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26回国会衆議院1957/02/22

運輸委員会 第5号

発言数
55
登壇者
10
会派数
2
開催日
1957/02/22

会議録

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 ただいまより運輸委員会を開会いたします。  陸運に関して調査を進めます。この際、質疑の通告がありますので、これを許します。中居英太郎君。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 私は揮発油税の増徴問題に関連して、宮澤運輸大臣の所信をお尋ね申し上げたいと思います。  御承知のように、明年度の国家予算がすでに本院に提出せられまして、目下いろいろな経緯はございますが、予算委員会において審議の過程にあるわけでございます。この予算案の中に、揮発油税として五百三億九千万円、約五百四億円の数字が計上せられておるのであります。そしてこの歳入の説明を見ますと、昭和三十二年度における揮発油の消費量に新たな改正を加えらるべき揮発油税の税額を基礎にして五百四億という数字が計上せられておる、こう説明せられておるのでございます。さらにこの揮発油税の付加税ともいうべき地方道路税の増徴法案も、さらにはまた軽油税の増徴法案も今国会に提出せられておるということを聞いておるわけでございます。このように、改正せられるという前提に立って揮発油税の総額が予算案に計上せられて、審議を進められておるのでございますが、一体この揮発油税の五百四億円の裏づけをなすところの法案は、どのような形でどのような数字をもっていつごろ本国会に提出になるか、その点を運輸大臣にお尋ね申し上げたいと思います。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お答えいたします。道路を整備しなければならぬということは一般に考えられておることでありますが、揮発油税等につきましては、御承知の通り昨年衆参両院の運輸委員会においても、あらかじめこの揮発油税等の増徴をすることは適当でないというような御決議もございまして、その当時鳩山内閣ではありましたが、吉野国務大臣から、この御決議の御趣旨については十分考慮すべきものであるとの言明があり、こういうような事柄で、鳩山さんが引退をせられて、石橋内閣ができ、三十二年度予算を新しく編成したわけであります。その中におきまして、ただいま御指摘になりました揮発油税を増徴して、道路の方面に目的税として振り向けるという方針のもとに予算が編成せられて参りました。これに伴いまして、ただいまのところ一キロ六千五百円、それから軽油税については六千円のものを九千円に三千円値上げというようなことを前提にして、ただいま法律案を作成して提出しようということになっておりますが、私どもとしてはもう少し道路を整備するとしても、他の財源によることはできなかろうか、われわれ運輸省の自動車等の行政に携わる者としてさように考えまして、いろいろその間折衝を重ねたのでありますけれども、二十二年度予算編成の全体の上から、もっと道路について建設公債でも発行するとか、一般財政資金を繰り入れるとかいうことはもう少し考えてみようではないかということで、幾らかの資金は入りましたけれども、一応ガソリン税の値上げということに方針をきめたわけであります。これが実情に適しているかどうかということを非常に心配しているのでありますが、全体の財政の上からこの決定を見ましたので、あとは税負担を納税者負担にするか、その他一般利用者階級に転嫁するかということは非常に重大で、これは考えなければなりません。その他この目的のために負担者の税負担を軽減するというか、負担しよくする方法も考慮しなければいけないのではないかというようなことも考えておりますが、この税額等についてもなかなか各方面の意見がありまして、六千五百円、三千円、大体その線で予算は組んでおりますけれども、消費量についても問題がいろいろありますので、法案提出にはまだちょっと時間がかかることと思いますが、大体そういう成り行きになっております。率直に申しまして、私としては非常に困っておるのでありますけれども、困っておっても、政府の方針としてこれはきめてしまったのであります。何とか一つ他の方法で、私のできる範囲でこれを円滑にやりたいというようなことは考えております。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 もちろん運輸大臣は就任早々で、今までの経過も十分にまだ御了解願っていないと思うわけでございまして、答弁もその線に沿って、まことにどうにでもとれるような答弁でございまして非常に遺憾でございます。ただしかし今の大臣の答弁の中で私ども聞きのがせない点は、閣議において六千五百円増徴するということがやむを得ずきまったというふうにもとれますし、また今後の折衝で六千五百円はどうにでもなるのだ、消費量との関連からどうにでもなるのだ、こういうふうにもとれるわけでございますが、一体どっちなんですか。今後の折衝いかんでどうにでもなるということなんですか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 一応そういうふうにきまっておるのでありますから、今後の折衝でどうにでもなるということは私はここで申し上げるわけにも参りませんけれども、非常に問題になっておることだけを率直に御報告申し上げておきます。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 あなたはそういうことを大臣の責任においてはっきり申されますか。三十二年度の本予算案が国会に提出になる前に、閣議において、基礎的なものとしてガソリン税の場合は年間消費量に四千八百円をかけて五百三億九千万円という数字が出た。そのことを閣議で了解してあの予算が編成せられた、こういうふうに政府自身も対外的に発表しておるのです。そのことが今の段階において、なおかつその四千八百円という数字があやふやなものであり、今後の折衝いかんでどうにでもなるということを大臣は今答弁になったのですが、そう了解していいのですか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 閣議で決定して、私の立場としてはその線で予算にも決定していくわけでありまして、ただ実情は今言うようなこともありますが、しかしこれは数字の上で決定しておりますから、法律案もそう出るだろうと思うのです。私はただそれを負担する上において、この負担者に何とかもう少し負担が苛酷にならないようにする方法は他にないかというようなこともあわせて考慮しておる、こういうことであります。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 大体話はわかりました。それで政府の案は、年間需要量を三百九十万キロリットルに算定いたしまして、このうちからいろいろな非課税数量を差し引きまして、課税対象の数量は三百四十一万五千キロリットルになる。従って四千八百円の増徴をして、五百三億九千万円の予定歳入を上げるのだ、こういう基礎的な予算説明でございます。これに対しまして政府の与党である自由民主党の政調会におきましては、大蔵省の原案と相当の開きのあるいわゆる政調会案なるものを対外的に発表しております。これによると需要量は年間四百二十一万キロリットルであって、非課税数量を差し引いて課税対象になる数量が三百八十三万八千キロリットル、従って一キロリットル当り二千六百八十九円増徴すれば、所定の五百三億九千万円の税額は確保できる、こういうことをあなたの与党である自由民主党の政調会が決定いたしておるのであります。これに対しまして宮澤運輸大臣はどのような調整を試みようとするのか、このような与党の決定に対しましてどういう所感を持っておられるか、これを御発表願いたいと思います。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 ただいまお示しの数字のようないきさつが、ただいま私ども自由民主党の政調会において取り扱われておるように伺っておりますが、それはまだ審議の途中であります。果してそのような四百二十万キロリットルというようなことにいくかということもまだ相当疑問がありますから、この段階において私が責任を持ってお話し申し上げられますのは、閣議決定の予算を提案した線を申し上げる以上には出られないわけであります。この点は御了承願いたいと思います。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 与党の政調会と政府との間の折衝は、非常にデリケートな問題であろうと思うのであります。これは今後の折衝でどういう数字がどう出てくるか、私ども刮目してお待ち申し上げておる次第でございます。その点についての私の質問はこれで終るわけでございます。  ただこの際大臣に申し上げておきたいことは、そして大臣の所信をはっきり表明してもらいたいと思いますことは、先ほど来の大臣の発言によりますと、揮発油税の増徴は道路の整備のためにやむを得ないのだ、ただ消費者の負担という問題あるいはこれが大衆にどのように転嫁せられるか、こういう点についての考慮を払いたいというのが今の大臣の心境であるようでございます。しかしこの問題につきましては、去る二十五国会におきましても種々論議いたしまして、そうして衆議院の当運輸委員会におきましては、与党も野党も一緒になりまして、これ以上の増徴はわが国の運輸交通、ひいてはわが国の経済に悪影響を及ぼすから、増徴してはならないという決議をやっておるのであります。これに対して当時の担当の吉野運輸大臣は、決議の趣旨に沿って私は閣議においても全力を上げて阻止に努力いたしますということを申されております。ところがあなたは、増徴するという前提に立って物事を考えておられるのでありますが、一体自動車交通業の担当大臣といたしまして、そのような甘い考え方を持ってこの問題に処してもらっては、わが国の交通運輸業界、ひいては経済界というものは大きな混乱に陥るであろう、こういうことを私はあなたに認識してもらいたいと思うのでありますが、この点についてのあなたの所信をもう一ぺん伺いたいと思うわけであります。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お話の御趣旨はやはり私もその気持において同感に思っておりますので、一つその線に沿って今後善処して参りたいと思います。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 そういう気持を持っておりましたならば、なぜ予算編成の最終段階における閣議において六千五百円の増徴にあなたは賛成されましたか。閣議においてあなたはどのような発言をされましたか、それを伺いたいと思います。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 閣議の内容のいろいろなお話は、ここで申し上げることは遠慮いたしますが、いろいろ話を進めて、初め八千円ぐらいであったものがそこまで下って参りました。こうきまりました以上は、ただいま申し上げたように今後いろいろな方法を考えるよりほかないと思っております。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 先ほども私ちょっと申し上げたわけでございますが、二十五国会の終末におきまして、昨年の十二月三日だったと思いますが、運輸委員会におきまして増徴反対の決議をいたしました。また翌十二月四日におきましては、参議院の運輸委員会においても、増徴はまかりならぬという決議がなされておるわけでございます。このように両院の委員会におきまして、いろいろな角度から検討した結果、増徴はまかりならぬ、増徴はいろいろな悪影響を及ぼす、こういう決議がなされておることを考慮に入れて、この問題に対する今後の政府の態度を決してもらわなければならぬと思うのであります。委員会における決議は、言葉をかえて申し上げますならば、私は衆議院の決議であると思っております。かりにも委員会において院議でそういうふうに決したことにつきましては、行政府たるところの政府は、この院におけるところの決議というものを尊重いたしまして、行政措置を講じてもらわなければならぬ。法案の処置というもの、予算の処置というものを講じてもらわなかったならば、政治というものがどうなるか、こういうことを私は非常に杞憂するわけでございますが、これらの点についても大臣の所信を承わりたいと思います。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お話の通りでありまして、委員会における、ことに両院における決議というものを尊重しなければならぬことは申すまでもありません。従って今日の段階におきましては、その精神を尊重して、できるだけ善処していきたい、その気持が私の今のあいまいな答弁にも現われたようなわけでございます。御承知を願いたいと思います。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 運輸大臣は衆議院及び参議院における運輸委員会の決議の趣旨を尊重して、それにのっとって運輸大臣としては対処したし、今後も対処したい、こういうふうに考えておられるようでありますけれども、由来運輸省は政府部内において発言権がはなはだ弱い。それがために最も発言権の強いところの大蔵省に、あるいは間接には他の省の圧力が大蔵省を通じて加わってきて、しわが運輸省に寄ってくる。それがために運輸省関係のいろいろの企業が非常な迷惑をこうむり、ひいては日本の経済全体が迷惑をこうむるというようなことになるのでありますから、この点については今度宮澤運輸大臣は一つ大いにふんどしを締めてかかって、この点ではまだ確定してはおらぬ際でありますから、大いに戦って運輸省の面目を施してもらわなければならないと私は思うのであります。ことに道路税が目的税になったことが、そもそもこういう事態を引き起したもとであると私どもは考えております。このガソリン税及び揮発油引取税に関する税法上あるいは税制上の問題に関する議論は、私は大蔵委員会でやるべきであると思うてその点には触れませんけれども、目的税であるという点から、宮澤運輸大臣の今後の努力が非常に必要になって参ると思うのであります。すなわち日本の道路が非常に悪い、すみやかにこれを整備しなければならないというのは、これは天下の世論でございます。ところがたまたまこのガソリン税その他石油に対する税金が目的税になっておるがために、道路の整備が必要である、これは天下の世論だ、膨大な道路費が必要になってくる。それでは揮発油税あるいは軽油税等を上げればいいじゃないか、この財源でまかなえばいいじゃないか、すなわち目的税だから、その目的税から増徴すればいいじゃないか。現に政府部内におきましては、ことに池田大蔵大臣みずからも、もしこのガソリン税の増徴に反対するならば、道路整備をほっとけばいいじゃないか、それだけ道路整備ができないだけじゃないか、こういう放言をしておるのであります。その放言から考えてみましても、道路整備に要する、あるいは要するであろうところの莫大な費用というものは、全部ガソリン税を中心とする税金に負担させられるというおそれは非常に明らかでございます。従いましてこの目的税の目的の限界、将来の膨大な道路費用をどういうふうにしてまかなうかという根本的な問題について、もう一度徹底的に再検討しなければ、この問題は解決つかないと思う。去年も増徴、おととしも増徴、今年も増徴して来年も増徴、ますます目的税であるという規定から、ほとんど底止するところを知らざる増徴がここに現われてくるおそれなきにしもあらずと私は思うのであります。そこで私どもといたしましては、まず目的税であるというこの特殊な税の性質をこの際払拭してそういう危険を未然に防がなければならない。未然じゃない、もう既然であるかもしれないが、ここらでもう食いとめなければならない、かように考えるのでありますが、宮澤運輸大臣はこの点について、税制の問題ではあるが、事所管に関する問題でございますから、これを税法上から改めるという決意がおありになるかどうかを承わっておきたいのであります。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 このガソリン税が目的税であるということ、並びに税率も私がちょっと考えたところでも今度で限界に来ておるのではないかというふうに考えております。そこで目的税でありますが、この税だけをもって道路の整備をするというのではなくて、この税は全部道路の整備に使うけれども、道路整備の資金を他から求めることにこれがじゃまになるというわけではないように考えられます。従ってただいま申し上げました通り、外国との例は別として、日本としては相当に今日負担が限界に達しておる。今度増税すればもう達するというように考えられますが、しかし同時に道路の整備を捨てるわけにはいきませんので、道路の整備はさらに積極的にやらなければならない。そこでこの次は一つ借入金とか公債に求めるとか、政府の他の資金を回すとかいうようなことをやっていかなければいけないのではないか、こういうふうに考えております。実は前回の鳩山内閣の時代においては、やはりそういう考えで道路の十カ年計画ということも考えられておったのですが、この内閣になりまして減税その他の税をいじる点から、こういうことも出てきたので、今日の実情としては、まあ一方からいえばやむを得ないというようなところもなきにしもあらずで、ことに松原さんはこの前大蔵委員長をしておられて、税のことも財政のこともよく御存じで、ことに実情に通じておる方面から運輸省の弱体を御叱責下さったのですが、なるほど弱体でありましょうが、これから一つ何とか少しずつ強めていくようにしたいと思っております。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 今ガソリン税の税率が限界にきておるという話をせられたのでありますが、実は限界を通り越しておるのであります。昨年税率引き上げが限界にきておりましたがゆえに、衆参両院の運輸委員会が、絶対にこれ以上増徴してはならないという決議をしたのでありまして、これをもってしても限界がすでに来ておるということが、公平な見方であるということがわかるのであります。そこで宮澤運輸大臣といたしましては、今後のことについて決意をお述べになったのでありますけれども、それはこの際その決意を実現してもらうように一つ努力をしてもらわなければなりません。ことにまたこれが目的税そのままで置いておかれるならば、いよいよますますその傾向は、また来年もやむを得ない事情だ、再来年もやむを得ない事情だというので、やむを得ざる事情のもとにだんだんと無理な税率を賦課するということに相なるおそれ十分でありますので、もちろん運輸省だけでその点目的税をはずすということはむずかしかろうと思いますけれども、少くとも目的税であるということが根本の弊害であるから、それについて一つ十分今後努力するという決意をしてもらいたいと思うのであります。ことに目的税であるところのこのガソリン税が、あるいは日本道路公団の補助金に回ってみたり、あるいは失業対策費に回ってみたり、こういう点については、目的税の目的をも逸脱するような財政措置が講ぜられておるのでありますから、何を申しても非常に問題を含んでおるこの税金を、まずもって目的税からはずすという努力をする。さらに宮澤運輸大臣もこのガソリン税が適当な税率でないということをすでにお認めになっておられるのでありますから、将来といわず、この際まだ御努力を願う余地があるのでありますから、その御趣旨を実現するためにこの際さらに大いに努力を願いたい、こう思うのでありますが、これらの点に関する御所見を承わります。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 どうも私よく実情を知らぬと困りますが、この際努力する余地があれば、あるだけ一つ大いにやってみます。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 先ほど大臣は、今回の増徴が限界である、明年から、明後年からはもうこういうことをさせない、こういう答弁でございましたが、先ほど松原先輩が言われましたように、すでに今回の増徴はこのバランスを破っております。限界を突破しております。この限界を突破しておるということにつきましては、先ほど申し上げましたように、前国会におきまして私どもは大蔵当局あるいは通産当局、建設当局を呼びまして質疑応答した結果、大蔵省においてもそういうことを了解したわけです。当初大蔵省は、税の本質から申しまして、税というものは納税者の負担の範囲内で行わなければならない、従って、今回考えておる大蔵省のガソリン税の増徴も負担の範囲内である、こういう高飛車な態度に出て参ったのであります。しかし私どもはいろいろな数字を申し述べまして、その考え方がいかに間違っておるかということを大蔵省に是正せしめました。ところが大蔵省は、さらに第二の段階といたしまして、たとい当初は負担が増加し、あるいはバランスを破っても、道路が整備せられることによって受ける利益は業者の負担の増を上回る、数倍するであろう、二倍ないし三倍の利益を逆に受けるであろう、こういうことを申して、あくまでもわが国の交通運輸業界にこの増徴は貢献するのである、こういう主張をなしておったのでございます。しかしこの点につきましても、いろいろな数字の検討を積み重ね、論議を積み重ねた結果、その論拠も誤まりであるということを大蔵省当局は認めました。そして現に先般の予算委員会におきまして、池田大蔵大臣は、今回のガソリン税の増徴は消費者に、利用者に転嫁せられる、国民消費大衆に転嫁せられるであろう、こういうことを言明しております。従いまして税の本質からはすでに逸脱しておるのです。石橋内閣の政策に対しまして、私どもは、石橋内閣の今回の予算編成の方向というものはインフレの気がまえである、インフレの予算であるということを申しております。国鉄の運賃が値上げになります。そうして政府の考えているようにガソリン税が結局はわが国の自動車運賃の値上げになり、このことがひいてはわが国の生産コストのアップを招きます。このことがインフレ気がまえのわが国の経済に対しまして、インフレの火を点ずる導火になるであろうということを私どもは警告しておるのですが、この点につきまして宮澤運輸大臣の所信を承わりたい。これは決してただ単にガソリン税だけの値上げの問題ではないのです。国鉄運賃だけの問題ではないのです。たまたまわが国経済の今後の運命を左右するような国鉄の運賃の問題、あるいは自動車運賃の値上げの問題、こういうものの所管大臣といたしまして、宮澤運輸大臣の置かれた立場というものは、わが国の本年度の経済界の趨勢を決する非常に重要な地位にあられると思うのでございまして、その場限りのちゃらんぽらんの答弁でその場を糊塗してもらっては困ると思うのです。真剣に考えましての大臣の所信というものを私は承わりたいと思うのです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 ただいま御指摘の通りで、国鉄運賃の値上げ、今度のガソリン税の値上げというものが、一般経済会のインフレの要因をなすようになったらそれは重大なことであり、この点は私どもも真剣に考えております。このガソリン税の問題が直ちにその大きな要因になる。また大蔵大臣がこれを一般消費者、利用者の方に転嫁する、こういうような意見があったそうでありますが、業界の各方面から聞きますと、なかなか転嫁できない、結局自分たちの負担になるのだ、それはとてもたえられない、こういうお話もあります。また一方からいえば、道路の整備によって業者が何年たてばその方が利益が多いのだというような計算をしている人もありますけれども、これも地方によって異なっており、ある一面、都会の方の整備されてしまったところと、いなかの方の整備されないところとは、業者にとっての利害も非常に違ってくる。全然整備されないところが整備されていけば、それはもう数字の通り、ガソリンの値上げに引きかえてかえって利益を得るかもしれません。そういうような点もありまして、非常にこれは重大でありますが、ただいま私の決意をという点から御指摘になりました国鉄の運賃の値上げ、これに伴う私鉄からあるいは自動車関係の事柄等いろいろ起ってくると思いますが、これをインフレの要因となさずして、そうしてそれぞれの使命を全うさせるような方向に持っていくということは、全く御指摘の通り、今後の運輸省関係、私どもの行政措置によることと思いまして、お話の通り、その点は私どもも重大な責任の立場にあることを自覚しているわけであります。従ってこれらに対しましては、これが最近に至りまして、昨年からの景気の状況から自動車業者においても相当収益の増してきている面もありますので、それらの実情をいろいろ検討しまして、これがお話のインフレの要因に国鉄その他と相待ってならないように善処することが重大な仕事だ、それに対しては相当な手を打っていかなければならぬということだけは考えております。なおただいま松原さんのお話にもありました通り、今この際打つべき手はまだあるぞというお話でありますが、私ども陰ながらできるだけのことはやっていきたいと考えておりますので、今御指摘のような面を私がはっきりこうなってこうだというようなことは申し上げられませんが、その決意だけは持っておって、一つ善処していきたいと考えております。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 いや、決意とか個人の気持ではどうにもならぬ問題だと私は思うのですよ。すでにこのガソリン税ならガソリン税がこれだけ増徴になると、現在の運賃料金ではとうてい経営を維持することはできないでしょう。御承知のように交通事業の運賃は、国鉄を初め自動車に至るまで、すべて公共事業の立場から非常に厳密な原価計算のもとに作定された料金です。こういう料金のもとにおいてこのようなガソリン税の増徴、あるいはいろいろな物価が値上りをするとなると、とうてい現行料金の運賃ではやっていけない。このことがひいては運賃の値上りを招来する。これがひいてはわが国の生産コストに悪影響を与えてインフレの要因になる、こういうことを私は申し上げておるのです。だから、ガソリン税の増徴をやりながら、しかもそういうことを未然に防止したい、こういうことは、言葉で表現はあるいはできるかもしれませんが、実際にはできない問題なんです。現に国鉄の運賃の値上げは、ここ数日のうちに本国会に提出になると私ども承わっております。またバス料金の値上げの問題も運輸省にすでに申請が出ております。私鉄の料金の問題の申請も出ております。このガソリン税の増徴が本国会を通過してごらんなさい。わが国の自動車料金の改訂の問題が、本年また運輸当局に持ち込まれることは必至であります。こういう情勢の中にありまして、あなたは料金の値上げ、運賃の値上げというものをどうして阻止することができますか。そういう確信もそういう方針もなくて、そうしてインフレの要因になるような運賃の値上げは私は何とか工夫してできるだけ避けましょう、こう言ってみたところで、それは言葉だけの表現にしかすぎないと思うのです。もしもそういうことをほんとうに真剣に考えて、わが国の経済のことを考えて、インフレの防止という前提に立つならば、今回あなたは職を賭してもこの増徴の問題についてあなたの立場をはっきり主張しなければならないと思うのです。そのことをやらずして、あとの処理を何とかうまくやっていきたい、こういうことはその場限りの答弁としか私どもは受け取ることができないのですが、その点重ねてもう一ぺん承わりたいと思います。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 この値上げもしくはガソリン税増徴というだけの一点から考えますと、今のあなたのお考えのような点が強く出てくるわけだと思うのです。しかし日本経済の全体の発展ということからいきますと、料金とか運賃が事実上上ることが必ずしもそのまま物価に映らないで、物資の輸送が楽にいくとか、もしくは適期にその需要者の方に行くとか、あるいはまたこのガソリン税の値上げにしましても、今後の各業者の経営のやり方、また私ども幾らか指導的な処置ができればその処置によって、バス業者なりトラック業者なりもしくはハイヤーの業者なり、それから鉄道運賃に関してはそれぞれの部門においてこの計画が円滑にいけば、物価を下げる面もまた出てくると思います。ことに全体が今まで捨てて置けない状況にありますから、今回の処置は、まあガソリン税の値上げの一点だけに集中してお話を伺えば今のようなところがありますが、その他全体の面から見れば、一つ日本経済の広がっていくところはそういう影響なしにいけるのじゃないか。ことに今は豊富な物資がそれぞれ必要な場所にない。必要な場所になくて不必要なところにたまっておる物を必要なところに送り届けるというような面が急速かつ適当にいけば、相当に緩和していくのじゃないか。それがまた一つの経済の拡大の原因になるのじゃないかというような点で、この一点だけにしほらないで、もう少し他の方面も考えていけば何とかなる。この一点だけから責められますとまことに申し上げにくいのですけれども、そういう気持で全体を一つ見ていきたい、こう考えております。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 私は決して国鉄運賃とか自動車運賃とかの値上げの問題が、ただそれだけでインフレの要因になるとは申し上げてないのです。ただ本年度の国家予算をごらんなさい。莫大な財政投融資がございます。こういうものが大きなインフレの要因になっておるのですが、これになおかつこういう運賃の値上りの問題が相加わりまして、私どもは本年下半期におけるわが国の経済というものに対して非常に憂慮をしておるのです。従いまして、担当大臣といたしましては、そういう要因の一つでも自分の責任といたしまして防止するということは、今日のわが国の政権を担当しておるところの内閣の一員といたしましての当然の責任ではないか、私は、このガソリン税の問題にいたしましても、国鉄運賃の問題にいたしましてもそうでありますが、ただ単に運賃の値上りが国民大衆の直接の負担がどうとかこうとかいう問題だけで論議すべきではないと思っております。このことがひいてはいろいろな要因の積み重ねの上に、わが国のインフレの導火になるのじゃないか、こういうことを憂慮するがゆえに私どもはこの問題を大きく取り上げておるのです。従いまして、大臣もそういう観点に立って、その要因の一つを未然に防止する、こういう考え方に立ってこの問題の処理に誤まりなからぬことを私はお願い申し上げたいと思うわけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 関連して簡単に二、三大臣にお尋ねをしておきたいと思います。大臣は、就任のごあいさつにもまた今の答弁にも申されましたが、交通機関の持つ重要使命から見て、あるいは産業の拡大あるいはデフレ、インフレ等に対しても非常に大きな要因を持っておるのが交通機関なんだ、こういう認識に立っておられるということは、私はほんとうにけっこうなことだと思うのです。けれども、考えてみますると、そういうふうに重要に認識しておりながら、ここ数年来の運輸行政を見ますると、他の産業に比べましてだんだん後退をしいられておる。そうして国家負担面においても均衡を著しく欠きつつあるのが現状だと思います。なぜかと申しますると、まずこれを財政投融資に求めてみますると、あるいは造船界におきましても、あるいは鉄鋼、電気等の産業におきましても、それぞれ莫大な国家投融資が行われているわけであります。しかるにその電気であるとか鉄鍋であるとかあるいは造船であるとか繊維その他、あらゆる近代産業を運営して参りまする基礎は何であるかといえば、交通機関であります。この交通機関が一日たりとも停止することによって受ける産業経済に対する被害というものの認識は、すでに言わずして御承知のはずであります。さすればそれに対して国家が他の産業と同様に投融資を行い、しかしてその施設の整備充実をはかるということが、私はまず第一の基本方針でなければならぬと思います。しかるにそれについては近年著しく後退をしいられて、投融資の面からもこれは非常な不均衡を来たしておると考えるのでありますが、これに対して運輸大臣は一体どういうふうに対処されていくか、一つ明らかにしてもらいたい。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 近年運輸行政の面に、国家のそういう重点政策並びにそれに伴う資金が回らなかったという点の御指摘でありますが、今日の結果を見れば、なるほどその通りで、国鉄などの行き詰まりもそこから来ておる。その他お話の——私は近年の数字はよく知りませんけれども、今日の結果を見ると、ただいまのお話のようなことから今日の行き詰まりが来たのだろうと思うのであります。そこでこれはどうしても打開していかなければならない。今運輸省の所管といたしましては、陸上輸送の根本は国鉄である。これにガソリン税の伴う自動車関係が補助的な、しかし一方から言えば、もう自動車の方は補助的でないかもしれませんが、非常に重要な使命を二つ持っております。それからあとは海運であります。国鉄の方は御承知の通り、ほとんど二兆からになる大きな国家財産を与えて独立採算でやらしておりますので、今度の運賃値上げはまた別個の意味を持っておりますが、従来数年間運賃の値上げができなかったということは、独立採算で自己の経営の合理化をはかり、また必要な資金があるなら自分で調達する道を考えろ、こういう考えで今日までできないできたわけであります。海運につきましても同様で、海運も戦前に比べますと非常に劣っておる。これらに対する資金——ですから国鉄に対しては今度の運賃の一部値上げも、独立採算の点から、合理化と外部の資金と合せてやらせようという点からきておりますが、海運などについての助成は、実は今日海運の方には二百億と私ども今約束をしてやっておる国家資金、開銀の資金も、大蔵省が百八十億で一応二十億あとに延ばしてくれという。この原因は大蔵大臣の言うところを聞きますと、電気の方は一年に三千五百億からの金を使う、それに対して国家の財政投融資の資金はわずか二百五十億、船の方はもし今年八十万トンかりに腹一ぱい作るとしても一千億の金だ、それに対して二百億といえば、どうしても電気の方が承知しないから、一応百八十億にしておいて、二十億は予備金にして、あとで電気と振り分けてやらしてくれ、そうでなければ押えられぬというような話で、これもごもっともでありますが、そういう割合からいきましても、一千億の資金を使うものにとにかく二百億の資金、三千億の電気に対しては二百五十億しか一応出さないというような工合で、海運の重要性にかんがみてそういう処置がとられております。ただ、今お話のうちで一番困った問題として自動車の問題、自動車に対しては全く民間でやらしておって、ただ国鉄の貨物とバスだけが国鉄のあれで、あとは民間企業で、これに対して大きな経済投融資というものが、政府の資金はちっとも出ていない、こういう点であります。それに対してガソリンの値上げという問題も出てきますので、これは事実上他の二者に比べれば少し考えなければならぬ点もあるというように考えられます。私といたしましては、お前そんな決意だとか自分で言っても仕方がないといいますが、やはり人間のやることは腹の決意から出てくるよりしょうがないのでありまして、そのやる決意だけは持ちましてこれからやっていくつもりですから……。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 今の大臣の御答弁は御親切ではありまするけれども、私の質問要旨とは全くピントがはずれた答弁をしておられます。ガソリンの値上げや運賃の値上げ等へすぐ結びつけて御答弁をなさるのは、裏を返して言えば、いかにそれを心配しておられるかということでありますから、その点についての御考慮は私はそれでいいと思う。けれども私の言っているのはそうではなくて、いわゆる交通産業というものは、先ほども申し上げた通りきわめて重要な地位を占めており、これを言いかえますと、社会一般からも常に公益性ありとしてその責任の重大さを負わされている。社会的にその重要性を押しつけられておる。にもかかわらず、一般政府部内の行政上から見てみますると、責任は人におっかぶせるけれども、しかしその責任を果さしめるに適当な裏づけというものは何もしない。しかもここ数年来の他の産業に対する国家の投融資面から比較してみますると、さらに著しく交通産業というものは後退をしいられておる。これははなはだもって無責任な話で、人に責任はおっかぶせるけれども、もうけの少いところには金は出さない、だから手前で勝手にやれ、こういうようなことです。しかし電車はよごれた電車よりも気持のよい電車に乗せろ、煙を吐く汽車はきらいだから、煙を吐かない電気機関車にして車を牽引させろとぜいたく三昧なんです。社会的には、国鉄に対しても、バスあるいはハイヤー、タクシーにいたしましても、ぜいたく三昧の要求はいたしまするけれども、それに対して何らの政策的な裏づけも行われないというのが今日の実情だと思う。それが交通機関をいじめている原因なんです。私はこういう工合に見ておるのですけれども、運輸大臣は、この交通機関に対する重要性と他の産業に対する国家の投融資等を中心といたしました本政策との関連性を、一体どう考えて運輸大臣の職責を担当しようとされておるのか、それを承わっておるのです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 御質問の点をはき違えたかもしれませんが、今の御質問も結局、自動車行政に対する政府の施策が他の国鉄や海運と違ってまだだめだ、こういう意味でございますか、お話の趣旨は。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 他の産業に対してとられている国家の政策、はっきり言いますと、それと交通機関に加えられている政策と比較して、あまりにも運輸交通政策というものは虐待されておる、この点について運輸大臣はどういう考えをもって臨んでおられるか、こういうことなんです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 今のお話は、全体としてほかの産業、たとえば農業に対する問題とか、あるいはその他たとえば通産省関係では製鉄その他にとられている問題と比較してのお話だろうと思うのでありますが、おそらく今まではやはり運輸交通の方はほっておいても、自分である程度やれるのだろうといったようなところでほって置かれたのかと思いますけれども、(「ほって置くのならいいが虐待する。足をひっぱっている」と呼ぶ者あり)今日そうかと思いますが、今のお話もありますので、この点は私もお話の御趣旨に沿って、なるほどそういう点が非常な欠陥になっておるということがはっきりしましたら、来年の予算までにやっていきたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私はきわめて重要な基本の考え方について大臣の所信をただしたのですけれども、大臣がそういう御認識では落胆せざるを得ません。歴代の運輸大臣がそういう認識のもとにこの交通運輸行政を担当なさるならば——私は別になわ張り争いを言うのではありませんけれども、今日のような窮迫した事態を避けていきますためにも、あるいは日本経済の根幹をなす交通機関に対する諸問題の解決に当るためにも、大臣の交通政策に対する基本方針を疑わざるを得ません。ですから、今私の申し上げた点を十分御認識いただいて、しっかりした腹をきめて交通行政に当って下さることをまず要望いたします。  次に、本年度の予算を私どもしさいに調べてみましても、今松原委員からも指摘せられましたが、交通行政の中の一つであるガソリン税に例をとって考えましても、これは目的税でありますから、当然直接道路の費目というものがあげられて、運輸省あるいは道路関係の所管として使われるべきものだと思うのです。ところがそうではなくて、本年度予定せられておる増収分は、当然政府の一般会計から支出せられるべき費目に流用せられておる。具体的に言いますると、労働者関係でいえば、臨時就労対策費とか特別失業対策費とかいう説明を求めなければわからないようなものとか、積雪地に対する除雪の人夫費用であるとか、あるいは道路公団に対する補助金であるとか、こういうものは何としても一般会計から支出すべきものである。何もそれをガソリン税という目的税から取る必要はないと思うのです。しかも偶然か故意かは知りませんけれども、本年度に増徴を予定せられておる額がそれにきっちり合うのです。運輸大臣がそれをよくのみ込んで、確固たる交通行政の認識の上に立って閣議に臨まれるならば、このような不当な財源を他の省に取られて、あなたの行政管下にある業者をいじめるようなことにはならないと思うのですが、大臣は一体どういうふうにお考えなのか、一つ明らかにしていただきたい。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 さっきからのお話がようやく具体的にはっきりわかりました。なるほど臨時就労対策費とかなんとかいろいろの面に使われますけれども、結局窓口は違っても、全部道路の整備に使われる費用であることには間違いがありません。今お話のように、それを使う窓口とその使い方によって、必ずしもガソリン税から持ってきた目的税を使わないでも、ほかの金を使えばいいじゃないかという筋も立つと思います。ガソリン税一本によらないで、ほかの一般会計もしくは何から金を持ってこい、それの力が足りないではないかというお話はよくわかりました。なるほどお話の通りで、実は予算編成が組閣早々であって、私がそこまではっきり認識してやらなかったという点はあると思います。そう感ずるのであります。しかしそういう御指示も受けましたので、そういう点に意を用いてこれからやっていきたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 今の大臣の答弁は私はけしからぬと思う。今私が一例をあげたのでようやくわかったとは何事ですか。大体一例くらいで全般がわかるというなら、最初から私の言ったことがわかるはずなんです。そういうような甘いお考えでありますから、臨時就労対策費にしても全部道路に使われると思っていらっしゃる。あるいは特別失業対策費なんといって名目を変えて、大蔵官僚が労働省への一般会計からの支出額を免れるためにこういうような名前をつけてくれば、あなたは易々としてそれをのんでおられる。そうしてガソリン税の増徴分をすっかりその方に取られている。臨時就労対策費にしても、あるいは特別失業対策費にいたしましても、全部が全部道路に使われてはいません。失業対策事業は道路事業ではございません。一体この点を運輸省はどういう工合にお考えになっているのですか。これは労働対策費として政府が別途に一般会計から支出すべきものです。あなた方の立てられた道路整備五カ年計画なり十カ年計画はやめた方がよい。そんな甘いことで道路が整備せられるものではありません。今日の道路整備の現状をあなた方はどういうふうにお考えになっておりますか。ハイヤーやタクシー等その行動半径のきまっているものの主たる営業個所は、ほとんど制限せられているのです。今日では都市周辺あるいは長距離輸送のための道路を整備することが急なのである。さようなところに特別失業対策費だのあるいは臨時就労対策費だのを使って、それに見合う労働者を吸収しようとすることは困難である。今日顕在失業者としてその日その日をあえいでいるものは主として都市にある。しかもオートメーション等によって、企業家の方では、企業の合理化といえばただ人の首を切ることだけで事が済むと考えている。そういうようなわけでありますから、ますます都市における失業というものは窮迫してくる。そのようなときに山間僻地の道路を整備するために使用しようとしても、これは使用できない問題である。こういう点を考えれば、なおさら道路整備にマッチした費用とは考えられない。こういう点をどういうふうにお考えになっておるのか。ただ単にあなたは運輸大臣であるから、運輸省の中にあることだけを考えていればいいのだという考えは間違いです。もっと認識を広くして、運輸行政の建前から主張すべきだと思うのですけれども、あなたはどういうようにお考えですか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 このガソリン税の目的税の金が、いろいろな名前で建設省もしくは労働省の方に使われておるのですが、今ちょっと事務当局に聞きますと、やはり全部道路で、道路以外には使っておらないそうです。それは当然そうであろうと思います。今のお話もごもっともですが、しかし都会といいましても、東京のような都会もあれば、いなかの小さな市もしくは町ぐらいなところの道路にも、この臨時就労対策の費用はみんなばらまかれて使われております。それらはやはりそれぞれ小都会においての道路の整備に使われておりますので、まるきり山間僻地を開発する道路のようなものだけに使われていくというわけではないので、大部分はそういう面に使われる。ただ先ほど申し上げましたように、その重点が、ガソリン税を納めている人たちに、利用者に比例して使われておるかどうかということになりますと問題でありますけれども、しかしこれは一国の開発をしていくときに、やはり担税力のある者が出していくというようなことも、今日の税金と同じような意味もありまして、やむを得ないことであろうと思うのであります。そういう意味において使われておることでありますし、お話のような御批判を受ければいろいろな欠陥はあるかと思いますけれども、大きな筋だけはそういうふうになっている。私としても今日の皆さんのお話の点から、もう少し考えていかねばならぬというようなことも感じておるわけでありまして、そういう点で御趣旨に沿ってやっていくつもりであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 のれんに腕押しとはこのことですね。さっぱり要領を得ないのです。私はこれ以上はあまり追及はしませんけれども、大臣は先ほど一生懸命これについて善処したい、たとえばガソリン税の値上げについても善処したいということも言われておる。さすれば、今私の申し上げた労働省関係だけでも、いわゆるガソリン税を値上げするということは、業者が負担するということです。言葉を逆にして言えば、何もトラック、ハイヤー、タクシー、乗合バス等の自動車業者だけが、失業者を救済する責任を負っているというわけではないのです。ですから道路でやるとしても、就労対策費などというものを一般会計から半分ほど負担してくれれば、この増税分は半分で済んでしまうということになるのです。一般社会政策として失業者が出るということは、一般社会福祉の考え方からも当然責任を負う。しかるにハイヤー、タクシーあるいは自動車業者が国家的に見て、社会的に不十分な施策であるために起きる失業問題の解決のためにその責任を押しつけられて、しかも国家権力で税金だとして頭から差し押えてでも取る、こういうようなやり方というものは、あまりにも運輸交通行政というものを認識していない結果生まれるものだ、こういうふうに考えるわけです。もしあなたがそれに善処されるというならば、これを半分なり三分の一に削るという勇気があなたにありますか。その努力がありますか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 今のお話で、たとえば失業対策費その他はガソリン税の一部だけで、全部やっているというわけではない。御承知の通りその大きなものは国費から出て、ガソリン税のうちのごく一部分がその方にまあお手伝いをしておるというようなわけで、その莫大な費用のほとんど大部分が、直接一般会計の資金から出ておるわけであります。ただその道路費のうちの一部分の金が、道路に就業する臨時失業者の方へ回っておる。失業者全体の問題は、御承知の通り国家として大きく扱っておるわけですから、これだけでいっているわけでもありませんが、しかしながらお話の趣旨もごもっともな点があるわけでありまして、来年度の予算においては今きまっていくような形で、ここでもって歳出の方面を全部取りかえていくというようなわけにはなかなか参りませんけれども、国家がこれに順々に続いていくわけですから、明年度からのことは御趣旨の点も含みまして、相当に考えなければいけない、こういうふうに感じておるわけです。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 関連して。同僚議員からガソリン税の値上げの問題について詳しく御質問がありましたので、私はできるだけ重複を避けまして、ただいま大臣がその質問中にお答えになった中から、一、二点御質問申し上げたいと思うのであります。それは先ほど中居先輩から質問された中に、ガソリン税の値上げあるいは運賃の値上げをすることによってインフレが起るのではないか、こういう質問がありました。同時にこのことをわれわれは本年の下期において非常に憂慮をいたしておる、こういう質問に対して大臣は、ガソリン税の値上げそれだけを見た場合はそういうことになるかもしれないけれども、国全体の交通、運輸という立場から見るならば、必ずしもインフレは起らない、こういう御答弁のように承わったのであります。そこで私は重ねてお尋ねをするのでございますが、本日資料として配られた中に、私鉄の運賃改訂に対する申請と、すでに運賃値上げを承認をされた、いわゆる認可をされた会社の名が出ております。従って国鉄の運賃が値上りをいたしますならば、当然並行線の私鉄も運賃の値上げをしなければ、客がその方に固まってしまって、いわゆる輸送の円滑というものは期せられないと思うのです。そういうふうに考えて参りますならば、おいおい私鉄の運賃も申請されておるように承わるわけでありますし、大臣も新聞ではすでに私鉄の運賃は値上げをしなければならないだろう、こういうように発表されておる記事を私は見たのであります。不幸にして本日その資料を持ってくることを忘れましたけれども、とにかく大臣はそのように新聞記者団に発表されております。従ってこの機会に明確にお尋ねをいたしますのは、私鉄あるいはバス業者に対する運賃の申請があった場合、認可をするかどうか、この点をまずお伺いいたしたいのであります。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 私鉄、バス等に関する運賃値上げの問題は、国鉄の運賃値上げに伴ってたびたび各方面から御質疑がありました。私の意見も述べてありますが、ただいまのお話の認めるということは、まあ記事の取扱い方であろうと思うのですが、従来一貫して述べております私の考えは、国鉄運賃に伴って一般的値上げはしない、それから私鉄については、私聞いておるのは去年あたり南海が値上げしておるそうですが、これは特殊な事情であって、例の台風等の関係で値上げをしたそうですが、これは私の就任以前のことであります。今日においても原則としてはそういう処置はとらない。バスその他については今日までも個々の事情を見て、やむを得ないものはやってきております。その個々の事情による場合は特別として、一斉に運賃値上げに伴って上げるという処置はしない。それから競争線におきましても、今度の値上げのうちで競争線の何カ所かを見ますと、運賃がある期間は値上げにならないわけでありますし、同時に気の毒なところでも競争線で値上げにならないようなところもあります。競争線のうちはなはだしいものは考えなければならぬと思いますが、今のお話のように、よく国鉄の当局者あたりは、競争線を値上げしないと国鉄だけ上って競争線が安いから、客がみなその方に行ってしまいますということを言うのですが、国鉄は非常に輸送力に困っておるのですから、ほかの方へお客が行けばその方がいいのじゃないか、こう私は思うのです。お客が行って国鉄の収益が少し減るということはありましょうけれども、そういうふうにして輸送を均等にしていく方がいいのじゃないかと思うのですが、それは一概にはそんなことは言えませんが、その場合場合を見ていかなければならないのじゃないか、こういうふうに考える。ですから今のお話の原則的に一般にすぐ値上げをするということはこの際慎しむべきである、やるべきではないのだ、こういうように一応考えております。今後出願はたくさんありましょうけれども、その取扱いはそういう考えのもとに取り扱っていくことが非常に適当ではないか、こういうふうに考えております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 大臣は競争線の中で運賃を値上げしなければ、国鉄の客がそちらに行って客の輸送に便利になる、こういうような御答弁でありますが、私はそれは実際問題をお知りにならない御答弁だと思うのです。同時に原則的には運賃の値上げは認めない、個々の問題について認めるということでありますが、原則的というものと個々の問題というものと区別する場合、運賃というものはそう簡単に区別されるものではありません。従ってこれは原則的に認めない、個々の問題を認めるのだということは、結局には全部認めなければならない結果になるということを、大臣は十分御理解願わなければいけません。これを単に一般論で御答弁をなさるということは国民を欺瞞することであり、国会の審議権というものを忘れた答弁であると私は思うのです。こういうように考えて参りますと、私たちは私鉄運賃を初めとした一般交通運賃あるいは輸送の運賃というものは上ってくると考えるわけであります。そういう立場から私たちは本年の予算というものに非常に大きな欠陥が生ずるであろうし、国民生活に及ぼす影響というものは深刻なものがあると理解するのです。もう一度大臣にその点はっきりした御答弁をいただきたいのです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 個々の場合はケース・バイ・ケースで考えるということは、結局そんなことを言っておっても全体の値上げになるぞ、こういう御趣旨だと思うのであります。実は私は今そう考えておりません。原則的に認めない、それで個々の場合ということも、たとえば私鉄などについては——私鉄といえどもこれは公益的な事業ですから、その会社の内容を見て、また他の地方における状況を見て考えていけば、配当もしており、ちゃんと収益があれば、上げる必要もないところがある。いろいろなところがある。ことにバスについては今日までもやむを得ないところは一々調整してきておりますから、その程度を越えて、国鉄の運賃を上げたから大体に一つ思いを新たにして緩和していこうというようなことをやらない、こういう意味で申し上げたのでありまして、私鉄についても同様である。ですから私はそういう点からみて、お前そんなことを言うけれども、結局は全部上ってしまうぞというお見通しのもとにお話しになっておることについては、私はそうしないようにいきたい、こう考しえております。

下平正一日本社会党

○下平委員 大臣にそんな抽象論ではなく具体的にお伺いしたいのですが、今運賃値上げがされなければならぬというような情勢で、今質問されておるのはガソリン税の値上げによってバス運賃にどの程度の影響があるかという点です。もちろんこれはガソリンも揮発油もありますが、どういうふうに影響があるか。大臣は原則として運賃を上げない、具体的な個々の事例に基いてきめる、こういう御答弁でありますが、実際にガソリン税の値上げの点を検討してみれば、たとえてみれば道路が改修される、従ってバス会社は利益があるという点で運賃値上げを認めないという理論、これは大蔵省が言っている理論でありますが、これは大臣も御存じの通り、大臣の地元の諏訪に行ってもマルSあるいは松筑、こういうものが走っておるが、この路線はほとんど改修の対象にならないわけであります。今ガソリン税の値上げによって五百何億のガソリン税の対象になる道路は三万七千キロであります。これが五カ年間で三万七千キロの道路の改修をするというが、今日バス、トラックが走っておる路線は約三十万キロであります。五カ年間にたった一割しかガソリン税によって改修されていかない。そうすると九割もの道路は全然直らないのです。道路は直らない、修理費はちっとも計上されないというバス会社は、ガソリン税の値上げをそのままそっくり背負い込むという理論になる。かりに百歩譲って利益が上ると仮定してみても、その利益は遠い将来のことであります。直ちに利益が上ってこない。一方自動車運送会社の経理内容を見れば、大臣も知っている川中島バス等は例外的だと認めてもいいかもしれない。三割配当している会社もありましょうが、一般の自動車運送業者というものは実にひどい経理状態に置かれておる。その根本の原因は、公共性という観点から運賃料金というものをちゃんと厳密に押えられているのです。従って一般的には非常に運送会社の利益は押えられておる。経理内容は限界点にきていると思うのです。そこで一般的だと大臣は言いますが、きょうあなた方の方でお配りいただいた揮発油税及び軽油税が一般に自動車業者にどのくらいの影響を与えるかという資料を見ると、バス業者にして営業収支の収支率の中で約二・五%の減収になる。ハイ・タクに至れば三・一九%、トラックにいたしましても二・四五%の収支率の減少になる。これはガソリンの値上げだけによって生じてくる収入減であります。こういう収入減というものは、今日の事業会社の経理内容ではとうてい吸収することが不可能であります。従ってバス会社というものは、あるいはトラック、ハイ・タク等々は当然経営ができませんから、ほかに何らかの処置がなされないとすれば、当然運賃値上げを運輸大臣に申請してくることは当りまえであります。大臣は個々のケースをと言って抽象論で言っておりますが、もうどの会社を見てもそうなのです。これだけのガソリン税の増率というものは、今までの経理の合理化あるいはその他の内容では収拾し切れない状態になってきている。大臣、今もらったこの表を見て下さい。おそらくこれは絶対吸収できない。そうすれば当然運賃値上げということを、大臣がどう考えても認可せざるを得ないという立場になると思うのですよ。どういうふうに大臣が運賃を押えようと思っても、運賃を押えていけば自動車会社はつぶれてしまいますよ。五年先によしもうかるとしても、当面ここ一、二年でつぶれてしまう。自動車会社をつぶさぬとするならば、どうしても運賃の値上げを認めざるを得ないということになる。これは今出された資料が雄弁に物語っている。こういう点についてバス会社の国鉄との競争とか、あるいはその他一般の原則は別として、ガソリン税値上げはこれだけ経理内容に影響をして吸収ができない。企業内容の限界点を越えているので、運賃値上げを認めざるを得ないと思うのですが、具体的に大臣の御答弁をいただきたいと思うのです。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 数字の具体的な今の影響の点はあとから政府委員をして申し上げさせますが、ただ抽象的な議論かもしれませんが、私の方の前提として今の御質問にお答えしますと、なるほどガソリン税値上げが業者の経理の上に影響があることはもちろんであります。しかし全体として昨年から今年、今年から明年とかけている日本経済の発展の上からいけば、いずれの事業におきましても乗客の増加もしくは収益の増加が順々に上ってきておりますから、その収益の増加と今度は経費の——今の二・幾らかかかるものと会社の経営とを見合って、今後判断をしていくほかないと思うのであります。必ずしもこれが昨年度の通りで日本経済が動かないということになれば、それは完全にそのように負担になりましょうが、しかし今年から明年と順々に国鉄の乗客にしても荷物にしてもみんな増加していきますから、その増加するものに対して完全に設備その他が増加していくか、あるいは今までその会社の乗客が七〇%であったものがまだ八〇%までは上せるという点があるか、もう一〇〇%であって今度は新しく車の設備をしなければならぬ、何もしなければならぬという状況にあるのかというような、個々の問題をとらえて検討していける余地があると思います。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 今の大臣の答弁の前提として一つだけお伺いしますが、たとえば私鉄にしましてもバスにしましてもハイ・タクにしましてもトラックにしましても、個々のケースにおいて検討したいということですね。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 そうです。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 それでは重ねて伺いますが、もしもそういう大臣の方式で料金問題を今年再検討したとしましたならば、東京都内におきまして例をとって申し上げますと、同じ型式の車で八十円で二キロ走っておる車もあれば、九十円で走っておる車も出てくるのです。その結果はどういう影響を及ぼしますか、大臣お考えになったことがありますか。そして今日定められておるところの料金体制というものが、それで維持できると大臣は思っておりますか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 今のお話は個々の場合で考えるわけにはいかぬというお話なんですか。どうもその点がまだ私理解がいきませんが……。

中居英太郎日本社会党

○中居委員 そうしますとこういう結果が出ますよ。同じ型式のタクシーが、片一方は会社の経理がいいということで現在の料金が据え置きになった。二キロ八十円で走る。片一方の会社は、同じ型式の車でも経理が悪いということで、ガソリン税の値上げによって十円値上げしたと仮定します。九十円で走ります。どういう結果を生じます。乗客は全部八十円の車に乗りますよ。そして九十円のタクシーに乗る乗客は一人もなくなります。それが交通業界にどういう影響を与えるか、あなたはお考えになったことがありますか。あなたの答弁は間違いでしょう。個々のケースで検討するということは間違いでしょう。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 個々のケースと申しましても、今のようなハイヤーやタクシーを同じ地域の中におけるものを、個々の会社で料金を変えるというようなことは、これはなかなかむずかしいことであろうと思います。それは一つの地域は一つの地域としてやはり考えていかなければならない。そうなればつまり同じ地域内におる個々の事業でなく、地域全体として、これはその事業経営が非常な欠損と借金を持っておるところと、余裕を持っておるところの違いは起りましょうが、それらを見合ってやるので、これは同じ地域であって、タクシーやハイヤーの値段を会社ごとに変えさすというようなことは、いくらケース・バイ・ケースでもそういうわけにはいかないだろうと思います。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 自動車局長に説明していただいたらよいのですが、今のバスの経営に関し、バスの料金についてお伺いいたしますが、現在非常な不合理があるということで、昭和二十六年の十月に設定したものを、昭和三十一年の七月にいろいろなことを勘案した結果、バスの料金体系を変えて、バスの経営を合理化しようとしておるのではないですか。それが単に税金そのものばかりでなく、いろいろな点から合理化するように計画しておるのではないかと思うのですが、その辺のところを一つ伺いたい。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内政府委員 バス運賃についてのお答えを申し上げますが、現在の法の体系でございますと、われわれの方の関連の仕事につきましては、個々の会社について申請があればそれを精査いたしまして、この法律の基準に従って計算した結果、上げるべきであるという結論に達すれば、上げなければならないようになっております。それで実際上の問題といたしまして、なぜ現在の体系と従前の体系と違うか、ただいま御質問のありました昭和二十六年の運賃体系がどうかという問題になるわけでありますが、バスは昭和二十六年、電鉄関係は二十七年に運賃値上げが行われたわけでありますが、当時はまだ物価統制令があります時代でありまして、全国一斉の運賃値上げをやっておりました。そのために数百社の会社の仕事を一ぺんにやるという段階でございました。私鉄につきましては逐次物価統制令がなくなりまして、地方鉄道法あるいは軌道法の運賃料金に変りまして、個別運賃の制度に返っております。その間バスにおきましても逐次そういう方向に変っておりますが、ハスの運賃値上げにつきましてはごく小部分でございまして手をつけましたのはほとんど特に乗車人員の非常なアンバランスができたところを、大体当時の基準に従いまして是正をして参ったという状態でございます。と申しますのは、当時昭和二十六年の運賃改正をいたしましたころは、いなかの線が非常によかった。当時買い出しの非常に盛んなときでございまして、お客さんの足が長かった。それがだんだんと都市集中の格好になって参りまして、いなかが非常に悪くなりましたので、逐次修正して参ったようであります。もちろん二十七年から現在まで、労働賃金にいたしましても、あるいは特に問題が大きいのは車両が非常に高くなった。と申しますことは、その当時におきましては、まだまきをたいている車が相当残っておりまして、資本の重圧が非常に少かったわけでございますが、その後ほとんどそういう車は全国にございません。今残っておりますのは、当時の遺物といたしまして電気のバスが少し残っている程度でありまして、ディーゼル及びガソリンに全部切りかえられたわけでございます。それでわれわれが今やっておりますのは、ただ現在その運賃の改訂をやっているわけでないのでございまして、一年ぐらい前からこの根本制度をどうするかという検討をいたしまして、逐次困っている業者からやっておりまして、現在愛媛県と秋田県の二県の業者を十社程度終ったところでございます。その点につきましては業界からも絶えず、おそいではないか、もっと早くやるべきではないかというおしかりを受けておりますが、この委員会におきましても、バスの運営あるいは運賃制度のあり方につきまして、いろいろ御叱正をいただきまして、私どもも十分調査いたしまして、将来悔いのないように、今度のバス改訂のときにやりたいということでやっております。その結果いろいろなことも私自身発見もいたしておるわけでございますが、それで私は業界には、今度の運賃は、改正は改正であるけれども、調整をしているのだ。ということは、キロを非常に取り過ぎたりしているところは公平に取れ、あるいは単価の切り捨ての問題にいたしましても、従来小数点の一位を切り上げておったというのは、小数点の二位において四捨五入して小数点の一位にとどめる。あるいは子供につきましては、方々でも大体十円でございまして、五円という料金は取っておらないと思いますが、これをおとなが十円であれば、いかに十円が単位の単価であっても、やはり子供は五円というのが社会通念であるということで、この辺が値下げのパーセンテージの高いところでございまして、やはり今度のそういう計算におきましては、とにかく運賃料金というものは、平等正確に取らなければならないということをモットーにしてやっているわけでございます。国鉄運賃が上るから自動車運賃に手をつけたというわけでないのであります。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 ただいまバスの運賃については御説明がありましたが、私はやはりハイヤーの問題あるいはトラックの問題についても、当局においてそれぞれ調査されていると思うのですが、その辺の消息を局長からお話しいただきたい。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内政府委員 この点、もちろんハイヤーにつきましてもトラックにつきましても、われわれの仕事といたしましては、運賃の改訂に関係なく、年々そういう原価の動きについては指定会社から書類をちょうだいいたしまして、そして検討はいたしております。ハイヤー、タクシーにつきましては、最近ある程度業績が上っておるように聞いておりますが、このハイヤー、タクシーの料金につきましては、大体地域的な性格が非常に強いものでございまして、これにつきましては各陸運局にまかせておりまして、原単位の変更を見ておるわけでございます。原単位と申しますのは、ただいま申し上げました労働賃金でございますとか、あるいは車両の減価償却という問題がおもな問題でございまして、現実には小部分の訂正をやったところがございます。たとえば札幌のようなところにおきましては、運賃の値下げになるような調整をやったところもございまして、まだ全国的に上げるという業界の要望ではございません。ただ検討はいたしております。それからトラックにつきましては、実は業界は非常に不況でございまして、最近少しよくなったという状態でございます。収益を十分上げてないというふうに考えておりますが、業界からは、まだこの運賃料金につきましては、値上げの申請は出ておりませんので、具体的な検討を始めておりません。それで揮発油税が一キロ当り六千五百円、軽油の引取税が一キロ当り三千円増徴された場合に、自動車運送事業の営業損益に及ぼす影響について申し上げますれば、その点につきましては、先ほど資料にありました通りでございまして、バスにつきましては二・四六%、ハイヤー、タクシーについては三・一九%、トラックについては二・四五%上る。これだけ影響するということは数字上からは出るわけでございます。先ほどそれでは個別的にそういうものをやるというのに、地域的にやるのはどういうわけかという御質問がありましたので、これに関連して御説明申し上げますが、われわれは地域的に運賃というものをいじっておるけれども、しかしそれはやはり個別的にいじっておるのが根本であるという観念の運賃料金をとっておるわけでございます。と申しますのは、たとえばこれは私の方でやっておりませんが、ハイヤー、タクシーの運賃を具体的にいじるというケースが起りますと、われわれは抽象的にこれを考えるわけではないのでございまして、たとえば東京なら三百社くらいありますが、その中で陸運局長が、たとえば五十社なら五十社、経営を合理的にやっている会社の資料を集めるだろうと思います。それを微細に検討いたしまして、いわゆる要素にそれを分けまして、合理的経営のもとにおいてはこれだけの走行キロ当りの賃金、減価償却、あるいは修繕費というものになるという理論的計算のもとにおいて出しますので、具体的に個々の会社に当るわけでございますから、やはりわれわれといたしましては、個別的な運賃制度の基本をゆるがしているものではないというふうに、私どもは運賃的には考えているわけでございます。トラックにおきましても、それを全国にやるわけでございます。それでこの値上げの額がこの場合に吸収できるかどうか、われわれの運賃観念といたしましては、そういう限度を計算いたしまして、公益事業といたしましては、それに一割の資本に対する配当ができる金額及びそれに対する税金を含めたのが原価といたしまして、料金をはじき出すわけでございますが、そのときにバスにおきましては、この二・四六%上ったガソリンの原価がその利益率の中に含まれるかどうかということは問題でございまして、その場合にバスあるいはハイ・タクにおきまして、もちろんある程度響くことと思いますが、問題になりますのは、地域的に、先ほど御指摘のありましたように、この値上げの率がそのまま原価に組み入れられるかどうかということでありますが、そのときにおきまして、これによりまして道路のよくなるところもありまして、それが何年間に償還されるというようなことは、理論的にその場合にきめていかなければならぬということになるわけでございます。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 いろいろ聞いておりましても、大臣もまだ十分おわかりになっていないようでありますし、今のお話を聞いておりますと、運賃と料金という言い分けと、それから調整と値上りをするというのと、これは同意語のように考える節もあるわけであります。従ってこういう問題はわれわれはもっと深く大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、何か参議院の方においても御用事があるようでございますから、本日はこれで打ち切ります。しかしこの問題はあらためてまた大臣の所信を承わることにいたしたいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 時間がありませんから、資料要求を一応お願いしておきたいのでありますが、今のことに関連しておりますが、揮発油税、地方道路税、軽油引取税等が営業損益に及ぼす影響調べの中に、スエズ運河以来の値上りが入れてないですね。大体ガソリンは一般の市価で八千五百円、軽油は三千円上っている。それを入れたものでないと、この計数は正しくないと思うので、その点を一つ加えて出してもらいたい。  それからもう一つは、需要量の本年度と来年度の見通しについて、その関係を出してもらいたいのであります。ということは、大臣が今から努力される大きなものは、この需要量をどう見るかということなんです。いつでも大蔵省は需要量を少く見まして、運輸省を押えるのです。その結果どういう結論が出ておるかというと、二十九年は五十億多く大蔵省は税金を取ったわけです。そうすると二十九年に取って三十年は使わずに、三十一年に出すわけです。業者から五十億も多く取りまして、そして一年間無利子で自分の利益に使っておいて、そしてその次の年に出すという行き方をするわけです。それでことしも今のところ三百万キロリッターということでやっておるのですが、それが実際は三百四十万に今なっておる。そうすると少くともことしは四、五十億増徴するわけですね。そして三十三年までこれを自分が持っておって、そして道路整備には使わない。これは二十五年からずっと需要量を抑えて、業者からは税金を取って、そして自分の一般会計は使わずに、次の年、その次の年に出すというやり方をしているのでございますから、需要量というのは何といっても運輸省の数字が絶対だということで、最後まで押してもらえば、大蔵省は記数上非常に少く押えておりますから、それだけでも二千円や三千円は、大蔵省のガソリン税を下げることができるのでございます。この点一つはっきりした需要量を出してもらいたい。  これは資料要求ですが、立ちましたついでにちょっと申し上げたいのです。道路公団法にどういうことが書いてあるかというと、道路整備五ケ年計画にかかる道路に関する工事で公団が実施するものに要する経費の一部として公団に補助することができるということが書いてあるのに、道路整備五ケ年計画、また計画しようとする十カ年計画の方にうんと使わす、補助してはならぬ方面の有料道路を中心にやっておる。道路整備五カ年計画に関係のない事業を公団はやっておる。ちょっとした橋をかけて、これは五カ年計画に関連する橋だから法律には違反してないと逃げようとしておる。そういう行き方をしているのでございます。ですから道路公団に持っていくということは適正でないのに、三十億持っていっているわけです。それから特別失業対策というのは道路整備五カ年計画ないし十カ年計画に使う金じゃないのです。これはニコヨンがほんとうに道路を掃除する費用なんでありまして、道路整備に使う金ではない。それを道路整備の方の項目に入れておる。臨時失対、就労関係の七十四億等、いろいろの分を入れたならば百二十九億、この莫大な金を純然たる道路整備計画外の方に使用しておることを頭に置いてもらわなければならぬのであります。それでさらにこの目的税を作ったときに、閣議決定事項というものに対して委員会で説明されておるのは、道路整備五カ年計画というものの中で、政府が大体二千六百億円のうちで、国費を千六百八十億円出すのだということを、了解事項で議会で言っておるのに、実際は四十四億しか出してない。こういうように大蔵省は数字の魔術をもって運輸省を押えてきておるのでございますから、特にこの需要量という点に対しては、運輸省の絶対的な地位において、あとへ下らぬということでこの税率の算定へ強く閣議で発言を願いたいということを申し添えまして、いろいろ質問はありますが、機会をかえまして申し上げたいと思います。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもって御通知いたします。    午後一時六分散会

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