決算委員会 第30号
- 発言数
- 588 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/27
会議録
○青野委員長 これより会議を開きます。 歳入歳出の実況に関する件(都道府県の会計経理に関する問題)について調査を進めます。 本日は右件につきまして証人より証言を求めることといたします。 御出頭になりました証人の方々は、佐藤寛一君、渡部虎雄君、前田彦君、直江秀次君ですね。——相違なきものと認めます。 あらかじめ文書で御通知いたしておきました通り、ただいまから歳入歳出の実況に関する件(都道府県の会計経理に関する問題)につきまして証言を求めたいと存じますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣言した証人が虚偽の陳述をしたときは三ヵ月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。 では、法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 佐藤君、渡部君、前田君、直江君の順にそれぞれ宣言書の御朗読を願います。 〔証人佐藤寛一君朗読〕 宣言書 良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 昭和三十二年四月二十七日 〔証人渡部虎雄君朗読〕 宣誓書 良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 昭和三十二年四月二十七日 〔証人前田彦君朗読〕 宣誓書 良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 昭和三十二年四月二十七日 〔証人直江秀次君朗読〕 宣誓書 良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、又、何事もつけ加えないことを誓います。 昭和三十二年四月二十七日
○青野委員長 それでは宣誓書に署名捺印して下さい。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○青野委員長 これより証言を求めることになりますが、証言はは証言を求められた範囲を超えないこと、また御発言の際にはそのつど委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立の上御発言を願います。 証言を求める順序は、渡部虎雄君、前田彦一君、佐藤寛一君、直江秀次君の順序でございます。渡部虎雄君以外の方はもとの控え室でお待ちを願います。 まず委員長より概括的に証言を求め、次いで各委員上り順次証言を求めることとなりますので、御了承下さい。 第一に、渡部虎雄君の現職並びに既存までの職務の略歴、第二に、職務の内容、この二点であります。
○渡部証人 私は、昭和三十一年九月二十八日まで、第一相正銀行の常務取締役をやっておりました。現在は無職でございます。
○青野委員長 第二点の職務の内事をもう少しおっしゃって下さい。
○渡部証人 第一相互銀行の常務取締の際の職務の内容は、営業担当でございました。
○青野委員長 委員長よりの尋問は終りました。 それでは、発言の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 渡部さんに伺います。お尋ねしますことにつきまして、どうぞできるだけ率直にお述べ願いたい。こちらは別に裁判所とか検察庁とかそういうところではございませんので、何もあなたの犯罪的なことを追及するという意味はごうもございません。だから、国政審査の一事項としていろいろな点を伺ってみたい、こういうのでありますから、どうぞ御協力下さる趣旨でぜひ一つ答弁をしていただきたいと思います。ただし、できるだけお尋ねする事項に簡単明瞭に答えていただいたらけっこうだと思います。 そこで、あなたは、この第一相互銀行の常務取締をしておられます以前には、別に官職、役人などの御経歴はなかったのですか。
○渡部証人 官庁に勤めたことは一度もございません。
○吉田(賢)委員 そこで、あなたの勤めておられましたこの第一相互銀行は、大体の営業地域は東京都を中心、こういうふうに聞いたのですが、それに間違いないのですか。
○渡部証人 東京都とその隣接県ということになっておりました。
○吉田(賢)委員 ただし、預金は東京都以外からもお受けになる、こういう一事情にありましたのですか。
○渡部証人 そういう場合もありました。
○吉田(賢)委員 遠方からの預金、たとえば今問題になっております九州福岡県から預金があった、こういうことは御承知ですか。
○渡部証人 知っております。
○吉田(賢)委員 福岡県の今の副知事が総務部長時代だそうでありますが、福岡県の県庁で使う金がこちらに預金された、こういう事例はやはりほかにもあるのでございましょうか。
○渡部証人 ほかの事例ということは、ちょっとございません。
○吉田(賢)委員 そうしますと、たとえば県庁とかあるいは都道府県の公金などが第一相互銀行に預金されたような事例、あるいは官庁とかその他の銀行、閉鎖機関、こういうところから預金されたような事例はございませんか。
○渡部証人 官庁の金はほとんど入っておりません。ただいまおっしゃる閉鎖機関は入っておりました。
○吉田(賢)委員 ほとんど入っておりませんが、少い例でよろしいから、少しお述べ願って閉鎖機関も一つお述べ願いたい。
○渡部証人 閉鎖機関といたしましては、丸の内の一般法人閉鎖機関、池袋の特殊法人閉鎖機関、日本橋の在外資産閉鎖機関、閉鎖機関朝鮮銀行、これだけございました。
○吉田(賢)委員 府県の公金の預金の例は。
○渡部証人 県の公金の預金はございませんでした。
○吉田(賢)委員 そうすると、福岡県の一億円の事例は、これは唯一でありますか。ただ一つでありますか。
○渡部証人 ただいまのお言葉がちょっとわかりかねますが……。
○吉田(賢)委員 大蔵省の銀行局長の答弁によりますと、昭和三十年の十二月に、福岡県の公金が一億円第一相互銀行に預金された、こういう事実が述べられておるのであります。これだけでありますのでしょうか。またそれは御承知であろうと思いますから、伺います。
○渡部証人 それは、福岡県庁の金ではなくて、県の県庁信用組合の金であったわけでございます。先ほどのお尋ねのときも、あったと申し上げたはすでございます。
○吉田(賢)委員 県庁の金ではなくて、つまりこれは県の歳計現金と称する県の予算上の金、こういうことになっておるのでございます。つまり、歳入歳出の現金、こういうことになっておりまして信用組合は一億円をあなたの方へ、預金する能力がある実情でもなかったということに実はなっておるのでございますが、その点は御承知であろうと思うのですが、念を押すだけなんです。この点は今あなたによって明らかにしていただこうとするつもりはないのであります。大体これはいろいろな方が述べておられまするので明らかになっておりますのですが、そういう趣旨であることは御承知なんでございましょう。
○渡部証人 その内容については、どういう金であったかということは、全然私としては当時わからなかったわけでございます。
○吉田(賢)委員 当時わからなかったとおっしゃいますけれども、やはり、県庁など、もしくはそういう遠方から一億も預金するという例はほとんどないのでしょう。それとも、他にも類似の例がたくさんにあるというのなら、これはまた別であります。ほとんどない例でありまするから、その金が県の金であったか信用組合の金であったかということは、お調べになったのじゃないのですか。
○渡部証人 この点につきましては、当時の根橋常務が折衝しておりましたので、詳しいことは私はわかりませんでした。
○吉田(賢)委員 そうすると、根橋常務からの報告は、どういう趣旨だということになっておりましたですか。金の性質でいいのです。どこの金かということ。
○渡部証人 その金の性質についての説明はありませんでした。ただ県の信用組合からの金が入るというだけのことでございました。
○吉田(賢)委員 県の信用組合からどのくらいの期間でということになっておりましたか。
○渡部証人 約一年という話でございました。
○吉田(賢)委員 あなたの方では、常務が——この場合根橋常務などが、あちらこちらでこういうような金を集めてくるというような、そういう業務を担当しておったのですか。言いかえますと、預金を集める、もしくは導入預金の担当、こういうことになるのですか。
○渡部証人 別に担当ということはございませんでした。みんなして預金の吸収に当っておりました。
○吉田(賢)委員 導入預金とはどういう意味ですか。それはどういう趣旨のものですか。ちょっとお教え願いたい。
○渡部証人 導入預金という言葉は、私がそれを解釈するということはできません。
○吉田(賢)委員 渡部さん、はっきり申し上げておきますが、きょうは証人として出ていただいておるのです。あなたは、かりにも常務取締役としてそして第一相互銀行の担当の、現役の、金の出入りについて一切を代表した責任者としてやってこられ、そして幾多の波乱があって、銀行局の検査等もありまして刑事事件も起ったり、幾多の波乱がありました。従って、預金の性質ぐらいはここでお述べにならねばいくまいと思います。導入預金も知らない、言えないということであれば、事実を隠すということになるかもしれません。事実を隠すということになりましたら、これは告発することになります。私どもは協力を求めておりますので、何もあなたをおどしはしません。けれども、やはりほんとうのことを言ってもらいたい。ほんとうのことを言っていただいて、隠す必要のないものまで言わないという態度は避けていただきたいと思います。その辺はよろしくお願いしたい。
○渡部証人 ただいま私が申し上げたのは、導入預金という言葉の解釈をできませんと申し上げたので、どういうふうに預金を入れたという説明のことじゃなかったつもりであります。導入預金は、借りる者がそれだけの預金を世話して入った金を導入預金と称されておるように思います。
○青野委員長 吉田委員、ちょっと発言の前にお知らせしておきます。 会計検査院から大沢第一局長、大蔵省銀行局から福田検査部長の二人が御出席になっておることをお知らせしておきます。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、あなたの方では、いわゆる導入預金というものは、借り手が預金を世話する、つまり、借り貸しの関係が大体予定されておる、こういうふうに了解するのでありますが、あなたの方にこの種の導入を金額にして最も多くあっせんをしたのはだれですか。
○渡部証人 それはスチール工業の直江さんの世話してくれた資金が一番多うございます。
○吉田(賢)委員 きょう証人として出ていただいた直江秀次君のことですね。
○渡部証人 さようでございます。
○吉田(賢)委員 およそ直江さんなどの手によりましてこの種の預金は総額どのくらいに上ったのですか。
○渡部証人 こまかい数字は覚えておりません。約二十三億と記憶しております。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、直江さんから入った分は大体どのくらいなんですか。全部ですか。
○渡部証人 約二十億でございます。
○吉田(賢)委員 あなたの方は、こういう借り手が預金をお世話するという種類のものは、これを入れるときには、やはり大体重役会で御相談になって受けるということになるのだろうか、そうでなしに、あなたも常務でありますから、常務がこれは受け入れるということにするのですか。それとも、資金のことでありますから、資金を持ってくるということをそんなに深く審査する必要もないかとも思いますが、その辺はどういうことになるのでありますか。貸し出しよりもごく簡単であろうかと思いますけれども、手続といたしましては、やはり貸し出しと同じように皆さん相当協議するということにでもするのですか。その点どうなんですか。
○渡部証人 御質問の趣旨がよくわかりませんけれども、貸す場合には、稟議した上、それに関連して預金もいろいろ入れることを——その預金については別に調査はいたしません。
○吉田(賢)委員 貸す場合は、どのくらいの金額以上稟議する——稟議というのは、重役会の相談という意味でしょう。もしくは適当な方の内部相談、こういうのでしょう。預金する方についてはそういうことをしない。貸し出しの方は、どのくらいの金額がたとえば全重役あるいはおもな重役の判が要る、こういうことになるのですか。
○渡部証人 原則といたしましては、掛金限度以上のものは一応稟議するということになっておりますが、五十万以下の場合には稟議しないことが間々ありました。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、五十万以上は全部御相談の上、あるいは五十万以下は稟議しないこともある、そういうことなんですね。預金を受けるときには、これはあまり調査もしないというお説なんでありますが、理屈のようになりますけれども、受ける場合も貸す場合も、導入預金の場合には筒抜けみたいになっていく、パイプのようになっていくわけでありましょうから、やはり相当調べぬといかぬのじゃないかと思いますが、事実上はあまり調べないで受けて、そうして貸すというのが、普通の導入預金のあり方なんでしょうか。実際はそうなんでございますか。
○渡部証人 先ほど申し上げました通り、頭金の受け入れについては稟議をしないでおりました。後日になってからこの預金の受け入れについては稟議したことはございますけれども、原則としてはやっておりません。
○吉田(賢)委員 あなたの資金の詰まりましたのはいつごろです。
○渡部証人 三十一年の六月十六日でございます。
○吉田(賢)委員 資金が大体において詰まったときでございます。資金が詰まって相当預金をあせる、こういうふうな状態になったのはいつごろか、こう聞くのです。
○渡部証人 二十八年の十一月ごろからぼつぼつ詰まって参りました。
○吉田(賢)委員 最も詰まりましたのはいつごろでしたか。ただしそれは銀行局から検査に来る以前の話ですが、銀行局が検査に参ります前にはいつごろが一番詰まっておりましたのですか。
○渡部証人 それは三十年の四、五月ごろかと記憶しております。
○吉田(賢)委員 そこで、あなたの方は三十年四、五月ごろ最も行き詰まって参りました。ところが、直江秀次さんの方からは、三十年の四、五月ごろから相当額の導入預金がございましたですか。
○渡部証人 そのころ直江さんの方からぼつぼつ入ってきまして、漸次高額になってきたわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、三十年の四、丁月ごろから銀行局が検査に行くころまでの間に直江の方から二十億円くらい入った、こういうふうに了解していいのですか。
○渡部証人 検査の来るまでには二十億まではなかったと思います。約十八億幾らくらい。昭和三十一年二月の検査でございましたが、そのころまでには十八億ちょっとと思っております。
○吉田(賢)委員 そこで、十八億円でもよろしゅうございますが、そのくらいの大きな金額を持ってきた直江でありますので、その直江を通じまして、今の導入預金の実情から見ましても、相当大きな、つまり十八億円前後の、もしくは二十億円に近い、それほど高額な貸し出しが今度はできておるのではございませんか。
○渡部証人 この貸付も徐々にふえて参りまして、検査当時は十一億幾らというように記憶しておりますが、こまかい数字は覚えておりません。
○吉田(賢)委員 そこで、こういうような導入預金は、最高どのくらいの金利、謝礼、もしくは裏利があるのでしょうか。普通はどのくらいなんでしょうか。
○渡部証人 裏利のことについては、私らとしてはわからなかったのでございます。けれども、事件が起りまして、いろいろ聞くところによりますと、二十八年ごろから通して最高は月四分くらいのがあったそうでございます。最終のころは月二分一席価後というように聞いております。
○吉田(賢)委員 四分というと四%という意味ですか。
○渡部証人 さようであります。
○吉田(賢)委員 こういうような裏利が相当な金額になるというのは、やはり借り貸しの担当のあなたは大体わかるのじゃないですか。これがわからぬと、借りる人の金を利用する金額、あるいはまた貸す方においても利をもらわなければなるまいし、またこのくらい大きな金額が出入りするのにはあっせん役のいろいろな経費も要るだろうし、これは大体通り相場としては銀行として面識的にわかっておったというてもよいのじゃないでしょうか。
○渡部証人 結局それはある程度はわかっておりましたが、詳しいことについてはわかっていなかったわけであります。
○吉田(賢)委員 直江さんが十数億円の導入預金をし、もしくは貸付もしておるというのであるが、これは直江さん自身でありますか。あるいはそれからずっとまたがって多数の人に貸し付けておる。その辺はどうなんですか。大体でようございますが、おっしゃって下さい。
○渡部証人 これはそう多数ということではないわけでございますけれども、ほとんど直江君の会社の関係筋だけでございます。
○吉田(賢)委員 導入屋さんを通じて——今の場合直江ですが、この最も大口はだれとだれですか。貸し出したところの大口はだれとだれということはわかっておりますか。それとも、貸しについては貸付課長であった前田さんが御承知ですか。あるいはあなたはある程度おつかみになっておるのか、その辺についてはどうですか。
○渡部証人 ある程度は大口のものもわかっておりますけれども……。
○吉田(賢)委員 ちょっとそれをおっしゃって下さい。入りと出を。
○渡部証人 まず大口はスチール工業関係、そしてあとは株式会社大昌関係、それから東一物産関係、この三つで、それ以外の内訳については、今秋は正確に記憶しておりません。
○吉田(賢)委員 これは貸しの方ですね。
○渡部証人 貸しの方です。
○吉田(賢)委員 ちょっと金額をおっしゃって下さい。
○渡部証人 スチール工業関係は十四億円前後、大昌は約五億前後、束一物産は三億前後と記憶しております。
○吉田(賢)委員 導入の方は。
○渡部証人 導入の金額は、ここにこまかく分類されておりませんので、だれがどうということはわかりません。
○吉田(賢)委員 これは無記名というのが相当あったかとも聞くのですが、そういうことですか。それとも大体記名なんですか。
○渡部証人 大体が無記名が多かったために、だれが多く入れたということはよくわからなかったわけでございます。
○吉田(賢)委員 閉鎖機関が幾つか上っておりましたが、そんな導入は、やはりこれは記名なんですか。
○渡部証人 ほとんど記名で、ございました。
○吉田(賢)委員 やはり、これらの閉鎖機関の金利も、今お述べになりましたような月四分ないし二分、こういうことなんですか。
○渡部証人 そうした関係についてはそういうことはありませんでした。
○吉田(賢)委員 そうしますと、それはいつごろなんですか、閉鎖機関から金が入ったのは。言いかえますと、三十年の四、五月ごろから資金が枯渇してきた、そのころですか、それ以前ですか、その後にもわたるのですか。
○渡部証人 そのことにつきましては、相当長期の問、何年の間かにわたっておりますので、日にちの点につきましてはちょっと記憶がありません。
○吉田(賢)委員 こまかい記憶は要りませんけれども、かなりの資金が、枯渇してから後も入ったのがあるかということを聞いておるのです。
○渡部証人 枯渇したまぎわにはなかったと思います。書きかえその他によって継続されているのはあったと思いますけれども、新しく入ったのは、まぎわにおいては一、二あったかもしれませんが、ちょっと日にちの点は記憶しておりません。
○吉田(賢)委員 資金がかなり枯渇してきてから公金が一億円も入るというようなことは、これはちょっと考えられないのですが、やはり、あなたの方としては、資金が枯渇しておらない、こういうふうに宣伝でもしておったわけですか。それとも、一億円の金を預ける人は、資金が枯渇しようといなとにかかわらず、金利さえ入ればいい、こういうふうにして預けるのが導入預金の実情なんですか。それはどっちなんですか。
○渡部証人 福岡県の場合はどういうふうな宣伝をしたかということは、私が直接折衝しなかったので、どういうことで話し合いをうけたかということはわかりません。
○吉田(賢)委員 あなたは、東京の神田の繊維商の石川商店、これは相当手広くやっておった商店ですが、こういうのを御承知ですか。及び、同じく岩木町の小川産業というのは御承知ですか。
○渡部証人 石川商店並びに小川産業、これは最初から私が知っているわけではございません。ずっと以前から貸付もありまして、石川商店の紹介によって小川産業を承知したということでございまして、私としては調査の人に基いた程度しか当時はわからなかったわけであります。
○吉田(賢)委員 この小川産業へあなたに、渡辺という同姓の方、渡辺孝士でありますかを推薦して、顧問か何か、内部の職務もしくは何かに御推薦になった、——推薦という言葉が適当でなければ、お世話されました事実はあるのでしょうか。
○渡部証人 渡辺孝士、これと同姓とおっしゃいましたけれども、渡辺のなべが違います。渡辺孝士は知っております。石川商店の専務をやっておりまして、繊維に多少経験を持っておった人であります。そのために、小川産業の貸付を増額する場合に、だれか管理に入れたらというような話し合いを根橋常務としましてそうして役員に相談の上、ちょうど石川商店は当時頭打ちを来たしており遊んでおったために、経験者であるからいいだろうというので、みな相談の上推薦して役員にしたわけであります。
○吉田(賢)委員 あなたは土屋鉞雄という人を御承知ですか。
○渡部証人 名前はちょっと忘れましたけれども、土屋という人は、根橋常務からの話で、向井という人の知人だということで、会って知っております。
○吉田(賢)委員 その土屋鉞雄さんが今の根橋からの紹介によって小川商店の顧問に入ったのではないのですか。あなたのお世話もしくは根橋のお世話でもいいです。
○渡部証人 それは、渡辺孝士が私の方の推薦によってあすこの管理をやっておるにもかかわらず、成績がしらずに、なお貸し増し状態となったために、それをかえるというような意見が根橋常務から出たために、渡辺孝士をやめさせて土屋をやったらというような話になったわけです。
○吉田(賢)委員 そこで、その土屋鉞雄というのは、これは今の福岡の知事さんの実弟で、当時在京しておった方だという関係にあることは御承知ですか。
○渡部証人 そのことは今まで知りませんでした。
○吉田(賢)委員 いつ御承知になりましたか。
○渡部証人 あるいはその当時話されたかもわかりませんけれども、自分としては全然記憶なくて今、今日知った次第であります。
○吉田(賢)委員 小川産業、石川商店はいずれも繊維商で有名なのであり、また、あなたの方がこれらの商店に向って顧問を差し入れて経理管理をしようというような、それほどやはり取引の重要な相手であります。そういうところへお世話する顧問は、その人の地位とかあるいは職歴とか、あるいは福岡の知事のような有名な方の兄弟ということは自分で宣伝するのが人情ですから、そういうことをあなたが知らなんだというのではちょっと受け取りにくいのですが、これはほんとうでございましょうか。
○渡部証人 それは事実でございます。また、はなはだうかつのようでございますけれども、渡辺孝士氏は、私どもの根橋常務の推薦というよりも、むしろ私どもの知り合いであったために、そうしたのがまずく行ったということから、そうした顧問として承諾したわけでありまして、実際において今まで私は県庁の知事の実弟あるいは実兄ということは全然知りませんでした。
○吉田(賢)委員 上屋銭雄さんは何しておった人ですか。
○渡部証人 その点についても全然知らないのであります。
○吉田(賢)委員 変なことを聞きますが、これはわずかな金額かもわかりませんけれども、国会議員などにはやはり多少貸付があったようにもわれわれ聞いておるのでございますが、その辺は、これは相当知名な人でありますから、別に罪になるならぬの問題ではなしに伺っておきたいと思うのですが、おっしゃってもらいたいと思います。百万円以上でよろしゅうございます。
○渡部証人 そういうこまかい内訳についてはちょっと記憶がありませんので、銀行の方の帳簿において調べて君ます。
○吉田(賢)委員 しかし、三十万円、五十万円以上になると、それぞれと重役が稟議なさるのでしょう。そういう場合に、やはり政界。知名人という一とであれば、一応はあなたの方は記憶があろうと思うのであります。それでもやはり記憶がないということになりましょうか。借り貸しは普通のことでありますから、これは別にどうというわけではないのでありますが、なるべく述べていただきたい。
○渡部証人 時間をかけてよく考えさせていただけば、私、思い出します。今すぐには思い出せません。
○吉田(賢)委員 選挙区は東京の付近であります。それでいかがですか。そう言えば、時間をかけて思い出さなぐても、大体わかるでしょう。金額も、莫大な何億円という金額ではありません。その人御当人としては、何億円じゃないのですから。そう言えば大体思い出せるでしょう。まあその辺のことは言っておいて下さい。御協力願うのですからね。お尋ねします。
○渡部証人 時間をかけなければ、ちょっと思い出せません。
○青野委員長 渡部証人に委員長から御注意いたしますが、あとまだ三人証人の尋問がありますのと、尋問をなさる委員が相当申し出られておるので、確信のないのにすぐ委員長と発言を求められることも無理かと思いますが、あなたの場合は最初からずうっとしばらく考えて委員長と御発言を求められておるので、御証言ができる自信があれば、御質問が終った後すぐに委員長と言って発言を求められるように、御協力願っておきます。
○渡部証人 その点はわかりませんでした。どうも失礼しました。
○吉田(賢)委員 あなたの方では、千万円貸し付けるときに担保を取らぬということはあるのですか、その点聞いておきます。
○渡部証人 担保は取っております。
○吉田(賢)委員 今おっしゃった福岡県の県庁の信用組合から一億円の導入、預金があって間もなく、その導入預金の見返りとして千万円を貸し付けた事実はございますね。名義がだれになって、おるかは別ですけれども、それは担保を取っておるのでしょう。
○渡部証人 一千万円の貸付は事実あります。また、担保も取っております。
○吉田(賢)委員 借主はだれで、何の担保を取っておりますか。
○渡部証人 借主は向井定利であり、担保は土地、家屋だと思いました。
○吉田(賢)委員 実は、そうではなくして、それは裏金利で福岡県の県庁方面に行ったということが真相じゃないのでありますか。これは問題の一つの焦点になっておりますので、あなたも言いにくい点もあろうかと思いますけれども、当時はそう思っておったかもしれぬが、あとではそうではないというのが真相じゃないのですか。
○渡部証人 それば当時において担保を取って貸してあるわけです。その詳しいことについては、向井と根橋の間にどういう話し合いがあったかということについては私はわかりません。銀行としましては当時向井定利に貸し付けて担保を取りました。
○吉田(賢)委員 ところが、それは当時はそうであったかもしれませんが、実は、そうではなしに、福岡県の方に謝礼として行ったか、裏利で行ったか、そういうふうで向井その者が借主にはなっておらぬ、こういうことがほんとうであるということを後日知ったのではありませんか。当時あなたの心境はともかくとして、後日実際はそうじゃないのですか。
○渡部証人 それは、ただいま申し上げましたように、担保を取って貸しましたけれども、そのことについてどういう話し合いを向井と根橋の間にかわされたかということは、私が想像することですから、これは私にはわかりません。
○吉田(賢)委員 しかし、あなたの方では、一億円の導入預金があって、それを一年と契約しながら、事実上は一年以上貫いておったでしょう。その事実はあるのでしょう。それはいかがですか。
○渡部証人 一年たたないうちに私は退職しておりますので、その後いつ払い出されたかということは、私にはわからないのであります。
○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。
○青野委員長 奧村又十郎君。
○奧村委員 証人にお尋ねしますが、第一相互銀行の常務としては、あなたのほかにまだ常務取締役はおられるのですか。
○渡部証人 私のほかに根橋常務取締役がおりました。
○奧村委員 そうしますと、根橋常務とあなたとお二人の常務で、仕事の分担はどのように分担してやっておられたのですか。また、その上の社長がおられたはずですが、その三人の——あるいはその他に重要な幹部がおれば、それらの方々の仕事の分担を簡単におっしゃっていただきたい。
○渡部証人 二人の常務のほかに社長、一応これの合議制ということになってはおりましたが、主として営業方面を私が、経理方面を根橋というような権限においてやっておったのです。しかし、常務も少いことでありますので、なるべく合議制でいこうということ、合議制をとっておったのであります。
○奧村委員 営業面はあなたがなすって、根橋さんは経理面と、一応そういう建前になっておるとすれば、営業面でいえば、預金の吸収や貸付もあなたの責任、根橋常務は、経理面といえば会計経理で、直接第一線で預金を集めたり貸付をしたりすることはないということになりますが、そこらの分担はぼんやりしておるのですか。
○渡部証人 預金の面につきましては、簡単に預金というものは集まるものではありませんので、みんなで預金を集めるベくやっておったわけです。
○奧村委員 そこで、福岡県の公金は、根橋常務が主として担当したと、こういうことなんですか。
○渡部証人 担当という言葉が当てはまるかどうか知りませんけれども、主として折衝は根橋常務がやっておりました。
○奧村委員 どうも先ほどからの御答弁によると非常に不明確な点がありますが、主として根橋常務がその方の折衝をやっておったということであれば、これはうなずけると思うのであります。そこで、根橋常務もあなたもおやめになったのだが、あなたはどういう事情で第一相互の常務取締役をおやめになったのか、その理由をお聞かせ願いたい。
○渡部証人 私がやめましたのは、三十、年の六月に、資金の破綻を来たしまして、社長が大蔵省に行って融資のあっせんを依頼した際に、融資をあっせんしてやる、そのかわり全員の辞表を添付して過半数の株を集めてこい、それが一つの条件として融資あっせんをしていただいたわけでございまして、その後、融資をあっせんしていただいて、九月二十八日の臨時株主総会によって私どもがやめたわけでございます。
○奧村委員 おやめになりましたのは、あなたが自分の責任を感じて自発的にやめたのですか。今の御答弁によると、大蔵省がやめろと言ったのでやめたような御答弁ですが、しかし、会社の常務取締役がやめる場合は、株主総会ででも罷免されたというようなことであれば理由は立つけれども、またあなた自身が一身上の都合でやめるというならばわかるけれども、そこがどうも不明確なんですが、これは大蔵省の指図でおやめになったのですか。そこをもう少しはっきり御説明願いたい。
○渡部証人 資金の破綻を来たした責任はもちろん私どもにありますので、その際に辞表を添付するということは、責任上やめなければならぬ、こう考えて、そしてその責任に基いて臨時株主総会によってやめたわけでございます。
○奧村委員 そうしますと、三十一年の六月に堀口社長が大蔵省に資金のあっせんを依頼したときに、大蔵省の方から、全重役の辞任と三分の二以上の株式を集めてそして辞表を提出せよということを大蔵省が言われた、これは事実ですか。
○渡部証人 私は社長からそういうふうに聞いております。
○奧村委員 そして大蔵省に言われた通りに実行なさったのですか。
○渡部証人 さようであります。
○奧村委員 それは、法律に基いて大蔵大臣がやったのか、あるいは内々に勧めたのかということになるのですが、大蔵省のどなたからそういう話か出たのですか。
○渡部証人 ちょっと御質問の趣旨がわかりませんけれども、言われたのは社長が言われてきましたので、私ははっきりとわかりませんけれども、社長から開くところによると、当時の検査部長だということであります。
○奧村委員 当時の検査部長といえば、ここにおられる福田検査部長が当時の検査部長ですが、検査部長が言われたのは、法律に基いて言われたのか、あるいは単なる勧めによったのか、あなたはそれをどう受け取られたですか。
○渡部証人 私は資金の破綻を来たした責任者でもありますので、当然そういう話については、それが法律何条ということの研究はいたしませんでしたが、当時の責任者としてやむを得ない、こういうふうに私は考えました。
○奧村委員 かりそめにも常務取締をやめるという場合には、非常な責任がありますから、自発的にやめるのならともかく、また株三総会においてやめさせられるとかあるいは大蔵大臣から法律による命令によってやめさせられるのならわかるが、それ以外に方法はないはずです。そのくらいのことはあなたはおわかりにならないはずはない。そこで、どういう筋通でやめさせられたか。
○渡部証人 これは命令ではありませんでした。当時、資金の破綻を来たした責任者であり、また臨時株主総会によって全員退職ということになったわけでございますから……。
○奧村委員 臨時株主総会は九月に行われた、あなたは六月におやめになった、そうすると、その間臨時株主総会までの三月間は銀行の業務はどなたにやらしたのですか。
○渡部証人 六月に常務をやめたのではございませんで、辞表をお預けして、そして職務代行者が融資銀行から派遣されまして、その方々に営業の実際をやっていただいたわけでございます。
○奧村委員 あなたなり堀口社長なり、やめた全重役が職務代行者に仕事を委託したのですか。そういうようにはっきり法律関係を明確にしておかなければならぬが、職務代行者に仕事をかわってもらったのですか。かわってもらったなら、そういう何かはっきりした書いたものでも渡したのですか。
○渡部証人 それについては代行依頼書というものが出ていると記憶しております。
○奧村委員 これは大事なことですからはっきりお答えを願います。代行依頼書を渡したというと、やはりあなたは署名捺印をなさったはずですが、その代行委託者はだれだれですか。そしてあなたはやはり署名捺印しておられるはずですが、その通りですか。
○渡部証人 依頼書に私と社長が署名していると記憶しております。そして、その代行者は、当時の相互銀行協会専務理事の岩崎さんと、日本相互の取締役館内、東京相互の取締役佐藤、平和相互銀行の取締役片しさん、この四人にお願いしたわけでございます。
○奧村委員 かりそめにも多額な預金を預かり、また無尽契約をしておれば契約者にもずいぶん重大な責任を銀行が持っておるわけです。その銀行を代表してあなたが常務取締役として責任がある。それを一時にでもしろやめてあなたの責任を三ヵ月間代行委託者に預けたということになると、これは法律上非常な疑義が起る。その場合に、社長とあなたのお二人が少くとも第一相互銀行の一切の権限、義務を代行委託者に預けるというようなことは、株主総会の議決も経ずにやるということは、ずいぶん無謀な、これは法律上から言えば意味のない話ですがね。そういうことをあなたはどうしてなさったのか。これは大蔵省の指図によってなさったのですか。また、代行者四人というものはあなたが選ばれたのですか。まさかぽかんと四人の名前が浮かんだのではないでしょう。だれかからこの四人の名前を勧められたわけでしょう。そのいきさつを一つ聞かしていただきたい。
○渡部証人 島崎さん並びに井上さんは私は面識はございましたけれども、その四人は、大蔵省の方から推薦されたと申しましょうか、大蔵省のあっせんによってお願いしたわけでございます。
○奧村委員 そうすると、代行委託者は大蔵省の指図による、こういうことですか。大蔵省のだれから指図を受けたのですか。
○渡部証人 検査部長からです。
○奧村委員 検査部長の福田さんですね。ここに検査部長の福田さんがおられる。大体こういうことは大蔵省もすべきことじゃないのです。法律上これは非常な違法であります。あなた、これは違法ということを考えられぬですか。株主総会にも諮らずに第一相互銀行の一切の権限、義務を人にまかせる、これは大蔵省に言われてもあなたとしてはすることじゃないと思いますが、そのときどう考えられましたか。
○渡部証人 これは、経営の破綻を来たした私たちとして、資金のあっせんを受ける関係銀行から来ることはやむを得ざることであり、決して自分は責任を回避するためにやめるという考えはありませんでした。
○奧村委員 恐縮ですが、これは非常に重大なことで、しかも指図をした相手方の……。
○青野委員長 御質問されてかまいません。
○奧村委員 それでは、大蔵省の銀行局検査部長の福田さんにお伺いいたしますが、ただいまの証人の答弁はその通りですか。私から重ねて申しますと、三十一年の六月ごろにあなたが第一相互銀行の社長の堀口何がしに対して、第一相互銀行の全重役の辞表を取りまとめてきなさい、それから第一相互銀行の株式の三分の二以上を取りまとめてきなさいという指図をしたということを今証人が申しております。それから、やめるについて島崎、館内、佐藤、井上、この四人に代行委託者としてあとの仕事を代行させる、それを堀口及び渡部証人に代行委託書を書かせて調印させたということに今証人が申しておりますが、あなたはそのようになさったのですか。この事実だけ確認しておきたいと思いますので、ちょっと承わります。
○福田説明員 お答えいたします。ただいまお話の点でございますが、第一相互銀行が資金繰りに非常に……。
○奧村委員 いや、事実だけで、そんな言いわけはいいですよ。
○福田説明員 一応経過だけを……。(吉田(賢)委員「長くなるならあとにして下さい」と呼ぶ)それでは簡単に要点だけを申し上げますと、援助金融機関側の要請によりまして、援助金融機関側では、こういうことを聞くならば援助をいたしましょう——相互銀行業界のために、破綻に追い込んでしまうことは非常に困るので、何とかそういう方向でわれわれも援助してぜひ再建に協力したいということであって、つまり、援助金融機関側の強い希望に基きまして私どもは、一方、堀口社長の方でも、資金の手当がこれ以上われわれの方ではできないので、何とか銀行は生かしてもらいたいというまた熱心なる御要請もございましたので、両方の仲立ちの役目を果す意味におきまして、私どもその間の取次役ということをいたしたのでございます。その条件ということで、全役員の辞表を取りまとめて、援助金融機関側で希望した時期にいつでもやめますということと、それから株式の過半数を集めてもらいたい。この点につきましては、銀行局長室におきまして、銀行局長と私と当時の特殊金融課長の加治木君と三人で堀口社長のお話を聞きましてその際に、援助金融機関側の意向として堀口社長にお伝えしたわけです。それも書面にして出していただきました。その点はそういう事情でございます。 なお、その援助をする以上は、援助金融機関側からさっそく資金が出るわけでありますから、その間における業務無常のあり方についても心配があると申しますか、重大な関心を援助金融機内側では持つわけだから、われわれの方で推薦する者に業務代行をせしめるように措置してもらいたいという話は同時にその際にあったわけでありましてそういう援助金融機関側の援助資金を出すに当っての条件と申しますか、それを私どもが取り次いで、辞表も援助金融機関側に渡しましたし、株式につきましても援助金融機関側に渡すというふうに、私どもが数多い援助金融機関側の意向を中に立って取り次ぐという役目をいたしたわけでございます。
○奧村委員 そこで、今いろいろ経過のお品が出ましたが、経過や事情はともあれ、株主総会の議決を経ずに社長、常務がやめて、しかも代行委託者を作るということになれば、株主の権利義務というものは全然無視されておる。それがために株式の過半数を買い占めるというずいぶんむちゃなやり方をやったわけですけれども、そこで、私、議論になる点はまた別の機会に議論いたしたいと思いますが、事実だけをお尋ねしておきたいのです。そうすると、九月までは株主総会も開かずに、おやめになって代行者に仕事を委託してしまった、これは事実ですか。証人にお尋ねします。
○渡部証人 六月二十日から委託しましたけれども、九月二十八日までは出社しておりました。
○奧村委員 それは御答弁になりません。常務取締役として辞任したのは間違いがないので、九月二十八日まで常務取締役としての仕事をしておられたのじゃないでしょう。その点を承わりたい。
○渡部証人 これは、法律上の決裁は、代行がきめてその書類を私の方に回しまして、そしてやっておりました。
○奧村委員 しかし、その代行委託者というものは、法律上そういう権限はないはずですがね。株主総会において初めて取締役とか、これは法律に基いての権限というものを持つべきで、そんな堀口さんとあなたとお二人で判こを押してそれで第一相互銀行の権利義務一切を代行委託者に渡すなんて、そんなやみ取引的なことが法律違反とあなたは思わなかったのですか、株主に対して。どうお考えですか。
○渡部証人 法律的解釈については、ちょっと私としてお答えいたしかねますけれども、破綻に導いた責任者として、また援助側銀行の希望として、代行にまかすということはやむを得ない状態にあったと私は考えております。
○奧村委員 それから、折も折、昭和三十一年の六月ですか、五月ですか、根橋常務もやめておられる。これはあなたのおやめになるよりは少し前にやめておられる。この根橋常務のやめられた理由はどういう理由ですか。
○渡部証人 根橋常務は、五月に手形の詐欺事件が起きまして、その責任をとってやめられたのでございます。
○奧村委員 手形の詐欺事件を根橋常務が起したのですか。よほど重大な理由によると思うが、どういうことをやったのですか。あなたの同僚、常務取締役の根橋さんが、しかも第一相互の非常な経営困難な大事なときにやめた、これはやめたんじゃなくてやめさしたのでしょう。そこも、根橋常務が進んでやめたか、やめさせたのか。そのやめさせた理由は手形事件というが、その手形事件というのはよほど重大な事件のように思うが、その事件の内容を一つもう少し詳しく申してもらいたい。
○渡部証人 手形事件と申しましたので、大へんいかにも事件のようでありますが、当時根橋常務としても資金の吸収に当っておりました。そのために振り出した手形が詐欺にあったというので、それを取り戻して解決済みでございますけれども、そうした責任をとって、話し合いの上やめてもらったわけでございます。
○奧村委員 それは第一相互銀行の発行した手形ですか。他人の手形をあやまって受け取ったのですか。善良な、つまり善意の常務取締役としての注意を怠ったのなら、どういう点で間違いが起って根橋常務のどういう点の責任を追及したのですか。
○渡部証人 それは、銀行の保証手形を、詐欺を働いておったというような人の手に渡ったということを聞きましたので、それを取り戻して、そうしてやめたわけでございます。
○奧村委員 どうももう少し明確におっしゃっていただきたいと思うのです。先ほど来の御答弁によると、福岡県の公金にしても、根橋常務が非常な無理をしてあっせんした。何かにつけて仕事が非常に無理なことをやっておる。その銀行の手形というのは、うわさに聞くと四億円の手形という話ですが、その通りですか。それが詐欺の者に渡ったとか、これは正規の金融機関ではどうも常識上判断のできぬような事件ですな。しかもあなた、どうも御答弁をぼかして言われるが、私どもことに荒立てようとけ思わぬが、やはり疑惑を持たれたことについてはこの席を通じて国民にその疑惑を解かねばならぬ。まずければまずかったで、やはり反省せねばならぬ。もう少しそこを詳しくはっきりおっしゃっていただきたい。
○渡部証人 ぼかしたと今おっしゃいますけれども、特にぼかしているわけではございませんで、実際において、その手形の関係は根橋常務がやったので、私としては詳細わからなかったのでございます。この保証手形によりまして資金を作るということであったのでございますけれども、それが未然に、その作ってくれるという人が長谷益雄という詐欺師と称される人であるということがわかったので、それをとりやめにしたわけでございます。そのために責任を負ってやめてもらった。
○奧村委員 どうも聞き取りにくいのですがね。その手形は第一相互銀行が発行して、その手形によって長谷益雄なる者がどこかほかで金融してくるという言葉でその手形を預かって、実は金融ができなかったという詐欺にかかった、そこでその手形を取り戻すのに金を使った、どんな金を使ったか、幾らの金を使ったか、実はこちらの方もある程度調べておるのです。あまり不確かなことはここで申したくないのです。あなたは常務取締役として一番よく知っておられるのだから、あなたの口からほんとうの事実を述べていただきたいと思って聞いておるのだから、もう少し、手形なら、発行人とか、手形の金額とか、あるいはそれをどこへ持っていってどういう金融をする、それが詐欺というなら、どういう詐欺にかかった、それを取り戻すについては銀行にどういう損害を与えたか、そのくらいのことははっきり言われねば、これはコンニャク問答になります。
○渡部証人 その手形は、三億円は幸楽という会社の振り出しで、銀行の支払い保証であったわけであります。あとの一億は墨田建設会社の振り出しの手形に銀行の支払い保証だったのでございます。それを三井銀行堀留支店に一応預けて、そうして長谷益雄が三井銀行から割引をするという話だったのでございます。ところが、そういう割引の事実は調べたらなかった。また、長谷益雄という者が相当前歴があるというようなことを、耳にしたのであります。長谷益雄に渡したわけではなくて、三井銀行に預けたのでございます。けれども、それを取り戻すについて、一億円の手形だけが長谷の手に渡ったものですから、千六百万円の費用を払って手形を回収しまして取り戻した。そうして千六百万円の損害を与えたということによって、根橋常務と役員と話し合いで、責任をとってもらうというのでやめたわけであります。
○奧村委員 三億円は幸楽の発行した手形、これは赤坂にある幸楽という旅館、料理店のことですか。
○渡部証人 今の料理屋ではございません。株式会社幸楽という会社があるわけでございます。
○奧村委員 これは導入預金による貸付の関係の大昌株式会社、東一物産などに関係のある人の経営しておる会社じゃないのですか。
○渡部証人 これは株式会社大昌の関係の会社でございます。
○奧村委員 銀行保証というのは、第一相互銀行が、こういうでたらめな手形に保証をして、それによって金を三井銀行から引き出そう、こういう計画をやったのですが、第一相互銀行が保証するとなれば、あなたもその相談に乗ったわけですね。
○渡部証人 もちろんその話は聞いております。そして稟議の上保証はしました。それを、そういう話になったものですから、未然に急いで取り消ししたわけでございます。
○奧村委員 こういう仕事についてどうもあなた方は非常に軽率に事ををやっておられるように思います。まじめな金融機関なら、こんな詐欺師にかかって簡単に何億円もの手形に銀行保証をするなんということは常識上あり得ないと思う。 ちょっと話は根本にさかのぼりますが、第一相互銀行がこういう非常に乱脈な悪化した状態になった一審の原因は、無尽業務だけであったもとの無尽会社に、普通銀行と同じように、簡単に預金の受け入れ、貸し出しをやらせたのがどうも無理じゃなかったか。あなたは無尽の方は専門でありましょうが、専門外の銀行の預金、貸し出しを急に、失礼な言葉ですが、まねてやろうとしたために、こういうなれないことで非常な間違いを起した、従って、本来の無尽業務だけに限られておるならばこんなしくじりはなかった、こういうふうにあなたは考えますか。私は、第一相互銀行に関する限り、これは本来の無尽業務だけに限っておるならばこういうことはなかっただろう、逆に言うならば、今日の乱脈を来たしたということは、相互銀行という看板をかけて、銀行と同じようなことを新たにやりだしたところに失敗の根本原因があると思うのですが、証人はどうお考えですか。
○渡部証人 確かに、私はもともと無尽を専門にやってきたものでありまして、銀行の業務にはうとい点がありましてそういう結果になったとも思いますが、しかし、私としては、そうした結果を何とか切り抜けなければならぬというようなことから、そうした無理な資金を作っておったのでありまして、何とも銀行局その他については申しわけないと責任を痛感いたしておる次第でございます。
○細田委員 関連して。当時……。
○青野委員長 ちょっと細田君の発言中ですが、奧村委員と細川委員に御相談します。渡部証人にはまだ昼食を与えておりませんし、あと三人の証人を待たしておりますが、これは昼食が済んでおります。そこで、大体もう五、六分したら休憩したいというのが委員長の腹で、かねがねずっと御相談をしておりましたので、その点をお含みの上で御発言をお願いいたします。
○細田委員 当時あなたの方で三井銀行の堀留支店にただいま奧村委員から質問の手形を取り戻すために行ったときに、あなたの要請で、言いかえれば常務取締役渡部虎雄さんの要請で、警視庁の捜査第二課第三係の岩田部長刑事が部下を連れてそこに行っておったということですが、あなたはそういう要請を警視庁当局にいたしましたか。
○渡部証人 それは、そういう部下を連れて行ったということはございません。私が一応その朝相談はしてもらいましたけれども、直接警視庁に手続をしない限りは個々にはできないということではっきり断わられましたので、そのままにした次第でございます。
○細田委員 あなたのところで警視庁に相談した、というのでしょう。そこで、警視庁ではどういう手続をしなくちゃ出られないというのですか。
○渡部証人 警視庁に相談したんじゃなくて今おっしゃる岩田部長に、こうした問題があるけれども、どうしたものだろうということを相談してもらったわけです。ところが、これは個人に相談されてもどうにもならぬ、立ち会うということは職務違反になるからできないといって断わられたわけです。
○細田委員 岩田部長刑事に警視庁捜査第二課の人でしょう。
○渡部証人 そうです。
○細田委員 それでは、その人にあなたが相談されたというのは、個人に相談されたのですか。
○渡部証人 個人に、どういうものであるかということを相談したわけです。
○細田委員 当時あなたのおっしゃる長谷益雄という人が手形をわしづかみにして外へ飛び出した、そこで、大へんだというので、あの堀留の大通りで組んずほぐれつの乱闘が行われたほどに険悪な状況は、あなたが岩田部長刑事にあらかじめ相談されるように、わかっておった。従って、そういう状況がはっきりしておったのに、警視庁は立ち会いを拒絶したのですか。
○渡部証人 そういう事件を来たすということはわからなかったのです。当時根橋常務が、大丈夫、手形は取り戻せるということをはっきり言っておりましたので、取り戻せると思っておったわけであります。それでも心配になったものですから、一応相談したということであります。
○奧村委員 実は、先ほど吉田委員からのお尋ねの政府関係、都道府県関係、その他NHKとか銀行関係、いろいろな方面の預金の状況についてもう少し明確にお尋ねを申し上げたいと思うが、これは時間がかかりますから、委員長のお指図によりまして午後に質問したいと思います。 それでは、先ほどのことに関連したことを一つだけお尋ねしますが、先ほどのお話の中に、検査部長の方から株式の過半数を取りまとめろという指図があった、——どのくらい取りまとめたのですか。それから、その金は一体どこから出してきたのですか。これは、第一相互の金を出して自分の銀行の金で自分の銀行の株を買うということは明らかに違反でありますがね。資本金は二億円でしょう。それの過半数というと一億数千万円という金です。これはそう簡単にできるものじゃない。どこからそういう金を出して幾ら株を集めたのか、その点を先ほどの御答弁に関連してお尋ねしておきます。
○渡部証人 その買い取り資金そのものについては、代行四社の方が心配していただきまして、一応当時の社長堀口貫道に対する貸付を役員会できめて、そうして、その資金を株を買い取るための資金というごとにして株を買った。その資金は、先ほど申し上げました通り、代行四社の方で心配していただきました。
○奧村委員 そこで、あわてて株を買い占めにかかったので、ふしぎな現象だが、つぶれかかった第一相互銀行の株が急に暴騰したといううわさが立ったのですが、一体何ぼでその株を買い集めましたか。
○渡部証人 当時は相場というものはなかったと思いますが、株券額面で買い集めたのです。
○奧村委員 額面通りでとても急激にそれだけ膨大なものが集まるとは思わないが、それでは、額面通りでどのくらいの数量の株が集まりましたか。
○渡部証人 総額あるいは一億四千万円だったかと思いますが、約一億五千万円は集まったと思います。
○奧村委員 そうすれば、総株数の約七割あまりが集まったわけですが、その名義はだれの名義になっておりますか、
○渡部証人 これは、私らが現在やめておりまして、名前がここにはわかりませんけれども、各融資銀行の名前になっております。
○奧村委員 なおまだ渡部さんに対する質問は残っておりますが、休憩後継続することにいたしまして、委員長のお指図に従って一応この程度で打ち切ります。
○青野委員長 この際暫時休憩いたします。 午後一時四分休憩 ————◇————— 午後四時一分開議
○青野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際お諮りすることがあります。すなわち、理事關谷勝利君、田中彰治君、生田宏一君よりそれぞれ理事辞任の申し出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、これが補欠選任でありますが、選挙の手続を省略して委員長において、指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に 奧村又十郎君 床次徳二君 薄田 美朝君 以上三名を指名いたします。 —————————————
○青野委員長 それでは、引き続き渡部証人に証言を求めることといたします。奧村君
○奧村委員 午前中に引き続いて御質問申し上げますが、時間の関係上、なるべく簡潔に要点だけをお尋ねしたいと思いますので、証人の方におかれてもできるだけ率直に簡潔に一つお答えを願いたい。私どもは、事実さえ明らかになれば、なるべく時間を繰り上げたいと思いますから、そのおつもりでお願いいたします。 午前中吉田委員からもお尋ねがありましたが、福岡県の公金一億の導入以外に、公共団体、政府機関あるいは政府の外郭団体あるいは金融機関、そういう公共性を帯びたものの資金を導入しておるのではないか、この点について私からも重ねてお尋ねをしたいと思います。これは、午前中御答弁にもありましたように、昭和三十年の夏ごろから金繰りが非常にお困りになったから、こう言えば過ぎるかもわかりませんが、手段を選ばずに金をかき集めたというふうな形跡がうかがわれるのです。その一つの方法として、いろいろな公共性を帯びた資金を何とかかき集めよう、これは必ずしも悪いとは言えません。しかし、事実だけは率直にわれわれ審議のために打ちあけてもらいたいと思います。一つ率直に言って下されば、こっちから一々名前をあげてお聞きせぬでもいいのですが、公共性を帯びた政府関係機関からの資金の導入を受けておるはずですが、記憶にある限り、できるだけ詳しく一つおっしゃっていただきたい。
○渡部証人 ただいまの御質問については、先ほど申し上げたのでありますが、重ねて申し上げますと、預金として入っているのは、閉鎖機関、各、一般法人、特殊法人、在外資産閉鎖機関、朝鮮銀行、郵政互助会、こうしたものが記憶にあります。
○奧村委員 金額については。
○渡部証人 金額については一々記憶しておりません。
○奧村委員 郵政互助会は、私ども承知している範囲では数千万円という話ですが、そういう記憶はありませんか。
○渡部証人 郵政互助会は、百万円と五百万の二口だと思います。それ以外にはございません。
○奧村委員 これは郵政省職員の積み立てている金だと思いますが、どういう経路でお宅の方に預金されたか、そのいきさつをお尋ねいたします。
○渡部証人 これにつきましては、私が十数回にわたって足を運んで、あそこの委員会を通さなければ預金できないということになりまして、その委員会を通して決定していただいて、とりあえず五百万預金していただいた。他の百万については、中央郵便局の四階にありました互助会の方からずっと以前から百万円預金されているものであります。
○奧村委員 この六百万の郵政互助会の金を受けるについて、ある人に裏利が払われたといううわさを聞くのですが、事実でなければけっこうですが、何かお心当りはありませんか。
○渡部証人 この郵政互助会のものに対しては払われておりません。
○奧村委員 先ほどお話しの一般法人、特殊法人の各閉鎖機関、在外機関の閉鎖機関、旧朝鮮銀行の機関、——朝鮮銀行はたしか三十一年の二月に二千五百万円の残があったはずです。そうすると、最初導入なさったとき、あなたは幾らくらい導入なさったか、一番多かったときはどのくらいか、覚えておられませんか。
○渡部証人 一番最初一千万円だったと記憶しております。二千五百万円の残というお話については記憶しておりません。
○奧村委員 閉鎖機関朝鮮銀行といえば、大蔵省が厳重な監査をしておるはずですが、どういう手段といきさつでお受けになったのですか。
○渡部証人 これも、紹介者は、名前は忘れましたが、宮地さんという人と私は記憶しておりますが、その人の紹介で、何回かお伺いして預金していただいた。
○奧村委員 NHKの方から池田何がしという人からの預金があったということを聞いておるのですが、あなた心当りはありませんか。
○渡部証人 このNHKの預金につきましては、入った当時私は知りませんでした。後にNHKの預金があるということを聞きまして調べましたときに、四、五百万の預金があったように記憶しております。 〔「うそだ、うそだ」と呼ぶ者あり〕
○奧村委員 覚えておらぬのですか、言いたくないのですか。
○渡部証人 覚えておらないのであります。
○奧村委員 それじゃ、これはNHKのどういう性格の金を預かったのですか。
○渡部証人 それは、ただいま申し上げました通り、そのときの入ったときの事情を私存じませんので、その内容についてはわかりません。
○奧村委員 専売公社関係の外郭団体ですな、厚生部、そういう方面の資金はどのくらい入っておりますか。
○渡部証人 専売公社は先ほど記憶から落しましたが、専売公社も二千万、これはやはり多分宮地さんという人の紹介だったと思いますが、お伺いしたけれども、きまらないで、あなたのところに根橋という役員がいるはずだから、その者が来るようにということで、そして根橋常務がお伺いして預金をもらってきた、こういう事情であります。
○奧村委員 どうもあなたは、こっちから引き出すと言われるが、あなたから言うてくれぬので、私も質問が時間がかかって困るのです。 専売公社は大蔵省が監理官を置いて厳重に監理しておるのです。あなたじゃいかぬ、根橋常務でなければいかぬ、——根橋常務は元大蔵省におったのですが、そうすると、これはやはり大蔵省関係で何か話し合いができて入ったのですか。
○渡部証人 それは私が行ったわけじゃないのです。私が行って交渉したわけでないので、記憶がなくて落しましたのですが、その宮地という人が行って話したのだけれども、きまらなかった。それで、根橋という常務がおるから来るように、こういう話だったと聞いております。
○奧村委員 こういうNHKや郵政互助会、専売公社あるいは閉鎖機関の朝鮮銀行、これはみな半ば公共的な資金ですが、まさか無記名定期で、しかもあまり長期の資金じゃないはずですが、どういう条件で、たとえば期限がどうで、通知預金であるかどうか、名義はどうか、そういうことについて伺っておきたい。
○渡部証人 それは全部無記名じゃない記名式だったように私は記憶しております。期間については私はよく記憶していませんが、三ヵ月か半年くらいの期間だったと記憶しております。
○奧村委員 記名式であれば、やはり個人の名前の記名式ですか、あるいは専売公社厚生部なら厚生部とか、郵政互助会とか、はっきり団体の公けの名義で預かっておられるのですか。
○渡部証人 郵政互助会のは、郵政互助会とはっきりいたしてあるように記憶しておりますが、専売公社の場合は、私よく見ておりませんので、あるいは何かそこに肩書きがあったのではないかと記憶しますが、今のところ記憶がありません。
○奧村委員 第一相互は、かなり資金繰りが困難になって、経営が非常に不安がられるようになってから、こういう公共的な性格を帯びた資金を無理やりにかき集めてきたということは、社会に及ぼす影響は非常に重大だと思う。どうしてまたこういう公共的な資金をねらい撃ちにかき集めたのですか、その事情をお尋ねします。
○渡部証人 特に公共団体を私の方でねらったとかいうわけではございません。結局、資金を獲得するには、あらゆる人の紹介を求めて、なるべく正常な預金の吸収に当ったわけでございます。ことに、そうしたところならば、そうした裏利も払わなくて正常な預金を受け入れられるもの、そういうふうに考えて、そういう方面の紹介を得て預金の吸収に努めたわけでございます。
○奧村委員 それでは、今度は、金融機関側からどういう資金が預金されておるか、名義はともかくも、金融機関同士ですから、特にこういう資金の足りないときなら、いろいろな方法をなさったと思うが、金融機関からどういう資金が入っておりますか。
○渡部証人 金融機関としては、同業者である平和相互銀行から多少千五百万か二千五百万かあると思っております。そのほかは千葉銀行から三千五百万ありました。これはとうに払い戻されておるものでありましてそれ以外は、私今記憶がございません。
○奧村委員 この千葉銀行の三千五百万は、どうも導入預金ではないかという疑いが持たれておるのです。つまり、ひもつきで預金されてこの三千五百万がほかへ第一相互を通じて貸されておるはずである。これはどういういきさつで、またどういう方向へ第一相互から貸されておるか、その事情を承わっておきたい。
○渡部証人 この千葉銀行からの預金は三千五百万円預金されましたが、これは銀座のレインボーというところに貸しました。その預金は払い戻されております。一時的な預金だったと思います。
○奧村委員 千葉銀行は、まさか千葉銀行の名義で預けてあったものではなかろう、個人名義で預けたものと思う。なぜならば、銀座のレインボーなんかへわざわざ第一相互を通じて貸すはずはない。名義は千葉銀行でないと思うが、だれの名義になっておりましたか。
○渡部証人 これは多分千葉銀行東京支店じゃなかったかと私は記憶しておるのですけれども、他の名前をかりてやったということはなく、ただレインボーからその預金は世話していただいたというだけでございます。多分千葉銀行の名前になっておったように記憶しますけれども、あるいは記憶違いかもしれませんが、今のところそれ以上記憶ありません。
○奧村委員 大蔵省の検査の場合に、銀行から正規に預かった銀行の融資であるならば、同業者間の借り貸しですから、これははっきり大蔵省の方へ届といいますか通じてなければならない。ところが、実際は銀座のレインボーに貸したいためのいわば導入ですな。ひもつきですな。だから、これは大蔵省には千葉銀行の融資とは出ておらぬはずです。それは常識で判断してもそうなります。銀座レインボーが三千五百万円借りたい、ついては資金は千葉銀行にある、こういうふうに借り手から話が出たのですから、いわば裏利がついておるかついておらぬか知らぬが、導入には間違いない。だから、名義はまさか千葉銀行ではなかろうと思うが、また銀座レインボーがそういうことを言ったとすれば、中にこれは導入屋が入っておるのかも知れぬ。その点のいきさつを一つおっしゃっていただきたいと思います。
○渡部証人 そんな導入屋が入っておるとは私は考えられませんが、そこの役員から話があったのでありますが、そしてその貸付するについて預金をしていただいたわけでございますから、あとで預金したというわけじゃございません。
○奧村委員 それじゃ、レインボーの役員から融資を申し込まれて、それについては資金は千葉銀行にある、こう言われたのですか。しかし、千葉銀行から金が来ねば貸せぬわけですな。そういう御答弁では雲をつかむような話で、もう少しはっきりおっしゃっていただきたい。時間がかかりますから。
○渡部証人 今申し上げました通り、千葉銀行にある、千葉銀行から預金をこっちへ預金していただいたわけですから、はっきりしておると思います。
○奧村委員 そうすると、千葉銀行が預金してその資金を銀座レインボーへ貸してやる、こういうふうに千葉銀行から申し入れを受けたのですか。
○渡部証人 それは、ただいま申し上げた通り、そうじゃない。その逆に、レインボーから、預金はこっちへしてもらうということを言われた。お話の反対です。
○奧村委員 そうしますと、銀座レインボーと千葉銀行とは意思が通じておったというわけですな。
○渡部証人 通じておったか通じてないか、私の方から申し上げるより、そうした話し合いができて持ってきたものと私は解釈しております。
○奧村委員 これは実は珍しいケースですよ。導入預金もいろいろな導入があって、政府の関係機関、公共的な資金までも導入しておるが、金融機関の金を導入するというのは今度私は初めて聞いたのですがね。そこで、銀座レインボーが、千葉銀行から金が来るはずだから、そこでレインボーに三千五百万円貸してくれろ、こう言って申し込まれた、そうすれば、千葉銀行が知らずに持ってくるわけがない。銀座レインボーとの連絡があって持ってきたのでしょう。おうちにしたって、その事情がわからぬと言うけれども、銀座レインボーへ金を貸したのでしょう。本来言うならば、千葉銀行が銀座レインボーへ直接金を貸すべきものを、何のために第一相互を通じなければならぬか、そこですね。その事情をもう少し詳しくおっしゃっていただかぬと、われわれ理解ができぬのであります。
○渡部証人 千葉銀行で貸せないという事情に対しては、私の方ではわかりません。しかし、ただ千葉銀行としてもある程度の貸付があるということは聞いておりますので、一定の金額を越したためにこっちへその話が出てきたものと私は解釈しております。
○奧村委員 そうすると、銀座レインボーには、第一相互を通じての三千五百万のほかに、千葉銀行から直接銀座レインボーへまだほかに貸してある、ただ、千葉銀行だけで貸したのではあまりに金額が固まるから、第一相互銀行を通じた、こういうことですね。
○渡部証人 そういうふうに私は解釈いたします。
○奧村委員 それじゃ、千葉銀行のだれがどういう名義でお宅にその三千五百万預けたのですか。
○渡部証人 それは、ただいま申し上げました通り、千葉銀行東京支店と私は今まで考えておりましたけれども、実際帳面はどうなっておるか、その当時の銀行の帳簿を見ていただけばわかると思います。
○奧村委員 そうしますと、銀座レインボーと千葉銀行の間には裏利の受け払いはあったものと思うのですが、あなたはお心当りございませんか。
○渡部証人 それは、私はないと考えております。
○奧村委員 これはあとから払われたことはわかっておるのですが、ブラジルの移民関係で、海外移住振興会社の資金があなたの方へ預金されておる。これはあとから大蔵省の勧告で支払ったということですが、これはあなたの常務取締の時代にお預かりになったと思うのですが、お心当りございませんか。
○渡部証人 今のお話については、心当りありません。
○青野委員長 証人に委員長から御注意申し上げますが、裏利が陰で払われておるかどうかという御質問が奧村委員からありましたときに、そういうことはないと思います。——何を根拠に、ないと思いますという主観を入れられるか、ちょっと見当がつかぬのですがね。御存じなければ知らない、あるいは記憶がなければ記憶がない、知っておれば知っておる、そういうことを、あなたは宣誓をした手前があるから、ここは裁判所じゃありませんけれども、相当神聖な委員会でありまするから、そういう点を十分留意して、よく尋問に対しての御証言を願いたいことを委員長から希望しておきます。
○渡部証人 わかりました。
○奧村委員 毎日球団に八千万円融資をしておるということを聞いておりますが、あなたのときにお心当りありませんか。
○渡部証人 それは私の時代でありまするが、これはやはり清水建設の——根橋さんからの話し合いから、出入りいたしまして、やったものであります。
○奧村委員 あなたは、相互銀行ですから、一口一千万以上は貸付ができないはず。それを八千万も固めて毎日球団に貸すということは、これは法律違反になるのですがね。だから、その事情については、よほどあなたとしても、常務として、根橋さんなら根橋さんから事情を聞いておられると思うが、これはどういういきさつでこれだけ固まったものをお貸しになったのですか。
○渡部証人 一千万円以上の貸付に対しては、確かに相互銀行法違反であることも承知しております。当時根橋常務とみなと相談した結果、清水組の話もあるし、建築の最中でありまするし、そうしたことから、みんなに話し合って相談して、そうして貸したという次第でございます。
○奧村委員 相互銀行は、御承知の通り、中小企業のための融資が本来の使命である。毎日球団に、しかも八千万円も固めて融資するということは、本来の使命からはなはだ逸脱しておる。一体八千万円も何に使うためにこれは貸したのですか。担保はどういうものを担保にとったのですか。
○渡部証人 これは、最初から八千万でなかったのですが、貸した最初の当時は六千万だったと思います。それは、毎日球団が球場建設のために貸してもらいたいということだったのでございます。担保としては、物的担保がなかったので、清水建設の子会社である日本道路の手形を担保として貸したわけであります。
○奧村委員 八千万円もの手形担保としてはまことにおそれ入ったことですが、毎日球団というのは一体どういうものですか。新聞社が背景になっているように思うのですが、八千万もお貸しになる以上は、ずいぶん借りる方の対象をお調べになって貸したはずですが、また、球場を作るというのは一体どこに球場を作ったのですか。金の行く先はずいぶんお調べになったでしょう。それから、手形ですが、手形担保というのは、これは常識で割り出せませんけれども、百歩譲って、手形担保というならよほどこれは確実な手形でなければならぬが、どういう保証を……。一つ一つ立ったりすわったりしてやっていると時間がかかりますので、この内容を一通り詳しくおっしゃっていただきたい。
○渡部証人 この担保の問題については、再三再四私も質問しまして、みんなと協議しました。そうすると、物的担保としてはない、そのかわりとして清水組の信用のもとに、清水組の子会社の手形であれば絶対不渡りはできないということを、当時の会計部長、現在も会計部長だと思いますが、坂本会計部長からそういう話もあり、それなら間違いないだろうというみんなの相談の結果、その手形をもって貸したわけであります。
○奧村委員 毎日球団というのはどういうものですか。これはたしか毎日新聞社の外郭団体じゃないかと思うのですがね。それから、球場を作るというが、一体どこに球場を作ったのですか。
○渡部証人 球場は上野にその球場予定地として作るというのでしたが、そういうことはほとんど根橋常務が担当しておりましたので、詳しい事情については私も説明いたしかねます。あそこへ建てるその一部の地所獲得の資金としてこれがほしいということだったのであります。それで、その責任者は、黒崎という毎日球団の専務がその責任者の立場であったのでございます。
○奧村委員 そうすると、借り手は毎日球団代表の黒崎になって、八千万円一口になっておりますか。それから、手形が担保というのですが、その手形の発行人、裏書人はどういう者でしょうか。
○渡部証人 その手形については、清水組の子会社である日本道路株式会社が振出人で、それに黒崎さんが裏書きをしていたのであります。それで、八千万一口じゃございません。何口ということは記憶にありませんけれども、数口に分けて貸し出したわけであります。
○奧村委員 日本道路株式会社は、一体資本金は幾らでありますか。
○渡部証人 そうした詳しいことについては、私は記憶にございません。書類を見なければ……。
○奧村委員 八千万の担保に手形をとって、その手形の発行人の資本金もわからぬじゃ、まことにこれは心細い。それじゃ、この金はあなたの在任中は回収されておらぬと思いますがね。こげついておったのですか。少しは金が戻ったのですか。
○渡部証人 回収されておりませんでした。全然。
○奧村委員 それでは、その八千万を使用するという上野の球場は、その土地の買収ができて、現に球場はできたんですか。
○渡部証人 それは、上野の球場が不調に終ってそして、その後、新宿の百人町ですか、あそこに借りてできたということを聞いておりますが、まだその球場は建設されていない。
○奧村委員 上野に球場を作るというので八千万円出したが、実際は上野でできずによそでやり、しかもそのよそでもできておらぬ。すると、その八千万円の金というものは一体どこへ消えたんですか。あなた、貸した以上は、当然そこまで確かめねばいかぬですが、また、それもせめて半分でも戻ってきたのならですが、ほとんど回収できぬのだから、それをほうっておくということはないでしょう。その金はどうなっているんですか。
○渡部証人 それはそのままになっているかどうかは現在わかりませんけれども、私の在任中には回収されなかったのでございます。その回収方については、たぶん整理にかかっているはずですから、その後一部回収されたのではないかと考えられますけれども、その点について、私として現在お答えできません。
○奧村委員 こういうことについては大蔵省が厳重な検査をしたはずである。これは、われわれでなくとも、大蔵省はよほどこういうことはこのまま見のがしているはずはないが、三十一年二月に検査があったはずですが、これは大蔵省はどう言いましたか。その点一つお伺いします。
○渡部証人 そうした多額の貸付に対してはおしかりを受けました。その回収について万全を尽すように言われました。その整理にかかっていたわけであります。
○奧村委員 その程度ではとうてい理解できませんが、大蔵省の態度については、検査部長もいることですから、後刻またあらためて伺っておきたいと思う。 第三国人から相当の金が入っているということを聞いているし、実は私確かめて知っているんですが、大体第三国人関係からどのくらいの金が預金されておりますか。
○渡部証人 第三国人から入っているということは、無記名であったために、どのくらい入っているということはわかりませんでした。従って、現在もどのくらいが第三国人にあるかということはわからないわけであります。(「推定幾らか」と呼ぶ者あり)推定としては、三、四億あるのじゃないか、三億ぐらいあるのじゃないかと私は推定しております。
○奧村委員 私の承知しているのでは、一口七千五百万というのを聞いている。これはいまだに第一相互から受け取っていない。また、たな上げの話にも応じていない。そうすると、これは下手をすると国としての恥になるからね。だから、そういう三億、四億ものことであるから、経営者としても重大な責任がある。だから、できるだけ記憶をたどってはっきりしていただきたいが、こういう第三国人の金は、あなた直接第三国人に会わぬと言われればそれっきりですが、中にどういう者が入って世話しているのですか。これはやはり導入預金になっているのですか。つまり、直江何がしの導入預金の中に入っておるのですか、あるいはその他の導入預金ですか。そのいきさつをもう少しおっしゃっていただきたい。
○渡部証人 大部分は直江さんの導入預金の中に入っておると思います。 一々私も、今おっしゃる通りに、第三国人その他に面会したこともございませんので、私としては、どの分が第三国人にあるかということは全然わからないのであります。
○奧村委員 午前中の問題についてもう一つ重ねてお伺いしたいのですが、あなたは昭和三十一年の六月におやめになった。これは、大蔵省から、この福田検査部長が堀口社長を通じて、やめてくれ、こういうことでおやめになった。そうすれば、その話のときに、重役全部の辞表を取りまとめて、その書類はどこにお出しになったのですか。
○渡部証人 私たちは全部社長に渡しまして、社長が大蔵省へ持っていったのでございます。だれに渡してきたかということは存じません。
○奧村委員 それは六月幾日ですか。覚えておられませんか。
○渡部証人 十八口口と記憶いたしております。
○奧村委員 そうしますと、そのときは取締役全部がいわば権利義務を解除されたような感じになっておられる。それにかわって、いわゆる代行委託者に代行委託書を出したのはいつですか。
○渡部証人 十九日の夕方と思います。二十日から代行が来ておりますから、そういうふうに承知しております。
○奧村委員 六月二十日には代行委託者が第一相互銀行へ入ってきて、あなた方にかわって第一相互銀行の業務一切を代行した、こういうわけですね。臨時総会は九月の幾日に行われたのですか。
○渡部証人 九月二十八日でございます。
○奧村委員 そこで、実は、私ども非常に疑問に思うのは、堀口社長初めあなた方は、何も大蔵省から任命されて取締役になったのじゃない。株主総会によって選任されて、いわゆる委任されて取締役をやっておられる。それを、大蔵省がやめろと言うたからやめたということになると、株主総会に対して、あなた方が委任された重大な権利義務というものをどう考えておるか。これはどうも私ども解せぬですがね。これは午前中もお聞きしましたが、そうしますと、六月二十日、代行委託者が入ってきたときは、あなたとしては、もう取締役の権利義務は代行委託者に移したものだ、御自分はもうそういう権利義務はなくなった、こうお考えになったんですか。
○渡部証人 権利義務がなくなったとは考えておりません。また、自分がやめてその責任を代行に移すというような考えも、もちろんありません。それはどこまでも責任をとってこの整理に当らなければならないものだと考えております。
○奧村委員 それはどうも食言になりますぞ。そうすると何ですか、六月十八日に辞任の届を書いたときに、取締役会を開きましたか。それから、これをすぐ株主総会に報告しましたか。その手続をやりましたか。
○渡部証人 そうした銀行が破綻に際した折柄でありますから、役員はみな集まっておりました。株主総会は開きませんでした。
○奧村委員 そうしますと、つまり、六月二十日に代行委託者が第一相互銀行に入ってそうして九月二十八日の臨時総会までは代行委託者が仕事をしておるはずですね。現に、預金を預かる、あるいは貸付をする、そういう仕事の上において、判こうはだれがついたか、その点を一つ。
○渡部証人 役員の判は一切代行が押しました。
○奧村委員 そうすると、代行の島崎、館内、佐藤、井上という者の判こをついたのですか。堀口なり渡部なりの判こを島崎さんらがかわって押したのですか。そこの点はどうなんです。
○渡部証人 法的な手続関係については、一切堀口貫道並びに渡部取締役の判こを押した。貸付その他の稟議については、各代行人個人の判を押したわけであります。
○奧村委員 渡部常務さんなり堀口社長の判こを代行委託者に三月も無条件に頂けたというわけですか。
○渡部証人 さようでございます。預けてありました。
○奧村委員 しかし、第一相互銀行の資産、負債あるいは預金者から預かった貴重な金を、第一相互銀行を代表して非常に重大な責任を持ってその権利義務を遂行していかなければならぬ堀口さんなり渡部さんが、自分の判こを代行者に預けて何ら相談には乗れない、それで法律上の責任は果せますか。あなたも少くとも常務取締役としてこの商法をごらんになればわかりますが、あなたは株主総会において委任を受けておるので、何も大蔵省から頼まれて取締役をやっておるわけじゃない。その株主総会に対し、あるいは預金者に対して、あなたそれで責任が全うできると思いますか。
○渡部証人 その法的な責任は私も負わなければならないのでございます。これは、融資銀行の意向その他がありましたために、そういうふうに委託したわけであります。そうでなければ融資はできないということだったために、銀行を救うにはそうしたことしかなかったわけであります。
○奧村委員 これはまことに証人にはお気の毒ですがね、あなたの立場ははっきりしていただかなければならぬ。あなたは、午前中は、大蔵省の福田検査部長の指図を受けて、やめるということにも判こを押したし、あるいは代行委託書にも判こを押した、——融資銀行の話は午前中あなた一つも言うていない。今になって大蔵省のことは抜きにして融資銀行の話を出すということは、すでにこれは誤まりだ。大蔵省の指図に基いてやられたならば、指図に基いたとすなおにおっしゃった方が、あなたのためですがね。その点どうです。
○渡部証人 それは、おっしゃる通り、直接融資銀行から私ども言われたわけじゃなく、大蔵省を介して言われたわけでございます。その点は、ただいまの証言が誤まりでありますから、訂正いたします。
○奧村委員 株式の過半数の収集については、あなたはどの程度携わられたのですか。あなたのやられたことだけを簡単にお述べ願います。
○渡部証人 株式を集めるにつきましては、株主は無尽の会員がほとんど大半を占めておりました関係上、数人の者がみなそこへ訪問して、株の譲り受けの約束を依頼したわけでございます。それによってほとんど過半数集まったわけでございます。
○奧村委員 株を買い集めて、大体その過半数に達したのはいつごろでしょうか。
○渡部証人 過半数に達したのは八月ごろと記憶しておりますが、詳しい数字については直接その衝に当らなかったためにわかりませんです。
○奧村委員 重ねてお尋ねします。これは大事なことですが、あなたは堀口さんとともに、第一相互銀行の取締役として、あくまでもこれは株主総会に対しての責任を負うておる。株主から委託を受けたわけです。そこで委託を受けた取締役の役務をおやめになる事由というものは、ここで明確にしていただかなければならぬ。あなたは会社に、第一相互銀行に損害をかけた。あなたの責任を痛感して、あなた、自発的におやめになったのですか。それならそのように株主総会にあなたの責任を明確にしなけりゃならぬ。あるいは株主総会からやめさせられたのですか。あるいは大蔵省から指図を受けてやめられたのですか。これはやめるにしても相当——順調にいっておる場合におやめになるのは、これはまあ自由とも言えるでしょう。しかし、これほど乱脈なことで、預金者にも非常な迷惑をかけるし、また株主にも迷惑をかけたのだから、やめるについてはよほどのはっきりした事由がなければならぬ。その理由はどういう理由ですか。これは午前中もちょっとお尋ねしましたが、大事なところですから、明確に一つお答えを願います。
○渡部証人 その理由につきましては、自分から進んでやめるというような考えは、やめて責任を回避するというような考えは、毛頭持っておりません。銀行を破綻に導いた責任者として、また融資銀行にそういう意見があると大蔵省から言われて、そしてやめることによって再建できる、預金者に迷惑をかけないで済む、こう考えましたので、大蔵省を通じてやめるように言われたのに従ったのであります。
○奧村委員 それでは、そのまま常務取締役として継続していけば、あなたはあなたなりに第一相互銀行をりっぱに再建していく自信がおありであったのですか、どうですか。
○渡部証人 破綻に導いた私が、今ここでりっぱにやっていける、一人でやっていけるというような口はばったいことは申されませんけれども、ともかく責任者としてもしそのまま続けるとするならば、整理その他に全力を尽していきたいと考えております。
○奧村委員 そこがちょっと微妙なんですがね、あなた、責任をとっておやめになったなら、損害賠償ということが起ってこなければならぬ。これは銀行に非常に迷惑をかけ、預金者にも迷惑をかけたのだから、損害賠償という問題が起ってくる。これは当然第一相互銀行に対し、預金者に対し、法律できめられておる。そうするとあなたは、それに対する責任はどのように果されたのですか。責任を感じなければそれはいい。しかし悪かったと責任を感じられるなら、これは損害賠償しなければならぬ。その点どうです。
○渡部証人 損害賠償と申しても、自分に資産があるわけじゃありませんし、身をもってそれに当るしかないと思います。
○奧村委員 それじゃ、自発的に損害賠償をする気持はあったわけですか。それから各重役が私財を提供したようですが、どの重役がどのくらい私財を提供したか、あなたはおよそ何もなかったのか、あなたとしてはどの程度の私財提供をなさったのか。
○渡部証人 どの重役が幾らの私財を提供したということは聞いておりません。私は、私の自宅があるわけでございます。それは担保に入っておる関係上できないので、その処分については一切を弁護士にまかしております。その他の重役について幾ら出したということは聞いておりません。
○奧村委員 聞いておりませんとは、どうも受け取れぬですがね。これは御承知の通り、取締役は連帯責任があるはずです。そうすれば、これはお互いに前取締役でできるだけのものは出そうということになるんだから、だれがどのくらい出したかぐらいのことは知らぬということはない。それから、これは前取締役が自発的にその話を出したのか、大蔵省から勧められてその話が出たのか、その点を一つ。
○渡部証人 これは先ほど申し残しましてまことに申しわけありませんけれども、大蔵省に融資あっせんの話をした際に、社長と私に充分の私財提供をするようにという話が、社長にあったそうであります。社長からその話を聞いたようなわけであります。社長から自分が幾ら出したという話は聞いておりません。
○奧村委員 社長とあなた以外に取締役がおられるし、その取締役の中には相当の私財もおありでしょう。また監査役には監査の責任があるし、また私財もあるでしょう。これらの方々の方はどうなんです。どういう話になっておりますか。
○渡部証人 それについては、社長から何も聞いておりません。私財の提供はしてないように私は考えます。
○奧村委員 その私財の提供については、うわさによると、重役によっては私財をみな隠してしまった、ほんの一部だけおざなりに出した、その私財提供を減らしてもらうために大蔵省へ頼み込んだという話も聞いた。だからこれは大蔵省とよほど話し合いの上でなさったはずだと思う。そこで、それでは堀口社長は私財提供を幾らしたのですか、お尋ねします。
○渡部証人 先ほど申し上げておる通り、堀口社長が幾ら出したということは、社長から私は聞いておりませんです。またただいまの隠したとか何とかいうことは、全然わかりませんです。
○奧村委員 それなら当然これは株主総会で、株主の側から、社長を初め常務取締役に対して損害賠償の訴えがなければならぬ。しかし、そこへいくまでには、おやめになるときの事情が問題です。つまり社長なりあなたなりが、必ず再建してみせるという自信があるなら、これは場合によっては損害賠償をする必要はない。そういう態度をあなたがおとりになってもけっこうです。しかし株主総会において確かに私どもは悪かった、非常な乱脈な経営についてはわれわれに責任があった、こういって責任をかぶっておやめになったのなら、損害賠償の責任があるはずなんです。その責任をかぶっておやめになったのか。九月二十八日の臨時株主総会において、どういう態度であなたは株主にあいさつされたか、その点をお尋ねします。
○渡部証人 あいさつは社長が代表してやりました。破綻に導いたということは、株主に対して申しわけない、新たな重役が再建してくれる、そのためにやめるんだという意味のあいさつをしておられたと思います。やめて責任を返すという考えは私もありませんし、社長もなかった。
○奧村委員 それじゃまた話を変えまして、スチール工業の貸付は先ほどの御答弁の通り総額十四億になった。十四億なんというものを一つの会社へ貸すということは、これは大へんな法律違反であります。これは名義人だけはずいぶんたくさんに分割してある。六十八名に分割したそうです。そこで六十八名の名義人は、これは実在の人の名義を借りて、実在の人の判こを借りてそういう書類をこしらえて貸したのか、あるいは全然名前というのは架空の人の名前で、全然架空の判こで貸したのか、その点を一つお尋ねいたします。
○渡部証人 それは実在の人が集まって作った法人であって、スチール工業の人たちが借りに来たのであります。
○奧村委員 そうするとスチール工業の手で六十八もの会社を設立したのですか。そうして設立の登記その他は全部合法的にやったものなんですか。
○渡部証人 登記は成規の手続を踏んでやったはずでございます。
○奧村委員 そういうふうにして作った会社、法人の数は全部でどのくらいありますか。
○渡部証人 その数字ははっきり何社ということはよく記憶いたしませんが、約七十近い会社と私考えております。
○奧村委員 これは一千万円以上はまとめて貸してはならぬという法律の裏をくぐるためになされたのですが、これはやはり大蔵省からそういうお話があってなさったのですか。
○渡部証人 別に大蔵省からそういうふうに手当をしろということはもちろんあるはずがありませんので、今おっしゃるように一千万円というように限定されたために、別な会社にさしたわけであります。
○奧村委員 そうすると七十もの会社を作ったというのは、今の金を借りるために仮装の会社を作ったのですから、そう七十ヵ所も事務所ができるものでもなし、ずいぶん変な事務所やら変な役員ができるわけですが、そうすると実際現実に事業をやっておる会社というのは、スチール関係ではスチール工業以外にどういうものがありますか。
○渡部証人 それについては一々私はわかりません。調査書を見なければ一々わからないのです。
○奧村委員 貸付の口は七十近くにも分割して貸し付けてある。それには一つ一つやはり審議して、これに対しては担保も要るし保証人も要るし、いろいろ手続が要るわけですが、そうすると一つ一つの担保というものは、どういうふうにつけたものでしょうか。
○渡部証人 これは一切を含んで一つ一つ個々につけたのでありませんので、スチール関係としてまとめてつけてあります。そうしてこの高額になったというのも、これは先ほどから申しておりますように、導入預金に対する貸し増しをしなければならない状態に追い込まれたために、そういうふうに最後にふえたわけです。一度に十何億貸したわけではございません。
○奧村委員 そこで貸し付ける名義は、七十にも分けた。担保はスチール会社一木だ。それは第一相互としてはそれでいいかもしれないが、おそらくそれでは大蔵省の銀行検査は済むまい。銀行検査官が調べるときには、一つ一つ、一件々々調べる。この担保もあの担保も全部スチール工業だ、それではいかにめくらの大蔵省の検査官でも、これは仮装のもので、一切はスチール工業にまとめて貸しておるということはわかる。大蔵省とどういう話し合いをして検査を通ったのです。
○渡部証人 それは根抵当というものを設定しまして、保証債務は根抵当の中に入る。根抵当でしたのであります。まとめて根抵当を実行したのであります。
○奧村委員 それで大蔵省の方は承知したのですか。
○渡部証人 別に承知したというようなことを私としては申し上げられません。その点については大蔵省の見解でございます。私は申し上げられません。
○奧村委員 それは昭和三十一年の二月に大蔵省の検査があって、一月も二月もかかっておる。これはまさか大蔵省がこういう事態がわからずに検査しておるはずはない。問題になっておる。これをどう処置をするかということは、大蔵省から話があったはずです。そのときの話の模様をお聞きしたい。
○渡部証人 その貸付に対して銀行法違反である、商法違反であるということも指摘されて、これの回収方、善処方の御意向を受けて、その整理段階に入っていったつもりであったわけです。それでいいとか悪いとか承認を得たわけではありません。もちろんその回収方を促進しなければならない状態にあったわけであります。
○奧村委員 しかしそういう大蔵省の検査を受けており、昨年の二月から六月まで大蔵省から注意を受けておる最中に、二百何十回にわたってスチール工業に金を貸しておる。そうすれば大蔵省の注意も聞いておらないことになる。一体大蔵省のだれが検査に行って、だれとどういう話をなさったのですか。
○渡部証人 その間に二百何回とおっしゃいましたが、それは結局書きかえ、書きかえでやったものでありまして、新たに加わったものではないのであります。また当時の検査官は石井検査官でございました。
○奧村委員 一人だけですか。
○渡部証人 全部の名前はここで……。
○奧村委員 何人ほど参りましたか。
○渡部証人 八人です。
○奧村委員 何日間ですか。
○渡部証人 約四十日間です。
○奧村委員 第一相互はずいぶんりっぱな本店の建物を建てましたね。あれはあなたの常務取締役の時代だと思うのですが、あれは大蔵省の指図からいくならば、資本金その他の額から比較すると、あの建物は大き過ぎるように私は感ずるのです。あれは大蔵省の了解を得たのですか、またどういう事情でああいう大きい建物の了解が得られたのですか、事情を伺っておきたい。
○渡部証人 建物は当時古い建物と、現在の新築したところに分室があったのでありますが、合せても狭いのでどうにもならないので、それで私が大蔵省に申請して、これは大蔵省の許可を得て建てたのでございます。
○奧村委員 あれは資本金、資金重などからいきますと、少しあれは基準よりも大きいと思うのですが、基準は一体どのくらいでしたか。
○渡部証人 それは当時係として、その基準に当てはめて建てたのでございます。
○奧村委員 先ほどの二月の銀行検査、これはずいぶん大がかりの検査をやったのですが、この検査が済むと、金融機関の社長初め常務取締役には、大蔵省の方から検査の結果の報告があっていろいろおさしずがあるわけです。この二月の検査は大蔵省からお受けになりましたか。
○渡部証人 私在任中はその報告書はちょうだいしませんでした。
○奧村委員 ずいぶん大蔵省から注意も受けたでしょうし、大へんな乱脈な経営でありますから、大蔵省から何かの話がなければならぬ。それであなたとしてはふしぎに思われませんか。それからもしそういう検査の報告がないとするならば、検査の報告のかわりに、あなた方におやめなさいという大蔵省のさしずが出た、こういうふうに解釈されると思うのですがどういうものでしょうか。
○渡部証人 そのかわりとしてということは考えませんでした。また二月二十八日からかかりまして四月の初めまで、四月の二日か三日ごろまでと思いますが、検査を続け、そうしてちょうどあそこに新築ができ上ったものでありますから、十日間ほど間を置いてまた検査があるというようにして、四月の中旬以降まで、二十日ごろまで検査が続いておった。そうして五月中にその検査の報告があると考えておりました。そのうち六月が来てもこなかったために、いろいろの事情で検査の報告がちょうだいできなかったものと考えております。
○奧村委員 検査してまだ報告もこない。大蔵省としても非常に厳重監視しておる最中に、午前中のお話のように、四億円の手形詐欺事件にひっかかった。これはどうもわれわれ常識で判断できぬのですが、しかもその詐欺事件にかかった一番の当の御本人は根橋常務である。その根橋常務というものは、昭和二十八年までたしか大蔵省の銀行局に勤めておった大蔵省の役人である。検査官である。だから銀行を検査しなければならぬ検査官は、そういうあやまちのないように検査しなければならぬ人であった。それがそういう四億円もの手形詐欺事件にひっかかるというのは、どうも私ども了解できぬのですが、あなたも常務取締役として、二人して連帯責任を持ってやっておられたと思うのです。そういう練達な根橋常務がどういうわけでそういう間違いを起したか、その事情を少しお尋ねしておきたい。
○渡部証人 このことにつきましては、先ほどの答弁でいきさつについては申し上げました通りでございます。こまかい説明は一々私は報告を受けておりませんが、先ほど申し上げました通りに、三井銀行に預けることによってその手形は大丈夫だ、そこへ入れることによって、三井銀行に当座の預金を持っていって三井に行って割り引くのだという説明を根橋常務から私は聞きました。まあ三井銀行が中へ入るものならば大丈夫だというように解釈しておったわけであります。そのうちに、先ほど午前中申し上げた通りの事情が招来しましたので、その当時はやめるようにという社長からの話で、それを社長から根橋常務に話し、そしてやめることになったわけであります。そのやめるについては先ほど申し上げた、ような事情があった、こういうことであります。
○奧村委員 四億円の手形に保証したときに、これは取締役会を開かれましたか。
○渡部証人 それは開きました。
○奧村委員 それじゃその手形にひっかかって千六百万円も何とか詐欺師に金を取られた、これは取締役全体の連帯責任ですな。
○渡部証人 もちろん全員でやったわけでありますから責任はあります。ただそのしかたについて手落ちがあったためにそういう結果を来たした、こういうことであります。
○奧村委員 銀行局の銀行検査官であった根橋常務を第一相互銀行へ入れたについては、根橋なる者がこういう問題についてよほど練達堪能なりとしてお入れになったはずと思う。あなたはそれより前からずっと第一相互におられた。その根橋君を第一相互に入れるについては、よほど本人の人物を確かめてお入れになったものと思うので、これはだれから奨められて第一相互にのっけから常務にお入れになったのですか。
○渡部証人 根橋常務の入ったことにつきましては、当時私のところの重役は相次いで病気、事故その他によって定員を欠くような状態になったために、何とか実際に仕事のできる重役がほしいと日々考えておったところ、たまたまその根橋常務は死んだ鷲沢常務の友人であるというようなことから、神奈川相互をやめるのだけれども使ってもらえないかというようなことを言うてきましたので、顧問や他の役員と相談した結果入れることになったわけであります。
○奧村委員 あなたの銀行の顧問というのはどういう方ですか。
○渡部証人 顧問としましては前尾繁三郎さんが顧問をしておりました。
○奧村委員 前尾繁三郎さんの御紹介で根橋常務が第一相互へ入ったんですか。
○渡部証人 そうでございません。先ほど申し上げました通り自分が来て、向うをやめるから使ってもらいたい、こういうことを申したので、それで他の重役、水田氏、社長と相談して、いいだろうということになって入れたわけであります。前信繁三郎先生が入れたのではございません。
○奧村委員 この融資の一番まとまっているのは直江秀次君ですが、この直江秀次君と第一相互銀行との借り貸しの最初の縁の始まり、取引の始まりのいきさつを簡単にお述べ願います。
○渡部証人 直江氏はスチール工業の社長下谷福太郎さんの使用人であります。下谷さんは戦前から無尽や何かの取引がありまして戦後もそういう関係で取引がありまして、そして前常務の黒沢常務在世中からの取引でございました。引き続いてなくなられた後も取引を続けておったというようなことから、たまたま一部導入預金で家屋、下谷社長の自宅その他を担保にして、そして貸したのが貸し増しの動機でございます。そうしたことについても導入預金が関連しまして、その導入預金はずっと引き続いて直江氏の場合には一つもおろすことなくずっと続いておったわけであります。そうしてあとからの導入預金も直江君に依存したような形が多くあったわけでございます。
○奧村委員 三十一年の六月に一応辞表をお出しになって、代行委託者に判こを預けて代行さした。その間六月から九月までは、堀口社長とあなたとは、第一相互銀行に出るだけは出ておられたのですか。堀口さんは出ておったのですか、出なかったのですか。
○渡部証人 私は一日もかかさず出ておりました。社長も、からだの関係で何日かは休みましたけれども、ほとんど出ておりました。
○奧村委員 いわば非常な乱脈な経営の責任をとって一応おやめになったんですが、しかしそういう乱脈な経営というものは堀口社長とあなただけがやったのじゃないのです。根橋常務は先にやめた。しかしあなたの手下であるたくさんな行員の中には、これは導入ブローカーなどと結託していろいろな不正を働いた者がいたと見なければならぬ。社長とあなた以外の方々は一人もやめずにそのまま継続していったんですか。
○渡部証人 行員やあるいは課長連中がそうした結託をしたということは、私は全然考えません。またその行員の中でも、結局私とともに仕事に当った一部の者はやめております。
○奧村委員 そうしますと、六月によほど金詰まりになって資金繰りに詰まって堀口社長が大蔵省に資金のあっせん方を頼みに行った。それほど切迫しておるのですから、いわゆる代行委託者が入って島崎、館内、佐藤、井上さんらが入った以上は、相当の資金の導入をした。つまり救済融資と申しますか、各相互銀行から資金を入れたわけです。九月の臨時総会までにどのくらいの資金をこれら援助の金融機関から入れたのですか。
○渡部証人 こまかい数字については、その数字は見たことがありませんのでわかりませんが、大体自分の聞いておる範囲内では、富士銀行から約三億、そして八月二十七日から導入預金者に対する三割の支払いを開始したように私は記憶しております。その間日本相互から、何千万だか数字はわかりませんけれども、一部の金が援助として入っております。
○奧村委員 あなたはわからぬとおっしゃるが、堀口さんとあなたが第一相互銀行を代表して、富士銀行なり日本相互銀行から金を借りたのでしょう。借りた御本人が何ぼ借りたか知らぬというのはどうもおかしいのですが、その点どうですか。
○渡部証人 借りた書類を作りましたのは、それからずっとあとでございまして先ほどおっしゃられました九月まぎわになって二十億の書類を作成して、それだけの借りる手続は一切済ましたけれども、幾日に幾ら入ったということがわからないということを申し上げておるわけであります。
○奧村委員 先ほどお尋ねするように、六月のあなた方がおやめになる直前に、よほど金詰まりで切迫したために、堀口社長が大蔵省へ融資のあっせんを頼みに行った。そこで代行委託者が乗り込んで代行した。従ってもうすでに六月から援助融資機関から金が入っておる。そこで九月の臨時株主総会までにどのくらいの金が入ったか、こういうことをお尋ねしておるわけです。それは今の富士銀行の三億と日本相互銀行の数億、こういうことですか。
○渡部証人 そうです。
○奧村委員 そうなると、臨時株主総会であなたが正式におやめになるわけでしょう。おやめになるまでは、堀口さんとあなたが銀行を代表して、これら援助融資機関から借りた。その借りた御本人が何ぼ借りたか知らぬというのはおかしい。
○渡部証人 借りましたのは二十億でございます。それは一度に二十億入ったのではございません。必要な都度入ったのでありますので、何月に幾ら入ったということは、私の方に一々報告が入っておりませんので、それでわからないと申し上げたのであります。
○奧村委員 しかし向うも金融機関ですがね。金融機関相互で金の貸し借りをやる場合に、当然これは判こも押してあるいは担保も入れて、貸した、借りたという正式な書類、手続がなければならぬ。その場合に堀口さんなりあなたなりが判こを押すという手続はなさったのでしょう。
○渡部証人 それはただいま申し上げた通り手続に一切やりました。あるいは社長にはその数字的な報告はあったかもしれませんけれども、私にはその報告がなかったためにわからない、こう申し上げたのであります。
○奧村委員 それでは判こだけは代行委託者に預けてあったので、何ぼ借りたかは代行委託者の方で借りた、こういうふうに解釈しなければならぬ。八月二十七日ごろに導入預金の三分の一を払うが、あとはたな上げだ、こういうことをしたように思うが、その百か大事なので、一つ記憶を呼び起しておっしゃって下さい。
○渡部証人 私の記憶としては八月二十七日というふうに記憶ははっきりしておるのです。七月中には預金者といろいろな折衝をしたけれども、援助の銀行から金が来なかったために、結局その預金の支払いを開始するだけの金が来なかったために応じられなかった。ただ今おっしゃる通り、資金的破綻も来たしているのですから、毎日の金にも困って、その不足分は先ほど申し上げた富士銀行からの援助資金、それから日本相互銀行から一部融資を受けたということでございます。
○奧村委員 そうしますと、最後には二十億の融資を受ける協定をした、こういうことですが、堀口社長があなたが第一相互銀行を代表してその協定を結んだんですか。
○渡部証人 それは銀行に残っている重役全部が判こを押しております。
○奧村委員 二十八日には臨時株主総会であなた方全部おやめになった。そこでそれじゃその二十億の融資に対してどういう担保を提供されたんですか。
○渡部証人 担保としては、富士銀行に対しては担保でとっておりました赤坂所在の土地、そのほか流れ込み物件として銀行の名前になっている土地、建物、そういうものをほとんど入れております。そうして現在の銀行の建物は日本相互銀行に入れたのであります。
○奧村委員 これは二十億の融資の相手方は、いわゆる相互保証協定に基いて全国の七十近くの相互銀行が相手方になっておる。その担保に対しては今言われた通りですが、この入れられた担保というものは、これは相互銀行の本店は別ですけれども、ほかには、これはいわば貸付先から入ってきた担保をもう一ぺん肩がわりした、こういうことじゃないのですか。そうすると、貸付先の担保をどういう工合に今度は保証協定の方へまた担保として入れたか、その具体的な方法をお尋ねいたします。
○渡部証人 一部再担保の形をとりましたのがあります。また銀行の名義になっておる担保も入れております。手続といたしましては、富士銀行と協議しまして、再担保というようなものはほとんど富士銀行におもに入っておりまして、他には入っていないわけであります。
○青野委員長 ちょっと奧村委員待って下さい。委員長からも渡部証人に先ほどから一問質問したいと思っておりましたが、いろいろな重要問題についてたくさんの人に迷惑をかけておることですから、この日にちは臨時株主総会があった口だ、そのときには銀行側からだれとだれが出た、あるいはこういう重大なときは何月何日の何時から会議が開かれたというようなメモをあなたは持っておらないのですか。そういう記録をとったことがあるのですか。
○渡部証人 記録をとっておりませんでした。
○青野委員長 よほど渡部正人は頭がいいか責任観念が薄いか、こういう重大な、天下の耳目を聳動させて、福岡県庁だけでも一億円の導入預金を——それを全然メモをとらないというようなことは、委員長としても常識では判断ができないのです。各委員の尋問に対してあなたは長時間数々の証言をされておりますが、それが確実性があるかどうか。こういう重大な問題に直面したときには、記憶力が万人にすぐれておっても、責任者として記録を必ずとって、その記録を持って出てきて念には念を入れて、その記録を読んで、そうしてりっぱな証言をなされなければならぬと私は考えるのですが、全然そういう記録もおとりになっておらぬのか、もう一ぺんお尋ねします。
○渡部証人 記録は全然とっておりませんでした。預金の日にちとかそういうものについては、銀行の帳簿その他を見ればわかると思います。それで、一々自分がタッチしておらなかった関係上、答弁のあいまいなところもございますけれども、それは実際においてそれに参与をしていなかったためにお答えできなかったわけでございます。
○青野委員長 銀行の帳簿を調べれば何月何日にどういったことがあるかということを、あなた個人が所有なさっておる日誌か手帳に書きとめておらない。それからもう一つは、報告がないから、富士銀行から何億円借りたやら、あるいは日本相互から何ぼ融資を受けたやらわからないといったようなことを、奧村委員の尋問に対して御証言になっておりましたが、そういうことは、国民九千万人の代表として、一年間の予算がどういう方面に使われたか、あるいはそれが不当に使われたか、公正妥当に使われたかということを国民にかわって調査する非常に権威の高い衆議院の決算委員会に、少くとも証人として御出頭になれば、もう少しまじめに慎重にかまえてもらいたい。記憶だけでは往々にして間違いやすいものです。そういう点についても、銀行の帳簿を調べてあなたの手帳に書きとめてくれば、まだまだ正確な証言ができるはずである。こういう点について問題を起した責任者の一人として、国民の前に、あるいは銀行の預金をしておった関係者の手前からいっても、もう少し反省すべきものだと思いますが、これから先の各委員の尋問に対しては、もう少し的確に慎重な態度で御証言願いたいことを委員長から注意と希望を申し上げておきます。
○細田委員 関連して……。まず午前中のことに関連して伺いますが、あなたは、奧村委員の質問でしたか、どなたの質問でしたかに対して、導入屋の導入してくる利息は二分一厘ないし三分だと言っておられましたね。そうするとちょっと私にはわからない点があるのですが、福岡の県庁から持ってきた一億円、知事に対するリベートは一千万円、二分一厘ないし三分で、一年と見まして、平均二分五厘とすると二千五百万円、これはどのくらいリべートを知事の方へ——知事というか副知事というか知りませんが、福岡県の力へあなたの力としては支出しているか、この点を一つお答え願いたい。
○渡部証人 二分一厘あるいは三分、あるいは三分五厘とも申し上げましたのは、一般導入順金者が持ってきた預金の話は、あとでこの事件になってからいろいろ調べた結果そういう数字であるということがはっきりし、また途中においても一部わかったのがありました。しかし、福岡の場合は、必ずしも二分だから二分ということはないわけです。ただ一千万円を貸してもらいたいというようなことだったと根橋常務から聞いておりますが、それはいいだろうということで承諾したわけでございます。
○細田委員 大体請求されなくても二分一厘あるいは三分五厘のリベートをやるものを、福岡に限って一千万円でいい——あなたの方は請求されるままに、ほかの方より半分ないし三分の一だけやって、それでいいと思ったのですか。あるいはほかに福岡県の分は特に安い原因がそこにあったのか、それをお聞かせ願います。
○渡部証人 導入預金の裏がなるべくないような預金に切りかえようとするのは、日ごろの考え方でございますので、ことに官庁の関係その他の関係はそうした裏の問題はない、こういうふうに考えましてそうした方面の預金を集めたということは先ほども証言しております。そうした関係から、一億に対して一千万円の貸付ならばそれはもちろん安いと考えたわけでございまして、それで、必ずしも二分に相当するものを出さなければならぬとは考えておりませんでした。
○細田委員 先ほどあなたは奧村委員の質問に対して答えられたが、官庁関係——必ずしも官庁とはいいませんが、官庁関係、たとえばNHKだとかあるいは郵政互助会だとかいろいろのところから導入をしておるのですが、これはみんな一分くらいのものですか。
○渡部証人 そういうものに対して一分払うということは全然ありません。
○細田委員 時間がありませんから、これはこの程度にいたしておきます。 長谷益雄の関係した例の三井銀行堀留支店の四億の手形、三億と一億ですか、この手形の振出人はだれですか。
○渡部証人 これは先ほど申し上げましたが、株式会社幸楽と隅田建設でございます。
○細田委員 あなたは、詐欺された、従って岩田部長刑事にも相談したと言うのですが、どういうわけで詐欺されたのですか。その詐欺の大要を少しかいつまんでおっしゃって下さい。
○渡部証人 これは三井銀行に手形を保管していただきまして、保護預けに預けました。そのときにあれは詐欺師だということを、他から社長は耳にしたわけであります。それでやめるということになりまして、先ほど申し上げたようなことになりました。その当時、詐欺されちゃったというわけではなかったのであります。あれは詐欺師だから、もうこの取引はやめろということを根橋常務に社長から注意をした。ところがそれを取り上げるについて手落ちがあったために一億持っていかれたということになったわけでございます。
○細田委員 三井銀行へ預けたのはあなたの方でしょう。第一相互銀行から預けたんじゃないですか。
○渡部証人 それは根橋常務が持参して、そして長谷の会社の大和貿易の名前で預けて、その預かり証は根橋常務が持って帰った、こういうわけであります。
○細田委員 そうすると、結局あなたの方では、手形を第三者に渡した、そして第三者から三井銀行堀留支店へ預けた、こういうことになりはしませんか。
○渡部証人 それは手形を渡して預けたのではなく、根橋常務が一緒に行って、その場でその金をお預けしたのであります。
○細田委員 あなたはその方の専門家だから、これは釈迦に説法になるかもしれませんが、詐欺されたとすると、詐欺による手形として失権公告か何かすれば、一千六百万というような大事な人の金を使わなくても、無効になったものじゃないのですか。
○渡部証人 成規の手続をすればそうなったと私は思います。
○細田委員 成規の手続をあえて避けて、一千六百万円出したというのはどういうわけなんですか。
○渡部証人 それは、当時、もう銀行としても資金が詰まっておる折柄、そうしたことを未然に防ぎたいと思って、世間の新聞紙上に載ることをおそれて、何とか内々に済ましたい、こう思ったからであります。
○細田委員 実はこの四億の金というのは、愛知用水の金を導入してくるということを、長谷ですか、だれですか、約束してそれが失敗して、それで汁一つ取り戻そうということになったんじゃないですか。
○渡部証人 そうじゃないのでございます。愛知用水の金が入るというようなことも、初めはっきりと私は聞いておらなかったのです。ともかく金を相当持っておる方が三井銀行に預金してそしてそれを割り引くのだ、こういうことを根橋が言ったので、三井銀行が間に入って保護預かりをしてくれるならば間違いない、こう解釈したのであります。それが失敗したから取り上げるというのではなく、長谷は詐欺師だからという話を社長が耳にしたので、社長から中止方を根橋に申し伝えた、こういうことでございます。
○細田委員 あなたが先ほど失権手続をすれば、その金は、裏書きしておっても、払わなくてもいい。これはあなたの方は専門家ですから、よく御存じであり、また今おっしゃった通りですが、大事な人の金を一千六百万円も、詐欺されたものなら、幾ら新聞に出ても平気なわけです。それを一千六百万円も取り戻すために使ったということは、結局背任を構成すると思うのですが、あなたはいかがですか。
○渡部証人 それにつきましては、結局みんなに相談した結果、それが一番いいことであるというふうに相談がまとまったものですから、私はその手を打ったわけであります。
○細田委員 これも午前中ちょっと伺ったのですが、岩田部長刑事にあなたは個人的に相談されたと言うのですが、自宅にでも行って相談されたのですか、あるいは警視庁の部屋で相談されたのですか、あるいはその他第三の場所を選んで相談されたのですか。
○渡部証人 それは私直接でなく、スチール工業の直江氏と懇意の間柄であったために、その人を通じて話したのです。私は、山石田部長刑事は特別懇意ではないのです。たまたま直江氏が診療所の帰りに銀行に寄ってくれまして——ちょうどその事件の朝です、そうして話したところが、そのときはもう根橋常務はその手形のために出かけておった。そうした折であったので、成規な手続をするのが——成規な手続をすれば取り上げるけれども、ただ話があったというのでは取り上げるわけにいかぬ。自分が立ち会うということは、職場離脱になるからできないということではっきり断わって、そのままにしたわけであります。
○細田委員 そうすると、岩田部長刑事は、あなたのところの第一相互銀行と懇意で、医者の帰りなどにしょっちゅう寄られたのですか。
○渡部証人 銀行と懇意で寄ったわけではありません。直江氏の知人であったために、直江氏が相談して、直江氏が連れてきたのであります。
○細田委員 直江氏が煙れてきたというのはおかしいではありませんか。来たときはもう出かけておったのでしょう。
○渡部証人 直江氏と岩田氏は診療所で会って、診療所から一緒に来たわけです。
○細田委員 一緒に来て、一緒に出かけたわけですか。
○渡部証人 そうです。
○細田委員 手続をしてくれないとちょっと立ち会えないというあなたの午前中の答弁でしたが、あなたは責任常務として、あとで聞いておられると思うのですが、岩田部長刑事は当時現場に行っておった、部下を一人か二人連れて行っておったという報告を受けておりますか。
○渡部証人 そういうことはありません。
○細田委員 先ほどあなたの方でレインボーに貸し付けておられるということでしたが、これはあなたの方の答弁によると、担保なしだ、こういうわけですね。第三者の手形が担保だ……。
○渡部証人 それは毎日球団の話じゃないかと思います。
○細田委員 レインボーの担保は、……。
○渡部証人 レインボーの担保は家屋担保です。
○細田委員 この保証人はだれですか。
○渡部証人 それは古荘四郎彦と……。
○細田委員 古荘四郎彦君と、もう一人おるわけでしょう。水田三喜男君と……。
○渡部証人 水田さんはただ念書が入っておるわけであります。別にその保証はしておりません。
○細田委員 その念書というのはどういう意味の念書ですか。
○青野委員長 渡部証人に申し上げますが、同じ質問を繰り返されないように、一ぺんでおわかりになるように一つ御証言願いたいと思います。
○渡部証人 その保証の文句はここで記憶しておりませんけれども、その貸付に対しては保証するという意味の念書であります。
○細田委員 それじゃ保証と同じじゃありませんか。 そこで、私はおかしい……。一思うのですが、先ほども奧村委員から質問しておったが、千葉銀行からあなたの方に金がきて、あなたの方がレインボーへこれを融資した。そうして千葉銀行からあなたの方によこした金で、千葉銀行の頭取がどうして保証するのです。その趣旨を一つ聞かして下さい。
○渡部証人 それは私の方としましても、担保のほかに、千葉銀行の古荘氏を知っておるというような関係から、その保証人になってもらいたいということをこっちから申し出たわけです。
○細田委員 それだったら千葉銀行からレインボーがじかに借りたらよさそうなものだ。古荘頭取がことさらに保証するのならば、千葉銀行からじかに借りたらよさそうなものだ。千葉銀行にはあなたの方に融資しただけの金がある。なおかつ古荘頭取が保証するということは、私はただ単なる保証関係でないと思うのですが、もう一ぺん聞きます。
○渡部証人 別に特別な保証は何もございません。ただ単純なる保証でございます。これは千葉銀行としてはすでに貸してあるために貸し増しができなかったのだろう、できなかったというふうに聞いております。これ以上申し込めないから、こっちの銀行から貸してもらいたいというレインボーからの申し込みであったのですから、そういう……。
○細田委員 そうするとこういうことになりますか。相当額貸してあって、千葉銀行からレインボーへこれ以上貸せられないので、千葉銀行があなたの方に融資して、あなたの方からレインボーへ貸す、そのかわり古荘頭取はこれを保証する、こういうことに筋書を立てたと伺ってよろしゅうございますか。
○渡部証人 さようでございます。
○細田委員 国民相互銀行名義で、あなたのところの導入預金が京浜自動車へ貸し付けられたことはありますね。
○渡部証人 国民相互銀行から預金がきたということはありません。京浜自動車に貸したということもございません。
○細田委員 ラテン・クォーターにあなたのところで相当額融資をされておりますね。これにどうですか。
○渡部証人 ラテン・クォーターには一千万ございます。
○細田委員 一千万ばかりですか。
○渡部証人 一千万でございます。
○細田委員 回収できておりますか。
○渡部証人 私在任中はまだ回収されておりませんでした。今その交渉はしていると思います。
○細田委員 担保はどうですか。
○渡部証人 担保はとってないように記憶しておりますが、保証人ではなかったかと私は記憶しております。
○細田委員 京橋の八重洲口に八頭身というキャバレーがありますね。ここへ幾らくらいお貸付にたっておるのですか。
○渡部証人 八十万と二十万、百万あると思います。
○細田委員 もう一度お考え願いたい。百万だけが。 それから失礼なことを伺うようですが、ここのマダムはあなたとどういう御関係ですか、伺います。
○渡部証人 金額はそれだけでございまして、私と何も関係ございません。
○細田委員 これは担保はどうなんです。
○渡部証人 担保はありませんけれども、これは保証人として保証人がついております。
○細田委員 回収されておりますか。
○渡部証人 無尽として約三十何万返っておるはずであります。
○細田委員 あなたは先ほど小川産業に融資しておるということを答えておられたのですが、小川産業に幾ら貸し付けておるのですか。
○渡部証人 小川産業には一億二千万くらいになっておるかと思います。
○細田委員 小川産業の顧問に福岡県知事の弟の土屋銭雄君という人が入っておるということは御存じでしょうね。
○渡部証人 これは先ほどもお答えしましたが、その土屋という人が県知事の兄弟ということは、私は存じ上げていなかったのであります。先ほどここで言われてああ土屋、そうだろうかと私は思ったのであります。今まで知りません。
○山田委員 関連。ただいまの問題についてあなたが知らないということは、ちょっと私には理解できないのです。どうしてかというと、あなたとスチール工業の直江さんとの関係から押してみると、あなたとスチール工業の直江さんとの関係というものは、ほんとうの青年時代からの関係なんでしょう。そういう関係に置かれていて、あなたはほとんど直江さんの代行を勧めておると業界では言われておる。あなたが代行を勤めておられるというくらい業界の人たちが見ておられるにかかわらず、直江さんは福岡との連絡を密にしておって、しかもその弟との関係をあなたが全然知らなかったということについては理解できないのです。ほんとうに全然知らないのですか。
○渡部証人 福岡県庁の土屋さんと直江君とは何の関係もございません。スチール工業の直江と福岡県の土屋とは何の関係もございません。
○山田委員 それでは今度の事件について直江氏は全然——そうすると土屋氏との連絡については橋渡ししなかったというのですか。
○渡部証人 全然橋渡しも何にもしておりません。
○山田委員 二十八年の十月に——もう二十八年の十月といいますとかなり前ですが、そのときに十億の焦げつきはとてもとれないということは、あなた方の内部で言われておったはずじゃありませんか。その十億のあとにも続いて次々に融資がなされておるのです。そういう関係から推しみても、直江とあなたとの関係が出てくるし、それに直江氏が土屋の問題の連絡についてに全部やっておるのですよ。一体十億以後次々と貸しておったのは、あなたは取れると思っていたのですか。
○渡部証人 この福岡県の関係には、直江君は一切関係していないのです。それに関係していたのは向井定利という人でございまして今のことは全然お考え違いじゃないかと思います。
○細田委員 とにかく小川産業の顧問は現在でも土屋銭雄君がやっておりますか。
○渡部証人 現在ではやっておるかどうかわかりません。あの当時でも、あそこの代表取締役にしてはという向井常務からの話があったのですけれども、渡辺孝士のあれに対してうまくいかなかったようなことがありましたので、顧問のような形で監督してくれというようなことだったので、現在は顧問は解かれているのじゃないかと思いますが、よくわかりません。
○細田委員 あなたの今のお話では、根橋常務が土屋鉞雄君を小川産業の常務に推そうじゃないかと言ったところが、何かどなたかとのごたごたがあって結局顧問に推した、こうおっしゃるのでしょう、そうですね。
○渡部証人 渡辺孝士氏が小川産業の代表取締だったわけでございます。それがうまくいかなかったために、根橋氏が渡辺氏はおかしいからあれをやめさせるようにというようなことになったので、それで私もじゃ一つ上屋氏に行ってもらって監督してもらったらという話になってあの人は顔も広いという程度の話で、じゃやってみたらいいだろう、しかし役員に登記して入れるということはあと回しにして顧問のような形で監督してもらったらいいだろうというような形でやったということで、その土屋さんがこの預金のあっせんをしたとは私は考えておりません。これについては向井定利氏と根橋氏との話で進めていただいたものと私は解釈しておりました。
○細田委員 渡辺孝士が背任横領があって、これはまずいからということで、土屋鉄雄君を事実上の常務のような立場で監督してもらうということなんですね。事実上その仕事をやってもらうが、しかし表面に出たのでは都合が悪いというところに、あなたがどうおっしゃろうと社会的に——なぜこの人が表面に出ては悪いのですか。小川産業の常務取締役となってちっとも差しつかえない、登記しても差しつかえない。それが世間的に出ては都合が悪いというところに、この土屋鉞雄君が福岡県の預金導入と関係がある、こうわれわれは、また世間は印象づけてもやむを得ないのじゃないですか。
○渡部証人 世間体に悪いということは別にないのです。これは結局渡辺孝士が代表取締役をして失敗している。ですから、上屋氏というのはどういう人かわからないために、また失敗を繰り返してもいかぬと思って、当分の間は代表取締役にはしないで監督をしてもらったらいいだろう、こういうことでございまして、何も世間体に悪いというようなことは一つもありません。
○細田委員 一億二千万という高額な貸付に対して小川産業からどういう担保を取られたのですか。
○渡部証人 これにつきまして担保としては一部動産が他の名義で入っておりますが、結局あそこを銀行の経理の者が行って監督してやっておった関係上、それに対する支払い保証の手形を出していこうという根橋氏の案であったために、それの保証がどんどん回ってくる、その手形は必ず落すという約束のもとになされておったのでございますけれども、その売上金から落さずに、どんどんかぶるような状態に立ち至ったわけなんです。そのために渡辺氏のやり方がまずいということから渡辺さんを免職した、こういうことであります。
○細田委員 結局担保はどうなんですか。
○渡部証人 担保は全部担保に入っていないので、結局保証債務をかぶせられた。
○細田委員 あなたのところは二十六年に相互銀行の認可を大蔵省から受けられて、わずか二、三年の間にもう経理がきわめて悪くなった、しかも三十年にはほとんど戸をたててしまった、こういう結果になっているが、その間大蔵省はあなたの方にどういう監査指導の方法をとっておられましたか。
○渡部証人 監査は二十八年の七月以降ございませんでした。常磐相互銀行の監査のときから、この導入預金に対しては注意を受けておりましたが、結局導入預金の悪循環でああいうことに相なったわけでございましてこれは先ほど申し上げた通りでございます。
○細田委員 大蔵省から注意を受けていながら、先ほど奥付委員が質問したように、貸付は一千万以上研許可を受けることになっておる、しかるにそれすらやっていないというのでは、あなたの方の取付になった原因というものは、完全にその任にそむいて他人に損害を与えたいわゆる背任に該当するものと思うが、いかがですか。
○渡部証人 この点については今検察庁で背任事件について起訴されておる最中でございますから、この点につきましては私としてはお答えできません。
○細田委員 あなたの方の資金量は大体幾らくらいだったのですか。
○渡部証人 約七十五億と覚えております。
○細田委員 先ほど二十五、六億のこげつきがあったと言われたが、三分の一のこげつきなんというのはむちゃくちゃですよ。これは経営がきわめて無責任、紊乱しておったことを物語る。三分の一のこげつきなんというのは開いたことがない。しかもこれが数年の間になされておる。これは一体どこに原因があるのです。
○渡部証人 どこに原因とおっしゃいますが、結局導入預金の悪循環がこうしたことになってしまった、この責任については検察庁でも調べられて起訴最中でございまして、その責任はその上決定されるものと考えます。
○青野委員長 ほかに御発言はございませんか。
○山田委員 一、二点伺いたいと思うのです。大きな銀行の場合はお得意さんにいいのを持っておるが、あなた方相互銀行の場合には全く零細なお得意さんだけが対象になっておって、今度のような事件が起ったことは預金者にとって全く大へん御迷惑がかかっておることだと思うのです。大資本を持っている場合はそれが何とかして切り抜けられるような事態が多々あると思うのですけれども、今度の事態については私は何とも、あなた方の責任はただあやまっただけではとても済まぬことだという気がするのです。そこでさっき質問されているうち第三国人の預金名義という問題についてちょっとお尋ねしたいのですが、預金の総額が三億ぐらいと推定されているというお話ですが、この預金の名前が直江秀次さんの名義で導入預金がされておると言われるが、一体これはことごとくが直江さんの署名によってなされた導入預金なんですか。
○渡部証人 結局最初に導入してくれた人が預金を払い出してしまう、その不足はどうしても埋めなければならないということで、直江氏に導入預金を導入してもらった、こういう結果でございまして直江君がどういう人からどういうふうにしてやられたということは、直接私は関与しておりませんけれども、直江君を通じて導入預金はしてもらった、こういうわけでございます。
○山田委員 スチール会社の社長は何という人ですか。
○渡部証人 下谷福太郎といいます。
○山田委員 この第一相互の社長は堀口さんと言われておるようでありますが、この息子さんが貸し出した金額が相当に上っておるようでありますが、息子さんはどういう立場において貸し出しをされているのですか。
○渡部証人 その貸し出しのことについては先ほども株式会社大昌に対する貸付が約五億円あると申しましたが、その貸付が息子関係の貸付でございます。それは赤坂の戦前の幸楽跡の土地を担保として貸し出しされております。
○山田委員 現在大手町のホテル・トウキョウの中に事務所を持っておられます阪田誠盛といいますか、この人に対してはどのくらいの貸金がしてありますか。
○渡部証人 これも先ほど申し上げましたが、約三億……。
○山田委員 この人は何を担保にしております。
○渡部証人 土地並びに家屋でございます。豊分町の担保並びに熱海の別荘の土地、建物一切です。
○山田委員 どうもこの人の担保物などにつきましてはとかく異論が出ているようですが、この人がいわゆる右翼団体に関係があるというようなことから、担保物としては大した価値はないけれども、うるさいから貸しておくということが言われておりますが、どうなんです。
○渡部証人 別にうるさいから貸したというわけではございませんで、この人はやはり導入その他に関連しまして、その導入金の裏金利の一部は担保が不足になっておるかもしれませんけれども、最初は全部一番抵当で貸しておるわけです。
○山田委員 阪田さんがあなたの方に導入した得意先はどこですか。
○渡部証人 その導入した得意先というのは私の方でわからないのです。その預金者はもう無記名その他になっておるために、一々その預金先を調査しておりませんから、先ほども答弁した通りです。
○山田委員 阪田さんが預金した導入先はわからぬというけれども、金額が一体どのくらいあるのか明確にして下さい。
○渡部証人 預金の多いときけ三億四、五千万円あったと記憶しております。一番最後のときは一億二、三千万の預金がまだ残っております。
○山田委員 この阪田さんは、中国のかつての児玉機関で鳴らした児玉氏と連絡があって、この児玉氏を通して金が入れられているという話もある、そういうことについてあなたは長い間取引があったわけですから、何か明確な話を聞いてないですか。
○渡部証人 児玉氏の手を通して預金されたということは全然聞いておりません。
○山田委員 先ほど問題になったレインボーの責任者はだれです。
○渡部証人 レインボーの責任者は坂内シノブだったと思いますが……。
○山田委員 さっきも問題になっておるのですが、どうも不明確なんで、もう一ぺんお尋ねするのですが、郵政省の互助会から六百万円の金が預金されたときの互助会の責任者はだれだったのですか。
○渡部証人 互助会の名前は郵政互助会として預金されております。当時折衝したのは大野さんという理事。
○山田委員 大野だれですか。
○渡部証人 名前はちょっと忘れました。
○山田委員 旧朝鮮銀行の当時の整理の衝に当っている者の名前は何というのですか。そしてあなたの方の折衝した人の名前は……。
○渡部証人 朝鮮銀行のは星野喜代治さんが責任者であります。そこに頼みに行きました。
○山田委員 これが全部証人が当ったということは理解できないのですが、証人に話を持ってきた人はだれですか。
○渡部証人 この話を持ってきたのは宮地さんという人でございます。その人が紹介しております。
○山田委員 宮地さんというのは、宮地何という人です。
○渡部証人 宮地智覚という人でございます。
○山田委員 宮地智覚という人はどういう人ですか。
○渡部証人 この宮地智覚という人は三原橋の橋の建築をやった人で、あそこの権利を持っております。
○山田委員 旧朝鮮銀行は閉鎖機関になっておるが、閉鎖機関ですから二千五百万の金を出すについては、われわれには理解ができないのですが、一体何でもかまわない、金さえ持ってくれば預かるという態度で臨んだものか、それとも預かる過程においてあなた方の方から何か質疑があったかどうか伺いたい。
○渡部証人 これは一度に二千五百万預金していただいたわけじゃないので、最初一千万だった。それをふやしていただいたわけです。別に何もそれ以外のことはございません。
○山田委員 最初一千万であと千五百万で、いずれにしても二千五百万であることは間違いない。(細田委員「全部で三千五百万だ」と呼ぶ)そういう点で、だれがそれを持ってきたのか伺っておきたいわけです。
○渡部証人 それは私がお願いに行きまして、係の者が行って預金はもらってきました。
○山田委員 係の人はだれです。
○渡部証人 預金の係はだれであったか覚えておりませんが、預金の係をやりました。
○山田委員 どういう名義でそれは預金されていますか。
○渡部証人 朝鮮銀行閉鎖機関として預金されております。
○山田委員 NHKで、預金している分は、NHKの何の係から預金がされていますか。
○渡部証人 これは先ほども答弁申し上げておりますけれども、入ったとき私は知らなかったんです。そしてNHKも入っているという話を預金課の人からあとで聞きましたので、どういう事情で入ったかということは私たちとしてはわかりません。
○山田委員 先ほど球場の話が出ましたが、そのとき上野のかなり先方に一万数千坪の森林地帯がありますが、あそこの森林地帯の問題について何か話が出なかったのですか。
○渡部証人 先ほども上野と申し上げましたが、その森林地帯、多分あれは——詳しくは根橋常務が聞いておったんで私よく知りませんけれども、その森林地帯一万坪を球場にするという話であったと思います。
○山田委員 その一万坪は現在大審院が持っているのです。大審院が何であんな土地を持っているか、私どもにもまだわからないのですが、(「最高裁だ」と呼ぶ者あり)最高裁判所が持っておる理由がわからないですけれども、あなたの方で一体だれが、あの裁判所の土地の問題について話を持っていったんですか。
○渡部証人 これは毎日球団の黒崎さんと清水建設の方が、根橋常務に話をして、根橋常務から私は話を聞きました。
○山田委員 どうしてそれが結論が出ないで終ったんでしょう。どんな結論になったんですか。
○渡部証人 結局その森林地帯は、ほかの土地と交換するというふうに私は聞いておりました。ところがそれが実現できなかったために、新宿の百人町にそのかえ地を見つけてやるというようになったという報告を聞いて、これは銀行の事件となったのでございまして、その後のことにつきましては私は聞いておりません。
○山田委員 私はこれで質問を終ります。
○神田(大)委員 だいぶおそくなりましたからこの次の機会に御質問することにいたしまして、一点だけお尋ねしますが、今同僚からいろいろ質問がありましたが、私はどうしても納得できない点がある。一体あなたたちは導入預金でもって預金を入れて、それに対しまして二分五厘から四分の金利を払って銀行経営をやっておる。そうしていて貸付の場合は幾らの金利であなた方は貸し付けておるのですか。
○渡部証人 貸付は三銭五厘でございます。しかしその導入預金を入れたということについては、そうしなければ結局銀行が破綻をするので、何とかそれをやっているうちに担保物件の処分並びに貸付金の回収その他をやろうという相談をみんなでやっておったもんですから、その間の暫定措置としてやったわけです。
○神田(大)委員 導入預金の総額が二十億に近いと言われております。このような巨額の導入預金に対して二分五厘から四分の金利を払って、貸付の場合は日歩三銭五厘で貸し付ける。これでは銀行経営がやっていけないことは明らかでありますけれども、その貸付というものが焦げつく前の貸付の金利と預金の金利というものは、どういう工合になっておりましたか。
○渡部証人 この導入預金の二分とか二分一厘とかいうその利息は、貸付を受けるものが負担すべきものである。また実際最初のうちはそういうように負担しておったわけでございます。それが最後は二十何億——二十億余の導入預金となったのは最後であります。結局そうした人たちがその負担をしなくなったのでやむを得ず一ヵ所に大きくまとまってしまったわけでございまして、不足のままにしておくということはできないことであります。他の資金の正常なる預金、または担保物件等の処分によってあるいは融資のあっせんによる金の入るまでの暫定処置としてやっておったので、従って二分一厘の増し貸しをとる。そして三銭五厘で貸し増しておったから、その差額は損だということはわかるわけであります。結局そういう暫定的な処置として、それをやる以外に、これを押える方法がなかったわけでございまして、そのためにやったわけであります。
○神田(大)委員 これは業界の評判にもなっております。われわれもこの点は調査しておるのですけれども、裏利でもって算入預金をし、あるいは預金を吸収すると同時に、あなた方は三銭五厘以外の裏利を取って貸し付けておるというようなことは、これは相当そこらに喧伝されておるのですが、その点をはっきり言って下さい。
○渡部証人 どういう点からそういう話があるのか知りませんが、裏利息を取るというようなことは、絶対ありませんでした。
○青野委員長 神田委員に発言を許しますが、なるべくもう一間だけにお願いします。
○神田(大)委員 今、福岡県では県会議長があの問題に関して逮捕をされておるというようなことが起きて、福岡県では県政上の非常な問題になっております。また相互銀行のあなたたちの紊乱した経営によって銀行界におきましては信用失墜の大きな波乱を起しておる。こういうような大きな問題を起しました当の一番の責任者であるあなたといたしまして、この問題に対してどのような責任を感じ、どのような償いをしようとしておるのか、その見解を聞いて、私はきょうの豊岡を終りとします。
○渡部証人 このことにつきましては、この破綻に導いた責任に対して、今検察庁当局で取調べを受けまして、今起訴されている最中でございます。ただ世間を騒がせ、また御損をかけたことに対して責任を痛感するものであります。身をもって——在職しておるならば、貸付の回収その他に当りたいとは考えておりましたが、現在においては十一月五日に逮捕されて、そうして今日の調べと相なっております。今申し上げることはできません。
○細田委員 一点だけ聞き漏らしましたが、前尾繁三郎君があなたのところの顧問をやっていると言いましたね。福田赳夫君は、いかがですか。
○渡部証人 顧問ではございません。(山田委員「何ですか」と呼ぶ)何でもございません。
○細田委員 あなたの在任中、顧問の前尾繁三郎君は、あなたのところの顧問としての報酬は幾らもらっておりましたか。
○渡部証人 前尾顧問に対しては、月々の顧問料というものを払っておりません。盆暮れのお中元だけにとどまっております。
○細田委員 幾らですか。
○渡部証人 盆暮れ十万円です。
○青野委員長 それでは、いまだ御発言の通告者も多数残っておりますが、本日の委員会は非常に長時間にわたっておりますので、渡部証人に対する尋問は、本日のところは以上をもって終りました。 渡部証人には御多忙中を、本会議もありまして、長時間御苦労さまでありました。委員会を代表して委員長より厚く御協力を感謝しておきます。 この際お諮りいたします。本日は渡部、前田、佐藤、直江四証人を喚問していたのでありますが、本会議等の関係で予想外に時間がかかりましたので、来たる四月三十日午前十時に再び出頭を求めたいと存じますが、委員各位におかれましては、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。所要の手続をとることといたします。 証人の諸君に申し上げますが、貴重な時間を、大へん長時間お待たせいたしまして空費させたことは、まことに申しわけないのでございますが、実は本日の本会議は予想より非常に長時間にわたり、決算委員会の責任者である委員長自身が、政府関係の予備費の本会議討論に立っておりますので、それらいろいろな事情を経て皆様に非常に御迷惑をかけたことは、特に私から心からおわびする次第であります。 議長を経由して再び御出頭を求めるようにいたしますから、御苦労さんですが、再び三十日午前十時に御出頭下さるように、委員長からも重ねてお願いを申し上げておきます。 またお諮りいたしますが、本件に関しまして、去る十八日の委員会において御決定を願いました土屋香鹿君、村井進君、長沢誠君及び中島一之君につきましては、来たる五月二日に出頭を求めることと相なっておりましたが、先刻よりの理事会において御協議願いました結果、来たる五月九日午前十時に出頭を求めるよう期日の変更をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。それでは所要の手続をとることといたします。 なお、その間の日程としましては、来たる六日午後一時及び八日の両日に、全購連に対する補助金の経理問題につき、政府関係者に対して質疑を行う予定でありますので、あわせて御了承を願います。 本日はこの程度をもって散会いたします。 午後六時三十九分散会