P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会衆議院1957/04/11

決算委員会 第24号

発言数
117
登壇者
12
会派数
2
開催日
1957/04/11

会議録

青野武一日本社会党

○青野委員長 これより第二十四回決算委員会を開会いたします。昭和三十年度決算を議題といたします。本日は農林省所管中一般会計について審議を進める予定であります。それでは昭和三十年度決算検査報告一二六ページより一八八ページに至る報告番号九二八ないし一七一〇につきまして、これより質疑を行います。発言の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 農林決算につきましては、毎年莫大な浪費があることと、三十年度におきましても検査院の批難総数の約五割が農林省関係になっておりまするので、このような事態にかんがみまして、われわれといたしましてはでき得る限りの究明を続けまして、すべての問題について事態を明らかにし、かくして農林財政の健全化を期していかねばならぬと信じておるのであります。  そこで第一に法務大臣に伺いたいのであります。農林省の予算は大半が補助金であります。申し上げるまでもないのでありますけれども、補助行政の農林予算に占める割合というものは非常に大きいのであります。またその費目種類にいたしましても、最も数多く、あいるは百四、五十にもわたっているかもわかりません。こういういろいろな面から、農林省の補助費は非常に重大であります。このときにおきまして、はしなくも農林省の補助金が毎年二億前後も出ております全購連につきまして、今疑獄事件が起っております。警察並びに検察当局は、鋭意これが摘発に向って進んでおられる。ところがこの疑獄事件は、第一は全国の農民が異常な関心を持って見ておりますだけでなくして、その中枢にありました専務理事の言として伝うるところによりましても、国会関係に金が渡されたということも伝えられるのであります。あいるは政府関係、農林省関係の担当者が目下収容されております。あいるは肥料商、全購連の幹部、代表者などが収容されておる、こういうような事態に立ち至っておりまするので、私どもといたしましては無関心ではおれません。最も大きな関心を持ってこの事態の成り行きを見るとともに、事の真相を明らかにしなければならぬと考えておるのであります。そこで法務大臣は検察行政の指揮をなさる立場におありでありますので、相当な決心を持ってこの事件には対処しておられると思うのであります。かりにも国会議員がこの腐った金を受け取ったというような事実が世上喧伝せられておる限りは、これを究明していくことは、ただに法務当局の責任だけではなく、また国会の立場からいたしましてもきわめて重大な問題であります。法務大臣に現在の検挙の状況につきまして概況を一つ御説明願いたい。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 全購連の事件の概況を説明しろという吉田委員からのお話でありますから、この機会に全購連の事件に関する概略を申し上げたいと思います。  お尋ねの件につきましては現在東京地検におきまして捜査中でございますが、現在まで判明いたしておる捜査の経過並びに事案の概要は大体次の通りであります。この事件は、警視庁捜査第二課において、かねて全国購買農業協同組合連合会経理部主計課員河村秀郎というものが多額の預金を持っており、また芸者を身受けしておるというような事実等を探知いたしまして、内偵中のところ、河村の不正の容疑が濃厚となってきましたので、本年の三月二日河村本人に任意出頭を求めて取り調べましたところ、過去三年間にわたり全購連における農機具等の購買先の業者に支払う全購連の小切手の支払い伝票を記票する地位を利用いたしまして、業者からの支払い請求がないのにもかかわらず、支払い伝票を証票いたしまして主計課長及び経理部長を欺し、全購連名議の多額の小切手を振り出さしてこれを騙取した事実を自供するに至ったのであります。直ちに裁判官の令状を得て、河村の身柄逮捕いたしますとともに、被疑者の居宅、妾宅、全購連事務室等を捜索いたしまして、関係証拠物件を押収いたしたのであります。同人についてはその後勾留の上捜査を逐げまして、三月二十三日、四月四日の二回に、詐欺罪として計五千六百万円の詐欺の事実につき東京地方裁判所に公判請求をいたしてございます。さらに河村の捜査に関連をいたしまして、太陽自動車株式会社築地営業所長東海林竹次郎というものが、右河村と共謀いたしまして、自動車営業所の全購連に対するハイヤー代の水増し請求の事実が明らかとなりましたので、これを取り調べました上、四月の二日に同人をやはり詐欺罪として公判請求をいたしてございます。その後河村の捜査に関連をして、全購連経理部長立岩順一という者について、昭和二十九年から三十年にわたり、農林省農林経済局肥料課職員の料亭における遊興飲食費約三百万円余りを支払ってやっておる事実が明らかになりまして、贈賄の容疑が出て参りましたので、四月二日に同人を贈賄として逮捕をいたしまして、農林省農林経済局肥料課課長補佐の海内藤作という者について、右立岩から昭和三十年ごろ多額の金品を収賄した容疑が出ましたので、四月五日同人を収賄容疑で逮捕いたしました。さらに全購連前経理部主計課長河原という者について、昭和二十九年ごろから三十一年ごろにかけて業務上多額の横領をした容疑が出ましたので、四月五日同人を逮捕いたしまして、現在勾留の上、いずれも捜査中でございます。なお昨十日、第一肥料株式会社社長木倉純郎を前記海内に対する多額の金円の贈賄容疑で、さらに全購連燐酸加里課の課員寺田寛を外国為替及び外国貿易管理法違反の容疑で逮捕して、現在取調べを進めておる段階でございます。検察庁といたしましては、現在事件の重要性にかんがみまして鋭意真相の究明に努力をいたしておるところでございます。私どもといたしましても、吉田委員お説の通り、事件の重大性にかんがみまして、十分検察当局が厳正な捜査を遂行するように今後とも努めて参りたい、かように存じております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 肥料関係につきまして、外国肥料の輸入をめぐってずいぶん激しい競争が行われ、その間いろんな揣摩憶測あるいは世上喧伝せられた風聞もあるのでありますが、輸入商関係につきましては今のところ取り調べておる事実はあるのですか、ないのですか。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 現在のところは、先刻申し上げましたような経過をたどって事件の捜査が進められておりますが、輸入関係については別段事件になっておらないようであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 この事件は背景をなすところが非常に大きいのと、影響するところがきわめて甚大でありますので、これは通常の捜査機関の活動ではなかなか至難でないかと思うのであります。もちろん警視庁は担当機関でありますけれども、しかしやはり上は検事総長以下検察庁、法務省、警察が一体となって相当な決意を持って進んでいかなければ、私は途中で大山鳴動して小者だけが浮び上ったにすぎない、こういうことになることをおそれるのであります。ことに昨朝は山川何がしが自殺した事件が起っております。伝えられるところによると、この種の案件でここ二、三年の間に数名の自殺者が続いて出ておる。いま少しというところで挫折するのが通常であります。従ってこの事件を抜本的に解決するというためには、政府もよほど腹をくくってやらねばなるまいと思う。第一、閣議などにおきましても一定の方針をきめて、司法検察当局に対する方針を指示する、検事総長に対する方針も指示するというくらいな意気込みをもって、またそのくらいな決意と陣容を整えて進むのでないと、容易でないということをわれわれは想像するのであります。もし数名の小者があがって、自殺者が出て、それでけりということになりましたならば、おそらくは粛正の実が上らないで済むのではないかということを国民は憂えておるのであります。こういうことにならぬように希望することが、今日におきましては最も重大な一つの課題であろう、こう思うのであります。そこでまだ表向きになりまして間もないことでありまするし、また政府におきましても、今は非常に重大視しておられると思う。なれてしまえばだんだんと他のことに追われて、このことを忘れるということになってしまいますので、時期を失してはいけません。ただいま即刻、政府といたしましては、閣議におきまして法務行政のお立場から一つの大きな方針を打ち出して、これに対処していく、そして所轄検事総長に対しましてもしかるべく指示するというくらいな意気込みと決意が必要であると思うのでございます。そういうふうになさることが私は当然だろうと思うのですが、これに対するお考えを伺いたい。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 吉田委員のお気持はよくわかりますが、幸い検察陣は御承知の通り遺憾のないように整備されておりますし、いたしますから、われわれといたしましては、抽象的に事件の重大性にかんがみて督励をする努力はいたしますが、事案というものはいろいろ輻湊した面がございまして、第三者の想像とか観察とかいうことによって左右されることは、また場合によっては非常な危険も伴いますので、われわれとしてはできるだけ抽象的な鞭撻はいたしますが、具体的な捜査の面につきましては、できるだけ検察当局の慎重な、そして厳正な捜査に待つようにいたしたい、かように考えております次第で、吉田委員のお気持はよくわかりますが、具体的な点についての指示等については、よほど慎重を要するものと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 たとえば国会議員の選挙に金を出したということを、重要な立場の人が公けにしておる事実があるようであります。こういうことにつきましても、やはり捜査当局といたしましては見のがしがたい、聞き捨てがたいこととして直ちにしかるべき捜査に入らねばならぬと思うのです。これは具体的なことなんであります。従って、あなたも国会議員でおありになる。国会の責任をともに負っておる立場である。一方法務行政の首長である、閣員であるあなたのお立場は、この種の問題が目にとどまり、耳にすれば、直ちにこれは適当に捜査をすべきだと思う。何も捜査は予断をもって犯罪ありということを前提にする必要はありません。疑えばそれをするのが私は当然だと思う。こういう問題でも、たとえばそれならば、その当人を国会に出頭を求めてしかるべき発言を要求するということになりますと、事政治に関係しまするので、いろいろな圧力が加わります、ほかの圧力が加わる、内部で意見の対立があるというようなことになって、またうやむやになってしまうということをおそれております。そこで、これは一つの例にすぎませんけれども、こういうような重大な発言がなされたというようなときにも、この人をして真実を語らしむるというような自由な立場を提供して、国民に事件解明への協力をさすということを積極的にすべきだと思いますけれども、なかなかそうはいかぬのが実情であります。そこで、やはりあなたのお立場としましては、検察庁法の十四条によりまして、一般検察官に対するそれぞれの指示はもちろんでありますけれども、検事総長に対しまして相当強硬な指示がなければいかぬと思う。このようなことは、反面から見れば、善良な、清潔な議員及び候補者のためには、実に大きな不名誉であります。また反面から言えば、これがもし真実であるとするならば、これはまたと得がたい粛正の好機であります。こういう好機を逃がすようなことはもってのほかであります。もし法務大臣が検事総長に対して指揮しないで、またいろいろな手が及んで、これらの人の自由な発言が禁止されるものだからというようなことに終ってしまいましたならば、これはあなたとしても遺憾であるだけじゃない、国家の当然の機関が活動しないという結果、真相がやみからやみへ葬られてしまう。真実が明らかにならづにやみからやみへ葬られてしまうということになるのであります。しかし、もしこれがほんとうであるとするならば、私どもはこういう点から日本の財政というものを根本的に抜本的にほんとうに粛正する時期がくるものと思うのであります。こんなことも手をつけることができなかったならば、もし何万か何十万か何百万か金を取っておるやからは、たかをくくっておるかわからぬ。いやそんなことは当人がしゃべってもいろいろ品は封じられるのである。国会で抵抗するといっても出て行くことはとめることができるのである。反対論があってこれを押えることもできるのである。あるいは多数決によってこれを否決することもできるのである。そういったところへ一つの安易な希望をつないで、たかをくくって、そして事の成り行きを静観するということになるかわからぬ。こんなことになったら世の中は暗やみです。そこで法務大臣に緊褌一番ほんとうにあなたの奮起を促したい。あなたも永久に法務大臣じゃないんだから、このような重大な問題を眼前に突きつけられ、しかも東京の都内におけるこういう発言でありまするから、あなたとしましても、この機会を法務行政のほんとうの権威を発揮するために絶対最善の機会として、こういう問題の究明にも乗り出してもらわねばいかぬのであります、が抽象的なことは申しません具体的にすでに国会の論議にもなっておるのであります。どうしてこれを解決しないか。法務大臣は検事総長に対して具体的に指示することが私は当然であろうと思うのでありますが、あなたの御所見はどうでございますか。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 私どもは厳正な捜査を進め、事態を究明することを望んでおるのでありまして、またそういうふうに督励を今後もいたして参りたいと思います。しかし、御承知の通り政治論と検察とは違うのでありまして、検察はあくまで厳正であると同時に、犯罪の要件というものとにらみ合って進められなければならないものでありますから、世間のうわさとか、あいるは政治論的なこととからみ合うことは、むしろ私は非常な危険があると思います。私どもとしては厳正な捜査を遂行し、事態を究明をすれば、あるものは明瞭になってくる、こういうようなことに捜査が進められることを期待いたしておるのでありまして、さような意味においてわれわれとしては最善を期して参りたい、かように存じております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたと根本の所見を異にする点が一つある。それは今日の信ずべき新聞の報道の信憑性であります。全国的に頒布しておる一流の日刊新聞紙の重要な記事というものは、今日は相当の信憑性を持って読まねばならぬ思うのであります。検察当局の、また警察当局の捜査の端緒は一体何でありますか。あいるは人に聞き込むとか、あいるは新聞雑誌その他の記事を見るとか、あいるは何らかの事実を見るとか、それが捜査の端緒であることは、あなたも弁護士であられるんだから、そんなことは釈迦に説法で失礼ですけれども、一切の確実な証拠を握ってその上で捜査が開始せられる、そんなことは殺人犯とか現行犯でない限りはございません。ことにこの種の詐欺とか横領とか背任とか商法違反とか贈収賄とか、こういった事件の捜査の端緒というものはそんな的確、確実、正確な証拠のみによるものでないことは常識であります。風説によって捜査を開始しない、厳正公平で政治問題とからむことは避けなければならぬ、それはもちろんであります。しかしながら、信用すべき一流の新聞が大大的に報道しておる事実を、一片の風説扱いして捜査の端緒となるに値しないという考えは、これは根本的にあなたのお考えが間違っておると私は思う。あなたもこの事件については重大な関心を持ち、日々の新聞紙の報道は注意深くお読みになっておると思います。私も、この記事を読んだ瞬間はっと思ったのであります。しかしてその人の写真も出ておる。私は会ったことも見たこともない人だけれども、見るからに純朴そうな、いなかの百姓代表のような人であります。この小沼専務理事という人が朝日に語った記事というものは、これはやはり重視しなければならぬと思う。こんなものをも道聴塗説、風説扱いにして、捜査を開始することは何か政治的に一つの偏見にとらわれたものかのように見ることは私はいかがかと思います。事いやしくも国会議員の選挙に金がまかれておるというような趣旨の記載というものは、これは最も重視しなければならぬことであります。でありますから、その真偽、もしこの人がうそを言っておるのであれば、これはもってのほかであります。真実であるならば、これは大へんな事実であります。こういうようなことが眼前に――四月八日の記事でありますから、ここ数日の前にこういうふうに明らかになっておるものを見のがしていくということはないと思います。私は、やはりここは再考せられて、そして検察当局に適当に御指示になるべきが至当であると思いますが、重ねてお伺いしたい。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 もちろん吉田委員御指摘の通りに新聞の記事を軽視するというようなわけではございません。しかし同時に、捜査の端緒にはいろいろあると思います。われわれは捜査官になったことがありませんからなんでありますが、専門に捜査をやっております検察当局及び警察当局といたしましては、捜査の端緒にはいろいろあると思うのでありますが、要するに新聞はそれぞれ大勢の人を動員いたしまして、報道機関は報道機関としての内偵をして、そういうにおいがするとか感じがあれば、それを的確でないものは的確でないような表現で記事に書かれるものと思いますが、検察及び警察関係といたしましては、こういうような事件が起きまして、もちろん全購連の書類も押収してきておりますから、おそらく私は新聞がにおいをかいで想像的の記事を書くよりはもっと的確なものが――厳正な捜査が進められるならば資料が入手され、そうして的確な捜査が進められるものと考えております。従いまして、まだ事実取り調べてもいないわれわれ自身、実際にその衝に当っている者の知っていること以下しか知識のない者が、具体的な指示をいたしまするよりは、むしろそれらの組織された検察当局の厳正な捜査を期待する方、が、また督励する方が適切である、こういう趣旨を申し述べたのでございまして、もし伝えられるようなことが事実ありといたしまするならば、もちろん事件に関連をいたしましていろいろな資料が出てくるものと私は考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 この問題はきわめて重大なことでありまするので、今の御答弁によりましては私は満足はできません。直ちにお調べになるような気配も見えません、指示する気配も見えない。よって私は、当委員会に全購連専務理事小沼弥藤次氏をすみやかに参考人ないしは証人として御出頭願って、その発言の真実性及びこれに関連するこの種の問題について明らかにせられんことを一つお計らい方を願っておきます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 中村法務大臣に、関連して御質問いたしたいのです。  先ほど来吉田委員から強く発言されました通り、農林省関係の事件というものは続出しておりますが、多久島事件にさかのぼり、さらにそれ以前にさかのぼりまして、農林省内部の腐敗の原因というものを今日徹底的に究明する必要があると思う。ただし、このような事件がいつでも比較的軽い職務についている人たちが犠牲にされ、あいるはみずから命を断つというようなことでやみからやみに葬られておりますことは、これは非常に残念な話であります。大臣はこの事件に対しても厳正に処置されるような御所信でございまするが、今回の事件で、外国為替並びに外国貿易に関する問題が出ております、これに関連しまして、私は前農林大臣の河野一郎君の競馬馬の事件に触れてみたい。これは、最小限度外国為替管理法違反ではないかということで、大へんに天下を動した事件でありますが、大臣があのような疑いを受け、あのような事件を起しながら、今日までうやむやに引られておる。こうした形が、農林省内部に、大ていのことはやってもかまわないのだといったような気持をいつの間にかまきつけておるのだと私は思うが、一体、河野一郎君のあの競馬馬事件のその後はどうなっているのか、こういう疑いに対して、検察当局あいるは法務省が少しでも関心を持たれたかどうか、こういう点を忌悼なく一つお話しを願いたいと思うのです。これは農林省の内部の綱紀の粛正に関して非常に大きな精神的影響を持つ事件でありますから、大臣にお伺いをいたしたい。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 私どもの承知いたしておるところでは、例の競馬馬の輸入の事件につきましては、捜査の結論はまだ出ていないようであります。従いまして、今後、捜査当局によりまして適正な結論が出されるものと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 結論は出ていないというならば、この結論をはっきり出さなかったならば、やはり今回の事件の徹底した究明もできないと私は思う。大臣の場合は非常に寛大に、しかも緩慢に取り扱われており、下僚がやった場合には峻厳にやる、これでは世間が許しません。もし結論が出ていないならば、あの問題につきましても今後はっきりと究明するかどうか、この席上で御言明を願いたい。     〔委員長退席、山田委員長代理着席〕

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 もちろん正当な検察陣の活動によりまして適正な結論がしかるべき時期に出るものと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この種の問題は一つのことを簡単に扱っておりますと、必ずあとを引くものであります。私は農林省のこういう事件がたび重なるというのは、何らかこうした大物の取調べが緩慢にかついつまでもあとを引いて結論を得ない、こういうところに非常に大きな影響を受けておるように考えるのでありまするが、どうか今度の事件をさかのぼりまする場合、先ほど吉田委員からも強く言われました通り、たとい政界であろうが、あいるは高官であろうが、政府当局であろうが、果断なる処置をもって臨まれるように要望したいのでありますが、それに対する大臣の決意をお聞きしたいのであります。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 御承知の通りわれわれといたしましては、かねがね綱紀の粛正の徹底を期しておる次第でございますから、事件につきましてはあくまで検察当局の厳正なる検察活動によりまして、いかなる事件といえども十分な捜査を進めるように今後とも努めて参りたいと思います。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 関連して。申し上げるまでもなく岸内閣が一切を承継した前の石橋内閣当時、国民に対する五つの誓いをした。その誓いの第二項に綱紀の粛正がある。従ってこの内閣としてこういう問題が起きた限りは、これを徹底的に調べ、そうして国民の要望にこたえるべきは当然だと思う。そこで私まだちっよっとふに落ちないことは、もちろん捜査の過程ですからまだそこまでいってないというならこれは了解しますが、検察庁もしくは警察で――今吉田委員から小沼証人の喚問を当委員会に請求したのですが、あれだけの新聞記事に重大なる暴露と申しましょうか、いろいろ腐敗した内容を語っておる小沼専務理事を当然召喚されておると思うが、参考人あるいは証人として調べられておるかどうか。  それからいま一つは、これも捜査の過程ですから、まだこれからだというなら私何も申し上げませんが、贈賄側が非常に多いが、収賄側がきわめて少い。それから全購連を中心に――御承知のように全購連は農林省の外郭団体である。従って全購連の犯罪は、農林省の一官吏も召喚されて収容されておるようです。けれども、当然農林省及び肥料会社、この両方に関連がなくちゃならぬ。これを全購連だけつっつくならば、今淡谷委員あるいは先ほど吉田委員も言ったように、弱い者だけをいじめて、あとはふたをしてしまうというようなことになると思う。まず現在としては贈賄側が非常に多いんだが、収賄側の検挙が、私ども国民の一人として見る場合にきわめて少い。それから全購連だけをつっついて、その他の方面に対する取調べの手がまだきわめて緩慢だというふうに感ぜられるが、まずこの点について一つ大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 細田さんは専門家でありますからよくおわかりの通り、捜査というものは調べていきますうちにだんだんと関連をいたしまして、イモづるで真相がわかって参るのでありますから、いずれ本件についてこれだけの捜査が開始されておりまする以上は、それに関連をいたしまする事柄で、もし犯罪構成要件に該当するものがありまするならば、必ず私は捜査の結果明確になることと思います。われわれといたしましては、上層部の官僚だからふたをするとかどうするとかというようなことは、これは誓って絶対にございませんから、捜査段階で完全に疑うべき事実が出てきて、そしてまたそれが犯罪構成要件をなすものでありますならば、決してそれをおろそかにするようなことはしないつもりでございます。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 刑市局長でもいいのですが、小沼専務理事が、あれだけ詳細にあれだけ重大な発言を新聞に掲載されておるのでありますが、この人の召喚があったかどうか。それから先ほど大臣に伺った点ですが、きわめて贈賄者側が多くて収賄者側の検挙がきわめて少い。これは全購連が中心で発展した事件ですから、いわゆる飛び火と申しましょうか、関係商社あるいはその他の官庁に対する取調べがきわめて緩慢というか怯懦だという感じがするのであります。この三点を承わりたい。

井本臺吉検事(刑事局長)

○井本政府委員 お尋ねの小沼専務理事を調べたということはまだ報告を受けておりませんので、これは帰りましてから調べて、適当な機会にまた御報告申し上げます。なお関係者のうちで贈賄ばかり多くて、収賄が少いじゃないかというお尋ねでございますが、ただいま大臣からも答弁されましたように、事件の発展の経過が、一度に贈収賄がすぐにわかるというのではございませんので、逐次調べをしていくというようなことで、ときに収賄の方がばかに多くなったりあるいは贈賄の方が多くなったりするようなことは、途中の経過ではままあることでございますし、とにかくまだ調べを始めて数日しかたっていないものでありますので、これはいま少しく時日をかしていただきませんと、なぜそうなったかというようなことを申し上げる時期ではないというように考えております。いずれにいたしてましても、かような世間を騒がせるような横領、詐欺、贈収賄の事件でございますから、私どもといたしましてもできるだけ力を尽しましてこの事案の真相を明らかにしたいというように考えております。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 そこで大臣に伺うのですが、先ほどあなたは書類の押収をしておるから、そこからいろいろの真相がわかるだろうとおっしゃった。けれどもこうしたサルも木から落ちる、上手な手から水も漏るのだから、専門家が見て、あるいはそういう矛盾が現われるかもしれないが、計画的になされておる場合に、帳面からのみ必ずしも犯罪の端緒を得られるというものではないと思う。そこで小沼専務理事が、あなたの方でまだ知らない、新聞にも出ていないから、これは調べていないのだろうと思うが、あの重大な発言をした小沼専務理事、全購連の事件の中心をなしている小沼専務理事、これをどうしてあなたの方で調べないか、あなたは抽象的にいいと言うけれども、どうもこの事件に対する大臣の態度が、きわめて消極的なようにわれわれには受け取れる。まずあれだけの中心人物であり、あれだけの発言をした人を、呼んで事件の全貌をとりあえず聞く、これが一つの常識じゃないかと思う。それでもし呼んでなかったら、あなたの方の検察庁法に基く指揮権とでも申しましょうか、一つの捜査の指揮を直ちにすべき具体的な事項じゃないかと思うが、この点いかがですか。     〔山田委員長代理退席、委員長着席〕

中村梅吉自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 御承知の通り、捜査にはいろいろな段階がございますし、また捜査の任に当っておる直接の捜査当局といたしましては、いろいろ捜査上の技術が伴うものであると思います。従いまして、いずれはこうした全購連の中心的責任者である専務理事あたりは、適当の機会に取調べをされるものと私は思いますが、今までのところでは、刑事局長からもお答えいたしましたように、取調べをしていないようでございます。しかしながらわれわれとしては、必ず適正な捜査が進められて、犯罪がいやしくもある限りにおいては検挙されるものである、かように考えておる次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 なお法務当局、もうしばらくおっていただきたい。いましばらくして農林大臣が見えましたら、大へんいいと思いますが、あまりおそくなるようでしたら、私はあなたにお帰り願ってもいいと思います。  そこで、農林当局に伺いますが、いずれ資料をお持ちだろうと思うんだが、農林省が全購連に対して肥料管理損失補てんの補助金を与えた金額、それから農薬管理費の補助金を与えた金額、これをちょっとここ一両年来のものを御説明願いたいと思う。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 全購連の肥料の保管は、二十九年に制定されました臨時肥料需給安定法の規定によりまして保管をいたしておるものでございますが、三十年度では九千百八万三千三百五円、それに該当するトン数は硫安十二万二千七百八十八トン、それから三十一年度は金利、保管料に該当する補給の金額は四千三百六十七万四千九百三円でございまして、それに該当する硫安のトン数は五万二千十七トン、以上が保管された硫安の法律に基く数量でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 三十二年度の予算は。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 三十二年度の予算は、六千八百七十三万八千円でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 次に農薬管理費補助金につきまして同様説明していただきたい。

酒折武弘農林事務官(振興局総務課長)

○酒折説明員 農薬管理費の補助金の額を申し上げます。三十年度には一億四十九万九千円、三十一年度が七千七十八万三千円、三十二年度予算が六千六百六十四万六千円となっております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そこで伺いたいのでありますが、この肥料需給安定法によって買い受けをせしめた肥料の種類、それからその数量、これは今御説明になりましたものと大体対象としましては同一種類、数量、こう了解していいのでしょうか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 先ほど申し上げましたのは硫安でございまして、硫安だけでございます。ほかに保管をせしめておるものはございません。御質問の通りでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは需給安定法の九条によりますと、保管団体が当該保管業務について会計上欠損を生じた場合にこれを補てんするという趣旨になっておりますが、欠損を生じたことを御確認になっておったのですか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 硫安の保管を強制することによりまして、当然それによる金利と保管料がマイナスになってくるわけであります。ただ硫安の価格は毎年決定することになっておりますし、各月別の金額もそれぞれ安定法によって価格を決定することになっておりますので、買い入れた当時の値段と放出するときの値段との差額の関係ももう一つ見なければならぬと思います。そういう観点から差し引きまして、マイナスがあれば補てんする、こういうことになっておりまして、決算といたしましては、先ほど申し上げました通りの金額を決定したわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 臨時肥料需給安定法施行令の第六条によれば、法第九条の政令で定める事由とは、保管をすべき事由とは、保管団体つまり全購連の責めに帰することのできない事由による場合である、こういうことになっております。その保管団体の責めに帰することのできない事由というのはどういう場合ですか。

檜垣徳太郎農林事務官(農林経済局肥料課長)

○檜垣説明員 御説明申し上げます。保管団体の責めに帰することのできないような事由と申しますと、たとえば保管中に火災を起す、それによって焼失をした、それが保管団体の重大な過失に基くものであるかどうかというような場合、あるいは水害その他によって滅失をしたというような場合に、保管団体の責めと認められないものは、これは欠損を補てんしてやるという趣旨でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは法律及び政令の文章を読んでみますと、法の第九条には、「当該会計の欠損を補てんする」というのが、これが補助金の使われる理由になっておる。そこで政令の第九条によれば、保管団体の責任に帰することのできない原因によって生じた欠損であるという趣旨になっておる。今肥料課長の御説明によると、その責めに帰することのない事由とは、火災とかあるいは水害とかそういう種類のものである、こういう御説明である。先の総務課長ですか、参事官ですかの答弁によりますと、三十年度が九千百万円、三十一年度が四千三百余万円のこの補助金は、金利、倉敷、売買の差損、こういうことになっておる。金利、倉敷、売買の差額というのは今の御説明によっても何ら不可抗力的なそういう事由に該当しないということは常識上明瞭であるのですが、どうしてこういう事由に該当しないのに補助金を交付することになったのですか。これは、局長が見えているのではないですか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 ただいま局長は参議院の農林委員会がありますので、そちらの方に行っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは一体金を、現実の支出の扱いではなしに、支出を決定する責任者はだれなのですか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 農林経済局長が支出負担行為の担当官でありまして、支出官は担当の経理厚生課長であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうすると支出負担行為をなすのが農林経済局長であるとするならば、あなたの職務でないらしいんだが、しかしあなた方の御説明を総合すると、的確な条件に適当しない事由があるにかかわらず払ったように見える、これはまことに理解しにくいのであります。これはやはり農林省の責任者に聞かねばならぬと思うのですが、反面において莫大ないわゆる含み資産なるものが出て、昨年の一月決算の修正までやっておるのであります。こういうような醜態が暴露しておるのでありますが、不可抗力的な原因による欠損もないのに、この全購連に何億円、何千万円という、こういう補助金を出さねばならぬというのはそもそもどういう事態なのでございましょうか。そこはだれが説明できますか。ただし他の人の所管事項であるからというのでは困るのだが……。ちょっと、答弁なさる前に、参事官というのは何をなさるのですか。

檜垣徳太郎農林事務官(農林経済局肥料課長)

○檜垣説明員 御説明申し上げます。調整保管制度と申しますのは御存じの通りでございまして、肥料の内需見込み量を肥料審議会にかけて決定いたします際に、内需の翌肥料年度に及びます伸び方がどの程度伸びるかということはよほどむずかしい問題でありまして、法律も計算上出ました内需の見込み量に約一割の調整保有数量というものを留保いたしまして、その余力を輸出に向ける限度であるというふうにいたしておるわけであります。そこでその一割調整保有数量について計上をいたしました数量のうち、その範囲内で法律に定められました指定団体に、不需要期において調整用の硫安を買い取ることを政府が指示をいたすわけであります。そういたしますとその調整保有量の買い上げされました数量は、肥料の実需期、端的に申しますれば春肥の三月から七月までの間における予想しなかったような内需の伸び、あるいは出荷の要請に対する工場の出荷余力の不足というようなものに対応するために、抱いておるわけであります。従いまして抱いております場合には、当然そのための金利、倉敷あるいは保管の手入れ等が生じてくるわけであります。これを加算いたして放出をし販売をいたしましても、それはとうていその最盛需要期における価格等は同じ水準ではないわけであります。つまり高く売らざるを得ない、それは当然に保管団体としてはコスト通りで経費が加算しても売れないわけでありますから、欠損になるわけであります。そこで法律にございますようにこれらの買い入れの費用、それからただいま申しました金利、倉敷、保管手入れ料あるいは転送の場合の諸掛りあるいは事務費、そういうものを集計しました合計から、先ほど参事官の説明にありましたように販売の際に起る不需要期の値段と最盛期の値段との間に値幅がありますから、これが販売差益になるわけであります。販売差益を――保管から放出に至る経費を、全体の収入から差し引いたものが欠損になるわけであります。これは政府が保管団体に保管を指示しました限り政府として当然その穴を埋めるべきであるという法律の思想で、全額を補助金という名目になっておりますが、要するに政府から交付をするという建前になっておるわけであります。従って決算に出ております支払い金額というもの、これは法律に基く特別会計の欠損として当然に支払う義務が政府にあるものであり、よす。ただその際に政令で除外例を設けておりますものは、ただいま申しましたように不可抗力による場合のものは、やはり別に見てやらなければいけないというような場合が出てきますので、不可抗力でなく政府が補てんする必要のないものというのは、保管団体の重大な過失に基く欠損あるいは海難に基く経費というようなものがありますれば、これは払わないということなのであります。従って現在決算をいたしております支出額については、すべて証憑に基いて私どもとしては厳正な監査をした上で支払ったつもりでおるのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうすると法第九条の欠損補てんというものとそれから令の第六条の事由というものは相応する条文ではないということになりますか。今の三十年度欠損で九千百余万円と三十一年度欠損で四千三百余万円を補てんしたというのは、第九条の末尾の損失補てんであるのかどうか。それは令六条の一項の事由に該当するがゆえに交付したのかどうか、その二点だけ言って下さい。

檜垣徳太郎農林事務官(農林経済局肥料課長)

○檜垣説明員 御説明申上げます。先ほど参事官から申し上げましたように、支払いました補助金についての金額は、いずれも法律第九条、政令第六条の規定に従って交付した額でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしまするとやはり元へ戻って法九条の欠損補てんというものは、その欠損は同時に令の六条の事由に該当しなければならぬのじゃないですか。その事由というのは火災とか水害等不可抗力的な場合に限定せられる。あなたの今の御説明のように保管団体として受けるという申し出があって、契約をして、指示して、買い入れし保管をした、そういう契約に基きまして、経済上の変動等によって生じた、もしくは当然の営業的な管理費用、そういうものは該当しないじゃないですか。これによればその余地がないじゃないですか。六条と九条を対照してごらんなさい。

檜垣徳太郎農林事務官(農林経済局肥料課長)

○檜垣説明員 これは九条では、お読みいただきますときわめて明確になっておりますが、先ほど申しましたような経過によって、他の業務と分離されました経理の特別会計が、保管のために欠損を生じたものはすべて補てんをするのだといっておりますけれども、その補てんの事由というのはほしいままに全購連が欠損を生じたものには渡さないという意味を、やや法律技術的な問題と思われますけれども、裏側から政令の方は書いておりますので、そういうような御疑念があるのではないかというふうに考えます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 政令というのは閣議できめるんです。あなたがきめるんじゃないんです。あなたが懇意に法律を解釈すべきものではないんです。従って法律を厳格に解釈し、政令を忠実に解釈し、これを守っていくのが行政官の仕事です。行政官が法律を勝手に解釈したりすることはできないはずなんであります。これは別途会計ということは九条にも書いてある。経理は別の会計に区分するということは書いてある。けれどもそれは会計を区分することだけであって、その損失の原因たるものはやはり令六条によって、法九条の政令に定める事由とは保管団体の責めに帰することのできない事由に限定しておるのであります。それは営業上の損失に帰しておる。懇意による原因は認められない、これはあたりまえですけれども、そういう拡張解釈すべきものじゃないと思う。私はやはりこういうとろにあなたの方と、つまり農林省当局と全購連のなれ合いのようなものがあるので、今度のような事件が起こるのではないかと思うんです。われわれも全国の農民に直接、間接に利益が与えられるならば、どんな補助金がありましょうとも、農林政策の上で必要なものは出してほしいと思うのです。けれども一部に食われてしまって、犯罪の温床になったり、犯罪の道具になったりするようなことは、厳として戒めねばならぬ。このような場合に法律を拡大解釈して、会計が分離されておるから、分離した会計の内容におきまして損失が生じ、しかしてそれが保管団体の悠意によらない場合においては、これを補助金の対象として支障ないというようなことは、法律と政令の解釈を全く乱用しておるものと申さねばならぬと思うのであります。そういう習慣でやっておるというなら、その行政的習慣が間違いではないのでありますか、もしそうでないとするならば、法なり令なりを改めればいい、私はそう思うのであります。あなたとこれ以上の問答をしてもしようがないのでありますけれども、やはりこういう点におきましては厳格に解釈せねばいかぬとともに、肥料課長あるいけ肥料課長補佐というものが肥料行政におきまして絶大な権力者のように世上に印象を与えておる、こういうようなことも考えますと、今回の事件の起りました原因が那辺にあったかということをいろいろ想像をたくましゅうするのであります。もってのほかであろうと思うのです。にもかかわらず、なおあなたはそういうように、別途会計であるから損失を生じておる場合に今のような売買差益、倉敷料に至りますまで、また金利まで、これは補助金の対象にするのだというような解釈をやはり持ち続けていくつもりなんでしょうか。

檜垣徳太郎農林事務官(農林経済局肥料課長)

○檜垣説明員 私は、この法律制度が定まりますときに、調整保管というものについてどういうやり方でこれをやるかという根本において、調整保管をする団体はそのことによって利益も損失も受けないという制度として考えられたものである。しかしてその経過におきましても、いずれかの亜団体において保管をたしました際には、保管のための経費がかかる、その経費をどこが持つかということが、この制度の法律的な筋書きであったと理解をいたしておるのであります。従ってただいま申しました金利・倉敷、あるいは保管手入れ費あるいは運送のための緒掛りというようなものを補てんするということ自体がこの制度を可能ならしめておりますので、私はこの制度が法律上存する限り、ただいま申し上げましたような生じた欠損については補てんすることが当然であって、それを続けなければいけないと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そんならあなたは、森参事官の説明の令六条の解釈が間違っているというのですか。

檜垣徳太郎農林事務官(農林経済局肥料課長)

○檜垣説明員 私は森参事官が私と違った御説明あるいは御答弁を申し上げたように記憶をいたしておらないのでございますが……。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 記憶するもしないも、あなたはそこにおるのじゃありませんか。法九条とこれを受けた令六条によって、今の肥料保管損失補てんの補助金を出しておりますという説明をあなたはしておるのじゃありませんか。その令六条の補てんすべきいわゆる欠損の事由なるものは、森参事官ははっきりと説明したのじゃありませんか。記憶するもせぬもありませんよ。あなたの道義に属することで、あなたはそこで一緒におって聞いておるのだ。水害を例に引き、あるいは火災を例に引き、そしてこれに保管団体の過失がなかったような場合を指示しておられるので、これは常識であり、法律解釈としては当然のことであります。あなたのように倉敷まで責めに帰すべからざるものだとか、あるいは売買差益までこれに含むというような、そんな拡張解釈はすべきものじゃないと思うのです。どうも幹部が来ないので、あなたとばかりこういう問答をしてもほんとうにしょうがないが……。

青野武一日本社会党

○青野委員長 十二時前には来られぬが、一時にはきっちり御出席いたしますという、大体のそれをもう一ぺん再確認するために今使いをやりましたのですが、都合によったらその間休憩したらどうですか。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 こういう責任のない事務当局の答弁ばかり聞くわけにいきません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 森参事官にお聞きしたいのですが、肥料需給安定法ですか、これに定められました当事者の意思によらざる損失の中には市場相場などが入っておりますか。硫安価格の下った場合には買い入れる、あまりに上がった場合にはこれを放出するというような操作を行われるはずでありますが、その場合に硫安の価格決定というものは、大体あなたの見通しでは必然的なものであるか、人為的なものであるか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 硫安の価格決定につきましては、市場相場も一つの因子となると考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ただいまの吉田委員の質問の中に答えられました肥料課長とあなたの答弁との間の食い違いは、その一点にあると思うのです。市場相場もその中に入るといたしますと、一体全購連が肥料を買う場合に、決定権は農林省側の指示によるものであるか、あるいは全購連が独自に行うものであるか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 農林省側の指示によるものであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あとの質問の都合もありますからこの一点だけ聞いておきますが、農林省の方では、だれが一体これを指示するのですか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 農林大臣の指示であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 わかりました。

青野武一日本社会党

○青野委員長 それでは暫時休憩することにいたします。     午後零時二十三分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十一分開議

青野武一日本社会党

○青野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  それでは引き続き質疑を行うことといたします。なお次の日程と時間の関係もありますので、質問は農林大臣に重点的にお願いいたします。発言の通告がありますのでこれを許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 農林大臣に伺います。はしなくも今度国民が異常な衝撃を受けた疑獄事件がまたしても農林省と外郭団体全購連の間に起りましたことは、きわめて遺憾とするところであります。そこでまず伺いたいのでありますが、監督行政の問題を伺っておきたいと思います。農林省を通じまして全購連に出しておる補助金は、政府委員、説明員の答弁によりましても、肥料の保管についての損失補助金、これが三十年度で九千百余万円、三十一年度で四千三百余万円ということになっております。あるいは農薬の管理費の補助金、これも三十年は一億円をこえております。三十一年は八千万円をこえております。こういうように二億前後の補助金が交付せられた全購連、これが今横領あるいは詐欺等のいろいろな事件を起しておるわけでありますが、申すまでもなく農林大臣は行政長としてこの協同組合を監督しあるいは指導する立場にあるわけであります。そこであなたの方としては常時監督をしておるものと思いますが、まずこの点について簡単に御説明を願いたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 今回農協系統団体の中央機関の一つでありまする全購連におきまして、ただいま御指摘のような不祥な事件が起りましたことは、まことに遺憾千万でございます。またこれに対しまして直接監督の衝に当りまする農林省といたしましても、まことに不行き届きの点に対しましては遺憾の意を表しますとともに、またこのことが農林省部内にも波及をいたしましたことについては、まことに申しわけのない限りと存じておるわけであります。監督の立場よりいたしまして、従来ともに全購連の検査に当って参ったのでありますが、人員の点等もございまして、未然にこのことを防止するに至らなかった点につきましてはまことに残念であり、相済まない次第と考えておるのであります。従いましてこれに対処すべく、ただいま事件の推移ともにらみ合せまして、この機会に抜本的な措置を講じたいと、鋭意検討をいたしておるさなかでございます。以上、とりあえずお答えといたします。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 この問題は、あなたは今お述べのごとくに抜本的対策を講じるということに真に勇気を持って臨むのでなければ、全国の農民は農林省を信頼しないことになります。そこであなたは閣僚の一人でありますので、一つだめを押しておきたいのでありますが、午前中法務大臣もおいでになって、この問題につきまして検察当局を督励して大いに検察事務を遂行するということを言っておられるのであります。そこであなたはその農林行政の主管庁の責任者といたしまして、また全購連に対する監督検査の責任者といたしまして、真に抜本的な措置対策についての責任は遂行せなければならぬと思う。それならばやはりこれは省内においてとやかくの方法を講じるだけにとどまらず、全日本の農民及び国民にこたえるという意味合いにおきましても、私は閣議におきまして明確にこれに対処する基本的な態度方針を打ち出してもらわねばならぬと思うのです。ことに伝うるところによれば、あるいは国会議員に金が散布せられたということさえ伝わるのであります。もしその補助金等がそういうふうになったとするならば、これは大へんなことであります。真偽は別といたしまして、真に憂うべき一つの疑いでありますから、こういうことに対しましてもやはり政治的に重大な決意を持って臨んでもらいたいと思いますので、閣議におきまして方針を立てるというふうにやってもらうべきだと思うのだが、いかがでございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 その点は石橋内閣以来綱紀の粛正を眼目にいたしておる事柄でございますので、御趣旨の線に沿いまして、この際こそくなことでなく、決意を持って対処いたしたいと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そこで伺いますが、たとえば河村某という元全購連の主計課員、が五千六百万円の金を詐取して、今起訴されておるようであります。また贈収賄の事件がたくさんに起っておるのでありますが、農林省が年間一億数千万円この全購連に補助金を交付しております。この交付したもの、がこういう方面に取得され、あるいは隠匿され、流され等々したかどうか、その辺について十分に検査の手を伸ばして会計検査をしたのかどうか、その点についてはどうでありますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 国が全購連に対しまして、あるいは肥料の調整保管用の金利、倉敷の負担というふうな関係から相当な金額を交付しておること、あるいはまた従来再建整備団体としてこれに対する奨励金を与えて参った、こういった費目につきまして、それが不当なる方向に流用されるというふうなことがあっては相なりませんから、十分意を用いて検査をしておるつもりでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 意を用いて十分検査はしておられるかしれぬが、検査不十分な結果今日のことが暴露したものと思わざるを得ないのであります。すなわち検査をすべきことを十分に行なっておらぬというの、が検査監督の実情でないかと思うのであります。そういうことで一体いいんだろうか。そもそも昨年の四月全購連が公表いたしました全購連内部蓄積に関する経緯の概要と称する文書、これによりますと全購連の内部蓄積は約五億円であります。かくいたしまして前年度からの繰り越し欠損の六千五百万円等を解消し、その他各般の措置を構じた、こういうこになっておる。また一方伝うるところによりますとこの五億円の蓄積財産というものは隠し利益であって、公けにしがたいものであって、公けにするいろいろと下部組織の嫉妬もあるし、また全購連のやり方に対する批判が激しくなるというので隠しておったということもいわれるのであります。またこれがはしなくも内部検査によって暴露され、発見されたというのでありまするから、いずれにしても五億円のの隠し利益が表に出なかったというようなことは、私はこれは検査をやったという説明にならぬと思うのであります。全購連の責任者が言うところであるから、これは間違いないと思うのであります。一体こういうものをどうして農林省は発見することができないのか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 五億円余りに上るいわゆる含み利益と申しましょうか、これは農林省の検査の結果明らかになったものでございまして、全購連としてはこれを価格変動の準備に充てるというような考え方でおったのでありまするが、われわれといたしましては、これを明らかにいたしました以上は、当然農民に返還をすると申しましょうか、あるいは安い肥料を提供すると申しましょうか、そういうような方法においてこれを処理するというふうな示唆も与えました次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ところが、民に返還をするというようなそういう方式にはこの処置はとられておりません。これは前年来の繰り越し欠損に六千五百万円を充当し、それから三億八千万円を価格変動の準備金に充て、二千五百万円を貸し倒れ引き当て準備金に充てるというふうに、やはり内部におきまして利益を蓄積しておる、控除して持っているという措置にすぎないのであります。農民に対して返還の具体的方法も何らとっておらぬのであります。そもそも全購連という存在に対する農民の理解というものに、やはり農民に対して農業その他農業用のあらゆる資材についていろいろと便益を与えてくれるものであるというので全購連に対する信頼がつながってきておるのであります。しかるにこのような大きな利益を隠匿しておるということが発見されて、農林大臣は農民へ返還を示唆した、けれども示唆通りに行われずして、依然として内部で蓄積していくという方向をとっておるのでありまするが、そういうことになりましても、あなたの方でさらに何らかの特別な示唆を与えるということはしないのでございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 価格変動準備という形でこれを明らかにして積み立てておきますことは、時間の問題はございましょうけれども、やがてはめぐりめぐって先ほど申し上げましたようなわれわれの示唆いたしました方向に参るであろう、こういうふうに考える次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 長い時間を待って、めぐりめぐってやがては百姓に還元するというような、そんななまぬるい、間の抜けたような考え方で抜本的対策はとれません。やはりここは端的に割り切らにゃいけません。百姓のために存在すると呼称しておって、いろいろと文書を読んでみると、この中の美辞麗句ことごとく百姓のためであります。独占資本に対する何とかかんとかいうような文句を使い、百姓のためにということをのみ飾った文章によって今日まで世の中を理解さしてきたのであります。しかるに今のようなそういうお考え方であっては、とても私は抜本対策なんて、それは木によって魚を求めることになると思うのです。やはりこの際はもっと割り切って、この金の処置は社会が納得するようにする、企業団体であるならば、それは価格変動の準備金として三億円であろうと五億円日であろうと置いておく、そういうことも考えられますけれども、いやしくもこの団体はそういう企業団体でないはずであります。企業団体でないはずであるから、いろいろ法によって監督も受け、検査も受け、あるいはまた反面保護もせられ、特権を持っておる。特権を利用することによって莫大なる利益を得て、その利益を隠匿して、そうしてその処置すら、なお内部にじっと持っていくというようなことは国民が納得しません。大臣は国民が納得するような方向へ持っていかなくてはほんとうの農政ではないということを私は思う。大臣御自身のお考えはやはり国民の大臣ということにならなければいけない全百姓のために考えなければいけない、百姓が納得するように事を持っていかなければいけない、そういうふうに考えますと、もっとほんとうにあなたが劈頭申された抜本的対策の線に沿って、この五億万円の金の処置についてはあらためて注意を喚起し、その処置方法の変更等についても、もっと積極的な示唆がなければならぬと思うのです。重ねて伺います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 ただいま御発言のように国民注視のこの農民の中央団体というもののあり方を抜本的に洗うべき段階がきておるわけでございまして、御趣旨の線等をも十分勘案をいたしまして指導に当って参りたいと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 百姓はわずか零細な補助金でももらわねばならぬというてやっきになっておるのが現状であることは申すまでもございません。しかるまた一方農薬の補助金は打ち切られて、農薬の整備とかその他金利とか等等の費用を三十年度には一億円以上も補助金として受けておる。こういうような実情であるから、従ってせめてまず第一に五億万円のこういう隠匿利益というものはもっと積極的に何とか処置をするということを示唆するのでなければいかぬと思うのです。一体そういうことをする権限はないのでありましょうか。権限の問題というよりも、行政指導の面から見ましてやはり当然であろう、こう思うのであります。これは一つ大臣にもっとこの問題について積極的な具体的なお考えを持つことを促しておきたいと思います。そうしませんと、こういう問題の解決すらできないで、どうしてほかの問題の解決ができょうかと、国民は最終まで疑いますのみならず、午前中もちょっと申したのでありますけれども、今度の本件でも大山鳴動してネズミ一匹になるのじゃないか。弱い人間は死んでいく。運の悪いやつだけがつかまり、ずうずうしいやつはうんと金を使って、そしていいかげんで出てきてまたそれ以上の強い心臓で世渡りをしていく。迷惑をするのは国民だけである、信頼を失うのは国の政治である、こういうことになるわけであります。だから、大山鳴動してネズミ一匹にならないようにすることは、法務当局だけの責任ではありません。やっぱりあなたの方に監督の責任があって、結果から見れば、その責任が十分に果されていないということになる。あなたの方では人間が少いので検査も十分にできないとおっしゃるけれども、人間が少ければふやせばいい。予算を請求する権限もあるのだから、機構改革すればあなたの方でもやれるのです。それでないと、これに対する監督を十分にするということについての注意が足りない。結局、世上言われるがごとく、全購連と農林省とは親類づき合いをしている、なれ合い脅している。なれ合いが過ぎると、公私混淆してしまって、国の財政資金をまるで私の金のように考えて、だんだん深入りしてしまうのであります。こういうことでありますので、やはりこのことはしゃんとした一つの線だけは引いてもらわなければならぬ。どうしても五億円の金については積極的に農民に還元するという方向に持っていくような示唆を提案する義務がある、政治的責任がある。もしあなたの万が厳格に監督しておりましたならば、五億数千万円の利益をふところに入れるという余地はなかったかもしれません。そして百姓のためにもっと安い物をもっと適当な機会に供給するというあっせん業務を行い得たかもわかりません。そういうことにもっと金を使ったかもしれないと思う。ところが、そういうことをしなかったので結局、こういう大きな利益をふところに入れて、発見されて暴露した。それに、なお今後蓄積していこう、これをあなたの方で認めていこう、長い時間を待つならば、やがて農民に返ってくるだろうということは、少し甘過ぎますよ。そんな甘い考え方でこのたびの事件に対処するということは、かりにも抜本的対策を請じようとする大臣として覚悟が足りない。この問題について、もっと積極的な示唆、積極的な対策を示さなければならぬと思います。当然これは行政全体に対する農林大臣としての御責任であろうと思うが、どうでありましょう。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 従来、農民団体という立場は、自主的な立場という意味において考えて参った点もございます。かような次第で、あるいはなまぬるいという御指摘もさもあろうかと思います。今日、これだけ大きな問題に相なっております以上は、役所といたしましても、本腰を入れて対処する所存でございます。その具体的な方法等につきましては、なお十分に検討させていただきたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私は、あなたは誠実な方であるから、できるだけのことやなさろうとする御誠意はあるものと思います。ただしかし、容易ならぬ事態である。背景はとても大きいのです。その深さにしても、ほんとうに底なしの泥沼のような認識をもって当らなければいけない。誠実、誠意だけでは解決しないのであります。ほんとうの勇気が要るのであります。そこで、このような五億数千万という大きな金はどうして得たのだろうか。政府は年々相当量の肥料の保管をさしてきております。こういうようなものとの間に混淆があったのじゃないだろうか。あなたの方の調査の結論はどういうふうになったのか、それを明らかにしてもらいたい。これは事務的なことでありますけれども、やはり農林大臣の責任において監督をし、検査をしておる建前になっておりますし、ことにこういうふうに問題が重大化したのでありますから、責任の首長としての農林大臣にその辺を明らかにしておいてもらいたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 私の方で検査をいたしました結果によりますと、いろいろよって来たりまする黒字の原因というものはございますが、主として輸入カリを取り扱いまして、それによる差益が大部分であろう、その他経費の節約等もございますが、おもなる点は輸入カリの問題であろうと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 輸入カリとなると、なお聞いておかなければならぬ問題があるのであります。今つかまっている内海という課長補佐の方は、昨年河野農林大臣とともに東独の方へ同行した事実の有無、これはあなたでなくともいいが、おわかりだろうと思うから聞いておきたい。  それからもう一つは、ヨーロッパ、ソ連などへ参りました途次に、東独へ旅行したとき、東独の外務省関係に相当輸入カリの問題について折衝した事実、そうして口綿実業、伊藤忠、あるいは東京食品というような輸入商の実績のあるものないものなどを含めまして、新しい輸入についての商権与えるというような結論を得るに至った事情、そういうことについて東独の外務省との間をかなりあっせんをしたような事情、こういうことは農林省内部においては相当に顕著な事実であると思います。農林大臣としてはこの辺の消息についてはどういうふうにお考えになっておりましょうか。つまりあなたの方の肥料課があっせんをいたしまして、内地へ東独のカリを入れることについて相当猛烈な競争があった。結局全購連もかなり大きな割当を受けることになったといういきさつであります。このいきさつは全購連を調査し、検査した以上は当然明らかになっておらねばならぬのであります。これについてのあなたの御感想を聞いておきたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 私、ごくアウトラインという程度には承知をいたしておりますが、今御質問のような突っ込んだ事情というものについてはつまびらかにしておりませんので、もし御必要ならば事務当局から申し上げさせたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 事務当局からはまたあとで伺うことにしまして、今少しあなたのアウトラインだけをまとめていただいて聞きたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 当時東独方面において折衝いたしました問題は、主として輸入カリの価格の引き下げ、これの交渉の任に当ったものでございまして、今御指摘の商権の問題というふうなことについては、私としては承知しておらないのでございます。

青野武一日本社会党

○青野委員長 淡谷君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 農林大臣にお聞きしたいと思うのであります。私は大臣と一緒に長い間農林水産委員会でよく大臣の誠実な御気質を知っておりますので、このたびの事件について非常に心痛しておられることも十分お察し申し上げます。ただしこれはいわば農林省の一つの長い間の汚職疑獄等の積み上げでございまして、これは大へん失敬な言い分でございますが、前農林大臣の河野一郎君がほとんど農林大臣としての仕事をそっちのけにしまして、さまざまな政治工作に終始しておられた。こうした前大臣からの引き継ぎの問題があなたの代になって出てきたのだと私は考えております。ただし私もあなたを知っているだけに、あなたの誠実な性格を信じまして、この際断固たる処置をあなたにとっていただかなければ、全く吉田委員の言う通り、全国の農民は農林省も信頼せずに、現在再建整備法等で次第に立ち直ろうとしております全国の農協の組織自体が大へん危殆に瀕する、日本の農政の重大事であります。この際どのような苦痛を忍ばれても、まだどのような犠牲を出されましても、断固としてあなたの手によって農林省、全購連のこの疑獄事件は徹底的に究明する必要があると私は確信いたします。それにつきまして大臣もおそらく日本における農政の第一人者でございますから、大体見当はついておられると思いますが、こうした事件を生むには生むだけの素地がございます。そのうちの一つの大きな要因といたしまして、今日の全購連の組織というものは、もはや単協と非常に近い線をもって結ばれた組織ではない。このことを大臣にはっきり認識していただきたい。単協では再建整備法をなお延長しなければならないほど大へん困っておる。ところが全購連自体は五億数千万円の利益を上げておる。真に全購連が農民の利益をはかる団体であるならば、カリをもってもうけたならば、もうけはあげてこれを還元する必要があると思う。ところが全購連が一個の商人みたいになってしまって、単協の経営はどうなろうとも、みずからの中に一つの利潤を蓄積しようというこの態度が、例の公正取引委員会等においてもまるで農協を普通の商人と同じように扱っておる一つの傾向を生んでおると思う。同時にまた御承知の通り、日本の農業というものは保護政策によって立っております。従って政府が手を伸ばし、政治的なささえをしまして補助等を与えなければ、とうてい立っていけない実情でございますから、そこに農林省との間に密接な関係ができる。つまり政治と経済とがいい意味においても悪い意味においても手を結んでおりますのが、全購連の事件発生の大きな原因であります。またそこに考慮すべき要点がある。一体全購連はこのままの形で、府県連の組織とも浮き離れまして、全購連自体が一つの営利商人のようなことに出ております事実、これは大臣に就任されましてから短かい間ではありますが、大臣はこれを認識しておられますか。まずこの点をお伺いしたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 農協の系統組織というものが上から積み重ねて参りますと、そこに県連というものがある。その購買部門のピラミッドの頂点に全購連がある。この形というものは、それはそれなりに一つの組織化されたものでございましょうが、さてその実体はどうかということになりますれば、ただいま淡谷委員の御指摘のような単位の農協と遊離した形、あるいは農民というものを離れて、役職員の構成する中央団体、こういうあり方は確かに現実であろうかと思うのであります。こういう点をやはり反省をいたしまして、ほんとうに上から下まで血の通った系統組織というものに立て直し召しなければならぬのではなかろうか、こういうふうに感じております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこで現在の全購連が政治的な資金あるいは政治的な補助、これを求めるために農林省とはっきり接近するのは当然でありますが、その際に全購連の幹部あるいは農林大臣、こういったような結びつき以外に、事務的な面と直接に折衝する場面が出てくるのは当然であります。一体農林省事件が二十九年、三十年と、あまり重要な地位を占めていない人たちが、想像にあまりあるほどのたくさんの金を使っておる。しかも全購連は政治的な工作をするのが上手でありましても、具体的に金の受け渡しをしたり、出し入れをしたりする者が、かり伝票を切ったとか、小切手を切ったとか、全く個人商人でも発見しそうなことを平気でやっておる。こうした全購連の組織並びにこうした組織に対して暗示を与えるような農林省の行政機構というものに対して、このままでは何か安心のできないような感じを持つのでありますが、大臣はこうした事件の頻発にかんがみまして、全購連並びに農林省の行政機構に関して、何か具体的に改革すべき構想がございましたら、その一端をお漏らし願いたいと思う。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 役所と団体の接触点というものは、いろいろございましょう。上の段階もあれば、ほんとうに具体的な事務折衝をする段階もございます。それらの間に一種の心やすだてとでも申しましょうか、何か安易な気持というものが流れて参っておったということも事実であろうかと思うのであります。ただいまそういうふうなあり方を究明をいたしまして、大きな改革をしなければならぬと考えておりますが、たとえば人事の問題等にいたしましても、あまりにも長く一人の者が職場を占めるということによって、そこに水がよどんでくるということも一つの理由ではなかろうかと存じますし、そのほかいろいろと究明をいたしております。とりあえず一端だけ申し上げますればさようなことになります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 きょうは大庭大へん時間がないようでありますし、吉田委員の御質問も残っておりますので、私は簡単にもう一点だけ大臣に聞きたいと思います。全く今日の農林省内部の人事機構、行政機構、これは非常に無責任なものがあると思う。会計検査院に指摘されております通り、大半の不適当事項というものは農林省が占めておる。金高は防衛庁が随一でありますが、件数においては農林省が第一である。これは非常にゆゆしきことであります。ときには泣いて馬謖を切ってもらいたい、あるいはあなたの先輩に刃向ってもらいたい。何におきましても一課長級の人間が判こ一つや、単なる折衝で、農民に帰すべき数億円、数千万円という金が自分の酒色のために使われておる。多久島事件を初め、実にこれは全国の農民が心から憤っている。こういうことは何としてもあなたの農林大臣の時代に切ってもらいたいと思う。これはあとでまた時間をさいてもらいまして、あなたとこの大事な日本の農政を守る意味で、もう少しこの問題についての十分なる究明を行いたいと思いますが、今日は大綱の質問だけにとどめておきます。この農林省内部における人事の機構と同時に綱紀の問題であります。私はざっくばらんに申し上げます。今までの事件では大きな魚がのがれてしまって小さな魚がつかまっておると思う。そのつかまっておる魚も、いつの間にか網の目をもぐってどこかにいってしまう。これじゃ、どうせやるなら、薄給を守って何年もおるよりも、むしろ簡単に金をもうけてやめてしまって妾宅をかまえて暮した方がいいというような、非常に安易な気持が省内に流れるのは当然であります。しかも、さっきも法務大臣に言いましたら、河野・前原林大臣が例の競馬馬事件で明らかに為替管理法違反になることが言われた。法務大臣もそう言っておる。きまってないと言っておる。それは一年になんなんとする今日何ら手がついていないし、切りもついていない。そしてまた今度は下僚によって為替管理法違反の問題が農林省の内部で起っておる。まず切るべきはもとであります。私はどうか、大臣はおそらく非常な苦痛でございましょうけれども、こういう不正の原因については、前大臣であろうが、あるいは有名な政治家であろうが、断固として切って、日本の五千万農民のためにあなたが犠牲になってもかまわないから、先頭を切ってこの事件を徹底的に粛正する御決心がついておるかどうか、この点だけお伺いしたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 ただいま御指摘の問題も確かに役所の宿弊の一つでございましょう。淡谷委員の御指摘に対しまして、この機会をのがさずに先ほども吉田委員にお答えをしたように抜本的な改革をいたしたい、こう考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は農林水産委員会におきまして、あなたの識見と清潔さには常に敬服して参りました。政党は違っておりますが、あなたの日本の農政に対する改革の気魂については絶えず尊敬を払って参りました。私もまたあなたとは立場が違っておりましても、少くとも今の立ちおくれた日本の農政というものはこの際徹底的に立て直す必要があるということを考えておりました。あなたの農林大臣の就任というものは私は心から喜んだ。そのあなたの輩下の農林省が、あなたの時代ではないとはいいながら今日のような醜態をさらす、この農林省と密接な関係があり、全国の単協を統べなければならない全購連があんな醜態をさらすというのは、日本の農村の改革の上において非常に大きなマイナスだったと思います。どうかあなたの今日表明されました御決心、この委員会はさらにこの問題の検討を進めるでありましょう。さまざまな圧迫も加わるであろうし、さまざまな迫害もあるでしょう。しかしあなたが今日表明されました決意をはっきりと打ち出されまして、どんな圧迫があろうと、どんな策謀があろうと、断固として切って進むだけの勇気をお示し下さるならば、私自身、この委員会もまたあなたを助けてこの問題の究明は徹底するだろうということを申し上げておきたい。あなたは与党内で迫害されましても、あるいはさまざまな圧迫がありましょうとも、あなたの行動は、全国の五千万の農民が今や刮目して見ておる。このことだけは十分念頭に置かれまして、まずあなたの周辺から粛正されるような希望を申し述べまして、まず今日の質問はとどめます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 さきに伺いましたら、五億一千万円の利益は、輸入カリ肥料によって得た利益が大部分である、こういう御説明でありました。大体これは二十八年ごろから三十年までの間に出た五億一千万円と思うのですが、どのくらい利益を見て売るということになっておるのでしょうか。これも損益を検査する面におきましては、どのくらいの割合の利益を取っておるかということは大事な点でありますので、その点をちょっと伺っておきたいのです。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 ただいま正確な資料が手元にございませんですから、もし御必要ならば資料でお示しをしたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それなら資料も出していただきますが、たとえば、普通の商社ならば一〇%とか、あるいは五%とか、あるいは三%、それぞれおよその基準がありますが、そういう基準もなしに検査監督をしておられるとは思わぬのですが、それなら常識的に大体どういうふうにお考えになっておるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 平常のマージンというものは、これは大量に扱いまするのでごくわずか、せいぜい一%か二%のようでございますが、その膨大なる数字の現われましたゆえんのものは、カリに関する限りは、ほとんど全量が輸入品でございまするので、いわゆる価格差益と申しましょうか、かつて砂糖等に出たと同じような意味のものが生じまして、これがこの膨大な数字になったものと解されます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうすると、砂糖によって得た利益、これは例を砂糖におとりになりましたが、多いときは百万トンで三百億円の利益を本数の砂糖会社が得たと世上喧伝せられておるのであります。それから今後におきましても、これは輸入管理は相当扱っていくと思いますが、これは平常であれば相当に利益をとっていくということを大体お認めになっておるのでありますか、その点はどうなんですか、今後の方針を聞きたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 これは需給事情にもよることでございまして、需要量に見合うだけの相当な輸入量が確保され京すれば、これはノルマールな状態になるわけであります。砂糖の例が出ましたが、砂糖はかつてそのような利益が生じましたけれども、昨年のごときは一応安定をした状態に推移をいたしまして、そのような次第でございまして、カリについても輸入のワクと見合いまして、これが需要量にマッチするものでありまするならば、こういった臨時的な特別の利益は生まれないと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、こういう結論が一つ出るんじゃないですか。今後需給関係も見合って輸入もし、あるいは肥料も確保し、あるいは価格も考えてこれを購入し、あるいは処理していく、売却していく、こういうことになりましたら、相当正常な運営ができて普通の経常費は出る、こういうふうに見てよいんじゃないだろうか。言いかえますと、全購連の経済的に悪くなるというような要因はただいまのところ格別ない、通常の経営ができるという見通しが持ち得るんじゃないだろうか。こういう点についてはどういうお見通しになっておりますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 ただいまのはカリについてでございますが、そのほかの取扱い物資というものが広範にわたっておりますから、それらをも勘案しなければならぬと考えますけれども、運営誤りない限りにおいては、通常のマージンで経営は成り立っていくもの、こう考えます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 大体どのくらいなマージンを与えることが妥当であるか、こういうことについてもお考えがあろうと思う。そこで、今後は通常の経営を見通しておられるらしいのだが、それなら、問題はもとへ戻りまして今後全購連におきましては通常の経営ができる。従って、それぞれの利益を得て経営していくというのであれば、この五億数千万円の、特に臨時の差益をひとりふところへ入れておくということは、どうしても納得できません。もし大臣が、あなたの選挙区へお帰りになって、私が監督しておる全購連が臨時のえらい利益、五億数千万円もうけて、それを価格変動準備金等に積み立てておいておるんだ、そんな演説でもなさろうものなら、百姓はおそらくたまげますよ。これが正常な利潤で、粒々辛苦の努力によって長い間積み重ねていったのが結局五億円に到達したというのであるならば、あるいはこれはもっともだといたします。けれども、偶然の機会に、価格大変動というのか需給関係のアンバランス的な状態から臨時に獲得した、いわばあぶく金を積み立てておかすことが、あなたの行政指導方針であるとするならば、そういうやり方ならば、私は根本的に反対です。そういうことであるならば一そう、この五億数千万円の金については、直接百姓の利益になるような方途を具体的に講じなさい。やはりここへ来ざるを得ません。長い目で見るというのじゃいけません。もっと直接に火のつく問題はなんぼでもある。東北地方におきまして、農家が税金に苦しんでおる事実もひどい状態です。あるいはまた豊作でかえって生活が悪くなったような実情もあり、都市の圧迫を受けてだんだん苦しくなりつつあるという現状等々見ましたならば、私は打つ手、つまり差し伸べるべき経済的な手は、何ぼでも農村にはあると思います。このあるのをやはり一つ一つ拾って、たとい五億円でも、これが百姓のためにほんとうの慈雨となって分配されるという方法を私は講ずべきだと思う。もしこれ、が商事会社なら、私はこんなことを言う権利もなければ、そんなことも申しません。けれども、農業協同組合法によって監督を受け、種々な特典を与えられて、定款を読んでみますならば、定款の冒頭には、会員が協同して事業の振興をはかりますことと、構成員である組合員の農業の生産能率を上げますことと、計税状態を改善し、社会的地位を高めるのに寄与することがこの団体の目的でありますということをも宣言しておるのです。商事会社ではありません。商事会社でないのが二、三年の間に臨時に獲得した五億円という金は、これは公明正大に、国民の納得する処置方法をあなたは示唆しなくちゃならぬと思う。たとえば農薬にしましてもそうです。今日は農薬というものに対する補助が直接なくなっております。しかしながら農薬を保管しておるというだけで、政府は一億円も補助金を出しておる。こういうことについても、疑惑と不信を持ちますよ。裏を返せばそんな問題もあるのであります。その一億円という金は全購連が受けておるのでありますから、そういう点から考えましても、せめてこの五億円は、肥料の購入資金に対していろいろな便益を与えるという方法も考えられましょう。あるいは農薬等につきましても、農家が農薬を取得しあるいはその代金を支払う方法につきましても、また何らかの打つ手はありましょう。その他広い意味の食糧増産対策について、たとい五億円といえども、有益、有効に使う道はあろうと思う。こういうことを何かもっと具体的に示唆して、五億円を積極的に処理するという決意を全購連にさせなければならぬと思う。ことに全購連のこの間までの責任者は連決辞職でありますから、後任者が、農民に信を獲得すべく、新しい構想をねらうとするときだろうと思う。このときに農林大臣が、依然として従来のようなそれにとられていきなさったならば、これは百姓を失望さすばかりでなく、後任者そのものも、ほんとうにこの罪悪を償う道を失うと思う。こう考えてくると、何かここに具体的な示唆をして、この五億円を使う道をあなたの方で導いてやることが、この問題を解決することについての農林大臣の誠実さが世の中に認められる一つの手だろうと思う。この点について、あなたは何か積極的にお考えあってしかるべきだと思うのでありますが、どうでございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 価格変動のための準備という考え方は、あるいはその当時におきましては成り立ち得たかもしれません。しかし、その後の肥料の推移というふうなものを見ますれば、平常な状態に相なっておる、こういうふうに思われますので、今の積み立ての問題は、お説を十分に拝承いたしまして措置すべく指導したい、こう考えます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ちょっとそれに関連して念を押しておきますが、積極的に指導する、従って、今後の経営各般の問題の解決等について直接いろいろと示唆をする、あるいは後任者との間に協議をする、こういうことも私は行政指導としまして――このような問題はめったにないことで、まれなケースでありますので、直接、積極的に御相談になるということも、法制上可能であると思うのであります。その点につきましてなお伺っておきたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 先ほども申し上げましたように、全購連の立場は一つの自主的団体でございまして、これが行います経済行為というものに行政がどういう程度に入り込み得るかという問題は、やはり法律的に検討を要する部分もあろうかと思うのであります。さような次第でございまして、その辺は十分に検討を遂げまして、御趣旨を体して取り運びたいと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 この問題は、私どもやはり非常に重視するのであります。というのは、以前この委員会におきまして、あれは全販連の問題で、たしか米の集荷の手数料の問題だったかと思いますが、これも妙な取り方――三、四億の金でありましたか、取り方をいたしまして、千万円前後でありましたか、ちょっと数字の正確なのは忘れましたけれども、これを最後に残して、ふところに持っておった。それがこの委員会におきましては問題になりまして、これはすみやかにお返ししてはどうかということで、ここで石井さんだったかに直接勧めたことがございました。了承いたしました、よく方法を考えまして、さっそく、というような話もあったわけであります。でありますから、せっかくそういう御趣意でありましたならば、適当な機会にわれわれにも、その状況はこういうふうになっておるということをあなたの方から当委員会に報告させて下さい。簡単でよろしゅうございますから、あの問題はこういう処置をした、こういうふうに進みつつあるということを御報告せられんことを希望申し上げておきます。きょうはこの程度にしておきます。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 資料の要求を大臣に、従来いろいろこの種の要求があるが、どうも大事なところが抜けておったりしますので、さらに大臣に資料の御提出を願いたい。農林省のあらゆる外郭剛体、法律に定めた、全購連などという団体、その他任意にこしらえた、法律に定めざるあらゆる外郭団体について、団体名、所在地、責任者の氏名、設立年月日、それから設立の目的、それから昭和二十八年以来各年における農林省から交付された金額、なおその責任者については職業、それからその目的についての条件とでも申しましょうか要件、それからおそらくこういう交付した金額については検査されておると思います。その検査の結果に対する実績と農林省の意見、それからなお責任者については職業を先ほど申し上げましたが、その就任以前における職業並びに現在の職業、こういうふうに一つお願いしたいと思います。たとえて申しますなら農林省の何局長をやっておったという点も願いたい。こういう点を法律に定めたもしくは定めざるあらゆる外郭団体について詳細に文書によって資料の御提出を願います。

青野武一日本社会党

○青野委員長 農林省当局に申し上げますが、今細田委員から資料の要求のありました点については、なお記録漏れ等もありましょうから、調査室と委員部とよくお話し合い願って正確な資料を迅速に一つ委員長の手元まで御提出を私からも希望しておきます。  その他御発言ございませんか――吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 振興局長に伺いますが、全購連を調査なさって検査をしました結果農薬を扱いました場合にどのくらいの利益を得ておったのか、これは率でよろしい。それから扱い量、これを一つ明らかにしておいていただきます。私の伺う点はどのくらいの利益を得ておったか、これがおもな点であります。

大坪藤市農林事務官(振興局長)

○大坪政府委員 全購連に農薬を保管させた場合、損失を補てんするという立場からやっておりますので、事務費はこれを補助いたしますけれども、利益は出てこないという計算のもとにやっております。これはもちろんあとで資料を提出したいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 どのくらいの量を扱っておったか。手元に資料があるだろうから……。

大坪藤市農林事務官(振興局長)

○大坪政府委員 政府の命令いたしました保管肥料と、全購連が一般的に取り扱っている農薬と両方あるのでございますが、一般に取り扱っている農薬につきましての利益の率は手元でまだ詳細に出しておりません。大体ただいま肥料で申し上げましたように一%見当じゃなかろうかと思っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは資料によって明らかにするとおっしゃるのだから、それじゃ資料によって詳細に述べてもらいたいと思います。それならば資料は、過去三カ年間における扱い量、一般の自由販売したものと、政府が管理の補助金を与えました対象となった数量、これは一応ごく常識的な御答弁はいただいたのですが、数字を明らかにして、これに関連する事項を明瞭にしてもらいたいと思うのであります。  そこで私は思うのですが、かりに一億円も補助金を出す相手方でありますから、この補助金を受け取るところの全購連におきまして、いわゆる管理費の補助金の対象になっているもののみならず、一般の自由に売買している農薬につきましても、どのくらいの利益を与えて、どういう経済行為の状態かということは、農林省としては把握しておらなくちゃならぬと思うのです。ただ保管をさしているからそのものだけ、あるいは管理しているからそのものだけというふうに、肥料、農薬等におきましてもただそれだけ見るというのでは総合的な判断ができないのでありますから、また総合的に判断するということがこのような場合には必要なのでありますから、そして国家の補助金というものは相当厳格な線に沿って有効に、効率的に使われるということを私どもは最終の望みとしておりますので、行政監督指導の立場にあるあなたの方では、やはりどういうような状態で農薬を扱って、利益を上げて、その金額はこれくらいで、原価はこのくらいで、中間の管理費はこのくらいで、あるいは販売状態はこのくらいで、ということくらいは即刻答弁するくらいでないと、そんなことを一々資料によって言わなくちゃならぬというのではちょっと心細いのです。毎日それにかかっている方があるのでしょう。毎日それにかかっている方があるのに、一々文書によらなくちやならぬというのでは、心細く思うのです。そういう点は常時把握しておるというふうにはなっておらぬのでしょうか。言いかえると、何か統計でも月々できて、週間統計でもできるとか月間統計でもできるとか、そういうことで、相手方の状態を端的に把握するというふうに整理しておらぬのでしょうか、その点どうなんです。

大坪藤市農林事務官(振興局長)

○大坪政府委員 実は一般の農薬につきましては全購連といたしましても市価の関係上利益のよけいに出る場合と出ない場合とあると考えられるのでございまして、その辺の具体的な事情につきましてはつまびらかにいたしていないのであります。政府が命令を出しました農薬の部分につきましては、私どもの方で明瞭にわかっております。その方の関係は実は経済局の検査の方で実施された分もありますが、一般のものにつきましてはなお十分なる資料を現在手元に持っておりませんから御了承願いたと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 経済局は検査、監督をすることになっておるんだが、一体この検査もしくは監督の対象になっておる全購連の数字といったら何がおもなんですか。

河野恒雄農林事務官(農林経済局農業協同組合部長)

○河野説明員 ただいまの点につきましては、検査をいたします際に、その対象の財務内容を主として中心にいたして検査をいたしております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 財務内容を中心にするならば、財務内容を構成する各般の要素につきましては、これをつまびらかにしておかなくちやなるまいと思うのです。あなたは直接指示、命令、委託、依頼等をした物件のみに限らず、あらゆる財務を構成する各般の要素につきまして全部これは集録していかなくちゃ検査になるまいと思うのです。そうしないと内部の紊乱やら内部の使い込みやら内部の不正やら、そういうものを逃がしてしまうことになりはしないかと思うのであります。ほんとうに誠実に財政が行われておるかどうかということを監督しようと思うならば、私どもは、あなたの方で手が足りないからというのであるならばまた議論は別になりますので、少くとも方針といたしましては、直ちに的確に一切の数字を生きもののようにつかまれるだけの仕組みがなしに、これで検査しております、監督しております。財務内容を調べておりますということは言えぬと思うのであります。だから今後のこともあります。これはなぜそんなことを聞くかといいますならば、この委員会におきましても、こう調査し出しました以上は、一つの方向を結論づけなければいけませんので、一体監督とは何ぞや、監督の実態は何かという、監督の実態を把握しておかなければならないと思うので聞くのであります。狭いある部分だけを監督して全体を総合しないというのではいくまい、いやそうじゃなしに全体を総合しておるというなら、全体の総合ということはどういう状態でなさっておるかということを明らかにしてもらわなければならぬのであります。そこでこれは文書でよろしいから資料として出してもらいたい。あなたの方ではどういう方針によって、たとえば場合によればこの事件についても抜き打ち検査もやるとかあるいは文書の提出を求めるとか、そういうこともあろうと思いますが、ともかく基本的なあなたの方の機構そのもの、方針、あるいはどういう方法で実行しておるか。そうしてこれに対しまして何年度にはどうだったかということを二、三年の例をとって、二、三年間でよろしいから、あなたの方で詳細その実績と見るべきものを要約した点を資料として出してもらいたい。これで私どもは監督の実情というものを知ろうとするのであります。ことに価格変動、経済状況の変動によって利益の大小があるというような、そういう面につきましては、また別な角度からいたしまして、相当敏感に利益獲得の操作がどういうふうに行われつつめるかということをお考えにならなければ、私は綱紀面の監督はできないと思います。そういう面につきましても一つあなたの方でお気づきの点があれば、監督行政の立場から、行政指導の見地から資料として出してもらいたい。意見はよろしゅうございますから、事実の関係の要点だけを書いて資料として出すことにしておいていただきたい。  それからさっき大臣と問答しておりまして明らかになっていないのでありますが、これは東独カリ肥料の輸入の関係であります。主として価格面だということであるのでありますが、そうでなしに商権の関係についてこれも当時のいきさつを少し文書にして出しておいていただきたいと思うのであります。ことに従来の輸入商社あるいは先方の名義も一応出しておいてもらいたいと思います。日本の商社につきまして最終的に確定しました商社のメンバーもみな明らかにしておいていただきたい。そのうち過去において輸入貿易の実績のあるかないかの関係も明らかにしておいてもらいたいと思います。これはできますか。

森茂雄農林事務官(農林経済局参事官)

○森説明員 東独のカリの関係につきましては、従来の関係と最近の関係など、できるだけ資料として提出いたしたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それではこれらの資料を整えましてなおいろいろと質問したい点がありますので、本日はこの程度にいたしておきます。

青野武一日本社会党

○青野委員長 ただいま吉田委員からの資料要求の点についても、委員長からも要望しておきます。なるべく早く委員長の手元まで提出願いたいと思います。  他に御発言がなければ農林省所管に関する質疑は、本日のところはこの程度といたします。  次会は公報をもって御通知することとし、本日はこれをもって散会いたします。     午後二時四十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗