建設委員会 第26号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/07/31
会議録
○薩摩委員長 これより会議を開きます。 九州における豪雨災害につきまして調査を進めます。まず本件につきまして、建設省当局より説明を聴取いたします。政務次官堀内一雄君。
○堀内説明員 私このたびはからずも建設省の建設政務次官を拝命いたしました。浅学非才、ことに建設行政に対しましては未経験者でございまして、ただ誠意御奉公いたす所存でありますが、どうぞ皆さんにおかれましても、よろしく御指導、御支援をお願い申し上げたく存じます。 この際、西九州水害被害状況と対策につきまして、御報告申し上げます。このたびの西九州地方に発生いたしました水害の概況と、建設省においてこれまでとった措置及び今後の対策について申し上げます。 このたび西九州地方に発生いたしました水害は、まことに激甚なものがあります。河川、道路等の公共施設が莫大な損害をこうむったのみでなく、家屋や田畑の流失、損壊も多く、また多数の犠牲者をみておりますることは、まことに同情にたえないところでありまして、これらの犠牲になられた方々に対しましては、つつしんで哀悼の意を表しまするとともに、被害者の方々に対して心から御同情申し上げる次第でございます。 今回の水害は、七月の二十五日から二十八日までにおける梅雨前線による局地的な豪雨によるものでありまして、大村市における連続雨量は七百八十六ミリに達し、島原市におきましては八百七十八ミリに達する従来にない記録的な豪雨となっておるのでございます。このため、長崎県の諫早市、大村市及び島原市を中心とする地区が最も激甚な被害をこうむっております。また熊本県におきましては、熊本市周辺の坪井川、井芹川流域及び菊池川水系の山鹿市、菊池町及び三名市周辺が相当の被害をこうむり、現在までに建設省に報告されました公共土木施設の被害は、長崎県が四十五億円、熊本県が十二億八百万円、佐賀県が五千万円、福岡県が四千三百万円、鹿児島県が二億二千一百万円となっております。ほかに直轄河川菊池川が七千万円、川内川が五千八百万円で、合計約六十一億五千百万円となっております。 その他人的被害は、死者及び行方不明者を合せまして約一千人、建物の被害は、全壊、半壊、流失等約三千二百五十戸、耕地の被害は、流失埋没約二千四百町歩、冠水地域は約三万七千町歩となっておりまして、被害はすこぶる甚大な額に達している状況であります。 以上が現在までに判明した今次水害の概況でありますが、建設省におきましては、災害の報告を受けまするや、直ちに災害査定官で二班を編成いたしまして、長崎、佐賀及び熊本の各県に急派いたしました。そして災害状況の調査と応急措置の指導を行わしめるとともに、九州地方建設局長に対しまして、各県の要請に応じまして臨機復旧工事に協力するよう指令を発しました。 次いで、二十七日には、米田技監及び関係部局の課長、担当官をもって編成した災害調査連絡班を現地に派遣いたし、被害状況の把握及び現地指導に当らしておるのでございます。 また二十八日には、建設大臣は総理大臣と同行して現地に出張し、引き続き災害地を視察中であります。また長崎県からの要請に応じまして、九州地方建設局からは技術者を派遣するとともに、建設機材をもって応急復旧工事の応援に当らしておるのであります。また鹿児島県下の災害に対しましては、熊本県下に派遣してありました災害査定官を急派いたしました。 次に、住宅金融公庫からも係員を現地に派遣いたし、災害地における住宅復興の資金融資に関する相談所を開設さしております。この災害に対処するため、本省には建設大臣を本部長とする西九州水害対策本部を設置して、被害情報の収集並びに公共土木施設及び住宅に関する復旧対策の樹立指導に当ることといたしております。 次に、今次水害の復旧対策といたしましては、現地の状況を十分に把握いたしました上、万全の措置を講ずることといたし、その復興に遺憾のないようにいたす考えでございます。当面の緊急施策といたしましては、まず公共土木施設については、被害状況が明確となるのを待ちまして緊急査定を急ぎ、早期に予備費の支出を行うようにいたしたいと考えております。また、予備費支出に至るまでの間必要なつなぎ資金として、資金運用部資金からの融資をあっせんして、緊急復旧の工事をすみやかに実施し、次期出水に対処したいと考えております。 なお、今次水害の状況にかんがみまして、地すべり、土砂の崩壊、山くずれ等で国庫負担法の対象にならない事業のうち、防災上緊急に施行する必要があるものについては、とりあえず既定予算をもって緊急砂防及び地すべり防止対策事業を施行したいと考えております。 次に住宅対策については、公営住宅法に基き、滅失戸数の約三割の戸数の第二公営住宅の建設を行う予定でおります。また住宅金融公庫からは滅失戸数の約四割の戸数に対し、災害復興住宅建築資金の貸付及び一般貸付のワクから災害特別貸付を行う所存であります。なお、損傷住宅に対しましても補修資金の貸付を行い、住宅復旧の万全を期したいと考えております。以上のほか、現地調査の結果等により緊急に対策を必要とするものについては適切なる措置を講じ、復旧に遺憾のないように措置する考えであります。 以上であります。
○薩摩委員長 次に、お配りしてあります資料に基きまして、河川局長山本三郎君から御説明を聴取いたします。
○山本説明員 ただいま政務次官から西九州の災害の状況につきまして概略の御報告を申し上げましたが、私からお手元に差し上げてあります西九州の豪雨による災害の被害状況及び対策について、資料に基きまして御説明申し上げたいと存じます。 第一番目に、今回の梅雨前線によりまする豪雨の状況がございますが、各地の降雨量というところをごらんいただきたいと思います。特にこの表でごらんいただけますように、長崎県の大村におきましては七八六ミリでございまして、このうちのほとんど九割のものが二十五日の正午から一昼夜の間に降ったのでございます。それから島原の八七八ミリという今回の雨量記録といたしましては最大のものがございます。これが今回の最大でございますが、従来の記録といたしましては、日雨量といたしまして大台ケ原あるいは高知県の山地におきまして一〇〇〇ミリというのがございますけれども、こういうふうな平地に近いところにおきましてかかる大雨を一昼夜の間に見たという前例はございません。さらに大村におきましては、この註にございますように、二十五日の夜の九時から十時の間に時間雨量にいたしまして一二九ミリという大きな記録があるのでございましてこれは現在までに記録されましたわが国の時雨量といたしましては一、二位に該当するものでございます。次に大きな雨量といたしましては熊本県の熊本におきまして五三二ミリでございます。それから同じく熊本県に小国というところがございます。筑後川の上流でございますが、ここで四六八ミリでございます。それから鹿児島県の川内、栗野、真幸というような地点におきまして約三〇〇ミリ近くの雨、これは二十七日の二十一時から二十八日の十六時までの分で若干時間がおくれておりますが、こういうふうな記録を見たのでございます。ここでさらにつけ加えたいと思いますことは、熊本県のたとえば阿蘇というところをごらんいただきますと二五七ミリでございまして比較的平地の近くにおきまして五〇〇ミリとかあるいは八〇〇ミリというような雨を見たのでございますが、幸いにいたしまして山地におきましては雨量が比較的少かった。これは昭和二十八年の大出水のときと異なった現象でございます。これが雨量の大略でございます。 第二番目に、その雨によりまして大きな川の出水がどうであったかという実情が表になっております。ただいまの御説明によりまして、平地部に近いところには非常に大きな雨が降ったが、山間部におきまして比較的少かったというために、ここに掲げてあります菊池川、筑後川、白川、川内川等いずれの河川におきましても、雨の割合に出水が少かった。このうちで比較的大きな出水を見ましたのは熊本県の菊池川と鹿児島県の川内川でございます。菊池川におきましては、三名という地点におきまして警戒水位五・五メートルのところが最高五・九四メートルになったのでございます。川内川におきましては、警戒水位が川内市におきまして四・五メートルでございますが、今回の水位は六メートル二〇でございまして註にございますように、川内川の川内の計画高水位は六メートル七五九でありますから、計画高水位から約五十六センチ低いところまでの水位になったということであります。それから筑後川、白川等はここにありまするように警戒水位程度の出水でございます。これが二十八年の出水と違った大きな川の出水状況でございます。 次に三番目といたしまして公共土木施設の被害状況というのがございますが、これは被害の状況並びに出水のひどかった河川がここにあげてあるわけでございます。 第一番目は熊本県でございまして、被害の中心としては熊本市の周辺、それから三名市、山鹿市、菊池町等の地方でございます。おもなる被害の河川及び道路といたしましては、白川水系の井芹川、坪井川——これは熊本市の白川の北にある準用河川でございます。これらが相当ひどい出水があったのでございます。菊池川としては、菊池川の本流及びその支流の合志川、内田川、繁根本川等が相当の出水がありまして、菊池川と合志川の合流点の上流で百四十メートル堤防が切れております。それから熊本の南に緑川という川がございますが、その支流の浜戸川が災害を受けております。 それから道路といたしましては、二級国道の熊本−佐賀線の熊本県内の道路が全線不通と相なったのでございます。そういうふうな被害の状況でございまして、公共土木施設の被害状況は初めの報告よりも逐次増大して参りました。これは山の中等で不明だった分が逐次判明したわけでございますが、現在の最終の報告は補助事業といたしまして十二億八百万円程度であります。それから直轄河川の災害として菊池川において七千万円の被害があり、ほかに対策砂防で四億円余りの砂防をする必要があるという報告が来ております。 次は被害の最も激甚であった長崎県でございます。この長崎県のうちでも諫早の周辺、大村市の周辺、佐世保、島原等の周辺が甚大なる被害を受けております。その区域における河川といたしまして、郡川、内田川、大上戸川、本明川——この本明川が一番ひどい被害の中心であります。境川、川棚川、佐々川、志佐川、鈴田川、西郷川、水無川、千千石川等の河川がずたずたに被害を受けておる次第でございます。 道路といたしましては、一級国道の大村−諫早間が甚大なる被害を受けました。それから県道といたしましては世知原−佐世保線、長崎−瀬戸線、長崎−口之津−諫早線。それから橋梁のおもなるものといたしましては、四面橋、諫早橋等の大きな橋梁が被害を受けておりまして、公共土木施設の被害は現在のところの報告で四十五億と相なっております。 次は佐賀県でございますが、被害の中心地は長崎県寄りの鹿島市周辺、武雄市、伊万里市の周辺でございまして、河川といたしましては鹿島川、中川、浜川、石木津川、六角川、汐見川、伊万里川、有田川等の河川でございます。 道路は二級国道の佐賀−諌早線、県道の鹿島−嬉野線等でありまして、公共土木施設の被害は五千万円と報告されております。 次は福岡県でございますが、福岡県の西南部でございまして、河川といたしましては諏訪川、楠田川、筑後川、遠賀川等の河川でございまして、被害額は四千三百九十万円余と報告されております。 次は鹿児島県でございますが、川内川の流域でございまして、川内市、栗野町、東郷町、大口市、宮之城町等の付近に被害が発生しております。河川といたしましては川内川の本流及びその支川でございます直城川、隈之城川、平佐川、樋脇川、樋渡川、田海川、羽月川等の河川でございます。 公共土木施設の補助の事業といたしましての分が二億二千百五十八万三千円、直轄河川の川内川といたしまして五千八百万円。以上五県を合計いたしまして現在の公共土木施設の被害が六十一億五千百六十六万六千円と相なっております。先ほど政務次官の御説明申し上げました内訳と相なっておる次第でございます。 次が県別の被害状況の概要でございまして、これは私どもが得られました警察庁の調べの一番最近のものでございます。もっと新しいものはもちろん現在あるわけでございますが、ここで特徴といたしますのは、人的被害が死者六百名以上、行方不明が三百九十一名、千名になんなんとする死者、行方不明を出しております。 次は第五番目の現在までにとりました応急処置でございまして、これは先ほど概略につきましては政務次官から御説明申し上げましたが、便宜上これを読んでみて御説明申し上げたいと思います。第一番目は建設省に建設大臣を本部長とする西九州水害対策本部を設置いたしまして被害状況の情報の収集並びに公共土木施設、都市施設及び住宅に関する復旧対策の樹立、指導に当らせております。 第二番目は、被災地におきましての災害状況の把握と現地指導を行わせるために七月二十六日に長崎、佐賀及び熊本県に対しまして災害査定官二班を派遣いたしました。その後鹿児島の川内付近に被害が発生いたしましたために、熊本県に派遣いたしました査定官を鹿児島県にも派遣することにいたしたのでございます。 第三番目といたしましては、その次の七月二十七日に米田技監を長といたしまして河川、道路、住宅及び計画の各局の課長及び係官で編成いたしました災害調査連絡班を派遣いたしまして、各県順次回りまして指導並びに連絡に当っております。 第四番目は、次の七月二十八日に根本建設大臣が総理大臣と同行いたしまして現地に参り、まず空から現地の状況を視察されまして、その後地上で八月一日まで各被害県を引き続いて視察並びにお見舞を申し上げております。災害地の熊本、長崎、佐賀、福岡の各県の災害状況を視察しております。それで明日帰京されるはずでございます。随行者は、河川、道路、住宅の各局の各担当課長が一緒に参っております。 次は、九州地方建設局に対しまして、先ほど御説明がございましたように、随時いろいろと応急的の応援をするようにという指令を出しておりましたので、長崎県からの要請に応じまして、技術者五名を派遣いたしまして工事の指導に当らせるとともに、ブルドーザーその他の土木機械をもちまして、道路の応急復旧工事の応援に当らせております。 六番目といたしましては、住宅金融公庫の支所長及び本所からの係員を派遣いたしまして、直ちに災害地における住宅復旧に関する資金融資の相談所を開設いたしたのであります。 次は第六番目といたしまして公共土木施設の復旧対策でございますが、第一番目といたしまして公共土木施設の災害復旧につきましては、緊急査定を県の準備の整い次第行いまして、すみやかに予備費支出を行うのでございますが、非常に災害が甚大でございますので、予備費支出までに必要とするつなぎ資金につきましては、資金運用部資金等政府資金からの融資をあっせんするように、大蔵省とも連絡いたしまして準備を整えております。 第二番目は公共土木施設の緊要なる復旧事業は、本年を含めまして三カ年で完成するようにいたしたい、こういうふうに考えております。 第三番目は、今次の水害による地すべりや山くずれ等で、公共土木施設の災害復旧事業の負担法の対象にならない対策事業のうちで、防災上緊急に施行する必要ある地域につきましては、とりあえず既定予算をもちまして緊急砂防及び地すべり防止対策事業を施行することにいたしております。これにつきましても係員を現地に派遣いたしまして、目下県と打ち合せ、あるいは現場を調査中でございます。 以上公共大土関係の御説明を終らせていただきたいと思います。
○薩摩委員長 それでは植田住宅局長から説明を聴取いたします。植田住宅局長。
○植田説明員 今次の災害によります住宅の被害は、先ほど申し上げました三ページの建物被害の欄にございまして、全壊と流失とを合せますと千三百六十二戸ということに相なります。半壊につきましては一千五百五十五戸でございます。この被害に対しましての対策でございますが、従来とっておりました公営住宅の補助の分がございます。これは五ページの7の住宅復興対策等の(1)に書いてある通りでございまして、滅失戸数の約三割の戸数を第二種公営住宅といたしまして三分の二補助、八・五坪の規格をもちまして補助いたす予定にしております。これにつきましては手持ちの予算も残っておりますので、戸数の査定がきまり次第早急に支出する手続をいたしたいと考えております。 それから第二といたしましては、前回の国会で御審議いただきました公庫法の改正に基きまして、災害復興住宅建設資金の貸付ができることになっているわけでございます。これは御承知の通り、全壊いたしたところにつきましては限度としては二十三万円まででございますが、頭金は要りませんで、据置三カ年を含めまして十五年以内に償還することに相なっております。また損傷住宅につきましても、その補修資金を十二万円を限度として貸し付けることにいたしております。これは措置一カ年を入れて八年でございます。この新しい制度を適用いたしますのは今回の災害が初めになるわけでございまして、前国会で御審議を得て成立したこの制度が、今回の災害に当りまして最も敏速に活用せられまして、罹災者の立ち上りに役立つことを期待いたしているわけでございます。 次に、資料にもございましたように、現在公庫から橋本理事が現地に派遣され駐在いたしております。そのほか九州の支所からも係官が現地に参っておりまして、支所の開設中と申しますか、準備中と申しますか、何ときでも受付のできる態勢をとっているわけでございます。ただ本日、私どもの方から派遣いたしました係官からの電話報告によりますと、ただいまの災害地の現況から申しまして、罹災の方々はまだ住宅の手当までは手が及ばないという地域も相当あるようでございます。それとにらみ合せながら貸付を何どきでも開始される態勢を整えているわけでございます。また資金といたしましても、本省から九州の方にすでに五千万円の資金を送っておりますので、貸付の申し込みがありますれば、遺漏なくそれに対処する準備を整えているわけでございます。この点を御報告申し上げたいと存じます。 なお、そのほかに住宅融資保険の制度もございますので、これの活用もこの際大いにはかっていただきたいと考えているのでございます。
○薩摩委員長 本件につきまして質疑の通告があります。順次これをお許しいたします。三鍋委員。
○三鍋委員 今度の九州における災害の状況を、ただいま詳細にお聞きし、またその対策に対する政府の処置、こういつた点につきましても大体お聞きしたのでありますが、私がここで考えさせられるのは、こういったことをいつも繰り返している、宿命的な日本の問題とでもいいますか。しかし私はこういう毎年同じことが予想され、そして繰り返されているということについて、やはりこの際もう少し真剣に考えてみる必要があるのじゃないか、こう思うのであります。今度の災害は非常に降雨最の局地における大きな量というものがその原因になっているようでございますけれども、ただそれだけか。もう少し私たちが事前になすべきこと、当然なさなければならない施策、たとえば災害の復旧の問題にいたしましても、あるいは河川の改修の問題にいたしましても、こういう面に対してもう少し根本的な処置がなされておったかどうか。たとえばあの天竜川の六月二十七、八日の災害にいたしましても、鹿児島における川内川の問題を一つ取り上げてみましても、私たちが両方とも現地を視察して、そして地元の人々から、当然こういった結果になるということを事前にはっきりと私たちは陳情を受けてきているのです。それがもう半年もたたない、二、三カ月で、こういう悲惨な状態を繰り返していかなければならない。こういう問題につきまして私たちは、できたことは仕方がないから、その原因をよく確かめて今後の対策を立てていかなければならないという観点から、何か私たちは、もっとこういうことにならない前に、事前に打つべき手はなかったか、それがなされなかった、打つべき手があったけれどもどうしてもなされなかったという現実の問題、これらをやはり十分に検討しなければならぬと思うのであります。これにつきまして、これは河川局長その他の局長の方々でよろしゅうございますが、異常な降雨量ということは一つ大きな原因でありますが、これは絶対不可抗力であったかどうかという問題、あるいは気象関係、大雨警報というものが適切になされたかどうか。それから死傷者が非常に多い。これは実際おなくなりになった方々のそういうことを考えますと、私たちはもう少しやはり真剣に考えなければならぬ、このように考えますので、これに対するところの反省といいますか、今後の処置に対するところの私たちの心がまえといったものから、こういう点においてどういう欠陥があったかなかったか、それがわかっておったけれどもなされなかった理由、こういったものは何かお考えになっておるようでしたら、この際御表明願いたいと思います。
○山本説明員 今回の災害のひどかった実情は、先ほども御説明申し上げましたように、たとえば長崎県の大村におきましても、従来の雨の記録によりますと今回の記録の半分くらいの記録しかなかったというのが、今回の前の雨量の記録でございました。従いましてそれだけの雨量が参りますると、相当程度やっておりましても溢流、川の沿岸に対しまして水があふれるというような点は考えられるわけでございます。さてこれに対する方策がないのかという点でございますが、たとえば本明川にいたしましても、あるいは川内川にいたしましても、治水計画を立案いたしましてそれを現在まででき得る限りの進捗度ではやっておったわけでございます。たとえば本明川にいたしますと、県の工事でやっておったのでありますが、その進捗程度は五〇%程度であったということでございまして、これがそれではできておったらどうかという点でございますが、できておれば今回のような被害は全然なかったという点には考えられないと思いますけれども、被害は少くて済んだというふうには考えられます。 それから今度の災害で、それでは考えなければならぬことがあるかというようなお話でございますが、私も現地は空から見たのと、それから写真等で拝見いたしたのでございますが、山における流出の土砂をとめるという問題、それから町のところに橋がかかっておりまして、それに材木がずいぶんよけいかかっております。そのために橋の部分でせき上げられまして両側を、川でないところを水が流れるというふうな点が非常に考えなければならぬ点だというふうに考えております。これにつきましては二十八年の水害におきまして熊本県の白川でそういうような体験がございましたので、白川におきましては、一番ひどかった子飼橋という橋がございますが、これにつきましては河川の改修についても道路の災害と一緒にしまして、長い径間の橋にかけかえております。今度の災害にかんがみましてそういう対策を大いにやらなければならぬというように考えております。 それからまた、それではこれだけの雨量に対して絶対安全のような改修なりするかという問題でございますが、この点につきましては今後の計画で検討しなければならぬ問題でございますが、絶対安全にするか、あるいは被害を最小限度に食いとめられるというような方式をとるかという点が、今後研究をしなければならぬ問題でございまして、絶対安全にあれだけの雨による洪水を流すということになりますと、川幅もうんと広くしなければならぬし、土地もつぶれます。あるいは事業費もうんとかかりますので、ああいうふうな雨が降りましても被害が最小限に、たとえば人命等には被害はないようにするというような方策を真剣に考えなければならぬというふうに考えております。そういうような計画を立案いたしまして、できるだけ早くそれらの施策をやらなければならぬ、そういうことができるならば、被害は根絶はできないにいたしましても、その被害を最小限度に食いとめまして、今回のような大きな人的被害が起らないような方法を考えなければならぬということを痛感しておる次第でございます。
○三鍋委員 先ほどちょっとお尋ねしたのですが、特に人的被害が多かった点につきまして、その原因はどこにあるか、これを何か究明されておりますか。
○山本説明員 現地に、ただいま私の方の局長連中も、あるいは技官も行っておりますので、それが帰ってくれば的確な御報告が得られると思いますが、私が今感じておりますのは、今言う非常に小さな川でございまして雨が降った直後に出水が参った。写真で見ますと、家が流れて時計がとまっているところの写真がございますが、十時二十三分で時計がとまっております。一番降雨の強かったのが九時から十時の間に百二十九ミリという雨でございますので、雨が降ってから二十分間の間に家が流れるというような被害があったわけでございます。従いまして、出水が非常に急激であった、それからもう一つ川が狭いとか、それから橋に物がつかえて、木の根であるとか、あるいは人家の流れたものがまた累積いたしまして、橋のところで両側にあふれてしまった、急速にしかも一ぺんにあふれてしまったというのが、諫早あたりの人的被害の多かった大きな原因であろうというふうに考えております。
○三鍋委員 今度の災害の特徴といたしまして、山くずれ、地すべり、これが非常に多いようであります。新聞で見たのでありますから真偽のほどはわからないけれども、やはりその地域の人々が、これはあぶないといったことをあらかじめ状況を判断しておりまして、県の方へ何とか早く処置をしてくれということを強く陳情しておったけれども、これに対する何らの対策がなされなくて、こういったひどい目にあったといったような記事を読んだように思いますが、こういう点につきまして、もしそれが事実とするならば、それはそう簡単にすぐそれに対する対策はできるとは思いませんけれども、こういう大きな災害を受けてから何とかかんとか言っているということでなしに、こういう問題に対しても事前に何とかの応急処置が得られなかったものかどうか、これはまああとからの話になりますけれども、そういう点に対して、私はやはりもう少し地元民の要望というものを取り上げて、すぐ現地調査をして何らかの応急処置をとるという積極的な態度が政府当局にあってしかるべきでないか、こんなふうに考えるのですが、いかがですか。
○山本説明員 山くずれあるいは地すべりがありまして人的被害が非常に多かったという点は報告を受けておりましてそれにつきましては目下砂防課の方から二人ほど技官を出しまして現地の実情を調べ中でございます。私も飛行機の上から見ましたとき、熊本県の天水村というのが新聞に出ておりますが、海岸の近くで山がくずれておる状況を見ました。非常に急峻な山でございまして、非常に強い雨が降りますと、危ない山でございます。それらの地点につきまして非常に強い要望があったかどうかという点は、今回調べに行っておりますので、その結果判明すると思います。従来におきましても地すべりが起きそうである、多少ともその徴候があるという地点につきましては、農林省の治山の方との関係もありますが、共同いたしまして調査をいたしまして、これらに対する対策はしておったわけでありますけれども、今後におきましてはそういう面に特に力を入れまして多少でも徴候が現われているというような点につきましては、早急に手を打たなければならぬというふうに考えております。
○三鍋委員 先般住宅局長からもこれに対する対策の御意見があったのでございますが、前国会におきまして住宅金融公庫法の一部を改正して、災害住宅に対するところの応急処置を講ずるようにできておるわけでございますが、どうか一つこういうことを待っておったわけではございませんけれども、こういう悲惨な状態になりましたにつきまして、まだ家を建てるとかなんとかいう段階ではないと思いますけれども、これは非常にまた復興の意欲に燃えまして、何といっても寝るところがなければいけないのですから、これにつきましても融資の面でありますとかあまり手数のかかることをしないで——手数のかかるということはもっともその理由があるのでございますけれども、とにかくいっときを争うところの融資でありますから、県知事さんあたりが責任を持って判こを押したらこれを信用してどんどん貸し付けてあげるような処置を迅速にとっていただきたい、これを特に要望しておきますからよろしくお願いしておきます。 それから私明日から視察に行くのでありますが、詳しいいろいろな問題は帰ってきてからまたいろいろと要望するつもりでありますが、私は特にやはり当委員会において政府当局によく御考慮願いたいと思うのは、先ほども申し上げましたように、災害が起きてからあとばたばたとやるということは、経費の面からいいましても労力の面からいいましても大へんなことである。そうした犠牲者のことを考えると、何としてもお気の毒にたえない次第であります。これからまた台風期に入ります。あってはならぬことでありますけれども、またこういうことになるといけませんから、できるだけこれに対する事前の処置を全国的にしっかりととっていただきたいと思いますが、これに対する施策をどのように考えておられますか、お聞きしたいと思います。
○堀内説明員 三鍋委員からいろいろ御注意をいただき、また過日も社会党の方からこの問題に対して申し入れ等をいただいておりまして、私どもといたしましてもこれを有力の参考として処置をいたしておるわけでございますが、私は実は大臣が九州の方に参りました関係上、先般も岐阜の中津川の付近の災害地に参りまして、現地も見て参ったのでございますが、そこであの付近におきましても地すべり、山くずれが非常に多いのでございます。それで当面の問題といたしましては、また今後台風がくるといったような場合に、これの対策が十分できいうちにこういうことになりましては非常に困るというので、応急の処置を急いでおります。なおこの根本的な問題といたしましては、ただいま大臣も現地へ参り、実は私ども建設省としては省をあげて努力いたしておるわけでございます。とりあえず情報の収集をいたしましてきっと御期待に沿うように対策を講じたいと考えておる次第であります。いずれ対策がまとまりましたならば御審議をいただきまして、ぜひこの際御期待に沿うようにいたしたいと存じます。
○山下(榮)委員 ただいまの同僚三鍋君の質問に関連して伺いたいのですが、長崎県あるいは佐賀県といたしましては、かねてから地すべり等のあるところなんですが、常々の地すべりと今回の豪雨による地すべりとがどういう関係にあるかということを一つ伺いたい。それから常々起っている長崎県地方等の地すべりに対しましては、建設省当局は今までどういう対策をとっておられるのかということを伺いたいのが一つ。もう一つただいま三鍋君の質問にもあったと思うのですけれども、鹿児島、長崎、熊本の九州地方は、まるで台風の常襲地帯みたいな格好のところであります。来月、再来月はもう台風期に入ります。きわめて地元民は憂慮する問題ではなかろうかと思うのでありますが、早急に今回の災害対策を立てられて、台風期までに応急対策が確立しなければ、災害の方がまたぞろ押しかけてくる、こういう格好ではなかろうかと思うのであります。いろいろ当局の方ではこれらのことは勘案されておることと思いますが、台風期を控えての今日、今回の災害の対策をどう緊急に行おうという考えを持っておられるか、その辺のことを伺っておきたいと思うのであります。
○山本説明員 地すべりに対する対策でございますが、地すべりは今回の災害以前におきましても、お話の通り、佐賀県、長崎県におきましては、地すべりが起りあるいは起りつつあります。それに対しましては、毎年の予算におきまして、地すべり対策費というのが砂防事業費の中にありまして、それによりまして各県の要望に対し補助をいたしておる。 それから今回起きた地すべりあるいは山くずれ等に対しましてどういう処置をとるかということでございますが、それにつきましては先ほどの御説明でも申し上げましたように、現地に係官を派遣いたしまして、その実情を調査中でございますが、それらにつきましては県の要望もしんしゃくいたしまして、砂防事業費の中に緊急対策砂防事業費というのがございます。その金が予備金的に砂防事業費の中にとってあります。それでとりあえず処置したいというふうに考えております。 それから今回の災害につきましてどういう処置をするかということでございますが、それにつきましては先ほど御説明いたしましたように、災害査定官並びに米田技監が現地に参りまして後方におきまして相談をし、あるいは指示をいたしております。従いまして最も重要なものにつきましては、直ちに工事に着手するように指示いたしております。それから引き続いて重要なものにつきましては、緊急査定を行いまして、国の負担金をきめまして事業に着手するわけでございますが、その点につきましては各県に緊急査定の準備をするようにこちらから督励をいたしております。しかも長崎県のごときは人が非常に足りないという点も考慮されますので、各県から技術者を応援させるあるいは先ほども申しましたように、地建からも人間を応援させる、あるいは本省から指導に参るというような点を考えまして、できるだけ早く緊急査定の準備、設計ができるように督励いたしまして、それができましたら直ちに査定をいたしたい、そうして工事を急がせたいというふうに考えております。 河川に対しましては、危ないような地点につきましてはできるだけこの種の事業費をもって至急施策をする。それからまた水防等の問題がございますので、この点につきましても、しばしば建設省からその水防対策の万全を期すように指示をいたしております。今度の新任の建設大臣就任当初におきましても重ねてその通知をいたしております。それからさらに人的被害等は、洪水の状況を早く知るということが必要でございますので、気象庁ともよく連絡いたしまして、降雨の警報あるいは洪水の予防警報あるいは水防の警報等につきましてできるだけ早く知らしてやる。出水の状況なりあるいは降雨の状況を知らしてやるということに努めまして、万一のことがありました際におきましても、そういう被害が少くて済むように努力したいというふうに考えております。
○山下(榮)委員 しつこいようですけれども、河川の堤防決壊あるいは道路等について、台風期を控えて応急処置が早く行われていないと、またぞろ災害の大きなものがくるのではないかということを私は憂えるのであります。そこでそれらに対して、一体早急に台風期までに処置ができるかどうか、その見通しを持っておられるか、あるいはもうすでにこわれかかっているところ等があると思うのであります。こわれていないがこわれかかっているところがあると思う。おそらく九月に入りますと、台風がこれは鹿児島、熊本、長崎、佐賀方面は毎年くるわけですから、今度来た台風のときの災害というものは非常に大きいのではないかということが予想される、そういうことに対する対策というものをお考えになって、今度の災害と一緒におやりになっているのかどうか、そういうことをお考えになっているかどうか、これを伺いたいと思います。
○山本説明員 先ほどの答弁で申し上げた点があるいは見当はずれだったかと思いますが、河川で被害を受けた場合におきましては、大きな河川は国の事業でやっておりますが、その点につきましてはすでに昨日の閣議でも、今回の災害以前に起きました分につきましては予備金支出が決定いたしました。ですから今回の分につきましても、川内川、菊池川等の直轄河川の災害につきましては、できるだけ早く予備金を支出する。支出がきまらぬ前におきましても、現在持っておる事業費を立てかえてやるという処置をとっております。各県におきましては、査定が済まない前にはやはり自分で立てかえをやり、あるいはそれで間に合わぬときにはつなぎ融資をするわけでございますが、その点につきましては、地方の財務局で手持ちのつなぎ融資の金のワクがございます。それをまず第一には貸付まして、もっと大きくなりますと本省へ持って参りまして、大蔵省に対しまして建設省からも実情をよく説明いたしまして、つなぎ融資を考えるというふうにいたしておりまして、それに応じまして現地で事業をどんどん施工して参るわけでございます。こういうことでございます。
○堀内説明員 ただいまの御質疑に対して一言つけ加えさせていただきますが、実は政府といたしましても、この水害の問題に対しましては次官会議等を開きまして、対策本部を作って連絡を密にして万全を期するようにということでやっておりますので、この点も御了承願いたいと思います。
○前田(榮)委員 三鍋委員の質問に関連してお尋ね申し上げますが、今回の水害の復旧については、従来と同じように大体三カ年計画で復旧を完了したいという御意見の表明があったわけであります。私はこの災害復旧について、今回は梅雨前線によるところの早目の災害であったといわなければならぬと思う。普通台風と称する二百十日前後の災害もまたあるわけであります。そういたしますると、この早目に起った災害は大体本年度内において、まだ八カ月ございますから、今から災害の調査を厳密にし、査定を行い、設計をやって本格的な復旧工事にかかれるわけなんですが、従来は三カ年の計画の中で、初年度が三、次年度が五、三年目が二という、三・五・二の比率が大体ほとんど慣例的に行われておったわけであります。しかしながら私はこのたびのような梅雨前線による個所的に非常に大きい災害、ことに住宅問題、また道路の復旧の問題等は一カ月でも早く完成すれば、それだけ国家国民の利益であることを考えなければならぬのであります。その上近代的、つまり機械化された工事の方法は近年非常に進歩を見ておるわけであります。そういたしますると、従来の三・五・二などというような比率では適当でないのではないかと思うわけであります。もちろん河川のように、根本的な改修等を考慮に入れてやる場合においては、相当な年限をかけなければならぬ場合もあろうと思いまするが、このたびの災害の大部分については三・五・二などというような比率を考えることは適当でないと思うのです。この点はもちろん内閣において総体的に決定されることでございますから、大臣に聞かなければならぬことと思いますが、少くとも建設省に関するところのこの復旧事業につき、ことに住宅、道路等の問題等については、初年度にあるいは五割なり七割、期間もございまするのでやれるという見通しを立てて、最近の科学技術等を十分に活用されてやるべきではないかと思う。建設省がその気にならないと閣議にかけても決してそういうことにはならないと思う。その点建設省の信念といいますか、所信を一つお尋ね申し上げておきたいと思う。
○山本説明員 ただいまのお尋ねにつきましても、現地の状況が判明いたしませんとはっきりしたことは申し上げられないのでございますが、現在までにとりました処置におきましても、たとえば海岸堤防の締め切りであるとかあるいは重要道路の復旧等につきましては、必ず三・五・二という比率を個所別においてもやっているわけではございません。たとえば海岸堤防等の復旧におきましては、潮とめに要する工事、あるいは来年の大潮までの工事の期間におきましては、その大部分の仕事を終るというような予算措置を講じております。従いまして三・五・二は全体としての比率でございまして、個所別に重要なもの、交通上重要なもの、あるいは生産上重要なもので、それをやらなければ絶対いけないというようなものにつきましては、急いでその処置をとるというふうに考えたいと思います。従いまして、現地におきましてどうしても急がなければならぬというようなものにつきましては、それらを選び出しまして早期復旧をはかりたいというふうに考えております。
○前田(榮)委員 ただいまの答弁はどこまでが私の質問に対する答弁になっておるかちょっとわからぬような答弁であったと思うのですが、河川については、河川局長としてはある程度まで——私は三・五・二という点に大きい修正等を加えなければならぬということにはならぬかもわからぬと考えておる。しかしながら道路や住宅等については決してそういうものでな。少くとも急速にこの復旧をやらないと、国民生活に重大な支障が起り、ひいては国家経済の発展にも支障を来たすわけなんです。でありますから、三・五・二というつまり三カ年程度でやるということについては、従来三カ年でもできなかった工事を三カ年でやるという決意になりまするならば、これまた一つの進歩であります。だからそういう点について私はなお前進していただきたいと思うのでありますけれども、少くとも三・五・二という比率を五・三・二くらいに引き上げていくということでなければ、今回の災害の早期復旧というものに万全を期せられないのではないか。具体的な問題はやはり詳細な調査の上でなければはっきりしないことはよく承知いたしておりますから、具体的にそれならこれこれというところまでの答弁を得ようとは思いません。思いませんけれども、ただ単に従来のような三カ年計画、三・五・二、こういうようなおざなり的な考えで、今回の西九州における災害に臨んではいけない、こういうことを私は強く主張し、考えておるわけなんで、この点もっと建設省の腹がまえといいますか、そういうものをお尋ね申し上げておきたいと思います。 それからついでにもう一つ、ほかの問題でありますが、今水防に関する御答弁もあったのでありますが、今回の災害は特に人的資源に災害が多かったきわめて不幸なるできごとであったと思うのであります。そこで梅雨前線による豪雨の災害というものは、えてしてこういうものになるものなのでありまして、数日雨が降って非常に地盤がゆるんでおるところへ、一時間か二時間の間に百ミリくらいの雨がどしゃ降りに降りますと、必ずや山津波的な災害になるということは、長い間の日本の経験で、古老等はよく心配をされておるところであります。そこでお尋ね申し上げたいのですが、こういうものについて従来水防訓練が行われ、水防法の適用等について非常に御心配になっておる。ところがそういうことが一般国民に、忘れられてはおりませんけれども、気のゆるんだころに大体こういう災害が来るものなんです。でありますから今回のような諫早市を中心としたあの豪雨については、雨が数日も降って地盤がゆるんだ、これで豪雨が来たら大へんだということが想像されるのでありますが、そういう雨が降っておるさ中に水防訓練等を行うべきじゃないかと思う。大体そういうときにはやらないで、平生やっていらっしゃる。そしてちょっと気がゆるんだころに雨が降る、こういうようなことになるために、災害というものは国民に気のゆるみができたころに出てくるのじゃないかと思うのであります。私は、この水難救助のために何とか国民の心がまえを変えるべきじゃないかということで、小学校の生徒等に普及してはどうかということを文部省へいろんな資料を持っていって相談をいたしたことがありまするが、文部省はろくすっぽそれに耳をかしておらないのであります。これらについてはずいぶん特殊な研究をされておる人もございますけれども、これを十分取り上げてやろうという態度が今の政府には見られない情勢であります。そこで今お尋ね申し上げるのは、この豪雨の起る前にいつごろ水防訓練を行なったのか、水防の注意は出されたということを聞きましたが、実際に現地で訓練をやったのかやらないのか。ただ一片の通知や書類を送ったぐらいのことでは、これはほんとうの実を上げ得ないと思うのですが、そういう点の事情がわかれば御報告を願いたいと思うのであります。
○柴田説明員 初めの方の復旧の三カ年の問題でございますが、これは現行法で三カ年ということになっておるわけであります。従来非常に長くかかったのがとにかくこの国庫負担法ができましてから緊要工事については三カ年で終るという原則が確立いたしまして、これはお話のごとく非常な進歩であろうと思うのでありますが、その各年度の割合が予算上の慣例として三・五・二の割合でやっておるものをもっと初年度をよけいやったらどうかというようなお話のように承わりました。これは建設省といたしましても工事をやることができる能力があります限りやはり初年度によけいやることはけっこうであろうと思うのであります。三・五・二の割合というものはそういう意味におきまして単に予算上の慣例であります。もっとよけいやるということにつきましては、建設省の態度といたしましても望ましいことであり、けっこうであろうと思います。ただ先ほど河川局長のお答えいたしましたのは、三・五・二となっておりますその三というものは、緊要工事全体についての三割であり、重要なところについては五割も六割もやっておる例がある、そういうふうに努めたいというふうに申し上げたと思います。
○山本説明員 後段のお話でございますが、水防訓練あるいは水難の問題でございます。水防訓練につきましては、終戦後非常に水害が起りますので、建設省といたしましても、建設週間の行事といたしましてやっております。また各地方団体におきましても、それにならいまして、水防訓練あるいは洪水の予防の問題等につきまして、一般ができるだけ周知しあるいはそれになれるように各公共団体でやるようにという指示を出しておりまして、終戦直後に比べますと、各地でずいぶん水防訓練はやっております。ただお話しのように雨が降っておる最中にやればいいというようなお話、これはまことにごもっともな御意見でございますが、この雨の予報というものは気象庁で担当いたしておるわけでございますが、台風による雨ならばある程度確実なあるいは比較的確実な予報ができるのでございますけれども、梅雨前線の雨の予報というのはなかなかむずかしいというふうに気象庁で言っておるわけでございます。従いまして今度のような雨につきましては、どこにどれだけの雨が降るというような点では予想が非常に狂うような場合が多いわけでございまして、そういう点をもっとつまびらかにいたしまして、梅雨の降雨につきましてもはっきりした予想ができるというように相なりますならば、それに応じて水防なりあるいは避難等の措置ができるわけでございまして、私どもといたしましては、そういう点の改良改善を非常に望んでおるわけでございます。それがはっきりいたしますならば、それに応じた施設ができ、適切に措置がとれる。水防の点につきましては相当関心が高まり、しかも実際にも訓練等を行なっておるわけでございます。ただお話のように、そういう点につきまして民間人の方々等にも御意見があるわけでございますので、それらを入れて改良していく点におきましては、私どももできるだけそういう方向に持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○三鍋委員 三十二年度の予算審議の過程におきまして社会党は政府のこの考え方に対して、どうも甘過ぎる点があるのではないか、不必要な点があるのではないかということをあらゆる観点から追及いたしましたことは御承知の通りであります。ところが不幸にも国際収支のアンバランスから金融の引き締めあるいは当初予算を繰り延べあるいは削減する、こういったところに追い込められてきておることは御承知の通りであります。そこで私は初めから、やはりここに集約して質問申し上げておるわけでありますが、公共土木事業費がそばづえを食って大幅に繰り延べとか削減される、こういうことを絶対にやらないように一つがんばっていただきたいのです。これはどの委員会におきましてもそれぞれの言い分、立場があります。建設委員会だけでこういうことを強く要望するということは、それは必ずしも当を得てないということは僕はよく承知しております。しかしこうやって大きな人的災害を如実にまのあたりに見せつけられますと、やはり人命の尊重という立場から考えましてこれは絶対に削減、繰り延べをやらせないようにやって一つがんばっていただきたいのですが、政務次官のお心がまえをお聞きしたい。与野党一致して支持応援いたしますから、一つがんばっていただきたいと思います。御所信を一つ……。
○堀内説明員 ただいまの公共事業費の問題につきましては、すでにこの災害になります以前におきましても計画的な繰り延べはやらないということに大臣も決意をいたしまして、関係方面とも折衝しておるのでございます。ことに今度の災害に伴うところの問題につきましては、大臣も現地を視察しております。御承知のように岸総理大臣も関係者とともに現地を親しく見ておりますので、相当強い決意を持っておるように伺っておりますので、きっと御期待に沿うようにいたすことになると存じますが、私どももその心組みでございますので、今後とも一つよろしく御支援をお願い申し上げます。
○三鍋委員 今度の災害に対しましての緊急措置といたしまして、日本社会党からは、政府は被災者のための住宅の建設、医療、食糧等生活必需品の配給、伝染病予防、就労のあっせん、租税の減免措置等、救済措置を急ぐとともに、予備金の支出、つなぎ融資のあっせんを行うこと、また政府は災害による死傷者に対して見舞金を支給すること、次に被害農家の予約米に対するところの前払金の返済を免除しまたはこれを猶予すること。次に、被災地に対するところの政府関係金融機関によるところの融資の促進をはかるとともに特に商工業者のための原材料または商品購入資金、農家のための営農資金のあっせんを行うこと。こういうことを申し入れしたわけでありますが、私たちの申し上げておることに共鳴願えると思うのでありますが、これに対する政務次官の御所見をお聞きしたい。
○堀内説明員 先般細迫委員長初め社会党の方々からの申し入れは私大臣にかわって頂戴いたしましたが、ただいま三鍋委員の仰せられた問題についてはまだ私存じておりません。あるいはすでに内閣の方にお出しいただいておるのじゃないかと存じておりますが、御承知のように内閣官房長官を中心とした災害対策の協議会をやっておりまして、そこでそういう問題がきっと議せられることと存じますので、その節は、ただいまお伺いしたような問題について、まことに貴重な御意見でございますので、検討の上促進するように努力いたしたいと思います。
○三鍋委員 次官が今すぐこれに対する政府の態度をここで開陳されることは困難であることは私よく了承しております。少くともしかしできたらこういう処置はやってやりたいというお気持ちは私お持ちになっておるだろうと思うのです。そこで私たちは最後に政府に要求したいのは、これを実施いたしますとすると、いろいろと立法処置を講じなければならぬのであります。それがためには十月とか何とかいわれている臨時国会ではすべておそきに失しまして間に合わないのであります。社会党はかねがね岸総理の東南アジアあるいはアメリカ訪問に対する報告、あるいは政府の当初予算に対する大きな経済界の変動によるところのこの予算の処置、そしてこの災害の問題、これらを総合いたしますと、僕は、何とか政府が早く臨時国会を開いて挙党的立場でこれに対策を講じてくれるだろうと国民は皆待っていると思うのです。そういう点から、いろいろと政府にも準備もございましょうし、お考えもございましょうけれども、こういう現実の問題を取り上げてさっとやっていくところに、自衛隊機に乗っていってビラをまくよりももっと大事なところが僕はあると思う。これをしっかりやらぬとあれは変に見られますよ。そういう点から考えましても、政務次官、新鮮なところで一つ岸総理にもよくお話し下さいまして、少しでも早く、十月といわないでほんとうにこの災害対策を真剣に考えられるならば、いろいろの問題とあわせて臨時国会をなるべく早く開くように御進言を願いたいと思うのですがいかがですか。
○堀内説明員 どうもまことに重大な問題でございまして、新任早々の政務次官、しかも大臣のお留守のときににわかにお答えのできない問題でございますが、現在のところ省といたしましては予備費そのほかでもって大体の対策はできる、応急の処置はできるという見通しでやっております。そこで問題はつなぎ資金等の問題につきましても、大蔵省の方とも折衝いたしておりますが、むしろ他の方にある問題でございます。 なお臨時国会の問題につきましては、これは先ほど申しましたように私、省の意見として申し上げるにはあまり重大でございますので、大臣が帰りましたならばよく御意図をお伝えいたし、そして慎重に審議いたしたいと思います。さように御了承願います。
○三鍋委員 なお詳細にわたっていろいろと御希望を申し上げたり、御質問なすべきでありますけれども、何分現地を見る機会を与えられておりますので、その後に譲りまして以上で私の質問は終るわけでございますが、建設当局に一つお願いいたしたいと思います。台風五号に対するところの詳細なる被害報告、それと現在までの対策の内容を記入したところの資料ですね、これを次の委員会は八月の九日に開かれるのでありますが、それまでに御提出願いたいと思います。どうですか、お願いできますか。
○山本説明員 台風五号の災害につきましては、一部緊急査定もやっておりますし、また終った分もございますから、前に差し上げました資料よりも詳しい資料が差し上げられると思いますので、それらにつきまして取りまとめて提出するつもりであります。
○三鍋委員 私、特にそれをお願いするのは、私たちが御質問申し上げまして、それにいろいろと責任者から御答弁を願っている言葉をそのままにお聞きしますと、みんな非常な熱意と努力を払っていただいておることを了解できるのであります。しかし答弁と実際とが全部一致するならば一番いいわけですけれども、できるだけ密接に近寄ったものがどんどんと手を打っていかれないと対策のほんとうの精神が貫かれない、こう思いますから、六月の月末における災害の処置はどのように進んでいるかということがまた今度の対策に対する心がまえでもあり、政府当局の熱意もうかがわれるかと思いますので、お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○薩摩委員長 中島委員。
○中島(巖)委員 西九州の豪雨の災害につきまして各委員からそれぞれ質問があり、当局より詳しい答弁を得たわけであります。そこで先ほども河川局長よりお話がありましたけれども、梅雨前線によるところの豪雨の特徴と申しますか、西九州の災害も五号台風も全くケースは同じようじゃないか、かように考えるわけであります。と申しますのは、台風ならば大体予測もできるし、あるいは地域全体におきまして、多少の差はありましても平均したような降雨量でありますけれども、梅雨前線によるところの降雨量は一カ所へ非常な大量の降雨がわずかな時間に降って災害を発生する。従って中小河川その他におきますところの死者の非常に多いのもこの梅雨前線の特徴じゃないか、こういうようなことで、西九州災害並びに第五号台風はよく類似をいたしておるのであります。 そこで私、五号台風のことについて若干当局に質問をいたしたいと思うのでありますが、五号台風に対するところの当局の処置というものは、他の地域は知りませんけれども、長野県といたしましては非常に迅速果敢な適切な措置をされまして、ほとんど全部緊急査定は済みまして現在請負に出しつつある状態であります。この点は地元の諸君は非常に、かつてないところの異例な処置であるということで感謝をいたしておるわけであります。そこでこの災害につきまして法的に疑問の点が若干ありますので、これは河川局長よりむしろ官房長にお尋ねした方がいいかと思いますけれども、建設省関係の公共土木の災害は、私が申し上げるまでもありませんけれども、昭和二十六年に成立した法律九十七号の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法によってなされているわけであります。そこでこの負担法の第三条におきまして国庫負担の率が明確にされておるわけであります。この三条によりますと、すなわち地方公共団体、各市町村の担税力と申しますか、財政力と申しますかに応じて国の負担をなす、こういうことになっておるわけであります。そこでこの適用除外の項目において、十万円以下のものは国では負担をしない、各地方公共団体の単独災害である、こういうことになっておるわけであります。そこで今度の梅雨前線によるところの災害の特徴を先ほど申し上げましたけれども、一地域に非常に降雨がありますために、この十万円以下の国庫負担の適用除外の災害が非常に多くて、各地方公共団体ではもてあましておるわけであります。そこでこれらに対しましても、建設省として何らか積極的な立法措置でないにいたしましても、通達みたいなものを自治庁なんかと協議されまして、そしていわゆる地方公共団体の財政力に応じた何らかの措置をとらねばならぬ、かように思うのでありますが、これが質問の第一点であります。 第二点といたしましては、すなわちこの第三条は地方公共団体の財政力とにらみ合せて、災害の程度によりまして国が負担する、こういう基本的な趣旨でありますけれども、そこで農林関係の方になりますとこれは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、昭和二十五年の法律百六十九号で出ておりますけれども、これと何らの関係がないわけであります。しかし村費管理、地方公共団体の維持管理であるものは、たとえば農林省の関係のものであろうと建設省の関係のものであろうと、地方公共団体に対するところの財政負担は同じなのであります。しかるに農林省と建設省とを切り離しまして、そしておのおの国庫負担と申しますか、国庫の補助率が地方公共団体の財政力のことをうたいながら、同じ地方公共団体で負担すべき財政支出を二つに分けてしまったという、この点が非常に矛盾しておりはしないか。従って農林省関係と建設省関係と打ち合せてこれらも一貫したものにしなければならぬのじゃないか。この災害に対する国庫負担法に対して、ただいま申し上げました法律上の欠陥と申しますか、矛盾の二点についてどういうお考えであるか。その点官房長から御説明願いたいと思います。
○柴田説明員 ただいま中島先生からお話がございました最初の方の問題は災害国庫負担法、公共土木施設の国庫負担法によりまして小額のものにつきまして適用がないということについての地方財政上の措置について建設省はどう考えておるかというお尋ねであったかと思いますが、この国庫負担法の趣旨も期するところは今まさしくお話がございましたように地方財政上の負担と勘案いたしまして国の補助率、負担率をいかにするかというきめ方の問題である。お話のように第三条、第四条で標準税収入と復旧事業費の総額とを比べまして累進的に補助率が三分の二、四分の三、全額というふうにきまっておるわけでございます。これを原則といたすわけでございますけれども、小額のものにつきましては今申しますような地方財政上の負担の問題でありますので、これを県なり市町村の単独の事業としてやることによってその市町村なり県が負担する財源につきましての心配を国がめんどうを見る。つまり起債についても極力大部分のものに近いものを起債のめんどうを見、かつまた財政措置といたしまして特別交付税等の交付といったようなことによりまして自治庁の方がめんどうを見るという形に相なっているわけでございます。金額が小さいために工事が小さいのでそういうような措置をいたしておるわけでありまして、目的は地方財政の負担が過当にならなくて困らないようになればいい。しかし公共工事の復旧の事業といたしましての仕事の性質からいいますれば、小額のものは単独の事業にやらせよう、こういう趣旨であると思います。そういうことでございますので、お話の通りでございまして、こういう災害のいかんによりましては非常に小さいところがやられて、市町村や県の小さい工事でたくさん災害の復旧をやらなければならぬということになりますと、本年起っておりますような災害に確かに問題になり得るわけでございます。これは一に私どもといたしましては、十分自治庁の方と話し合いをいたしまして、これは自治庁自体の責任におきましてこの県、市町村分の財政援助については措置をとってもらいたいという考え方で参りたいと考えておるのでございます。 それから第二点のお話の建設省におきますような公共土木施設と農林省がやっておりますような農業関係施設の復旧法が法体系を異にしているわけで、同じような復旧法でありながら同じ法律に一本化されておらなくて別になっているのは、地方財政の負担というようなことから考えれば合理的ではないではないかというお尋ねであったかと思います。地方財政の負担からいいますれば確かにお話のように考えられると思うのでございますが、これはやはり国と市町村の負担率をきめる問題でございますので、あわせてその復旧事業の性質がこちらの方はいわゆる公共の土木施設の復旧であり、農林省でやる方は公共とは申せない、いわゆる農業関係の施設の復旧であるというところから、事柄の性質上国と市町村の負担率をきめる上において法体系を別にしておるものであろうというふうに考えるわけでございます。同じ農林関係のものであっても公共土木施設の法律の中に、この前もお話がございました林地荒廃防止施設といったようなものはやはり公共土木施設というような見方でこの法の中に入っておる。私的なものはもちろん大事なものではございますが、公共土木施設とは区別して別な復旧法を法体系として立てておるというふうに考える次第でございます。
○中島(巖)委員 今の法律の建前を官房長は話されたのですが、そこで私の質問するのは、結局第一点としましては、災害の額は小さい。けれども、今度の特徴といたしまして一カ所に何十何百ということになって大きな数字になるのであります。従ってこれに対して自治庁とも十分打ち合せをされて、いわゆるこの国庫負担法の第三条のような趣旨で、地方公共団体の財政力に応じて、その被害が非常に甚大である場合はどうするというような一つの規定をこしらえておかぬと、地方公共団体はこれの陳情にうき身をやつして、そして下の方の小役人の考えでもってどうでもなる、こういうような結果に現在なっておるのであります。自治庁と話し合って、ある一定の基本的な方針をきめたらどうか。 第二点の質問に対しましては、官房長より公共事業と公共事業でないものという御説明でありましたけれども、いずれにしても地方公共団体の維持管理にかかるものは、林道であろうと農道であろうと、用水路であろうと、その公共性と申しますか、度合いは同じであって、それよりは基本的な問題は地方公共団体の財政力というところにこの法第三条の重点を置いてあるのだ、こういうように解釈するときにおいては、当然これも含めるべきものだと考えるわけでありまして、今お尋ねいたしましても、官房長からどうこうという御返事はできないと思いますので、一つ御研究を願って、また研究の結果ある程度の見通しが出ましたら、いずれかの機会に御説明をいただきたい、かように希望しておくわけであります。 そこで第五号台風の関係について道路局長にお尋ねいたしますが、長野県の幹線道路とも言うべき国道百五十三号線すなわち名古屋−塩尻線が非常な決壊をいたしまして、自衛隊で一カ月有余二百四十名も出動して食糧の補給をしておったわけであります。そこでこの前の委員会で国土課長にお尋ねいたしましたら、七月十日ごろに大体中継ぎで通れるようになるのではないか、八月一ぱいには大体完成して交通可能であると現地から報告を受けておるというようなお話でありましたが、この点どうも国土課長の言われたようにはいけないのではないかというように思えるのでありますが、何か県の方からでもこれについて報告があったか、あるいはその後情勢が変ってどういう御方針になったか。当時はまだ工法などもきまっておらなかったようでありますので、その後についておわかりの点があったらお聞かせを願いたいと思うわけであります。
○富樫説明員 名古屋−塩尻線の五号台風による災害の復旧につきましては、重要な幹線でございますので、私どもの方も関心を持って処置いたしております。前回の委員会で国土課長からお答え申し上げましたが、その後緊急査定も済みましたし、県の方とも連絡いたしまして、八月中には応急的に自動車の通れるまでに復旧するということをかたく申しておるのでございます。私どもといたしましても、八月中には応急的に自動車を通すというところまで実施いたしたいと考えて努力する所存であります。
○中島(巖)委員 本日は主として西九州の災害の関係でありますから、五号台風のことはあまり質問するのもどうかと思いますので、もう一点河川局長に質問いたしまして私の質問を終りたいと思います。 そこでこの西九州の豪雨による災害の被害状況の対策なんかにも、警戒水位ということが出ておりますが、おそらくこれについては建設省として一つの定位があり、その警戒水位に対しましてそれぞれ防災の工事をされておる、原則的な問題になるわけですが、こういうように考えるわけです。その点について御説明願いたいと思います。
○山本説明員 河川の改修等の治水工事につきましては計画洪水位というものを作りまして、それだけの水が来たときに十分安全になるような工事をいたしております。それから警戒水位というのはその川の実情に応じまして水防態勢の準備をする水位ということでございまして、その水位になりまするとこの川は十分見回りをしなければいかぬ、あるいは水防態勢の準備に入らなければならぬというふうな目安にいたしておる水位でございまして、大体計画水位とふだんの水位との関係は、計画洪水位までの水位の差は三割ないし四割ぐらいの水位になっておるわけであります。
○中島(巖)委員 今警戒水位と洪水水位のお話を伺ったわけでありますが、かりに一つの例といたしましては、大久保ダムなり門島ダムなりによって河床が三メートルなり五メートルなり上昇したという場合においては洪水水位も警戒水位も変動してくるわけであります。そういう場合にはやはりそれらの洪水水位なり警戒水位なりを建設省としては変更して国の防災工事の方法を立てる、こういうように了承してよろしいのですか。
○山本説明員 当初の計画を立てるときに比べまして河床が上ってきたというようなときには、当然計画流量というのがもとでございますので、同じ流量で参りますと川底が上りますと水位が上るわけであります。従いましてそれに応じて水位を高めるなりあるいは河床を低下する計画をとるなりいたしまして、河床を低下することにいたしますればそれほど水位を上げなくてもいいわけでございます。河床を掘らない場合においてはそれに応じて計画水位を上げなければならぬというふうなことになるわけでございまして、そういうふうな処置は計画変更をいたしまして処置したいと思っております。
○中島(巖)委員 そこで今度の五号台風によって天龍川水系において新しい顕著な事実が発生したわけであります。と申しますのは、梅雨前線の特徴といたしまして一つの限定された地域に異常な豪雨のありましたために天龍川の支流の上砂が非常に押し出してきた。ところが門島ダムのために天龍川の河床が上昇しておりますので、支流の流砂がはけないというわけで、二万メートル以上の地域の豊丘、喬木村なんかの加々須川、虻川、小川川なんかの支流の河床が二メートルぐらい上昇しまして、それがために支流に沿っておる田の方が湿田地帯になった、あるいは家がそれがために何戸か立ちのかなければならぬということが起きたという非常な顕著な事態が発生したわけであります。そこで先ほど三鍋委員からこの災害予防についていろいろの質問があったわけでありますが、実際これらは全くの人工被害となるべきことが非常に顕著にわかっておるわけであります。この問題については二、三年来私この委員会において質問いたしておるわけでありまして、国には建設大臣もあり総理大臣もあるわけでありますけれども、私どもといたしますれば、少くとも河川行政についての国の最高権威は河川局長である、こういうように考え、河川局長に対して質問し、河川局長の答弁は国の名において必ず確実に実行できるものである、かような信念のもとにここで質問し、答弁をいただいておるわけであります。従いましてただいま申し上げましたような実情と、さらにその上流におけるところの大久保発電所におきましては、この前参考人を招致いたしました際に、天龍大橋というのがかつて橋をかけた当時は下をトラックが荷物を満載して通れるぐらいであったが、河床が上昇したために橋の下が今わずか二尺か三尺になったので、ここに洪水のために材木がひっかかれば堤防を切って多数の家屋、数十町歩の美田が流されるという状態になっておることも、局長は耳にされておるわけであります。従って洪水期も近づいておりますし、係官を派遣して緊急にこれらに対して処置されんことを希望いたすわけであります。御答弁は要りません。 以上をもって私の質問を終ります。
○薩摩委員長 ほかに御質疑はありませんか。——なければ、本日はこの程度にとどめ、次会は八月九日金曜日、午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会