文教委員会 第7号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/12/06
会議録
○委員長(岡三郎君) それではただいまより文教委員会を開会いたします。 まず委員の異動について報告いたします。 本日三浦義男君が辞任され、石原幹市郎君が選任されました。 以上であります。 —————————————
○委員長(岡三郎君) 教育公務員特例法及び教育公務員特例法第二十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者から提案理由の説明を求めます。
○衆議院議員(赤城宗徳君) ただいま議題となりました教育公務員特例法及び教育公務員特例法第三十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案は、題名の示します通り、二つの法律を改正いたそうとするものでございまして、第一には、教育公務員特例法に一ヵ条を新設するものであり、第二には、昨年衆議院から提出いたしまして成立いたしました教育公務員特例法第三十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律につきまして、その施行後の状況を見ますと、多少の疑義がありますので、その点を明確にするために所要の改正を施そうといたすものでございます。 以下その趣旨を御説明申し上げます。 第一条は、教育公務員特例法の一部改正でございますが、御承知のように、現行の教育公務員特例法が施行されましたときに、公立学校の職員は、すべて地方公務員となったのでございまして、本来はその身分の移転に伴いまして恩給法の適用がなくなるところなのでございますが、特例法第三十二条はこれに特例を設けまして、同法施行の際に恩給法上の公務員または準公務員である者が、引き続き公立学校の職員となった場合には、恩給法が準用されることといたしておるのでございます。ところが、ここに養護助教諭の取扱いについて問題が残されていたのでございます。そもそも養護助教諭の制度は、昭和二十三年十月七日に公立学校職員臨時設置制という政令に基いて初めて設けられたのでございまして、本来なら、その際直ちに当時の恩給法第二十二条第二項の「準教育職員トハ官立又ハ公立ノ学校ノ助教諭ヲ謂フ」という規定を改正して養護助教諭も準教育職員のうちに加える措置をとるべきであったのだろうと思われます。 しかし、これについて適当な措置がとられないでおりますうちに、約三ヵ月後に特例法が施行されてしまいましたので、これらの規定を形式的にのみ読みますと、その当時の養護助教諭は恩給法上の公務員でもなく、また準公務員でもなく、恩給法の準用を受けられないがごとくにも見えるのでございます。ところが、先ほど御説明申し上げました特例法第三十二条第二項及び第三項の規定を見ますと、特例法の施行後は、養護助教諭を恩給法上の公務員または準公務員として取り扱うことを明文で規定しているのでございまして、特例法の施行前と施行後とでは養護助教諭の取扱いについての規定の仕方が異なっておりますが、衡平の観念に照らして考えますならば、特例法の施行の前後によって取扱いを異にすることは是正されなければならなかったのでございまして、現にそれらの者の恩給に関しましては養護助教諭も助教諭の一種と考えられ、恩給法上の準公務員として取り扱っている実情でございます。しかし、この取扱いは法文の上からは必ずしも疑義なしとはいえません。そこで、この際、教育公務員特例法に第三十二条の二として一ヵ条を新設し、養護助教諭は当時の恩給法上の準教育職員の中に含まれるものであることを確認いたそうとする次第でございます。 次に、第二条の学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の改正でございますが、この法律の成立後納一年間の実施上の経験に徴してみますと、この法律の審議の当時は予測されなかったような実情も判明いたしまして、その運用上多少の疑義がありますので、さきに御説明申し上げました教育公務員特例法の一部改正をいたします機会に、これにも次に申し上げますような所要の改正を施しましてその運用の適正を期そうといたしたのでございます。 改正の第一点は、学校看護婦の定義についでございます。現行法では、「昭和四年十月二十九日以後において学校看護婦、学校衛生婦、養護婦等の名称で児童、生徒等の養護に当っていたものをいう」と規定をいたしておるのでございますが、その後調査いたしましたところ、学校看護婦という名称を用いておりましても、実際には、日本赤十字社の看護婦の身分で学校に派遣され、日赤から俸給を受けておりました者や父兄会から俸給を受けていた者などもありまして、昨年現行法を御審議いただきました際にも、このような者は含まれない趣旨であることを御説明申し上げましたのでございますが、この際やはり明文で疑義なからしめる必要があると存じまして、第二条を新設いたしたのでございます。 改正の第二点は、官立または国立の学校の職員についての取扱いでございます。現行法では、学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなしておりまして、恩給法上は準教育職員が教育職員となった場合に準教育職員の勤続年月数の二分の一を通算するという規定だけになっておるのでございます。ところが、官立または国立の学校の養護融通、養護教員または養護教諭は、恩給法上は文官とされておりまして、教育職員として取り扱われておりませんために、学校看護婦が官立または国立の養護訓導、養護教員又は養護教諭となったときには、その学校看護婦としての勤続年月数の二分の一を通算することにつきまして疑義がございますので、これをも明文で規定いたす必要がありまして第一条の第二項という規定を新設いたしたのでございます。 改正の第三点は、在外指定学校の学校看護婦に関してであります。戦争前満鉄や中国における居留民団が設置していました学校のうち、特に指定された学校は 在外指定学校として恩給法上内地の公立学校と同様の取扱いをしていたのでありまして、調査の結果、これらの学校に学校看護婦として勤務していた者が内地に引き揚げて参りまして引き続き在職しておる者のあることが判明いたしましたので、これも明文をもって在外指定学校当時の学校看護婦の在職を準教育職員の在職とみなすことといたし、第三条の規定を新設いたしたのでございます。 以上、本法律案の概要と理由を御説明申し上げた次第でございます。何とぞ御審議の上すみやかに御可決賜わらんことをお願いいたします。
○委員長(岡三郎君) これより質疑に入ります。 念のために申し上げておきまするが、文部省側からは、文部大臣清瀬一郎君、文部大臣官房人事参事官田中彰君が出席されております。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○湯山勇君 提案者にお尋ねいたしますが、本改正案の実施に伴いまして、必要な経費関係を、もしおわかりでございましたら、詳細御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(赤城宗徳君) せっかくのお尋ねでございましたが、本年度該当という人はごく少数といいますか、数人というようなことでありましたので、その正確な数字を実は算出いたしておりません。それほど考える余地をもたんくらい少い額だということだけで実は提案いたしたのであります
○湯山勇君 来年度からは。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 来年度からも毎年ごく数人ということでございます。
○湯山勇君 次に、これに対する政府の御所見の表明があったと思いますが、それはどういう状態であったか伺いたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) 後刻と思いましたが、この際に政府の所見を申し上げます。政府としては、この案の通過には異存ございません。
○湯山勇君 文部省では、これに要する経費はどのくらいと見ておられますか。
○説明員(田中彰君) 所要経費の見積りがどのくらいになるかというお尋ねでございますが、ただいま提案者の方からもお話がありましたが、どのくらいに該当いたしますか、的確なところをつかんでおりません。
○委員長(岡三郎君) この際、念のため申し添えますが、先ほど矢嶋君から要請がありました恩給局の審議官青谷和夫君が見えております。
○湯山勇君 予算を伴う法律には、その予算の見込額を示しておくということにたしかなっていると思いますが、その点はどうなっておったのでございましょうか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 昨年この法律を提出する際に、約年間三百十三万という予算であったのであります。それがこの法律によって漏れたものだけでありますので、現在の予算の範囲内ででき得るごく少い額だというので、法制局とも相談したのでありますが、あえて予算を伴うことにせんでもいいじゃないかという話し合いの上で実はこのまま提出した、こういう事情でございすよ。
○湯山勇君 ただいまの提案者の御答弁によれば、予算を伴わないという解釈で、こういうふうにお出しになったと、それであればこれは閣議の承認は得なくてもいい法律案と思いますが、政府の方は閣議で今文部大臣のおっしゃったような態度をおきめになったのかどうか。
○国務大臣(清瀬一郎君) これはこの前衆議院で異議ないと私が言いましたことで、事務的にこういうことに答えたということを言った手続であります。この案は新たにだれにこういうことをやろうというのでなくて、もともとそういう養護看護婦には恩給を与えるつもりであったのを、疑義があるから疑義を明らかにするという意味でありまするから、新規に全くなかった者に与えるというふうには私解しておらないのでございます。
○矢嶋三義君 関連。法律学者である清瀬文部大臣のただいまの答弁、全く三百代言で、(「ほんとうだ」と呼ぶ者あり)この法律案の内容に賛成か反対かということは別としてこの書類は不備ですよ。これはいずれにしても一円であろうとも、何円になるかわからないが予算を伴う法律なんです。当然この書類にはそれに関して若干の予算を要するとか何か整わなければ形式はこれは不備ですよ。それからまた予算を伴うのでなければ政府の所見なんか求める必要ないわけですから、いずれにしても法制局何と言われるか、これが予算関係の活字を一字も並べてないというのは書類として不備です。 それからまた大臣が、これは不備なので疑義を解明した法律だからという、疑義を解明した、正確な法律でありましょうが、これはやはり別途な予算を伴うものですから、大臣の今の答弁は適当でないと思うのです。どうしてこの予算のことをちょこっと書かなかったのですかなあ。
○委員長(岡三郎君) 質問ですか。
○矢嶋三義君 法制局に聞くのだが、ほんとうをいったら委員長に聞くところですね、議題にされた委員長に。(笑声)
○湯山勇君 それで提案者の方は法制局の方で予算を伴わないというような解釈に立ってということですが、それなら一体なぜ政府の所見をお求めになったか、その辺が私はどうも了解できないので、それならば政府の所見をお求めになった理由これを一つ伺いたいと思います。私は法律には賛成でございますから、そういう不備な点を明らかにしておいてぜひ賛成したいと思いますのでお伺いしております。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 先ほど申し上げましたように法制局と話し合いましたところ、こういうものも初め予算のうちに含んで予算というものは組んであった。いろいろ施行する際に当って疑義が出てきた。現行の予算の中でまかなえる、その額も極端な言葉を使うとエクストリーム・スモールだ、こういうことであったものですから、あえて予算を伴うということにしなくてもいいのじゃないか、こういう打ち合せの結果、落度であったかもしれませんが、新たに予算を伴わないでも現行の予算の中でまかなえる、こういう意味ではそういう手続をいたしました。
○湯山勇君 その点はよくわかるのです。それがわかれば今度は政府の所見を聞かなくてもいいわけですね、そういう御解釈に立てば。それで政府の所見をお求めになった理由がわからないのでお尋ねしておるので、質問はそちらの方なんです。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 実は私の方では政府の意見を求める必要はないのじゃないかと思って政府とは連絡をとらなかったのです。衆議院の委員長の方で意見を聞かれたものですから、大臣が出て答弁した、そのままこちらへも引き継がれたと申しますか、そういうことで私の方では別に文部大臣とか政府の意見というものを聞く手続をとりませんでした。
○矢嶋三義君 ちょっと速記をとめて下さい。
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記やめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記開始。
○湯山勇君 私は答弁を求めるわけではありませんけれども政府の態度ですね、これには非常に疑義があります。それは昨年当委員会において養護学校の教員の給与負担の問題、それから政府がすでに予算化しておる特殊学校の教科書の国庫補助の問題、こういう法律を出しましたときにすでに予算化されているにもかかわらず趣旨には賛成であるけれども、政府としてはこれには賛成しかねる、こういう見解の表明がありました。文部大臣も確かにその実施するについて特例な予算が要らない、要るのもありますよ——要る法律もありましたけれども、要らないものについても一括して政府としては反対だ、こういうことをおっしゃって今度これの場合にはやはり予算が数万にもせよ要ることには間違いない、にもかかわらずこれには賛成だ、こういうことは悪くいえば文部大臣は明らかに衆参両院を差別待遇をしております。あるいは前回そういうことを言ったのを後悔して悪かったという反省に立って今回そういうふうにされた、こういうことならいいんですけれども、きわめて前後ふぞろいだし、またもしそれが大臣が言われるように政府に見解を求めらるべき筋合いのものではないけれども、たまたま質問として求められたのでやったとするならば別に閣議に報告する必要もありません。大臣の言われることは非常に卑怯で閣議にはからなかったじゃないかと言われれば報告をしたと、事後でやったと言われるだろうし、やらないでもいいというなら私一人で答えた、非常に私はその点大臣にも似合わない筋の通らないやり方、筋の通らない御説明だと思いますのできわめて遺憾の意を表明いたします。これは弁解の余地もないと思いますので御答弁は要りません、事実だから……。
○国務大臣(清瀬一郎君) 答弁は要らぬとおっしゃいますけれども……。
○委員長(岡三郎君) 発言を許しておりません。
○湯山勇君 答弁すれば私はずっとこれつきますよ、その通りなんだから。実際私は憤慨しているんだから。
○委員長(岡三郎君) 他の御発言ございませんか。
○矢嶋三義君 この提案理由の最後のページに在外指定学校に勤務されて引き揚げて引き続き在職をしている者のあることが云々ということがありますから、これと関連いたしますので長いことかかりませんから一、二伺いますが、引き揚げ公務員、もちろん教職員を含みますが、こういう方々の恩給年数通算に関連のある地方自治法が去る二十四国会で一部が改正されたのは御承知の通りです。そして細目にわたっては政令によって規定することになって、その政令は去る九月一日ごろ出される予定であったわけですが、そのときは出されていなかったことは私は確認しております。その当時この学校看護婦、養護教諭の場合もそのように、教職員の場合にも幾多のケースがあって、立法精神を生かすためにはよほど漏れのないような綿密な政令を作成しなくっちゃならぬという立場から、文部省と恩給局と自治庁の間で協議され、その自治庁の公務員課の方が主管になって作成を急がれておりましたが、あの政令は出されたか出されないか。もし出されていないとすればいつごろ出されるのかということを承わり、その内容について念のためこれと関連ありますから一、二点伺いたいと思います。まず出されたか出されてないか、それを承わりたいと思います。これは文部省でも恩給局でもどちらでもよろしい。
○説明員(青谷知夫君) それではちょっと申し上げますが、それは実はただいま矢嶋先生お話のように自治庁の公務員でやっておるのでございます。私の方の所管ではございませんが、まだ出てないことははっきりここで申し上げられることであります。
○矢嶋三義君 間接的な関係のある問題ですから私も時間をかけません。ただこれは教育に関係ある職員の恩給支給を公平に合理化するためにこの改正案が出されてきたわけですが、これとこの精神は私は自治法改正の政令を出すに当っては同一のものがとられなくっちゃならぬと思っています。で、この点については文部省の担当官に再三要望もしておいたわけですが、ぜひとも本法で、適用される職員のうち若干の人は引揚者があるわけですが、この引揚者の恩給通算の問題、さらに二十四年一月十二日教育公務員特例法が公布施行されたときに、教育関係者でありながらその身分か都道府県の教育庁の職員であったか、あるいは教育の現場にあったかで、政令の作り方いかんによっては恩給に非常に差異が生じてくるケースがあり、これがずっと議論の対象になってきたわけですが、この点については不合理不公平が起らないように文部当局において格段の努力をされるように強く要望いたしておきます。大臣の方から担当官に特に注意していただくように要望申し上げます。御答弁願います。
○国務大臣(清瀬一郎君) 不公平が起らないようには注意させます。
○委員長(岡三郎君) 他に御発言ございませんか。 別に御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。 これより討議に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。(「討論なし」と呼ぶ者あり)御発言なければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。教育公務員特例法及び教育公務員特例法第三十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡三郎君) 全会一致であります。よって本案は全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。 それから報告書には多数意見者の署名を附することになっておりまするから本案を可とされた方は順次御署名を願います。 —————————————
○委員長(岡三郎君) 次に、継続調査承認要求を議題といたします。 今期国会開会以来調査を行なって参りました教育、文化及び学術に関する調査については、会期も切迫し、会期中に調査を完了することは困難でありまするので、本院規則第五十三条によりまして、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。なお要求書の内容及びその手続は委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(岡三郎君) 次に委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。教育、文化及び学術に関する調査、特に地方教育職員の昇給昇格問題、新教育委員会の運営の実態等について調査のため委員派遣を行いたいと存じまするが、御提議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。つきましては本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を提出しなければなりませんので、その内容手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。 なお継続調査及び委員派遣についてはすでに次期通常国会の召集が二十日に決定しておりまするので、今期国会の会期問題をも考慮すれば、実際に調査できる日数に限りがありまするので、調査不可能な事態至ることも考慮して、以上二件の要求書提出については、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記を起して。 次の議題は昭和三十二年度文教予算でありまするが、その前に内藤初等中等教育局長から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。
○説明員(内藤誉三郎君) 先日、当委員会で問題になりました愛媛県の昇給昇格の問題でございまするが、これにつきまして当委員会より調査の結果を報告するようにということでございましたので、この機会にただいままでの判明したことを御報告申し上げたいと思うのであります。 先般、当委員会でお話がございましたのは、この教職員の勤務評定の問題が一つございました。これにつきまして湯山委員からA、B、C、D、Eの五段階に分けてそれぞれ段階別に一割、二割、四割、二割、一割というふうにそういう勤務評定の仕方をする。人事院が現在やっております勤務評定の仕方によれば頭の方のA、Bをきめることは、一割、二割ときめているのはけっこうだけれども、下の方まで割合をきめるのは行き過ぎじゃないかというお尋ねでございました。これにつきまして愛媛県の実情を調べましたところ、当初においてそういうような考え方もあったかもしれませんが、現在の段階においてはそういう考え方は持っていない、人事院の勤務評定と同様にA、Bをそれぞれ一割、二割ということにきめまして、C以下の段階については割合をきめない、すなわち人事院がやっている勤務評定と同様に勤務評定するということでございます。 それからこの前のお話によりますと七割しか昇給させないということでございましたが、これも事実に反するようでございまして、県当局といたしましてはできるだけ財源のある限り考慮したい。それから七割には固執していない、すでに地方公務員の県職員の方は実施したそうでありますが、この場合にも大体八割近くの昇給をみたそうでありまして七割には固執していない。それから特に教職員の分についてはいろいろ問題もありますので目下折衝を重ねている最中でございまして、本年内に実施することはちょっと困難なようでございまして、年が明けるというような見通しでございますので、まだ具体的のことはきまっていないようでございます。私どもとしてはこの愛媛県の昇給昇格がうまく解決されるように期待いたしているのであります。以上であります。
○湯山勇君 ただいまの内藤局長の御報告はこれは中間報告だと思います。そう了承してよろしゅうございますか。
○説明員(内藤誉三郎君) さようでございます。
○湯山勇君 それじゃ簡単に重ねて要望いたしますけれども、当委員会の要求は、今局長の報告されたような形のものだけではなくて、教職員の勤務評定はいかにあるべきかという実質的のものも含めた御調査を願って報告いただき、さらにそれに対して文部省がどのようなこれを適正化するための措置をとったか、どう努力したかという点も御報告いただくということが委員長を通じて要請されておりまするので、その点についてはまだなかったようでございますが、それらの点もさらにやっていただくことと、それから私ども今聞いているところによれば、確かにC以下についての割合は撤廃したけれども、そのかわりといいますか、各学校別に今度はもっと厳重に、十人おれば一番から十番まで序列をつける、二十人おれば一番から二十番まで序列をつける、だからこれはA、B、C、D、Eの五つに分けてそれで率をきめるよりももっと極端な、階級を人数だけ作って、その階級に当てはめる人数を一人に限定するというふうに解釈されるような行き方をとるようなうわさを聞いております。それからさらにその人数の七割、人数の八割というのは安い人を上げれば八割も九割にもなりますし、高い人を上げればこれは五割、六割になりますので、この辺もただ単に七割ということだけで簡単に御了解にならないように一つ詳細御調査願いたいのと、さらにまた勤務評定は普通は年一回が普通ですけれども、評定の時期と昇給期を合わせるために、昇給の時期ごとに勤務評定をやると、こういうこともありかねないと思いますので、そういうことになっては、前回の局長の御答弁と合わせましても、考え合わせても非常に問題だと思いますから、まあ本年内にはしないと言っても、本年ももうあと余すところわずかでございますから、ぜひ今申しましたような点も含めて重ねて一つ御善処を要望いたします。
○説明員(内藤誉三郎君) ただいまの御要望でございますが、実はその順位をつけるという話を私ども聞いていないのでございまして、実は昨日も愛媛県の財務当局の責任者ともずいぶん懇談をいたしました際にもそういう話はなかったのでございます。で、県当局の方におかれても、相当余裕のあるような態度を見せていらっしゃるので、かりに第一回をやっても、その後の調整は十分考慮するというような意見もございましたし、私どもはできるだけ本問題の円満なる解決を期待し、またできるだけ御相談にも応じたいと考えております。
○湯山勇君 今の局長の御答弁で私は非常に気になるのは、第一回をやっても云々というのは、これはどういうことを意味しておるのか。ちょっと了解に苦しみますが、やることによって問題が起るわけですから、一回やるにしても、二回やるにしても、そういう混乱が起らないように努力するということが局長のこの前の約束であったわけですから、一回やって見て、悪ければ直すと、こういうことじゃなくて、事前に問題が起らないように十分注意をする。それから順位をつけるというようなことは聞いていない。行われなければ非常にけっこうだと思うのですけれども、聞いていないということと、行われないということとは、これは必ずしも一致しないと思いますから、それらの点も十分一つ、先ほど申し上げましたように、御調査いただいて、そして前回のお約束のように御努力を願いたいと、こういうことですから、一つ重ねて御了承願いたいと思います。
○矢嶋三義君 先般調査の結果の報告を求めましたところ、先ほど局長から調査の結果の報告があったわけですが、私はあの報告の言葉の中に重大なことがあると思うのです。それは愛媛県当局は人事院と同様の考え方でこの勤務評定をやるということである。その内容としてAとBだけをワクをきめて、C、D以下は、伝えられるようなワクはきめないそうだというようなことを内容として言われておりますが、人事院については先般本委員会において数回にわたって質疑をしたわけですが、人事院の考えている、また人事院の規定にあるところの勤務評定と愛媛県当局がやろうとしているところの勤務評定は質的に内容が違うということは私は明確だと思うのです。その理由を一、二申し上げますというと、人事院の見解では、給与法に言うところの、昇給させるために必要な良好という条件というものはごく特殊なもの以外は、普通の勤務状況にあるものは昇給させるために必要条件であるところの良好に該当する。そうして昇給と勤務評定とは、全く無関係ではない、若干の関連性はあるけれども、時期的にも違うし、直接関連があるものではない。この二つが最も私は重要な点だったと思うのです。ところが愛媛県当局の場合は、地方財政の規模もございましょうが、ともかく人件費予算の窮迫から一部の者を昇給させない。予算からの必要性に迫られてそういう意図のもとにこの勤務評定をやろうとしているわけで、従ってその責任感とかあるいは情熱というような勤務評定の内容というものは違ってきております。またその昇給させるために必要な条件である良好という点の解釈も変ってきているわけで、一言にして尽くせば教職員というものの特殊性を全く無視した教育予算人件費の一点に立った勤務評定であるというところに私は重要性があると思うのです。ここで皆さん方に私は何も申し上げる必要ないと思うのですが、職工さんであったら物を作るときに、その生産の質とか、あるいはその量とかによってA、B、C、Dもつけられましょう。十人おれば一から十までつけられましょう。しかし人を育成するところの教育者の教職の職務の特殊性から言って、そういうものが容易でない、また不可能だということはこれは私は申し上げる必要はないと思う。愛媛県当局もそれはわかっているのでしょうが、しかしその人件費からの必要からそういうものを考慮しつつあるわけであって、その予算の不足というものとは切り離して、教職員の教育者としての能率を上げるという立場と、それから教職の特殊性という立場から、先般人事院の方が本委員会で述べられた今の人事院の考えている勤務評定並びにその規定に合致したものに私はさせなくちゃならぬと思う。従って私の質問の一点は文部当局は愛媛県当局に対してそれらの点について注意を喚起すると同時に、それを是正するように強力にして適正なる指導と助言をやっていただきたい。これは私の要望であり、質問点です。これは単に愛媛県の問題だけでなくて、これが日本全土の教育界にこういうことが取り行われることになれば、その影響というものはきわめて大きいと思う。おそらく教職員のかたぎというものも私は変ってくるでしょう。これ以上私は申し上げません。こういう事態を招来した点は一にかかって教育予算の貧困からくるのであって、この点については先般来松永委員から質問が展開されているわけでありまして、今国会は本日終りますれば次期通常国会にあって必ず松永委員から質疑を展開され、その実体というものは明確になると思いますが、それはさておき、私どもとしては愛媛県当局に対して、私は先ほど主張しましたような助言と指導を早急にやっていただきたい。要望します。念のため御答弁して下さい。
○説明員(内藤誉三郎君) ただいま矢嶋委員からのお話でございますが、実は給与の関係は御承知の通り、一定の期間良好な成績で勤務した者に対し、予算の範囲内において昇給することができると、こういうことになっておりますが、そこで良好な成績で勤務した者の考え方の問題ですが、これは人事院が認めているように、一つは一定の期間休んだ者、あるいは懲戒処分を受けたような者は当然除外されます。しかしながら予算の範囲内において昇給することができるというのですから、予算がない場合にはどこかで切らなければならないと思います。この切り方の問題がいろいろあると思うのですが、勤務評定を参考にするということは私どもは決して行き過ぎでないと思うのです。 いま一つは勤務評定がこれが不可能だとおっしゃいますけれども、すでに法律で勤務評定をすることになっておりますので、これをやるということは決して私は不当ではないと思うのでございまして、その勤務評定のやり方について、教職員にはそれぞれ特殊性がございますので、一般の公務員とは違った評定方法というものを考えなければならぬ、こういう点で私どもも非常に苦労して参ったのですが、文部省といたしましては、国立学校についてはすでにこれを実施しておりますので、地方が実施されることに対してこれを差しとめるというようなことはすべきものではないし、また法難の通りおやりになることを妨げることもいかがかと思うのであります。従って、この問題について、私どもとしては円満なる解決を期待するということでございます。
○湯山勇君 局長はそんな前後不ぞろいな言を申してもらっては困る。あなたは円満な解決ができるように努力するということを委員会で約束されて、今また私どもとしては期待すると、これは前後不ぞろいじゃないですか。
○説明員(内藤誉三郎君) お話の通り、期待というのは努力を含めて期待しておるわけです。
○湯山勇君 それは逆でないと困る。努力を含めて期待するというようなことじゃなくて、どうも言葉の議論はやめますけれども、言うことはわかっていると思うので、一つしっかりやって下さい。
○矢嶋三義君 その局長の努力するときの方向を誤まらないように私はもう一ぺん要望しておきますが、予算がない場合に切るといっても、切り方がある。それから愛媛県当局がやろうとしているところの内容は、これは教職の特殊性というものをあまりにも無視し過ぎていますよ。それからあなたは、法律の通りにやることを阻止することはできない——法律の通りやることを阻止しようというようなことをあなたには要望いたしません。そういうことはできるわけがないですが、しかし少くとも人事院当局が先般の数度にわたり本委員会で述べられた勤務評定の考え方と、愛媛県でやろうとしている勤務評定の意図と内容とは、相当ズレがあります。ましてや対象が特殊性のある教職員であれば、なお一そうのことです。そういった立場で要望を申し上げているわけですから、湯山委員が言われましたように、ぜひとも一つよりよい方への円満なる解決に努力していただきたい。私が言っているのは無理なことではないと思うのです、正しいと思うのですがね。その点で助言と指導をしていただきたい、かように要望しているのです。
○説明員(内藤誉三郎君) 一番困るのは、予算が不足している点でございますので、私はできるだけ教職員一人でも多くの人が昇給昇格できるように、予算の増額について、財務当局にも、県の教育委員会にも、強く希望し、努力しておるのであります。
○高田なほ子君 まことに、お答えとしては了とするわけでありますが、非常に迫力に欠けております。迫力に欠けていることをあなたに責めても、これは仕方がないことでありますが、私は若干内藤局長のその御努力の点について意見を持っているのです。もしかりに自分の子供を受け持って、日ごろ親も尊敬し、子供も尊敬しているその先生が、学校の中で二十位という、席順をかりにきめられたとしたら、これは明らかに劣等教員というレッテルを張られているものです。教員自身の勤務意欲というものがそのこと自体によって欠けていく。そしてまたそういうことは、わからないようであっても自然にわかってくるものであって、こういうことが放任されるならば、教育効果そのものを否定する結果になるのではないか。単にこの昇給という問題ではなくて、教育効果の面に非常な悪影響を及ぼしてしまう。こういうような残酷なことが予算の関係で許されるということは、これは私も教育者の経験を持つ一人の端くれとして、容認できないという気持に今なっておるわけなんです。こういう切実な気持に対して、大へん内藤局長のお答えがあまりに迫力を欠いておる。また、文部大臣もここに御同席でありますので、私がこの教育に及ぼす暗い影響というものに切実な悩みという以上の、むしろ憤慨をさえ覚えておるということに対して、これは十分御認識を願わなければなりません。それと同時に、円満な解決ということは、単にこのごたごたを解決するということではなくて、いかにしたならば子供の上に暗い教育的な影響を与えないか、いかにしたならば教育者の勤労意欲というものを盛り立てていくかというところに重点が置かれなければならない。そういうことのためには、文部大臣を初め文部省あげて愛媛県のこの一つの氷山の一角としての問題の解決をはかる、こういうような私は熱意が燃えてしかるべきだと思う。この意味において、局長の御答弁を決して了としないわけではありませんが、幸いに大臣も御同席でありますので、私の意見に対して、この解決に対する善処の方針というものを大臣に明確にしていただきたい、このように考えるわけであります。
○国務大臣(清瀬一郎君) 内藤局長の言葉に迫力がなかったというまあ御批評でございまするが、言葉の使い方いかんにかかわらず、内藤君の今言ったように熱心にやろうと思っております。(湯山勇君「けっこうです」と述ぶ)
○加賀山之雄君 今の問題ですが、これは高田先生の言われたことももっともだと思いますが、結局やはりそういう順位がつけられないみなすぐれた教育者であることが望ましいけれども、しかし事実上はやはりあり得ると思うのです。この判定は非常にむずかしい。これは工員や事務と違いまして、確かにむずかしいのだが、そこの基準というものを、私はこういう問題こそ、文部省でよくりっぱなものを勉強していただいて、一応やる場合には誤まらないようにやっていただく。これは私は、そういうことで昇給なんかに差ができることがかえってよいのだと、いい人を奨励することになり、教育の効果が上るもとになるので、それをおそれてはいかぬ。これは生産工場であれ、教育であれ、僕は問題は同じであると思う。もちろん、教師の素質をよくすることには、これは文部省、地方教育委員も骨を折ってもらわなければなりませんが、全部が適格者であり、教育がりっぱなものになるということが望ましい。しかし実情は、これはどうもやむを得ないだろうと思うのですね。私も内藤君の言ったことは決して間違っていないと思うので、迫力がないというお話だったけれども、あまり文部省迫力持ち過ぎると、指導助言をやり過ぎると、しかられますから、その点はお気をおつけになった方がよいと思います、これはよけいなことですが……。
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記を始めて。 それでは暫時休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 —————・————— 午後二時五十九分開会
○委員長(岡三郎君) 休憩前に引き続き文教委員会を再開いたします。 初めにただいま持たれました委員長理事打合会の決定事項を報告いたします。 まず先に委員派遣についてでございますが、この件については、先般委員長に一任ということになっておりまするが、念のため協議いたしました。その結果島根、鳥取、岡山一班、千葉、茨城、福島一班、新潟、群馬一班、以上合せて三班編成といたします。なお委員の割当は、自民党三、社会三、緑風一と決定いたしました。 次に、本日の委員会の運営について協議をお願いいたしましたが、次のように決定いたしました。まず請願を審査し、続いて四時を目途として、三十二年度文教予算を審議するということであります。以上、委員長理事打合会の決定事項を報告いたしました。 —————————————
○委員長(岡三郎君) 次に、当委員会に付託されておりまする請願第六号外十四件を、便宜一括して議題といたします。 審査の順序は、お手元に配付してございます整理表の順序によることといたします。専門員から説明を行います。 速記をとめて。 午後三時二分速記中止 —————・————— 午後三時三十六分速記開始
○委員長(岡三郎君) 速記再開。 お諮りいたします。ただいま審査いたしました請願第七十七号、第百十七号、第百十八号、第百十九号、第百三十一号、第百八十三号、第百九十六号、第三百十九号、第六号、第五十号、第百四十九号、第百六十五号、第二百九十九号を議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(岡三郎君) それでは次に昭和三十二年度文教予算を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。 なお念のため申し述べますが、文部大臣はお探ししたのですが、院内におるということはわかったのですが、その他不明でありますので出席をいただけません。なお説明員として文部省初中局長内藤君、初中局財務課長安嶋君、総務参事官斉藤君、管理局長小林行雄君、以上が出席しております。
○矢嶋三義君 その前に、この請願に関して一言だけ承わりたいと思います。公立学校施設関係の請願の中に、学校用地の問題が数点あるわけですが、これについてこの機会に一言承わりたい。と申しますのは数年前本委員会において環境整備の問題が大きな問題として取り上げられたときに注目されたことは、学校を新築、新設する場合にその土地の選定についてはいろいろ条件があるけれども、一たび学校ができてしまうというと学校の用地の近くに極端に言うならば売春宿ができても、あるいは騒音を発する映画館ができても何らこれを規制することはできない、それでは非常に困るからぜひとも建てられた学校の近くの環境を守る意味において何らかの規制をしなければならぬということが当時の委員会の総意で、文部当局も努力されるということであったことを私は想起するのです。ところが最近各地で学校のすぐ隣に映画館ができるとか、あるいは病院ができるので非常に教育上困るという問題が全国各地で起っておりますが、その後そういうような規制は文部当局でやられたのかどうか、またやろうとしたのであるけれども他の法規との関連でやれなかったのかどうか、その点管理局長から承わりたいと思います。
○説明員(小林行雄君) お答え申し上げます。御承知のように学校の校舎も含めてでございますが、建築物につきましては建築基準法というものがございまして、これに基いていろいろ構造上の制限があるわけでありますが、同時にまたあわせて環境についての多少の規定があるわけでございます。現在は御承知のように文教地区というものをこれに基いて設けることができるというふうになっておりまして、東京都内でも文教地区として設定されている地域もございます。そういうような文教地区として設定されました地域におきましては、たとえば非教育的な建造物などは作れないということになっております。他の都市におきましても、そういう文教地区の設定ということができれば非常にいいんじゃないかというふうに私どもも思っておるわけでございます。それ以外に特に教育環境を守るための特別の法的措置というものは現在まだできておりません。
○林田正治君 今の矢嶋委員の質問について私も非常に同感を持っておるのであって、せっかくほんとうに学校敷地として適当なる場所を選定した、あるいはまたずっと昔よりこの地区は学校地区として、いわゆる今のお話の文教地区として適当であると世人も一般も認めておったところに、今お話の通り映画館の問題あるいは売春地区の問題というようなものが——われわれの知るところによると、いわゆる商業地区というような建物のある場合、あるいは住宅地区になっておるという所によっておのずから違って、せっかくの文教地区が結局騒音地区になったり、あるいは風俗を乱す地区になるという例は多々あると思いますので、今のお話の東京都の文教地域の問題はこれはどういう法によってできるものであるか、おそらく国の法律によらずして、あるいは東京都の条例というか、そういうような問題によって解決される問題ですか、今までの実例を一つ承わってみたいと思います。
○説明員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、現在では建築基準法という法律がございます。この法律の条文の中に文教地区の設定ということもございまして、文教地区としてある地域を指定いたしますと、その地域内においては、たとえば今お話の中にもありましたような売春業のためのいろいろな施設を作っていくということはできないということになっておるわけでございます。
○林田正治君 もう一つ今の請願の問題と同じでありますが、一つは学校校舎の運動場、あるいは校舎の地域の問題ですから、これの選定が御承知の通り今日は地価が相当暴騰いたしまして、この地域、土地の買収費だけでも、あるいは所によっては校舎の建築費と相匹敵するような場合さえもなきにもあらずであります。ところが地域の問題になりますと、補助金の補助のいわゆる目標にもならなければ、あるいは起債のワクにも入らないということでは非常に各地方とも学校の建設に悩んでおりますから、この問題を請願にもあります通り十分に考えていただきたいのでありますが、せめて現在地方で困っておる地域の問題、運動場あるいは校舎の地域の問題についてのいわゆる起債のワクというようなものに対して、文部省はどういうようにお考えになりますか、これは何とか解決の見込みはありますか。
○説明員(小林行雄君) この請願にもございますように、校舎を建築するための土地の買収費に相当多額の金がかかるということは私どもも実は承知をいたしております。ことに大都市等非常に土地の高い所では非常に困っておるようでございます。ただ私どもといたしましては、現在のところ御承知のように、校舎を建設する補助金を獲得するのに非常に手一ぱいでございまして、なかなか土地まで実は手が回りかねているわけでございますが、私どもといたしましても、できれば——これは自治庁の所管でございまするけれども、起債の対象にしてもらいたいというふうに考えているわけでございまして、前にも実は連絡をいたしたこともあるわけでございますが、今後もその点についてはできるだけ努力をいたします。
○矢嶋三義君 これはまた他日やります。
○野本品吉君 関連して。今林田さんの方から出た問題で、私年来考えております点でございますが、まあ、校地の整備、校舎の増改築その他が地方自治団体の非常に大きな負担になって、財政窮乏の地方団体というものはやりたいけれどもできない、非常に共通な大きな悩みになっているわけであります。そこで従来の文部省等の考え方は大蔵省に折衝して大蔵省でなかなかうんと言わない、そこだけねらっておったと私は思うので、新しくほかに金の融通のつく道を研究すべきである。そこで私はここ一、二年前から保険会社にこのことを強く呼びかけているがなかなかその道を開いてくれません。しかし戦前のことを考えますと、町村で校舎の増改築をする場合に簡易保険の金を低利長期の融資をした。それからしてそのほかにも一般の民間保険会社もそういうことをやった。で、戦後日本の保険会社というものに力がつかなかった時代はこれはやむを得ませんけれども、最近の保険会社というものは相当な蓄積を持っていると思うのです。で、先般参議院の本会議におきましても中小企業の金融対策として保険会社からの長期低利の融資をということがありましたが、私はこういう新しい方面に目をつけて、校舎、校地の整備等のために市町村に長期の低利資金の融通の新しい道を開拓すべきである。こういうふうに考えているのですが、そういうことをお考えになったことはありませんか。
○説明員(小林行雄君) 実は災害等の復旧の場合には大蔵省のあっせんによりまして、簡易保険関係の積立金を融資してもらうというようなことも従来あったわけでございますが、しかし一般のいわゆる保険会社の積立金を土地購入費なり、あるいは校舎の建築費に使うということは文部省としては従来考えておりませんでした。もしこれができることでありますれば、校舎の建築促進にもなると思いますので、十分調査、検討してみたいと思います。
○野本品吉君 最近の一流の保険会社の状況を見ますというと、そういう方面に新しい窓を開いてはどうかというようなことが社内でさえもある程度声が起っていると私は見ております。ただしばらく途絶しておりましたから新しい道を開くために慎重な態度をとっているということなんで、簡保にしろ、民保にしろ、結局地方の零細な資金が中央へ集まってくる、その中央へ集まった金というものが中央の大きな問題のためのみ役立っていることをまあ非常に私は遺憾に思っている。従って地方の大衆から集めた金を地方の大衆のために還元するということは会社の事業方針としても考えなくてはならぬと思うけれども、同時にそういう問題につきまして政治的にも道を開くことに努力すべきである、かように考えるわけです。ぜひこの点についてただ大蔵省にのみすがって振り切られているばかりでなしに、新しいそういう道の開拓の可能性が逐次現われてきている時期になっておる。こう考えますので、特にこの点についての御研究と努力を私は希望いたします。
○説明員(小林行雄君) ただ御承知のように一般の生命保険会社は一つの事業会社でございまして、もし融資をそちらの方から受けることができましても、利率等が非常に問題になると思います。学校のような公共の建物をそういった利子の比較的高い融資で建築をするということが実現の可能性があるかどうかということも問題でございますし、また、大蔵省の起債の抑制方針、起債の制限の方針とも十分検討してみなければならぬと思いますが、文部省としても今のお尋ねは十分調査をしてみたいと思っております。
○松澤靖介君 私文教委員といたしまして数日ここにいろいろと皆さん方の御意見なり、御質問を承わりまして、それに対する文部省の答弁、あるいは抱負といいますか、御所信なりを承わったのでありますが、私自身の受け取り方といたしまして非常にその態度というか、しっくりしていない、ただおざなりの御答弁にすぎないような点が多々あると思います。この前の委員会のときにも、この予算の資料についてもう少し詳しく提出すべきじゃないかという意味において出されたのでありますけれども、私本日定時制教育振興会、あるいはその他僻地教育振興会、あるいは教育長からのいろいろの資料を手に入れて参ったのですが、それによりますと、非常にその方面の人たちが三十二年度文教予算について詳しい資料をお持ちになっておる。しかしながら、われわれ文教委員として予算を審査する上において、はなはだおざなりの資料を出しておるということは、その点那辺にあるのか、これは私といたしまして非常に了解に苦しむのであります。他の団体には詳しく提出しておる。それにもかかわらずわれわれが最も真剣に審議しなければならぬ職責にある者が、これに対しまして非常におざなりの資料を提出するということは、先ほどのお話しによりますと大蔵省に対するところの折衝段階において非常に不都合になるから、さようにしなければならぬというようなお話しでありますが、しからば他の外郭団体、あるいは教育長などに漏らしているところの資料というものは、大蔵省の折衝に遺憾な点がないのかどうか。私はそれらの点に対しまして文部省当局の御態度といいますか、それらの点をお伺いしたいと思います。
○説明員(天城勲君) 明年度予算概算要求の資料問題でございますけれども、一応文部省全体の予算は私のところで総括いたしておりますけれども、御要望のある筋がいろいろございますけれども国会に提出した資料以外に、別個に今おっしゃるような詳しい資料というものを他へ出しておりませんので、教育長その他でどういう資料を持っておられるか、私もつまびらかにいたしませんが、私どもの立場から文部省として公けに出しております資料は、国会の資料以外のものはございませんので、御了承を願います。
○松澤靖介君 われわれといたしましていろいろの点、たとえば今まで御質問になりました昇給の問題とか、定数の問題とかいうことは、要するに教育の水準をいかにして確保すべきか、いかにしたら低下させないで済むかというような、さような点だと思います。なおまた、文教委員会そのものの来年度予算、皆いろいろな面に対する御意見も承わって、そうしてそれに対処するというような、この予算の編成があってしかるべきじゃないかと私は考えております。それらの点につきましてもお互いに協力し合って、何かわだかまりのあるような、すなわちおざなりの、その場限りの答弁で済まさせるというような、かような態度でなければ、けっこうですが、あるような気がしてならないのでありますが、それらのことがないように、文教委員の方々も、あるいは文部省のそれらの職責にある人もお互いに協力して、国家の文教というものを向上させるということに尽すべきではないかと考えております。今まで、この予算編成の前において、われわれがまだそれに加わらない前において、この文教委員の方々に対して予算編成に対して御相談なさったことがあるかどうか、それを承わりたい。
○説明員(天城勲君) 御質問の趣旨をあるいは取り違えておるかもしれませんので、違っておりましたら、おっしゃっていただきます。私たち予算の編成は時間的に財政法できまっておりますので、ある一定の時が参りますれば事務的の手続はいたしますが、内閣の予算編成方針、あるいは来年度どういう点に重点を置くかというような問題がきまりましてから、最終的な予算の内閣全体、あるいは各省の方向というものはきまるわけでございますが、本年度は御承知のような状況で、まだそういう時期に至っておりませんので、いわば事務的に例年の例によって折衝しておる段階でございまして、外務に対して予算についての方針、その他について御説明をしたり、御相談をする時期にまだ至ってないと思います。
○松澤靖介君 ただいまの御答弁によりますと、皆さん方の御意見を拝聴する段階に至ってないということでありますが、われわれといたしましては、いろいろ御質問申し上げたり、希望を申し上げておるのですが、さような段階にある場合においては、もうすでにおそい時期になるのではないかと、私は憂えるものでありますが、その点に対してはどうですか。
○説明員(天城勲君) ただいま申し上げましたように、今日の段階では内閣の最終予算編成方針はきまっておりません。いわば事務的の手続は進めておりますが、この間に臨時国会が開かれていろいろ貴重な御意見を拝聴しておるわけでございまして、正式の検討の際には、皆さんの御意見は十分考慮さるべきものだと思います。
○松澤靖介君 文部大臣がおりませんので、私皆さんの答弁では満足できない点が出て来ると思います。私どもといたしまして、文部大臣の、たとえばあの五日の戦術といいますか、あの退庁の問題に対しましてのああいう文部省のやり方というものは、私は果して妥当な線であるかどうか、さような点に非常に疑問を持つものであります。林田委員から先日道徳教育の問題につきましてお話があったのですが、われわれといたしましても、ごもっともなことだと存じます。文部大臣の御答弁によりましても、高遠な道徳を掲げてやるということも一つのねらいかもしれませんが、しかしながら、私ども自身といたしましては、教師自身、すなわち国家のあの義務教育を担当しておるところの、崇高な職責を果さんとするところの人々に対しましての一つの私は愛というものがなければならない。すなわち最高の責任者として愛の精神を持って指導してやるのが、私は当然なことじゃないかと思います。すなわちそうすることが一つのモラルじゃないかと、かく考えておりまして、それによってこそ、義務教育が振興し、向上するのではないか、すなわち人に対するところのやり方について文部大臣として、あるいはまた、文部省の方々が少しく考えが違っておるのじゃないか、あるいはまた人として見ておらないのではないか、物として見ておるのか、私はこの点について非常に疑問とするのでありまして、これに対しまして局長さんですか、非常にあたたかきいわゆる愛の精神を持って、最高の責任者といたしまして、国家の重要な義務教育を担当せられる人々に対しまして、今後導いていかれる、あるいはお考えなさる御意思であるかどうか、それをちょっとお伺いいたします。
○説明員(内藤誉三郎君) ただいまの御質問でございますが、私は義務教育が、わが国教育の根幹である最も大切なものという認識のもとに、教職員の待遇を確保し、職務に安んじて専念できるように努力して参りたいと考えております。
○委員長(岡三郎君) ちょっとここで時間をいただきたいと思いますが、ただいま文部省会計参事官天城君の方より、先般湯山委員から質疑がありました実習船の件について、発言を求められておりますので、許したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡三郎君) 天城参事官の発言を許します。
○説明員(天城勲君) 先般当委員会で、湯山先生から御質問ございました、水産共同練習船建造のことにつきましての請願が、先国会で採択された、これに関する文部省の態度の御質問がございましたので、お答えしたいと思います。請願の中にもございますように、実習船を持っておりません水産関係の大学の学部、あるいは学科がございまして、これがわが国の水産業の現状に適応するように、まあ、教育上の問題、研究調査等も行う必要から、共同実習船を建造したら、こういう御請願の趣旨はわれわれもごもっとものことと存じております。ただ、請願の内容でございますけれども、これによりますと非常に多額の予算を伴うことになっておりますし、また、この建造を共同実習船の使用目的に合う建造計画という問題と、それから建造したあとの運営管理というような問題につきまして、なお私たちとして検討してみたいと考えておる問題が含まれておりますので、それらの問題の点につきまして、関係の専門の方々とも十分検討いたしたいと、こう存じておるのが現在の態度でございます。
○委員長(岡三郎君) 他に御発言ございますか。
○松澤靖介君 なお昇給の問題についても、もう少し具体的に、あるいは具体的にならんかもしれないが、申し上げたいと思いますが、実は昇級のストップに対しましての、若き教員がいかに悩んでいるかという一つのことを申し上げまして、御参考にしたいと思います。すなわち、自分が就職がやっとできたという非常な喜びになっておったその時代においてストップされた場合において、自分の生活設計というものをやはり立てていると存じます。そのような場合において昇給がストップされた、自分は来年度において、自分の愛するところの妻を迎えて、一家をかまえるというような場合において、昇給のストップによって、自分の生活設計というものがそこに破壊される。そういうことによって非常な将来に対する希望というものが、この若き教職員に対して失望を起させるというようなことは、私は非常に重大な問題じゃないかと、かく考えているものであります。皆さん方はすでに妻帯されている人ばかりが文部省におられるとは限らないと思います。さような意味において、せっかく来年度は一家をかまえるという場合において、でき得ないというような状態になった、あるいはなるというような、かような場合において、皆さん方がもっと強く強く昇給という問題に対して関心されまして、そうしてできるだけさようなことのないように、御尽力お願いしたいと、かく考えているのでございまして、これに対してなお重ねて内藤局長の御所見を承わりたいと思います。
○説明員(内藤誉三郎君) ただいまのお話し、まことにごもっともでございまして、私どもも先般来いろいろと質疑の内容によりまして、昇給昇格が完全にできるように何らかの措置を講じたい、そのため最善の努力をするつもりでおりますので、しばらくその結果の出るようにお待ちいただきたいと思います。
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記を始めて。
○松永忠二君 今の松澤君から文教委員会の持ち方とか感じ方というような点についてお話がありましたのですが、そのことをただ簡単に私はやはり同じような御要望を申し上げ、一つ今後お互いに努力をしていきたいということだけを申し上げたいわけですが、それは今松澤さんからお話しのあったように、たとえば資料にしても、ややわれわれが要望する資料よりも非常に簡略であるというようなこと、あるいはたとえば教育長の持っている来年度の教育予算の状態の把握であるとか、あるいは私どもの関心もあって、定時制の人たちが予算を取りたいために、内容について把握している内容等も非常に詳細をきわめているというようなことなんかも、これはうそでなしに事実だと私は思うわけです。そういう点もあって、とにかく文教委員にもなったので、そういう点についてできるだけの詳細な資料をほしいという気持は、私は率直な気持であると思うわけです。 それからまた、これもこれから将来やっていくうちにいろいろ出てくるわけだと思うのでありますが、政府委員の御説明についても、ぜひ一つ今後速記をしたのでは話ができないというようなことがあるならば、速記をとめてでもやはり重要事項についてはお話をしていただく、そうしてそこで懇談をするというようなことで、できるだけその努力の点を明確にしていくというようなことが必要ではないか。そうしてまた、文教委員会全体の運営の中でも、私は単に政府の答弁を求めるというだけではなしに、相互に出てきた問題を委員会自身が懇談の形で十分に深めていく。そうして文部省だけの努力でできないものについては、相互に責任を分担して文教の予算問題等や、あるいはその他の問題について努力をしていくという態度が必要ではないか。何か対立したものがここにいて、お互いに抵抗し合うというような空気のただようということは、まことに妥当でないというような気持を、私ども自身も出てきて初めて、こういうところが議会の委員会であるかという感じを受けたわけであります。委員会というものは、日本の文教関係について相互に文部省と、委員が努力をして水準を高めていくために、われわれの尽すべき点を一つ十分尽していくというようなことのために持たれているというふうに、われわれは考えておるわけであります。そういう点についてわれわれの足らざるところは十分に反省をして、いかなければできないけれども、今お話しのあった松澤さんの御意見等も、率直に私も同時に持っている気持であるので、今後一つ政府の方々にも御努力を願って、また私は社会党でありますけれども、与党の方々、あるいは緑風会の方々にもそういうふうな運営についての御考慮や御配慮をぜひ一ついただきたい。文教委員長を中心にしてぜひ一つ日本の教育予算を高めていきたい、あるいは教育行政の面に進展をはかっていきたい。しかし、問題によっては意見を対立するのであって、そういう点については、十分に意を尽すけれども、共通の一つ場所をしっかり相互に見詰めて問題を解決していきたいという気持を私も持っておりますので、たまたま松澤さんから文教委員会の運営についての話が出てきましたので、私も簡単に御要望申し上げて、これで私は終りたいと思うのであります。安部さんから御発言もあるようでありますので、ぜひ安部さんにお願いしたいと思います。
○安部清美君 私も前二者と同様で、初めて議員となり、文教委員となって文教委員会の運営の実態を見て、前二者と同様の感じを持っておる一人であります。われわれはもっとざっくばらんに実態を文部省当局にも出していただくし、われわれも思う存分のことを言って、そうしてわが国文教の振興に資するという仕事を持っておるのじゃないかと思うのでありますが、今までの姿を見ておりますと、どうもほんとうのことを、ほんとうにわれわれにお示しになろうというような考え方ではないのじゃないかというような感じさえ私どもは持つのであります。これが今までの実態であるとするならば、私はそういう考え方を捨てていただいて、ほんとうにわが国の文教の実態をここに出していただいて、そうしてその振興にわれわれが寄与するように努力さしていただきたいと考えるものであります。さっきからわれわれ委員と文部当局との間のことも出ておりましたが、私はこれは日教組と文部省との関係においても言えるのではないかと思うのであります。今回の問題のごときはまことに遺憾なことでありますが、これについても文部当局と日教組当事者とが真剣に懇談し、そうしてやっていただくことによって、私はある程度のことはやっていけたのではなかろうかというような感じさえ持つのであります。 本日は時間もありませんから、私は三十二年度予算については、いろいろ御質問申し上げたいことがございますけれども、前回定数の問題についていろいろ論議され、局長からそれについてのいろいろ明確なお答えが出ておったようでありますが、私はきょうは給与の問題、昇給の問題について特に御質問申し上げ、御意見を伺いたいと思うのであります。私も最近まで福岡県の教育委員長を五、六年務めて参ったのでございますが、この給与の現在の実態というものは私どもが知っている限りにおいても、容易ならない姿であると思うのであります。先般矢嶋委員の質問に対して、大臣はその根本解決策は政治的の解決によらなければならない。いわゆる地方財政をある程度根本的に改める方向に持っていかなければ解決はできない。これは私どももいささか地方教育行政に携わっておった者として同感であります。しかし、だからといってそういうことが早急にできようとは私は思わない。とすると現在の実態を考えてみると、そういうことが待っておれない実態である。私が知っている限りにおいても、私の県においてもそうでありますが、二十九年度も三十年度、三十年度のごときは福岡県並びに九州各県もそうだと思いますが、いわゆる額面だけの増俸であって、いわゆる全額の寄付をやつ、ております。三十一年度においては全部ストップしておる。考えてみても、先生方がささやかながら俸給が上るという期待権を持っておるところの増俸が、二、三ヵ年間もできないということを考えてみまするときに、私はこれはいわゆる現場を守っておる先生方に喜びと希望とを与えるものではない。ことに、その他の実態をまた考えてみますると、いろいろもう文部当局では御承知のことと存じますけれども、いわゆる増俸の欠格条項としてあげられているものを一々われわれ検討してみると、実に気の毒な条項が多い。たとえば夫婦共かせぎのものについては延伸をするとか、あるいは恩給受給者などについては延伸をするとか、ストップをするとか、はなはだしいのになりますと、産休のごときについても特別の扱いをしておる県もある。こういう実態が全国の姿であるとするならば、私はこういう状態に置かれておる教師が、ほんとうに喜んで教育に熱情を捧げることができるだろうかと思うのであります。この実態を見ておる文部省がこのままにして、それは地方の問題だからということで、このままにしておいていいものであるか。私は大臣の言われたように根本の解決策はこういうことだということで手をこまねいて見ておるのは、あまりに教育界は荒れよという姿であると思うのであります。私はここにおいて内藤局長にお伺いしたいのは局長は長く文部省におられ、私どももずいぶん御厄介になったのでありますが、すっかり全国の教育界の実態を御存じのはずである。この昇給問題に関する限り、明らかに惨たんたる姿になりつつある全国の姿に対して、決して手をこまねいて見ておられるはずはない。とすれば今までどういう手を打ってこられたか。現在どういう手を打ちつつあられるのか、将来どうお考えになっておられるのか、先ほど申し上げたように、まずざっくばらんにひとつ実態をお示ししになり、局長のお考え方をお聞かせ願いたい。これがまず私の第一のお伺いであります。
○説明員(内藤誉三郎君) ただいまお述べになった点について、最近特に昇給昇格が完全にいかない、さらに未実施のところもあり、あるいは延伸しておるところもある。非常に教育界にとって困った事態であるということは全く同感でございます。これをどういうふうにして解決するかということで、本日まで文部省も、一つは御承知の通りに義務教育国庫負担法の成立によりまして、府県が出したものの半額は必ず保証するという制度をとっておる。これは東京、大阪、神奈川の三県、いわゆる富裕団体、これを除いては一応問題は解決したものでございまして、この前には実は比較的な富裕団体、当時福岡もそれに入っておったはずでありますが、そういうものは一定の金額、定員と定額をかけたものしか国は負担をしない、国の負担の限界をきめておったわけです。この政令の改正によりまして、今度は福岡の場合も全部実績の半額参ることになったわけです、これでも福岡県はおそらく一億以上はたしか財政的に余裕が出たと思うのであります。もちろん私どもそれだけでは十分とは思っておりませんが、現在の負担法の建前から言いますならば、ともかく府県が出せば必ずその半額は保証する、こういうことになっておりますので、この負担法の制度面においては私は非常にけっこうだと思うのであります。ただ残りの半分の地方負担分がどういう財源措置をされるか、ここに一番問題があるわけでございます。その残りの半分の財源措置については、御承知の通り地方税と交付金でまかなわれておる。ですから交付金の一つは地方税の税収の過不足とさらに交付税の配分の問題になってくると思うのです。この交付税の配分をできるだけ適正にするように、自治庁と私どもは交渉しておるわけですが、配付基準については今も折衝を続けておるわけでございますが、そして各県にできるだけ公平に各県の財政能力に応じて、適正な教育規模ができるような、そういうふうに一つ交渉をしておるのであります。しかしそれにもかかわらず、まだこういう事態が起きてくるということは、地方財政が貧困でありながらも、私どもは地方財政が貧困の中においても、義務教育の一定の水準は絶対に確保したいという固い決意を持っておるのであります。そこで今私どもは一つは定数の問題として、この前お話したような標準定数の問題を研究し、これを自治庁とも打ち合せているのであります。 もう一つの給与の問題、これをどういうふうにするか、給与の実態をみて標準給与と申しますか、そういう点も一つ研究してみたい。つまり職員構成としてどういう職員構成が望ましいか、職員構成の実態を洗い、給与の実態を洗って標準給与のようなものを研究してみまして、何らかの方法によってこの義務教育の水準を維持したいという私どもは熱望を持ち、またそのために最善の努力をするつもりでおります。
○安部清美君 今の局長の答弁は、前回御質問になった方にお答えになったことと大同小異であると思うのでありますが、私はその義務教育費の国庫負担についての取扱いについて、今日とやかく言おうとは思っておらんのであります。ただ実態がそういうことであるにもかかわらず、実態が今日のような状態になっておる。その原因に対して文部省が、地方教育委員会を指導して、そうして今日のような状況にならないようにおやりになる意図、そういう考え方、並びにそういうことをおやりになったことがあるのかどうか、こういう点について私はお伺いしたいのであります。というのは、私ども教育委員会としてやって参りましても、御承知のように県の教育予算の大部分は人件費で占めております。だから勢い県の財政がだんだん困難になれば、その人件費に手を加えてくるのは、これは当然のことであります。ここに今日の問題が起っておると思うのでありまして、私はこういう点について文部省の協力なり、やはり指導が必要であろうと思うのであります。この点についておやりになったことがあるかどうかということを承わりたいのであります。
○説明員(内藤誉三郎君) 予算の特に義務教育の場合には、義務教育国庫負担法の関係で負担金が成立しますれば、それによって文部省の考え方というものを地方にお示しして、それに即応するような地方の予算の編成を指導していくわけでございます。ただ、今お話しになった点ですね、地方財政の中で圧迫されるという問題は、どうしても私は地方のあとの残りの半分の問題を何らかの方法で解決しなければならぬと思います。それから同時に何らかの方法で解決できないならば、さっき申しましたような定数とか、給与というようなものをもう少し洗って、その面から指導して参りたい、そうでないと、負担金の方は実績収入でございますから、出てきたものの半分というのですから、まあ一番今の国が出している負担金の中では、最優先に扱っている補助金制度なんであります。ですからこの面を直すよりは、他の面において義務教育の推進というものを維持するような方向を考えているわけでございます。
○委員長(岡三郎君) 他に御質疑ございませんか。
○矢嶋三義君 約束は四十分までですから、もう時間がないわけですが、私はこの際に文部省の、言葉は少し強いかもしれんが、若干反省、再考慮を願いたいと思うのです。それば先日来松永委員が定員の問題について、今の窮状を解明質疑されました。さらに先ほど安部委員の質疑を承わっておりますと、昇給昇格の問題は男女差別待遇をしたり、あるいは独身者と共かせぎを差別したり、きわめて不完全な惨たんたる状況にあるということが一部解明されたわけです。こういう事態というものは、日本の教育水準を維持向上させるに当ってはまことに遺憾なことだと思います。で、その責任は文部省にあげてとは言いませんが、相当多くおいかぶさっていくことは、これは明白だと思うのであります。文部大臣あるいは所管局長において努力されていることを、私は否定するものではございません。しかしその努力はともかくとして、成果が伴っていないということは、これまた認めざるを得ないと思うのです。こういう窮状下に、全国の教師並びに教育関係者が、教育を守り、その水準を向上させるという立場から、教育予算の確保の問題、あるいは教師の立場に立つならば、具体的に地公法四十六条に基く勤務条件に関する措置の要求とか、あるいは同法五十五条に基く交渉権の発動によって、要望、要求をするということは、私は、これは自然の姿だと思う。かような公務員の姿というものは、単に教職員に限らず、国家公務員、あるいは若干性格は違いますが、公企労方面にも、ずいぶんとかような要求、要請の姿というものは見られるわけです。これが今の日本の政治、経済、社会の環境下に置かれた一つの私は歴史に残る特色だと思う。こういう問題については、文部大臣としては、あたたかい心と、それから適正なる指導力をもって問題の解決に努力されなければならないのにもかかわらず、どうも私は最近のこの文部省のやり方というものは、やや弾圧的な警察行政化する傾向を私は帯びてきておると思う。たとえば昨日の全国の教職員の勤務条件に関する措置要求の仕方につきましても、末端においては、教育委員会当局と十分話し合い、納得の上で取り運ばれる、あるいは父兄の不満もなく、その御協力と御理解の上に子供の教育上に支障がないようにして取り運ばれておるにもかかわらず、中央官庁の文部省は、その実態を把握することなく、この一片の、きわめて不十分なる法文解釈によって、次々に談話を発表するとか、通達を出すとかいうような、威嚇的な態度に出られていることは、まことに私は遺憾千万に思います。私は昨日の事態について全部調査しておりませんけれども、しかし、新聞とかラジオとか、あるいは全国の通報を持っている諸君に聞いてみると、教育委員会と十分話し合いをやっておる、あるいは父兄の納得の上に、支障がないように取り運ばれておるにもかかわらず、あなた方はその内容を十分つかむことなく、単に威嚇的な、弾圧的な立場をとられるということは、今後私はこの全国五十万の教職員を指導していかれるという立場からは、まことに私は遺憾だと思う。こういう文部省の態度というものは、先ほど新たに本院に当選してこられました三委員が、この委員会を通じての文部省とわれわれ議員との間に感ずるところがあるというものと相通ずると思う。こういう点については、私は心静かに反省し、再考慮を願いたいと思います。 それで時間があと四分でございますから、私は念のために承わりますが、初中局長は、昨日の全国の教職員の勤務条件に関する措置の要求の仕方について、警察の力を借りてこれを調査し、措置するということを発言されたということを私は承わったんですがね、先ほどもあなたに私はその点ひそかにただしたわけですが、あなたが初中局長として、全国の都道府県教育委員会に対して、その調査の結果を求めるということは許されておることです。しかし、事、教育者の問題について、警察力を利用して、警察に依頼してそういう実態を把握するというような考え方が、もし文部省にあるとすれば、私はこれは遺憾なことだと思う。さなきだに、私は言いたくないけれども、あえて言わざるを得ない。文部省には文部省生え抜きの文部官僚がおる。それと内務省畑の内務官僚系統の対立がある。あるかないか知りません。これは私はそういうことは言わない。しかしそういう声は教育界初め、ちまたにずいぶんとある。しかも教育畑に育った文部官僚が、内務畑の官僚、特に警察畑の人によって、次々とそのポストを追われつつある。これは文部省の性格を近き将来に変えていくであろうという批評、杞憂かもしれませんが、心配されておるところの教育関係者というものは相当にあるのです。あるいはおそらく私は局長の耳に入っていると思うのですが、そこで私は伺いますが、明確にお答え願いたいと思います。初中局長は、そういう事態の調査に警察力を利用しようとか、これに依頼しようとかいうようなお考えがあるのかないのか、これは愚問になるかもしれませんが、私は重大だと思いますので、明確に一つ承わりたいと思います。
○説明員(内藤誉三郎君) ただいまの矢嶋委員からの御質問でございますが、私どもは一定の指令によって、執務時間中に教育を放棄していくことが、いかに教職員の措置要求といっても、適切な方法ではないと考えておるのでありまして、教職員が措置要求されることを私どもは一向に否定していないのであって、それは正しい行為であると思っております。ただ、私どもは、あくまでも学校を放棄することのないように、教職員の自重を要望したのであります。それから私が警察力を頼んで調査した、こういう事実はございません。従って私の方は、昨晩の七時、八時までかかりまして、できるだけ各県の教育委員会から情報を取ったのでありまして、その情報を取ったのが、本日の各紙に文部省側の情報というものが出ておるわけでございます。で、さらに詳細な調査を取りたいと考えて、各県の教育委員会に依頼をいたしておりますので、その詳細な調査が参りませんと、事実の詳細が判明しないのであります。
○委員長(岡三郎君) 矢嶋君、簡潔に願います。
○矢嶋三義君 あと三分しかありませんから、簡潔にやります。都道府県教育、委員会によりますと、私直接承わった人もあるんですが、このたびの文部省の態度については、びっくりしておるんですよ。われわれのところでは何も問題がない。先生方にも、子供を犠牲にしないようにということを話しておるし、うちの県の教組の幹部はよくわかっておって、そういうことはしませんと言っておる。何も問題がないと思っておるのに、中央でわいわい言うので、全く面くらう、こういうことを直接私に話した人もある。どういうわけなんですか、地方で問題にならずに、円満に良識をもって運んでおることを、その実態を把握することなく、たとえば東京都だったら、水曜日の午後は先生方が皆で会議をするようになっておるというんですが、そういう事態もあるわけですけれども、それなのにかかわらず、どういうわけで文部省はああいう問題をクローズアップするような騒ぎ方をするのか、私はどうも納得いたしかねるわけでございます。何か政治的な圧力か意図を持っておるんじゃないかと邪推せざるを得ないんです。ということは、きょうも請願の中に政治的中立の問題というものが出てきたんですが、私はあのとき、あえて発言をしたわけは、今度教育委員が任命になりました。県によると、都道府県の委員の構成を、うまく任命した首長もおります。しかし自治体によりますと、完全にある政党が選んで、自治体の首長に、有無を言わせずこれを議会に提案させて、そうしてこの委員を任命した自治体も現にあります。そういう所の地方教育行政というものは、今や完全に、ある地方の政党の幹事長の意のままに動いている。これを政治的偏向と言わずして、何を政治的偏向と言うか。そういう事態が先般の法の改正によって行われつつあるわけです。この動きというものは、最近中央においても現われつつ私は一部あるように看破しておるわけですが、今後も問題がまあ起る、この問題とは別個に事態が起った場合に、文部省の態度というものは、よくその実態を把握されて、そうして適正なる措置をとっていただかなければ、混乱とマイナスを招来するだけだと思いますので、この点特に私は要望しておきたいと思うのです。 で、もうあと一分しかないですから、重ねて伺いますが、失礼かもしれませんが念のために伺いますが、局長が警察に依頼しまして、警察の力を借りて調査をするというようなことを言わなかったと言うのですが、もしそれをあなたが口外したという事実があったら、いかがいたしますか。念のために伺っておきます。責任をとられますか。
○説明員(内藤誉三郎君) 私は頼んでないことは頼んでございませんので、だれがどう言われても、そういう警察力を使って調査しようという考えは持っておりませんです。従って先ほども申しましたように、県の教育委員会を通じて事情の詳細なる調査を依願したいと考えております。
○矢嶋三義君 これで終ります。が……、
○委員長(岡三郎君) 簡潔に願います。
○矢嶋三義君 そういうふうな場合には、いやしくも文部省の局長の発言というものは非常に響きが大きいわけなんですね。それだけに、私は失礼ながらあえて承わっているわけですが、あなたが警察力を云々ということをもし言われたとしたならば、私の答弁に対しては責任をとっていただけましょうか、どうか。その点私は念のために承わっておきたいと思います。
○説明員(内藤誉三郎君) それはどういう意味のお言葉だか私はよくわかりませんが、それはいろいろな方面からいろいろなニュースは入ります。ですからそのニュースが、こちらから、特別な計らいでやってやったかどうかという点にもかかると思います。従ってそれぞれの所管の省で、それぞれの事業をしておりますので、いろいろな点からニュースが入りましても、それは別の問題だと思います。従って私が今後したいと思いますのは、教育委員会を通じて詳細な調査をする、こういうことでございまして、ただいまの矢嶋さんのお話に対する私の態度は、それから以後の問題にしたいと考えております。
○矢嶋三義君 時間も参りましたから、やめます。
○林田正治君 私に一分間許して下さい。
○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(岡三郎君) 速記をつけて……。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会 —————・—————