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26回国会衆議院1957/03/26

建設委員会 第11号

発言数
175
登壇者
13
会派数
2
開催日
1957/03/26

会議録

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 これより会議を開きます。  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。本案に対する質疑は前回の委員会において終了いたしております。  これより本案を討論に付します。討論の通告があります。小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 私はただいま議題になりました住宅金融公庫法の一部改正に対しまして、日本社会党を代表して賛成の趣旨を申し述べんとするものであります。  戦争によって都市という都市が焼爆せられた直後の日本の食糧難と住宅難は言語に絶する状態でありまして、この問題の解決は政治的にも社会的にも焦眉の急を要する課題となったのであります。食糧事情は今日、相当改善されましたが、住宅問題は今もってその不足と高額の家賃が深刻に叫ばれておるのが現状であります。住宅金融公庫あるいは日本住宅公団等は、政府が国民の要請にこたえ住宅難を緩和せんとして設立したものであり、その運営の衝に当るものの努力と相まって、日本住宅の新らしい転換がここから始まらんとしており、住宅史の新しい歴史の発足点だと思うのであります。  改正案に示されたおもなる点は、従前に比して耐火高層建築に重点を置いたこと、建築物の下層を商店、事業場とし、上層を住居に用いる設計、災害による住宅の補修資金をも融通し得るようにした点、これらの業務の一部を地方公共団体に委託することによって業務の迅速をはかった点及び宅地造成についても融資の道を開いたこと等等、その業務の範囲がきわめて大幅に拡張せられたこと等改正がの要点であります。かくのごとく公庫法を改めて主要範囲を拡大し、近代都市建設の抱負を示されたことは、われわれ社会党としても大いに賛成するところであります。  しかしながら一方、この法案には幾多の欠陥のあることも見のがし得ないのであります。すなわちこの法案は、目下の急務である住宅対策にあせるのあまり、適用規定においては拡張解釈も縮小解釈もいずれをもなし得るきわめて抽象的な字句が随所に用いられておる一方、その制限ないし制裁規定はほとんどないのであります。今勤労者が住宅難に悩みつつあるとき、公庫資金による住宅が一部利権屋によって逆用せられる場合ありとすれば、法の精神は死滅するのみならず、まじめな勤労者の怨嗟の府となるおそれもあるのであります。改正前の制度においてすら数々の問題を起し、当委員会においても論議の焦点となったのを見ても明らかであります。一部利権屋等の暗躍を押え、また法の精神に反するごときことをなからしむるために、すみやかに業務方針書を作成し、公庫本来の使命達成に全きを期すべきで、この点を特に強調いたしまして本案に賛成いたすものであります。(拍手)

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決を行います。住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を原安の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。   〔総員起立〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。  なお三鍋義三君より本案に対し附帯決議を付するとの動議が提出されております。この際提案者の趣旨弁明を許します。三鍋義三君。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 本案に対しまして附帯決議を付したいと思います。案文はお手元に配付してございますが、念のために読み上げます。     附帯決議(案)   政府は、本法制定の主旨に鑑み、住宅金融公庫の新規事業実施に際しては、特に左の点について遺憾なきを期すべきである。  一、災害復興住宅に対する貸付については、業務の迅速なる処理によりその目的達成に遺憾なからしめるとともに、特に地方公共団体が公庫よりの借入金について保証を行う場合には、貸付の決定を特に迅速ならしめるよう格別の配慮をすること。  二、中高層耐火建築物に対する貸付については、住宅部分以外に対しても貸付を行う点に鑑み、店舗、事務所等の部分についてはその用途等につき適当なる規制を行うとともに、貸付の審査に当っては特に慎重を期し、公庫本来の主旨を逸脱するような不当な貸付を行うことのないよう措置すること。 以上でありますが、次にこれに対する趣旨の説明を申し上げたいと思います。  まず第一点についてでありますが、本改正のねらいとするところは、災害地における住宅の復興に当りまして、公庫が迅速かつ適切に資金の融通を行うということにありますことは御承知の通りであります。しかし本法案によりますと、この趣旨が十分に達成されないうらみがあると思うのであります。すなわち災害地におきまして災害復興住宅に対する融資をしようとする場合、公庫は資金の貸付及び回収の業務に関しましてある程度地方公共団体に委託することができるのでありますが、貸付の決定については委託ができないことになっておるのであります。実際問題といたしまして災害復興住宅に対する貸付は、地方の実情を十分に把握している地方公共団体に全面的に業務の委託をすることによりまして、初めて迅速かつ適切に行われるものと思うのでありまして、貸付の決定が委託できないことはまさに画竜点睛を欠くものと思われるのであります。ここにおきまして少くとも地方公共団体が公庫からの借入金について保証することができます場合には、貸付の決定を特に迅速に行うよう特別の配慮がなさるべきであろうと思うのであります。  次に第二点についてでありますが、申し上げるまでもなく公庫は国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設に必要な資金を融通することが本来の使命であることは御承知の通りであります。ところで今回の改正にかかる中高層耐火建築物に対する貸付につきましては、土地の高度利用並びに都市不燃化の見地より見まして、きわめて有意義なものと考えるのでありますが、これによりまして住宅部分以外の店舗、事務所のごときものに対しても貸付が行われる点につきましては、それらの部分が居住の環境を妨げるようなものであったり、あるいはまたそれらの部分に対する貸付が不当な利益を与えるようなものであったりしますことは、公庫本来の目的から見て断じて許すべきではないと考えるのであります。こういった見地からいたしまして、中高層耐火建築物に対する貸付につきましては、住宅以外の部分の用途等につきまして、本来の趣旨に応じてあらかじめ適当な規制を行いますとともに、審査に当っては特に慎重を期し、厳正なる貸付が行われるようにすべきであると考えるものであります。  以上が附帯決議の趣旨でございます。何とぞ委員各位の御賛成をお願いしたいと思うのであります。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 ただいまの説明に対し御発言があればお許しいたします。——御発言もないようでございますから、三鍋義三君の動議を採決いたします。三鍋義三君の動議に賛成の諸君の起立を願います。   〔総員起立〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 起立総員。よって三鍋義三君の動議は可決いたしました。  なお本案議決に伴う報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なと」と呼ぶ者あり〕

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 御異議なしと認めます。     —————————————

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 次に、特定多目的ダム法案を議題とし、審査を進めます。質疑の通告がありますから、順次お許しいたします。佐々木良作君。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 それでは建設大臣とそれから通産省の関係並びに企画庁の関係の関係官を呼んでいただくようにお願いしてあったのでありますが、どうなったのでありますか。お伺いいたします。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 建設大臣は先ほどここへ来まして、今参議院の方の建設委員会に呼ばれておるからそちらへ行きますからといって、御了解があったのでございます。それから経済企画庁長官の方は、今これから連絡いたします。経済企画庁の計画部長大来佐武郎君はただいますぐ参ります。それから開発部長の植田俊雄君は今会議がございますので、三十分たったらお伺いするということでございます。それから通商産業省の公益事業局長の岩武照彦君も会議中ですから、三十分過ぎましたらお伺いする、こういうことでございますので、こういう方面の関係でない建設省に関する面の質疑をやっていただきまして、その間にこの連絡をとっておる人が参りますから、そういうふうにできませんでしょうか。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 やむを得なければやむを得ませんが、私はあらかじめちゃんと建設大臣には初めから連絡してあったはずですし、それで今両方の関係官庁に一緒に話を聞いてもらいたくて言ったのです。勝手に委員長がそうきめられては私は困るのです。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 勝手にきめたんじゃなくて、ほかの方面は、今申しましたように経済企画庁、通産省の方は連絡をとってあるのですけれども、会議中であるというのでしばらく待ってくれというのです。それから建設大臣の方は参議院の建設委員会に呼ばれたものですから行きましたので、すぐ向うが済み次第こっちへ来るようにという連絡にやりましたから、それ以外の建設省関係に関する御質疑がありましたら、それを先にやっていただくことができないでしょうかとお諮りいたしておるのです。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 二、三十分待って、あとにします。私の要求しておる関係の人は一人も来ていない。そんなことでは無理だ。三十分待ってからやります。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 それでは佐々木良作君の質疑はあとに回しまして、三鍋義三君。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 ただいま審議中の多目的ダム法案に対しまして、若干の質問をいたしたいと思います。この多目的ダムの建設の歴史を調べてみますと、最初は河水統制といった立場でおもに考えられていたように思うのであります。昭和五年ごろの大旱魃、これに関連いたしまして農民の水争いとかあるいは上水道、工業用水の不足とか発電の渇水、こういうものが年々激しくなりまして、昭和十三年ごろに河水統制といった事業をおもな目的として設定されてきているように思うのであります。ところが敗戦後国土の荒廃から非常な大洪水が起って、それによるところの災害というものが非常に頻発して参りました。これに対しまして従来の河水統制という考え方から洪水調節といった方向に切りかえられてきているのように私は思うのでありますが、これらの歴史的なダム建設の趣旨の変遷、こういう点から見まして、建設省がねらっているその効果というものがどのように現われてきているか、こういった点の概略につきまして、少し題問が広うございますが、あとの質問の関係でお聞きしておるのでございますから、概略を一つ御説明願いたい。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 多目的ダムの歴史につきましては、ただいまお話がございましたように、昭和の初めにおきまして水の利用の問題について非常に要望が強かったのでございまして、その当時におきましては利水方面から主としてダムが計画されたというのが多うございました。ただ洪水の調節に関しましても、たとえば鬼怒川の改修に関連いたしまして、五十里ダムが計画されたのが大正の終りでございます。それが洪水調節の大きなダムの計画の嚆矢だ、私はそういうように承知しております。その後今お話がございましたように、利水の面におきまして計画されたダムがたとえば相模川のダムである、そういうふうなダムが数ヵ所ございまして、それを戦争中にかけましても、利水、電力あるいは灌漑用水、工業用水等の面から推進をされておりました。それからわれわれが建設省といたしまして洪水調節の面でこういうふうな多目的を盛んに考え出したのは戦争中にもございましたけれども、主として終戦直後の昭和二十二年、昭和二十三年等の大洪水にかんがみまして、河川の治水上の問題から考えられたものが非常に多くなって参りました。それはどういうことかと申しますると、下流の河川の改修のみでは非常に大きくなりました洪水が処理できない、たとえば一度改修した河川が大きな洪水に襲われまして、その河川の改修をやり直ししなければならぬというようなものが現われて参りましたために、何とか上流で洪水を調節しなければいかぬというふうな機運も起って参りますし、また諸外国におきましてもそういうふうな例がたくさんに出て参ったのでございまして、そういう見地に立って、建設省といたしましても上流において洪水を調節するという面からダムが非常に要望されて計画しておったのでございます。それと同時に利水の面におきましても特に電気等は終戦後の要望によりまして強力に要望されて参ったというような観点からこの治水のダムに関連いたしまして、あわせて電力をやろうというふうな空気が盛んになって参りまして、そういうふうな結果から方々に大きなダムが計画されて参ったのでございます。そういう結果、現在までに直轄及び補助事業を合せますと、約二十五ヵ所くらいのダムが多目的ダムとして完成しております。それから現在におきましても約十数ヵ所のダムが建設中でございます。そういうのが実情でございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 法案の二条の定義によりますと、「流水の貯留を利用して流水が発電、水道又は工業用水道の用に供されるものをいい」云々、このように書いてあるのでありすまが、多目的ダムは消極的には洪水の調節、積極的には灌漑あるいは発電、上水道、工業用水などの各目的に利用されるのでありますが、法案の定義は積極的利用の面だけを記載しておるのでありますが、これには何か特別なお考えがあるのかどうか、お尋ねいたします。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 御説明申し上げます。「建設大臣が河川法第八条第一項の規定により自ら新築するダム」と申しますのは、建設大臣が直轄でダムを施行する規定でございますが、その建設の目的自身は公利を増進しまして公害を除去するのが目的でございまして、治水、洪水を調節いたしますし、また下流の公益のために利水を増加してやる、渇水期に水を増加しでやるというふうな目的は、河川法の八条自体の目的になっておりますので、特に書いてありませんけれども、その河川法の目的によっております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 多目的ダムは他の単一目的のダムと違いまして、その及ぼす影響というものは非常にいろいろな方面にわかれておると思うのであります。そこでこの建設に当りましては周到なる用意と客観的また科学的調査に基いて行われなければならぬことは言うまでもありません。しかもこれは国土の総合開発と非常に密接な関係があると思います。一貫性のあるものとして建設されてこそ初めて意義があるのでありまして、建設省の治水事業五ヵ年計画と国土総合開発計画との連関につきましてどのように進められていこうとされるのか、これにつきまして御答弁をお願いいたします。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 国土総合開発計画につきましては、その立案に当りまして建設省にも相談がありまして、その際に国土開発計画につきましても私どもの考えております治水計画を織り込んでいただくように十分の連絡をとっております。それからダムの計画につきましても周倒な調査を行いますし、また計画の立案に当りましても関係各省と十分な連絡をいたしましてその基本計画を決定するように、この法律で規定をいたしておるわけでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 この国土総合開発法によりますと、開発審議会は関係各行政機関の長に意見を申し述べることができるし、また関係各行政機関の長は審議会の意見を聞くことができることになっておるのであります。ところが本法案によりますと、あらかじめ関係行政機関の長に協議することになっておるのでありますが、審議会には触れていないように思うのであります。もちろん、ただいまの御説明の通り、触れていなくても、連絡調整されるに至ることは当然でありますけれども、各法案との関係もありますから当然いいということになるのでありますが、行政庁の間の——こう言っては悪いのですが、セクト的な面が出てきたときに困る問題が出てくるのではないか、このように考えるのであります。これに対して御所見をお聞きしたいとい思ます。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 国土開発計画におきましても、はっきり計画のきまっておりますのは確定の計画といたしますし、また今後まだ調査をして計画を確立しなければならぬのは、調査事業というようなことにして、国土開発計画の方も、企画庁の方で立案をいたすときに、そういうふうな立て方でしていただいております。従いまして、計画のまだ本決定にならないものにつきましては、お互いにまだきまったものではないというふうな立場で処理しておりますので、私の方で立てます計画が国土総合開発計画とそごするというようなことは、そういうふうな建前から考えられないというふうに考えておりますし、また今後その点につきましても十分連絡をいたしまして処置していきたい、こういうふうに考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 そこでお尋ねしたいのでありますが、この問題は、ダム建設費の負担割合に及ぼす点から非常に重要だと私は思うのであります。この建設費は、河川管理者と各目的の企業者の資金によってまかなわれておるのでありますから、費用の負担の割合に応じた持ち分の共有物としてダムが存在するのであります。そこでこの法案のように、河川の付属物として認定されれば、私権が排除されることになるのではないか。従って管理上は当を得たことになるけれども、建設資金の負担の割合をきめる際に問題が起きるじゃないか、こう心配するのでありますが、こういうことは心配要らないのでしょうか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 お話のように、従来の多目的ダムは、直轄の事業につきましては国の資金と電力業者等の資金とが合わさりまして、共同事業といたしまして建設して参ったわけでございます。今回の処置におきましては、建設大臣が作りまして、共同費用に該当する分は国に対しまして負担金として納めていただく。それで、その金と国の金とを合せてダムを作るという関係になるわけでございます。そしてその負担の割合につきましては、従来負担の割合をきめるときには、電源開発促進法の第六条第二項の規定による費用の負担の方法というのがございますが、それによりましてやっておったわけでございます。今回の法律におきましても、政令でその負担の割合をきめることにしておりますけれども、今までやっておりました電源開発促進法に準じまして、その負担の割合を決定していこうというふうに考えております。従いまして、負担の方法は従来やっておったものと同じ方法でいきたい。それから今度は国が負担金をとりまして一つのダムを作るのでございますけれども、それを使いまして電気等を起すものに対しましては、ダムを使う権利、ダムの使用権というものをその利用者には与えまして、今までと同じように、発電なり水道なりあるいは工業用水なりの事業を営めるというふうな形態にしておるわけでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 今までは、河川法第四条第二項の規定に基く共同施設に関する省令によって、所有権を認めたままで河川法による公権管理が可能であるようにされておったように思うのでありますそれが、今度はこれを認めなくなった。物権であるとはいいながら、どうも著しく債権的なダム使用権となると思うのでありますが、   〔委員長退席、瀬戸山委員長代理着席〕そういたしますと、現在でも通産省等から、各種目的に対する建設費の配分に合理性を欠いておるといわれておるのであります。なかんずく発電事業は、それ自体が非常に安定性のあるところの経済事業であるとして成り立っておるのでありますから、ややもすると正当な電源開発を上回って負担をかけられやすい、こういったような非難もあるのであります。こういう点から考えまして、今御説明のようにスムーズにいくかどうかということを私心配するのでありますが、私の考えでは、配分がやはり非常にむずかしいのではないかと思いますが、御所見を伺いたい。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 先ほども御説明申し上げましたが、費用の負担の割合につきましては、従来やっておりましたような方法を使って参りたいということにしておるわけでございます。それから、この費用の負担の割合を決定する方法でございますが、順序といたしまして、基本計画を決定するときに各関係行政機関に協議をいたしまして、負担の割合などもこの際に決定しようということでございますので、途中でいざこざが起きるというようなことは私はなくて済むというふうに考えております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 ただいま三鍋委員から質問のあった点について、関連してちょっと河川局長に質問いたしたいと思うのであります。この多目的ダムを設置する場合におきましては、当然電源開発と不可分の関連ができてくるわけであります。そこで、今三鍋委員の質問に対しまして、電源開発促進法の第六条第二項によって、というようなお話があり、またさらに、関係官庁とよく打ち合せをして、というような補足説明があったのであります。そこで私のお聞きせんとするところは、ここに電源開発促進法第六条第二項についてあまり詳しい資料がないので、この第六条第二項の具体的な件について、どういう御方針であるかということ。それから関係官庁と打ち合せするといたしましても、河川局が結局原案を作るのだろうと思いますが、その原案を作る場合において、どういうことを基準として負担割を決定するのであるか、この二つの点についてお尋ねいたすわけであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 私が費用の割り振りを決定する問題につきまして御答弁申し上げたのでございますが、これは従来は電源開発促進法の第六条の規定に基きまして政令が出ております。そういう方法でやっておりましたが、今度の場合におきましても、それに準じた政令を作りまして費用の割り振りを決定していきたいというふうに考えておるわけでございます。その趣旨は、ちょっとむずかしい言葉でありますが、身がわり妥当建設費を基礎にいたしまして、その割り振りを決定するわけであります。身がわり妥当費支出法というのは、身がわり費というのは、各単独の目的でおのおのが作ったときに幾らかかるかという金を身がわり費として出すわけであります。妥当費として出しますのは、おのおのの目的から、これだけまでの金はかけてもよろしいという費用をおのおの目的別に出しまして、そのうちのおのおの目的別に身がわりあるいは妥当費の少い方をとりまして、その比例でダムの建設費を割り振っていこうという考え方が基本になっております。建設省におきまして原案を作るに際しましても、そういうふうな考え方を基礎にいたしまして原案を作りまして、そしてその調整をして参りたいというふうに考えております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 だいぶ具体的なお答えを得たわけなんですが、そこで建設省で考えるのは、まあ治水ということが基本的な立場となるのでありますが、この場合において、電力会社の方ではやはり他の開発関係、資金の関係などあって時期的に建設省の計画と電力会社の計画とマッチしない。マッチしないけれども、治水面から見てどうしても建設省ではこれをやらなければならぬ。その場合に、そのときにこれを利用できなくても、あとでこれが利用できるというような場合が実際問題として起きるだろうと思うが、そういう場合には極力調整することはもちろんでありますが、時期的に調整できぬ場合においてはどういう方法をとられるか、この点お尋ねいたしたいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 お説のような特定用途に供するものがあとで現われるというような場合も想定されますので、その場合にはダムを国で作っておきまして、今申し上げますような負担金をあとになりまして国庫に納入してもらいましてその使用権を認めるというふうな条文をこの中に規定をしております。二十七条にございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 そこでこの法案の持つ最大の要点というものは、多目的ダムの性質とその管理方法をはっきり規定して、そうして行政上の支障のないようにするというところにあると思うのでありますが、そういたしますと、公共の福祉のために適正な私権の制限を行なって河川行政上の統一をはかっていくことに対しましては、私たちといたしましても賛意を表するものであります。しかし現在の法体系からいたしまして紛争が起きないかどうかはっきりしておきたいのでありまして、そこでこれらの点について若干の疑点のあるところをお尋ねしたい、このように考えるのであります。  ダム共有による所有権がなくなって、ダムの使用権が作られることになるのでありますが、法案はこれを物権として取り扱っておる。そうして一般先取り特権あるいは抵当権の客体としようとしておるのでありますが、しかし考えてみますと、ダム建設費の費用負担によってダム使用権が成り立つのである。法案には権利の性質上使用権の要件、こういうものは書いていないのでありますが、しかしこれははっきり言うたならば、費用の負担こそが権利の核心をなしておると私は思うのであります。簡単に言えば費用の負担あるいは納付金、これによりまして権利が生ずるのではないかと思うのでありますが、いかがでありますか。

美馬郁夫建設事務官(河川局次長)

○美馬説明員 ただいまの御質問でございますが、この物権は相手方が経費を納めるから物権ができるというふうな立場をとっておりませんで、法定物権と申しまして、こういう単独使用、単独工事を建設大臣がやった場合におきまして、法律によりましてダム使用権というものを設定する、こういう形になりまして、契約による物権というふうな形にはしておりません。従ってこの物権の重要な要素をなしております費用の負担でございますが、これもこの法律の建前といたしましては、契約によるのではなくして行政処分で一つの建設費の基準を国が作りまして、それに基いて命令するという形をとっております。しかしこの命令する場合のやり方につきましては、あくまでも現在の法体系のもとで、よく関係各省とも相談の上でこの基本計画のとぎに調整していくというふうな建前をとっております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 どうもはっきりわからないのでありますが、それではダムの使用権の目的となるのはダムによる流水の貯留である。このように私は考えるのでありますが、それでよろしゅうございますか。

美馬郁夫建設事務官(河川局次長)

○美馬説明員 その通りでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 そうすると、河川法による流水占用権というものは私は債権だ、このように考えるのでありますが、いかがでしょう。

美馬郁夫建設事務官(河川局次長)

○美馬説明員 現行法の解釈では、水利使用権は債権ということにはなっておりませんで、物権的な扱いをしている、一種の河川法上の公権であるという解釈になっております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 ここに私の疑点があるからお尋ねしておるのでありますが、ダムの使用権によりますと、流水の貯留を確保して流水占用権によって自己の便益に供することができる、このように考えるのでありますが、この解釈は正しいかどうかお尋ねしたいと思います。   〔瀬戸山委員長代理退席、委員長着席〕

美馬郁夫建設事務官(河川局次長)

○美馬説明員 ただいまの御質問でございますが、流水の使用権と水利権と相待ちまして、現実に水の使用なり貯留ができる、両方相待って初めて効果を発生する、こういうふうな建前になっております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 そうすると、このダムの所有者はこの場合国ですね、ダムの使用権による権利の作用は流水の貯留である、そうするとこの権利の客体となるのは流水を貯留するというダムの操作の行為にあると私は考えるのでありますが、このように考えますとこのダムの使用権には、客体となるものが物や権利ではなくて流水をなさしめるという人の行為である、このように考えるのであります。しかしこれは国、実際上は河川管理者という特定の義務者に対するところの相対的な権利のごとく見られるのであります。そこで流水の貯留というダム操作によって、初めてこのダム使用権者の利用という段階に入るのでありますから、この点から考えますと明らかにこれは債権であって、物権であるという解釈の仕方はどうもはっきり納得できないのであります。そのために物権としての支配権もなければ、またこれに対する排他的規制も見られないと思うのであります。法案によりますと、その性質として簡単に物権とみなすと、こう書いてあるのであります。もちろん法律できめれば、白を黒とも言うことは事家上はあるいはできるかもしれませんけれども、この場合現行の物権の観念とは相いれないものがあるのではないかという疑問を多分に持つのであります。この点について一つ明快な御説明をお願いいたしたいと思います。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 ただいまの御質問に対しまして御説明申し上げます。まず第一点の人の行為を支配するから債権的ではなかろうか、こういう点でございますが、なるほど河川管理者である人は、ダムを管理いたし操作いたします関係上、人の行為も支配するのでございますが、それがおもなる要素となっておるのではございませんで、おもなる要素といたしましてはダムの堤体自身、貯水池、そういうものと場所でございまして、場所につきましてはダムでもって囲われる最高水位が陸地に接する面をもって支配する区域といたしております。従いまして物に対する支配権、それに対しましてダムでもって、一定の地域におきまして一定量の流水の貯留を確保するということを支配の対象とし、従って権利の客体といたしておるわけでございます。  次に、みなせば物権となるではないかという点でございますが、工業権、漁業権におきましては全く同趣旨の規定を持っておりまして、物権としての保護を与える。  次に、物上請求権その他の排他的性格でございますが、さようにいたしまして物権と認められ、一定地域における一定量の流水の確保、貯留いたします権利について不法なる第三者——あるいは河川管理者をも含みますが、そういうものに対しましては直接妨害排除の請求権あり、このように考えられておる次第でございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 どうもダム使用権は私、こじつけのように見えるのであります。管理上は、この法案の意図にあるように、ダムを河川の付属物として河川管理者の手にゆだねることは私、同感なのであります。しかしそのことはかく目的のために費用を負担した企業者の私権を満足させるものではない、またそうすることによりまして、だれも好んで多額の投資をやって参加する者はないから、本来ならば債権としてあるべきダム使用権を無理に物権とみなす、こういったこじつけがあるように思うのでありますが、この点もう一ぺんすっきり御説明願いたいと思います。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 今御質問の点につきまして、御説明申し上げます。  従来における利用者のダムに対する所有権の持ち分でございますが、これは共有の持ち分を持っておると考えられておったのでございます。それにかわりましてダム使用権という財産権を利用者に付与することになったわけでございますが、その投資額を利用者が資産として把握することができることにいたしておりますし、従いまして利用者の資産内容は異ならない保護を与えられておる、このように考えておるわけでございます。  それの二、三の点についてなお申し上げますならば、まず従来の共有の所有権でございますと、登記登録には適しないものでございますから、登録しない状態における所有権等を考えられておったのであります。従いまして登記登録がございません関係上これを抵当に入れる、抵当権を設定するということは不可能でございまして、工場財団抵当の組成物に相ならなかったわけでございますが、今回登録制度をしきましてその物件を登録いたし、工場財団抵当の組成物になるというふうに改正されておるわけであります。なお償却、固定資産の課税というものにつきましても、従来と同一の効果を持っておるところの措置が講ぜられておるわけでございます。  それからこれにつきましてのダム使用権の存続期間でございますが、これまた永小作権等のように五十年と制限はなく、無期限永久にダムが存在する限りは続く、このように考えておるわけでございます。  従いまして、以上十分に財産権は保護されておるのみならず、従来よりはある面においては利点があるのではないか、かように考えておるわけでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 この第二十四条によりますと、ダム使用権の行政上の取り消し処分が規定されておるのでありますが、このようになりますと、私はこの使用権の物件性というものがますます怪しくなってくるように考えるのでございますが、この点に対して所見を伺っておきたいと思います。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 物権についての取り消しは、これは重要な権利の制限である点は間違いないのでございますが、ここに書いておりますように、河川法十八条の規定による許可の全部を取り消さなくちゃならない状態が公益上の判断で出た場合におきましては、これはダム使用権を持っておりましても、財産上の目的を果さないのでございます。特にこの場合はさらに、後段に書いてありますように、何人にも従前通りの流水の占用を認められない状態において水利権の処分を取り消すわけでございます。何人にも従前通りの流水の占用を認めることができないとは、まず河状の変化によりまして、水利権の存在が無価値になった場合と、さらにこの場所におきまして重大なる河川工事を行うために、その水利権を取り消さなくちゃならない場合でございまして、権利の実質を備えないに至りますから、水利権を取り消します。さような場合におきましては、ダム使用権を取り消す、こういう処分をいたしておるのでございます。なおこれに対しましては、十分なる還付金を支払う処置をいたしておるわけでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 この項目に対する質問は、大体これで打ち切りたいと思いますが、ちょうど大臣その他要求している方々がお見えになったようでありますから、私の質問は後ほどに譲りまして、先ほど御要求の佐々木委員の質問を取り上げていただきたい、このように思います。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 佐々木良作君。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 法案の問題のポイントがだんだんと同僚委員によって質問されておるようでありまするが、私はこれを整理しながら、まず建設大臣の根本的なお考えをお伺いいたしたいと思います。  わが国の狭隘な国土におきまして、これを総合的に利用、開発するということは、当然国民全部の要求であります。しかしながら、従来幾多の総合開発計画が立てられ、あるいは立てようとし、あるいは実施しようとしても、それが所期の目的を完全には達成し得ない状態にあったと思いますが、河川の総合開発についても同様だと思います。従いまして私は、建設大臣は、従来多目的ダムを中心とするところ河川の総合開発の問題につきまして、何が総合開発を阻害しておった一番大きな原因であったか、そしてこの法案を提出されるに当って、これによって何を解決されようとされたか、この法律の根本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいま御質疑の点でございますが、国土総合開発の建前から、狭隘なる日本の国土を効率的に活用するために、多目的ダムというものが必要であるという観点に立ちまして、建設省は今日までこれを推進して参ったようなわけであります。これがお説のようになかなか促進ができなかったという大きな原因が、どういうところにあったか、障害はどういうところにあったかという御質疑でございますけれども、これはいろいろございますが、主として地方の用地問題、土地の買収というようなことが、多目的ダムを促進する場合において、地方の人家が埋没するという問題がありましたために、その地方の特殊な事情から相当抵抗が強かったり、反対があったりいたしまして、こういうところでは相当年数がかかることもあったというようなこと、ここに補償問題等が関連するわけでありますが、補償だけで解決するならいいのでありますけれども、それだけでは絶対いかぬというようなひどい抵抗のある場合におきましては、相当その目的を達成する上において支障を来たしたことは、御承知の通りであろうと思うのであります。従いましてこれらの点につきまして、補償でもって解決する問題につきましては、できるだけ地元民の事情を考えまして、その補償額を納得できる方向に運ぶような方向に向っておるわけであります。さようなことにいたしまして、今日まで促進をはかって参りました。今この国会にこの法案をお願いいたしております理由は、今まで共同方式でありましたために、とかくお説のように、国土総合開発の建前からどうしても早く促進しなければならない問題が、この共同方式では電力会社あるいは地方自治体等々が関係いたすために、資金の関係あるいは工事の効率化というような面からいいまして、とかくおくれがちでありました。そこでどうしてもこれは特別会計にいたしまして、そうして一本化して、これらの資金の面や工事の設計その他の面につきましても促進させるためには、どうしても特別会計にすることが最も効率的であると考えまして、このたびのこの法案を提案したような次第でありますが、私どもは今度のこの法案によりまして、御心配のような多目的ダムの促進解決をはかる上に、十分効果があるものと確信いたしておるようなわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 私の質問とポイントが少しずれているようでありますが、私が一番聞きたかったのは、現在の日本の河川——たとえば例を河川にとりまして、河川の総合開発ということを阻害しておる原因は何であるとお考えになりますかということです。私はむしろ用地補償というような問題は、総合開発の問題とはあまり関係がないのでありまして、普通の仕事の場合にも常にひっつく問題でありますから、従って総合開発ということを阻害している最大の原因は、私の感想をもってすれば、日本の官僚行政、官僚のセクト行政というようなところに、私は最大の原因があるような気がするわけであります。大臣はこの官僚のセクト行政に対しまして、どういうお考えを持っておいでになりますか。河川の総合開発という問題について所見を承わりたいと思います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 河川法の点でいろいろ官庁のセクショナリズムがあるために、河川法を改正しなければならぬというような議が前々から起っておりますことは、御承知の通りであります。さような面から今のようなお説が出たと思いますけれども、これはたまたまそういうような場合において、運輸省や農林省あるいは建設省等の関係から、さような問題が起りますけれども、できるだけこれは大きな目的のためには、各省間を調整いたしまして、これらの問題を解決するようにいたしております。ところで今後もできるだけ水利権の許可等につきましても、独断でなく、各省の協議によりまして調整をとっていくという方向に考えておるようなわけでありまして、さような点につきましては十分考慮していきたいと思っております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 しつこいようでありますけれども、この法案を出された根本的な理由は、仕事をやろうと思ってもあっちこっちからやかましく口が入ってきてうまくいかぬから、建設省でもう少し強引に仕事ができるようにしようということが、中心じゃないですか。あっちこっち官僚セクトが入ってきて整理しにくいから、一本にまとめてやろう。提案理由の一番先に書いてあるのは、「近時多目的ダムに関し、事業の促進、その一元的建設及び管理が強く要望されるに至りましたので、」政府はこうこうしたと書いてあります。だから総合開発を阻害している大きな原因が、役所と役所のいろいろな関係があまりやかましくなって、どこが中心になって、どこが責任を持つかわからぬような状態がだんだん強くなってきたので、責任の所在を明らかにして一元的な建設と運用をやろうというところにこの法案の提案の目的があったのではないかと思うのですが、そうではないのですか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 この法案を出した目的は各省のセクショナリズムを打開するために一元的に管理したいという意味ではないのでありまして、ここに書いてあります一元的に管理したいという意味は、先ほど申した通り、多目的ダムというものは自治体であるとか、電気業者であるとか、各利用者の共同方式でやる方法ではその経済的効果をあげ、事業の促進をはかる上においても効率的でないという面がありますので、その管理を一元化して促進をはかりたいという意味で特別会計を置いて、こういう法案を提案したわけでありまして、これは決して、各省間のセクショナリズムが支障を来たすから、それをやめるために一元化しようという意味ではないのであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 この提案理由に、多目的ダムに関する事業の促進、その一元的の建設と管理が強く要望されたから、今度からこういうふうにしたというふうに書いてありますので、私はそれがこの法案の提案の意図だろうというふうに考えておったわけであります。しかし今の大臣のお話によりますと、どうもその辺ははっきりわからぬけれども、従来と同様な意味で各省間との調整は十分とりながらやるのだというふうに私は了解をいたしたいと思います。ただ問題は、それであるならば果して今後提案理由に述べてあるような、建設大臣自身が言われたような効果が達成できるかどうかという問題については、はっきりと疑問を残して、具体的な質問を続けてみたいと思います。  大体従来の各省間の関係をあまり阻害せずに十分に話し合いをしながらやっていくというお話でありますので、それを前提としてお伺いいたします。四条以降に基本計画というのがありまして、建設大臣の責任で基本計画をこしらえて多目的ダムを建設していくというふうになっております。この法案がなかった前、つまり現在はここにいう多目的ダムの基本計画的なものは、だれの責任で、どういう経路によって決定されておりましたか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 従来も基本計画は作っておったわけでございますが、こういうふうな形式にはっきり規定はされておらなかったのでございます。そしてダムの形式なり、高さなりを決定いたしまして、それを使って発電する電気事業者等がありますと、その者と協議をして、費用の負担なり、それの利用計画等について協定書を作ってやっておったわけでございます。費用の負担の問題につきましては、経済企画庁があっせんをして各省間でその費用の負担を決定いたします。それらの手続が全部完成して基本計画が決定するわけでございますが、今度は基本計画の作成に当ってそれらのものを一括してやりたいというふうにしておるわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そうすると、基本計画の決定者、責任者は従来も建設大臣であり、今度も建設大臣であるから、その関係は変らない、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 基本計画の最後の決定者は従来も建設大臣でございます。今回におきましても責任者は建設大臣でございまして、同じであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 基本計画的なものを決定する段階において経済企画庁を中心として各省間の調整が行われた、それも似たようなことをやるのであるから、この法律が決定された後においても従来のやり方と大して違わないというお答えらしいのでありますが、どうもその辺が私にはよくわからないのであります。たとえば電源開発法の三条並びに四条におきまして電源開発の基本計画樹立の問題と、それから電源開発に関する総合調整の問題が規定されておりますが、これと建設大臣が作成する基本計画との関係はどういうことになりますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 電源開発計画と多目的ダムの建設計画でございますが、電源開発計画というのは、御存じのように全般の電源開発を今後いかにやるか、あるいは地点別の大きなものにつきまして個所別に決定するわけでございます。これと多目的ダムの基本計画の関係でございますが、それにつきましては密接な連絡をとっておりまして、従来は多目的ダムに伴いまする発電計画が決定いたしますると、電源開発計画に入れるという方法をとっておりました。今回におきましても基本計画で決定する見込みのもの、あるいは決定したものを電源開発計画に入れていただくというような方法になるわけでありまして、表裏一体をなしてそごのないようなものになって進むというふうに考えております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 建設大臣に伺いますが、この法案提出の運びに至ります過程におきまして、最後にはおそらく閣議であろうと思いまするけれども、各省間の相談でこの成案を得られる過程におきまして、たとえば通産省なりあるいは企画庁からこの法案に対する要望はありませんでしたか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 これは事前に各省間の事務当局と連絡を緊密にいたしておりましたので、閣議においては何ら問題は起らず、スムーズに通ったようなわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 それならばもう一つ重ねて伺いますけれども、三十二年度の多目的ダムの事業計画といたしまして、伺うところによりますと、六、七十億の特別会計をもって十六、七万キロの多目的ダムによる水力発電を計画されているという話でありますが、この計画は電源開発総合審議会あるいは通産省との関係では今どういう段階にありますか。

小林泰建設技官(河川局開発課長)

○小林説明員 今回の特別会計に計上されております地点は、継続地点が七ヵ地点ございまして、新規の地点が事業として二ヵ地点、合わせて九ヵ地点でございます。そのほかに三十二年度以降実施計画調査をやります三ヵ地点の新規が入っておりまして、合計十二ヵ地点になっております。新規の地点につきましては、費用配分その他については大蔵省の予算査定前に関係各省との協議を整えております。しかし電気事業主体の決定まではまだ確定しておりませんが、一応各省了解の費用配分の基本線はできておるわけであります。それから継続事業の費用の配分についてすでに決定しておりますものが二ヵ地点、最近決定される予定のものが二ヵ地点内定しておりますものが三ヵ地点でございます。この中には通産省あるいは関係当局との連絡の上で電気事業者がすでに決定しておるものがございます。また未定の地点が一、ニヵ所ございます。ただし電源開発計画の内容につきましては、特に通産当局の御意見を尊重して電気事業者にそういう指導をしていただいておるような次第でございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 この計画を決定される責任者は建設大臣ですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 基本計画を決定する責任者は建設大臣でございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 電源開発促進法によれば、電源開発の計画は電源開発審議会の議を経て総理大臣がこれを決定するということになっていたのではなかろうかと思いますが、それはどういうことになりますか。総理大臣がこの電源開発の計画の決定の責任者であるのか、建設大臣が責任者であるのか、どっちなんですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁計画部長)

○大來政府委員 ただいまの点は、電気に関する限りは電源開発促進法に基きまして総理大臣が決定することになっております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 第四条にいうところの基本計画というものの中身が電気に関するものとそうでないものとに分れて、電気に関するものはこの基本計画に該当しない、この四条にいう基本計画というものは電気に関しないものだけということになりますか。つまり電気に関しないものは建設大臣が責任を持つし、電気に関するものは総理大臣が決定するということになるのですか。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁計画部長)

○大來政府委員 その点はこの四条にありますように、あらかじめ関係各省と協議をしてやることになっておりまして、事実上両方で一致して決定されることになると考えております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 一致して決定されることになると思いますといっても、それは運用の問題でありまして、私は法規的なはっきりとした責任者が聞きたいのです。総合開発をやる場合の一番の問題は、だれが責任者かわからないところに一番のポイントがあるわけであります。従いまして、この基本計画を決定する責任者が建設大臣というならば、電気も何もひっくるめて、このダムからできるところの仕事を全部ひっくるめて責任を持ってもよいのではないか。四条はそういうつもりで基本計画は建設大臣の作るところであるというふうにきめたのではないのですか。そうして私が心配するのは、ここにいう基本計画は建設大臣がこういうふうに決定すると書いてあるし、電気の方のやつは総合的に云々とあって総理大臣が責任を持つと書いてある。それはなるべく意見が違わぬようにしますといっても、法律がちゃんとそういうことになっている。これはどういうことになるのですか。一番根本的な問題ですから、私は大臣の答弁を承わりたいと思います、責任を持つのは大臣ですから。役人の話は、さっきも伺いましたように、正直な話どれがどれかわからぬような格好に次々にうまいことをしゃべるが、しろうとでもはっきりわかるように、だれが責任を持つのか承わりたい。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 この第四条の基本計画というのは個々のダムについての建設計画を規定しておるのでありまして、この問題につきましては、建設大臣がその決定をするのであります。しかしながら、国の全般的な電源開発の総合的な計画につきましては、総理大臣が電源開発促進法によってその決定権を持つのでありまして、その調整は、この総合的なものと個々の場合におきましては、おのずから十分調整をとりまして、そしてその運営をはっきりしておるのでありますから、決して矛盾はないものと考えておるのであります

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 この基本計画を決定する際にきめなければならない事項として、四条二項のずらっと並んでいる中に、第五号に「ダム使用権の設定予定者」というのが掲げてあります。そうして第五条によれば、このダム使用権の設定予定者はダム使用権の設定を申請した者でなければならないというふうになっております。ダム使用権の設定予定表をかりに電気を起したい者だといたしますと、その場合に、ダム使用権の設定予定者はまだ基本計画というものはわからないわけでしょう。従って、四条にいうところのこれは、これが出てからきめるのだから、その基本計画も何もわからないのだから、何に基いていかな内容を予定していつ申請すればよいということになりますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 その点に関しましては、第四条の第三項に「建設大臣は、基本計画を作成し、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、」又は定められたダム使用権の設定予定者の意見をきかなければならない。」という項目がございまして、基本計画を作成するときには設定予定者の意見を聞いて作るということにしておるわけでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そんなおかしい話はないじゃありませんか。基本計画をきめるときにはダム使用権の設定予定者をきめなければならないでしょう。従って、基本計画の——これはどういうことになるのか、手続を考えてごらんなさい、そんなことはできやしない。もっと端的に例を出してみましょうか。たとえば一つの、北上川なら北上川の結果から見て考えてみればよいと思う。北上川にダムを作って、農業用水とともに発電用の水も取ろうということで計画がされたとする、その場合に発電計画は、通産大臣を経て、企画庁のあっせんで、総理大臣の最終決定で審議会の議を経てきめなければならないということになるのでしょう。それが決定されて初めてこういうダム使用権の設定予定著たり得る者が大体想定される段階になってくる。それから建設省の方では、別にその話が出る前後からずっと話が進んでおって、今の北上川なら北上川の多目的ダムの計画がなされておって、そうしてその基本計画が定められなければならない。基本計画を定めるときは、その責任は建設大臣にある。そうして基本計画をきめるときにははっきりと言うてこい、ダムを使って発電所を作りたい者は言うてこいということになる。言うていこうと思えば、その前には総理大臣の許可というか、了解を得なければならない。これでは総理大臣よりも建設大臣の方が偉いということになりはしませんか。これはおそらくあなた方の方が、そこは適当にうまくちゃんと同時にやりますと言うに違いないが、うまくやりますと言っても法律ではやれるかどうかわからない。これはだれがほんとうの責任者ということになりますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ただいまのお話も、原案ができてから各省に協議したり、あるいはダム使用権者の設定予定者に意見を聞くということになると、今申されたようなことになるわけでごさいますが、この計画を決定する途中におきまして逐次意見を聞いて原案を作っていくわけでございます。それから使用権の設定予定者につきましても、ある程度の実質上の予定者が出てくるわけでございまして、そういう人と実質的には協議して進めていくわけでございます。それでごさいますので、片方が済まないと片方が進まないということではございませんで、その途中におきまして、意見を調整しつつ進めて参るということで御了解いただきたいと思います。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 それではなかなか了解できない。  もう一ぺんもとに戻って、三十二年度の予定されておる十六万キロワット、大体これはおそらく府県営になっていくやつだろうと思います。六、七十億の金をかけてこの基本計画を決定される際に、最後には建設省で確定されるのでしょう。それなら通産関係の方にお伺いしますが、この計画における電源開発の計画は、建設省のどの段階で相談に乗るのか、電気関係の人はこれはどういう責任を持つのですか。同時に電源開発五ヵ年計画なるものを企画庁を中心にして立てておられる、それとこれとの関係はどういうことになるのですか。

柿坪精吾通商産業事務官(公益事業局公益事業課長)

○柿坪説明員 この多目的ダムの基本計画の決定と、それから電源開発促進関係の審議会の決定と、この二つが両方ともいずれも責任を持ってなされるわけでございますが、形式的には先ほど御指摘の通りいずれもに責任があるという形でございまして、ただそれが矛盾しないようにということを建設省の担当の方からも申されましたが、電気を担当いたしておりますわれわれといたしましても、それが矛盾しないようにということを考えておりまして、ただいま御質問の、電源関係の計画がいつきまるかという問題につきましては、建設省でこういうふうな各地点ごとの多目的ダムの計画、その中には電気も含んでおりますが、そういうものができます場合には、電源開発促進審議会の方にお諮りすれば、必ずこれは通り得るものというふうな確信のあるものだけを双方意見一致して乗せておるわけでございます。これをその後周到に検討いたしまして、もしこのままいけない、あるいは審議会の方は通らないということになりますれば、当然またこれは変更されるもの、そういうふうに考えております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 柿坪さん、今あなたお答えになっておってわかりますか。実際どうなるのか私はさっぱりわけがわからないのだけれども、多目的ダムの今ここに言うダム使用権設定予定者を、かりにそれなら府県あるいは電源開発会社というふうに想定してごらんなさい。それがほんとうに設定予定着としての申請をするかしないかは、大体の計画から見て、そろばんに合う電気であるかどうかということを考えなければ申請できやしませんよ。しかもそのときは、建設省の方の計画は見せてくれといったって、見せてくれるのか見せてくれないんだかわけがわからない。建設省の方はわれわれがこういう計画をやるについてきめるのだから使用権者になりたければ言うてこいというだけでありまして、計画に一緒に相談するようにはなっていないでしょう。電源開発審議会であるならば、そこでそろばんに合うか合わないかが相談に付されて、そうして電力計画に乗せていいかどうかがそこで検討されるわけです。多目的のダムの基本計画の場合は、その電気としてそろばんに合うか合わないかということを考えて、そうして電源開発計画に入れていいかどうかということを考えるチャンスはどこにある。しかもその設定予定者になり得るものは一応は役所じゃない。府県であり、電源開発会社でありあるいはその他のものであって、これはあくまでも一応現在の段階では、採算を前提とするところの事業者を予定しなければならない。ものを言うところないじやないですか。しかも今言いましたように、計画決定は建設大臣がこれをやられる。しかもあとに、私は費用の点も触れますけれども、費用もほとんどこれは一方的ですよ。あとはどうなるか、費用がどれだけかぶってくるかわからぬようなものをどうしようもありません。どういうことになるのですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 この点につきましては、第三項に関係行政機関の長に協議しまして基本計画をきめようということでございまして、ダム使用権の設定予定者につきましては、その場合におきまして実質的に十分に意見を聞いて乗ってこられるようにしようということでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そのときには、ダム使用権の設定予定者は申し出ておらなければならないのでしょう。申し出ておらなければならないが、その前に何を基準にしていったならばそろばんに合うとか合わないとかいって、申し出る内容を作る手本は何になるのですか。役所の中からわかるか知らぬが、民間からはわかりゃしません。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 実質的には今申し上げますように、実際にダム使用権になり得る可能性のある方の意見を十分聞いてくるわけでございまして、今度は使用権の設定を申請する方はその内容を十分知悉した上で申請しまして、そうして費用もそれだけは持つという自信がある方が申し出てきまして、初めてダム使用権予定者になるわけでございますし、また費用も持つということに相なるわけでございまして、使用権をもらう人は十分その内容を知悉した上で権利をもらい、また負担金を出す。ということに相なるわけでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 これは押し問答になりますからこの辺でこの問題はやめておきましょう。ただ私ははっきり申し上げておきます。電源開発をやろうとするなりあるいは多目的ダムを作ろうとする場合は、どっちかにはっきりした責任がなければできません。つまり先ほど言いましたように、電源開発計画を決定するのは総理大臣であり、そのもとが通産大臣であるならば、その決定権限なり、その責任というものと、それから建設大臣の責任といいますか、権限というものと、どっちが責任を持つのかということがはっきりしなければ、同時的に一緒に発生する。しかも手続はぐるぐる回ってどっちが先だかわからぬというようなことでは、これは仕事になりません。正直な話……。そうして役所の中では話がわかるかもしれぬけれども、正直な話民間からは知ることができない。そうして必ず内容は、従来の経験から見まして押しつけにならざるを得ない。従いまして私はこの電源開発計画審議会の議を経まして総理大臣が決定すべき電源開発計画と、この四条にいわゆる多目的ダムの基本計画を決定するところの建設大臣の権限とは、私はある場合は相矛盾すると思う。従ってどっちがきめるのだということをきめておかない限り、これは私は仕事にならない、話がおかしくなるというふうに考えます。それからなおそれと関連して申し上げておきたいことは、電源開発五ヵ年計画というものと、エネルギー総合対策という形でだんだんと出されておられる。その中の対象になっておる中心的なものから、公営並びに特に多目的ダムの問題は事実上除外せざるを得なくなると思います。今も申し上げましたように、今ここに掲げてあるところの、三十二年度の多目的ダムの電源開発計画自身は、建設省の基本計画の決定によってきまるのだから、事実上はそれを当然のまなければならぬことになるのでしょう。役所の中でありますから、おそらく電源開発審議会でも……。従いましてこれを三十二年度、三十三年度、三十四年度というふうに長期的な電源開発計画に見合う五ヵ年計画同様の意味で、多目的の長期計画を立っているかと聞いてみると、あまり立っていないように見える。しかも立たないわけでありまして、それがはっきりしなければ、先ほど言いましたところのダム使用権の設定予定者は申請することができぬ。はっきり見えぬから……。そうすると、それが出なければ計画が決定されないのでありますから、従いましてその辺の時間的のずれがありますと同時に、計画決定の期限といいますか、だれが何を一番重大な問題として計画決定するかという問題が、はっきりずれてきますから、私は電源開発の五ヵ年計画なら五ヵ年計画というものの中にうまくその内容を取り入れることは困難だと思います。前のような法律でなければ、話し合いという格好になりますけれども、法律ではっきりと基本計画は建設大臣だということになっておるならば、私はむしろここまで進まれるならば、多目的ダムに関する電源開発計画自身を、審議会は審議会として、相談する機関ぐらいのことにして、建設省自身がはっきりと自分の所管内に持ってこられた方がいいと思う。それならば責任がはっきりします。そうでなければ、だれの責任か、さっぱりわけがわからない格好で計画が進められなければならぬということになるから、私は非常に困難だと思います。

大來佐武郎総理府事務官(経済企画庁計画部長)

○大來政府委員 ただいまの佐々木委員のお話の点は、電源の関係がございまして、事務的に第四条の三項の「関係行政機関の長に協議する」という点につきましては、協議がととのうまでは実際基本計画が成り立たないものと了解する。たとえば電源の見地から協議がととのわなければ、この多目的ダムの計画にも乗らないのだ、基本計画もできないのだというふうに私ども了解をいたしておりまして、この点につきましては、経済企画庁と建設省との間で覚書を交換する予定にいたしております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そこまでいかれるのであるならば、この三項の「協議する」ということは、むしろ必要条件同意にされればいい。そしてその次のダム使用予定者の意見を聞かなければならないというのは、意見を聞きっぱなしでは困るから、これこそ協議されればよい。少くともそこまで役所内でこっそりと覚書を交換するというような形をとらなければならぬとするならば、法律に明らかに同意を必要要件とする、あるいはそのダム設定予定者の同意というわけにはいかないから、意見の聞きっぱなしではなくて、ほんとうに相談するという意味で、対等の立場で協議するというところまでこの条文が改正されなければならぬと思う。それが各省間の覚書の交換みたいな格好で、法律の前に出ずに、何か沈没した、一般には見えない格好で処理されるところに私どもはやはり不安なきを得ないのであります。そして、建設大臣は、先ほどこの成案を得られればスムーズにいく、閣議でも何にも問題はなかったというように言われたのでありますけれども、そうであるとするならば、それは大臣さんがあまり話をよく知っておられないのでありまして、その前に次官会議か何かで適当に話が落ちてしまったから、閣議では話が出なかったぐらいのことで、私は少くともこういう法案がここに出されなければならなかった前に、役所の間では権限争いが相当強く行われたに違いないというように邪推せざるを得ない。その結果が今言いましたような覚書交換のようになったり、従って私は仕事がこの法律の意図するような形でうまくいくかどうかということに非常に疑問を持たざるを得ないわけです。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 これに定める基本計画と電源開発計画との関連でございますが、最後の姿といたしましては、両方そろったものであるという形で、もしこれを電源開発法によりまする基本計画に沿うように直さなければならぬというような事態になりますれば、訂正いたしましてそれと合せた形にするということで処理したいと考えております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そういうふうにされるのならば、その矛盾はある程度解消されると思います。しかし、今度は逆に電源開発計画の方がおかしいからそっちの方を修正しろということも考えられる。法律では対等に、両方とも建設大臣が基本計画を決定するとなっている。片一方は、総理大臣が審議会の議を経て決定するということになっておって、甲乙ないわけでありますから、何も建設省だけが折れなければならぬということには限りませんよ。その問題はこの辺でやめておきましょう。ただ先ほどから私が提示しておきましたように、この調整問題は電源開発促進法の法案を作るときにも、電源開発計画自身を作るのにいろいろな話が出て、非常にむずかしくて、ああいう関係の諸君が全部寄って相談するような格好になった。そのために、私は実際には仕事が阻害される面が相当あると思う。しかし、現在のところこれは仕方がない妥協の格好であったと思う。今度はその一部の建設省関係の分がすぱっと建設大臣自身が決定してやるということになったことについては、いい悪いの問題はあとの結果によって判断したいと思います。いい計画を立てたって、仕事ができなければナンセンスであります。従いまして、そのいい悪いという問題は、しばらく留保いたしまするが、従来のそういう話し合いをやるような形で計画が決定されたのと、それから今度の法律によってはっきりと建設大臣の権限内におさめられて、多目的ダムの基本計画が決定されるという段階になったのと、私は多少手続上並びに力のウエートの動きが出てきていることを感ぜざるを得ないのでありまして、従来と同じ格好で、関係者と相談してスムーズにやりますというお答えは、ほんとうは私は意味ないと思います。それならば何もこういうふうに改める必要はないのです。従って私はこの法案が、はっきりと成立するかどうか知りませんけれども、審議されている段階で、その辺のやり方をどういうふうに処理されるかということをもう少しすっきりさせられることを要望しておきたいと思います。  それから、先ほどやはり皆さんが盛んに質問されて河川局長が答弁されておりましたそれと同じ問題の七条の費用の問題につきましても、似た感じで私はお伺いいたしたいと思いますが、先ほどのお話によりますと、七条の建設費用の負担の問題は、大体従来と変らないようなやり方をするのだというふうに言われております。従いまして七条一項、二項に出てくるところの政令できめるというその政令の内容は、先ほどお話にありましたような促進法六条二項によるところの、あの費用の配分に関する総理府令、あれの内容と同じようなものを考えておられるらしいのでありますが、そうですが。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 内容はあれに準じたものを政令で規定したいと考えております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そういたしますと、従来のやり方は、先ほどちょっと河川局長が言っておられましたけれども、ここの第一項の前段のものは妥当投資額、あとのものは身がわり投資額というもので、この両者を勘案してきめるということでありますが、従来のきめ方は、この両者を勘案してだけれども、この勘案は、つまり分担の比率をきめたことになっておるのであって、従って工事総額がふえることによって金額自身は妥当していく格好だったのです。つまり比率が決定されるのでありますから、工事額が動くことによってその負担額は動いてくるという建前に従来はなっておったと思います。そのことはあとの問題にもまた出てきますけれども、同じように皆さんが言っておられるところであります。従来は多目的ダムにつきましての利害関係者の権利は御承知のような格好で持ち分という形になって、仕事を委託するという形で行われておった。委託という形は厳密には違いますけれども、大体委託する者と委託される者と民法上の対等な形での契約的な形が考えられるわけであります。従いまして気に入らなければ廃棄するなり、対等の立場で交渉して内容がきめられることになっておったわけです。それが今度は委託関係ではなくて、先ほどの四条のやり方でやれば、ダムの使用権者の意見を建設大臣は一方的に聞いて、建設大臣自身が単独で行うことになる。従いまして基本計画の決定自身もそうでありまするから、これも書いてあるように、変更についても当然に意見は聞くけれども、建設大臣が一方的にこれを行うことになる。そうでなければ一元化したことにならぬだろう。従ってダム使用権の設定予定者は、たとえば工事を途中で変更されて、そんなに大きな工事にされては、今度は負担がふえてくるから、そうなってくるとこっちのそろばんが合わないから困りますということを言えなくなるでしょう。従来ならば対等な委託関係、契約関係でありますから、従ってその工事計画自身の変更その他についても、話し合うことができた。現にその例はたびたびあった。そして建設省と、それから今ここに言うところのダム使用権の設定予定者との間で、そろばんが合う合わぬでずいぶん話し合いされた事例が、現実にたびたびあったわけであります。今度の場合には、それはほとんど一方的に建設大臣が基本計画を意見を聞いて決定するのだから、従って意見は言いっぱなしになる。聞くか聞かぬかは建設大臣の勝手ということに最終的にならざるを得ない。そうすると、費用配分の計画が従来と同じ形で、いわば工事費にスライドした配分の比率によってきめられるということについては、私は非常に矛盾があると思う。従来のアロケーションの方法は、一応対等な、民法上の契約的な裏づけを前提とした費用の配分の方法であった。今度の場合は、一方は合法的な権限を裏づけにして、お前はこれだけかかるからこれだけ持てという言い方になりますから、これは前と同じにやると言われても、話が少しおかしいと思いまするけれども、御所見を承わりたい。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 お答えいたします。その点に関しましては、従来におきましては、ダムにつきまして共同の持ち分はあったのでございます。今度は共同の持ち分はないのでございますが、ダム使用権というのがございまして、それを物権として認めよう。従いまして物権として認めた以上は、それから生じまするいろいろの抵当権であるとか、その他有利なものが生じてくるわけでございまして、従来のものにつきましてはなかったような新しい権利が生じてくる点が違うわけでございまして、有利な点も非常に多いと考えておるわけでございます。  それから費用の負担の問題につきましては、お説の通りでございまして、ダム自体の工事費がよけいになりますと、その割合で費用を持たなければならぬわけでございますが、ただその費用の負担の割合等が変更になりますときには、基本計画の変更ということでございまして、その場合には関係行政機関の長に協議するとともに、ダム使用権の設定予定者の意見を十分尊重して話し合いをしまして、きめていきたいというふうに考えておるわけでございまして、いささかもダム使用権者に押しつけていこうというようなことを考えておるわけではございません。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 これもまた押し問答になるかもしれませんが、考えでおりませんといっても、従来この法律がなかった場合でも、私は電源開発をやったから現実によく知っている。そういうことを言うたら悪いかもしれないが……。猿ケ石、吉野、幾春別の問題でも、アロケーションをめぐって現実に問題があった。しかしながらずいぶん意見は対立したけれども、従来は対等——対等ではないけれども、半分くらいは突っぱれた。今度は完全に突っぱれなくなりますよ。先ほど言いましたように、協議して云々と言われますけれども、その問題自身が先ほど言うように、協議するといっても、そういうふうに運用するといっても、しかしながら逆の場合には建設大臣が勝手にやれることは間違いない。従来は民法的な対等な立場を前提とした考え方が、今度はそうでない考え方になるのでありますから、従って私はアロケーションの方法も、概念の考え方が違ってくるのだから、変えなければならぬというふうに、思うわけです。話し合しでやるから、その関係機関の長と相談するからいいというけれども、従来もそうだったかもしれないが、従来は相談をされて、利害関係者という場合には、工合が悪ければ、対等の立場だから現実に断われる。しかし今度はそうでなしに、一方的に計画はきめられ得るのでしょう。きめられないと言ったって、現実にきめられ得るのでしょう。従ってもっと大げさに言うならば、この多目的ダムに関する電源関係の原価に対しまして今度は通産省は責任を持てるか。これは何か覚書を交換するのだというようなお話がありましたけれども、それは覚書を交換されればそれでいいかもしれないけれども、法文上はただ相談するということになっておるだけであります。そうして多目的ダムを所管されるところの建設省の最大の目的は、大体洪水防禦を中心にしておられる。それと電源開発は相競合する場合が多い。計画の設定においても管理の面においてもそれが多いわけであります。従って今度は逆に通産省公益事業局ではどうですか。前にこの法律がなかった場合と同じように、これは公共団体が中心あるいは電源開発会社が中心になるかもしれませんが、この多目的ダムに関係のある電源開発を行う場合に、ともかくも一応は意見を聞いたり協議したりするけれども、結局は建設大臣が決定されることになる。しかもその費用アロケーションは、前と同じように工事費にスライドするような格好で配分する比率によってきめられるということになる。そうすると悪く考える場合には、途中で非常に計画を変更して、割当が多くなって、それならば電力原価としてはほんとうはそろばんに合わなくなるという場合も考えられる。その場合に、従来はそれは困るからといって、話し合ったときにとめることができた。今度は基本計画は建設大臣がぴたっときめることになるから、その危険が私は非常に強く出てくると思いますが、公益事業局長の御所見はどうですか。

岩武照彦通商産業事務官(公益事業局長)

○岩武政府委員 御心配の点はやはり実行の問題だろうと思っております。それで途中で建設費が上り、アロケーションの額がふえてくる。その結果、電気の妥当投資額をこえるということになれば、これは電気として成り立ちませんから、電気関係だけはその点ははずすよりほかに方法がないだろうと思います。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 ほんとうにここまで踏み切って建設省が中心となってやろうとされるならば、今の費用の配分につきましても、対等の格好でスライドするというような考え方を捨てられなければならない。逆にこれならば電源開発についてはそろばんに合うといって最初出てきたその分を、はっきり通産省の方に渡して、それ以上の費用が出てくる場合にははっきり建設省が負担する、つまり対等で可変の——動くような格好を続けておられるということは、これは建前上おかしいじゃないか、違いますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 今の御質問の趣旨がちょっとわかりにくいのでございまして、あるいは間違えてお答えいたすかもしれませんが、費用負担の政令の問題でございますが、この工事費がふえたりいたしますると、第四条の基本計画におきまする建設に要する費用及びその負担に関する事項という点におきまして、変更を要することになってくるわけでございまして、それが変更を要する場合は、使用権者及びそれぞれの立場からの関係行政機関の長に協議するわけでございますから、政令はありましても、その場合においていろいろとまた相談をしてやっていきたいというふうな考えを持っております。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 佐々木君、きょうは正一時から本会議を開くことになっております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 それでは時間もないそうですので一応中止しまして、またあとで継続したいと思いますが、最後に今の問題で申し上げておきたいと思います。今の山本さんのお話によると、関係行政機関の長と相談するのだからというお話ですけれども、この法律の前は、先ほどから繰り返して言うように、利害関係者が持分権を持って、そして対等の形で、民法でいえば契約的な形で、建設省と経済行為の委託、受託の関係になるわけです。従ってたとえば電気の問題であるならば、電気の監督官庁の入る前に、受益者自身とそれから建設省との間に対等の関係で経済行為の相談ができたのです。それが今度はそうではない。意見は聞くけれども、これは公的なやり方としてぴたっとやり得るかっこうになっている。従いまして今のような関係行政機関の長と話し合いができるからということでは、本質的な問題の解決にはならないと思う。先ほどから申し上げておきましたように、計画の決定に際して、それから費用の配分に関して、それから事業の遂行に関しまして、特に従来の電源開発計画決定、費用、それから今の建設遂行自身との間に、どうも私はすっきりしない、割り切れない問題がまだずいぶん残っておる気がして仕方がないのであります。この問題につきましてはまた後ほど触れたいと思いますが、時間の関係もありますので、これで中止をいたしたいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 この前の二階堂先生の質問で、答弁を保留しておいた問題がございますが、簡単でございますので、この際お答えいたします。この前災害が起った場合に受益者にその負担をさせるかという問題がございましたが、災害復旧事業の事業費の負担につきましては、従来公共土木施設の災害復旧のうち、河川に関するものにつきましては受益者の負担金を徴収しておりません。従いまして多目的ダムにつきましても、この法律に規定いたします受益者には負担はかけないつもりでございます。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 ただいまの佐々木君の質問に対しまして、午後答弁をしていただきたいと思います。  午前はこの程度にとどめます。  午後は本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十四分休憩      ————◇—————    午後三時二十三分開議

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。佐々木良作君。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 午前の委員会において多目的ダムの建設をめぐっての建設計画の問題、特に建設計画の中における電源開発計画の基本計画決定との関連及び多目的ダムの費用の配分等につきまして質疑をいたしたのでありまするが、どうも私はこの問題についてはまだ釈然としないところがあるわけです。しかし一方意見の相違みたいな格好になる形勢もありますので、次の問題に問題を進めてみて、そうしてまた都合によってはあとを振り返ってみたいと思いますから、お許しを願いたいと思います。  午前の委員会の場合にも出てきたわけでありまするが、この二条に定義されておるダム使用権というものが、どうもすっきりしないのでありますけれども、定義の内容についてまずお伺いして、そうしてダム使用権の権利の内容について次にお伺いしたいと思います。二条に書いてある定義、これは建設大臣どう読むのか、この日本語が私には読めぬのでありますけれども、これはどういうことか。第二条に書いてある何とか何とかの新築するダムで、「これによる流水の貯留を利用して流水が発電、水道又は工業用水道の用に供されるものをいい」云々、どうもこれはわからぬのですよ。流水というのが二つ使ってあるし、貯留という言葉が出てきますし、つまりどういうことでしょうか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 御説明申し上げます。ここに多目的ダムの定義がございますが、これは「建設大臣が河川法第八条第一項の規定により自ら新築するダム」ということが書いてございますが、これは従来建設大臣がみずから直轄工事をやる規定がございます。河川法に基いて直轄工事をやる規定でございまして、そういうふうな直轄工事で新設するダムでございまして、これによってためられる水を利用して、その水が発電または工業用水道の用に供せられるものであるということをいっているわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そういうことだろうと思いますけれども、こんな日本語ありますかね。上の流水という字は、ダムの上から流れてくる水の意味で、その二、三字下の流水はそのダムから下向けに流れる水という意味ですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 前に書いてあるのは、上から流れてくる水ということでございまして、下のは貯留したものが流れ出る水、こういう意味でございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 私はこの言葉だけを見てもどうも言葉が熟していないと思います。それで流れてくる水は普通上から流れてくる水で、一たんたまって川下へ流れるのも同じ流水といっては、よほど専門家でないとこの意味はわかりゃしません。一応そういうことだろうと思いますが、ちょっと念のために伺いたいんです。  この多目的ダムの概念に、そのダムに入れる水を他のところからためて流域変更して持ってくるような場合がある。その流域変更して持ってくる水路は多目的ダムの分に入りますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 占用で発電等の事業者がそういうものをやるときには入りません。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そうすると後段の「余水路、副ダムその他ダムと一体となってその効用を全うする施設」これはむずかしいですけれども、これは一たんダムにたまってそれからあとの方のものが大体中心になっておるらしい。余水路の以下のものは、そのダムにためるための流域を変更して持ってくる水路というものは、その水が今度発電用に行くとしても、ダムの中に一度一緒になって行くんだから、どの水が行くようになるかわかりませんが、その場合でも占用施設的なものだと多目的ダムに入らぬということですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ここに書いてありまする「余水路、副ダムその他ダムと一体となってその効用を全うする」というのは、余水路といいますとダムの上に水はけがある場合には、ダムといいましてもあれがありませんが、ダムにために水を下流に吐く場合に山を切り開いて余水路を作るというような場合がございます。そういうようなものは、ダムと一体をなしてなければダムの効用が全うできないというものでございますので、入れてあるわけでございます。それから副ダムというのは、下流に小さいダムを作りまして、下流の穿掘されるのを防ぐ効用のために作るダムがございます。これも、ないとダム本体が安全にならないわけでございまして、そういうふうに、それがないとダムとしての効用が完全に果されないというようなものを含めまして、一括して多目的ダムと総称するのだ、こういうふうに規定しておるわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 上流の流域変更等によって生ずる水路というのは、この一体となって効用を全うする施設に入るのか入らぬのか、どうもわかりかねるのでありますけれども、大した問題じゃありませんから、先に進みます。  第二項の「「ダム使用権」とは、多目的ダムによる一定量の流水の貯留を一定の地域において確保する権利」とは一体どういう権利ですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ダム使用権と申しますのは、建設大臣が河川法第八条第一項によりまして作ったダムを便いまして、そのダムの上流の一定の地域に、たとえば標高何メートルから何メートルまでの間に水をためることができる権利というふうに御解釈願いたいと思います。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 水をためることができる権利——こういう見方をしたら違いますか。今のをずっとそのまま読みまして、多目的ダムによる一定量の流水の貯留を一定の地域において確保する設備を利用して水を使って利益を受ける権利だ、こういう意味ですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 確保する権利でございまして、水を使って利益を得る権利は、別途水利使用——第三条に書いてありまする流水の占用の許可によって生ずる権利という方に入るわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 水を確保することから利益が生じますか。水を使う権利と分離して、水を確保することから私権の対象になるような利益が生じますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ためることによりまして直ちに利益は生じないのでございますが、そのために水を利用することによって、先ほどお話のありましたように、利益を生ずるわけでございまして、お説の通り、その関連が必要なのでございまして、第三条に、ダム使用権を有する者でないと、流水の貯留を利用して流水を特定用途に供することができないというふうに、関連を持たしているわけでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 これをなぜ率直にダムを使う権利というふうには書けないのですか。ダムという施設を使う権利だというふうにはどうして規定できないのですか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 お説のような検討も政府部内ではいたしたのでございますが、ダムを使うのみならず、実は敷地、つまり貯水池の敷地並びにそばの山も使わなければ貯留はできない勘定になるのでございますから、物権が支配する対象物件は、工作物であるダムのみならず、貯水池まで支配の対象にする、こういう趣旨から、実は一定の地域に流水の貯留を確保する権利、かようにいたしたわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 非常に新しい法概念でありますけれども、この法概念を作成されるのには従来のいろいろな学者の意見だとか何とかいうことを相当微されましたか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 ダム使用権という物権を創設いたしますために、建設省は二年来実務の専門家並びに政府部内の法制的な意見を持っている人、あるいは法務省の民事局、さような関係省とは十分の打ち合せをし、検討した結果でございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 それほど研究されておりますならば一応あとに留保したいと思いますけれども、普通の日本語で使います言葉で——二条にある言葉をそのまま読んだときにわかる人はおそらくなかろうと思います。これはよほど建設省の中で話を聞いた者でないとわからぬような法律だと思いますよ。しかも法律の新概念でしょう。その場合に、もう少し何とかわかる言葉の使いようがあってよさそうなものだ。少くとも従来の法概念ですれば、ただ水をためる権利というものから、私権の対象になり得るような利益が生じ得るかどうか。そしてその水を使う権利はまた別だということは、どうも私の従来の概念ではわかりかねるわけでありまして、どれほど研究されたか知りませんけれども、従ってこの定義の内容をなすダム使用権、その権利というものに対しまして、一応これで法律できめれば発生するわけでありますけれども、その概念の熟し度に対して私は非常な疑問を持つものであります。  次に問題を展開いたしまして、今度は三章に規定されてあるところのダム使用権の内容に入って、二、三お伺いをいたしたいと思います。これはこの三章に規定してありますのは、これは私の方が違っておったらお教え願いたいのですが、こういうふうに理解していいのでしょうか。御承知のように、河川法の三条でもって、大体河川の水であるとか、敷地であるとかというものは私権の対象たり得ないという原則が規定されておりましたね。そうして、あまりはっきりと私覚えてないのですが、多分四条の二項に、昭和二十八年だか九年だかに修正を行なって、共同施設に関する省令、十一号省令とかいうやつを作ったと思うのですけれども、もしその記憶に間違いがなければ、二十八、九年の河川法の改正というのは、共同施設に関する省令を作るためといいますか、それと関連して四条の二項が作られたのだったでしょうか。つまり河川法の三条の原則を、共同施設の場合には特別の省令をもって私権の対象たり得るような措置を講じられるということを作るためにやったのじゃなかったかと思いますが、そうじゃなかったでしょうか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 河川法第四条第二項の規定に基く共同施設に関する省令というのが、昭和二十九年の四月二十七日に出されておるわけでございます。それの根拠となりますのは、ただいま御指摘の通り第四条第二項の、「命令ヲ以テ特別ノ規程ヲ設ケタル場合ヲ除クノ外総テ河川ニ関スル規程ニ従フ」というこの命令というのが、今申し上げました共同施設に関する省令の根拠になっておるわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 この四条二項の意味は、普通どう解釈するのですか。四条の二項というのは、三条で敷地だとか河川だとかは私権の対象には原則としてはならないのだときめて、四条の二項、今の十一号省令との関連は、私権の対象になり得ない。しかしながら特定の金を出して共同施設等を作った場合にはそれが私権の対象たり得るような格好になり得る。つまり私権の対象たり得ることを例外的に認められることを規定したのか。あるいは逆向きに、本来ならば、一般の効用を害しない範囲内においては、財産を投じて一定の施設を作ったものが当然私権の対象たり得るものだから、従って当然河川本来の効用を害しない程度においては私権の対象たり得るのだということで、その方が原則になって三条の方を逆に規制したものであるか。法解釈はどっちを従来とっておられたのですか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 河川法第三条は御指摘のように「河川並其ノ敷地若ハ流水」つまり河川の敷地と流水は私権の目的とならないという原則でございまして、第四条第二項の「堤防、護岸、水制」等におきましては、付属物というものに認定することを要件といたしましてただいま申し上げた三条の規定に従うわけでございまして、堤防、護岸等は付属物として認定される以上はこれは私権の対象にならないという原則に従うわけでございます。そういたしまして命令をもって特別の規定を定めた場合には例外的に私権の対象になり得るということも命令でその内容を規定する限り有効である。こういう建前からいたしまして先ほど御指摘の建設省令第十一号が公布されているわけでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 あまり専門的な意見になりますので適当にいたしますけれども、結論はこういうように考えていいのですか。原則的には川関係のものは私権の対象になり得ない。二番目に四条の二項によって共同施設というものについては、今度は新しく共同施設の省令に基くものについては私権の対象となり得るものが生まれてきた。しかしながら今度もう一ぺんひっくり返して、省令でそれは所有権、私権の対象とはなり得るけれども、その所有権にかかわる部分を管理する場合にはその事業者の同意が要る。いわゆる制限のついた所有権として認めなければならないのだ、こういうふうに三段に変化したと見ていいわけでしょうか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 三段の変化という点になりましょうか。とにもかくにも河川付属物というものになりますれば、これは建設大臣あるいは河川管理者が管理いたさなければならないという建前をとっておるわけでございます。ところがさきに御指摘の命令で共同利用者の共有持ち分を認めておるわけでございますから、その共有持ち分者の所有権に基く同意を得るという格好でもって、建設大臣が私権があるにもかかわらずそのものは一体として、付属物でございますから勘定をいたすという建て方をとっておるわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そういたしますと、従来は共同施設において私権の対象となって所有権が認められ、従ってその持ち分権が設定されて当然その持ち分権に従って管理権も所属しておった。その管理権は法律によって事業者の同意を得て国なり建設大臣が管理するのだから、原則的には所有権という形で事業者に所属しておった。私権の対象となるような従来のそういう概念を否定して、新しい今言うようなダム使用権というような概念を設定されたと解していいですか。ダムの一部が私権の対象となっておった。従ってそこには当然管理権も発生しておったという従来の概念を否定されて、私権の対象となり得るようなものはないようにして、新しくダム使用権という法律概念を設定された。こういうふうに理解してよいのですか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 従来の所有権の共有の持ち分という所有権の存在は否定いたしませんで、この命令はそのまま有効に存続させまして、既存のダムについてはそのような法律関係で従来も一応継続する関係をとっております。そうして将来の面については別個に今の新しい法体系でダム使用権という物件を創設されたわけでございます。なお、従来の共有の分についても、相手方の同意を得てその持ち分の譲渡を受けたならば、それを要件として本法にいう多目的ダムとなりましてこの法律の適用を受けるように附則第二項で規定いたしておるわけでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 建設大臣、これは常識的に考えておかしいと考えられませんか。従来は共同施設に、たとえば発電所関係のものが金を出してやった場合には、そのダムの一部が持ち分権といって当然管理権もあった。そういう私法上の法概念は一応踏襲しておった概念であったわけです。そうしてこれまで設定されておったようなそういう所有権の概念はまだ一応残っておる。しかしながら新しく法律ができた後においては、そういう持ち分権の発生するような、私権の対象となるような権利はもう作らずに、今度からのものは全部ダム使用権という特別な法概念の権利にするのだ。常識的におかしくないですか。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 これは従来持ち分権で共同方式の場合においては一応債権のような形でありましたがために、工場財団設定その他資金の融通の面からいっても、いろいろ不便な面がありましたので、今度建設大臣が一元的に多目的ダムを作って特別会計にする場合においては、これらのものを物件として、このダム使用権者を保護するという建前から申しますならば、そうすることが最もふさわしいという建前でかようにしたものでありまして、今後のこの多目的ダムの法案の適用を受けるものについてはさような物件として扱う、こういうふうにしたのでありまして、決してその間には矛盾はないものと考えております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 建設大臣、そういう意見を言われては少しまずいと思う。少くともこの多目的ダムのダム使用権の設定予定者になるもの、現在までの利害関係者、これが実際に物件の対象として私権だとか抵当権だとかあるいは財産相続権だとか、そういうものの対象になっておることがウエートが大きいか。この権利の一番中心はダムの管理権と、管理をめぐって従来ずっと紛争が行われておったことを、おそらく建設大臣は承知されておるだろうと思うのですけれども、従ってこれまでの概念から今度の新しい概念に変る一番中心的なものをもってむしろダム使用者の利益を擁護するためということはおかしい。擁護するためなら、従来のダム使用者が、擁護してくれぬでもよい、前の方がよいと言われたら、法律をやめられますか。今度の新しいダム使用権を設定されるよりも、従来の持ち分の方がよいから、これの方がわれわれの利益擁護になる。従って新しいダム使用権には反対だというふうにダム使用権の設定予定者が言うたならば、それは承知されますか。その権利を擁護するというのだから。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 これは見解の相違と思います。今度われわれ建設省といたしましては、この特別会計による多目的ダムを作ることがダム使用権者を擁護する最もよい道だ、その財産権を擁護する道だと考えてするのでありますが、御承知のように従来のようなやり方がいいのだ、これは反対だというような場合においては、これはおのずからよく協議をいたしまして納得をしてもらってこの法律の規定によってやっていくよりほかにないと思います。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 一応これならそれで留保いたしますが、その大臣の発言は私は非常に異様に感じます。つまりここで新しく言うところのダム使用権の設定予定者、これの利益を擁護するためにダム使用権を創設したのだという考え方ですね。だからそれがほんとうの利益擁護になるかならぬかということが見解の相違だというのでしょう。従ってそれは私どもの利益にならないという意見の方が実際に今ダム使用権者の対象になっておる者の間で強いというならば、十分考慮されるということですね。つまり建設省としては、ダム使用権者の方が利益を得ると考えておる、従ってこういう立法をしたのだということである。そこで建設省のその考え方は、ほんとうにダム使用権者が反対だと言ったならば、それは十分に考慮されるというふうに解していいですね。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ただいまの点は、ダムを利用いたしまする特定用途者についての従来の方式による場合よりも悪くしていない、しかもよくしている面もあるだろうというお話でございまして、この法律を出した目的といたしましては、そのほかの点において非常に利益が多いわけでございます。たとえば建設が一挙にできる、あるいは将来の管理の面が非常に工合よくいくというふうな点の利益が非常に多いわけでございまして、ダム使用権の創設による問題だけの点からこの法律を出したわけではないのでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 それははっきりしてもらわなければならぬ。僕はどっちでもいい、それによって次々に方針をはっきりすればいいのですから。概念をうろうろさせられては困るのです。ダム使用権の設定はダム使用権者を刑するという考えに立たれておるかいなかということなんです。今建設大臣は、ダム使用権という新しい概念の設定は、従来のダム使用権者の利益を擁護するという考え方から成り立ったのだと言われたのだから、それでいいのかということなのです。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 御説明申し上げます。ダム使用権は、先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、ダム使用権者を利する面もあるわけでございますが、それと同時に、局長も説明申し上げましたように、他の要求からいたしましてもかような法律を出したわけでございますが、さらに河川管理という公物管理の権利と、それから電気事業者のダムを利用して発電をする私権との調和を最も適当なところに調和するのにはこの形式が望ましい、こういう点が考えられるわけでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 ほんとうの意図はそれだと思うのです。従ってはっきり言われればいいと思う。そうすれば新しく問題が出てくる。従来はダム管理をめぐって対等な立場でこういうふうに相きしっておった。今度の場合は一ぺんに建設省の管理になるので管理がしやすいことになる。管理がしやすいということは、逆に言えば、ダム使用権者が利害関係からは大体マイナスになる点の方が多いというふうに見ざるを得ない。それをダム使用権者の利益を擁護するためにダム使用権を設定したのだという概念をとられるならば、認識の立論が違いますから、はっきりしなければならぬということなのであります。私はおそらくそうではなかろうと思いますけれども、大臣がほんとうにダム使用権者の利益を擁護するためにダム使用権を設定したのだという考えをとられる限り、私は相当重大なる頭の中の混乱ではなかろうかというふうに考える。しかし今水政課長から言われたように、おそらくそうではなくて、ダムの管理を一元的にしたいというところに根拠があるのだろうと思う。そこで私は次に質問としてこういうふうに聞きたい。河川法の四条二項を挿入して、そうして共同施設に関する省令十一号を出して、私権の対象となるような共同施設を認めることになったわけですね。二十八、九年です。そういうふうにした立法理由が、多目的ダムの場合においては弱かったということで、逆にその私権を否定するという格好に今度なるわけだから、従って河川法四条二項を作り、十一号省令を出した立法理由が、少くとも多目的ダムに関する限りは喪失したとかあるいはそれは違ったとかいう新しい概念に立たなければ、ダム使用権の設定は困難ではなかろうかと思うのですがどうですか。立法理由、立法精神ですよ。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ただいまの二つのやり方は、私どもといたしましては両立するというふうに考えておるわけでございますが、さきに省令を出しましたのは、河川法に基きまして、その当時といたしましては、法律を出さなければできなかった、その法律が出ておりませんので、そういう方法によりまして管理をやらなければならぬ。しかも実態がそういうふうに進んでおりましたので、そういう方法をとったのです。今回におきましては建設、管理等の問題、それからまた特別会計を設定したりいたしまして、ダムの建設を促進するということに相なりましたので、こういう法律を提案いたしたものでございまして、この際今までに解決できなかった点を、今後やるものにつきましてはこういう方式をとりたいというふうに考えて提案いたした次第でございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 どうも押し問答みたいになって困るのですけれども、それではもう一ぺん伺いますが、今後新しいダム使用権が設定される限りにおいては、その多目的ダムについて費用の負担を行うダム使用権者が出ても、その使用権者が持っている権利というものは、従来のような所有権でもなく、ダムの持ち分権でもなく、従って当然ダムに対する管理権を持っておらない権利であるということになるのでしょう。今後設定されるダム使用権というものはそういうことになるのでしょう。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 管理権と申されますが、物権を持っておる人はみずからの権利の行使といたしまして、流れの貯留を確保するという利益を受ける権利を持っておるわけでございますから、建設大臣が管理いたします場合におきましても、その物権を侵害するようには管理できないわけでございまして、その趣旨も操作の基本原則という個所にうたっておるわけであります。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そうすると、ダム使用権というものは、従来の所有権、持ち分権とどう違うのですか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 従来の共有による持ち分といいますのは、それはあくまで所有権でございまして、所有権のうちの共同所有しておる一部の持ち分ということでございますが、今回のダム使用権ということになりますと、そのもの全体を把握するところの用役物権、こういう関係に考えておるわけであります。その点が権利の内容がまず異なると思います。従いまして正規の方法でもって登記し、その権利を保存する方法が認められているわけでございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 四章以下の多目的ダムの管理という項に、このダムの管理は建設大臣がやることになっていることをはっきりと原則に定められております。この法律でもって多目的ダムの管理権は建設大臣にあるということが明記されておって、そして同じ法律でダム使用権というものが設定されている、そしてそのダム使用権にはダム管理権が本質的にはあるんだ、そんな理屈が成り立ちますか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 ダム使用権につきまして本質的に管理権があるというわけじゃございませんで、管理はやはり第二十九条にうたっておりますように、建設大臣なりあるいは河川管理者が管理いたすわけでございますが、その際にダム使用権者は自分の物権の主張といたしまして貯留を確保する、流水を貯留しておく権利を持っておるわけでございますので、操作の基本原則というところに書いてございますように、そのダムを管理する河川管理者なり建設大臣は、公利、公害を増進し、除去することはもちろんのこと、ダム使用権を侵害しないように行わなければならない、そのように管理いたします。原則といたしましてはその物権を尊重して管理する、こういうことでございます。従いまして管理権がなくて、しかも権利が主張できるのはおかしいじゃないかという趣旨に対しましては、管理権の実質であるところの経済目的は十分これで果せる、かように考える次第でございます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 そうすると多目的ダムの管理については、従来この多目的ダムの法律がなかった場合と同じくらいな格好で、ダム使用権者の権利を阻害しないように行われるということですか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 それは従来と実質はそう大して変らないと思いますが、法律で明定いたしましたような権利の主張の内容を持ち、かつ管理者の側におきましても、操作において拘束を受けるべき事項としてダム使用権を侵害しないということを法律に明定された点は、一歩明確になった法律関係であろうと考えます。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 どうもわからぬのですが、従来の関係はダムに対して持ち分権をいわば私法的な関係で持っておって、そしてそれを抗議をするときにも、管理する場合にでも、委託、被委託という関係で、まあいわば対等の契約的な格好で行われておったわけであります。従ってそこで気に入らなければ、どういう格好でも問題の展開ができたわけです。しかしながら今度の場合には、建設自身もこの法律によって建設大臣が基本計画をきめて、そうしてやることになっておる。管理自身も建設大臣が行うということになっております。そしてほかの権利はなるべく侵害しないように行うんだというだけでありまして、侵害しないように行うのだから、前の対等の関係とは法概念的には全然違うと私は思うのですけれども、そういう感じは持たれないのですか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 おっしゃられるように所有権と他物権とはその権利の内容において異なるのは当然でございますが、先ほども申し上げましたように追求する経済目的は変らないわけでございます。法律上の地位が変るかいなかという点につきましては、私は考えますのに、所有権というものはやはり強大な権利であることには間違いございませんので、理非の善悪を問わず所有権を発動するということは、おそらく可能であろうと考えます。今回の場合におきましては、ダム使用権の内容は法定されておりますから、不合理なる物権の行使は妨げられるわけでございますが、各省の同意を得、各省と協議し、あるいは自分の意見の尊重される法律の範囲内における正当なる主張は許される、こういう点が、その法律上の考えとして違ってくるのじゃないかという点は考えられると思います。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 三十三条に管理に要する費用の規定があります。この費用の規定はこういうことになりますか。従来はこういう格好で管理しよう、従って管理費用をこういうふうに分けよう、たとえば管理施設を作るのにも、管理の人間を作るのにも、どなたか相談してきめられたわけであります。今度の場合は、この管理権はそのまま建設大臣にあるのだから、従って建設大臣の言うところのやり方による管理設備と管理が行われて、それの費用の分担が三十三条でもって利害者に配分される、こういうふうに私は読んだのですけれども、そうじゃないですか。

国宗正義建設事務官(河川局水政課長)

○国宗説明員 管理につきましての最も本質的なるものは操作規定でございまして、操作規定に基いて管理いたすわけでございますが、それは日常の操作でございます。それにつきましては各省の意見が十分反映する措置をとっておるわけでございますが、具体的の管理の維持修繕その他につきましては、これは建設大臣が責任を持って行うようにいたしております。そういたしましてそれの費用につきましては、建設中の費用の負担の率をもちまして、原則としてダム使用権者と河川の管理者とが費用を負担するようにいたしております。そうしてごく特別な場合におきましては、ダム使用権者の意見を聞きまして異なる率で定めるようにいたしております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 それは法律に書いてあるままなのですが、私の聞いているのと違うのです。従来と大体同じことだと言われるから、従来と違ってくるではないかということを私は言っているわけです。従来は、たとえば一つのダムを作って、それを管理しようとするのに管理設備を作る、特別な管理塔なら管理塔を作ろうという場合に、この管理塔が適当であるかないかということを発電関係あるいは農林関係、建設関係の三者が相談して、そうしてその費用を分け合ったわけです。今この三十三条で規定してあるのは、そういう管理の設備を作るというような方針をきめることも建設大臣の所管に属しておるではないか、そうしてきめて、これだけ費用がかかるのだからこれだけ持てということではないか、つまりそういう建設大臣の管理権を認める、そういう法制に今度変えようということじゃないかと私は言っているのです。そうじゃないですか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 従来におきましては今おっしゃるようにやっておりましたが、今後におきましては、やはりそういう問題につきましてはダム使用権者とよく相談いたしまして、どういう施設を作るというような点につきましては相談してこの管理費を持っていただくのでございますので、よく相談いたしまして施設並びに人員の配置等につきましては最小限度必要なものにとどめ、また将来の維持管理等に必要なものはまた相談いたしまして備えたい、こういうふうに考えております。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 あまり押し問答になるようでありますし、私一人が時間をとっているようでありますから、必要がありますればまた別のときに聞くということにいたしまして、私はこの辺で一応本日は質問を打ち切っておきたいと思いますが、繰り返して私は申し上げておきたいと思います。今のような河川局長のお話は、この法律がないときでさえも、つまり民法上対等の関係であったところの発電の関係者とそれから建設省のダム関係者とが合った場合においても、これは今のこの法律とは違って完全に対等な持ち分権を持って、そうして共同施設であるから従ってお互いに相談し合ってこの管理方法をきめよう、そういう対等な立場に置かれておったときでさえも大体建設省の意見は相当に強くて、決して対等の契約的な内容を持たないことの方が多かった。これは電気関係者などは、公益事業局なんかで聞いてごらんなさい、たくさんあります。それから地方自治体関係も聞いてごらんなさい、そういう事例がたくさんあります。管理に関して従来共同施設として対等の立場に置かれてさえも、そういうことであった。今度は三十三条を中心として、明らかに管理権が建設大臣の所管に属するということを規定された場合に、建設大臣がなるべくダム使用権者の言うことを十分聞いてやりましょう、それなら十分うまくいくことになりましょう、とは従来の関係からいってそうはなかなか感ぜられたい。従って私の言うことは、このような建設省が勝手にやるような建設計画をきめ、管理するような、こういう法体制がいい悪いということを私は言おうとしているのじゃない。この法体制をとられるならば、建設省の責任を明らかにしなさい。ダム使用権者のこれまでの利益を害さないのであります、従来よりももっと利益を保護するのであります。というような言い方を、結果はそうでなくなるのだからやめなさい。同時にまた電源開発計画との調整を、従来と同じような電源開発関係が行われるように十分相談してやります、というような言い方もやめなさい。対等な格好で総理大臣の決定するものと建設大臣が決定するものと法的に並べられてあって、これは従来と同じようにいくわけがない。従来と同じようにいくのなら、新しいこの法の立法理由として従来は権限が錯雑しておったようなものを今度は建設省一本にまとめてすっきりした責任体制で行うようにいたしましたと書いてあるでしょう。すっきりしようということが立法の理由となっておりますから、従ってその辺の摩擦が出てくるのは当然覚悟の上の立法でなければならない。覚悟の上の立法であるとすれば、その摩擦はこういうふうに建設省の責任において処理しますとか、そういう体制を固めなさい。そうしさえすればこの法律自身も多目的ダムの効用を力一ぱい発揮するような法体制になり得る。しかしながら今のような格好で従来と同じように関係行政官庁とは十分相談いたします、従来の権利者は決して従来よりも不利になるようなことはいたしません、という立場をとられる限り、私はこの法律というものはうそである。おそらく意図されるものと運用によって現われる結果とは逆のものが現われる危険性がある。従来の多目的ダムの現実の運用面から見て、そういう危険性を非常に強く感じる、こういうことなのであります。従って私はどっちにした方がいいという意見を申し上げるのじゃなくて、あくまでもこれだけの方針をとられるならば、責任を持った方針をこの中に織り込んで、そうして同時に政令にゆだねられておる場合もそういう方針で政令を切りかえなさい、そして男らしくもっと責任を持ちなさい。そういう立場にするならば、私はあらためてこの法律を再吟味してもいいという考えを持っているわけであります。この法案に対する私の方の態度は、この建設委員会の同僚の委員諸君並びに党の方できめられるわけでありますから、その態度とは別にこの法案に対する私見を申し上げまして、一応本日の質問はこれで打ち切りたいと思います。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 三鍋義三君。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 午前の質問に引き続きましてなお若干お尋ねいたしたいと思います。このダムの管理に当っては公害の除却、軽減等に支障のない限り公利の増進がはかられるということになると思うのでありますが、この管理の技術についてお尋ねしたいのであります。これはダムの操作、調節不備のための災害が相当あったやに聞き及んでおるのであります。そういう事例もあることでありますし、また同一水系のダム操作については洪水の調節、流水、気象通報などの立体的な管理体制が必要であると思われますので、それらを含めて御答弁をお願いしたいと思うのであります。  そこで、管理費用の負担の割合については政令で定めるということになっておるのでありますが、この負担方法には二つの点があると思うのであります。一つはダムの管理によってそれぞれの目的主体者にもたらす受益額の比率によるところの受益主義の方法と、もう一つはダム建設について負担した費用による持ち分主義の方法と、この二つがあると思いますが、二つのうちのどの方法によっていくのが妥当であるとお考えになっているか、これをまずお伺いしたい。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ダムの操作の問題と管理費用の負担の問題でございますが、ダムの操作を誤まったために被害を及ぼしたというような例もあります。その点につきましては私どもとしましても操作の完全、また水を放流する場合の下流に対する措置等を、今までにおきましても河川管理者、またわれわれの地方建設局に対しましても十分行うようには処置して参ったのでございますが、今回におきましては、特に法律に規定いたしまして、操作の規則を各ダムにつきまして厳密に作ろう、下流に水を放流する場合には関係市町村長及び関係警察署長に通知いたしまして、しかも一般に十分事前に周知させることを法定いたしまして、この措置をとって被害の防止に万全を期したいというふうに考えたわけであります。この規定によりまして操作規定並びに予防措置に万全を期したいというふうに考えております。  それから管理費用の問題でございますが、ただいま考えております管理費用は、原則として建設中の費用負担率をもって管理費用を負担しようというふうに考えております。ただ将来におきましてダム利用の基本計画等が変更して参る場合も想定されます。また先ほど御指摘がありましたように、上流の無線施設を大いに増強いたしますと貯水池の利用ももっと十分できるというような状況も想定されるわけであります。これについては今後具体的に研究して、せっかく作ったダムでございますから、利用できる範囲において十分利用しようという問題もございます。そういうような事態が起きます場合におきましては、この管理費用の負担につきましても、その負担の方法を変えていかなければならぬような事態も生ずると思います。ただ、とりあえず原則といたしましては建設中の費用負担の割合によりまして持ち合いをしようというふうに考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 私は従来の建設費の負担と管理費の負担についてどのように行なってきたかということを尋ねてみたいと思うのです。昭和二十九年の会計検査院の検査報告によりますと、多目的ダムの直轄事業に触れておるのでありますが、その中に国の経費だけで購入した機械を共同事業に使用した場合は、その使用料の計算を行うべきであるのにこれを怠っているもの、あるいは工事の施行に伴う人件費等、及び完成後のダムの管理費は共同で負担すべきものであるのに国が全額を負担しているもの、こういうものがあるとして改善の指摘を受けておるのであります。この報告書は多目的ダム建設の当初においてはこれらの事項について検討の困難性があったとしても、相当の経験を経た今日においてはすみやかに適当な処置を講ずことが望ましいと述べておるのであります。ところが三十年度の決算報告書には再びこの問題を取り上げておるのであります。工事に直接従事した国の職員の俸給等合せますと一億一千余万円、これを全額国庫で支弁しておる。それぞれ受益の限度において負担すべきものが、かりに現在の負担割合によって計算すると、国の負担分が八千四百八十余万円となる。またすでに完成した田瀬、石淵両堰堤の管理費として二十九年、三十年度においては三千百余万円、うち二十九年度分が一千五十余万円、これを全額国費で払っているが、完成したダムは共同事業者と共有であるから、この経費も共同事業者がそれぞれの立場において負担すべきものであって、前記同様の負担割合によって計算すると、国の負担分は二千四百八十余万円、うち二十九年度分が八百四十余万円となる。右の趣旨によって、昭和二十九年度決算報告に掲記して改善を要望したところであるけれども、まだその運びになっていない、こういうことを言っておるのであります。これは私けしからぬ話であると思うのであります。また会計検査院のこの要望にいたしましても、改善を要望したとか、まだその運びになっていないとかいって、まことに紳士的な至れり尽せりの穏やかな勧告でありますけれども、私はやはり国民の立場になりまして、もう少し納得のいく処理がなされなければならないのではないかと思うのであります。これに対して政府の国会に対する説明書では、職員の増員を行なっていないとか、あるいは河川総合開発事業の費用の割り振りは電源開発促進法第六条第二項の規定によって政令に基いて算定することになっているが、負担については実効がないとか、あるいは管理費用についても協定中だというようなことを言っておられるのでありますが、一体協定はいつできるのか、昭和二十九年の河川法第四条第二項に基く政令があるのでありますが、これは一体どういう工合に扱われているか、この点について明解なる御答弁をお願いしたいのであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 今の御質問並びに検査院の指摘事項等はその通りでございまして、それに対しまして、建設省といたしましてもできるだけ早くその問題も当然のことでありますので解決しようというふうに考えておったのでございますが、今途中でお読みになったような回答を出したときも一時はございますが、現在におきましてはもうその検査院の指摘の点はもっともであるので、できるだけ早くその線に沿いたいということでやっておるわけでございます。実は人件費の割り振りの問題につきましても、今回の特別会計におきましては建設に要する人件費はやはり建設工事の割合によりまして各費用で持っていただくというふうな予算の組み方になっております。  それから管理費の問題につきましても、先ほどもいろいろと御指摘がありましたけれども、この費用の分担の問題につきまして意見がなかなかまとまらなかったのでございますが、今の交渉の経過から申しますと、三月一ぱいあるいは四月の初めにはこの協定書が電源開発会社との間にはできるというふうな程度に進んでおりますので、この点につきましても、その検査院の指摘事項につきましては、近く解決できる、こういうように考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 ただいまの御答弁によりまして、非常に誠意をもってこの解決に当ろうとしておられることを知りまして、私も了解いたします。  さて、私は質問の当初におきまして周到な調査研究が必要であるということを申し上げたのでありますが、今までに調査不十分の理由によって工事の支障や計画に障害のあったことはないか。これも昨年の十二月十三日付で行政管理庁内に設けられた公共事業特別調査委員会が当時の河野長官に報告書を出しておるのであります。それによりますと、公共事業を立案計画するに当って事前の調査研究が不十分で、そのために事業着手後において事業計画を変更する必要が生じ、経費が著しく膨張し、事業効果が当初の計画とは全く違ってきたものや、また事業完成後数年足らずして機能に支障を来たしておるものがある、こうありまして、事前の調査研究不備の例として次のような問題を指摘しておるのであります。北海道の桂沢ダムが関連事業であるところの芦別ダムの事前調査を待たないで着手され、しかも芦別ダムは調査の結果実行不能となったので桂沢ダムの方も計画変更を余儀なくされた、こういうことを指摘しておるのであります。こういうことが平気でやられたとすると国民はたまったものではないと私は思うのです。これに対して詳細な説明をお聞きしたいのでありますが、一体こういう問題をどのように考えておられるのであろうか。本省のこういう態度が自然地方自治体にも何かそこにルーズな考えを持たせて、その影響するところが非常に大きいのではないか、このように思うのであります。これに対して局長さんはどのように考えておりますか。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ただいま御指摘のありましたような事例は確かにあったわけでございまして、それらがそういうふうなことになったという理由につきましては、もはや言いわけのようになりますので、私はあっさりそういう点で悪かったということは認めざるを得ないということは申し上げなければなりません。それで建設省といたしましても、そういう点につきましては大臣以下特に心配しておるわけでございまして、事業に着手する前の調査計画等におきましては十分やりまして、物価の変動以外によりまする工事費の増減というようなものは絶対にないようにしろというふうな気持で建設省はおるわけであります。その具体的の事例と申し上げてはちょっとおかしいかもしれませんが、今回の多目的ダムの事業にいたしましても、十二ヵ地点が計上されておりますが、そのうちの三ヵ地点は計画調査を一応しっかりやろうということにいたしました。従来の調査費というのは、一ヵ地点非常に少い五、六百万円というような調査費が多かったのでございますが、三十二年度におきましては二、三千万円、多いところは四千万円程度の調査費をつけまして、岩盤まである程度掘って見よう、そうしてはっきりコンクリートの量もつかむ、しかも基礎の悪いというような点がありますれば、そういう点も的確につかもうということで、事業にすぐ着手するというようなことはやめようということで、そういう方針のもとに進んでいるわけであります。ほかの事業につきましてももちろん同じような方向で進んでおりまして、今仰せになられましたような点につきましてはいろいろ理由はあったのでございますけれども、何せ国の費用、国民の税金を使う点におきまして確かに悪かったということは認めざるを得ないと私は考えておる次第でございまして、今後においては十分注意したい、こういうふうに考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 この問題は私はやはりいろいろの原因があると思うのです。たとえば調査はもっと十分にやりたいのだけれども、予算関係でその費用が足りないからといったような現実的な問題にも遭遇されての問題だと思うのです。しかし何といってもこういう貧乏な日本の財政状態において一つの大きな事業をやるといたしますれば、こういうむだなことにならないように調査をされて、それに要する費用はできるだけお取りになって、そしてあやまちをなからしめるようにしていただかなければならぬ、こう思うのです。これが一家の経営でこんなことをして失敗したら、一家心中、首つりであります。国の費用だからそこは適当にずさんにおやりになったということを私は言うのではありませんけれども、こういう点は大臣も特に御配慮願って、こういうための予算は十分取っていただかなければならぬ、このように考えるのであります。  次に同じく報告書の六項に公共事業の隘路となっている損失補償についても言及しておられるのでありますが、公共事業、特に総合開発事業における多目的ダムの建設に当っては、損失補償問題が隘路となっている事例が非常に多い、北上特定地域の総合開発の場合でも開発事業のキー・ポイントであるところの湯田ダムの水没補償が決定しておらないがために昭和二十七年度着工以来工事が停頓して進行していないと言っておるのであります。私はこの法案が成立いたしまして、これが運営される段階になって、非常に隘路になるのはこの損失補償問題であると思うのでありますが、今後この損失補償問題をどのように解決していこうとされているか、その御構想なり、腹案といったものがありましたらお尋ねしたいのであります。これはこの事業をやっていく上において非常に大きな問題であると思いますので、お尋ねしたいのであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 補償問題の解決のためにはおよそ二つ問題が考えられると思います。一つは補償に対する基準が、それを行う事業者、あるいは目的別によりまして違うという点、基準が一致していないという点が一つあると思います。もう一つは金銭補償だけでは解決できない問題がたくさんある、私が今考えた問題といたしましてはその二つの大きな問題があると思います。補償基準の問題でございますが、その点につきましては、電源開発につきましては閣議で電源開発に伴う補償基準というものがございますが、それから建設省におきましては、内部の規定といたしまして公共事業を遂行するための補償要綱というものがありまして、現在は直轄工事等におきましてはそれを基準にしてやっているわけでございます。しかしその規定にいたしましてもまだこまかい点あるいは具体的な問題についてどういうように処理するかという点におきまして不十分な点がございます。実はこの点に関しまして、きのうも地建局長会議がございまして、それらの点に関しまして本省で何とか統一した基準を作ってもらいたという点がございましたので、そういう点にかんがみまして、これは計画局が主管することには相なりますけれども、事業を担当いたしまする河川局もみんな参加いたしまして、早くその処理方針をきめたいというふうにきのうの会議でも決定したような次第でございまして、できるだけ早く具体的な処置を考えたいというふうに考えております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 私この問題についてもう少しお聞きしたいと思っておったのでありますが、ただいまの河川局長さんの御答弁によりますと、いろいろと御苦心をなすっておるようでございます。一番大きな問題でありますので、十分御研究の上、この問題に善処をお願いいたしまして、損失を受ける住民の立場を十分御理解下さるとともに、多目的ダムの法案の実施のために十分な御検討と努力をお願いいたしまして、一応私の質問を終りたいと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 ごく簡単に質問いたします。  時間がないから、非常に飛躍的になりますが、第二条の末尾に「工作物」という文字があるのですが、この工作物というのはどういう施設をさしていわれておるのか、その点をお伺いしたいのです。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 「施設」と「工作物」というような二つの文字が書いてありますので、非常にわかりにくいと思いますが、余水路というような全体のものは私どもは施設というふうに考えております。施設というのは、それ一つで効用を果すものであるというふうに考えております。工作物という概念は、その施設を構成する一つ一つの作ったものであるというふうに私どもは考えております。これを二つ合せまして、余水路、副ダム、その他ダムと一体となってその効用を全うするものであるというふうに考えております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そうすると、さらにお尋ねいたしますが、発電所の堰堤と申しますか、ダムの堰堤は、工作物と了解してよろしいですか。ダム自身ですかね。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 ダムは工作物と考えてよろしいと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そこで、これは建設大臣の口から直接お聞きしたいのですが、御相談してお返事願いたいと思います。実はこれに関連して、前に当時の法務大臣の牧野さんからも工作物であるというような御意見をいただいておるわけですが、今までこの判例がないのですが、民法七百十七条に、「土地ノ工作物ノ設置又ハ保存二瑕疵アルニ因リテ他人ニ損害ヲ生シタルトキハ其工作物ノ占有者ハ被害者ニ対シテ損害賠償ノ責ニ任ス」、こういうようにあるのですが、民法七百十七条の「土地ノ工作物」にただいまの発電所の堰堤が該当するかどうか、この点をお聞きしたいと思います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 七百十七条にいう土地の工作物という中にこの第二条の工作物は含むものと考えます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 そういうのではなくして、発電所の堰堤もしくはダムの堰堤は、民法七百十七条の土地の工作物に該当するかどうかということでお答えを願いたいと思います。

南條徳男自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○南條国務大臣 ただいまの御説のダムの堰堤は、民法七百十七条の土地の工作物という中に含むものと考えますので、これらについての補償問題その他が起きた場合においては、当然法律上の保護を受けるものと考えます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 ただいまの御答弁によりまして、発電所の堰堤もしくはダムの堰堤が民法七百十七条の土地の工作物である、かように御答弁をいただきましたが、その通りだと私も考えております。  そこで法案の中の一番基本的な問題としてどうも了解のできない点があるのであります。今佐々木委員からいろいろとこまかい点にまでわたって専門的な御質問がありまして、非常に私ども参考になったわけでありますけれども、電源開発促進法の第三条によりますと、この電源開発については総理大臣が電源開発審議会の議を経て基本計画を決定する、こういうようにはっきりと規定されておる。そして今回提案されました特定多目的ダム法案の第四条におきましては、建設大臣が基本計画を作成せねばならない、こういうようになっておるわけであります。もちろんこれはこの法案作成の上において相当議論になった点であるとは思います。この多目的ダムは工業用水であるとか、農地の改良事業であるとか、いろいろのものが含まれておるわけでありますけれども、何と申しましてもその基幹たるものは電源開発である、その比重が他のものに比較して大きいということは、これは常識で考えられるわけです。従って電源開発促進法の第三条と、本法案の第四条と首尾一貫しないばかりでなくして、どこにそれを調整すべき法案があるかといえば、ほかに法案はない。先ほどからの御答弁をお聞きしておりますと、話し合いで調整するとかいうような御答弁になっておる。話し合いで調整ができない場合にはどうするかという点についてもお話がない。従って電源開発促進法とこの法案との関連を考えるときに、はっきりとこの点を何らか規定すべき条項があってしかるべきと考えるのであります。この点につきまして御所見を承わりたい、かように考えるわけであります。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本政府委員 電源開発促進法並びにこの法律による計画の調整の問題でございますが、この多目的ダムの基本計画によりまする電源開発の部分、それから電源開発調整審議会できめまする電源開発は両者が最終的には一致するように樹立されるわけでございますが、作成の段階におきましても双方の立場から十分意見が反映するような手続が定められております。すなわち電源開発調整審議会については、建設大臣がその委員となっております。また多目的ダムの基本計画につきましては、電源開発調整審議会に出す原案を作ります経済企画庁の長官に対しまして十分協議をととのえるということに相なっておるわけでございまして、両方の計画が調整されまして、二つのものにはなりますけれども、調整されて出てくるわけでございまして、この基本計画に定められる電源開発の部分は、電源開発の基本計画の一部とお考えになっていただけばけっこうであると私は考えるのでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 どうも何度お聞きしてもその辺がはっきりしない。やはりこの法案の上にはっきりと打ち出すべきである、こういうように考えるわけであります。  それからこれは委員長に要望するのでありますけれども、こういうような予算の伴う法案が、まだ提案になっておりませんけれども、例の高速自動車国道法案なんかも出てくるわけであります。従って、予算が伴うから早くこれを上げろという意見はわれわれも十分了解できるのです。けれどもこの多目的ダム法案も、きょう審議に入って、これはなかなか膨大なものだし、いろいろ他の法案との関連性もありまして、きょう審議を打ち切って、あす採決せよと言われても、非常に困るわけであります。われわれも誠意を尽して法案の審議には当るけれども、ここで各委員の意見を聞いてみると、他にももう少し調査せねばならぬようないろいろな事件が派生的に出てくる。従って、私どもも努力してなるべく早く法案を上げたいという考えはあるけれども、あまりに与党勢力をもって無理押しをせぬように要望を申し上げまして、私の質問を終ります。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 中島委員のお言葉よく了承いたしました。決して無理押しはいたしませんけれども、予算の伴っておるものですから、なるべく早く上げたいというのが委員長の率直な考えでございます。そこで多目的ダムの問題は、明日午前十時半から十一時まで理事会を開きまして、この取扱いについて十分協議して、十一時から委員会を開きまして質疑を続行いたしたい、こう思っておりますから御了承をお願いいたします。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 議事進行。それで明日は例のガソリン税関係についての、大蔵、地方行政それから運輸、当建設の四委員会の連合審査が午前中あって、大蔵大臣が出席することになっております。これは建設委員会としても重大な問題でありまして、かつて本年度予算に対する前馬場建設大臣の構想によりますと、九百四十六億の予算要求をしておる。それでその中の昨年度と比較して増額分に対しては、道路公債それからガソリン税、一般財源——その内訳についてはっきりした話はなかったけれども、大体三本立でわれわれの聞いたところとしては同等のような額でいくというふうに受け取っているわけです。結果から見るとああいう結果になっておるわけです。従って従来の関係から見まして、十六国会において道路整備費の財源等に関する臨時措置法は、あの非常に逼迫した経済であっても、道路整備を急速に行わねばならぬ、こういうような見地から議員提案になって、国会の総意でもってガソリン税を、目的税ではありませんけれども、目的税化した法案を作り、さらにこれに一般会計をプラス・アルファする、こういうことであったのをその後の歴代内閣はプラス・アルファするどころではなくして、ガソリン税をいろいろな方面べ、道路整備の名前がつきさえすれば幾らでも使っておる。こういう状態で、これは歴代内閣でなくて、大蔵官僚がこういうような方針でもって削減しておるのです。あすは大蔵官僚に対して十分この点を詰問せねばならぬという重大な段階に来ておる。従って、あすの委員会に対して、これは与党といわず野党といわず建設委員全体の意見は、おそらく一致しておると思うので、どういうふうに攻勢をかけるかというような問題もあるのでありますが、その点もお含みの上議事を進めていただきたいということを希望いたします。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 あすの連合審査会はこちらからも申し出ておりますので、ガソリン税の問題につきまして連合審査会で質疑に出ていただく方は、やっぱり出ていただきたいと思います。それがためには、こちらの委員会を休んで開くべきが当然ですけれども、この間の、こちらの方から要求したのじゃなくして、大蔵委員会、商工委員会から御要求になって、この多目的ダムの連合審査会を開きましたときにも、商工委員からも大蔵委員会からも、どなたも委員がこちらへおいでがなくて流れたというようなことがありまして、佐々木さんと片島さんは、特に建設委員の差しかえをしていただいて、ここで審議をいただいたということもございますので、そういう悪例を決して踏襲するのじゃありませんけれども、やはりこういう重大な法案ですし向うの委員会は委員会として質疑に出られる方は行って質疑をしていただく、そうしてまたその方が、どうしてもこちらへ来て多目的ダムの質疑をしたいという方がおありだと思いますから、向うへ申し込みまして、なるべく建設委員の方の質疑を向うは早く済ませていただいて、そうしてこちらへ来てこの質疑をやる方があったらやっていただく、そういうふうにいたしたいと思いますから、この点御了承をお願いいたします。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 議事進行。御承知のように私は臨時の委員でありますから、委員会の運営についてとやかく言うのじゃありませんが、ただ一言希望を申し上げておきたいと思います。この法案は大方四十条になんなんとする大法案です。同時にこれまで河川の関係でなかった新しい権利を設定する内容を持った法案である。従いまして、予算が云々という問題もありますが、政府並びに与党の方では、提案される前にずいぶんといろいろな角度から検討されて、大丈夫だと思って出されたと思います。われわれの方は、出てみなければ法案の内容がわからないのでありますから、出された後に初めてこの法案の検討に入ることになるわけであります。従いまして、委員会においての質疑が今すぐにないからというようなことでもって、そう簡単に党の態度を決定するわけには参らない問題があるのであります。この間も、今委員長からお話がありましたように、大蔵並びに商工の委員会等の連合審査がありました。私は非常にけっこうなことと思いましたけれども、正直のところ出てみて初めてそこで法案を渡されて、それで質問をしろと言われたところで、四十条もある。とてもじゃないが、そういうようなことでその内容が見られるわけじゃないのであります。従って私は、与党並びに政府の方々が提案の前にずいぶん検討されて、それをここへ出そうとするならば、ほんとうならば、公党の立場からすれば、われわれ自身がここに出てきて云々する前に、党の中で、やはり二週間でも三週間でも、政府で暖められた期間だけ与えられて論議しなければならぬということに相なるわけであります。それは少し理屈になるかと思いますけれども……。従いまして、まだ先週の劈頭に出てきたくらいの法案を、これを一両日のうちに上げるとか何とかいうことを言われること自身おかしい話で、私はもう少し慎重に取り扱っていただきたいと思います。商工委員会におきまして、同じ川の水の新しい権利らしい問題がありましたところの、いわゆる下流増の問題が出ました際にも、法案の条文としては非常に簡単なものでありましたが、数回民法学者なり公法学者なりを呼んで、そしてその法概念の内容を検討し続けて、そして十分な論議をして法案を上げたことを私どもは承知しております。従って私はこの委員会におきましてもそのような態度で、どうかあとにその問題が残るようなことがないよう検討されまするように、そして党の意見が十分に検討されるくらいな余裕が持たれますように、この委員会を運営していただきたいことをお願いしておきます。

薩摩雄次自由民主党

○薩摩委員長 御発言を拝聴いたしまして、できるだけ御希望に沿うようにいたします。  残余の質疑は次会に行うこととします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十七分散会      ————◇—————

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