決算委員会 第27号
- 発言数
- 446 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/18
会議録
○青野委員長 これより会議を開きます。 本日の日程に入ります前にお諮りすることがあります。すなわち理事山田長司君より理事辞任の申し出がありますが、これを許可するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、これが補欠選任を行わねばなりませんが、選挙の手続を省略して、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認めます。それでは理事に坂本泰良君を指名いたします。 —————————————
○青野委員長 歳入歳出の実況に関する件(都道府県の会計経理に関する問題)につきまして調査を進めます。前会に引き続き、自治庁、大蔵省及び法務省当局に対して質疑を行います。発言の通告があります。これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 先に刑事局長に伺います。昨日福岡県の山本副知事、岩佐出納長その他向井定利あるいは第一相互の根橋武男などが起訴されたと聞くのでありますが、起訴したかしないかの事案、それから罪名等につきまして御報告願いたいと思います。
○井本政府委員 福岡県公金の第一相互銀行への預金をめぐりまして、福岡県の関係職員と第一相互銀行職員との間に不正事犯が存在する疑いが発生いたしましたので、先般御報告申し上げました通り、東京地方検察庁におきましては、去る三月二十六日以降、福岡県庁の信用組合長の池田豊氏、それから同県の出納長岩佐秀盛氏、同県副知事の山本兼弘氏、それから第一相互銀行常務取締役根橋武男氏、会社役員の向井定利氏の五名をそれぞれ逮捕、勾留の上、鋭意取調べを進めて参りました。その結果、昨四月の十七日に岩佐秀盛氏を背任、山本兼弘氏を背任並びに収賄、それから根橋武男氏を贈賄、向井定利氏を収賄幇助の罪名で、それぞれ東京地方裁判所に起訴いたしました。 この四人の方に対する公訴事実の、要旨は、大体次の通りでございます。 岩佐秀盛氏は、昭和三十年の七月以降福岡県の出納、長に就任し、県歳計金の保管など出納その他の会計事務一切を統轄担当しており、山本兼弘氏は、同年六月より昭和三十一年六月まで、福岡県総務部長として歳入歳出予算、その他同県の財務事務一切を分掌し、歳計金の預金には、出納長室より合議を受けていたもので、現在同県の副知事であり、また根橋武男氏は昭和二十九年十一月より昭和三十一年五月まで、株式会社第一相互銀行常務取締役として、預金貸付など銀行業務一切を統轄担当していたものであり、向井定利氏は長年山本氏とじっこんの間柄であって、かつ根橋氏の依頼によって右の第一相互銀行のため、預金吸収のあっせんに尽力をしたものでありますが、第一、昭和三十年七月ころ以来、しばしば根橋氏より山本氏に対しまして、向井氏を介して福岡県の歳計金一億円を期間一年の据え置きで、第一相互銀行に預金されたい旨の懇請があり、その際預金実現の上は、山本氏に相当額の謝礼金を贈与する旨申し込まれまするや、岩佐氏においては、歳計金を県金庫事務取扱銀行以外のものに預金する場合は、歳計金が県予算上の現金である性質にかんがみ、預金先の決定については相手方の経営状態、信用程度を精査いたしまして、安全確実な保管方法を講じ、かつ予算執行上の支出計画に支障を来たさないよう配慮し、特に預金の種類、金額、期間などの決定には、格別慎重を期する任務があるにかかわらず、岩佐、山木の両氏は共謀の上で、当時資産状態の悪化に伴う資金難を糊塗するため、多額の謝礼金見合いの預金吸収策を講ずるなど、第一相互銀行の経営内容が不良であり、かつ同年度の県財政事情が窮迫しておって、右の預金の依頼に応ずれば、その期間内、同額の歳計金の使用が困難となるため、当然これにかわる支払い準備金として、右預金金利より高利の資金借り入れ措置を免れないことを予見しながら、右の第一相互銀行及び山本氏の利益をはかる目的で、岩佐氏の前記任務にそむいて昭和三十年十二月七日ごろに福岡県歳計金三千万円、同月十二日ごろ同じく三千万円、及び同月十三日ごろ同じく四千万円、合計一億円をいずれも東京都千代田区神田神保町二ノ二十一株式会社第一相互銀行に福岡県庁信用組合長池田豊名義を使用して据置期間一年、利子日歩一銭一厘二毛の約束で通知預金として預け入れ、もって同県に財産上の損害を与え、第二として、根橋氏は、同年十二月十二日ごろ第一相互銀行において、山本氏に対して、山本氏が第一に申し述べましたように、福岡県歳計金一億円の預金に際しまして自分の請託をいれて種々尽力してくれた謝礼として金一千万円を供与して山本氏の前記職務に関して贈賄し、第三、山本氏は右第一記載の福岡県歳計金一億円の預金に際しまして、根橋氏の請託を受けてその謝礼として供与されることの情を知りながら、右第二に申し述べました日時、場所において根橋氏より金一千万円を収受して、もって職務に関して収賄し、第四、向井氏は、根橋氏が右第二記載の趣旨のもとに供与することの情を知りながら、山本氏が第三記載のように、この職務に関して金一千万円を収受するに際して、右の謝礼金額のとりきめ、授受などについて、山本氏のためこれをあっせんし、もって山本氏の収賄行為を容易ならしめて封助したものであるというのが、この四人の起訴事実でございます。一人の信用組合長の池田豊氏の分につきましては、今回の起訴には入っていないので、これはいま少しく調べを済ませまして処置をするつもりでございますが、これはただいま処理未済でございます。 第一相互銀行と福岡県の歳計金の関係に関する起訴の概要は大体以上の通りでございます。
○吉田(賢)委員 山本調査官は見えておりますか。
○青野委員長 報告によりますと、山本調査官は今院内に入ったそうです。
○吉田(賢)委員 それでは政務次官に伺いますが、福岡の今回の事件につきまして山本調査官を派遣して、いろいろ調査をせられたことはすでに御報告を受けましたが、これは自治庁に対しましては調査報告書というものを格別出したのではないのか。あるいは先般当委員会に向って「福岡県における金庫銀行外の金融機関に対する歳計現金の預託状況」、これ以外に何も文書としては出しておりませんか。念のために聞いておきます。
○加藤(精)政府委員 吉田委員の御質問にお答えいたします。過般自治庁の方から委員会に配付いたしました書類は、山本調査官が帰庁、復命いたしましたことを基礎にして、自治庁の方で御理解しやすくまとめた書類でございます。
○吉田(賢)委員 そうすると、これがあなたの調査報告書の全部ですか、山本調査官に伺いますが。
○加藤(精)政府委員 ただいま当時の事情を尋ねてみますと、山本調査官の正式報告書というものではないのですけれども、正式報告書にかえたものが、その調書だということでございます。
○吉田(賢)委員 なお政務次官に伺っておきたいのですが、やはり国会で問題になり、国会で要請をし、また自治庁といたしましても、地方自治体における県財政上の重大な問題の調査について特別に任務を与えて山本調査官を派遣し、何日も時間を費して御調査になったのでありますから、このような場合には調査の方法とか日時とか、調査の範囲、状況、結果、こういうものを正式に報告するのが官庁の事務ではないかと思うのだが、これはどうなんですか。
○加藤(精)政府委員 非常なとっさの間の出張で、また非常に急を要した報告でございますので、報告書の提出を待ち切らぬで、自治庁の方におきまして調査しながら関係官とともに山本調査官がああいう書類をまとめたわけでございまして、そうした急を要する場合には口頭復命をもって復命書にかえることもあるのでございまして、さよう御承知願います。
○吉田(賢)委員 しいて追究するわけじゃありませんけれども、やはり事これほど重大なことでありますから、相当綿密な調査をしたと思うので、そのようなときにはこういう簡単な外部に出すような文書以外に、相当周密な調査の状況と結果の報告書を出すのは当然であると思います。どんなに急いでおりましても、すでに十数日経過しておるのでありますから、文書ができていないということは、やはり自治庁が依然としてこの問題を重大にはお考えになっておらぬという根本の考え方があるんじゃないか、こう思うのでありますが、それはどうなんですか。
○加藤(精)政府委員 自治庁の方では決してこの問題を軽視いたしておるようなことはございません。復命の形式につきましては、吉田委員の御意見を御意見として承わっておきます。
○吉田(賢)委員 それは答弁のための答弁をなさるのもいいのだけれども、少くとも、かりにも副知事が起訴されたような事件になっておるときには、あらゆる角度から御調査になったはずですから、それは口頭だけで終るという筋じゃないだろうと私は思うのであります。そうしないと、あなたの方においても後日の参考資料として口からまた聞かなくちゃならぬことになるので、やはり行政事務といたしまして当然であると思います。復命の形式が口頭でもかまわぬということは、それはかまわぬかもしれません。これは法律の違反じゃないとか、行政の慣例があるとか、そういうことになって、一種の言いのがれの答弁のための答弁のように私は思うのです。やはりこのような重大なことはいやしくもすべきではありませんので、相当綿密丁重な文書に作成いたしまして、これは長官がとっておく、こういうふうにするのが、私は行政事務の整理だろうと思う。でありますから、こんな形式もあり得るというようなことだけではよくないと思うのですが、これはいかがですか。
○加藤(精)政府委員 御意見として承わりまして、十分研究いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 意見として聞いておくということじゃなしに、また研究するということでなしに、こんなことは即刻もっともだというふうに同調していいと思うんだが——同調したからといって、別に何もあなたの責任を問うというのではないですよ。こういうものだけで終りましては、とかく不便なんです。今後のこともありますので、一つ御注意を喚起しておきたいと思います。 山本さんにお伺いしたいのですが、あなたもいろいろと御病気の体とか、また帰られた後に何か御病気におなりになったようで、大へん御心労もあったこととお察しいたしますが、いろいろ重要な調査の事務を担当せられましてわれわれは感謝いたしております。そこであなたにいろいろと伺ってみたいのですが、私どもは県における財政のあり方といたしまして歳計現金の取扱いの問題がずいぶんと莫大な金額になる関係上、このたびのような不祥事件が起るというようなことはまことに遺憾に思っておりますので、そこで事の真相がどこにあるのであろうかということをいろいろな角度から知りたいと思いますのが一つの目的であります。そういう趣旨におきまして、あなたがお調べになった事情をいろいろとこれに協力する意味でお述べを願いたい。 まず第一に、あなたは行かれてだれにお会いになったか、その日時と人間の範囲を御答弁願います。ちょっとあなたの資格、職名等も言っていただきたい。
○青野委員長 ちょっと御発言の前に。現地に派遣された山本調査官にかわって小林財政部長から去る決算委員会で大体の報告がありましたから、文書による以外の報告はあなたに求めておりませんが、直ちに質問に入ったということは、決算委員会の運営上時間の都合もありますので、これを委員に許しました。それを一つ御了承願って、各委員の質問の重点をとらえて、むだのないような御発言を願っておきます。
○山本説明員 自治庁の調査官の山本でございます。ちょっと既往症がございましたもので、疲労が重ったために再発するのではないかというような気がいたしたものですから、休ましていただきまして、皆様に御迷惑をかけまして、まことに申しわけございません。 三十日に立ちまして、三十一日に向うへ着きました。それから会いましたのは、知事、総務部長、財政課長、財政課長補佐、出納局の出納課長、住宅課長、それに信用組合の職員と住宅協会の職員に会って参りました。
○吉田(賢)委員 山本さんは何を調査するということを目的にせられましたか。
○山本説明員 金庫銀行以外の金融機関に対する歳計現金の預託制度の運用状況を調査するために参りました。
○吉田(賢)委員 あちらへ行かれるときに、犯罪の容疑をもって副知事などが逮捕せられておるという事実は御承知でありましようか。
○山本説明員 それは知っておりました。
○吉田(賢)委員 そうしますと、歳計現金の金庫銀行以外の方面に対する預託の状況の調査、状況の調査には違いありませんけれども、もしや法律、指示あるいは自治庁の指導等に違反するような事実があるかないかということは、調査の目的になっておったのですか、おりませんでしたか。
○山本説明員 金庫銀行以外の預託制度は、昭和二十五年の施行令の改正で初めてそういう制度ができたわけでございます。法の形式といたしましては、今まで出納及び保管となっておりましたのが、及び保管が落ちたというだけの法律関係でございましてその反対解釈として、この預金制度というものが歳計現金の預託制度としてとられたということになっているわけでございます。細部の取扱いにつきましては、自治庁から通達が出ておる程度でございましてそのよるべき基準というものは、金庫契約なり、あるいは実際の預託の事務取扱い要領と申しますか、内規と申しますか、そういうようなもので運営されておるわけであります。自治庁としては、福岡県における金庫銀行外の金融機関に対する歳計現金の預託状況というものは、よるべき資料がございませんので、いろいろな資料を徴しまして、まずそういう預託の取扱いが福岡県ではどうなっておるか、それから、実際にどの程度に金庫銀行外に預託が行われておるか、またそういう手続が実際どういうふうにして行われておるかということを調査するために参ったのであります。
○吉田(賢)委員 自治庁において預託等についてのよるべきものがないので、現実の運営の実情を知りたい、これは平面的なことでありますが、やはり事は、財政上の現金が不法に使用され、あるいは消費されておる疑いがあるというのが問題なんです。だから、平面的な運用以外に、たとえば法規を逸脱したり、行政上の規定とか、通達とか、慣例を無視したり、あるいは自己の利益をはかるとかいうようなことがあったかなかったかということは、全然調査の対象にはしなかったのですか。
○山本説明員 歳計現金が預託されるわけでありますが、それは歳計現金の出納上におきます保管方法の一つでございますので、そういう保管が公正に安全に行われているかどうかということは、当然調査の対象にいたしているわけでございます。
○吉田(賢)委員 公正、安全に行われているかどうかを検討する前に、福岡県においては何を基準にして公正、安全をはかるのですか。たとえば法律があれば法律による、政令があれば政令による、あるいは議決とか、その他適当な機関の意思表示があればそれによるのか、一体何を基準にして行おうとしているのか。
○山本説明員 先ほど申しましたように、預託制度につきましては、法令上よるべきものとしては、さきのあれだけでございます。あとは自治庁が指導上通達を出しているわけであります。その指導上出しております通達に大体準拠しているかどうかはもちろん見るわけでございますが、問題はそういう預託制度を運用しました現金の管理状況が適当かどうかということだろうと思うのです。
○吉田(賢)委員 現金の運用管理が適当かどうかを判断するのは何によるのですか。もっと具体的に聞くならば、福岡県においては歳計現金を預託等の方法で管理する場合には、これは条例でも定めているのか、あるいは議会の議決でも必要としているのかいないのか、それはどういうことになっているのですか。
○山本説明員 福岡県の場合のよりますものは金庫契約だけでございます。あとは実際の取扱い手続を内規的にきめたものによっているわけでございます。条例とか、議決とかいうものは必要でないというようになっております。
○吉田(賢)委員 金庫契約以外の、すなわち金庫銀行以外のものへの預託関係は、内規はどういうふうになっておりますか。
○山本説明員 内規は先般配付いたしました資料の中の二の金庫銀行以外の金融機関に対し預託する場合の運用方法というところに述べてございますように、大体自治庁の通達でもってこういう金庫銀行以外の金融機関に預託するということは、地方の金融、経済界に及ぼす影響も多いわけでございますので、知事と協議して行うのが至当だというように指導いたしておるわけでございます。大体そういう指導にのっとりまして、実際の取扱いの手続を県庁の内部の内規としてきめているわけでございます。
○吉田(賢)委員 内規は文書になっておりますか。
○山本説明員 文書になっているかどうかよく存じないのですが、そういう取扱いにしておるという出納課長の説明でございます。
○吉田(賢)委員 しかし文書を作らずして内規があるということは、行政事務の一つの基準としてはわれわれは理解しにくいのであります。内規にしろ内規外にしろ、一つの公務の基準であります。ことに現金の保管管理についての基準でありますから、文書がないというのはおかしいと思う。ことに内規がありますと言う以上は、何らかの文書が当然なければならぬ、これはどうなんです。
○山本説明員 内規というのは、文書にしておるのが普通でございますが、一種の内部的な覚えのようなものでございます。別に規則とか条令とかいうふうなことできめておるわけではございません。
○吉田(賢)委員 だから条令があるのかないのかということを聞くのじゃないのです。条令となると、やはり一つの法律に基く地方の自治体における権限として憲法においても許されておる方法であります。内規がありますとおっしゃるから、内規は文書になっておるかどうかと聞くと、文書になっておるということをあなたは知らぬと言う。文書になっておるということをあなたは確認していない。内規はあるが覚書のようなもの、——内規はあるのじゃないですか。会計参事官その点御承知ならお述べ願いたいと思うのです。福岡県ですよ。知らなければいいです。
○石渡政府委員 福岡県の問題につきましては私存じませんのですが、しかし今山本調査官から……。
○吉田(賢)委員 知らないのなら、あなたの御意見を聞いてもしようがないので、その点これはしいてあなたを追及するわけではないけれども、こういう重大なときだから、よりどころが文書になっておるか、その文書をいつ作成したのか、たとえば一億円を第一相互に導入するために急に作ったものであるか、あるいはそういうことが可能なようなものができておるのかどうか、そうでなしに、以前からできておるのかどうか、それによって従来取扱っておったのかどうか、そういうこともやはり調査をなさるのでないといかぬ、調査しないと十分に真相を把握できないと思うのだが、それはどうなったのですか。しいてあなたの方はその点について確認するというような方法に出なかったのですか。
○山本説明員 預託制度が二十五年の九月以降に行われまして実際の扱い等はいろいろ会議などをやったりいたしまして指導をいたしておるわけなんであります。そういう指導にのっとりまして、そういう伺い定めのような形式でやったのではないだろうかというように推察いたしましたので、しいて確認ということはいたさなかったわけであります。
○吉田(賢)委員 しかしその点は歳計現金を預託する金庫以外のものに預託をするという場合、これが適正かどうか、そういうことを判断する一つの基準になるべきものであると思うのだが、これが何らの文章にもなっておらぬということになると、出納長が恣意に判断してよいということに帰するのですか。
○加藤(精)政府委員 私からお答えするのは何でございますけれども、ただいま承わりますと、全然文書になっておらぬかのようなお話でございますけれども、その点御答弁さしていただきます。
○吉田(賢)委員 お話じゃない、あなたの方がわからぬと言うのです。
○加藤(精)政府委員 山木調査官の言われるのは、——二十五年の十一月の改革というのは、大体こういうふうな出納保管制度等の大きな変革でございまして、そういう場合の取扱いの仕方は、その県庁内部できめるものでございまして、大体そういう場合は、そうした行政上の事務取扱いは、伺い定めという形式をとるものでございます。大体十中八、九そうやっておりますので、伺い定め形式だと山本調査官は考えたものだろうと思います。しかしそれは伺い定めの決済のとれておるところのその書類を、現実に目で見たものじゃないので、国会の答弁は非常に正確を要するので、はっきりその書類を見ないと言っておるのでございます。それでそういうようなことが文章になっておることが私たちの常識では明らかでございますけれども、文章そのものがどういう形式になっておるかということは、自治庁の方で調査さしていただきたいと思うのでございます。
○吉田(賢)委員 そうするとこの場合に、金庫銀行以外に預託するときに、全く議会の議決を経ることはないのですか。これが実情であるのですか。
○山本説明員 これは歳計現金の保管方法でございますので……。
○吉田(賢)委員 ちょっと待って下さい。私の問いの趣旨を誤解されたら、あと時間をとるだけめんどうだから……。要するに現実の問題として、議会の議決を経ることはしておらぬのか、こういうふうにお尋ねするのです。
○山本説明員 それはしておらないのです。議決する必要もない、そういう制度の建前になっておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 する必要もないと言われるが、することの方が安全だということに実際問題としてはなるのではないですか。たとえばする必要がないときには、これは一億円であるからまだいいけれども、十億円もあなたの御意見によると可能なんですね。このような方法ではあるいは百億円も可能かもしれぬ。しかしそれは常識によって判断すればいいじゃないかということにあるいはなるかもしれぬ。こういうような場合に、やはり公正とか妥当とかあるいは安全とか、いろいろなそういう要素を判断の基準にする限りは、もっと民主的に合議的に、それぞれ全県民の意思を代表しておる人の意見も聞くということも、私は一つの道だと思うのだが、そういうことは要するに福岡県ではやっていないというふうに了解していいですね。
○山本説明員 おっしゃる通りでございます。百億でも二百億でも、出納長で預託できるかということでございますが、これは地方の機構として出納長という制度を作りまして命令機関と……。
○吉田(賢)委員 そこはいいのです。
○山本説明員 実際保管という立場から考えて、そういう預託をすると、支払いにも困るということになるわけでございますので、制度上可能だと申しましても、実際上そういうことを出納長がすべきはずのものでもないし、するはずのものでもないというように思います。
○吉田(賢)委員 すべきはずはない、するはずじゃないことが十分に守られておったら、今回のような事件は起らないのであります。いずれにしましても、今回の事件が起りましたことにかんがみますと、別にそういう議決は必要でないということで言いっぱなしておるのは、やはりあなたらの方の財政部長などのこの間からの御答弁の趣旨と軌を一にしておるのでありますが、あなたの意見が加わっておるのだから、それはいいといたしましても……。 そこで当時の福岡県におきまして、財政の実情というものはお調べになりましたか。当時というのは昭和三十年十二月ごろとしておいたらよろしゅうございます。現実にどうかということを聞くのではない。
○山本説明員 これは調査機関の都合もございますので、本格的な調査ということはいたすいとまもございませんでしたけれども、大体概況というようなものにつきましては、一応調査いたしたわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうすると一方預託を受けた第一相互の状態は調べたのですか。
○山本説明員 それは調べておりません。
○吉田(賢)委員 第一相互の当時の経営なり資金なりの状況というものについて、預託したところの県当局がどう判断をしておったかについてあなたは調べなかったのですか。
○山本説明員 福岡県として預託いたしておりますのは、信用組合に預託しているわけでございますので、そういうことは別に調べなかったのです。
○吉田(賢)委員 信用組合に預託したという形をとっておるけれども、現実には、かりにも現職の副知事が、県の公金を第一相互銀行に預託したということ、これからいろいろな収賄等の容疑が起ったということが事件の中心なんです。だから信用組合へ預託したということに最終事実がとどまっておるということであるならば、大してあなたが飛んで行って調べるほどのことはないのであります。そうではなしに、預託した先が東京の第一相互に来ておるということは顕著なんであります。そこで、そういう面について調査をするということが、やはり重要な調査の目的でなければならぬと思うのです。ことにあなたは安全に公正に預託をされるべきであるという建前をとっておられる。安全か、公正か、妥当かといっても、終局の預託先、金の行った先が何も信用組合じゃないのですからね。住宅建設資金という名目になっておるけれども、住宅建設資金に使われた形跡はなかったんでしょう。
○山本説明員 一億円の預託につきましては、住宅協会の建設資金ということで信用組合に預託したことは、その通りでございます。そうしてその金が住宅協会に行っておらないということも、大体確認ができるわけでございます。それで問題は、そういう信用組合を通じて住宅協会に金を貸すということが妥当かどうかということは、もちろんそういう理由、必要もあるし、そういうことも適当でないということは言えないと思うのです。ところが実際には行っていない。行っておれば問題がないわけなんです。それから、それじゃ信用組合のそういう一億円もの預託それ自体が必要かということになりますと、信用組合も大体組合員の貸付は二千万円くらいやっておるわけです。実際そういう必要性がどういう理由であったかどうかわからないわけです。私といたしましては、そのこと自体が通常奇異に思われる点でありまして、問題にそこから発足しておるわけであります。調査官といたしましてそれから先のことに立ち入って調査することが妥当であるかどうかということについて考えてみたわけですが、そういう金庫銀行以外の金融機関の預託先の実態について調査官の権限として調査する、そういう権限があるかどうかということが一つ問題でございますし、それから先ほど申しましたように、そういうこと自体が問題の発端になって、そこにいろいろなことがあるのではないかというようなことで、検察庁の方でも今調査されておるわけであります。従いまして、私といたしましてその間の関係を、かりに権限がありとして調査するといたしましても、そういう微妙な問題に立ち入って調査する以上は、よほど正確を期さなければ、調査する意味がなくて、いたずらに混乱をもたらすだけだというように思うわけでございます。それで、そういう正確な調査が現在の段階でできるかどうかということになりますと、職員もおりませんし、必要な資料はないし、とうてい私としては正確な調査がそこにできにくいというような感がいたすものでございますので、むしろ現在の段階におきましては、そういったところに立ち入った十分な調査というものはできないのではなかろうかというように判断いたしまして今おっしゃいましたような点につきましての立ち入った調査は、いたさなかったわけでございます。
○吉田(賢)委員 その点に立ち入ることが事態の混乱を来たすも何もないと思うのです。事きわめて簡単なことであります。ことに知事にお会いになったのでありますから……。知事は住宅協会の理事長であります。理事長の知事は金を受け取ったといいますが、それはどうなんですか。
○山本説明員 知事にお目にかかりましていろいろ聞いたわけですが、金が返ったということと、決裁はしたということ、それから信用組合からの先は知らないという三点をお話になったわけでございます。
○吉田(賢)委員 住宅協会の建設資金が住宅協会に渡ったかどうかを、当の責任者にお会いになった際に聞かないということでは、何のために行ったかわからぬ。子供が使いに来たと同じことです。何のためにあなたが行かれたのか。一般常識的なことじゃなしに、少くとも県の歳計現金であるとするならば、信用組合に行ったのかどうか。住宅建設資金というて、住宅建設のために住宅協会が受け取ったかどうか。返った云々ということじゃなしに、行ったかどうかを聞かなければならぬ。返ったことは最後ですよ。だからまず行ったかどうかを聞かなければならぬ。受け取ったかどうか、授受したかどうか、その辺を確かめるのに何の遠慮が要りますか。そんなことは権限があるもないもないじゃないですか。権限のことを考慮して聞くことを遠慮するという筋合いじゃないと思うのです。犯罪になるかならぬかというようなことを、あなたは何も心配する必要はないと思うのです。事実だけを聞けばいい。あなたは一億円の金を聞きに行ったんでしょう。金庫以外のところにこれが預託されておる。その預託の状況を見に行ったのでしょう。一般的な運営の状況の妥当性を見に行ったのじゃないはずだ。一億円のことを聞きに行ったはずです。だからお聞きになったら、一億円の金を受け取ったことになっているのか、受け取らないのか、建設資金に使ったのか、それは明らかなんです。よござんすか、きょうは、あなたに繰り返しの質問をしたくないので、要点を聞きおるのですから、その点はあなたは率直にお述べ願ったらどうですか。病気しておられるあなたにお気の毒なんですが、気の毒でもしょうがない。そういう役をあなたは引き受けて行ったのだから、そこは端的にお述べ願ったらいいのです。お述べ願っても、それが直ちに犯罪になるとかいう問題じゃないのだから、どうなんですか。
○山本説明員 知事は、信用組合から先のことは知らない、そう言われるわけであります。それから住宅協会に金が行ったかどうかということは、これは別に知事に聞くまでもなく、事実によって調査すればいいわけでありまして、事実によって調査した結果、どうもそのふうはないように判断されたわけであります。
○吉田(賢)委員 事実によって調査するといっても、帳簿、人間の口から聞くというように、何かによらなければわからぬじゃないですか。そこはどうして調べたんですか。
○山本説明員 住宅協会の受けた預託金の額とその内容、それから毎月末の歳計現金の保管、これは総額で出ておりますが、それと合せてみれば容易に判断ができることでございます。
○吉田(賢)委員 それを合せてみるということは、帳簿を見たというのか説明を聞いたというのか、だれに聞いたのか、そこを聞いているのです。
○山本説明員 帳簿は、そういうわけでございませんので、いろいろ突き合せましたもので、おおむね同違いないだろうというように判断されるわけでございます。
○吉田(賢)委員 大体間違いなかろう、突き合せたということになると、何を突き合せたのかよくわからぬのだが、要するにあなたとしてはいろいろな方から聞いて、諸般の事情から住宅協会には一億円の金は渡っていない、これだけは確認して帰ったのですね。
○山本説明員 私といたしましては、既存の資料からいろいろ検討して大体そうであるというような確信と申しますか、それに近い感じを持って帰ったわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうすると、出納長の方から一億円の金が出されておるのですが、それはどこにいったのですか。
○山本説明員 それは信用組合であります。
○吉田(賢)委員 信用組合へいって、信用組合はそれをどういうふうに保管もしくは使用等したか、その点はどうなんですか。
○山本説明員 その点につきましては先ほど申しましたように、いろいろ判断いたしました結果、立ち入って調査するべきでないというように判断いたしまして、立ち入った調査をいたさなかったわけであります。
○吉田(賢)委員 そうしたら、信用組合にいったならば、それからは個人が流用しようと費消しようとどういうようにされようと、要するに一年数ヵ月後に返ってきたらそれでいいじゃないかという判断にあなたは到達したのですか。
○山本説明員 この預託につきましては普通何らかの行政目的が加わるわけでございまして、実際そういう目的通りに使われておるかどうかということは、そういう預託制度が円滑に運営されているかどうかというような観点からすれば、全然どうなってもいい、ただ返ってきさえすればいい、そういう性質のものではないというように、預託制度の趣旨からいたしまして考えるわけでございます。
○吉田(賢)委員 それでは信用組合は何の理由、何の趣旨で預託を受けたのですか。
○山本説明員 住宅建設資金ということでございます。
○吉田(賢)委員 住宅建設資金として一億円の預託を受けて、住宅建設のために使っていない事実をあなたは確認した、それなら一体どうしたかという、そんなことくらい調べるのに遠慮、気がねは要らぬじゃありませんか。どうなんですか。
○山本説明員 そこが先ほど申しましたような今回の事件の一番問題になっておる点でございますので、立ち入って調査するのは、私としては現在の段階では適当でないというように判断したわけでございます。
○吉田(賢)委員 あなたがそこまで気がね、遠慮するなら聞きますが、福岡県におけるこの種の公金が結局第一相互銀行に導入預金されたということになった場合、それ自身がやはり法規に違反ということの判断に立っているのですが、その点はどうなんです。
○山本説明員 おっしゃいますのは、信用組合を通さないで相互銀行にいったということですか。
○吉田(賢)委員 通しても通さないでも同じことです。そんなことはどっちでもいいのです。
○山本説明員 制度としましては、信用組合に預託すべくして手続を踏んで預託いたしておるわけでありまして、その預託を受けた信用組合がこの趣旨に沿うような貸付なり預金なりをしなかったということにつきましては、当、不当の問題はございましょうが、違法とかなんとかいうような問題ではないというように思うわけであります。
○吉田(賢)委員 あなたは一つの意見を加えて御説明になっておるのだが、私どもがあなたによって明らかにしたいことは、やはりあなたの調査の経緯と、調査によって何を明らかにせられたかということだけなのであります。財政部長におきましても、第一相互銀行への預金というものが直ちに法律違反になるのではないという判断らしいのであります。そういうことをあなたの上司の方がここで御答弁になっておるのであります。そういう経緯もあるのであります。だからそこらにつきまして、ことさらにあなたが意見を付して信用組合から先へ金の動いたことについてとやかくと心配をして言わないという必要は私はないと思うのです。いずれにしてもこれはほとんど明らかな事実なんです。そしてまた信用組合を通してにしろ、第一相互銀行に金がきたということも、ほとんどだれも争っておらぬことなのでありますから、その辺までは相当明確に調査されることが、せっかく調査に行かれた趣旨に沿うゆえんでないかと私は思うのであります。きょうは何もあなたを責めるつもりはないのですよ。だから率直につかんだ事実だけを明らかにしていただいたら私ども非常に参考になると思って伺っておるのです。それをことさらに意見を付して、それから先は権限があるとかないとか、事態を混乱に陥れるとか、そんないろいろな考慮から勝手に答弁の範囲を限定するような言い方をなさるから、ここに書いてあるような歳計現金の預金状況という、こういう特殊の文章になってしまう。これならば普通の調査の結果の報告と同じことなのであります。私どもはもっと一億円の金というものがどういうふうに動いたかということを重要な参考資料にしたいわけなんです。ここは検察庁でも裁判所でも何でもないのでありますから、犯罪性の有無を判定する資料に私どもが聞こうとするわけではないのであります。特にこの種の財産管理においてどういうところに問題点があるのかということを明らかにするのであります。だから何もいろいろと揣摩臆測を加えてあなたが答弁する必要は私はないと思うのです。ことにそういうことも顧慮してそれから先は全然聞かなかったということであるならば、何でそんなたよりない調査に行かれたのかと私は思うのです。しかしここでしゃべることは差しつかえるというのならこれはまたそう承わりますが、そんなことぐらい調べたってどうもないのですよ。そんなことを調べもしないというならば、一体何をしに行ったのです。それなら電話でいいですよ。そう言わざるを得ないのです。今おっしゃったような程度なら電話でわかります。ことさらに相当日数を費して、国会の審議を待たしてあなたが調査に行って報告してくるほどのことは何もないわけなんです。これはどうなんですか。
○山本説明員 先ほども申しましたようなわけでございまして、ともかくそういうことはそのときの私の判断として立ち入るべきでないというので、実際立ち入った調査はしておりません。そういう私の判断が悪いと言われればこれはいたし方ないと思うのでございますけれども、私は私なりにこういうことが妥当ではないかという判断をしてそういう行動をとったわけであります。
○坂本委員 関連して私からお聞きしますが、先ほどの御答弁で、預託金は行政目的に使われる、これは当然のことだと思うのですけれども、福岡県庁の信用組合に一億円が預託されたのは、どういうわけで預託されたかということは御調査になったのですか。
○山本説明員 これはよるべき資料もございませんので、知事の説明なりあるいは財政課長の説明なり……。
○坂本委員 知事の説明を聞かして下さい。
○山本説明員 知事は、住宅建設資金として決裁した、そう言われるわけであります。それから関係の職員も、そういう資料は見たというようなことでございまして、この資金は住宅協会におきます住宅建設資金として預託されたものだというように判断いたしたのであります。
○坂本委員 住宅建設資金として預託される場合は、預託についてはやはりどこからどういう請求があって、そうして預託したかどうか、その点について調査されましたか。
○山本説明員 これはこういう手続といたしましては、建築部長の方でこれは起案いたしまして預託の依頼書というものを出納長に渡す。出納長の方で妥当だと広めた場合には、出納長が預託をするという手続になっておるわけで、その手続を履践したという説明でございます。
○坂本委員 今の御説明は、知事並びに住宅協会の職員から聞いただけですか。それを聞いて、そういう預託依頼書、こういうようなものについて、あるかどうか、その書面について調査されましたか。
○山本説明員 関係の資料は押収されておるということでございますので、資料について調査するということはできなかったわけであります。
○坂本委員 そうすると、今の点は知事から聞いたことと、住宅協会の方の関係者から聞いたこと、それによって、その聞いた調査だけで今申されたような判断に達したわけですね。
○山本説明員 単に住宅協会ばかりでなく、そういう依頼書というものは財務当局の方も経由して、合議があるわけであります。そういう関係者もそういう書類があったということでございますので……。
○坂本委員 先ほどの御説明によりますと、住宅建設のために一億円預託された。しかしそれがどうもそのように使われていなかったようだ、こういうお話でしたが、その点は何によって調査されましたか。
○山本説明員 もしいろいろな帳簿とか何かそういうものがあれば直ちに明確になるわけであります。そういうものがないわけなので、結局いろいろ資料の提出を求めまして、それを歳計現金の……。
○坂本委員 いろいろの資料を求めたというから、いろいろの資料のそれを聞きたいわけなのです。あなたの意見を言わずに——私はあなたの意見を聞く必要も何もない。あなたがわざわざ飛行機で行かれて、公金の行方について調査されたから、今のことについては、それでは何々の資料、知事から聞いたとか、あるいは職員のだれから聞いた、しかし書類のこういうのもあった、いろいろとあなたは言うけれども、いろいろを聞くのじゃない。いろいろの中身の何と何だということを私は聞いておるから、そのつもりで答弁して下さい。
○山本説明員 毎月末の歳計現金、これは預託金と歳計現金というような内訳があるわけであります。そこで毎月末歳計現金の現在高が出るわけでございます。それから別に住宅協会に対しまして信用組合からどういう融資、貸付を行なったかという資料、それから別に十二月末現在におきまする金庫銀行以外の預託金の内訳があるわけであります。この三つが符合いたしますと大体正確ではないかというように考えるわけであります。
○坂本委員 自治庁から出された文書によりますと、住宅協会の預託額は八千万円になっておりますね。三十年十二月現在、九ページの一番最初の行の住宅協会八千万円ですね。そこでお聞きしますのは、住宅協会の預託額はとにかく八千万円だけしがなかった、一億円は全然ない、こういうふうに、これを見ると見えますが、その点いかがでしょうか。
○山本説明員 この八千万円というのは予算に計上された預金でございまして予算の決議を経ておるので、ここで言っております金庫銀行以外の預託金とは別な性質のものでございます。それは前の表の住宅協会貸付金一億六千九百九十二万八千円、これになるわけです。
○坂本委員 そこで、福岡県の預託金の一億円が信用組合にいって、信用組合から住宅協会にいっておるとすれば、住宅協会のところに何か出ていなければならぬわけですね、その点について調査されましたか。
○山本説明員 住宅協会の貸付金の一億六千九百万というのが、信用組合にそういう趣旨で貸し付けられたという額でございまして……。
○坂本委員 どこですか、今のはどこですか、一応……。
○山本説明員 七ページでございます。これが貸付の趣旨からいいますと、信用組合の一億八千九百万の内訳は、信用組合自体の運転資金と、それから住宅協会の貸付金一億六千九百万ということになるわけであります。これが住宅協会の方に実際いっておれば問題がないわけです。これは別に、住宅協会への、県からの、信用組合からの預託貸付金の状況を見ますと、六千九百万円しかいっていない。従いまして一億円は住宅協会にいっていなかったのではないかということが言えるということになるのでございます。
○坂本委員 そういう判断でここに書かれておると思うのですが、こういう点をあなたは知事に確かめられましたかどうか、その点お伺いしたい。
○山本説明員 知事は冒頭信用組合から先のことは知らないという話でございます。
○坂本委員 答弁してもらいたい。私は今のことを知事にあなたが聞いたかどうかということを聞いておる。
○山本説明員 別に聞きませんでした。
○坂本委員 あなたが、調査官ともあろう者が調査に行って、そうしてこの一億六千九百九十二万円といううちの一億円の住宅建設資金がどうも使われていないので、こういうあなたは判断を下されたんでしょう。その点について、知事に全然聞かなかったですか。知事は——私が教えてあげるが、知事は住宅協会の理事長ですよ。いいですか。それをあなたはわざわざ調査に行って、その県の責任者である知事に、この調査の重大なことをあなたは全然聞かなかったのですか。その点はっきり聞いておきたい。
○山本説明員 私は、この住宅協会にいってないということは、今申しましたような資料でわかるわけなんで、別に聞く必要はなかろうということで、聞かなかったわけです。
○坂本委員 そうすると、住宅協会を調べた結果、住宅建設資金の一億円はどうも住宅協会には使われていないということが判明したから、知事には聞かなかった、こういうわけですね。
○山本説明員 そうです。
○坂本委員 そこがわれわれの考え方からしますと——この一億円の預託金が問題になることは、あなたは知っておられたでしょう。ですから、知事はやはり知事の責任において預託をしておるわけなんですよ。またあとで聞こうと思いましたが、この報告書の二ページの(2)で、「知事部局からの依頼によらないで行う預託、財政当局を経由し、知事に合議して行う。」といって、これは小林財政部長の答弁もこの前あったわけですが、知事は合議してこれを行う、知事は預託についてこういう責任があるわけですね。その知事が預託した一億円が住宅協会のために使われずにあるということを知ったならば、あなたは、知事に会ったならば、これはどうして使われていないか、あなたはどういうわけでこの預託をしたか、その点を調べられたかどうかという点をまつ先に知事に聞くのが、あなたが飛行機に乗って、わざわざ国民の税金を使って調査に行かれた目的でもあるのじゃないかと私は思うのですが、そうすると、そういう点は知事には何も聞かなかったわけですか。あらためて聞いておきましょう。
○山本説明員 それは前に申し上げたように聞かなかったわけです。
○坂本委員 それでは問いを変えます。先ほどのあなたのお話によると、知事は金は返った、決済はした、こう言ったといわれておりますが、それはどういう意味にあなたはとられましたか。
○山本説明員 金が返ったということは、信用組合に融資した一億円が県の歳計現金に返ってきて、県の財政上に欠陥を与えなかったという趣旨だろうというように思いました。それから一億円の預託ということは、住宅協会の建設資金のために融資したんだ、そういう趣旨で決裁したんだという趣旨に聞いて参ったわけでございます。
○坂本委員 重ねて今の問題で聞きますが、あなたは一億円が歳計現金に返って支障を与えなかった、こう知事からお聞きになった際に、この一億円という金はどこに返ったと思われましたか。またそれじゃ返ったというなら、どこへ返っておるか、その点調査されましたか。
○山本説明員 歳計現金の一億円が歳計現金として金庫に返ったかどうかということは、信用組合の三月二十五日現在の日計表が提出されましたので、これによって判断いたしますと、明らかに一億円の借りも貸付金もないわけでございます。そういたしますと、結果的に当然これは歳計現金として返されたということは、それで十分確認できることではないかというように思うわけでございます。
○坂本委員 私ちょっと経理上の法律関係がわからないからもう一ぺん聞きますが、そうすると、あなたがおいでになったのは三月の末でしたね。それで、三十二年の三月二十五日現在で住宅協会に対する預託がなかったわけだからもとに返った、こう考えられたわけですか、その点……。
○山本説明員 一億円というのは、明らかに信用組合にはともかくいっておるわけでございます。いったものが信用組合の日計表にもしあるとすれば、貸借対照表の負債のところに、定期預金なら定期預金という形であるべきはずでございます。またそれを貸したとすれば、貸付金として財産の部のところに上っておるはずでございます。それに貸付金として一億三千百万円上っておったわけでございます。そのうちの二千万円というのは組合の貸付金である。残りの一億一千百万円というのは、信用組合を通じて県の住宅協会に貸し付けました土地の購入資金とぴたり符合するわけでございます。従いましてそういう一億という金は、信用組合にないというように確認できるわけでございます。
○坂本委員 そうすると、あなたは昭和三十年十二月末現在で、ここに書いてあるのですが、十二月末現在は住宅建設資金として一億円預託が載っていた、この点は何で調査されましたか。七ページの一番右の……。
○山本説明員 これは先ほど申しましたように、毎月末の……。
○坂本委員 私の聞いているのは、理屈を聞くのではない、何で調査したかということを……。
○山本説明員 先ほど申しました三つの資料によって判断したわけで、大体間違いなかろうというふうに判断したわけであります。つまり、月末の歳計現金の状況と、それから住宅協会の貸付の状況、それから十二月末現在の全般のもの、こういうものを検討しますと、おのずからはっきりするというように思っております。
○坂本委員 そうしますと、三十年の十二月末現在は、住宅協会の帳簿に一億円が裁っていた、こういうわけですね。
○山本説明員 これは、帳簿が押収されてないのでございますから、その預託金の状況から判断いたしまして、一億円というのはいってないのだろうというように判断したわけであります。
○坂本委員 そうすると、昭和三十年十二月末においては、月末の預託金の状況によってこの一億円が住宅建設資金としてあった。しかし、住宅建設資金には使ってない、こういうことがわかったわけですね。そうしてなお今度調査に行かれた際は、三月二十五日現在で住宅協会の方には一億円のあれがないから返ったものだ、こういうふうにあなたは判断されたわけですね。
○山本説明員 そういうわけでございます。
○坂本委員 そのような重要なことをどうしてあなたは知事に聞かなかったのですか、重ねてその点をお聞きしたい。
○山本説明員 どうも、どうしてといわれましても、ともかくそういうことが事実として確認できれば重ねて聞く必要はないというように判断したわけであります。
○坂本委員 捜査当局からも追及されておる知事の言うことを、あなたは知事が言われたから、はあそうですかと全部信用した、こういうことになるわけですね。私は、私の良識をもってすれば、この一億円を知事がしたか——副知事は逮捕されておる、出納長も逮捕されておる、その一億円の歳計現金の行方について、決算委員会では国家資金としての財政運用について非常な疑問を持ちまして、ここに田中長官以下出席してもらいまして、どうなったかということをわれわれお聞きしたわけです。ところがそれがさつぱりわからない。だから田中長官は飛行機で行っても早急に調査をするということで、お約束によってその白羽の矢があなたに立ちましてあなたはやはり飛行機をもって調査に行かれたわけですね。その重要な調査に行かれたあなたが、三十年の十二月当時は一億円が住宅建設資金へいっておると思われる、しかしそれは住宅建設資金には使われていない、ここまで資料によって調査をされたわけですね。ところが今度は住宅協会の方の帳簿にはそれがないから、これは返ったものだと思う、そこが返っているか返っていないか、まだ第一相互銀行に、あのボロ銀行にあるんじゃないかという非常な不明な点がありますから、われわれは一億円の国民の税金の行方について、真相を確かめる、その真相を確かめにあなたは現地まで行かれたわけです。それを、預託金の預託をする責任者が知事である、その知事に対して、その知事が信用組合に預託しただけであるからその先はおれは知らぬ、そうしてはいはいと言ってあなたは何も聞かなかったのですか。住宅協会の理事長は知事がやっているんですよ。先は知らぬと言っても、先の責任者も土屋知事なのですよ。アルバイトの、ただ筆記するのではなくて、あなたも自治庁の調査官でいらっしゃるでしょう。自治庁が指導育成をするために、その調査にあなたは行かれた重要な任務を帯びておられるし、ことに決算委員会で財政上の重大問題についての調査に行かれたわけです。それを知事が、信用組合から先は自分は知らぬ、信用組合には預託の請求があって預託をしたんだ。しかしその預託の請求が、建築部長から預託の請求をしても、それが使われていなければやはりそこに疑問を持つから、そうは知事さんおっしゃるけれども、それはどうなんですかくらいは、やはりあなたは聞き返して、もう少し真相を確めなければならぬと私は思うのですが、知事の言うことは聞いて、私が今一番大事なことと思って聞いているのですが、その点については何も聞かなかった、こういうふうに私はとるわけですが、そう私がとってもあなたはそれでいいわけですか、その点をお聞きします。
○山本説明員 保管の責任は出納長にあるわけでございますが、その保管の状況がどうなっているかということが明らかになれば、私に命ぜられた調査の目的はその限りでは達せられるのだというように私は思ったわけです。
○坂本委員 では次に別なことを聞きます。あなたは調査に行かれまして調査された資料を飛行機で送られたと思うのですが、いつ、どういう方法で、何月何日の何時ごろ、どの飛行機で自治庁あてに送られましたか、その点をお開きしたい。
○加藤(精)政府委員 ちょっと待って……。
○坂本委員 政務次官と私語をしてもらっては困る。送らなければ送らないとはっきり言いなさい。
○山本説明員 私は知らないのです、実は。
○坂本委員 そうするとあなたは調査に行かれていろいろ調査された、その資料を飛行機で送ったことなんか知らぬとおっしゃるのですか。
○山本説明員 そうです。電話では内容を説明しましたが、必要な資料は私が持って帰ったのであります。
○坂本委員 それでけっこうです。 政務次官にお聞きしますが、当委員会で、山本調査官が資料を飛行機で送っておる、その飛行機がきょうの午後には着くはずだ、こういうことをおっしゃいまして、とうとうその日はこの委員会が流会になりました。山本調在官から飛行機で資料を送ってきましたかどうか、その点をお聞きします。
○加藤(精)政府委員 その飛行機で送ることになっていたのではないかと思いますが、それが何かの手違いで送らなかったのではないかと思います。その応答について、私は詳しく存じません。申しわけありませんが……。
○青野委員長 坂本委員、そこのところはもう少し明らかにしてください。
○加藤(精)政府委員 ただいま私の答えた通り飛行便で資料を送る予定だったのが、それよりも早く本人が復命に帰ることができることがわかったので、本人が直接持参したというのが真相のようでございます。ただいま関係者から、会計課長から承わりました。
○青野委員長 加藤政務次官に委員長からお尋ねしますが、ちょうどその委員会のときに政務次官は御出席になっておらなかったと記憶します。詳細は速記録を見ればわかりますが、そのとき私は委員長として運営の責任に当っておりました。たしか十時半から委員会が開かれたと思いますが、二時ごろには山本調査官から日航機に託送して、多分午後には着きますがという御答弁があったことを記憶するのです。それで開会から時間をにらみ合せながら、三時間ほどすでにたっておるがどうですかという質問を重ね重ね繰り返したのですが、結局委員会を散会しなければならぬとこう考えまして、私は本日はこれにて散会いたしますと言った。ところがその目になって調査官が日航機に託して、航空便で送らずに御自身が帰ってきたというように記憶しておるのですが、速記録を調べると、そのときに航空便で現地から資料は送ったのですから、それは午後には着きますと明瞭に御答弁になっているのですが、それを私はにらみ合せながら散会のところまで持っていって、もうこれはだめだ、きょうは着かない、着いてもそれをここの報告書として持ってくる時間がないだろう、こう思ったのです。その点はだれが御答弁になったか速記録を調べればすぐわかるのですが、現地と電話連絡をとって航空便で送ってないものを、決算委員会の公開の席上で送ったから午後には着くなんという、そういう根拠のないうそを言ってもらっちゃ困る。速記録を調べればわかる。私は明瞭に聞いているのです。そういう点についてははっきりあとでけじめをつけてもらいたいことを希望しておきます。
○坂本委員 ただいまの問題ですが、四月二日の議事録です。田中国務大臣はこう言っておられます。「二十八日に御質疑のありました福岡県庁に起った会計の経理に関する事件でありますが、その後電話をもって事件の概要を知ろうとしたのでありますが、どうも電話をもってしては完全に参りませんので、福岡県東京事務所の所長を呼びまして意見を聴取いたしましたが、これも事柄が明瞭となりません。よってその翌々日の三十日の朝の第一便の飛行機で山本調査官を派遣いたしまして、慎重に調査をなさしめております。ところが大へん調査が困難でありまするのは、御承知の通りすでに検察庁の手によって調査の対象となるべき文書の大部分が押収されておるという現状に置かれておりまして、調査は容易でないのであります。しかしながらいろいろ不眠不休の調査を遂げまして得たる調査の概要を昨日の夜の飛行便で、支書を福岡より発送したということの電話が昨夜あったわけであります。本日はもう午後早々にはどんなにおそくともその文書が到着するものと見て、荷主政府委員室から自治庁の本庁に問い合せをして待っておるという現状でございます。今のところまだ入手をいたしませんが、午後にはおそくとも入手ができる見通しでございます。なおその間において、文書は文書といたしまして、口頭で電話をもって問い合せ調査をいたしましたのは、ここにおります小林財政部長でございますから、そのいきさつは財政部長からあらためて御報告をいたします。と言って、飛行便は午後に着くということを田中長官が開会の冒頭に言っておられるのです。これを全部読む必要もありませんが、その後われわれはずいぶん待ちまして、午後の二時ごろには本庁にはまだ来ていないかというので、調査課長がわざわざここを退席したのです。そうしてその日はとうとう何の返答もなくて流会に終ったわけです。今聞きますと、山本調査官はそんなことは知らぬし、送ったこともないというのですが、さらに次官の今の御答弁を聞きますと、あとで、すぐ帰るから、持って帰るというふうにどうもあいまいなんですね。これはその次の委員会におきましても、田中長官の失言問題もありました。また山本調査官は欠席届を出して出てこない。呼びにやるといって、自動車で呼びにいって午後は来ると言って、とうとうその日も来なかったでしょう。だから私は大臣の出席を求めてそのいきさつをここで聞かなくてはやれぬと言ったけれども、政務次官の人格を私は尊重いたしまして、そのときはその場で過したことは、次官も御存じと思うのです。すべてがこういう調子だと思うのです。山本調査官は何の調査に行ったのです。少くとも当の責任者の知事に会って、その行方が大体わかっておるのに、そして何も質問もしていない。出した金が、帰ったからいいじゃないか、それじゃどろぼうしても見つからなければそのままうまいことをしておって、警察官にとっつかまってから、いやこれは返します、どろぼうした品物を返したからといって裁判所が無罪にしますか。断じて無罪にしませんよ。それと同じです。だから、やはり自治庁が——昔のように監督権はないにしても、やはり指導、監督上の問題があるわけです。山本調査官はその重大な調査員でしょう。その重大な任務を帯びて行きながら、そういうこともちっとも知らない。何のために飛行機賃に莫大な金を出して調査に行った必要がありますか。帰ってきても病気だと称して出てもこない。今出てきて、書類を送ったこともないと言う。はっきりしたじゃありませんか。もう少しまじめに、ほんとうに国会の審査に基いてやってもらいたい、われわれは憎まれ口を個人的に聞きたくないのです。しかしながら国民大衆を代表しておるのです。一億円の金の行方について財政上どうなっておるか、そういうことがないようにしなければならぬ。あった場合はやむを得ないじゃありませんか。それを自治庁が福岡県の県知事の弁護人みたいなことを言う必要はないと思うのです。公平無私に調査して、初めて私は自治庁の使命があると思うのです。そういう意味で、この調査にはやはり協力していただきたいと思うのです。
○加藤(精)政府委員 自治庁といたしましては、誠心誠意国会の調査に協力をいたしております。また山本調査官の調査が、福岡県の金庫銀行以外に預託いたしました歳計現金の関係の調査において何か不十分なようなお話がございますけれども、政府の行う調査といたしましては、十分な調査をいたしている。またたいがいの能力を持った調査官が調査いたしましても、山本調査官のような適当な調査は私はできないものだというふうに——長年出納、会計等、私もいろいろ掌理してきておりますが、そういう目から見ましてきわめて適当な調査だということを確信いたしております。ただ本件は単に自治庁だけの責任じゃございませんので、金融業務を所管します各省もございますし、また刑事事件となっておりますので、その方面を扱う行政との関係もございますので、自治庁だけで全部を調査し得るものではないのでございます。その点において国会におきましてある程度の御不満があることは、私も了承いたしております。それから山本調査官が病気のために種々御迷惑をおかけしましたことは、まことに申しわけなく思っておりますが、山本調査官を迎えに人を派遣しましたときに、行き違いに山本調査官が自分の既往症の再発をおそれまして、東京に診療を受けに参っておりましたので、行き違いがあったことは御承知の通りでございます。自治庁の方で山本調査官を特に隠しだていたしました事実はございません。いろいろ御不満もございますので、われわれもできるだけ皆様の御不満のない御協力の仕方をいたしたいと思っておりますが、種々そうした事情のあることも御了承いただきたいと思います。 ただいまの航空便による資料の送付の件でございますが、あるいは送付を命じたので、命ぜられた出先はそれに従って当然送るものだから、それで送ったというふうに誤認したのではないかと思われます。いずれにしましても、種々行き違いがあったことだろうと思いますので、恐縮いたしております。本件につきましては、私そのいきさつを存じなかったものでございますので、この点につきましては、役所に帰りまして、事情を十分調べまして委員長のところに御報告いたしたいと思います。何とぞ御了承をお願いいたします。
○坂本委員 私は飛行機に乗って、数日間を費して、たんのうな山本調査官が調査した、先ほど吉田委員が申されましたように、この点を明瞭にするために、調査官の神聖な調査をされた報告を書面で提出していただきたいと思います。さらにまたこの田中長官の三月二十六日の御発言に対しましては、次官から長官にお話し下さいましてこの点はこの委員会においてはっきりした御答弁を願いたいと思います。 私はなおさらにいろいろと聞きたいのでありますが、山本調査官の今までのような御答弁では、調査に行った調査員の報告としてはなっていない、私はかように考えます。従って調査官が書面を本委員会に提出され、その上であらためて御質問をすることにいたしまして、私は本日はこれで留保いたします。
○青野委員長 坂本委員にちょっと申し上げます。間もなく暫時休憩いたしますが、山本説明員には気の毒でありますが、大蔵省から検査官の河野慶一君も来ておられるので、全購連の問題をちょっとその前にもう一ぺん続開したいと思います。その問題についてお残りを願いたいと考えております。その点一つ引き続き御質疑をやっていただくことにいたします。 それから坂本委員から自治庁当局に対して資料の要求がありました点は、加藤政務次官まで私からも希望しておきますから、一つ早急に御提出を願いたい。 それから最後に一点だけ山本説明員、あるいは会計参事官の石渡氏は来ておられますね。どちらでもいいが、お知りになっておれば御答弁を願いたい。委員長から質問しておきます。この調査報告の簡単な文書の中に昭和三十二年三月末現在として西日本相互銀行、福岡相互銀行に同じく五千万円ずつ預託されておりまするが、西日本相互銀行の備考欄には住宅協会上地購入資金貸付金と出ております。私はこれが間違いはないかということをお尋ねいたしますが、その点についてこれは間違いがあるのかないのか。これは調査をした正確な数字でありますという点を一つ明瞭にしておいていただきたい。十二ページの、四行目です。
○山本説明員 私から申し上げます。まことに申しわけないのでございますが、住宅協会の土地購入資金の七千三百万円と右側の二千万円を合せたものが九千三百万円で、信用組合の預託金の内訳のつもりで書いたわけでございます。大ガッコを落しましてまことに恐縮でございます。
○青野委員長 そうすると、もう一ぺん質問しますが、住宅協会土地購入資金貸付金というのは西日本相互銀行の関係じゃないのですね。
○山本説明員 さようでございます。
○青野委員長 そうすると西日本相方銀行五千万、福岡相互銀行五千万、昭和三十二年三月末現在、これは間違いないですね。
○山本説明員 これは間違いないと弔います。
○青野委員長 これはあとで大きな問題になる数字ですから御確認をしていただいたのです。
○坂本委員 大蔵省の方にちょっとお聞きしたいのですが、先般第一相互からの返還金として三十二年の二月一日に二千万円返っておる。その後三月二十日ですか八千万円返っているという御答弁を聞いたのですが、これはわれわれが調査するとどうも違うようです。前の速記録もありますけれども、その八千万円の返還について、この間のあれとは大いに違うと思いますから、もし違っているようだったらその点をもっと詳しくあらためてお聞きいたします。
○東條政府委員 私ども調査いたしました結果では二月の一日に二千万円、三月の二十三日に八千万円、合せまして一億円の預金を第一相互銀行から福岡県庁信用組合に預金の払い戻しをしたという事実は先刻申し上げた通りであります。
○坂本委員 そこで重ねてお聞きしますが、三月二十三日に八千万円の預金の払い戻しがなされておりますが、この八千万円の金がどうしてできたか、その点について調査されておるかどうか、それをお聞きしたい。
○東條政府委員 三月の二十三百に払い戻しました八千万円の資金の源の問題でございまするが、これは銀行の資金でございますから、非常に卑近なことを申し上げて恐縮でございますが、金に糸目があるわけではありませんので、どの金がどうということは申し上げかねますが、両行の話し合いのもとでこの預金の解約をいたしまして八千万円戻したということであります。 ただここで、私どもがその後調査いたしました結果の事実関係といたしまして御報告申し上げたいと思いまするのは、第一相互銀行の島崎社長が、この福岡県庁信用組合への預金の払い戻しをいたさなければならないという事態になりましたので、第一相互銀行としての資金繰りを便宜ならしめる意味におきまして、三月の六日前後に島崎社長が福岡へ参りまして、西日本相互銀行、福岡相互銀行の理事者と相談をいたしましてこういう次第であるので、何とかこの第一相互銀行に預金をしてもらいたいという相談をいたしました結果、第一相互銀行へ西日本から三月の二十二日に四千万円、福岡相互銀行から同じく三月の二十二日に三千万円、合せまして七千万円の三ヵ月の定期預金が両行から第一相互になされておるということが事実ございます。そこで先ほど申し上げましたように金に糸目はないわけでありますが、社長がそういうことで資金繰りにいろいろ相談をいたしました結果、今申し上げました七千万円のいわば預金があったわけでありますので、この福岡県庁信用組合に対する八千万円の払い戻しをなすための資金繰りといたしましては相当の便宜があったであろう、これは金融のいわば常識として印される、こういうのであります。
○坂本委員 局長はこの資金繰りのことはいつお聞きになりましたか。
○東條政府委員 実は先般西日本相互銀行と福岡相互銀行から預け金を第一相互銀行にしておるという新聞記事がたしか四月の十五口だったと思いますが出ましたので——あるいは不正確でございましたら後刻訂正いたさねばなりませんが、その新聞記事を見ましたので、私どもは第一相互銀行から事情を聞き、引き続き西日本、福岡相互銀行から事情を聴取した、かようなことでございます。
○坂本委員 もっと詳しく、西日本相互銀行から四千万円の三ヵ月の預金をしたのは、福岡県庁から五千万円の預託をしたから西日本相互銀行から四千万円を第一相互に貸した、それから福岡相互銀行に福岡県庁から四千万円の預託をした、それで三千万円を第一相互に貸した、こういうことはお聞きになりませんでしたか。
○東條政府委員 私どもが事情を聴取いたしましたところでは、今申し上げましたように三月六日ごろに第一相互銀行の島崎社長が資金繰りの関係を説明をいたしまして、西日本相互と福岡相互に対して協力を求めたということでありまして今お話のごとく福岡県から西日本あるいは福岡相互に預けられました金と、いわば直接の因果関係があるかどうかという点につきましては、私どもの調査の結果ではそういう事実関係はむしろないのだというふうな説明をただいま受けております。ただ事実関係といたしまして申し上げておかなければならぬと思いますのは、今御質問のございましたように、西日本相互銀行は三月の十六日に五千万、福岡相互銀行は同じく三月の十六日に四千万、これはやはり三ヵ月の定期でもって中小企業の金融のためのという目的でもってそれぞれ預託を県から受けておるという事実はございますが、今まで調査いたしました結果では、相互の間の因果関係というものはむしろないというふうに銀行の当局者から聞いております。
○坂本委員 あなたから因果関係のことを私聞いているわけではない。事実をお聞きしておる。しかしこれはいかにもそういうことをあなたの方から言われるのはおかしいと思う。これは国民がこの決算委員会の調査を聞いて判断すると思うのです。三月の十六日はもう福岡県のこの一億円の問題で相当捜査の手が伸びていたと私は思う。そうして三月の二十三日に返しておる。その返すのに、しかも中小企業の金融の目的なんて言っても、福岡県庁から三月十六日に五千万円預託をして、それから四千万円を相互銀行に三ヵ月貸している。四千万円福岡相互銀行は預託を受けて、三千万円を第一相互に貸している。これはだれが見ても——八千万円第一相互は福岡県庁に返したといっても、なにその裏には九千万円また預託している、ただあれは西日本相互と福岡相互に肩がわりをやっているのではないかと国民は思います。 そこでお聞きしたいのは、第一相互については——私は銀行の関係は詳しくわかりませんが、大蔵省の方でも問題になりました、先般からいろいろお聞きしました二十数億円の不良の問題も出ておりますから、これは十分な検査をして監督をしておられると思うのですが、第一相互銀行に対する大蔵省の監督その他はどういうふうにして行われておるか、その点をお聞きしたいと思います。
○東條政府委員 第一相互銀行の再建計画ができまして、同業の金融機関あるいは関係の金融機関等から、その再建計画を実施していくのに必要な資金的の援助を実施されたわけでございます。従いまして、私どもといたしましてはそういう意味で第一相互銀行の再建計画が全体として軌道に乗っているかどうか、全体の状況はどうなっているかということにつきまして時々報告も聞き、また必要に応じては銀行から説明を聴取するということまでいたしておりますが、現在におきましてはむしろ全般的な再建計画と実績との関係、あるいはその後の実施状況という全般的経営の状況をいわば見ており、そうしてそういう指導をしておるということでございまして、その後三十一年の六月以降は別段個別的な検査もしておらないというのが実情でございます。
○青野委員長 午後は本件に関する残余の質疑を済ませ、そのあとで全購連に関する補助金の経理問題について調査を進める予定であります。 この際暫時休憩いたします。 午後一時十三分休憩 ————◇————— 午後二時四十一分開議
○青野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 発言を求められておりますのでこれを許します。加藤政務次官。
○加藤(精)政府委員 先ほど坂本委員との質疑応答の中にございましたのでございますが、自治庁で、福岡県庁の出納保管事件に関しまして出張いたしておりました出先からの報告が相当時間を要しましたために、決算委員会の御審議がまた非常に急がれておられましたために、自治庁の力で中間的に調査資料を飛行便で送らせることを計画いたしまして、その旨を委員会に御報告しておったのでございます。その関係で、本委員会がその資料を待つというような形になって流会されたことがございますが、その際大臣が本委員会に飛行便の調査資料の到達等に関しまして申し上げました点につきまして、過般本委員会におきまして問題になったようでございますが、そのいきさつを調査いたしましたところ、その間にまことに申しわけのない手違いがございまして、委員会に御迷惑を及ぼしたのでございまして自治庁側としてはまことに申しわけなく思っております。事情を事実ありのままに財政部長から御報告申し上げましておわび申し上げる次第でございます。
○小林(與)政府委員 これは二日の日に当委員会があるということがわれわれの方にも連絡がございましたので、すみやかに資料を提出しなければ申しわけない、こういうので、再三電話をかけたのでございますが、正式の報告は出しにくい、こういうので、せめて当委員会の御要求の信用組合の定款や決算書類、これはきわめて明瞭でわかり切ったものでございますから、それを委員会に間に合うように必ず飛行便で送れ、こういうことで一方連絡し、それからもう一つ山本調査官から一応電話報告でできるだけのことを聞いて、これを御報告申し上げることがよかろうというので、月曜日中にいろいろ手当いたしまして月曜日の日にそのよしを向うへ連絡したのでございます。そうして向うの県庁の、これは人もわかっておりますが、課長、責任者に、必ずこれとこれとは飛行便で送って間に合うようにしろということを私の方の関係富の者が申し渡しましてそうして向うも必ず第一便で送るという連絡がありました。それからあとは山本調官の方から直接一日夜おそくでございましたが、一応電話で連絡があり、とりまとめたものでございます。そこでわれわれといたしましては、当然昂一便で送るという前提で、実は大臣からもその趣旨のことを御報告申し上げて、電話連絡の次第は私から御連絡申し上げたのでございます。それが当然に航空便が着くころ着くものと心待ちにしておったのでございますが、内の通りなかなかつかず私ども非常に焦慮しておったのでございます。それでどうしてもなかなかわかりませんので、重ねて自治庁の方から福岡県庁の方に電話をかけさせたのでございます。そうしたら、それは火曜日の時間は夕刻近くになっておりましたが、向うでは第一便に送る予定にしておったのがどうしても間に合わなくて、それからもう一つは、山本調査官も、われわれとしては一応早く帰って報告を聞いた方がよかろう、こういう気持がありましたので、山本調査官が当日第四便にて立つことになったので、資料は全部山本調査官に渡したという事実がその日の夕刻判明いたしたのでございます。そのころはもちろんこの委員会も終了になっておりました。そういうのが事情でございまして、大臣の方から御報告申し上げました言葉づかいに、私は多少の行き違いがあったのじゃないかと存じます。その点は一つよろしくお許しを願いたいと存じております。事実は以上の通りでございます。
○青野委員長 それでは引き続き質疑を行います。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 政務次官にお尋ねいたしますが、山本調査官を派遣するに当りまして、いろいろな調査の項目等を指示命令したのは一体自治庁のどなたですか。
○加藤(精)政府委員 自治庁の鈴木次長から、事務的なことでございますので指示をいたしております。
○淡谷委員 鈴木次長はきょうは見えてないのですね。
○加藤(精)政府委員 きょう国会の建物内部にはおりますけれども、政府委員になっておりませんものですから、出ておらないわけであります。
○淡谷委員 山本調査官の出発に当りましてどういう点を調査するように言いつかったか、お話を願いたいと思います。
○山本説明員 金庫銀行以外の金融機関に対する預託制度の実際の運営状況を調査してこい、そういう命令でございました。
○淡谷委員 あなたが向うに滞在したのは何日から何日までですか。
○山本説明員 三十一日の晩から四月一月、それから二日の四便で帰る、こういう経過でございます。
○淡谷委員 その際福岡県庁から西日本相互銀行に五千万円、福岡相互銀行に四千万円の預託があった事実はお調べになりましたか。
○山本説明員 それは調べまして、確かにそういう預託が行われております。
○淡谷委員 その預託をしましたのが、果して中小企業等のために使われたかどうか、確認されましたかどうか。
○山本説明員 この預託は出納長の発議のものでございまして、趣旨は中小企業ということだったと思いますが、預託先でそれが具体的にどう使われたかということは調べておらないわけでございます。
○淡谷委員 この問題の発生は、住宅協会に土地購入資金として出されました一億円が回り回って第一相互へいっておった。ここから不祥事件が突発しておる。この調査に行ったあなたが、また同じようなケースで回っておるこの九千万円という金が、行方がどうなったかということについて一つ疑点を持たなかったですか。
○山本説明員 いろいろ昔からのことを調べてみますと、西日本相互、福岡相互には従来からもそういう預託が行われておるわけでございます。一般にこういう銀行に対する預託の運用状況はおおむね良好になっておるのでございます。手続等も一般的にきちんと行われたのだろうというような感じがいたしたものですから、通常の中小企業に対する融資であろうというように考えまして、立ち入った捜査はいたしておらないわけでございます。
○淡谷委員 どうもその点、私は若干遺憾の点があると思うのです。 そこで銀行局長にお伺いしたいのですが、第一相互が三月の半ばから三月の終りまで一体どういう業態であったのか、その以前の業態と大きな変化があったかどうか、それを少し詳しく御説明願いたいと思います。第一相互が非常に悪くなったということを聞きましたが、あなたのさっきのお話では、若干各銀行から資金の援助等がありまして再建する見込みが立たれたように私は伺いましたが、その点を少し詳しく御説明願いたい。
○東條政府委員 お尋ねはことしの二月、三月ごろの士尋ねと承わりましたが、第一相互銀行につきましては、昨年つまり三十一年の六月の検査に基きまして、八月から九月にかけまして、第一相互銀行の再建計画というものを一応立てまして同業の金融機関あるいは第一相互と特別の関係にあります金融機関等から資金の援助を受けまして、自後順調に再建計画は軌道に乗っておるというふうに考えております。ただし先ほども申し上げましたように、もともと昨年の夏以降第一相互銀行に比較的資金が潤沢にあるというわけには参りませんので、再建計画に基きまして、関係の金融機関から資金の援助も受けるし、自分でもできるだけ新しい契約等をとりまして、業務の発展をはかっておるというのが現状でございます。従いまして、そういう状況に基きましていろいろ資金の調達あるいは業務の発展には努力をいたして参って、もちろんその間非常な努力が要るわけでございますが、特に御指摘のごとく、ことしの二、三月のころになって資金繰りが窮迫したとか、そういうような事実はない、再建計画といたしましては、いろいろ問題はございますが、順調に推移いたしておる、かような状況でございます。
○淡谷委員 この銀行は、預金の払い出しを一時やめるとか、あるいはその他の業務を休まなければならないというような窮境に立ったことはございませんか。
○東條政府委員 第一相互銀行が、約二十三億円のいわゆる典型的な導入預金の受け入れがあったわけでありますが、そういう典型的な導入預金の払い戻しをその全額についていたすということは、ただいま申し上げました再建計画の上から見ましても、はなはだ困難な事情がある。また大勢の預金者あるいは掛金者のことを考えますと、第一相互銀行というものはどうしても再建せしめたいという要望から、そういう典型的な導入預金の預金者との間には話上合いをさせまして導入預金を、期限が参りましても一度に払い戻すというここはなくて、一部は現金で払い戻す、残部については年賦払いにしてもらいたいという話し合いを、この典型的な導入預金につきましては、銀行の当事者といたしましてもいたしましたし、私どももそういう方法によるほか再建の道はないであろうということで、認めて参ったわけでありまするが、ほかの一般の預金あるいは貸し出し等につきましては、今御指摘のように業務停止をやったとか、そういうような事実はございません。
○淡谷委員 この二十三億円の導入預金、これは現在のところ全部完済されておりますか。
○東條政府委員 二十三億のうち非常に多くの部分——もし間違っておればあとで計数を訂正しなければなりませんが、約四億円くらいの分につきましてはまだ話し合いがまとまっておりません。あるいは期限もきておらぬということで、いわゆる再建計画に基く導入預金の延べ払いと申しますか、そういう話し合いがついてなかったと記憶いたしております。あとの大部分につきましては、先ほど申し上げましたように、一部は現金で払い戻す、残余につきましては年賦払いをいたすという話し合いがつきまして、私どもといたしましては、再建計画は軌道に乗っておる、かように聞いておるわけであります。
○淡谷委員 私は、話し合いがついたかつかないかより、二十三億円という導入預金のうちどれくらいが返済されておるか、この点です。これは年賦あるいは月賦にしたのもあるでしょうが、実際においてどれくらい払い戻しされておるか。
○東條政府委員 総額二十三億円ございます。それで全部が話し合いがついたといたしますと、そのうちの三割は現金で払い戻します。あとは二つの方法がありまして、一定の据え置き期間、三年間待ってもらって七年で分割をするという方法と、十年均等償還、こういう方法と、これは若干金利の条件その他の違いがございますが、そういう選択権を預金者に認めたということでございます。従いまして端的に申し上げますと、三割については話し合いがつけば預金の払い戻しが即金で行われる、かようなことであります。
○淡谷委員 福岡信用組合の一億円はこの中に入っておりますか。
○東條政府委員 典型的な導入預金でございませんので、二十三億の中に入っておりません。
○淡谷委員 福岡の県庁の公金流用について、あなたの耳に入ったのは一体いつでございますか。ああいう事件が起りそうだ、あるいは起ったということをあなたが実際知ったのはいつごろです。
○東條政府委員 福岡県庁信用組合から第一相互銀行に通知預金があるという事実は、昨年二月の検査のときにわかりました。しかしながらいわゆる問題になっておりまするような、こういう事実関係がある預金であるというこの事実は、実は私どもといたしましては、日取りははっきり覚えませんが、新聞等にこの事件が出まして問題になるまでわからなかったというのが事実でございます。
○淡谷委員 あなたの方から現地へ検査官が派遣されているはずですが、そういう事実が何かありましたか。
○東條政府委員 第一相互銀行の本店は東京にございます。第一相互銀行の検査はもちろん私どもから検査官が出てやりましたが、福岡へ別に私どもの本省の方から関係官を派遣したという事実はございません。
○淡谷委員 さっき坂本委員からいろいろあなたにお尋ねしたのですが、この一億円の金が返済された日というのは、二千万円が本年の二月の一日、八千万円が三月二十三日、あなたの御答弁によりましてわかった事実ですが、第一相互銀行の島崎社長が資金繰りのために福岡へ出向いていって、西日本と福岡の両相互銀行に対して融資方を懇請したのが三月六日、この目付に御注意願いたいと思う。そうして福岡の県庁が、この島崎社長が交渉をしました両相互銀行に対してまた資金を回しましたのが三月十六日、これはしろうとでも疑わしいと思う。あなたはその道の練達者です。少くとも銀行の監督指導に当られるあなたが、こういう微妙な関係を少しも危ぶまないということはどうも了解ができないのですが、その点はどうなっておりますか。
○東條政府委員 四月の十五日の新聞では、西日本相互銀行と福岡相互銀行の預金の授受がある。授受と申しますのは、県庁からは三ヵ月の定期預金の契約をいたしております。また同じ金額ではございませんが、第一相互銀行にも三ヵ月の定期預金が入っておるという事実を承知いたしましたので、私といたしましては、第一相互銀行と西日本相互銀行及び福岡相互銀行から、この間の事情を聞き取ったわけであります。けさ申し上げましたのは、これらの銀行から私どもといたしまして聴取いたしましたこと、事実をそのまま実は申し上げた方がよろしいと思いまして開き取りました事実をそのまま申し上げておるというのが実情であります。
○淡谷委員 どうもあなたの方のお調べはいつでも事実のあとを回っておるようですが、最近金融機関をめぐりますさまざまな不正事件あるいはその他まことに好ましからざる事件が頻発をしております。今後も当委員会としてやらなければならない問題がたくさんあるようですが、やはりあなたのような役目を持った人は、もう少し真剣になっていただけないものでしょうか。この同じケースが西日本と福岡相互にまた起ってきそうなんですが、中小企業には回っていないらしい。あなたはさっき金に糸目はないと申しますが、私は糸目があると思うのです。日時におきましても関係におきましても糸目があると見られた方が正しいと思う。それをしいて糸目がないと見られるあなたの感度というものは、今後続出するこの種事件に対して全然目をつぶるというような感じが持たれるのですが、これは好ましくないと私は思う。こういう疑わしいケースに対しては、もう一歩突っ込んで御調査をなさるかどうか、その点はどうですか。
○東條政府委員 私はこの問題につきましては、ただいままでは金融機関から事実を聞いたままを御報告いたしておるわけでありますが、おはり大蔵省として事実をよく調べてみたい、こういう点もございますし、金融機関は申すまでもなく公共性を使命とするものでありますから、その立場に恥じないようなことは監督官庁としてしなければならぬ、こう思っております。
○淡谷委員 そこで私はこの際あなたにはっきり要望申し上げたいのですが、この問題をもう少し突っ込んではっきり御調査下さい。そうして資料を御提出願いたい。両相互銀行が中小企業関係のものにどれだけ金を出しておるか、これが一項。もう一つは、福岡県庁がこの両相互銀行にも従来このケースがあったと申しますが、それを長いことは申しませんが、二年くらいさかのぼってお調べ願いたい。同時に第一相互がこの両相互銀行に持った債務がいつごろ弁済されるのか、この見込み等も一応ただしてもらいたい。これは普通の融通と違うと見ておる。これは私の見方であります。その点を一応お確かめ願いたい。資料に基いてまたあらためて御質問することがあると思います。
○東條政府委員 御趣旨に沿いましてできるだけ資料を調製いたしまして、提出いたします。
○青野委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 河野検査官にお伺いしたいのでございますが、あなたは第一相互へ三十一年の二月と三十一年六月に何人かの庁員を連れて検査に行かれましたか。
○河野(慶)説明員 お答えいたします。私が検査に参りましたのは、三十一年の二月二十七日の検査ではなくて、その次の六月十八日以降の検査でございます。
○吉田(賢)委員 そのときあなたは検査の主任であって、何人かの部下を同行しましたが、その人数及び検査の日数、場所をお述べ下さい。
○河野(慶)説明員 検査官は私外五名でございます。それから検査に参りました日は、六月十八日から最終は七月の七日と記憶しております。約二週間であります。
○吉田(賢)委員 あなたはこの主任であったわけですね。
○河野(慶)説明員 主任検査官を拝命して参りました。
○吉田(賢)委員 行って何を調べましたか。
○河野(慶)説明員 主任検査官に与えられた仕事といたしましては、私を中心としました補佐官五名と十分緊密な連絡をとりまして、各五名の同道いたしました検査官に分担をきめまして、そして私は主としてそれら各分担検査官からいろいろ聞きましたことを総合し、統轄するという任に当りました。
○吉田(賢)委員 二週間の間に六人の方、しかしてみないずれも検査についてはたんのうな専門家ぞろいである。ことに監督官庁である大蔵省から出張せられて、よほど重要な検査でなければならぬと思うのであります。要するにこの検査のねらいは、一口に言えば何が検査の大きな趣旨であったのでございますか。
○河野(慶)説明員 第一回目の二月二十七日に行いました検査は、定例的な検査としての詳細な検査を実行したのでございます。その二月二十七日からそう期間がたっていないわけでございますので、第二回の検査としましては、詳細に行いました第一回の検査の補完的な検査を行なったわけであります。
○吉田(賢)委員 ちょっと聞えにくかったのですが、もうちょっと大きな声で言って下さい。そうすると第一回の同年二月の検査は定例的な検査であった、それからあまり日がたっておらぬけれども、六月にはどういう趣旨だったのですか。ちょっと聞えにくかったのですが……。
○河野(慶)説明員 第一回品の二月二十七日の検査において、相手方の説明等があるいは証憑書類等が検査官の納得がいくには必ずしも十分でなかった。その意味において第二回目の検査については補完的な検査を行なって、それによって完全な、一応検査官としてできるだけの検査を実行して参ったわけであります。
○吉田(賢)委員 説明はおもにだれの説明を聞きましたか。及び帳簿は膨大なものにわたっておると思うのだが、導入並びに貸付の帳簿の調査をしましたか。
○河野(慶)説明員 膨大な、検査の対象となる資料でございますので、貸付につきましてはもちろん担当の役席以上の人の意見を十分に徴しました。それから銀行の諸帳簿、特に証憑関係の書類についてもつぶさに点検いたしました。それから検査の行き方といたしまして貸付について今申し上げたのですが、書き抜き表等も必要な範囲についてとったわけであります。預金関係につきましては、導入預金等については御承知の通り非常に口数が多いのでございまして、これは一つ一つ書き抜くということは、当時の第一相互銀行の状況から申しましてほとんど不可能なような状態でございましたので、主として銀行に備え付けてございましたそれら関係の預金カードを直接に私どもが立ち会って、責任ある担当者と組んで、これが導入である、これが非導入であるという鑑別をいたして、ここに決定をいたした。従いまして、第一回目にやりました徴求書類等を繰り返してとるようなことはなるべく避けて状況に即した、しかも最も補完的な検査として効果があるような検査をいたした次第でございます。
○吉田(賢)委員 実際しろうとくさいことを聞いて悪いですけれども、導入というようなことはいつごろから行われるようになったのですか。
○河野(慶)説明員 私の記憶では二十九年ごろから始まったと記憶しております。
○吉田(賢)委員 導入預金としからざる正規の預金との割合はどのくらいの比率になったものでしょうか。それで大体あなたの数字といたしましては当時、最近の数字の総計はどのくらいになっておりましたか。これはいかがです。
○河野(慶)説明員 私が参りました六月十八日現在のバランス・シートから見ますと、預金が三十三億と記憶しております。そのうち二十三億が導入でございますので、残りの十億が導入にあらざる預金だと記憶しております。
○吉田(賢)委員 その導入預金の二十三億というのは、地域的に見れば東京都内以外のものはどのくらいの割合になったという御判断でございましたか。
○河野(慶)説明員 だいぶ前の検査だったものですから……。
○吉田(賢)委員 大体御記憶のところでけっこうです。
○河野(慶)説明員 はっきり責任を持って御返事ができないのは残念と思います。
○吉田(賢)委員 導入と導入にあらざるものとの区別は、何か抽象的、観念的にはできておっても具体的にこの判別をしていくのは非常に困難であろうと思います。たとえば十億と二十三億を判別していくのは、これは銀行の当事者の説明によってあなたの方は了承せられたのか、それともこちらからさらに調査の結果変更したものもあったかどうか。これはどうですか。
○河野(慶)説明員 御質問の点ごもっともだと思います。検査官がいきなり定期預金のカードを見ましても、これが導入であるか導入でないかという判断は、御承知の通りほとんどできないわけでございます。しかしながら第一相互銀行の場合には、特殊の預金でございますので、担当者が特定のごく少数に限られておりました。しかもそのカードにはその特定の人だけしかわからないようなしるしと申しますか、マークがあるわけでございます。マークのあるものとないものとの区別その他、個々に定期預金のカードを私どもチェックをしまして区分をして、また御承知の通り導入預金であれば当然裏利とかそういうような問題が関連を持って参りますので、そういった裏づけ的なものを聞きながら判断したわけでございます。
○吉田(賢)委員 どうもわかったようなわからないようなことでありますが、当時の導入預金の担当重役はだれですか。
○河野(慶)説明員 今の御質問は銀行の担当者ということでございますか。
○吉田(賢)委員 そうです。
○河野(慶)説明員 名前を申し上げるのは、ちょっと差し控えたいのでございますが……。
○吉田(賢)委員 そんなことは、もうこちらで明らかにしつつありますので、遠慮なしに言ってもらいたい。とかく銀行局の皆さんは、この第一相互銀行の利害関係者等について、ことに導入もしくは貸付等について人間の名前を言うことを非常に嫌悪しておられる。そういうことのために調査が進まぬのです。今の担当重役の名前ぐらいなものをあなたの方が言わないというようなことはもってのほかなんです。法務省から出した資料なんかにも出ておるのでありまして、起訴されておる人もあるのであります。明確になっておるのです。そういうこともありますので、少しも遠慮をしないでもっとおっしゃってもらいたい。あまりあなた御自身の判断が加わり過ぎて、そうして意見によって事実を明らかに言わないということになりますと、私どもはいろいろな手で調べるほか方法がなくなってくるのです。そういう簡単な事項までいろいろと顧慮せられることなく、一つはっきりと言ってもらいたい。
○河野(慶)説明員 名前をはっきり申せというお話でございますので、すでに司直の手にあげられておることで御承知だと思いますが、渡部前常務等が主になっております。
○吉田(賢)委員 そこで当時の事情は、当時の渡部取締役が責任を持って説明をし、もしくは説明をさした、こういうことになるのですか。
○河野(慶)説明員 もちろん渡部常務とつながる一連の特定の人がおるわけでございますが、それらの直接担当がゆだねられている下部の人ばかりでなく、常務についても疑問の点は十分確認いたしたつもりであります。
○吉田(賢)委員 導入預金が福岡県から入っておるかどうか——福岡県の県庁信用組合名義で一億円の預金があったということは、導入預金であったかいなやは一応別としましてあなたはそれを発見しましたかしませんか。
○河野(慶)説明員 六百十八日現在で一億円の福岡県庁信用組合の預金があったことは、私が検査に参ったとき、その事実は確認しておりますが、ただそれは、先ほどもお話がありましたように、単なるインター・バンクの預金であるという意味において確認したということであります。それと同時に、それが導入預金であったかという点につきましては、私はその当時の状態から判断して、これは導入預金ではないと判断いたしました。
○吉田(賢)委員 あなたは一体大蔵省のこういう検査は何年ほどやっておられるのですか。
○河野(慶)説明員 本省に参りましてから三年、財務局に参りましてから約三、四年やりました。合計七年くらい検査をいたしております。
○吉田(賢)委員 長いことこの道にいてあなたも練達の人でありながら、九州の福岡の県庁の信用組合から一億円という金が——少くとも当時は、資金関係においても、もしくは営業の状況におきましても非常に問題化しておりました第一相互であります。こういう銀行ヘ県庁の信用組合から一億円預金されておるということに、あなたは不思議を感じなかったでしょうか。
○河野(慶)説明員 検査に参りましたその当時の判断からいたしますれば、私非常に能力がなかったかと思うのですが、県庁信用融合の事業ボリュームというような点から判断して、その預金を見るという見方はいたしませんでした、
○吉田(賢)委員 あなたは、当時の第一相互が営業において非常に困難をし、もしくは導入預金がそうでない預金に比較して倍額以上になっておる、こういう実情にもかんがみまして、かりにも県庁内の信用組合の性質、組織、使命ないしは資金関係がどのようなものであるということは御承知であります。しかもあなたは、営業区域は東京、支店は九州にはない、本店、支店合せて二行でありますか、特殊な形態を持っておる第一相互銀行、こういうところへ一億円も、すでに年を越して七ヵ月間も預金がされておることに不思議を感じなかったということが実に不思議なんです。それもきのうやきょうのしろうとが調査するのならいざ知らず、特殊な使命を持って、五人の練達な部下を引き連れてあなたは二週間もかかって調査をやっておる。その検査の結果不思議を感じなかったということをわれわれは奇異に思うのであります。要するにその辺は別の意図があってなるべくそういう問題に触れないように、格好だけ調査しておけばいいというようなことがあなたの方では一つの使命となっておったのじゃないですか、もしくは上司からそういう命でも受けておったのじゃないですか、何かそういう意図があなたにあったのじゃないですか、もしそうでなく、高い常識と経験をもってするならば、勘だけでもこれはおかしいと思わなければならぬ、問い合せなくちゃならぬ、上司に報告しなくちゃならぬ、一応何らかのマークをつけてその問題を問題としなければならぬと私は思うのであります。ところが全然そういうことを感じない、導入預金でないと判断いたしましたというのは一体どういうことなんです。実に不思議なんですよ。だからそこはあなたの怠慢でなければ何らかの意図があったのかどうか、それを聞きたい。
○河野(慶)説明員 何らか意図があったのではないかというただいまのお話でございましたが、そのような不純な意図はごうまつもございません。御承知の通り、第一相互銀行の六月十八日現在という時点を中心としてその状況を申しますと、資金繰りが極端に窮迫しております。そしてほとんど私どもが検査に参りましても事実上検査ができるのだろうか、職員の上も下も動揺している最中でございます。しかし重要な再建計画と関連したこの検査という任務を私どもは体しまして、ただいま申されましたような誤解もあるいはされるかもしれませんが、どこまでも適正な、まず再建には資産内容の的確な把握であるという点に、第一回目の検査において非常なうそ八百を申されて検査官を誤らせたような、そういう事実関係を十分に調査して、何としても再建に必要な資産内容の確否を確定しなくてはならぬ、そういうところに重点を置いたのでございます。従いまして何百日、何千口という預金口座を、一々その頭金がどういう預金者から集められた預金であるかというような性質まで——私ともの努力が至らなかったのかもしれませんが、尽し得なかったところは私はあると思います。しかし少くとも導入預金であるかどうか、こういう割り切った線だけはできるだけ私たちは努力して、与えられた期間にやらなければならないということで努力したつもりでございまして毛頭いいかげんな検査をしたというような悪意あるいは作為というようなものはないというふうに私は信じておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 しかし少くとも信用組合が、一億円の金を、瀕死の状態に陥り、再建をしなければならぬその銀行に七ヵ月間も預けておるということに不思議を抱かぬということが私は不思議だと言うのです。あなたにはそれが目につかなかったというなら別です。一通り見たと言うのだから、日日にはついた、けれども不一議には思わない、導入にあらざる預金であるという判断をいたしましたと言うのだから不思議に思う。何らかの意図があったのではないか。これが何ら問題が起らなかったらこうも言えないのです。けれども事実大へんな問題化しておる。しかも二月に調べてうそ八百の説明を聞いて帰ってきて、その次に多数引率してまた重要な調査をやった、こういうようなときでありますから、一そう責任は重くなければならぬ。最初の二の舞を踏んではいかぬということは今お述べになった通りで、それはごもっともです。それならば紙背に徹する注意をもって調査すべきである。一応これは注意して、これはどういうことだということでやらなければならぬ。銀行局長、こういうことについては一体あなたの方は報告を受けて何にも感じなかったのですか。
○東條政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、六月の検査は導入預金であるかどうかという、つまり鑑別に主体を置きまして、そして導入預金の大体の金額の見通しをつける、それに対する処理方策をどうするかということに実は重点を置いた検査をやったわけであります。 それで、これは今河野検査官からも申し上げ、その点私からもまた釈明を申し上げなければならぬのでありますが、相手方が金融機関であるところのいわゆるインター・バンクの取引であるという場合におきましては、導入預金でない。しかも見合い貸付ということも、その大部分は児合い貸付になっておらないという事実も、はっきりいたしておりますから、これは導入預金でないという、つまりそういう事実関係の認定に努力を置いたということが主でございまして、従いましてこれはおしかりは私も受けますけれども、導入預金でない。しからば導入預金でないものの取引の利手方の実態はどうであるかというところまでは、実ははなはだうかつかもわかりませんが、われわれの検査の手がそこまでは及ばなかったというのが、六月の検査の実情でございます。くどく申し上げましたが、導入預金であるかどうかという認定、それからそれの見合いになっておる貸付の状況はどうなっておるかという事実を把握する。従って資産、負債の両面にわたって再建計画を立てるのに、一体どうやったらいいだろうかという点に重点を置いたわけであります。従ってインター・バンクの取引がありました場合に、相手方の信用力というところまでは、十二分に実は調べなかったというのが実情でございます。
○坂本委員 いろいろお話がありましたが、六月十八日現在で福岡の信用組合から預金のあったことは確認した。しかしこれは導入預金ではないとおっしゃる。どうい点で導入預金ではないと判断されたか、それをお聞きしたい。
○河野(慶)説明員 資金の典型的なレートがインター・バンクのレートで、これは導入預金でない。単純なる金融機関相互間の預金である、かように判断をしたわけであります。
○坂本委員 単純なインター・バンクだから導入預金じゃない。こういう抽象的な考え方で判断された、こう受け取っていいですか。
○河野(慶)説明員 金融機関の相互間の預金は普通の規定通りのレートを——金利を付して行われてあったわけでございまして、私がそのレートを見た場合に、特にこれが怪しいというような空気は感じなかったのであります。
○坂本委員 その際、この一億円の預金に対しては、一ヵ年間引き出さないという書面があったことを確認されましたかどうか。
○河野(慶)説明員 はっきりした記憶はございません。その当時のことは私はちょっと……。
○坂本委員 記憶がないのか、全然調べなかったのか。
○河野(慶)説明員 ちょっと忘れました。
○坂本委員 こんなのは、あなた、忘れてどうするかね。あなたは単なる抽象的な考えで、ちゃんと利息も払っておる、だから普通の預金で、導入預金でないと判断したのでしょう。しかしその判断をするについては、あなた方エキスパートが行って調査して、それには一年間払い出しをしないとちゃんと一札が入っているわけです。それを、忘れましたじゃ済まぬ。思い出して下さい。見たですか、見ぬですか。
○河野(慶)説明員 私はそういうメモかなにか、そのときは見ませんでした。
○坂本委員 そうすると、さっきのは忘れたのじゃなくて、検査のときは全然見なかった、確認しなかった、こういう意味ですか。
○河野(慶)説明員 導入預金を見たのは私だけではございませんので、一緒に参りました検査官も見たのですが、おそらく私の——私自身もその当時見たような記憶がないのでございます。また私の部下から、そういうようなことがあったという話も私は受けておらないということを、今気づいたわけですが、大部分去年のことでございまして記憶が非常にぼけて、回答がうまくいかないことをおわびしなければなりません。
○坂本委員 記憶がぼけておるならば、帰って調査すれば、わかるわけですか、その点どうですか。
○河野(慶)説明員 これから調査いたしますれば、わかると思いますので、さっそく調査してみます。
○坂本委員 ちょっと前にさかのぼるのですが、これは通知預金である。どういう通知預金である、どんなふうに確認されましたか。
○河野(慶)説明員 どういう通知預金——ちょっと御質問の意味が理解しかねるのでございますが……。
○坂本委員 これは通知預金として入っているのですが、一回に一億円きたのか、数回にきたのか、どういう内容の通知預金であったか、その点をお伺いしたい。
○河野(慶)説明員 一億円は、私の記憶では、たしか二回程度に入ったのじゃないかというふうな記憶をしておりますので、それ以上は今記憶はございません。
○坂本委員 あなた方が検査に行かれるときに、さっきからお話がありましたように、もう第一相互はうそばかり言って、にっちもさっちもいかぬから、大蔵省から検査に行かれたわけでしょう。その際、一億円もの、区域外から、しかも九州から通知預金がある、これはどんなものだろうか。普通の東京都内の商売人の預金なんかと違うのですが、疑問も何も持たなかったかどうか。
○青野委員長 河野説明員に申しますが、坂本委員の質問は非常に重大な点があります。そういうときは、委員会の運営に妨げない程度の打ち合せば差しつかえありません。思った通り言えと今局長は言っておりましたが、いいかげんの思った通りじゃ、困るのです。 〔「第一相互に先輩がいるので、遠慮したのだろう、そうじゃないのか、どうなんだ」と呼ぶ者あり〕
○河野(慶)説明員 そのようなことはございません。 〔発言する者あり〕
○青野委員長 私語を禁じます。
○河野(慶)説明員 金融機関からの預金といいますか、そういうものについては、通常私どもが検査をする場合、おそらくほかの金融機関の検査に参りましても、それらについて、特殊な場合を除いては健全なものであると、ほとんど不思議を抱かないのがほんとうでございまして、金融機関の預金がどこから持ってこられたか、金融機関から先の問題までは検査官としての権限が及ばない、こういう点もございましてまことに結果から見ますと重大なことになっておりまして、その間私どもが、これはまことに好ましくない預金であるということを見破らなかったということについては、検査官としてまことに申しわけなかったと感じます。しかもそれが導入預金でなくとも、地域的に、方式はともかく、行政的な見地から見まして、そういう遠隔な地から預金されたものをなぜとがめなかったか、こういう点につきましておしかりがあったのでございまして、この点について、私は十分徹底した結論を上司に報告しなかった、こういう点については私のミスだと思います。しかし、インター・バンクの預金というものは、通常一般の検査官はかような疑いをはさまないのが常道でありまして、預金がどのようなところから受け入れられた預金であるか、あるいはインター・バンクの預金であるから導入預金であるなどというようなことは毛頭考えないのが、むしろ検査官として普通の状態ではないか、大へん手前みそでございますが、かような考え方から、私ども別にその際不思議な、マークするような預金だというふうには判断しなかったわけであります。
○坂本委員 私はあなたにあやまってもらわぬでもいいのです。あなたが公務員の良識においてやればそれでいいわけです。ただしかし、あなたの発言に非常に疑いがあるから、私お聞きしているわけです。それはわれわれも破産に瀕した会社を弁護士として見る場合に、特異なものはすぐ目立つのです。ことに破産に瀕して導入預金がたくさん二十何億とあってそうして大蔵省からわざわざ検査に乗り出さなければならぬというような第一相互に対して検査に行かれたわけですから、ただ普通の何でもない銀行に検査に行って調査をするのとは、やはりこれは公務員の常識としても違わなければならぬのです。従って一千万くらいならば別ですが、——われわれは一千万円という金も見たこともないのですが、少くとも一億円というものはトラック三百くらい千円札があるとわれわれは聞いているわけですが、その一億円の預金が九州の福岡から預金されておる、これは第一相互からだまされてこんなにしてやっているのではないだろうか、あるいはぐるになってやっているのではないだろうか、第一相互がああいう状態になった場合にそういうように銀行を検査しに行くのがほんとうの検査だろうと思うのです。そろばんのつじつまを合せにいくのが検査ではないと思う。そういうような考え方の上に立つと、あなた方みたいなエキスパートがあやまらなくてもいい、どうしてそれをしなかったか。あまり先にあやまると、何かぐるになってやって、わざと見のがしたと、こういうふうに逆に誤解されるですよ。だからあなたは初めて来られたから、私はその真相を聞きたいのです。われわれは国民の代表として真相を聞きたいのですから……。全くこれはみんなが、九州から一億円預金したのを、大蔵省の銀行の検査官ともあろう人が、検査に行ってどうしてわからなかっただろうかと不思議に思っている。あなたの弁解を聞くと、導入預金ではないと考えた——しかし導入預金じゃないと考えたならば、どうしてその際に福岡から一億円という大金を、こういうボロの第一相互に預けたんだろうかと疑問を持たなかったろうかという不思議があるわけです。そういう疑問を持たなかったですか、どうですか。
○河野(慶)説明員 遺憾ながら持ちませんでした。
○青野委員長 神田大作君。
○神田(大)委員 実際に検査した河野説明員がおられるので、お聞きしますが、そのときに、一千万円の金が、それをあっせんしたと目される人に貸し出しされていた、これはどうなんですか。そのことについて御説明願います。
○河野(慶)説明員 一億円のいわゆる県庁信用組合からの預金に対治して、一千万円の貸し出しがある、それは私も前回検査の際に、その貸付があることは確認しております。
○神田(大)委員 その貸付はどういう形で貸付されておりましたか。
○河野(慶)説明員 一千万円は、私の記憶では、たしか三百万円と七百万円の二口で貸し出しがなされていたと記憶しております。これはもちろん第一相互銀行の当時の経営のしぶりから見て、検査官として、十分債権保全がなされておるというような貸付であるというふうに判断するには、きわめて不十分な貸付であるということを記憶しております。
○神田(大)委員 その貸付が無担保でしかも保証人がない。無担保で無保証ですね。しかもそれが信用上貸し付けたというような見方は、これはどういうところから出たのです。
○河野(慶)説明員 結局一千万円の資金の使途という問題でございますが、これは私のその当時の記憶では、いろいろ新聞でうわさされておりますように、謝礼金であるとか、あるいは裏利であるというようなことを新聞に書き立ててあるように私は記憶しておるのですが、そのような判断はその当時しておらなかった。単純に、無保証、無担保、きわめて好ましくない、今後債権回収に努力するためには、相当債権保全措置を講じなければならない債権であると、こういうふうに判断いたしたわけでございます。
○神田(大)委員 それはあなたの先ほど言ったのと今答えたのとはまことに矛盾しておる。あなたは、さっきは債権が確保されておるものであると認めたと言いながら、今度は無担保、無保証である、債権の確保にはまことに遺憾であると言う。それは先ほどのあなたの答弁と、今度の答弁に非常な食い違いがありますが、一体あなたたちは一千万からの金を貸すのに無担保、無保証でやることを平気で検査官として見のがしておる。しかもそこに一億円のいろいろ問題になる福岡県からの預金が来ておる。その裏づけとして一千万円の無担保、無保証の貸付が行われておるというこの事実に対して、どういう心境であなたたちは検査をされたのですか。あなたたちは少くとも年期を入れた検査官である。あなたたちは検査は専門家である。専門家がそのようなものを見のがすということは、これはあり得ないことだと思うのでございますが、そういう点について、あなたはこれを弁解するという勇気がありますか、われわれはそういう点をはっきりあなたから聞きたいと思う。
○河野(慶)説明員 私の説明が悪かったために、債権内容のいい債権であるというふうに誤解されたのではないかと思いますが、そういう意味で申し上げみのではなくして当該向井某への貸し出しが貸付の形式としては、形式上は手形等をとっておるという点では一応整っておる。しかしその実態においては、いかなる金融機関でありましても、少くとも一千万円もの大額の金を貸す場合に、当然保証人なり担保をとるのは良識でありますが、そういう点で無担保、無保証であって、債権保全の面においてきわめて不十分である。そういう意味でこの債権は手形等から見れば一応形式をなしておるが、その実態の債権内容の面から見れば非常に好ましくない債権である。従ってこれらの債権保全手続というものをすみやかにとるべしということは、検査の際にも当時の理事者に具体的に私は申し入れたつもりでおります。従いましてその貸付の内容がよかったというようなことを私は申し上げておるものではないのであります。形式上一応整っておったということを誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
○神田(大)委員 まことに君は質問者の真意をわざわざそらすような答弁をしている。私は何も形式の問題を言っておりません。一千万円という貸付に付して、一体そういう大金を貸す場合において、大蔵省は無担保、無保証で貸しているのを見のがしていていいのかと私は言っているのです。それを君は形式は整っておると言うけれども、手形をとるのは当りまえである。手ぶらで一千万円もの金を貸す人はだれもいませんよ。そういうことをあなたたちがここでぬけぬけと言っておるから、今度のような問題が起きるのである。無担保、無保証で一千万円の金を貸すという現実、しかもわれわれにたとえば十万円、二十万円の金を貸すときには、銀行は保証人をとる、あるいは担保をとると言って厳重な審査をやっている。あるいはこれが期限が切れますと矢のような催促をされるのです。十万円、二十万円あるいは百万円くらいのそういう金さえそうなんです。一千万円もの金を保証人も担保もなしで貸し付けられておる。あなたたちがこれに疑いを持たないでそれを見のがすという法はない。国民はあなたのそのような弁解に対して納得しない。この点に対してあなたたちに重大な過失がある、あるいは何かの銀行当局とのなれ合いがあるのじゃなかろうかという疑いを持たれてもやむを得ないと思いますが、その点はどう思われますか。私は関連ですから長く質問いたしませんが、あなたの率直な御意目を聞きたい。
○河野(慶)説明員 検査官として、ただいまお話がございましたように、当該債権については非常に遺憾だということは、検査の際私は申しあげております。しかもその債権の保全はただ単に遺憾だけでなく、今後このようなことのないように、直ちに債権保全に着手するよう、その保全策をすみやかに新経営者がとるように、私たちの権限の範囲内でそれを指示したわけでございます。従いまして問題はそういう債権の形式の問題でなくして、莫大な全がそのような無謀な、何らの手続もとらずして貸し出されたということに対してただいま検査官は一つも驚かなかったのか、その点については、私は非常に表現が下手でございますが、非常に驚いたというよりは、遺憾の意を表し、すみやかにその他の不良の貸し出しとともにその整理保全に努めるように、公式には検査の示達という形式もとって指示しておる次第であります。
○神田(大)委員 あなたの表現の問題だとかそういう問題じゃないのです。現実にそれが行われているのをあなたは目の前で検査をして見てきた。きょうあなたが私に説明するとか、あなたの答えに対して私が表現の問題がどうとか形式の問題がどうとかいう、そういう問題じゃないのです。あなたが現実に銀行へ行って目の前でもって一千万の金が無担保、無保証で貸し付けられている。しかもここに一億円の預金があるということを、専門家のあなたとしてここには何かあるなということを感知しなければならぬ。それを感知しないで、あなたは検査官として、専門家として、これを見のがしておるということに対して、多くの疑惑を持たれておると思うのです。あなたはこの点について上役であるところの検査部長あるいは銀行局長にこれを報告しておりましたか、お尋ねします。
○河野(慶)説明員 私が知り得た範囲のことは上司に報告してございます。
○神田(大)委員 銀行局長に尋ねますが、その報告を受けて、あなたはどのような指示をし、これに対してどのような考えを持ったか、お尋ねします。
○東條政府委員 検査官の検査の結果に基きまして、これが債権保全上、銀行側として重大な関心を持って債権保全回収に当るべき種類に属する債権であろうということは、検査官の報告通り私も聞きました。また検査官として、ただちにこの債権について保全回収に万全の努力を尽すように、きわめてこの貸付は遺憾であるという措置を講じたことにつきましては、私も適宜な措置であると考えております。 次に、これははなはだ言いわけがましくお聞きづらいと思いますが、お聞き願いたいと思いますことは、当時の第一相互の実情は毎度申し上げておりますように、約二十三億の導入、もちろんその金額にまでは達しませんが、相当巨額の十数億の固定貸付、不良貸付があるわけでありまして検査官といたしましては、相当管理保全に注意を要する債権がこの一千万円その他少数でございますれば、これはまたいろいろ相互に因果関係がありはしないか、どうすべきか、一億円の預金と一千万円の貸付と結びつけて考えるということも、これは当然そういうことは私もあると思いますが、実はこの具体的案件の場合におきましては、私は検査官から報告を受けましたときにも、私個人といたしまして、一億円と一千万円と牽連関係があるということは思い至りませんでした。というのは、先ほど来申し上げておりますような固定貸付あるいは不健全な貸付が、はなはだ恐縮でありますが、第一相互にはほかにも相当あるわけであります。口数の多い導入預金、固定貸付、各種の貸付、これをどう結びつけ、どう考えるということよりも、これだけの導入預金、これだけの不良貸付をどういう善後措置を講じて、第一相互の債権処理をやっていこうかということに、そちらの方に私どもの大半の努力があるという実情であったということを、——これははなはだ言いわけがましくて恐縮でございますが、そういう実情であることを御了承願います。
○神田(大)委員 局長は実際銀行へ行って帳簿を見たわけではないからそういう答弁ができるだろうと思うのでございますが、第一相互銀行がそのような非常に重大な段階に来ておるときに、しかもちゃんとした事業をやっておるような人でないような人に無担保、無保証で一千万円の金が動いたことに対してこれはあなたは現場へ行ってないから、説明を聞いただけだから、結びつくということは考えられなかったかもしれないけれども、実際に検査をされた方はその点は十分考慮さるべきであると思うのです。また一千万円の金がそのようなことでもって貸し付けられたこと自体に対して、これはそういう第一相互銀行の危機に立つところの重大な段階であればこそ、これは徹底的に究明すべきであるにもかかわらず、それに対して何ら究明を行わずに帰ってきたということに対して、私はどうしてもあなたたちの答弁に対しましてこれは納得するわけにはいかぬ。私はほかにも質問する人もありますし、関連質問でありますから、この問題はこれにてとどめますが、後の機会にこの点について、私は大蔵委員会において徹底的に究明したいと思います。 しかし、どうしても局長が言われたように、非常に不健全な貸付がある。ところが河野説明員は、私の最初の質問に対して、これは何ら不健全でない、回収できるような貸付であるということを答弁しておるのでありますが、こういう重大な食い違いに対してこれはまことに遺憾千万であると私は思うのであります。私はこれで終りますが、いま一回この問題に対する調査官の考え方を聞かしてもらいたいと思います。
○河野(慶)説明員 一億の県庁信用組合の預金と、向井某に対する一千万円の当該貸し出しとの関連があることは、その当時私は関連があるとは判断するに至らなかったということを申し上げた次第であります。
○坂本委員 ちょっと一点だけ。今の一千万円の問題で非常にわれわれが遺憾にたえないのは、無担保、無保証の一千万円の貸付だということはおわかりですね。これに対して盛んに債権保全の点だけ言われる。もちろん債権だから債権保全も必要でしょうが、こういう一千万円という大金に無担保、無保証で手形貸付をするようならば、この二十六億という、二十三億以上という導入預金のあるときには、何かこの裏にあるのではないかということが、当然あなた方専門家には浮かばなければならないと思うのです。だからこれは債権保全よりも、無担保、無保証ならばもう債権保全をいかにじたばたしてもだめだ、しかしこういうのができた以上は、この裏には何かありはしないか——現実こういう一億円以上の預金があるわけです。その際にどうしてあなた方が検査に行かれて、そこまで考えられなかったのかという点が、われわれは不思議でならないのです。君付に解すれば、それはあなた方があやまられるように、やむを得なかった点があるかもしれない、しかし逆にこれは銀行局と何らかの関係がある。検査を粗にして、ただ債権保全だ債権保全だといって、一億円の福岡のあの導入預金を知りながらほおかむりしておるのではないかというようなことを、当然国民大衆が考え出すのです。あんまりあなた方が債権保全だ、債権保全だと、局長は政治的に片一方の債権ばかり考えておったと答えをそらして言われると、かえって疑いを持つようになるのですが、どうですか、もっとわれわれが常識で考えられるように、一千万円の無担保、無保証の金がある、この裏には何かありはしないかということで調べ出すことが、銀行の検査官の職務ではないかと思うのですが、そこまで考えが及ばなかったのかどうか、もう一ぺん念を押しておきます。
○河野(慶)説明員 第一相互銀行の債権内容は御承知の通り非常に不良でございます。ただいま申しましたように、たまたま向井某の一千万円の無保証あるいは無担保貸付ということだけに集中いたしますと、そのように考えられるのでございますが、当該銀行の債権内容を見た場合、金額といい、またそのしぶりといい、それに近いような状態の債権がまだほかに相当あるということでございます。これが一つ。 もう一つは通常の銀行でございますと、私どもはまず貸付の審査をするときに、貸し出しの決裁関係のもの、営業店から本店にいくものであれば、支店より稟議決裁書類というものがございます。そういうものをつぶさに点検し、しかもその貸し出しの衝に当っている担当者から直接その資金の使途、資金回収の方法、債権保全の問題、その他につきましてもお伺いするわけでございますが、御承知の通り通常の金融機関と同一に考えられないような特別の借り入れ申込書をもって、資金の使途も十分でない、説明者もきわめてわれわれに協力的でなかった、こういう特殊な事情から、私どもも数多くのそのような不良債権と、国庫のそれにつながる導入預金との関連というような結びつきが必ずしも完全ではなかった、こういうことは申し上げられると思います。
○山田委員 先ほどから河野説明員の話を伺っておりますと、どうも理解のできないところがたくさんあるので伺うわけであります。この一千万円の貸し出しで、他にもこうした債権の額が相当にあるであろう。それでこれについての不注意であったというようなことの結論のようです。私はこんな調査のことであるから、最近これは大蔵当三局も知っておると思うのですが、常磐相互、それから東京相互、千葉銀行、千葉銀行の最近の怪文書の出ておる事態なんかもあなた方は知らぬわけはないと思うのですが、あなた方の調べた範囲で、やはりこの事件と同じような状態で、一千万円くらいの金額というふうな意味で、無担保で無保証で貸しておる問題については、各銀行ともこの程度の調査で、あなた方は当局に注意を促した程度で済ましておるのですか。
○福田説明員 お答えいたします。通常の場合でありますと、先ほど河野検査官から御説明申し上げましたように、相当金額の貸し付けになりますと稟議書というものがあります。その稟議書の内容をよく見ますと、その使途なりあるいは担保関係その他がはっきり記載されております。その上に担当者から口頭で説明を求めまして、その資金の使途等を確認するわけであります。従って通常の場合でありますと、資金の使途なりあるいは債権保全の状況がはっきりわかるわけであります。一般の金融機関ではそういう状況でありまして、今名前をあげられました金融機関について、具体的にどういうことかよくわかりませんが、大体一般の金融機関と同じようにその使途等も確認されておると思います。またそれらの債権保全についても所要の指示をし、あるいは結果的に判断を誤まったというような場合におきましては、今後を戒め、かつそれらの債権についての今後の処理について十分注意を促すということをいたしておるわけでございます。
○山田委員 注意を促している程度では、私は相互銀行の場合は、零細な金が国民から積まれているだけに、一つの事態というものを発見したならば、やはりこれを防ぐために極力やってもらわないと、保全経済会の二の舞をたれが踏まないと断言できますか。今私があげた名前の銀行というものを、あなた方専門的な立場において、千葉銀行で今怪文書が乱発されている事態ということを知らぬはずはないと思うのですよ。どうなんです知らないのですか。
○福田説明員 最近怪文書が乱発されているという事実は、私は承知いたしておりません。
○山田委員 全購連の問題が議題になっているときに、他の銀行の話を私はいたしましたが、これは当局が知らぬというのならば、いずれ私は資料を出して究明し、さらに伺うようにしたいと思うのです。知らぬはずはないのです。きょうは私はこのことはこれでやめておきます。
○吉田(賢)委員 河野さんに聞きますが、導入関係についてですが、おもな導入は何と言うのです。大体導入の組織の概要を、第一相互関係の概略でよろしいからちょっと説明して下さい。
○河野(慶)説明員 私の記憶しているだけを申し上げますと、新聞紙上にもすでに出ておりますスチール工業株式会社、これが一番大きいものだと思います。その他はこれらを中心としまして、かさの枝のようにずっと下にまたがっておりまして、一々私ただいま記憶しておりません。
○吉田(賢)委員 そうしますと、別の角度から、大体五千万円くらいを一応の線を引いて、五千万円くらい以上の導入はどのくらいの口になっていたでしょう。導入屋を通してどこの資金が大体出ておりましたでしょうか。
○河野(慶)説明員 大部分は都内等からスチールの窓口を通して第一相互銀行等に導入預金がなされていたと承知しております。
○吉田(賢)委員 これはへそくりの小金もしくはトラの子のように持っておった、そういうようなしろうとの金がおもなのか、それとも二十三億円中には組合とか会社とか、あるいはその他他人の預金とか、そういった公けの性質を持った金が相当あるのか、この辺についての区分けを一応観察の必要があると思いますが、それはどうでございましょうか。
○河野(慶)説明員 どういう層からの預金が導入預金となっておるかという御質問だと思いますが、率直に私が感じたことを申し上げますと、いわば導入預金でお持ちになったその資金の、いわゆる導入ブローカーと称せられる者の先がどういう層であるかということが、実は私どもの検査の範囲外なものでございますので、そういう点はっきり申し上げられませんが、私の感じでは、零細のものよりも比較的ある程度まとまったものからの預金が多いように感じております。
○吉田(賢)委員 一応五千万円くらいの線を引くとしまして、どのくらいの口数になるのだ、ろうか、こういうような観察はできますか、その辺についての御記憶はどうでしょうか。
○河野(慶)説明員 金額別に申しますと、五千万円以上のまとまった大口の導入預金というものは私はむしろ少いのじゃないかと思います。その導入預金の受け入れの仕方としましてたとえば一口百万円を単位にしまして、たとえば無記名定期預金で何日にも割ってそれを受け入れているというような状態でございまして、相当口数が多いようでございます。大体二千口以上あるのではないかと記憶しております。従いましてそれらを完全に名寄せすることが事実上むずかしい、そういう面でただいまの御質問に五千万円以上あるものが幾らあるかということは、私どもちょっとほんとうのことはつかみ得ないのだ、そういう実情であるということをお答えいたします。
○吉田(賢)委員 名寄せがむずかしい、そこであるいは無記名もあるけれども、名前が出ておるのもあろうと思います。そういう名前が出ておるのについてはどうでありますか。相当著名な者が、たとい五口でも十口でも福岡のごとくあるのじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
○河野(慶)説明員 名前ははっきりと今記憶しておりませんが、やはり日本人以外からの預金というようなものもあるようでございました。それ以外には、特殊のそれらのものを除きましては、むしろスチールの窓口を通して受け入れたと承知しております。
○吉田(賢)委員 第三国はともかくといたしまして名前をおっしゃらぬければ、また別の方法で明らかにしましょう。それならば転じまして先に銀行局長なども二十億円からの不良貸付がある、こういうことになっておりましたが、二十三億円の導入預金がある、この中には犯罪もある。今度は不良貸付があって、その不良貸付が固定してしまって回収できないものが多数にある、これはまたいろいろと問題が問題を生んでおる。こういうことになっておるわけです。そこであなたとしましては、第一に導入関係二十三億円はいろいろと表にして持って帰っただろうし、いろいろ記載もしただろうが、貸付については明細を調べましたか。
○河野(慶)説明員 前回検査の際、給付貸出金関係としては大体三百万円以上の、いわゆる前回検査後、新規貸出金を書き抜かせたということが一つ、もう一つは前回大口貸し出しとして一応基準五百万円以上一件、——名寄せしまして五百万円以上のものをとったわけでございますが、その二月二十七日、前回検査以後私どもが検査に参りました六月十八日の間に貸し増しが行われた当該大口貸し出しにつきまして書き抜きを徴しました。以上でございます。
○吉田(賢)委員 そこで二十億余の固定しました貸付のうち、なお今日まで回収のできないものはどのくらいの金額になっておる見込みですか。
○福田説明員 検査官は検査をして、その事後の処理は行政関係の仕事になるわけで、かわってお答えしますが、その後の回収状況につきましては、私正確にまだ計数を手元に持っておりませんので、ちょっとここでお答えすることはお許し願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 五千万円をこえる貸付で、なお回収のできていないものが当時は何人ほどありましたか。大体でよろしゅうございます。
○福田説明員 後ほど、もし手元にありますれば、資料として提出いたします。 —————————————
○青野委員長 この際お諮りすることがあります。 すなわち、歳入歳出の実況に関する件(都道府県の会計経理に関する問題)に関しまして調査のため、福岡県知事土屋香鹿君、同建築部長村井進君、同住宅一課長長沢誠君、同監査委員中島一之君、以上四名の諸君を証人として、来たる五月二日午前十時に出頭を求めたいと存じます。 また前第一相互銀行常務取締役渡部虎雄君、前第一相互銀行営業部貸付課長前田彦君、スチール工業株式会社経理担当者直江秀次君、現第一相互銀行常務取締役佐藤寛一君、以上四名の諸君を、同じく証人として来たる四月二十七日午前十時に出頭を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認めます。よって、衆議院規則第五十三条により、議長を経由して出頭を求めることといたします。 —————————————
○青野委員長 責問を続行して下さい。
○吉田(賢)委員 たんだん時間が迫りましたので、簡単にしておきたいと思います。そこで一つ要点だけを簡単に御答弁下さい。河野さんの記憶で、五千万円以上の貸付について何人ほど件数があったであろうか、この点について記憶の程度を述べていただきたい。
○河野(慶)説明員 ただいま申されましたように五千万円以上というふうな切り方で私ども実は調査しておりませんので、帰りましてさっそく資料を調査いたしまして、確実な、数字を何らか適当な方法で御連絡いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 それはそうとして、それならこういうふうな聞き方であなたの記憶を喚起していただきたいのであります。こういうふうな関係の、相当高額のこげついた貸付はあったでありましょうか。一つはキャバレー、飲食店の経営でありまするが、通称レインボー・グリルとかいっております、その経営者は名前はわかっておりますけれども、こういうような営業を経営している人、もしくはその人が借主でなくても、その人の資産あるいは信用等、あるいはそういう営業をしているものが何らかの形で関与した貸付先、そういうものが相当多額のものがありましたか、いかがでしょう。
○河野(慶)説明員 ただいま御質問の貸付は、当然検査の際に書き抜き表に記載されたものでございまして私どもも内容についてはその当時かなり詳細に調査したつもりでございますが、ただいまのキャバレー・レインボーでございますか、そういった貸し出しの金額が幾らあって、どういう人がやっているかというようなことの内容等につきましては、後刻調査いたして御回答いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 坂田誠盛という人が代表者になっているような会社、こういうところに相当多額の金額の貸付はありましたか。
○河野(慶)説明員 坂田誠盛に対する貸付はあるかとの御質問でございますが、私ども検査に参りましたときに、坂田誠盛に対する貸付はございました。
○吉田(賢)委員 廣瀬氏、日米通商というような、会社ですか、こういう人に対する貸付はありましたか。
○河野(慶)説明員 いわゆる株式会社大昌と申しますか、そういう形で包括された貸付の一つとしてそういうものがあったと記憶しております。
○吉田(賢)委員 腰高漁業株式会社というのはいかがですか。
○河野(慶)説明員 貸し出しが幾つにも分割されておりますので、腰高漁業の貸付は、私の記憶ではあったように思われるのでございますが、金額等はまだはっきりしておりません。
○吉田(賢)委員 赤坂のラテン・クオーターというのはどうですか。
○河野(慶)説明員 ラテン・クォーターも存じております。
○吉田(賢)委員 東京観光株式会社はどうですか。
○河野(慶)説明員 その点ちょっと記憶にございません。
○吉田(賢)委員 立川ペニシリンはどうですか。
○河野(慶)説明員 ございます。
○吉田(賢)委員 小沢専七郎という人はどうですか。
○河野(慶)説明員 記憶ございません。
○吉田(賢)委員 朝鮮銀行の導入預金はどうです。
○河野(慶)説明員 朝鮮銀行の導入——そのようなことは重大な問題でございますので、私からお答えいたすのは御遠慮申し上げます。
○吉田(賢)委員 富士機械は記憶しておりますか。これは別の方によって金額まで相当明瞭になっておりますが、あなたは記憶しておりますか。——私はかなり大口の固定貸付について伺っておったのであります。その中の一つとして富士機械はあなたは記憶しているかどうか。スチールの関係です。
○河野(慶)説明員 大口不良貸し出しの大きいものをあげよという御質問の御趣旨だと思いますが、富士機械——ございます。
○吉田(賢)委員 相当有名な政治家で千万円以上の貸付をしているものは記憶していませんか。
○河野(慶)説明員 記憶がございません。
○吉田(賢)委員 きょうはこの程度にしておきます。 —————————————
○青野委員長 それでは次に歳入歳出の実況に関する全国購売農業協同組合連合会に対する補助金等の会計経理に関する問題につきまして調査を進めます。本件につきましては一昨十六日証人を喚問して、それぞれ証言を求めたのでありますが、本日は農林省当局、法務省当局、会計検査院当局に対して質疑を行うことといたします。 法務省井本刑事局長は、坂本委員の了解を求めて重要会議に三十分ばかり出ますからということであります。それから会計検査院は中川第四局長、農林省関係では振興局長、組合検査課長、農協課長、農林経済局長、森参事官、以上御出席になっております。 それでは発言の通告がありますので、これを許します。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 まず最初農林大臣に質問をしたいのでありますが、まだお見えになっておりませんが、一体出られるのか出られないのか。
○青野委員長 交渉中であります。
○淡谷委員 それでは大臣が来たら、またあらためて質問しますが、まず農協部長の河野さんにお尋ねいたします。 今問題になっております全購連が、昭和二十六年の二千九百十四万円を筆頭に、今日まで約一億円の再建整備法による助成融資を受けておるようでありますが、その当時の全購連というものは、こういう助成融資を受けなければやっていけないような窮状に立ち至っておったかどうか、この際御答弁を願いたい。
○河野(恒)説明員 再建整備につきましては、御存じのように固定債権の流動化と、固定資産等に見合います出資の増強ということが、一応再建整備の目標になっておるわけであります。二十六年の三月三十一日に、全購連は再建整備として指定をされたわけでありますが、当時の状況を見ますと、欠損が大体三億五千二百万円、固定資産が一億四千三百万円、合計四億九千五百万円、自己資本が六千万円、従って自己資本の不足額が四億三千五百万円、固定化資金が四億四千二百万円、そういうようなことで、いずれも固定資産に対する自己資本の不足、それからまた固定化債権というものもございまして、一応当時の状況から見ますと、再建整備の組合として指定すべき状況にあったわけであります。
○淡谷委員 固定した債権のおもなるものはどういうものがございましたか。
○河野(恒)説明員 大体県連の方に売りましたものの固定した債権であると思います。
○淡谷委員 県連の方にいった購買品代金の固定化というふうに受け取れましたが、それでは今日までこの再建整備法によって立ち直った概況を一応御説明願います。
○河野(恒)説明員 今のお話は県連の状況ですか、それとも全購連の状況ですか。
○淡谷委員 全購連に関してであります。
○河野(恒)説明員 二十六年度の期首において欠損が三億七千七百万円、利益による欠損補てんを四千九百万円として、期末の欠損が三億二千八百万円、これが二十七年度に繰り越しになっておりました。それから二十七年度においては、期首の欠損が三億二千八百万円、利益による欠損補てんが七千百万円、従って期末の欠損が二億五千六百万円、二十八年度においては、期首の欠損が二億五千六百万円、利益による欠損補てんが八千百万円、従って期末の欠損が一億七千五百万円、大体そういうふうになっております。
○淡谷委員 現在の全購連の経営状態はいつごろ監査されましたか。そしてどうなっておりますか。
○河野(恒)説明員 最近のは本年の二月に検査をいたしたのでありますが、それは御存じのように現在まだ最終的な結論を得ておりませんが、大体三十年度の決算等につきまして検査している次第であります。
○淡谷委員 安井組合検査課長にお尋ねいたしますが、今日まで全購連に対しては、一年に平均してどれくらい検査を行われたか、また検査を通じて何か注意すべきようなことが見当ったかどうか御答弁を願いたい。
○安井説明員 今までやりましたのは、二十六年の十月に最初にやっております。その次が二十七年の十二月です。それから二年飛びまして三十年の十二月にやりましたのと、ただいま部長が説明しました三十二年の二月に実施中のものがございます。
○淡谷委員 一体全購連の検査は二年間も置くなんということは許されますか。一年に何回やるといったようなことは正式にきまっていないのですか。
○安井説明員 これは部長から御答弁をいただいた方がいいかと思いますが、法律の規定によりますと、定例として年に一回やることになっております。しかし今までの例から見ますと、四百以上の農林省の検査しなければならない対象に対しまして、とても回り切れていないというのが実態でございます。従いまして三十年の十二月に全購連の検査をやりまして、例の問題が発生いたしましたので、当時の上司からの厳命もあり、以後全国団体については毎年必ずやるという方針をきめている次第でございます。
○淡谷委員 河野農協部長にお尋ねしますが、法律によって一年に一回やるべき検査を二年間飛ばしたということは、手不足のためですか、一体何のためにやられなかったのですか。
○河野(恒)説明員 二十八年及び二十九年には検査をいたしておらないのでありますが、これは実はちょうど連合会の整備促進、あるいは指導連の解散というようなこともございましたし、また信連の調整勘定の整備というようなことのために信連、それから経済連、指導連というものを中心に実は検査をいたしたのでございます。従いまして、そのためにそちらの方に重点が参りましたために、全国団体につきましてはついそこまで手が回らなかったということでございます。
○淡谷委員 二十九年に全購連は決算の修正を行なっておる。今安井検査課長は例の事件と言っておりますが、その例の事件とは一体何ですか、これを一つできるだけ詳細に御説明を願いたい。
○安井説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。二十九年度と申しますのは、二十九専業年度分につきまして三十年の十二月に検査したわけでございます。御承知のように事業年度は八月から七月までになっておりますので、二十九事業年度と申しますのは、二十九年の八月から三十年の七月に終るものでございます。三十年の七月に終ったものを三十年の十二月に検査をした、こういうことでございます。私が例の事件と申しましたのは、農林省で調べました五億一千二百万円の問題を申し上げたのであります。
○淡谷委員 渡部農林経済局長にお尋ねしますが、農林省で調べ上げた五億一千万円というものは一体何か、詳しく御説明願いたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 五億一千万円と申しますのは、ただいま検査課長から御説明申し上げましたように、検査の際次に申しますような勘定科目に含まれておるものが、経理の仕方が悪いというので指摘したのであります。それは貸掛金に三億五千百万円、それから事業借受金に三千三百万円、未払金に千四百万円、借受金に二千四百万円、たなおろしで八千七百万円、合計五億一千二百万円というものが経理の仕方が悪いということで、それを決算し直したわけであります。
○淡谷委員 その当時局長は、たしか経済局長じゃなかったと思っておりますが、その当時の経済局長はだれだったでしょうか。
○渡部(伍)政府委員 そのときは前局長の安田君であります。
○淡谷委員 この問題は単なる経理の間違いとだけは言っておれない。赤字を出して再建整備法の適用を受けまして、多大の助成融資を受けておる団体が、五億一千万円に及ぶ経理の違い、しかもそれは御承知の通り含み資産となっておる。これは非常に重大なもので、特に今回の事件に照らしまして、世間では全購連と農林省とが何らかの連繋があってこのようなことをしたというふうに疑惑の目を持って見ておる。これはあなた方がはっきりこの疑惑を解かなければ、日本の農政上非常に大きな蹉跌を来たしますよ。農民はもはや日本の農政担当者を信用しません。私はその当時の局長であった安田善一郎君にもここへ御出席を願って、当時の事情を詳しく述べていただきたいと思いますが、委員長、安田現農地局長はどうしましたか。出席を要求してある。
○青野委員長 私から淡谷委員にお答えしておきますが、ただいま連絡中で多分来ると思います。それから小倉食糧庁長官も元経済局長ですが、これは三番町の官邸で食糧調査会の会議中という報告が来ております。今連絡中でありますから、おっつけ来ることと信じております。
○淡谷委員 安井検査課長にそれでは御答弁を願いますが、この経理が五億一千二百万円違っておった、こういう点をどのように指摘をされ、どのような注意を与えたか、同時にこの経理を違わしたのは何によって違わしたか、これを一つできるだけ詳しく御答弁を願いたいと思います。
○安井説明員 三十年の十二月に検査を行いました際に、これはこの前も局長から御説明があったと思いますが、経理の内容が非常に複雑いたしておりまして、非常にむずかしかったわけでございます。正直に申し上げまして検査がなかなか困難であったわけであります。一生懸命やりました過程におきまして、ただいま局長が御説明申し上げましたように、こういう勘定科目で処理すべきでないと思われる金額が載っておったわけでございます。従いまして、これらは当然利益の内部留保であろうという点を指摘いたしたのでございますが、御承知のように当時全購連の事業分量が非常に多かったことと、農協系統機関として外部の折衝の頂点にある連合会という意味と、税法上で当然認められております貸し倒れ準備金の制度というのがちゃんとありましたので、こういうものを勘定科目を変えて、内部に留保しておった意味をいろいろと尋ねましたら、やはり将来の価格変動に対処するためにこういうものを含まざるを得ないのだという説明もありましたし、ただいま申し上げましたような理由から、それでは表へ出して正式に経理するのでなければ、会員の了解も得られないであろうということを指摘いたしまして、それを決算修正まで持っていかした、こういう経過でございます。
○淡谷委員 これは端的に申し上げますと、多大の利益を上げたので、この利益を、本来ならば農民に還元すべきものを、何らかの名目で組合内に保留しておきたいという気持があったらしくわれわれにはとれるのですが、検査課長はその点何らかの注意を与えられたでしょうか。
○安井説明員 われわれが当時検査いたしまして感じましたところを率直に申し上げますと、あれだけ膨大な事業をやっておる全購連として、将来の危険分散と申しますか、危険に対処するためにある程度の内部留保を正式に持つということは許されるのではなかろうか、こういうふうに判断したわけでございます。
○淡谷委員 従来赤字を出しておりました全購連が、ただいまのお話で、二十九年の一月にわずかに七千五百万円の赤字しか見てなかった、それがどういう都合か知りませんが、二十八、九と検査がされないで、その次には価格変動に備えるほどのこの経理上のあやまちを犯した。これは検査課長として、今言ったように当然の処置であるというふうにお考えになっておるのですか。私はそういう甘い態度が今度の事件を起したと思う。そういう甘い態度が全購連と農林省との間に何らかの不純な関係があるかのごとく思わせる。これは一般農民には納得ができないのです。一億円の再建整備の助成金を受けておきながら、将来の価格の変動に備えて五億円の金を持っておることが至当だというのがあなたの検査に対する態度ですか。
○安井説明員 検査につきましては私以下検査官数名で検査したつもりでございます。従いまして出ました数字が五億一千万円しか出なかったというのを、今から考えますと、検査が疎漏だったということでお叱りいただいてもやむを得ないと思いますが、当時におきましては二年閥やっていなかったあとを引き継ぎまして、相当膨大な資料と取り組んで一生懸命やったつもりであります。なおそれだけやりまして出ましたのが五億で、これを処理するにつきましてはいろいろ考えておりましたが、先ほど申し上げましたような理由も至当ではないかというふうに当時判断いたしましたので、今から考えますとあるいはどうかと思いますが、当時はそういうふうに判断して処理した次第でございます。
○淡谷委員 河野農協部長にお尋ねしますが、大体今の検査課長の言う通り、この検査は非常に複雑でなかなかわからなかったと言っておる。この膨大な事業分量を持っております全購連の経理がこんなに複雑で、専門の農林省の組合検査課長が悩むほど複雑な経理になっておる。それをどのような事情があったにせよ、最も問題をはらんだ二十八年、九年の二ヵ年、農林省が検査を抜かしたということが、今度の事件を見るに至った非常に大きな原因をなしておるとあなたはお考えになりませんか。やっぱり今後何かあった場合には——法律に基いて一回検査すべきものであるのに、間を置くつもりなんですか。これに対するあなたのはっきりした考えを聞きたい。
○河野(恒)説明員 ただいまの点につきましては、特に全国段階等におきましては、経理の内容等も相当複雑になっておるのは私はやむを得ないと思います。しかしそれは十分に整理されて、そしてそれが合理的に運営されるべきだということを考えておるわけであります。従って検査に当りましても、さような点が十分に整理をされておれば、検査も能率的にできるということになろうかと思います。しかし今回の場合、全購連につきましては、さような経理上の措置についても、また諸規定についてもずいぶん不備な点があったわけであります。従いましてさような点を二十九年度分の検査に際して十分に指摘をいたして、その改正方を申したのでございます。 なお全購連全国段階のものにつきましては、ただいま申しましたように、それにつながる各団体の組合員には相当影響も大きいと考えられますので、私といたしましては今後は必ず少くとも年に一回は全国段階のものは検査をいたしたい、かような考え方をいたしております。
○淡谷委員 どうも答弁の方向がそれましたが、私は今後検査をしたいと思うなどというなまぬるい態度ではしようがないと思う。法律できまっておるでしょう。この法律できまっておる年一回の検査を抜かしたことに対して、あなたは今度の事件に責任を感じませんか。最も大きな問題をはらんだ二ヵ年です。そのときの前任者はだれだったか知りませんが、少くとも農林省としてはこういう法律できめられた一年一回の検査を二ヵ年抜かしておった、ここに責任を感じませんかと私言うのです。
○河野(恒)説明員 ただいまの点でございますが、あとからこういうことを考えてはまことに申しわけないのでありますが、現在の段階から考えてみまして、全国段階のものにつきましても年に一回必ずやっておれば、ある程度今日の段階に至るまでに指摘をし得たかもしれないというふうに考えられます。従ってこの点につきましては、まことに私どもとしては残念に存じております。
○淡谷委員 この五億一千二百万円がいろいろな勘定科目の中に入って残ったというのは、一体全購連のどのような事業によって生まれてきたものですか。急に黒字になるはずがない。それが少くとも準備金を置くほど黒字になったということは、何か大きな事態の上に変化があったかどうか。
○河野(恒)説明員 その点につきましては、先ほど局長からお話がありましたように、負債の面と申しますか、さような点を二十九年度の分で調べた際に、買掛金その他のところでおかしい点が出てきた。それを詰めて参りますと、それがそうではなくて、実は含みの形のものであるということがわかったわけであります。しかしながら、それがどういうところからどういうふうに出てきたかということについては、なかなか究明しがたいものであります。従いましてその点につきましては、大体のところは前回にも申し上げたかと思いますが、肥料から出たかと思いますが、十分な点についてはなおまだ検討を要する、さように考えておる次第でございます。三十年度につきまして、さような点についてもなお検討をいたしたいと考えておったのでありますが、まだ十分に検討し切れずに今日に至っておるわけであります。
○淡谷委員 今後の検討は検討といたしまして、大体肥料じゃないかというあなたの考えですが、これはどういう理由で肥料じゃないかと思われるのですか。
○河野(恒)説明員 大体肥料の扱い量が相当多いということもありますし、またその間に肥料の取扱いの関係から見まして、そこに生じたのであろうという推定をいたしておるわけであります。
○淡谷委員 肥料はずっと以前から扱っておるのですが、二十八、二十九、三十年の間に特に肥料がもうかるような情勢にあったのですか。
○河野(恒)説明員 それは大体カリ肥料というふうに考えております。
○淡谷委員 渡部農林経済局長にお伺いしますが、農林省は東独にわざわざ人を派遣いたしまして、カリの輸入を考えた、そのカリの輸入をして、今お聞きの通り全購連が多分にこれから利益を得た傾向があるのですが、農林省としてこのカリ輸入に非常に力を入れたその理由並びに経過を一つ御説明願いたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 カリの消費数量は最近急激にふえてきておるのであります。二十八会計年度の輸入が、塩化カリで二十四万トン、硫酸カリで十一万トン……。
○淡谷委員 もっとゆっくりやって下さい。
○青野委員長 渡部局長に申し上げますが、重要な数字である場合には少しゆっくりと筆記のとれる程度に説明を願いたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 硫酸カリが十一万トンで合計三十五万トン。二十九会計年度では塩化カリが三十万トン、硫酸カリが七万トン合計三十八万トン——これは七万五千トンの端数を切り上げて三十八万トン。三十会計年度は塩化カリが三十四万トンと硫酸カリが七万五千トンで四十二万トン。三十一会計年度では塩化カリが四十一万トンと硫酸カリが九万トンで合計五十万トン。こういうふうに年々ふえてきておるわけであります。これはK2O一〇〇%に換算した数字でありますから、有姿の量にしますとおおよそ倍近くの数になります。そういうふうにいたしまして、年々数量がふえますと同時に、価格も朝鮮事変、あるいはその後の海運景気の運賃上昇というような関係でだんだん上ってきておったわけであります。ところが鳩山内閣になりまして、肥料価格の低下という問題が政策として取り上げられまして国内の価格の硫安とか石灰窒素等ではそれぞれ相当の価格の低下を見たのでありますが、カリ肥料については、これがほとんど大部分が西独及びフランスでありまして、これは戦争前から非常に大きいカルテルができておるのであります。それ以外のソースから肥料を入れることによってカリの価格の牽制をしたらどうか、こういうことが取り上げられたのであります。そのために、政府といたしましては、一方では輸入業者の整備なり、新しいソースの東独、アメリカ等のカリの量をできるだけ多くして、カリ全体の価格を下げたい、こういう政策をとったのであります。
○淡谷委員 農林省が人を派遣したはずですが、一体だれだれが行ったのですか。
○渡部(伍)政府委員 カリの価格の交渉では、最初に三十年の八月ごろだったと思いますが、農林大臣が外遊する際肥料課の海内技官を連れて行ってやったのでありますが、そのときは成功しなかったのであります。その年の十二月にあらためて肥料課長檜垣君が出かけまして、そのときには三ドル程度の引き下げに成功して帰ったのであります。
○淡谷委員 渡部局長少し答弁がもやもやしておりますが、この当時大臣と一緒に行ったのは海内と言いましたが、今引っぱられておる人ですね。河野農林大臣もそれじゃカリ輸入に関係しておられる、大臣ですから当然関係したと思いますが、それで連れて行ったのは現在引っぱられておる海内技官、こう考えてよろしいですね。そして三ドル下った。下ったのはどれくらい輸入されたのですか。安くなったものの輸入量は。
○渡部(伍)政府委員 三十会計年度の下期の分から、下ったのであります。
○淡谷委員 カリの額の交渉に行って三ドル下げてきた、下ってからの輸入量を聞きたい。
○渡部(伍)政府委員 東独の分につきまして、三十年下期の量は約六万トンであります。
○淡谷委員 この六万トンは輸入商社はどこが扱いましたか。同時に全購連がそのうちどれだけを引き受けましたか。
○渡部(伍)政府委員 三十年の下期では、岩井産業、東京食品、日綿実業、伊藤忠、相互貿易、この五社でありす。
○淡谷委員 この五社はそれぞれ同量の輸入でありますか。
○渡部(伍)政府委員 申し上げます。岩井産業が約一万トン、東京食品が一万トン、日綿実業が二万トン、伊藤忠が一万トン、相互貿易は一万一千トン。これは百トン以下の端数は切っております。
○淡谷委員 なおこれらの入ってきたカリが一般農民に配給される経路はどうなっておるか。 それから貿易商社が肥料を卸商あるいは全購連等にやる場合に、どれくらいのマージンを取るのか、こういう点も御答弁願いたい。
○渡部(伍)政府委員 そのうちで約七割が全購連に来ておりまして、三割が一般国内の商社を通じて配給されておるわけであります。
○淡谷委員 七割は、実際の価格は幾らに全購連は引き受けておりますか。
○渡部(伍)政府委員 東独の分は、三十年の下期の価格は、五〇%と五八%の低度品と高度品があるわけでありまして、ちょっと違うのでありますが、低度品は、K2O一〇〇%に直しまして七十八ドル五十セント、これはCアンドFであります。それから高度品が一〇〇%K2Oに直しまして七十八ドル十五セントであります。
○淡谷委員 買付の方では三ドル安くなったということですが、この全購連が引き受けた価格は、従来のものに比べてどれくらい安くなっておりますか。
○渡部(伍)政府委員 これは毎年交渉しておるのでありまして、その当時運賃の騰貴等から値上げの要求があったのであります。その向うからの値上げの要求に対して割り引かしたのであります。前のものというより、ほかの地域との、西独なりフランスなりアメリカのカリとの価格の対比になるわけであります。そこで向うからの言い値からそれだけを引かしましたので、そのときの三十年の下期のフランス・カリは六〇%のものでありますが、これをK2O一〇〇%に直しまして八十一ドル六十一セントから八十二ドル九十セント、その範囲でありまして、西独では同じであります。スペインでは七十九ドル六十八セント、イスラエルは八十一ドル六十六、米国は七十九ドル六十三、こういうことでありまして、東独のカリの向うの言い値三ドルということによって、相当その他の地域の牽制ができたのであります。
○淡谷委員 全購連はこの東独のカリ七割以外に他の地域からカリが入っておりますか。
○渡部(伍)政府委員 もちろん他の地域のカリにつきましても、つっくるめまして大体六割くらいが全購連に直接入っております。輸入先の国によって違いますけれども、つっくるめまして六割内外になっております。
○淡谷委員 六割内外というのは東独が四割であとが六割ですか。
○渡部(伍)政府委員 東独の分は七割であります。ほかの地域でそれだけ全購連が引き取れない面がありますから、つっくるめまして、もっと少い地区もあるわけですから、トータルで六割内外、こういうことになるわけであります。
○淡谷委員 どうも私はわからない。東独のカリが七割、あとのものをひっくるめて六割というのは一体勘定はどういうわけなんです。
○渡部(伍)政府委員 これは先ほども申し上げましたように、東独の全購連に対する取り分が一番多いのであります。一番多いドイツ、フランスの分は五割から六割の間であります。それからアメリカ等は五割程度でありますから、総輸入量の取り分の六割内外、こういうことであります。
○淡谷委員 全購連が扱いましたカリの総量のうち何割が東独で何割が他の国か。——もし今すぐわからなかったら資料にしてお出しを願いたい。
○渡部(伍)政府委員 承知しました。
○淡谷委員 ただ今、海内という人は河野前農林大臣と一緒に東独へ行った、カリの輸入の交渉に行った、その人が、全購連の扱っております大量のカリかどうかは知りませんけれども、現在これは検察庁の手で調べられておる、これはその当時と何か関係ありますか。
○渡部(伍)政府委員 先ほども申し上げましたように、最初に行ったときは成功しなかったわけでありますから、成功しなかったから次に肥料課長をあらためて出したわけであります。それで肥料課長が行って交渉が成立したのでありますから、切めのときはうやむやで帰ってきておるのであります。
○淡谷委員 あなたの方の肥料課長と全購連との関係はどういうふうになっておるのです。あなたの方の肥料課長は全購連に対してどれだけの権限を持ち、またどのようなコネクトを持って仕事をされているのですか。これは事務上の問題でもよろしい。内輪は別としましてこれは別の方で調べますが、表面上全購連の肥料の扱いに対してあなたの方の肥料課長というのはどのような仕事をし、どのような権限を持っておるか、その点をお話し願いたい。
○渡部(伍)政府委員 カリにつきましてはそれぞれ国別に輸入商社の協議会がありまして、そこで為替の数量に応じてそれぞれその国別に何トンずつ入れるということを、これは政府できめます。その内訳はそれぞれの輸入組合でメンバーをきめるわけであります。その輸入商社のうち全購連に幾ら回すか、商社に幾ら回すか、この内訳は輸入商社と肥料商と全購連の三者が協議するわけであります。そこで協議がまとまればそれでよろしいし、協議がまとまらぬ場合には農林省の方に持ち込んで来る、そこでもう少し相談し合っていく、こういうような関係になっております。
○淡谷委員 まとまらない場合の決定権というものはあなたの方の肥料課長ですか、大臣ですか、どっちです。商社あるいは全購連との間に話がまとまらなかった場合に、これを裁量決定するものは肥料課長でありますか、あるいは農林大臣あたりがやりますか。
○渡部(伍)政府委員 これは御承知のようにどこで最終的にきめるというのじゃなしに、今の輸入商と取扱い商社と話し合いがつかないと、その三者が農林省へ来るわけであります。肥料課長の前でやって納まればいいし、そうでなければまた局長のところへ来てもう少しやるわけであります。そこで何時間か何日か折衝を重ねた結果、それぞれ妥協し合ってきめるので、どっかできしっときめる、こういうことにはならないと思います。
○淡谷委員 結局肥料の配給割当なんかを決定する場合には、最終的には農林省がこれをきめてやるというふうに理解してよろしいと思いますが、そうじゃないのでしょうか。
○渡部(伍)政府委員 統制時代と違いまして農林省の方で輸入商社の組合を作らして、そこできめる。それに対して商人がよけい取りたいし全購連がよけい取りたいということで話がもつれるわけです。そこで私の方で話の場を提供して、ああじゃないか、こうじゃないかということで妥協さしてやる、こういうことになるわけであります。
○淡谷委員 結局あっせん役があなたの方になってくる。そこで三十年度の肥料審議会が決定しましたカリの価格というのはどれくらいですか。
○渡部(伍)政府委員 肥料審議会ではカリの価格はきめないのです。
○淡谷委員 それでは全購連が単協に配給したカリの価格は幾らですか。
○渡部(伍)政府委員 十貫詰めにしまして三十年度の価格は消費地着駅渡しで塩化カリで元卸として七百七十円、卸として七百八十五円、小売りが八百十五円、これは五八%の含有のものの価格であります。含有の成分が変りますと一%につき十円の格差をつけております。
○淡谷委員 前年度はどうですか。
○渡部(伍)政府委員 二十九年の三月にきめましたのは元卸が七百五十三円、卸が七百六十八円、小売りが八百円、こういうようになっております。
○淡谷委員 おかしいじゃないですか。あなたはさっきカリの値を下げるためにいろいろ農林省が苦しんだと言っているが、下っていないじゃありませんか、全然。
○渡部(伍)政府委員 これはですからさっき申し上げましたように、カリの価格がだんだん上ってきている傾向のやつを、西独、フランスが独占をとっておりますから、言いなりになっておったわけです。そこで西独のやつを、ネゴシエートして牽制して、下げたわけです。ほうっておけばもっと上っていったやつをそこで押えた、こういうことになるわけです。これはその後も例の運賃等が上ってきていますから、カリの価格としてはもっと上っているわけであります。
○淡谷委員 今の十貫俵の価格を直して比較したらどうなります。マージンはどれくらい引かれているのですか。
○渡部(伍)政府委員 これは、三十年の分は換算して差し上げたいと思います。今すぐ計算できますが、CアンドFからあとの諸掛りをかけて、そしてこの価格を出しておりますから、それをトン当りと十貫当りに換算した表をあとで差し上げたいと思います。
○淡谷委員 大臣はまだお見えにならないようですが、やはり根本は大臣にどうしても出ていただかなければ、こういう事務的な話しかできない。この一連の関係を見ますと、海内という人がなぜ引っぱられたか、ほぼ見当がつく。全購連と農林省がこういう密接な関係を持っていて、検査が二年ほっぽり出されている。ほっぽり出されている間に、今言った通りに、多分カリ肥料だろうといったような利益が上って、これが含み資産になっている。そのカリを買いに行ったのが河野農林大臣と、今引っぱられている海内だ。これは失礼ですが、私は局長を責めるよりも、どうしても農林大臣にはっきりこの辺のところは聞いてみなければ処置ないと思う。まずはっきりこのことを聞きたいのは大臣ですから、私はきょうはこの程度で保留します。そして三十年度の、この換算した肥料の価格、それから全購連が扱ったこれらのもの、それから船賃その他のものにも多分に疑いがかかります。こういう、この肥料の末端配給までの諸掛りを資料にして出してもらいたい。それを得た上で、あらためて大臣に質問いたします。きょうは保留いたします。
○吉田(賢)委員 経済局長に伺いますが、この需給安定法によりまして、肥料審議会はカリとか燐酸の審議はしないことになっておるのでありますね。ちょっとそこを……。
○渡部(伍)政府委員 需給安定法の適用になっておるのは硫安であります。
○吉田(賢)委員 需給安定法の第二条に肥料の定義があり、十六条によって肥料審議会の規定があり、なお施行令等によりまして重要肥料の指定もあります。結局この場合、輸入カリの扱いにつきましては、特に価格の面は、輸入商あるいは全購連、全肥連などの協定によって価格をきめられる、こういうことに理解していいでございますか。
○渡部(伍)政府委員 これは需給安定法で、今までは直接には適用になっておらないのでありますが、法律の二条に「この法律において「肥料」とは、硫酸アンモニア及び政令で定めるその他の重要肥料をいう。」ということで、必要があれば、政令でどういう肥料でも追加できる建前にはなっておるわけであります。現実には政令で指定しておりませんから、この法律をそのまま適用しておるのは硫安だけであります。あとは、石灰窒素につきましても、燐酸肥料につきましても、カリにつきましても——昨年の七月以降カリについては指示価格というものはやめましたが、それまでは、カリにつきまして、西独、フランス、東独、アメリカ等の日本向けのCアンドFの価格に国内の配給の諸費を算定いたしまして、大体この程度で売れ、こういう指示をしてきておったのであります。それは直接法律はないけれども、肥料の価格を安定さすために、もし聞かなければ需給安定法で取り上げるけれども、そう取り上げてびしびしやらぬでも、大体のところでいいんじゃないか、こういうことで、指示価格という制度をとっておったものであります。
○吉田(賢)委員 この指示価格を指示するときは、大体農林省独自の判断だけで決定をなさるのか、それとも、全購連その他の扱い機関あるいは輸入商とも何らかの方法で意思の交換、協議等をやるのか、その点はいかがですか。
○渡部(伍)政府委員 これは官庁関係としましては農林省、通産省が相談しますし、結局幾らになるかということについては輸入商からデータをとり、配給は全国肥料連あるいは全購連からデータをとりまして、それらを勘案しまして、農林省で通産省と相談してきめておる、こういうことであります。
○吉田(賢)委員 通産省とも横の連絡もあり、輸入商からもデータをとって指示価格をきめる。一方、今度の問題になりました例の含み資産形成の経緯は、輸入カリの扱いによって生じたものが相当の割合を占め、あるいは、これが割合からすると、各種の利益あるいは収益のものと比較して最も多いのでないかというように考えられるのであります。全購連がこのような利益を上げるということは、同時に、やはり実際は農家へ響いてくることは当然であります。需給関係から、相当高値で配給しても、なお需要がオーバーするような状態が続いておったというような説明を、全購連の前の幹部の方は過日聞かしておりました。そういうような需給状況もわかりますけれども、しかしながら、配給を通して全購連が相当巨額な利益を上げたということ、それだけじゃなしに、かなり問題を生んだということ、こういうことにかんがみますと、価格等についても、進んで安定法の適用を受ける肥料の一種として扱って、肥料審議会の議にかけて、一定量の需給関係をそれぞれ考慮する方針を立てることが必要でなかったかと思うのですが、そういうような観点からすると、農林省が指示価格を出したにいたしましても、一種の野放しのような状態だったということは少し表現が適当でないかわかりませんけれども、もっと適当に、その間の需給関係、価格関係について、せっかく基本法があるのだから手をつけるべきでなかったか、こういうふうに思うのですが、事務当局といたしましても、その点については相当考慮したであろうと思うのだが、どうもせられた形跡がない。反省すべきだと思うのだが、それもしない。新たなる措置をなすべきだと思うのだがした形跡がない。こういうふうに思うと、あなた方の事務当局といたしましては、その点はどんなにお考えになっておったのでしょうか。
○渡部(伍)政府委員 これは先ほどちょっと淡谷委員からお話がありましたように、朝鮮事変以来世界の海運運賃が非常に上ってきたわけです。従ってそれを口実に私の方はそう推定したのでありますが、西独、フランス等のカリの値上げの要求は相当強かったわけであります。従いましてそのままでほうっておけばいいなり放題で、先ほどちょっと指摘がありましたように、二十九年に比べて三十年も上っている。その前に比べましても上っておるわけでありまして、農林省としては、それを救うのは運賃を口実にされることは困るから、値段を引くのみならずFOBでいくという交渉が一つあったのです。そうして運賃は日本船を使って日本に有利に持ってきて、国内で外国船の高い運賃とプールすれば少しでも安くなるのではないか。ですからもとの値引きを交渉すると同時に、運賃の負担をもっと日本で支払いできるように努力してきたのであります。しかし二十六、七、八年まではカリについても価格の指示がしてなかったのでありましてこれはそれぞれ業者がネゴシエートしてきまっておったのであります。二十九年から指示をするようになったのであります。ただ需給安定法に入れまして、この十三条ではっきり最高価格をきめるということになりますと、当時の状況から言いますと、運賃の変動というものが予測できないわけでありますから、そう簡単に建値を変えるというわけにいきませんから、これは一応指示しておいても、すぐあとに相談ができまして、変えることができるようにした方がいいじゃないかというので、おそらく指定しなかったもの、政令で規定して需給安定法を適用しなかったのだろうと思います。そういうふうにあとからあとから入ってくるカリが高いわけでありますから、全購連としては先に約束したやつがおくれて着きますと、次の期の値段は建値が高くなるわけでありますから、その差額は利益として出てきた分が相当あるのじゃないかと思います。一期ずつずれて値段が上っておりますから、手持ちしているやつが今度売るときに高く売れた、こういう利益が相当出ているのではないかと思います。それから新しい地域のカリ等も、アメリカなりスペインなりイスラエル等相当あさったのでありますけれども、最近に至るまでスエズ問題等が起ってなお上ってきたのでありますが、しかし一方では外貨の事情さえ許しまして、供給量を多くすれば、国内価格相場をそう上げなくても済むというファクターはあるのであります。外貨の事情は大体昨年あたりからゆっくりしましたので、三十一年度の外貨予算では非常に大きい数字を与えたのであります。従ってうんと入ってきまして、市況は非常に弱くなってきたのであります。そこで去年の八月からカリにつきましては指示価格制もやめたのであります。やめたのは、一つは今度はドイツとアメリカの競争が非常に激しくなりまして、三十一肥料年度の下期、すなわちこの春からは、一般の船運賃で向うから持ってくるのがトン当り大体二十九ドルくらいするのが、ドイツ、フランスはそれを一挙にたしか十九ドル三十五セントだったと思いますが、そこまで下げてきたのであります。従って今まで上を向いておったやつが、今度はこちらヘ持ってくる価格も下りまして、その量がふえたのと、ドイツがそういうアメリカとの競争におきまして安い値を立てた、その二つの関係でカリはこの間全購連の元の会長等がお話しましたように、ことしは市価暴落といいますか、下りまして相当の赤字が出てきているのであります。
○吉田(賢)委員 私はもう少し詳しいことはあした聞きますが、私の伺った趣旨は、大ざっぱに申し上げるならば、需給安定法があるので需給安定法の適用をするという方法も考えられる。輸入物でありますので、お説のように当時の世界情勢等にもかんがみまして先方の輸出各国におけるそれぞれの経済事情等も一切をにらみ合せまして、もっと広い視野と広い範囲と広い規模で輸入するという方法を講ずる手をどうして打たなかったのだろうかと思うのであります。河野前農林大臣が行かれ、今収容されている海内という人も行って、東独についてはいろいろ何かと熱心に交渉なさったようであります。実はその東独のカリについては別に聞きたいこともあるのだが、そういうような手を打って一部の価格の引き下げもやる。そして東独のカリについて牽制するということも一つの方法であろう。やはり肥料政策全体の視野、角度から見ましたならば、カリに対して何か一種の平野放し的な状態でほっといた感がどうもするのであって、どうしてもっと一歩進んでカリ対策として相当手を打つことをしなかったんだろう。これをしなかったので、買う者は高い物を買わされている。輸入商も、またこれを扱ったすべての者は、今日からいうならばあるいは不当に利益を得たということも言えるし、またあるいはこの間にいろいろと問題があります。これは別の機会に申しますけれども、その当時において今お答えになった以外にもっと広い視野からこの需給調整の対策、価格に対する対策等をとるべきことを、事務当局としてはいろいろお考えになってしかるべきじゃなかったかと思うのであります。それで伺った次第でありますので、安定法のできるまでの情勢、できてから後の扱いにつきまして非常に不十分といいますか、片寄ったといいますか、そういうことがやはり今日の問題を生んだ一つの原因ではなかったかと思うのです。結果から見ましてカリで大きな利益を上げたということを国民はみな不思議に思っているのです。それで伺ったのでありますけれども、これはなお詳しく明日あなたからもいろいろ御説明を伺ってみたいと思います。そういう趣旨でありますので、その点につきまして何か発言していただければよし、もしなければ、またあすにしてもよろしゅうございます。
○渡部(伍)政府委員 御承知のように、肥料の政策は、肥料公団の廃止とともに、肥料の統制が全部一ぺんなくなったのであります。そこで一応うまくいくかというのであったのですが、野放しにしてもうまくいかない。その間、昭和二十九年の需給安定法ができるまでは、政府としては外貨の面で、カリの輸入量なり、あるいは燐酸肥料の原料である燐礦石の輸入量をきめる以外に、何らの手がなかったわけであります。ことに専売的な公団から一挙に自由になりまして、反動といいますか、とにかく役所が、この肥料の問題については、今申し上げた輸入外貨以外には全然タッチしていかぬということで、肥料課等もうんと人員が削減されましてほとんど手がついていなかったのであります。それでほうっておけないというので、二十九年の春に需給安定法ができたような経過でありまして、その間に一つのブランクがあります。それから需給安定法ができましても、これは御承知の通り、初めは硫安だけの問題であったのを、国会の方で硫安その他政令で定める肥料ということで広げられたというような経過があるのであります。その当時の政府案としては、無用の統制は避けて、できるだけ必要最小限度にとどめろというので、案としては、その他の肥料というものも政府案では入ってなかったような経過になっておるわけです。そこでこの法律の運用といたしましても、硫安は、国内生産量と輸出希望量、それのバランスをとらなければならぬ。それから何と申しましても、硫安が肥料の基本でありますから、それだけはびしびしやったけれども、あとはこの安定法の趣旨をくんで事実上の措置をやっていった、こういうのが経過なのであります。お話のように、もっとそのときにびしびしやればよかったのではないかということも考えられますけれども、その当時の空気としては、一ぺん統制からはずれまして、そうしてそこの自由経済下の運動が非常に強かったときでありますから、そういう過渡期としてはやむを得なかったのじゃないか、私はこういう気がしておるのであります。
○細田委員 ちょっと資料の点について。渡部局長もいらっしゃったと思いますが、大臣に詳細に項目を並べてしかもこの審議過程であるから早く資料を出してくれという要求をしておいたのでありますが、いまだに提出がありません。すみやかに提出するように委員長においてお取り計らい願いたい。
○青野委員長 承知いたしました。 次会は公報をもってお知らせいたしますが、明十九日午前十時より、農林省当局、法務省当局、会計検査院当局の御出席を求めて開会する予定であります。 本日はこの程度をもって散会をいたします。 午後五時五十五分散会