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26回国会衆議院1957/04/19

外務委員会 第18号

発言数
305
登壇者
19
会派数
2
開催日
1957/04/19

会議録

野田武夫自由民主党

○野田委員長 これより会議を開きます。  国際情勢等に関する件について質疑を許します。菊池義郎君。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 ソ連や中共からの赤化工作がだんだんひどくなってきている。昨年、赤化工作のために日本に入ってきた金が、かれこれ日本の金にして七百二十億となっているという。三月ごろのニッポン・タイムスに、それはどこから出たかということが米国大使館から発表されたということでありますが、そのまかれた金が政界はもちろんのこと小さな新聞何百、それから各種団体これまた何百、小さな新聞や雑誌の名前、団体の名前がみんなあげられて書いてあるのを見ましたが、こういうことについての調べがありましたら聞かしていただきたい。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 お答えいたします。本年の二月二十八日のジャパン・タイムスに、共産党側は昨年日本で宣伝に二百十万ドルを使ったという記事が載っておりました。今委員がお尋ねになった七百二十億というのは七十二億じゃないかと思うのですが、二千万ドルを使ったという記事が載っておったのを承知しております。この記事はアメリカの新聞記者及び放送記者三十三名が極東及び中東を旅行する途次、東京に立ち寄って、アメリカ大使館のスポークスマンや情報専門家の者から聞いた話ということになっております。他の方で調べてみますと、これはその際日本の新聞その他いろいろの資料に基いて日本共産党を初め若干の団体の昨年度一年間の経費を全部通算したものが、このような金額として話されたもののようであります。それでその金がすべてソ連の日本に対する工作費という意味ではないのであります。そり団体には日本共産党のほかに日本平和委員会あるいは日ソ親善協会、日中双好協会等も含んでおるようでございますが、これらの団体の年間の一切の経費だということのようでございます。その程度しかわかっておりません。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 それでよろしゅうございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 今のに関連して伺いますが、これは非常に重要な御答弁をされたのですけれども、共産党並びにその関係団体という意味は、どういう意味で日中友好協会あるいは平和委員会をその関係団体というように規定されたりでございますか、その点を伺いたい。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 共産党側というように見ての話らしいのです。左翼という意味らしい。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 らしいというのはあなたの役所の御判断ですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 いや、そうじゃありません。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 藤井政府委員に御注意しますが、発言を求めて下さい。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 先ほどの御答弁を伺うと、そういうものを全部合せてみるとそれだけの金額になるようにわれわれこしては判断する、こういうように御合弁になったように記憶するのでありますがそうではないのでありますか。その点はだれがそういうように判断されたのですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 それは私どもが調査した結果そういうような結果を得たのです。私の方が判断したというわけではありません。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 あなたの方がそういうような集計をされたのではなくて、ある部面からそういう集計をしたのを聞いた、こういうように御答弁になっているのですか、その点はいかがですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 その通りでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それじゃ、その関係というのはどういう方面からお聞きになったのですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 その関係はアメリカ側であります。具体的なことは申しかねます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 公安調査庁の御判断として、平和委員会あるいは日中友好協会というようなものが、共産党関係の団体であるというように御判断になりますか、どうでありますか。そういう御判断が正しいのであるとお考えになればこそ、そういう答弁をされたのだろうと思いますが、その点はいかがですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 平和委員会、日ソ親善協会、日中友好協会は共産党に近い団体というように見ております。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 これは非常に正大なことだと思うのだが、日中友好協会の会長はわれわれ社会党の最高顧問である松本治一郎氏が会長であります。これが共産党に近い団体だという御判断でそういう答弁をされたのだとわれわれ確認をしてもよろしゅうございますか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 よろしゅうございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そういう点はよろしいのですね。そういう点は確認しておきましょう。あとでこれは今後の問題として大きく取り上げていかなければならないと思います。  それからそういう集計の方法があなたの力は正確であるとお考えになりましたか、どうですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 それは見方でございまして私ども正確とは思いません。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それは正確であるとは思わないということならば、単なるアメリカ筋の一つの見当であって、日本政府としてはそれは正確なものではない、言葉をかえて言うならば、いいかげんな、いわゆるデマ宣伝である、そういうようにあなたの御答弁から解釈せざるを得ないと思うが、この点はいかがです。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 デマ宣伝であるかどうかはわれわれまだ意見は申しませんが、その際にそういう話が出たということがわかったのであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 関連ですからもう一点で終ります。大体外国の機関が日本の合法的な団体のそういう資金を調査することがきわめて私は不可解だと思うのだが、公安調査庁が共産党以外のそういう関係団体の資金を集計するということが法律的に可能であるかどうか、そういう点について伺っておきたいと思います。共産党の資金は政治資金規正法によって当然数字が出てくると思いますが、そのほかの大衆団体に対して、そういう資金の数字というものをあなた方が調べられる余地がありますかどうですか。法的にそういう基礎がありますか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 共産党関係の資金と思えば、疑いがあれば調査いたします。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そんな答弁だから問題なのだ。それでは大衆団体である日中友好協会、平和委員会、日ソ親善協会というものは、政治資金規正法によるところの団体としての手続をしておりますか。共産党の関係の団体であるということを、あなた自身が勝手に判断をして調査、できるというのは、法律に違反しているじゃありませんか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 共産党の活動の調査の一端として調査しておるのであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それでは共産党の活動の一端としてならば、そういうスパイ活動もやれるというのですか。(「スパイじゃないよ」と呼ぶ者あり)スパイ活動だよ。それで社会党の松本さんが会長なのでいいのかと言ったら、そうだと言った。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 共産党団体とは申しません。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 関係団体と言っているじゃないか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 それは党員がおられますからそう言ったのであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 はあ、党員がおるとそう言うの。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 党員がおられるところはわれわれは調査いたしますから…。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 答弁上ないでそういうことを言ってはいけませんよ。あなたはどういう法的根拠において調べられたのか。それから共産党の党員がおるならば共産党関係団体だというならば、労働組合の中には共産党員がいるかもしれないから労働組合全部がそうか。それから国会の中に共産党員がいるじゃないか、議員がいるじゃないか、国会も共産党団体ですか、どうなのですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 国会は共産党団体とは思いません。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 共産党員がいるじゃないですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 おられるからといって―国会の共産党員の方も場合によっては行動を調査いたします。けれども国会は調査いたしはしません。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 関連して一点だけ。ただいま日中友好協会を共産党関係の団体だと公安調査庁が見ておられるという点は、一体いかなる根拠に基いてそういう判断をされているのですか。私も実は日中友好協会の理事の一人であります。日中友好協会には自民党の山口喜久一郎君と、これは超党派的で共産党関係の人ももちろんおります。それだからといって、共産党員が関係しておるということをもって共産党関係の団体ということで、特に公安調査庁がそれを共産党活動の一端だといって、その資金的な関係等についても調査しているということについては、法律のいかなる権限に基いてやっておられるのか、明確にして下さい。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 破防法に基いて調査しております。しこうして日中友好協会には共産党員もおられるのだから、その共産党員の行動は調査しております。またおられるから共産党に関係のあるような団体と言ったのであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 ただいまの藤井長官の御答弁は、先ほど岡田委員に参お答えになったのと、だいぶ意味が違います。ことにこの点は後ほど速記録を調べてあらためて問題にいたしたいと思いますが、共産党員が入っておるとその共産党員の活動を調査するということは、公安調査庁に与えられている合法的な任務かもしれません。しかし日日中友好協会の中に共産党員がおるからということで、日中友好協会の財政的な関係をあなた方が調査せられる権限というものは一体どこにあるのですか。少くとも私らの承知する限りにおいては、これが何らかの政治活動をやる、特定の候補者を立てて選挙活動等をやるということで政治資金規正法の適用を受けない限りにおいては―これは将来われわれ、外務省の関係になるかあるいは文部省の関係になるか、いずれの関係になるかは知りませんが、近くこれを財団法人なり、そういうものに持っていきたいということも、寄り寄り理事会等においては考えておるものでありますが、そういうことになりますれば、それぞれやはり監督の官署からの会一計についての調査等も当然受けなければならぬと思います。現在そういう任意団体でありまする、文化友好親善団体にすぎないところの日中友好協会について、その経理についてあなたたちは破防法に基いて調査する権限が―一体、日中友好協会の活動のどの部分が破防法に触れるという解釈なのですか。これはきわめて重大な問題ですから、長官はっきりと御答弁願いたい。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 日中友好協会と国際共産主義国であるソ連、中共との関係は、公然資料にも出ております。一般情勢の判断としてわれわれはすべての事項を調査しておりますが、公然資料にも出ておるのでありますから、それに基いて調査しておる。(「公然資料というのは何だ」と呼ぶ者あり)中共の新聞なんか見たら出ております。(「中共の新聞には岸内閣のことだって出ているよ。」と呼ぶ者あり)日中友好協会の関係なんか出ております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 日中友好協会は、日本と中国、正確に言えば中華人民共和国、その意味であなた方の言われておる共産主義国との間の国交の回復、友好親善ということを目的とした団体でありますから、それらの国々との間にいろいろの文書の往復その他の関係を持っておることは事実です。日ソ親善協会またしかりと申し上げて私はあえて差しつかえないと思う。それだからといって日ソ親善協会なり日中友好協会の経理の問題を、あなたが先ほどお答えになったように、破壊活動防止法に基いて調べるという権限と根拠はどこにあるのですかというのです。これは重大な問題ですよ。会の存立そのものに関係を持つ重大な問題ですから…。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 いや、その日中友好協会、日ソ親善協会の経理について、公然資料によって発表されたものもありますから、それをなお調査しておるのでありまして、まずそれに基いて共産党の活動がどれだけ浸透しておる場かということを調査するのであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 この点につきましては私非常に重要な問題だと思うのです。それは、憲法にも保障されておる結社の自由に関する大きな制約をあなたたちは加えることです。かつての治安維持法のような、ああいう反動的な、全体主義的な法律があるならばあなたたちはやれるかもしれません。破壊活動防止法については、その意味で治安維持法の再現であるということで、国会の審議の過程において、厳重なやはり制約が加えられておるはずです。それにもかかわらず――それは何も秘密結社ではないのでありますから、日中友好協会の財政につきましては総会で報告される、あるいは理事会等へ報告されたものについては、全部とにかく公開をいたしております。そういう公開の関係と、あなたが先ほど言われた、破防法に基いて、この経理についての特別な調査をやっておるということは、これはおのずから別問題なのです。その点はあくまで日中友好協会についてあなたたちは破壊活動防止法に抵触するという疑惑のもとにやっておられると、あなたあくまで言われるのですか、どうですか。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 日中友好協会それ自身を団体として調査しておるのじゃありません。日中友好協会内にいる日本共産党員の行動を調査しておるのであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 その点は、藤井さん、後ほど速再録を調べればわかるのですが、あなたは先ほど会長が社会党の松本治一郎参議院議員である、それにもかかわらずこれを共産党関係の団体であるということをあなたは言いきりました。しかもこの関係については、私の質問に対して、団体そのものをも破壊活動防止法に培いて、財政部分についての調査をあなたたちはやっておるということを答弁で、はっきり申されたから、私はこれはきわめて重大な問題だ、こういう意味で、くどいようでありますけれども伺っておるのです。もしその点についてのなにが直ちに即答できかねるということであれば、後ほど速記録を調べてからでもこの点について明快な答弁をしていただきたい。あなたは団体として日中友好協会を、破防法に基いて少くともその財政的な面について調査をしているという答弁を先ほどされたことは、これは何百万という百中友好協会の会員にとっても、また国際的にも、現在国交は回復はしておりませんけれども、現実にあるいは先般抑留者等の帰還その他の問題において、現実にはやはり中華人民共和国との間には、日本が好むと好まざるとにかかわらず、国際的な関係を持っておることは事実なのです。外務省またスイスの田付総領事を通じて特に引き揚げ問題については、従来からやはり外交交渉を持っておることは事実なのです。従ってこういうことは国際的な関係にも響いて参ります。その意味で、私もあなたの答弁を、先ほどはやはり団体として日中友好協会をあなたは指摘されているように受け取った、同僚諸君もまたそういうように受け取っておるのであります。そうでないのなら、そうでないということをお答え願いたい。

藤井五一郎公安調査庁長官

○藤井(五)政府委員 日中友好協会それ自身を破防法の対象として調査してはおりません。もしそういうように聞えたら、それは取り消します。     [「共産党関係団体と言ったじゃないか、私が確認しますかと言ったら、確認しますと言ったじゃないか、はっきり言ったじゃないか」「共産党に近いと言ったんだ」と呼ぶ者あり〕

野田武夫自由民主党

○野田委員長 正式に発言を求めて下さい。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 その点についてはやや明確になりましたけれども、後ほどさらに速記録によって調べたいと思います。  なお先ほどの藤井長官の答弁で、日中友好協会の経理関係について調査されておるということでありますから公安調査庁が調査されてしかもそれが公然資料に基いてのものであるということでございますから、調査された資料を一つ御提示を願いたい。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 了承しました。  これより外務大に対する質疑を許します。菊池義郎君。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 与党か質問することはおかしな話でございますが、総理もお忙しいため個人的にお話し申し上げる機会もございませんので、こういう場所でも利用いたしましてお話し申し上げたいと思います。  吉田さんが総理に先行して対外交渉のために立たれるという、これはもう本ぎまりにきまったのでございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 今日の新聞に出ておるので私は承知いたしたのでありまして、そういうことが本ぎまりにきまっておる事実はございません。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 沖縄の施政権の返還について米国の軍部が強硬に反対しておるようでございます。総理が過日の法務委員会でもって答えられておりますが、自信を持っていらっしゃいますかどうですか、こういう点。それからなお小笠原、これはわれわれの背の選挙区でございますので、恋しい地域でございますが、これは全然軍事施設も何もないところでありますけれども、帰さないのです。引揚者を帰さないのです。このこともあわせて米国においでのときは折衝していただきたいと思うのでございます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 沖縄につきましての問題は、われわれと同じ同胞である沖縄の住民の現在の地位につきましてわれわれから考えてみると好ましくない事態が相当あると思います。これを改善しなければならぬことは言うを待たないのであります。その究極の目標は、施政権を日本に返してもらうことにあると私は思います。このことについてはすでに国会の議決にもありまして、この考えは国民のひとしく望んでおるところであります。しかし今日までの折衝によりますと、アメリカ側としては極東の緊迫した情勢が緩和しない限り、施政権を日本に返すわけにいかないという返事を得ておるのが、従来の折衝の経過であります。私は日米の関係を正常化し、その友好関係を増進し、協力の態勢を強化するという見地から見ますると、そういう状態に置いておくことは望ましくない。日本国民としてのわれわれの国民感情を実現する、また将来の日米間の関係を改善するという意味から申しましても、沖縄の状態について現状を改善の方向に持っていかなければならぬというのが私の考え方でございます。もちろん今度私が参りますことは、具体的に沖縄の問題を交渉に行くわけではございませんので、すぐその問題が、施政権がどういう形において遮るとか、あるいはどうなるかというようなことの現実の問題とは離れて私の所信を申し述べたわけであります。  また小笠原島のいわゆる住民の帰島問題というものは、かねて米国側といろいろな機会にこれが折衝が行われており、また国会からもすでに国会議員が向うに参りまして、その実情を訴えて、この点についての考慮を求めてきたことも御承知の通りであります。これも今の状況にほうっておくことは、先ほど申したような意味から申しまして適当でないことでありますから、これも改善しなければならぬと思います。もちろんそういうことに触れても話はいたしますけれども、私の今回の渡米の一番の目的は、そういう個々の問題を折衝して、それを解決するために行くという意味ではなしに、日米間の根本の基本的な考え方や、基本的な方策についての隔意のない意見を交換したいというのが目的であります。しかし今申しましたように、具体的にはそういう問題にも触れて自然日米間の問題を話し合わなければならぬ、かように考えます。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 インドネシアの賠償は、渡米以前に解決するという新聞記事がございますが、その通りでございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 これは御承知のようにアリ内閣が倒れましてジュアンダ内閣ができておりますが、まだ内閣が、更迭をいたしましたり々であって十分話し合うような情勢になっておらないようであります。とりあえず外務省といたしましては、倭島公使に東京へ帰ってくることを命じてありまして、向うの事情、その後の政情、またジュアンダ内閣の意向等を打診いたしまして、この問題の具体的解決をはかりたいと思いますが、それが必ず私の訪米する前に解決し得るかどうかは、ちょっと今までのところ見通しがつかない状態であります。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 インドネシアの賠償は、アメリカとの話し合いの前に、なるべく解決した方が得策であると考えております。希望を申し上げておきます。新聞を見ますと、総理の米国訪問によって日本のことばかり解決することに努力するように書いてありますが、私たちの考えは、日本は敗れたりといえども、依然として戦前のような東南アジアの指導的立場を堅持して、この東南アジアの経済、文化の興隆のために努力するという態度を堅持して米国に当るべきである。かように考えておるのでありますが、総理のお考え方はどうでございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 東南アジア諸国に対する経済外交や文化外交というものは、私、外相に就任以来特に重視して、これに対するいろいろな施策も進めて参っておるわけであります、根本的の問題といたしまして、日本がアジアの一国であり、アジア諸国との間における歴史的、文化的、経済的の関係というものについては特別な地位にあると私は思います。またこれらの国々がいずれも比較的最近に政治的独立を完成したけれども、その経済的基盤という裏づけがまだでき上っておらないし、いずれも長期経済計画を持っておりますけれども、その…。長期経済計画の実行においては、非常な困難に遭遇しておるというのがおしなべての実情であります。これに対して日本が技術の面からあるいは経営等の面から協力して、これらの国々の経済的基盤を強化することは、日本のアジアにおける地位から見まして当然やるべきことであり、私はまたやるのにふさわしい地位にあると考えておるのであります。従いましてわれわれが今後国際的に活動する上から申しまして、ただ単に対米の交渉だけではなく、国連等におけるわれわれの活動につきましても、常にこの考え方を基調として進んでいくべきものである、かように考えます。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 英国の水爆実験がまだ始まらないうちに、ソ連ではああいうような核爆発をやっておる。その放射能の被害が大へんであることは学者がみな発表しておるのでございますが、ソ連に対しても当然に特使を派遣するなり、われわれはもしできることなら、総理みずから乗り込んで行かれて強硬談判をなさるべきが至当であると思う。何にしても、日本は広島、長崎において動物扱いをされ、ビキニにおいてモルモット扱いをされておる。そういうわけでございますので、その被害国としても当然にこれは強硬に当らなければならぬと考えておる。それから百原水爆禁止日本協議会の連中が協議を重ね、クリスマス島の現場にすわり込みの船団を出すと言っておりますが、これはこの間も私は申しましたが、日本政府としては、むしろこれを激励鞭撻して数十隻の船団を繰り出してすわり込みをやらせる。そうすれば世界の世論は極度に沸騰するでありましょう。列国もおそらく数百隻の船団を繰り出すであろうという見通しは、はっきりしておるのでございます。そういったような断固たる決意を持って臨まれれば、これを阻止することは決してむずかしくないと私は考える。英国をとめることもできれば、ソ連も当然に、われわれのこれまでの言い分からしてとめるでしょう。米国も従ってとめるでしょう。従って協定も結ばれるでしょう。そういう端緒を開くことができるであろうと思う。この機会を逸せずこの問題を取り上げて、不退転の決意を持って勇敢に戦うならば、日本は徒手空拳をもって世界の平和の指導権を握ることも考えられないことはないと思うのでありますが、そういったような構想について総理のお考え方を伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 ソ連が無通告のままにおいて最近数回相次いで核爆発の実験をやっておるという事実に対しましては、私ども非常に遺憾とするところでありまして、これに対しましては、われわれとしてソ連政府にその反省と、これに対して将来そういうことのないようにというわれわれの意思を強く申し入れてあります。しかし現実の問題として考えますと、この核爆発の実験は非常に大問題であり、人類全体の問題であり、また関心事であるにかかわらず、これを持っておるところの三国の間におきましては、ほとんどその責めが相手方にあるような逃げ口上のもとに行われておるということは、私は非常に遺憾とするところであります。私どもはあらゆる方法をとって、これが禁止に向って私は努力すべきものであると考えてあらゆる点からあらゆる方法をとりたいと思っております。ただ私の考えでは、そのとるべき方法はあくまでも合理的なまた良識にかなったものでなければならぬと考える。私はこのクリスマス島の実験に対して、いわゆるすわり込み船団というものをあの危険区域に派すという考え方につきましては、これを禁止させようという熱意に対しましては同感でありますけれども、その方法は良識的ではない、また合理的な方法じゃない、こう考えて、そういう方法を政府がみずからやる意思はないのみならず、民間においてもそういう企てはやめて、さらに合理的な方法をとるようにしたい、これが私の考え方であります。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 残念ですが、そういうお考えでありましたら仕方がありません。  欧州共同市場に加盟しておる国々に対しまして日本から最恵国待遇の要求をした、ということでありますが、向うの回答はどうなっておるのでございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 欧州共同市場の問題につきましては、日本の貿易経済の上に相当に重要な影響があると私どもは考えるわけであります。これについてのいろいろな点については、非常な深い関心を持って考えておるわけでありますが、その一つとして最恵国条項の適用についてのわれわれの方の希望を申し入れてあります。別に特にこれに対して回答を求めるというような形式ではありませんで、こちらの希望を申し入れてありまして、まだそれに対してこれらの国々の意向というものは明らかになっておりません。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 周恩来は日本の浅沼君らと会見いたしまして、指紋をとることをしないようにしなければ、中国との貿易の第四次協定を結ばないということを言っております。それに対して日本の方で何か対策はございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 第四次協定は、御承知のように民間の関係団体の間において交渉され折衝されていく問題でありまして、今までの経過から申しますと、いわゆる通商代表部をお互いに設置する。そうしてそれを、置くについて向う側からこちらへ来る者について指紋をとるということをやめてもらいたいということが一応問題になっておりますが、この問題につきましては、政府としては今の法制上は諸外国に対してすべて同様な処置をとっておっていわゆる外交上の特権を持っておるものであるとか、特殊の公務を持っておる者に対してとらないだけで、あとは全部どこの国に対しても、平等に民間の者に対してはとっておるという建前になっておることは御承知の通りであります。そこで民間のレベルで置くという問題についてこれを法制上やめるということにつきましては、いろいろ困難があると思います。そこで私どもは、民間の話し合いがどういうふうになるか、この事情をよく向う側においても了解した上でこの民間の話し合いがある程度についたところにおいて、われわれはなるべく貿易を増進するという意味において、政府としても適当な処置を考慮しようじゃないかということになっておりまして、まだ具体的に民間の話し合いが進んで取りきめされて、こういうふうな方法でやりたいというようなことについての具体的の話になるまでの段階になっておらぬので、この際新聞の記事によるところの周恩来首相の言だけでもってすぐどうするという意見を私の方で申し上げるわけには参らない、こう考えます。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 それから周恩来はやはり日本の議員団に対して中ソ同盟条約を改めて経済的なものにしたいということを言っておりますが、そういうように中共の意向もはっきりしております以上は、このときこの際時を移さずソ連に交渉して、日本と米国を敵国扱いにするあの中ソ同盟条約の改訂を要求したらどうでしょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 中ソ同盟条約が経済的、文化的の内容を持ったものになって、軍事的なものを除こうというふうな意向が新聞に報ぜられております。そういうふうになっておることは極東における緊張状態を緩和する上において非常に役立つことで、私ははなはだけっこうであると思いますけれども、ただこれは言うまでもなく中ソの間の条約の問題であって、周恩来首相がそういうことを言ったから直ちにそうなったということとは違うので、そういうことになることは私は非常にけっこうであると思いますけれども、あくまでもこれは中ソの間の条約の問題でありますから、中ソの間の話し合いになって現実にそうなってくれば、私は非常にけっこうだと思っております。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 日本としてはこれを改訂することを要求する権利はあると思うのでございますが、そういう御意見であるとしましたらそれでいいと思います。  それから周恩来はやはり日本の議員団に対して、日本に対する賠償の話をしておりますが、すでに台湾、中国との間に賠償の話についてはけりがついている、要求せぬということを言っておりますけれども、もし台湾政権が消滅して新たに中共の方から日本に対する賠償を要求するようなことがあったといたしましたならば、これに対して日本はどういう態度をとるのでございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 いろいろな仮定の問題で議論していくことはどうかと思いますが、われわれは蒋介石の政権、いわゆる中華民国の政府が中国を代表するものとして、当時これとの間にいろいろな折衝をして参ったことは、国際法上はそう見るべきであろうと思います。そしてそれが賠償を放棄しておるということから考えまして、今後のいろいろな中国における政権の移動その他の状態がどういうふうになっていきますか、そのいかんによってこれに対処しなければならないけれども、条約的に解釈すれば私が今申したように解釈してよかろうと思います。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 それから過日総理が見えなかったので、ほかの政府委員にお尋ねしまして、はっきりした返事がなかったのでありますが、日本がソ連と平和条約を締結する際に、南千島をソ連に要求する意思があることを国民に明白に示すためには、日ソの戦争終結の状態になっております今日において、日本は当然にソ連に対して、南千島よりの撤兵を要求しておかなければならぬ。そうしなければ日本政府に南千島返還の要求の意思ありと解することはできないわけでありますが、ソ連に対するためにも、日本国民に対するためにも、それは当然にやるべき措置であると思うのであります。これに対してどういうお考えでおられるか、承わりたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 ソ連との平和条約締結の問題は、申すまでもなく領土問題、国境の画定の問題であると思うのでありますが、その際に日本が南千島に対して固有の領土権を主張して、日本への帰属をはっきりするということは、ロンドン及びモスクワの会議において終始日本の代表が主張してきたことであります。ところがこれが御承知のように両国の主張は正面衝突して、平和条約の締結ができなかったといういきさつに顧みましても、われわれは領土問題を含む平和条約の締結を今後継続的に審議するという話し合いになっておるわけでありまして、私は日ソの間の国交正常化に伴って、あらゆる面における、あるいは漁業問題解決、あるいは未帰還引揚者の問題等において、あるいはさらに文化、貿易関係の増進のために貿易協定を結ぶとか、いろいろなものを積み重ねていって両者の理解と友好関係を深めた上において、この領土問題の正式交渉をすべきものであるというのが私の第一の、根本の考え方であります。そうしなければ、ただ表面的に今持ち出してみても、これは衝突するだけであります。ただ菊池君の言われるように、いつまでもそれをほうっておくために現状をそのまま黙認したということにならないような措置は、とっておく必要があるだろうと思いますから、今お話しになりましたような点につきましても、一つ十分考慮をしてみたいと思います。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 西ドイツはソ連との国交を回復して暫定的の条約を結びました。その後ソ連からのあまりに激しい赤化工作に手を焼いて共産党を非合法化したのであります。共同宣言の中に日本に対する赤化工作はやらぬということを書いておりますけれども、それはどうもさっぱり信用ができないので、ソ連は一九二一年の英ソ協定を破り、一九三三年の米ソ協定も破っておかまいなくこれを空文化してどしどし赤化工作をやっておる。ああいったようながっちりした戦勝国でありますから微動だもしないのでありますが、ドイツや日本のような戦敗国は、これがために非常に因ると思うのであります。先ほども公安調査庁からの発表がありましたが、一カ年に七十二億円の金が、日本のいろいろな団体、雑誌、小さな新聞などに回されておるというようなことであります。この破壊工作のために人件費、出版費、団体援助費といったように分けて映画演劇その他に至るまでことごとく手を伸ばしている。日本の官庁の大半は赤化しておりますし、今度の総評の態度もおそるべきもので、彼らは暴力をもって日本の国法を破ってその主張を通そうとしている、そういう状態になっているのであります。こういう危険な情勢に対しまして、総理はどういう対策を考えておられますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 自由主義を守り、民主主義を守るために、それを破壊し、また民主政治の根底をくつがえすような考え方や行動に対しまして、国家が民主主義を守るために、いろいろな措置を講じて防衛をしなければならないことは言うを待たないのであります。ソ連が共産主義国であり、あるいは共産主一義の本質上、それを他の国にも宣伝し、あるいはそれによって他国の政治にいろいろな影響を及ぼすような行動が過去において、また国々において絶無であったとは私は信じませんけれども、しかしわれわれが日ソ国交が正常化した趣旨から言いまして、初めからソ連というものをそういう国であるという一つの烙印を押して対するということは、私は間違っていると思うのであります。われわれはあくまでも日ソ共同宣言の趣旨に基いてお互いの内政に干渉しないとか、あるいはお互いの政治機構に変革を及ぼすような行動をしないということは、お互いが宣言に明らかにしていることを十分守っていくと思います。従って日ソ国交の正常化というものが直ちに日本の秩序を乱し、日本の治安に非常な危害を与える危険があるという考え方を私はとっておりません。もちろん日ソの国交が正常化しなくとも正常化しようとも、いずれにしても日本自身が民主主義を守り、日本の国民の自由を擁護するという意味においてこれに妨害を加え、もしくは撹乱するような行動に対しては、日本自体が治安の面において防衛をすることは当然でありましてその点につきましては、私は今日の日本の国情が安心をしてよろしい状態であると決し、楽観もいたしておりませんが、一部の人のように、あらゆる面がもう赤化されて、あすにも日本の民主政治がひっくり返るというような考え方も実は持っておらないのであります。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 いろいろお伺いしたいのですが、時間がございません。私は大臣の移動大使の構想は非常におもしろいと思うのでございますが、この移動大使と常駐の大使との意見は必ずしも一致するものではなく、むしろ相反する場合が多いと思うのであります。そういう点についてどういうお考えを持っておられましょうか。相手方の国に対して迷惑をかけることがしばしばあるのではないかという考えも起るのでございますが…。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 言うまでもなく、ある国に駐在をしている大公使は、その国との間の外交関係は、日本政府を代表して行うものであります。私の構想している移動大使の考え方は、今日においては、たとえば中近東あるいは東南アジアというものを考え、中南米というものを考えてみますと、駐剳している大公使は、自分が駐剳している国だけにおけるあらゆる外交上のことを処理することが権限であり、またそれが任務であります。しかし今の情勢から見ますと、そういうつの地域に共通したいろいろな問題もあり、またその国だけの立場から物事をすべて見、判断するということが適当でないことも私はたくさんあると思うのです。従ってこの移動大使がそういう国々を回りましてその事情を詳細に検討をし、いろいろな献策をもって外務大臣のところに報告いたしますれば、外務大臣は各駐在の大公使からの報告と移動大使のそういう見解とを十分に検討してこうすべきであるという結論は外務大臣が責任を持ってきめまして、その上で大公使にそれぞれ訓令を出しまして処理させる、こういうことにするつもりでおりまして、決して移動大使を置くことによって事務上何らかの摩擦抵触が生ずるようなことはない、こう考えております。

菊池義郎自由民主党

○菊池委員 もう一点。毛澤東がウォロシーロフに対しまして、この間、中共は第三次国共合作を準備しておるということを言っておるが、これはどうもうそでもないらしいし、またほんとうのようにも思われないのですが、外務省あたりはどういうようにお考えになっておられますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 詳しい正確な判断をすべき材料をまだ持っておりませんから、いろいろの情報を集めておりますが、今正確な判断を申し上げるわけにいかないと思います。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私は原水爆の実験禁止問題についてと、もう一つは今回岸総理がアメリカ並びに東南アジアの方をお回りになるのに関しまして、東南アジアの方についてのみ少し伺いたいと思います。  まず原水爆実験に対しましては、これはぜひ禁止したい。これは人類の破滅を防ぐために必要であり、そしてまた国民の心からなる悲願でありますから、この点に非常に熱心に努力されておられますわけでございますけれども、現実問題といたしましてイギリスのクリスマス島に対する禁止要求に対しても、これを拒否したような手紙が来ているわけでございます。このことはまことに残念なことでございまして、やはりこの機に私どもは何らかさらに新たなる決意を持って、原水爆実験禁止ということに臨んでいかなければならないこう考えておるのでございますが、米英ソいずれもお互いにそういうことをすることによって何かお互いに強がりをしているような、こういう傾向があるときでございますから、日本の持つ役割というものは、非常に重大であると思います。そこで平和外交推進という意味からも、さらに新たなる強い決意を持って私は原水爆実験禁止に臨んでいただきたい、こう思うわけでございますが、何か御構想がございますでしょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 原水爆の実験禁止の問題に関しましては、私就任以来国民の悲願を達成するために、あらゆる方法を講じて参っております。ただ言うまでもなくこの問題は、全人類を破滅から救い、真の平和をもたらすために、これを禁止しなければいかぬという見地に立って、私どもは今日まで努力いたして参っておるわけでありますが、現実の情勢―理論は私はその考え方が正しいと思っておりますから、あくまでもそれを世界の国々に訴え、また特に当該実験をやっております国々に、あらゆる機会にあらゆる方法を通じてこれを徹底してその反省を促すつもりでおりますが、さらに実際問題として考えてみますと、なかなかこの正しい当然のことであると私どもが信じておることが実現できないということから考えまして、あるいは国連における機構において実際に即して有効な、それに向って現実に各国がいやおう言うことのできないような当然のことを一歩々々掲げていくということも私は必要であると思う。私どもが登録制を提案いたしましたのもその考え方でありまして、さらにこの登録制をそう有効ならしめるために、軍縮小委員会にわれわれが新聞に発表しているような見解を通告いたしておりますが、こういうふうに現在の国際機構を通じて現実の面から一歩々々積み重ねていく、そしてそれはいなむことのできないつの事態を作っていくということも私は必要であると思う。それからさらにこの三国の間に現われている大体の意向を見ますと、国が言っていることは、これをあくまで続けるというなによりも、むしろ相手方がやっているからやめられないじゃないか、平和を維持するためには、自由を守るためには、相手方がこうしているのだからこれをやることが必要だ、というような口吻が英米側にもありますし、ソ連側はソ連側として無通告でやっておりますが、しかもこれに対するわが方の抗議に対しては、相手方がやはりやっている、罪は相手方にあるというような言い分であります。すなわち三国の間に、これをせんじ詰めてみるというと、三国が同時にある種の制限に服するということであれば実現できるような言い分でありますので、ここに三国の間に協定をもって禁止するとか、あるいは禁止が一時にできなくても、少くとも制限するというくらいのなにをするというようなことになりますことは、ある程度私は今回のわが方の各国に対しての抗議に対する回答を通じてできる一つの結論じゃないかと思うのです。そうすればそれを取り上げて国にさらに働きかけて、その最大公約数といいますか、そこまではみな異論ない、いやおう言えないというふうなところに追い込んで行って、そうして現実の問題を解決していく。一方においてはあくまでも一つの運動とし理論として強く世界のなにに訴えるところの方法は、さっき申しました、ように合理的なしかも良識にかなっている方法でこれを進めていく。一方は今言った現実の問題をとらえてそれを解決の方向に持っていく、という二つの面からさらに私ども考究し、適切な時期に適切な方法をとって有効に進めていきたい、こう思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいまのお言葉の中にもありましたように、三国が同時に何らかの協定をしていくということが、私どももほんとうに望ましいことだと思うのです。それを促進させるためにはいろいろな方法があると思いますが、その一つの方法として、先ごろも新聞でちょっと見たのですが、ソ連とアメリカにも今回イギリスへ特使をつかわしたような形の特使をやるとか、あるいは国連にも代表をこのために特にやるとか、こういうようなことも一つの方法ではないかと思いますが、これについてはどうお考えになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 イギリスに松下特使を送りました結果につきましては、いろいろな批判もあると思いますが、まだ最後的にイギリスをしてクリスマス島の実験を中止せしめることができなかったことは、非常に遺憾でありますけれども、しかしイギリス国内において、またさらに国際的に一つの世論を提起したことも事実でありますし、またイギリスの政府首脳部自体に道義的の一つの反省を与えたことも、これは私は見のがすことができぬと思います。従いましてそういう意味において私は相当の効果のあったことだと思いますが、さらにこれをアメリカやソ連等に同じような形でやるか、あるいはそれをどういうふうに変えてやるかということも、実は今後私としては考慮研究をしてみたいと思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 三国が協定を結ぶ、そういう機運を作り上げるという一つの方法としてやはり国際司法裁判所への提訴ということも私は考えられると思うのです。この間松下特使が日本の政府に要請して、国際司法裁判所へ提訴したい、こういうふうなことをどこかで語っておられたことも私は新聞で読みましたし、またけさのラジオの放送によりますと、ネール首相は、大気をよごして人類を破滅に導くようなことは、国際法の違反であると言われておりますし、あるいはまた世界の国際法学者は、原水爆の実験をすることは国際法の違反であるということをこの際にはっきり打ち出すべきだ、こういうふうなことまで言っているわけでございます。従ってこういうときに、やはり日本としても、国際司法裁判所への提訴ということも考えるべきではないかと思いますが、これについてはどういうふうにお考えになるか、松下特使からの御連絡がおありになったかどうか、この点も承わりたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 まだ実はそういう国際司法裁判所に提訴するという考え方は、私考えておりませんが、特に今の国際司法裁判所の建前からいうと、相手国がこれを承諾しないと提訴のなにができないわけでありまして実際問題として、今の情勢では、持っておる相手方というものがこれに応じてこないだろうと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 今度アメリカへ行かれるに先だちまして、東南アジアの各地へおいでになることはまことにいいことだと思いますが、そうした機会にも、東南アジアの、御訪問された国々の方たちともこの問題を話し合ってそして協力を仰いで、まずアジア諸国から禁止の強い世論というものを世界に訴えていくべきだと思いますが、この点についてどうお考えになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 全然同感であります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 先ほども菊池委員からちょっと触れられたのですが、三月二十五日にローマで調印されました欧州共同市場の問題でございますが、あれがわが国に及ぼす影響というものは無視できないというような考えをお持ちのようでございます。私どもとしても非常におそれますことは、今回六カ国がその調印をされたのでございますが、それらの国々におきまして経済全体の合理性を考え、また欧州でいろいろな生産のコストの切り下げというようなことが行われていきますと、東南アジアのような第三国へのいろいろな物資の進出ということが考えられるわけで、そういう点から見ますと、日本の貿易という面から非常に楽観できないいろいろな問題が起きてくると思うわけです。この点について、一応日本の希望は欧州の方へは申し入れた、こういう御答弁でございましたが、今回の東南アジア訪問に当っての構想の中に、これに対抗してと言ってはおかしいですけれども、アジア全体の経済統合というようなことをお考えになっているかどうか、この点を伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 ヨーロッパ共同市場の問題は、今御指摘がありましたように、非常に影響するところが大きいとして、私ども日本経済から見ましても、これは重要視していることであります。ただああいう共同市場がヨーロッパにできましたのにつきましては、相当な沿革がありますことは御承知の通りであります。またヨーロッパ各国におけるところの工業化の状況から見ましても、全然同一レベルとは申しませんけれども、あれに加盟している国々におきましては、いずれも工業国として相当に発展しているところであります。しかるに同じような考えをアジア諸地域についても考えるべきであるということは、抽象的には考えられておりますし、またアジアの繁栄のために、将来より緊密な関係に持っていかなければいかぬと思います。ただ現在の状況から見ますと、各国の工業化の状況や産業の状態は非常にまちまちなところがありますし、それからまた最近独立した国でありまして、東南アジアと申しますけれども、その国々の間には、必ずしも、政治的に全く意見が一致している、アジアとしての共通した理念が作り上げられているということも考えられないと思うのです。たとえばいろいろな問題から、インドとパキスタンとの間にカシミールをはさんでの問題があるとか、そういういろいろな政治的な問題がありまして、今日直ちにそういうものができるということはむずかしいと私は思います。しかしアジアが、共通な一つの考え方や、あるいは経済的に見て非常に緊密な関係にあるために、より一そうこの間の経済的の関係を深めていくということは当然やらなければいけない。それからこれらの各国は、さっきちょっと触れましたが、いずれも経済の建設の長期計画を持っております。これができておりますけれども、いわばそれを裏づけるような内容がまだ満たされておらない。やはりそういう貿易の前途を考えてみますと、いろいろなところでもってわれわれの作った製品を特に東南アジアに輸出するということだけにいくことは非常に危険があり、それから将来が憂慮されるような事態がいろいろあると思う。むしろこれらの経済計画――向うが持っておる経済計画に日本自身が入り込んで、これに協力していく。そうしてそこに産業を興し、ある程度の経済基盤を作る、そうなれば、それに日本自身が協力して、その協力の結果として日本もある程度の利益にあずかる。しかし、それはあくまでもその国を助けて、近ごろ興っておるところのナショナリズムをわれわれは尊重して日本自身が協力するという形に持っていくことが、長い目において日本経済またアジア経済のために必要である、かように思っておりますので、そういう点につきましても、私の考えについては、十分これらの国々の首脳部と話をしてみたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 急にそういうことはむずかしくても、だんだんそういうふうな機運を育成していくというふうなお考えでございまして、私はぜひそういうことが必要ではないかと、こう考えるわけであります。先ほどもお話がありましたし、そうしてまた前々から言われておられたことでございますけれども、東南アジアの経済外交の推進ということを非常に強調せられていることで、私は大へんに喜ばしいことだと思いますが、今回東南アジアを訪問されたあとで、アメリカの方へ行かれようとしております。そこでアメリカへ行って問題に出されることの一つといたしまして、アメリカと協力して東南アジアの開発というようなことが考えられているということも、私は新聞の報道で見たのでございますが、そうなると一体どういうふうな形でアメリカとの協力における経済外交の推進ということを考えておられるか、この点を伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 たとえばインドにおけるルールケラーの鉄鉱の開発の問題に例をとってみましても、その技術やあるいは開発の実際上の仕事の面においては、日本が持っておる技術力等を十分利用していくことが望ましいことであります。さらに労働力としてはその土地におけるところの労働力を使っていき、資源はその国の資源でやる、しかしそれに対する非常な大きな設備を要し、いろいろな資本を要するというような点において、アメリカがその設備を提供するとか、あるいは資本を融資するとかいうような道が講ぜられると、現実にそれを具体化する上において実効が上ってくる。従来アメリカはいわゆる未開発地域に対する開発援助、その他いろいろな意味において、東南アジアにも資本的なあるいは各種の援助を行なっておりますけれども、これを私はさらに東南アジア諸国の利益のために考えましても、また日本のこれらの国々に対する経済協力の点から考えましても、それが何らの関連なく行われるというようなことでは、両方とも十分―結局これは三者でありますが、現地も実際仕事ができないために大したことにならないし、アメリカもそういうエイドを与えて、そうしてその効果がない。日本もせっかく進んで協力しようとしても効果がないというようなことが、現実に相当に私はあるように思うのです。それをさらに一そう緊密な関係を作ることが望ましいのじゃないか、かように考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アメリカから経済的な援助、資金の援助というものを仰ぎ、日本の技術、そしてまた現地の労働力、こういうようなものでその実を上げていきたい、こういう御構想のようでございます。この同じ構想を、たしか昭和二十九年に吉田総理大臣が持たれて、アメリカと折衝をされたと私は思うのです。その後だいぶ年月を経ておりますけれども、結局成功をしていないわけなんですが、今回はそれに対して成功できるというようなお見通しがおありになるかどうか。そしてまたあのときにそのままになってしまったというような原因は、どこにあったとお考えになるかをお伺いいたします。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 そういう構想は、今御指摘のように決して新しい構想ではないのでありまして、現地においてもあるいは日本におきましても、またアメリカにおいても相当そういうことの必要を認めておるなにがあるのであります。ただ今までのなには抽象的に、東南アジアに対する経済開発なりあるいは経済上の各種の協力について、三者がこういうふうな連絡をとったらいいじゃないかというような抽象的な話であったように思うのです。そのために何十億ドル要るというようなごく腰だめの話であったのでありますか、やはりこういう問題は具体的に――今一つの例をあげましたけれども、ルールケラーの問題であるとかあるいはどこそこのダムを実際に特別なものをなにするとか、タイにおけるところの漁港の問題であるとか、そういう具体的の問題と結びつけないと、実際は実現しないのじゃないか。一般の基礎観念としてはできておるけれども、それが進展しないのは、具体的の一つのプロジェクトが取り上げられておらないというところになにがあったように思うのでありますが、その後いろいろな現地におけるところの経済計画も進んで参っておりますし、日本も東南アジア諸国に対してのいろいろな調査が進んで参っておりますし、また現地からの要望もよほど具体化してきておりますから、そういう各個のプロジェクトを中心として話を進めてみたい、こう思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 大へんけっこうでございますが、東南アジアの国々に参りますと、東南アジアの人たちは、まだアメリカは自分たちを理解しておらない、こういうような不満を非常に持っているわけで、私もそういう点がたくさん見られるわけでございます。そこで今回の岸首相の訪問に当りましては、やはり東南アジアの人たちのアメリカに対する考えがどういうところにあるかということもよくお聞きになって、そしてそれをアメリカの政府に正直に全部話して忠告をするというようなことも、私は必要だと思うのですが、これに対してはどうお考えになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私はアメリカと話し合う場合におきましてあくまでも自主独立の立場からアメリカとすべてのことを話し、かつ率直に腹を打ち割って話すということを申しておりますが、自主独立の立場からと申しましても、実際申しまして経済的にもいろいろな面においてアメリカと日本との間には国力が相当相違しておるという現実も無視できません。しかし将来日本の国際活動の上におきましても、またアメリカに対する立場から申しましても、アジアを理解し、アジアを知り、アジアを取り扱っていくという上においては、日本はアジアの一国として、また歴史的にも今までの文化の面から見ても、アメリカよりは非常に優越したあれを持っておる。従ってこの東南アジアの問題やアジアの諸問題に関しては、日本がやはり現地の指導者諸君の気持なり国民感情というものを十分に理解し、それを胸におさめて、一つの日本の見識としてアジアの繁栄のためにあらゆる努力をするのが、私は日本の使命の一つだと思う。その意味におきまして、アメリカに対しましても、アジアの問題については、あるいは指導するとかなんとかというようなことを言うわけではありませんけれども、少くとも日本の考えがアジアを理解し、アジアをほんとうによくする上においては一段すぐれておるという考えを腹に持ち、またわれわれはそれだけの勉強となにを持たなければならぬと思いますが、持ち、そしてアジア問題についてアメリカと話すことが必要だと思いますから、今お話のように、東南アジア諸国の首脳者のアメリカに対しての考え方というものを十分聞いて、率直に判断してその話をしてみたい、こう思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 経済外交の一つといたしまして、医療の提携というようなことはお考えになっておらないかどうか。と申しますのは、日本は比較的たくさんのお医者さんがいるわけでございますけれども、全体的に見まして東南アジア地域には医療設備とかお医者さんというものが欠けていると思うのです。そういう意味からいって、一定の期間そういうところへお医者さんに行ってもらう提携をするというようなことは、お考えにならないかどうかをお伺いいたします。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私もその点を非常に必要であると考えまして、いろいろ関係方面にもその具体的な方法、具体案を進めて実際の実行案を考えろということを命じておりまして、お話の点は私は非常に必要であると思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 もう一点だけ。けさほどの新聞にも発表されましたが、社会党が原子力の平和利用ということを具体化して進めていこうという一つの提案といたしましていろいろあげられておりましたが、その中でアジア地域での原子力平和利用の国際会議というものを提唱し、そういうことによって資源の確保とかあるいは技術の提携ということをはかろうといたしておりますけれども、こういう問題についてもアジア諸国とお話し合いになってこられるようなお考えはないでしょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 原子力の平和利用、私はこれは核兵器に反対し、核兵器を禁止せしめるということを一方においてやると同時に、平和利用は大いは推進してこのエネルギーを人類福祉のために使わなければならぬという考えを持っております。しかしそれを進める上において日本は遺憾ながら実はまだこの点において先進国から見るとおくれておる。従って先進国に学ぶべき、また協力を求むべきことは非常に多いと思いますが、同時に今度アジア諸国につきましては、この点においてはむしろ日本の方がいろいろな点において進んでおる点も少くないわけでありますから、品一本が中心になってそして原子力の平和利用をアジア諸地域においてさらに進め、特にアジア諸地域においてはその原料となるべきものがあると思いますから、そういうものの開発等を促進するということは非常に望ましいと思います。今お話のように、いろいろな点について話をいたします際には、この問題も腹におさめておきたいと思います。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 伊東隆治君。

伊東隆治自由民主党

○伊東(隆)委員 岸首相は世界注視の間に米国を訪問されるわけでございますが、そもそもアメリカとの間におきまする問題は、今日においては防衛問題とかあるいは沖縄の施政権返還の問題だとかあるいは通商上の諸問題等いろいろございますが、移民問題こそは昔からそもそも日米間の重要なる案件として論議された問題でございますが、今度訪米せられるに当りまして、この移民問題、特に米国に対しまする移民問題につきまして、首相はどういうような構想で行かれるか、あらましを承わりたいのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 移民の問題は、私の経済外交のうちにおきましても、非常に重要な一つのアイテムでございます。あらゆる国々に、日本が歓迎されて受け入れのできるところにおきましては、これを進めていくということは当然必要であると思います。しかし同時に移民問題というものは歴史的に見ましても、ことに日本とアメリカとの関係におきましても、あるいは今日なお豪州におきましては白人の豪州ということで、日本人の移民というようなものは一切禁止をいたしておりますし、またカナダ等におきましてもその後受け入れができないという状況にあります。従いましてなかなかこの問題に触れてアメリカとのなにを解決するとか話し合うということは、私相当困難があると思います。ただ最近アメリカにおいて短期労務者として昨年以来やっておるのが非常に成績がよくてさらにこれはもう少し数をふやしていく望みがある問題であります。こういうような問題等から、漸次アメリカに対する移民の問題はほぐして参りませんと、今直ちにアメリカと直接に移民問題を話すということは適当でない、それよりもむしろ中南米方面で非常に大量の日本移民を要望いたしております。ところがこれを送出するのにつきましては、結局は金の問題ということになるのでしょう、あるいは輸送の船を作る問題であるとか、あるいは土地を購入し、向うに落ちつくための必要な何であるとか、日本政府としてもできるだけのことはしておりますが、それが現地の要望との間に相当なギャップがありますから、それをアメリカの融資やその他の方法で解決できるならば、日本の移民行政を進めていく上に非常に有効じゃないか、こう思っております。

伊東隆治自由民主党

○伊東(隆)委員 移民に対します総理のお考えごもっともでございましてチープ・レーバーが入ってくるというので、アメリカで非常に心配しておる実情は今日においてもあると思います。そこで本日ここに、私特にこの議場の問題といたしたいと思いましたことは、ただいま総理が触れられた短期移民、シーズナル・ワーカーと言いますか、レーバラーの問題であります。これは昨年、日本の農民渡米協議会と、米国側のそういう民間団体との間の話し合いによって、千人行くことに相なったことは御承知の通りであります。だが二百人はまだ残っておる。今年も千人くらい行ったならばと民間では言っておりますが、千人では足りない、こういういい試みは三千人、五千人程度実行したらどうだろうという非常な希望を申しております。ここにおきまして私は昨年度の八百人、すなわち千人のうち二百人足りない八百人の成績が非常にいいというお話でございましたが、この点についてもっと具体的に、事務当局からお話を願いたいと思います。

石井喬外務参事官

○石井説明員 私より簡単にお答え申し上げます。昨年は一千名のワクを向う側からもらいましてそのうち現在までに七百八十七名送出してございます。残りの二百十三名につきましては、五月中には送出が完了できるというふうに考えております。向うに参りました七百八十七名につきましては、日本におきまする厳重な選考の結果もございまして評判は非常にいいのでございます。もちろん行った連中の中には、多少の不満を持つような人もおりますけれども、総体的には非常に成績がいい。従ってカリフォルニアにおきます農業経営者は、ぜひ日本からの短期労務者をもっとふやしたい、非常にいいからもっとほしいという要望は非常に強いのでございます。しかしながら一方には先ほどお話が出ましたような、必ずしもチープ・レーバーとも言い切れないと思いますけれども、そういったような面からの労働組合の反対もかなりございますので、私どもは今評判がいいからといってすぐに大量にすべきでない、むしろ本年度もやはり千名くらいの非常に優秀な人間を送りまして現地における評判と申しますか、基礎と申しますか、そういうものを確立した上で漸次ふやしていく方がいいのじゃないかと考えておる次第でございます。簡単に配置の状況を申し上げますと、北カリフォルニア二百八十八名、中部カリフォルニア百二十二名、南カリフォルニア三百七十七名になっております。先ほど総理のおっしゃいましたように、評判は非常によいということを申し上げておきます。

伊東隆治自由民主党

○伊東(隆)委員 この千人が非常に成績がいいということは、まことにわれわれは喜ばしい次第でありますが、四月十一日の日本経済だったと思いますが、ソ連はシベリアの開発のために日本人を使用したいということを大々的に宣伝いたしておる。シベリアについては、日本人の移住という問題に対して総理はどういうふうにお考えでございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 まだ外務省といたしましては、何らそれについての具体的な内容等については話がないのでありまして、従って具体的に今外務省としてどうするのだということは申し上げかねますが、そういうことが具体的に示され、その移住の条件内容等も十分検討した上でないと、日本としての結論が出ない、こう思っております。

伊東隆治自由民主党

○伊東(隆)委員 こういう記事を見ましても感ずることでございますが、ソ連は常に大衆に向って呼びかけておる。日本の移民を歓迎する。シベリアに対して日本人が移住してくることは大いに歓迎するというふうに宣伝いたしておりますので、民衆はソ連に対して親しみと同情を持つに至る傾向にあるのであります。それもその価値があればそれでいいのでありますが、われわれ自由国家群の一つとしておる日本といたしましては、とにかく米国との間において、いろいろの面において協力いたしたい気持があるのにかかわらず、アメリカ側はそういう大衆の移動については、さっきのチープ・レーバーと申しますか、そういうことをいたずらに警戒してこれをシャットアウトしょうという傾向にあることは私非常に遺憾に思うのであります。本日この一問題を特にこの席上の論議にしますことは、わずか一千の短期移民の移住につきましても、いろいろの問題が起きておる。小にしてはわが外務省と農林省の間になわ張り争いがあるやにも聞きますし、またこれらの千人についても、向う側においてはやや警戒いたしておるというようなことでありまして、わずか千人についてこんな調子では、まことにアメリカ側が日本とともにいろいろの世界政策を実行していこうという際に、非常に遺憾に存ずるのであります。一部の上層階級と申しますか、インテリ階級は、米国の何ものかを理解いたしますけれども、大衆は、やはりかくのごとくシベリアに大いに歓迎するというソ連の大衆に対する呼びかけにつきまして、非常なる興味を感じておるのであります。ことしの一千人の短期移民につきましては、特に私どもの郷土においては非常な関心を持ちまして早くその実現を期してもらいたいという希望を強く持っておるにかかわらず、いまだに何の決定も見ないでおるということは、まことに遺憾に存じますので、早くこの問題の決定をしていただきたいという希望がございます。そこでシベリアの農民の移住のごとき、まるでいつのことかまだわからないような問題に大衆が非常につられておる現状にかんがみまして、岸首相は今度行かれるに当りまして、この短期移民の問題を、今日のごとき民間団体の間の取りきめによらずして――メキシコのごとき、毎年四十万からのシーズナル・ワーカーを出しておる。これは政府と政府の間の取り証きめにいたしておるのでございますから、民間団体の取りきめにしないで、これを政府間の協定にしようというような問題も、一つの懸案じゃなかろうかと私は存ずるのであります。この点に関します総理の感想を伺いたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 短期移民の問題につきましては、これが送出につきまして国内においても、今御指摘になりましたように、非常にスムーズにいかぬところがあったことも事実であります。しかしようやくそれも軌道に乗って参っておりまして、その問題は大体において解決したと思います。アメリカ内部における事情は、先ほども政府委員から申し述べましたように、非常に優秀だという全体の判断でありますけれども、同時に今日本の労働者が優秀であり、勤勉であればあるだけ、企業者の方からは歓迎されますけれども、労働組合その他からは決して歓迎されない事情もあるでしょう。またその点においての摩擦も、将来起ってくることを考えなければならぬと思います。そこでだんだん基礎を作って拡大していくのが適当であると考えております。メキシコとアメリカとの国家間の協定になっておるということも承知いたしておりますが、これは反面において密入国その他を、ああいうふうに国を接しておる関係上、取り締まるという問題も相当大きな意味を持っておる協定だと思います。従って今直ちにアメリカとの間に、この問題を国家間の協定として持ち出すことが、時期的に申しましても、また諸般の事情から見ても適当であるかどうかということは、まだ私に自信がないので、もう少し考慮して、今の民間の協定でやっておるものがレールに乗り、そしていろいろな摩擦についても誤解等がなくなって、十分いけるというふうな見据えを今日はつけるように、基礎的なことをする方が、今までのものによって基礎を作っていくということが、今の段階ではより必要じゃないかと思っております。

伊東隆治自由民主党

○伊東(隆)委員 御意向のあるところは伺いましたが、日本移民はとかく同化されないというようなことで、根本的な反対もあったのでありますが、この前の大戦において日本移民の第二世が、米国旗に対して忠誠を誓ってよく戦闘したということ以来は、日本の移民に対する、そういう同化しない点に対する警戒はもうなくなったと思います。残るところは、やはりチープ・レーバーの問題ですが、それだって今日においては、向うも了解の域に達した時期のように思うのでありまして、まだ国家協定の段階ではないとおっしゃれば、それは御意見は承わりますが、しかしせっかくおいでになりまして多くの懸案に対してフリー・トーキングの立場でいらっしゃるとおっしゃる以上は、この移民問題こそは非常に重要な問題であって、日米関係始まって以来、移民問題こそは日米間の一つのガンになっておる問題でありますので、世界の大勢も変っております今日、わずか千人くらいの短期移民でまごまごしているような状態は、どうしても許されない。日米関係をよくしようという今日において特にそう感ずるのでございます。そこでもう一度この問題に対します総理の認識を新たにしていただいてぜひこの千人くらいをまず三千人、五千人と漸増して強化するというふうに、一つ御認識を新たにしていただきたいと切に思うのでありますが、総理いかがでございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 今申し上げました通り、私はこの短期移民の将来については、非常な期待を持っております。ただそれを進めていく上において、期待が大きければ大きいだけ、あまり事を急いでかえって結果がよくないというようなことがあってはならないのでありまして、私はいつまでも今の千人でもってとどまっておろうという考えでないことは言うを待ちません。それからまた、この短期労務者というような、ものが非常ないい成績を上げ、基礎を作りますというと、本来の長期の移民の問題にも、自然さらに進んだ有利な解決方法も見出されるだろう、そういう非常に重大な意義を持っておるから、最初においてあまり功を急ぐために、かえっていろいろな方面の摩擦や反対等を刺激して、実際根のできない、芽ばえたばかりのときに押しつぶされるようなことのないようにも考えていかなければなりません。伊東君の言われるように、私がこの問題に対する関心が薄いとか、あるいは将来性について何か大して期待を持っておらぬというような意味ではなしに、むしろこれに非常に期待しておるがゆえに、今は慎重にいった方がいいのじゃないかという考えであります。

伊東隆治自由民主党

○伊東(隆)委員 御趣旨はよくわかりましたから、一つどうか一日も早く、今年度の分だけでも早く御決定願って渡米ができますようにお取り計らい願います。そうしてまた懸案に対しますフリー・トーキングの場合は、やはりこの移民の問題を日本側において最も重視しておる点を強調していただくように御希望を申し上げて、この短期移民に関しましては、これだけで終りたいと思います。  やはりこの短期移民に関連するようなことでございますが、難民移民の問題がございます。特にこれは私の選挙区において非常に多いのでございますが、この難民救済法は時限法であって、昨年の十二月にすでに失効いたしておる。今度の米国の八十五議会におきましては、大統領の教書もあり、また両院の大体の意向もあって、この時限法を少し延ばそうという、同趣旨の立法をしようというふうに聞いております。ついてはこれに対する政府の御方針はいかがでありましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 難民救済の移民法によって渡航しました者は、千十名であります。昨年末この法律が効力を失いましたので、希望者の中に、その希望が達せられて渡航のできないという人の相当あるりも事実であります。今お話のように、これがさらに同種の立法が、今回の米国の国会できめられるようになることは、非常に望ましいことであることは言うを待ちません。そういうことができることはわれわれ非常に望ましいと思っておりますけれども、これはアメリカ国内のいろいろな国内法の問題でございますから、特に日本としてどうするということもありませんけれども、その国会における状況等につきましては十分関心を持ち、なるべくそういうものが制定されるようにわれわれとしてもできるだけいたしたい、こう思っております。

伊東隆治自由民主党

○伊東(隆)委員 難民移民につきましては、やはり短期移民と同様、民間におきましては非常な関心を持って見守っておるのでございまして、やはり移民に関しては外務当局こそが第一の責任者でございます。近ごろは農林省との間にいろいろ出題がありますけれども、やはり外に向っては外務省が責任者でございます。その外務省の態度いかんということを、地方においては非常にこの問題について重視しておりますので、短期移民同様難民移民、特に鹿児島県においては千人の割当に対して三百三十人という難民がおる。すでに千二百人のその申請者が県庁に殺到いたしておるというようなことで、特に南方地方ではこの難民移民については多大な興味を持っておりますから、どうか外務大臣といたしてこの問題を一つ処理して地方におきまするこれらの人々の気持をよく察知していただきまして、処理せられんことを希望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 私もきょう伺いたいのですが、岸さんに実はだいぶ貸しがあるのです。研究をしますと言ってまだお返しを受けてないのが少くとも三つばかりあるのですが、一ぺんに返してもらうのも困るのですから、分割払いでできるだけ返してもらうことにしてつ急ぐ方からお返しを願いたい。  まず沖縄の問題を伺いたいと思うのですが、この間から沖縄の問題についてだいぶ各委員会で答弁もございまして、総理大臣の御研究のほどがだんだん明らかになってきたようであります。そんなわけで、沖縄問題について特に私の重視いたしておりますのは、十六日の衆議院の法務委員会で行われました答弁、これを見ますと、まだ速記録ができておりませんからこれを読んでみます。その新聞を通じて申し上げたいと思いますが「従来の交渉からみても、アメリカの極東情勢分析からみても、アメリカは今日なお必要とみているようだ。しかし、その点についても日本の安全保障の立場、アメリカの極東政策から、アメリカがなお軍事基地として使用するとしても、施政権をいつまでも持つというとは、いろいろの点からみて考慮すべきものと思うから、こちらの考えを述べて向うの考えを改めたい。」こういうことを佐竹議員の質問に対して答弁をされているわけであります。非常に御勉強のほどが現われてきたのだと思うのですが、まず第一点は、この前から私は再三申し上げたように、国連憲章の規定に従って考えるならば、沖縄を信託統治制度に置くということが、実際論として、一理論的にいって、あらゆる面からいって、これは不可能であるという結論にすでにお立ちになっている御勉強の成果が現われたのだろうと思うのですが、その点はいかがでございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 法務委員会におきまして佐竹君の御質問に私が答弁をいたして今お読みになりましたそれは、大体そういう趣旨の答弁をいたしたと思います。それは私の一つの考え方でございますが、いわゆる条約解釈論としてこの前あなたが指摘された議論は、これは一つの法律解釈の御議論として傾聴いたしておったのでありますが、いろいろ条約上の解釈につきましては、平和条約制定当時において国会における当時の条約局長の答弁等も参照いたしまして相当に勉強をいたしてみたのであります。ただ外務省といたしましては、岡田委員の御解釈のような法律論をそのまま是認するということはどうもむずかしい。やはり条約解釈上として沖縄の地位が、いわば施政権を持つということは今不能みたいな結論は、法律論としてはわれわれはとらない。しかしあの条約が制定された当時と今日との情勢の変化を考えなければならぬ上、また日米の将来の友好関係を増進していく立場から考える点も頭に置いて考えなければならぬし、それから三条というものが、これは常識的に考えてみて、何も期限は付してないのでありますけれども、無期限にいつまでもああいう状態にあるということが一体解釈上も成り立つかどうか、これは期限がないですから非常に不明確であるけれども、理論としてはあれは一つの経過的な規定であるから、信託統治にするかしないかということをきめるのは、無期限で、百年も千年たってもきめずにおいていいものというようなことじゃなしに、何かリーズナブルな期限が一つあるのじゃないか。それが果して十年であるか、五年であるか、二十年であるかということは、いろいろな何があるかしれぬけれども、やはりそこに一つの解釈上のリーズナブルな期限を置くことが適当じゃないかというような考え方もあるのでありまして、いずれにしても、私は今の沖縄のあのステータスを長くあのままに続けるということは、条約の解釈いかんにかかわらず、政治的に考えてみて合理的でないという結論から、ああいう私の信念を申し上げたわけであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 前から見ると大へん御親切な答弁をいただきました。こちらの考えを述べて向うの考えを改めさしたいというお話ですから、私はそこで一点だけ伺っておきたいのですが、何か時間的な期限をつけて返してもらうというような話し合いをされるというのがこちら側の考え方だということだと、沖縄の住民からいうと、即時復帰を要望しているという強い状況であるだけに、沖縄の住民の要求を認めることにならない。いつかは返してもらうということで、沖縄住民の要求というものをある程度冷却させるという効果の程度しか起ってこないのじゃないかと思うのですが、少くとも日本の政府の態度としては、すみやかに日本に復帰させる、施政権を全部返してもらうというような態度で行っていただきたいと思うのでございますが、この点はいかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 この施政権の返還の問題については、すでに国会の議決もありますことでありますし、従来折衝した経過もございます。これに対してアメリカ側の言い分は、極東の緊迫情勢が緩和されない限り、今のステータスを変えることはできないという返事であります。しかしその点について、そのステータスを、極東における緊迫状態が変らない限りということを、ただアメリカ一個が判断する、そういうことは私は適当じゃないと思います。少くともそういう点について十分われわれの考えを率直に話し合うことが、この問題を解決する何であって私は期限をつけてなにするという意味を申しておるわけじゃございません。しかし私が行きましたら、すぐその効果として、その際に返還ということが決定するというまでには、なかなかこの問題は従来の折衝の経過から見ても私はむずかしいと思います。しかし根本の考え方というものが、今までただそれで一応引き下っているような状態になっておりますから、さらに私は情勢の変化なりそういうものを分析し、日米の将来の関係を考えて、アメリカとして今までのステータスを変更しないという一本やりではいかぬ。アメリカ側はどういうふうにしてステータスを変えるというなにがあるか知りませんけれども、われわれの目標は、今沖縄の住民が考えているように、なるべくすみやかな機会に全部の施政権を返してもらうというのですが、それを実際実行する場合においては、いろいろな具体的な方法もあるいは考えなければならぬと思いますけれども、その点についての考え方が今までまるで食い違っておった、それを一つ率直にぶつかろう、こう考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 私この点についてももう少し伺いたいのですが、きょうは沖縄の問題よりも、主として水爆の問題について伺いたいので、これはあとでまた伺うことにいたします。  先ほどからだいぶイギリスの水爆実験の問題について質問があったわけでありますが、総理大臣としては、先ほどの御答弁をそのまま引用するならば、あらゆる努力、あらゆる方法によって、しかも合理的に現実的な方法でやっていきたい、こういうような御答弁があったわけであります。ところがこの二、三日前の新聞等で外電の報ずるところを見ると、この間総理大臣が特使を送られたことについても、一つの合理的な方法として、岸さんとしては解決のために、イギリスの水爆実験をやめさせるというために特使を送って日本の国内の水爆実験に対する声を一まずなだめるというような目的だったようにも思われるというような程度で、特使を派遣することについても、だいぶ外国関係では、まあああいう調子で国内で反対するのだから総理大臣もいたたまれなくなってやったのだろう、だから、その程度であれしているのじゃないか。言葉をかえて率直に、言えば、岸総理大臣は本気で水爆実験をやめさせる気かどうなのかなというような声が、だいぶ国内の一部、一あるいは世界の一部においてもあるようであります。そこでやはりこの際ははっきりと、今度のイギリスの水爆実験はやめさせるということを、もっともっとあらゆる面から努力をされなければ、これは実際にやめるというところまでいけないのじゃないか、こういう点から見て、この際岸総理大臣から、どうしてもやめさせるのだという、こういう点の決意と、それの具体的な方法をこのあとだんだん伺って参りたいと思いますが、まずその決意から伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私の原水爆実験禁止に対する信念は終始変らないものでありまして、その私の真意があるいは今のように歪曲されて伝えられているということは、はなはだ遺憾であります。この問題は言うまでもなく、私自身の信念というだけじゃなしに、日本国民の悲願であり、信念であり、要望であると思います。従ってどの政府が成り立ちましても、責任ある政府の首脳者として、国民のこれほど強い要望というものを体して、これを実現しようとするのは、私は当然の義務であり、従って私としては、あるいは私の努力が足りないとか、あるいは私の不徳のいたすところから、そういうように誤まり伝えられておるかもしれませんけれども、これに対する考え方は真剣であり、また終始変らない、一貫している考えでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そういう信念からいえば、私は、岸総理大臣が三月二十九日付でイギリスの首相に対してあてられた書簡の中でも、やはり誤解を招くような点があったのじゃないか、こういう点を感ずるわけです。これは新聞を通じて誤解がありそうな点をここで読んでみたいと思いますが、その書簡の中に「世界の現状においては、侵略に対処する有効な手段が自由諸国において維持せられなければならないことも十分理解しているものであります。」こういうように岸さんは言っておられる。侵略に対する有効な手段が維持せられなければならない。これに対してイギリスの首相の回答は「今日世界の平和は英米両国が侵略に対して強力な阻止兵器をもっていることに依存していると考えることを更に確認いたしました。」このように言っているわけです。だから侵略に対しては、いよいよになれば阻止兵器である原水爆の兵器を使うということも有効な手段としてこれはやむを得ないのだ、維持しているということについて理解しているものでありますと、こういうように総理大臣としてはお考えになっている。日本の国民としては、有効なる手段としても原爆を使ってもらうのは絶対困るのだ、こういうのが国民の強い要求であろうと思うのであります。この「有効な手段」云々という点は誤解を招く一点だろうと思いますが、この点はいかがでありますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 今の世界の国際情勢を見ますと、いわゆるほんとうの平和、侵略を阻止するというなにに対して、遺憾ながら力のバランスによってこの平和が保たれているという面がまだ多分にあると私は思います。この現実を無視するわけには私はいかぬと思います。しかし今お話の通り、そういう抽象的な意味において、侵略に対してこれを阻止するだけの一つの力を持たなければならぬ現状であるということは私是認しますが、あなたのお話のように、しからばというてそれのために原水爆を使ってよろしい、これによってそれをやるのだということを是認しているのではないことは言うを待たない。それならばこういうふうに原水爆のなにをやめろということを私がこれほど熱意を持って言うわけはない。ただ国際の情勢がそういう情勢にあることを私は一応是認しているというだけであって、そのために原水爆を合理化するという考えはございません。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 その点は私は非常に重要な点だと思うのです。原水爆を使っていいということになるならば、使うのもやむを得ないということであるならば、そのための実験をやってもいいじゃないかというような―これはイギリスの総理がそのあとでこういうように言っているわけです。「英国の戦争阻止兵器は実験して有効な機能をもつことが示されるまでは、十分効果的なものにはなり得ません。」こういうことをイギリスの首相は言っているわけですから、やはりこの際は岸総理としては原水爆の実験のみならず、使うことも生産することも一切がっさいわれわれとしては反対なのであるという態度を明らかにすることが、一番根本の問題でないかと思うのですが、この点はいかがですか。実験のみならず生産も使用もです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 この実験禁止のわれわれ国会の決議というものは、実験さえ禁止すれば、究極において使用したり、それは勝手だという意味じゃなしに、究極の目的は使用禁止、従ってそういうものを製造禁止するというところにあることは言うを待たないのでありまして、その第一段階としてこの実験を禁止するということを唱えているわけでありますから、私はわれわれの目標がそこにあるということを明確にすることは差しつかえないと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そこで四月九日の軍縮小委員会に日本政府が提出した見解というのがわれわれに資料として配付されております。この資料として配付されているのをわれわれ拝見いたしますと、まず「核爆発実験を禁止する協定が関係国間に速かに成立することを強く要望するものである。」日本の政府としてはこの実験はあくまでやめてもらいたい、こういう協定のできることを望んでいる。しかしそのための段階として、これは二つに分けて、一つは核実験の探知機構というものが探知可能な場合には直ちに禁止してもらいたい、探知が不可能な場合においては、一つ事前登録制度をやってもらいたい、こういうような形でこれは書いているわけですが、この場合に日本政府としてこういう提案をされたことについて私はわからない点があるのですけれども、それはあとで伺います。  まず第一に現在の探知機構では核実験というものを探知することが不可能であるという前提に立ってこういう書類をお出しになったのですか、どうなんですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 その点については御承知の通り、可能であるか不可能であるか議論があるのです。従って私どもはまだ学問的に必ずいかなる探知も可能であるという結論を得ておりません。しかし同時にもう少し学問的に考えるならば私は探知可能であるというふうな気がするのです。しかしそれを証明し、私をして確信させるようなものにまだなっておらないというのが実情でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 だいぶ時間も言われておりますから簡単にやりますけれども、探知が可能であるか不可能であるかという点は、これは日本のとるべき態度一について非常に大きな変更が出てくるわけだと思うのです。探知が可能であるというならば直ちに実験を禁止してもらいたい、こういうわけなのです。だから探知が不可能な場合には登録制をやってもらいたい、こういう点が書かれているのだが、これには私は論理一貫しない点があると思う。どうしてかといえば、これは実験するなという大前提があるわけですね。そのためには探知が可能な場合には実験するなという協定をきめろ、探知が不可能であるならばすみやかに国際的探知機構を設置し、探知方法を改善して探知を可能ならしめるようにさせろ、探知機構を作れ、探知機構を作ってそれから禁止せよというのがねらいですね。ところがその探知機構が整備するまでは登録制にしておけ、実験してもいいから登録しなさい、それでは論理一貫しないじゃないですか。たとえばどろぼうが逃げる、逃げるな逃げるな、逃げないために今監獄で押えるから監獄を作るまで待て、しかし監獄を作るまで待つのだが、逃げると困るから住所だけは明らかにしておけよ。しかし登録だけしておけば逃げてもしようがないのだ、実験されてもしようがないのだ、探知不可能だからやむを得ないのだという論理と同じじゃないですか。実際に禁止するのだ、こうおっしゃるならば、探知が完成するまでは一時やめてくれぬか、こう御主張になるのが私は当然だと思うのだが、それが完成するまでは実験をやってくれ、登録してやってくれというのでは、総理大臣がかねがね御主張の実験をやめてくれという趣旨から、だいぶはずれてくることになるのじゃないかと思うのですが、どうでございましょう。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私は理想及び理論の問題と、現実にわれわれが国際間の問題を処理していくという場合においては、現実というものを無視はできないと思います。今われわれが一番問題にしなければならないのは、無警告、無通告で地球上の一部において実験が繰り返されておるということは、これは非常な問題でありましてやってしまってから反省を求めるといっても非常に何であります。とにかくクリスマス島におけるイギリスの実験に対してこれだけ世界の世論が起り、これだけわれわれもあらゆる努力をし、まだその努力は報われておりませんけれども、少くともイギリスの首脳部に対して相当道義的な反省を与えたことも私は事実だと思います。また世界の世論をこれだけかき立てたことも相当な効果があったと思います。しかし事前に通告されておって事前にわれわれがあらゆるなにをするわけですが、事前に何らの通告もせずにやってしまった、それもやってしまったことを当該国は発表しない、ただ世界の各地における探知機構が、どうも何日にどの方面でやったらしいということを認定する、しかも大気がそのたびに汚濁され、そうして人類全体が被害を受けておるというのが現実なのですけれども、その現実を考えてみると、探知機構がほんとうに整備しておって隠すことはできない、やったものは文句言わせないということができておればはっきりなにができる。しかし実際議論としてみますと、探知できないという議論も相当あるようであります。そうなれば少くとも事前に登録させる、通告させる、そうしてそれに対して世界の視聴が集まり、それに対する批判が集まり、それに対するあらゆる阻止運動が起る機会を与えることが、現実の問題からいうと禁止へ近づく方法であってそれは論理的にいうてこうじゃないかと言われる岡田君の論理を、私は決して論理的矛盾があるとは思いません。むしろわれわれの唱えておる方法の方が、論理的の点からいえば矛盾があるかもしれませんけれども、現実をとらえて、現実を一歩でも改善するということからいうと、こういう提案が実際的であると私は考えておるわけです。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そこで現実問題として私考えてもこれはおかしいと思うのです。探知が不可能な場合に登録制といえば、探知が不可能な場合は隠しておれば登録は必要ないことになるでしょう、探知できないのだから。そうすれば登録制ということは大体意味がなくなってしまうじゃありませんか。そういう意味でも登録制というのはたかだか道義的に訴える程度であって、探知不可能な場合に登録制なんか実施しても私は意味がないと思います。それより問題は、現実に探知可能だと思うのです。全部が全部探知できないにしても、相当大きな程度のものは探知ができるということは事実だと思う。この現実に立って、現実に探知できるものだけでも一時禁止するということの方が、より実際的でより具体的だと思うのですが、この点はいかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 こういう登録制なら登録制というものが国際協定としてでき、あるいは国連の決議として採択されてみんなこれに加盟することになり、これを守るという協定ができてかりに、探知できないから登録もせずに勝手にみんながやるのだということになれば、国際上の条約なりあるいは国連の議決というものは無意味なので、結局やったって意味をなさないじゃないかと言われればその通りであります。しかし一応われわれ文化の進んだ国々がああいう国連の決議を作り、また国際的な協定を作ったとするならば、それは事前に登録しなければならない、まだ今のままで探知ということが完全にいかない状況であるという結論であるなら、こういうことは私は決して無意味だとは思わない。あるいは初めからこんなことをやっても行われないじゃないか、だれもそれを実行しないじゃないかということになれば、もう何をかいわんやでありますけれども、意味はあると思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 この探知問題について判断の基準になるべき探知機構が不十分だ、そういうことからきてこっちが実験したといい、こっちが実験しないという、だから事実上実施できないというような問題が出てくるわけですが、そういう意味で問題だと思うのです。まだこのことも伺いたいのですがこの程度にいたしますが、この間から特使がイギリスに行っていたのだが、イギリスの実験は相変らずやるような結果になるらしい。そうするとこのあとの手としては具体的にどういう方法を総理大臣としてお考えになっておられるか。戸叶さんもさっき質問されましたが、この点については不明確なのです。どういう具体的な方法を今お考えになっているか、この点を一点伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 イギリスのクリスマス島の実験に対しましては、私も何とかしてこれを中止させたいと考えております。いろいろ考えておりますが、実はごく率直に申し上げますと、これをやれば必ずやめさせ得るという有効な名案がないのに悩んでおります。一つ岡田君知恵を貸してもらいたい。ほんとうに、まじめな問題として…。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 ええ、まじめな問題として私申しますが…。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 本会議の関係もありますし、あなたに予定した時間も参っておりますから…。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 ちょっと待って下さい。いい知恵はないかという総理大臣からの御相談だから…。それで率直に一言いますが、総理大臣、それじゃどうですか。今度東南アジアに行かれるのだが、東南アジアに行かれる前に、総理大臣みずからイギリスに行かれて実験を禁止せよと要請をされてはどうですか。このくらいの決意をされても私はいいと思う。特使が行ってむだだったから、今度はおれが出かけてきたんだ、何とかやめてくれぬか、こういう決意をなさることが私は最も重要だと思う。先ほどからだいぶ道義的に反映してきたとおっしゃるなら、日本の国民全体を代表しておれは来たのだ、何とかやめてくれぬか、イギリスがやめればアメリカもソビエトも全部やめるだろう、この際やめてくれ、こういうことを提案しにおいでになる考えはないかどうか。  それから第二点は、先ほどの御答弁の中で同時にやめることが重要ではないか、こういうことをお話しになった、やはりこの実験問題で重要なのは、一つはタイミングというものを十分考えなければならない。なるべく早い機会にやめさせるということに考えなければならない。そういう意味では、日本の国を代表して、米英ソ三国が直ちに実験を禁止するために会合を持ってもらいたい、禁止のための会合、あるいはそのために登録という結論になってもいいじゃありませんか。ともかく三者が一緒になって、この点で話し合ってはどうか。こういう提案をやる勇気はおありなのかどうかという点。  第三は、今度インドにもおいでになる。インドにおいでになったときに、ネール首相はかねがね実験はやめるべきだ、こういうことを言っておられる。特にこの間特使の行ったときにラッセルというイギリスの学者は、インドと日本が一緒になって実験禁止の提案をやったらどうだということまで親切に言ってくれている。こういう場合に、やはり総理大臣がインドに行かれた機会に、インドのネール首相と実験禁止について具体的に御相談になる決意をお持ちになる必要があると思う。そして具体的な提案をされる必要があると思う。  イギリスヘあなたが行かれるのか、日本の国におって、三国が相談をし合ってくれ、こういう提案をされるか、インドに行かれたときに、インドと緒にこの実験をさせないようにしようじゃないかという提案をされるか、今私が思いついただけでも少くともこの三つはあると思うのですが、これはまだどれもおもしろくないですか。私はまじめに考えているのですが、一つまじめにお答えをいただきたいと思う。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 岡田君がこの問題について非常にまじめに、真剣に考えられていることに対しましては、私もこの問題は非常に重要視しておりますから、実は真剣に考えておるのでありまして、今御提示になりました案につきましても、このなにの問題も、インドに行く場合におきましては、私は十分話すつもりで従来から考えております。インドの場合においてネール首相と話すということは私も考えております。ただイギリスへ行くということは、私自身美は今まで考えておりません。おりませんけれども、一つの考えとして私は十分真剣に検討はいたします。  それから三国がそのために会合を催すという御意見でありますが、実は御承知の通りロンドンで開かれておる軍縮小委員会というものがそういう意味でもって三国以外の第三国も入っておりますけれども、この問題を取り上げて第一の問題として検討しておるわけであります。そこにもいろいろななにも出ておるようでありますが、わが方も見解を出したわけでありまして、これをもう少し有効に使うという方法も一つ考えなければならぬ、こう思っております。十分真剣に考えます。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 これにて暫時休憩いたします。午後二時より再開することといたします。     午後零時五十五分休憩      ――――◇―――――     午後二時二十一分開議

野田武夫自由民主党

○野田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国際情勢等に関する件について質疑を継続いたします。森島守人君。

森島守人日本社会党

○森島委員 大臣の御出席を得て質問をする予定でございましたが、大臣がお見えになっておりませんので、事務当局に対して、大臣に対する質問の前提として二、三点お伺いいたします。  御承知のように、百中貿易の拡大ということについては、政府においても非常な力こぶを入れておられる。この問題に関連して、問題は小さいようですが、通商代表部の問題、それに関連し、指紋の問題が非常に大きい問題だと存じております。大臣は二月の十二日にこの席で私の質問に対してはっきり答えておる。法律は無視するわけにいかぬけれども、関係の向きと協議して、言葉は善処と、われましたかどうか、はっきり記憶しておりませんが、ともかくも関係の向きと協議をして進めたいと言われましたが、その後一向に問題に対する進展の状況が見えません。第一にお尋ねしたいのは、指紋をとっておる国は大作品十二、三カ国と了解しておりましたが、これで間違いないか。もし国名がおわかりでしたら、あわせて御指示を願いたいと思います。

内田藤雄外務事務官(移住局長)

○内田政府委員 ただいまの御質問、あるいは法務省の入国管理局の方からお答えするのが筋かと思いますが、私、先般までそこにおりましたので、知っておる知識に基いてお答えします。私の承知しておりますところでは、正確なものは今持っておりませんが、二十数カ国ございます。そのとり方などもいろいろございます。たとえばアメリカのごときは一番徹底しておりまして、査証を発給する際に十指の指紋を押さなければ査証を渡さない、これはきまっております。それ以外は入国後一定の期間を経過したときにとるというやり方が多いわけでございます。短かい場合には、一週間滞在したら指紋をとらなければならぬというやり方をしておるところもございます。あるいはまた、ほんとうに長期の滞在者でなければとらないという制度もあるようでございます。日本の場合、これを六十日ということにしておるわけでございます。これは一応観光の者は除く、それ以外の滞在者は指紋をとるという制度でございます。

森島守人日本社会党

○森島委員 二十数カ国の国名がおわかりでしたら、お知らせ願いたいと思います。

内田藤雄外務事務官(移住局長)

○内田政府委員 ただいまここに一部しか持っておりませんので、後日この写しをとってお分けいたします。

森島守人日本社会党

○森島委員 大体移民を受け入れる国が主として指紋をとっておるように聞いておりますが、その点も、後刻御通報願いたいと思います。大体移民を受け入れる国が指紋をとる目的はどこにあるのですか。

内田藤雄外務事務官(移住局長)

○内田政府委員 お説の通り、移民を受け入れる国におきましては、ほとんどこの制度をしいておることは事実でございます。やはり永住を目的とした者を受け入れます以上、治安上の角度などからやるのがおもな理由だろうと存じますが、この制度をとっておりますのは、必ずしも移住を受け入れる国だけではございません。たとえば英国などにおいても、本国においてはこの制度をとっておりませんが、香港とかシンガポールなどにおいては、やはりこういう制度をやっております。これは私の方の想像と申しますか、判断でございますが、移住はもちろんのこと、そのほか外国人の出入り、しかも相当質の違った外国人の出入りの激しいようなところにおいては、こういう制度をとっておるのではないかと考えます。

森島守人日本社会党

○森島委員 ただいまの御説明によりますと、大体二つの目的があるようです。一つは移民を受け入れる関係上、二つには外国人の出入が多いから、治安等の関係から指紋をとっているというふうに承わりましたが、それでは日本で外国人登録を制定して指紋をとることにした主たる目的はどこにありますか。この点おわかりでしたら、御説明を願いたい。

内田藤雄外務事務官(移住局長)

○内田政府委員 これは現実にやっておりますところが、決して民族とか、国籍とかいうことで区別しているわけではございませんのですが、本来こういう制度をしくに至りました動機と申しますと、やはり日本に相当多数の外国人が住んでいるという実情に基いたものではないかと考えます。この外国人登録制度をしきました最初におきましては、ただ写真だけでやっておったのでございます。しかしその実績を見ますと、遺憾ながら現実に、密入国などの場合に相当当行われていることでございますが、他人の登録証を譲り受けまして、写真の添付でございますと、これをはがして張りかえるというようなことで改ざんが非常にやりやすいわけでございます。そうしますと、今度は譲り渡した方の者は、自分の登録証をなくしたということで新たな登録証をまたもらう。こういうことが行われますと、実際上登録制度をしいている目的そのものが根本から破壊されるわけでございまして、登録制度をしいております以上は、登録している者と、その登録証の所持人が一致しておらなければ何にもならぬわけでございます。遺憾ながらそういう事態が相当多くございました結果、やはり指紋を押捺することになりまして、これを防ごうということになったわけでございます。まだ始めまして二年足らずでございますが、その実績の結果から申し上げますと、この制度をしきました結果、登録証の画交付を申し出る者の数が非常に減っております。つまり簡単に登録証を譲り渡すようなことができない、非常に大事にするということになりまして登録の目的が達成せられるようになってきております。従いまして必ずしも指紋を押捺することを治安に結びつけるわけではございませんが、しかしそういう意味では非常に価値のある制度であると考えております。

森島守人日本社会党

○森島委員 ただいまの御説明によりますと、私の推測では日本に約六、七十万の朝鮮人がおります。これが日本の敗戦の結果、独立して外国人になったために、外人登録法の中に指紋の規定を、受けたものというふうに了解いたしますが、これに間違いございませんでしょうか。

内田藤雄外務事務官(移住局長)

○内田政府委員 私がただいま申し上げましたのは、この制度をしくに至りました動機において大きな影響を持ったかもしれないというふうにお答えをいたしたつもりでございまして、現在朝鮮人を対象にしてこの制度をやっているものとは考えておりません。すべての国民に対して全部やっております。

森島守人日本社会党

○森島委員 ただいまの御説明にもございましたが、非常にたくさんの外国人がおったというふうなお言葉があったようですけれども、私は外国人と言えば朝鮮人が最も多く、これを対象として指紋の制度が設けられたものと了解しているのでございますが、私はすでに数年間の経過中に、指紋制定当時の必要性はなくなったと了解して差しつかえないと思うのです。法務省の方がおいでになりましたら、その点に関する明確な御見解を承わりたいと存じます。

豊島中法務事務官(入国管理局登録課長)

○豊島説明員 指紋は一昨年の四月から実施をいたしまして、最も多数とったのが、去年の十月、全国の大量切りかえのときで、約三十五万とりまして全部で四十万でございますが、現在指紋をとる必要性がなくなったということをすぐには申し上げられないのであります。一応一本の指紋をとりましたので、一回では不鮮明なものも相当ございます。個人差もありましてこれをすぐなくすということはできないと思います。

森島守人日本社会党

○森島委員 ただいまの御説明で法務省側の立場はわかりました。ついてはアジア局長にお伺いしたいのですが、中国から通商代表を呼んで貿易を拡大する、これはココムの緩和とともに政府の大きなねらいを達成する一つの手段だと思う。そういたしますれば、すでに目的を達しているかいないかは別といたしましても、指紋をとる規定について何らかの除外的な規定を設けて、この問題を解決すべきであると私は確信しているのです。この点に関する局長の御意見を伺いたいと思います。

中川融外務事務官(アジア局長)

○中川(融)政府委員 ただいまの森島委員の御意見でございますが、指紋制度がどういう目的のためにあるかということについてはいろいろの見解があると思います。おそらくこの制度が最初にできましたときのいきさつ、動機は、ただいま移住局長が御説明されたようなことであろうとわれわれも了解いたしております。その制度が果していいかどうかという点については、今後いろいろまた研究すベき点があると思うのでありますが、現行外国人登録法によりますと、例外なしに日本に入る外国人で六十百以上いる者はみな指紋を押すという法律上の規定になっておりますので、この法律がある以上、この法規をそのまま携行することは当然であろうかと考えているわけであります。こういう制度を若干差しつかえないものに緩和し、除外例を認めることは、今後の立法論として傾聴する価値はあると考えますが、これは政府としてまとまった考えまでまだ至っていないのであります。現状においてはやはりこれは実施すべきであると考えております。

森島守人日本社会党

○森島委員 そうなってきますと、法律の適用論とか解釈論から離れて、政策論になる。この点については法務大臣は非常にかたい御意見を発表になっている。宇田国務大臣は非常にのんきなお話で、除外例を設けるまでもなく現行の法律でできるのだという御趣旨の説明がありました。外務大臣としては何とかしたいのだということをいって二カ月も三カ月も時をかせがないので、全面的に適用はするけれども、一部は法務大臣の認定によって適用を除外してもいいのだというくらいの趣旨の改正をお考えになるのが、日中貿易の増進をはかる上においてきわめて必要なことだと思う。これならば事務的な手続だけで何どきでも私はできると思う。この点についていかにお考えに、なっているか、私は事務当局にはお聞きしません、政務次官から一つ政府のしっかりした御意見を御説明願いたいと思います。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 中兵からの通商代表部の指紋の問題につきましては、先般大臣からお答えを申し上げた通り、でき得べくんば特別な取扱いを、ということとも考えておりますが、実際はまだ検討中でございましていまだ結論を得ていない状態でございます。

森島守人日本社会党

○森島委員 私から申しますと、貿易協定の改訂は民間でもうその時期に到達しております。きょうの菊池委員の御質問に対して大臣の御答弁はきわめて不明確だったので、私は大臣の出席を求めてこの次に質問するつもりですが、外務当局としては、いつまでも――二カ月も三カ月も検討中だとか慎重考慮中だとかいう答弁では私は満足できない。この際政務次官からも、強く要望のある点を大臣に申し入れられて、この次、大臣に御質問するときまでに明確なる政府の方針を確立していただきたい。これを要望しておきます。  次にお伺いしたいのは、禁輸措置の緩和について、この前アメリカからは、かえって強化しろという趣旨の非公式の提案があった、これは大臣も御承認になっております。これに対して日本からはむしろ緩和してもらいたいのだという趣旨を非公式にアメリカに御回答になったということを承わっておりますが、これで間違いございませんでしょうか。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 お答えを申し上げます。ただいまお述べになりました通りでございます。

森島守人日本社会党

○森島委員 何ゆえに公式にこの問題を取り上げて、アメリカに対して公式に申し入れをなさらぬのであるか、明確なる御答弁を伺いたい。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 お答えを申し上げます。アメリカ側の中共に対しまする輸出禁止の問題に関しましてのわが国に対する申し入れば、非公式な申し入れでございました関係上、こちらからの返事と申しますか申し入れも非公式で行なったわけでございます。

森島守人日本社会党

○森島委員 そういうことになれば、現内閣の対米依存性を率直に告白されたと見る以外にないと思う。岸外務大臣就任以来、中共の貿易を拡大するのだということを、この委員会においても本会議においても公然と言っておられる。それならば何ゆえに百品本が中共貿易を必要とするかというその必要性を――アメリカと中共との関係は、日本との関係に比較すべくもない、その現実の、日本の直面している事態を外務省が進んでアメリカに説明してアメリカ政府の蒙を解くようになぜされぬのであるか、この点をはっきりお伺いしたい。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 もちろん非公式な申し出ではございますが、これにつきましては十分委曲を尽しまして日本の状態を説明して、アメリカの考慮を求めた次第でございます。またこのたび大臣が渡米をいたします場合におきましても、この点については強く主張をするであろうと私ども考えております。

森島守人日本社会党

○森島委員 大臣が行かれるときにこの問題を当然取り上げられることは私も推測にかたくない。しかし大臣が行くまでもなく、内閣成立以来数カ月、この問題に対して一回も公然と要求をされぬということには何らか理由がなければならぬ。これはアメリカをおそれていると申し上げるほかないでしょう。この問題について何ゆえに今日まで放置しておいたか、この責任は私は外務省にあると思う。この点について明確なる御答弁を政務次官から伺いたい。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 何もこれまで放資しておったわけではございません。そのつど接触いたしますたびごとに、これらの点については日本の事情もアメリカに伝えて、かつまた出先を通じましても申し入れておるところでございます。

森島守人日本社会党

○森島委員 これでは幾ら押し問答しても結論にきませんから、私は大体質問を打ち切りますが、しかし最近中共貿易に対する制限の緩和の方向を見るに至ったのは、全くバーミューダ会談による英米等の折衝の結果だ、こう思っておるのです。日本に対して最近アメリカ側から何らかの申し入れを公式に言ってきたことがございますか。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 公式には申し入れば参ってはおりません。

森島守人日本社会党

○森島委員 それならきのうの新聞をあなたにお伝えせねばならぬ。これは日本の外務省なめられておりますよ。十七日発のロンドンのロイターです。「ロイド英外相は十七日下院で対中共貿易制限緩和に関する言明をいつ行うかとの質問に対し、英国は米国から対中共貿易品目リストの修正案を受取ったので同調整機関参加国とともにこれを緊急に検討するよう提案する。」こう明確にイギリスの外務大臣が下院において答弁しております。この新聞報道がうそなら別ですよ。この点について外務省は一体どうお考えになっておるか。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 ただいまお示しになりましたアメリカ政府から英国政府に対する申し入れにつきましては、わが国といたしましても、同様な申し入れをワシントンにおいて受けておりまして…。(森島委員「今ないと言っていたじゃないか。」と呼ぶ)これは完全に受けていないわけです。今受けつつある、受けたのをこちらに伝えつつある状態でございます。

森島守人日本社会党

○森島委員 今の答弁は詭弁としか思えぬ。受けつつあるのなら現に電報を受けつつあるのか、あるいはすでにワシントンの大使館がこれを受け取ったのか、この点明確にしていただきたい。もし詭弁でないなら…。こういう内容は別ですよ。いつ何日電報の第何号でこういうやつが来たという確たる証拠をお示しにならなければ、政務次官の答弁は私はまことに受け取れぬ。御答弁になりません。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 ワシントンのわが出先公館が受けたことは私ども知っておるわけでございます。その内容につきましては、まだこちらの方に参っておりません。

森島守人日本社会党

○森島委員 さっき申し入れがあったかという質問に対して、申し入れば何もないのだという否定的な御答弁があった。私が続いて質問したら、今ワシントンの大使館が受けておるのだ、これじゃここにおるどなたもあなたの答弁をまつ正直な答弁だと考える人はないでしょう。取り消すなら取り消してよろしい。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 受け取ったという意味は、私はこちらの方で受け取ったというふうな意味で了解したわけでありまして、出先の全館において受け取っていることは事実でございます。そういう意味の取り雇えておりましたことについて前の言葉を取り消した方がいいということでございましたら、私いつでもお取り消しをいたします。

森島守人日本社会党

○森島委員 それなら政府当局としてきわめて不明確な御答弁で、私は納得できない。もしほんとうならば、外務省が今後対内的にも信用を維持する上においていつ何日、ワシントンにおいてどういうことを、受け取った、そのリストは秘密に属するでしょうから、私はあえて要求いたしませんが、これをはっきりした資料でお出し願いたい。資料をいただきました上で、また外務大臣に対して直接質問いたすことにいたします。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 森島委員の申し出は正式に通告いたします。

井上清一自由民主党外務政務次官

○井上(清)政府委員 ただいまのお申し出につきましては、正確に調べまして資料としてお答えを申し上げます。

森島守人日本社会党

○森島委員 今のような御答弁をなさるようでは外務省、信用はないですよ。私も外務省出身だから、あなた方に意地の悪い質問なんかしない。もし日本で受け取っていないなら、同じココムの参加国であって、チンコムの参加国であって、イギリスだけは受け取って百品本の外務省が受け取っていないということになれば、アメリカの日本に対する意図などというものは、大体岸さんが行かないでもわかるでしょう。それほどなめられておってどうするかというのです。私ははっきりした御答弁をいただきたい。資料もなるべく早く一つお出しを願いたい。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 次に千九百四十六年十二月二日にワシントンで署名された国際捕鯨取締条約の議定書の批准について承認を求めるの件、北太平洋のおっとせいの保存に附する暫定条約の批准について承認を求めるの件、国際原子力機関憲章の批准について承認を求めるの件、右各件を一括議題といたします。  質疑を許します。松本七郎君。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 オットセイの暫定条約でございますが、六年前、一九五一年の四月七日付の日本政府の覚書を参考資料としていただいておりますが、四月三日から七日まで東京でやって七日付で日米間覚書というものが出ておるのです。この覚書の第一項前段におきまして、「おっとせいの海上猟獲を自発的に禁止」する用意のあることを表明しておりますが、それからこの第一項の後段においては、現在、つまり一九五一年現在、「海上猟獲の許可を与えていない。」という旨が述べられておるわけでございます。もし日本政府が自発的に猟獲を禁止する用意のあることを、覚書の中でこういうふうに言明したとするならば、当然国内的にも猟獲禁止に関する立法措置を講ずべきではなかったかと思うのですが、何ゆえ今日まで従来の許可制という規制だけで、立法措置を講ぜずにきたのか、この間の事情を御説明願いたい。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 ただいま一九五一年の吉田・ダレス書簡に伴います国内的措置についての御質問でございますが、一九一一年に、オットセイの保護に関します条約に日本が加盟いたしました際に、ラッコ・オットセイの猟獲の規制に関します立法をいたしておるのでございます。その法律に基きまして、オットセイの猟獲に関しましては、許可を要するという制度をしいておったのでございまして、事実上はその許可を与えないという状態で今日に参ったのでございます。昨年オットセイの条約の進行に伴い、この条約に調印する時期も迫って参りましたので、昨年の十二月にその法律に基きまする農林省令を出しまして、オットセイの海上猟獲を禁止するという措置をいたしたのでございますが、実質的にはこれは従前の措置と全然変らない次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今御説明のように、昨年十二月ですか、農林省令の取締り規則でもって禁止しているわけですが、しかし実質的には今言われる明治四十五年の法律、これでやると言う。法律二十一号ですか、これはまたずいぶん古い法律で、第一条なんかを見てごらんなさい。「政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ」云々、いかにも古風な法律なのですが、これでもって最近の事態を律するのが妥当かどうか。私どもここにも問題があると思うのです。そういうふうな点についてはどういうお考えなのでしょうか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 明治四十五年の古い法律ではございますが法律としては有効な法律でございますので、これに基いて省令を出すということは当然許されることである、かように考えておる次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これは私も調べたのですが、法律二十一号というのはほんとうに旧式な規定の仕方をしているのです。それはあとでまた時間があったらゆっくりやりましょう。ところで、政府はこれまでも許可を与えないのですから、実質的には禁止してきたのと同じことになるわけですけれども、しかし聞くところによると、相当密漁が行われておるということなのです。そこで今まで政府はこの密猟防止にどういう措置をとってこられたか、今後また問題になると思うのですが、おそらくこの条約が発効すれば、もっと徹底した密猟防止策を講じなければならなくなるだろうと思う。従来の密猟防止の措置の具体的な方法と、それから今までの密猟の件数、場所、それに対してどういう法的措置をとってきたか、そういうことは今すぐわかりましたら御説明お願いいたい、おわかりでなかったら資料として出して下さい。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 従来オットセイの回遊いたして参りまする一月から六月の一時期におきまして農林省の取締り船を現地に派遣をいたしまして密猟の予防に関します指導及び違反船の捜査に当っておった次第でございます。これによりまして措置をいたしました件数につきましては、私ただいまここへ数字を持っておりません。すぐ調査をいたしましてお答え申し上げます。  なお、これはただいまの御質問には直接入ってございませんでしたけれども、当然関連いたしますので言及いたしたいと存ずるのでございますが、今後この条約が御批准をいただきまして発効いたしますれば、日本政府といたしましても、この条約の規定によります海上猟獲の禁止ということにつきましての実効ある措置をしなければならない、かように考えておるのでございます。そのためには、かつて日本が条約を破棄いたしまして、許可制によりましてオットセイの猟獲をいたしておりました昭和十八年から二十年の間にオットセイ漁業に従事いたしておりました漁業者の諸君が、今日におきましてもイルカの銃砲によりまする漁獲の漁業に従事をいたしておるのでございます。そうして実際問題として、この諸君がある程度オットセイの密猟もやっておるというのが事実であるようでございます。そこで政府といたしましては、オットセイの条約を完全に実施いたしますためには、これらイルカ漁業者の諸君の協力を求めるということが必要である、かように存ずるのでございます。これらのイルカ漁業者の諸君を、ちょうど一月から六月のイルカ漁業とオットセイ漁業との重複いたしまする期間、十分採算をもって経営し得る他の漁業、具体的に申し上げますれば、モウカザメのはえなわ漁業に転換させていくということが非常に必要な対策である、かように考えておるのでございます。これに関しましては、目下政府部内において協議をいたしておるのでございまして、もうしばらく時をお与え下さいますれば、閣議了解等の形において具体的な内容についてのお話を申し上げ得る、かように存じております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その問題はあとで補償の問題と参兼ねてお聞きしたいと思っておったのでありますが、その前に、そうするとこの条約が発効すると同時に、さっきのお話では、何か猟獲禁止に関する立法措置でも講じられるおつもりでしょうか。法案が用意できているのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 オットセイ自身の猟獲禁止の問題に関しましては、古い法律であるという点でいろいろ御批判をいただいておるのでございますが、現在のラッコ・オットセイの猟獲に関する法律で目的は遂げ得る次第でございます。しかしながら、ただいま申し上げましたようなイルカ漁業の規制ということに関しましては、現在知事許可でこれを規制をいたしておるのでございますけれども、新しい立法措置を講じまして、オットトセイ及びイルカを含めましてさらにまた操業の規制のみならず、漁某転換というふうなことまでも含めました立法措置を講ずる要があるかどうか、これについて目下検討をいたしておる次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今日までイルカの漁業者は、密猟であったにしろ、とにかくオットセイ猟獲によって生活してきたのですから、今後厳格にそれを禁じていこうとすれば、今まで無許可でやってきたにしろやはり死活の問題ですから、当然政府としても補償をしなければならぬと思うのです。これらのオットセイの猟猟で生活してきた人の補償、あるいはさっき言われましたサメの漁業への転業とか、そういう転業資金の融資とか、そういった具体的な問題は少しは進展しているのでしょうか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 政府といたしましては、いわゆる補償という観念で処理し得る問題ではない、かように考えております。しかしながら、ただいま申し上げましたように、この条約によるオットセイの海上猟獲禁止のためには、これらのイルカ漁業者を転換させ、場同時にその地帯の漁業を振興させて地元の窮乏を救済するということが、これは絶対に必要なことである、かように存じておるのであります。これが転換に関しまする具体的な措置として、目下政府部内で大蔵省、農林省の間において検討しております問題は、第一は転換いたしますモウカザメはえなわ漁業に必要なる漁具について助成をしていく。またイルカ漁業自身は、多くは十トンから二十トン見当の小さな船でございまして、この船ではモウカザメのはえなわ漁業に必要な三十トン・クラスの海には出ていかれないのであります。そこで一方におきまして、かつまたイルカ漁業は突きん棒漁船という言葉を使っておりますが、非常に旋回性の強い特殊な漁船でありまして、一般の漁業には適当しておらないのでございます。そこでこの漁船の三十トン未満のものにつきましては、その残存価格を全額国が交付をいたしまして、そしてこの漁船を沈めまして、地元のつきいそ等の水産増殖に利用させるということを一方においてやりますとともに、三十トン・クラスのモウカザメ漁船を新たに建造いたしますものにつきまして国が助成をしていく、こういう対策を目下考究をいたしております。さらに融資の問題に関しましては、農林漁業金融公庫の漁船の融資のワクの中から、これらの漁船建造に対する融資をいたして参りたい、かように考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これは今度の規制の仕方自体にもいろいろ問題があると思うのですが、本来ならば海上で猟獲してそれで生活できるものが、その規制のために生活権が脅かされるのですから、やはりソ連、アメリカから引き渡される毛皮の代金の一部が、これらの犠牲になった人の生活の補償なり、その他転業資金に振り向けるということは、筋の通ることじゃないかと思うのですが、そういう考え方は今とっておられないのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 今後引き渡されますオットセイの毛皮の収入のうちの相当な割合の金を、ただいま申し上げましたように、この条約の完全実施のためにさく次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その比率だとか、どのくらいにするかは、今大蔵省と折衝中ですか、いつごろきまりますでしょうか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 大蔵省とも大体原則的な了解に到達いたしておりますので、来週になりますれば具体的にお話下し得ること相なろうか、かように考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 第九条の規定によりソ連とアメリカから引き渡される毛皮と、それから附表による調査目的のために捕獲したものと、合計してどのくらいの収入になりますか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 収入につきましては、六カ年間の契約期間――もっとも引き渡しが若干ずれますから、金が入って参りますのは、おそらく九カ年くらいの一間になるかと存じますが、その間におきまして、粗収入としまして三十億ばかりの収入が入って参ります。しかし毛皮の原皮で日本に引き渡されますので、それの処理加工に経費がかかりますので、ネットといたしましては約十五億見当の収入があるのではないか、かように考えておりますが、これは実は毛皮の市況等も非常に変動がある次第でもございますし、今後大体この程度の予測をいたしておるのでございますけれども、確実なところはそういう条件下にあることをお含みを願います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 調査に要する費用はどのくらいかかりますか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 今年度の予算といたしまして、取締り費も含めまして千八百万円計上しております。これは明年度以降になりますれば若干増額をいたさなければならないもの、かように考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから一九四一年に日本が廃棄した条約では、何枚くらいの毛皮が日本に来ていたのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 アメリカから受け取りました皮の枚数は、大正元年から昭和十五年くらいの間に十三万九千枚でございました。それからソ連からは皮を二回受け取ったのでございまして、数は約二百枚でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 一九四一年に条約を廃棄してから終戦までの間に、何頭くらいのオットセイが捕獲されておりますか。参

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 昭和十八年に約三千六百頭、昭和十九年に三千七百頭、昭和二十年におきましてはわずか二百頭見当で取りやめた次第であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これを規制する趣旨というのは、結局オットセイを保護するというのが理由になっているのだろうと思います。最近の捕獲の量から言うと、大体そう規制しなくても満限に来ているのじゃないかという意見もあるのですが、日本側としてどういう見解をとっておられるのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 オットセイの条約を交渉する過程におきましては、日本側といたしましては、三つの繁殖島のうち、ソ連に属しますコマンダー、ロベンの二つの島につきましては、資源がまだまだ貧弱でございますけれども、アメリカの持っておりますプリビロフ鳥につきましては、相当なオットセイの資源があるのでありまして日本がある程度海上猟獲をすることによりまして、この資源にしかく致命的な影響を与えるとは考えられない。かつまた東北地方の、オットセイの回遊いたします地帯の漁民の感情といたしましても、目先にオットセイがやってくればこれを猟獲したがるというのは当然なことでございます。これらの漁村の窮乏を少しでも豊かにするということのためにも、ある程度のオットセイの海上猟獲をすべきである、こういう観点からの主張を日本としていたしたのでございます。しかしながら、委員会におきまして条約交渉におきましていろいろ議論をいたしました結果、われわれも、オットセイの問題自身が、同時に日本の北洋におけるサケ、マス、カニ等に関します国際的な世論というものにも非常につながる問題であることも十分認識をいたしまして、この条約に基いて科学的な調査をして果してオットセイの資源がすでに必要十分なだけの資源量に到達しておるかどうか、日本の海上猟獲ということが許された場合に、それに対してどういう影響を与えるか、また日本の漁民が非常に心配しております日本の漁業資源に対して、どういう被害をオットセイが与えておるかというふうなことについて、この六年間科学的な調査を継続いたしまして、最も合理的な猟獲方法をこの条約の期限であります六年目の最初の機会において議論し合おう、こういうふうなこの条約の趣旨を日本としても受け入れるということにいたした次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今のお話の中で、関連して少し伺っておきたいのですが、日米間の講和発効前の一九五一年の四月に、オットセイの捕獲が禁止された理由はどういうところにあるのでしょうか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 お答え申し上げます。その実体的理由もいろいろあったかと思いますけれども、御承知の通り、形式的なと申しますか、書類上の理由としましては、吉田・ダレス書簡によりまして当時の吉田首相からダレス氏にあてまして、一九四〇年に操業してなかった漁場で、自発的な措置として猟獲を抑制するということを申し述べております。それによりまして禁止になったということでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この交渉のときは、日本としては、海上猟獲を全然禁止しなくてもいいじゃないかという判断を持っていたわけでしょう。けれども、六年間科学的調査をすることには譲歩して結んだわけですね。ですから、五一年に、まだ講和発効前にわざわざそういう覚書を交換して、それを禁止したときの実際上の理由はどこにあるのですか。やはり資源を保護した方がいいという観点に日本は立っていたのですか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 当時われわれとしましては、従来の主張で、ある程度猟獲もできるというふうな考え方に立っていたかと思います。ただその点においてアメリカ側ともし意見の相違があるとすれば、どういうふうなやり方をした方が最も適当であるか、これは調査によらなければならないということで、暫定的処置と申しますか、とりあえず抑制するということになったのであろうと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 その当時この覚書等に対して、ソ連、カナダはどういう態度をとりましたか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 その当時ソ連は、これに対して何ら積極的な意見も表明していないようであります。それからカナダとアメリカは、日本が廃棄しました以後は、カナダとアメリカだけで保存の条約を作っております。しかしその当時どういうふうな貴兄を表明したかということははっきり判明しておりません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 ちょっとついでに伺っておきたいのは、オットセイの肉は食用には利用されるのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 オットセイの肉は食肉といたしましては非常にくさくて、質はよくございません。しかし東北地方の者は、われわれに対して、冗談まじりに、オットセイの肉を食ってみたら案外いけるというふうなことを申しておりますけれども、まあほかの肉等と比べてみますれば、おそらく食肉としてはあまり適当なものではないのじゃないか、かように考えます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから毛皮は今一枚どのくらいですか、時価は違うでしょうが…。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 東北地方におきまして密猟をいたしましたものが二、三千円くらいで転売されておるという事実は耳にいたしております。しかしオットセイの外国におきます取引の価格は一頭分四十五ドルくらいの値段であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この条約で捕獲が規制される区域には何頭ぐらいいると推定されているのですか、島別に一つ…。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 コマンダー島及びロベン島にはそれぞれ五万頭ずつおると考えております。それからブリビロフ島には大体百六十万頭から百八十万頭くらいのオットセイがおるのではないか、かように考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 オットトセイの増殖率はどの程度でしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 オットセイは雄一頭に対しまして雌が数十頭というハーレムを作りますが、雌が生むのは一匹でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この条約区域以外には生息していないのでしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 条約区域外と申しますと、現在ではアフリカの南の方にもおるというふうにも聞いておりますが、これは逐次その数が少くなってほとんど絶滅に近いと聞いております。大体多くとれますのは、現在では北太平洋に限られておるようであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 子供を産んでからずっと回遊してくるということですが、南の方はどの程度まででしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 南の方は、ただいまこの条約に載っております区域が南限だと考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この制限を受けようというラッコの利用価値というのはどういうものでしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 現在の条約ではオットセイだけでございまして、ラッコは対象ではございません。国内法ではラッコとオットセイを両方対象にしておる、こういう次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 さっき御説明の中でちょっと言っておりましたが、オットセイがニシンだとかイワシだとかサバだとかあるいはサケ、マスというような有用な魚類を食い荒すと言われておるのですが、それはほんとうでしょうか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 日本でもオットセイの食餌の調査を、オットセイの胃を解剖していたしたことがございます。それによりますとハダカイワシ、ランタン・フィッシュといっております魚を大体五〇%くらい持っておったようでございます。あとはイカ、イワシ等が腹の中に入っておったのでございます。サケ、マスに関しましては、日本で調査いたしましたものではその存在はほとんどなかったようでございます。しかしこれは調査する海域によりましてまたいろいろ相違が出て参ろうかと考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それはまだ十分な科学的な調査資料がないと了解してよろしいのでしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 一九五二年の日米加三国の共同調査で出ました結果が、現在次長から説明のあった通りでございます。この条約によりましても、そういった問題も含めて今後六カ年調査する、かようになっております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 どうもオットセイの効用と、そのオットセイの食う魚類の効用ということを考えてみますと、オットセイの方は大衆にはあまり縁のないものであるので、このことがどの程度調査されているか問題だと思うのですけれども、先ほどから私が伺っておるのは、アメリカでは相当十分なオットセイ、つまり日本の言うように今アメリカのプリビロフには十分な資源がある、規制する必要はないのだ、満限にきているという状態であるにかかわらず、アメリカ側が非常にやかましく規制を言っておるのは、一部にはニクソンの関係しておる独占会社が、なるべくオットセイの猟獲を少くして、価格を維持したいというような政策からきているのだということまで言われておるのですが、そういう点、何か政府としても研究されたものがございますでしょうか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 ただいまアメリカの特殊な商社の利害というようなことが、条約交渉に何か反映があったかというお尋ねでございますが、実はそういう事実はございません。一九二年の条約を締結いたしました際に、オットセイの資源が一時ほとんど枯渇に瀕したのでございます。何でも二十万頭ぐらいに減ったというふうなことを言う人もございます。そういう状態が海上猟獲をある程度の規模以上に行うということによって、さらに再現するのではないか、ことにアジア系の二つの繁殖島におきましてはただいま申し上げましたように、プリビロフに比べますれば非常に資源が少いのでございましてこれらに対して致命的な影響を与えるのじゃないかというふうな議論が、条約交渉の際に活発に先方から開陳され、意見が交換されたという次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 ニクソン副大統領がオットセイの会社に関係しているということは事実でございますか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 私、承知をいたしておりません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これは暫定条約ということになっておるわけですが、将来この条約の期限が切れた後、本条約を締結する意図はあるわけですか。全然白紙で調査を待って考えるということでしょうか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 この条約は御承知のように六カ年間有効でございまして、五年目の終りに調査の結果を全部持ち寄りましてそこで研究の結果最も適正な猟獲の方法はどういうものであるかということを決定しまして、それによって本格的な条約を作るという仕組みになっております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから第二条の五項で、オットセイの調査について科学者を交換するというふうになっているわけですが、これは具体的にどういう形でやるのでしょうか。相互に相手側の調査船に科学者を乗り込ませるとか、あるいは日本の科学者をコマンダ一島やロベン島に派遣するとか、そういうことを意味するのでしょうか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 ただいまお話のありました通りでございまして、日本側といたしましても三つの繁殖島におきまする資源保護の実際というものを把握する必要があるのでございまして、これらの島に科学者を派遣する考えでございます。同時にまた向うからも科学者が参りまして、こちらの海上の回遊の状況等を調査することもあり得る、かように考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 調査船というものは国際法上はどういう地位にあるのですか。私船ですか、公船ですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 調査は政府自身がこれに当るという建前でございます。従いまして民間の船をこれに使いまする場合におきましても、国が用船をいたしまして国自身の調査として実施をして参ることになります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうすると相手国に拿捕されたり抑留されたりすることはないのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 国自身が調査を行います船に関しましては、そういう問題が起り得るとは考えておりません。ただ第六条で規定いたしておりますものは、海上猟獲の禁止に違反しております民間船等の場合におきまして、六条の規定が発動することがあり得るということでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この日本及びカナダは調査目的のためにだけ制限内で海上、捕獲が許されるということなのですが、大体たまたまソ連領の二つ、アメリカ領の一つの島にたくさん上陸するからそこで捕獲ができるわけですね。日本の場合はそういうオットセイの上陸する領土がない。海豹島がああいうことになって、これをなくしているために捕獲ができないのですから、ある程度制限をして――どうせ調査目的のための海上捕獲は制限内で許されるのですから、普通の商業目的のための海上捕獲も制限して、これを許すということの方が合理的じゃないかと思うのですが、この点はどうなのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 条約交渉の過程におきましては、日本は統制ある海上猟獲を許すべきだということを主張をいたしたのでございます。しかしながら、ただいまごらんを願っております条約を締結いたすことに最終的には同意をいたしたのでございます。これに関しましては私たちは広い意味におきまする漁業調整だ、かように考えております。資源の保存あるいは漁業者相互の間の調整をはかりますために、御承知のごとく国内法といたしましては漁業法、あるいは水産資源保護法で許可制等のいろいろな制度をしいて、漁獲を規律をいたしておるのでございますが、このオットセイの猟獲に関しまする現在の姿は、これを国際的な規模におきまする漁業の調整だ、かように考えるのでございます。従って国といたしましても、また漁民といたしましても、やはりこういう調整に対してはその規律に従っていかなければならない、かように考えるのでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これは何かオットセイの捕獲の仕方とか、それからオットセイの生態とか、そういうことから商業目的の海上捕獲は全面的に禁止した方がいいというような、何かそういう理由があるのですか。私どもの聞くところでは鉄砲で撃てば穴があくから皮の価値がなくなる。従ってこん棒でなぐってとるんだそうですが、何か捕獲の仕方、それから生態一般について少し余談になりますけれども御説明願います。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 この条約の趣旨はあくまでもオットセイの資源全体の保護をはかり、その保続的な生産を確保していく、こういう趣旨でございます。しかしただいまお話がありましたように、猟獲方法として海上で鉄砲で撃ってとるということは、陸上で撲殺するよりも劣った猟獲方法だということが、国際会議においても繁殖島を持っておる国側から主張をされたのでございます。それは鉄砲で撃ちました際に皮に傷ができるということ、それによりまして皮の価値が下落する、これは当然そういうことに相なろうかと思うのでございますが、それとともに一部はそのまま海中に沈んで猟獲されない、また一部のものは弾痕を負ったまま繁殖島に帰る、そういうこともあるので、経済的な猟猟方法としては、陸上で撲殺する方が合理的だということを、繁殖島を持っておる側では強く主張をいたしたのでございます。しかしながらこれは同時にそれぞれの国の漁業立地という問題との関連において、この問題も考えなければならないのでございます。果して海上猟獲というものが、資源にどいうう影響があるかというふうな点につきまして、この条約期間中に十分検討を加えまして、ただいま御説明申し上げました条約の最後の年に、猟獲方法について大いに検討するという際には、わが国といたしましてはわが国の立地に応ずる科学的基礎に立った主張を準備をしなければならないと考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 海上捕獲は雄、雌の区別がわからなくて、オットセイを捕獲するときにこん棒でなぐるにしても、雄だけとるというようなことを聞くのですが、そういうことも海上捕獲をしない理由の一つなのでしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 陸上でとります場合、大体成獣の雄を中心にいたしまして数十頭の雌でハーレムを作るわけでございます。これが資源の増殖に関係のあるグループでございます。そのほかに雄で大体成獣には達しておりますけれども、そのハーレムを作れない、ないしは入れないものがおります。これらのものは大体区分をしまして、アメリカの方ではグループ・スリーと名づけておりますが、そういうものは増殖に関係ないということで、これをとるわけでございます。これらのものをある一定のところに追いやりましてそれをこん棒で撲殺し、その皮をはぐというのが陸上のとり方なのでございます。ところが海上におきましては今申し上げましたように、ハーレムを作る関係のものか、ないしはそれ以外のものかという見さかいなしにとることによって資源に対して決定的に影響を及ぼす、従って海上の猟獲は資源保存上よろしくない、こういう主張でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 第四条の規定で自分の国の調査に要する費用はそれぞれ各当事国が負担するということになっておるわけですが、さっき言われた調査費は予算に組んでございますか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 今年度の予算に計上いたしております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから第四条の第三項の規定で、各島におけるオットセイの事情によって、附表による海上調査による捕獲頭数も変更されることになると思うのですが、そういうことも一切科学調査の対象になるのでしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 現在附表で話がきまっておりますのは、ごらんのように日本の方でとれますものは、初めの年とその次の年は四千頭ずつ、三年目からあとは二千頭、かように相なっております。これを日本の近海におきましては、つまり西部の太平洋におきましては、日本とソ連側で分けてとる、かようになっております。さらに今御指摘の条約の規定によりまして、コマンドルスキーあるいはロベン島におきます頭数が五万頭を切りました場合は、陸上の猟獲をソ連側において停止をする。そういたしました場合におきましては、海上の猟獲を停止するかどうかにつきまして、この条約でできます北太平洋おっとせい委員会がこれをきめる、かように和なるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 第十条の項目で、決定及び勧告は全会一致制をとっているわけですね。これは結局各国が拒否権を持つということになるわけですが、多数決制では結局ばらばらになってしまうというので全会一致制にしたのですか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 やはり多数決制にしますと、多数決で反対の国または委員の方が自己の意思に反して決定が実施されるということになりますと、非常に反対も多いというような混乱、成立の困難があると思います。そこでやはり委員会の全会一致、そこであくまで話し合って結局結論に達するというやり方を考えた次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これは多数決制を主張した国もあったように聞いたのですが、全会一致制を特に強硬に主張したのはどこでしょうか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 その点につきましては初めからみな全会一致を主張しておりました。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから共同の経費は、当事国の平等の分担金によることになるわけですが、分担金は決定しておるわけですか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 別に決定しておりません。今度委員会を開いてその場で決定するのじゃないかと思っております。共同の経費と申しますと、たとえば委員会を開いたとか、会合の経費とか、情報とか、それほど重大な経費ではないと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうするとこの分担金は、たとえば第六条第五項による没収による収入等が出た場合に、この分担金はそれだけ減らすということになりますか。没収の費用とそれから分担金の関係です。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 その点まだそこまで詳細な決定はいたしておりません。いずれこの没収による経費も調査とかその他委員会の経費に扱われることはそういうことになっておりますけれども、またそれが分担金におそらくプラスすることになるかと思ってております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それからこれはちょっとこまかくなりますけれども、第六条の第二項、「船舶又はその船舶にあるいずれかの者が禁止に違反していることをその船舶の捜索後もなお信ずるに足りる相当の理由」云々と書いてある。「捜索後もなお」というのはこれはどういう言葉の翻訳かしりませんけれども、捜索をやってみたけれども、その結果やはり違反だという意味ならわかりますけれども、日本語として「捜索後もなお信ずるに足りる相当の理由」というのは何のことかちょっとわからないのですが、疑いがあるから捜索するのでしょう。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 確かにちょっとおかしいかと思いますけれども、お説の通り初め疑いがありまして、船に乗り込んで捜索いたしまして、捜索の結果もなお違反しているという信ずるに足りる理由があった場合は云々という規定でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この表現だと、捜索した後もなお合点がいかないから、再び捜索して根拠を求めるというふうにもとれるのです。「捜索後もなお信ずるに足りる相当の理由を有する」、おそらく意味は、捜索してみた、業の定これは予想通り変だったという意味だろうと思うのですが、どうしてこういう表現を使わなければならぬか、何か特別な理由があるのでしょうか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 これはお説の通り、やはり「捜索後も」、ここにポツを置くべきかと思いますが、捜索後も疑いが晴れずに、しかもそういう地位を持ち続けていた場合、捜索の結果も疑いが晴れなかった場合という意味でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 疑いがあるから捜索するのでしょう。捜索してなお疑いが晴れなかったら処置しようがないじゃないか。疑いが残っているのじゃないですか。疑うから捜索してみて、捜索した結果やはり怪しいと思ったら、その通り間違いだということがはっきりするから、初めて処置にするというのでしょう。捜索後なお疑わしいのはいつまでたっても処置できないじゃないですか。それを言うのです。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 お説の通り、捜索後もそういう捜索の結果、そういう違反事実、違反していることを公務員が確信を持った場合、こういうことだと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それだと、もう少し日本語らしいはっきりした表現はできないのですか。捜索後拿捕する理由が明らかなるときは拿捕するということなのでしょう。さっきの御説明を聞いていても、捜索後なお疑う理由があるというと、拿捕していいか、釈放していいかわからない、いつまでもその状態が続くのですね。疑いが残る。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 お説の通りでございます。捜索した公務員の判断に基いてその相当の理由を有するときは拿捕する、こういうことでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 関連して。宗作の結果信ずるに足りる相当の理由が発見された場合と、こういう意味に解釈してもよろしいのですか。別な表現で一、言うと、捜索の結果、その結果として信ずるに足りる相当の理由があった場合は拿捕し、これを逮捕することができる、そういうように解釈すべきものか、この条文通り解釈すると、松本委員の言われたように、捜索のあとにおいてもまだその罪状というものが明確ではないけれども、まだなおかつ信ずるに足りる相当の理由がありそうだ。その場合においても拿捕し、これを逮捕することができる、こういう意味なのか、どちらの意味なのだということだと思うのですがね。あとの局長の答弁だと、捜索の結果において信ずるに足りる相当の理由が明らかになってきた。そのためにこういうことができるのだそのどっちであるかということ、そういうことですね。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 ただいまの後者の意味だと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 それでは捜索の結果という意味ならば、こういう日本の翻訳文は非常に不明確だと思うのですが、その点はいかがですか。捜索後もなお信ずるに足りる、どうも捜査してもはっきりわからない、わからないのだけれども、なお信ずるに足りる相当の理由がある場合はというような場合にこれを適用するということではないですか。これは条約締結のときの経過に顧みて局長はその当時おられなかったわけだから、むしろ水産庁関係で出席をされた人にその経過をはっきりさした方が私はいいと思うのですが、その点はどうですか。

川上健三外務事務官

○川上説明員 この第二項の条文は、実は大体この前提になるものは日米加にもございます。日米加と今特に御指摘の点がむしろ違っているということが言えるかと思うのでございます。それはなぜ特に違えたかと申しますと、拿捕できるのはできるだけ限定すべきである。これは特にはっきり申し上げますれば、その当時カナダでございますが、この共同取締りについてはできるだけ慎重にすべきだという議論を出しました。それで拿捕の場合は、必ずその前に疑いがあって臨検して、そうしてなおかつそこに十分な証拠があるときでなければ、拿捕するということがあってはいけない。拿捕というのは、できるだけそこをはっきりさせるべきだということをカナダ側の委員が申しました。それで実は表現としてははなはだおかしいのでございますけれども、その意図は、必ず拿捕する前に、まず疑いがあって臨検をやる。そうして臨検をやって後に、なおかつその違反の事実というものを「なお信ずるに足りる」という意味は、これはあくまでもこれを臨検した者の判断になりますから、果してそれが客観的に正しいかどうかということは裁判をしなければわからないわけでございます。そういう意味で、そのものが違反の事実があるということを信ずるという事実があった場合に初めて拿捕できる、こういう意味で、第二項はただいまのような表現になっておるわけであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そういう意味だということはそれで大体わかりますけれども、捜索後においても、臨検する人が、公務員が、これはおかしい、相当の理由がある、そういって臨検するわけでしょう。臨検してもどうも事実が判明しない。判明しないけれども、相当信ずる理由が相変らずあるという場合にもこれは拿捕することができる、こういう意味なのでしょう。

川上健三外務事務官

○川上説明員 この「信ずるに足りる相当の理由」ということは表現が悪いかもしれませんが、まず客観的にそう判断されるという意味でございます。たとえて言いますと、密猟したと思われるような、穴のあいた皮が発見されたとかいうような事実、それをさしているわけでございまして、ただ非常に臨検する前の疑わしいという状態よりは、はっきりしたものを意味しているわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 しかし今の引用例でも私は十分じゃないと思うのですよ。というのは、これは今まで条約ばかりでなく、国内法の場合において、信ずるに足りる相当の理由、というような言葉を使った例はたしか幾つかあるのです。これは私はっきり記憶しないけれども、破防法か何かでも使っております。この場合において、これは委員会で常に問題になっておるのです。どういう問題になっておるかというと、日本の憲法の規定によって、こういう犯罪なりあるいは事件というものに対して、身柄の拘束、拿捕、逮捕ということを行う場合には、すべて罪刑法定主義によるという原則が明確になっているわけです。ですから、罪刑法定主義によると、どっかそこら辺に泳いでいたオットセイに穴があいていた。穴があいていたのだが、これはどうもお前のところの船からやったのじゃないか、そういうことだけで、これによって逮捕、拿捕できるというようなことならば、これは罪刑法定主義の具体的な物的証拠としての立証では、果してそれが立証になるかどうか、きわめて私は問題があると思う。そう言う点からいって、国内法上の罪刑法定主義とこの条約との関係はどうなるか。すなわち外国の条約においては、そういう罪刑法定主義の見解を必ずしも明確にとらない。そういう点を明確にとらないために、この条約ができ上る経過においていわゆる日本が譲歩した結果によってこういうものが押しつけられるということになったとするならば、これは日本の憲法に違反したようなことになるのではないか、こういう点に心配がもう一つ出てくるわけです。ですからこういう点でもなお信ずるに足りる相当の理由云々というような場合においては、ここの会議の経過がもっと明確になっておって、しかもこの翻訳上の条文がもっと明確になっておらなければ、これはおそらく今後問題として残るところであろうという点を心配するから、だから今問題にしているわけなので、そういう点をもっと明確に、今御答弁ができなければ、あとで会議録をお調べになってからでもいいから御答弁を願いたい。

川上健三外務事務官

○川上説明員 ただいまの御指摘の点は一番重要な点だと思っております。その点につきましては、この条項がワシントンで審議されます際にも、要するに現行犯に限るという点はいずれも一致しておったわけでございます。そこで第一項の場合でも「信ずるに足りる相当の理由」を「違反していると信ずるに足りる」というふうに書いてございまして、これはあくまでも現在そういうふうに違反しているという現場でございます。ですからたとえて言いますと、現在オットセイがぷかぷかやっておる、それを追跡しているということは、これはまず現行犯に非常に疑わしい状態でございます。それならばまず臨検ができるというわけです。臨検した結果、まだ水のしたたるようなオットセイが船上にあった、こういうようなときに初めて拿捕できる、こういう意味に解釈してこの条文はできたわけでございまして、従って「違反していると信ずるに足りる」ということは、現在そういうふうに違反しているというふうに信ぜられる、こういう意味でそのとき取り扱ったわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 説明を聞くと、やはりその意味ははっきりしているのです。疑いがあるから臨検捜索する。捜索してみたら、果して疑い通り、していた、そういう信ずるに足る十分な理由が認められた、従って拿捕する、こういうことだろうと思う。この表現が「船舶の捜索後もなお信ずる」というと、何かさらに疑いがあるからさらに捜索を続けるというふうに「もなお」という言葉はとられる。今この英文のを見ましたら、英文だとこれはそう変でもないのですね。だから私わかったので、これならいいのですけれども、こういうはっきりしない表現は避けた方がいいのではないかと思うのですけれども、どうでしょう。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 確かにそういうふうな、いわばちょっと誤解を受けるような書き方でございますが、「なお」いうのは、「コンティニューズ・ツー・ハブ・リーズナブル・コーズ、」すなわちリーズナブル・コーズがあることをそう考え、引続きと申しますか、継続中と申しますか、現にそうであるということを「なお」というような意味合いで持たせたというふうな格好になるわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それは意味がはっきりすればいいのです。  それから第八条の第二項の「意図せずに捕獲して」これは一体どういう場合をいうのですか。これは日本の近海で行われているいわゆるオットセイの密猟に関係してなかなか重要だと思うのです。第一イルカを撃つときは三連発で撃つのでしょう。たしかそうなのです。それで三つ続けて撃って、一発はイルカに当った。ところが一発ははずれて、ちょうどそこにいたオットセイに当ったというようなとき、これは一体意図せずに捕獲したのに入るかどうか。これはずいぶん不明確だと思うのです。具体的に言うとどういう場合を言っておるのでしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 ここに書いてございますのは、過失でたまが当った場合とか、あるいはそのほかに、これは非常に明確な場合でございますが、定置網を張っております場合に、オットセイの方がその中にかかった、あるいは流し網を張っております場合、それにオットセイがかかった、こういう場合をさしておるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 そうなると、これは間違えて撃ったかどうか、故意に撃ったのと区別がつかなくなってくるのですね。撃ってしまったらあとわからないですよ。そういう紛争が起りはしませんか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 ただいまのように故意で撃ったのかあるいは過失で撃ったのか、これが現状においてははっきりしないわけでございます。そこでカナダとかあるいはアメリカ等におきましては、そういう際は船上に引き揚げるようなことをしないで、そのまま捨てたらよかろう、それから網にかかってきたような場合でもそれを取得しないで、そのまま海に返せ、こういうような論があったわけでございます。しかしながら日本側といたしましては、そのような場合にも、やはり貴重なオットセイ資源であるから、極力これを利用するという方途に進むべきであるということで、明らかに現場においてなし得るような手段であれば、それは意図せずに捕獲したものとしてそれを所有してもいいのではないか。ただしその場合にはあくまでこれを直ちにオットセイの取締官というようなもの、それからもよりの駐在所とか、そういうような取締り官憲のところに差し出して、自己のものにしないという方法によりまして、国内的にはそれに適当な価格を支払うという方法をとって国家の所有にしたい、かようになっておるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それではこれは国家の公認した密猟が行われることになる。これは三連発で故意にやったのか、間違って一つオットセイに当ったか、絶対に区別がつかないですよ。それは銃猟による猟獲を全然禁止して銃砲を全部回収するというような徹底的なあれをやらない限りは、これは紛争になると思うのです。これは故意か過失かわかりませんですよ。何かほかに特に監視を厳重するとかあるいは銃砲使用を禁止するとか、何か特別なあれを考えておるのでしょうか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 先ほど次長からも御説明いたしましたように、イルカ漁業といいますものは、ただいまお話の通り、過失あるいはその他の原因によりましてオットセイにたまが当ったというふうなことがあるわけでございます。そこでオットセイの違反ないしはただいま御指摘のような故意かあるいは過失かよくわからないというふうなことを防止いたしますために、イルカ漁業、つまり鉄砲を使用いたしましてイルカをとっておる者、これ以外は現在銃砲を使用する漁業はございませんが、その漁業者におきましては、その関係者一同集まりまして銃砲を全部一カ所に管理する、そしてイルカ漁業をやめるという考えでございます。それに対しまして、現在のオットセイの皮代金として入ります費用をもちまして、それの漁業転換をするという費用に充てて違反を絶滅したい、かように考えておるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから毛皮の配分なのですが、第一項によって商業捕獲をする米国とソ連が、商業捕獲をし一ない日本とカナダに一定の配分率で毛皮をやるわけですが、これは妙な規定があるのですよ。第九条第三項ですが、西太平洋で日本とソ連が海上調査のために捕獲する量というものは、附表によって見ても明らかな通り、これは当然干頭または二千頭以上になることは明らかだと思うのです。そうすると、二千頭以上の水準で行われる場合には、ソビエト連邦は日本及びカナダには獣皮の引き渡しはしないということになるでしょう。そうすると、この一項においてせっかく配分率をきめながら、実際には海上調査のための捕獲量は千頭あるいは二千頭以上になることは明らかなのですから、結局この第一項で配分率を規定したことは無意味だということになる。いかかでしょう。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 この規定は、附表によりまして西部太平洋におきまして四千頭の調査をいたしました青年につきまして―あとの年になりますとこれは半数の二千頭になるわけであります。これは当時におきましてソ連側におきましては、西部太平洋における四千頭の海上捕獲といいますのは、コマンドルスキー鳥及びロベン島におきますオットセイ資源に徹底的な被害を与える。そこで四千頭の捕獲ということに反対をしたわけでございます。従いましてそういうふうな海上調査をやりました場合に、コマンドルスキーまたはロベンの島のオットセイの頭数が五万頭を切りました場合には、ソ連は陸上での商業捕獲を停止することができる。その場合には委員会は海上の猟獲を停止するかどうかを調査のための海上猟獲を停止するかどうかをきめる、かようになっております。その際ソ連側は、しかしながら日米加の方で西部太平洋四千頭の海上の調査の捕獲をすることについては賛成であるから、そこでソ通側もこれに賛同はするけれども、しかし皮の配分につきましては、これは第一項のように日本側へ一五%というものを出すわけにいかないという主張をいたしましたので、アメリカが中に入りまして、そこで当然にソ連からカナダ及び日本へ渡すべきものの半分をアメリカが負担してやる、こういう折衷的な案で落ちついた次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それでその場合でも、アメリカは(b)項の(2)では、(a)項の(2)で三百七十五頭分であったものが、今度は百八十八頭分と減っておるのはどういうわけですか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 これは先ほど御説明いたしました二千頭以上の捕獲が行われました場合に、アメリカが三戸七十五頭分、このソ連側が出すべきものの半数を出す。さらに千頭以上に、つまり調査の頭数がさらに半減いたしました節は、二千頭以上とった場合にとります分のさらにその半分をカナダ及び日本に渡そう、こういう取りきめであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 調査でとる分が多くなった場合には、ソ連はもう渡さないぞ、アメリカが半分だけ肩がわりしてやろう、こういうのでしょう。今度調査でとった分が少ければ、くれる分が多くていいはずじゃないですか。逆じゃないですか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 これは(b)項にございますのは、商業的猟獲がコマンダー及びロベン島のいずれか一方で行われておる場合でございます。従いましてその商業的猟獲を行なっております島の分につきましては、第一項の配分の率でなにが受けられる。停止しました分につきましては、アメリカ側で半数を出す、こういうことでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それはソ連側に言わせると、さっき御説明があったように、結局アメリカ領が圧倒的に多いのだから、日本のとるのはソ連の領土において調査捕獲するわけですから、あまり調査捕獲壁が多くなっては困る。あまり多いときには皮はやらないぞ、しかしアメリカはたくさん資源を持っておるのだから、アメリカの方で肩がわりしろということになったのですか、そのいきさつはどういうことでしょう。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 日本の近海に回遊いたしますオットセイの種類といたしましては、系統的に申し上げますと、アメリカ領のプリビロフ島系統のものと、それからソ連のコマンドルスキー、さらにロベン島と、この三つの系統が混淆する、こういうふうに考えられておりますが、一九五二年の共同調査の結果によりましては、一応この標識いたしましたものの猟獲から計算いたしましてプリビロフの系統のものが三、それからアジア系のものが七、これだけのものがおるというふうに推算されておるのであります。この推定につきましては、日本側の科学瀞としては必ずしもこれに賛同できないわけでございますが、米加側の両方の計算がそうなるということで、一応そういうことになっておりますが、それでいきますと、日本の沖合いでとりますものの七割がこのコマンドルスキーかあるいはロベン島のもの、こういうように相なりますので、そこで西部太平洋でとります海上調査の頭数というものが、コマンドルスキー及びロベン島の資源に影響を及ぼす、従ってその頭数が非常に多い場合には、コマンドルスキー及びロベンの資源を害するから、そこでそれには反対だ、こういう次第でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それはコマンダー及びロベンに限るからそういうことになるのであってプリビロフ島の、つまり東太平洋上でも海上調査のための捕獲ができるようにしたらいいじゃないですか。その点はこの会議では日本側は主張しなかったのですか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 日本側におきまして必要なのは、沿岸の漁業者が海上猟獲をするということでございます。現在までに経験者が持っております船は非常に小型でございまして、太平洋を横切って向う側まで行くということはとてもできないということでございます。従いまして日本としましては西部太平洋に限定する、こういう考え方でおったわけでございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この三百七十三頭の数字の根拠はどういうところにあるのですか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 このコマンドルスキーあるいはロベン島におきまして陸上でとります母は、全体で五千頭ということでございます。これはソ連側におきまして出しました数字でございますが、その五千頭に対しまして第一項で五%ということになりますから、従いまして全体のうち七百五十頭分が日本に参る、こういうことになるわけでございますが、そのうちの半数が三百七十五でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 この条約の有効期間は六年ですが、十二条で一カ年の猶予期間で本条約を終了させることができるということになっておるのですが、その終了というのは、つまり国だけがその条約から脱退するのじゃなくて条約そのものが廃棄になるのですか。そういう意味ですか。

高橋通敏外務事務官(条約局長)

○高橋(通)政府委員 終了という言葉は使っておりますが、廃棄になるわけであります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それから日米の覚書のことをもう一つお聞きしたいのですが、九五二年から九五六年の四年間に九二年の条約による配分金を日本から希望しておるのですが、その額が年間億五千万円ないし二億円と推定されておるというの、ですけれども、つまり米国の年間六万、五千頭分の二五%ですか、その請求は今日どうなっておりますか。

川上健三外務事務官

○川上説明員 ただいまの御指摘の通り、日本政府の覚書におきまして公正な配分額を日本国に与えられるように要請するという文字がございますので、今回の交渉の際にも条約妥結後、この点についてアメリカ側と交渉したいということを非公式に申し入れました。向う側もそれには応諾いたしまして、応非公式の間では話が進んでおるわけであります。それにつきましては、日本側から具体的な額なり、根拠なり、それを提出してほしいという話がございましてただいま検討中でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 これは年間の額はどれくらいに推定されておるのですか。

木田繁農林事務官(水産庁生産部海洋第一課長)

○木田説明員 九五二年から九五五年にかけまして、大体アメリカがプリビロフ島でとっておりますのは、六万五千頭程度をとっております。そこでこれにつきまして前の条約当時におきます配分率を用いますと、これが金額にいたしまして六億近くになるわけでございます。それからまた別の考え方をとった場合には、これにつきましては約四億程度になるわけであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 私は、この次のときにゆっくりやりますけれども、資料的な意味で二、三伺っておきます。今の御答弁でもあったのですが、プリビロフ島が六万五千頭ですね。これに関連して先ほど御答弁の受け取りの三十億円ですか、ネットの十五億円ですか、こういう数字的な根拠をもう少し資料として配付してもらいたいのです。そうしないとこれはちょっとわからない点が出てきているわけです。  それからもうつは、先ほどちょっと問題になったアメリカのプリビロフという島において陸上捕獲をしている企業はどういう企業体で、並びにその主たる経営者といいますか、そういう人も一つぜひ資料として御提出を願いたいと思うのです。  なお申し忘れましたが、先ほどの三十億円の単価になるべき数量、価格、こういう点もその中に入れていただきたいと思います。  それから、これも資料として出していただいてけっこうですが、今でもけっこうですけれども、九年のオットセイ条約のときにも、大体同じように、これに関係している日本の関係者がやはり相当問題が起って、これに対する補償の措置を講じたはずでございますが、この補償の措置なんかについても、むしろこれは資料としていただいた方がいいのじゃないかと思いますので、資料としてお出しを願いたいと思います。  それから昭和十七年、いわゆるオットセイ条約破棄後において、日本ではこの捕獲をある程度許したはずです。その後における、捕獲を禁止される昭和二十年までの年次別の実績を出していただきたい。それはさっき、言われたような気がしたのですが、言われましたね。資料として出していただきたいのは大体そういうところですが、それをまず第にいたしておきます。  それから先ほども質問があったのですが、オットセイの猟獲取締法ですか、この法律をこのまま準用されて、政令をもって措置をとられる、こういうお話ですが、こういうものをそのまま準用するよりも、この際はやはり新たな法律を作られた方がいいのじゃないかと私は思うのです。というのは、たとえば現在のこの法律は生きている―確かに生きているでしょう。昭和三十五年にも改正をしておりますし、生きておると思います。二十五年の改正というのは、おそらく講和発効に基いてそのまま残したあれじゃないかと思うのですが、その関係はどうなっておるか。私が面した方がいいと思うのは、この生きている法律の中に、勅令をもってこれを定める勅令は今どこにあるのだと聞きたくなるので、こういう点からいっても、これはこの際直した方が、新たな法律として出した方がいいのではないか。現在の実情に応じてそういう点を考えられる余地がおありかどうか、こういう点一点伺っておきたい。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 オットセイの条約が発効いたしますれば、ただいま御説明申し上げましたように、オットセイの海上猟獲の禁止とあわせまして、イルカ漁業の新たな発生を防止する法制的な措置をしていかなければならない、かように考えております。これにつきましては、現在の漁業法の規定においてそれが布置し得るかどうかということについては、われわれとしましても若干疑問を持っております。まだわれわれの研究の結論は出ておりません。かつまた相当規模のイルカ漁業の転換についての財政的な支出もいたすことに相なりますので、それやこれやを含めましての新しい法制というものをぜひとも検討をして結論を出さなければならないのじゃないか、かように考えている次第でございます

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 大体そういう点はわかりましたが、もう一つは、たしか、昭和二十九年に、調査という目的で、五万頭ぐらい調査のために捕獲してはどうかということが政府からの要請があって昭和十九年に海上五万頭のいわゆる狩猟計画を関係者が出した。これは事実行われなかった。その翌年になってから五十隻からなる調査船を出すように、これまた水産庁から要請があって準備したが行われなかった。こういうような点を見ると、政府としては大体相当膨大なオットセイの狩猟の計画というものを、調査という名目によるかどうかはともかくとして、日本側としてはとってもいいのじゃないかというような案を出されておったようですが、それが結果においては実行不可能に終ったために、これに対する関係者に対してどういう措置をとられたか。  それからもうつは、五万頭というような膨大な数字、今となってはこの条約から見ると、きわめて膨大な数字になっていると思うのです。ということは、この条約が実行されれば、初年度は四千頭というような十分のくらいの数字になってしまうわけですが、五万頭というような膨大な数字を日本政府が関係者に狩猟の計画として出させるということ自体、何か根拠があったのかどうか。根拠なしにこういうことをやられたとするならば、この条約を締結した現在においては、これは無謀であったということにもなるわけだと思うのだが、こういう点はどういう経過になっておるのですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 条約交渉におきまして日本側が主張いたしました頭数は三万頭でございました。しかしながら、これはあくまでも条約交渉におきまする日本側の主張でございまして、ただいま御指摘のございましたように、五万頭も海上猟獲をやる、あるいはまた五十隻の海上捕獲のための船を出すというふうなことは、政府として指導し、計画いたしたことはございません。しかし、東北地方におきまするイルカ漁業者が不断にオットセイの解禁を要請して参ったのでございまして、自発的にイルカ漁業者の方からそういう計画が出て参ったように、私当時まだ水産庁におりませんでしたけれども、そういうふうに承知をいたしております。またイルカ漁業者に対しましては、水産庁として、イルカ漁業の経営に必要な資金の融通等について援助をいたしたことはございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 そうすると、五万頭というような数字、五十隻の船というようなことは、こういう計画それ自体、こういう数量については、政府としては何ら関与しない。しかし、そういう要請を政府はしたことはあるということになりますが、いかがですか。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 条約交渉の際、五万頭ではございませんが、ただいま申し上げました数量の要請をいたしたことはございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 いや、私の言っているのはそういう意味じゃなくて、関係者の話を聞くと、政府の方から五万頭、五十隻といってきた、だから作ったのだ、こういうのですよ。あなたの方はそういう膨大な数字を要求したことはないというのだが、しかし五万頭でないにしても、関係者に対して何万頭かとれるのだ、あるいは調査の船を準備しろ、これは五十隻でないにしても、五隻作れとかなんとかというような、そういう何らかの要請を日本国内の関係者に、いわゆる政府として指導し、あるいは指示をしたことがあるかどうかということを聞いておるのです。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 政府といたしまして、関係漁業者にそういう指示をいたしましたことはございません。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 これはあなたはいらっしゃらなかったから御存じないようなんだが、どうも政府としてそういう指示をしておったらしい事情が私には見えるのです。それはその当時水産庁長官室において前谷長官、岡井次長―岡井次長というのは今の長官だろうと思うのですが、増田生産部長、藤永調査研究部長、丹羽海洋第一課長協議の上、組合役員幹部と石手県漁政課長同席の上協定を行なった、このようになっておるのです。こういう事実もあるし、しかもそれだけではなくてこれは文言だけだと言えばそれまりだけれども、この協定に基いて実際船が出せなくなったので、岩手殖産銀行から金を融資させてやっている、これを水産庁があっせんをしている、こういう事実があるわけですね。こういう事実があったのは、やはり政府側がこういう調査船を出すことについて何らかの指示をしない限りにおいては、なかなか今の役所というのは、何でもないのに金を貸して、やれというようなことを言うはずがないので、何かこういう責任を負わなければならないような事情があったから、こういうことをやったのじゃないかと思うのだが、この点はどうなのですか。今お答えできなければ、私この次にやりますからそのときでもけっこうです。

奧原日出男農林事務官(水産庁次長)

○奧原政府委員 私の承知しております限りにおいては、イルカ漁業者の諸君に対して岩手殖産銀行から金を借りる世話をした、これは、漁業者に対して水産庁がその経営に必要な資金の融通をあっせんするようなことは、しばしばあることでございますが、ただいま御指摘のような事実、非常に具体的に出ておりますので――私の承知しておる限りではそういう事実はなかったように聞いておりますけれども、なお関係者の名前も具体的に出ておりますから、関係者についてよく取り調べます。

岡田春夫日本社会党

○岡田委員 その点は全体として伺っていきたいと思うので、またこの次のときに私やりますから…。  それからちょっとさっきの調査で忘れておったのですが、大体日本の国内における組合員といいますか、関係者といいますか、オットセイをとる人、それからどのくらいの船があるのか、こういうような点なんかについても、一緒に資料としてお出しいただいてけっこうでありますから、この次のときまでに一つよろしく資料として提出されるようお願いします。

野田武夫自由民主党

○野田委員長 ただいま岡田委員の要求しました資料は、なるべくすみやかに取り調べまして御提出願いたいと思います。  次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十三分散会

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