外務委員会 第10号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/03/13
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約の批准について承認を求めるの件を議題といたします。 本件につきましては別に質疑もないようでありますので、これにて本件に関する質疑を終了することにいたします。 なお本件については討論の通告がないようでありますから直ちに採決いたします。 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約の批准について承認を求めるの件を承認すべきものと議決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって本件は承認することに決しました。 なお本件に関する報告書の作成は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議がなければさように決定いたします。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○野田委員長 それでは速記を始めて下さい。
○野田委員長 次に国際情勢等に関する件について質疑を許します。須磨彌吉郎君。
○須磨委員 日ソ漁業交渉の最近の情勢が非常に不明確でございますので、ちょうど専門的な政府委員もおられることでありますから御説明を願いたいと思います。私の承わりたいことはどういう点できまるかきまらないかよりも、非常にわからないのは、その後一体どういう経過になっておるか、それからもう一つ重要なことは出漁期がだんだん近づいて参りまして、それとの間はもう幾らもなくなっておる。そうするとだんだん日本側に対しては不利な情勢になっておるのですが、そういうことに対してどういう手はずをとっておりますか、それを承わりたい。
○法眼政府委員 日ソ漁業交渉は現在までのところ本会議を十二回やっております。本日も午後三時から開会されるわけでございます。過去におきましては、本会議で一定の問題を小委員会にまかせまして、小委員会でこれを審議してその結果を本会議に報告するということであったわけであります。ところが小委員会におきましても双方の主張がなかなか学問的に一致していない点が多いものでありますから、結局本委員会におきましては一昨日双方の小委員会における報告をそのまま採択するということになりました。それで続行して、主として問題は総漁獲量の問題を審議したのでございますけれども、意見が合いませんで、それはしばらくおいでおいて、自余の議事日程に入るということで本日は自余の問題を審議することになっております。これはなかなか双方の主張が科学的であるという立場から意見が一致しない。これは今後とも意見の一致の打開をはかるために双方努力しておるわけでございますけれども、今までのところは解決の曙光がなかなか発見しにくいというのが事実でございます。しかしその後努力しておりますから、先の見通しをここではっきり申し上げる段取りにはなってない、そういう情勢でございます。
○須磨委員 もし最悪の場合これが小委員会等の議がまとまらずして漁期が参ったときにはどういう手はずがあるのですか。実際的な扱い方をお示し願いたい。
○法眼政府委員 実は最悪の事態を予測することはむろん大事でありますけれども、現在ではそういう事態を避けるためにできるだけ双方努力して、何とか一致点を見出そうということで努力しておるわけであります。従いまして御質問の趣旨はよくわかるのでございますけれども、今ここで最悪の事態になればこうするということでなく、最悪の事態を避けるために努力を続けておるということで、実は公国の討論では御了承をお願いいたしまして、しかし政府はむろんあらゆる場合を考えなければならないことは申すまでもありませんので、これは十分考えていきたい。しかしそういう事態にならないように何とか打開したいというのがわれわれ委員の念願でありますし、これは双方努力しておるわけであります。
○須磨委員 重要な問題でございますから、いろいろ双方において考慮を尽されておることは、もちろん想像にかたくないのでありますが、これは国家の大問題として考えますと、今回の新しい調印ができなかった場合には、去年の取りきめをそのまま続行するというような、これは条文にはございませんが、そういうようなことについて委員の間に意見の交換等があったことがございますか。それとも、そういうような心組みが双方に存在しておるのでございますか。それもあわせてお伺いいたしたい。
○法眼政府委員 これはいわゆる双方の了解というものに関する解釈が双方違っておりまして、われわれの方ではいわゆる了解なるものが、当時における先方の漁獲計画量を基礎にしているわけでありますから、先方の漁獲量が増加すれば当然変るものと考えているのであります。従いましてその事情を考慮に入れなければ今後働き得る取りきめにはならないという立場から、事実上先方は昨年の漁獲計画童の倍以上とっておるということは事実でございますので、そういう観点から両方とも納得する総量をきめようじゃないかということで議論が進められておるわけでございますけれども、先方はまた異なった解釈を持っておるという現状でそういった解釈をどうつじつまを合せるかということが大きい問題であります。現在のところは双方ともおのおのの主張を堅持しておるという現状でございます。
○須磨委員 私の質問は終りました。
○野田委員長 山本利壽君。
○山本(利)委員 それでは今の須磨委員の御質問に関連して続いてお尋ねいたしますが、大体北洋漁業の問題は、ソ連側においても漁獲する団体とかあるいはその装備というか、そういったようなものが、日本側に対抗するほどできておるのでございますか。それを尋ねるのは、もともとサケとかマスとかいうものの漁獲については、これをとり尽しては困るということが表面上も非常に言われていることで、そのことについては日本側も十分協力しなければならないと思うのだけれども、実際はそうではなしに、日本にはよけいにとらせないで向うでよけいとりたいというのが向うの業者の実情であるか、日本の方はそういう方面がどんどん拡大強化されていくからほおっておいたら日本がみなとる、向うは必ずしもそれほどとるのではないというような実情か、そこらのことをお伺いしたいと思います。
○法眼政府委員 第一に漁獲の方法でございますが、漁獲のやり方は日ソ双方根本的に違っておるわけでございます。日本側の方は沖で網を流してとるわけでございますが、先方は陸上近く網を張って待っているわけであります。従いまして漁獲の根本的なやり方が全然違うわけでありまして、現在のところは先方は、自分の方は公海ではとるつもりはない、こう申しておるわけでございます。従いましてそういう状況で違うわけでございますが、元来資源というものの見方には、日ソ双方とる魚の総量は、一体長きにわたって双方とも魚を十分とれるためにはどこに目安を置けばいいかということが根本問題であります。その根本問題につきましてわれわれの方では過去何十年かの統計的資料をあげまして、そういう実績をとっても実は魚は減っておらぬということ、先方はこれまた別の考えからこれを議論しておるわけでございまして、そこで幾ばくの資源をとれば今後とも同じ魚がとれるかということについては意見が非常に違うわけであります。そこでその問題が解決いたしませんので議論が彼此上下されるわけであります。それにつきましては今後とも魚を保存するということはむろん大事でございますので、双方とも共同で調査をしようということはお互いに必要を認めておるわけでございまして、両方とも学問的に確定し得ない問題が多いのですから、そこで一つそういう共同的の調査をしてだんだんやっていってきまっていく性質のものだ、今卒然として本年はこうなければならぬということは、双方とも独断は避けなければならぬという状況であります。そういう問題をめぐって実は議論が上下されておるわけであります。
○山本(利)委員 先年米国とカナダと日本とで漁業協定を結んだわけでありますが、百七十五度の線を引いて、それであれから向う五カ年間にわたってやはり今のような問題について資源の調査屈するということでありましたが、それ以後今日までの調査の結果がわかっておれば、大体でもけっこうですからお聞きしたい。
○法眼政府委員 日米加のやり方について実は私は詳細承知いたしませんので、これは他の機会にほかの方から説明を願いたいと思うのでございますけれども、今日米加の方も実は東京で委員会が開かれておりまして、御質問のような問題が審議されているのだろうと思います。
○山本(利)委員 それで今度の日ソ漁業問題に関する会議が開かれるについて、沿岸漁業の問題が非常にやかましくなって、その問題が取り扱われるのかどうか、取り扱ってもらいたいということを外務大臣に向ってここで質問があって、それは今度の会議の範囲内ではないけれども、その点については十分努力をするというふうなお答えがあった。ところがその後現地からも、先般ここへ参考人が見えて、そうしていかに歯舞、色丹あるいは南千島から引き揚げてきた漁民たちが困っておるか、沿岸漁業の問題について善処を願いたいということが、るる説明があってわれわれも非常にこの点については心を打たれた次第でございます。その後また引き続き私どものところへ、毎日のように根室の方面のいろいろな組合あたりから電報がきておるわけでございますが、この点について今度の会議の議題には上さないとしても、すでに両国は大使を交換しておるのであるから、それぞれの大使館を通じてでも、この問題については早く私は協議が遂げられなければならぬと思う。ことに歯舞、色丹は将来平和条約が結ばれたらはっきり返すといっているところである。で、そこら方面のコンブというようなものはこれは沖ではとれない、沿岸に行かなければとれない。しかもソ連側においてはコンブ等は要らない。とらない。いろいろな点から言って、日本側からこれをよく説明し、了解を求めたならば、私は大した不可能な問題ではないと思う。今、日ソ間は親善度を加えようとしているときであり、ソ連の側においても日本の国民が喜ぶようなことを、自分の方の損失がない範囲においては、これは喜んでやってくれるべきものであると思うのが私は常識であると思うのですが、この点について外務当局は現在どういう努力をしておられるのか、また今後どうしようとしておられるのか、ご説明を承りたいとおもいます。
○法眼政府委員 ご質問の点につきましては、この前当委員会におきまして外務大臣からご説明があった通りわれわれも考えているのでありまして、その外務大臣の答弁の趣旨に従いまして、事務当局はいろいろ準備をいたしております。ただ今回の委員会におきましては直接の議題でございません議題外であります。そこでこれは適当な機会に懇談をしたいという実は希望を持っておる次第でございます。今後どうするかということにつきましては、これはむろん門脇大使が着任早々でありますけれども、これは大使のいろいろなプログラムのうちに入っていることは申すまでもないのでございます。沿岸漁民のいろいろな御希望についてわれわれもしょっちゅう陳情を受けておりますし、その実情は十分承知いたしております。十分その点はわが方の希望を達成するために遺漏なきを期したいと思いますけれども、何分にも御承知のように、先方は平和条約ができれば返すと言っているのでありますが、現在は先方が占領いたしているという状況でありますので、いろいろな問題があろうと思います。しかしこれはできるだけのことをしなければならぬということをわれわれは感じている次第でございます。
○山本(利)委員 少し当局を追い詰めるような気はいたしますけれども、今のお言葉ではまだやっているというお答えにはならぬと思うのです。沿岸漁業なんか私自身、が直接強い陳情を受けたのも昨年の秋、現地を見に行って、そうして各地の組合の人たちのあるいは漁民たちが集まって、その非常な困窮の状況を説明もされ、実際にも見てさたのです。それですぐに外務省にもお願いをしたのです。これは今の漁業の会議が直接議題として扱わないということがわかっておるとすれば、その他でもやればやれるわけです。外務省にも相当たくさんな方がいらっしゃるわけであり、先方もまた相手をかえてそのことはやれると思うのですが少し手ぬるいように私感じるのですが、こんなものですか。一生懸命にやっておってできないというならば、私は了承できると思う。これは非常な問題でこっちも一生懸命でやっておりますけれども、これこれの理由でなかなか向うも強硬で話がつかないのだというならわかる。ことにわれわれ与党としては十分支援していかなければなりませんけれども、どうもさっぱりまだその沿岸漁業の問題については何もタッチしておられないような気分がするので、そういうところからこの間の現地からの参考人もずいぶん、幾ら陳情しても外務省の方は取り合っていただけないのだ、一体どうしたらよいのだろうかという意味の発言が非常にあって、今までわれわれが外務当局は努力されておるのだということを言うのと全然反対なことを向うは言って帰っていく。これでは私は日本の政治が日本国民に浸透していかないというふうに憂えるものでありますけれども、それに対してどうお考えになるか、もう一言御答弁を願いたいと思います。
○法眼政府委員 今、日ソ間の漁業委員会の交渉は実はいろいろな難問題をかかえておりまして、それを百方やっておるわけであります。われわれの計画としましてはそれが済んでから言うことがより適当ではなかろうかという考え方でおるわけであります。大体日ソ間の漁業交渉は、ある意味から言えばこちらが要求することが非常に多いわけであります。だからこれは話が済んだあとで取り上げる方が、実は議題の問題でもない関係から、より適当じゃなかろうかと考えておるわけであります。山本先生のお話につきましては昨年お話しになった当時から、伺ったことを十分私は覚えておるのでありまして、そういう立場から決してこれは無にしておるわけではありませんが、一応順序を立ててもらいたい、こう考えておる実情でございます。門脇大使もそれを十分努力して話をしておりますので、この八日に着任されたわけでございますから、順序から申せば、信任状を奉呈して、しかる後にいろいろの問題をお話しするという段取りになろうかと思います。さような意味で御了承を願いたいと思います。
○野田委員長 戸叶里子君。
○戸叶委員 関連して伺いたいと思いますが、これも漁業委員会の直接の問題でなくて、そのあとの問題になるかと思いますが秋田と青森と山形その地方に遠海漁業とか森林をやっておる人がたくさんいて、それらの方たちが労働組合を作って、北洋出かせぎ組合というようなものを作っているらしいのですが、そういう方たちが今日労働力が余って非常に困っているのです。ちょうど西ドイツの方にこの間たくさんの炭鉱夫の方が行われたように、ソ連の方にも行って、そして漁業、森林の手伝いができたら非常にいいというような希望を持っておられるわけであります。先ごろチフヴィンスキー氏がそちらの方を視察に行ったときにも十万くらいの労働力がほしいというようなことをおっしゃったそうであります。そういうふうな関係もありますから、何らかの機会にそうした人たちの希望が達せられるようなことを講じてあげられたらどうかと思うのですが、これに対してどうお考えになるでしょう。
○井上(清)政府委員 ただいまお話承わりました。よく一つ研究をいたしてみたいと思います。
○戸叶委員 研究することは大へんけっこうなのですけれども、研究するというだけでなく、お考えを伺いたいと思うのです。それに賛成をしていらっしゃるか、あるいは反対か、あるいは漁業委員会のあとで側面的にそういうお話を出してみるとかみないとか、根本的な考えだけ伺いませんと、研究だけでは心細いと思います。
○井上(清)政府委員 実はそういうお話を聞いております。これは一部の人が何かそういうことの目的のために運動資金を集めてやろうじゃないかというようなことをやっているというお話は聞いたのでございますが、私どもでもこの間からそういうお話があるがどうだろうかということで検討は加えております。どうもソ連のいろいろな労働条件その他が不明確な点もございますし、また何分従来そうしたことを国としてあっせんをしたような事例も、西ドイツに炭鉱労働者を送った例が一つあるだけでございまして、きわめて慎重に考えなければならぬ問題だ、かように思っておるわけであります。とくと研究したいと思います。
○野田委員長 松本七郎君。
○松本(七)委員 先ほどから、重要な日ソの問題は門脇大使着任後にやりたいというような御意向じゃないかとうかがえるような節があるのですけれども、たとえばこの前から問題になっているはっきりした文化協定などは、いずれ門脇さんが行かれてそれからだんだん話が始まるのだろうと思いますけれども、ソ連側ではしきりにいろいろなバレエだとかヴァイオリン、だとか、音楽家、舞踊家、いろいろなものを日本によこそうという準備は進めているわけですね。ところが聞くところによると、文化省の次官ですか、ステパーノフ、この人がそういう日ソ間の文化交流を促進する役を負って、さしあたり日本に来て、そううい問題を一切話し合おうという趣旨で来ようとしておる。ところが査証が何かなかなか日本側からおりないで困っているという話を聞くのですが、それはその後どうなっているのでしょう。
○法眼政府委員 査証の問題は日ソ間の国交が再開されたわけでございますから、これを不当に押えるという理由は何らないのでございます。ただ査証を出すためには、形式を整えてわが方の出先に申請して、形式が整っておるということでなければ、実は手続上工合が悪いので、お話のような点は、もしおくれるとすればそういうようなことに関係があるのではなかろうかと思われます。そこで一定の査証の規定がございまして、その規定の範囲内であれば、特にソ連だからおくらすということは全然ないわけでございます。
○松本(七)委員 ステパーノフには何かそういう形式的な不備があったのですか。非常におくれているらしいのですが。
○法眼政府委員 実は私今お話の問題はちょっと記憶いたしませんので、さっそく調べますけれども、しかし特別におくらす理由はないものであるということは間違いないわけでございます。
○松本(七)委員 これはだいぶ前ですが、非常におくれているというので、私は大野次官にもこのことを申し上げて、それは別に返事が大野次官から来ました。大した支障はないはずだからという返事があったのですが、いまだにどうも出ないらしいのでさっそく一つ調べていただきたい。 それからもう一つはこういう機会があったら伺いたいと思ったのですけれども、これは田中局長の方の関係になるかどうかしりませんが、目印の文化協定を今審査中ですけれども、インドは最近非常にいい映画を作っておるのだそうです。日本にはインド映画を入れるのは非常に困難だという話も聞くのですけれども、日本人で外国でインドの映画を見て、たとえば「二反歩の土地」とかあるいは「放浪者」というような非常にすばらしい映画で、ぜひ日本にも入れたらどうだということを世間でも言っておるのですが、インドの映画を入れるに何か特に困難な事情があるのでしか。
○田中(三)政府委員 映画の輸入につきましては、一般に大蔵省で外貨の割当が行われておるわけでございますが、それ以外には何らの制限を加えておりません。従って日本のそういう輸入権を持っておる業者がそれを輸入しようということになれば可能なはずでございます。われわれとしては何ら手を加えておりません。
○松本(七)委員 何か日ソの国交回復を契機にしてソビエト映画でも世間では入れたい気持はあるけれども、実績主義というか過去の実績にこだわられるものだから、ワク内でソ連映画をふやすということはなかなかむずかしいようなのですが、外務省としては何かそういうことに特別に力添えを願うというようなことはできないものですか。
○田中(三)政府委員 実はソ連の問題は最近日本に映画を輸入したいという希望はわれわれの方にも来ておるわけですが、その他のヨーロッパ諸国からももっと自国の映画を日本に輸入してもらいたいという陳情は従来もたびたびあるわけでございます。そこでそういう際には一応その旨を大蔵省の方には通じてあるのでございますが、今申しましたような関係でどの国から何本輸入するというふうな特定の割当の基準がございませんので、今のところドル地域と非ドル地域とに分けて外貨の割当が輸入業者に与えられておる、その割当を持っておる業者が自分の判断で適当と思うものを売買契約で輸入しておるわけでございますので、一応そういう取次はいたしておりますが、それ以上のことは、従来もわれわれあっせんいたしましたけれども、効果は出ておらないのでございます。そういう実情でございます。
○松本(七)委員 それから逆に日本が、外国に日本を紹介する意味で外務省としては映画活動を活発にやるという計画があるように聞いたのですが、これは大へんけっこうなことだと思うのです。在外公館に送る映画については十分研究しなければならぬと思いますけれども、やり方はいろいろあると思うのです。一応一本ぐらい一試作して、それを送ってその反響を見てからやるとか、あるいはできるだけたくさん作って送って積極的に活動してやるという、予算の関係その他でなかなかむずかしい問題もあるのでしょうけれども、どういう方針をとられるおつ去りですか。私どもがほかの国の映画活動から考えると、一本代作してもそれが当るということはなかなか少いので、できればたくさん記録映画でも何でも作って、どんどん在外公館に送る、そうすると映画が来ることによって日本の在外公館は活動が活発化するのですから、そうやって活力を開始しておるうちに、だんだんいい映画もできるようになるし、日本も紹介されるということになって、私はその方が得策だと思うのですが、そういう基本的な方針もきまっておるのでしょうか。
○田中(三)政府委員 私も今おっしゃるような方針によるのが一番いいと思うのでございますが、何さま予算の制限がございますので、たとえば今御審議を願っております予算の中で、われわれが一応もらうことになっております映画関係の費用は、一千五百万円でございます。できるならばこの一千五百万円を製作費に充てたい。その半額は移住関係の映画に発てまして、これは国内啓発に使うわけであります。従って残りの七百万円余りを対外の啓発用の映画にといたしますと、わずか二本しか作れないわけでございます。こういう実情ではとうてい今お話のような御趣旨には達しませんので、他に報償費から同額くらいをいただきまして、そして百五、六十本のものを他の団体、いろいろな国内の経済団体あるいは会社等で作っておりますし、文部省もそうでございますが、そういう他の役所とか民間で作っております映画の中で、優秀なものを買い上げると同時に、できるならば寄贈も受けるということによって、年間十種類くらいのものは在外公館に送る、もちろんコピーをとって送るわけでございますが、そういう計画を立てておるわけでございます。年間においてもまだまだ足りないのでございますけれども、月に一本平均くらいずつの新しい映画が、日本の紹介のための映画が出ていけば、まあまあ、不十分ではあるけれども、一応の目的を達するのじゃないかということで、そういう計画を進めておるわけでございます。
○岡田委員 今映画のお話が出たので、二、三関連して伺いたいのですが、きょうは経済局長が見えてないのでちょっと残念だけれども、これは政務次官から伺います。これは映画関係のみならず、この為替関係を見ると、大体ドル・ブロックとかスターリング・ブロックというか、いわゆるポンド・ブロックとかいうような分け方をしているのですが、従来映画の問題でも、今問題になったように、ソビエトの映画が入らない。ソビエトはドル・ブロックに入っておるわけです。そういう意味で、ドルの上でアメリカとソビエトは平和共存しているわけなんだろうけれども、実際にはソビエトの映画が入らないというような実情になるわけなのです。ところが日ソ交渉はこういうように妥結され、チェコの国交回復はでき、ポーランドも国交が回復するということになると、為替管理上からいっても、いわゆる社会主義国家といいますか、そういう陣営の何らかの為替関係の新しい取りきめというか、新しい構想というか、そういうものが私は必要になってきているのじゃないか。 〔委員長退席、須磨委員長代理着席〕 そうでなければ、そういう国々との貿易を発展させるという面でもいろいろな点で障害になってくるのじゃないか。ドル・ブロックの中に入っていることによって、むしろ日本が意図しないにもかかわらず、ドルの力によって、その貿易というものがやれないというような場合が出てきているのじゃないか。こういう点からいって、いわゆる対社会主義陣営との交流、貿易交流、経済交流、こういう関係に対する為替心理上の問題について、外務省としてはどういう点をお考えになっているか、現在のところ研究をされているのか、あるいはまだ御研究になっておらないのか、あるいは大蔵省と話をされているならば、そういう点についても承わっておきたいと思います。
○井上(清)政府委員 岡田委員から、大へん専門的な御質問を承わったので、私のお答えがどうも的を射てないかもしれませんが、その点はあしからず御了承願いたいと思います。 現在の外貨のいろいろな割当が、文化の交流の上において、また交易の上において、いろいろな支障を来たしている点があるのじゃないかという御趣旨であったと私は思うのであります。現在これは映画のみならずいろいろな問題について、ドル地域、グローバル地域と申しますか、これと非ドル地域の二つに分けてやっておる。ドル地域の中において、ドルを交易なり文化交流の媒体といたしておりますために、いろいろな支障があるのじゃないか、こういうようなことでございますが、特に現在までの状態をいろいろ見 おりますと、アメリカのドルがアメリカの通貨である関係から、アメリカの力がそうした交易なりいろいろな点に非常に力強く及んでそのためにいろいろな障害があるというような事実は、私ども今のところ認めておりません。しかしこういう問題については今後十分検討しまして、いろいろな問題に支障のないようにわれわれは検討を加えなければならぬと思いますし、今後のわが国の為替政策の問題としては大蔵省ともよく連絡をとって、十分一つ検討しなければならぬ大きな問題と私は考えております。
○岡田委員 今、支障がないというお話でしたけれども、実はこの問題はチェコ及び。ポーランドとの国交回復の条約が出たときに少し伺おうと思っていたのです。ですから、少し御研究願いたいと思いますが、映画の面でも事実上ドル・ブロックに入っていることによって、非常に支障が出ているわけです。というのは、日本の映画の輸入業者はほとんどアメリカの輸入業者が独占している。アメリカの業者が日本におって、輸入権を握っているわけです。それによってアメリカの映画を独占的に入れているわけです。従ってそのドルで、これだけのドルの割当の中でどれを買ってもいいわけですから、アメリカの業者はアメリカのフィルムをどんどん入れて、そのドルを全部使い果してしまうから、ソビエトの映画は入らない。しかもアメリカの輸入業者が日本のドルの総ワクの中で占めている地位というものは、圧倒的に大きいわけです。そうなれば日本の輸入業者が入れようとしても、ソビエトのフィルムを入れられない、こういう問題が出てくるわけです。こういう点からして、ドルの支障という問題が実は出てきているわけです。これは今答弁願いたい。 それからもう一つは、先ほどの松本君の御質問に関連しますが、私どこかで聞いたのですが、例の問題の旅券法十五条に基く閣議の決定事項がある。この決定事項はわれわれはもちろん反対ですけれども、この閣議決定事項は、日ソの国交が回復した後においては、ソビエトに対しては閣議の決定事項を適用しないことに決定したというように、私は了解しておるのですが、この点はいかがになっておりますか。これは非常に重要な点なので、ぜひ政務次官からはっきりした御答弁を伺っておきたいと思います。
○井上(清)政府委員 ソ連関係の旅券の取扱いの問題でございますが、現在は、国交回復した今日におきましては、他の国と同様の取扱いになっております。
○岡田委員 それでは、この点重要ですから、これで最後にしておきますが、閣議の決定事項というものは、対ソ連並びにチェコ、ポーランドももう国交が回復するわけですから、この国交が回復して批准になりました後においては、この三国には適用しない、それ以外の社会主義諸国に対しては適用しても、この三国に対しては適用しないということを、もう一度、確認しておきたい。
○井上(清)政府委員 今お話のありました通りでございます。 —————————————
○須磨委員長代理 次に、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に関しましても別に質疑の通告がないようでありますので、これにて本案に関する質疑は終了することといたします。 なお本案については討論の通告がございませんので、直ちに採決いたします。 本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○須磨委員長代理 御用、儀なしと認めます。よって本案は原案の通り可決いたしました。 なお本案に関する報告書の作成は委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○須磨委員長代理 御異議がなければさように決定いたします。 この際十二時四十分まで休憩することといたします。 午後零時二十二分休憩 ————◇————— 午後零時五十一分開議
○須磨委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 国際情勢等に関する件について質疑を許します。大西正道君。
○大西委員 私は澤田国連代表に対して国連の事情を少しお聞きしたいと思います。特に澤田代表は、原水爆の問題、すなわち原水爆実験登録制の問題についていろいろと御奮闘下さいまして、この点についてはその御苦労を多としております。 しかしながら新聞その他の報道機関の報ずるところによりましても、そのいききつが十分わかりません。従いましてどういうふうな審議の経過を経たか、そういうことをお伺いいたしまして、後ほどまた大臣等に対する質問の資料にしたいと思います。 御承知のように、原水爆の実験禁止の国民の輿望は非常に高いのでありまして、国会におきましても、その禁止の決議をいたしております。国連のヒノキ舞台におきましても、必ずわが代表はこの国民の禁止の輿望にこたえて何らかの結論を得てくれるものであると期待をいたしておったのでありますが、一応国連総会の終りました今日、その成果としてはほとんど見るべきものがございません。特に国民の要望は即時禁止であります。そのために現地のクリスマス島にすわり込み船団を送るというような悲壮な状況も今起りつつあるのであります、が、国連におけるわが国の代表は、むしろ登録制にというような提案をされたのでありますけれども、これはどうも日本国民の要望とはかなりかけ隔たったものであると用います。どういういきさつがあってこういう結果になったか、この点を私どもは明らかにしたい。出先でありますから、おそらく本国からの訓令に従っての御行動であろうと思いますが、また現地のいろいろ複雑な事情もございましょうし、そういうふうなところをまずお聞きしたい。岡委員があとで詳しく御質問になりますから、私はごく簡単にその登録制に至るいきさつをお聞きしたいと思います。
○澤田説明員 ただいまのお話の点は、もちろん日本代表団において十分心して動いたところでありましたが、即時全面禁止という問題は、従来の国連における経緯からかんがみて、また今回日本代表団が原水爆を持っておりまする国の代表団に接してみましたところからいたしまして、彼らの間でどうしても成立しない。ということは、紙の上で即時全面禁止ということをあそこで決議しても、隠れてやるのを監視するだけの科学の発達がないというのです。つまりそれの監視、探知の手段が科学的にまだ発達してないから、それは全面禁止するといっても実施できない問題だというのです。そこでわれわれはそういって科学の発達を待っているうちにわれわれの生命、われわれの健康は、常に危険にさらされるということになるのではないか。われわれは科学の発達を待っておるわけにいかない。人類は科学の奴隷ではないということを私はあの場でも言ったのでありまして、科学はわれわれの駆使すべきものである。しからばその駆使すべき科学によってやり得べきところからやろうじゃないかということをあのときにも言ったのでありますが、それはむろん訓令に基いてやったわけでありまして、これはノルウエーの代表団、カナダの代表団あたりにおいても、即時全面禁止ということは言うべくしてなかなか決議に達しがたいから、手をつけ得る方面からいこうじゃないかということを、かねがね先生たちも一言っておったのであります。そこでノルウエーとカナダと相談の結果、ああいう決議案を日本の提案として、二国の賛同を得てやったわけなのであります。しこうしてあの中にも言っております通り、われわれの究極の目的は、即時全面撤廃ということにあるのだけれども諸君がどうしても聞かないから、手をつけ得る方面から、実際的な方面からまず一歩踏み出そうじゃないか。そのためには届出制、登録制ということでいこうじゃないかというつもりで、訓令に基いてあの提案をしたわけであります。
○大西委員 この届出制が果して全面禁止への一つの段階であるかどうか、こういう問題はここで私は触れないでおきます。それはあなたの立場が、そういうことについて私がお尋ねする立場ではないからです。ただ私はいろいろな報道を聞きますと、この原水爆即時禁止の国民の声に対して、本国政府の出先に対する訓令が非常に消極的であって、むしろ触れないでくれというような意向があった。そのために出先ではそれらの問題についての非常な御心配御苦労があった、こういうことを私は聞いておるのでありますが、その辺はいかがでしょうか。
○澤田説明員 私のもらいました訓令にはそういうことはありません。むしろ禁止に対しては強力に進めるためにあらゆる機会をつかめということを私は示されておりました。
○大西委員 せっかくあなたが熱を入れて登録制の主張をなさったのでありますが、あなたの一月十六日の演説では、この登録制の問題は総会において審議され採択されるべきであって、軍縮小委員会というようなものに回されるべきものではない、こういうふうな主張をなさったそうでありますが、私は次善の策としては、それは当を得た主張であろうと思うのでありますが、結果はそのようになっておりません。これはどういういきさつによったのか、またあなたの御見解をこの際開いておきたいと思います。
○澤田説明員 お話の通り、私の提案は、この問題を軍縮委員会もしくはその分科委員会に委譲すべきものにあらずして、この総会においてきめてもらいたい。そうして幸いに国連の中に原子力に関する一つの機関ができておりますから、もちろんこれは原子力の平和利用に関する機関ではありますけれども、私はそこにひっかけたのです。この機関において勧告しながらやってもらって、軍縮委員会の方からは、全般の軍縮問題とは違った問題であるのだから離してもらいたいということを述べて、大いにそれで論を推し進めるつもりであったのであります。ところがそうだからむろんわれわれの提案も、最後にはこれを表決に問うというところまで決心してやっておったわけであります。ところが一方に例の今採択された決議ですね。何と申しますか継続審議といったような性質のものが出てきたときに、どうも私は表決にこれを押して果して通るかという非常な不安を抱きました。ということは、われわれと共同の提案をいたしましたノルウエーにしてもカナダにしても、君が表決にまで押すというならばとめはしないよ、こう言うのです。やってみろとも言わなければ、われわれもそれを押すからとも言ってくれない。とめはしないというのです。共同提案者であったカナダ、ノルウエーがそういう態度であるものでありますから、ほかの国もやはりその継続審議の方にだんだん傾いていく形勢が出てきた。それにもかかわらずなお私は最後に一つ押そうかと思ったのです。まるで竹やりで最後の決戦をいどむようなはなばなしいところをやってみたいように個人としても思いました。けれどもそういう悲壮な最後を遂げた日には、そこでボート・ダウンされた日には、もう何も言えないじゃないかというところに一歩立ち返って考えたときに、ここで討ち死にして、そうして発言の機会が少くなるか、もしくはなくなるよりも、永久にわれわれは発言する機会を確保するという道を選ぶべきじゃないか、こういう考えで代表団で相談いたしました結果、継続審議、今軍縮分科委員会に移り、さらに軍縮委員会に移りさらに進んではこの秋の総会でもってもう一ぺんまたこの戦い得るという機会を確保していくことが必要じゃないか、こういう見解のもとに継続審議の決議に賛成したような次第であります。
○大西委員 今のあなたのこの際討ち死にするよりはとおっしゃる判断ですが、やはりこれを断行された方が、結果から言えばよかったのではないかと私は判断いたします。しかしこういう価値判断は後の問題にいたしましょう。私のお聞きしたがったのは、あなたが果して通るか通らぬかというような判断をなさるその状況です。各国の、特に米国の動きがどうであったかということを実はお聞きしたがったのです。しかしこれも時間の関係でここでは申し上げません。ただあなたの方では軍縮小委員会にかかるということに、将来また総会へ持っていけるということに非常な期待を持っておられるようであります。私はその辺の事情はつまびらかにいたしませんが、軍縮小委員会に多くの議案があるじゃありませんでしょうか。そういう場合に一体どれだけの議案があり、そうしてこの議案がいつごろ審議に付されるか、そうして結論はいつごろ出るか、こういう見通しがなければ、従来の軍縮小委員会のいろいろな議事の運び方を見ますると、ほとんどこれは審議未了で、まあ廃案になったような、たなざらしになるような種類のものが多かったのではないかと思う。今次の総会で持ち出すと言われましたが、その辺の議事の手続上の問題、見通しはいかがなものでございましょうか。
○澤田説明員 軍縮委員会の方に委譲しました決議の最初に、すみやかなる検討を加えろということを勧告しておるのでありますが、その劈頭に日本の提案ということを入れてくれておるのであります。それで、その決議案を出すときにアメリカの代表団とも話しました結果、かくのごとくわれわれも日本の提案というものに重きを置いているのだ。ソビエトの提案もあり、そのほかの提案もありましたが、日本というものをここに第一番に出してきている。そうしてこれに対してプロンプト・アテンションを与えるということを勧告する。これでもってもわれわれが日本の提案に敬意を表しておるということを了解してくれ。これはその委員会においてどうなるかわからぬ問題だといえばそれきりでありますけれども、少くもアメリカとしてはそれだけのことを言いまして、その提案をするときに、アメリカの代表がこの委員会でもってその決議案の説明をしまするときに、日本の提案のまことに聞くに値するもののあることを述べて、つまり最初の注意を日本の提案にまず第一に与えろという意味で、ここに例示した中に、日本が一番先に来ているのです。
○大西委員 まことに自信をお持ちのような発言でありますけれども、私は今の説明の範囲では大きな期待が持てないように思います。今までのいきさつを見ますと、非常にこれは残念なことであると思います。あなたのお見込みでは、この次の総会において何らかの結論は出せましょうか、どうですか、この点は……。いきさつ等は一応抜きにいたしまして、あなたの見込みを一つ簡単におっしゃっていただきたい。
○澤田説明員 幸いにこの問題につきましては、国連の外においても、やはり日本の提案というものに耳を傾けるべきではないかというようなことを、ロンドン・タイムス、マンチェスター・ガーディアンも述べておるようなことでありまして、われわれは外からの世論の高揚に努めて、そうして今度の総会において、私だけの考えでありますけれども、われわれは分科委員会、軍縮委員会がほんとうにまじめに取り上げてくれると思うからこそ、これに委譲するということに賛成したのであります。この結果は何であるかということで、今度の総会においてもっと力強い発言ができる、こういうことを私は考えております。
○大西委員 それでは世論の大きな盛り上りをあなたは期待されるわけですね。それから私がもう一つお聞きしたいのは、この一月の十四日にソ連の決議案が出ておりますね。これは日本の国内での世論と、私は表現においては全く一致していると思うのです。重光さんが国連に加盟されましたときの演説におきましても、その他の外交方針におきましても、イデオロギーとか政治体制の問題は、これは問題にせずいくというようなことが述べられておるのですが、私はこのソ連の提案というものは、その底意をそんたくいたしますれば、いろいろの解釈ができますけれども、私はこの提案で、日本側といたしましては、この問題に限っては完全に利害が一致していると思うのです。私は勇敢にこれに賛成をすべきであったのではないか、こういう気持を今持っておりますけれども、いろいろとその奥深い憶測は別といたしまして、あなたは今ああいう提案がこういう運命に立ち至った現段階において、やはり日本ももっと国民の世論をすなおに聞き、即時禁止の線で単独に提案していくか——そうしてインドなんかの発言を見ますと、インドなんかはむしろ日本の国連におけるあなたの提案については、なまぬるいというようなことを言っております。おそらくは私はアジア・アラブの国々の多数の賛成を得られたのではないかと思うのですが、たまたまソ連の提案というものが、私はこれと軌を一にしておると思うのです。こういうことについてやはりこの際は、はっきりとした線を打ち出す方がかえってよかったのではないかというふうにお考えになりませんですか。
○澤田説明員 ソ連の提案につきましては先ほども申しましたように、またお説のように、いろいろあの提案の理由について国連内でも憶測が行われておりました。ただだれもできないものを掲げて、そうしておれはやっているけれどもみなついてこないじゃないかという宣伝用に使うのだというようなことすら言う人もあるのでありますが、根本は先ほど私が申しましたように、ほかの原水爆を所有している国が、実験のディテクションということに対して、科学がまだ進歩していないから、ソ連の提案に同調できない、どうしてもソ連の提案を表決に付してもボート・ダウンされる運命にある。われわれ日本代表団ではそう見たものですから、今の登録制ということに落ちついたわけであります。
○大西委員 この問題については大いに意見があるのですが、これはあなたに申し上げてもしようがないからもう一つだけ聞きまして、あとは岡委員にしていただきますが、これは新規加盟の問題ですけれども、直接これはあなたがその部門を担当されましたかどうかわかりませんが、韓国と南ヴェトナムの加盟について、この問題は議題になりましたのですか。
○澤田説明員 なりました。
○大西委員 その場合、日本代表はどういう態度をとりましたか。
○澤田説明員 今までのこの国々についての加盟のいきさつがいろいろありまして、そうして……。
○大西委員 簡単にそのことだけでけっこうです。どういう行動をおとりになったか。
○澤田説明員 われわれはすみやかにこれらの国も加盟国となって、われわれと手を携えてこの舞台に出てくれることを望むということを申しました。
○大西委員 それは趣旨はそういうことですが、議事の手続としてはどういう方法をおとりになったのですか。この二つの国が新規加盟の提案をされたときに賛成をされたのですか、それとも米国その他がこれらの新規加盟ということに対して申請をしたときに、その署名国となられたのですか、これはどうですか。
○澤田説明員 これはただ賛成しただけであります。
○大西委員 賛成しただけで間違いはございませんですか。その提案国になったのではございませんか。
○澤田説明員 共同提案国になりました。
○大西委員 そうでしょう。あなたは間違っておることを言われた。
○澤田説明員 私はそれに出なかったものですから、どうも大へん失礼いたしました。
○大西委員 そうしますと共同提案国になったわけですね。それは本国の政府の訓令に基いたのですか、それとも出先での判断で、そして事後の承諾を求めたのですか。
○澤田説明員 むろん本国の訓令に従ってやりました。
○大西委員 私の承知しているところでは、十一総会に対するわが国の態度という訓令が出ております。それによりますと、分裂している国はその分裂したものを固定化させるおそれがあるから、これに対しては審議は延期を第一とする、こういうふうに言って、そうしてもしこれらの国々が表決に付された場合には、韓国、ヴェトナムに対しては賛成、それから北鮮、北ヴェトナムには反対する、こういうふうにして、賛成というだけの訓令であったと思うのですけれども、あなたのお答えは提案国となれという訓令であったというふうにお答えでありますが、私はこういうことを一応資料として申し上げて、なお、前の確認を求めておきます。そうしてこの問題はまた後ほど大臣に質問をいたします。
○澤田説明員 原訓令はそういうふうでありましたが、あの発言をする前に電報でもってあの加盟委員会における日本委員としては次の通りの発言をせしむるということを電報いたしまして、その訓令によってやったものであります。
○須磨委員長代理 岡良一君。
○岡委員 それでは、あらかじめ政府にお願いしておきますが、ぜひとも、この国連のわが代表から、原水爆の共同決議案の提出についての請訓並びに訓令の内容、これを一つ書類をもって一応御提出を願いたいと存じます。 そこで澤田さんにお尋ねをいたしたいのでありますが、この問題は別に澤田さんをきめつけて、責任を追及しようというわけでお呼びしたわけではないのでありまして、ただ原水爆の問題は、大きな最高の国策とも申すべき問題でもありますので、特に初めて加盟したわが国が国連において、しかもあなたを中心としてお取扱いになった経過と、できたらまたあなたの率直な所信を承わりたい、こう思っておるわけであります。 そこで一番最初に、澤田さんは御存じだと私は思っておりますが、昨年二月衆参両院では原水爆の実験禁止の要請を決議いたしております。しかもこれは国連を通じて関係各国に通達するという手続を外務省でもとっておるわけでございますが、そういたしますと、今度のいわゆる登録等を含む決議案の内容というものとは全くこれは一致しないものになってくるわけなのです。ここに私どもも一まつの疑義を持っておるのでありますが、この点を簡潔に明らかにしていただきたいと思うのであります。
○澤田説明員 先ほども申し上げました通り、即時全面の撤廃ということがわれわれの終局の目的であるということは、私もあそこで述べまして、これを述べることは、日本国民全体に対する自分の義務であると信ずるというふうに述べたのでありましたが、それは先ほども申しました通り、究極の目的はそこにあるけれども、どうもそれではみんなが動いてくれぬというところでもって、手をつけ得るところからいこうじゃないか。それだからして原水爆実験というものを認めるとか認めぬとか、そんなことにちっとも触れないで、できるところからやろうじゃないか、またそういってもやる連中はやっているのでありますから、そこでやることによって被害を僅少ならしめるためにやる前にはこれを届け出る、やったあとはみんながこれを検討して報告するということで、この人命に対する、また今は放射能の降下物が人命並びに健康に危害はないとしても、この間の原子学者の発表によりましても、十年後にこれが蓄積せられてどこへ落ちてくるかもわからない。われわれの次の世代に対するわれわれの責任からいっても、まず手をつけ得るところからやろうじゃないか、こういうつもりであれをやったのであります。
○岡委員 一月の七日にクリスマス島で一連のメガトン級の、しかも高空爆発による水爆の実験をやるということが西大使に発せられております。そこで十八日に共同決議案に参加して提案をしておる。その内容は、言ってみれば現在のところはやるなと言ってもいたし方がないから、一応実験はよくないものとして認めるという態度を国連で表示したものと考えられます。そうして三十日にはクリスマス島をやめてくれ、こうも言っておるわけです。これは私ども率直に言って、原水爆に対する対策の態度について首尾一貫を欠いておるのじゃないかというふうに思うのですが、この点は澤田さん、いかがでありますか。
○澤田説明員 この点は一つ政府に確かめていただきたいところでありまして、私はあの場合には認めるとか認めぬとか言わぬで、できるだけやろうじゃないかこれに至急であったものですから、それでいったのです。そのあとの矛盾しているとか矛盾していないとかは政府に一つ……。
○岡委員 私の、質問の的が澤田さんではなかったわけでありますから、いずれまたあらためてただしたいと思います。 そこで結局この提案は、現在のところでは余儀なきものとして一応実験は認める。しかし段階的に、終局的には全面的な禁止にまでいきたいものであるということでございますね。そこで登録をする、そうでなければ今直ちにやめろといっても、やめてくれないのだ、こう判断をせれられたその基礎は、どういう事実についてなのですか、これを簡潔にお願いしたい。
○澤田説明員 それは今までのいきさつからいたしまして、単に軍縮の関係のみならず、世界が二つの陣営に分れて、そうして冷たき戦争を続けております結果、どっちともそこに突っぱりを持ってとても賛成してくれないというので……。
○岡委員 その点わかりますが、外務省からいただいた資料によりますと、この原水爆に対する大国の意思というものは、私は非常に変化してきておると思うのです。一月の十四日に、冒頭米国代表が提案をいたしておりますが、その中でも有効な国際的監督のもとに将来生産される核物質はすべて平和目的に云々され、しかもこの協定が成立し実行されるならばあらゆる原子核実験は制限し、終局的にはこれを中止する。こういう提案をしておるわけです。そこまでは先ほど大西君も言われたような提案をいたしておるわけです。いわば原水爆の実験に対する少くとも米ソ両大国の態度は、実験をやめようという方向に向って原則的に一致しておるわけです。こういう情勢の中で、大国だから今言うてもなかなかやめてくれないから、一応登録制ということは、特に日本の国のいろいろな原水爆との関連からいいまして、なぜ登録ということで大きく退歩しなければならなかったか、その意味がわからないのです。情勢はここまで進んでおるのじゃないでしょうか。
○澤田説明員 ただいま申しましたこれは一般の国際情勢、政情ということからも考えなくてはならぬことであったのでありまして、そういう全般的な比較商量した結果、やはり私たちのとったところが最も実際的であって実現し得る道だ、こう信じてやりました。
○岡委員 とにかく今度のこの取扱いは、この共同決議案に参加されたという態度は、結局大国がなかなか承知しないだろうという大国の意思にいわば迎合しておるという傾向である。これは国民の大きな不満ではないかと私は思うのです。こういうことはあなたに申し上げても何でございますが、それでは登録とは一体何をすることですか。
○澤田説明員 それはこの国連に特定の機関——今あります原子力機関を用いるかどうか、特定の機関を設けて、それに実験の日時、あるいはそれに用いる原水爆の強弱の量とか、そして危険を防ぐためには、これの範囲には立ち入っては危険であるというようなことを、試験国の判断によってそれをまず届け出る。それによって現在何らそういう予告も届出もなく、ぽんぽんやっておるところがあるわけでありますから、いつの間にかやっておったということがあるので、その届出があれば、そのときにはそれに対する被害を受くべき国は、被害を僅少ならしむるための予防手段を講じ得る、こういうことができるわけです。
○岡委員 そうすると登録制を採用すべきであるというこの提案の内容は、結局いつ、どこで水爆の実験をやるか、どのような規模のものをやるか、またどのような方法でやるかということを国連に通告をするということでございますね。そうすれば昨年あるいは四年前にビキニやエニウエトクでやったときには、どこで、いつから、どういう規模のものをということは一応知らせてくれているわけです。クリスマス島のごときは、通告を見ると、実に厳密に知らせてきている。こういう手続をとってくれということでございますか。
○澤田説明員 あれが成立しましたあとで、その詳細についてはさらに相談しようということは、ノルウエー、カナダとも話をしておったところでありますが、大体において今のお話のようなことを考えておりました。
○岡委員 そうすると私は別にアメリカとかロシヤという考え方でものを言うのではないので、これは最も根本的な人道上の問題だと思ってただしておるわけです。そこでソビエトは無警告でやっております。去年の八月から五回もやっておるということであります。ところが米英は事前に規模から、時日から、危険区域の範囲から方法までも通告をしておる。米英はそれをやっているが、ソ同盟は無警告でやっているから、ソ同盟も事前に通告しろ、これがこの登録の具体的な内容になってくるわけですね、こういう趣旨でございますか
○澤田説明員 それは今申しました通り、決議成立の上で、直接被害をこうむると見るべき近接国のみならず、今のお話の通り、これは人道上の問題である。私をして言わしむれば、これは子々孫々に対するわれわれの責任の問題である。今後十年か十五年後にその降下物によってどういう被害をこうむるかわからぬということは、これは全人類が危険にさらされておる問題であるということを言っておりましたがゆえに、ほかの国からもいろいろその登録についての注文も出てくると思います。そういうものを総合して詳細なことはきめていくべきであるというふうには考えておりました。
○岡委員 問題はその登録ということを具体的にうたわれた以上、登録とはいかなるものであるかということがはっきり具体化されなければならぬと思うのです。問題は、ただ、どこで、いかなる方法で、いかなる規模のものをやるかということならば、すでに英国のごときは実にことこまかに伝えておるわけです。ただ無警告でやっているのはソビエトです。これはまことにけしからぬ話だから、ソビエトも自国の領土内でやるのだからよかろうといっても、そういうことは承知ができないから、当然知らすべきだと思いますが、しかし登録という一ものが、単に、いつ、どこで、いかなる規模のものを、いかなる方法で、いつからいつまでやるのだということ以上に具体的なものがなければ、登録は何も意味ないじやありませんか。登録をしてどんどんやられたらそれまでです。登録が禁止への一歩前進になるということは考えられないのじゃないでしょうか。登録とはいろいろな知恵が出てくるというが、どんな知恵が出る見込みですか。決議案として出した以上、登録とは具体的にこのようなものでなければならないというくらいな確信がなくては、この重大な問題についての、しかも世界から関心を受けておる日本の提案としては、私は権威が伴わないのじゃないかと思うのです。これは何もあなたの責任を云々するのじゃないのです。それは一つ率直に……。
○澤田説明員 原子科学の進歩については、われわれの予断を許さないような歩調をもって進んでおるのでありますし、今ここでこの登録をすれば、その危険の予防が十分であると思っても、すぐそのあくる日からそれが科学の進みに沿わないものになってくる。そこで一応は今の実験の規模とか範囲とかやり方とかいうことを思いついたのでありますが、最も重きを置いた点はその次にあったのです。その結果を各国が注意して、その結果についての調査の報告を国連に出す、そこに重きを置いて、そうして科学の進歩に順応していくということであります。
○岡委員 そこで次の提案の核心は国連の事務総長あるいは国連の科学委員会に放射能の推移を調査せしめるという提案が次の提案だということになってくるのですけれども、これはやっているじゃないですか。すでに国連は去年の三月、第一回の国連科学委員会が開かれて、日本の代表も十五ヵ国の一員として出た。去年十二月には第二回の国連科学委員会が開かれて、何が一番おそろしいか、ストロンチウム九〇とセシウム一三七だ、これが大気中、あるいは海洋中、植物の中にどういうふうに分布し、これがどういう程度まで蓄積されればあぶないのか、どこまで人間のからだが耐えられるかということは、日本はストロンチウム九〇の調査の大きな責任を背負って、日本の学者は全部出しているのですよ。この四月にはそれを国連に出すのです。そういうことで、何も今さら提案して国連科学委員会を鞭撻してもらわなくても、国連科学委員会はちゃんとやっているのです。そしてこの間国会でその中心の都築博士のごときは、今日ぴしゃっと水爆の実験をやめれば、十年後には大体人体に故障を起すようなストロンチウム九〇の蓄積はないだろう。しかし今日のような比率で水爆実験が行われるということになれば、十年を経ずして、特に日本の場合、ストロンチウム九〇の蓄積は、日本人の骨の耐容量を越えるだろうと言っておる。もうやっておるのです。結論が出てしまっているのですよ。今さら何のために科学委員会を鞭撻して、何の調査をやるのですか。 〔須磨委員長代理退席、委員長着席〕
○澤田説明員 ただいまできております原子力委員会は、原子力の平和利用という趣旨のもとにできておるものでありまして、ことに原子兵器の実験などについての調査報告というところまでは権限が及んでいないのであります。
○岡委員 そうではありません。それは昨年三月の十四日から二十三日まで、ニューヨークで用かれた最初の科学委員会の決定にちゃんと書いてありますよ。人為的にいわゆる放射能灰が出る。この放射能灰が大気や、海洋やその他を汚染して、人体に対して影響を与えるということについて、この科学委員会参加各国は手分けをして調査しようということを、科学委員会ではっきり書いてある。しかも科学委員会は国連の機関なのです。国連の機関としての科学委員会は、放射能灰について至急に調査してデータを出せというので、お互いにどういう方法でデーターを出すべきかということを打ち合せたのが十二月です。それに基いて日本ではもうちゃんとデータを出してきている。ですから第二段のいわゆる大使のこれが提案の核心と言われておるものはとっくになされて、しかもわが国がその大きな責任を背負って、しかもきわめて優秀なデータをこの四月に出そうとしているのです。
○澤田説明員 原子力委員会でそういうことを言ってはおりますけれども、これは総会の決議でもって各国が自分の義務として積極的に出すというところまでは行っていないのです。そこでわれわれは、これを今度は総会の決議として各国が人道上の見地から進んで研究資料を出すということを総会で決議する、そこまで行くつもりだったのです。
○岡委員 この科学委員会は国連の中の機関です。そしてこれは一昨年のスイスのジュネーヴの原子力平和利用会議から出発したものなのです。国境を越えた世界の科学者の良心が、国連はこういうものを設けて、そして放射能については自然放射能もあれば人為的なものもあり、特に核爆発実験がやられれば、放射能灰によって成層圏から海洋まで汚染される。これに対して国連は精細な調査をして資料を出すべきじゃないかということで、国連の総会の決定でやっているものですよ。また何をやるのですか。この科学委員会を鞭撻するということはやっておるじゃありませんか。その辺十分な御意思がおわかりにならなかったというのならばそれまでですが、私どもスイスの会議にもオブザーバーとして出席しておる立場から見ますと、同じことを、言わでもがなのことを言っておるのじゃないか、これがこの提案の核小心だとおっしゃると、私は多少異論を申し上げたくなるのです。
○澤田説明員 私の解釈したところでは、今までのでは、科学委員会での申し合せというものには、これを強行きせるだけの力がないと思ったものでありますから、今度の総会の決議をもって、各国が義務としてそれを調査したところを報告するということを決議でやっていく、こういうつもりだったのであります。
○岡委員 しかしこれは四月に報告をされて、十年後にはあぶないという結論が出たら、国連だってそんなものをうっちゃっておくわけではないし、日本では結論は出ておる。ですからこの共同提案の内容なるものを見ると、前者においても後者においても全く手ぬるいと実は思うわけであります。そこでそういうような事情から見ますといわゆる登録制というものはいつ、どこで、いかなる規模で、いかなる方法で、いつからいつまでやるか、これも実質的に国連代表が現場に立ち合うそこまでいけば登録というものも非常に大きな意義を持つでしょう。しかし御存じの通り、英国でもアメリカでもこの水爆の秘密というものは極刑をもって報いられておるのですから、国連の代表が現場に立ち合うなどということはできっこない、全く不可能なことなのです。そうすれば現在アメリカや英国がやっていることをソ同盟もやれ、これだけのことなのですね。ただ無警告でやつちやいけない。いま一つは、科学委員会を鞭撻して調査をさせるということですが、科学委員会はすでに調査を開始し、結論を出しておる。日本の科学者は十年後はあぶないという結論を出し、四月には報告しようということになっている。そうしてみればこの決議案というものの内容は、率直に申し上げると無内容なものじゃないかと私は思うのです。結局残るところは、ソビエトがまだ無案内でやっておるから、これはけしからぬから一つお前の方も関係各国に通告しろ、こういうようなことになる。この決議案というものの内容は、実質的にはそこしかないということですね。私はこれもあなたと議論になるから申し上げませんが、しかし澤田さんもヒューマニストとして非常に名だたる方ですから、これははっきりあなたの御趣旨を承わりたい。英国に対する再度の中止の要請を見ましても、日本の要請書の中では人道のため、人類の福祉と安全のためということを三回も短かい文章の中に書いておる。人道のため二度と原水爆の被害を他の国民に味わわせたくない、こういう人道的な立場から書いている。そこでそういう立場からわれわれが原水爆の禁止を訴えるという場合、大国が言うことを聞かないから一時やることも余儀ないとしてあきらめることは、人道の立場から許されないのじゃないでしょうか。人を殺すことはいけない、しかしそういっても聞かぬから届けた上で人殺しをしろなんていうことは、これは国の政策として、功利的なもの、打算的なものならば——ベース・アップの問題ならば二千円とか千五百円とかいう問題にもなるのでしょうが、しかしこういう問題を少くとも人道主義の立場から、しかも二度ならず三度ならず大きな犠牲を浴びた日本として、大きく全世界の世論の先頭に立とうという意気込みがあるならば、やはりオール・オア・ナッシングじゃないでしょうか。政策という立場からならば別でしょう、しかし私は人道という立場に立つならば、オール・オア・ナッシングだと思うのです。これは別に国際人として、またヒューマニストとしてのあなたの、責任を追及しようというのではないのですよ。しかしこういうような提案の内容を調べてみると、取りとめがない。また現にやっていることと重複しているにすぎない。実効というものは、ただソ同盟が予告をしろということを要求したにすぎない内容である。しかもやられていけばどんどんと蓄積されて、人体に障害を及ぼすという形になってくる。内容はないのですね。こういう問題は、人道の立場ならばオール・オア・ナーシングでやめろと言って、大国が言うことを聞かなくても迎合する必要はないと思うのです。こういう点はどうなのでしょう。率直な御意見を伺いたい。
○澤田説明員 この間の日本代表国のとった措置についての私の気持は、るる申し上げた通りでありますが、今伺いました日本の提案の内容に非常に欠陥があるということ、さらに人道の見地から、力強くいけば敗れようとどうしようとという御意見も、大へん私参考になる御意見だと思いますので、政府にも私からもそういうことを伝えましょうし、今後もし私がいかなる形かにおいてこれに携わるようなことでもありますれば、ただいまの御意見を十分尊重してやっていくようにいたしましょう。
○岡委員 いろいろ私もお教えを願いたいこともたくさんあるのでございますけれども、もう本会議も始まっておりますし、採決の本会議だそうでございますので、まことに私も不本意ですが、これで質問をやめたいと思います。 先ほどの資料は一つお出しを願いたい。
○井上(清)政府委員 先ほど岡委員から、先般の国連総会におけるわが国全権に対します訓令を公表せよという御意見でございましたけれども、遠い先は別といたしまして、ただいまのところ、対外的な関係から差し控えさしていただきたい、かように考えます。
○野田委員長 次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十二分散会 ————◇—————