外務委員会 第9号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/03/08
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 まず国際情勢等に関する件について質疑を許します。松本七郎君。
○松本(七)委員 クリスマス島における水爆実験に関連してでございますが、その前にきのうのニュースでしたか、何ですかアメリカがこのクリスマス高の水爆実験については、ハワイに近接している関係から、自分の国としても何か監視をしたいというような申し入れをイギリスに、するのじゃないかということが報道されておりますが、政府の方では何かそういう情報が入っておりましょうか。
○井上(清)政府委員 ただいま御質問のような件につきましては、政府には何も情報は入っておりません。
○松本(七)委員 これに関して三月一日の東京タイムズの記事に、このクリスマス島の領土権の問題が取り扱われておるわけです。それによりますと、クリスマス島は米領か英領かということがはっきりしておらないということで、私も調べてみたのですが、なるほどこの新聞にも報道されておるように、明らかに米領だと書いてある地図があるのです。また相当多いのです。特に米国で出版されているのに多いのです。ここにも出ておるように、たとえば最も権威ある百科辞典エンサイクロペディア・ブリタニカの米国版付属地図、それからニューヨークのランド・マクナリーの世界地図、こういうものにはクリスマス島がはっきり米領と書いてある。私日本の地図を見ますと、これには英領と書いてあるのですが、ある地図では、これは米英両方の領土というふうに書いてあるところもあるのです。そうすると国際法上は一体どうなるのか。もっともクリスマス島は、まだ長距離の飛行機が十分発達しないころ、飛行機の基地として共同に使用するという協定が米英に結ばれておるらしい。そういう関係から、何か共同管理というのがあるのか、日本政府としてはこのクリスマス島の領土権についてはどういうふうに考えておられるのか、その商の事情を少し伺いたい。
○法眼政府委員 クリスマス島の問題はただいまお話の通りでありまして、実は十八世紀にキャプテン・クックが発見したことは御承知の通りであります。自来これは英領となっておったわけでありますが、ただ原住民が五十人ばかりで、イギリス人がいないというようなことが問題になっておったわけであります。その後アメリカの飛行機会社が——たしかPAAだったと思いますけれども、この地域に飛行場を作りまして、一九三〇年代でございますけれども、アメリカの方からイギリス人が少しも住んでいないのにおかしいじゃないかという議論がでたように承知しております。ところが三九年に至りまして、米英両国間にただいま松本先生が触れられたような一種のアンダースタンディングと見られるものができまして、両方でこれをともに使うというようなことで来ているらしいのであります。この地域のそういった問題につきましては、百科全書その他をいろいろ引っぱってみましても、おのおの説が違うので、これははなはだ確定できない問題でもあるわけでございます。そこでこの領土権がいずれに帰属するかという問題につきましては、現在直ちにここで確定できない問題でありますので、一応われわれとしましては、英米両国がこれを共同して使っていくというようなアンダースタンディングができておるということ、並びにキャプテン8クックというイギリス人がまずこれを発見したということ、現在この地域には原住民のほかに英人が十人ばかり住んでおるそうでございますが、そういうことから見まして、そこの法律的見解を日本政府からきめるということは、実は問題がおかしいと思いますので、これは米英両国のきめ方にまかしておく、米英両国がどうきめるかということは——はなはだ明白でないということは事実であります。
○松本(七)委員 国際法上は、そういう場合には両国で話し合うこと以外にないのですか。
○高橋(通)政府委員 おそらく両国間で話し合うという以外はないと思います。そこで話し合いがもし成立しないという場合は、たとえば国際司法裁判所の判決を求める。最近にも英仏の間で、御承知の通り、小さい島が問題になりまして、司法裁判所の判決によって帰属が決定したというような事例もございますので、おそらくそういったことになるのではないかと思います。
○松本(七)委員 新聞にも出ておるのですが、伝えられるところによると、イギリスの水爆実験は本来大西洋上でやりたい、それでそういう自分の実験に適する島を物色しておったが、アメリカが大西洋上でたまたま誘導弾の実験をする計画があった。その誘導弾の実験をやると、イギリス領である島の上空を誘導弾が通る危険があるので、イギリスはそれを渋ったのじゃないか。ところがアメリカとしては、どうしても大西洋上で誘導弾の実験をやりたいので、そのための取引として、自分の領土権として主張できる太平洋上のクリスマス島を中心にした地域でイギリスの水爆実験をさせる、そういう十月ができておるということが言われておるのですが、こういう点については何ら御存じないのか、もう少しこういう点も調べられる必要を感じられないのか、こういう点を御説明願いたい。
○井上(清)政府委員 ただいまの御質問にお答えを申し上げます。不確かな情報として、私どもの方でもそういう情報は聞いております。しかし確実ではございません。
○松本(七)委員 確実でないけれども、そういうことを開いておられるとすれば、これは日本では再三国会でも決議しておるし、この問題については、政府としても何度でもイギリスには抗議するという方針をとっておられるのですから、こういう情報があるとすれば、もう少しこれを確かめられて——クリスマス島が英領であるという確定をしているわけじゃない。片一方は米領だという主張もあるし、共同領有だという主張もあるのですから、日本としてはこの機会に、ただイギリスに抗議するばかりではなしに、やはりアメリカに対しても、この問題については何らかの日本政府としての意思表示をする余地があると思う、あらゆる方法を講じて、このクリスマス島の実験については、国民の意思をできるだけ広く訴えなければならないのですから、こういう事態であるとすれば、私はまだ別な手段をとる余地が政府にあると思うのですが、こういう点を今後考慮される御意思はございますか。
○井上(清)政府委員 この問題は、先ほども申し上げましたように、不確実な情報でございましたことと、もう一つは英米間のやりとりの問題でございましたために、わが国といたしましては深く立ち入ることを避けたというような事情でございます。
○松本(七)委員 領土権については、米英両国で話し合うということにまかせているわけでしょう。日本はどっちともきめてないのだから。日本が英領だときめておれば、これは日本政府としては、英国だけに抗議するというのは当り前です。しかしさきの御答弁では、英領とも米領とも日本はきめられない、だからこれは米英両国の話し合いできめるほかはない、こういう立場をとっておる以上は、これは未確定なのだから、未確定な島でもって英国が勝手に実験をやるということになれば、これはアメリカに対しても日本は当然一言文句を言っていい。そういう余地が出てくると思う。
○井上(清)政府委員 お説もございますけれども、何といたしましても、実験をやりますのは英国がやるわけでありますから、英国に対していろいろ私どもの方から申し入れをしているわけであります。
○松本(七)委員 それでは抗議の場合に、ただ水爆実験が困るということだけでなしに、領土権の不確定なところに、日本は不確定という立場をとっているのだから、米英間で領土権をきめてもらうほかはないという立場をとっている以上は、そういうところでイギリスが勝手にやるということは、国際法上の問題もあるでしょう。
○井上(清)政府委員 実は米英間の問題であると先ほど申し上げましたことは、先ほど松本委員の御質問になりました、たとえば大西洋でもって誘導弾をやるから、向うの方で原水爆の実験を太平洋でやるのだということを英米間できめたということについて情報を得ておったのか、あるいはまたそれについてあらかじめ申し入れをしなかったのはどうかというような御意見に対して、私はお答え申し上げたようなわけでございますが、クリスマス島の問題につきましては、これは英米間においてすでに共同使用ということについてはっきり話がきまって、かつまた英国が共同使用の島の上において水爆の実験をするわけでございますので、英国に対して申し入れをいたしたようなわけであります。
○松本(七)委員 誘導弾とは関係ないのです。最初に私が、アメリカが出版している権威あるエンサイクロペディアの付属地図にちゃんと米領と書いてあるのだから、一体どっちなんだと聞いたら、それは両方あって、日本としてはどっちだときめられない、米英間で確定するほかはないのだというのが、先ほどの御答弁であった。そういう根拠に立つ限りは、日本は水爆実験をやめてもらいたいという方針をとっている以上は、イギリスの弁護をする必要はない。だからそういうはっきりしないどころでやるということに対する抗議は、実施をしようとするイギリスにやることはもちろん必要ですけれども、その領土権が、そういう米国が自分の領土と主張する地図さえ出ているくらいの十ですから、私は当然これは米国領でイギリスがそういうことをやることについて、米国はどういう了解を与えたか、そういう経過についての質問くらいは、日本政府としてアメリカにも出すべきだと思う。そういう点を聞いているのです。
○井上(清)政府委員 先ほど来申し上げておりますことを繰り返すようになりますが、英米問においてクリスママス島の領土の帰属についてはっきりしない点があるけれども、とにかく英米が共同使用するということは両国間の申し合せになっておるわけでございますし、そこにおいて英が原水爆の実験をやるわけでございます。やるのは英国でございます関係上、英国に対してこれが中止の申し入れをするのは、実験をやります主体であります英国に対してやるのは当然ではないか、かように考えましてやっているわけであります。
○松本(七)委員 言われることはわかります。けれども共同使用というのは、水爆実験をするために共同使用の約束ができているのじゃない。もっとそれ以前に飛行基地その他として、共同使用の協定ができているのですから、クリスマス島についてはアメリカにも発言権があるわけです。共同使用するということについては、イギリスが一方的にやれない。アメリカもこれについては使用権、その他の発言権があることを物語っておるのですから、だから日本政府としては、水爆実験をやってもらいたくない、ついてはイギリスばかりでなしに、共同使用権を持っておるアメリカに対しても、このことについては、抗議なりあるいはイギリスとどういう協定になっているか、水爆、実験については何らかの約束ができているのか、そういう点を問い合せるなり、抗議をする余地があるのじゃないか、こう言っている。日本政府が水爆実験をさせようという政策をとっているならば別で、すけれども、そうでない。イギリスには再三抗議しているくらいなんだから、それならばあらゆる弱点をついて、日本政府はやはり抗議をすべきだ、こう言っている。それについては、せっかくこういう事実が明らかになってきたのだから、日本政府はイギリス政府ばかりに抗議しないで、アメリカにも何らかの意思表示をしたらどうだという知恵を授けているわけですから、その点は日本国民に有利な解決策を出していただくように検討していただきたい。
○井上(清)政府委員 お答えいたします。日本が英国に対してクリスマス島においての原水爆実験を中止してもらいたいという申し入れをしていることについては、アメリカ当局もよく承知していることと思います。
○松本(七)委員 そういうことは世界中の国がみんな関心を持っておるのだから知っていますよ。そうではなくて、こういう事実が明らかになった以上は、それを取り上げて何とか中止するために、あらゆる手段で訴うべきだと思うのです。そんなふうに言われる必要はないと思うのです。日本政府が水爆実験を受け入れるという立場をとっているならば、それは言いのがれされるのが当りまえなんですけれども、そうじゃないのですから、こういう事実が明らかになってきた以上は、その事実をひっさげて、アメリカにも何らかの抗議なり——これはどういうことを政府がやられるか今後検討されるとしても、十分この事実に基いて、でざるだけ水爆実験を禁止させるために、アメリカにも何らかの意思表示をしようということをやるべきじゃないか、こう言っておるわけです。その核心に触れた答弁をしていただかないと、いつまでたっても質問は終りません。
○井上(清)政府委員 再三繰返してはなはだ恐縮でございますが、やはり実験を行いますのは英国でございますので、英国に申し入れるのが当然の筋じゃないか、私はかように考えます。
○松本(七)委員 そういう答弁ならまたあらためて大臣を呼んで大臣に答弁をしてもらいます。
○野田委員長 次に所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約の批准について承認を求めるの件、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑を許します。松本七郎君。
○松本(七)委員 この租税に関する条約というのは、昭和三十年に日本とアメリカとの間に結ばれて以来、スウェーデンが第二回目になっておるようでございますが、どうして特にスウェーデンと結ぶ必要が生じたのか、他にもそういう必要のある国が多いと思いますが、アメリカに次いでスウェーデンが選ばれた事情はどうなんですか。
○高橋(通)政府委員 お答えいたします。御承知の通りアメリカについては非常に必要性がございますので、先般締結した次第でございます。それからこういう条約につきましては、可能な限りできるだけ多くの国と結びまして、両国間の経済的な発展、経済交流を円滑にしたいという考え方を持っております。そこでただいまは英国とは通商航海条約その他の交渉をいたしておりますが、そういうものが一段落つきましたら、英国ともこういう関係を結びたいと考えておりましたわけでありますが、その間スウェーデンの方から、またこの協定を結んだらどうであろうかという提案がありましたので、幸いこの機会をつかまえて交渉を進めるに至ったわけであります。
○松本(七)委員 そこで日米間の条約の実施状況を少し伺っておきたいのですが、どの程度の実績があったものか、具体的に少し日米間の実情を御説明願いたい。
○塩崎説明員 御承知のように、日米租税条約は昭和三十年の一月一日から適用になっております。具体的な資料を現在のところ持ち合せませんので、後日また資料によって御説明いたしますけれども、日米租税条約の締結されました結果、非常に円滑にいっておりますし、その資料関係につきましても、昨年アメリカからも日本の方に届けられております。御承知のように租税の賦課徴収につきましては、相互に協力するというようなことで、アメリカの方からも資料が提供されております。私どもといたしましても、そういう資料を現在のところ準備中でございます。
○松本(七)委員 特に私どもの関心を持っておるのは、日米租税条約の実施の上で何らかの困難はなかったか。特に当事国において脱税だとかあるいはその他の一般的な不正事件はないか、こういう点おわかりでしたら御説明願いたい。
○塩崎説明員 先ほど申し上げましたように、三十年から施行になっております関係上、まだその結果についてはつまびらかではございませんけれども、現在までのところ脱税とかそういった問題はございませんし租税条約ができました関係上、相互に協力的に納税も行われておる状況でございます。ただ問題といたしましては、租税条約の解釈などにつきまして、若干の問い合せはございますけれども、一般的に納税等につきまして障害となるようなことはないような状況でございます。
○松本(七)委員 アメリカから芸能人とか職業運動選手、そういった者たちが来て、国内で興行する場合には課税するのだろうと思いますが、するのかしないのか、する場合は課税率というものは内国民と同率になっておりますか。
○塩崎説明員 まず所得税法の方の原則から申し上げますと、日本国内に源泉のありますところの所得につきましては、所得税法の第一条の二項によりまして納税の義務があることになっております。ただいまお話の芸能人などが参りまして、たとえば興行をやりますと、所得税法の本則によりまして、ての事業所得といたしまして累進税率の適用を受けるわけであります。ただ租税条約によりまして相互の課税権を譲歩し合うという規定がございまして、芸能人みたいな——その課税権を譲歩し合います点は二つございまして、一つは短期滞在者といたしまして百八十日をこえない、しかも一方の自国居住者または法人のために、その被用者として人的サービスを提供するよりな場合には、これは相互に課税しない、これは短期滞在者の規定でいっております。ただ先ほど申し上げました芸能人につきましては、これは品川の居住者または自国の法人のためのサービスではございません。自分たちが収益を得るための興行でございますので、その規定の適用がなくして、もう一つ日米租税条約の規定によりますところの九十日をこえず、しかもその報酬が三千ドルをこえないときには、相互に所得税を免除する、こういう規定がございまして、現在のところは実例もございますが、三千ドルをこえるような場合には課税いたしております。
○松本(七)委員 そうすると、たとえば在日米軍の慰問に来たというような、趣旨が慰問が中心であって、しかも多少興行をやっておるというような場合も今と同じ扱いになりますか。
○塩崎説明員 お答え申し上げます。原則的にはただいま申し上げましたところと同様の取扱いがなされることになります。ただ御承知の行政協定によりまして軍属の資格で参りました際には、軍属は日本の租税を納付しなくてもいいということになっておりますので、軍属の資格といたしまして米軍だけに興行しますような事例がございますれば、日本の所得税あるいは法人税は納めなくともいい、かようになるわけでございます。
○松本(七)委員 こういった在日米軍に慰問に来た者は、軍属の資格で来た者とそうでない者と、どのくらいの比率になっておりますか。
○塩崎説明員 ただいま資料を持ち合せておりませんので、後日調べまして御報告申し上げたいと存じます。
○松本(七)委員 それらは、委員長、なるべく早く、先ほどお願いしておったものと一緒に資料として出していただきたいと思います。
○野田委員長 承知いたしましたしなるべく至急にお届け願います。
○塩崎説明員 できるだけ早く提出いたしたいと存じます。
○松本(七)委員 それから日本にある米国商社、在日米人の徴税状況なんかはわかりますか。日本側から調査したいといった場合、相手方の商社がこれを拒否しておるというような事例もあるやに聞いておるのでありますが、そういう事例がございますか。
○塩崎説明員 お答え申し上げます。お尋ねの在日米商社並びに米国人の確定申告状況その他課税状況につきましては、追ってまた資料を提出させていただくことにいたします。次のお尋ねの調査の拒否といったような事例は、現在のところ私ども全然聞いておりません。ただ先ほど申し上げましたように、税法の解釈等につきまして種々の問い合せがあることは私こもも聞いております。私どもといたしましても、お答え申し上げましたような事例はあるわけでございます。
○松本(七)委員 それから、米国の軍人でこちらで除隊になって、そのままいわゆる現地雇い人として雇われておるような人、そういうものに対する課税状況はどうなっておりますか。
○塩崎説明員 ただいまの在日米国人の課税資料で出すべきだと思いますか、ただ、そのうちに除隊になった人かどの程度おるかということはなかなか抜き出し切れないと思います。一応は調査いたしたいと思いますが、お尋ねの資料になりますかどうか、調べてはみますが、そのうちで除隊になった人間が何人おるかという調査はなかなかむずかしいかと存じますが、先ほどの御要求によりました在日米国人の課税状況と合せまして資料を提供いたしたい、かように存じます。 次に、課税の建前を御説明申し上げますと、軍属あるいは軍人である間は、行政協定によりまして、先ほど申し上げましたように日本の税金で納める義務はないわけでございますが、除隊になりますと、次のような、これから申し上げるような課税関係になるわけでございます、 まず、日本に永住しようというようなことで住所を有しますと、これは日本人と同様の所得税の適用を受けますことは当然でございます。大体こういり建前になっておりますが、ただ、住所を有しない、除隊になった人が出てくるわけでございます。生活の本拠でありますところの住所は依然としてアメリカで、妻子等はアメリカにいるが、しばらく日本で働いていこうというような方々が出て参るわけでございますが、これは、私どもは、一年以上の居住者と一年未満の居住者と分けまして、区別するわけでございます。一年未満の居住者になりますれば、これは、わが国の国内源泉だけの所得につきまして先ほど申し上げましたような納税義務を負うわけでございますが、とれにもう二つございまして、非常に複雑で恐縮でございますが、給与所得と事業所得につきましは、総合所得について累進税率の適用がございます。それからまた、資産所得、たとえば配当利子、不動産所得、これらを持っておりますと源泉税率の適用を受けるここになっておりますが、これは百分の二十の税率でございまして、これはいわゆる非居住者の課税関係でございます。そこで、一年以上の居所を有することになりますと、これは本来ならば日本に住所を持つ者と同様な取扱いがなされることになるわけでございます。そういたしますと、先ほど申し上げましたように、資産所得、事業所得全部ひっくるめまして、それにつきまして総合累進税率の適用を受ける、かようになるわけでございますが、現在のところ、租税特別措置法におきまして特別措置がございます。この特例措置と申しますのは、特定の、日本経済の健全な発展に資するような業種、あるいは牧師、これらで指定された給与所得者でございますが、こういう給与所得者につきましては、たとえば本国から給与を送ってくるような場合がございます。 それから、日本において給与を支払われる場合がもちろんございますけれども、一部は本国にとどめられるという場合があるわけでございますが、そういう給与所得につきましては、日本で支払われた給与所得についてだけ課税する、外国に留保された部分につきましては課税しない、こういう特例が昭和三十五年まで残ることになっております。これは昨年三十一年度分までの、いわゆる外人課税として言われておりましたところの、所得を半分にいたしまして課税する特例を廃止した後の経過措置と私どもは考えてあるのでございますが、そういうふうに日本で支払われましたところの給与所得だけについて課税する。所得税法の建前は、支払われましたところの所得だけではなくて、日本国内源泉にいたしますれば、外国で支払われようが国内で支払われようが、すべて総合して課税することになるわけでございますが、原則といたしましては支払いペースで課税する。ただ、外国で留保されましたものにつきましても、外国から送金されますとこれは支払いとみなしまして、上積みに加算いたしまして、やはり給与所得として課税する。原則は日本国内だけの支払い部分についての課税でございますけれども、その給与について、外国の方から日本の方へ送って参りますれば、それを合せて課税する、かようになっております。 それからまた、外国から送金された部分についての課税はなかなか実態としてつかめないような場合がございますので、抜け穴ができないような意味におきまして、大蔵大臣の定めた生活費が、これらを合せましたところの支払い給与よりも高いような場合には、生活費部分までは外国から日本において支払われる、あるいは外国から送金されたその給与所得だと見まして課税する。日本では支払い給与はきわめて少いのにぜいたくな暮らしをしておる。これは何かやはり送金というものかあるのではないかというふうなことも推定されますので、それを加味いたしまして生活費を一つの目安といたしまして、たとい外国から送金部分が少くて、しかもまた日本におきまして支払い給与が少いというような場合にも、生活費部分をついて課税する、かようにいたしております。これはしかし三十五年で切れることになっております。それともう一つ言い落しましたが、三十二年はどんなに日本において支払い部分が少くても、日本において発生いたしましたところの給与所得の六割までは支払われたものと見る。外国にどんなに留保されて、ほとんど二割しか日本に支払われなくても、六割までは日本において支払われたものと見る。三十三年は七割、三十四年は八割、三十五年は九割とだんだん上げてきまして、三十六年以降はこの特例措置はなくする、こういう取扱いになっております。 もう一つ今度の所得税法の改正案で提案しておるわけでございますが、今申し上げましたように、外国人課税につきましては、一年以上の居所を持ちますならば全部その所得について合算課税する。全部と申しますのは、日本国内において発生した所得のみならず、外国にある国外源泉所得についてまで課税するという意味でございます。日本人と同様な扱いをするという意味でなっておりますけれども、今度の改正案におきましては、外国などの実例を見ますと、単に一年以上になって日本の源泉所得について課税するのは当然だ。しかしながら妻子は本国に残し、それからまた外国におきまして持っております資産についての所得も外国に残しておる、こういう国外源泉所得については、これを全部総合いたしまして課税することは果して実態に合っているかどうか。外国の例などを見ますと、実際面におきましてそういう国外源泉所得万につきましては、短期の滞在者につきましては特別措置が行われている状況でございますので、今度の所得税の改正案につきましては、国内源泉所得につきましては全部の課税だが、国外源泉所得につきましては、向うから日本に送られた部分についてだけ課税しよう。しかしそれは短期滞在者という意味でございますから、居所が一年以上五年未満の方に限る、こういうような改正案を現在のところ提案いたしております。今申し上げましたように、非常に複雑でございますが、特例措置もございますけれども、建前といたしましては住所を持ちますれば日本人と同様、それから一年以上の居所を持ちますれば特定の業種、あるいは特定の職業でなければ日本人と同様な扱い、それから今申しました短期滞在者につきましては、日本人でも外国にいつも出入りしておりまして、向うに住所があるというような者につきましては、そういう特例措置を講ずることになっておりますが、建前として今申し上げました特例全部をひっくるめましても、日本人と同様な扱いをするということにはなっておるわけであります。
○松本(七)委員 その建前は非常に複雑なあれで、抜け穴ばかりでさっぱりこれはうまくいっていないということを聞くのですがね。今の御説明を聞いも、建前は一応そういうふうになっていても、おそらくこいつはなかなかつかみにくいのではないか、その調査方法はどういうことでやられていますか。
○塩崎説明員 御承知のように、日本の所得税は申告納税でございます。納税者の方から申告いただきまして、そり所得が果して真実の所得であるかどうかについては、あとから税務署が調査することにいたしております。昔は私ども長らく徴税関係をやっておりますけれども、外国人係というような専門の税務職員はなかったわけでございます。最近におきましては、国税局の中に外国人、あるいは外国商社の専門の係を設けまして、相当詳細に調べております。それで納税者との話し合いも相当やる場合もございます。調査も昔に比べますと相当徹底して行われております。外国人から、そういう関係上むしろ早く二重課税防止の条約を作ってくれというような声も聞きますので、私どもといたしましては、そんなに抜け穴があるとは考えておらないわけでございます。
○松本(七)委員 最近日本人に対する扱いとしては、調査なんかも相当徹底的にやられておるらしい。特に中小企業者の銀行預金なんかについては、銀行まで乗り込んで調査されておるという事実があるのです。そういうふうな調査を外国人もやはりやられておるわけですか。あるいは今私の申した、日本人の中小企業者の銀行預金なんかを、血行に乗り込んで調査されるというようなことが事実じゃないといわれるかもそこのところを少し御説明願いたい。
○塩崎説明員 私は現在の税務の実際におきまして、預金調査が中小企業だけについて行われるとは考えておりません。一般的に預金調査は次のような取扱いになっております。 まずすべての納税者について、どれくらい預金があるから出せというようなことは、現在の税務の取扱いではやっておりません。脱税の疑いがありまして、税務署長あるいは国税局長の承認を得て、許可を得まして、税務官吏が初めて銀行に行きまして、銀行の預金の調査をする、こういう建前になっております。むしろその中小企業よりも、御承知の通りに国税局、あるいは国税庁に査察部というのがございまして、脱税につきましては相当厳重な調査をすることになっておりますが、これはむしろ大法人あるいは大きな所得を中心としてやっております。大法人、大きな個人になりますと、むしろ銀行調査が非常に必要になってくる場合が多いわけでございます。いわゆる町の小さな中小企業については、銀行預金を調べてどの程度実益がございますか、そういう場合もございましょう。しかし一般には大きな納税者を中心といたしまして、銀行預金を調査しているわけでございます。しかもまた個々具体的に上司の許可を得まして厳格な調査をやっておりますので、そんなに乱に流れるとは思っておりません。その点は外国人につきましてもやはり同様に取扱っておる、こういうふうに私どもは考えております。
○松本(七)委員 その銀行調査について、最近特にそれがきびしくて、警察官が銀行に入ると同じような、銀行業務に携わっておる者からすれば、そういうような感じを受けるのかもしれないのですけれども、いきなり入ってきて、あらゆる書類を要求して調べ上げるというようなことが最近非常に激しくなっているというようなことを附いております。これは調査を徹底的にしようという立場からすれば、これはとかく行き過ぎが起りがちなのです。そういう点の行き過ぎをどうやって戒められ、どういう方法によって行き過ぎをしないようにされておるか、そういう点の御配慮というものがされておるでしょうか。
○塩崎説明員 ただいま申し上げましたように、この銀行調査というものは、非常に私どもは制限された場合だけにしかやっていないつもりでございます。国税局長あるいは税務署長の許可書を持ちまして、銀行に呈示いたしまして、個々具体的に納税義務があると思われる人だけやることにいたしております。あわせましてほかの人の所得まで調査するというようなことは、現在のところやっていないわけでございます。これは過去長年銀行調査につきましては銀行の信用上、それから預金者の信用を考えますと、非常に重大でございますので、非常に制限された場合しかやっていないというのが実情でございます。
○松本(七)委員 他は外務の方で大体やれると思いますから、ほかの委員で質問者がなければ大蔵省関係の方はこれでいいと思います。
○野田委員長 次に今質疑の申し出はありませんから、続けて御質問願います。
○松本(七)委員 日米の条約と日スウェーデン間の条約で課税率の違うもの、すべてが同率になっておるのか、その税率はどうなのか。
○高橋(通)政府委員 お答えいたします。詳細な税率は大蔵当局からお答えがあると思いますが、条約面で現われましたところによりますと、配当に対する税率でございますが、日本の法人がアメリカに配当を送ります場合は課税しないというのが日米の条約でありましたのを、スウェーデンの場合は一五%以内にやはり課税するというふうになった点が一つの大きな違いだと思います。
○松本(七)委員 そうすると、それは相手国によって違うということになると不平等じゃないですか、どうしてそこに区別をつけたのですか。
○塩崎説明員 税制の建前の問題になりますので、かわりまして私からお答え申し上げます。日米租税条約を結びます場人口に、私ども問題といたしました点は、御承知の通り、英米ではすで、にそのときに租税条約が締結されておったわけでございます。そのときに米国の取扱いは、英国の配当に対しましてどういう取扱いをしておるかが問題になったわけであります。御承知のように英国の法人課税というものは——これはこの国会でも非常に問題になっておりますが、いわゆる法人擬制説をとりまして、法人に課税いたしますのは個人所得税の前取りである、こういう考え方をとっております。従いまして、アメリカでは、イギリスからアメリカの個人に、あるいは法人に配当を送って参ります、それはイギリスの法人税が米国の市民の所得税の前取りだ、かように考えておるわけでございます。従いまして、イギリスはアメリカに送りますところの配当につきまして、源泉徴収はもうやらない。四二・五%がイギリスの税率でございます。四二・五%とりまして、アメリカで税額控除をするというのは、イギリスの税制の建前から見るとおかしいではないかということで、イギリスの方から配当を送ります際は課税しない、こういう建前をとっておるわけであります。ところが米国の方は、これはいわゆる法人独立税的な考え方をとっております。ただ一九五四年以来アメリカにおきましても配当につきましては四%の配当控除というものを作りまして、いささか法人擬制説に近づいたような格好になっておりますけれども、条約上の建前は、アメリカから生まれる配当というものは、法人が単利でもうけたものだから、これは法人税としてとるのだ、アメリカからイギリスに送りますのは税金を三〇%とることにする。そこで日本とアメリカとが租税条約を結ぶ際にどういう立て方にしたらいいのかという議論になったわけであります。御承知のように完全にイギリスほどに法人擬制税を徹底してはおりませんけれども、日本の法人税というものも個人所得税の前取りだという概念は、昭和二十五年のシャウプ以来とっておるわけであります。従いまして日本からアメリカに送ります際に、すでに法人税がかかっているのだから、なおそのほかに一〇%あるいは二〇%の源泉税率はとらない方が米英の条約と建前が一になるのではないか、法人税をとればその際もうすでに済んでいるのではないかという考え方で、日本の源泉税率を法人税のほかになおとるというのはあきらめた、あきらめたと申しますか、その方が税法の建前に合致するのではないか、しかもイギリスと同様に、日本で法人税をとられましたところの配当がアメリカに参りましたときには、いわゆる二五%の配当控除的なものを引くという日本の税制の建前が日米条約には貫かれております。ところがスウェーデンの場合には、法人独立説でございますので、これは本来の姿に返しまして、日本では配当を送る際には源泉税率をとろう、こういう税法上の建前から、かようになっておるわけでございます。
○松本(七)委員 ちょっと条文に入りますが、第一条で、スウェーデン側の「芸能人税」というのがありますが、芸能人税というのはどういうものなんでございますか。どういうわけでこの芸能人税がこの条約の対象となったか。
○塩崎説明員 ご承知のように、芸能人の課税は非常に日本でもむずかしい課税の仕方でございますが、たとえば経費をどの程度見るか、なかなかむずかしいので、その取扱いもなかなか画一的にはいっていない点もございますけれども、スウェーデンでは、所得税を課税しないで、芸能人につきましては比例税率、収入金に対しまして一本の二〇%の比例税率が、所得税のかわりにあるわけでございます。
○松本(七)委員 そうすると、この条約に基くと、日本の芸能人が向うに行った場合はどうなるのですか。
○塩崎説明員 日本の芸能人が向うに参りますと、今申し上げました芸能人課税が行われるわけでございます。
○松本(七)委員 それから第二条の「恒久的施設」という考え方ですね。これはたとえば出張員が一時的にホテルに投宿しておるというような場合はどうなりますか。
○塩崎説明員 恒久的施設の概念は、日米租税条約にもございますし、各国の租税条約にもある概念でございます。一般的に申しますと、契約につきまして包括的権限を有する場所、これがございますれば、恒久的施設と、こういうふうに考えております。
○松本(七)委員 そうすると、ホテルに投宿しておるということだけではきまらないわけですね。ホテルに投宿しておっても、恒久的施設に入る場合もあり得るわけですか。
○塩崎説明員 単純逗留では入らない場合もありますが、お尋ねの通り包括的な契約締結権限が行われておるような場合には入り得るわけでございます。
○松本(七)委員 この条約の第二条(K)項がちょうど日米条約の第二条(i)項に該当するのだと思うのですが、米国系の銀行だとか保険業に対する保税はどうなっておりますか。
○塩崎説明員 日本に事業を有しておりますれば、銀行たると保険業たるとを問わず、課税しておるわけでございます。
○松本(七)委員 これは順当に徴税されておりますか。
○塩崎説明員 課税関係につきまして、いろいろな解釈上の疑義はあったことはございますが、順調に課税されております。
○松本(七)委員 第二条の(j)項の第(3)、たとえばある企業でアメリカの資本が、外国資本が五一%以上投資されておる、そういう場合はどう解釈されるのですか。その企業はやはり外国の企業と見ないで、幾ら投資は五一%以上外国資本であっても、やはり日本の企業として扱われるのですか。
○塩崎説明員 お心尋ねの通りでございます。
○松本(七)委員 現在日本で、五一%以上外国資本が入っておる企業はどのくらいありますか。
○塩崎説明員 お答え申し上げます。今資料がございませんので、また資料を整えてお答え申し上げます。
○松本(七)委員 それから第三条の二項、これはどういう意味ですか。本店と支店の関係を規定したものか、あるいは同種企業で別個の恒久施設を持っているものが取引する場合をいうのでしょうか。
○塩崎説明員 ついでに先ほどの五〇%以上の法人についてお答え申し上げます。スウェーデンにつきまして八社日本にございます。 次に第三条の第二項の御質問でございますが、これは本支店間の関係は独立採算主義でいくということを規定したわけであります。
○松本(七)委員 この二項は本店、支店の関係のことを規定しているのですね。
○塩崎説明員 さようでございます。
○松本(七)委員 第三条五項に該当するものは、日本には相当多いと思うのですが、たとえば日米のの関係で申しますと、アメリカから部分品を送ってもらう、そして日本で完成品にするというような場合はずいぶん多いだろうと思うのですが、そのときは、たとえば部分品の値段が五ドルくらい、完成品になったら十ドルになるというような場合には、何を対象に課税するのですか。完成品でしょうか。
○塩崎説明員 ただいまの御質問は、五ドルの部分品を日本が買いまして、十ドルのものに仕上げた、その場合にどういうふうに利益を分けるか、こういう御質問だと思いますが、ここに書いてありますのは、五ドルで製造されたものを日本で買った場合でございますから、その五ドルのうちの利益の分け前のことが五項であります。製造益と販売益とを分けまして課税する、こういう趣旨でございます。
○松本(七)委員 それから第五条(b)項に航空機または船舶による相互免税主義ということが規定されているのですが、この相互免税主義をとっている国はどこでございますか。
○塩崎説明員 日本が相互免税の条約を作っておりますのは八カ国でございます。大正十三年法律第六号施行方という省令がございます。これによりますと、アメリカ、デンマーク、グレートブリテン及び北部アイルランド、カナダ、フランス、ノルウエー、オランダ、ドイツの八カ国でございます。
○松本(七)委員 たとえば東南アジア諸国だとか、中近東諸国で、輸送手段を持っておらない国が、日本の船舶等に対して課税しようという場合には、どういうふうにしたらいいのですか。
○塩崎説明員 第五条の二項の趣旨はこういうことでございます。これは日米租税条約よりも範囲が若干広いわけでございますが、まず日本とスウェーデンとが自国籍の船舶を運用いたしまして、これによって所得を上げます際には相互に免除する、これが第一点でございます。それからその次は、日本とスウェーデンとの間に相互に日本とスウェーデンとの登録船舶についての運用所得を免除しております国に登録しておりますところの船を相互に使います際には、またこれも免除する、こういうことでございます。ただいま御質問のは、おそらく船は持ってないけれども——船は持っていないというお話でございましたが、おそらくそこへ登録しておりますところの船をスウェーデンが使う場合、かように考えておりますが、いかがでございますか。ちょっと質問がわかりませんでしたが、そういう場合には、その国が日本とスウェーデンと双方免除いたします際に免除する、こういうことになっております。 それから第三点といたしまして、スウェーデンに登録されております船を日本が使いましても、スウェーデンは免除する。それからスウェーデンが日本の国籍の船舶を使いましても、日本はスウェーデンに対して免除する。これが第三点でございます。 それから第四点といたしまして、日本の登録船舶につきまして免除している国の船舶をスウェーデンが使いました際には、日本はスウェーデンの船舶所得を免除する、こういう四つのケースがあるわけでございます。いずれかそれに該当いたしますれば免除する、かようになるわけでございます。
○松本(七)委員 私の聞いたのは、実情としてこういう例があるかというわけです。たとえば船を持っておらない国が、日本の船舶が向うへ行ったときに現に課税されているか。
○塩崎説明員 今説明申し上げましたように、日本の国籍の船舶を使いましてスウェーデンで所得を上げます場合でございますが、それは今申し上げましたように、その国が日本とスウェーデンを免除いたしておりますれば、これは免除するということになります。
○松本(七)委員 そうすると、スウェーデンがチャーターした船舶がこの(b)項に該当しない第三国の船舶であった場合には、どうなりますか。
○塩崎説明員 船舶所得の計算は非常に複雑でむずかしいのでありますが、それは課税になることになります。
○松本(七)委員 そうすると、その場合でも、裸用船と一般用船の場合は区別があるのですか。
○塩崎説明員 現在のところ区別はございません。
○松本(七)委員 その次は第六条、第七条、第八条にわたってですが、この三条にわたる規定は実質的規定なのですが、これと最恵国待遇との関係はどうなのでしょうか。最恵国待遇を与えている諸国に当然この条項が敷衍されるものでしょうか。
○高橋(通)政府委員 これは租税に関する二重課税に関する特別の協定でございますから、一般の通商航海条約であります最恵国待遇の規定は、当然除外される、例外であると心得ております。
○松本(七)委員 それから第六条の秘密工程とか秘密方式というのは、一体何を言うのでしょうか。
○塩崎説明員 これは特許権までもいっておりません。一つの生産方式でございます。いわゆるノーハウと言われているものでございます。
○松本(七)委員 第七条の留保所得というのは何でしょうか。
○塩崎説明員 これは御存じの通り法人が利益を得ます。そのときには利益は、一部は配当として社外に流出され、一部は役員賞与として社内に流出いたしますが、そのほかの所得といたしましては留保される場合が相当多いわけでございます。法人の内部にいわゆる積立金として蓄積される部分であります。
○松本(七)委員 そうするとこの第六条、第七条、第八条の実質的規定は、外国人に対しては内国人に対するよりも有利になるということは当然あるわけですね。
○塩崎説明員 御指摘のように第六条、第七条、第八条の規定は、日本に住所または一年以上の居所を有しない個人、すなわちスウェーデンに住んでおる人の場合であります。スウェーデン人がこっちに住んでおりますればこういう規定の適用はございません。それともう一つは、日本に本支店を有しない、スウェーデンに事業所を有するところの法人の規定だけでございます。現在のところ所得税法では百分の二十の税率でございますが、本法によりますと百分の十五に下る、こういうことにしたわけでございますが、二十は相互に遠慮し合いながら十五にしよう、これは何も優遇というのではなくて、お互いの政府の税金の分け取りの仕方でございます。こちらに分けられました分は、二重課税防止条約の中にもございますが、向うの税金から引いてもらう、政府の取り分を少し遠慮しようじゃないかというので負けてやるその負けてやる分が向うに住んでおる者の優遇措置というわけではございません。二重課税防止条約というものは、おおむね負担を軽減しようというのじゃなしに、むしろ政府間の税金の分け取りの仕方をどういうふうにしようか、しかもまたそれによりまして二重課税の生じないようにしようというのがそのねらいでございます。
○松本(七)委員 その次は、日本に輸入される外国映画の売買形式なのですが、一本幾らというふうに権利を買うのか、それとも上映した売り上げによって支払われるのか、フィルムの所有権は一体どうなるのか。
○塩崎説明員 ただいま松本委員のおっしゃる通りその形式には二つございます。いわゆる歩合制度と定額の売り切り制度と二つがございますが、アメリカにおきましては大体歩合制度が多いようであります。スウェーデンにおきましては、これは数は少いのですが、大体売り切りで、定額で、スウェーデンの方は金を受け取っておるような状況でございます。
○松本(七)委員 聞くところによると、日本側としてはなるべくなら売り切り制度をとりたい、ところがアメリカは今言われるような歩合制度を主張しておるというのですが、いずれが日本にとって有利なのでしょうか。やはり買い取りの方が有利なのじゃないでしょうか。
○塩崎説明員 どうも税法上の問題よりも、むしろ映画業者あるいは興行者の考え方できまるのじゃないか、あるいはその興行成績によってきまるのじゃないかと思いますので、税法上の立場でどっちが有利かということは——現在の課税の仕方では大体平等の待遇にしております。その他の点は私どもが申し上げるよりは、映画業者その他からお聞きになっていただいた方が状況がわかるのじゃないかと思います。
○松本(七)委員 そうするとアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ソ連、こういった国のとっておるのはどうなんですか、アメリカだけが歩合制度で、あとは全部売り切りですか。
○塩崎説明員 各国によって種々なやり方があるようでございます。私どもの方の大蔵省の為替局では定額にしたらどうかというような意見もあるようでございますが、現実にはそうなっていないような状況でございます。
○松本(七)委員 それを附いておるのです。日本側としてはむしろ売り切りを主張したいのじゃないか、しかし、アメリカだけが強硬に歩合制度を固執しておるということを聞いておるのですが……。
○塩崎説明員 どうも勉強不足でございますけれども、所管外のことでございますので、御答弁は遠慮させていただきたいと存じます。
○松本(七)委員 それではそれは所管外のことですから外務省の方にちょっと伺っておきますが、今まではドルのワクで入っている外国映画はほとんど全部アメリカですね、これは今後は日ソ国交回復もできたし、もう少しソビエト映画のワクをふやしてもらいたいという声は方々から聞くのですが、そういう映画の輸入政策について外務省は何らか今後変更される計画がおありですか。
○木村政府委員 今の御指摘の点につきましては、国別の割当というものはないわけでございまして、ドル地域またポンド地域というふうな割当になっております。今後その点につきましては研究をいたしまして、できるだけ実際上の要望に沿いたいと考えます。
○松本(七)委員 そうするとソ連映画の輸入の要望が強くなれば、何らかこれを打開する直はある、こう理解してよろしゅうございますか。
○木村政府委員 為替等の差別待遇はいたしておりませんので、業者の業務成績によりましてその割当がきまっているという関係になっております。従って業者の方の業務成績のいかんによりましては、さようなことも変更される可能性はあると思います。
○松本(七)委員 その次は、第九条、政府の職務の遂行にあるべき者というのですか、政府の職務の遂行にあるべき者の範囲ですね。外交官以外のたとえば現地雇いの外国人とか、それから現地雇いの同国人、そういった外交官以外の者もこの政府の職務の遂行の範疇に入るのですか。
○塩崎説明員 外交官以外の者も入るわけでございます。
○松本(七)委員 それから九条の2に「一方の締約国が利得を得る目的で行う営業又は事業に関して提供された役務につき支払う給料」云々と書いてあるのですが、それは適用外に置かれるようになっておるのですけれども、一体「締約国が利得を得る目的で行う営業又は事業」とは、どういうものを想定しておるのですか。
○塩崎説明員 普通の資本主義国家ではこういう事例は少いわけでございますが、中には国営企業で収益を得るものがございます。そういうものは、たとえば国鉄が向うで事業をやるような場合があるといたしますれば、そういう場合には適用いたさない、こういうわけでございます。
○松本(七)委員 そうすると、資本主義国がやっておっても国営事業あるいは公社、そういうものはみな入るわけですね。
○塩崎説明員 さようでございます。
○松本(七)委員 そうすると、社会主義国家がやっておるのはみな国営事業であって、いかなる営利事業でもこれは国がやっておるわけですね。そうすると、そこのところに何かこう概念上区別があるような感じがするのですがね。わざわざここで締約国が利得を得る目的で行う営業、それじゃこの規定の中に社会主義国家のやる事業は全部入っておるものと考えていいですか。
○塩崎説明員 具体的な認定の範囲になりますが、この営業事業の範囲の問題になるのじゃないか。資本主義国家では普通は収益事業とし、あるいは営利事業としてやられておりますものと同種のものが行われる場合のことを規定している、かように私どもは考えております。
○松本(七)委員 それから第十四条の規定についてですが、たとえば船舶の所有者が日本人だ、ところが登録国はパナマかどこかである。その船舶をスウェーデン人に対してかりに。パリで売買契約をして売買が行われたというような場合の所得は、どこで生じたことになるのですか。つまり課税はどこでされるのですか。
○塩崎説明員 御存じの通り日本の船舶につきましては、日本でしか登録できないことになっておりますので、そういう事例はないわけでございます。もしもありといたしますれば、登録されている国から生ずる所得でございますので、もしもありといたしますれば、仮定でございますがパナマになるわけでございます。
○松本(七)委員 それからこの第十五条ですが、これはおそろしくむずかしくて何のことを言っているのかさっぱりわからないのですが、これをちょっと具体的に説明してもらいたい。
○塩崎説明員 この十五条の規定が二重課税防止条約の最も根幹をなしておるものだ、かように私ども考えておりますが、二重課税の排除の仕方に二つあるわけでございます。一つは税額控除方式と申しまして、たとえば所得源泉国で課税を受けました税金は、その本国の居住国に帰りますと、大体は所得税法がありますから累進税率がそれを上回ってかかるわけであります。その税額を引く、たとえばスウェーデン国におります者が、日本におきましてこの配当所得を持っておる、その際源泉の十五がかかるというときには、スウェーデンにございますところの、たとえば五十の税金がありますれば、日本でかけられました十五を引くというのが税額控除方式でございまして、日本は大体所得税法におきましてはそういう方式をとっております。もう一つこの二項にございますスウェーデンの方は非課税方式をとっております。もう一つの方式は非課税方式と申しまして、所得源泉国で税金をかけられましたところの所得につきましては、居住国に持って帰りましたときには全然税金を課税しないという方式がございます。これがスウェーデンがやっておる方式でございます。これが二項の方に響いてあります。ただ六条と八条の工業所有権の使用料と利子につきましては、日本ですでに税金をとられます。そういうものはスウェーデンの方のそれを全然非課税にいたしますと負担の不公平が起りますので、それは非課税方式でなくて、一ぺん総合所得に入れましてスウェーデンの税金を計算いたしまして、そうして日本でとられましたところの百分の十五の税額控除をスウェーデンでやってやる、スウェーデンにおきましてはこういう非課税方式と同時に税額方式を混用することになっております。これが二項に書いてあるわけでございます。
○松本(七)委員 説明を聞いているとよくわかるのですが、条約局長にお伺いするのですけれども、この条約は大体むずかしいけれども、この十五条の書き方なんというのは実にわかりにくい。もう少し条約文というのはわかりやすく改められないものでしょうか。
○高橋(通)政府委員 確かに私どもいつも条約を扱っておりまして、非常にそういう面に出つくわしますし、非常にむずかしい面が多々あるのでございす。この条文も私自身何度も読み返したり、それから構成なんかをいろいろ考えたのでございますが、一般的に申しまして英文で双方意見の交換をして大体英文の草案ができ上る。そうなりますとやはりその翻訳と申しますか、われわれの考えを日本語で直します場合に、全く日本語の考えでそのまま書きます場合、どうしても英語なりそのあれにぴったり来ないという場合がたびたびありまして、思い切ってたびたび試みるのでありますが、そうしますとどうしてもまたニュアンスというものがちょっと出ないという心配もありますし、そうなりますとちょっと条約文なんかこわいものでございますから、なるべく直訳的に書くということをたびたび繰り返しているわけでございます。この上ともなるべくわかりやすくするように努力していきたいと思っております。
○松本(七)委員 それはよくわかるのですが、そうなると国会審議なんかの参考としては、問題が起った場合にやはりこういうきちっとしたものがどうしてもなければならぬ。原文に忠実なものを原本としておき、かつもっと大胆に離れて表現したものを何らか——一応それは説明は提案理由の説明その他にありますから概略はわかるけれども、われわれは条約を一つ一つ検討するのですから、そのときのほんとうの趣旨、中心がどこにあるかということが大事なところでわからなくなってくると実に審議に工合が悪いのですね。はなはだ忙しいところをあれですけれども、何かそういう便法というものは講じられないものでしょうか。
○高橋(通)政府委員 できるだけ御趣旨に沿うようにやっていきたいと思います。
○松本(七)委員 それから条約終了の規定を六月三十日以前をもって定めた理由は何ですか。
○塩崎説明員 私の方からお答え申し上げます。御承知のように所得税は私の方では課税年度、歴年をとっております。それからスウェーデンの方におきましては所得年度と称しましてやはり歴年でございますが、いずれにいたしましても歴年分の所得税についての特例が多いわけでございます。そうしますと半年ぐらいの余裕をおかなければ非常に不合理な結果になるということで半年ぐらいの余裕を置く、こういう関係上六カ月、こういう規定が設けられているわけでございます。
○松本(七)委員 六月三十日以前とわざわざ日にちをあれした理由がわからない。
○塩崎説明員 今申し上げましたように六月三十日ぐらいならば適用関係が容易である、こういう関係でございます。
○松本(七)委員 それは両国の年度が違うことからきているのですか。
○塩崎説明員 相互に歴年でございますので、年度は一致いたしております。しかし大体六月三十日で半年でございますから、半年ぐらいの余裕が要る、こういう関係でございます。
○松本(七)委員 今言われた日本側は課税年度、それからスウェーデン側は所得年度、用語を区別して、これは使い方が違うからあれしているのでしょうけれども、慣習上用語が違うからこうやって出しただけで解釈上は同じなのですね。
○塩崎説明員 向うの税法ではインカム・イヤーと申しますか所得年度、こちらの方は課税年度、タックス・イヤーといっております。その関係だけでございます。
○松本(七)委員 それから第十六条に関係することですが、租税に関しての詐欺を防止する手段としての情報の交換などは十分行われるとお考えでしょうか。日米の条約実施の状況から考えてどうでしょうか。
○塩崎説明員 先ほども申し上げましたように、課税資料につきましてはアメリカから一部情報の提供がございました。このように、おそらくスウェーデンとの間におきましても、アメリカほど納税者の数が多いわけではありませんけれども、ある程度行われる、かように考えております。
○松本(七)委員 特許権だとか、著作権などで、日本とスウェーデンとの間にどれくらいの収入があるお見込みでしょうか。
○塩崎説明員 実績について工業所有権の使用料を申し上げます。現在の特別措置法によりますと、二十八年の三月三十一日までに契約されましたとこりのロイアリティと申しますか、工業所有権の使用料につきましては、租税条約が締結されましてから六カ月後に課税する、こういう規定がございます。これはなぜかと申しますと、日本の所得税法は、二十八年前におきましてはいわゆる支払地主義でございまして、支払国において課税する国内源泉所得主義をとってなかった点があったわけでございます。それを二十八年に改めまして、国内に源泉がある所得ならば、どこにおいて支払われようとも課税する、こういう建前に改めたわけでございます。そうなりますと、今まで税金がかからないからというわけで契約していた方々に相当急激に負担がふえるということになります。従いましてこれは租税条約ができて六カ月をこえてから課税する、こういうことに改めておりますので、現在のところは課税になっていないものが大部分でございます。二十八年の三月三十一日後に契約されたものは百分の二十で課税になりますが、そういうものは建前がそういうふうになっております関係と、それから三十八年三月三十一日以前に契約されたものが多いので、税金といたしましては少いわけでございますが、実績を申し上げますと、最近の支払い状況は、二十九年度で二千五百八十五万円、三十年度で三千四百四十万円、三十一年度で八千四十五万円、かようになっております。現在のところ、為外管理法は、今申し上げましたような課税の建前になっておりますので、しかももう一つ、特別措置法によりましては、重要外国技術については百分の二十の税率が百分の十に軽減されておりますので、その税額も、三十年度は八十万円、三十一年度は二百十万円程度になっております。
○松本(七)委員 最後に、議定書ですが、SASに関する持ち分の比例のことが出ているのですが、比例はどうなっているのでしょうか。
○塩崎説明員 お答え申し上げます。御承知のように、SASは匿名組合的な持ち分を持っておりますところの組合形式によって運用されておる企業であります。スウェーデンが三、ノルウエー、デンマークが二、二とかような割合で持ち分を持っていることになっております
○松本(七)委員 これでスウェーデンの租税条約は私は終ります。 次に、在外公館に関する法律で、予算措置を必要とする個所及びその金額はどうですか。
○木村政府委員 予算措置は、ソ連の場合及びイスラエル、パナマ、マレーにおきましては、予算的措置は講じてございますが、その他の昇格におきましては、南米の六カ国及び兼轄等は予算的措置は必要といたしませんので、講じてございません金額の点につきましては、今ちょっと書類を持って参っておりませんので、調べてから御報告申し上げます。
○松本(七)委員 これは個々の場合で違うでしょうけれども、公使館を大使館に昇格することによって、館員の増員、それから諸経費の増加は大体平均どの程度になるのでしょうか。
○木村政府委員 南米の六ヵ国の昇格について申し上げますと、予算的には何らプラス、マイナスなし、公使はそのままの俸給及び在勤俸をもちまして大使に昇格する、かようになっております。館員におきましても、現在の館員をそのまま大使館員にするということで、現在のところはその増員を考えていないわけであります。
○松本(七)委員 さっきのお話ですと、予定されておるポーランド及びチェコは予算措置はまだないのでございますか。
○木村政府委員 さようでございます。
○松本(七)委員 そうすると、そのために第一条にはポーランド、チェコ大使館の増設がうたわれているにかかわらず、第二条の在勤者の給与表には落ちておるとこういうわけですか。
○木村政府委員 在勤俸はその土地の物価、為替関係その他駐在外国使臣の俸給等調査対象が非常に多うございますので、一方チェコ及びポーランドにおきましてはその調査が今不十分でございますので、この法案提出に間に合わなかったのが実情でございます。
○松本(七)委員 そうすると、ポーランド、チェコがもう間もなく必要になってくるだろうと思うのですが、どうされるのですか。補正予算の何かでやられるのですか。
○木村政府委員 何らか補正予算もしくは予備金支出等の財政的措置を講じたいと考えております。
○松本(七)委員 ポーランド、チェコもこれから非常に重要性を増してくるだろうと思うのですが、今のところ兼任の方針なのでしょう。どうなのですか。
○木村政府委員 兼任とは必ずしもまだ言い切れないのでございまして、むしろ兼任でない方向に進むというふうに私どもは見通しております。
○木村政府委員 米国のワシントンを一〇〇といたしまして、ある種のレートをかけまして各地の在勤俸を規定しております。たとえばワシントンを一〇〇といたしましてベルギーは九五、インドは九二、台湾は一〇〇、フィリピンは一〇〇、こういうふうなきめ方をしておりまして、一〇〇以上に出るものはないのが現実でございます。
○松本(七)委員 ソ連はどのくらいになっておりますか。
○木村政府委員 ソ連につきましては、大使から十級の下級員に至ります比率は違っておるのでございまして、大使、公使及び一号俸は一六〇でございます。それから二、三、四は一六五、それからちょっと今記憶しておりませんが、一番最下級のものが二〇〇なっておりまして、さようにして下一方に厚い率が考えられておるわけでございます。
○松本(七)委員 ドル貨とソビエト国内における物価関係がおわかりでしょうか。何か品物を例にあげて知らしていただきたい。
○木村政府委員 公定価格は御承知の通り一ドル四ルーブルとなっておりますが、実勢力は十四ルーブルということになっております。モスクワにおきます物価のことは、調べるだけの調査はできておるのでございますが、今ここに表を持って参りませんので、また追って御通知申し上げることにいたします。
○松本(七)委員 在ジュネーヴの国際機関日本政府代表部、それの出際法上の地位というのはどういうものですか。
○木村政府委員 これは現在ニューヨークにあります国際連合日本代表部と同様の国際的性格を持っております。従って大使館、公使館、領事館と同じ国際法上の取扱いを受けるものと考えます。
○松本(七)委員 そうするとその政府代表のわが国における法的地位も、やはり今御指摘になったのと同じですか。
○木村政府委員 公使館に準ずるものでございます。
○松本(七)委員 そうすると、それは日本における法的根拠は何に基くわけですか。
○木村政府委員 外務省設置法の中に大使館、公使館、領事館と同じように規定されるわけであります。
○松本(七)委員 それはどういう規定ですか。在ジュネーヴの国際機関日本代表、そううたってあるわけですか。
○木村政府委員 今内閣委員会の方に提出してございます外務省設置法の改正法案の中にうたってあるのが国際機関日本政府代表部、かようになっております。
○松本(七)委員 そうするとその改正法によって法的根拠ができる。従来は、改正前はどうなのですか。
○木村政府委員 従来は総領事館であったのが、国際機関日本政府代表部になったわけでございます。
○松本(七)委員 提案理由、それから説明書によりますと、今日までフィンランドに外交機関である公使館や大使館を設置しないで、そうして総領事館にとどめた理由として述べておるのは、ソ連、フィンランド両国の微妙な関係に対する考慮からだ、こういうふうな説明があるのですが、これは一体どういう意味なのでしょうか。日ソ国交回復と別に、フィンランドに何か特別の理由が考えられるのでしょうか。
○木村政府委員 これは提案理由にも書いてあります通り、こちらとしては設置を希望したのでございますが、先方の理由によりまして、現在まで総領事館という形になって参ったのであります。先方の状況を多少推量に過ぎたかと思いますが、向うは困るという態度をとっておったものでありますから……。
○松本(七)委員 それでその理由は向うは明示しなかったのですか。ただ困るというだけで、なぜ困るかという理由は……。
○木村政府委員 やはり日ソ両国間の国交が回復していないということに対する気がねからではないかと存じます。
○松本(七)委員 そうすると回復後は何か新たな意思表示でもございますか。あるいはこちらから新たな意思表示をする意志があるのですか。
○木村政府委員 東京におきまして先方の総領事との間に話し合いを進めまして妥結を見たのでございます。
○松本(七)委員 大使と公使との権限上の相違というものは、実際にはないのでしょうか。
○木村政府委員 権限上の相違はございません。
○松本(七)委員 そうすると外交団での席次の違いとか、その程度のことだろうと思うのですが、大使一本にするというわけにはいかないのですか。
○木村政府委員 お示しの通り、格式、儀礼上の差異はございます。世界的趨勢は大使及び公使を一本化するという趨勢に進んでおりまして、アメリカのごときは七十四の大使を持ち、わずかに四カ所の公使を持っておる。英国もまた五十四カ所の大使を持ち、十二カ所の公使を持っておるというふうに、漸次公使の数が減っておる現状でございます。わが国といたしましても、東南アにおきましては、公使館は現状においてもうすでにないわけでございまして、中南米におきましても今回六ヵ国に対する公使館を昇格いたしますので、十一ヵ国が依然としてまだ公使館として残っておるのでありますが、漸次事態の進展を考えまして大使館に昇格するものと存じております。
○松本(七)委員 それからソビエトは、従来からあまり領事館の設置を許しておらないように聞いておるのですが、日本側からすれば漁業問題とか貿易その他で相当ソビエト側の領事館を日本に多く開設した方が好都合じゃないかと思います。そうなるとあまり相互義に主にとらわれておると、日本に不利になるのじゃないかという気がするのですが、一つはその間の事情をどういうふうに調整されるか。まあ日本には相当方々に領事館を置かなければならぬ。ところがソビエト側ではあまり向うに日本のを置きたくないというふうなことになった場合、相互主義にとらわれていると不便を来たす、その間何らか調整の方法を考えておられますか。 それと関連して、ソビエト国内にどこの国の領事館が現在あるか、それからどこの国にソビエトの領事館を置いておるか、おわかりでしたら伺いたい。
○木村政府委員 お示しの通り、ソ連の領事館を日本の各地に置くという話が、特に日本海に面する都市の方からも陳情のあるのが現状でありますが、仕事量の問題でございまして、必要というものと十分に勘案いたしまして、相互の話し合いの題目になると存じております。必ずしも一対一の相互主義ということが貫かれるものではなかろうと私は考えております。 なお中共がアルマアタという所に領事館を赴いておるように聞いております。その他の国は領事館は設置をしておりません。ソ連が外国に対して領事館を置いておるという例は、今のところ私どもとしては承知をしておりません。
○松本(七)委員 ポーランド、チェコの大使はいつごろ赴任される予定でしょうか。
○木村政府委員 まだ先方から正式に申し出があったわけではございませんが、どんなに急ぎましてもやはり夏以後のことになろうかと思います。
○松本(七)委員 どういう予想ですか。中国その他の駐在大使が兼任される見込みですか、あるいは別個に来られる見通しでしょうか。
○木村政府委員 その辺の事情はまだ判明いたしておりません。
○松本(七)委員 けっこうです。
○野田委員長 次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時一二十四分散会