運輸委員会 第18号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/03/26
会議録
○淵上委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。 捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)を議題として審議を行います。本案に関しましては、去る二月十五日運輸大臣より提案理由を聴取いたしておりますが、これより質疑を許します。——質疑はございませんか。質疑がなければこれより討論に入りたいと存じますが、通告がございませんので、これより採決いたします。 捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)を原案通り可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淵上委員長 御異議ございませんので、本案は原案の通り可決いたすことに決定いたしました。 なお、ただいま可決されました捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案の報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淵上委員長 御異議がございませんので、さように決定いたしました。 —————————————
○淵上委員長 次に港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出第六七号)を議題といたします。 本案に関しましては、去る三月五日提案理由の説明を聴取いたしましたが、ただいまより質疑を許します。山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私はただいま議題となりました港湾法の一部を改正する法律案について、若干の質問をいたしたいと思います。 まず第一にお尋ねをいたしたい点は、この法律は港を整備するに当って、今までは港湾管理者並びに国庫負担において港湾を整備して参ったのでありますけれども、タンカーその他一般外航船等のトン数の増大に伴って、それに見合う港湾の整備を行わんとするものでありまして、これについては私は異論ありません。しかしながら法の精神として、その整備の費用を受益者が大きく負担をいたして、当然国家が支出すべきその経費については、きわめて少額な経費にとどまっている。こういうことになりますと、国の徴収します税金は、またまたそれがいわゆる特定の事業に対して目的税的な性格をさらに増大していくことに相なると思うのであります。かくなりますと、何か事業を起さんとすれば、その対象事業が次々と受益者のゆえをもちまして、負担を転嫁せられるおそれがあるというふうに考えるわけでございますが、これにつきましてどういう見解をお持ちであるかお伺いいたしたい。
○天埜政府委員 ただいまのお話の点で、非常に大きな分担金をして公共事業を進める、こういうことになるわけでありますが、これは従来の港湾法のみによりますのと異なりまして、事業者の方からこういう分担をしてもこの工事は進めてもらいたい、こういう場合にするのでございまして、これが企業合理化促進法によって分担を申し出る。その申し出たものについて、国の方、管理者の方が負担を合せて工事をするということでございます。それでこれが今回の例のような場合に、石油の点で申しますと、これは企業合理化促進法に基いて、事業者の申請によって行うものでございますから、企業の合理化、すなわち原価の低減を目的とするものでございます。従って石油の価格が上昇するというようなことにはならないというふうに考えております。石油の原価のうち、運賃は平均三五%を占めております。運賃はスタンダード・タンカーよりも、スーパー・タンカーの方が一〇%安くなりますので、結局スーパー・タンカーばかりで運ぶこととすれば、原油の原価は三・五%下るということになりまして、石油の値段も下るので、工場等としても、そんなに負担を将来ずっと永く持って困るということではないという点から、このようなものを受け付けて工事をしたいというような趣旨でございます。
○山口(丈)委員 ただいまのお説によりますと、港湾整備の要求がある場合に、この改正された法律に基いて費用分担を行なって工事を行う、こういうことでありますが、またそれはスタンダード・タンカーからスーパー・タンカーというふうに大型化することによって石油収容量を逓増化する、逓増化することによって、勢い利益者側は大きな受益をするのだという御説明であります。しかし私はそれを逆にいえば、港の整備等は、いえばこれは特定の受益者がそれを要求したからといって、その費用を分担して港を整備いたしましても、必ずしもその者だけがいわゆるその港を独占使用するものではない。従ってこれは一般に公開せられた港である。しかし政府の方からいえば、であるから政府もその一部を負担するのであるというように言い得られるかもわかりませんが、しかし今までの港の状況を実際に見ておりますと、そのようにしていわゆる特定の業者が負担をして港を改善いたしましたその港には、あるいはほかの船の着船を許さない、あるいは優先使用を主張する等の問題が起ってくることは、現に御承知の通りだろうと思うのでありますが、そういうことになりますると、港本来の公益的使命をなし得なくなるのではないかということが一点であります。 それから第二点は、これは悪く言えば際限のないことでありますけれども、しかしだんだんと船が大型化してくる、その船を沖積みをやるよりも桟橋につけてやる方が経費が安くなるのであるから、当然そうなすべきであるが、しかしそれはまた一見申しますると業者の苦痛であり弱点であるわけです。従って政府はその弱点につけ込んで、当然なすべきことの手をこまぬいて見ておって、要求があれば費用を出しなさい、逆に言えばそういうような挙に出られれば、これははなはだもってけしからぬ政府の責任回避になると私は思うのであります。要求がなくても政府は当然進んで港の整備のための責任を負うべきものであります。しかるにそういうことが現われてこなければゆゆしい問題である。運輸行政上から申しても、将来実に憂うべき精神を持った法律案であると申さなければならぬと私は思うのであります。これらの点についてどういう御見解であるか、一つ承わりたい。
○天埜政府委員 今の第一点でございまするが、これは一般公衆の用に供するものでなければ、港湾法に基いて公共事業として工事をいたさないのでございまして、会社が幾ら要求いたしましても、それが専用に供せられるということであれば、これはこの法律に基いて仕事をするのではなしに、専用工事として、専用の施設としての工事を会社自体がやるということになりまして、この工事をやったからといって、会社が優先使用したり専用したりということは許されないのでございます、 第二点の方は、港湾工事は公共事業でございますから、国としても極力進めていかなければならないのでございますが、会社側、工場側といたしましては、御承知のように普通の港湾法の分担でやっていく場合には、なかなか急激には現今のような状況に応じかねるので、いろいろな採算その他の点も考慮した結果早くやってもらいたい、早くやってもらうにはどれだけ出してもいいから早くやってもらいたいということで、このような法律でできるというわけであります。元来これは国の方で公共的に全部やっていくべき場所でございます。それを予算の面でなかなか急激にできないのを早くやる、こういう点からでございまして、これは事業者が要望したときに、その要望をかなえるべくこの法律を立案いたしたわけであります。
○山口(丈)委員 どうも私ふに落ちぬのですが、しからばたとえば日石あるいは港湾会社、そういう会社が専用の突堤を持っておる、そこへ今までの普通のタンカーは横づけできても、スーパー・タンカーでは横づけできない。そこで港を整備するというこの法律に基いて水路の浚渫作業をする、こうなれば、あなたのおっしゃるように、この浚渫された港湾水路というものは、これは一般に公開できないものじゃありまんせか。しからば特定の業者のために国がこれだけの費用を負担するということになる、あるいは港湾管理者が二五%の負担をすることになるということで、これは一般の共用というあなたの今の説明には、結果的には合致しないと思います。これはどういうことなんですか。
○天埜政府委員 ただいまの専用の埠頭でございますが、専用の埠頭それ自体については今の工事はないのでありまして、その専用の埠頭へ向っていく水路でございます。これはその埠頭ばかりでなしに、ほかの埠頭へも参れます。そういうような水路の浚渫というのが、これで取り上げられることになっておるわけでございまして、その専用のものについてはこれでは取り上げないことになっております。
○山口(丈)委員 それは私は非常に詭弁がまじると思います。たとえばこれを港湾法でいえば、係船のタンクを備えつけた境頭がある、あるいは石油荷役作業施設等を持った埠頭があります。しかしこれに近づくためには、どうしても水路の浚渫をやらなければならぬ、これが膨大な経費になる。そういう一社をもってしては工事できないとうことになれば、勢いその浚渫はこの法律に基いてやるということにならざるを得ない。そうなれば、今あなたの言われるように、業者が要求して——要求してということが前提になりますから、業者が要求してこういうものを浚渫する。名目的には一般航路としての浚渫であるかもわかりませんけれども、実質的には、それらは限られたものだけしか使用ができないわけです。なぜかといえば、その先は、いわゆる肝心の桟橋は、これは専用者の専用物である、こういうことになれば、私はそれはただ名目的に一般的と言い得るけれども、実質的にはその専用者が専用するということになりますから、これではあなたの今の御説明のように、港本来の一般公共の用というものには合致しない結果が事実上生まれてきはしないか、こういうわけです。
○天埜政府委員 ただいまの例で申しますと、神戸港につきまして、灘埠頭方面には日石の埠頭もございますし、出光の埠頭もございますし、それから神戸製鋼の荷揚所もございますし、いろいろございまして、その中で今十二メートルというような水深を要求するのが、この石油の施設でございます。それはいずれば、予算の都合その他でだんだん船型が大きくなりますから、掘って参るものではございますが、ここ数年の間に急速に掘るということはなかなかむずかしいので、それでその特定のスーパー・タンカーを入れるところの工事を要求して参りますれば、本来はもっとおそくいくべきところなんだが、その要請に基いて負担もさせ、国もいたして、急激にそこを整備するということでございまして、これを専用にさせるとかいうようなことでは決してないのでございます。
○山口(丈)委員 政務次官にお尋ねいたしますが、私がさきに説明を求めましたように、このガソリン税を契機といたしまして、運輸行政についてはともかく国が税金を取り立てるものがすべて目的税的に取り立てられる、そうしてだんだんと責任があたかもその業者にあるかのごとき政策で転嫁されてくる、そうして負担が増大されてくる、たとえばガソリン税等においてもしかりであります。今また本年度港の利用者に課せられるものとしては、これだけではありませんで、従来からありましたとん税、それに加えてまた特別とん税なるものが新設せられまして、ますます出入り船主あるいは荷主の負担を増大しつつある傾向にあって、私は港湾行政上から申しましてまことに憂うべき現象に発展しつつあるというふうに考えるわけであります。こういうような行政措置というものが、本来の政策的な行政措置とは私は考えられないというふうに思うのでありますが、これは政治的に一体どういうふうに政府としてお考えになるか、次官から一つお答え願いたい。
○福永政府委員 税の取り立ての方法としては、目的税ということは、これは税法としての立場から申しましても、あまりおもしろくないことでございます。ガソリン税も、あなたのおっしゃる通り、どうもそういうような傾向のあることは、実は運輸省の行政としては遺憾に思います。港もまたそういうような負担が非常にかかるということに対しましても、これはおもしろくないことでございますけれども、できるだけ港の管理者の方に負担がかからないようにするために、そういうようなとん税、特別とん税というものをいただくことになります。そういう意味でございますから、港の管理者の負担軽減というところに眼目があるわけでございます。
○山口(丈)委員 今の答弁、私は前段の方は了承できるのですが、後段の方で、港湾管理者の負担を軽減する措置として、しかも急速に港を整備する措置として、その港を使用する受益者の要求によって港の改善を行う、今の御答弁を要約しますとこういうふうに相なると思います。私が申し上げているのは、今御答弁になりました港の管理者の負担、これはその港の管理に当って必要なものがその港の使用者から徴収せられる税金によってまかなわれていく、これも私は一理はあると思いますけれども、しからば今日まで徴税されました特別とん税にいたしましても、必ず港湾管理者の管理経費としてそれが全部使用せられるかといえば、そうではないわけであります。従来からのいわゆるとん税的な性格とは、本年度に設けられております特別とん税の性格は変っていると私は考えております。 そこで私は申し上げたいのですが、港湾管理者の管理経費にいたしましても、私はしかるがゆえに利用者だけがその全責任を負うわけのものではないと考えるわけです。なぜかといえば、なるほど港を使用して船舶航行を営業いたしておる業者が大きな利益を受けることは当然でありますけれども、今度はその船を利用して荷物の輸出あるいは輸入等を行なっている者も、これまた利益を受けるわけでありますから、従ってそこに公共性というものがあり、私は全体的なものだと思うのです。そのうちのある部分の者は大きく利益を受けるが、しかし全体的な者も受けるとすれば、これは何も港の整備をするためにその石油業者あるいは特定の業者だけに、申し出るからといってその負担を五〇%もかけることはかけ過ぎではないか。もう少し国の方でも一般会計から支出し、当然国民全体の負担として均衡のとれた負担をして港の整備を行うことが、政治的責任として当然とるべきことではないかと思われるのですが、そういう点について一体どういうふうにお考えになっているか。私にはその差異、大きな政策的な問題がわからない。従ってこれについて一つはっきりした御答弁を願いたいと考えるわけです。
○天埜政府委員 ただいまの五割という額が非常に大きいではないかというお話でございますが、これは石油の輸入の金額等をいろいろ勘案いたしまして、石油の場合について計算いたしてみますと、昭和三十五年度の日本全体の原油の輸入は、金額にいたしまして約九百億でございます。スーパー・タンカーで今回予定をいたしております工事をする港湾に入れる分は三割五分というふうに推定されますが、そういたしますと三百億円であります。それでスーパー・タンカーの場合はスタンダード・タンカーに比べまして、運賃の節約が原価の三・五%計算されますので、三百億の〇・〇三五といたしますと十億円になります。すなわち全国で一年に今回の措置によって十億円の利益がある。これに対して工事費の総額は三十六億であります。受益者の負担つまり工場の負担は十八億になる。十八億の負担金に対して利益は一年で十億ということになります。ところで一年十億の利益がある場合に、利益の総額は幾らというふうに計算すべきかということは、非常にむずかしいのでございますが、かりに三年分を計上しても三十億となって、負担金十八億は受益の限度になると考えます。もっともこの計算は石油価格が一定のものであるという仮定に基いておりまして、企業の合理化の結果、石油の原価が下ることも考えなくてはなりませんが、その利益の三分の二が値下りで失われましても、十年間の利益を計上すれば、ほぼ前に述べた分の数字が得られるというふうに考えまして、受益の範囲であって、五割の申し出があればこれを受けて立っても適当ではなろうかというようなところで、大体五割ということに計算したわけでございます。
○山口(丈)委員 今の説明によりますと、ガソリン税あるいは軽油引取税のときにもそういう政府からの説明がございました。これを負担してもらうことは、一時は大きいように見えるが、しかし十年後には幾ばくかの利益があるし、その他物品消耗費及び運航の合理化など、あらゆる点を勘案してみれば、今日税法で負担せられる税額以上の見返り利益を受けることができる、こういう説明があるのであります。今港湾局長の御答弁によれば、それと同じことが言われております。なるほど理屈から言えばそうなるかもしれませんけれども、今の説明でも明らかなように、本年度十億だとすれば、それを完成するとしても八億というものは負担過剰になってくる。私はそういうような計算は非常に危ない計算ではないかと思う。少くとも十億の受益があるとしましても、それが本年度完成したからといっても本年に得られるものではなくて、その受益は必ず翌年度に回るものであって、去年施工して完成したからといって、本年度内に十億の利益が上るものではないわけです。そうすると受益はさらに一年延びるのでありますから、新たな計算でいくと二十億の差を生じてくることになるわけです。そこへ持ってきて十八億の支出を強要せられることになると、計数的にいきますと、この分で参りますと、単純計算にいたしましても業者が一時に支出するものは、少くとも二十七、八億の負担をしなくてはならぬだろうと私は思うのですが、それを取り返してくるということになれは、そしてそれを償却してしかも益金を計上していくということになれば、これは非常に努力が要るだけではなくて、年月を要すると思うのです。だから、必らずしも今港湾局長の言われたような計算には参らぬのではないかというふうに考えるのです。そこにあまりにも大きな負担過重となりはしまいか。もし港湾局長の言われるように、これが計算通りに参らないといたしますと、これはまた石油の値段に当然しわ寄せされなければ償い得ないものである。少くとも石油の値段というものは何らの統制を加えられるはずのものではありません。そうなりますと、一方においてはガソリン税あるいは軽油税等々で税金をどんどん上げられる。一方においては、今度は船主に今申したような負担を増加していくということによって、なおさら石油の値段をつり上げざるを得ない要因をここへ持ってくるということになる、これでは少々の利益があったからといっても、この石油の値段というものがその合理的に下げられるとは考えられない。むしろこれは増加の傾向にある。こうなりますと、その末端の消費面というものは非常に迷惑をこうむってきはしまいか。ひいてはこれが陸上運送にも大きく影響してくる結果になりはしまいかということをおそれるわけですが、そういうような一貫した見解についてどういう政策を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
○天埜政府委員 私が目の子の非常に簡単なことを申し上げたので、非常に御心配になった点がありました。簡単に申し上げますと、今のような点は非常におかしいじゃないかということをおっしゃられると思いますが、これはそうではなしに、利率もいろいろ勘定をいたしまして、予算を組みます前に業者の方とも話をいたしまして、そうしてそろばんをはじいて、これならばこういうふうに償還ができるので、原価が上っていくというようなこともない、こういうことで計算をいたしております。私の申し上げようが簡単ではなはだおかしかったと思いますが、そういうふうにして価格も上らず、償却もできるという計算をしてやっております。
○山口(丈)委員 それでは、その計算をされた数字の概略をお聞かせ願いたいと思います。
○天埜政府委員 ただいま持って参りませんでしたので、あとで出させていただきます。
○山口(丈)委員 私どもの憂えるのは、ともかくもそうしてもとの方に負担をどんどん大きくしていくということなんです。それは十年、十五年先のことを考えたならば、なるほどそうなるでしょう。だからといって、今までの政府の方針等を承わっても、なるほど経済五カ年計画あるいは国有鉄道の五カ年計画等、計画は発表せられておりますけれども、これは必ずしもそれを忠実に確定して実行しようというのではなくて、ただめどとして一応の計画を持っておるのだということにしかすぎません。今の政治の実態を見ておりますと、全く場当りの政策がとられておるわけであります。従ってこのような法律を改正して受益者の負担を当然しいることに相なりますと、先にはそういうような利益が見込まれるといたしましても、当面今日の問題としては、その支出増なるものが現実の問題でありますから、それを償わないとすれば、勢いこれはその商品に転嫁していかなければ、私はその業態は維持できないと思います。そうなればこれはたといそれが一年であり、二年であるといたしましても、今日また現実の問題としてこれを陸上交通、内燃機を使用するすべての交通業者というものは、たえ得られなくなる結果を招来してくる。今は腹が減っておるけれども、あさっては間違いなく必ず救ってあげるといっても、今餓死寸前にあるその人は救いようはありません。しかしその餓死寸前の者にも十分に満腹のものは食べさせなくても、少くとも腹六分くらいのものは維持のでき得るような政策をとらなければならぬと思うのであります。ところが今の説明に上りますと、そういうようなめどはないのじゃないか、うまくいけばよろしいが、消費者にこれを転嫁する、こういうようにいく情勢があったとしても、一気にこういうことをやることは冒険ではないか、消費者の負担を漸進的にする措置はなかったのかというふうに思うのですけれども、将来の負担率というものは軽減される方向に持っていかれるのか、あるいは増大する方向に持っていかれるのか、これは新しくこういう制度が新設せられるに当って、私は政府の確たるお言葉をちょうだいしておきたい、かように考えるわけですが、いかがでしょうか。
○天埜政府委員 将来のことにつきましては、ただいまのところちょっとございませんが、将来、率の問題でいろいろな点が出ましたら、さらに研究をしていきたいというふうに考えております。
○山口(丈)委員 それははなはだもって消極的ではありませんか。少くともこういうような制度を新しく設けられるのですから、この新制度を新しく設けるに当っては、今言うように将来の確固たる計画、あるいは量に対する確固たる見通しというものをはっきりしていただかないと、今当面はこうだ、しかし将来一体どういうことになりますかと聞いたときに、いやそれは政府は何も将来に対して持ち合せはないのだ、ただ今当面タンカーが大型になる、商船、艦船の船型が大きくなる、これを受け入れるための制度としてやっておるのだということだけをもってしては、これは一般国民に対しても納得のいく説明とは言い得ないと私は思います。いわんや今のような説明ではどうも私は納得できないのですが、少くともこの措置をなさったことについては十分の計画を持って出されておるものだと思う。そうしてこれを通じて実質的にも数字的にも明らかにされて、これで賛否いかんというふうになさるのが、私はこの提案をされた責任者として当然である、こういうふうに思うのですけれども、どうも私は今の答弁ではこれについて納得しかねるのですが、どうですか。
○天埜政府委員 ただいまこの法律を適用しまして工事をすべきところは、非常に緊急なものでありまして、これは少くとも三年くらいにはやり遂げなくちゃならぬというところでございます。そのものにつきましては今申し上げましたように、いろいろな観点から五割受益者負担、三割負担あるいは管理者負担ということでいきたいと思いますが、その他のものは将来になりますと緊急性もいろいろ変って参りますでしょうし、受益の限度も変ってくるかと思いますので、そのときにはあらためて研究をしたいということでございます。
○山口(丈)委員 私は実際問題、この石油の岸壁作業と沖の積み取り作業とは大へんな経費の節減になることは、それはもうよく承知をしております。そしてまたその受益率から幾らかのものを出させて港を整備せしめる。それをも私は否定するものでは少しもありません。けれども、将来それを出さしめるところまでは否定しないとしても、その額やあるいは将来この法律を施行するに当っては、本年度ここに示されておる整備計画は承知いたしておりますけれども、年々これに基いて整備をして参るのでありますから、そうなりますと、これはやはり将来に対する恒久的な計画なり、あるいはこれによって得られるところの将来の受益率に対する確固たる見通しというものがないと危険ではないか。ですからその点は一体どうなっておるのか、こういうわけなんです。これを一つ明らかにしてもらいたいと私は考える。
○天埜政府委員 三十二年度において考えておりますのは今の通りでございまして、そしてそれが非常に緊急を要するものでありますから、この今の率で参りますが、将来になりましてそういうような状況が変って参りますと、これはまたお諮りをいたしまして、新しく変えて参るということにいたさなければならないと存じます。
○山口(丈)委員 私はただいまの御答弁によりまして、この問題については不満足ではあるけれども、一応のお聞きをしようとした点に対しての政府の答弁をいただいたと思うのですが、ただ問題は、先ほど申しましたように、こういう受益者の負担による港湾の整備、これは本年度その目的はきわめて限られた業者に対しての負担を目的としたものでありますけれども、少くともこの内容を見てみますると、これは第一には、私が最初に指摘をいたしましたように、業者の実質上の港湾使用の独占化あるいは独占的な傾向を帯びたものに対して、特定の整備を行わしめるような傾向が非常に強い。従ってこれが運営に当ってはよほどの適切なる措置を講ぜられないというと、この法を設けられた、その一般の公共の福祉あるいは一般の公共の利用に供するという点に反する結果を招来するおそれが多分にある、これを私は一つ指摘をしておきたいと思うのであります。 第二の点は、このようにして港を整備することは百歩譲ってよいといたしましても、次々と業者から港湾整備に関する要求が出され、そうしてその要求に基いてこの法を適用して、経費の分担を行なって整備を行う整備計画が立てられる、こういうことに相なりますると、当然政府の責任においてなされなければならないものも、要求があるまで手をこまぬいて、あるいは悪く言えば放任しておく。これをもっと消極的に言えば、そこまで手が回りかねるからという口実のもとに整備を遅延せしめる。こういうような結果、私は港の整備がますますおくれはしないかということを思うわけでありまして、この点について、さらに私はそういうことのないように十分御配慮願いたいと思うわけであります。三に申し上げたいのは、そのようにして整備された港は、当然荷役その他におきまして非常な経費節減と相なりますることは、これは私がちょうちょう申し上げるまでもございません。しかしながら一朝それが恒常化して参りますると、経費節減その他の合理的な運営のために経費支出をもいとわずに整備をいたし、その負担を増加したために、これをカバーするにどうしても第三者にそれを転嫁しなければならない。すなわち石油の値上げもしくは他の原料の値上りをそれによって行い、そうして一時支出しました経費を穴埋めしなければならないような状態に陥るということになりますると、これは影響するところはきわめて甚大であります。従ってそういうことのないように十分なる配慮がとられて私は当然であると思うのでありますが、これら三点はこの法案を審議するに当って私の最も危惧するところであります。こういう三つの点について十分なる配慮、御計画をお持ちにならない限りこれは危険だと思いますが、将来のことでありますから、いま一度この三点について明確なる御答弁を承わっておきたい、こういうふうに考えます。
○天埜政府委員 第一点の公共事業としてやりながら専用の傾向ないしは優先使用の傾向が出てくるという点につきましては、これは各管理者の行います港湾の運営上そういうことがないように、当局として十分注意を喚起いたして参りたいと思います。それからその方の特定のと申しますか、その方の公共事業に重点が置かれるために一般の国がなすべきところがおくれるおそれはないかという点でございますが、この点も緊急性あるところのみについてこういう措置をとったのでございまして、その他の一般の公共事業がおくれないように、またそれも本来負担を取らなくてもできればできるように、十分なる注意を払って進みたいと思います。それから第三点の経費の節減でございますが、この点も十分カバーできて、第三者の負担に転嫁されることのないようにということで、十分な注意を払って進みたいというふうに考えております。
○山口(丈)委員 私の尋ねんとしました三点につきまして、今お答えがあったわけであります。今申し上げた点を強力に実行に移していただくということを特に希望として申し上げまして、私の質問を終ります。
○淵上委員長 小山亮君。
○小山(亮)委員 簡単に伺いますが、最近世界的趨勢としまして、船型が著しく大きくなってきた。むしろ今日日本で、これだけの海運国日本といわれながら、港湾の設備において実におくれておる。すでに時期立ちおくれになっておるのではないかという、ふうに私どもは思っております。従って港湾の設備をするということは、最も急速にやらなければならぬと思いますが、これは前回の議会から、私ども運輸委員会においては、むしろ決議をもって港湾の設備費を増強しなければならぬということを非常に強く政府に警告を発してきたのでありますが、その警告をしたにもかかわらず、政府の施設がおくれておったということは、私どもは非常に遺憾に存じます。御承知のように、先ほども鉱石運搬船のお話から大型油送船のお話もございましたが、さらにそれを飛び越えて、今日専用の鉱石運搬船を建造しなければならぬ時代に来ておりますし、大型油送船というものも、今日日本が計画しておる三万トン、四万トンのスーパー・タンカー時代は過ぎて、すでに四万トン、五万トン、六万トンのジャイアント型というようなものが、現実に世界で建造されて動いておるという情勢になっておると思うのであります。それだけの船が日本に油を輸送して持ってきた場合には、日本の港で受け入れられるところの港がない。率直に申しまして、四万トン以上の大型スーパー油送船としまして、日本の港に陸揚げする設備のあるところに直接着岸のできる港というものは一体幾つありますか。どこがそれでありますか。ちょっと伺いたい。
○天埜政府委員 今のお話の点、実は四万トン以上のスーパー・タンカーが参りましてできるところは、わずかに下津が辛うじてできるのじゃないかというふうに思われるだけでございまして、あとは全然ございません。
○小山(亮)委員 日本で、もうすでにこの間呉で八万トンの船を建造した。幸か不幸か、これが日本の船主じゃないですから、日本の港に入るのは、ことしゃ来年には入ってこないと思っておりますが、しかしもうすでにそういう船を回さなければ——今の油の値段を引き下げるということを考えますと、油の運賃をどうして引き下げるかということを考えなくてはならぬが、それにはどうしても大型でもってこなければ引き下がらないのです。従って貧乏国であればあるほど、安いガソリンを使いたい、安い石油を使いたいと思えばこそ、なおさら大型の油送船を建造しなければならぬ。それから元来日本という国は鉄がございませんから、鉄のない国が鉄を一番必要としておる。鉄はすでに戦前において、一年の日本の消費が三百二十万トンですか、最近においては七百万トンをこえておりますし、近い将来には三千万トンにもなろうというのに、専属の鉱石輸送船というものはございません。もうすでにフィリピンなんかから持ってくるとかあるいは支那から持ってくるという時代よりも、世界的にアフリカから持ってくるとかあるいは南アメリカから持ってくるという時代になっているのに、まだそういう大型の専属の鉱石輸送船ができた場合に、これを陸揚げする陸上設備が日本にないでしょう。港がないでしょう。その場合に一体どうする。港湾局では、応急の対策と恒久の対策とあるでしょうが、さしあたっての対策としては、恒久的に考えなければならぬような措置は、どういう措置をおとりになりますか。
○天埜政府委員 この点はお話の通りでございまして、わが国の港湾は非常に水深が不十分なものですから、何としても水深の増大をはかっていかなくちゃならぬと考えております。そこで当面の問題としては、このように港湾法の特例を設けまして、これた急速に整備いたしたいと考えております。応急の対策としては、当面の問題でなしに、相当に港湾の整備費を国でめんどうを見るという方法で参りたいと考えております。
○小山(亮)委員 私はこんなことを言いたくないですけれども、応急の問題と恒久の問題とあります。恒久の問題ということになれば、あなたの今おっしゃるように、日本のあらゆる港を全部整備してしまう、そうして大型の船がどこへでも入れるようにすることが一番のねらいでなければならぬが、しかしこれは恒久の問題です。現在五億や十億の港湾の設備費をとるのに大騒ぎをしてもまだとれないような運輸省で、一体これができますか。そういう事物語のようなことを言っておったんでは、とても間に合わない。そういうことを言っておったから、ついに今日の行き詰まりに来てしまったと私は思うのです。今度の予算をおとりになって、港湾をお掘りになる。この間明示された港湾を何年間にどれだけの深さでお掘りになるのですか。これを掘るのにりっぱな、ドレッジャーがありますか。日本の浚渫船の最高の能力を発揮する船は、一体何隻あって、名前は何という名前で、どこの船であるか、それを伺いたい。
○天埜政府委員 ただいまのお話の通りに、わが国の浚渫船は、終戦後整備が十分に行われておりませんので、十分ではございませんが、現在目標といたしておりますのは、十二メートルの水深を早急に得たいということでやっておりますので、ただいま浚渫船の整備あるいは建造というような点にもそれぞれ融資の計画、資材の手当等をいたしておりまして、三十二年度事業の遂行には遺憾なからしめるように手当をいたしている次第でございます。
○小山(亮)委員 それではドレッジャーの何トンのものを何隻、どれくらいの能力を持っているものを何隻今年お作りになるのですか。
○天埜政府委員 三十二年度における計画では、まだはっきりした点はございませんが、二千馬力のものを五、六隻は作りたいと考えておりますが、この点は資金の面でも資材の面でもなかなか困難な点が見られます。しかしそれができなかったからといって、三十二年度の工事に支障ができるものではございません。
○小山(亮)委員 二千馬力のドレッジャーを五、六隻作るという、それは大へんいいお言葉ですが、予算が出ていますか、幾らですか。
○天埜政府委員 これは運輸省の官庁工事用船としてでなく、民間業者に融資のあっせんをいたしまして作らせるように措置をいたしておるのでございます。
○小山(亮)委員 融資のあっせんはきまっているのですか。だれに伺ったらはっきりしたことが伺えますか。
○天埜政府委員 これは目下開銀の融資のワク等でその他一般というところで交渉を始めております。
○小山(亮)委員 だれが担当してこの交渉をしておられますか。
○天埜政府委員 開銀の融資につきましては各会社が申し出てやるのでございますが、私の方といたしましてはそのあっせんをすべく企画庁に申し出まして、企画庁で取りまとめて開銀に話すことになっております。もちろん私の方といたしましても開銀にも説明をいたしております。
○小山(亮)委員 これはあなたの方で、なければないでいいのですよ。あるがごとくなきがごとく、そしてでたらめな、しまいにいったら消えてしまうようなふまじめな返事をなぜされるのですか。ここを一体どこだと思っている。国民の代表が真剣に日本の海運の問題をあなたに質問しようとしているのに、あまりふざけた答弁をするな。できないならできないでいい。これは民間会社にやらせるのでしょう。それではドレッジャーを作るという計画は官庁に何もないじゃないですか。民間会社に希望があればあっせんしてやるというが、希望がなければこれは作れないじゃないか。どことどこの会社があなたのところにすでに申し出て、どういう具体的な便宜をはかってどういうふうにあっせんしたか。あまりでたらめなことを言うな。
○天埜政府委員 どうも御質問の趣旨がよくわからなかったのでありますが、これは最初から官庁の船ではないということで申し上げているのでございまして、民間の浚渫会社が要請しているので、それに対してあっせんをしているということを言っておるのでございます。決して運輸省で作るということを申し上げているのじゃないのでございまして、民間の方では東亜港湾、水野組等数社ございます。それらが浚渫船の建造を要請しておりますので、私の方としてはこれに対する資金面ないしは資材面のあっせんをいたしておるということでございます。
○小山(亮)委員 今六、七隻作るとおっしゃいましたが、どの会社から何隻注文が出ておるのですか、伺いたい。
○天埜政府委員 この点については後ほど資料で差し上げたいと思います。
○小山(亮)委員 私はあなたにほんとうに日本の港湾の設備を完全なものにするという熱意があれば質問を続けてもいいが、いいかげんなことであっては質問をしてもつまらない。よく役人は、自分がもう長くその位置におるのじゃないから、実際に予算を通しても自分がやるのじゃないから、いいかげんな気持で答弁している人もままあります。あなたにあるとは思わないけれども……。実際に日本も専用鉱石輸送船なんか作る時代が近いのですから、その時代に日本に持ってきたってどこの港にも入らないじゃないですか。そして専用鉱石輸送船を持ってきた場合は、陸揚げ設備というものは非常に金がかかるのです。陸揚げ設備には非常に金がかかりますから、各港々にできはしないのです。そこで応急の設備をするには瀬戸内海なら瀬戸内海において一カ所作るよりほかにしょうがないのです。そうすれば港でなくて水深の非常に深いところの島を利用することが一番大事なのです。これは瀬戸内海のような、日本の国においてこそ初めてこういうことがなし得るのです。風波のあまり荒くない、船のどこでも停泊できる場所、瀬戸内海は日本に与えられたところの天然の恵みなのです。島の中にどこか一カ所選んでそこに十分なる設備をする。専用鉱石輸送船は船自体が陸揚げ設備を持っておらないのですから陸上の設備によって陸揚げするより仕方がないでしょう。そうするとそこに鉱石の貯蔵所を作り、それを引き船でもって瀬戸内海のどこにでも引っぱっていくということにすることが、実際貧乏国日本の応急的な陸揚げ設備の方法なのです。それをどの港にも完全なものを作るということはこれはぜいたくな国がやるので、そんなことはできっこありませんよ。またあなた方役人がその熱意でこんなことができるものじゃありませんよ。もっと大きな問題と真剣に取り組む熱意がなくて、あなたはこんな法案をお出しになっても、あなた方がそういう熱意がないならこんな法案には私は賛成しませんよ。今のドレッジャーなんかで掘っていたのでは百年河清を待つです。掘るそばからどんどん埋まってしまいます。思い切った大きなドレッジャーを国が作らなければだめです。われわれは賛成しますよ。国が作りなさい。世界各国どこでも政府が持っておるのです。民間がドレッジャーを持ってるのじゃありませんよ。りっぱな設備をしている船を政府が持っておるのです。政府の港なのですから……。今のような日本ならこれでよいのですけれども、近代国家として恥しくないりっぱな設備をするには、もっと思い切った設備をやらなければだめなのです。おそらく局長はそんな考えでおられるが、港湾局の中の若い人たちは、こんなことでは一体日本の港がどうなるのだと心配しておる人がたくさんあると思うのだ。どうですか、あなたはこんなことで満足ですか。今私の申し上げたような専用鉱石輸送船ができるような時代になったら、陸揚げ設備はどうしますか。またマンモス型の船が来たら、今おっしゃったのでは下津にしか入港できない。下津は天然の港なんだから、港湾局が設備をしたからあそこに船が横づけになるのじゃないのですよ。そうすると港湾局は日本中何もしなかったというわけですよ。それではあまりだらしがなさ過ぎるじゃないですか。今日の海運界の行き詰まりはそこからきておるのです。だから大きな船で持ってきたって、輸送船は一応瀬取りをしなければ中に入れないでしょう。それだけ荷役貨が高くなるのですよ。高くなるのはどこにしわ寄せをするか。それはみな国民の財布に響いてきておるのです。だからそれを業者にやらせようがだれにやらせようが、業者から金を出させようがだれから出させようがそれは私は問うところじゃない。りっぱな設備をすれば業者自体が目の前でもうかるのですから、これは私は問うところじゃないが、もっと積極的にあなた方の対策を立てていただきたいと思うのですが、そういう対策はありますか。
○天埜政府委員 日本の港湾を整備するということの一環として、この港湾法の特例を出しているわけであります。これは非常に積極的な港湾整備をしたい現われとお考えを願いたいと思います。
○小山(亮)委員 政府みずからりっぱな性能を持った、ドレッジャーをお作りになる御意思はありませんか。
○天埜政府委員 政府みずからも作りつつありますが、昭和三十二年度においてはまだそこまでいっておりませんしまた政府の持っておりますドレッジャーの修理、整備をいたしますと、かなりな量になります。なお浚渫につきましては、これは歴史的な点もございまして、大きなドレッジャーはむしろ民間業者が持つということが非常に大きな特徴になっております。いろいろ外国のお話もございましたが、アメリカで今やっておりますセント・ローレンス川のシー・ウェイなどもほとんど民間業者のドレッジャーでありますし、大きなドレッジャーはそれ自体採算のとれやすいものでございますから、これは民間業者を育成する意味もあり、民間業者に作らすことを相当強く考えるのがいいのじゃないかと考えております。もちろん政府としても強力なものを持っていきたいというふうにも考えております。
○小山(亮)委員 日本の政府の役人の答弁を聞くと、すぐアメリカ、アメリカと、アメリカのことばかり言われるが、ヨーロッパの港をごらんなさい。アメリカほど金のない貧乏な国の状態をごらんなさい。フランスにしても、イタリアにしても、あるいは英国にしましても、港の整備というものはみんな政府がやっている。民間業者にやらしているところはありません。これはあなた方もごらんになって十分におわかりになっているところだろうと思うのです。何しろ今の日本の政府が持っておる、ドレッジャーというものは、私どもから見て、こんなもので一体役に立つのかと思うものが多いのですが、あなた方のお持ちになっておる、ドレッジャーの数、それから各船のトン数——一番大きいもの、それからどれくらいの船があるか、それから性能、御記憶ならお知らせ願いたいのです。
○天埜政府委員 運輸省で持っております浚渫船で、トン数についてはよく覚えておりませんが、千馬力、千五百馬力というようなものもございます。しかしお話のようにもう非常に老朽になっておりまして、あまり性能のいいものではございません。三十二年度において一隻作る予定でございます。なおこれらの資料については後ほど詳細に差し上げたいと思います。
○小山(亮)委員 お手持ちのドレッジャー全部で一体年間どのくらいの修理費を要しますか。
○天埜政府委員 十分な修理をすれば相当かかるのでございますが、間に合せ、間に合せで進んできておりましたので、最近では二百万円ないし三百万円程度でございます。ただこれは費目にいろいろございまして、工事費の方で払う修理費もございますので、この点つまびらかでございません。後ほどこれもまたお知らせいたしたいと思います。
○小山(亮)委員 これは政府持ちの船を民間業者に貸し渡してやらしているのですか、直営でやっているのですか。
○天埜政府委員 政府の船を民間業者に貸すということはほとんどございません。ほとんど全部の船を自分のところで直営をして浚渫しております。
○小山(亮)委員 先ほど歴史的な関係があって民間業者にやらせる、官庁の方ではやりたくないというお話がありましたが、歴史的な関係というのはどういうことですか。
○天埜政府委員 これはかって埋め立ての事業が各所にございまして、そうして浚渫をするというよりも同時にできるのでございますが、埋立地を造成する、こういうことで、京浜にいたしましても、阪神にいたしましても、北九州にいたしましても、そういうところで埋立船の意味で浚渫船がかなり作られて強力な性能のいいのが作られてきております。そのような歴史がございまして、ポンプ船に関する限りは、埋め立てのために民間会社がかなり大きな有力なものを持ってきております。その点を申し上げたわけであります。
○小山(亮)委員 私は非常に不可解に思っていたのですが、外国の港は、港の整備というと掘って深くするのです、日本のは、港湾整備というと泥やごみなんかを持っていって埋め立てて港をだんだん狭くするのです。外国はだんだん深く掘って広げて、船がくしの歯のようにちゃんと入れるようにしますが、日本ではそうでなく、埋め立てをしてべたべたに横づけをするような設備にする。あれは港湾局としてはどちらがいいとお考えですか。
○天埜政府委員 これは日本の国土が狭いという点からいろいろ埋め立てができて、その埋め立てを利用し、かつ深いところまで出れば浚渫の費用も少くなるというような点で、日本では埋め立てをして前に出ていく港湾が多いのでございますが、必ずしもそれが有利であるというわけでもないのでありまして、やはり地勢に応じまして、掘り込んでいった方がいいところもあるわけでございます。御承知のように大阪港などにおきましては、明治の初期から埋め立てをして前に出ていくという方針でおりましたが、さて翻って考えてみると、いろいろな災害を受けたり、船の出入りその他も、出ていくよりもむしろ中であったというようなわけで、方針が中に変っておるという点もございます。やはり港々の地勢に応じてきめていくべきもので、やたらに埋め立ばかりをやって前進するのがいいというわけには参らないと思っております。
○小山(亮)委員 桟橋に横づけの方がいいか、あるいはくしの歯のように、船を一ぱいずつ入れていく方がいいか、今の日本の桟橋の建造方式というものは全部コンクリートにして横づけにしているが、桟橋の形がだんだん便利になって違ってきた場合に、また船の形が変ってきた場合に、そういうふうに横づけ横づけでいくと、狭い港が狭くしか使われない、広く使われないという弊害があるのですが、そういうことに対して港湾局長としては何かお考えがおありですか。
○天埜政府委員 港湾計画につきましては、やはりその港ごとに港内の水面の大きさというような点から、一がいには申されないのでございます。また御承知の通り風の向きその他で操船上のこともございますし、必ずしもくし型がいいとか、あるいは横づけがいいとかというふには申し得ないのであります。ことに最近のようにいろいろばら荷と雑貨との比率が変って参りますと、一がいにくし型がいいというわけにも参らなくなっておりますので、これは取扱い貨物その他の各港の状況に応じて港湾計画を立てるようにいたしております。
○小山(亮)委員 現在日本ではもうすでに建造計画の中に四万二千トンの大型タンカーが三ばいも四はいもあります。そういう船はさしあたっては下津あたりをねらっておるでしょうが、やがて日本の港が整備されれば、どこの港にでも着かなければならぬ。その場合に、あなたの今の御計画では、水深を深めて、四万五千トンくらいの船が、何年くらいに、どことどこの港に着けるような目標でやっておいでになるのですか。十何港全部に入るとも私は考えないが、とりあえず一番必要なところ、ぜひともやらねばならぬところは三港でも五港でも重点的に考えてやる必要があると思うが、どうですか。
○天埜政府委員 今の四万二千トンになりますと、これはどうしても十二メートルの水深が要りますのでこれに対して三十二年度から整備したいということでやっておりますが、まず京浜港に入れなくてはいけない、これは三年間で入れるようにしたいと思います。一部分は三十二年度に入りますが、全部京浜港に入れるということは三年間でしたい、こういうふうに考えております。次は四日市でございますが、四日市も約三年で奥まで入れるようにしたいと思っております。それから松山も三年間で奥まで入れるようにしたい。なお工事のやり方につきましては、全的に掘りませんで、細くても通れるようにというふうな方式で行きたいと思います。それから岩国、徳山、これだけは十二メートル。それから先ほどの下津は十二メートルございます。これも天然の港で非常にいいのでありますが、やはり国としてもここ数年にわたって多少手を加えて入れるようにしているわけであります。
○小山(亮)委員 十二メートルまで掘れるドレッジャーは何隻ありますか。
○天埜政府委員 これは国と民間合せて今十隻以上あると思います。十何隻の予定でございます。
○小山(亮)委員 それはそれぞれの港に適当に配備されているわけですか。どこに何隻あるのです。どこかに寄っているのですか。
○天埜政府委員 これはそれぞれの港で浚渫をただいまやっておりますし、また整備をしないままにつないでおるものもございますが、一カ所に寄っているということでなしに各所に分散しております。それらの資料もございますので、後ほど差し上げます。
○小山(亮)委員 それならそういうような将来の港湾の浚渫とか整備の基礎資料はいつお出しになるのですか。
○天埜政府委員 ただいま仰せの資料は二、三日で出せると思います。
○小山(亮)委員 そうすると、あなたの今おっしゃっておいでになることは雲をつかむようなことで、私どもは一つも満足した答弁を得られない。その基礎資料を拝見して法案の審議ということになって差しつかえないわけですね。
○天埜政府委員 三十二年度に浚渫船その他の関係で工事ができなくなるというようなことは絶対にございません。
○山口(丈)委員 港湾局長に伺いますが、この港湾法の一部を改正する法律案について私が質問をいたしましたように、これは新設される制度です。従ってその場合に、先ほどから私も申し上げているように、少くともこの新設される法律案を通すためには、私はもっと資料を整備して、そうして即座にそれが質問を通じて明らかにされる、こういうことがまず何よりも第一の要件でなければ、新しい法律をここで委員会を通すということははなはだもって不見識だと思う。権威のない行為というそしりを免れ得ないと思う。これはただ法律案の取扱いそのものを言っているのではなくて、私はこの法律を作る場合における重要な前提条件だと思っているのです。ところがその資料があとからあとからというのでは、私どもは法案を通過させる権威ある根拠がさっぱり得られないのです。まことに遺憾に思います。今まで答弁をされた中で、資料をお出しになる、まことにけっこうです。ですからその資料を一体いつまでに出されますか、このめどを一つ事務当局からでもよろしいですが、それぞれに担当せられる事務当局がおいでになると思いますから、これを一つはっきりとここで明らかにして下さい。そうでないと私どもは法案審議のめどが立てられません。
○淵上委員長 それでは委員長から要求いたしますが、ただいまの資料は明朝までに出していただくことにいたします。
○小山(亮)委員 私は資料の問題についても、今度の予算の範囲内においてどういうことを計画してなさろうとしているのか、それの全般を伺いたいのですよ。たとえば日本全体の海岸におけるところの灯台、そういうものの整備だとか、あるいは港湾におけるところの浮標、たとえば戦後起った事件の中で、アメリカの商船が門司に係留しておった、ところが風浪のために係留索が切断した、切断したためによその船に乗りかかっていったというような事件もありますし、また日本船で係留索が切れたために損害を受けたということもあります。アメリカの船なんかは、日本の政府相手に訴訟しまして、政府はそれに負けて損害賠償金を出しているというような事実もあります。従って私どもの心配するのは、各港湾の中における浮標、たとえば一万トン以上の船が係留できる浮標といいましても、その浮標が非常に古いものであればもうかえなければならぬ、そういうようなことについてもあなたの方でも調査が行き届いておいでのことと思います。それから、そういうような浮標の問題とか、ビーコンの整備とか、いろいろこまかいことであなた方の方に資料がおありになることだと思います。出して差しつかえない資料だけは私どもの方に一応見せて、そして御説明になるのが私は至当ではないかと思う。それを何も出さないで、いきなりやってきて、きょうは港湾法を通してくれということを言われても、私の方から思いついたことを聞いて、あなたの方で御答弁下さるなら、それだけのことが局長の頭に入っているというならば私ども信頼できるけれども、局長自身が自分の管轄下におけるものを何も知らない、何がどうなっているか何も知らないのだ。資料がないといったって、大体話のできるものですよ。それをあなたの方は、そういうふうな自分の管轄下にあるようなことについて、たとえば港の設備にしても、港の整備にしても、応急問題とか恒久問題とか——大体あなたなんか技術家だから、そういうことはちゃんと、将来の問題はこうしなければならぬ、ああしなければならぬという理想があるはずだと思うのです。私はそういう真剣なことを聞きたい。それがちっとも聞かれないということになれば、ここで審議してもしようがないから、いずれまた小委員会か何か開いてゆっくりお伺いをしたいと思います。だから資料はできるだけ出してもらいたい。あしたで間に合わなければ、あさってでもよいから……。
○天埜政府委員 ただいまの資料の点ですが、灯台、ビーコンの方面は港湾局で扱っておりませんので、私の所掌外でございますから、これは海上保安庁の方へ連絡をいたします。それからブイその他については、調査をしたものはございますが、来年度どうしようというものは今のところございません。
○淵上委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会 ————◇—————