科学技術振興対策特別委員会 第14号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1957/03/13
会議録
○菅野委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関し、本日は、ウラン鉱開発等に関する問題につきまして、調査を進めたいと思います。 この際、お諮りいたします。すなわち、本日の議事に関して、原子燃料公社理事長高橋幸三郎君を参考人と決定し、その意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。それでは、通告に従いまして質疑を許します。齋藤憲三君。
○齋藤委員 私は本日、二月二十七日の本委員会におきまする赤澤委員の質問に対しましての地質調査所長及び高橋原子燃料公社理事長、それから私の質問に対しまして森鉱山局長の御答弁がございましたが、その中でなお解決を見ない点がありますので、ウラン鉱開発の重大観点からお尋ね申し上げて、その問題の結論を得たいと存じましたがために、御多忙中、御出席を願ったのであります。 まず第一に、地質調査所長に御質問申し上げますことは、過日の御答弁の中で、三カ年計画をもって日本のウラン鉱の概査を進めていく、予定地域は花崗岩地域約八万平方キロメートルについて早急な概査をやっていく、こういうことでございます。この調査につきまして二点だけお伺いしたいのは、今、地質調査所で日本全土の中でわかっておる花崗岩地帯というのは、この八万平方キロメートルだけであるか、もっとほかにたくさん花崗岩地帯があるかということと、この八万平方キロメートルに局限いたしましても、現在のような概査状況で、三カ年で果して地質調査所が責任を持てる概査完了ができるかどうかという二点について、一つ御答弁をお願いいたしたいと思います。
○兼子説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。八万平方キロメートルの花崗岩地帯ということになっておりますが、実はこの計画で参っておりましたところ、だんだんと花崗岩以外の地帯にもウランが見つかって参りまして、区域の拡大を認めざるを得ないような状態になっております。その後の資料によりますと、調査面積の計としましては、花崗岩よりさらに緑色凝灰岩地帯あるいはそのほかに変成岩と申しますか、そういった地帯の調査も必要ではないかと考えられるに至りまして、これを全部やってみますと、大体二十万平方キロというような面積の拡大を認めるに至った次第であります。大体、御存じの通り、地下資源と申しますのは、やっていけばやっていきますほどだんだんと面積あるいは深部は拡大されるものでございます。深部の拡大はさておきまして、今までの結果から見ましても、二十万平方キロはどうしても見ておく必要があるのではないかというふうに考えております。二十万平方キロの内訳をやや専門的に申し上げますと、酸性火山岩の五万平方キロ、あるいはその周辺が三万平方キロメートル、それから緑色凝灰岩地帯が四・五万平方キロメートル。それから新しい火山でありますが、その火山が七万五千平方キロメートル、大体二十万平方キロはどうしても調査をする必要性があるというふうに、今までの調査の結果によりまして、ただいま考えるに至った次第でございます。
○齋藤委員 私の承知いたしております地質調査所の状況というものは、日会全土に対しましては、四分の一程度の地質調査図が完成しておるやに承知いたしておるのであります。その後急速に完成いたしたかどうかはわかりません。それでございますから、ただいま花崗岩地帯八万平方キロメートル、緑色凝灰岩及び変成石というものを合せて二十万平方キロメートル、これはどうしても見ておかなければいけない。しかしこれはさらに大きく、地質調査によって、もっとほかにも花崗岩地帯があるとか、緑色凝灰岩地帯があるとか、変成岩地帯があるというのですか。もう日本にはこれだけで局限されておるという面積になるのですか、それを簡単に一つ。
○兼子説明員 実は花崗岩地帯と申しますのは、大体今まで調査しておりました図面によりまして、図上ではかりましたものであります。それから、変成岩地帯そのほか緑色凝灰岩地帯につきましても、やはり今まで調査しました図面に基きまして一応調査したものでありまして、これよりは多少広がることも当然あると考えるのであります。なおこれはどこまでも平面的の面積でありまして、資源につきましてはなお深部も伴うものでありますことを一言申し上げておきたいと思います。
○齋藤委員 とにかくこのウラン、トリウムの燃料問題は、過日も社会党松前委員から特にその重要性が強調されたのでありますが、三年間の概査計画を打ち立てて、一応切りをつける、こういうように御答弁をなすっておられるようでございます。地質調査所といたしましては、その行政機関の重大性にかんがみまして、さらに第二次概査三年計画とかあるいは第三次概査計画とか、そういうものをお作りになって、地質調査所として将来日本の運命に大きな影響のあるウラン、トリウムの探鉱というものに対して責任を持って遂行するという建前でおやりになるおつもりでわるのか。三年で概査は一応打ち切って、あとは知らぬというのか、こういうことについて所長としてはどう一体お考えになっておるか。
○兼子説明員 実は、三カ年八万平方キロとスタートはいたしましたが、ただいま申し上げましたように、調べて参りますうちに、いろいろ新しい徴候も見つかって参ります。これは日本の国民としまして、あるいは地質調査所長としまして、とてもこれだけでは済まされないというふうに考えております、少くとも、三十二年度は予算を一定にしていただいたのでありますが、三十三年度以降におきましてはさらにこれを拡大しまして、そうして、公社とも十分力を合せて、日本ウランの開発――私の方は探鉱でありますが、探鉱に海進したいと思っております。遊進しなければならぬと考えます。
○齋藤委員 二十九年度から初めて原子力予算に二億三千五百万円というものが計上されましたときに、地質調査所にも予算が行って、ウラン、トリウムの核燃料物質の調査が始められた。それからわずかの予算は三十年度もついたと思っておりますが、三十一年度に九千万円、今度もまた九千万円の概査予算がついておる。一つその九千万円をどうお使いになったか、三十年度にお使いになりました内訳を、今度資料として提出していただきたい、と同時に、今度の九千万円の中に、ほんとうの現地調査費というものがどのくらい含まれておるかということを、資料で詳細に御提出を願いたい。と申しますのは、私のいろいろ聞いて参りました外国の事情等から推測いたしますと、日本全国にわたってのウラン、トリウムの調査というものは、まず第一にその すべき段階を作る。すなわち、いろいろな設備、機械器具を十分備えて、そうして、これに稼働的な人間をたくさんつけるということがまず第一前提でなければならぬ。それですから、現実の地質調査所の状態におきまして三年で概査を打ち切るのだということだったら、人間をふやすわけにもいかぬし、また思い切って設備を・ふやすわけにもいかないだろうと私は思う。ですから、あなた方はどういう考えでこのウラン、トリウムの調査を御計画になっておるかわかりませんが、日進月歩の世界情勢において、核燃料物質を握るものは、要するに支配権を持つの百であるという構想が浮び上ってきた今日、日本全国にわたって、二十万平方キロメートルの地帯に対しても、これはやはり相当急速な調査をやっていかなければならぬ。それに対する大体の設備器具及び人員というものがあるはずだと私は思う。だから、九千万円予算をもらったから九千万円やっていけばいいのだ、三カ年で概査打ち切りなら、自分の責任はそれでオーケーだということで地質調査所がやられたら、国家の不幸だと思う。日本には地質調査所というものしかないのですから、権威ある調査をし得るところのものはこれしかない。その地質調査所がこういう時代的な感覚に違背しないで、はっきりした日本全土のすみずみにわたってのウラン、トリウムの有望地帯に対しての調査の歩を進めていくという計画をお立てにならないと、日本の原子力平和利用国産化というものに非常に脆弱性が生まれてくると私は思うのです。十分にその計画をお進めになっていただきたいと思うのであります。これに対して、一つ所長としての御決意を伺っておきたいと思う。
○兼子説明員 当初予算その他につい ていろいろ御配賦いただきましたことを厚く感謝いたします。何分初めてではありますし、エア・ボーン、カー・ボーンその他において、まず技術を確立していくという方針で参ったのでありまして、御趣旨のことは、全く私どもとしましても、日本のウランを早急に探さなければいけないという責任は感じておるものでございますが、何せ技術官庁でありますので、技術の確立を急ごうということでスタートして参りましたところが、今や全くある程度の技術の進み方と申しますか、今後の探査の進み方もめどがつきまして自信を得ておりますので、この際、できればもっと大がかりな調査をやっていきたいと思っておる次第であります。それで、とにかく徹底的に日本のウランというものと取っ組んでいく。そのためには、今までより一段飛躍したものを作り出していかなければならないということを私感じておる次第でございます。
○齋藤委員 もう一点、そこで、この間の御答弁の中で、三十二年度は、「花崗岩地帯に金属鉱床があるような地域、それから、人形峠の例にかんがみまして、あれも花崗岩地帯でありますが、水成岩鉱床でも還元現象のあるようなところに重点を置く」という、これが目的だと思うのであります。それから、「海成堆積層と申しますか、水成岩で海に沈澱する水成岩、これにつきましては二の次というふうにいたしております。」と言われましたが、この海成堆積層、海に沈澱しておるところの水成岩というものは、日本にどのくらいの地域あるのですか。
○兼子説明員 海成の堆積層は主として、わかりやすく申し上げますと、油田地帯とかそれから関東、平野の天然ガス地帯、そういったものでございまして、その面積も大体七、八一力平方キロ、あるいはもっと上になるのではないかと思っておるのでございます。実は、この探査につきましても、エア・ボーンを特に充実することにいたしまして、やっていきたいと思っております。エア・ボーンは、三十一年度に一万平方キロ、それから三十二年度には三万平方キロ、三十三年度には二万平方キロというふうに前の三カ年計画では一応の予定は立てておりましたが、機械の到着がおくれまして、現に今もやっておりますが、どんどんやりますので、この前は重点的に、地域としましては花崗岩地帯ということになっておりますが、余裕があればどんどん海成堆積層の方にもやってみたいと思っております。
○齋藤委員 その次に赤澤委員の質問に対しまして、高橋原子燃料公社理事長の御答弁の中に、この人形峠の問題につきまして、「最近われわれの考えた地質学的に問題があると思いますが、あそこに硫化鉄があります。鉄ももちろんあります。硫化鉄はわれわれとしては非常に重要なことでございまして、それは地質学的な問題はもちろんありますけれども、われわれがあれを実際製練する場合に、硫化物がある鉱床というのは非常に問題があります。上層の方つまり硫化物を含んだ上層部は冶金上塩基性の鉱石、それから花崗岩の方に入ったウランは酸性のものです。」、こういう御答弁がございますが、今まであそこに三つ坑道をお切りになりましていろいろ御調査になっておるようでございますが、ここで御答弁になっておりますように、硫化物を含んだ上層部には冶金上塩基性のウラン鉱がある。それから下部には酸性のウラン鉱があるということは、私の聞いておりますところでは、下部にも硫化物が出てきておるということを聞いております。これは上部に塩基性があり、下部に酸性のウランが出てくるというと、これは専門的な立場においてこれを採鉱、製練するのにどういうふうに困難があるのか、一つ御説明を願いたい。
○高橋参考人 つまり、酸性とか塩基性とかいう言葉は、割合にこれは専門的な言葉ですが、硫黄を含んでおるということは、硫黄は硫化鉄の形になっております。つまり鉄分が多い。そういう鉱石は冶金的に塩基性であるから、そういうものを処理する場合には、冶金的に、抽出法はアルカリ性溶液と酸性溶液で抽出する つの方法がありますが、酸性の場合には、やはり塩基性の一溶剤が使えないわけです。それで、酸性、つまり硝酸とか硫酸とか、そういう酸を使わなければあの鉱石は処理できない、こういう意味で酸性と塩基性の区別をわれわれは考えておるわけであります。それから、花崗岩に果して多量のウランがあるとすれば、これはその中に硫化物、たとえば硫化鉄があるかないかということが非常に問題になります。われわれの今の考えでは、そう深くは硫化物はないだろう、従って、かりに花崗岩に相当ウランがしみ込んでおっても、これは酸性――酸性という言葉は、つまり珪酸が多いということですから、珪酸分の多い鉱石に対しては、これは別の観点から区別する必要があるかもしれません。しかし、その量がはっきりまだわかりませんので、これは酸性であるか塩基性であるか、もう少し探鉱を進めていかなければ、ほんとうに冶金的な結論は出ないのだと思います。そういう意味で私は、酸性と塩基性ということに対しては、非常に関心を持っておるわけであります。
○齋藤委員 そこでお尋ねをしたいのでありますが、この同じく赤澤委員の御質問に対しての御答弁の中に、これから原子燃料公社としておやりになる製練の問題に触れておられるのであります。予算は、私から申し上げるまでもなく、製練工場建設費が五億八千万円、うち二億二千八百四十万円が三十二年度のキャッシュ、それから残りの三億五千二百万円というものが三十三年度のいわゆる予算外国庫負担契約ということになっておる。原料買上費は約一億五百万円というものがついておるわけでありますが、過日の御答弁によりますと、この予算を使います目的として、日本の原鉱石を粉砕、粗選、抽出をして製錬に持っていくという過程を行いて、イエロー・ケーキでいわゆる精選したところの原鉱石を外国から輸入して、これで精錬をやる。そこで大体つじつまを合わしておる。こういうお考えのようです。これは一体、ここではそれでやって、日本でも精練技術ができるのだということを表明するのだという御趣旨のようにも受け取れる言葉があるのでありますが、私の方から言いますと、イエロー・ケーキを持ってきて、精選鉱石を持ってきて金属精錬をやるということならば、濃縮ウランを買ってきた方が早いので、何らこういうことをする必要はない。われわれの要求しておりますのは、ます原子燃料公社として最初に着手されるのは、日本に原鉱石が見つからない場合はいざ知らず、見つかった以上は、これを大々的に採掘をして、たといそれが貧鉱でありましょうとも、貧鉱処理をやって、精練にどのくらい金がかかるか、粗選鉱にどのくらい金がかかるかわかりませんけれども、とにかくそういうものをテスト・ケースとして最初に原子燃料公社が当っていくということを考えておったのでありますが、これから見ると、まず三十二年度はイエロー・ケーキを持ってきて、そうして中間プラントから出発していくのだ、そういうことは果してこの際必要であるか必要でないかということも、私は大きな問題であろうと思うのであります。今日の段階においてもなおかっこの計画を変更せられずして、イエロー・ケーキから出発をするという計画を持っておられるのかどうか、これを一つ御説明願いたい。
○高橋参考人 その点についてですが、私どももあなたのおっしゃる通り、初めから鉱石を対象にして研究を進めたいというので、一応案を出したのですが、いろいろの国家財政の都合もありましょうので、初めのいわゆる破砕抽出、いわゆる粗選練という言葉を使っておりますが、そういう作業は三十三年度の債務負担行為に、われわれの希望に違った事柄がそこに出て参りましたので、われわれとしてはその点ははなはだ不本意ですけれども、これはやむを得ない事情があると思いますから、私どもは無理に三十二年度に全部初めからスタートするんだという構想を変えざるを得なかったわけです。 そこで、それじゃ次善の策としてどういう方法が一番われわれとして望ましいことかというと、要するにあなたのおっしゃるような精製還元の工程というものは、これは非常にむずかしいことです。これは、われわれには、今は技術を研究中のもので、確定した一つの技術を持っておりません。外国では、そういう技術は、今まで一切秘密にして発表しなかったのです。それで抽出工程の方はちょいちょい発表されておるから、われわれも大体それは想像つくし、われわれの日本の技術でも将来やり得ると思うのです。ただ精製還元工程――精製還元工程と申しましても、今、電気試験所でやっているような溶融電解法という日本独得の方法があるわけですが、それを今、電気試験所は強力にやっております。しかし、アメリカの例からいえば、これは マグネシウム還元が常識のようになっておるようですけれども、その技術は全然われわれにはわかっておりません。おそ・らく普通の場合はあまり発表しないと思いますが、特別なイギリスとかフランスとかにはあるいはいっているのか、その点ははっきりわかりませんけれども、われわれの手の届く範囲には、マグネシウム還元法というものは全然ありません。日本で今やっておるのは、科学研究所がマグネシウム還元をほんのスタートしたばかりで、工業化の段階には入っておりません。マグネシウム還元工程は、今、世界的に研究している問題で、この成否が非常に原子炉の能率に関係するので、各国とも秘密裏に研究している問題であります。なぜかといいとますと、原子燃料としてのウラン金属の品質が、還元工程で非常に左右されるわけです。金属はできても、それがウランの核分裂に非常に不適当なものであっては困る。たとえば、ボロンを含んでおる。ボロンを含んでおるのは燃料としての価値が非常に低下するわけです。そういうふうなわけで、それを規制していいものを作るというか、精製工程で非常に吟味しなければならぬ。吟味するということは、皆さんよく御存じだと思いますが、有機溶媒抽出法、こういうような今まで日本では全然知られていない技術があるわけです。これをわれわれがどうしても早く修得しなければ、ほんとうに還元した場合に、いいウランが出てこない、こういうことが一般に認められております。そこで、精製工程をうんと勉強して技術を獲得しなければ、たとい外国からマグネシウム還元法のような方法が来ても、あるいは日本の溶融電解法でやるにしても、精製還元の工程をどうしても完全にしなければ、出たウランが使いものにならないということが起るわけです。それを非常にわれわれわはおそれるので、とにかく精製還元の工程は、結局最後に一番大事な眼目になるのですから、それを早く修得していく必要がある。その前の段階では、これは早くやるにこしたことはないけれども、先ほど申したような債務負担行為のような形で、三十三年度でなければそれが使えないという状態だから、やむを得ない。しかし、その間にわれわれはやるべきことがたくさんあります。すでに大宮の研究所に政府から研究依頼があって、その方で今、抽出試験をやっております。これは建物ができたばかりですが、スタートはやっておると思います。その方で十分研究して、間違いのない方法で、人形峠の鉱石を有効な方法で処理して、あとに間違いの起らないようにやりたい。そういうふうにしてそこに多少時間のゆとりを置いて、しかし精製の方は、カナダの方から適当なものが入るとすれば、そこからスタートしても決して仕事に矛盾しない。そこで適当に前と後を結びつける方法をまずわれわれとして考えるから、それで一つ早く技術を修得して、一方においては、三十四年度という長期計画のもとに国産ウランを早く出すという要請にこたえたい、こういう考え方から、ただいま三十二年度の予算ができておるわけでございます。
○齋藤委員 私も不勉強で、原子燃料公社の精練計画というものがこういうものであるということは、過日の質疑応答で初めて承知いたしましたので、少し妙だなあという感じがいたしたのであります。と申しますのは、まずウラン国産化という大きな眼目から考えて参りますと、日本にウラン及びトリウムの資源がないということになりますと、日本のウラン国産化というもの一は考える必要はないのです。というのは、どうせ六〇%ないし七〇%の精製練というものを外国から輸入するということであるならば、これは二〇%ないし、五%くらいの濃紺ウランをどんどんやってもらえば同じことである。そこに原子燃料公社というものに非常にわれわれが期待をかけた理由があったのであります。というのは、とにかく原子燃料公社というものを作って、精査をして、採掘をしてもらって、ここにほんとうのウラン国産化をはかろうというのが、原子燃料公社に対するわれわれの期待であった。幸いにも人形峠ないしは小鴨その他において、日本ではあり得べからざるものとして考えておった大きなウラン鉱床というものが発見されたのです。されたならば、これに全力を傾中して、その品位が国際的に見てたとい低品位であっても、これを採掘し、粗選練をやり、抽出精練に持っていって、ここに初めて国産化のウランができたということであったならば、われわれは国民の一人としていかに金をかけても惜しくないという気持になのであります。ここに七〇%ないし六〇%のイエロー・ケーキというものがもし入ったならばそれでやるというような考えでもって中間プラントを計画する、そこに全部使ってしまうという計画は、どうも私はまだふに落ちないのです。それよりも、そういう金があったならば、思い切って精査、探鉱、そういうものに金をぶち込んで、と同時に日本の科学技術陣営によるところの、その鉱石に適合した精練方法を一つ研究していくという態勢の方が、私は現段階においてはいいのではないかというふうに考えるのです、これは一応御計画になったところでございますから、もう少し私は勉強いたしまして、次の機会にさらに御質問を申し上げたいと思うのであります。 ただここで一点お聞きをしておきたいことは、この三十二年度の予算の範囲内で現在予定しておりますのは、東海村のすぐ隣の米軍爆撃基地中に、一部開放してもらって、そこに中間プラントを作るという構想を持っておられる。私の聞いておりますところでは、東海村のすぐ隣の米軍基地の開放ということは、非常に急いでおられたというように思っておるのでございます。これはその後どういう交渉経過をたどっておりますか。それを御説明願いたい。
○高橋参考人 実はその問題ですが、きわめて最近でございまして、ここ数日前の話でございますが、その後われわれがせっかくその東海村の原研の敷地の隣に近い適当な場所を選定しまして、それぞれのルートを通って米軍にもお願いし、ことに宇田大臣またほかの大臣その他の特別な御考慮、ごあっせんを受けて軍の上層部ともいろいろ折衝していただいたのでありますが、残念ながらわれわれが第一に開放を希望した土地は不可能な状態に陥りまして、非常にわれわれは今困っております。しかし、その問題が解決できなければ、われわれの仕事がそこでストップするわけでもありませんし、適当に第二、第三の候補地も考えております。今の計画を遂行するためにあらゆる努力を払って、既定方針でいきたい、こういうふうに考えて、せっかく努力中でございます。
○齋藤委員 適当な地所はどこかということを伺いますと、また問題が起るといけませんから、それは伺わないことにいたしておきます。 その次に、赤澤委員長の質問の中に、「政府の方で早く鉱物の品位、並びにその品位に応ずる買上価格、あるいはその時期等を明示していただきませんと、暗中模索になるおそれがある」ということに対しまして、高橋理事長は「奨励方法を加味した買鉱価格というものを決定したら、どういうものであろうか、こういうことを実は立案しまして、原子力局の方ともいろいろ交渉して、目下検討中であります。」こういう答弁があったのでありますが、予算の中には原料買上費というもの、これはおそらくウラン鉱だろうと私は思うのでありますが、一億五百九十万円、そのうちで三十二年度現金が三千万円、三十三年度の債務負担行為が七千五百万円、これがちょっと私はわからぬのですが、局長でもいいから御説明を願いたい。この原料買上費の中に債務負担行為があって、どうしてこれを使えるかという一つの疑問、もう一つは三千万円という原料買上費が、三十二年度の中にキャッシュとして含まれておるのですから、もうそろそろこのウランの買上費というものを決定しなければいかぬと思うのですが、そういうことに対してどういうふうな処置を今日講ぜられておるか、どなたでもけっこうでございますから御答弁を願いたいと思います。
○佐々木政府委員 三十二年度の予算は、原料買上費につきまして、現金で二千五百万円、債務負担行為で七千五百万円予定をいたしまして、ただいま大蔵省と実施計画等折衝中でございます。現金と債務負担の区分と申しますのは、債務負担行為が鉱物買上費に使えるかということでございますけれども、これは買い上げをいたしまして、すぐキャッシュでもって支払うという方法ももちろんございます。債務負担行為と申しますのは、考えようによっては一種の約手のようなものでありまして、契約をしても支払いは次年度払いということになっておりますので、ただいまの製煉所のテンポと申しますか、建設計画等を見ますと、必ずしも本年度は年度当初あるいは前半においてどんどん原料を買い上げるというところまで参らぬような状況になっておりますので、現金で買い上げる分と、後半期において買い上げるもの、あるいは対外的なものを分別いたしまして、契約は本年度においてやるけれども、支払いは来年度に延ばせるというふうなものを選びまして、こういうふうな措置をとったのでございます。
○齋藤委員 私の言うているのは、製練工場建設費の五億八千万円中、現金が二億二千八百万円、三十三年度の債務負担行為が三億五千二百万円、しかし、この原料買上費というもの、これは「原料買上費」とありますから、何を意味するかわかりませんが、とにかくウラン鉱を買い上げなければいけないのじゃないか。そのウラン鉱買い上げに対して、先付小切手か六カ月か一年分の手形を振り出して買うということになるのじゃないかと思うのですが、そういうことを意味しておるのですか。
○高橋参考人 原料といいますのは、先ほど申し上げたイエロー・ケーキと鉱石の場合と二種類ありまして、その両方を含んでおるわけであります。イエロー・ケーキは直ちに精製工程にかけますが、普通の鉱石は、粗製練のクラッシングから抽出の材料になるわけであります。その二種類であります。
○齋藤委員 これは、先付小切手で物を買うということもありますから、いいでありましょうけれども、こういう問題は、もしウラン鉱が非常にたくさん出てきて買い上げなければならないというときには、非常におかしな形になるだろうと思うのでありますが、それはその通りに承わっておきます。 それからもう一つは、ここに奨励金の問題が出ておる。「探鉱奨励金というものは、三十一年度に三千万円ついておる」、これは森局長の御答弁でございますが、森局長の御答弁を承わりますと、この三千万円の探鉱奨励金というものは、ウラン鉱それ自体に限って交付するような御答弁のように見えるが、私の知っておりますところでは、一般探鉱奨励金三千万円であって、ウラン鉱に局限された三千万円ではないと思いますが、どちらですか。
○森(誓)政府委員 一般の探鉱奨励金は従来年二千万円ということでついておりましたが、来年度はそれが、五千万円になりました。私が先日申し上げました三千万円は、核燃料物質の探鉱奨励費でございます。
○齋藤委員 ここに、「大体十数カ所のものがその対象に上っておる。」、そうして、「まず、年度内に三千万円は使えるではないか」、こういうふうにございます。これは詳細に御説明を承わる必要はありませんが、一体どういう条件のものが本数カ所あると言われるのでありますか。
○森(誓)政府委員 この補助金の交付の対象の選択は、昨年の五、六月ごろから本格的に調査をしておったのでありますが、おおよそ昨年の十月ごろには、補助金の仮申請と申しますか、一体そういう申請のできる鉱山というのがすでにリストに上げられております。これは大体の規模なり、同時に産出する他の鉱石の種類とか、その鉱床の性質、そういうものも一応わかっておるのであります。その後通産局で地理研究所と共同して調査したのでございます。さらに詳細な現地の調査をやりまして、実は一週間くらい前でありますが、各通産局の担当鉱業課長の会議を開催しまして、そのときに調査の結果を持ち寄りまして、詳細な現地のデータの報告を鉱山局としては受けたのであります。それによりまして、大体品位、規模あるいは鉱業権者の能力というふうなことを判定しまして、およそ三千万円程度のものの交付の対象を選び上げる自信を具体的に得たわけであります。現在はそういう状態になっております。しかし、およその見当は昨年の十月についていたのであります、なお念のために申し上げておきますが、年度内にその対象の決定はできますが、実際の現金の交付は翌年度になる。これは予算上繰り延べの支払いを認めてもらっておりますので、支障はないと考えております。
○齋藤委員 もう一ぺんお確かめいたしますが、三十一年度分は三千万円計上され、三十二年度分も三千万円計上される、それは三十一年も全部ウランの探鉱奨励金だ、こういうわけですね。
○森(誓)政府委員 その通りでございまして、三十二年度は三十一年とは別に三千万円計上されておるわけであります。
○齋藤委員 なるべくすみやかに有望な鉱山に向って適切な奨励金を交付していただきまして、早く日本のウラン鉱の探鉱の端緒をつかみ得るように、一つ御配属を願いたいと思うのであります。 その次に、同じく赤沢委員の質問に対する森局長の御答弁の中に、ウランの鉱山に対して鉱業権を設定するのに二つのグループがある。――その前にもう一点伺っておきたいのは、さっきの質問で、「ウラン鉱の買い上げ価格を目下検討中」というのは、今どういうふうな進捗状態になっておりますか。
○佐々木政府委員 その点に関しましては、公社の方でいろいろ国内の生産費あるいは国際価格のCIF値段と申しますか、そういったようなものを調査いたしまして、そして現実に買い上げる場合にはどういうふうなねらいで、かりに暫定価格でも、それをきめたらよろしいかということで作業中であります。その場合に、高橋理事長からお話があったように、海外の例を見ますと、大半の国は基礎価格、それから初期の生産価格に対する補助金と申しますか、奨励金的なものが入っておりまして、ほぼ半々くらいになっておるのが例のようでございます。そこで、わが国でも暫定価格をきめます際には、こういうものを十分参照いたしまして、そしてあまりシビアな値段をきめますと、山の方は採算が合わない。といってあまり高い値段では、その結果出てきます天然ウラン等を使う発電所なり、あるいは研究所が非常に困るという二つの点から、おのずから制約がございますので、そういう実情とにらみ合いながら、できるだけ早くきめたいと考えております。ただいまの段階では、まだ原子力委員会にこれを持ち出して、原子力委員会として最終的に暫定価格はこうだという段階までは行っておりません。
○齋藤委員 これはなかなか困難な問題だと思うのでありますが、どこかで踏み切らなければ、副産ウランの買い上げというものの実行は不可能でありますから、将来値段の改訂を行うとしても、まずある段階でもって踏み切って、ここで明確な開発態度をとらないと、結局小前の鉱山主というものは、せっかく発見してもそれを持ち切れないという状態になってくると思うのでありますから、なるべく早く決定して御発表になるようにお願いいたしたいと思うのであります。 次に、先ほど申し上げましたウラン鉱山に対する試掘権の決定というものに二つのグループがある。「この二つのグループのうちのどれに出願を許可するかということについて、いろいろ法律的なまた技術的な問題があるわけでありまして、ただいま、私のところでは、その決定に必要な判例とかあるいは従来の取扱い例、そういうものを収集いたしておるのでありますが、そういう資料がまとまり次第、これは早く決定をいたしたいと考えております。」こういう答弁がございましたが、この判例収集とか取扱い例は大体おまとまりになりましたか、もしおまとまりでありましたならば、一つ資料としてわれわれにも提出していただきたいと思うのであります。いかがでありますか。
○森(誓)政府委員 各地の通産局におきまして、昭和二十六年以降取り扱いました例の照会をいたしておったのでありますが、最近その回答が一通り出、て参っております。私の方でそれを今検討しておるのでありますが、どうも意味不明の場所等がございまして、その点をただいままた通産局へ照会しておるというような段階でございますので、近いうちにはその資料が完備することと考えております。
○齋藤委員 これは、私の観点からいたしますと、日本の鉱業法に対して根本的な影響の及びますところの問題でございますので、私といたしましても、十分慎重に検討して、さらに御質問申し上げたいと思っておるのでございますから、その資料のお集まりになりましたのを早急に見せていただきまして、それによって自分も一つ考えをきめていきたいと考えておる次第であります。 なお、その問題につきまして、過日私ご御質問申し上げたのでございますが、ここで赤沢委員の質問に対して局長は、さらにこのウラン鉱の試掘権決定に対しての一つの見方として、「鉱業法の三十五条によりますと、鉱物の掘採が経済的に価値のないとき、あるいはその他いろいろな公益を害するときというような一例をあげてありまして、そういうときには許可をしてはならないという条文がございます。この条文は、きわめて簡単に、経済的に価値がないときには許可をするなということを書いてあるのでありますが、実際の運用に当って非常にむずかしい問題でございして、事態が簡単に割り切れるような場合もございますが、人形峠の場合にはこれが非常に微妙な事態でございます。微妙と申しますのは、その効果と政策上の意味というのではございませんで、事実が非常にデリケートでございまして、ちょっと見方を変えますとすぐ反対の結論になるというふうな、非常に微妙な状態でございます。」と答弁されております。これは一体どういうことでございますか、一つ御答弁を願います。
○森(誓)政府委員 微妙と申しますのは、鉱業法の三十五条の経済価伍があるかないかということを判定する上に明瞭なきめ・手と申しますか、そういうイエスかノーかをきめるのに、簡単にきめ・得るような明瞭な事態が存在しないということでございまして、従って、この点については、地質学的な知識も必要でございましょうし、また法律的な知識も必要でございますし、そそういう二つの知識をまぜ合せて判定をしていかなければいけないという、非常にむずかしい事態であると考えております。
○齋藤委員 私の質問に対する地質調査所長の御答弁によりますと、こういう御答弁があるのであります。「経済的価値云々の問題は、限界点に達した場合にはとても困難である。私の方では判定はできないということを申し上げておきます」という御答弁があるのであります。一体限界点ということはどういう意味か、あとで御説明を願いまするが、日本の行政機構の中で、試掘権を出願いたしましたときに、経済的価値があるかないかということの判定の根拠は一体だれがきめるのでありますか。
○森(誓)政府委員 これは一応は鉱業法の運用に当りまする通産省が最終的にきめるわけでありますが、しかし最後には、もしその決定に対して異議があったりする場合には、裁判所がきめるということになっております。
○齋藤委員 私の質問はそういうことじゃないのです。通商産業局長がこの不許可処分ができるということは法令上に書いてある。しかし、これは漫然と不許可処分を与えておる権限じゃないのです。経済上の価値なしと判定するそのファクターというものは、一体だれが作るのかという質問です。
○森(誓)政府委員 通産局長がいろんな事実を調査し、判断をし、経済価値の有無を決定するということになると思います。
○齋藤委員 それでは、鉱山の場合に経済的価値があるかないかということの判定は、一体どこできめるのですか。
○森(誓)政府委員 これは、その鉱物を掘採していくことが社会的な事業として一応成り立っていくかどうかということが、基本的な考え方になっておるものと考えます。しかし、現実には、試掘権等の場合には、果してそれを非常に厳密に考える必要があるかどうか、それは多少疑問だと思います。多少緩和した弾力的な考え方を加える余地もあるかと思いますが、しかし、考えの中核としては、やはり一つの事業として経済採算の合うものであるかどうかということであると考えます。
○齋藤委員 どうも私の質問の核心に触れませんが、なぜそういうことを承わるかというと、この人形峠のごときものは、考え方をちょっと変えると反対の結論が出てくる、こういうのですね、反対側の結論というものは何かというと、経済的価値があるかないかという、一方は経済的価値があると判定する、一方は経済的価値がないと判定する、考え方をちょっと変えるというと反対になってくる。そういうことを言われた。今のような御答弁をなさると、また鉱業法の本質に戻って、あなたに質疑しなくてはならないということになるのですよ。一体試掘権というものを設定する。この試掘権というのは、この前にも私は申し上げた通りに、第三紀層に花崗岩の金脈があるという出願をしたならば、これは地質学的に不許可。古生層に石油があるという出願をしたときも、地質学的に不許可。山をやっておる人間は、この判定というものにはだれも服従せざる者はないのです。しかし、花崗岩地帯に金、銀、銅、鉛、鉄、硫黄を出願して、経済的価値がないから、これを不許可にするといったら、今、鉱山をやっている人はだれ一人として承服することはできない。それが試掘権の精神です。試掘権というものは、花山岡岩地帯に硫化一つ見つけても、これは金があるかもしれぬ、硫化鉄があるかもしれぬというので出願するのですよ。その出願が、地質学的にいっても公安を害しない、あるいはその他のいわゆる国民の福祉を害せざる範囲内において、それを優先出願としてそこに許可をする これが鉱業法の建前でしょう。そして二年間一試掘させるのですよ。二年間試掘して、今度さらにその試掘の延長を許可したときに、お前はどれだけ探鉱したかということを調べて、その試掘の出願人に誠意がない、一つも探鉱しないということだったら、そこで初めてそれを理由にして不許可処分にできる。しかしそれをやった事例というものはなかなかないのです。さらに延長するのです。二回延長を許可している。六年かかって探せということなんです。そのかわり登録税もとれ、ば税金もとるというのが、いわゆる試掘権の精神である。それをあなたが、ちょっと考え方を変えると反対の結論が出るなんて、局長としてこんな大それたことが言えるはずはないと思う。どこからこんな思想が生まれてきたのか。あなたは三十五条を曲解して、通商産業局長が経済的価値がないと思ったら不許可処分にしてよろしいと考えているのかどうか、ここではっきり答弁してもらいたい。
○森(誓)政府委員 この問題は具体的な問題と非常に関連がございまして、通産省としてもただいまいろいろ過去の判定あるいは処理例等を調べまして、それとの均衡のとれたような処理をいたしたいというふうに考えております。また、この法律は非常に重大な問類がございまして、先生の言われるような考え方も一応は成り立つかと思いますけれども、必ずしも異説がない、わけではございません。ここで私か断定を下すということはまだできない状態でございますので、ただいま検討中のものが結論が出ましたら、そのときには先生に明瞭にお答えを申し上げることにいたしたいと思います。
○齋藤委員 きょうは時間もだいぶ過ぎましたから重ねて質問はやめますが、昨年の二月一日にウラン・トリウムを法定鉱物に指定している。その法定鉱物に指定せられる前にウラン、トリウムを発見した者は、ウラン、トリウムの同種鉱物である金、銀、銅、鉄でそのウラン、トリウムの出願をして、その権利を擁護している。これは鉱山当局として当然認めておられたことだろうと思う。そういう措置を講じたものに対しては、一体どういう法的措置を講ぜられるか、これを向いたい。
○森(誓)政府委員 鉱業法の運用に当りましては、法規の解釈を形式的な範囲においてやっていきまして、その範囲で認められるものでありましたならば、なるべく申請者の本旨に沿うようにいたしたいというふうに考えております。
○齋藤委員 鉱山局といたしましては、ウラン、トリウムの法定鉱物効力発生期間を昨年の二月一日ときめた。それ以前のウラン、トリウムの発見者はどういう処置を講じておく方がよろしいという親切な告示をお出しになったことがございますか。
○森(誓)政府委員 そういう一般的な告示を出したということは、私は聞いておりません。
○齋藤委員 私の聞いておりますところでは、現に出願を取り扱っておりますところの鉱山局では、ウランを発見したから一体どうしたらいいかという相談を受けたときに、それは花崗岩地帯においては金、銀、銅、鉄で出願をなさい、そうして二月一日には鉱種名の変更、追加鉱物で出願をすればよろしいという回答をしているところがたくさんある。こういうものに対して、鉱山局長としての責任は一体どうか。
○森(誓)政府委員 それがどういう形で行われましたか、私は詳細には存じませんが、個人的な一つの相談相手としての回答であったのか、役所の正式の意見として申し上げたのであるか、これは私はまだわかりません。しかし、役所として少くともそういうことを正式に方針をきめて、そういうことで皆さんを指導するということをやったことはないように聞いております。
○齋藤委員 ウラン鉱物を発見いたしまして、ウランが法定鉱物に指定される期間がまだ来ない。しかし、ウラン鉱物を発見したことは事実である。その発見の権利を擁護するために一体どうしたらいいかということを、出願を取り扱っている鉱山局へ行って相談をしたときに、金、銀、銅、鉄でもって出願をなさい。そうして期日が来たならば、鉱種名の変更、追加鉱物の出願をなされば、それで権利は確定いたしますという回答を受けて、その通りやった。ところが、過日来のお話によると、それは受け付けないんだ、そういうことはちっとおれたちは考えていないんだ、それはあとで二月一日の午前零時一分にウランの出願をした者の方が、ウランとしては優先的なんだ。なぜかというと、あなたは金、銀、銅、鉄で出願しても、その金、銀、銅、鉄というものが経済的価値がなければ、これを不許可処分にするというのでしょう。一体そういうものに対する責任は全然残らないとお考えになっているのですか。これを聞きたい。
○森(誓)政府委員 ただいまのお話では、すでに鉱山局のいろいろな問題に対する方針がきまっておるかのようなお話でございましたが、まだ、鉱山局としては、そういう二月一日前の出願をどう処理するかということについては、結論を出しておりません。それから、それ以前にほかの鉱物で出願をしたという事例の扱いにつきましては、ただいま申し上げましたように、鉱業法の規定の起用を曲げることはできないと思います。鉱業法の適用の許す範囲で、そういう趣旨をなるべく生かすことができれば、申請者が非常に期待通りのことになりますので、結果はよろしいわけであります。鉱業法の解釈上そういうことが許されるならば、それはいいことだというふうに考えます。
○齋藤委員 全国的に聞いてみますと、その鉱種名変更を受け付けた鉱山局もある。それから却下したところもある。たとえていえば、金、銀、銅、鉄でもって出願しておった試掘権に対して、二月一日に鉱種名の変更、追加鉱物の山峡をして、これを受け付けたところもある。却下したところもある。この責任は一体どうなるのですか。
○森(誓)政府委員 この問題につきましては、一応出願中の鉱種名の変更は、これは特にウラン鉱に関係しているものでございますが、それは受け付けないようにということでやっておるのでありますが、もし間違って受け付けたところがありとしましても、これは別にその出願の効果には影響はないので、受付をされなかったものと、受付をされたものと、どちらもあとになって利益、不利益の差が生ずることはないのであります。普通は出願が許可された後に鉱種名の追加をするという考え方をウランについてはとっておりますが、そういうふうな扱いになりましても、出願中に鉱種名の追加を拒否された方は、そのために不利益を受けるということはございません。全く同じ立場にあると考えております。
○齋藤委員 いや、それは鉱山局長、考えが違う、自分でウラン鉱をここで発見したのですよ。金、銀、銅、鉄で出願しましたね。これを確保するには二月一日に鉱種名の変更及び追加鉱物の出願をやっておけばいいということでやってみた、ある人間はこれを受け付けられた。受け付けられておいて、十日か一週間か、半月たってから却下してよこしたのです。この間の優先出願はあなたどうお考えになるのですか。受け付けられたからこれ、で安心だと思っておったところが、却下してきた。却下したからあわてて出願してみた。ところが十五日たっていた。この十五日の間にウランの出願が行われたらどうするのです。そのときには却下したということによって、優先的に二月一日の午前零時一分にウランの出願をしたという取扱いをするのですか。どうして一体その権利が同じなんですか。
○森(誓)政府委員 他の鉱物を先に出願しておきまして、それで後にウランの鉱種名の追加を、出願がまだ処理される前に出願したという場合には、これは出願としての効果はないものだと考えております。従って、もし間違って受け付けられたとすれば、これは間違った扱いであるというふうにわれわれは今考えております。
○齋藤委員 いや、金、銀、銅、鉄を許可するということを前提としていれば、効果は同じなんです。しかし、あなたは経済的価値のないやつは不許可にするということを考えているのでしょう。ここでウランというものを発見、した。この地帯は金、銀、銅、鉄の地帯である、花岡岩地帯である。だから法定鉱物の決定期間が来ない間は、この権利を擁護するために、金、銀、銅、鉄でもって出願をしたのでしょう。そうして、二月一日に鉱種名の変更、追加鉱物の出願をウランでした。これが受け付けられたのです。そうすれば、だれだって安心しているから、二月一日には別個のウラン出願というものはやらぬでしょう。また受け付けるという方針だったのだから。なぜかというと、それは当然今までの慣習法によって、ウランは金、銀、銅、鉄ないしは水成鉱物等の同種鉱物いずれかに入れて、単独の鉱物としては取り扱わないということを鉱山局では発表しておった。だから、そういうふうにして、自分ではウランの出願をしたと思って安心しておったところが、今度はこれは間違いでございましたからと いって、一週間もたってからこれを却下してよこした。その一週間の間にほかの人間がウラン鉱の出願をした場合に、一体その責任はどうなるか。それがあなたのように権利が同等だなんて、それならば先願優先というものを考えないか。あるいは金、銀、銅、鉄という出願を必ず許可するという前提に立った議論なら、あなたの議論は正しい。しかし、今のように、あなたは金、銀、銅地帯にも金、銀、銅の出願をしておるにかかわらず、これを調べて経済的価値がなければ許可しないという方針をとると言うから、私はこういう質問をしておるのです。私は金、銀、銅地帯に金、銀、銅の出願をして、これを経済的価値があるとかないとか考えることは、自分が神様になったつもりでなければできないことで、人間としては考えられないことだと思うけれども、あなたはそういうことを言うから、一体こういう事態に対する責任はどうかと言っているのです。
○森(誓)政府委員 ウラン鉱が追加されました昨年の二月のころに、われわれとしては他の金、銭等の鉱物の出願に対してウラン鉱の鉱種名の追加をすることは受け付けないようにというふうな方針で、各通産局を指導いたしております。従って、もし先生があげられましたような事例がありましたならば、これは間違った事例でございます。そういう事例はわれわれはないと思っておりますが、もしありましたならば、よく調査いたしまして、その対策を講じたいと思います。
○齋藤委員 それでは、一体そういう追加鉱物の出願を受け付けないようにという通達を出したというのですか。
○森(誓)政府委員 さようであります。
○齋藤委員 今度一つ通達を見せていただきます。 私は以上でウラン鉱開発に関する質問は終りますが、最後に伺っておきたいことは、今日の鉱業の国家現状といたしまして、この地帯が果して金、銀鉱の地帯であるかどうか、経済的価値が絶対にあるかないかということの判定を下す機能を持っておるものは、地質調査所しかないと私は考えておるのであります。と申しますのは、今まで私もずいぶんいろいろな鉱山業の実態を見て参りましたが、今、鉱山局長が特に事例を人形峠にとっておられますけれども、あの優秀な金、銀、銅地帯に対して、金、銀、銅の出願をしておるにかかわらず、さらにこれを金、銀、銅を主体とした経済価値があるかないかということの判定を下してから許可、不許可をやるということを言うておられるということに対しましては、絶対に承服ができないのであります。地質調査所長の限界点ということは、どれがそういう意味かわかりませんけれども、地質調査所としてはできないということを一言っておる。できないというのが正しいのですよ。だれが 一体広範な地区においてどこに金鉱脈があるかどうかということを予測できるか。絶対に予測できないのです。そういうことをあえてやろうとして人形峠の開発をおくらせているということは、国家に対して重大な責任が生まれてくると考えておる。だから私はやへましく、口っておる。一日も早く人形他の鉱業権を確定して、原子燃料公社一思い切ってあそこに開発のメスを入れて、国産ウラン鉱のためにどんどん屑鉱石を採掘して、それを粗製練に持っていき、精練に待っていくということがわれわれの望んでおるところであります。これを一鉱山局長が経済的価値が判定できるとかできないとかといって、まごまごしているということは、国家のウラン開発の現状から見てじゃまですよ。のいてもらわなければならぬ。めんどくさいから私はあまり深いことは言いませんけれども、今、人形峠地帯にできておるところの硫化というものは、熱泉鉱床だとは言わないけれども、温泉鉱床だ。あれはまさに花崗岩からできてきたところの硫化鉄に違いない。私は最初からそうにらんでいる。あの地帯にあれだけの硫化があるということは、地質学的に言っても、硫化鉄鉱というものは金、銀、銅の先駆なんですから、その硫化を目当てにして鉱山師は金、銀、銅を探すのです。そういうことがはっきりとわかっておることを前提に置いて、地所調査所長は、この硫化鉄鉱はもう少し調査すればわかりますということを言っておられるのです。私は最初から、あれは花崗岩地帯にあるところの硫化だとにらんでおるのですが、最位に地質調査所長から、その硫化鉄鉱の性質と限界点という意味を承わりまして、私の質問は今日は終ることにいたします。
○兼子説明員 お答えいたします。、の前、本委員会が開かれましたときには、ちょうどあそこに出ました硫化がとれた、その硫化は果して下の花山岡岩と関係があるかどうかということを調査中である、もうしばらく待っていただきとうございますと申し上げておきましたが、調査の結果をこの際御報告申し上げたいと思います。こまかい資料がありますが、結論だけ申し上げたいと存じます。 この硫化は、結局ただいま齋藤先生の御推察通り、下の花崗岩と関係があるものでございまして、結晶構造その他より見まして、温泉作用によってできたものではないかというような結論を得たのでございます。従いまして、下の花崗岩からは現在は鉱化作用は見られておりませんが、鉱化作用があるだろうということは推定せられるわけでございます。 それから限界点でございますが、私先ほど申し上げましたように、これは主として人形峠の技術的の問題について申しましたので、あの黄鉄鉱が下と関係あるかどうかということが限界点である、従って非常にむずかしいということを申し上げたのでございまして、もし私をして言わしむれば、あの黄鉄鉱が下の花崗岩と関係があるということになりますると、なお金属鉱床その他についても可能性が出てくるのではないかといった、その可能性の問題のことなのであります。 以上、簡単にお答え申し上げます。
○菅野委員長 それでは、本日の質疑はこの程度にとどめ、次会は明十四日、午前十時より開会し、ただいま付託されております二法律案について質疑を行います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十五分散会