P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会衆議院1957/03/14

運輸委員会 第13号

発言数
85
登壇者
8
会派数
2
開催日
1957/03/14

会議録

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 ただいまより会議を開きます。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、昨日に引き続き質疑を続行いたします。井岡大治君。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 昨日第五条第二項の問題でお尋ねをいたしておったわけですが、私は昨日の御答弁では了解ができないのです。と申しますのは、御承知のように国鉄の運賃をきめるに当って、国民生活を十分考慮されておることはこれは論を待たないのです。でありますから重要物資であるとか、あるいはいろいろの種別に分けて、貨物運賃の割引制度をやられておることは御承知の通りです。従ってこういう問題はあくまで国家的な見地に立っておやりになっておる。しかるにその負担を国鉄だけに負わしていくということになって、しかもその結果が国民のふところの中から吸い上げるという運賃のシステムになっておるわけです。そういうように考えて参りますと、第五条というものは、これは単に作っただけであって、何ら要をなさないということになると思うのです。ですからこの問題をどういうようにお考えになっておるか、この点をもう一度お伺いいたしたい。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 つまり個々の問題は別といたしまして、考え方の方針としては、あなたの今おっしゃるようなふうに——具体的に政府から今金を出しているという問題ではありませんけれども、その心持はあなたのおっしゃるような心持でいく、こういう考え方を持っておるわけです。具体的にそれではそこのところへ金が出ている、運賃はみな利用者の負担にさせているじゃないか、値上げによっているじゃないかとおっしゃられれば、現実はその通りですけれども、その度合いが、つまり今の段階では、この程度の値上げをすることによって、国鉄自体が独立企業体として——むろんそれは公共性を帯びておりますから、帯びておる点は個々の運賃の、あなたのおっしゃるこまかい等差とか物品別による方法は、それぞれの関係者と十分話し合いをしてやっておるという形でいっております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 考え方としては了解はするけれども、現在のところ、それはいろいろ話し合いをして国鉄に負担をかけ国民に負担をかけているのだ、こういうことですが、今ここにお配りになられた表を見ていただいてもよくわかるわけなのです。黒いところが採算のとれた路線で、赤いところが採算のとれない路線だ、こう言っておられますが、これを見てみますと、ほとんど採算のとれない路線ばかりなのです。採算のとれている路線は非常に少いわけです。しかもこれらは採算がとれないからといって休止することになると、国民生活に非常に大きな影響を持ち、国の開発事業に非常に大きな影響を持つわけです。ですから国鉄は無理をしてもこれを営業しておるわけなのです。国家経済に貢献をしておるわけです。そういう立場からいうと、第五条の第二項を生かして、わずかではあるけれども五百八十億を資本勘定の中に入れる。そうすることによって年間元本の五十五億というものは国鉄の負担軽減になる。軽減になった五十五億をさらに建設の方に回すということになれば、国民生活に一そう貢献するのではないか。ですからこういうときこそ、五カ年計画を実施されようとしているときですから、こういう機会に、わずかではあるけれども五十五億を国鉄に軽減してやるということは、国民の立場からいって必要なことじゃないいか。金がないというのであればやむを得ません。しかし政府は二千億に及ぶ自然増収があると言っておる。二千億の増収の中で五百八十億を出すというのであれば、これは大へんなことですが、これはいわゆる資本勘定の中に入るわけですから、直接金を出すわけじゃないのですね。振替をするだけです。ただ政府に入ってくるのは五十五億しか入ってこないわけです。そうなんでしょう。ですからこういう点から考えて、私はこの際大臣に英断をふるってもらわなければ英断をふるう時期がないと思うわけです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お考え方には私も大体賛成です。ただ五百億の金を、政府の方で負担をして利息を払っていけば問題はないわけです。結局国鉄に今利息まで払わしておるという形で国鉄に押しつけております。それはその通りでありますが、全体の計画の上ですから、ことにこのたびの編成も、まあとっさの間——と言っては申しわけないけれども、内閣ができて、その間そこまで大体の計画が今までいきかけておりますので、お話の点はよく伺って順次考えていくということは、私も考えたいと思っておりますが、この段階で直せと言われてもちょっと直し得ない諸般の事情は御了解を願いたいと思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 その諸般の事情というのは何ですか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 これは全体の国の財政と国鉄財政の現在のあり方との上で、今の段階ではこの程度でやっていっていいのじゃないか、国鉄も御承知の通り、五百億に対する利息だけが今度の値上げのうちの大きな部分になるということですとなんですけれども、今度運輸の値上げのうちの大きな部分にでもなる、こういうことですとなんですけれども、今度の値上げは三百六十億で、およその利息の見当は一割くらいに当るわけです。それですから、政府部内において今これを切りかえるとかいうことは、実は私ども自由民主党を結成してこの内閣を作りましてから二年になりますので、その間に一番大きな問題は戦争の跡始末、ことに占領政策で行き過ぎたところを是正したい、こういう具体的な問題にかかっておりましたが、鳩山内閣二年間というものはほとんど外交問題その他に押されて、むろん国内のことでも、社会保障の点とか、住宅の問題とか、道路の問題とか、いろいろやるだけのことは手をつけて、道路公団も作り、住宅公団も作り、社会保障の点でも思い切って——思い切ったと言えば何が思い切ったかと言われますけれども、今までの行き方からは相当に幅広くやってきたわけです。これからは国内のこれらの問題を処理していきたい。かすに少くとも一両年待っていただけば相当なことをして、皆様のお考えもわれわれの考えも大きな筋は同じことですから、大体似寄っていますから、ことにお話のような点は一つ十分参考にして私もこれからやっていきたい。今これからこの段階ですぐそれを直せと言っても、諸般の行き方からして、それにはもう少し日にちの余裕を与えて順次考えさせていただきたい、こう思のであります。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 なるほど今度の内閣ができてまだ間がないことですから、大臣も十分御研究をなさっておらなかったとは思いますけれども、しかしこの問題はきのうきょう降ってわいた問題ではないのです。毎国会国鉄の赤字再建の問題をめぐってこの問題が出ているわけなんです。ですから事務当局はこの問題は知り過ぎるほど知っているのです。昨日も下平君の質問に、権田局長は十分この点を肯定されておるわけです。ですから私は少くとも今度の国会では、この項を適用されるものだとばかり思っておった。三百六十億のうち五十五億というものは一割程度だ、こういうように申されますが、七分の一ですから一割三分になるのです。こういうことになると現在の値上げ率にも影響を持つし、かりに百歩譲ってこの一割三分をそのまま認めたとしても、五十五億という金が年々浮いてくるということになれば、これは国鉄としては財政に非常にゆとりを持ってくる、私はこう思うのです。実は三十九条に予算の弾力性ということをうたっておるわけですが、この間の説明では、この予算では予算に弾力性がない、こう言われておる。これを五十五億でも助けてやるということになれば、国鉄の予算に対する弾力性というものは十分満たされる、こう思うのです。予備費を三十億しか組んでないのに、これに五十五億を足してやってごらんなさい。どれだけ国鉄が弾力性をもって必要に応じてやっていけるか、こういうことになろうと思う。ですから私は諸般の事情は今できないのだと言わないで、大臣ははっきりこれはやろう、こういうようにおっしゃっていただくことが、私は運輸大臣としての責任じゃないかと思うのですが、どうですか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お話の点はよくわかるのでありますが、財政全体と国鉄にこれだけの大きな資本を預けて、それを運用してとにかくやってきておりますし、一割三分の値上げというものを、非常に突き詰めてこれを考えていけば、今のお話のような点は一応も二応も筋の立ったお話だと思うのです。けれども今これを国家全体の計画と国鉄の今日の力のあり方で分け合っていく、そうしてそれは国家の方から出すものはむろん直接税金から出すわけですが、税金で負担する分とそれから利用者の負担する分との分け合いですから、それが今あなたのおっしゃる通りにすれば、それは筋は非常に立ちます。けれども全体の計画を推し進めていって、順次そういうことも両方に余裕ができるのですから、私は考慮の余地があると思います。そういう意味においてこれをこの数字で今やっておるわけでありまして、過去のいろいろないきさつその他数字上の点については、私が申し上げて足らないところは鉄監局長から御返事を申し上げます。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 大臣は今国家の現状で国鉄と国家とが分け合っていくというのですが、私は分け合っておらないと思うのです。これは国鉄だけの負担にしている。そればかりでなしに、国鉄はさらに国家に対して出し分がある。と申しますのは、地方財政が赤字だからといって、納付金なんという名前でまた七十二億ほど納めておる。運賃は格安にされるわ、重要物資だからといってこれは下げてやらぬといかぬのだ、そうして当然出してもらえると思う五百八十億というものは、これは分け合うという格好で出してもらえない、一方地方公共団体が赤字だからといってまた七十二億を出している。これでは国鉄はやれと言ったってやれないのです。そうして事故が起ったら国鉄がしかられる、予算総額にゆとりがないから、組合と話し合いをしても十分組合の要望を満たすことができない。一昨日の副総裁のお話がありましたように、今度の争議というものの原因はどこにあるかというと、昨年の調停を実施するに当って組合と話し合いをした、そうして副総裁は組合にこれだけはやってやろうということをお話しなさったわけなんです。ところが当局の方がそれを許さないというので、ついにああいう大きな事態が起って国民に迷惑をかけておる。こういうことで再び従業員は首を切られるし、国鉄の総裁以下職員は国会でしかられる。こういうことでは運輸を担当されておる大臣としては、少し手ぬるいのではないかと思うのです。ですからこの際五十五億をどうしても認めてやる、一方で七十二億という金を出しておるのですから、それの見返りとしても当然もらうべきだ、私はこう思うのです。この点どうですか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 納付金の方は国鉄ばかりでない、ほかの方も全体として納めるような形になって、国鉄はおくれて納めるという形になってきたのであります。あなたの今のお話も、決して私はそれが根本的に意見が違うのだ、私の方のやり方がよいので、あなたの言うことが間違っているのだ、こういう考え方ではないのですけれども、今日の場合今これを一ぺんにやれと言われてもも、少しここで——五カ年計画も立ちましたし、五カ年計画の実施によって、国鉄のあり方も順次強くなってくると私は思うのです。国鉄の今の任務によって輸送その他がうまくいけば、経済全体も膨張してきます。国家の収入その他に対しても、税の軽減とそういう負担とを全部見合っていくということで、国内の新しい事態に対する調整をこれからやっていく。ですから私どもとしては今年、来年、再来年と、順次そういうふうに筋の立つ方法をやりたいと考えてはおる次第でありますけれども、今これを端的に、この行きがかりにおいて運輸大臣そいつをお前の考えでやってしまえと言っても、諸般の情勢から行きかれるわけなんですから、これは御了承を願いたいと思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 これ以上私は大臣にこの問題で詰め寄ろうとは思いませんけれども、私は今の大臣の答弁では不満です。そこでもう一点この問題でお尋ねをいたしますが、諸般の事情で今日はやむを得ないと言われるのだったら、やむを得る時期をこの際明確にしていただきたい。来年度やるならやる、こういうふうにしていただくなら、私は運賃値上げに対する国民のいわゆる怒りというものも幾分か解けてくるのじゃないか、こう思うのです。来年度やりますか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 それとともに、たとえば建設線の利息だけでも補給したいということで、政府が負担したいということを兼ねて考えておるのですが、なかなか話がそこまで行っていないのです。いずれにしても、そういう建設線の問題にしても、今あなたのお話にしても、筋を立ててはいきたいと思っておりますから、それを来年度でもってお前はっきりやるかというふうにおっしゃられても、私はやりたい希望を持ってはおるのですけれども、それは順次やっていきたい、そういう心持だけを一つくんでいただきたいと思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 やりたいというのは、いつの場合でもやりたいと、こう言われているのです。やりたいのだけど一つもやらないのです。同時にまた、今私が次に尋ねようと思っておったのですが、建設線の利子の補給だけでも、こういうことです。これは法律を制定すればじきにできる。そうして実施はことし諸般の事情からだめだというの川なら、来年度から実施をする、こういうふうにすればそれでいいわけです。そうしたらこの法律を今度出しますか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 私は今の井岡さのお話は、一つ自分の力でできるように努力していきたいと思っております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 そうしますと、自分の力で努力をするということは、今国会に利子補給の法律を出す、こういうように理解してよろしいですね。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 大体もう予算でいっていますから、今国会でそれを出すということは申し上げられないのですが、その努力をしていくということを一つ……。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 法律は先ほど申し上げますように今国会でお出しになったって、その実施を来年度からやられれば一つも予算には関係のないものなんです。せっかく大臣もわれわれの主張に同意をされて、努力をされることですから、この機会にその努力をされたことを現わしていただく、国民は運賃の値上げというものについていろいろの意見を持っている。先般のガード下の問題、あるいは工事の現場の問題等でいろいろな疑惑を持っている。従ってこういうときには運賃を値上げしてもらわなくていい、もっと合理化あるいは適切な措置をとってからやってもらいたい、国民はこういう希望を持っている。しかしながら政府の産業計画の上から、あるいは経済計画の上から、どうしても五カ年計画を遂行するために本年は値上げをしなければならぬ、こう言っておられる。こういう点を考え合わせるならば、今後はこういうようにやって、そうして決して国民からばかり取るのじゃない、政府もせっかく法律で示しておることであるから、この法律に基いてこれをやる、こうして政府も犠牲を払うから国民も一つ犠牲を払ってくれ——私は政治というものはそんなものじゃないかと思うのですが、大臣どうです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 これは予算措置でそうできるということになれば、法律を出してきめることは簡単なことですから、その実体の予算もしくはその他の方に努力をして、それがきまったときに法律は簡単に出して手続をする、こういうようにいきたいと思っております。今法律だけを出して、そうして予算の方をそのままというわけにいきませんし、そういう点は実体の方の予算その他を先にきめて、それからその処理に関する法律の手続きはそのときに出す、こういうようにしていきたいと思っております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 その法律の手続の問題でなくて、私は運輸当局として国鉄をどういうように見ておるか、国民の今日の感情をどう見ておるかということにやはりウェートがあると思うのです。ですから、なるほど大臣の言われるように、基本的に予算あるいは経理、そういうものをこういうようにんまる、そうしてから法律を出せばこれはすっといく、簡単なことだからそうしてもいいじゃないか、こういうことですが、それは国民感情を満たすものでないわけです。ですから、私はこの際お出しになった方がいいじゃないか、こう言っておるのです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 御趣旨はよくわかっておるのですけれども、今ここで予算の実体の話し合いもつかないときに、法律だけ出すというわけに事実上なかなかいきかねますので、予算措置の実体がきまり、方針がきまってから、手続だけは簡単なことですからやる。何といってもその実質をきめる方が先ですから、それについては十分考慮していきたい、こう考えておるわけであります。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 では次の国会に出してもらえる、こういうように私は理解します。  そこで大蔵省の方にお尋ねをします。今私の質問しておる問題は、運輸委員会において毎回問題になるわけです。ところが問題は、大蔵省の方がうんと言ってくれないから、いつも諸般の情勢によってということで葬り去られてしまうのです。ですから、私は大蔵省の方にお尋ねをします。日鉄法の第五条の二項に「政府は、必要があると認めるときは、予算に定める金額の範囲内において、日本国有鉄道に追加了して出資することができる。この場合において、日本国有鉄道は、その出資額により資本金を増加するものとする。」こういうようにうたってあるわけなんです。今度政府は産業五カ年計画に基いて、国鉄の運賃を一割三分お上げになることは御承知の通りです。国鉄の運賃を上げるに当って国鉄は、運賃法の適正な運賃という立場から一割八分を政府当局に要請をしたわけです。ところが政府は、国民生活に及ぼす影響等を考えて一割三分に下げられたわけです。従って国鉄予算というものは必ずしも豊かなものじゃない。国鉄当局のお話を承わりますと、非常に苦しい予算だ、この計画をするためには異常な努力をしなければならぬのだ、こう言っておられる。そこでこの際大蔵省は国鉄が公社に切りかわる際に五百八十億を借金としておられるわけです。運賃の値上げに当っては、国鉄当局の立場から考えて適正なものでない、国民生活に影響を及ぼすというので、割引制度を実施せしめ、強行せしめている。従ってこの際この二項を生かして、そうして資本勘定の方にこれを入れてやる、こういうことにするならば五十五億という金は浮いてくるわけです。政府が五百八十億を出すのでなくて、五十五億収入減にすればそれでよろしいのです。二千億も増収のあるときですから……。なぜこの項を採用されないのですか。どういう理由によってこの項を採用されないのかということが第一点と、この項はどういうときに採用するのか、この点をお聞かせをいただきたい。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 国鉄法第五条についての御質問でございますが、国鉄はやはり一つの独立採算制を貫く建前で企業体として運営されていると思うのでございます。国鉄が国から借りている資金をそのまま資本金に書き直せという御質問のようでございますが、やはり国から出した金というものは、そのときの税金をもとにして国鉄に対して貸し付けている金である、片や国鉄としては独立採算制を貫き、企業体としてやっていくという建前であるといたしますならば、やはり一応借りたものは返す、借りたものに対する金利を払っていくという建前のもとに国鉄の経理を貫いていかれるのが、一つの企業体のあり方として穏当ではないかと思います。  それから運賃値上げの際であるから、そうしたらどうかというお話でございますが、運賃値上げのよってきた点は、国鉄自体の資産の老朽化といいますか、片一方では国鉄の料金そのものが一般の物価等に比べても相当に安い、片や今後とも非常に輸送力を増強しなければならぬという、いろいろな要請が加わって値上げになったわけですが、それに対してすぐに税金がもとになっているような意味で助成をするということは、むしろ国鉄の本来の趣旨からいってとらざるところではないかというふうに、大蔵省としては終始考えておる次第でございます。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 国鉄は独立採算の建前をとっている、こういうことですが、国鉄は公共企業体で、いわゆる公共性に富んだものを主にしている。私は今ここでもらったのですが、国鉄全線の中で黒のところが増収をするところ、赤のところが全部赤字を出しているのです。独立採算の立場に立つのであれば、この赤のところをみなとめてしまえばいいのです。とめた結果はどうなるのです。あなたは公共性ということについてどのようにお考えになっておりますか、お尋ねをします。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 国鉄は一本々々が一つずつの独立採算制ではございませんで、国鉄企業全体としての採算制を考えておられるので、線によっては赤字のところもありましょうし、あるいは相当収益を上げているところもあるかと思います。収益を上げているその金をもって、さらに赤字といいますか、採算のとれてないところも運営していくということ自体が、やはり国鉄の一つの公共的使命を達成している面だというふうに考えます。  また、現在国鉄に対する出資金は、予算の上では非常にわずかになっておりますが、実際資産再評価した後の実質的な意味での国の国鉄に対する出資額は、相当の額に上ると思います。それに対しても一種の公共企業体としての使命を果していただくために、何らの国としての対価を要求する。要するに出資金に対する配当的なものを要請するわけでもなく、それらの巨大なる資本をやはり運営されて、そこである程度の収益が上る場合には、それが新線開発にも向いましょうし、あるいは採算制の維持、修繕にも向けられる。そこで総合して公共的な使命を果していくというふうなことではないかと考えております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 資産再評価による巨大な資本、これに対して政府は何らの要求をしておらない、これは私は大へんなことだと思うのです。要求している。国鉄に新しく建設をさせるということは、そこに日本の産業開発を行わしあるということなのですね。こういう立場でやるならば、国鉄に対して大きな負担をかけているわけで、要求していることなのです。それから重要物資の格安割引をさしている。これまた直接には国鉄は大蔵省に何の関係もない、こういうことではありますが、その結果産業の興隆がはかられてきた場合、大蔵省に入る税金は非常に大きいのです。こういう点から考えるならば、私は国鉄に対して政府は非常に大きな負担をかけ、要求している、こういうように見るわけです。これに対して政府は何らの手当をしておらない。むしろ納付金の七十二億を国鉄から要求している。今運輸大臣は国鉄だけじゃないと言われるけれども、国鉄は赤字を出している。最初の答弁は国鉄は独立採算をやっているのだから、われわれは見る必要はない、こう言っておられるのだが、独立採算の立場からいくと、これだけ赤字を出しながら、政府の要求にはどんどん応じていっている。その結果が国鉄の赤字となり、国民のふところから税金を取る。運賃値上げ、こういう格好で、直接に取らないから政府は知りません、こうは私は言わせないですよ。私のふところは大蔵省に取られても国鉄に取られても一緒なのです。この点どうですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 今申し上げましたのは、政府としましては国鉄に対して予算の上では出資額そのものは少いが、実質的な意味で相当巨額な出資相当の資金をはたいていることになっておりまして、そのほかに貸付金をやっているわけでございます。巨額の出資相当額に対しては、出資者としての意味での配当を要求するとか、そういう意味でなくて、今先生がおっしゃられましたように、国鉄にいろいろなことをお願いしてやっていただいている、そのやっていただいているということはとりもなおさず国鉄が国の一番大きな公共企業体として、公共的な使命を果していく面に、そういう出資相当の資産から出てきた収益が回されて、そこに全般的な運営がなされていくのではないか、それこそ国鉄の公共的な姿そのものではないかというふうに考えておりますと申し上げたわけです。  それから片一方、国民として国鉄に対して料金値上げによって取られることは、税金と同じだというようなお話ですが、それはやはりおっしゃられる通りです。国鉄に料金で取られるか、国が税金を取ったものを国鉄に回すかということになりましょうが、国鉄自体のいろいろな今までの要求、施設の改良、その他国鉄のいろいろな諸改良をやっていく立場から言いますと、まず第一に国鉄を利用する方々から御協力を願って、なおそれによってまかない得ない場合に初めて国から、国民全体の立場で国鉄をどうするかという形になるのではないかと思います。その場合において、現在の運賃が一般の割合からいって、この程度の引き上げは必ずしも不当な引き上げでないという建前から、やはります第一に国鉄を利用する皆さん方から国鉄の再建のための資金を出していただく、協力していただくというような形に、第一歩を踏み切ったということではないかと考えております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 その説だけでは私は了解できないのです。ということは、本年初めて運賃値上げというものを出されましたけれども、これは長い間国鉄はずっと赤字を出しておる。しかもその赤字を出しておるのについて、あなたの説からいくならば——国鉄は運賃値上げをしてもらいたいと前から言っているのです。運賃値上げがいいか悪いか別ですよ、言っている。ところが国の政策から、国鉄の運賃値上げを認めてこなかったのです。そのときといえども政府は何の手当もしておらない。もし政府がほんとうにその気持があるなら、大蔵省があなたの言われたその通りの気持を持っておられるなら、なぜそのときに引いてやらない。五百八十億というものを入れてやることによって、五十五億というものは浮いてくる。当時の五十五億にすれば国鉄はどれだけありがたいかわからない。それをやっておらない。ですから、そんな学説みたいなものを聞いたって仕方がないのです。実際にあなたの方はやる意思があるのかないのかということなんです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 現在においてはやる意思を持っておりません。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 やる意思を持っておらないのだったら、その法律はどんなときに使うのです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 先ほど申しましたように運賃等国鉄を利用する方々の御協力その他によって、なおかつ国鉄自体の問題が解決し得ないときには、やはり国としては国民の税金からの金を出してでも、輸送の問題を解決するという場合もあるかと思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 ないのです、それは。いまだかってやったことはないのですから、ないのです。そうして国鉄に採算制を強要するなら、公共性というものを取りなさい。あなたはそれを認めますか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 いまだかってなかったからというお話でございますが、それはやはり国鉄が明治以来非常に大きな資産を持って、強力なる一つの底力があるということでカバーしてきているのじゃないかと私は考えております。それから国鉄の公共性は、あくまで公共企業体として使命を全うしていると私は考えています。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 国鉄は今度の値上げをしてもこれでも窮屈だ、こう言っているのです。適正な価格ではないと言っているのです。けれどもやはり公共性という立場からやむを得ないと言って泣いておられる。あなたの今の説からいくと、公共性の方をあとにして採算制の方ばかりを主張されておる。採算制の方ばかり主張されるなら、なぜ国鉄運賃を国鉄が要求した通りに認めてやらないのです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 別に採算制のみをしいているわけではございません。やはり企業体としての採算制といいますか、能率化といいますか、そういう面も国鉄さんにはぜひお願いしたいことでありますが、公共的使命を破棄してまで採算をとれということをしいてはおらぬと私は考えております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 もう一つだけあなたに言いますが、あなたは非常に公共性の問題を主張したり、ときによったら採算制の問題を主張して、都合のいいことばかり言っている。では、こういう公共性のある国鉄を、しかも国民生活に影響するというので、あなた方は非常に国鉄をいじめておいて、そうしてその公共性をさらに強く出しておる。一方においては採算制を強く出しておる。ところが、民間会社にあなた方は補給しているじゃないですか。民間会社に補給する理由はどこにあるのです。これと国鉄と対比して下さい。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 民間会社に補助金を出しておりますが、これは民間会社一般に出しているわけではございません。やはりその私線がその地域の人々にとってかけがたいような路線であって……(井岡委員「私は鉄道のことを言っておるのじゃないのです」と呼ぶ)そういうような、それぞれの理由に基いて、法律に基いて補助金を出しておりますが、それは国鉄とその現在出しておる私鉄との持っている力といいますか、そういう点においては格段の相違があると思います。またその私鉄自体も補助金を出すという面においては、やはり私鉄の公共的な意味での意義を認めて出しておると考えております。くどいようで申しわけございませんが、国鉄自体新線その他をやっておりますが、国鉄の場合に出しておらないのは、先ほどから申し上げましたように国鉄の持っている尨大なる資産の力というものが、十分にそれらのことをやり得るのじゃないか。国鉄を利用する人々全体が——ちょうど企業においてもある程度の新しい開発に対して出す資金というか経費を、その他の方を利用する人々が料金なり、あるいはいろいろな価格の中に幾らかずつ吸い取られて、そしてそれが新しいその企業の伸びに使われるという場合もあるかと思います。国鉄につきましても、国鉄を利用する人全体が、まず第一に国鉄が使命を果していく面に対して協力するという面があってしかるべきじゃないかと思うのです。それともう一つは、先ほどからくどく再三申し上げますが、国鉄に対して膨大なる資産が、やはり国から従来のあれとして与えられているわけですから、その資産から生じてくる力によって新線がなされるということを期待しても、あえて無理ではないのじゃないかと考えております。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 ちょっと関連して。今のお話を伺っておって一言お伺いしたいのですが、大蔵省の説明員は私鉄の問題について説明をしておいでになるようでありますけれども、公共性公共性というが、たとえば海運に対する利子補給、こういうことになると公共性ということは言えないわけなんです。これは何といったって一個人企業の会社ですから、個人企業の会社に対して膨大な利子補給をやったのですから、それから、比べれば国有鉄道のようなものは、一番初めの成り立ちが国民の税金としてだんだんできてきたものですから、国民としても自分のものだと思っている。あなた方自身もお乗りになるのに、やはり国有鉄道は自分のものだ、国民のものだという観念からお乗りになっておると思う。ほんとうの意味における公共性ということからいったら国鉄が一番です。それが今危機に迫っているということになったら、個人企業の海運に対する利子補給すらやったのですから、これに対しては一応御考慮なさるのがほんとうじゃないか。ただ今年やったかやらないかということであなた方を追及するのではなくて、あなた方は理屈をおっしゃるなら、理論的にはこの方をむしろ重点的に考える方が当りまえじゃないかということに対しては御見解はいかがですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 それはおっしゃる通り、もちろんあわせ考慮すべき非常に重大なポイントであると思いますが、ちょっとお言葉を返しますようですが、海運会社に利子補給をしたというのも、一つの海運会社それぞれの収益が悪いという面ももちろんございますが、海運界全体の振興というてこ入れという意味でなされた行為で、一つ一つの私企業に対する利益を扶助するのだという考えでないからこそ、海運界が現在立ち直りつつあるという見通しのもとに、利子補給金も御辞退をお願い申し上げたような次第であるのであります。今おっしゃられました点は、私らはやはり国から直接出資あるいは何らかの意味での補給金というような形で、国鉄に金が出ていくというその前に、やはり運賃体系そのものが不自然な状態であるなら、少くともすなおな姿にまでは高めていく。それによってそれを利用する方々のふところがいたむわけでございますけれども、すなおに見てこの程度はやむを得ないというところまでは、やはり乗客の方々あるいは貨物を利用する方々が協力されるということは、まず第一に考えるべきことではないか。第五条の問題については、大蔵省は今後永久に全然検討しないのか、こういうものはむしろ法律上は廃止したらどうかというような、いわばそういう御意見のようございますけれども、その点はやはり将来にわたってこの問題でございますから、そういう場合に立ち至るということになれば、もちろん十分検討しなければならないと思います。現段階ではやはり運賃値上げによるべきではないかと私は考えたわけでございます。大へんくどく同じようなことを繰り返して恐縮でございます。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 今のお話を伺っていると、だいぶ苦しいような御答弁であります。私は理論的に公益性という立場から考えますと、運賃を値上げすれば公益性がだんだんなくなるのだから、なるべく安くして、利用する人に利益を与えてやるようにしなければ、公益性の値打はないでしょう。ただ損するから上げろ上げろ、幾らでも上げてもいいということになれば、これは公益性じゃないのですね。公益性の立場から考えますと、できるだけの処置をして、そして大衆のために利益を与えるようにしてやらなければうそでしょう。今個人企業の海運の問題について、海運が非常に不況だからこれを救済してやった、外国航路が不況だ不況だとおっしゃるが、内地航路はもっと不況なんですよ。不況な方を救ってやるなら、内地航路の方をなぜお救いにならないか。外国航路だけを、楽な方を救ってやっておいて、もっと苦しんでいるものをそのままにほうっておいて、不況だから見るに見かねてこれを救済したのだということになれば、これは実際話にも何もならないですよ。その方はあなた方が専門に御調査なさらなかったから知らなかったとおっしゃられれば、これはいたし方がないのであります。たとえば利用する人々がまず協力しなければならない、それなら何でもかんでも運賃値上げで解決してしまえばいいわけなんです。また国鉄の運賃の値上げを御承知になる前に、大蔵省としてはたとえば今問題になっているガード下なんかの又貸し、ああいうものを整理すればどれほどの収入があるか。それからまた弘済会とかなんとかいうものが駅で売店をやっておりますね。ああいうものに対して、その収益から考えて貸賃をどれぐらい取ればいいかとというふうなこと、それにはほんとうに自分のふところを得している人でしょう、その当然取るべきものを国鉄が取らないでおいて、そうして値上げだけをあなた方に要求した場合に、なぜその点をあなたの方から厳重に追及されて、その整理を迫られないか。それをやらないでおいて、いきなりわれわれの方に問題を持ってきても、国民の代表としての立場においてはやすやすと承知するわけにはいかないということになりましょう。大蔵省としては収益の面からいろいろおっしゃるなら、なぜこういう面に対してもっと鋭い批判をし、この整理を要求されなかったか、その点を伺いたいのです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 国鉄の合理化の問題につきましては、私らも国鉄の経営調査会その他の御報告につきましては、できるだけの勉強をいたしておるつもりでございまして、今おっしゃられましたガード下等の用地の料金が安過ぎる、その他の問題につきましても、私ら大蔵省といたしましても国鉄さんの方にさらに増徴を要求いたしまして、予算の上でも雑収入予算につきまして見ますと、前年度に対して約一割、八億円程度のものを雑収入として増徴しなさい、これについては国鉄さんとしましてもここ数年来相当努力していて、これ以上についてはなかなか困難な面があるというのを、むしろ雑収入というものについては国民の批判も高いことであるから、少くとも一割ぐらいは努力していただきたいということでお願いをしているような事態もございましたし、経費の面につきましてもしばしば大臣からも御説明があったかとも思いますが、運輸収入そのものは三十一年度の予算当時よりも、輸送量でいっても約一割をこえる程度の量があるわけでございますが、それに対しましては、経費の面では全体として約五十六億円程度の節約をお願いしているわけです。むしろ経費は、予算の上で輸送量の増に伴う必然的な経費なども入れますと、結果的には業務費、修繕費、動力費等を合せまして二十何億の減になっておりますが、それに対応する輸送量というものは非常にふえておるわけであります。一割ふえたに対し、逆にそういう経費面は切り詰めていただいているわけです。それから工事勘定につきましても、工事の計画そのものはぜひできるだけやっていただきたいが、単価その他については少くとも一割程度の切り下げを行なって、事業を遂行していただきたいというふうなことを相当強くお願いしているつもりで、国鉄当局さんからは、大蔵省は血も涙もないといってだいぶおしかりを受けているような状態であるわけであります。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 ただいまおっしゃいました中で、国鉄に一割の増をお願いしているとおっしゃるが、そうしますと当然国鉄が取るべき収入の中で、国鉄の怠慢であるとかあるいは過去のいろいろな行きがかりから取れないでおるその収入を、大体どのくらいとお見込みになっておいでになるのですか。あなたの方が大体これだけだということについての調査もしないで、ただだしぬけに一割増々々々と言ってもそれは無理じゃないですか。どのくらいのものがあるからどれだけ取れるというお見込みがあるのじゃないですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 この雑収入の増徴につきましては、経営調査会等の答申にも増徴を期待するということが述べられておりますし、多数の専門家が調べられて、なおそういう面においても検討の余地があるということに対して、われわれはもちろんできるだけのことをお願いしたわけでありますが、一割程度なら何とかできようかということによって、収入の増を見込んだのでありまして、個々の用地その他につきまして詳細な調査を大蔵省でするということは、私ども大蔵省の担当者といたしまして、正直に申し上げてそこまでこまかく入り得ない、実際問題としても能力といいますか、人手の上からいきましても、詳細になかなか入れないというふうな気がいたしまして、運輸省さんと相談をして、国鉄さんの方の御言い分その他を検討した結果、そういう一割程度、八億程度の雑収入の増徴を期待いたしたわけでございます。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 今のお言葉は実に私は受け取れないのですが、今日の一般の国民、ことに商売をしている人、仕事をしている人たちは、従来は家の中なんかを勝手に調べられたので警察官が一番こわかった、このごろはだれがこわいかといえば、税務署の役人が一番こわい、これが来るとみな逃げてしまう。ですからあなた方国税庁とか税務署の連中が家の中に入って、たんすの中まで調べるという、かっての警察官よりも苛斂誅求をきわめているのですから、そうすればこのくらいのことを大蔵省が知らないでどこがわかりますか。運輸省にはわかりっこない。警察を使ったってどこを使ったって、人権じゅうりんがやかましいからなかなか調査できない。ところが大蔵省だけはひどいのになると、台所のすみのおかまのふたまでとって調べる。そのくらいにされておられてあなた方にわからないわけはない。あなた方がわからなくてどこがわかるのです。だから結局大蔵省が一番調査をしているわけです。それをわからぬなんて、そんなばかなことはない、ちゃんとお調べになって下さい。そうでなければあなた方は怠慢ですよ。自分がやるべきことをやらぬでおいて、税金もいいかげんで話し合いでもって上げることをきめておって、それを言いわけするためにいろいろなことを、あることないことを苦しまぎれに答弁したってそれは通らない。もう少しできることをやって下さい。国税庁でわかるでしょう、どうですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 予算を組むという建前からいいますと、やはりそういう経営内容の問題につきましては、特に国鉄の場合ですと、国鉄の経営調査会あるいは行政管理庁、検査院などの機関が、そういう問題については相当詳細にお調べになっているので、検査院の報告その他を読んでわれわれとしては十分検討の上できめているわけでありまして、直接大蔵省として調べるということは少し無理じゃないかと思うのです。むしろ運輸当局でこの点をお調べの上、われわれとしてはその結果をお聞かせ願いたいというふうに考えます。大蔵省として税務署を使ってそこまで調べるということもちょっと無理かと思います。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 昨日の副総裁の御答弁では、そういう調査書類は全部来ておるが、山のようにあって調べられない。それでは一体幾年かかるかと聞いたら、そんな何年もかからぬとおっしゃる。では何ヵ月かと言ったら、何ヵ月ということもないとおっしゃった。そのくらいに調査書類が山のようにあるのだ。その山のようにある調査書類と、大蔵省が税務署を使えばみんなわかってしまう。にもかかわらずこの調査をしないで、一体どのくらいのさやを中間団体にもうけられておるかということがわからぬわけはないですよ。これは鉄道の方として事実わかっておっても言いにくいことでしょう。自分の友だちや先輩が御厄介になっている団体の中を、ばらばらと広げることはずいぶん苦しいことでしゃう。だからその点は同情するから、関係のない大蔵省の方で一ぺん手を入れてやれば、国鉄はほっとするのですよ。どうですか、ここのところは……。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 仰せのような点はやはり国鉄さん自体の調査、また監督官庁としての運輸省の御調査に基いて、私たちとしては予算の協議を受ける立場でございますし、そこまで税務署を使って調査をするということはなかなか困難かと思います。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 一般の民間の事業家が納税や何かについて間違いがあったら、徹底的にお調べになるでしゃう。今の予算を審査しましても、当然収入があるべきものを、中間団体に吸われておるから、ないようなことを言っておることは明らかな事実なんだ。国の利益を擁護する立場において、これこそ大蔵省は堂々と調べられるはずなんだが、調べられませんか。お調べになる権能はございませんか。あるいはまたお調べになる気がないのですか、どちらです。あなたの答弁によっては池田大蔵大臣にどうしても伺わなければならぬことになる。池田さんでいけなければ、岸さんに聞けばいいのだが、今だけの話じゃないから、ほんとうにあなたのお考えを率直に伺いたい。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 税務署が詳細に調べるというのは、税を取るという一つの業務を持っておって、税務署が調べる以外にはどこも調べようがないわけですが、国鉄の場合に税務署が調べるということは、税務署の権限から逸脱いたしておるかと思います。税務署の方のいろいろな調べを参考にする、予算当局の方が、税務署その他の詳細な資料をとって検討しなかったのは不十分じゃないかということを仰せられたのに対しては、今後なおそういう点については気をつけて努力いたしたいと思いますが、税務署に調べさせるとか、大蔵省が直接陣容をもって調べるということは、やりたいと思っても困難だと思います。やはり行政管理庁あるいは国鉄自体の監査機構、あるいは監督官庁である運輸省の機構を使ってお願いした結果を勘案して、あわせて税務署自体としての調査の上で、何らかの意味でそれを批判するデータがあれば、それを参考にしてやっていくとこうになるかと思います。税務署はやはり本来の業務に携わっておりますから、そういう方のことを大々的にやれといっても無理かと思います。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 もう終りにしますけれども、結局税務署等から資料を提出させたり、運輸省から十分資料を提出させて、その上で調査して運賃をきめなかった、その点において不十分であるということに対してはやむを得ぬ、責任を追及されても仕方がないという意味の御答弁がございました。大蔵省がそういうことをはっきりおっしゃれば、それ以上私は追及しません。どうか運賃の値上げにつきましては、あなたの方ではっきり言われた以上、追及してどうこうということはないが、こういう国民生活に重大な影響を与える問題は、もっと親切に突っ込んだ御調査があってしかるべきであると思う。これはさっき申し上げた通り、国鉄としては調査ができておりましても、当国会が終るまでは、どれだけさやをもうけられておったかということは、わからぬわからぬと言ってお出しにならぬでしょう。結局検察庁なんかが行かなければはっきりしたことは出ないだろうと思いますが、国会に、も概略これだけのものはこうすれば取れる見込みだということくらいはお話しになってもいいと思うけれども、ないということは非常に遺憾である。ただ今回政府から決定され、ここへ提出されておる運賃値上げというものは、調査が不十分であって、ずいぶん不親切なものが出されておるということだけは、私はただいまの御答弁から確認したいと思います。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 今申し上げましたのは、われわれが不十分であったと申し上げたのではないので、今後そういうような組織を使ってできるだけのことをやれとおっしゃれば、われわれとしてはできるだけのことを努力いたしたいと思いますが、今回の予算をきめるに当って、行政管理庁ではずいぶん膨大な調査をされております。検査院も詳細な調査を報告されており、報告書を発表される前に大蔵省の方に御連絡があり、われわれの方も係官を、派遣して一件々々の話を聞いたりいたしておりますし、運輸省からも資料を提出されていただいておるので、予算をきめるに当って必ずしも不十分であると私は思っておりません。全力をあげてできるだけのことをいたしたと思っておりますが、なおいろいろな手があるじゃないか、こういうことをやれ、こういうことをやれという面があれば、われわれできる範囲のことは努力いたしたい、こう申し上げておるのであります。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 やめようと思ったけれども、今のお話だとまた言わなければならぬ。今後できるだけのことは調査したいとおっしゃられると、今まではしなかったということでしょう。今後やれるものは、今まででもやれたはずです。今までやれないものは、今後もやれないはずです。その答弁はおかしい。だからあっさりと、調査不十分であった点はおしかりを受けても仕方がないとおっしゃれば、それでいいじゃないですか。答弁がなければ、いいですよ。

森本靖日本社会党

○森本委員 先ほどの井岡君の質問に関連して大蔵省主計官にお伺いいたします。先ほど国鉄の独立採算という問題と公共性という問題については、その両方かみ合せていかなければならぬという考え方に立っても、なおかつ今回の運賃値上げは必要であるというふうな御答弁がありましたが、そこで大蔵省の方にお聞きしたいのは、国鉄の公社と同じような経営形態を持っております日本電信電話公社というものが今日あるわけですが、その電信電話公社が、一応料金の値上げを必要とせず三十二年度の予算を組んで、さらに将来の五カ年計画を組んでいこうとしておる。そういう場合に国鉄が今回膨大な五カ年計画を立てて、どうしても一割三分値上げをしなければならぬということになっておるわけでありますが、同じ経営形態にありながら、この両者にそういうような差が出てきておるということについて、どういうふうな見解を大蔵当局としては持っておられるか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 電電の料金につきましては、二十八年度にたしか二割五分値上げをしておりまして、国鉄さんの方もそのときにちょうど問題があって、電電の方が先に値上げをしたあと国鉄も値上げの要求をされておられたのですが、ちょうど非常に緊縮予算を組むという形で、国鉄の方の値上げが延期されたような形に結果的にはなっているかと思うのです。電電につきましては、料金そのものも物価等の関係からいいまして、大体のいい水準にきておりますので、電電としましては新しい技術的な改良その他の利益も含めて順調に経営がなされておりますから、それで相当十分なる電電の施設拡充計画が遂行されていると考えております。電電はたしか十一年に対して二百四十倍くらいで、大体穏当なところまできているのではないかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 おそらくそういう回答だろうと思っておったわけでありますが、電電公社の場合、料金の値上げのみによってこれだけの差が出てきておるというふうに大蔵当局としては考えておるわけでありますか。簡単でいいです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 先生の御質問の、差ができてという趣旨がちょっとわかりませんので、そのポイントをもう一回おっしゃっていただきたい。

森本靖日本社会党

○森本委員 国鉄は今年度五カ年計画をして、その一環としての運賃の値上げを計画しておる。ところが電電公社については、今年度五カ年計画が済んで、さらにもう一回の五カ年計画を行おうとしておる。そして料金の方は全然考えなくて、財政的には大体正常な経営ルートをたどっておる。それが公共性云々という問題になりますと、またあとの論議になりますが、そうなってきた場合、電電の方のそういう計画が財政的にスムーズにいっているということは、単にその料金の値上げだけを重視して大蔵当局は見ておるかどうか。このことを聞いておるわけです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 電電は今申し上げましたように、第一次五カ年計画が出発するときにちょうど値上げをいたしまして、値上げ後順調に五カ年計画を完遂して、第二次五カ年計画に三十三年から入ることになるかと思います。現在の電電の経営状態からしますれば、現在の料金体系で十分にやっていけるだろう。国鉄の場合は、今回の五カ年計画は現在の運賃値上げをした結果においては完遂できるわけでございますが、その後ずっと引き続いて相当の建設ベースが続けられるというふうに考えるわけであります。国鉄が今回値上げをしてこの計画をやるということが、ちょうど電電でいいますと、電電の第一次計画の出発点のときと様子がほとんど似ておるかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 大蔵当局の方は、その違いについて、おもに今料金、運賃だけを見ておるように考えるわけです。今の答弁ではそういうふうに考えられるわけでありますが、そう解釈していいですか。私はその面も若干はある、というよりもかなりの。パーセンテージはあるけれども、電電公社と国鉄がこういう差がついてきておるということは、その経営方法においてもかなり大きな差があるのではないかと思う。電電公社のとってきた方法は、五カ年計画にしても、ほとんど増収を目標にした計画を行なってきておる。東京、大阪、北九州というような大都市の方面については重点的に改善、復興して、そういう方面の増収が財政的にかなり響いてくるわけです。今までの五カ年計画は、いなかの方がほとんどおろそかにされておるというのが現状なのです。そうなって参りますと赤字になるようなところにはほとんど投資をされていない。そしてそれに対する改良その他についても今まではほとんど行われていない。それを国鉄の経理と比較してみると、全然逆のような格好に考えられる点が多々あるわけであります。私国鉄の財政内容については詳細に検討しておりませんけれども、国鉄当局が出した資料によりましても、その経営方法が電電の場合と相当違うのではないか。電電の場合は比較的いなかの方に出さなくても文句がないわけです。これは同じように公共企業体という公共性をいうならば、一般国民あまねく電信電話その他のサービスをしなければならぬということになりますけれども、大体赤字になるようなところはほとんど重点的にやってきておらぬ。ところが国鉄の場合は赤字の路線は相当あって、その方も改良しなければならぬし、またその方に経費を食わなければならぬ。こういう特殊なあり方について、大蔵当局は考えてみたことがあるかどうか。そのことを聞いておるわけです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 私は電電と国鉄と今までの運営の仕方において、それほど本質的に違った点はないものと思っております。電電においては、おっしゃられたように無電話部落について電話をつけろという御要望が非常に高いわけでありまして、それについては今までそれほど十分なる措置をとっていたわけではございませんけれども、電電の経営の状態から見てできる範囲のことをやってきておりまして、現在さらに経営状態がよくなっておる点などを考えまして、今年の予算などは農山村の電話普及に対しては相当の量を増加しておるわけでございます。電電の経営のよくなってきたという面の中には、電電の一つの技術的な改良が飛躍的に進んできた。たとえて言いますと、マイクロのようなものが取り入れられてきたということが、通信の方からいうと革命に近いような技術が取り入れられて、それがあわせ電電の経営をよくしておる面はあるかと思います。それは国鉄の問題についても同様で、電化その他が進んでくれば、経営としてはよくなりましょうが、何分電話の方がその点さらに飛躍的な技術改良が現実に行われたことは事実かと思います。本質的に大都市中心であって、地方その他収益の悪いものをほったらかすような形で電電が今まできておるから収益がよく、国鉄は地方の鉄道に非常に手を入れておるために経営が苦しいのだというふうに、簡単には割り切れないかと思います。ただ需要の点から言えば、当然都市中心の面がございますから、そこにおのずから違った面が出てくると思いますが、需要に対する供給の悪いものだからといって、必ずしも地方を置き去りにしてやってきておるというふうには考えておらないのでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういう考え方に大蔵当局が立っておるとするならば非常におかしいと思う。電電公社が農村電話を始めたのは昨年が初めてなんです。五カ年計画の三カ年目になってようやく始めた。それまでに無電話部落対策なんて一つもやっていない。昨年一億八千万程度ようやく組み、今年度十億程度ようやく組んだだけであって、あと六カ年ぐらいやらなければ全国の無電話部落対策なんてできはしない。そういうふうに向うの方としては、はっきり言ったならば東京、大阪など大都市に電話をどんどんつければ相当増収になるのです。ところが国鉄の場合は、国鉄の実態からいうならばそういうことがちょっとでき得ないのです。電電公社みたいに、もうかるところへ汽車も電車もどんどんつけてやりたい、こう考えても、実際の国鉄の交通の経営形態からいうならばそういうことはできぬと思う。だからそういう違いというものを大蔵当局は予算編成に際しても、同じ公共企業体であっても、もう少し一つの余裕というか、企業形態のほんとうのあり方というものを見てやっていかなければならぬじゃないか、このことを私は言っているわけです。あなた方のさっきからの答弁を聞いていると、やはり公共企業体であり、同じ公社であるという考え方から、電電公社も国鉄も予算編成のときには同じように取扱うという考え方によって、今までやっておったような気がするのです。そういうことであってはならない。その経営形態、経営形態に応じて、その公共性というものと独立採算制というものを考えていかなければ、頭から電電公社と国鉄公社は同じようなやり方でやっていったのではそういうミスをする、こういうことを言っておるわけです。その点は事実問題として同感ができるのじゃないですか。あなたは農村電話ということを人、ことのように聞いておるかも知れないけれども、農村電話の実態というものは私が今言ったような実態なんです。そういう経営形態というものを大蔵当局としてはよく考えていかなければならぬのじゃないかということを関連質問として聞いておるわけです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 農村電話という一つの名前で取り上げたのはたしか昨年からだと思いますが、農村の関係に全然電話を引かないということじゃなくして、おっしゃられたように電話の関係は都市に集中し、需要の高いところは同時に収益性が高いのであって、国鉄は需要が高いところ以外の線路も相当大きなものをすでにかかえ込んでいるので、その問題を処理しなければならぬという特殊な面があるということはよくわかります。ただ国鉄の面につきましても、やはり東海道線、東北線、山陽線と収益的性が比較的高いところでも、それに応じての改良その他の要求はやはり非常に高いかと思います。ことしの予算の中でもこれからやっていく事業につぎ込まれる大部分は、やはり重要幹線になるかと思いますけれども、ただ全般的にどちらかといえば、おっしゃられたように電話の方は大都市中心に需要が発生し、かつそれが同時に収益性が比較的高いという面はあるかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 なお念のために申し上げておくならば、そういうことをお認めになるならば、一方はそういう収益性の高いところを初めにやって、財政的の一つの基礎を固めて、そして今度は五カ年計画によって全国民あまねくという方向にその財政的範囲内において踏み出す。ところが国鉄の方はそれがまるつきり初めから全部をかかえたような格好であって、今年度の運賃値上げによって一挙に五カ年計画をやろうとしたところに、この運賃の値上げが出てきておるわけです。だからそういう経営形態というものは、将来一つ大蔵省としては予算編成の際に、今あなたもそういう原理については承認せられたから、十分に今後考えてやってもらいたいと思う。関連質問でありますのでこの程度で終ります。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 下平正一君。

下平正一日本社会党

○下平委員 大蔵省の方がお見えになっておりますので、先ほど井岡君の質問の中にありました独立採算制の問題から若干の質問をいたしたいと思うわけですが、国有鉄道が独立採算制の建前だということは、十分私どもも承知いたしております。国有鉄道が独立採算制で経営をしていくためには、一番根幹になるのは運賃をいかに決定するかということだと思います。そこで運賃の決定は運賃法によって四項目に決定の原則がきめられておるわけであります。そこでこの決定の項目を見ますると第一番の「公正妥当なものであること。」これは別問題といたしまして、二項以下の「原価を償うものであること。」三番目の「産業の発達に資すること。」四番目の「賃金及び物価の安定に寄与すること。」以上三つの運賃決定の原則というものは、いずれも公共企業体の独算制の立場から見るとマイナスに働く要素だと思うのです。たとえていえば原価を償うということもとんとんということでマイナスにはならない。産業の発達に資するという条件から運賃が決定されるならば、産業の発達に資するから高い運賃でということはあり得ない。必ず安いという形が出てくる。あるいは賃金、物価の安定に寄与するという面から考えても、高い、原価以上のものをどんどん取るというような形は出てこない。そこで四つの原則の中で三つは独立採算という立場、収入面からいうならばマイナスに働く要素である、こういうように私どもは考えておるわけでありますが、そうするとただ一つ残るのは公正妥当なものである、こういうところが一点残ってくると思うのです。公正妥当なものというのは、一体どういうものかということで大きな問題点になるのは、やはり企業の発展拡充ないしは老朽施設の復旧、近代化、そういうものを公正妥当な運賃の中に利潤として認めていくかどうかということが大きな問題になってくると思うのですが、この独立採算制と運賃法の問題について、大蔵省の考え方を多少お伺いしたいと思う。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 今国有鉄道運賃法の第一条第二項に一、二、三、四と掲げてあることが、国鉄の運賃を上げるについて不利な点だけをうたってあるとおっしゃられましたが、運賃はこういう四つの事項を勘案してきめるということで、原価を償うものであること、産業の発達に資することというそれ自体が、すぐに運賃は低くなければならぬというふうに考えるものではないというふうに思います。賃金、物価の安定に寄与するということ自体につきましては、これはなるだけ運賃は低い線に立ってほしい、国鉄の運賃が不当に押えられて、経営自体が非常に不安な状態に陥り、施設そのものも老朽化してきて輸送力そのものに低下を来たし、だんだんと流通秩序が乱れていくということは、やはり産業自体にとってはゆゆしき問題でありますから、そういう面、その他一切のはね返り等を勘案してきめていくというふうなことではないかと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 私の質問の要点とちょっと違うと思うのですが、これは厳密にいえばいろいろな形も出てくるでしょうが、現在大体の常識、今実施をされている運賃の形態を見ても、たとえば産業の発達に資すること、このために運賃は割引されているのがマイナスの面に多く働いているということは事実なのです。その点はどう考えるのですか。たとえば産業の発達に資するために、石炭、セメント、そういった基礎資材、あるいは産業の発達のために石炭を東北に送るとか、そういう輸送の距離の問題等と関連して、これらは貨物等級表においてもずっと下の方の六等級ないし七等級というところで、原価を償わないという等級の部類に入っておるのです。主として産業の発達という部面からいうならば、運賃収入は原価を償ったマイナスの面に入ってくると考えるのですがどうですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 原価を償うものというのは、さっきも地図を見せていただいた通りでございますが、採算のとれるところ、とれないところ……(「地図じゃない」と呼ぶ者あり)路線ごとに非常に問題がある。ですから品名ごとに、路線ごとに、結局原価云々ということになりますとそういうことになる見方もございましょうが、国鉄全体として、適正な原価を償うものという考え方で当然いいのじゃないか。一つの路線、一つの物資、それぞれについて原価を償うものという考え方になると、運賃体系が大へんなことになるのじゃないかと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 そうすると、今のあなたの理論でいきますと一物資、一路線ということは考えていない、その理論は肯定できます。そうするとたとえば賃金、物価の安定に寄与する、産業の発達に資すること、こういった特定の物資から生じてくる赤字というものは、一体どの部面で運賃法は埋めるということをお考えになりますか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 別にこの二項の趣旨を勘案することによって、国鉄が赤字になるというふうに私は考えておりません。

下平正一日本社会党

○下平委員 国有鉄道の運賃法は、国有鉄道が経営を完全に行う国民要請にこたえてサービスを充足していく、経済力に応じた輸送力の充実を行なっていく、こういう建前からできてきていると思うのです。そこで運賃法というものは、国鉄の経営をよくしていくために、さて運賃の原則をどうしようということですから、公共性も企業性も考えた上に出てきた運賃法です。従って運賃の決定原則の中にそれらの要素が入ってくることは当然なのです。当然入ってこなければうそなのです。そういう意味から三号、四号の産業の発達云々、あるいは賃金、物価の安定云々、ここでは現実に今赤字が生じてきている。あとで主計官に申し上げますある具体的な資料で赤字が出てきていますが、それではその赤字を一体どうやって補てんをするかということが問題だと思うのです。通勤者の運賃割引にしろ、現実にあれだけの運賃で輸送ができるなんということは考えられない。そうするとどこかでコストを割った部分を埋めなければならぬ。その埋める方法は大蔵省ではどういうふうに考えていますか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 それは国鉄全体が一つの企業体として、それは物資の方でいいましても路線の方でいいましても同じことだと思います。言葉をかえて言えば、採算のとれない、営業係数の非常に高い路線もあり、いい路線もあるということがわかって、それが一貫した運賃体系に、全体として原価を償う形に持っていかれているのじゃないかと思うのです。ですから今の物資問題につきましても、片一方の方で安いものがあって、片一方の方で比較的高いものがあって、全体として原価を償っていくという形になっている。それがまた、その運賃体系そのものが産業の発達に資するものであるという建前から作られているというふうに解釈いたしております。

下平正一日本社会党

○下平委員 そこの解釈の点で多少私どもは、これは絶対ということはありませんので解釈の相対的な問題でありまするが、そういう考え方でいきますと、たとえば一物品はコストを割って輸送するが、そのコストを割った部面、マイナス分を他の部面へそのままそっくりかけていく、そうして全体としてバランスをとっていく、こういうお考えなのですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 先ほども申し上げましたように、路線の例を引いた方がさらにはっきりするかと思って路線の例を申し上げたわけなのですが、やはり全部が縦横非常にこんがらがると思うのです。東海道を走るある物資は損をしている、青森の付近を走っているある物資は得をしているとか、いろいろ各路線ごとに、各物資ごとにそれぞれ原価計算をするということになると、非常に高いものもあれば安いものもある、いろいろなことになるのじゃないかと私は思います。全体として原価を償うものであり、重ねて申し上げますが、それが産業の発達に資するというような形がなされているというふうなことで、いいのじゃないかと私は考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 ちょっと答弁と質問が食い違っているのでなかなかうまくいきませんが、たとえば貨物等級表の設定をする場合に、やはり原価というものは厳密にできなくても、原価計算の上で運賃は設定されていく。それで国鉄当局から出されている等級表を見ますと、大体七級以下の物資というものは原価を償うことができる、それからずっと上の方の十二級まで、あるいは特別賃率の三級、こういうものについては原価を割っていると、これははっきりデータが出てきているわけです。そうするとそのデータが出てきている物資の不足分はどこかで埋めていかなければ、全体としてできないことになる。それを大蔵省の考え方では、その他の面の運賃で全部まかなっていく、こういうお考えなのですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 私はおっしゃられた通り、やはりこれはある部分では高い物資があり、ある部分では安い物資があるということで、全体として運賃が原価を償っていくという解釈だと思います。重ねて申し上げますが、原価々々と言うと、厳密に言えば一路線、一駅ごとにやることになりましょうし、ある駅でもうかって、ある駅で損するという形になる。極端に言えば、原価というものはそこまで突さ詰めていかなければならぬことになるかと思います。それは全体として償うというふうに解釈してやっておると思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 これから先質問しますことは、あなたに御質問することが適当かどうか判断に困るのですが、実は次の機会に大臣なり局長あたりに来てもらいまして、私どもの方でもバッターを変えて質問することになると思うのですが、問題は先ほど主計官のお答えの中で、今言った運賃のコスト割れの部面とか、あるいは近代化、拡張、そういった部面というものは一般私企業の中でも他の部面の収入、いわゆる企業の中で消化しておるから、国鉄でもそういう形で運賃によってやっていく、当面出資とか利子補給は考えていない、こういうお話でありますが、これから先は少し理屈の問題ではありませんけれども、今それでは国民の生活が、あるいは国民の中における断層というものがどんな形になっているかということから判断をしていきますと、非常にこの階層がはなはだしくなっていると思うのです。単なる画一的な理論で運賃値上げの問題を割り切ってもらったのでは、非常な過誤を生ずることになる。昨日も私申し上げましたが、大へん自然増収があるから一千億円の税減をする、しかし減税ということでなくて、一体その内容は何かということになれば、大体五十万円以上百万円の人が対象になる。二十万円、三十万円なんという低額所得者は全然対象になっていない。こういうことを国会で質問すると、池田さんは、税金を納めていないのだから負けようがない。これでは実際の政治は、私は行われていかないと思うのです。そこで今運賃の問題に例をとるならば、それではあなた方の言っているコスト割れの部分は他の面でまかなう、企業内のいわゆる操作でまかなう、こういうことを一応肯定しましても、それではその犠牲のしわ寄せはどこへ行くかということです。たとえて言えば今回の運賃値上げの例をとってみると、一口に一三%の値上げだといわれている。それでは実際は十三%が画一的に それだけでいいかというとそうではない。あるいは昨日の小倉さんの御答弁でありましたか、家計費のはね返りが一・三%から二・七%になるという松尾さんの質問に対して、大体二%ぐらいだ、だからはね返りは少い、こういう答弁でありますが、そんな単純な仕組みに世の中はなっていない。お互いの賃金も、弁当持ちで一日百円の人間ががしゃがしゃおるわけです。代議士のように七万八千円、大蔵省の役人でも二万四、五千円取っているでしょう。世の中はそんな仕組みになっていない。そこで企業内にしわ寄せするという、そういう理論を認めても、そのしわ寄せがどこへ行くか、どういう現象が現われるかということがもっと分析されなければ、簡単に運賃値上げというような形を一つの理論で割り切ることは不自然だし、国家の経済、国民経済に非常に打撃を与える、こういうことは大蔵省も、運輸省も、国鉄当局も十分頭に置いてやっていかなければならぬ問題だと思うのです。そこで一、二の例を申し上げますが、たとえば今言ったしわ寄せがどこへ行っているか。画一的には十三%の値上げだと言っているが、一つ例を旅客にとってみましょう。今運賃値上げの対象になっているのは、今の国鉄の平均乗車キロから見ると、百五十キロまでの近距離旅客というものが、乗車人員の七割九分を占めております。この人たちの場合の運賃の値上げ率は幾らになるかというと、今回の案では一割四分三厘であります。七割九分二厘も乗っているたくさんの利用者の値上げの率というものは、一割四分三厘であります。それからずっと下って五百キロとなりますと、利用者もずっと下りまして一割五分になる。その値上げ率は一割三厘であります。千一キロ以上になりますると、乗車率というものは〇・九%であり、値上率は一割であります。こういうふうに単に一割三分の値上げだといいましても、これを利用者別に割ってみれば、こういう極端な違いが出る。七割九分もある近距離旅客は一割四分三厘の値上げになる。ではこの百五十キロ以下の近距離旅客は一体どういう人たちか。これは大体通勤者でありましょうし、あるいはやむを得ない用事で行く人たち、あるいはまたいなかのおじいさん、おばあさんが温泉に行くにしても、そう五百キロも千キロも向うへ遊びに行くわけにいかない。せいぜい百五十キロ内外のところです。その百五十キロ前後で利用する大衆というものは、ほとんどが貧乏人階級なのですよ。金に困っている、生活に困っている諸君なのです。こういう近距離旅客に対して、しかも七割九分という、八割近い利用者に対して高い値上げ率を課している。こうしますと、今の企業内のしわ寄せというものが——全般にいくのなら私は大体理解ができるのですが、そうでなくてこのしわ寄せが限られた貧困の階層へ多くいくのではないか。たとえばもっと端的に環状線の例をとってみるならば、環状線は、それは技術的には幾らでも説明がつきますよ。ラウンド・ナンバーで十円単位にしたとか、距離の関係でやむを得ないとか、いろいろ理屈はつきます。しかしながら環状線の中では、今まで十円区間は四百八十八カ所であります。この中で今度一〇〇%値上げになるのが百カ所も出て、十円区間が二十円になってくる。この四百八十八カ所の区間の中で九十一カ所だけは、運賃の値上げ率は一〇〇%になるわけです。ここを利用をしている大衆というのは、やはり都心に事務所のある通勤の労働者諸君であります。だからこれらの諸君から見るならば、運賃値上げは一割三分じゃないのです。家計費へのはね返りが一・三%だなどと言われても、おれの汽車賃は倍になると言っておる。こういうところへ極端なしわ寄せが来ているのです。あるいは貨物の等級を見てもそうでありましょう。たとえば貨物等級は、今一等級から十二等級、特別等級が三等級で、十五等級になっております。今大体当局の調べでは七等級と言われましたが、私どもは大体六等級から五等級の間ではないかと思います。その点はまあどちらでもいいですが こういうところで、それでは原価を割っている等級は一体どういう物資があるかといえば、大体石炭とか木材とか化学工業品とか、そういったものでありますが、七四・五%になっておりまして、一般の消費物資の輸送率というものは非常に低い。たとえば米はどのくらいになっておるか、こういうふうに考えてきますと、運賃値上げというものは企業内の努力によって吸収するという考え方をしてみても、そのしわ寄せというものは、いわゆる階層の低い人へ低い人へとしわ寄せをされてくる。こういう形に今回の値上げはどうしてもなるのです。われわれは公共性という建前をとっていくならば、多少なりともそういう負担を軽減するために一つの国家補償なり、たとえば今大蔵省でも研究しますとかいろいろ言っておりますが、前々国会で運輸大臣は必ず今期中に、少くとも来年中に、なるべく早く一般会計からの出資金に切りかえて、たといわずかの金であっても、大体年間五十億くらいのものは、元利償還利息を含めてもそれくらいの金額は、一般会計から出して、公共性の建前を貫いていく、こういうふうに答弁なさったのでありますが、今の大蔵省の意見の中で、企業内で吸収するといっても影響は大衆に帰するが、こういう点についてどんな検討をされておりますか。——これは御答弁がなければ、あとでまた御質問をだれかがすると思いますが一応御答弁を伺いたいと思います。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 ただいまの御質問は当省の所管でございますので、私がかわって御答弁申し上げます。

下平正一日本社会党

○下平委員 私は大蔵省の考え方を聞いているのですよ。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 運賃体系の中で、どういうふうに運賃を上げていくか、あるいは運賃をどういうふうに改訂していくかという問題につきましては、これはまさに運輸省所管のこととしてやっていただいておりますので、個々の具体的な問題につきましては、大蔵省は御相談にあずかっておりません。閣議でも運賃単独でやっておられますので、大蔵省として事務的にいろいろ内容に参画して検討するというようなことはいたしておりませんので、私の方から運賃体系の内容の問題について御答弁する範囲ではないのではないかと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 今主計官が答えられた答弁の中で、企業の伸びの中でそういう問題は消化しておる。一般企業でもやっておる。運賃収入の中でそれはやっておるので、国家負担とかそういうものは全然考えていない、こういう御答弁でしたが、その点は私たちと考え方が違うのです。たとい企業内の伸びの中で消化するといっても、こういうふうに極端に大衆に負担が行き過ぎる点を、大蔵省としてはどういうふうに考えるか、こういう質問なんです。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 今申し上げました通りですが、運賃改訂の内容がどういう形になって伸びるかというのでございますが、その運賃改訂の内容につきましては、運輸省の方で御検討の上きめられたことでございます。先ほどから御議論があり、御説明も申し上げましたが、負担の問題になるかと思いますけれども、片一方で安いものがあれば高いものもあり、全体として、国鉄運賃は経済全般としての産業の発達その他に資するような点を考慮されてきめられた案だろうと思います。それに対して片一方にしわ寄せされた分については、国が一般会計から繰り入れなりあるいは補給金みたいなものを出してしりぬぐいしたらどうかというお話のようでございますが、私らといたしましては、それはやはり一つの企業の運営としてやっていただく問題で、それをすぐ税金をもとにする一般会計から繰り入れたり補給したりする形はとるべきではなく、やはり国鉄を利用する方々全体からそういうものに対して御協力願っていくという形が、まず第一に進めらるべきものであると思っております。その点で今回の運賃改訂によって、国鉄を利用する方々からより以上の料金を取って、全般的に国鉄の経営なりあるいは設備の完備をやっていくわけでございますけれども、あえて国から補給するというふうなことは、重ねて申し上げますが現在考えておりません。

下平正一日本社会党

○下平委員 これでやめます。国鉄の利用者みんなに負担してもらうといいますが、どう考えてみましても、等級の問題とか距離の逓減の問題とかは別でありますけれども、たとえば新線開業によって生ずる赤字も、年々相当多額に上ってくると思います。私のところでも、ことしは開通するでありましょう大糸線は、営業キロ数がどうやってみても四百はこえると思います。そういう大糸線の赤字というものを、極端に言えば東京都の通勤者が背負うという形はやはり何か不合理があると私は思うのです。私ども何もそういった生じてくる赤字をすべて国家補償にせよ、国家負担にせよ、そんな極端なことは言わないわけであります。そういうことでありまするから、その中には収拾の能力もありましょうし、自身の中で操行のできる点もありましょうが、今日の国鉄の中ではそうそう一切のそういった公共性の面から出てくる部面というものを利用者負担という形に持っていけば、勢い零細なる利用者、そういうところに負担が重く行き過ぎるから、筋の通るある部面くらいのものはやはり国家の負担というような形を考えていくべきではないかということで、たとえばある程度の利子補給とか出資金の切りかえとか、こういうことを考えておるのでありますが、そうすると、運輸大臣もそういうことを言われましたし、この間植田さんもこういう御答弁をされたと思います。そういうことについて鋭意検討して実現することに努力しておる、こういう御答弁がありましたし、この前の国会では吉野運輸大臣が、できれば今期中にそういうことをやりたい、こういうことを言われましたけれども、大蔵省としては全然そんな相談にも乗っていないし、全然そういうことは考えていない、こういうことなんですか。

鹿野義夫大蔵主計官

○鹿野説明員 運輸省からそういう御相談はありましたが、現在においては大蔵省としては考えておりません。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 この際暫時休憩いたします。    午後零時五十二分休憩      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗