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26回国会衆議院1957/09/17

科学技術振興対策特別委員会 第42号

発言数
110
登壇者
11
会派数
2
開催日
1957/09/17

会議録

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について、調査を進めます。  本日は原子力行政一般の問題につきまして調査を進めますが、まず石川原子力委員より、当面の諸問題について、説明を聴取いたしたいと思います。それでは石川原子力委員。

石川一郎原子力委員

○石川説明員 現在、原子力委員として一番きめなければならぬと思っておりますことは、原子力研究所の行き方、これが大きな問題でございます。大体、昨年作りました長期計画は未定稿でございまして、確定ではありませんので、これをはっきりきめたいということでございます。それからなお原子力研究所といたしましては、この研究方針に従いまして、上の方の研究をどうするかということをきめようと思っております。大体でき上っておりますが、まだこまかい点はきまっておりません。  その次の大きな問題といたしましては、動力炉を将来どういうふうな形式でやっていくか、こういう問題でございます。ただ、日本の電力の将来の必要さはどれくらいになるかという問題につきましては、たしか六月でございましたか、通産省それから経済企画庁におきましていロいろ案ができておったのでございますが、……。

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 石川委員にちょっと御注意申し上げますが、もう少し声を大きく願います。特別委員会議

石川一郎原子力委員

○石川説明員 その数が一致しておらなかった。原子力が加わりまして、将来日本の発電の必要さがどれくらいになるか。そのときは昭和四十五年までしかありませんので、それをもとにいたしまして、大体意見がまとまったのでございます。昭和四十五年において、今詳しい数字を覚えておりませんが、千四百数十億キロワット・アワーの電気が要るだろう、こういうことに相なりましたので、それまでに水力はどれくらい伸びるか、火力はどれくらい伸ばしたらいいか。なお火力をあまり伸ばし過ぎますと、将来火力発電をとめて原子力発電に移るようなことがあってはまずい、ある程度スロー・ダウンをいたしまして、それを原子力発電にかえていったらどうか、こういうように考えまして、昭和四十五年までに約三百万キロぐらいの発電所を原子力によって作らなければならぬ、こういう想定ができました。その後昭和四十五年までにどのくらい電気が要るかという算定ができましたので、今度はそれをもとにいたしまして、それから先をやりたいということであります。日本の経済の成長率を六・五%として決定したのでありますが、それによりますと、ただいま申し上げた四十五年に千四百億キロワット・アワーという数字より一割ぐらい減るのではないか、こういうふうに考えておりますから、これは七、八%のわずかな差だろうと思います。大した変更はないのではないか、こう考えます。もし三百万キロの原子力発電所を作る上におきましては、昭和四十年から先は原子力発電の比重を他の発電に対してよほどよけいに持っていかなければならぬ、こういうことになりますので、できるだけ早く原子力の炉を入れまして、そして練習をしておかなければならぬ、こういうことで非常に急いでおります。それから、価格の問題につきましては、われわれが昨年参りましていろいろ向うのデータから推定いたしましたが、今年になりまして、宇田大臣、それから原子力局長があちらに行かれまして、耕しいデータをもらって参ったものでありますから、今度はそれによってわれわれが昨年調べてきたものをやりかえてみたわけであります。そうしたところが、大体一キロワット・アワー当り、八〇%のロードファクターをべースロードとして動かしまして、四円五十錠前後で上る、こういうことになりました。なお、日本の新しい火力発電所のコストでありますが、これは九州とか北海道とか、そういう産炭地を除きまして、大阪、名古屋、東京あたりの耕しい発電所のコストというものは、やはり大体それとあまり違わない四円三十銭とか五十銭という数字が出たものでありますから、それならば急いでやっても、経済事情の圧迫もないし、電力の値上げも必要ではないだろう、こう考えます。  なおまた、どういう種類の炉を入れるかということにつきましては、先般もたびたび御報告申し上げていると存じますが、アメリカは、御承知の通り非常に金をかけまして、今十一のタイプの炉を研究しておりますが、まだアメリカの方は工業的に、完成したと思えません。なおまた、シッピングポートをごらんになった方もあると思いますが、これも一億ドル以上の金がかかりまして、それの約六割ぐらいが研究費になっております。六万キロか九万キロの炉に四千万ドル以上かけておるような状況でございますので、まだそれも動いておりませんし、アメリカの方はまだ二、三年たたなければ、日本で採用することができないような状態じゃないか。この問題につきましては、アメリカのワインベルグとかいろいろな方の御意見を伺いましたが、まだアメリカはツー・オア・スリー・ゼネレーション早い。ツー・オア・スリー・ゼネレーションというのは、中に入れますエレメントを一ぺん入れてみて、またやり変えてみる、これがワン・ゼネレーションであります。十年先の意味じゃありません。二、三年の意味であります。そのくらいな程度まだ早過ぎる。将来は非常にいいものと思いますけれども、今は、結婚にたとえてみれば、少し若過ぎてまだ結婚するに至らないような状況と私は判断して参りました。その後約一年たちますから、相当進歩しているだろうと思います。そういうわけでございますので、さしあたりはコールダーホールの方がよかろう、こういうふうに考えております。それから三百万キロの炉をどういうふうに入れるかということは、半々にしたらいいだろう。と申しますのは、英国の炉は、たとえは悪いたとえでありますが、荷車みたいなもので、アメリカの炉ができ上れば、自動車みたいなものだ。だから、将来は非常に進歩したものになるだろうから、まず半々ぐらい入れたらいいだろう、こういう考え方をしております。  それから、なお燃料の問題でございます。燃料の問題は、ついせんだっても燃料公社の年報が出ましたが、相当の方面にわたって、日本のウラニウムの賦存状態がわかって参りましたけれども、ただ分量とか成分とかいうことがまだしっかりつかめておりませんので、それがもう少ししっかりつかめるまでは、探鉱、採鉱等の準備をしていかなければならないだろうと存じております。なお、日本は当分ウラニウムの原料を輸入しなければならぬ状態にございますので、昨年カナダに参りましたときに、あちらのハウ副総理その他にお目にかかりまして、カナダの状況を伺いました。また私は、山にも参りまして、現場を見て参りました。ところが、私が参りましたときにも、ちょうど大きな工場を作りつつあるところでございまして、私は一つ見て参りました。一番大きなものは、最近のレポートによりますと、日に一万五千トン以上の鉱石を処理するような大きなものを建てております。来年一ぱいくらいたてば、カナダが一番大きなウラニウムの供給者になるのではないか、こう存じましたので、あちらから供給していただくことができるかどうかという話をしたのであります。そのときは、大体一九六二年と思いましたが、それまではアメリカと契約があってできないが、その後なら幾らでもできることになると思う。こういうことでございまして、カナダはあまりに大きな鉱床がございますし、非常に企業熱が強いものでございますから、政府は奨励法をやめるそうであります。奨励してそれを掘ることはやめて、なお新しい会社が興りますと、それと何年間に幾らのものを買い上げるということで契約をいたしまして、数字は少し危ないですが、約一億ドル以上の契約を、政府はマイニング・カンパニーとやっているような状況でございます。ところが、御承知の通り、カナダは政権が変りまして、今までの方々がおかわりになったものですから、非常におくれておったのでございますが、最近になりまして、向うから、契約をしてもいい、協定をしてもいいというようなことになっておりますので、今度は協定をするように進めたらよかろう、こう考えております。  それからもう一つ、今カナダのお話を申し上げましたが、そこで一番大きなマイニングをしております工場は、リオチントーという会社であるはずでございます。これはスペインの硫化鉱石、銅山をやっております。イギリス資本が入っている会社でございますが、それが一番大きくやっているようでございますので、イギリスの方では、カナダの鉱石はおれの方がやっているのだというようなことを言っているようでございます。またイギリスは、自分の国にはほとんど尽きてしまったのでありますが、濠州あるいは南ア方面からウラニウム鉱石をとることになっておりますから、ウラニウムの供給はかなりできるのではないかと存じております。  日本の方は、そういうような状態でございますので、原子炉を作りましても、当分の間は輸入鉱石に待たなければならないだろう、鉱山を一つ開発いたしますには、やはり数年かかりますものですから、われわれは、今のところの計算では、全部ウラニウムを輸入したと仮定して、収支バランスというか、国際バランスをとった方がいいだろうという考えでやっております。これから五、六年たちますれば、幾分は日本で供給できるのではないか、こういうふうに考えております。なお、濃縮ウランにつきましては、御承知の通り、非常に電気を使う仕事でございますので、何か新しい独得の方法で、一つ原研あたりで研究をやってもらいたい、この間も、死ぬまでかかってもいいから、やってもらいたいという話で、それまで生活の保障をしてくれるかという冗談話もありましたが、そのくらいの意気込みで、濃縮ウランについても、日本で研究していかなければならぬと存じております。  それから、協定問題でございますが、一番問題は、私、昨年帰って参りましたときに、これは早く協定をしなければならぬ、ちょうど皆様方の御意見と同じであったのでありますが、やはり周囲の情熱がそうなっておりませんので、この二、三月ごろから、早くやるようにやったらよかろう、私は早くやるべしという意見でございましたが、そういうふうに参りませんで、少しおくれましたけれども、いろいろ研究いたしまして、大体のところは、原子力委員会としては、外務省の方にこういう点を御交渉願いたいと、特に技術的の方面だけはわれわれの方から申し上げまして、外務省の方でやっていただくことになっております。なお、あの問題は、外務省の方で各官省といろいろと連絡をとって意見の調整をしてやるというお話になっておりますので、外務省の方でやっていただいておるものと存じております。  大体この程度にして、御質問がありましたら、お答えすることにいたします。

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。松前重義君。

松前重義日本社会党

○松前委員 ただいま石川原子力委員から御説明がありましたが、一キロワット当り四円五十銭というコストが出ておるというお話であります。大体使用済燃料の有効な使用、すなわち化学処理によってプルトニウムやあるいはウラニウム二三五やあるいはその他のアイソトープ等を分離する、こういう化学処理によりましてこれを有効に使う、こういうことによって原子力発電というものは経済的に運転できるものである、私どもはそのように理解しておったのでありますが、ただいまの一キロワット四円五十銭というのは、そういう意味において御計算になっておられるのか、それとも日本が英国なら英国からコールダーホール型のようなものを輸入した場合において、使用済燃料に関する化学処理というようなものを全然準備なくしてもこのくらいの値段になるのか、その辺のところを伺いたいと思います。

石川一郎原子力委員

○石川説明員 その問題につきましては、プルトニウムを、イギリスの方ではたしかトン当り五千ポンドで買ってくれることになっておりますが、それを送る費用でございますとか、どういうふうにして送るかという容器の問題とかがまだはっきりわからない点がございますので、それはネグレクトして、ゼロとして考えております。お話の通りにプルトニウムその他の利用は将来日本の原子力発電に非常に重要なことでありますので、これをぜひ研究してもらいたいと思いますが、今、日本のこれに対する研究とかあるいは学術の進歩の程度は、まだ小学校なのです。この一番むずかしいプルトニウムの問題等につきまして、まだ分析さえもはっきりできないと思うのです。まずそういう基礎をこの二、三年のうちにうんと固めて、そうしてそれから先の利用——また分量も初めのうちは少うございますし、また英国の言うところでは、せめて十基とかいうぐらいのものを入れた場合でなければ、経済的に引き合わぬという話もございますので、まず私らは基礎を固めることが大事だ、こう考えて、それから後にそれへ進みたい、こう考えております。なおまたイギリスでは、あるトン数にならなければ経済でないということを言っておりますが、実は私、アンモニア工業、硫安工業をやりましたときに、初めはそういう議論であった。ところが、日本では小さくやっても引き合うという計算が出たものですから、今から三十年ばかり前に始めた。そういうことでございますので、もう少し知識が出てくれば、トン数とかキャパシティの問題等、あるいは違った考えになるのかもしれないと存じております。いずれにしても、基礎の問題をはっきり学者や科学研究者に研究させなければならぬ。まだ分析さえもできない。そういうことですから、なかなか利用まで参りませんので、それをこの二、三年のうちに固めたい、それから簡単に行く方がいいのではないかと考えております。

松前重義日本社会党

○松前委員 原子力委員会は、この使用済燃料の化学処理に関して、具体的な計画をお持ちであるかどうか、それを伺いたいと思います。

石川一郎原子力委員

○石川説明員 まだ持っておりません。というのは、日本では相談する人も学者もおりませんし、これからそういう知識をつけて参っていかなければいかぬと思います。もしもこちらの望みがあれば英国は教えてもいい、こういうことを言っておりますが、まだ教わるにしても、こちらの程度が小学校程度ですから、この点もう少しこっちを固めてからの方がいいのじゃないかと思います。

松前重義日本社会党

○松前委員 小学校程度であるということでありますが、それでいつまでもほうっておくわけにいかぬだろうと思うので、原子力委員会としては、これに対する何らかの具体的な方策をお立てにならなくちゃならないものだと思うのであります。これに対して方策があったら伺いたい。

石川一郎原子力委員

○石川説明員 まだ私は方策は持っておりませんが、二、三年のうちにだんだん研究いたしまして、立てたいと思います。プルトニウムが出てくるのは、まだ五年先でございます。

松前重義日本社会党

○松前委員 これは非常に大事な問題で、五年後であるといえども、今日具体的な方策を立てておかなければ、将来——これは原子力発電というものが火力発電にかわるというような予想のもとにやっておられるようでありますが、その場合においては、非常にあわてなければならぬような情勢がくるのではないかと思うのであります。この点に関しては、特に原子力委員会においては、具体的な案を一つお作り願いたいと思うのであります。  それから、ただいまお話の大要を承わってみますと、英国あるいはアメリカ等から半々に、適当に調整をして輸入する、こういうお話でありましたが、一体日本の産業、ことに発電用国産原子炉に関しまして、何か具体的な、基本的な計画をお持ちであるかどうか、これを承わりたいと思います。

石川一郎原子力委員

○石川説明員 これはただいま、皆さん方の御承諾を得ておると存じますが、国産第一号炉というのをやっております。これは昭和三十四年中にはちょっとむずかしくはないかと思います。ウラニウムを入れることなどがちとおれたために、三十五年にかかるだろうと思います。まずこれを作ってみてそれから後、国産炉は考えてみたいと思うのであります。なおまた、英国の炉は、大体バブコックあたりで一やっているのは、六〇%ぐらい、日本でできると申しております。けれども、私はノー・ハウを買わなければ、半分ぐらいじゃないかと想像しております。一基、三催というふうに貫きます場合においては、日本で作る分室がだんだん多くなりまして、そうして向うから買う分室かだんだん少くなる。最後まで全部できるようになるか、この十年の間に幾らかのものは輸入しなければならぬものがあるのじゃないか、こう想像しておりますが、大体そういうような計画で、一基は手習いですから、向うの言う通りに買う、しかしそれも半分くらいは日本でできるだろう、その次のものからは、だんだんと日本の方で作っていくという計画を立てていきたい、こう考えております。

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 正力国務大臣が出席されましたので、この際大臣より、原子力発電の新会社設立の経過並びに原子力一般協定の締結交渉等につきまして、説明を聴取いたします。正力国務大臣。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 閣議が今までありましたので、大へんおくれて相済みません。  新会社の設立に至る経過を申し上げます。大体新聞紙上に出ておって、また皆さんも御承知のことと思いますので、簡単に申し上げたいと思います。今度の新会社の設立というのは、これは一年間にわたって委員会で研究した問題であります。それはたびたび申し上げていることでありますが、われわれどもは、原子力が発電に必要になるということは、なかなか近く起らぬと思うておりましたのが、昨年の五月、ヒントン卿が来ましてイギリスでは経済ベースで合う、少くとも合う説明がつくということを言いました。その際ちょうどアメリカからも東洋の原子力視察団が来ておりましたので、アメリカの視察団に聞いたところが、アメリカでは、経済ベースにまだ合わぬと言いましたから、さらに私は、そのアメリカの団長に来てもらって、念を押しました。念を押しましたけれども、やはり団長は、アメリカではなかなか経済ベースまでは今のところはこないと言いました。しかるに、ヒントン卿が私に言うた。私はそのときに日本の原子力の学者に立ち会ってもらって、聞いたところが、間違いなく合うというようなことでした。ただそのときに、しかし合うというのは、小さい原子炉ではだめだ、思い切って大きなものでなければいかぬということを言いました。しからば、それはどういうのかと聞くと、十万キロワット、百五十億のものならば合う、こういうことを言うたのであります。御承知の通り、当時原子力委員会では、五十キロワット、八千万円の炉をアメリカに注文しようとしておりました。五十キロワット、八千万円のものをアメリカに注文しようとしておる際に、ヒントン卿が経済ベースに合うが、それは十万キロワット、百五十億かかるのだということを言うたのでありますので、私はこれが経済ベースに合うということがほんとうに事実ならば、民間の会社がふるって協力するだろう、政府予算では、なかなか今、原子力にたくさんの予算がある際に、さらにそれくらいとることはむずかしいと思いましたけれども、今、民間の電力会社は、電力の供給に困っておる。この困っておる際に、経済ベースに合うならば、たとい百五十億でも二百億でも、民間の会社が必ず応ずるというような考えもありましたから、私はその場で、ほんとうに経済ベースに合うことならば、それは日本で買ってもいいと思う、ついては君の方に調査団を送る、調査団を送って、調査団が、イギリスで合うのみならず、日本でも経済ベースに合うということが確かならば買うからということで、話しました。それから原子力委員会へ行って、その話をしました。そのときは、みな驚きましたが、何分今語る人は、イギリスの原子炉を作った人であり、そうしてイギリスの一人者であり、それがために原子力によってサーという称号をもらった人であります。この人が責任をもって言うことであるから、それでは調査団をやろうということで、そうしてここにおる石川さんを団長として、一本松博士を副団長としてやったのであります。御承知の通り、一本松博士は、今、電力界では最も原子力を研究しておる人であります。しかも、それがアメリカのことについて申請した。それだからアメリカにあれほど詳しいその一本松博士を、イギリスへやるのはよかろうということで、一本松博士をイギリスへ副団長につけました。その一本松博士は、イギリスはだめだと思って、なかなか承諾しなかったのでありますが、私は特に頼みまして、どうしてもイギリスへ行ってもらいたい、それは、イギリスぎらいのアメリカに心酔しておるものがイギリスまで行って、これが経済ベースに合うというならば、これは安心ができると思って特に頼みまして、一本松博士を副団長にしてイギリスにやったのであります。やってみますと、一本松博士は、イギリスへ行って驚いたのであります。われわれはアメリカへ行って、本によって研究しておったが、イギリスへ行って実際に見たら、これは間違いないということで先生は非常に驚いて、その驚いた旨の手紙を私によこしました。そういうような状況で、博士が行きまして、また十人の団員が行きました。これはみなエキスパートばかりです。この人たちがことごとく一致して、帰っての報告は、イギリスのものを買いたいという話をし、また石川団長が、そのほか嵯峨根博士などをつれてアメリカ、カナダなどを回ってきました。アメリカ、カナダを回ってきたけれども、どうしてもアメリカ、カナダでは経済ベースに合うとは思えない、やはりこれはイギリスがいいという確信をますます固めてきて、それから民間会社に話をし、そうすると、民間会社の方でも進んでやりたいということになったのであります。それはその民間会社がやろうときめたのが、私が去ったあと、宇田大臣のときでありまして、そうして民間がそれほど熱意をもってやるのならば、これは一つ民間の会社にやらせようということで、自由民主党においても、皆さん驚いた問題であったのであります。そうすると、電発がなかなか経済ベースに合わぬから、こういうものを民間でやらせると、結局電力の値上げになるから、電電公社でやりたいということを言い出した。言い出したときは私はちょうど再び大臣になりまして、それから電発の総裁に会いましたところが、やはり合わぬということを言うております。これは私の推測ですが、実はイギリスに調査団を十人やるときに、電発からも入れておけばよかったのだそうで、私はそれは知りませんでしたが、電発は入ってなかった。電発には、原子力を研究しておる人が二十人ばかりおりまして、これが非常によく研究しております。しかし、それはやはりアメリカを中心に研究しておったものと思います。だからこれが合わぬと言うのも無理ない、こういうように考えました。しかし、私はこういうような、今ほんとうに場合によっては日本の産業革命まで起そうとする原子力を、民間会社だけでやらすよりも、広く電発も入れ、すべて原子力に対する熱心、そうしてまたそれに関係した人はなるたけ広く集めたいと思うて、これをみんなが集まって一つやったがよかろうということが、原子力委員会で決定しました。ところが、たまたまこういうものはそろばんに合わぬから、特殊会社でやろうという議論が自民党内にも起ったのでありますが、しかし私は民間だけでやらしてはいかぬ、政府でやらせようという意見においても傾聴すべき点があると思います。何となれば、これほど必要な会社を作るのに、純然たる民間でやらすということはいかぬ。将来各民間の会社に皆持たしてもいいけれども、少くとも初めできる会社だけは、一つ政府がむろん監督はしなくちゃいかぬ、それは放射線法とかいろいろな法律上の監督はできます。しかし、それだけでは足らぬから、これは少くとも政府の同意を役員人事については得るということにしたらよかろうという考えをもちまして、いろいろほかの閣僚とも相談しました。結局、経済閣僚の同意を得、そうして九電力を中心に、これに大体四〇%持たそう、それから電発は二〇%持たそう、そうして原子力のメーカーその他にも大体四〇%持たせようというようなことで、すべて経済閣僚との間も、また民間の九電力その他メーカー側とも完全に意見の一致をみまして、そうしていよいよそれでは準備委員会を作ろうということで、その準備委員には、九電力、電発並びに一般財界から入れ、さらに経済閣僚、原子力局長、それに各経済関係の会社の局長、それをオブザーバーにしまして、そうして準備委員会というものを作りました。準備委員会で、それでは発起人会をやろうということで、発起人の任命をいたしましたし、今度発起人会の方をきめると同時に、さらに役員人事も、今選考中であります。この選考も、やはり既述のような大体の標準にいくことと思っております。しかし、これは当面の会社にしようということにしたので、これもみなの一致をみました。そうして、さしあたり十億です。しかしイギリスのコールダーホールを買うこととした場合、あるいは場合によっては、アメリカのノー・ハウだけでは足らぬから、イギリスから一基買って、もう一基、アメリカから買おう。そうしてこれをこの会社が主としてやろうということにきまりました。  それから、大体二十日に役員人事はきまると思います。そうして、その九電力会社が中心にはなるが、その社長となる者は中立的の人がよかろうということで、だれがいいかということを研究した結果、まず安川第五郎氏がよくはないかということで、安川第五郎氏に準備委員会の方で交渉し、それから私にも一つ安川さんの意見を僕からも聞いてくれということで、これは大臣として聞くのじゃない、君らから頼まれれば、聞いてもいいということで聞いたところが、安川さんもあとの問題をよく考えてもらえれば、自分は社長を引き受けてもよいということになったのであります。要するに、二十日に発起人で割当株をきめると思います。そうして来月一ぱいに株の募集を終る、こういう予定に大体なっております。  なお、一般協定に関する大体の要点だけを申し上げます。それは今度イギリスとアメリカと両方同時に交渉を進めておりますが、その協定の趣意は、秘密情報を受けない、秘密がないということ、協定の内容はなるべく国際原子力機関の規約にのっとる、つまり秘密がないということ、国際原子力機関の規約にのっとるということがこの骨子になります。なお、購入炉に対する燃料供給、燃料がまだ日本では十分いきませんから、その燃料の確保がなければならぬ。そうしてその条約には燃量の確保の条件の条項を入れることを講ずる。四は、プルトニウムは将来わが国が平和的に利用するようにする。その原子炉から出たプルトニウムは平和にのみ使うということにしました。また使用済みの燃料は、わが国で使用せず、相手国に引き渡した場合には、相手国において平和にのみ利用する、戦争には使用しないということ、それから燃料の再処理については、将来日本でもするということ、これが今度の協定の骨子でありまして、これにのっとってきめたわけであります。  条文のこまかいことは、外務省が英米と交渉しております。こういう結果になっております。

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 質疑を続行いたします。松前重義君。

松前重義日本社会党

○松前委員 ただいま原子力発喝株式会社というものの成立の経過について御報告を受けましたが、私ども社会党としては、このようなものは民間会社にやらしてはいけない。全体の電力政策としては、やはり公社形態で、そうして国民に最も公平にこれを分配すべきものであるというような考え方に立っておるのでありまして、従って、この原子力発電株式会社という、こういうような組織によって原子力発電の受け入れをされるということは、将来の日本の電力政策に対しまして非常に混乱をもたらすものであり、また一貫した方策が電力政策にないということを具体的にここに証明したものだ、こういうふうに私どもは見ております。従って、この問題につきましては、賛成をいたしておりません。そういう見地から、少しお伺いを申し上げたいと思います。  まず第一に、電源開発株式会社の問題であります。電源開発株式会社は、電源開発促進法の中に、電源開発株式会社なるものの規定があります。その規定にこういうことが一いてあります。第十三条に「電源開発株式会社は、基本計画において会社が行うべきものと定められた地点における電源開発をすみやかに行い、電気の供給を増加することを目的とする株式会会社とする。」とありまして、「基本計画において会社が行うべきものと定められた地点における電源開発」という表現をしております。その第二項として、「基本計画において会社が行うべき電源開発の地点を定める場合には、その地点は、左の各号の一に該当するもののうち、会社以外の者が具体的な計画を附して電源開発を行うべきことを通商産業大臣に申し出たものであって審議会においてその計画の内容が適当であり、且つ、その計画の実施が可能であると確認されたものに係る地点を除いた地点に限る。」こういうふうに書いてありまして、その具体的な例示をしております。「一只見川その他の河川等に係る大規模な又は実施の困難な電源開発」、「二国土の総合的な開発、利用及び保全に関係し特に考慮を要する北上川その他の河川等に係る電源開発」、三電力の地域的な需給を調整する等のため特に必要な、火力又は球磨川その他の河川等に係る電源開発」。こういうふうに具体的に水力発電の地点につきまして特にここに明示いたしまして、この法律はできておるのであります。従って、この電源開発促進法なるものが昭和二十七年七月三十一日、法律第二百八十三号をもって公布されておるのでありまするが、昭和二十七年の七月三十一日でありまするから、今から大体五年ほど前であります。このときには、もちろんこの原子力発電については考えていたかったばかりでなく、具体的に只見川やあるいはまた北上川、球磨川等の地点を明示してあります。従って、この法律は明らかにこの原子力発電に関する事業をこの電源開発株式会社がやってはならないということを、具体的に裏から見ますればそう解釈できるものでありまして、全然予想されていない水力発電の地点を明示して、そうしてこの地点の開発に毒百点を注げということであります。政府は、二〇%電源開発株式会社より出資せしめるということでありますが、この点につきまして、どういう意味で一体この法律に違反した行為をやられたのか、これを国務大臣より伺いたいと思います。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 御趣意まことにもっともでありますが、この会社は、さしあたり、つまりこれはただ電力の供給ということを主としたわけではないのです。研究用ということに非常に力を入れている。しかし、幸いに経済ベースに合うからまあ入れてみよう、そうしてイギリスから一つ、それからよかったらアメリカ、これは全く試験的な意味です。つまり日本の原子力技術の発展を期するためにこういうことをしたものであります。それからなお、この会社について将来あるいはこれを必要と認めれば、法律的の措置を講ずることがあるということもきめておるのであります。要するにこれは暫定的の会社でありまして、そうしてそれがし力の供給ということ、最も——それも一つだが、それよりもむしろ日本の国産炉を作るための技術の進歩をはかるということがおもなる目的になっております。従って、これは電発もそういう意味において加えたのでありまして、電発に電力を供給するためにこれを入れたわけではありません。要するに、研究用としてそれで電発もこれに加わることにしたのでありますから、別に法律の趣旨には反することはなかろう、こういうふうに思っておるわけであります。

松前重義日本社会党

○松前委員 今の御答弁は、非常に本末転倒の御答弁だと思います。大体私のお尋ねしておるのは、電発は電源開発促進法によってできておるものであります。電源開発促進法の精神と、ここに明示してあります具体的な事例は、今のような幾らさしあたりの研究こいうことでありましょうとも、法律によって、こういうものの事業に参画してはならないということを例示してあるはずなんだ。それを私はお尋ねしておるのであって、精神その他につきましては、今お尋ねしておるところではないのです。ですから、いわゆる電源開発促進法と今度の二〇%の関係、法律はそういうことはやってはいかぬと具体的に書いてありますから、この関係について伺っておるのです。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私は先ほど申し上げました通り、これは電力の供給もあるが、研究ということに重きを置いておるということでありまして、従って、これは試験的のものであります。法律的なことについては、法制局と打ち合せてありますから、法制局から答弁いたしたいと思います。私どもは法律無視は断じてやりません。またやってはいけません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 関連してお伺いいたします。大臣は研究ということにえらい力こぶを入れられておるのですが、それならば日本原子力研究所法の第一条を一つ読んでいただきたいと思います。研究を主として行うならば、原子力研究所は日本の原子力の開発研究を総合的かつ効果的に行うために、設直せられたのでありますから、なぜ原子力研究所においてまずそれを取り上げられないのか。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 研究に力を入れておるというのは、これが電力供給にもなるという意味であって、従って、これを暫定的に——だから研究だけならば研究所にやらせます。一つは研究所に予算がないということもありましたが、いま一つは経済ベースに合うなら、民間が出すということから、この力を利用しなくてはならぬ、こういう意味で会社を作った。従って、さしあたりという文字がついておるのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 さしあたりということならば、今度できる受入れ会社は暫定的なものですか。それから予算等もあってこういうことを言われておりますが、それでは日本原子力研究所においてそれをやらさなかったということは、予算が一番の原因なんですか。今の説明を聞いておると、実用という方へ重点を置かれておるのか、研究が重点か、言われていることが一貫しないと思うのですが、どちらが重点なんですか。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 研究だけが重点ではありません。やはり供給するということもあるのでありまして、それでありますから、これは暫定という、言葉を使ってあるのであります。

松前重義日本社会党

○松前委員 どうも原子力の禅問答みたいでまことになんですが、この電源開発促進法の中における電源開発株式会社の条文と今度の原子力発電会社に対する電源開発株式会社の出資二〇%、これは私は明らかに法律に抵触すると思います。法制局が何と言おうと、抵触すると思います。それでもし法制局がそういうふうに合法的だと決定したというお話でありますならば、これは一つ日本の法律の権威者をこの席上に呼びまして、そうして参考人として意見を聞くことを提案したいと思います。これはいずれ理事会において一つ諮って、しかるべく自民党側でもお考えを願いたいと思います。これは非常に重要な問題でありまして、何といっても河川の地点その他を明示してやり、そうして昭和二十七年でありますから、全然そういう原子力発電を予想したことのないものである。しかし、それでもこの文句の中にそういうことを何らか予想して書いてあるならば別問題でありますが、地点まで具体的に、球磨川、只見川、北上川というように書いてあるのであります。それをこれはテンポラリーという話でありますが、そんなテンポラリーのような言葉でごまかすわけには実は参らぬのでありまして、この点は学者をここへ参考人として呼んで意見を承わりたい。法制局を爼上に載せて、しかるべくやる必要があると思います。これをこの委員会で一応要求して、あとで理事会において諮っていただきたいと思います。  ただいま質疑の中に記ありました研究と実施の問題に対して、私には研究が主であるかのごとき御答弁がありました。それからまたただいまの質問に対しては、いやそれは供給もやるのだ、一挙両得というような虫のよいようなことをお考えになっておるようであります。しかし、私どもが英国に参りまして、トムソンという電気会社の社長に会っていろいろ話を聞いてみたのですが、御承知のように、四つのグループの中の一つであるコールダーホール型を設計して、建設しておると私は一応記憶しております。ところが、その社長の言うのには、日本の商社から盛んに引き合いがくるけれども、まだそんなにコスト・ビルディングはでき上っておらないから、幾らの値段になるかわからない、一九六〇年になれば大体の目安はつくつもりである、今ちょうど政府から設計の方向が提示されて、そしてそれの見積りを出しているところであって、近くそれが決定するつもりである、だからして一キロワット当りの値段も大体の推定はしておるが、確実なことはまだ言えない、こういうふうに言っておったのであります。そこで私どもは、原子力発電というものは大体向うでは三十万キロ以上でないとなかなかいかぬだろう、経済ベースに乗らないだろうというようなことを言っておりましたが、それらのことも確実にわかるようになる、こう言っておりました。そこで英国では、新しい実験と申しますか、試みとして、英国の電力公社が四つの型を注文して今やらせておる。大体二十五万キロから三十万キロ前後のものであると記憶しておりますが、英国におきましても大体実験段階にある。しかし、ある程度見通しをつけた実験段階にあるということは言えます。そこで、一九六〇年に至って、一切のものがはっきりするということであります。政府としてはそういう会社をお作りになって輸入されるということでありますが、このような原子力発電の具体化に関する英国の状況を勘案されまして、どういうふうな具体的な計画を持ってお進めになっておられるか、伺いたいと思います。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 今度の原子力会社について、さっき松前委員が言われた通り、一挙両得のつもりでやったつもりであります。しかし、イギリスでも三十万キロワットでなくちゃ引き合わぬということを言うておる、その点ももっともだと思うておるのであります。実は今度も、今委員会の方では十四万キロワット二基を買いたいという話があるのであります。そうすれば、二十八万キロワット、しかし、いずれにしても、将来の見通しは確実だということは、確実になっておるわけではございませんので、今度はこの会社はとりあえず十億で作るが、調査団をやってもう一ぺん地震の点あるいはコストの点を再調査したいと思います。その再調査をして、これでもう間違いないということで会社の増資をやって、百億くらいにしたいと思うておるのであります。決して無算当にやっておるわけではございません。また、それに基いて一九六五年までに大体三百万キロワットの計画を原子力委員会としては立てておるわけでありますので、ただ無算当にこれだけ要るというのではないのです。大きな計画のもとにこれをやっておるわけであります。しかし、御承知の通り、われわれ原子力委員貝会を作ったときは百五カ年計画を立てましたが、今コールダーホールの問題でその計画は全く変えなくちゃならないように相なったのであります。それと同じく、今度一九六五年までに三百万キロワットの計画を立てたのでありますが、これも、もしコールダーホールを入れて、その実験の結果によってはもっと変更するかもしれませんが、いずれにしても、無算当にやっておるわけではございません。確実な計画と確実な計算のもとにやっておるということだけを申し上げておきます。

松前重義日本社会党

○松前委員 抽象的で御計画はわかりませんが、これは、できましたならば、石川原子力委員からお答え願いたいと思います。

石川一郎原子力委員

○石川説明員 質問の御要点をもう一ペんちょっと……

松前重義日本社会党

○松前委員 再び申し上げます。英国では、まだ不確定の分が相当に多い。それで大きなプラントでなければ引き合わない。それから、いろいろなコスト・ビルディングにいたしましても、炉の値段にしても、まだ確実に幾らということを言うわけにはいかぬ、言えるのは一九六〇年である、こういうことを明確に言っておりました。ここにおいでになる前田委員と一緒に私は聞いてきましたので、間違いないのであります。だから、まだまだ見積りは早いということを盛んに言うのです。そこへもってきて、日本ではもう明日でも買うようなことで、さしあたり、さしあたりとおっしゃいますけれども、そのさしあたりが、そう簡単にさしあたらぬだろうという気がするのであります。その辺の具体的な今後における進行計画、これを承わりたい。

石川一郎原子力委員

○石川説明員 松前さんのお会いになった会社はトムソンというお話でありますが、座談的にお話し申し上げますれば、先般バブコックの連中がこちらに参りました。そのときにこういうことを言っております。イギリスの他のグループ、今五つになりましたが、そのグループは、自分の方の仕事が忙しいので、日本の注文に対して、机の上、いすに腰かけたような態度である。要するに、アメリカのごとく、こっちに買ってくれるということを進んでやってくるという気配が少いようだから、この注意を少し喚起してくれろ、こう言っておりました。ところが、ハブの方はそうでなくて、いろいろ詳しい話をして参ったのであります。そういうことで、私は政府の方からヒントンさんにでも手紙を出してもらって——そういう準備をしてもらいたいという手紙を出そうかなと思っておったのでありますが、まだこっちの態勢がきまらないうちにあまり先走るのもどうかと思いまして、まだ出しておりませんけれども、そういうような話は英国側にしてあります。そういうことも頭に置いていただきたい。  なお、私が参りまして、向うを見ましたときに、まだ、われわれが買うときまったわけではありませんので、こまかいところ、大事なところをすっかり見せてくれというわけではありません。われわれはイギリスの進み方を見まして、まず七五%くらいはわかったと思うけれども、あとの二五%はわれわれがこれを採用するについてはもう少し調べる必要がある。こう考えまして、あの報告書にも、今度きめる場合におきましては、ただいま正力大臣のおっしゃったように、地震の問題とかあるいはウラニウムの問題とか、どのくらいのメガワットが出るか、コールダーホールでは千メガワットデー・パー・トンくらい出ております。向うは三千くらい出ております。そういうところでわからぬ点がございますので、今度行った場合には、あるいはグラファイトの炭酸ガスによってのコロージョンとかいうような問題もありますので、そういうところをすっかり突っ込んで調べて、あとの二五%のところを究明してやっていただきたい。こういうことを報告書にも書いておいたのであります。ちょっと比喩を申し上げてはなはだ恐縮でありますが、たとえば、あの女はいいから嫁にもらおうというので見合いをした。飯を一ぺんくらい食ったというだけで、散歩もいたしておりませんし、芝居も見ておらぬというような状態でありますから、もう少し状況を突きとめる必要があるので、そういうことを報告事に書いておきましたが、それを今度やってもらいたい。よかったら買えばいい、悪かったらやめればいい。大体われわれの見込みとしては、向うが非常なトリックを使っているのでなければ信用していいのではないか、こう考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 関連して。大臣のおいでになったすぐの御説明によりますと、コールダーホール型にしろ、あるいはその他のアメリカから輸入しようという問題にしろ、一応大臣の御答弁では、基本方針はすでにきまった。ただ百パーセント英国なら英国から求めるか、あるいは半分だけにして、他を日本の技術によって補うかというようなことは、多少ニュアンスがあるような御答弁であった。しかしながら、基本的にはとにかくも、コールダーホール型を入れるのだということを、はっきり今御答弁を大臣はなさったわけであります。ところが今の石川さんの御説明を聞きますと、全然その点は白紙なんだ。もう一度調査団をイギリスに向けて、ここで最後の調査をした上で、どうしてもこれではいけないのだということならば、やめてもいいのだ、こういうことなんです。きよう出されました三種類にわたる資料にいたしましても、全部通じて一応共通の問題としては、すでに発電用原子炉を設置されることをきめておられる。その準備として、会社はこういう準備をしつつある。しかも、会社が輸入しようとしておるのは、大体イギリスのコールダーホール型である。今までの大臣の御答弁では、一貫してそういうことで、この資料と合う。しかも、計算あるいはコストの問題に関しても、十分な確実な計算の上にやっているのだ。確実な計算の上にちゃんとむだのないようにすることをはっきりつかんで、大臣はこういう決意をしておるのだ。こういうような御説明が大臣から再々にわたってあった。ところが、大臣の来られる前、石川さんの御説明によると、キロ当り四円五十銭というものに関しては、使用済み燃料というものをどうするか、こういう松前委員の御質問に対しては、あとからおいでになっても、これに対する御答弁が大臣からははっきりなかったと思いますが、とにかくそういうものは計算に入れておらないのだ、全然計算に入れておらない。しかもプルトニウムに関しては将来一体日本がどのように扱うか、あるいはこれを扱おうとするために、日本の今の学者の持っている知識ではちょっと不十分だから、どうやっていいのかわからない。一体確実な計算と大臣がおっしゃるのは、どの程度のものが確実な計算なのか。少なとも燃料に関して、しかも大事な使用済み燃料に関しての基礎、あるいはこれに対する知識、こういうものすらないのだと、石川さんは言明しておる。大臣は一体何をもとにして、確実な計算のもとに、むだのないこういった計算を作っているのだと言明なさるのか、この二点を伺いたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 ただいまもお話がございましたが、私のあるいは言葉が足りなかったかもしれぬが、私は毎々言うておりまして、今度とりあえすこういう受け入れ態勢を作るが、もう一ぺん念のために調査団をやってそれできめるのだということを私はたびたび言うております。先ほどもそれを申したかと思っておりましたが、決して今度すぐ買うのではなく、もう一ぺん調査団をやるのです。何となれば不確実な点があるのですから、それを確かめる。それだから今度一ぺんで百億の会社を作らないで、まず十億の会社を作って、それで間違いないとなったときに買うわけでございますから、決して上石川委員のお話とは違ってないのであります。繰り返して申します。私はたびたび言うております。もう一ぺん調査団をやるのだ、それなら、調査団をやって、受け入れ態勢をとればいいじゃないかといわれるかもしれませんが、実は今までイギリスは、日本から調査々々といってたびたびいろいろな人が来る、なお露骨に言うなら、初めの調査団は詳しく言うたが、あとから調査に来る人が、どうも前の調査団と連絡がないとみえて、なお簡単なことを聞かれて困っちゃう、だから、日本はひやかしで来ているのじゃないか。従って、いつかの新聞にも出ましたように、日本から今まで調査団が来たということは、こっちの技術を盗みに来たのだろう、ほんとうに買う気がなしに買うというような顔をして、よく技術を見て、そうして日本で作るのだろうということまでイギリスの通信が言うてきておるのであります。それですから、私どもは、こういう態勢で、ほんとうによければ買うのだ。よければです。そこまで念を入れておるつもりでありますから、決して石川さんと違っていないのです。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 今、二点お伺いしたのですが、大臣のおっしゃった通りに私は理解をし直すとしまして、意見の食い違いがなかったのだということにしまして、今回調査団を派遣する。派遣した結果、先ほど大臣が答弁されたような確実な計算に基いてやっているのであって、このことは決してぐうたらなものではないのだ、こう言い切ったのですが、これは調査団が行って帰ってきたらそういうことになるだろうということなんですか。確実な計算、確実な基礎に基いて今提案をしておるのだ、こうおっしゃるが、確実な基礎というものは、これは今持っているのではなくて、これからイギリスに調査団を派遣して、その結果、確実な計算というものができるわけですか。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私の確実なという言葉があるいは足らぬ点があるかもしれませんが、とにかくこの前の調査で、日本におけるエキスパートが十人も行って、そうしてイギリスで今まで見せなかったところまで見せておる。それによって計算を出したものだから、私はその第一回の調査団の報告は確実と大体見ていいと思います。しかし、まだまだほんとうに買うについては、もう一ぺん詳しく調べたい。ものには、念には念を入れよということがある。われわれは念に念を入れているつもりでやっているのであります。もう一ぺん調査団をやります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この資料によって見ても、大臣のおっしゃったその確実な計算に基いたということは言い過ぎなんである。念に念を入れるという段階にまだ来ていない。要するに、ある程度の知識あるいは基礎をちゃんとつかんで、これならわれわれの常識からいっても間違いないのだ、こうきまったときに、それから念を入れるならいいのですが、これは念には念を入れるといってもそうじゃない。最初の念を入れるところを今やっているのだ。まだ念には念を入れるところまで来ていない。だから確実な計算の基礎に基いてやっているということなら、そういうことなら理解できるのです。関連質問ですから、その点だけで終ります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 関連をしてもう一ぺんお伺いします。先ほど来の原委員に対する御答弁を聞いておったら、ますます私は疑問になってきた。ということは、大臣は受け入れ会社を作って、もう一度調査団を出す、そうして、よければきめると言われる。すると、先ほどの松前委員の御質問のときに答えられた研究ということが従で、そうして研究の結果、日本の方に来るのだ、こういうことになる。それでしたら、もう一度、私、日本原子力研究所法の第一条を読んでみますが、「日本原子力研究所は、原子力基本法に基き、原子力の開発に関する研究等を総合的かつ効率的に行い、原子力の研究、開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるものとする。」とあります。そうすると、さしあたり受け入れ会社を作って、かくかくやるのだということは、利用の促進ということに入ってくるのじゃないかと思う。それならば暫定的に、さしあたり作るという受け入れ会社のやるべきことは、この第一条によってはっきりと日本原子力研究所でやるべきじゃないか、こう思うのですが、もう一度大臣のお考えを伺いたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 原子力研究所はお話の通りであります。しかし、今度のは松前さんが先ほども言われた一挙両得といいますか、そろばんに合うというのが目的だから、今度は原子力研究所からも入るのです。そうして、それを研究せしめるわけであります。要するに先ほども申し上げた通りに、九電力一電発ということにしないで、広く日本の原子力に対して研究をしている適当な人はこれに参加せしめたいという考えでやっているのであります。原子力研究所の意見とは、ちっとも違わないと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 原子力研究所の設置の目的は、三つなんです。原子力の研究と開発と利用の促進に寄与することなんです。そのあとの利用の促進に寄与するという任務、目的は、今、大臣の考えておられる受け入れ会社をさしあたり作ってやろうとする、それと同じことじゃないですか。そうすると、原子力研究所が、開発とか実験、研究だけならともかく、利用促進に寄与するというこの点は、もう一度調べてきて、経済的に合うなら実用に移すのだというこの点は、利用促進に寄与するというところに入ってるのじゃないでしょうか、いかがでしょう。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 その通り。それですから、今度の会社には原子力研究所の人も入れます。それでやはり力を入れさせる。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 原子力研究所の人を入れることと、原子力研究所で行うということとは違うのですよ。従って、これは大臣に言ってもどうもつまらぬです。先ほど松前委員から電源開発促進法の解釈について、権威ある学者にここへ来てもらって聞くという提案がありました。あわせて私その提案を支持し、ともに日本原子力研究所法の第一条のこの解釈についても聞きたいと思います。従って、松前委員の先ほどの、学者に来てもらって、これらの法律の解釈をただすということについての理事会提案を私ももう一度申し入れまして、もう大臣に言うてもわからぬからこれで……。

松前重義日本社会党

○松前委員 だいぶ関連質問が出まして、私も本筋を少し忘れたようでありますけれども、一応閣議で了解されました第三項「政府は、将来その必要があると認める場合は、受入会社について法的措置を加えることがあるものとする。」この「法的措置を加えることがあるものとする。」と、こういうふうにあいまいな文句を使っている。これは一体どういうことであるのか、具体的に御説明願いたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 とにかく今度の会社は、さしあたり民間を中心にしてやりますが、しかし、これがもしも効果を上げぬところがあれば、何かまた別の法律を考えなくちゃならぬこともあるかもしれぬということであります。そこで、今、民間でやっているわけです。

松前重義日本社会党

○松前委員 どうも、さしあたりとか、かもしれないとか、実にあいまいもこたるものです。しかもまた確実な資料に基いてやっているというお話でありますが、不確定な部分がたくさんあるから、調査に行くとか、まことにどうもあいまいもこたる政府の方針だとしか私は承わることができないのであります。これ以上問答しましても、御答弁は大体想像がつくので、問題はここにあります。電源開発促進法、この電源開発会社の項目における第十三条のいわゆる電源開発株式会社がやるべき任務というものに対して、非常に私は疑義——疑義どころではなく、非常に明瞭にこれは法律違反だと思う。それは法制局の諸君はおそらく法律の学者ばかりそろっておるかもしれませんけれども、政府の言うままに、ある程度政治的にひん曲げられたのではないかとも想像できるので、この点は特にこれは学者の意見を一ペんここで参考人として聞く必要があると思っております。  そこで、もう一つお伺いしたいのは、これが法律違反であると私どもは信じて疑いませんけれども、しかし、もしもこれが今度の原子力発電株式会社に対して二〇%の株を持つことができるようにするのには、やはりこの十三条の中に、原子力発電の一項目を入れなくちゃならぬと思う。これを促進法を変えてお入れになるつもりがありますかどうか伺いたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 今のことは、まだ別に考えてはおりませんけれども、必要があれば、またどういう措置をとるかもわかりません。

松前重義日本社会党

○松前委員 まことにどうもあいまいもことしてつかみどころがありませんが、一応私はこれで打ち切りますけれども、私どもの社会党の立場としてここで一応申し上げておかなければならないことは、原子力発電ということに対して積極的な考え方を持っており、しかも、これは公社形態において国の責任においてやるべきものである。英国は、電力公社によって、国の責任において電力の開発をやる、その電力公社が今度原子力発電を一手に引き受けてやっております。このような一貫した電力政策の上に立って原子力発電をやっておる。日本はまことに支離滅裂である。九電力会社があり、その電力会社によって、火力発電の多いところでは電力のコストが高い、水力の多いところでは安い、地域によって電力の値段が違う非常に不公平さがそこにあるのです。産業にしても、安いところには産業が起りやすいのでありますが、高いところには起りにくい。非常にこれは不公平な政策であると私どもは思っております。それに加えて、また電源開発株式会社なるものができてこれは半分国策的な非常に開発のしにくいところをやる。只見川や球磨川や、あるいは最上川、北上川というところを開発する、そういう使命を帯びて電源開発会社を作ってある。そういうわけで、とにかく支離滅裂な電力政策に加うるに、またここに原子力発電株式会社を作るなんて 一体どこに政府は電力政策の一貫した方針があるか、これを私は非常に疑問に思うのです。この点について、一つ正力国務大臣の所信を承わりたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 電力政策については通産大臣がやることですから、私がここで出しゃばって申すわけにいかぬから申し上げません。しかし、私は原子力を平和に利用することに専念しております。そして先ほど社会党の方の案としての公社論、これは社会党と自由民主党の違いでありまして社会党は公社主義で行こう、自由民主党は民間の創意を生かす、民間の創意によってやりたいということを、自由民主党は考えております。第一皆さんも御承知のように、私は公社についてはずいぶん意見があります。これは民同でやったならばもっと伸びるだろうという頭がある。しかしそれは本席では申し上げません。現に、今度原子力研究所も、あの制度についてだいぶ所員に不満があるのです。あれが民間であったなら、ああいうことにならぬだろう、ここういう形にしたらという、所員からの不満が非常に多いのです。それを見ても、私どもはこれは主義の違うところだけれども、どうしてもなるだけ民間の創意を生かして、できるならば民間に各自創意でやらした方が大衆のために、国家のためになる、こう確信しているわけであります。

松前重義日本社会党

○松前委員 御高説は承わりましたが、たとえば原子力研究所等の運営が必ずしも円滑にいっていないことは、私どもも聞いております。それを民間でやったらもっとよかろうという話でありますが、私はあなたが国務大臣で、その馬力をもって大蔵省の役人どもを、勝手なことを言わせないで意見のままにお使いになるならば、あんなことは起らぬと思う。やはり内閣が政治力がないときには、それが起ります。そこに私どもは帰着すると思うから、これ以上議論はいたしませんが、とにかく支離滅裂なこの政策を、またその上に上塗りされたというふうに、私どもは一応今度のこの会社問題を見ておるのであります。  そこで、もうこれ以上質問は続けませんけれども、最後にわれわれの立場を明らかにいたしたのでございます。使用済み燃料の処理に関しては、ただいまのところあまり具体的な計画をお持ちでない。これをやらなければ、やはりほんとうにこの原子力発電の経済的な運転は困難ではないか。私はそう詳しく調べたわけではないが、一応今日まで常識的に調査した結果としてはそのような感じがして仕方がない。使用済み燃料の処理は、将来の原子力発電の生命ではないかと思っております。この点について、ほとんど具体的一な御計画をお持ちでないというところに、今度の会社、その他原子力政策に対して、私たち実は非常に不安の念を持つのであります。第二の問題は、先ほど来コンニャク問答みたいなことを承わったのでありますが、とにかく不確定な部分が相当にあります。確かにあります。お調べになればなるほど、私はあると思う。英国そのものが不確定なものをたくさんに宿しながら、疑問をもってやっておる。疑問を持っておるから、われわれは消極的にやれというのではありません。積極的にやらなくちゃならぬ。ただ形態が違うから私どもも言うておる。また、これらに対して政府があまり不用意にかかられたのではないぞという感じもしまするから、老婆心ながらこういうことを言っておるわけであります。そういうわけでありまして、わけてもこのただいまの法律解釈の問題、電源開発促進法等に対しましては、もう一応これはお考えになった方がいいのではないか。これは歴史に汚点を残しますよ。法制局にも、もう一ぺん再調査をやられた方が私はいいと思う。法制局は法律というものをそんなにひん曲げるために存在しておるのではありませんよ。こういう点については、もう一ぺん法制局と打ち合せられて、私は再考を促したいと思います。これで終ります。

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時半より再開いたします。  これにて休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      ————◇—————    午後二時二十一分開議

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  原子力行政一般についての質疑を続行いたします。岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 この十月の一日から、いよいよウィーンで国際原子力機関が第一回の総会を開く段取りになっております。私は、このイヴェントは歴史的に非常に大きな意義を持っていると思いますし、なお聞くところによれば、日本もその最初の理事国に選ばれることが必至と百言われております。してみれば、少くともその一カ年間は、日本もこの原子力機関の運営の責任を分たねばならない重要な立場に立つわけであります。こういう観点から、果してこの国際原子力機関に対して、日本原子力委員会はどういう態度で臨むべきであるか、また臨まんとしておられるかという点を若干お聞きをいたしたいと思います。  そこでまず第一の点でありますが、現在の国際的な原子力情勢というものを見ると、一種の戦国時代の様相があります。少くともアメリカはすでに四十カ国余の国々と双務協定を結んでおる。ソビエトは十二カ国余りの国々と双務協定を結び、あるいは多辺的な協定を結んでおる。こういう形で原子力平和利用の分野においても、それぞれ大国かつ先進国が、小国、後進国との関係において、このままの姿を進めていけば、一種の従属的な依存的な関係が生まれてくることも予想されまするが、こういう事態がこのままに進んでいくということになれば、せっかく国際原子力機関が発足をいたしましても、その正常な統一的な運営が非常に困難になるのではないかと存じます。この点からまずお伺いいたしたいことは、日本原子力委員会の立場としては、今後いかなる国と協定を結ぶにいたしましても、絶対に原子力機関憲章を尊重して、このワクを踏み越えることはない。——このことは、午前中にも一応承わったのでありまするが、重ねて委員長より責任ある言明をお願いしたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 今度の会議に臨む方針としましては、言うまでもなく、日本は原子力平和利用だけであります。現に水爆禁止の決議までしておるわけでありまするし、従ってこのウィーンの会議でも、平和利用という趣意をどこまでも通さなくちゃならない。従って、また国際原子力条項について、相当厳重に尊重しなければならぬと思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 私がお尋ねいたしておるのは、たとえば具体的にこれからいよいよアメリカあるいはイギリスと一般協定の折衝に入るわけです。この場合には、原子力機関憲章の示しておるワクを絶対踏み越えないということをお約束いただけるかどうか、この点です。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほど申し上げたあれにのっとるのです。あれを踏み越えようとはいたしません。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは外務省にお尋ねをいたしますが、現在米英から示されておる一般協定と、すでに国会が批准を了した国際原子力機関憲章との間において、重大な相違点とおぼしきものがあるならば、若干お示しを願いたい。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 たとえばイギリスの案にいたしますれば、大体イギリスで原子力の平和利用に関する保障措置を講じまするのは、国際原子力機関憲章によってそういう一個の保障措置というものが具体的に確立されるまでの過渡的措置として、イギリスはそういうイギリス自体の監視措置を講ずることになっておりますので、国際原子力機関が十二条に規定しております監視措置をとり得るような事態になりますれば、それによってイギリスの過渡的にとる措置は中止する。もちろんこの場合に両国の合意によって中止することになっております。ただいまのは、ただ国際原子力機関憲章第十二条の保障措置に関する一例でございますが、そういう建前になっております。

岡良一日本社会党

○岡委員 アメリカあるいは英国がわが方に示した協定草案というものが私の手元にありませんが、記憶によれば、国際原子力機関憲章の適用を日本とアメリカあるいは英国との二国間協定が受けるか受けないかは、両国が協議の上きめる、こういうことに州なっているわけであります、そこで、先般午前中にも問題になっておりましたが、いわゆるウェーストの処理の問題でありますが、これは機関憲章十二条によれば、A項に、二国間協定についても「関係当事国が機関に対して保障措置の適用を要請する場合」は「次のことを行う権利及び責任を有する」ということで、特にわれわれとして重大な問題は、第五号にうたわれておりますが、「照射を受けた物質の化学処理のため用いられる方法を、その化学処理が物質の軍事的目的への転用に役だてられるものでなく、」云々と書いてあるわけであります。このような内容のことを実施し得る権利及び責任を国際原子力機関に与えるということになれば、われわれが心配をしているコールダーホール型原子炉を入れても、そのウェーストから抽出されるプルトニウムの処理をどうするかということが、私は最も公明に解明されるのではないかと思う。だから逸脱をしないというならば、英国と協定の際、原子力機関が発足してまだ視察部が設けられないとしても、交換公文なら交換公文の中で、視察部が設けられたならば、必ず機関の保障措置を受けるのだという合意に到達をするということが、私はまず必要だと思う。そこまでほんとうに機関の憲章を守って、そういう態度を貫いていかれる御意思があるのかどうか、この点です。

松井佐七郎外務事務官(国際協力局第三課長)

○松井説明員 御説明申し上げます。国際原子力機関憲章の十二条に定められた一連の保障規定というものは、今、岡先生の御指摘になったように、十二条のうちのAの1から7まで七項目が列挙してございます。さらに十二条におきましては、双務協定もしくは多数国間条約の締約国が、その協定の実施に伴う保障措置を国連の国際原子力機関の保障措置によって適用していただくということを要請すれば、機関はこれに応ずるという規定がございます。機関は、それに対して、関連した範囲において十二条A、項の一号から七号まで掲げたところの保障措置を保障する権利義務を持っているという明文があることは御指摘の通りでございます。他面、日本に示されましたイギリスと日本との一般協定案につきましても、アメリカと日本との一般協定案につきましても、すでにこのことを予定いたしまして、国際原子力機関が発足した場合には、その保障措置の適用に関しまして、どの程度までその双務協定を改訂するかどうかについては合意しよう、合意が成立しなかった場合には、締約国の一方がこの協定を破棄する権利を留保するというような案になっております。そこで、問題になるのは、十二条に定めた保障措置と、一般協定において燃料提供国が留保しておる権利との間に、将来国際原子力機関に全部切りかえれば問題はございませんが、過渡的に有するところの向うが主張する権利の内容と、それから十二条に定めた権利の内容について全然違ってはいないかという御質問があるだろうと思いますが、大同小異でございます。ただ少し違っておる点は、少しニュアンスの違がございます。たとえば、岡先生の御指摘になりました十二条のAの五号におきましては機関の有するものは、被照射の燃料の化学処理に対する方法をアプルーヴする、つまり化学処理の方法をアプルーヴするだけであります。でき上った副産物については、平和利用に必要なものは赴いておくけれども、残りのものは国際原子力機関の指定する倉庫に寄託しなさい、将来必要ならいつでも返してやる、こういう表現でございます。ところが、イギリス及びアメリカから来た案によりますと、プルトニウムまたは副産物たる特殊核分裂性物質につきましては、平和利用の範囲においてはその国にまかせてやる、それをこえたものはイギリスが買う、アメリカが買う、それをこえたものは第三国に委譲するとか、あるいは国際機関に委譲するとか、あるいはイギリスなりアメリカの原子力委員会のアプルーヴするところの倉庫に貯蔵するというのがございまして、国際原子力機関憲章の指定することと双務協定の指定することとの間に、若干のニュアンスの相違がございます。これを将来はもちろん国際原子力機関憲章の十二条の保障措置の中に完全に乗りかえることについては、外務省といたしましても、先刻正力大臣のおっしゃった方針に従いまして善処をする予定でございます。過渡的には少し問題があろうかと思っております。御質問の趣旨にお答えしたかどうか知りませんが、大体事務的にお答えいたしました。

岡良一日本社会党

○岡委員 若干私のお尋ねしておるポイントをはずれておるのですが、私の聞き方が悪かったのかもしれません。具体的に申しますと、コールダーホール型原子炉を入れて運転をする。一カ年に百キロないし七十キログラムのプルトニウムが抽出し得るウエースト、使い済みの燃料が出る。日本は実際問題としてはこれは保管し得ないと思うのです。だからこれは英国に引き渡さなければならないと思います。その場合に、日本から引き渡した使い済み燃料というものから抽出をされるプルトニウムが軍事的目的に転用されないというところまで追及して、国際原子力機関が保障措置を講じてくれるということになれば、安心をして引き渡せるわけですね。そこで、そういうことにするのであるぞという約束を英国と一般協定を結んだ場合、協定の内容に入れるかどうかは技術的な問題でしょうが、入れなくても正規な交換公文としてはっきり日本が一つとっておく、これくらいなことはすべきではないかと思う。これは委員長にもお伺いしますが、委員長も先ほど一般協定に臨む態度の第三項目に、ともかく使い済みの燃料については、平和利用のために使われることの保障を含むということでございます。具体的にどうするかといえば、この方法が一つの方法だと思う。ここまで突っ込んで、はっきりした保障をとられるか、そこのところです。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 大臣から御指名がありましたので、私から申し上げます。もともとイギリスの案には、イギリスに引き渡されましたプルトニウムの用途に関して明確な規定がなかったのでありますが、日本側の希望によりまして、明らかにこれは平和的目的にのみ使われるということを、最近の案では規定して参った次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 ところが日本あるいは世界の世論に刃向って水爆実験を強行する、また来年もやろうという英国に、ただ平和目的に使いますからというので引き渡したら、そのプルトニウムが原爆材料になったり、水爆実験の水爆の起爆薬になったのでは、日本は平和利用と言いながら、原爆や水爆の下請工場になるという結果になるわけでしょう。そのことは明らかに国際原子力機関のうたっておる第一条、第二条の目的にも違うわけです。そういう意味で、日本は一般協定を結ぶならば、国際原子力機関憲章の趣旨をあくまでも守るというならば、そこまでだめ押しをする。さて視察部が国際原子力機関にできたから、一つこれに保障措置をまかせようじゃないかということをそのときになって相談しても、英国がいやだといえばそれきりです。ですから、協定を結ぶときに、はっきり一札とっておく必要かあるのではないかと思うのです。

松井佐七郎外務事務官(国際協力局第三課長)

○松井説明員 事務当局といたしましては、岡先生の趣旨に添うように、善処する予定でございます。ただ、理論的にそう言いましても、実際的には国際原子力機関にすべての副産物を寄託するという場合に、国際原原子機関の有する倉庫がないような場合がございます。過渡的には問題があるかと思いますけれども、方針としては、明らかに国際原子力機関の保障指貫を完全に適用するというふうな趣旨で交渉を進めるという考えでございます。従って、でき上った副産物その他は、すべて国際原子力機関の憲章に従って善処する。従って、それはすべて平和利用に使うのだ。しかも、この監視は、…際原子力機関の監視下に置かれますから、そのものに対する違反は、安保理事会に報告されて、一連の保障措置が完全に適用されるので、岡先生のおっしゃる趣旨は達成されるものと考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 しかし、国際原子力機関が貯蔵場所を持っておらないならば、この憲章の解釈から免れば、貯蔵を指定することができるでしょう。貯蔵施設を持っておるところに預けるというふうにする。それに対しては、第十二条の保障措置を厳重に国連機関が実施してくれるということになれば安心ができるわけです。だから、そういう措置を講じて、単に平和利用目的に限るのだ、こちらからいかにそう言ってみたところで、そういう抽象的な言葉では、必ずしも軍事的利用が禁止されて、軍事的転用が防がれるとは思わない。そういう点の保障を、今度の協定の中で、あるいは交換公文ではっきりうたうのかどうか。

松井佐七郎外務事務官(国際協力局第三課長)

○松井説明員 倉庫の指定の問題につきましては、確かに権限がございますけれども、これは今度機関が発足しまして、理事会その他でどの倉庫を指定するか。あるいはでき上った副産物については、イギリスで指定する倉庫に入れた方がよい、あるいはアメリカで指定する倉庫に入れた方がよい。あるいはその方が憲章の目的達成のためによいということがある。技術的な問題のほかに、政治的に考慮を要する問題があるわけであります。そういうふうな問題について、一方においては国際原子力機関においては理事会に対して政府の代表に訓令を出して善処せしめるとともに、一般協定の交渉については、あくまでも燃料その他資材に対する保障措置は、国際原子力機関が十二条の保障措置を完全に適用するという趣旨の方針で交渉に臨みたいと思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 ただ、その場合、私が心配するのは、おそらく使い済み燃料の化学処理によるプルトニウムその他の抽出は、現段階では非常な機密じゃないでしょうか。そこで国際原子力機関の査察を受けることの非常な困難に相手国は当面しやしないか、それをもあえて押し切ってやるべきだと思う。そこまでできなければ、一般協定を結ぶことについても考えなければならぬと思う。そういう点の見通しはどうです

松井佐七郎外務事務官(国際協力局第三課長)

○松井説明員 現在御指摘の通り、化出子再処理工場でプルトニウムを抽出しておるのは、限られた工場しかございません。アメリカのハンフォード、それからイギリスにも一つございますけれども、大体プルトニウムの関係においては軍の管理を受けておる場所が多いのでございます。国際原子力機関としましては、その憲章の保障措置適用上、科学再処理の方法をアプルーヴする権限を持っておりますが、その権利の行使の結果、軍の管理下にある工場をどういう関係にするかということは、実際上問題があると思っております。しかしながら、そのためには、場合によっては国際原子力機関がその与えられた憲章の十四条に定める予算を行使しまして、新たな工場を作ることも考えられますし、各国の学者を動員して、そういう技術的な問題の解明に対して努力させることもできると思っております。理論的には問題があるかと思いますけれども、国際原子力機関に寄せられた大きな期待に沿うためには、加盟国がそういう問題に対して建設的な解決案を出すようにすべきだと思いますし、政府としてもそういうふうにすべきだと考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは、原子力委員長の正力さんに重ねて確認しておきたい問題は、一般協定を結ぶ、そこで動力炉が導入される、運転を開始する、使い済み燃料ができる、この使い済み燃料からはプルトニウムが抽出し得るのである。これをたとえば庭園に引き渡したとした場合に、この使い済み燃料は、国際原子力機関憲章の十二条の規定によって、保障措置を必ず受けしめるという方針で協定の交渉に望むかどうかという点、もう一ぺんあなたの具体的なお答えをお聞かせ願いたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 その方針で臨むつもりでおります。

岡良一日本社会党

○岡委員 外務省、大丈夫ですか。

松井佐七郎外務事務官(国際協力局第三課長)

○松井説明員 これは国際原子力機関憲章の建前自体の問題になると思います。そこで、日本側といたしましては、条約にこういうものは平和的目的にのみ使われるということを書きますれば、それをしからざる目的に使われた場合におきましては、これは条約違反の問題でございます。そこで、条約違反の問題としてこれを取り上げていくということになるかと存じます。

岡良一日本社会党

○岡委員 そうすると、一般協定には、これまでアメリカとの双務協定にもあるように、これは平和目的に使うんだというきわめて抽象的な表現があればそれでいいので、あとかりに使うとすれば、これは協定違反である、協定違反とすれば、日本はどうするのですか。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 ただいま御指摘の点は、十分仰せの通りでございますが、問題は、国際原子力機関憲章の保障措置をそういうふうに確立していくという建前をとらざるを得ないと思うのです。そこで、われわれとしましては、国際原子力機関の十二条の保障措置の具体化を第一に今後やっていかなくちゃいけない、しかもその具体化に当っては、ただいま御指摘のような点を十分考慮してやっていかなければいけないという、むしろ国際原子力機関憲章の保障措置のやり方についての日本政府の努力を、今後も続けてやらなくちゃいかぬという問題になると私は存じております。

岡良一日本社会党

○岡委員 その通りなんです。ただ、問題は、アメリカにしろ、イギリスにしろ、原子動力炉というものは、もはや重要な輸出産業になりつつあるわけです。してみれば、後進国はどんどんこれを受け入れをする形になってくると思うのです。その場合、そこに原爆なり水爆の原料たり得る特殊核物質を含む使い済み燃料が、動力炉を提供した国に全部引き渡されるということになったのでは、国際原子力機関の原子力を世界の平和のために貢献せしめるというような大きな目的と背馳することになる。そこで、日本原子力委員会は、他のいかなる国とでも双務協定を結ぶ場合においては、機関憲章の趣旨にのっとってこれを逸脱しないという方針を立てている以上、まず範を示して、一体的に、日本が当面する一般協定には、国連の保障措置が、今すぐ視察部が設けられるというようなことで、条件が熟すれば、必ずその保障措置を受けるということをはっきりとっておいてもらいたい。そうでなくて、今示されておる案のように、国連憲章との関係は双方が協議の上決定するというのだから、さてできたわ、こちらから保障措置を受けようじゃないかと言ったとき、相手が、いや、それは困ると言われたのでは、日本としてはそれ以上手が出ない。そこをはっきり一札取っておいてもらいたい、こういうことなんです。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 その点ならば、われわれといたしましては、現在一般協定の中に過渡的に設けられます相手国の保障措置というものは、原子力国際機関の憲章が活動を始めたならば、自動的にこれにとってかわられるというふうに規定を改正すべく努力いたしたい、こう存じております。

岡良一日本社会党

○岡委員 それはやはり一つのポイントになろうと思うのです。その努力の結果を、私どもは刮目して期待をしたいと思います。  それから、第二点です。これは私から申し上げるまでもなく、今、国際原子力機関は、非常な苦難な道に立たされておると思うのです。というのは、米ソは現在原水爆あるいはその輸送手段の競合をやっておるわけです。その大きな両陣営の対決する波の中に、国際原子力機関という船は乗り出した。なるほどその船は高々と世界の平和、保健並びに繁栄に原子力を貢献せしめることを促進し、増大するという旗じるしを掲げて乗り出した。しかし、この原水爆競合の今日の段階において、この船が果して乗り切れるかどうか、私は非常に苦難ないばらの道が待ちかまえておると思う。それだけに私は、日本が理事国として参加するならば、次に重大な問題は、やはり根本的に機関が正常にして将来ある発展をするためには、原子力の軍事利用を禁止するということができれば、それにこしたことはないと思うのです。その点について、やはり機関の運営の真に健全な発展を所期しようとするならば、原子力の軍事利用は禁止すべきものである、こういう認識に日本原子力委員会は立つべきものだと思う。これも先ほどおっしゃったのですが、もう一度その点をおっしゃっていただきたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 先ほども申し上げました通りに、原子力の利用は、平和に限って日本はしておる、従って、水爆禁止も言っておるのであります。ただ、世界の実情がまだ水爆禁止までいかぬことははなはだ遺憾に思っておるわけですが、しかし、なお今後一そうそれに努力いたします。

岡良一日本社会党

○岡委員 要するに、日本原子力委員会は、原子力基本法の第二条に掲げてあるように、平和目的一本に努力を傾けるという御精神は私はわかるのです。そこで問題は、具体的に、今度藤山外相が国連総会で、原水爆の実験禁止について、何らか新たなる提案をされるということが新聞に出ております。これはやはり外務省のあなた方の局でやっておられるお仕事だろうと思うのですが、どういう提案をなさるのですか。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 御承知の通りに、ロンドンの軍縮小委員会というものは、過去三月から数カ月にわたりましてつい最近まで審議を続けておったのでありますが、両陣営の意見の対立のために、ついに成功をしなかったのであります。そこで、日本といたしましては、国会の決議等にもありまするがごとくに、核兵器の全面的使用——特に核兵器の実験を中止せしむるということは、これは国民的な要望でございます。そこで、この目的を達成するためには、どういう方法をとったら一番いいかということが考慮されまして、現在大臣はその一応の考え方を持って、国連に出発されておる次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 いや、私はその考え方の内容をお聞きしておるのです。どういう提案をなさるのか、しかも、これは原子力委員長である国務大臣正力さんも当然タッチされておられることだと私は思う。十分御協議の上、これは提案されておられることだと思うので、外務省でもいいし、あるいは国務大臣の正力さんからでも、藤山さんは国連総会で原水爆禁止に向って一歩前進した積極的な提案をすると新聞では伝えられておるが、いかなる内容のものであるか、この点をお答え願いたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私はその内容について聞いておりません。ただ、原水爆の禁止をなお強く言おうという話で、それはどういう方法でいくかということは、外務省できめることでございます。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 過般、外務委員会で藤山大臣は、私の記憶によりますれば、日本の考えとしては、核兵器の実験とともに、生産禁止という面も一つあわせて強調していきたい、しかし、これをどういうふうに持っていくかということは、ニューヨークに行って、また事態の推移を十分見きわめた上で、これの具体的な持ち出し方をきめていきたい、こういう趣旨の答弁があったと記憶いたしております。

岡良一日本社会党

○岡委員 外務大臣がおられないから、これはあなた方にお尋ねすることは無理かもしれませんけれども、ただしかし、こういう問題は、ニューヨークへ着いてから、適当にあたりを見回してからきめる、そういう他力本願な考え方では、日本は許されないと思うんです。それは言うまでもなく、一度ならず、二度ならず、三度までも世界で大きな犠牲を受けた唯一最大の日本の九千万国民の悲願でしょう。とにかく終局的には、原水爆は生産を含めて禁止されるべきであるという一種の理想的な願望をひっさげていくが、その具体的な提案については、ニューヨークへ行ってから、あちこちの顔色を見てきめる。それじゃ済まされまいじゃないですか。原子力の平和利用——これは国内における原子力平和利用をきめたものではない。また国内だけが、平和目的にしたって、世界が軍事目的でやれば、日本の平和目的もくずれる危険があるという意味において、原子力平和利用ということを三原則の筆頭に掲げた日本原子力基本法にのっとって、原子力行政を推進される責任のある原子力委員長としての正力さんの重大な関心事でなければならぬ。ところが、あなたはそれを知らぬ。外務省にまかせる。外務省に聞いてみれば、向うへ行ってからきめる。それじゃ全く問題にならないと私は思うんですよ。どういうことなんですか。一体こいううことでいいでしょうか。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 私も今の御質問に対しては、同感の意を表します。ただ日本が微力で、言うてもなかなか通らず、藤山外務大臣はどういうふうにお考えになるか知らぬけれども、やはり断固としていくだけの力がない情なさですな。どうも残念であります。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 私の説明がちょっと言葉が足らずに恐縮でございますが、外務大臣は一つの考え方というものを持っていかれまして、その考え方をどういうふうにして、いつどういう格好で国連に提案するかということは、現地の情勢を見た上できめたい、こういう御趣旨のように承わっております。

岡良一日本社会党

○岡委員 ただ、私はその考え方の具体的な内容をお聞きしておるのですが、それをお尋ねするのも無理でしょうが、お差しつかえなければ、この際その大筋を聞かしていただきたいと思います。

森治樹外務事務官(国際協力局長代理)

○森説明員 私は、これは大きな政治問題として決定を要する事柄でございまして、事務当局としては申し上げる立場にございませんので、御了承願いたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私は、今度の国際原子力機関の第一回の創立総会においても、この問題はやはり重要な一つの課題だと思うんです。これにほおかぶりを日本はすべきではないと思うんです。そうじゃないでしょうか。日本として何らかこの国際原子力機関の機会をも利用して、藤山さんが国連総会でやり、日本は、今度はウィーンの国際原子力機関の第一回総会で、原子力委員会としても当然私は積極的な提案をなすべきだと思うんです。私は特に藤岡さんにお尋ねしますが、これは申し上げるまでもなく、最近の情勢というものは、いわば科学者が原水爆禁止に立ち上っておるという事実です。世界の平和のため・に科学者が立ち上っておるという事実は、歴史始まって以来の事実だと思うんです。ソビエトでも立ち上る。スカンジナビアでも立ち上る。西ドイツでも立ちしる。日本の科学者も立ち上る。アメリカの本国でさえもたくさんの科学者が署名をして、そして国境を越えた平和の問題として、原水爆の禁止を訴えておる。日本の原子力委員会としても、当然こうした日本の科学者の良心というものを反映した具体的な積極的な行動があって、私はしかるべきだと思うんです。そういう意味で、今度石川さんが大体ウイーンの総会には御出席になる予定のように私は思っておりますが、そうなればなおさら、日本側としては、この席上をも利用して、国民の悲願を達成するための積極的な提案をする用意があるかどうか。この点藤岡先生の御意見を聞かしていただきたい。

藤岡由夫原子力委員

○藤岡説明員 ただいま最後にお尋ねになりました点は、原水爆の禁止問題に今世界の科学者が立ち上っている。同じ趣旨のことを、ウイーンの国連原子力機関の総会で原子力委員会が、石川代表を通じて、何か提案をする用意があるかというように了解いたしたのでありますが、日本の原子力委員会は、いわゆる原子灰の問題につきましての科学的調査をするということは、平和利用の際におけるバック・グラウンドの調査ということとともに重大な問題と考えまして、この科学的な調査をするということには、全力をあげるように努めております。ただ、国連の原子力機関の総会におきましては、これの機関に議せられます問題が、私の理解いたします限り、その問題には触れていないように思うのでございます。むしろ問題は、国連の本部の方における問題ではないかと思うのでございます。従って、御趣旨はまことに私も同感に存じますけれども、ウィーンの原子力機関の総会におきましては、そういうことの話し合いを委員会としてもしたことはないように思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 この問題は、さっき私が申し上げたように、決して国際原子力機関の問題ではない、これは国連総会の問題とは切り離せないと思うのです。現に政策の問題じゃなく、問題は技術的な問題としても、国際原子力機関とは不可分な問題であると思う。というのは、第二条の目的を達成するために、第二条にうたわれた諸任務を遂行するといったところで、情報を提供せよといっても、大国が軍事利用のために厳に封をしてしまえば、この情報は入らないわけです。軍事利用優先で、原料なり資材を押えておけば、国際原子力機関は事実上その目的なり任務を遂行するためには、非常に大きな制限を受けるでしょう。だから、国際原子力機関が真にこの目的なり任務を達成しようと思えば、当然軍事的利用の禁止というものが、不可分な問題として提起されてくるわけです。私は、この問題は、第一回総会において、当然最も大きな問題として論議されてもいい問題だと思う。特に日本の特殊な立場からは、日本原子力委員会としても、私は積極的な手を打っていいんじゃないかと思う。何でこういう重大な問題にほおかぶりでいこうとされるのでしょうか。正力委員長、あなたは実に原子力発電では阿修羅のごとくにふるまわれたが、こういう問題こそこの次のあなたの重大な課題だと思う。おだてるわけじゃないが、ぜひ一つこの問題をこういうヒノキ舞台で取り上げていただくように進めていくべきだと思うのですが、いかがでしょう。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 御趣旨は全く同感であります。

岡良一日本社会党

○岡委員 松前君じゃないが、実にあいまいもことしております。  それでは次の問題ですが、私は今度の憲章を見て、これは憲章の審議の際にもいろいろ私ども取り上げた問題ですが、きわめて露骨な大国優先主義というものが現われているということです。これはぜひ克服さるべき国際原子力機関憲章の実に大きな問題点だと思います。大きな国は小さい国、進んだ国が遅れた国にわずかばかり供出をして供与する。進んだ大きな国は自由に軍事利用ができる。小さい国は保障措置を受けるというようなことで、ある意味では主権にかかわるようなところまで食い込んで、そうしてまた原料物資なども含めて干渉的な措置さえもやるというような意気込みが見えるわけです。こういう大国優先主義というものが横行しておる限り、私は国際原子力機関というものが、ほんとうに公平に原子力の恩典というものを世界のすべての国々に与えないと思うのです。こういう大国優先主義的運営に対しては、日本は理事国として、徹底的に戦うべきだ。これが私は第三の原子力委員会の原子力機関に臨むべき態度ではないかと思う。この点一つ御決意のほどを承わりたい。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 まことにごもっともな話で、同感にたえません。ただし、現実の世界の姿を見ると、なかなか小国がいくら奮闘してもいかぬようになっていることは、まことに残念に思います。しかし、御趣意に沿うように努力したいと思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 正力さんは、私ども二十年前の高等学校の先輩で、その時代からの猛者として鳴らされておった人であります。そういう腰の弱いことを言われては困る。それはなるほど現実の力関係というものをわれわれは無視した理想論を振り回すべきでないでしょう。しかし、やはり一歩々々踏み固めながら推し進めていく努力が必要だと思うのですよ。あまり投げてかかる手はないと思うのです。ペダンティックなことを申し上げるようですが、ちょうど去年の十月下旬に私はヨーロッパにおりました。英仏連合軍がイスラエルに侵入した、そうすると、三十一日ですか、国連総会は緊急の総会を開いた。そうして英仏連合軍の撤兵について徹夜で協議をして、七十五票対二票で、すみやかに撤兵すべしという決議が通っている。もちろんその喪にはアメリカがおりましたけれども、しかし僕は国連における小国の団結というものは、日増しに成長しておると思います。この事実をわれわれが見のがして、単に現在ある大国の米ソの対立だけに目をとられてはいけないと思う。こういう大きな小国の団結の力というものを発揮し得る舞台としてはどこかといえば、国連であり、あるいはまた原子力機関だと思います。特に原子力機関としては、そういう点で私は非常に公明な判断をなし得ると思います。国連総会では、やはり廊下のやりとりがあるということも伝えられております。しかし、原子力機関では、やはり科学者が相当出てくると思います。これは一昨年の八月四日から始まった、ジュネーヴの平和利用の国際会議を見ましても、各国が秘密にしたいものを、科学者の良心によって質問されれば言わざるを得ないという形で、どんどん秘密の態度を独断的に破っておる。このことが、原子力の平和利用ということに対しては、非常に大きな貢献をしておる。科学者の良心というものは国境を越えておるのですから、この諸君の集まった大きな力で、現在の原子力機関が、機関の任務と目的を遂行するためにも、このような軍事的利用の独占に現われておるような大国優先主義というものは打破すべきだ、こういうところまで高らかに踏み出していいと思う。日本はその先頭に立っていくというくらいな意気込みであってしかるべきだと私は思うが、いかがでしょう。また御無理ごもっともでございますでは困る。(「大賛成」だと呼ぶ者あり)与党側にひやかされてはどうも。しかしこれはぜひ一つ大臣がんばっていただきたいと思うのですよ。  次にもう一つ私は第四の任務というか、理事国として日本が積極的に努力してもらいたいことは、日本が極東から選ばれた理事国であるということですね。極東はいうまでもなく原子力の利用についても、研究についても、非常におくれた後進地域ですから、ここから選ばれている日本は、いわゆる五大加盟国と称する大国に比べて、別な意味で、むしろこれらの国々よりも、もっと重大な責任と任務が課せられていると思う。アジアの原子力の後進性を克服するために、日本は具体的なプログラムを持ち、そうしてこの理事会において、国際原子力機関は、原子力機関そのものの任務の中に、明らかに、後進地域、世界の低開発地域におけるその必要に妥当な考慮を払った上でとうたつしているのですから、この妥当な考慮を払わしむべき努力を、日本はしなければならない任務があるわけです。これについて日本はどういう具体的なプログラムを持っているか、この点を一つ。

松井佐七郎外務事務官(国際協力局第三課長)

○松井説明員 国際原子力機関の事業計画の事務的なことですから、私から申し上げます。国際原子力機関の初年度の事業計画に関しましては、従来ニューヨークの準備委員会におきまして、いろいろ検討されたわけでございます。初めから動力炉を運転してやるか、あるいは初めはもっと初歩の訓練計画をやって、ラジオ・アイソトープの活用その他をはかった方がいいかということは、従来数カ月間にわたりまして、準備委員会においているいろ議論されたところでございます。現在のところは、国際原子力機関の大きな理想を達成するためには、初めから空理空論に走ることなく、着実なプログラムを立てて、最も低開発国のために、有益な事業計画、たとえば学者の交換、情報の交換あるいは各種の訓練計画を進める、ラジオ・アイソトープの活用、農業その他の舟某月の活用方法を考える。それから第二次の計画によりまして、動力発電というような本格的なことに乗り出した方が、かえって低開発国の利益に合致するのじゃないかというような意見が通りました。それが大体初年度の事業計画の概要をなすものと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 それは、そういうわけで、おくれた東南アジアの諸国などに小型の原子力発電炉を持ち込み得る段階になれば、どんどん持ち込むとか、あるいは農業の技術的な面におけるアイソトープの活用とか、おくれた医療方面における活用とか、それはずいぶんあるでしょう。もちろんそれはあるわけです。事業計画としてそういう内容のものがある。これらをとにかく日本はアジアを代表して理事国になっている以上は、いち早くアジアにできるだけ持ってくるという努力をする必要がある。それには何か具体的なお考えがあるかどうかという、このことを私は聞いているのです。

松井佐七郎外務事務官(国際協力局第三課長)

○松井説明員 事業計画の事務的なことで、私から御説明申し上げます。準備委員会は、動力発電をやる場合に、どれくらいの出力のリアクターを持って、どこに置くべきかということをいろいろ議論いたしましたが、これは未確定ではございますけれども、まず一万キロワットくらいの小型の動力実験炉を作って、低開発地域の三つの地域くらいにさしあたり置いて、そこで訓練のオリジナル・センターを作ろうじゃないかという議論がございます。しからば、アジアにおいてはどうしたらいいかということは、アリカが予定しているアジア原子力センターの関係もございますが、事務当局といたしましては、日本も理事国のみならず、極東地域の利益を代表いたしまして、そういう機関をできるだけ極東地域に持ってくるように努力をいたしたいと考えます。

岡良一日本社会党

○岡委員 そのことなんです、私が申し上げたいことは。マニラに予定されておったアジア原子力センターも、今いささか立ち悩みの状態です。負担金の問題もありましょうけれども、松井さんは専門の方ですから、御承知のように、やはり大国のひもつきという形における原子力開発に対しては、踏み切れない国々があるということも事実なんです。この際、国際原子力機関がアジアの後進性を克服するという立場において、ぜひ一つアジア国際原子力機関の手によるセンターを設置するということを、理事会における理事国の日本としての大きな具体的な目標として働いていただけないかということです。私は当然働くべきだと思うのです。これは正力委員長いかがでしょうか。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 今のお話はまことにごもっともなお話です。実はマニラに確定する前に、ちよど私が原子力担当の大臣になっておりましたので、何とか日本へ持ってこようと、あのとき策を講じたのです。ところが、あのときはまだ日本に法律もできてなければ、それから日本の世論がそこまで来ておらぬから、アメリカは日本を信じなくて、とうとうマニラにとられたわけです。ところが、果せるかなマニラでうまくいきませんから、これはもう日本に持ってきたいというのがわれわれの願望であります。また事実あれは日本でなくちゃいけないのです。それはもう東洋では日本ということは世界が認めてきましたから、今度は何とか大いに努力いたします。原水爆の問題は、努力してもはなはだ微力と言うたけれども、これは微力とは言いません。

岡良一日本社会党

○岡委員 日本もさることながら、やはりおくれた国々が後進性を克服しようとするときには、やはり他の国々の協力が何といっても大前提だと思うのです。そういう意味で、私はインドとの協力というものをこの際具体的にお考えになる必要があるんじゃないかと思うのです。インドは、日本よりも一足お先にりっぱな原子炉を作っております。動力炉も国産でやろうなんということを最近発表しておる。私はこの際、正力国務大臣としても思い切って積極的に手を打ってもらいたいと思うのだが、来月初めにはネール首相が来られる。これは原子力大臣を兼ねておられる。ネールさんは自国の原子力開発に非常に大きな努力をしておられると同時に、トロンベイの原子炉についても、アジアの国々に喜んで研究に来てもらいたいということで、この間、日本の学者に対して、バーバー博士が核融合反応の研究あるいは水爆の実験の影響について、協力してやろうじゃないかということを言われた。ああいうことをバーバーさんが言われる以上、かなり公式的なものだと思う。向うにその意思があるわけです。そこで、その一番の元締めのネール首相が来られる、原子力大臣を兼ねておるとすれば、正力国務大臣は、去年は阿修羅のごとく非常に御熱心であったが、今度は一つジャワハルラル・ネールさんと会って、ぜひ目印提携を進めるということ、これは総理に進言されてもいいんだが、ネールさんの来朝を機会に、目印の原子力における提携のくさびをぜひ打ち込むべきだと思う。ぜひやってもらいたいと思う。おやりになっていただけるかどうか、一つはっきりしたところをお聞かせを願いたいと思う。

正力松太郎自由民主党国家公安委員会委員長・科学技術庁長官

○正力国務大臣 ネール氏が来る機会に、その話をすべきかどうかについては、なおよく考えますが、いずれにしても、日本を東洋のセンターにすべく努力しつつあります。第一、この前のときでも、マニラにとられても、私は事実上日本は原子力センターにしなくちゃならず、なり得ると信じていた。今や事実上東洋のセンターになりつつありますから、その点は解決すると思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 どうも万邦無比思想で困りましたな。そういう思想は、大国になると大国優先思想になっちゃうもので、非常に危険だと思う。  それはそれといたしまして、国際原子力機関がいよいよ発足する、これは非常に歴史的なものでもあり、これに日本が理事国として参加する以上、運営の責任をとるという立場から、まず日本自身が範を示して、原子力憲章のワクを越えないという立場を厳守しながら、今後の関係を結ばれたい。そうしてまた、どうしても原子力機関というものが、その目的と任務を達成するためには、原子力の軍事利用は禁止される段階でなければ、真の原子力機関の機能というものは発揮し得ないことは明らかなんです。この点は、国連総会もさることながら、特に原子力機関においてこそ科学者の良心に強く訴えるという形において、こういう機会を活用していただきたいということ、そうしてまた大国優先主義というようなものは、ぜひ打倒してもらわなければ困るということ、そしてまた、アジアを代表して選ばれた日本である以上、アジアの原子力開発のためには十二分の努力を傾けていかなければならぬ、これにはやはりアジアにおける原子力に大きな関心と実績を持っておるインドあるいは中国などと思い切って強力な関係を取り結んでいく、そういう機会を積極的にとらえて、そして具体的に進んでいただくという努力をぜひお願いしたい、こういうことをお願いして私の質問を終ります。

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 この際、先ほどの松前委員の質問に関連し、電源開発株式会社が原子力発電新会社へ出資することにつきまして、野木法制局第二部長より説明を聴取することといたします。野木法制局第二部長。

野木新一検事(法制局第二部長)

○野木説明員 ただいま委員長の仰せられました点につきまして、御説明申し上げます。  この問題につきまして、私ども相談にあずかりました際に、まず第一に考えました点は、電源開発促進法におきましては、水力または火力ということが出てきおりますが、原子力という言葉は出てきておりません。そこで、今度の発電用原子炉を受け入れるための新会社というようなこの会社の仕事、これが一体電源開発促進法に乗ってくるだろうかという点をまず議論したのであります。それには、火力というものは一体原子力を含むということに解せられていいかどうかという点を非常に議論したわけであります。これにつきましては、正直のところ申し上げまして、消極、積極両説がございました。火力というのは、文字通り言いますと、火を燃やしたときの力である、そういうように狭く解釈いたしますと、原子力というものはおそらく入ってこないということになるようではございます。しかしながら、現在でも火力といいますものは、たとえば、私技術のことはよく知りませんが、ジーゼル・エンジンですか、ああいうような内燃力、こういうものもすでに火力ということに含まれて解釈しておる。これは文字通り火を燃やしたときの力というふうなものには入りませんが、すでにそういうものも入れられて解釈せられておる、そうして火力という言葉が出てきましたのは、どうも英語の何かサーマル・パワーですか、これの訳語といいますか、これから来ておるというような考え方もありまして、これはむしろ火力というよりも熱力といった方に近いような観念になっておるのだそうでございます。そういうようなことをいろいろ考えてみますと、この火力といううちに原子力というものを含めて解するのも、あながち無理ではない、むしろ火力を非常に狭い、文字通りの火力というように解するよりも、今の段階においては、原子力というものを含めて解することが相当理由があるじゃないかということになりまして、これは私ども集まりましてずいぶん議論しましたが、結局最後にはそういうものは圧倒的多数決によりまして、それではそこはもういいだろう、そういうような解釈にいたしました。そういたしますと、この電源開発促進法十三条二項の三号ですかに「電力の地域的な需給を調整する等のため特に必要な、火力又は球磨川その他の河川等に係る電源開発」こういうことがありまして、ここにある火力、これも今言った意味の火力というように解されることになるわけであります。そういたしますと 電源開発株式会社といたしましては、その能力といたしましては、潜在的に原子力発電もやろうと思えばできるという能力が法律では含まれておるわけであります。全然法律で予想しないものだ、そういうことは言えないわけであります。しかしながら、電源開発株式会社が具体的にみずから原子力発電をやろうという場合におきましては、やはり第十三条に書いてありますように、基本計画にきめなければならないわけであります。みずから具体的に原子力発電をやろうという場合には、基本計画にきめなければならない。基本計画にきめ得るかというと、今言ったような理屈でこれはきめ得るわけであります。ところが、今度の場合におきましては、電源開発株式会社がみずから原子力発電をやるという関係ではないようでありまして、別の会社ができて、その会社がやる、それに金を出すという関係になるようでございます。もちろん電源開発株式会社は法人ですから、法人の事業それ自体として直接原子力発電をやろうという場合には、今申し上げたように、基本計画に書かなければだめであります。しかしながら、今度はそういうわけでなくて、別に法人格を持った別の会社ができるわけであります。その会社が原子力発電関係の仕事をやることになるわけであります。そういう場合に、しからば電源開発会社は金を出し得るかという疑問が第二に出てくるわけでありますが、その点につきましては、私どもよくは存じませんが、電源開発株式会社としても、法律上基本計画にきめればやり得る能力があるように法律はきまっておるし、また実際の問題といたしましても、電力が逼迫しておるときにおきまして、将来電源開発株式会社がこれに乗り出すということも、非常に確実性があるというふうに承わってきたわけであります。そうなりますと、電源開発会社といたしましては、将来みずからそういう原子力発電をやるという場合に備える一つの準備行為といたしまして、他の会社が原子力発電を行うという場合に金を出して、そこで世界の未経験の発電方式である原子力発電というものの建設とか運営などにみずからも少し習熟しておく必要がある、そういう意味で新しい会社に金を出すことは、法十三条の精神からいって、不可能のことではなかろう、そう考えたわけであります。たとえば、現在におきましても、具体的に基本計画に発電の地点と定められていない地点につきまして将来そこを基本計画に地点として定めようという地点につきましても、会社としてはいろいろ準備行為として調査研究を進めておるというようになっておるようでございます。そういうことをかれこれ勘案してみますと、絶対不可能というわけにはいかないだろう、そういうように解釈したわけであります。もちろん火力という点につきましても、将来立法としては、あるいはここにカッコして、原子力関係を含むというふうに注をした方が、一般にはわかりやすいかもしれませんが、法律の解釈としては一応ただいま申し上げたようになっておるものと私ども解釈したわけであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 これは藤岡先生にちょっとお伺いしたいと思うんですが、法律上の概念も、やはりこういう科学的な問題ですから、科学的な概念から律して、きちんと整えなければならぬと思うのです。そこで今御説明を聞きますと、火力の中に原子力発電も含まれる、こういうことでしたね。そこでこれは正確にそう言えるとも思うのですが、いかがでしょうか。私どもの考えでは、水力といえば水の物理的な力がタービンを回す、火力とならば、重油なり石炭を燃料とし、そしてまた高圧の水蒸気でタービンを回す。なるほど原子力もやはり同様な過程で大きな熱を発生するのであると思いまするけれども、いわゆる従来の通念における火力というものは、いわば化学的なエネルギーですね。今原子力によって発生するエネルギーというものは、そういう物理的なエネルギーでもなければ化学的なエネルギーでもない。俗に三百万トンの石炭に匹敵する一トンのウラニウムと言われておりますが、全く質的に違ったエネルギーが発電の大きな原因になっているというような場合、これは同じ火力の中に含められるべきものでしょうか、科学的ないわば科学者としての立場から考えていかがですか。

藤岡由夫原子力委員

○藤岡説明員 非常にむずかしい問題で、のらりくらりとした答弁しか申し上げられないので、あらかじめお許しを願います。法律のできました今から五年前には、原子力ということはわかっていたと思いますけれども、これが発電に使われるというようなことは、おそらく予想されていなかったに違いないと思います。その場合に水力、火力と並べましたときには、その当時はわかっておりましたものを分類いたしたのでありまして、その当時全然予想していなかったものが新たに電力のエネルギー源として出たのであります。これがこの中に入るか入らないかということは、議論が非常にむずかしいと思います。と申しますことは、もう少し申せば、これは議論にならないのではないか、むしろどう解釈するかということではないかと思います。それで通念的の解釈をいたしますれば、火力の火という意味でありますが、これについては現在原子力は第二の火というようなことを申しますことがすぐ目に浮びます。ただいまのお説の通り、普通の火は化学変化によるものであり、原子力は化学変化によらないものでありますから、そういうことにとらわれれば、火力ではないということが言えると思います。ただし、その火という、日本の漢字で表わされました火というものは、いろいろな意味を持ちますけれども、ただいま法制局の方で解釈をすると言われました熱源という意味——なるほどあの火力というのは、英訳すればサーマル・パワーだろうと思います。必ずしもファィアーではないのではないか、サーマル・パワーという意味で火力発電という言葉が使われているとすれば、これは実は私はその方の専門でありませんので詳しく存じませんが、熱を使う発電であるという意味におきましては、原子力発電というものも、新たにできたものでございますけれども、それに入れて解釈をするということは可能なのではないかと思います。たとえば、火力発電にいたしましても、初めは石炭または石油を使いまして、レシプロカル・エンジンまたはタービンというようなものでありましたけれども、つまり石炭を燃やして無気を起すということが、これがおそらく火力発電の形であったろうと思いますが、その後ジーゼル・ガソリン、それからガス・タービンというものもできて参りましたけれども、同じような意味で原子力が出てきた。今、原子力発電でタービンを回すとばかり思っておりますけれども、あるいは水蒸気で回すということになるかもしれません。あるいは水蒸気以外のヴェーパーを使ったガス・タービンも可能であるかもしれません。そういうように新しいものが出て参ります。その場合には、新たに原子力を含むということを入れれば、火力ということの意味が化学変化による火だ、そういうことに限定される。そうでなく、サーマルという意味に解釈することもできなくはない、そういうふうに考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 もう一点。問題は、私はあなたと議論しようとは思わないのですが、ただあの火力という言葉が使われた当時は、原子力発電というものは予想されていなかったという事実。従って従来の概念における火力である。そこで新しく原子力発電というものが実用化されつつある。ところがこれはそのエネルギーが物理的な、あるいは化学的なものと質的に違ったもの、それは石炭かガスか重油かという、そういう量的なものでなくて、いわゆるウィルクンクス・メカニスムスが違ったものである。してみれば、科学的にこの問題は明らかに唱えるとすれば、やはりこの原子力発電というものは火力発電という概念に対比すべき原子力発電という用語が熟成語として法律の言葉の中に入ってもいいのじゃないか、私はそう思うのですが、いかがですか。

藤岡由夫原子力委員

○藤岡説明員 それはごもっともだと思います。でございますから、法律改正の機会に、「火力発電(原子力を含む)」ということになれば、その概念は非常に明確になると存じます。     —————————————

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 この際、参考人決定についてお諮りいたします。すなわち、日本原子力研究所職員の処遇等に関する問題について、日本原子力研究所理事長安川第五郎君、同副理事長駒形作次君、同理事今泉兼寛君、同職員組合執行委員長坂元昌隆君、同職員組合情報宣伝部長中島篤之助君、以上の五名の方々を参考人と決定し、その意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 御異議なければ、さように決定いたします。  なお、次回の委員会は、来たる二十日、午前十時より開会し、ただいま決定いたしました参考人より意見を聴取いたしたいと思いますので、さよう御了承を願います。     —————————————

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 なお、来たる十月一日にウィーンにおいて開かれる国際原子力機関の第一回総会には、政府から代表が出席されることになりましたが、本委員会といたしましても深い関係があることでありますので、この総会ヘオブザーバーとして出席することは、まことに有意義なことと存じます。委員諸君のうち御都合のつく方は、できるだけ御出席下さるよう、委員長としてお願いいたします。     —————————————

菅野和太郎自由民主党

○菅野委員長 なお、御了承願っておきますが、先般各地の科学技術の実情調査のため派遣しました派遣委員の報告は、時間の関係もありますので、口頭によらず、会議録に掲載いたしたいと思いますので、御了承をお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十四分散会

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