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26回国会衆議院1957/05/16

建設委員会 第23号

発言数
50
登壇者
9
会派数
2
開催日
1957/05/16

会議録

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 これより会議を開きます。  昨日付託になりました瀬戸山三男君外七名提出宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を議題とし審査を進めます。提出者より提案の趣旨につきまして説明を聴取いたします。瀬戸山三男君。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山三男君 ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  宅地建物取引業法は、御承知の通り、宅地建物取引業を営む者の登録を実施し、その事業に対し必要な規制を行い、もってその業務の適正な運営をはかることにより、宅地及び建物の利用を促進することを目的として昭和二十七年六月に制定され、従来何らの規制措置もなかった宅地建物取引業の運営に一定の秩序を与え今日に至っているのであります。以来、この法律は適正な業務の遂行と宅地、建物の利用の促進に寄与し、現在、登録業者の数は、全国で約二万二千人に達しておるのであります。  しかるに、現行法のもとにおきましては、破産者や未成年者等を除くほかは、一定の登録手数料を納めればだれでも登録して営業できることになっており、従って業者の中には、この業務を行う上に必ず知っておかなければならない必要最小限度の知識すら有しない者も相当見受けられます。また登録業者の一部には、不心得のものも若干あり、かつ、登録業者を装ったいわゆるもぐり業者の数も少くなく、このため宅地、建物等の取引を通じ、依頼者が経済的に不測の損害をこうむる等、各種の事故を発生している例が相当の件数に達している状況であります。  そこで、今回業者の質を向上し、業者に対する一般社会の信頼度を高め、業務の運営を一層適正化するため、以下のような措置を講ずることといたしました。  まず第一に業者の設置する事務所ごとに、都道府県知事の行う試験に合格した者を専任の取引主任者として一人以上置くことといたしました。この試験は、宅地建物取引業に関して必要な知識について、建設省令の定めるところにより行うこととし、試験に合格した者は、これを宅地建物取引員と称することといたしました。  第二に業者の事務所ごとに一定額の営業保証金を供託しなければならないことといたしました。  この営業保証金は、主たる事務所のもよりの供託所に供託することにし、その額は、主たる事務所につき十万円、その他の事務所につき事務所ごとに五万円の割合による金額の合計額とし、その合計額は三十万円をこえないものとしております。  なお、宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し、取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、供託した営業保証金について債権の弁済を受ける権利を有することといたしております。  また、宅地建物取引業者は、供託した営業保証金を登録が抹消された場合には取り戻すことができるようにいたしております。  次に宅地建物取引員の品位の保持と資質の向上をはかり、あわせて宅地建物の取引にかかわる業務の進歩改善に資する目的をもって、都道府県の区域ごと及び全国を単位として、宅地建物取引員会及び宅地建物取引員連合会と称する民法第三十四条の規定による法人を設立することができることといたしました。  以上のほか、事務所の移転に伴う登録がえの規定を設けるとともに、無登録業者に対する取締りを厳にするため無登録業者のいかがわしい標示広告を禁止する規定を設けたのであります。  次に、従来この法律の適用除外となっていた信託会社及び信託業を兼営する銀行についても、試験等の新しい制度が設けられましたため、この際これらのものに対しても、この法律を適用することといたしました。  なお、今回の改正に伴う新しい制度が円滑に実施されるよう、附則において必要な経過規定を設けました。その主要な点は、以下の通りであります。  第一に、この法律施行の日から二年をこえない範囲内において、政令で定める日から、各事務所に取引主任者を設置することとし、現に営業している業者については、その政令で定める日までに引き続き四年以上の実務経験を有し、かつ都道府県知事の行う選考に合格すれば試験を免除することといたしております。  第二に、営業保証金につきましては、現に営業している業者については、昭和三十四年七月三十一日までは適用しないことといたしました。  第三に、先ほど申し上げたように従来この法律の適用除外となっていた信託会社及び信託業務を兼営する銀行にもこの法律が適用されることとなりましたので、以上の信託会社等につきましても取引主任者の設置、営業保証金の供託等に関しましては、従来から営業している宅地建物取引業者と同様に取り扱うことといたしました。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 本案に対しまして御質疑または御意見があれば発言をお許しいたします。——別に御発言もないようでありますから、この際直ちに採決をいたしたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 御異議ないものと認めます。  これより宅地建物取引業法の一部を 改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお本案に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 御異議なしと認めます。よってさようにいたします。    ———————————

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 この際お諮りいたします。昨日予備付託になりました参議院議員田中一君外二名提出、公営住宅法の一部を改正する法律案、住宅公社法案の二案を一括して議題とし、審査を進めるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 御異議ないものと認めます。それでは提出者より提案の趣旨につきまして説明を聴取いたします。 田中一君。

田中一日本社会党

○田中参議院議員 ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  公営住宅法は、昭和二十六年に住宅に困窮する低額所得者に対し、低家賃の住宅を供給する基本法として制定されたものでありますが、そもそも公営住宅の出発点は、戦後経済事情の激変から民間の貸家供給が行われなくなり、戦前その七割まで民間の貸家に依存していた勤労大衆は、とうていみずから建設する資力もなく、これが住居安定のため、国が、住宅を供給する地方公共団体等に建設費を補助し、賃貸住宅を建設してきたことにあるわけであります。従いまして、公営住宅の本旨は、低家賃であることと、健康な生活を営むことができるものであることに置かれなくてはなりません。  翻って現状を見ますると、一方に国の助成を受けて、住宅公団や住宅協会等のやや高額の家賃の住宅が建設されておりますが、公営住宅におきましても、その入居者の幅は、いわゆる低額所得者から月収三万数千円の所得階層にまで及んでおりまして、入居者の生計費に対する家賃負担は必ずしも均衡を得たものとはなっていない実情であります。またその住居は、家賃そのものに制約されて、健康で文化的な生活を営むに足りるものとは必ずしも合致していないのであります。すなわち、低収入者は、たとい多数の家族をかかえておりましても、わずか八坪以下の小規模住宅に生活することを余儀なくされている状態であります。この原因は、家賃のきめ方と、国の補助率、入居者の選定と維持管理の仕方等にあると考えられますので、これらの諸点に関し根本的な改正を行い、公営住宅の建設の促進と入居者の機会均等をはかるため、ここに本法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の要旨について申し上げます。まず第一に、第一種公営住宅と第二種公営住宅の区別を廃止したことであります。現在、第二種住宅は第一種住宅の家賃を支払うことができないほどの低額所得者に対し、あるいは災害で住宅を失った低額所得者に対し供給することになっております。従って、建設費に対する国の補助も第一種が二分の一であるのに対し、三分の二になっておりますが、それでもなお家賃を低額にするため、第二種は第一種より規模や質を下げている状態であります。この改正案では家賃の算出方法を、地方公共団体が支出する建設費の償却と経営に必要な維持管理費等によって計算することをやめて、入居者の世帯収入の一割を基準として入居者ごとに定めるようにいたしておりますので、従来の一種、二種の区別をなくすようにしたわけであります。  第二に、集団住宅には必ず共同施設を設けなければならないこととし、また中高層耐火建築物の一部として公営住宅または共同施設を建設するように努めなければならないことといたしました。  第三に、家賃は、入居者の世帯収入の一割を基準として定めるようにしたことであります。現行家賃は、建設費のうち国や都道府県の補助部分を除いて、土地、建物に要した費用の償却費と修繕費、管理事務費及び損害保険料を加えたものを月割額で算出しておりますが、このため年度によりあるいは地域により家賃に差異を生じ、入居者もまたこれによって家賃負担が必ずしも公平ではなくなっております。これを入居者の世帯収入の一割を基準として収入に比例して家賃をきめます場合には、個々の建物について償却や維持管理が成り立つようにするのではなくて、その地方公共団体の管理する公営住宅全体として経営が成り立つようにするわけで、従ってまた、住宅が一定の基準によって質が確保される以上、規模の大小によって家賃に等差をつけないことが可能になり、低額所得者であっても家族の多い者は、それに見合う住居が確保されるようになるわけであります。  第四に、公営住宅等の建設費の国庫補助率を十分の七に引き上げたことであります。すなわち、公営住宅並びに共同施設の建設及び災害に基く補修についての国の補助率を一率に十分の七に引き上げ、地方財政の現況に応ずるとともに、公営住宅の規模と質の向上をはかり、かつ新しい家賃体系に即応し得るようにしたわけであります。  第五に、入居者の選定については、住宅困窮者の登録制を採用したことであります。すなわち、事業主体ごとに住宅困窮者の登録制を採用し、被登録者のうちから、住宅の困窮度、家族構成、住宅の床面積、通勤の利便等を考慮して入居者を選定することとし、その基準は政令で定めるところに従って条例で定めることにしております。その他、公営住宅または共同施設の譲渡処分は、できないようにしたこと、家賃の減免措置を設けたこと等であります。  なお家賃に関する新たな規定にかかわらず、既存の公営住宅に入居している者については、従前の通りにいたしておりますが、ただし従前の家賃が新規の家賃より高額なものにつきましては、その差額分だけ減額することとし、この場合地方公共団体の既定収入に不足を生ずる分だけ国が補助をすることといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。  次にただいま議題となりました住宅公社法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申上げます。  現在わが国の住宅建設は、約四割が国の財政投融資などの助成によって行われているのでありますが、その中心をなしておりますものは、公営住宅と日本住宅公団の住宅並びに住宅金融公庫の融資住宅の三つであります。御承知のように、公営住宅は昭和二十二年以来、庶民に対する唯一の低家賃住宅として、地方公共団体が国庫補助を受けて供給して参っているものであり、また住宅金融公庫は、昭和二十五年、住宅建設に対する長期低利資金を融通する金融機関として、日本住宅公団は、昭和三十年、主として大都市周辺に集団的耐火構造住宅の建設と大規模な宅地造成を行う機関として、それぞれ設立されたものであります。これらの施策のうち、住宅金融公庫は少額の頭金を有するいわば中産階級を対象に置いたものであり、その貸付方針も個人に重点を置いてきたのでありますが、過去の実情を顧みますとき、個人の建設力は、建築費の高騰に伴う自己負担金の増大と住宅取得の困難から、次第に立法当初の期待とは遠ざかりつつある感が強いのであります。すなわち、その後、事業会社が建設主体となる産業労働者住宅、あるいは地方公共団体、公益法人並びに民間会社等の行う分譲住宅の供給が行われるようになり、その比重が逐年大きくなってきていること、さらに、日本住宅公団が設立されて、賃貸並びに分譲住宅を大規模に建設するに至った経緯を見ましても、その事情が看取されるであります。さらに今日におきましては、住宅金融公庫から融資を受けて供給する住宅協会等の賃貸住宅と住宅公団の建設する賃貸住宅、あるいは同じく公庫融資による産業労働者住宅と住宅公団の特定分譲住宅等、その性格と供給対象において同種競合する面がきわめて多いのであります。すなわち、両者共通するところは、公庫も公団も自己資金または民間資金を活用して、中流以上の所得階層に対する住宅供給、あるいは会社の給与住宅を供給している点であります。  翻って、わが国の住宅事情の現状を見ますと、中流以下の所得者、とりわけ低所得者の住宅困窮度が著しいことと、都市住宅が個人住宅によって、いたずらに低平に広がり、市街地宅地の有効適切な利用が妨げられ、かつ宅地難に陥っていることであります。この解決のためには、一方に中高層の公営住宅を思い切って拡充強化し、勤労階層の住宅難に対処するとともに、他方、低廉な耐火性の分譲住宅を集約的に建設することによって、市街地宅地の高度利用と、都市の健全な発達をはかる必要があります。  以上申し述べました観点から、現在の住宅金融公庫並びに日本住宅公団を一本に改組し、新たに住宅公社を設立し、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設し、住宅困窮者に適正な価格で長期割賦支払いの方法で譲渡し、住宅難の解決と都市の不燃化をはかるため、ここに本法律案を提出した次第であります。  次にこの法律案の要旨について申し上げます。  第一に、住宅公社の性格は公法人とし、資本金は全額政府出資とし、日本住宅公団並びに住宅金融公庫の資本金を引き当てることといたしております。  第二に、公社に経営委員会を置き、公社の業務の運営に関する重要事項を決定する機関とし、委員は両議院の同意を得て、建設大臣が任命することといたしております。  第三に、公社が建設する住宅は、原則として四階建以上の耐火構造共同住宅とし、譲渡する住宅には、間仕切り、建具等の造作を除いて、分譲価格を廉価にし、それらの室内造作は譲受人がみずからの資力と趣好に応じて行うようにしたことであります。  第四に、譲渡価格の支払いは十年以上三十五年以内、年利五分五厘の割賦支払いとしておりますが、譲渡契約の日から十年間は一時支払いができないことにし、施設の不当なる利用を防ぐことにいたしております。  その他、公社の実施すべき分譲住宅の建設五カ年計画、公社の業務、財務及び会計並びに政府の監督等について必要な規定を設けることといたしました。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 それでは次に道路、河川及び都市計画に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の通告があります。これをお許しいたします。二階堂進君。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 私はきょうは建設行政の問題に関する二、三の点につきまして、当局の御意見を承わりたいと思います。特に私はきょうは大蔵省の主計局長、自治庁の小林財政部長をお願いをいたしておるのでありますが、まだお見えになっておりませんけれども、特に私が大蔵省の方に来ていただいたのは、来年度の建設行政に関する予算のこと等につきましてもお考えを承わっておきたい、かように考えまして、お願いをいたしたのであります。私は大蔵大臣に来ていただきたいと思いましたが、お忙しいので、やむなく予算編成のときに特に中心になられる主計局の森永局長を昨日来お願いいたしておったのでありますが、けさになって忙しいから来られないというようなお話であります。どういうお忙しい用事かわかりませんけれども、私どもは建設委員会の一人といたしまして、特に国土保全の関係からあるいは経済発展の上からもこの建設の行政が政治の上で大きな役割を果しておるということを信じておるのでありまして、真剣に一つこの建設行政の根本に関する意見をただしたい。こういうことで特に大蔵省の主計局長に来ていただきまして基本的な考え方をお伺いいたしたい。こういうわけで私はお願いをいたしておったのでありますが、けさになってからどうも会議の都合で来られぬというようなことを言って参りました。私といたしましてははなはだ不満であります。どういう会議があるか知りませんけれども、国会を軽視されるような気持を私どもは抱かざるを得ないのでありまして、お忙しいことはわかっておりまするけれども努めて出ていただくようにさらにお願いをいたしておるわけであります。いろいろ他の同僚議員からの質問もあるようでありますので、私は簡単に要点のみをかいつまんで質問をいたして御所見を承わりたいと思っております。  まず道路行政に対しての基本的な考え方であります。建設省は前から道路十カ年計画というものをお立てになっております。この十カ年の計画の内容もすでに発表をされております。昭和二十九年にお立てになりました五カ年計画が、昭和三十二年度になりましても実際計画通りに進行しておらないことは御承知の通りであります。この五カ年計画が計画通りに行われていない今日、さらに建設省は十カ年計画というものをお立てになって道路整備を積極的に推進しょうというお考えであります。私はこの考え方については賛成であります。しかしこの十カ年計画の内容をいろいろ調べてみますと、これは相当遠大な膨大な計画であるように考えられます。そこで簡単に私は大臣のお考えを承わっておきたいと思うのでありまするが、この五カ年計画を解消して十カ年計画を樹立されなければならなかった基本的な考え方を簡単でようございますが、一つ大臣にお答えを願っておきたいと思います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 お答えいたします。昭和二十九年五カ年計画を立てましてことし三年になったのでありますが、これは今年度三十二年度の予算の道路費の点からいいますと大体において五カ年計画は予想通りに進行することになっておったのであります。しかしながら昨年度におきまして経済企画庁等が将来の十カ年の輸送計画等を立てまして日本の産業経済の基本的計画を立てましたときに、この輸送計画の線に沿っていきますると、どうしても十カ年後における日本の輸送状況というものは著しい飛躍をすることがはっきりいたしましたので、これでは今までの五カ年計画を一応いたしましても、またさらに五カ年なり六カ年の計画を立てなければならぬというような事態を考えまして、それならばいっそこの機会に、国民の世論も道路の整備ということに非常に関心を持った機会であるから、予算等の措置もありますがこの機会に、抜本的に一つ十カ年計画を立てまして、経済企画庁等のこれらの国策に沿うような線でいきたい、こう考えて実は策定したようなわけでございます。もちろんこの財源等につきましては御承知の通り今日確定いたしておりませんので、今後これらについての勘案をしまして、三十三年度予算等についてはこれらの見通しをつけまして皆さんの御審議を願わなければならぬと、ただいま考究中なのであります。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 大体五カ年計画の基本的なお考えを承わったのでありまするが、一面におきましては五カ年計画が財政の事情等から思うような金も出なかったので計画通りいっていないということも一つの理由でありましょうし、さらに今大臣が申されましたように、わが国の経済の発展というものは非常なスピードを示しておりまして、特に昭和二十九年から三十年、三十年から三十一年、この間における日本の生産規模の拡大というものは、これは世界が驚きの目をもって見ておるほどであります。こういうような国民の生産の飛躍的な増大の推移に対応するために、新たな輸送隘路の打開を考えて即応するような整備計画というものを立てなければならなくなった。そして十カ年先の産業規模、経済のアップ・カーブにマッチするような道路整備というものを考えていって、そうして輸送の大きな負担をになっておる道路の整備を急ぐ、これは当然なことであろうかと考えております。卒直に申しますと、私はこの十カ年計画の内容をもってしても道路整備というものはまだまだ諸外国の道路に比較しまして非常に劣っておるといわざるを得ないと考えるのであります。大体道路というものは、私は一級国道はもちろんのこと、二級国道その他府県の主要県道というものはすべてこれは舗装しなくてはならないという考え方でもって道路の計画あるいは事業を推進されるのが当然であろうかと考えております。十カ年計画の中にいろいろ考えられております内容は、十カ年後において一級国道を全部舗装する、もちろん橋も木橋を永久橋にかえる、その他改良を全部完成するという構想であります。これは十カ年あとの構想であります。なお二級国道についても相当な進歩が見られるのでありますけれども、この十カ年後における構想を見てみますと二級国道において約半分くらいの舗装しかいっていないといったような状況であるのでありまして、私が先ほど申し上げましたような考え方からいたしますれば、十カ年たったあとにおいても日本の道路というものは一級国道がようやく道路の形を整えたという程度にすぎない。こういうことでは私はこの道路の十カ年計画をせっかくおやりになりましてもりっぱな道路ができ上るということはいわれない。特にまた産業経済の発展の規模にマッチして道路整備計画というものをお考えになっておる以上、道路整備の重点というものが大きな都会を中心にして行われていく、あるいは工業地帯と工業地帯とを結ぶそういう主要道路というものが中心になって考えられていくので、そういうところの付近の道は非常によくなるが、そのために地方の一般の道路等が予算の上において犠牲になるというような結果にもなりかねないということを私は心配をいたすのであります。そういうような十カ年計画をお立てになりましても、問題になるのはやはり予算の裏づけがなければならぬと思います。十カ年計画で一級国道、二級国道の主要道路を大体計画通り整備されるということになりましても、総事業費が大体七兆二千億というような計算になっております。このうちでも特に緊急を要するような道路八万キロを整備されるといたしましても、四兆七百六十億という金が要るわけであります。これは大へんな予算であります。大体四兆七百億と申しましても、一カ年にして四千億以上の事業費が要るわけであります。そうしますと、幾ら十カ年計画というような遠大な計画をお立てになりましても、予算の裏づけがなければ、これは五カ年計画と同じように計画倒れになってしまうのではないかと考えております。私はこのような考え方からいたしまして、大臣としては予算の裏づけに自信をお持ちになってこの十カ年計画をお出しになろうとしておるのか、あるいはこの予算の裏づけに対してどういうような処置をもって臨もうとしておられるのか、この点をお伺いしておきたい。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいま建設省が全国の国道並びに県道、町村道まで合せて七兆何千億という数字が出たのを十カ年計画で全部するかのようなお問いでありますけれども、そうじゃないのであります。今建設省が考えております十カ年計画というのは、一応一級、二級国道を改良し、あるいは完全舗装して、とりあえず交通上の隘路を打開して、産業経済の進展に資していきたいという考えであります。この一級、二級の国道を完全舗装しました場合には、約一兆七千億という計算でありまして、先ほどお話の七兆あるいは四兆というのは、これは町村道まで入っての話であります。ですから、今建設省が十カ年計画と申しております整備計画は、一級国道、二級国道約一万数千キロを舗装するということでありますから、一兆七千億くらいでありますと、一カ年に大体一千数百億ありますと、完成するわけであります。そこでこの計画に基きまして、三十二年は初年度として約九百七十億くらい、一千億近いものを要求したいという計画をしたのでありますけれども、そのような事情で今年は達成できませんで、ガソリン税の値上げ等で五百何十億になりましたが、この一級、二級国道のうち、とりあえずは産業上最も必要なものをこの予算の範囲内でやっていこう、そして将来国の財政計画とにらみ合せて予算計画ができる場合には、できるだけその方向に持っていって予算を獲得したい、こう考えておるようなわけであります。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 私は、大臣の今言われたことはその通りだろうと思っております。しかしいずれにしましても、輸送の隘路を打開するために大きな構想をもって道路整備の計画をお立てになっているわけですが、先ほど申しましたように、今お考えになっているようなことであっては——やはり日本経済の発展の推移等を考えてみましても、漸次これは改善されていくと思いますけれども、それではとうてい間に合わないのじゃないか。陸上における人の動きを見ましても、鉄道による輸送人員、貨物量、バスあるいは乗用車等の動きを見てみましても、鉄道の数は非常に多いのでありますが、漸次減少の傾向を示しておるに反しまして、道路による運送量は、人の動きにしても、あるいは物の動きにしても、だんだんふえてきております。現在の道路の状態から考えてみましても、人や物を運ぶ道路のキャパシティというものはほとんど限界にきていると思う。道路局でお考えになっている十年後において、今大臣が申されましたような構想で一応整備ができたといたしましても、道路の運び得る人とか物とか、そういう道路の輸送負担のキャパシティというもの、十年後にお考えになっているような隘路打開ということが実際にできるかどうか、十年後に一体どのくらいの道路のキャパシティというものを道路局長はお考えになっているのか伺いたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 道路整備十カ年計画に考えました道路のキャパシティの問題でございますが、この十カ年計画によりまして道路を整備いたしますと、現在のキャパシティの約三倍になるわけであります。これは経済企画庁が前にお考えになりました経済五カ年計画に考えられております輸送量の伸びを考えまして、経済五カ年計画では五年先を見ておったのでありますが、それに基きましてなお五年を加えて十カ年先の輸送量を想定いたしまして、それに基いて必要な道路のキャパシティに合わせるように十カ年計画は立てているわけであります。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 建設省のお出しになっておりますこの十カ年計画案は、先ほど申し上げましたように、これは地方の町村道などを入れて整備すると七兆二千億になる。しかし当面整備を必要とする約八万キロの道路整備を目標として、これに要する事業費が四兆七百億というものが出ております、この八万キロというのは、当面必要な計画だということはうたわれておりますが、この八万キロの整備というものは、日本の経済拡大の上から考えられた道路のネック解消に必要な道路だというふうにお考えになっているのですか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 町村道も含めまして、わが国の道路全体を整備いたしますには七兆二千億ほどかかります。そのうちぜひとも重要だと考えられる県道以上が主になりますが、全部改修いたすとしますと、四兆七百六十億かかるのであります。十カ年計画はこの中からさらに選びまして、一兆七千億の事業費で道路を整備しようという計画でございますが、この十カ年計画で実施いたそうとするものは、事業量にいたしまして道路の改良が二万八千キロほどでございます。この二万八千キロほどの道路の整備をいたしますと、先ほど御説明申し上げました十年後に予想されるキャパシティに応ずる改良ができると考えておりまして、この考えで十カ年計画を立てているわけであります。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 くどいようでありますが、私は道路はもっと積極的にやらなければいかぬという考え方を持っているのであります。結論から申しますと、そうしたならば予算的な裏づけというものを当然考えていかなければならぬ。国の経済が発展していくのですから、海上における輸送の隘路も解消しなければならぬ、あるいは鉄道等における輸送の隘路も解消していかなければならぬ。特に道路の負担というものは今後ふえていくのですから、その面についても積極的にこれを解消していくのが当然ではないか。これはわれわれ政党としても一つの大きな政党の支柱になるべき考え方だと思っております。そこでもう一ぺんくどいようでありますがお尋ねいたしますのは、大体当面必要な八万キロというものが、十カ年後、あるいは今から先十カ年の経済のアップ・カーブに見合って輸送のネックを解消するために当面必要なと書いてあるが、当面必要な計画キロかどうか。あるいはこれがなくても経済の規模のアップ・カーブにマッチして輸送の隘路が打開できるのかどうか。私はその点をお尋ねしたい。これは全部すると七兆幾らになる。そんな金は今大蔵省に幾ら言ったって、とにかく国の財政というものに限度がありますから出せっこないことはわかっておりますけれども、少くとも道路整備というものは積極的にやらなければいかぬという考えなのです。すべて一級国道は来年度から国の管理にすべきだ、二級国道も十年たったら全部舗装ができるというような考え方によって、この計画をお立てにならなければいかぬと思っております。特にまた、日本経済の発展の規模とマッチして輸送の隘路を打開するという基本的な、信念的な考え方がなければ、とうていこういう計画というものは完遂できないという考え方を持っておる。ですから、八万キロというものは、ただあいまいな考え方での当面必要なキロ数かどうか。これだけなければならないという信念的な考え方からこういう八万キロというものをお出しになっておるのか、その基本がきまらなければ、これから予算のときなんかも、われわれは非常に年度末になって苦労するのですけれども、そういう信念的な考え方を一応承わっておかなければいかぬと思います。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 われわれの方で長期計画と言っておるわけでありますが、この長期計画を実施いたさなければならぬと考えておるわけであります。ただ十カ年計画では、財源の関係もございますので、十カ年後に予想される輸送量にマッチした道路計画ということで十カ年計画を立てたわけでございますが、お話しのように、十カ年計画におきましては、十カ年後の輸送量に間に合うというだけでございまして、余裕はないわけでございます。そういう点から考えますと、もっと積極的に実施すべきものと考えるのでございますが、全体計画は七兆数千億円というので、ちょっと実現がどのくらいの時期を要するかわからない数字でありますけれども、そのうちから四兆ほどのものがぜひわが国の道路の整備のために実施いたしたいと考えておるわけであります。ただその十カ年計画を立てましたのは、先ほど申し上げましたような理由で、十カ年後の輸送量に応じた、また財源のことも考慮いたしまして十カ年計画というものを立てたわけでございます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 国の方では経済五カ年計画というものをお考えになっておるようであります。この五カ年計画を新しくお立てになるような考え方があるようでありますが、この道路だけを十カ年というふうにお考えになったのはどういうわけか。私は長期計画をお立てになるのはきわめてけっこうなことだと思っております。しかし過去の五カ年計画を見てみましても、思うようにいっていない。十カ年計画を立てると、十カ年のうちに大体計画は遂行できればいいという安易な考え方になってしまうのじゃないかというふうに非常に心配するのです。そこで十カ年計画というものは、経済企画庁や運輸省あるいは大蔵省と十分打ち合せをされて十カ年計画というものをほんとうにお立てになるつもりか。あるいは今十カ年計画の資料等も府県別にお集めになっておるようでありますが、そういうものを集められて、さらに十カ年計画というものをもう一ぺん練り直されるのではなかろうかというふうに私は考えておりますけれども、一応この十カ年というものが出ております。この十カ年というような長期にわたる計画をお立てになりますと、十カ年のうちに道路というものはでき上ればいいのだというふうなことに、ことに予算のときなんかそういうふうなことでごまかされるおそれがあると思う。そこで十カ年計画もけっこうですが、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画といったような、経済五カ年計画とマッチするような考え方で一応五カ年というような期限で計画をさらにお立てになる考えがあるかどうか。十カ年というと十カ年のうちに一応作ればいいというような考え方で、昭和三十三年度の予算はこれだけ要求はあるが、これだけでいいのではないか、あるいは三十五年までにどれくらい作ればいいじゃないかというようなことでごまかされてしまうと思う。何かはっきりした計画をこれからお立てにならなければいかぬ。その計画は国民をだますような計画であってはいかぬと思う。ほんとうに五カ年計画をお立てになるならば、財政的な見通しもしっかり立てて、そうしてわれわれ自由党といたしましても、選挙民をだますような、選挙のときだけ公約するような計画であってはいかぬと思うのです。私は十カ年計画もけっこうだと思うが、経済五カ年計画にマッチするような、具体的な内容を持った、五カ年のうちにはこれだけの仕事をやるんだという信念を持って計画をお立てになるのがいいんじゃないか、これは私の私見でありますが、そういうように考えるのでありますが、その点はどうなんですか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫政府委員 先ほど御説明申し上げました十カ年計画は、前に立てた十カ年計画でありまして、お話しのようにただいまこれを検討中でございまして、各県からも資料を取り寄せております。またこの計画につきましては、大蔵省ともよく御相談いたしまして確立するつもりであります。この前に立てました十カ年計画でございますが、なぜ十カ年にしたかということでございますが、この十カ年で一級国道は全部完成するということに考えたいということで、それを一つの目安にしたわけであります。それで十カ年ということにいたしたわけでありますが、お話しのように少し長過ぎるという感じがいたします。これもまだきまったわけではありませんが、十カ年計画のうち前期、後期というように分ける方法もあろうかと考えますが、お話しの点はよくわかりますので、今後その線で検討いたしたいと考えます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 今日は森永さんに特にお忙しいところをおいで願って、これは私だけじゃありませんが、お願いいたしたいわけであります。私は今申し上げましたような考え方で道路の整備を急がなければいかぬ、こういうように考えておるのです。ところが問題になるのは、やはり予算の裏づけなんです。道路の整備というのは、われわれといたしましても、政党の政策の大きな支柱として今年も相当金を出してもらっております。整備は急ごうというような考え方も持っておるわけであります。今年は、大蔵省の方でも一般財源の方から四十億も金を出していただきまして、大蔵省としては画期的な勇断であったと私どもは考えております。しかし私申し上げましたように、相当の計画を立てて強力にこの道路整備を急がなければならないと思っております。先ほどいろいろ数字を建設省の方にもお話しいたしましたが、相当膨大な金が要る。そこで従来のような道路再建の考え方をもってしては、とうていこのような計画にマッチしていくことができないのではないかと考えます。来年度予算に関係のあることでありますので、今からこういう話をしてもどうかと思いますが、もう八月になりますといろいろ予算の準備にかかっていくわけであります。そこで毎年のことでありますが、年末になってから大蔵省の方でお出しになった数字を元にしてわれわれが行ったり来たりしていろいろ議論をしたりするようなことは、私はどうかと思う。それで特に政党が政策をきめる、また大臣もおられることですから、大臣のお考えも反映して予算に盛られていくことは当然だろうかと思っておりますが、どうも大蔵省当局のことを申し上げて、はなはだ恐縮ですけれども、いろいろわれわれが考えておるような考え方と必ずしもマッチしていない点が相当あるようにうかがわれるのであります。森永さんは、特に予算の編成のときには、中心になっていろいろ数字をおまとめになる方であります。でありまするから、大臣はいろいろな考えを持っておっても、事務当局と申しますか、その当局の方々の考え方がどうもわれわれの考え方とマッチしていかぬ、そういうようなことで、一ついろいろ苦情を申し上げてわれわれの言い分も聞いてもらい、また主計局長の御意見も聞いたならば非常に参考になるのじゃなかろうか、こういうように考えてお願いをいたしたわけであります。  今建設省の方からいろいろ申されましたが、大体道路の整備というものは日本経済の発展の上から考えて、輸送隘路の打開というような必然的な国家的要請に基く一つの計画であると考えるのでありますが、森永さんのお考えはどうなんですか、五カ年計画なり十カ年計画というものの中の日本経済の発展の規模の推移にかんがみましてどういうようにお考えになりますか。やはり今のままでいいとお考えになるのか、それとも日本経済がこんなに拡大していくのだから、相当思い切って道路整備というものをやらなければいけないのじゃないか——私はそう考えるのでありますが、その辺の度合いと申しますか限度というものをどういうようにお考えになっておりますか、あなたの基本的な考えを一つ率直に御披瀝願いたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 予算を編政いたします上におきましては、御承知のような各般の財政事情があるわけでございます。それは要求される立場から申しますと、皆さんの方の要求は第一番の要求である、多々ますます弁ずるというようなお考えで御要求があるわけでございまして、私ども予算編成の下働きをしておりますが、その場合の務めは結局これらを総合的な観点からいかに調整していくか、その辺の事情を皆さんが御納得のいくようにするためにはどういうようなあんばいをしたらいいか、そういったようなことにつきましていろいろ勉強しながら下働きをいたしておりますが、道路の問題につきまして、特にわが国経済の現状から考えて道路事業費に今後相当重点を置いて考えなくちゃならぬという問題につきましては私どもも決して異存はないので、これはここ数年間の予算編成の経緯をごらんいただきましても、道路行政に対しては大蔵省といたしましても、まあ皆さんからお眺めいただきますればまだなまぬるいとおっしゃるかもしれませんが、私どもといたしましては非常な熱意をこれに注いできたつもりでおるわけでございます。その痕跡は皆さんにもお認めいただけると思う次第でございます。そこで今後の問題につきましても、私も道路事業費をだんだん伸ばしていくということにつきましては、原則的には異存はございません。十カ年計画もけっこうだと思います。ただこの十カ年計画の内容をどうするか、これにつきましては昨年予算の要求の際にいろいろお話も承わっておりますが、これは皆さんもそういうようにお考えでしょうし建設省もそうだと思いますが、実はこれはまだ計画としては未熟なところが相当多いわけでございますので、いろんなデータをそろえて検討をされ、私どももその検討の際には十分御相談にあずかりたいと思っております。また道路だけの計画ではいかぬわけでございまして、経済企画庁でお立てになる五カ年計画との調整をどうするか、その五カ年計画をお考えになるときには当然今後の日本経済の伸び、従って財政力の伸びというようなこともあわせて考えなくちゃならぬわけですが、そういう総合的な計画の一端としての道路計画、できるだけ財政的な裏打ちのある計画を各省が協力して立てる、その作業につきましては私どもも心から協力をいたすつもりでおるわけでございまして、数字等の点につきましてはそういった諸般の総合的な検討を経ませんとなかなか具体的に申し上げにくいのでございますが、気持の上ではただいま申し上げましたように、道路の問題につきましては相当熱意を持って考えて参りたい、そういうように考えております。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 よくわかりました。大蔵省の立場とされましては、総合的な立場からお考えになるのは限られた予算でありますから当然です。しかし私はきょうは、ほかの省のことに気がねをして遠慮してものを言いたくないのです。これは建設委員会の委員の一人といたしまして、建設行政という大きな仕事を考えておる立場のみに立ってものを申し上げておいた方がよかろうと思って卒直に申し上げるのです。まあことしの予算も相当ふやしていただきましたし、ガソリン税の問題もありましたが、われわれが予期した通りではないにしてもだいぶバナナのたたき売りみたいに下ってしまったわけでありまして、そうでないにいたしましても、まだまだ道路の財源というものは、将来の計画を考えていった場合非常に不足してくることは明らかであります。この計算を見てみましても、十カ年のうちに八千億ばかりしかガソリン財源というものは見れないが、四兆億もの金が要る。これは大体の数字でありますので、必ずしもこの数字にとらわれる必要はないと思いますけれども、このガソリンの財源というものにも限度があるわけです。私は来年はガソリンの値上げということは、ことしも非常に政治問題になりましたのでむずかしいのじゃないかと思っております。そういたしますと、常識的に考えられることは、やはり一般財源から大幅に道路財源というものを持ってこなければならぬ。もしそれができないとすれば、道路を使う車等についてもまだいろんな財源を見つけるような工夫があるのではないかということも考えられる。しかしそういうことをしてもこれはほんのわずかの金であります。でありますから、私は何としてもこれには一般財源から大幅につぎ込むか、さもなければ、われわれが考えているような計画を遂行していかないと、年に二千億や三千億の財源は不足してくるとわれわれは考えます。その不足する財源をどうして補てんするかということになりますと、やはりこれにそんなに一般財源をつぎ込むことができないならば、これはほかに道を考えなければならない。まあ公債の政策という問題もありましょう。道路公債を発行して財源に充てるという考え方も、これはもう二、三年前からあるわけなんですが、なかなか政府も一向に踏み切れずにおるわけであります。私はそういうふうな不足財源というものは、公債を発行して道の整備を急ぐことが最も適当な考え方ではないかと思っております。この公債の問題につきましては、政府の方あるいは政党の方でいろいろおきめ願っていただけばけっこうな話でありますが、この公債を発行するということについて、森永さんはどういうふうにお考えになっておるか、これが一点であります。  それからついでに、ほかの同僚委員の質問もありますので要約いたしますが、労働省所管に計上されております臨時就労及び失業対策関係の予算、これが正確な数字はここに書いてありますが、約八十億ばかりあるのじゃないかと思っております。そういうような予算も、私は全部建設省の方に計上すべきものではなかろうかと思っております。失業救済を目的とする予算は、労働省所管で別途に失業対策の予算として計上すべきものではないかと思います。なおまた軽油引取税も、昨年から県の方で徴税して道路財源に充てることになっておりますけれども、この自治体の方で徴収した軽油引取税というものが必ずしも道路そのものに使われていないということは事実であります。そういたしまするならば、そういうものを国が一本になって徴収してこの道路整備の財源に充てるべきではないか、こういうふうに考えるわけであります。これは少い数字でありまするが、そういうことでもしなければ財源の裏づけができないわけであります。こういうように、一方では道路整備を急げ、輸送の隘路を打開せよ、道を作らなければいかぬということを強く叫んでおるのですが、一方では財源の面で制約を受けてなかなかそれが進まない。ですからこれは財源の裏づけをどうするかということが非常に大きな問題になってくると思うのです。こういうような諸点についてどういうふうにお考えになっているか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 公債を出すことの可否でございますが、これは非常に重大な問題でございます。私どもといたしましてはやはり財政は、古い言葉でございますが、入るをはかって出るを制すということでなくちゃならぬのじゃないかと思っております。もちろんそれだからといって公債が理論的に絶対的にいけないというわけではございませんでしょう。しかし日本の今の経済状勢から考えますと、やはり財政収支のバランスをはかるということがあらゆる意味における経済発展の基礎であるというふうに考えるわけでございまして、特にこの最近の経済情勢は目まぐるしく変転いたしておりますが、最近の国際収支の逆調でむしろ投資を抑制しなければならぬというような必要も起ってきているくらいに経済情勢は変転きわまりないものでございますが、この間に処して日本の経済を健全に発展せしめていきますためには、やはり公債に依存しない、経常歳入すなわち普通歳入であらゆる国の財政需要をまかなっていくという健全財政の立場を堅持しなければならぬ、私ども事務当局としては今日の段階におきましてはきょうに確信をいたしておる次第でございます。  それから失業対策の問題でございますが、これは過去三カ年間、いわゆる一兆円予算ということで経済の建て直しのために国の予算におきましては緊縮政策をとらざるを得なかったわけでございます。一方民間の投資につきましてもできるだけこれを抑制して国際収支の建て直しに努力し、それが一応は三十、三十一年で目的を達したわけでございますが、そういたしますと一面におきましてどうしても失業問題が非常に深刻な問題になってくる、そこで一方道路事業の重要性を認める立場から道路事業費が伸びて参りましたが、この伸びた道路事業費を失業吸収にできるだけ活用する、これはその当時の立場から申しますと一石二鳥と申しますか、非常必然的な運命を持ったものではなかったかというふうに考える次第でございます。今後失業情勢がどういうふうに推移いたしますか、政府並びに自民党で政策の目標としておられまする完全雇用の達成がだんだん近づいてくるに伴って失業問題の重要性もだんだん薄れて参るわけでございまして、そういうふうになった場合においてもなおかつ現在のような予算編成の仕組みを続けていかなければならぬかどうかということにつきましては、これは相当問題があろうかと思います。われわれとしても十分検討しなければならぬと思いますが、さしあたり今明年のうちにそういう情勢がくるかどうかということにつきましては、私どもいささか疑問を抱いておる次第でございまして、来年度から直ちに労働省所管の道路費の計上をやめて建設省に全部移すということを今この席で約束をせよとおっしゃられましても、それはどうもここでそういたしますというようなことは申し上げられないような情勢ではないか。これは卒直に申し上げましてそういうふうに考える次第でございます。  それから軽油引取税の問題につきましては、これは立場々々によりましていろいろ御議論もあろうかと思います。御主張の点も私もよくわかるのでございますが、やはり国が道路事業を遂行していく上におきましては地方負担がこれに伴う。地方の道路財源も何とかしなければならぬというわけでございまして、そういう観点からこの軽油引取税が生まれて参ったわけでございます。今直ちにこれを国の財源に移すということは、従って地方の道路財源の確保という面において相当な困難な問題をまたそこで惹起するわけでございますので、またこれはこの問題がよって生じました沿革等もございますわけでございまして、これまた今直ちにこれを国税に移すということにつきましては、にわかに賛成をいたしかねるような次第でございます。そこで来年度以降それじゃ道路財源をどうするかという問題についてまた重ねて御質問になろうかと思いますが、ことしから一般財源を若干振り込みまして、これを来年どうするか、これは来年度の予算の編成のやはり一つの問題でございまして、財政需要の面また歳入の面それらの点を総合的に勘案しなければにわかに結論が出ないのでございまして、ここでその問題につきましてはっきりした答弁を申し上げるわけにもいかないのでございますが、結局この前の答弁で申し上げましたように、道路事業費につきましては私どもも相当の熱意を持って考えておるということで、一つ御了承をお願い申し上げたい、さように考える次第でございます。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 政府委員の方に御了承を願いたいと思いますが、あとまだ三名の御質問があるのですが、お三人とも一時までに済む、こういうことでありますので、本会議終了後また会議を開くとか、明日開くとかということなしに、このまま継続してやりたい、そうして一時ごろに終りたいと思いますから、その点を御了承を願います。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 まあ御熱意のほどは承わりましたが、それが実際数字になってくるかこないかはこれまた将来の問題でありまして、私どもが今申し上げましたような考え方で来年度の予算の要求はいたしたい、こういうように考えております。公債もある程度発行して道路整備を急ぐべきだ、あるいはこの軽油税の問題も、実際地方は取りましてもそれがそのまま道路財源に使われていないのです。そういうところが実際あるわけですから、そういうものは国の徴税技術の面からしましてもいろいろややこしい。だからそういうものは一ぺん国が吸い上げて、そうして公平に分配していくということが正しいのじゃなかろうか、それから労働省関係の失業対策に関する予算は、これは私は、やはり建設省につけていただいて、そうして失業対策に必要な予算は労働省所管で計上すべきものである、こういうふうに考えております。まあ公債政策についての議論等は私もこの席でいたそうとは思っておりません。それからいろいろ聞きたいこともありますが、この道路事業というものが非常に大幅に進んで参ります、また河川の事業にしましてもいろいろあるわけでございますが、私どもはもう少しこの道路事業の促進をはかる上において機械力というものを使っていいのじゃないかという考え方を持っておるわけであります。これはどんどん事業が伸びていきますが、実際建設業者の能力といいますか、仕事をする能力というものはどの辺くらいが限度であるかということについて私は詳細に勉強いたしておりませんけれども、仕事はふえる、業者の力というものが一定の限度になってくる、そうすると、こういう席上で申し上げてはどうかと思いますけれども、非常に力のない業者が道路の仕事にかかるということになってくると、非常にこれは不経済になってくる。経済の上から考えてみてもどうかと思われる。そこで機械力というものをもう少し入れて、道路事業の整備促進をはかるのが必要じゃないか。ところが機械については相当な金が要るわけであります。この大きな業者に機械を買う融資のワクを開銀あたりに認めていくという考え方も一つの方法でありましょう。しかしそうなりますと、大きな業者だけがうんと機械をかかえ込んでしまう。また機械をかかえ込んだが、その機械で仕事をする場所というものが裏づけされなければ業者は困ってくる、こういうような結論が出てくると思うのであります。そういうような考え方も一つあると思っておりまするが、やはりこれは国の方でもう少し機械の予算というものをふやして、ある程度の機械力を整備させる、あるいは地方の自治体にもう少し機械を買う補助なりあるいは何かを買う融資の方法なりを一つ与えてやって、そうして機械というものをもう少し入れていくことが道路整備の仕事が促進されることであるし、また道路の維持管理という面から言いましても、相当な機械に対する固定した——金はかかりますけれどもそのために浮いてくる経済的な価値というものが相当あると思っております。この機械力に対する大蔵省のお考え、これをどういうふうにお考えになっておるか、これが一点。  それからもう一つ、問題が違いますが、道路公団の問題にしましてもいろいろお尋ねしたいことがございますがこれは後日に譲りますが、新規の道路予算がまだ御決定になっておらぬ。これは私どもが先ほど申し上げましたように、国も国として公共事業の面で仕事をやっていくが、道路公団もそれと並行して大きな道路の仕事をやっていく、国策として仕事は作れ、仕事はどんどんしろということを言いながら、一面においてはあなたの方で予算の決定をするのが非常におくれる、私はこれは苦情を申し上げるようでありますが、どうもわからぬことが非常に多いのであります。これは国の金を乱費させるということについては慎重にあなた方の方で御検討なさって、あるいは建設省あるいは農林省、あるいは運輸省なり、いろいろ相談をされておきめになるのはけっこうでありますが、しかしながら施行時期を考えて下さい。まだ新規がきまっておりません。いろいろ議論があることは承知しておりますが、六月あたりになりますと南の方は、——私鹿児島ですが、雨が降って仕事ができなくなる。北の方になると、十二月は寒くなって仕事ができない。新規の予算がきまるのが七月になってくると、仕事をする期間が狭くなってくるではありませんか。これはいろいろ議論があることはありましょう。けれども少くとも新規の予算というものはいろいろな事務的な考え方ばかりではなくして、政治的な話しもあるのですから、やるべきものはどんどんきめていってもらったらどうかと思う。予算の折衝のときも新規の公団の個所につきましても、大蔵大臣にいろいろ話をしてちゃんと了解ができておるところが幾多あるわけであります。ところが聞いてみると、なかなかどうとかこうとか言っておきめになっておらない。運輸省に行っても農林省に行っても建設省に行っても、新規のやつをきめるのはどうも大蔵省との話し合いがつかぬと言われる。そういうことでは、私は非常に不経済になると思っております。大体いいところで話をきめてもらって、そうして仕事をやるときにどんどん仕事をやらしてもらうようにお願いをしたいのであります。そうしてまた特にいろいろ話し合いを、大蔵省と農林省あるいは運輸省、建設省当局がやっております際にも、大蔵省の事務当局はあまり小さいことにくちばしを入れ過ぎるのではなかろうかという印象を私は強く受けるのであります。あるいは主計官の方々やあるいは地方の財務局の方々の監督をされる方ですか、何という方か、いろいろ仕事の面を干渉されたりする方がおられる。そういう方々が設計についてもいろいろな文句を言っておられる。あるいはくいの打ち方がどうだとか、十五間のくいが長過ぎるから十間にしろとか、非常にこまかいことまでいろいろ言われている。森永さん、あなたは知らないかもしれないけれども、そういうことが実際にあるのです。そういうことが、なかなか仕事をやる場合には支障を来たしておる。そういうことまで大蔵省の事務当局は、干渉といっては語弊がありますが、そういうことまで一々言われる必要があるのかどうか。財政法の第何条にそういう規定があるのかわかりません。私は財政法を勉強しておりませんからわかりませんが、これは監督をされたり注意を喚起されることは必要でありましょうが、予算をきめて一応予算がきまったものを配分される、その場合に計画まで一々くちばしを入れていろいろ言われるということは、これは干渉と言っては言葉が強すぎるかわかりませんけれども、そういうことがあるということはどうも私はふに落ちない。私だけではないのです。ほかの議員の方々もそういうことを言っておられる。大体予算というものは建設省なら建設省、農林省なら農林省、おきめになったら大体のところでその当局に責任を持たして、それで仕事をやらしたらどうなのですか。私はそういうことがどうもふに落ちない。あなたは上におってそういうことを監督される立場にある。ですから、大臣に言うよりもあなたに言った方が、下の方に徹底するし、また下の方もわかってもらえると思う。実際そういうことがあるのですから、これはずっと前の委員会に鹿野主計官にいろいろ文句を言ったことがある。鉛筆一本買うにも判こをもらわなければ買えない。これは財政法の何条の規定かしれません。けれどもあまりに小さいことにこだわり過ぎると予算の支出がおくれる。認可がおくれる。さらに自治庁の起債の関係、自治庁の方は見えておりませんが、来ていただこうと思っております。そういうことで仕事がおくれて、国家の経済の発展の支障になってきておるということは事実であります。そういうことに対してどういうふうにお考えになっておるのか御見解を承わりたい。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 第一点の道路工事につきましては、工事の施行につきましてだんだん機械力を使っていこう。これは同感でございます。今日まで公共事業費の中の少くない部分を建設機械の購入に充てて参りましたが、もちろんそれにも限度がございますが、傾向といたしましてはだんだんそういう面にも融資していかなければならぬ。その点は同感でございます。  第二点でございますが、補助金の交付決定がとかくおくれがちでございましていろいろ御迷惑をかけておりました点、これは公共事業だけではございません。全般にそういう傾向がありましたことは行政管理庁の監査あるいは会計検査院の検査の結果からも、たくさんそういう事例が出ておるわけでございます。これはできるだけ早く交付決定をしなければならぬということで、本年度の予算施行の一つの重要な方針といたしまして補助金の交付決定を早めよう。もちろんずさんでもいいから早めようというわけには参りません。これはやはり重要性を勘案いたしまして、慎重に調査すべきものは調査をするという面と相まっていかなければならぬわけでございますが、そういう綿密なる計画を一方において考えながら、一方において補助金の交付決定を早めるということにつきましては、私どもも一そう努力をするつもりでございます。本年度はそういう方針のもとにすでに各省といろいろ御相談をいたしておる次第でございます。  公共事業の新規につきましても、従来いろいろの事情からおくれる例も少くなかったのでありますが、ことしは昨年に引き続きまして予算も年度内に成立いたしまして、各省から私どもに対するお話し合いも、例年よりは早く御相談を受けておるような実情でございますので、例年よりも早く私の方もこれに対する検討も進むのではないか。大体今月中には新規の計画も決定できるのではないか、そういうふうに考えておる次第であります。大蔵省がどの程度関与するか。これは新規事業も本来ならば予算編成のときに実は一一内容をきめて積算をいたしまして、予算を国会に出して御承認をいただくべきところをいろいろな関係から必ずしもそうこまかいところまで立ち至ってきめられない、従って予算成立後においてその間の協議をしなくちゃならぬということになっておるような次第でもございますので、私どもといたしましても責任上これをなおざりにはできません。ことにいわゆる新規は後年度にも相当の負担を残すわけでございまして、たとえば頭だけ出しておくというような新規が非常にふえるというようなことになりますと、後年度に大きな財政負担をひき起すのみならず、公共事業のいわゆる総花的な施行ということにつきまして、経済的な効果の発生がおくれるということにもなるわけでございます。その点につきましては各省もおそらく同じようなお立場であると存じますが、そういう問題もございますので、私どもといたしましても新規の決定等につきましては相当の責任を感じておる次第でございまして、必要最小限度のことにつきましては御相談願わなくちゃならぬと思いますが、お話がございましたようなくいの打ち方まで干渉する、これはおそらく何かの誤解あるいは他の場合、災害復旧費等につきましては財務局が立会検査をするというようなことがございますが、そういう場合にはそういったようなことを現場で申し上げたこともあるかもしれませんが、公共事業一般につきまして新規につきましてそういったくいの打ち方まで物言いをつけている、そういうことはさせていないつもりでございます。もし万一そういう例がございましたら、お話ございますればこれは立ちどころに改めることにいたさせたいと思います。できるだけ必要なる最小限度にとどめるということに考えておるような次第でございます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 そういうことを私だけじゃない、いろいろほかの方からもお聞きするわけですから、そういうことがないように一つ注意をしていただきたいと思います。なおまた仕事を早くできるように新規予算あるいはその他の予算の決定についても一つきめられるものは早くきめていただきたい。これは仕事をする側の心からのお願いでありますからよく聞いていただきたいと思うのです。なお公団の新規の個所ですが、これは個所別にとは申し上げません。いつごろおきめになるのですか。大体今月中におきめになりますか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 公団の点をちょっと落しましたが、公団の事業計画の一つの大きな方針といたしましてはできるだけ重点的に、たとえば名古屋−神戸間の道路に最大の重点を置くというような原則的な方針をもって臨まなければならぬのではないかというふうに考えております。しかし他面いわゆる新規を全然考えないということではもちろんございません。ただそれを考えます場合にも、できるだけ産業上の効果その他を勘案して重点的に処理しなければならぬというようなことで今日まで——まだ具体的な個所につきまして必ずしも意見の一致を見ておりませんが、おそくとも今月中には決定を終えたい、その程度に考えております。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 ちょっと済みませんがもう一点。自治庁の方も見えておられますが、起債等の関係については今申し上げましたようなことでありますし、またあとでいろいろお尋ねしたいと思っております。  それから災害復旧の予算に対する考え方であります。これは過去二年災害復旧がなかった。河川の予算というものも、道路とか住宅とかほかのものは非常に、特に住宅は大蔵省が熱心で、建設省以上の予算等を出して熱心におやりになっている。これはわれわれも非常に賛成ですが、そういうところに重点が置かれ過ぎて、河川の予算というもの、特に災害復旧河川関係の治山治水、そういうものの予算というものが非常に閑却されたような印象が強いのであります。事実またそうであろうかと思っております。この災害復旧はあなたの方でお考えになったように近年の災害というものは三カ年計画で完成するという方針がきまっておるが、過年度の災害はようやく二十五災が終って二十六災が大体三十二年度で終るというようなことになっております。ことに二十八年度災害が非常に多かったために査定等をやり直しておられるような状況でありますし、現在各県にいって再査定を行なっておられるような状態であります。これは年に災害を受ける被害に対する予算は二千数百億という一般の被害が計上されております。ところが国費でもって公共施設関係の事業費というものは八百億ぐらいしか出ていない。こういうことでは国土の保全の上から考えてみても、また経済の発展の上から考えてみてもこれはあまりにも少な過ぎるのじゃないか、こういうふうな考え方をいたしておるわけであります。そこで災害復旧を急ぐということはこれは当然のことかと思っておりますが、予算が非常に少いので遺憾に思っております。特に私は災害県であります。これは森永さんも南でありまするので、この災害に対する考え方は私より以上にわかっていただいておると思っておりますが、河川の改修にしましても、直轄だけを見てみましてもまだ残事業というものがあり、莫大な金が要るわけであります。そこに加えて災害復旧費というものが非常に軽く考えられていく。災害が起ると、やる方では、その災害の負担率というものが一般の仕事よりも率が大きいので、災害が起ったときに災害復旧費で仕事をやってやればいいじゃないか、こういう考え方もまた起ってくると私は思うのであります。そこで私はこの災害復旧を急がなければならぬということは、あらゆる角度から考えてみても当然なことと思うのでありますが、災害がなかったからといって災害予算、河川の予算というものを減らしてもいいじゃないかというような考え方が私は森永さんたちの考え方のどこかにあるのではないかと思います。また私は、災害復旧はあとから仕事をやっていく仕事であるのでありますが、そういうことよりも、さらに一歩進んで災害を未然に防ぐというような防災的な一つの仕事というものを積極的に考えていくべきであろうかと考えるのであります。災害の予算、河川の予算等は非常に少くなって参っておりますので、災害の予算等に対する考え方は、私が今申し上げましたように、河川が荒れた、災害復旧をあとからやるというような考え方ではなくして、特に災害の多いような地方に対しましては道路はすべて舗装していかなければならぬというような考え方、それから災害復旧よりも災害を起す個所を未然に防ぐというような考え方でもって予算をつけていただくというようなふうに考えていただきたいのでありますが、この点に対して一つお考えを承わっておきたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 災害復旧、治山治水事業費の重要性につきましても私ども決してこれをなおざりにしておるつもりはないのでございますが、何分にも二十八年災害は非常に大きな災害でございまして、財政的にも非常に重圧であったわけであります。他方経済再建のための一兆円予算というような緊縮財政という要請も他面において非常に強かったわけでございまして、その両者をどういうふうに調整するかというその調整処置として出て参りましたのが過去数カ年間の予算であったわけであります。しかしことしは昨年、一昨年と災害も割に少かったために比較的災害復旧も進みまして、二十八年災も三十二年度末には約八割五分くらいは復旧するというところまでこぎつけたというところでございます。今後もできるだけ早く完成することに努力をいたして参らなければなりませんが、具体的にはやはり先ほども申し上げておりましたように来年度の財政収支を総合的に勘案しないと結論が出ないわけでございまして、予算の編成上におけるこれまた重要なる項目の一つとして慎重に検討をいたさなければならぬ、こういうふうに考えております。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 河川局の方で何か治水五カ年計画というものをお立てになったことがあるようでありますが、これは昭和二十九年からですか、いつからですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 建設省として、二十八年の大災害のあとで内閣の治山治水対策協議会というのがございまして、これに諮りまして決定していただいたのに二十九年度以降十カ年計画というのがございます。そのうちから三十一年以降五カ年計画という緊急五カ年計画を立てました。これは政府の経済五カ年計画にマッチさせようということで、十カ年計画のうち緊要工事を拾いまして三十一年度以降五カ年計画というものを作りました。経済五カ年計画のスピードと合せようというので作ったのがございます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 この河川災害復旧のことにつきましてもいろいろお尋ねしたいこともありますが、時間もありませんし、ほかの議員に迷惑になるかと思いますのでいずれまた後日お伺いいたしたいと思いますが、最後にもう一点。  最近東南アジア諸国あるいは南米その他から建設業の協力を要請してきた国が相当あるように新聞その他で読んだり伺ったりしております。もちろん総理大臣兼外務大臣が経済外交ということを強く主張しておられまして、その裏づけの一つとして未開発の地域の諸国の人が電力、道路その他の開発に日本の技術あるいは資本を強く要請しておられるのであろうかと考えております。これにつきましてはできる限り日本としても協力をいたすべきだと考えております。  そこで私は簡単にお尋ねいたしますが、最近東南アジアの方からいろいろな技術指導者の要求がある、あるいは建設業に対する契約の要求がある。この海外から要求されておる技術者を考えてみますと、これは日本の技術がもちろん優秀であるから来てくれ、指導者になってくれということも一つのねらいであるかと考えておりますが、要は日本の技術者は優秀でよく働いて、そうしてチープだ、安く上るから来てくれということに結論があるのではなかろうかと私は思うのであります。そこで私は政府なりあるいは建設省あたりから、技術員の方々が指導者としてどこかの国に行っておられることがあるように聞いておりますが、この一人なり二人あるいは三人なりの技術関係指導者が向うに行っていろいろ設計指導をやられる、これは私はきわめて重要な仕事をせられる方だと思っております。この方々が行って政府の仕事を指導されるあるいは計画される、それがひいては向うの建設事業となってくるわけであります。それがひいては日本の企業が進出する、経済がその地域に行ってどんどん発展していく、経済協力の面に非常に役立つ仕事をせられるわけであります。そこでその人たちが行かれるについての身分の保障と申しますか、行く場合に建設省から出ていくと建設省の役人をやめていかなければならぬ、運輸省から出ていくと役人をやめていかなければならぬ。向うから要求しておる給料は大体十四、五万程度という話を聞いておりますが、それをもってしては国に残した家族の扶養はとうてい思いもよらぬ。なおまた身分も、建設省の役人をやめていくとか運輸省の役人をやめていくということになると行きたがらない。そこでどうしてもということになりますと、優秀な技術者でなくして二流、三流の人々がそういうところに出ていく。あるいは業者にしましても、もうからないようないいかげんな仕事をするような業者がそういうところに出ていく。そういうことになりますと、これは将来経済の協力を真剣に考えている日本としましては、国際信用の点からいっても非常にまずいことになる。でありまするからこれは建設大臣にもお伺いしたいと思いますが、この建設業の海外協力の問題につきましては、そういうような技術者に対する身分の保障あるいは具体的に進出するような計画をお立てになる場合に、これはかって占領中にアメリカの二流、三流の人が日本へ来ていろいろな仕事を指導しておったということがあったと思いますが、そういうことにならないように、ほんとうにこれは将来の経済の協力、将来の日本の経済の発展あるいは未開発地の経済の発展ということを真剣に考えるならば、この際非常な要求があるのでありますから、その要求にこたえるような、建設省においてあるいは国において、はっきりした一つの組織と申しますかそういうような計画をお立てになって、そうして技術の指導者なりを向うに派遣するとか、あるいは建設業の人たちが個々別々に行っていろいろな契約を結ばれる、あるいは出血契約をするとかいうことになりますといいかげんな仕事で終ってしまう。それがひいては日本の信用というものを失墜することになるからそういうことがないようにこの際今からそういう準備を作る必要があると思うのであります。そういうような海外進出に対する考え方はどういうふうにお考えになっておるのか。私は建設省あたりから行く役人についてもあるいは運輸省から行く役人についても、身分の保障というものは十分にやらなければならぬ、しかも優秀な技術者を送らなければいかぬ。その技術者が行くことによってそれが仕事になり、大きくは企業の進出なり経済の発展に寄与することになるのですが、そういうことがどうも私は欠けているような気がいたすのであります。これは経済外交の一端をになっていく大きな基盤を作る仕事だと私は考えておりますが、そういうことについて建設大臣はどういうふうにお考えになっておるか。あるいは身分等の保障の問題についてはやはり大蔵省との話し合いも出てくると思うのでありますが、そういうことは大きな仕事をされる方でありますのでそのようなことについては十分一つ御考慮が払われなければならぬと考えておりますが、この点についてどういうふうにお考えになっておるか、承わりたいと思います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいまお述べになった海外進出についての技術者あるいはその他の建設業についての御意見ごもっともな点でありまして、日本の今日の海外進出と申しますか海外の貿易進展の上から申しましても、日本の建設技術というものが、ことに東南アジア諸国についても先進国としてこれをいろいろ指導したりあるいは力もかすという方向に行かなければならぬのは当然であります。そこで今まででもこの建設方面についての外郭団体としてそれらの協力会もできておりまして、政府もこれに対して今年も千五百万からの補助も見ておりますが、また新たに技術者の外郭団体の協力会もできまして、これに対しても新規な補助として今年約二千万円くらい出ておりますが、かようなことで非常に業者の間にも熱意が高まっておるのでありまして、この方面に対する技術協力の点を非常な速度で進めておりますことは、まことに私は意を得たものと考えております。ただお説のこれに対する技術者が、今までの優秀な技術者等が海外へ出ます場合に、待遇その他の点につきましてのいろいろな隘路があるということはごもっともでありますので、こういう点はいろいろ日本の財政等の関係もございますが、十分勘案して、喜んで優秀な技術者が海外に進出するような方途を講じたい。こういうことはこれらの外郭団体がいろいろ考慮して参っておりますから、今後はそういうようなことについてはできるだけその隘路を打開するように進めたいと思っております。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 建設業並びに建設技術者の海外進出の必要性に基いて、それに対する政府の予算措置につきましては、ただいま建設大臣からお答えがありました通りでございます。この建設業の進出といい、あるいは技術の進出といい、これはいわば一種の輸出でございますが、輸出ということになりますと、政府のこれに対する助成措置、これがなかなか国際的にもいろいろ問題があるのでありまして、輸出補助金というような形になることは、いろいろ問題を紛糾させるわけでございまして、国の助成につきましてはやはり限界がある。また国内の財政措置として考えましても、やはり私経済に対する公経済の関与には当然限界があるわけであります。そういった面から考えますと、これはなかなかむずかしい問題になるのではないかというふうに考えますが、なお実情につきましては十分検討をいたしたいと考えております。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 海外の問題になりますと、たとえば移住振興株式会社等の問題でいろいろ御相談を申し上げたのですが、どうも地球の裏側の仕事に対してはあまり熱意を持っていないような印象をしばしば受けております。現に東南アジア、特にカンボジアの開発の問題が起っておりますが、政府同士の話し合いだけで一向具体的に仕事をする中核体というものができておらない。話し合いばかりしておる。東南アジアの開発については、海外建設業の協力の問題についても、いろいろ政府同士の話し合いはしましても、ほんとうに一つの仕事をやる中核体ができておらない。話し合いをしておる間にブローカー的な業者が行って話し合いをして、国際信用を失墜することに終りがちなような印象を受けておるのであります。そこでカンボジアの進出につきましても一つの仕事をする中核体を作って、その会社なりあるいは法人なりが現場に行って仕事をする、開発の仕事をやる、こういう具体的なものを持って行って仕事をしなければ、これは結局信用を失墜するだけのことになってしまうのではないかと考えております。現に中共とかソ連等は話し合いをすると同時に、そういうような具体的なものを持って行っておる。技術陣を送る、会社を作る、そして政府が裏にあって仕事をやっておる。でありますから日本の方との話し合いは話し合いだけで一向実らぬじゃないか。結局日本と話し合いしたってむだだということで非常に信頼を失墜している。その反面中共等はどんどん会社を作り、技術員を送って具体的に——もちろんこれは政府がバックでありますから仕事はやれるわけであります。そうしますと、やはり中共というような勢力は東南アジアの方に進出してくる。これは現にそういう事実が起りつつあるのであります。そこで私は東南アジアヘの進出の問題につきましても、いろいろ多くの要求があるこの機会を逸してはならぬと思っております。それにはやはり個々の業者なりが勝手に行っていろいろな話を進めるということよりは、政府が、やはり海外移住というような一つの振興株式会社というようなもので海外において投資もできる、仕事もできるというような会社があるのでありますから、私はそういう会社を使ってそうしてこの経済の協力にほんとうに乗り出していくという構想でもって、そういう仕事をお進めになった方が私は実際的じゃないかと考えておるのであります。これは大臣一つよく聞いていただきたい。そういう話し合いを政府同士はよくやりますけれどもなかなか具体化しない。その反面先ほど申し上げましたように、中共等はどんどんそういうものをもって仕事をやっていく。それが中共の勢力を拡大していく一つの基盤にもなっていくわけであります。そういうような中共の勢力に対抗する上からいいましても、日本のやる仕事がほんとうに経済協力をやろうという考えがあるならば、私はそういうことの一つの中核になるべき会社というようなものをある程度政府がバックして、どんどん向うに技術なりの人を送って、建設業者を送って仕事をやらせる。しかもこれも一時的に仕事をやって、もうければいいというのじゃなく、その辺に行く人はそこに永住する、向うの経済開発に協力してやるというような、真にそういう気持を持った人を送っていくというそういう国内の態勢というものを早くお作りになる必要があろうかと考えております。私はそういうような考え方で建設業の海外協力につきしても、一つ国内の態勢を整えていただきたいということをお願い申し上げておくのであります。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 お答えいたしておきますが、ただいまの御質問についてごもっともな点がありますので、今まではさような点においてまことに遺憾とする面がありましたから、そこで先ほど申しましたような建設方面についても外郭団体、あるいは本年は技術方面についての外郭団体も設けて、これに補助金を相当与えまして、今のお説のような点についてこれらが中核体となって建設業者のあっせんをする、あるいは技術の面について技術者のあっせんをするということが中心となって、これらの外郭団体が当ることにしております。また一面東南アジアについてはエカフェの会議もありまして、建設省からもそのたびごとに本省から局長なり技官が参りまして、エカフェの会議で各国との連絡をとっております。ただいまこのエカフェの会合が東京で開催中でありまして、こういうような方面については、東南アジア各国との十分な緊密な連絡をとりながら、お説のような弊害のないように進めていきたいと思っております。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 松原喜之次君。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 時間も非常に切迫しておりますから、私は簡単に住宅公団の問題について二、三お伺いしたいと思います。まず第一番に建設大臣にお伺いしたいのでありまするが、今日全国的に公団住宅の居住者が、自治体から課せられるところの固定資産税の負担の問題をめぐって、非常な紛糾を重ねておるのでありまするが、これは根本を申しますると、やはり住宅公団のとっておる住宅の月賦金なり、あるいは家賃なりが非常に多額である。負担が居住者にとって非常に苦しい、こういうところがやはり根本問題であろうかと思います。ことに住宅公団が今後建てようとする住宅に対しては、この住宅の非常に不足の際にもかかわらず入り手がだんだん漸減する傾向にある。つまり高ねの花で、庶民にはなかなか手が届かない。こういうきらいも相当に出て参っておるやに私は考えておるのでありまするが、建設大臣は公団住宅の家賃等についてどういうふうに御認識なすっておられるのか、一つこの際承わっておきたいのであります。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 お説の住宅問題につきましては、当国会においてもしばしば委員会等についてさような御質疑がございまして、これは庶民階級を相手とした公営住宅等については、数が少いという御質疑でありまして、家賃が高いということはなかったのでありまするが、一般の大体二万五千円以上、一万六千円以上の所得の人を対象としております公団住宅、それがこれらの方から約四万くらいまでの階層を目当てとして公団住宅を建てておりますが、これが家賃が四千四、五百円、これが高い、こういうことで相当委員会等でおしかりを受けておりますけれども、一方住宅公団の方の立場から申しますと、この住宅資金の建築費のコストと申しますか、政府資金が昨年まではきわめて足りなかった。十五億くらいだった。今年はそこで政府資金を相当、約七十億かにふやしまして、そうして一般の保険会社の金であるとか、その他の地方のこういうものを加えてありますが、これらはみな金利がつくのであります。どうしても政府資金の無利子の金を加えて、そうしてその建築資金のコストを下げるよりほかないというようなことで、今年はさような方向に向いておりますから、幾らかでも安くしたいと思いますが、もともとはこれは住宅政策でありまして、何と申しますか、失業対策のための政策ではないのでありますから、そこでどうしても建築資金に相応する家賃をもらうということのためにいろいろ問題がある。ことに最近は土地の買収確保に、相当土地の造成費がかかるわけであります。これらもやはり家賃に加算されますために、こういう問題が起りますので、できるだけこの宅地の造成につきましては、今年は大蔵省にも特にこれを注文いたしまして、国有財産の処分等を思い切ってやってもらって、そうして宅地の造成をして、安い土地を確保するというような方向にいきまして、そうしてこれらの家賃を安くするような方向に持っていきたい、こう努めておりますが、何と申しましても公営住宅のようなわけには参らぬという点はやむを得ないと思うのでございます。そこで、しからば利用者がだんだんと減るかと申しますと、これは地方にもよりますが、東京などにおきましては、一般の分譲住宅については頭金を必要とする、あるいは年賦金が高いというようなことで、東京あたりは減るわけではございませんが、賃貸の方の家屋につきましては、東京あたりは公団住宅については、幸い六十倍も七十倍も申し込みが殺到するというような今年あたりでも盛況でありまして、今公団が建っております新規の住宅にいたしましても、抽籤が当らぬという苦情はありますけれども、一般に都会地が住宅難に困っておるということは立証されますから、家賃が高いという程度はありますけれども、できるだけ早くたくさん建てて、この需要を満たす方向にいかなければならぬというふうに考えておるのでありまして、固定資産税の問題についても従いまして議論が起りましたが、政府は公営住宅の固定資産税は、これは自治庁と話し合いまして昨年と同様に本年も非課税にするという方向に行っておりますが、一般の公団住宅についても同様にせよということは、地方の自治体の方が教育その他の出費があるので、財源的に非常に参る。そういうようなわけで、これを非課税にするということはなかなか困難な事情にありますので、政府の財政資金が許しますならば、お説のような公営住宅の方をできるだけ将来は増加しまして、これらの庶民あるいは低所得者のための住宅をたくさん作るような方向に持っていきたいと、建設省は考えておるようなわけでございます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 建設大臣のお考えは、われわれもそれよりほか仕方がないので、それでいいと思うのであります。しかし事実は住宅が払底しておるから東京等では相当申し込みがあるというのでありますけれども、一たん入ると、やはりこれはその収入に比較して相当に高過ぎる。それは一定の基準を置いておられるようでありますけれども、高いということは動かすべからざることであるがゆえに、固定資産税の問題はなかなか紛糾するのだと思うのであります。大臣がおっしゃるように、どうしても公団住宅といえども家賃をできるだけ安くするということに努力をしてもらわなければ、住宅政策の根本がその本来の目的を達することができないということになるのじゃないか、こういうふうに考えておりますし、私が住宅公団に住んでおる多くの人と接してみましても、どうも家賃に矛盾がある。しかし矛盾はあとで住宅局長等に一つお伺いしたいと思いますけれども、いずれにしてもその根本はやはり家賃が高過ぎる、もっと安くしてもらわなければ困る、こういう要求なり不平なりが至るところに=醸されておる実情にあるのであります。  そこで私は、せっかくここに主計局長が見えておるのでありまして、近く事務次官になられるとかいうお話でありますので、大蔵省の当局者の代表者としてお伺いしておきたいのでありますが、この公団住宅の家賃の非常な大きな部分は、やはり金利から来ておると思うのであります。もちろんその他にもいろいろの疑問点があるようでありますけれども、金利の点が非常に重いようであります。公団の場合には、四分一厘等というようなコストについておると聞いておるのでありますが、これをできるだけ、五厘でも一分でも下げるというようなことになりますと、家賃は相当に下るのであります。従って建設大臣が言われましたように、今後はまず第一番には、せっかく国家資金を充てておる住宅政策の目的を達するための公団でありますから、その公団に対する政府出資分をできるだけ増額していく。さらにそれでは資金コストを下げるに十分でないという程度の金額でやむを得ないということになるならば、その次には一つ利子補給等の問題を考えて、造船の場合でも三分五厘にしたのでありますから、これは一つ三分五厘あるいはその程度に引き下げることができるように考慮されてはどうか。財政上、予算上のいろいろの都合で国の出資がむずかしいという場合には、利子補給のごときは大した金額でないのですから、思い切って一つ資金コストを下げるために、第二段の策としてはそういうふうな考え方を来年度からはやってもらったらどうか、こう思うのでありますが、森永主計局長のお考えを聞きたいのであります。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 今住宅公団がねらっておると申しますか、対象としておる階層の所得に対して、今の家賃が安いか高いか、これはいろいろ御議論もあったのでございますが、いろいろな観点から議論しなくちゃならぬかと思うのございまして、必ずしも高いとも言い切れないのではないかというような感じもいたしております。しかしその点はしばらくおきまして、私どもといたしましても、少くともこれをできるだけ上らないようにするためには、財政的にもいろいろ配慮をめぐらさなくちゃならぬというふうに考えております。その結果が、ことしは、先ほど建設大臣のお答えにもございましたように、九十五億というような大幅な財政資金の導入になったわけでございますが、今後どういう点について努力するか、これは一般金利をできるだけ低く持っていくように努力しなくちゃならぬ。これが何といっても一番大きな政策の目標ではないかと思います。それ以外に、ただいまお話がございましたように、財政投資にかえて利子補給をすることの可否という問題があるのでございますが、これは昨年並びに本年度の予算の編成の際に、私ども一応いろいろ数次にわたって検討してみたこともございますが、長い目で考えますと、どうも必ずしも得ではない。得ではないというのは、後年度の財政負担をあわせて考慮に入れますと、後日に膨大なる財政負担が残りまして、後世の国民に財政負担を残すということになるわけでございますので、できるだけとりたくない。当面は多少苦しいかもしれませんが財政投資の面でできるだけ出資を確保していくということの方が、財政政策としてはより堅実な政策ではあるまいかというふうに考えまして、ことしは相当に無理ではございましたが、百億近い政府出資を導入いたしたような次第でございます。もう一つ、利子補給ということになりますと、これはほとんど直接といっていいくらいの家賃補助というようなことにもなるわけでありまして、国によりましては、あるいは家賃補助というような政策をとっておられるところもありますが、しかしイギリスなどでは、これはやはり相当膨大な財政負担になりまして、今日再検討の声も出てきておる。また五分ないし六分の金で二十倍近くの金を動かせるという、これは非常に魅力でありますが、魅力であるだけに、とかく安易に流れがちでございまして、私どもといたしましては、先ほども申し上げたことを繰り返すわけでございますが、極力出資をふやすという努力に、まず第一番の重点を置いて考えていかなければならぬのではないか、さように考えておるわけでございまして、利子補給政策につきましては大いに疑問を抱いておる。これが率直な私どもの現在の考えでございます。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 本会議が、一時十分の予鈴で、二十分に始まるそうですから、十分までに済まなければ、明日十時から委員会を開いて、大臣が出席するようになっていますから、大蔵省の方の質問を先にやっていただきたいと思います。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 森永さん、こういう声があるのです。公団住宅の近所に公務員の同じような、あるいはそれ以上りっぱな住宅があるわけです。その家賃の差があまりにもひどいということも、不平を誘発する一つの大きな原因になっておるわけなんです。それは必ずしも正しい考えだとも申せませんけれども、そういうことがあるので、建設大臣のお言葉は、どうも公団住宅の家賃が高いか安いか、その点では必ずしもわれわれと意見を一にしておられないように聞えました。あなたもその点を取り上げられておるようでありますけれども、われわれ公団住宅に入っておる人の実際を知っておるのですが、やはり家賃は高いです。ことに、あとで住宅局長にお話を申し上げるつもりでありますけれども、戦前の家主が借家経営をしておった時代のその考え方から見ましても、実は高いのです。そこで大蔵省としては、まず住宅公団の家賃はそう安くはないという観点をはっきり認識してもらわないと——もしできなければもっと調べて下さい。その認識がなければお話にならないのです。あなたと私と意見が違いますけれども、家賃が高過ぎるという世論は、これはまず認めるとして、それをどういうふうに下げていくかということを一つ考えてもらいたい。この前提をあなたが認めることができなければ、実際にもっと調べてごらんになれば、おそらく私と同じ意見になるだろうと思う。せっかく国家が住宅公団を設立して住宅政策を遂行しようとしておるその心が、必ずしも家賃の面から全うされていないということははなはだ遺憾でありますから、住宅政策の精神にのっとって、できるだけ安くするというのが当然であります。しかも一般的に考えて安くはないというのであるならば——これは安ければ安いほどいいという意味ではありませんよ。良識をもって考えてみて安くはない、高い、こういうことになれば、一つできるだけ安くしなければならないという立場から大蔵省も研究してもらいたい。その際にこの国家の投資をできるだけふやすというあなたの御意見は、これは何より私どもも望むところでありまするが、しかしまだこの面でもって足れりとすべきではないと思うのであります。だから利子補給の点もそれからもっと国家投資をふやすという点も、財政投資をふやすということも、一そう家賃を引き下げるために考えなければならないという心組みで当ってもらいたい。これが実は私の大蔵当局に申し上げる精神でありますが、この点は実情を調べてみて、そして一つ考え直してもらいたい、こういうふうにお願いしたいのでありますが、どうですか。もう少し幅のある考え方はできぬものですか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 家賃問題につきましては、大へん恐縮でありますが、多少考え方が間違っておる点もあるようでございます。しかしその点の議論をいたしておりますと時間が長くかかりますので、これ以上触れないことにいたしたいと思います。ただ、ただいま御質問の中にございました公務員住宅との比較、これは率直に申しまして公務員住宅の方が少し安過ぎるかと思います。昨年でございましたか、少し値上げをいたしました。それでもなお安いということがあるかもしれませんが、しかしこれは一面、公務員の、どちらかというと恵まれない待遇ともあわせて考えていただかなければならない問題もあるんじゃないかと思う次第であります。  それから公団の家賃の問題でございますが、私はやはり住宅政策にバラエティがあっていいんじゃないか、安い家賃の住宅ももちろん必要だと思いますが、それを遂行するのはむしろ公団ではなくて、たとえば公営住宅、なかんずく第二種公営住宅というような面に相当重点を置いていかなければならぬのではないか、そういったバラエティというようなことから考えますと、必ずしもそう高いとばかりも言い切れないんじゃないか、むしろ問題は、住宅公団の建設する住宅の内容と申しますが、住宅の形式等にもう少しバラエティを持たせるとかなんとかいう方面にも問題があるんじゃないかというふうに考える次第でありまして、今後の問題はむしろそういった面にもあるんじゃないかとも考える次第であります。しかしお言葉に従いましてなおよく住宅政策につきましては研究をいたしたいと存じます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 もう一つ。バラエティの議論になりますと、バラエティもけっこうです。根本的にはそうでしょうけれども、庶民の住宅が足らない際に高級住宅を建ててみたところで、庶民は納得しない。だから公営住宅をまず第一にふやすということが第一段です。第二段としては、やはり公団住宅の下の方の、あなたの言われるバラエティの、下の方の階層に対する住宅を公団をしてよけいに建設せしめる。その際に、あなたの言われるバラエティの下級の人でありますから、従って家賃についても十分な考慮を払わなければならない、こういうことになるのでありますから、そういう点については大蔵省もそうのほほんとかまえておらないで、もうちょっと家賃を引き下げることにぜひ一つ協力してもらいたいと思うのであります。家賃等の内容については、明日でもさらに住宅局長にお伺いしたいと思いますから、きょうは大蔵省にその希望を申し述べて私の質問を終りたいと思います。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 それでは明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時七分散会

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