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26回国会衆議院1957/03/26

決算委員会 第16号

発言数
65
登壇者
8
会派数
2
開催日
1957/03/26

会議録

青野武一日本社会党

○青野委員長 これより会議を開きます。  政府関係機関の収支(日本国有鉄道の経理)に関する件につきまして調査を進めます。本件につきましては、去る八日の本委員会におきまして、満場一致をもって日本国有鉄道の固定財産管理運用に関する決議を行なったのでありまして、その際宮澤運輸大臣並びに十河国鉄総裁より、それぞれ所信の表明があったのでありますが、この際その決議に関し、当局のとった処置と、その後の経過につきまして説明を聴取することといたします。  発言の申し出がありますので、これを許しますが、特に国鉄当局から一応の経過の御説明を願いたいと思います。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 本委員会で御決議をいただきまして、諸般の準備を整え、実行いたしました点を御報告申し上げます。  まず第一に、高架下管理、刷新委員会というものを設置することにいたしまして、これは本月中に発足させたいと考えております。  その規程の概要を申し上げますと、第一に「日本国有鉄道の高架下の管理の刷新をはかるため、本社に高架下管理刷新委員会(以下「委員会」という。)を置く。」  第二に「委員会は、日本国有鉄道総裁(以下「総裁」という。)の諮問に応じて、次に掲げる事項を審議する。1高架下の管理の刷新に関する基本事項2高架下の無断転貸、第三者使用、不法侵害等の防止排除に関する事項3高架下の管理に関する立法措置等に関する事項」  第三といたしまして「委員会は、委員若干人で組織する。委員は学識経験者及び民意を代表すると認められる団体の代表者のうちから総裁が委嘱した者をもつてこれにあてる。」  第四に「委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する。委員長は会務を総理する。委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。」  第五といたしまして、「委員の任期は、一年とする。但し、再任をさまたげない。」  第六としまして「特別の事項を調査審議するため必要があるときは、総裁の委嘱する臨時委員若干人を置くことができる。臨時委員は、当該事項に関する調査審議が終了したときは、委嘱を解くものとする。」  第七が「委員会は、必要に応じて、委員長が招集する。」  第八は「委員会は、必要と認める場合には、学識経験者若しくは関係者の出席を依頼し、若しくは命じ、又は現地について調査することができる。」  第九が「委員会の運営に関し必要な事項は、別に定める。」  第十は「委員会の庶務は、管財部で行う。」  こういう規程の制定を過日いたしたわけでございます。  それにつきまして人選でございますが、これは総裁が委嘱するのでございますが、もっぱら外部の方々の御推薦に待ちたい、かような方針でございまして、警察関係の御推薦をお一人、弁護士連合会からの御推薦をお一人、東京都から推薦していただくのがお一人、それから運輸省から学識経験者を推薦していただく、そういう腹案をもって至急に人選をきめて御委嘱申し上げたい、かように存じておるのでございます。  次に管財区の設置でございますが、これは三月十五日に知設置をいたしました。この概要は、管財区の目的は土地、建物、高架下等の固定財産の管理に当る現業機関として保線区及び建築区が業務を主管しておりましたが、東京鉄道管理局内、特に東京都区内に所在する固定財産の量が膨大でありますので、これらの管理を組織的に、かつ機能的に一そう充実徹底させるため、保線区から独立した機関を設けて、集中管理をさせるということが目的でございます。それで管財区の設置個所といたしまして東京鉄道管理局内の新橋、新宿、及び上野に設置いたしました。  担当業務といたしましては、保線区及び建築区の土地、建物関係等の業務を吸収いたしまして、土地及び高架下の担当区域における実地の管理と売却に関する事項、それから建物関係といたしまして、担当区域における建物の貸付及び売却に関する事項、それから以上の二つに付帯する調査に関する事項、これを管財区の業務として指定いたしました。  なお担当区域を少し詳細に申し上げますと、山手線の全線、東海道本線大森−蒲田間まで、それから中央線国立−立川間まで、常磐線南千住−北千住間まで、東北線赤羽−川口間まで、品鶴線蛇窪−新鶴見間まで、この区域を担当させることにいたしました。  大体以上申し上げた通りでございます。

青野武一日本社会党

○青野委員長 発言の通告があります。これを許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 副総裁に伺いますが、やはり問題は、たとえば高架下の貸借が純然たる民法上の貸借関係であるかどうかということも一応は根本的に検討してみなければならぬと思うのであります。現に東京の簡裁で調停が行われた理由書を読んでみますると、普通の賃貸借の規定は適用すべきでない法律関係にある、こういうような見解を裁判所が述べておるのを私は見ております。これはやはりよって来たるところは、日本国有鉄道というものの法制上の性格、従ってその法律的行為、がどういう範疇に属するものであるか、こういうことに問題があるのではないか、これはやはり従業員のいろいろな問題が裁判所で取り扱われましたときにも、いろいろな見解が判例等に出ておるのを見ても、やはり公共企業体としての国鉄の性格、法制上の地位、その行為の法律上の範疇、こういうようなものが問題になっておることをわれわれは思うのであります。そういたしますると、やはりそういう面について根本的に御研究になることと、これに立法的措置が必要であるのかないのかということを根本的にお考えにならぬと、しょせんはこういう委員会を作って責任転嫁するような——それはまあいろいろな機関からそれぞれ推薦した人が出てきてもよろしいけれども、なかなかそんなことで簡単に解決できるものならば、今日までのあのうずたかく積み重なったいろいろな問題が生じないと私は思うのです。ここでは時間にも限りがありましたので、われわれもさらに幾多の材料を持っておりながら、論じておりません。おりませんけれども、その点はほんとうに根本的にお考えにならぬと、ある機関を作って、やれ運輸省の推薦、民間の推薦、都の推薦、弁護士会の推薦、警察の推薦、そんなことだけで何人かの人が寄って諮問機関で話をするしいうことでなかなか解決できないものと私は考えるのであります。だから根本的に立法措置にまでいくには、運輸省とほんとうに腹を割って話し合いをする、私はあなた方がここでお読みになった結論は、運輸大臣と総裁との間でよほど基本的な考え方を深く討議もし合って、どうしたら国会のああいう決議に応じられるかという、そこまで深くおやりなさると実は思っておったのであります。ところが出てきたものは非常にお粗末な印象を受けます。けれどもないよりはましですから、私はやはりこの委員会の趣旨は、そこまで深く考えつつお互いに議論してきたということを十分にお考え願いたいのであります。従って、よほど腹を据えておやりにならぬと、単にある問題を処理するというくらいでは処理できませんよ。ほんとうにできませんよ。大阪の弘済会なら弘済会の諸君でも、私は管理局長に会って話を聞いておったときでも弘済会なんかでも適当に処理してもらえぬかといっているというのです。そのゆえんはいかにむずかしいかということがわかる。というのは、もともと国鉄が今日の国鉄として発足する以前からの関係がやはりあると思う。以前というと国有財産です。このための特別会計法があったはずであります。そういうような特殊な経緯を持った事実の関係、法律の関係がずっと続いてきておるのでありますから、一たびこれが法廷で争いなんかになりましたら、弁護士は法律の理屈を言いますよ。そうするとそんなことに何年もかかりはしないかと私は想像いたします。そういうことで、なかなか容易じゃないということが、そういう嘆声となって私の耳にも入ったのじゃないかと思うのであります。従ってほんとうに腹を据えてこの問題の解決に取り組みなさるときは、ちょっとやそっとではいけませんぜ。ちょっとやそっとでいくのなら、おそらくこの委員会で将来こういう実績を上げましたと御報告になるときは、私は来ないだろうとほんとうは心配しておるのであります。でありますので、御熱意はけっこうですけれども問題の深刻さをお考えになって、抜本的に根本的に考えて、ほんとうに立法措置までいくというふうに運輸省と話し合わなければいかぬだろうと実は思っております。これは私自身そう思っておりますので、そういう見解を持っておる者も国会におるとしてお考えを願わぬといくまいと思います。ただしさっそくきょう何かの処置にお出になることは敬意を表します。これはしないよりはましであります。相当深刻に何かと影響を与えておることも事実らしい、こういうときに手をゆるめてはいけません。しかしちょっとやそっとではいきません。ほんとうにそうですよ。私はそういうことを思いますので、ぜひとも最後まで深くやってほしいと思います。この点についてあなた方国鉄の最高幹部がどの程度の腹を持っておいでになるのか、もう一つここで言明しておいていただきたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 仰せの通りでございまして、ガード下はその広さから申しますと国鉄のほんの一部ではございますが、その貸借関係のむずかしさは異常なものだと考えております。このガード下を整理粛正いたしますのは全く大難事業だと私も考えております。難事業でございましたがために、あるいは今まで手がつけられなかったことの理由だと思いますが、こういう御指摘を受けましたことを非常に良いチャンスと考えまして、一大勇猛心でこれに当って参りたいと思います。これにつきましてはただいまお話がございましたが、法律上私契約になるのか、公法上の契約になるのか、そういう点も実は通説異説いろいろございまして、こういう点もはっきり割り切っていかなければならぬ。場合によりますれば立法措置も考えなければならぬ、こう考えております。  それからただ格好だけ作ったのではいかぬという仰せでございましたが、全てその通りでございまして、格好だけで現在の高架下が粛正されるものでもございませんので、こういう機構を十分に活用いたしまして具体的な措置に出なければ、百年河清を待つことだと存じます。仰せの通りに高架下は以前からのいろいろな因縁がございますので、この際そういうものを一切断ち切って新しい格好として整理する、その整理を土台にいたしまして、今後の転貸あるいは権利貸しというものを排除していけば、非常にむずかしい仕事ではございますが、絶対に不可能だとは考えておりません。こういう点につきましては誠心誠意、また勇気を持って当って参りたい、こういう覚悟を持っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私はあなたの御誠意はわかるのだけれども惜しむらくは勇断もって乱麻を断つというような、そういった勇気を国鉄はほんとうにお持ち下さるのかどうかというところに一抹の危惧の念を抱くのであります。たとえばあなた御自身においても、当委員会で私との問答において、やはり暴力問題も実は出たのであります。これは必ずしも何もそれを蒸し返して言うんじゃないんですよ。けれどもこういう問題につきましても、やはりさらけ出してぶちまけて言うというような強さがないとなかなかやれぬと思うのです。それからまたこれは自民党側の諸君の申し出によりまして、国鉄の内部において高架下問題について重大な過失ないしは犯罪的な事実があった場合、やはり相当切らなあいかぬ。われわれもそんなこと言うのはいやですよ。おそらくそんなことを言うのはこの委員会だけだろうと思う。何の恩も恨みもない人に、このせちがらい時節に首を切れなんて言うことを言うのはいやですよ。けれどもそのくらいに、馬謖を切るくらいの勇気がなければ、ほんとうは不可能だと私どもは実際考えております。外郭団体の人たちといえども、年をとってやはり生活の安穏を望むときに、何らかの形で収入の安定を得る手段を見つけるのは人情ですから、一概にそれをとやかく言いたくないのですけれども、そういう問題にしても、やはり鉄友会に現われたごとく、そういうときはほんとうに一刀両断やらなければいかぬのです。やはりここに現われた意見というものは国民は世論としております。世論にならなければいいですけれども、世論としたら、やはり広い範囲で常識が代表されたものとして、為政者並びに当局はこれを受け入れないといけません。それならばその前に立って責任の所在をほんとうに明確にしまして、そして結末をつけるということをやらなければいかぬと思うのです。やりましたら、全国的にこれを範としましておのずから粛然として改まっていきます。これをやる勇気がないと見たら、これはなめてきますよ。ほんとうにそうですよ。それを思いますので、われわれもときどきそういう感がするのです。私どもが卓をたたいて声高くこんなことを申してうやむやになったということでありましては、これは全く権威も何もなくなります。みずからほんとうに恥しく思うのです。けれどもせっかく一つの世論化しまして、世論の支持を得て、そうしてこうすることああすることが正しいのだという見当が大体ついたら、それに向って勇往邁進しなければいかぬと思うのです。そういう点においてどうも国鉄の幹部の皆さんはいささか勇気が足らないと思うのです。なかなかそんなことじゃできるものじゃありません。私どもはまだ、たとえばあなたらと大問答をして、例の資材の問題でも工事の問題でも伺いたいことはぎょうさんありながら、時間もないのでそのままにしておりますが、ほんとうにこれは勇気を持ってこの問題くらい処理なさらんと、ほかの山積する問題の処理はむずかしいです。あなた御自身が永久に副総裁でおありになるんじゃないのだから、せめて御自分の地位におありの間にある仕事ぐらいやってほしいのです。それは完成せんでよろしいのです。あとを継いでいく人が出ますから……。ほんとうにそれを思うのです。そういうことで、国会の支持を受けて、国民の意見を背景として断固として粛清をするというふうに乗り出していかれたら、私はこれは勝つと思います。私は今はチャンスとしてもいいと思うのだ、あなたも今絶好のチャンスだとおっしゃったが、非常にいいと思うのです。極端に言うなら、たかってくるやつはなくなりますよ。たかってきたらたちまちそれは表向きになっちゃうんだから、たかってくるやつがない。たかってくるやつがない間に、ほんとうにずばっとやらなければいかぬと思います。ずばっとやるときには痛い人もあるし情ない人もそれはありますよ。けれども私のところにも何人も言って見えております。投書も幾つも来ております。それは申し上げてもいいけれども、こんなことは省きますが、ほんとうにいろんな人の名前も出るのです。出ますが、言っていないだけのことなのです。そういうことをしなくても、たんここでこういう議論が出まして、あういう決議が出ましたら——決議はほんとうに圧縮したものとされまして、これを大きく活用されて、決議をまっこうから振りかざしていって、決議の趣旨に盛り込まれておるところが一応国会の総意だというふうに御判断願って、あらゆる手を打ってもらいたい。これは高架下だけのようですけれども、高架下は一切の社会的な罪悪的なものの一つの縮図と私どもは見ております。ほんとうにそうなのです。それはある有名な人が関係しておられる。毎月三十四、五万くらい取っております。名前は持っておりますけれども言いませんが、そんなことをしてぬくぬくと三十数万円も取っておる者がおるのですよ。それはある範囲では苦々しく思っておるのです。こういうことを幾らやっても、結局池に石でも放り込んで一応波が立ったようだけれども、あとまたすっと直ってしまったというのじゃちょっと因る。私はそれになることをおそれるのです。実際そうなのです。だから、御誠意はわかりますけれども、断固としてやるだけの勇気がこれに伴わなかったらそれは成果は上ってきません。これで国鉄がどれだけ金が要っても、どれだけ労力を費やしても、どれだけ人にうらまれても、やってしまわなければならぬ。やっておしまいになったら何百倍する収穫を国鉄は得なさると思います。きっとそうだと思う。私は決して大言壮語してあなたに威嚇してものを言うのじゃないのでございます。真実そう思います。でありまするので、立法措置ということもどこに問題点があるかということは、あなたはわれわれと違ってよく御承知なんだから、どんどんと専門家にでも研究させたらいい。運輸省も研究しておやりにならなければいかぬ。それはほんとうに時を移さずおやりなさいよ。国会はまだ二カ月もあるのですから、末期にでも立法措置に出るというくらいにして、これだけの成果を上げたというくらいになさらねばいかぬと思うのです。  それからもう一つは、私は詳しく存じませんが、東京都だけではないと思うのです。もっと広い範囲になっておるのか存じませんけれども、東京だけではないと思います。その辺も性質は大小いろいろ違うだろうと思いますけれども、全国的な視野でこの点はお考えになってはどうかと思います。あちらこちらにあると思いますし、あちらこちらもあるいはかえって東京よりも醜い場面もあるのかわかりません。そういうことを思いますので、これは全国的視野において一応御検討になって、一つできるだけそういう実を結ぶべき強い方策を打ち立てていただきたい。これも一つあなたの御決心のほどをはっきりお示し願って、私はどこまでも勇気が伴わなければこれはだめですということを申し上げておきたい。現に外郭団体についても、公正委員会がおありでありまして、何とかおっしゃる都民銀行の頭取さんがあの会長をしておられますが、ここでいろいろお述べになりましたけれども、あれじゃしょうがない、こんなものを幾ら作っても、それはかえって委員会倒れになってしまう、委員会倒れになったら、結果は国会を瞞着したことになる。そして責任を転嫁するものを一つ作ったことになります。それは大へんであります。われわれはそういうことには協力いたしません。われわれはそういう傾向については絶対反対であります。私はほんとうに国鉄を愛しますゆえに、筋金の通ったものを作ってもらわなければいかぬ、断固やってもらわなければいけません。そういうことを思いまするので、従ってそれらにつきましてもあなたの所信のほどを明らかにしておいていただきたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 じゅんじゅんと御示教をいただきまして、まことにありがたく感ずる次第でございます。もちろんこの問題は非常なむずかしい仕事でございまして、これには誠実と勇気が要るということは仰せの通りでございまして、この両面の勇気と誠実をもって事に当りたいと考えております。今仰せの通り、私もいつまでもいるということでもないので、私がやり始めたことは、また私のおる間にできないことは、後代にも伝えて、ぜひこれを完成いたしたい。こう考えております。また先生が仰せられました通りに、この問題がある以上、国鉄の非難は絶えませんし、もしこの問題がきれいに解決いたしますれば、そこに国鉄のプラスの面も出て参る、こういう非常に大きな問題だと考えますので、これにつきましては、重ねて申し上げまするが、熱意と勇気をもって事に当るつもりでございます。また全国的の視野に立ちまして、この種の管理の充実をはかりたいと思いまするが、まずとりあえずは、一番問題になっておりまする東京付近ガード下につきまして、できるだけすみやかに実行の手を打っていきたいということをお誓い申し上げる次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきの刷新委員会か何かのお話ですが、これは大体規約などは承わりましたが、この機構は一体どうなさるおつもりですか。まさかおえら方だけで整理の実務には当れないと思うのです。この委員会の構成などは一体どういうふうにお考えになっておりますか。特に、あのガード下の問題で直接調査に当る、整理に当る当事者は一体どこにお置きになるのか、このことを一つお聞きしたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 この委員会は諮問機関でございますが、諮問機関以上の、責任をもって事に当っていただきたいという希望を持っておりまするが、この委員会の事務機権といたしましては、本社に管財部がございますので、本社の管財部をこの事務局にいたしまして、さらにこの現地機関としましては、東京鉄道局に管理部がございますし、さらにその下の手足となるのが先ほど御披露申し上げました管財区でございます。そういうふうな一貫の組織をもちまして、ガード下を処理して参りたい、こう思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 次に、これはさっき副総裁が言われた通り、確かに長い間の因縁がからまっておりますので、直接当られる人の人選をよほどよくやらなければ、刷新粛正は委員会自体を刷新粛正しなければならないといったように、また屋上屋を架すような疑獄が出ないとは言えない。現にその例があります。のみならず、このガード下の上野あるいは新橋には、この前に言われました通り、かなり暴力的な人聞がおりまして、三国人もおるという話でございましたが、一体三国人と国鉄との間は契約ができますか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 できるそうであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうしますと、現在あそこの整理に当って非常にむずかしいというのは、同じ三国人であってもたちの悪い者、日本人であってもたちの悪い者が調査や粛正に応じないで、いろいろ暴力をふるうということなどが予想されますが、そういう危険性は現在まだ残っておりますか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 私が非常にむずかしいと申しましたのは、実はその前にも御指摘がございましたように、いろいろ又貸しの事実がございます。そういう場合にはいろいろな金銭的な問題がからんでおります。それでありますから、たとえばそれを断ち切るには、いろいろなむずかしい問題、法律問題もございましょうし、人間の問題もございましょう。実例を申し上げますと、先般の鉄友会、あれは何と申しますか、一応私どもが見知った仲でして、話せばわかる間柄ではございますが、しかしそれにしましても鉄友会は一つの生きた会社でございまして、これを排除するということにつきましては、いろいろな会社の存立の問題その他でむずかしかったのでございまして、これは御指摘を受けましたから、私が直接当りまして、大体三、四ヵ月もかかりました。一つの例を申し上げましても、なかなか、暴力とか何とかいうことでなくて財的あるいは制度的にいろいろむずかしいことがからんで参る、それで非常に困難だ、こういうことを申し上げたのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 財的、制度的にむずかしいのならば何とかできましょうが、政治的なむずかしさはありませんか。あるいは有力な政党人が関係しておって、どうにも断ち切れぬといったようなむずかしさは、お感じになりませんか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいまのところ、そういうことは想像しておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 具体的にこの刷新の仕事を続けていかれましたならば、おそらく予想できないような困難事も出てくるだろうと思います。そこでひっ返されたのでは何もできません。やはりあらゆる困難に打ちかって、さっき吉田委員から懇々言われました通りに、断固この問題は早急にお進めいただくように要望いたしまして、私の質問を終ります。

青野武一日本社会党

○青野委員長 国鉄の問題についてはもう御質問ありませんか——ほかの委員の方の御質問は、本日のところございませんようですが、これは緊急な問題ですから、どういう結果になっているか、私から御質問申し上げたいと思いますのは、神田駅下の常磐線の新しくできたガードの下は、上野の方に向けて非常に建築が行われている、これは事実です。この決算委員会の部屋を東から西にまっ二つに割ったぐらいの広さで、五百万、三百万、二百五十万という権利金で又貸ししようとしていることも現実の問題です。この三カ所を一人のブローカーが権利金を取れば、この部屋の約三倍ぐらいの広さで一千万円も現金が握れる。国鉄総裁と運輸大臣とは、そういうような転貸によって暴利をふところに入れるような第三者の介在は許しません、部内の自粛を敢然としてやり遂げます。という声明が、三月八日の本委員会でありましたことは御承知の通りですが、これは近いうちに切りかえが行われる。暴力を背景にする者が権利金を、たとえば一千万円もとれば、暴力を持たざる諸君は、損害賠償あるいは権利取り戻しの訴訟をやっても、結局は負けだ、取れない、そういう問題が、おそらく決算委員会の審議内容によって全国の又貸しをしておる諸君、大体終戦後十一年間暴利をむさぼっておった諸君は、もう長いことはない、甘い汁を吸うのも近いうちに終る、取れるだけ取ってやれというので、この切りかえどきに非常な暗躍をやっておることは事実なんです。東京でも秋葉原、有楽町、神田、新宿、上野方面まで、約一週間くらい時間をつぶして私自身が調べておりますが、そういう傾向が非常に強い。こういう事態に対して、国鉄はどういう手を打っておるか、断固として警察と連絡でもとって、そういうようなやり方を差しとめておるのか、あるいは具体的にどのような手を打たれておるか。これは被害者が出たら、権利金を出した以上は力関係で取り返しがつかないと私は思わざるを得ない。当局の方々にも、個人的には再三注意をしておりましたが、やはりそれが続行されておる。高架下に建物を建てる。どういう建築業者に聞いてみても、六十万円くらいなら鉄筋コンクリートが建つ。それがボスの手を通じて建築しなければ百万円とられる。建築だけで四十万円。この部屋を半分にしたくらいのところで五百万円。実際に付近の諸君はそれで泣いておる。それらの諸君の案内で、内容を聞いて実地を調べて見ると、東京だけでもたくさんあるのです。神田が一番多いのです。上野の駅へ向けてずっと建築が高架下に建っていく。そういう点はどのような手を打って、被害者の出ないように、転貸又貸しを部内の自粛によって、そうして完全にその目的を達するためには、今は大切な時期だと思いますが、それらについてのどういう御処置と態度を持って臨んでおるかということが、委員の方々の御質問の中にありませんでしたから、念のためにお伺いしておきたいと思います。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 私も一、二耳にしたことがございまするので、これは厳重に東京鉄道局に示達しまして取りやめさせております。なおしかし今の御指摘もございまするので、至急にさらに調査いたしまして、直ちにあやまちのないように適宜な措置をとりたいと存じます。こういう問題が表に出て参りましたので、急にあわてて譲渡したり、権利金をとるというようなことも必ず起ってくると存じますので、先ほど申し上げました機構などがまだ完全に動いておりませんが、それを待っておりましては立ちおくれになるという状態も起るかもしれませんので、すみやかに東鉄局長あるいは管財部長に、現在の機構のもとにおいてできる限りのことをいたすようにとりあえず厳重に話してございます。

青野武一日本社会党

○青野委員長 もう一問お尋ねいたしますが、それは東鉄の幹部とあなたたち最高幹部との間の話し合いで、御承知の通り三月八日になされました決算委員会の決議の精神を尊重して、運輸省あるいは国鉄当局の最高方針をおきめになったと思うのであります。東京に三カ所、新宿、上野、新橋、この三つの区域に分けて管財区というものを設けられて、区長が各一名ずつ、助役が三名ずつ、それに伴う職員が三十名ずつで組織せられて、これらの諸君の手で、あなた方の命令によってそういうような不当なことを未然に防いで、被害者の出ないように、また転貸又貸しをしないんだ、そうして第三者のふところに巨大な金が舞い込んでいくようなことは差しとめなければならないという努力は認めますが、そういう意味で、おっしゃられたようなことでとめることが今の場合できますか、どうですか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 極力とめることに努力いたします。

青野武一日本社会党

○青野委員長 もうほかにございませんか。  それでは国鉄当局に申し上げますが、本日のところはもう質疑はないそうでございますから、どうぞ自由に御退席願います。     —————————————

青野武一日本社会党

○青野委員長 次に昭和三十年度決算を議題といたします。  本日は、総理府所管中防衛庁関係につきまして審査を進めます。それでは昭和三十年度決算検査報告書三六ページより五六ページに至る、報告番号三三ないし四八につきまして、前会に引き続き質疑を行うことにいたします。発言の通告がありますのでこれを許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 長官に伺いたいのですが、あなたの在任前の問題でありまするので、この点は自分の知らないことだという趣旨において御答弁なさらぬようにしていただきたいのであります。  前会検査院の批難事項にありました飛行機のC46輸送機の部品の問題につきまして伺っておったのでありますが、きょうは結論的な質疑はなお保留しておきまして、一、二伺うことにとどめたいと思うのであります。だんだん事務当局から御答弁があったのでありますけれども、結局こういう点が非常にわれわれとしてはあくまでも納得しにくいのであります。それは指名競争入札の商社に予定されておりました三菱商事が、三十一年の三月に詳細な理由を付して入札に参加することを拒絶し脱退をしたのであります。そこで、その理由書というのが——カリフォルニア州バーバンクのバックエア社の社員のようであります。この外国商社の理由書、すなわちC46の部品の見積りに関する件として、詳細な理由を記載したものを添付して、そして三菱商事は脱退しておるのであります。この内容を通覧してみますると、もしCATの作成したリストによって防衛庁が部品の購入をすることになったならば、おそらく防衛庁としましては、経済的にも、またその他の趣旨においても非常なあやまちを犯すこととになるだろうというような趣旨を記入した文書が添付されておるのです。そして結果的に見ると適合しない部品が相当購入せられておる。いわば図星が当ったような感じがするのであります。そしてもう一つの事件の要因といたしましては、突然三国商工株式会社なるものが介入した。これはかって防衛庁にはこの種の部品を納入した前歴のない会社であります。全く前歴がないのであります。その会社が伊藤忠よりも第一物産よりも安かったというので、これに落札せしめて、そして購入することになった。こういう経緯を考えてみると、購入の手続が非常に慎重を欠いておる。それならばこれは売り込んだ商社にあやまちがあったのかというと、事務当局はそうでない、やはり防衛庁側の注文書の記載の方にあやまちがある、こういう趣旨はお認めになるのであります。そこで、かりにも防衛庁に向って当然提出されるところの相当こっぴどく批判をした理由書を添付して、日本の一流の商社である三菱商事が入札から脱退するという事件が生じましたときに、どうしてもっと慎重な態度をとらなかったのであるか。また技術命令書なるものも、防衛庁が国会に出しておりまする説明書によれば、またあなたの以前の御答弁の趣旨によりましても、技術命令書が完全ではなかった。いろいろとお述べにはなっておるけれども、要するに技術命令書は当然飛行機とともに交付されるはずである。経歴書も交付されれば技術命令書も交付される。よしんばそれが膨大なものであるにしても、人力で理解のできないほどのものでも何でもないのでありますから、少し誠実に技術命令書を検討して発注するということにするならば、私は適合部分品を注文することはできたであろうと思う。こういう一連の前後の経緯を考えてみると、飛行機の部品——特に大島の上空において事故を起して、片肺で羽田へやっと飛んできて、搭乗員が危うく難を免れた。今度また鳥取県において事故を生じた。原因は別であったといたしましても、同じくC46であるということにかんがみて、この中古品の飛行機をアメリカから供与を受けて——なるほどそれは受けるときにアメリカ側で十分に検査をして送ったという説明もあるけれども、うける方においても十分に検査する義務もなければならぬ。これをこう考えて参りますと、どうしてきわめて重視すべき飛行機の部品購入にもっと慎重な態度をもって国は購入手続を進めなかったのか、こういうことについて私は全く納得がいきかねるのであります。とやかくと弁解がましく言われて、あとでは不適合品がなくなったというようなことで相済みになるような問題ではないのであります。やはりそこに飛行機の部分品のきわめて重要な価値を一そう御理解になっていただいて、たとい一品たりとも不適合品を購入することのないように、どんな膨大な技術命令書であろうとも、十分に検討するように、そうして相当注目すべき反対理由書が提示された以上は、ありがたいとしてこれを検討するように、どうしてそういう手続をしないのであろうか、やはり防衛庁全体として、まあ予算があるから買えばよい、こういうような非常に安易な考えが支配しているのでないか、こういうふうに私は考えられてならぬのであります。そこでこれはどうしてもそれらについて相当徹底的に十分に考え方をきめて、この不始末が検査院に指摘せられた事実について、あるいはまただんだんと明らかになって参りました経緯につきまして、防衛庁の百長官としまして相当筋を通して、その処置が誤まっておったことと、それはきわめて重視すべきことでなければならぬという点について、一体どうお考えになるのであろうか、それはたくさんの中だからたまたまそういうものが出たのだというふうにでも片づけるつもりがあるのであろうか、そういう点についてどうも私どもを納得きせるだけの答弁がまだ出てこないのであります。部分的にいろいろとお述べになって弁解なさることに終始しておりますので、私はこれは非常に遺憾とするのであります。特にこの古手の事故を連続して起している飛行機であり、人の生命を奪った飛行機でありいたしますので、やはり部分品の購入をもっと重視するということについて格段の配慮が防衛庁としてはなければならぬ、こういう点について一つあなたのお考えをしっかりと聞いておかねばならぬ、こういうふうに思っております。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 御指摘の通り、この事件ははなはだ遺憾なものでございまして、あるいは係官からもいろいろそのときの事情など申し述べたかもしれませんが、それは遺憾であった事件をおおうだけのものではなく、三菱商事から出た書類もあれば、もしその際に技術命令書がなかったならば、アメリカ側の専門家とも相談するとかいろいろの手もあったであろうと思いますので、この点については御指摘の通り非常に遺憾なことであったと思うのであります。とにかく中古の飛行機だからというので、国民の皆様が心配していらっしゃる際であるから、特にそうした部品などにつきましては格段の注意をしなければならぬと思っております。従いましてこういう間違いもあったことでありますから、その後防衛庁といたしましては、それぞれの型の違った飛行機について専門的に専任者を定めまして、これを配置して、そして補給カタログであるとか技術命令書を十分に整備するようにいたさせておりますが、さらにこの点については十分に配慮いたしたいと考えておる次第でございます。  なおこの措置をひたすのには現場等でいろいろ調査する必要もありまするし、どれだけの部品が今度は足りなくなったのか、いろいろ統計的な検討をしなければならないので、そうした面についても今後さらに、たとえば統計会計機のようなものも備えましてこれを機械化して間違いのないようにそうした点の調査にも当る必要がありまするし、また現在も資材統制隊とか需給統制隊というものも設けまして、各部隊の物資の在庫の実情等も調べさせておりますが、こうした面についてはさらに一そう配慮いたしまして、再びこういうことがないように、御指摘の次第もありますので、一そう十二分の注意をいたしていきたいと決意いたしておる次第であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 もう一つ部品の購入が飛行機を主管する空幕にありまして、空幕の計画によって購入計画が立てられたことは明らかになっておるのであります。これはあるいはあなたと問答すべき案件ではないかもしれませんけれども、経理局長、調達実施本部長などの御答弁では、その趣旨のあるところが十分に明らかにならぬ面がありますので、これはやはり計画を立てたあなたが当委員会に出て十分御説明いただきたい。われわれもことさらに悪意をもってどうというのじゃありませんが、調達実施の機構運営について私ども根本的に疑問を持っておる。その疑問が昨年来いまだ解決されておりませんので、この点はさらにお互いに努力するという意味において私も質問せねばならぬと思いますので、これはいずれ空幕の場合は空幕の当の責任者、陸幕の場合は、陸幕の責任者、幕僚が、ここに出て答弁するということにしてもらいたいと思います。常時そういうことを要求するつもりはございませんけれども、突き詰めていってどうしてかということになると、お互いが責任を分担しておられます機構上、調達実施本部長においてどうにもならぬ関係があるわけであります。経理局長においてもみずからの責任でないことでありますし、かといってあなたが全体の官長でありますけれども、詳しい具体的なことはお知りでないということでありますので、事実の真相を明らかにすることができないのであります。こういう意味におきまして前会も空幕の責任者に出てもらわなければならぬと一言申し上げておきましたが、他のいろいろな準備の都合もありますので、ほかのものともあわせてそういう方にも適当に出れる機会をぜひとも作ってもらいたいと思います。長官もあまり気にしないで、気軽く同意して必要のときにぜひ出してもらいたいと思います。飛行機の問題はきょうはこの程度にしておきたいと思いますが、今の問題は大事なことですから、委員長から重ねて長官に言っておいていただきたいと思います。  それからあなたの方で年々莫大な繰越し並びに不用予算を出しております。そこでその事情を探ってみますと、艦船建造費は相当の金額になっているように思われます。そこで艦船建造費はどういうふうな実情になっているかわれわれも知りたいのであります。こういう意味におきまして、前会は二十八年度建造計画の「いなづま」につきまして、あなたの方の予定価格の計算調書あるいは造船所の実績調書を資料として要求しておったのですが、委員会が始まってからやっと一部だけ参りましたので、一部を参考に見せてもらっているわけでありますが、これはきわめて抽象的なものにすぎないのであります。そこでこの問題に入るにつきましてあなたにぜひ一つ御答弁を願っておかなければならぬ問題は、艦船建造費はあなたの方の重要な予算金額になっております。ところが艦船建造につきまして、みずからの設計等が十分に行われないのか、船舶設計協会に基本設計を委託するような関係になっているらしい。そこで資料を見てみますと、船舶設計協会なるものは、驚くべきことには注文を受けている造船会社社長さんがその理事長になっている。しかもその会社と防衛庁の船の注文は随意契約で一般競争ではないという点があり、もう一つは運輸省の船舶局長山下正雄氏が理事になっており、防衛庁技術研究所長が理事になっている。無償でやっているのかといえば、そうではなくて相当の対価を受け取っている。この船舶設計協会はそういう関係になっている。これは人の関係において公正であるならば、あるいは何も弊害もなしに済むかと思います。しかしこの種の問題は十分に筋を通しておかないと、汚職、疑獄の温床になるわけであります。これは諸外国におきましても、アメリカあたりにおきましても、こういう点については相当厳重であると聞き及んでおります。もしこれを例にとってみれば国会図書館を今建築しております。この建築を船にたとえてみれば、土建屋さんの社長が、理事長をしておる設計協会に国会図書館の設計を委託して賃料を払う。そしてその設計協会の会長さんのやっておる会社に随意契約で何十億円という代金を支払う契約を、国家がするということになりまして、これは社会が疑います。実際を知らぬから疑わないのですが、そういう関係に置くということは少くとも私は公正じゃないと思う。予決令の規定の精神にかんがみてみても、まだ国家公務員法の私企業隔離の規定からかんがみましても、あるいはその他請負業者が利害関係のある建設予算審議の議員になることは不当である等、こういう事情にかんがみましても、私はこの点は少くとも穏当ではないと思う。構成上これが運輸大臣の承認を経るということに、寄付行為の第七条に書いてあります。だから運輸大臣の承認を経たらそれでもよいということは一応考えられますけれども、しかし利害関係の対立するものの代表者が設計協会の代表者になっておるという事実はおかしい。まだ無償にあらずして有償の支払いをする相手方に、あなたの方の技術研究所所長が理事となって代表者となっておる。これは主客を一人で占めるというような矛盾が生ずるおそれがあります。裁判などでも利害関係の対立したものは一人で両方の代理人はできないということになり、民法の規定によりましても双方代理は許されないということになっております。とかく利害が相反するような場合は両方を代表するということはこれは不穏当だ、こういうことになりますので、この関係は整理しなければいかぬと思う。整理して、そしてきょうの弊害の有無にかかわらず、こういうことは筋を通さなければいかぬと思っております。この点、この間政務次官にもお伺いしておったのですが、一つあなたのはっきりとした御見解を伺っておきたい。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 理想といたしましてはこういう設計協会などの協力を得ないで、技術研究所に必要な資料を置いて、防衛庁においてすべての設計も行えるようにする方が一番いい、こういうふうに考えております。しかし今御指摘のようにこれまで手不足またわれわれの経験不足から、戦前の艦艇などを取り扱った人の集まっておる、この財団法人である設計協会へこの設計を委託したという事実がありますが、これはできればそういうことをしないでやりたいのですけれども、今の実情から申しますと、これはやむを得ずそういうことをせざるを得ない、こういう立場に置かれておる次第でございます。  それから、この協会に、なるほど理事長とか理事には造船会社の方もおこれるようでありますが、その資格は何も会社を代表したというのでなしに、船造工業会の代表者としてみんな加わっておられるようでありますし、そもそもこの設計協会は設計についての調査及び研究をするというのが主たる目的であって、それに対して便宜上この設計を委託しておるということになっておりますから、決してこの調査研究によって特に自分の会社べ仕事をとろうとかいうようなことでもって理事長がこの設計に当る人に干渉するというようなことは、実際問題としてはこれまでのところはなかったものと確信いたします。それから私の方の者も、ここへ加わっております者はどちらかといえば、これまでは連絡をよくする、そして調査研究をしておるのだから、いろいろ参考になる話もあるだろうという考え方から長官の承認を得て、これの理事になっておるという実情でございます。ただ吉田さん御指摘の通り、現在においてはそういう弊害はないにしても、将来もまだこういう仕事を委託しければならないということになって、この特別なそういう行為が非常に重要性を占めるということになれば、あるいは将来今御指摘のように弊害がないとも限らないでありましょうから、これについては今後よく検討さしていただきたいと考えます。  なお、随章契約になっておるということでありますが、これは何としても大体実費負担という意味で、こちらの方も戦前の艦艇の設計料というものが大体建造費の何%というような点、また戦後保安隊等の船舶を作りますときの設計の費用というようなものを考えて、この施設維持費というものを押えておき、またこれがいよいよ設計を頼む際には先方の見積りとわれわれの方の計算とをつき合せてやるというようなところでやってきておるようでありますが、これについては私今結論的なことは申し上げかねますけれども、いろいろ御指摘の点もございますので、十分検討いたしまして、そういう疑惑し申しますか、弊害が万が一にも将来出てくることのないような措置を考えたい、そのためによく検討さしていただきたいと考える次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私が随意契約と申しましたのは、この設計協会にものを頼む契約の意味ではなしに、防衛庁が艦船の建造を随意契約でこの理事長が代表する代表取締役である会社、すなわち浦賀船渠であります。これはこの間浦賀船渠の社長だと御説明になりましたが、そこで浦賀船渠は利害関係がないのかというと、そうじゃない。そうではなくして、二十八年度艦船建造計画におきましては浦賀船渠は「えりも」の船体を随意契約によって建造しております。それから二十九年度におきましては同じく「かもめ」、「みさご」の船体の建造を随意契約でいたしております。そして二十九年度の分は竣功は三十二年というようになっております。そういうことでありますので、現在の状態から設計協会へものを委託するのが悪いと私は申すのではないのです。国のある業務に協力するものがあるということはそれは悪いことじゃない。けれどもそこの代表者がたまたま随意契約で数十億円の注文を受けておる会社の代表取締役なんです。そこに問題があります。そういうような場合に一般競争の入札でもするならば、あるいはそれは弊害を生ずる危険はないかと思うのであります。けれども今のところ随意契約になっております。随意契約で数十億円の代金を支払う相手方、その相手方が理事長になっておるところへ設計してもらわなければならぬということはいかがなものか。しかも、その設計たるや、これは基本的な設計になるのでしょう。基本的設計ということであるならば、その後の詳細な設計の基本をなすものでありますから、これは相当重要なことであります。それは資格が船舶工業協会の代表であるとおっしゃるかもしれませんけれども、その代表は同時に浦賀船渠の代表者取締役であります。これは法律上の責任者であります。船舶工業会なるものがどういう人格を持っておるのか私はよくわかりませんが、しかし、浦賀船渠は商法上の株式会社であります。株式会社の正規の代表取締役です。それはその地位をのがれるわけにいきません。それは工業会の代表者として入っておると申しましても、同時に、翌日は浦賀船渠の社長室におさまっておる。そうして法律上の責任はとっていかなければならぬ。もしとっていかないということならば、それは今度はどっちかおやめになったらいい。そういう点を混淆するのが日本の常例であるということは私はよくないと思うのです。そういうことをいいかげんにするのはよくないと言うのです。これは今弊害があるからどうというのではなくて、そういうことが非常に重大な何かをかもす危険があると言うのです。しかもそれが基本的な設計であります。基本的設計の重要性はわれわれしろうとが申すまでもなく、あなたの方がよく御承知のはずなんです。だからそういう人たちがおるということはいかがかと思う。といって私はその社長さんに何も利害関係はないのでありますけれども、そういう点はもっとすっきりする必要が確かにあると思う。こういうことをすっきりしなければやはりいろいろな問題が生ずる可能性があります。また連絡のために入っているかどうか知りませんけれども、少くとも有償である仕事を請け負って契約する一種の法律上の請負契約をしておる。何百万円、何千万円払うのか知りませんが、三十年度のこの貸借対照表を見ると、千四百万円まだ防衛庁から金をもらわなければならないと書いてある。未収金千四百万円と書いてある。それだけの償権を持っております。そこの代表者としてあなたの方の技研所長が入っておる。どうもおかしい。こういう点は大臣の許可があるとないにかかわりませず、私はやはり何とか筋を通していくべきだと思うのであります。前回政務次官がよく長官と御相談しておくということであったのだが、今のお答えの様子によれば、相談がまだなかったのかもしれません。これは直ちに御研究になって、そうして筋を通してもらわなければいけません。もしこのまま置いておくということであるならば、私はやはり十分あなたと議論をしていかなければいかぬ問題であると思います。こういう点につきまして何ら誤まりのない形を整えておいてもらいたいと思う。とかくあなたの方は非常に制度を重んじて、チェック・アンド・バランスというような一つの制度を設けておられますが、いろいろな新しい制度を取り上げていかれますあなたの方といたしましては、こういう点についても特に厳重に筋を通していただきたい、こういうふうに思うのであります。まあ研究するということでありますから、研究の結果を待って一つ至急当委員会に御報告していただきたいと思います。よろしゅうございますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 先ほど申し上げた通りでございます。ただこれは運輸省にも関係がある問題であります。それから私は何も弁解するわけではございませんが、たしか理事長は年々かわるので、浦賀の社長そのほかの社長にもかわることもあろうと思います。特定の会社の特別な利益ということでなくて、財団法人の寄付行為なんかに関係のあるところが出てきておると考えております。しかし今おっしゃったような、将来にあるいは弊害が起るかもわからないというような考え方もありますので、この協会そのものは、防衛庁の設計を引き受けることが唯一の業務ではない一応の調査研究機関のようでもありますけれども、その辺も御意見がありますから、運輸大臣の方とも話し合いまして、よく研究させていただきたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それからあなたの方では、艦船の建造費の予算を編成せられて大蔵省の査定を受けるわけだが、その予算を編成するときには、本来ならば詳しい積算の基礎、内容が明確になっておらなければならないのであります。たとえば三十二年度の艦船建造計画において、三十二年度の予算は一月に閣議決定いたしましが、一月に閣議決定するときに、詳しい設計の積算の基礎はきまっておらぬのですか。その点はどうですか。

北島武雄防衛庁参事官(経理局長)

○北島政府委員 予算編成について閣議決定をいたしますときには積算の基礎ができております。ただ、ただいまちょっと御質問がございましたが、艦船建造費につきまして三十二年度では項をたくさんに分けました。こういう項の問題については、予算の折衝中に何とか考えなければならぬということで、大蔵省との間に話し合いが進んでおりまして、最後に予算の数字が確定いたしまして国会に提出するまでの間に、大蔵省の事務当局と話し合いの上で項を従前の艦船建造費から五つに分割いたした次第であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 たとえば昭和三十二年度予算で警備艦一隻当りの金額は十九億四百万円ということになっております。これは昭和二十八年度以降大体みな同じような内容に文書はできておりますが、この一月のときに積算の基礎がこまかくなっておるというのだが、たとえば昭和三十二年度のこの名前のない船はトン数は千八百五十トンでありますが、これの設計を船舶設計協会に委託するのはいつですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 三十二年度建造の二隻の船は、目下の予定では三十年度と三十一年度に作ったものと同型のものを作りたいと思いますので、新しく設計協会に委託することは起らないと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、さかのぼって二十八年度の建造計画についてお伺いいたします。「いかづち」が千七十トン、「いなづま」が同じく千七十トン、これは二十八年度予算でありますから二十八年の一月に閣議決定をしておるのでありますが、これはいつ設計を委託したのでありますか、それともこれはしなかったのですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 日にちについてははっきりした資料を持っておりませんが、これは委託いたしましたが、およその日時は二十八年の八、九月じゃなかったかと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 昭和二十八年の四月一日から実施する予算の積算の内容、基礎が同年一月にすでに確定しておって、同年の八月になって基本設計を外部団体に委託した、いわばこれはまだ机上のプランであったのであって何も設計の内容は確定しておらなかった、こういうふうに考えるのですが、これはどうですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 船を作ります際にはまず基本要目というものを作ります。これはたとえば一定の武器を搭載した場合の速力とか、航続距離とか機関の馬力とか基本的なものをきめます。つまり用兵上の見地からの要求をいろいろと調整しまして、そういうものをきめまして、その上で基本要目というものを作るわけでありますので、その海上幕僚監部の方の要求を庁内で調整するという間の時間がかかったわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 基本要目があるといたしましても、やはりこの船価というものは、設計ができないと船価の最終の確定はしないのじゃないか。これは一般の商船でも軍艦でも同じように思うがどうですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 それはその通りでございますが、予算の範囲内におさまるような基本要目をきめて、そうして最後に設計が詳細にきまりまして、調達実施本部の方で原価計算その他の積算をして業者とネゴをやる、初めから予算にはまるように計画を立てるのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 初めから予算にはまるようにといったって、はまるのじゃなしに積み上げて予算ができるはずであります。積み上げるから積算の基礎があるのかと聞いたのでありますが、予算にはまるように要目がきめられ、設計がされるというのは本末転倒であります。私はそこを聞くのであります。だからそこはあけすけに言ってもらいたいのであります。私はこの問題は制度として相当改める余地があるという角度から伺っておりますので、やはり無理な答弁はせんでもいいのです。無理はなさらぬ方がいいのです。つまり積算の基礎が十分に固まっておらぬことがほんとうじゃないだろうか。大体あなたのような議論がそのまま正しいとするならば、大蔵省ははっきり固まっておらぬものを予算を査定したというそしりは免れないと思います。ただばく然とトン当り幾ら、そんなことは昔の旧憲法の艦政本部なら知りませんが、今日は国会におきまして、厳密に予算は検討をして、そして国会がこれを可決するということが心要であります。従って、大蔵大臣の査定といえども、基礎がはっきりしないものを勝手にめくら判を押すということは、そういう権限はございません。そういうふうに考えて参りますると、あなたの方でやはり積算の基礎は十分固まっておらないものをあるワクの予算をとって、その予算のワク内に当てはまるように、今お述べになりましたように基本設計ができて、さらにまた業者との間に詳細な設計ができるというのが事の順序じゃないだろうか、私はそう思いますのであなたに伺っておるのであります。もしそうだとすれば、やはりこれは最初に十分固まっていなかったと判断するのが当然だと思うのですが、そういう点を伺っておるのです。いかがですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 積算は予算を作りますときには一応やります。ただその実行のときにはいろんな点でその積算通りにはできないという場合が多々あるわけであります。一例をあげますと、たとえば武装の問題にいたしましても、供与の関係その他で武装が少し変ってくるとか、大砲の大きさが変ってくるとか、いろいろの関係がありまして、設計をやります際にはそういう技術的に詰め直しをしまして、そして基本要目基本設計というふうに進んでやらなければ実行ができないわけであります。ただ予算の総ワクは、その中にはまるように、それを頭に置いて設計を進めていく、こういう段階にならざるを得ないのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 武装は、たとえば塔載武器がまだきまらないということは一応わかります。けれども搭載の武器がきまるまで基本設計もできないというのではなしに、一応は基本設計はせられるのでありますから、搭載武器の最終確定ということにかかわらず、事実は進んでいっておるわけであります。でありますから、あなたの今お述べになりましたように搭載武器云々というのは、全体の船価を決定するほど重要なものじゃないと思うのですが、これは私はしろうとだからそれは判断の誤まりかもしれません。けれども搭載武器はどういうものであるにかかわらず、大体の見当はおつけになって、そして当時アメリカとの関係でありまするから、それは後日にいたしましても、さりとて搭載武器がきまるまで契約しないのかいうと、そうではない、契約はしておる。契約するなら、相手の造船会社もそれぞれと単価をきめなくちゃならぬ。詳細な設計がなければならぬ。そういうような原価のこまかいことがきまらずして、商売人が最終の価格を出すような、そんなばかなことはございません。そんなことはないはずです。そこに無理があるのじゃないか、こう思うのであります。結局これはさきに戻りまして、当初国家の予算が確定する当時においては、具体的に船の積算の内容は、まだ精密にはきまっておらぬ。あなたも今一応の積算はするというように、一応という言葉をお使いになっておりました。私はやはり日本の予算というものは——予算だから見積りでよろしいと言うならそれでよろしいけれども、さりとて何もかもばく然とした数字を並べるというようなことは許されないのであります。可能な範囲で精密にせにゃならぬと思う。それはそうあるべきだと思う。数は当然変動する、異同を生ずると言うのならば別でありますが、これが予算の性質じゃないかと思いますので、そういう意味におきまして、やはり予算が確定しまする当初は、まだ十分に積算の内容は確定しておらぬという状態であったんじゃないだろうか。漸次設計、がこまかくなってくるに従って計算関係もこまかくなってくる、こういうのではないであろうか、こういうふうに思いまするが、事実の経過としてはその通りに間違いないのじゃないかと思うのだが、どうでありますか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 経理局長からも申しましたように、予算の積算のときは、相当詳しいところまで一つの想定をいたしまして積算をいたします。たとえばどういう砲を積むか、これはMDAPでもらって積むとか、国産化して積むとか、速力、機関の馬力まで積算してございます。ただそれを実行いたします際には、今一例で申し上げましたように、五インチ砲をもらいたいと言っていたのが、三インチのラビット・ファイア、能力は同じくらいのものでありますが、それしかくれないというようなことになりますと、それだけでも重量その他設計上の要点が変ってきますので、そういう調整をやりませんと具体的なものはきまって来ない。その総ワクはもちろん予算のワク内でやるわけですが、そういう詳細については、初めの積算とは相当の点で変ったところが出てくる、こういう関係に相なります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それなら伺いますが、材料費のうち鋼材費というようなものは、大体いつの相場で最初の計算はお出しになるわけでありますか。

北島武雄防衛庁参事官(経理局長)

○北島政府委員 価格につきましては、予算編成出前の時価を基準といたして編成いたしております。ただしこの見方につきましては、防衛庁の要求に対しまする大蔵省の査定は、相当シビヤなものがございまして、なかなか防衛庁において要求通りのものは今まで与えられておりません。従いまして、実際の設計に当りましては、大蔵省との話し合いがつきました予算の範囲内におきましておさまるように細目設計まで入っていく、こういうのが実例であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 こまかい設計が相当固まって来なければ、材料の総量、金額、その他種類とか厚さとかいうものもきまって来ないのじゃないかと思うのでありますが、この点はしろうとですから、少し確実な見解による質問でないのだから、その点はお許し願いたいと思いますが、やはり私どもしろうとながら考えるのは、前年の——二十八年というのだから、初めて建造されたときでありますが、三十二年になりますと、前年のというような話がありましたが、前年のことが相当参考になった。それはわかりますが、こういうような最初のときのものは、やはり少くともあらゆる材料、あらゆる資料、あらゆる機関からその他補助的なものに至りまするまで一切が、相当精密な計算をするのでないと私は予算が出ないだろう、こう思うのです。それをしないままにばく然とつかんで、トン何がしというような数字が出されるんじゃないかと思います。それで一応は予算を取って、今おっしゃるようにその予算の範囲に当てはまるように設計ができていく。つまり内容はあとから、先にワクを取っておく。これがほんとうじゃないだろうか、これが防衛庁の艦船建造の独特な予算の性格、やり方、経過であるというふうに私は判断するのであります。そこでそうであるのかないのか、一つはっきりしておきたいのです。そこで、そういうことでありますので、予算のワクに当てはめるという金の使い道をきめるというようなことでよいのであろうか、それからそういうようなことが、いろいろと私ども疑問にする問題が次から次に生じてくる原因をなすのではないかというふうに思います。何が次の疑いかということはあと回しにするといたしまして、どうも最初からそこに大きな前後転倒した予算の編成が行われておるということが防衛庁の艦船建造の独特な性格のように思われますので、そこはくどいようでありますけれども、そういうふうに一応は大きな荒筋のワクだけを取って、そしてだんだんとこまかく基本設計ができ、詳細設計が完了してそれに当てはまるようにいわゆる最終の実行予算ができる、こういうことになっておるのが事実の順序でないだろうか、こういうふうに考えますので、その通りでありますかどうか、これを一つはっきりしておいていただきたい。

北島武雄防衛庁参事官(経理局長)

○北島政府委員 艦船建造費の予算の編成につきましては、先ほども装備局長、が申し上げましたように、一応当初におきまして何トン型の船を作る、その速力は幾ら、メイン・エンジンはどういうものを使う、それから搭載武器はどうするというような想定をいたしまして、それに基きまして積算して、大蔵省に要求し査定を受けて今まできまっておったわけです。ただ当初艦船の建造が始まりました昭和二十八年度あるいは、二十九年度の予算あたりにおきましては、実は実績というものが今までございませんでしたので、その関係で予算のきまりました数字と実際に実行いたしました数字との間に多少開きがございます。たとえば昭和二十八年度の警備艦につきましては、たしか予算よりも実績の方が相当低かったように記憶しております。こういう実績をつかみまして、その実績がわかりましたので、それ以後はその実績が一応の基準になりまして、大蔵省としては前年度それくらいでできたのだからこれくらいでできるだろうというような査定で、私どももしそれに対しまして違った設計の点がありますれば、それを大蔵省に申しまして折衝してきまっておったわけであります。ただいま先生のおっしゃいましたように、初めからつかみ金でもらってきて、それをあとでどうこうするというようなことでは私はないと思います。一応ただいま申しましたような根拠のもとに積算はいたしますが、ただ実際の船価となりますと搭載武器の変更もありますし、それからまた施工時期における物価の変動もございますし、そういう事情から予算のワク内におさめるために相当やはり細部設計まで変えていかなければならぬ面もあるのが実情でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 たとえば定員法によりまして一定の数の人員の給与が積算されますね。これに対する食糧その他被服等の人間についての装備費が予算として編成される。そういうときにはずいぶんこまかい計算がされていくのだろうと思うのです。しかし軍艦だけはそうじゃない。だからつかみ金というのは悪いかもしれませんが、ともかく大きなワクで予算をとって、トン幾らという予算をとって、それに当てはまるようにする。トン幾らという予算をとるときに、トン幾らかということについて、単に想定だけではなしに相当厳格にどの材料はトン幾ら、どういう形のものでどのくらいの口数が要る、こういうことも相当こまかく計算されてでないと私は予算ができないと思うのであります。しかしそんなこまかいことはしてはおらないとおっしゃるのかもしれない。そんなこまかいことをしないで大蔵省は査定するのだ、そうおっしゃるのかもしれない。もしこれが防衛庁だけがとっておるやり方ではないほかもそうであるとするならば、非常に危険な編成の仕方であると思いますので今の点伺ったわけなんですが、やはり他の人件費その他の予算と比較しますと、艦船建造の予算は当初において、つかみ金で悪ければ、かなり大まかな、積算の基礎の明らかにされておらない、確定しないものが予算として一応は編成せられる、こういうことには間違いはないと思うのであります。その点につきましては、大体そういうふうに理解のできるような御答弁と私は拝聴するのであります。そこでたとえば今の「いかづち」、「いなづま」でありますが、この契約をいたしましたのがいずれも二十九年、翌年の十一月であります。そうすると二十八年の一月に予算が確定して、政府の予算案が決定して、そうして翌年の二十九年の十一月ということになると、二年とは言いませんけれども、約二カ年後に契約がされるということになりますので、これは搭載武器に関する事情もあるかもしれませんけれども、やはり当初におきましては設計関係ではないか、こう思うのでありますが、それはいかがでございましょうか。

北島武雄防衛庁参事官(経理局長)

○北島政府委員 二十八年の警備艦乙型につきまして、それが実際に起工されましたのが二十九年十二月でございまして相当の開きがございます。これは最初の警備艦でございますので、設計に手間取ったというのが実情でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そこで私は少しその辺を中心にしていろいろ質問をいたしたいのでありますが、これはあなたの方でお出しにならなければ、私の方で造船所の方の人に来てもらって伺ってもいいのでありますが、造船所の方はそんなに詳細な実績は要りませんけれども、簡単なこういうもの以外には何もないのでございますか。これは資材、材料費、工費、間接費、直接経費、製造原価、一般管理費、それだけしかないのですが、これ以上に実績価格について資料は出さぬのですか、その点どうなんです。ちょっと伺いますが……。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 詳細データはございます。これは大体最後の方に集めたものでございまして、もっと詳細なものがございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは一応具体的に取り上げて検討してみたいと思う趣旨でありますから、そう浩翰なものは踊りませんが、詳細に、数枚にわたってよろしゅうございますから、「いかづち」と「いなづま」についての予定価格と実際価格を示していただきたいと思うのであります。それからなお、契約書はどういう契約書になっておるか、またこれの設計を船舶技術協会に委託したのであるならば、どういう程度の設計を委託したのか。これは契約書でも取りかわすのかと思いますが、取りかわしておるならそれと、これに支払った報酬はどういうふうになっておるのかということ、それからもう一つ、造船会社の設計費というのはこの中の何の経費に入っておるのでしょうか、ちょっと参考までに聞いておきます。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 直接経費の中に入っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしましたら、その辺について少し内訳を示していただきたいということ、それから、これは二十八年の最初のことでございますので、その後の分につきましてもあまり大きな手数をかけない範囲内で資料として要求しますから、それをぜひお出し願いたいと思います。ただし、申すまでもないことですけれども、すぐに出してもらわぬと、こういうふうに当日出してもらっては検討の時間がありませんから……。これはぜひお願いしたいと思います。  それからもう一つ、これは長官に聞かねばいかぬのかもわからぬのですが、あなたの方では一切随意契約でやっておるのですか。一切随意契約でやっておるというのはいろいろ理由もあることと思いますが、といって一般の競争入札にするとかあるいは指名競争入札にするとか——大体日本で造船会社がどこにあって、どの程度の設備とどの程度の技術者を持って、ど程度の資力と信用があるかということくらいはとくとおわかりのことだろうと思う。競争入札にするということが何か弊害でもあるというのですか。これは長官に聞きたかったのですけれども、どなたか一つ答弁してもらいたいのです。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 ただいま、艦艇のうち警備艇、敷設艦関係、駆潜艇、掃海艇、この範囲につきましては随意契約をいたしておりますが、それ以下の雑船につきましては指名競争入札をいたしております。この、艦艇を随意契約にしている理由は、先般も御答弁いたしたのでありますが、優秀なる造船会社を選んで、それに十分なる技術を発揮して優秀なる船を作ってもらいたいということ、さらに船についても詳細まで監督ができないという面から、一定の価格を示して競争入札をいたしますと、会社は経済関係に押されまして安かろう悪かろうという結果になるのではなかろうか、そういうことを非常におそれておりますし、かつての海軍においても、軍艦と名づくものについての競争入札はやったことがないと聞いております。会計法におきましても、かつては艦艇あるいは軍馬等については随契をするという規定があったのでございますが、大正十年の会計法の改正において、特に軍艦とか軍馬というものは掲げてございませんけれども、その契約の性質が競争を許さないものという中に、当然艦艇の契約は随契でよろしいのだという当時の政府よりの説明がございまして、その大正会計法を現在の会計法は取り入れておるのであります。従いまして、艦艇につきましては随契を許されるものと一応解釈をいたしております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは武内調達実施本部長に伺いますが随契にするとかあるいは一般競争入札とか指名競争入札にすることの最終決定は防衛庁では一体だれがするのですか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 長官でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 長官に聞かにゃいかぬことですが、会計法上の一般競争入札にすることが適当でない部類に属する契約であるからというような消極的なことをこの際聞こうとするのではないのであります。あなたの方はみずから完全に詳細な設計をするだけまだ機関が充実していないのは事実でしょう。これは率直に言うてもらわにゃ困るが、しているというならば私も聞きたい。かようなるがゆえに今の船舶技術協会というようなものがあって、そこにものを頼んでおる。また詳細な設計なるものをあなたの方で示して、たとえば昔の艦船本部のように外では伺い知れぬようなすばらしい設計もできるほど技術陣が充実しているというふうにも今日はまだわれわれも思いません。基本設計にしても詳細な設計にしても船舶技術協会にゆだね、造船会社にまかしておくというような実情では、これは私の意見になりますけれども、正確、厳密な原価計算は困難ではないかと思うのです。つまりあとで計算すること、それはわかります。しかし、あらかじめ予定価格を厳密に立てて、規格を厳重にきめて、これをやってくれぬか、こういうことはあなたの方ではできないだろうと思う。これは実は長官と問答しようと思っておるので、契約をおきめになる責任のない方に言うのはいけませんが、研究しておいてもらいたいと思うのです。厳密に予定価格をあなたの方で立てて、規格をきちっときめてこれを作ってくれというふうに出したら、日本中に造船会社は百もありはしません。北海道はどこどこ、横浜、神戸、長崎はどこどこときまっておるのです。そんなものを集めて指名競争入札をするのはわけがない。安かろう、悪かろうになる心配があるが、それは自分の方に自信がない場合のことです。こっちが現場監督を十分にしておればそういう心配はないと思う。ところがその技術陣が防衛庁にはまだ充実しておらないというのが実情ではないか、こういうように思いますので、少し極端な言葉で言えばあなたまかせというと、それではやはり随契になってしまう。一般競争入札ないしは指名競争入札をする自信がない、安かろう悪かろうでやられたらたまらぬ、それはごもっともであります。現に相当な工費を食っておって、普通造船の原価と比較して相当に高いということもそこが原因じゃなかいかと私は見ておるのですよ。法規に許されておる範囲だということは聞きたくない。もっと積極的に、一体原因はどこにあるだろうかと言うことを聞きたいのであります。きょうは時間がないから聞きませんけれども、たとえば最終折衝がきまったかどうか知りませんが、アメリカで今度駆逐艦二隻を域外発注するというような問題がありますね。この問題についても、これはやはり随契ということを守っていくことになるのであろうかどうか。一体設計は向うがやるのですか、あなたの方がやるのか、それとも船舶設計協会がやるのか、造船所がやるのか。これはきょうの問題じゃないのですが、関連するから聞いておきたいのであります。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 ただいま問題になっております域外調達の駆逐艦の設計はこちらでやります。従来防衛庁自身の発注と同じように設計協会に基本設計まではやらせるというやり方でやります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうするとやはり従来の艦船建造と同じ順序、方式をたどって随契である特定の造船所にやらす、こういうことが落ちのように想像するのですが、大体そんな方針になっておるのですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 最終的な話し合いが済んでおりませんが、ある程度競争的な要素を入れるというような話も出ておりますので、最終的にはどうなるかわかりませんが、設計その他の起工の段取りは従来通りにいたしたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ある程度競争的要素というのは一体どういうことになるんですか、最終的に確定していないということだから、そういう意味で私も承わっているのですからどうぞ。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 確定しておりませんので、そういう意味でお聞きとり願いたいと思いますが、要するに下請としてどういう造船所を使うかということは、注文主の形の向うとしても関心を持っているわけですから、どの造船所を選ぶかということを向うと相談してその中から選ぶ。その選び方は造船所の資産、技術その他の内容を話し合うということにするか、そこに値段的な要素も入れて話し合うことにするか、どちらかになると思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは規格を厳重に、設計も詳細にあなたの方で自主的にできるというような段階にまで技術並びにその他の機関が充実しておりましたならば、ある程度の競争的要素ということもあるでしょうけれども、今のようなあなたの方である特定の造船会社でないといかぬというような、まるで先祖伝来のお得意先のように向うは考えております。そういうような方式でやるということは実にこっけいのように考えるんです。そういうことを脱却しなければ、私は今ここで問題を指摘しておるわけではありませんけれども、官庁の物を購入するいろいろな因縁情実のことを思いますと、やはりその底を一本断ち切る段階に来ているのではないかと思うのです。しかしそれは悲しいかな、あなたの方では技術がないというのがほんとうではないだろうか。結局あなたまかせになってしまう。あなたまかせということはともすると予算の乱費に陥るのではないかと思いますが、あなたの方の独特な立場で造船計画を立てるという考え方もあろうけれども、いずれにしても年間千億以上消費しているんですから、この辺は法律に藉口して随意契約をやっていこうというような態度は予算執行者としては適当でないと思う。しかしきょうは議論したくありませんので、事柄の関係だけを明確にしたいという意味で質問を申し上げたのであります。  ともかく先刻申し上げました資料を至急、できるだけ親切にお書きになってお出し下さい。委員長よろしく願います。きょうのところはこの程度にしておきます。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 御指摘の設計に対する力が防衛庁にないということはまさにその通りでございます。だからこそ仕方なく設計協会を使っておるわけであります。これは防衛庁自体がやることが建前でありまして、設計協会も、同じ型の船ができますと、設計協会自体の仕事がなくなるわけで、相当困っておる。これも大蔵省等とも話して、設計能力をこっちにどんどんつけてくるということを予算的にも配慮してもらって、その方向に進んでおるわけであります。ただ何といいましても人的に年代の空白がございまして、これを一時に整理するということがなかなかできにくい状態でございまして、その点は御指摘の通りでございまして、そういうことのないように逐次やって参りたい、かように考えております。

青野武一日本社会党

○青野委員長 それでは防衛庁関係の質疑は本日のところ一応この程度といたします。  なお次会は明後二十八日を予定しておりますが、詳細は公報をもって御通知申し上げることにいたします。  なお先ほど吉田委員からお示しがあった資料の点は迅速に正確な資料をお出し願いたい。  それから防衛庁との集会か何かの関係で小滝長官が途中で私に了解を求めてお立ちになりましたが、吉田委員からの注文もありますので、決算委員会としては成規の手続をとりますから、航空幕僚長も一つなるべく御出席になるように、話し合っておいていただきたいと思います。  本日はこの程度をもって散会いたします。    午後五時四十一分散会

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