運輸委員会 第21号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/11
会議録
○淵上委員長 ただいまより委員会を開会いたします。 モーターボート競走法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二七号)を議題として質疑を許します。小山亮君。
○小山(亮)委員 大臣にお伺いしたいのでありますが、今回政府が提出されましたモーターボート法の改正案に関連しまして、従来からの関係はあえて私は今さらそれを質問しようと思いませんが、今後のあり方としまして、モーターボート・レースから政府に納付するところの金、その金が今までは関連産業の事業資金としてこれが配付をされておったようでありますが、問題のこのモーターボート・レースというものの性質から考えまして、その政府に納付するところの金は、社会政策的な、あるいはもっと公共的な意味合いの方面に、この金を利用される方が適当ではないかと私は考えます。私どもが今日本の海運の将来というもののためから、一番必要を感じておりますのは海難救済の面であります。海難救済の事業というものは非常な重要な事業でありますけれども、ややもすれば費用等がきわめて少い。それがために完全な海難救済の設備ができません。御承知のように日本は周囲が全部海でありますから、非常に多くの漁船、あるいは小型船というものが動いておりますが、それが各地においてしけのたびに遭難しておる。しかしながら設備というものが非常に不完全でありますから思うような救助ができないで、一年間の海難事故のために生ずる損害というものは莫大なものに上っております。これは各業者も、あるいは官庁等も、鋭意海難救済事業というものの整備を考えておりますけれども、いかんせんまだなかなか海事思想というものが全国的に普及しておりませんから、その損害を少くするということがなかなかむずかしいのであります。従いまして私はモーターボート・レース等から政府に納付されますような金は、そういう方面に最も有意義にこれを使うように、今後お考え直しおきを願いたいと思います。 たとえば先般ノルウェーの船が紀州沖で日本の遭難船を救済した。その際この救済に当ってノルウェーの船の乗り組みの機関長が、みずから海の中に飛び込んで、そして日本の乗組員を救助しました。この美しい行動というものは、私ども海に関係しておる者にはひとしく賞讃をされるところでありますけれども、いかんせんそういう問題は、政府も勲章等をこれに贈るような御計画をお立てになったようでありますが、こういう人たちに対してはもっと長く、その功績が後世に残るような表彰の仕方をしたい。かつて私の知っておりまする日本の川崎汽船の船が、太平洋上でアメリカの漁船を救助して、七名の漁船の乗組員の人命を助けた。その人に対してはアメリカの当時の大統領が非常なりっぱな感謝状と、それからりっぱな後世に残るような金メダルと、それに加うるに金時計、これをその人に贈って終生その功労をたたえておりますが、私は日本も、少くとも人命を救助するがために犠牲になったような人たちに対しては、もっとほんとうに後世に残るようなりっぱな贈りものをしたいものだ、こういうふうに私どもは思うのです。そういう場合でも、その金が現在ではなかなか捻出することが困難である。また今度南極探検に行きました宗谷のような事件が起っておる。氷に閉じ込められておりました宗谷が幸いにして氷が解けて、予定よりも早く帰ってきたということは非常にうれしいことでありますが、もしもああいう問題が、不幸にして結氷でなかなか日本に帰ることができないというようなことになりますと、思わない費用がなかなか要ってくると思う。そういう場合にも、特別な費用というものを捻出することは現在の制度、機構ではなかなか困難だと思う。そういうような面で、現在のような、金が生きた方面に使われるということは最もいいことじゃないか、こう思いますので、納得金を有用に使うということのために格段な、特別な考慮をお願いしたいと思うのですが、何とかこれは運輸省の方でもお考えがあるように伺っておりますが、もしありましたら、今後のやり方についてのお漏らしを願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 ただいまの納付金の使途に関するお話は、社会事業的な方面、ことにやはり船に関係がありますから、海難救助の方に向けたらどうだというお話でありまして、しごくごもっとものように思います。運輸省においても航行安全審議会において、今のお話のような線も研究いたしておるそうでありますから、ちょうどこの改正のとき、時宜を得たようなお話だと思いますので、御意見を尊重して十分に考慮いたしたいと思います。
○小山(亮)委員 ちょっと船舶局長に伺いたいのですが、このモーターボート・レースというのは、かけごとをやるとかなんとかということが目的でなくて、そのボートの目的というものは、高速力のエンジンを日本の民間が競って作る、そういう競争をするという意味でモーターボート・レースというものが奨励されておる。日本ばかりでない、外国でもどんどんとこれが奨励されておるというように聞いております。民間側でモーターボート・レースができましてから後の小型の快速力のエンジン、これの製造の工合、その成績はだんだんよくなってきておるかどうか。また将来もしこのモーターボート・レースというものが廃されたような場合は、どうしてその小型の高速力のエンジン、優秀なエンジンを作るような奨励方法を考えられるか、何か案か策かありましたら伺いたいのです。
○山下政府委員 ただいま小山先生のお話のように、モーターボートの競走をやりますのは、モーターボートの船またはエンジンの改善ということも一つの大きな目標になっておりまして、御承知のように従来わが国のハイ・スピードのモーターボートというものは、非常に根が浅い技術でございまして、と申しますのは、諸外国におきましては海洋思想というものが非常に普及いたしております。小学校の教員でも自分でヨットを持ち、モーターボートを持ち、ひまのときには海に出て日光を楽しむというような習慣になっておるようでございますが、日本の国では不幸にして、そういう恵まれた環境にはございません。従いましてモーターボート等、こういうような小型のハイ・スピード・エンジンに対する事業の需要というものが非常に少い。従いましてどうしても研究がおろそかになっておるわけでございます。このモーターボート競走法が施行されましてから、いわゆるモーターボート、競走艇につけますエンジンの生産が行われております。ところが当初におきましては、やはり機械の性能が悪いために、波をかぶりますとすぐにエンジンがとまりましたり、マグネットが悪かったり、いろいろの故障を起しております。最初のころはモーターボートの競走といえば、まるでエンジン・ストップを見に行くようなものだというような非難がございましたが、最近におきましては漸次技術が改善されまして、さような故障が非常に減ってきております。従いましてこれらの直接モーターボートに使用します発動機につきましては、大いに改善が行われておるということが言えると思います。しかし御承知のようにモーターボートに使用します機械というものは、非常に回転の早い小型のものでございまして、遊覧とか競技用には非常にいいのでございますが、これを実用に使うというわけにはなかなかいきません。実用にはもう少し馬力の高い、たとえば港内艇に使うとか、または巡視艇に使うというような程度まで馬力がありませんと、実用にはならぬわけでございますが、しかし根本的にこのハイ・スピード・エンジンの理屈というものは同じでございまして、ただシリンダーをふやすとか、いろいろなデヴァイスをすることによりまして、そういうようなエンジンの建造が可能になるわけでございまして、現に昨年度でございましたが、たとえば船の救命艇あたりに取りつけるアウト・ボート・エンジンはないだろうか、それを考えてみたらどうだろうかというようなことも研究いたしております。業者の方でもいろいろ研究しているようでございますが、いずれそういうようなものがこのモーターボートのエンジンの発達によりましてできる日の近いことを期待いたしております。
○小山(亮)委員 今私の質問の中の、もしモーターボート・レースというものが将来廃止されたという場合には、この高速度の小型エンジンの優秀な本のを続々と生産することを奨励する方法は、何か別な方法が考えられるのでしょうか。
○山下政府委員 別にこれという名案は今思いつきませんが、しかしやはり基本的には海事思想を普及して、みながモーターボートを楽しみ得るというような環境を作るということだと思いますが、しかし製作の方面におきましては、やはりそういう需要が起ってきますれば、やはりメーカーの方でも研究がさらに一段と積んで、よりよくインプルーヴされるというふうに思います。しかしただいまのところ、モーターボート競争がございませんと、ハイ・スピードのエンジンの研究は一応頭打ちになるのではないかというような感じがいたします。
○淵上委員長 午前の委員会はこれにて一応休憩いたしまして、午後は一時から再開いたします。 午前十一時十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十六分開議
○淵上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際陸運に関して調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。池田禎治君。
○池田(禎)委員 私は運輸大臣と、細目につきましては民鉄部長の御答弁でけっこうですが、最近の私設鉄道のあり方につきまして一言お尋ねをいたしたいと思っております。 先般一時世論を沸かしました日映問題というか、日本映画会社の発起が発表されまして、その中に京王電鉄が四億の資金を投入する、こういうことが発表されたのであります。ところがこれはその後経営陣の重役が退陣をして参加しないということになったのでありますから、このこと自体私は取り上げてとやかく申すものではありません。ありませんが、最近の私設鉄道のあり方というものは非常に大きく世論を沸かしております。たとえば最近皆さんの手元にも参ったことと思いますが、興連というものから大へんな私設鉄道の進出についての陳情も参っております。あるいは渋谷の近郊におきまして中小企業が非常に圧迫をこうむっておる、こういうことの原因は、私設鉄道が天下の公器という名目のもとに許可を得て、それによって国家社会から大きなリベートを受けながら、自分たちの事業の本体を離れて、デパートとかあるいはまことに豪壮なアパートを作るとか、あるいは映画界に進出するとか、今日言うまでもなく自由主義経済の時代でありますから、自己資金をいずこに回そうと、そのことについて国家が干渉するところのものは法的にはないかもしれませんが、しかしこれは放任しておいてよろしいかどうか。たとえば現内閣が熱意を入れようとしておる中小企業団体法などから考えましても、相反するものが多々あるのではないか、こういうふうに私は思っておりますが、これに対してまず総括的に抽象的でもけっこうですが、運輸大臣の所見をただしたいと思っております。
○宮澤国務大臣 私鉄のあり方につきましてただいま御質問でありますが、実は私運輸大臣として経験が非常に乏しいものですから、実情も知らなかったのでありますが、国鉄の運賃の値上げに伴って一齊に私鉄は値上げをするのだ、世間からも当然そうだ、また当業者からもそういうような意向が出ておりますが、むろん私鉄は運賃を全然上げさせないというようなことにもいきますまいけれども、今日の場合は国鉄の運賃の値上げというものが日本の物価と生活に及ぼす影響から、一つ自粛してもらいたい。やむを得ないものについては考えるが、一斉の値上げということは一つ考えてもらわなければならぬというような気持を持っておるわけであります。 それから私鉄に対する政府の監督というものは、国鉄よりもこまかい点へ監督権が及んでおるわけであります。国鉄は公共企業体として相当まかせておりますが、私鉄は私企業で、ああいう独占的な軌道の上に立っておる事業ですから、相当にこまかい監督はしております。ただいまもお話の通り、資金等についても、これをどこへやっていけないという制限はしておりませんけれども、私鉄本来の行き方から、私鉄の設備なりサービスなりということを重点において、それが十分できてしまって、しかも非常な余裕金があってこれを適当な事業に投資するということなら、それを制限するということはもちろん運輸省といえどもできませんけれども、全体としては、やはり私鉄は何といってもああいう独占的な一つの公共交通の立場を持っておって、現在の経理を見てすぐにそれがもうかるかもうからないかということよりも、長年にわたってああいう堅実な、いわゆる経済的に非常な優越した立場を持っておるわけでありますから、おのずからその動きというものは社会的な要請なり規制なりを受けるべきものである。従ってたとえば運賃値上げの問題にしても、やはり社会全体を見てがまんのできるだけはしてもらう。また設備その他サービスにも十分私鉄本来の行き方から完璧を期していきたいというようなことが当然のことであろう、こう考えておるわけであります。 今お話の日映とかなんとかいう問題は、私いろいろないきさつがあったことはそのときそのときに聞いておりましたけれども、そんなに問題となるほどのこともないかと思っておりましたが、全体としてはそういう方向で、私鉄の持っておる今日の経営というものを公共の立場から合理制を与えていく。今お話のありました通り、私鉄が全部ターミナル百貨店を持っていくというようなことも、もうできてしまったことですけれども、これが中小企業その他社会的に及ぼす影響についても、相当今後は考慮していかなければならぬ問題である、こういうふうに考えておる次第であります。
○池田(禎)委員 民鉄部長にお尋ねしますけれども、今私鉄は公共事業という名目のもとにおいて、国家社会からどういうふうな恩恵を与えられておりますか。たとえば課税の対象はどういうふうになっておるか、あるいはまた土地の免許等についてはどういうことをもって監督官庁が許可しておるか、あるいは金融等については何らの規制、監督を受ける必要はないのであるかどうか、こういう点はいかがですか。私は寡聞にして知りませんが、私の知っていること以外でもけっこうですから、お教えいただきたい。
○岡本説明員 地方鉄道は現在国からどのような保護を受けておるかということでございますが、御案内のように、地方鉄道は政府の免許を受けて初めて建設し、経営できるという建前をとっておりまして、一般にいわれておる公共事業の種類の中に入るものでございます。従って政府の免許を得て初めてできる事業だということにおいて、自由営業と異なった扱いを受けておるということでございます。それで独占的にできるということにおいて、その反射的な利益と申しますか、そういう面においては保護を受けておるということは言えるのでございますが、それ以外に政府として手厚い保護を与えておるということはございません。 沿革的に申し上げますと、地方鉄道事業というものは公共性の高い事業で、特に鉄道網の発達していない以前におきましては、この建設を奨励する面もございまして、御承知のように鉄道事業は投下資本を非常に多く必要とするものでございます。しかもそれが急速に採算の線に乗っていかない、こういう点から当初は建設について補助政策をとっておったものでございます。それからだいぶ最近になりましては営業上の欠損についても、国の方で欠損補助を出すことをずっとやって参ったのでございます。戦後占領軍の指令によりまして、補助金政策というものが全面的に打ち切られたのでございますが、また最近地方鉄道軌道整備法という法律によりまして、若干の補助をいたしております。これはすでに御承知かと思いますが、総額二千万円前後の非常に少額なもので、一部は建設補助、一部は欠損補助に回しておりますが、これを受けます会社の数はまことに少いものでございます。そういった助成策はとっております。 その他必ずしも欠損を出していないが、一般的に受けておる保護と申しますと、たとえば土地収用法の適用を受けるとかいう面で、保護を受けておると言えば言えるのではないかというような気がいたします。金融面あたりになりますと、大電鉄会社等においてはほとんど自己の能力でもって調達いたしておりますし、特に政府において融資をあっせんするというようなことはおりません。小さい鉄道になりますと、借入金をあっせんする例はございます。現に建設について二つばかり融資を今あっせんいたしております。こういった例がございますが、大手筋の電鉄において特に手厚い保護を受けておるということはないのでございます。
○池田(禎)委員 それは今日それぞれの私鉄が不動の基礎を作って、国家の恩恵を受けることはなくなった、これはけっこうなことです。みずからの力が培養されたのですから、国のためにもその会社のためにもまことにけっこうなことだと思います。ですが、その基礎をなす土地収用法というものは、当然これは公共事業なるがゆえにそういうものの適用を受けておる。それはほかの一般の私企業ではあり得るはずがない。公益性なるがゆえにこういうことを受けておるのであります。そこでそういうものが強大になって、自己資本でどんどんあちらにもこちらにも、あらゆる事業に進出していく。本来の公共事業というものの立場以外に、営利を追求する事業にどんどん投資していくということは、これはどうも正常な姿でなかろうと思う。のみならず、あなたは今融資等における政府の措置はないというが、銀行へ金を借りに行きますと、一般の中小企業の人あるいは私企業の人が行くのと、電鉄会社のものが行くのとでは、優先の順位が違います。これは運輸委員会の所管ではないでしょうけれども、しかし優先順位というものを明らかに与えておる。これは有形無形のものに本来の公共の事業に付帯する事柄として、あらゆる面において利便が供与されておる。そうであるとするならば大いに考えなければならない。たとえば、名前はあげませんけれども、問題になっているあの電鉄会社が、たった百円で、二百円にするか百円にするかという手当の問題で、一ヵ月間も組合と会社側とが交渉して片がつかぬ。それで金がないから出せないと言っておきながら、一方では何億という金を全然他の、本来の事業にあらざるものに電鉄の責任と信用において投資している。これはむちゃです。こういうことは許すことはできない。果してその事業の主体である輸送上における車両において設備において、遺憾なき方法を講じて後にやっておるかどうか。今郊外電車に乗っている人間は、ラッシュ・アワーにはつり皮にぶら下っている。国会議員は自動車に乗って通っている人もありますが、ラッシュ・アワーには交通地獄である。こういうことはなかなか改善に手が回っておらぬ。これは監督官庁として実態を十分把握しておるかどうか。そういう点はいかがですか。
○岡本説明員 ただいま御指摘の点は、確かに私鉄行政上におきましては非常に重大な問題であろうと考えます。私鉄、特に大手筋の大電鉄が、本来の鉄道事業をほったらかして兼業に没頭しているという状態は、正常でないことはもちろんでございます。ただ鉄道事業というものは、沿革的にいろいろ考えてみますと、できるだけ政府の援助にたよらないで早く一本立ちになる、こういった観点から政府においても兼業を奨励したと申しますか、奨励というのはちょっと行き過ぎた表現だと思いますが、むしろ好意的な見方をしておったというふうに私は解釈いたしております。よく知られておりますように、鉄道を建設いたしますと、なるべく早くこれが収益を上げるようにということで、典型的な事例でありますが、まず沿線の土地の経営をやります。それから住宅の経営をやる。それから遊園地をやる。こういうふうなことでできるだけ鉄道の利用者がふえるようにというようなことで、兼業にもある程度努力してきまして、早く一本立ちになれるようにして参ったということは確かに言えるのじゃないかと思います。ただ今日の場合にどうかということでございますが、常識的な観点からすれば、あるいは行き過ぎじゃないかという点もあるかと思いますが、大手筋の電鉄事業と申しましても、この収益性あるいは採算制というものが今後どうなっていくかということは、大きな問題であろうと思います。特に大電鉄は定期旅客が非常に多く、大体定期旅客は全体の七割を占めておるのでございまして、普通の旅客が三割、収入はその逆になっているという状態で、御指摘のように非常にただいま込んでおり、私どもといたしましても、都市交通の打開あるいは都市交通の整備という点から、郊外電鉄の輸送力の増強につきましても積極的な強い指導をしております。特に五ヵ年計画を立てさせて、積極的に車両の増強、線路の増設、ホームの延長あるいは変電所の増設、そういうことを指導しておるのであります。五ヵ年計画の輸送力増強に要する概算を見てみますと、大体千三十億くらい東京近辺の会社についても要るようでございます。非常に大きな投資をしなければならない必要には迫られております。そういうことでわれわれといたしましてはできるだけ本来の鉄道事業の整備に努めてもらいたい、こういうことももちろん強くあらゆる機会に希望いたしておりますが、ただいま申し上げましたように鉄道プロパーの採算性がどうなっておるかということも確かに大きな問題でございまして、だんだん収益率は下っていっております。そういうわけで、兼業もある程度やらせて、収益力を少しでも助けていくということも考えるべきことではなかろうかと思うのでございます。特に先ほど申し上げましたように、定期客が非常に多くなって参りまして、朝晩のラッシュ・アワーに対する投資というものが非常にふえて参ります。従って極端に言うと、膨大な投資を朝晩の通勤客のみに注がなければならない。こういうふうになりまして、収益性がどんどん悪化していく。そこで昼間の利用ということも兼業の面から考えていくべきだろうと思います。それから最近の傾向は、特に鉄道プロパーでは損をするけれども、兼業で辛うじて配当資金を捻出しておる。それで鉄道プロパーに必要なる資金の吸収に対しては、兼業による配当がものを言っておるということも事実あるのでございまして、そういう点からわれわれとしても兼業をどうするかということについては、いろいろ頭を悩めておるわけであります。極端な場合は、二十年たった先には、鉄道では全然成り立たない。しかし兼業で辛うじて息がつける。こういう事態もあるいはくるのではないかというようなことも、私個人としては想像いたしております。ともかくこの問題の扱い方は非常にむずかしいのでございますが、御指摘のようにこれは常識問題でございまして、常識を越えるような性質のものについては、われわれとしては実質上強力な指導をしまして、本来の鉄道事業の整備に遺憾のないようにやらなければならぬ、こういうふうに考えております。
○池田(禎)委員 あなたの言うことの中に私は同感のものもあるし、同感せざるものもあります。鉄道の沿線を開発して、土地を買い占める、あるいは土地を大衆に提供する。これはけっこうです。公共の施設をするのもけっこうです。それは本来の業務からいって喜ばしいことだ。これは奨励してけっこうだと思う。ところがそういうものではない。たとえば名をあげては悪いけれども、東急あたりの、あそこにできておるアパートはどうして公共性があると言えるか、あんな豪華なものは、とてもじゃないが、庶民には入れません。デパートだってそうです。完全に中小企業を圧迫しておる。ほんとうに一般大衆のため、社会公共のために、国民生活の必需品的な施設をしておるなら、それは収益が上るとしてもけっこうだと思う。そうでないものがどんどんふえてくる。これは本来なら誤まりなのであります。あなたの言っておることが額面通りではないにしても、将来私鉄は運賃を値上げしないかというと、採算が合わなければ最低の運賃の値上を要求してくることは明らかであります。バスまたしかりであります。私どもはやっていけないものの運賃をとめろと言っておるのではない。認可をしておる以上は、経営の内容をあらゆる角度から検討してみて、やむを得ざるものについては、最小限度の値上げは賛成せざるを得ません。認めざるを得ません。あなた方もまた監督官庁としてそういう申請があった場合には、一がいに不許可ということは言われない。そうであるとするならば、公益事業として存在を許し、政府が認めたもので合理的なものは許可していく以外にはない。それだけの優越性とそれだけの免許を持っておるのですから……。そのものがこういう取り上げますような逸脱したところにどんどん進出していく。それから甲府市に四千五百万円で映画館の新館を作っておるというようなことも聞いております。至るところにおいて本来の業務にあらざるところにどんどん進出している。そういうことは監督官庁としては十分注意をしなければならぬのではないか。あなた方の方にその権能がないとするならば、法規上においてでも考えなければならない。それであなた方は、運賃なり料金なりは許可制の問題があるのですから、これはその場合に不都合であるならば認めなければよろしい。しかし実態的にこれは合理的なものであるからこれだけのことはしてやらなければならぬというものは、当局なりといえども世論といえども認めざるを得ない。このことは私は当然ではなかろうかと思う。そこで運輸大臣にお尋ねいたします。これはやはり運輸省の監督権限だけでない、もっと政府としてこういうものに対する総合的な施策から見て妥当であるかどうか、これは十分御検討願わなければならぬと私は思っていますが、あなたは運輸大臣としてでなく、国務大臣としての立場においてどういうお考え方をお持ちでしょう。
○宮澤国務大臣 私鉄は今主として乗客輸送をやっておるわけでありますが、これとても御承知の通りラッシュ時間における混雑その他についてはだんだん施設の増強をして、これに対応していってもらわなければならぬ。それでただいま民鉄部長から御説明申し上げたような計画もあります。また私鉄全体として、ことに大きな私鉄はみんな都会にくっついておりますから、そういう意味において都市交通の上からも新たな構想を持っていかなければならない、こう考えております。ただいまのようなお話についても、政府としてもこの機会において私鉄全体に対して、ことに都市交通の上から見て今後私鉄に期待するところが非常に大きいので、これに対しましては一つさらに今後この情勢に応ずる新たな考え方を持って対処していきたいと思っております。
○池田(禎)委員 私はもっと申し上げたいこともありまするけれども、私は私鉄そのものの営業について、今日自由経済の社会において制限せよというものではありません。ただしかしはなはだしく逸脱しているようなことが至るところに見受けられる現状を思うとき、当然これが行政指導の任に当っておりまする運輸省当局としては、十分この面については注意をされて監督の任に当られるよう希望いたしまして、私の質問を終ります。
○淵上委員長 中居英太郎君。
○中居委員 大臣が退席されましたから大臣に対する質問はあとに譲りまして、自動車局長にドライブ・クラブの問題について二、三お尋ね申し上げたいと思います。御承知のように最近ドライブ・クラブと称する営業形態がたくさん出て参りまして、不特定多数の人間を対象にして自動車の貸し渡しをしておるということが数多く見受けられるのであります。警視庁の調査によりますと、昭和三十一年の末におきまして東京都下だけでクラブの数が百十三、このクラブに所属しておるところの車両が五百七十一両に達しておる。こういう傾向は、ただ単に東京都内だけにとどまらず、今や全国の地方都市にもこういう形態のドライブ・クラブが続出いたしまして、道路運送法の立場から申し上げましても、かつまた交通道徳の立場から申し上げましても、いろいろな問題を惹起しておると私承知しておるのであります。これらの点に関しまして、運輸当局はどういうお考えを持っているかということと、またこのドライブ・クラブの現状はどのようなものであるかということを、全国的な資料に基きまして御説明を願いたいと思います。
○山内政府委員 ただいま御指摘の通り、ドライブ・クラブが今非常に世上で問題になっているわけでございまして、運輸省といたしましては、いわゆるこの自動車の貸し渡しということにつきましては、道路運送法の第百一条第二項に「自家用自動車は、運輸大臣の許可を受けなければ、有償で貸し渡してはならない。」という規定がございまして、この道路運送法におきまして、現在のようなドライブ・クラブというようなものが営業として行われるということにつきましては、予想いたしておりません。いわば法のブランクのところであります。そこで運輸省がこの問題を取り扱って参りましたのは、そう長い歴史ではございませんが、歴史的に御説明申し上げたいと思うわけでございます。 当初問題になりましたのは、昭和二十六年のころにスクーターを貸すということが起ったわけであります。スクーターは、御承知の通り車両法上におきますところの自動車であるということになっておりますので、まず第一にこれが問題になったわけでございますが、今申し上げましたように道路運送法としましては、こういった種類の事業があるのだということを予想して規定しておりません。従ってそういう事業そのものに対する規定を欠いているわけであります。しかし。スクーターが当時自転車の貸し渡しと同じように行われるような気配があったわけでございまして、遊園地その他におきましては、みんな若い人たちが借りているというような格好になっておりましたので、法に規定していないから、真正面から否定するのも非常に規矩準繩にとらわれていると考えたのではないかと思いますが、それで当時の取扱いといたしましては、この第百一条の第二項を適用いたしまして、自家用自動車の有償貸し渡しの特殊な態様として取り扱うということを行政的に行なって参ったわけであります。ただその取扱いとして、無制限でそういうものの許可を与えるということも、また弊害が起ってはいかぬということで、運転区域、貸し渡し料金、営業所の設置、車体標準というようなことにつきまして特別な条件を付す、しかも期限はさしあたり一ヵ年程度の期限を付すということで、それの問題を取り扱ってきたわけでございます。その後このスクーターからスタートいたしまして、四輪車——普通乗用車も対象とする事業が出てくるような傾向が強くなったわけでありまして、昭和三十年七月には、当時の自動車局長から各陸運局長あてに、免許事業として厳重な管理下にある各ハイヤー、タクシー事業に対しまして、直接あるいは間接的な類似性のある貸し方、たとえば運転手付で貸し渡すとか、あるいは借り受けた者が営業類似の行為をするおそれのあるものとか、あるいは事業責任の所在がどこにあるかというようなことについては、くれぐれも慎重に審議して、あくまでも借り受けた者が自主的に使うのだ、いわゆる自家用である性格を失わないように使用しなければならないというようなことを陸運局に指示しているわけであります。といいますことは、全部第百一条で貸し渡しという、あまり多くない例で実情が始まりましたので、これで行ったわけでございます。最近になりまして共同使用と申しますか、ドライブ・クラブにおきましては、会員になりましてそれが共同で使用するという態様が多くなってきたというような話が聞かれたわけであります。それで昨年の六月この問題をどうするかということについては、まずそういう貸し渡ししておる、あるいはドライブ・クラブから借りてやるということの実態を的確につかまなければ、なかなか適切な措置がとれないということで、各陸運局あてに、一体どういうふうにしてそういうものが行われておるのかという通達を出しまして、十一月ごろ大体集まって参ったわけでございます。ところが陸運局におきましてはこの調査は非常に難渋をきわめまして、たとえば新聞広告等で行って調査をしようといたしますと、もう一週間ぐらい前にそれがなくなってしまったとか、御承知の通り陸運局はこういう調査の陣容を持っておりませんので、いろいろ苦心して調べました結果が、十一月ごろ一応まとまって参っておりますが、私自身といたしましてもそういう状態で、この数字に全面的な信頼を置いておりません。さらにもっと十分実態の調査をしなければならぬと思っておりますが、私の手元に集まっております資料といたしましては、全国的に百十三社、五百五十両という数字が集まっております。私も常識的にこれは非常に少いと考えておるわけでございますが、東京陸運局を取り出して御説明申し上げますと、七十一社、三百七十九両という数字が出ております。これが免許事業あるいは許認可事業というふうにはっきりしたものでございますとつかみやすいのでございますが、現在自由放任になっておりますために、なかなかそういうものがつかみにくいというのが現状でございます。
○中居委員 今の局長の説明の最後のところにありました全国のクラブ数は百十三で、車両数が五百五十、東京は七十一社で三百七十九、こういう数字は警視庁が昨年の末で都会における数字を百十三、所属車両数が五百七十一両、こういうふうに出しておるのと大きな隔たりがあるのでございますが、これらの数字の違いについては後ほどさらに運輸省で検討して正確な数字を御報告願いたいと思います。 それからこのドライブ・クラブのただ一つの法的な根拠と申しますか、適用されておる法律は、道路運送法の第百一条の第二項「自家用自動車は運輸大臣の許可を受けなければ、有償で貸し渡してはならない。」これを準用して一応黙認しておる、こういう説明でございます。しかしこの第百一条の第二項は、決して貸し渡しすること自体を目的として自家用自動車の所有をしておるものではない、あくまでもこれは暫定的に便宜的に緊急やむを得ざる事態が起って貸し渡しをする場合を想定しての法律だと思うわけであります。こういう暫定的な場合に適用すべき法律を、恒久的なこういった営業行為に準用せしめるという、こういう考え方に対しまして私はとうてい納得することができないのでありまするが、この点についてさらに局長の御答弁を願いたいと思います。
○山内政府委員 私御説明申し上げましたのは、いわゆる歴史的な取扱いの体系でございまして、現在われわれといたしましても従前のそういったものを考えたときの情勢と今日の情勢というものは、非常に隔たりがきておると思います。従来唯一のよりどころとしておりました第百一条二項の段階、あるいは第百条の「自家用自動車を共同で使用しようとする者は、運輸大臣の許可を受けなければならない。」いわゆるドライブ・クラブの態様はそういう体系に表面上法律上の解釈がなされるかもしれません。しかし実情におきましては、ただこれは法律上の形式的な適用におきまして、そういうことで妥当でないということであるかもしれません。その辺の事情が非常に微妙なところでございまして、あるいは聞きますと、合法的にいわゆる組合制度で、組合が共同でもって行なっておるというところもありますが、たまたま乗りたいというときに行きますと、申込金と一緒に入会証が渡されまして、そこで会員になってすぐ動かされるというような態様、これは具体的にそういうことがはっきりすれば、果してそういうものが共同使用の態様であるかということはもちろん行政的に判断できるわけでありますが、そういうことはなかなかわかりにくいわけでございます。それで問題は私どもといたしましては、青年の健全なスポーツという面も相当ございますが、またこれを野放図に認めることは、道路運送法で守っておりますところのそういう営業者に対する悪影響ということもございます。その辺を一体いかに調整して今後の行政の段階でやるかということで、現在業界の実態の調査を各陸運局を督励してやっておる段階でございます。
○中居委員 そうすると運輸省ではこの第百条ないし第百一条の二項を適用せしめて黙認しておる、こういうことですか。運輸省はこれらの現在ある百十三社に対しまして認可を与えているのですか。運輸大臣の承認を得ておるのですか。
○山内政府委員 今申し上げましたように、これに許可を与えるということがさらにそういったものに拍車をかけるのではないかという心配がありますので、各陸運局におきましては、スクーターの場合には大体そういうおそれがありませんので、スクーターについては許可を与えたのが五十七社、二百五十四両、今までにそういう数字になっておりますが、四輪車についてはまだ許可を与えておりません。
○中居委員 その認可を与えるとさらに拍車をかけるという意見に、私は逆な意見を持っているわけでありまして、現在のようにこういう法律があるから黙過しておこう、こういう運輸省の態度が、あたかも自由営業なるかのごとく、雨後のタケノコのごとく続出せしめる原因をなしておるのじゃないか、こういうように私は考えるわけです。従いましてこの法律の適用が是であるか否であるかということは別問題にいたしましても、運輸省がこの第百一条二項の適用が妥当である、暫定的にやむを得ない、こういう見解に立つならば、この法律に従って許可すべきである。許可して適正なセーヴを加えることが、こういった自動車の総合的な秩序確立のために必要な方法ではないか、こう考えるわけでありまして、許可することが結局拍車をかけるという局長の考え方には私は賛成できないわけですが、これはどうですか。
○山内政府委員 許可をしないというわけでもありませんし、許可をしようという決心をまだしたわけではございませんが、今まで言いましたようにこの法律では個々の貸し渡しの行為を対象にしておるわけでございます。そうしまして個々の貸し渡しの行為についていわゆる業として許可することはこの法律では考えておりません。そうしますとそういった許可を簡単にやるということが、安全でありますとか、あるいは一般の交通問題につきまして果して妥当であるかどうか、最近非常に問題になって参りましたので、今までの態度というものがさらに検討されなければならないのではないかということで、われわれは今どういうふうにやろうか、これにいろいろ方法があると思っております。 まず第一に、法律的にそういう貸し渡し業というものを諸外国で認めておるように正面から認めてしまって、業としてこれを縛っていくという方向、あるいは現行法のワクの中で厳重に審査をいたしまして、ハイヤー、タクシー行為に類似するおそれがないもの、ほんとうに正しい貸し渡しをやるのだというものだけを限ってやるという方法、二通り考えられるわけでございまして、現行法のもとにおいてやるといいますと、どうしても今後者で言いましたいき方をしなければならないわけでございますが、それにはやはり一連の省令その他の改正も考えなければなりませんし、またそういう許可の道を開いたということによりまして、現在トラック界で問題になっておりますところのもぐりの営業行為というものも、また発生する余地を起してもいけませんので、その点は従来のいろいろのそういう問題の経緯にかんがみまして、十分研究した上でやらなければいけないのじゃないかということで、今研究をいたしているところでございます。
○中居委員 もちろん私も現在の法律を準用するなり、あるいは適用するなりして、このドライブ・クラブというものを許可するという処置につきましては大いに異議があるわけでして、御承知のように道路運送法の第二条では、道路運送事業とはこれこれである、こういう定義を定めております。この定義のどの字句を見ましても、ドライブ・クラブ、車両の貸し渡し事業というものは、該当すべきものがどこからも出てこない、こう思うわけでありまして、今日の道路運送法に基いて、これを現在の法律のまま許可する、こういう方向に対しましては私は大いに異議があるわけです。ただ私が申し上げたいことは、こういう問題が惹起いたしましてから、運輸省の自動車局長は昭和二十六年の十月に、こういう新しい事業を絶対に否定することは適切でないと考えられるので、さしあたって法律第百一条第二項を適用してこれを是認していくのだ、こういう通達を出しております。当時の昭和二十六年の事態といたしましては、暫定的にこういう通達を各地方局に出したことはやむを得ないと思うわけです。しかしながらそれからすでに六ヵ年経過しております。しかもこういった種類の事業というものがだんだん多くなって、いろいろな派生問題を惹起しておるのです。にもかかわらずこの通達一本を唯一の根拠といたしまして、今日なおこういった事業に対しまして自動車局がほおかぶりをしておる、こういうことに対しまして私は非常に納得しがたいものを感ずるわけでありまして、これらの点についての局長の意見を私は重ねて伺いたいのであります。この昭和二十六年の通達をさらに昭和三十年の七月に確認し、そしてそれぞれ各地方局に通達をしております。ですから五年なり六年なりの経過というものを経ながらも、なおかつこういった法の盲点と申しますか、こういうものを運輸省自体が是認しましてあくまでもほおかぶりをして、そうして続出してくるところのいろいろな派生問題に対するところの原因をしんから究明しよう、こういう熱意に欠けている点を私は非常に遺憾に思うのでありまするが、一体今日の事態になりまして、なおかつこういう態度を続けていこうということですか、それとも抜本的にこういうものを廃止するか、あるいはまた法律の改正を行うことによって、これらの問題を合法的に処置しようとする考えであるか、この点について自動車局長の意見を承わりたいと思うのであります。これはほんとうは私は大臣から答弁を願おうと思っておったのですが、局長はどういうお考えですか。
○山内政府委員 その点御指摘の通りでございます。私従来の通牒に関係がなかったからといって、その責任を免れるつもりはございませんが、御指摘のように私自身従来の通達を読みまして疑問を持っております。今までのようないき方でよかったかどうかということに対しまして疑問を持っております。しかし少くとも現段階におきましては、今までのような運輸省の考え方を否定するということだけでは、問題の解決にならないのではないか。ただいま中居先生が御指摘になりましたように、本質的にこの問題を考えまして、いわゆる自動車の発達の面、それと各業界に対する影響というものを十分考えまして、ここで新しい方針を打ち出さなければいけないということで、先ほどお答えいたしましたように昨年六月から、慎重にドライブ・クラブの実態調査を各道管に依頼いたしまして、根本的な態度をきめてこの問題に対処しようというわけであります。決して現状のまま運輸省といたしましてほおかぶりをして済ませている問題でもございませんし、また私がほおかぶりして済まそうと思っても、事態はそれを許さないというふうに、事態に対する認識は持っておるつもりでございます。
○中居委員 法律の解釈について局長にただしておきたいことが一つあります。自家用自動車の定義というものは、事業用自動車以外の自動車だというのですか。
○山内政府委員 自家用自動車と申しますのは、道路運送法の第九十九条に書かれてあるわけであります。いわゆるおっしゃいましたような事業用自動車以外の自動車を自家用自動車と総称しておるわけでございます。
○中居委員 そうしますと、これはさらに解釈しますと、自分の所用以外の運搬をすることはできない、こういう解釈ですね。
○山内政府委員 その点は先般道路運送法の改正のときに詳しく御説明申し上げましたように、いわゆる自家用自動車とその他の運送事業と考えようによって二つあるのであります。事業というのは有償で継続的に人なりまたは物を運送するものということになっておるわけでありまして、たとえばそういう条件を満たさない、自分のもの以外のものを送ってはいかぬというわけでもないのであります。それを業として有償としてやります場合はいけないわけでございます。また旅客におきましても、たとえば私が自動車を持っておりまして、たまたま知り合いの人を乗せたということは差しつかえないということになるわけであります。
○中居委員 そうすると今の解釈から申しまして、第百一条の第二項は準用できるのですか。ドライブ・クラブの存在の法的な根拠を第百一条の第二項に求めておりますが、運輸大臣の認可を受けて有償で貸し渡しすることができる、こうなっておりまするが、これは継続的な、しかも料金を取るということを目的として運輸大臣の認可を受けても、これは適法でありますか。
○山内政府委員 第百一条の運送の有償ということは、この本文にもありますように継続的に業としてやることは予想していない、一時的なものであるわけでございます。そこで原則としてそれはしてはいけない、これは第百一条は本文におきまして有償の運送というものを否定しておりますが、第二号ただし書き以下におきまして運輸大臣の許可を受ければよろしい、特別な条件がついておりますが、そういうことになっております。
○中居委員 いや、私が伺っておるのは、運輸大臣の認可を受ければ、自家用自動車の原則、定義から申し上げまして、継続的に有償で自家用車が運搬を行なってもいいかどうかということなのです。
○山内政府委員 第百一条の解釈といたしましては、今申し上げましたように個々の行為を考えているわけでございまして、業として考えておるわけではございません。個々の行為でも、有償で運送の用に供してはならないということになっておりまして、ただし非常災害の場合にはこの限りではないということになっているわけでございます。それで第二項は、それとは別の規定になっております。
○中居委員 そうすると、現在のドライブ・クラブの存在をまずまず黙認していこうという運輸省の解釈は、法的には全然根拠のないものである、こういうことですね、そこをはっきりしてもらいたいと思うのです。
○山内政府委員 その点につきましては、最初に御説明申し上げましたように、この法といたしましては法のらち外にありまして、予想いたしていなかったわけでございます。この法といたしましては法の解釈といたしまして、そういう行為を予想して規定したといたしましては非常に不備だと私思いますので、そういう行為というものは、社会現象としてこの立法の当時には予想していなかったのじゃないか。ところがこの法で予想していません状態が出て参ったわけでございまして、それでその状態も、あながち頭から否定するということもあまりにしゃくし定木であるということで、第百一条第二項による貸し渡しの特殊な体系であるということで取り扱って、そのかわりに、その許可をするときには厳重な条件をつけていけばこの法の精神を破るものではないというのが、私の想像でありますが、その当時の法の解釈ではなかったかと、この通牒文によりましてそう思うわけでございます。
○中居委員 そこで法の運用によりまして、第二項の準用によりまして認可をしよう、こういう解釈でこういう通牒を出したのだろう、こういう局長の答弁ですが、一体さっきのあなたのお話では、認可、許可は一ぺんもやってないのだ、そうするとかえって弊害が多くなるのだ、こういう答弁があったわけです。従いまして私がここではっきりしておきたいと思いますことは、この法の制定当時、こういうドライブ・クラブというものを予想しないでこういう法律を作ったのだ、従ってこの道路運送法の何条を適用しても適用し切れないのだ、こういうものは現在の道路運送法上違法な存在である、こういうことを確認しまして、そしてさらにこういったドライブ・クラブの存在というものが必要である、こういう解釈にあなた方がお立ちになるならば、すみやかに法律を改正することが政府としてとるべき手段ではないのですか、御答弁願います。
○山内政府委員 ただいまの御質問は非常にむずかしい法律の問題になるわけでございます。これは一般法理の問題になってきまして恐縮なのでございますが、法律ができましてその法律の予想をしない事態が起りました場合に、それは全部法律違反という解釈をするかどうかということにもなるわけでございまして、その場合には、やはり法の基礎でありますところの条理に立ちまして、そのものが従前の法律を解釈することによりまして、ある程度そのワク内に取り上げるかどうかということもわれわれは十分考えなければならないわけであります。この事案ができました当初、二十六年ごろにはスクーターが一番大きな問題でありまして、そういうものがこの法で認められる——認められるというか認められぬといいますか、全然問題になっていなかった。それを自由な社会におきまするところのそういう状態におきまして、たてにとって全部いけないのだということで否定してしまうことも、無理ではないかという解釈も成り立つわけであります。そうなりますと、法のよりどころといたしまして第百二条の特別な体系として考えて、行政上ある程度の規範をしていくということは行政庁でよく行われることでございまして、そのことのみが、やりまして違法であるということはあながち言い切れない。あるいは不当であるという御批判を受けるかもしれませんが、そういう場合には、そういう客観情勢にその法の適用が十分適当であったかどうかということになるわけでございまして、その辺、法の予想していない事態に対しまする行政庁の取扱いといたしましては、ある程度そういった法の拡張解釈とまでいきませんが、そういったような解釈をして事案の処理に当るということもよくあることでございます。実際どうもその点をきめてこなかったことは申しわけないわけでございますが、何分にも二十六年当時に行われた通牒でございますので、私といたしましてはもう一ぺん新しい事態に即応いたしまして、根本的にそういう点に再検討を加えて、はっきりしたものを出したいということをお答えいたしたいと思います。
○濱野委員 私は今、中居君の質問について、関連してお尋ねしたいと思うのであります。先ほどからお伺いをしているのでありますけれども、この第百条の共同使用の許可を規定した条文ですね、これと第百二条の本文と第二号との関連説明を願えば、大体今のがはっきりしてくると思うのです。そしてこれらの法の解釈とその適用を変った形で処分しているために、自動車クラブとか何々クラブというようなもの、まあドライブ・クラブですね、それが繁盛してくるのではないか、こういうふうに考えているわけです。この点を明確に一つ説明していただきたいと思います。
○山内政府委員 ただいまのお話でございますと、百条と百二条第二号でございますね、百一条でございますか、どちらでございますか。
○濱野委員 百条と、それから百二条の二号でございます。この関係を一つ話してもらいたい。
○山内政府委員 この表面的に書いてございますのは、共同使用する場合には運輸大臣の許可を受けなければならないと明文で書いてありまして、百二条におきましては、許可を受けないでした場合には使用の制限または禁止をすることができるという規定になっておりまして、通常の場合におきましては、これをすぐ適用するわけでございますが、事案が非常に古く、またそれまで紆余曲折がございましたので、直ちにそういう取扱いができるかどうかという問題もありまして、苦慮しておるわけでございます。
○濱野委員 一体ドライブ・クラブというのは、この法文による共同使用なんですか、どうなんです。要するに料金を取る営業行為でないことには間違いないのですか、これは実体は何なんですか。
○山内政府委員 現在の段階におきましては、先ほど申し上げましたように貸し渡し事業であると当初思っておりましたのが、ドライブ・クラブという形態であれば、あるいはこの共同使用の体系をとっておるのではないか、あるいは共同使用と貸し渡しとコンビネーションのような体系も想像されますので、その実体について今一生懸命調べておるというのが現状でございます。
○濱野委員 貸し渡し事業だとするならば、有料貸し渡し、無料貸し渡し、どういうことになるのですか。実体は株式会社で営利事業、その営利事業会社の行う貸し渡しは無料でやるということは想像できない。有料でやるということになれば、これは何か営業行為になってくる、こういうことになりますが、その辺の解釈を明快に。
○山内政府委員 ただいまのような場合でございますと、貸し渡しになると思うわけでございます。持っておりまして、有料で貸すということになりますと、貸し渡し事業という段階に入るわけでございます。
○濱野委員 ただいまのような場合でございますと言うけれども、ただいまのような場合が、社会党の諸君もそれを認識しているし、われわれも見ているのです。それからそうでない場合は、クラブで、会員組織でいくような場合は、一体共同使用という法規を適用しているのか、どういうことなのかと聞いているのです。今の場合は今の場合で、これは営業行為なんですから、これは道路運送法の趣旨に反する。これはきわめて明快なんです。大体道路運送法というものが、これは私の考えでは自由主義経済の中に住む立法された計画経済であると見なくちゃならない。この法全体がそういうふうに貫いている。ですからこれは自由主義経済の中に、その経済活動は一つの制約を受けているということは間違いない。計画経済であり、統制経済であるのだから……。どうも役所の方々は今の時代にむやみに野放しにしておる。自由はけっこうですが、自由主義経済の中の計画経済がこの道路運送法の全面的な流れなんですね。ですからあなたの答弁というものは実におかしいのです。どうも時代が経過したからわからぬとか、今研究中だとか言って、法全体がこれは制限規定に満ち満ちた法律なんですから、日本の自由主義経済の中にこの自動車事業というものは免許制をとり、許可制をとるというものは、これは少くとも社会主義的な経済がここにきっちりしているのです。その方が日本の国情に合い、日本の経済に適しているという法律なんです。ですからこの法律の運営は実にむずかしい。間違えばすぐに法の精神を破る、あるいは法の規定しておる条項に適合したる結果を期待することが不可能になってくる。そこで今の問題は、私は中居君の質問を聞いているのだが、一体自動車局では、ドライブ・クラブというものの本体をどう見ているのか、これは要するに貸し渡し事業、先ほど局長の方で言った自転車を貸す一つの事業行為というように見た向きもあるように説明しているし、またそうでないようでもある。かつての自転車の貸し渡しというような形で今まで自動車局が是認したとするならば、これは貸し渡し事業として認めておったのだ、こういう御答弁を願えれば、果してこの道路運送法の各条項に合致するかどうか、違法であるかどうかということがわかってくる。またそうでなくして、これは共同使用だ、従って会員制度なんだ、自動車はAという人が持っている、株式会社が持っているのだ、しかしその金はお互いに出し合っているのだ、こういうようなことになれば、おかしな共同使用の適用になると思うのです。実体は株式会社なんだ。これは脱法行為の一つとして考えていられるようだが、これも法律上抵触する点がある。また第三としては共同組織であって、それがほんとうにクラブ組織であって、法的には何ら根拠がないのだ、俗にいう社会的な団体であって、そうしてその人たちがメンバーになって金を出し合い、その人たちが自動車を購入し、その人たちが、自分たちが共同して営利を目的とせざる、要するに物見遊山のために自動車に乗るのだ、遊びに行くときに乗るのだ、そこには全然営業行為というものはないのだ、こういうのならこういうことで、はっきりとこの行政処分ができるわけです。そのいずれを一体自動車局はとっておったのか、また現在自動車局は一体いずれをとろうとしているのか。いずれをとるにいたしましても、道路運送法という法全体を流れているものは、自由主義経済の内部に住むところの計画経済である。従って免許、許可というものは非常に厳粛なものだ。これが局長が了解できないというと、同僚中居君の説明やこの道路運送法を正確に適用することは不可能であると私は考える。これは何も自動車局長を苦しめるのでなくて、わが自動車界における化けもの的な存在をお互いに一つ解剖しよう、そうして適正な方向に一つ持っていこうというのですから、私は謙虚な気持であなたが意見を述べていただけばけっこうなんです。私の私見を述べては恐縮でありますが、こういうものを生かしておくことが、そもそも道路運送法の精神をじゅうりんすることだ、どうも自動車局は弱いぞ、こんなものはぴしゃっとやってしまえばいいじゃないか、大体運送法の立法の精神というものを一つ考えてくれれば、こんなものは、法律違反だの憲法違反だのというような問題を引き起すことは全然ないと私は考えているのですが、一体わが自動車大局長はどういうふうに考えているか、率直な意見を一つ聞かしてもらいたい。
○山内政府委員 その態様は共同使用であるかあるいは貸し渡しであるかということは、私の今まで聞いたところでは両方ある、またそれがコンバインしたような、一緒になったような事業もある、そういうふうにいろいろの問題を聞いております。たとえばドライブ・クラブということで、事実上は会員の連中が使っているという状態においては、共同使用の状態であるわけです。たまたまそれがフリーに入ってきました人が直ちに会員になって借りられるということは、その貸し渡しの料金の中からいわゆるクラブ会費的なものが出されましたか、事実そうであるとすれば、やはり貸し渡しの一つの態様ではないかとも考えられるわけであります。これは個々のケースで判断しなければならないと思うわけでございますが、また中にはやはりまじめにそうやっているクラブもあるのだ、特に大阪方面ではそういうことを盛んに強調して、実際上ほんとうに会員を限って正規に運営しているということをいわれているところもありまして、いろいろその態様につきましては、貸し渡し業であるというふうに考えていい場合と、あるいは共同使用というふうに考えていい場合と、両方今あるようでございます。しかしこれがはっきりするといいますことは、これをどう規制しようかという前段階の問題でございまして、われわれの方でこれをどういりふうにやるかということは、先ほどからいろいろと御指摘を受けておりますような次の問題になるわけでございます。われわれの方といたしましてももちろんそういったような事業を現行法では認めておりません。これを奨励するという態度はとるべきでないと思っております。ただ言葉を返すようではございますが、全然否定し去ってしまっても、社会的な状態としてよろしいのかどうか、たとえば最近羽田空港に着きました外人が、——どの駅におきましてもドライブができる人は駅前で車を借りて観光するというのが、大体どこの国でも常態でございまして、羽田におきましてそういう裸の車を借りる制度がないかということを盛んに聞かれるということも聞いております。また昨今自動車熱が非常に盛んになって参りまして、各学校でも自動車のサークルができましたり、あるいは自動車の運転ができる人が相当多くなったわけでございまして、せっかく運転ができるようになりましても、全部の人が車を買えるわけでないのでございまして、そういう道を法の解釈で全然ふさいでしまってもいいのかどうかということを考えますと、どうしても現在の法の中でこれを見なければならぬのじゃないかというふうにも考えておるわけでございまして、その点どうしようということをここで御説明できないのは申しわけないわけでございます。
○濱野委員 どうも君の答弁があまり上手なので混乱しているのだが、それでは一つ一つ聞きます。料金を取って貸すいわゆる貸し渡しと見る場合と、今日あなたの方で陸運局などがやかましく言っている名義貸しというもの——一つの会社が車両を持っておって、そしてその車両を運転手に貸して毎日々々料金を取っている、これを名義貸しと言っていますけれども、それとどういうふうに違いますか。やはり手数料と同じ性質のものを取ってやっている。これは非常にやかましく取り締っているのだが、これを一体どういりふうに区別していますか。
○山内政府委員 名義貸しの場合は運転手付で借りたもので、一般のお客さんを送るということで、明らかに無免許営業になるわけでございます。この場合には自動車を貸すだけで、運転手はつけないというような違いがそこにあるわけであります。
○濱野委員 形の上だけでごらんになるとそうなるのですが、これは企業体出に見ると、貸し渡し業をするクラブが一定の貸し渡し賃を取って車を貸してやる。ところが名義貸しというのは、営業行為をする者が運転手に貸して営業行為をやらせる。営業行為はクラブの場合はやらないとしても、クラブ対自動車を借りてドライブをする人、それから名義貸しの場合、その車両を持っている会社とその車両の名義を貸して毎日々々料金を取っている場合と、この二つの関係を見ると、実質的には同じなんです。金が入ってくる経済のバランスを、片方はクラブの親方が取って、片方は今までのタクシー会社の親玉が、自動車の名義を貸して個々の運転手から一日幾らで取っている。だからそういう経済関係からいけば同じです。そういうことがこの法律では日本の経済のためにもよくないし、秩序のためにもよくないということで、あらゆる意味の規制が行われているわけなんです。結局そういうことを考えてみると、もっとはっきりこうしたことは禁止をしなければならぬということがわかると思うのです。あなたは外人がどうのこうのとおっしゃるけれども、こういう時勢になって日本が観光国となろうとするならば、これはあなた方運輸省の所管ですから、そういう法律を作ったらいいでしょう。外人が来るのに車を貸してやるのだということで、今までの道路運送法でやろうとするところに無理がある。それで何とかあの条文だ、この条文だと、今適用の方法がないのに、あなた方がうろちょろしているうちに——この道路運送法というものは自由経済の中に統制経済として厳重な法律がしかれているにかかわらず、それをもぐってやっていこうとする不良漢が、百七社ですか百三社ですか、五百台という車がうろちょろ出てくるわけです。これは何と言ったって運輸省の自動車局が、先ほど局長のおっしゃるような外人対策というようなことであれば新しい立法措置をとるべきである。また学生や文化人が自転車のように自動車の遠乗りを楽しみたいというなら、新しく立法措置をして堂々とクラブ組織で料金を取って便宜を与えるという方法が好ましい。同僚の中居君が言うように、どの法令をもってしてもあなたの説明は無理だ。あなたの先輩のやってきたことはどうも卑怯であって、すっきりしない。自由経済の中に統制経済がはっきり道路運送法の中にはうたわれておる。その中に変な存在が法をもぐって五百両も出てくる。これをあのぜいだ、このせいだ、どうも実体がわからない、これは今どきの化けものだというような考え方なら、行政庁としては私はほんとうにおもしろくない行き方だと思うのですがどうですか。これはどこから見たって、この法文を適用してできているのだという明快なお答えができない限りは、新しい立法措置をとって、これを明快に割り切っていく、こういうふうにするよりほかないでしょう。きわめて簡潔でいいからイエスかノーか、一つお伺いしたいと思います。
○山内政府委員 仰せられることは十分わかっておりまして、従来そういう解釈をとりながら許可が行われなかったということは、個々の行為の許可をいたしましたことに対する自後の行政庁の責任というものがなかなかとりにくいわけでございます。業として認めれば行政庁としてはある程度監督しやすいという面もあるわけでございます。その点につきましてはまだ十分検討をしなければならないわけでございまして、ただいまのお話は十分拝聴いたしましてさらに再検討をしてみたいと思います。
○中居委員 私も結論を申し上げますが、ただいまの濱野さんの意見と私は全く同感です。局長の言われるように、今日こういう情勢になりまして自動車の貸し渡し事業というものを全然無視する、全然なくすることが適当であるかどうか、こういうことにつきましてはいろいろ論議があろうと思います。しかしそういうものが必要であるという前提に立ちまして——前提に立つからといって法律を無視して、そういうものの存在をいつまでもほおかぶりで過されることは許されないと思う。現に運輸省は昭和二十六年にそういうほおかぶり的の通達を出しているのです。私どもは長い目で六年間待っておったのです。六年間のうちに運輸省は適当な、現状に即応した法的な措置をとるであろうと待っておった。ところが六年たっても同じなんです。しかも昭和三十年に至ってはさらにこれを確認をしているわけです。こういうように、法律を無視して、そうしてできてしまったものは仕方がない、こういうような行政措置をもしも今後続けるならば、私どもはこの問題はさらに今後とも継続して申し上げるほかはないのです。従いまして運輸省がとるべき処置は、今日の道路運送法の建前からいって、こういうものは違法な処置である、違法な存在である、こういう確認の上に立って、これに対する適当な法改正なり、あるいは行政措置なりというものを講ずることに、運輸省が積極的な、そして果敢な態度を示してもらわなければならぬと私は思うのです。こういう法律改正に当りましては、おそらく今日の自動車メーカーであるとか、あるいはユーザー、こういうところからもいろいろな意見があろうと思います。ユーザーの立場からいいますと、こういうものの存在は困る、しかし使い古しの車の処分に困るからこういうものの存在もやむを得ない、こういう反面の意見もまたあるわけです。従いまして私はこの問題を簡明率直に解釈するには、いろいろな弊害、障害というものが出てくると思います。かといって、このままこういう問題を放置することは私はできないと思います。さらにまた運輸省の自動車局におきましては、このドライブ・クラブの実態をもっと真剣に検討してもらいたいと思います。現にドライブ・クラブから私にこういう勧誘があったのです。自家用車のナンバーで、運転手をつけて、ハイヤーよりも安くお運び申し上げますからどうか御下命下さい、ドライブ・クラブの名前で堂々とそういう勧誘状が私のところにきております。私はドライブ・クラブの十社を調査いたしましたが、表面上会員制度という形式をとっておりますが、入会金は五十円か百円です。こういうクラブ制度をもって自動車局長は、自家用自動車の共同使用の形である、こういう解釈をすることは私は間違いだと思うのです。共同使用ということは、少くとも自動車を所有しておる会社の株を所有しておるか、あるいはその自動車に対して複数の者が相当額の出資をして、そうしてこれを使うということが、この法第七章で定められた共同使用の実態ではないか、内容ではないか、こう私は解釈しておるのです。形式的に三十円か五十円の入会金を取るとか、あるいは会員ではあるが入会金を免除するとか、こういうような会員制度のドライブ・クラブの今日の実態というものは、決して第百条の共同使用にも該当するものではない。ましてや第百一条の運輸大臣の許可を得て有償で車を貸し渡しする、こういう事業をこの第二項に適用せしめるべきものではないと私は考えております。さらにまた自動車局長はこういうことを言っております。最近自動車の免許をとる者が多く、自動車を購入できないから、そういう人たちのためにもこういう制度は必要な制度である、この意見も確かに半面真理でしょう。しかし千キロ、二千キロ走って免許証をもらって、そうしてその人間がドライブ・クラブの自動車を借りて、この混雑しておる東京の街頭に出て運転することが、どれだけ交通道徳の妨害をしておるか、こういうことも真剣に考えてみなければならぬと思います。ドライブ・クラブの車を借りて、そうして十八歳か十九歳の高校生徒たちが女とふざけて、そうして交通事故を起しているということは、毎日のように新聞紙上に報ぜられているのです。交通道徳の建前からいっても、私はこれは放任できないと思うのです。ですからただ単に時代の要請であるとかなんとかということだけでなく、この交通緩和、交通事故の頻発、こういうこともあわせ考えて、そうして道路運送法の法の建前ということも考えまして、これに対する早急な運輸省の処置というものを私どもは要請申し上げたいと思うのですが、これに対して局長はいかにお考えですか。
○山内政府委員 運輸省といたしましても、仰せのような方向でほおかぶりしたというようなことではなくて、この問題を本格的になるべく早い機会に解決をいたすべく努力をいたしたいと思います。
○中居委員 質問を終ります。
○山口(丈)委員 私もちょっとお尋ねしたいのですが、今のドライブ・クラブの問題は免許の問題と関連があると思うのですが、私はやはりこの道路運送法ができました精神は、もう何回も言い古されておりますように、交通事業が公益性を持つものであり、従って人の生命財産の安全輸送のためには、その企業の過当競争を防止し、かつ企業の健全化をはかることによって、そのような使命を全うせしめたい、こういうのが法律を制定せられた趣旨であると私は考えるのですが、最近自動車事業というものは収入がある、もうかる、あるいは派手に見えるものですから、そういうような錯覚を起し、かつまたこの法の精神が、そういうふうに健全な企業によって人の生命財産を安全に輸送する、こういうことを結局度外視したような過当な競願がどんどん出されてくるがために、運輸行政が非常に混乱する、しかも背後には非常な政治力までも動員するような傾向が往々にして見られる、これでは私は行政府としては非常にその措置を困難ならしめるのではないか。従ってこの際そういうような過当と見られるような競争をして申請しても、それは運輸行政としてこれは芳ばしくないことである、従ってこれははっきりと局長において、そういうようないわゆる過当競争と見られるような申請は取りやめさせるような方向をとらるべきではないかというふうに考えるわけですが、これについてどうお考えになりますか。 第二点は、今そういうような過当な競争の申請が続出して山積するために、本来の運輸行政に非常な支障を来たしておるのではないかと思いますが、これらの二点について一つお答え願いたい。
○山内政府委員 第一の問題、過当な競争の申請は排斥すべきではないかということにつきましては、道路運送法第一条の適正な運営及び公正な競争という問題と、第六条の免許基準の問題でございますが、法の精神といたしまして、過当な競争を許すということは考えておりませんので、われわれもそういう趣旨で処理をいたしております。ただその場合に、そういうものは出させないようにすべきであるということでございますが、申請があればわれわれの方といたしましても処分をするわけでございます。第六条はその処分の基準であるとわれわれは考えておりますが、希望といたしましては、第二点の問題にも関連をするわけでございますが、われわれといたしましては免許事案の処理に非常に追われております。その点われわれも日夜免許事案についての処置を早急にやらなけばならないということで督励してやっておりますが、解決する事案よりも申請の事案の方が多いわけでございます。それともう一つ、昨今非常に免許事案がいろいろの関係で重大に取り扱われて参りますために、われわれの方の事案の審議におきまして、一ぺん陸運局の調査があって行きましたものにつきまして、さらに再調査を命ずるというように、非常に事務量がふえておることも御指摘の通りでございまして、私どもといたしましては、自動車局の仕事が免許の仕事だけでない——これも重要な仕事でありますが、もっと重要な仕事もたくさんありますが、ほとんど大部分の職員をこの免許事案の処理に当らせておるわけでございまして、私としまして非常に遺憾なことは、根本的な問題に対する検討のひまがあまりないのでございます。業界にはその点、単に一方の会社が免許申請を出すおそれがあるから、免許申請をしておくのだ、不許可になった場合には両方刺し違えて却下になればいいというような、あまりまじめでない申請というものについてはできるだけ自粛を願いたいということを、機会あるたびに私は要請しておるわけでございまして、業界におきましても、十分そういう点考えて協力してくれていると思いますが、私の不徳のいたすところでございまして、まだ十分私の真意を伝えることができないわけでございます。私としましては、できるだけ業界が自主的に解決できるものは解決をして、あまりそういうむだな——むだと言うと非常に語弊があるわけでございますが、中にはほんとうに本意でない免許申請をしたということを私自身にも言われる方がありますので、そういうものもあると思うわけでございますが、そういうことのないように要請はいたしておるわけでございます。
○山口(丈)委員 そこで、今自動車局長が申されましたように、刺し違え申請等、きわめてまじめでない申請がされる、そういうようなものはもっと早く行政措置としてこれを却下するなり何なり、適宜な行政措置がとれるような方法がないかどうか、それから第二の点は、ほんとうに交通機関の使命とか、あるいはまた交通機関の実態とかを知っている人でありますならば、たとえば一会社の路線で一日に三往復ないし五往復をする、それでもってラッシュ・アワーのときには若干の混雑も見られる、それだけを理由にして競願をして、しかも行政上に圧力をかけてでもこれを権利としてとれば直ちに台数をふやしてくる、こういうようなことになりますると、公益性のゆえに不採算線をもあわせ経営をさせてようやく企業のつじつまを合わしていく、こういうような会社が非常に多いわけです。しかるにその採算線にのみ過当な競争を許していくということになれば、どこもが赤字になる。少くともその赤字路線を背負っておる会社としては、その赤字路線の赤字のために黒字の路線で埋め合せがつかなくなりますから、企業はきわめて不健全化するわけであります。そうなれば勢い労働の強化あるいはまた車の整備不足というようなものが起きまして、一方においては労働強化による過労による運転の誤まり、一方においては整備不足によります諸機関の故障等による転覆事故等、あるいはまた衝突事故等、忌まわしい事故の原因を招来することになって、ゆゆしい問題がある。そういうことを知らないで、ただやればもうかる、あそこのところは非常にもうけておるから、あそこで一社独占ということはけしからぬということでねじ込んでいけば権利はとれるだろう、こういうようなことで免許を申請せられるということになれば、私は自動車産業、交通産業というものはゆゆしい事態を招来すると考えるのですが、これを規制するためには一部の非難もあろうと思います。それはどうかといいますと、既存業者のみを保護して、憲法によって保障されておるわれわれの権利を無視するというような大げさな論議でもって非難を浴びせて、自動車局、運輸省としても非常に困っておられるということを聞くわけでありまして、私は常にそういう点について行政上の困難性というものを認識いたしておるわけでありますけれども、この際これらの諸点についてその見解を一そう局長から明快にしていただきますことが、運輸行政の円滑化をはかる上に必要であるというふうに私は考えるわけですが、いかがでしょうか、一つお答え願いたい。
○山内政府委員 ただいまの問題は、当委員会におきましてもしばしば問題になったところでありまして、それは第一条は本法の目的に関するものでございますが、われわれといたしましては、道路運送事業の適正な運営と及び公正な競争というものを同時に確保しなければならないというふうに、この全部の法条の適用をいたすべく努力をいたしておるわけでございます。問題は、個々の事案の場合にどう考えるかということでございます。これもやはりそのときそのときでこうだということはなかなか言いにくいわけでございまして、たとえば道路運送法が施行されました昭和二十六年当時におきましては、例をあげますと、バスにおいても平均乗車効率は六〇%を上回っておったのではないかと思うわけであります。そうしますと、これはまた運賃とも関連をする問題でございまして、平均乗車効率六〇%をこしておりますと、非常に込んでおる状態にあるわけでございます。それが昨今でございますと、全国的に平均乗車効率が三五、六%といっておりまして、現在は大体ラッシュのときにすわれないという程度で、日中は大体すわれるということでございます。これはやはり事業者のサービスの問題と運賃の問題とがいろいろ複雑にからんでおりますので、現在の時代においては何%がいいということも一がいには言えないわけでございますが、われわれといたしましては、やはりそのときそのときの全国平均程度を一応目安といたしまして、免許のときには考えておるわけでございます。その場合に、それでは独占であれば幾ら込ましてもいいかという問題でございますが、ほかの不採算線もやっておるのであるから、独占区間はもうけほうだいというわけにはやはりいかないのでありまして、独占区間に対する業者のサービスが適正であるかどうかということを考えて、事案の処理に当っておるわけでございます。ただいま御指摘のように、会社全体の経理、その路線に対する交通情勢等一万般の調査を現在やっておるわけでございます。 またそれが非常にふまじめな申請ならば、簡単に却下したらどうかという御意見でありますが、われわれの方としては、受け付けますと、これはまじめな申請である、これはふまじめな申請であると、のっけにそういうことをきめるわけにいきませんので、やはり申請があれば正当なる申請として取り扱いまして、その間に甲乙をつけずに十分調査をいたしておるわけであります。その点で、人手の点その他で仕事が非常におくれて、方々でおしかりを受けておるわけでありますが、要は、やはり事業者が公益事業をやっておるのだということを十分認識せられまして、営利よりも一般の民衆の交通を確保するということを第一前提に考えて営業をしてもらうように要請をして、その上にわれわれが十分監督をしていくことが、全体的な問題を解決する道である、かように考えております。
○山口(丈)委員 時間もありませんからもう一点だけ伺っておきたいと思います。これはトラックの問題ですけれども、御承知のように、最近は鉄道輸送を自動車輸送等に転換をはかる、そして輸送の隘路を打開するということで、長距離自動車輸送についても非常に努力をされているようでありますが、近く高速自動車道路等もできまして、将来長距離自動車輸送というものが非常に発達するというふうに考えるわけです。現にそれをやっておるわけでありますが、ここで問題になりますのは、やはり労働条件というものを適正に管理しないと大へんな事故のもとになる。と申しまするのは、百五十キロ、二百キロあるいは二百五十キロというような超長距離自動車輸送は、なかなか一日にして目的地へ達することはできません。連続二十時間あるいは二十二時間というような長時間運転をしいられている現状です。ために自動車運転手は非常に疲労をする、その疲労をいたしますために、間々助手等にハンドルを持たせて無免許運転が行われる。これは交通上あるいは道徳上危険なばかりではなく、私は非常にゆゆしい問題をはらんでおると思います。現に名古屋から京都まで行く、ところが途中逢坂山のところで自動車が故障を起して意外に時間を食った、そこで京都まで参りまして、そして京都で朝食をとった、それから大阪まで出るわけでありますが、運転手も非常に疲れておる、それでここからは道がいいから、一つおれは二、三十分寝るから——荷物の到着時刻がきまっておるので、非常に時間がおくれておって間に合わない、だから助手にハンドルを持たせて運転手ははたで仮眠しておった。ところがそれがまたあいにく離合の際に運転を誤まって通行人に非常な重傷を負わしておる、こういう事故が続出をしておるわけです。これは何としても長距離輸送の場合、何キロ以上については運転手を二名以上乗せるとかなんとかいうことで、この運転の安全を期するよう行政措置をすることが適当ではないか、もしこれがなされなければ将来非常にゆゆしい問題をかもし、現にそれで交通事故というものが非常に続発しつつある現状にある、これをどういう工合に御指導をされるか承わりたいと思います。 ついでですから……。もしそういうことが省令等によることが困難であるということでありまするならば、やはりその事態に適応するように法律を改正する必要があると思うが、法律の改正がなければ省令等によってもそれが取締りの対象として、行政措置としてなし得るものか、なければそれを改正する意思がないか。 それからもう一点は、今ドライブ・クラブが問題になりましたが、これは道路運送法によって改正せられれば、当然それによるべきでありますけれども、私はこれを取り締りますには、やはり別途の単独法を用意して、すみやかにこの無秩序な、いわゆる輸送類似行為、営業類似行為を取り締るということが、何としても秩序を保つ最大のものであると考えるが、これについてその御用意があるか。以上三点を承わりたい。
○山内政府委員 初めの長距離運転の場合に安全的な措置を講ずべきであるという御意見、まことにごもっともでございます。運輸省におきましてもこの点につきましては、自動車運送事業等運輸規則というものを定めております。これによりますと、「運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、予備の運転者を配置しておかなければならない。」という規定を持っております。ただしかしわれわれといたしましても、この規定を置きましたのは、先般前国会におきまして法の改正をしまして、あのときに御説明いたしましたように、安全というもののあり方をもっと高次に規定をしなければならないということで御改正を願ったわけでございまして、それに伴いまして、ただいま御指摘のような状態もありましたので、この規定を入れましたわけでございます。ただこの規定がありますから事故がなくなるというわけではないわけでありまして、それに伴いましてまた監査の規定も新たに設けまして、ただいま仰せのようにこういう労働条件につきましては、本来的に運輸省の職務権限に属するものではないけれども、監査の際に、いわゆる交番勤務とかあるいは人件費とか、そういう点にまでわたって一応監査の対象にして実態を明らかにするように、各下部機関には通達をいたしているわけであります。御趣旨のような点につきましては、一応法的には予備の運転者を必ず置かなければならないということにしております。しかしその際に百キロとか二百キロというものも、いろいろ研究したわけでございますが、時また道路状態、いろいろそういう条件が違いますので、的確に百キロがいいとかいうことは言えませんので、その点は事業をやっている者の良識に待ちまして、長距離運転といえばただいま御指摘のように二十四時間というのは当然のことでございますが、われわれの方はそういう長いものを考えないで、行政指導でやっているというのが実情でございます。 それからドライブ・クラブの問題につきましては、先ほど来種々御説明をいたしましたように、早急にこれが解決をはかるように努力をいたしたいと思います。
○淵上委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十八分散会