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26回国会衆議院1957/05/13

運輸委員会 第28号

発言数
31
登壇者
8
会派数
2
開催日
1957/05/13

会議録

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。  この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。理事畠上鶴吉君が去る四月二十七日委員を辞任せられまして、理事が一名欠員となっておりますので、この際その補欠選任をいたしたいと存じますが、その選任の方法及び手続を委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 御異議ございませんので、それでは畠山鶴吉君を理事に指名いたします。     —————————————

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 なお続いてお諮りいたします。本委員会に付託されました請願は、本日までに百二十二件であります。なお締め切られておりませんので付託になるかと存じますが、この際請願審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 それではさよう決定いたします。  なお小委員の数、小委員、小委員長の選任につきましては委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 それではさよう取り計らいまして、後刻理事会に諮って決定いたします。     —————————————

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 小型船海運組合法案(木村俊夫君外二名提出、衆法第二九号)を議題として質疑を許します。質疑の通告があります。これを許します。山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私はただいま議題となりました小型船海運組合法案に関連をいたしまして、政府に質問をいたしたいと存じます。  第一に私が聞きたいのは、この組合法が施行せられまして第一に問題になりますのは、この法案の中に含まれておりまする回漕業者、すなわち荷主団体と実際の運送業者との関係でありますが、今の組合におきましては荷主の搾取というか、回漕業者の小型船業者に与えております影響は非常に強いものがあります。そして運賃等におきましても常にこの荷主業者の巧妙な圧迫によりまして非常に低位にあり、実際に運送に従事している者の運賃のダンピングというよりも、むしろ荷主からしいられて余儀なく低運賃によって荷物の運送に当らされるというような結果を招来しておる。そういうような現状にある場合に、この回漕業者をもしこの法案の中にありますように含めましてこの組合を作るといたしますと、そこに私は海上の運賃等に対しまして荷主のさらに大きな圧迫を加える結果を招来しはしないかということを憂えるわけでありますが、運輸省はこれらの弊害排除についてどういう所信を持っておるか、その点をお伺いしたい。

粟澤一男運輸事務官(海運局長)

○粟澤政府委員 ただいまお話のように、現実の事態は、回漕業が相当木船、機帆船界におきましては実力を持っているのでありまして、先日も質疑応答にございましたように、相当大きな数量は回漕業の手を通して木船運送業者に運航させている、こういう実態になっております。従いましてただいまお話のように、回漕業者がこの組合に入りまして相当大きな力を持つということも考えられるのでございます。これは現実の事態としてただいまそういう実態を現わしているということでございまして、今日この組合にこういう実際の力を持っております回漕業者を含ませないということは、むしろこの組合の成立もしくは円滑な運用に支障を来たすというようなことも考えられまして、先日もいろいろ御討議がございましたように、当初におきましては回漕業者をやはりこの組合に入れて、一緒に木船海運界の安定をはかるということが一番現実に即したものであるということで、本組合法においても回漕業者を取り入れるという方法をとられたように伺っておりまして、ただ現実問題といたしまして実態はそうでございますが、この組合法を見ますと、実際の回漕業者の数は御承知の通りあまり多くないのでございまして、それに対しまして運航業者の数は圧倒的に多数でございます。従いましてこの組合の運用に当りまして、ごらんの通り選挙権あるいは投票権はおのおの一票ずつということになっておりますから、数の上から申しますと、これは形式的でございますが、運航業者の方がヴォートを圧倒的に多数持っているということが言えるのでございます。従いましてこの組合の運用というものが、実際本法の所期いたしましたように行われますならば、ある程度そういう点につきましては排除されるということが考えられると思います。なおしさいに内容を検討いたしますと、調整規程の中にも、回漕料あるいは運賃というようなものがおのおのやはりきめられるというような格好になって参りまして、その場合には政府もこれを認可いたすわけでございますので、そういう場合には十分回漕料あるいは運賃の関係というものを検討いたしまして、不当に運賃が押えられるというようなことのないようにもちろん心がけるつもりであります。なお組合の運営につきましても、そういう点は当初より相当指摘を受けておりますので、運輸省といたしましては現実に即して十分注意してやって参りたいと考えております。なお個々に申し上げますと、組合によりまして回漕業者が非常に熱心に組合を作りたがっている地区、あるいは運航業者も相当目ざめまして、自主的に組合の設立を考えておる地区もありまして、各組合によって実態も若干変ってくるかと思います。それぞれの組合の実態に即しまして、御指摘のような弊害のないように、私どもは十分注意し、政府側の監督官庁においても十分注意いたすようにいたしたいと考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 今の御答弁によりまして、荷主側である回漕業者にその組合加入を認めて、これらの人々に自己の抱いておる意思表示の場を与える、こういうことは組合の発展のためにも、あるいは海上運送秩序の維持のためにも必要であることはわかりました。しかしこの法によりますと、加入の条件を満たしているといたしましても、強制的な加入ではなくて、任意加入の方針をとるということになりますと、荷主業者と運送の実際に当っておる小型船運送者との数の問題では、圧倒的な勢力が小型船所有者にある。組合に加入しない多数の小型船業者があって、荷主の少数の回漕業者があるということになる。逆に考えますと、少数の回漕業者が多数業者を巧妙にあやつって、運送運賃の低減化をはかっていくということになりますと、これはかえって危険な状態を招来しないか、こういう点を危惧するわけであります。今の回漕業者の実態を見ますと、自主的に回漕業を営んでおるものと、大きな荷主会社が、従業員の定年になった者、あるいは重役ではみ出した者、こういうような人々を糾合して、いわば荷扱いのトンネル会社的な回漕店を多く持っております。そしてこれらの回漕店は多数の小型船業者をあやつりまして、ボス的なものとして存在し、かっこの会社を通じないと、その大きな荷主会社の荷物が運べない、言いかえますと、これらの回漕業者の御意向をそこねては、多数の小型船業者はその荷を扱わしてもらえない、こういうことのために実は非常な苦しみを味わっておるわけであります。この組合にそのような有力なものを入れるということになりますると、たとい多数の業者が集まって、数の上においては問題ないといたしましても、回漕業者の威圧のために実際には自由な発言もできない結果を招来し、その結果、事志と反するような結果に陥りはしないかということを憂えるわけです。こういう点につきましては、私はよほどの指導力を持って、この組合育成のために行政指導を行わなければ、危険であるというふうに感ずるわけであります。これらについて政府は確信を持っているかどうか、もう一度その点を明確にしていただきたいと思います。

粟澤一男運輸事務官(海運局長)

○粟澤政府委員 ただいま御指摘のような点がもちろん全部ではございませんが、相当程度木船業界にございますことを私ども関知しているわけであります。結局そういう事態に対しまして、木船の運航業者がどういうふうに目ざめ、あるいは自分たちの団結の力を持って立ち上っていくかということが、本法の一つのねらいかと思うのでございます。従いまして私ども本法を運用するに当りましては、そういう点に十分な注意を払わなければならぬということを考えているわけであります。主としてこういう問題が現われて参りまするのは、先ほど申し上げました通り、調整規程というものによって現われてくるというふうに考えるのでございます。従いまして普通の場合には海運カルテルでございますと、同盟等がございましても、運賃の協定というものは届出事項になっているのでございますが、本法におきましてはそういう点も留意の上で、調整規程は運輸大臣の認可にかけているという点も考慮されているのではないかと思うのであります。従いましてこの調整規程を認可いたします場合に、私どもそういう点に十分注意をいたしまして、調整規程の内容を検討し、差しつかえのないように修正を加えた上で認可をするあるいはそういう点に不当なものがある場合には、これは認可をしないという態度をとるべきであると考えるのであります。なお先ほども申し上げましたが、総会あるいはその他におきまして議決権等を行使するのに、独自の判断で自由にこれを行使するということは、現実の事態にかんがみますと、かなりむずかしいかと考えるのであります。と申しますのは、そういう回漕業者に牛耳られているというお言葉がただいまございましたが、やはり平素より荷物をその回漕業者から相当もらって仕事をいたしているわけでありまして、経済的に相当の関係がございまして、その回漕業者にある程度ついていなければならぬという事態があるかと思うのでありますが、そういう点についてもだんだん目ざめて、できるだけ自分の力を自分で回復するという以外に道がないのでございまして、法律におきましても代理権は十人以上はいけないという考え方も、外からそういう一つのワクをはめまして、だんだん自分たちの自主的な意識を回復していくという点をねらっているのでございます。もちろん私どもの行政指導に当りましても、そういう点を本法の精神から考えて、指導なり、監督なりをいたしていきたい、こういうふうに考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私はなぜこういうことを危惧するかといいますと、たとえば陸上におきましても、ハイヤー、タクシー等の料金についても、これを規制する道路運送法がございます。しかるにこの陸上交通の料金をめぐりまして、実は運輸省の指導調整は全く行われずに、極端に言えば、業者相互間が無政府状態のような状態を現出いたしまして、料金のダンピング競争を行なったことも御承知だろうと思うのです。今また四月二十八日付の読売新聞を見ますと、ある会社が海上運賃等の認可料金を守らずに、これはダンピングではなくて、逆に倍あるいはそれ以上の不当な料金を取って旅客の運送をいたしておった。このために業者間で非常な波紋を起しまして、ついに会社相互間で告発するという全くの泥試合の事態を惹起いたしておりますが、運輸省はこういう事実を御存じなのかどうか、一つそういう点を承わりたい。こういうようなことでは、今申されるような調整規程を発動してこの組合の行政指導に当ると言われますけれども、どうも私は今のこのような事実をもってみましても、その措置なるものがどこまで信頼していいものか、全くその信頼性を疑わざるを得ないと思うのであります。一体陸運に限らず海運に限らず、今日の輸送秩序を守るためにどういう決心を持って臨まれておるのか。私はこの点が不可解でなりませんからお尋ねしておきます。

中野大運輸事務官(海運局定期船課長)

○中野説明員 それは新聞にも出たようでありますが、熱海−初島−伊東の航路の問題につきましては、二十九年の十月に申請がございまして、本省といたしましては三十年三月一日に認可いたしてございます。三月一日以前にそういうふうに高い運賃を取っておったかどうか、目下原局の方で調査をいたしております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は別に特定会社をさしてどうこうという考えは持ちませんけれども、最近の運輸行政全般を見まして、全くこれらの不正業者は傍若無人なふるまいを行なっているといっても過言ではありません。はなはだ遺憾に思いますのは、陸上におきましてもある業者のごときは、基準法あるいは労働法あるいは道路運送法等、諸般の法律のあることはよく承知をしておる、しかしその法律を守っていたのでは私の事業は成り立ちませんから、違反は承知であります、こういうことを放言いたしております。これは運輸省の一連の運輸行政に対する行政指導において、威厳と言えば昔に返るような言葉になるかもしれませんが、しかしながらこの行政に当られる官庁が、このような監督官庁の存在をも無視するようなことを放言せしめ、しかも自己の意のままに実行せしめて、何らその違法性をも追及し得ないような官庁であれば、私は官庁の存在すら疑わざるを得ない。実に遺憾千万に思うわけであります。これらに対して何らの適正な措置も講ぜられていない。伝えられるところによると、伊豆の伊東−初島−熱海間におきます航路に従事している会社は、駿豆鉄道の船舶部だということでありますが、実はこの問題を一つ取り上げましても、運賃改正以前に二年、三年という長期にわたって、認可料金の倍もの料金を徴収しておるという事実があるということで告発しておるようであります。もしそうだといたしますと、私が今申しますように、輸送の秩序確保のための行政に当られる運輸省は、一体何をしておるのかということを疑わざるを得ないのであります。出先におきましては、これらについても勧告あるいは警告等の処置をとられたということは聞いております。しかしそれが官庁の責任を免れるところの形式的のものであって、その警告もしくは勧告なるものが何らの権威も伴わないものであり、それによってそのような非が改められないというものでありますならば、これまた官庁の存在なるものも私は無意味であると考える。そのような形式的なもので監督官庁の責任を免れることはできないと思うのでありますが、これらについてどういう処置をとられておるのか、その詳細を一つ御答弁願いたいと思うのであります。

粟澤一男運輸事務官(海運局長)

○粟澤政府委員 ただいまの事案につきましては、私ども新聞で承知いたしまして、さっそく現地の海運局にただいま調査を命じております。運賃料金につきましては、定期船においてはそれぞれの船舶あるいは発着所に公示の義務を課しております。当該会社も当然その公示をいたしておると思いますが、ただいまのようなことは普通には考えられないのであります。従いましてただいま調査いたしております。調査の結果、ほんとうに法規違反その他をいたしております場合には、当然相当の処分をいたしたい、こういうふうに考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 調査をされておるというのでありますから、従ってその結果を待ちたいと思います。この新聞に報道されております告発会社が実際にこの通りであるかどうか、そして告発をいたしましたその告発の内容がどうであるかについての報告書を資料として御提出願いたい。さらに資料として要求いたしますが、この被告発会社である駿豆鉄道経営の各定期路線航路、これは許可を得たと思いますが、その許可をなさった年月日、各航路別に許可をせられた年月日、第二番目には初島−熱海間、伊東−初島間、沼津−三津間、伊東−初島−熱海間、この各間の航路の昭和二十六年以降の運賃移動の状況の報告書を出していただきたい。それから今申されましたように、調査をされておるというのでありますから、従って現地の東海海運局が、その後これらの航路に対する運賃の違反行為をしておるために、勧告あるいは警告した事実があると聞いております。その事実があれば、その警告いたしました警告書または勧告書、提出した年月日等を付した勧告書、及びその勧告書が出されれば、これを守る等のために勧告書の出しっぱなしではなくて、何らかの会社からの回答もしくは始末書等の形における文書の往復があったと思うのであります。これらについての詳細なる書類を提出していただきたい。それからまたこれで運賃の秩序が守られたかどうかということはわかると思うのでありますけれども、しかしこれらの会社が交通公社その他各旅券販売業者との間に販売契約をいたしておると思いますから、そういう事実がありますならば、その販売をいたしました乗船券類の価額等を各年次別に、月別に分けて報告書を提出願いたい、こういうふうに考えますから、以上の書類を至急全員に御配付いただくようにお願いいたします。これは、今この法律案を審議するに当って指摘いたしますように、こういう事例は実に数えればいとまがないような実情があります。たとえば定員を無視して事故を起すもの、あるいは運賃の公示料金があるにもかかわらず、港湾運送におきましてもダンピングを行なって業界の秩序を撹乱するもの、あるいは不当に弱小業者を圧迫して、大資力にものを言わせて自分の利益のみを追求せんとするもの、実に今日の運輸全体にわたりまする秩序は、正視し得ざるものがあると言っても過言ではないと思うのであります。こういう際に当りまして、この法律が施行せられて、今申しまするように回漕業のいわば名目的なトンネル会社がこの組合の中に入って、大きくにらみをきかすというようなことがあった場合に、今日の運輸省の行政指導をもっていたしましては、はなはだ憂慮せられる点が多いのであります。よほどの決意をもってこの法の精神にのっとって、正当なる運営をせられなければならぬと思いまするがゆえに、私はあえてこの質問をいたしておるのであります。  さらに私はもう一点お伺いをいたしたいのは、この法によりますると、この回漕業者のみをもって組合を設立いたしましても非合法はございません。そうなりますると、一方においては、名目的に一ぱいや二はいの船を持ち、主として回漕業を営むものが対抗的に組合を作って、そうして実際業者に対抗するような事態が起きた場合、こういうことも私は考えざるを得ないのでありますが、こういうような点につきましては、組合の設立等に当りましても、それを認可するに当りましても、相当その内容を検討し、慎重な配慮がなければならぬと思うのでありますが、こういうような事態をもし招来した場合の指導性というものを考えますると、今言ったことと考え合せまして非常に憂慮をせられるのでありますが、これについての確たる行政指導の方針をこの際明確にしていただきたいと思います。

木村俊夫自由民主党

○木村(俊)委員 ちょっと提案者から今の御質問に対してお答えしておきますが、この法案の十九条に、組合員の資格の制限ということがあります。それに従いますと、この組合は「組合員の資格について、地区、航路、貨物又は運輸省令で定める業種以外の制限をしてはならない。」こうあります。この趣旨は、今お話のあったような回漕業者だけが組合を設立するということは、これを排除しようという趣旨なのであります。従いましてこの運輸省令の内容でありますが、これは運輸省におまかせするわけでありますが、大体今提案者として運輸省にお願いしたいことは、この運輸省令で定める業種とは、鋼船とか木船とか、あるいは貨物船、油送船、あるいは平水船、または沿岸船、こういうような種類別に組合を作るということが十九条の趣旨でございます。今御質問のあったような回漕業者だけが集まって組合を作って、そこで回漕業者の利益だけをはかるというようなことには本法は考えておりません。従いまして今御懸念のありましたようなことは、運輸省としても運輸省令の内容でしかるべく考えていただき、またその後における行政指導は厳にやっていただく、こういう提案者としての趣旨であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいまの提案者の御答弁によりまして了承いたしました。私はこれで質問を終りますが、最後に先ほどの御答弁では、調整規程の発動によって今後のこの運営に際しては、不当な荷主側の圧迫等を受けるようなことは排除できるのだ、こういうことでありました。私はもちろん法律に従ってほんとうにすなおにこの組合の発展することを望むものでありますが、同時に私はこの法律の施行に当って、調整の役割を十分に果し得るためにはよほどの努力が要る。先ほどから指摘いたしましたように、今日のような陸海ともに運輸行政の紊乱しておる、といっては語弊があるかもわかりませんが、混乱しておる現状におきましてはよほどの決意を持って当られないと、法律の趣旨そのものが生かされない結果になると私は思いますので、強くこの荷主の圧迫その他に留意をせられて正常なる運輸行政の発展を遂げ、業界の安定に資せられるように希望いたしまして、この提案をせられました提案者に敬意を表して私の質問を終ります。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければこれにて質疑は終了いたしました。  ただいま委員長の手元に自民党、社会党共同提案にかかる修正案が提出されておりますので、この際提出者の趣旨説明を求めます。井岡大治君。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 ただいま上程されております小型船海運組合法案に自由民主党並びに日本社会党を代表いたしまして、若干の修正意見を申し述べたいと存じます。まず修正個所を申し上げます。  (1)第八条第一項第十一号及び第十二号をそれぞれ第十二号及び第十三号とし、第十号の次に次の一号を加える。     十一 組合員の委任を受けてする組合員と組合員が使用する従業員との間の労働関係に関する事項の処理  (2)第九条第三項を次のように改める。     3 前条第一項第一号から第六号までに規定する事業に関し前項の交渉の申出を受けた者は、正当な理由がない限り、その交渉に応じなければならない。  なお以下関係法令との平仄を合わす立場からいろいろありますが、これはお手元に配付いたしておりまするので、御参照願いたいと存じます。  小型船海運がわが国海運事業に不可欠の要素を持っていることは、わが国の海運事情から勘考して当然の帰趨と申してもあえて過言でありません。しかるに今日までわずかに木船法のみにそのすべてをゆだね、そのなすがままにいたしておったことは、ただに小型船海運業者の損失にとどまらず、わが国海運産業発展に重大な影響をもたらしていたことは、今さら贅言を要しません。すなわち今回小型船海運組合法を制定し、もって小型船海運組合を組織して、小型船海運業に適正な調整措置を講じ、当該産業の安定を確保し、国民経済の健全な発展に寄与せしめようとしたことは、まことに時宜に適したものとして私は心から賛成の意を表します。  しかしながら小型船海運業者が、大企業、荷主の重圧を排除することのために、小型船海運組合を結成して団体交渉並びに団体協約を結ぶためには、常に使用する従業員の待遇諸条件を考慮に入れるべきで、これが無秩序のまま放置されるということは、近代産業への発展を放棄したものと申しても過言でありません。かかる観点から第八条にこの一項を挿入すべきであると考える次第であります。さらに団体交渉でありますが、わが国産業の大多数が、大企業依存の傾向にあることは、その発展歴史から容易に想像し得るのであります。従って海運業界においても、そのことは十分想像し得るのでありますから、正当な理由のない限りその義務を履行せしめるように規定して、国民経済の健全な発展に寄与せしめようとするものであります。最後に、その他の条章は中小企業団体の組織に関する法律案及び環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案との均衡をはかるため、関係条文を整理し、もって本法実施の万全を期したいと存じ、私の修正意見といたします。皆さんの御賛同を得たいと存じます。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 ただいまの修正案に対し質疑はございませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 質疑はないようでありますから、質疑はこれにて終了いたしました。  これより修正案並びに原案を一括して議題とし、討論に付したいと存じますが、通告がありませんので、直ちに採決いたします。  最初にただいま提出されました修正案を採決いたします。本修正案を可決いたすに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 御異議がございませんので、可決することに決定いたしました。  続いて修正部分を除く原案について採決いたします。修正部分を除く原案を可決いたすに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 御異議がございませんので、修正議決することに決定いたしました。  この際永山君より発言を求められております。これを許します。永山忠則君。

永山忠則自由民主党

○永山委員 この際ただいま修正議決されました小型船海運組合法案に対しまして、自由民主党並びに日本社会党共同提案になる次のごとき付帯決議を提出いたします。この際案文を朗読することにより、その趣旨説明にかえることといたします。    小型船海運組合法案に対する付帯決議案   政府は、小型船海運業の現状にかんがみ、本法施行に際して、左記諸事項につき、速かに特段の措置を講ずべきである。  一、小型船海運業の振興対策を樹立すること。  二、本法の実施に伴い、木船運送法の内容についても再検討を加えること。  三、小型船海運組合又は小型船海運組合連合会の運営が荷主との資本的、又は人的関係によって、不当な支配を受けざるよう特に考慮を払うこと。  四、組合員たる資格を有する者に対し組合への加入勧奨につき適切なる行政指導を行うこと。  五、調整運賃の決定にあたっては関係官庁と十分連絡を採ること。  以上であります。各委員の御賛同をお願いいたします。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 ただいま説明されました附帯決議を付すべしとの動議を採決いたします。本動議を可決いたすに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 御異議がございませんので、さよう決定いたします。  なおただいま修正議決されました本案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 それではさよう決定いたしました。  福永政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。福永政務次官。

福永一臣自由民主党運輸政務次官

○福永政府委員 この際政府といたしまして一言ごあいさつをいたします。  小型船海運業者は国内貨物輸送におきまして重要な地位を占めておりますのにかかわらず、零細な一ぱい船主が多い関係上、常に運賃の低水準に悩んでおりまして、その組織力の強化による経常の安定が国民経済上要望されておりましたがただいま修正議決となりました小型船海運組合法案は、これら業者をして小型船海運組合を設立し、調整行為を行うことを可能にするものでありまして、まことに時宜を得た適切な法案と存じます。また同時に可決されました附帯決議も、まことにもっともな御趣旨であります。この法案が成立いたしました暁には、この御趣旨に沿いまして、法律の運用に万全を期す所存であります。  最後にこの法案の御審議に払われました皆様の御苦労に感謝いたしまして、私のごあいさつといたす次第であります。(拍手)     —————————————

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 なおこの際お諮りいたします。第五北川丸の沈没事件につき、委員会としても審議の参考に資するため、参考人を招致して実情、意見等を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 それではさよう決定いたします。なおその日時、人選につきましては委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 それではさよう決定いたしまして、後日理事会に諮って決定することにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会

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