法務委員会 第2号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/11/29
会議録
○委員長(山本米治君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 本日は初めに連合審査会についてお諮りいたします。 ただいま本院社会労働委員会に付託されております電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件につきましては、本委員会にとりましてもきわめて重大な関連を持つものと考えます。この点につきまして、きのう委員長及び理事打合会におきまして御協議を願ったのでありますが、連合審査をする必要ありとの結論に達しておりますので、この際本院規則第三十六条に基き、社会労働委員会と連合審査会を開会することにいたしたいと存じますが、御提議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本米治君) 御異議ないと認めます。それではただいまの決議に基きまして、委員長は直ちに社会労働委員会にこの旨を申し入れることにいたします。なお本件につきましては、商工委員会においても社会労働委員会に連合審査会開会の申し入れを行なっておりますので、きのうの理事会の決定に基き、三委員会連合の審査会を持つように取り運ぶことにいたしたいと存じます。開会の日時につきましては、関係委員長と協議の上、決定次第お知らせすることにいたしたいと存じます。 —————————————
○委員長(山本米治君) 次に検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 ついては売春防止法施行状況に関する件を議題といたします。本件の調査に関し、御意見のおありの方は御発言をお願いいたします。
○一松定吉君 売春の問題は、御承知の通りに前国会でその法案が通過いたしまして、二年間の猶予中に、彼らはその業務をやめて転業するというようなことになっておったのでありまするが、ぼちぼち転業しつつあるものもたくさんあるようでありまするが、またかえって地下にもぐっていろんな脱法行為をやっているものもあるというようなことも聞いております。転業しようとするものが、転業するについて必要な金を何とか国庫が一つやってくれないかというような意見もあるようでございますが、そういうような点について、法務委員会としてはその後の経過がどうなっておるかということを、一応実情を調査して、そうして善処するという必要があろうと思うのでございまするから、それについて皆様の御意見を承わりまして、しかるべく御決定の上、それらの実情を調査して適当な処置をとるということがよさそうに思いまするから、そのことの意見を申し上げておきます。
○委員長(山本米治君) 他に御意見のおありの方は御発言を願います。
○宮城タマヨ君 きょう政府からは労働省、厚生省がお見えになっておりましようか。
○委員長(山本米治君) 法務省の井本刑事局長が見えておりますが、間もなく警察庁の中川刑事部長と厚生省の安田社会局長が来られることになっております。
○宮城タマヨ君 それでは私は安田さんが見えてから安田さんに伺うことといたしましょう。
○委員長(山本米治君) あるいはまず政府からその後の概略を伺ったらどうかと思いますが、いかがでございましょうか。
○宮城タマヨ君 それは法務省関係だけでございますね。
○委員長(山本米治君) ただいまちょっと打ち合せましたら、その後の経過状況の御説明には、厚生省の安田局長が適任だということでございますから、ちょっとただいまの件はお預け願います。
○宮城タマヨ君 ちょっと井本刑事局長に伺いますが、この売春防止法が実施されましてからだいぶたちますが、法務省の方では矯正施設について、つまり入れものをどうしようかという問題はどうなっておりますのでしょうか。
○政府委員(井本臺吉君) 実はその関係は矯正局長と保護局長の方で、主管してやっておりますので、ちょっと私の方とは主管が少し違うものですから、明確なお答えはできないのでございますが、予算の請求をして、更生緊急保護法を適用すると同時に、矯正施設の方を拡充して収容施設を作っていこうという計画をやっておるように聞いております。
○宮城タマヨ君 実はきょう私はその法務省関係の予算の点について少し伺ってみたいと思っておりましたけれども、それはどなたを呼べばよくわかりますか。 〔委員長退席、理事雨森常夫君着席〕
○政府委員(井本臺吉君) 全般的には経理部長が統括しておりますので、経理部長をお呼びいただけば全部のことがわかると思います。
○宮城タマヨ君 今年度の予算はたった三百二十万円ぐらいきりとれていないのでございましょう。これは政府の説明では、この予算は地方から会議に呼ぶ費用だというような御説明でございましたが、そうだったのでございましょうかしら。
○政府委員(井本臺吉君) お話の通り会議に呼ぶ費用を主にしたごくわずかの予算しか法務省関係では認められておりません。
○宮城タマヨ君 それではどなたを呼べば予算がわかるとおっしゃったのでしたか。
○政府委員(井本臺吉君) 竹内経理部長をお呼びになれば全部わかると考えます。
○理事(雨森常夫君) ちょっと宮城委員に申し上げますが、竹内経理部長は後刻見えるそうでございます。 —————————————
○理事(雨森常夫君) それでは売春問題は一時中止いたしまして、大阪拘置所の問題について……。
○一松定吉君 大阪拘置所の問題といいまするのは、大阪の裁判所の裏に北側に拘置所が設けられております。ところがその拘置所は近年非常に未決の被疑者が多く収容せられるために狭隘を感じておりまして、たとえば八畳ぐらいの部員に十人も十二、三人もおるというような現状でありまするために、どこか他に適当な場所を見つけて移転しなければならぬということに迫られておりますることは、これはもう公知の事実である。そういうことのために法務省におかれましては、 〔理事雨森常夫君退席、委員長着席〕 この拘置所を他に移転しなければならないというて、いろいろ候補地を見つけておったのでありますが、その経過はあとで申しますが、結論としまして、大阪都島の場所に延原製作所というのがある。その会社の土地があいておりまするので、そこに拘置所を移転するということに法務省が意見をきめて、樽俎折衝をしておったときに、都島の九万の住民が、都島にはすでに少年の拘置監というようなものがあるし、非常にそれが地方の風紀を乱す。窃盗をやる、詐欺をやる、家宅侵入をやる、というようなことで困っておるときに、またこういうようなものを設けられては非常に困るということのために、九万の区民が、そのうちの一万何千人というものが連署の上で反対の請願をして参ったのであります。そこで、それはひとり参議院の法務委員会だけではなく、衆議院の法務委員会にも同じような請願が参りまして、私ども参議院の法務委員会といたしまして、現場の視察をし、そうして大阪において詳細にそれらの人の意見を聞きまして、そうして慎重審議の結果、都島の区民の請願は適当である、正当であるということで、前国会の最終日に、本会議においてこれを満場一致で採択をして、これを内閣に送付いたしたのであります。衆議院も同じような意味において、前国会の終了二・三日前に、同じく法務委員会においてそれを採択をして、そうしてこれを本会議にかけて、満場一致通過して、これを内閣に送付した。でありますから、この移転問題の反対の請願というものは、参衆両院の法務委員会において採択されて、内閣に送付せられたものであります。しかるにその後法務省は、その両院の請願の採択に何ら顧慮するところなく、今日においては、しきりに移転の手続きをするばかりでなくて、法務委員会にかかっておったときには、延原の地をこれから買い入れようという予約をしておったものを、にわかにこれを売買の契約をし、そうして、いよいよ採択するまぎわに登記をし、そうしてこの土地にいよいよ移すというようなことにきめまして、今ではその移転の手続きをしきりにやりつつあって、すでに官署の一部は延原の土地の空屋の中に移転するというような状況であるし、工事にも着手するというような状況が今日見られるのであります。そこで、都島の住民は非常に憤慨いたしまして、参衆両院の法務委員会でこの請願を採択されて、そうして内閣にまで送っておるのを、法務大臣が勝手に国会の意見を無視してこういうことをやるということは不都合だ、そういうような国会の意思までじゅうりんするというようなやり方をするならば、われわれはこのままじっとしておるわけにはいかぬと言って、今では毎日十人か二十人の監視員をその延原の土地に派遣して、朝から晩まで監視して、どういうことをやるか、いよいよ工事に着手するというようなことになれば、われわれは絶対に命にかえても反対するというようなことで、ちょうど砂川問題みたような騒動が起りそうな状況にあるということで、今回、この移転問題の反対の委員長でありまする大阪の山野平一委員長から、そういう手紙がわれわれ元国会の法務委員であった者並びに前国会においてこれを採択した当時の法務委員長であった亀田君、あるいは衆議院の法務委員長の高橋君等のところに、そういうような非常な悲痛な手紙がきておるのであります。そういうことでありますから、一体どういうわけで法務省はそこまでしなければならないかという点について、法務当局を当委員会に呼んで、この両院の請願の採択を無視してこういうことをやらなければならぬ理由、こういうことを一つ明らかにしたいということで、この案が法務委員会の問題になったのでありまするから、そういうことを十分に一つ御了承の上、審議を進められんことを特にお願いを申し上げます。 少しく内容を申し上げますと、初め、その拘置所を移すときに、ここにありまするように、天満の駅の所に移転するということになっておったのである。ところがその天満の駅は非常に繁華な土地でありまして、それをすでに法務省が国家の命をもって土地を買い占めたのでありました。ところが、その地方の人が、商業の非常な発展をしておる場所にそういうものを置くということは不適当であるのみならず、天満駅から下に見おろすことのできる場所であるということで反対をいたしましたために、その天満駅裏に移転することができなかったのであります。それから方々を見つけておったのでありまするが、二、三あったけれども、結局のところ、延原の工場主の延原が業務に失敗をいたしまして、そうしてこの土地に対るす仕事をやめてしまって、ほったらかしておった。そこにある人が仲介をして、その延原の土地を法務省に売り込みにがかった。そこで、法務省は、すぐにそれを承諾して、そうしてこの天満の土地をそのままにしておいて、延原の土地の所に移るべく交渉したのであります。その天満に移転するときには、大阪の弁護士会等の了解を得、そうして弁護士会等も天満駅の裏ならばよかろうというてこれに賛成をしたのであります。延原の方の工場の跡に移転することについては、大阪の弁護士会は、われわれが調査いたしましたときには、絶対にこれは反対だというて反対の態度をとっておったのであります。ところがその後、この法務委員会の審議がだんだん進むにつれて、法務省も、これをそのままにほったらかしておくことは、自分らの考えておることが法務委員会において裏切られると考えたのでありますか、手を変え、品を変えて、大阪の弁護士会の人を集め、七百何十人の弁護士の中でわずか七十人ばかりの弁護士が集まりまして、そうして都島に移すことに異議なしというような決議をいたしまして、そうしてこの都島に移すことを、法務省が、法務委員会の議決があるにかかわらず、弁護士会も反対しておらぬのだ、ただ、都島の者で反対をするという者は数人の者に限るのだというようなことをして、一万数千人の人が署名捺印をして請願をしておるというような事実を無視し、そうして今日その工事を進めんとしつつあるのが今日の状況であります。このことにつきましては、ある一部の政治家が中に介在をいたしまして、利権あさりをしたという疑いもありますが、そういういうようなことは、十分確証を握っておりません私どもとして、この公けの席上において発表することは差し控えますが、そういうようなこともうわさにしきりに飛んでおるのでありまするから、そういうことも一つ御考慮の中にお入れいただきまして、それらの審議を進められんことをお願いをいたします。 なお、この点につきましては、大阪の都島の山野平一君その他の者も近いうちに上京するということを文書でわれわれのところに申し出ておりまするから、そういう人も一つ招致の上で、事情をお聞き賜わることも必要でなかろうか、また前法務委員長でありました亀田得治君は、特にこのことをよく承知しておりまするから、亀田得治君を委員外として一つ出席を求めまして、意見を聴取するということが必要であろうと思いますから、参考のためにつけ加えて申し上げておきます。
○委員長(山本米治君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(山本米治君) 速記を開始して下さい。
○説明員(安田巌君) 売春防止法が施行になりましてから、私どものとりました措置につきまして簡単に御報告申し上げたいと思います。 御承知のように売春防止法の中で売春婦の保護更生に関する部分につきましては、私どもの方で所管をいたしておるわけでございますが、これは実施の時期が明年の四月一日になっておるわけでございます。それの準備と、それからその法律が施行にならなくてもやらなくてはならないことがたくさんあるわけでございまするので、法律施行後に七月十二日付で厚生事務次官と労働事務次官の連名通牒を各都道府県の知事にあてて出したわけでございます。これは主として婦人相談所、婦人相談員、それから福祉事務所、児童相談所、婦人少年室、性病予防機関、婦人保護施設、その他の協力機関等につきまして、どういうふうにやったらいいかということにつきましての指示をいたしたわけでございます。それから引き続きまして七月十六日付で社会局長の通牒で、各都道府県知事に、「婦人の転落防止及び保護更生対策実施要領」というのを出しております。これは幾らか具体的な指示でございます。 そこで来年の準備もございますが、本年もすでに実は予算措置としてやらなければならぬことがございます。それは婦人相談所を東京、北海道、神奈川、それから愛知、大阪、京都、兵庫、福岡の八大府県に置く予算が六カ月分組んでございますので、その方を実は督促いたしております。現在のところ、いろいろ土地の選定等によりまして、多少おくれておりますけれども、大体すでに予算措置も終りまして、建設計画を進めております。すでに着工しておる所もございます。なおまた神奈川におきましては既存の相談所を増築いたす計画を立てて、すでに仕事はもちろん始めておるのでありますが、大阪、兵庫も所長や職員も任命いたしまして、現在仮の庁舎で仕事をすでに始めたわけでございます。それから婦人相談員と申しますものを全国に四百六十八名任命いたすわけでございます。これは六カ月分の予算がございましたから、十月から仕事を始める予定でございましたが、これもいろいろな事情で多少おくれまして、現在十三県におきまして発令済みであり、それから四県ではすでに人選を了し、近く発令の予定でございます。その他の県もおそくも本年中には発令の予定で準備をいたしております。 そういうようなことが本年度の計画をいたしておりましたことの実施状況でございます。 それから明年の婦人保護更生に関する条項が施行になりますための準備といたしまして、来年度六億二千三十三万円の予算を大蔵省に要求をいたしておるわけでございます。この内訳は、婦人相談所がこの法律が施行になりますと、各府県に一カ所ずつ強制的に設置を命ぜられるわけでございますので、各府県におきます婦人相談所の費用が一億六千万円ばかりでございます。それから婦人相談員は、これは引き続いての費用でございますけれども三千万円ばかり、それからもう一つ保護更生施設でございますが、これを六十カ所ばかりの予算を要求いたしております。これが約二億七千五百八十万円、そのほか、そういった保護施設に収容いたします費用、あるいは連絡協議会でありますとか、婦人相談事業をいたします費用というものを含めまして、六億二千万円ばかりの予算を目下要求いたしております。この予算がもし計上されますならば、これをもって明年度この法律が施行になりましたあとの対策にこれを充てたいと思います。 以上が今日までの予定でございます。
○宮城タマヨ君 安田説明員の今の御説明を伺いまして大へん御苦労さまで、着々できておりますようでございますが、この本年五月十八日に私と安田さんとこの「婦人相談員」という言葉についていろいろ取りかわしておるのでございます。この売春防止法の第十七条で「婦人相談員を置かなければならない。」というようになっておりますが、このときも「婦人相談員」という言葉が非常にあいまいではないか、婦人たちの相談を受ける相談員か、それとも婦人相談員このままの名称だろうか、女の相談員という意味だろうかということを申しましたところが、その御答弁によりますと、いやそうでない男でもいいというように御説明下すっております。速記録にも現われておりますけれども、実際各都道府県にこの十月一日からもうすでに人選ができてきておりますところでは、この意味がよくわかっておりませんらしくて、婦人相談員は全部女であるように解釈しておる人もありますが、これはなかなか女の手でできないから全部男でやろうという所もあるそうでございますが、その辺の御趣旨は一体どういうふうになっておるのでございましようか。
○説明員(安田巌君) 婦人相談員のことにつきましては、宮城先生からこの法案の審議の途中におきまして御質問のありましたことは、ただいまお話の通りでありまして、私どもといたしましてはこういった婦人の相談をする職名だという考えでございまして、ちょうどまあ児童委員というのが子供の委員という意味でない、児童局長というのが子供の局長でないというような意味で実はきめたものであるということを申し上げたのであります。そこで、その後私どもはこの問題だけにつきまして、たびたび課長会議や係長の会議をいたしておりまして、今御懸念を持たれましたような点につきましては、実はよく説明をいたしておきました。従いまして適当な人であるならば、何も婦人に限ったことでない。男の人でもけっこうである。問題によりましては、やはり男でなければやれないような問題もこの中に入って参りますから、どちらでもいいのでありますけれども、今まで出ておりますのを見ますと、やはり女の人が多いわけでありますが、そういうつもりで実は指導しております。
○宮城タマヨ君 この指導は、御趣旨を十分に徹底させていただきませんと、ある県の方はこれはどうしても、婦人相談員だから女でなければならないというようなことで、私もこの速記録を見ましたら、そのときも申しておりますけれども、これはどうしても、中には男子の方を入れていただかないと、この仕事の運営上に非常に支障を来たす場合があるだろというように考えておりますので、一そう徹底いたしますように御措置願いたいということをお願い申し上げておきます。
○委員長(山本米治君) 先ほど法務大臣の出席を要求いたしましたが、この件に関しまして、高橋法務政務次官。
○政府委員(高橋進太郎君) この問題は相当前から問題でございますし、それから相当重要性もある問題であります。私自身も就任いたしましてから、鋭意この問題を研究をいたしております。しかし私自身がまだこれに対する確信と申しますか、そうした信念を持ち得ないような状況でございますし、かつまたこの問題自身のあり方が相当政治的にも大きな問題だと思いますので、きょうは法務大臣、あいにく全国の観察所長会同に出ておりますので、従ってこれは大臣から直接申し上げた方がいいと思いますので、次回に一つお願いいたしたいと思います。
○委員長(山本米治君) 大臣の出席は次回にいたしまして、法務大臣官房竹内経理部長から御答弁を願います。
○説明員(竹内壽平君) 売春法施行に伴いまする必要経費といたしまして、三十二年度の要求額は、事務費におきまして一億七千四百二十三万九千円、施設費におきまして九千五百九十二万二千円でございます。当面、事業計画といたしましては、関係機関と協力いたしまして、同法の趣旨徹底をはかりますとともに、人権擁護の立場から啓蒙宣伝に努め、業者に対する転廃業の促進と、売春婦の保護更正並びに転落の防止をはかります。さらに刑事処分関係規定の発効後におきまする法の運用の円滑化をはかるため、関係機関との連絡等の措置を講ずる必要がございます。かようなことからいたしまして、検察庁関係におきましては、右経費のうち、二千五百五十万九千円、保護観察所関係におきましては一億一千百九十一万三千円、人権擁護関係、これは法務局の組織の中に要求されておりますが、三千六百八十一万七千円、以上一億七千四百二十三万九千円でございます。なお矯正関係にありましては、一応現有の施設を利用することといたしますが、さしあたり女子少年院六庁の施設を整備する必要がございまして、収容施設整備費といたしまして、先ほど申しました九千五百九十二万二千円を要求いたしているのでございます。
○委員長(山本米治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(山本米治君) 速記開始。
○宮城タマヨ君 竹内政府委員にちょっと伺いますが、刑事処分を受けました者の収容施設は、大体女子少年院を何とかして使うという今のお話でございましたが、どういうふうに女子少年院を御使用になる御計画でございましようか、この点は、私は非常に重大問題だと思っております。
○説明員(竹内壽平君) 刑事処分を受けました者を女子少年院に収容するのではございません、これは普通の少年院——家庭裁判所の決定を受けました者は普通の少年院を収容所として使うわけでございます。刑事処分を受けました者につきましては、これは刑務所ということになるわけでございます。その点は従来の扱い方と差異はないつもりでございます。
○宮城タマヨ君 その刑事処分を受けました者が、それでは刑務所式に女子刑務所といったような、名前は別にいたしましても、そういうものをこれからまた新たになさるのでございますか。今収容所については新たなものは作らないように私はお話を伺ったのでございます。そうすると、少年院でなくて、女子刑務所に入れようという意味合いもございますのですか。
○説明員(竹内壽平君) お尋ねの通りでございまして、刑事処分を受けました者につきましては、いわゆる女囚監というのがございますね、そこを使うという計画になっております。
○宮城タマヨ君 そうすると、実際問題といたしましたら、今女子の刑務所がございますが、そこの一部分にでも何とかして入れて、新しくこの売春婦についてのものを作るという御計画はないのでございますか、法務省に。
○説明員(竹内壽平君) その点の新しい計画は持っておりません。現在の刑務所を利用する、こういう考えでございます。
○宮城タマヨ君 この点につきましては、保護局長や矯正局長に私ぜひ伺いたいと思って、御出席を願ったのでございますが、きょうはむずかしいらしうございますけれども、これは十分に法務省で御研究ができているのじゃないかと思っております。今予算関係の審議に入っていくというときに、一つ一般の刑事処分を受けております者とこの売春婦、それは売春婦にいたしましても刑事処分を受けた売春婦としてはとてもひどいものでございましたにしましても、それを一緒に入れるということは、果してどういう処遇をし、どういう取扱いをし、どういう教育方針を立てたらいいかというようなことについて、私これは非常に問題ではないかというように考えておりますのでございますが、この点につきましては保護局長、矯正局長からも私十分に伺ってみたいと思いまして、今日はその点についてはそれだけにいたしておきます。
○委員長(山本米治君) 他に御質問ございませんか。
○宮城タマヨ君 刑事局長おいでになりますかしら、井本さん。ちょっとおそれ入りますが、この売春防止法が作られましてから、今東京の地検でいろいろの売春婦の相談をやっていらっしゃいます。その結果はどういうことになっておりますか。ちょっと簡単に御報告願いたいと思います。
○政府委員(井本臺吉君) 東京地方検察庁では、ちょうど今から約一年前の昭和三十年十一月に更生保護相談室というのを設けまして、ここに東京保護観察所それから東京都警視庁並びに民間の関係保護団体の方々と連絡の上に、関係者の方に来ていただきまして、ずっと御指導を願ったのでございます。この更生保護相談室は一応更生緊急保護法に法的根拠を置いてやっておるのでございますが、法律で特に認めた制度ではないので、便宜かような制度を設けてやってきたわけでございます。この結果、少し統計が古くなりますけれども、昭和三十年の十二月一日から本年の七月二十四日までに、約八カ月間で合計千五百人の売春婦の更生保護に当ってきたのでございます。この売春婦として検挙をされて参りました方々に対しまして罰金を課しましても、ただそれだけのことで、かえってまた罰金を課したということが次の売春行為をするというようなみじめな結果になってきましたので、さような点を考えて、むしろ罰することより更生についていろいろ相談にあずかって、できるだけ彼女らの更生をしてあげたいということで、かような制度を設けまして今日に至ったのでございますが、その結果は、われわれのまあ自画自賛のようになりますけれども、非常に良好でございまして、何といいますか、この相談所で扱いました売春婦の再犯なども非常に結果的には少くなっておりまするし、この制度は予算などの処置をいたしまして、できるだけやっていきたいというように考えております。
○宮城タマヨ君 ちょっと重ねて伺いますが、この千五百人というのは、相談室の方に送られました数でごさいますね。
○政府委員(井本臺吉君) 相談室で扱った分だけでございます。
○宮城タマヨ君 起訴されたものはどのくらいのパーセンテージでございましょうか。それおわかりでしたらちょっと伺いたい。
○政府委員(井本臺吉君) この関係につきましては、今詳細なレポートを作っておりますので、書面で詳しく統計を出しまして御報告申し上げたいと思います。
○宮城タマヨ君 けっこうでございます。
○政府委員(井本臺吉君) なおちょっと申し上げますが、書類が今わからなかったので……。これによりますと、千五百人のうちで、略式請求したものが二百四十九、パーセンテージにしまして一六・六%、起訴猶予にしましたものが千百八十五、パーセンテージにして八〇%、それから嫌疑なし処分にいたしましたものが十八、一・二%、家庭裁判所送致が四十八で三・二%というふうになっております。
○宮城タマヨ君 高橋次官がおいでになりましたからお願い申しておきます。この間、大臣には個人的に申しましたけれども、売春対策の内閣審議会で今ほんとうは小委員会ができまして、それで大事な今度は保護立法の方が残っておりますので、やらなきゃならぬはずでございますが一向まだ動きませんので、一つ政府の方でどこがどうなって動かないのか、一つ研究していただいて、促進していただきたい。お願いしておきます。
○政府委員(高橋進太郎君) ただいまお話の通りこの問題は法規だけではどうしてもこれは解決しない。その陰の、今お話のように保護立法なりあるいは保護の予算の方がむしろ大切だと思います。従ってこれは政府各部にも関係いたしますので、御趣旨の点を十分拝承いたしまして、至急対策を樹立するようにしたいと思います。
○委員長(山本米治君) 売春防止法施行状況に関する件は、本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(山本米治君) 次に先刻に続きまして大阪拘置所移築問題を議題といたします。 先刻の一松君の質問に対し、法務大臣官房竹内経理部長から答弁を願います。
○説明員(竹内壽平君) 法務省といたしましては、当委員会の御趣旨の存するところを十分に尊重いたしまして、その上でなお都島敷地上に拘置所建設工事を進めさしていただきたいという考えをいたしておる次第でございます。
○一松定吉君 聞くところによりますと、現に法務省ではこの土地に対してすでに所有権も獲得をして、そうして金も渡し、登記も済まし、そうして移転の手続も着々進捗しておるということが現地の請願人から私どもの手元に申し出があったのですが、そういう事実はありますか。
○説明員(竹内壽平君) 御指摘の通り、都島敷地はすでに登記を完了いたしまして、法務省の管理ということに相なっております。その後交換契約に基きまして、都島敷地内にあります職員の宿舎に、天満の敷地上にございました建物内におりました職員を移転をいたさせましたことも事実でございます。その後地質の検査等のためにボーリングの試験をいたしましたこともあります。それからさらに最近になりまして、一部建物の撤去を始めておることも事実でありまして、着々と工事を進めておるということになりますかどうかわかりませんが、その目的に従いまして、準備的な工事を進めておりますことは事実でございます。
○一松定吉君 この問題については、参衆両院の法務委員会において、この都島の場所に移転することについての反対の請願があって、これが採択されて、しかしてそれが内閣に送致されておる。しかもそれについては参議院議長の松野鶴平氏から、本年の六月三日に意見書を添えて鳩山総理大臣のところへ出しておる、すなわちこの拘置所の移転問題についての請願です。これについては至急に解決を要する、この解決の具体的処置については政府は世論を尊重するとともに、いやしくも公けの非難を受けるなどのことがあってはならない、政府はこの問題の至急かつ公正な解決に当るべきであるという松野参議院議長の意見書が添えられて、内閣総理大臣にこれが送致されておりまするが、それは御承知ですか。
○説明員(竹内壽平君) 存じております。
○一松定吉君 こういうような意見書が参議院議長から内閣総理大臣に送致されておるにかかわらず、今あなたのおっしゃるように、そのいわゆる反対の場所に、拘置所の役人をすでに移転せしめるとか、あるいは地質の調査をさせるとかいうようなことは、どういうお考えですか。
○説明員(竹内壽平君) 決して院の御意思を無視したものではなくして、私の考えを申しますると、参議院の当法務委員会におかれましては、本年三月九日、委員を現地に派遣なされまして現地調査をされたわけでございます。その結論も当委員会で御報告があったわけでございますが、拝聴いたしますると、候補地として当時ごらんを願いました場所は、天満と都島とそれから茨田地区という三個所をごらんになっているわけでございますが、結論といたしまして都島が最もよい、次は天満である、茨田地区につきましては適地とは考えられないという結論をお出しになっておる、もちろんこれには条件がついておりました。その条件と申しまするのは、都島についていろいろ訴訟ざたがあるやに聞いておるが、その落着いかんによってはあるいは取り消さなければならぬかもしらぬが、まず見たところは今の順序では、三つの中では天満が一番よろしいというふうに御報告があるわけでございます。さらにただいま御指摘の山野平一さんほかの方々からこの問題につきまして三つの請願が出ておったわけでございます。 その三つの請願は、この都島へ移転反対をするという請願と、その一番悪いといわれておった茨田地図へ誘致するという問題、そのほか天満と都島の両敷地を交換することについて評価の不当というこの三つの請願が出ておったのでございまして、この三つの請願も当委員会で御採択になったことはもう十分承知しておりますが、この御採択になりました際に、また別途委員会といたしましては決議をなされておるのでございます。その決議によりますると、拘置所の過剰拘禁の現状はゆゆしい状態である。これ以上遷延を許さないのであって、すみやかに拘置所を新設すべきであるという御趣旨の決議でございます。これらを総合いたしますると、当委員会の御意思の存するところは、要するに法務当局の良識的な判断によって新営工事を早くやるべきものであるというふうに御示唆を賜わったものと私は了承いたしておるのでございまして、従いまして反対の、今参議院議長から特につけ加えられました点等を参酌いたしまして、できるだけ地元の方々の御了解を仰ぎつつ問題の解決をいたしたいと思いまして、逐次先ほど申しましたような準備工事に着工いたしておる次第でございまして、何とぞこの機会に重ねてわれわれの考え方を御承認願いたいというふうにお願いを申し上げる次第でございます。
○一松定吉君 それはとんでもないあなたは答弁をなさる。当委員会の委員長は亀田得治君がその当時の委員長である。この北区の裁判所裏の拘置所が狭隘を感じておるからして何らかの処置をとらなければならぬということは、これはその通りです。それがためにこの二万三千五十名というものが反対陳情をしたところのこの請願書を、参衆両院の法務委員会で採択して、さらに都島に移転すべきものではないということを採択して、それが松野議長から総理大臣あてにそういう趣旨のことが意見書として出されておるのに、法務委員会の意思をそんたくして都島の方に移すのがよろしいのだという結論はどこから出ますか、そんなことは。あなたいいかげんなことを言っちゃいかぬよ。そういうようなことは、現に亀田前法務委員長がここにおるのだ、そういうような決議をして、裁判所裏の拘置所が狭隘を感じておるからして、都島に移すことについてはやむを得ないというような趣旨の採決はしておりません。それはあなたが勝手にそういうような解釈をするのであって、とんでもない考えだ。一体参衆両院の法務委員会の請願の採択というものを無視しておるやり方なんだ。私は今度の問題になっておるその点について、幸い法務委員長であった亀田君が今この委員席に出席せられておりまするから委員長、亀田氏の委員外の意見として御聴取を賜わりたい。
○委員長(山本米治君) この際お諮りいたします。本件に関しまして委員外議員亀田得治君から発言の要求がありますが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本米治君) それでは御異議ないことといたしまして、亀田君。
○委員外議員(亀田得治君) それではただいま議題になっておる問題につきまして若干私の意見も申し上げ、法務当局の考えもただしてみたいと思います。 本論に入る前に、すでに法務当局では工事に着工されたようでありますが、現在の計画ではそれは何年間でやり遂げる計画で着工されておるのか、来年はどの程度の予算等々考慮されておるのか、そういう点を具体的にまずお聞きしておきたいと思います。
○説明員(竹内壽平君) まだ全体計画につきましては大蔵省の査定を受けておらないのでございまするけれども、私どもの希望といたしましては総工費約五億円になる見込みでございまして、予算措置としましては昭和三十年度に一千万円、昭和三十一年度に三千八十万九千円の予算をいただいておるのでございます。来年度以降におきましてなるべくすみやかに完成を期しておるのでございますが、御承知のことと存じますが、収容施設につきましては直営工事ということで、ある程度囚人の力を利用しまして建設することになります。で、そういう能力の範囲等も考えまして、三十二年度の要求につきましては約二億円の要求をいたしたいと思っております。
○委員外議員(亀田得治君) 先ほど一松委員から意見書の意味につきまして法務当局が披瀝された見解、それははなはだ間違っておるという点を御指摘されたわけですが、その点私も同感であります。特にこの請願等が問題になったときに議論になりましたのは、都島の区民の人が非常な熱烈な反対運動をやっておる。ただちょっとおつき合いで言うているというそういう程度のものではなしに、いろいろな角度から反対を唱えておる。このことが一つ。それからもう一つは延原の土地と天満の土地とを交換する際における評価ですね。一応法務当局では鑑定の結果、同じような値打の土地だというふうな計算はされておりますが、どうも実際に二つの土地を知っておる人たちにとっては、相当なそこに値開きが実際上ある。これは将来必ず明らかになってくることでしょうが、まあその点について、金額等についてまで相当触れておりますね、地元の人の意見が。その金額がそれほど莫大な開きがあるかないかは別として、私どもも相当やはりその点は問題じゃないかと実は思っておるのです。だからできるならばもしほんとうにこの土地が必要だというのであれば、国が正規の予算で土地を買い取って、そうしてまた国有地は国有地として別に売っていくということにすれば、そういう疑惑も起ってこない。そういうふうな意見もこの請願の審議の過程等においては出ていたわけなんです。ところが結局そういう点も無視されて、すでに土地所有権が大体同じような値段として交換済みになっておるわけなんです。しかしその点については、地元の人たちは、どのように説明されようと、感じとして割り切れないものを持っておるわけなんです。そこで、意見書の中にある「世論を尊重するとともに、いやしくも公の非難を受けるなどのことがあってはならない。」といっておるのですね。今私が申し上げたような状態に地元があるのですが、どのように世論を尊重されたのか、そこの具体的なことですね。あなたの方は意見書を決して無視する気持はないと、そういうふうにおっしゃった。それは私は当然だと思うのです。国会の決議ですからね。それは当然だと思うのですが、具体的にはそれでは今申し上げたような二点について、どのような尊重のやり方をしておるのか。そういう点をまずお聞きしたい。
○説明員(竹内壽平君) 都島の区民の方々とほんとうに胸襟を開いてお話し合いを願うのが一番いいわけでございまするが、かえって私どもの方でそういう機会をこちらから作るというふうに申し出ますことが、いかにも挑戦するような形にとられることを心配いたしまして、そういう機会の熟するのを実は心から待っておる次第でございまするが、なお漫然と手をこまぬいているわけではございませんので、亀田議員も御承知かと存じまするが、本年の九月一日に大阪弁護士会が臨時総会を開かれまして、この問題を討議されました。このことを申し上げますのは、弁護士会にも私どもが第三者、公正な立場で区民の方々の御理解をいただきますために私どもはどういうふうな態度をとればいいか、またどういうふうにお願いの筋を持っていったらいいかというようなこともあわせてお願いしておるような状況でございますので、ちょっとその点に触れさしていただくわけでございますが、この大阪弁護士会は、前は天満の敷地について賛成の決議をしておるわけでございます。それを都島の方へ候補地を変えたということにつきましては、大阪弁護士会としても前の決議を取り消して、今度賛成するかどうかということをきめるわけでございまして、これは弁護士会としてもなかなか容易ならぬことでございまして、私どもからも資料を提供し、御説明をいたしたわけでございます。で、九月一日に臨時総会を開きまして、そのときには参会者百二十七名も集まられたということでございますが、その席で、いろいろ論議をされました結果、結局まあ法務省の天満敷地を都島と交換すると、そうして交換先の都島へ拘置所を作るということについては賛成であるという決議をいたされました。で、その建議書を持たれまして、九月十四日に会長の田村さんほか十数名の方がおいでになりまして、私どもにいろいろとこの決議の成立に至るまでの趣旨を話され、かつ私どもにいろいろな助言があったのでございます。その中の一つに、都島区民の中にある反対、この反対はできればなだめて、和解をするのが何よりであるというようなこと、これはもう私ども願ってもないことでございまして、その点につきましてもいろいろお話し合いをいたしました。当時日赤病院のヒロポン病棟の建築に当っても、いろいろ問題があったそうでございまして、相手方の顔を立ててそうして円満に解決をしたという事例もそのときお話がございました。何とか私どもも反対をしておる方々のお立場を十分立てて、できるならば建築設計等につきましてもそれを十分承わっていくという態度で臨みたいと、そのあっせん方等も実はお願いしたのでございます。さらにまたその際にお話が出たのでございまするが、大体反対の根本をなしておる中に、都島区内のうちのやはり収容施設で少年鑑別所がございまするが、この少年鑑別所の施設がまことに不十分でありますために、都島区民にいろいろ不快な念を与えておる。この問題についても法務当局は十分考慮すべきではないかというお話がございました。これはもう私どもといたしまして、この少年鑑別所を完全なものに整備いたしたい考えを持っております。が、さらにまた、もしも都島以外の地区において適地がありますならば、これを移転することもあえてやぶさかでない旨を申しまして、私どもの意のあるところを述べた次第でございます。それからさらにまた、弁護士会の方の御意見といたしまして、拘置所というものの考え方について、まあ拘置所を知らない一般の民衆は、あたかも高い塀で刑務所のようなものを想像しておられるのじゃないか、で、近代的な拘置所を作るのならばどういう拘置所を作るのだというようなこともこの際積極的に図面などを見せて御理解を願うのがいいんじゃないかというようなことも御示唆がございまして、これも、たまたま新聞記者が来ました機会に、私どもの手元の設計図を見せまして、新聞に載せていただいたというようなこともございました。
○委員外議員(亀田得治君) 簡単に願います。
○説明員(竹内壽平君) そのほか、弁護士会でも着工の時期を早めた方がいいという御意見もありました。それからなお、これは間接的なことでございまするけれども、この問題につきましては、大阪の検察庁等におきましてもいろいろ側面から心配をしてくれておりますので、先般も、検事長であったかと思いますが、反対派の方々と御面会下さって、この問題についての了解を求めるような態度を示していただいております。それからなお刑務当局の者がその態度を慎しんでおりますのは、全く挑戦的にならないようにという配慮にほかならないのでございまして、その意味の話し合いといいますか、見通しというものがつきますれば、喜んで参上いたしまして、理解に努めることにやぶさかでないのでございます。まあかようなことで、できるだけ私どもの意のあるところをお伝え申し上げ、もし御希望等がありますならば聞き、さらにまた、具体的になっております少年鑑別所の移転問題等も考慮いたしておりますことをこの際明らかにいたしておきたいと思います。
○委員外議員(亀田得治君) 大へん長長御説明いただいたのですが、若干ピントがはずれている感じですけれども、法務当局では、弁護士会の方の了解をとったという意味のことを非常に強調されておるようですが、弁護士会の方は、ほんとうは地理的な関係からいっても天満を望んでおる。近い方がいいんですから。しかし、どうしても法務省がやらない、都島の方に持っていくと、こう言うから、それは仕方がない、持っていくなら持っていって早くやってもらいたいと、ただそれだけのことなんです。若干意味が違う。で、そういう立場の弁護士会の御決定があったからということを非常に強く持ち出されるのは、何かそういうものを理由にして、いわゆる世論を尊重するようにと、こう意見書になっているのに、それをごまかしていく、こういう感じを若干受けるわけなんです。そういう弁護士会の決議のあったことの御報告はいただいてもいいんですが、あまりそういうことに重点を置かれぬ方が私よかろうと思うのです。ですから、むしろ逆に、私ども世論を尊重して公けの非難を受けることのないようにと、こういうふうに衆参の法務委員会が意見をきめたのは、そうじゃない。地元であれだけの反対運動をやり、そうしていろんな疑惑を持っておる、それから今お話のあったような少年鑑別所の問題等との関連等もある。そういういろいろな問題があるわけなんですね。そういうことについての手は一つも打ってない。今お聞きすると、まあ間接的と言われる弁護士会にそれだけのことをされるのであれば、これはもっと都島の地区の人たち自身に対して、もっととるべき態度が私はあろうかと思うのです。それを一つもされておらぬし、私もされているとは聞いておらぬ。何かこういうふうに問題が上ってきますると、今後何かそういう機会があればお話し合いをしてもいいというようなことも今若干言われたのですが、それはおかしいので、すでに若干一部工事を始めて、そうして問題になってからそういうことを言われるのは——これもほんとうにそういう民主的な気持でやっておられるかということについては、やっぱり地元から見ると若干疑問が持たれる。今からでもいいというお話がありますがね、しかし、それは今から先の話です。根本的に、私はあれだけ問題になっておるわけですから、いやしくもこの政府の方針が変えられないとして着工するにしても、その事前において、私は大阪弁護士会以上に、いろいろな問題について地区の人の了解を狩るような、そういう措置と努力をやっぱりとるべきだと思う。全然とってないですよ。やぶから棒のように工事が進められておる。それからもう一つは国会ですよ。これは衆参両院とも、いろいろ問題があるからということで、請願が通されておる。で、国会は開会中ではなかったわけですが、どういう意見を持っておるかということは、大体法務省でおわかりなわけですね、国会議員の諸君にも何らのあいさつもないわけだ。私どもの方から聞いてみると、実はこうこうこういうふうに進んでおる、こういうふうなことなんです。はなはだ私は国会の決議の趣旨というものもそういう意味からでも無視されておると思いますね。その点、端的に聞くわけなんですが、今までの法務省の扱い方が意見書の趣旨を尊重したと私は少くとも言えぬと思うのですね、この世論というのを具体的にいえば、その関係の国民ですからね。関係の国民はもう全然これはオミットされて仕事が進められておる、弁護士会は何もここで言う世論の重大な部分ではないですよ。これは職務上のいろいろな関係があるということだけのことです。弁護士会の立場は、私が先ほど申し上げた通り、これも私は大阪弁護士会にいるから真意はよく知っている。そこなんですが、そこの点について、法務当局は顧みて自分としてはだれからもそういう非難されることのない態度で今度着工したと断言できるのか、若干そこにまずい点があったというふうにお考えなのか、その点率直に、結論的に考え方を聞かしてもらいたい。その上で私は次の注文を一つ出したいと思います。
○説明員(竹内壽平君) 何人からも非難されるようなことがないという確信を持って進めておるというふうなことは、いささかも思っておりません。私どものやりますことには、幾多の手抜かりもあったし、事志と違った見方、解釈を受けるということも多々あろうかと存じまして、この点はまことに謙虚に私反省いたしております。しかしながら私の気持といたしましては、決して世論を無視するとかいうような考え方はないのでございまして、行き足らぬことは幾らでもおわびを申し上げますが、世論を尊重しながら目的の工事を達しさせていただきたいという念願で一ぱいでございます。どうぞ一つ御了承を仰ぎたいと思います。
○委員外議員(亀田得治君) まあ今度の着工自身のやり方については、あなたが今若干控え目に言われた通り、これはもうはなはだ非難に値するやり方ですよ、何としても同じ日本人同士で、あなた、どうしてもやらなければならぬというなら、堂々ともっと説明するなり、そういう機会は幾らでもある。この意見書には、いやしくも公けの非難を受けちゃいかぬと、非常に強く書いてあるのですよ、いろいろな事態が複雑になるということは、もう予想できますので、まあ過去のことはそれじゃそういうふうに若干御反省があるようですが、しからば、現在ああいうふうな状態に現場ではなっておる、そうして現場の諸君も場合によっては見張台を門の前に作るとか、そういうふうなことになっておるわけですね。見張台はできておる。これは政府がされる仕事としては、まさか砂川事件じゃあるまいし、はなはだおかしいと思う。地元にしたって、法務省から何も言わぬのですから、何もわからぬのですから、これは話し合う余地もないわけです。従って見張台でも作っていなければ、これ仕方がないわけでしょう。その辺をどういうふうにされるつもりなのか。ああいう見張台のあるままで工事を進めていくつもりなのか、もっと検討してみなければならぬと思う。その辺のこと一つ考えをお聞きしたい。
○説明員(竹内壽平君) 亀田議員等の有力な方々が、お話し合いをいただきまして、もしも私どもがお話し合いをしたいということを申し入れたといたしまして、単に挑戦をしてきたというふうな取り方をされないで、私どもの気持のあるところをおくみ取り下さって、お話しに応じていただくようにごあっせんを願えますならば、私は大阪に飛んで行きまして、御説明をするのにやぶさかではございません。
○委員外議員(亀田得治君) その法務省がお仕事をやられることを前提として認めて、そうしてそういうあっせんをするというふうなことは、ちょっと私どもの立場としてはこれは問題なんです。今申し上げておるのは、どのように立場なりそういうものが違っても、こういう問題で全くあいさつもなしに仕事をさっさとおやりになっていくというそういう態度をまず改めてもらいたい、検討してもらいたい、こう申し上げておる。そこを誤解のないようにして、そうしてそういう態度をやっぱり私はとってほしいと思うのですね。一松さんの御意見等も後ほどおありだと思うのですが、私ちょっと内閣委員会で急いでおりますので、失礼しますが、これはとにかく今やっておるああいうやり方は、もうとても、即刻やめてもらわぬといかぬですね。ただ問題を紛糾させるだけのことだ。 それから少年鑑別所の問題にしたって、よくこのことは前から話しが出ておりましたが、それじゃ少年鑑別所を実際ほかに持っていくという計画があるのかと聞きますと、あまり具体化していないのですね。全然それが考えられないことはないらしい、私ども聞いてみると。大阪の家庭裁判所の裏とか、そういったような、かえってその方が職務上も便利になるのじゃないかというふうな点もある。ところがそういうことは、単なるちょっとした案であって、じゃそのことをひっさげて都島の人たちと話をする、いろいろな予算上の裏づけなんかも持って——、そういう事態にはちっともなっていないのですね、法務省の内部自身が。私はそういう点なんかを見ても、やはりほんとうにこの問題を世論を尊重するような格好でやっていこうとしておる熱意、そういうものにやっぱり欠けておると思うのですよ。それから都島の諸君とお話をされるにしても、少くともそれくらいの裏づけなどははっきりしていなければ、これはとても話になりません。その鑑別所のことなんかはどうなんでしょうかね。それははなはだ私は単なる思いつきのようなふうにしか、見ようによっては受け取られぬ点もあるわけですがね。
○説明員(竹内壽平君) これは決して思いつきのことではございませんので、鑑別所を完全な形で整備するか、移転するかという問題でございます。完全な形で今の所に整備をするというのには、金は要りますし、移転するということになりますれば候補地、そうしてそのまた敷地の交換という問題もからんできますが、候補地をまず物色しなければなりません。従いまして具体的とおっしゃっても、ここの敷地をということになりますと、敷地の交渉とか、あるいは予算措置とかいうものを伴いませんと、役所の仕事でございますと、具体化という問題になりませんが、考え方といたしましては、単なる案というようなものでございませんので、真剣に研究をいたしているのでございます。
○委員外議員(亀田得治君) ちょっと時間がありませんから……。
○宮城タマヨ君 きょう私が大臣の御出席を要求いたしましたのは、大臣に対して少しお尋ねしたいと思っておりましたのでございますけれども、またの機会に譲りますといたしまして、政府委員に質問ということではなくて、私は法務委員会にもう足かけ十年もずっとおりまして、そうしてこの種の問題が実に起り続けております。鑑別所ができるといい、少年院、刑務所、拘置所というものができますというときには、必ず反対陳情がございまして、ことに仙台の少年院の敷地問題なんかは、市会議員がたくさん押しかけていらっしゃいまして、法務委員会におきまして、ちょうどそのときが刑政長官が現佐藤検事総長でございましたが、その刑政長官とその市会議員とで、なぐり合いでも始まらなければいいがと心配するくらい、非常に激しいやりとりがあったのでございます。その当時の委員の方もほとんどいらっしゃらないようでございますけれども、そうしてすったもんだのあげく、非常に激しい反対を押し切って、法務省が今仙台の男子少年院のございます所に建てたのでございます。そうして現在はどうかというと、実にりっぱな少年院になりまして、もう昔そんなことがあったということはだれも知らない、みんな喜んで、そうしてそこからたくさんの少年を更生さして出しております。ことに仙台の少年院は非常に成績のいい少年院でございまして、今はとにかく誇っております建物もできております。私は過去十年間におきまして、この種の問題が起るたびに、非常に悲しい気持がしますことは、幾ら社会を明るくしよう、しようというお題目を唱えて、大鼓をたたいてみましても、一体その地方民がこんなことを言って、何ができても少年院はいやだ、鑑別所はいやだといったら、一体どういうことになるか、私も調査に都島に参りましたのでございますが、そのときに実に驚くことには、えらい勢いで、もうそれこそ何千という方があそこへ押しかけておったと思います。その中で子供をおんぶしておるお母さん方もずいぶんございました。婦人の方もずいぶんございましたが、まるで白はち巻、ねじりはち巻をして、ことに女は女にというような意味で、お母さんたちは私のそばにきて、その陳情なさる陳情というものは、先生、このおんぶしている子供のためにどうしてくれますかというようなことなんです。まことにわが家のお母さんの言い分としたらもっとも千万で、ほんとうにわが子を持っていて、近所に……。そのときにおもに言ったのは、ここにはすでに鑑別所というものがある、鑑別所にあの悪い子供が一ぱい来ていて、こうおっしやる、私は鑑別所の内容もよく知り抜いております。だから私はそのときに、たくさんむらがり集ったお母さんたちに言いました。あなたたちその子供を、年をとってきて不良にならないとどうして保証できますか、もしもあなたの背負っていらっしゃる子供さんがほんとうに不良、犯罪というような気の毒な子供になった場合に、あなたはなおこういうことが言えますか。もう少し大きい立場に立ったお母さんの心を表わしてこの問題を解決してごらんになったらどうでしょうか。私はむしろこれだけのお母さん方が、この地区へ来て下さい、そしてほんとうに何かあたたかい気持で歓迎して、またあたたかい気持で訪問もしてあげますよと言って下されば、私まことにありがたいのだと言ったときに、そのお母さんたちが非常に私を罵倒いたしました。ということは、まあ大へんに興奮して、もうどうでもこうでも子供らのために拘置所が来てはならない。そのときに言った言葉の中に、先生、考えて下さい、あの近所隣で首を絞めるガタッという音がして、それを子供に聞かされますかというようなこともおっしゃっておりました。だが私は、大きい立場でものを考えましょう、社会の母に、国家の母になっていただきたいということを、私はその場合に申したのでございます。そういたしましたら、よし覚えておけ、お前の選挙のときにはじゃましてやるぞというようなことをほんとうに言った人がございましたときに、私はまあこれは何ということになり行くかと心配いたしたのでございます。おそらく大阪に出張いたしました人たちの意見を集めまして出張の報告をいたしましたのは、理事として私がいたしましたと思っております。その報告書の内容もよく今日なお覚えております。でございますが、松野参議院議長のこの意見書にもございますように、世論を尊重するとともに、いやしくも公けの非難を受けるなどのことがあってはならないというのです。これはもちろん原則でございまして、こうありたいのでございます。けれども、あらゆる場合に、今日のこの都島だけではない、すべての場合に、現に一番最近では神奈川の少年院ができますときに、ほとんど二カ年にわたって現地の人が反対しました。私どももたびたび足を運びまして、現地の方に参議院議員、法務委員としてお目にかかったのでございますが、今度りっぱな少年院ができまして、行きましたときに、その反対の先鋒になった方は、私に会うことを遠慮して逃げ歩いているという、はなはだあんなことを言って詰らぬことであった。結果から見ますというと、反対した人の方が恥かしいくらいというような結果になっております。だから、この世論を尊重するということはもちろんでございますが、今回の場合なんかも、私心なくして、ほんとうの大所高所から、今日この犯罪予防、社会を明るくするというような見地に立ちましたときに、ことに婦人方が婦人としての立場、母としての立場、大きい立場を守る上に、私心なく、ほんとうの社会人としてそれを言っているかどうかということは、これは私は問題だと思っております。おそらく私に陳情されたその人たちでも、みんなわがわがという私心があって、それは私からいえば、もちろんそんなものはない方がいいのでございますけれども、それなら一体どこに持っていけばいいかということ、甲から乙にいき、乙から丙にいっても同じ問題がずっと起っております。私は、こういうことは原則論として私どもとの法務委員としても考えてみなければならぬ問題じゃないかと思うのです。でございまして、今日私は法務省がそれに手をつけて着々とやっていらっしゃるというようなことを、きょうここへ来て初めて伺いましたけれども、しかし私は大所高所から考えた場合に、それもやむを得ない。そうすると、私ども一体どういう立場をとればいいかということが、私どもの今課せられている課題であって、どこまでも私どもは大きい高い立場に立ちまして、そして広く見渡した上で、それでもこれはがまんならぬというととがあったら、私はそれは今法務省がとりかかっておっても、大所高所から見て、どうでもがまんならぬというのなら、私は文句を言いたいと思う。けれども、ここに受けております陳情の範囲におきましては、私心なくして言っていることはないという結論を持っておりますから、これは、はなはだ意見がましいことでございますけれども、この問題についての私の考えておることを申し述べておきます。
○委員長(山本米治君) 政府委員の答弁を御要求ですか。
○宮城タマヨ君 いえございません。大臣に私は答弁願いたいと思うのでございます。
○棚橋小虎君 ただいまの政府委員の御答弁をずっと拝聴いたしておったのでありますが、どうも私には納得がいかないのであります。ただいま政府委員としてはこの決議を尊重しておる。また決してこの決議を、世論を無視するという考えはない、こういうことを申されるのでありますけれども、非常にそれがそらぞらしく、少しも世論を尊重したという形跡もなければ、非常に空虚な響きを私どもに与えるのでありますが、誠意がさらに認められないと私は思う。一体、この参議院議長からしての意見書というものを見てみましても、これは拘置所の移築反対に関する請願というものがここに出ております。それは幾つか出ておる。それからして国有財産の不当処分の反対の請願というものが出ております。その意見書の本文としては、初めの方にはなるほど、現状を一日もそのままにしておくことは許されない、この解決は至急を要するということは前段にありますが、そのあとに、かつこの解決の具体的処置については、政府は世論を尊重するとともに、いやしくも公けの非難を受けるなどのことがあってはならぬ、こういうふうに言っておるのでありまして、この反対に関する請願というものに対する意見書といたしましては、あとの方にむしろ重点が置かれておる。初めの前段は、ただ一応そういうことは尊重しなくちゃならぬが、しかし、この意見書というものは、後段に重点が置かれ、力が入れられておるのであるが、一体法務省としては、この後段をどれだけ尊重してやられたかということについては、ただいま政府委員の御答弁によっても、少しもわれわれを納得せしめるところがないので、私は先ほどからして一松委員、亀田委員の申されたことは、法務省の当局が一体これだけのことを遂行しようとするのに、地元を納得させるように、地元の意見を尊重する、あるいは地元の感情を尊重するということのために、どれだけの一体処置をとってきたかということについてお尋ねしておったのであるが、それも少しも、いろいろ言われるけれども、一度も地元とは懇談もしておらなければ、話もしておられない。そうしてぐんぐんとやるだけのことはやっていかれるというのでありますからして、非常にやり方が高圧的である。世論尊重ということは少しもない。また国会としては、これだけの意見書を出しておるのに、国会の意見を尊重しておったかというと、それも少しも尊重したような形跡もなければ、国会に対して、どういうふうなこれに対して処置をしたというようなこともなかったと思うのでありまして、非常にそのやり方が、何といいますか、世論を頭から高圧的に押えて、——抑えるというか、全然それを無視して、そうしてただ自分の考えを遂行していくというやり方なんで、こういうやり方は、どうも今の時代には私は大いに適さないだろうと思う。よしんば、ここへ移築することがいいことであって、結局これは遂行しなければならぬとしても、そういうやり方をしていったら、私は世論はおさまらぬだろうと思います。そういう点につきましては、それはどういうふうにお考えになっておるのであるか、今後はどういうふうになされるおつもりであるか、もう一ぺんそこのところを責任のある御答弁をいただきたいと、こう思うのであります。
○説明員(竹内壽平君) 御指摘のように高圧的であるとか、あるいは一方的に無視してやったというふうに見えるというお話で、この点はもう全く私ども事務担当者の不徳のいたすところでございますが、先ほど来るる申し上げまするように、私どもの意思といたしましては、決してさような高圧的に、一方的に、あるいは世論を無視してかかるというような態度ではございませんので、気持としましては、どうしたらば御理解のいくようになるかということを苦慮し続けてきておるのでございます。具体的な問題ということになりまして、もしお話し合いをすることが別の、つまり私どもから挑戦するといったようなふうになってかえってまた激情をそそるというようなこともないのであるというような見通しさえつきますならば、私どもはもう胸襟を開きましてその方々とお話し合いをいたしていきたいと思います。それがまず第一点でございます。 それからかりに御納得いただけないといたしましても、私どもとしましては作ります建物につきまして教育上あるいは外観上あまり影響のないような、施設としてはりっぱな施設を作って参りたい。これはおそらく東京にもないりっぱな拘置施設になる予定でございます。 それから土地を選びますことにつきましてもなるべく人家に直接してない所を特に選んでおるのでございまして、今日になりますと大阪市内になかなか一万坪以上の、まあ二万坪に近い一団地というようなものは、なかなか手に入りかねるのであります。幸い都島の敷地はそういう点から申しましても直接人家にも接しておる所はないのでございまして、その点もいささか皆様の御意思のあるところをそんたくした選択をいたしておるつもりでございます。その他、今の問題の鑑別所等につきましても、真剣に移転の問題を考えまして、なるべく御意思に沿いたいというふうに、実は陰ながら現在は研究申し上げておるのでありまして、公けに申し上げますことはこの席上で初めてでございますけれども……。
○棚橋小虎君 もう一点。そのりっぱなものを作るとか、できたあとでもって、ああいう所へ、今になってみればいい所へ作ったといって感謝されるとかいうことは、それは二の次の問題、結果の問題なんで、今問題になっているのは、決定して、それをそこに作るという前に、どれだけ地元の了解を得たか、また国会がこの意見書を出しておるのに、どれだけこの国会の意見書に対して政府はそれを反省し、あるいはそれに対する適当な方法を考えておるか、どれだけの処置をしておるかどうかということが、今私は問題になっておると思う、結果のことをお聞きしておるのではないのであります。これは何度お聞きしても、どうも地元と話し合いをすることは避けない、だが地元がここへ作らしてくれるということを承知したら話し合いをしようと、こういうようなことがほの見えておるのでありまして、それでは話し合いをしてもちっとも地元ではありがたいことではないのであります。結局政府としては、私はやはり問題を白紙に返して、そうして地元の了解を十分に取り受けるという考えで、誠意を尽して話し合いをするのでなければ、そういう結果もおそらく私は出てこないだろうと思うのであります。そういう点で、私はもうこれはお尋ねをする必要もないが、政府はもう少し民衆の意向を尊重することに対して、そうして一体国会の意見を無視しているじゃないかと、こういう点を、私はやはり了解ができないのでありますので、一応申しておきます。
○宮城タマヨ君 ちょっと私ついでに矯正局長が見えておりますので、ちょっと矯正局長にお伺いいたします。現在大阪の拘置所も私どもの視察に参りました当時は大へんな過剰拘禁で、もう胸が痛みましたですが、あれは少し緩和しましたでしょうか、どうでしょうか、現在もあの通りでございましょうか。
○説明員(渡部善信君) お答え申し上げます。実は大阪の未決の拘禁は、裁判所のすぐ裏にありまする若松町の本所と、もう一つ四条の拘禁所という所に、二つに置いておるのでございます。しかしながら四条の拘禁所は、裁判所からずいぶん離れておるのでございまして、弁護士との面会あるいは家族との面会、その他本人の防御上のいろいろな手段を講じてやりますのに、非常に不便な所でございますので、なるべく本所の方へ置きまして、さような支障の割合い少い者、公判の相当長引いておるような者を、実は四条の拘禁所の方に移しておるのでございます。そんなことで、全体といたしましては参議院の方々のお見えになった当時より百名内外は減っておると思います。しかしながら実際の拘禁状態は、四条の拘禁所が少くなるだけでございまして、若松町の方の拘禁所は、依然として少しも変らない状態が現在までも続いておるのでございます。
○宮城タマヨ君 まだ現在も死刑囚があそこに、あの当時は十人もおりましたが、今もおりますか。
○説明員(渡部善信君) そのまま現在も拘禁を続けております。
○青山正一君 先ほどからいろいろ御意見を承わったわけでありますが、私も非常に納得がいかないわけであります。しかし宮城委員のおっしゃることは、それはまあ非常にもっともしごくのことと存じます。私の国の前例を申し上げますと、たとえば皆さんも御承知のように例の内灘問題、あの問題につきまして地元あたり、あるいは日本全部のそういった立場のお方が非常に反対をし続けてきたわけでありますが、しかしこの政府自体が一週間なり、二週間なりそこに泊り込んで地元と折衝の結果、一つの解決点を見出した、こういうふうな現状で、今はしごく円満にやっていっておるのであります。ところが今のお話を承わりますと、先ほど棚橋委員からいろいろ御質問もありましたが、ほとんどその手を打っていない、ただもう作るのだというその前提のもとに話を進めていく、今までその努力のいわゆる芽というものはほとんどなかった、今からでもおそくはないからして、少くともこの参議院の委員会あるいは衆議院の委員会においてもこの請願が採択され、あるいは参議院の議長自身が後段に書いてあるそういった意図と全然反対の方向に進んでいっておるわけでありますからして、この三つの問題を解決するためにも、少くともその手を打って、たとえばここに政務次官もおいでになる、政務次官も一つ大阪へおいで願って、このいろいろ請願を出している地元の代表者とよく話し合って、ちょうど内灘の問題を解決するごとく、一つ誠意をもって進んでいっていただけば、これはうまく解決するのじゃなかろうかと、こういうふうに考えますからして、一つその手を打っていただくことを特に希望するものでありますが、その御用意を持っておりますかどうですか、その点を承わりたいと思います。
○政府委員(高橋進太郎君) ただいま宮城さん及び青山さん、あるいはほかの委員からもこの問題についてお話がありました。私就任日浅い者で、まだ十分研究しておりませんが、御趣旨の点は十分一つ事務当局の意見も聞き、また大臣とも打ち合せまして、できるだけそうした点に沿うように努力してみたいと幸えておる次第であります。
○委員長(山本米治君) この際お諮りいたしますが、委員外議員の左藤義詮君から本件に関し発言を求められておりますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員外議員(左藤義詮君) お許しをいただきましたので、私大阪の地元の立場から申し上げたいのでございますが、先ほど宮城さんのお話のように、こんなに拘置所というものを、無理解というか、毛ぎらいすることは、私間違っていると思いますが、しかしそれでありまするだけに、もう少し親切に話し合いをすれば、私は解決できるものだと思うのであります。これがこんなにもつれましたのは、先ほど一松委員のお話のように、二転三転をしている。反対があって、最後に都島に持ってこられたということで、非常に問題がこんがらがっているのでありますが、その二低三転する間に、いろいろなうわさが伝えられ、それがまたよけい最後に持ち込まれた都島地元民を刺激しておる、こういうことが一つあります。 それから鑑別所の問題がありますが、これを持ってくるときには、非常に今宮城さんのおっしゃったような理想的なものだ、実際御迷惑かけないというので、非常に法務当局からやかましく言われたので、地元が引き受けたのでありますが、設備等も不十分であるために、いろいろな問題を引き起しまして、宮城さんがお母さん方の誤解だとおっしゃいますが、ほんとうにお母さんが困るような事態が起ってきている。従って、鑑別所を完全にするとか、あるいは今度拘置所を引き受けるからそのときに鑑別所はほかへ持っていくとかということは、予算措置等のこともございましょうけれども、とにかく当局が責任を持ってお話し合いになれば、またその道もつくんじゃないか。ただいま話し合いをすることを挑戦という言葉を使っておられましたが、私は、ほんとうに問答無用で、話し合いをすれば挑戦になるから話し合いもせずに、いきなり原子爆弾をたたきつけるのだというようないき方じゃ困るのでありまして、同じ日本人というお話がありましたが、話し合いをすれば必ず解決ができるので、法務当局は誠意を持って何べんもこの国会の意見書のごとくに御努力願いたいと思うのです。それがほとんど尽されていない。だから、話し合いをすることは、いかにもすぐけんかしにいくんだ、挑戦だというようなことは、私は非常に同じ国民、また地元から出ておる私たちに対しても、御理解のないことだと思うのでありまして、そういうような点、私どもはあっせんもいたしまするし、ただいま高橋政務次官からも御言明がございましたが、ぜひ一つ納得の上で、私はこういう行刑というものに対する国民が非常な理解を持つ、特に拘置所というものに対する理解を持つのに非常にいい機会だと思うのでありまして、その点もう少し、法律を扱われる役所だからすぐ法律でいかれるかもしれませんけれども、そうじゃなしに……。話し合いをすれば挑戦になるからというので、問答無用でやってしまうと、そうすると一方では見張所を設けてにらみ合いをする、もしやってきたら砂川のようにすぐ戦う、そういう無用な刺激をしないようにするのが、私はそれがほんとうの政治だと思うのでありまして、その点、宮城さんのおっしゃったように、大臣ともお話し合いを一つ願いまして、むろん急ぐことではございましょうけれども、しかし私は尽すべき手は尽さなければいかぬと思うのでありまして、今まで二転三転いたしました拘置所のことについては、話し合いはつくと思うのでありまして、この点私は質問じゃなしに、大臣もお見えになりませんから、政務次官からよくお話を願いまして、こういうような地元から非常な誤解のために無用の摩擦を起すようなことがありませんように、一つ最善を尽すように、特にお願いしておきます。
○政府委員(高橋進太郎君) ただいま左藤議員からお話がございましたが、先ほど宮城委員からもお話がありました通り、なかなかこれは全国的にもこうした問題はむずかしい問題でございますが、一方こうした施設自体が、本来ならばやはり地元の深い理解とあたたかい御同情がなければ、その施設自体の運営なりそこの所に入られる方なりが……、これがまた将来運営に非常に支障を来たすのでありまして、そういう観点からも、これは単に土台の上にものを作ったからそれで済むという問題でもございませんので、今の御趣旨を十分大臣に伝えまして、十分この点につきましては万全を期したいと思います。
○宮城タマヨ君 最後に一つ。先ほどからたびたび砂川問題という言葉が出て参りますけれども、私は本質的に考えて、これは砂川問題という言葉を使ってもおかしいというくらいに思っております。内容がまるで違うのです。この大阪の拘置所の問題は古い話で、二十七年ごろからだと思いますが、持ち上って、当委員会でももうすったもんださんざん言ったあげくなのでありますけれども、私が大臣の御出席を要求いたしますということも、大臣が、たびたびではないかしれませんが、確かに地方の人に会っていらしって、その会っていらしったときに、そう心配せぬでもいいよ、だいじょうぶりっぱなものを作ってあげますよというようなことを、それは少年鑑別所についてもおっしゃったかもしれませんが、おっしゃったということで、私が参りましたときなんか、そんなりっぱな建物を、りっぱな刑務所を建ててもらったり、うちらの子供はみなそこに行きたがるから、あんなばかなことを大臣が言うと言って、大へん大臣の言ったことを非難しておりましたから、おそらく大臣がじかに地方の方々にお会いになったと思っております。その点なんかも私は詳しく聞きたいので、今日要求したのでございますけれども、そういう点はあとの機会に譲るとしまして、とにかく今放っておけない、あの拘置所のあの気の毒な状態をどうすればよいかということが私は一番の問題ではないかと思うのです。そこで建てれば、今絶対反対しているあの地区の人だってよくわかりそうなものだというように私は考えておりますのでございまして、これは何とか早く当委員会でもこの問題をけりをつけていただきたいということをお願い申し上げます。
○委員外議員(左藤義詮君) ただいま大臣と地元の代表との会見のことをお話がございましたが、そのときに私も立ち会っておりますのですが、大臣とも、岸本次官ともお会いしましたのですが、そのときに、りっぱなものを建てるから納得しろということもお話はございません。十分考慮するということでありまして、りっぱなものだからもう承知をして帰ったということはございませんです。十分考慮して善処するということでございましたのです。その善処が私はできていないということを申し上げておるのでありまして、その点は一つ、私立ち会っておりますので……。
○宮城タマヨ君 地方民の方は、大臣がりっぱなものを建ってやるとおっしゃったから、そんなものを建てたらと、今私が申し上げたようなことをお母さんたちがおっしゃっておりました。
○委員外議員(左藤義詮君) りっぱなものを建てるからということで皆承知をして納得して帰った事実はありません。
○宮城タマヨ君 それはしないです。ただそういう話が出たというだけです。
○委員長(山本米治君) 本日はこの程度でとどめたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本米治君) それでは本日はこれにて散会いたします。次回は公報をもってお知らせいたします。 午後零時三十八分散会