海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第11号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1957/04/17
会議録
○廣瀬委員長 これより会議を開きます。 この際委員長より御報告申し上げますし四月十日の本委員会における岸外務大臣の発言に基いて理事会において協議の結果、中共地区未帰還者問題の解明に関し議員団を派遣することに決しましたので、御了承願いたいと思います。 —————————————
○廣瀬委員長 次に、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する件について調査を進めます。直ちに本件についての質疑を行います。山下春江君。
○山下(春)委員 私は、在外公館借入金について、アジア局長に二、三の質問をいたそうとするものでございますが、それに先だちまして、公館等借入金の確認件数はどれくらいあるかということが一点、それから借り入れ件数に対しまして確認件数はその何割くらいに当っておるかということが一点、さらにまた確認されましたものが今日までにことごとく返済されましたかどうか、これが一点、返済件数はその中の何件くらいか、その総金額はどのくらいになっておるか、これが一点、そのほか返済のための予算が現在どのくらい残っておるかということが一点、これらに対しまして、できるだけ詳細にお聞かせをいただきたいと思います。
○中川(融)政府委員 ただいま山下委員のお尋ねでございますが、現在までに外務省が受け付けました請求件数は二十一万三千九百六十件でございます。このうち、確認済のものが十三万五千八百二十五件でございます。従いまして、総申請のうち、大体六割五分見当は確認済みであるわけでございます。なお不確認のものが六万五千四百八十件ございます、これは不確認を決定したものでございますが、なお、いろいろ裏づけの資料がないために、確認とも不確認ともまだきまらないものが一万二千六百五十五件ございます。外務省といたしましては、こうして確認しましたものに証書を発給するわけでございますが、この証書が大蔵省に提示されまして、大蔵省の方では、別途在外公館等借入金の返済の実施に関する法律に基きまして、逐次これが返済に当っておるわけでございます。すでに返済が済みました金額は、はなはだ申しわけございませんが、ただいま大蔵省側からの資料を持っておりませんので、今不明でございますが、現実問題といたしまして、一応この返済に予定いたしております現在の予算額のうち、大体一億円程度のものがまだ残っておるのでございます。この一億円というのは、すでに支払うことが決定したもの、支払わなければならないものも含めまして、それを全部差し引きまして、なお一億円見当のものが残っておる。従って、現在考えられております支払わなければならない請求件数は全部満たしましても、なお一億円見当の予算が余っておる、かように御了承願いたいと思います。
○山下(春)委員 ただいまのアジア局長の報告によりますと、不確認と言われたものと、確認をすべきかすべからざるかというのと二つありますが、その六万五千四百八十という数字は、これは確認が不可能だという数字でございますか。
○中川(融)政府委員 ただいま御説明いたしました際に、不確認といたしまして、六万万五千四百八十件と申しましたが、これは、証拠書類等を調べまして、的確な証拠がないと断定いたしまして、従って政府に支払い義務なしと判定いたしたものでございます。一万二千六百五十五件は、これは裏づけ資料がないためにまだ確認できないと申しました。これは現在まである資料では十分でございませんが、今後、何らかの形で、もし十分な資料でもさらに出て参りますれば、あるいは確認できるかもしれないというものでございますが、大体想定いたしますと、そういう新しい資料というものもないのじゃないか、しかし、せっかく人権と申しますか、財産権に関する問題でございますから、慎重に取り扱って、まだ不確認と決定していない分でございます。
○山下(春)委員 そういたしますと、非常にたくさんの数字がそういうふうになりましたが、しかし、政府にその債務がないということが明らかになつたものは、これはいたし方ないと思いますが、そこで、要は、あと一億ぐらい返済のための予算が残るであろうというお見通しであることが明らかになりました。一億ぐらいでは十分なことをしていただく金ではないと思いますが、これは、何といたしましても、国が債務者になっている金というのはこれくらいのものでございますが、今後これを、法律を変えるというわけにもいきますまい、換算率を今さら変更するわけにもいきますまいが、何か残っている金で少しそれらの点を考えてやつうというようなことをお考えになつたことがございますか。
○中川(融)政府委員 ただいま御指摘のように、約一億円ぐらいの予算が今り予定では残ることになるわけでございますが、これは、ぜひ、この引き揚げ関係の方、ことに在外公館の借入金の権利者を一名でも多く探しまして、そうして余った予算をできるだけ有効に使いたいと念願しているわけでございます。そこで、われわれができたらこうしたいと思っておりますのが、沖縄関係の権利者の問題でございます。沖縄は、御承知のように、この法律ができました当時、これは占領治下でございましたので、完全に行政権が分離にしておりました関係上、当初の法律の趣旨は当時の日本本土だけに適用するという趣旨でこれが制定されまして、従って、この法律に基いて作られました政令でも、各市町村長、府県知事を通じて申請するということにななっておりまして、沖繩ということは全然予定していないわけでございます。従って、現在までも、沖繩の人で現に沖繩に住んでおられる権利該当者については、これが適用がないのでございますが、できれば沖縄にもこれを慣用することにいたしまして、数から申しますと、せいぜい四百件か五百件という数でございますが、できるだけ余った金を有効に使いたいと念願しておるのでございます。しかし、何と申しましても、政府部内におきましては、大蔵当局との折衝になかなか時間がかかるのでございます。できれば本国会にでもそういう法案を御提案したいと思っていたのでありますが、いまだそういう運びになっていないのは、はなはだ遺憾に存じている次第でございます。
○山下(春)委員 中川アジア局長が沖繩の件についていろいろ心を使っていただいておることを承わりまして、実は、私は、その点がいまだ何ら意思表示をされない。再三沖繩からそういうような要請がありましたけれども、今局長から言われたようないろいろな事情があるというので、これが放置されておったことは、大へん残念だと思います。そこで、現行法でこれをどうすることもできないということが明らかになりまして、今政府の方で、債権確認の手続をする法律の延期をするという御意思があるような、ないようなお話でございましたが、これは何回も延ばしてきましたけれども、沖縄は今言われるようないろいろな事情がありましたために、全然手続がとられておりませんので、ぜひとも、この国会に、沖縄の人たちのこの権利を確認するために、政府の方でこれの延期の改正法律案をお出し願って、確認のできる道を開いてやりたいと思いますが、私ははっきり伺いませんでしたけれども、政府の方でこの国会にお出し願えるのでございましょうか、ぜひともこれはお出し願いたいと思うのです。
○中川(融)政府委員 外務省といたしましては、ぜひ沖繩にこの法律を適用したいと考えて、いろいろ関係当局と折衝しておるのでございますが、直接これと関係はないわけではございますが、たとえば在外財産に対するいろいろの補償の問題とか、そういう財政的に非常に大きな負担になるような問題も目下進んでおりますような関係から、財政当局としてはこういう問題につきまして非常に慎重でございまして、われわれがいろいろこの折衝をしておるのでございますが、まだ政府としてこの決定を見る段階に至っていないのでありまして、担当当局でありますわれわれとしては、ぜひ今国会にもこの改正法律案をお出ししたいとは思っておりますけれども、果して十分間に合うようにそういう措置がとれますかどうか、われわれとして自信は今のところ遺憾ながらはっきりとはない次第でございます。
○山下(春)委員 局長の今仰せられました在外財産の補償といいますか、交付金五百億という膨大な金をもって法律が衆議院を通過いたしましたのでございますが、それだからよけいよいのでございます。あれはやはりこういうものとの考え方に関連がないとは言いませんけれども、これよりは非常に不確実な問題を対象として、国家が、お気の毒だというか、慰謝というか、そういう気持を持ってあそこまでたくさんの予算をつかんできめたのでございます。これは、もっとそれよりは確実に、政府が借りておったのでございますから、ああいう問題が片づいて非常に予算が要ったからなどと大蔵省で言うことは、これは本末転倒でございまして、この方が先でございまして、この方は、予算をくれというのではなく、まだ運営をされた残りの金が、とにかく、いろいろ片づけてしまっても、約一億くらいの残金があるであろうという際でございますから、これはなかなか同意できないなどと大蔵省で言われることは、これは非常におかしいので、ああいう大きな問題さえ政府が勇気を持って非常な善政をおやりになった今日でございますから、これは一つ外務省の方でもう一度強く御折衝願ってみて、そうして万一どうも政府提案ということで非常にむずかしいいろいろな点があるようでございましたら、せっかくあるこの特別委員会でございますから、特別委員会の強い主張をもって、われわれが修正をいたしますか、あるいは当委員会が大蔵省を説得いたしまして、政府提案で直してもらう、ぜひそのようにいたしたいと思いますので、外務省では、どうか一つ延期をして、この債権者たちの権利を確認することに努めてやりたいというお気持をぜひお変えにならないようにお願いいたします。そのことにつきましては、不日また、委員会なりあるいは理事会なりで、局長からなお大蔵省とおかけ合いになった結果を承わらしていただいて 適当な処置をいたしたいと思っております。そういう御了解になっておる点がわかりましたから、私はいろいろいろどくは申しませんが、どうか一つ、今私がお願いしたことを、引揚委員会として、どうしても沖縄問題を処理するために、法律を修正して延期をして、債権を確認する必要があるということを強く迫られたということを建前にして、一つぜひおかけ合いを願って、その結果を、当委員会の次の委員会ではあまりおそくなると思うのですが、何らかの方法で委員長まで御連絡を願って、そうして、どうも政府提案でむずかしいということならば、当委員会がこの修正をいたさなければならないと思いますので、ぜひ一つ局長が責任を持って当廣瀬委員長まで御連絡を願いたいと思います。この問題はやはり関係者は非常に深い関心を持ってながめておりますので、この際アジア局長に申し入れをいたしておきたいことは、在外公館等借入金の借り入れの件数、申請件数、確認件数、不確認件数、懸案件数、返済件数等に関する資料を——先ほど私はここで承わりましたけれども、それを資料としてお出しいただけば、これら当該関係者は、こういうことが明快になりまして、この問題に対する心配なりあるいはどうなっているかという問い合せ等で非常に困っている向きもございますので、資料を一ついただきたいと思います。
○中川(融)政府委員 ただいま山下委員から御要求のありました資料は、さっそく作りまして、各委員に御配付いたしたいと思います。なお、大蔵省と再度折衝いたしますことは、私も責任を持って果しまして、その結果を御報告いたしたいと思います。
○山下(春)委員 今のようなわけでありますから、中川局長から、もし政府提案でこれが延期を願える手続ができれば、政府提案が一番けっこうだと思います。もしどうしても都合が悪いようでございましたら、本委員会でそれはやってあげなければならないと思いますので、手続をよろしくお願いいたします。
○廣瀬委員長 承知いたしました。 ほかに御質疑はありませんか。——ほかに御質疑がなければ本日はこの程度にいたしたいと思います。 次会は公報をもってお知らせすることといたし、これにて散会いたします。 午後二時四十九分散会