画を樹立し、毎年度における道路整備事業の規模を拡大して、すみやかに現在における道路輸送需要の解決をはかるとともに今後の経済情勢の進展に対応させたいと存じます。この十カ年計画は昭和三十三年度以降十カ年間の自動車輸送の伸び等を勘案しますと、国の道路事業費約一兆九千億——一般道路事業約一兆四千億円、有料道路事業約五千億円でありますが、これが必要となりますので、これを昭和三十三年度から実施しようとするものであります。  この十カ年計画を実施するため、初年度に必要とする事業費は一般道路事業約千百二十億円、有料道路事業約四百億円、計千五百二十億円でありますが、このうち、国費は九百九十億円であります。なおこれに即応して明年度以降においては、一級国道を国の直轄により全面的に建設及び維持修繕を行うこととし、国の重要幹線である一級国道の交通確保の完璧を期する所存であります。  なお名神高速自動車国道につきましては、昭和三十五年竣工を目途とし、昭和三十二年度に引き続き用地買収、機械購入等を行い、建設を促進する予定であります。  第三に、都市計画について申し上げます。  近年都市に集中する人口は年々増加の一途をたどっておりますが、これに対処するためにも、また都市をして産業活動の中心の場としての機能を十分発揮させるためにも、都市の諸施設を総合的に整備することが急務と考えられますので、都市計画事業に関する長期計画を策定し強力にこれを推進いたしたいと考えております。これがため、昭和三十三年度に必要とする経費は国費二百二十九億円であります。  その内容は多岐にわたりますが、まず第一に長期にわたって継続実施して参りました戦災復旧事業につきましては昭和三十三年度をもつて完了いたしたいと考えております。  街路事業につきましては道路整備十カ年計画に即応し、都市の混雑した交通の緩和と事故防止のため特に立体交差、橋梁等の構造物と舗装の施行に重点をおきまして首都圏、五大都市、工鉱業地帯等につきましては特に他の事業との関連を考慮して実施するよう考えております。  なお、都市の公共施設中最も立ちおくれておる下水道事業につきましては、ことに下水道が地下埋設物であり、道路工事に先行して整備することが最も合理的経済的である点を考慮し、十カ年計画により下水道普及の著しいおくれを取り戻すとともに、生活環境の整備をいたしたいと考えております。なおこれを実施するに要する経費は五十億円と予定されております。  第四に住宅対策について申し上げます。  本年度は御承知の通り約五十万戸の住宅建設を目標として建設を進めておりますが、昭和三十三年度におきましては、民間自力建設戸数を合せ約五十三万戸の建設を目標としております。このうち政府計画住宅は二十一万二千戸で、この内一訳は公営住宅が五万八千戸、公庫住宅が八万九千戸、公団住宅が三万五千戸でありまして、なお厚生年金住宅等三万戸の予定であります。  このように政府計画住宅について戸数の増加をはかるほか、住宅の規模を引き上げ不燃焼高層率を高めるとともに、家賃の適正化をはかりたいと考えております。  特に低額所得者については公営住宅の家賃減免の措置を講じ、また勤労者、特に中小企業従事者のために公営住宅、産業労働者住宅及び公団住宅の供給について改善をはかりたいと存じます。  以上が住宅建設計画の大要でありますが、現下の宅地難に対処するために、日本住宅公団及び住宅金融公庫の定地造成事業を強化し、また既成市街地の高度利用と都市不燃化をはかるため中高層の耐火共同建築物の建築の促進をはかりたいと存じます。  次に都市の不燃化をはかり、かつ地方中小都市における火災を防止するため、防火建築帯の造成を拡充強化いたしたいと考えております。また老朽危険住宅の建てかえ、都市再開発、保健等のため不良住宅地区改良事業を促進いたしたいと考えております。  以上の施策に必要な経費は、政府資金及び政府保証の民間資金を合せ約千四百五十八億円であります。  第五に官庁営繕について申し上げます。  官公庁施設の建設等に関する法律の施行に伴い、昭和三十三年度において、一般会計に属する営繕関係予算のうち、独立機関を除き、建設省所管営繕予算としては約二百六十億円でありますが、そのうち特に大規模工事について、工事の能率化と経費の効率化をはかるための継続費の新設並びに散在する木造官庁建物の不燃化、合同化特別修繕費の大幅増額等をはかることによりまして、官庁施設の建設整備を促進いたしたいと考えております。  その他公共諸事業の能率的遂行をはかるため常勤労務者等定員外職員の定員化を実現すること、建設業及び建設技術の海外進出を促進するため助成措置を講ずること、産業開発青年隊の育成助長と海外進出のため特に積極的に施策を講ずること建設関係研究機関の整備拡充をはかること等を考えております。  以上をもちまして明年度において実施することを計画しております建設省関係の重要施策の概要を御説明申し上げたのでありますが、建設行政の推進上きわめて緊要でありますこれらの諸施策の実現について格段の御協力を賜わるようお願い申し上げます。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 実は大臣は十一時半にこちらに見えますので、それまで、大臣に対する質問は大臣が出席していただいてからにいたしまして、河川、道路及び住宅、都市計画に関する件について調査を進めたいと思います。  自治庁から財政局理財課の小野寺説明員が出席になっております。大蔵省から主計官の松永説明員が出席になっております。厚生省から公衆衛生局水道課の椎名説明員が出席になっております。建設省からは政務次官の堀内一雄君、計画局長の町田稔君、河川局次長の関盛吉雄君が出席になっておりますから、質疑の通告順序に従ってこれをお許しいたしたいと思いますから、御了承をお願いいたします。纐纈彌三君。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 去る八月七日、八日の豪雨によりまして多大の災害を受けましたわが国陶磁器産業の中心地でありまする多治見市、士岐市、瑞浪市また笠原町並びに愛知県の瀬戸市方面に同じような災害があったわけでありますが、これに対しまして先ほど陳情されました中について、いろいろ建設省の方の説明を承わりたいと思うわけであります。七日来緊急査定について派遣されまして、現地において非常に御労苦をいただいておりますことは、まことに地元としても感謝いたしておるわけであります。仄聞するところによりますと、この復旧計画に対しましては、約三年計画で、最初が三・五・二というような割合のもとにこの工事をやられるというような御計画に聞いておるわけでありますが、陳情にもありましたように、異常な災害であり、主要な道路の橋が、ことに木橋がほとんど全部落ちてしまったというようなことでございますが、来たるべきクリスマスの用品を生産して大いに輸出を振興せしめようという一番大事なときでございます。従って、原材料を運搬する等につきましても、これはどうしても急速にやっていただかなければならないものでございますが、しかしいわゆる応急のあれといたしまして、木橋でありまするならば、再びかような災害がございます場合にはまた今回のような被害をこうむる心配も明らかであると思うわけであります。従って主要な道路におきますところの橋架等につきましては、ぜひ一つ永久橋をもって充てていただくような御計画をいただきたいと思うわけであります。特にこの陳情書にもありましたように、初年度において非常に必要な急ぐものがございますので、この三・五・二というような割合を五・三・二というような方法にいたしまして、一つ急速にこの復旧をしていただきたいということを考えるわけでありますが、これに対しまして建設省の方の御意向を承わりたいと思うのであります。  それからもう一つは、私の方では六月の二十七、八日、中津川市、恵那市、阿木村等を中心とした地方におきまして非常な災害を受けたわけでございますが、その次には諫早を中心として九州方面にも同様な被害があった。ことにこれは範囲が相当広かったようでありまするが、それに続きまして八月七、八日は、陶磁器生産地区に集中豪雨による災害があったわけであります。何しろ非常に多量の雨でございまして、今までちょっとした水が流れておったような川がうんと荒れた、こういうことが今度の災害の特徴だと思うわけであります。そこで、この方面に対しますところの根本施策としては、破防、堰堤というようなものも十分整えなければなりませんが、もう一つは、河川法の適用をいたしまして、これを国の補助の対象にするような形に持っていっていただくことが非常に必要じゃないかということも考えられるわけであります。これらに対しまする当局の御所見を伺ってみたいと思うのであります。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○堀内説明員 ただいまの御質疑に対しましてお答えいたします。改修につきましては、御承知のように国庫負担法におきまして三年間にこれを実施するということになっておるのでございます。この内容につきましては、それを三・五・二というようなことになっておるのでございますが、これは事業量について三・五・二でございますので、その中で重点的にやる場合には必ずしも三分の一やっておくというわけではないことは御承知の通りでございます。なお、その事業の進捗の状況によりまして、そこでいろいろ加減をいたす余地もあるのでございますが、その辺につきましては事務当局の方からお答えいたさせたいと思います。  それから永久橋等の問題、改良等のことにつきましては、先ほど来年度の方針というところで申しましたように、ぜひこれは実施していかなければいけないということで、当局の考えておる点を御了承願います。

関盛吉雄建設事務官(河川局次長)

○関盛説明員 ただいまお話の岐阜県の陶磁器の産地及び一部愛知県にひっかかっておりまする同様の生産地が、八月の豪雨によりまして大災害を受けられました。しかも土岐市等につきましては、今回の災害が初めて受けられたような大きな災害でございますので、建設省といたしましてもできるだけすみやかに現地の緊急査定を実施いたしまして、ただいまお話の通りに、昨日をもって緊急査定を終えたわけでございます。従って、災害復旧事業の実施の段階になったわけでございます。  ただいまお話の点は、実施の内容についての御意見をお述べになったわけでございますが、実施の内容につきましては、まず事業費を急速にきめまして、その事業費の範囲内におきまして、緊要なその土地の公共土木施設を急速に復旧しなければならぬ、こういうふうに考えております。  ただいまの御要望の点は、特に交通ルートの緊急整備にあるというお話でございますので、緊要な工事にしてそのような工種のものにつきましては、災害の査定官の帰来を待ちまして、建設省といたしましてもそのような方向で大蔵省とも十分打ち合せをいたしたいと思っております。  なお、改良工事の実施でございますが、これは一般的には御説の通りでございます。ただ問題は、いわゆる木橋を直ちに永久橋にするということは、直ちにそうは参らぬ場合も多いかと思います。というのは、過去におきまして三回とか同じように災害が起って橋が流れた、こういうふうなところから、まず永久橋を建設するように指導いたしておりますので、現地の河川の実態と、被害の状況と頻度とを考えまして、要すればただいまのお話のような方向で処置をいたしたいと思っております。  なお砂防工事につきましては、土質等特殊な地帯もございますし、またあの水系の河川の砂防事業の問題につきましてはお示しの通りでございますので、先ほど政務次官から三十三年度の予算の問題についての計画のお話もございました通りに、この線に従って検討を進めたい、こういうふうに考えております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 実は今度非常に小さい河川がやられまして、これが河川法の適用を受けていないのでございますが、この改修とかいうことについては地元が非常な負担をする。これらに対しましても、根本的な問題であると思うのでありますが、建設省はどういうふうに考えておられますか。

関盛吉雄建設事務官(河川局次長)

○関盛説明員 ただいま河川の管理の問題につきましてのお話がございましたが、中小河川になっておらない河川、いわゆる河川法の適用を受けておる河川は別問題でございますが、河川として知事が認定しておらない河川についての問題の処理の方法についてのお尋ねかと思いました。この問題は、お話のように全国の河川で適用河川、準用河川になっていない河川が相当ございまして、普通河川と称しておりますが、その河川の管理につきましては、もとよりまた工事の実施の問題も関連いたしますので、建設省といたしましては、知事に準用河川に編入する一定の計画を示しまして、知事が建設大臣に申請を提出するように指導いたしております。従って、かような災害のあるつど、特にそういうふうな地元でいろいろな御希望があるのでございますが、県の計画をにらみ合せまして、河川の管理の適正及び工事の実施の段取りを、県の申請を待ちまして考え、善処いたしたいと思っております。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 自治庁からもお見えになっているようでありますから、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。実はいろいろ補助の問題等もきまりますれば、それに対します今度は起債の問題が出るわけでありますが、なかなか起債の許可がむずかしくて、いつも地方行政委員会でも問題になっているわけでございます。この災害に対します復旧については、格別の御配慮もいただきまして、ぜひともその起債の問題につきましては早急に結論を出していただいて、被害の市町村ができるだけ早くその復旧に力を注げるようにやっていただきたいと思うのでありますが、これに対しましては、自治庁としてはどういうお考えで進んでおられますか、これについて一応承わりたいと思います。

小野寺昇総理府事務官

○小野寺説明員 ただいまの御質問の趣旨は、起債が災害の場合になかなか認められない、しかもその復旧についておそくなる傾向があるが、早く起債の許可をしてほしい、こういう御趣旨のような質問でございます。御承知のように災害の場合は公共災害と単独災害とございますが、公共災害につきましては建設省あるいは農林省の査定が済みまして、国庫負担の対象以外の分がいわゆる公共団体で負担しなければならない部分でございます。この部分については起債が考えられるわけでございます。公共災害についての地方負担については、おおむね一〇〇%災害起債が認められております。それから単独災害につきましても、地方の公共団体の申請を待ちまして、内容を調査いたして起債を許可いたす、こういう段取りになっております。従いまして、地方起債の許可については公共災害についての査定が進まないとなかなか出てこない、こういう実情でございますので、御了承いただきたいと思います。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 緊急査定が済みましたら、一つ起債の問題もさっそくきめていただくようにしていただきたいと思うのであります。  なおこの際希望を申し上げておくのでありますが、先ほどの陳情にもありましたように、特殊の陶磁器関係地帯が全部やられたわけであり、しかもクリスマスの製品をこれから作ろう、こういうことでございまして、今一番大事な時期でございますので、一つそうした特殊な事情を十分にお考え下さいまして、この災害に対する復旧に対しましては、ぜひとも格別の御配慮のもとに、一日も早くこれが実現できますようなお取り計らいをお願いしたいと思います。  なおもう一つ、これは大蔵省からも来ていただいておるようでありますから、お願いを申しておきたいのでありますが、先ほどから、毎々申しますように、いわゆる陶磁器の特殊の地帯でありまして、ことにその災害のために粘土の精製所が全部つぶれてしまう、また工場におきますところのかまが水びたしになる、それから粘土が工場におきまして水びたしになる、それから燃料の亜炭が水びたしになる、また製品におきまして、業者が梱包しておったものが全部水びたしになるために、これがすっかり梱包をやり直さなければならぬ、こういうようなことでございますとともに、今申しましたように、クリスマスを控えてこれから大いにやらなければならぬという場合におきまして、その業者のいわゆる融資の問題であります。この問題につきましても格別の一つ御配慮をいただきまして、何とか早く立ち上って、そうして今問題になっておりますが、日本の貿易を振興せしむる場合におきましては、この陶磁器は非常に重要な地位を占めているわけでありますから、そういう点を御考慮いただきまして、ぜひともこの陶磁器産業地帯が一日も早く復旧いたしまして、そうして生業に復し得るような御配慮を特に皆様方にいただきまして、適切な御処置をとっていただきますことを重ねてお願い申し上げまして、私の質問を終ります。     —————————————

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 この際十号台風に関しまして政府当局から発言を求められておりますから、その説明を聞くことにいたします。河川局次長関盛君。

関盛吉雄建設事務官(河川局次長)

○関盛説明員 台風十号によります被害の状況でございますが、これにつきまして本日までわかっております状況について申し上げます。  台風十号は本土に上陸いたしましたのが九月六日の日でございまして、鹿児島県の大隅半島に上陸いたしまして、それから九州の東部を縦断いたしまして、七日の午前十時に愛媛県の宇和島付近を通過いたしまして、新浜さらに岡山、兵庫を経まして日本海に抜けまして、七日の二十三時に石川県の能登半島を通過しまして、台風の勢力は非常に衰えた状態になり、八日の三時に秋田沖に達して、青森から北海道東方海上に通過いたしたのでございますが、この台風によります今日までの状況のわかりました被害は、まず公共土木施設の被害状況でございます。各府県からわれわれの手元に入りました状況によりますと、被害の激甚であったと予想されますのは大分県、それから宮崎県等を初めといたします九州の一部及び四国その他中部地方の一部でございまして、特にその被害は報告上では、補助災害につきましては六億二千八百余万円というように見積られております。さらにそのほかに建設省が直接管理をいたしております主要河川の被害でございますが、これはただいまのところ入っておりますのは九州地方建設局管内だけでございまして、その分の被害報告では三億一千八百万円と報告しております。これには四国管内それから中部地建の管内、特に揖斐水系の管内の情報がまだ入っておりませんので、ただいま申しました関係府県及び九州地建の被害報告を合せますと、九億四千六百万円ということになるのでございますが、未着の地域もございますので、さらに被害報告につきまして詳細わかりましたならば、これより増大をするものと考えております。ごく簡単に申しましたので、後ほど、お手元に配布いたしました書類で詳細ごらん願いたいと思います。     —————————————

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 建設大臣が出席になりましたので、御了承を得まして質疑の順序を一、二変更いたしまして、中島巖君に質問していただきます。中島委員。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 先ほど政務次官より、昭和三十三年度建設省関係重要施策についての説明があったわけでありますが、こういう重要施策、それからただいまの十号台風の問題などにつきましては、これは建設大臣が当然これらの説明に当るべきものであって、次官が当るというようなことは、今までにかつてそういう例がないと思うわけで、はなはだこの点遺憾と思いますので、建設大臣も御考慮を願いたいと思うのです。  そこで三十三年度の建設省関係の重要施策については、われわれもたびたび新聞で見ておりまして、いずれかの機会に大臣よりこれらの方針について御説明があるものである、こういうように考えておりましたところ、突如本日の委員会において発言を求められて、政務次官より説明があったわけであります。そこで、これらの個々の問題についての質問は、本日大臣も非常に忙しいし、その他に関係もありますので、すべきではないと思います。けれども、基本的の態度としての問題につきましては若干質問に触れるべきだ、かように思うわけであります。そこでただいまの説明をお聞きしますと、この表題にもある通り、重要施策についてだけの説明でありました。河川局関係におきましても、治水などについての金額なども出ておりますけれども、特に変ったものが多いわけであります。それで本日説明していただいただけで、約四千五百二十億程度の金額になっておるわけなんです。こういうふうな状態でありますが、これはわれわれも全面的に建設省と一体になって推し進めたいというような施策ばかりであります。そこで大臣に質問するのは、あらかじめ大蔵省関係などと大体の打ち合せばしてあるのかどうか、それからこれはただ建設省だけでこういう考えを持っておって、まだ大蔵省などとの折衝は全然されておらないのかどうか、この点をお伺いし、さらにこれに対する大体の大臣としてのお見通しがありましたらそれをお伺いしたい、かように考えるわけであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 お答え申し上げます。まず重要施策説明を自分からやるべきだ、そう私も考えております。ちょうど本日、折りあしく参議院の委員会と一緒になりまして、向うの方が早く始まって、そっちの方に実は呼ばれておりまして、やむなく政務次官から御説明申し上げた次第であります。御趣旨に沿いまして、今後はできるだけ両委員会の調整をはかっていただいて、私みずから御説明申し上げたいと思います。  質問の第一点は、今回建設省が三十三年度の重要施策として、省で大体まとめたものを御説明申し上げましたが、これから実は大蔵省との折衝になるのでございます。御承知のように、予算要求書を、今までは大体八月末か九月末までに出しておりますので、予算要求を出す根拠としてこれをお示し申し上げたわけであります。折衝はこれからいたす予定でございます。見通しについてでございまするが、これは毎年、各省が要求したことに対しまして、政府の全体の予算規模がまだ確定しておりませんので、それに基いて予算折衝になり、最終的には閣議で決定する段階になりまするので、今後できるだけわれわれの要望事項を具現するために、当委員会の御協力御支援を得まして、推進して参りたい、かように考えておる次第でございまして、現在どの程度確保できるかについて申し上げることは、まだその時間的段階に来ていない、かように考える次第であります。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 それからこの予算書を見ると、非常に大きいのが道路費と住宅問題でありまして、これら二つについて建設省が御計画になったことについては、私ども全面的の敬意を表して、できるだけの応援はいたしたいと思っております。そこで当面の問題といたしまして、一般道路事業と有料道路事業との合計が約千五百二十億というような数字になっておるわけであります。これと関連いたしまして、かって前の南條建設大臣も外資の導入というようなことを非常に言われておったが、この外資の導入のいい悪いということは別問題といたしまして、二、三日前の新聞を見ると、鉄鋼、道路、電源の三種目につきまして、三億一千万ドル程度の世界銀行の借款をするというような記事が出ております。しかもこれは今月の十九日でありますか、一萬田大蔵大臣が渡米の際にとりきめる、こういうような記事が出ておったわけでありますが、それに対してもちろん建設大臣は相談にあずかるというか、積極的に推進しておるだろうと思うのであります。この今の重要施策の案で説明になりました千五百億というような道路費予算は、昨年度あれだけの大きな反対があってガソリン税を増額いたしましても、なおかつ一般道路費は七百億しか入らなかった。その倍額以上に達する、こういうことなんで、大臣としてよほど新しい考えをお持ちだと思う。その間の事情がどういう事情かということをお伺いいたしたいし、さらに道路公債などを発行する意思があるかどうか、これは昨年度の予算編成期におきましても、馬場建設大臣は、道路公債、ガソリン税、一般会計の三本立でいくというような方針を明らかにしたのでありますが、大蔵省と折衝の関係でこれが実現が不可能になった、こういうような関係にあるわけであります。従いましてそれらの問題が来年度の道路費予算を決定するところの最も基本的な問題になるのじゃないかと思いますので、大臣の御意見をお伺いいたしたい、かように考えるわけであります。  それからこの重要施策について、これは国会に提出されたので、もう少し気をつけていただきたいと思うのですが、この九ページに「なお、名神高速自動車国道につきましては」とこう書いてあるが、名神高速自動車国道なんというものはおそらくありはせぬのです。はっきりした政令で公布した名前があるわけです。従って建設省が責任を持って委員会に提出する書類は、決定いたして政令で出したところの、はっきりした名前をつけるべきものである、こういうように考えるわけで、これは答弁は要りませんから、一応御注意だけしておきます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 明年度建設省として予算要求している中で、道路関係費が、事業費として一千五百億、国費として九百九十億程度ありまして、これの実現に当って道路公債を発行する意思ありやいなや、こういうことでございますが、これは私といたしましては、十カ年計画を実施する場合に、大体一兆九千億程度の事業費が必要になりますので、従来のガソリン税を主とするところの財源ではとうていこれが実現は困難である。しかも日本経済の発展の状況から見ますれば、道路輸送が経済発展のネックになっておる。欧米の平均に比べてみますと三十年おくれているじゃないかといわれている現状から見て、さらにこれが隘路として残ってくる。十カ年にどうしてもこれを実現する場合においては、将来において長くかかって実行するということももちろん考えられますが、そうすればそれだけ国の発展の阻害になるし、同時にまた効果も少い。かような関係からして、私としては、公債発行をすべきである、してもこれは決して国家の損害にならない、このような考えをもちまして目下自由党の政務調査会、この方面ともいろいろ折衝しているのでございます。三木政調会長も私の意見に相当共鳴していただいて、これは今直ちに道路公債を出すというところまでは踏み切れないけれども、日本経済、財政関係の安定した場合には出してもいいというような気持がある、こういう現在の段階でございます。  それから外資の導入の問題についてでございますが、これは再三私、大蔵大臣と折衝いたしておるのでございます。先般岸総理が訪米いたした際に随行いたしました福田赳夫君も、この問題について概括的な若干の交渉はあったようにも私聞いておりますので、特に高速度道路の建設は相当思い切った財源措置を講じませんと時間的に非常に延びる。そうすると、せっかく国費を投じてやりましても、これが少くとも実際的に活用されるまでに時間がかかると経済効果が非常におくれる。世界銀行におきましても大体事業費の四割程度を最高限度として貸し出し得るという状況にもありますので、ぜひこの問題を取り上げたいと思いまして、大蔵大臣に目下折衝中でございます。大蔵大臣は、近く渡米の際はこの問題についても最終的に取りきめができるかどうかはわからないが、自分としても推進いたしたい、こういうお話でありますし、事務当局からも、大蔵省の事務当局からも、大蔵省の事務当局にこの問題の資料を提供して目下交渉を進めておるという段階でございます。  それから御注意になりました九ページにおける名神高速自動車国道というのは、これは非常に俗称をとったのでありまして、委員会に提出するには適当ではないと思いますので、訂正するようにいたしたいと思います。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 久野君。

久野忠治自由民主党

○久野委員 大臣は時間もないそうでございますから、概括いたしまして簡単に三十三年度の建設省関係重要施策について御質問を申し上げてみたいと思うのでございます。  これは国政全般について言えることであろうと思うのでありますが、日本の敗戦以来の政治の動きを見ておりますと、絶えず必要に応じてあとから政治が追いかけておるというようなことではなかろうかと思うのであります。たとえて申し上げますならば、建設省の重要施策の一つであります治水政策、あるいは道路政策、あるいは住宅政策にいたしましても、災害が累年逐増をいたしまして、その規模が大きくなったということから、災害復旧にこれきゅうきゅうとしておるというのが現実でございます。道路政策についてもそうであります。最近自動車の交通量が非常に多くなったために、現在の道路網をもってしてはこの需要には追いつけないということで、道路問題が大きく浮び上ってきた。住宅問題についてもしかりであろうと私は思うのであります。今日政治がこのように絶えず要求のあとを追いかけておるというようなことであってはならないと思います。さような意味合いからいきまして、三十三年度の予算編成を前にして、建設大臣が思い切った構想を持ってこのような重要施策を発表されたということは、まことに時宜に適したものでありまして、ぜひ今回の予算編成に当ってこの実現を期するべく、建設大臣の一段の御努力をまず最初にお願いを申し上げたいと思うのであります。  そこでただいま申し上げました三点について逐次御質問を申し上げてみたいと思うのでありますが、災害復旧につきましては、二十九年度以降大体改良工事が非常に進んだという事実もありましょうし、また災害の規模も小さかったということもあろうかと思いますが、発生災害の総額は予定されておりましたものよりは少かったと私は思うのであります。ところがただいま公共事業の総額についての発表があったのでありますが、この数字をお聞きをいたしましても、その数字全体は大へん低い数字であろうと私は思います。しかしながら本年度の発生をいたしました災害には特殊性があると思うのであります。それは異常降雨量によりまして——とにかく日本が始まって以来初めてとまでいわれておりますが、一地域における異常降雨量によりまして、従来の治水対策と申しますか、治水計画では追いつけないほどの大きな災害が局地的に起きたいということであります。そういう観点に立ちますならば、将来建設省といたしましても、この治水計画をある程度変えなければならぬ事態が起きてくるのではないでしょうか、そういうことをお考えになっておられるかどうか、まずお尋ねいたしたいと存じます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 今日までのわが国の治水、道路、住宅関係が社会的要求に追っかけられておるという点は、久野委員の御指摘の通りだと思います。もとよりこれは終戦以来、あるいはまた戦前におけるこういう方面に対する国家施策がおくれておったのが累積してこういう状況になったのでありますので、これを一朝一夕に全面的に解決することは困難であると思います。その意味におきまして、今回三十三年度予算請求に当りましては、こういうような累積しておる問題を解決するために長期の計画を樹立いたしまして、その計画に基いて漸次これが実現を期したい、こういう観点から、道路についても特別会計を設けるなり、あるいは治水関係についても特別会計を設け、あるいはまた債務負担行為の制度をやるとか、あるいは継続費制度を樹立することによって、御指摘の問題を計画的に実施いたしたいと考えておる次第であります。  御質問の第一点は、災害復旧について——この二十九年度以降は災害が割合に少かったためにやや小康を得ておるのであります。しかるに降雨等の状況は、異常な降雨量が最近出てきておる。こうなりますと、従来の計画ではとうてい及ばないではないか、こういう御指摘であったと思います。その点はわれわれも非常に憂えておるわけでございますが、実は治水については、本格的に申すならば、各河川ごとの水系別の総合施策を考えなければならないと思いまして、その一端として、あるいは山林砂防、それから多目的ダム、それに河川の改修と、この三つが総合されて初めてできるものと考えておりまして、そうした観点から、一部については検討をいたさなければならないというような気持をもちまして、現地における地建その他県の要請等もあわせてこれからさらに検討を進めたい、かように考えておる次第であります。

久野忠治自由民主党

○久野委員 ただいまの御答弁によりますと、治水計画を変える場合もあり得るというふうに私は解釈をいたしたわけでありますが、これは今回の異常降雨量による災害の発生の現状にかんがみても、当然であろうと思うのであります。さよういたしますと、これに伴います予算措置も大幅に増額をいたさないと、あくまでもぺ一パー・プランに終るおそれが私はあろうかと思います。そういう際に、ただいま御発表になりました特別会計制度によって治水事業を促進しようということでございますが、これまた私は時宜を得た措置であろうかと思います。ぜひこれは実現をさしていただきたいと思いますが、現在の政府側の折衝の過程において、この実現の可能性がありますかどうか、それをお伺いいたしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 これは現在折衝を始めたばかりでございまして、ここで明確にその見通しを申し上げることは困難でございますが、しかし先ほど御指摘になりましたような状況でありますがゆえに、建設省としては、委員各位の絶大な協力のもとにぜひこれは実現いたしたい。従来までは単年度ごとの予算の折衝でありますがゆえに、なかなか困難である。一時に予算を何倍にするということも困難でありますので、そこでわれわれとしましては、長期計画のもとに特別会計あるいは債務負担行為等、諸般の施策をいたしまして、体系的にこれは確立してやるということが必要と思いまして、今後ともさらに国会の御協力を得て実現に努力したいと考えておる次第であります。

久野忠治自由民主党

○久野委員 本年度の発生災害について一つお尋ねをしてみたいと思うのであります。本年度の発生災害については、ただいま陳情もございまして、なおこれについて緊急査定もすでに終ったという御発表があったわけでございます。しかしながら災害復旧につきましては、あくまでも拙速を尊ぶのでございまして、現在困っております被災民の人たちに、一日も早く、一刻も早く救いの手を差し伸べてやる、これが私は政治の要諦ではなかろうかと思うのであります。そのような措置を講ずることが政府あるいは、もちろんこれは政治家にとってでもありますが、非常に重要なことではなかろうかと思うのであります。ただいまの陳情の要旨を伺ってみますと、三、五、二の比率によってこの災害復旧が行われること自身についても何か疑問があるような陳情があったのでございますが、この本年度の発生の災害の処理の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 本来ならば、その年に起った災害はその年のうちに全部を完了するということが理想であろうと思います。しかしながら、国の財政上の立場からなかなかこれができないために、特に二十八年度の災害当時から非常にこの初年度復旧の率を高めなければならない、従来でありますと、一つの災害に早くて五年、長いのは十数年もかかっておる、これではいけないというので国庫負担法の制定等を見まして、ようやく三、五、二の比率になったのでありますが、同時に、これは先ほど久野委員が御指摘の通り、実は根本的にその設計自体を考えていかないと、ただ単に原形復旧だけではいけない。そうしますれば、やはり相当の調査研究の上、三年計画をもってやるということが、むしろ関連災害復旧、改良工事等も含めてやり得る余地がそこに出てくるのじゃないか、こういうような観点から大体三、五、二の比率で考えておるわけでありますが、財政上の余地がございますれば、なるべく初年度において大幅にやりたいと念願しておる次第でございます。

久野忠治自由民主党

○久野委員 ただいま陳情の中にもありましたように、あくまでも原形復旧を原則とせずに、改良部分を大幅に取り入れてもらいたい。特に木橋がたくさん落ちたために、これを永久橋にかけかえてもらいたいという陳情があったわけでございます。木橋につきましては当然私は永久橋にかけかえるべきものと思いますが、そうした措置につきましても、でき得る限りの御努力を要望いたしたいのでございます。  時間の関係もありまするので、次に道路政策について一点だけ御質問を申し上げてみたいと思うのであります。今日の日本の道路政策が、諸外国に比例をいたしましてはるかにおくれておることは、私が申し上げるまでもないところでありまして、これはもう識者といわず、国民全体の認めるところであります。そこで、この道路政策を急速に進めるための法律上の措置等も設けられたわけでございまするが、この際一段の飛躍的な政策の推進をはかるために、道路公債を発行いたしたいというような御意見の発表があったわけでございまして、この政策の中には入っておりませんが、先般建設大臣みずからが、この公債発行の構想について御発表になったようであります。で、この道路公債につきましては、赤字公債を出さないということが三十三年度の予算編成上の原則だと、こう言われておりまするが、そういうようなことが閣議において申し合わされたものでございましょうか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 お答え申し上げます。閣議においてこの公債を発行するかどうかは、まだ正式の議題になっていないのであります。これは党の首脳部の各位と、それから大蔵大臣には、いわば半非公式的に——従来ややともすれば、建設公債を出すことが赤字になる、インフレの原因になる、こういうような見方をしておったようでありまするが、私はその説はとらない。なぜかならば、今の公債を発行する場合におきましても、全然これは財源がないなら別ですけれども、現実にガソリン税というものが年々八百億程度のあれがあるはずです。しからばこれを二十年の公債にするならば、これを早く実行することがそれだけ国家の経済上にプラスになるのみならず、舗装等、あるいは木橋等を永久橋にかけかえることによりまして、維持費並びに年々そのために消費するものが節約されるという意味において、むしろこれはプラスになる。今そういう理論からして、また実際からしても、私はこれを要求しておるのでありまするが、まだこの予算編成の正式の議題になっておりませんので、建設公債を出すか出さぬかについては、まだ閣議の正式の議題になっていない次第でございます。

久野忠治自由民主党

○久野委員 時間もございませんようでありますから、簡単にお尋ねをいたしますが、私は公債という名前が間違っておるのじゃなかろうかと思うのであります。厳密な意味からいけば、これは赤字公債であるかもしれません。しかしながら、ガソリン税収入をある程度財源としておるわけでございまするから、できることであるならば、私は公債ということでなく、道路債とか、あるいは道路債券とか、別の名称をもってこれに充てれば、それでいいと私は思うのでありまするが、この公債という名前だけによって財政上インフレの可能性が起きてくる、そういうことから一般世論も相当刺激をいたすようでありまするから、ある程度この道路債あるいは道路債券というような、名称を変えることによってもこの実現をぜひ御努力を願いたいと思うのであります。  最後に住宅の問題を一つだけお尋ねしてみたいと思うのでありまするが、現在三本立によって住宅政策が進められておるわけでございまするが、今日最も住宅を必要といたしておりまする階層は、所得の低い層、ずっと低い庶民層であります。その庶民層に対する住宅計画が、公営住宅の制度によって、この需要を満たすべく行われておるわけでありまするが、今日これがややもいたしますると、なおざりにされようとする傾向があるようでありまするから、ぜひこの点についてもなお一段の御努力を願いたいと思いまするが、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘の通り、住宅全般として非常に不足しておるのでありまするが、これは戦災による非常に大規模の家屋の滅失、これがまだ回復していないという状況と、さらに国民の生活水準が上ってきておるために、やはりある程度まであの家屋の状況も整備しなければならぬ、なおまた毎年火災による滅失が相当大きいので、せっかく建てるものであるならば不燃化も必要であるという多角的な要請にこたえなければなりませんので、実際の数が非常に伸び悩みの状況にあることは御指摘の通りであります。しかしそのうち特に低額所得者に対する住宅の提供が最も急務であるということについては、全く御指摘の通りでありまして、今後もその方針をもつて推進いたしたいと考えておる次第であります。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 お諮りいたします。大臣は十二時に放送の関係がありまして、どうしても失礼させていただきたいということですから、大臣に対する種々なる質疑は次会に譲っていただいて、大臣の退席を認めていただきたいと存じます。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 質疑を続行いたします。三鍋義三君。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 本日当委員会が開催される前に、杉並区の高円寺及び馬橋地区の住民代表の方から、区画整理に関するところの反対の陳情をお受けしたのであります。この地区におけるところの区画整理事業に対しましては前々からいろいろ問題がありまして、新聞紙上においてもいろいろと報道されておったのでありますが、昨年の十一月二十日に同地区の居住者であるところの高橋食料品店が強制執行をされるといったような状態を中心といたしまして、非常に緊迫した状態にまで進展していったのであります。その当時衆議院におきましても陳情を受けましたので、当時の徳安建設委員長を初めといたしまして、現委員長の薩摩雄次氏その他六名ばかりが現地調査をしたのでありますが、どう見てもこのやり方に無理があるといった点を認めざるを得なかったのであります。これにつきましては、このまま事態を放置しておくとどんなことになるかもしれないということも予想されましたので、政府当局に、都側とよく折衝されまして善処されるよう要望しておいたのであります。その後私たちといたしましては、あまり問題になっている点を耳にしませんでしたので、円満に解決しつつあるのではないかと思うておりましたところ、本日またああいったような切実なる陳情を受けたのでございます。もともとこの区画整理事業というものは利害錯綜いたしますので、その施行はなかなか困難であると思うのであります。困難であればあるだけ、できるだけ民主的な話し合いと納得のもとに、いろいろな疑義を差しはさむ余地のないような状態においてこの事業が進められるべきであったのに、先ほどの陳情をお聞きいたしますと、どうも不正なるところの——不正ということは一方的な陳情でありますから断定できないのでありますが、聞くところによると、どうも正当でないと思われるような委任状によるところの手段によって選出された委員の方々が、あたかも正当な住民の代表であるかのごとき立場において、この事業を進めていかれようとしたところにこの問題が出てきたのではないかと思うのであります。   〔委員長退席、久野委員長代理着席〕 昭和二十七年の二月に突然高円寺六丁目の一画、十二軒に、都知事から立ちのき命令通知書がきて、初めて住民が区画整理がなされることを知った、こういうことがもし事実であるとするならば、これは大へんな問題であると考えるのであります。かりに百歩を譲って、この委員の選出が不正でなかったと考えるといたしましても、戦後十二年間もたちまして、高円寺あるいは馬橋の区域の区画整理はどのように運営されているかということを考えてみると、商店街はほとんど建築の許可をとって本建築を実施しているのであります。こういう現在の事実をしっかりと見きわめて、あの戦災によって焼け野原になった、ああいったときにおける区画整理事業をそのまま強行されようとするところに、私はこの問題が起きてきていると思うのであります。こういう観点からいたしまして、昭和三十一年の十二月十七日に区画整理審議会委員の選挙が、法改正によって行われたのでありますが、それによりますと、この区画整理事業に対する強い反対の意思表示をされる側の代表者が過半数を占めているという事実、そして先ほど委員長の手元に提出されましたところの、これに対する反対の立場を意思表示して、それを代表者に委任しておられる委任状がその机の上にうずだかく積まれてあるのでありますが、その内容は有権者千五百八十名のうち委任状を出している人が約七割、またその委任状を今出しつつある人が一割五分、中立の立場をとっている方が一割、初めの計画通り区画整理事業を促進してもらいたいという意思表示をしている人がわずかに五分、こういった現在における地元のいろいろの変化というものを考えましたときに、私たちはこの問題をただ一地方における一つのトラブルとして、そのうち熱がさめれば何とかおさまっていくだろうといったような無責任な立場におられない気がするのであります。委員会といたしましては、行政府に対しまして、また地方自治法の運営に対しまして、とやかく言うべき筋合いではないのでありますけれども、これをこのままに放置しておきますと、いかなる不祥事が起るかもしれないといったような好ましからない情勢——こういう点から、私はやはり立法府の責任ある立場といたしまして、法の精神を生かして住民の幸福のために、日本の将来のために、みんなが喜んでこれを迎えられるといった方向に御指導あってしかるべきではないかと思うのでありますが、政務次官並びに計画局長のこれに対する所信を明確にお聞かせ願いたいとともに、地元の住民の切実なるところの願いを何とかしてかなえてあげていただきたい。その場合に、十分事の真相を把握して、善処していただきたいという希望を持っておるのであります。何とぞ次官並びに計画局長の明確なるところの御所信を承わりたいのであります。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○堀内説明員 ただいま三鍋委員からの御質問にお答えいたしますが、先ほどの陳情の方々のお話はよく承わりました。この問題は都において実施いたしておるのでございまするが、省といたしましても十分監督、指導をいたしたいと考えております。しかしこれは非常にデリケートな問題でありますので、主任の局長からお答えいたしたいと思うわけであります。

町田稔建設事務官(計画局長)

○町田説明員 先刻陳情のありました、またただいま御質問がございました地区は、御承知のように戦災復興事業といたしまして区画整理を実施しておる地区でございます。戦災復興事業は、事業の施行を行政庁施行として実施をしておりまして、これは都の場合について申し上げますと、都知事がみずから計画を立てて事業を実施するという区画整理事業でございます。そういう意味におきまして、普通行われております区画整理が地元民の要望によって実施せられるのと違いまして、戦災跡地の復興は行政庁みずからの計画に基いてこれを実施していくという意味におきまして、都におきましては都知事がすべてを計画し、実施の責任に当っておるということになっております。この点は、まず第一に御了承をいただきたいと思うのでございます。  なお、この全国的に行われておりますこういう戦災復興事業は、土地区画整理事業の形で行われておりますので、必要な公共施設を設けます場合の敷地は、全部減歩でこれを満たしておるのでございまして、先刻も陳情の方からお話もございましたように、あるいは二割あるいは三割の土地を土地所有者から出していただいて、それで事業を実施するということに相なっておるのでございます。この点は、単にただいま問題になっております第三十地区だけではない。現在東京都ではだんだん戦災復興の事業が進みまして、従来と比べてだいぶいい道もできておりますが、これは全部こういうように地区の方々の土地を減歩していただいてできておるわけでございます。  それからなお、事業が終了いたします際には、土地の価格についてそれぞれ必要な換価をいたしまして、前の土地所有者が特別なる損失を受けないように、十分なる考慮が土地区画整理法で払われているわけでございます。  なおこの土地区画整理法に基く事業は、計画、たとえば土地区画整理地区にどういう道路をつけるかという計画の段階におきましては、都知事が事業計画を立てましたものを建設大臣が承認するという手続がございますが、そういう計画が定まって、そういう道路を作るために必要な土地を生みだす、いわゆる換地の段階に至りますと、全部これは事業施行者の都知事がもっぱら権限を持っておるのでございまして、この段階に至りますというと建設大臣は権限を有しておらないのでございます。そこでただいま問題になっておりますことは、おおむねこの都知事の権限に属する間のことでございまして、この点も一つ御了承をいただきたいと思うのでございます。ただ、ただいま三鍋先生からお話のございましたように、この問題につきまして国会でもいろいろ御心配になりまして御視察等もありましたので、私たちも都知事に対しては、十分地元の要望をも聞きまして手続の慎重を期するように話をいたしたのでございまして、都におききましては、十分遺漏のないように各種の手続をいたして参っているものと私たちは信じているのでございます。  なお、強制執行等をいたします前には、地元の方々との折衝にもかなり力を尽しているものと私たちは認めているのでございますが、本日いろいろとまたお聞かせいただきましたので、これらの具体的事項につきまして、建設省といたしましてもなお十分検討を重ねて参りたいと思います。  なお、三鍋先生からお話がございましたように、区画整理事業は地元におきましてもいろいろ対立いたしました各種の意見がございまして、これらの意見を十分公平に聞くようにということは事業施行者に十分指示をいたしてございますが、今回の件につきましてもなおあらためて都にはよくその旨を伝えたい、こういうように考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 この区画整理事業は都知事の権限でやるということは御説の通りであります。しかし、都知事がそれを施行決定いたしまして施行するまでにおきましては、やはり区画整理審議委員会なるものにいろいろと諮問されて決定されるのだと思うのでありますが、その区画整理審議委員の選出、ここに問題があったというところにこの根源がある。昭和三十二年、三年という時期のことを今から振り返ってみるまでもなく、実に虚脱状態におきまして、正常なる常識とか、そういうものをともすれば失われがちな、そういう混乱した時代であったのであります。そのときに、まかしておけ、あなたたちのいいように町をりっぱにしてあげると言われると、素朴な住民はやはり、あの方は今まで町の有力者として世話してきてくれた方だから、あの人におまかせすれば間違いないだろうと思って委任状を託したと私は思うのです。ところが、その委任状の内容をあとからずっと調べたもののトータルがここにきておりますが、確かめておりませんから、どうかわかりませんが、ずいぶんでたらめであるようであります。そういうところにこの問題が起きていると私は考えるのであります。そこで、都当局の責任においてこれを実施するということは申すまでもないのでありますけれども、先ほども申し上げましたように、この区画整理の区域内においてどんどんと本建築がなされているということは、これはどういう責任においてやっているのでございましょうか、これをお聞きしたい。

町田稔建設事務官(計画局長)

○町田説明員 区画整理地区内におきましては、区画整理が完了いたしますまでは本建築が原則としては許可されないことに考えておりますが、ただいまお話がございましたので、具体的な事情について至急に調査をいたしてから御返事申し上げたいと思います。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 これは私、陳情者の言葉をそのまま信じて申し上げておるのでありまして、具体的の問題は今ここであげることはできないのであります。しかしみんな連名で代表の方がおいでになっておる以上は、そういうでたらめなことは言っていられないと信じたいのであります。こういう点から考えましても、やはりこの事実をしっかりと確かめていただくことが、この紛争をやわらげていく一つの大きな要素であると思うのであります。もう一つは、これは先ほども申し上げたのでありますが、今度審議会の委員の公正なる選挙が法改正によって行われたわけなんです。その委員の方々は、大体こういう無理な区画整理はいけないといった立場の人が過半数を占めておられるようであります。これも陳情者の言をそのまま信じての私の質問なんでありますが……。それから委員長のお手元に、これじゃ困る、もう一ぺんこれは根本的に考え直していただきたいという趣旨の陳情が来ておるわけなんです。そういたしますと、政治というものは、国民の幸福とそしてその福祉増進のために、あるいは商売をやっている人はその商売をゆたかに安心してやっていけるようにしてあげるのが根本なのであります。そういう点から考えまして、大部分の人と言ってもいいくらいの人がこれに対して再考慮を求めておられるところの具体的な問題に対しましては、一ぺん決定したのだから何でもかんでもやるのだということではいけないと思う。しかもその一ぺん決定したところの大きな要素をなしておる審議会の委員の選出というものは、どうもすっきりしたものではない。こういうところをずっと考えていきますと、この問題は慎重に考えてあげなければならないのじゃないか、このように私は考えるのであります。  そこでこの委員会において、これをどうせい、こうせいということを勧告したり命令したりすることは越権だと思うのであります。私がお願いしたいのは、政務次官あるいは計画局長におかれては、よくその実情を再調査いたされまして、真実を把握していただきまして、そして円満解決のために都側と十分御協議をお願いしたい、このように思うのであります。このままでいきましては——昨年十一月の高橋食料品店の強制執行、あれは何といったって悲惨な状態ですよ。とにかくいろいろな問題があって戦々きょうきょうとしているところへ持ってきて急に警官隊が取り巻いてうちをぶちこわしていくのです。これはどんな理由があろうとも、周囲に遊んでいる子供の見た目から考えましても、あの高橋という食料品店はどんな悪いことをしたのかという印象を与えるでありましょうし、町全体の気持からいっても、ああいうことは繰り返さるべきことではないと思うのです。御承知の通り、あれはうしろの方をこわして、前の方を一尺何寸か出すというのですが、一尺何寸出せば、狭い道幅はまた狭くなってくるのです。こういう一の例を取り上げましても、都側も慎重に考うべきであると思いますので、どうか一つ計画局長はよく向うと話し合われまして、この問題が何とか円満に、そして正常に運営されますように特別の御配慮をお願いいたしまして、私の質問を終ります。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○堀内説明員 ただいま三鍋委員の御発言、まことにごもっともでありますので、当方といたしましても都の方とよく協議し、また実情をよく調査いたしまして善処いたしたいと思います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 今三鍋委員からいろいろ御質問がありましたから、重ねる必要はないのですが、この問題は行政処分の問題として都と建設省が、昔の言葉で言いますならば、いわゆる役人と役人とが相談をすると、ただ形だけにとらわれた処分になりまして、納得しない処分となることは火を見るよりも明らかな問題だと思うのであります。出発点において、すなわち戦後のどさくさ最中に、都市計画委員の選挙に非常な誤りといいますか、無理が行われた。しかし選挙の結果の発表というものは法規に基いた発表が行われて、それが正式に当選されたものとしての処分が行われておる。すなわち土台が確立した形において行われておらぬけれども、上へでき上ったものは、まあまあ行政的には処分が行われたような形になっておる。しかし次第に年月を経るに従って都の方の係員もかわりますけれども、今の係員はその形だけにしかよらないとやることができない、こういうことで終っておるのです。それが今日現実に都民に非常な不当な行為として反映しておる。政務次官は国民代表のもとに出てこられたのですから、その点は一つ生きた政治を行うように御考慮を願いたいと思います。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○堀内説明員 ただいまの前田委員の御意見に沿うように努力いたしたいと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 実は先般の五号台風並びに九州地方の災害なんかにもあると思うのでありますが、水道の災害の復旧並びにそれに対する国庫補助並びに起債の関係等について質問いたしたいと思うのであります。従いましてこれに関連した役所といたしまして厚生省、自治庁、大蔵省に御出席をわずらわしたようなわけであります。問題はまことに小さいように見えますけれども、非常に切実な、現在直ちに解決せんならぬというような状況にある問題でありますので、きわめて短かい委員会ではありますけれども、しいて御出席をわずらわしたわけであります。昨年の国会におきまして下水道並びに上水道の所管がはっきりいたしたわけでありまして、上水道関係は厚生省であります。旧来、上水道関係に対しましてどういう災害復旧に対する補助をしておったか、あるいは新設する場合あるいは増設する場合に補助をしておったか、また補助をしないといたしましても、起債をしておったかというような点につきまして、それぞれ所管の各省にお伺いいたしたいと思うのであります。建設省関係におきましては公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法があって、はっきりといたしておるのであります。また農林省関係におきましても災害復旧に関する臨時措置法があって、はっきりいたしておるのでありますが、これらにつきましては災害復旧並びに増設、新設に対するところの国庫負担の法規が現在ない。従いまして、これは地方財政法十六条によるところの財政措置でやられておると思うのでありますけれども、これらの基本的な問題について、まず最初に厚生省より御説明をお願いいたしたい、かように思うわけであります。

椎名惠三厚生事務官

○椎名説明員 水道の補助については、現在簡易水道を新設するものに対してのみ、予算措置として、国会の御承認を得て、四分の一を地方公共団体に補助をいたしております。その他のいわゆる五千人以上の一般水道につきましては、公営企業といたしまして起債でまかなっておる現状でございます。  御質問のありました災害復旧に対する法的な措置につきましては、先国会で御協議願ったのですが、水道法の制定に当りまして現在の大蔵事務官が答弁いたされておりますけれども、その答弁の中に、災害については、特に従来からも予算措置としてやってきておるから、今後もケース、ケースに応じて予算措置をもって助成して参りたいと言っておるのでございます。厚生省といたしましても、上水道として必ず独立採算がとれる——いわゆる減価償却等の積立金ではとうてい災害復旧ができないので、その点については従来から特別の予算措置をもって、国会の承認を得て補助をやっておった。今回の災害につきましても、簡易水道及び上水道合せておおむね十五カ所、約四千万円の被害額が出ておるのでありますが、これについて、従来の実績等から勘案いたしまして二分の一の補助予算を要求いたしたい、かように考えております。なお、実施設計について若干の技術的疑義がございましたが、その辺の調整もようやく終って参りましたので、すみやかに予算措置の要求をいたしまして、御趣旨に沿うよう最善の努力をいたしたい、かように水道行政の主管課といたしまして考えております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 今、厚生省から、本年度の上水道災害に対して約二分の一程度の補助をいたしたい考えを持っておるというお話を承わったわけであります。そこで過年度災害の件についてお伺いするのでありますが、これは私、建設委員会の調査室の方からとった資料でありますけれども、昭和二十八年度におきまして上水道災害が八十カ所で一億一千八百九十九万七千円というような数字になっております。昭和二十九年度が二十一カ所で五億五千三百万円、それから昭和三十年度が十七カ所で千百三十五万七千円というような数字が出て、これに対してはいずれも二分の一の災害復旧補助を与えておる、こういうように報告になっておるのでありますが、それは事実かどうか。それからその後三十一年においては災害はないようでありますけれども、今までとってこられた慣例についてお伺いいたしたい、かように考えるわけであります。

椎名惠三厚生事務官

○椎名説明員 従来災害復旧については厚生省といたしまして実績がございます。大蔵省の方といたしましてもその実績を尊重いたして今後やっていく、かような話し合いがこの前からできております。ところが、この実績について、従来二十九年まで上水道は補助金があったのでございますが、三十年以降五千人以上の上水道につきましては起債でやっていく、補助金は打ち切る、かような措置がとられまして、現在簡易水道のみ補助金が残っておるのであります。従いまして、その後上水道はすべて起債をもって建設いたして参っておる次第でございます。さような点で、簡易水道の復旧については予算措置等もとられておるのでございますが、上水道については今後の問題で、予算措置等、これから折衝いたします。なお二十八年以降上水道は二分の一、下水道は三分の二、簡易水道は二分の一というように特別に補助率を高くして災害復旧に支障のないように、残余の負担は起債をもってまかなっておる。その額についてただいま資料を持ち合せてございませんが、支障のないように、自己資金については災害起債を自治庁並びに大蔵省の方から認めてもらっております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 ただいま中間くらいに、上水道に対しては補助がない、下水道に対しては補助をするというような御説明があったのでありますが、それは新設の場合ですか、それとも災害復旧に対する国庫補助ですか、その点はっきりさしておいていただきたい。

椎名惠三厚生事務官

○椎名説明員 簡易水道については新設でございます。上水道について現在補助の制度はございませんが、災害の場合には被害額等を勘案いたしまして、その都度予算措置をもって補助をいたしたい、かような考えでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 これは法律で制定しないとしましても、大蔵省なんかと折衝し、覚書みたいなものでもいいのですが、一定した方針を決定しておいていただくと、被害地も目安がついていいのではないかと思うわけです。これは前の五号台風の関係で被害地区から出ておりますので、いろいろほかの災害にも関連したのであります。大体建設省並びに農林省関係ははっきりした法律があるから、目安と申しますか、予定がつくのでありますけれども、水道関係には災害に対する単独法がないというような関係で、目安がつかずに非常に困っておるわけであります。そこで大蔵省へお伺いいたしたいのであります。今の質疑応答によって、大体のアウト・ラインの御認識は得られたと思うのでありますけれども、旧来、昭和二十八、二十九、三十年度におきましては、上水道の災害復旧に対しまして二分の一程度の災害復旧補助をいたしておったわけであります。また本年度におきましては、五号台風における飯田市、それから諫早、長崎なんかでも、相当上水道の災害があったように聞いておるのであります。また、ただいま厚生省の方の説明によれば、そういうような旧来からの慣習と申しますか、方法でもって、大蔵省の方へ折衝する準備をいたしておる、こういうような答弁であります。従いまして大蔵省としては、これに対してどういう御方針と申しますか、お考えを持っておるか、この点、お伺いいたしたいと存じます。

松永勇大蔵事務官(主計官)

○松永説明員 実は私、厚生省担当の主計官じゃございませんので、正確なことは厚生省担当の主計官の方にもまた連絡いたしましてお答えいたしたいと思いますが、まず私の知っている範囲内で御答弁申し上げます。法律と予算措置という、補助についての二つの分け方がございます。御承知のように、建設省関係は大体法律になっているのか多うございます。しかし法律がなければ補助ができないわけではございませんので、その他予算補助というのがたくさんございます。従来、むしろ予算補助が原則であった。特に公共土木とか農林水産施設というような重要なものについて立法ができたということになっておりまして、予算補助でも十分やっていけます。また弾力的な運用ができるわけでございます。今回の、飯田市でございましたかの災害のものについて、どの程度の災害復旧を補助するかどうかということは、これは厚生省と十分検討しました上で、必要に応じて本年度の予備費でもって措置するということになろうと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そうしますと、松永主計官では、どうも厚生省関係のことはここではっきりした見通しについて御答弁できぬ、こういうお話なんですね。

松永勇大蔵事務官(主計官)

○松永説明員 さようでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 それでは、あとでまたお帰りになってから担当の主計官とお打合せの上、何分の御回答をお願いしたいと思います。  そこで自治庁にお伺いいたすのでありますけれども、ただいま私が申しましたように、昭和二十八、二十九、三十年におきましては、上水道災害復旧に対しては二分の一補助が出ておったわけであります。そこで、おそらくこの慣例を破ることはできないと思いますし、また厚生省の方針としてもそういう方針のようでありますし、また松永主計官としても、厚生省と折衝してというふうなお話で、おそらく結果はこういうことになると思うのであります。  そこで、二分の一補助になると、二分の一が地元負担になるわけでありますが、これは旧来から全額起債を認めておったと聞いておりますが、この全額起債の場合において、基準財政需要額に見積って平衡交付金の対象としておるかどうか、今後のお取扱いはどうか、この点、お伺いしたいと思います。

小野寺昇総理府事務官

○小野寺説明員 ただいま御質問の、水道の災害で地方負担分がある、その地方負担分に対して起債を認めた場合に、交付税でいう基準財政需要に入るかどうか、こういう御質問だと思います。公共災害の場合は、その償還費につきまして、九五%程度公債費として財政需要に見積っております。それから単独災の場合は特別交付税のワクで従来二八・九%、約二九%償還費を見ておったわけです。今後の見通しといたしましては、普通交付税で見ております公債費の財政需要については従来と同じことですが、特別交付税について見る場合の二九%、これをウェートを上げていきたい、こういう考え方で検討を進めておるようであります。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そこで、同じ上水道の起債の場合におきましても、災害復旧の場合と増設もしくは新設の場合とは、やはり起債に対する自治庁の方針が違うのじゃないかと思うのです。それで、これは私の考えとしては、災害に対してはもちろん基準財政需要額へ加算して平衡交付金の対象にすべきものだ、こういうように考えるんですが、しかし新設の場合におきましては、これは特別会計でいく事業でありますから、そこに若干の疑問があるのじゃないか、こういうような考え方で、この水道に対して、災害復旧の場合と新設の場合の起債は認めるのか認めないのか、認めるとしたら、どの程度認めるのか、その認めた起債は交付金の対象にするのかせぬのか、この三点について一つはっきりした自治庁の御見解を承わりたい。

小野寺昇総理府事務官

○小野寺説明員 災害の地方債の認め方、それから新設水道についての起債の認め方が違うのではないか、こういう御質問でございますが、全くその通りでございます。いわゆる新設の場合は新規、増設の場合は拡張と申しておりますが、この場合は厚生省の新設の事業認可、あるいは計画の事業認可がございますれば、私どもの方といたしましては緊急度を考える、それから水道を布設した場合に、その償還が企業内部でできるかどうかということを検討する。そういうように事業認可がきまりますれば、新規水道を認めるかどうかという一つの審査基準を設けまして、その基準に当てはめ、しかもその地方債の新規のワクがございますが、そのワク等を勘案して考える、こういうことになります。  さてその認めた場合に、その償還費である地方負担の経費が交付税の中で見てもらえるかどうか、こういう問題でございますが、これは御承知のように、水道については、簡易水道は別といたしまして、上水道については企業採算を考えておりますので、これを交付税で見るということは考えておりません。それから災害の場合でございますが、これは先ほど申し上げましたように公共災害の場合については普通交付税の公債費の中で考える。単独災害の場合は特別交付税の中でやはり償還費を三〇%程度従来考えておる、こういうことになっております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 ちょっとくどいようですが、しかし先ほどの質疑応答からもわかりますように、千五百万とか二千万という水道災害があった、それに対して二分の一の国庫補助がついたという場合において、あとの二分の一の起債を認める、そうした場合にはこの起債は、先ほどから申し上げるように、平衡交付金の対象になる、こういうように了承してよろしいのですか。

小野寺昇総理府事務官

○小野寺説明員 地元負担について起債を認めたという場合には、償還しなければなりませんが、償還する場合、元利償還として、単独の場合ですと三〇%財政需要として考えていく、こういうことになります。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そこで、今言う単独という意味がよくわかないのですが、結局単独災害というのは、一般の建設省関係の公共土木施設の国庫負担並びに農林省関係の災害補助の臨時措置法なんかからいいますと、単独というのは、いわゆる国庫補助のないところの、適用を除外されている十万円以下の災害を単独災害と通常いっているんです。今私の質問したのは、数百万、数千万で半分国庫補助がついた、あとの半額について質問しておるわけだから、これに対して今あなたは単独ということを言われたのですが、水道に対して単独というその言葉は、どういうところから出るわけですか。

小野寺昇総理府事務官

○小野寺説明員 これは水道の災害復旧に対する厚生省の補助金の見方でございます。これが、零細な災害については、たとえ十万以上であっても認めぬ場合がある、従って補助金がつかぬ場合がございます。十一万円以上であって、しかもつかぬ場合がある、そういう場合には単独になるわけであります。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 わかりました。  次に下水道の関係について建設省の方へお伺いいたしますが、下水道の新設についての補助なんかに対する方針はどうであるか。それから、これは災害復旧にも関連いたしますので、災害復旧の場合は、現在どういう方針で取り扱っておられるか。それからさらに、これは昨年度から建設省所管になりましたので、公共施設の方の災害復旧の国庫負担法にこれも入れるべきだと思うのですが、そういうお考えはないかどうか。時間がありませんので幾つも一緒に質問いたしますが、今の三点についてお答えをいただきたい。

町田稔建設事務官(計画局長)

○町田説明員 下水道の補助の関係の事務は、御承知のように本年度から建設省に移ったわけでございます。それで従来の補助方法を踏襲いたしまして、現在下水道に関しましては三分の一の新設に要する費用の補助をいたしております。補助率が三分の一であります。  それから災害復旧に対しましては、建設省に移管になりまして、まだその例がございませんが、先刻も厚生省の方から御答弁申し上げましたように、予算補助で従来は三分の二の復旧費の補助があったということでございます。  なお国庫負担法の中に、下水道の復旧についても規定を設けるべきかどうかにつきましては、今後十分検討をいたして参りたい、こういうように考えております。現在のところ、まだ方針を決定いたしておりません。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そこで、さらに厚生省に対して質問をいたしたいと思います。結局、下水道の場合において、昨年度下水道、上水道を建設省、厚生省にそれぞれ所管をはっきりしたわけでありますが、この下水道の終末処理は、新しい法律で厚生省の所管である、こういうように聞いておりますが、その所管区域は下水道に対してどうなっておるか、それを一つお伺いしたい。

椎名惠三厚生事務官

○椎名説明員 現在厚生省の設置法で規定されておるものは、下水道の終末処理に関する部分だけでございます。終末処理と申しますのは、東京都で現在三河島あるいは芝浦というようにございますが、現在終末処理場を持っておる都市はごく少いのでありまして、六カ所程度でございます。その他はまだ活用できないので、現在建設中でございますが、合せて二十カ所程度の都市でございます。厚生省に置かれているのは、いわゆる終末処理場に関する部分のみでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 それから重ねてお伺いしますが、災害復旧の件については、ただいま大蔵省並びに自治庁からも御答弁があってわかったのですが、この下水道の補助、上水道の新設の方の補助はないが、大体全額起債を認める、こういうふうにお伺いいたしたのでありますが、現在も厚生省ではそういう御方針でおられるわけでございますか。

椎名惠三厚生事務官

○椎名説明員 上水道については、現在建設に要するところの若干の事務費あるいは芝生の植え付け、あるいは植木の植え込み、そういうものは一応起債の対象外としておりますが、その他については必要なものは自治庁を通じて起債でお願いしているというのが現状でございます。なお下水については一般単独事業として、その自己資金の一部について起債が認められているというのが現状でございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 それから、こういう問題が起きたから、法律を調べてみると、下水道関係の法律は明治三十三年だかのを現在使っているわけです。あれを見ると今と実情が違うし、ことに所管がはっきりしておらぬから明確を欠いているように思うのですが、あれを立案する御意思はありますか。現在どういうお考えをお持ちですか。

町田稔建設事務官(計画局長)

○町田説明員 下水道関係の法律は、ただいま御指摘の通り、大へん古い法律でございますので、これをぜひ新しい事情に対応するように改正をいたしたいと目下検討中でございます。次の通常国会になるべく提案をいたすようにと思いまして準備をいたしております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 もう一つ。大蔵省へ希望しておくわけですが、水道は道路以上に緊急欠くべからざるものでありまして、自分の町のことを申すのは恐縮ですが、飯田市もわずか一週間ぐらい水道のとまったために、三百数十名の集団赤痢が発生して、あとで大騒ぎをしたわけです。従ってこれらの災害復旧に対する御方針を厚生省とお打ち合せして、大体の目安のつくような方針を樹立しておいていただきたい、こういうようにお願いいたします。別に答弁は要りませんけれども、希望いたしておくわけであります。以上で私の質問を終ります。     —————————————

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 この際お諮りいたします。住宅に関する件につきまして、日本住宅公団理事渋江操一君及び吉田安三郎君の両名を参考人に指名し本日の委員会に出頭を求め、意見を聴取するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  それでは質疑に入ります。島上善五郎君。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 実は大臣に本年度の建設省関係の重要施策のうちの住宅問題について伺いたかったのでありますが、大臣はお帰りになりましたから、この点は一つ次官にお伺いいたします。  先ほど次官が御説明になりました本年度の建設省関係の重要施策のうちの住宅対策でありますが、本年度は五十万戸であったものを、昭和三十二年度におきましては、民間自力建設を合せて五十三万戸にする、まことにけっこうでありますが、しかし単に戸数をふやしただけでは、必ずしも住宅をほんとうに求めておる勤労者の要望にこたえることにはならぬと思います。そこでこの文書では、先ほどの御説明では、はなはだあいまいな点がありますので、この際明確にしておきたいのですが、先ほど同僚議員の質問に対して、大臣のお答えによりますれば、低額所得者の住宅が最も急務であるということについては同感であるというふうにお答えになっております。先ほどの次官の御説明によりますと、「政府計画住宅について戸数の増加をはかるほか、住宅の規模を引き上げ、不燃高層率を高めるとともに、家賃の適正化をはかりたいと考えております」、そして続いて「特に低額所得者については、公営住宅の家賃減免の措置を講じ、また勤労者、特に中小企業従事者のために公営住宅、産業労働者住宅及び公団住宅の供給について改善をはかりたいと存じます」、こう言っております。こういうふうに続いておりますと文章はあいまいでありますが、たとえば、この家賃の適正化ということについても、家賃を引き上げることではなくて、家賃をなるべくなら引き下げたい、こういう意味が含まれておるものと、私は私なりに解釈しておるわけであります。なぜなれば、そのあとに、家賃の適正化をはかりたい、特に云々と言って、低額所得者については減免の措置を講じ、公営住宅、産業労働者住宅及び公団住宅の供給についても改善をはかりたい、こう言っておりますから。そこで今私が質問する問題の公団住宅でありますが、この前にも私が質問しましたが、公団住宅は固定資産税の問題と関連して家賃が値上りの傾向にある。これは否定のできない事実であります。また入居資格についても、最近、たしか木月だと思いますが、月収二万五千円を三万二千円に引き上げている。これはやはり家賃の値上とにらみ合せた一種の処置であろう、こう思われる。そこで、この御説明の家賃の適正化という意味は、家賃をできるだけ引き下げたい、勤労者及び低額所得者の便宜を考えて、家賃をできるだけ引き下げたい、こういう意味か、それから公営住宅、産業労働者住宅及び公団住宅の供給については改善をはかりたい、こういうことも、内容の質的な改善の意味もありましょうけれども、家賃の面についても改善をはかりたい、こういう意味を含んでおるかどうか、こういうことと、もし含んでおるといたしましたならば、この実際の措置をどういうふうにされるかという、たとえば資金構成を改善して家賃の低減をはかるとかいったような実際の具体的な措置を何らかお考えになっておるかどうか、伺いたいと思います。

堀内一雄自由民主党建設政務次官

○堀内説明員 島上委員にお答えいたします。ただいま御資疑の問題は、おそらく具体的の数字をあげて申し上げなければ御納得のいかないような点もあるかと存ずるのです。ことに島上委員の御経歴から申して、そういうふうに私存じますので、この点につきましては具体的の数字を取り扱っております局長の方からお答えさせていただきたいと存じますから、よろしくお願いいたします。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田説明員 ただいま御指摘のございました家賃の適正化という問題でございますが、この家賃の適正化は来年度予算に関連した問題でございます。従いまして、現在問題になっております固定資産に関連いたしましたことは、その言葉の中には含まっていないわけでございます。御承知の通り住宅公団の管理いたしております。現在建っております住宅の資金コストは四分一厘でございます。これは三十二年度までのところは、これでしんぼうせざるを得ない。よかったと申しますと、あるいは誤解を起すかと存じますが、これでしんぼうせざるを得ないかと存じますが、三十三年度になりますと建設費も若干値上りいたしますし、また宅地も相当値上りいたしておりますので、三十三年度以降建設いたします住宅につきまして、四分一厘の金利コストでは、固定資産を抜きました裸家賃におきましても、相当の値上りになって参るわけであります。そういったことを防ぎますために、賃貸住宅に対する公団の資金コストを、現在の四分一厘から、できれば三分二厘五毛まで下げたい、こういうことで三十三年度の予算におきましては、公団に対する政府出資及び資金運用部の融資につきまして要求をいたしておるわけであります。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 たしか前回か前々回の大臣の御答弁にも、今のように数字ははっきりしませんでしたが、そういう資金構成を改善して家賃の引き下げをはかりたいという意味の御答弁がありました。それはまことにけっこうなんで、私どもとしては金利のかからない政府資金をなるべくたくさん出して金利を引き下げてもらいたい、こう思うわけですが、どうも日本住宅公団の出発当時のことを申しますと若干古くなりますけれども、出発当時はたしか金利にしてもっと、二分程度のものを予定しておったのではないかと私は記憶しております。また国会の答弁でも、家賃についてはこういう答弁をしております。家賃は四千円程度で十分やっていけるつもりだ、率直にいえば三千円台と言いたいところであるが、あとでうそをついたと言われても困るので、安全率を見て四千円と言っている、こういう答弁を参議院において大臣がしております。こういった出発当時から見ますと、非常に家賃が上っている。金利も上っている。その原因は一体どこにあるのか。たしか昭和三十一年度の政府出資金が急に減ったために、これも大きな原因になっておると聞いておりますが、その原因がどこにあるかということを聞きませんと、今後、今申されましたような措置がどういうことによって実際にとられるかという見当がつかぬわけです。それを一つ参考までに伺っておきたいと思います。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田説明員 住宅公団ができました当初におきまして、そういう意図をもって政府も公団も努力する気であったことは、ただいまお読み上げになりました速記録によりましても明確でございますので、それを今否定するわけでもございません。その後の大蔵省との予算折衝におきまして、できるだけ資金コストを下げたいという意図で努力いたしたのでございますが、御承知の通りここ数年は四分一厘という金利になっているわけでございます。四分一厘という資金コストは、あるいは高いという印象をお持ちになるかと存じますけれども、市中の金利、また住宅金融公庫が個人で家を建てますのに貸しております金利が五分五厘でございますので、それに比較いたしますれば、政府といたしましても相当努力いたしまして四分一厘という低い水準に、ただいままでとにかく維持してくることができたものと思っておるわけでございます。当初予定しました通りの、ただいまのお話のような三千円台というような家賃を維持することができなかったことは、まことに遺憾でございますが、今後の上昇だけは少くとも食いとめたい、そのためには決定的な方法といたしましては、資金コストを現在の四分一厘よりもっと引き下げる以外には手はない、かように考えておるわけでございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 そういたしますと、建設省が現在考えておりますように、来年度予算に際して政府の資金を得ることができて、三分二厘五毛に金利を引き下げることができたとしますと、それは現在の家賃を引き下げることにはならないで、現在以上に上昇することをかろうじて押えるという程度のことしか期待できないわけですか。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田説明員 家賃はそれぞれの団地における用地費及び建設費によって団地ごとに決定いたすわけでございますので、個々についてでないと的確な御答弁は申し上げることはできないわけでございますが、私ども現在の予算の積算において考えておりますところによりますと、家賃を現在の水準に維持するためには、三十三年度以降三分二厘五毛の資金コストにしなければならない、こういう考え方で予算を大蔵省に要求いたしておるわけでございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 いずれ、だんだんと公団の当局者に伺いたいと思いますが、現在の住宅公団の経営とか経理内容を改善することによって、さらに若干の値下げを可能とするという道を見出すことができるのじゃないかという気がするのです。そういう点に対してはどのようにお考えになっておりますか。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田説明員 公営住宅の場合でも同様でございますが、公団住宅におきましては特に自立採算という点に重点をおいて、その方針のもとに家賃の構成が考えられておるわけでございます。従いまして、新築いたしました当初におきましては要らない金でございましても、数年後の修繕等は当然積み立てを要する問題でございます。また管理費も、あれだけの戸数でございますから、相当要るわけでありまして、こういった管理費、修繕費の積み立て、あるいは火災の場合の損失を自己保険いたしますためには相当の積み立てを要するわけでございまして、そういった積み立てを要する各種の要素につきまして十分検討いたしまして、これが最低限であるということで、一応の基準をもちまして現在の家賃をきめておるわけでございます。今直ちにこれを再検討すればどれだけの財源が浮いてくるかということについては、まだそういう検討もいたしてはおりませんし、またこの計算は、将来長きにわたって公団に対する政府の負担をかけることのないようにという、長い目で見なければならぬ問題でございますので、そう早急にこの問題の検討をすることはできない問題ではなかろうかと存じておるわけでございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 それから建設省にもう一つ伺っておきたいのですが、先ほど私が指摘しました、たしか木月だと思いますが、これは月収二万五千円の入居資格を三万二千円と一挙に七千円引き上げる。これは最近の勤務者の賃金が急角度をもって上っておるというなら話はわかりますけれども、必ずしもそうではない。政府は七千円どころではない、千円を上げるのにも大へんな騒ぎだ。これでは住宅に実際困っておる勤労者を対象として出発した住宅公団の趣旨にそむきはしないか。これは建設省は当然お認めになったと思いますが、お認めになったとすれば、その理由、根拠を伺いたい。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田説明員 住宅公団に対しまする建設省の監督態度に関する問題でございますが、公団という特殊な人格を設け、これに運営をまかせます以上は、家賃の決定その他につきましても、政府がそうこまかく干渉することは避けておるわけでございます。住吉の今度の団地の家賃につきましても、公団独自の判断によって決定いたしたわけでございます。ただしその公団が家賃をきめます際におきましては、問題になっておりまする固定資産税の問題紛糾をおそれまして、固定資産税を別に提起することを避けました関係上、若干家賃の値上げになっておりますことは事実でございます。こういうふうに固定資産税を込めた家賃で、はっきりと将来の紛糾を残したくないという方針につきましては、私どもも了承いたしております。家賃のきめ方それ自体につきましては、公団総裁の判断にまかせるのが妥当だと思っておりますので、個々の団地の家賃のきめ方については、ただいまのところ干渉あるいは個々の監督をする考えは持っていないわけでございます。ただいま御指摘のございました住吉団地の入居資格につきましは、これも独自の判断で、あの家賃でございますれば、三万二千円以上の月収の方でなければ、あとで苦労が起きはしないかという判断をいたしまして、ああいうふうな措置をとったかと思うのでございます。建設省といたしまして、公団の入居資格を二万五千円から三万二千円に全般的に引き上げることを認めたわけではないのでございまして、安く仕上りました団地につきましては、あるいは今後も二万五千円以上の階層の方に入居を申し込んでもらうこともあろうかと存じておるわけでございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 二万五千円から三万二千円に引き上げたということは、これは勤労者にとっては、今までもそうであったけれども、一そう公団住宅に入る道が狭くなったことを意味しておると思います。私は、この固定資産税を今問題が起っておるから、これからのところは問題を未然に防止するために、最初から家賃に含めようというふうに公団が考えた気持は、わからないことはない。わからないことはないけれども、その程度のことであるならば、今までの答弁によりますれば、他の団地の際にも、固定資産税がかかってくるのはもらおう、こういうことを公団では当初から考えておったわけですから、実質的には変らぬわけです。二万五千円から三万二千円まで、七千円も一挙に入居基準の月収を引き上げなければならぬという理由は、特に私どもは発見することができない。家賃から逆算していきまして、一体そういう数字がどこから出てくるかということになると思うのです。家賃が多少上った。それから数字的に逆算していくと、どうしてもそういう数字になるということなら別です。これは建設省が認めなければ、勝手に基準を引き上げたりすることはできないはずですが、建設省がお認めになったはずだということで、入居資格の基準を勝手に引き上げることができますか。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田説明員 先ほども申しましたように、公団の運営につきましては総裁の自主的措置にまかしておりまして、どういった事項については建設省の監督事項にする、こういうはっきりした取りきめをする段階にまでまだ立ち至っておらないのであります。住吉の団地につきまして三万二千円に上げたことにつきましては、建設省が了解を与えるということはございません。しかしながら、三万二千円に上げざるを得なかったような気持につきましては、若干わからぬわけでもない次第でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 私は建設省がそういう考えでおると、今後もどんどん上げていくことが心配されるのです。どう考えたって、三万二千円に上げなければならぬという数字的な根拠はないと思うのです。もしよその団地でも今後三万二千円に上げる、さらに三万五千円に引き上げるということになったら、住宅公団法の精神にも反すると思う。日本住宅公団が出発した当初の目的にも反すると思う。そういうことをもし住宅公団が、自主的自主的といって基準をどんどん引き上げていき、もう勤労者に手の届かないようになってしまっても、建設省は知らぬ顔をしているわけにもいかぬと思う。今後のことに対しては、やはり厳重に監督、指導してもらわなければならぬと思う。その点について建設省のお考えを伺っておきたいと思います。

植田俊雄建設事務官(住宅局長)

○植田説明員 ただいまのお説、ごもっともでございまして、私どもの監督なり指導が十分でありませんために、公団が基準を三万二千円あるいはさらに三万五千円にいたしまして、勤労者の手の届かないような所得でないと入れないということにいたしますことは、公団法の趣旨にも反するわけでございます。この入居基準をどの点にきめるかという問題は非常に微妙な、またむずかしい問題でございますので、これを機縁といたしまして、公団当局ともよく話し合いをしていきたいと存じております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 それでは住宅公団の方に伺いますが、先月当委員会で伺った際にも、固定資産税に関連する紛争といいますか、それが影響しまして、家賃の納入状況がよくなかった、異常な状態であったということを伺いましたが、その当時総裁は大へん御自信を持って、近くこれは急速に改善される見通しである、こういうことを御答弁されましたが、それから一カ月、どのように改善されましたか、現状を数字をもって御説明を願いたい。

渋江操一日本住宅公団理事

○渋江参考人 家賃の納入状況でございますが、前回ないし前々回の委員会で、たびたびお話申し上げたように記憶いたしておりますが、前回以来の状況を数字的に申し上げますと、現在不払いと申しますが、私の方に受け取っておりません家賃が六、七、八と三カ月分にわたっております。この内訳は、この前も御説明いたしたかと思いますけれども、現在固定資産税に関連いたしまして対象になっております公団住宅の戸数が一万五千八百二十六戸、約一万六千戸になっておるわけでございまして、その一万六千戸分につきまして六、七、八と三カ月分の未納状況がある、こういうことでございます。  数学的に申し上げますと、六月分につきまして現在受領いたしております戸数は、一万四百十戸でございます。全戸数に対しまして六五・七%というように相なっております。この内訳についてお断わりいたしておかなければならないのですが、全部受領と一部受領というふうに二通りに分れております。全部受領というのは、固定資産税を含めた、いわゆる公団住宅の税抜きの家賃、それから共益費、それから公租公課相当額、これを全額払い込んでいただいておるわけであります。これが七千三百九十三戸、パーセンテージにして全戸数の四六・七%。それから一部受領と申しますのは、先ほど申し上げました払っていただく額の中から、公租公課相当分だけのけまして、いわゆる狭義の家賃と共益費だけを納入してもらっておるという戸数が、三千十七戸、パーセンテージにいたしまして全戸数に対して一九%、合せまして六五・七%。それから七月分の家賃でございますが、七月分は同様に受領戸数全体といたしましては九千八百九十六戸、パーセンテージにいたしまして六二・一%。内訳は全部受領に相当いたしますものが六千九百九十八戸、四三・九%、それから一部受領の分が二千八百九十八戸、一八・二%。合せまして六二・一という数字になっております。八月分は現在のところ、全体としまして受領戸数は八千四百六十四戸、パーセンテージにして五三・一%、そのうち全部受領分が五千七百三十五戸、三六%、一部受領分が二千七百二十九戸、一七・一%。ただここでお断わりいたしておきたいと思いますことは、六月分の家賃の現在までの状況は、相当時間がかかっております。七月分については、それより時間がややかかっておりません。八月分は収納日に入りましてからまだ幾らも時間がたっていない、こういうことが考えられます。そういった点から、六月分家賃収納の比率に達する同様の時間をかけて考えた場合のことを想定いたしますと、私どもの考えといたしましては、収納比率は必ずしも落ちておるのではなく、むしろこれは多少なりとも改善されておるというふうに考えておるような次第でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 どうも、これをもって多少なりとも改善されておるとおっしゃるのですから、ずいぶんのんきな話だと思う。それはもちろん時間的な関係もあるにしましても、ちゃんと数字が示しておるように、悪くなっておる。それは今後さらにまた一カ月、二カ月かければ、前の分からだんだん改善されていく、こうおっしゃるかもしれませんけれども、それは時間をかけますれば六月分の率がもう少しよくなる、さらにまた七月もよくなるというふうになるかもしれぬ。なるかもしれませんけれども、こういうような数字は非常に悪い状態であるということは、これは明白なんです。こういうことは時をかければだんだん改善されていくからいいというような、そういうのんきなものではないと思う。それで私は、この前の委員会でもそう言いましたが、ただ固定資産税相当分を納めろ納めろという、その公団側の一方的な説得と申しますか、一方的な方針だけでは、こういう状態が正常な状態に改善されるとはどうしても思えない。正常な状態に改善しなかったら、これは公団の経営にとっては大へんなことだと思う。正常な状態に改善するということ、それには私は、入居者の諸君が団体を作って、団体的な行動をしているわけですから、その団体の代表者と話し合いをして解決するということが大前提だと思うのです。その心がまえがなければ、正常な状態に改善するということは至難だと思う。しかるに、最近またまた新聞の報道するところによりますれば、いわゆる悪質入居者というレッテルを張って、ねらい撃ちに何か強制執行をかけるといったようなことを考えているようですが、一体公団は入居者の団体の代表者と話し合いをして正常な状態に改善するというお考えがあるのかどうか、また今言った、ねらい撃ちに悪質者と称して強制退居をさせようとしておる人々は、この入居者の固定資産税問題に関して運動しておる、その中心的な人物を考えておるのかどうかということを一つ伺いたい。

渋江操一日本住宅公団理事

○渋江参考人 この問題につきましては、前回、前々回の委員会でも公団の立場を御説明したと思いますが、固定資産税のこの問題をきっかけにいたしまして、現在入居者と公団との間に起っておる係争は正常な状態ではない、御指摘の通りであります。私どもといたしましては、ぜひ住宅公団と入居者との関係を正常な状態に引き戻したい、こういう前提で、できるだけの努力をしたいというふうに考えておるのであります。今日まで説得工作を続けてきたことは、なまぬるいというおしかりを受けるかもしれませんけれども、しかし御指摘になりますように、契約上の条項をただたてにとるとか、あるいは訴訟問題で問題のけりをつけるとかいうことが本質でないという意味合いにおきまして、説得工作をできるだけ続けて、公団の現在固定資産税をどうしてかけなければならないか、公租公課相当額を負担してもらわなければならないかということを、るるお話申し上げているつもりであります。そういう関係におきまして今日まで説得の時間をかけておるようなわけです。この考え方は、今後においてもそういう考え方で参りたいと思っております。一日も早く公団と入居者との関係が正常な状態に戻ることを私どもとしては念願して、誠心誠意当っていきたいというふうに考えておるのであります。ただしかし、公団の言うことはどうしてもわからぬ、万策をいたしましても、やはり公団について公租公課相当額の負担には応ずるわけにはいかないという立場をとられる方がもしありといたしますならば、私ども、このいわゆる公団の見解が正当であるか正当でないかということは、やはり第三者の手をわずらわして判断してもらうよりほかに方法がないのでありまして、そういう関係から、法的手段をとることはもとより望むところではございません。ございませんが、しかしそういうことも予想されないことはないというふうに判断して、いろいろ内部的には検討はいたしておりますけれども、前段申し上げましたように、公団の本旨としてはそういうことをとらずして、この問題が解決されることを実は望んでおるというわけでございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 私はなまぬるいと言っているのではないのです。公団のやり方が一方的で、挑戦的で、刺激的である。だから解決するものがかえって紛糾しておる、こう言っているのです。逆にとってもらっては困る。というのは、私がごく最近聞いた話ですが、入居者が、私どもからみればずいぶんおだやかな譲歩した態度を出したと思いますが、解決のために非常に譲歩した案を、これは入居者の代表的な意見であるかどうかという点については簡単に断定できませんけれども、こういう話を聞いておる。来年度については固定資産税免税もしくは減税になるように双方で努力しよう。そして、問題はとりあえず今年度に限定して一つ収拾をしよう。その今年度に限定して収拾しようということについては、九月の、つまり今月から公団が言うように全額払う。そうすると六、七、八というのが問題があるわけです。しかし六、七、八については、言葉が適当かどうか知りませんけれども、一応たな上げにして、これをどうするかということについては公団側と入居者と相談をしよう。これを払わぬというのではなくて、これをどういうふうに扱うかということは両方で相談しよう、こういうことでどうだ、こういう案を入居者側のある者が出した。ところがこれに対しては理事者側ははっきりした返事をしなかったが、その話があって数日後に、これは九月一日の毎日新聞に出ておりますが、はっきりした返事をしなかったが、しかし入居者側が非常に譲歩したものですから、公団側としても、それでは公団でも相談をして、大体そういったような線で一つ解決をつけようという意味の言葉であった。ところが今言ったように、九月一日の新聞には、公団は強硬方針で提訴して取り立てる、まず悪質分子に対して解約を通告する、こういう方針をきめたということが新聞で発表されている。この通りであるかどうかは今御答弁で伺いたいと思いますが、そのことのために、せっかく解決の方向に向ってずっと進んだのに、入居者側の態度が非常に硬化して、それではあの案は白紙に返すということになったことを私は聞いておる。もしそうだとするならば、これはまるで公団側が話をぶちこわしているようなものです。六、七、八をどうするかということはあとで両方の代表で話し合いをしよう、九月分から全額払おう、こういうことだったら、公団側にとってはこんなうまい話はないと思う。少くとも九月以降は公団の思う通りに解決したということになってしまう。こういう話を公団側がぶちこわしておる、こういうことになりますれば、あなたはどんなに正常な状態に改善しようといってもできないと思う。第一そういう考えでは、そういう心がまえではできないと思うが、これについてお考えを承わりたい。

渋江操一日本住宅公団理事

○渋江参考人 公団側の態度がきわめて一方的、あるいは強圧的であるというおしかりでありますが、実は九月一日の新聞で訴訟手段に訴えるという記事が出たことは、実は私どもの本意からいたしますと、まことに残念だったというふうに思っておるのです。そのことについては、私もいわゆる新聞関係その他については連絡その他の仕事を担当いたしております責任上、実はその前に新聞から、こういう事実が考えられて、あるいはそういうことが地方の方面からニュースとして入ってきているのだけれどもどうだ、こういうふうに私のところに、むしろ意見を確かめに来られたわけでありますが、私は率直に言いまして、今そういうことを考えておる段階ではないのだ、入居者の方からも話し合いしたいということを言っているときに、片方公団がその話合いをしたい相手に対して、そういう態度でもって臨むということは考えられないじゃないですかということを、るる私自身話をいたしましたし、同様のことはその公団の担当部長も話をしておるのでありますが、しかし第三者、と言ってははなはだ申しわけないわけでありますが、むしろ紛争、事をかまえられると言いますか、ある意味ではそういう事あれかしとて考えておる立場からしますと、それではまことにおもしろくないのでありまして、むしろそういうことではなしに、公団が何か事をかまえるような方向にあるかのごとき印象を与えることの方が、むしろ望ましいというような気持もあってかどうか知りませんが、新聞に現われた結果はそういう結果になって現われておる。これはしかし新聞に出された以上は、私どもとしましてはそれに対する釈明をせざるを得ない。釈明というよりほかに方法がないのであります。しかしわれわれの釈明よりも新聞記事の方が、むしろ入居者の方あるいは一般に与える印象というものは強い。これはまことに私どもとしては残念だったと思うのでありますが、しかし私どもの真意はこの委員会で申し上げたごとく、またただいま申し上げた通りの事情でございますので、その点は御了承いただきたいというふうに考えておるのであります。なお入居者側との話し合いでいろいろ出ました御意見に対しましては、吉田理事からお話し申し上げます。

吉田安三郎日本住宅公団理事

○吉田参考人 島上委員からお話のございました、入居者の代表の方々とお会いいたしましたのが私でございまして、八月のたしか二十三日ごろから数回にわたってお会いいたしたのでございます。お話にございましたような趣旨の話が、妥結というふうなものではございませんので、代表の方々も代行委員制になったとか聞いておりますが、三回にわたってお話し合いをいたしました経過のあらましを申し上げますと、できるだけこういう事柄は両方にとっても望ましくないことである、正常化するように努力をしたいというお話でございます。われわれもまた、かねてからこの議場でも申している通り、できるだけ早く解決いたしたいと思っておりますので、快くお会いいたしたわけであります。そして、るる話し合いをしましたが、なかなか問題点が一致しないのであります。来られました方々も、全部の全権を委任されてきたわけではない。どういう方法でやれば各団地の人が納得するか、公団としても誠意ある態度でやってくれというお話でございまして、るる話し合いをいたしました。われわれとすれば将来の問題については誠意をもって、できるだけ負担の軽減には努力しよう、あるいは先ほど御論議がありました経営の合理化、あるいは内容の改善等につきましても、これはかすに相当の時日と実績をもってしないとだめである、その方向に努力はしよう、公租公課の減額その他につきましても、いろいろ国の法制その他がございますが、われわれもできるだけそういう方向に努力をしよう、公団の誠意には、かすに時日をもってしてもらわなくてはわからない。しかしながら家賃等、今きめたものの減額その他のことは、現在の家賃等の算出方法からいって、その点だけは遺憾ながら引き下れないというような点を三回にわたって論議いたしまして、一応それでは九月以降は全額払う、六、七、八月の三カ月分の公租公課等については、それの支払い方法といいますか、徴収方法といいますか、そういうことについては後刻十分代表の方と協議をした上で決定をしよう、といって、これを何年も延ばされては困りますから、一応三月一ぱいまでには必ずそういう話し合いをしようという線でどうだろうかというお話があったのであります。しかしながらこれは各団地の全体の代表でもないので、そういうような話し合いなら、われわれ代行委員も帰って各団地の代表者にそういう点で話してみよう、しかしこれは強硬な分子もいるから、非常に困難だろうというように言われたのであります。私、そういう点なら公団の方としても話す用意があるからということは言っておいたわけであります。ところがどうしたことでありましょうか、先ほど申されましたような毎日新聞の記事が載ったので、そこで第四回目の話し合いをしようといっておった日になりますると、来られた方が前の方ではなくて、違う方がお見えになったわけであります。六、七名来られたように記憶いたしております。そうしてまず言われますことは、一応今までの交渉委員は、われわれの代表としてそういう事柄を約束することをわれわれが承認した内容ではないから、今までの全部の約束は取り消すから、こういうお話でありました。はなはだ遺憾には存じましたが、そういうようなお話でございますので、私も了承いたしたわけであります。さてきょう来た連中と話し合いをするか、こういうお話でございましたので、また話を進めましょうということで、二時間ばかりお話し合いをしたわけであります。すると重ねて、今申されたように、今までの交渉経過は一切御破算だということになりまして、お尋ねの第一点は、今渋江理事から言われましたように、毎日新聞の記事云々の問題が出たわけであります。私その問題に関係しては全然存じ上げてもおりませんし、公団の態度はこれこれしかじかだということで申し上げました。まずその問題は一応御了解願ったように思いました。その後の交渉をどうするかということで話し合いをしておるわけであります。この前申されましたような線でございますれば、私も内部の方として十分話し合いをしていくことにやぶさかではありませんが、ただいま会われました方の申されておる内容では、まだ相当検討しなくてはならない内容になっております。そういうような経過をたどりまして、前後三回にわたる当初の代行委員と申された方々との交渉は、そういう経過で御破算になりました。その後も、去る二十八日でございましたか、やりまして、あさっての十一日にもう一度お会いするということに相なっております。以上が経過でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 いきさつはただいまの御答弁でわかりましたが、しかしただいまの御答弁でも察知できまするように、公団側があくまでも公団側の最初の方針というか、態度というか、それを貫き通そう、一歩も譲らぬというようなお考えがやはり強いように受け取れます。それではなかなか事態の円満解決は困難ではないか。たとえば公団が固定資産税をかけて入居者に出させるといっても、必ずしも全額を出させておるわけじゃないのです。四月、五月はとらない、こういう措置をおとりになる、それからその後にしましても、堺市の場合ですが、たしか税額は六百円平均ぐらい令書で来ておるはずなんです。それを四百三十円に減額しておる、こういうのもありまするし、またこれは六月、七月分を、あなたの方から言わしむれば、説得が効を奏して話がついたということでしょう。一部そういうところがあるようです。そういうところは六月、七月分を実際にとっていない。そうしますと、必ずしも最初の公団の考えを貫き通すということではなくて話し合いに応ずることもまたできるのではないかと思う。話し合いをしよう、話し合いをしようと言いながら、公団側が最初の考えを少しも変えない、一歩も譲らぬ、こういうことでは話し合いにならぬ。話し合いというものは、入居者にも多少は考えてもらおう、公団もそれじゃ考えましょう、こういうことでなければ話し合いにならぬと思う。その態度が変っていないということでは、やはり私は今後の話し合いの進展に期待することはできない。それから今言った堺市の場合と、六月、七月分の固定資産税を事実上——口では免除したとは言わぬでしょう、しかし事実上免除して、八月分から完納の領収書を出しているところが多少あります。私はこれは事実を知っております。そうだとすると、そういったような解決方法も可能じゃないかと思うが、いかがですか。

吉田安三郎日本住宅公団理事

○吉田参考人 四月、五月分につきましては、この前にも本委員会で御答弁いたしたと存じますが、われわれ微力ながら努力をいたしまして、固定資産税の額が一応平均三百九十円ということに相なりましたのが、六月六日の自治庁の通牒によってでございます。従いまして、それ以後徴収をいたす分につきましては、六月六日に決定をいたしましたので、六月分からいただくように、中ごろを過ぎて御通知を差し上げたのでありますが、理論といたしましては、四月から徴収することも可能ではありましょう。しかしながら公団といたしましては、できるだけ皆様方の負担の軽減もはからなくちゃならないでしょうし、また固めて三カ月分をとる、あるいは十分の十二をとっていくそういうことをするのはいかがかと思いまして、正直に月々の分に割りつけたものだけを六月から徴収することにいたしたのであります。その四月、五月分についてどうするかということも、前委員会で、あるいは参議院かと存じますが、御質問がございました。やはりこういう点は所在の市町村と話し合いをしまして、後刻なお減額の措置をとっていただくか、あるいは公団内部の経理を改善するか、いろいろございます。ただ今のところは、所在の市町村にそういう公団の経緯を具申をして、四月、五月分はわれわれの方の責任で解決をいたしたい、かように考えているわけであります。  なお話し合いと申しますか、説得と申しますか、その中で申し上げていることのごく要点を一つ申し上げます。これはあとから御質問になりました二つに関連をいたしますので、申し上げるのでございますが、一応三百九十円を平均として決定をいたしたのでございますが、これは通牒のことでございますので、市町村が独自の課税権で課税をして参るわけでありますから、それが平均額より上回るような課税がきた場合には、極力公団の方で処理するように努力する。それからさらに減額をしてくれるような話がもしありとすれば、適当な時期に各団地の方と相談をして精算をするにやぶさかでない、かように申し上げて説得をして参ったのであります。従いまして、堺市の場合におっしゃいました事柄は、結局後段において申し上げました事柄に該当しておるかと存じますが、これは六月分でも、われわれの方が平均で出した額を徴収しておるように承知をいたしております。なお一部六、七については公租公課分をとらないで領収したところがあるような御発言でございましたが、公団といたしましては公租公課をお持ちにならなくとも、公租公課の分は未納といたしまして領収書を差し上げて、家賃等の一部の支払いを是認して受領いたしておるような次第でございます。従いまして、場所によりましては六、七月分を一部受領証と引きかえに公租公課を除いてお払いになったところがあるかと存じます。なおまたいろいろ話し合いの結果、所定の公租公課分をそろえてお持ちを願った団地につきましては通常の領収書、六月分家賃等領収書と申すのを差し上げておるようなわけでございまして、そのいずれかに該当するものだと考えておるような次第でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 現在、先ほど御答弁がございましたように、あなたの方からいえば一部受領ですね、すなわち固定資産税分を除いた本来の家賃と共益費を納めている者が八月でも一七・一%あるわけです。こういう者に対しては公団は、一部領収といいますか、何かそういう領収書を出しているはずです。ところが私がさっき指摘し、質問したのは、蓮根の団地と木月に一部がありますけれども、これはあなたの方からいえば説得が効を奏して話がついた、こういうところだろうと思うのです。そこに対しては六月、七月を、今まで納めなかった固定資産税分をとらないで、とらないでというのは納めないで、納めないその状態をそのままにして、ちゃんと普通の完全に受け取ったという領収書を発行しているのです。だからこれは私は六月、七月分の固定資産税分の未納を、要するに目をつぶって、八月からはちゃんとするから六月、七月は目をつぶって解決をしたという形だろうと思うのです。これは今はっきりわからなければあとで調べてもいいです。もしそういうことが可能だとするならば——私は可能だと思うのです。四月、五月分もとらぬのですから。これは、これから市町村と交渉するといっても、市町村がまけるかどうかもわかったものじゃない。そうすれば公団の経理の中でこれは処理するとおっしゃっておる。そしてまた今言った御答弁の中でも、平均を上回るような場合には公団の経理の中で何とかする、下回った場合には減額することを一つ相談しよう、こういうのですから、だからもし今御答弁になった平均を上回るような場合には、どうしたって公団の経理の中で処理しなければならぬと思うのです。現在の公団の経理の中で、あなた方の努力によってはそういうことも可能だと思うのです。だから、この程度ならば可能だから、こういう程度でどうだという話し合いをする余地が全然ないことはないと思う。全然ないことはないはずなのです。その心構えで——それは交渉ですから、あなたの方でかけ引きもありましょう。初めからそういうことを言ったのでは大へんなことになるという御心配もありましょう。しかし私はさっきから繰り返し言っておるように、公団の最初の考えを一歩も譲らぬ、これをどうしても貫こう、六、七、八を一応たな上げにして、九月から全額納めて解決しよう、かりにそうなった場合にも、あなたの答弁では、この六、七、八は少くとも来年三月までに納めてもらう、こういう考え方では何にもならぬと思うのです。あなたの方で納めてもらおうという考え方をもって、片一方ではこれは一部たな上げのしっぱなしだという考え方をもって、それで折衝してどこかで妥結するということになるかもしれないけれども、やはりそのくらいの腹でないと、なかなか問題は解決しないと思うのです。私はさっき言った九月から納めるという、あれはこわれて白紙になりましたけれども、まあそれに近いような、いわば妥協案のようなものが考えられるとすれば、公団側でもやはり譲るという気持がなければ、それも不可能だと思うのです。公団側が挑戦的な態度をとるからこわれてしまったのです。それは新聞が必要以上に刺激的に書いたと言えば、この場は逃げることはできます。しかし私はやはり、公団の態度が刺激的であり挑発的であるということが事態の解決をおくらしておる、あるいはぶちこわしているように思う。説得説得と言っておりますけれども、説得というのは、あなた方の方は公団の考えを押しつけることにほかならない。説得に行って、供託なんかしても、そんなものは無効だと言ってみたり、自治会だとか、そういう運動に入っているとけがをするぞといっておどかしてみたり、これではやはり必要以上に彼らを刺激して、せっかく解決の方向に向おうというような気分が出てきているときに、それをまた御破算にしてしまうということになると思うのです。そこで私はそういうような刺激的な、あるいは挑戦的な態度をやめて、この前も言ったら総裁が大分憤慨しましたが、そういう事実があるのですから、そういうことを公団側が反省してやめて、一つ話し合いしようという気持に立ち返ることだと思うのです。それがなければほんとうの解決は困難だと思うのです。  そこで私は二時までの約束だから、来月は来月のことにしまして、そろそろ質問を打ち切りますけれども、さっき私が質問した中で答えられないのが一つある。法的に六、七、八、三月たったから、これで敷金が切れたから退去を命ずる、こういうことを一部かもしれませんけれども、考えているようですが、それを考えているかどうか。考えておるとすれば、それはこの問題に関して運動しておる入居者の団体の幹部諸君を対象として考えておるのか。もしそうだとするならば、そんなことではますます紛糾が大きくなると私は警告せざるを得ないのです。この問題と全然関係のない人ですよ、それが理由なしに家賃を半年も一年もずっと納めないのがあって、それに対してこうするというなら、これは話は別ですけれども、六、七、八と三月たったから、この運動の指導的な分子に対して一つやる、こういう考えであるならばこれは大へんな事態の紛糾を公団みずからがやるということになると思う。この点を一つはっきりと伺っておきたい。

渋江操一日本住宅公団理事

○渋江参考人 いろいろ御意見のありました点は十分私どもも承わりまして、結論的には良識をもって処置を誤らないようにしたいというふうに考えております。お話のように、特にこの問題に関係した人を訴訟手続をとるというのでは、あるいはお話のような御意見が出ると思いますが、しかし私が先ほど申し上げましたように、あらゆる手段を尽して公団の考え方は申し上げるつもりであります。それからまた先ほど吉田理事も申し上げましたように、公団の入居者の方の側からお話し合いに出てこられる方の話は、あらゆる機会を通じてお聞きするようにしていきたいというふうな態度でおるのであります。そういうことを尽しまして、この問題についての解決の道はおのずからあるというふうに考えております。しかし公団側として申し上げることを、大部分の者は理解したが一部の者はどうしても理解しないというか、わからないということのために、あるいは別の動機からこられるかもしれませんが、家賃の実際の滞納という事実が起っておるものを私どもが放置しておるということになりますれば、これは監督官庁からもおしかりを受けるでありましょうし、また事柄自体からいいまして、総裁も申し上げておりますが、国民の税金なりあるいは政府の資金なりを使いまして建てた財産の管理をいたしております公団の責任者の立場としては、それをただ見のがしておくということは許されないのではないか、そういう意味合いにおきまして、もし残されておる手段が法律上の手段によらなければならないという事態になりますれば、これはその手段をとらざるを得ない、こういうふうに考えておるわけであります。理由なくして特殊の人だけを法律的手段に訴えるということは、公団の公正な立場ではもちろんないというふうに考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 これで最後にしますが、まだ納得もしませんし、質問したいこともたくさんありますから、次会にいたしますことをお約束しておきます。公団の方の答弁によりますと、家賃を理由なくして滞納しておる者に対しては法的手段に訴えざるを得ないということになるかもしれない、こういうことですが、先ほどの御答弁にも明らかなように、今月全然家賃を納めていない者、不払いの者は、六月は三四・三%、七月は三七・九%、八月は四六・九%である。しかしこれらの人たちも私の聞いておるところでは、家賃相当額を銀行に預けておるということを聞いております。これらの人の中には、一人や二人の例外はあるかもしれませんが、この問題を話し合いによって解決したら全部納めようという準備がちゃんとできておる。そうだとすれば、この問題全体を解決するということだと思う。それにはちょいちょい新聞にこういうような強硬方針を発表したり、説得と称して一方的な押しつけをやられたのではだめだと思う。私は六月か七月にこの委員会で質問しておりますが、最初言った通りです。強硬なことばかり言っておったのでは解決しないぞ、その通りなんです。ですから私がさっきから繰り返して言っておるように、やはり譲り合えるものは譲り合う、こういう心構えをもって折衝してもらうということと、それから問題は家賃だけではないのです。共益費をどういうふうに使っておるか、たとい百五十円でも百八十円でも二百円でも、その内容を公開してほしい。それから共同使用人という名目をもって共益費の中から払っておるのだから、共同使用人の任免ということについても入居者側の発言がもっと認められてもしかるべきではないかというような意見が出された。そういうことに対しても、ほとんど無誠意きわまる態度をとっておる。また契約書の改訂問題も起っておる。こういう問題に対しては、やはり公団の態度が入居者をして納得せしめるような態度をとっていないことも関連しておると思う。こういったような問題に対して、もっとおおらかな気持で一つ話し合って解決しようという気持にならなければ、なかなかこの問題の解決はむずかしい。私は公団の責任者でないから、あまり私の考えを押しつけるようなことを言っては悪いけれども、私が当事者であったら、公団が赤字を出さなくても解決する方法はあると思う。少くとも譲り合って話し合おう、こういう気持になって、こういうわけでここまでは譲れるけれども、これ以上はだめだというように、相手も納得するようによく話し合う。それから関連する他の問題に対しても入居者の言い分を十分耳を傾けて聞いて、誠意をもって解決しようという気持になることが必要だと思うのです。私はほんとうは来月の委員会でまた同じような質問をしたくないのです。来月の委員会のときには、手を打って解決しましたという報告を聞きたい。今言ったような気持で、一つあと一カ月間折衝を続けて、解決のために努力してほしい。それに対する所見を一つ聞かしていただきたいと思います。

渋江操一日本住宅公団理事

○渋江参考人 私どもとしては、誠意をもって事に処することについては終始変らぬつもりであります。ただ話し合いの条件と申しますか、これにはおのずから限度もあり制約もあるということはお含みおきを願いたいと考えるわけであります。すなわち先ほど政府側からもお話がございましたように、独立採算の大きな基本線を公団としてくずすわけに参らないということもございます。それから固定資産税の公租公課相当額については、これは地元公共団体との折衝という問題点もあり、公団の単独な判断、単独な行動だけによっては解決できない問題もあるという前提があるわけでありまして、それらの諸般のことを考えながら、われわれとしては誠意を持って努力するということについては変りございません。そういうことで、方向としては先ほど吉田理事からも申し上げているように、いろいろ政府の今後の施策に触れて御発言がありましたように、できるだけ入居者の負担を少くするという努力を続けていきたいという本旨にあるのでありますから、そういう点について私どもももちろん誠意を尽します。入居者の立場からもわれわれに御協力をしていただきたい、かように考えているわけであります。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 次会は公報をもってお知らせすることにし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時十三分散会

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